JPWO2020067122A1 - アルカリホスファターゼ組成物並びに脱リン酸化核酸及び標識化核酸の製造方法 - Google Patents

アルカリホスファターゼ組成物並びに脱リン酸化核酸及び標識化核酸の製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、アルカリホスファターゼを含有する高品質の組成物並びに該組成物を使用した脱リン酸化核酸の製造方法及び標識化核酸の製造方法を提供することを目的とし、かかる目的を達成するために、本発明は、アルカリホスファターゼと、配列番号5に記載のアミノ酸配列の501〜578位から選択された連続する5〜50個のアミノ酸残基からなる2種以上のペプチド断片で構成されるペプチド断片群(A)とを含有する組成物であって、前記アルカリホスファターゼの含有量に対する前記1種以上のペプチド断片の合計含有量の比率が、下記式(A):
(X/Y)×100≦4.4000 ・・・(A)
[式中、Xは、前記組成物のLC−MS/MS分析により得られた抽出イオンクロマトグラムから自動積分法により算出された、前記ペプチド断片群(A)のピーク面積値を表し、Yは、前記組成物のLC−UV分析により得られたクロマトグラムから自動積分法により算出された、前記アルカリホスファターゼのピーク面積値を表す。]
を満たす、前記組成物を提供する。

Description

本発明は、アルカリホスファターゼを含有する組成物並びに該組成物を使用した脱リン酸化核酸の製造方法及び標識化核酸の製造方法に関する。
アルカリホスファターゼは、リン酸モノエステルを加水分解する触媒機能を有し、タンパク質、核酸等の生体物質の量を測定する方法(例えば、免疫染色法、ELISA、核酸マイクロアレイ法等)において広く使用されている。例えば、遺伝子工学の研究分野においては、DNA、RNA等の核酸の標識化の前処理、ベクターの自己連結防止等を目的として、アルカリホスファターゼを使用した核酸の5’末端及び/又は3’末端の脱リン酸化が行われている。
アルカリホスファターゼの工業的製法としては、その比活性が高いことから主としてウシの小腸又は大腸を原料とした製造方法が広く採用されている。アルカリホスファターゼの比活性の評価は、一般にp−ニトロフェニルリン酸が分解された際に生成するp−ニトロフェノール由来の405nmの吸光度を測定することで行われる。
アルカリホスファターゼの品質は、アルカリホスファターゼ比活性に基づいて評価されている。そして、ウシ腸由来のアルカリホスファターゼよりも比活性が高いアルカリホスファターゼを得るために、高比活性のアルカリホスファターゼを精製過程で単離したり、遺伝子工学的手法を用いて組換え大腸菌により高比活性のアルカリホスファターゼを生産したりしている。
特許文献1には、バチルス・バディウス属由来の遺伝子を導入した組換え大腸菌を使用して高比活性を有するアルカリホスファターゼを製造する方法が開示されている。また、特許文献2には、シェワネラ属由来の遺伝子を導入した組換え大腸菌を使用して高比活性及び耐熱性を有するアルカリホスファターゼを製造する方法が開示されている。
特開平10−262674号 国際公開第2012/115023号
アルカリホスファターゼを含有する脱リン酸化試薬(例えば、市販のアルカリホスファターゼ製品)は、アルカリホスファターゼとともに、その他の成分を含有する組成物である。アルカリホスファターゼを含有する脱リン酸化試薬の品質は、アルカリホスファターゼ比活性に基づいて評価される。
しかしながら、ほぼ同じアルカリホスファターゼ比活性を有する脱リン酸化試薬であっても、当該脱リン酸化試薬を使用して調製された標識化核酸(当該脱リン酸化試薬により核酸の5’末端及び/又は3’末端を脱リン酸化し、脱リン酸化された核酸の5’末端及び/又は3’末端に標識物質を結合させることにより得られた標識化核酸)の、核酸検出法における検出感度に大きな差が生じることが判明した。すなわち、アルカリホスファターゼを含有する脱リン酸化試薬の品質は、アルカリホスファターゼ比活性を指標として正確に評価できないことが判明した。
そこで、本発明は、アルカリホスファターゼを含有する高品質の組成物並びに該組成物を使用した脱リン酸化核酸の製造方法及び標識化核酸の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、アルカリホスファターゼを含有する脱リン酸化試薬(例えば、市販のアルカリホスファターゼ製品)には、以下の不純物のいずれか1種以上が混在し得ることを見出した。
・配列番号5に記載のアミノ酸配列(ウシ由来のアルカリホスファターゼのアミノ酸配列)の501〜578位から選択された連続する5〜50個のアミノ酸残基からなる2種以上のペプチド断片で構成されるペプチド断片群(A)
・配列番号5に記載のアミノ酸配列の501〜578位から選択された連続する13〜50個のアミノ酸残基からなり、配列番号5に記載のアミノ酸配列の516〜528位を含む2種以上のペプチド断片で構成されるペプチド断片群(B)
・配列番号5に記載のアミノ酸配列の501〜578位から選択された連続する12〜50個のアミノ酸残基からなり、配列番号5に記載のアミノ酸配列の534〜545位を含む2種以上のペプチド断片で構成されるペプチド断片群(C)
・配列番号1に記載のアミノ酸配列からなる第1のペプチド断片
・配列番号2に記載のアミノ酸配列からなる第2のペプチド断片
・配列番号3に記載のアミノ酸配列からなる第3のペプチド断片
・配列番号4に記載のアミノ酸配列からなる第4のペプチド断片
そして、本発明者らは、ペプチド断片群(A)の含有量、ペプチド断片群(B)の含有量、ペプチド断片群(C)の含有量、第2のペプチド断片の含有量(好ましくは、第2のペプチド断片の含有量、並びに、第1、第3及び第4のペプチド断片から選択された1種、2種又は3種のペプチド断片の含有量)、第3のペプチド断片の含有量(好ましくは、第3のペプチド断片の含有量、並びに、第1、第2及び第4のペプチド断片から選択された1種、2種又は3種のペプチド断片の含有量)又は第4のペプチド断片の含有量(好ましくは、第4のペプチド断片の含有量、並びに、第1、第2及び第3のペプチド断片から選択された1種、2種又は3種のペプチド断片の含有量)を低減させることにより、脱リン酸化試薬を使用して調製された標識化核酸(当該脱リン酸化試薬により核酸の5’末端及び/又は3’末端を脱リン酸化し、脱リン酸化された核酸の5’末端及び/又は3’末端に標識物質を結合させることにより得られた標識化核酸)の、核酸検出法における検出感度を向上させることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は、以下の発明を包含する。
[1]アルカリホスファターゼと、配列番号5に記載のアミノ酸配列の501〜578位から選択された連続する5〜50個のアミノ酸残基からなる2種以上のペプチド断片で構成されるペプチド断片群(A)とを含有する組成物であって、
前記アルカリホスファターゼの含有量に対する前記ペプチド断片群(A)の含有量の比率が、下記式(A):
(X/Y)×100≦4.4000 ・・・(A)
[式中、Xは、前記組成物のLC−MS/MS分析により得られた抽出イオンクロマトグラムから自動積分法により算出された、前記ペプチド断片群(A)のピーク面積値を表し、Yは、前記組成物のLC−UV分析により得られたクロマトグラムから自動積分法により算出された、前記アルカリホスファターゼのピーク面積値を表す。]
を満たす、前記組成物。
[2]前記ペプチド断片群(A)が、配列番号1に記載のアミノ酸配列からなる第1のペプチド断片、配列番号2に記載のアミノ酸配列からなる第2のペプチド断片、配列番号3に記載のアミノ酸配列からなる第3のペプチド断片、及び、配列番号4に記載のアミノ酸配列からなる第4のペプチド断片からなる群から選択された1種、2種、3種又は4種のペプチド断片を含む、[1]に記載の組成物。
[3]前記ペプチド断片群(A)が、前記第1のペプチド断片を含み、
前記アルカリホスファターゼの含有量に対する前記第1のペプチド断片の含有量の比率が、下記式(1):
(X/Y)×100≦1.0000 ・・・(1)
[式中、Xは、前記組成物のLC−MS/MS分析により得られた抽出イオンクロマトグラムから自動積分法により算出された、前記第1のペプチド断片のピーク面積値を表し、Yは、前記と同義である。]
を満たす、[2]に記載の組成物。
[4]前記ペプチド断片群(A)が、前記第2のペプチド断片を含み、
前記アルカリホスファターゼの含有量に対する前記第2のペプチド断片の含有量の比率が、下記式(2):
(X/Y)×100≦1.6000 ・・・(2)
[式中、Xは、前記組成物のLC−MS/MS分析により得られた抽出イオンクロマトグラムから自動積分法により算出された、前記第2のペプチド断片のピーク面積値を表し、Yは、前記と同義である。]
を満たす、[2]又は[3]に記載の組成物。
[5]前記ペプチド断片群(A)が、前記第3のペプチド断片を含み、
前記アルカリホスファターゼの含有量に対する前記第3のペプチド断片の含有量の比率が、下記式(3):
(X/Y)×100≦0.2000 ・・・(3)
[式中、Xは、前記組成物のLC−MS/MS分析により得られた抽出イオンクロマトグラムから自動積分法により算出された、前記第3のペプチド断片のピーク面積値を表し、Yは、前記と同義である。]
を満たす、[2]〜[4]のいずれか一つに記載の組成物。
[6]前記ペプチド断片群(A)が、前記第4のペプチド断片を含み、
前記アルカリホスファターゼの含有量に対する前記第4のペプチド断片の含有量の比率が、下記式(4):
(X/Y)×100≦0.3500 ・・・(4)
[式中、Xは、前記組成物のLC−MS/MS分析により得られた抽出イオンクロマトグラムから自動積分法により算出された、前記第4のペプチド断片のピーク面積値を表し、Yは、前記と同義である。]
を満たす、[2]〜[5]のいずれか一つに記載の組成物。
[7]アルカリホスファターゼと、配列番号5に記載のアミノ酸配列の501〜578位から選択された連続する13〜50個のアミノ酸残基からなり、配列番号5に記載のアミノ酸配列の516〜528位を含む2種以上のペプチド断片で構成されるペプチド断片群(B)とを含有する組成物であって、
前記アルカリホスファターゼの含有量に対する前記ペプチド断片群(B)の含有量の比率が、下記式(B):
(X/Y)×100≦3.4000 ・・・(B)
[式中、Xは、前記組成物のLC−MS/MS分析により得られた抽出イオンクロマトグラムから自動積分法により算出された、前記ペプチド断片群(B)のピーク面積値を表し、Yは、前記組成物のLC−UV分析により得られたクロマトグラムから自動積分法により算出された、前記アルカリホスファターゼのピーク面積値を表す。]
を満たす、前記組成物。
[8]前記ペプチド断片群(B)が、配列番号1に記載のアミノ酸配列からなる第1のペプチド断片、及び、配列番号2に記載のアミノ酸配列からなる第2のペプチド断片からなる群から選択された1種又は2種のペプチド断片を含む、[7]に記載の組成物。
[9]前記ペプチド断片群(B)が、前記第1のペプチド断片を含み、
前記アルカリホスファターゼの含有量に対する前記第1のペプチド断片の含有量の比率が、下記式(1):
(X/Y)×100≦1.0000 ・・・(1)
[式中、Xは、前記組成物のLC−MS/MS分析により得られた抽出イオンクロマトグラムから自動積分法により算出された、前記第1のペプチド断片のピーク面積値を表し、Yは、前記と同義である。]
