JPWO2020071072A1 - 情報提供システム、移動端末、情報提供方法、及びコンピュータプログラム - Google Patents

情報提供システム、移動端末、情報提供方法、及びコンピュータプログラム Download PDF

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Abstract

動的マップ情報に基づいて、前記複数の移動体の移動状態を示す移動情報と、前記複数の移動体の外観情報と、を取得する取得部と、前記複数の移動体のうち前記移動端末を有する対象移動体と、当該対象移動体以外の他の移動体とが衝突するか否かの衝突予測を前記移動情報に基づいて行うとともに、前記対象移動体と前記他の移動体とが衝突する可能性を示す評価値を求める演算部と、前記演算部による衝突予測の結果を示す衝突予測結果を前記移動端末へ通知するか否かを判定する判定部と、を備え、前記演算部は、前記衝突予測結果に含まれる、前記対象移動体と前記他の移動体とが衝突するまでの衝突予測時間と、前記対象移動体、及び前記他の移動体それぞれの前記外観情報に応じた外観属性値と、前記移動情報から得られる、前記対象移動体、及び前記他の移動体それぞれの行動内容を示す行動情報に応じた行動属性値と、に基づいて前記評価値を求め、前記判定部は、前記衝突予測結果を前記移動端末へ通知するか否かを、前記評価値に基づいて判定する。

Description

本開示は、情報提供システム、移動端末、情報提供方法、及びコンピュータプログラムに関するものである。
本出願は、2018年10月2日出願の日本出願第2018−187530号に基づく優先権を主張し、前記日本出願に記載された全ての記載内容を援用するものである。
特許文献1には、他車両の情報を自車両に報知する交通システムが開示されている。
特開2013−109746号公報
一実施形態である情報提供システムは、複数の移動体の動的情報を地図情報に重畳した動的マップ情報に基づいて、前記複数の移動体の移動状態を示す移動情報と、前記複数の移動体の外観情報と、を取得する取得部と、前記複数の移動体のうち移動端末を有する対象移動体と、当該対象移動体以外の他の移動体とが衝突するか否かの衝突予測を前記移動情報に基づいて行うとともに、前記対象移動体と前記他の移動体とが衝突する可能性を示す評価値を求める演算部と、前記演算部による衝突予測の結果を示す衝突予測結果を前記移動端末へ通知するか否かを判定する判定部と、を備え、前記演算部は、前記衝突予測結果に含まれる、前記対象移動体と前記他の移動体とが衝突するまでの衝突予測時間と、前記対象移動体、及び前記他の移動体それぞれの前記外観情報に応じた外観属性値と、前記移動情報から得られる、前記対象移動体、及び前記他の移動体それぞれの行動内容を示す行動情報に応じた行動属性値と、に基づいて前記評価値を求め、前記判定部は、前記衝突予測結果を前記移動端末へ通知するか否かを、前記評価値に基づいて判定する。
他の実施形態である情報提供システムは、複数の移動体の動的情報を地図情報に重畳した動的マップ情報に基づいて、前記複数の移動体の移動状態を示す移動情報を取得する取得部と、前記複数の移動体のうち移動端末を有する対象移動体と、当該対象移動体以外の他の移動体とが衝突するか否かの衝突予測を前記移動情報に基づいて行うとともに、前記対象移動体と前記他の移動体とが衝突する可能性を示す評価値を求める演算部と、前記演算部による衝突予測の結果を示す衝突予測結果を前記移動端末へ通知するか否かを判定する判定部と、を備え、前記演算部は、前記移動情報に含まれる前記複数の移動体の位置情報に基づいて、前記対象移動体と前記他の移動体それぞれとの相対距離、及び前記相対距離の変位を求め、前記相対距離及び前記相対距離の変位に基づいて前記評価値を求め、前記判定部は、前記衝突予測結果を前記移動端末へ通知するか否かを、前記評価値に基づいて判定する。
また、他の実施形態である移動端末は、上記情報提供システムから前記衝突予測結果を受け付け、ユーザへ前記衝突予測結果を出力する移動端末である。
他の実施形態である情報提供方法は、移動端末へ情報提供を行う情報提供方法であって、複数の移動体の動的情報を地図情報に重畳した動的マップ情報に基づいて、前記複数の移動体の移動状態を示す移動情報と、前記複数の移動体の外観情報と、を取得する取得ステップと、前記複数の移動体のうち前記移動端末を有する対象移動体と、当該対象移動体以外の他の移動体とが衝突するか否かの衝突予測を前記移動情報に基づいて行うとともに、前記対象移動体と前記他の移動体とが衝突する可能性を示す評価値を求める演算ステップと、前記演算ステップによる衝突予測の結果を示す衝突予測結果を前記移動端末へ通知するか否かを判定する判定ステップと、を含み、前記演算ステップでは、前記衝突予測結果に含まれる、前記対象移動体と前記他の移動体とが衝突するまでの衝突予測時間と、前記対象移動体、及び前記他の移動体それぞれの前記外観情報に応じた外観属性値と、前記移動情報から得られる、前記対象移動体、及び前記他の移動体それぞれの行動内容を示す行動情報に応じた行動属性値と、に基づいて前記評価値を求め、前記判定ステップでは、前記衝突予測結果を前記移動端末へ通知するか否かを、前記評価値に基づいて判定する。
また、他の実施形態であるコンピュータプログラムは、移動端末へ情報提供を行う情報提供処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、前記コンピュータに複数の移動体の動的情報を地図情報に重畳した動的マップ情報に基づいて、前記複数の移動体の移動状態を示す移動情報と、前記複数の移動体の外観情報と、を取得する取得ステップと、前記複数の移動体のうち前記移動端末を有する対象移動体と、当該対象移動体以外の他の移動体とが衝突するか否かの衝突予測を前記移動情報に基づいて行うとともに、前記対象移動体と前記他の移動体とが衝突する可能性を示す評価値を求める演算ステップと、前記演算ステップによる衝突予測の結果を示す衝突予測結果を前記移動端末へ通知するか否かを判定する判定ステップと、を含み、前記演算ステップでは、前記衝突予測結果に含まれる、前記対象移動体と前記他の移動体とが衝突するまでの衝突予測時間と、前記対象移動体、及び前記他の移動体それぞれの前記外観情報に応じた外観属性値と、前記移動情報から得られる、前記対象移動体、及び前記他の移動体それぞれの行動内容を示す行動情報に応じた行動属性値と、に基づいて前記評価値を求め、前記判定ステップでは、前記衝突予測結果を前記移動端末へ通知するか否かを、前記評価値に基づいて判定するコンピュータプログラムである。
図1は、一実施形態にかかる無線通信システムの全体構成を示す概略図である。 図2は、エッジサーバおよびコアサーバの内部構成の一例を示すブロック図である。 図3は、通信端末を搭載した車両の車載装置の内部構成の一例を示すブロック図である。 図4は、歩行者端末の内部構成の一例を示すブロック図である。 図5は、通信端末である無線通信機を搭載した路側センサの内部構成の一例を示すブロック図である。 図6は、本実施形態にかかる情報提供システムの全体構成図である。 図7は、動的情報の更新処理および配信処理の一例を示すシーケンス図である。 図8は、衝突予測結果を提供するための機能について示したエッジサーバの機能ブロック図である。 図9は、移動体データベースの一例を示す図である。 図10は、移動体データベースにおける属性情報を登録する部分の一部を示す図であり、移動体が車両の場合における属性情報を登録するための欄を示している。 図11は、移動体データベースにおける属性情報を登録する部分の一部を示す図であり、移動体が歩行者の場合における属性情報を登録するための欄を示している。 図12は、演算部による衝突予測結果の評価値の演算処理の一例を示すフローチャートである。 図13は、図12中ステップS55の個別演算処理の一例を示すフローチャートである。 図14は、図13中の衝突予測対象の加算処理の一例を示すフローチャートである。 図15は、図14中の車両の加算処理の一例を示すフローチャートである。 図16は、図14中の歩行者の加算処理の一例を示すフローチャートである。 図17は、評価値データベースの一例を示す図である。 図18は、判定部による判定処理の一例を示すフローチャートである。 図19は、シナリオ1に係る交差点周辺の状況を示した図である。 図20は、シナリオ2に係る交差点周辺の状況を示した図である。 図21は、シナリオ3に係る交差点周辺の状況を示した図である。 図22は、シナリオ4に係る交差点周辺の状況を示した図である。 図23は、シナリオ5に係る交差点周辺の状況を示した図である。 図24は、シナリオ6に係る交差点周辺の状況を示した図である。 図25は、第2実施形態に係るエッジサーバの記憶部を示す図である。 図26は、相対距離データベースの一例を示す図である。 図27は、本実施形態の演算部31aが行う演算処理の一例を示すフローチャートである。 図28は、図27中ステップS59の相対距離に基づく加算処理の一例を示すフローチャートである。 図29は、評価値に対する加算処理の一例を示すフローチャートである。 図30は、車両対歩行者又は歩行者対車両に対応した処理の一例を示すフローチャートである。 図31は、車両対車両に対応した処理の一例を示すフローチャートである。 図32は、相対距離に基づく加算処理の後の評価値データベースの一例を示す図である。 図33は、相対距離に基づく加算処理による具体例を説明するための図である。 図34は、相対距離に基づく加算処理による他の具体例を説明するための図である。 図35は、相対距離に基づく加算処理による他の具体例を説明するための図である。 図36Aは、相対距離に基づく加算処理による他の具体例を説明するための図である。 図36Bは、相対距離に基づく加算処理による他の具体例を説明するための図である。
[本開示が解決しようとする課題]
上記従来例では、システムの中央装置が各車両から得られた車両情報に基づいて各車両の異常事象の有無を判定し、判定結果を各車両に報知するように構成されている。
上記従来例では、異常事象が生じた結果を報知するように構成されているが、例えば、このようなシステムを用いて車両(移動体)同士の間で生じる衝突を予測した結果を通知することが考えられる。
ここで、移動体同士の衝突予測を行うために移動体の現在の速度や方位等を用いれば、衝突すると予想される移動体同士が衝突するまでの衝突予測時間を求めることができる。
この衝突予測時間は短ければ短いほど衝突の可能性が高く緊急性を要していると言える。よって、衝突予測時間に応じて、移動体へ衝突予測結果を通知するか否かを判定すれば、必要性に応じた衝突予測結果の通知を行うことができる。
ところで、移動体には、車両だけでなく歩行者等の交通弱者も含まれており、各移動体の属性によって衝突の可能性が異なる場合がある。
このため、衝突予測時間だけで衝突の可能性を評価し、移動体へ衝突予測結果を通知するか否かを判定したとすると、衝突予測時間で評価した衝突の可能性と、実際の衝突の可能性との間に乖離が生じ、衝突予測結果の通知が適切に行われないことが考えられる。
そこで、通知の必要性が高い衝突予測結果を適切に移動端末へ提供することが望まれる。
本開示はこのような事情に鑑みてなされたものであり、衝突予測結果を適切に移動端末へ提供することができる技術の提供を目的とする。
[本開示の効果]
本開示によれば、衝突予測結果を適切に移動端末へ提供することができる。
最初に実施形態の内容を列記して説明する。
[実施形態の概要]
(1)一実施形態である情報提供システムは、複数の移動体の動的情報を地図情報に重畳した動的マップ情報に基づいて、前記複数の移動体の移動状態を示す移動情報と、前記複数の移動体の外観情報と、を取得する取得部と、前記複数の移動体のうち移動端末を有する対象移動体と、当該対象移動体以外の他の移動体とが衝突するか否かの衝突予測を前記移動情報に基づいて行うとともに、前記対象移動体と前記他の移動体とが衝突する可能性を示す評価値を求める演算部と、前記演算部による衝突予測の結果を示す衝突予測結果を前記移動端末へ通知するか否かを判定する判定部と、を備え、前記演算部は、前記衝突予測結果に含まれる、前記対象移動体と前記他の移動体とが衝突するまでの衝突予測時間と、前記対象移動体、及び前記他の移動体それぞれの前記外観情報に応じた外観属性値と、前記移動情報から得られる、前記対象移動体、及び前記他の移動体それぞれの行動内容を示す行動情報に応じた行動属性値と、に基づいて前記評価値を求め、前記判定部は、前記衝突予測結果を前記移動端末へ通知するか否かを、前記評価値に基づいて判定する。
上記構成によれば、衝突予測結果を通知するか否かを判定するための評価値を、衝突予測時間と、外観属性値と、行動属性値と、に基づいて求めるので、移動端末へ衝突予測結果を通知するか否かの判定に、対象移動体及び他の移動体の外観や行動を反映させることができる。
よって、例えば、外観や行動において衝突可能性の高い属性を有する移動体に関する衝突予測については、衝突予測結果が通知される方向に重み付けられるように評価値を設定することができ、通知の必要性を判定する上で、移動体の外観や行動を加味することができる。
この結果、通知の必要性を適切に判定することができ、通知の必要性が高い衝突予測結果を適切に移動端末へ提供することができる。
(2)上記情報提供システムにおいて、前記判定部が通知すると判定した移動端末に対して、前記衝突予測結果を通知する通知部をさらに備えてもよい。
この場合、評価値に基づいて衝突予測結果が必要と判定された移動端末のみに情報提供することができる。
(3)また、上記情報提供システムにおいて、前記演算部は、前記他の移動体のうち、前記対象移動体に対して衝突すると予測される移動体を、前記衝突予測結果に基づいて特定し、前記衝突すると予測される移動体の前記衝突予測時間、前記外観属性値、及び前記行動属性値を用いて前記評価値を求めるものであってもよい。
この場合、衝突すると予測される移動体の衝突予測結果に関する評価値を得ることができる。
(4)上記情報提供システムにおいて、前記移動端末を制御し、前記衝突予測結果を前記移動端末のユーザへ向けて出力する処理を前記移動端末に実行させる制御部をさらに備え、前記制御部は、前記衝突すると予測される移動体における前記外観情報及び前記行動情報に応じて前記衝突予測結果の出力態様が異なるように前記移動端末を制御するものであってもよい。
この場合、衝突すると予測される移動体の特徴に応じた出力態様でユーザに出力することができる。
(5)また、上記情報提供システムにおいて、前記他の移動体が車両である場合、前記外観属性値には、前記車両のサイズに応じた属性値、前記車両の形状に応じた属性値、前記車両の色に応じた属性値、及び、前記車両に取り付けられたナンバープレートに記載された情報に応じた属性値のうち少なくとも1つが含まれていてもよい。
(6)上記情報提供システムにおいて、前記他の移動体が歩行者である場合、前記外観属性値には、前記歩行者の身長に応じた属性値、前記歩行者の服装に応じた属性値、及び前記歩行者の装備品に応じた属性値のうち少なくとも1つが含まれていてもよい。
(7)上記情報提供システムにおいて、前記他の移動体が車両である場合、前記行動属性値には、現在の走行状態に応じた属性値、及び過去の走行履歴に応じた属性値のうち少なくとも1つが含まれていてもよい。
(8)上記情報提供システムにおいて、前記他の移動体が歩行者である場合、前記行動属性値には、前記歩行者の歩行場所に応じた属性値、前記歩行者の歩行軌跡に応じた属性値、信号機の灯色に対する動作に応じた属性値のうち少なくとも1つが含まれていてもよい。
(9)上記情報提供システムにおいて、前記演算部は、前記移動情報に含まれる前記複数の移動体の位置情報に基づいて、前記対象移動体と前記他の移動体それぞれとの相対距離、及び前記相対距離の変位を求め、前記相対距離及び前記相対距離の変位に基づく加算値を前記評価値に加算するものであってもよい。
この場合、衝突予測時間には現れないが、対象移動体と他の移動体が接近することで衝突の可能性が生じている場合において、対象移動体の移動端末へ衝突予測結果が提供されるように評価値に反映させることができる。
(10)他の実施形態である情報提供システムは、複数の移動体の動的情報を地図情報に重畳した動的マップ情報に基づいて、前記複数の移動体の移動状態を示す移動情報を取得する取得部と、前記複数の移動体のうち移動端末を有する対象移動体と、当該対象移動体以外の他の移動体とが衝突するか否かの衝突予測を前記移動情報に基づいて行うとともに、前記対象移動体と前記他の移動体とが衝突する可能性を示す評価値を求める演算部と、前記演算部による衝突予測の結果を示す衝突予測結果を前記移動端末へ通知するか否かを判定する判定部と、を備え、前記演算部は、前記移動情報に含まれる前記複数の移動体の位置情報に基づいて、前記対象移動体と前記他の移動体それぞれとの相対距離、及び前記相対距離の変位を求め、前記相対距離及び前記相対距離の変位に基づいて前記評価値を求め、前記判定部は、前記衝突予測結果を前記移動端末へ通知するか否かを、前記評価値に基づいて判定する。
上記構成によれば、衝突予測結果を通知するか否かを判定するための評価値を、対象移動体と前記他の移動体それぞれとの相対距離、及び前記相対距離の変位に基づいて求めるので、対象移動体と他の移動体とが所定の相対距離の範囲内であって、互いに接近するように相対距離が減少していれば、衝突の可能性が生じていると判定することができる。この結果、対象移動体及び他の移動体の進行方向に関わらず、対象移動体に対して衝突の可能性を有する他の移動体を幅広く評価でき、通知の必要性を適切に判定することができる。
(11)また、他の実施形態である移動端末は、上記(1)から(10)のいずれか1つの情報提供システムから前記衝突予測結果を受け付け、ユーザへ前記衝突予測結果を出力する移動端末である。
(12)また、他の実施形態である情報提供方法は、移動端末へ情報提供を行う情報提供方法であって、複数の移動体の動的情報を地図情報に重畳した動的マップ情報に基づいて、前記複数の移動体の移動状態を示す移動情報と、前記複数の移動体の外観情報と、を取得する取得ステップと、前記複数の移動体のうち前記移動端末を有する対象移動体と、当該対象移動体以外の他の移動体とが衝突するか否かの衝突予測を前記移動情報に基づいて行うとともに、前記対象移動体と前記他の移動体とが衝突する可能性を示す評価値を求める演算ステップと、前記演算ステップによる衝突予測の結果を示す衝突予測結果を前記移動端末へ通知するか否かを判定する判定ステップと、を含み、前記演算ステップでは、前記衝突予測結果に含まれる、前記対象移動体と前記他の移動体とが衝突するまでの衝突予測時間と、前記対象移動体、及び前記他の移動体それぞれの前記外観情報に応じた外観属性値と、前記移動情報から得られる、前記対象移動体、及び前記他の移動体それぞれの行動内容を示す行動情報に応じた行動属性値と、に基づいて前記評価値を求め、前記判定ステップでは、前記衝突予測結果を前記移動端末へ通知するか否かを、前記評価値に基づいて判定する。
(13)また、他の実施形態であるコンピュータプログラムは、移動端末へ情報提供を行う情報提供処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、前記コンピュータに複数の移動体の動的情報を地図情報に重畳した動的マップ情報に基づいて、前記複数の移動体の移動状態を示す移動情報と、前記複数の移動体の外観情報と、を取得する取得ステップと、前記複数の移動体のうち前記移動端末を有する対象移動体と、当該対象移動体以外の他の移動体とが衝突するか否かの衝突予測を前記移動情報に基づいて行うとともに、前記対象移動体と前記他の移動体とが衝突する可能性を示す評価値を求める演算ステップと、前記演算ステップによる衝突予測の結果を示す衝突予測結果を前記移動端末へ通知するか否かを判定する判定ステップと、を含み、前記演算ステップでは、前記衝突予測結果に含まれる、前記対象移動体と前記他の移動体とが衝突するまでの衝突予測時間と、前記対象移動体、及び前記他の移動体それぞれの前記外観情報に応じた外観属性値と、前記移動情報から得られる、前記対象移動体、及び前記他の移動体それぞれの行動内容を示す行動情報に応じた行動属性値と、に基づいて前記評価値を求め、前記判定ステップでは、前記衝突予測結果を前記移動端末へ通知するか否かを、前記評価値に基づいて判定するコンピュータプログラムである。
[実施形態の詳細]
以下、好ましい実施形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、以下に記載する各実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
〔無線通信システムの全体構成〕
図1は、一実施形態にかかる無線通信システムの全体構成を示す概略図である。図1を参照して、無線通信システムは、無線通信が可能な複数の通信端末1A〜1D、通信端末1A〜1Dと無線通信する1または複数の基地局2、基地局2と有線又は無線で通信する1または複数のエッジサーバ3、および、エッジサーバ3と有線または無線で通信する1または複数のコアサーバ4を含む。通信端末1A〜1Dを代表させて通信端末1とも称する。
