JPWO2020095532A1 - 通信制御装置、通信装置、及び通信制御方法 - Google Patents

通信制御装置、通信装置、及び通信制御方法 Download PDF

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Abstract

通信制御装置(40)は、第1無線システムが使用する周波数帯の電波を利用して無線通信する第2無線システムが電波送信を開始または継続するためのリクエストを、第2無線システム又は第2無線システムを代理するプロキシシステムから取得する。そして、通信制御装置(40)は、複数の第2無線システムのうちの所定の第2無線システム又は複数のプロキシシステムのうちの所定のプロキシシステムから送信されるリクエストの送信インターバルを決定する。そして、通信制御装置(40)は、所定の第2無線システム又は所定のプロキシシステムに対して、決定した送信インターバルを通知する。

Description

本開示は、通信制御装置、通信装置、及び通信制御方法に関する。
無線システム(無線装置)に割り当て可能な電波資源(無線リソース)が枯渇するという問題が表面化している。どの電波帯域もすでに既存の無線システム(無線装置)が利用しているため、新規に無線システムに電波資源を割り当てることは困難である。そこで、近年では、コグニティブ無線技術の活用による電波資源の更なる有効利用が注目されはじめている。コグニティブ無線技術では、既存の無線システムの時間的・空間的な空き電波(White Space)を利用することにより電波資源を捻出する。
WINNF-TS-0247-V1.0.0 CBRS Certified Professional Installer Accreditation Technical Specification. WINNF-TS-0016-V1.2.1 Signaling Protocols and Procedures for Citizens Broadband Radio Service (CBRS): Spectrum Access System (SAS) - Citizens Broadband Radio Service Device (CBSD) Interface Technical Specification ECC Report 186, Technical and operational requirements for the operation of white space devices under geo-location approach, CEPT ECC, 2013 January White Space Database Provider (WSDB) Contract, available at https://www.ofcom.org.uk/__data/assets/pdf_file/0026/84077/white_space_database_contract_for_operational_use_of_wsds.pdf WINNF-TS-0096-V1.2.0 Signaling Protocols and Procedures for Citizens Broadband Radio Service (CBRS): Spectrum Access System (SAS) - SAS Interface Technical Specification WINNF-TS-0112-V1.4.1 Requirements for Commercial Operation in the U.S. 3550-3700 MHz Citizens Broadband Radio Service Band WINNF-TS-0061-V1.2.0 Test and Certification for Citizens Broadband Radio Service (CBRS); Conformance and Performance Test Technical Specification; SAS as Unit Under Test (UUT) IEEE Std 802.19.1aTM-2017 "Coexistence Methods for Geo-location Capable Devices Operating under General Authorization" WINNF-SSC-0008 Spectrum Sharing Committee Policy and Procedure Coordinated Periodic Activities Policy
しかしながら、単に空き電波を利用しただけでは電波資源の有効利用が実現できるとは限らない。例えば、電波資源の有効利用を実現するためには、種々の状況に迅速に対応するために、複数の無線システム(無線装置)とそれらを制御する制御システム(制御装置)との間で、リクエストやレスポンス等の制御情報を効率的にやり取りする必要がある。しかし、状況が異なる様々なシステムが存在する中で、制御情報を効率的にやり取りするのは容易ではない。
そこで、本開示では、電波資源の効率的な利用を実現可能な通信制御装置、通信装置、及び通信制御方法を提案する。
上記の課題を解決するために、本開示に係る一形態の通信制御装置は、第1無線システムが使用する周波数帯の電波を利用して無線通信する第2無線システムが電波送信を開始または継続するためのリクエストを、前記第2無線システム又は前記第2無線システムを代理するプロキシシステムから取得する取得部と、複数の前記第2無線システムのうちの所定の第2無線システム又は複数の前記プロキシシステムのうちの所定のプロキシシステムから送信される前記リクエストの送信インターバルを決定する決定部と、前記所定の第2無線システム又は前記所定のプロキシシステムに対して、決定した前記送信インターバルを通知する通知部と、を備える。
セカンダリシステムを構成する各通信装置への干渉マージンの配分例を示す説明図である。 電波送信の許可状態を示す状態遷移図である。 CBRSでの階層構造を示す説明図である。 CBRSの帯域を示す説明図である。 本開示の実施形態に係る通信システムの構成例を示す図である。 通信制御装置が分散的に配置されるモデルを示す図である。 1つの通信制御装置が中央制御的に複数の通信制御装置を統括するモデルを示す図である。 本開示の実施形態に係る通信装置の構成例を示す図である。 本開示の実施形態に係る端末装置の構成例を示す図である。 本開示の実施形態に係る通信制御装置の構成例を示す図である。 本開示の実施形態に係るプロキシ装置の構成例を示す図である。 本実施形態で想定する干渉モデルの一例を示す説明図である。 本実施形態で想定する干渉モデルの他の例を示す説明図である。 干渉マージン一斉配分型のプライマシステム保護方法を説明するための説明図である。 剰余干渉マージンが発生した様子を示す図である。 干渉マージン逐次配分型のプライマシステム保護方法を説明するための説明図である。 登録手続きを説明するためのシーケンス図である。 利用可能周波数情報問い合わせ手続きを説明するためのシーケンス図である。 周波数利用許可手続きを説明するためのシーケンス図である。 周波数利用通知手続きを説明するためのシーケンス図である。 管理情報の交換手続きを説明するためのシーケンス図である。 ハートビートに係る動作の一例を示すシーケンス図である。 周期的処理の具体的処理内容を示す図である。 ハートビートインターバルの決定に係る通信制御処理を示すフローチャートである。 ハートビートリクエストの送信に係るリクエスト送信処理を示すフローチャートである。 同じステートのグラントに共通のハートビートインターバルを設定した様子を示す図である。
以下に、本開示の実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の各実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なる数字を付して区別する場合もある。例えば、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成を、必要に応じて通信制御装置40、及び40のように区別する。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。例えば、通信制御装置40、及び40を特に区別する必要が無い場合には、単に通信制御装置40と称する。
また、以下に示す項目順序に従って本開示を説明する。
1.はじめに
1−1.周波数共用実現のための無線システムの制御
1−2.本実施形態の概要
1−3.周波数と共用に関する用語について
2.通信システムの構成
2−1.通信システムの全体構成
2−2.基地局装置の構成
2−3.端末装置の構成
2−4.通信制御装置の構成
2−5.プロキシ装置の構成
3.干渉モデル
4.プライマリシステム保護方法
4−1.干渉マージン一斉配分型
4−2.干渉マージン逐次配分型
5.諸手続きの説明
5−1.登録手続き
5−2.利用可能周波数情報問い合わせ手続き
5−3.周波数利用許可手続き
5−4.周波数利用通知
5−5.諸手続きの補足
5−6.端末装置に関する諸手続き
5−7.通信制御装置間で発生する手続き
6.ハートビートに係る動作
6−1.代表的動作フロー
6−2.ハートビートインターバルの決定方法(第1の決定方法)
6−3.ハートビートインターバルの決定方法(第2の決定方法)
6−4.ハートビートインターバルに係る処理フロー
6−5.ハートビートインターバルの決定方法(第3の決定方法)
6−6.基地局装置が複数のグラント保有している場合
7.変形例
7−1.システム構成に関する変形例
7−2.その他の変形例
8.むすび
<<1.はじめに>>
近年、無線システムに割り当て可能な電波資源(例えば、周波数)が枯渇するという問題が表面化している。しかしながら、どの電波帯域もすでに既存の無線システムが利用しているため、新規の電波資源割り当てが困難である。そこで、近年では、コグニティブ無線技術の活用による電波資源の更なる有効利用が注目されはじめている。
コグニティブ無線技術では、既存の無線システムの時間的・空間的な空き電波(White Space)を利活用(例えば、動的周波数共用(DSA:Dynamic Spectrum Access))することにより、電波資源を捻出する。例えば、米国では、世界的には3GPP band 42、43とされている周波数帯とオーバーラップするFederal use band(3.55-3.70GHz)の一般国民への開放を目指し、周波数共用技術を活用するCBRS(Citizens Broadband Radio Service)の法制化・標準化が加速している。
なお、コグニティブ無線技術は、動的周波数共用のみならず、無線システムによる周波数利用効率の向上にも寄与する。例えば、ETSI EN 303 387やIEEE 802.19.1−2014では、空き電波を利用する無線システム間の共存技術が規定されている。
<1−1.周波数共用実現のための無線システムの制御>
一般に周波数共用においては、各国・地域の規制当局(NRA:National Regulatory Authority)によって、周波数帯域の利用に係る免許または認可を受けた1次利用者(プライマリユーザ)の無線システム(プライマリシステム)の保護が義務付けられる。典型的には、当該NRAによってプライマリシステムの許容干渉基準値が設けられ、2次利用者(セカンダリユーザ)の無線システム(セカンダリシステム)には、共用によって発生する与干渉が許容干渉基準値を下回ることを求められる。
周波数共用を実現するため、例えば、通信制御装置(例えば、周波数管理データベース)が、プライマリシステムに対して致命的な干渉を与えないようにセカンダリシステムの通信を制御する。通信制御装置は、通信装置の通信等を管理する装置である。例えば、通信制御装置は、GLDB(Geo-location Database)、SAS(Spectrum Access System)等の電波資源(例えば、周波数)の管理のための装置(システム)である。本実施形態の場合、通信制御装置は、後述の通信制御装置40に相当する。通信制御装置40については、後に詳述する。
ここで、プライマリシステムとは、例えば、所定の周波数帯の電波をセカンダリシステム等の他のシステムに優先して使用するシステム(例えば、既存のシステム)である。また、セカンダリシステムとは、例えば、プライマリシステムが使用する周波数帯の電波を二次利用(例えば、動的周波数共用)するシステムである。プライマリシステム及びセカンダリシステムは、それぞれ、複数の通信装置で構成されていてもよいし、1つの通信装置で構成されていてもよい。通信制御装置は、セカンダリシステムを構成する1又は複数の通信装置のプライマリシステムへの干渉の累積(Interference Aggregation)が、プライマリシステムの干渉許容量(干渉マージンともいう。)を越えないように、1又は複数の通信装置に干渉許容量を配分する。このとき、干渉許容量は、プライマリシステムの運営者や電波を管理する公的機関等が予め定めた干渉量であってもよい。以下の説明では、干渉マージンといった場合は、干渉許容量のことを指す。また、干渉の累積のことを、累積与干渉電力と呼ぶことがある。
図1は、セカンダリシステムを構成する各通信装置への干渉マージンの配分例を示す説明図である。図1の例では、通信システム1がプライマリシステムであり、通信システム2がセカンダリシステムである。通信システム1は無線通信装置10等を備える。また、通信システム2は基地局装置20、20、20等を備える。なお、図1の例では、通信システム1は無線通信装置10を1つしか備えていないが、通信システム1が備える無線通信装置10は複数であってもよい。また、図1の例では、通信システム2は基地局装置20を3つ備えているが、通信システム2が備える基地局装置20は3つより少なくてもよいし、多くてもよい。また、通信システム2が備える無線通信装置は、必ずしも基地局装置でなくてもよい。なお、図1の例では、プライマリシステム(図1の例では通信システム1)及びセカンダリシステム(図1の例では通信システム2)がそれぞれ1つしか示されていないが、プライマリシステム及びセカンダリシステムはそれぞれ複数あってもよい。
無線通信装置10、及び基地局装置20、20、20は、それぞれ、電波を送受信可能である。無線通信装置10が許容する干渉量はIacceptである。また、基地局装置20、20、20が通信システム1(プライマリシステム)の所定の保護点に与える干渉量は、それぞれ、与干渉量I、I、Iである。ここで、保護点は、通信システム1の保護のための干渉算出基準点である。
通信制御装置は、通信システム1の所定の保護点への干渉の累積(図1に示す受信干渉量I+I+I)が干渉マージンIacceptを超えないように、複数の基地局装置20に干渉マージンIacceptを配分する。例えば、通信制御装置は、与干渉量I、I、IがそれぞれIaccept/3となるように各基地局装置20に干渉マージンIacceptを配分する。或いは、通信制御装置は、与干渉量I、I、IがそれぞれIaccept/3以下となるように、各基地局装置20に干渉マージンIacceptを配分する。勿論、干渉マージンの配分方法はこの例に限定されない。
通信制御装置は、配分された干渉量(以下、配分干渉量という。)に基づいて、各基地局装置20に許容される最大送信電力(以下、最大許容送信電力という。)を算出する。例えば、通信制御装置は、伝搬損失、アンテナゲイン等に基づいて、配分干渉量から逆算することによって、各基地局装置20の最大許容送信電力を算出する。そして、通信制御装置は、算出した最大許容送信電力の情報を各基地局装置20に通知する。
<1−2.本実施形態の概要>
非特許文献2では、米国の3550−3700MHzの周波数共用のためのデータベース(SAS)−基地局(CBSD)間のシグナリングプロトコルが規格化されている。CBSD(Citizens Broadband Radio Service Device)は、例えば、CBRSの周波数帯の電波を使用して通信を行う無線デバイスである。この規格では、SASがCBSDに与える電波送信の認可のことを“グラント(Grant)”と呼んでいる。グラントで認められる動作パラメータは、最大許容EIRP(Equivalent Isotropic Radiated Power)と周波数チャネルの2つで定義される。すなわち、複数の周波数チャネルを用いて電波送信を行うためには、CBSDはSASから複数のグラントを獲得する必要がある。
グラントには、電波送信の許可状態を示すステート(State)が定義されている。図2は、電波送信の許可状態を示す状態遷移図である。図2において、Granted状態は、グラントを保有するものの電波送信をしてはいけない状態、Authorized状態はグラントで定義される動作パラメータ値に基づいて電波送信が許可されている状態を示す。この2つの状態は、同規格で規定されるハートビート手続き(Heartbeat Procedure)の結果によって遷移する。
ハートビート手続きには、さまざまな目的が定義されているが、その一つに、同帯域の既存システムである艦載レーダの電波利用時のCBSDの電波停止指示がある。SASは、艦載レーダが電波利用を行っていると判断される場合に、300秒以内に干渉を与えうる全てのCBSDの電波を停止しなければならないと義務付けられる。このとき、停止指示をプッシュ通知することが実装上複雑になると想定されることから、代わりに、定期的にCBSDがSASにハートビート(Heartbeat)を行うことで、その応答(Response)を用いて電波停止指示を行うことが認められている。
ここで、CBSDがハートビートを行う間隔であるハートビートインターバル(Heartbeat Interval)はSASから指示される。上記300秒ルールに加えて、CBSDはSASから指示を受けてから60秒以内に電波停止をしなければならないと義務付けられているため、基本的にはハートビートインターバルの最大値を240秒以下の値に設定することが推奨される。
非特許文献7と非特許文献9には、CPAS(Coordinated Periodic Activities among SASs)というSAS間の同期手法が開示されている。SAS間の情報同期、既存システム(Incumbent)保護に関わる計算を24時間に1回実施する手法である。以下の説明では、既存システム保護に関わる計算のことをプライマリシステム保護計算ということがある。CBSDは既存システムを保護しながら電波送信を行わなければならないため、グラント(Grant)を日中に獲得すると、次回のCPASの完了までGrantの状態はAuthorized状態にならない。すなわち、何度ハートビートリクエスト(Heartbeat request)が来ようと、SASはCBSDに停止(Suspension)を指示し続ける。
このように、Grantの状態がAuthorized状態にならないと分かっていてもハートビートリクエストを実施し続けなければならないのは、非常に非効率的である。
そこで、本実施形態では、第1無線システム(例えば、プライマリシステム)が使用する周波数帯の電波を利用して無線通信する第2無線システム(例えば、CBSD等の基地局装置)が電波送信を開始または継続するためのリクエスト(例えば、ハートビートリクエスト)の送信インターバル(例えば、ハートビートインターバル)を、第2無線システムを制御する通信制御装置(例えば、SAS)が種々の方法で決定できるようにする。
これにより、第2無線システム−通信制御装置間の情報のやり取りが効率的にできるようになる。その結果、通信量や処理負荷が削減されるので、第2無線システムを備えるセカンダリシステムは、システム全体として、種々の状況に迅速に対応できるようになる。結果として、電波資源の効率的な利用が実現する。
<1−3.周波数と共用に関する用語について>
なお、本実施形態では、プライマリシステム(通信システム1)及びセカンダリシステム(通信システム2)は、動的周波数共用環境下にあるものとする。以下、米国のFCC(Federal Communications Commission)が法整備したCBRSを例にとり本実施形態を説明する。なお、本実施形態の通信システム1及び通信システム2は、CBRSに限定されない。
図3は、CBRSでの階層構造を示す説明図である。図3に示すように、周波数帯域のユーザの各々は3つのグループのうちのいずれかに分類される。このグループは、“tier”と呼ばれる。当該3つのグループは、それぞれ、既存層(Incumbent Tier)、優先アクセス層(Priority Access Tier)、及び一般認可アクセス層(General Authorized Access Tier)から構成される階層構造が定義されている。この階層構造では、一般認可アクセス層(General Authorized Access Tier)の上位に優先アクセス層(Priority Access Tier)が位置し、優先アクセス層の上位に既存層(Incumbent Tier)が位置している。CBRSを例にとると、既存層に位置するシステム(既存システム)がプライマリシステムとなり、一般認可アクセス層及び優先アクセス層に位置するシステムがセカンダリシステムとなる。
既存層(Incumbent Tier)は、共用周波数帯域の既存ユーザからなるグループである。CBRSにおいては、国防総省(DOD:Department of Defense)、固定衛星事業者、新条件適用除外無線ブロードバンド免許人(GWBL:Grandfathered Wireless Broadband Licensee)が、既存ユーザとして定められる。“Incumbent Tier”は、より低い優先度を有する“Priority Access Tier”及び“GAA(General Authorized Access) Tier”への干渉回避又は抑制を要求されない。また、“Incumbent Tier”は、“Priority Access Tier”及び“GAA Tier”による干渉から保護される。即ち、“Incumbent Tier”のユーザは、他のグループの存在を考慮することなく、周波数帯域を使用することが可能である。
優先アクセス層(Priority Access Tier)は、PAL(Priority Access License)と呼ばれる免許を有するユーザからなるグループである。“Priority Access Tier”より高い優先度を有する“Incumbent Tier”への干渉回避又は抑制を要求されるが、より低い優先度を有する“GAA Tier”への干渉回避又は抑制を要求されない。また、“Priority Access Tier”は、より高い優先度を有する“Incumbent Tier”による干渉から保護されないが、より低い優先度を有する“GAA Tier”による干渉から保護される。
