JPWO2020075269A1 - 固定子コイル、その製造方法及び回転電機 - Google Patents

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Abstract

コイル導体と、前記コイル導体の外周に第一のマイカテープを巻いて積層させた第一絶縁層と、前記第一絶縁層の外周に第二のマイカテープを巻いて積層させた第二絶縁層とを備える固定子コイルであって、前記第一のマイカテープのマイカ含有量が、マイカテープ1m2当たり30g以上100g以下であり、前記第一のマイカテープに含まれるマイカの60質量%以上が、公称目開き250μmのJIS標準篩を通過し、前記第一のマイカテープの積層厚みが、0.1mm以上1mm以下であり、前記第二のマイカテープに含まれるマイカの40質量%以下が、公称目開き250μmのJIS標準篩を通過する、固定子コイル。

Description

本発明は、固定子コイル、その製造方法及びその固定子コイルを用いた回転電機に関する。
タービン発電機などに用いられる大型の回転電機は、固定子鉄心の内周側に形成された複数のスロット内に収納された固定子コイルを有する。固定子コイルは、コイル導体とその外周に巻かれた絶縁部とから構成される。この絶縁部の形成方法としては、マイカシートにガラスクロスなどの繊維補強材を貼り合わせたマイカテープをコイル導体の外周に複数回巻いた後、低粘度の液状熱硬化性樹脂組成物を減圧下で含浸させた後に加熱プレスする方法(以下、真空加圧含浸方法と呼ぶことがある)、絶縁テープに半硬化状態の樹脂を配置し、このテープをコイル導体の外周に複数回巻いた後に加熱プレスする方法(以下、レジンリッチ法と呼ぶことがある)などが一般的に用いられている。
このような回転電機においては、運転時にコイル導体を流れる電流によって固定子コイルが発熱する。そのため、絶縁部は、銅などの金属で構成されたコイル導体の熱膨張による機械的ストレス及び樹脂成分の熱劣化によって、経時的にその耐電圧性が低下する恐れがある。
近年、回転電機の更なる小型化及び高出力化の要求が強まり、絶縁部に印加される電界が増大するため、耐電圧性の高い絶縁部を有する固定子コイルが望まれている。
例えば、特許文献1には、導体の表面に、大きさの大きいマイカ鱗片からなる第一の無焼成集成マイカテープを巻いて第一の主絶縁層を形成し、この上に大きさの小さいマイカ鱗片からなる第二の無焼成集成マイカテープを巻いて第二の主絶縁層を形成した高電圧用回転電機コイルが記載されている。
実開昭63−021448号公報
固定子コイルにおいて電界が最も高くなる部位は、コイル導体の角部近傍に形成された絶縁部であり、一般的に絶縁破壊はこの角部を起点として発生する。耐電圧性を向上させるためには、コイル導体の角部近傍に耐電圧性の高いマイカを高充填化しつつ、マイカテープとコイル導体とを接着する樹脂の必要量を絶縁部に保持させる必要がある。
しかしながら、特許文献1では、大きさの異なるマイカ鱗片を用いて樹脂の保持性を高めることができるものの、コイル導体の角部近傍へのマイカの高充填化が不十分であり、固定子コイルの所望の耐電圧性が得られないといった課題があった。
従って、本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、耐電圧性を高くすることができる固定子コイル及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、コイル導体と、前記コイル導体の外周に第一のマイカテープを巻いて積層させた第一絶縁層と、前記第一絶縁層の外周に第二のマイカテープを巻いて積層させた第二絶縁層とを備える固定子コイルであって、前記第一のマイカテープにおけるマイカ粒子の含有量が、マイカテープ1m2当たり30g以上100g以下であり、前記第一のマイカテープに含まれるマイカ粒子の60質量%以上が、公称目開き250μmのJIS標準篩を通過し、前記第一のマイカテープの積層厚みが、0.1mm以上1mm以下であり、前記第二のマイカテープに含まれるマイカ粒子の40質量%以下が、公称目開き250μmのJIS標準篩を通過する、固定子コイルである。
また、本発明は、コイル導体の外周に第一のマイカテープを巻いて厚みが0.1mm以上1mm以下となるように積層させる工程と、積層させた前記第一のマイカテープの外周に第二のマイカテープを巻いて積層させる工程と、前記第一のマイカテープ及び前記第二のマイカテープが巻かれたコイル導体に液状熱硬化性樹脂組成物を含浸させる工程と、前記液状熱硬化性樹脂組成物を加熱硬化させる工程とを含むコイルの製造方法であって、前記第一のマイカテープにおけるマイカ粒子の含有量が、マイカテープ1m2当たり30g以上100g以下であり、前記第一のマイカテープに含まれるマイカ粒子の60質量%以上が、公称目開き250μmのJIS標準篩を通過し、前記第二のマイカテープに含まれるマイカ粒子の40質量%以下が、公称目開き250μmのJIS標準篩を通過する、固定子コイルの製造方法である。
