以下に、本開示の実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の各実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なる数字を付して区別する場合もある。例えば、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成を、必要に応じて通信制御装置401、及び402のように区別する。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。例えば、通信制御装置401、及び402を特に区別する必要が無い場合には、単に通信制御装置40と称する。
また、以下に示す項目順序に従って本開示を説明する。
1.はじめに
1-1.周波数共用実現のための無線システムの制御
1-2.本実施形態の概要
1-3.周波数と共用に関する用語について
2.通信システムの構成
2-1.通信システムの全体構成
2-2.基地局装置の構成
2-3.端末装置の構成
2-4.通信制御装置の構成
2-5.プロキシ装置の構成
3.干渉モデル
4.プライマリシステム保護方法
4-1.干渉マージン一斉配分型
4-2.干渉マージン逐次配分型
5.諸手続きの説明
5-1.登録手続き
5-2.利用可能周波数情報問い合わせ手続き
5-3.周波数利用許可手続き
5-4.周波数利用通知
5-5.諸手続きの補足
5-6.端末装置に関する諸手続き
5-7.通信制御装置間で発生する手続き
6.グラントに係る動作
6-1.代表的動作フロー
6-2.グラントの利用態様情報の付加
6-3.利用態様情報を使ったグラント付与判定
6-4.グラント付与判定結果に基づくレスポンス
6-5.結合グラント(Bonded Grant)
6-6.他の帯域拡張技術への切り替え
6-7.干渉計算
6-8.許容干渉量の調整
7.変形例
7-1.システム構成に関する変形例
7-2.その他の変形例
8.むすび
<<1.はじめに>>
近年、無線システムに割り当て可能な電波資源(例えば、周波数)が枯渇するという問題が表面化している。しかしながら、どの電波帯域もすでに既存の無線システムが利用しているため、新規の電波資源割り当てが困難である。そこで、近年では、コグニティブ無線技術の活用による電波資源の更なる有効利用が注目されはじめている。
コグニティブ無線技術では、既存の無線システムの時間的・空間的な空き電波(White Space)を利活用(例えば、動的周波数共用(DSA:Dynamic Spectrum Access))することにより、電波資源を捻出する。例えば、米国では、世界的には3GPP band 42、43とされている周波数帯とオーバーラップするFederal use band(3.55-3.70GHz)の一般国民への開放を目指し、周波数共用技術を活用するCBRS(Citizens Broadband Radio Service)の法制化・標準化が加速している。
なお、コグニティブ無線技術は、動的周波数共用のみならず、無線システムによる周波数利用効率の向上にも寄与する。例えば、ETSI EN 303 387やIEEE 802.19.1-2014では、空き電波を利用する無線システム間の共存技術が規定されている。
<1-1.周波数共用実現のための無線システムの制御>
一般に周波数共用においては、各国・地域の規制当局(NRA:National Regulatory Authority)によって、周波数帯域の利用に係る免許または認可を受けた1次利用者(プライマリユーザ)の無線システム(プライマリシステム)の保護が義務付けられる。典型的には、当該NRAによってプライマリシステムの許容干渉基準値が設けられ、二次利用者(セカンダリユーザ)の無線システム(セカンダリシステム)には、共用によって発生する与干渉が許容干渉基準値を下回ることを求められる。
周波数共用を実現するため、例えば、通信制御装置(例えば、周波数管理データベース)が、プライマリシステムに対して致命的な干渉を与えないようにセカンダリシステムの通信を制御する。通信制御装置は、通信装置の通信等を管理する装置である。例えば、通信制御装置は、GLDB(Geo-location Database)、SAS(Spectrum Access System)等の電波資源(例えば、周波数)の管理のための装置(システム)である。本実施形態の場合、通信制御装置は、後述の通信制御装置40に相当する。通信制御装置40については、後に詳述する。
ここで、プライマリシステムとは、例えば、所定の周波数帯の電波をセカンダリシステム等の他のシステムに優先して使用するシステム(例えば、既存のシステム)である。また、セカンダリシステムとは、例えば、プライマリシステムが使用する周波数帯の電波を二次利用(例えば、動的周波数共用)するシステムである。プライマリシステム及びセカンダリシステムは、それぞれ、複数の通信装置で構成されていてもよいし、1つの通信装置で構成されていてもよい。通信制御装置は、セカンダリシステムを構成する1又は複数の通信装置のプライマリシステムへの干渉の累積(Interference Aggregation)が、プライマリシステムの干渉許容量(干渉マージンともいう。)を越えないように、1又は複数の通信装置に干渉許容量を配分する。このとき、干渉許容量は、プライマリシステムの運営者や電波を管理する公的機関等が予め定めた干渉量であってもよい。以下の説明では、干渉マージンといった場合は、干渉許容量のことを指す。また、干渉の累積のことを、累積与干渉電力と呼ぶことがある。
図1は、セカンダリシステムを構成する各通信装置への干渉マージンの配分例を示す説明図である。図1の例では、通信システム1がプライマリシステムであり、通信システム2がセカンダリシステムである。通信システム1は無線通信装置101等を備える。また、通信システム2は基地局装置201、202、203等を備える。なお、図1の例では、通信システム1は無線通信装置10を1つしか備えていないが、通信システム1が備える無線通信装置10は複数であってもよい。また、図1の例では、通信システム2は基地局装置20を3つ備えているが、通信システム2が備える基地局装置20は3つより少なくてもよいし、多くてもよい。また、通信システム2が備える無線通信装置は、必ずしも基地局装置でなくてもよい。なお、図1の例では、プライマリシステム(図1の例では通信システム1)及びセカンダリシステム(図1の例では通信システム2)がそれぞれ1つしか示されていないが、プライマリシステム及びセカンダリシステムはそれぞれ複数あってもよい。
無線通信装置101、及び基地局装置201、202、203は、それぞれ、電波を送受信可能である。無線通信装置101が許容する干渉量はIacceptである。また、基地局装置201、202、203が通信システム1(プライマリシステム)の所定の保護点に与える干渉量は、それぞれ、与干渉量I1、I2、I3である。ここで、保護点は、通信システム1の保護のための干渉算出基準点である。
通信制御装置は、通信システム1の所定の保護点への干渉の累積(図1に示す受信干渉量I1+I2+I3)が干渉マージンIacceptを超えないように、複数の基地局装置20に干渉マージンIacceptを配分する。例えば、通信制御装置は、与干渉量I1、I2、I3がそれぞれIaccept/3となるように各基地局装置20に干渉マージンIacceptを配分する。或いは、通信制御装置は、与干渉量I1、I2、I3がそれぞれIaccept/3以下となるように、各基地局装置20に干渉マージンIacceptを配分する。勿論、干渉マージンの配分方法はこの例に限定されない。
通信制御装置は、配分された干渉量(以下、配分干渉量という。)に基づいて、各基地局装置20に許容される最大送信電力(以下、最大許容送信電力という。)を算出する。例えば、通信制御装置は、伝搬損失、アンテナゲイン等に基づいて、配分干渉量から逆算することによって、各基地局装置20の最大許容送信電力を算出する。そして、通信制御装置は、算出した最大許容送信電力の情報を各基地局装置20に通知する。
<1-2.本実施形態の概要>
非特許文献8(47 C.F.R Part 96)によれば、PAL実施権者(Priority Access Licensee)がPAL(Priority Access License)を行使して利用可能なCBRS帯域は3,550-3,650MHzとされており、1PALあたり10MHzチャネルが割り当てられることが定められている。一般認可アクセス層(General Authorized Access Tier)は、3,550-3,700MHzにおいて、既存層(Incumbent Tier)および優先アクセス層(Priority Access Tier)に影響を与えない範囲で電波利用が可能である。
CBRS帯域は、さまざまな無線システムが運用されるが、主に、LTEや5GNR(5G New Radio)による利用が想定される。基地局やアクセスポイントに相当する無線機は、法制上、CBSD(Citizens Broadband Radio Service Device)と称呼される。また、ユーザ端末に相当する無線機は、法制上、EUD(End User Device)と呼称される。WInnForum(Wireless Innovation Forum)が定める規格に準拠した周波数アクセスシステム(SAS: Spectrum Access System)の管理の下で、これらのCBSDは電波利用を行う。EUDは、周波数アクセス権(以下、グラント(Grant)ともいう。)がSASから付与されたCBSDのコントロール下で電波利用が可能となる。
非特許文献2は、SASがCBSDを管理するための規格である。この規格では、登録手続き(Registration Procedure)、利用許可手続き(Grant Procedure),ハートビート手続き(Heartbeat Procedure)といったグラントの付与や電波利用コントロールに必要な手続きが定められている。
CBSDに付与されるグラントは、許容周波数範囲(下限、上限)および最大許容EIRP(Equivalent Isotropic Radiated Power)が紐づいている。CBSDは、これらの制限を順守して電波発射が可能となる。また、グラントにはPAL(Priority Access License)とGAA(General Authorized Access)のどちらの層(Tier)であるかを示す情報も紐づけられる(以下、それぞれ、PALグラント、GAAグラントと呼称する)。SASは付与したグラント単位でCBSDの電波利用をコントロールする。
一方、先に述べたとおり、主な無線システムはLTEや5GNRとなることが期待されている。LTEや5GNRの仕様は3GPP(Third Generation Partnership Project)で規定されており、その代表的な技術として、キャリアアグリケーション(CA:Carrier Aggregation)やLAA(Licensed Assisted Access)といった帯域拡張技術が知られている。そのため、空き電波のユースケースとして、例えば、「複数のPALグラントの組み合わせ、または複数のGAAグラントの組み合わせによるキャリアアグリケーション」、「PALグラント+GAAグラントを組み合わせたLAA」といった様々なユースケースが想定される。
LAAの場合、アンカーコンポーネントキャリア(CC: Component Carrier)に利用するPALグラントの重要度がはるかに高い。LAAの場合、SASは容易にそれを知ることができる。すなわち、SASは、PALグラントをなんとかして電波発射を維持できるようにコントロールすることが可能である。
ところが、キャリアアグリケーションの場合、グラントされた複数の周波数リソースがPALのリソースであるかGAAのリソースであるかによらず、複数のグラントを組み合わせ利用されても、どのグラントがアンカーコンポーネントキャリア(以下、アンカーキャリアともいう。)として使われているか、SASは知ることができない。
さらには、CBSDの実装によっては、連続する2つ以上のグラントを組み合わせてチャネルボンディング(Channel Bonding)を行うことも予想される。すなわち、SASには、CBSDが複数のグラントを保有する場合に、当該CBSDが「キャリアアグリケーションを行っているのか」、「チャネルボンディングを行っているのか」を知るすべがない。また、CBSDが連続する2以上のグラントを保有する場合であっても、SASには、当該CBSDが連続する2以上のグラントを「ボンディングしているのか」、「それぞれ単独のコンポーネントキャリアとして利用しているのか」を知るすべがない。すなわち、SASには、CBSDがグラントをどのように利用しているかといった「グラントの利用態様」を知るすべがない。
SASが「グラントの利用態様」を知らずに電波利用をコントロールすることで、移動体通信事業者(MNO:Mobile Network Operator)に代表されるCBSDユーザが、ネットワークプランニング(Network planning)、配置(Deployment)、運用(Operation)などの観点で不利益を被る恐れがある。
そこで、本実施形態では、通信制御装置(例えば、SAS)は、プライマリシステムが使用する周波数帯を二次利用するセカンダリシステムが該周波数帯を二次利用するためのグラントの利用態様に関する情報を取得する。そして、通信制御部は、グラントの利用態様に関する情報に基づいて当該グラントに関する処理を行う。
これにより、通信制御装置はグラントの効率的な管理(例えば、CBSDへの周波数リソースの割り当てや取消)が可能になる。結果として、電波資源の効率的な利用が実現する。
<1-3.周波数と共用に関する用語について>
なお、本実施形態では、プライマリシステム(通信システム1)及びセカンダリシステム(通信システム2)は、動的周波数共用環境下にあるものとする。以下、米国のFCC(Federal Communications Commission)が法整備したCBRSを例にとり本実施形態を説明する。なお、本実施形態の通信システム1及び通信システム2は、CBRSに限定されない。
図2は、CBRSでの階層構造を示す説明図である。図2に示すように、周波数帯域のユーザの各々は3つのグループのうちのいずれかに分類される。このグループは、“tier”と呼ばれる。当該3つのグループは、それぞれ、既存層(Incumbent Tier)、優先アクセス層(Priority Access Tier)、及び一般認可アクセス層(General Authorized Access Tier)から構成される階層構造が定義されている。この階層構造では、一般認可アクセス層(General Authorized Access Tier)の上位に優先アクセス層(Priority Access Tier)が位置し、優先アクセス層の上位に既存層(Incumbent Tier)が位置している。CBRSを例にとると、既存層に位置するシステム(既存システム)がプライマリシステムとなり、一般認可アクセス層及び優先アクセス層に位置するシステムがセカンダリシステムとなる。
既存層(Incumbent Tier)は、共用周波数帯域の既存ユーザからなるグループである。CBRSにおいては、国防総省(DOD:Department of Defense)、固定衛星事業者、新条件適用除外無線ブロードバンド免許人(GWBL:Grandfathered Wireless Broadband Licensee)が、既存ユーザとして定められる。“Incumbent Tier”は、より低い優先度を有する“Priority Access Tier”及び“GAA(General Authorized Access) Tier”への干渉回避又は抑制を要求されない。また、“Incumbent Tier”は、“Priority Access Tier”及び“GAA Tier”による干渉から保護される。即ち、“Incumbent Tier”のユーザは、他のグループの存在を考慮することなく、周波数帯域を使用することが可能である。
優先アクセス層(Priority Access Tier)は、PAL(Priority Access License)と呼ばれる免許を有するユーザからなるグループである。“Priority Access Tier”より高い優先度を有する“Incumbent Tier”への干渉回避又は抑制を要求されるが、より低い優先度を有する“GAA Tier”への干渉回避又は抑制を要求されない。また、“Priority Access Tier”は、より高い優先度を有する“Incumbent Tier”による干渉から保護されないが、より低い優先度を有する“GAA Tier”による干渉から保護される。
一般認可アクセス層(GAA Tier)は、上記“Incumbent Tier”および“Priority Access Tier”に属さない他の全てのユーザからなるグループである。より高い優先度を有する“Incumbent Tier”及び“Priority Access Tier”への干渉の回避又は抑制を要求される。また、“GAA Tier”は、より高い優先度を有する“Incumbent Tier”に及び“Priority Access Tier”よる干渉から保護されない。即ち、“GAA Tier”は、法制上、日和見的な(opportunistic)周波数利用が要求される“tier”である。
なお階層構造はこれらの定義に限定されない。CBRSは一般に3Tier構造と呼ばれるが、2Tier構造であってもよい。代表的な一例として、LSA(Licensed Shared Access)やTVWS(TV band White Space)のような2Tier構造が挙げられる。LSAでは、上記“Incumbent Tier”と“Priority Access Tier”の組み合わせと同等の構造が採用されている。また、TVWSでは、上記“Incumbent Tier”と“GAA Tier”の組み合わせと同等の構造が採用されている。また、4以上のTierが存在してもよい。具体的には、例えば、“Priority Access Tier”に相当する中間層を、さらに優先度付するなどしてもよい。また、例えば、“GAA Tier”も同様に優先度付するなどしてもよい。
図3は、CBRSの帯域を示す説明図である。上述のCBRSを例にとると、プライマリシステムは、軍事レーダシステム(Military Radar System)、既存無線システム(Grandfathered Wireless System)、或いは固定衛星業務(宇宙から地球)(Fixed Satellite Service (space-to-earth))となる。ここで、軍事レーダシステムは、代表的には艦載レーダである。また、セカンダリシステムはCBSD(Citizens Broadband Radio Service Device)、EUD(End User Device)と呼ばれる基地局、端末からなる無線ネットワークシステムとなる。セカンダリシステムにはさらに優先度が存在し、共用帯域を免許利用可能な優先アクセス免許(PAL:Priority Access License)と、免許不要と同等の一般認可アクセス(GAA:General Authorized Access)と、が定められている。図3に示す層1(Tier 1)は、図2に示す既存層に相当する。また、図3に示す層2(Tier 2)は、図2に示す優先アクセス層に相当する。また、図3に示す層3(Tier 3)は、図2に示す一般認可アクセス層に相当する。
なお、本実施形態のプライマリシステム(通信システム1)は、図3に示した例に限られない。他の種類の無線システムをプライマリシステム(通信システム1)としてもよい。例えば、適用する国・地域・周波数帯域に応じて、他の無線システムをプライマリシステムとしてもよい。例えば、プライマリシステムは、DVB-T(Digital Video Broadcasting-Terrestrial)システム等のテレビジョン放送システムであってもよい。また、プライマリシステムは、FS(Fixed System)と呼ばれる無線システムであってもよい。また、他の周波数帯における周波数共用であってもよい。例えば、代表的な一例として、LSAやTVWS(TV band White Space)が挙げられる。また、プライマリシステムは、LTE(Long Term Evolution)、NR(New Radio)等のセルラー通信システムであってもよい。また、プライマリシステムは、ARNS(Aeronautical Radio Navigation Service)等の航空無線システムであってもよい。勿論、プライマリシステムは、上記の無線システムに限定されず、他の種類の無線システムであってもよい。
また、通信システム2が利用する空き電波(White Space)は、Federal use band(3.55-3.70GHz)の周波数帯に限られない。通信システム2は、Federal use band(3.55-3.70GHz)とは異なる周波数帯を二次利用してもよい。例えば、プライマリシステム(通信システム1)がテレビジョン放送システムなのであれば、通信システム2はTVホワイトスペースを二次利用するシステムであってもよい。ここで、TVホワイトスペースとは、テレビジョン放送システム(プライマリシステム)に割当てられている周波数チャネルのうち、当該テレビジョン放送システムにより利用されていない周波数帯のことをいう。このとき、TVホワイトスペースは、地域に応じて使用されていないチャネルであってもよい。
また、通信システム1及び通信システム2の関係は、通信システム1をプライマリシステム、通信システム2をセカンダリシステムとした周波数共用関係に限られない。通信システム1及び通信システム2の関係は、同一周波数を利用する同一または異なる無線システム間のネットワーク共存(Network Coexistence)関係であってもよい。
一般に周波数共用において、対象帯域を利用する既存システムをプライマリシステム、二次利用者のシステムをセカンダリシステムと呼ぶが、周波数共用環境以外に本実施形態を適用する場合には、これら(プライマリシステム、セカンダリシステム)は別の用語のシステムに置き換えてもよい。例えば、HetNetにおけるマクロセルをプライマリシステム、スモールセルやリレー局をセカンダリシステムとしてもよい。また、基地局をプライマリシステム、そのカバレッジ内に存在するD2DやV2Xを実現するRelay UEやVehicle UEをセカンダリシステムとしてもよい。基地局は固定型に限らず、可搬型/移動型であってもよい。そのような場合、例えば、本発明の提供する通信制御装置は、基地局やリレー局、Relay UE等に具備されてもよい。
なお、以下の説明で登場する「周波数」という用語は、別の用語によって置き換えられてもよい。例えば、「周波数」という用語は、「リソース」、「リソースブロック」、「リソースエレメント」、「チャネル」、「コンポーネントキャリア」、「キャリア」、「サブキャリア」、といった用語やこれらと類似の意味を有する用語によって置き換えられてよい。なお、周波数は電波資源の一種である。「電波資源」は「周波数リソース」と言い換えることも可能である。
