JP2017152812A - 基地局制御装置、基地局制御方法及び基地局制御システム - Google Patents

基地局制御装置、基地局制御方法及び基地局制御システム Download PDF

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Abstract

【課題】衛星と地球局との間の通信品質を向上させる。
【解決手段】基地局制御サーバ1は、衛星STと無線通信をする地球局ESにおける第1減衰量を推定する第1推定部121と、複数の移動端末MSと無線通信をする基地局BSから所定の範囲における第2減衰量を推定する第2推定部122と、第1減衰量に基づいて、衛星STと地球局ESとの間の無線通信回線の衛星STにおける搬送波レベルを算出する搬送波レベル算出部123と、第2減衰量に基づいて、基地局BS及び基地局BSが通信する一つ以上の移動端末MSの少なくともいずれかが衛星STに与える干渉量を算出する干渉量算出部124と、搬送波レベルと干渉量との関係に基づいて、基地局BSから一つ以上の移動端末MSに対して電波を送信する条件を制御する制御部125と、を有する。
【選択図】図3

Description

本発明は、無線通信用の基地局が電波を送信する条件を制御する基地局制御装置、基地局制御方法及び基地局制御システムに関する。
高周波数帯の電波は降雨により減衰することが知られている。特許文献1においては、降雨の影響で電波が減衰する量に基づいて、衛星が送信する電波の強度を制御する技術が開示されている。
特開2015−76710号公報
従来の技術を用いて降雨時に衛星が送信する電波の強度を大きくすることにより、衛星からの電波を受信する地球局における受信品質を改善することができる。しかしながら、衛星又は地球局が送信する電波の強度を大きくできない場合に、衛星と地球局との間の通信品質を向上させることは困難であった。
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、地球局が送信する電波の強度を変更することなく、衛星と地球局との間の通信品質を向上させることができる基地局制御装置、基地局制御方法及び基地局制御システムを提供することを目的とする。
本発明の第1の態様においては、衛星と無線通信をする地球局における第1減衰量を推定する第1推定部と、複数の移動端末と無線通信をする基地局から所定の範囲における第2減衰量を推定する第2推定部と、前記第1減衰量に基づいて、前記衛星と前記地球局との間の無線通信回線の前記衛星における搬送波レベルを算出する搬送波レベル算出部と、前記第2減衰量に基づいて、前記基地局及び前記基地局が通信する前記一つ以上の移動端末の少なくともいずれかが前記衛星に与える干渉量を算出する干渉量算出部と、前記搬送波レベルと前記干渉量との関係に基づいて、前記基地局から前記一つ以上の移動端末に対して電波を送信する条件を制御する制御部と、を有する基地局制御装置を提供する。
前記制御部は、例えば、前記搬送波レベルと前記干渉量との関係に基づいて、前記基地局から前記複数の移動端末に対して送信する電波の電力又は方向を制御する。
また、前記制御部は、前記干渉量と前記衛星におけるノイズの推定量との和が、前記搬送波レベルに対して所定の閾値以上である場合に、前記基地局から前記複数の移動端末に対して電波を送信する条件を変更してもよい。
また、前記制御部は、前記干渉量と前記推定量との和が、前記搬送波レベルに対して所定の閾値以上である場合に、前記基地局から前記複数の移動端末に対して送信する電波の電力を減少させてもよい。
前記干渉量算出部は、例えば、前記基地局のセル内で管理される移動端末又は電波を送信中の前記1つ以上の移動端末の台数に基づいて、前記干渉量を算出する。前記干渉量算出部は、前記衛星が無線通信に使用する第1周波数帯域の大きさに対する、前記基地局が無線通信に使用する第2周波数帯域と前記第1周波数帯域とが重なった重複周波数帯域の大きさの割合に基づいて、前記干渉量を算出してもよい。
前記第1推定部は、例えば、前記地球局における降雨量又はあらかじめ入力される干渉情報に基づいて、前記第1減衰量を推定し、前記第2推定部は、前記基地局における降雨量又はあらかじめ入力される干渉情報に基づいて、前記第2減衰量を推定する。