本発明によれば、耐電圧性の高い固定子コイル及びその製造方法を提供することができる。
本発明の一実施の形態に係る回転電機の固定子の斜視断面図である。 本発明の一実施の形態に係る固定子コイルの模式断面図である。 本発明の一実施の形態で用いたマイカテープの模式断面図である。 本発明の一実施の形態に係る固定子コイルの製造方法のフローチャートである。 本発明の一実施の形態に係る回転電機の固定子の要部を模式的に示す図であり、回転軸に沿った断面を示す図(横断面図)である。 本発明の一実施の形態に係る回転電機の固定子の要部を模式的に示す図であり、回転軸に直交する断面を図5の矢印A方向から見た図(縦断面図)である。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る回転電機の固定子の斜視断面図である。図1において、回転電機の固定子には、固定子鉄心1の内周側に形成された複数のスロット2内で上下2段に固定子コイル3が収納されている。この2段の固定子コイル3の間にはスペーサー4が挿入されている。スロット2の開口端部には、固定子コイル3を固定するためのウェッジ5が挿入されている。このウェッジ5は、回転電機の運転時に固定子コイル3から発生する電磁振動を抑制する効果がある。また、コイル導体6の断面形状は矩形である。コイル導体6は、その外周が、第一絶縁層と第二絶縁層とを有する絶縁部7で覆われることにより、固定子鉄心1との対地絶縁が確保されている。コイル導体6としては、ガラステープなどの絶縁材で被覆され、断面形状が矩形である金属素線を複数束ねたもの、絶縁被膜を有する電線などを用いることができる。金属素線としては、特に限定されず、銅、アルミニウム、銀などからなる素線を用いることができる。
図2は、実施の形態1に係る固定子コイルの断面模式図である。図2において、固定子コイルは、コイル導体6と、コイル導体6の外周に第一のマイカテープを巻いて積層させた第一絶縁層8及び第一絶縁層8の外周に第二のマイカテープを巻いて積層させた第二絶縁層9からなる絶縁部7とを備える。
図3は、絶縁部7を形成するのに用いた第一のマイカテープの模式断面図である。図3において、第一のマイカテープは、マイカ粒子10を含むマイカ層11と、マイカ層11上に積層され、補強材12及び樹脂13を含む補強層14とを有する。第二のマイカテープの構造自体は、第一のマイカテープと同じであるので説明は省略する。
マイカ粒子10としては、層状ケイ酸塩鉱物の一種として知られる硬質マイカ、軟質マイカなどを用いることができる。マイカ粒子10の形状としては、集成マイカ、ブロックマイカ、剥がしマイカなどが挙げられる。これらのマイカ粒子10は、単独で用いてもよいし、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
補強材12としては、特に限定されず、ガラスクロス、アルミナクロス、シリカクロス、樹脂フィルムなどが挙げられる。補強材12の含有量は、第一のマイカテープ1m2当たり、好ましくは8g以上45g以下(目付量8g/m2以上45g/m2以下)である。また、第二のマイカテープにおける補強材12の含有量は、第一のマイカテープと同様である。
樹脂13としては、特に限定されず、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。
マイカ層11は、マイカ粒子10の他に、上記した樹脂13を含むことができる。マイカ層11に樹脂13が含まれることで、マイカ粒子10同士を接着し、マイカ層11の強度を向上させることができる。