一般認可アクセス層(GAA Tier)は、上記“Incumbent Tier”および“Priority Access Tier”に属さない他の全てのユーザからなるグループである。より高い優先度を有する“Incumbent Tier”及び“Priority Access Tier”への干渉の回避又は抑制を要求される。また、“GAA Tier”は、より高い優先度を有する“Incumbent Tier”に及び“Priority Access Tier”よる干渉から保護されない。即ち、“GAA Tier”は、法制上、日和見的な(opportunistic)周波数利用が要求される“tier”である。
なお階層構造はこれらの定義に限定されない。CBRSは一般に3Tier構造と呼ばれるが、2Tier構造であってもよい。代表的な一例として、LSA(Licensed Shared Access)やTVWS(TV band White Space)のような2Tier構造が挙げられる。LSAでは、前記“Incumbent Tier”と“Priority Access Tier”の組み合わせと同等の構造が採用されている。また、TVWSでは、前記“Incumbent Tier”と“GAA Tier”の組み合わせと同等の構造が採用されている。また、4以上のTierが存在してもよい。具体的には、例えば、“Priority Access Tier”に相当する中間層を、さらに優先度付するなどしてもよい。また、例えば、“GAA Tier”も同様に優先度付するなどしてもよい。
図4は、CBRSの帯域を示す説明図である。上述のCBRSを例にとると、プライマリシステムは、軍事レーダシステム(Military Radar System)、既存無線システム(Grandfathered Wireless System)、或いは固定衛星業務(宇宙から地球)(Fixed Satellite Service (space-to-earth))となる。ここで、軍事レーダシステムは、代表的には艦載レーダである。また、セカンダリシステムはCBSD(Citizens Broadband Radio Service Device)、EUD(End User Device)と呼ばれる基地局、端末からなる無線ネットワークシステムとなる。セカンダリシステムにはさらに優先度が存在し、共用帯域を免許利用可能な優先アクセス免許(PAL:Priority Access License)と、免許不要と同等の一般認可アクセス(GAA:General Authorized Access)と、が定められている。図4に示す層1(Tier 1)は、図3に示す既存層に相当する。また、図4に示す層2(Tier 2)は、図3に示す優先アクセス層に相当する。また、図4に示す層3(Tier 3)は、図3に示す一般認可アクセス層に相当する。
なお、本実施形態のプライマリシステム(通信システム1)は、図4に示した例に限られない。他の種類の無線システムをプライマリシステム(通信システム1)としてもよい。例えば、適用する国・地域・周波数帯域に応じて、他の無線システムをプライマリシステムとしてもよい。例えば、プライマリシステムは、DVB−T(Digital Video Broadcasting-Terrestrial)システム等のテレビジョン放送システムであってもよい。また、プライマリシステムは、FS(Fixed System)と呼ばれる無線システムであってもよい。また、他の周波数帯における周波数共用であってもよい。例えば、代表的な一例として、LSAやTVWS(TV band White Space)が挙げられる。また、プライマリシステムは、LTE(Long Term Evolution)、NR(New Radio)等のセルラー通信システムであってもよい。また、プライマリシステムは、ARNS(Aeronautical Radio Navigation Service)等の航空無線システムであってもよい。勿論、プライマリシステムは、上記の無線システムに限定されず、他の種類の無線システムであってもよい。
また、通信システム2が利用する空き電波(White Space)は、Federal use band(3.55-3.70GHz)の電波に限られない。通信システム2は、Federal use band(3.55-3.70GHz)とは異なる周波数帯の電波を空き電波として利用してもよい。例えば、プライマリシステム(通信システム1)がテレビジョン放送システムなのであれば、通信システム2はTVホワイトスペースを空き電波として利用するシステムであってもよい。ここで、TVホワイトスペースとは、テレビジョン放送システム(プライマリシステム)に割当てられている周波数チャネルのうち、当該テレビジョン放送システムにより利用されていない周波数帯のことをいう。このとき、TVホワイトスペースは、地域に応じて使用されていないチャネルであってもよい。
また、通信システム1及び通信システム2の関係は、通信システム1をプライマリシステム、通信システム2をセカンダリシステムとした周波数共用関係に限られない。通信システム1及び通信システム2の関係は、同一周波数を利用する同一または異なる無線システム間のネットワーク共存(Network Coexistence)関係であってもよい。
一般に周波数共用において、対象帯域を利用する既存システムをプライマリシステム、二次利用者のシステムをセカンダリシステムと呼ぶが、周波数共用環境以外に本実施形態を適用する場合には、これら(プライマリシステム、セカンダリシステム)は別の用語のシステムに置き換えてもよい。例えば、HetNetにおけるマクロセルをプライマリシステム、スモールセルやリレー局をセカンダリシステムとしてもよい。また、基地局をプライマリシステム、そのカバレッジ内に存在するD2DやV2Xを実現するRelay UEやVehicle UEをセカンダリシステムとしてもよい。基地局は固定型に限らず、可搬型/移動型であってもよい。そのような場合、例えば、本発明の提供する通信制御装置は、基地局やリレー局、Relay UE等に具備されてもよい。
なお、以下の説明で登場する「周波数」という用語は、別の用語によって置き換えられてもよい。例えば、「周波数」という用語は、「リソース」、「リソースブロック」、「リソースエレメント」、「チャネル」、「コンポーネントキャリア」、「キャリア」、「サブキャリア」といった用語やこれらと類似の意味を有する用語によって置き換えられてよい。
<<2.通信システムの構成>>
以下、本開示の実施形態に係る通信システム2を説明する。通信システム2は、通信システム1(第1無線システム)が使用する電波を二次利用して無線通信する無線通信システムである。例えば、通信システム2は、通信システム1の空き電波を動的周波数共用する無線通信システムである。通信システム2は、所定の無線アクセス技術(Radio Access Technology)を使って、ユーザ或いはユーザが有する装置に対し、無線サービスを提供する。
ここで、通信システム2は、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、cdma2000(Code Division Multiple Access 2000)、LTE、NR等のセルラー通信システムであってもよい。以下の説明では、「LTE」には、LTE−A(LTE-Advanced)、LTE−A Pro(LTE-Advanced Pro)、及びEUTRA(Evolved Universal Terrestrial Radio Access)が含まれるものとする。また、「NR」には、NRAT(New Radio Access Technology)、及びFEUTRA(Further EUTRA)が含まれるものとする。なお、通信システム2は、セルラー通信システムに限られない。例えば、通信システム2は、無線LAN(Local Area Network)システム、テレビジョン放送システム、航空無線システム、宇宙無線通信システム等の他の無線通信システムであってもよい。
本実施形態では、通信システム1はプライマリシステムであり、通信システム2はセカンダリシステムである。上述したように、通信システム1及び通信システム2は、それぞれ、複数あってもよい。なお、図1の例では、通信システム1は1つの無線通信装置10(図1に示す無線通信装置10)で構成されていたが、複数の無線通信装置10で構成されていてもよい。無線通信装置10の構成は、後述する基地局装置20又は端末装置30の構成と同じであってもよい。
<2−1.通信システムの全体構成>
通信システム2は、典型的には、以下のエンティティで構成される。
通信装置(例えば、基地局装置やプロキシ装置)
端末装置
通信制御装置
なお、以下の説明では、通信装置となるエンティティは、基地局装置20及び/又はプロキシ装置50であるものとするが、通信装置となるエンティティは基地局装置20やプロキシ装置50に限られず、他の通信装置(例えば、端末装置30や通信制御装置40)であってもよい。
図5は、本開示の実施形態に係る通信システム2の構成例を示す図である。通信システム2は、基地局装置20と、端末装置30と、通信制御装置40と、プロキシ装置50と、を備える。通信システム2は、通信システム2を構成する各装置(例えば、無線通信装置等の通信装置)が連携して動作することで、ユーザ或いはユーザが有する装置に対し、無線サービスを提供する。無線通信装置は、無線通信の機能を有する装置のことであり、図5の例では、基地局装置20と端末装置30とが該当する。
なお、通信制御装置40及びプロキシ装置50は、無線通信機能を有していてもよい。この場合には、通信制御装置40及びプロキシ装置50も無線通信装置とみなすことができる。以下の説明では、無線通信装置のことを単に通信装置ということがある。なお、通信装置は無線通信装置に限られず、例えば、無線通信機能を有さず、有線通信のみ可能な装置も通信装置とみなすことができる。
通信システム2は、基地局装置20と、端末装置30と、通信制御装置40と、プロキシ装置50と、をそれぞれ複数備えていてもよい。図5の例では、通信システム1は、基地局装置20として基地局装置20、20、20、20、20等を備えている。また、通信システム2は、端末装置30として端末装置30、30、30、30等を備えている。また、通信システム1は、通信制御装置40として通信制御装置40、40等を備えている。
なお、以下の説明では、無線通信装置のことを無線システムと呼ぶことがある。例えば、無線通信装置10及び基地局装置20〜20は、それぞれ、1つの無線システムである。また、端末装置30〜30は、それぞれ、1つの無線システムである。なお、以下の説明では、通信システム1を第1無線システムとするが、通信システム1が備える1又は複数の無線通信装置10それぞれを第1無線システムとみなしてもよい。また、以下の説明では、通信システム2が備える1又は複数の基地局装置20それぞれを第2無線システムとするが、通信システム2そのものを第2無線システムとみなしてもよいし、通信システム2が備える1又は複数の端末装置30それぞれを第2無線システムとみなしてもよい。通信制御装置40及びプロキシ装置50が無線通信機能を有するのであれば、通信制御装置40それぞれ或いはプロキシ装置50それぞれを第2無線システムとみなしてもよい。
なお、無線システムは、少なくとも1つの無線通信装置を含む複数の通信装置で構成される1つのシステムであってもよい。例えば、1又は複数の基地局装置20と、その配下にある1又は複数の端末装置30と、で構成されるシステムを1つの無線システムとみなしてもよい。また、通信システム1又は通信システム2を、それぞれ、1つの無線システムとみなすことも可能である。以下の説明では、少なくとも1つの無線通信装置を含む複数の通信装置で構成される通信システムのことを、無線通信システム、或いは、単に通信システムと呼ぶことがある。なお、1つの無線通信装置を含む複数の通信装置で構成される1つのシステムを第1無線システム或いは第2無線システムとみなしてもよい。
基地局装置20(第2無線システム)は、端末装置30或いは他の通信装置(他の基地局装置20、他のプロキシ装置50)と無線通信する無線通信装置である。基地局装置20は通信装置の一種である。基地局装置20は、例えば、無線基地局(Base Station、Node B、eNB、gNB、など)や無線アクセスポイント(Access Point)に相当する装置である。基地局装置20は、無線リレー局であってもよい。また、基地局装置20は、RRH(Remote Radio Head)と呼ばれる光張り出し装置であってもよい。本実施形態では、無線通信システムの基地局のことを基地局装置ということがある。なお、基地局装置20が使用する無線アクセス技術は、セルラー通信技術であってもよいし、無線LAN技術であってもよい。勿論、基地局装置20が使用する無線アクセス技術は、これらに限定されず、他の無線アクセス技術であってもよい。
基地局装置20は、必ずしも固定されたものである必要もなく、自動車のように動くものに設置されていてもよい。また、基地局装置20は、必ずしも地上に存在する必要はなく、航空機、ドローン、ヘリコプター、衛星などのように、空中や宇宙に存在する物体や、船、潜水艦などのように海上・海中に存在する物体に通信装置機能が具備されてもよい。このような場合、基地局装置20は固定的に設置されている他の通信装置と無線通信を実施しうる。
基地局装置20のカバレッジの大きさも、マクロセルのような大きなものから、ピコセルのような小さなものであってもよい。勿論、基地局装置20のカバレッジの大きさは、フェムトセルのような極めて小さなものであってもよい。また、基地局装置20がビームフォーミングの能力を有する場合、ビームごとにセルやサービスエリアが形成されてもよい。
基地局装置20は、さまざまなエンティティによって利用、運用、及び/又は管理されうる。例えば、基地局装置20は、移動体通信事業者(MNO:Mobile Network Operator)、仮想移動体通信事業者(MVNO:Mobile Virtual Network Operator)、仮想移動体通信イネーブラ(MVNE:Mobile Virtual Network Enabler)、ニュートラルホストネットワーク(NHN:Neutral Host Network)事業者、エンタープライズ、教育機関(学校法人、各自治体教育委員会、等)、不動産(ビル、マンション等)管理者、個人などが想定されうる。勿論、基地局装置20の利用、運用、及び/又は管理の主体はこれらに限定されない。
基地局装置20は1事業者が設置及び/又は運用を行うものであってもよいし、1個人が設置及び/又は運用を行うものであってもよい。勿論、基地局装置20の設置・運用主体はこれらに限定されない。例えば、基地局装置20は、複数の事業者または複数の個人が共同で設置・運用を行うものであってもよい。また、基地局装置20は、複数の事業者または複数の個人が利用する共用設備であってもよい。この場合、設備の設置及び/又は運用は利用者とは異なる第三者によって実施されてもよい。
事業者によって運用される基地局装置20は、典型的には、コアネットワークを介してインターネット接続される。また、基地局装置20は、OA&M(Operation, Administration & Maintenance)と呼ばれる機能により、運用管理・保守がなされる。なお、通信システム2には、例えば、ネットワーク内の基地局装置20を統合制御するネットワークマネージャが存在しうる。
なお、基地局という概念には、アクセスポイントや無線リレー局(中継装置ともいう。)が含まれる。また、基地局という概念には、基地局の機能を備えた構造物(Structure)のみならず、構造物に設置される装置も含まれる。構造物は、例えば、オフィスビル、家屋、鉄塔、駅施設、空港施設、港湾施設、スタジアム等の建物(Building)である。なお、構造物という概念には、建物のみならず、トンネル、橋梁、ダム、塀、鉄柱等の構築物(Non-building structure)や、クレーン、門、風車等の設備も含まれる。また、構造物という概念には、地上(陸上)又は地中の構造物のみならず、桟橋、メガフロート等の水上の構造物や、海洋観測設備等の水中の構造物も含まれる。
また、基地局は、移動可能に構成された基地局(移動局)であってもよい。このとき、基地局(移動局)は、移動体に設置される無線通信装置であってもよいし、移動体そのものであってもよい。また、移動体は、地上(陸上)を移動する移動体(例えば、自動車、バス、トラック、列車、リニアモーターカー等の車両)であってもよいし、地中(例えば、トンネル内)を移動する移動体(例えば、地下鉄)であってもよい。勿論、移動体は、スマートフォンなどのモバイル端末であってもよい。また、移動体は、水上を移動する移動体(例えば、旅客船、貨物船、ホバークラフト等の船舶)であってもよいし、水中を移動する移動体(例えば、潜水艇、潜水艦、無人潜水機等の潜水船)であってもよい。また、移動体は、大気圏内を移動する移動体(例えば、飛行機、飛行船、ドローン等の航空機)であってもよいし、大気圏外を移動する宇宙移動体(例えば、人工衛星、宇宙船、宇宙ステーション、探査機等の人工天体)であってもよい。
端末装置30は、通信機能を備えた通信機器である。端末装置30は、典型的にはスマートフォン等の通信機器である。端末装置30は、携帯電話、スマートデバイス(スマートフォン、又はタブレット)、ウェアラブル端末、PDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータ等のユーザ端末であってもよい。端末装置は、User Equipment、User Terminal、User Station、Mobile Terminal、Mobile Station、等と呼ばれることがある。
なお、端末装置30は、人が利用するものである必要はない。端末装置30は、いわゆるMTC(Machine Type Communication)のように、工場の機械、建物に設置されるセンサであってもよい。また、端末装置30は、M2M(Machine to Machine)デバイス、又はIoT(Internet of Things)デバイスであってもよい。また、端末装置30は、D2D(Device to Device)やV2X(Vehicle to everything)に代表されるように、リレー通信機能を具備した装置であってもよい。また、端末装置30は、無線バックホール等で利用されるCPE(Client Premises Equipment)と呼ばれる機器であってもよい。また、端末装置30は、移動体に設置される無線通信装置であってもよいし、移動体そのものであってもよい。
また、端末装置30は、必ずしも地上に存在する必要はなく、航空機、ドローン、ヘリコプター、衛星などのように、空中や宇宙に存在する物体や、船、潜水艦などのように海上・海中に存在する物体であってもよい。
通信制御装置40は、基地局装置20を管理する装置である。例えば、通信制御装置40は、基地局装置20の無線通信を制御する装置である。例えば、通信制御装置40は、基地局装置20が使用する通信パラメータ(動作パラメータともいう。)を決定し、基地局装置20に対して許可又は指示を行う。このとき、通信制御装置40は、ネットワーク内の無線装置を統合制御するネットワークマネージャであってもよい。ETSI EN 303 387やIEEE 802.19.1−2014を例にとると、通信制御装置40は、無線機器間の電波干渉制御を行うSpectrum Manager/Coexistence Managerといった制御装置であってもよい。また、例えば、IEEE 802.11−2016にて規定されるRLSS(Registered Location Secure Server)も通信制御装置40となりうる。また、周波数共用環境下では、GLDB(Geolocation database)やSAS(Spectrum Access System)といったデータベース(データベースサーバ、装置、システム)も通信制御装置40となりうる。基本的には、通信制御装置40の制御対象は基地局装置20となるが、通信制御装置40はその配下の端末装置30を制御してもよい。
なお、通信制御装置40は、1つの通信システム2に複数存在していてもよい。図6は、通信制御装置40が分散的に配置されるモデルを示す図である。この場合、複数の通信制御装置40(図6の例の場合、通信制御装置40及び通信制御装置40)は互いに管理する基地局装置20の情報を交換し、必要な周波数の割り当てや干渉制御の計算を行う。
また、通信制御装置40は、マスタ−スレーブ型の装置であってもよい。図7は、1つの通信制御装置が中央制御的に複数の通信制御装置を統括するモデル(いわゆるマスタ−スレーブ型のモデル)を示す図である。図7の例では、通信制御装置40がマスタ通信制御装置であり、通信制御装置40、40がスレーブ通信制御装置である。このようなシステムの場合、マスタ通信制御装置は複数のスレーブ通信制御装置を統括し、集中的に意思決定を行うことが可能である。また、マスタ通信制御装置は、負荷分散(ロードバランシング)などを目的として、各スレーブ通信制御装置に対して、意思決定権限の委譲・破棄等を実施することも可能である。
なお、通信制御装置40は、その役目のために、基地局装置20、端末装置30、及びプロキシ装置50以外のエンティティからも必要な情報を取得しうる。具体的には、通信制御装置40は、例えば、国・地域の電波行政機関が管理・運用するデータベース(レギュラトリデータベース)から、プライマリシステムの位置情報等、保護に必要な情報を取得しうる。レギュラトリデータベースの一例としては、米国連邦通信委員会(Federal Communications Commissions)が運用するULS(Universal Licensing System)などが挙げられる。保護に必要な情報のその他の例としては、例えば、帯域外輻射制限(OOBE(Out-of-Band Emission) Limit)、隣接チャネル漏洩比(ACLR:Adjacent Channel Leakage Ratio)、隣接チャネル選択性(Adjacent Channel Selectivity)、フェージングマージン、及び/又は保護比率(PR:Protection Ratio)等を含みうる。これらの例については、法制上、数値が固定的に与えられる場合にはそれらを用いることが望ましい。
また、その他の一例としては、通信制御装置40が、プライマリシステムの電波検知を目的に設置・運用される電波センシングシステムから電波センシング情報を取得することも想定されうる。具体的な一例としては、通信制御装置40は、米国CBRSにおける環境センシング機能(ESC:Environmental Sensing Capability)のような電波センシングシステムから、プライマリシステムの電波検知情報を取得しうる。また、通信装置や端末がセンシング機能を具備する場合、通信制御装置40は、これらからプライマリシステムの電波検知情報を取得してもよい。