<<2.通信システムの構成>>
以下、本開示の実施形態に係る通信システム2を説明する。通信システム2は、通信システム1(第1無線システム)が使用する周波数帯域を二次利用して無線通信する無線通信システムである。例えば、通信システム2は、通信システム1に割り当てられている周波数帯域の一部又は全部を動的周波数共用する無線通信システムである。通信システム2は、所定の無線アクセス技術(Radio Access Technology)を使って、ユーザ或いはユーザが有する装置に対し、無線サービスを提供する。
ここで、通信システム2は、W-CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、cdma2000(Code Division Multiple Access 2000)、LTE、NR等のセルラー通信システムであってもよい。以下の説明では、「LTE」には、LTE-A(LTE-Advanced)、LTE-A Pro(LTE-Advanced Pro)、及びEUTRA(Evolved Universal Terrestrial Radio Access)が含まれるものとする。また、「NR」には、NRAT(New Radio Access Technology)、及びFEUTRA(Further EUTRA)が含まれるものとする。なお、通信システム2は、セルラー通信システムに限られない。例えば、通信システム2は、無線LAN(Local Area Network)システム、テレビジョン放送システム、航空無線システム、宇宙無線通信システム等の他の無線通信システムであってもよい。
本実施形態では、通信システム1はプライマリシステムであり、通信システム2はセカンダリシステムである。上述したように、通信システム1及び通信システム2は、それぞれ、複数あってもよい。なお、図1の例では、通信システム1は1つの無線通信装置10(図1に示す無線通信装置101)で構成されていたが、複数の無線通信装置10で構成されていてもよい。無線通信装置10の構成は、後述する基地局装置20又は端末装置30の構成と同じであってもよい。
<2-1.通信システムの全体構成>
通信システム2は、典型的には、以下のエンティティで構成される。
通信装置(例えば、基地局装置やプロキシ装置)
端末装置
通信制御装置
なお、以下の説明では、通信装置となるエンティティは、基地局装置20及び/又はプロキシ装置50であるものとするが、通信装置となるエンティティは基地局装置20やプロキシ装置50に限られず、他の通信装置(例えば、端末装置30や通信制御装置40)であってもよい。
図4は、本開示の実施形態に係る通信システム2の構成例を示す図である。通信システム2は、基地局装置20と、端末装置30と、通信制御装置40と、プロキシ装置50と、を備える。通信システム2は、通信システム2を構成する各装置(例えば、無線通信装置等の通信装置)が連携して動作することで、ユーザ或いはユーザが有する装置に対し、無線サービスを提供する。無線通信装置は、無線通信の機能を有する装置のことであり、図4の例では、基地局装置20と端末装置30とが該当する。
なお、通信制御装置40及びプロキシ装置50は、無線通信機能を有していてもよい。この場合には、通信制御装置40及びプロキシ装置50も無線通信装置とみなすことができる。以下の説明では、無線通信装置のことを単に通信装置ということがある。なお、通信装置は無線通信装置に限られず、例えば、無線通信機能を有さず、有線通信のみ可能な装置も通信装置とみなすことができる。
通信システム2は、基地局装置20と、端末装置30と、通信制御装置40と、プロキシ装置50と、をそれぞれ複数備えていてもよい。図4の例では、通信システム1は、基地局装置20として基地局装置201、202、203、204、205等を備えている。また、通信システム2は、端末装置30として端末装置301、302、303、304等を備えている。また、通信システム1は、通信制御装置40として通信制御装置401、402等を備えている。
なお、以下の説明では、無線通信装置のことを無線システムと呼ぶことがある。例えば、無線通信装置10及び基地局装置201~205は、それぞれ、1つの無線システムである。また、端末装置301~304は、それぞれ、1つの無線システムである。なお、以下の説明では、通信システム1を第1無線システムとするが、通信システム1が備える1又は複数の無線通信装置10それぞれを第1無線システムとみなしてもよい。また、以下の説明では、通信システム2が備える1又は複数の基地局装置20それぞれを第2無線システムとするが、通信システム2そのものを第2無線システムとみなしてもよいし、通信システム2が備える1又は複数の端末装置30それぞれを第2無線システムとみなしてもよい。通信制御装置40及びプロキシ装置50が無線通信機能を有するのであれば、通信制御装置40それぞれ或いはプロキシ装置50それぞれを第2無線システムとみなしてもよい。
なお、無線システムは、少なくとも1つの無線通信装置を含む複数の通信装置で構成される1つのシステムであってもよい。例えば、1又は複数の基地局装置20と、その配下にある1又は複数の端末装置30と、で構成されるシステムを1つの無線システムとみなしてもよい。また、通信システム1又は通信システム2を、それぞれ、1つの無線システムとみなすことも可能である。以下の説明では、少なくとも1つの無線通信装置を含む複数の通信装置で構成される通信システムのことを、無線通信システム、或いは、単に通信システムと呼ぶことがある。なお、1つの無線通信装置を含む複数の通信装置で構成される1つのシステムを第1無線システム或いは第2無線システムとみなしてもよい。
[基地局装置]
基地局装置20(第2無線システム)は、端末装置30或いは他の通信装置(他の基地局装置20、他のプロキシ装置50)と無線通信する無線通信装置である。基地局装置20は通信装置の一種である。基地局装置20は、例えば、無線基地局(Base Station、Node B、eNB、gNB、など)や無線アクセスポイント(Access Point)に相当する装置である。基地局装置20は、無線リレー局であってもよい。基地局装置20は、RSU(Road Side Unit)等の路上基地局装置であってもよい。また、基地局装置20は、RRH(Remote Radio Head)と呼ばれる光張り出し装置であってもよい。本実施形態では、無線通信システムの基地局のことを基地局装置ということがある。なお、基地局装置20が使用する無線アクセス技術は、セルラー通信技術であってもよいし、無線LAN技術であってもよい。勿論、基地局装置20が使用する無線アクセス技術は、これらに限定されず、他の無線アクセス技術であってもよい。
基地局装置20は、必ずしも固定されたものである必要もなく、自動車のように動くものに設置されていてもよい。また、基地局装置20は、必ずしも地上に存在する必要はなく、航空機、ドローン、ヘリコプター、衛星などのように、空中や宇宙に存在する物体や、船、潜水艦などのように海上・海中に存在する物体に通信装置機能が具備されてもよい。このような場合、基地局装置20は固定的に設置されている他の通信装置と無線通信を実施しうる。
基地局装置20のカバレッジの大きさも、マクロセルのような大きなものから、ピコセルのような小さなものであってもよい。勿論、基地局装置20のカバレッジの大きさは、フェムトセルのような極めて小さなものであってもよい。また、基地局装置20がビームフォーミングの能力を有する場合、ビームごとにセルやサービスエリアが形成されてもよい。
基地局装置20は、さまざまなエンティティによって利用、運用、及び/又は管理されうる。例えば、基地局装置20は、移動体通信事業者(MNO:Mobile Network Operator)、仮想移動体通信事業者(MVNO:Mobile Virtual Network Operator)、仮想移動体通信イネーブラ(MVNE:Mobile Virtual Network Enabler)、ニュートラルホストネットワーク(NHN:Neutral Host Network)事業者、エンタープライズ、教育機関(学校法人、各自治体教育委員会、等)、不動産(ビル、マンション等)管理者、個人などが想定されうる。勿論、基地局装置20の利用、運用、及び/又は管理の主体はこれらに限定されない。
基地局装置20は一事業者が設置及び/又は運用を行うものであってもよいし、一個人が設置及び/又は運用を行うものであってもよい。勿論、基地局装置20の設置・運用主体はこれらに限定されない。例えば、基地局装置20は、複数の事業者または複数の個人が共同で設置・運用を行うものであってもよい。また、基地局装置20は、複数の事業者または複数の個人が利用する共用設備であってもよい。この場合、設備の設置及び/又は運用は利用者とは異なる第三者によって実施されてもよい。
事業者によって運用される基地局装置20は、典型的には、コアネットワークを介してインターネット接続される。また、基地局装置20は、OA&M(Operation, Administration & Maintenance)と呼ばれる機能により、運用管理・保守がなされる。なお、通信システム2には、例えば、ネットワーク内の基地局装置20を統合制御するネットワークマネージャが存在しうる。
なお、基地局という概念には、アクセスポイントや無線リレー局(中継装置ともいう。)が含まれる。また、基地局という概念には、基地局の機能を備えた構造物(Structure)のみならず、構造物に設置される装置も含まれる。構造物は、例えば、オフィスビル、家屋、鉄塔、駅施設、空港施設、港湾施設、スタジアム等の建物(Building)である。なお、構造物という概念には、建物のみならず、トンネル、橋梁、ダム、塀、鉄柱等の構築物(Non-building structure)や、クレーン、門、風車等の設備も含まれる。また、構造物という概念には、陸上(狭義の地上)又は地中の構造物のみならず、桟橋、メガフロート等の水上の構造物や、海洋観測設備等の水中の構造物も含まれる。
また、基地局は、移動可能に構成された基地局(移動局)であってもよい。このとき、基地局(移動局)は、移動体に設置される無線通信装置であってもよいし、移動体そのものであってもよい。また、移動体は、陸上(狭義の地上)を移動する移動体(例えば、自動車、バス、トラック、列車、リニアモーターカー等の車両)であってもよいし、地中(例えば、トンネル内)を移動する移動体(例えば、地下鉄)であってもよい。勿論、移動体は、スマートフォンなどのモバイル端末であってもよい。また、移動体は、水上を移動する移動体(例えば、旅客船、貨物船、ホバークラフト等の船舶)であってもよいし、水中を移動する移動体(例えば、潜水艇、潜水艦、無人潜水機等の潜水船)であってもよい。また、移動体は、大気圏内を移動する移動体(例えば、飛行機、飛行船、ドローン等の航空機)であってもよいし、大気圏外を移動する宇宙移動体(例えば、人工衛星、宇宙船、宇宙ステーション、探査機等の人工天体)であってもよい。
[端末装置]
端末装置30は、通信機能を備えた通信機器である。端末装置30は、典型的にはスマートフォン等の通信機器である。端末装置30は、携帯電話、スマートデバイス(スマートフォン、又はタブレット)、ウェアラブル端末、PDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータ等のユーザ端末であってもよい。端末装置は、User Equipment、User Terminal、User Station、Mobile Terminal、Mobile Station、等と呼ばれることがある。
なお、端末装置30は、人が利用するものである必要はない。端末装置30は、いわゆるMTC(Machine Type Communication)のように、工場の機械、建物に設置されるセンサであってもよい。また、端末装置30は、M2M(Machine to Machine)デバイス、又はIoT(Internet of Things)デバイスであってもよい。また、端末装置30は、D2D(Device to Device)やV2X(Vehicle to everything)に代表されるように、リレー通信機能を具備した装置であってもよい。また、端末装置30は、無線バックホール等で利用されるCPE(Client Premises Equipment)と呼ばれる機器であってもよい。また、端末装置30は、移動体に設置される無線通信装置であってもよいし、移動体そのものであってもよい。
また、端末装置30は、必ずしも地上に存在する必要はなく、航空機、ドローン、ヘリコプター、衛星などのように、空中や宇宙に存在する物体や、船、潜水艦などのように海上・海中に存在する物体であってもよい。
[通信制御装置]
通信制御装置40は、基地局装置20を管理する装置である。例えば、通信制御装置40は、基地局装置20の無線通信を制御する装置である。例えば、通信制御装置40は、基地局装置20が使用する通信パラメータ(動作パラメータともいう。)を決定し、基地局装置20に対して許可又は指示を行う。このとき、通信制御装置40は、ネットワーク内の無線装置を統合制御するネットワークマネージャであってもよい。ETSI EN 303 387やIEEE 802.19.1-2014を例にとると、通信制御装置40は、無線機器間の電波干渉制御を行うSpectrum Manager/Coexistence Managerといった制御装置であってもよい。また、例えば、IEEE 802.11-2016にて規定されるRLSS(Registered Location Secure Server)も通信制御装置40となりうる。また、周波数共用環境下では、GLDB(Geolocation database)やSAS(Spectrum Access System)といったデータベース(データベースサーバ、装置、システム)も通信制御装置40となりうる。基本的には、通信制御装置40の制御対象は基地局装置20となるが、通信制御装置40はその配下の端末装置30を制御してもよい。
なお、通信制御装置40は、1つの通信システム2に複数存在していてもよい。図5は、通信制御装置40が分散的に配置されるモデルを示す図である。この場合、複数の通信制御装置40(図5の例の場合、通信制御装置401及び通信制御装置402)は互いに管理する基地局装置20の情報を交換し、必要な周波数の割り当てや干渉制御の計算を行う。
また、通信制御装置40は、マスタ-スレーブ型の装置であってもよい。図6は、1つの通信制御装置が中央制御的に複数の通信制御装置を統括するモデル(いわゆるマスタ-スレーブ型のモデル)を示す図である。図6の例では、通信制御装置403がマスタ通信制御装置であり、通信制御装置404、405がスレーブ通信制御装置である。このようなシステムの場合、マスタ通信制御装置は複数のスレーブ通信制御装置を統括し、集中的に意思決定を行うことが可能である。また、マスタ通信制御装置は、負荷分散(ロードバランシング)などを目的として、各スレーブ通信制御装置に対して、意思決定権限の委譲・破棄等を実施することも可能である。
なお、通信制御装置40は、その役目のために、基地局装置20、端末装置30、及びプロキシ装置50以外のエンティティからも必要な情報を取得しうる。具体的には、通信制御装置40は、例えば、国・地域の電波行政機関が管理・運用するデータベース(レギュラトリデータベース)から、プライマリシステムの位置情報等、保護に必要な情報を取得しうる。レギュラトリデータベースの一例としては、米国連邦通信委員会(Federal Communications Commissions)が運用するULS(Universal Licensing System)などが挙げられる。保護に必要な情報のその他の例としては、例えば、帯域外輻射制限(OOBE(Out-of-Band Emission) Limit)、隣接チャネル漏洩比(ACLR:Adjacent Channel Leakage Ratio)、隣接チャネル選択性(Adjacent Channel Selectivity)、フェージングマージン、及び/又は保護比率(PR:Protection Ratio)等を含みうる。これらの例については、法制上、数値が固定的に与えられる場合にはそれらを用いることが望ましい。
また、その他の一例としては、通信制御装置40が、プライマリシステムの電波検知を目的に設置・運用される電波センシングシステムから電波センシング情報を取得することも想定されうる。具体的な一例としては、通信制御装置40は、米国CBRSにおける環境センシング機能(ESC:Environmental Sensing Capability)のような電波センシングシステムから、プライマリシステムの電波検知情報を取得しうる。また、通信装置や端末がセンシング機能を具備する場合、通信制御装置40は、これらからプライマリシステムの電波検知情報を取得してもよい。
[プロキシ装置]
プロキシ装置50(プロキシシステム)は、1又は複数の通信装置(例えば、基地局装置20)を代理(代表)して通信制御装置40と通信する装置である。プロキシ装置50も通信装置の一種である。プロキシ装置50は、非特許文献2等で規定されるDP(Domain Proxy)であってもよい。ここで、DPとは、複数のCBSDそれぞれ、又は複数のCBSDで構成されるネットワークに代わってSASと通信するエンティティのことをいう。なお、1又は複数の通信装置を代理(代表)して通信制御装置40と通信する機能を有しているのであれば、プロキシ装置50は、非特許文献2で規定されるDPに限られない。ネットワーク内の基地局装置20を統合制御するネットワークマネージャをプロキシ装置50とみなしてもよい。
各エンティティ間のインタフェースは、有線であるか無線であるかは問わない。例えば、通信制御装置および通信装置間のインタフェースには、有線回線のみならず、周波数共用に依存しない無線インタフェースを利用可能である。このとき、無線インタフェースは、例えば、移動体通信事業者によって免許帯域(Licensed band)を介して提供される無線インタフェースや既存の免許不要帯域(License-exempt band)を利用する無線インタフェース(例えば、Wi-Fi通信を利用する無線インタフェース)等であってもよい。
以下、通信システム2を構成する各装置の構成を具体的に説明する。
<2-2.基地局装置の構成>
最初に、基地局装置20の構成を説明する。図7は、本開示の実施形態に係る基地局装置20の構成例を示す図である。基地局装置20は、通信制御装置40の制御に従って端末装置30と無線通信する無線通信装置(無線システム)である。例えば、基地局装置20は、地上に位置する基地局装置(地上局装置)である。このとき、基地局装置20は、地上の構造物に配置される基地局装置であってもよいし、地上を移動する移動体に設置される基地局装置であってもよい。より具体的には、基地局装置20は、ビル等の構造物に設置されたアンテナ及びそのアンテナに接続する信号処理装置であってもよい。勿論、基地局装置20は、構造物や移動体そのものであってもよい。「地上」は、陸上(狭義の地上)のみならず、地中、水上、水中も含む広義の地上である。基地局装置20は、通信装置の一種である。
なお、基地局装置20は、地上局装置に限られない。例えば、基地局装置20は、空中又は宇宙を移動或いは浮遊する基地局装置(非地上局装置)であってもよい。このとき、基地局装置20は、航空機局装置や衛星局装置であってもよい。
航空機局装置は、航空機等に搭載される装置であってもよいし、航空機そのものであってもよい。航空機という概念には、飛行機、グライダー等の重航空機のみならず、気球、飛行船等の軽航空機も含まれる。また、航空機という概念には、ヘリコプターやオートジャイロ等の回転翼機も含まれる。なお、航空機局装置(又は、航空機局装置が搭載される航空機)は、有人航空機であってもよいし、ドローン等の無人航空機であってもよい。
衛星局装置は、人工衛星等の宇宙移動体に搭載される装置であってもよいし、宇宙移動体そのものであってもよい。衛星局装置となる衛星は、低軌道(LEO:Low Earth Orbiting)衛星、中軌道(MEO:Medium Earth Orbiting)衛星、静止軌道(GEO:Geostationary Earth Orbiting)衛星、高楕円軌道(HEO:Highly Elliptical Orbiting)衛星の何れであってもよい。勿論、衛星局装置は、低軌道衛星、中軌道衛星、静止衛星、又は高楕円軌道衛星に搭載される装置であってもよい。
また、基地局装置20は中継局装置であってもよい。中継局装置は、例えば、航空局や地球局である。中継局装置は上述の中継装置の一種とみなすことができる。航空局は、航空機局装置と通信を行うために、地上又は地上を移動する移動体に設置された無線局である。また、地球局は、衛星局装置と通信するために、地球(空中を含む。)に位置する無線局である。地球局は、大型地球局であってもよいし、VSAT(Very Small Aperture Terminal)等の小型地球局であってもよい。なお、地球局は、VSAT制御地球局(親局、HUB局ともいう。)であってもよいし、VSAT地球局(子局ともいう。)であってもよい。また、地球局は、地上を移動する移動体に設置される無線局であってもよい。例えば、船舶に搭載される地球局として、船上地球局(ESV:Earth Stations on board Vessels)が挙げられる。また、地球局には、航空機(ヘリコプターを含む。)に設置され、衛星局と通信する航空機地球局が含まれていてもよい。また、地球局には、地上を移動する移動体に設置され、衛星局を介して航空機地球局と通信する航空地球局が含まれていてもよい。なお、中継局装置は、衛星局や航空機局と通信する携帯移動可能な無線局であってもよい。
基地局装置20は、無線通信部21と、記憶部22と、ネットワーク通信部23と、制御部24と、を備える。なお、図7に示した構成は機能的な構成であり、ハードウェア構成はこれとは異なっていてもよい。また、基地局装置20の機能は、複数の物理的に分離された装置に分散して実装されてもよい。
無線通信部21は、他の通信装置(例えば、端末装置30、通信制御装置40、プロキシ装置50、及び他の基地局装置20)と無線通信する無線通信インタフェースである。無線通信部21は、制御部24の制御に従って動作する。無線通信部21は複数の無線アクセス方式に対応してもよい。例えば、無線通信部21は、NR及びLTEの双方に対応してもよい。無線通信部21は、W-CDMAやcdma2000等の他のセルラー通信方式に対応してもよい。また、無線通信部21は、セルラー通信方式に加えて、無線LAN通信方式に対応してもよい。勿論、無線通信部21は、1つの無線アクセス方式に対応するだけであってもよい。
無線通信部21は、受信処理部211と、送信処理部212と、アンテナ213と、を備える。無線通信部21は、受信処理部211、送信処理部212、及びアンテナ213をそれぞれ複数備えていてもよい。なお、無線通信部21が複数の無線アクセス方式に対応する場合、無線通信部21の各部は、無線アクセス方式毎に個別に構成されうる。例えば、基地局装置20がNRとLTEとに対応しているのであれば、受信処理部211及び送信処理部212は、NRとLTEとで個別に構成されてもよい。