コアサーバ4は、コアネットワークのコアデータセンタ(DC)に設置される。エッジサーバ3は、メトロネットワークの分散データセンタ(DC)に設置される。メトロネットワークは、たとえば都市ごとに構築された通信ネットワークである。各地のメトロネットワークは、それぞれコアネットワークに接続される。基地局2は、メトロネットワークに含まれる分散データセンタのいずれかのエッジサーバ3に通信可能に接続される。
コアサーバ4は、コアネットワークに通信可能に接続される。エッジサーバ3は、メトロネットワークに通信可能に接続される。従って、コアサーバ4は、コアネットワークおよびメトロネットワークを介して、各地のメトロネットワークに属するエッジサーバ3および基地局2と通信可能である。基地局2は、マクロセル基地局、マイクロセル基地局、およびピコセル基地局のうちの少なくとも1つよりなる。
本実施形態の無線通信システムにおいて、エッジサーバ3およびコアサーバ4は、SDN(Software−Defined Networking)が可能な汎用サーバである。基地局2および図示しないリピータなどの中継装置は、SDNが可能なトランスポート機器である。従って、ネットワーク仮想化技術により、低遅延通信と大容量通信などの相反するサービス要求条件を満足する複数の仮想的なネットワーク(ネットワークスライス)S1〜S4を、無線通信システムの物理機器に定義できる。
上記のネットワーク仮想化技術は、現時点で規格化が進行中の「第5世代移動通信システム」(以下、「5G」(5th Generation)と略記する。)の基本コンセプトである。従って、本実施形態にかかる無線通信システムは、たとえば5Gに準拠している。
もっとも、本実施形態にかかる無線通信システムは、遅延時間などの所定のサービス要求条件に応じて複数のネットワークスライス(以下、「スライス」ともいう。)S1〜S4を定義可能な移動通信システムであればよく、5Gに限定されるものではない。また、定義するスライスの階層は、4階層に限らず5階層以上であってもよい。
図1の例では、各ネットワークスライスS1〜S4は、次のように定義される。スライスS1は、通信端末1A〜1Dが、直接通信するように定義されたネットワークスライスである。スライスS1で直接通信する通信端末1A〜1Dを、「ノードN1」ともいう。
スライスS2は、通信端末1A〜1Dが、基地局2と通信するように定義されたネットワークスライスである。スライスS2における最上位の通信ノード(図例では基地局2)を、「ノードN2」ともいう。
スライスS3は、通信端末1A〜1Dが、基地局2を経由してエッジサーバ3と通信するように定義されたネットワークスライスである。スライスS3における最上位の通信ノード(図例ではエッジサーバ3)を、「ノードN3」ともいう。スライスS3では、ノードN2が中継ノードとなる。すなわち、ノードN1→ノードN2→ノードN3のアップリンク経路と、ノードN3→ノードN2→ノードN1のダウンリンク経路によりデータ通信が行われる。
スライスS4は、通信端末1A〜1Dが、基地局2およびエッジサーバ3を経由してコアサーバ4と通信するように定義されたネットワークスライスである。スライスS4における最上位の通信ノード(図例ではコアサーバ4)を、「ノードN4」ともいう。スライスS4では、ノードN2およびノードN3が中継ノードとなる。すなわち、ノードN1→ノードN2→ノードN3→ノードN4のアップリンク経路と、ノードN4→ノードN3→ノードN2→ノードN1のダウンリンク経路と、によりデータ通信が行われる。
スライスS4において、エッジサーバ3を中継ノードとしないルーティングの場合もある。この場合、ノードN1→ノードN2→ノードN4のアップリンク経路と、ノードN4→ノードN2→ノードN1のダウンリンク経路と、によりデータ通信が行われる。
スライスS2において、複数の基地局2(ノードN2)が含まれる場合は、基地局2,2間の通信を辿るルーティングも可能である。同様に、スライスS3において、複数のエッジサーバ3(ノードN3)が含まれる場合は、エッジサーバ3,3間の通信を辿るルーティングも可能である。スライスS4において、複数のコアサーバ4(ノードN4)が含まれる場合は、コアサーバ4,4の通信を辿るルーティングも可能である。
通信端末1Aは、車両5に搭載された無線通信機である。車両5には、通常の乗用車だけでなく、路線バスや緊急車両などの公共車両も含まれる。車両5は、四輪車だけでなく、二輪車(バイク)であってもよい。車両5の駆動方式は、エンジン駆動、電気モータ駆動、およびハイブリッド方式のいずれでもよい。車両5の運転方式は、搭乗者が加減速やハンドル操舵などの操作を行う通常運転、およびその操作をソフトウェアが実行する自動運転のうちのいずれでもよい。
車両5の通信端末1Aは、車両5に既設の無線通信機であってもよいし、搭乗者が車両5に持ち込んだ携帯端末であってもよい。搭乗者の携帯端末は、車両5の車内LAN(Local Area Network)に接続されることにより、一時的に車載の無線通信機となる。
通信端末1Bは、歩行者7が携帯する携帯端末(歩行者端末)である。歩行者7は、道路や駐車場などの屋外、および建物内や地下街などの屋内を徒歩で移動する人間である。歩行者7には、徒歩だけでなく、動力源を有しない自転車などに搭乗する人間も含まれる。
通信端末1Cは、路側センサ8に搭載された無線通信機である。路側センサ8は、道路に設置された画像式車両感知器、および屋外または屋内に設置された防犯カメラなどである。通信端末1Dは、交差点の交通信号制御機9に搭載された無線通信機である。
スライスS1〜S4のサービス要求条件は、次の通りである。スライスS1〜S4に許容される遅延時間D1〜D4は、D1<D2<D3<D4となるように定義される。たとえば、D1=1ms、D2=10ms、D3=100ms、D4=1sである。スライスS1〜S4に許容される所定期間(たとえば1日)当たりのデータ通信量C1〜C4は、C1<C2<C3<C4となるように定義される。たとえば、C1=20GB、C2=100GB、C3=2TB、C4=10TBである。
上記の通り、図1の無線通信システムでは、スライスS1での直接的な無線通信(たとえば、車両5の通信端末1Aが直接通信する「車車間通信」など)、および基地局2を経由するスライスS2の無線通信が可能である。もっとも、本実施形態では、図1の無線通信システムにおけるスライスS3およびスライスS4を利用した、比較的広域のサービスエリア(たとえば、市町村や都道府県を包含するエリア)に含まれるユーザに対する情報提供サービスが想定される。
〔エッジサーバおよびコアサーバの内部構成〕
図2は、エッジサーバ3およびコアサーバ4の内部構成の一例を示すブロック図である。図2を参照して、エッジサーバ3は、CPU(Central Processing Unit)などを含む制御部31、ROM(Read Only Memory)32、RAM(Random Access Memory)33、記憶部34、および、通信部35を含む。
制御部31は、ROM32に予め記憶された1または複数のプログラムをRAM33に読み出して実行することにより、各ハードウェアの動作を制御し、コンピュータ装置をコアサーバ4や基地局2などと通信可能なエッジサーバ3として機能させる。
RAM33は、SRAM(Static RAM)またはDRAM(Dynamic RAM)などの揮発性のメモリ素子で構成され、制御部31が実行するプログラムおよびその実行に必要なデータを一時的に記憶する。
記憶部34は、フラッシュメモリもしくはEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などの不揮発性のメモリ素子、または、ハードディスクなどの磁気記憶装置などにより構成される。
通信部35は、メトロネットワークを介してコアサーバ4や基地局2などと通信する機能を有している。通信部35は、制御部31から与えられた情報を、メトロネットワークを介して外部装置に送信するとともに、メトロネットワークを介して受信した情報を制御部31に与える。
記憶部34は、動的なマップ情報として動的情報マップ(以下、単に「マップ」ともいう。)M1を記憶する。マップM1は、静的情報である高精細のデジタル地図に対して、時々刻々と変化する動的情報を重畳させたデータの集合体(仮想的なデータベース)である。
マップM1を構成する情報には、下記の「動的情報」や「静的情報」が含まれる。
「動的情報」は、1秒以内の遅延時間が要求される動的なデータを指す。たとえば、ITS(Intelligent Transport Systems)先読み情報として活用される、移動体(車両および歩行者など)の位置情報、および信号情報などが動的情報に該当する。
なお、動的情報に含まれる移動体の位置情報には、通信端末1A,1Bを有することで無線通信が可能な車両5や歩行者7の位置情報の他、無線通信機能を有していない車両5や歩行者7の位置情報も含まれている。
「静的情報」は、1カ月以内の遅延時間が許容される静的なデータを指す。たとえば、路面情報、車線情報、および3次元構造物データなどが静的情報に該当する。
エッジサーバ3の制御部31は、記憶部34に格納されたマップM1の動的情報を、所定の更新周期ごとに更新する(更新処理)。具体的には、制御部31は、所定の更新周期ごとに、自装置のサービスエリア内で車両5や路側センサ8などによって取得された各種のセンサ情報を各通信端末1A〜1Dから収集し、収集したセンサ情報に基づいてマップM1の動的情報を更新する。
制御部31は、所定のユーザの通信端末1A,1Bから動的情報の要求メッセージを受信すると、所定の配信周期ごとに、最新の動的情報を要求メッセージの送信元の通信端末1A,1Bへ配信する(配信処理)。
制御部31は、交通管制センターおよび民間気象業務支援センターなどからサービスエリア内の各地の交通情報および気象情報を収集し、収集した情報に基づいて、マップM1の動的情報または静的情報を更新してもよい。
さらに図2を参照して、コアサーバ4は、CPUなどを含む制御部41、ROM42、RAM43、記憶部44、および、通信部45を含む。
制御部41は、ROM32に予め記憶された1または複数のプログラムをRAM43に読み出して実行することにより、各ハードウェアの動作を制御し、コンピュータ装置をエッジサーバ3と通信可能なコアサーバ4として機能させる。
RAM43は、SRAMまたはDRAMなどの揮発性のメモリ素子で構成され、制御部41が実行するプログラムおよびその実行に必要なデータを一時的に記憶する。
記憶部44は、フラッシュメモリもしくはEEPROMなどの不揮発性のメモリ素子、または、ハードディスクなどの磁気記憶装置などにより構成される。
通信部45は、コアネットワークを介してエッジサーバ3や基地局2などと通信する機能を有している。通信部45は、制御部41から与えられた情報を、コアネットワークを介して外部装置に送信するとともに、コアネットワークを介して受信した情報を制御部41に与える。
図2に示すように、コアサーバ4の記憶部44は情報マップM2を記憶する。マップM2のデータ構造(動的情報および静的情報を含むデータ構造)は、マップM1のデータ構造と同様である。マップM2は、特定のエッジサーバ3のマップM1と同じサービスエリアのマップでもよいし、複数のエッジサーバ3が保持する各マップM1を統合した、より広域のマップであってもよい。
コアサーバ4の制御部41は、エッジサーバ3と同様に、記憶部44に格納されたマップM2の動的情報を更新する更新処理と、要求メッセージに応答して動的情報を配信する配信処理と、を行ってもよい。すなわち、制御部41は、エッジサーバ3から独立して、自装置のマップM2に基づく更新処理および配信処理を行うことができる。
すなわち、制御部41は、エッジサーバ3とは別に、自装置のマップM2に基づく動的情報の更新処理及び配信処理を独自に実行可能である。
もっとも、スライスS4に属するコアサーバ4は、スライスS3に属するエッジサーバ3に比べて、通信端末1A〜1Dとの通信の遅延時間が大きい。
このため、コアサーバ4がマップM2の動的情報を独自に更新しても、エッジサーバ3が管理するマップM1の動的情報に比べてリアルタイム性に劣る。
そこで、例えば所定のエリアごとに定義した優先度に応じて、エッジサーバ3の制御部31とコアサーバ4の制御部41が動的情報の更新処理及び配信処理を分散的に処理してもよい。
〔車載装置の内部構成〕
図3は、通信端末1Aを搭載した車両5の車載装置50の内部構成の一例を示すブロック図である。
図3を参照して、車両5に搭載される車載装置50は、制御部(ECU:Electronic Control Unit)51、GPS受信機52、車速センサ53、ジャイロセンサ54、記憶部55、ディスプレイ56、スピーカ57、入力デバイス58、車載カメラ59、レーダセンサ60、および、通信部61を含む。
通信部61は、前述の通信端末1A(5Gに準拠した通信が可能な無線通信機)である。従って、車両5の車載装置50は、スライスS3に属する移動端末の一種として、エッジサーバ3と通信することができる。また、車両5の車載装置50は、スライスS4に属する移動端末の一種として、コアサーバ4と通信することもできる。
制御部51は、車両5の経路探索および他の電子機器52〜61の制御などを行うコンピュータ装置である。制御部51は、GPS受信機52が定期的に取得するGPS信号により自車両の車両位置を求める。また、制御部51は、車速センサ53およびジャイロセンサ54の入力信号に基づいて、車両位置および方位を補完し、車両5の正確な現在位置および方位を把握する。
GPS受信機52、車速センサ53およびジャイロセンサ54は、車両5の現在位置、速度および向きを計測するセンサ類である。
記憶部55は、地図データベースを含む。地図データベースは、制御部51に道路地図データを提供する。道路地図データは、リンクデータやノードデータを含み、DVD、CD−ROM、メモリカード、またはHDDなどの記録媒体に格納されている。記憶部55は、記録媒体から必要な道路地図データを読み出して制御部51に提供する。
ディスプレイ56およびスピーカ57は、制御部51が生成した各種情報を車両5の搭乗者であるユーザに通知するための出力装置である。具体的には、ディスプレイ56は、経路探索の際の入力画面、自車周辺の地図画像および目的地までの経路情報などを表示する。スピーカ57は、車両5を目的地に誘導するためのアナウンスなどを音声出力する。これらの出力装置は、通信部61が受信した提供情報を搭乗者に通知することもできる。
入力デバイス58は、車両5の搭乗者が各種の入力操作を行うためデバイスである。入力デバイス58は、ハンドルに設けた操作スイッチ、ジョイスティックディスプレイ56に設けたタッチパネル、およびこれらの組合せなどである。入力デバイス58は、搭乗者の音声認識によって入力を受け付ける音声認識装置であってもよい。入力デバイス58が生成した入力信号は、制御部51に送信される。
車載カメラ59は、車両5の前方の映像を取り込む画像センサである。車載カメラ59は、単眼または複眼のいずれでもよい。レーダセンサ60は、ミリ波レーダやLiDAR方式などにより車両5の前方や周囲に存在する物体を検出するセンサである。
制御部51は、車載カメラ59およびレーダセンサ60による計測データに基づいて、運転中の搭乗者に対する注意喚起をディスプレイ56に出力させたり、強制的なブレーキ介入を行ったりする運転支援制御を実行することができる。
制御部51は、記憶部55に格納された各種の制御プログラムを実行する、マイクロコンピュータなどの演算処理装置により構成される。
制御部51は、上記制御プログラムを実行することにより実現される機能として、ディスプレイ56に地図画像を表示させる機能、出発地から目的地までの経路(中継地がある場合はその位置を含む。)を算出する機能、および、算出した経路に従って車両5を目的地まで誘導する機能など、各種のナビゲーション機能を有する。
制御部51は、車載カメラ59およびレーダセンサ60のうちの少なくとも1つの計測データに基づいて、自車両の前方または周囲の物体を認識する物体認識処理と、認識した物体までの距離を算出する測距処理とを実行する機能を有する。
制御部51は、測距処理により算出した距離と、自車両のセンサ位置とから、物体認識処理によって認識した物体の位置情報を算出できる。
制御部51は、エッジサーバ3(コアサーバ4であってもよい。)との通信において、以下の各処理を実行可能である。
1)要求メッセージの送信処理
2)動的情報の受信処理
3)変化点情報の生成処理
4)変化点情報の送信処理
要求メッセージの送信処理は、エッジサーバ3が逐次更新するマップM1の動的情報の配信を要求する制御パケットを、エッジサーバ3に送信する処理である。当該制御パケットは、自車両の車両IDを含む。
エッジサーバ3は、所定の車両IDを含む要求メッセージを受信すると、送信元の車両IDを有する車両5の通信端末1A宛てに、動的情報を所定の配信周期で配信する。
動的情報の受信処理は、自装置に宛ててエッジサーバ3が配信した動的情報を受信する処理である。
制御部51による変化点情報の生成処理は、受信した動的情報と、受信時点における自車両のセンサ情報との比較結果から、それらの情報間の変化を算出し、両情報間の差分に関する情報である変化点情報を生成する処理である。
制御部51が生成する変化点情報は、たとえば、次の情報例a1〜a2である。
情報例a1:認識物体に関する変化点情報
制御部51は、受信した動的情報には含まれない物体X(車両、歩行者等の移動体および障害物など)を、自身の物体認識処理により検出した場合は、検出した物体Xの画像データと位置情報とを変化点情報とする。制御部51は、受信した動的情報に含まれる物体Xの位置情報と、自身の物体認識処理により求めた物体Xの位置情報とが、所定の閾値以上ずれている場合は、検出した物体Xの画像データと、両者の位置情報の差分値とを変化点情報とする。
情報例a2:自車両に関する変化点情報
制御部51は、受信した動的情報に含まれる自車両の位置情報と、GPS信号により自身が算出した自車両の車両位置とが、所定の閾値以上ずれている場合は、両者の差分値を変化点情報とする。制御部51は、受信した動的情報に含まれる自車両の方位と、ジャイロセンサ54の計測データから自身が算出した自車両の方位とが、所定の閾値以上ずれている場合は、両者の差分値を変化点情報とする。
制御部51は、上記のようにして変化点情報を生成すると、生成した変化点情報と、自車両の車両IDとを含むエッジサーバ3宛の通信パケットを生成する。
変化点情報の送信処理は、変化点情報を含む上記の通信パケットを、エッジサーバ3宛てに送信する処理である。変化点情報の送信処理は、エッジサーバ3による動的情報の配信周期内に行われる。
制御部51は、エッジサーバ3などから受信した動的情報に基づいて、運転中の搭乗者に対する注意喚起をディスプレイ56に出力させたり、強制的なブレーキ介入を行ったりする運転支援制御を実行することもできる。
〔歩行者端末の内部構成〕
図4は、歩行者端末70(通信端末1B)の内部構成の一例を示すブロック図である。
図4の歩行者端末70は、たとえば5Gに準拠した通信処理が可能な無線通信機である。従って、歩行者端末70は、スライスS3に属する移動端末の一種として、エッジサーバ3と通信することができる。また、歩行者端末70は、スライスS4に属する移動端末の一種として、コアサーバ4と通信することもできる。
図4を参照して、歩行者端末70は、制御部71、記憶部72、表示部73、操作部74、および、通信部75を含む。
通信部75は、5Gサービスを提供するキャリアの基地局2と無線通信する通信インターフェースである。通信部75は、基地局2からのRF信号をデジタル信号に変換して制御部71に出力する。また、通信部75は、制御部71から入力されたデジタル信号をRF信号に変換して、基地局2に送信する。
制御部71は、CPU、ROMおよびRAMを含む。制御部71は、記憶部72に記憶されたプログラムを読み出して実行し、歩行者端末70の全体の動作を制御する。
記憶部72は、ハードディスクや不揮発性のメモリなどより構成され、各種のコンピュータプログラムやデータを記憶する。また、記憶部72は、歩行者端末70の識別情報である携帯IDを記憶する。携帯IDは、たとえば、キャリア契約者の固有のユーザIDやMACアドレスなどである。
さらに、記憶部72は、ユーザが任意にインストールした各種のアプリケーションソフトを記憶している。記憶部72が記憶するアプリケーションソフトは、例えば、エッジサーバ3(コアサーバ4でもよい。)との通信により、マップM1の動的情報などを受信する情報提供サービスを享受するためのアプリケーションソフトを含む。
操作部74は、各種の操作ボタンや表示部73のタッチパネル機能により構成される。操作部74は、ユーザの操作に応じた操作信号を制御部71に出力する。
表示部73は、たとえば液晶ディスプレイである。表示部73は、各種の情報をユーザに提示する。たとえば、表示部73は、サーバ3,4から送信された情報マップM1,M2の画像データなどを画面表示する。