前記干渉量算出部は、前記衛星に対して電波が届く範囲に設けられている複数の前記基地局、及び前記複数の基地局のそれぞれが通信する前記複数の移動端末の少なくともいずれかが前記衛星に与える干渉量を算出し、前記制御部は、前記干渉量算出部が算出した前記干渉量に基づいて、前記複数の基地局の少なくともいずれかの前記基地局から前記複数の移動端末に対して電波を送信する条件を制御してもよい。
前記制御部は、前記複数の基地局のうち、前記干渉量算出部が算出した前記干渉量が所定の閾値以上である前記基地局から前記複数の移動端末に対して電波を送信する条件を変更してもよい。
本発明の第2の態様においては、衛星と無線通信をする地球局における第1減衰量を推定するステップと、複数の移動端末と無線通信をする基地局における第2減衰量を推定するステップと、前記第1減衰量に基づいて、前記衛星と前記地球局との間の無線通信回線の前記衛星における搬送波レベルを算出するステップと、前記第2減衰量に基づいて、前記基地局及び前記基地局が通信する前記一つ以上の移動端末の少なくともいずれかが前記衛星に与える干渉量を算出するステップと、前記搬送波レベルと前記干渉量との関係に基づいて、前記基地局から前記一つ以上の移動端末に対して電波を送信する条件を制御するステップと、を有する基地局制御方法を提供する。
本発明の第3の態様においては、複数の移動端末と無線通信をする基地局と、前記基地局が前記複数の移動端末に送信する電波の電力を制御する基地局制御装置と、を有する基地局制御システムであって、前記基地局制御装置は、衛星と無線通信をする地球局における第1減衰量を推定する第1推定部と、複数の移動端末と無線通信をする基地局における第2減衰量を推定する第2推定部と、前記第1減衰量に基づいて、前記衛星と前記地球局との間の無線通信回線の前記衛星における搬送波レベルを算出する搬送波レベル算出部と、前記第2減衰量に基づいて、前記基地局及び前記基地局が通信する前記一つ以上の移動端末の少なくともいずれかが前記衛星に与える干渉量を算出する干渉量算出部と、前記搬送波レベルと前記干渉量との関係に基づいて、前記基地局から前記一つ以上の移動端末に対して電波を送信する条件を制御する制御部と、を有し、前記基地局は、前記制御部が決定した条件に基づいて、前記複数の移動端末に電波を送信する、基地局制御システムを提供する。
本発明によれば、地球局が送信する電波の強度を変更することなく、衛星と地球局との間の通信品質を向上させることができるという効果を奏する。
本実施形態に係る基地局制御システムの概要を説明するための図である。 干渉波が発生する状況について説明するための図である。 基地局制御システムの構成を示す図である。 基地局制御システムの動作シーケンスを示す図である。 本実施形態に係る基地局制御サーバの動作フローチャートである。
[基地局制御システムSの概要]
図1は、本実施形態に係る基地局制御システムSの概要を説明するための図である。図1においては、衛星ST(STa,STb,STc)と、地球局ESと、基地局BSと、移動端末MSとの関係が示されている。以下、衛星STa,STb,STcを区別する必要がない場合、これらを衛星STと総称することがある。
衛星STは、地上に設置された地球局ESとの間で、電波を用いてデータを送受信する。図1において、衛星STa,STb,STcが受信可能な地上からの電波送信範囲は、衛星フットプリントPa,Pb,Pcとして示されている。衛星STaは、衛星フットプリントPa内の地球局ESからのデータを受信することができる。
基地局BSは、携帯電話網の基地局である。基地局BSは、電波を送受信することにより、セル内の複数の移動端末MSとの間で無線通信回線を介してデータを送受信する。基地局BSと移動端末MSとの間の無線通信において使用される周波数帯域の一部は、衛星STが地球局ESとの間の無線通信に使用する周波数帯域と重なっている。そのため、基地局BS及び移動端末MSが送信する電波が、衛星STと地球局ESとの間の無線通信における干渉波となる。
基地局BS及び移動端末MSが送信する電波が、衛星STと地球局ESとの間の無線通信に与える影響は、天候によって左右される。特に、基地局BSと移動端末MSとの間の無線通信、及び衛星STと地球局ESとの間の無線通信において使用される周波数帯域が数十GHz以上の帯域である場合には降雨の影響を受けやすく、降雨があるエリアにおいては電波が減衰する。