プロキシ装置50(プロキシシステム)は、1又は複数の通信装置(例えば、基地局装置20)を代理(代表)して通信制御装置40と通信する装置である。プロキシ装置50も通信装置の一種である。プロキシ装置50は、非特許文献2等で規定されるDP(Domain Proxy)であってもよい。ここで、DPとは、複数のCBSDそれぞれ、又は複数のCBSDで構成されるネットワークに代わってSASと通信するエンティティのことをいう。なお、1又は複数の通信装置を代理(代表)して通信制御装置40と通信する機能を有しているのであれば、プロキシ装置50は、非特許文献2で規定されるDPに限られない。ネットワーク内の基地局装置20を統合制御するネットワークマネージャをプロキシ装置50とみなしてもよい。
各エンティティ間のインタフェースは、有線であるか無線であるかは問わない。例えば、通信制御装置および通信装置間のインタフェースには、有線回線のみならず、周波数共用に依存しない無線インタフェースを利用可能である。このとき、無線インタフェースは、例えば、移動体通信事業者によって免許帯域(Licensed band)を介して提供される無線インタフェースや既存の免許不要帯域(License-exempt band)を利用する無線インタフェース(例えば、Wi-Fi通信を利用する無線インタフェース)等であってもよい。
以下、通信システム2を構成する各装置の構成を具体的に説明する。
<2−2.基地局装置の構成>
最初に、基地局装置20の構成を説明する。図8は、本開示の実施形態に係る基地局装置20の構成例を示す図である。基地局装置20は、通信制御装置40の制御に従って端末装置30と無線通信する無線通信装置(無線システム)である。例えば、基地局装置20は、地上に位置する基地局装置(地上局装置)である。このとき、基地局装置20は、地上の構造物に配置される基地局装置であってもよいし、地上を移動する移動体に設置される基地局装置であってもよい。より具体的には、基地局装置20は、ビル等の構造物に設置されたアンテナ及びそのアンテナに接続する信号処理装置であってもよい。勿論、基地局装置20は、構造物や移動体そのものであってもよい。「地上」は、地上(陸上)のみならず、地中、水上、水中も含む広義の地上である。基地局装置20は、通信装置の一種である。
なお、基地局装置20は、地上局装置に限られない。例えば、基地局装置20は、空中又は宇宙を移動或いは浮遊する基地局装置(非地上局装置)であってもよい。このとき、基地局装置20は、航空機局装置や衛星局装置であってもよい。
航空機局装置は、航空機等に搭載される装置であってもよいし、航空機そのものであってもよい。航空機という概念には、飛行機、グライダー等の重航空機のみならず、気球、飛行船等の軽航空機も含まれる。また、航空機という概念には、ヘリコプターやオートジャイロ等の回転翼機も含まれる。なお、航空機局装置(又は、航空機局装置が搭載される航空機)は、有人航空機であってもよいし、ドローン等の無人航空機であってもよい。
衛星局装置は、人工衛星等の宇宙移動体に搭載される装置であってもよいし、宇宙移動体そのものであってもよい。衛星局装置となる衛星は、低軌道(LEO:Low Earth Orbiting)衛星、中軌道(MEO:Medium Earth Orbiting)衛星、静止軌道(GEO:Geostationary Earth Orbiting)衛星、高楕円軌道(HEO:Highly Elliptical Orbiting)衛星の何れであってもよい。勿論、衛星局装置は、低軌道衛星、中軌道衛星、静止衛星、又は高楕円軌道衛星に搭載される装置であってもよい。
また、基地局装置20は中継局装置であってもよい。中継局装置は、例えば、航空局や地球局である。中継局装置は上述の中継装置の一種とみなすことができる。航空局は、航空機局装置と通信を行うために、地上又は地上を移動する移動体に設置された無線局である。また、地球局は、衛星局装置と通信するために、地球(空中を含む。)に位置する無線局である。地球局は、大型地球局であってもよいし、VSAT(Very Small Aperture Terminal)等の小型地球局であってもよい。なお、地球局は、VSAT制御地球局(親局、HUB局ともいう。)であってもよいし、VSAT地球局(子局ともいう。)であってもよい。また、地球局は、地上を移動する移動体に設置される無線局であってもよい。例えば、船舶に搭載される地球局として、船上地球局(ESV:Earth Stations on board Vessels)が挙げられる。また、地球局には、航空機(ヘリコプターを含む。)に設置され、衛星局と通信する航空機地球局が含まれていてもよい。また、地球局には、地上を移動する移動体に設置され、衛星局を介して航空機地球局と通信する航空地球局が含まれていてもよい。なお、中継局装置は、衛星局や航空機局と通信する携帯移動可能な無線局であってもよい。
基地局装置20は、無線通信部21と、記憶部22と、ネットワーク通信部23と、制御部24と、を備える。なお、図8に示した構成は機能的な構成であり、ハードウェア構成はこれとは異なっていてもよい。また、基地局装置20の機能は、複数の物理的に分離された装置に分散して実装されてもよい。
無線通信部21は、他の通信装置(例えば、端末装置30、通信制御装置40、プロキシ装置50、及び他の基地局装置20)と無線通信する無線通信インタフェースである。無線通信部21は、制御部24の制御に従って動作する。無線通信部21は複数の無線アクセス方式に対応してもよい。例えば、無線通信部21は、NR及びLTEの双方に対応してもよい。無線通信部21は、W−CDMAやcdma2000等の他のセルラー通信方式に対応してもよい。また、無線通信部21は、セルラー通信方式に加えて、無線LAN通信方式に対応してもよい。勿論、無線通信部21は、1つの無線アクセス方式に対応するだけであってもよい。
無線通信部21は、受信処理部211と、送信処理部212と、アンテナ213と、を備える。無線通信部21は、受信処理部211、送信処理部212、及びアンテナ213をそれぞれ複数備えていてもよい。なお、無線通信部21が複数の無線アクセス方式に対応する場合、無線通信部21の各部は、無線アクセス方式毎に個別に構成されうる。例えば、基地局装置20がNRとLTEとに対応しているのであれば、受信処理部211及び送信処理部212は、NRとLTEとで個別に構成されてもよい。
受信処理部211は、アンテナ213を介して受信された上りリンク信号の処理を行う。受信処理部211は、無線受信部211aと、多重分離部211bと、復調部211cと、復号部211dと、を備える。
無線受信部211aは、上りリンク信号に対して、ダウンコンバート、不要な周波数成分の除去、増幅レベルの制御、直交復調、デジタル信号への変換、ガードインターバルの除去、高速フーリエ変換による周波数領域信号の抽出等を行う。例えば、基地局装置20の無線アクセス方式が、LTE等のセルラー通信方式であるとする。このとき、多重分離部211bは、無線受信部211aから出力された信号から、PUSCH(Physical Uplink Shared Channel)、PUCCH(Physical Uplink Control Channel)等の上りリンクチャネル及び上りリンク参照信号を分離する。復調部211cは、上りリンクチャネルの変調シンボルに対して、BPSK(Binary Phase Shift Keying)、QPSK(Quadrature Phase shift Keying)等の変調方式を使って受信信号の復調を行う。復調部211cが使用する変調方式は、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)、64QAM、又は256QAMであってもよい。復号部211dは、復調された上りリンクチャネルの符号化ビットに対して、復号処理を行う。復号された上りリンクデータ及び上りリンク制御情報は制御部24へ出力される。
送信処理部212は、下りリンク制御情報及び下りリンクデータの送信処理を行う。送信処理部212は、符号化部212aと、変調部212bと、多重部212cと、無線送信部212dと、を備える。
符号化部212aは、制御部24から入力された下りリンク制御情報及び下りリンクデータを、ブロック符号化、畳み込み符号化、ターボ符号化等の符号化方式を用いて符号化を行う。変調部212bは、符号化部212aから出力された符号化ビットをBPSK、QPSK、16QAM、64QAM、256QAM等の所定の変調方式で変調する。多重部212cは、各チャネルの変調シンボルと下りリンク参照信号とを多重化し、所定のリソースエレメントに配置する。無線送信部212dは、多重部212cからの信号に対して、各種信号処理を行う。例えば、無線送信部212dは、高速フーリエ変換による時間領域への変換、ガードインターバルの付加、ベースバンドのデジタル信号の生成、アナログ信号への変換、直交変調、アップコンバート、余分な周波数成分の除去、電力の増幅等の処理を行う。送信処理部212で生成された信号は、アンテナ213から送信される。
記憶部22は、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ、ハードディスク等のデータ読み書き可能な記憶装置である。記憶部22は、基地局装置20の記憶手段として機能する。記憶部22は、所望送信電力情報、動作パラメータ、保有リソース情報等を記憶する。
所望送信電力情報は、基地局装置20が、電波の送信に必要な送信電力の情報として、通信制御装置40に要求する送信電力の情報である。
動作パラメータは、基地局装置20の電波送信動作に関する情報(例えば、設定情報)である。例えば、通動作パラメータは、基地局装置20に許容された送信電力の最大値(最大許容送信電力)の情報である。勿論、動作パラメータは、最大許容送信電力の情報に限定されない。
また、保有リソース情報は、基地局装置20の無線リソースの保有に関する情報である。例えば、保有リソース情報は、基地局装置20が現在使用可能な無線リソースの情報である。例えば、有リソース情報は、基地局装置20が通信制御装置40から割り当てられた干渉マージンの保有量の情報である。保有量の情報は、後述のリソースブロック単位の情報であってもよい。すなわち、保有リソース情報は、基地局装置20が保有するリソースブロックに関する情報(例えば、リソースブロック保有量)であってもよい。
ネットワーク通信部23は、他の装置(例えば、通信制御装置40、プロキシ装置50、及び他の基地局装置20)と通信するための通信インタフェースである。例えば、ネットワーク通信部23は、NIC(Network Interface Card)等のLAN(Local Area Network)インタフェースである。ネットワーク通信部23は、USB(Universal Serial Bus)ホストコントローラ、USBポート等により構成されるUSBインタフェースであってもよい。また、ネットワーク通信部23は、有線インタフェースであってもよいし、無線インタフェースであってもよい。ネットワーク通信部23は、基地局装置20のネットワーク通信手段として機能する。ネットワーク通信部23は、制御部24の制御に従って、他の装置と通信する。
制御部24は、基地局装置20の各部を制御するコントローラ(Controller)である。制御部24は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサにより実現される。例えば、制御部24は、基地局装置20内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムを、プロセッサがRAM(Random Access Memory)等を作業領域として実行することにより実現される。なお、制御部24は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。CPU、MPU、ASIC、及びFPGAは何れもコントローラとみなすことができる。
制御部24は、図8に示すように、取得部241と、設定部242と、送信部243と、を備える。制御部24を構成する各ブロック(取得部241〜送信部243)はそれぞれ制御部24の機能を示す機能ブロックである。これら機能ブロックはソフトウェアブロックであってもよいし、ハードウェアブロックであってもよい。例えば、上述の機能ブロックが、それぞれ、ソフトウェア(マイクロプログラムを含む。)で実現される1つのソフトウェアモジュールであってもよいし、半導体チップ(ダイ)上の1つの回路ブロックであってもよい。勿論、各機能ブロックがそれぞれ1つのプロセッサ又は1つの集積回路であってもよい。機能ブロックの構成方法は任意である。なお、制御部24は上述の機能ブロックとは異なる機能単位で構成されていてもよい。制御部24を構成する各ブロック(取得部241〜送信部243)の動作は、後述のリクエスト送信処理等の説明で詳述する。
<2−3.端末装置の構成>
次に、端末装置30の構成を説明する。図9は、本開示の実施形態に係る端末装置30の構成例を示す図である。端末装置30は、基地局装置20及び/又は通信制御装置40と無線通信する通信装置である。なお、本実施形態において、通信装置(或いは無線通信装置)という概念には、基地局装置やプロキシ装置のみならず、端末装置も含まれる。通信装置(或いは無線通信装置)は、無線システムと言い換えることができる。
端末装置30は、無線通信部31と、記憶部32と、入出力部33と、制御部34と、を備える。なお、図9に示した構成は機能的な構成であり、ハードウェア構成はこれとは異なっていてもよい。また、端末装置30の機能は、複数の物理的に分離された構成に分散して実装されてもよい。
無線通信部31は、他の通信装置(例えば、基地局装置20及び他の端末装置30)と無線通信する無線通信インタフェースである。無線通信部31は、制御部34の制御に従って動作する。無線通信部31は1又は複数の無線アクセス方式に対応する。例えば、無線通信部31は、NR及びLTEの双方に対応する。無線通信部31は、W−CDMAやcdma2000等、他の無線アクセス方式に対応していてもよい。
無線通信部31は、受信処理部311と、送信処理部312と、アンテナ313と、を備える。無線通信部31は、受信処理部311、送信処理部312、及びアンテナ313をそれぞれ複数備えていてもよい。なお、無線通信部31が複数の無線アクセス方式に対応する場合、無線通信部31の各部は、無線アクセス方式毎に個別に構成されうる。例えば、受信処理部311及び送信処理部312は、LTEとNRとで個別に構成されてもよい。受信処理部311、及び送信処理部312の構成は、基地局装置20の受信処理部211、及び送信処理部212と同様である。
記憶部32は、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ、ハードディスク等のデータ読み書き可能な記憶装置である。記憶部32は、端末装置30の記憶手段として機能する。
入出力部33は、ユーザと情報をやりとりするためのユーザインタフェースである。例えば、入出力部33は、キーボード、マウス、操作キー、タッチパネル等、ユーザが各種操作を行うための操作装置である。又は、入出力部33は、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(Organic Electroluminescence Display)等の表示装置である。入出力部33は、スピーカー、ブザー等の音響装置であってもよい。また、入出力部33は、LED(Light Emitting Diode)ランプ等の点灯装置であってもよい。入出力部33は、端末装置30の入出力手段(入力手段、出力手段、操作手段又は通知手段)として機能する。
制御部34は、端末装置30の各部を制御するコントローラである。制御部34は、例えば、CPU、MPU等のプロセッサにより実現される。例えば、制御部34は、端末装置30内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムを、プロセッサがRAM等を作業領域として実行することにより実現される。なお、制御部34は、ASICやFPGA等の集積回路により実現されてもよい。CPU、MPU、ASIC、及びFPGAは何れもコントローラとみなすことができる。
<2−4.通信制御装置の構成>
通信制御装置40は、基地局装置20の無線通信を制御する装置である。通信制御装置40は、基地局装置20を介して、或いは直接、端末装置30の無線通信を制御してもよい。通信制御装置40は、ネットワーク内の無線装置を統合制御するネットワークマネージャであってもよい。例えば、通信制御装置40は、Spectrum Manager/Coexistence Managerであってもよい。また、通信制御装置40は、GLDB(Geolocation database)やSAS(Spectrum Access System)といったデータベースサーバであってもよい。
なお、通信システム2がセルラー通信システムなのであれば、通信制御装置40は、コアネットワークを構成する装置であってもよい。コアネットワークCNは、例えば、EPC(Evolved Packet Core)や5GC(5G Core network)である。コアネットワークがEPCなのであれば、通信制御装置40は、例えば、MME(Mobility Management Entity)としての機能を有する装置であってもよい。また、コアネットワークが5GCなのであれば、通信制御装置40は、例えば、AMF(Access and Mobility Management Function)としての機能を有する装置であってもよい。なお、通信システム2がセルラー通信システムの場合であっても、通信制御装置40は必ずしもコアネットワークを構成する装置である必要はない。例えば、通信制御装置40はRNC(Radio Network Controller)としての機能を有する装置であってもよい。
なお、通信制御装置40はゲートウェイの機能を有していてもよい。例えば、コアネットワークがEPCなのであれば、通信制御装置40は、S−GW(Serving Gateway)やP−GW(Packet Data Network Gateway)としての機能を有する装置であってもよい。また、コアネットワークが5GCなのであれば、通信制御装置40は、UPF(User Plane Function)としての機能を有する装置であってもよい。なお、通信制御装置40は必ずしもコアネットワークを構成する装置でなくてもよい。例えば、コアネットワークがW−CDMAやcdma2000のコアネットワークであるとする。このとき、通信制御装置40はRNC(Radio Network Controller)として機能する装置であってもよい。
また、通信制御装置40は、複数のセカンダリシステムを制御するシステムであってもよい。この場合、通信システム2は、複数のセカンダリシステムを備えるシステムとみなすことが可能である。
図10は、本開示の実施形態に係る通信制御装置40の構成例を示す図である。通信制御装置40は、無線通信部41と、記憶部42と、ネットワーク通信部43、制御部44と、を備える。なお、図10に示した構成は機能的な構成であり、ハードウェア構成はこれとは異なっていてもよい。また、通信制御装置40の機能は、複数の物理的に分離された構成に分散して実装されてもよい。例えば、通信制御装置40は、複数のサーバ装置により構成されていてもよい。
無線通信部41は、他の通信装置(例えば、基地局装置20、端末装置30、プロキシ装置50、及び他の通信制御装置40)と無線通信する無線通信インタフェースである。無線通信部41は、制御部44の制御に従って動作する。無線通信部31は1又は複数の無線アクセス方式に対応する。例えば、無線通信部31は、NR及びLTEの双方に対応する。無線通信部31は、W−CDMAやcdma2000等、他の無線アクセス方式に対応していてもよい。無線通信部41の構成は、基地局装置20の無線通信部21と同様である。
記憶部42は、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ、ハードディスク等のデータ読み書き可能な記憶装置である。記憶部22は、基地局装置20の記憶手段として機能する。記憶部22は、通信システム2を構成する複数の基地局装置20それぞれの動作パラメータを記憶する。なお、記憶部22は、通信システム2を構成する複数の基地局装置20それぞれの保有リソース情報を記憶していてもよい。上述したように、保有リソース情報は、基地局装置20の無線リソースの保有に関する情報である。
ネットワーク通信部43は、他の装置(例えば、基地局装置20、プロキシ装置50、及び、他の通信制御装置40)と通信するための通信インタフェースである。ネットワーク通信部43は、ネットワークインタフェースであってもよいし、機器接続インタフェースであってもよい。例えば、ネットワーク通信部43は、NIC(Network Interface Card)等のLAN(Local Area Network)インタフェースであってもよい。また、ネットワーク通信部43は、USB(Universal Serial Bus)ホストコントローラ、USBポート等により構成されるUSBインタフェースであってもよい。また、ネットワーク通信部43は、有線インタフェースであってもよいし、無線インタフェースであってもよい。ネットワーク通信部43は、通信制御装置40の通信手段として機能する。ネットワーク通信部43は、制御部44の制御に従って基地局装置20、端末装置30及びプロキシ装置50と通信する。
制御部44は、通信制御装置40の各部を制御するコントローラである。制御部44は、例えば、CPU、MPU等のプロセッサにより実現される。例えば、制御部44は、通信制御装置40内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムを、プロセッサがRAM等を作業領域として実行することにより実現される。なお、制御部44は、ASICやFPGA等の集積回路により実現されてもよい。CPU、MPU、ASIC、及びFPGAは何れもコントローラとみなすことができる。
制御部44は、図10に示すように、取得部441と、判定部442と、決定部443と、通知部444と、を備える。制御部44を構成する各ブロック(取得部441〜通知部444)はそれぞれ制御部44の機能を示す機能ブロックである。これら機能ブロックはソフトウェアブロックであってもよいし、ハードウェアブロックであってもよい。例えば、上述の機能ブロックが、それぞれ、ソフトウェア(マイクロプログラムを含む。)で実現される1つのソフトウェアモジュールであってもよいし、半導体チップ(ダイ)上の1つの回路ブロックであってもよい。勿論、各機能ブロックがそれぞれ1つのプロセッサ又は1つの集積回路であってもよい。機能ブロックの構成方法は任意である。なお、制御部44は上述の機能ブロックとは異なる機能単位で構成されていてもよい。制御部44を構成する各ブロック(取得部441〜通知部444)の動作は、後述の通信制御処理等の説明で詳述する。