を満たす、[8]に記載の組成物。
[10]前記ペプチド断片群(B)が、前記第2のペプチド断片を含み、
前記アルカリホスファターゼの含有量に対する前記第2のペプチド断片の含有量の比率が、下記式(2):
(X/Y)×100≦1.6000 ・・・(2)
[式中、Xは、前記組成物のLC−MS/MS分析により得られた抽出イオンクロマトグラムから自動積分法により算出された、前記第2のペプチド断片のピーク面積値を表し、Yは、前記と同義である。]
を満たす、[8]又は[9]に記載の組成物。
[11]アルカリホスファターゼと、配列番号5に記載のアミノ酸配列の501〜578位から選択された連続する12〜50個のアミノ酸残基からなり、配列番号5に記載のアミノ酸配列の534〜545位を含む2種以上のペプチド断片で構成されるペプチド断片群(C)とを含有する組成物であって、
前記アルカリホスファターゼの含有量に対する前記ペプチド断片群(C)の含有量の比率が、下記式(C):
(X/Y)×100≦1.0000 ・・・(C)
[式中、Xは、前記組成物のLC−MS/MS分析により得られた抽出イオンクロマトグラムから自動積分法により算出された、前記ペプチド断片群(C)のピーク面積値を表し、Yは、前記組成物のLC−UV分析により得られたクロマトグラムから自動積分法により算出された、前記アルカリホスファターゼのピーク面積値を表す。]
を満たす、前記組成物。
[12]前記ペプチド断片群(C)が、配列番号3に記載のアミノ酸配列からなる第3のペプチド断片、及び、配列番号4に記載のアミノ酸配列からなる第4のペプチド断片からなる群から選択された1種又は2種のペプチド断片を含む、[11]に記載の組成物。
[13]前記ペプチド断片群(C)が、前記第3のペプチド断片を含み、
前記アルカリホスファターゼの含有量に対する前記第3のペプチド断片の含有量の比率が、下記式(3):
(X/Y)×100≦0.2000 ・・・(3)
[式中、Xは、前記組成物のLC−MS/MS分析により得られた抽出イオンクロマトグラムから自動積分法により算出された、前記第3のペプチド断片のピーク面積値を表し、Yは、前記と同義である。]
を満たす、[12]に記載の組成物。
[14]前記ペプチド断片群(C)が、前記第4のペプチド断片を含み、
前記アルカリホスファターゼの含有量に対する前記第4のペプチド断片の含有量の比率が、下記式(4):
(X/Y)×100≦0.3500 ・・・(4)
[式中、Xは、前記組成物のLC−MS/MS分析により得られた抽出イオンクロマトグラムから自動積分法により算出された、前記第4のペプチド断片のピーク面積値を表し、Yは、前記と同義である。]
を満たす、[12]又は[13]に記載の組成物。
[15]アルカリホスファターゼと、配列番号2に記載のアミノ酸配列からなる第2のペプチド断片とを含有する組成物であって、
前記アルカリホスファターゼの含有量に対する前記第2のペプチド断片の含有量の比率が、下記式(2):
(X/Y)×100≦1.6000 ・・・(2)
[式中、Xは、前記組成物のLC−MS/MS分析により得られた抽出イオンクロマトグラムから自動積分法により算出された、前記第2のペプチド断片のピーク面積値を表し、Yは、前記組成物のLC−UV分析により得られたクロマトグラムから自動積分法により算出された、前記アルカリホスファターゼのピーク面積値を表す。]
を満たす、前記組成物。
[16]前記組成物が、配列番号1に記載のアミノ酸配列からなる第1のペプチド断片をさらに含有し、
前記アルカリホスファターゼの含有量に対する前記第1のペプチド断片の含有量の比率が、下記式(1):
(X/Y)×100≦1.0000 ・・・(1)
[式中、Xは、前記組成物のLC−MS/MS分析により得られた抽出イオンクロマトグラムから自動積分法により算出された、前記第1のペプチド断片のピーク面積値を表し、Yは、前記と同義である。]
を満たす、[15]に記載の組成物。
[17]前記組成物が、配列番号3に記載のアミノ酸配列からなる第3のペプチド断片をさらに含有し、
前記アルカリホスファターゼの含有量に対する前記第3のペプチド断片の含有量の比率が、下記式(3):
(X/Y)×100≦0.2000 ・・・(3)
[式中、Xは、前記組成物のLC−MS/MS分析により得られた抽出イオンクロマトグラムから自動積分法により算出された、前記第3のペプチド断片のピーク面積値を表し、Yは、前記と同義である。]
を満たす、[15]又は[16]に記載の組成物。
[18]前記組成物が、配列番号4に記載のアミノ酸配列からなる第4のペプチド断片をさらに含有し、
前記アルカリホスファターゼの含有量に対する前記第4のペプチド断片の含有量の比率が、下記式(4):
(X/Y)×100≦0.3500 ・・・(4)
[式中、Xは、前記組成物のLC−MS/MS分析により得られた抽出イオンクロマトグラムから自動積分法により算出された、前記第4のペプチド断片のピーク面積値を表し、Yは、前記と同義である。]
を満たす、[15]〜[17]のいずれか一つに記載の組成物。
[19]アルカリホスファターゼと、配列番号3に記載のアミノ酸配列からなる第3のペプチド断片とを含有する組成物であって、
前記アルカリホスファターゼの含有量に対する前記第3のペプチド断片の含有量の比率が、下記式(3):
(X/Y)×100≦0.2000 ・・・(3)
[式中、Xは、前記組成物のLC−MS/MS分析により得られた抽出イオンクロマトグラムから自動積分法により算出された、前記第3のペプチド断片のピーク面積値を表し、Yは、前記と同義である。]
を満たす、前記組成物。
[20]前記組成物が、配列番号1に記載のアミノ酸配列からなる第1のペプチド断片をさらに含有し、
前記アルカリホスファターゼの含有量に対する前記第1のペプチド断片の含有量の比率が、下記式(1):
(X/Y)×100≦1.0000 ・・・(1)
[式中、Xは、前記組成物のLC−MS/MS分析により得られた抽出イオンクロマトグラムから自動積分法により算出された、前記第1のペプチド断片のピーク面積値を表し、Yは、前記と同義である。]
を満たす、[19]に記載の組成物。
[21]前記組成物が、配列番号4に記載のアミノ酸配列からなる第4のペプチド断片をさらに含有し、
前記アルカリホスファターゼの含有量に対する前記第4のペプチド断片の含有量の比率が、下記式(4):
(X/Y)×100≦0.3500 ・・・(4)
[式中、Xは、前記組成物のLC−MS/MS分析により得られた抽出イオンクロマトグラムから自動積分法により算出された、前記第4のペプチド断片のピーク面積値を表し、Yは、前記と同義である。]
を満たす、[19]又は[20]に記載の組成物。
[22]アルカリホスファターゼと、配列番号4に記載のアミノ酸配列からなる第4のペプチド断片とを含有する組成物であって、
前記アルカリホスファターゼの含有量に対する前記第4のペプチド断片の含有量の比率が、下記式(4):
(X/Y)×100≦0.3500 ・・・(4)
[式中、Xは、前記組成物のLC−MS/MS分析により得られた抽出イオンクロマトグラムから自動積分法により算出された、前記第4のペプチド断片のピーク面積値を表し、Yは、前記と同義である。]
を満たす、前記組成物。
[23]前記組成物が、配列番号1に記載のアミノ酸配列からなる第1のペプチド断片をさらに含有し、
前記アルカリホスファターゼの含有量に対する前記第1のペプチド断片の含有量の比率が、下記式(1):
(X/Y)×100≦1.0000 ・・・(1)
[式中、Xは、前記組成物のLC−MS/MS分析により得られた抽出イオンクロマトグラムから自動積分法により算出された、前記第1のペプチド断片のピーク面積値を表し、Yは、前記と同義である。]
を満たす、[22]に記載の組成物。
[24]前記組成物が、2000U/mg以上のアルカリホスファターゼ比活性を有する、[1]〜[23]のいずれか一つに記載の組成物。
[25]前記アルカリホスファターゼが、以下の(a)及び(b):
(a)配列番号5に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質分子を有するアルカリホスファターゼ;及び
(b)配列番号5に記載のアミノ酸配列と70%以上の配列同一性を有し、配列番号5に記載のアミノ酸配列の501〜578位を含むアミノ酸配列からなるタンパク質分子を有するアルカリホスファターゼ
から選択される、[1]〜[24]のいずれか一つに記載の組成物。
[26]前記組成物が、核酸をさらに含有する、[1]〜[25]のいずれか一つに記載の組成物。
[27]前記組成物が、前記核酸を脱リン酸化するための組成物である、[26]に記載の組成物。
[28]前記組成物が、脱リン酸化核酸をさらに含有する、[1]〜[25]のいずれか一つに記載の組成物。
[29]前記組成物が、前記脱リン酸化核酸と前記脱リン酸化核酸に結合した標識物質とを含んでなる標識化核酸を調製するための組成物である、[28]に記載の組成物。
[30]前記組成物が、脱リン酸化核酸と前記脱リン酸化核酸に結合した標識物質とを含んでなる標識化核酸をさらに含有する、[1]〜[25]のいずれか一つに記載の組成物。
[31]前記組成物が、核酸検出法に供される核酸サンプルである、[30]に記載の組成物。
[32]前記核酸検出法が、核酸マイクロアレイを使用する核酸検出法である、[31]に記載の組成物。
[33]以下の工程:
[1]〜[25]のいずれか一つに記載の組成物を準備する工程;
核酸を準備する工程;及び
前記核酸を前記組成物で処理し、前記核酸を脱リン酸化する工程
を含む、脱リン酸化核酸の製造方法。
[34]以下の工程:
[1]〜[25]のいずれか一つに記載の組成物を準備する工程;
核酸を準備する工程;
標識物質を準備する工程;
前記核酸を前記組成物で処理し、前記核酸を脱リン酸化する工程;及び
前記脱リン酸化核酸に前記標識物質を結合させる工程
を含む、標識化核酸の製造方法。
本発明により、アルカリホスファターゼを含有する高品質の組成物並びに該組成物を使用した脱リン酸化核酸の製造方法及び標識化核酸の製造方法が提供される。
図1は、比較例2において組成物C2のLC−MS/MS分析により得られた、第1のペプチド断片に関する抽出イオンクロマトグラムを示す。 図2は、比較例2において組成物C2のLC−MS/MS分析により得られた、第2のペプチド断片に関する抽出イオンクロマトグラムを示す。 図3は、比較例2において組成物C2のLC−MS/MS分析により得られた、第3のペプチド断片に関する抽出イオンクロマトグラムを示す。 図4は、比較例2において組成物C2のLC−MS/MS分析により得られた、第4のペプチド断片に関する抽出イオンクロマトグラムを示す。 図5は、実施例1において組成物E1(組成物C2の精製品)のLC−MS/MS分析により得られた、第1のペプチド断片に関する抽出イオンクロマトグラムを示す。 図6は、実施例1において組成物E1(組成物C2の精製品)のLC−MS/MS分析により得られた、第2のペプチド断片に関する抽出イオンクロマトグラムを示す。 図7は、実施例1において組成物E1(組成物C2の精製品)のLC−MS/MS分析により得られた、第3のペプチド断片に関する抽出イオンクロマトグラムを示す。 図8は、実施例1において組成物E1(組成物C2の精製品)のLC−MS/MS分析により得られた、第4のペプチド断片に関する抽出イオンクロマトグラムを示す。 図9は、実施例1において組成物E1(組成物C2の精製品)のLC−UV分析により得られた、アルカリホスファターゼに関するクロマトグラムを示す。