したがって、例えば、地球局ESの近くで降雨がある場合、衛星STが地球局ESから受信する電波(以下、搬送波という)が減衰する。この状態で、降雨がないエリアに設置されている基地局BSから送信される電波(以下、干渉波という)が、降雨の影響で減衰されないまま衛星STに届いてしまうと、衛星STが地球局ESから受信する搬送波に対する干渉波の割合が大きくなることにより、データ誤り率が増加してしまう。
本実施形態に係る基地局制御システムSにおいては、干渉波が衛星STと地球局ESとの間の無線通信に与える影響を抑制するために、基地局BSが電波を送信する条件を制御する基地局制御サーバ1を備えている。基地局制御サーバ1は、降雨データを外部のデータベースから取得して、基地局BS及び地球局ESの周辺での降雨減衰量を推定し、推定した結果に基づいて、基地局BSが送信する電波の電力を制御したり、基地局BSが電波を送信する向きであるチルト角を制御したりする基地局制御装置である。基地局制御サーバ1が基地局BSをこのように制御することで、衛星STと地球局ESとの間の無線通信回線が、基地局BSと移動端末MSとの間の無線通信回線と周波数帯域の一部を共用している場合であっても、基地局BS及び移動端末MSが送信する電波が、衛星STと地球局ESとの間の無線通信に与える影響を抑制することができる。
図2は、干渉波が発生する状況について説明するための図である。図2における衛星フットプリントPa内には、3つの基地局BSn、BSn+1、BSn+2のセルエリアCAn、CAn+1、CAn+2が示されている。CAnからは、干渉波IWnが衛星STaに届き、CAn+1からは、干渉波IWn+1が衛星STaに届き、CAn+2からは、干渉波IWn+2が衛星STaに届く。ESmからは、搬送波CWmが衛星STaに届く。基地局制御サーバ1は、衛星STaの衛星フットプリントPa内の全てのセルエリアから発せられる干渉波の総和Iと搬送波CWmとの関係に基づいて、衛星フットプリントPa内に設置されている基地局BSの送信電力を制御する。
[基地局制御システムSの構成]
図3は、基地局制御システムSの構成を示す図である。基地局制御システムSは、基地局制御サーバ1と、基地局BSとを有する。基地局制御サーバ1は、記憶部11とCPU(Central Processing Unit)12とを有する。
記憶部11は、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスク等の記憶媒体である。記憶部11は、CPU12が実行するプログラム、CPU12により生成される降雨減衰量の推定値、搬送波レベルC及び干渉量I等の各種のデータを記憶する。
CPU12は、記憶部11に記憶されたプログラムを実行することにより、第1推定部121、第2推定部122、搬送波レベル算出部123、干渉量算出部124及び制御部125として機能する。基地局BSは、端末制御部21と、無線電力制御部22とを有する。
第1推定部121は、衛星STと無線通信をする地球局ESにおける第1降雨減衰量を推定する。第1推定部121は、例えば、降雨データベースDBに対して地球局ESの位置情報を通知し、降雨データベースDBから、通知した位置情報に対応する地球局ESの位置の周辺における降雨状況を示す降雨データを取得する。第1推定部121は、取得した降雨データに基づいて、地球局ESから衛星STに向かって伝搬される電波の減衰量を示す第1降雨減衰量を推定する。第1推定部121は、推定した第1降雨減衰量を記憶部11に格納する。
第2推定部122は、複数の移動端末MSと無線通信をする基地局BSから所定の範囲における第2降雨減衰量を推定する。第2推定部122は、第1推定部121と同様に、降雨データベースDBに対して基地局BSの位置情報を通知し、降雨データベースDBから、通知した位置情報に対応する基地局BSの位置の周辺における降雨状況を示す降雨データを取得する。第2推定部122は、取得した降雨データに基づいて、基地局BSから衛星STに向かって伝搬される電波の減衰量を示す第2降雨減衰量を推定する。第2推定部122は、推定した第2降雨減衰量を記憶部11に格納する。
搬送波レベル算出部123は、第1推定部121が推定した第1降雨減衰量に基づいて、衛星STと地球局ESとの間の無線通信回線の衛星STにおける搬送波レベルCを算出する。搬送波レベルCは、地球局の実効輻射電力EIRPES、伝搬損失LC(自由空間伝搬損失Lf_C、大気減衰Latom_C、降雨減衰Lrain_C等)、及び受信アンテナ利得Gr_Cに基づいて、以下の式により求められる。
