JP7452531B2 - 通信制御装置、通信装置、及び通信制御方法 - Google Patents

通信制御装置、通信装置、及び通信制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、通信制御装置、通信装置、及び通信制御方法に関する。
無線システム(無線装置)に割り当て可能な電波資源(無線リソース)が枯渇するという問題が表面化している。どの電波帯域もすでに既存の無線システム(無線装置)が利用しているため、新規に無線システムに電波資源を割り当てることは困難である。そこで、近年では、コグニティブ無線技術の活用による電波資源の更なる有効利用が注目されはじめている。コグニティブ無線技術では、既存の無線システムの時間的・空間的な空き電波(White Space)を利用することにより電波資源を捻出する。
特開2016-19134号公報
WINNF-TS-0247-V1.0.0 CBRS Certified Professional Installer Accreditation Technical Specification. WINNF-TS-0016-V1.2.1 Signaling Protocols and Procedures for Citizens Broadband Radio Service (CBRS): Spectrum Access System (SAS) - Citizens Broadband Radio Service Device (CBSD) Interface Technical Specification ECC Report 186, Technical and operational requirements for the operation of white space devices under geo-location approach, CEPT ECC, 2013 January White Space Database Provider (WSDB) Contract, available at https://www.ofcom.org.uk/__data/assets/pdf_file/0026/84077/white_space_database_contract_for_operational_use_of_wsds.pdf WINNF-TS-0096-V1.2.0 Signaling Protocols and Procedures for Citizens Broadband Radio Service (CBRS): Spectrum Access System (SAS) - SAS Interface Technical Specification WINNF-TS-0112-V1.4.1 Requirements for Commercial Operation in the U.S. 3550-3700 MHz Citizens Broadband Radio Service Band IEEE Std 802.19.1aTM-2017 "Coexistence Methods for Geo-location Capable Devices Operating under General Authorization" 47 C.F.R Part 96 Citizens Broadband Radio Service,https://www.ecfr.gov/cgi-bin/text-idx?node=pt47.5.96#se47.5.96 WINNF-TS-0245-V1.0.0 Operations for Citizens Broadband Radio Service (CBRS): Priority Access License (PAL) Database Technical Specification WINNF-TS-0061-V1.2.0 Test and Certification for Citizens Broadband Radio Service (CBRS); Conformance and Performance Test Technical Specification; SAS as Unit Under Test (UUT) WINNF-SSC-0008 Spectrum Sharing Committee Policy and Procedure Coordinated Periodic Activities Policy
しかしながら、単に空き電波を利用しただけでは電波資源の有効利用が実現できるとは限らない。例えば、電波資源の有効利用を実現するためには、無線システム(無線装置)に効率的に空き電波を配分する必要があるが、多様な電波の利用態様がある中で、効率的に空き電波を配分するのは容易ではない。
そこで、本開示では、電波資源の効率的な利用を実現可能な通信制御装置、通信装置、及び通信制御方法を提案する。
上記の課題を解決するために、本開示に係る一形態の通信制御装置は、第1の無線システムが一次利用する周波数リソースを二次利用する第2の無線システムの通信装置の位置を基準に前記第2の無線システムの通信装置の上空に設定される保護対象範囲に基づいて、前記第2の無線システムの通信装置が与える干渉を計算する対象とする前記第1の無線システムの通信装置を選択する選択部、を備える。
セカンダリシステムを構成する各通信装置への干渉マージンの配分例を示す説明図である。 CBRSでの階層構造を示す説明図である。 CBRSの帯域を示す説明図である。 本開示の実施形態に係る通信システムの構成例を示す図である。 通信制御装置が分散的に配置されるモデルを示す図である。 1つの通信制御装置が中央制御的に複数の通信制御装置を統括するモデルを示す図である。 本開示の実施形態に係る端末装置の構成例を示す図である。 本開示の実施形態に係る基地局装置の構成例を示す図である。 本開示の実施形態に係る通信制御装置の構成例を示す図である。 本開示の実施形態に係るプロキシ装置の構成例を示す図である。 本開示の実施形態で想定する干渉モデルの一例を示す説明図である。 本開示の実施形態で想定する干渉モデルの他の例を示す説明図である。 干渉マージン一斉配分型のプライマシステム保護方法を説明するための説明図である。 剰余干渉マージンが発生した様子を示す図である。 干渉マージン逐次配分型のプライマシステム保護方法を説明するための説明図である。 登録手続きを説明するためのシーケンス図である。 利用可能周波数情報問い合わせ手続きを説明するためのシーケンス図である。 周波数利用許可手続きを説明するためのシーケンス図である。 電波送信の許可状態を示す状態遷移図である。 周波数利用通知手続きを説明するためのシーケンス図である。 管理情報の交換手続きを説明するためのシーケンス図である。 保護対象選択および干渉制御を実施する装置の例を示す図である。 セカンダリシステムの通信装置の通信パラメータ設定フローの一例を示す図である。 プライマリシステムの通信装置の保護対象選択フローの一例を示す図である。 セカンダリシステムの通信装置の通信パラメータ設定フローの他の例を示す図である。 選択基準を説明するための保護対象選択フローの一例を示す図である。 仰角に基づく保護対象範囲の設定例を示す図である。 仰角に基づく保護対象範囲の設定フローの一例を示す図である。 仰角に基づく保護対象範囲の設定例を示す図である。 保護対象空間と空中通信装置の位置の比較を説明するための保護対象選択フローの一例を示す図である。 仰角および高度に基づく保護対象範囲の設定例を示す図である。 高度の保護対象範囲を用いた保護対象選択フローの一例を示す図である。 高度に対する断面積の増加率で設定される空中通信装置の保護対象空間の一例を示す図である。 高度に対する断面積の増加率で設定される空中通信装置の保護対象空間の他の一例を示す図である。 高度に対する断面積の増加率で設定される空中通信装置の保護対象空間の更なる一例を示す図である。 空中通信装置の飛行経路の一例を示す図である。 保護対象選択のタイミングの時間間隔と飛行経路の時系列データの始点及び終点との対応関係の一例を示す図である。 保護対象選択のタイミングの時間間隔と飛行経路の時系列データの始点及び終点との対応関係の一例を示す図である。 保護対象選択のタイミングの時間間隔と飛行経路の時系列データの始点及び終点との対応関係の一例を示す図である。 セカンダリシステムからプライマリシステムへの与干渉量計算のモデル例を示す図である。 累積干渉量の計算フローの一例を示す図である。 保護対象選択結果に基づく与干渉量の計算フローの一例を示す図である。 保護対象選択結果に基づく与干渉量の計算フローの一例を示す図である。 保護対象選択結果に基づく与干渉量の計算フローの一例を示す図である。 保護対象選択の結果の一例を示す図である。 保護対象選択の結果の一例を示す図である。 保護対象選択の結果の一例を示す図である。 与干渉量の計算フローの一例を示す図である。 リファレンスポイントの配置例を示す図である。 リファレンスポイントの配置例を示す図である。 リファレンスポイントの配置例を示す図である。 リファレンスポイントの選択フローの一例を示す図である。 3次元空間内における放射状の直線とリファレンスポイントの定義の一例を示す図である。 リファレンスポイントの配置例を示す図である。 リファレンスポイントの配置例を示す図である。 リファレンスポイントの配置例を示す図である。 通信パラメータの共通化の一例を示す図である。 パスロス計算時のパラメータ一部共通化の一例を示す図である。 複数のセカンダリシステムの通信装置でリファレンスポイント配置を共通化する一例を示す図である。 オフライン計算・事前計算を考慮した与干渉量の計算フローの一例を示す図である。 シグナリング手続きの一例を示す図である。 シグナリング手続きの一例を示す図である。 シグナリング手続きの一例を示す図である。 シグナリング手続きの一例を示す図である。 通信パラメータの適用フローの一例を示す図である。
以下に、本開示の実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の各実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なる数字を付して区別する場合もある。例えば、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成を、必要に応じて空中通信装置10A、及び10Aのように区別する。また、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成を、必要に応じて地上通信端末10B、及び10Bのように区別する。例えば、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成を、必要に応じて端末装置20、及び20のように区別する。また、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成を、必要に応じて基地局装置30、及び30のように区別する。また、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成を、必要に応じて通信制御装置40、及び40のように区別する。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。例えば、端末装置20、及び20を特に区別する必要が無い場合には、単に端末装置20と称する。基地局装置30、及び30を特に区別する必要が無い場合には、単に基地局装置30と称する。また、通信制御装置40、及び40を特に区別する必要が無い場合には、単に通信制御装置40と称する。
また、以下に示す項目順序に従って本開示を説明する。
1.はじめに
1-1.周波数共用実現のための無線システムの制御
1-2.本実施形態の概要
1-3.周波数と共用に関する用語について
2.通信システムの構成
2-1.通信システムの全体構成
2-2.端末装置の構成
2-3.基地局装置の構成
2-4.通信制御装置の構成
2-5.プロキシ装置の構成
3.干渉モデル
4.プライマリシステム保護方法
4-1.干渉マージン一斉配分型
4-2.干渉マージン逐次配分型
5.諸手続きの説明
5-1.登録手続き
5-2.利用可能周波数情報問い合わせ手続き
5-3.周波数利用許可手続き
5-4.周波数利用通知
5-5.諸手続きの補足
5-6.端末装置に関する諸手続き
5-7.通信制御装置間で発生する手続き
6.保護対象選択
6-1.保護対象選択と干渉制御の動作主体
6-2.空中通信装置の干渉保護対象の選択
6-3.干渉の計算
6-4.干渉計算に用いる参照点
6-5.通信パラメータの通知・設定
7.変形例
7-1.システム構成に関する変形例
7-2.その他の変形例
8.むすび
<<1.はじめに>>
近年、無線システムに割り当て可能な電波資源(例えば、周波数)が枯渇するという問題が表面化している。しかしながら、どの電波帯域もすでに既存の無線システムが利用しているため、新規の電波資源割り当てが困難である。そこで、近年では、コグニティブ無線技術の活用による電波資源の更なる有効利用が注目されはじめている。
コグニティブ無線技術では、既存の無線システムの時間的・空間的な空き電波(White Space)を利活用(例えば、動的周波数共用(DSA:Dynamic Spectrum Access))することにより、電波資源を捻出する。例えば、米国では、世界的には3GPP band 42、43とされている周波数帯とオーバーラップするFederal use band(3.55-3.70GHz)の一般国民への開放を目指し、周波数共用技術を活用するCBRS(Citizens Broadband Radio Service)の法制化・標準化が加速している。
なお、コグニティブ無線技術は、動的周波数共用のみならず、無線システムによる周波数利用効率の向上にも寄与する。例えば、ETSI EN 303 387やIEEE 802.19.1-2014では、空き電波を利用する無線システム間の共存技術が規定されている。
<1-1.周波数共用実現のための無線システムの制御>
一般に周波数共用においては、各国・地域の規制当局(NRA:National Regulatory Authority)によって、周波数帯域の利用に係る免許または認可を受けた1次利用者(プライマリユーザ)の無線システム(プライマリシステム)の保護が義務付けられる。典型的には、当該NRAによってプライマリシステムの許容干渉基準値が設けられ、二次利用者(セカンダリユーザ)の無線システム(セカンダリシステム)には、共用によって発生する与干渉が許容干渉基準値を下回ることを求められる。
周波数共用を実現するため、例えば、通信制御装置(例えば、周波数管理データベース)が、プライマリシステムに対して致命的な干渉を与えないようにセカンダリシステムの通信を制御する。通信制御装置は、通信装置の通信等を管理する装置である。例えば、通信制御装置は、GLDB(Geo-location Database)、SAS(Spectrum Access System)等の電波資源(例えば、周波数)の管理のための装置(システム)である。本実施形態の場合、通信制御装置は、後述の通信制御装置40に相当する。通信制御装置40については、後に詳述する。
ここで、プライマリシステムとは、例えば、所定の周波数帯の電波をセカンダリシステム等の他のシステムに優先して使用するシステム(例えば、既存のシステム)である。また、セカンダリシステムとは、例えば、プライマリシステムが使用する周波数帯の電波を二次利用(例えば、動的周波数共用)するシステムである。プライマリシステム及びセカンダリシステムは、それぞれ、複数の通信装置で構成されていてもよいし、1つの通信装置で構成されていてもよい。通信制御装置は、セカンダリシステムを構成する1又は複数の通信装置のプライマリシステムへの干渉の累積(Interference Aggregation)が、プライマリシステムの干渉許容量(干渉マージンともいう。)を越えないように、1又は複数の通信装置に干渉許容量を配分する。このとき、干渉許容量は、プライマリシステムの運営者や電波を管理する公的機関等が予め定めた干渉量であってもよい。以下の説明では、干渉マージンといった場合は、干渉許容量のことを指す。また、干渉の累積のことを、累積与干渉電力と呼ぶことがある。
図1は、セカンダリシステムを構成する各通信装置への干渉マージンの配分例を示す説明図である。図1の例では、通信システム1がプライマリシステムであり、通信システム2がセカンダリシステムである。通信システム1は通信装置10等を備える。また、通信システム2は基地局装置30、30、30等を備える。なお、図1の例では、通信システム1は通信装置10を1つしか備えていないが、通信システム1が備える通信装置10は複数であってもよい。また、図1の例では、通信システム2は基地局装置30を3つ備えているが、通信システム2が備える基地局装置30は3つより少なくてもよいし、多くてもよい。また、通信システム2が備える無線通信装置は、必ずしも基地局装置でなくてもよい。なお、図1の例では、プライマリシステム(図1の例では通信システム1)及びセカンダリシステム(図1の例では通信システム2)がそれぞれ1つしか示されていないが、プライマリシステム及びセカンダリシステムはそれぞれ複数あってもよい。
通信装置10、及び基地局装置30、30、30は、それぞれ、電波を送受信可能である。通信装置10が許容する干渉量はIacceptである。また、基地局装置30、30、30が通信システム1(プライマリシステム)の所定の保護点に与える干渉量は、それぞれ、与干渉量I、I、Iである。ここで、保護点は、通信システム1の保護のための干渉算出基準点である。
通信制御装置は、通信システム1の所定の保護点への干渉の累積(図1に示す受信干渉量I+I+I)が干渉マージンIacceptを超えないように、複数の基地局装置30に干渉マージンIacceptを配分する。例えば、通信制御装置は、与干渉量I、I、IがそれぞれIaccept/3となるように各基地局装置30に干渉マージンIacceptを配分する。或いは、通信制御装置は、与干渉量I、I、IがそれぞれIaccept/3以下となるように、各基地局装置30に干渉マージンIacceptを配分する。勿論、干渉マージンの配分方法はこの例に限定されない。
通信制御装置は、配分された干渉量(以下、配分干渉量という。)に基づいて、各基地局装置30に許容される最大送信電力(以下、最大許容送信電力という。)を算出する。例えば、通信制御装置は、伝搬損失、アンテナゲイン等に基づいて、配分干渉量から逆算することによって、各基地局装置30の最大許容送信電力を算出する。そして、通信制御装置は、算出した最大許容送信電力の情報を各基地局装置30に通知する。
<1-2.本実施形態の概要>
コグニティブ無線(Cognitive Radio)技術の進化によって、周波数利用について異なる優先度をもつ複数の通信システムの間で重複する周波数を共用する周波数共用(Spectrum Sharing、Dynamic Spectrum Access)が注目されている。
周波数共用では、通信システムが利用すべき周波数帯域、送信電力、送信フィルタ、無線アクセス方式などの通信パラメータをデータベース装置で集中的に管理する方法が採用される場合がある。英国や米国のTV White Spaces、米国のCBRSなどでは、GLDBやSASという形で、このようなデータベースが採用されている。
データベースの役割のひとつとして、ある周波数帯域について低優先度をもつ通信システム(セカンダリシステム、Secondary System、など)から高優先度をもつ通信システム(プライマリシステム、Primary System、Incumbent System、など)への干渉を回避・軽減することが挙げられる。
上記の特許文献1では、データベース装置によってプライマリシステムの通信装置への致命的な干渉を回避・軽減するために、プライマリシステムの通信装置の位置情報(緯度、経度、高度、など)およびセカンダリシステムの通信装置の位置情報、および想定される電波伝搬特性を用いて、セカンダリシステムがプライマリシステムに優先的に割り当てられた周波数を場所・空間的に二次利用してよいかの可否を判断する仕組みを開示している。
しかしながら、上記の特許文献1では、セカンダリシステムの周波数二次利用の可否(OK・NG)のみを判断しており、それよりも細かい粒度の判断は実施していない。これは、実際にはセカンダリシステムの通信パラメータを調整することで、セカンダリシステムとプライマリシステムの周波数共用が実現できる場所・空間においてもセカンダリシステムの動作を許可しない可能性があることを意味している。つまり、有限な周波数資源の利用効率改善を妨げている恐れがある。
そこで、本実施形態では、通信制御装置(例えば、SAS)は、セカンダリシステムの通信装置からプライマリシステムのどの空中通信装置を干渉の保護対象として考慮すべきかを選択する。ここで言う「干渉」には、例えば単一の通信装置からの干渉、または複数の通信装置からの累積干渉(Aggregated Interference)が挙げられる。また、空中通信装置への干渉としては、例えば、プライマリシステムの地上通信装置(地上端末装置、地上固定通信装置)から空中通信装置への通信リンクに対する干渉、またはセカンダリシステムの空中通信装置間の通信リンクに対する干渉、などが挙げられる。
ここで、プライマリシステムの空中通信装置の選択は、セカンダリシステムの通信装置からプライマリシステムの空中通信装置への干渉を所定のレベル以下に制御することを目的の1つとして行われる。
このように干渉が所定のレベル以下に制御されることにより、セカンダリシステムとプライマリシステムの周波数共用が実現できる機会が上記の特許文献1よりも促進されるので、有限な周波数資源の利用効率改善が妨げられるのを抑制することが可能になる。結果として、電波資源の効率的な利用が実現する。
<1-3.周波数と共用に関する用語について>
なお、本実施形態では、プライマリシステム(通信システム1)及びセカンダリシステム(通信システム2)は、動的周波数共用環境下にあるものとする。以下、米国のFCC(Federal Communications Commission)が法整備したCBRSを例にとり本実施形態を説明する。なお、本実施形態の通信システム1及び通信システム2は、CBRSに限定されない。
図2は、CBRSでの階層構造を示す説明図である。図2に示すように、周波数帯域のユーザの各々は3つのグループのうちのいずれかに分類される。このグループは、“tier”と呼ばれる。当該3つのグループは、それぞれ、既存層(Incumbent Tier)、優先アクセス層(Priority Access Tier)、及び一般認可アクセス層(General Authorized Access Tier)から構成される階層構造が定義されている。この階層構造では、一般認可アクセス層(General Authorized Access Tier)の上位に優先アクセス層(Priority Access Tier)が位置し、優先アクセス層の上位に既存層(Incumbent Tier)が位置している。CBRSを例にとると、既存層に位置するシステム(既存システム)がプライマリシステムとなり、一般認可アクセス層及び優先アクセス層に位置するシステムがセカンダリシステムとなる。
既存層(Incumbent Tier)は、共用周波数帯域の既存ユーザからなるグループである。CBRSにおいては、国防総省(DOD:Department of Defense)、固定衛星事業者、新条件適用除外無線ブロードバンド免許人(GWBL:Grandfathered Wireless Broadband Licensee)が、既存ユーザとして定められる。“Incumbent Tier”は、より低い優先度を有する“Priority Access Tier”及び“GAA(General Authorized Access) Tier”への干渉回避又は抑制を要求されない。また、“Incumbent Tier”は、“Priority Access Tier”及び“GAA Tier”による干渉から保護される。即ち、“Incumbent Tier”のユーザは、他のグループの存在を考慮することなく、周波数帯域を使用することが可能である。
優先アクセス層(Priority Access Tier)は、PAL(Priority Access License)と呼ばれる免許を有するユーザからなるグループである。“Priority Access Tier”より高い優先度を有する“Incumbent Tier”への干渉回避又は抑制を要求されるが、より低い優先度を有する“GAA Tier”への干渉回避又は抑制を要求されない。また、“Priority Access Tier”は、より高い優先度を有する“Incumbent Tier”による干渉から保護されないが、より低い優先度を有する“GAA Tier”による干渉から保護される。
一般認可アクセス層(GAA Tier)は、上記“Incumbent Tier”および“Priority Access Tier”に属さない他の全てのユーザからなるグループである。より高い優先度を有する“Incumbent Tier”及び“Priority Access Tier”への干渉の回避又は抑制を要求される。また、“GAA Tier”は、より高い優先度を有する“Incumbent Tier”に及び“Priority Access Tier”よる干渉から保護されない。即ち、“GAA Tier”は、法制上、日和見的な(opportunistic)周波数利用が要求される“tier”である。
なお階層構造はこれらの定義に限定されない。CBRSは一般に3Tier構造と呼ばれるが、2Tier構造であってもよい。代表的な一例として、LSA(Licensed Shared Access)やTVWS(TV band White Space)のような2Tier構造が挙げられる。LSAでは、上記“Incumbent Tier”と“Priority Access Tier”の組み合わせと同等の構造が採用されている。また、TVWSでは、上記“Incumbent Tier”と“GAA Tier”の組み合わせと同等の構造が採用されている。また、4以上のTierが存在してもよい。具体的には、例えば、“Priority Access Tier”に相当する中間層を、さらに優先度付するなどしてもよい。また、例えば、“GAA Tier”も同様に優先度付するなどしてもよい。
図3は、CBRSの帯域を示す説明図である。上述のCBRSを例にとると、プライマリシステムは、軍事レーダシステム(Military Radar System)、既存無線システム(Grandfathered Wireless System)、或いは固定衛星業務(宇宙から地球)(Fixed Satellite Service (space-to-earth))となる。ここで、軍事レーダシステムは、代表的には艦載レーダである。また、セカンダリシステムはCBSD(Citizens Broadband Radio Service Device)、EUD(End User Device)と呼ばれる基地局、端末からなる無線ネットワークシステムとなる。セカンダリシステムにはさらに優先度が存在し、共用帯域を免許利用可能な優先アクセス免許(PAL:Priority Access License)と、免許不要と同等の一般認可アクセス(GAA:General Authorized Access)と、が定められている。図3に示す層1(Tier 1)は、図2に示す既存層に相当する。また、図3に示す層2(Tier 2)は、図2に示す優先アクセス層に相当する。また、図3に示す層3(Tier 3)は、図2に示す一般認可アクセス層に相当する。
なお、本実施形態のプライマリシステム(通信システム1)は、図3に示した例に限られない。他の種類の無線システムをプライマリシステム(通信システム1)としてもよい。例えば、適用する国・地域・周波数帯域に応じて、他の無線システムをプライマリシステムとしてもよい。例えば、プライマリシステムは、DVB-T(Digital Video Broadcasting-Terrestrial)システム等のテレビジョン放送システムであってもよい。また、プライマリシステムは、FS(Fixed System)と呼ばれる無線システムであってもよい。また、他の周波数帯における周波数共用であってもよい。例えば、代表的な一例として、LSAやTVWS(TV band White Space)が挙げられる。また、プライマリシステムは、LTE(Long Term Evolution)、NR(New Radio)等のセルラー通信システムであってもよい。また、プライマリシステムは、ARNS(Aeronautical Radio Navigation Service)等の航空無線システムであってもよい。勿論、プライマリシステムは、上記の無線システムに限定されず、他の種類の無線システムであってもよい。
また、通信システム2が利用する空き電波(White Space)は、Federal use band(3.55-3.70GHz)の電波に限られない。通信システム2は、Federal use band(3.55-3.70GHz)とは異なる周波数帯の電波を空き電波として利用してもよい。例えば、プライマリシステム(通信システム1)がテレビジョン放送システムなのであれば、通信システム2はTVホワイトスペースを空き電波として利用するシステムであってもよい。ここで、TVホワイトスペースとは、テレビジョン放送システム(プライマリシステム)に割当てられている周波数チャネルのうち、当該テレビジョン放送システムにより利用されていない周波数帯のことをいう。このとき、TVホワイトスペースは、地域に応じて使用されていないチャネルであってもよい。
また、通信システム1及び通信システム2の関係は、通信システム1をプライマリシステム、通信システム2をセカンダリシステムとした周波数共用関係に限られない。通信システム1及び通信システム2の関係は、同一周波数を利用する同一または異なる無線システム間のネットワーク共存(Network Coexistence)関係であってもよい。
一般に周波数共用において、対象帯域を利用する既存システムをプライマリシステム、二次利用者のシステムをセカンダリシステムと呼ぶが、周波数共用環境以外に本実施形態を適用する場合には、これら(プライマリシステム、セカンダリシステム)は別の用語のシステムに置き換えてもよい。例えば、HetNetにおけるマクロセルをプライマリシステム、スモールセルやリレー局をセカンダリシステムとしてもよい。また、基地局をプライマリシステム、そのカバレッジ内に存在するD2DやV2Xを実現するRelay UEやVehicle UEをセカンダリシステムとしてもよい。基地局は固定型に限らず、可搬型/移動型であってもよい。そのような場合、例えば、本発明の提供する通信制御装置は、基地局やリレー局、Relay UE等に具備されてもよい。
