JPWO2020110985A1 - 耐火構造物の設計方法、耐火構造物の施工方法、及び耐火構造物 - Google Patents
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Abstract
Description
本願は、2018年11月27日に、日本に出願された特願2018−221045号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
構造物では、火災時に床の撓みを抑える等の耐火性能を高めるために、鉄骨造の柱、梁に耐火被覆を施す場合がある。耐火被覆を施された柱は、耐火被覆柱となる。耐火被覆を施された梁は、耐火被覆梁となる。
柱及び梁に耐火被覆を施すのには多大な労力を要するため、耐火被覆を省略することが望まれている。
耐火被覆柱部材301は、耐火被覆が施された柱部材である。減耐火被覆柱部材302は、耐火被覆柱部材301よりも耐火被覆が削減された柱部材である。
耐火構造物300の平面視において、複数の耐火被覆柱部材301及び複数の減耐火被覆柱部材302が、幅方向E1及び奥行方向E2にそれぞれ互いに間隔を空けて並べて配置されている。複数の耐火被覆柱部材301及び複数の減耐火被覆柱部材302は、全体として格子状(grid)に配置されている。この際に、減耐火被覆柱部材302に対して幅方向E1及び奥行方向E2にそれぞれ隣り合う柱部材が耐火被覆柱部材301となるように配置されている。梁部材303は、格子状に配置された複数の耐火被覆柱部材301及び複数の減耐火被覆柱部材302同士を接合している。
以上のように構成された耐火構造物300において、耐火被覆柱部材301では、外気温が常温の通常時だけでなく火災時においても剛性及び耐力が維持できる。一方で、減耐火被覆柱部材302では、通常時において剛性及び耐力が維持できるが、火災時においては剛性及び耐力が維持できない。火災時において、減耐火被覆柱部材302の剛性及び耐力が無くなるとみなされる。
図31において、隣り合う耐火被覆柱部材301を結ぶ中心線M1上に配置された合成スラブ304を、以下では線上スラブ304aと言う。耐火被覆柱部材301、減耐火被覆柱部材302、梁部材303、及び合成スラブ304は、通常時だけでなく火災時においても重力の影響を受ける。
線上スラブ304a以外は上下方向E3の位置が保持されないため、合成スラブ304の各部分は、線上スラブ304aから離間するに従い、合成スラブ304に作用する重力により下方に向かって移動する。このため、火災時において、合成スラブ304は、線上スラブ304aを中心として上方に向かって凸となるように湾曲する。
湾曲した合成スラブ304では、コンクリートが圧縮力を受け、スラブ筋が引張り力を受けることで、合成スラブ304が曲げモーメントB1に耐える。合成スラブ304は、合成スラブ304に作用する重力に曲げモーメントB1により抵抗する。
このとき平面視において、スラブ314は、第1基準線C1及び第2基準線C2の少なくとも一方により、床部314A,314B等に区画される。床部314A,314B等は、平面視において矩形状である。床部314A,314B等は、隅部が柱315により欠けた形状になることのない、設計上の区画(設計区画)である。
平面視において、床部314A,314B等が備える隅部は全て、複数の柱315に重なるように配置される。
各大梁は、柱部材に架設されている。複数の大梁は、小梁に対して略直交させて設けられる一対の直交大梁と、小梁に対して略平行に設けられる一対の平行大梁とを有している。直交大梁及び平行大梁の何れか一方の大梁(以下、第1大梁と言う)に、耐火被覆が施される。直交大梁及び平行大梁の何れか他方となる大梁並びに小梁の耐火被覆は、第1大梁に施された耐火被覆よりも削減される。小梁は、複数の大梁で取り囲んだ内側に設けられる。床スラブは、大梁及び小梁の上方に設けられる。
耐火構造物の構成が多様化する中で、床部の形状が矩形状とは異なる多角形状であっても、床部が一定の耐火性能を維持できることが望まれている。なお、ここで言う床部の耐火性能とは、火災時に床部の撓みを抑えることや、床部の曲げ耐力よりも外力が大きくなることを抑えることを意味する。
(1)本発明の第一の態様は、耐火被覆が施された複数の耐火被覆柱と、耐火被覆が施され、前記複数の耐火被覆柱を互いに接合する複数の耐火被覆梁と、引張力伝達部材を含むスラブから区画された床部と、を備え、平面視において、前記複数の耐火被覆柱のうち前記スラブの周囲に位置する前記耐火被覆柱を耐火被覆された外柱と規定し、前記複数の耐火被覆柱のうち前記耐火被覆された外柱以外を耐火被覆された内柱と規定したときに、平面視において、前記床部は、前記耐火被覆された内柱の中心と前記耐火被覆された外柱の中心とを通り前記スラブの周囲に達する第1中心線、及び前記耐火被覆された内柱の中心同士を通る第2中心線の少なくとも一方により区画された前記スラブの一部分であり、平面視において、前記床部は矩形状とは異なる多角形状に形成され、平面視において、前記床部が備える隅部は全て、前記複数の耐火被覆柱に重なるように配置され、前記複数の耐火被覆梁は、全体として環状に形成され、前記床部の周囲は、前記複数の耐火被覆梁により下方から支持され、前記床部の平面内で互いに交差する方向を第1交差方向、第2交差方向と規定したときに、前記引張力伝達部材は、前記床部の前記第1交差方向の端部間の引張力、及び、前記床部の前記第2交差方向の端部間の引張力をそれぞれ伝達する耐火構造物を設計する耐火構造物の設計方法であって、構造計算を行うことにより、前記スラブ、前記スラブを下方から支持する複数の梁、及び前記複数の梁を支持する柱の配置を決定する構造決定工程と、前記スラブから区画された前記床部の周囲を、前記梁に耐火被覆を施した前記耐火被覆梁により下方から支持させるように設定する耐火仕様決定工程と、を行う耐火構造物の設計方法である。
(3)前記(1)に記載の耐火構造物の設計方法では、前記耐火仕様決定工程において、前記床部は平面視で矩形状とは異なる多角形状であると仮定し、前記床部の圧縮の主応力が、予め定められた応力閾値を超えるか否かを判定する判定工程を行ってもよい。
(10)前記(8)又は(9)に記載の耐火構造物では、前記床部における周囲以外の部分には、前記耐火被覆梁は接合されなくてもよい。
(11)前記(8)から(10)のいずれかに記載の耐火構造物では、ISO 834−11:2014に規定された加熱曲線に基づいて加熱されたときに、所望の加熱時間における前記床部の撓みの最大値が、(1)式で定められた閾値K(m)未満であってもよい。