受信処理部211は、アンテナ213を介して受信された上りリンク信号の処理を行う。受信処理部211は、無線受信部211aと、多重分離部211bと、復調部211cと、復号部211dと、を備える。
無線受信部211aは、上りリンク信号に対して、ダウンコンバート、不要な周波数成分の除去、増幅レベルの制御、直交復調、デジタル信号への変換、ガードインターバルの除去、高速フーリエ変換による周波数領域信号の抽出等を行う。例えば、基地局装置20の無線アクセス方式が、LTE等のセルラー通信方式であるとする。このとき、多重分離部211bは、無線受信部211aから出力された信号から、PUSCH(Physical Uplink Shared Channel)、PUCCH(Physical Uplink Control Channel)等の上りリンクチャネル及び上りリンク参照信号を分離する。復調部211cは、上りリンクチャネルの変調シンボルに対して、BPSK(Binary Phase Shift Keying)、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)等の変調方式を使って受信信号の復調を行う。復調部211cが使用する変調方式は、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)、64QAM、又は256QAMであってもよい。復号部211dは、復調された上りリンクチャネルの符号化ビットに対して、復号処理を行う。復号された上りリンクデータ及び上りリンク制御情報は制御部24へ出力される。
送信処理部212は、下りリンク制御情報及び下りリンクデータの送信処理を行う。送信処理部212は、符号化部212aと、変調部212bと、多重部212cと、無線送信部212dと、を備える。
符号化部212aは、制御部24から入力された下りリンク制御情報及び下りリンクデータを、ブロック符号化、畳み込み符号化、ターボ符号化等の符号化方式を用いて符号化を行う。変調部212bは、符号化部212aから出力された符号化ビットをBPSK、QPSK、16QAM、64QAM、256QAM等の所定の変調方式で変調する。多重部212cは、各チャネルの変調シンボルと下りリンク参照信号とを多重化し、所定のリソースエレメントに配置する。無線送信部212dは、多重部212cからの信号に対して、各種信号処理を行う。例えば、無線送信部212dは、高速フーリエ変換による時間領域への変換、ガードインターバルの付加、ベースバンドのデジタル信号の生成、アナログ信号への変換、直交変調、アップコンバート、余分な周波数成分の除去、電力の増幅等の処理を行う。送信処理部212で生成された信号は、アンテナ213から送信される。
記憶部22は、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ、ハードディスク等のデータ読み書き可能な記憶装置である。記憶部22は、基地局装置20の記憶手段として機能する。記憶部22は、所望送信電力情報、動作パラメータ、保有リソース情報等を記憶する。
所望送信電力情報は、基地局装置20が、電波の送信に必要な送信電力の情報として、通信制御装置40に要求する送信電力の情報である。
動作パラメータは、基地局装置20の電波送信動作に関する情報(例えば、設定情報)である。例えば、通動作パラメータは、基地局装置20に許容された送信電力の最大値(最大許容送信電力)の情報である。勿論、動作パラメータは、最大許容送信電力の情報に限定されない。
また、保有リソース情報は、基地局装置20の無線リソースの保有に関する情報である。例えば、保有リソース情報は、基地局装置20が現在使用可能な無線リソースの情報である。例えば、有リソース情報は、基地局装置20が通信制御装置40から割り当てられた干渉マージンの保有量の情報である。保有量の情報は、後述のリソースブロック単位の情報であってもよい。すなわち、保有リソース情報は、基地局装置20が保有するリソースブロックに関する情報(例えば、リソースブロック保有量)であってもよい。
ネットワーク通信部23は、他の装置(例えば、通信制御装置40、プロキシ装置50、及び他の基地局装置20)と通信するための通信インタフェースである。例えば、ネットワーク通信部23は、NIC(Network Interface Card)等のLAN(Local Area Network)インタフェースである。ネットワーク通信部23は、USB(Universal Serial Bus)ホストコントローラ、USBポート等により構成されるUSBインタフェースであってもよい。また、ネットワーク通信部23は、有線インタフェースであってもよいし、無線インタフェースであってもよい。ネットワーク通信部23は、基地局装置20のネットワーク通信手段として機能する。ネットワーク通信部23は、制御部24の制御に従って、他の装置と通信する。
制御部24は、基地局装置20の各部を制御するコントローラ(Controller)である。制御部24は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサにより実現される。例えば、制御部24は、基地局装置20内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムを、プロセッサがRAM(Random Access Memory)等を作業領域として実行することにより実現される。なお、制御部24は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。CPU、MPU、ASIC、及びFPGAは何れもコントローラとみなすことができる。
制御部24は、図7に示すように、取得部241と、設定部242と、送信部243と、無線通信制御部244と、を備える。制御部24を構成する各ブロック(取得部241~無線通信制御部244)はそれぞれ制御部24の機能を示す機能ブロックである。これら機能ブロックはソフトウェアブロックであってもよいし、ハードウェアブロックであってもよい。例えば、上述の機能ブロックが、それぞれ、ソフトウェア(マイクロプログラムを含む。)で実現される1つのソフトウェアモジュールであってもよいし、半導体チップ(ダイ)上の1つの回路ブロックであってもよい。勿論、各機能ブロックがそれぞれ1つのプロセッサ又は1つの集積回路であってもよい。機能ブロックの構成方法は任意である。なお、制御部24は上述の機能ブロックとは異なる機能単位で構成されていてもよい。
制御部24を構成する各ブロック(取得部241~無線通信制御部244)は、例えば、以下の通り動作してもよい。
例えば、送信部243は、第1無線システムが使用する周波数帯の電波を利用する通信装置が該電波を利用するためのグラントの利用態様に関する情報を取得する取得部と、グラントの利用態様に関する情報に基づいてグラントに関する処理を行う処理部と、を備える通信制御装置40に、グラントの要求を行うとともに該グラントの利用態様に関する情報を送信する。そして、無線通信制御部244は、グラントの要求に基づき通信制御装置40から与えられたグラントに基づいて無線通信部21の制御を行う。
制御部24を構成する各ブロック(取得部241~無線通信制御部244)の動作は、後述する。
<2-3.端末装置の構成>
次に、端末装置30の構成を説明する。図8は、本開示の実施形態に係る端末装置30の構成例を示す図である。端末装置30は、基地局装置20及び/又は通信制御装置40と無線通信する通信装置である。なお、本実施形態において、通信装置(或いは無線通信装置)という概念には、基地局装置やプロキシ装置のみならず、端末装置も含まれる。通信装置(或いは無線通信装置)は、無線システムと言い換えることができる。
端末装置30は、無線通信部31と、記憶部32と、入出力部33と、制御部34と、を備える。なお、図8に示した構成は機能的な構成であり、ハードウェア構成はこれとは異なっていてもよい。また、端末装置30の機能は、複数の物理的に分離された構成に分散して実装されてもよい。
無線通信部31は、他の通信装置(例えば、基地局装置20及び他の端末装置30)と無線通信する無線通信インタフェースである。無線通信部31は、制御部34の制御に従って動作する。無線通信部31は1又は複数の無線アクセス方式に対応する。例えば、無線通信部31は、NR及びLTEの双方に対応する。無線通信部31は、W-CDMAやcdma2000等、他の無線アクセス方式に対応していてもよい。
無線通信部31は、受信処理部311と、送信処理部312と、アンテナ313と、を備える。無線通信部31は、受信処理部311、送信処理部312、及びアンテナ313をそれぞれ複数備えていてもよい。なお、無線通信部31が複数の無線アクセス方式に対応する場合、無線通信部31の各部は、無線アクセス方式毎に個別に構成されうる。例えば、受信処理部311及び送信処理部312は、LTEとNRとで個別に構成されてもよい。受信処理部311、及び送信処理部312の構成は、基地局装置20の受信処理部211、及び送信処理部212と同様である。
記憶部32は、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ、ハードディスク等のデータ読み書き可能な記憶装置である。記憶部32は、端末装置30の記憶手段として機能する。
入出力部33は、ユーザと情報をやりとりするためのユーザインタフェースである。例えば、入出力部33は、キーボード、マウス、操作キー、タッチパネル等、ユーザが各種操作を行うための操作装置である。又は、入出力部33は、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(Organic Electroluminescence Display)等の表示装置である。入出力部33は、スピーカー、ブザー等の音響装置であってもよい。また、入出力部33は、LED(Light Emitting Diode)ランプ等の点灯装置であってもよい。入出力部33は、端末装置30の入出力手段(入力手段、出力手段、操作手段又は通知手段)として機能する。
制御部34は、端末装置30の各部を制御するコントローラである。制御部34は、例えば、CPU、MPU等のプロセッサにより実現される。例えば、制御部34は、端末装置30内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムを、プロセッサがRAM等を作業領域として実行することにより実現される。なお、制御部34は、ASICやFPGA等の集積回路により実現されてもよい。CPU、MPU、ASIC、及びFPGAは何れもコントローラとみなすことができる。
<2-4.通信制御装置の構成>
通信制御装置40は、基地局装置20の無線通信を制御する装置である。通信制御装置40は、基地局装置20を介して、或いは直接、端末装置30の無線通信を制御してもよい。通信制御装置40は、ネットワーク内の無線装置を統合制御するネットワークマネージャであってもよい。例えば、通信制御装置40は、Spectrum Manager/Coexistence Managerであってもよい。また、通信制御装置40は、GLDB(Geolocation database)やSAS(Spectrum Access System)といったデータベースサーバであってもよい。
なお、通信システム2がセルラー通信システムなのであれば、通信制御装置40は、コアネットワークを構成する装置であってもよい。コアネットワークCNは、例えば、EPC(Evolved Packet Core)や5GC(5G Core network)である。コアネットワークがEPCなのであれば、通信制御装置40は、例えば、MME(Mobility Management Entity)としての機能を有する装置であってもよい。また、コアネットワークが5GCなのであれば、通信制御装置40は、例えば、AMF(Access and Mobility Management Function)としての機能を有する装置であってもよい。なお、通信システム2がセルラー通信システムの場合であっても、通信制御装置40は必ずしもコアネットワークを構成する装置である必要はない。例えば、通信制御装置40はRNC(Radio Network Controller)としての機能を有する装置であってもよい。
なお、通信制御装置40はゲートウェイの機能を有していてもよい。例えば、コアネットワークがEPCなのであれば、通信制御装置40は、S-GW(Serving Gateway)やP-GW(Packet Data Network Gateway)としての機能を有する装置であってもよい。また、コアネットワークが5GCなのであれば、通信制御装置40は、UPF(User Plane Function)としての機能を有する装置であってもよい。なお、通信制御装置40は必ずしもコアネットワークを構成する装置でなくてもよい。例えば、コアネットワークがW-CDMAやcdma2000のコアネットワークであるとする。このとき、通信制御装置40はRNC(Radio Network Controller)として機能する装置であってもよい。
また、通信制御装置40は、複数のセカンダリシステムを制御するシステムであってもよい。この場合、通信システム2は、複数のセカンダリシステムを備えるシステムとみなすことが可能である。
図9は、本開示の実施形態に係る通信制御装置40の構成例を示す図である。通信制御装置40は、無線通信部41と、記憶部42と、ネットワーク通信部43、制御部44と、を備える。なお、図9に示した構成は機能的な構成であり、ハードウェア構成はこれとは異なっていてもよい。また、通信制御装置40の機能は、複数の物理的に分離された構成に分散して実装されてもよい。例えば、通信制御装置40は、複数のサーバ装置により構成されていてもよい。
無線通信部41は、他の通信装置(例えば、基地局装置20、端末装置30、プロキシ装置50、及び他の通信制御装置40)と無線通信する無線通信インタフェースである。無線通信部41は、制御部44の制御に従って動作する。無線通信部31は1又は複数の無線アクセス方式に対応する。例えば、無線通信部31は、NR及びLTEの双方に対応する。無線通信部31は、W-CDMAやcdma2000等、他の無線アクセス方式に対応していてもよい。無線通信部41の構成は、基地局装置20の無線通信部21と同様である。
記憶部42は、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ、ハードディスク等のデータ読み書き可能な記憶装置である。記憶部22は、基地局装置20の記憶手段として機能する。記憶部22は、通信システム2を構成する複数の基地局装置20それぞれの動作パラメータを記憶する。なお、記憶部22は、通信システム2を構成する複数の基地局装置20それぞれの保有リソース情報を記憶していてもよい。上述したように、保有リソース情報は、基地局装置20の無線リソースの保有に関する情報である。なお、通信制御装置40は、ファイルサーバ60に情報を記憶してもよい。
ネットワーク通信部43は、他の装置(例えば、基地局装置20、プロキシ装置50、及び、他の通信制御装置40)と通信するための通信インタフェースである。ネットワーク通信部43は、ネットワークインタフェースであってもよいし、機器接続インタフェースであってもよい。例えば、ネットワーク通信部43は、NIC(Network Interface Card)等のLAN(Local Area Network)インタフェースであってもよい。また、ネットワーク通信部43は、USB(Universal Serial Bus)ホストコントローラ、USBポート等により構成されるUSBインタフェースであってもよい。また、ネットワーク通信部43は、有線インタフェースであってもよいし、無線インタフェースであってもよい。ネットワーク通信部43は、通信制御装置40の通信手段として機能する。ネットワーク通信部43は、制御部44の制御に従って基地局装置20、端末装置30及びプロキシ装置50と通信する。
制御部44は、通信制御装置40の各部を制御するコントローラである。制御部44は、例えば、CPU、MPU等のプロセッサにより実現される。例えば、制御部44は、通信制御装置40内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムを、プロセッサがRAM等を作業領域として実行することにより実現される。なお、制御部44は、ASICやFPGA等の集積回路により実現されてもよい。CPU、MPU、ASIC、及びFPGAは何れもコントローラとみなすことができる。
制御部44は、図9に示すように、取得部441と、処理部442と、計算部443と、通知部444と、調整部445と、を備える。制御部44を構成する各ブロック(取得部441~調整部445)はそれぞれ制御部44の機能を示す機能ブロックである。これら機能ブロックはソフトウェアブロックであってもよいし、ハードウェアブロックであってもよい。例えば、上述の機能ブロックが、それぞれ、ソフトウェア(マイクロプログラムを含む。)で実現される1つのソフトウェアモジュールであってもよいし、半導体チップ(ダイ)上の1つの回路ブロックであってもよい。勿論、各機能ブロックがそれぞれ1つのプロセッサ又は1つの集積回路であってもよい。機能ブロックの構成方法は任意である。なお、制御部44は上述の機能ブロックとは異なる機能単位で構成されていてもよい。
制御部44を構成する各ブロック(取得部441~調整部445)は、例えば、以下の通り動作してもよい。
例えば、取得部441は、第1無線システムが使用する周波数帯を二次利用する第2無線システムが該周波数帯を二次利用するためのグラントの利用態様に関する情報を取得する。そして、処理部442は、グラントの利用態様に関する情報に基づいてグラントに関する処理を行う。
このとき、グラントの利用態様に関する情報には、複数のグラントにより利用が許可される複数の電波資源を、第2無線システムが紐付けて使用することを示すグルーピング情報が含まれていてもよい。そして、処理部442は、グルーピング情報に基づいてグラントに関する処理を行ってもよい。このとき、処理部442は、グルーピング情報に基づいてグラントの付与処理を行ってもよい。また、処理部442は、グルーピング情報に基づいてグラントの停止処理を行う。
また、グラントの利用態様に関する情報には、さらに、第2無線システムが複数の電波資源を紐付けて利用するにあたり使用する帯域拡張技術を識別するための技術識別情報が含まれてしてもよい。そして、処理部442は、技術識別情報に基づいて複数のグラントのグラントに関する処理を行ってもよい。このとき、技術識別情報で識別可能な帯域拡張技術には、キャリアアグリゲーション、LAA(Licensed Assisted Access)、チャネルボンディング、及びデュアルコネクティビティの中から選択される少なくとも1つの技術が含まれていてもよい。
また、グラントの利用態様に関する情報には、キャリアアグリゲーションにより紐付けられる複数の電波資源それぞれのコンポーネントキャリアタイプを識別するためのコンポーネントキャリアタイプ情報が含まれていてもよい。そして、処理部442は、コンポーネントキャリアタイプ情報に基づいて複数のグラントのグラントに関する処理を行ってもよい。このとき、コンポーネントキャリアタイプ情報で識別可能なコンポーネントキャリアタイプには、プライマリコンポーネントキャリア及びセカンダリコンポーネントキャリアの少なくとも一方が含まれていてもよい。このとき、処理部442は、キャリアアグリゲーションにより紐付けられる複数の電波資源のうちの1又は所定数の電波資源のグラントを停止する場合には、複数の電波資源のうち、コンポーネントキャリアタイプがプライマリコンポーネントキャリア以外となっている電波資源のグラント、又はコンポーネントキャリアタイプがセカンダリコンポーネントキャリアとなっている電波資源のグラント、の中から選択される1又は所定数のグラントを停止してもよい。
また、処理部442は、チャネルボンディングにより複数の電波資源が紐付けられる場合には、該複数の電波資源に係る複数のグラントを1のグラントとしてグラントに関する処理を行ってもよい。このとき、処理部442は、すでにグラントされている複数の電波資源であってチャネルボンディングにより紐付けられた複数の電波資源のうちの1又は所定数の電波資源の利用が停止されなければならない場合には、1のグラントを複数のグラントに分離するとともに、分離された複数のグラントのうちの1又は所定数のグラントを停止してもよい。このとき、通知部444は、1又は所定数のグラントを停止する前に、第2無線システム又は該第2無線システムを代理するプロキシシステムに対し、1のグラントが複数のグラントに分離されることを通知してもよい。
また、取得部441は、第2無線システムが有する帯域拡張技術の機能に関する保有機能情報を取得してもよい。そして、処理部442は、保有機能情報に基づいてグラントに関する処理を行ってもよい。このとき、通知部444は、すでに第2無線システムにグラントされている複数の電波資源であってチャネルボンディングにより紐付けられた複数の電波資源の一部の停止により複数の電波資源の分断が想定される場合に、第2無線システム又は該第2無線システムを代理するプロキシシステムに対し、保有機能情報に基づき判別される他の帯域拡張技術に切り替えるよう通知してもよい。
また、計算部443は、グルーピング情報に基づいて第1無線システムへの電波干渉に関する計算を行ってもよい。
また、調整部445は、グルーピング情報に基づいてグラント間の許容干渉量の調整を行ってもよい。このとき、調整部445は、グルーピング情報により紐付けられる複数のグラントそれぞれの許容干渉量を複数のグラントのうちの最も低い許容干渉量に調整してもよい。
また、グラントの利用態様に関する情報には、該グラントにより利用が許可される電波資源を使って行われるサービスの種類を示すサービスタイプ情報が含まれていてもよい。そして、処理部442は、サービスタイプ情報に基づいてグラントに関する処理を行ってもよい。
制御部44を構成する各ブロック(取得部441~調整部445)の動作は後述する。
<2-5.プロキシ装置の構成>
次に、プロキシ装置50の構成を説明する。図10は、本開示の実施形態に係るプロキシ装置50の構成例を示す図である。プロキシ装置50は、基地局装置20及び通信制御装置40と通信する通信装置である。プロキシ装置50は、1又は複数の基地局装置20を代理(代表)して通信制御装置40と通信するプロキシシステムである。例えば、プロキシ装置50は、複数のCBSDを代理(代表)するドメインプロキシ(DP:Domain Proxy)である。
なお、プロキシシステムは、1つの装置で構成されていてもよいし、複数の装置で構成されていてもよい。プロキシ装置50と基地局装置20との間の通信は有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。同様に、プロキシ装置50と通信制御装置40との間の通信は有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。
