JPWO2020105259A1 - 水現像性フレキソ印刷原版 - Google Patents

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Abstract

版面汚れ防止能の持続性を改善したフレキソ印刷原版を提供する。少なくとも支持体、及び前記支持体上に設けられた感光性樹脂層を含む水現像性フレキソ印刷原版であって、前記感光性樹脂層が、水分散ラテックス、光重合性不飽和化合物、光重合開始剤及びシリコーン化合物を含有するものにおいて、前記水分散ラテックスが、ポリブタジエンゴム及びポリニトリルブタジエンゴムからなる群より選ばれる一つ以上のラテックスゴムである場合、前記シリコーン化合物は、分子内にアミノ基を有するシリコーン化合物であり、かつ1.44以上1.60以下の屈折率を有し、前記水分散ラテックスが、ポリスチレンブタジエンゴムである場合、前記シリコーン化合物は、分子内にアミノ基を有するシリコーン化合物であり、かつ1.47以上1.63以下の屈折率を有する。

Description

本発明は、版面汚れ防止能及びその効果の持続性が改善された水現像性フレキソ印刷原版に関するものである。
通常、フレキソ印刷原版は、支持体上に感光性樹脂層が設けられた構造を有する。感光性樹脂層を形成する感光性樹脂組成物は、一般に、水分散ラテックスなどの高分子化合物、光重合性不飽和化合物、及び光重合開始剤を必須成分として含有し、必要に応じて、安定剤、可塑剤等の添加剤が配合されている。
一般的なフレキソ印刷版は、例えば、特許文献1に記載されるように、上述の原版を露光・現像および後露光工程に供することによって製造される。フレキソ印刷版を用いた印刷方式は、凹凸のある樹脂版の凸部表面に、インキ供給ロール等でインキを供給し、次に印刷版を被印刷体に接触させて、凸部表面のインキを被印刷体に転移させる方式である。このようなフレキソ印刷においては、印刷版の凸部のショルダー部分にインキが付着してきたり、凹部にインキが入りこんだりすること(以下、版面汚れ)が、長時間にわたっての印刷中にしばしば発生する。その結果、本来の絵柄でない部分まで印刷されることがあり、印刷品位の低下を起こしてしまう。このような印刷品位の低下が起こった場合には、一旦印刷を中止し、印刷版表面を洗浄液を用いて布等で拭き取る必要があり、印刷効率の低下をもたらしていた。
特に近年、フレキソ印刷の高精細印刷への適用が進んでおり、色や濃度の階調を出すため、高線数での網点印刷が盛んに行われている。この場合、網点と網点の間隔がより小さくなるために、インキが印刷版の網点谷間にさらに容易に詰まって溜まりやすくなる。印刷版の網点谷間にインキが一定以上溜まると、これらは被印刷物へと転移し、ドット絡みを発生させ、著しい印刷品位の低下をもたらす問題があった。
フレキソ印刷版の版面汚れ防止に関して、これまでに幾つかの方法が提案されている。例えば、特許文献2には、シリコーン化合物の撥インキ性を利用して、エラストマーからなる印刷版に、未変性シリコーン化合物の水系エマルジョンと水性樹脂の混合物を塗布する方法が提案されている。この方法では、未変性シリコーン化合物を使用しているため、シリコーン化合物が版面に固定されにくく、版面汚れ防止能は十分でなかった。
特許文献2の改良として、特許文献3には、フレキソ印刷版の製版時の露光工程以降に、変性シリコーン化合物を含む溶液を印刷版に接触させる方法が提案されている。この方法では、変性シリコーン化合物を用いることにより、シリコーン化合物の版面への固定が促進され、版面汚れ防止能に向上が見られる。しかし、ロングランの印刷においては、高解像度の網点印刷では版面汚れが発生し、版面汚れ防止効果の持続性は十分とは言えなかった。
特許文献4には、ゲル化度が50質量%以上であるラテックスを含むフレキソ印刷版に、アミノ変性シリコーン化合物を含有する液を接触させる方法が提案されている。この方法では、アミノ変性シリコーン化合物とゲル化ラテックスとの相互作用および/またはアミノ変性シリコーン化合物と乳化剤との相互作用により、ある程度の版面汚れ防止能が期待されるが、版面汚れ防止とその持続性のいずれも満足できるものではなく、高品位大量印刷には十分とは言えなかった。
特許文献5には、ジエン系ブロック共重合を水分散性高分子化合物として含有する感光性樹脂組成物にシリコーンオイルをさらに含有させたものから形成された感光性樹脂層を有する溶剤現像性フレキソ印刷原版が提案されている。この原版は、感光性樹脂層中に撥インキ成分を含有させているため、特許文献3及び4のような版面に撥インキ成分を接触させる方法に比べて版面汚れ防止効果の持続性に優れる。しかしながら、特許文献5の方法では、感光性樹脂層中へのシリコーン化合物の含有量が増加すると共に光散乱が大きくなり、それによって画像再現性が低下する問題がある。そのために、特許文献5の方法では、シリコーン化合物の含有量は、感光性樹脂層中に0.05質量%〜1.0質量%と少ない量に限定され、印刷版表面に存在する撥インキ成分の量を増加させることはできなかった。このため、特許文献5の方法では、十分な版面汚れ防止能を達成することには限界があった。