以下、本発明を詳細に説明する。以下で説明する態様のうち2以上の態様を組み合わせること、及び、以下で説明する実施形態のうち2以上の実施形態を組み合わせることが可能であり、そのような組み合わせも本発明に包含される。なお、本明細書において使用される「数値M〜数値N」という表現は、数値M以上数値N以下の範囲を意味する。
本発明は、第1態様に係る組成物として、アルカリホスファターゼと、ペプチド断片群(A)とを含有する組成物を提供する。
本発明は、第2態様に係る組成物として、アルカリホスファターゼと、ペプチド断片群(B)とを含有する組成物を提供する。
本発明は、第3態様に係る組成物として、アルカリホスファターゼと、ペプチド断片群(C)とを含有する組成物を提供する。
本発明は、第4態様に係る組成物として、アルカリホスファターゼと、配列番号2に記載のアミノ酸配列からなる第2のペプチド断片とを含有する組成物を提供する。
本発明は、第5態様に係る組成物として、アルカリホスファターゼと、配列番号3に記載のアミノ酸配列からなる第3のペプチド断片とを含有する組成物を提供する。
本発明は、第6態様に係る組成物として、アルカリホスファターゼと、配列番号4に記載のアミノ酸配列からなる第4のペプチド断片とを含有する組成物を提供する。
以下、第1態様〜第6態様に係る組成物を包括的に「本発明の組成物」と表現する。したがって、「本発明の組成物」に関する説明は、別段規定される場合を除き、第1態様〜第6態様に係る組成物のいずれにも適用される。
[アルカリホスファターゼ]
本発明の組成物は、アルカリホスファターゼを含有する。本発明の組成物は、1種のアルカリホスファターゼを含有してもよいし、2種以上のアルカリホスファターゼを含有してもよい。
本発明の組成物に含有されるアルカリホスファターゼは、アルカリホスファターゼ活性を有する限り特に限定されない。アルカリホスファターゼ活性は、アルカリ性(pH8〜11、例えば、pH8〜10又はpH9〜11)において、リン酸モノエステル結合を加水分解する活性であり、その反応形式は、EC3.1.3.1に分類される。
本発明の組成物に含有されるアルカリホスファターゼの構造(例えば、一次構造、二次構造、三次構造、四次構造等)は特に限定されない。例えば、アルカリホスファターゼは、糖鎖を有してもよいし、糖鎖を有しなくてもよい。また、アルカリホスファターゼは、タンパク質分子の構造(例えば、タンパク質分子のアミノ酸配列)、糖鎖修飾等の相違に基づいて存在し得るいずれのアイソザイムであってもよい。また、アルカリホスファターゼは、1個のサブユニットから形成されるモノマー(単量体)であってもよいし、2個以上のサブユニットから形成されるオリゴマー(例えば、2量体、4量体等)であってもよい。オリゴマーは、ホモオリゴマーであってもよいし、ヘテロオリゴマーであってもよい。
本発明の組成物に含有されるアルカリホスファターゼが由来する動物は特に限定されない。アルカリホスファターゼが由来する動物としては、例えば、ウシ、エビ、アルカリホスファターゼをコードする遺伝子を導入した微生物等が挙げられる。ウシ由来のアルカリホスファターゼはアルカリホスファターゼ活性が高いことから、アルカリホスファターゼが由来する動物はウシが好ましい。アルカリホスファターゼがウシに由来する場合、アルカリホスファターゼが由来する臓器は小腸又は大腸であることが好ましい。
本発明の組成物に含有されるアルカリホスファターゼは、野生型であってもよいし、変異型であってもよい。変異型アルカリホスファターゼは、例えば、野生型アルカリホスファターゼが有するタンパク質分子のアミノ酸配列において1個以上のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質分子を有する。変異型アルカリホスファターゼが有するタンパク質分子のアミノ酸配列は、野生型アルカリホスファターゼが有するタンパク質分子のアミノ酸配列に対して、好ましくは70%以上、さらに好ましくは75%以上、さらに一層好ましくは80%以上、さらに一層好ましくは85%以上、さらに一層好ましくは90%以上、さらに一層好ましくは95%以上の配列同一性を有する。
好ましい実施形態において、アルカリホスファターゼは、下記(a)及び(b):
(a)配列番号5に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質分子を含んでなるアルカリホスファターゼ;及び
(b)配列番号5に記載のアミノ酸配列と70%以上の配列同一性を有し、配列番号5に記載のアミノ酸配列の501〜578位を含むアミノ酸配列からなるタンパク質分子を有するアルカリホスファターゼ
から選択される。この実施形態において、本発明の組成物は、上記(a)及び(b)から選択される1種のアルカリホスファターゼを含有してもよいし、上記(a)及び(b)から選択された2種以上のアルカリホスファターゼを含有してもよい。
上記(a)のアルカリホスファターゼが有するタンパク質分子のアミノ酸配列(すなわち、配列番号5に記載のアミノ酸配列)は、ウシ由来のアルカリホスファターゼが有するタンパク質分子のアミノ酸配列に相当する。したがって、上記(a)のアルカリホスファターゼには、ウシ由来のアルカリホスファターゼが包含される。
上記(b)のアルカリホスファターゼが有するタンパク質分子のアミノ酸配列は、配列番号5に記載のアミノ酸配列と好ましくは70%以上、さらに好ましくは75%以上、さらに一層好ましくは80%以上、さらに一層好ましくは85%以上、さらに一層好ましくは90%以上、さらに一層好ましくは95%以上の配列同一性を有する。
上記(b)のアルカリホスファターゼには、野生型アルカリホスファターゼ(例えば、ウシ以外の動物に由来するアルカリホスファターゼ、多型を有するウシ由来のアルカリホスファターゼ等)及び変異型アルカリホスファターゼのいずれも含まれる。配列番号5に記載のアミノ酸配列において1個以上のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加される位置は、配列番号5に記載のアミノ酸配列の501〜578位以外の位置である。
上記(a)及び(b)のアルカリホスファターゼは、その分解により、ペプチド断片群(A)、ペプチド断片群(B)、ペプチド断片群(C)、第2のペプチド断片、第3のペプチド断片、第4のペプチド断片等を生じ得る。
[ペプチド断片群(A)]
第1態様に係る組成物は、ペプチド断片群(A)を含有する。ペプチド断片群(A)は、2種以上のペプチド断片で構成され、ペプチド断片群(A)を構成する各ペプチド断片は、配列番号5に記載のアミノ酸配列の501〜578位から選択された連続する5〜50個のアミノ酸残基からなる。ペプチド断片群(A)は、第1態様に係る組成物に含有されるペプチド断片のうち、配列番号5に記載のアミノ酸配列の501〜578位から選択された連続する5〜50個のアミノ酸残基からなるペプチド断片に該当する全てのペプチド断片で構成される。好ましい実施形態において、ペプチド断片群(A)は、3種以上のペプチド断片で構成される。さらに好ましい実施形態において、ペプチド断片群(A)は、4種以上のペプチド断片で構成される。
ペプチド断片群(A)を構成する各ペプチド断片のアミノ酸配列は、配列番号5に記載のアミノ酸配列の501〜578位の一部(連続する複数個のアミノ酸残基からなる部分)である。すなわち、ペプチド断片群(A)は、配列番号5に記載のアミノ酸配列の501〜578位の分解により生じ得る。このことは、第1態様に係る組成物に含有されるアルカリホスファターゼが、配列番号5に記載のアミノ酸配列の501〜578位を含む必要があることを意味しない。第1態様に係る組成物に含有されるアルカリホスファターゼは、配列番号5に記載のアミノ酸配列の501〜578位を含まなくてもよい。但し、第1態様に係る組成物に含有されるアルカリホスファターゼは、配列番号5に記載のアミノ酸配列の501〜578位を含むことが好ましい。
ペプチド断片群(A)を構成する各ペプチド断片のアミノ酸配列は、配列番号5に記載のアミノ酸配列の501〜578位の一部である限り特に限定されないが、好ましくは、配列番号5に記載のアミノ酸配列の505〜578位の一部、さらに好ましくは、配列番号5に記載のアミノ酸配列の511〜578位の一部、さらに一層好ましくは、配列番号5に記載のアミノ酸配列の511〜571位の一部である。
ペプチド断片群(A)を構成する各ペプチド断片を構成するアミノ酸残基の個数は5〜50個である限り特に限定されないが、好ましくは5〜45個、さらに好ましくは10〜40個、さらに一層好ましくは10〜30個である。
好ましい実施形態において、ペプチド断片群(A)は、配列番号1に記載のアミノ酸配列からなる第1のペプチド断片、配列番号2に記載のアミノ酸配列からなる第2のペプチド断片、配列番号3に記載のアミノ酸配列からなる第3のペプチド断片、及び、配列番号4に記載のアミノ酸配列からなる第4のペプチド断片からなる群から選択された1種、2種、3種又は4種のペプチド断片を含む。この実施形態において、ペプチド断片群(A)は、第1〜第4のペプチド断片以外のペプチド断片を含んでもよいし、含まなくてもよい。
配列番号1に記載のアミノ酸配列(VPLASETHGGEDVAVF)は、配列番号5に記載のアミノ酸配列の516〜531位に相当する。配列番号2に記載のアミノ酸配列(VPLASETHGGEDV)は、配列番号5に記載のアミノ酸配列の516〜528位に相当する。配列番号3に記載のアミノ酸配列(GPQAHLVHGVQEETFVAH)は、配列番号5に記載のアミノ酸配列の534〜551位に相当する。配列番号4に記載のアミノ酸配列(GPQAHLVHGVQE)は、配列番号5に記載のアミノ酸配列の534〜545位に相当する。
ペプチド断片群(A)は、配列番号5に記載のアミノ酸配列の501〜578位を含むアルカリホスファターゼの分解により生じ得る。ペプチド断片群(A)は、第1態様に係る組成物に含有されていないアルカリホスファターゼの分解により生じたものであってもよいが、通常は、第1態様に係る組成物に含有されるアルカリホスファターゼの分解により生じたものである。したがって、好ましい実施形態において、第1態様に係る組成物に含有されるアルカリホスファターゼは、ペプチド断片群(A)を生じ得るアルカリホスファターゼである。好ましい実施形態において、ペプチド断片群(A)を生じ得るアルカリホスファターゼは、上記(a)及び(b)のアルカリホスファターゼから選択される。この実施形態において、第1態様に係る組成物は、上記(a)及び(b)のアルカリホスファターゼから選択された1種又は2種以上のアルカリホスファターゼを含有する。
[ペプチド断片群(B)]
第2態様に係る組成物は、ペプチド断片群(B)を含有する。ペプチド断片群(B)は、2種以上のペプチド断片で構成され、ペプチド断片群(B)を構成する各ペプチド断片は、配列番号5に記載のアミノ酸配列の501〜578位から選択された連続する13〜50個のアミノ酸残基からなり、配列番号5に記載のアミノ酸配列の516〜528位(VPLASETHGGEDV)を含む。ペプチド断片群(B)は、第2態様に係る組成物に含有されるペプチド断片のうち、配列番号5に記載のアミノ酸配列の501〜578位から選択された連続する13〜50個のアミノ酸残基からなり、配列番号5に記載のアミノ酸配列の516〜528位を含むペプチド断片に該当する全てのペプチド断片で構成される。