なお、以下の説明で登場する「周波数」という用語は、別の用語によって置き換えられてもよい。例えば、「周波数」という用語は、「リソース」、「リソースブロック」、「リソースエレメント」、「チャネル」、「コンポーネントキャリア」、「キャリア」、「サブキャリア」、といった用語やこれらと類似の意味を有する用語によって置き換えられてよい。なお、周波数は電波資源の一種である。「電波資源」は「周波数リソース」と言い換えることも可能である。
<<2.通信システムの構成>>
以下、本開示の実施形態に係る通信システム100を説明する。通信システム100は、通信システム1と、通信システム2と、を備える。通信システム1(第1無線システム)は、所定の周波数帯を利用(一次利用)して無線通信する無線通信システムである。また、通信システム2(第2無線システム)は、通信システム1が使用する周波数帯を二次利用して無線通信する無線通信システムである。例えば、通信システム2は、通信システム1の空き電波を動的周波数共用する無線通信システムである。通信システム2は、所定の無線アクセス技術(Radio Access Technology)を使って、ユーザ或いはユーザが有する装置に対し、無線サービスを提供する。
ここで、「一次利用」とは、ある無線システム(例えば通信システム1)がその無線システム専用に割当てられた周波数リソースまたは優先的に割当てられた周波数リソースを利用することである。また、「二次利用」とは、ある無線システム(例えば通信システム2)が、別の無線システム(通信システム1)専用に割当てられた周波数リソースまたは優先的に割当てられた周波数リソースを、その別の無線システム(通信システム1)よりも低い優先度で利用することである。
ここで、通信システム1、2は、W-CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、cdma2000(Code Division Multiple Access 2000)、LTE、NR等のセルラー通信システムであってもよい。以下の説明では、「LTE」には、LTE-A(LTE-Advanced)、LTE-A Pro(LTE-Advanced Pro)、及びEUTRA(Evolved Universal Terrestrial Radio Access)が含まれるものとする。また、「NR」には、NRAT(New Radio Access Technology)、及びFEUTRA(Further EUTRA)が含まれるものとする。
NRは、LTEの次の世代(第5世代)の無線アクセス技術(RAT)である。NRは、eMBB(Enhanced Mobile Broadband)、mMTC(Massive Machine Type Communications)及びURLLC(Ultra-Reliable and Low Latency Communications)を含む様々なユースケースに対応できる無線アクセス技術である。
なお、通信システム1、2は、セルラー通信システムに限られない。例えば、通信システム2は、無線LAN(Local Area Network)システム、テレビジョン放送システム、航空無線システム、宇宙無線通信システム等の他の無線通信システムであってもよい。
本実施形態では、通信システム1はプライマリシステムであり、通信システム2はセカンダリシステムであるものとする。上述したように、通信システム1及び通信システム2は、それぞれ、複数あってもよい。なお、図1の例では、通信システム1は1つの通信装置10(図1に示す通信装置10)で構成されていたが、上述したように、複数の通信装置10で構成されていてもよい。通信装置10の構成は、後述する端末装置20又は基地局装置30の構成と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
<2-1.通信システムの全体構成>
通信システム100は、典型的には、以下のエンティティで構成される。
通信装置(例えば、基地局装置やプロキシ装置)
端末装置
通信制御装置
なお、以下の説明では、通信装置となるエンティティは、通信装置10、基地局装置30及び/又はプロキシ装置50であるものとするが、通信装置となるエンティティはこれらの装置に限られず、他の通信装置(例えば、端末装置20、通信制御装置40)であってもよい。
図4は、本開示の実施形態に係る通信システム100の構成例を示す図である。上述したように、通信システム100は、通信システム1と、通信システム2と、を備える。なお、図中の装置は、論理的な意味での装置と考えることも可能である。つまり、同図の装置の一部が仮想マシン(VM:Virtual Machine)、コンテナ(Container)、ドッカー(Docker)などで実現され、それらが物理的に同一のハードウェア上で実装されてもよい。
通信システム1は、通信装置10の例として、空中通信装置10A、10Aと、地上端末装置10B、10B、10Bと、地上固定通信装置10Cと、を備える。ここで、空中通信装置10Aとして、例えば固定衛星通信装置、移動衛星通信装置、ドローン通信装置などが挙げられる。なお、図4の例では、通信システム1は空中通信装置10Aを2つ備えているが、通信システム1が備える空中通信装置10Aは2つより少なくてもよいし、多くてもよい。また、図4の例では、通信システム1は地上通信端末10Bを3つ備えているが、通信システム1が備える地上通信端末10Bは3つより少なくてもよいし、多くてもよい。また、図4の例では、通信システム1は地上固定通信装置10Cを1つ備えているが、通信システム1が備える地上固定通信装置10Cは1つより多くてもよい。図4の例の場合、空中通信装置10A、10A、地上端末装置10B、10B、10B、地上固定通信装置10Cそれぞれを1つの通信システム1とみなすことも可能である。
通信システム2としては、例えば、地上の通信システム(4G(LTE)または5G(NR)のセルラシステム、無線LANシステムなど)が挙げられる。ただし、通信システム2が空中通信装置を含んでいてもよい。通信システム2の通信装置(端末装置、基地局装置、アクセスポイント装置、など)は、直接または他の通信装置(例えばコアネットワーク内の通信装置(Serving Gateway(S-GW)、Packet Gatewar(P-GW)、Mobility Management Entity(MME)など)、インターネット内の通信装置(サーバ、クラウド、エッジ、ルータ、スイッチ、など))を介して、通信制御装置(Management Entity、Geolocation Database(GLDB)、Spectrum Access System(SAS)、など)40と接続している。
この例に限らず、通信システム2の端末装置20は、無線バックホールに用いられるCPE(Customer Premise Equipment)と呼ばれる装置であってよい。このような端末装置20は、場合によっては(例:干渉計算時などにおいて)基地局装置30として扱われてもよい。つまり、CPEは端末装置20、基地局装置30、両方の性質を併せ持つ。
通信システム2は、端末装置20と、基地局装置30と、通信制御装置40と、プロキシ装置50と、を備える。通信システム2は、通信システム2を構成する各装置(例えば、無線通信装置等の通信装置)が連携して動作することで、ユーザ或いはユーザが有する装置に対し、無線サービスを提供する。無線通信装置は、無線通信の機能を有する装置のことであり、図4の例では、端末装置20と基地局装置30とが該当する。
通信システム1、2は、通信システム1、2を構成する各装置(例えば、無線通信装置等の通信装置)が連携して動作することで、ユーザ或いはユーザが有する装置に対し、無線サービスを提供する。無線通信装置は、無線通信の機能を有する装置のことである。図4の例では、空中通信装置10A、10Aと地上端末装置10B、10B、10Bと地上固定通信装置10Cと端末装置20と基地局装置30とが無線通信装置に該当する。
なお、通信制御装置40及びプロキシ装置50は、無線通信機能を有していてもよい。この場合には、通信制御装置40及びプロキシ装置50も無線通信装置とみなすことができる。以下の説明では、無線通信装置のことを単に通信装置ということがある。なお、通信装置は無線通信装置に限られず、例えば、無線通信機能を有さず、有線通信のみ可能な装置も通信装置とみなすことができる。
なお、本実施形態において、「通信装置」という概念には、携帯端末等の持ち運び可能な移動体装置(例えば、端末装置)のみならず、構造物や移動体に設置される装置も含まれる。構造物や移動体そのものを通信装置とみなしてもよい。また、通信装置という概念には、端末装置のみならず、基地局装置及び中継装置も含まれる。通信装置は、処理装置及び情報処理装置の一種である。以下の説明で登場する「通信装置」の記載は、適宜「送信装置」又は「受信装置」と言い換えることが可能である。なお、本実施形態において、「通信」という概念には、「放送」が含まれるものとする。この場合、「通信装置」の記載は、適宜、「放送装置」と言い換えることが可能である。勿論、「通信装置」の記載は、適宜「送信装置」又は「受信装置」と言い換えてもよい。
通信システム2は、端末装置20と、基地局装置30と、通信制御装置40と、プロキシ装置50と、をそれぞれ複数備えていてもよい。図4の例では、通信システム2は、端末装置20として端末装置20、20、20、20等を備えている。また、図4の例では、通信システム2は、基地局装置30として基地局装置30、30、30、30、30等を備えている。また、図4の例では、通信システム2は通信制御装置40を1つしか備えていないが、通信システム2が備える通信制御装置40は1つより多くてもよい。
なお、以下の説明では、無線通信装置のことを無線システムと呼ぶことがある。例えば、空中通信装置10A、10A、地上端末装置10B、10B、10B、地上固定通信装置10Cは、それぞれ、1つの無線システムである。また、基地局装置30~30は、それぞれ、1つの無線システムである。また、端末装置20~20は、それぞれ、1つの無線システムである。なお、以下の説明では、通信システム1が備える1又は複数の通信装置10を第1無線システムとするが、通信システム1が備える1又は複数の通信装置10それぞれを通信システム1そのものを第1無線システムとみなしてもよい。また、以下の説明では、通信システム2が備える1又は複数の基地局装置30それぞれを第2無線システムとするが、通信システム2そのものを第2無線システムとみなしてもよいし、通信システム2が備える1又は複数の端末装置20それぞれを第2無線システムとみなしてもよい。通信制御装置40及びプロキシ装置50が無線通信機能を有するのであれば、通信制御装置40それぞれ或いはプロキシ装置50それぞれを第2無線システムとみなしてもよい。
なお、無線システムは、少なくとも1つの無線通信装置を含む複数の通信装置で構成される1つのシステムであってもよい。例えば、1又は複数の空中通信装置10Aと、その配下にある1又は複数の地上通信端末10B、あるいは、1又は複数の地上固定通信装置10Cと、で構成されるシステムを1つの無線システムとみなしてもよい。また、1又は複数の基地局装置30と、その配下にある1又は複数の端末装置20と、で構成されるシステムを1つの無線システムとみなしてもよい。また、通信システム1又は通信システム2を、それぞれ、1つの無線システムとみなすことも可能である。以下の説明では、少なくとも1つの無線通信装置を含む複数の通信装置で構成される通信システムのことを、無線通信システム、或いは、単に通信システムと呼ぶことがある。なお、1つの無線通信装置を含む複数の通信装置で構成される1つのシステムを第1無線システム或いは第2無線システムとみなしてもよい。
なお、本実施形態において、システムとは、複数の構成要素(装置、モジュール(部品)等)の集合を意味するものとする。このとき、システムを構成する全ての構成要素が同一筐体にあってもよいし、同一筐体になくてもよい。例えば、別個の筐体に収納され、有線、及び/又は無線を介して接続されている複数の装置は1つのシステムである。また、1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置も1つのシステムである。
[端末装置]
端末装置20は、通信機能を備えた通信機器である。端末装置20は、典型的にはスマートフォン等の通信機器である。端末装置20は、携帯電話、スマートデバイス(スマートフォン、又はタブレット)、ウェアラブル端末、IoT(Internet of Things)デバイス、PDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータ等のユーザ端末であってもよい。端末装置は、User Equipment、User Terminal、User Station、Mobile Terminal、Mobile Station、等と呼ばれることがある。
また、端末装置20は、他の端末装置20とサイドリンク通信が可能であってもよい。端末装置20は、サイドリンク通信を行う際、HARQ(Hybrid ARQ(Automatic Repeat reQuest))等の自動再送技術を使用可能であってもよい。なお、端末装置20が使用する無線通信(サイドリンク通信を含む。)は、電波を使った無線通信であってもよいし、赤外線や可視光を使った無線通信(光無線)であってもよい。
また、端末装置20は、移動体装置であってもよい。ここで、移動体装置は、移動可能な無線通信装置である。このとき、端末装置20は、移動体に設置される無線通信装置であってもよいし、移動体そのものであってもよい。例えば、端末装置20は、自動車、バス、トラック、自動二輪車等の道路上を移動する車両(Vehicle)、或いは、当該車両に搭載された無線通信装置であってもよい。なお、移動体は、モバイル端末であってもよいし、陸上(狭義の地上)、地中、水上、或いは、水中を移動する移動体であってもよい。また、移動体は、ドローン、ヘリコプター等の大気圏内を移動する移動体であってもよいし、人工衛星等の大気圏外を移動する移動体であってもよい。
端末装置20は、同時に複数の基地局装置または複数のセルと接続して通信を実施してもよい。例えば、1つの基地局装置が複数のセル(例えば、pCell、sCell)を介して通信エリアをサポートしている場合に、キャリアアグリゲーション(CA:Carrier Aggregation)技術やデュアルコネクティビティ(DC:Dual Connectivity)技術、マルチコネクティビティ(MC:Multi-Connectivity)技術によって、それら複数のセルを束ねて端末装置20と基地局装置30とで通信することが可能である。或いは、異なる基地局装置30のセルを介して、協調送受信(CoMP:Coordinated Multi-Point Transmission and Reception)技術によって、端末装置20とそれら複数の基地局装置30が通信することも可能である。
なお、端末装置20は、人が利用するものである必要はない。端末装置20は、いわゆるMTC(Machine Type Communication)のように、工場の機械、建物に設置されるセンサであってもよい。また、端末装置20は、M2M(Machine to Machine)デバイス、又はIoT(Internet of Things)デバイスであってもよい。また、端末装置20は、D2D(Device to Device)やV2X(Vehicle to everything)に代表されるように、リレー通信機能を具備した装置であってもよい。また、端末装置20は、無線バックホール等で利用されるCPE(Client Premises Equipment)と呼ばれる機器であってもよい。また、端末装置20は、移動体に設置される無線通信装置であってもよいし、移動体そのものであってもよい。
[基地局装置]
基地局装置30(第2無線システム)は、端末装置20或いは他の通信装置(他の基地局装置30、他のプロキシ装置50)と無線通信する無線通信装置である。基地局装置30は通信装置の一種である。基地局装置30は、例えば、無線基地局(Base Station、Node B、eNB、gNB、など)や無線アクセスポイント(Access Point)に相当する装置である。基地局装置30は、無線リレー局であってもよい。基地局装置30は、RSU(Road Side Unit)等の路上基地局装置であってもよい。また、基地局装置30は、RRH(Remote Radio Head)と呼ばれる光張り出し装置であってもよい。本実施形態では、無線通信システムの基地局のことを基地局装置ということがある。なお、基地局装置30が使用する無線アクセス技術は、セルラー通信技術であってもよいし、無線LAN技術であってもよい。勿論、基地局装置30が使用する無線アクセス技術は、これらに限定されず、他の無線アクセス技術であってもよい。
基地局装置30は、必ずしも固定されたものである必要もなく、自動車のように動くものに設置されていてもよい。また、基地局装置30は、必ずしも地上に存在する必要はなく、航空機、ドローン、ヘリコプター、衛星などのように、空中や宇宙に存在する物体や、船、潜水艦などのように海上・海中に存在する物体に通信装置機能が具備されてもよい。このような場合、基地局装置30は固定的に設置されている他の通信装置と無線通信を実施しうる。
なお、基地局装置(基地局ともいう。)という概念には、ドナー基地局のみならず、リレー基地局(中継局、或いは中継局装置ともいう。)も含まれる。基地局という概念には、アクセスポイントも含まれる。また、基地局という概念には、基地局の機能を備えた構造物(Structure)のみならず、構造物に設置される装置も含まれる。
構造物は、例えば、オフィスビル、家屋、鉄塔、駅施設、空港施設、港湾施設、スタジアム等の建物(Building)である。なお、構造物という概念には、建物のみならず、トンネル、橋梁、ダム、塀、鉄柱等の構築物(Non-building structure)や、クレーン、門、風車等の設備も含まれる。また、構造物という概念には、陸上(狭義の地上)又は地中の構造物のみならず、桟橋、メガフロート等の水上の構造物や、海洋観測設備等の水中の構造物も含まれる。
基地局装置30は、ドナー局であってもよいし、リレー局(中継局)であってもよい。また、基地局装置30は、固定局であってもよいし、移動局であってもよい。移動局は、移動可能に構成された無線通信装置(例えば、基地局装置)である。このとき、基地局装置30は、移動体に設置される装置であってもよいし、移動体そのものであってもよい。例えば、移動能力(Mobility)をもつリレー局装置は、移動局としての基地局装置30とみなすことができる。また、車両、ドローン、スマートフォンなど、もともと移動能力がある装置であって、基地局装置の機能(少なくとも基地局装置の機能の一部)を搭載した装置も、移動局としての基地局装置30に該当する。
ここで、移動体は、スマートフォンや携帯電話等のモバイル端末であってもよい。また、移動体は、陸上(狭義の地上)を移動する移動体(例えば、自動車、自転車、バス、トラック、自動二輪車、列車、リニアモーターカー等の車両)であってもよいし、地中(例えば、トンネル内)を移動する移動体(例えば、地下鉄)であってもよい。
また、移動体は、水上を移動する移動体(例えば、旅客船、貨物船、ホバークラフト等の船舶)であってもよいし、水中を移動する移動体(例えば、潜水艇、潜水艦、無人潜水機等の潜水船)であってもよい。
また、移動体は、大気圏内を移動する移動体(例えば、飛行機、飛行船、ドローン等の航空機)であってもよいし、大気圏外を移動する移動体(例えば、人工衛星、宇宙船、宇宙ステーション、探査機等の人工天体)であってもよい。大気圏外を移動する移動体は宇宙移動体と言い換えることができる。
また、基地局装置30は、地上に設置される地上基地局装置(地上局装置)であってもよい。例えば、基地局装置30は、地上の構造物に配置される基地局装置であってもよいし、地上を移動する移動体に設置される基地局装置であってもよい。より具体的には、基地局装置30は、ビル等の構造物に設置されたアンテナ及びそのアンテナに接続する信号処理装置であってもよい。勿論、基地局装置30は、構造物や移動体そのものであってもよい。「地上」は、陸上(狭義の地上)のみならず、地中、水上、水中も含む広義の地上である。
なお、基地局装置30は、地上基地局装置に限られない。基地局装置30は、空中又は宇宙を浮遊可能な非地上基地局装置(非地上局装置)であってもよい。例えば、基地局装置30は、航空機局装置や衛星局装置であってもよい。
航空機局装置は、航空機等、大気圏内を浮遊可能な無線通信装置である。航空機局装置は、航空機等に搭載される装置であってもよいし、航空機そのものであってもよい。なお、航空機という概念には、飛行機、グライダー等の重航空機のみならず、気球、飛行船等の軽航空機も含まれる。また、航空機という概念には、重航空機や軽航空機のみならず、ヘリコプターやオートジャイロ等の回転翼機も含まれる。なお、航空機局装置(又は、航空機局装置が搭載される航空機)は、ドローン等の無人航空機であってもよい。
なお、無人航空機という概念には、無人航空システム(UAS:Unmanned Aircraft Systems)、つなぎ無人航空システム(tethered UAS)も含まれる。また、無人航空機という概念には、軽無人航空システム(LTA:Lighter than Air UAS)、重無人航空システム(HTA:Heavier than Air UAS)が含まれる。その他、無人航空機という概念には、高高度無人航空システムプラットフォーム(HAPs:High Altitude UAS Platforms)も含まれる。
衛星局装置は、大気圏外を浮遊可能な無線通信装置である。衛星局装置は、人工衛星等の宇宙移動体に搭載される装置であってもよいし、宇宙移動体そのものであってもよい。衛星局装置となる衛星は、低軌道(LEO:Low Earth Orbiting)衛星、中軌道(MEO:Medium Earth Orbiting)衛星、静止(GEO:Geostationary Earth Orbiting)衛星、高楕円軌道(HEO:Highly Elliptical Orbiting)衛星の何れであってもよい。勿論、衛星局装置は、低軌道衛星、中軌道衛星、静止衛星、又は高楕円軌道衛星に搭載される装置であってもよい。
上述したように、基地局装置30は中継局装置であってもよい。中継局装置は、例えば、航空局や地球局である。中継局装置は上述の中継装置の一種とみなすことができる。航空局は、航空機局装置と通信を行うために、地上又は地上を移動する移動体に設置された無線局である。また、地球局は、衛星局装置と通信するために、地球(空中を含む。)に位置する無線局である。地球局は、大型地球局であってもよいし、VSAT(Very Small Aperture Terminal)等の小型地球局であってもよい。
なお、地球局は、VSAT制御地球局(親局、HUB局ともいう。)であってもよいし、VSAT地球局(子局ともいう。)であってもよい。また、地球局は、地上を移動する移動体に設置される無線局であってもよい。例えば、船舶に搭載される地球局として、船上地球局(ESV:Earth Stations on board Vessels)が挙げられる。また、地球局には、航空機(ヘリコプターを含む。)に設置され、衛星局と通信する航空機地球局が含まれていてもよい。また、地球局には、地上を移動する移動体に設置され、衛星局を介して航空機地球局と通信する航空地球局が含まれていてもよい。なお、中継局装置は、衛星局や航空機局と通信する携帯移動可能な無線局であってもよい。
基地局装置30のカバレッジの大きさも、マクロセルのような大きなものから、ピコセルのような小さなものであってもよい。勿論、基地局装置30のカバレッジの大きさは、フェムトセルのような極めて小さなものであってもよい。また、基地局装置30がビームフォーミングの能力を有する場合、ビームごとにセルやサービスエリアが形成されてもよい。
基地局装置30は、さまざまなエンティティによって利用、運用、及び/又は管理されうる。例えば、基地局装置30は、移動体通信事業者(MNO:Mobile Network Operator)、仮想移動体通信事業者(MVNO:Mobile Virtual Network Operator)、仮想移動体通信イネーブラ(MVNE:Mobile Virtual Network Enabler)、ニュートラルホストネットワーク(NHN:Neutral Host Network)事業者、エンタープライズ、教育機関(学校法人、各自治体教育委員会、等)、不動産(ビル、マンション等)管理者、個人などが想定されうる。勿論、基地局装置30の利用、運用、及び/又は管理の主体はこれらに限定されない。
基地局装置30は一事業者が設置及び/又は運用を行うものであってもよいし、一個人が設置及び/又は運用を行うものであってもよい。勿論、基地局装置30の設置・運用主体はこれらに限定されない。例えば、基地局装置30は、複数の事業者または複数の個人が共同で設置・運用を行うものであってもよい。また、基地局装置30は、複数の事業者または複数の個人が利用する共用設備であってもよい。この場合、設備の設置及び/又は運用は利用者とは異なる第三者によって実施されてもよい。
事業者によって運用される基地局装置30は、典型的には、コアネットワークを介してインターネット接続される。また、基地局装置30は、OA&M(Operation, Administration & Maintenance)と呼ばれる機能により、運用管理・保守がなされる。なお、通信システム2には、例えば、ネットワーク内の基地局装置30を統合制御するネットワークマネージャが存在しうる。
[通信制御装置]
通信制御装置40は、基地局装置30を管理する装置である。例えば、通信制御装置40は、基地局装置30の無線通信を制御する装置である。例えば、通信制御装置40は、基地局装置30が使用する通信パラメータ(動作パラメータともいう。)を決定し、基地局装置30に対して許可又は指示を行う装置である。
このとき、通信制御装置40は、ネットワーク内の無線装置を統合制御するネットワークマネージャであってもよい。ETSI EN 303 387やIEEE 802.19.1-2014を例にとると、通信制御装置40は、無線機器間の電波干渉制御を行うSpectrum Manager/Coexistence Managerといった制御装置であってもよい。また、例えば、IEEE 802.11-2016にて規定されるRLSS(Registered Location Secure Server)も通信制御装置40となりうる。また、周波数共用環境下では、GLDB(Geolocation database)やSAS(Spectrum Access System)といったデータベース(データベースサーバ、装置、システム)も通信制御装置40となりうる。
なお、通信システム2がセルラー通信システムなのであれば、通信制御装置40は、コアネットワークを構成する装置であってもよい。コアネットワークCNは、例えば、EPC(Evolved Packet Core)や5GC(5G Core network)である。コアネットワークがEPCなのであれば、通信制御装置40は、例えば、MME(Mobility Management Entity)としての機能を有する装置であってもよい。また、コアネットワークが5GCなのであれば、通信制御装置40は、例えば、AMF(Access and Mobility Management Function)としての機能を有する装置であってもよい。なお、通信システム2がセルラー通信システムの場合であっても、通信制御装置40は必ずしもコアネットワークを構成する装置である必要はない。例えば、通信制御装置40はRNC(Radio Network Controller)としての機能を有する装置であってもよい。
なお、通信制御装置40はゲートウェイの機能を有していてもよい。例えば、コアネットワークがEPCなのであれば、通信制御装置40は、S-GW(Serving Gateway)やP-GW(Packet Data Network Gateway)としての機能を有する装置であってもよい。また、コアネットワークが5GCなのであれば、通信制御装置40は、UPF(User Plane Function)としての機能を有する装置であってもよい。なお、通信制御装置40は必ずしもコアネットワークを構成する装置でなくてもよい。例えば、コアネットワークがW-CDMAやcdma2000のコアネットワークであるとする。このとき、通信制御装置40はRNC(Radio Network Controller)として機能する装置であってもよい。
基本的には、通信制御装置40の制御対象は基地局装置30となるが、通信制御装置40はその配下の端末装置20を制御してもよい。また、通信制御装置40は、複数のセカンダリシステムを制御してもよい。この場合、通信システム2は、複数のセカンダリシステムを備えるシステムとみなすことが可能である。
また、通信制御装置40は、1つの通信システム2に複数存在していてもよい。図5は、通信制御装置40が分散的に配置されるモデルを示す図である。この場合、複数の通信制御装置40(図5の例の場合、通信制御装置40及び通信制御装置40)は互いに管理する基地局装置30の情報を交換し、必要な周波数の割り当てや干渉制御の計算を行う。
また、通信制御装置40は、マスタ-スレーブ型の装置であってもよい。図6は、1つの通信制御装置が中央制御的に複数の通信制御装置を統括するモデル(いわゆるマスタ-スレーブ型のモデル)を示す図である。図6の例では、通信制御装置40がマスタ通信制御装置であり、通信制御装置40、60がスレーブ通信制御装置である。このようなシステムの場合、マスタ通信制御装置は複数のスレーブ通信制御装置を統括し、集中的に意思決定を行うことが可能である。また、マスタ通信制御装置は、負荷分散(ロードバランシング)などを目的として、各スレーブ通信制御装置に対して、意思決定権限の委譲・破棄等を実施することも可能である。
なお、通信制御装置40は、その役目のために、端末装置20、基地局装置30、及びプロキシ装置50以外のエンティティからも必要な情報を取得しうる。具体的には、通信制御装置40は、例えば、国・地域の電波行政機関が管理・運用するデータベース(レギュラトリデータベース)から、プライマリシステムの位置情報等、保護に必要な情報を取得しうる。レギュラトリデータベースの一例としては、米国連邦通信委員会(Federal Communications Commissions)が運用するULS(Universal Licensing System)などが挙げられる。保護に必要な情報のその他の例としては、例えば、帯域外輻射制限(OOBE(Out-of-Band Emission) Limit)、隣接チャネル漏洩比(ACLR:Adjacent Channel Leakage Ratio)、隣接チャネル選択性(Adjacent Channel Selectivity)、フェージングマージン、及び/又は保護比率(PR:Protection Ratio)等を含みうる。これらの例については、法制上、数値が固定的に与えられる場合にはそれらを用いることが望ましい。