第一のマイカテープに含まれるマイカ粒子10の全量を100質量%としたときに、公称目開き250μmのJIS標準篩を通過するマイカ粒子10の割合が、60質量%以上であり、好ましくは70質量%以上である。公称目開き250μmのJIS標準篩を通過するマイカ粒子10の割合を60質量%以上とすることで、粒径の小さいマイカ粒子10が充填されたマイカ層11が第一のマイカテープ内に形成される。そのため、コイル導体6の外周に第一のマイカテープを巻いたときに、コイル導体6の角部に沿って第一のマイカテープのマイカ層11が変形し第一のマイカテープにしわが発生しにくくなる。その結果、コイル導体6の角部あるいは角部の周囲において、耐電圧性の高いマイカ粒子10の充填率が高くなり、固定子コイルの耐電圧性を向上させることができる。これに対し、公称目開き250μmのJIS標準篩を通過するマイカ粒子10の割合が60質量%未満であると、粒径が250μm以上のマイカ粒子10が一定量含まれる。そのため、コイル導体6の外周に第一のマイカテープを巻いたときに、コイル導体6の角部に沿わない第一のマイカテープの部分が発生し、角部において、マイカ粒子10よりも耐電圧性の低い熱硬化性樹脂の充填率が高くなる。その結果、固定子コイルの所望の耐電圧性を得ることができない。なお、第一のマイカテープにおいて、公称目開き250μmのJIS標準篩を通過するマイカ粒子10の割合の上限は100質量%である。
第二のマイカテープに含まれるマイカ粒子10の全量を100質量%としたときに、公称目開き250μmのJIS標準篩を通過するマイカ粒子10の割合が、40質量%以下であり、好ましくは30質量%以下である。公称目開き250μmのJIS標準篩を通過するマイカ粒子10の割合を40質量%以下とすることで、第一絶縁層8の外周に第二のマイカテープを巻いたときに、第一絶縁層8の形状に沿って第二のマイカテープのマイカ層11が変形しにくくなる。そのため、第二のマイカテープ間に微小な隙間が発生する。この隙間が液状熱硬化性樹脂組成物を含浸させるための流路、特に積層させた第一のマイカテープへ液状熱硬化性樹脂組成物を含浸させるための流路となる。その結果、コイル導体6の角部あるいは角部の周囲の第一のマイカテープのマイカ層11内に液状熱硬化性樹脂組成物が十分に含浸され、ボイドの発生が抑制される。そのため、固定子コイルの耐電圧性を向上させることができる。なお、第二のマイカテープにおいて、公称目開き250μmのJIS標準篩を通過するマイカ粒子10の割合の下限は0質量%である。
本明細書において、JIS標準篩の公称目開きとは、JIS Z8801−1(2006)に規定されるものであり、各公称目開きにおける最大目開きの許容差、平均目開きの許容差、最大標準偏差、推奨線径等が同規定を満たすものである。公称目開き250μmのJIS標準篩を通過するマイカ粒子10の割合は以下の手順で算出することができる。先ず、マイカテープを600℃で48時間加熱し、マイカテープに含まれる樹脂成分を熱分解して除去した後、マイカテープに含まれるマイカ粒子10を取り出し、マイカ粒子10の質量を測定する。次に、マイカ粒子10を水中に分散させたものを、公称目開き250μmのJIS標準篩上に供給し、流水を行いながら篩を通過したマイカ粒子10を取り出す。マイカ粒子10を乾燥させた後、マイカ粒子10の質量を測定する。マイカテープに含まれるマイカ粒子10の質量と公称目開き250μmのJIS標準篩を通過したマイカ粒子10の質量とから、公称目開き250μmのJIS標準篩を通過するマイカ粒子10の割合を算出する。
第一のマイカテープに含まれるマイカ粒子10の含有量は、マイカテープ1m2当たり、30g以上100g以下であり、好ましくは40g以上90g以下である。第一のマイカテープに含まれるマイカ粒子10の含有量が30g未満であると、マイカ粒子10が不足する。そのため、固定子コイルの所望の耐電圧性を得ることができない。一方、マイカ粒子10の含有量が100g超であると、第一のマイカテープのマイカ層11内に液状熱硬化性樹脂組成物が十分に含浸せずにボイドが発生する。そのため、固定子コイルの所望の耐電圧性を得ることができない。
第二のマイカテープに含まれるマイカ粒子10の含有量は、マイカテープ1m2当たり、好ましくは120g以上200g以下であり、より好ましくは140g以上160g以下である。第二のマイカテープに含まれるマイカ粒子10の含有量が上記範囲内であると、機械的強度が向上し、固定子コイルの機械的ストレス耐性を向上させることができる。
第一のマイカテープの積層厚みt1は、0.1mm以上1mm以下であり、好ましくは0.3mm以上0.9mm以下である。第一のマイカテープの積層厚みt1は、固定子コイルの径方向断面を観察したときの第一のマイカテープで構成された第一絶縁層8の厚みを示す。第一のマイカテープの積層厚みt1が0.1mm未満であると、コイル導体6の角部に沿って配置されたマイカ粒子10が不足する。そのため、固定子コイルの所望の耐電圧性を得ることができない。一方、第一のマイカテープの積層厚みt1が1mm超であると、第一のマイカテープのマイカ層11内に液状熱硬化性樹脂組成物が十分に含浸せずにボイドが発生する。そのため、固定子コイルの所望の耐電圧性を得ることができない。
実施の形態2.
