JPWO2020110483A1 - 試験装置 - Google Patents

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Abstract

小規模且つ簡易な構成にて通信機器の特性試験を実施する。通信機器240の通信アンテナ250の特性試験を近傍界にて実施する試験装置1であって、電波暗室としての試験空間S内に通信機器を支持するトレイ本体220と、通信アンテナ250との間で電波を送受信するカプラアンテナを支持するカプラ支持フレーム520とを備える。カプラ支持フレームは、側面S1、S2、上面S3、及び下面S4から成る内周面に沿って延びる曲線に沿って少なくとも一列に配置された複数のカプラアンテナ300からなる内周カプラアンテナ列300A、300Bと、後面S5に沿って延びる曲線に沿って少なくとも上下方向に一列に配置された複数のカプラアンテナ300からなる後方カプラアンテナ列300Cと、を形成できる。

Description

本発明は、スマートフォン等の通信機器に備えられたマイクロ波帯用の通信アンテナの特性試験を実施する通信機器の試験装置に関し、特に、固定配置された通信機器の特性試験を近傍界において実施する試験装置に関する。
スマートフォン等の携帯端末、基地局、或いは各種の無線モジュール(以下、まとめて「通信機器」という)は、電波法に定める技術基準に適合している必要があり、各通信機器に対しては、運用開始前に技術基準に適合しているか否かを試験する特性試験が実施される。特性試験は、外部からの電波の侵入と外部への電波の漏洩を遮断(又は減衰)し、且つ、内部において電波を反射させない空間を形成する電波暗室内にて実施される。
従来、特性試験に使用されるアンテナはホーンアンテナが主流であった。ホーンアンテナは測定すべき周波数帯が有する波長に対して非常に大きな構造となるため、被測定物である通信機器から、例えば1m以上離間させなければ正確な測定ができないという欠点があった。ホーンアンテナを使用すると通信機器との距離が大きくなることに起因して、電波暗室の規模が非常に大きくなるという問題があった。更に、通信機器から放射される電波に含まれるスプリアス成分が許容値を超えていないことを確認するスプリアス試験においては、非常に微弱な放射電波を測定する必要がある。しかし、通信機器とホーンアンテナとの間の距離が大きいと空間損失が大きくなり、スプリアス成分の発射レベルを測定できないという問題がある。
一方、通信機器から比較的近距離の範囲内において、被測定物である通信機器から放射される電波を測定する装置として、特許文献1が挙げられる。特許文献1に記載された電磁波測定装置は、被測定物の周囲を任意の鉛直な一平面内において真円状に包囲する複数のプローブアンテナを備える。特許文献1においては、被測定物のアンテナから放射される電波を複数のプローブアンテナにより検出して、各プローブアンテナの位置における電波の強度を測定することで、被測定物のアンテナから放射される電波の指向性を求めることができる。
特許第4053981号公報
特許文献1においては、被測定物の電波の特性を検出するデータを収集することを主眼に置いているが、プローブアンテナは指向性を有さないため、被測定物のアンテナから放射される電波の強度と方向性を立体的に測定するため、特許文献1においては、被測定物である通信機器を回転させている。特許文献1のように、通信機器を回転させる駆動装置が必要となると、装置の構成が複雑化し、装置規模が大きくなるという問題がある。
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、小規模且つ簡易な構成にて通信機器の特性試験を実施できるようにすることを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、通信機器に備えられたマイクロ波帯又はミリ波帯用の試験対象アンテナの特性試験を近傍界にて実施する前記通信機器の試験装置であって、電波暗室としての試験空間を形成する電波暗箱と、前記試験空間内に前記通信機器を支持する通信機器支持手段と、前記電波暗箱の対向する2つの側面、上面、及び下面から成る内周面に沿って延びる曲線に沿って少なくとも一列に配置されて前記試験対象アンテナから放射される電波を受信し又は前記試験対象アンテナに対して電波を送信する複数のカプラアンテナからなる内周カプラアンテナ列と、前記内周面の周方向と交差する後面に沿って延びる曲線に沿って少なくとも上下方向に一列に配置されて前記試験対象アンテナから放射される電波を受信し又は前記試験対象アンテナに対して電波を送信する複数のカプラアンテナからなる後方カプラアンテナ列と、を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、小規模且つ簡易な構成にて通信機器の特性試験を実施できる。
本発明の一実施形態に係る試験装置の外観構成を示す斜視図であり、(a)は試験装置を前方から観察した図であり、(b)は試験装置を後方から観察した図である。 筐体の内部構造を示す縦断面斜視図である。 試験装置の内部構造を示す横断面投影図である。 本発明の第一の実施形態に係るトレイユニットを前方から観察した斜視図である。 通信機器とカプラアンテナとの位置関係を示す図であり、(a)はZ−X平面内における配置を示す図であり、(b)はY−Z平面内における配置を示す図であり、(c)はX−Y平面内における配置を示す図である。 カプラアンテナの外観構成を示す斜視図である。 (a)は本発明の一実施形態に係るアンテナ本体の構造を示す正面図、(b)は(a)のC−C断面図、(c)は右側面図、(d)は上面図、(e)は底面図、(f)は背面図、(g)は(a)のD−D断面図である。 (a)及び(b)は本発明の一実施形態に係るアンテナ本体の構造を示す斜視図である。 (a)及び(b)は本発明の一実施形態に係るアンテナ本体の構造を示す分解斜視図である。 (a)(b)及び(c)は本発明の一実施形態に係るコネクタの底面図、断面図、上面図である。 本発明の第一の実施形態に係るフレームユニットを示す斜視図である。 カプラ取付フレームを示す正面図である。 本発明の第二の実施形態に係るトレイユニットを後方から観察した斜視図である。 本発明の第二の実施形態に係るフレームユニットを示す斜視図である。 本発明の第三の実施形態に係るカプラユニットを示す斜視図である。 カプラアンテナの配置を示す模式図であり、(a)はカプラアンテナの鉛直面における配置を示す模式図であり、(b)、(c)はカプラアンテナの平面配置を示す模式図である。 本発明の第四の実施形態に係るフレームユニットを示す斜視図である。 フロントスライドフレームの正面図である。 リアスライドフレームの側面図である。 ガイドレールに対するカプラアンテナの取付方法について説明する図である。 本発明の第五の実施形態に係る試験装置を示す斜視図である。 試験装置の内部構成を示した透視斜視図である。 左右サイドユニットと通信機器との位置関係を示す正面図である。 リアユニットと通信機器との位置関係を示す側面図である。 サブユニットの一例を示す斜視図である。 サブユニットの他の例を示す部分拡大斜視図である。
本発明は、簡易且つ小規模な構成にて通信機器の特性試験(評価試験)を実施できるようにするために、以下の構成を有する。
即ち、本発明に係る試験装置1は、通信機器240に備えられたマイクロ波帯又はミリ波帯用の通信アンテナ250(試験対象アンテナ)の特性試験を近傍界にて実施する通信機器の試験装置である。試験装置1は、電波暗室としての試験空間Sを形成する電波暗箱(筐体100、トレイユニット200のパネル部210、及び、電波吸収体131、211)と、試験空間S内に通信機器240を支持する通信機器支持手段(トレイ本体220)と、電波暗箱(試験空間S)の対向する2つの側面S1、S2、上面S3、及び下面S4から成る内周面に沿って延びる曲線に沿って少なくとも一列に配置されて試験対象アンテナから放射される電波を受信し、又は試験対象アンテナに対して電波を送信する複数の内周カプラアンテナ(カプラアンテナ列300A、300Bを構成するカプラアンテナ300)と、内周面の周方向と交差する後面S5に沿って延びる曲線に沿って少なくとも上下方向に一列に配置されて試験対象アンテナから放射される電波を受信し、又は試験対象アンテナに対して電波を送信する後方カプラアンテナ(カプラアンテナ列300Cを構成するカプラアンテナ300)と、を備えたことを特徴とする。
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
〔本試験装置にて実施可能な特性試験〕
本試験装置を用いて、通信装置に搭載された通信アンテナの電力測定、EVM(エラーベクトル振幅)測定、スプリアス測定、MIMO(Multiple-Input and Multiple-Output)試験、ビームフォーミング試験等を実施可能である。また、条件次第ではハンドオーバー試験を実施可能である。また、プロトコル試験を実施可能である。以下、各試験について説明する。
電力測定試験は、通信機器から任意のカプラアンテナに向けて電波を放射したときの電力強度を測定する試験である。
EVM測定は、デジタル信号がどのくらいの精度で変調され、電波に乗っているかを測定する試験である。
スプリアス測定は、通信アンテナが目的の周波数以外の電波を出していないかを測定する試験である。
MIMOは、デジタルデータを分割して並列に伝送する方法で、通信機器が複数の通信アンテナを備えている場合に、複数の通信アンテナでデジタルデータを並列且つ同時にデータの送信または受信を行うことにより通信容量を拡大する通信方式である。MIMO試験では、通信機器から複数の通信アンテナから同時に同一周波数で送信させ、受信側では複数のアンテナで同時に受信し受信したデータを演算することで、同時に受信した並列データから元のデータに復元し単位時間当たりのデータの送受信量が拡大されているかを試験する。
ビームフォーミング試験は、通信機器から通信機器と通信する基地局の方向にのみ電波が放射されているか否かを確認する試験である。
ハンドオーバーとは、通信機器の移動中に通信機器と通信する基地局を、一の基地局から他の基地局に切り替えることである。ハンドオーバー試験では、試験装置内において通信機器又は基地局として機能するカプラアンテナを移動させる必要があるため、本試験を実施する場合は、通信機器又はカプラアンテナを移動させる移動手段(駆動手段)を試験装置の内部に配置する必要がある。又は、基地局に相当する夫々のカプラアンテナに加える電波の強さを調節することで、カプラアンテナを移動させることなく、電気的に移動しているように再現することで可能とする。
プロトコル試験は、基地局と通信機器とが、あらかじめ決められた手順(プロトコル)に従って所定のコマンド(例:命令語、ステータス)をやり取りすることで、基地局と通信機器との間の通信が確実に成立するか、通信機器が正しく制御されるか検証する試験である。プロトコル試験においては、例えば、電波の電力制御、ビームフォーミング制御、回線制御、ハンドオーバー制御、通話・データ通信制御、基地局情報、端末の位置情報など、様々な命令や状況を決められた手順に従ってやり取りできるか否かを確認する。
このように、本試験装置によれば、第五世代移動通信システムにおいて必要とされる通信試験を一台で実施することが可能である。
ここで、通信装置に搭載される各通信アンテナは、水平偏波用のアンテナと垂直偏波用のアンテナとが組み合わせられて1つのユニットとして構成されるか、又は、水平偏波用のアンテナと垂直偏波用のアンテナの何れかから構成される。
上記各試験のうち、電力測定試験、スプリアス測定は、1個の通信アンテナに対して少なくとも1個のカプラアンテナを必要とし、ビームフォーミング試験は、1個の通信アンテナに対して少なくとも3個のカプラアンテナを必要とする。なお、以下の説明においては、1個の通信アンテナに対して、上記特性試験を実施するカプラアンテナとして1対1で対応付けられる少なくとも3個のカプラアンテナをカプラアンテナ群と称する。
MIMO試験は、1個の通信アンテナに対して少なくとも2個のカプラアンテナが必要となる。EVM測定、プロトコル試験は、1個の通信アンテナに対して少なくとも1個のカプラアンテナを必要とする。ハンドオーバー試験は、1個又は複数個の通信アンテナに対して少なくとも2個のカプラアンテナを必要とする。
上記試験のうち、特に電力測定試験とEVM測定試験では、通信アンテナと各カプラアンテナとの距離が等距離となるように配置されている方が、通信アンテナと各カプラアンテナとの距離にばらつきがあるよりも、発射された電波が空間を伝搬する時に受ける損失を一定にすることが出来、試験結果をより正確に得られるため好適である。
〔第一の実施形態〕
図1は、本発明の一実施形態に係る試験装置の外観構成を示す斜視図であり、(a)は試験装置を前方から観察した図であり、(b)は試験装置を後方から観察した図である。図2は、筐体の内部構造を示す縦断面斜視図である。なお、図2は、筐体を図1(a)に示すA−A面にて切断した様子を示す斜視図である。図3は、試験装置の内部構造を示す横断面投影図である。なお、図3は、筐体を図1(a)に示すB−B面にて切断した様子を示す投影図である。
本実施形態に示す試験装置は、基地局やガスメーターなど固定して使用する通信機器の特性試験、及び、スマートフォン等の移動式の通信端末の特性試験を行うに好適な試験装置である。
図示する試験装置1は、概略直方体形状であり、所謂19インチラックに収容可能な大きさを有している。以下の説明においては、試験装置1を19インチラックに収容したときの姿勢を基準として、幅方向(X方向)、前後方向(Y方向)、上下方向(Z方向)を図1に示すように規定する。
<筐体>
<<外観構成>>
試験装置1は、通信アンテナの試験に必要なカプラアンテナ等の各種の機器を内部に収容すると共に、中空部内に電波暗室としての試験空間Sを形成する筐体100を備える。筐体100は、アルミニウム等、電磁的にシールドされた空間を形成可能な金属材料から構成される。筐体100は、上面(一面)が開口した概略直方体状の筐体本体101と、筐体本体101の上面開口を開閉自在に閉止する上蓋103とを備える。上蓋103は筐体本体101に対して留具107により着脱自在に固定される。
筐体本体101は、前面の一部に貫通形成されたトレイ開口111を備える。筐体本体101の中空部内に形成される試験空間S内には、試験対象物である通信機器を支持したトレイユニット200のトレイ本体220(図4参照)がトレイ開口111から出し入れ自在に収容される。
筐体100の前面パネル113の幅方向両端部には、外方に突出したフランジ部115、115が形成されており、該フランジ部115、115は、19インチラックのフレームに対して着脱自在に固定される。筐体本体101の前面には試験装置1を19インチラックに対して装着し、又は19インチラックから取り出すためのグリップ117、117が突出して設けられている。
筐体100の背面には、複数の同軸コネクタ121、122、123と、複数のUSB(Universal Serial Bus)コネクタ125が取り付けられる。
同軸コネクタ121〜123は、筐体100の中空部内に設置される各カプラアンテナ300とNFC(Near Field Communication:近距離無線通信)アンテナユニット400(図3参照)等に出力させる交流信号、又はこれらのアンテナが受信した交流信号を外部装置との間で送受信する手段である。各アンテナと同軸コネクタ121〜123とは試験空間S内に配線された同軸ケーブルを介して電気的に接続される。