また、その他の一例としては、通信制御装置40が、プライマリシステムの電波検知を目的に設置・運用される電波センシングシステムから電波センシング情報を取得することも想定されうる。具体的な一例としては、通信制御装置40は、米国CBRSにおける環境センシング機能(ESC:Environmental Sensing Capability)のような電波センシングシステムから、プライマリシステムの電波検知情報を取得しうる。また、通信装置や端末がセンシング機能を具備する場合、通信制御装置40は、これらからプライマリシステムの電波検知情報を取得してもよい。
[プロキシ装置]
プロキシ装置50(プロキシシステム)は、1又は複数の通信装置(例えば、基地局装置30)を代理(代表)して通信制御装置40と通信する装置である。プロキシ装置50も通信装置の一種である。
プロキシ装置50は、非特許文献2等で規定されるDP(Domain Proxy)であってもよい。ここで、DPとは、複数のCBSDそれぞれ、又は複数のCBSDで構成されるネットワークに代わってSASと通信するエンティティのことをいう。なお、1又は複数の通信装置を代理(代表)して通信制御装置40と通信する機能を有しているのであれば、プロキシ装置50は、非特許文献2で規定されるDPに限られない。ネットワーク内の基地局装置30を統合制御するネットワークマネージャをプロキシ装置50とみなしてもよい。
なお、プロキシシステムは、1つの装置で構成されていてもよいし、複数の装置で構成されていてもよい。プロキシ装置50と基地局装置30との間の通信は有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。同様に、プロキシ装置50と通信制御装置40との間の通信は有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。
なお、プロキシ装置50が代理(代表)する通信装置は基地局装置30に限られず、例えば、端末装置20であってもよい。以下の説明では、プロキシ装置50が代理(代表)する1又は複数の通信装置(例えば、1又は複数の基地局装置30)のことを配下の通信装置(例えば、配下の基地局装置30)ということがある。
以下、通信システム100が備える各装置の構成を具体的に説明する。
<2-2.端末装置の構成>
次に、端末装置20の構成を説明する。図7は、本開示の実施形態に係る端末装置20の構成例を示す図である。端末装置20は、基地局装置30及び/又は通信制御装置40と無線通信する通信装置である。なお、本実施形態において、通信装置(或いは無線通信装置)という概念には、基地局装置やプロキシ装置のみならず、端末装置も含まれる。通信装置(或いは無線通信装置)は、無線システムと言い換えることができる。
端末装置20は、無線通信部21と、記憶部22と、入出力部23と、制御部24と、を備える。なお、図7に示した構成は機能的な構成であり、ハードウェア構成はこれとは異なっていてもよい。また、端末装置20の機能は、複数の物理的に分離された構成に分散して実装されてもよい。
無線通信部21は、他の通信装置(例えば、基地局装置30及び他の端末装置20)と無線通信する無線通信インタフェースである。無線通信部21は、制御部24の制御に従って動作する。無線通信部21は1又は複数の無線アクセス方式に対応する。例えば、無線通信部21は、NR及びLTEの双方に対応する。無線通信部21は、W-CDMAやcdma2000等、他の無線アクセス方式に対応していてもよい。
無線通信部21は、受信処理部211と、送信処理部212と、アンテナ213と、を備える。無線通信部21は、受信処理部211、送信処理部212、及びアンテナ213をそれぞれ複数備えていてもよい。なお、無線通信部21が複数の無線アクセス方式に対応する場合、無線通信部21の各部は、無線アクセス方式毎に個別に構成されうる。例えば、受信処理部211及び送信処理部212は、LTEとNRとで個別に構成されてもよい。受信処理部211、及び送信処理部212の構成は、後述する基地局装置30の受信処理部311、及び送信処理部312と同様である。
記憶部22は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static RAM)、フラッシュメモリ、ハードディスク等のデータ読み書き可能な記憶装置である。記憶部22は、端末装置20の記憶手段として機能する。
入出力部23は、ユーザと情報をやりとりするためのユーザインタフェースである。例えば、入出力部23は、キーボード、マウス、操作キー、タッチパネル等、ユーザが各種操作を行うための操作装置である。又は、入出力部23は、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(Organic Electroluminescence Display)等の表示装置である。入出力部23は、スピーカー、ブザー等の音響装置であってもよい。また、入出力部23は、LED(Light Emitting Diode)ランプ等の点灯装置であってもよい。入出力部23は、端末装置20の入出力手段(入力手段、出力手段、操作手段又は通知手段)として機能する。
制御部24は、端末装置20の各部を制御するコントローラ(Controller)である。制御部24は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサにより実現される。例えば、制御部24は、端末装置20内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムを、プロセッサがRAM等を作業領域として実行することにより実現される。なお、制御部24は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。CPU、MPU、ASIC、及びFPGAは何れもコントローラとみなすことができる。なお、制御部34は、基地局装置30の制御部が有する各機能ブロックを有していてもよい。
制御部24は、図7に示すように、選択部241と、計算部242と、決定部243と、設定部244と、無線通信制御部246と、を備える。制御部24を構成する各ブロック(選択部241~設定部244、無線通信制御部246)はそれぞれ制御部24の機能を示す機能ブロックである。これら機能ブロックはソフトウェアブロックであってもよいし、ハードウェアブロックであってもよい。例えば、上述の機能ブロックが、それぞれ、ソフトウェア(マイクロプログラムを含む。)で実現される1つのソフトウェアモジュールであってもよいし、半導体チップ(ダイ)上の1つの回路ブロックであってもよい。勿論、各機能ブロックがそれぞれ1つのプロセッサ又は1つの集積回路であってもよい。機能ブロックの構成方法は任意である。なお、制御部24は上述の機能ブロックとは異なる機能単位で構成されていてもよい。
制御部24を構成する選択部241、計算部242、及び決定部243の動作は、通信制御装置40の制御部44を構成する選択部441、計算部442、及び決定部443の各ブロックの動作と同じであってもよい。この場合、以下の説明で登場する「端末装置20」の記載は、適宜、「通信制御装置40」に置き換え可能である。同様に、以下の説明で登場する「制御部24」、「選択部241」、「計算部242」、「決定部243」の記載は、適宜、「制御部44」、「選択部441」、「計算部442」、「決定部443」に置き換え可能である。また、制御部24は、必ずしも選択部241、計算部242、及び決定部243の全てを備えずともかまわない。制御部24は、選択部241、計算部242、及び決定部243のうち一部のブロックまたは全部のブロックを基地局装置30の制御部34、及び通信制御装置40の制御部44との間で分散して備えることができる。
また、制御部24を構成する設定部244、及び無線通信制御部246の動作は、基地局装置30の制御部34を構成する設定部344、及び無線通信制御部346の各ブロックの動作と同じであってもよい。この場合、以下の説明で登場する「端末装置20」の記載は、適宜、「基地局装置30」に置き換え可能である。同様に、以下の説明で登場する「制御部24」、「設定部244」、及び「無線通信制御部246」の記載は、適宜、「制御部34」、「設定部344」、及び「無線通信制御部346」に置き換え可能である。
制御部24を構成する各ブロックの動作は後述する。
<2-3.基地局装置の構成>
次に、基地局装置30の構成を説明する。図8は、本開示の実施形態に係る基地局装置30の構成例を示す図である。基地局装置30は、通信制御装置40の制御に従って端末装置20と無線通信する通信装置(無線システム)である。基地局装置30は、情報処理装置の一種である。
基地局装置30は、無線通信部31と、記憶部32と、ネットワーク通信部33と、制御部34と、を備える。なお、図8に示した構成は機能的な構成であり、ハードウェア構成はこれとは異なっていてもよい。また、基地局装置30の機能は、複数の物理的に分離された装置に分散して実装されてもよい。
無線通信部31は、他の通信装置(例えば、端末装置20、通信制御装置40、プロキシ装置50、及び他の基地局装置30)と無線通信する無線通信インタフェースである。無線通信部31は、制御部34の制御に従って動作する。無線通信部31は複数の無線アクセス方式に対応してもよい。例えば、無線通信部31は、NR及びLTEの双方に対応してもよい。無線通信部31は、W-CDMAやcdma2000等の他のセルラー通信方式に対応してもよい。また、無線通信部31は、セルラー通信方式に加えて、無線LAN通信方式に対応してもよい。勿論、無線通信部31は、1つの無線アクセス方式に対応するだけであってもよい。
無線通信部31は、受信処理部311と、送信処理部312と、アンテナ313と、を備える。無線通信部31は、受信処理部311、送信処理部312、及びアンテナ313をそれぞれ複数備えていてもよい。なお、無線通信部31が複数の無線アクセス方式に対応する場合、無線通信部31の各部は、無線アクセス方式毎に個別に構成されうる。例えば、基地局装置30がNRとLTEとに対応しているのであれば、受信処理部311及び送信処理部312は、NRとLTEとで個別に構成されてもよい。
受信処理部311は、アンテナ313を介して受信された上りリンク信号の処理を行う。受信処理部311は、無線受信部311aと、多重分離部311bと、復調部311cと、復号部311dと、を備える。
無線受信部311aは、上りリンク信号に対して、ダウンコンバート、不要な周波数成分の除去、増幅レベルの制御、直交復調、デジタル信号への変換、ガードインターバルの除去、高速フーリエ変換による周波数領域信号の抽出等を行う。例えば、基地局装置30の無線アクセス方式が、LTE等のセルラー通信方式であるとする。このとき、多重分離部311bは、無線受信部311aから出力された信号から、PUSCH(Physical Uplink Shared Channel)、PUCCH(Physical Uplink Control Channel)等の上りリンクチャネル及び上りリンク参照信号を分離する。復調部311cは、上りリンクチャネルの変調シンボルに対して、BPSK(Binary Phase Shift Keying)、QPSK(Quadrature Phase shift Keying)等の変調方式を使って受信信号の復調を行う。復調部311cが使用する変調方式は、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)、64QAM、又は256QAMであってもよい。復号部311dは、復調された上りリンクチャネルの符号化ビットに対して、復号処理を行う。復号された上りリンクデータ及び上りリンク制御情報は制御部34へ出力される。
送信処理部312は、下りリンク制御情報及び下りリンクデータの送信処理を行う。送信処理部312は、符号化部312aと、変調部312bと、多重部312cと、無線送信部312dと、を備える。
符号化部312aは、制御部34から入力された下りリンク制御情報及び下りリンクデータを、ブロック符号化、畳み込み符号化、ターボ符号化等の符号化方式を用いて符号化を行う。変調部312bは、符号化部312aから出力された符号化ビットをBPSK、QPSK、16QAM、64QAM、256QAM等の所定の変調方式で変調する。多重部312cは、各チャネルの変調シンボルと下りリンク参照信号とを多重化し、所定のリソースエレメントに配置する。無線送信部312dは、多重部312cからの信号に対して、各種信号処理を行う。例えば、無線送信部312dは、高速フーリエ変換による時間領域への変換、ガードインターバルの付加、ベースバンドのデジタル信号の生成、アナログ信号への変換、直交変調、アップコンバート、余分な周波数成分の除去、電力の増幅等の処理を行う。送信処理部312で生成された信号は、アンテナ313から送信される。
記憶部32は、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ、ハードディスク等のデータ読み書き可能な記憶装置である。記憶部32は、基地局装置30の記憶手段として機能する。記憶部32は、所望送信電力情報、動作パラメータ、保有リソース情報等を記憶する。
所望送信電力情報は、基地局装置30が、電波の送信に必要な送信電力の情報として、通信制御装置40に要求する送信電力の情報である。
動作パラメータは、基地局装置30の電波送信動作に関する情報(例えば、設定情報)である。例えば、動作パラメータは、基地局装置30に許容された送信電力の最大値(最大許容送信電力)の情報である。勿論、動作パラメータは、最大許容送信電力の情報に限定されない。
また、保有リソース情報は、基地局装置30の無線リソースの保有に関する情報である。例えば、保有リソース情報は、基地局装置30が現在使用可能な無線リソースの情報である。例えば、有リソース情報は、基地局装置30が通信制御装置40から割り当てられた干渉マージンの保有量の情報である。保有量の情報は、後述のリソースブロック単位の情報であってもよい。すなわち、保有リソース情報は、基地局装置30が保有するリソースブロックに関する情報(例えば、リソースブロック保有量)であってもよい。
ネットワーク通信部33は、他の装置(例えば、通信制御装置40、プロキシ装置50、及び他の基地局装置30)と通信するための通信インタフェースである。例えば、ネットワーク通信部43は、NIC(Network Interface Card)等のLAN(Local Area Network)インタフェースである。ネットワーク通信部33は、USB(Universal Serial Bus)ホストコントローラ、USBポート等により構成されるUSBインタフェースであってもよい。また、ネットワーク通信部33は、有線インタフェースであってもよいし、無線インタフェースであってもよい。ネットワーク通信部33は、基地局装置30のネットワーク通信手段として機能する。ネットワーク通信部33は、制御部34の制御に従って、他の装置と通信する。
制御部34は、基地局装置30の各部を制御するコントローラである。制御部34は、例えば、CPU、MPU等のプロセッサにより実現される。例えば、制御部34は、基地局装置30内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムを、プロセッサがRAM等を作業領域として実行することにより実現される。なお、制御部34は、ASICやFPGA等の集積回路により実現されてもよい。CPU、MPU、ASIC、及びFPGAは何れもコントローラとみなすことができる。
制御部34は、図8に示すように、選択部341と、計算部342と、決定部343と、設定部344と、通知部345と、無線通信制御部346と、を備える。制御部34を構成する各ブロック(選択部341~無線通信制御部346)はそれぞれ制御部34の機能を示す機能ブロックである。これら機能ブロックはソフトウェアブロックであってもよいし、ハードウェアブロックであってもよい。例えば、上述の機能ブロックが、それぞれ、ソフトウェア(マイクロプログラムを含む。)で実現される1つのソフトウェアモジュールであってもよいし、半導体チップ(ダイ)上の1つの回路ブロックであってもよい。勿論、各機能ブロックがそれぞれ1つのプロセッサ又は1つの集積回路であってもよい。機能ブロックの構成方法は任意である。なお、制御部34は上述の機能ブロックとは異なる機能単位で構成されていてもよい。
制御部34を構成する選択部341、計算部342、決定部343、及び通知部345の動作は、通信制御装置40の制御部44を構成する選択部441、計算部442、決定部443、及び通知部445の各ブロックの動作と同じであってもよい。この場合、以下の説明で登場する「基地局装置30」の記載は、適宜、「通信制御装置40」に置き換え可能である。同様に、以下の説明で登場する「制御部34」、「選択部341」、「計算部342」、「決定部343」、及び「通知部345」の記載は、適宜、「制御部44」、「選択部441」、「計算部442」、「決定部443」、及び「通知部445」に置き換え可能である。また、制御部34は、必ずしも選択部341、計算部342、及び決定部343の全てを備えずともかまわない。制御部34は、選択部341、計算部342、及び決定部343のうち一部のブロックまたは全部のブロックを端末装置20の制御部24、及び通信制御装置40の制御部44との間で分散して備えることができる。
制御部34を構成する各ブロックの動作は後述する。
<2-4.通信制御装置の構成>
通信制御装置40は、基地局装置30の無線通信を制御する装置である。通信制御装置40は、基地局装置30を介して、或いは直接、端末装置20の無線通信を制御してもよい。通信制御装置40は、情報処理装置の一種である。
図9は、本開示の実施形態に係る通信制御装置40の構成例を示す図である。通信制御装置40は、無線通信部41と、記憶部42と、ネットワーク通信部43、制御部44と、を備える。なお、図9に示した構成は機能的な構成であり、ハードウェア構成はこれとは異なっていてもよい。また、通信制御装置40の機能は、複数の物理的に分離された構成に分散して実装されてもよい。例えば、通信制御装置40は、複数のサーバ装置により構成されていてもよい。
無線通信部41は、他の通信装置(例えば、端末装置20、基地局装置30、プロキシ装置50、及び他の通信制御装置40)と無線通信する無線通信インタフェースである。無線通信部41は、制御部44の制御に従って動作する。無線通信部41は1又は複数の無線アクセス方式に対応する。例えば、無線通信部41は、NR及びLTEの双方に対応する。無線通信部41は、W-CDMAやcdma2000等、他の無線アクセス方式に対応していてもよい。無線通信部41の構成は、基地局装置30の無線通信部31と同様である。
記憶部42は、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ、ハードディスク等のデータ読み書き可能な記憶装置である。記憶部42は、通信制御装置40の記憶手段として機能する。記憶部32は、通信システム2を構成する複数の基地局装置30それぞれの動作パラメータを記憶する。なお、記憶部42は、通信システム2を構成する複数の基地局装置30それぞれの保有リソース情報を記憶していてもよい。上述したように、保有リソース情報は、基地局装置30の無線リソースの保有に関する情報である。
ネットワーク通信部43は、他の装置(例えば、基地局装置30、プロキシ装置50、及び、他の通信制御装置40)と通信するための通信インタフェースである。ネットワーク通信部43は、ネットワークインタフェースであってもよいし、機器接続インタフェースであってもよい。例えば、ネットワーク通信部33は、NIC等のLANインタフェースであってもよい。また、ネットワーク通信部63は、USBホストコントローラ、USBポート等により構成されるUSBインタフェースであってもよい。また、ネットワーク通信部43は、有線インタフェースであってもよいし、無線インタフェースであってもよい。ネットワーク通信部43は、通信制御装置40の通信手段として機能する。ネットワーク通信部43は、制御部44の制御に従って端末装置20、基地局装置30、及びプロキシ装置50と通信する。
制御部44は、通信制御装置40の各部を制御するコントローラである。制御部44は、例えば、CPU、MPU等のプロセッサにより実現される。例えば、制御部44は、通信制御装置40内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムを、プロセッサがRAM等を作業領域として実行することにより実現される。なお、制御部44は、ASICやFPGA等の集積回路により実現されてもよい。CPU、MPU、ASIC、及びFPGAは何れもコントローラとみなすことができる。
制御部44は、図9に示すように、選択部441と、計算部442と、決定部443と、通知部445と、を備える。制御部44を構成する選択部441、計算部442、決定部443、及び通知部445の各ブロックはそれぞれ制御部44の機能を示す機能ブロックである。これら機能ブロックはソフトウェアブロックであってもよいし、ハードウェアブロックであってもよい。例えば、上述の機能ブロックが、それぞれ、ソフトウェア(マイクロプログラムを含む。)で実現される1つのソフトウェアモジュールであってもよいし、半導体チップ(ダイ)上の1つの回路ブロックであってもよい。勿論、各機能ブロックがそれぞれ1つのプロセッサ又は1つの集積回路であってもよい。機能ブロックの構成方法は任意である。なお、制御部44は上述の機能ブロックとは異なる機能単位で構成されていてもよい。
制御部44を構成する各ブロックの動作は後述する。
<2-5.プロキシ装置の構成>
次に、プロキシ装置50の構成を説明する。図10は、本開示の実施形態に係るプロキシ装置50の構成例を示す図である。プロキシ装置50は、基地局装置30及び通信制御装置40と通信する通信装置である。プロキシ装置50は、情報処理装置の一種である。
プロキシ装置50は、無線通信部51と、記憶部52と、ネットワーク通信部53と、制御部54と、を備える。なお、図10に示した構成は機能的な構成であり、ハードウェア構成はこれとは異なっていてもよい。また、プロキシ装置50の機能は、複数の物理的に分離された構成に分散して実装されてもよい。
無線通信部51は、他の通信装置(例えば、端末装置20、基地局装置30、通信制御装置40、及び他のプロキシ装置50)と無線通信する無線通信インタフェースである。無線通信部51は、制御部54の制御に従って動作する。無線通信部51は1又は複数の無線アクセス方式に対応する。例えば、無線通信部51は、NR及びLTEの双方に対応する。無線通信部51は、W-CDMAやcdma2000等、他の無線アクセス方式に対応していてもよい。無線通信部51の構成は、基地局装置30の無線通信部31と同様である。
記憶部52は、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ、ハードディスク等のデータ読み書き可能な記憶装置である。記憶部52は、プロキシ装置50の記憶手段として機能する。記憶部52は、配下の基地局装置30それぞれの所望送信電力情報、動作パラメータ、保有リソース情報等を記憶していてもよい。
ネットワーク通信部53は、他の装置(例えば、基地局装置30、通信制御装置40、及び、他のプロキシ装置50)と通信するための通信インタフェースである。例えば、ネットワーク通信部53は、NIC等のLANインタフェースである。ネットワーク通信部53は、USBホストコントローラ、USBポート等により構成されるUSBインタフェースであってもよい。また、ネットワーク通信部53は、有線インタフェースであってもよいし、無線インタフェースであってもよい。ネットワーク通信部53は、プロキシ装置50のネットワーク通信手段として機能する。ネットワーク通信部53は、制御部54の制御に従って、他の装置と通信する。
制御部54は、プロキシ装置50の各部を制御するコントローラである。制御部54は、例えば、CPU、MPU等のプロセッサにより実現される。例えば、制御部54は、プロキシ装置50内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムを、プロセッサがRAM等を作業領域として実行することにより実現される。なお、制御部54は、ASICやFPGA等の集積回路により実現されてもよい。CPU、MPU、ASIC、及びFPGAは何れもコントローラとみなすことができる。
制御部54は、図10に示すように、選択部541と、計算部542と、決定部543と、通知部545と、を備える。制御部54を構成する各ブロック(選択部541~通知部545)はそれぞれ制御部54の機能を示す機能ブロックである。これら機能ブロックはソフトウェアブロックであってもよいし、ハードウェアブロックであってもよい。例えば、上述の機能ブロックが、それぞれ、ソフトウェア(マイクロプログラムを含む。)で実現される1つのソフトウェアモジュールであってもよいし、半導体チップ(ダイ)上の1つの回路ブロックであってもよい。勿論、各機能ブロックがそれぞれ1つのプロセッサ又は1つの集積回路であってもよい。機能ブロックの構成方法は任意である。なお、制御部54は上述の機能ブロックとは異なる機能単位で構成されていてもよい。
制御部54を構成する選択部541、計算部542、決定部543、及び通知部545の各ブロックの動作は、通信制御装置40の制御部44を構成する選択部441、計算部442、決定部443、及び通知部445の各ブロック動作と同じであってもよい。この場合、以下の説明で登場する「プロキシ装置50」の記載は、適宜、「通信制御装置40」に置き換え可能である。同様に、以下の説明で登場する「制御部54」、「選択部541」、「計算部542」、「決定部543」、「通知部545」の記載は、適宜、「制御部44」、「選択部441」、「計算部442」、「決定部443」、「通知部445」に置き換え可能である。
制御部54を構成する各ブロックの動作は後述する。
<<3.干渉モデル>>
次に、本実施形態で想定する干渉モデルを説明する。図11は、本開示の実施形態で想定する干渉モデルの一例を示す説明図である。なお、以下の説明で登場する、基地局装置30の記載は、無線通信機能を有する他の通信装置を示すワードに置き換え可能である。
図11に示す干渉モデルは、例えば、プライマリシステムがサービスエリアを持つ場合に適用される。図11の例では、通信システム1(プライマリシステム)はサービスエリアを有する無線通信システムとなっている。このサービスエリアが、例えば、通信システム1の保護エリアとなる。保護エリアには、干渉計算基準点(以下、保護点という。)は複数設定される。保護点(Protection Point)は、例えば、通信システム1の運営者や電波を管理する公的機関等(以下、管理者という。)により設定される。例えば、管理者は、保護エリアを格子状に区切り、所定の格子の中心を保護点としてもよい。保護点の決定方法は任意である。各保護点の干渉マージンは管理者等により設定される。図11には、通信システム2(セカンダリシステム)を構成する複数の基地局装置30が、保護点に与える干渉が示されている。通信システム2の通信制御装置40は、各保護点における累積干渉が、設定された干渉マージンを超えないように、複数の基地局装置30の送信電力を制御する。
図12は、本開示の実施形態で想定する干渉モデルの他の例を示す説明図である。図12に示す干渉モデルは、例えば、プライマリシステムが受信のみ行う場合に適用される。図12の例では、通信システム1(プライマリシステム)は、通信装置10として地上固定通信装置10Cを有している。地上固定通信端末10Cは、例えば、衛星地上局の受信アンテナである。通信システム2の通信制御装置40は、受信アンテナの位置を保護点とし、その地点における累積干渉が干渉マージンを超えないように、複数の基地局装置30の送信電力を制御する。
<<4.プライマリシステム保護方法>>
次に、プライマシステム保護方法について説明する。上述したように、プライマリシステム保護方法は、例えば、以下の2種類に分類可能である。
(1)干渉マージン一斉配分型
(2)干渉マージン逐次配分型
なお、干渉マージン一斉配分型のプライマシステム保護方法の例としては、例えば、非特許文献3にて開示されている手法(例えば、最大許容EIRPの計算手法)が挙げられる。また、干渉マージン逐次配分型のプライマシステム保護方法の例としては、例えば、非特許文献6で開示されている逐次配分処理(IAP:Iterative Allocation Process)が挙げられる。
以下、「干渉マージン一斉配分型」のプライマシステム保護方法と「干渉マージン逐次配分型」のプライマシステム保護方法について説明する。なお、以下の説明で登場する、基地局装置30の記載は、無線通信機能を有する他の通信装置を示すワードに置き換え可能である。
<4-1.干渉マージン一斉配分型>
最初に、干渉マージン一斉配分型のプライマシステム保護方法について説明する。図13は、干渉マージン一斉配分型のプライマシステム保護方法を説明するための説明図である。上述したように、干渉マージン一斉配分型では、通信制御装置40は、「プライマリシステムの保護基準点とセカンダリシステムの位置関係によって一意に求まる値」を基準値としてセカンダリシステムの最大許容送信電力を算出する。図13の例では、プライマリシステムの許容可能干渉閾値がIacceptとなっている。この閾値は、実際の閾値でもよいし、計算誤差や干渉変動を考慮して実際の閾値からある程度のマージン(例えば保護比率(Protection Ratio))を見込んで設定された値であってもよい。
干渉マージン一斉配分型のプライマシステム保護方法において、干渉制御とは、許容可能干渉閾値を越えないように、無線装置の送信電力(EIRP、Conducted Power+Antenna gain等)を決定することを意味する。このとき、基地局装置30が多数存在し、それぞれが許容可能干渉閾値を越えないようにすると、通信システム1(プライマリシステム)において受信される干渉電力が許容可能干渉閾値を越えてしまう恐れがある。そこで、通信制御装置40に登録されている基地局装置30の数に基づき、干渉マージン(許容可能干渉量)を「配分」する。