特開昭63−088555号公報 特開2002−292985号公報 国際公開第2005/064413号 国際公開第2011/081084号 国際公開第2007/116941号
本発明は、上記の従来技術の現状に鑑み創案されたものであり、その目的は、特許文献5の発明における感光性樹脂層中のシリコーン化合物の含有量を増加させた場合でも光散乱による画像再現性の低下を起こさない方法を提案し、シリコーン化合物の含有による版面汚れ防止能の持続性の効果を十分に享受することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために感光性樹脂層中のシリコーン化合物の含有量を増加させた場合に光散乱の問題を起こす原因について鋭意検討した。その結果、感光性樹脂層中の水分散性高分子化合物の屈折率とシリコーン化合物の屈折率に大きな差があり、これを原因として光散乱の問題が起こっていることを見出した。そしてその問題を解決するために、水分散性高分子化合物とシリコーン化合物の屈折率を合わせるように、シリコーン化合物にフェニル基などの芳香族環を含む基を導入することによって、シリコーン化合物の屈折率を水分散性高分子化合物の屈折率に近付けることができ、その結果として光散乱が防止され、シリコーン化合物の含有量を大幅に増加することが可能となり、印刷初期の版面汚れ防止能を飛躍的に改善できることを見出した。また、シリコーン化合物にさらにアミノ基を導入することによって、シリコーン化合物が組成物中に固定され、版面汚れ防止能の持続性をも飛躍的に向上できることを見出した。そして、これらの知見に基づき本発明の完成に至った。
即ち、本発明は、以下の(1)〜(7)の構成を有するものである。
(1)少なくとも支持体、及び前記支持体上に設けられた感光性樹脂層を含む水現像性フレキソ印刷原版であって、前記感光性樹脂層が、水分散ラテックス、光重合性不飽和化合物、光重合開始剤及びシリコーン化合物を含有すること、前記水分散ラテックスが、ポリブタジエンゴム及びポリニトリルブタジエンゴムからなる群より選ばれる一つ以上のラテックスゴムであること、及び前記シリコーン化合物が、分子内にアミノ基を有するシリコーン化合物であり、かつ1.44以上1.60以下の屈折率を有することを特徴とする水現像性フレキソ印刷原版。
(2)少なくとも支持体、及び前記支持体上に設けられた感光性樹脂層を含む水現像性フレキソ印刷原版であって、前記感光性樹脂層が、水分散ラテックス、光重合性不飽和化合物、光重合開始剤及びシリコーン化合物を含有すること、前記水分散ラテックスが、ポリスチレンブタジエンゴムであること、及び前記シリコーン化合物が、分子内にアミノ基を有するシリコーン化合物であり、かつ1.47以上1.63以下の屈折率を有することを特徴とする水現像性フレキソ印刷原版。
(3)前記シリコーン化合物が、分子内にアミノ基及び芳香族環を含む基を有するシリコーン化合物であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の水現像性フレキソ印刷原版。
(4)芳香族環を含む基が、フェニル基であることを特徴とする(3)に記載の水現像性フレキソ印刷原版。
(5)前記シリコーン化合物のアミノ基当量が、500〜10,000g/molであり、芳香族環を含む基の当量が、20〜1,000g/molであることを特徴とする(3)又は(4)に記載の水現像性フレキソ印刷原版。
(6)前記シリコーン化合物の数平均分子量が500〜50,000であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の水現像性フレキソ印刷原版。
(7)前記感光性樹脂層中の前記シリコーン化合物の含有量が、0.1〜10質量%であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の水現像性フレキソ印刷原版。
本発明によれば、撥インキ性を有するシリコーン化合物を十分な量で印刷版中に含有させても、水分散性高分子化合物とシリコーン化合物との間の屈折率差による光散乱の問題が起こらないので、版面汚れ防止能の持続性を飛躍的に改善し、高品位大量印刷を可能にするフレキソ印刷原版を提供することができる。
以下、本発明の水現像性フレキソ印刷版について説明する。本発明の水現像性フレキソ印刷版は、少なくとも支持体、及び前記支持体上に設けられた感光性樹脂層を含む基本構成を有する。
支持体としては、スチール、アルミニウム、ガラス、ポリエステルフィルムなどのプラスチックフィルムなど従来公知のものが使用でき、一般には50〜500μmの範囲の厚みのフィルムが使用される。