なお、プロキシ装置50が代理(代表)する通信装置は基地局装置20に限られず、例えば、端末装置30であってもよい。以下の説明では、プロキシ装置50が代理(代表)する1又は複数の通信装置(例えば、1又は複数の基地局装置20)のことを配下の通信装置(例えば、配下の基地局装置20)ということがある。
プロキシ装置50は、無線通信部51と、記憶部52と、ネットワーク通信部53と、制御部54と、を備える。なお、図10に示した構成は機能的な構成であり、ハードウェア構成はこれとは異なっていてもよい。また、プロキシ装置50の機能は、複数の物理的に分離された構成に分散して実装されてもよい。
無線通信部51は、他の通信装置(例えば、基地局装置20、端末装置30、通信制御装置40、及び他のプロキシ装置50)と無線通信する無線通信インタフェースである。無線通信部51は、制御部54の制御に従って動作する。無線通信部51は1又は複数の無線アクセス方式に対応する。例えば、無線通信部31は、NR及びLTEの双方に対応する。無線通信部51は、W-CDMAやcdma2000等、他の無線アクセス方式に対応していてもよい。
記憶部52は、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ、ハードディスク等のデータ読み書き可能な記憶装置である。記憶部52は、プロキシ装置50の記憶手段として機能する。記憶部22は、配下の基地局装置20それぞれの所望送信電力情報、動作パラメータ、保有リソース情報等を記憶していてもよい。
ネットワーク通信部53は、他の装置(例えば、基地局装置20、通信制御装置40、及び、他のプロキシ装置50)と通信するための通信インタフェースである。例えば、ネットワーク通信部53は、NIC等のLANインタフェースである。ネットワーク通信部53は、USBホストコントローラ、USBポート等により構成されるUSBインタフェースであってもよい。また、ネットワーク通信部53は、有線インタフェースであってもよいし、無線インタフェースであってもよい。ネットワーク通信部53は、プロキシ装置50のネットワーク通信手段として機能する。ネットワーク通信部53は、制御部54の制御に従って、他の装置と通信する。
制御部54は、プロキシ装置50の各部を制御するコントローラ(Controller)である。制御部54は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサにより実現される。例えば、制御部54は、プロキシ装置50内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムを、プロセッサがRAM(Random Access Memory)等を作業領域として実行することにより実現される。なお、制御部24は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。CPU、MPU、ASIC、及びFPGAは何れもコントローラとみなすことができる。
制御部54は、図10に示すように、取得部541と、第1の送信部542と、第2の送信部543と、を備える。制御部54を構成する各ブロック(取得部541~第2の送信部543)はそれぞれ制御部54の機能を示す機能ブロックである。これら機能ブロックはソフトウェアブロックであってもよいし、ハードウェアブロックであってもよい。例えば、上述の機能ブロックが、それぞれ、ソフトウェア(マイクロプログラムを含む。)で実現される1つのソフトウェアモジュールであってもよいし、半導体チップ(ダイ)上の1つの回路ブロックであってもよい。勿論、各機能ブロックがそれぞれ1つのプロセッサ又は1つの集積回路であってもよい。機能ブロックの構成方法は任意である。なお、制御部24は上述の機能ブロックとは異なる機能単位で構成されていてもよい。
制御部44を構成する各ブロック(取得部541~第2の送信部543)は、例えば、以下の通り動作してもよい。
例えば、第1の送信部542は、第1無線システムが使用する周波数帯の電波を利用する通信装置が該周波数帯を二次利用するためのグラントの利用態様に関する情報を取得する取得部と、グラントの利用態様に関する情報に基づいてグラントに関する処理を行う処理部と、を備える通信制御装置40に配下の通信装置(例えば、基地局装置20)を代理してグラントの要求を行うとともに該グラントの利用態様に関する情報を送信する。そして、第1の送信部542は、グラントの要求に基づき通信制御装置40から与えられたグラントに関する情報を配下の通信装置(例えば、基地局装置20)に通知する。
なお、制御部54を構成する各ブロック(取得部541~第2の送信部543)の動作は、基地局装置20の制御部24を構成する各ブロック(取得部241~送信部243)の動作と同じであってもよい。例えば、取得部541は取得部241と、第1の送信部542及び第2の送信部543は送信部243と同じであってもよい。以下の説明で登場する取得部241、送信部243の記載は、取得部541~第2の送信部543に置き換え可能である。
<<3.干渉モデル>>
次に、本実施形態で想定する干渉モデルを説明する。図11は、本開示の実施形態で想定する干渉モデルの一例を示す説明図である。なお、以下の説明で登場する、基地局装置20の記載は、無線通信機能を有する他の通信装置を示すワードに置き換え可能である。
図11に示す干渉モデルは、例えば、プライマリシステムがサービスエリアを持つ場合に適用される。図11の例では、通信システム1(プライマリシステム)はサービスエリアを有する無線通信システムとなっている。このサービスエリアが、例えば、通信システム1の保護エリアとなる。保護エリアには、干渉計算基準点(以下、保護点という。)は複数設定される。保護点(Protection Point)は、例えば、通信システム1の運営者や電波を管理する公的機関等(以下、管理者という。)により設定される。例えば、管理者は、保護エリアを格子状に区切り、所定の格子の中心を保護点としてもよい。保護点の決定方法は任意である。各保護点の干渉マージンは管理者等により設定される。図11には、通信システム2(セカンダリシステム)を構成する複数の基地局装置20が、保護点に与える干渉が示されている。通信システム2の通信制御装置40は、各保護点における累積干渉が、設定された干渉マージンを超えないように、複数の基地局装置20の送信電力を制御する。
図12は、本開示の実施形態で想定する干渉モデルの他の例を示す説明図である。図12に示す干渉モデルは、例えば、プライマリシステムが受信のみ行う場合に適用される。図12の例では、通信システム1(プライマリシステム)は、無線通信装置102として受信アンテナを有している。無線通信装置102は、例えば、衛星地上局の受信アンテナである。通信システム2の通信制御装置40は、受信アンテナの位置を保護点とし、その地点における累積干渉が干渉マージンを超えないように、複数の基地局装置20の送信電力を制御する。
<<4.プライマリシステム保護方法>>
次に、プライマリシステム保護方法について説明する。上述したように、プライマリシステム保護方法は、例えば、以下の2種類に分類可能である。
(1)干渉マージン一斉配分型
(2)干渉マージン逐次配分型
なお、干渉マージン一斉配分型のプライマリシステム保護方法の例としては、例えば、非特許文献3にて開示されている手法(例えば、最大許容EIRPの計算手法)が挙げられる。また、干渉マージン逐次配分型のプライマリシステム保護方法の例としては、例えば、非特許文献6で開示されている逐次配分処理(IAP:Iterative Allocation Process)が挙げられる。
以下、「干渉マージン一斉配分型」のプライマリシステム保護方法と「干渉マージン逐次配分型」のプライマシステム保護方法について説明する。なお、以下の説明で登場する、基地局装置20の記載は、無線通信機能を有する他の通信装置を示すワードに置き換え可能である。
<4-1.干渉マージン一斉配分型>
最初に、干渉マージン一斉配分型のプライマリシステム保護方法について説明する。図13は、干渉マージン一斉配分型のプライマリシステム保護方法を説明するための説明図である。上述したように、干渉マージン一斉配分型では、通信制御装置40は、「プライマリシステムの保護基準点とセカンダリシステムの位置関係によって一意に求まる値」を基準値としてセカンダリシステムの最大許容送信電力を算出する。図13の例では、プライマリシステムの許容可能干渉閾値がIacceptとなっている。この閾値は、実際の閾値でもよいし、計算誤差や干渉変動を考慮して実際の閾値からある程度のマージン(例えば保護比率(Protection Ratio))を見込んで設定された値であってもよい。
干渉マージン一斉配分型のプライマリシステム保護方法において、干渉制御とは、許容可能干渉閾値を越えないように、無線装置の送信電力(EIRP、Conducted Power+Antenna gain等)を決定することを意味する。このとき、基地局装置20が多数存在し、それぞれが許容可能干渉閾値を越えないようにすると、通信システム1(プライマリシステム)において受信される干渉電力が許容可能干渉閾値を越えてしまう恐れがある。そこで、通信制御装置40に登録されている基地局装置20の数に基づき、干渉マージン(許容可能干渉量)を「配分」する。
例えば、図13の例では、基地局装置20の総数は5である。そのため、個々には、Iaccept/5の許容干渉量が配分される。基地局装置20は自身でこの配分量を認識することはできないので、通信制御装置を通じて認識する、またはこの配分量に基づいて決定された送信電力を取得する。通信制御装置は、他の通信制御装置が管理する無線装置の数を認識できないので、相互に情報をやりとりすることによって、総数を認識することができ、許容干渉量を配分することができるようになる。例えば、通信制御装置401内では3Iaccept/5の許容干渉量が割り当てられる。
なお、この手法では、基地局装置20が使用しなかった干渉マージンは剰余干渉マージンとなり得る。図14は、剰余干渉マージンが発生した様子を示す図である。図14には、2つの通信制御装置40(通信制御装置401、402)のそれぞれに設定された総干渉量が示されている。また、図14には、2つの通信制御装置40の管理下にある複数の基地局装置20(基地局装置201~205)が通信システム1の所定の保護点に与える干渉量(与干渉量)が示されている。2つの通信制御装置40それぞれの総干渉量から基地局装置20による干渉量を引いた干渉量が、剰余干渉マージンである。以下の説明では、余った干渉量のことを剰余干渉マージンという。剰余干渉マージンは剰余干渉量と言い換えることが可能である。
<4-2.干渉マージン逐次配分型>
次に、干渉マージン逐次配分型のプライマリシステム保護方法について説明する。上述したように、干渉マージン逐次配分型では、通信制御装置40は、「セカンダリシステムの所望送信電力」を基準値としてセカンダリシステムの最大許容送信電力を算出する。図15は、干渉マージン逐次配分型のプライマリシステム保護方法を説明するための説明図である。干渉マージン逐次配分型では、例えば、複数の基地局装置20それぞれが、所望送信電力情報を記憶部22に記憶している。所望送信電力情報は、基地局装置20が、電波の送信に必要な送信電力の情報として、通信制御装置40に要求する送信電力の情報である。図15の例では、基地局装置201~204が、それぞれ、所望送信電力情報A~Dを保持している。通信制御装置40は、所望送信電力情報A~Dに基づいて、基地局装置201~204にそれぞれ干渉量A~Dを割り当てる。
<<5.諸手続きの説明>>
次に、通信システム2のエンティティ間で発生しうる諸手続きについて説明する。なお、以下の説明で登場する、基地局装置20の記載は、無線通信機能を有する他の通信装置を示すワードに置き換え可能である。
<5-1.登録手続き(Registration Procedure)>
登録手続きとは、基地局装置20に関するデバイスパラメータを通信制御装置40に登録する手続きのことである。典型的には、基地局装置20または複数の基地局装置20を含む1以上の通信システムが、上記デバイスパラメータを含む登録リクエストを通信制御装置40へ通知することで登録手続きが開始される。登録リクエストは1又は複数の基地局装置20を代理(代表)する通信システム(例えば、プロキシ装置50等のプロキシシステム)が送信してもよい。
以下の説明では、複数の基地局装置20を代理(代表)する通信システムはプロキシ装置50であるものとするが、以下の説明で登場するプロキシ装置50のワードは、プロキシシステム等、他の通信装置を代理(代表)する通信システムを示すワードに置き換え可能である。
(所要パラメータの詳細)
デバイスパラメータとは、例えば、以下に示す情報のことを指す。
通信装置固有の情報
位置情報
アンテナ情報
無線インタフェース情報
法的情報
設置者情報
実施の際には、これら以外の情報がデバイスパラメータとして扱われてもよい。
通信装置固有の情報とは、基地局装置20を特定可能な情報、基地局装置20のハードウェアに関する情報などである。例えば、シリアル番号、製品型番などが含まれうる。
基地局装置20を特定可能な情報は、通信装置利用者情報、通信装置製造番号などを指す。例えば、通信装置利用者情報としては利用者ID、コールサインなどが想定されうる。利用者IDは通信装置利用者が独自に生成してもよいし、通信制御装置40が事前に発行したものであってもよい。
基地局装置20のハードウェアに関する情報は、例えば、送信電力クラス情報、製造者情報などが含まれうる。送信電力クラス情報は、例えば、FCC C.F.R Part 96においては、Category A、Category Bという2種類のクラスが規定されており、いずれかの情報が含まれうる。また、3GPP TS 36.104やTS 38.104において、eNodeB、gNodeBのクラスがいくつか規定されており、これらも用いられうる。
基地局装置20のソフトウェアに関する情報は、例えば、通信制御装置40とのインタラクションに必要な処理が記述された実行プログラムに関するバージョン情報やビルド番号などが含まれうる。また、基地局装置20として動作するためのソフトウェアのバージョン情報やビルド番号なども含まれてもよい。
位置に係る情報とは、典型的には、基地局装置20の地理位置を特定可能な情報である。例えば、GPS(Global Positioning System)、Beidou、QZSS(Quasi-Zenith Satellite System)、GalileoやA-GPS(Assisted Global Positioning System)に代表される位置測位機能によって取得される座標情報である。典型的には、緯度、経度、高度、測位誤差に係る情報が含まれうる。または、例えば、NRA(National Regulatory Authority)またはその委託機関によって管理される情報管理装置に登録される位置情報であってよい。または、例えば、特定の地理位置を原点とするX軸、Y軸、Z軸の座標であってもよい。また、このような座標情報と一緒に屋外/屋内を示す識別子が付与されうる。
また、位置に係る情報とは、基地局装置20が位置する領域を示す情報であってもよい。例えば、郵便番号、住所など、行政によって定められた情報が用いられてもよい。また、例えば、3以上の地理座標の集合によって領域が示されてもよい。これらの領域を示す情報は、上記座標情報と一緒に提供されてもよい。
また、位置に係る情報には、基地局装置20が屋内に位置する場合に、建物のフロアを示す情報が付与されてもよい。例えば、階数、地上/地下を示す識別子などが付与されてもよい。また、例えば、建物内の部屋番号、部屋名のように、屋内のさらなる閉空間を示す情報が付与されてもよい。
上記位置測位機能は、典型的には、基地局装置20によって具備されることが望ましい。しかしながら、位置測位機能の性能や、設置位置によっては、必ずしも要求される精度を満たす位置情報が取得できるとは限らない。そのため、位置測位機能は、設置者によって用いられてもよい。そのような場合、設置者によって測定された位置情報が基地局装置20に書き込まれることが望ましい。
アンテナ情報とは、典型的には、基地局装置20が具備するアンテナの性能や構成等を示す情報である。典型的には、例えば、アンテナ設置高、チルト角(Downtilt)、水平方向の向き(Azimuth)、照準(Boresight)、アンテナピークゲイン、アンテナモデルといった情報が含まれうる。
また、アンテナ情報には、形成可能なビームに関する情報も含まれうる。例えば、ビーム幅、ビームパターン、アナログ/デジタルビームフォーミングのケイパビリティといった情報が含まれうる。
また、アンテナ情報には、MIMO(Multiple Input Multiple Output)通信の性能や構成に関する情報も含まれうる。例えば、アンテナエレメント数、最大空間ストリーム数、といった情報が含まれうる。また、用いるコードブック(Codebook)情報や、ウェイト行列情報(SVD(Singular Value Decomposition)、EVD (Eigen Value Decomposition)、BD(Block Diagonalization)などによって得られるユニタリ行列、ZF(Zero-Forcing)行列、MMSE(Minimum Mean Square Error)行列)なども含まれうる。また、非線形演算を要するMLD(Maximum Likelihood Detection)等を具備する場合、それを示す情報が含まれてもよい。
上記アンテナ情報には、ZoD(Zenith of Direction, Departure)が含まれてもよい。当該ZoDは、電波到来角度の一種である。上記ZoDは、基地局装置20のアンテナから放射される電波から他の基地局装置20により推定されてもよい。この場合に、基地局装置20は、基地局若しくはアクセスポイントとして動作する端末装置、D2D通信を行う装置、又はムービングリレー基地局などであってもよい。ZoDは、MUSIC(Multiple Signal Classification)又はESPRIT(Estimation of Signal Propagation via Rotation Invariance Techniques)などの電波到来方向推定技術により推定され得る。メジャメント情報として通信制御装置40によって用いられうる。
無線インタフェース情報とは、典型的には、基地局装置20が具備する無線インタフェース技術を示す情報のことである。例えば、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMTS、E-UTRA、5GNR(5G New Radio)またはさらなる次世代のセルラーシステムで用いられる技術や、MulteFire、LTE-U(LTE-Unlicensed)といったLTE準拠の派生技術、WiMAX、WiMAX2+といったMAN(Metropolitan Area Network)、IEEE 802.11系の無線LANといった標準技術を示す識別子情報が含まれる。また、これらを定める技術仕様書のバージョン番号またはリリース番号も付与されうる。必ずしも標準技術である必要はなく、プロプライエタリな無線技術を示す情報が含まれてもよい。
また、無線インタフェース情報には、基地局装置20がサポートする周波数帯域情報も含まれうる。例えば、上限周波数および下限周波数の組み合わせの1以上、中心周波数および帯域幅の組み合わせの1以上または、1以上の3GPP Operating Band番号などによって表現されうる。
基地局装置20がサポートする周波数帯域情報として、さらに、キャリアアグリゲーション(CA:Carrier Aggregation)やチャネルボンディング(Channel Bonding)のケイパビリティ情報も含まれうる。例えば、組み合わせ可能な帯域情報などが含まれうる。また、キャリアアグリゲーションについては、プライマリコンポーネントキャリア(PCC:Primary Component Carrier)やセカンダリコンポーネントキャリア(SCC:Secondary Component Carrier)として利用したい帯域に関する情報も含まれうる。また、同時にアグリゲート可能なCC数も含まれうる。
基地局装置20がサポートする周波数帯域情報として、また、PAL、GAAのような電波利用優先度を示す情報が含まれてもよい。
また、無線インタフェース情報には、基地局装置20がサポートする変調方式情報も含まれうる。例えば、代表的な一例として、FSK(Frequency Shift Keying)、n値PSK(Phase Shift Keying)(nは2、4、8等)やn値QAM(Quadrature Amplitude Modulation)(nは4,16,64,256等)といった一次変調方式を示す情報や、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)やDFT-s-OFDM(DFT spread OFDM)、FBMC(Filter Bank Multi Carrier)といった二次変調方式を示す情報が含まれうる。
また、無線インタフェース情報には、誤り訂正符号に関する情報も含まれうる。例えば、Turbo符号、LDPC(Low Density Parity Check)符号、Polar符号などのケイパビリティや適用する符号化率情報が含まれうる。
変調方式情報や誤り訂正符号に関する情報は、別の態様として、MCS(Modulation and Coding Scheme)インデックスでも表現されうる。
また、無線インタフェース情報には、基地局装置20がサポートする各無線技術特有の機能を示す情報も含まれうる。例えば、代表的な一例として、LTEで規定されているTM(Transmission Mode)情報が挙げられる。この他にも、特定の機能に関して2以上のモードを有するものについては、上記TMのように無線インタフェース情報に含まれうる。また、技術仕様において、2以上のモードが存在しなくても仕様上必須でない機能を基地局装置20がサポートする場合には、これを示す情報も含まれうる。
また、無線インタフェース情報には、基地局装置20がサポートする無線アクセス方式(RAT:Radio Access Technology)情報も含まれうる。例えば、TDMA(Time Division Multiple Access)、FDMA(Frequency Division Multiple Access)、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)といった直交多元接続方式(OMA:Orthogonal Multiple Access)、PDMA(Power Division Multiple Access、Superposition Coding(SPC)とSuccessive Interference Canceller(SIC)との組み合わせによって実現される手法が代表例)、CDMA(Code Division Multiple Access)、SCMA(Sparse Code Multiple Access)、IDMA(Interleaver Division Multiple Access)、SDMA(Spatial Division Multiple Access)といった非直交多元接続方式(NOMA:Non Orthogonal Multiple Access)、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance)やCSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access/Collision Detection)といった日和見的接続方式(Opportunistic Access)などを示す情報が含まれうる。