ペプチド断片群(B)を構成する各ペプチド断片のアミノ酸配列において、配列番号5に記載のアミノ酸配列の516〜528位が含まれる位置は特に限定されない。配列番号5に記載のアミノ酸配列の516〜528位が含まれる位置は、ペプチド断片のN末端部分、ペプチド断片のC末端部分、並びに、ペプチド断片のN末端部分及びC末端部分以外の部分のいずれであってもよい。
ペプチド断片群(B)を構成する各ペプチド断片のアミノ酸配列は、配列番号5に記載のアミノ酸配列の501〜578位の一部(連続する複数個のアミノ酸残基からなる部分)である。すなわち、ペプチド断片群(B)は、配列番号5に記載のアミノ酸配列の501〜578位の分解により生じ得る。このことは、第2態様に係る組成物に含有されるアルカリホスファターゼが、配列番号5に記載のアミノ酸配列の501〜578位を含む必要があることを意味しない。第2態様に係る組成物に含有されるアルカリホスファターゼは、配列番号5に記載のアミノ酸配列の501〜578位を含まなくてもよい。但し、第2態様に係る組成物に含有されるアルカリホスファターゼは、配列番号5に記載のアミノ酸配列の501〜578位を含むことが好ましい。
ペプチド断片群(B)を構成する各ペプチド断片のアミノ酸配列は、配列番号5に記載のアミノ酸配列の501〜578位の一部であり、配列番号5に記載のアミノ酸配列の516〜528位を含む限り特に限定されないが、好ましくは、配列番号5に記載のアミノ酸配列の501〜570位の一部、さらに好ましくは、配列番号5に記載のアミノ酸配列の501〜560位の一部、さらに一層好ましくは、配列番号5に記載のアミノ酸配列の501〜555位の一部である。
ペプチド断片群(B)を構成する各ペプチド断片を構成するアミノ酸残基の個数は13〜50個である限り特に限定されないが、好ましくは13〜45個、さらに好ましくは13〜40個、さらに一層好ましくは13〜35個である。
好ましい実施形態において、ペプチド断片群(B)は、配列番号1に記載のアミノ酸配列からなる第1のペプチド断片、及び、配列番号2に記載のアミノ酸配列からなる第2のペプチド断片からなる群から選択された1種又は2種のペプチド断片を含む。この実施形態において、ペプチド断片群(B)は、第1及び第2のペプチド断片以外のペプチド断片を含んでもよいし、含まなくてもよい。
配列番号1に記載のアミノ酸配列(VPLASETHGGEDVAVF)は、配列番号5に記載のアミノ酸配列の516〜531位に相当し、配列番号5に記載のアミノ酸配列の516〜528位を含む(下線部は配列番号5に記載のアミノ酸配列の516〜528位に相当する)。配列番号2に記載のアミノ酸配列(VPLASETHGGEDV)は、配列番号5に記載のアミノ酸配列の516〜528位に相当する。
ペプチド断片群(B)は、配列番号5に記載のアミノ酸配列の501〜578位を含むアルカリホスファターゼの分解により生じ得る。ペプチド断片群(B)は、第2態様に係る組成物に含有されていないアルカリホスファターゼの分解により生じたものであってもよいが、通常は、第2態様に係る組成物に含有されるアルカリホスファターゼの分解により生じたものである。したがって、好ましい実施形態において、第2態様に係る組成物に含有されるアルカリホスファターゼは、ペプチド断片群(B)を生じ得るアルカリホスファターゼである。好ましい実施形態において、ペプチド断片群(B)を生じ得るアルカリホスファターゼは、上記(a)及び(b)のアルカリホスファターゼから選択される。この実施形態において、第2態様に係る組成物は、上記(a)及び(b)のアルカリホスファターゼから選択された1種又は2種以上のアルカリホスファターゼを含有する。
[ペプチド断片群(C)]
第3態様に係る組成物は、ペプチド断片群(C)を含有する。ペプチド断片群(C)は、2種以上のペプチド断片で構成され、ペプチド断片群(C)を構成する各ペプチド断片は、配列番号5に記載のアミノ酸配列の501〜578位から選択された連続する12〜50個のアミノ酸残基からなり、配列番号5に記載のアミノ酸配列の534〜545位(GPQAHLVHGVQE)を含む。ペプチド断片群(C)は、第3態様に係る組成物に含有されるペプチド断片のうち、配列番号5に記載のアミノ酸配列の501〜578位から選択された連続する12〜50個のアミノ酸残基からなり、配列番号5に記載のアミノ酸配列の534〜545位を含むペプチド断片に該当する全てのペプチド断片で構成される。
ペプチド断片群(C)を構成する各ペプチド断片のアミノ酸配列において、配列番号5に記載のアミノ酸配列の534〜545位が含まれる位置は、ペプチド断片のN末端部分、ペプチド断片のC末端部分、並びに、ペプチド断片のN末端部分及びC末端部分以外の部分のいずれであってもよい。
ペプチド断片群(C)を構成する各ペプチド断片のアミノ酸配列は、配列番号5に記載のアミノ酸配列の501〜578位の一部(連続する複数個のアミノ酸残基からなる部分)である。すなわち、ペプチド断片群(C)は、配列番号5に記載のアミノ酸配列の501〜578位の分解により生じ得る。このことは、第3態様に係る組成物に含有されるアルカリホスファターゼが、配列番号5に記載のアミノ酸配列の501〜578位を含む必要があることを意味しない。第3態様に係る組成物に含有されるアルカリホスファターゼは、配列番号5に記載のアミノ酸配列の501〜578位を含まなくてもよい。但し、第3態様に係る組成物に含有されるアルカリホスファターゼは、配列番号5に記載のアミノ酸配列の501〜578位を含むことが好ましい。
ペプチド断片群(C)を構成する各ペプチド断片のアミノ酸配列は、配列番号5に記載のアミノ酸配列の501〜578位の一部であり、配列番号5に記載のアミノ酸配列の534〜545位を含む限り特に限定されないが、好ましくは、配列番号5に記載のアミノ酸配列の506〜578位の一部、さらに好ましくは、配列番号5に記載のアミノ酸配列の511〜578位の一部、さらに一層好ましくは、配列番号5に記載のアミノ酸配列の521〜578位の一部である。
ペプチド断片群(C)を構成する各ペプチド断片を構成するアミノ酸残基の個数は12〜50個である限り特に限定されないが、好ましくは12〜45個、さらに好ましくは12〜40個、さらに一層好ましくは12〜35個である。
好ましい実施形態において、ペプチド断片群(C)は、配列番号3に記載のアミノ酸配列からなる第3のペプチド断片、及び、配列番号4に記載のアミノ酸配列からなる第4のペプチド断片からなる群から選択された1種又は2種のペプチド断片を含む。この実施形態において、ペプチド断片群(C)は、第3及び第4のペプチド断片以外のペプチド断片を含んでもよいし、含まなくてもよい。
配列番号3に記載のアミノ酸配列(GPQAHLVHGVQEETFVAH)は、配列番号5に記載のアミノ酸配列の534〜551位に相当し、配列番号5に記載のアミノ酸配列の534〜545位を含む(下線部は配列番号5に記載のアミノ酸配列の534〜545位に相当する)。配列番号4に記載のアミノ酸配列(GPQAHLVHGVQE)は、配列番号5に記載のアミノ酸配列の534〜545位に相当する。
ペプチド断片群(C)は、配列番号5に記載のアミノ酸配列の501〜578位を含むアルカリホスファターゼの分解により生じ得る。ペプチド断片群(C)は、第3態様に係る組成物に含有されていないアルカリホスファターゼの分解により生じたものであってもよいが、通常は、第3態様に係る組成物に含有されるアルカリホスファターゼの分解により生じたものである。したがって、好ましい実施形態において、第3態様に係る組成物に含有されるアルカリホスファターゼは、ペプチド断片群(C)を生じ得るアルカリホスファターゼである。好ましい実施形態において、ペプチド断片群(C)を生じ得るアルカリホスファターゼは、上記(a)及び(b)のアルカリホスファターゼから選択される。この実施形態において、第3態様に係る組成物は、上記(a)及び(b)のアルカリホスファターゼから選択された1種又は2種以上のアルカリホスファターゼを含有する。
[第1のペプチド断片]
好ましい実施形態において、第1、第2、第3、第4、第5又は第6態様に係る組成物は、配列番号1に記載のアミノ酸配列からなる第1のペプチド断片を含有する。
第1のペプチド断片は、配列番号5に記載のアミノ酸配列の501〜578位を含むアルカリホスファターゼの分解により生じ得る。第1のペプチド断片は、第1、第2、第3、第4、第5又は第6態様に係る組成物に含有されていないアルカリホスファターゼの分解により生じたものであってもよいが、通常は、第1、第2、第3、第4、第5又は第6態様に係る組成物に含有されるアルカリホスファターゼの分解により生じたものである。したがって、好ましい実施形態において、第1、第2、第3、第4、第5又は第6態様に係る組成物に含有されるアルカリホスファターゼは、第1のペプチド断片を生じ得るアルカリホスファターゼである。好ましい実施形態において、第1のペプチド断片を生じ得るアルカリホスファターゼは、上記(a)及び(b)のアルカリホスファターゼから選択される。この実施形態において、第1、第2、第3、第4、第5又は第6態様に係る組成物は、上記(a)及び(b)のアルカリホスファターゼから選択された1種又は2種以上のアルカリホスファターゼを含有する。
[第2のペプチド断片]
第4態様に係る組成物は、配列番号2に記載のアミノ酸配列からなる第2のペプチド断片を含有する。好ましい実施形態において、第4態様に係る組成物は、配列番号1に記載のアミノ酸配列からなる第1のペプチド断片、配列番号3に記載のアミノ酸配列からなる第3のペプチド断片、及び、配列番号4に記載のアミノ酸配列からなる第4のペプチド断片からなる群から選択された1種、2種又は3種のペプチド断片をさらに含有する。この実施形態において、第4態様に係る組成物は、第1〜第4のペプチド断片以外のペプチド断片を含んでもよいし、含まなくてもよい。
第2のペプチド断片は、配列番号5に記載のアミノ酸配列の501〜578位を含むアルカリホスファターゼの分解により生じ得る。第2のペプチド断片は、第4態様に係る組成物に含有されていないアルカリホスファターゼの分解により生じたものであってもよいが、通常は、第4態様に係る組成物に含有されるアルカリホスファターゼの分解により生じたものである。したがって、好ましい実施形態において、第4態様に係る組成物に含有されるアルカリホスファターゼは、第2のペプチド断片を生じ得るアルカリホスファターゼである。好ましい実施形態において、第2のペプチド断片を生じ得るアルカリホスファターゼは、上記(a)及び(b)のアルカリホスファターゼから選択される。この実施形態において、第4態様に係る組成物は、上記(a)及び(b)のアルカリホスファターゼから選択された1種又は2種以上のアルカリホスファターゼを含有する。
[第3のペプチド断片]
第5態様に係る組成物は、配列番号3に記載のアミノ酸配列からなる第3のペプチド断片を含有する。好ましい実施形態において、第5態様に係る組成物は、配列番号1に記載のアミノ酸配列からなる第1のペプチド断片、配列番号2に記載のアミノ酸配列からなる第2のペプチド断片、及び、配列番号4に記載のアミノ酸配列からなる第4のペプチド断片からなる群から選択された1種、2種又は3種のペプチド断片をさらに含有する。この実施形態において、第5態様に係る組成物は、第1〜第4のペプチド断片以外のペプチド断片を含んでもよいし、含まなくてもよい。