本発明において、感光性樹脂層は、水分散ラテックス、光重合性不飽和化合物、光重合開始剤及びシリコーン化合物を含有する。以下、各成分について説明する。
水分散ラテックスは、感光性樹脂層の主成分を構成する疎水性重合体である。本発明では、水分散ラテックスは、(1)ポリブタジエンゴム及びポリニトリルブタジエンゴムからなる群より選ばれる一つ以上のラテックスゴムであるか、又は(2)ポリスチレンブタジエンゴムである。(1)の場合、ポリブタジエンゴムとポリニトリルブタジエンゴムのいずれか一方を使用してもよいが、微細画像再現性に優れた高品位印刷のためには、両方とも使用することが好ましい。また、これらの水分散ラテックスは、所望により(メタ)アクリルやカルボキシ、シリコーン、フッ素などで変性されていてもよい。なお、水分散ラテックスは多数の様々な合成ラテックスおよび天然ラテックスが市販されているので、そこから適当なものを選択すればよい。
水分散ラテックスの感光性樹脂層中の配合量は、40〜80質量%が好ましい。40質量%未満では、印刷版としての強度が不足し、80質量%を超えると、水現像に時間を要するので好ましくない。
光重合性不飽和化合物は、光照射により重合・架橋し、印刷版に形状維持のための緻密なネットワークを形成するためのものであり、光重合性オリゴマーを含有することが好ましい。光重合性オリゴマーとは、共役ジエン系重合体の末端および/または側鎖にエチレン性不飽和基が結合した重合体であって、数平均分子量が1000以上、10000以下のものであることが好ましい。
共役ジエン系重合体は、共役ジエン不飽和化合物の単独重合体または共役ジエン不飽和化合物とモノエチレン性不飽和化合物との共重合体によって構成される。かかる共重合体としては、ブタジエン重合体、イソプレン重合体、クロロプレン重合体、スチレン−クロロプレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−イソプレン共重合体、メタクリル酸メチル−イソプレン共重合体、アクリロニトリル−イソプレン共重合体、メタクリル酸メチル−イソプレン共重合体、メタクリル酸メチル−クロロプレン共重合体、アクリル酸メチル−ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル−イソプレン共重合体、アクリル酸メチル−クロロプレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−クロロプレン−スチレン共重合体等が挙げられる。これらのうち、ゴム弾性と光硬化性の点で、ブタジエン重合体、イソプレン重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体が好ましく、特に好ましくはブタジエン重合体、イソプレン重合体である。
光重合性不飽和化合物は、上記の例示したものに加えて、本発明の効果を阻害しない範囲において、必要に応じて、一般的に用いられるメタ(ア)クリレートなどの光重合性モノマーを使用することができる。光重合性不飽和化合物の感光性樹脂層中の配合量は、10〜45質量%が好ましい。10質量%未満では、強靱性が悪化し、45質量%を超えると、現像性が悪化するおそれがある。
光重合開始剤は、光によって重合性の炭素−炭素不飽和基を重合させることができるものであれば、特に制限されない。なかでも、光吸収によって、自己分解や水素引き抜きによってラジカルを生成する機能を有するものが好ましく用いられる。具体的には、例えば、ベンゾインアルキルエーテル類、ベンゾフェノン類、アントラキノン類、ベンジル類、アセトフェノン類、ジアセチル類などが挙げられる。光重合開始剤の感光性樹脂層中の配合量は、0.1〜10質量%が好ましい。0.1質量%未満では、開始効率が減少し、画像再現性が劣る。10質量%を超えると、感度が高くなり、露光時間のコントロールが困難になる。
シリコーン化合物は、その撥インキ性により、印刷版の版面汚れを防止する役割を有する。本発明で使用するシリコーン化合物は、分子内にアミノ基を有するアミノ変性シリコーン化合物であることが必要である。アミノ変性シリコーン化合物を使用すると、シリコーン化合物による版面汚れ防止効果を持続的に発揮させることができる。これは、分子内のアミノ基が、光重合性不飽和化合物中の二重結合にマイケル付加して、シリコーン化合物が感光性樹脂層中に固定化され、印刷中のシリコーン化合物の移動が阻止されるためであると考えられる。分子内のアミノ基の位置については制限はなく、例えば末端位置、側鎖位置などが挙げられる。また、アミノ基の個数は、一つ以上であればよく、アミノ基を複数個所で有してもよい。また、アミノ基以外の官能基を含有していてもよい。
アミノ変性シリコーン化合物のアミノ基当量は、500g/mol〜10,000g/molの範囲が好ましく、さらに好ましくは1,000g/mol〜5,000g/molの範囲である。アミノ基当量が上記下限未満では、初期の撥インキ効果に劣るおそれがあり、一方、上記上限を超えると、効果持続性に劣るおそれがある。