<2−5.プロキシ装置の構成>
次に、プロキシ装置50の構成を説明する。図11は、本開示の実施形態に係るプロキシ装置50の構成例を示す図である。プロキシ装置50は、基地局装置20及び通信制御装置40と通信する通信装置である。プロキシ装置50は、1又は複数の基地局装置20を代理(代表)して通信制御装置40と通信するプロキシシステムである。例えば、プロキシ装置50は、複数のCBSDを代理(代表)するドメインプロキシ(DP:Domain Proxy)である。なお、プロキシシステムは、1つの装置で構成されていてもよいし、複数の装置で構成されていてもよい。プロキシ装置50と基地局装置20との間の通信は有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。同様に、プロキシ装置50と通信制御装置40との間の通信は有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。
なお、プロキシ装置50が代理(代表)する通信装置は基地局装置20に限られず、例えば、端末装置30であってもよい。以下の説明では、プロキシ装置50が代理(代表)する1又は複数の通信装置(例えば、1又は複数の基地局装置20)のことを配下の通信装置(例えば、配下の基地局装置20)ということがある。
プロキシ装置50は、無線通信部51と、記憶部52と、ネットワーク通信部53と、制御部54と、を備える。なお、図11に示した構成は機能的な構成であり、ハードウェア構成はこれとは異なっていてもよい。また、プロキシ装置50の機能は、複数の物理的に分離された構成に分散して実装されてもよい。
無線通信部51は、他の通信装置(例えば、基地局装置20、端末装置30、通信制御装置40、及び他のプロキシ装置50)と無線通信する無線通信インタフェースである。無線通信部51は、制御部54の制御に従って動作する。無線通信部51は1又は複数の無線アクセス方式に対応する。例えば、無線通信部31は、NR及びLTEの双方に対応する。無線通信部51は、W−CDMAやcdma2000等、他の無線アクセス方式に対応していてもよい。
記憶部52は、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ、ハードディスク等のデータ読み書き可能な記憶装置である。記憶部52は、プロキシ装置50の記憶手段として機能する。記憶部22は、配下の基地局装置20それぞれの所望送信電力情報、動作パラメータ、保有リソース情報等を記憶していてもよい。
ネットワーク通信部53は、他の装置(例えば、基地局装置20、通信制御装置40、及び、他のプロキシ装置50)と通信するための通信インタフェースである。例えば、ネットワーク通信部53は、NIC等のLANインタフェースである。ネットワーク通信部53は、USBホストコントローラ、USBポート等により構成されるUSBインタフェースであってもよい。また、ネットワーク通信部53は、有線インタフェースであってもよいし、無線インタフェースであってもよい。ネットワーク通信部53は、プロキシ装置50のネットワーク通信手段として機能する。ネットワーク通信部53は、制御部54の制御に従って、他の装置と通信する。
制御部54は、プロキシ装置50の各部を制御するコントローラ(Controller)である。制御部54は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサにより実現される。例えば、制御部54は、プロキシ装置50内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムを、プロセッサがRAM(Random Access Memory)等を作業領域として実行することにより実現される。なお、制御部24は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。CPU、MPU、ASIC、及びFPGAは何れもコントローラとみなすことができる。
制御部54は、図11に示すように、取得部541と、設定部542と、送信部543と、を備える。制御部24を構成する各ブロック(取得部541〜送信部543)はそれぞれ制御部54の機能を示す機能ブロックである。これら機能ブロックはソフトウェアブロックであってもよいし、ハードウェアブロックであってもよい。例えば、上述の機能ブロックが、それぞれ、ソフトウェア(マイクロプログラムを含む。)で実現される1つのソフトウェアモジュールであってもよいし、半導体チップ(ダイ)上の1つの回路ブロックであってもよい。勿論、各機能ブロックがそれぞれ1つのプロセッサ又は1つの集積回路であってもよい。機能ブロックの構成方法は任意である。なお、制御部24は上述の機能ブロックとは異なる機能単位で構成されていてもよい。制御部54を構成する各ブロック(取得部541〜送信部543)の動作は、基地局装置20の制御部24を構成する各ブロック(取得部241〜送信部243)の動作と同じであってもよい。以下の説明で登場する取得部241〜送信部243の記載は、取得部541〜送信部543に置き換え可能である。
<<3.干渉モデル>>
次に、本実施形態で想定する干渉モデルを説明する。図12は、本実施形態で想定する干渉モデルの一例を示す説明図である。なお、以下の説明で登場する、基地局装置20の記載は、無線通信機能を有する他の通信装置を示すワードに置き換え可能である。
図12に示す干渉モデルは、例えば、プライマリシステムがサービスエリアを持つ場合に適用される。図12の例では、通信システム1(プライマリシステム)はサービスエリアを有する無線通信システムとなっている。このサービスエリアが、例えば、通信システム1の保護エリアとなる。保護エリアには、干渉計算基準点(以下、保護点という。)は複数設定される。保護点は、例えば、通信システム1の運営者や電波を管理する公的機関等(以下、管理者という。)により設定される。例えば、管理者は、保護エリアを格子状に区切り、所定の格子の中心を保護点としてもよい。保護点の決定方法は任意である。各保護点の干渉マージンは管理者等により設定される。図12には、通信システム2(セカンダリシステム)を構成する複数の基地局装置20が、保護点に与える干渉が示されている。通信システム2の通信制御装置40は、各保護点における累積干渉が、設定された干渉マージンを超えないように、複数の基地局装置20の送信電力を制御する。
図13は、本実施形態で想定する干渉モデルの他の例を示す説明図である。図13に示す干渉モデルは、例えば、プライマリシステムが受信のみ行う場合に適用される。図13の例では、通信システム1(プライマリシステム)は、無線通信装置10として受信アンテナを有している。無線通信装置10は、例えば、衛星地上局の受信アンテナである。通信システム2の通信制御装置40は、受信アンテナの位置を保護点とし、その地点における累積干渉が干渉マージンを超えないように、複数の基地局装置20の送信電力を制御する。
<<4.プライマリシステム保護方法>>
次に、プライマシステム保護方法について説明する。上述したように、プライマリシステム保護方法は、例えば、以下の2種類に分類可能である。
(1)干渉マージン一斉配分型
(2)干渉マージン逐次配分型
なお、干渉マージン一斉配分型のプライマシステム保護方法の例としては、例えば、非特許文献3にて開示されている手法(例えば、最大許容EIRPの計算手法)が挙げられる。また、干渉マージン逐次配分型のプライマシステム保護方法の例としては、例えば、非特許文献6で開示されている逐次配分処理(IAP:Iterative Allocation Process)が挙げられる。
以下、「干渉マージン一斉配分型」のプライマシステム保護方法と「干渉マージン逐次配分型」のプライマシステム保護方法について説明する。なお、以下の説明で登場する、基地局装置20の記載は、無線通信機能を有する他の通信装置を示すワードに置き換え可能である。
<4−1.干渉マージン一斉配分型>
最初に、干渉マージン一斉配分型のプライマシステム保護方法について説明する。図14は、干渉マージン一斉配分型のプライマシステム保護方法を説明するための説明図である。上述したように、干渉マージン一斉配分型では、通信制御装置40は、「プライマリシステムの保護基準点とセカンダリシステムの位置関係によって一意に求まる値」を基準値としてセカンダリシステムの最大許容送信電力を算出する。図14の例では、プライマリシステムの許容可能干渉閾値がIacceptとなっている。この閾値は、実際の閾値でもよいし、計算誤差や干渉変動を考慮して実際の閾値からある程度のマージン(例えば保護比率(Protection Ratio))を見込んで設定された値であってもよい。
干渉マージン一斉配分型のプライマシステム保護方法において、干渉制御とは、許容可能干渉閾値を越えないように、無線装置の送信電力(EIRP、Conducted Power+Antenna gain等)を決定することを意味する。このとき、基地局装置20が多数存在し、それぞれが許容可能干渉閾値を越えないようにすると、通信システム1(プライマリシステム)において受信される干渉電力が許容可能干渉閾値を越えてしまう恐れがある。そこで、通信制御装置40に登録されている基地局装置20の数に基づき、干渉マージン(許容可能干渉量)を「配分」する。
例えば、図14の例では、基地局装置20の総数は5である。そのため、個々には、Iaccept/5の許容干渉量が配分される。基地局装置20は自身でこの配分量を認識することはできないので、通信制御装置を通じて認識する、またはこの配分量に基づいて決定された送信電力を取得する。通信制御装置は、他の通信制御装置が管理する無線装置の数を認識できないので、相互に情報をやりとりすることによって、総数を認識することができ、許容干渉量を配分することができるようになる。例えば、通信制御装置40内では3Iaccept/5の許容干渉量が割り当てられる。
なお、この手法では、基地局装置20が使用しなかった干渉マージンは剰余干渉マージンとなり得る。図15は、剰余干渉マージンが発生した様子を示す図である。図15には、2つの通信制御装置40(通信制御装置40、40)のそれぞれに設定された総干渉量が示されている。また、図15には、2つの通信制御装置40の管理下にある複数の基地局装置20(基地局装置20〜20)が通信システム1の所定の保護点に与える干渉量(与干渉量)が示されている。2つの通信制御装置40それぞれの総干渉量から基地局装置20による干渉量を引いた干渉量が、剰余干渉マージンである。以下の説明では、余った干渉量のことを剰余干渉マージンという。剰余干渉マージンは剰余干渉量と言い換えることが可能である。
<4−2.干渉マージン逐次配分型>
次に、干渉マージン逐次配分型のプライマシステム保護方法について説明する。上述したように、干渉マージン逐次配分型では、通信制御装置40は、「セカンダリシステムの所望送信電力」を基準値としてセカンダリシステムの最大許容送信電力を算出する。図16は、干渉マージン逐次配分型のプライマシステム保護方法を説明するための説明図である。干渉マージン逐次配分型では、例えば、複数の基地局装置20それぞれが、所望送信電力情報を記憶部22に記憶している。所望送信電力情報は、基地局装置20が、電波の送信に必要な送信電力の情報として、通信制御装置40に要求する送信電力の情報である。図16の例では、基地局装置20〜20が、それぞれ、所望送信電力情報A〜Dを保持している。通信制御装置40は、所望送信電力情報A〜Dに基づいて、基地局装置20〜20にそれぞれ干渉量A〜Dを割り当てる。
<<5.諸手続きの説明>>
次に、通信システム2のエンティティ間で発生しうる諸手続きについて説明する。なお、以下の説明で登場する、基地局装置20の記載は、無線通信機能を有する他の通信装置を示すワードに置き換え可能である。
<5−1.登録手続き(Registration Procedure)>
登録手続きとは、基地局装置20に関するデバイスパラメータを通信制御装置40に登録する手続きのことである。典型的には、基地局装置20または複数の基地局装置20を含む1以上の通信システムが、前記デバイスパラメータを含む登録リクエストを通信制御装置40へ通知することで登録手続きが開始される。登録リクエストは1又は複数の基地局装置20を代理(代表)する通信システム(例えば、プロキシ装置50等のプロキシシステム)が送信してもよい。
以下の説明では、複数の基地局装置20を代理(代表)する通信システムはプロキシ装置50であるものとするが、以下の説明で登場するプロキシ装置50のワードは、プロキシシステム等、他の通信装置を代理(代表)する通信システムを示すワードに置き換え可能である。
(所要パラメータの詳細)
デバイスパラメータとは、例えば、以下に示す情報のことを指す。
通信装置固有の情報
位置情報
アンテナ情報
無線インタフェース情報
法的情報
設置者情報
実施の際には、これら以外の情報がデバイスパラメータとして扱われてもよい。
通信装置固有の情報とは、基地局装置20を特定可能な情報、基地局装置20のハードウェアに関する情報などである。例えば、シリアル番号、製品型番などが含まれうる。
基地局装置20を特定可能な情報は、通信装置利用者情報、通信装置製造番号などを指す。例えば、通信装置利用者情報としては利用者ID、コールサインなどが想定されうる。利用者IDは通信装置利用者が独自に生成してもよいし、通信制御装置40が事前に発行したものであってもよい。
基地局装置20のハードウェアに関する情報は、例えば、送信電力クラス情報、製造者情報などが含まれうる。送信電力クラス情報は、例えば、FCC C.F.R Part 96においては、Category A、Category Bという2種類のクラスが規定されており、いずれかの情報が含まれうる。また、3GPP TS 36.104やTS 38.104において、eNodeB、gNodeBのクラスがいくつか規定されており、これらも用いられうる。
基地局装置20のソフトウェアに関する情報は、例えば、通信制御装置40とのインタラクションに必要な処理が記述された実行プログラムに関するバージョン情報やビルド番号などが含まれうる。また、基地局装置20として動作するためのソフトウェアのバージョン情報やビルド番号なども含まれてもよい。
位置に係る情報とは、典型的には、基地局装置20の地理位置を特定可能な情報である。例えば、GPS(Global Positioning System)、Beidou、QZSS(Quasi-Zenith Satellite System)、GalileoやA−GPS(Assisted Global Positioning System)に代表される位置測位機能によって取得される座標情報である。典型的には、緯度、経度、高度、測位誤差に係る情報が含まれうる。または、例えば、NRA(National Regulatory Authority)またはその委託機関によって管理される情報管理装置に登録される位置情報であってよい。または、例えば、特定の地理位置を原点とするX軸、Y軸、Z軸の座標であってもよい。また、このような座標情報と一緒に屋外/屋内を示す識別子が付与されうる。
また、位置に係る情報とは、基地局装置20が位置する領域を示す情報であってもよい。例えば、郵便番号、住所など、行政によって定められた情報が用いられてもよい。また、例えば、3以上の地理座標の集合によって領域が示されてもよい。これらの領域を示す情報は、上記座標情報と一緒に提供されてもよい。
また、位置に係る情報には、基地局装置20が屋内に位置する場合に、建物のフロアを示す情報が付与されてもよい。例えば、階数、地上/地下を示す識別子などが付与されてもよい。また、例えば、建物内の部屋番号、部屋名のように、屋内のさらなる閉空間を示す情報が付与されてもよい。
上記位置測位機能は、典型的には、基地局装置20によって具備されることが望ましい。しかしながら、位置測位機能の性能や、設置位置によっては、必ずしも要求される精度を満たす位置情報が取得できるとは限らない。そのため、位置測位機能は、設置者によって用いられてもよい。そのような場合、設置者によって測定された位置情報が基地局装置20に書き込まれることが望ましい。
アンテナ情報とは、典型的には、基地局装置20が具備するアンテナの性能や構成等を示す情報である。典型的には、例えば、アンテナ設置高、チルト角(Downtilt)、水平方向の向き(Azimuth)、照準(Boresight)、アンテナピークゲイン、アンテナモデルといった情報が含まれうる。
また、アンテナ情報には、形成可能なビームに関する情報も含まれうる。例えば、ビーム幅、ビームパターン、アナログ/デジタルビームフォーミングのケイパビリティといった情報が含まれうる。
また、アンテナ情報には、MIMO(Mutiple Input Multiple Output)通信の性能や構成に関する情報も含まれうる。例えば、アンテナエレメント数、最大空間ストリーム数、といった情報が含まれうる。また、用いるコードブック(Codebook)情報や、ウェイト行列情報(SVD(Singular Value Decomposition)、EVD (Eigen Value Decomposition)、BD(Block Diagonalization)などによって得られるユニタリ行列、ZF(Zero-Forcing)行列、MMSE(Minimum Mean Square Error)行列)なども含まれうる。また、非線形演算を要するMLD(Maximum Likelihood Detection)等を具備する場合、それを示す情報が含まれてもよい。
上記アンテナ情報には、ZoD(Zenith of Direction, Departure)が含まれてもよい。当該ZoDは、電波到来角度の一種である。上記ZoDは、基地局装置20のアンテナから放射される電波から他の基地局装置20により推定されてもよい。この場合に、基地局装置20は、基地局若しくはアクセスポイントとして動作する端末装置、D2D通信を行う装置、又はムービングリレー基地局などであってもよい。ZoDは、MUSIC(Multiple Signal Classification)又はESPRIT(Estimation of Signal Propagation via Rotation Invariance Techniques)などの電波到来方向推定技術により推定され得る。メジャメント情報として通信制御装置40によって用いられうる。
無線インタフェース情報とは、典型的には、基地局装置20が具備する無線インタフェース技術を示す情報のことである。例えば、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMTS、E−UTRA、5G NRまたはさらなる次世代のセルラーシステムで用いられる技術や、MulteFire、LTE−U(LTE-Unlicensed)といったLTE準拠の派生技術、WiMAX、WiMAX2+といったMAN(Metropolitan Area Network)、IEEE 802.11系の無線LANといった標準技術を示す識別子情報が含まれる。また、これらを定める技術仕様書のバージョン番号またはリリース番号も付与されうる。必ずしも標準技術である必要はなく、プロプライエタリな無線技術を示す情報が含まれてもよい。
また、無線インタフェース情報には、基地局装置20がサポートする周波数帯域情報も含まれうる。例えば、上限周波数および下限周波数の組み合わせの1以上、中心周波数および帯域幅の組み合わせの1以上または、1以上の3GPP Operating Band番号などによって表現されうる。
基地局装置20がサポートする周波数帯域情報として、さらに、キャリアアグリゲーション(CA:Carrier Aggregation)やチャネルボンディング(Channel Bonding)のケイパビリティ情報も含まれうる。例えば、組み合わせ可能な帯域情報などが含まれうる。また、キャリアアグリゲーションについては、プライマリコンポーネントキャリア(PCC:Primary Component Carrier)やセカンダリコンポーネントキャリア(SCC:Secondary Component Carrier)として利用したい帯域に関する情報も含まれうる。また、同時にアグリゲート可能なCC数も含まれうる。
基地局装置20がサポートする周波数帯域情報として、また、PAL、GAAのような電波利用優先度を示す情報が含まれてもよい。
また、無線インタフェース情報には、基地局装置20がサポートする変調方式情報も含まれうる。例えば、代表的な一例として、FSK(Frequency Shift Keying)、n値PSK(Phase Shift Keying)(nは2、4、8等)やn値QAM(Quadrature Amplitude Modulation)(nは4,16,64,256等)といった一次変調方式を示す情報や、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)やDFT−s−OFDM(DFT spread OFDM)、FBMC(Filter Bank Multi Carrier)といった二次変調方式を示す情報が含まれうる。
また、無線インタフェース情報には、誤り訂正符号に関する情報も含まれうる。例えば、Turbo符号、LDPC(Low Density Parity Check)符号、Polar符号などのケイパビリティや適用する符号化率情報が含まれうる。
変調方式情報や誤り訂正符号に関する情報は、別の態様として、MCS(Modulation and Coding Scheme)インデックスでも表現されうる。
また、無線インタフェース情報には、基地局装置20がサポートする各無線技術特有の機能を示す情報も含まれうる。例えば、代表的な一例として、LTEで規定されているTM(Transmission Mode)情報が挙げられる。この他にも、特定の機能に関して2以上のモードを有するものについては、上記TMのように無線インタフェース情報に含まれうる。また、技術仕様において、2以上のモードが存在しなくても仕様上必須でない機能を基地局装置20がサポートする場合には、これを示す情報も含まれうる。