例えば、図13の例では、基地局装置30の総数は5である。そのため、個々には、Iaccept/5の許容干渉量が配分される。基地局装置30は自身でこの配分量を認識することはできないので、通信制御装置を通じて認識する、またはこの配分量に基づいて決定された送信電力を取得する。通信制御装置は、他の通信制御装置が管理する無線装置の数を認識できないので、相互に情報をやりとりすることによって、総数を認識することができ、許容干渉量を配分することができるようになる。例えば、通信制御装置40内では3Iaccept/5の許容干渉量が割り当てられる。
なお、この手法では、基地局装置30が使用しなかった干渉マージンは剰余干渉マージンとなり得る。図14は、剰余干渉マージンが発生した様子を示す図である。図14には、2つの通信制御装置40(通信制御装置40、40)のそれぞれに設定された総干渉量が示されている。また、図14には、2つの通信制御装置40の管理下にある複数の基地局装置30(基地局装置30~30)が通信システム1の所定の保護点に与える干渉量(与干渉量)が示されている。2つの通信制御装置40それぞれの総干渉量から基地局装置30による干渉量を引いた干渉量が、剰余干渉マージンである。以下の説明では、余った干渉量のことを剰余干渉マージンという。剰余干渉マージンは剰余干渉量と言い換えることが可能である。
<4-2.干渉マージン逐次配分型>
次に、干渉マージン逐次配分型のプライマシステム保護方法について説明する。上述したように、干渉マージン逐次配分型では、通信制御装置40は、「セカンダリシステムの所望送信電力」を基準値としてセカンダリシステムの最大許容送信電力を算出する。図15は、干渉マージン逐次配分型のプライマシステム保護方法を説明するための説明図である。干渉マージン逐次配分型では、例えば、複数の基地局装置30それぞれが、所望送信電力情報を記憶部22に記憶している。所望送信電力情報は、基地局装置30が、電波の送信に必要な送信電力の情報として、通信制御装置40に要求する送信電力の情報である。図15の例では、基地局装置30~30が、それぞれ、所望送信電力情報A~Dを保持している。通信制御装置40は、所望送信電力情報A~Dに基づいて、基地局装置30~30にそれぞれ干渉量A~Dを割り当てる。
<<5.諸手続きの説明>>
次に、通信システム2のエンティティ間で発生しうる諸手続きについて説明する。なお、以下の説明で登場する、基地局装置30の記載は、無線通信機能を有する他の通信装置を示すワードに置き換え可能である。
<5-1.登録手続き(Registration Procedure)>
登録手続きとは、基地局装置30に関するデバイスパラメータを通信制御装置40に登録する手続きのことである。典型的には、基地局装置30または複数の基地局装置30を含む1以上の通信システムが、上記デバイスパラメータを含む登録リクエストを通信制御装置40へ通知することで登録手続きが開始される。登録リクエストは1又は複数の基地局装置30を代理(代表)する通信システム(例えば、プロキシ装置50等のプロキシシステム)が送信してもよい。
以下の説明では、複数の基地局装置30を代理(代表)する通信システムはプロキシ装置50であるものとするが、以下の説明で登場するプロキシ装置50のワードは、プロキシシステム等、他の通信装置を代理(代表)する通信システムを示すワードに置き換え可能である。
(所要パラメータの詳細)
デバイスパラメータとは、例えば、以下に示す情報のことを指す。
通信装置固有の情報
位置情報
アンテナ情報
無線インタフェース情報
法的情報
設置者情報
実施の際には、これら以外の情報がデバイスパラメータとして扱われてもよい。
通信装置固有の情報とは、基地局装置30を特定可能な情報、基地局装置30のハードウェアに関する情報などである。例えば、シリアル番号、製品型番などが含まれうる。
基地局装置30を特定可能な情報は、通信装置利用者情報、通信装置製造番号などを指す。例えば、通信装置利用者情報としては利用者ID、コールサインなどが想定されうる。利用者IDは通信装置利用者が独自に生成してもよいし、通信制御装置40が事前に発行したものであってもよい。
基地局装置30のハードウェアに関する情報は、例えば、送信電力クラス情報、製造者情報などが含まれうる。送信電力クラス情報は、例えば、FCC C.F.R Part 96においては、Category A、Category Bという2種類のクラスが規定されており、いずれかの情報が含まれうる。また、3GPP TS 36.104やTS 38.104において、eNodeB、gNodeBのクラスがいくつか規定されており、これらも用いられうる。
基地局装置30のソフトウェアに関する情報は、例えば、通信制御装置40とのインタラクションに必要な処理が記述された実行プログラムに関するバージョン情報やビルド番号などが含まれうる。また、基地局装置30として動作するためのソフトウェアのバージョン情報やビルド番号なども含まれてもよい。
位置に係る情報とは、典型的には、基地局装置30の地理位置を特定可能な情報である。例えば、GPS(Global Positioning System)、Beidou、QZSS(Quasi-Zenith Satellite System)、GalileoやA-GPS(Assisted Global Positioning System)に代表される位置測位機能によって取得される座標情報である。典型的には、緯度、経度、高度、測位誤差に係る情報が含まれうる。または、例えば、NRA(National Regulatory Authority)またはその委託機関によって管理される情報管理装置に登録される位置情報であってよい。または、例えば、特定の地理位置を原点とするX軸、Y軸、Z軸の座標であってもよい。また、このような座標情報と一緒に屋外/屋内を示す識別子が付与されうる。
また、位置に係る情報とは、基地局装置30が位置する領域を示す情報であってもよい。例えば、郵便番号、住所など、行政によって定められた情報が用いられてもよい。また、例えば、3以上の地理座標の集合によって領域が示されてもよい。これらの領域を示す情報は、上記座標情報と一緒に提供されてもよい。
また、位置に係る情報には、基地局装置30が屋内に位置する場合に、建物のフロアを示す情報が付与されてもよい。例えば、階数、地上/地下を示す識別子などが付与されてもよい。また、例えば、建物内の部屋番号、部屋名のように、屋内のさらなる閉空間を示す情報が付与されてもよい。
上記位置測位機能は、典型的には、基地局装置30によって具備されることが望ましい。しかしながら、位置測位機能の性能や、設置位置によっては、必ずしも要求される精度を満たす位置情報が取得できるとは限らない。そのため、位置測位機能は、設置者によって用いられてもよい。そのような場合、設置者によって測定された位置情報が基地局装置30に書き込まれることが望ましい。
アンテナ情報とは、典型的には、基地局装置30が具備するアンテナの性能や構成等を示す情報である。典型的には、例えば、アンテナ設置高、チルト角(Downtilt)、水平方向の向き(Azimuth)、照準(Boresight)、アンテナピークゲイン、アンテナモデルといった情報が含まれうる。
また、アンテナ情報には、形成可能なビームに関する情報も含まれうる。例えば、ビーム幅、ビームパターン、アナログ/デジタルビームフォーミングのケイパビリティといった情報が含まれうる。
また、アンテナ情報には、MIMO(Mutiple Input Multiple Output)通信の性能や構成に関する情報も含まれうる。例えば、アンテナエレメント数、最大空間ストリーム数、といった情報が含まれうる。また、用いるコードブック(Codebook)情報や、ウェイト行列情報(SVD(Singular Value Decomposition)、EVD (Eigen Value Decomposition)、BD(Block Diagonalization)などによって得られるユニタリ行列、ZF(Zero-Forcing)行列、MMSE(Minimum Mean Square Error)行列)なども含まれうる。また、非線形演算を要するMLD(Maximum Likelihood Detection)等を具備する場合、それを示す情報が含まれてもよい。
上記アンテナ情報には、ZoD(Zenith of Direction, Departure)が含まれてもよい。当該ZoDは、電波到来角度の一種である。上記ZoDは、基地局装置30のアンテナから放射される電波から他の基地局装置30により推定されてもよい。この場合に、基地局装置30は、基地局若しくはアクセスポイントとして動作する端末装置、D2D通信を行う装置、又はムービングリレー基地局などであってもよい。ZoDは、MUSIC(Multiple Signal Classification)又はESPRIT(Estimation of Signal Propagation via Rotation Invariance Techniques)などの電波到来方向推定技術により推定され得る。メジャメント情報として通信制御装置40によって用いられうる。
無線インタフェース情報とは、典型的には、基地局装置30が具備する無線インタフェース技術を示す情報のことである。例えば、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMTS、E-UTRA、5GNR(5G New Radio)またはさらなる次世代のセルラーシステムで用いられる技術や、MulteFire、LTE-U(LTE-Unlicensed)といったLTE準拠の派生技術、WiMAX、WiMAX2+といったMAN(Metropolitan Area Network)、IEEE 802.11系の無線LANといった標準技術を示す識別子情報が含まれる。また、これらを定める技術仕様書のバージョン番号またはリリース番号も付与されうる。必ずしも標準技術である必要はなく、プロプライエタリな無線技術を示す情報が含まれてもよい。
また、無線インタフェース情報には、基地局装置30がサポートする周波数帯域情報も含まれうる。例えば、上限周波数および下限周波数の組み合わせの1以上、中心周波数および帯域幅の組み合わせの1以上または、1以上の3GPP Operating Band番号などによって表現されうる。
基地局装置30がサポートする周波数帯域情報として、さらに、キャリアアグリゲーション(CA:Carrier Aggregation)やチャネルボンディング(Channel Bonding)のケイパビリティ情報も含まれうる。例えば、組み合わせ可能な帯域情報などが含まれうる。また、キャリアアグリゲーションについては、プライマリコンポーネントキャリア(PCC:Primary Component Carrier)やセカンダリコンポーネントキャリア(SCC:Secondary Component Carrier)として利用したい帯域に関する情報も含まれうる。また、同時にアグリゲート可能なCC数も含まれうる。
基地局装置30がサポートする周波数帯域情報として、また、PAL、GAAのような電波利用優先度を示す情報が含まれてもよい。
また、無線インタフェース情報には、基地局装置30がサポートする変調方式情報も含まれうる。例えば、代表的な一例として、FSK(Frequency Shift Keying)、n値PSK(Phase Shift Keying)(nは2、4、8等)やn値QAM(Quadrature Amplitude Modulation)(nは4,16,64,256等)といった一次変調方式を示す情報や、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)やDFT-s-OFDM(DFT spread OFDM)、FBMC(Filter Bank Multi Carrier)といった二次変調方式を示す情報が含まれうる。
また、無線インタフェース情報には、誤り訂正符号に関する情報も含まれうる。例えば、Turbo符号、LDPC(Low Density Parity Check)符号、Polar符号などのケイパビリティや適用する符号化率情報が含まれうる。
変調方式情報や誤り訂正符号に関する情報は、別の態様として、MCS(Modulation and Coding Scheme)インデックスでも表現されうる。
また、無線インタフェース情報には、基地局装置30がサポートする各無線技術特有の機能を示す情報も含まれうる。例えば、代表的な一例として、LTEで規定されているTM(Transmission Mode)情報が挙げられる。この他にも、特定の機能に関して2以上のモードを有するものについては、上記TMのように無線インタフェース情報に含まれうる。また、技術仕様において、2以上のモードが存在しなくても仕様上必須でない機能を基地局装置30がサポートする場合には、これを示す情報も含まれうる。
また、無線インタフェース情報には、基地局装置30がサポートする無線アクセス方式(RAT:Radio Access Technology)情報も含まれうる。例えば、TDMA(Time Division Multiple Access)、FDMA(Frequency Division Multiple Access)、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)といった直交多元接続方式(OMA:Orthogonal Multiple Access)、PDMA(Power Division Multiple Access、Superposition Coding(SPC)とSuccessive Interference Canceller(SIC)との組み合わせによって実現される手法が代表例)、CDMA(Code Division Multiple Access)、SCMA(Sparse Code Multiple Access)、IDMA(Interleaver Division Multiple Access)、SDMA(Spatial Division Multiple Access)といった非直交多元接続方式(NOMA:Non Orthogonal Multiple Access)、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance)やCSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access/Collision Detection)といった日和見的接続方式(Opportunistic Access)などを示す情報が含まれうる。
また、無線インタフェース情報には、基地局装置30がサポートするデュプレクスモードに係る情報も含まれうる。代表的な一例として、例えば、FDD(Frequency Division Duplex)、TDD(Time Division Duplex)、FD(Full Duplex)が含まれうる。無線インタフェース情報として、TDDが含まれる場合、基地局装置30が使用する/サポートするTDD Frame Configuration情報が付与されうる。また、上記周波数帯域情報で示される周波数帯域ごとにデュプレクスモードに係る情報が含まれてもよい。
また、無線インタフェース情報には、基地局装置30がサポートする送信ダイバーシチ手法に関する情報も含まれうる。例えば、時空間符号化(STC:Space Time Coding)などが含まれてもよい。
また、無線インタフェース情報には、ガードバンド情報も含まれうる。例えば、規格上定められるガードバンドサイズに関する情報が含まれうる。または、例えば、基地局装置30が所望するガードバンドサイズに関する情報が含まれてもよい。
法的情報とは、典型的には、各国・地域の電波行政機関またはそれに準ずる機関によって定められる、基地局装置30が順守しなければならない規制に関する情報や、基地局装置30が取得している認証情報などのことである。上記規制に関する情報として、典型的には、例えば、帯域外輻射の上限値情報、受信機のブロッキング特性に関する情報などが含まれうる。上記認証情報として、典型的には、例えば、型式認証(Type Approval)情報(FCC ID、技術基準適合証明など)、認証取得の基準となる法規制情報(例えばFCC規則番号、ETSI Harmonized Standard番号等)などが含まれうる。
法的情報のうち、数値に関するものについては、無線インタフェース技術の規格書において定められているものを代用してもよい。例えば、帯域外輻射の上限値情報の代わりに、隣接チャネル漏洩比(ACLR:Adjacent Channel Leakage Ratio)を用いて、帯域外輻射の上限値を導出し利用してもよい。また、必要に応じて、ACLRそのものを用いてもよい。また、隣接チャネル選択性(ACS:Adjacent Channel Selectivity)をブロッキング特性の代わりに用いてもよい。また、これらは併用してもよいし、隣接チャネル干渉比(ACIR:Adjacent Channel Interference Ratio)を用いてもよい。
設置者情報とは、基地局装置30の設置を行った者(設置者)を特定することが可能な情報、設置者に紐づく固有の情報などが含まれうる。例えば、非特許文献2においては、設置者を特定することが可能な情報として、CPIR-ID(Certified Professional Installer Registration ID)、CPI名が開示されている。また、設置者に紐づく固有の情報として、例えば、連絡用住所(Mailing/Contact address)、Eメールアドレス、電話番号、PKI(Public Key Identifier)などが開示されている。これらに限らず、必要に応じて設置者に関するその他の情報が含まれてもよい。
[所要パラメータの補足]
登録手続きにおいて、実施形態によっては、基地局装置30のみならず端末装置20に関するデバイスパラメータを通信制御装置40に登録することも要求されることが想定される。そのような場合、上記(所要パラメータの詳細)で述べた説明中の「通信装置」という用語を「端末装置」またはそれに準ずる用語で置き換えて適用してもよい。また、上記(所要パラメータの詳細)では述べられていない「端末装置」特有のパラメータも登録手続きにおける所要パラメータとして扱われてよい。例えば、3GPPで規定されるUE(User Equipment)Categoryなどが挙げられる。
[登録処理の詳細]
図16は、登録手続きを説明するためのシーケンス図である。基地局装置30または複数の基地局装置30を含む1以上の通信システムは、上記デバイスパラメータを用いて登録リクエストメッセージを生成し(ステップS11)、通信制御装置40へ通知する(ステップS12)。メッセージの生成及び/又は通知は、プロキシ装置50が行ってもよい。
ここで、デバイスパラメータに設置者情報が含まれる場合、この情報を用いて、登録リクエストに改ざん防止の加工等を施してもよい。また、登録リクエストに含まれる情報の一部又は全部に暗号化処理が施されてもよい。具体的には、例えば、設置者と通信制御装置40との間で事前に設置者特有の公開鍵を共有しておき、設置者は秘密鍵を用いて情報の暗号化を施す、という処理が実施されうる。暗号化の対象としては、例えば、位置情報といった防犯上センシティブな情報が挙げられる。
また、位置情報に関しては、非特許文献2で開示されているように、例えば、設置者が、直接、通信制御装置40に書き込んでもよい。
登録リクエスト受信後、通信制御装置40は、基地局装置30の登録処理を実施し(ステップS13)、処理結果に応じて登録レスポンスを返す(ステップS14)。登録に必要な情報の不足、異常がなければ通信制御装置40は記憶部42に情報を記録し、正常完了を通知する。そうでなければ、通信制御装置40は登録失敗を通知する。登録が正常完了する場合、通信制御装置40は、通信装置個別にIDを割り振り、そのID情報を応答時に同封して通知してもよい。登録失敗となる場合、典型的には、基地局装置30または複数の基地局装置30を含む1以上の通信システム、またはこれらの運用者(例えば、移動体通信事業者や個人)や設置者は、登録リクエストの修正等を行い、正常完了するまで登録手続きを試行する。
なお、登録手続きは、複数回実行されることがある。具体的には、例えば、移動・精度改善などにより、位置情報が所定の基準を超えて変更される場合に登録手続きが再実行されうる。所定の基準は、典型的には、法制度によって定められる。例えば、47 C.F.R Part 15において、Mode II personal/portable white space deviceは、100メートル以上位置情報が変わる場合には、再度データベースにアクセスすることが義務付けられている。
<5-2.利用可能周波数情報問い合わせ手続き(Available Spectrum Query Procedure)>
利用可能周波数情報問い合わせ手続きとは、基地局装置30またはプロキシ装置50が、通信制御装置40に対して、利用可能な周波数に関する情報を問い合わせる手続きのことである。典型的には、基地局装置30またはプロキシ装置50が、当該基地局装置30(或いは当該プロキシ装置50配下の基地局装置30)を特定可能な情報を含む問い合わせリクエストを通信制御装置40へ通知することで手続きが開始される。
(1)例1
ここで、利用可能周波数情報とは、典型的には、当該基地局装置30(或いは当該プロキシ装置50配下の基地局装置30)の位置においてプライマリシステムに対して致命的な干渉を与えず、安全に二次利用が可能な周波数を示す情報のことである。例えば、F1という周波数チャネルを利用するプライマリシステム保護のために、排除ゾーン(Exclusion Zone)などの二次利用禁止エリアに基地局装置30が設置されている場合、その基地局装置30に対しては、F1という周波数チャネルは利用可能チャネルとして通知されない。
(2)例2
また、例えば、二次利用禁止エリア外であっても、プライマリシステムに対して致命的な干渉を与えると判断される場合には、当該周波数チャネルは利用可能チャネルとして通知されない場合がある。
(3)例3
また、利用可能周波数情報は、例2のプライマリシステム保護要件以外の条件によっても利用可能として通知されない周波数チャネルが存在しうる。具体的には、例えば、基地局装置30間で発生しうる干渉を事前に回避するために、当該基地局装置30(或いは当該プロキシ装置50配下の基地局装置30)の近傍に存在する他の基地局装置30が利用中の周波数チャネルを、利用可能チャネルとして通知しない場合もある。
(4)例4
これらの場合(例2、例3)に該当する場合であっても、プライマリシステムや近傍の基地局装置30と同じ周波数を利用可能チャネルとして通知することは可能である。そのような場合には、典型的には、最大許容送信電力情報が利用可能周波数情報に含まれる。最大許容送信電力は、典型的には、等価等方輻射電力(EIRP:Equivalent Isotropic Radiated Power)で表現される。必ずしもこれに限られる必要はなく、例えば、空中線電力(Conducted Power)とアンテナゲインの組み合わせで提供されてもよい。給電線損失(Feeder Loss)も含まれてもよい。さらに、アンテナゲインは、空間的な方向ごとに許容ピークゲインが設定されてもよい。
[所要パラメータの詳細]
基地局装置30を特定可能な情報とは、例えば、上記登録手続き時に登録した通信装置固有の情報や上述の(登録処理の詳細)で説明したID情報などが想定されうる。
また、問い合わせリクエストには、問い合わせ要件情報も含まれうる。問い合わせ要件情報とは、例えば、利用可能か否かを知りたい周波数帯域を示す情報が含まれうる。また、例えば、送信電力情報も含まれうる。基地局装置30またはプロキシ装置50は、例えば、所望の送信電力を用いることができそうな周波数情報のみを知りたい場合に送信電力情報を含めうる。問い合わせ要件情報は必ずしも含まれる必要はない。
また、問い合わせリクエストには、メジャメントレポートも含まれうる。メジャメントレポートは、基地局装置30および/または端末装置20が実施するメジャメントの結果が含まれる。例えば、生データのみならず、加工された情報も含まれうる。例えば、RSRP(Reference Signal Received Power)、RSSI(Reference Signal Strength Indicator)、RSRQ(Reference Signal Received Quality)に代表される標準化されたメトリックが用いられうる。
[利用可能周波数評価処理の詳細]
図17は、利用可能周波数情報問い合わせ手続きを説明するためのシーケンス図である。基地局装置30またはプロキシ装置50が、当該基地局装置30(或いは当該プロキシ装置50配下の基地局装置30)を特定可能な情報を含む問い合わせリクエストを生成し(ステップS21)、通信制御装置40へ通知する(ステップS22)。
問い合わせリクエスト受信後、通信制御装置40は、問い合わせ要件情報に基づいて、利用可能周波数の評価を行う(ステップS23)。例えば、上述の例1~例3で説明したようにプライマリシステムやその二次利用禁止エリア、近傍の基地局装置30の存在を考慮して利用可能周波数の評価を行うことが可能である。
上述の例4で説明したように、通信制御装置40は、最大許容送信電力情報を導出してもよい。典型的には、プライマリシステムまたはその保護領域(Protection Zone)における許容可能干渉電力情報、プライマリシステムが被る干渉電力レベルの算定基準位置(Reference Point)情報、基地局装置30の登録情報、伝搬損失推定モデルを用いて算出される。具体的には、一例として、以下の数式によって算出される。
MaxTx(dBm)=ITh(dBm)+PL(d)(dB) …(1)
ここで、PMaxTx(dBm)は最大許容送信電力、ITh(dBm)は許容可能干渉電力、dは基準位置(Reference Point)と基地局装置30との間の距離、PL(d)(dB)は距離dにおける伝搬損失である。本数式においては送受信機におけるアンテナゲインを明示的に示していないが、最大許容送信電力の表現方法(EIRP、Conducted power等)や受信電力の参照点(アンテナ入力点、アンテナ出力点、等)に応じて含めてよい。また、フェージングによる変動を補償するためのセーフティマージン等も含まれてよい。また、フィーダロス等、必要に応じて考慮されてよい。
また、上記数式は、単体の基地局装置30が干渉源である仮定に基づいて記述されている。例えば、同時に複数の基地局装置30からの累積的な干渉(Aggregated Interference)を考慮しなければならない場合には、補正値を加味してもよい。具体的には、例えば、非特許文献3で開示されている3種類(Fixed/Predetermined、Flexible、Flexible Minimized)の干渉マージン方式に基づいて補正値が決定されうる。
なお、上記数式は、対数を用いて表現されているが、実施の際には、当然のことながら真数に変換して用いてもよい。また、本実施形態に記載される全ての対数表記のパラメータは、適宜進数に変換して用いてもよい。
(1)手法1
また、上述の(所要パラメータの詳細)の項で説明したように、送信電力情報が問い合わせ要件情報に含まれる場合には、上述の方法とは別の方法で利用可能周波数の評価を行うことが可能である。具体的には、例えば、送信電力情報で示される所望の送信電力を用いたと仮定した場合に、推定される与干渉量がプライマリシステムまたはその保護領域(Protection Zone)における許容可能干渉電力を下回る場合には、当該周波数チャネルが利用可能であると判断され、基地局装置30(又はプロキシ装置50)へ通知される。
(2)手法2
上記他システム関連情報に基づいて、上記帯域使用条件が算出される例を説明したが、本開示は係る例に限定されない。例えば、REM(Radio Environment Map)のエリアと同様に、基地局装置30が共用帯域を使用可能なエリア/空間が予め定められている場合には、上記位置関連情報及び上記高さ関連情報のみに基づいて、利用可能周波数情報が導出されてもよい。また、例えば、位置及び高さと利用可能周波数情報とを関連付けるルックアップテーブルが用意されている場合にも、上記位置関連情報及び上記高さ関連情報のみに基づいて、上記利用可能周波数情報が導出されてもよい。
利用可能周波数の評価は、必ずしも問い合わせリクエスト受信後に実施する必要はない。例えば、前述の登録手続きの正常完了後に、問い合わせリクエストなしに、通信制御装置40が主体的に実施してもよい。そのような場合、通信制御装置40は、手法2で例示したREMやルックアップテーブルまたはそれらと相似の情報テーブルを作成してもよい。
いずれの手法においても、PALやGAAのような電波利用優先度についても評価を行ってもよい。例えば、登録済デバイスパラメータまたは問い合わせ要件に電波利用優先度に関する情報が含まれる場合、当該優先度に基づいて周波数利用が可能かどうかを判定し、通知してもよい。また、例えば、非特許文献2で開示されているように、事前にユーザから高優先度利用(例えば、PAL)を行う基地局装置30に関する情報(非特許文献2では、Cluser Listと呼ばれる。)が通信制御装置40に登録されている場合、その情報に基づいて評価を行ってもよい。
利用可能周波数の評価完了後、通信制御装置40は評価結果を基地局装置30(又はプロキシ装置50)へ通知する(ステップS24)。基地局装置30は、通信制御装置40から受け取った評価結果を用いて、所望通信パラメータの選定を行ってもよい。
<5-3.周波数利用許可手続き(Spectrum Grant Procedure)>
周波数利用許可手続きとは、基地局装置30が通信制御装置40から周波数の二次利用許可を受けるための手続きである。典型的には、登録手続きの正常完了後、基地局装置30または複数の基地局装置30を含む1以上の通信システムが、当該基地局装置30を特定可能な情報を含む周波数利用許可リクエストを通信制御装置40へ通知することで手続きが開始される。この通知は、プロキシ装置50が行ってもよい。なお、「登録手続きの正常完了後」というのは、必ずしも、利用可能周波数情報問い合わせ手続きを実施する必要がないことも意味する。
本発明においては、少なくとも以下の2種類の周波数利用許可リクエストの方式が用いられうることを想定する。
指定方式
フレキシブル方式
指定方式とは、基地局装置30が所望通信パラメータとして、少なくとも利用したい周波数帯域、最大送信電力を指定して、所望通信パラメータに基づく運用の許可を通信制御装置40に求めるリクエスト方式である。必ずしもこれらのパラメータに限定される必要はなく、無線インタフェース技術特有のパラメータ(変調方式やデュプレクスモードなど)が指定されてもよい。また、PAL、GAAのような電波利用優先度を示す情報が含まれてもよい。