K=(L+l)/30 ・・(1)
ただし、Lは前記床部の前記平面に沿う第1スパンの長さ(m)であり、lは前記床部の前記平面に沿うとともに前記第1スパンに交差する第2スパンの長さ(m)である。
火災時には、床部に作用する重力等により、床部の平面視における中央部が下方に向かって凸となるように撓む。しかし、いわゆるメンブレン効果により、床部の周囲が耐火被覆梁により支持される。そして、床部が撓むことにより伸びた引張力伝達部材が第1交差方向及び第2交差方向にそれぞれ引張力を伝達することにより、床部の中央部が支持される。従って、床部の形状が矩形状とは異なる形状であっても、耐火構造物を一定の耐火性能に維持するように設定することができる。
火災時には、床部に作用する重力等により、床部の平面視における中央部が下方に向かって凸となるように撓む。しかし、メンブレン効果により、床部の周囲が耐火被覆梁により支持される。そして、床部が撓むことにより伸びた引張力伝達部材が第1交差方向及び第2交差方向にそれぞれ引張力を伝達することにより、床部の中央部が支持される。従って、床部の形状が矩形状とは異なる形状であっても、耐火構造物を一定の耐火性能に維持することができる。
火災時には、床部に作用する重力等により、床部の平面視における中央部が下方に向かって凸となるように撓む。しかし、メンブレン効果により、床部の周囲が耐火被覆梁により支持される。そして、床部が撓むことにより伸びた引張力伝達部材が第1交差方向及び第2交差方向にそれぞれ引張力を伝達することにより、床部の中央部が支持される。従って、床部の形状が矩形状とは異なる形状であっても、耐火構造物を一定の耐火性能に維持することができる。
火災時には、床部に作用する重力等により、床部の平面視における中央部が下方に向かって凸となるように撓む。しかし、いわゆるメンブレン効果により、床部の周囲が耐火被覆梁により支持される。そして、床部が撓むことにより伸びた引張力伝達部材が第1交差方向及び第2交差方向にそれぞれ引張力を伝達することにより、床部の中央部が支持される。従って、床部の形状が矩形状とは異なる形状であっても、耐火構造物を一定の耐火性能に維持するように設定することができる。
火災時には、床部に作用する重力等により、床部の平面視における中央部が下方に向かって凸となるように撓む。しかし、メンブレン効果により、床部の周囲が耐火被覆梁により支持される。そして、床部が撓むことにより伸びた引張力伝達部材が第1交差方向及び第2交差方向にそれぞれ引張力を伝達することにより、床部の中央部が支持される。従って、床部の形状が矩形状とは異なる形状であっても、耐火構造物を一定の耐火性能に維持することができる。
火災時には、床部に作用する重力等により、床部の平面視における中央部が下方に向かって凸となるように撓む。しかし、メンブレン効果により、床部の周囲が耐火被覆梁により支持される。そして、床部が撓むことにより伸びた引張力伝達部材が第1交差方向及び第2交差方向にそれぞれ引張力を伝達することにより、床部の中央部が支持される。従って、床部の形状が矩形状とは異なる形状であっても、耐火構造物を一定の耐火性能に維持することができる。
前記(3)に記載の構成によれば、例えば判定工程において、床部の圧縮の主応力が応力閾値を超えない場合がある。このような場合に、床部の圧縮の主応力が応力閾値を超えない耐火構造物の構成を、短時間で設定することができる。
前記(10)に記載の構成によれば、床部における周囲以外の部分に接合された耐火被覆梁により火災時に床部が拘束されるのが抑えられる。これにより、床部に生じる圧縮による面内応力を小さくすることができる。
前記(11)に記載の構成によれば、床部のメンブレン効果が効果的に発揮される。従って、床部が下方に向かって撓み難くすることができる。
以下、本発明に係る耐火構造物の第1実施形態が用いられる建築物を、図1から図28を参照しながら説明する。
図1及び図2に示すように、この建築物1は、複数の耐火被覆柱11と、複数の耐火被覆梁16と、複数の減耐火被覆梁26と、床(スラブ)31と、を備えている。なお、図1以下では、耐火被覆柱11及び耐火被覆梁16に、ハッチングを付して示している。
図1に示すように、各耐火被覆柱11は、上下方向Zに沿って延びている。複数の耐火被覆柱11は、上下方向Zに直交し互いに直交(交差)する第1交差方向X及び第2交差方向Yにそれぞれ互いに間隔を開けて並べて配置されている。
ここで、平面視において、複数の耐火被覆柱11のうち、床31の周囲に位置する耐火被覆柱11を耐火被覆された外柱11Aとも言う(規定する)。複数の耐火被覆柱11のうち、耐火被覆された外柱11A以外を耐火被覆された内柱11Bとも言う。耐火被覆された内柱11Bは、平面視において床31の中央部に位置する耐火被覆柱11である。
図1及び図2に示すように、耐火被覆梁16は、直線状に形成され、水平面に沿うように配置されている。耐火被覆梁16の両端部は、他の耐火被覆梁16及び耐火被覆柱11にそれぞれ接合されている。耐火被覆梁16は、複数の耐火被覆柱11を互いに接合している。
図1に示すように、複数の耐火被覆梁16のうちの一部である耐火被覆梁16Aは、第1交差方向Xに沿って延びている。複数の耐火被覆梁16のうちの他の一部である耐火被覆梁16Bは、第2交差方向Yに沿って延びている。複数の耐火被覆梁16のうちの残部である耐火被覆梁16Cは、端部が耐火被覆梁16A,16Bにそれぞれ接合され、第1交差方向X及び第2交差方向Yに対してそれぞれ傾斜している。
複数の耐火被覆梁16は、複数の耐火被覆柱11により下方から支持されている。
なお、耐火被覆梁16に、RC、SRCが用いられてもよい。
例えば、耐火被覆梁16におけるロックウール等の耐火被覆の厚さを、「吹付けロックウール被覆耐火構造 施工品質管理指針(ロックウール工業会 吹付け部会)」に準拠して設定する。耐火被覆梁16に1時間耐火が要求される場合には、耐火被覆の厚さを25mmとする。同様に、耐火被覆梁16に2時間耐火が要求される場合には耐火被覆の厚さを45mm、3時間耐火が要求される場合には65mmとする。この場合に、減耐火被覆梁26における耐火被覆の厚さを、それぞれの耐火性能に応じた耐火被覆梁16における耐火被覆の厚さの1/10〜1/2程度とする。
減耐火被覆梁26は、耐火被覆梁集合体16Dにより囲まれた領域R1内等に配置されている。