また、無線インタフェース情報には、基地局装置20がサポートする無線アクセス方式(RAT:Radio Access Technology)情報も含まれうる。例えば、TDMA(Time Division Multiple Access)、FDMA(Frequency Division Multiple Access)、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)といった直交多元接続方式(OMA:Orthogonal Multiple Access)、PDMA(Power Division Multiple Access、Superposition Coding(SPC)とSuccessive Interference Canceller(SIC)との組み合わせによって実現される手法が代表例)、CDMA(Code Division Multiple Access)、SCMA(Sparse Code Multiple Access)、IDMA(Interleaver Division Multiple Access)、SDMA(Spatial Division Multiple Access)といった非直交多元接続方式(NOMA:Non Orthogonal Multiple Access)、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance)やCSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access/Collision Detection)といった日和見的接続方式(Opportunistic Access)などを示す情報が含まれうる。
また、無線インタフェース情報には、基地局装置20がサポートするデュプレクスモードに係る情報も含まれうる。代表的な一例として、例えば、FDD(Frequency Division Duplex)、TDD(Time Division Duplex)、FD(Full Duplex)が含まれうる。無線インタフェース情報として、TDDが含まれる場合、基地局装置20が使用する/サポートするTDD Frame Configuration情報が付与されうる。また、上記周波数帯域情報で示される周波数帯域ごとにデュプレクスモードに係る情報が含まれてもよい。
また、無線インタフェース情報には、基地局装置20がサポートする送信ダイバーシチ手法に関する情報も含まれうる。例えば、時空間符号化(STC:Space Time Coding)などが含まれてもよい。
また、無線インタフェース情報には、ガードバンド情報も含まれうる。例えば、規格上定められるガードバンドサイズに関する情報が含まれうる。または、例えば、基地局装置20が所望するガードバンドサイズに関する情報が含まれてもよい。
法的情報とは、典型的には、各国・地域の電波行政機関またはそれに準ずる機関によって定められる、基地局装置20が順守しなければならない規制に関する情報や、基地局装置20が取得している認証情報などのことである。上記規制に関する情報として、典型的には、例えば、帯域外輻射の上限値情報、受信機のブロッキング特性に関する情報などが含まれうる。上記認証情報として、典型的には、例えば、型式認証(Type Approval)情報(FCC ID、技術基準適合証明など)、認証取得の基準となる法規制情報(例えばFCC規則番号、ETSI Harmonized Standard番号等)などが含まれうる。
法的情報のうち、数値に関するものについては、無線インタフェース技術の規格書において定められているものを代用してもよい。例えば、帯域外輻射の上限値情報の代わりに、隣接チャネル漏洩比(ACLR:Adjacent Channel Leakage Ratio)を用いて、帯域外輻射の上限値を導出し利用してもよい。また、必要に応じて、ACLRそのものを用いてもよい。また、隣接チャネル選択性(ACS:Adjacent Channel Selectivity)をブロッキング特性の代わりに用いてもよい。また、これらは併用してもよいし、隣接チャネル干渉比(ACIR:Adjacent Channel Interference Ratio)を用いてもよい。
設置者情報とは、基地局装置20の設置を行った者(設置者)を特定することが可能な情報、設置者に紐づく固有の情報などが含まれうる。例えば、非特許文献2においては、設置者を特定することが可能な情報として、CPIR−ID(Certified Professional Installer Registration ID)、CPI名が開示されている。また、設置者に紐づく固有の情報として、例えば、連絡用住所(Mailing/Contact address)、Eメールアドレス、電話番号、PKI(Public Key Identifier)などが開示されている。これらに限らず、必要に応じて設置者に関するその他の情報が含まれてもよい。
(所要パラメータの補足)
登録手続きにおいて、実施形態によっては、基地局装置20のみならず端末装置30に関するデバイスパラメータを通信制御装置40に登録することも要求されることが想定される。そのような場合、上記(所要パラメータの詳細)で述べた説明中の「通信装置」という用語を「端末装置」またはそれに準ずる用語で置き換えて適用してもよい。また、上記(所要パラメータの詳細)では述べられていない「端末装置」特有のパラメータも登録手続きにおける所要パラメータとして扱われてよい。例えば、3GPPで規定されるUE(User Equipment)Categoryなどが挙げられる。
(登録処理の詳細)
図17は、登録手続きを説明するためのシーケンス図である。基地局装置20または複数の基地局装置20を含む1以上の通信システムは、上記デバイスパラメータを用いて登録リクエストメッセージを生成し(ステップS11)、通信制御装置40へ通知する(ステップS12)。メッセージの生成及び/又は通知は、プロキシ装置50が行ってもよい。
ここで、デバイスパラメータに設置者情報が含まれる場合、この情報を用いて、登録リクエストに改ざん防止の加工等を施してもよい。また、登録リクエストに含まれる情報の一部又は全部に暗号化処理が施されてもよい。具体的には、例えば、設置者と通信制御装置40との間で事前に設置者特有の公開鍵を共有しておき、設置者は秘密鍵を用いて情報の暗号化を施す、という処理が実施されうる。暗号化の対象としては、例えば、位置情報といった防犯上センシティブな情報が挙げられる。
また、位置情報に関しては、非特許文献2で開示されているように、例えば、設置者が、直接、通信制御装置40に書き込んでもよい。
登録リクエスト受信後、通信制御装置40は、基地局装置20の登録処理を実施し(ステップS13)、処理結果に応じて登録レスポンスを返す(ステップS14)。登録に必要な情報の不足、異常がなければ通信制御装置40は記憶部42に情報を記録し、正常完了を通知する。そうでなければ、通信制御装置40は登録失敗を通知する。登録が正常完了する場合、通信制御装置40は、通信装置個別にIDを割り振り、そのID情報を応答時に同封して通知してもよい。登録失敗となる場合、典型的には、基地局装置20または複数の基地局装置20を含む1以上の通信システム、またはこれらの運用者(例えば、移動体通信事業者や個人)や設置者は、登録リクエストの修正等を行い、正常完了するまで登録手続きを試行する。
なお、登録手続きは、複数回実行されることがある。具体的には、例えば、移動・精度改善などにより、位置情報が所定の基準を超えて変更される場合に登録手続きが再実行されうる。所定の基準は、典型的には、法制度によって定められる。例えば、47 C.F.R Part 15において、Mode II personal/portable white space deviceは、100メートル以上位置情報が変わる場合には、再度データベースにアクセスすることが義務付けられている。
<5−2.利用可能周波数情報問い合わせ手続き(Available Spectrum Query Procedure)>
利用可能周波数情報問い合わせ手続きとは、基地局装置20またはプロキシ装置50が、通信制御装置40に対して、利用可能な周波数に関する情報を問い合わせる手続きのことである。典型的には、基地局装置20またはプロキシ装置50が、当該基地局装置20(或いは当該プロキシ装置50配下の基地局装置20)を特定可能な情報を含む問い合わせリクエストを通信制御装置40へ通知することで手続きが開始される。
(1)例1
ここで、利用可能周波数情報とは、典型的には、当該基地局装置20(或いは当該プロキシ装置50配下の基地局装置20)の位置においてプライマリシステムに対して致命的な干渉を与えず、安全に2次利用が可能な周波数を示す情報のことである。例えば、F1という周波数チャネルを利用するプライマリシステム保護のために、Exclusion Zoneなどの2次利用禁止エリアに基地局装置20が設置されている場合、その基地局装置20に対しては、F1という周波数チャネルは利用可能チャネルとして通知されない。
(2)例2
また、例えば、2次利用禁止エリア外であっても、プライマリシステムに対して致命的な干渉を与えると判断される場合には、当該周波数チャネルは利用可能チャネルとして通知されない場合がある。
(3)例3
また、利用可能周波数情報は、例2のプライマリシステム保護要件以外の条件によっても利用可能として通知されない周波数チャネルが存在しうる。具体的には、例えば、基地局装置20間で発生しうる干渉を事前に回避するために、当該基地局装置20(或いは当該プロキシ装置50配下の基地局装置20)の近傍に存在する他の基地局装置20が利用中の周波数チャネルを、利用可能チャネルとして通知しない場合もある。
(4)例4
これらの場合(例2、例3)に該当する場合であっても、プライマリシステムや近傍の基地局装置20と同じ周波数を利用可能チャネルとして通知することは可能である。そのような場合には、典型的には、最大許容送信電力情報が利用可能周波数情報に含まれる。最大許容送信電力は、典型的には、等価等方輻射電力(EIRP:Equivalent Isotropic Radiated Power)で表現される。必ずしもこれに限られる必要はなく、例えば、空中線電力(Conducted Power)とアンテナゲインの組み合わせで提供されてもよい。給電線損失(Feeder Loss)も含まれてもよい。さらに、アンテナゲインは、空間的な方向ごとに許容ピークゲインが設定されてもよい。
(所要パラメータの詳細)
基地局装置20を特定可能な情報とは、例えば、上記登録手続き時に登録した通信装置固有の情報や上述の(登録処理の詳細)で説明したID情報などが想定されうる。
また、問い合わせリクエストには、問い合わせ要件情報も含まれうる。問い合わせ要件情報とは、例えば、利用可能か否かを知りたい周波数帯域を示す情報が含まれうる。また、例えば、送信電力情報も含まれうる。基地局装置20またはプロキシ装置50は、例えば、所望の送信電力を用いることができそうな周波数情報のみを知りたい場合に送信電力情報を含めうる。問い合わせ要件情報は必ずしも含まれる必要はない。
また、問い合わせリクエストには、メジャメントレポートも含まれうる。メジャメントレポートは、基地局装置20および/または端末装置30が実施するメジャメントの結果が含まれる。例えば、生データのみならず、加工された情報も含まれうる。例えば、RSRP(Reference Signal Received Power)、RSSI(Reference Signal Strength Indicator)、RSRQ(Reference Signal Received Quality)に代表される標準化されたメトリックが用いられうる。
(利用可能周波数評価処理の詳細)
図18は、利用可能周波数情報問い合わせ手続きを説明するためのシーケンス図である。基地局装置20またはプロキシ装置50が、当該基地局装置20(或いは当該プロキシ装置50配下の基地局装置20)を特定可能な情報を含む問い合わせリクエストを生成し(ステップS21)、通信制御装置40へ通知する(ステップS22)。
問い合わせリクエスト受信後、通信制御装置40は、問い合わせ要件情報に基づいて、利用可能周波数の評価を行う(ステップS23)。例えば、上述の例1〜例3で説明したようにプライマリシステムやその2次利用禁止エリア、近傍の基地局装置20の存在を考慮して利用可能周波数の評価を行うことが可能である。
上述の例4で説明したように、通信制御装置40は、最大許容送信電力情報を導出してもよい。典型的には、プライマリシステムまたはその保護領域(Protection Zone)における許容可能干渉電力情報、プライマリシステムが被る干渉電力レベルの算定基準位置(Reference Point)情報、基地局装置20の登録情報、伝搬損失推定モデルを用いて算出される。具体的には、一例として、以下の数式によって算出される。
MaxTx(dBm)=ITh(dBm)+PL(d)(dB) …(1)
ここで、PMaxTx(dBm)は最大許容送信電力、ITh(dBm)は許容可能干渉電力、dは基準位置(Reference Point)と基地局装置20との間の距離、PL(d)(dB)は距離dにおける伝搬損失である。本数式においては送受信機におけるアンテナゲインを明示的に示していないが、最大許容送信電力の表現方法(EIRP、Conducted power等)や受信電力の参照点(アンテナ入力点、アンテナ出力点、等)に応じて含めてよい。また、フェージングによる変動を補償するためのセーフティマージン等も含まれてよい。また、フィーダロス等、必要に応じて考慮されてよい。
また、上記数式は、単体の基地局装置20が干渉源である仮定に基づいて記述されている。例えば、同時に複数の基地局装置20からの累積的な干渉(Aggregated Interference)を考慮しなければならない場合には、補正値を加味してもよい。具体的には、例えば、非特許文献3で開示されている3種類(Fixed/Predetermined、Flexible、Flexible Minimized)の干渉マージン方式に基づいて補正値が決定されうる。
なお、上記数式は、対数を用いて表現されているが、実施の際には、当然のことながら真数に変換して用いてもよい。また、本書に記載される全ての対数表記のパラメータは、適宜進数に変換して用いてもよい。
(1)手法1
また、上述の(所要パラメータの詳細)の項で説明したように、送信電力情報が問い合わせ要件情報に含まれる場合には、上述の方法とは別の方法で利用可能周波数の評価を行うことが可能である。具体的には、例えば、送信電力情報で示される所望の送信電力を用いたと仮定した場合に、推定される与干渉量がプライマリシステムまたはその保護領域(Protection Zone)における許容可能干渉電力を下回る場合には、当該周波数チャネルが利用可能であると判断され、基地局装置20(又はプロキシ装置50)へ通知される。
(2)手法2
上記他システム関連情報に基づいて、上記帯域使用条件が算出される例を説明したが、本開示は係る例に限定されない。例えば、REM(Radio Environment Map)のエリアと同様に、基地局装置20が共用帯域を使用可能なエリア/空間が予め定められている場合には、上記位置関連情報及び上記高さ関連情報のみに基づいて、利用可能周波数情報が導出されてもよい。また、例えば、位置及び高さと利用可能周波数情報とを関連付けるルックアップテーブルが用意されている場合にも、上記位置関連情報及び上記高さ関連情報のみに基づいて、上記利用可能周波数情報が導出されてもよい。
利用可能周波数の評価は、必ずしも問い合わせリクエスト受信後に実施する必要はない。例えば、前述の登録手続きの正常完了後に、問い合わせリクエストなしに、通信制御装置40が主体的に実施してもよい。そのような場合、通信制御装置40は、手法2で例示したREMやルックアップテーブルまたはそれらと相似の情報テーブルを作成してもよい。
いずれの手法においても、PALやGAAのような電波利用優先度についても評価を行ってもよい。例えば、登録済デバイスパラメータまたは問い合わせ要件に電波利用優先度に関する情報が含まれる場合、当該優先度に基づいて周波数利用が可能かどうかを判定し、通知してもよい。また、例えば、非特許文献2で開示されているように、事前にユーザから高優先度利用(例えば、PAL)を行う基地局装置20に関する情報(非特許文献2では、Cluser Listと呼ばれる)が通信制御装置40に登録されている場合、その情報に基づいて評価を行ってもよい。
利用可能周波数の評価完了後、通信制御装置40は評価結果を基地局装置20(又はプロキシ装置50)へ通知する(ステップS24)。基地局装置20は、通信制御装置40から受け取った評価結果を用いて、所望通信パラメータの選定を行ってもよい。
<5−3.周波数利用許可手続き(Spectrum Grant Procedure)>
周波数利用許可手続きとは、基地局装置20が通信制御装置40から周波数の2次利用許可を受けるための手続きである。典型的には、登録手続きの正常完了後、基地局装置20または複数の基地局装置20を含む1以上の通信システムが、当該基地局装置20を特定可能な情報を含む周波数利用許可リクエストを通信制御装置40へ通知することで手続きが開始される。この通知は、プロキシ装置50が行ってもよい。なお、「登録手続きの正常完了後」というのは、必ずしも、利用可能周波数情報問い合わせ手続きを実施する必要がないことも意味する。
本発明においては、少なくとも以下の2種類の周波数利用許可リクエストの方式が用いられうることを想定する。
指定方式
フレキシブル方式
指定方式とは、基地局装置20が所望通信パラメータとして、少なくとも利用したい周波数帯域、最大送信電力を指定して、所望通信パラメータに基づく運用の許可を通信制御装置40に求めるリクエスト方式である。必ずしもこれらのパラメータに限定される必要はなく、無線インタフェース技術特有のパラメータ(変調方式やデュプレクスモードなど)が指定されてもよい。また、PAL、GAAのような電波利用優先度を示す情報が含まれてもよい。
フレキシブル方式とは、基地局装置20が、通信パラメータに関する要件のみを指定し、当該要件を満たしつつ2次利用許可が可能な通信パラメータの指定を通信制御装置40に求めるリクエスト方式である。通信パラメータに関する要件は、帯域幅または所望最大送信電力または所望最小送信電力が含まれうる。必ずしもこれらのパラメータに限定される必要はなく、無線インタフェース技術特有のパラメータ(変調方式やデュプレクスモードなど)が指定されてもよい。具体的には、例えば、TDD Frame Configurationのうち、1以上を事前に選択して通知してもよい。
いずれの方式であっても、メジャメントレポートが含まれてもよい。メジャメントレポートは、基地局装置20および/または端末装置30が実施するメジャメントの結果が含まれる。例えば、生データのみならず、加工された情報も含まれうる。例えば、RSRP(Reference Signal Received Power)、RSSI(Reference Signal Strength Indicator)、RSRQ(Reference Signal Received Quality)に代表される標準化されたメトリックが用いられうる。
(周波数利用許可処理の詳細)
図19は、周波数利用許可手続きを説明するためのシーケンス図である。基地局装置20または複数の基地局装置20を含む1以上の通信システムが、当該基地局装置20を特定可能な情報を含む周波数利用許可リクエストを生成し(ステップS31)、通信制御装置40へ通知する(ステップS32)。リクエストの生成及び/又は通知は、プロキシ装置50が行ってもよい。周波数利用許可リクエストは、例えば、通信制御装置40の取得部441が取得する。
通信制御装置40は周波数利用許可リクエストの取得後、周波数利用許可リクエスト方式に基づいて、周波数利用許可処理を行う(ステップS33)。例えば、通信制御装置40は、<5−2.利用可能周波数情報問い合わせ手続き>の例1〜例3で説明した手法を利用して、プライマリシステムやその2次利用禁止エリア、近傍の基地局装置20の存在を考慮して周波数利用許可処理を行うことが可能である。
フレキシブル方式が用いられる場合、通信制御装置40は、<5−2.利用可能周波数情報問い合わせ手続き>の例4で説明した手法を利用して、最大許容送信電力情報を導出してもよい。典型的には、通信制御装置40は、プライマリシステムまたはその保護領域(Protection Zone)における許容可能干渉電力情報、プライマリシステムが被る干渉電力レベルの算定基準位置(Reference Point)情報、基地局装置20の登録情報、伝搬損失推定モデルを用いて最大許容送信電力を算出する。例えば、通信制御装置40は、以下の式(2)によって最大許容送信電力を算出する。
MaxTx(dBm)=ITh(dBm)+PL(d)(dB) …(2)
ここで、PMaxTx(dBm)は最大許容送信電力、ITh(dBm)は許容可能干渉電力、dは基準位置(Reference Point)と基地局装置20との間の距離、PL(d)(dB)は距離dにおける伝搬損失である。本数式においては送受信機におけるアンテナゲインを明示的に示していないが、最大許容送信電力の表現方法(EIRP、Conducted power等)や受信電力の参照点(アンテナ入力点、アンテナ出力点、等)に応じて数式を変形して用いてもよい。また、フェージングによる変動を補償するためのセーフティマージン等も含まれてよい。また、フィーダロス等、必要に応じて考慮されてよい。
また、上記数式は、単体の基地局装置20が干渉源である仮定に基づいて記述されている。例えば、同時に複数の基地局装置20からの累積的な干渉(Aggregated Interference)を考慮しなければならない場合には、補正値を加味してもよい。具体的には、例えば、非特許文献3で開示されている3種類(Fixed/Predetermined、Flexible、Flexible Minimized)の方式に基づいて補正値が決定されうる。
伝搬損失推定モデルは、さまざまなモデルが用いられうる。用途ごとにモデルが指定される場合、指定されるモデルを用いることが望ましい。例えば、非特許文献6においては、その用途ごとに、eHATA(Extended Hata)やITM(Irregular Terrain Model)といった伝搬損失モデルが採用されている。当然ながら、本発明の実施の際には、伝搬損失モデルはこれらに限定する必要はない。
所定の用途において、モデルが指定されていない場合、必要に応じて使い分けてもよい。具体的な一例として、例えば、他の基地局装置20への与干渉電力を推定する際には自由空間損失モデルのようにアグレッシブなモデルを用いて、基地局装置20のカバレッジを推定する際にはコンサバティブなモデルを用いるといった使い分けが可能である。
また、指定方式が用いられる場合、<5−2.利用可能周波数情報問い合わせ手続き>の手法1で説明した手法を用いて周波数利用許可処理を行うことが可能である。具体的には、例えば、送信電力情報で示される所望の送信電力を用いたと仮定した場合に、推定される与干渉量がプライマリシステムまたはその保護領域(Protection Zone)における許容可能干渉電力を下回る場合には、当該周波数チャネルの利用が許可可能であると判断され、基地局装置20(又はプロキシ装置50)へ通知される。