フレキシブル方式とは、基地局装置30が、通信パラメータに関する要件のみを指定し、当該要件を満たしつつ二次利用許可が可能な通信パラメータの指定を通信制御装置40に求めるリクエスト方式である。通信パラメータに関する要件は、帯域幅または所望最大送信電力または所望最小送信電力が含まれうる。必ずしもこれらのパラメータに限定される必要はなく、無線インタフェース技術特有のパラメータ(変調方式やデュプレクスモードなど)が指定されてもよい。具体的には、例えば、TDD Frame Configurationのうち、1以上を事前に選択して通知してもよい。
いずれの方式であっても、メジャメントレポートが含まれてもよい。メジャメントレポートは、端末装置20および/または基地局装置30が実施するメジャメントの結果が含まれる。例えば、生データのみならず、加工された情報も含まれうる。例えば、RSRP(Reference Signal Received Power)、RSSI(Reference Signal Strength Indicator)、RSRQ(Reference Signal Received Quality)に代表される標準化されたメトリックが用いられうる。
[周波数利用許可処理の詳細]
図18は、周波数利用許可手続きを説明するためのシーケンス図である。基地局装置30または複数の基地局装置30を含む1以上の通信システムが、当該基地局装置30を特定可能な情報を含む周波数利用許可リクエストを生成し(ステップS31)、通信制御装置40へ通知する(ステップS32)。リクエストの生成及び/又は通知は、プロキシ装置50が行ってもよい。周波数利用許可リクエストは、例えば、通信制御装置40の取得部が取得する。
通信制御装置40は周波数利用許可リクエストの取得後、周波数利用許可リクエスト方式に基づいて、周波数利用許可処理を行う(ステップS33)。例えば、通信制御装置40は、<5-2.利用可能周波数情報問い合わせ手続き>の例1~例3で説明した手法を利用して、プライマリシステムやその二次利用禁止エリア、近傍の基地局装置30の存在を考慮して周波数利用許可処理を行うことが可能である。
フレキシブル方式が用いられる場合、通信制御装置40は、<5-2.利用可能周波数情報問い合わせ手続き>の例4で説明した手法を利用して、最大許容送信電力情報を導出してもよい。典型的には、通信制御装置40は、プライマリシステムまたはその保護領域(Protection Zone)における許容可能干渉電力情報、プライマリシステムが被る干渉電力レベルの算定基準位置(Reference Point)情報、基地局装置30の登録情報、伝搬損失推定モデルを用いて最大許容送信電力を算出する。例えば、通信制御装置40は、以下の式(2)によって最大許容送信電力を算出する。
MaxTx(dBm)=ITh(dBm)+PL(d)(dB) …(2)
ここで、PMaxTx(dBm)は最大許容送信電力、ITh(dBm)は許容可能干渉電力、dは基準位置(Reference Point)と基地局装置30との間の距離、PL(d)(dB)は距離dにおける伝搬損失である。本数式においては送受信機におけるアンテナゲインを明示的に示していないが、最大許容送信電力の表現方法(EIRP、Conducted power等)や受信電力の参照点(アンテナ入力点、アンテナ出力点、等)に応じて数式を変形して用いてもよい。また、フェージングによる変動を補償するためのセーフティマージン等も含まれてよい。また、フィーダロス等、必要に応じて考慮されてよい。
また、上記数式は、単体の基地局装置30が干渉源である仮定に基づいて記述されている。例えば、同時に複数の基地局装置30からの累積的な干渉(Aggregated Interference)を考慮しなければならない場合には、補正値を加味してもよい。具体的には、例えば、非特許文献3で開示されている3種類(Fixed/Predetermined、Flexible、Flexible Minimized)の方式に基づいて補正値が決定されうる。
伝搬損失推定モデルは、さまざまなモデルが用いられうる。用途ごとにモデルが指定される場合、指定されるモデルを用いることが望ましい。例えば、非特許文献6においては、その用途ごとに、eHATA(Extended Hata)やITM(Irregular Terrain Model)といった伝搬損失モデルが採用されている。当然ながら、本発明の実施の際には、伝搬損失モデルはこれらに限定する必要はない。
所定の用途において、モデルが指定されていない場合、必要に応じて使い分けてもよい。具体的な一例として、例えば、他の基地局装置30への与干渉電力を推定する際には自由空間損失モデルのようにアグレッシブなモデルを用いて、基地局装置30のカバレッジを推定する際にはコンサバティブなモデルを用いるといった使い分けが可能である。
また、指定方式が用いられる場合、<5-2.利用可能周波数情報問い合わせ手続き>の手法1で説明した手法を用いて周波数利用許可処理を行うことが可能である。具体的には、例えば、送信電力情報で示される所望の送信電力を用いたと仮定した場合に、推定される与干渉量がプライマリシステムまたはその保護領域(Protection Zone)における許容可能干渉電力を下回る場合には、当該周波数チャネルの利用が許可可能であると判断され、基地局装置30(又はプロキシ装置50)へ通知される。
いずれの手法においても、PALやGAAのような電波利用優先度についても評価を行ってもよい。例えば、登録済デバイスパラメータまたは問い合わせ要件に電波利用優先度に関する情報が含まれる場合、当該優先度に基づいて周波数利用が可能かどうかを判定し、通知してもよい。また、例えば、非特許文献2で開示されているように、事前にユーザから高優先度利用(例えば、PAL)を行う基地局装置30に関する情報(非特許文献2では、Cluser Listと呼ばれる。)が通信制御装置40に登録されている場合、その情報に基づいて評価を行ってもよい。
周波数利用許可処理は、必ずしもリクエスト受信時に実施する必要はない。例えば、前述の登録手続きの正常完了後に、周波数利用許可リクエストなしに、通信制御装置40が主体的に実施してもよい。また、例えば、一定周期毎に周波数利用許可判定処理を実施してもよい。そのような場合、<5-2.利用可能周波数情報問い合わせ手続き>の手法2で例示したREMやルックアップテーブルそれらと相似の情報テーブルを作成してもよい。
周波数利用許可処理の完了後、通信制御装置40は判定結果を基地局装置30へ通知する(ステップS34)。
<5-4.周波数利用通知(Spectrum Use Notification/Heartbeat)>
周波数利用通知とは、基地局装置30またはプロキシ装置50が、通信制御装置40に対して、上記周波数利用許可手続きで利用が認められた通信パラメータに基づく周波数利用の通知を行う手続きのことである。典型的には、基地局装置30またはプロキシ装置50が、当該基地局装置30を特定可能な情報を含む通知メッセージを通信制御装置40へ通知することで手続きが開始される。
この手続きに関しては、周波数の利用が通信制御装置40から拒絶されるまでは周期的に実施されることが望ましい。この手続きが正常完了すれば、基地局装置30は、電波送信を開始または継続してもよい。例えば、グラント(Grant)の状態がGrantedだったのであれば、この手続きの成功によりグラントの状態はAuthorizedに移行する。また、グラントの状態がAuthorizedだったのであれば、この手続きの失敗によりグラントの状態はGranted或いはIdoleに移行する。
ここで、グラントとは、通信制御装置40(例えば、SAS)が基地局装置30(例えば、CBSD)に与える電波送信の認可のことである。グラントは、電波資源(周波数リソース)の利用許可と言い換えることも可能である。このグラントについては、例えば、非特許文献2に記載されている。非特許文献2では、米国の3550-3700MHzの周波数共用のためのデータベース(SAS)-基地局(CBSD)間のシグナリングプロトコルが規格化されている。この規格では、SASがCBSDに与える電波送信の認可のことを“グラント(Grant)”と呼んでいる。グラントで認められる動作パラメータは、最大許容EIRP(Equivalent Isotropic Radiated Power)と周波数チャネルの2つで定義される。すなわち、複数の周波数チャネルを用いて電波送信を行うためには、CBSDはSASから複数のグラントを獲得する必要がある。
グラントには、電波送信の許可状態を示すステート(State)が定義されている。図19は、電波送信の許可状態を示す状態遷移図である。図19において、Granted状態は、グラントを保有するものの電波送信をしてはいけない状態、Authorized状態はグラントで定義される動作パラメータ値に基づいて電波送信が許可されている状態を示す。この2つの状態は、同規格で規定されるハートビート手続き(Heartbeat Procedure)の結果によって遷移する。
以下の説明では、周波数利用通知のことをハートビートリクエスト(Heartbeat Request)、或いは単にハートビート(Heartbeat)ということがある。また、ハートビートリクエストの送信間隔のことをハートビートインターバル(Heartbeat Interval)ということがある。なお、以下の説明で登場するハートビートリクエスト(Heartbeat Request)或いはハートビート(Heartbeat)の記載は、「電波送信を開始または継続するためのリクエスト」を示す他の記載に適宜置き換え可能である。同様に、ハートビートインターバルも周波数利用通知の送信間隔を示す他の記載(例えば、送信インターバル)に置き換え可能である。
図20は、周波数利用通知手続きを説明するためのシーケンス図である。基地局装置30または複数の基地局装置30を含む1以上の通信システムが、当該基地局装置30を特定可能な情報を含む通知メッセージを生成し(ステップS41)、通信制御装置40へ通知する(ステップS42)。メッセージの生成及び/又は通知は、プロキシ装置50が行ってもよい。
周波数利用通知受信後、通信制御装置40は、電波送信の開始/継続が許容されるか判定してもよい(ステップS43)。判定方法として、例えば、プライマリシステムの周波数利用情報の確認が挙げられる。具体的には、プライマリシステムの利用周波数の変更、電波利用が定常的でないプライマリシステム(例えば、艦載レーダ)の周波数利用状況の変更、などに基づいて、電波送信の開始/継続許可または拒否を決定することが可能である。
判定処理が完了したら、通信制御装置40は、判定結果を基地局装置30(又はプロキシ装置50)へ通知する(ステップS44)。
本手続きにおいて、通信制御装置40から基地局装置30(又はプロキシ装置50)に対して通信パラメータの再構成(Reconfiguration)命令が行われてもよい。典型的には、周波数利用通知のレスポンスにおいて実施されうる。例えば、推奨される通信パラメータ情報が提供されうる。
<5-5.諸手続きの補足>
ここで、諸手続きは以降で説明する通りに、個別に実装される必要は必ずしもない。例えば、2つの異なる手続きの役割を備えた第3の手続きを代用することによって上記2つの異なる手続きを実現してもよい。具体的には、例えば、登録リクエストと利用可能周波数情報問い合わせリクエストが一体的に通知されてもよい。また、例えば、周波数利用許可手続きと周波数利用通知が一体的に実施されてもよい。当然のことながら、これらの組み合わせに限定されず、3つ以上であってもよい。また、上記手続きが分離されて実施されてもよい。
また、本実施形態が既存システムとの周波数共用を目的として適用される場合、諸手続き又は同等の手続きは、本実施形態の技術が実施される国・地域における当該周波数帯域に係る電波法に基づいて適切なものが選定、利用されることが望ましい。例えば、特定の国・地域において特定の周波数帯の利用にあたって通信装置の登録が義務付けられる場合には、上記登録手続きが実施されることが望ましい。
また、本実施形態における「情報を取得する」という表現またはそれに準ずる表現は、必ずしも、上記手続き通りに取得することを意味しているわけではない。例えば、利用可能周波数評価処理において基地局装置30の位置情報を用いることが記載されているが、必ずしも登録手続きで取得される情報を用いる必要はなく、利用可能周波数問い合わせ手続きリクエストに位置情報が含まれる場合、その位置情報を用いてもよい、ということを意味する。換言すれば、本実施形態に記載の範囲内、技術的な実現性の範囲内で、記載されているパラメータを他の手続きに含めてよいということを意味する。
また、上記手続きで示した通信制御装置40から基地局装置30(又はプロキシ装置50)へのレスポンスに含まれうる情報は、プッシュ通知されてもよい。具体的な一例として、利用可能周波数情報や推奨通信パラメータ情報、電波送信継続拒否通知などはプッシュ通知されてもよい。
<5-6.端末装置に関する諸手続き>
端末装置20についても、基本的には、<5-1>から<5-4>で説明した各手続きを用いることが可能である。ただし、基地局装置30と異なり、端末装置20はモビリティを有する。すなわち、動的に位置情報が更新される。法制によっては、一定以上位置情報が変わる場合、通信制御装置40への再登録が義務付けられる場合もある。そこで、英国情報通信庁(Ofcom:Office of Communication)が定める運用形態(非特許文献4参照)においては、以下に示す2種類の通信パラメータが規定されている。
個別パラメータ(Specific Operational Parameters)
一般パラメータ(Generic Operational Parameters)
個別パラメータ(Specific Operational Parameters)とは、当該非特許文献において、「特定のスレーブWSD(White Space Device)に特有の動作パラメータ」として定義されている。換言すれば、端末装置20に相当するスレーブWSDのデバイスパラメータを用いて計算される通信パラメータのことである。特徴として、スレーブWSDの位置情報を用いてWSDB(White Space Database)によって計算されるということが挙げられる。
このような特徴から、個別パラメータは、低モビリティまたは固定設置される端末装置20に適していると想定される。
一般パラメータ(Generic Operational Parameters)とは、当該非特許文献において、「所定のマスタWSD(基地局装置30に相当)のカバレッジエリア内に位置するどのスレーブWSDも使用可能な動作パラメータ」として定義されている。特徴としては、スレーブWSDの位置情報を用いずにWSDBによって計算されるということが挙げられる。
このような特徴から、一般パラメータは、高モビリティの端末装置20に適していると想定される。
これら、端末装置20向けの情報は、基地局装置30からユニキャスト/ブロードキャストによって提供されうる。例えば、FCC規則Part 15 Subpart Hで規定されるCVS(Contact Verification Signal)に代表されるブロードキャスト信号が用いられうる。または、無線インタフェース特有のブロードキャスト信号によって提供されてもよい。具体的には、例えば、LTEや5GNRで用いられるPBCH(Physical Broadcast Channel)、NR-PBCHなどによって提供されてよい。
<5-7.通信制御装置間で発生する手続き>
[情報交換]
通信制御装置40は、他の通信制御装置40と管理情報の交換を行うことができる。図21は、管理情報の交換手続きを説明するためのシーケンス図である。図21の例では、通信制御装置40と通信制御装置40が情報を交換している。勿論、情報交換を行う通信制御装置は、通信制御装置40と通信制御装置40の2つに限られない。
管理情報の交換手続きでは、少なくとも、以下の情報が交換されることが望ましい。
通信装置登録情報
通信装置通信パラメータ情報
エリア情報
通信装置登録情報とは、典型的には、上記登録手続きにおいて通信制御装置40に登録される基地局装置30のデバイスパラメータのことである。必ずしも、登録されている全ての情報が交換される必要はない。例えば、個人情報に該当する恐れのある情報は交換される必要はない。また、通信装置登録情報を交換する際に、暗号化・曖昧化された情報が交換されてもよい。例えば、バイナリ値に変換された情報や、電子署名の仕組みを用いて署名された情報が交換されてもよい。
通信装置通信パラメータ情報とは、典型的には、基地局装置30が現在使用している通信パラメータに係る情報のことである。少なくとも、利用周波数、送信電力を示す情報が含まれることが望ましい。その他の通信パラメータが含まれてもよい。
エリア情報とは、典型的には、所定の地理領域を示す情報のことである。この情報には、様々な属性の領域情報が、様々な態様で含まれうる。
例えば、非特許文献5で開示されているPPA(PAL Protection Area)のように高優先度セカンダリシステムとなる基地局装置30の保護領域情報が含まれてもよい。この場合のエリア情報は、例えば、3以上の地理位置座標の集合で表現されうる。また、例えば、複数の通信制御装置40が共通の外部データベースを参照可能な場合、当該情報を示すIDで表現されうる。
また、例えば、基地局装置30のカバレッジを示す情報が含まれてもよい。この場合のエリア情報も、例えば、3以上の地理位置座標の集合で表現されうる。また、例えば、基地局装置30の地理位置を原点とする円を想定し、半径サイズを示す情報でも表現されうる。また、例えば、複数の通信制御装置40が共通の外部データベースを参照可能な場合、当該情報を示すIDで表現されうる。
また、別の態様として、行政などによりあらかじめ定められたエリア区画に係る情報も含まれうる。具体的には、例えば、住所を示すことで一定の領域を示すことが可能である。また、例えば、ライセンスエリアなども同様に表現し得る。
また、さらなる別の態様として、エリア情報は必ずしも平面的なエリアを表現する必要はなく、3次元の空間を表現してもよい。例えば、空間座標系を用いて表現されてもよい。また、例えば、建物の階数、フロアや部屋番号など、所定の閉空間を示す情報が用いられてもよい。
これらの情報は、さまざまな方式により交換されうる。以下にその一例を示す。
ID指定方式
期間指定方式
領域指定方式
ダンプ方式
ID指定方式とは、通信制御装置40が管理する情報を特定するためにあらかじめ付与されているIDを用いて、上記IDに該当する情報を取得する方式である。例えば、ID:AAAという基地局装置30を通信制御装置40が管理していると仮定する。このときに通信制御装置40が、通信制御装置401に対してID:AAAを指定して情報取得リクエストを行う。リクエスト受信後、通信制御装置40はID:AAAの情報検索を行い、該当する基地局装置30の登録情報、通信パラメータ情報をレスポンスで通知する。
期間指定方式とは、特定の期間を指定し、当該期間に所定の条件を満たす情報が交換されうる。
所定の条件とは、例えば、情報の更新の有無が挙げられる。例えば、特定期間における通信装置情報の取得をリクエストで指定された場合、当該期間に新規に登録された基地局装置30の登録情報や通信パラメータに変更があった基地局装置30の登録情報と通信パラメータの情報がレスポンスで通知されうる。
所定の条件とは、例えば、通信制御装置40が記録しているかどうかが挙げられる。例えば、特定期間における通信装置情報の取得をリクエストで指定された場合、当該期間に通信制御装置40が記録していた基地局装置30の登録情報、通信パラメータの情報がレスポンスで通知されうる。さらには、当該期間における最新情報が通知されうる。または、情報ごとに更新履歴が通知されてもよい。
領域指定方式とは、特定の領域を指定し、当該領域に属する情報が交換される。例えば、特定領域における通信装置情報の取得をリクエストで指定された場合、当該領域に設置されている基地局装置30の登録情報、通信パラメータの情報がレスポンスで通知されうる。
ダンプ方式とは、通信制御装置40が記録している全ての情報を提供する方式である。少なくとも、基地局装置30に係る情報やエリア情報はダンプ方式で提供されることが望ましい。
ここまでの通信制御装置40間情報交換についての説明は、全てプル方式に基づくものである。すなわち、リクエストで指定されたパラメータに該当する情報がレスポンスされる形態であり、一例として、HTTP GETメソッドで実現されうる。しかしながら、プル方式に限定される必要はなく、プッシュ方式で能動的に他の通信制御装置40に情報を提供してもよい。プッシュ方式は、一例として、HTTP POSTメソッドで実現されうる。
[命令・依頼手続き]
通信制御装置40は、互いに命令及び/又は依頼を実施してもよい。具体的には、一例として、基地局装置30の通信パラメータの再構成(Reconfiguration)が挙げられる。例えば、通信制御装置40が管理する基地局装置30が、通信制御装置40の管理する基地局装置30から多大な干渉を受けていると判断される場合に、通信制御装置40が通信制御装置40に対して、基地局装置30の通信パラメータ変更依頼をしてもよい。
別の一例として、エリア情報の再構成(Reconfiguration)が挙げられる。例えば、通信制御装置40の管理する基地局装置30に関するカバレッジ情報や保護領域情報の計算に不備が見られる場合、通信制御装置40が通信制御装置40に対して、当該エリア情報の再構成を依頼してもよい。これ以外にも、さまざまな理由からエリア情報の再構成依頼が行われてもよい。
<<6.保護対象選択>>
次に、保護対象選択について説明する。
<6-1.保護対象選択の動作主体>
図22は、保護対象選択および干渉制御を実施する装置の例を示す図である。この保護対象選択および干渉制御は、通信制御装置40によって実施される。つまり、通信制御装置40が端末装置20及び基地局装置30などのセカンダリシステムの通信装置の通信パラメータを制御することとなる。あるいは、この保護対象選択および干渉制御択は、セカンダリシステムの通信装置によって実施される。あるいは、保護対象選択を実施する装置と干渉制御を実施する装置が別々であってもよい。
図23は、セカンダリシステムの通信装置の通信パラメータ設定フローの一例を示す図である。図23の例では、保護対象選択と干渉制御を同じ装置が実施する場合(図22の例1、例2に該当する場合)の例が示されている。例えば、図23に示すフローの各ステップは、通信制御装置40またはセカンダリシステムの通信装置(端末装置20及び基地局装置30)により実行される。ここでは、図22に示す例1を一例として挙げ、フローの動作主体を通信制御装置40に統一して説明を行う。
図23に示すように、干渉計算を実施するタイミングになると(ステップS101Yes)、通信制御装置40の選択部441は、プライマリシステムの通信装置10の保護対象を選択する(ステップS102)。続いて、通信制御装置40の計算部442は、ステップS102で選択された保護対象の通信装置に対する干渉計算を行う(ステップS103)。なお、干渉計算を実施するタイミングでない場合(ステップS101No)、ステップS106の処理へ移行する。
そして、通信制御装置40の決定部443は、端末装置20及び基地局装置30などのセカンダリシステムの通信装置の通信パラメータを決定する(ステップS104)。続いて、通信制御装置40の通知部445は、端末装置20及び基地局装置30などのセカンダリシステムの通信装置へ通信パラメータを通知し、当該通信パラメータをセカンダリシステムの通信装置に設定する(ステップS105)。その後、通信制御装置40の選択部441は、次の干渉計算のタイミングを待機する(ステップS106)。
図24は、プライマリシステムの通信装置10の保護対象選択フローの一例を示す図である。図24の例では、保護対象選択と干渉制御を異なる装置が実施する(図22の例3、例4に該当する場合)の例が示されている。ここでは、図22に示す例3を一例として挙げ、フローの動作主体を通信制御装置40として説明を行う。
図24に示すように、保護対象選択を実施するタイミングになると(ステップS201Yes)、通信制御装置40の選択部441は、プライマリシステムの通信装置10の保護対象を選択する(ステップS202)。そして、通信制御装置40の通知部445は、ステップS202の保護対象選択の結果に関する情報を他の装置、本例では端末装置20及び基地局装置30などのセカンダリシステムの通信装置に通知し(ステップS203)、処理を終了する。
図25は、セカンダリシステムの通信装置の通信パラメータ設定フローの他の例を示す図である。図25の例では、保護対象選択と干渉制御を異なる装置が実施する(図22の例3、例4に該当する場合)の例が示されている。ここでは、図22に示す例4を一例として挙げ、フローの動作主体を基地局装置30として説明を行う。
図25に示すように、基地局装置30は、他の装置(端末装置20、通信制御装置40)から保護対象選択の結果に関する情報を受け付ける(ステップS301)。このとき、干渉計算を実施するタイミングでれば(ステップS302Yes)、基地局装置30の計算部342は、ステップS301で受け付けた保護対象の通信装置に対する干渉計算を行う(ステップS303)。なお、干渉計算を実施するタイミングでない場合(ステップS302No)、ステップS306の処理へ移行する。
続いて、基地局装置30の決定部343は、端末装置20及び基地局装置30などのセカンダリシステムの通信装置の通信パラメータを決定する(ステップS304)。続いて、基地局装置30の設定部344は、通信パラメータを記憶部32に設定すると共に、基地局装置30の通知部345は、他の基地局装置30、配下の端末装置20等に通信パラメータを通知する(ステップS305)。その後、基地局装置30は、次の干渉計算のタイミングを待機する(ステップS306)。
なお、図23~図25において、保護対象選択、干渉制御、通信パラメータの設定については、所定のタイミングの条件を満たす場合に実施するようにしてもよい。また、プライマリシステムに空中通信装置が含まれるか含まれないかに応じて、この所定のタイミングの条件を変更してもよい。保護対象選択と干渉制御を異なる装置が実施する場合、保護対象選択を実施した装置は、その選択の結果、または選択の結果に関する情報を、他の装置に通知する。この他の装置としては、例えば干渉制御またはセカンダリシステムの通信装置の通信パラメータの設定を実施する装置である。
<6-2.空中通信装置の干渉保護対象の選択>
本実施形態では、セカンダリシステムが保護すべきプライマリシステムの通信装置10を選択する際に、通信制御装置40の選択部441等は、対象のプライマリシステムに空中通信装置10Aが含まれているか否かで、選択の基準を切り替える。
図26は、選択基準を説明するための保護対象選択フローの一例を示す図である。ここでは、一例として、フローの動作主体を通信制御装置40として説明を行う。図26に示すように、対象のプライマリシステムが空中通信装置10Aを含んでいる場合(ステップS401Yes)、通信制御装置40の選択部441は、その空中通信装置10Aに対しては、空中通信装置10A用の保護対象選択基準を適用する(ステップS402)。
また、プライマリシステムが空中通信装置10Aを含まない場合(ステップS401No)、または空中通信装置10Aを含むプライマリシステムのうち空中通信装置10Aではない通信装置には、次のような処理が行われる。すなわち、通信制御装置40の選択部441は、空中通信装置10A用ではない保護対象選択基準を適用する(ステップS403)。
本実施形態では、空中通信装置10Aの選択に用いる保護対象範囲は、端末装置20や基地局装置30などのセカンダリシステムシステムの通信装置の位置を基準に端末装置20や基地局装置30などの上空に設定される。ここで言う「上空」は、セカンダリシステムシステムの通信装置の真上、例えばセカンダリシステムシステムの通信装置が位置する水平面の法線方向の空中だけに限られない。例えば、セカンダリシステムシステムの通信装置が存在する水平面上の位置を含む所定範囲の水平面とその所定範囲の水平面の法線方向の上空を含んでもよい。また、水平面からの法線方向にも限定されず、水平面となす角度が鋭角である線によって境界が区切られる空間も上空に含まれる。
また、本実施形態では、空中通信装置10A用の保護対象選択基準の例として、空中通信装置10Aの位置(仰角(地表またはセカンダリ通信装置からの仰角)、高度(地表またはセカンダリシステム通信装置からの距離)など)を用いる。さらに対象となる周波数チャネルや周辺の地形も保護対象選択基準に含めることとする。このような保護対象選択基準の設定が通信制御装置40の選択部441や、端末装置20及び基地局装置30などのセカンダリシステムの通信装置により保護対象選択が実行される。
仰角に基づく保護対象の範囲を設定する際に、プライマリシステムの通信装置10や、端末装置20及び基地局装置30などのセカンダリシステムの通信装置の周辺環境を考慮することが望ましい。周辺環境として、例えば通信装置間のリンクがLOS(Line-of-Sight、見通し内)かNLOS(Non Line-of-Sight、見通し外)か、地形がIndoor、Urban、Sub-urban、Rural、Open Skyなどのどれか、などを保護対象選択基準に含める。これらを含めた結果として、仰角の角度が設定される。
周辺環境の状況を仰角の設定に反映させる例をいくつか挙げる。ここで、仰角の定義として頂点方向、例えば基地局装置30が設置する水平面の法線方向をゼロ度として、水平方向を90度、地面方向を180度とする。この定義の場合、仰角が大きくなるほど保護対象の範囲が広がることとなる。なお、仰角の定義(0度、90度、180度など)は、これ以外の定義も可能なので、その定義に合わせて仰角の大小と保護対象空間の大小が変わる場合があるので注意を要する。
例として、LOSとNLOSを考えた場合に、LOSのときの仰角の設定をθLOSとし、NLOSのときの仰角の設定をθNLOSとすると、θNLOS≦θLOSとすることが望ましい。その一因として、LOS環境の方が、電波が飛びやすいため、保護対象空間を広く設定することで適切に干渉保護ができる可能性が高まるためである。LOSの場合の仰角の値は、NLOSの値に対して所定の実数値θ′を加える(θLOS=+θ′,θ′≧0)、またはNLOSの値に対して所定の実数値αを掛け合わせる(θLOS=α*θ′,α≧1)、などで設定してもよい。