減耐火被覆梁26の両端は、複数の耐火被覆梁16に接合されている。
例えば、デッキプレート32は、鋼板を曲げ加工して形成されている。デッキプレート32は、複数の耐火被覆梁16及び複数の減耐火被覆梁26上に配置されている。
コンクリート33は、上下方向Zが厚さ方向となる板状に形成されている。コンクリート33には、デッキプレート32の形状に対応して下方に向かって突出した凸部33aが形成されている。例えば、凸部33aは、下方に向かうに従い漸次、第1交差方向Xの幅が狭くなる。
各第1鉄筋35は、第1交差方向Xに沿って延びている。各第1鉄筋35は、コンクリート33(床31)の第1交差方向Xの端部間の引張力を伝達する。すなわち、各第1鉄筋35は、コンクリート33の第1交差方向Xの第1端部と、コンクリート33の第1交差方向Xの第1端部とは反対の第2端部と、の間にわたって延びている。そして、各第1鉄筋35は、コンクリート33の第1端部と第2端部との間に作用する引張力を、コンクリート33の第1端部と第2端部との間にわたって伝達する。複数の第1鉄筋35は、第2交差方向Yに互いに間隔を開けて配置されている。
同様に、各第2鉄筋36は、第2交差方向Yに沿って延びている。各第2鉄筋36は、コンクリート33の第2交差方向Yの端部間の引張力を伝達する。複数の第2鉄筋36は、第1交差方向Xに互いに間隔を開けて配置されている。
以下では、第1鉄筋35及び第2鉄筋36の構成の詳細について、第1鉄筋35を例にとって説明する。
図3に示す第1変形例のように、第1鉄筋35Aが、鉄筋片37a,37bと、鉄筋片37a,37bの端部同士を連結する連結鉄筋37cと、を備えてもよい。鉄筋片37a,37b及び連結鉄筋37cは、第1鉄筋35と同様の材料で形成されている。
鉄筋片37aの端部と連結鉄筋37cの第1端部とは、溶接により形成された溶接部38により接合されている。鉄筋片37bの端部と連結鉄筋37cの第1端部とは反対の第2端部とは、溶接部38により接合されている。
図5に示す第3変形例のように、第1鉄筋35Cが、鉄筋片37a,37bと、番線(針金)39と、を備えてもよい。鉄筋片37aと鉄筋片37bとは、予め定められた必要長さ重ねられた状態で、番線39により結び付けられている。鉄筋片37aと鉄筋片37とは、付着(bonding)により、互いに接合されている。
図6に示す第4変形例のように、第1鉄筋35Dが、鉄筋片37a,37bと、機械式継手40と、を備えてもよい。機械式継手40は、カップリング等である。機械式継手40は、鉄筋片37a,37bの端部をそれぞれ挟み付けることにより、鉄筋片37aと鉄筋片37bとを接合している。
第2鉄筋36は、第1鉄筋35と同様に構成されている。
なお、鉄筋34が備える第1鉄筋35の数は特に限定されず、1つでもよい。鉄筋34が備える第2鉄筋36の数は特に限定されず、1つでもよい。
第1交差方向X及び第2交差方向Yは、床31の上面である平面31a内で互いに交差する方向である。
ここで、H形鋼18の上フランジ18aにおける、平面視において床31の中央部側の端縁を、端縁18a1と言う。上フランジ18aにおける端縁18Aa1とは反対側の端縁を、端縁18a2と言う。ウェブ18cの第1交差方向Xの中心を、板中心18c1と言う。
例えば、コンクリート33の第1交差方向Xの端は、端縁18a2に一致している。
第1交差方向Xにおいて、第1鉄筋35の第1交差方向Xの端は、平面視における床31の中央部側から端縁18a1に達している。第1鉄筋35のこの端部は、第1交差方向Xにおいて板中心18c1に達していることがより好ましい。
床31の第1鉄筋35及び第2鉄筋36と耐火被覆梁16との位置関係は、床31から区画される後述する床部31A,31Bに含まれる第1鉄筋35及び第2鉄筋36と耐火被覆梁16との位置関係と同様である。
第2中心線C7は、平面視において耐火被覆された内柱11Bの中心同士を通る線(線分)である。第2中心線C7の第1端は、一対の耐火被覆された内柱11Bのうちの一方の中心に位置する。第2中心線C7における第1端とは反対の第2端は、一対の耐火被覆された内柱11Bのうちの他方の中心に位置する。
具体的には、床31は、2本の第1中心線C6及び1本の第2中心線C7により、第1床部31Aに区画されている。床31は、2本の第1中心線C6により第2床部(床部)31Bに区画されている。床部31A,31Bは、中心線C6,C7の少なくとも一方により区画された床31の一部分である。
ここで、第1床部31Aの周囲に配置される2本の耐火被覆梁16A、及び2本の耐火被覆梁16Bを、耐火被覆梁集合体16Eと呼ぶ。耐火被覆梁集合体16Eは、全体として、平面視で環状に形成されている。
第1床部31Aの隅部は全て、複数の耐火被覆柱11のいずれかにより下方から支持されている。
第1床部31A、4本の耐火被覆柱11、耐火被覆梁集合体16E、及び複数の減耐火被覆梁26のうち第1床部31Aを支持する減耐火被覆梁26Aにより、第1耐火構造物51Aが構成される。
第2床部31B、4本の耐火被覆柱11、耐火被覆梁集合体16D、及び複数の減耐火被覆梁26のうち第2床部31Bを支持する減耐火被覆梁26Bにより、第2耐火構造物(耐火構造物)51Bが構成される。なお、図2では、第1耐火構造物51Aと第2耐火構造物51Bとの境界を、実線で示している。
この例では、第2耐火構造物51Bは3本の減耐火被覆梁26Bを備えている。
第2耐火構造物51Bを構成する4本の耐火被覆柱11の内側には、他の耐火被覆柱11は配置されていない。第2床部31Bにおける周囲以外の部分には、耐火被覆梁16は接合されない。第2床部31Bの周囲に全周にわたって結合された耐火被覆梁16A,16B,16Cの内部に配置された梁は、全て減耐火被覆梁26である。減耐火被覆梁26は、第2床部31Bを下方から支持している。
K=(L+l)/30 ・・(6)
ただし、Lは、第2床部31Bの第1交差方向X(第1スパン)の長さ(m)である。lは、第2床部31Bの第2交差方向Y(第2スパン)の長さ(m)である。L及びlは、第2床部31Bの平面31aに沿う方向の長さである。
この閾値Kは、前述の非特許文献1に記載された床の撓み制限値である。
なお、第1スパンは、第1交差方向Xの長さに限定されず、第2床部31Bの平面31a内での方向(平面31aに沿う方向)の長さであればよい。第2スパンは、第2交差方向Yの長さに限定されず、第2床部31Bの平面31a内での方向であって、第1スパンに直交(交差)する方向の長さであればよい。
なお、閾値はこれに限定されない。