制御部71は、GPS信号から現在時刻を取得する時刻同期機能と、GPS信号から自車両の現在位置(緯度、経度及び高度)を計測する位置検出機能と、方位センサによって歩行者7の向きを計測する方位検出機能と、をさらに有する。
制御部71は、エッジサーバ3(コアサーバ4であってもよい。)との通信において、以下の各処理を実行可能である。
1)要求メッセージの送信処理
2)動的情報の受信処理
3)変化点情報の生成処理
4)変化点情報の送信処理
要求メッセージの送信処理は、エッジサーバ3が逐次更新するマップM1の動的情報の配信を要求する制御パケットを、エッジサーバ3に送信する処理である。当該制御パケットは、歩行者端末70の携帯IDを含む。
エッジサーバ3は、所定の携帯IDを含む要求メッセージを受信すると、送信元の携帯IDを有する歩行者7の通信端末1B宛てに、動的情報を所定の配信周期で配信する。
動的情報の受信処理は、自装置に宛ててエッジサーバ3が配信した動的情報を受信する処理である。
制御部71による変化点情報の生成処理は、受信した動的情報と、受信時点における自車両のセンサ情報との比較結果から、それらの情報間の変化を算出し、両情報間の差分に関する情報である変化点情報を生成する処理である。
制御部71が生成する変化点情報は、たとえば、次の情報例である。
情報例:自車両に関する変化点情報
制御部71は、受信した動的情報に含まれる自歩行者7の位置情報と、GPS信号により自身が算出した自歩行者7の位置とが、所定の閾値以上ずれている場合は、両者の差分値を変化点情報とする。制御部71は、受信した動的情報に含まれる自歩行者7の方位と、方位センサによって算出した自歩行者7の方位とが、所定の閾値以上ずれている場合は、両者の差分値を変化点情報とする。
制御部71は、上記のようにして変化点情報を生成すると、生成した変化点情報と、自端末70の携帯IDとを含むエッジサーバ3宛の通信パケットを生成する。
変化点情報の送信処理は、変化点情報を含む上記の通信パケットを、エッジサーバ3宛てに送信する処理である。変化点情報の送信処理は、エッジサーバ3による動的情報の配信周期内に行われる。
以上のように、制御部71は、変化点情報の生成処理及び変化点情報の送信処理を行うことで、自端末70の位置及び方位情報などを含む状態情報を、エッジサーバ3へ送信する。
〔路側センサの内部構成〕
図5は、通信端末1Cである無線通信機を搭載した路側センサ8の内部構成の一例を示すブロック図である。図5を参照して、路側センサ8は、制御部81、記憶部82、路側カメラ83、レーダセンサ84、および、通信部85を含む。
通信部85は、前述の通信端末1C、すなわち、たとえば5Gに準拠した通信処理が可能な無線通信機である。従って、路側センサ8は、スライスS3に属する固定端末の一種として、エッジサーバ3と通信することができる。また、路側センサ8は、スライスS4に属する固定端末の一種として、コアサーバ4と通信することもできる。
制御部81は、CPU、ROMおよびRAMを含む。制御部81は、記憶部82に記憶されたプログラムを読み出して実行し、路側センサ8の全体の動作を制御する。
記憶部82は、ハードディスクや不揮発性のメモリなどより構成され、各種のコンピュータプログラムやデータを記憶する。また、記憶部82は、路側センサ8の識別情報であるセンサIDを記憶する。センサIDは、たとえば、路側センサ8の所有者固有のユーザIDやMACアドレスなどである。
路側カメラ83は、所定の撮影エリアの映像を取り込む画像センサである。路側カメラ83は、単眼または複眼のいずれでもよい。レーダセンサ60は、ミリ波レーダやLiDAR方式などにより車両5の前方や周囲に存在する物体を検出するセンサである。
路側センサ8が防犯カメラである場合、制御部81は、取り込んだ映像データなどを防犯管理者のコンピュータ装置に送信する。路側センサ8が画像式車両感知器である場合、制御部81は、取り込んだ映像データなどを交通管制センターに送信する。
制御部81は、路側カメラ83およびレーダセンサ84のうちの少なくとも1つの計測データに基づいて、撮影エリア内の物体を認識する物体認識処理と、認識した物体までの距離を算出する測距処理と、を実行する機能を有する。制御部51は、測距処理により算出した距離と、自車両のセンサ位置とから、物体認識処理によって認識した物体の位置情報を算出できる。
制御部81は、エッジサーバ3(コアサーバ4であってもよい。)との通信において、以下の各処理を実行可能である。
1)変化点情報の生成処理
2)変化点情報の送信処理
路側センサ8における変化点情報の生成処理は、所定の計測周期(たとえば、エッジサーバ3による動的情報の配信周期)ごとの、前回のセンサ情報と今回のセンサ情報との比較結果から、それらのセンサ情報間の変化を算出し、両情報間の差分に関する情報である変化点情報を生成する処理である。
路側センサ8が生成する変化点情報は、たとえば、次の情報例b1である。
情報例b1:認識物体に関する変化点情報
制御部81は、前回の物体認識処理では検出されなかった物体Y(車両、歩行者等の移動体及び障害物など)を、今回の物体認識処理により検出した場合は、検出した物体Yの画像データと位置情報を変化点情報とする。
制御部81は、前回の物体認識処理により求めた物体Yの位置情報と、今回の物体認識処理により求めた物体Yの位置情報とが、所定の閾値以上ずれている場合は、検出した物体Yの位置情報と、両者の差分値とを変化点情報とする。
制御部81は、上記のようにして変化点情報を生成すると、生成した変化点情報と、自装置のセンサIDとを含むエッジサーバ3宛の通信パケットを生成する。
変化点情報の送信処理は、変化点情報をデータに含む上記の通信パケットを、エッジサーバ3宛てに送信する処理である。変化点情報の送信処理は、エッジサーバ3による動的情報の配信周期内に行われる。
〔情報提供システムの全体構成〕
図6は、本実施形態にかかる情報提供システムの全体構成図である。
図6を参照して、本実施形態にかかる情報提供システムは、比較的広範囲であるエッジサーバ3のサービスエリア(リアルワールド)に散在する多数の車両5、歩行者端末70、および路側センサ8と、これらの通信ノードと基地局2を介して行われる5Gに準拠した通信などにより低遅延での無線通信が可能であって、情報提供装置として機能するエッジサーバ3と、を含む。つまり、情報提供システムは、上述の無線通信システムの一部又は全部を含んで構成される。
なお、エッジサーバ3のサービスエリアに存在する移動体には、通信端末1Aや車載装置50が搭載されることで無線通信が可能な車両5や、歩行者端末70を携帯する歩行者7の他、無線通信機能を有していない車両5、歩行者端末70を携帯しない歩行者7も含まれている。
エッジサーバ3は、サービスエリア内の車両5の車載装置50や、歩行者端末70、路側センサ8などから、前述の変化点情報を所定周期で収集する(ステップS31)。
エッジサーバ3は、収集した変化点情報をマップマッチングによって統合し(統合処理)、管理中の情報マップM1の動的情報を更新する(ステップS32)。
エッジサーバ3は、車両5の車載装置50または歩行者端末70から要求があれば、最新の動的情報を要求元の通信ノードに送信する(ステップS33)。これにより、たとえば動的情報を受信した車両5は、搭乗者の運転支援などに動的情報を活用することができる。
なお、エッジサーバ3は、ステップS32で更新したマップM1を動的情報として要求元の通信ノードに送信してもよい。
動的情報を受信した車両5は、動的情報に基づいて自車両のセンサ情報との変化点情報を検出すると、検出した変化点情報をエッジサーバ3に送信する(ステップS34)。
このように、本実施形態の情報提供システムでは、変化点情報の収集(ステップS31)→動的情報の更新(ステップS32)→動的情報の配信(ステップS33)→車両による変化点情報の検出(ステップS34)→変化点情報の収集(ステップS31)の順で、各通信ノードにおける情報処理が循環する。
図6は1つのエッジサーバ3のみを含む情報提供システムを例示しているが、情報提供システムは複数のエッジサーバ3を含んでもよいし、エッジサーバ3の替わりに、あるいはエッジサーバ3に加えて、1または複数のコアサーバ4を含んでもよい。
また、エッジサーバ3が管理する情報マップM1は、デジタル地図などの地図情報に少なくとも物体の動的情報が重畳されたマップであればよい。この点は、コアサーバの情報マップM2の場合も同様である。
〔動的情報の更新処理および配信処理〕
図7は、歩行者端末70、車両5の車載装置50、路側センサ8、およびエッジサーバ3の協働により実行される、動的情報の更新処理および配信処理の一例を示すシーケンス図である。
以下の説明では、実行主体が歩行者端末70、車両5の車載装置50、路側センサ8およびエッジサーバ3となっているが、実際の実行主体は、それらの制御部71,51,81,31である。
なお、図7中のU1,U2・・・は、動的情報の配信周期である。
図7を参照して、エッジサーバ3は、歩行者端末70および車両5の車載装置50から動的情報の要求メッセージを受信すると(ステップS1)、受信時点において最新の動的情報を、送信元の歩行者端末70および車両5の車載装置50に配信する(ステップS2)。
ステップS1でエッジサーバ3は、受信した要求メッセージを解析し、当該メッセージに含まれる要求元を示す情報が予め登録されている通信端末1を示す情報である場合に、当該要求メッセージの送信元に対して動的情報を送信してもよい。
ステップS1において、歩行者端末70および車載装置50のうちのいずれか一方から要求メッセージがあった場合には、ステップS2において、要求メッセージの送信元である一方の通信端末のみに動的情報が配信される。
ステップS2で配信された動的情報を受信した歩行者端末70は、配信周期U1内に、変化点情報を生成すると(ステップS3)、生成した変化点情報をエッジサーバ3に送信する(ステップS6)。
ステップS2で配信された動的情報を受信した車載装置50は、配信周期U1内に、動的情報と自身のセンサ情報との比較結果から変化点情報を生成すると(ステップS4)、生成した変化点情報をエッジサーバ3に送信する(ステップS6)。
また、路側センサ8は、配信周期U1内に、自身のセンサ情報の変化点情報を生成すると、生成した変化点情報をエッジサーバ3に送信する(ステップS6)。
エッジサーバ3は、更新周期U1内に、歩行者端末70、車載装置50および路側センサ8から変化点情報を受信すると、それらの変化点情報を反映した動的情報に更新し(ステップS7)、更新後の動的情報を歩行者端末70および車載装置50に配信する(ステップS8)。
例えば、配信周期U1内に、車載装置50のみが変化点情報を生成した場合は、ステップS4で車載装置50が生成した変化点情報のみがエッジサーバ3に送信され(ステップS6)、その変化点情報のみを反映した動的情報の更新が行われる(ステップS7)。
また、配信周期U1内に、歩行者端末70、車載装置50、および路側センサ8が変化点情報をしなかった場合は、ステップS3〜S7の処理が実行されず、前回送信分の動的情報(ステップS2)と同じ動的情報が歩行者端末70および車載装置50に配信される(ステップS8)。
このように、エッジサーバ3は、配信周期U1内に送信された変化点情報に基づき、ステップS7における動的情報の更新を行う。
ステップS8で配信された動的情報を受信した歩行者端末70は、配信周期U2内に、変化点情報を生成すると(ステップS9)、生成した変化点情報をエッジサーバ3に送信する(ステップS12)。
ステップS8で配信された動的情報を受信した車載装置50は、配信周期U2内に、動的情報と自身のセンサ情報との比較結果から変化点情報を生成すると(ステップS10)、生成した変化点情報をエッジサーバ3に送信する(ステップS12)。
また、路側センサ8は、配信周期U2内に、自身のセンサ情報の変化点情報を生成すると、生成した変化点情報をエッジサーバ3に送信する(ステップS12)。
エッジサーバ3は、配信周期U2内に車載装置50および路側センサ8から変化点情報を受信すると、それらの変化点情報を反映した動的情報に更新し(ステップS13)、更新後の動的情報を歩行者端末70および車載装置50に配信する(ステップS14)。
このように、エッジサーバ3は、配信周期U2内に送信された変化点情報に基づき、ステップS13における動的情報の更新を行う。
ステップS14以降の処理は、歩行者端末70および車両5の双方から、動的情報の配信停止の要求メッセージを受信するか、または、歩行者端末70および車両5の通信が遮断されるまで、上記と同様のシーケンスによって繰り返される。
〔第1実施形態について〕
〔移動端末に対する情報提供〕
本実施形態の情報提供システムは、サービスエリア内に位置する1又は複数の移動体に搭載された歩行者端末70や、車両5の車載装置50に対して衝突予測結果を提供する機能を有している。なお、衝突予測結果とは、車載装置50や歩行者端末70を備えた移動体と、当該移動体以外の他の移動体とが衝突するか否かを予測したときの予測結果を示す情報である。衝突予測結果には、衝突が予測される移動体の属性等の情報や、衝突が予測される移動体が接近してくる方向、衝突予測時間等が含まれる。
図8は、第1実施形態に係る衝突予測結果を提供するための機能について示したエッジサーバ3の機能ブロック図である。
エッジサーバ3の制御部31は、演算部31a、判定部31b、通知部31c、検出部31dを機能的に有している。これら各機能は、記憶部34に記憶されたプログラムを制御部31が実行することで実現される。
演算部31aは、動的情報マップM1に基づいて、動的情報マップM1が表すサービスエリア内に位置する移動体(歩行者7、車両5)に搭載された移動端末(歩行者端末70及び車載装置50)それぞれにおける衝突予測を行い、その衝突予測結果についての評価値を求める機能を有している。演算部31aは、動的情報マップM1から得られる情報が登録された移動体データベース34a(後に説明する)を参照し、衝突予測結果についての評価値を求める。
判定部31bは、移動端末(歩行者端末70及び車載装置50)が搭載された移動体における衝突予測結果を当該移動端末へ通知するか否かを、前記評価値に基づいて判定する機能を有している。
通知部31cは、判定部31bの判定結果に基づいて、移動端末へ衝突予測結果を通知する機能を有している。
検出部31dは、動的情報マップM1の動的情報に位置情報が含まれている複数の移動体(歩行者7、車両5)を検出し、各移動体の状況を示す移動体情報を生成する機能を有している。
また、記憶部34には、上述の動的情報マップM1の他、移動体データベース34a及び評価値データベース34bが記憶されている。
図9は、移動体データベース34aの一例を示す図である。
図9に示すように、移動体データベース34aには、検出部31dが生成する移動体情報が登録されている。
移動体データベース34aは、検出部31dによって管理、更新される。
検出部31dは、動的情報マップM1を参照し、動的情報に新たな移動体(歩行者7、車両5)の位置情報が登録されると、その移動体に移動体IDを付与し、移動体IDに対応する移動体情報を生成して移動体データベース34aに登録する。このように、検出部31dは、動的情報マップM1に位置情報が登録されている移動体を検出するとともに、移動体それぞれに移動体IDを付与し、移動体情報を生成する。
移動体情報には、通信機能の有無に関する情報、車両ID(携帯ID)、移動体の属性情報、位置情報、移動方向を示す方位情報、及び移動速度を示す速度情報といった情報が含まれる。属性情報は、各移動体の属性を示す情報である。移動体の属性には、移動体の外観に関する属性や、移動体の行動に関する属性等、複数の属性が含まれている。なお、属性情報は車両と歩行者とで区別されている。属性情報は、移動体における複数の属性それぞれに関する属性内容を示す情報を含む。
移動体データベース34aには、移動体ID、通信機能の有無に関する情報、車両ID(携帯ID)、移動体の属性情報、位置情報、方位情報、及び速度情報それぞれを登録するための欄が設けられている。
移動体データベース34aにおける各情報は、移動体IDに対応付けられて登録されている。
検出部31d(取得部)は、動的情報マップM1を参照し、移動体それぞれの移動体情報を生成する。検出部31dは、移動体情報のうち、動的情報マップM1に含まれている通信機能の有無に関する情報、車両ID(携帯ID)、及び位置情報については、動的マップ情報M1に含まれる情報をそのまま取得して移動体データベース34aへ登録する。
検出部31dは、動的情報マップM1に含まれる移動体それぞれの位置情報の経時変化に基づいて方位情報及び速度情報を算出する。
図10及び図11は、移動体データベース34aにおける属性情報を登録する部分の一部を示す図である。図10は、移動体が車両の場合における属性情報を登録するための欄を示している。図11は、移動体が歩行者の場合における属性情報を登録するための欄を示している。
図10に示すように、車両の属性情報は、外観属性と、行動属性とを含む。
外観属性には、「サイズ」、「形状」、「色」、及び「ナンバープレートの表示」の4種類の属性が含まれる。これら属性の内容は予め設定されており、予め設定された複数の属性内容の中から対象の車両に該当する属性内容(外観情報)が移動体IDに対応付けられて登録される。
「サイズ」における属性内容には、大型、中型、及び小型が含まれる。バスやトラック等は大型と判定され、軽自動車は小型と判定され、それ以外の一般乗用車は中型と判定される。
「形状」における属性内容には、セダン、クーペ、ワゴン、ミニバン、SUV、オープンカー、及びトラックが含まれる。
「色」における属性内容には、高明度、及び低明度が含まれる。
「ナンバープレートの表示」における属性内容には、対象の車両5に取り付けられたナンバープレートの地名表示(自動車の使用の本拠を管轄する運輸支局の地名)が含まれる。
検出部31dは、動的情報マップM1に含まれる、カメラ等によって撮像された移動体の画像データを参照し、上述の車両5の外観属性に関する情報を取得する。
図10中、行動属性には、過去の走行履歴が含まれる。より具体的に、行動属性には、「過去の車線変更数」、「過去の急ハンドル急ブレーキ数」、「警報後の車線変更数」、及び「警報後の急ハンドル急ブレーキ数」の4種類の属性が含まれる。「過去の車線変更数」とは、対象の車両5が過去一定期間に車線変更をした回数を示す。「過去の急ハンドル急ブレーキ数」とは、対象の車両5が過去一定期間に急ハンドル操作又は急ブレーキ操作をした回数を示す。「警報後の車線変更数」とは、後述するエッジサーバ3によって対象の車両5の車載装置50へ通知される警報後に当該車両5が車線変更をした回数を示す。「警報後の急ハンドル急ブレーキ数」とは、警報後に車両5が急ハンドル急ブレーキ操作をした回数を示す。
検出部31dは、各移動体の過去の動的情報(に含まれる位置情報)を記憶部34に記憶し、過去の動的情報に基づいて、各移動体の過去に移動した軌跡情報を生成する機能を有している。この軌跡情報には、移動体の速度情報も含まれている。よって、車両5の場合、軌跡情報に基づいて、急ハンドル急ブレーキ操作がなされたことを検出することができる。また、軌跡情報に基づいて、直進時に車線を変更する車線変更がなされたことも検出することができる。
検出部31dは、各車両5の軌跡情報に基づいて、各車両5による車線変更、及び急ハンドル急ブレーキ操作を検出し、各車両5が車線変更を行った回数、及び急ハンドル急ブレーキ操作を行った回数をカウントする機能を有している。
なお、エッジサーバ3は、検出部31dがカウントする車線変更を行った回数、及び急ハンドル急ブレーキ操作を行った回数に基づいて、車載装置50に対して警報を通知する機能を有している。エッジサーバ3は、所定期間内に一定回数以上の車線変更及び急ハンドル急ブレーキ操作を行った車載装置50に対して警報を通知する。
検出部31dは、この警報が通知された車載装置50については、警報後の各車両5が車線変更を行った回数、及び急ハンドル急ブレーキ操作を行った回数もカウントする。
検出部31dは、これら機能により、「過去の車線変更数」、「過去の急ハンドル急ブレーキ数」、「警報後の車線変更数」、及び「警報後の急ハンドル急ブレーキ数」に関する情報(行動情報)を取得する。
図11に示すように、歩行者の属性情報も、車両の属性情報と同様、外観属性と、行動属性とを含む。
外観属性には、「身長」、「服装」、「イヤホン又はわき見」、及び「松葉杖又は車椅子」の4種類の属性が含まれる。
「服装」、「イヤホン又はわき見」、及び「松葉杖又は車椅子」の属性の内容は予め設定されており、予め設定された複数の属性内容(外観情報)の中から対象の歩行者に該当する属性内容が登録される。
「身長」における属性内容には、歩行者の身長が登録される。「服装」における属性内容には、学生、及び学生以外が含まれる。「服装」における属性内容が学生の場合、歩行者の服装が学校の制服や帽子を着用していることを示す。「服装」における属性内容が学生以外の場合、歩行者の服装が学校の制服ではないことを示す。