アミノ変性シリコーン化合物の動粘度には特に制限はないが、20〜5000mm/sの範囲が好ましく、さらに好ましくは40〜1000mm/sである。動粘度が上記下限未満では、撥インキ性に劣るおそれがあり、一方、上記上限を超えると溶解安定性に劣るおそれがある。
また、本発明で使用するシリコーン化合物は、感光性樹脂層に含有される水分散ラテックスの種類に応じて、具体的には、水分散ラテックスを構成するポリブタジエンゴム、ポリニトリルブタジエンゴム、又はポリスチレンブタジエンゴムの屈折率にそれぞれ近い特定の範囲の屈折率を有することが必要である。より具体的には、水分散ラテックスが、ポリブタジエンゴム及びポリニトリルブタジエンゴムからなる群より選ばれる一つ以上のラテックスゴム(屈折率は、いずれも1.52)である場合、シリコーン化合物は、1.44以上1.60以下の屈折率を有することが必要であり、好ましくは1.46以上1.58以下の屈折率を有し、一方、水分散ラテックスが、ポリスチレンブタジエンゴム(屈折率は、1.55)である場合、シリコーン化合物は、1.47以上1.63以下の屈折率を有することが必要であり、好ましくは1.49以上1.61以下の屈折率を有する。これは、水分散ラテックスの屈折率とシリコーン化合物の屈折率の差から光散乱による画像再現性の低下を招いていたという本発明者の知見に基づいて、シリコーン化合物の屈折率を水分散ラテックスの屈折率に近付けるという発想に基づくものである。上述の水分散ラテックスの屈折率は、ポリブタジエンゴム及びポリニトリルブタジエンゴムについては、1.52であり、ポリスチレンブタジエンゴムについては、1.55であるのに対して、シリコーン化合物の屈折率は、これらの値より極端に低く、1.4程度にすぎない。この屈折率の差のため、シリコーン化合物を印刷原版の感光性樹脂層中に配合して水分散ラテックスと混合されると、シリコーン化合物と水分散ラテックスとの界面で光散乱が生じ、画像再現性が低下する。本発明では、シリコーン化合物の屈折率を通常より高めて、シリコーン化合物と水分散ラテックスとの屈折率の差を小さい範囲に抑制することによって、上述のようなシリコーン化合物と水分散ラテックスとの界面での光散乱の発生を防止し、その結果として画像再現性の低下を防止する。このように、本発明で使用するシリコーン化合物は、従来のものとは異なり、印刷原版の感光性樹脂層中に配合しても画像再現性の低下をもたらさないため、高品位大量印刷を実現するのに要求される高レベルの版面汚れ防止効果を発揮するのに十分な量で配合することができる。
シリコーン化合物の屈折率を制御する方法は、特に限定されないが、例えば分子内にアミノ基を有するシリコーン化合物に、芳香族環を含む基を導入する方法が挙げられる。シリコーン化合物は、単にアミノ基が導入された状態では、屈折率が低く、水分散ラテックスとの屈折率の差が大きいままであるが、嵩高い芳香族環を導入することによって、屈折率を上昇させ、水分散ラテックスとの屈折率差を最小にすることができる。芳香族環を含む基の種類は、特に限定されないが、例えば、フェニル基、スチリル基、又はナフチル基であることが好ましく、フェニル基であることが特に好ましい。
シリコーン化合物中の芳香族環を含む基の当量は、20〜1,000g/molであることが好ましく、50〜500g/molであることがさらに好ましい。芳香族環を含む基の当量が上記下限未満では、撥インク性が不十分となるおそれがあり、一方、上記上限を超えると、屈折率を高める効果が不十分となり水分散ラテックスとの界面で光散乱が起きるおそれがある。
本発明で使用する、分子内にアミノ基及び芳香族環を含む基を有するシリコーン化合物は、例えば以下の製品を市場から入手することができる。即ち、分子内にアミノ基及びフェニル基を有するシリコーン化合物としては、信越化学工業株式会社製のX22 1660B−3やX22 9409を挙げることができる。また、市場から入手することができないものについては、例えば、特開平3−197486号公報、特開平8−34855号公報、特開2006−213856号公報や特開2017−52737号公報に開示された合成方法を適宜参照することによって合成することができる。
本発明で使用するシリコーン化合物の数平均分子量は、500〜50,000であることが好ましく、1,000〜10,000であることがより好ましい。数平均分子量が上記下限未満では、撥インク性が不十分となるおそれがあり、一方、上記上限を越えると、 感光性樹脂との相溶性が低下するおそれがある。