第3のペプチド断片は、配列番号5に記載のアミノ酸配列の501〜578位を含むアルカリホスファターゼの分解により生じ得る。第3のペプチド断片は、第5態様に係る組成物に含有されていないアルカリホスファターゼの分解により生じたものであってもよいが、通常は、第5態様に係る組成物に含有されるアルカリホスファターゼの分解により生じたものである。したがって、好ましい実施形態において、第5態様に係る組成物に含有されるアルカリホスファターゼは、第3のペプチド断片を生じ得るアルカリホスファターゼである。好ましい実施形態において、第3のペプチド断片を生じ得るアルカリホスファターゼは、上記(a)及び(b)のアルカリホスファターゼから選択される。この実施形態において、第5態様に係る組成物は、上記(a)及び(b)のアルカリホスファターゼから選択された1種又は2種以上のアルカリホスファターゼを含有する。
[第4のペプチド断片]
第6態様に係る組成物は、配列番号4に記載のアミノ酸配列からなる第4のペプチド断片を含有する。好ましい実施形態において、第6態様に係る組成物は、配列番号1に記載のアミノ酸配列からなる第1のペプチド断片、配列番号2に記載のアミノ酸配列からなる第2のペプチド断片、及び、配列番号3に記載のアミノ酸配列からなる第3のペプチド断片からなる群から選択された1種、2種又は3種のペプチド断片をさらに含有する。この実施形態において、第6態様に係る組成物は、第1〜第4のペプチド断片以外のペプチド断片を含んでもよいし、含まなくてもよい。
第4のペプチド断片は、配列番号5に記載のアミノ酸配列の501〜578位を含むアルカリホスファターゼの分解により生じ得る。第4のペプチド断片は、第6態様に係る組成物に含有されていないアルカリホスファターゼの分解により生じたものであってもよいが、通常は、第6態様に係る組成物に含有されるアルカリホスファターゼの分解により生じたものである。したがって、好ましい実施形態において、第6態様に係る組成物に含有されるアルカリホスファターゼは、第4のペプチド断片を生じ得るアルカリホスファターゼである。好ましい実施形態において、第4のペプチド断片を生じ得るアルカリホスファターゼは、上記(a)及び(b)のアルカリホスファターゼから選択される。この実施形態において、第6態様に係る組成物は、上記(a)及び(b)のアルカリホスファターゼから選択された1種又は2種以上のアルカリホスファターゼを含有する。
[アルカリホスファターゼの含有量に対するペプチド断片群(A)の含有量の比率]
第1態様に係る組成物において、アルカリホスファターゼの含有量に対するペプチド断片群(A)の含有量の比率は、下記式(A):
(X/Y)×100≦4.4000 ・・・(A)
を満たす。
上記式(A)において、Xは、第1態様に係る組成物のLC−MS/MS分析により得られた抽出イオンクロマトグラムから自動積分法により算出された、ペプチド断片群(A)のピーク面積値を表し、Yは、第1態様に係る組成物のLC−UV分析により得られたクロマトグラムから自動積分法により算出された、アルカリホスファターゼのピーク面積値を表す。「ペプチド断片群(A)のピーク面積値」は、ペプチド断片群(A)を構成する全ての種類のペプチド断片の合計ピーク面積値を意味する。「アルカリホスファターゼのピーク面積値」は、第1態様に係る組成物が1種のアルカリホスファターゼを含有する場合、当該1種のアルカリホスファターゼのピーク面積値を意味し、第1態様に係る組成物が2種以上のアルカリホスファターゼを含有する場合、当該2種以上のアルカリホスファターゼの合計ピーク面積値(すなわち、第1態様に係る組成物に含まれる全ての種類のアルカリホスファターゼの合計ピーク面積値)を意味する。
LC−MS/MS分析及びLC−UV分析は、アルカリホスファターゼの含有量に対するペプチド断片群(A)の含有量の比率が、第1態様に係る組成物と同一であるサンプルを使用して実施される。LC−MS/MS分析及びLC−UV分析は、例えば、第1態様に係る組成物から調製された水溶液であって、アルカリホスファターゼ濃度が10重量%である水溶液を使用して実施することができる。
LC−MS/MS分析は、ハイフネーテッド法の一種である。ハイフネーテッド法は、ガスクロマトグラフ、液体クロマトグラフ等のクロマトグラフと質量分析装置とを接続して分析する手法である。LC−MS/MS分析は、液体クロマトグラフ(LC)とタンデム質量分析装置(MS/MS)とを接続して分析する手法である。LC−MS/MS分析では、液体クロマトグラフにより分離された分析対象成分がイオン化され、生成したイオンがタンデム質量分析装置で分離され、特定の質量イオンがフラグメント化されて検出される。
抽出イオンクロマトグラムは、ハイフネーテッド法において、一定の時間間隔でマススペクトルを測定し、コンピュータに記憶させた後、特定の(1種類とは限らない)m/z値における相対強度を読み出し、時間の関数として表したクロマトグラムである。ペプチド断片群(A)を構成する各ペプチド断片のピークを検出するために使用されるペプチド断片群(A)を構成する各ペプチド断片のイオンのm/z値は、好ましくは50〜2200、さらに好ましくは200〜1500、さらに一層好ましくは300〜1200である。m/z値が特定されているペプチド断片のイオンに関しては、m/z値に基づいてペプチド断片のイオンの抽出イオンクロマトグラムを作成することができる。第1のペプチド断片のm/z値は814.4018、第2のペプチド断片のm/z値は655.8148、第3のペプチド断片のm/z値は652.6623、第4のペプチド断片のm/z値は636.3282である。m/z値が特定されていないペプチド断片に関しては、あるピークが所定のペプチド断片のピークに該当するか否かを、当該ピークを示すペプチド断片のアミノ酸配列分析により確認した後、当該ピークのm/z値に基づいてペプチド断片の抽出イオンクロマトグラムを作成することができる。
LC−UV分析は、液体クロマトグラフ(LC)と紫外線検出器(UV検出器)とを接続して分析する手法である。LC−UV分析において、アルカリホスファターゼは、214nmに吸収を有する成分として検出される。
LC−MS/MS分析及びLC−UV分析の条件は、以下の通りである。
≪LC−MS/MS分析の条件≫
<装置構成>
質量分析計:maXis impact(Bruker Daltnics,Inc.製)
<質量分析条件>
イオン化方式:ESI
測定イオン:正イオン
キャピラリー電圧:4500V
ネブライザー:2.0bar
ドライガス:8.0L/分
検出器電圧:1823V
測定範囲(MS):m/z 50〜2200
<MS/MS条件>
測定範囲(MS):m/z 50〜2200
コリジョンガス:窒素
≪LC−UV分析の条件≫
<装置構成>
液体クロマトグラフ:LC−30Aシステム(島津製作所製)
検出器:UV−Vis(190〜900nm、島津製作所製)
<液体クロマトグラフィー条件>
カラム:Acquity BEH C18 1.7μm(Waters Corporation製)カラムサイズ:2.1mm×100mm
カラム温度:50℃
移動相流速:0.2mL/分
移動相A:水/ギ酸混液(1000:1)
移動相B:アセトニトリル/水/ギ酸混液(900:100:1)
注入量:20μL
グラジエントプログラム:
Figure 2020067122
(X/Y)×100の値は、4.4000以下である限り特に限定されないが、小さいほど好ましい。(X/Y)×100の値は、好ましくは4.0000以下、さらに好ましくは3.5000以下、さらに一層好ましくは3.0000以下である。(X/Y)×100の下限値は、検出限界値である。但し、(X/Y)×100の値を小さくするための労力(例えば、精製によるペプチド断片群(A)の分離除去)に見合う効果を得る点から、(X/Y)×100の値は、好ましくは0.0800以上、さらに好ましくは0.1000以上、さらに一層好ましくは0.1500以上である。
第1態様に係る組成物から調製された水溶液であって、アルカリホスファターゼ濃度が10重量%である水溶液を使用したLC−MS/MS分析により得られた抽出イオンクロマトグラムから自動積分法により算出された、ペプチド断片群(A)のピーク面積値は小さいほど好ましい。ペプチド断片群(A)のピーク面積値は、好ましくは10000以下、さらに好ましくは8000以下、さらに一層好ましくは7000以下である。ペプチド断片群(A)のピーク面積値の下限値は、検出限界値である。但し、ペプチド断片群(A)のピーク面積値を小さくための労力(例えば、精製によるペプチド断片群(A)の分離除去)に見合う効果を得る点から、ペプチド断片群(A)のピーク面積値は、好ましくは600以上、さらに好ましくは800以上、さらに一層好ましくは1000以上である。
第1態様に係る組成物から調製された水溶液であって、アルカリホスファターゼ濃度が10重量%である水溶液を使用したLC−UV分析により得られたクロマトグラムから自動積分法により算出された、アルカリホスファターゼのピーク面積値は、好ましくは200000以上、さらに好ましくは220000以上、さらに一層好ましくは240000以上である。アルカリホスファターゼのピーク面積値の上限値は特に限定されない。アルカリホスファターゼのピーク面積値は、好ましくは500000以下、さらに好ましくは400000以下、さらに一層好ましくは350000以下である。
[アルカリホスファターゼの含有量に対するペプチド断片群(B)の含有量の比率]
第2態様に係る組成物において、アルカリホスファターゼの含有量に対するペプチド断片群(B)の含有量の比率は、下記式(B):
(X/Y)×100≦3.4000 ・・・(B)
を満たす。
上記式(B)において、Xは、第2態様に係る組成物のLC−MS/MS分析により得られた抽出イオンクロマトグラムから自動積分法により算出された、ペプチド断片群(B)のピーク面積値を表し、Yは、第2態様に係る組成物のLC−UV分析により得られたクロマトグラムから自動積分法により算出された、アルカリホスファターゼのピーク面積値を表す。「ペプチド断片群(B)のピーク面積値」は、ペプチド断片群(B)を構成する全ての種類のペプチド断片の合計ピーク面積値を意味する。「アルカリホスファターゼのピーク面積値」は、第2態様に係る組成物が1種のアルカリホスファターゼを含有する場合、当該1種のアルカリホスファターゼのピーク面積値を意味し、第2態様に係る組成物が2種以上のアルカリホスファターゼを含有する場合、当該2種以上のアルカリホスファターゼの合計ピーク面積値(すなわち、第2態様に係る組成物に含まれる全ての種類のアルカリホスファターゼの合計ピーク面積値)を意味する。上記式(A)に関する説明(LC−MS/MS分析及びLC−UV分析に関する説明を含む)は、別段規定される場合を除き、上記式(B)に関しても適用される。
ペプチド断片群(B)を構成する各ペプチド断片のピークを検出するために使用されるペプチド断片群(B)を構成する各ペプチド断片のイオンのm/z値は、好ましくは50〜2200、さらに好ましくは200〜1500、さらに一層好ましくは300〜1200である。
(X/Y)×100の値は、3.4000以下である限り特に限定されないが、小さいほど好ましい。(X/Y)×100の値は、好ましくは3.0000以下、さらに好ましくは2.8000以下、さらに一層好ましくは2.5000以下である。(X/Y)×100の下限値は、検出限界値である。但し、(X/Y)×100の値を小さくするための労力(例えば、精製によるペプチド断片群(B)の分離除去)に見合う効果を得る点から、(X/Y)×100の値は、好ましくは0.0800以上、さらに好ましくは0.1000以上、さらに一層好ましくは0.1500以上である。