実施の形態2においては、固定子コイルの製造方法について説明する。図4は、実施の形態2に係る固定子コイルの製造方法のフローチャートである。コイル導体6への絶縁部7の形成方法は、真空加圧含浸方法、レジンリッチ法などがあるが、以下では真空加圧含浸方法を採用した製造方法について説明する。
コイル導体6の外周に第一のマイカテープを巻いて積層厚みt1が0.1mm以上1mm以下となるように積層させる(工程S1)。コイル導体6及び第一のマイカテープは、実施の形態1で説明したものを用いることができる。第一のマイカテープとして、プリプレグ状のマイカテープを用いてもよい。また、第一のマイカテープの積層厚みt1を上記範囲内とする理由は、実施の形態1で説明したのと同様である。コイル導体6の外周に第一のマイカテープを巻くときは、マイカ粒子10を含むマイカ層11をコイル導体6側に配置して巻いてもよいし、補強材12を含む補強層14をコイル導体6側に配置して巻いてもよい。補強材12を含む補強層14をコイル導体6側に配置して巻くことにより、第一のマイカテープのマイカ層11に液状熱硬化性樹脂組成物が含浸し易くなる。また、液状熱硬化性樹脂組成物の含浸性を高めるために、第一のマイカテープのマイカ層11側にガラスクロスなどからなる樹脂流動層を別途設けてもよい。第一のマイカテープは、その一部が互いに重なるように(例えば、第一のマイカテープの幅の半分が重なるように)複数回巻く。
次に、積層させた第一のマイカテープの外周に第二のマイカテープを巻いて積層させる(工程S2)。第二のマイカテープは、実施の形態1で説明したものを用いることができる。また、第二のマイカテープの積層厚みt2の好ましい範囲は、実施の形態1で説明したのと同様である。
次に、減圧雰囲気下で、第一のマイカテープ及び第二のマイカテープが巻かれたコイル導体6に液状熱硬化性樹脂組成物を含浸させる(工程S3)。その後、必要に応じて液状熱硬化性樹脂組成物を加圧含浸する。液状熱硬化性樹脂組成物としては、熱硬化性樹脂、反応性希釈剤などを含む公知のものを用いることができる。熱硬化性樹脂としては、特に限定されず、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステルなどが挙げられる。熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合、エポキシ樹脂用の硬化剤及び硬化促進剤を必要に応じて併用してもよい。反応性希釈剤としては、特に限定されず、公知のものを用いることができる。液状熱硬化性樹脂組成物の粘度は、特に限定されないが、40℃において500mPa・s以下であることが好ましい。
最後に、常圧にした状態で、液状熱硬化性樹脂組成物を90℃以上180℃以下の温度で加熱硬化させる(工程S4)。このような工程を経て、本実施の形態に係る固定子コイルを得ることができる。
このようにして製造された固定子コイルは、実施の形態1で説明した固定子コイルの構造となるため、コイル導体6の角部あるいは角部の周囲において、耐電圧性の高いマイカ粒子10が高充填されるとともに、第一のマイカテープ及び第二のマイカテープとコイル導体6とを接着する熱硬化性樹脂組成物の必要量が絶縁部7に保持される。そのため、固定子コイルは、高い耐電圧性を備えるものとなる。
実施の形態3.