本発明の印刷原版では、感光性樹脂層中のシリコーン化合物の含有量は、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.2〜5質量%であることがより好ましい。シリコーン化合物の含有量が上記下限未満では、シリコーン化合物の撥インキ性による版面汚れ防止効果を十分に発揮できないおそれがあり、一方、上記上限を超えると、印刷版の機械的強度が低下するおそれがある。本発明では、上述のようにシリコーン化合物の屈折率を水分散ラテックスの屈折率と合わせることによって光散乱の発生及びそれによる画像再現性の低下の問題を解決しているので、高品位大量印刷を実現するのに要求される高レベルの版面汚れ防止効果を発揮するのに十分な量でシリコーン化合物を配合することができる。
本発明の印刷原版の感光性樹脂層には、上記の成分以外に親水性重合体を添加することができる。親水性重合体としては、−COOH、−COOM(Mは1価、2価あるいは3価の金属イオンまたは置換または無置換のアンモニウムイオン)、−OH、−NH、−SOH、リン酸エステル基などの親水基を有するものが好ましく、具体的には、(メタ)アクリル酸またはその塩類の重合体、(メタ)アクリル酸またはその塩類とアルキル(メタ)アクリレートとの共重合体、(メタ)アクリル酸またはその塩類とスチレンとの共重合体、(メタ)アクリル酸またはその塩類と酢酸ビニルとの共重合体、(メタ)アクリル酸またはその塩類とアクリロニトリルとの共重合体、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレンイミン、−COOM基を有するポリウレタン、−COOM基を有するポリウレアウレタン、−COOM基を有するポリアミド酸およびこれらの塩類または誘導体が挙げられる。親水性重合体の感光性樹脂層中の配合量は、2〜30質量%であることが好ましい。2質量%未満の場合、現像性が悪化し、30質量%を超えると、レリーフの耐水性が悪化するおそれがある。
本発明の印刷原版の感光性樹脂層には、混練時の熱安定性を高める、貯蔵安定性を高めるなどの観点から、熱重合禁止剤(安定剤)を添加することができる。熱重合禁止剤(安定剤)の感光性樹脂層中の配合量は、0.001〜5質量%が一般的である。熱重合禁止剤としては、フェノール類、ハイドロキノン類、カテコール類のものなどを挙げることができる。
本発明の印刷原版の感光性樹脂層においては、本発明の効果を阻害しない範囲において、種々の特性向上を目的として、可塑剤、紫外線吸収剤、染料、顔料、消泡剤、凝集防止剤、シリコーン化合物、フッ素化合物などの他の成分を適宜添加することができる。
本発明の印刷原版は、上述の成分を含む感光性樹脂組成物を、溶融成形法の他、例えば、熱プレス、注型、或いは、溶融押出し、溶液キャストなど公知の任意の方法により感光性樹脂層に成形し、この成形した感光性樹脂層を、接着層を介して支持体に積層することによって作製することができる。また、感光性樹脂層を支持体上に積層した積層体にして供給する場合は、感光性樹脂層の上に保護層(カバーフィルム)がさらに積層されることが好ましい。保護層は、プラスチックフィルム、例えば125μm厚のポリエステルフィルムに赤外アブレーション層を塗布したものが用いられる。また、赤外アブレーション層と感光性樹脂層の間にバリヤ層を設けることも可能である。
本発明の印刷原版は、イメージング装置により赤外アブレーション層に画像を描画したのち、その上方から活性光線を照射して露光が行なわれる。これにより露光部のみが不溶化ならびに硬化する。活性光線は、通常300〜450nmの波長を中心とする高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノン灯、ケミカルランプなどの光源を用いることが好ましい。次いで、適当な溶剤、特に中性の水により非露光部分を溶解除去することによって、鮮明な画像部を有する印刷版を得る。このためには、スプレー式現像装置、ブラシ式現像装置などを用いることが好ましい。
本発明の印刷原版の効果を以下の実施例によって示すが、本発明はこれらに限定されない。なお、実施例中の部は質量部を意味し、表中の組成割合を示す数値も質量部を意味する。
(実施例1)
感光性樹脂組成物の作成
水分散ラテックスとしてのブタジエンラテックス(Nipol LX111NF、不揮発分55%、日本ゼオン(株)製)76質量部、アクリロニトリル−ブタジエンラテックス(Nipol SX1503、不揮発分42%、日本ゼオン(株)製)17質量部、光重合性不飽和化合物としてのオリゴブタジエンアクリレート(ABU−4S、共栄社化学(株)製)19質量部、ラウリルメタクリレート(ライトエステルL、共栄社化学(株)製)7.5質量部、トリメチロールプロパントリアクリレート(ライトエステルTMP、共栄社化学(株)製)7.5質量部、光重合開始剤(イルガキュア651)1質量部、シリコーン化合物(信越化学工業(株)製のX22 1660B−3)1質量部、その他成分として、親水性重合体(PFT−3、不揮発分25%、共栄社化学(株)製)20質量部、ブタジエンオリゴマー(日本曹達(株)製 B2000)9.9質量部、熱安定剤(4−メトキシフェノール)0.1質量部を容器中で混合し、ドープを作成した。ドープを加圧ニーダーに投入して、80℃でトルエンと水を減圧除去し、感光性樹脂組成物を得た。なお、ここで使用したシリコーン化合物は、分子内にアミノ基及びフェニル基を有するシリコーン化合物であり、その屈折率は、1.50であり、アミノ基当量は2200g/molであり、ジフェニルシロキサンユニット/ジメチルシロキサンユニットのモル比は27/73であり、フェニル基当量は210g/molであり、数平均分子量は4400であった。なお、各実施例及び比較例において、屈折率は、(株)アタゴ製の手持ち屈折計を用いて測定した。なお、屈折率の測定は、光線としてナトリウムスペクトルのD線を用い、25℃で行った。