C = EIRPES − Lf_C − Latom_C − Lrain_C + Gr_C (dBm)
干渉量算出部124は、第2推定部122が推定した第2降雨減衰量に基づいて、基地局BS及び基地局BSが通信する一つ以上の移動端末MSの少なくともいずれかが衛星STに与える干渉量Iを算出する。干渉量算出部124は、基地局BS及び複数のMSの全てが衛星STに与える干渉量の総和を算出することが好ましいが、基地局BSのみが衛星STに与える干渉量又は一つ以上の移動端末MSが衛星STに与える干渉量を算出してもよい。
n番目(nは整数)の基地局BSnのセルからの干渉量inは、基地局BSnのセル内から衛星方向への実効輻射電力EIRPIMT、伝搬損失LI(自由空間伝搬損失Lf_I、大気減衰Latom_I、降雨減衰Lrain_I等)、及び受信アンテナ利得Gr_Iに基づいて、以下の式により求められる。ただし、EIRPIMTは、端末制御部21から取得したアクティブ端末数であり、基地局BSnのセル内で電波を送信する移動端末MSの数を示す値である。
n = EIRPIMT −Lf_I − Latom_I − Lrain_I + Gr_I (dBm)
ここで、干渉量算出部124は、基地局BSnのセル内から衛星STの方向への実効輻射電力の総和を帯域競合率に基づいて補正して得られる実効輻射電力EIRPIMTを用いて、干渉量inを算出する。帯域競合率は、衛星STが使用する衛星周波数帯域に対する、衛星周波数帯域と基地局BSが使用する基地局周波数帯域とが重なった重複周波数帯域の割合である。例えば、衛星周波数帯域が28,000MHzから28,500MHzまで、基地局周波数帯域が27,750MHzから28,250MHzまでである場合、帯域競合率は0.5となる。また、衛星周波数帯域に対して、基地局周波数帯域が28,100MHzから28,500MHzの場合、帯域競合率は1となる。
干渉量算出部124は、衛星STaの衛星フットプリントPa内の全ての基地局BSのセル内からの干渉量inの総和として、以下の式により、衛星STaに与える干渉量Iを算出する。
I = Σ in (n=1,・・・,nm)
= 10 log (Σ 10in/10) (n=1,・・・,nm)(dBm)
干渉量算出部124は、算出した干渉量Iを記憶部11に記憶させる。
制御部125は、搬送波レベルCと干渉量Iとの関係に基づいて、基地局BSから複数の移動端末MSに対して電波を送信する条件を制御する。具体的には、制御部125は、搬送波レベルCと干渉量Iとの関係に基づいて、基地局BSから複数の移動端末MSに対して送信する電波の電力を制御したり、基地局BSから電波を送信する向き(チルト角)を制御したりする。
制御部125は、干渉量Iと衛星STにおけるシステム雑音Nの推定量との和が、搬送波レベルCに対して所定の閾値以上である場合に、基地局BSから複数の移動端末MSに対して電波を送信する条件を変更する。制御部125は、評価値E=C/(N+I)を算出し、評価値Eが閾値以上である場合に、電波を送信する条件を変化させず、評価値Eが閾値未満である場合に、基地局BSに対して、電波の送信電力を減少させるように指示したり、チルト角を下向きに変化させるように指示したりする。このようにすることで、基地局BSが送信する電波が衛星STに届きにくくなるので、基地局BSが送信する電波に起因する干渉量を低減させることができる。
ここで、衛星STのシステム雑音Nは,以下の式で表される。ただし、Kはボルツマン定数、Tsys(K)は衛星STのシステム雑音温度、Bは衛星帯域幅である。
N=kTsys B=10log(kTsys B) (dBm)
また、雑音と干渉量の和N+Iは、以下の式により表される。
N+I=10log(10N/10+10I/10)=10log(kTsysB+10I/10) (dBm)
よって、評価値E=C/(N+I)は、次式で得られる。
E=C/(N+I)=C−(N+I)(dB)