図5は、実施の形態3に係る回転電機の固定子の要部を模式的に示す図であり、回転軸に沿った断面を示す図(横断面図)である。図6は、実施の形態3に係る回転電機の固定子の要部を模式的に示す図であり、回転軸に直交する断面を図5の矢印A方向から見た図(縦断面図)である。
図5及び6において、回転電機の固定子は、固定子鉄心1と、複数(この例では8本)の鉄心締付部材15と、複数(この例では4箇所)の保持リング16と、フレーム17と、複数(この例では5箇所)の中枠部材18と、複数(この例では4本)の弾性支持部材19とを備えている。固定子鉄心1は、円筒状に形成されており、その内周側に回転子が収納される。鉄心締付部材15は、固定子鉄心1の外周部に、周方向に所定間隔をあけて設けられ、固定子鉄心1を軸方向に締付ける。保持リング16は、軸方向に扁平状に形成されており、固定子鉄心1の外周部に、軸方向に所定間隔をあけて設けられ、固定子鉄心1を鉄心締付部材15の外周から回転軸方向に締付けて保持する。フレーム17は、円筒状に形成されており、固定子鉄心1の周りに間隔をあけて包囲する。中枠部材18は、リング状に形成されており、フレーム17内面に軸方向に所定間隔をあけて軸心方向に突出する。弾性支持部材19は、隣り合う中枠部材18の相互に固定されて、その軸方向中央部で保持リング16に固定されたばね板からなる。図5及び6に示される回転電機の固定子は、例えば、タービン発電機の電機子を構成するものである。固定子鉄心1の内周部には、軸方向に形成されたスロットが周方向に所定数設けられている。スロット内には、実施の形態1で説明した固定子コイルが収納されている。
このように構成された固定子を備える回転電機は、固定子コイルの高耐電圧化により、一層の高出力化及び小型化を図ることができる。特に上記回転電機の構成をタービン発電機へ適用した場合、固定子コイルの高耐電圧化により、コイル導体の外周の絶縁部の厚みを低減することが可能となる。これによりコイル導体の発熱が低減され、タービン発電機の高出力化及び高効率化を図ることができる。
[実施例1]
コイル導体(断面形状:10mm×50mmの矩形、長さ:1m)の外周に表1に示される第一のマイカテープを巻いて積層させ、積層させた第一のマイカテープの外周に表1に示す第二のマイカテープを巻いて積層させた後、減圧雰囲気下において、マイカテープが巻かれたコイル導体に、ビスフェノールF型エポキシ及びヘキサヒドロ無水フタル酸(エポキシ樹脂用硬化剤)を含む液状熱硬化性樹脂組成物を含浸させた。なお、第一のマイカテープ及び第二のマイカテープの補強材には、マイカテープ1m2当たり20g(目付量20g/m2)のガラスクロスを用いた。含浸性を向上させるため、液状熱硬化性樹脂組成物は50℃に加温して用いた。マイカテープが巻かれたコイル導体が液状熱硬化性樹脂組成物に完全に浸漬した状態で4時間保持した後、0.7MPaの加圧雰囲気にて8時間保持した。その後、マイカテープが巻かれたコイル導体を取り出し、155℃で24時間加熱して液状熱硬化性樹脂組成物を硬化させ、実施例1の固定子コイルを得た。得られた固定子コイルの中央30cmの長さに耐電圧試験のために銀ペーストを用いて電極を配置するとともに、電界緩和のために銀ペーストの端部から固定子コイルの端部にかけてSiC塗料を塗り、100℃で3時間乾燥させた。その後、固定子コイルに交流電圧を1KV/mmの昇圧速度で印加し、絶縁破壊に至った電圧を測定した。また、固定子コイルの中心部を径方向に切断し、その断面を顕微鏡で観察し、ボイドの有無を確認した。ボイドが無い場合を含浸性良好(○)、ボイドが有る場合を含浸性不良(×)と評価した。結果を表1に示す。
[実施例2〜10]
表1に示す第一のマイカテープ及び第二のマイカテープを用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例2〜10の固定子コイルを得た。得られた固定子コイルを実施例1と同様に評価した。なお、絶縁破壊電圧は、実施例1の固定子コイルの絶縁破壊電圧の値の100%以上120%以下のものを良好(○)、80%以下のものを不良(×)と評価した。結果を表1に示す。