フレキソ印刷原版の作成
カーボンブラック分散液(オリエント化学工業(株)製、AMBK−8)、共重合ポリアミド(PA223、東洋紡績(株)製)、プロピレングリコール、メタノールを45/5/5/45の質量割合で混合し、赤外アブレーション層塗工液を得た。PETフィルム(東洋紡績(株)、E5000、厚さ100μm)の両面に離型処理を施した後、乾燥後の塗膜の厚みが2μmとなるようにバーコーターで赤外アブレーション層塗工液を塗工し、120℃×5分乾燥してフィルム積層体(I)を得た。光学濃度は2.3であった。光学濃度は白黒透過濃度計DM−520(大日本スクリーン製造(株))によって測定した。鹸化度80%のポリ酢酸ビニル(KH20、日本合成(株)製)と可塑剤(グリセリン)を、70/30の質量割合で混合し、バリヤ層塗工液を得た。フィルム積層体(I)上に、乾燥後の塗膜の厚みが2.0μmとなるようにバーコーターでバリヤ層塗工液を塗工し、120℃×5分乾燥してフィルム積層体(II)を得た。共重合ポリエステル系接着剤を塗工したPETフィルム支持体(東洋紡績(株)、E5000、厚さ125μm)上に上記感光性樹脂組成物を配置し、その上からフィルム積層体(II)を重ね合わせた。ヒートプレス機を用いて100℃でラミネートし、PET支持体、接着層、感光性樹脂層、バリヤ層、赤外アブレーション層およびカバーフィルムからなるフレキソ印刷原版を得た。版の総厚は1.70mmであった。
フレキソ印刷原版からの印刷版の作成
印刷原版のPET支持体側から化学線(光源Philips10R、365nmにおける照度8mW/cm)を1分間照射した。続いて、カバーフィルムを剥離した。この版を、Esko CDI SPARK2530に巻き付け、200線1%網点と300μm幅のスリットを持つテスト画像で、アブレーションを行った。アブレーション後、版を取り出し平面に戻し、化学線(光源Philips10R、365nmにおける照度8mW/cm)を10分照射した。その後、A&V(株)製現像機(Stuck System、1%洗濯石鹸水溶液、40℃)で8分現像し、版面の水滴を水きり棒で除去した。その後、60℃の乾燥機で10分乾燥し、化学線を10分間照射し、最後に表面粘着性を除去するために殺菌灯を5分間照射し、フレキソ印刷版を得た。
(実施例2〜16、比較例1〜9)
印刷原版中の感光性樹脂層(感光性樹脂組成物)の組成を表1又は表2に記載のように変更した以外は、実施例1と同様にして感光性樹脂組成物、フレキソ印刷原版、フレキソ印刷版を作成した。
なお、表1中の合成例1のシリコーン化合物〜合成例4のシリコーン化合物の合成方法は、以下の通りであった。
合成原料として、以下のような、末端にヒドロキシ基を有する側鎖フェニル基変性ジメチルシロキサンを準備した。
A−1:ジフェニルシロキサンユニット/ジメチルシロキサンユニット=37/63(モル比)、数平均分子量約2100の末端OHのオルガノポリシロキサン
A−2:ジフェニルシロキサンユニット/ジメチルシロキサンユニット=17/83(モル比)、数平均分子量約2000の末端OHのオルガノポリシロキサン
A−3:ジフェニルシロキサンユニット/ジメチルシロキサンユニット=29/71(モル比)、数平均分子量約2100の末端OHのオルガノポリシロキサン
A−4:ジフェニルシロキサンユニット/ジメチルシロキサンユニット=30/70(モル比)、数平均分子量約8000の末端OHのオルガノポリシロキサン
(合成例1のシリコーン化合物)
準備した合成原料A−1の末端にアミノ基を導入し、分子内にアミノ基及びフェニル基を有するシリコーン化合物を得た。具体的には、エステルアダプター、冷却管及び温度計を備えた1,000mlのガラスフラスコに、準備した合成原料A−1 0.1molとN−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン0.2molを仕込み、第一段目の縮合反応を、窒素通気下に120℃で3時間行わせた。エステルアダプターには脱メタノール反応によるメタノールの留出がみられた。反応終了後、得られた生成物について、29Si−NMRによる構造同定を行なった。その結果、原料であるN−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシランのピーク(−2.7ppm)は消滅しており、すべてのシランが反応していた。得られた生成物は、分子内にアミノ基及びフェニル基を有するシリコーン化合物であり、その屈折率は1.56であり、アミノ基当量は1250g/molであり、フェニル基当量は190g/molであり、数平均分子量は2500であった。