USBコネクタ125は、筐体100の中空部内に設置されるNFCアンテナユニット400やカメラユニット450との間で情報を送受信する手段である。NFCアンテナユニット400やカメラユニット450とUSBコネクタ125、125とは、試験空間S内に配線されたUSB通信ケーブルを介して電気的に接続される。なお、カメラユニット450は、試験対象物である通信機器240の直上方に配置され、通信機器240のディスプレイ241(図4参照)の表示を動画像として撮影することにより、通信機器240が試験中において正常に動作しているか否かを監視する手段である。
<<内部構成>>
図2に示すように、試験空間Sと対向する試験装置1内の6つの内側面には、所定周波数の電波を吸収する電波吸収体が取り付けられている。筐体100の内面には電波吸収体131が取り付けられ、試験空間Sと対向するトレイユニット200の内側面(図4参照)には電波吸収体211が取り付けられている。トレイ開口111は電波吸収体211により、電波的に減衰、遮断される。筐体100の内部には電波暗室(電波無響室)としての試験空間Sが形成される。なお、筐体100と電波吸収体131の他、後述するトレイユニット200の前面パネル210aと電波吸収体211が試験空間Sを形成する電波暗箱として機能する。
試験空間Sの奥端部には、試験空間S内に配置される各配線をガイドする複数のケーブルガイド141、141…が架設されている。本例に示すケーブルガイド141は、その長手方向の両端部を筐体100の幅方向両端部によって支持されることにより、試験空間S内において幅方向に伸びるように架設されている。試験空間S内には複数のケーブルガイド141が上下方向に並べて配置されているが、ケーブルガイド141は前後方向位置が互い違いに(ジグザグ状に)なるように配置されている。
ケーブルガイド141は、極力、電磁波を反射させないような構成を備える。例えば、ケーブルガイド141は、測定対象となる周波数の電磁波を通過させうる比較的低誘電率の樹脂材料(例えば、ポリエチレン)から構成されている。なお、試験空間S内に配置される他の部材(ガイドレール、スライダ、トレイ本体、フレーム等)を構成する材料についても、ケーブルガイド141と同様の観点から、誘電率の低い樹脂材料(例えば、ポリエチレン)が選定される。
<<ガイドレール>>
筐体本体101は、幅方向の両端部適所にトレイユニット200を前後方向に進退自在(スライド自在)にガイドするガイドレール150(151、153)を備える。本例においてガイドレール150は、図1(b)等に示されるように筐体本体101の外側面に配置された外ガイドレール151と、図2等に示されるように筐体本体101の試験空間S内に配置された内ガイドレール153とを含んで構成されている。内ガイドレール153は、筐体本体101の幅方向両端部に位置する内側面に固定されている。
<トレイユニット>
図4は、本発明の第一の実施形態に係るトレイユニットを前方から観察した斜視図である。
トレイユニット200(通信機器支持手段)は、試験空間S内に通信機器240を所定の姿勢で支持する。
トレイユニット200は、トレイ開口111を開閉自在に閉止するパネル部210と、
パネル部210の後面(背面)から後方に突出すると共に通信アンテナ(試験対象アンテナ)を備えた通信機器240(試験対象物)を所定の位置及び姿勢にて支持するトレイ本体220と、パネル部210の幅方向両端部から後方に向けて伸びると共に筐体本体101に形成されたガイドレール150(外ガイドレール151、内ガイドレール153)と係合して、トレイユニット200を前後方向に進退させるスライダ230(外スライダ231、内スライダ233)と、を備える。
<<パネル部>>
パネル部210は、トレイユニット200の前部に配置される。
パネル部210の前面パネル210aはアルミニウム等、電磁的にシールドされた空間を形成可能な金属材料から構成されており、筐体100と共に電磁的にシールドされた空間を形成する。パネル部210のうち、試験空間Sと対面する部位には電波吸収体211が取り付けられており、筐体100の内部に配置された電波吸収体131と共に、電波無響室を形成する。
パネル部210の前面には、トレイ本体220を試験空間S内に収容し、又はトレイ本体220を試験空間Sの外部に引き出すためのトレイ取手213、213が取り付けられている。
また、パネル部210の適所には、USBコネクタ215、215が配置されている。USBコネクタ215は、USB通信ケーブルを介して通信機器240と電気的に接続されることにより、外部装置から通信機器240に対して給電し、又は外部装置と通信機器240との間で試験に必要な情報(電波の発信命令等)を送受信する。本例においてUSBコネクタ215は例えば、その差込口を下方に向けて配置される。
<<トレイ本体>>
トレイ本体220は、トレイ開口111を介して試験空間S内に挿入され、又は試験空間Sから取り出される。本図に示すトレイ本体220は、平面視(上面視)概略矩形状である。
トレイ本体220は、通信機器240を所定の位置及び姿勢に位置決めする位置決め部材(不図示)を備えており、通信機器240は位置決め部材によって所定の位置に位置決めされた状態にてトレイ本体220に載置される。ここで、通信機器240がトレイ本体220上に位置決めされることによって、試験空間S内における通信アンテナの位置が固定的に決定されることとなる。
<<<通信機器>>>
第五世代通信システムにおいては、600MHz〜70GHzの周波数範囲内で幾つかの周波数を選定して使用される。
通信機器240は、何れかの箇所に極超短波帯、マイクロ波帯又はミリ波帯用のアンテナを備える。通信アンテナ250(図5参照)は、24GHz以上の周波数に対応している。また、通信機器240は、何れかの箇所にWi−Fi(2.4GHz、5.2GHz)、ブルートゥース(登録商標)(2.4GHz帯)に対応したアンテナ、第5世代通信(5G)のサブ的周波数である600MHz〜4.5GHzに対応したアンテナを備える。また、通信機器240は、NFC(13.56MHz)に対応したNFCアンテナを備える。
例えば、通信機器240が所定の厚さを有する平面視概略長方形状のスマートフォンである場合、通信アンテナ250は、面内の何れかの箇所、或いは、少なくとも何れか一つの端縁243(243a〜243d)に配置される。
トレイ本体220に対する通信機器240の位置、姿勢、及び向きは、通信アンテナ250と、通信アンテナ250との間で試験用の電波を送受信するカプラアンテナ300と、の位置関係に基づいて決定される。
ここでは、USB通信ケーブル等の有線ケーブルを接続する接続端子を備えた端縁を下端縁243dとし、下端縁243dを除く幅方向の各端縁243a、243bと上端縁243cに通信アンテナ250が配置されるものとして説明する。
例えば、通信機器240はトレイ本体220に対して、ディスプレイ241が上方を向き、且つ幅方向の各端縁243a、243bが試験装置1の前後方向に沿い、上端縁243cと下端縁243dが試験装置1の幅方向に沿うように載置される。また、通信機器240は、下端縁243dが試験装置1の前側となるようにトレイ本体220に載置される。
通信機器240に搭載された通信アンテナ250とカプラアンテナ300との位置関係については後述する。
<<スライダ>>
スライダ230は、外ガイドレール151と係合する外スライダ231と、内ガイドレール153と係合する内スライダ233とを備える。内スライダ233は、トレイ本体220の幅方向両端部に配置されており、内スライダ233はトレイ本体220と共にトレイ開口111を介して試験空間Sの内外を内ガイドレール153によってガイドされつつ前後方向に移動する。
また、外スライダ231は、内スライダ233に対して幅方向に所定の間隔を開けて内スライダ233と並行して伸びており、外ガイドレール151にガイドされつつ試験装置1の外部において前後方向に移動する。
<アンテナと通信機器>
図5は、通信機器とカプラアンテナとの位置関係を示す図であり、(a)はZ−X平面内における配置を示す図であり、(b)はY−Z平面内における配置を示す図であり、(c)はX−Y平面内における配置を示す図である。
試験空間S内には、通信機器240を取り囲むように配置される複数のカプラアンテナ300と、任意でNFC通信基板を備えたNFCアンテナユニット400とが配置される。NFCアンテナユニット400は、例えば通信機器240の直下方に配置される。カプラアンテナ300の配置位置の詳細については後述する。
<<カプラアンテナ>>
試験空間S内に配置される各カプラアンテナ300(第一カプラアンテナ)は、通信アンテナ250(図5参照)に対して、測定対象周波数(24GHz〜43.5GHzの周波数帯)の近傍界範囲、又は、通信アンテナ250とカプラアンテナ300とを近接させた近接範囲(夫々のカプラアンテナにビームを放射した際に、カプラアンテナ間でレベル差が検出出来る限界距離)にて通信機器240に搭載された通信アンテナ250との間で電波の送受信試験を実施する。即ち、カプラアンテナ300は、通信アンテナ250から放射される試験用の電波を受信し、又は試験対象アンテナに向けて試験用の電波を送信する手段である。
ここで近傍界(Near Field、或いは、フレネル領域)とは、アンテナの近傍で 波動のインピーダンスが自由空間インピーダンス(376オーム)と大きく異なる領域を言う。この領域内でのアンテナ特性は安定しておらず、一般的に測定では使われてこなかった。周波数に対する波長をλとし、アンテナ開口最大寸法をDとしたとき、2D^2/λまでの距離を近傍界と言われている。例えば周波数が20GHz、アンテナ開口最大寸法を3cmの場合、波長は0.015mとなり、2D^2/λは12cmとなり、この距離以内が近傍界、以上が遠方界と言われている。
また、上記近接範囲とは、夫々のカプラアンテナにビームを放射した際に、カプラアンテナ間でレベル差が検出出来る限界距離を言う。この距離はカプラアンテナの持つ指向特性と関連しており、実測から100mmの距離が、それぞれのカプラアンテナ間でのレベル差が明確且つ最近距離であったことから採用している。
図6は、カプラアンテナの外観構成の一例を示す斜視図である。
カプラアンテナ300は、表カバー301a及び裏カバー301bを備えたケース301と、裏カバー301bと一体化されてカプラアンテナ300を所望の箇所に取り付け可能にする取付ベース303と、ケース301の内部に収容されたアンテナ本体320とを備える。ケース301は例えばABS樹脂から構成される。カプラアンテナ300のうち、取付ベース303とは反対側の面が、通信機器240との間で電波を送受信する送受信面307である。また、符号310は、カプラアンテナ300が射出するアンテナビームであり、アンテナ本体320の中心軸である。
<<<アンテナ本体の構造>>>
図7(a)は本発明の一実施形態に係るアンテナ本体の構造を示す正面図、(b)は(a)のC−C断面図、(c)は右側面図、(d)は上面図、(e)は底面図、(f)は背面図、(g)は(a)のD−D断面図である。図8(a)及び(b)は本発明の一実施形態に係るアンテナ本体の構造を示す斜視図である。図9(a)及び(b)は本発明の一実施形態に係るアンテナ本体の構造を示す分解斜視図である。図10(a)(b)及び(c)は本発明の一実施形態に係るコネクタの底面図、断面図、上面図である。
図6〜図10においては、図7(a)に示す正面図を基本となる座標系とし、紙面左から右方向をx軸方向とし、紙面内でx軸方向と直交する方向をy軸方向とし、x軸方向およびy軸方向に直交する方向(鉛直方向)をz軸方向として説明する。
このアンテナ本体320は、2つの対向する第1及び第2面M1、M2の中央部に貫通形成され、且つ第2面側開口を閉塞された内部空間8を備えた導波管本体5と、内部空間8を形成した面とは異なる外周面(第3面M3)から内部空間8との間に貫通形成されたコネクタ装着穴22内に配置されて一端部に設けた輻射器を内部空間8内に露出させたコネクタ50と、を概略有している。
導波管本体5は、所定の均一厚みを有した四角いブロック状の同軸導波管変換部6と、同軸導波管変換部6に貫通形成された内部空間8の一方の開口を閉塞する薄板状の閉塞部材30と、から概略構成されている。
同軸導波管変換部6、及び閉塞部材30は、何れも銅、鉄、アルミ、真鍮、メタマテリアル、又はプラスチックに金属メッキを施したもの等の導電性材料から構成されている。
同軸導波管変換部6は、導電材料から成る六面体からなり、互いに対向する第1面M1、及び第2面M2、互いに対向する第3面M3、及び第4面M4、互いに対向する第5面M5、及び第6面M6を有している。
同軸導波管変換部6は、内部空間8となる凹陥部11を一面6aに備えた第1の導波管部材10と、第1の導波管部材10の一面に対して着脱自在に取付けられることにより凹陥部11の一面側を閉塞して内部空間8を形成する第2の導波管部材20と、を備える。
図9(a)(b)において、第1の導波管部材10の一面6aには凹陥部11を間に挟んだ箇所に夫々丸いネジ穴13が形成されており、第2の導波管部材20の各ネジ穴13と整合(対応)する位置には、内部空間8のz軸方向と平行に延びる長穴24が形成され、各長穴24を介して各ネジ穴にビス25を螺着可能に構成されている。各ビス25を各ネジ穴13に螺着した状態では、第2の導波管部材20は長穴24の長手方向(z軸方向)長の範囲内で第2の導波管部材20に対して変位可能である。本例では、長方形状の第2の導波管部材20の外側面(第3面M3)の長手方向中央部は凹所となっており、この凹所内にコネクタ装着穴22が形成されている。各長穴24はこの凹所両側にある凸所に形成されている。
第1の導波管部材10の一面6aに対向する第2の導波管部材20の位置を長穴24の長さの範囲内で微調整可能に取り付けることができ、これによりアンテナ本体320の電気的特性を微調整することができる。この結果、帯域内での通過振幅特性の乱れや、全反射による帯域内での反射減衰量特性の乱れの発生を抑制することができる。
内部空間8となる凹陥部11は、第1の導波管部材10の長方形状の一面6aの長手方向中央部に形成された内面が互いに直交する三つの面から成る溝であり、一面6aに対して細長い板状の第2の導波管部材20をビス25により着脱自在に構成されている。一面6aに第2の導波管部材20を固定して凹陥部11を閉塞することにより内部空間8が形成される。
第1の導波管部材10に対して第2の導波管部材20を組み付けることによって形成される同軸導波管変換部6は、前述のように六つの面、即ち第1面M1乃至第6面M6から構成される直方体、或いは立方体となっている。
内部空間8は、同軸導波管変換部6の対向する第1面M1と第2面M2との間を貫通して形成されている。また、第1面、及び第2面と直交する第3面M3には、内部空間8と連通する同軸コネクタ挿通用のコネクタ装着穴22が貫通形成されている。本例では、コネクタ装着穴22は第2の導波管部材20に貫通形成されている。
内部空間8は、第2面側開口が導電性の閉塞部材により閉塞(溶接)されることにより、第1面M1側のみが開放されている。
閉塞部材30には、第1の導波管部材10の外面に設けたネジ穴10aと対応する穴30aが形成されており、各ネジ穴10aと各穴30aを連通させた状態でネジ31を挿通して螺着することにより、第1の導波管部材10の外面に対して閉塞部材30は密着して隙間なく固定される。
<<<コネクタ>>>
図7乃至図10に示すように、コネクタ50は、コネクタ装着穴22に内部空間8から外側に向けて装着され、内端部56aが内部空間8内に突出しない状態で露出配置された導電性のコネクタ本体51と、該コネクタ本体の中心部をy軸方向に貫通して配置され、先端部60aをコネクタ本体の内端部56aから内部空間8内に所定長Lだけ突出させた中心導体60と、内部空間8内に突出した中心導体の先端部60aから構成され、該先端部の突出長L(図10)を特定の周波数帯に適合させることにより内部空間8内に中心導体からの電波を輻射する輻射器54bと、を備えている。コネクタ本体51の一端外周には雄螺子が形成されている。コネクタ本体と中心導体との関係は、絶縁材料を介して一体化されている。