「イヤホン又はわき見」における属性内容には、該当、及び非該当が含まれる。「イヤホン又はわき見」における属性内容が該当である場合、歩行者がイヤホンを装着していたり、歩きながらスマートフォン等の端末を見ていたりしていることを示す。「イヤホン又はわき見」における属性内容が非該当である場合、普通に歩行していることを示す。
「松葉杖又は車椅子」における属性内容には、該当、及び非該当が含まれる。「松葉杖又は車椅子」における属性内容が該当である場合、歩行者が松葉杖又は車椅子を利用していることを示す。「松葉杖又は車椅子」における属性内容が非該当である場合、普通に歩行していることを示す。
図11中、行動属性には、「歩行場所」、「信号無視」、及び「歩行軌跡」の4種類の属性が含まれる。「歩行場所」における属性内容には、車道、歩道、及びその他が含まれる。「歩行場所」における属性内容が車道の場合、対象の歩行者7が車道を歩行していることを示す。「歩行場所」における属性内容が歩道の場合、対象の歩行者7が歩道又は横断歩道を歩行していることを示す。「歩行場所」における属性内容がその他の場合、対象の歩行者7が建物の中等を歩行していることを示す。
「信号無視」における属性内容には、該当、及び非該当が含まれる。「信号無視」における属性内容が該当である場合、現在信号無視をしていることを示す。「信号無視」における属性内容が非該当である場合、現在信号無視をしていないことを示す。
「歩行軌跡」における属性内容には、直行、及び蛇行が含まれる。「歩行軌跡」における属性内容が蛇行である場合、対象の歩行者7の直近の歩行軌跡が蛇行していることを示している。「歩行軌跡」における属性内容が直行である場合、対象の歩行者7の直近の歩行軌跡が直行していることを示している。
検出部31dは、動的情報マップM1に含まれるカメラ等によって撮像された移動体の画像データ等を参照するとともに上述の軌跡情報を参照し、歩行者それぞれの各属性に関する情報(行動情報)を取得する。
なお、動的情報マップM1に移動体(車両及び歩行者)の画像データ等が含まれない場合、検出部31dは、動的情報マップM1を更新するための変化点情報に含まれる画像データ等を用いることができる。
検出部31dは、取得した属性に関する情報に基づいて、移動体それぞれの属性情報を生成する。
検出部31dは、移動体それぞれの移動体情報の生成と、移動体情報の移動体データベース34aへの登録を繰り返し実行し、移動体データベース34aを随時更新する。これにより、移動体データベース34aに登録されている移動体情報は、最新の情報に維持される。
また、図8中の評価値データベース34bは、演算部31aが求める衝突予測結果の評価値を登録するためのデータベースである。評価値データベース34bについては後に説明する。
〔評価値の演算処理〕
図12は、演算部31aによる衝突予測結果の評価値の演算処理の一例を示すフローチャートである。
図12に示すように、まず、演算部31aは、移動体データベース34aを読み込み(ステップS51)、通信機能を有する移動体を評価対象として特定する(ステップS52)。衝突予測結果は、歩行者端末70や車載装置50を有している移動体に提供可能である。よって、演算部31aは、歩行者端末70や車載装置50を有している移動体を、評価値を求める評価対象として特定する。
つまり、評価対象とは、演算部31aにより評価値が求められる移動端末を指す。
なお、以下の説明において、評価対象(対象移動体)とは、歩行者端末70や車載装置50を有している移動体である歩行者7や車両5の他、移動体に携帯又は搭載されている歩行者端末70又は車載装置50を指すことがある。また、歩行者端末70を所持する人が搭乗する車両5も評価対象に含まれる。
次いで、演算部31aは、評価値演算処理を行う(ステップS53)。
演算部31aは、評価値演算処理において、特定した評価対象それぞれに対して順次処理を実行し、評価対象の全てに対して処理するまで処理を繰り返す。
まず、演算部31aは、ステップS55へ進み、個別演算処理を行う。演算部31aは、個別演算処理において評価対象の評価値を求める(ステップS55)。
図13は、図12中ステップS55の個別演算処理の一例を示すフローチャートである。
図13に示すように、演算部31aは、評価対象以外の移動体(他の移動体)を特定し(ステップS61)、評価対象(対象移動体)と、他の移動体との衝突予測時間を、他の移動体それぞれについて算出する(ステップS62)。
なお、他の移動体には、歩行者端末70又は車載装置50を搭載した移動体も含まれる。
演算部31aは、移動体データベース34aを参照し、評価対象、及び他の移動体それぞれの位置情報、方位情報、及び速度情報から、評価対象と、他の移動体とが衝突するとした場合の衝突予測時間を求める。
演算部31aは、位置情報、及び方位情報から衝突の可能性がない場合、衝突予測時間を極端に大きい所定値(例えば、5分)に設定する。また、演算部31aは、求めた衝突予測時間が前記所定値以上となる場合も、衝突予測時間を前記所定値に設定する。
このように、演算部31aは、動的情報マップM1に基づいて、評価対象と他の移動体との衝突を予測し、衝突予測時間を求める。
演算部31aは、他の移動体それぞれについて算出した衝突予測時間のうち、最も短い衝突予測時間となる移動体を衝突予測対象として特定する(ステップS63)。
ここで、衝突予測時間に基づいて衝突の可能性を判定した場合、衝突予測時間が最も短い移動体が評価対象に対して最も衝突する可能性が高いと判定することができる。そこで、演算部31aは、最も短い衝突予測時間の移動体を衝突予測対象として特定する。
これにより、演算部31aは他の移動体それぞれについての衝突予測をし、衝突予測結果を得る。
次いで、演算部31aは、算出した衝突予測時間に基づいて、衝突予測結果の評価値を求めるための基礎値を求める(ステップS64)。
基礎値は、衝突予測結果の評価値を求めるための基礎となる値であり、後の処理において基礎値に加算値が加算されることで、評価値が得られる。
演算部31aは、衝突予測時間に対して、下記に示すルールに従って基礎値を求める。例えば、以下のような設定になるが、これに限定されるものではない。
衝突予測時間が10秒以上: 基礎値=0
衝突予測時間が10秒未満: 基礎値=20
衝突予測時間が 5秒未満: 基礎値=100
衝突予測時間が 3秒未満: 基礎値=200
衝突予測時間が 1秒未満: 基礎値=500
衝突予測結果の評価値は、値が大きいほど、衝突の可能性が高く、通知の必要性が高くなるように設定される。よって基礎値も同様に、値が大きいほど、衝突の可能性が高く、通知の必要性が高くなるように設定される。
つまり、衝突予測結果の評価値は、衝突予測対象が、衝突予測対象以外の移動体と衝突する可能性を示す値である。
なお、演算部31aは、衝突予測対象以外の移動体に対する基礎値として「0」を設定する。衝突予測対象以外の移動体の基礎値には、以降の処理によって加算値が加算されない。よって、衝突予測対象以外の移動体の衝突予測結果の評価値(対象移動体と衝突予測対象以外の移動体との衝突予測結果の評価値)は「0」となる。
以上のように、演算部31aは、衝突予測時間に基づいて移動体ごとの基礎値を求める。
次いで、演算部31aは、ステップS65に進み、評価対象と衝突予測対象との間に死角を生じさせる死角要因が有るか否かを判定する(ステップS65)。
評価対象と衝突予測対象との間の死角要因の有無は、演算部31aが動的情報マップM1を参照することで判定される。演算部31aは、動的情報マップM1を参照し、評価対象と衝突予測対象との間に両者の見通しを遮る建物や、他の移動体等の有無を判定する。評価対象と衝突予測対象との間にこのような建物や他の移動体等が存在する場合、演算部31aは、評価対象と衝突予測対象との間に死角要因が有ると判定する。一方、評価対象と衝突予測対象との間に見通しを遮るものが無ければ、演算部31aは、死角要因がないと判定する。
ステップS65において、評価対象と衝突予測対象との間に死角要因が有ると判定する場合、演算部31aは、ステップS64において求めた基礎値に加算を行い(ステップS66)、ステップS67へ進む。
一方、評価対象と衝突予測対象との間に死角要因が無いと判定する場合(ステップS65)、演算部31aは、ステップS67へ進む。
評価値は、上述のように、値が大きいほど、評価対象の安全性を阻害する要因が高くなるように設定される。
評価対象と衝突予測対象との間に死角要因が有る場合、評価対象においては、安全性がより阻害される。よって、死角要因が有ると判定する場合には、演算部31aは基礎値に加算を行う。
なおステップS66において基礎値に加算される加算値は、例えば「100」である。この加算値は、一例であってこれに限定されるものではない。以下に示す加算値も同様である。
このように、演算部31aは、評価対象と、衝突予測対象との間に死角を生じさせる死角要因の有無を判定し、死角要因の有無の判定結果を評価値に加味する。
この場合、死角要因の有無を、評価値に反映でき、後述する評価対象への情報提供の実行判定に反映させることができる。
次に、演算部31aは、ステップS67において、衝突予測対象の属性内容に応じて基礎値に値を加算する加算処理を行う(ステップS67)。
図14は、図13中の衝突予測対象の加算処理の一例を示すフローチャートである。
まず、演算部31aは、衝突予測対象(の移動体)が車両か否かを判定する(ステップS70)。
衝突予測対象が車両5であると判定する場合、演算部31aは、ステップS71へ進み、車両の加算処理を実行し、処理を終える。
図15は、図14中の車両の加算処理の一例を示すフローチャートである。
車両の加算処理において、演算部31aは、まず、移動体データベース34aにおける、衝突予測対象(車両5)の各属性情報を参照する。
演算部31aは、属性情報のうちの「サイズ」に関する加算を行う(ステップS81)。
「サイズ」における属性内容である大型、中型、及び小型のそれぞれには、予め加算値が設定されている。
演算部31aは、「サイズ」における属性内容が大型である場合、加算値として「50」を基礎値に加算し、中型である場合、加算値として「30」を基礎値に加算し、小型である場合、加算値として「20」を基礎値に加算する。
一般に、車両5の大きさが大きければ、衝突の可能性が高まると考えられる。よって、車両5の大きさが大きくなるに従って、加算値が大きくなるように設定されている。
このように、演算部31aは、衝突予測対象の「サイズ」に応じた加算値を基礎値に加算する(ステップS81)。
次に、演算部31aは、属性情報のうちの「形状」に関する加算を行う(ステップS82)。
「形状」における属性内容であるセダン、クーペ、ワゴン、ミニバン、SUV、オープンカー、及びトラックのそれぞれには、予め加算値が設定されている。例えば、車両5の形状に応じて、事故率等に違いがある場合、その事故率が高い属性内容に対してはより大きな加算値を設定することができる。
例えば、「形状」における属性内容が、クーペ、オープンカー、及びトラックの場合、加算値「30」を加算し、セダン、ワゴン、ミニバン、及びSUVの場合、加算値「10」を加算する。
このように、演算部31aは、衝突予測対象の「形状」に応じた加算値を基礎値に加算する(ステップS82)。
次に、演算部31aは、属性情報のうちの「色」に関する加算を行う(ステップS83)。
「色」における属性内容である高明度、及び低明度のそれぞれにも、予め加算値が設定されている。例えば、高明度と、低明度との間に事故率等の違いがある場合、その事故率が高い属性内容に対してはより大きな加算値となるように設定することができる。
例えば、「色」における属性内容が、高明度の場合、加算値を加算せず、低明度の場合、加算値「10」を加算する。
このように、演算部31aは、衝突予測対象の「色」に応じた加算値を基礎値に加算する(ステップS83)。
次に、演算部31aは、属性情報のうちの「ナンバープレートの表示」における地名表示が地元でないか否かを判定する(ステップS84)。
ナンバープレートの地名表示が、車両5の現在位置の管轄運輸支局の地名と異なる場合、演算部31aは、地名表示が地元でないと判定する。
ステップS84においてナンバープレートの地名表示が地元でないと判定すると、演算部31aは、基礎値に加算値を加算し(ステップS85)、ステップS86へ進む。
一方、ステップS84においてナンバープレートの地名表示が地元であると判定すると、演算部31aは、ステップS86へ進む。
例えば、「ナンバープレートの表示」における属性内容が、地元である場合、加算値を加算せず、地元でない場合、加算値「10」を加算する。
なお、ステップS81からステップS85までは、外観属性に関する処理であり、ステップS86は行動属性に関する処理である。
次に、演算部31aは、属性情報のうちの行動属性である過去の走行履歴に関する加算を行う(ステップS86)。
行動属性に含まれる「過去の車線変更数」、「過去の急ハンドル急ブレーキ数」、「警報後の車線変更数」、及び「警報後の急ハンドル急ブレーキ数」のそれぞれには、回数に応じた加算値が予め設定されている。これら行動属性に設定される加算値は、その属性内容である回数が増加するに従って大きな加算値が設定される。
車線変更や、急ハンドル急ブレーキ操作が頻繁に行われる場合、衝突の可能性が高い行動を行う確率が高いことが考えられる。このため、車線変更数及び急ハンドル急ブレーキ数が増加するに従って大きな加算値が設定される。
さらに、「過去の車線変更数」と、「警報後の車線変更数」との間においては、「警報後の車線変更数」の方に相対的により大きな加算値が設定される。
「過去の急ハンドル急ブレーキ数」と、「警報後の急ハンドル急ブレーキ数」との間においても同様に、「警報後の急ハンドル急ブレーキ数」の方に相対的により大きな加算値が設定される。
エッジサーバ3から警報を通知したにも関わらず、車線変更数や、急ハンドル急ブレーキ操作を繰り返す場合、衝突の可能性が高い行動を行う確率がより高いと考えられるからである。
このように、演算部31aは、過去の走行履歴に応じた加算値を基礎値に加算し(ステップS86)、加算処理を終える。
なお、ここでは、過去の走行履歴に応じた加算値を加算した場合を例示したが、さらに、現在の走行速度等、現在の走行状態に応じた加算値を基礎値に加算してもよい。
図14に戻って、ステップS70において、衝突予測対象が車両5でないと判定する場合、演算部31aは、ステップS72へ進み、歩行者の加算処理を実行し、処理を終える。
図16は、図14中の歩行者の加算処理の一例を示すフローチャートである。
歩行者の加算処理において、演算部31aは、まず、移動体データベース34aにおける、衝突予測対象(歩行者7)の各属性情報を参照する。
演算部31aは、属性情報のうちの「身長」が所定値以下か否かを判定する(ステップS91)。
ステップS91において「身長」が所定値以下であると判定すると、演算部31aは、基礎値に加算値を加算し(ステップS92)、ステップS93へ進む。
一方、ステップS91において「身長」が所定値以下でないと判定すると、演算部31aは、ステップS93へ進む。
所定値としては、例えば、120cmに設定される。この場合、ステップS91では、歩行者が、小学校低学年程度よりも年齢の小さい子供か、それ以外の歩行者かを判定することができる。よって、歩行者が、小学校低学年程度よりも年齢の小さい子供である場合、加算値を加算することができる。例えば、ステップS92における加算値は「20」である。
次に演算部31aは、「服装」における属性内容が学生か否かを判定する(ステップS93)。
ステップS93において「服装」における属性内容が学生であると判定すると、演算部31aは、基礎値に加算値を加算し(ステップS94)、ステップS95へ進む。
一方、ステップS93において「服装」における属性内容が学生でないと判定すると、演算部31aは、ステップS95へ進む。
ステップS93及びステップS94では、歩行者が、学生である場合、加算値を加算することができる。例えば、ステップS94における加算値は「10」である。
次に演算部31aは、「イヤホン又はわき見」における属性内容が該当か否かを判定する(ステップS95)。
ステップS95において「イヤホン又はわき見」における属性内容が該当であると判定すると、演算部31aは、基礎値に加算値を加算し(ステップS96)、ステップS97へ進む。
一方、ステップS95において「イヤホン又はわき見」における属性内容が該当でない(非該当である)と判定すると、演算部31aは、にステップS97へ進む。
ステップS95及びステップS96では、歩行者が、イヤホンを装着していたり、歩きながらスマートフォン等の端末を見ていたりしている場合、加算値を加算することができる。例えば、ステップS96における加算値は「10」である。
次に、演算部31aは、「松葉杖又は車椅子」における属性内容が該当か否かを判定する(ステップS97)。
ステップS97において「松葉杖又は車椅子」における属性内容が該当であると判定すると、演算部31aは、基礎値に加算値を加算し(ステップS98)、ステップS99へ進む。
一方、ステップS97において「松葉杖又は車椅子」における属性内容が該当でない(非該当である)と判定すると、演算部31aは、ステップS99へ進む。
ステップS97及びステップS98では、歩行者が、松葉杖又は車椅子を利用している場合、加算値を加算することができる。例えば、ステップS98における加算値は「30」である。
なお、ステップS91からステップS98までは、外観属性に関する処理であり、ステップS99以降の処理は行動属性に関する処理である。
演算部31aは、「歩行場所」における属性内容が車道か否かを判定する(ステップS99)。
ステップS99において「歩行場所」における属性内容が車道であると判定すると、演算部31aは、基礎値に加算値を加算し(ステップS100)、ステップS101へ進む。
一方、ステップS99において「歩行場所」における属性内容が車道でないと判定すると、演算部31aは、ステップS101へ進む。
ステップS100及びステップS101では、歩行者が、車道を歩行している場合、加算値を加算することができる。例えば、ステップS100における加算値は「30」である。
次に、演算部31aは、歩行速度が所定値よりも遅いか否かを判定する(ステップS101)。
歩行者の歩行速度が所定値よりも遅いか否かの判定は、移動体データベース34aの移動体情報を参照することで判定することができる。
なお、歩行速度と比較される所定値は、例えば、一般的な歩行者の速度として3.6km毎時に設定される。
ステップS101において歩行速度が所定値よりも遅いと判定すると、演算部31aは、基礎値に加算値を加算し(ステップS102)、ステップS103へ進む。
一方、ステップS101において歩行速度が所定値よりも遅くないと判定すると、演算部31aは、ステップS103へ進む。
ステップS101及びステップS102では、歩行者の歩行速度が遅い場合、加算値を加算することができる。例えば、ステップS102における加算値は「10」である。
次に、演算部31aは、「信号無視」における属性内容が該当か否かを判定する(ステップS103)。
ステップS103において「信号無視」における属性内容が該当であると判定すると、演算部31aは、基礎値に加算値を加算し(ステップS104)、ステップS105へ進む。
一方、ステップS103において「信号無視」における属性内容が該当でない(非該当である)と判定すると、演算部31aは、ステップS105へ進む。
ステップS103及びステップS104では、歩行者が、信号無視をしている場合、加算値を加算することができる。例えば、ステップS100における加算値は「50」である。
次に、演算部31aは、「歩行軌跡」における属性内容が蛇行か否かを判定する(ステップS105)。
ステップS105において「歩行軌跡」における属性内容が蛇行であると判定すると、演算部31aは、基礎値に加算値を加算し(ステップS106)、加算処理を終える。
一方、ステップS105において「歩行軌跡」における属性内容が蛇行でない(直行である)と判定すると、演算部31aは、加算処理を終える。
ステップS105及びステップS106では、例えば、歩行者が飲酒等によって酩酊状態にあることから、蛇行している場合、加算値を加算することができる。例えば、ステップS106における加算値は「50」である。
以上のように、演算部31aは、車両と歩行者とを区別した上で、加算処理を行う(図14)。
図13に戻って、演算部31aは、ステップS67における加算処理を終えると、ステップS68へ進み、評価対象の属性内容に応じて基礎値に値を加算する加算処理を行う(ステップS68)。
ステップS68における加算処理は、評価対象に対して行われる点以外、ステップS67における加算処理と同じ内容なので、ここでは説明を省略する。
ステップS68の加算処理を終えると、演算部31aは、個別演算処理を終える。
ステップS67,S68における加算処理において、演算部31aは、評価対象及び衝突予測対象の外観属性の属性内容に応じた加算値(外観属性値)、及び行動属性の属性内容に応じた加算値(行動属性値)を基礎値に加算する。
これにより、評価値に、評価対象及び衝突予測対象の外観や、過去又は現在の行動を反映させることができる。