また、地形を考えた場合、Indoor、Urban、Sub-urban、Rural、Open Skyとなるにつれて仰角を大きな値として設定することが望ましい。つまり、θIndoor≦θUrban≦θSub-urban≦θRural≦θOpenSkyとすることが望ましい。これについても、空が開けている地形の方が、電波が飛びやすいため、保護対象空間を広く設定することで適切に干渉保護ができる可能性が高まるためである。また、上記のLOS、NLOSの値の設定と同じように、ある所定の(基準となる)仰角に対して所定の実数の加算や乗算で仰角を設定してもよい。
さらに、プライマリシステムとセカンダリシステムの間で周波数共用する対象の周波数についても保護対象選択基準に含めて仰角範囲の設定をしてもよい。例えば、周波数f≦fの関係がある場合に、θf1≧θf2とすることが望ましい。
仰角を設定するにあたって、仰角の値の上限値または下限値を設けてもよい。これによって、保護対象範囲(保護対象空間)外の空中通信装置10Aを大まかに除外することが簡単化できる。
この仰角よりも外側の空中通信装置10Aについては、保護対象に含めないというように、大まかに対象をふるいにかけることが可能となる。地表との接線により上限値の設定については、端末装置20及び基地局装置30などのセカンダリシステムの通信装置の高さも考慮することが望ましい。
上限値、下限値については、周辺環境によって設定方法または設定値が変わってもよい。例えば、先のLOS/NLOSや地形と同じように、上限値、下限値についても大小関係を設けることで適切な範囲設定をすることが可能である。また、上限については、地表との接線の仰角と等しいか小さいことが望ましい。
図27は、仰角に基づく保護対象範囲の設定例を示す図である。図27の例では、仰角θLOSが破線で示される一方で、仰角θNLOSが一点鎖線で示されている。これら仰角θLOS及び仰角θNLOSは、例えば、図28に示すフローにしたがって設定することができる。
図28は、仰角に基づく保護対象範囲の設定フローの一例を示す図である。ここでも、一例として、フローの動作主体を通信制御装置40として説明を行う。図28に示すように、通信制御装置40の選択部441は、周辺環境に関する情報および対象周波数に関する情報から、保護対象範囲の設定に関するパラメータを判定する(ステップS501)。
続いて、通信制御装置40の選択部441は、ステップS501で判定されたパラメータにしたがって仰角の上限値または下限値を設定する(ステップS502)。そして、通信制御装置40の選択部441は、ステップS502で設定された上限値または下限値に反しない範囲で、保護対象となる仰角の値を設定する(ステップS503)。
このステップS503の結果として、図27に示す仰角θLOS又は仰角θNLOSが得られた場合、次のような保護対象選択の結果が得られる。例えば、空中通信装置10Aの位置と仰角θLOSとを基準に保護対象の選択が行われた場合、空中通信装置10A~10Aのうち空中通信装置10A~10Aの4つの空中通信装置10Aが保護対象として選択される。一方、例えば、空中通信装置10Aの位置と仰角θNLOSとを基準に保護対象の選択が行われた場合、空中通信装置10A、10Aは選択されず、空中通信装置10A、10Aの2つの空中通信装置10Aが保護対象として選択される。
図29は、仰角に基づく保護対象範囲の設定例を示す図である。図29の例では、地表との接線の仰角に上限値θUpperLimitが設定されている例が示されている。図29に二点鎖線で示す通り、上限値θUpperLimitの設定により仰角θLOSまたは仰角θNLOSを用いて保護対象が選択される前の時点で、空中通信装置10A~10Aのうち空中通信装置10A、10Aの2つの空中通信装置10Aを保護対象から除外できる。このため、保護対象の選択効率が高まる。
上記の判断を含めた形で、仰角に基づく範囲を設定する。例えば、端末装置20や基地局装置30などのセカンダリシステムの通信装置から見て、水平360度に渡って同じ仰角の範囲を保護対象空間としてもよい。すなわち、図29の例で言えば3次元的な円錐状の範囲となる。また、水平方向に応じて、さらに仰角の調整を実施してもよい。例えば、周囲に高いビルが存在する方向、存在しない方向に応じて仰角を調整してもよい(ビルが存在する方向では仰角を小さくする、ビルが存在しない方向では仰角を大きくする、など)。水平方向の調整については、例えば1度ごと、10度ごと、など所定の水平方向角度に応じて実施してもよい。
保護対象空間が設定された後、通信制御装置40の選択部441は、その範囲に基づいて基地局装置30等のプライマリシステムの空中通信装置のうち保護対象となる空中通信装置10Aを選択する。このように選択される空中通信装置10Aは、単体にも複数にもなりうる。
さらに、本実施形態では、通信制御装置40の選択部441は、例えば、対象となる空中通信装置10Aの位置(または飛行経路)が取得できるか否かで選択の可否の判断を変えてもよい。
図30は、保護対象空間と空中通信装置の位置の比較が追加された保護対象選択フローの一例を示す図である。ここでは、一例として、フローの動作主体を通信制御装置40として説明を行う。
図30に示すように、空中通信装置10Aの位置が取得できない場合(ステップS601No)、通信制御装置40の選択部441は、その空中通信装置10Aを保護対象に含める(ステップS604)。これは、保護対象空間との比較によって保護するか否かを判断するには情報が不十分であるためである。
一方、空中通信装置10Aの位置が取得できる場合(ステップS601Yes)には、通信制御装置40の選択部441は、その取得した位置と上で設定した保護対象空間を比較する(ステップS603)。
ここで、ステップS603の比較の結果、位置が設定した保護対象空間(円錐状または円錐状に準ずる範囲)に含まれる場合(ステップS603Yes)、通信制御装置40の選択部441は、その空中通信装置10Aを保護対象に含める(ステップS604)。一方、位置が保護対象空間に含まれない場合(ステップS603No)には、通信制御装置40の選択部441は、その空中通信装置10Aを保護対象に含めない(ステップS605)。
なお、図30のフローでは、フローのステップS601において、「位置」を「飛行経路」と置き換え、空中通信装置10Aの飛行経路が既知であり、かつ飛行経路情報の信頼性の度合いが所定の閾値以上であるか否かをステップS601で判断することもできる。このような判断が行われる場合、既知であり、かつ飛行経路情報の信頼性の度合いが所定の閾値以上であるならば、ステップS601Yesの分岐に進む。また、空中通信装置10Aの飛行経路が未知、あるいは飛行経路情報の信頼性の度合いが所定の閾値未満である場合、ステップS601Noの分岐に進む。このように位置や経路が取得できない例としては、ドローンのようにどこへ飛ぶか予測ができないものが挙げられる。また、軍事用途の通信装置のように、位置や経路が公開されていないものが挙げられる。
また、本実施形態では、通信制御装置40の選択部441は、図30に示すフローのバリエーションとして、空中通信装置10Aの高度(またはセカンダリ通信装置と空中通信装置10Aの間の距離)を保護対象選択基準に含めてもかまわない。例えば、通信制御装置40の選択部441は、所定の値の高度(距離)よりも低い(近い)空中通信装置を保護対象候補に含めて、その候補の中でさらに仰角に基づく保護対象空間に入っている空中通信装置を保護対象とする。これによって、後段の干渉制御の計算量を削減することが可能となる。
図31は、仰角および高度に基づく保護対象範囲の設定例を示す図である。図31の例では、仰角θLOSおよび仰角θNLOSと共に、高度に基づく保護対象範囲の境界が二点鎖線で示されている。図31に示すように、仰角θLOSまたは仰角θNLOSのいずれかのみを用いて保護対象が選択される場合、空中通信装置10A~10Aのうち空中通信装置10A~10Aの4つの空中通信装置10Aが保護対象として選択される。一方、図31に二点鎖線で示された通り、高度に基づく保護対象範囲の境界を保護対象の選択にさらに用いる場合、高度に基づく保護対象範囲の境界の外側に存在する空中通信装置10A、10Aを保護対象から除外することができる。
図32は、高度の保護対象範囲を用いた保護対象選択フローの一例を示す図である。ここでは、一例として、フローの動作主体を通信制御装置40として説明を行う。
図32に示すように、空中通信装置10Aの位置が取得できない場合(ステップS701No)、通信制御装置40の選択部441は、その空中通信装置10Aを保護対象に含める(ステップS705)。これは、保護対象空間との比較によって保護するか否かを判断するには情報が不十分であるためである。
一方、空中通信装置10Aの位置が取得できる場合(ステップS701Yes)には、通信制御装置40の選択部441は、空中通信装置10Aの高度が所定の値よりも低い、言い換えれば近いか否かを判定する(ステップS702)。
このとき、空中通信装置10Aの高度が所定の値よりも低い場合(ステップS702Yes)、通信制御装置40の選択部441は、その取得した位置と上で設定した保護対象空間を比較する(ステップS703)。
ここで、ステップS703の比較の結果、位置が設定した保護対象空間(円錐状または円錐状に準ずる範囲)に含まれる場合(ステップS704Yes)、通信制御装置40の選択部441は、その空中通信装置10Aを保護対象に含める(ステップS705)。また、空中通信装置10Aの高度が所定の値以上である場合、あるいは位置が保護対象空間に含まれない場合(ステップS702Noまたは704No)には、通信制御装置40の選択部441は、その空中通信装置10Aを保護対象に含めない(ステップS706)。
あくまで一例として、円錐状または円錐状に準ずる空間を保護対象空間として設定する例を挙げたが、保護対象空間はこれに限定されない。例えば、さらに別のバリエーションとして、地上から頂点方向へ広がる空間であり、その空間をある高度で切断した断面積と別の高度で切断した断面積を比べたときに、高い高度で切断した断面積の方が大きいことを特徴とする空間を保護対象空間としてもよい。この場合、純粋な円錐状からは離れるので、仰角に基づく保護対象空間の設定とは限らなくなる場合があるが、本実施形態では、仰角の代わりとして、高度に対する断面積の増加率に基づいて保護対象空間を設定することができる。高度に対して断面積が比例して大きくすることとして、単位高度あたりの増加率をβ(β≧1)として、仰角に変えてこのβの値を調整することとする。上記の仰角θの大小は、増加率βの大小として置き換えることができる。
図33は、高度に対する断面積(β≧1)の増加率で設定される空中通信装置の保護対象空間の一例を示す図である。図33に示すように、高度h、h、h(h<h<h)の3つの異なる高さに対する3つの断面積S、S、Sが示されている。これら3つの断面積の関係性としてS≦S≦Sの関係性があり、かつ、S=(h-h)*β*S,S=(h-h)*β*Sのような関係性があることが望ましい。
保護対象空間に関する他の実施例として、高度が高くなるほど断面積が小さくなる(β≦1)保護対象空間を採用してもよい。これは、高度が高くなる(地上のセカンダリシステム通信装置との距離が離れる)ほど、保護対象とするプライマリシステム通信装置の数を減らしていくことに相当する。この場合は、仰角という観点からすると、仰角がプライマリシステムの通信装置10の高度の関数となることに相当し、高度が高いほど考慮すべき仰角が小さくなることになる。
図34は、高度に対する断面積(β≦1)の増加率で設定される空中通信装置の保護対象空間の他の一例を示す図である。図34に示すように、高度h、h、h(h>h>h)の3つの異なる高さに対する3つの断面積S、S、Sが示されている。これら3つの断面積の関係性としてS≦S≦Sの関係性があるが、各断面に相似性はなくともかまわない。
さらに別の実施形態として、保護対象空間の断面積が高度によらず一定である(β=1)空間を採用してもよい。この場合も、仰角という観点からすると、仰角がプライマリシステムの通信装置10の高度の関数となることに相当し、高度が高いほど考慮すべき仰角が小さくなることになる。
図35は、高度に対する断面積(β=1)の増加率で設定される空中通信装置の保護対象空間の更なる一例を示す図である。図35に示すように、同一の高度h、h、h(h=h=h)に対する3つの断面積S、S、Sが示されている。これら3つの断面積の関係性としてS=S=Sの関係性があるが、各断面に相似性はなくともかまわない。
図34に示す保護対象空間の例と図35に示す保護対象空間の例とを比較すると、図34に示す保護対象空間の例の方が高度に対してより小さい仰角となる。
さらに、本実施形態では、通信制御装置40の選択部441は、保護対象空間に含まれるか否かの判断時に、空中通信装置10Aの飛行経路をさらに保護対象選択基準に含めることも可能である。ここで、空中通信装置の飛行経路の情報の例として、空中通信装置10Aの速度、方向(方角)、軌道、などが挙げられる。
図36は、空中通信装置10Aの飛行経路の一例を示す図である。図36に示すように、通信制御装置40の選択部441は、ある時間に保護対象空間に入っている状態がある空中通信装置10Aを保護対象に含めることとしてもよい。これは、空中通信装置10Aとして、地上から見て静止しているように見える空中通信装置10A(例えば、静止軌道衛星通信装置、GEO(Geostationary earth orbit)、GSO(Geosynchronous orbit)、など)の保護をより確実に実施するための措置と言える。さらに、地上から見て動いているように見える空中通信装置がいる場合に、動いているように見える空中通信装置10Aの保護をより確実に実施するための措置と言える。このような空中通信装置10Aの例として、低軌道衛星通信装置、LEO(Low earth orbit)、中軌道衛星通信装置、MEO(Middle earch orbit)、航空機(Air plane、Air craft、Air vehicle)、ドローン(Drone)、などが対応する。
ここで、保護対象空間と比較すべき飛行経路に含まれる座標の時系列データの始点及び終点については、例えば、保護対象となる空中通信装置をあるタイミングで選択して、その次の選択のタイミングで選択する場合の、それぞれの時間間隔に該当する。
図37は、保護対象選択のタイミングの時間間隔と飛行経路の時系列データの始点及び終点との対応関係の一例を示す図である。図37の例では、保護対象選択のタイミングの時間間隔と、保護対象空間と比較すべき飛行経路の時系列データの始点及び終点の時間間隔とが一致する例が示されている。例えば、時刻t0の保護対象選択のタイミングでは、時刻t0から時刻t1までの飛行経路の時系列データと、保護対象空間とが比較される。
この他、通信制御装置40の選択部441は、飛行経路の時系列データの始点及び終点の間隔を保護対象選択のタイミングの時間間隔よりも長く設定することもできる。図38及び図39は、保護対象選択のタイミングの時間間隔と飛行経路の時系列データの始点及び終点との対応関係の一例を示す図である。図38の例では、保護対象空間と比較される飛行経路の時系列データの終点を2つの保護対象選択のタイミングのうち後者の選択タイミングよりも後に設定する例が示されている。さらに、図39の例では、保護対象空間と比較される飛行経路の時系列データの始点を2つの保護対象選択のタイミングのうち前者の選択タイミングよりも前に設定し、かつ飛行経路の時系列データの終点を2つの保護対象選択のタイミングのうち後者の選択タイミングより後に設定する例が示されている。これも、動いている空中通信装置10Aの保護をより確実にするための措置である。
反対に、保護対象となるプライマリシステムの通信装置10の数を減らして与干渉計算の複雑度を下げるために、上記のある時間の始点または終点の少なくともいずれかを、保護対象選択のタイミングの間隔より狭く取ることも可能である。この場合、プライマリシステムの適切な保護という観点では必ずしも望ましいものとは言いにくいが、与干渉計算の複雑度を下げることの方が優先される場面もある。
<6-3.干渉の計算>
本実施形態では、通信制御装置40の計算部442は、選択部441により選択された保護対象選択の結果に基づいて、端末装置20及び基地局装置30などのセカンダリシステムの通信装置からプライマリシステムの通信装置10への与干渉量を計算する。
図40は、セカンダリシステムからプライマリシステムへの与干渉量計算のモデル例を示す図である。図40に示された実線は、保護対象選択の結果として選択された保護対象通信装置への与干渉を示す。例えば、基地局装置30及び端末装置20の保護対象選択の結果は、空中通信装置10A、10A、10A、となる。さらに、基地局装置30及び端末装置20の保護対象選択の結果は、空中通信装置10A、10A、10A、となる。さらに、さらに、基地局装置30及び端末装置20の保護対象選択の結果は、空中通信装置10A、10A、10A、となる。図40に示すように、端末装置20及び基地局装置30などのセカンダリシステムの通信装置ごとに保護対象通信装置の選択結果が異なることもありえる。すなわち、また、端末装置20と基地局装置30との関係性がある場合、同じ基地局装置30に接続している端末装置20については、その基地局装置30の保護対象に含まれる通信装置と同じ通信装置を保護対象として考慮してもよい。
図41は、累積干渉量の計算フローの一例を示す図である。ここでは、一例として、フローの動作主体を通信制御装置40として説明を行う。図41に示すように、通信制御装置40の計算部442は、プライマリシステムの通信装置10のうち1つを選択する(ステップS801)。
続いて、通信制御装置40の計算部442は、端末装置20及び基地局装置30などのセカンダリシステムの通信装置のうち1つを選択する(ステップS802)。その上で、通信制御装置40の計算部442は、ステップS802で選択されたセカンダリシステム通信装置からステップS801で選択されたプライマリシステムの通信装置10への与干渉量を計算する(ステップS803)。
その後、通信制御装置40の計算部442は、所定のセカンダリシステム通信装置すべてからの与干渉量を合算することにより、ステップS801で選択されたプライマリシステムの通信装置10への累積干渉量を計算する(ステップS804)。
図42は、保護対象選択結果に基づく与干渉量の計算フローの一例を示す図である。ここでも、一例として、フローの動作主体を通信制御装置40として説明を行う。図42に示すように、対象のプライマリの通信装置10が対象のセカンダリ通信装置の保護対象空間に含まれている場合(ステップS901Yes)、通信制御装置40の計算部442は、次のような処理を実行する。
すなわち、通信制御装置40の計算部442は、精度の細かい電波伝搬特性を考慮した干渉量計算を実施する(ステップS902)。言い換えれば、後述のステップS904よりも計算量、例えば計算パラメータが多い干渉量計算が実施される。
一方、対象のプライマリの通信装置10が対象のセカンダリ通信装置の保護対象空間に含まれない場合(ステップS901No)、計算部442は、対象のプライマリシステムの通信装置10への干渉を計算するか否かを判定する(ステップS903)。
ここで、ステップS903の条件の一例として、プライマリシステムの通信装置10の高度が挙げられる。例えば、高度が所定の高度より低い場合、干渉が計算される。この場合、所定の高度は保護対象エリア(空間)を定める高度よりも大きい(高い)ことが望ましい。また、ステップS903の条件の他の一例として、プライマリシステムの通信装置10と、端末装置20や基地局装置30などのセカンダリシステムの通信装置との間の距離が挙げられる。例えば、距離が所定値より低い場合、干渉が計算される。また、ステップS903の条件の更なる一例として、プライマリシステムの通信装置10と、端末装置20や基地局装置30などのセカンダリシステムの通信装置との間の角度の関係性が挙げられる。例えば、角度がセカンダリシステムの通信装置またはプライマリシステムの通信装置10のアンテナ指向性の半値角から所定の角度の範囲に入っている場合、干渉が計算される。また、角度が所定の角度の範囲内に入っている場合、干渉が計算される。この場合、所定の角度は保護対象空間を定める仰角より大きい(広い)ことが望ましい。また、ステップS903の条件の他の一例として、プライマリシステムの通信装置10またはセカンダリシステムの通信装置の位置が挙げられる。例えば、位置が所定の国・地域内である場合、干渉が計算される。
そして、対象のプライマリシステムの通信装置10への干渉を計算する場合(ステップS903Yes)、通信制御装置40の計算部442は、次のような処理を実行する。
すなわち、通信制御装置40の計算部442は、精度の粗い電波伝搬特性を考慮する干渉量計算、または電波伝搬特性を考慮しない干渉量計算を実施する(ステップS904)。言い換えれば、後述のステップS902よりも計算量、例えば計算パラメータが少ない干渉量計算が実施される。
また、対象のプライマリシステムの通信装置10への干渉を計算しない場合(ステップS903No)、通信制御装置40の計算部442は、干渉量をゼロとする(ステップS905)。
このように、図42の例では、ステップS901の分岐、さらには、ステップS903の分岐ごとに異なる干渉計算が実行される。
図43は、保護対象選択結果に基づく与干渉量の計算フローの一例を示す図である。ここでも、一例として、フローの動作主体を通信制御装置40として説明を行う。図43に示すように、対象のプライマリの通信装置10が対象のセカンダリ通信装置の保護対象空間に含まれている場合(ステップS1001Yes)、通信制御装置40の計算部442は、次のような処理を実行する。
すなわち、通信制御装置40の計算部442は、精度の細かい電波伝搬特性を考慮した干渉量計算を実施する(ステップS1002)。言い換えれば、後述のステップS1004よりも計算量、例えば計算パラメータが多い干渉量計算が実施される。
一方、対象のプライマリの通信装置10が対象のセカンダリ通信装置の保護対象空間に含まれない場合(ステップS1001No)、計算部442は、対象のプライマリシステムの通信装置10への干渉を計算するか否かを判定する(ステップS1003)。
そして、対象のプライマリシステムの通信装置10への干渉を計算する場合(ステップS1003Yes)、通信制御装置40の計算部442は、精度の細かい電波伝搬特性を考慮した干渉量計算を実施する(ステップS1002)。
また、対象のプライマリシステムの通信装置10への干渉を計算しない場合(ステップS1003No)、通信制御装置40の計算部442は、次のような処理を実行する。すなわち、通信制御装置40の計算部442は、精度の粗い電波伝搬特性を考慮する干渉量計算、または電波伝搬特性を考慮しない干渉量計算を実施する(ステップS1004)。言い換えれば、後述のステップS1002よりも計算量、例えば計算パラメータが少ない干渉量計算が実施される。
また、対象のプライマリシステムの通信装置10への干渉を計算しない場合(ステップS903No)、通信制御装置40の計算部442は、干渉量をゼロとする(ステップS905)。
このように、図43の例では、ステップS901の分岐またはステップS903の分岐のいずれかで肯定の結果が得られた場合、精度の細かい計算が実施される。
図44は、保護対象選択結果に基づく与干渉量の計算フローの一例を示す図である。ここでも、一例として、フローの動作主体を通信制御装置40として説明を行う。図44に示すように、対象のプライマリの通信装置10が対象のセカンダリ通信装置の保護対象空間に含まれている場合(ステップS1101Yes)、通信制御装置40の計算部442は、次のような処理を実行する。
すなわち、通信制御装置40の計算部442は、精度の細かい電波伝搬特性を考慮した干渉量計算を実施する(ステップS1102)。言い換えれば、後述のステップS1103よりも計算量、例えば計算パラメータが多い干渉量計算が実施される。
一方、対象のプライマリの通信装置10が対象のセカンダリ通信装置の保護対象空間に含まれない場合(ステップS1101No)、計算部442は、次のような処理を実行する。すなわち、通信制御装置40の計算部442は、精度の粗い電波伝搬特性を考慮する干渉量計算、または電波伝搬特性を考慮しない干渉量計算を実施する(ステップS1103)。言い換えれば、後述のステップS1102よりも計算量、例えば計算パラメータが少ない干渉量計算が実施される。
このように、図44の例では、ステップS901の分岐で精度の細かい計算または精度の粗い計算が二者択一される。
あるプライマリシステムの通信装置pへの累積干渉量は、下記の式(3)で計算する(真値、線形値で表現)。
Figure 0007452531000001
ここで、Ip,sは、端末装置20や基地局装置30などのセカンダリシステムの通信装置sからプライマリシステムの通信装置pへの与干渉量を指す。また、Sは、プライマリシステムの通信装置pへの干渉計算時に考慮すべきセカンダリシステム通信装置の集合を指す。
デシベル値で表現する場合、累積干渉量は下記の式(4)で計算する(変数の意味は、単位以外は上と同じ)。
Figure 0007452531000002
p,sについては、プライマリシステムの通信装置とセカンダリシステム通信装置の関係性によって計算が異なる。例えば、プライマリシステムの通信装置10がセカンダリシステムの通信装置の保護対象に含まれている場合、電波伝搬特性や通信装置の特性などを詳細に考慮した干渉量計算が実施される。この干渉量計算は、図42~図44に示すステップS902、ステップS1002及びステップS1102で行われる干渉量計算に対応する。これは、例えば次の式(5)で計算する(真値、線形値で表現)。
Figure 0007452531000003
ここで、Lp,s()は、セカンダリシステムの通信装置とプライマリシステムの通信装置の間の電波伝搬特性モデル(例えばパスロス(Path Loss)、パス利得(Path Gain)、など)を指す。また、fは、対象となる周波数を指す。また、x、y、zは、通信装置の位置情報(例えば、経度、緯度、高度、など)を指す。また、envは、周辺環境、地形、空中/地上などを示す変数・インデックスを指す。また、A()は、通信装置のアンテナ特性(例えば指向性、利得、など)を指す。また、PT,sは、セカンダリシステムの通信装置の送信電力を指す。
デシベル値で表現する場合、累積干渉量は次の式(6)で計算する(変数の意味は、単位以外は上と同じ)。
Figure 0007452531000004
プライマリシステムの通信装置が保護対象に含まれてない場合、含まれている場合に比べて簡素な干渉量計算を採用してもよい。例えば、電波伝搬特性や通信装置の特性などを詳細に考慮した干渉量計算が実施される。この干渉量計算は、図42~図44に示すステップS904、ステップS1004及びステップS1103で行われる干渉量計算に対応する。その一例として、下記の通り、干渉量をゼロとしてもよい。あるいは、対象のセカンダリシステムの通信装置sを集合Sから外してもよい。
p,s=0
dBm,p,s=-∞
または、下記の通り、干渉量を固定量として計算してもよい。
p,s=I
dBm,p,s=IdBm,C
または、下記の式(7)や式(8)の通り、アンテナ特性を考慮から外して干渉量を計算してもよい。
Figure 0007452531000005
図45は、保護対象選択の結果の一例を示す図である。図45には、図42に示すフローのステップS901及びステップS903の判断の分岐で選択された空中通信装置10A~10A13の保護対象選択の結果が示されている。さらに、図45には、フローのステップS901の判断で用いられる保護対象空間を形成する仰角の境界線Lおよび高度の境界線Hが示されている。さらに、図45には、フローのステップS903で粗い干渉量計算の実施可否の判断に用いられる仰角の境界線Lおよび距離の境界線Hが示されている。
図45の凡例に示された通り、図42に示すフローでは、空中通信装置10A~10A13のうち、仰角の境界線L及び高度の境界線Hの内側に位置する空中通信装置10A、10Aが保護対象として選択される。これら空中通信装置10A、10Aには、精度が細かい干渉量計算が実施される。また、図42に示すフローでは、空中通信装置10A~10A13のうち、仰角の境界線Lまたは距離の境界線Dの内側に位置し、かつ仰角の境界線L及び高度の境界線Hの外側に位置する空中通信装置10A、10A、10A、10A10、10A11、10A12が保護対象として選択される。これら空中通信装置10A、10A、10A、10A10、10A11、10A12には、精度が細かい干渉量計算が実施される。これら以外の空中通信装置10A、10A、10A、10A13の干渉量には、ゼロが設定される。
図46は、保護対象選択の結果の一例を示す図である。図46には、図43に示すフローのステップS1001及びステップS1003の判断の分岐で選択された空中通信装置10A~10A13の保護対象選択の結果が示されている。さらに、図46には、フローのステップS1001の判断で用いられる保護対象空間を形成する仰角の境界線Lおよび高度の境界線Hが示されている。さらに、図46には、フローのステップS1003で粗い干渉量計算の実施可否の判断に用いられる仰角の境界線Lおよび距離の境界線Hが示されている。
図46の凡例に示された通り、図43に示すフローでは、空中通信装置10A~10A13のうち、仰角の境界線L及び高度の境界線Hの内側に位置するか、あるいは仰角の境界線Lまたは距離の境界線Dの内側の位置する空中通信装置10A、10A、10A、10A、10A、10A10、10A11、10A12が保護対象として選択される。これら空中通信装置10A、10A、10A、10A、10A、10A10、10A11、10A12には、精度が細かい干渉量計算が実施される。それ以外の空中通信装置10Aの干渉量には、ゼロが設定される。
図47は、保護対象選択の結果の一例を示す図である。図47には、図44に示すフローのステップS1101の判断の分岐で選択された空中通信装置10A~10A13の保護対象選択の結果が示されている。さらに、図47には、フローのステップS1101の判断で用いられる保護対象空間を形成する仰角の境界線Lおよび高度の境界線Hが示されている。図47の凡例に示された通り、図44に示すフローでは、空中通信装置10A~10A13のうち、仰角の境界線L及び高度の境界線Hの内側に位置する空中通信装置10A、10Aが保護対象として選択される。これら空中通信装置10A、10Aには、精度が細かい干渉量計算が実施される。それ以外の空中通信装置10Aの干渉量には、ゼロが設定される。
図48は、与干渉量の計算フローの一例を示す図である。ここでも、一例として、フローの動作主体を通信制御装置40として説明を行う。図48に示すように、プライマリシステムに空中通信装置10Aが含まれる場合(ステップS1201Yes)、通信制御装置40の計算部442は、空中通信装置10Aに対して、空中通信装置用の干渉計算を適用する(ステップS1202)。その後、通信制御装置40の計算部442は、空中通信装置10Aではない通信装置、すなわち地上通信端末10Bや地上固定通信装置10Cに対して、空中通信装置用ではない干渉計算を適用する(ステップS1203)。なお、プライマリシステムに空中通信装置10Aが含まれない場合(ステップS1201No)、通信制御装置40の計算部442は、ステップS1202の処理をスキップしてステップS1203の処理を実行する。