なお、上述したように輻射器54bが電波を輻射することとして説明したが、これは送信時の作用であり、受信時には輻射器54bが電波を吸収(受電)することとする。
図10に示すように、本例に係るコネクタ50のコネクタ本体51は、導電体及び絶縁体からなる中空筒状のコネクタソケット部52と、コネクタソケット部52の一端に一体化されたフランジ部53と、コネクタソケット部52内を軸方向へ貫通して配置された中心導体60と、中心導体60の適所をコネクタソケット部52の内周に固定的に支持する中心導体支持部55と、中心導体60とコネクタソケット部52の内周との間の空間を埋めるために充填された絶縁体56と、を概略備えている。
中心導体60の外側端部にはコネクタソケット接点部54aが設けられ、中心導体の内側端部にはエレメントである輻射器54bが設けられている。輻射器54bは、中心導体60の先端部をコネクタソケット部52の内側端面から所定長突出させた部位であり、エレメントの長さLを調整することにより、所望の周波数帯に同調させる。
コネクタ50の中心導体60を内端部56aから突出させたy軸方向の長さLは、特定の周波数帯の波長の1/4に対して、所定の短縮率0.79を乗算した長さである。なお、特定の周波数帯は、第5世代端末(5G)に世界的に利用が予定されている24GHz〜29GHzである。
これにより、特定の周波数帯に特化して同調することができる長さLを設計することができる。
図9(a)に示すように本例では、第2の導波管部材20の内側面(第3面M3の反対側面)にはコネクタのフランジ部53を嵌合させるための凹所23が形成されている。コネクタのコネクタソケット部52をコネクタ装着穴22に差し込むことによってフランジ部53が凹所23内に嵌合して着座した際には、フランジ部53の端面は第2の導波管部材20の内側面と面一になるように寸法設定されている。
このように、アンテナ本体320は、導電材料から成る同軸導波管変換部6の内部空間8の第2面側開口を導電性の閉塞部材30で閉塞するとともに、輻射器54bにおいて内部空間8内に突出した中心導体60の先端部60aの突出長を特定の周波数帯に適合させるので、帯域内での通過振幅特性や、反射減衰量特性を帯域内に同調することができ、且つ遮断性能を向上することができ、さらに良好なEVM値も得ることができる。
アンテナ本体は、いわゆる方形同軸導波管変換器である。カプラアンテナ300の同軸コネクタには、同軸ケーブルの一端が接続され、該同軸ケーブルの他端は筐体100の外部に露出する同軸コネクタ121〜123の何れかに接続される。
<<<水平偏波・垂直偏波>>>
本例に示すカプラアンテナ300は、一方向の直線偏波に対応している。即ち、カプラアンテナ300は、輻射器54bの傾きに応じて、水平偏波を受信する水平偏波姿勢と、垂直偏波を受信する垂直偏波姿勢をとり、水平偏波と垂直偏波の一方を受信する。即ち、Y軸に沿って伸びる輻射器54bを地表面に対して垂直に立てるようにカプラアンテナ300の姿勢を設定した場合には、カプラアンテナ300は垂直偏波を受信し(垂直偏波姿勢)、Y軸に沿って伸びる輻射器54bを地表面に沿って水平方向に伸びるようにカプラアンテナ300の姿勢を設定した場合には、カプラアンテナ300は水平偏波を受信する(水平偏波姿勢)。
アンテナ本体320の第一面M1は、通信機器240に搭載された試験対象となる通信アンテナと対向するように配置される。望ましくは、カプラアンテナ300は、アンテナビーム310が通信機器240に搭載された通信アンテナの中心軸線に実質的に一致するように配置される。
<<NFCアンテナユニット>>
NFCアンテナユニット400は、600MHz〜6GHzのアンテナとNFCアンテナ及び通信基板を備えており、通信機器240に搭載されたブルートゥース(登録商標)(2.4GHz)、Wi−Fi(2.4GHz、5.2GHz)に対応したアンテナ、第5世代通信(5G)のサブ的周波数である600MHz〜4.5GHzに対応したアンテナ、及びNFCアンテナとの間で無線通信試験を行う装置である。
また、NFCアンテナユニット400を、通信機器240に対して試験に必要な特定の動作をさせるための命令及びその応答等をブルートゥース(登録商標)
やWi−Fi、NFC通信のいずれかにより送受信する手段として機能させてもよい。このようにすることで、通信機器240との間で命令を送受信するための有線接続をする必要がなくなり、試験空間S内における配線が簡略化される。
<カプラアンテナの配置>
図5に基づいて、通信機器に搭載された通信アンテナとカプラアンテナとの位置関係について説明する。
以下の説明においては、Z軸と平行な平面内(Z−X平面内、Y−Z平面内)において規定されるアンテナビームの方向を、通信アンテナの上下方向位置を基準(0度)として−90度〜+90度の範囲にて規定される角度(通信アンテナから見た仰角)として説明する。
カプラアンテナ300は、トレイ本体に220によって支持された通信機器240を取り囲むように配置されている。また、各カプラアンテナ300は、通信機器240が備える通信アンテナ250との距離が夫々等距離となるように配置されている。更に、カプラアンテナ300は、水平偏波姿勢と垂直偏波姿勢の何れの姿勢にて配置されても良い。また、試験空間S内には、水平偏波受信用のカプラアンテナ300のみを配置しても良いし、垂直偏波受信用のカプラアンテナ300のみを配置しても良いし、両者を混在させてもよい。
<<上下方向>>
図5(a)に示すように、試験空間S内には、試験空間Sと対向する2つの幅方向の両側面S1、S2、上面S3、及び下面S4から成る内周面に沿って周方向に少なくとも一列に複数のカプラアンテナ300(カプラアンテナ列300A、300B:側方カプラアンテナ列、カプラアンテナ群)が配置されている。2つのカプラアンテナ列300Aとカプラアンテナ列300Bとにより内周カプラアンテナ列が構成される。内周カプラアンテナ列を構成するカプラアンテナは、上記内周面に沿った曲線に沿って少なくとも一列に配置されている。ここで「内周面」とは、試験空間Sを形成する電波暗箱の内周りの面、即ち、試験空間Sを取り囲む面のことをいい、必ずしも円周状の面には限定されない。
また、図5(b)に示すように、試験空間S内には、側面S1、S2、上面S3、及び下面S4から成る内周面と交差(直交)する後面S5に沿って、少なくとも上下方向に一列に複数のカプラアンテナ300(カプラアンテナ列300C:後方カプラアンテナ列、カプラアンテナ群)が配置されている。後方カプラアンテナ列を構成するカプラアンテナは、上記内周面に沿った曲線と交差する方向に沿って上下方向に少なくとも一列に配置されている。
ここで「一列」とは、「同一平面状にあることが必要」といった厳密な意味での一列ではなく、概ね列を成して並んでいると認められる程度であればよい。
なお、符号S6は試験空間S及び後面S5と対向する前面である。
図5(a)に示すように、例えば、概略矩形平板状の通信機器240の幅方向の一端縁243aに通信アンテナ250aが配置されている場合、これに対応して試験空間Sの幅方向の一端側には複数の(少なくとも3つの)カプラアンテナ300を含むカプラアンテナ列300Aが配置される。カプラアンテナ列300Aを構成するカプラアンテナ300は、通信アンテナ250aに対して、所定の仰角毎に、例えば+65度、+30度、−30度、−65度となる位置に配置される。また、通信アンテナ250aと各カプラアンテナ300、300…との距離Laは同一(例えば105mm)となるように設定される。即ち、各カプラアンテナ300、300…は、通信アンテナ250aを中心とする半径Laの円弧上(円周上)に配置される。また、カプラアンテナ列300Aを構成する各カプラアンテナ300のアンテナビーム310は通信アンテナ250aに向いており、アンテナビーム310が集まるビームスポット311は通信アンテナ250aと重なるように配置される。言い換えれば、複数のアンテナビーム310は通信アンテナ250aに集束して、通信アンテナ250a上にビームスポット311を形成する。
カプラアンテナ列300Aを構成するカプラアンテナ300…は、下面S4、側面S1、上面S3に沿うように配置される。カプラアンテナ列300Aを構成するカプラアンテナ300は、側面S1に沿って少なくとも上下方向に一列に配置される。
図5(a)に示す通信機器240の幅方向の他端縁243bに配置された通信アンテナ250bとカプラアンテナ列300Bとの関係についても、上記と同様である。
即ち、通信機器240の幅方向の他端縁243bに配置された通信アンテナ250bに対応して試験空間Sの幅方向の他端側には複数のカプラアンテナ300を含むカプラアンテナ列300Bが配置される。カプラアンテナ列300Bを構成するカプラアンテナ300は、通信アンテナ250bに対して、所定の仰角毎に、例えば+65度、+30度、−30度、−65度となる位置に配置される。また、通信アンテナ250bと各カプラアンテナ300、300…との距離Lbは同一(例えば105mm)となるように設定される。即ち、各カプラアンテナ300、300…は、通信アンテナ250bを中心とする半径Lbの円弧上(円周上)に配置される。また、カプラアンテナ列300Bを構成する各カプラアンテナ300のアンテナビーム310は通信アンテナ250bに向いており、アンテナビーム310が集まるビームスポット311は通信アンテナ250bと重なるように配置される。
カプラアンテナ列300Bを構成するカプラアンテナ300…は、下面S4、側面S2、上面S3に沿うように配置される。カプラアンテナ列300Bを構成するカプラアンテナ300は、側面S2に沿って少なくとも上下方向に一列に配置される。
図5(b)に示す通信機器240の上端縁243cに配置された通信アンテナ250cとカプラアンテナ列300Cとの関係についても、上記と同様である。
即ち、通信機器240の上端縁243cに配置された通信アンテナ250cに対応して試験空間Sの後端側には複数のカプラアンテナ300を含むカプラアンテナ列(後方カプラアンテナ列)300Cが配置される。カプラアンテナ列300Cを構成するカプラアンテナ300は、通信アンテナ250cに対して、所定の仰角毎に、例えば+65度、+30度、−30度、−65度となる位置に配置される。また、通信アンテナ250cと各カプラアンテナ300、300…との距離Lcは同一(例えば105mm)となるように設定される。即ち、各カプラアンテナ300、300…は、通信アンテナ250cを中心とする半径Lcの円弧上(円周上)に配置される。また、カプラアンテナ列300Cを構成する各カプラアンテナ300のアンテナビーム310は通信アンテナ250cに向いており、アンテナビーム310が集まるビームスポット311は通信アンテナ250cと重なるように配置される。
カプラアンテナ列300Cを構成するカプラアンテナ300…は、下面S4、後面S5、上面S3に沿うように配置される。カプラアンテナ列300Cを構成するカプラアンテナ300は、後面S5に沿って少なくとも上下方向に一列に配置される。
なお、カプラアンテナ列300A〜300C内において、仰角0度方向に配置されるカプラアンテナ300については、第二の実施形態にて説明する。
<<水平面内の配列1>>
水平面内(X−Y平面内)における通信アンテナ250とカプラアンテナ300との位置関係について説明する。
図5(c)に示すように、試験空間Sの幅方向の各端部に配置されるカプラアンテナ列300A(300A1〜300A3)と、カプラアンテナ列300B(300B1〜300B3)は、試験空間Sの前後方向に沿って夫々複数列配置されている。また、試験空間Sの後端部に配置されるカプラアンテナ列300C(300C1〜300C3)は、試験空間Sの幅方向に沿って複数列配置されている。
カプラアンテナ列300A1〜300A3は、夫々通信機器240の幅方向の一端縁243aに配置された各通信アンテナ250a1〜250a3に対応して配置されている。即ち、カプラアンテナ列300A1〜300A3を構成する複数のカプラアンテナ300のアンテナビーム310は夫々通信アンテナ250a1〜250a3に向いており、各カプラアンテナ列300A1〜300A3は夫々通信アンテナ250a1〜250a3上にビームスポット311を形成する。各カプラアンテナ列300A1〜300A3は、各通信アンテナ250a1〜250a3と同一の前後方向位置に配置されている。
カプラアンテナ列300B1〜300B3は、夫々通信機器240の幅方向の他端縁243bに配置された各通信アンテナ250b1〜250b3に対応して配置されている。即ち、カプラアンテナ列300B1〜300B3を構成する複数のカプラアンテナ300のアンテナビーム310は夫々通信アンテナ250b1〜250b3に向いており、各カプラアンテナ列300B1〜300B3は夫々通信アンテナ250b1〜250b3上にビームスポット311を形成する。各カプラアンテナ列300B1〜300B3は、各通信アンテナ250b1〜250b3と同一の前後方向位置に配置されている。
カプラアンテナ列300C1〜300C3は、夫々通信機器240の上端縁243cに配置された各通信アンテナ250c1〜250c3に対応して配置されている。即ち、カプラアンテナ列300C1〜300C3を構成する複数のカプラアンテナ300のアンテナビーム310は夫々通信アンテナ250c1〜250c3に向いており、各カプラアンテナ列300C1〜300C3は夫々通信アンテナ250c1〜250c3上にビームスポット311を形成する。各カプラアンテナ列300C1〜300C3は、各通信アンテナ250c1〜250c3と同一の幅方向位置に配置されている。
本実施形態に係る試験装置1には、幅方向の各端部と後端部に夫々複数のカプラアンテナ列300A〜300Cを配置しているので、一旦、試験空間S内に通信機器240をセットすれば、トレイ本体220を外部に引き出して通信機器240の姿勢を変更することなく、全ての通信アンテナ250a、250b、250cを順次試験可能である。
図5(c)には、垂直偏波姿勢に設定されたカプラアンテナ300を示しているが、カプラアンテナ300は、試験内容に応じて水平偏波姿勢に設定されてもよいし、垂直偏波姿勢を取るカプラアンテナ300と水平偏波姿勢を取るカプラアンテナ300とが交互に配置されるようにしてもよい。
<<水平面内の配列2>>
水平面内(X−Y平面内)における通信アンテナ250とカプラアンテナ300との位置関係は、例えば以下のように設定されてもよい。
カプラアンテナ列300A1、300A3は、通信アンテナ250a2に対応するカプラアンテナ列でもよい。即ち、カプラアンテナ列300A1、300A3を構成する複数のカプラアンテナ300のアンテナビーム310′、310′は夫々通信アンテナ250a2に向き、各カプラアンテナ列300A1、300A3が夫々通信アンテナ250a2上にビームスポット311を形成するようにしてもよい。
この場合、各カプラアンテナ列300A1、300A3は、通信アンテナ250a2とは異なる前後方向位置に配置され、且つ、各カプラアンテナ列300A1、300A3を構成するカプラアンテナ300と通信アンテナ250a2との距離が同一となるように配置されることが望ましい。また、各カプラアンテナ列300A1、300A3を構成するカプラアンテナ300のアンテナビーム310′、310′が、通信アンテナ250a2が放射する基準アンテナビーム(ビームフォーミング角度0度)に対して線対称の位置関係となるように、各カプラアンテナ列300A1、300A3を配置することが望ましい。