つまり、評価対象及び衝突予測対象の外観や行動に現れる、衝突予測に影響を及ぼす要因を評価値に反映させることができる。
図12に戻って、ステップS55の個別演算処理を終えると、演算部31aは、ステップS57へ進み、個別演算処理において加算された加算値と基礎値との合計を、衝突予測結果の評価値とし、評価値データベース34bへ登録する(ステップS57)。
演算部31aは、図12中のステップS55及びステップS57を、特定した評価対象に対して順次処理し、評価対象の全てを処理するまで処理を繰り返す。
演算部31aは、特定した評価対象の全てについて評価値を求めデータベース34bへ登録すると、再度、ステップS51に戻り、同様の処理を繰り返す。
よって、演算部31aは、演算処理を繰り返すことで、特定した評価対象それぞれの評価値の算出及び登録を繰り返し実行し、評価値データベース34bの登録内容を随時更新する。
図17は、評価値データベース34bの一例を示す図である。
図17に示すように、評価値データベース34bには、評価対象の移動体IDと、評価対象以外の移動体(他の移動体)の評価値とが対応付けられて登録されている。
評価値データベース34bには、評価対象の移動体IDの欄、車両ID(携帯ID)の欄、及び評価対象以外の移動体の評価値の欄が設けられている。
評価対象の移動体IDの欄には、評価対象として特定された移動体の移動体IDが登録されている。
また、車両ID(携帯ID)の欄には、評価対象の移動体が有する移動端末(歩行者端末70又は車載装置50)の車両ID(携帯ID)が登録されている。
評価対象以外の移動体の評価値の欄には、評価対象以外の移動体それぞれの移動体IDの欄が含まれている。これにより、評価対象以外の移動体の評価値の欄には、複数の移動体それぞれの評価値が登録される。
上述したように、衝突予測対象以外の移動体に対する評価値は「0」に設定される。
よって、評価値に「0」以外の値が登録されている評価対象以外の移動体は、その評価対象の衝突予測対象であることを示している。
例えば、図17中、移動体IDが「1006」である評価対象の評価値において、評価対象以外の移動体の評価値の欄のうち、移動体IDが「1004」に対応する欄には評価値として「500」が登録され、それ以外には「0」が登録されている。このことより、移動体IDが「1006」である評価対象の衝突予測対象として、移動体IDが「1004」の移動体が特定されていることが判る。
このように、評価値データベース34bを参照することで、各評価対象の衝突予測対象を特定することができる。
〔評価値の判定処理〕
図18は、判定部31bによる判定処理の一例を示すフローチャートである。
図18に示すように、判定部31bは、評価値データベース34bを参照し、評価値が予め設定された閾値(通知判定用閾値)以上である評価対象があるか否かを判定する(ステップS110)。
ステップS110において、評価値が通知判定用閾値以上である評価対象がないと判定すると、判定部31bは、さらにステップS110を繰り返す。よって、判定部31bは、評価値が通知判定用閾値以上である評価対象があると判定するまで、ステップS110を繰り返す。
ステップS110において、評価値が通知判定用閾値以上である評価対象があると判定すると、判定部31bは、ステップS111へ進み、その評価対象へ、衝突予測対象の衝突予測結果を通知することを決定し、ステップS110へ戻る。
判定部31bは、各評価対象の評価値を参照し、評価値が通知判定用閾値以上の評価対象が複数あれば、その複数すべての評価対象へ、衝突予測対象の衝突予測結果の通知を決定する。
このように、判定部31bは、評価対象へ、評価対象それぞれの衝突予測結果を通知するか否かを、評価値に基づいて評価対象ごとに判定する。
本実施形態では、衝突予測結果を通知するか否かを、評価対象(歩行者端末70や車載装置50又はこれらを有している移動体)それぞれの評価値に基づいて評価対象ごとに判定するので、必要な情報を適切に各評価対象へ情報提供することができる。
また、評価対象それぞれの衝突予測結果の評価値を求めるために、複数の移動体に関する動的情報が重畳された動的情報マップM1を用いるので、移動端末が搭載されていない移動体も含めて衝突予測を行うことができ、各評価対象において、適切に予測された衝突予測結果を評価値として表すことができる。
〔通知処理〕
判定部31bが、評価対象へ衝突予測結果の通知を決定すると、通知部31cは、判定部31bが通知を決定した評価対象へ、当該評価対象と衝突予測対象との間の衝突予測結果を通知する。
これにより、評価値に基づいて衝突予測結果が必要と判定された移動端末のみに情報提供することができる。
なお、通知部31cが評価対象へ通知する衝突予測結果には、上述したように、衝突予測対象の属性や、衝突予測対象が接近してくる方向、衝突予測時間等が含まれる。
通知部31cによる通知を受け付けた評価対象の移動端末(歩行者端末70及び車載装置50)は、当該移動端末のユーザへ向けて、通知された衝突予測結果を出力する。
上記構成によれば、衝突予測結果を通知するか否かを判定するための評価値を、衝突予測時間と、外観属性値と、行動属性値と、に基づいて求めるので、移動端末へ衝突予測結果を通知するか否かの判定に、評価対象及び衝突予測対象の外観や行動を反映させることができる。
よって、例えば、外観や行動において衝突可能性の高い属性を有する移動体に関する衝突予測については、衝突予測結果が通知される方向に重み付けられるように評価値を設定することができ、通知の必要性を判定する上で、移動体の外観や行動を加味することができる。
この結果、通知の必要性を適切に判定することができ、通知の必要性が高い衝突予測結果を適切に移動端末へ提供することができる。
〔シナリオ1について〕
次に、本実施形態の情報提供システムの動作について、道路上で想定されるシナリオに従って説明する。
図19は、シナリオ1に係る交差点周辺の状況を示した図である。
図19において、歩行者7A,7Bは、横断歩道Pを通過した直後の位置に駐車されている車両5Cから降車して横断歩道Pを横断している。また、歩行者7Aは大人であり、歩行者7Bは子供(身長が120cm以下)である。
歩行者7A,7Bが横断歩道Pを横断し始めたタイミングにおいて横断歩道Pの信号の灯色は、青色の点滅であった。
一方、歩行者7A,7Bが横断歩道Pを渡り始めたタイミングにおいては、車両5Aが走行する方路の信号の灯色は赤色であるが、横断歩道Pの信号が青色の点滅であるため、横断歩道Pに接近する車両5Aは、もうすぐ青色に変わることを認識している。このため車両5Aは、交差点を停止せずに通過しようと試みているとする。
なお、車両5Aは、車両5Cの存在によって歩行者7A,7Bが目視できないものとする。
さらに、車両5Aの後方には、さらに車両5Bが走行している。
なお、車両5A,5B,5C、歩行者7A,7Bは、システムによって移動体として動的情報マップM1及び移動体データベース34aに登録されているものとする。
また、車両5A,5Bは、車載装置50を搭載しており、歩行者7A,7Bは歩行者端末70を携帯しているものとする。
ここで、横断歩道Pの途中で、横断歩道Pの信号の灯色が赤色に変わり、歩行者7A,7Bが、そのまま急いで横断歩道Pを渡っているとする。
このとき、車両5Aと、歩行者7A,7Bとは、横断歩道Pで衝突の可能性がある。よって、エッジサーバ3(の演算部31a)は、車両5Aの衝突予測対象として、歩行者7A,7Bを特定するとともに、歩行者7A,7Bの衝突予測対象として、車両5Aを特定する。また、歩行者7A,7Bは、属性が子供(歩行者7Bのみ)であり、信号無視をしている。さらに、車両5Aと歩行者7A,7Bとの間に死角要因である車両5Cが存在する。
この場合、エッジサーバ3は、車両5Aを評価対象としたときの評価値を求める際、衝突予測時間による基礎値を求め、車両5に関する加算処理による加算値の他、死角要因や、歩行者7A,7Bに関する加算処理による加算値を基礎値に加算し、評価値を得る。この際、歩行者7A,7Bに関する加算処理では、歩行者の身長や、信号無視による加算値が加算される。
車両5に関する加算処理については、車両5それぞれの外観属性及び行動属性の属性内容によって適宜加算される。以下の説明において現れる車両5についても同様である。
衝突予測結果を通知するか否かの判定に用いられる前記通知判定用閾値は、本シナリオのように、安全性を阻害する要因が重なるような場合における評価値よりも小さく設定される。よって、本シナリオのような場合では、車両5Aにおける歩行者7A,7Bの評価値は前記通知判定用閾値よりも大きい値となる。このため、エッジサーバ3は、車両5Aにおける歩行者7A,7Bの衝突予測結果を車両5Aへ通知する。
また、エッジサーバ3は、評価値を求める際、評価対象及び衝突予測対象の両方に対して加算処理を行うので、歩行者7A,7Bを評価対象としたときの評価値は、車両5を評価対象としたときと同じ評価値となる。よって、歩行者7A,7Bにおける車両5Aの評価値が前記通知判定用閾値よりも大きい値となり、エッジサーバ3は、歩行者7A,7Bにおける車両5Aの衝突予測結果を歩行者7A,7Bへ通知する。
さらに、車両5Bにおいても、車両5Aが横断歩道Pに近づくに従って速度を落とし、両車両が接近すると、エッジサーバ3は、車両5Bの衝突予測対象として車両5Aを特定する。衝突予測の結果、衝突予測時間が短ければ、評価値が大きな値に設定される。この結果、エッジサーバ3は、車両5Bにおける車両5Aの衝突予測結果を車両5Bへ通知する。
このように、エッジサーバ3は、必要な情報を適切に各移動端末へ情報提供することができる。
車両5A,5Bの車載装置50、歩行者7A,7Bの歩行者端末70は、エッジサーバ3からの通知に基づいて、衝突予測結果を自装置のユーザへ出力する。
図19中、車両5Aの車載装置50の出力画面V1には、自車両前方の横断歩道Pの右側から歩行者が現れることを示す表示D1や、その歩行者の進行方向を示す矢印D2等が表示される。
これにより、エッジサーバ3は、前方の横断歩道Pの右側から歩行者が現れることを事前に車両5Aのユーザに認識させることができる。
なお、ここでは、歩行者7A,7Bを特定することなく表示しているが、例えば、車両5Aの制御部51は、歩行者7の属性が子供である場合と、大人である場合とで表示方法を異なるようにしてもよい。歩行者が子供の場合の方が、より注意が必要だからである。
つまり、本システムでは、衝突予測対象における外観属性及び行動属性の属性内容に応じて、衝突予測結果の出力態様が異なるように制御されてもよい。これにより、衝突予測対象の属性の特徴に応じた出力態様でユーザへ向けて情報を出力することができる。
また、歩行者7A,7Bの歩行者端末70の出力画面V2には、前方の横断歩道Pの左側から車両Aが現れることを示す表示D3や、その車両5Aの進行方向を示す矢印D4等が表示される。
これにより、エッジサーバ3は、前方の横断歩道Pの左側から車両が現れることを事前に歩行者7A,7Bに認識させることができる。
また、車両5Bの車載装置50の出力画面V3には、自車両前方を走行する車両5Aに対する注意を促すことを表す表示D5や、その車両5Aの進行方向を示す矢印D6等が表示される。
これにより、エッジサーバ3は、前方を走行する車両5Aが停止して接近することを事前に車両5Bのユーザに認識させることができる。
このように、エッジサーバ3は、車両5A,5Bの車載装置50、歩行者7A,7Bの歩行者端末70にユーザへの出力を行わせることで、各移動体同士の衝突を回避させることができる。
なお、歩行者端末70及び車載装置50による衝突予測結果の出力は、歩行者端末70及び車載装置50の制御部71及び制御部51が有する出力制御部によって制御される。
また、エッジサーバ3の制御部31が、歩行者端末70及び車載装置50によるユーザへ向けた出力を制御可能な出力制御部を有している場合には、エッジサーバ3の出力制御部が、歩行者端末70及び車載装置50によるユーザへの出力を制御してもよい。
また、図19では、衝突予測対象の位置やその進行方向を出力画面V1,V2,V3に表示する場合を示したが、衝突予測時間を合わせて表示してもよい。
また、本シナリオにおいては、歩行者において安全性を阻害する要因が重なるような場合を示したが、例えば、歩行者7A,7Bに信号無視等の安全性を阻害する要因がなく、評価値が通知判定用閾値よりも大きい値とならなければ、エッジサーバ3は、衝突予測結果を車両5A及び歩行者7A,7Bへ通知しない。
一方、歩行者7A,7Bに信号無視等の安全性を阻害する要因がなくても、車両5Aの属性内容に応じて加算値が加算されることで、評価値が通知判定用閾値を超える場合もある。
車両の加算処理(図15)では、車両5Aのサイズや、形状、色、ナンバープレートの表示、過去の走行履歴によって加算値が加算される。
よって、歩行者7A,7Bが車両5Aにおける衝突予測対象とされたが、衝突予測結果を通知するに至らない場合であっても、車両5Aの属性によっては、エッジサーバ3は、衝突予測結果を歩行者7A,7B及び車両5Aに通知することがある。
このように、衝突予測結果の通知の必要性を判定する上で、車両5Aの属性を加味することができる。この結果、衝突予測結果の通知の必要性を適切に判定し、衝突予測結果の通知を適切に行うことができる。
〔シナリオ2について〕
図20は、シナリオ2に係る交差点周辺の状況を示した図である。
図20中、車両5A,5B、歩行者7A,7Bの設定は、シナリオ1と同様である。また、シナリオ2には、シナリオ1の車両5Cがいない。
シナリオ2では、歩行者7A,7Bが横断歩道Pを一般的な歩行速度(3.6km毎時)よりも低い速度で渡っている。
歩行者7A,7Bがゆっくりと横断歩道Pを渡っているため、歩行者7A,7Bが横断歩道Pを横断し始めたタイミングにおいて横断歩道Pの信号の灯色は、青色の点滅であったが、横断歩道Pの途中で、横断歩道Pの信号の灯色が赤色に変わり、歩行者7A,7Bは、そのままの歩行速度でゆっくりと横断歩道Pを渡っているとする。
この場合、シナリオ1のように、車両5Aと歩行者7A,7Bとの間に死角要因はない。
また、歩行者7A,7Bはゆっくりと横断歩道Pを渡っているため、青色の点滅であった横断歩道Pの信号の灯色が、横断歩道Pの途中で赤色に変わり、歩行者7A,7Bがそのままの歩行速度でゆっくりと横断歩道Pを渡っているとする。
ここで、車両5Aと、歩行者7A,7Bとは、横断歩道上で衝突の可能性がある。よって、エッジサーバ3は、車両5Aの衝突予測対象として、歩行者7A,7Bを特定するとともに、歩行者7A,7Bの衝突予測対象として、車両5Aを特定する。
このとき、エッジサーバ3は、車両5Aを評価対象としたときの評価値を求める場合、衝突予測時間から基礎値を求め、車両5に関する加算処理による加算値の他、歩行者7A,7Bに関する加算処理による加算値を基礎値に加算し、評価値を得る。この際、歩行者7A,7Bに関する加算処理では、歩行者の身長(120cm以下)や、歩行者の速度、信号無視による加算値が加算される。
これにより、車両5Aにおける歩行者7A,7Bの評価値は前記通知判定用閾値よりも大きい値となり、エッジサーバ3は、車両5Aにおける歩行者7A,7Bの衝突予測結果を車両5Aへ通知する。
また、エッジサーバ3は、歩行者7A,7Bにおける車両5Aの衝突予測の予測結果を歩行者7A,7Bへ通知する。
さらに、車両5Bにおいても、車両5Aが横断歩道Pに近づくに従って速度を落とし、両車両が接近すると、エッジサーバ3は、車両5Bの衝突予測対象として車両5Aを特定する。衝突予測の結果、衝突予測時間が短ければ、評価値が大きな値に設定される。この結果、エッジサーバ3は、車両5Bにおける車両5Aの衝突予測結果を車両5Bへ通知する。
以上によって、車両5A,5Bの車載装置50、歩行者7A,7Bの歩行者端末70は、エッジサーバ3からの通知に基づいて、衝突予測結果を自装置のユーザへ出力する。
これによって、エッジサーバ3は、前方の横断歩道Pの右側から歩行者が現れることを事前に車両5Aのユーザに認識させることができる。
また、エッジサーバ3は、前方の横断歩道Pの左側から車両が現れることを事前に歩行者7A,7Bに認識させることができる。
これにより、エッジサーバ3は、車両5A,5Bの車載装置50、歩行者7A,7Bの歩行者端末70にユーザへの出力を行わせることで、各移動体同士の衝突を回避させることができる。
〔シナリオ3について〕
図21は、シナリオ3に係る交差点周辺の状況を示した図である。
図21において、歩行者7A,7Bは、歩道Hを歩いていたところ、歩道H上に障害物G1があり、障害物G1を避けて車道にはみ出して歩行している。また、歩行者7Aは大人であり、歩行者7Bは子供である。
ここで、車両5Aと、歩行者7A,7Bとは、車道上で衝突の可能性がある。よって、エッジサーバ3は、車両5Aの衝突予測対象として、歩行者7A,7Bを特定するとともに、歩行者7A,7Bの衝突予測対象として、車両5Aを特定する。また、歩行者7A,7Bは、属性が子供(歩行者7Bのみ)であり、歩道を歩行していない。
このとき、エッジサーバ3は、車両5Aを評価対象としたときの歩行者7A,7Bの評価値を求める場合、衝突予測時間から基礎値を求め、車両5に関する加算処理による加算値の他、歩行者7A,7Bに関する加算処理による加算値を基礎値に加算し、評価値を得る。この際、歩行者7A,7Bに関する加算処理では、歩行者の身長(120cm以下)や、歩行者の歩行場所(車道)による加算値が加算される。
これにより、車両5Aにおける歩行者7A,7Bの評価値は前記通知判定用閾値よりも大きい値となり、エッジサーバ3は、車両5Aにおける歩行者7A,7Bの衝突予測結果を車両5Aへ通知する。
また、エッジサーバ3は、歩行者7A,7Bにおける車両5Aの衝突予測結果を歩行者7A,7Bへ通知する。
また、車両5Aが、歩行者7A,7Bを避けて反対車線側にはみ出そうとすると、反対車線を走行している車両5Bは、車両5Aとの間で衝突の可能性がある。よって、この場合、エッジサーバ3は、車両5Bの衝突予測対象として、車両5Aを特定する。また、車両5Bと車両5Aとの間に死角要因である車両5Dが存在する。
エッジサーバ3は、車両5Bを評価対象としたときの評価値を求める場合、衝突予測時間から求められる評価値に、死角要因の有無による加算値を加算する。
車両5Bにおける車両5Aの評価値が前記通知判定用閾値よりも大きい値となれば、エッジサーバ3は、車両5Bにおける車両5Aの衝突予測結果を車両5Bへ通知する。
また、車両5Cにおいても、車両5Bが車両5Aのはみ出しによって速度を落とし、両車両が接近すると、エッジサーバ3は、車両5Cの衝突予測対象として車両5Bを特定する。衝突予測の結果、衝突予測時間が短ければ、評価値が大きな値に設定される。この結果、エッジサーバ3は、車両5Cにおける車両5Bの衝突予測結果を車両5Cへ通知する。
これにより、エッジサーバ3は、車両5A,5B,5Cの車載装置50、歩行者7A,7Bの歩行者端末70にユーザへの出力を行わせることで、各移動体同士の衝突を回避させることができる。
〔シナリオ4について〕
図22は、シナリオ4に係る交差点周辺の状況を示した図である。
図22において、歩行者7A,7Bは、歩道Hを歩いていたところ、停車している車両5Cと、車両5Dとの間をすり抜けて横断歩道ではないところを歩行し車道を横断しようとしている。また、歩行者7Aは大人であり、歩行者7Bは子供である。
ここで、反対車線を走行する車両5Aと、歩行者7A,7Bとは、車道上で衝突の可能性がある。よって、エッジサーバ3は、車両5Aの衝突予測対象として、歩行者7A,7Bを特定するとともに、歩行者7A,7Bの衝突予測対象として、車両5Aを特定する。また、歩行者7A,7Bは、属性が子供(歩行者7Bのみ)であり、歩道及び横断歩道を歩行していない。さらに、車両5Aと歩行者7A,7Bとの間に死角要因である車両5Dが存在する。
このとき、エッジサーバ3は、車両5Aを評価対象としたときの歩行者7A,7Bの評価値を求める場合、衝突予測時間から基礎値を求め、車両5に関する加算処理による加算値の他、死角要因や、歩行者7A,7Bに関する加算処理による加算値を基礎値に加算し、評価値を得る。この際、歩行者7A,7Bに関する加算処理では、歩行者の身長(120cm以下)や、歩行者の歩行場所(車道)による加算値が加算される。
これにより、車両5Aにおける歩行者7A,7Bの評価値は前記通知判定用閾値よりも大きい値となり、エッジサーバ3は、車両5Aにおける歩行者7A,7Bの衝突予測結果を車両5Aへ通知する。
また、エッジサーバ3は、歩行者7A,7Bにおける車両5Aの衝突予測結果を歩行者7A,7Bへ通知する。
また、車両5Bにおいても、車両5Aが歩行者7A,7Bの車道横断によって速度を落とし、両車両が接近すると、エッジサーバ3は、車両5Bの衝突予測対象として車両5Aを特定する。衝突予測の結果、衝突予測時間が短ければ、評価値が大きな値に設定される。この結果、エッジサーバ3は、車両5Bにおける車両5Aの衝突予測結果を車両5Bへ通知する。
なお、本シナリオのように、車両5同士の間をすり抜ける移動体(歩行者)を検知する方法としては、路側センサ8による検知の他、歩行者がすり抜ける車両5に車載カメラ59を有する車載装置50が搭載されていれば、車載カメラ59によって検知することもできる。