また、無線インタフェース情報には、基地局装置20がサポートするデュプレクスモードに係る情報も含まれうる。代表的な一例として、例えば、FDD(Frequency Division Duplex)、TDD(Time Division Duplex)、FD(Full Duplex)が含まれうる。無線インタフェース情報として、TDDが含まれる場合、基地局装置20が使用する/サポートするTDD Frame Configuration情報が付与されうる。また、上記周波数帯域情報で示される周波数帯域ごとにデュプレクスモードに係る情報が含まれてもよい。
また、無線インタフェース情報には、基地局装置20がサポートする送信ダイバーシチ手法に関する情報も含まれうる。例えば、時空間符号化(STC:Space Time Coding)などが含まれてもよい。
また、無線インタフェース情報には、ガードバンド情報も含まれうる。例えば、規格上定められるガードバンドサイズに関する情報が含まれうる。または、例えば、基地局装置20が所望するガードバンドサイズに関する情報が含まれてもよい。
法的情報とは、典型的には、各国・地域の電波行政機関またはそれに準ずる機関によって定められる、基地局装置20が順守しなければならない規制に関する情報や、基地局装置20が取得している認証情報などのことである。上記規制に関する情報として、典型的には、例えば、帯域外輻射の上限値情報、受信機のブロッキング特性に関する情報などが含まれうる。上記認証情報として、典型的には、例えば、型式認証(Type Approval)情報(FCC ID、技術基準適合証明など)、認証取得の基準となる法規制情報(例えばFCC規則番号、ETSI Harmonized Standard番号等)などが含まれうる。
法的情報のうち、数値に関するものについては、無線インタフェース技術の規格書において定められているものを代用してもよい。例えば、帯域外輻射の上限値情報の代わりに、隣接チャネル漏洩比(ACLR:Adjacent Channel Leakage Ratio)を用いて、帯域外輻射の上限値を導出し利用してもよい。また、必要に応じて、ACLRそのものを用いてもよい。また、隣接チャネル選択性(ACS:Adjacent Channel Selectivity)をブロッキング特性の代わりに用いてもよい。また、これらは併用してもよいし、隣接チャネル干渉比(ACIR:Adjacent Channel Interference Ratio)を用いてもよい。
設置者情報とは、基地局装置20の設置を行った者(設置者)を特定することが可能な情報、設置者に紐づく固有の情報などが含まれうる。例えば、非特許文献2においては、設置者を特定することが可能な情報として、CPIR-ID(Certified Professional Installer Registration ID)、CPI名が開示されている。また、設置者に紐づく固有の情報として、例えば、連絡用住所(Mailing/Contact address)、Eメールアドレス、電話番号、PKI(Public Key Identifier)などが開示されている。これらに限らず、必要に応じて設置者に関するその他の情報が含まれてもよい。
[所要パラメータの補足]
登録手続きにおいて、実施形態によっては、基地局装置20のみならず端末装置30に関するデバイスパラメータを通信制御装置40に登録することも要求されることが想定される。そのような場合、上記(所要パラメータの詳細)で述べた説明中の「通信装置」という用語を「端末装置」またはそれに準ずる用語で置き換えて適用してもよい。また、上記(所要パラメータの詳細)では述べられていない「端末装置」特有のパラメータも登録手続きにおける所要パラメータとして扱われてよい。例えば、3GPPで規定されるUE(User Equipment)Categoryなどが挙げられる。
[登録処理の詳細]
図16は、登録手続きを説明するためのシーケンス図である。基地局装置20または複数の基地局装置20を含む1以上の通信システムは、上記デバイスパラメータを用いて登録リクエストメッセージを生成し(ステップS11)、通信制御装置40へ通知する(ステップS12)。メッセージの生成及び/又は通知は、プロキシ装置50が行ってもよい。
ここで、デバイスパラメータに設置者情報が含まれる場合、この情報を用いて、登録リクエストに改ざん防止の加工等を施してもよい。また、登録リクエストに含まれる情報の一部又は全部に暗号化処理が施されてもよい。具体的には、例えば、設置者と通信制御装置40との間で事前に設置者特有の公開鍵を共有しておき、設置者は秘密鍵を用いて情報の暗号化を施す、という処理が実施されうる。暗号化の対象としては、例えば、位置情報といった防犯上センシティブな情報が挙げられる。
また、位置情報に関しては、非特許文献2で開示されているように、例えば、設置者が、直接、通信制御装置40に書き込んでもよい。
登録リクエスト受信後、通信制御装置40は、基地局装置20の登録処理を実施し(ステップS13)、処理結果に応じて登録レスポンスを返す(ステップS14)。登録に必要な情報の不足、異常がなければ通信制御装置40は記憶部42に情報を記録し、正常完了を通知する。そうでなければ、通信制御装置40は登録失敗を通知する。登録が正常完了する場合、通信制御装置40は、通信装置個別にIDを割り振り、そのID情報を応答時に同封して通知してもよい。登録失敗となる場合、典型的には、基地局装置20または複数の基地局装置20を含む1以上の通信システム、またはこれらの運用者(例えば、移動体通信事業者や個人)や設置者は、登録リクエストの修正等を行い、正常完了するまで登録手続きを試行する。
なお、登録手続きは、複数回実行されることがある。具体的には、例えば、移動・精度改善などにより、位置情報が所定の基準を超えて変更される場合に登録手続きが再実行されうる。所定の基準は、典型的には、法制度によって定められる。例えば、47 C.F.R Part 15において、Mode II personal/portable white space deviceは、100メートル以上位置情報が変わる場合には、再度データベースにアクセスすることが義務付けられている。
<5-2.利用可能周波数情報問い合わせ手続き(Available Spectrum Query Procedure)>
利用可能周波数情報問い合わせ手続きとは、基地局装置20またはプロキシ装置50が、通信制御装置40に対して、利用可能な周波数に関する情報を問い合わせる手続きのことである。典型的には、基地局装置20またはプロキシ装置50が、当該基地局装置20(或いは当該プロキシ装置50配下の基地局装置20)を特定可能な情報を含む問い合わせリクエストを通信制御装置40へ通知することで手続きが開始される。
(1)例1
ここで、利用可能周波数情報とは、典型的には、当該基地局装置20(或いは当該プロキシ装置50配下の基地局装置20)の位置においてプライマリシステムに対して致命的な干渉を与えず、安全に二次利用が可能な周波数を示す情報のことである。例えば、F1という周波数チャネルを利用するプライマリシステム保護のために、排除ゾーン(Exclusion Zone)などの二次利用禁止エリアに基地局装置20が設置されている場合、その基地局装置20に対しては、F1という周波数チャネルは利用可能チャネルとして通知されない。
(2)例2
また、例えば、二次利用禁止エリア外であっても、プライマリシステムに対して致命的な干渉を与えると判断される場合には、当該周波数チャネルは利用可能チャネルとして通知されない場合がある。
(3)例3
また、利用可能周波数情報は、例2のプライマリシステム保護要件以外の条件によっても利用可能として通知されない周波数チャネルが存在しうる。具体的には、例えば、基地局装置20間で発生しうる干渉を事前に回避するために、当該基地局装置20(或いは当該プロキシ装置50配下の基地局装置20)の近傍に存在する他の基地局装置20が利用中の周波数チャネルを、利用可能チャネルとして通知しない場合もある。
(4)例4
これらの場合(例2、例3)に該当する場合であっても、プライマリシステムや近傍の基地局装置20と同じ周波数を利用可能チャネルとして通知することは可能である。そのような場合には、典型的には、最大許容送信電力情報が利用可能周波数情報に含まれる。最大許容送信電力は、典型的には、等価等方輻射電力(EIRP:Equivalent Isotropic Radiated Power)で表現される。必ずしもこれに限られる必要はなく、例えば、空中線電力(Conducted Power)とアンテナゲインの組み合わせで提供されてもよい。給電線損失(Feeder Loss)も含まれてもよい。さらに、アンテナゲインは、空間的な方向ごとに許容ピークゲインが設定されてもよい。
[所要パラメータの詳細]
基地局装置20を特定可能な情報とは、例えば、上記登録手続き時に登録した通信装置固有の情報や上述の(登録処理の詳細)で説明したID情報などが想定されうる。
また、問い合わせリクエストには、問い合わせ要件情報も含まれうる。問い合わせ要件情報とは、例えば、利用可能か否かを知りたい周波数帯域を示す情報が含まれうる。また、例えば、送信電力情報も含まれうる。基地局装置20またはプロキシ装置50は、例えば、所望の送信電力を用いることができそうな周波数情報のみを知りたい場合に送信電力情報を含めうる。問い合わせ要件情報は必ずしも含まれる必要はない。
また、問い合わせリクエストには、メジャメントレポートも含まれうる。メジャメントレポートは、基地局装置20および/または端末装置30が実施するメジャメントの結果が含まれる。例えば、生データのみならず、加工された情報も含まれうる。例えば、RSRP(Reference Signal Received Power)、RSSI(Reference Signal Strength Indicator)、RSRQ(Reference Signal Received Quality)に代表される標準化されたメトリックが用いられうる。
[利用可能周波数評価処理の詳細]
図17は、利用可能周波数情報問い合わせ手続きを説明するためのシーケンス図である。基地局装置20またはプロキシ装置50が、当該基地局装置20(或いは当該プロキシ装置50配下の基地局装置20)を特定可能な情報を含む問い合わせリクエストを生成し(ステップS21)、通信制御装置40へ通知する(ステップS22)。
問い合わせリクエスト受信後、通信制御装置40は、問い合わせ要件情報に基づいて、利用可能周波数の評価を行う(ステップS23)。例えば、上述の例1~例3で説明したようにプライマリシステムやその二次利用禁止エリア、近傍の基地局装置20の存在を考慮して利用可能周波数の評価を行うことが可能である。
上述の例4で説明したように、通信制御装置40は、最大許容送信電力情報を導出してもよい。典型的には、プライマリシステムまたはその保護領域(Protection Zone)における許容可能干渉電力情報、プライマリシステムが被る干渉電力レベルの算定基準位置(Reference Point)情報、基地局装置20の登録情報、伝搬損失推定モデルを用いて算出される。具体的には、一例として、以下の数式によって算出される。
PMaxTx(dBm)=ITh(dBm)+PL(d)(dB) …(1)
ここで、PMaxTx(dBm)は最大許容送信電力、ITh(dBm)は許容可能干渉電力、dは基準位置(Reference Point)と基地局装置20との間の距離、PL(d)(dB)は距離dにおける伝搬損失である。本数式においては送受信機におけるアンテナゲインを明示的に示していないが、最大許容送信電力の表現方法(EIRP、Conducted power等)や受信電力の参照点(アンテナ入力点、アンテナ出力点、等)に応じて含めてよい。また、フェージングによる変動を補償するためのセーフティマージン等も含まれてよい。また、フィーダロス等、必要に応じて考慮されてよい。
また、上記数式は、単体の基地局装置20が干渉源である仮定に基づいて記述されている。例えば、同時に複数の基地局装置20からの累積的な干渉(Aggregated Interference)を考慮しなければならない場合には、補正値を加味してもよい。具体的には、例えば、非特許文献3で開示されている3種類(Fixed/Predetermined、Flexible、Flexible Minimized)の干渉マージン方式に基づいて補正値が決定されうる。
なお、上記数式は、対数を用いて表現されているが、実施の際には、当然のことながら真数に変換して用いてもよい。また、本実施形態に記載される全ての対数表記のパラメータは、適宜進数に変換して用いてもよい。
(1)手法1
また、上述の(所要パラメータの詳細)の項で説明したように、送信電力情報が問い合わせ要件情報に含まれる場合には、上述の方法とは別の方法で利用可能周波数の評価を行うことが可能である。具体的には、例えば、送信電力情報で示される所望の送信電力を用いたと仮定した場合に、推定される与干渉量がプライマリシステムまたはその保護領域(Protection Zone)における許容可能干渉電力を下回る場合には、当該周波数チャネルが利用可能であると判断され、基地局装置20(又はプロキシ装置50)へ通知される。
(2)手法2
上記他システム関連情報に基づいて、上記帯域使用条件が算出される例を説明したが、本開示は係る例に限定されない。例えば、REM(Radio Environment Map)のエリアと同様に、基地局装置20が共用帯域を使用可能なエリア/空間が予め定められている場合には、上記位置関連情報及び上記高さ関連情報のみに基づいて、利用可能周波数情報が導出されてもよい。また、例えば、位置及び高さと利用可能周波数情報とを関連付けるルックアップテーブルが用意されている場合にも、上記位置関連情報及び上記高さ関連情報のみに基づいて、上記利用可能周波数情報が導出されてもよい。
利用可能周波数の評価は、必ずしも問い合わせリクエスト受信後に実施する必要はない。例えば、前述の登録手続きの正常完了後に、問い合わせリクエストなしに、通信制御装置40が主体的に実施してもよい。そのような場合、通信制御装置40は、手法2で例示したREMやルックアップテーブルまたはそれらと相似の情報テーブルを作成してもよい。
いずれの手法においても、PALやGAAのような電波利用優先度についても評価を行ってもよい。例えば、登録済デバイスパラメータまたは問い合わせ要件に電波利用優先度に関する情報が含まれる場合、当該優先度に基づいて周波数利用が可能かどうかを判定し、通知してもよい。また、例えば、非特許文献2で開示されているように、事前にユーザから高優先度利用(例えば、PAL)を行う基地局装置20に関する情報(非特許文献2では、Cluster Listと呼ばれる。)が通信制御装置40に登録されている場合、その情報に基づいて評価を行ってもよい。
利用可能周波数の評価完了後、通信制御装置40は評価結果を基地局装置20(又はプロキシ装置50)へ通知する(ステップS24)。基地局装置20は、通信制御装置40から受け取った評価結果を用いて、所望通信パラメータの選定を行ってもよい。
<5-3.周波数利用許可手続き(Spectrum Grant Procedure)>
周波数利用許可手続きとは、基地局装置20が通信制御装置40から周波数の二次利用許可を受けるための手続きである。典型的には、登録手続きの正常完了後、基地局装置20または複数の基地局装置20を含む1以上の通信システムが、当該基地局装置20を特定可能な情報を含む周波数利用許可リクエストを通信制御装置40へ通知することで手続きが開始される。この通知は、プロキシ装置50が行ってもよい。なお、「登録手続きの正常完了後」というのは、必ずしも、利用可能周波数情報問い合わせ手続きを実施する必要がないことも意味する。
本発明においては、少なくとも以下の2種類の周波数利用許可リクエストの方式が用いられうることを想定する。
指定方式
フレキシブル方式
指定方式とは、基地局装置20が所望通信パラメータとして、少なくとも利用したい周波数帯域、最大送信電力を指定して、所望通信パラメータに基づく運用の許可を通信制御装置40に求めるリクエスト方式である。必ずしもこれらのパラメータに限定される必要はなく、無線インタフェース技術特有のパラメータ(変調方式やデュプレクスモードなど)が指定されてもよい。また、PAL、GAAのような電波利用優先度を示す情報が含まれてもよい。
フレキシブル方式とは、基地局装置20が、通信パラメータに関する要件のみを指定し、当該要件を満たしつつ二次利用許可が可能な通信パラメータの指定を通信制御装置40に求めるリクエスト方式である。通信パラメータに関する要件は、帯域幅または所望最大送信電力または所望最小送信電力が含まれうる。必ずしもこれらのパラメータに限定される必要はなく、無線インタフェース技術特有のパラメータ(変調方式やデュプレクスモードなど)が指定されてもよい。具体的には、例えば、TDD Frame Configurationのうち、1以上を事前に選択して通知してもよい。
いずれの方式であっても、メジャメントレポートが含まれてもよい。メジャメントレポートは、基地局装置20および/または端末装置30が実施するメジャメントの結果が含まれる。例えば、生データのみならず、加工された情報も含まれうる。例えば、RSRP(Reference Signal Received Power)、RSSI(Reference Signal Strength Indicator)、RSRQ(Reference Signal Received Quality)に代表される標準化されたメトリックが用いられうる。
[周波数利用許可処理の詳細]
図18は、周波数利用許可手続きを説明するためのシーケンス図である。基地局装置20または複数の基地局装置20を含む1以上の通信システムが、当該基地局装置20を特定可能な情報を含む周波数利用許可リクエストを生成し(ステップS31)、通信制御装置40へ通知する(ステップS32)。リクエストの生成及び/又は通知は、プロキシ装置50が行ってもよい。周波数利用許可リクエストは、例えば、通信制御装置40の取得部441が取得する。
通信制御装置40は周波数利用許可リクエストの取得後、周波数利用許可リクエスト方式に基づいて、周波数利用許可処理を行う(ステップS33)。例えば、通信制御装置40は、<5-2.利用可能周波数情報問い合わせ手続き>の例1~例3で説明した手法を利用して、プライマリシステムやその二次利用禁止エリア、近傍の基地局装置20の存在を考慮して周波数利用許可処理を行うことが可能である。
フレキシブル方式が用いられる場合、通信制御装置40は、<5-2.利用可能周波数情報問い合わせ手続き>の例4で説明した手法を利用して、最大許容送信電力情報を導出してもよい。典型的には、通信制御装置40は、プライマリシステムまたはその保護領域(Protection Zone)における許容可能干渉電力情報、プライマリシステムが被る干渉電力レベルの算定基準位置(Reference Point)情報、基地局装置20の登録情報、伝搬損失推定モデルを用いて最大許容送信電力を算出する。例えば、通信制御装置40は、以下の式(2)によって最大許容送信電力を算出する。
PMaxTx(dBm)=ITh(dBm)+PL(d)(dB) …(2)
ここで、PMaxTx(dBm)は最大許容送信電力、ITh(dBm)は許容可能干渉電力、dは基準位置(Reference Point)と基地局装置20との間の距離、PL(d)(dB)は距離dにおける伝搬損失である。本数式においては送受信機におけるアンテナゲインを明示的に示していないが、最大許容送信電力の表現方法(EIRP、Conducted power等)や受信電力の参照点(アンテナ入力点、アンテナ出力点、等)に応じて数式を変形して用いてもよい。また、フェージングによる変動を補償するためのセーフティマージン等も含まれてよい。また、フィーダロス等、必要に応じて考慮されてよい。
また、上記数式は、単体の基地局装置20が干渉源である仮定に基づいて記述されている。例えば、同時に複数の基地局装置20からの累積的な干渉(Aggregated Interference)を考慮しなければならない場合には、補正値を加味してもよい。具体的には、例えば、非特許文献3で開示されている3種類(Fixed/Predetermined、Flexible、Flexible Minimized)の方式に基づいて補正値が決定されうる。
伝搬損失推定モデルは、さまざまなモデルが用いられうる。用途ごとにモデルが指定される場合、指定されるモデルを用いることが望ましい。例えば、非特許文献6においては、その用途ごとに、eHATA(Extended Hata)やITM(Irregular Terrain Model)といった伝搬損失モデルが採用されている。当然ながら、本発明の実施の際には、伝搬損失モデルはこれらに限定する必要はない。
所定の用途において、モデルが指定されていない場合、必要に応じて使い分けてもよい。具体的な一例として、例えば、他の基地局装置20への与干渉電力を推定する際には自由空間損失モデルのようにアグレッシブなモデルを用いて、基地局装置20のカバレッジを推定する際にはコンサバティブなモデルを用いるといった使い分けが可能である。
また、指定方式が用いられる場合、<5-2.利用可能周波数情報問い合わせ手続き>の手法1で説明した手法を用いて周波数利用許可処理を行うことが可能である。具体的には、例えば、送信電力情報で示される所望の送信電力を用いたと仮定した場合に、推定される与干渉量がプライマリシステムまたはその保護領域(Protection Zone)における許容可能干渉電力を下回る場合には、当該周波数チャネルの利用が許可可能であると判断され、基地局装置20(又はプロキシ装置50)へ通知される。
いずれの手法においても、PALやGAAのような電波利用優先度についても評価を行ってもよい。例えば、登録済デバイスパラメータまたは問い合わせ要件に電波利用優先度に関する情報が含まれる場合、当該優先度に基づいて周波数利用が可能かどうかを判定し、通知してもよい。また、例えば、非特許文献2で開示されているように、事前にユーザから高優先度利用(例えば、PAL)を行う基地局装置20に関する情報(非特許文献2では、Cluser Listと呼ばれる。)が通信制御装置40に登録されている場合、その情報に基づいて評価を行ってもよい。
周波数利用許可処理は、必ずしもリクエスト受信時に実施する必要はない。例えば、前述の登録手続きの正常完了後に、周波数利用許可リクエストなしに、通信制御装置40が主体的に実施してもよい。また、例えば、一定周期毎に周波数利用許可判定処理を実施してもよい。そのような場合、<5-2.利用可能周波数情報問い合わせ手続き>の手法2で例示したREMやルックアップテーブルそれらと相似の情報テーブルを作成してもよい。