第2態様に係る組成物から調製された水溶液であって、アルカリホスファターゼ濃度が10重量%である水溶液を使用したLC−MS/MS分析により得られた抽出イオンクロマトグラムから自動積分法により算出された、ペプチド断片群(B)のピーク面積値は、小さいほど好ましい。ペプチド断片群(B)のピーク面積値は、好ましくは7500以下、さらに好ましくは7000以下、さらに一層好ましくは6000以下である。ペプチド断片群(B)のピーク面積値の下限値は、検出限界値である。但し、ペプチド断片群(B)のピーク面積値を小さくするための労力(例えば、精製によるペプチド断片群(B)の分離除去)に見合う効果を得る点から、ペプチド断片群(B)のピーク面積値は、好ましくは500以上、さらに好ましくは600以上、さらに一層好ましくは800以上である。
第2態様に係る組成物から調製された水溶液であって、アルカリホスファターゼ濃度が10重量%である水溶液を使用したLC−UV分析により得られたクロマトグラムから自動積分法により算出された、アルカリホスファターゼのピーク面積値は、好ましくは200000以上、さらに好ましくは220000以上、さらに一層好ましくは240000以上である。アルカリホスファターゼのピーク面積値の上限値は特に限定されない。アルカリホスファターゼのピーク面積値は、好ましくは500000以下、さらに好ましくは400000以下、さらに一層好ましくは350000以下である。
第2態様に係る組成物が、ペプチド断片群(B)以外に、配列番号5に記載のアミノ酸配列の501〜578位から選択された連続する5〜50個のアミノ酸残基からなるペプチド断片を含有する実施形態において、第2態様に係る組成物は、上記式(A)を満たしてもよいし、満たさなくてもよい。
[アルカリホスファターゼの含有量に対するペプチド断片群(C)の含有量の比率]
第3態様に係る組成物において、アルカリホスファターゼの含有量に対するペプチド断片群(C)の含有量の比率は、下記式(C):
(X/Y)×100≦1.0000 ・・・(C)
を満たす。
上記式(C)において、Xは、第3態様に係る組成物のLC−MS/MS分析により得られた抽出イオンクロマトグラムから自動積分法により算出された、ペプチド断片群(C)のピーク面積値を表し、Yは、第3態様に係る組成物のLC−UV分析により得られたクロマトグラムから自動積分法により算出された、アルカリホスファターゼのピーク面積値を表す。「ペプチド断片群(C)のピーク面積値」は、ペプチド断片群(C)を構成する全ての種類のペプチド断片の合計ピーク面積値を意味する。「アルカリホスファターゼのピーク面積値」は、第3態様に係る組成物が1種のアルカリホスファターゼを含有する場合、当該1種のアルカリホスファターゼのピーク面積値を意味し、第3態様に係る組成物が2種以上のアルカリホスファターゼを含有する場合、当該2種以上のアルカリホスファターゼの合計ピーク面積値(すなわち、第3態様に係る組成物に含まれる全ての種類のアルカリホスファターゼの合計ピーク面積値)を意味する。上記式(A)に関する説明(LC−MS/MS分析及びLC−UV分析に関する説明を含む)は、別段規定される場合を除き、上記式(C)に関しても適用される。
ペプチド断片群(C)を構成する各ペプチド断片のピークを検出するために使用されるペプチド断片群(C)を構成する各ペプチド断片のイオンのm/z値は、好ましくは50〜2200、さらに好ましくは200〜1500、さらに一層好ましくは300〜1200である。
(X/Y)×100の値は、1.0000以下である限り特に限定されないが、小さいほど好ましい。(X/Y)×100の値は、好ましくは0.9000以下、さらに好ましくは0.8000以下、さらに一層好ましくは0.7000以下である。(X/Y)×100の下限値は、検出限界値である。但し、(X/Y)×100の値を小さくするための労力(例えば、精製によるペプチド断片群(C)の分離除去)に見合う効果を得る点から、(X/Y)×100の値は、好ましくは0.0800以上、さらに好ましくは0.1000以上、さらに一層好ましくは0.1500以上である。
第3態様に係る組成物から調製された水溶液であって、アルカリホスファターゼ濃度が10重量%である水溶液を使用したLC−MS/MS分析により得られた抽出イオンクロマトグラムから自動積分法により算出された、ペプチド断片群(C)のピーク面積値は、小さいほど好ましい。ペプチド断片群(C)のピーク面積値は、好ましくは2400以下、さらに好ましくは2000以下、さらに一層好ましくは1500以下である。ペプチド断片群(C)のピーク面積値の下限値は、検出限界値である。但し、ペプチド断片群(C)のピーク面積値を小さくするための労力(例えば、精製によるペプチド断片群(C)の分離除去)に見合う効果を得る点から、ペプチド断片群(C)のピーク面積値は、好ましくは200以上、さらに好ましくは300以上、さらに一層好ましくは400以上である。
第3態様に係る組成物から調製された水溶液であって、アルカリホスファターゼ濃度が10重量%である水溶液を使用したLC−UV分析により得られたクロマトグラムから自動積分法により算出された、アルカリホスファターゼのピーク面積値は、好ましくは200000以上、さらに好ましくは220000以上、さらに一層好ましくは240000以上である。アルカリホスファターゼのピーク面積値の上限値は特に限定されない。アルカリホスファターゼのピーク面積値は、好ましくは500000以下、さらに好ましくは400000以下、さらに一層好ましくは350000以下である。
第3態様に係る組成物が、ペプチド断片群(C)以外に、配列番号5に記載のアミノ酸配列の501〜578位から選択された連続する5〜50個のアミノ酸残基からなるペプチド断片を含有する実施形態において、第3態様に係る組成物は、上記式(A)を満たしてもよいし、満たさなくてもよい。
[アルカリホスファターゼの含有量に対する第1のペプチド断片の含有量の比率]
第1、第2、第3、第4、第5又は第6態様に係る組成物が第1のペプチド断片を含有する実施形態では、アルカリホスファターゼの含有量に対する第1のペプチド断片の含有量の比率が、下記式(1):
(X/Y)×100≦1.0000 ・・・(1)
を満たすことが好ましい。
上記式(1)において、Xは、第1、第2、第3、第4、第5又は第6態様に係る組成物のLC−MS/MS分析により得られた抽出イオンクロマトグラムから自動積分法により算出された、第1のペプチド断片のピーク面積値を表し、Yは、第1、第2、第3、第4、第5又は第6態様に係る組成物のLC−UV分析により得られたクロマトグラムから自動積分法により算出された、アルカリホスファターゼのピーク面積値を表す。上記式(A)に関する説明(LC−MS/MS分析及びLC−UV分析に関する説明を含む)は、別段規定される場合を除き、上記式(1)に関しても適用される。
(X/Y)×100の値は、1.0000以下である限り特に限定されないが、小さいほど好ましい。(X/Y)×100の値は、好ましくは0.9000以下、さらに好ましくは0.8000以下、さらに一層好ましくは0.7000以下である。(X/Y)×100の下限値は、検出限界値である。但し、(X/Y)×100の値を小さくするための労力(例えば、精製による第1のペプチド断片の分離除去)に見合う効果を得る点から、(X/Y)×100の値は、好ましくは0.0500以上、さらに好ましくは0.0600以上、さらに一層好ましくは0.0700以上である。
第1、第2、第3、第4、第5又は第6態様に係る組成物から調製された水溶液であって、アルカリホスファターゼ濃度が10重量%である水溶液を使用したLC−MS/MS分析により得られた抽出イオンクロマトグラムから自動積分法により算出された、第1のペプチド断片のピーク面積値は、小さいほど好ましい。第1のペプチド断片のピーク面積値は、好ましくは3000以下、さらに好ましくは2500以下、さらに一層好ましくは2000以下である。第1のペプチド断片のピーク面積値の下限値は、検出限界値である。但し、第1のペプチド断片のピーク面積値を小さくするための労力(例えば、精製による第1のペプチド断片の分離除去)に見合う効果を得る点から、第1のペプチド断片のピーク面積値は、好ましくは100以上、さらに好ましくは150以上、さらに一層好ましくは200以上である。
第1、第2、第3、第4、第5又は第6態様に係る組成物から調製された水溶液であって、アルカリホスファターゼ濃度が10重量%である水溶液を使用したLC−UV分析により得られたクロマトグラムから自動積分法により算出された、アルカリホスファターゼのピーク面積値は、好ましくは200000以上、さらに好ましくは220000以上、さらに一層好ましくは240000以上である。アルカリホスファターゼのピーク面積値の上限値は特に限定されない。アルカリホスファターゼのピーク面積値は、好ましくは500000以下、さらに好ましくは400000以下、さらに一層好ましくは350000以下である。
[アルカリホスファターゼの含有量に対する第2のペプチド断片の含有量の比率]
第4態様に係る組成物において、アルカリホスファターゼの含有量に対する第2のペプチド断片の含有量の比率は、下記式(2):
(X/Y)×100≦1.6000 ・・・(2)
を満たす。
第1、第2、第3、第5又は第6態様に係る組成物が第2のペプチド断片を含有する実施形態では、アルカリホスファターゼの含有量に対する第2のペプチド断片の含有量の比率が、下記式(2):
(X/Y)×100≦1.6000 ・・・(2)
を満たすことが好ましい。
上記式(2)において、Xは、第1、第2、第3、第4、第5又は第6態様に係る組成物のLC−MS/MS分析により得られた抽出イオンクロマトグラムから自動積分法により算出された、第2のペプチド断片のピーク面積値を表し、Yは、第1、第2、第3、第4、第5又は第6態様に係る組成物のLC−UV分析により得られたクロマトグラムから自動積分法により算出された、アルカリホスファターゼのピーク面積値を表す。上記式(A)に関する説明(LC−MS/MS分析及びLC−UV分析に関する説明を含む)は、別段規定される場合を除き、上記式(2)に関しても適用される。
(X/Y)×100の値は、1.6000以下である限り特に限定されないが、小さいほど好ましい。(X/Y)×100の値は、好ましくは1.5000以下、さらに好ましくは1.2000以下、さらに一層好ましくは1.0000以下である。(X/Y)×100の下限値は、検出限界値である。但し、(X/Y)×100の値を小さくするための労力(例えば、精製による第2のペプチド断片の分離除去)に見合う効果を得る点から、(X/Y)×100の値は、好ましくは0.0500以上、さらに好ましくは0.0600以上、さらに一層好ましくは0.0700以上である。
第1、第2、第3、第4、第5又は第6態様に係る組成物から調製された水溶液であって、アルカリホスファターゼ濃度が10重量%である水溶液を使用したLC−MS/MS分析により得られた抽出イオンクロマトグラムから自動積分法により算出された、第2のペプチド断片のピーク面積値は、小さいほど好ましい。第2のペプチド断片のピーク面積値は、好ましくは4500以下、さらに好ましくは3000以下、さらに一層好ましくは2500以下である。第2のペプチド断片のピーク面積値の下限値は、検出限界値である。但し、第2のペプチド断片のピーク面積値を小さくするための労力(例えば、精製による第2のペプチド断片の分離除去)に見合う効果を得る点から、第2のペプチド断片のピーク面積値は、好ましくは100以上、さらに好ましくは150以上、さらに一層好ましくは200以上である。