〔シナリオ5について〕
図23は、シナリオ5に係る交差点周辺の状況を示した図である。
図23において、歩行者7A,7Bは、歩道Hを蛇行して歩いている。また、歩行者7Aは大人であり、歩行者7Bは子供である。
歩行者7A,7Bが歩道Hを蛇行することで、車道にはみ出せば、車両5Aと、歩行者7A,7Bとは、車道上で衝突の可能性がある。よって、エッジサーバ3は、車両5Aの衝突予測対象として、歩行者7A,7Bを特定するとともに、歩行者7A,7Bの衝突予測対象として、車両5Aを特定する。また、歩行者7A,7Bは、属性が子供(歩行者7Bのみ)であり、車道をはみ出した場合、歩道を歩行していないことになる。
このとき、エッジサーバ3は、車両5Aを評価対象としたときの歩行者7A,7Bの評価値を求める場合、衝突予測時間から基礎値を求め、車両5に関する加算処理による加算値の他、歩行者7A,7Bに関する加算処理による加算値を基礎値に加算し、評価値を得る。この際、歩行者7A,7Bに関する加算処理では、歩行者の身長(120cm以下)や、歩行者の歩行軌跡(蛇行)、歩行場所(車道)による加算値が加算される。
これにより、車両5Aにおける歩行者7A,7Bの評価値は前記通知判定用閾値よりも大きい値となり、エッジサーバ3は、車両5Aにおける歩行者7A,7Bの衝突予測結果を車両5Aへ通知する。
また、エッジサーバ3は、歩行者7A,7Bにおける車両5Aの衝突予測結果を歩行者7A,7Bへ通知する。
また、車両5Aが、歩行者7A,7Bを避けて反対車線側にはみ出そうとすると、反対車線を走行している車両5Bは、車両5Aとの間で衝突の可能性がある。よって、この場合、エッジサーバ3は、車両5Bの衝突予測対象として、車両5Aを特定する。
エッジサーバ3は、車両5Bを評価対象としたときの評価値を、歩行者7A,7Bとの間の衝突予測時間に基づいて求める。
車両5Bにおける車両5Aの評価値が前記通知判定用閾値よりも大きい値となれば、エッジサーバ3は、車両5Bにおける車両5Aの衝突予測結果を車両5Bへ通知する。
〔シナリオ6について〕
図24は、シナリオ6に係る交差点周辺の状況を示した図である。
図24において、歩行者7A,7Bは、方路R1を横断する横断歩道Pを横断している。歩行者7A,7Bが横断歩道Pを横断し始めたタイミングにおいて横断歩道Pの信号の灯色は、青色の点滅であったが、横断歩道Pの途中で、横断歩道Pの信号の灯色が赤色に変わり、歩行者7A,7Bは、そのまま急いで横断歩道Pを渡っているとする。また、歩行者7Aは大人であり、歩行者7Bは子供である。
車両5Aは、方路R2から交差点に進入し、左折して方路R1に向かって交差点内を走行している。また、車両5Bは、車両5Aに後続して走行している。横断歩道Pの信号の灯色が青色の点滅から赤色に変わるタイミングであるので、車両5A,5Bも前方の信号機の灯色も青から黄色、赤色と、切り替わるタイミングである。よって、車両5A,5Bも交差点の通過を急いでいる。
さらに、方路R2と方路R1との間にであって交差点の角部には、方路R1と方路R2との見通しを遮る建物G2が存在する。
ここで、交差点を方路R1に向かって左折する車両5Aと、歩行者7A,7Bとは、車道上で衝突の可能性がある。特に、方路R1と方路R2との間には見通しを遮る建物G2が存在しているため、車両5Aと、歩行者7A,7Bの双方で接近するまで互いの存在に気づきにくい状況である。
車両5Aが左折し、歩行者7A,7Bに向かって走行すれば、エッジサーバ3は、車両5Aの衝突予測対象として、歩行者7A,7Bを特定するとともに、歩行者7A,7Bの衝突予測対象として、車両5Aを特定する。また、歩行者7A,7Bは、属性が子供(歩行者7Bのみ)であり、信号を無視している。さらに、車両5Aと歩行者7A,7Bとの間に死角要因である建物G2が存在する。
このとき、エッジサーバ3は、車両5Aを評価対象としたときの評価値を求める場合、衝突予測時間から基礎値を求め、車両5に関する加算処理による加算値の他、死角要因や、歩行者7A,7Bに関する加算処理による加算値を基礎値に加算し、評価値を得る。この際、歩行者7A,7Bに関する加算処理では、歩行者の身長(120cm以下)や、信号無視による加算値が加算される。
これにより、車両5Aにおける歩行者7A,7Bの評価値は前記通知判定用閾値よりも大きい値となり、エッジサーバ3は、車両5Aにおける歩行者7A,7Bの衝突予測結果を車両5Aへ通知する。
また、エッジサーバ3は、歩行者7A,7Bにおける車両5Aの衝突予測の予測結果を歩行者7A,7Bへ通知する。
さらに、車両5Bにおいても、車両5Aが横断歩道Pの歩行者7A,7Bに気づいて速度を落とし、両車両が接近すると、エッジサーバ3は、車両5Bの衝突予測対象として車両5Aを特定する。衝突予測の結果、衝突予測時間が短ければ、評価値が大きな値に設定される。この結果、エッジサーバ3は、車両5Bにおける車両5Aの衝突予測結果を車両5Bへ通知する。
以上によって、車両5A,5Bの車載装置50、歩行者7A,7Bの歩行者端末70は、エッジサーバ3からの通知に基づいて、衝突予測結果を自装置のユーザへ出力する。
これによって、エッジサーバ3は、横断歩道Pを歩行者が渡っていることを事前に車両5Aのユーザに認識させることができる。
また、エッジサーバ3は、横断歩道Pの右側から車両5Aが現れることを事前に歩行者7A,7Bに認識させることができる。
これにより、エッジサーバ3は、車両5A,5Bの車載装置50、歩行者7A,7Bの歩行者端末70にユーザへの出力を行わせることで、各移動体同士の衝突を回避させることができる。
〔第2実施形態について〕
図25は、第2実施形態に係るエッジサーバ3の記憶部34を示す図である。
本実施形態の記憶部34には、動的情報マップM1、移動体データベース34a、及び評価値データベース34bの他、相対距離データベース34cが記憶されている。
相対距離データベース34cには、移動体データベース34aに登録されている各移動体同士の相対距離が登録されている。
本実施形態の演算部31aは、評価対象(対象移動体)、及び評価対象以外の移動体(他の移動体)それぞれの移動情報(位置情報、方位情報、及び速度情報)等を用いて評価値を求める個別演算処理に加えて、相対距離データベース34cに登録されている各移動体同士の相対距離に基づく加算処理をさらに行う点で、第1実施形態と相違する。
以下で説明する構成以外の構成については、第1実施形態と同様である。
図26は、相対距離データベース34cの一例を示す図である。
図26に示すように、相対距離データベース34cには、移動体データベース34aに登録されている各移動体同士の相対距離が登録されている。
相対距離データベース34cには、移動体IDごとに、他の移動体IDとの間の相対距離が登録されている。また、相対距離データベース34cには、過去の相対距離も登録されている。
例えば、相対距離データベース34c中、移動体ID「1001」と移動体ID「1002」との相対距離は、直近に更新された位置情報から得られた相対距離として「132m」が登録され、前回更新時の位置情報から得られた相対距離として「152m」が登録され、前々回更新時の位置情報から得られた相対距離として「172m」が登録されている。つまり、相対距離データベース34cには、更新間隔ごとに時系列に並ぶ複数の相対距離が登録される。
検出部31dは、各移動体の位置情報が登録される移動体データベース34aを更新するごとに、各移動体同士の相対距離を求め、相対距離データベース34cに登録する。
よって、検出部31dは、移動体データベース34aを随時更新するのと同時に、相対距離データベース34cも更新する。
図27は、本実施形態の演算部31aが行う演算処理の一例を示すフローチャートである。
本実施形態の演算処理は、ステップS55の個別演算処理の後に、相対距離に基づく加算処理(ステップS59)を行う。
相対距離に基づく加算処理では、ステップS57において登録された各評価値に対してさらに加算値を加算する処理を行う。
よって、ここでは、主にステップS59について説明する。
図28は、図27中ステップS59の相対距離に基づく加算処理の一例を示すフローチャートである。
図28に示すように、演算部31aは、まず、評価対象以外の移動体を特定し(ステップS120)、評価対象以外の移動体のうち、対象移動体との相対距離が100m以内でかつ相対距離の変位が負の移動体を接近対象として特定する(ステップS121)。
相対距離の変位とは、現在の相対距離から過去の相対距離を減算した値である。相対距離の変位が正の場合、相対距離が増加していることを示しており、評価対象と、評価対象以外の移動体とは相対的に離れる方向に移動している。また、相対距離の変位が負の場合、相対距離が減少していることを示しており、評価対象と、評価対象以外の移動体とは相対的に接近する方向に移動していることが判る。
演算部31aは、直近に更新された位置情報による相対距離から、直近よりも過去に更新された位置情報による相対距離を減算することで、相対距離の変位を求める。
なお、演算部31aは、直近に更新された位置情報による相対距離から、直近よりも過去に更新された位置情報による相対距離を減算し、さらに、相対距離データベース34cの更新間隔に基づいて、単位時間当たりの相対距離の変位を求め、これを相対距離の変位として用いてもよい。
対象移動体の周囲所定の距離に位置しかつ対象移動体に接近する移動体は、対象移動体に衝突又は接触する可能性を有する。
そこで、演算部31aは、対象移動体の周囲100m以内に位置しかつ対象移動体に接近するように相対距離が減少する評価対象以外の移動体を、接近対象として特定する。
つまり、接近対象として特定された移動体は、対象移動体に衝突又は接触する可能性を有する移動体である。
ステップS121の後、演算部31aは、接近対象として特定された移動体(以下、接近移動体ともいう)の評価値に対して加算処理を行う(ステップS122)。
図29は、評価値に対する加算処理の一例を示すフローチャートである。
接近移動体に対する加算処理は、対象移動体における接近移動体の評価値にさらに加算値を加算する処理である。
なお、対象移動体における接近移動体の評価値は、個別演算処理によって求められる。
演算部31aは、ステップS131からステップS137までの処理を、ステップS121にて特定した全ての接近移動体について処理するまで繰り返す。
以下、ステップS132からステップS136の説明については、対象移動体と、特定した全ての接近移動体のうちの1つの接近移動体との処理について説明する。
演算部31aは、まず、ステップS132において、対象移動体と、接近移動体との関係が、歩行者対歩行者か否かを判定する(ステップS132)。ステップS132において、対象移動体と、接近移動体との関係が歩行者対歩行者であると判定すると、演算部31aは、この接近移動体については加算処理を行わずステップS137へ進む。これにより、対象移動体と、接近移動体との関係が、歩行者対歩行者の場合、加算処理は行われない。
一方、ステップS132において、対象移動体と、接近移動体との関係が歩行者対歩行者でないと判定すると、演算部31aは、ステップS134へ進み、対象移動体と、接近移動体との関係が車両対車両か否かを判定する(ステップS134)。
ステップS134において、対象移動体と、接近移動体との関係が車両対車両でないと判定すると、演算部31aは、ステップS136へ進み、車両対歩行者又は歩行者対車両に対応した処理を行う。
図30は、車両対歩行者又は歩行者対車両に対応した処理の一例を示すフローチャートである。
この場合、対象移動体と、接近移動体とは、一方が車両、他方が歩行者である。ここでは、対象移動体が車両、接近移動体が歩行者である場合について説明するが、対象移動体が歩行者、接近移動体が車両である場合も同様の処理が行われる。
図30に示すように、まず、演算部31aは、接近移動体である歩行者の属性「歩行場所」を参照し、その内容が歩道、又は建物の中であるか否かを判定する(ステップS141)。
本実施形態の検出部31dは、歩行者の歩行場所が、車道、歩道、その他(建物の中)、及び横断歩道のいずれであるかを所得し、歩行者の行動属性「歩行場所」の内容として、車道、歩道、その他(建物の中)、及び横断歩道のいずれかを登録する。
「歩行場所」の内容が歩道、又は建物の中であると判定すると、演算部31aは、この接近移動体(歩行者)については加算処理を行わずに処理を終え、ステップS137(図29)へ進む。歩行者が歩道や建物の中にいるときは、歩行者と対象移動体である車両とが衝突する可能性は低いと考えられる。よって、歩行者が歩道や建物の中にいるときは、演算部31aは、加算処理を行わない。
ステップS141において「歩行場所」の内容が歩道、又は建物の中でないと判定すると、演算部31aは、対象移動体である車両の属性「速度」を参照し、車両の速度が5km/h以下か否かを判定する(ステップS143)。
車両の速度が5km/h以下であると判定すると、演算部31aは、接近移動体である歩行者については加算処理を行わずに処理を終え、ステップS137(図29)へ進む。この場合に加算処理を行わない理由は、車両の速度が5km/h以下であれば、歩行者と対象移動体である車両とが衝突する可能性は低いと考えられるからである。
ステップS143において車両の速度が5km/h以下でないと判定すると、演算部31aは、歩行者の属性「歩行場所」を参照し、その内容が横断歩道であるか否かを判定する(ステップS144)。
「歩行場所」の内容が横断歩道であると判定すると、演算部31aは、ステップS145へ進み、横断歩道が横断する道路の中央を、接近移動体である歩行者が通過したか否かを判定する(ステップS145)。
歩行者が道路の中央を通過したか否かの判定は、演算部31aによって行われる。演算部31aは、マップM1及び歩行者の属性情報を参照し、歩行者の位置及び移動方向から、歩行者の位置が、横断歩道を歩行し横断歩道の中間地点である道路の中央を通過した位置か否かを判定する。
歩行者が道路の中央を通過したと判定すると、演算部31aは、歩行者の位置が歩道に達するまで2m以内か否かを判定する(ステップS146)。
歩行者の位置が歩道に達するまで2m以内か否かの判定についても、演算部31aによって行われる。演算部31aは、マップM1及び歩行者の属性情報を参照し、歩行者の位置及び移動方向から、歩行者が横断歩道を歩行し、かつ歩行者の位置が歩道に達するまで2m以内か否かを判定する。
歩行者の位置が歩道に達するまで2m以内であると判定すると、演算部31aは、接近移動体である歩行者については加算処理を行わずに処理を終え、ステップS137(図29)へ進む。歩行者の位置が歩道に達するまで2m以内であれば、歩行者は、速やかに横断歩道を渡り終え、歩行者と対象移動体である車両とが衝突する可能性は低いと考えられる。よって、演算部31aは、ステップS142において歩行者が歩道に達するまで2m以内と判定すると、加算処理を行わない。
一方、ステップS144において歩行者の行動属性「歩行場所」の内容が横断歩道でないと判定すると、演算部31aは、ステップS147へ進み、対象移動体における接近移動体の評価値に加算値を加算し(ステップS147)、処理を終える。
ステップS147において、演算部31aは、評価値データベース34bを参照し、対象移動体に対応する移動体IDと、接近移動体に対応する移動体IDとの間の評価値が登録される欄を特定する。演算部31aは、特定した欄に登録されている評価値に加算値を加算する。
ステップS147において評価値に加算される加算値は、例えば「200」である。
この場合、歩行者は、横断歩道以外の車道を歩行している可能性が高く、また、歩行者の行動属性「歩行場所」も車道である。歩行者が車道に位置し、かつ相対的に接近中である歩行者と車両との相対距離が100m以内であるため、歩行者と車両とが衝突する可能性が比較的高いと考えることができる。よって、ここで加算にされる加算値は、通知の必要性が高く、個別演算処理において衝突予測時間が3秒未満のときの基礎値と同じ値に設定される。
また、ステップS145において歩行者が道路の中央を通過していないと判定すると、演算部31aは、この場合も、ステップS147へ進み、歩行者が歩道に達するまで2m以内でないと判定すると、対象移動体における接近移動体の評価値に加算値を加算し(ステップS147)、処理を終える。
この場合、歩行者は、横断歩道を歩行しているが、未だ、横断歩道を渡り終えるまでにある一定の時間が必要であり、その間に、接近中の車両と歩行者とが衝突する可能性があると考えることができる。よって、この場合も、対象移動体における接近移動体の評価値に加算値を加算する。
また、ステップS146において歩行者が歩道に達するまで2m以内でないと判定すると、演算部31aは、ステップS148へ進み、対象移動体における接近移動体の評価値に加算値を加算し(ステップS148)、処理を終える。
ステップS148において、演算部31aは、評価値データベース34bを参照し、対象移動体に対応する移動体IDと、接近移動体に対応する移動体IDとの間の評価値が登録される欄を特定する。演算部31aは、特定した欄に登録されている評価値に加算値を加算する。
ステップS148において評価値に加算される加算値は、例えば「100」である。
この場合、歩行者は、横断歩道を半分渡り終えているが、未だ、横断歩道を渡り終えるまでにある一定の時間が必要であり、その間に、接近中の車両と歩行者とが衝突する可能性があると考えることができる。よって、この場合も、対象移動体における接近移動体の評価値に加算値を加算する。
なお、歩行者が横断歩道を渡り終えるまでの時間は、歩行者が道路の中央を通過していないと判定される場合と比較して短い。よって、ステップS148における加算値は、ステップS147における加算値よりも小さい値に設定される。
図29に戻って、ステップS134において、対象移動体と、接近移動体との関係が車両対車両であると判定すると、演算部31aは、ステップS135へ進み、車両対車両に対応した処理を行う。
図31は、車両対車両に対応した処理の一例を示すフローチャートである。
図31に示すように、まず、演算部31aは、対象移動体の車両及び接近移動体の車両が同じ道路を同じ方向へ向かって並走しているか、又は同一車線を走行しているか否かを判定する(ステップS151)。
両車両が同じ道路を同じ方向へ向かって並走しているか、又は同一車線を走行しているか否かの判定は、演算部31aによって行われる。
演算部31aは、マップM1及び両車両の属性情報を参照し、両車両の位置及び移動方向から、両車両が同じ道路を同じ方向へ向かって並走しているか、又は同一車線を走行しているか否かを判定する。
両車両が同じ道路を同じ方向へ向かって並走しておらず、かつ同一車線を走行していないと判定すると、演算部31aは、両車両が走行する道路に中央分離帯があるか否かを判定する(ステップS152)。
両車両が走行する道路に中央分離帯があるか否かの判定についても、演算部31aによって行われる。演算部31aは、マップM1及び両車両の属性情報を参照し、両車両が走行する道路に中央分離帯があるか否かの判定を行う。
両車両が走行する道路に中央分離帯があると判定すると、演算部31aは、対象移動体における接近移動体の評価値に加算値を加算することなく処理を終え、ステップS137(図29)へ進む。
両車両が互いに接近しているときに、両車両が同じ道路を同じ方向へ向かって並走しておらず、かつ同一車線を走行していない場合、両車両は、互いに対向車線を走行中であると考えられる。このとき、中央分離帯があれば、両者が衝突する可能性は極めて低いと考えられる。このため、ステップS152において両車両が走行する道路に中央分離帯があると判定すると、演算部31aは、加算処理を行わない。
一方、ステップS152において両車両が走行する道路に中央分離帯がないと判定すると、演算部31aは、ステップS153へ進み、対象移動体における接近移動体の評価値に加算値を加算し、処理を終える。
この場合、両車両は、互いに対向車線を走行中であり、原則として衝突しないと考えられるが、両車両が互いに接近しているため、演算部31aは、加算処理を行う。
ステップS153において、演算部31aは、評価値データベース34bを参照し、対象移動体に対応する移動体IDと、接近移動体に対応する移動体IDとの間の評価値が登録される欄を特定する。演算部31aは、特定した欄に登録されている評価値に加算値を加算する。
ステップS153において評価値に加算される加算値は、例えば「50」である。
ステップS151において、対象移動体の車両及び接近移動体の車両が同じ道路を同じ方向へ向かって並走している、又は、同一車線を走行している、と判定すると、演算部31aは、対象移動体の車両を基準として前方100m以内に道路がカーブしているか否かを判定する(ステップS154)。
前方100m以内に道路がカーブしているか否かの判定は、演算部31aによって行われる。演算部31aは、マップM1及び対象移動体の車両の属性情報を参照し、対象移動体の前方100m以内の範囲で道路がカーブしているか否かを判定する。ステップS154で判定されるカーブは、大きく速度を低下させることなく、法定速度で曲がることができる程度のカーブを指す。