このように配置した場合には、一方のカプラアンテナ列300A1を水平偏波姿勢にあるカプラアンテナ300により構成し、他方のカプラアンテナ列300A3を垂直偏波姿勢にあるカプラアンテナ300により構成することも考えられる。
試験空間Sの幅方向他端部に配置されるカプラアンテナ300B1〜300B3と、試験空間Sの奥端部に配置されるカプラアンテナ300C1〜300C3についても、同様に設定されてもよい。
<<カプラアンテナの位置決定>>
ここで、通信アンテナ250と各カプラアンテナ300との距離が一定である場合、通信アンテナ250から放射されるアンテナビームの中心軸に近い角度にあるカプラアンテナ300ほど、アンテナビームの受信レベルは高くなる。逆に、通信アンテナ250から放射されるアンテナビームの中心軸からのずれが大きくなるほど、カプラアンテナ300が受信するアンテナビームの受信レベルは低くなる。
従って、各カプラアンテナ300、300…の位置は、通信アンテナ250が任意の一のカプラアンテナ300に向けてアンテナビームを放射したときに、隣接する他のカプラアンテナ300の受信レベルが一のカプラアンテナの受信レベルに対して十分に減衰する位置に設定される。ここで、受信レベルが十分に減衰する位置とは、夫々のカプラアンテナ300が受信する電波の受信レベルが、特性グラフ上で切り分けて観察可能な位置であり、例えば、各カプラアンテナの周波数−受信レベルを示すグラフの線同士が重ならないような位置を基準に設定される。
<フレームユニット>
カプラアンテナ及びNFCアンテナユニットを支持するフレームユニットについて説明する。
図11は、本発明の第一の実施形態に係るフレームユニットを示す斜視図である。
フレームユニット500は、最下部に配置される底部フレーム510と、底部フレーム510の上方に配置されるカプラ支持フレーム(カプラ支持手段)520とを備える。
本例に示すカプラ支持フレーム520は、底部フレーム510の直上に配置される下部フレーム530と、下部フレーム530の上方に配置される上部フレーム550とを備えており、上下方向に二分割された構成を有する。
カプラ支持フレーム520は、所定厚さを有する概略帯板形状のカプラ取付フレーム(カプラ支持手段)570を複数個支持する。
カプラ支持フレーム520は、前後方向において、フレームユニット500の前部に配置されるフロントフレーム521と、後部に配置されるリアフレーム523とを含んで構成される。フロントフレーム521は後述する下部フロントフレーム533と上部フロントフレーム553とを含み、リアフレーム523は後述する下部リアフレーム535と上部リアフレーム555とを含んで構成される。
<<底部フレーム>>
底部フレーム510は、試験空間S内の底面に配置される底部ベース511と、底部ベース511の幅方向両端部から起立する底部サイドフレーム513、513とを備える。底部サイドフレーム513は、底部ベース511上にNFCアンテナユニット400を収容する第二アンテナ収容空間515を形成する。
底部ベース511は、筐体100の底面の適所に固定される。
NFCアンテナユニット400は、底部ベース511の中央部に取り付けられる。通信機器240は、NFCアンテナユニット400の直上方に配置されるように、トレイ本体220によって位置決めされる。
<<下部フレーム>>
下部フレーム530は、底部フレーム510の底部サイドフレーム513、513上に固定される下部ベース531と、下部ベース531の前部に、前後方向に所定の間隔を開けて下部ベース531上に固定される一対の下部フロントフレーム533、533と、下部ベース531の後端部に、幅方向に所定の間隔を開けて下部ベース531上に固定される一対の下部リアフレーム535、535と、を備える。
下部ベース531は、幅方向の両端部を底部サイドフレーム513、513に固定されている。下部ベース531は、NFCアンテナユニット400との対向面に開口部531aを備える。
下部フロントフレーム533、533は、カプラ取付フレーム570、570…の長手方向両端部を支持する。即ち、カプラ取付フレーム570は、前後方向に伸びるように、その長手方向の各端部を下部フロントフレーム533、533によって支持される。
本例において、下部フロントフレーム533、533は、4つのカプラ取付フレーム570…を支持する。カプラ取付フレーム570は、その一面がトレイ本体220に載置された通信機器240に向くように、下部フロントフレーム533、533によって所定の角度に支持される。この角度は、カプラ取付フレーム570がカプラアンテナ300を通信アンテナに対して所定の仰角(例えば−30度、−65度)にて支持可能な角度に設定される。
下部リアフレーム535、535は、下部ベース531後端部の幅方向両端部に配置されている。
下部リアフレーム535、535は、カプラ取付フレーム570、570…の長手方向両端部を支持する。即ち、カプラ取付フレーム570は、幅方向に伸びるように、その長手方向の各端部を下部リアフレーム535、535によって支持される。
本例において、下部リアフレーム535、535は、2つのカプラ取付フレーム570…を支持する。カプラ取付フレーム570は、その一面がトレイ本体220に載置された通信機器240に向くように、下部リアフレーム535、535によって所定の角度に支持される。この角度は、カプラ取付フレーム570がカプラアンテナ300を通信アンテナに対して所定の仰角(例えば−30度、−65度)にて支持可能な角度に設定される。
<<上部フレーム>>
上部フレーム550は、筐体100の幅方向各端部適所に固定されて前後方向に伸びる上部ベース551、551と、上部ベース551、551の長手方向の中間部に、前後方向に所定の間隔を開けて上部ベース551、551上に固定される一対の上部フロントフレーム553、553と、上部ベース551、551の後部に、幅方向に所定の間隔を開けて上部ベース551、551上に固定される一対の上部リアフレーム555、555と、を備える。
上部ベース551、551は、所定の厚さを有する概略帯板形状であり、本例においては、幅方向の両端部に位置する筐体100の内側面の上下方向中間部に固定される。図3に示すように、上部ベース551、551は、内ガイドレール153と内スライダ233とは干渉しない位置に配置される。
上部フロントフレーム553、553は、カプラ取付フレーム570、570…の長手方向両端部を支持する。即ち、カプラ取付フレーム570は、前後方向に伸びるように、その長手方向の各端部を上部フロントフレーム553、553によって支持される。
本例において、上部フロントフレーム553、553は、4つのカプラ取付フレーム570…を支持する。カプラ取付フレーム570は、その一面がトレイ本体220に載置された通信機器240に向くように、上部フロントフレーム553、553によって所定の角度に支持される。この角度は、カプラ取付フレーム570がカプラアンテナ300を通信アンテナに対して所定の仰角(例えば+30度、+65度)にて支持可能な角度に設定される。
上部リアフレーム555、555は、上部ベース551、551後端部の幅方向両端部に配置されている。
上部リアフレーム555、555は、カプラ取付フレーム570、570…の長手方向両端部を支持する。即ち、カプラ取付フレーム570は、幅方向に伸びるように、その長手方向の各端部を上部リアフレーム555、555によって支持される。
本例において、上部リアフレーム555、555は、2つのカプラ取付フレーム570…を支持する。カプラ取付フレーム570は、その一面がトレイ本体220に載置された通信機器240に向くように、上部リアフレーム555、555によって所定の角度に支持される。この角度は、カプラ取付フレーム570がカプラアンテナ300を通信アンテナに対して所定の仰角(例えば+30度、+65度)にて支持可能な角度に設定される。
<<カプラ取付フレーム>>
図12は、カプラ取付フレームを示す正面図である。
カプラ取付フレーム570は、夫々複数のカプラアンテナ300を支持する。また、カプラ取付フレーム570は、各カプラアンテナ300を選択的に着脱可能に構成されている。また、カプラ取付フレーム570は、各カプラアンテナ300を水平偏波姿勢と垂直偏波姿勢とに選択的に取り付け可能に構成されている。
カプラ取付フレーム570は、所定の厚さを有する概略帯板形状である。カプラ取付フレーム570には複数のネジ穴571(571a、571b)が形成されており、カプラアンテナ300の取付ベース303は、カプラ取付フレーム570に対してネジ止め固定される。カプラ取付フレーム570の短手方向中間部に配置されたネジ穴571aは、カプラアンテナ300を垂直偏波姿勢(図12に示す姿勢)で取り付けるためのネジ穴であり、短手方向両端部に配置されたネジ穴571bはカプラアンテナ300を水平偏波姿勢で取り付けるためのネジ穴である。なお、水平偏波姿勢は、垂直偏波姿勢にあるカプラアンテナ300を90度回転させた姿勢に等しい。
このように、カプラアンテナ300はカプラ取付フレーム570に対して垂直偏波姿勢と水平偏波姿勢の何れの姿勢でも取り付けることができる。
カプラ取付フレーム570に形成される各ネジ穴571の位置は、通信機器240に搭載された通信アンテナ250の位置に応じて、通信機器240毎に調整されてもよい。
<効果>
以上のように本実施形態によれば、試験対象である通信アンテナ250が送受信する電波の近傍界範囲、又は通信アンテナ250とカプラアンテナ300とを近接させた近接範囲(夫々のカプラアンテナにビームを放射した際に、カプラアンテナ間でレベル差が検出出来る限界距離)にて、通信アンテナ250の特性試験を行うため、試験装置1を小型化できる。
試験装置1は、19インチラックに対して着脱自在に装着されるので、通信アンテナ250の特性試験に必要な他の装置と共に19インチラックに装着することができる。従って、一連の試験システムをひとまとめにしてコンパクト化することができる。
試験対象となる通信アンテナ250を備えた通信機器240をトレイ本体220に載置した状態で、トレイ本体220を試験空間S内に挿入し、また試験空間Sの外部に引き出すので、試験空間S内に通信機器240を設置するのが容易である。
通信アンテナ250を包囲するように、複数のカプラアンテナ300を立体的に配置したので、通信機器240の配置変更をしなくても、複数種類の特性試験を実施できる。また、試験中に通信機器240とカプラアンテナ300の何れも移動させる必要はないため、試験装置1の内部構成を簡略化できる。
〔第二の実施形態〕
本発明の第二の実施形態に係る試験装置は、トレイ本体をパネル部によって片持ち支持し、内ガイドレールと内スライダとを省略することによって、通信アンテナに対してカプラアンテナを仰角0度方向に配置できるようにした点に特徴がある。
本実施形態に示す試験装置は、スマートフォン等の移動式の通信端末の特性試験を行うに好適な試験装置である。
以下、第一の実施形態と同一の部材には同一の符号を付してその説明を適宜省略する。
<トレイユニット>
図13は、本発明の第二の実施形態に係るトレイユニットを後方から観察した斜視図である。
トレイユニット(通信機器支持手段)600は、パネル部210の後面から後方に突出したトレイ本体620と、外ガイドレール151と係合してトレイユニット600を前後方向に進退させる外スライダ231とを備える。
トレイ本体620は、前端部621aがパネル部210によって支持されると共に後方に向けて突出したアーム部621と、アーム部621の後端部621bによって支持されて通信機器240を載置する載置部623と、を備える。
載置部623は、通信機器240を試験交換S内において所定の位置及び姿勢に位置決めする位置決め部材625を備えている。位置決め部材625は、例えば、概略矩形平板状の通信機器240の各角部に添設される。
アーム部621には、通信機器240と接続された通信ケーブル等の有線ケーブルを、パネル部210に設けたUSBコネクタ215(図4参照)まで配線する手段としても機能する。
本例においては、トレイ本体620をパネル部210によって片持ち支持し、後端部に位置する載置部623側を自由端としたため、トレイ本体620には、第一の実施形態のトレイユニット200に示したような内スライダ233(図4参照)を備える必要がない。また、内スライダ233と係合する内ガイドレール153(図3参照)を試験空間S内に設ける必要がない。
<フレームユニット>
図14は、本発明の第二の実施形態に係るフレームユニットを示す斜視図である。
本例に示すフレームユニット700を構成するカプラ支持フレーム520は、下部フレーム530と、上部フレーム550と、両フレームの間に配置される中間フレーム710と、を備える。本例に示す上部フレーム550は上部ベース551(図11参照)を備えていない点で第一の実施形態と異なる。上部フレーム550は、中間フレーム710を介して下部フレーム530によって支持される。
中間フレーム710は、下部フロントフレーム533と上部フロントフレーム553との間に挿入される4つの中間フロントフレーム711と、下部リアフレーム535と上部リアフレーム555との間に挿入される2つの中間リアフレーム713と、を備えて構成される。
中間フロントフレーム711は、カプラ取付フレーム570が幅方向の各端部において前後方向に伸びるように、カプラ取付フレーム570の長手方向の両端部を支持する。中間リアフレーム713は、カプラ取付フレーム570が後端部において幅方向に伸びるように、カプラ取付フレーム570の長手方向の両端部を支持する。
中間フレーム710、及び中間フレーム710によって支持される3つのカプラ取付フレーム570は、トレイ本体620によって支持された通信機器240(図13参照)と同等の上下方向位置に配置される。従って、本実施形態においては、カプラアンテナ300が通信アンテナ250に対して仰角0度方向にも配置される(図5(a)、(b)参照)。
このように、本実施形態においては、トレイ本体620をパネル部210のみによって片持ち支持し、内ガイドレール153及び内スライダ233(図3参照)を省略した構成としたので、当該部位に中間フレーム710を配置し、通信機器240に対して仰角0度方向にカプラアンテナ300を配置することができる。即ち、トレイユニット600は、通信装置に備える通信アンテナの水平方向に相当するカプラアンテナ列内にカプラアンテナを配置可能な構造である。
本実施形態に係る試験装置によれば、第一の実施形態に示した試験装置に比べて、より詳細な特性試験を実施することができる。
〔第三の実施形態〕
図15は、本発明の第三の実施形態に係るカプラユニットを示す斜視図である。図16は、カプラアンテナの配置を示す模式図であり、(a)はカプラアンテナの鉛直面における配置を示す模式図であり、(b)、(c)はカプラアンテナの平面配置を示す模式図である。なお、図16(a)は図15のE−E面に相当するカプラアンテナの配置を示す図であり、図16(b)、(c)は図15のF矢視に相当するカプラアンテナの配置を示す図である。
本実施形態に示す試験装置は、基地局や通信モジュール単独での特性試験を行うに好適な試験装置である。
本実施形態においては、複数のカプラアンテナを半球状(半球面上)に配置した点に特徴がある。以下、第一及び第二の実施形態と同一の部材には同一の符号を付して適宜その説明を省略する。
本実施形態において、カプラアンテナ300を支持するカプラユニット800(カプラ支持手段)は、図4に示したトレイユニット200のトレイ本体220、又は、図13に示したトレイユニット600のトレイ本体620の直下に配置される。
<カプラアンテナの配置>