まず、図8に示すステップS1において、予め応力閾値を定める。例えば、応力閾値は第2耐火構造物51Bに用いられる材料の設計基準等に基づいて定められる。
ステップS1が終了すると、ステップS3に移行する。
梁56は、耐火被覆梁16及び減耐火被覆梁26から耐火被覆を取外した梁である。複数の梁56は、床31を下方から支持する。柱57は、耐火被覆柱11から耐火被覆を取外した柱である。複数の柱57は、複数の梁56を支持する。
この例では、構造物52は、第2耐火構造物51Bに対して柱57(耐火被覆柱11)を1本多く備えている(以下、柱57Aとも言う)。柱57Aは、構造物52が既に備える複数の柱57のうちの3本の柱57とともに、平面視で所定の矩形状の各隅部に重なるように配置されている。柱57Aは、複数の減耐火被覆梁26となる梁56の端の近傍に配置されている。
構造決定工程S3では、例えば、床31の自重及び床31に作用する荷重から、複数の梁56及び複数の柱57の仕様、及び配置を決定する。
構造決定工程S3が終了すると、ステップS5に移行する。
この例では、まず、耐火仕様決定工程S5において、平面視で矩形状(所定の形状)に区画された第1床片31Cを第2床部31B1とする。この際に、火災時に第2床部31B1によるメンブレン効果が発揮されるように、複数の梁56の少なくとも一部に耐火被覆を施して第2耐火構造物51B1を設計する。ここで言うメンブレン効果とは、火災時において、荷重が作用する床部を、耐火被覆梁及び引張力伝達部材により、床部の中央部が下方に向かって凸となるように撓んだ形状に保持する効果のことを意味する。
この例では、第2床部31B1の周囲が、全体として環状に形成された複数の耐火被覆梁16により下方から支持されるように設定する。第2床部31B1が備える隅部は全て、複数の耐火被覆柱11に重なって配置されるように設定する。梁56の長手方向の一部に耐火被覆を施すことで、梁56から耐火被覆梁16B及び梁片56Aが形成される。
耐火仕様決定工程S5が終了すると、ステップS7に移行する。
この例では、第2床部31B1の周囲の一部である周囲部分31C1で、圧縮の主応力の最大値が生じたとする。そして、この圧縮の主応力の最大値が応力閾値を超えると判定されたとする。この場合、判定工程S7の後で、構造決定工程S3に移行する
次に、耐火仕様決定工程S5において、図12に示すように、第2床部31Bが第1床片31C及び第2床片31Dからなる形状に区画されると仮定する。第2床片31Dは、第1床片31Cの周囲部分31C1に連なる。平面視において、第2床片31Dは三角形状である。平面視において、第2床部31Bは、台形状である。
耐火仕様決定工程S5では、床31から区画された第2床部31Bの周囲を、梁56に耐火被覆を施した複数の耐火被覆梁16により下方から支持させるように設定する。複数の耐火被覆梁16は、全体として環状に形成されている。第2床部31Bが備える隅部は全て、複数の耐火被覆柱11に重なって配置されるように設定する。
また、本実施形態の設計方法では、耐火仕様決定工程において、第2床部は平面視で矩形状とは異なる多角形状であると仮定してもよい。この場合であっても、判定工程において床部の圧縮の主応力が応力閾値を超えない(NO)と判定されれば、設計方法の全工程が終了する。
図13に、火災が発生していない通常時における第2耐火構造物51Bの分解斜視図を示す。なお図13及び後述する図14では、第2耐火構造物51Bを簡略化して示している。具体的には、図13及び図14では、第2耐火構造物51Bの減耐火被覆梁26を1つだけ示している。
図13に示す通常時には、第2床部31B、減耐火被覆梁26等に作用する重力、静荷重等により、第2床部31B、減耐火被覆梁26等に下向きの外力F1が作用する。
一方で火災時において、図14に示すように、第2床部31Bの平面視における中央部が下方に向かって凸となるように撓む。しかし、いわゆるメンブレン効果により、第2床部31Bの周囲が、全体として環状に形成された複数の耐火被覆梁16により支持される。第2床部31Bが撓むことにより伸びた第1鉄筋35が、第1交差方向Xの引張力F2を伝達する。第2床部31Bが撓むことにより伸びた第2鉄筋36が、第2交差方向Yの引張力F3を伝達する。すなわち、第2床部31Bは、第2床部31Bに作用する重力等に引張力F2,F3により抵抗する。
従って、第2床部31Bの中央部が、複数の耐火被覆梁16及び鉄筋35,36により第1交差方向X及び第2交差方向Yにそれぞれ支持される。
引張領域R5は、第2床部31Bの平面視における中央部に形成される。圧縮領域R6は、引張領域R5の周辺に形成される。
このように、本実施形態の第2耐火構造物51Bと特許文献1の耐火構造物とでは、火災時に生じる効果が異なる。
この施工方法S20では、柱梁施工工程S21と、被覆施工工程S23と、を行う。
柱梁施工工程S21では、床31、複数の梁56、及び複数の柱57を施工する。
被覆施工工程S23では、複数の梁56の少なくとも一部に耐火被覆を施して複数の耐火被覆梁16とすることで、第2床部31Bの周囲を、複数の耐火被覆梁16により下方から支持させる。
以上で、施工方法S20の全工程が終了し、第2耐火構造物51Bが施工される。
火災時には、第2床部31Bに作用する重力等により、第2床部31Bの平面視における中央部が下方に向かって凸となるように撓む。しかし、メンブレン効果により、第2床部31Bの周囲が耐火被覆梁16により支持される。そして、第2床部31Bが撓むことにより伸びた鉄筋34が第1交差方向X及び第2交差方向Yにそれぞれ引張力F2,F3を伝達することにより、第2床部31Bの中央部が支持される。従って、第2床部31Bの形状が台形状であっても、第2耐火構造物51Bを一定の耐火性能に維持するように設定することができる。
火災時には、第2床部31Bに作用する重力等により、第2床部31Bの平面視における中央部が下方に向かって凸となるように撓む。しかし、メンブレン効果により、第2床部31Bの周囲が耐火被覆梁16により支持される。そして、第2床部31Bが撓むことにより伸びた鉄筋34が第1交差方向X及び第2交差方向Yにそれぞれ引張力F2,F3を伝達することにより、第2床部31Bの中央部が支持される。従って、第2床部31Bの形状が台形状であっても、第2耐火構造物51Bを一定の耐火性能に維持することができる。