前方100m以内に道路がカーブしていないと判定すると、演算部31aは、演算部31aは、対象移動体における接近移動体の評価値に加算値を加算することなく処理を終え、ステップS137(図29)へ進む。
両車両が並走している、又は同一車線を走行している場合、両車両が徐々に接近しているとしても、両車両が直線道路を通常に走行していれば、そのような状態の車両に対して積極的に衝突予測結果を通知する必要性が低い。このため、ステップS154において前方100m以内に道路がカーブしていないと判定すると、演算部31aは、加算処理を行わない。
ステップS154において前方100m以内に道路がカーブしていると判定すると、演算部31aは、ステップS155へ進み、対象移動体における接近移動体の評価値に加算値を加算し、処理を終える。
両車両がカーブに進入すると、両車両はカーブに応じてハンドルを切る必要がある。両車両が並走又は同一車線を走行し、互いに接近するときに、両車両がハンドルを切ると、互いに接触する可能性が高まる。このため、演算部31aは、加算処理を行う。
ステップS155において、演算部31aは、評価値データベース34bを参照し、対象移動体に対応する移動体IDと、接近移動体に対応する移動体IDとの間の評価値が登録される欄を特定する。演算部31aは、特定した欄に登録されている評価値に加算値を加算する。
ステップS155において評価値に加算される加算値は、例えば「200」である。ステップS155では、両車両がハンドルを切る必要があるため、ステップS155の場合よりも両車両同士で接触する可能性が高いと考えられる。よって、ステップS155での加算値は、ステップS153での加算値よりも大きい値に設定される。
図29に戻って、演算部31aは、ステップS135の処理、又はステップS136の処理を終えると、ステップS137へ進む。
演算部31aは、ステップS131からステップS137までの処理を、ステップS121にて特定した全ての接近移動体について処理するまで繰り返す。
全ての接近移動体についての処理を終了すると、演算部31aは、評価値に対する加算処理を終え(図28中のステップS122)、相対距離に基づく加算処理を終える。
このように、相対距離に基づく加算処理において、演算部31aは、接近移動体を対象移動体に衝突又は接触する可能性を有する移動体として扱い、接近移動体に対する評価値に加算処理を行う。
ここで、個別演算処理では、衝突予測対象以外の移動体には評価値として「0」が設定される。しかし、相対距離に基づく加算処理では、複数の接近移動体が特定され、複数の接近移動体それぞれの評価値に対して加算値が加算される。
従って、演算部31aは、個別演算処理において、ある対象移動体に対する衝突予測対象に特定せず評価値を「0」とした移動体であっても、相対距離に基づく加算処理においては、前記ある対象移動体に対する接近移動体に特定し、評価値に加算することがある。
評価値に対する加算処理を終えると、演算部31aは、図27の演算処理に戻る。演算部31aは、図27中のステップS55,S57,S59を、特定した対象移動体に対して順次処理し、対象移動体の全てを処理するまで処理を繰り返す。
演算部31aは、特定した対象移動体の全てについて評価値を求め、さらに評価値に対する加算処理を終えると、再度、ステップS51に戻り、同様の処理を繰り返す。
よって、演算部31aは、演算処理を繰り返すことで、特定した対象移動体それぞれの評価値の算出及び登録を繰り返し実行し、評価値データベース34bの登録内容を随時更新する。
図32は、相対距離に基づく加算処理の後の評価値データベース34bの一例を示す図である。
図32中、移動体ID「1005」である対象移動体の評価値において、評価対象以外の移動体の評価値の欄のうち、移動体ID「1001」に対応する欄には評価値として「200」が登録され、移動体ID「1003」に対応する欄には評価値として「200」が登録され、それ以外には「0」が登録されている。
図32の評価値データベース34bにおいて、例えば、移動体ID「1003」の移動体が、移動体ID「1005」の対象移動体に対する衝突予測対象として特定され、これによって評価値が「200」とされているとする。また、移動体ID「1001」の移動体が、移動体ID「1005」の対象移動体に対する接近移動体に特定され、これによって評価値が「200」とされているものとする。さらに、判定部31bが衝突予測結果を通知するか否かを判定するために用いる評価値に対する通知判定用閾値が「200」に設定されているとする。つまり、判定部31bは、評価値が「200」以上の場合、その評価対象に対して衝突予測結果を通知すべきと判定する。
上述したように、個別演算処理では、衝突予測対象以外の移動体には評価値として「0」が設定される。しかし、相対距離に基づく加算処理では、複数の接近移動体が特定され、複数の接近移動体それぞれに対する対象移動体の評価値に対して加算値が加算される。
このため、図32に示すように、移動体ID「1005」の移動体に対して、複数の移動体(移動体ID「1001」の移動体、及び移動体ID「1003」の移動体)の評価値が登録される。
この場合、対象移動体(移動体ID「1005」の移動体)には、移動体ID「1001」の移動体に関する衝突予測結果と、移動体ID「1003」の移動体に関する衝突予測結果とが、通知される。
このように、本実施形態では、個別演算処理によって特定された衝突予測対象に関する衝突予測結果のみならず、相対距離に基づく加算処理によって特定された接近移動体に関する衝突予測結果についても対象移動体へ通知される。
なお、接近移動体に関する衝突予測結果の内容は、衝突予測対象に関する衝突予測結果と同様であり、接近移動体の属性等の情報や、接近移動体が接近してくる方向等が含まれる。
本実施形態のエッジサーバ3は、他の移動体のうち、対象移動体との相対距離が100m以内でかつ相対距離の変位が負の移動体を接近移動体と特定し、対象移動体における接近移動体の評価値に加算値を加算する。
言い換えると、エッジサーバ3は、対象移動体と他の移動体との相対距離、及び相対距離の変位の基づく加算値を、対象移動体における接近移動体の評価値に加算する。
個別演算処理によって演算される衝突予測時間は、対象移動体、及び他の移動体の移動情報(位置情報、方位情報、及び速度情報)を用いて、対象移動体と、他の移動体とが衝突する場合の衝突予測時間を求める。よって、エッジサーバ3は、対象移動体と他の移動体との進行方向(方位情報)が互いに交差するか又は重複し、かつ、対象移動体の速度と他の移動体の速度との関係から衝突するか否かを判定する。
よって、対象移動体と他の移動体とが接近中である場合であっても、エッジサーバ3は、接近中の対象移動体と他の移動体とは衝突の可能性が低いと判定する場合がある。
これに対して、本実施形態では、エッジサーバ3は、対象移動体と他の移動体との相対距離、及び相対距離の変位の基づく加算値を、対象移動体における接近移動体の評価値に加算する。これにより、衝突予測時間には現れないが、対象移動体と他の移動体が接近することで衝突の可能性が生じている場合において、対象移動体の移動端末へ衝突予測結果が提供されるように評価値に反映させることができる。
なお、本実施形態の図28中のステップS121において、評価対象以外の移動体のうち、対象移動体との相対距離が100m以内でかつ相対距離の変位が負の移動体を接近移動体として特定する場合を例示したが、接近移動体と判定するための相対距離の閾値は、100mに限定されるものではない。
本実施形態において、相対距離の閾値を100mとすれば、対象移動体と他の移動体とが共に車両であって、互いに向かい合う方向に沿って50km/hで走行していたとしても、相対距離が100m以内になった直後に通知をし両車両が停止動作を開始すれば、互いに停止することが可能である。このため、本実施形態では、相対距離の閾値を100mとしている。
一方、対象移動体及び他の移動体のうち、一方が車両、他方が歩行者の場合、相対距離の閾値をより小さくすることができる。
よって、相対距離の閾値は、対象移動体及び他の移動体の属性(車両又は歩行者)に応じて変更するように構成してもよい。
さらに、相対距離の閾値は、相対距離の変位に応じて変更するように構成してもよい。
また、本実施形態の図31中のステップS154において、対象移動体の車両を基準として前方100m以内に道路がカーブしているか否かを判定する場合を例示した。しかし、前方のカーブの有無を判定するための距離の閾値は、100mに限定されるものではない。
本実施形態において、前方のカーブの有無を判定するための距離の閾値を100mとすれば、車両が50km/hで走行しているとすると、当該車両がカーブに到達するまでに、数秒間かかる。この数秒間の間に事前に通知することができるため、本実施形態では、前方のカーブの有無を判定するための距離の閾値を100mとしている。
よって、カーブに到達するまでに事前に通知できれば、前記閾値をより長い距離に設定してもよい。
また、前方のカーブの有無を判定するための距離の閾値は、車両の速度に応じて変更するように構成してもよい。
また、本実施形態では、演算部31aが、対象移動体及び他の移動体それぞれの移動情報(位置情報、方位情報、及び速度情報)等を用いて評価値を求める個別演算処理に加えて、相対距離データベース34cに登録されている各移動体同士の相対距離に基づく加算処理をさらに行う場合を例示したが、演算部31aは、個別演算処理を行わず、各移動体同士の相対距離に基づく加算処理のみによって、対象移動体と他の移動体との間の評価値を求めるように構成してもよい。
この場合、衝突予測結果を通知するか否かを判定するための評価値を、対象移動体と他の移動体それぞれとの相対距離、及び相対距離の変位に基づいて求めるので、対象移動体と他の移動体とが所定の相対距離の範囲内であって、互いに接近するように相対距離が減少していれば、衝突の可能性が生じていると判定することができる。この結果、対象移動体及び他の移動体の進行方向に関わらず、対象移動体に対して衝突の可能性を有する他の移動体を幅広く評価でき、通知の必要性を適切に判定することができる。
〔相対距離に基づく加算処理による具体例について〕
〔具体例1〕
図33は、相対距離に基づく加算処理による具体例を説明するための図であり、交差点の横断歩道90を渡る歩行者7と、交差点を右折する車両5とを示した図である。
図33では、歩行者7及び車両5は共に信号に従って進行している。
歩行者7及び車両5は、移動体として動的情報マップM1及び移動体データベース34aに登録されているものとする。
また、車両5は、車載装置50を搭載しており、歩行者7は歩行者端末70を携帯しているものとする。
また、以下の説明において、通知判定用閾値が「200」に設定されており、エッジサーバ3は、対象移動体と他の移動体との間の評価値が通知判定用閾値(「200」)以上であれば、対象移動体に対して衝突予測結果を通知するように構成されているものとする。
図33中の(a),(b),(c),(d)は、歩行者7が横断歩道90を渡り始めたときに車両5が交差点に進入して右折する場合を時系列で示している。また、歩行者7と車両5との距離dは、図33中の(a)から(d)の順番で徐々に減少している。また、歩行者7と車両5との相対距離は(a)から(d)のいずれの場合も100m以内であるとする。さらに、車両5の速度は時速5km/hより大きいものとする。
図33中の(a),(b),(c),(d)において、上述の条件を満たしている場合、車両5を対象移動体としたときに歩行者7は接近移動体として特定され、歩行者7を対象移動体としたときに車両5は接近移動体として特定される。
なお、以下の説明では、主として車両5を対象移動体とし、歩行者7を接近移動体とした場合について説明するが、歩行者7を対象移動体とし、車両5を接近移動体とした場合も同様の処理が行われる。
図33中の(a)では、歩行者7及び車両5は、進行方向(図中矢印)が互いに平行であるため、位置情報、方位情報、及び速度情報に基づいた衝突予測では衝突しないこととなり、エッジサーバ3(の演算部31a)は、個別演算処理において、車両5における衝突予測対象として歩行者7を特定することはない。また、エッジサーバ3は、歩行者7における衝突予測対象として車両5を特定することはない。よって、エッジサーバ3は、個別演算処理において、歩行者7を対象移動体としたときの車両5に対する評価値を「0」とする。同様に、エッジサーバ3は、個別演算処理において、車両5を対象移動体としたときの歩行者7に対する評価値を「0」とする。
また、相対距離に基づく加算処理においても、歩行者7が歩道91上にいるので、エッジサーバ3は、対象移動体である車両5の歩行者7に対する評価値に加算値を加算することはない(図30中のステップS141)。
よって、図33中の(a)の段階では、エッジサーバ3は、車両5に対して歩行者7に関する衝突予測結果を通知することはなく、歩行者7に対して車両5に関する衝突予測結果を通知することはない。
次いで、図33中の(b)では、歩行者7が歩道91から歩道92へ向かって横断歩道を歩行し、車両5が交差点に進入して右折を開始しようとしている。
また、図33中の(b)では、歩行者7は、道路の中央(横断歩道90の中間地点)を未だ通過しておらず、かつ進行方向先の歩道92に達するまでの距離が2mよりも長い地点を歩行しているものとする。
このとき、歩行者7及び車両5は、進行方向(図中矢印)が互いに交差するため、位置情報、方位情報、及び速度情報に基づいた衝突予測によって衝突予測対象として特定される可能性はあるが、進行方向が互いに交差する交差位置Tは比較的遠方となる上、互いの速度によっては衝突しないと予測される場合もある。このため、エッジサーバ3は、個別演算処理において、車両5及び歩行者7を相互に衝突予測対象に特定するか否かはケースバイケースである。
ここでは、エッジサーバ3が車両5及び歩行者7を相互に衝突予測対象に特定しなかったものとする。よって、エッジサーバ3は、個別演算処理において、対象移動体としての歩行者7における車両5の評価値を「0」とする。同様に、エッジサーバ3は、個別演算処理において、対象移動体としての車両5における歩行者7の評価値を「0」とする。
図33中の(b)の場合、その後、図33中の(c)及び(d)に示すように、歩行者7が横断歩道90の横断を継続し、車両5が右折を継続すると、横断歩道90上で歩行者7と車両5とが衝突する可能性が高い。
ここで、歩行者7は横断歩道90上であって、道路の中央を未だ通過してない。このため、エッジサーバ3は、相対距離に基づく加算処理において、対象移動体としての車両5における歩行者7の評価値に加算値「200」を加算する(図30中のステップS147)。よって、対象移動体としての車両5における歩行者7の評価値は、「200」となる。
よって、車両5における歩行者7の評価値は通知判定用閾値以上となり、エッジサーバ3は、図33中の(b)の段階で、車両5に対して歩行者7に関する衝突予測結果を通知する。また、対象移動体としての歩行者7に対しても、エッジサーバ3は同様の処理を行う。よって、エッジサーバ3は、図33中の(b)の段階で、歩行者7に対して車両5に関する衝突予測結果を通知する。
このように、仮に、個別演算処理において車両5及び歩行者7を相互に衝突予測対象に特定しなかったとしても、エッジサーバ3は、図33中の(b)の段階で、相対距離に基づく加算処理によって、対象移動体としての歩行者7における車両5の評価値、及び対象移動体としての車両5における歩行者7の評価値を通知判定用閾値以上に増加させる。これにより、エッジサーバ3は、歩行者7及び車両5の両方に対して衝突予測結果を通知する。
この結果、その後、図33中の(c)及び(d)に示すような状況となる前に、車両5及び歩行者7に互いの存在を認識させることができ、衝突を回避させることができる。
〔具体例2〕
図34は、相対距離に基づく加算処理による他の具体例を説明するための図であり、交差点の横断歩道90を渡る歩行者7と、交差点を右折する車両5とを示した図である。
図34中の(a),(b),(c),(d)は、歩行者7が横断歩道90を渡っている最中に車両5が交差点に進入して右折する場合を時系列で示している。
具体例1では、車両5が交差点に進入する直前において、歩行者7は歩道91上に位置する場合を示した(図33中の(a))。一方、具体例2では、図34中の(a)に示すように、車両5が交差点に進入する直前において、歩行者7は横断歩道90上であって道路の中央を通過した位置に位置している場合を示している。つまり、具体例2では、具体例1よりも歩行者7が車両5に対して道路幅半分程度先行して歩行している場合を示している。
なお、図34中の(a)では、歩行者7は横断歩道90上であって道路の中央を通過しているが、進行方向先の歩道92に達するまでの距離が2mよりも長い地点を歩行しているものとする。
その他の条件は、具体例1と同様であるものとする。
図34中の(a)では、歩行者7及び車両5は、進行方向(図中矢印)が互いに平行であるため、位置情報、方位情報、及び速度情報に基づいた衝突予測では衝突しないこととなり、エッジサーバ3(の演算部31a)は、車両5及び歩行者7を相互に衝突予測対象に特定することはない。よって、エッジサーバ3は、個別演算処理において、対象移動体としての歩行者7における車両5の評価値を「0」とする。同様に、エッジサーバ3は、個別演算処理において、対象移動体としての車両5における歩行者7の評価値を「0」とする。
また、歩行者7は、横断歩道90上であって道路の中央を通過しているが歩道92に達するまでの距離が2mよりも長い地点を歩行している。よって、エッジサーバ3は、相対距離に基づく加算処理において、対象移動体としての車両5における歩行者7の評価値に加算値「100」を加算する(図30中のステップS148)。
よって、対象移動体としての車両5における歩行者7の評価値は、「100」となる。
本実施形態では、エッジサーバ3は、評価値が「200」以上で衝突予測結果を通知する。よって、対象移動体としての車両5における歩行者7の評価値が「100」の場合、エッジサーバ3は、車両5に対して衝突予測結果を通知しない。
しかし、何らかの要因で、個別演算処理による評価値が「100」以上となり、評価値が通知判定用閾値(「200」)を超えれば、エッジサーバ3は、衝突予測結果を通知する。
つまり、相対距離に基づく加算処理によって、通知判定用閾値よりも少ない加算値を加算すれば、個別演算処理のみによる評価値が通知判定用閾値に至らない場合であっても、加算値が加算されることで、衝突予測結果を通知させることができる。これにより、エッジサーバ3が衝突予測結果を通知すると判定する際の車両5及び歩行者7との間における状況をより多様化することができる。
次いで、図34中の(b)では、歩行者7が歩道92の直前まで横断歩道90を渡っており、車両5が交差点に進入して右折を開始しようとしている。
この場合、図33中の(b)と同様であり、エッジサーバ3は、個別演算処理において、車両5及び歩行者7を相互に衝突予測対象に特定するか否かはケースバイケースである。
ここでは、エッジサーバ3が車両5及び歩行者7を相互に衝突予測対象に特定しなかったものとする。よって、エッジサーバ3は、個別演算処理において、対象移動体としての歩行者7における車両5の評価値を「0」とする。同様に、エッジサーバ3は、個別演算処理において、対象移動体としての車両5における歩行者7の評価値を「0」とする。
一方、歩行者7は、歩道92の直前まで横断歩道90を渡っており、例えば、歩道92に達するまで2m以内に位置しているとする。
この場合、エッジサーバ3は、相対距離に基づく加算処理において、対象移動体としての車両5における歩行者7の評価値に加算しない(図30中のステップS146)。
図34中の(b)の場合、その後、図34中の(c)及び(d)に示すように、歩行者7は、速やかに横断歩道90を渡り終え、歩道92へ到達する。よって、歩行者7と車両5とが衝突する可能性は低い。
このような関係における車両5及び歩行者7においては、衝突予測結果を通知する必要は低い。
このため、エッジサーバ3は、相対距離に基づく加算処理において、対象移動体としての車両5における歩行者7の評価値に加算しない。よって、対象移動体としての車両5における歩行者7の評価値は、「0」となる。よって、エッジサーバ3は、車両5に対して衝突予測結果を通知しない。
また、対象移動体としての歩行者7の場合にも、エッジサーバ3は同様の処理を行う。よって、エッジサーバ3は、歩行者7に対しても衝突予測結果を通知しない。
このように、本実施形態では、エッジサーバ3は、対象移動体に対して接近する接近移動体を特定したとしても、衝突予測結果を通知する必要性が低い場合、当該対象移動体に対して衝突予測結果を通知しない。これにより、無駄に衝突予測結果を通知するのを抑制できる。
〔具体例3〕
図35は、相対距離に基づく加算処理による他の具体例を説明するための図であり、交差点の横断歩道90を渡る歩行者7と、交差点を左折する車両5とを示した図である。
図35中、(a)(b)(c)は、歩行者7が横断歩道90を渡り始めたときに車両5が交差点に進入して左折する場合を時系列で示している。