図16を参照して、通信機器とカプラアンテナとの位置関係について説明する。
通信アンテナ250は、図示する姿勢では、通信機器240の一方の面(下面)の適所に配置されており、図中下方に向けて電波を放射する。
試験空間S内には、通信アンテナ250を中心とする円弧上に(円弧に沿って)一列に配置された複数のカプラアンテナ300(300E、300H、300V)からなるカプラアンテナ列300D(カプラアンテナ群)が配置されている。また、試験空間S内には、複数のカプラアンテナ列300D1〜300D4が通信アンテナを中心として等角度に(方位角45度毎に)配置されている。即ち、本例においては、複数のカプラアンテナ300が、通信アンテナ250を中心として半球状(半球面上)に配置されている。
各カプラアンテナ列300Dを構成するカプラアンテナ300は、通信アンテナ250に対して、所定の仰角毎に、例えば−30度、−50度、−90度、−130度、−150度となる位置に配置される。通信アンテナ250と各カプラアンテナ300、300…との距離Ldは同一(例えば105mm)となるように設定される。即ち、カプラアンテナ列300Dを構成する各カプラアンテナ300、300…は、通信アンテナ250aを中心とする半径Ldの円弧上(円周上)に配置される。また、カプラアンテナ列300Dを構成する各カプラアンテナ300のアンテナビーム310は通信アンテナ250に向いており、アンテナビーム310が集まるビームスポット311は通信アンテナ250dと重なるように配置される。
通信アンテナ250の直下には、カプラアンテナ300Eが配置される。カプラアンテナ300Eは、水平偏波姿勢又は垂直偏波姿勢の何れかの姿勢をとる。
カプラアンテナ列300D1と300D3は、カプラアンテナ300Eと、垂直偏波姿勢にあるカプラアンテナ300Vとから構成される。カプラアンテナ列300D2と300D4は、カプラアンテナ300Eと、水平偏波姿勢にあるカプラアンテナ300Hとから構成される。従って、カプラアンテナ300は、平面視では、円周方向に垂直偏波姿勢のカプラアンテナ300Vと水平偏波姿勢にあるカプラアンテナ300Hとが交互に配置されている。
通信アンテナ250の直下に配置されるカプラアンテナ300Eは、電力測定試験とEVM測定試験に好適に使用される。
<カプラユニット>
図15に戻り、カプラユニット800は、筐体100の底部に固定されるXYステージ810と、XYステージ810によって支持されたカプラ支持部材820とを備える。カプラ支持部材820は、XYステージ810に固定される固定ベース821と、固定ベース821から立設する複数の支持アーム823、825とを備える。
XYステージ810は、カプラ支持部材820を試験空間S内において水平移動させる手段である。
XYステージ810は、筐体100の底部に固定されると共にX軸方向に沿って伸びるX方向レール801を備えたステージベース802と、Y軸方向に沿って伸びるY方向レール803を備えると共に、X方向レール801によってステージベース802上をX軸方向に往復移動するXステージ804と、Y方向レール803によってXステージ804上をY軸方向に往復移動するYステージ805とを備える。
XYステージ810は、カプラ支持部材820を試験空間S内における任意のX方向位置及びY方向位置に移動させると共に、カプラ支持部材820を該位置に固定する公知の手段である。
XYステージ810は、ビームスポット311が通信機器240の通信アンテナ250の位置と一致するように、カプラ支持部材820を移動させることができる。即ち、XYステージ810の可動域は、通信機器240の任意の平面位置にビームスポット311を合致させることができる範囲内に設定される。
固定ベース821は、支持アーム823、825を支持する手段である。固定ベース821の中心部には、カプラアンテナ300Eが着脱自在にネジ止め固定される。
支持アーム823、825は、カプラアンテナ300V、300Hを固定ベース821に対して所定の上下方向位置及び所定の仰角にて支持する手段である。カプラアンテナ300V、300Hは、支持アーム823、825の先端部に着脱自在にネジ止め固定される。なお、支持アーム823、825は、カプラアンテナ300を、垂直偏波姿勢又は水平偏波姿勢の何れの姿勢に支持することができる。
支持アーム823は、カプラアンテナ300V、300Hを仰角−30度又は−150度となる位置及び仰角にて支持する手段である。支持アーム825は、カプラアンテナ300V、300Hを仰角−50度又は−130度となる位置及び仰角にて支持する手段である。複数の支持アーム823、825は、カプラアンテナ300Eを中心として同心円状に所定間隔にて配置される。
<効果>
本実施形態によれば、通信機器240が一面に複数個の通信アンテナ250を備える場合に、カプラユニットを各通信アンテナに対応して移動させることができる。また、一の通信アンテナを中心とする半球状にカプラアンテナを配置するので、試験対象アンテナから夫々のカプラアンテナに向けてアンテナビームを放射したときに、各カプラアンテナに対する空間損失が一定となり、受信した電波の受信レベルの補正が一定値で済み、各種の特性値を簡便に得ることができる。
〔第四の実施形態〕
図17は、本発明の第四の実施形態に係るカプラユニットを示す斜視図である。
本実施形態に係る試験装置は、各カプラアンテナ列を構成する各カプラアンテナを、そのカプラアンテナ列の伸びる方向に沿って、スライド自在に支持する点に特徴がある。
以下、第一乃至第三の実施形態と同様の部材には同一の符号を付して適宜その説明を省略する。
<カプラユニット概要>
試験装置1Dは試験空間S内に、複数のカプラアンテナ300、300…を支持するカプラユニット900(カプラ支持手段)を備える。カプラユニット900は、一群のカプラアンテナ300、300…を、対応する(又は対向する)通信アンテナ250(試験対象アンテナ)を中心とする円弧上に1列に配置可能にする。
カプラユニット900は、カプラユニット900の前部に配置されるフロントユニット910と、カプラユニット900の後部に配置されるリアユニット920とを含んで構成される。フロントユニット910とリアユニット920は、夫々、カプラアンテナ300をカプラアンテナ列の伸びる方向に沿って進退に支持するガイドレール930(930A、930B)を備えている。
<<フロントユニット>>
フロントユニット910は、ガイドレール930Aを備えて前後方向に離間して配置された複数のフロントスライドフレーム911、911と、各フロントスライドフレーム911、911を筐体本体101に固定する複数の筐体取付片913、913…と、フロントスライドフレーム911、911に取り付けられたカプラアンテナ300と、各カプラアンテナ300と接続されるケーブルを支持するケーブルガイド915、915…とを備える。
各フロントスライドフレーム911、911に取り付けられた複数のカプラアンテナ300、300…は、夫々内周カプラアンテナ列を構成する。
図18は、フロントスライドフレームの正面図である。
フロントスライドフレーム911は、正面視で概略矩形枠状である。フロントスライドフレーム911、911は、試験空間S内の所定の前後方向位置に配置される。フロントスライドフレーム911の4つの角隅部には、筐体取付片913、913…が固定される。筐体取付片913、913…は、所定の前後方向位置において、フロントスライドフレーム911を筐体本体101の側面に固定する。
ケーブルガイド915、915…は、前後方向に延在する丸棒状の部材であり、両フロントスライドフレーム911、911の対応する角隅部同士を接続する。ケーブルガイド915、915…は、両フロントスライドフレーム911、911間を所定間隔に保持する間隔保持部材としても機能する。
フロントスライドフレーム911の内周部には、環状のガイドレール930Aが形成されている。本例に示すガイドレール930Aは、フロントスライドフレーム911の前面及び後面に形成された一対のガイド溝933を含んで構成される。
ガイドレール930Aは、試験空間Sの対向する2つの側面S1、S2、上面S3及び下面S4からなる内周面に沿ってエンドレス状に配置されている。即ち、ガイドレール930Aによって進退自在に支持される各カプラアンテナ300、300…は、内周カプラアンテナ列を構成する。ガイドレール930Aは、エンドレス状であるため、ガイドレール930A上の任意の位置にカプラアンテナ300を移動させることができる。
ガイドレール930Aは、正面視で概略長円形状である。ガイドレール930Aは、幅方向の両端部に上下方向に伸びる円弧状の湾曲部931(931a、931b)を、幅方向の中間部に両湾曲部931a、931bの長手方向の各端部を接続する連接部932(932a、932b)を備える。連接部932a、932bは湾曲部931a、931b間を接続して、ガイドレール930Aを無端状に構成する。連接部932a、932bは、幅方向に直線的に伸びている。
試験空間S内においては、通信機器240に搭載された通信アンテナ250a、250bの試験空間S内における前後方向位置が、フロントスライドフレーム911の試験空間S内における前後方向位置と一致するように配置される。フロントスライドフレーム911は、通信機器240を囲繞する。
湾曲部931a上の任意の位置に配置された各カプラアンテナ300、300…は、通信アンテナ250aを中心とする円弧上に1列に配置されたカプラアンテナ列300A(カプラアンテナ群)を形成する。カプラアンテナ列300Aは少なくとも3つのカプラアンテナ300を含んで構成される。各カプラアンテナ300と通信アンテナ250aとの距離は同一である。カプラアンテナ列300Aを構成する各カプラアンテナ300、300…は、対応する通信アンテナ250a上にビームスポット311を形成する。
同様に、湾曲部931b上の任意の位置に配置された各カプラアンテナ300、300…は、通信アンテナ250bを中心とする円弧上に1列に配置されたカプラアンテナ列300B(カプラアンテナ群)を形成する。カプラアンテナ列300Bは少なくとも3つのカプラアンテナ300を含んで構成される。各カプラアンテナ300と通信アンテナ250bとの距離は同一である。カプラアンテナ列300Bを構成する各カプラアンテナ300、300…は、対応する通信アンテナ250b上にビームスポット311を形成する。
湾曲部931は、各カプラアンテナ300を、これに対応する通信アンテナ250を中心とする円周方向に沿って進退させる。湾曲部931は、通信アンテナ250に対してカプラアンテナ300を所望の角度方向(仰角)に配置する。本例に示す湾曲部931は、カプラアンテナ300を仰角−90度〜+90度の範囲で移動させる。
連接部932は、各カプラアンテナ300を幅方向に水平に進退させる。連接部932は、通信機器240の直上又は直下にカプラアンテナ300…を配置する。通信機器240と連接部932上に位置するカプラアンテナ300との距離は、通信機器240の幅方向の全体で一定となる。
図示するフロントユニット910は、前後方向に離間して配置された2つのフロントスライドフレーム911、911を備える構成であるが、フロントユニット910は、1つの、又は3つ以上のフロントスライドフレーム911を備える構成としてもよい。
<<リアユニット>>
図17に戻り、リアユニット920は、ガイドレール930Bを備えて幅方向に離間して配置された複数のリアスライドフレーム921、921と、リアスライドフレーム921、921に取り付けられたカプラアンテナ300と、各カプラアンテナ300と接続されるケーブルを支持するケーブルガイド925、925…とを備える。
各リアスライドフレーム921、921に取り付けられた複数のカプラアンテナ300、300…は、夫々後方カプラアンテナ列を構成する。
図19は、リアスライドフレームの側面図である。図19には、リアスライドフレーム921を幅方向の他端側から観察した様子を示している。
リアスライドフレーム921は、側面視で概略C字状又はU字状である。リアスライドフレーム921、921は、試験空間S内の所定の幅方向位置に配置される。
ケーブルガイド925は幅方向に伸びる丸棒状の部材である。ケーブルガイド925は、リアスライドフレーム921の面内適所に形成された貫通孔に挿通されている。ケーブルガイド925は、リアスライドフレーム921、921を、ケーブルガイド925の長手方向の所定の位置に位置決め固定する。
ケーブルガイド925の幅方向の両端部は筐体本体101の側面に固定される。ケーブルガイド925は、リアスライドフレーム921を筐体本体101に固定すると特に、試験空間S内の所定の幅方向位置に位置決め固定する固定手段として機能する。また、ケーブルガイド925、925…は、両リアスライドフレーム921、921間を所定間隔に保持する間隔保持部材として機能する。
リアスライドフレーム921の前部側、即ち、通信機器240と対向する側には、円弧状のガイドレール930Bが形成されている。本例に示すガイドレール930Bは、リアスライドフレーム921の幅方向両側面に形成された一対のガイド溝933を含んで構成される。
ガイドレール930Bは、後面S5に沿って少なくとも上下方向に一列に配置される。ガイドレール930Bは、試験空間Sの上面S3、後面S5、下面S4に沿うように配置される。即ち、ガイドレール930Bによって進退自在に支持される各カプラアンテナ300は、後方カプラアンテナ列を構成する。
試験空間S内においては、通信機器240に搭載された通信アンテナ250cの試験空間S内における幅方向位置が、リアスライドフレーム921の試験空間S内における幅方向位置と一致するように配置される。
ガイドレール930B上の任意の位置に配置された各カプラアンテナ300、300…は、通信アンテナ250cを中心とする円弧上に1列に配置されたカプラアンテナ列300C(カプラアンテナ群)を形成する。カプラアンテナ列300Cは少なくとも3つのカプラアンテナ300を含んで構成される。各カプラアンテナ300と通信アンテナ250cとの距離は同一である。カプラアンテナ列300Cを構成する各カプラアンテナ300、300…は、対応する通信アンテナ250c上にビームスポット311を形成する。
ガイドレール930Bは、各カプラアンテナ300を、これに対応する通信アンテナ250cを中心とする円周方向に沿って進退させる。ガイドレール930Bは、通信アンテナ250cに対してカプラアンテナ300を所望の角度方向(仰角)に配置する。本例に示すガイドレール930Bは、カプラアンテナ300を仰角−90度〜+90度の範囲で移動させる。
図示するリアユニット920は、幅方向に離間して配置された2つのリアスライドフレーム921、921を備える構成であるが、リアユニット920は、1つの、又は3つ以上のリアスライドフレーム921を備える構成としてもよい。
<ガイドレールに対するカプラアンテナの取り付け>
図20は、ガイドレールに対するカプラアンテナの取付方法について説明する図である。図20(a)は、ガイドレール及びこれに支持されたカプラアンテナを正面側から観察した斜視図であり、(b)はその正面図であり、(c)はカプラアンテナを搭載したカプラスライダを背面側から観察した斜視図である。以下、カプラアンテナ300をフロントスライドフレーム911に取り付けた場合の例により説明するが、カプラアンテナ300をリアスライドフレーム921に取り付ける場合も同様である。
カプラユニット900は、ガイドレール930と、ガイドレール930に沿ってスライドするカプラスライダ940と、カプラスライダ940に取り付けられたカプラアンテナ300とを備える。カプラアンテナ300は、カプラスライダ940を介してフロントスライドフレーム911に取り付けられる。