第1、第2、第3、第4、第5又は第6態様に係る組成物から調製された水溶液であって、アルカリホスファターゼ濃度が10重量%である水溶液を使用したLC−UV分析により得られたクロマトグラムから自動積分法により算出された、アルカリホスファターゼのピーク面積値は、好ましくは200000以上、さらに好ましくは220000以上、さらに一層好ましくは240000以上である。アルカリホスファターゼのピーク面積値の上限値は特に限定されない。アルカリホスファターゼのピーク面積値は、好ましくは500000以下、さらに好ましくは400000以下、さらに一層好ましくは350000以下である。
[アルカリホスファターゼの含有量に対する第3のペプチド断片の含有量の比率]
第5態様に係る組成物において、アルカリホスファターゼの含有量に対する第3のペプチド断片の含有量の比率は、下記式(3):
(X/Y)×100≦0.2000 ・・・(3)
を満たす。
第1、第2、第3、第4又は第6態様に係る組成物が第3のペプチド断片を含有する実施形態では、アルカリホスファターゼの含有量に対する第3のペプチド断片の含有量の比率は、下記式(3):
(X/Y)×100≦0.2000 ・・・(3)
を満たすことが好ましい。
上記式(3)において、Xは、第1、第2、第3、第4、第5又は第6態様に係る組成物のLC−MS/MS分析により得られた抽出イオンクロマトグラムから自動積分法により算出された、第3のペプチド断片のピーク面積値を表し、Yは、第1、第2、第3、第4、第5又は第6態様に係る組成物のLC−UV分析により得られたクロマトグラムから自動積分法により算出された、アルカリホスファターゼのピーク面積値を表す。上記式(A)に関する説明(LC−MS/MS分析及びLC−UV分析に関する説明を含む)は、別段規定される場合を除き、上記式(3)に関しても適用される。
(X/Y)×100の値は、0.2000以下である限り特に限定されないが、小さいほど好ましい。(X/Y)×100の値は、好ましくは0.1800以下、さらに好ましくは0.1700以下、さらに一層好ましくは0.1500以下である。(X/Y)×100の下限値は、検出限界値である。但し、(X/Y)×100の値を小さくするための労力(例えば、精製による第3のペプチド断片の分離除去)に見合う効果を得る点から、(X/Y)×100の値は、好ましくは0.0500以上、さらに好ましくは0.0600以上、さらに一層好ましくは0.0700以上である。
第1、第2、第3、第4、第5又は第6態様に係る組成物から調製された水溶液であって、アルカリホスファターゼ濃度が10重量%である水溶液を使用したLC−MS/MS分析により得られた抽出イオンクロマトグラムから自動積分法により算出された、第3のペプチド断片のピーク面積値は、小さいほど好ましい。第3のペプチド断片のピーク面積値は、好ましくは500以下、さらに好ましくは450以下、さらに一層好ましくは400以下である。第3のペプチド断片のピーク面積値の下限値は、検出限界値である。但し、第3のペプチド断片のピーク面積値を小さくするための労力(例えば、精製による第3のペプチド断片の分離除去)に見合う効果を得る点から、第3のペプチド断片のピーク面積値は、好ましくは100以上、さらに好ましくは150以上、さらに一層好ましくは200以上である。
第1、第2、第3、第4、第5又は第6態様に係る組成物から調製された水溶液であって、アルカリホスファターゼ濃度が10重量%である水溶液を使用したLC−UV分析により得られたクロマトグラムから自動積分法により算出された、アルカリホスファターゼのピーク面積値は、好ましくは200000以上、さらに好ましくは220000以上、さらに一層好ましくは240000以上である。アルカリホスファターゼのピーク面積値の上限値は特に限定されない。アルカリホスファターゼのピーク面積値は、好ましくは500000以下、さらに好ましくは400000以下、さらに一層好ましくは350000以下である。
[アルカリホスファターゼの含有量に対する第4のペプチド断片の含有量の比率]
第6態様に係る組成物において、アルカリホスファターゼの含有量に対する第4のペプチド断片の含有量の比率は、下記式(4):
(X/Y)×100≦0.3500 ・・・(4)
を満たす。
第1、第2、第3、第4又は第5態様に係る組成物が第4のペプチド断片を含有する実施形態では、アルカリホスファターゼの含有量に対する第4のペプチド断片の含有量の比率が、下記式(4):
(X/Y)×100≦0.3500 ・・・(4)
を満たすことが好ましい。
上記式(4)において、Xは、第1、第2、第3、第4、第5又は第6態様に係る組成物のLC−MS/MS分析により得られた抽出イオンクロマトグラムから自動積分法により算出された、第4のペプチド断片のピーク面積値を表し、Yは、第1、第2、第3、第4、第5又は第6態様に係る組成物のLC−UV分析により得られたクロマトグラムから自動積分法により算出された、アルカリホスファターゼのピーク面積値を表す。上記式(A)に関する説明(LC−MS/MS分析及びLC−UV分析に関する説明を含む)は、別段規定される場合を除き、上記式(4)に関しても適用される。
(X/Y)×100の値は、0.3500以下である限り特に限定されないが、小さいほど好ましい。(X/Y)×100の値は、好ましくは0.3200以下、さらに好ましくは0.3000以下、さらに一層好ましくは0.2800以下である。(X/Y)×100の下限値は、検出限界値である。但し、(X/Y)×100の値を小さくするための労力(例えば、精製による第4のペプチド断片の分離除去)に見合う効果を得る点から、(X/Y)×100の値は、好ましくは0.0800以上、さらに好ましくは0.1000以上、さらに一層好ましくは0.1500以上である。
第1、第2、第3、第4、第5又は第6態様に係る組成物から調製された水溶液であって、アルカリホスファターゼ濃度が10重量%である水溶液を使用したLC−MS/MS分析により得られた抽出イオンクロマトグラムから自動積分法により算出された、第4のペプチド断片のピーク面積値は、小さいほど好ましい。第4のペプチド断片のピーク面積値は、好ましくは1000以下、さらに好ましくは900以下、さらに一層好ましくは800以下である。第4のペプチド断片のピーク面積値の下限値は、検出限界値である。但し、第4のペプチド断片のピーク面積値を小さくするための労力(例えば、精製による第4のペプチド断片の分離除去)に見合う効果を得る点から、第4のペプチド断片のピーク面積値は、好ましくは100以上、さらに好ましくは150以上、さらに一層好ましくは200以上である。
第1、第2、第3、第4、第5又は第6態様に係る組成物から調製された水溶液であって、アルカリホスファターゼ濃度が10重量%である水溶液を使用したLC−UV分析により得られたクロマトグラムから自動積分法により算出された、アルカリホスファターゼのピーク面積値は、好ましくは200000以上、さらに好ましくは220000以上、さらに一層好ましくは240000以上である。アルカリホスファターゼのピーク面積値の上限値は特に限定されない。アルカリホスファターゼのピーク面積値は、好ましくは500000以下、さらに好ましくは400000以下、さらに一層好ましくは350000以下である。
[アルカリホスファターゼ比活性]
本発明の組成物は、2000U/mg以上のアルカリホスファターゼ比活性を有することが好ましい。本発明の組成物が有するアルカリホスファターゼ比活性は、さらに好ましくは2500U/mg以上、さらに一層好ましくは3000U/mg以上である。本発明の組成物が有するアルカリホスファターゼ比活性は、次のようにして測定される。p−ニトロフェニルリン酸水溶液にアルカリホスファターゼを添加することで生成するp−ニトロフェノール由来の405nmの吸光度を測定することにより、アルカリホスファターゼの比活性を算出することができる。
[その他の成分]
本発明の組成物は、1種又は2種以上のその他の成分を含有することができる。その他の成分としては、例えば、水等の水性媒体、マグネシウム塩、ナトリウム塩等の金属塩、界面活性剤、有機酸、グリセリン等が挙げられる。
本発明の組成物は、アルカリホスファターゼ活性が求められる様々な用途に使用することができ、用途に応じて選択された1種又は2種以上のその他の成分を含有することができる。
一実施形態において、本発明の組成物は、抗原、抗体等のタンパク質を含有する。この実施形態において、本発明の組成物は、抗原、抗体等のタンパク質をアルカリホスファターゼで標識化するために使用することができる。すなわち、一実施形態において、本発明の組成物は、タンパク質をアルカリホスファターゼで標識化するための組成物である。アルカリホスファターゼによるタンパク質の標識化は、アルカリホスファターゼのカルボキシル基をスクシンイミドでエステル化して得られるアルカリホスファターゼスクシンイミドエステル体をタンパク質のアミノ基と反応させることにより行うことができる。
一実施形態において、本発明の組成物は、アルカリホスファターゼの基質を含有する。この実施形態において、本発明の組成物は、アルカリホスファターゼの基質を脱リン酸化するために使用することができる。すなわち、一実施形態において、本発明の組成物は、アルカリホスファターゼの基質を脱リン酸化するための組成物である。アルカリホスファターゼの基質は、リン酸モノエステル結合を有する化合物である限り特に限定されない。アルカリホスファターゼの基質としては、例えば、核酸、リン脂質、ピロリン酸等が挙げられる。アルカリホスファターゼの基質を本発明の組成物で処理すると、アルカリホスファターゼの基質のリン酸モノエステル結合がアルカリホスファターゼで加水分解され、アルカリホスファターゼの基質の脱リン酸化が生じる。
好ましい実施形態において、本発明の組成物は、核酸を含有する。この実施形態において、本発明の組成物は、核酸を脱リン酸化するために使用することができる。すなわち、好ましい実施形態において、本発明の組成物は、核酸を脱リン酸化するための組成物である。アルカリホスファターゼに混在するペプチド断片群(A)、ペプチド断片群(B)、ペプチド断片群(C)、第2のペプチド断片、第3のペプチド断片又は第4のペプチド断片は、アルカリホスファターゼで核酸を脱リン酸化する際に悪影響を与える可能性がある。この点、本発明の組成物では、アルカリホスファターゼの含有量に対するペプチド断片群(A)、ペプチド断片群(B)、ペプチド断片群(C)、第2のペプチド断片、第3のペプチド断片又は第4のペプチド断片の含有量の比率が、上記所定の式を満たす。すなわち、本発明の組成物では、ペプチド断片群(A)、ペプチド断片群(B)、ペプチド断片群(C)、第2のペプチド断片、第3のペプチド断片又は第4のペプチド断片の相対的含有量が低減している。したがって、本発明の組成物を使用することにより、アルカリホスファターゼで核酸を脱リン酸化する際に生じ得るペプチド断片群(A)、ペプチド断片群(B)、ペプチド断片群(C)、第2のペプチド断片、第3のペプチド断片又は第4のペプチド断片の悪影響を低減させることができ、核酸の脱リン酸化効率を向上させることができる。本発明の組成物で核酸を処理することにより、核酸の5’末端及び/又は3’末端を脱リン酸化することができる。核酸の5’末端及び/又は3’末端を脱リン酸化することにより、核酸の5’末端及び/又は3’末端を標識物質で標識化する際の標識化効率を向上させることができる。特に、標識物質として32Pを使用する際、この効果は顕著である。また、DNAクローニングに使用されるベクターの5’末端及び/又は3’末端を脱リン酸化することにより、ベクターのセルフライゲーションを防止することができ、これにより、形質転換細胞のバックグラウンドを低下させることができる。