火災時には、第2床部31Bに作用する重力等により、第2床部31Bの平面視における中央部が下方に向かって凸となるように撓む。しかし、メンブレン効果により、第2床部31Bの周囲が耐火被覆梁16により支持される。そして、第2床部31Bが撓むことにより伸びた鉄筋34が第1交差方向X及び第2交差方向Yにそれぞれ引張力F2,F3を伝達することにより、第2床部31Bの中央部が支持される。従って、第2床部31Bの形状が台形状であっても、第2耐火構造物51Bを一定の耐火性能に維持することができる。
第2床部31Bにおける周囲以外の部分には、耐火被覆梁16は接合されない。従って、第2床部31Bにおける周囲以外の部分に接合された耐火被覆梁16により火災時に第2床部31Bが拘束されるのが抑えられる。これにより、第2床部31Bに生じる圧縮による面内応力を小さくすることができる。
第2床部31Bの撓みの最大値が、閾値Kを超えない。これにより、第2床部31Bのメンブレン効果が効果的に発揮される。従って、第2床部31Bが下方に向かって撓み難くすることができる。
一般的に、床部が、第1床片に加えて、周囲部分に連なる第2床片を備えると、周囲部分で生じた圧縮の主応力の最大値が緩和されやすくなる。第2床部31Bが第1床片31C及び第2床片31Dを備えるとして判定工程S7を行うことで、判定工程S7において第2床部31Bの撓みの最大値が応力閾値以下であると判定されやすくすることができる。
第2耐火構造物51Bは、設計方法Sにより設計された耐火構造物である。これにより、本実施形態の設計方法Sにより第2耐火構造物51Bを設計することができる。設計方法Sは、第2床部の形状を矩形状とは異なる多角形状にしつつ、一定の耐火性能を維持することができる方法である。
ここで、実施例及び比較例の耐火構造物の耐火性能をシミュレーションにより評価した結果について説明する。
図16に、実施例の耐火構造物51Bにおける解析モデルの斜視図を模式的に示す。なお、図16では第2床部31Bを示していない。耐火構造物51Bは、前述の第2耐火構造物51Bに相当する。
耐火被覆梁16A,16B,16Cは、一般構造用圧延鋼材であるSS400材で形成され、断面形状が350×175×7×11mmのH形鋼であるとした。
3本の減耐火被覆梁26Bのうち最も耐火被覆梁16C側に配置された減耐火被覆梁26B1は、SS400材で形成され、断面形状が350×175×7×11mmのH形鋼であるとした。3本の減耐火被覆梁26Bのうち減耐火被覆梁26B1以外の減耐火被覆梁26B2は、SS400材で形成され、断面形状が300×150×6.5×9mmのH形鋼であるとした。
耐火被覆梁16Aと耐火被覆梁16Bとの接合部は、第1交差方向X、第2交差方向Y、及び上下方向Zの位置は保持されるとした。この接合部は、第1交差方向X、第2交差方向Y、及び上下方向Zに平行な軸線周りにはそれぞれ回転可能であるとした。耐火被覆梁16Cと耐火被覆梁16Bとの接合部についても、同様の拘束条件であるとした。
コンクリート33において、凸部33aの下端の第1交差方向Xの長さを、125mmとした。凸部33aの下端は、凸部33aの上端に比べて、第1交差方向Xにそれぞれ25mmずつ凸部33aの中心に近づく位置に配置されているとした。コンクリート33は、凸部33aよりも第1交差方向Xの両側に、それぞれ62.5mmずつ延びているとした。
凸部33aの上下方向Zの長さを、50mmとした。鉄筋34の上端からコンクリート33の上面までの距離(鉄筋34に対するコンクリート33のかぶり厚さ)を、30mmとした。第2床部31Bの厚さを、130mmとした。
なお、第2床部31Bは、デッキプレート32を備えていない。すなわち、第2床部31Bの解析モデルでは、デッキプレート32を設定していない。
コンクリート33は、普通コンクリート(NC)であり、含水率が10%であるとした。コンクリート33の設計基準強度Fcは、24N/mm2(ニュートン・パー・平方ミリメートル)であるとした。
鉄筋34は、JIS G 3112:2010、鉄筋コンクリート用棒鋼の規定における異形棒鋼(SD295A)で、外径が6mmであるとした。鉄筋34において、複数の第2鉄筋36は、第1交差方向Xに150mmピッチで配置されているとした。複数の第1鉄筋35は、第2交差方向Yに150mmピッチで配置されているとした。
耐火構造物51Aの耐火被覆梁16A,16Bは、耐火構造物41Bの耐火被覆梁16A,16B,16Cと同一の構成であるとした。すなわち、耐火被覆梁16A,16Bは、SS400材で形成され、断面形状が350×175×7×11mmのH形鋼であるとした。耐火構造物51Aの減耐火被覆梁26Aは、耐火構造物51Bの減耐火被覆梁26B2と同一の構成であるとした。
一対の耐火被覆梁16Bにおける第1交差方向Xのピッチを、9mとした。2本の減耐火被覆梁26Aにおける第2交差方向Yのピッチを、3mとした。耐火被覆梁16Aと、この耐火被覆梁16Aに対して第2交差方向Yに隣り合う減耐火被覆梁26Aと、の第2交差方向Yのピッチを、3mとした。
耐火被覆梁16Aと耐火被覆梁16Bとの接合部は、第1交差方向X、第2交差方向Y、及び上下方向Zの位置は保持されるとした。この接合部は、第1交差方向X、第2交差方向Y、及び上下方向Zに平行な軸線周りにはそれぞれ回転可能であるとした。
第1床部の縦断面の形状は、第2床部31Bの縦断面の形状と同一であるとした。
耐火構造物51Cは、実施例の耐火構造物51Bにおいて、減耐火被覆梁26B1に耐火被覆を施して耐火被覆梁16Gとしたものである。
第3床部は、実施例の耐火構造物51Bの第2床部31Bと同一の構成である。
第3床部のうち、耐火被覆梁16A,16B,16Gにより全周にわたって周囲が支持された床部は、平面視で矩形状である。
シミュレーションでは、上記の拘束条件で支持された耐火構造物が加熱されることにより、耐火構造物の温度が上昇する。温度に応じて、耐火構造物が伸びて耐火構造物内で応力が作用し、耐火構造物の剛性及び耐力が変化する。火災時には、耐火被覆柱11、耐火被覆梁16、及び鉄筋34は所定の剛性及び耐力を生じるが、減耐火被覆梁26の剛性及び耐力は無くなると考える。
図16に、第2床部31Bの略中央の位置P1を示す。同様に、図18に第1床部の略中央の位置P2を示し、図19に第3床部の略中央の位置P3を示す。
なお、例えば、第2床部31Bの位置P1での撓みが充分に大きくなって第2床部31Bが崩壊したときには、第2床部31Bの位置P1での撓みは、図20中に二点鎖線による線L4で示す程度に、加熱時間に対して撓みが急激に大きくなることが分かっている。