1個のカプラスライダ940には、1個のカプラアンテナ300が装着される。カプラユニット900は、夫々のカプラアンテナ300を個別に(独立して)ガイドレール930に沿って進退させる。
以下、カプラスライダ940のうち、通信機器240と対向する側を正面側とし、その反対側を背面側として説明する。
図20(c)に示すように、カプラスライダ940は、スライダベース941と、スライダベース941の背面側に、ガイド溝933、933内を走行するガイドローラ対943、943を備える。ガイドローラ対943は、フロントスライドフレーム911の厚さ方向に対向して配置された2つのガイドローラ943a、943bを含んで構成される。両ガイドローラ943a、943bは、スライダベース941によって正逆方向に回転可能に軸支されている。ガイドローラ対943は、ガイド溝933、933内においてフロントスライドフレーム911を厚さ方向(前後方向)に挟む。
ガイドローラ対943を構成するガイドローラの少なくとも一方(ガイドローラ943b)は、スライダベース941に内蔵されたビス等により、フロントスライドフレーム911の厚さ方向(図中矢印H方向)に進退可能に構成されている。ガイドローラ943a、943b間の間隔と、ガイドローラ対943のフロントスライドフレーム911に対する圧接力(摩擦力)は、ビス等により調整可能に構成されている。
フロントスライドフレーム911に対するガイドローラ対943の圧接力が所定値よりも小さい場合に、カプラスライダ940はガイドレール930に沿って進退する。また、フロントスライドフレーム911に対するガイドローラ対943の圧接力が所定値よりも大きい場合に、カプラスライダ940はフロントスライドフレーム911に対して固定されて、ガイドレール930上で停止する。
なお、カプラスライダ940は、例えば、ガイドローラ対943を構成するガイドローラの一方をスライダベース941から取り外すことにより、ガイドレール930に対して自在に着脱される。或いは、カプラスライダ940は、例えばガイドレール930の適所に設けたスライダ着脱部からガイドレール930に対して自在に着脱される。
<<カプラ回転機構>>
カプラアンテナ300は、カプラスライダ940に対してカプラアンテナ300を相対回転させるカプラ回転機構950を介してカプラスライダ940の正面側に取り付けられている。
本例に示すカプラ回転機構950は、アンテナビーム310(図6参照)を中心として、カプラアンテナ300を図中矢印G方向に正逆回転させる第一カプラ回転機構である。カプラ回転機構950は、回転ベース951に形成された円弧状の長孔953及び長孔953を介してカプラスライダ940に螺着されるビス955を含んで構成される。カプラ回転機構950は、カプラスライダ940上でカプラアンテナ300の姿勢を垂直偏波姿勢又は水平偏波姿勢に変位させる。
なお、本例において回転ベース951は、カプラアンテナ300の取付ベース303に相当する部品である。
カプラユニット900がカプラ回転機構950を備えることにより、カプラアンテナ300は、ガイドレール930上の任意の位置において、垂直偏波姿勢又は水平偏波姿勢にて支持される。
<効果>
通信機器240の開発段階では、大きさと通信アンテナ250の位置が夫々異なる各種の通信機器240について特性試験を行う場合がある。そのため、試験空間S内におけるカプラアンテナ300の配置を柔軟に変更できることが望ましい。
本実施形態によれば、通信機器240に対するカプラアンテナ300の位置をガイドレール930上で連続的に変更できるので、通信機器240に搭載された通信アンテナ250の位置に応じてカプラアンテナ300を配置できる。従って、大きさと通信アンテナ250の位置が夫々異なる各種の通信機器240について各種の特性試験を実施できる。
本実施形態におけるガイドレール930(湾曲部931、ガイドレール930B)は、カプラアンテナ300を、通信アンテナ250を中心とする円弧に沿って進退させる。従って、通信アンテナ250とカプラアンテナ300との距離を一定に維持したまま、通信アンテナ250に対するカプラアンテナ300の仰角を任意の角度に設定できる。通信アンテナ250に対するカプラアンテナ300の仰角によらず、通信アンテナ250とカプラアンテナ300との距離が一定となるため、発射された電波が空間を伝搬する時に受ける損失を一定にすることが出来、任意の仰角による通信アンテナ250の特性試験に係る計算が容易となる。
本実施形態においては、カプラアンテナ300の姿勢を、垂直偏波姿勢又は水平偏波姿勢に変位させるカプラ回転機構950を備えた。本実施形態によればカプラアンテナ300の姿勢を何れかの姿勢に容易に変化させることができる。仮に、カプラアンテナが一方向の直線偏波に対応したものであっても、水平偏波と垂直偏波とを切替えて各種の特性試験を実施できる。また、2つのカプラアンテナを近接して配置し、一方を水平偏波に設定し、他方を垂直偏波に設定することで、一方向に水平偏波と垂直偏波の電波を同時に送受信試験することができ、特定方向の異偏波によるMIMO試験やハンドオーバー試験を実施可能となる。
ビームフォーミング機能を有する通信機器においては、通信をする上で必要な方向にのみ電波を放射する。試験装置の特定位置にカプラアンテナを固定した場合、通信機器の大きさや通信機器の構造上の制約により、必ずしも通信アンテナから放射される電波をカプラアンテナに到達させることができない場合もあり、正確な測定ができない虞がある。
本実施形態においては、通信機器の周囲にカプラアンテナを周回状に配置することができる。従って、通信機器が放射する電波の方向に応じた位置にカプラアンテナを固定することができ、通信機器が放射する電波を確実に補足でき、より正確な測定が可能となる。本実施形態によれば、カプラアンテナを通信機器の周囲の任意の位置に固定できるので、1台の試験装置で大きさと通信アンテナ250の位置が夫々異なる各種の通信機器240について、通信アンテナ250から放射される電波を確実に補足した試験を実施できる。
〔第五の実施形態〕
図21は、本発明の第五の実施形態に係る試験装置を示す斜視図である。
本実施形態に係る試験装置は、カプラアンテナを筐体の側面に沿って前後方向にスライド自在に支持するガイドレール及び、カプラアンテナを筐体の後面に沿って幅方向にスライド自在に支持するガイドレールを備える点に特徴がある。
以下、第一乃至第四の実施形態と同様の部材には同一の符号を付して適宜その説明を省略する。
<筐体>
試験装置1Eにおいて、筐体100は、上面(一面)が開口した概略直方体状の筐体本体101と、筐体本体101の上面開口を自在に開閉する上蓋103とを備える。上蓋103は筐体本体101の後端上部に設けたヒンジ部109によって、筐体本体101に対して図中矢印J方向に回動可能に支持されている。また、筐体本体101の上面開口を閉止した上蓋103は筐体本体101の前端上部に設けた留具107によって閉止状態に維持される。ヒンジ部109から離間した上蓋103の適所には、上蓋103を開閉操作するグリップ117が取り付けられている。
図21に示す筐体100の背面には、図1に示す筐体100と同様に複数の同軸コネクタと複数のUSBコネクタが設けられる。
図21に示す筐体100の6つの内側面には、所定周波数の電波を吸収する電波吸収体131が取り付けられる。
<トレイ本体>
図22は、試験装置の内部構成を示した透視斜視図である。試験空間S内には通信機器240を支持するトレイ本体620が配置される。本実施形態におけるトレイ本体620は、前端部621aが筐体本体101の前面パネル113に固定されている点で、図13に示すトレイ本体620とは異なる。しかし、本実施形態におけるトレイ本体620の基本的な構成は、図13に示すトレイ本体620と同様であるため、詳細な説明を省略する。
<カプラユニット>
試験空間S内において、カプラアンテナ300を通信機器240に対して所定位置に配置するカプラユニット1000(カプラ支持手段)について説明する。
カプラユニット1000は、通信機器240の幅方向一端側に配置される右サイドユニット(第一サイドユニット)1011と、通信機器240の幅方向他端側に配置される左サイドユニット(第二サイドユニット)1012と、通信機器240の後端側に配置されるリアユニット1013と、を備える。
右サイドユニット1011は、各カプラアンテナ300が、通信機器240の幅方向一端部(右端部)に位置する通信アンテナ250a上にビームスポット311を形成するように、各カプラアンテナ300を支持する。
左サイドユニット1012は、各カプラアンテナ300が、通信機器240の幅方向他端部(左端部)に位置する通信アンテナ250b上にビームスポット311を形成するように、各カプラアンテナ300を支持する。
リアユニット1013は、各カプラアンテナ300が、通信機器240の後端部に位置する通信アンテナ250c上にビームスポット311を形成するように、各カプラアンテナ300を支持する。
<<サイドユニット・リアユニット>>
図23は、左右サイドユニットと通信機器との位置関係を示す正面図である。図24は、リアユニットと通信機器との位置関係を示す側面図である。
右サイドユニット1011、左サイドユニット1012、及びリアユニット1013は、夫々複数のサブユニット1020(サブユニット1020a〜1020c)を含んで構成される。サブユニット1020は、筐体本体101に対して固定される。サブユニット1020は、カプラアンテナ300のアンテナビーム310が所定の位置から所定の仰角にて、通信アンテナ250に対して向けられるように、カプラアンテナ300を支持する。
例えば、サブユニット1020aは仰角0度で、サブユニット1020bは仰角−45度で、サブユニット1020cは仰角−90度で、カプラアンテナ300のアンテナビーム310が通信アンテナ250に向くように、夫々カプラアンテナ300を支持する。
ここで、本実施形態においては、通信機器240の上方にカプラアンテナ300を配置していない。これは、通信機器240の上面に設けられたディスプレイ面側からは、ディスプレイに遮られて24GHz〜43.5GHzの電波が放射されない場合を考慮したものである。本実施形態においては、通信機器240の直上にNFCアンテナユニット400を1台だけ配置することで、筐体100の高さを短縮し、試験装置の小型化を図っている。
なお、カプラアンテナ300のアンテナビーム310の仰角は上記以外の角度でもよい。
右サイドユニット1011は、試験空間Sの側面S1と下面S4に沿って、複数のカプラアンテナ300を所定の前後方向位置において一列に配置することができる。左サイドユニット1012は、試験空間Sの側面S2と下面S4に沿って、複数のカプラアンテナ300を所定の前後方向位置において一列に配置することができる。各サイドユニット1011、1012によって支持されたカプラアンテナ300は、側面(S1又はS2)と下面S4とに沿って上下方向に一列に配置されたカプラアンテナ列300A、300B(側方カプラアンテナ列、カプラアンテナ群)を形成することができる。
リアユニット1013は、試験空間Sの後面S5と下面S4に沿って、複数のカプラアンテナ300を所定の幅方向位置において一列に配置することができる。リアユニット1013によって支持された複数のカプラアンテナ300は、後面S5と下面S4とに沿って上下方向に一列に配置されたカプラアンテナ列300C(後方カプラアンテナ列、カプラアンテナ群)を形成することができる。
<<<サブユニット>>>
図25は、サブユニットの一例を示す斜視図である。なお、本図には、サブユニット1020a(仰角0度用)を示している。
サブユニット1020は、試験空間Sの各面に沿って伸びるガイドレール1021、ガイドレール1021によって進退可能に支持されたカプラスライダ1030、カプラスライダ1030に搭載されたカプラアンテナ300、及びガイドレール1021を筐体本体101に固定する筐体取付片1040を備える。
ガイドレール1021は両側部に形成された一対のガイド溝1023、1023を備える。ガイド溝1023は、ガイドレール1021の長手方向に沿って直線的に形成されている。ガイド溝1023は、カプラスライダ1030を直線的に往復移動させる。
カプラスライダ1030は、ガイドレール1021に形成されたガイド溝1023、1023に係合すると共にガイド溝1023、1023内を走行する爪1031、1031と、先端部がガイドレール1021の表面に向けて進退する固定ネジ1033とを備える。固定ネジ1033は、その先端面がガイドレール1021に圧接したときにカプラスライダ1030をガイドレール1021に対して固定し、先端面がガイドレール1021から離間したときにカプラスライダ1030をガイドレール1021に沿ってスライド可能にする。カプラスライダ1030は、ガイドレール1021の長手方向の何れかの端部から、ガイドレール1021に対して自在に着脱される。
カプラアンテナ300は、カプラスライダ1030に対してカプラアンテナ300を相対回転させるカプラ回転機構950を介してカプラスライダ1030に取り付けられている。本例に示すカプラ回転機構950は、アンテナビーム310(図6参照)を中心として、カプラアンテナ300を回転させる第一カプラ回転機構である。カプラ回転機構950の詳細構成は、図20に示した通りであるため、詳細な説明を省略する。
1個のカプラスライダ1030には、1個のカプラアンテナ300が装着される。カプラユニット1000は、夫々のカプラアンテナ300を個別に(独立して)ガイドレール1021に沿って進退させる。
筐体取付片1040は、ガイドレール1021を筐体本体101に対して固定する手段である。筐体取付片1040は、ガイドレール1021及びカプラスライダ1030を介してカプラアンテナ300を支持する。
図23に示すように、筐体取付片1040は、一部1040a(長手方向の一端)を筐体本体101に固定され、他部(長手方向の他端部)に形成された取付面1040bにおいてガイドレール1021を直接支持する。
筐体取付片1040の長手方向に対する取付面1040bの角度は、筐体取付片1040が間接的に支持するカプラアンテナ300の仰角に応じた角度に設定されている。例えば、サブユニット1020bを構成する筐体取付片1040の取付面1040bは、筐体取付片1040の長手方向に対して45度傾斜している。筐体取付片1040は、通信アンテナ250に対するカプラアンテナ300の仰角を決定する。
また、筐体取付片1040は、通信アンテナ250とカプラアンテナ300との距離を決定する。即ち、筐体取付片1040の長手方向長は、一組のサブユニット1020a〜1020cに搭載された各カプラアンテナ300、300…が、通信アンテナ250に対して等距離となるカプラアンテナ列を形成するように設定されている。例えば、左サイドユニット1012を構成する一組のサブユニット1020a〜1020cにおいて、左サイドユニット1012と対向する通信アンテナ250bと同等の前後方向位置となるように夫々配置された各カプラアンテナ300、300…は、通信アンテナ250bに対して等距離に配置されたカプラアンテナ列300Bを形成する。
ここで、各カプラアンテナ300、300…と通信アンテナ250との距離は例えば50mmのように設定される。通信アンテナ250からの距離が50mm以下となるようにカプラアンテナ300を配置することによって、空間ロスを抑えつつ、通信アンテナ250とカプラアンテナ300間での良好な通信を実現すると共に、試験装置1Eの小型化を図ることが可能となる。
<<NFCアンテナユニットの配置>>
試験装置1Eは、試験空間S内に任意でNFCアンテナユニット400(400A、400B)を備えてもよい。本例に示す試験装置1Eは、試験空間Sと対向する上蓋103の適所に取り付けられたNFCアンテナユニット400Aと、試験空間Sの前方下部に取り付けられたNFCアンテナユニット400Bとを備える。