制御部125は、干渉量算出部124が算出した干渉量inに基づいて、複数の基地局BSnの少なくともいずれかの基地局BSから複数の移動端末MSに対して電波を送信する条件を制御する。制御部125は、例えば、干渉量inが所定の閾値以上である基地局BSを選択し、選択した基地局BSから複数の移動端末MSに対して電波を送信する条件を変えるように、選択した基地局BSに指示する。制御部125は、衛星STの衛星フットプリントP内の複数の基地局BSのうち、干渉量inが大きい所定の数の基地局BSに対して電波を送信する条件を変えるように指示してもよい。また、制御部125は、評価値Eが所定の閾値以上になるまで、干渉量inが大きい基地局BSから順番に、電波を送信する条件を変えるように指示をしてもよい。
なお、基地局BSが電波の送信電力を小さくすることにより、基地局BSのセルが縮小する。その結果、基地局BSからセル端までの距離が小さくなるため、セル端に位置する移動端末MSの送信電力が減少する。このように移動端末MSの送信電力が減少することによっても、セル内からの干渉量inが減少するという効果が生じる。また、制御部125は、基地局BSに接続される移動端末MSのうち、送信電力が所定の値よりも大きな移動端末MSの送信電力を減少させるように、基地局BSに制御させてもよい。
[基地局制御システムSの動作シーケンス]
図4は、基地局制御システムSの動作シーケンスを示す図である。
基地局制御サーバ1は、降雨データを管理するデータベースDBに対して、地球局ES及び基地局BSの位置の降雨データを問い合わせる。基地局制御サーバ1は、地球局ESの位置の降雨データ、及び基地局BSの位置の降雨データを取得すると、取得した降雨データを記憶部11に記憶させる。第1推定部121及び第2推定部122は、取得した降雨データに基づいて、地球局ESの位置及び基地局BSの位置における降雨減衰量を推定する。
また、基地局制御サーバ1は、各基地局BSから、各基地局BSのセル内のアクティブ端末数及び最大送信電力値を取得する。基地局制御サーバ1は、アクティブ端末数及び最大送信電力、並びに基地局BSの位置における降雨減衰量に基づいて干渉量Iを算出する。そして、基地局制御サーバ1は、地球局ESの位置の降雨減衰量に基づいて算出した搬送波レベルC、干渉量I及び衛星STにおける雑音Nに基づいて、評価値E=C/(N+I)を推定する。
基地局制御サーバ1は、推定したC/(N+I)を閾値と比較した結果に基づいて、送信電力を変更する必要がある基地局BSに対して、送信電力を制御する指示を送信する。指示を受信した基地局BSは、セル内の移動端末MSに対して送信する電力を制御するとともに、移動端末MSに対して、移動端末MSが送信する電力を制御するように指示する。基地局BSは、移動端末MSに送信電力を制御する指示を出すと、基地局制御サーバ1に対して、指示の送信が完了したことを示すAckメッセージを送信する。基地局制御サーバ1は、以上の手順を定期的に繰り返す。
図5は、本実施形態に係る基地局制御サーバ1の動作フローチャートである。図5における括弧に囲まれた処理は、全ての選択対象に対して同じ処理を繰り返すことを示している。基地局制御サーバ1は、衛星フットプリントP及び地球局ESの組み合わせごとに、ステップS4からステップS11までの処理を繰り返す。
まず、基地局制御サーバ1は、衛星フットプリントPmを選択する(S1)。ここで、基地局制御サーバ1は、選択した衛星フットプリントPmにおいて、衛星STと地球局ESmとの間の無線通信回線の品質が所要の品質を満たさない地球局ESの数を示す指標値sを初期化して0にする(S2)。指標値sは、選択された衛星フットプリントPmにおける、所要のC/Nを超過した地球局ESの数を示す値である。続いて、基地局制御サーバ1は、地球局ESmを選択する(S3)。
続いて、基地局制御サーバ1は、地球局ESmからの電波を受信する衛星STの位置での搬送波レベルCを算出する(S4)。また、基地局制御サーバ1は、基地局BSnを選択し(S5)、選択した基地局BSnのそれぞれに対して、基地局BSnのセル内からの干渉量inを算出する(S6)。そして、基地局制御サーバ1は、ステップS1において選択した衛星フットプリントP内の全てのセルからの干渉量の総和Iを算出する(S7)。
続いて、基地局制御サーバ1は、C/(N+I)を算出し、算出した値が、所要のC/Nよりも小さいか否かを判定する(S8)。基地局制御サーバ1は、C/(N+I)が所要のC/Nよりも小さい場合(S7においてYes)、指標値sに1を加算する(S9)。ここで、基地局制御サーバ1は、指標値sの値が閾値Sよりも大きいか否かを判定する(S10)。基地局制御サーバ1は、指標値sの値が閾値Sよりも大きい場合、基地局BSnに対して、送信電力を下げるように指示する(S11)。この際、基地局制御サーバ1は、例えば、干渉量inが所定の閾値より大きい基地局BSnに対して送信電力を下げるように指示する。