[比較例1〜12]
表2に示す第一のマイカテープ及び第二のマイカテープを用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較例1〜12の固定子コイルを得た。得られた固定子コイルを実施例1と同様に評価した。なお、絶縁破壊電圧は、実施例1の固定子コイルの絶縁破壊電圧の値の100%以上120%以下のものを良好(○)、80%以下のものを不良(×)と評価した。結果を表2に示す。
Figure 2020075269
Figure 2020075269
なお、汎用のマイカテープを用い、液状熱硬化性樹脂組成物の含浸性に問題がない場合、得られる固定子コイルの絶縁破壊電圧は、ばらつきを含めて、実施例1の固定子コイルの絶縁破壊電圧の値の80%程度である。従って、実施例1〜10の固定子コイルは、汎用のマイカテープを用いた固定子コイルより1.2倍以上耐電圧性が高いといえる。実施例1〜10の固定子コイルをタービン発電機に用いた場合には、固定子コイルの高耐電圧化により、コイル導体の外周の絶縁部の厚みを低減することが可能となる。これによりコイル導体の発熱が低減され、タービン発電機の高出力化及び高効率化を図ることができる。
実施例及び比較例の結果からも明らかなように、本発明の実施の形態によれば、耐電圧性の高い固定子コイル及びその製造方法を提供することができる。
1 固定子鉄心、2 スロット、3 固定子コイル、4 スペーサー、5 ウェッジ、6 コイル導体、7 絶縁部、8 第一絶縁層、9 第二絶縁層、10 マイカ粒子、11 マイカ層、12 補強材、13 樹脂、14 補強層、15 鉄心締付部材、16 保持リング、17 フレーム、18 中枠部材、19 弾性支持部材、t1 第一のマイカテープの積層厚み、t2 第二のマイカテープの積層厚み。

Claims (4)

  1. コイル導体と、
    前記コイル導体の外周に第一のマイカテープを巻いて積層させた第一絶縁層と、
    前記第一絶縁層の外周に第二のマイカテープを巻いて積層させた第二絶縁層と
    を備える固定子コイルであって、
    前記第一のマイカテープにおけるマイカ粒子の含有量が、マイカテープ1m2当たり30g以上100g以下であり、
    前記第一のマイカテープに含まれるマイカ粒子の60質量%以上が、公称目開き250μmのJIS標準篩を通過し、
    前記第一のマイカテープの積層厚みが、0.1mm以上1mm以下であり、
    前記第二のマイカテープに含まれるマイカ粒子の40質量%以下が、公称目開き250μmのJIS標準篩を通過する、
    固定子コイル。
  2. 前記コイル導体の断面形状が矩形である請求項1に記載の固定子コイル。
  3. コイル導体の外周に第一のマイカテープを巻いて厚みが0.1mm以上1mm以下となるように積層させる工程と、
    積層させた前記第一のマイカテープの外周に第二のマイカテープを巻いて積層させる工程と、
    前記第一のマイカテープ及び前記第二のマイカテープが巻かれたコイル導体に液状熱硬化性樹脂組成物を含浸させる工程と、
    前記液状熱硬化性樹脂組成物を加熱硬化させる工程と
    を含むコイルの製造方法であって、
    前記第一のマイカテープにおけるマイカ粒子の含有量が、マイカテープ1m2当たり30g以上100g以下であり、
    前記第一のマイカテープに含まれるマイカ粒子の60質量%以上が、公称目開き250μmのJIS標準篩を通過し、
    前記第二のマイカテープに含まれるマイカ粒子の40質量%以下が、公称目開き250μmのJIS標準篩を通過する、
    固定子コイルの製造方法。
  4. 固定子鉄心のスロット内に、請求項1又は2に記載の固定子コイルが収納されている回転電機。
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