NFCアンテナユニット400Aは、上蓋103が閉止されたときに、通信機器240の直上に位置する。
NFCアンテナユニット400Bは、筐体本体101の底面に固定された筐体取付片410によって支持されている。筐体取付片410は、一部410a(長手方向の一端)を筐体本体101の底面に固定され、他部(長手方向の他端部)に形成された取付面410bにおいてNFCアンテナユニット400Bを支持する。取付面410bの角度は、NFCアンテナユニット400Bが所定の仰角にて通信機器240に向くように設定されている。
<効果>
通信機器240の開発段階では、大きさと通信アンテナ250の位置が夫々異なる各種の通信機器240について特性試験を行う場合がある。そのため、試験空間S内におけるカプラアンテナ300の配置を柔軟に変更できることが望ましい。
本実施形態によれば、通信機器240に対するカプラアンテナ300の位置をガイドレール1021上で連続的に変更できるので、通信機器240に搭載された通信アンテナ250の位置に応じてカプラアンテナ300を配置できる。従って、大きさと通信アンテナ250の位置が夫々異なる各種の通信機器240について各種の特性試験を実施できる。
本実施形態においては、通信機器240と同等の高さ位置から下方にかけてカプラアンテナ300を配置したので、筐体100の高さを、第一乃至第四の実施形態に示した筐体100に比べて低くできる。
本実施形態においては、前端部621aが前面パネル113に固定されたトレイ本体620によって通信機器240を支持する構成としたが、図13に示すような、筐体本体101から引き出し式に出し入れ可能なトレイユニットを用いて通信機器240を支持する構成としてもよい。
本実施形態に係る試験装置は、カプラアンテナ列と交差する方向に、特に本例では筐体本体101の側面(幅方向両側面及び後面)に沿って水平方向に直線的にカプラアンテナ300をガイドするガイドレール1021を備えた。本態様によれば、ガイドレール1021の構造を単純化できるので、試験装置1Eを小型化できる。
ガイドレール1021によって支持されたカプラアンテナ300は、通信機器240の端縁(幅方向の各端縁、後端縁)に沿って往復移動する。従って、通信アンテナ250の幅方向位置又は前後方向位置に応じて、カプラアンテナ300の位置を調整できる。
対となるサブユニット1020a〜1020cに搭載された一組のカプラアンテナ300、300…は、通信アンテナ250と同等の前後方向位置又は幅方向位置に配置されたときに、当該通信アンテナを中心とする円弧上に一列に配置されて、カプラアンテナ列(カプラアンテナ群)を形成する。本実施形態においては、仰角がガイドレール毎に固定的に設定されているので、各カプラアンテナ300の仰角の調整が不要となる。また、ガイドレール1021の構造を単純化できるので、試験装置1Eを小型化できる。
本例に係る試験装置は、サブ6GHz帯に対応したNFCアンテナユニットと、24GHz〜43.5GHzに対応した複数のカプラアンテナとを備えた。即ち、本例に係る試験装置は、5Gに割り当てられている周波数600MHz〜43.5GHzを網羅しており、各周波数に応じた試験を実施可能である。また、上記周波数帯よりも高い他の周波数帯(例えば60GHz〜)に対応するカプラアンテナを取り付けることによって、当該周波数帯におる通信試験を実施可能である。
カプラアンテナを取り付けるガイドレールには、複数のカプラアンテナを任意の長手方向位置に配置することができる。従って、同一のガイドレール上の異なる位置に配置された複数のカプラアンテナを用いて、ビームフォーミング試験、ハンドオーバー試験を実施できる。また、複数個のカプラアンテナを組み合わせることでMIMO試験を実施できる。

上述のとおり、本実施形態に示した試験装置1台のみで、5Gに対応した通信機器の評価に必要な各種の特性試験(電力測定、EVM測定、スプリアス測定、MIMO試験、ビームフォーミング試験、ハンドオーバー試験、プロトコル試験)を実施することができる。本実施形態においては、通信アンテナ250が送受信する電波の近傍界の範囲に(本例では通信機器から50mmの距離に)カプラアンテナを配置したことにより、試験装置を小型化することができる。
本例においては、筐体取付片1040を介してガイドレール1021を筐体本体101に固定したが、サブユニット1020は、試験空間S内におけるガイドレール1021の高さ方向位置を維持したまま、通信機器240に対してガイドレール1021を接近又は離間させるガイド手段を備えてもよい。ガイド手段は、ガイドレール1021を支持する筐体101の内側面に対して、ガイドレール1021を離間又は接近移動させる。この場合、ガイド手段は、カプラアンテナ300の仰角(カプラアンテナ300の向き)を一定に維持したままガイドレール1021を移動させる。
試験装置が上記ガイド手段を備えた場合には、通信機器240に対するカプラアンテナ300の位置を通信機器240の大きさに応じて調整可能となる。
〔カプラ回転機構の他の例〕
図26は、サブユニットの他の例を示す斜視図である。
カプラアンテナ300は、カプラ回転機構950(第一カプラ回転機構)に加えて、アンテナビーム310(図6参照)の仰角を調整するカプラ回転機構1050(第二カプラ回転機構)を介してカプラスライダ1030に取り付けられてもよい。
カプラ回転機構1050は、カプラスライダ1030に設けられた軸支部1035によって正逆方向に回転自在に軸支された回転ベース1051を備える。軸支部1035の軸線は、ガイドレール1021の長手方向に沿って伸びており、回転ベース1051はカプラスライダ1030に対して矢印K方向に正逆方向に回転する。
このように、カプラ回転機構1050を備えることにより、通信アンテナに対するカプラアンテナ300の仰角を微調整可能となる。
なお、カプラアンテナ300は、アンテナビーム310の方位角を調整するカプラ回転機構(第三カプラ回転機構)を介してカプラスライダ1030に取り付けられてもよい。第三カプラ回転機構は、アンテナビーム310に沿った軸線を中心として、第二カプラ回転機構を90度回転させた構成として示される。
カプラアンテナ300は、第一乃至第三カプラ回転機構の全部又は一部を介してカプラスライダ1030に取り付けられてもよい。
〔変形例〕
上記各実施形態において、トレイ本体は、通信機器240のディスプレイ面を上面として、通信機器240を試験空間S内に固定的に支持する構成であるが、トレイ本体は、通信機器240のディスプレイ面を下面として、又は通信機器240を起立した姿勢で支持してもよい。
第一、第二、第四、第五の実施形態においては、夫々の通信アンテナ250に対してカプラアンテナ300を上下方向に並べて配置したが、カプラアンテナ300はその他の配列で並べられてもよい。例えば、カプラアンテナ300は対応する通信アンテナ250を中心とする円周上に水平方向に所定の方位角にて並べられてもよいし、通信アンテナ250を中心とする球面上に並べられてもよい。
上記各実施形態においては、一のカプラアンテナ群を構成するカプラアンテナ300を、対応する通信アンテナ250を中心とする円弧上又は球面上に配置した。しかし、カプラアンテナ300の配置はこれに限られない。各カプラアンテナ300は、各通信アンテナ250から放射される電波が各カプラアンテナ300に到達できる位置に配置されていればよい。具体例を示せば、一のカプラアンテナ群を構成する各カプラアンテナのアンテナビームが、対応する通信アンテナ250に集束するように、各カプラアンテナがカプラ支持手段によって支持されていればよい。
上記各実施形態に示した各構成は、互いに矛盾しない限り、適宜組み合わせて実施されてもよい。
〔本発明の実施態様例と作用、効果のまとめ〕
<第一の実施態様>
本態様は、通信機器240に備えられたマイクロ波帯又はミリ波帯用の試験対象アンテナ(通信アンテナ250)の特性試験を近傍界にて実施する通信機器の試験装置1であって、電波暗室としての試験空間Sを形成する電波暗箱(筐体100、トレイユニット200のパネル部210、及び、電波吸収体131、211)と、試験空間内に通信機器を支持する通信機器支持手段(トレイ本体220)と、試験対象アンテナから放射される電波を受信し又は試験対象アンテナに対して電波を送信する複数のカプラアンテナ300を支持するカプラ支持手段(カプラ支持フレーム520)と、を備える。
カプラ支持手段は、電波暗箱の対向する2つの側面S1、S2、上面S3、及び下面S4から成る内周面に沿って延びる曲線に沿って少なくとも一列に配置された複数の内周カプラアンテナ(カプラアンテナ300)からなる内周カプラアンテナ列(カプラアンテナ列300A、300B)と、内周面の周方向と交差する後面S5に沿って延びる曲線に沿って少なくとも上下方向に一列に配置された後方カプラアンテナ(カプラアンテナ300)からなる後方カプラアンテナ列(カプラアンテナ列300C)と、を形成可能に構成されていることを特徴とする。
本態様によれば、試験対象アンテナの特性試験を近傍界範囲内にて実施するので、試験装置を小規模化することができる。また、通信機器と複数のカプラアンテナとを固定的に配置できるので、簡易な構成とすることができる。更に、第五世代通信システムにおける通信機器は複数の通信アンテナを備え、各通信アンテナの位相を調整することにより、通信機器が放射するアンテナビームを特定の方向に向けることが可能である。本態様において試験空間内には、通信装置を取り囲むように複数のカプラアンテナを配置できるので、通信装置とカプラアンテナを移動させることなく、アンテナビームを特定のカプラアンテナに向けた場合の各カプラアンテナの受信レベルを取得することが可能である。
<第二、第三の実施態様>
第二の態様に係る試験装置1において、カプラ支持手段(カプラ支持フレーム520)は、内周カプラアンテナ列(300A1〜300A3、300B1〜300B3)を、電波暗箱(試験空間S)の前後方向に沿って複数列配置可能に構成されていることを特徴とする。
第三の態様に係る試験装置1において、カプラ支持手段(カプラ支持フレーム520)は、後方カプラアンテナ列(300C1〜300C3)は、電波暗箱(試験空間S)の幅方向に沿って複数列配置可能に構成されていることを特徴とする。
仮に、通信アンテナが複数個存在する場合には、各通信アンテナに夫々カプラアンテナ列を対応させることができる。或いは、一の通信アンテナに対して複数のカプラアンテナ列を対応させることができる。本態様によれば、特性試験の自由度を高めることができる。
<第四の実施態様>
本態様に係る試験装置1において、各カプラアンテナ300はカプラ支持手段(カプラ取付フレーム570)に対して選択的に着脱可能であることを特徴とする。
本態様によれば、カプラアンテナの配置の自由度を高めることができる。
<第五の実施態様>
本態様に係る試験装置1において、各カプラアンテナ300は、水平偏波を受信する水平偏波姿勢、又は、垂直偏波を受信する垂直偏波姿勢を取り、各カプラアンテナはカプラ支持手段(カプラ取付フレーム570)に対して水平偏波姿勢と垂直偏波姿勢とに選択的に取り付け可能であることを特徴とする。
本態様において、カプラアンテナは一方向の直線偏波を送受信する手段である。カプラ支持手段は、カプラアンテナを水平偏波姿勢又は垂直偏波姿勢にて支持できるので、本態様によれば、特定方向の異偏波による各種の特性試験を実施できる。また、本態様によれば、カプラアンテナの配置の自由度を高めることができる。
<第六の実施態様>
本態様に係る試験装置1において、通信機器支持手段(トレイ本体220)は、支持している通信機器240の試験対象アンテナ(通信アンテナ250)の水平方向(仰角0度方向)に相当するカプラアンテナ列(300A、300B、300C)内にカプラアンテナ300を配置可能な構造を有していることを特徴とする。
本態様によれば、カプラアンテナの配置の自由度を高めることができる。
<第七の実施態様>
本態様に係る試験装置1において、各カプラアンテナ300は、試験対象アンテナ(通信アンテナ250)が一のカプラアンテナに向けて放射する電波が、隣接する他のカプラアンテナにおいて十分に減衰する位置に配置されることを特徴とする。
本態様によれば、電波の受信レベルを特性グラフ上で切り分けて観察可能となる。
<第八の実施態様>
本態様に係る試験装置1において、試験対象アンテナ(通信アンテナ250)と各カプラアンテナ列(300A、300B、300C)を構成する各カプラアンテナ300との距離が等距離(距離La、Lb、Lc)であることを特徴とする。
本態様によれば、試験対象アンテナから夫々のカプラアンテナに向けてアンテナビームを放射したときに、各カプラアンテナが受信した電波の受信レベルの値に対して空間損失を考慮した補正が一定値で済み、各種の特性値を簡便に得ることができる。
<第九の実施態様>
本態様は、本態様は、通信機器240に備えられたマイクロ波帯又はミリ波帯用の試験対象アンテナ(通信アンテナ250)の特性試験を近傍界にて実施する通信機器の試験装置1であって、電波暗室としての試験空間Sを形成する電波暗箱(筐体100、トレイユニット200のパネル部210、及び、電波吸収体131、211)と、試験空間内に通信機器を支持する通信機器支持手段(トレイ本体220)と、試験対象アンテナから放射される電波を受信し又は試験対象アンテナに対して電波を送信する複数のカプラアンテナ300を支持するカプラ支持手段(カプラ支持部材820)と、を備える。
カプラ支持手段は、試験対象アンテナを中心とする第一の円弧上に一列に配置された複数のカプラアンテナを含んで構成される第一のカプラアンテナ列(カプラアンテナ列300D1〜300D4の一つ)と、試験対象アンテナを中心とする第二の円弧上に一列に配置された複数のカプラアンテナを含んで構成される第二のカプラアンテナ列(カプラアンテナ列300D1〜300D4の他の一つ)と、を形成可能に構成されていることを特徴とする。
本態様によれば、カプラアンテナを、試験対象アンテナを中心とする球面上に配置できるので、試験対象アンテナから夫々のカプラアンテナに向けてアンテナビームを放射したときに、各カプラアンテナが受信した電波の受信レベルの値に対して空間損失を考慮した補正が一定値で済み、各種の特性値を簡便に得ることができる。
<第十の実施態様>
本態様に係る試験装置は、カプラ支持部材(カプラ支持部材820)を試験空間S内において水平移動させるXYステージ810を備えること特徴とする。
本態様によれば、通信機器に搭載された試験対象アンテナの位置に応じてカプラアンテナを移動させることができる。
<第十一の実施態様>
本態様に係る試験装置1は、通信機器240に少なくとも1つ備えられたマイクロ波帯又はミリ波帯用の試験対象アンテナ(通信アンテナ250)の特性試験を近傍界にて実施する装置である。
試験装置は、電波暗室としての試験空間Sを形成する電波暗箱(筐体100、トレイユニット200のパネル部210、及び電波吸収体131、211)と、試験空間内に通信機器を支持する通信機器支持手段(トレイ本体220、620)と、試験対象アンテナから放射される電波を受信し又は該試験対象アンテナに対して電波を送信する複数のカプラアンテナ300を着脱自在に支持するカプラ支持手段(フレームユニット、カプラ支持部材、カプラユニット)と、を備える。カプラ支持手段は、各カプラアンテナのアンテナビーム310が、該各カプラアンテナが試験対象とする試験対象アンテナに集束するように各カプラアンテナを支持することを特徴とする。
本態様によれば、試験対象アンテナの特性試験を近傍界範囲内にて実施するので、試験装置を小規模化できる。本試験装置一台で、5Gに対応した通信機器の各種の特性試験を実施できる。