具体例3では、車両5が交差点を左折して歩行者7が横断する横断歩道90を通過する点以外、車両5や歩行者7等に関する条件は具体例1と同じであるものとする。よって、図35中の(a),(b),(c)において、車両5を対象移動体としたときに歩行者7は接近移動体として特定され、歩行者7を対象移動体としたときに車両5は接近移動体として特定される。
図35中の(a)では、歩行者7及び車両5は、進行方向(図中矢印)が互いに平行であり、さらに、歩行者7は歩道91上にいる。
よって、エッジサーバ3は、図33中の(a)の場合と同様、車両5に対して歩行者7に関する衝突予測結果を通知することはなく、歩行者7に対して車両5に関する衝突予測結果を通知することはない。
図35中の(b)では、歩行者7が歩道91から歩道92へ向かって横断歩道を歩行し、車両5が交差点に進入して左折を開始しようとしている。
ここで、歩行者7は横断歩道90上であって、道路の中央を未だ通過してない。
よって、エッジサーバ3は、個別演算処理によって歩行者7を衝突予測対象に特定しなかったとしても、相対距離に基づく加算処理によって、車両5における歩行者7の評価値に加算値「200」を加算する(図30中のステップS147)。
よって、車両5における歩行者7の評価値は通知判定用閾値以上となり、エッジサーバ3は、図33中の(b)の場合と同様、車両5に対して歩行者7に関する衝突予測結果を通知し、歩行者7に対して車両5に関する衝突予測結果を通知する。
図35中の(b)の場合、その後、図35中の(c)に示すように、歩行者7が横断歩道90の横断を継続し、車両5が左折を継続すると、横断歩道90上で歩行者7と車両5とが衝突する可能性が高い。
これに対して、エッジサーバ3は、歩行者7及び車両5の両方に対して衝突予測結果を通知する。
この結果、その後、図35中の(c)に示すような状況となる前に、車両5及び歩行者7に互いの存在を認識させることができ、衝突を回避させることができる。
〔具体例4〕
図36Aは、相対距離に基づく加算処理による他の具体例を説明するための図であり、2台の車両5A,5Bが片側2車線の道路R10を同じ方向(図中矢印の方向)へ向かって並走している状態を示した図である。
車両5Aは、車線R10aを走行し、車両5Bは、車線R10aに隣接する車線R10bを走行している。
また、図36Aでは、車両5Aの前方100m以内の範囲で道路R10がカーブしているものとする。
また、車両5A及び車両5Bは、移動体として動的情報マップM1及び移動体データベース34aに登録されているものとする。
また、車両5Aは、車載装置50を搭載しているが、車両5Bは車載装置50を搭載していないものとする。よって、以下の説明では、車両5Aを対象移動体とし、車両5Bを接近移動体とした場合について説明する。
また、以下の説明では、主として相対距離に基づく加算処理について説明する。
例えば、車両5Aと車両5Bとの相対距離が100m以内で、50km/h程度で並走し、さらに、車両5Aが車両5Bに徐々に接近している場合について考える。
この場合、エッジサーバ3は、車両5Aを対象移動体としたときに車両5Bを接近移動体として特定する。
ここで、車両5Aの前方100m以内の範囲で道路R10がカーブしていなければ、エッジサーバ3は、相対距離に基づく加算処理において加算は行わない(図31中、ステップS154)。
上述したように、両車両が並走している、又は同一車線を走行している場合、両車両が徐々に接近しているとしても、両車両が直線道路を通常に走行していれば、そのような状態の車両に対して積極的に衝突予測結果を通知する必要性が低い。
このため、車両5Aと車両5Bとが並走している場合において、前方100m以内に道路がカーブしていないと判定すると、エッジサーバ3は、相対距離に基づく加算処理において、加算処理を行わない。
なお、車両5Aと車両5Bとの間の個別演算処理は行われる。エッジサーバ3は、個別演算処理によって車両5Aの車両5Bに対する評価値を求める。個別演算処理による車両5Aの車両5Bに対する評価値が、通知判定用閾値を超える場合、エッジサーバ3は、車両5Aに向けて車両5Bに関する衝突予測結果を通知する。
一方、図36Aに示すように、車両5Aの前方100m以内の範囲で道路R10がカーブしている場合、エッジサーバ3は、相対距離に基づく加算処理において、対象移動体である車両5Aにおける車両5Bの評価値に加算値「200」を加算する(図31中、ステップS155)。
車両5A及び車両5Bがカーブに進入すると、車両5A及び車両5Bはカーブに応じてハンドルを切る必要がある。このとき、例えば、後続の車両5Aがカーブに合わせてハンドルを切ったとしても前を走行する車両5Bがハンドルを切らなかった場合、互いに接触する可能性が高まる。このため、エッジサーバ3は加算処理を行う。
エッジサーバ3が車両5Aの車両5Bに対する評価値に加算値「200」を加算すれば、当該評価値は、通知判定用閾値以上となる。
よって、仮に、個別演算処理において車両5Aの衝突予測対象として車両5Bを特定しなかったとしても、エッジサーバ3は、相対距離に基づく加算処理によって、車両5Aに対して衝突予測結果を通知する。
この結果、カーブに進入する前に、車両5Aに対して車両5Bとの接触の可能性を通知することができ、車両5Aに対して注意を促すことができる。
〔具体例5〕
図36Bは、相対距離に基づく加算処理による他の具体例を説明するための図であり、車両5Aが道路R10の車線R11を図中矢印の方向へ向かって走行しており、車両5Aが走行する車線R11に対向する車線R12を車両5Bが図中矢印の方向へ向かって走行している状態を示した図である。
また、車両5A及び車両5Bは、移動体として動的情報マップM1及び移動体データベース34aに登録されているものとする。
また、車両5Aは、車載装置50を搭載しているが、車両5Bは車載装置50を搭載していないものとする。よって、以下の説明では、車両5Aを対象移動体とし、車両5Bを接近移動体とした場合について説明する。
また、以下の説明では、主として相対距離に基づく加算処理について説明する。
例えば、車両5Aと車両5Bとの相対距離が100m以内で、共に50km/h程度で走行している場合について考える。
図36Bにおいて、車両5Aの前方にはカーブがあり、車両5Bはそのカーブを走行している。このため、車両5Aの進行方向と車両5Bの進行方向とが互いに交差する。また、車両5Aと車両5Bとは互いに接近する。よって、エッジサーバ3は、車両5Aを対象移動体としたときに車両5Bを接近移動体として特定する。
ここで、図36Bに示すように、車線R11と、車線R12との間に中央分離帯Cが存在する場合、エッジサーバ3は、相対距離に基づく加算処理において加算は行わない(図31中、ステップS152)。
上述したように、両車両が互いに接近しているときに、両車両が同じ道路を同じ方向へ向かって並走しておらず、かつ同一車線を走行していない場合、両車両は、互いに対向車線を走行中である。このとき、中央分離帯があれば、両者が衝突する可能性は極めて低いと考えられる。
このため、図36Bに示すように、車両5Aと車両5Bとが互いに対向車線(車線R11及び車線R12)を走行中であり、かつ中央分離帯Cがある場合、エッジサーバ3は、相対距離に基づく加算処理において、評価値に加算値を加算しない。
なお、車両5Aと車両5Bとの間の個別演算処理は行われる。エッジサーバ3は、個別演算処理によって車両5Aの車両5Bに対する評価値を求める。よって、エッジサーバ3は、個別演算処理による車両5Aの車両5Bに対する評価値に応じて衝突予測結果を通知するか否かを判定する。
一方、車線R11と車線R12との間に中央分離帯がない場合、エッジサーバ3は、相対距離に基づく加算処理において、対象移動体としての車両5Aにおける車両5Bの評価値に加算値「50」を加算する(図31中、ステップS153)。
この場合、エッジサーバ3は、車両5Aに向けて車両5Bに関する衝突予測結果を通知しない。
両車両は、互いに対向車線を走行中であり、原則として衝突しないと考えられる。
しかし、、車線R11と車線R12との間に中央分離帯がなく、他の要因が組み合わさることで、両車両に衝突の可能性が生じることも考えられる。そこで、エッジサーバ3は、車両5Aにおける車両5Bの評価値に加算値「50」を加算する。これにより、エッジサーバ3は、個別演算処理による評価値が「150」以上の場合に車両5Aへ衝突予測結果を通知する。
これにより、対向車線を走行中の車両5が存在するとき、何らかの要因で、個別演算処理による評価値が「150」以上となれば、相対距離に基づく加算処理の加算値を加えた評価値が「200」を超え、エッジサーバ3は、衝突予測結果を通知する。
このように、相対距離に基づく加算処理によって、通知判定用閾値よりも少ない加算値を加算すれば、個別演算処理のみによる評価値が通知判定用閾値に至らない場合であっても、加算値が加算されることで、衝突予測結果を通知させることができる。
〔その他〕
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。
例えば、車両5及び歩行者7における属性情報における属性の種類は例示であり、これに限定されるものではない。
また、加算処理において加算される加算値についても例示であり、これに限定されるものではない。
また、上記実施形態では、評価対象以外の移動体を特定し、さらにその中から最も短い衝突予測時間となる移動体を衝突予測対象として特定し、評価対象と衝突予測対象との間で加算処理を行い、評価値を求めた場合を例示したが、例えば、評価対象以外の移動体についても加算処理を行って評価値を求め、判定部31bによる判定処理の対象としてもよい。
また、上記実施形態では、判定部31bが、衝突予測結果を通知するか否かを、通知判定用閾値に基づいて判定する場合を例示したが、例えば、各評価対象の評価値を互いに比較し、比較結果に基づいて、衝突予測結果を通知するか否かを判定するように構成してもよい。
例えば、各評価対象の評価値を互いに比較し、評価値が高い順に上位所定数の評価対象について衝突予測結果を通知すると判定するように構成してもよい。
この場合、衝突予測結果を通知する評価対象が所定数を超えることがないので、無線通信システムに対して必要以上に負荷が及ぶのを抑制することができる。
これにより、無線通信システムへの負荷を抑制しつつ、通知の必要性が高い衝突予測結果を適切に移動端末へ提供することができる。
また、上記実施形態では、通知判定用閾値を予め設定した場合を例示したが、判定部31bが、通知判定用閾値を適応的に変更するように構成してもよい。
例えば、判定部31bは、過去所定期間において各評価対象に衝突予測結果を通知した通知回数をカウントし、通知回数に応じて通知判定用閾値を変更するように構成してもよい。
この場合、通知回数が、無線通信システムに対して必要以上の負荷が及ぶ程度の値である場合、判定部31bは、通知回数が減るように通知判定用閾値をより大きい値に調整し、通知回数が、無線通信システムに対して十分余力がある負荷であると判断しうる値である場合、判定部31bは、通知回数が増えるように通知判定用閾値をより大きい値に調整する。
これにより、無線通信システムへの負荷を抑制しつつ、通知の必要性が高い衝突予測結果を適切に移動端末へ提供することができる。
本開示の範囲は、上記した意味ではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1A〜1D 通信端末
2 基地局
3 エッジサーバ
4 コアサーバ
5,5A,5B,5C,5D 車両
7,7A,7B 歩行者
8 路側センサ
9 交通信号制御機
31 制御部
31a 演算部
31b 判定部
31c 通知部
31d 検出部
32 ROM
33 RAM
34 記憶部
34a 移動体データベース
34b 評価値データベース
34c 相対距離データベース
35 通信部
41 制御部
42 ROM
43 RAM
44 記憶部
45 通信部
50 車載装置
51 制御部
52 GPS受信機
53 車速センサ
54 ジャイロセンサ
55 記憶部
56 ディスプレイ
57 スピーカ
58 入力デバイス
59 車載カメラ
60 レーダセンサ
61 通信部
70 歩行者端末
71 制御部
72 記憶部
73 表示部
74 操作部
75 通信部
81 制御部
82 記憶部
83 路側カメラ
84 レーダセンサ
85 通信部
90 横断歩道
91 歩道
92 歩道
C 中央分離帯
d 距離
D1 表示
D2 矢印
D3 表示
D4 矢印
D5 表示
D6 矢印
G1 障害物
G2 建物
M1 動的情報マップ
M2 動的情報マップ
N1〜N4 ノード
R1,R2 方路
R10 道路
R10a 車線
R10b 車線
R11 車線
R12 車線
T 交差位置
S1〜S4 ネットワークスライス
V1,V2,V3 出力画面

Claims (13)

  1. 複数の移動体の動的情報を地図情報に重畳した動的マップ情報に基づいて、前記複数の移動体の移動状態を示す移動情報と、前記複数の移動体の外観情報と、を取得する取得部と、
    前記複数の移動体のうち移動端末を有する対象移動体と、当該対象移動体以外の他の移動体とが衝突するか否かの衝突予測を前記移動情報に基づいて行うとともに、前記対象移動体と前記他の移動体とが衝突する可能性を示す評価値を求める演算部と、
    前記演算部による衝突予測の結果を示す衝突予測結果を前記移動端末へ通知するか否かを判定する判定部と、を備え、
    前記演算部は、
    前記衝突予測結果に含まれる、前記対象移動体と前記他の移動体とが衝突するまでの衝突予測時間と、
    前記対象移動体、及び前記他の移動体それぞれの前記外観情報に応じた外観属性値と、
    前記移動情報から得られる、前記対象移動体、及び前記他の移動体それぞれの行動内容を示す行動情報に応じた行動属性値と、
    に基づいて前記評価値を求め、
    前記判定部は、前記衝突予測結果を前記移動端末へ通知するか否かを、前記評価値に基づいて判定する
    情報提供システム。
  2. 前記判定部が通知すると判定した移動端末に対して、前記衝突予測結果を通知する通知部をさらに備える
    請求項1に記載の情報提供システム。
  3. 前記演算部は、前記他の移動体のうち、前記対象移動体に対して衝突すると予測される移動体を、前記衝突予測結果に基づいて特定し、前記衝突すると予測される移動体の前記衝突予測時間、前記外観属性値、及び前記行動属性値を用いて前記評価値を求める
    請求項1又は請求項2に記載の情報提供システム。
  4. 前記移動端末を制御し、前記衝突予測結果を前記移動端末のユーザへ向けて出力する処理を前記移動端末に実行させる制御部をさらに備え、
    前記制御部は、前記衝突すると予測される移動体における前記外観情報及び前記行動情報に応じて前記衝突予測結果の出力態様が異なるように前記移動端末を制御する
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の情報提供システム。
  5. 前記他の移動体が車両である場合、前記外観属性値には、前記車両のサイズに応じた属性値、前記車両の形状に応じた属性値、前記車両の色に応じた属性値、及び、前記車両に取り付けられたナンバープレートに記載された情報に応じた属性値のうち少なくとも1つが含まれる
    請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の情報提供システム。
  6. 前記他の移動体が歩行者である場合、前記外観属性値には、前記歩行者の身長に応じた属性値、前記歩行者の服装に応じた属性値、及び前記歩行者の装備品に応じた属性値のうち少なくとも1つが含まれる
    請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の情報提供システム。
  7. 前記他の移動体が車両である場合、前記行動属性値には、現在の走行状態に応じた属性値、及び過去の走行履歴に応じた属性値のうち少なくとも1つが含まれる
    請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の情報提供システム。
  8. 前記他の移動体が歩行者である場合、前記行動属性値には、前記歩行者の歩行場所に応じた属性値、前記歩行者の歩行軌跡に応じた属性値、信号機の灯色に対する動作に応じた属性値のうち少なくとも1つが含まれる
    請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の情報提供システム。
  9. 前記演算部は、前記移動情報に含まれる前記複数の移動体の位置情報に基づいて、前記対象移動体と前記他の移動体それぞれとの相対距離、及び前記相対距離の変位を求め、前記相対距離及び前記相対距離の変位に基づく加算値を前記評価値に加算する
    請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の情報提供システム。
  10. 複数の移動体の動的情報を地図情報に重畳した動的マップ情報に基づいて、前記複数の移動体の移動状態を示す移動情報を取得する取得部と、
    前記複数の移動体のうち移動端末を有する対象移動体と、当該対象移動体以外の他の移動体とが衝突するか否かの衝突予測を前記移動情報に基づいて行うとともに、前記対象移動体と前記他の移動体とが衝突する可能性を示す評価値を求める演算部と、
    前記演算部による衝突予測の結果を示す衝突予測結果を前記移動端末へ通知するか否かを判定する判定部と、を備え、
    前記演算部は、
    前記移動情報に含まれる前記複数の移動体の位置情報に基づいて、前記対象移動体と前記他の移動体それぞれとの相対距離、及び前記相対距離の変位を求め、前記相対距離及び前記相対距離の変位に基づいて前記評価値を求め、
    前記判定部は、前記衝突予測結果を前記移動端末へ通知するか否かを、前記評価値に基づいて判定する
    情報提供システム。
  11. 請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の情報提供システムから前記衝突予測結果を受け付け、ユーザへ前記衝突予測結果を出力する移動端末。
  12. 移動端末へ情報提供を行う情報提供方法であって、
    複数の移動体の動的情報を地図情報に重畳した動的マップ情報に基づいて、前記複数の移動体の移動状態を示す移動情報と、前記複数の移動体の外観情報と、を取得する取得ステップと、
    前記複数の移動体のうち前記移動端末を有する対象移動体と、当該対象移動体以外の他の移動体とが衝突するか否かの衝突予測を前記移動情報に基づいて行うとともに、前記対象移動体と前記他の移動体とが衝突する可能性を示す評価値を求める演算ステップと、
    前記演算ステップによる衝突予測の結果を示す衝突予測結果を前記移動端末へ通知するか否かを判定する判定ステップと、を含み、
    前記演算ステップでは、
    前記衝突予測結果に含まれる、前記対象移動体と前記他の移動体とが衝突するまでの衝突予測時間と、
    前記対象移動体、及び前記他の移動体それぞれの前記外観情報に応じた外観属性値と、
    前記移動情報から得られる、前記対象移動体、及び前記他の移動体それぞれの行動内容を示す行動情報に応じた行動属性値と、
    に基づいて前記評価値を求め、
    前記判定ステップでは、前記衝突予測結果を前記移動端末へ通知するか否かを、前記評価値に基づいて判定する
    情報提供方法。
  13. 移動端末へ情報提供を行う情報提供処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、
    前記コンピュータに
    複数の移動体の動的情報を地図情報に重畳した動的マップ情報に基づいて、前記複数の移動体の移動状態を示す移動情報と、前記複数の移動体の外観情報と、を取得する取得ステップと、
    前記複数の移動体のうち前記移動端末を有する対象移動体と、当該対象移動体以外の他の移動体とが衝突するか否かの衝突予測を前記移動情報に基づいて行うとともに、前記対象移動体と前記他の移動体とが衝突する可能性を示す評価値を求める演算ステップと、
    前記演算ステップによる衝突予測の結果を示す衝突予測結果を前記移動端末へ通知するか否かを判定する判定ステップと、を含み、
    前記演算ステップでは、
    前記衝突予測結果に含まれる、前記対象移動体と前記他の移動体とが衝突するまでの衝突予測時間と、
    前記対象移動体、及び前記他の移動体それぞれの前記外観情報に応じた外観属性値と、
    前記移動情報から得られる、前記対象移動体、及び前記他の移動体それぞれの行動内容を示す行動情報に応じた行動属性値と、
    に基づいて前記評価値を求め、
    前記判定ステップでは、前記衝突予測結果を前記移動端末へ通知するか否かを、前記評価値に基づいて判定する
    コンピュータプログラム。
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