周波数利用許可処理の完了後、通信制御装置40は判定結果を基地局装置20へ通知する(ステップS34)。
<5-4.周波数利用通知(Spectrum Use Notification/Heartbeat)>
周波数利用通知とは、基地局装置20またはプロキシ装置50が、通信制御装置40に対して、上記周波数利用許可手続きで利用が認められた通信パラメータに基づく周波数利用の通知を行う手続きのことである。典型的には、基地局装置20またはプロキシ装置50が、当該基地局装置20を特定可能な情報を含む通知メッセージを通信制御装置40へ通知することで手続きが開始される。
この手続きに関しては、周波数の利用が通信制御装置40から拒絶されるまでは周期的に実施されることが望ましい。この手続きが正常完了すれば、基地局装置20は、電波送信を開始または継続してもよい。例えば、グラント(Grant)の状態がGrantedだったのであれば、この手続きの成功によりグラントの状態はAuthorizedに移行する。また、グラントの状態がAuthorizedだったのであれば、この手続きの失敗によりグラントの状態はGranted或いはIdoleに移行する。
ここで、グラントとは、通信制御装置40(例えば、SAS)が基地局装置20(例えば、CBSD)に与える電波送信の認可のことである。グラントは、電波資源(周波数リソース)の利用許可と言い換えることも可能である。このグラントについては、例えば、非特許文献2に記載されている。非特許文献2では、米国の3550-3700MHzの周波数共用のためのデータベース(SAS)-基地局(CBSD)間のシグナリングプロトコルが規格化されている。この規格では、SASがCBSDに与える電波送信の認可のことを“グラント(Grant)”と呼んでいる。グラントで認められる動作パラメータは、最大許容EIRP(Equivalent Isotropic Radiated Power)と周波数チャネルの2つで定義される。すなわち、複数の周波数チャネルを用いて電波送信を行うためには、CBSDはSASから複数のグラントを獲得する必要がある。
グラントには、電波送信の許可状態を示すステート(State)が定義されている。図19は、電波送信の許可状態を示す状態遷移図である。図19において、Granted状態は、グラントを保有するものの電波送信をしてはいけない状態、Authorized状態はグラントで定義される動作パラメータ値に基づいて電波送信が許可されている状態を示す。この2つの状態は、同規格で規定されるハートビート手続き(Heartbeat Procedure)の結果によって遷移する。
以下の説明では、周波数利用通知のことをハートビートリクエスト(Heartbeat Request)、或いは単にハートビート(Heartbeat)ということがある。また、ハートビートリクエストの送信間隔のことをハートビートインターバル(Heartbeat Interval)ということがある。なお、以下の説明で登場するハートビートリクエスト(Heartbeat Request)或いはハートビート(Heartbeat)の記載は、「電波送信を開始または継続するためのリクエスト」を示す他の記載に適宜置き換え可能である。同様に、ハートビートインターバルも周波数利用通知の送信間隔を示す他の記載(例えば、送信インターバル)に置き換え可能である。
図20は、周波数利用通知手続きを説明するためのシーケンス図である。基地局装置20または複数の基地局装置20を含む1以上の通信システムが、当該基地局装置20を特定可能な情報を含む通知メッセージを生成し(ステップS41)、通信制御装置40へ通知する(ステップS42)。メッセージの生成及び/又は通知は、プロキシ装置50が行ってもよい。
周波数利用通知受信後、通信制御装置40は、電波送信の開始/継続が許容されるか判定してもよい(ステップS43)。判定方法として、例えば、プライマリシステムの周波数利用情報の確認が挙げられる。具体的には、プライマリシステムの利用周波数の変更、電波利用が定常的でないプライマリシステム(例えば、艦載レーダ)の周波数利用状況の変更、などに基づいて、電波送信の開始/継続許可または拒否を決定することが可能である。
判定処理が完了したら、通信制御装置40は、判定結果を基地局装置20(又はプロキシ装置50)へ通知する(ステップS44)。
本手続きにおいて、通信制御装置40から基地局装置20(又はプロキシ装置50)に対して通信パラメータの再構成(Reconfiguration)命令が行われてもよい。典型的には、周波数利用通知のレスポンスにおいて実施されうる。例えば、推奨される通信パラメータ情報が提供されうる。
<5-5.諸手続きの補足>
ここで、諸手続きは以降で説明する通りに、個別に実装される必要は必ずしもない。例えば、2つの異なる手続きの役割を備えた第3の手続きを代用することによって上記2つの異なる手続きを実現してもよい。具体的には、例えば、登録リクエストと利用可能周波数情報問い合わせリクエストが一体的に通知されてもよい。また、例えば、周波数利用許可手続きと周波数利用通知が一体的に実施されてもよい。当然のことながら、これらの組み合わせに限定されず、3つ以上であってもよい。また、上記手続きが分離されて実施されてもよい。
また、本実施形態が既存システムとの周波数共用を目的として適用される場合、諸手続き又は同等の手続きは、本実施形態の技術が実施される国・地域における当該周波数帯域に係る電波法に基づいて適切なものが選定、利用されることが望ましい。例えば、特定の国・地域において特定の周波数帯の利用にあたって通信装置の登録が義務付けられる場合には、上記登録手続きが実施されることが望ましい。
また、本実施形態における「情報を取得する」という表現またはそれに準ずる表現は、必ずしも、上記手続き通りに取得することを意味しているわけではない。例えば、利用可能周波数評価処理において基地局装置20の位置情報を用いることが記載されているが、必ずしも登録手続きで取得される情報を用いる必要はなく、利用可能周波数問い合わせ手続きリクエストに位置情報が含まれる場合、その位置情報を用いてもよい、ということを意味する。換言すれば、本実施形態に記載の範囲内、技術的な実現性の範囲内で、記載されているパラメータを他の手続きに含めてよいということを意味する。
また、上記手続きで示した通信制御装置40から基地局装置20(又はプロキシ装置50)へのレスポンスに含まれうる情報は、プッシュ通知されてもよい。具体的な一例として、利用可能周波数情報や推奨通信パラメータ情報、電波送信継続拒否通知などはプッシュ通知されてもよい。
<5-6.端末装置に関する諸手続き>
端末装置30についても、基本的には、<5-1>から<5-4>で説明した各手続きを用いることが可能である。ただし、基地局装置20と異なり、端末装置30はモビリティを有する。すなわち、動的に位置情報が更新される。法制によっては、一定以上位置情報が変わる場合、通信制御装置40への再登録が義務付けられる場合もある。そこで、英国情報通信庁(Ofcom:Office of Communication)が定める運用形態(非特許文献4参照)においては、以下に示す2種類の通信パラメータが規定されている。
個別パラメータ(Specific Operational Parameters)
一般パラメータ(Generic Operational Parameters)
個別パラメータ(Specific Operational Parameters)とは、当該非特許文献において、「特定のスレーブWSD(White Space Device)に特有の動作パラメータ」として定義されている。換言すれば、端末装置30に相当するスレーブWSDのデバイスパラメータを用いて計算される通信パラメータのことである。特徴として、スレーブWSDの位置情報を用いてWSDB(White Space Database)によって計算されるということが挙げられる。
このような特徴から、個別パラメータは、低モビリティまたは固定設置される端末装置30に適していると想定される。
一般パラメータ(Generic Operational Parameters)とは、当該非特許文献において、「所定のマスタWSD(基地局装置20に相当)のカバレッジエリア内に位置するどのスレーブWSDも使用可能な動作パラメータ」として定義されている。特徴としては、スレーブWSDの位置情報を用いずにWSDBによって計算されるということが挙げられる。
このような特徴から、一般パラメータは、高モビリティの端末装置30に適していると想定される。
これら、端末装置30向けの情報は、基地局装置20からユニキャスト/ブロードキャストによって提供されうる。例えば、FCC規則Part 15 Subpart Hで規定されるCVS(Contact Verification Signal)に代表されるブロードキャスト信号が用いられうる。または、無線インタフェース特有のブロードキャスト信号によって提供されてもよい。具体的には、例えば、LTEや5GNRで用いられるPBCH(Physical Broadcast Channel)、NR-PBCHなどによって提供されてよい。
<5-7.通信制御装置間で発生する手続き>
[情報交換]
通信制御装置40は、他の通信制御装置40と管理情報の交換を行うことができる。図21は、管理情報の交換手続きを説明するためのシーケンス図である。図21の例では、通信制御装置401と通信制御装置402が情報を交換している。勿論、情報交換を行う通信制御装置は、通信制御装置401と通信制御装置402の2つに限られない。
管理情報の交換手続きでは、少なくとも、以下の情報が交換されることが望ましい。
通信装置登録情報
通信装置通信パラメータ情報
エリア情報
通信装置登録情報とは、典型的には、上記登録手続きにおいて通信制御装置40に登録される基地局装置20のデバイスパラメータのことである。必ずしも、登録されている全ての情報が交換される必要はない。例えば、個人情報に該当する恐れのある情報は交換される必要はない。また、通信装置登録情報を交換する際に、暗号化・曖昧化された情報が交換されてもよい。例えば、バイナリ値に変換された情報や、電子署名の仕組みを用いて署名された情報が交換されてもよい。
通信装置通信パラメータ情報とは、典型的には、基地局装置20が現在使用している通信パラメータに係る情報のことである。少なくとも、利用周波数、送信電力を示す情報が含まれることが望ましい。その他の通信パラメータが含まれてもよい。
エリア情報とは、典型的には、所定の地理領域を示す情報のことである。この情報には、様々な属性の領域情報が、様々な態様で含まれうる。
例えば、非特許文献5で開示されているPPA(PAL Protection Area)のように高優先度セカンダリシステムとなる基地局装置20の保護領域情報が含まれてもよい。この場合のエリア情報は、例えば、3以上の地理位置座標の集合で表現されうる。また、例えば、複数の通信制御装置40が共通の外部データベースを参照可能な場合、当該情報を示すIDで表現されうる。
また、例えば、基地局装置20のカバレッジを示す情報が含まれてもよい。この場合のエリア情報も、例えば、3以上の地理位置座標の集合で表現されうる。また、例えば、基地局装置20の地理位置を原点とする円を想定し、半径サイズを示す情報でも表現されうる。また、例えば、複数の通信制御装置40が共通の外部データベースを参照可能な場合、当該情報を示すIDで表現されうる。
また、別の態様として、行政などによりあらかじめ定められたエリア区画に係る情報も含まれうる。具体的には、例えば、住所を示すことで一定の領域を示すことが可能である。また、例えば、ライセンスエリアなども同様に表現し得る。
また、さらなる別の態様として、エリア情報は必ずしも平面的なエリアを表現する必要はなく、3次元の空間を表現してもよい。例えば、空間座標系を用いて表現されてもよい。また、例えば、建物の階数、フロアや部屋番号など、所定の閉空間を示す情報が用いられてもよい。
これらの情報は、さまざまな方式により交換されうる。以下にその一例を示す。
ID指定方式
期間指定方式
領域指定方式
ダンプ方式
ID指定方式とは、通信制御装置40が管理する情報を特定するためにあらかじめ付与されているIDを用いて、上記IDに該当する情報を取得する方式である。例えば、ID:AAAという基地局装置20を通信制御装置401が管理していると仮定する。このときに通信制御装置402が、通信制御装置401に対してID:AAAを指定して情報取得リクエストを行う。リクエスト受信後、通信制御装置401はID:AAAの情報検索を行い、該当する基地局装置20の登録情報、通信パラメータ情報をレスポンスで通知する。
期間指定方式とは、特定の期間を指定し、当該期間に所定の条件を満たす情報が交換されうる。
所定の条件とは、例えば、情報の更新の有無が挙げられる。例えば、特定期間における通信装置情報の取得をリクエストで指定された場合、当該期間に新規に登録された基地局装置20の登録情報や通信パラメータに変更があった基地局装置20の登録情報と通信パラメータの情報がレスポンスで通知されうる。
所定の条件とは、例えば、通信制御装置40が記録しているかどうかが挙げられる。例えば、特定期間における通信装置情報の取得をリクエストで指定された場合、当該期間に通信制御装置40が記録していた基地局装置20の登録情報、通信パラメータの情報がレスポンスで通知されうる。さらには、当該期間における最新情報が通知されうる。または、情報ごとに更新履歴が通知されてもよい。
領域指定方式とは、特定の領域を指定し、当該領域に属する情報が交換される。例えば、特定領域における通信装置情報の取得をリクエストで指定された場合、当該領域に設置されている基地局装置20の登録情報、通信パラメータの情報がレスポンスで通知されうる。
ダンプ方式とは、通信制御装置40が記録している全ての情報を提供する方式である。少なくとも、基地局装置20に係る情報やエリア情報はダンプ方式で提供されることが望ましい。
ここまでの通信制御装置40間情報交換についての説明は、全てプル方式に基づくものである。すなわち、リクエストで指定されたパラメータに該当する情報がレスポンスされる形態であり、一例として、HTTP GETメソッドで実現されうる。しかしながら、プル方式に限定される必要はなく、プッシュ方式で能動的に他の通信制御装置40に情報を提供してもよい。プッシュ方式は、一例として、HTTP POSTメソッドで実現されうる。
[命令・依頼手続き]
通信制御装置40は、互いに命令及び/又は依頼を実施してもよい。具体的には、一例として、基地局装置20の通信パラメータの再構成(Reconfiguration)が挙げられる。例えば、通信制御装置401が管理する基地局装置201が、通信制御装置402の管理する基地局装置204から多大な干渉を受けていると判断される場合に、通信制御装置401が通信制御装置402に対して、基地局装置204の通信パラメータ変更依頼をしてもよい。
別の一例として、エリア情報の再構成(Reconfiguration)が挙げられる。例えば、通信制御装置402の管理する基地局装置204に関するカバレッジ情報や保護領域情報の計算に不備が見られる場合、通信制御装置401が通信制御装置402に対して、当該エリア情報の再構成を依頼してもよい。これ以外にも、さまざまな理由からエリア情報の再構成依頼が行われてもよい。
<<6.グラントに係る動作>>
次に、グラントに係る動作を説明する。
<6-1.代表的動作フロー>
最初に、グラントに係る代表的な動作フローを説明する。図22は、グラントに係る動作の一例を示すシーケンス図である。具体的には、図22は、<5-3.周波数利用許可手続き>および<5-4.周波数利用通知>の手続きに相当する通信システム2の動作を示すシーケンス図である。なお、図22に示す動作フローはあくまで一例であり、基地局装置20、通信制御装置40、及びプロキシ装置50が置かれた状態等により様々に変化する。
まず、通信制御装置401の計算部443は、周期的処理の実行タイミングとなったら、周期的処理を実行する(ステップS61)。周期的処理は、通信制御装置40間の情報同期、及び、プライマリシステム保護に関わる計算を実行する処理である。周期的処理は、例えば、非特許文献10と非特許文献11に示されるCPAS(Coordinated Periodic Activities among SASs)である。以下の説明では、周期的処理のことを周期的保護計算ということもある。周期的処理の実行タイミングは、例えば、前回の周期的処理実行から24時間後である。勿論、周期的処理の実行間隔は24時間に限定されない。
図23は、周期的処理の具体的処理内容を示す図である。図23の例では、通信制御装置401と通信制御装置402とが情報同期及びプライマリシステム保護計算を行っている。勿論、周期的処理(情報同期等)を行う通信制御装置40は2つより多くてもよい。
図23に示すように、複数の通信制御装置40は、それぞれ、周期的処理を実行する(ステップS61)。まず、複数の通信制御装置40は、それぞれ、他の通信制御装置40と情報の同期をとる(ステップS61a)。そして、複数の通信制御装置40は、それぞれ、プライマリシステム保護計算を行う(ステップS61b、ステップS61c)。このとき、通信制御装置40は、個々の通信ノード(例えば、基地局装置20)がプライマリシステムに対して個別に与えうる干渉量の推定値や剰余干渉マージン等を計算してもよい。
図22に戻り、基地局装置20或いはプロキシ装置50は、通信制御装置401に対してグラントリクエスト(Grant Request)を送信する(ステップS62)。このグラントリクエストの送信は、基地局装置20の送信部243或いはプロキシ装置50の第1の送信部542が行ってもよい。本実施形態では、基地局装置20或いはプロキシ装置50は、グラントリクエストに、当該グラントリクエストの結果割り当てられる周波数リソース(電波資源)の利用態様に関する情報を付与する。例えば、基地局装置20或いはプロキシ装置50は、グラントリクエストに「グラントの用途、詳細」を示す情報を付加する。「グラントの用途、詳細」については、後の<6-2.グラントの利用態様情報の付加>の箇所で詳述する。なお以下の説明では、「周波数リソースの利用態様に関する情報」のことを「グラントの利用態様に関する情報」或いは、単に「利用態様情報」ということがある。
通信制御装置401の取得部441は、利用態様情報が付加されたグラントリクエストを取得する。通信制御装置401の処理部442は、利用態様情報に基づいて周波数リソースに関する処理(すなわち、グラントに関する処理)を行う(ステップS63)。例えば、処理部442は、利用態様情報に基づいて基地局装置20に利用可能周波数を割り当てるための利用許可判定処理を行う。この処理については、後の<6-3.利用態様情報を使ったグラント付与判定>の箇所で詳述する。
周波数を割り当てたら、通信制御装置401の通知部444は、基地局装置20或いはプロキシ装置50に対し、グラントレスポンス(Grant Response)を送信する。図22の例では、通知部444は、グラントレスポンスとしてグラントリクエストの成功(図22に示すApprove)を通知している(ステップS64)。基地局装置20の取得部241又はプロキシ装置50の取得部541は、通信制御装置401からグラントレスポンスを取得する。グラントリクエストの成功により、基地局装置20のグラント状態は、図19に示すように、IdoleからGrantedに移行する。基地局装置20の設定部242は、割り当てられたグラントに基づいて各部の設定を行う。
続いて、基地局装置20或いはプロキシ装置50は、通信制御装置401に対してハートビートリクエスト(Heartbeat Request)を送信する(ステップS65)。そして、通信制御装置401の取得部441は、送信されたハートビートリクエストを取得する。そして、通信制御装置401は、ハートビートレスポンス(Heartbeat Response)を送信する。
なお、図22の例では、基地局装置20に割り当てられたグラントは未だ周期的処理(例えば、CPAS)を通過していない。そのため、図22の例では、通信制御装置401は電波送信の開始を承認できない。そこで、通信制御装置401は、ハートビートレスポンスとして、電波送信の停止指示(Suspension instruction)を送信する(ステップS65)。
以降、基地局装置20或いはプロキシ装置50は、通信制御装置401から通知されたハートビートインターバルでハートビートリクエストを送信し続ける。このハートビートリクエストに対して、通信制御装置401は、次回の周期的処理が完了するまで、ハートビートレスポンスとして電波送信の停止指示を送信し続ける。
周期的処理の実行タイミングとなったら、通信制御装置401を含む複数の通信制御装置40は、それぞれ、周期的処理を実行する(ステップS67)。例えば、複数の通信制御装置40は、図23に示すように、それぞれ、他の通信制御装置40と情報の同期をとる(ステップS67a)。そして、複数の通信制御装置40は、それぞれ、プライマリシステム保護計算を行う(ステップS67b、ステップS67c)。
続いて、基地局装置20或いはプロキシ装置50は、通信制御装置401に対してハートビートリクエストを送信する(ステップS68)。そして、通信制御装置401の取得部441は、送信されたハートビートリクエストを取得する。そして、通信制御装置401の通知部444は、ハートビートレスポンスを送信する。このとき、基地局装置20に割り当てられたグラントは周期的処理を通過しているで、通信制御装置401はハートビートリクエストを送信した基地局装置20に対して電波送信の開始を承認できる。そこで、通信制御装置401は、ハートビートレスポンスとして、ハートビートレスポンスの成功(図22に示すAuthorize)を送信する(ステップS68)。ハートビートリクエストの成功により、基地局装置20のグラント状態は、図19に示すように、GrantedからAuthorizedに移行する。基地局装置20の無線通信制御部244は、割り当てられたグラントに基づいて無線通信部21を制御することで、無線通信を行う。
上述したように、グラントの状態(電波送信の許可状態を示すステート)は、ハートビート手続きの結果によって遷移する。ハートビート手続きには、さまざまな目的が定義されているが、その一つに、同帯域の既存システム(例えば、艦載レーダ)の電波利用時の基地局装置20の電波停止指示がある。通信制御装置40は、例えば、通信システム1等の既存システムが電波利用を行っていると判断される場合に、所定時間以内(例えば、300秒以内)に干渉を与えうる全ての基地局装置20の電波を停止しなければならないと義務付けられる。このとき、停止指示をプッシュ通知することが実装上複雑になると想定されることから、通信制御装置40はハートビートレスポンスを用いて電波停止指示を行ってもよい。以下の説明では、通信制御装置40が実行する基地局装置20に周波数リソースの利用を停止させるための処理のことを「周波数リソースの利用停止処理」或いは「グラントの停止処理」という。