このシミュレーション結果によれば、加熱時間が大きくなるのに従い漸次、第2床部31B、第1床部、及び第3床部の略中央における撓みがそれぞれ大きくなることが分かった。0分から30分までの所定の加熱時間に対して、第1床部の位置P2での撓みよりも、第3床部の位置P3での撓みが大きくなることが分かった。第3床部の位置P3での撓みよりも、第2床部31Bの位置P1での撓みが大きくなることが分かった。
すなわち、床部66には、対向する辺が2対(一対の辺66a,66b、及び一対の辺66c,66d)ある。辺66aの中点と辺66bの中点とを結ぶ線の長さを、第1スパンの長さLとする。辺66cの中点と辺66dの中点とを結ぶ線の長さを、第2スパンの長さlとする。これらの長さL,lを用いて、(6)式から閾値Kを求める。
発明者らは、非特許文献1の(6)式を拡張させた閾値Kの値の求め方として、前記閾値Kの値の求め方を提案する。
(12+9)/2=10.5 ・・(8)
√(92+1.52)=9.12 ・・(9)
このため、耐火構造物51Bの閾値Kは、(10)式より、0.654m、すなわち654mmになる。
K=(10.5+9.12)/30=0.654 ・・(10)
654mmに対応する線を、図20中に実線による線L6として示す。すなわち、実施例の耐火構造物51Bを表す線L1の値が、少なくとも線L6の値になるまでは、第2床部31Bは崩壊することなく保持されると判断される。
K=(9+9)/30=0.60 ・・(12)
600mmに対応する線を、図20中に点線による線L7として示す。すなわち、比較例の耐火構造物51Aを表す線L2の値、及び比較例の耐火構造物51Cを表す線L3の値が、少なくとも線L7の値になるまでは、第1床部及び第3床部は崩壊することなく保持されると判断される。
また、654mmである閾値Kに対する耐火構造物51Bの撓みの最大値の比率、及び、600mmである閾値Kに対する耐火構造物51A,51Cの撓みの最大値の比率、は互いに同程度であることが分かった。実施例の耐火構造物51Bの耐火性能は、比較例の耐火構造物51B,51Cの耐火性能と同等に維持されていることが分かった。
図22,24,及び26は、床部の面内に生じる圧縮の主応力分布を示し、図23,25,及び27は、床部の面内に生じる引張の主応力分布を示す。
図22から図27のいずれにおいても、主応力の方向を線の長さ方向として表している。各圧縮の主応力及び引張の主応力において、主応力が大きくなるのに従い、線の長さを長く示している。
床部の圧縮の主応力が所定の値を超えると、床部が崩壊する可能性があると考えられる。
なお、実施例の耐火構造物51Bの第2床部31Bの圧縮応力及び引張応力は、比較例の耐火構造物51Aの第1床部の圧縮応力及び引張応力に比べて、同等か、大きくなる。
図28において、横軸は加熱時間を表し、縦軸は面内に生じる圧縮の主応力(kN/m:キロニュートン・パー・メートル)を表す。
実線及び○印による線L11は、実施例の耐火構造物51Bにおける面内に生じる圧縮の主応力を表す。実線及び□印による線L13は、比較例の耐火構造物51Cにおける面内に生じる圧縮の主応力を表す。
いずれの場合も、加熱時間の経過とともに面内に生じる圧縮の主応力は大きくなる。ただし、加熱時間によらず、実施例の耐火構造物51Bの第2床部31Bの位置P5における面内に生じる圧縮の主応力は、比較例の耐火構造物51Cの第3床部の位置P6における面内に生じる圧縮の主応力よりも小さくなることが分かった。
実施例の耐火構造物51B、及び比較例の耐火構造物51A等を組み合わせることにより、様々な形状の建築物に対応することができる。
次に、本発明の第2実施形態について図29、及び前記図8及び図15を参照しながら説明するが、前記実施形態と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図29に示すように、本実施形態の第2耐火構造物71Bは、第1実施形態の第2耐火構造物51Bの4本の耐火被覆柱11に代えて、4本の耐火被覆柱72を備えている。なお、図29では、建築物のうち第2耐火構造物71B以外の部分を示していない。
本実施形態では、耐火被覆梁16の各端部は、耐火被覆柱72に接合されている。ここで、耐火被覆柱72において、耐火被覆梁16に接合される部分(耐火被覆柱の一部)を、柱片72aと言う。
複数の耐火被覆梁16及び複数の柱片72aは、全体として環状に形成されている。第2床部31Bの周囲は、複数の耐火被覆梁16により下方から支持されている。
耐火仕様決定工程S31では、床31から区画された第2床部31Bの周囲を複数の耐火被覆梁16により下方から支持させるように設定する。さらに、複数の耐火被覆梁16及び複数の柱片72aが全体として環状に形成されるように設定する。
被覆施工工程S41では、床31から区画された第2床部31Bの周囲を複数の耐火被覆梁16により下方から支持させる。さらに、複数の耐火被覆梁16及び複数の柱片72aを全体として環状に形成する。
火災時には、第2床部31Bに作用する重力等により、第2床部31Bの平面視における中央部が下方に向かって凸となるように撓む。しかし、メンブレン効果により、第2床部31Bの周囲が耐火被覆梁16により支持される。そして、第2床部31Bが撓むことにより伸びた鉄筋34が第1交差方向X及び第2交差方向Yにそれぞれ引張力F2,F3を伝達することにより、第2床部31Bの中央部が支持される。従って、第2床部31Bの形状が台形状であっても、第2耐火構造物71Bを一定の耐火性能に維持するように設定することができる。
火災時には、第2床部31Bに作用する重力等により、第2床部31Bの平面視における中央部が下方に向かって凸となるように撓む。しかし、メンブレン効果により、第2床部31Bの周囲が耐火被覆梁16により支持される。そして、第2床部31Bが撓むことにより伸びた鉄筋34が第1交差方向X及び第2交差方向Yにそれぞれ引張力F2,F3を伝達することにより、第2床部31Bの中央部が支持される。従って、第2床部31Bの形状が台形状であっても、第2耐火構造物71Bを一定の耐火性能に維持することができる。
火災時には、第2床部31Bに作用する重力等により、第2床部31Bの平面視における中央部が下方に向かって凸となるように撓む。しかし、メンブレン効果により、第2床部31Bの周囲が耐火被覆梁16により支持される。そして、第2床部31Bが撓むことにより伸びた鉄筋34が第1交差方向X及び第2交差方向Yにそれぞれ引張力F2,F3を伝達することにより、第2床部31Bの中央部が支持される。従って、第2床部31Bの形状が台形状であっても、第2耐火構造物71Bを一定の耐火性能に維持することができる。