(合成例2のシリコーン化合物)
合成原料をA−1からA−2に変更した以外は、合成例1と同様の合成方法で、分子内にアミノ基及びフェニル基を有するシリコーン化合物を得た。得られた生成物は、分子内にアミノ基及びフェニル基を有するシリコーン化合物であり、その屈折率は1.47であり、アミノ基当量は1200g/molであり、フェニル基当量は340g/molであり、数平均分子量は2400であった。
(合成例3のシリコーン化合物)
合成原料をA−1からA−3に変更した以外は、合成例1と同様の合成方法で、分子内にアミノ基及びフェニル基を有するシリコーン化合物を得た。得られた生成物は、分子内にアミノ基及びフェニル基を有するシリコーン化合物であり、その屈折率は1.50であり、アミノ基当量は1250g/molであり、フェニル基当量は230g/molであり、数平均分子量は2500であった。
(合成例4のシリコーン化合物)
合成原料をA−1からA−4に変更した以外は、合成例1と同様の合成方法で、分子内にアミノ基及びフェニル基を有するシリコーン化合物を得た。得られた生成物は、分子内にアミノ基及びフェニル基を有するシリコーン化合物であり、その屈折率は1.50であり、アミノ基当量は4200g/molであり、フェニル基当量は190g/molであり、数平均分子量は8400であった。
実施例1〜16及び比較例1〜9の印刷版について、光散乱性、画像再現性、及び版面汚れを以下の手順で評価した。その結果を表1及び表2にそれぞれ示す。
なお、表1及び表2中の水分散ラテックス、固形ゴム、及びシリコーン化合物の詳細は、以下の通りである。
(水分散ラテックス)
ポリブタジエンゴム:ブタジエンラテックス(Nipol LX111NF、不揮発分55%、日本ゼオン(株)製)
ポリニトリルブタジエンゴム:アクリロニトリル−ブタジエンラテックス(Nipol SX1503、不揮発分42%、日本ゼオン(株)製)
ポリスチレンブタジエンゴム:スチレン−ブタジエンラテックス(Nipol LX432A、不揮発分41%、日本ゼオン(株)製)
(固形ゴム)
ポリブタジエンゴム:ポリブタジエンゴム(Nipol BR1241、日本ゼオン(株)製)
ポリスチレンブタジエンゴム:溶液重合スチレン−ブタジエンゴム(Nipol NS112R、日本ゼオン(株)製)
(シリコーン化合物)
X22 1660B−3:分子内にアミノ基及びフェニル基を有するシリコーン化合物。屈折率1.50、アミノ基当量2200g/mol、フェニル基当量210g/mol、数平均分子量4400、信越化学工業(株)製。
合成例1のシリコーン化合物:分子内にアミノ基及びフェニル基を有するシリコーン化合物。屈折率1.56、アミノ基当量1250g/mol、フェニル基当量190g/mol、数平均分子量2500。
合成例2のシリコーン化合物:分子内にアミノ基及びフェニル基を有するシリコーン化合物。屈折率1.47、アミノ基当量1200g/mol、フェニル基当量340g/mol、数平均分子量2400。
合成例3のシリコーン化合物:分子内にアミノ基及びフェニル基を有するシリコーン化合物。屈折率1.50、アミノ基当量1250g/mol、フェニル基当量230g/mol、数平均分子量2500。
合成例4のシリコーン化合物:分子内にアミノ基及びフェニル基を有するシリコーン化合物。屈折率1.50、アミノ基当量4200g/mol、フェニル基当量190g/mol、数平均分子量8400。
KF8012:分子内にアミノ基を有するシリコーン化合物。屈折率1.41、アミノ基当量2200g/mol、信越化学工業(株)製。
KF−1005:分子内にエポキシアラルキル基を有するシリコーン化合物。屈折率1.48、信越化学工業(株)製。
KF50−300:分子内にフェニル基を有するシリコーン化合物。屈折率1.49、信越化学工業(株)製。
KF96−500:未変性のシリコーン化合物。屈折率1.40、信越化学工業(株)製。
(1)光散乱性
各実施例及び比較例で作成した感光性樹脂組成物をPETフィルムの間に挟み、膜厚が0.25mmとなるようにプレス加工し、次に裏表より化学線(光源Philips10R、365nmにおける照度8mW/cm)を10分照射して、光散乱性の測定用の試料を作製した。この試料について、分光光度計(U−3210、日立製作所(株)製、150φ積分球付属装置付き)を用いて、感光性樹脂組成物のλ=365nmでの光散乱率を測定した。光散乱率が20%以下の場合を◎とし、20%より大きく40%以下の場合を○とし、40%より大きく60%以下の場合を△とし、60%より大きい場合を×として判定した。