<6-4.干渉計算に用いる参照点>
上記のとおりに与干渉を計算する場合、プライマリシステムの通信装置10の位置ごとに与干渉量を計算する必要がある。プライマリシステムの通信装置10の位置は、基本的に連続値であるため、通信装置数に応じて計算量が膨大に増加する恐れがある。
このことから、本実施形態では、通信制御装置40の計算部442は、計算量の増加を抑えるために、実際の通信装置の位置ではなく、離散的に配置された参照点(Reference Point、リファレンスポイント、Protection Point、プロテクションポイント、干渉保護点、以下、リファレンスポイントとする)の位置を用いて与干渉量を計算する。さらに、端末装置20や基地局装置30などのセカンダリシステムの通信装置ごとにリファレンスポイントの配置を固有に設定することで、さらに与干渉計算の簡易化を実現する。
図49は、リファレンスポイントの配置例を示す図である。図49には、リファレンスポイントを格子状に配置した場合の上面図を模式的に示す。図49には、セカンダリシステムの通信装置(プライマリシステムへの干渉源の候補)30と3つの空中通信装置(セカンダリシステムの通信装置から干渉を受ける可能性がある通信装置)10A~10Aが存在する。与干渉量計算を精密に実行しようとした場合、空中通信装置10Aが実際に存在している位置(緯度、経度、高度など)を用いて干渉量計算を実施する。これに対して、本実施形態では、空中通信装置10Aの位置を、所定のルールで配置されたリファレンスポイント(図49の黒の四角)のいずれかひとつにマッピングして、そのマッピングされたリファレンスポイントの位置(緯度、経度、高度など)を用いて、その空中通信装置10Aの位置への与干渉量を計算することとする。空中通信装置10Aの位置をマッピングするリファレンスポイントの一例としては、実際の空中通信装置10Aの位置に最も近い距離(最短距離)のリファレンスポイントとすることができる。考えられる(同図中の赤矢印で示された関係性)。また、空中通信装置10Aをマッピングするリファレンスポイントは複数あっても良い。例えば、最短距離ではないが最短に準ずる距離(準最短距離)のリファレンスポイントにもマッピングしてもよい。プライマリシステムの通信装置pに対してマッピングするリファレンスポイント数をNRP,p個として、距離が短い順にNRP,p個のリファレンスポイントにマッピングしてもよい(図49はNRP,p=4個に相当)。なお、リファレンスポイントの配置は、有限個のリファレンスポイントから構成されてもよい。この場合、図49の右上のように、リファレンスポイントの配置のさらに外側にプライマリシステムの通信装置が存在する場合もありえる。この場合は、マッピングするリファレンスポイント数を所定の値よりも小さくしてもよい。
例えば、空中通信装置10Aの例で言えば、リファレンスポイントG11~G14のうち空中通信装置10Aの最短距離にあるリファレンスポイントG14に空中通信装置10Aがマッピングされる。また、空中通信装置10Aの例で言えば、リファレンスポイントG21~G24のうち空中通信装置10Aの最短距離にあるリファレンスポイントG21に空中通信装置10Aがマッピングされる。なお、空中通信装置10Aの例で言えば、空中通信装置10Aの最短距離にあるリファレンスポイントGに空中通信装置10Aがマッピングされる。
図50は、リファレンスポイントの他の配置例を示す図である。図50には、リファレンスポイントを基地局装置30からの放射状に配置する場合の上面図を模式的に示す。図50には、図49と同様にセカンダリシステムの通信装置(プライマリシステムへの干渉源の候補)30と3つの空中通信装置(セカンダリシステムの通信装置から干渉を受ける可能性がある通信装置)10A~10Aが存在する。図50の例では、すべての放射状の直線において、リファレンスポイントが等間隔に配置されている。図50の例でも、図40の例と同様に、空中通信装置10Aのマッピングが可能である。例えば、空中通信装置10Aの例で言えば、リファレンスポイントG11~G12のうち空中通信装置10Aの最短距離にあるリファレンスポイントG12に空中通信装置10Aがマッピングされる。また、空中通信装置10Aの例で言えば、リファレンスポイントG21~G24のうち空中通信装置10Aの最短距離にあるリファレンスポイントG24に空中通信装置10Aがマッピングされる。さらに、空中通信装置10Aの例で言えば、リファレンスポイントG31~G34のうち空中通信装置10Aの最短距離にあるリファレンスポイントG34に空中通信装置10Aがマッピングされる。
また、図50の例では、すべての放射状の直線において、リファレンスポイントが等間隔に配置されているが、放射状の直線ごとにリファレンスポイントの配置を不均一にすることもできる。
図51は、リファレンスポイントの更なる配置例を示す図である。図51に示すように、放射状の直線ごとに不均一にリファレンスポイントを配置する場合、基地局装置30から最短距離のリファレンスポイントが放射状の直線ごとに異なってもよい。これは、放射状にリファレンスポイントを配置した場合、中心(本例では、基地局装置30)から距離が離れるにしたがってリファレンスポイントの密度が下がるからである。このため、中心から距離が離れるほど、リファレンスポイントで計算された与干渉量と実際の空中通信装置10Aでの与干渉量の差が広がってしまう可能性がある。このことから、放射状の直線ごとのリファレンスポイントの配置を不均一として、放射状の直線ごとに基地局装置30等のセカンダリシステムの通信装置から最短距離のリファレンスポイントの距離を異なるようにする。これによって、セカンダリシステムの通信装置から距離が離れた部分でもリファレンスポイントの密度の低下を緩和することが可能となる。また、基地局装置30を中心とした同心円を考えた場合、ある同心円と放射状の直線の交差点すべてにおいてリファレンスポイントが配置されてもよい。あるいは、ある同心円と放射状の直線の交差点の一部のみにおいてリファレンスポイントが配置されてもよい。
図52は、リファレンスポイントの選択フローの一例を示す図である。ここでも、一例として、フローの動作主体を通信制御装置40として説明を行う。図52に示すように、通信制御装置40の計算部442は、マッピングするリファレンスポイント数NRPを設定する(ステップS1301)。続いて、通信制御装置40の計算部442は、ループカウンタnをインクリメントする(ステップS1302)。
そして、ループカウンタnがリファレンスポイント数NRPまでインクリメントされるまで(ステップS1303Yes)、下記のステップS1304及びステップS1305が実行される。すなわち、ステップS1304において、通信制御装置40の計算部442は、n番目の最短距離リファレンスポイントを選択する。そして、ステップS1305において、通信制御装置40の計算部442は、ループカウンタnをインクリメントし、ステップS1303の処理に戻る。その後、ループカウンタnがリファレンスポイント数NRPまでインクリメントされた場合(ステップS1303No)、処理を終了する。
本実施形態では、リファレンスポイントが3次元空間内に配置される場合にも適用可能である。例えば、リファレンスポイントを空中に配置する場合、基地局装置30のセカンダリシステムの通信装置を中心とし、仰角により形成される保護対象領域の外部境界線上をリファレンスポイントが配置される外縁とし、保護対象領域の内側で中心から通るRay上にリファレンスポイントを配置することができる。また、リファレンスポイントは、必ずしも空中に配置せずともよく、水平面上に配置することもできる。
また、最短距離のリファレンスポイントおよび準最短距離のリファレンスポイントへのマッピングを考える場合に、図49の例及び図50の例では、複数(例えば3つまたは4つ以上など)のリファレンスポイントで囲まれた面として説明しているが、これが複数(例えば4つまたは5つ以上など)のリファレンスポイントで囲まれた空間を仮定し、その空間を囲んでいるリファレンスポイントを最短距離および準最短距離のリファレンスポイントとすることで、本実施形態を適用することが可能である。また、地球の形状および緯度、経度、高度を考慮した場合、図49の中で示されている破線の補助線は直線でない場合もありえる。そのような場合でも、本実施形態を適用可能である。
図53は、3次元空間内における放射状の直線(太い破線)とリファレンスポイント(黒四角)の定義の一例を示す図である。図53に示す原点は、例えば基地局装置30の位置または基地局装置30の送信点(アンテナの点)に対応する。図53に示すように、ユークリッド空間の場合には、x、y、z座標によって放射状の直線およびリファレンスポイントが定義されてもよい。あるいは、距離(図中のR)、水平面上の角度(図中のθ)、垂直面上の角度(図中のφ)によって放射状の直線およびリファレンスポイントが定義されてもよい。なお、図53の例では、ユークリッド空間(平面)を想定した定義になっているが、位置情報については、ユークリッド空間以外にも、緯度・経度・高度など様々な表現の違いがありえる。これら位置情報の表現の変換については、例えばヴィンセンティ法(Vincenty's Formulae)などによって緯度・経度で表現される2点間(例えば空中通信装置10Aの位置とリファレンスポイントの位置、異なる2つの通信装置の位置など)の距離を求めてから、所望の位置情報の表現形式に変換してもよい。
本実施形態では、端末装置20や基地局装置30などのセカンダリシステムの通信装置ごとにリファレンスポイントの配置が設定されることが望ましい。図54及び図55は、リファレンスポイントの配置例を示す図である。図54には、端末装置20及び基地局装置30ごとにリファレンスポイントを格子状に配置した場合の例が示されている。また、図55には、端末装置20及び基地局装置30ごとにリファレンスポイントを放射状に配置した場合の例が示されている。図54の例及び図55の例では、黒四角が基地局装置30に対するリファレンスポイント、白四角が端末装置20に対するリファレンスポイントに対応する。
リファレンスポイントの配置間隔については、端末装置20及び基地局装置30などのセカンダリシステムの通信装置ごとに異なってもよい。例えば、端末装置20及び基地局装置30などのセカンダリシステム通信装置の送信電力または最大送信電力のCapabilityに応じて配置間隔を変えてもよい。基地局のように送信電力・最大送信電力が大きい場合には、与干渉量の影響も大きくなることが予想できるため、リファレンスポイントの配置間隔を密にすることが望ましい。また、例えば、セカンダリシステムの通信装置の位置情報の所要精度や、通信制御装置40への再登録手続きが義務付けられる移動距離などが法制等により事前指定される場合、それらの値を用いてリファレンスポイントの配置間隔を決定してもよい。また、端末装置20のように送信電力・最大送信電力が相対的に小さいような場合には、リファレンスポイントの配置間隔を粗くしてもよい。ここで、放射状にリファレンスポイントを配置する場合、リファレンスポイントの配置間隔を密にする(粗くする)方法としては、次の設定が挙げられる。
1)放射状の直線の数を増やす(減らす)
2)放射状の直線あたりのリファレンスポイント数を増やす(減らす)
3)放射状の直線ごとのリファレンスポイントの間隔を密にする(粗くする)
本実施形態では、リファレンスポイントを放射状に配置した場合、セカンダリシステムの通信装置からリファレンスポイントへの与干渉量計算において、計算量の削減、計算の簡素化を図ることが可能となる。図56は、リファレンスポイントの配置例を示す図である。図56に示すように、同一の放射状に配置されたリファレンスポイント、例えば3つのリファレンスポイントGについては、与干渉計算に用いるべきセカンダリシステムおよびプライマリシステムの通信パラメータの一部を共通化することが可能となる。これは、同一の放射状の直線というのが地理的な拘束条件になるため、通信パラメータ共通化の恩恵が受けられることとなる。
図57は、通信パラメータの共通化の一例を示す図である。図57では、基地局装置30等のセカンダリシステムの通信装置のアンテナ指向性利得が共通化されている。アンテナ指向性利得は、方角(水平面角度、垂直面角度など)によって決まるため、同一の放射状直線上のリファレンスポイントGp1、Gp2、Gp3に対しては同じ値の利得を想定することが可能となる。
与干渉量計算時の通信パラメータの共通化については、上述のアンテナ指向性利得も含めて、基地局装置30等のセカンダリシステムの通信装置側の通信パラメータを共通化することが望ましい。セカンダリシステムの通信装置のアンテナ指向性利得の他にも、セカンダリシステムの通信装置の位置(緯度、経度、高度など)、セカンダリシステムの通信装置の送信電力などが挙げられる。本実施形態では、同一放射状でこれらの少なくとも一部を共通化することで、与干渉量計算を簡素化できる。
上記とは反対に、通信パラメータの共通化が難しいものとして、プライマリシステムの通信装置10のアンテナ指向性利得、プライマリシステムの通信装置10の位置(緯度、経度、高度など)、プライマリシステムの通信装置10と、端末装置20や基地局装置30などのセカンダリシステム通信装置との間のパスロスモデルおよびパスロス変動要因(Shadowing、Log-normal fading、Slow fading、Fast fading、Multipath fadingなど)、プライマリシステムの雑音電力、プライマリシステム通信装置の許容干渉量、許容SINR、許容SIR、許容INRなどが挙げられる。これらについては、同一放射状のリファレンスポイントであったとしても、通信パラメータの共通化はせずにリファレンスポイントごとに値を用いることが望ましい。ただし、あるセカンダリシステムの通信装置が複数のリファレンスポイントにマッピングされている場合は、その対象のセカンダリシステム通信装置がマッピングされたリファレンスポイントについては、通信パラメータを共通化してもよい。また、それらの変動を補償するためのパラメータ(フェージングマージン等)が設けられる場合、それを共通の通信パラメータとして扱ってもよい。
与干渉量の計算時に想定するパスロスについては、通信パラメータの一部共通化が可能な場合もある。図58は、パスロス計算時のパラメータ一部共通化の一例を示す図である。例えば、図58に示すように、パスロスL(真値または線形値、L≦1)が距離dに対して下記式のようなモデルで定義されるとする。
L=L-α
ここで、Lは、周辺環境や周波数などで定まる所定値を指す。また、αは、周辺環境や周波数などで定まる減衰係数を指す。ここで、同一の放射状直線上にある異なるリファレンスポイント(aおよびbとする)と放射状の中心の間の距離をそれぞれd、dとすると、それぞれのリファレンスポイントのパスロスは下記の式(9)及び式(10)のとおりとなる。
Figure 0007452531000006
これらリファレンスポイントと中心の距離d、dが、ある距離dを基準としてd=β*d、d=β*dのように、基準距離の比(βが比に相当する)で表すことができるとすると、上のパスロスは下記の式(11)~式(13)のように表すことができる。
Figure 0007452531000007
上記の式で、Lcommonは、同一の放射状直線上で共通のパスロス成分であり、周辺環境、周波数、基準距離に対して事前に計算が可能である。さらに、βについても放射状直線上のリファレンスポイントの配置ルールによって事前に決めることが可能であるため、β-αも事前計算が可能となる。
本実施形態では、セカンダリシステムの通信装置ごとにリファレンスポイントを配置することで、与干渉量計算の簡素化を図っている。一方、本実施形態では、プライマリシステムの通信装置10ごとにリファレンスポイントを配置することも可能である。この場合には、これまでの説明でプライマリシステムの通信装置10をリファレンスポイントにマッピングしていたのに代わって、セカンダリシステムの通信装置をリファレンスポイントにマッピングすることとなる。また、リファレンスポイントを放射状に配置する場合、その中心がプライマリシステムの通信装置10ということになる。
さらに、リファレンスポイントの配置を複数のセカンダリシステムの通信装置(およびプライマリシステム通信装置)で共通化することで与干渉量計算の簡素化を図ってもよい。図59は、複数のセカンダリシステムの通信装置でリファレンスポイント配置を共通化する一例を示す図である。図59は、基地局装置30及び基地局装置30のセカンダリシステム通信装置でリファレンスポイント配置を共通化する例を示す。リファレンスポイントの配置を共通化する場合、空中通信装置10A~10Aをリファレンスポイントにマッピングすることに加えて、基地局装置30及び基地局装置30のについても実際の位置ではなくリファレンスポイントの位置にマッピングする。マッピングの方法については、プライマリシステムの通信装置10と同様に、最短距離または準最短距離を含む1以上のリファレンスポイントへマッピングすることが望ましい。
リファレンスポイントのマッピングが完了したら、セカンダリシステムの通信装置の位置およびプライマリシステムの通信装置がマッピングされたリファレンスポイントの位置に基づいて与干渉を計算する。あるいは、プライマリシステムの通信装置の位置およびセカンダリシステム通信装置がマッピングされたリファレンスポイントの位置を用いてもかまわないが、以降では、前者をベースに説明する。
上記の式(5)の計算は、本実施形態では、対象となるプライマリシステムの通信装置の位置は、実際の位置(x,y,z)ではなくリファレンスポイントの位置(xp,RP,n,yp,RP,n,zp,RP,n)とする、nは複数のリファレンスポイントにマッピングした場合のリファレンスポイントの番号となる。
リファレンスポイントを放射状に配置した場合、図56及び図57で説明したとおり、通信パラメータの値を共通化することが可能となる。セカンダリシステムの通信装置のアンテナ指向性利得を共通化した場合、上記の式(5)においてAs(xp,RP,n,yp,RP,n,zp,RP,n,x,y,z)の値が、同一放射状のリファレンスポイントに対して同じ値となる。これは、セカンダリシステムの通信装置のアンテナ特性が事前に分かっており(例えば、セカンダリシステム通信装置のCapability情報として取得することで事前に分かる、など)、かつ放射状の直線の配置(水平面角度および垂直面角度)が所定のルールで定まっているような場合には、与干渉量の計算の実施タイミングによらず事前に(オフラインで)計算しておくことが可能であることを意味している。例えば、放射状の直線の数がNradであるとすると、セカンダリシステムの通信装置のアンテナ指向性利得をNrad個計算しておけばよいこととなる。
本実施形態における通信パラメータの(一部)共通化は、図58を用いて説明したとおり、パスロス の計算にも適用することができる。この(一部)共通化によって、パスロスのうち、特に距離に依存する要因をオフラインで事前に計算することが可能となる。特にここで、基準距離 として、対象の放射状直線上で中心から最短距離に位置するリファレンスポイントの距離として定めてもよい。
以上のオフライン計算・事前計算を考慮した与干渉量の計算フローの一例を図60に示す。図60は、オフライン計算・事前計算を考慮した与干渉量の計算フローの一例を示す図である。ここでも、一例として、フローの動作主体を通信制御装置40として説明を行う。
図60に示すように、まず、通信制御装置40の計算部442は、リファレンスポイントの配置(格子状や放射状など)を設定する(ステップS1401)。次に、通信制御装置40の計算部442は、オフライン計算・事前計算に必要な情報やパラメータ値が足りているかどうかを判断する(ステップS1402)。このような情報は、例えばセカンダリシステム通信装置からのCapability情報や、プライマリシステム通信装置のCapability情報などから取得することができる。
このとき、オフライン計算・事前計算に必要な情報やパラメータ値が足りない場(ステップS1402No)には、通信制御装置40の計算部442は、セカンダリシステムの通信装置やプライマリシステムの通信装置に必要な情報を通知してもらうようにリクエストを送信する(ステップS1403)。そして、オフライン計算・事前計算に必要な情報やパラメータ値が揃って、かつオフライン計算・事前計算を実施するタイミングになった場合(ステップS1404)には、通信制御装置40の計算部442は、上述したようなアンテナ指向性利得やパスロスの距離依存の要素などのオフライン計算・事前計算を実行する(ステップS1405)。これらの計算結果は、例えばルックアップテーブル(Look-up Table:LUT)形式や、SQLなどのデータベース形式で保持しておいてもよい。
次に、プライマリシステムの通信装置(およびプライマリシステムの通信装置がマッピングされたリファレンスポイント)に対する与干渉量の計算を実施するタイミングになったら(ステップS1407Yes)、通信制御装置40の計算部442は、与干渉量計算を実行する。ここで、オフライン計算・事前計算の結果がある場合(ステップS1408Yes)には、通信制御装置40の計算部442は、その計算結果を用いて与干渉量計算を実行する(ステップS1409)。一方、オフライン計算・事前計算の結果がない場合(ステップS1408No)には、通信制御装置40の計算部442は、プライマリシステム通信装置またはリファレンスポイントごとに個別に与干渉量の計算を実行する(ステップS410)。
さらに、累積与干渉量を計算する必要がある場合(ステップS1411Yes)には、通信制御装置40の計算部442は、セカンダリシステム通信装置からの累積与干渉量を計算する(ステップS1412)。累積与干渉量を計算する必要性の条件としては、例えば複数のセカンダリシステムまたは複数のセカンダリシステムの通信装置が存在している、動作している、通信要求がある、などが挙げられる。
与干渉量または累積与干渉の計算が完了したら、通信制御装置40の決定部443は、その計算結果をもとにして、セカンダリシステムの通信装置の通信パラメータ(例えば送信電力、許容送信電力、最大送信電力、利用周波数チャネル、指向性パターン、など)を計算する(ステップS1413)。そして、通信制御装置40の通知部445は、その計算結果を、対象のセカンダリシステムの通信装置、例えば基地局装置30などへ通知する(ステップS1414)。
上記の累積干渉量を計算したら、通信制御装置40の決定部443は、その干渉量が所定の基準を満たすように端末装置20や基地局装置30などのセカンダリシステムの通信装置の通信パラメータを計算する。例えば、基準の一例として、下記の式(14)に示す通り、対象のプライマリシステムの通信装置10すべてについて、累積干渉量が所定の干渉量しきい値Ith,p以下になるように通信パラメータを計算する。
Figure 0007452531000008
通信パラメータとしては、例えばセカンダリシステム通信装置の送信電力PTx,s、最大送信電力PTx,Max,s、またはそれに準ずる送信電力関連のパラメータが挙げられる。
<6-5.通信パラメータの通知・設定>
本実施形態では、上述の通り、セカンダリシステムの通信装置が用いるべき通信パラメータを求めた後、通信制御装置40の通知部445は、それを実際にセカンダリシステムの通信装置に通知する。一方、端末装置20の設定部244および基地局装置30の設定部344は、通知された通信パラメータを記憶部22または記憶部32に設定する。
図61は、シグナリング手続き(Signaling Procedure)の一例を示す図である。図61には、通信制御装置40により空中通信装置10Aの保護対象選択と干渉計算が実行される場合の例が示されている。さらに、図61の例では、端末装置20は基地局装置30にランダムアクセスやハンドオーバによって接続していることを想定する。
図61に示すように、端末装置20は、接続先の基地局装置に対して、端末装置20自身のCapabilityに関する情報を通知する(ステップS1501)。これを受けて、基地局装置30は、端末装置20からステップS1501で通知されたCapabilityに関する情報を取得する(ステップS1502)。
ここで、Capabilityに関する情報の例としては、端末が利用可能な周波数帯域、周波数チャネル番号、キャリアアグリゲーション能力、Dual Connectivity(Multi-Connectivity)能力、MIMOアンテナ数(アンテナパネル数を含む)などが挙げられる。さらに、Capabilityに関する情報の例としては、端末カテゴリ、バッファサイズ、最大送信電力、最小送信電力、QoSクラス(サービス品質クラス)、端末装置20の位置情報(緯度、経度、高度、など)、端末装置の移動度・モビリティ、などが挙げられる。
端末装置20から基地局装置30への通知については、例えばRRC(Radio Resource Control)シグナリングの一部または上りリンク制御情報(UCI、Uplink Control Information)を用いて実施してもよい。また、上りリンク物理チャネル(PUCCH、Physical Uplink Control Channel、PUSCH、Physical Uplink Shared Channel、PRACH、Physical Random Access Channel)を用いて実施してもよい。
基地局装置30は、通信制御装置40に対して、配下の端末装置および基地局装置自身のCapabilityに関する情報を通知する(ステップS1503)。一方、通信制御装置40は、基地局装置30からCapabilityに関する情報を取得する(ステップS1504)。
基地局装置のCapabilityに関する情報の例として、端末のCapabilityと同様の情報に加えて、接続可能な端末装置数、現在接続中の端末装置数、端末装置に対して提供可能な最大周波数チャネル数またはセル数などが挙げられる。さらに、基地局装置のCapabilityに関する情報の例として、端末装置20に対して提供可能なQoSクラス、基地局装置の位置情報(緯度、経度、高度、など)、基地局装置30の移動度・モビリティ(固定、可搬性、速度、など)、などが挙げられる。
基地局装置30は、通信制御装置40に対して、周波数共用に関するリクエストを通知する(ステップS1505)。一方、通信制御装置40は、基地局装置30からリクエストを取得する(ステップS1506)。ここで、このリクエストの例として、プライマリシステムとの周波数共用の対象となる周波数チャネルを含む必要な周波数チャネル数、周波数チャネル番号、周波数帯域幅の合計、必要な送信電力、などが挙げられる。
通信制御装置40は、プライマリシステムの通信装置10に関する情報を取得する(ステップS1507)。この取得先として、例えば国・地域、省庁、政府機関やそれに準ずる機関などが用意するデータベースが挙げられる。また、例えば、プライマリシステムの通信装置10に関する情報が法制などにより事前指定されている場合、事前に記録しておいたこれらの情報を抽出してもよい。このプライマリシステムの通信装置10に関する情報の例として、通信装置の位置情報(緯度、経度、高度、地上/空中、など)、通信装置の移動度・モビリティ・飛行(移動)経路、プライマリシステムのサービスエリア(サービスエリアの緯度、経度、高度、など)、通信装置の許容干渉量、許容SIR(Signal-to-Interference Ratio)、許容SINR(Signal-to-Interference-plus-Noise Ratio)、許容CIR(Carrier-to-Noise Ratio)、許容CINR(Carrier-to-Interference-plus-Noise Ratio)、許容INR(Interference-to-Noise Ratio)、などが挙げられる。
通信制御装置40の選択部441は、上述の基準などに従って、プライマリシステムの干渉保護対象空間を設定する(ステップS1508)。ここでは、プライマリシステムの通信装置10およびセカンダリシステムの通信装置の位置情報や移動度、リクエストが出ている周波数チャネルなどの情報を用いて、周辺環境や地形を判断して、干渉保護対象空間を設定する。
通信制御装置40の選択部441は、ステップS1508で設定した干渉保護対象空間と、取得したプライマリシステムの通信装置10の位置・移動度・経路などの情報を用いて、保護対象とするべきプライマリシステムの通信装置10を選択する(ステップS1509)。
通信制御装置40の選択部441は、ステップS1509で選択したプライマリシステムの保護対象通信装置に対するセカンダリシステムの通信装置からの与干渉量を計算(推定)する(ステップS1510)。
通信制御装置40の決定部443は、与干渉量の計算(推定)結果をもとに、上で説明した本発明の、セカンダリシステムの通信装置が用いるべき通信パラメータを決定する(ステップS1511)。そして、通信制御装置40の通知部445は、その通信パラメータを基地局装置30へ通知する(ステップS1512)。もし、周波数共用に関するリクエストに所望通信パラメータが含まれていた場合、決定した「通信装置が用いるべき通信パラメータ」と比較した結果をセカンダリシステムの通信装置へ通知してもよい。
基地局装置30は、通信制御装置40から基地局装置30が用いるべき通信パラメータを取得する(ステップS1513)。このように、セカンダリシステムがセルラシステムである場合には、基地局装置または端末装置の少なくともいずれかが通信管理装置から通信パラメータを取得する。ここでは、シグナリングを簡素化する観点から、基地局装置30が通信パラメータを取得する例を挙げたが、端末装置20が通信パラメータを取得することとしてもかまわない。また、セカンダリシステムが無線LANである場合には、AP(Access Point、アクセスポイント)装置またはSTA(Station)装置の少なくともいずれかが通信制御装置40から通信パラメータを取得する。セルラシステムの場合と同様にAP装置が取得することが望ましい。
基地局装置30の設定部344は、通知により取得した通信パラメータに基づいて、装置自身の通信パラメータを設定する(ステップS1514)。
基地局装置30の通知部345は、配下の端末装置(STA装置)20へ通信パラメータを通知する(ステップS1515)。端末装置20は、基地局装置30から通知される通信パラメータを取得する(ステップS1516)。