例えば、前記第1実施形態及び第2実施形態の第2耐火構造物31B,71Bでは、減耐火被覆梁26を備えなくてもよい。耐火被覆梁16は、第2床部31Bにおける周囲以外の部分に接合されてもよい。
平面視において、第2床部は、3角形状、5つ以上の隅部(角)を有する多角形状でもよい。
設計方法S,S30では、判定工程S7を行わなくてもよい。
11A 耐火被覆された外柱
11B 耐火被覆された内柱
16 耐火被覆梁
26 減耐火被覆梁
31 床(スラブ)
31a 平面
31B 第2床部(床部)
31C 第1床片
31C1 周囲部分
31D 第2床片
32 デッキプレート(引張力伝達部材)
34 鉄筋(引張力伝達部材)
51B,51C,71B 第2耐火構造物(耐火構造物)
72a 柱片(耐火被覆柱の一部)
C6 第1中心線
C7 第2中心線
S,S30 設計方法(耐火構造物の設計方法)
S3 構造決定工程
S5,S31 耐火仕様決定工程
S7 判定工程
S20,S40 施工方法(耐火構造物の施工方法)
S21 柱梁施工工程
S23,S41 被覆施工工程
X 第1交差方向
Y 第2交差方向
Claims (12)
- 耐火被覆が施された複数の耐火被覆柱と、
耐火被覆が施され、前記複数の耐火被覆柱を互いに接合する複数の耐火被覆梁と、
引張力伝達部材を含むスラブから区画された床部と、
を備え、
平面視において、前記複数の耐火被覆柱のうち前記スラブの周囲に位置する前記耐火被覆柱を耐火被覆された外柱と規定し、前記複数の耐火被覆柱のうち前記耐火被覆された外柱以外を耐火被覆された内柱と規定したときに、
平面視において、前記床部は、前記耐火被覆された内柱の中心と前記耐火被覆された外柱の中心とを通り前記スラブの周囲に達する第1中心線、及び前記耐火被覆された内柱の中心同士を通る第2中心線の少なくとも一方により区画された前記スラブの一部分であり、
平面視において、前記床部は矩形状とは異なる多角形状に形成され、
平面視において、前記床部が備える隅部は全て、前記複数の耐火被覆柱に重なるように配置され、
前記複数の耐火被覆梁は、全体として環状に形成され、
前記床部の周囲は、前記複数の耐火被覆梁により下方から支持され、
前記床部の平面内で互いに交差する方向を第1交差方向、第2交差方向と規定したときに、前記引張力伝達部材は、前記床部の前記第1交差方向の端部間の引張力、及び、前記床部の前記第2交差方向の端部間の引張力をそれぞれ伝達する耐火構造物を設計する耐火構造物の設計方法であって、
構造計算を行うことにより、前記スラブ、前記スラブを下方から支持する複数の梁、及び前記複数の梁を支持する柱の配置を決定する構造決定工程と、
前記スラブから区画された前記床部の周囲を、前記梁に耐火被覆を施した前記耐火被覆梁により下方から支持させるように設定する耐火仕様決定工程と、
を行う耐火構造物の設計方法。 - 前記耐火仕様決定工程において、平面視で所定の形状に区画された第1床片を前記床部とし、
前記床部の圧縮の主応力が、予め定められた応力閾値を超えるか否かを判定する判定工程を行い、
前記判定工程において、前記圧縮の主応力の最大値が、前記床部の周囲の一部である周囲部分で生じて、前記圧縮の主応力の最大値が予め定められた応力閾値を超えると判定されたときには、
前記床部が前記第1床片、及び、前記第1床片の前記周囲部分に連なる第2床片からなる形状に区画されると仮定し、前記床部が平面視で矩形状とは異なる多角形状であると仮定して、少なくとも前記耐火仕様決定工程を行い、さらに前記判定工程を行う請求項1に記載の耐火構造物の設計方法。 - 前記耐火仕様決定工程において、前記床部は平面視で矩形状とは異なる多角形状であると仮定し、
前記床部の圧縮の主応力が、予め定められた応力閾値を超えるか否かを判定する判定工程を行う請求項1に記載の耐火構造物の設計方法。 - 耐火被覆が施された複数の耐火被覆柱と、
耐火被覆が施され、前記複数の耐火被覆柱を互いに接合する複数の耐火被覆梁と、
引張力伝達部材を含むスラブから区画された床部と、
を備え、
平面視において、前記複数の耐火被覆柱のうち前記スラブの周囲に位置する前記耐火被覆柱を耐火被覆された外柱と規定し、前記複数の耐火被覆柱のうち前記耐火被覆された外柱以外を耐火被覆された内柱と規定したときに、
平面視において、前記床部は、前記耐火被覆された内柱の中心と前記耐火被覆された外柱の中心とを通り前記スラブの周囲に達する第1中心線、及び前記耐火被覆された内柱の中心同士を通る第2中心線の少なくとも一方により区画された前記スラブの一部分であり、
平面視において、前記床部は矩形状とは異なる多角形状に形成され、
平面視において、前記床部が備える隅部は全て、前記複数の耐火被覆柱に重なるように配置され、
前記複数の耐火被覆梁及び前記複数の耐火被覆柱の一部は、全体として環状に形成され、
前記床部の周囲は、前記複数の耐火被覆梁により下方から支持され、
前記床部の平面内で互いに交差する方向を第1交差方向、第2交差方向と規定したときに、前記引張力伝達部材は、前記床部の前記第1交差方向の端部間の引張力、及び、前記床部の前記第2交差方向の端部間の引張力をそれぞれ伝達する耐火構造物を設計する耐火構造物の設計方法であって、
構造計算を行うことにより、前記スラブ、前記スラブを下方から支持する複数の梁、及び前記複数の梁を支持する複数の柱の配置を決定する構造決定工程と、
前記スラブから区画された前記床部の周囲を、前記梁に耐火被覆を施した前記耐火被覆梁により下方から支持させるとともに、前記複数の柱に耐火被覆を施した前記複数の耐火被覆柱の一部及び前記複数の耐火被覆梁が全体として環状に形成されるように設定する耐火仕様決定工程と、
を行う耐火構造物の設計方法。 - 請求項1から4のいずれか一項に記載の耐火構造物の設計方法により設計された耐火構造物。
- 耐火被覆が施された複数の耐火被覆柱と、
耐火被覆が施され、前記複数の耐火被覆柱を互いに接合する複数の耐火被覆梁と、
引張力伝達部材を含むスラブから区画された床部と、
を備え、
平面視において、前記複数の耐火被覆柱のうち前記スラブの周囲に位置する前記耐火被覆柱を耐火被覆された外柱と規定し、前記複数の耐火被覆柱のうち前記耐火被覆された外柱以外を耐火被覆された内柱と規定したときに、