基地局制御サーバ1は、ステップS7及びステップ10における判定がNoの場合、指標値sから1を減算して、次の地球局を選択してステップS3に戻る。基地局制御サーバ1は、全ての衛星フットプリントPm及び地球局ESmの組み合わせに対して、ステップS4からステップS11までを繰り返すことにより、干渉量Iの低減に効果的な基地局BSの送信電力を下げることができる。
[変形例]
以上の説明においては、地球局ESが固定されていることが想定されていたが、地球局ESが可動式である場合もある。このような場合、基地局制御サーバ1は、衛星フットプリントPを、複数のセグメントに分割し、それぞれのセグメントに1台の地球局ESが設置されていると仮定して図5に示した処理を実行してもよい。
また、以上の説明においては、第1推定部121及び第2推定部122が、降雨量に基づいて降雨減衰量を推定する例について説明したが、第1推定部121及び第2推定部122は、降雨以外の原因に基づいて減衰量を推定してもよい。例えば、第1推定部121及び第2推定部122は、あらかじめ入力を受けた、電波に与えられる干渉量を示す干渉情報に基づいて減衰量を推定してもよい。
[本実施形態における効果]
以上説明したように、本実施形態の基地局制御サーバ1は、地球局ES及び基地局BS周辺の降雨データに基づいて降雨減衰量を推定し、推定した結果に基づいて評価値E=C/(N+I)を算出する。そして、基地局制御サーバ1は、算出した評価値Eに基づいて、基地局BSが電波を送信する電力を制御することにより、衛星STに影響を与える干渉量Iを減少させる。このようにすることで、地球局ESから衛星STに対してデータを送信する電波の周波数帯域と、携帯電話網の基地局BS及び移動端末MSが送信する電波の周波数帯域とが重なっている場合の通信品質を向上させることが可能になる。その結果、衛星通信と携帯電話網とが周波数を共用できるので、周波数利用効率が向上するという効果を奏する。
基地局制御サーバ1は、基地局BSのセル内で電波を送信している移動端末MSの数に基づいて干渉量Iを算出するので、セル内の移動端末MSの数に応じて高い精度で干渉量Iに基づく制御をすることができる。
また、基地局制御サーバ1は、衛星STの衛星フットプリントP内の複数の基地局BSのうち、それぞれの基地局BSからの干渉量Iの大きさに基づいて、制御する対象とする基地局BSを選択する。このようにすることで、送信する電波の条件を変更することによる効果が小さい基地局BSの電波が減少しないので、移動端末MSのユーザに対して影響が及ぶことを防止できる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。特に、装置の分散・統合の具体的な実施形態は以上に図示するものに限られず、その全部又は一部について、種々の付加等に応じて、又は、機能負荷に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
1 基地局制御サーバ
11 記憶部
12 CPU
21 端末制御部
22 無線電力制御部
121 第1推定部
122 第2推定部
123 搬送波レベル算出部
124 干渉量算出部
125 制御部
S 基地局制御システム
BS 基地局
ES 地球局
MS 移動端末
DB 降雨データベース
ST 衛星

Claims (11)

  1. 衛星と無線通信をする地球局における第1減衰量を推定する第1推定部と、
    複数の移動端末と無線通信をする基地局から所定の範囲における第2減衰量を推定する第2推定部と、
    前記第1減衰量に基づいて、前記衛星と前記地球局との間の無線通信回線の前記衛星における搬送波レベルを算出する搬送波レベル算出部と、
    前記第2減衰量に基づいて、前記基地局及び前記基地局が通信する一つ以上の移動端末の少なくともいずれかが前記衛星に与える干渉量を算出する干渉量算出部と、
    前記搬送波レベルと前記干渉量との関係に基づいて、前記基地局から前記一つ以上移動端末に対して電波を送信する条件を制御する制御部と、
    を有する基地局制御装置。