ここで、基地局装置30は、通信制御装置40から取得した通信パラメータをそのまま通知指定もよいし、端末装置20向けに変更を加えて通知してもよい。例えば、通信制御装置40から最大送信電力の値を取得した場合に、基地局装置30はその通知された最大送信電力の値を越えない範囲で、通知された最大送信電力よりも小さい値を端末装置20の最大送信電力として通知してもよい。あるいは、その通知された最大送信電力を越えないように端末装置20の送信電力を制御してもよい。
基地局装置30から端末装置20への通知は、RRCシグナリング、システム情報(SI、System Information)、下りリンク制御情報(DCI、Downlink Control Information)の少なくともいずれかの一部を用いて実施してもよい。また、下りリンク物理チャネル(PDCCH、Physical Downlink Control Channel、PDSCH、Physical Downlink Shared Channel、PBCH、Physical Broadcast Channel)の少なくともいずれかの一部を用いて実施してもよい。また、さらに上位のレイヤのシグナリングとして通知されてもよい。また、この通知については、周波数共用の対象となる周波数チャネルまたは周波数共用の対象になっていない周波数チャネルのうち、少なくともいずれかの周波数チャネルを用いる。
端末装置20の設定部244は、通知により取得した通信パラメータに基づいて、装置自身の通信パラメータを設定する(ステップS1517)。そして、セカンダリシステムの他の通信装置(上りリンク通信であれば基地局装置30が通信相手、下りリンクであれば端末装置20が通信相手)と通信を実施する。例えば、基地局装置30の無線通信制御部346は、無線通信部31を制御して端末装置20と通信を行い、端末装置20の無線通信制御部246は、無線通信部21を制御して基地局装置30と通信を行う(ステップS1518及びステップS1519)。この通信については、周波数共用の対象となる周波数チャネルを用いて実施される。
図62は、シグナリング手続きの一例を示す図である。図62には、保護対象選択と干渉計算がセカンダリシステムの通信装置により実施する場合の例が示されている。例えば、セカンダリシステムの通信装置が実施する場合、計算能力や計算後の通信パラメータの通知・設定の観点から、その通信装置は基地局装置やアクセスポイント装置であることが望ましい。ここでは、一例として、基地局装置30が通信制御装置40の役割を兼ねる例を挙げる。なお、端末装置20のCapabilityに関する情報については、基地局装置30自身が利用することとなる。プライマリシステムの通信装置に関する情報については、国・地域、省庁、政府機関やそれに準ずる機関などが用意するデータベース、あるいは通信制御装置40などから取得する。
図62に示すように、端末装置20は、接続先の基地局装置に対して、端末装置20自身のCapabilityに関する情報を通知する(ステップS1601)。これを受けて、基地局装置30は、端末装置20からステップS1601で通知されたCapabilityに関する情報を取得する(ステップS1602)。
基地局装置30は、プライマリシステムの通信装置10に関する情報を取得する(ステップS1603)。この取得先として、例えば国・地域、省庁、政府機関やそれに準ずる機関などが用意するデータベースが挙げられる。また、例えば、プライマリシステムの通信装置10に関する情報が法制などにより事前指定されている場合、事前に記録しておいたこれらの情報を抽出してもよい。
基地局装置30の選択部341は、上述の基準などに従って、プライマリシステムの干渉保護対象空間を設定する(ステップS1604)。基地局装置30の選択部341は、ステップS1604で設定した干渉保護対象空間と、取得したプライマリシステムの通信装置10の位置・移動度・経路などの情報を用いて、保護対象とするべきプライマリシステムの通信装置10を選択する(ステップS1605)。
基地局装置30の計算部342は、ステップS1605で選択したプライマリシステムの保護対象通信装置に対するセカンダリシステムの通信装置からの与干渉量を計算(推定)する(ステップS1606)。
基地局装置30の決定部343は、与干渉量の計算(推定)結果をもとに、上述の通りにセカンダリシステムの通信装置が用いるべき通信パラメータを決定する(ステップS1607)。そして、基地局装置30の設定部344は、通知により取得した通信パラメータに基づいて、装置自身の通信パラメータを設定する(ステップS1608)。
そして、基地局装置30の通知部345は、配下の端末装置(STA装置)20へ通信パラメータを通知する(ステップS1609)。端末装置20は、基地局装置30から通知される通信パラメータを取得する(ステップS1610)。
端末装置20の設定部244は、通知により取得した通信パラメータに基づいて、装置自身の通信パラメータを設定する(ステップS1611)。そして、セカンダリシステムの他の通信装置(上りリンク通信であれば基地局装置30が通信相手、下りリンクであれば端末装置20が通信相手)と通信を実施する。例えば、基地局装置30の無線通信制御部346は、無線通信部31を制御して端末装置20と通信を行い、端末装置20の無線通信制御部246は、無線通信部21を制御して基地局装置30と通信を行う(ステップS1612及びステップS1613)。この通信については、周波数共用の対象となる周波数チャネルを用いて実施される。
図63は、シグナリング手続きの一例を示す図である。図63には、本発明の保護対象選択と干渉計算を別々の装置が実施する場合の例が示されている。この別々の装置の例として、保護対象選択を通信制御装置40が実施し、干渉計算(およびセカンダリシステムの通信装置の通信パラメータの計算)を基地局装置30が実施する例である。実施する装置が逆の関係性になってもよい。
図63の例の場合、通信制御装置40の通知部445は、保護対象選択を実施した結果に関する情報をセカンダリシステムの基地局装置へ通知する(ステップS1701)。このステップS1701までの処理は、図61に示すシーケンスと同様である。
基地局装置30は、通信制御装置40から保護対象選択の結果に関する情報を取得する(ステップS1702)。保護対象選択の結果に関する情報の例として、通信装置の位置情報(緯度、経度、高度、地上/空中、など)、通信装置の移動度・モビリティ・飛行(移動)経路、プライマリシステムのサービスエリア(サービスエリアの緯度、経度、高度、など)、通信装置の許容干渉量、許容SIR(Signal-to-Interference Ratio)、許容SINR(Signal-to-Interference-plus-Noise Ratio)、許容INR(Interference-to-Noise Ratio)、などが挙げられる。以降の処理は、図62に示すシーケンスと同様である。
図64は、シグナリング手続きの一例を示す図である。図64には、セカンダリシステムの通信として、端末間通信、D2D(Device-to-Device)、V2X(Vehicle-to-Everything)を想定した場合のシグナリング手続きの例を示す。さらに、図64には、これまでの説明との重複を避ける側面から、セカンダリシステムの通信装置の通信パラメータが通信制御装置40により計算されるところから図示されている。
図64に示すように、通信制御装置40の決定部443は、セカンダリシステムの通信装置の通信パラメータを決定する(ステップS1801)。その後、通信制御装置40の通知部445は、通信パラメータを基地局装置30へ通知する(ステップS1802)。
基地局装置30は、通信制御装置40から基地局装置30が用いるべき通信パラメータを取得する(ステップS1803)。基地局装置30の設定部344は、通知により取得した通信パラメータに基づいて、装置自身の通信パラメータを設定する(ステップS1804)。
基地局装置30の通知部345は、配下の端末装置20及び20へ通信パラメータを通知する(ステップS1805A及びステップS1805B)。
端末間通信・D2D・V2Xについては、物理サイドリンクチャネル(PSCCH、Physical Sidelink Control Channel、PSSCH、Physical Sidelink Shared Channel、PSBCH、Physical Sidelink Broadcast Channel)を用いて実施してもよい。
サイドリンクで周波数共用の対象周波数チャネルを用いる場合、その通信パラメータは、対象周波数チャネル内のサイドリンク用リソースプール(Resource Pool)と紐づく形で通知・取得・設定をしてもよい。リソースプールは、特定の周波数リソース(例えばリソースブロック(Resource Block)、コンポーネントキャリア(Component Carrier)、など)および時間リソース(例えば無線フレーム(Radio Frame)、サブフレーム(Subframe)、スロット(Slot)、ミニスロット(Mini-slot)、など)によって設定されるサイドリンク用の無線リソースである。周波数共用の対象となる周波数チャネル内にリソースプールを設定する場合には、基地局装置から端末装置へRRCシグナリング、システム情報、または下りリンク制御情報の少なくともいずれかによって設定される。そして、リソースプールおよびサイドリンクで適用すべき通信パラメータについても、基地局装置から端末装置へRRCシグナリング、システム情報、または下りリンク制御情報の少なくともいずれかによって設定される。リソースプールの設定の通知と、サイドリンクで用いるべき通信パラメータの通知は、同時でもよいし、個別でもよい。
端末装置20及び20は、基地局装置30から通知される通信パラメータを取得する(ステップS1806A及びステップS1806B)。
端末装置20及び20の設定部244は、通知により取得した通信パラメータに基づいて、装置自身の通信パラメータを設定する(ステップS1807A及びステップS1807B)。そして、端末装置20及び20の無線通信制御部246は、無線通信部21を制御して他方の端末装置20と通信を行う(ステップS1808A及びステップS1808B)。この通信については、周波数共用の対象となる周波数チャネルを用いて実施される。
なお、周波数共用の対象となる周波数チャネルと対象になっていない周波数チャネルを用いて通信を実施する場合(例えば、キャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation)、Dual-Connectivity、Multi-Connectivity、Channel Bonding、など)、各周波数チャネルで用いる通信パラメータの少なくとも一部が互いに異なってもよい。例えば、最大送信電力、送信電力の値が周波数共用の対象である周波数チャネルと対象になっていない周波数チャネルで異なる値・設定になっていてもよい。
図65は、通信パラメータの適用フローの一例を示す図である。図65には、周波数共用の対象となっている周波数チャネル、あるいは周波数共用の対象となっていない周波数チャネルに対する例を示している。例えば、最大送信電力、送信電力については、周波数共用の対象の周波数チャネルで用いる値が、周波数共用の対象になっていない周波数チャネルで用いる値よりも小さいことが望ましい。また、周波数共用の対象の周波数チャネルで用いる最大送信電力、送信電力を、周波数共用の対象になっていない周波数チャネルで用いる最大送信電力、送信電力からの差分の形で通知、取得、設定してもよい。
ここでは、一例として、フローの動作主体を端末装置20として説明を行う。図65に示すように、端末装置20の設定部244は、基地局装置30から通信パラメータの通知を取得する(ステップS1901)。
ここで、周波数共用の対象となっている周波数チャネルが使用される場合(ステップS1902Yes)、端末装置20の設定部244は、周波数共用の対象となっている周波数チャネルをサイドリンクとして使うか否かを判定する(ステップS1903)。なお、周波数共用の対象となっている周波数チャネルが使用されない場合(ステップS1902No)、ステップS1906の処理へスキップする。
このとき、周波数共用の対象となっている周波数チャネルをサイドリンクとして使う場合(ステップS1903Yes)、端末装置20の設定部244は、上記周波数チャネルを使う通信では、プライマリシステムに関する情報を考慮して計算・通知・設定されたサイドリンク用通信パラメータを適用する(ステップS1904)。なお、周波数共用の対象となっている周波数チャネルをサイドリンクとして使う場合(ステップS1903No)、ステップS1905の処理へスキップする。
その後、端末装置20の設定部244は、上記周波数チャネルを使う通信では、プライマリシステムに関する情報を考慮して計算・通知・設定された上りリンクおよび下りリンク通信パラメータを適用する(ステップS1905)。
また、周波数共用の対象となっていない周波数チャネルが使用される場合(ステップS1906Yes)、端末装置20の設定部244は、上記周波数チャネルを使う通信では、プライマリシステムに関する情報を考慮せずに計算・通知・設定された通信パラメータを適用する(ステップS1907)。なお、周波数共用の対象となっていない周波数チャネルが使用されない場合(ステップS1906No)、ステップS1907の処理をスキップする。
<<7.変形例>>
上述の実施形態は一例を示したものであり、種々の変更及び応用が可能である。
<7-1.システム構成に関する変形例>
本実施形態の通信制御装置40は、上述の実施形態で説明した装置に限定されない。例えば、通信制御装置40は、周波数共用が行われる周波数帯域を二次利用する基地局装置30を制御する以外の機能を有する装置であってもよい。例えば、本実施形態の通信制御装置40の機能をネットワークマネージャが具備してもよい。このとき、ネットワークマネージャは、例えば、C-RAN(Centralized Radio Access Network)と呼ばれるネットワーク構成のC-BBU(Centralized Base Band Unit)またはこれを備える装置であってもよい。また、ネットワークマネージャの機能を基地局(アクセスポイントを含む。)が具備してもよい。これらの装置(ネットワークマネージャ等)も通信制御装置とみなすことが可能である。
なお、上述の実施形態では、通信システム1を第1無線システム、基地局装置30を第2無線システムとした。しかし、第1無線システム及び第2無線システムはこの例に限定されない。例えば、第1無線システムは通信装置(例えば、無線通信装置10)であってもよいし、第2無線システムは通信システム(通信システム2)であってもよい。なお、本実施形態で登場する無線システムは、複数の装置から構成されるシステムに限定されず、適宜、「装置」、「端末」等に置き換え可能である。
また、上述の実施形態では、通信制御装置40は、通信システム2に属する装置であるものとしたが、必ずしも通信システム2に属する装置でなくてもよい。通信制御装置40は、通信システム2の外部の装置であてもよい。通信制御装置40は、基地局装置30を直接制御せず、通信システム2を構成する装置を介して間接的に基地局装置30を制御してもよい。また、セカンダリシステム(通信システム2)は複数存在していてもよい。このとき、通信制御装置40は、複数のセカンダリシステムを管理してもよい。この場合、セカンダリシステムそれぞれを第2無線システムとみなすことができる。
なお、一般に周波数共用において、対象帯域を利用する既存システムをプライマリシステム、二次利用者をセカンダリシステムと呼ぶが、プライマリシステム及びセカンダリ詩システムは、別の用語に置き換えてもよい。HetNET(Heterogeneous Network)におけるマクロセルをプライマリシステム、スモールセルやリレー局をセカンダリシステムとしてもよい。また、基地局をプライマリシステム、そのカバレッジ内に存在するD2DやV2X(Vehicle-to-Everything)を実現するRelay UEやVehicle UEをセカンダリシステムとしてもよい。基地局は固定型に限らず、可搬型/移動型であってもよい。
さらに、各エンティティ間のインタフェースは、有線・無線問わない。例えば、本実施形態で登場した各エンティティ(通信装置、通信制御装置、又は端末装置)間のインタフェースは、周波数共用に依存しない無線インタフェースであってもよい。周波数共用に依存しない無線インタフェースとしては、例えば、移動体通信事業者によってLicensed bandを介して提供される無線インタフェースや、既存の免許不要帯域を利用する無線LAN通信、等が挙げられる。
<7-2.その他の変形例>
本実施形態の無線通信装置10、端末装置20、基地局装置30、通信制御装置40、又はプロキシ装置50を制御する制御装置は、専用のコンピュータシステムで実現してもよいし、汎用のコンピュータシステムで実現してもよい。
例えば、上述の動作を実行するためのプログラムを、光ディスク、半導体メモリ、磁気テープ、フレキシブルディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布する。そして、例えば、該プログラムをコンピュータにインストールし、上述の処理を実行することによって制御装置を構成する。このとき、制御装置は、無線通信装置10、端末装置20、基地局装置30、通信制御装置40、又はプロキシ装置50の外部の装置(例えば、パーソナルコンピュータ)であってもよい。また、制御装置は、無線通信装置10、端末装置20、基地局装置30、通信制御装置40又はプロキシ装置50の内部の装置(例えば、制御部24、制御部34、制御部44、又は制御部54)であってもよい。
また、上記通信プログラムをインターネット等のネットワーク上のサーバ装置が備えるディスク装置に格納しておき、コンピュータにダウンロード等できるようにしてもよい。また、上述の機能を、OS(Operating System)とアプリケーションソフトとの協働により実現してもよい。この場合には、OS以外の部分を媒体に格納して配布してもよいし、OS以外の部分をサーバ装置に格納しておき、コンピュータにダウンロード等できるようにしてもよい。
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
また、上記してきた実施形態は、処理内容を矛盾させない領域で適宜組み合わせることが可能である。また、本実施形態のシーケンス図或いはフローチャートに示された各ステップは、適宜順序を変更することが可能である。
<<8.むすび>>
以上説明したように、本開示の一実施形態によれば、通信制御装置40は、セカンダリシステムの通信装置からプライマリシステムのどの空中通信装置を干渉の保護対象として考慮すべきかを選択する。
このように選択されるプライマリシステムの空中通信装置は、セカンダリシステムの通信装置からプライマリシステムの空中通信装置への干渉が所定のレベル以下に制御される。
これにより、セカンダリシステムとプライマリシステムの周波数共用が実現できる機会が上記の特許文献1よりも促進されるので、有限な周波数資源の利用効率改善が妨げられるのを抑制することが可能になる。結果として、電波資源の効率的な利用が実現する。
以上、本開示の各実施形態について説明したが、本開示の技術的範囲は、上述の各実施形態そのままに限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。また、異なる実施形態及び変形例にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
また、本明細書に記載された各実施形態における効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、他の効果があってもよい。
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
第1の無線システムが一次利用する周波数リソースを二次利用する第2の無線システムの位置を基準に前記第2の無線システムの通信装置の上空に設定される保護対象範囲に基づいて、前記第2の無線システムの通信装置が与える干渉を計算する対象とする前記第1の無線システムの通信装置を選択する選択部、を備える通信制御装置。
(2)
前記選択部は、前記第2の無線システムの通信装置の位置を基準とする仰角に基づいて前記保護対象範囲の境界を設定する、
前記(1)に記載の通信制御装置。
(3)
前記選択部は、前記第2の無線システムの通信装置の周辺環境に基づいて前記保護対象範囲を設定する、
前記(2)に記載の通信制御装置。
(4)
前記選択部は、前記第2の無線システムにより二次利用される周波数リソースに基づいて前記保護対象範囲を設定する、
前記(2)に記載の通信制御装置。
(5)
前記選択部は、所定の上限値以内または所定の下限値から逸脱しない範囲内で前記仰角設定する、
前記(2)に記載の通信制御装置。
(6)
前記選択部は、前記第1の無線システムの通信装置の位置、移動速度または飛行経路に基づいて前記保護対象範囲を設定する、
前記(2)に記載の通信制御装置。
(7)
前記飛行経路は、前記第1の無線システムの通信装置に関する座標の時系列データを含み、
前記選択部は、前記干渉の計算が行われる時間間隔に基づいて前記保護対象範囲と比較する前記座標の時系列データの始点及び終点を設定する、
前記(6)に記載の通信制御装置。
(8)
前記第2の無線システムの通信装置が前記第1の無線システムの通信装置に与える干渉量または累積干渉量を計算する計算部をさらに有する、
前記(1)に記載の通信制御装置。
(9)
前記計算部は、前記第1の無線システムの通信装置が前記保護対象範囲に含まれるか否かにより前記干渉量を異なる計算方法で計算する、
前記(8)に記載の通信制御装置。
(10)
前記保護対象範囲に含まれる前記第1の無線システムの通信装置への干渉量の計算に用いるパラメータは、前記保護対象範囲に含まれない前記第1の無線システムの通信装置への干渉量の計算に用いるパラメータよりも多い、
前記(9)に記載の通信制御装置。
(11)
前記計算部は、前記保護対象範囲に含まれる前記第1の無線システムの通信装置への干渉量の計算に前記第1の無線システムの通信装置および前記第2の無線システムの通信装置の間の電波伝搬特性またはアンテナ特性を用い、前記保護対象範囲に含まれない前記第1の無線システムの通信装置への干渉量の計算に前記第1の無線システムの通信装置および前記第2の無線システムの通信装置の間の電波伝搬特性またはアンテナ特性を使用しない、
前記(10)に記載の通信制御装置。
(12)
前記計算部により計算された干渉量または累積干渉量をもとに、前記第2の無線システムの通信装置の通信パラメータを決定する決定部をさらに有する、
前記(8)に記載の通信制御装置。
(13)
前記計算部は、前記第1の無線システムの通信装置への与干渉計算のリファレンスポイントを前記第2の無線システムの通信装置ごとに設定して、前記第1の無線システムの通信装置への与干渉量を計算する、
前記(8)に記載の通信制御装置。
(14)
前記リファレンスポイントは、前記第2の無線システムの通信装置から直線上に配置される、
前記(13)に記載の通信制御装置。
(15)
前記リファレンスポイントは、前記第2の無線システムの通信装置から直線上に等間隔に配置される、
前記(13)に記載の通信制御装置。
(16)
前記リファレンスポイントは、前記第2の無線システムの通信装置から直線上に異なる間隔で配置される、
前記(13)に記載の通信制御装置。
(17)
前記第2の無線システムの通信装置から最短距離のリファレンスポイントが直線によって異なる、
前記(13)に記載の通信制御装置。
(18)
前記決定部により決定された通信パラメータを前記第2の無線システムの他の通信装置に通知する通知部をさらに有する、
前記(12)に記載の通信制御装置。
(19)
第1の無線システムが一次利用する周波数リソースを二次利用する第2の無線システムの位置を基準に前記第2の無線システムの通信装置の上空に設定される保護対象範囲に基づいて、前記第2の無線システムの通信装置が与える干渉を計算する対象とする前記第1の無線システムの通信装置を選択する選択部、を備える通信装置。
(20)
前記選択部は、前記第2の無線システムの通信装置の位置を基準とする仰角に基づいて前記保護対象範囲の境界を設定する、
前記(19)に記載の通信装置。
(21)
前記第2の無線システムの通信装置が前記第1の無線通信システムの通信装置に与える干渉量または累積干渉量を計算する計算部をさらに有する、
前記(19)に記載の通信装置。
(22)
第1の無線システムが一次利用する周波数リソースを二次利用する第2の無線システムの位置を基準に前記第2の無線システムの通信装置の上空に設定される保護対象範囲に基づいて、前記第2の無線システムの通信装置が与える干渉を計算する対象とする前記第1の無線システムの通信装置を選択する、処理をコンピュータが実行する通信制御方法。
(23)
前記選択部は、前記第2の無線システムの通信装置の位置を基準とする仰角に基づいて前記保護対象範囲の境界を設定する、
前記(22)に記載の通信制御方法。
(24)
前記第2の無線システムの通信装置が前記第1の無線通信システムの通信装置に与える干渉量または累積干渉量を計算する計算部をさらに有する、
前記(22)に記載の通信制御方法。
1、2 通信システム
10 通信装置
20 端末装置
30 基地局装置
40 通信制御装置
50 プロキシ装置
21、31、41、51 無線通信部
22、32、42、52 記憶部
23 入出力部
33、43、53 ネットワーク通信部
24、34、44、54 制御部
211、311 受信処理部
212、312 送信処理部
241、341、441、541 選択部
242、342、442、542 計算部
243、343、443、543 決定部
244、344 設定部
345、445、545 通知部
246,346 無線通信制御部

Claims (20)

  1. 第1の無線システムが一次利用する周波数リソースを二次利用する第2の無線システムの通信装置の位置を基準に前記第2の無線システムの通信装置の上空に設定される保護対象範囲に基づいて、前記第2の無線システムの通信装置が与える干渉を計算する対象とする前記第1の無線システムの通信装置を選択する選択部、を備える通信制御装置。
  2. 前記選択部は、前記第2の無線システムの通信装置の位置を基準とする仰角に基づいて前記保護対象範囲の境界を設定する、
    請求項1に記載の通信制御装置。
  3. 前記選択部は、前記第2の無線システムの通信装置の周辺環境に基づいて前記保護対象範囲を設定する、
    請求項2に記載の通信制御装置。
  4. 前記選択部は、前記第2の無線システムにより二次利用される周波数リソースに基づいて前記保護対象範囲を設定する、
    請求項2に記載の通信制御装置。
  5. 前記選択部は、所定の上限値以内または所定の下限値から逸脱しない範囲内で前記仰角設定する、
    請求項2に記載の通信制御装置。
  6. 前記選択部は、前記第1の無線システムの通信装置の位置、移動速度または飛行経路に基づいて前記保護対象範囲を設定する、
    請求項2に記載の通信制御装置。
  7. 前記飛行経路は、前記第1の無線システムの通信装置に関する座標の時系列データを含み、
    前記選択部は、前記干渉の計算が行われる時間間隔に基づいて前記保護対象範囲と比較する前記座標の時系列データの始点及び終点を設定する、
    請求項6に記載の通信制御装置。
  8. 前記第2の無線システムの通信装置が前記第1の無線システムの通信装置に与える干渉量または累積干渉量を計算する計算部をさらに有する、
    請求項1に記載の通信制御装置。
  9. 前記計算部は、前記第1の無線システムの通信装置が前記保護対象範囲に含まれるか否かにより前記干渉量を異なる計算方法で計算する、
    請求項8に記載の通信制御装置。
  10. 前記保護対象範囲に含まれる前記第1の無線システムの通信装置への干渉量の計算に用いるパラメータは、前記保護対象範囲に含まれない前記第1の無線システムの通信装置への干渉量の計算に用いるパラメータよりも多い、
    請求項9に記載の通信制御装置。
  11. 前記計算部は、前記保護対象範囲に含まれる前記第1の無線システムの通信装置への干渉量の計算に前記第1の無線システムの通信装置および前記第2の無線システムの通信装置の間の電波伝搬特性またはアンテナ特性を用い、前記保護対象範囲に含まれない前記第1の無線システムの通信装置への干渉量の計算に前記第1の無線システムの通信装置および前記第2の無線システムの通信装置の間の電波伝搬特性またはアンテナ特性を使用しない、
    請求項10に記載の通信制御装置。
  12. 前記計算部により計算された干渉量または累積干渉量をもとに、前記第2の無線システムの通信装置の通信パラメータを決定する決定部をさらに有する、
    請求項8に記載の通信制御装置。
  13. 前記計算部は、前記第1の無線システムの通信装置への与干渉計算のリファレンスポイントを前記第2の無線システムの通信装置ごとに設定して、前記第1の無線システムの通信装置への与干渉量を計算する、
    請求項8に記載の通信制御装置。
  14. 前記リファレンスポイントは、前記第2の無線システムの通信装置から直線上に配置される、
    請求項13に記載の通信制御装置。
  15. 前記リファレンスポイントは、前記第2の無線システムの通信装置から直線上に等間隔に配置される、
    請求項13に記載の通信制御装置。
  16. 前記リファレンスポイントは、前記第2の無線システムの通信装置から直線上に異なる間隔で配置される、
    請求項13に記載の通信制御装置。
  17. 前記第2の無線システムの通信装置から最短距離のリファレンスポイントが直線によって異なる、
    請求項13に記載の通信制御装置。
  18. 前記決定部により決定された通信パラメータを前記第2の無線システムの他の通信装置に通知する通知部をさらに有する、
    請求項12に記載の通信制御装置。
  19. 第1の無線システムが一次利用する周波数リソースを二次利用する第2の無線システムの位置を基準に前記第2の無線システムの通信装置の上空に設定される保護対象範囲に基づいて、前記第2の無線システムの通信装置が与える干渉を計算する対象とする前記第1の無線システムの通信装置を選択する選択部、を備える通信装置。
  20. 第1の無線システムが一次利用する周波数リソースを二次利用する第2の無線システムの位置を基準に前記第2の無線システムの通信装置の上空に設定される保護対象範囲に基づいて、前記第2の無線システムの通信装置が与える干渉を計算する対象とする前記第1の無線システムの通信装置を選択する、処理をコンピュータが実行する通信制御方法。
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