平面視において、前記床部は、前記耐火被覆された内柱の中心と前記耐火被覆された外柱の中心とを通り前記スラブの周囲に達する第1中心線、及び前記耐火被覆された内柱の中心同士を通る第2中心線の少なくとも一方により区画された前記スラブの一部分であり、
平面視において、前記床部は矩形状とは異なる多角形状に形成され、
平面視において、前記床部が備える隅部は全て、前記複数の耐火被覆柱に重なるように配置され、
前記複数の耐火被覆梁は、全体として環状に形成され、
前記床部の周囲は、前記複数の耐火被覆梁により下方から支持され、
前記床部の平面内で互いに交差する方向を第1交差方向、第2交差方向と規定したときに、前記引張力伝達部材は、前記床部の前記第1交差方向の端部間の引張力、及び、前記床部の前記第2交差方向の端部間の引張力をそれぞれ伝達する耐火構造物を施工する耐火構造物の施工方法であって、
前記スラブ、前記スラブを下方から支持する複数の梁、及び前記複数の梁を支持する柱を施工する柱梁施工工程と、
前記複数の梁の少なくとも一部に耐火被覆を施して前記複数の耐火被覆梁とすることで、前記床部の周囲を、前記複数の耐火被覆梁により下方から支持させる被覆施工工程と、
を行う耐火構造物の施工方法。 - 耐火被覆が施された複数の耐火被覆柱と、
耐火被覆が施され、前記複数の耐火被覆柱を互いに接合する複数の耐火被覆梁と、
引張力伝達部材を含むスラブから区画された床部と、
を備え、
平面視において、前記複数の耐火被覆柱のうち前記スラブの周囲に位置する前記耐火被覆柱を耐火被覆された外柱と規定し、前記複数の耐火被覆柱のうち前記耐火被覆された外柱以外を耐火被覆された内柱と規定したときに、
平面視において、前記床部は、前記耐火被覆された内柱の中心と前記耐火被覆された外柱の中心とを通り前記スラブの周囲に達する第1中心線、及び前記耐火被覆された内柱の中心同士を通る第2中心線の少なくとも一方により区画された前記スラブの一部分であり、
平面視において、前記床部は矩形状とは異なる多角形状に形成され、
平面視において、前記床部が備える隅部は全て、前記複数の耐火被覆柱に重なるように配置され、
前記複数の耐火被覆梁及び前記複数の耐火被覆柱の一部は、全体として環状に形成され、
前記床部の周囲は、前記複数の耐火被覆梁により下方から支持され、
前記床部の平面内で互いに交差する方向を第1交差方向、第2交差方向と規定したときに、前記引張力伝達部材は、前記床部の前記第1交差方向の端部間の引張力、及び、前記床部の前記第2交差方向の端部間の引張力をそれぞれ伝達する耐火構造物を施工する耐火構造物の施工方法であって、
前記スラブ、前記スラブを下方から支持する複数の梁、及び前記複数の梁を支持する複数の柱を施工する柱梁施工工程と、
前記スラブから区画された前記床部の周囲を、前記梁に耐火被覆を施した前記耐火被覆梁により下方から支持させるとともに、前記複数の柱に耐火被覆を施した前記複数の耐火被覆柱の一部及び前記複数の耐火被覆梁を全体として環状に形成する被覆施工工程と、
を行う耐火構造物の施工方法。 - 耐火被覆が施された複数の耐火被覆柱と、
耐火被覆が施され、前記複数の耐火被覆柱を互いに接合する複数の耐火被覆梁と、
引張力伝達部材を含むスラブから区画された床部と、
を備え、
平面視において、前記複数の耐火被覆柱のうち前記スラブの周囲に位置する前記耐火被覆柱を耐火被覆された外柱と規定し、前記複数の耐火被覆柱のうち前記耐火被覆された外柱以外を耐火被覆された内柱と規定したときに、
平面視において、前記床部は、前記耐火被覆された内柱の中心と前記耐火被覆された外柱の中心とを通り前記スラブの周囲に達する第1中心線、及び前記耐火被覆された内柱の中心同士を通る第2中心線の少なくとも一方により区画された前記スラブの一部分であり、
平面視において、前記床部は矩形状とは異なる多角形状に形成され、
平面視において、前記床部が備える隅部は全て、前記複数の耐火被覆柱に重なるように配置され、
前記複数の耐火被覆梁は、全体として環状に形成され、
前記床部の周囲は、前記複数の耐火被覆梁により下方から支持され、
前記床部の平面内で互いに交差する方向を第1交差方向、第2交差方向と規定したときに、
前記引張力伝達部材は、前記床部の前記第1交差方向の端部間の引張力、及び、前記床部の前記第2交差方向の端部間の引張力をそれぞれ伝達する耐火構造物。 - 前記耐火被覆梁よりも前記耐火被覆が削減され、環状の前記複数の耐火被覆梁により囲まれた領域内に配置されて、端部が前記複数の耐火被覆梁に接合されて前記床部を下方から支持する減耐火被覆梁を備える請求項8に記載の耐火構造物。
- 前記床部における周囲以外の部分には、前記耐火被覆梁は接合されない請求項8又は9に記載の耐火構造物。
- ISO 834−11:2014に規定された加熱曲線に基づいて加熱されたときに、所望の加熱時間における前記床部の撓みの最大値が、(1)式で定められた閾値K(m)未満である請求項8から10のいずれか一項に記載の耐火構造物。
K=(L+l)/30 ・・(1)
ただし、Lは前記床部の前記平面に沿う第1スパンの長さ(m)であり、lは前記床部の前記平面に沿うとともに前記第1スパンに交差する第2スパンの長さ(m)である。 - 耐火被覆が施された複数の耐火被覆柱と、
耐火被覆が施され、前記複数の耐火被覆柱を互いに接合する複数の耐火被覆梁と、
引張力伝達部材を含むスラブから区画された床部と、
を備え、
平面視において、前記複数の耐火被覆柱のうち前記スラブの周囲に位置する前記耐火被覆柱を耐火被覆された外柱と規定し、前記複数の耐火被覆柱のうち前記耐火被覆された外柱以外を耐火被覆された内柱と規定したときに、
平面視において、前記床部は、前記耐火被覆された内柱の中心と前記耐火被覆された外柱の中心とを通り前記スラブの周囲に達する第1中心線、及び前記耐火被覆された内柱の中心同士を通る第2中心線の少なくとも一方により区画された前記スラブの一部分であり、
平面視において、前記床部は矩形状とは異なる多角形状に形成され、
平面視において、前記床部が備える隅部は全て、前記複数の耐火被覆柱に重なるように配置され、
前記複数の耐火被覆梁及び前記複数の耐火被覆柱の一部は、全体として環状に形成され、
前記床部の周囲は、前記複数の耐火被覆梁により下方から支持され、
前記床部の平面内で互いに交差する方向を第1交差方向、第2交差方向と規定したときに、
前記引張力伝達部材は、前記床部の前記第1交差方向の端部間の引張力、及び、前記床部の前記第2交差方向の端部間の引張力をそれぞれ伝達する耐火構造物。
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