(2)画像再現性
画像再現性の指標として、各実施例及び比較例で作成したフレキソ印刷版の300μm幅のスリットの深度を測定した。具体的には、フレキソ印刷版を万能投影機により100倍に拡大して、300μmの白抜け深度(μm)を測定した。この測定値が大きいほど、画像再現性に優れると言える。
(3)版面汚れの評価
各実施例及び比較例で作成したフレキソ印刷版について、フレキソ印刷機FPR302(エム・シーケー社製)を用い、800LPIのアニロックスを用いて、版面汚れを評価した。インキは、UVインキ(商品名:FLEXOCURE CYAN(Flint社製))を用いて行った。被印刷体にはコート紙(商品名:パールコート 王子製紙製)を用いた。印刷速度は50m/分で行った。上記条件で、まず500m印刷を行い、印刷試料を採取した。引き続き500m印刷を行い、合計1000m印刷した後の試料を得た。さらに印刷を行い、合計1500m印刷した後の試料を得た。最後にさらに印刷を行い、合計2000m印刷した後の試料を得た。200線の網点で版面汚れを評価した。版面汚れが皆無の場合を“A”とし、版面汚れが網点最端部のみできた場合を“B”とし、版面汚れが網点端部付近で発生した場合を“C”とし、版面汚れが網点全面に発生した場合を“D”として判定した。
表1,2からわかるように、本発明の要件を満たす実施例1〜16はいずれも、光散乱率が低いため画像再現性に優れると共に、印刷時の版面汚れを改善できることがわかる。これに対して、分子内にアミノ基を有さず、屈折率も低すぎるシリコーン化合物(KF96−500)を使用した比較例1は、光散乱率が高いため、画像再現性に劣る。また、印刷時の版面汚れが著しい。分子内にアミノ基を有するが、屈折率が低すぎるシリコーン化合物(KF8012)を使用した比較例2,6,8は、光散乱率が高いため、画像再現性に劣る。屈折率は高いが、分子内にアミノ基を有さないシリコーン化合物(KF1005又はKF50−300)を使用した比較例3,4,7,9は、印刷時の版面汚れが目立つ。シリコーン化合物を全く配合していない比較例5は、光散乱率は低いが、印刷時の版面汚れが著しい。
本発明のフレキソ印刷原版は、光散乱による画像再現性の低下の問題を起こさずに、撥インキ性を有するシリコーン化合物を十分な量で印刷版中に含有させることができるので、版面汚れ防止能の持続性を飛躍的に改善し、高品位大量印刷を可能にすることができる。従って、本発明は、極めて有用である。

Claims (7)

  1. 少なくとも支持体、及び前記支持体上に設けられた感光性樹脂層を含む水現像性フレキソ印刷原版であって、前記感光性樹脂層が、水分散ラテックス、光重合性不飽和化合物、光重合開始剤及びシリコーン化合物を含有すること、前記水分散ラテックスが、ポリブタジエンゴム及びポリニトリルブタジエンゴムからなる群より選ばれる一つ以上のラテックスゴムであること、及び前記シリコーン化合物が、分子内にアミノ基を有するシリコーン化合物であり、かつ1.44以上1.60以下の屈折率を有することを特徴とする水現像性フレキソ印刷原版。
  2. 少なくとも支持体、及び前記支持体上に設けられた感光性樹脂層を含む水現像性フレキソ印刷原版であって、前記感光性樹脂層が、水分散ラテックス、光重合性不飽和化合物、光重合開始剤及びシリコーン化合物を含有すること、前記水分散ラテックスが、ポリスチレンブタジエンゴムであること、及び前記シリコーン化合物が、分子内にアミノ基を有するシリコーン化合物であり、かつ1.47以上1.63以下の屈折率を有することを特徴とする水現像性フレキソ印刷原版。
  3. 前記シリコーン化合物が、分子内にアミノ基及び芳香族環を含む基を有するシリコーン化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の水現像性フレキソ印刷原版。
  4. 芳香族環を含む基が、フェニル基であることを特徴とする請求項3に記載の水現像性フレキソ印刷原版。
  5. 前記シリコーン化合物のアミノ基当量が、500〜10,000g/molであり、芳香族環を含む基の当量が、20〜1,000g/molであることを特徴とする請求項3又は4に記載の水現像性フレキソ印刷原版。
  6. 前記シリコーン化合物の数平均分子量が500〜50,000であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の水現像性フレキソ印刷原版。
  7. 前記感光性樹脂層中の前記シリコーン化合物の含有量が、0.1〜10質量%であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の水現像性フレキソ印刷原版。
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