いずれの手法においても、PALやGAAのような電波利用優先度についても評価を行ってもよい。例えば、登録済デバイスパラメータまたは問い合わせ要件に電波利用優先度に関する情報が含まれる場合、当該優先度に基づいて周波数利用が可能かどうかを判定し、通知してもよい。また、例えば、非特許文献2で開示されているように、事前にユーザから高優先度利用(例えば、PAL)を行う基地局装置20に関する情報(非特許文献2では、Cluser Listと呼ばれる)が通信制御装置40に登録されている場合、その情報に基づいて評価を行ってもよい。
周波数利用許可処理は、必ずしもリクエスト受信時に実施する必要はない。例えば、前述の登録手続きの正常完了後に、周波数利用許可リクエストなしに、通信制御装置40が主体的に実施してもよい。また、例えば、一定周期毎に周波数利用許可判定処理を実施してもよい。そのような場合、<5−2.利用可能周波数情報問い合わせ手続き>の手法2で例示したREMやルックアップテーブルそれらと相似の情報テーブルを作成してもよい。
周波数利用許可処理の完了後、通信制御装置40は判定結果を基地局装置20へ通知する(ステップS34)。
<5−4.周波数利用通知(Spectrum Use Notification/Heartbeat)>
周波数利用通知とは、基地局装置20またはプロキシ装置50が、通信制御装置40に対して、上記周波数利用許可手続きで利用が認められた通信パラメータに基づく周波数利用の通知を行う手続きのことである。典型的には、基地局装置20またはプロキシ装置50が、当該基地局装置20を特定可能な情報を含む通知メッセージを通信制御装置40へ通知することで手続きが開始される。
この手続きに関しては、周波数の利用が通信制御装置40から拒絶されるまでは周期的に実施されることが望ましい。この手続きが正常完了すれば、基地局装置20は、電波送信を開始または継続してもよい。上述の図2の例で、グラントの状態がGrantedだったのであれば、この手続きの成功によりグラントの状態はAuthorizedに移行する。また、上述の図2の例で、グラントの状態がAuthorizedだったのであれば、この手続きの失敗によりグラントの状態はGranted或いはIdoleに移行する。
以下の説明では、周波数利用通知のことをハートビートリクエスト(Heartbeat Request)、或いは単にハートビート(Heartbeat)ということがある。また、ハートビートリクエストの送信間隔のことをハートビートインターバル(Heartbeat Interval)ということがある。なお、以下の説明で登場するハートビートリクエスト(Heartbeat Request)或いはハートビート(Heartbeat)の記載は、「電波送信を開始または継続するためのリクエスト」を示す他の記載に適宜置き換え可能である。同様に、ハートビートインターバルも周波数利用通知の送信間隔を示す他の記載(例えば、送信インターバル)に置き換え可能である。
図20は、周波数利用通知手続きを説明するためのシーケンス図である。基地局装置20または複数の基地局装置20を含む1以上の通信システムが、当該基地局装置20を特定可能な情報を含む通知メッセージを生成し(ステップS41)、通信制御装置40へ通知する(ステップS42)。メッセージの生成及び/又は通知は、プロキシ装置50が行ってもよい。
周波数利用通知受信後、通信制御装置40は、電波送信の開始/継続が許容されるか判定してもよい(ステップS43)。判定方法として、例えば、プライマリシステムの周波数利用情報の確認が挙げられる。具体的には、プライマリシステムの利用周波数の変更、電波利用が定常的でないプライマリシステム(例えば、艦載レーダ)の周波数利用状況の変更、などに基づいて、電波送信の開始/継続許可または拒否を決定することが可能である。
判定処理が完了したら、通信制御装置40は、判定結果を基地局装置20(又はプロキシ装置50)へ通知する(ステップS44)。
本手続きにおいて、通信制御装置40から基地局装置20(又はプロキシ装置50)に対して通信パラメータの再構成(Reconfiguration)命令が行われてもよい。典型的には、周波数利用通知のレスポンスにおいて実施されうる。例えば、推奨される通信パラメータ情報が提供されうる。
<5−5.諸手続きの補足>
ここで、諸手続きは以降で説明する通りに、個別に実装される必要は必ずしもない。例えば、2つの異なる手続きの役割を備えた第3の手続きを代用することによって上記2つの異なる手続きを実現してもよい。具体的には、例えば、登録リクエストと利用可能周波数情報問い合わせリクエストが一体的に通知されてもよい。また、例えば、周波数利用許可手続きと周波数利用通知が一体的に実施されてもよい。当然のことながら、これらの組み合わせに限定されず、3つ以上であってもよい。また、上記手続きが分離されて実施されてもよい。
また、本書における「情報を取得する」という表現またはそれに準ずる表現は、必ずしも、上記手続き通りに取得することを意味しているわけではない。例えば、利用可能周波数評価処理において基地局装置20の位置情報を用いることが記載されているが、必ずしも登録手続きで取得される情報を用いる必要はなく、利用可能周波数問い合わせ手続きリクエストに位置情報が含まれる場合、その位置情報を用いてもよい、ということを意味する。換言すれば、本書に記載の範囲内、技術的な実現性の範囲内で、記載されているパラメータを他の手続きに含めてよいということを意味する。
また、上記手続きで示した通信制御装置40から基地局装置20(又はプロキシ装置50)へのレスポンスに含まれうる情報は、プッシュ通知されてもよい。具体的な一例として、利用可能周波数情報や推奨通信パラメータ情報、電波送信継続拒否通知などはプッシュ通知されてもよい。
<5−6.端末装置に関する諸手続き>
端末装置30についても、基本的には、<5−1>から<5−4>で説明した各手続きを用いることが可能である。ただし、基地局装置20と異なり、端末装置30はモビリティを有する。すなわち、動的に位置情報が更新される。法制によっては、一定以上位置情報が変わる場合、通信制御装置40への再登録が義務付けられる場合もある。そこで、英国情報通信庁(Ofcom:Office of Communication)が定める運用形態(非特許文献4参照)においては、以下に示す2種類の通信パラメータが規定されている。
個別パラメータ(Specific Operational Parameters)
一般パラメータ(Generic Operational Parameters)
個別パラメータ(Specific Operational Parameters)とは、当該非特許文献において、「特定のスレーブWSD(White Space Device)に特有の動作パラメータ」として定義されている。換言すれば、端末装置30に相当するスレーブWSDのデバイスパラメータを用いて計算される通信パラメータのことである。特徴として、スレーブWSDの位置情報を用いてWSDB(White Space Database)によって計算されるということが挙げられる。
このような特徴から、個別パラメータは、低モビリティまたは固定設置される端末装置30に適していると想定される。
一般パラメータ(Generic Operational Parameters)とは、当該非特許文献において、「所定のマスタWSD(基地局装置20に相当)のカバレッジエリア内に位置するどのスレーブWSDも使用可能な動作パラメータ」として定義されている。特徴としては、スレーブWSDの位置情報を用いずにWSDBによって計算されるということが挙げられる。
このような特徴から、一般パラメータは、高モビリティの端末装置30に適していると想定される。
これら、端末装置30向けの情報は、基地局装置20からユニキャスト/ブロードキャストによって提供されうる。例えば、FCC規則Part 15 Subpart Hで規定されるCVS(Contact Verification Signal)に代表されるブロードキャスト信号が用いられうる。または、無線インタフェース特有のブロードキャスト信号によって提供されてもよい。具体的には、例えば、LTEや5G NRで用いられるPBCH(Physical Broadcast Channel)、NR−PBCHなどによって提供されてよい。
<5−7.通信制御装置間で発生する手続き>
(情報交換)
通信制御装置40は、他の通信制御装置40と管理情報の交換を行うことができる。図21は、管理情報の交換手続きを説明するためのシーケンス図である。図21の例では、通信制御装置40と通信制御装置40が情報を交換している。勿論、情報交換を行う通信制御装置は、通信制御装置40と通信制御装置40の2つに限られない。
管理情報の交換手続きでは、少なくとも、以下の情報が交換されることが望ましい。
通信装置登録情報
通信装置通信パラメータ情報
エリア情報
通信装置登録情報とは、典型的には、上記登録手続きにおいて通信制御装置40に登録される基地局装置20のデバイスパラメータのことである。必ずしも、登録されている全ての情報が交換される必要はない。例えば、個人情報に該当する恐れのある情報は交換される必要はない。また、通信装置登録情報を交換する際に、暗号化・曖昧化された情報が交換されてもよい。例えば、バイナリ値に変換された情報や、電子署名の仕組みを用いて署名された情報が交換されてもよい。
通信装置通信パラメータ情報とは、典型的には、基地局装置20が現在使用している通信パラメータに係る情報のことである。少なくとも、利用周波数、送信電力を示す情報が含まれることが望ましい。その他の通信パラメータが含まれてもよい。
エリア情報とは、典型的には、所定の地理領域を示す情報のことである。この情報には、様々な属性の領域情報が、様々な態様で含まれうる。
例えば、非特許文献5で開示されているPPA(PAL Protection Area)のように高優先度セカンダリシステムとなる基地局装置20の保護領域情報が含まれてもよい。この場合のエリア情報は、例えば、3以上の地理位置座標の集合で表現されうる。また、例えば、複数の通信制御装置40が共通の外部データベースを参照可能な場合、当該情報を示すIDで表現されうる。
また、例えば、基地局装置20のカバレッジを示す情報が含まれてもよい。この場合のエリア情報も、例えば、3以上の地理位置座標の集合で表現されうる。また、例えば、基地局装置20の地理位置を原点とする円を想定し、半径サイズを示す情報でも表現されうる。また、例えば、複数の通信制御装置40が共通の外部データベースを参照可能な場合、当該情報を示すIDで表現されうる。
また、別の態様として、行政などによりあらかじめ定められたエリア区画に係る情報も含まれうる。具体的には、例えば、住所を示すことで一定の領域を示すことが可能である。また、例えば、ライセンスエリアなども同様に表現し得る。
また、さらなる別の態様として、エリア情報は必ずしも平面的なエリアを表現する必要はなく、3次元の空間を表現してもよい。例えば、空間座標系を用いて表現されてもよい。また、例えば、建物の階数、フロアや部屋番号など、所定の閉空間を示す情報が用いられてもよい。
これらの情報は、さまざまな方式により交換されうる。以下にその一例を示す。
ID指定方式
期間指定方式
領域指定方式
ダンプ方式
ID指定方式とは、通信制御装置40が管理する情報を特定するためにあらかじめ付与されているIDを用いて、上記IDに該当する情報を取得する方式である。例えば、ID:AAAという基地局装置20を通信制御装置40が管理していると仮定する。このときに通信制御装置40が、通信制御装置401に対してID:AAAを指定して情報取得リクエストを行う。リクエスト受信後、通信制御装置40はID:AAAの情報検索を行い、該当する基地局装置20の登録情報、通信パラメータ情報をレスポンスで通知する。
期間指定方式とは、特定の期間を指定し、当該期間に所定の条件を満たす情報が交換されうる。
所定の条件とは、例えば、情報の更新の有無が挙げられる。例えば、特定期間における通信装置情報の取得をリクエストで指定された場合、当該期間に新規に登録された基地局装置20の登録情報や通信パラメータに変更があった基地局装置20の登録情報と通信パラメータの情報がレスポンスで通知されうる。
所定の条件とは、例えば、通信制御装置40が記録しているかどうかが挙げられる。例えば、特定期間における通信装置情報の取得をリクエストで指定された場合、当該期間に通信制御装置40が記録していた基地局装置20の登録情報、通信パラメータの情報がレスポンスで通知されうる。さらには、当該期間における最新情報が通知されうる。または、情報ごとに更新履歴が通知されてもよい。
領域指定方式とは、特定の領域を指定し、当該領域に属する情報が交換される。例えば、特定領域における通信装置情報の取得をリクエストで指定された場合、当該領域に設置されている基地局装置20の登録情報、通信パラメータの情報がレスポンスで通知されうる。
ダンプ方式とは、通信制御装置40が記録している全ての情報を提供する方式である。少なくとも、基地局装置20に係る情報やエリア情報はダンプ方式で提供されることが望ましい。
ここまでの通信制御装置40間情報交換についての説明は、全てプル方式に基づくものである。すなわち、リクエストで指定されたパラメータに該当する情報がレスポンスされる形態であり、一例として、HTTP GETメソッドで実現されうる。しかしながら、プル方式に限定される必要はなく、プッシュ方式で能動的に他の通信制御装置40に情報を提供してもよい。プッシュ方式は、一例として、HTTP POSTメソッドで実現されうる。
(命令・依頼手続き)
通信制御装置40は、互いに命令及び/又は依頼を実施してもよい。具体的には、一例として、基地局装置20の通信パラメータの再構成(Reconfiguration)が挙げられる。例えば、通信制御装置40が管理する基地局装置20が、通信制御装置40の管理する基地局装置20から多大な干渉を受けていると判断される場合に、通信制御装置40が通信制御装置40に対して、基地局装置20の通信パラメータ変更依頼をしてもよい。
別の一例として、エリア情報の再構成(Reconfiguration)が挙げられる。例えば、通信制御装置40の管理する基地局装置20に関するカバレッジ情報や保護領域情報の計算に不備が見られる場合、通信制御装置40が通信制御装置40に対して、当該エリア情報の再構成を依頼してもよい。これ以外にも、さまざまな理由からエリア情報の再構成依頼が行われてもよい。
<<6.ハートビートに係る動作>>
次に、通信システム2のハートビートに係る動作を説明する。
<6−1.代表的動作フロー>
最初に、ハートビートに係る代表的な動作フローを説明する。図22は、ハートビートに係る動作の一例を示すシーケンス図である。具体的には、図22は、<5−3.周波数利用許可手続き>および<5−4.周波数利用通知>の手続きに相当する通信システム2の動作を示すシーケンス図である。なお、図22に示す動作フローはあくまで一例であり、基地局装置20、通信制御装置40、及びプロキシ装置50が置かれた状態等により様々に変化する。
まず、通信制御装置40は、周期的処理の実行タイミングとなったら、周期的処理を実行する(ステップS61)。周期的処理は、通信制御装置40間の情報同期、及び、プライマリシステム保護に関わる計算を実行する処理である。周期的処理は、例えば、非特許文献7と非特許文献9に示されるCPAS(Coordinated Periodic Activities among SASs)である。以下の説明では、周期的処理のことを周期的保護計算ということもある。周期的処理の実行タイミングは、例えば、前回の周期的処理実行から24時間後である。勿論、周期的処理の実行間隔は24時間に限定されない。
図23は、周期的処理の具体的処理内容を示す図である。図23の例では、通信制御装置40と通信制御装置40とが情報同期及びプライマリシステム保護計算を行っている。勿論、周期的処理(情報同期等)を行う通信制御装置40は2つより多くてもよい。
図23に示すように、複数の通信制御装置40は、それぞれ、周期的処理を実行する(ステップS61)。まず、複数の通信制御装置40は、それぞれ、他の通信制御装置40と情報の同期をとる(ステップS61a)。そして、複数の通信制御装置40は、それぞれ、プライマリシステム保護計算を行う(ステップS61b、ステップS61c)。このとき、通信制御装置40は、個々の通信ノード(例えば、基地局装置20)がプライマリシステムに対して個別に与えうる干渉量の推定値や剰余干渉マージン等を計算してもよい。
図22に戻り、基地局装置20或いはプロキシ装置50は、通信制御装置40に対してグラントリクエスト(Grant Request)を送信する(ステップS62)。このグラントリクエストの送信は、基地局装置20の送信部243或いはプロキシ装置50の送信部543が行ってもよい。そして、通信制御装置40の取得部441は、送信されたグラントリクエストを取得する。通信制御装置40は、リクエストに応じて基地局装置20に利用可能周波数を割り当てる。周波数を割り当てたら、通信制御装置40は、基地局装置20或いはプロキシ装置50に対し、グラントレスポンス(Grant Response)を送信する。図22の例では、通信制御装置40は、グラントレスポンスとしてグラントリクエストの成功(図22に示すApprove)を通知している(ステップS63)。この通知は、通信制御装置40の通知部444が行ってもよい。グラントリクエストの成功により、基地局装置20が有するグラントの状態は、図2に示すように、IdoleからGrantedに移行する。
なお、通信制御装置40は、基地局装置20或いはプロキシ装置50に対して、グラントレスポンスを用いてハートビートインターバル(Heartbeat Interval)を通知してもよい。基地局装置20或いはプロキシ装置50に通知されるハートビートインターバルは、上述したように「240秒以下」であってもよい。また、ハートビートインターバルは「240秒以下」等の固定値ではなく、通信制御装置40の決定部443が、例えば基地局装置20に配分する干渉マージンに関する情報等に基づき、その都度決定したものであってもよい。このとき、ハートビートインターバルの決定方法は複数の決定方法の中から選択されたものであってもよい。ハートビートインターバルの決定方法については後に詳述する。
続いて、基地局装置20或いはプロキシ装置50は、通信制御装置40に対してハートビートリクエスト(Heartbeat Request)を送信する(ステップS64)。このハートビートリクエストの送信は、基地局装置20の送信部243或いはプロキシ装置50の送信部543が行ってもよい。そして、通信制御装置40の取得部441は、送信されたハートビートリクエストを取得する。そして、通信制御装置40は、ハートビートレスポンス(Heartbeat Response)を送信する。なお、図22の例では、基地局装置20に割り当てられたグラントは未だ周期的処理(例えば、CPAS)を通過していない。そのため、図22の例では、通信制御装置40は電波送信の開始を承認できない。そこで、通信制御装置40は、ハートビートレスポンスとして、電波送信の停止指示(Suspension instruction)を送信する(ステップS65)。
以降、基地局装置20或いはプロキシ装置50は、通信制御装置40から通知されたハートビートインターバルでハートビートリクエストを送信し続ける。このハートビートリクエストに対して、通信制御装置40は、次回の周期的処理が完了するまで、ハートビートレスポンスとして電波送信の停止指示を送信し続ける。
なお、通信制御装置40は、基地局装置20或いはプロキシ装置50に対して、ハートビートレスポンスを用いてハートビートインターバルを通知してもよい。この通知は、通信制御装置40の通知部444が行ってもよい。基地局装置20或いはプロキシ装置50に通知されるハートビートインターバルは、上述したように「240秒以下」であってもよいし、他の値であってもよい。ハートビートインターバルの決定方法については後に詳述する。
そして、周期的処理の実行タイミングとなったら、通信制御装置40を含む複数の通信制御装置40は、それぞれ、周期的処理を実行する(ステップS66)。例えば、複数の通信制御装置40は、図23に示すように、それぞれ、他の通信制御装置40と情報の同期をとる(ステップS66a)。そして、複数の通信制御装置40は、それぞれ、プライマリシステム保護計算を行う(ステップS66b、ステップS66c)。
続いて、基地局装置20或いはプロキシ装置50は、通信制御装置40に対してハートビートリクエストを送信する(ステップS67)。このハートビートリクエストの送信は、基地局装置20の送信部243或いはプロキシ装置50の送信部543が行ってもよい。そして、通信制御装置40の取得部441は、送信されたハートビートリクエストを取得する。そして、通信制御装置40は、ハートビートレスポンスを送信する。このとき、基地局装置20に割り当てられたグラントは周期的処理を通過しているで、通信制御装置40はハートビートリクエストを送信した基地局装置20に対して電波送信の開始を承認できる。そこで、通信制御装置40は、ハートビートレスポンスとして、ハートビートレスポンスの成功(図22に示すAuthorize)を送信する(ステップS68)。この通知は、通信制御装置40の通知部444が行ってもよい。ハートビートリクエストの成功により、基地局装置20が有するグラントの状態は、図2に示すように、GrantedからAuthorizedに移行する。
なお、通信制御装置40は、基地局装置20或いはプロキシ装置50に対して、ハートビートレスポンスを用いてハートビートインターバルを通知してもよい。この通知は、通信制御装置40の通知部444が行ってもよい。基地局装置20或いはプロキシ装置50に通知されるハートビートインターバルは、上述したように「240秒以下」であってもよいし、他の値であってもよい。ハートビートインターバルの決定方法については後に詳述する。以降、基地局装置20或いはプロキシ装置50は、通信制御装置40から通知されたハートビートインターバルでハートビートリクエストを送信し続ける。
なお、本実施形態では、ハートビートインターバルの決定方法として、複数の決定方法を提案する。なお、以下に示す決定方法はあくまで一例である。ハートビートインターバルの決定方法は以下に示す方法に限定されない。なお、グラントレスポンス(Approve)直後の初回のハートビートは規格上ただちに実施することになっているため、簡便のため、その間の時間間隔はゼロとして説明する。当然のことながら、この時間間隔を考慮しなければならない場合には、適当な範囲で考慮してよい。以下の説明で用いる「ハートビートインターバル」は2回目以降のハートビートの最大間隔に相当することに留意されたい。
<6−2.ハートビートインターバルの決定方法(第1の決定方法)>