例えば、基地局装置20或いはプロキシ装置50は、通信制御装置401に対してハートビートリクエストを送信する(ステップS70)。そして、通信制御装置401は、送信されたハートビートリクエストを取得する。そして、通信制御装置401は、通信システム1等のプライマリシステムが電波利用を行っているか否か判別する。プライマリシステムが所定の周波数リソースに係る電波利用を行っていると判断される場合には、通信制御装置401は、ハートビートレスポンスとして、電波送信の停止指示(Suspension instruction)を送信する(ステップS71)。基地局装置20は、所定の周波数リソースに係る電波の送信を停止する。これにより、基地局装置20のグラント状態は、図19に示すように、AuthorizedからIdole(或いはGranted)に移行する。又は、基地局装置20のグラント状態は、図19に示すように、GrantedからIdoleに移行する。
なお、この「周波数リソースの利用停止処理」は通信制御装置401の処理部442が行ってもよい。
<6-2.グラントの利用態様情報の付加>
上述したように、本実施形態では、周波数利用許可手続きの実行にあたり、グラントリクエストに利用態様情報が付加される。例えば、基地局装置20或いはプロキシ装置50は、グラントリクエストに利用態様情報を付加するとともに、利用態様情報が付加されたグラントリクエストを通信制御装置40に送信する。そして、通信制御装置40は、当該グラントリクエストに付加されている利用態様情報に基づいて、当該グラントリクエストに係るグラントに関する処理(例えば、周波数リソースの利用許可処理)を行う。
利用態様情報は、「PAL/GAA」といった層(Tier)を示すものではなく、キャリアアグリゲーション、LAA、チャネルボンディングといった「グラントの用途、詳細(Detail)」を示す情報である。「グラントの用途、詳細」は、例えば、「グラントの用途を示す情報」(以下、用途情報という。)及び/又は「グラントの利用に関する詳細な情報」(以下、詳細情報という。)である。
[用途情報]
用途情報としては、例えば、以下の(A)が想定される。
(A)帯域拡張技術の識別情報
(帯域拡張技術の識別情報)
本実施形態では、1又は複数の基地局装置20が、複数のグラント(すなわち、通信制御装置40によってグラントされる複数の周波数リソース)を所定の帯域拡張技術で紐付けて利用することが可能である。グラントを紐付けるための帯域拡張技術を知ることができれば、通信制御装置40は、例えば、連続した周波数領域を必要とする帯域拡張技術(例えば、チャネルボンディング)には連続した複数のグラントを割り当てる等、帯域拡張技術の特徴を考慮したグラント処理を行うことができる。
そこで、基地局装置20或いはプロキシ装置50は、複数のグラント(複数の周波数リソース)を紐付けるための帯域拡張技術を、(A)の帯域拡張技術の識別情報(第1の識別情報)を使って、通信制御装置40に対し通知する。
「帯域拡張技術の識別情報」に設定可能な帯域拡張技術としては、例えば、以下の(A1)~(A4)が想定される。
単一の第2無線システムで完結する帯域拡張技術
(A1)キャリアアグリゲーション
(A2)LAA(Licensed Assisted Access)
(A3)チャネルボンディング
複数の第2無線システムの協調で実現される帯域拡張技術
(A4)デュアルコネクティビティ(Dual Connectivity)
「帯域拡張技術の識別情報」に(A1)のキャリアアグリゲーションが設定された場合、当該識別情報は、1の基地局装置20が、グラントされる複数の周波数リソースをキャリアアグリゲーションにより紐付けて利用することを示す。
「帯域拡張技術の識別情報」に(A2)LAAが設定された場合、当該識別情報は、1の基地局装置20が、グラントされる複数の周波数リソースをLAAにより紐付けて利用することを示す。
「帯域拡張技術の識別情報」に(A3)のチャネルボンディングが設定された場合、当該識別情報は、1の基地局装置20が、グラントされる連続する複数の周波数リソースをチャネルボンディングにより紐付けて(一体として)利用することを示す。
「帯域拡張技術の識別情報」に(A4)のデュアルコネクティビティが設定された場合、当該識別情報は、1の基地局装置20が、他の1又は複数の基地局装置20とともに、グラントされる複数の周波数リソースをデュアルコネクティビティにより紐付けて利用することを示す。
勿論、帯域拡張技術の識別情報で識別可能な帯域拡張技術は上記に限定されない。これら複数のグラントを紐付けて利用する技術は総称してグラントアグリケーション(Grant Aggregation)或いはグラントボンディング(Grant Bonding)などと呼ぶことができる。
なお、「帯域拡張技術の識別情報」に複数のグラントを紐付けて利用する帯域拡張技術を設定する場合、基地局装置20或いはプロキシ装置50は、後述の「グルーピング情報」を使って、要求するグラント(周波数リソース)が他のどのグラント(周波数リソース)と紐付けられるのかを通信制御装置40に通知してもよい。さらに、「帯域拡張技術の識別情報」に複数のグラントを紐付けて利用する帯域拡張技術を設定する場合、基地局装置20或いはプロキシ装置50は、後述の「グルーピング情報」を使って、要求するグラント(周波数リソース)がどのようなコンポーネントキャリアとして使用されるのかを通知してもよい。
なお、LAAはライセンスバンドのコンポーネントキャリアと、アンラインセンスドバンドのコンポーネントキャリアとを紐付けるものであり、広い意味でキャリアアグリケーションとみなすことができる。しかしながら、以下の説明では、(A1)のキャリアアグリゲーションと(A2)のLAAは異なる帯域拡張技術とする。すなわち、以下で説明するキャリアアグリゲーションは、ライセンスバンド内、或いはアンラインセンスドバンド内の複数のコンポーネントキャリアを紐付けるキャリアアグリゲーション(狭義のキャリアアグリケーション)であるものとする。勿論、(A1)のキャリアアグリゲーションを、LAA等を含む広義のキャリアアグリケーションとみなすことも可能である。
[詳細情報]
詳細情報としては、例えば、以下の(B)~(D)が想定される。
(B)コンポーネントキャリアタイプ情報
(C)サービスタイプ情報
(D)グルーピング情報
(コンポーネントキャリアタイプ情報)
一部の帯域拡張技術では、紐付けられる複数のコンポーネントキャリアに役割の差がある。コンポーネントキャリアの役割の差を知ることができれば、通信制御装置40は、例えば、グラントを停止する必要がある場合に優先度の低いコンポーネントキャリアからグラントを停止する等、役割の差を考慮したグラント処理を行うことができる。
そこで、基地局装置20或いはプロキシ装置50は、(B)のコンポーネントキャリアタイプ情報(第2の識別情報)を使って、グラント(周波数リソース)がどのようなタイプのコンポーネントキャリアとして利用されるのかを通信制御装置40に対し通知する。
なお、本実施形態において、「コンポーネントキャリア」は、LTEのコンポーネントキャリアであってもよいし、NRのコンポーネントキャリアであってもよい。勿論、無線LAN等の他の無線アクセス技術のコンポーネントキャリアであってもよい。
「コンポーネントキャリアタイプ情報」に設定可能なコンポーネントキャリアタイプとしては、例えば、以下の(B1)~(B3)が想定される。
(B1)プライマリコンポーネントキャリア
(B2)セカンダリコンポーネントキャリア
(B3)スタンドアローン(Standalone)
ここで、(B1)と(B2)は、紐付けられる複数の周波数リソース(コンポーネントキャリア)に役割の差がある帯域拡張技術の場合に有効である。例えば、(B1)と(B2)は、紐付けられる複数の周波数リソース(コンポーネントキャリア)に優先度の差(優劣)がある場合に有効である。具体的には、(B1)と(B2)は、帯域拡張技術としてキャリアアグリゲーション又はLAAが設定される場合に有効である。
「コンポーネントキャリアタイプ情報」に(B1)のプライマリコンポーネントキャリアが設定された場合、当該コンポーネントキャリアタイプ情報は、基地局装置20が、グラントリクエストに係るグラント(周波数リソース)をプライマリコンポーネントキャリアとして利用することを示す。
ここで、プライマリコンポーネントキャリアは、例えば、複数のコンポーネントキャリアのうちの優先度が最も高いコンポーネントキャリアである。例えば、プライマリコンポーネントキャリアは、キャリアアグリゲーション又はLAAでいう、アンカーキャリアである。アンカーキャリアは、LTEでいうアンカーキャリアに限定されず、例えば、NRのアンカーキャリアであってもよい。プライマリコンポーネントキャリアは、プライマリキャリア、マスタキャリア等と言い換えることができる。
「コンポーネントキャリアタイプ情報」に(B2)のセカンダリコンポーネントキャリアが設定された場合、当該コンポーネントキャリアタイプ情報は、基地局装置20が、グラントリクエストに係るグラント(周波数リソース)をセカンダリコンポーネントキャリアとして利用することを示す。
ここで、セカンダリコンポーネントキャリアは、例えば、複数のコンポーネントキャリアのうちのプライマリコンポーネントキャリア以外のコンポーネントキャリアである。セカンダリコンポーネントキャリアは、セカンダリキャリア、スレーブキャリア等と言い換えることができる。
「コンポーネントキャリアタイプ情報」に(B3)のスタンドアローンが設定された場合、当該コンポーネントキャリアタイプ情報は、基地局装置20が、グラントリクエストに係るグラント(周波数リソース)を他のグラント(周波数リソース)に紐付けずに単独で利用することを示す。
なお、「コンポーネントキャリアタイプ情報」に設定可能なコンポーネントキャリアタイプには、(B1)~(B3)以外のコンポーネントキャリアタイプが含まれていてもよい。
例えば、「コンポーネントキャリアタイプ情報」に設定可能なコンポーネントキャリアタイプには、当該コンポーネントキャリアタイプに係るグラント(周波数リソース)が、他のグラントに優劣なく紐付けられることを示すコンポーネントキャリアタイプが含まれていてもよい。例えば、「コンポーネントキャリアタイプ情報」に設定可能なコンポーネントキャリアタイプには、当該コンポーネントキャリアタイプに係るグラントが他のグラントとチャネルボンディングされることを示す“ボンディングキャリアタイプ”が含まれていてもよい。
「コンポーネントキャリアタイプ情報」に設定可能なコンポーネントキャリアタイプには、当該コンポーネントキャリアタイプに係るグラントが他の基地局装置20のグラントとデュアルコネクティビティにより紐付けられることを示す“デュアルコネクティビティキャリアタイプ”が含まれていてもよい。
勿論、「コンポーネントキャリアタイプ情報」に設定可能なコンポーネントキャリアタイプには、当該コンポーネントキャリアタイプに係るグラントが、優劣の有り無しに関係なく、単に、他のグラントに紐付けられることを示すコンポーネントキャリアタイプが含まれていてもよい。
(サービスタイプ情報)
周波数リソースは、高スループットの通信が求められるサービス、低遅延の通信が求められるサービス、高信頼性の通信が求められるサービス等、特質の異なる様々なサービスに使用されることが想定される。サービスの種類を知ることができれば、通信制御装置40は、例えば、高信頼性の通信が求められるサービスには一般認可アクセス層(GAA Tier)の周波数リソースではなく、停止されにくい優先アクセス層(Priority Access Tier)の周波数リソースを割り当てる等、サービスの特徴を考慮したグラント処理を行うことができる。
そこで、基地局装置20或いはプロキシ装置50は、(C)のサービスタイプ情報を使って、グラント(周波数リソース)がどのようなタイプのサービスに利用されるのかを通信制御装置40に対し通知する。
「サービスタイプ情報」に設定可能なコンポーネントキャリアタイプとしては、例えば、以下の(C1)~(C4)が想定される。
(C1)MBB(Mobile Broadband)
(C2)MTC(Machine Type Communication)
(C3)MCC(Mission Critical Communication)
(C4)FWA(Fixed Wireless Access)
なお、上記(C1)~(C4)はあくまで一例である。「サービスタイプ情報」に設定可能なサービスタイプには、(C1)~(C4)以外のサービスタイプが含まれていてもよい。例えば、「サービスタイプ情報」に設定可能なサービスタイプには、5Gで新たに規定されるeMBB(enhanced Mobile Broadband)、URLLC(Ultra-Reliable and Low Latency Communications)、及びmMTC(massive Machine Type Communication)を示すサービスタイプが含まれていてもよい。
その他、「サービスタイプ情報」に設定可能なサービスタイプには、超高速な通信が要求されるサービスタイプ、低遅延な通信が要求されるサービスタイプ、高信頼な通信が要求されるサービスタイプ、多数同時接続の通信が要求されるサービスタイプ、及びそれらの組み合わせを示すサービスタイプが含まれていてもよい。
なお、5Gでは、様々な通信特質に応じた通信サービスが提供される。そのため、5Gでは、ネットワーク・スライシングというコンセプトが導入される。つまり、5Gでは、ネットワークスライスごとにサービスの特徴が異なることが想定される。そこで、「サービスタイプ情報」に設定可能な識別情報は、ネットワークスライスの識別情報、例えば、スライスID(Slice ID)であってもよい。「サービスタイプ情報」が「ネットワークスライスの識別情報」であっても、通信制御装置40は、サービスタイプの識別が可能である。
(グルーピング情報)
上述したように、本実施形態では、1又は複数の基地局装置20が、複数のグラント(を所定の帯域拡張技術で紐付けて利用することが可能である。グラントがどのグラントと紐づくのかを知ることができれば、通信制御装置40は、例えば、複数のグラントを関連付けて管理する等、グラント間の関係を考慮したグラント処理を行うことができる。
そこで、基地局装置20或いはプロキシ装置50は、グラントがどのグラントと紐付けられるか(グルーピングされるか)を、(D)グルーピング情報を使って、通信制御装置40に対し通知する。
「グルーピング情報」に設定可能な識別情報としては、例えば、以下の(D1)~(D2)が想定される。
(D1)グラントID(Grant ID)
(D2)リクエストインデックス(Request Index)
(D1)のグラントIDは、リクエストに係るグラントに紐付けられる他のグラントの識別情報である。(D1)のグラントIDは、他のグラントにグラントIDが既に付与されている場合に使用されうる。例えば、(D1)のグラントIDは、基地局装置20が、既に付与されているグラントと組み合わせて、所定の帯域拡張技術(例えば、キャリアアグリケーション、LAA、チャネルボンディング等)を使うときに用いられうる。また、(D1)のグラントIDは、基地局装置20或いはプロキシ装置50が、セカンダリコンポーネントキャリアで用いられるグラントのリクエストを行う場合にも用いられうる。さらに、(D1)のグラントIDは、基地局装置20或いはプロキシ装置50が、チャネルボンディングのためのグラントのリクエストを行う場合にも用いられうる。
(D2)のリクエストインデックスは、リクエストに係るグラントに紐付けられる他のグラントにグラントIDが未だ付与されていない場合に、グラントIDの代わりに用いられる識別情報である。(D2)のリクエストインデックスは、他のグラントにグラントIDが未だ付与されていない場合に使用されうる。例えば、(D2)のリクエストインデックスは、基地局装置20或いはプロキシ装置50が、複数のグラントを同時にリクエストし、かつそれらのうちの2以上のグラントが組み合わせて使用される場合に用いられうる。
なお、グラントリクエストのリクエスト時点で、他のグラントにグラントID(Grant ID)が付与されていないことが少なからず存在することが想定される。しかし、非特許文献2で規定されるメッセージフォーマットによれば、1つのメッセージ内に複数のリクエストをアレイ(Array)にして格納することができる。そのアレイにおけるインデックス番号(Index Number)をグラントIDの代わりに用いることができる。
<6-3.利用態様情報を使ったグラント付与判定>
次に、利用態様情報を使ったグラント付与判定処理について説明する。このグラント付与判定処理は、<5-3.周波数利用許可手続き>で説明した周波数利用許可処理(ステップS33)、又は<6-1.代表的動作フロー>で説明した、利用許可判定処理(ステップS63)に相当する処理である。
上述したように、基地局装置20或いはプロキシ装置50から送信されるグラントリクエストには「グラントの用途、詳細」の情報が付加されている。以下、「グラントの用途、詳細」に、帯域拡張技術の識別情報として、(A1)のキャリアアグリゲーション又は(A2)のLAAが設定された場合、(A3)のチャネルボンディングが設定された場合、(A4)デュアルコネクティビティが設定された場合、の処理についてそれぞれ説明する。
(キャリアアグリゲーション又はLAA)
最初に、「グラントの用途、詳細」に、帯域拡張技術の識別情報として、(A1)のキャリアアグリゲーション、又は(A2)のLAAが設定された場合のグラント付与判定処理について説明する。
まず、通信制御装置40は、基地局装置20或いは1又は複数の基地局装置20を代理するプロキシ装置50から、「グラントの用途、詳細」が付加されたグラントリクエストを取得する。
(A)の帯域拡張技術の識別情報が(A1)のキャリアアグリゲーション又は(A2)のLAAとなっている場合、通信制御装置40は、(B)のコンポーネントキャリアタイプ情報を確認する。
コンポーネントキャリアタイプが(B3)のスタンドアローンとなっている場合、通信制御装置40はグラントリクエストを拒絶してもよい。
コンポーネントキャリアタイプが(B2)のセカンダリコンポーネントキャリアとなっている場合、通信制御装置40は、(D)のグルーピング情報を確認する。グルーピング情報に、紐付けられるグラントの識別情報が含まれない場合、通信制御装置40は、当該グラントリクエストを拒絶してもよい。その際には、通信制御装置40は、その拒絶理由がわかるメッセージまたはエラーコードを生成し、生成したエラーコードを記憶装置(例えば、記憶部42)に記憶したり、当該グラントリクエストを送信した装置に送信したりすることが望ましい。
なお、グルーピング情報に、紐付けられるグラントの識別情報が含まれるものの、その識別情報が指し示すグラントがプライマリコンポーネントキャリアとして登録されていない場合、通信制御装置40は、グラントリクエストを拒絶してもよい。または、通信制御装置40は、識別情報が指し示すグラントをプライマリコンポーネントキャリアとして情報を書き直してもよい。なお、(C)のサービスタイプ情報が例えば(C3)のMCCのように高信頼性が求められるサービスタイプで、且つ、グラントタイプ(Grant type)がGAAの場合、干渉フリーを保証できないため、通信制御装置40は、グラントリクエストを拒絶してもよい。
コンポーネントキャリアタイプが(B1)のプライマリコンポーネントキャリアとなっている場合、通信制御装置40は、グラントタイプ(Grant type)を確認する。グラントタイプ(Grant type)がGAAで、且つ、(A)の帯域拡張技術の識別情報が(A2)のLAAの場合、通信制御装置40はグラントリクエストを拒絶してもよい。
通信制御装置40は、これら以外にも技術的に可能な範囲で判定処理を実施してよい。
これら判定処理で問題なければ、通信制御装置40は、<5-3>に記載の周波数利用許可処理を実施する。これによりグラント付与判定処理は完了する。
(チャネルボンディング)
次に、「グラントの用途、詳細」に、帯域拡張技術の識別情報として、(A3)のチャネルボンディングが設定された場合のグラント付与判定処理について説明する。
まず、通信制御装置40は、基地局装置20或いは1又は複数の基地局装置20を代理するプロキシ装置50から、「グラントの用途、詳細」が付加されたグラントリクエストを取得する。
(A)の帯域拡張技術の識別情報が(A3)のチャネルボンディングとなっている場合、通信制御装置40は、(D)のグルーピング情報を確認する。グルーピング情報に、紐付けられるグラントの識別情報が含まれない場合、通信制御装置40は、当該グラントリクエストを拒絶してもよい。その際には、通信制御装置40は、その拒絶理由がわかるメッセージまたはエラーコードを生成し、生成したエラーコードを記憶装置(例えば、記憶部42)に記憶したり、当該グラントリクエストを送信した装置に送信したりすることが望ましい。
なお、グルーピング情報に、紐付けられるグラントの識別情報が含まれるものの、その識別情報が指し示すグラントの許容周波数範囲と、指定方式(Fixed type)のグラントリクエストで示される周波数範囲が連続しない場合、通信制御装置40は、当該グラントリクエストを拒絶してもよい。また、グルーピング情報に、紐付けられるグラントの識別情報が含まれるものの、その識別情報が指し示すグラントの許容周波数範囲と、フレキシブル方式(Flexible type)のグラントリクエストで示される所望周波数範囲が連続しない場合、通信制御装置40は、当該グラントリクエストを拒絶してもよい。
フレキシブル方式(Flexible type)のグラントリクエストで、且つ、所望周波数範囲が、紐付けられるグラントの許容周波数範囲を含む場合、通信制御装置40は、付与するグラントの許容周波数範囲を、紐付けられるグラントの許容周波数範囲と隣接するように設定する。
通信制御装置40は、これら以外にも技術的に可能な範囲で判定処理を実施してよい。
これら判定処理で問題なければ、通信制御装置40は、<5-3>に記載の周波数利用許可処理を実施する。これによりグラント付与判定処理は完了する。
(デュアルコネクティビティ)
次に、「グラントの用途、詳細」に、帯域拡張技術の識別情報として、(A4)のデュアルコネクティビティが設定された場合のグラント付与判定処理について説明する。
まず、通信制御装置40は、基地局装置20或いは1又は複数の基地局装置20を代理するプロキシ装置50から、「グラントの用途、詳細」が付加されたグラントリクエストを取得する。
(A)の帯域拡張技術の識別情報が(A4)のデュアルコネクティビティとなっている場合、通信制御装置40は、(D)のグルーピング情報を確認する。グルーピング情報に、紐付けられるグラントの識別情報が含まれない場合、通信制御装置40は、当該グラントリクエストを拒絶してもよい。グルーピング情報に、紐付けられるグラントの識別情報が含まれるものの、その識別情報が指し示すグラントの保有者が当該グラントリクエストに係るグラントの保有者と同一である場合、通信制御装置40は当該グラントリクエストを拒絶してもよい。その際には、通信制御装置40は、その拒絶理由がわかるメッセージまたはエラーコードを生成し、生成したエラーコードを記憶装置(例えば、記憶部42)に記憶したり、当該グラントリクエストを送信した装置に送信したりすることが望ましい。
通信制御装置40は、これら以外にも技術的に可能な範囲で判定処理を実施してよい。
これら判定処理で問題なければ、通信制御装置40は、<5-3>に記載の周波数利用許可処理を実施する。これによりグラント付与判定処理は完了する。