また、各カプラアンテナのアンテナビームが、試験対象アンテナに集束する位置にカプラアンテナを配置できるので、各試験対象アンテナから放射される電波を確実にカプラアンテナに到達させることができ、正確な測定が可能となる。
<第十二の実施態様>
本態様に係る試験装置1において、カプラ支持手段(フレームユニット、カプラ支持部材、カプラユニット)は、試験対象アンテナ(通信アンテナ250)に対向する少なくとも3つのカプラアンテナ300を含んで構成されるカプラアンテナ群(カプラアンテナ列300A〜300D)を、試験対象アンテナ毎に形成可能に構成されていることを特徴とする。
本態様においては、試験対象アンテナと対向する複数のカプラアンテナによってカプラアンテナ群を形成し、各試験対象アンテナに対してカプラアンテナ群を対応づけることができる。この構成により、各試験対象アンテナから放射される電波を確実にカプラアンテナに到達させることができ、正確な測定が可能となる。
<第十三の実施態様>
本態様に係る試験装置1において、カプラ支持手段(フレームユニット、カプラ支持部材、カプラユニット)は、各カプラアンテナ群を構成する各カプラアンテナ300を、該各カプラアンテナ群に対応した試験対象アンテナ(通信アンテナ250)を中心とする球面上に、又は円弧に沿って1列に、配置可能にすることを特徴とする。
本態様においては、各カプラアンテナを、対応する試験対象アンテナを中心とする球面上に、又は試験対象アンテナを中心とする円弧に沿って配置するため、一群の各カプラアンテナと対応する試験対象アンテナとの距離が一定となる。本態様によれば、測定値に基づいて、より正確な試験結果を得ることができる。
<第十四の実施態様>
本態様に係る試験装置1Dにおいて、カプラ支持手段(カプラユニット900)は、一のカプラアンテナ群を構成する複数のカプラアンテナ300、300…を、円弧(内周カプラアンテナ列、後方カプラアンテナ列)に沿って夫々進退させるガイド手段(ガイドレール930、カプラスライダ940)を備えることを特徴とする。
本態様によれば、試験空間S内におけるカプラアンテナ300の配置を柔軟に変更できる。本態様によれば、カプラアンテナを円弧に沿って進退させるので、試験対象アンテナとカプラアンテナとの距離を一定に維持したまま、カプラアンテナを自在に移動させることができる。
<第十五の実施態様>
本態様に係る試験装置1Eにおいて、カプラ支持手段(カプラユニット1000)は、一のカプラアンテナ群を構成する複数のカプラアンテナ300、300…を、円弧(側方カプラアンテナ列、後方カプラアンテナ列)と交差する方向に沿って夫々進退させるガイド手段(ガイドレール1021、カプラスライダ1030)を備えることを特徴とする。
本態様によれば、試験空間S内におけるカプラアンテナ300の配置を柔軟に変更できる。本態様によれば、カプラアンテナを円弧と交差する方向に沿って進退させるので、ガイド手段の構成を単純化することができ、試験装置の小型化を図れる。
<第十六の実施態様>
本態様に係る試験装置1において、カプラアンテナ300は一方向の直線偏波を送受信する手段であり、カプラ支持手段(フレームユニット、カプラ支持部材、カプラユニット)は、各カプラアンテナを、水平偏波を送受信する水平偏波姿勢と垂直偏波を送受信する垂直偏波姿勢との何れかの姿勢にて支持することを特徴とする。
カプラアンテナが一方向の直線偏波に対応したものであっても、カプラ支持手段に対してカプラアンテナを水平偏波又は垂直偏波を送受信可能な夫々の姿勢に切り替えて取り付けることができるので、特定方向の異偏波による各種の特性試験を実施可能となる。
<第十七の実施態様>
本態様に係る試験装置1において、カプラアンテナ300は一方向の直線偏波を送受信する手段であり、各カプラアンテナは、各カプラアンテナを、水平偏波を送受信する水平偏波姿勢、又は、垂直偏波を送受信する垂直偏波姿勢に変位させるカプラ回転機構950によって支持されていることを特徴とする。
カプラアンテナが一方向の直線偏波に対応したものであっても、カプラ回転機構によってカプラアンテナを水平偏波又は垂直偏波を送受信可能な夫々の姿勢に切り替えることができるので、特定方向の異偏波による各種の特性試験を実施可能となる。
1…試験装置、100…筐体、101…筐体本体、103…上蓋、107…留具、109…ヒンジ部、111…トレイ開口、113…前面パネル、115…フランジ部、117…グリップ、121,122,123…同軸コネクタ、125…USBコネクタ、131…電波吸収体、141…ケーブルガイド、150…ガイドレール、151…外ガイドレール、153…内ガイドレール、200…トレイユニット(通信機器支持手段)、210…パネル部、211…電波吸収体、213…トレイ取手、215…USBコネクタ、220…トレイ本体、230…スライダ、231…外スライダ、233…内スライダ、240…通信機器、241…ディスプレイ、243a…一端縁、243b…他端縁、243c…上端縁、243d…下端縁、250…通信アンテナ(試験対象アンテナ)、250a1〜250d…通信アンテナ、300…カプラアンテナ、300A1〜300D3…カプラアンテナ列、300E,V,H…カプラアンテナ、301…ケース、301a…表カバー、301b…裏カバー、303…取付ベース、307…送受信面、310…アンテナビーム、311…ビームスポット、320…アンテナ本体、400…NFCアンテナユニット、410…筐体取付片、410a…一部、410b…取付面、450…カメラユニット、500…フレームユニット、510…底部フレーム、511…底部ベース、513…底部サイドフレーム、515…第二アンテナ収容空間、520…カプラ支持フレーム(カプラ支持手段)、521…フロントフレーム、523…リアフレーム、530…下部フレーム、531…下部ベース、531a…開口部、533…下部フロントフレーム、535…下部リアフレーム、550…上部フレーム、551…上部ベース、553…上部フロントフレーム、555…上部リアフレーム、570…カプラ取付フレーム、571…ネジ穴、571a,571b…ネジ穴、600…トレイユニット(通信機器支持手段)、620…トレイ本体、621…アーム部、621a…前端部、621b…後端部、623…載置部、625…位置決め部材、700…フレームユニット、710…中間フレーム、711…中間フロントフレーム、713…中間リアフレーム、800…カプラユニット(カプラ支持手段)、801…X方向レール、802…ステージベース、803…Y方向レール、804…Xステージ、805…Yステージ、810…XYステージ、820…カプラ支持部材、821…固定ベース、823,825…支持アーム、900…カプラユニット(カプラ支持手段)、910…フロントユニット、911…フロントスライドフレーム、913…筐体取付片、915…ケーブルガイド、920…リアユニット、921…リアスライドフレーム、925…ケーブルガイド、930…ガイドレール(ガイド手段)、931…湾曲部、932…連接部、933…ガイド溝、940…カプラスライダ(ガイド手段)、941…スライダベース、943…ガイドローラ対、943a,943b…ガイドローラ、950…カプラ回転機構(第一カプラ回転機構)、951…回転ベース、953…長孔、955…ビス、1000…カプラユニット(カプラ支持手段)、1011…右サイドユニット、1012…左サイドユニット、1013…リアユニット、1020…サブユニット、1021…ガイドレール(ガイド手段)、1023…ガイド溝、1030…カプラスライダ(ガイド手段)、1031…爪、1033…固定ネジ、1035…軸支部、1040…筐体取付片、1040a…一部、1040b…取付面、1050…カプラ回転機構(第二カプラ回転機構)、1051…回転ベース。
上記の課題を解決するために、本発明は、通信機器に少なくとも1つ備えられたマイクロ波帯又はミリ波帯用の試験対象アンテナの特性試験を近傍界にて実施する前記通信機器の試験装置であって、中空部内に電波暗室としての試験空間を形成する筐体と、前記試験空間内に前記通信機器を支持する通信機器支持手段と、前記試験対象アンテナから放射される電波を受信し又は前記試験対象アンテナに対して電波を送信する複数のカプラアンテナを着脱自在に支持するカプラ支持手段と、を備え、該カプラ支持手段は、前記試験空間の一面に沿って直線的に伸びると共に、前記カプラアンテナを長手方向に沿って夫々進退可能に支持する複数のガイドレールと、長手方向の一部が前記筐体に固定され、長手方向の他部に夫々前記ガイドレールを所定の仰角にて支持する取付面を有した複数の筐体取付片と、を備え、該筐体取付片の長手方向長及び前記取付面の傾斜角度は、前記各ガイドレールによって支持される前記各カプラアンテナのアンテナビームが所定の仰角で前記通信機器に向けて放射されるように設定されており、前記筐体取付片によって夫々異なる仰角に設定された前記各ガイドレールによって支持される複数の前記カプラアンテナによって一のカプラアンテナ群を形成し、該一のカプラアンテナ群を形成する複数の前記カプラアンテナからの前記アンテナビームを、該カプラアンテナ群が試験対象とする前記試験対象アンテナに集束させるようにしたことを特徴とする。


Claims (17)

  1. 通信機器に備えられたマイクロ波帯又はミリ波帯用の試験対象アンテナの特性試験を近傍界にて実施する前記通信機器の試験装置であって、
    電波暗室としての試験空間を形成する電波暗箱と、
    前記試験空間内に前記通信機器を支持する通信機器支持手段と、
    前記試験対象アンテナから放射される電波を受信し又は該試験対象アンテナに対して電波を送信する複数のカプラアンテナを支持するカプラ支持手段と、を備え、
    該カプラ支持手段は、前記電波暗箱の対向する2つの側面、上面、及び下面から成る内周面に沿って延びる曲線に沿って少なくとも一列に配置された複数のカプラアンテナからなる内周カプラアンテナ列と、前記内周面の周方向と交差する後面に沿って延びる曲線に沿って少なくとも上下方向に一列に配置された複数のカプラアンテナからなる後方カプラアンテナ列と、を形成可能に構成されていることを特徴とする試験装置。
  2. 前記カプラ支持手段は、前記内周カプラアンテナ列を、前記電波暗箱の前後方向に沿って複数列配置可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の試験装置。
  3. 前記カプラ支持手段は、前記後方カプラアンテナ列を、前記電波暗箱の幅方向に沿って複数列配置可能に構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の試験装置。
  4. 前記各カプラアンテナは前記カプラ支持手段に対して選択的に着脱可能であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の試験装置。
  5. 前記各カプラアンテナは、水平偏波を受信する水平偏波姿勢、又は、垂直偏波を受信する垂直偏波姿勢を取り、前記各カプラアンテナは前記カプラ支持手段に対して前記水平偏波姿勢と前記垂直偏波姿勢とに選択的に取り付け可能であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の試験装置。
  6. 前記通信機器支持手段は、支持している前記通信機器の前記試験対象アンテナの水平方向に相当する前記カプラアンテナ列内に前記カプラアンテナを配置可能な構造を有していることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の試験装置。
  7. 前記各カプラアンテナは、前記試験対象アンテナが一の前記カプラアンテナに向けて放射する電波が、隣接する他の前記カプラアンテナにおいて十分に減衰する位置に配置されることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の試験装置。
  8. 前記試験対象アンテナと前記各カプラアンテナ列を構成する各カプラアンテナとの距離が等距離であることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の試験装置。
  9. 通信機器に備えられたマイクロ波帯又はミリ波帯用の試験対象アンテナの特性試験を近傍界にて実施する前記通信機器の試験装置であって、
    電波暗室としての試験空間を形成する電波暗箱と、
    前記試験空間内に前記通信機器を支持する通信機器支持手段と、
    前記試験対象アンテナから放射される電波を受信し又は該試験対象アンテナに対して電波を送信する複数のカプラアンテナを支持するカプラ支持手段と、を備え、
    該カプラ支持手段は、前記試験対象アンテナを中心とする第一の円弧上に一列に配置された複数のカプラアンテナを含んで構成される第一のカプラアンテナ列と、前記試験対象アンテナを中心とする第二の円弧上に一列に配置された複数のカプラアンテナを含んで構成される第二のカプラアンテナ列と、を形成可能に構成されていることを特徴とする試験装置。
  10. 前記カプラ支持手段を前記試験空間内において水平移動させるXYステージを備えること特徴とする請求項9に記載の試験装置。
  11. 通信機器に少なくとも1つ備えられたマイクロ波帯又はミリ波帯用の試験対象アンテナの特性試験を近傍界にて実施する前記通信機器の試験装置であって、
    電波暗室としての試験空間を形成する電波暗箱と、
    前記試験空間内に前記通信機器を支持する通信機器支持手段と、
    前記試験対象アンテナから放射される電波を受信し又は該試験対象アンテナに対して電波を送信する複数のカプラアンテナを着脱自在に支持するカプラ支持手段と、を備え、
    該カプラ支持手段は、前記各カプラアンテナのアンテナビームが、該各カプラアンテナが試験対象とする前記試験対象アンテナに集束するように前記各カプラアンテナを支持することを特徴とする試験装置。
  12. 前記カプラ支持手段は、前記試験対象アンテナに対向する少なくとも3つの前記カプラアンテナを含んで構成されるカプラアンテナ群を、前記試験対象アンテナ毎に形成可能に構成されていることを特徴とする請求項11に記載の試験装置。
  13. 前記カプラ支持手段は、前記各カプラアンテナ群を構成する前記各カプラアンテナを、該各カプラアンテナ群に対応した前記試験対象アンテナを中心とする球面上に、又は円弧に沿って1列に、配置可能にすることを特徴とする請求項12に記載の試験装置。
  14. 前記カプラ支持手段は、一の前記カプラアンテナ群を構成する複数の前記カプラアンテナを、前記円弧に沿って夫々進退させるガイド手段を備えることを特徴とする請求項13に記載の試験装置。
  15. 前記カプラ支持手段は、一の前記カプラアンテナ群を構成する複数の前記カプラアンテナを、前記円弧と交差する方向に沿って夫々進退させるガイド手段を備えることを特徴とする請求項13に記載の試験装置。
  16. 前記カプラアンテナは一方向の直線偏波を送受信する手段であり、
    前記カプラ支持手段は、前記各カプラアンテナを、水平偏波を送受信する水平偏波姿勢と垂直偏波を送受信する垂直偏波姿勢との何れかの姿勢にて支持することを特徴とする請求項11乃至15の何れか一項に記載の試験装置。
  17. 前記カプラアンテナは一方向の直線偏波を送受信する手段であり、
    前記各カプラアンテナは、該各カプラアンテナを、水平偏波を送受信する水平偏波姿勢、又は、垂直偏波を送受信する垂直偏波姿勢に変位させるカプラ回転機構によって支持されていることを特徴とする請求項11乃至15の何れか一項に記載の試験装置。
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