まず、第1の決定方法を説明する。上述したように、通信制御装置40は、次回の周期的処理までの間、周期的処理を通過していないグラントに対しては、例えハートビートリクエストを受け取ったとしても、電波送信の停止指示(Suspension instruction)を送信し続ける。これは、非常に無駄なことである。そこで、第1の決定方法では、通信制御装置40は、次回の周期的処理(例えば、CPAS)完了後にハートビートを行うよう基地局装置20或いはプロキシ装置50にハートビートインターバルを設定する。
ハートビートインターバルの決定は、例えば、通信制御装置40の決定部443が行う。グラントレスポンス(Approve)またはハートビート(Suspension instruction)を送る時刻をtresとすると、ハートビートインターバルは、例えば、以下の式(3)ように決定できる。
ΔHeartbeat,Interval[sec]>ΔCPAS,Processing[sec]+ΔCPAS,Interval[sec]-(tres-tPrev,CPAS)[sec] …(3)
ここで、ΔHeartbeat,Intervalはハートビートインターバル、ΔCPAS,Processingは周期的処理(例えばCPAS処理)に係る時間間隔、ΔCPAS,Intervalは周期的処理間の時間間隔、tPrev,CPASは前回周期的処理が実行開始された時刻である。なお、式(1)にて時間間隔の単位を「秒」としているが、必要に応じて「分」など他の単位に置き換えられてもよい。
このように決定することで、次回の周期的処理までの間、不要なハートビートが発生することが少なくなる。なお、次回の周期的処理で、グラントが許可(例えば、図22に示すステップS68のAuthorize)された場合、次のハートビートインターバルは「240秒以下」に設定されることが望ましい。
<6−3.ハートビートインターバルの決定方法(第2の決定方法)>
次に第2の決定方法を説明する。上述の第1の決定方法は、前回の周期的処理の結果、基地局装置20に配分可能な剰余干渉マージン(Leftover interference margin)がないと判別された場合に適用されうる。しかしながら、前回の周期的処理で、配分可能な乗除干渉マージンがある場合、その範囲内で次回の周期的処理を待たずに基地局装置20のグラント状態をAuthorizedに遷移させることも可能である。
そこで、第2の決定方法では、通信制御装置40は、基地局装置20に剰余干渉マージンを配分するために、リクエスト取得後、即座にプライマリシステム保護計算を行うとともに、プライマリシステム保護計算の完了後にハートビートを行うよう基地局装置20或いはプロキシ装置50にハートビートインターバルを設定する。
ここで、プライマリシステム保護の計算に要する時間をΔcalc[sec]とする。このとき、ハートビートインターバルΔHeartbeat,Intervalは以下の式(4)のように設定できる。
ΔHeartbeat,Interval[sec]>Δcalc[sec] …(4)
このように設定することで、基地局装置20は、次回の周期的処理の完了を待つことなく、電波送信が可能になる。しかも、プライマリシステム保護計算の間、基地局装置20或いはプロキシ装置50がハートビートを送信し続けるという無駄は発生しない。
<6−4.ハートビートインターバルに係る処理フロー>
なお、通信制御装置40が使用するハートビートインターバルの決定方法は必ずしも1つでなくてもよい。通信制御装置40は、複数の決定方法の中から選択される所定の決定方法を使って、ハートビートインターバルを決定してもよい。例えば、通信制御装置40は、所定の基準に従って第1の決定方法及び第2の決定方法のいずれかを使用してハートビートインターバルを決定してもよい。このとき、通信制御装置40は、基地局装置20に配分する干渉マージンに関する情報(例えば、基地局装置20に配分可能な干渉マージンの剰余量)に基づき決定方法を選択してもよい。
(通信制御処理)
図24は、ハートビートインターバルの決定に係る通信制御処理を示すフローチャートである。図24に示す処理は、例えば、通信制御装置40が、基地局装置20或いはプロキシ装置50からグラントリクエスト、或いはグラントリクエスト成功後の最初のハートビートリクエストを受信した場合に実行される。
まず、通信制御装置40の取得部441は、1又は複数の所定の基地局装置20、或いは1又は複数の所定の基地局装置20を代表する所定のプロキシ装置50からグラントリクエスト、或いはグラントリクエスト成功後の最初のハートビートリクエストを取得する(ステップS71)。そして、通信制御装置40の判定部442は、1又は複数の所定の基地局装置20に配分するだけの干渉マージンの剰余(剰余干渉マージン)があるか判別する(ステップS72)。
1又は複数の所定の基地局装置20に配分するだけの剰余干渉マージンがない場合(ステップS72:No)、通信制御装置40の決定部443は、上述の第1の決定方法を使って1又は複数の所定の基地局装置20それぞれのハートビートインターバルを決定する(ステップS73)。すなわち、決定部443は、次回の周期的処理完了後にハートビートリクエストが送信されるようハートビートインターバルを決定する。
一方、1又は複数の所定の基地局装置20に配分するだけの剰余干渉マージンがある場合(ステップS72:Yes)、決定部443は、上述の第2の決定方法を使って1又は複数の所定の基地局装置20それぞれのハートビートインターバルを決定する(ステップS74)。すなわち、決定部443は、プライマリシステム保護計算の完了後にハートビートが送信されるようハートビートインターバルを決定する。
ハートビートインターバルを決定したら、通信制御装置40の通知部444は、1又は複数の所定の基地局装置20、或いは1又は複数の所定の基地局装置20を代表する所定のプロキシ装置50にハートビートインターバルを通知する(ステップS75)。ハートビートインターバルの通知は、グラントレスポンス或いはハートビートレスポンスを用いて行われてもよい。これにより、1又は複数の所定の基地局装置20にハートビートインターバルが設定される。
このようにハートビートインターバルを設定することで、基地局装置20或いはプロキシ装置50に適切なタイミングで次回のハートビートを実施させることができる。結果として、通信システム2のシグナリング(Signaling)の効率性が高まる。
(リクエスト送信処理)
次に、ハートビートリクエストの送信処理を説明する。以下の説明では、基地局装置20が以下の処理を実行するものとして説明するが、プロキシ装置50が実行してもよい。この場合、以下の説明で登場する基地局装置20の記載はプロキシ装置50に置き換えてもよい。また、以下の説明で登場する取得部241、設定部242、送信部243の記載は、それぞれ、取得部541、設定部542、送信部543に置き換えてもよい。
図25は、ハートビートリクエストの送信に係るリクエスト送信処理を示すフローチャートである。図25に示す処理は、例えば、通信制御装置40からのグラントレスポンス或いはハートビートレスポンスに、通信制御装置40が決定したハートビートインターバルの情報が含まれていた場合に実行される。
まず、基地局装置20の取得部241は、通信制御装置40が決定したハートビートインターバルの情報を取得する(ステップS81)。そして、基地局装置20の設定部242は、取得したハートビートインターバルを設定する(ステップS82)。例えば、設定部242は、ハートビートインターバルの値を、ハートビートリクエストの送信を制御する半導体の所定のレジスタに記録する。そして、基地局装置20の送信部243は、設定ハートビートインターバルに従って、通信制御装置40にハートビートリクエストを送信する(ステップS83)。
これにより、基地局装置20は適切なタイミングでハートビートを実施できるので、通信システム2のシグナリング(Signaling)の効率性が高まる。
<6−5.ハートビートインターバルの決定方法(第3の決定方法)>
通信制御装置40が複数の通信装置(例えば、基地局装置20及び/又はプロキシ装置50)を制御する場合、多数の通信装置が同時に通信制御装置40にアクセスすることが想定される。例えば、ハートビートインターバルの値を固定の値(例えば、「240秒以下」)ではなく、通信制御装置40が所定の基準に従って決定する値とする場合を想定する。この場合、基準によっては、多数のハートビートリクエストが、時間的に分散されずに、通信制御装置40に同時に送信されてしまうことが想定される。
例えば、第1の決定方法によりハートビートインターバルが決定される場合を考える。第1の決定方法は、次回の周期的処理の後にハートビートリクエストを送信するようハートビートインターバルを設定する方法である。この場合、多少の誤差はあれども、多数の基地局装置20(或いは多数のプロキシ装置50)が、次回の周期的処理が完了したタイミングでハートビートリクエストを送信することが想定される。この場合、通信制御装置40は急激な負荷上昇によりパフォーマンスを低下させる恐れがある。こうなると、通信制御装置40はハートビートリクエストを処理しきれず、効率的な周波数管理ができなくなる恐れがある。
そこで、通信制御装置40は、ハートビートリクエストが分散されて送信されるようハートビートインターバルの値を決定する。一例として、通信制御装置40の決定部443は、次の周期的処理の後にハートビートリクエストが送信されるようハートビートインターバルを決定する場合に、次の周期的処理の後にハートビートリクエストを送信する他の1の第2無線システム(基地局装置20又はプロキシ装置50)のハートビートインターバルに付加するマージン時間とは異なるマージン時間を付加してもよい。勿論、マージン時間を付加するケースはこのケースに限定されない。
通信制御装置40の決定部443は、ハートビートリクエストを送信する通信装置毎に(例えば、基地局装置20毎に及び/又はプロキシ装置50毎に)、異なるマージン時間(Δmargin,i)を決定してもよい。そして、決定部443は、所定の決定方法(例えば、上述の第1の決定方法或いは第2の決定方法)で決定したハートビートインターバル(ΔHeartbeat,Interval)にマージン時間(Δmargin,i)付加してもよい。決定部443は、マージン時間Δmargin,iを付加したハートビートインターバル(Δ'Heartbeat,Interval,i)を基地局装置20又はプロキシ装置50に設定するハートビートインターバルとして決定してもよい。
これを式にすると、以下の式(5)のように表現される。式(5)において、iはハートビートリクエストを送信する通信装置(例えば、基地局装置20毎に及び/又はプロキシ装置50)のインデックスを示す。
Δ'Heartbeat,Interval,iHeartbeat,Intervalmargin,i …(5)
マージン時間Δmargin,iの設定方法としては以下のランダム設定と共通設定が想定されうる。
(ランダム設定)
例えば、決定部443は、0〜Δmargin,max[sec]の範囲からランダムにマージン時間Δmargin,iとなる値を選択する。このときΔmargin,maxはマージン時間Δmargin,iとなる値の最大値である。なお、決定部443は、0〜Δmargin,max[sec]の範囲をあらかじめ離散的に区切り、その離散値からランダムに選択してもよい、このとき、離散間隔は、動的に変更されてよい。これにより、ハートビートリクエストの送信タイミングが分散される。結果として、通信制御装置40の処理負荷も分散され、効率的な周波数管理が可能になる。
(共通設定)
決定部443は、特定の基地局装置20間(或いは、特定のプロキシ装置50間)で共通のマージン時間を設定してもよい。例えば、決定部443は、基地局装置20及び/又はプロキシ装置50を所定の基準に従ってグルーピングし、グループごとに共通のマージン時間を設定する。設定方法としては以下の4つの方法が想定される。
(設定方法1)
1又は複数の基地局装置20の代理でプロキシ装置50が通信制御装置40にアクセスする場合、決定部443は、そのプロキシ装置50の配下の1又は複数の基地局装置20には、共通のマージン時間を設定する。このとき、プロキシ装置50は、配下の複数の基地局装置20が共通で使用するハートビートインターバルを通信制御装置40から取得し、配下の複数の基地局装置20のハートビートリクエストを通信制御装置40にまとめて送信する。共通のハートビートインターバルとすることより、プロキシ装置50が、配下の基地局装置20のハートビートリクエストをまとめて通信制御装置40に送信できるようになるので、通信システム2のシグナリングの効率性がさらに高まる。
(設定方法2)
通信制御装置40には、許容可能な同時アクセス数が存在する場合があり得る。この場合、通信制御装置40の決定部443は、通信制御装置40の許容可能同時アクセス数に基づいて、複数の基地局装置20のグルーピングを行う。そして、決定部443は、各グループ内では、共通のマージン時間を設定する。通信制御装置40の処理能力に合わせた最適な数のリクエストが同時送信されるので、シグナリングの効率性を高めつつ、通信制御装置40の処理効率も高めることができる。
なお、決定部443は、1つのプロキシ装置50の配下にある複数の基地局装置20を複数のグループにグルーピングしてもよい。例えば、1つのプロキシ装置50が束ねる基地局装置20の総数が通信制御装置40の許容可能同時アクセス数を超える場合には、決定部443は、プロキシ装置50配下の複数の基地局装置20をグルーピングし、グループ単位でハートビートを実施させてもよい。
このとき、プロキシ装置50が束ねる基地局装置20の総数が、通信制御装置40に通知されることが望ましい。この通知は、プロキシ装置50自身が行ってもよいし、プロキシ装置50を管理する他の装置が行ってもよい。なお、プロキシ装置50が束ねる基地局装置20の総数が通信制御装置40に通知されない場合、通信制御装置40はアクセス記録などに基づいてプロキシ装置50が束ねる基地局装置20の総数を推測してもよい。
なお、通信制御装置40が行ったグルーピングの情報は、通信制御装置40からプロキシ装置50に通知されることが望ましい。それにより、プロキシ装置50は通信制御装置40から指示されたグルーピングに基づいて基地局装置20のリクエストを束ねることが可能となる。結果として、通信システム2のシグナリングの効率性が高まる。
(設定方法3)
通信制御装置40の決定部443は、プライマリシステム保護計算で累積干渉電力の「寄与者」となる基地局装置20を1つのグループとしてもよい。そして、決定部443は、グループ内では、マージン時間を共通のものとしてもよい。
このとき、決定部443は、干渉計算考慮エリアに位置する基地局装置20を累積干渉電力の「寄与者」として考え、グループ化してもよい。干渉計算考慮エリアは、例えば、プライマリシステムが被る干渉電力レベルの算定基準位置(Reference Point)情報に基づいて定義されたものであってもよい。
リクエストの結果が同じになる可能性が高い基地局装置20のハートビートリクエストが同時に送信されるので、通信制御装置40の処理が容易となる。
(設定方法4)
通信制御装置40の決定部443は、相互干渉グループ(Mutual Interference Group)を考慮して、基地局装置20のグルーピングを行う。ここで、相互干渉グループとは、互いに干渉を与える基地局装置20のグループである。すなわち、決定部443は、互いに干渉影響を与えうる基地局装置20を1つのグループとする。例えば、決定部443は、通信をカバーする範囲(カバレッジ)が重複する位置関係となっている基地局装置20を1つのグループとする。リクエストの結果が同じになる可能性が高い基地局装置20のハートビートリクエストが同時に送信されるので、通信制御装置40の処理が容易となる。
<6−6.基地局装置が複数のグラント保有している場合>
上述の実施形態では、1つの基地局装置20が複数のグラント(周波数の割り当て)を保有する場合について明示していなかったが、当然ながら、1つの基地局装置20が複数のグラントを保有する場合であっても、1つのグラントを1つの無線通信装置とみなして上述の実施形態を適用可能である。1つの基地局装置20が複数のグラントを保有する場合には、上述の実施形態に加えて、例えば、以下に示すようなハートビートインターバルの設定例も可能である。
(設定例1)
通信制御装置40の決定部443は、グラントの状態の情報の基づきハートビートインターバルを決定する。例えば、決定部443は、同じ状態(例えば、Granted/Authorized)のグラントに共通のハートビートインターバルを決定する。
例えば、決定部443は、Granted状態のグラントには、第1の決定方法或いは第2の決定方法を用いてハートビートインターバルを決定する。なお、通信システム2に複数の基地局装置20が存在する場合には、決定部443は、さらに第3の決定方法を考慮してハートビートインターバルを決定してもよい。
また、決定部443は、Authorized状態のグラントには、通常用いるハートビートインターバルを設定する。通常用いるハートビートインターバルは「240秒以下」であってもよい。なお、通信システム2に複数の基地局装置20が存在する場合には、決定部443は、さらに第3の決定方法を考慮してハートビートインターバルを決定してもよい。
図26は、同じステート(状態)のグラントに共通のハートビートインターバルを設定した様子を示す図である。図26の例では、1つの基地局装置20がGrant1〜Grant4の4つのグラントを有している。Grant1とGrant3は、Authorized状態のグラントであり、Grant2とGrant4は、Granted状態のグラントである。図26の例では、Granted状態のグラントとAuthorized状態のグラントとでハートビートインターバルが異なっている。図26を見ると分かるように、基地局装置20は、Granted状態のグラント(Grant2とGrant4)に関するハートビートリクエストを周期的処理が完了するまで実行しない。これにより、通信システム2はシグナリングの効率性を高めることができる。結果として、電波資源の効率的な利用が可能になる。
なお、通信制御装置40の決定部443は、他のグラントの状態が存在する場合には、同じように、その状態のグラントには共通のハートビートインターバルを決定してもよい。
なお、この設定例1では、1つの基地局装置20が複数のグラントを有する場合を想定して説明したが、1つの基地局装置20が1つのグラントを有する場合にも設定例1を適用可能である。例えば、決定部443は、グラントが同じ状態の基地局装置20に共通のハートビートインターバルを設定する。より具体的には、決定部443は、Granted状態のグラントを有する基地局装置20には第1の決定方法或いは第2の決定方法を用いてハートビートインターバルを決定する。Authorized状態のグラントを有する基地局装置20には、通常用いるハートビートインターバルを設定する。いずれの場合も第3の決定方法を考慮してハートビートインターバルを決定してもよい。この場合にも、通信システム2はシグナリングの効率性を高めることができる。
(設定例2)
通信制御装置40の決定部443は、周期的処理(プライマリシステムの周期的保護計算)を通過したグラントか否かの情報に基づいてハートビートインターバルを決定する。例えば、決定部443は、ニューエントラントグラント(New Entrant Grant)かイグジスティンググラント(Existing Grant)かで、共通のハートビートインターバルを決定する。ここで、ニューエントラントグラントは周期的処理(例えば、CPAS)を一度もパスしていないグラントであり、イグジスティンググラントは周期的処理をパスしたことのあるグラントである。
ニューエントラントグラントは、周期的処理をパスするまで電波を出せないので、決定部443は、ニューエントラントグラントには、第1の決定方法或いは第2の決定方法を用いてハートビートインターバルを決定する。なお、通信システム2に複数の基地局装置20が存在する場合には、決定部443は、さらに第3の決定方法を考慮してハートビートインターバルを決定してもよい。
また、決定部443は、イグジスティンググラントには、通常用いるハートビートインターバルを設定する。通常用いるハートビートインターバルは「240秒以下」であってもよい。なお、通信システム2に複数の基地局装置20が存在する場合には、決定部443は、さらに第3の決定方法を考慮してハートビートインターバルを決定してもよい。
なお、イグジスティンググラントは電波を出せるものの、基地局装置20によっては、位置関係等から電波を止めないといけない場合が生じうる。そのため、決定部443は、必ずしもイグジスティンググラント全てに対して共通のハートビートインターバルを設定する必要はない。
設定例2によっても、通信システム2はシグナリングの効率性を高めることができる。結果として、電波資源の効率的な利用が可能になる。
なお、この設定例2では、1つの基地局装置20が複数のグラントを有する場合を想定して説明したが、1つの基地局装置20が1つのグラントを有する場合にも設定例2を適用可能である。例えば、決定部443は、ニューエントラントグラントを有する基地局装置20かイグジスティンググラントを有する基地局装置20かで、共通のハートビートインターバルを設定する。より具体的には、決定部443は、ニューエントラントグラントを有する基地局装置20には第1の決定方法或いは第2の決定方法を用いてハートビートインターバルを決定する。イグジスティンググラントを有する基地局装置20には、通常用いるハートビートインターバルを設定する。いずれの場合も第3の決定方法を考慮してハートビートインターバルを決定してもよい。この場合にも、通信システム2はシグナリングの効率性を高めることができる。
<<7.変形例>>
上述の実施形態は一例を示したものであり、種々の変更及び応用が可能である。
<7−1.システム構成に関する変形例>
本実施形態の通信制御装置40は、上述の実施形態で説明した装置に限定されない。例えば、通信制御装置40は、周波数共用が行われる周波数帯域を二次利用する基地局装置20を制御する以外の機能を有する装置であってもよい。例えば、本実施形態の通信制御装置40の機能をネットワークマネージャが具備してもよい。このとき、ネットワークマネージャは、例えば、C−RAN(Centralized Radio Access Network)と呼ばれるネットワーク構成のC−BBU(Centralized Base Band Unit)またはこれを備える装置であってもよい。また、ネットワークマネージャの機能を基地局(アクセスポイントを含む。)が具備してもよい。これらの装置(ネットワークマネージャ等)も通信制御装置とみなすことが可能である。