この場合、グルーピング情報の共有のため、複数の基地局装置20を束ねるネットワーク管理装置やドメインプロキシ(例えば、プロキシ装置50)といったエンティティが存在することが望ましい。または、X2インタフェースのように基地局装置20間で直接シグナリングを行うことができるインタフェースが設けられることが望ましい。
<6-4.グラント付与判定結果に基づくレスポンス>
通信制御装置40は、グラント付与判定処理の結果に基づいてグラントレスポンスを生成する。そして、通信制御装置40は、グラントリクエストのリクエスト元(基地局装置20又はプロキシ装置50)に通知する。
なお、グラント付与判定処理の結果、拒絶判定となった場合には、通信制御装置40はリクエスト元に対して推奨する動作パラメータである推奨パラメータ情報(周波数範囲、最大EIRPなど)を生成してもよい。そして、グラントレスポンス送信時に、グラントレスポンスとともに、或いはグラントレスポンスに含めて、生成した推奨パラメータ情報をリクエスト元に送信してもよい。
これにより、リクエスト元は、グラントリクエストが拒絶された場合にも、使用可能な動作パラメータ(或いは、グラントリクエストが成功する可能性が高い周波数範囲等)を知ることができる。
<6-5.結合グラント(Bonded Grant)>
上述の「グラントの用途、詳細」を用いた処理は以下の通り応用可能である。
例えば、複数のグラントを使ってチャネルボンディングが実施される場合、通信制御装置40は、管理の簡略化のために、複数のグラントを1つのグラント(以下、結合グラント(Bonded Grant)と呼称する。)として扱ってもよい。その際に、通信制御装置40は、結合グラント用にグラントIDを発行してもよい。通信制御装置40は、基地局装置20又はプロキシ装置50に対しても、グラントレスポンスにおいて結合グラントのグラントIDを通知してもよい。基地局装置20又はプロキシ装置50は通常、複数のグラントのハートビートを実施しなければならないが、結合グラントのグラントIDを用いてハートビートを実施してもよい。これにより、通信制御装置40、基地局装置20、及びプロキシ装置50のグラントの管理が容易になる。
レーダのような既存システム(例えば、通信システム1)の周波数利用が検知された場合、通信制御装置40は、通常のグラントであれば、既存システムの利用周波数との重複部分が一部か全体かに関わらず、周波数範囲が重複するグラントの利用を停止させなければならない。しかし、通信制御装置40は、結合グラントに紐づく許容周波数範囲の一部においてそのような重複が発生する場合、結合グラントを元の複数のグラントに分離してもよい。そして、複数のグラントのうち重複部分のグラントのみ利用停止処理を実施してもよい。
通信制御装置40は、分離を行うことをハートビートレスポンスなどで基地局装置20又はプロキシ装置50に通知してもよい。このとき、結合グラントを複数のグラントに分離することを示すレスポンスコード(Response Code)が定義されてもよい。そして、通信制御装置40は、このレスポンスコードを使って基地局装置20又はプロキシ装置50に通知してもよい。あるいは、通信制御装置40は、結合グラントを複数のグラントに分離することを示すテキストメッセージをハートビートレスポンスに含めてもよい。結合グラントの分離のための処理を基地局装置20がスムーズに実行できる。
<6-6.他の帯域拡張技術への切り替え>
上述の「グラントの用途、詳細」を用いた処理は、他の帯域拡張技術への切り替え処理にも応用可能である。
上述のように、結合グラントを元の複数のグラントに分離して重複部分のグラントのみ利用停止処理を実施するような場合に、通信制御装置40は、「チャネルボンディングからIntra-band Non Contiguous CAへの移行」のための処理を実施してもよい。ここで、「Intra-band Non Contiguous CA」帯域内の非連続のコンポーネントキャリアを用いるキャリアアグリケーションである。
例えば、連続する3つのグラント用いてボンディングを実施している場合に、3つのうちの中央のグラントのみ利用停止処理を実行しなければならないとする。そのような場合には、基地局装置20は、利用停止にならない両端の2グラントを用いて、Intra-band Non Contiguous CAを実行すれば、電波の送信を継続可能である。
そこで、このような場合、通信制御装置40は、基地局装置20に対し、「チャネルボンディングからIntra-band Non Contiguous CAへの移行」させるための処理を実施する。これにあたっては、できれば、当該グラントリクエストにおけるグルーピング情報に、チャネルボンディングとIntra-band Non Contiguous CAの切り替え機能の有無を示す能力情報(Capability Information)が含まれることが望ましい。
当然のことながら、レーダ検知時以外の場合であっても、他の帯域拡張技術への切り替えが行われてもよい。そのような場合、ハートビートリクエストで基地局装置20から通信制御装置40に通知されることが望ましい。
勿論、帯域拡張技術の切り替えは、「チャネルボンディングからIntra-band Non Contiguous CAへの移行」に限られない。帯域拡張技術を切り替えることにより、使用可能な周波数リソースを使っての電波発信の継続が可能になるので、電波の有効利用が実現する。
<6-7.干渉計算>
上述の「グラントの用途、詳細」を用いた処理は、Network Coexistenceにも応用可能である。
通常、干渉計算はグラント単位で実施される。従って、既存の仕組みに従うと、チャネルボンディング、キャリアアグリケーション、又はLAAが実施されていても、場合によっては、基地局装置20のユーザが所望する組み合わせでグラントの付与が行われない可能性がある。
そこで、通信制御装置40の計算部443は、「グラントの用途、詳細」に設定された情報を用いて、干渉計算を行うべきグラントの組み合わせであるかどうかを判定する。そして、計算部443は、判定結果に基づいて干渉計算を行う。
これにより精度の高い干渉計算が可能になるので、電波の有効利用が実現する。
<6-8.許容干渉量の調整>
上述の「グラントの用途、詳細」を用いた処理は、Aggregate Interferenceに基づくMaximum EIRPの判定にも応用可能である。
上述したように、干渉計算はグラント単位で実施される。干渉先が既存システムであれば、その計算に基づいて、最大許容干渉量(例えば、最大許容EIRP)が調整される。ところが、この場合、チャネルボンディング、キャリアアグリケーション、又はLAAで用いる複数のグラント間で、最大許容干渉量(例えば、最大許容EIRP)のアンバランスが生じる恐れがある。
そこで、通信制御装置40の調整部445は、プライマリシステム保護計算(例えば、CPAS等のIncumbent Protectionの計算)の結果、チャネルボンディング、キャリアアグリケーション、又はLAAで用いる複数のグラント間で最大許容干渉量のアンバランスが生じる場合には、各グラントの許容干渉量が等しくなるように調整するもよい。具体的には、通信制御装置40の調整部445は、紐付けて使用される複数のグラントの最大許容干渉量(例えば、最大許容EIRP)うちの最小の干渉量(例えば、EIRP)に複数のグラントそれぞれの最大許容干渉量を調整してもよい。
これにより許容干渉量に無駄が生じないので、電波の有効利用が実現する。
<<7.変形例>>
上述の実施形態は一例を示したものであり、種々の変更及び応用が可能である。
<7-1.システム構成に関する変形例>
本実施形態の通信制御装置40は、上述の実施形態で説明した装置に限定されない。例えば、通信制御装置40は、周波数共用が行われる周波数帯域を二次利用する基地局装置20を制御する以外の機能を有する装置であってもよい。例えば、本実施形態の通信制御装置40の機能をネットワークマネージャが具備してもよい。このとき、ネットワークマネージャは、例えば、C-RAN(Centralized Radio Access Network)と呼ばれるネットワーク構成のC-BBU(Centralized Base Band Unit)またはこれを備える装置であってもよい。また、ネットワークマネージャの機能を基地局(アクセスポイントを含む。)が具備してもよい。これらの装置(ネットワークマネージャ等)も通信制御装置とみなすことが可能である。
なお、上述の実施形態では、通信システム1を第1無線システム、基地局装置20を第2無線システムとした。しかし、第1無線システム及び第2無線システムはこの例に限定されない。例えば、第1無線システムは通信装置(例えば、無線通信装置10)であってもよいし、第2無線システムは通信システム(通信システム2)であってもよい。なお、本実施形態で登場する無線システムは、複数の装置から構成されるシステムに限定されず、適宜、「装置」、「端末」等に置き換え可能である。
また、上述の実施形態では、通信制御装置40は、通信システム2に属する装置であるものとしたが、必ずしも通信システム2に属する装置でなくてもよい。通信制御装置40は、通信システム2の外部の装置であてもよい。通信制御装置40は、基地局装置20を直接制御せず、通信システム2を構成する装置を介して間接的に基地局装置20を制御してもよい。また、セカンダリシステム(通信システム2)は複数存在していてもよい。このとき、通信制御装置40は、複数のセカンダリシステムを管理してもよい。この場合、セカンダリシステムそれぞれを第2無線システムとみなすことができる。
なお、一般に周波数共用において、対象帯域を利用する既存システムをプライマリシステム、二次利用者をセカンダリシステムと呼ぶが、プライマリシステム及びセカンダリ詩システムは、別の用語に置き換えてもよい。HetNET(Heterogeneous Network)におけるマクロセルをプライマリシステム、スモールセルやリレー局をセカンダリシステムとしてもよい。また、基地局をプライマリシステム、そのカバレッジ内に存在するD2DやV2X(Vehicle-to-Everything)を実現するRelay UEやVehicle UEをセカンダリシステムとしてもよい。基地局は固定型に限らず、可搬型/移動型であってもよい。
さらに、各エンティティ間のインタフェースは、有線・無線問わない。例えば、本実施形態で登場した各エンティティ(通信装置、通信制御装置、又は端末装置)間のインタフェースは、周波数共用に依存しない無線インタフェースであってもよい。周波数共用に依存しない無線インタフェースとしては、例えば、移動体通信事業者によってLicensed bandを介して提供される無線インタフェースや、既存の免許不要帯域を利用する無線LAN通信、等が挙げられる。
<7-2.その他の変形例>
本実施形態の無線通信装置10、基地局装置20、端末装置30、通信制御装置40、又はプロキシ装置50を制御する制御装置は、専用のコンピュータシステムで実現してもよいし、汎用のコンピュータシステムで実現してもよい。
例えば、上述の動作を実行するためのプログラムを、光ディスク、半導体メモリ、磁気テープ、フレキシブルディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布する。そして、例えば、該プログラムをコンピュータにインストールし、上述の処理を実行することによって制御装置を構成する。このとき、制御装置は、無線通信装置10、基地局装置20、端末装置30、通信制御装置40、又はプロキシ装置50の外部の装置(例えば、パーソナルコンピュータ)であってもよい。また、制御装置は、無線通信装置10、基地局装置20、端末装置30、通信制御装置40又はプロキシ装置50の内部の装置(例えば、制御部24、制御部34、制御部44、又は制御部54)であってもよい。
また、上記通信プログラムをインターネット等のネットワーク上のサーバ装置が備えるディスク装置に格納しておき、コンピュータにダウンロード等できるようにしてもよい。また、上述の機能を、OS(Operating System)とアプリケーションソフトとの協働により実現してもよい。この場合には、OS以外の部分を媒体に格納して配布してもよいし、OS以外の部分をサーバ装置に格納しておき、コンピュータにダウンロード等できるようにしてもよい。
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
また、上記してきた実施形態は、処理内容を矛盾させない領域で適宜組み合わせることが可能である。また、本実施形態のシーケンス図或いはフローチャートに示された各ステップは、適宜順序を変更することが可能である。
<<8.むすび>>
以上説明したように、本開示の一実施形態によれば、通信制御装置40は、通信システム1が使用する周波数帯の電波を利用する基地局装置20が該電波を利用するためのグラントの利用態様に関する情報を取得する。そして、通信制御装置40は、グラントの利用態様に関する情報に基づいて当該グラントに関する処理を行う。
これにより、通信制御装置40はグラントの効率的な管理(例えば、基地局装置20への周波数リソースの割り当てや停止)を実行可能になる。結果として、電波資源の効率的な利用が実現する。
以上、本開示の各実施形態について説明したが、本開示の技術的範囲は、上述の各実施形態そのままに限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。また、異なる実施形態及び変形例にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
また、本明細書に記載された各実施形態における効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、他の効果があってもよい。
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
第1の無線システムが使用する周波数帯の一部又は全部に含まれる1以上の周波数リソースの利用を所望する第2の無線システムの前記周波数リソースの利用態様に関する情報を取得する取得部と、
前記周波数リソースの利用態様に関する情報に基づいて前記周波数リソースに関する処理を行う処理部と、
前記周波数リソースに関する処理の結果を通知する通知部と、
を備える通信制御装置。
(2)
前記周波数リソースの利用態様に関する情報は、前記第2の無線システムが複数の周波数リソースを紐付けて使用することを示すグルーピング情報を含み、
前記処理部は、前記グルーピング情報に基づいて前記周波数リソースに関する処理を行う、
前記(1)に記載の通信制御装置。
(3)
前記処理部は、前記グルーピング情報に基づいて周波数リソースの利用許可判定処理を行う、
前記(2)に記載の通信制御装置。
(4)
前記処理部は、前記グルーピング情報に基づいて周波数リソースの利用停止処理を行う、
前記(2)又は(3)に記載の通信制御装置。
(5)
前記周波数リソースの利用態様に関する情報は、さらに、前記第2の無線システムが前記複数の周波数リソースを紐付けて使用するための帯域拡張技術を識別するための第1の識別情報を含み、
前記処理部は、前記第1の識別情報に基づいて前記複数の周波数リソースの前記周波数リソースに関する処理を行う、
前記(2)~(4)のいずれか1つに記載の通信制御装置。
(6)
前記第1の識別情報で識別可能な前記帯域拡張技術は、キャリアアグリゲーション、LAA(Licensed Assisted Access)、チャネルボンディング、及びデュアルコネクティビティのうち少なくとも1つ以上の技術を含む、
前記(5)に記載の通信制御装置。
(7)
前記周波数リソースの利用態様に関する情報は、前記複数の周波数リソースそれぞれのコンポーネントキャリアタイプを識別するための第2の識別情報を含み、
前記処理部は、前記第2の識別情報に基づいて前記複数の周波数リソースの前記周波数リソースに関する処理を行う、
前記(2)~(6)のいずれか1つに記載の通信制御装置。
(8)
前記第2の識別情報で識別可能な前記コンポーネントキャリアタイプは、プライマリコンポーネントキャリア、セカンダリコンポーネントキャリアおよびスタンドアローンのうち少なくとも1以上を含む、
前記(7)に記載の通信制御装置。
(9)
前記処理部は、キャリアアグリゲーションまたはLAA(Licensed Assisted Access)により紐付けられる前記複数の周波数リソースのうちの1又は所定数の周波数リソースの利用を停止する場合に、前記複数の周波数リソースのうち、前記コンポーネントキャリアタイプがセカンダリコンポーネントキャリアである1又は所定数の周波数リソースの利用を停止し、
前記通知部は、前記1又は所定数の周波数リソースの利用停止を通知する、
前記(8)に記載の通信制御装置。
(10)
前記処理部は、チャネルボンディングにより前記複数の周波数リソースが紐付けられる場合に、該複数の周波数リソースを1の周波数リソースとして扱い、前記周波数リソースに関する処理を行う、
前記(2)~(9)のいずれか1つに記載の通信制御装置。
(11)
前記処理部は、前記1の周波数リソースを構成する前記複数の周波数リソースのうちの1又は所定数周波数リソースの利用を停止する場合に、前記1の周波数リソースを前記複数の周波数リソースに分離するとともに、分離された前記複数の周波数リソースのうちの1又は所定数の周波数リソースの利用を停止する、
前記(10)に記載の通信制御装置。
(12)
前記通知部は、前記第2の無線システム又は該第2の無線システムを代理するプロキシシステムに対し、前記1の周波数リソースが前記複数の周波数リソースに分離されることを通知する、
前記(11)に記載の通信制御装置。
(13)
前記取得部は、前記第2の無線システムが有する帯域拡張技術の機能に関する保有機能情報を取得し、
前記処理部は、前記保有機能情報に基づいて前記周波数リソースに関する処理を行う、
前記(2)~(12)のいずれか1つに記載の通信制御装置。
(14)
前記1の周波数リソースを構成する前記複数の周波数リソースの一部の利用停止により前記1の周波数リソースの分断が想定される場合に、前記第2の無線システム又は該第2の無線システムを代理するプロキシ装置に対し、前記保有機能情報に基づき判別される他の帯域拡張技術に切り替えるよう通知する通知部、を備える、
前記(13)に記載の通信制御装置。
(15)
前記グルーピング情報に基づいて前記第2の無線システム間の干渉に関する計算を行う計算部、を備える、
前記(2)~(14)のいずれか1つに記載の通信制御装置。
(16)
前記グルーピング情報に基づいて前記複数の周波数リソースのそれぞれの最大許容送信電力の調整を行う調整部、を備える、
前記(2)に記載の通信制御装置。
(17)
前記調整部は、前記グルーピング情報により紐付けられる前記複数の周波数リソースそれぞれの最大許容送信電力のうちの最も低い最大許容送信電力に調整する、
前記(16)に記載の通信制御装置。
(18)
前記周波数リソースの利用態様に関する情報は、該周波数リソースを使って行われるサービスの種類を示すサービスタイプ情報を含み、
前記処理部は、前記サービスタイプ情報に基づいて前記周波数リソースに関する処理を行う、
前記(1)~(17)のいずれか1つに記載の通信制御装置。
(19)
第1の無線システムが使用する周波数帯の一部又は全部に含まれる1以上の周波数リソースの利用を所望する第2の無線システムの前記周波数リソースの利用態様に関する情報とを取得し、
前記周波数リソースの利用態様に関する情報に基づいて前記周波数リソースに関する処理を行い、
前記周波数リソースに関する処理の結果を通知する、
通信制御方法。
(20)
コンピュータを、
第1の無線システムが使用する周波数帯の一部又は全部に含まれる1以上の周波数リソースの利用を所望する第2の無線システムの前記周波数リソースの利用態様に関する情報とを取得する取得部、
前記周波数リソースの利用態様に関する情報に基づいて前記周波数リソースに関する処理を行う処理部、
前記周波数リソースに関する処理の結果を通知する通知部、
として機能させるための通信制御プログラム。
(21)
第1の無線システムが使用する周波数帯一部又は全部に含まれる1以上の周波数リソースを利用する通信装置であって、
周波数リソースの利用態様に関する情報を送信する送信部と、
前記周波数リソースの利用態様に関する情報に基づいて実施される周波数リソースに関する処理の結果を取得する取得部と、
前記取得部で取得される前記周波数リソースに関する処理の結果に基づいて無線通信を行うための無線通信制御部と、
を備える通信装置。
(22)
第1の無線システムが使用する周波数帯一部又は全部に含まれる1以上の周波数リソースを利用する通信装置が実行する通信方法であって、
周波数リソースの利用態様に関する情報を送信し、
前記周波数リソースの利用態様に関する情報に基づいて実施される周波数リソースに関する処理の結果を取得し、
前記取得部で取得される前記周波数リソースに関する処理の結果に基づいて無線通信を行う、
通信方法。
(23)
第1の無線システムが使用する周波数帯一部又は全部に含まれる1以上の周波数リソースを利用する通信装置を制御するコンピュータを、
周波数リソースの利用態様に関する情報を送信する送信部、
前記周波数リソースの利用態様に関する情報に基づいて実施される周波数リソースに関する処理の結果を取得する取得部、
前記取得部で取得される前記周波数リソースに関する処理の結果に基づいて無線通信を行うための無線通信制御部、
として機能させるための通信プログラム。
(24)
第1の無線システムが使用する周波数帯一部又は全部に含まれる1以上の周波数リソースを利用する1以上の通信装置の代理で周波数リソースの利用態様に関する情報を送信する第1の送信部と、
前記1以上の通信装置の代理で前記周波数リソースの利用態様に関する情報に基づいて実施される周波数リソースに関する処理の結果を取得する取得部と、
前記1以上の通信装置または前記1以上の通信装置が無線通信を行うための無線通信制御部に、前記周波数リソースに関する処理の結果を送信する第2の送信部と、
を備えるプロキシ装置。
(25)
第1の無線システムが使用する周波数帯一部又は全部に含まれる1以上の周波数リソースを利用する1以上の通信装置の代理で周波数リソースの利用態様に関する情報を送信し、
前記1以上の通信装置の代理で前記周波数リソースの利用態様に関する情報に基づいて実施される周波数リソースに関する処理の結果を取得し、
前記1以上の通信装置または前記1以上の通信装置が無線通信を行うための無線通信制御部に、前記周波数リソースに関する処理の結果を送信する、
通信方法。
(26)
コンピュータを、
第1の無線システムが使用する周波数帯一部又は全部に含まれる1以上の周波数リソースを利用する1以上の通信装置の代理で周波数リソースの利用態様に関する情報を送信する第1の送信部、
前記1以上の通信装置の代理で前記周波数リソースの利用態様に関する情報に基づいて実施される周波数リソースに関する処理の結果を取得する取得部、
前記1以上の通信装置または前記1以上の通信装置が無線通信を行うための無線通信制御部に、前記周波数リソースに関する処理の結果を送信する第2の送信部、
として機能させるための通信プログラム。