  2. 前記制御部は、前記搬送波レベルと前記干渉量との関係に基づいて、前記基地局から前記複数の移動端末に対して送信する電波の電力又は方向を制御する、
    請求項1に記載の基地局制御装置。
  3. 前記制御部は、前記干渉量と前記衛星におけるノイズの推定量との和が、前記搬送波レベルに対して所定の閾値以上である場合に、前記基地局から前記複数の移動端末に対して電波を送信する条件を変更する、
    請求項1又は2に記載の基地局制御装置。
  4. 前記制御部は、前記干渉量と前記推定量との和が、前記搬送波レベルに対して所定の閾値以上である場合に、前記基地局から前記複数の移動端末に対して送信する電波の電力を減少させる、
    請求項3に記載の基地局制御装置。
  5. 前記干渉量算出部は、前記基地局のセル内で管理される移動端末又は電波を送信中の前記1つ以上の移動端末の台数に基づいて、前記干渉量を算出する、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の基地局制御装置。
  6. 前記干渉量算出部は、前記衛星が無線通信に使用する第1周波数帯域の大きさに対する、前記基地局が無線通信に使用する第2周波数帯域と前記第1周波数帯域とが重なった重複周波数帯域の大きさの割合に基づいて、前記干渉量を算出する、
    請求項1から5のいずれか1項に記載の基地局制御装置。
  7. 前記第1推定部は、前記地球局における降雨量又はあらかじめ入力される干渉情報に基づいて、前記第1減衰量を推定し、前記第2推定部は、前記基地局における降雨量又はあらかじめ入力される干渉情報に基づいて、前記第2減衰量を推定する、
    請求項1から6のいずれか1項に記載の基地局制御装置。
  8. 前記干渉量算出部は、前記衛星に対して電波が届く範囲に設けられている複数の前記基地局、及び前記複数の基地局のそれぞれが通信する前記複数の移動端末の少なくともいずれかが前記衛星に与える干渉量を算出し、
    前記制御部は、前記干渉量算出部が算出した前記干渉量に基づいて、前記複数の基地局の少なくともいずれかの前記基地局から前記複数の移動端末に対して電波を送信する条件を制御する、
    請求項1から7のいずれか1項に記載の基地局制御装置。
  9. 前記制御部は、前記複数の基地局のうち、前記干渉量算出部が算出した前記干渉量が所定の閾値以上である前記基地局から前記複数の移動端末に対して電波を送信する条件を変更する、
    請求項8に記載の基地局制御装置。
  10. 衛星と無線通信をする地球局における第1減衰量を推定するステップと、
    複数の移動端末と無線通信をする基地局における第2減衰量を推定するステップと、
    前記第1減衰量に基づいて、前記衛星と前記地球局との間の無線通信回線の前記衛星における搬送波レベルを算出するステップと、
    前記第2減衰量に基づいて、前記基地局及び前記基地局が通信する一つ以上の移動端末の少なくともいずれかが前記衛星に与える干渉量を算出するステップと、
    前記搬送波レベルと前記干渉量との関係に基づいて、前記基地局から前記一つ以上の移動端末に対して電波を送信する条件を制御するステップと、
    を有する基地局制御方法。
  11. 複数の移動端末と無線通信をする基地局と、前記基地局が前記複数の移動端末に送信する電波の電力を制御する基地局制御装置と、を有する基地局制御システムであって、
    前記基地局制御装置は、
    衛星と無線通信をする地球局における第1減衰量を推定する第1推定部と、
    複数の移動端末と無線通信をする基地局における第2減衰量を推定する第2推定部と、
    前記第1減衰量に基づいて、前記衛星と前記地球局との間の無線通信回線の前記衛星における搬送波レベルを算出する搬送波レベル算出部と、
    前記第2減衰量に基づいて、前記基地局及び前記基地局が通信する一つ以上の移動端末の少なくともいずれかが前記衛星に与える干渉量を算出する干渉量算出部と、
    前記搬送波レベルと前記干渉量との関係に基づいて、前記基地局から前記一つ以上の移動端末に対して電波を送信する条件を制御する制御部と、
    を有し、
    前記基地局は、前記制御部が決定した条件に基づいて、前記複数の移動端末に電波を送信する、基地局制御システム。

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