なお、上述の実施形態では、通信システム1を第1無線システム、基地局装置20を第2無線システムとした。しかし、第1無線システム及び第2無線システムはこの例に限定されない。例えば、第1無線システムは通信装置(例えば、無線通信装置10)であってもよいし、第2無線システムは通信システム(通信システム2)であってもよい。なお、本実施形態で登場する無線システムは、複数の装置から構成されるシステムに限定されず、適宜、「装置」、「端末」等に置き換え可能である。
また、上述の実施形態では、通信制御装置40は、通信システム2に属する装置であるものとしたが、必ずしも通信システム2に属する装置でなくてもよい。通信制御装置40は、通信システム2の外部の装置であてもよい。通信制御装置40は、基地局装置20を直接制御せず、通信システム2を構成する装置を介して間接的に基地局装置20を制御してもよい。また、セカンダリシステム(通信システム2)は複数存在していてもよい。このとき、通信制御装置40は、複数のセカンダリシステムを管理してもよい。この場合、セカンダリシステムそれぞれを第2無線システムとみなすことができる。
なお、一般に周波数共用において、対象帯域を利用する既存システムをプライマリシステム、二次利用者をセカンダリシステムと呼ぶが、プライマリシステム及びセカンダリシステムは、別の用語に置き換えてもよい。HetNET(Heterogeneous Network)におけるマクロセルをプライマリシステム、スモールセルやリレー局をセカンダリシステムとしてもよい。また、基地局をプライマリシステム、そのカバレッジ内に存在するD2DやV2X(Vehicle-to-Everything)を実現するRelay UEやVehicle UEをセカンダリシステムとしてもよい。基地局は固定型に限らず、可搬型/移動型であってもよい。
さらに、各エンティティ間のインタフェースは、有線・無線問わない。例えば、本実施形態で登場した各エンティティ(通信装置、通信制御装置、又は端末装置)間のインタフェースは、周波数共用に依存しない無線インタフェースであってもよい。周波数共用に依存しない無線インタフェースとしては、例えば、移動体通信事業者によってLicensed bandを介して提供される無線インタフェースや、既存の免許不要帯域を利用する無線LAN通信、等が挙げられる。
<7−2.その他の変形例>
本実施形態の無線通信装置10、基地局装置20、端末装置30、又は通信制御装置40を制御する制御装置は、専用のコンピュータシステムで実現してもよいし、汎用のコンピュータシステムで実現してもよい。
例えば、上述の動作(例えば、通信制御処理、調整処理、又は配分処理等)を実行するための通信プログラムを、光ディスク、半導体メモリ、磁気テープ、フレキシブルディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布する。そして、例えば、該プログラムをコンピュータにインストールし、上述の処理を実行することによって制御装置を構成する。このとき、制御装置は、無線通信装置10、基地局装置20、端末装置30、通信制御装置40、又はプロキシ装置50の外部の装置(例えば、パーソナルコンピュータ)であってもよい。また、制御装置は、無線通信装置10、基地局装置20、端末装置30、通信制御装置40又はプロキシ装置50の内部の装置(例えば、制御部24、制御部34、制御部44、又は制御部54)であってもよい。
また、上記通信プログラムをインターネット等のネットワーク上のサーバ装置が備えるディスク装置に格納しておき、コンピュータにダウンロード等できるようにしてもよい。また、上述の機能を、OS(Operating System)とアプリケーションソフトとの協働により実現してもよい。この場合には、OS以外の部分を媒体に格納して配布してもよいし、OS以外の部分をサーバ装置に格納しておき、コンピュータにダウンロード等できるようにしてもよい。
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
また、上記してきた実施形態は、処理内容を矛盾させない領域で適宜組み合わせることが可能である。また、本実施形態のシーケンス図或いはフローチャートに示された各ステップは、適宜順序を変更することが可能である。
<<8.むすび>>
以上説明したように、本開示の一実施形態によれば、通信制御装置40は、通信システム1が使用する周波数帯の電波を利用して無線通信する基地局装置20が電波送信を開始または継続するためのリクエスト(例えば、ハートビートリクエスト)を基地局装置20又は基地局装置20を代理するプロキシ装置50から取得する。そして、通信制御装置40は、複数の基地局装置20のうちの所定の基地局装置20又は複数のプロキシ装置50のうちの所定のプロキシ装置50から送信されるリクエスト(例えば、ハートビートリクエスト)の送信インターバル(例えば、ハートビートインターバル)を決定する。そして、通信制御装置40は、所定の基地局装置20又は所定のプロキシ装置50に対して、決定した前記送信インターバルを通知する。
また、所定の基地局装置20又は所定のプロキシ装置50は、通信制御装置40から、通信制御装置40が決定した送信インターバルの情報を取得する。そして、取得した送信インターバルでリクエスト(例えば、ハートビートリクエスト)を送信する。
これにより、基地局装置20及び/又はプロキシ装置50が、固定のインターバルではなく、通信制御装置40が適宜決定したインターバルでリクエストを送信するようになるので、基地局装置20及び/又はプロキシ装置50を備えるシステムは、システム全体として、シグナリングの効率が高まる。その結果、システム全体の通信量や通信制御装置40の処理負荷が削減されるので、通信制御装置40は、種々の状況に迅速に対応できるようになる。結果として、電波資源の効率的な利用が実現する。
以上、本開示の各実施形態について説明したが、本開示の技術的範囲は、上述の各実施形態そのままに限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。また、異なる実施形態及び変形例にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
また、本明細書に記載された各実施形態における効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、他の効果があってもよい。
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
第1無線システムが使用する周波数帯の電波を利用して無線通信する第2無線システムが電波送信を開始または継続するためのリクエストを、前記第2無線システム又は前記第2無線システムを代理するプロキシシステムから取得する取得部と、
複数の前記第2無線システムのうちの所定の第2無線システム又は複数の前記プロキシシステムのうちの所定のプロキシシステムから送信される前記リクエストの送信インターバルを決定する決定部と、
前記所定の第2無線システム又は前記所定のプロキシシステムに対して、決定した前記送信インターバルを通知する通知部と、
を備える通信制御装置。
(2)
前記決定部は、複数の決定方法の中から選択される所定の決定方法を使って、前記送信インターバルを決定する、
前記(1)に記載の通信制御装置。
(3)
前記決定部は、前記第2無線システムに配分する干渉マージンに関する情報に基づき複数の決定方法の中から選択される所定の決定方法を使って、前記送信インターバルを決定する、
前記(1)又は(2)に記載の通信制御装置。
(4)
前記決定部は、前記第2無線システムに配分可能な剰余干渉マージンがある場合とない場合とで異なる決定方法を使って前記送信インターバルを決定する、
前記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の通信制御装置。
(5)
前記決定部は、前記第2無線システムに配分可能な剰余干渉マージンがない場合には、次の前記第1無線システムの周期的保護計算の後に前記リクエストが送信されるよう前記送信インターバルを決定する、
前記(4)に記載の通信制御装置。
(6)
前記決定部は、前記第2無線システムに配分可能な剰余干渉マージンがある場合には、前記所定の第2無線システムが前記剰余干渉マージンを使って電波送信するための前記第1無線システムの保護計算の後に、前記リクエストが送信されるよう前記送信インターバルを決定する、
前記(4)又は(5)に記載の通信制御装置。
(7)
前記決定部は、決定した前記送信インターバルに、所定の基準に従い決定されるマージン時間を付加する、
前記(1)〜(6)のいずれか1つに記載の通信制御装置。
(8)
前記決定部は、次の前記第1無線システムの周期的保護計算の後に前記リクエストが送信されるよう前記送信インターバルを決定する場合には、次の前記周期的保護計算の後に前記リクエストを送信する他の1の前記第2無線システムの前記送信インターバルに付加するマージン時間とは異なるマージン時間を付加する、
前記(1)〜(7)のいずれか1つに記載の通信制御装置。
(9)
前記決定部は、複数の前記第2無線システムを複数のグループに分類するとともに、同じグループに属する前記第2無線システムには、決定した前記送信インターバルに共通のマージン時間を付加する、
前記(1)〜(8)のいずれか1つに記載の通信制御装置。
(10)
前記決定部は、前記第2無線システム毎にランダムに選択される時間を前記送信インターバルに付加するマージン時間として決定する、
前記(1)〜(8)のいずれか1つに記載の通信制御装置。
(11)
前記決定部は、同じ前記プロキシシステムの配下にある複数の前記第2無線システムには、決定した前記送信インターバルに共通のマージン時間を付加する、
前記(1)〜(8)のいずれか1つに記載の通信制御装置。
(12)
前記決定部は、同じ前記プロキシシステムの配下にある複数の前記第2無線システムを複数のグループに分類するとともに、同じグループに属する前記第2無線システムには、決定した前記送信インターバルに共通のマージン時間を付加する、
前記(1)〜(8)のいずれか1つに記載の通信制御装置。
(13)
前記決定部は、複数の前記第2無線システムを相互に干渉を与えるか否かを基準に複数のグループに分類するとともに、同じグループに属する前記第2無線システムには、決定した前記送信インターバルに共通のマージン時間を付加する、
前記(1)〜(8)のいずれか1つに記載の通信制御装置。
(14)
前記決定部は、前記所定の第2無線システムが電波送信のグラントを複数保有する場合には、グラント毎に前記送信インターバルを決定する、
前記(1)〜(13)のいずれか1つに記載の通信制御装置。
(15)
前記決定部は、前記第2無線システムに与えられている電波送信のグラントに関する情報に基づき前記送信インターバルを決定する、
前記(1)〜(14)のいずれか1つに記載の通信制御装置。
(16)
前記決定部は、前記グラントの状態の情報に基づき前記送信インターバルを決定する、
前記(15)に記載の通信制御装置。
(17)
前記決定部は、前記グラントが前記第1無線システムの周期的保護計算を通過したグラントか否かの情報に基づき前記送信インターバルを決定する、
前記(15)に記載の通信制御装置。
(18)
第1無線システムが使用する周波数帯の電波を利用して無線通信する第2無線システムが電波送信を開始または継続するためのリクエストを前記第2無線システム又は前記第2無線システムを代理するプロキシシステムから取得し、複数の前記第2無線システムのうちの所定の第2無線システム又は複数の前記プロキシシステムのうちの所定のプロキシシステムから送信される前記リクエストの送信インターバルを決定し、前記所定の第2無線システム又は前記所定のプロキシシステムに対して、決定した前記送信インターバルを通知する通信制御装置から前記送信インターバルの情報を取得する取得部と、
取得した前記送信インターバルで前記リクエストを送信する送信部と、を備える、
を備える通信装置。
(19)
前記通信装置は、前記プロキシシステムであり、
前記取得部は、配下の複数の前記第2無線システムが共通で使用する前記送信インターバルを取得し、
前記送信部は、前記配下の複数の前記第2無線システムの前記リクエストを前記送信インターバルでまとめて送信する、
前記(18)に記載の通信装置。
(20)
第1無線システムが使用する周波数帯の電波を利用して無線通信する第2無線システムが電波送信を開始または継続するためのリクエストを、前記第2無線システム又は前記第2無線システムを代理するプロキシシステムから取得し、
複数の前記第2無線システムのうちの所定の第2無線システム又は複数の前記プロキシシステムのうちの所定のプロキシシステムから送信される前記リクエストの送信インターバルを決定し、
前記所定の第2無線システム又は前記所定のプロキシシステムに対して、決定した前記送信インターバルを通知する、
通信制御方法。
(21)
第1無線システムが使用する周波数帯の電波を利用して無線通信する第2無線システムが電波送信を開始または継続するためのリクエストを、前記第2無線システム又は前記第2無線システムを代理するプロキシシステムから取得し、複数の前記第2無線システムのうちの所定の第2無線システム又は複数の前記プロキシシステムのうちの所定のプロキシシステムから送信される前記リクエストの送信インターバルを決定し、前記所定の第2無線システム又は前記所定のプロキシシステムに対して、決定した前記送信インターバルを通知する通信制御装置から前記送信インターバルの情報を取得し、
取得した前記送信インターバルで前記リクエストを送信する、
を備える通信方法。
(22)
コンピュータを、
第1無線システムが使用する周波数帯の電波を利用して無線通信する第2無線システムが電波送信を開始または継続するためのリクエストを、前記第2無線システム又は前記第2無線システムを代理するプロキシシステムから取得する取得部、
複数の前記第2無線システムのうちの所定の第2無線システム又は複数の前記プロキシシステムのうちの所定のプロキシシステムから送信される前記リクエストの送信インターバルを決定する決定部と、
前記所定の第2無線システム又は前記所定のプロキシシステムに対して、決定した前記送信インターバルを通知する通知部、
として機能させるための通信制御プログラム。
(23)
コンピュータを、
第1無線システムが使用する周波数帯の電波を利用して無線通信する第2無線システムが電波送信を開始または継続するためのリクエストを、前記第2無線システム又は前記第2無線システムを代理するプロキシシステムから取得し、複数の前記第2無線システムのうちの所定の第2無線システム又は複数の前記プロキシシステムのうちの所定のプロキシシステムから送信される前記リクエストの送信インターバルを決定し、前記所定の第2無線システム又は前記所定のプロキシシステムに対して、決定した前記送信インターバルを通知する通信制御装置から前記送信インターバルの情報を取得する取得部、
取得した前記送信インターバルで前記リクエストを送信する送信部、
として機能させるための通信プログラム。
(24)
通信制御装置と通信装置とを備える通信システムであって、
前記通信制御装置は、
第1無線システムが使用する周波数帯の電波を利用して無線通信する通信装置が電波送信を開始または継続するためのリクエストを、前記通信装置又は前記通信装置を代理するプロキシシステムから取得する取得部と、
複数の前記通信装置のうちの所定の通信装置又は複数の前記プロキシシステムのうちの所定のプロキシシステムから送信される前記リクエストの送信インターバルを決定する決定部と、
前記所定の通信装置又は前記所定のプロキシシステムに対して、決定した前記送信インターバルを通知する通知部と、を備え、
前記通信装置は、前記通信制御装置が決定した前記送信インターバルを前記通信制御装置から或いは前記プロキシシステムから取得し、取得した前記送信インターバルで前記リクエストを送信する、
通信システム。
1、2 通信システム
10 無線通信装置
20 基地局装置
30 端末装置
40 通信制御装置
50 プロキシ装置
21、31、41、51 無線通信部
22、32、42、52 記憶部
23、43、53 ネットワーク通信部
33 入出力部
24、34、44、54 制御部
211、311 受信処理部
212、312 送信処理部
241、441、541 取得部
242、542 設定部
243、543 送信部
442 判定部
443 決定部
444 通知部

Claims (20)

  1. 第1無線システムが使用する周波数帯の電波を利用して無線通信する第2無線システムが電波送信を開始または継続するためのリクエストを、前記第2無線システム又は前記第2無線システムを代理するプロキシシステムから取得する取得部と、
    複数の前記第2無線システムのうちの所定の第2無線システム又は複数の前記プロキシシステムのうちの所定のプロキシシステムから送信される前記リクエストの送信インターバルを決定する決定部と、
    前記所定の第2無線システム又は前記所定のプロキシシステムに対して、決定した前記送信インターバルを通知する通知部と、
    を備える通信制御装置。
  2. 前記決定部は、複数の決定方法の中から選択される所定の決定方法を使って、前記送信インターバルを決定する、
    請求項1に記載の通信制御装置。
  3. 前記決定部は、前記第2無線システムに配分する干渉マージンに関する情報に基づき複数の決定方法の中から選択される所定の決定方法を使って、前記送信インターバルを決定する、
    請求項2に記載の通信制御装置。
  4. 前記決定部は、前記第2無線システムに配分可能な剰余干渉マージンがある場合とない場合とで異なる決定方法を使って前記送信インターバルを決定する、
    請求項3に記載の通信制御装置。
  5. 前記決定部は、前記第2無線システムに配分可能な剰余干渉マージンがない場合には、次の前記第1無線システムの周期的保護計算の後に前記リクエストが送信されるよう前記送信インターバルを決定する、
    請求項4に記載の通信制御装置。
  6. 前記決定部は、前記第2無線システムに配分可能な剰余干渉マージンがある場合には、前記所定の第2無線システムが前記剰余干渉マージンを使って電波送信するための前記第1無線システムの保護計算の後に、前記リクエストが送信されるよう前記送信インターバルを決定する、
    請求項5に記載の通信制御装置。
  7. 前記決定部は、決定した前記送信インターバルに、所定の基準に従い決定されるマージン時間を付加する、
    請求項5に記載の通信制御装置。
  8. 前記決定部は、次の前記第1無線システムの周期的保護計算の後に前記リクエストが送信されるよう前記送信インターバルを決定する場合には、次の前記周期的保護計算の後に前記リクエストを送信する他の1の前記第2無線システムの前記送信インターバルに付加するマージン時間とは異なるマージン時間を付加する、
    請求項7に記載の通信制御装置。
  9. 前記決定部は、複数の前記第2無線システムを複数のグループに分類するとともに、同じグループに属する前記第2無線システムには、決定した前記送信インターバルに共通のマージン時間を付加する、
    請求項8に記載の通信制御装置。
  10. 前記決定部は、前記第2無線システム毎にランダムに選択される時間を前記送信インターバルに付加するマージン時間として決定する、
    請求項8に記載の通信制御装置。
  11. 前記決定部は、同じ前記プロキシシステムの配下にある複数の前記第2無線システムには、決定した前記送信インターバルに共通のマージン時間を付加する、
    請求項8に記載の通信制御装置。
  12. 前記決定部は、同じ前記プロキシシステムの配下にある複数の前記第2無線システムを複数のグループに分類するとともに、同じグループに属する前記第2無線システムには、決定した前記送信インターバルに共通のマージン時間を付加する、
    請求項8に記載の通信制御装置。
  13. 前記決定部は、複数の前記第2無線システムを相互に干渉を与えるか否かを基準に複数のグループに分類するとともに、同じグループに属する前記第2無線システムには、決定した前記送信インターバルに共通のマージン時間を付加する、
    請求項8に記載の通信制御装置。
  14. 前記決定部は、前記所定の第2無線システムが電波送信のグラントを複数保有する場合には、グラント毎に前記送信インターバルを決定する、
    請求項1に記載の通信制御装置。
  15. 前記決定部は、前記第2無線システムに与えられている電波送信のグラントに関する情報に基づき前記送信インターバルを決定する、
    請求項1に記載の通信制御装置。
  16. 前記決定部は、前記グラントの状態の情報に基づき前記送信インターバルを決定する、
    請求項15に記載の通信制御装置。
  17. 前記決定部は、前記グラントが前記第1無線システムの周期的保護計算を通過したグラントか否かの情報に基づき前記送信インターバルを決定する、
    請求項15に記載の通信制御装置。
  18. 第1無線システムが使用する周波数帯の電波を利用して無線通信する第2無線システムが電波送信を開始または継続するためのリクエストを、前記第2無線システム又は前記第2無線システムを代理するプロキシシステムから取得し、複数の前記第2無線システムのうちの所定の第2無線システム又は複数の前記プロキシシステムのうちの所定のプロキシシステムから送信される前記リクエストの送信インターバルを決定し、前記所定の第2無線システム又は前記所定のプロキシシステムに対して、決定した前記送信インターバルを通知する通信制御装置から前記送信インターバルの情報を取得する取得部と、
    取得した前記送信インターバルで前記リクエストを送信する送信部と、を備える、
    を備える通信装置。
  19. 前記通信装置は、前記プロキシシステムであり、
    前記取得部は、配下の複数の前記第2無線システムが共通で使用する前記送信インターバルを取得し、
    前記送信部は、前記配下の複数の前記第2無線システムの前記リクエストを前記送信インターバルでまとめて送信する、
    請求項18に記載の通信装置。
  20. 第1無線システムが使用する周波数帯の電波を利用して無線通信する第2無線システムが電波送信を開始または継続するためのリクエストを、前記第2無線システム又は前記第2無線システムを代理するプロキシシステムから取得し、
    複数の前記第2無線システムのうちの所定の第2無線システム又は複数の前記プロキシシステムのうちの所定のプロキシシステムから送信される前記リクエストの送信インターバルを決定し、
    前記所定の第2無線システム又は前記所定のプロキシシステムに対して、決定した前記送信インターバルを通知する、
    通信制御方法。
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