核酸は、例えば、DNA、RNA、PNA(ペプチド核酸)、LNA(Locked Nucleic Acid)等の核酸又は核酸誘導体である。核酸誘導体としては、例えば、修飾ヌクレオチド(例えばハロゲン、メチル等のアルキル、メトキシ等のアルコキシ、チオ、カルボキシメチル等の基を含むヌクレオチド及び塩基の再構成、二重結合の飽和、脱アミノ化、酸素分子の硫黄分子への置換等を受けたヌクレオチド等)を含む核酸誘導体が挙げられる。核酸は、一本鎖であってもよいし、二本鎖であってもよい。DNAとしては、例えば、染色体DNA,ウイルスのDNA,細菌、カビ等のDNA、cDNA、それらの断片等が挙げられる。RNAとしては、例えば、mRNA,rRNA,スモールRNA、それらの断片等が挙げられる。核酸は、化学的に合成したDNA、RNA等であってもよい。核酸の具体例としては、病原菌、ウイルス等の遺伝子又はその一部、遺伝病の原因遺伝子又はその一部等が挙げられる
核酸は、例えば、生体材料、ウイルス、細菌、カビ、飲食物等から常法により抽出することにより調製することができる。生体材料としては、例えば、血液、血清、血漿、尿、便、髄液、唾液、ぬぐい液、組織液等の体液、細胞、組織等が挙げられる。生体材料は、動物由来であってもよいし、植物由来であってもよい。
本発明の組成物に含まれる核酸の量は、本発明の組成物の使用目的(例えば、標的核酸の検出)等に応じて適宜調整することができる。例えば、本発明の組成物に含まれる核酸のうち、ある核酸(標的核酸)の検出を目的とする場合、本発明の組成物に含まれる核酸を鋳型として、PCR等の核酸増幅法を実施することにより、標的核酸を増幅させることができる。これにより、標的核酸の検出感度を向上させることができる。
核酸の長さ(塩基数)は、本発明の組成物の使用目的(例えば、標的核酸の検出)等に応じて適宜調整することができる。例えば、核酸の検出を目的とする場合、核酸の長さは、通常10〜300塩基、好ましくは10〜100塩基、さらに好ましくは15〜100塩基である。核酸の長さは、断片化処理により適宜調整することができる。核酸の長さは、例えば、プローブとハイブリダイズし得る長さである。核酸が長い場合(例えば1500塩基以上、特に4000塩基以上)には、核酸を断片化処理して、核酸の長さを適切な長さに調整することが好ましい。断片化処理を行う場合、生じた核酸断片から特定の核酸断片を選択する必要はなく、断片化処理物をそのまま使用することができる。
断片化のために核酸を切断する方法としては、例えば、超音波を照射して切断する方法、酵素で切断する方法、制限酵素で切断する方法、ネブライザーを使用する方法、酸又はアルカリで切断する方法等が挙げられる。超音波で切断する方法の場合、核酸に照射する超音波の出力強度及び照射時間を制御することにより、核酸を所望の長さに切断することが可能である。
好ましい実施形態において、本発明の組成物は、脱リン酸化核酸を含有する。核酸に関する説明は上記と同様である。脱リン酸化核酸は、アルカリホスファターゼで脱リン酸化された5’末端及び/又は3’末端を有する。この実施形態において、本発明の組成物は、脱リン酸化核酸と該脱リン酸化核酸に結合した標識物質とを含んでなる標識化核酸を調製するために使用することができる。すなわち、好ましい実施形態において、本発明の組成物は、脱リン酸化核酸と該脱リン酸化核酸に結合した標識物質とを含んでなる標識化核酸を調製するための組成物である。アルカリホスファターゼに混在するペプチド断片群(A)、ペプチド断片群(B)、ペプチド断片群(C)、第2のペプチド断片、第3のペプチド断片又は第4のペプチド断片は、アルカリホスファターゼにより核酸を脱リン酸化する際、及び/又は、脱リン酸化された核酸に標識物質を結合させる際に悪影響を与える可能性がある。この点、本発明の組成物では、アルカリホスファターゼの含有量に対するペプチド断片群(A)、ペプチド断片群(B)、ペプチド断片群(C)、第2のペプチド断片、第3のペプチド断片又は第4のペプチド断片の含有量の比率が、上記所定の式を満たす。すなわち、本発明の組成物では、ペプチド断片群(A)、ペプチド断片群(B)、ペプチド断片群(C)、第2のペプチド断片、第3のペプチド断片又は第4のペプチド断片の相対的含有量が低減している。したがって、本発明の組成物を使用することにより、アルカリホスファターゼで核酸を脱リン酸化する際、及び/又は、脱リン酸化された核酸に標識物質を結合させる際に生じ得るペプチド断片群(A)、ペプチド断片群(B)、ペプチド断片群(C)、第2のペプチド断片、第3のペプチド断片又は第4のペプチド断片の悪影響を低減させることができ、核酸の脱リン酸化効率、及び/又は、脱リン酸化された核酸の標識化効率を向上させることができる。
好ましい実施形態において、本発明の組成物は、脱リン酸化核酸と該脱リン酸化核酸に結合した標識物質とを含んでなる標識化核酸を含有する。核酸に関する説明は上記と同様である。脱リン酸化核酸は、アルカリホスファターゼで脱リン酸化された5’末端及び/又は3’末端を有する。標識物質は、脱リン酸化核酸の5’末端及び/又は3’末端に結合する。
標識物質としては、例えば、蛍光色素、蛍光タンパク、化学発光体、金属錯体、金属微粒子、ビオチン、ラジオアイソトープ等を使用することができる。標的核酸を標識化する際の反応条件は、標識物質の種類に応じて適宜調節することができる。標識物質が蛍光色素である場合、蛍光色素の検出は、蛍光顕微鏡、蛍光スキャナー等を使用して行うことができる。
蛍光色素としては、例えば、フルオレセイン系色素、ローダミン系色素、Alexa Fluor(インビトロジェン社製)系色素、BODIPY(インビトロジェン社製)系色素、カスケード系色素、クマリン系色素、エオジン系色素、NBD系色素、ピレン系色素、Texas Red系色素、シアニン系色素等の有機蛍光色素が挙げられる。
有機蛍光色素の具体例としては、5−カルボキシ−フルオレセイン、6−カルボキシ−フルオレセイン、5,6−ジカルボキシ−フルオレセイン、6−カルボキシ−2’,4,4’,5’,7,7’−ヘキサクロロフルオレセイン、6−カルボキシ−2’,4,7,7’−テトラクロロフルオレセイン、6−カルボキシ−4’,5’−ジクロロ−2’,7’−ジメトキシフルオレセイン、ナフトフルオレセイン、5−カルボキシ−ローダミン、6−カルボキシ−ローダミン、5,6−ジカルボキシ−ローダミン、ローダミン 6G、テトラメチルローダミン、X−ローダミン、Alexa Fluor 350、Alexa Fluor 405、Alexa Fluor 430、Alexa Fluor 488、Alexa Fluor 500、Alexa Fluor 514、Alexa Fluor 532、Alexa Fluor 546、Alexa Fluor 555、Alexa Fluor 568、Alexa Fluor 594、Alexa Fluor 610、Alexa Fluor 633、Alexa Fluor 635、Alexa Fluor 647、Alexa Fluor 660、Alexa Fluor 680、Alexa Fluor 700、Alexa Fluor 750、BODIPY FL、BODIPY TMR、BODIPY 493/503、BODIPY 530/550、BODIPY 558/568、BODIPY 564/570、BODIPY 576/589、BODIPY 581/591、BODIPY 630/650、BODIPY 650/665(以上インビトロジェン社製)、メトキシクマリン、エオジン、NBD、ピレン、Cy5、Cy5.5、Cy7等が挙げられる。
本発明の組成物が、脱リン酸化核酸と該脱リン酸化核酸に結合した標識物質とを含んでなる標識化核酸を含有する実施形態において、本発明の組成物は、核酸検出法に供される核酸サンプルとして使用することができる。すなわち、好ましい実施形態において、本発明の組成物は、核酸検出法に供される核酸サンプルである。標識化核酸は、検出すべき標的核酸と、標的核酸以外の核酸とを含有することができる。核酸検出法では、核酸サンプルに含有される標的核酸を、標的核酸が有する標識物質を指標として検出することができる。核酸検出法は特に限定されず、公知の核酸検出法の中から適宜選択することができる。標的核酸は、例えば、ハイブリダイゼーション法を使用して検出することができる。ハイブリダイゼーション法の一実施形態では、標的核酸とハイズリダイズすることができるプローブを使用して標的核酸を検出することができる。プローブを使用する核酸検出法の一実施形態では、プローブと、標的核酸を含有する核酸サンプルとを接触させ、プローブと標的核酸とをハイブリダイズさせ、プローブとハイブリダイズした標的核酸を、標的核酸が有する標識物質を指標として検出することができる。サンプルに標的核酸以外の核酸が含まれる場合、標的核酸とプローブとを接触させた後、プローブとハイブリダイズしなかった核酸を洗浄等により除去することが好ましい。
標的核酸とプローブとをハイブリダイゼーションさせる際の反応条件は、標的核酸の鎖長、プローブの鎖長等に応じて適宜調整することができる。反応時間は、通常30〜1200分、好ましくは60〜360分である。反応温度は、通常25〜60℃、好ましくは30〜40℃である。反応は、通常、水等の水性媒体中で行われる。
標的核酸及びプローブの使用量は、標的核酸とプローブとのハイブリダイゼーションが可能であり、標的核酸に結合した標識物質を検出が可能である限り特に限定されず、標的核酸の鎖長、プローブの鎖長、標識物質の種類等に応じて適宜調整することができる。
プローブとしては、例えば、DNA、RNA、PNA(ペプチド核酸)、LNA(Locked Nucleic Acid)等の核酸又は核酸誘導体を使用することができる。核酸誘導体としては、例えば、修飾ヌクレオチド(例えばハロゲン、メチル等のアルキル、メトキシ等のアルコキシ、チオ、カルボキシメチル等の基を含むヌクレオチド及び塩基の再構成、二重結合の飽和、脱アミノ化、酸素分子の硫黄分子への置換等を受けたヌクレオチド等)を含む核酸誘導体が挙げられる。
プローブは、標的核酸の塩基配列の少なくとも一部と相補的な塩基配列を有し、標的核酸にハイブリダイズすることができる。標的核酸が二本鎖である場合、プローブはセンス鎖にハイブリダイズしてもよいし、アンチセンス鎖にハイブリダイズしてもよい。プローブの塩基配列は、標的核酸の塩基配列のうち、どの部分と相補的であってもよいが、標的核酸の塩基配列のうち、特異性が高い部分と相補的であることが好ましい。すなわち、プローブの塩基配列は、標的核酸の塩基配列のうち、サンプルに含有されるその他の核酸に含まれない塩基配列と相補的であることが好ましい。
プローブの塩基配列のうち、標的核酸の塩基配列と相補的な部分の長さ(塩基数)は特に限定されないが、通常10〜150塩基、好ましくは20〜100塩基、さらに好ましくは20〜70塩基である。プローブは、標的核酸の塩基配列と相補的な塩基配列で構成されていてもよいし、標的核酸の塩基配列と相補的でない塩基配列を含んでいてもよい。プローブの全長(総塩基数)は、通常10〜300塩基、好ましくは20〜200塩基、さらに好ましくは15〜100塩基である。
プローブは、市販品、合成品、生体からの調製物等のいずれであってもよい。オリゴ核酸と呼ばれる長さが200塩基までの核酸は、合成機で容易に人工的に合成が可能である。
プローブは、支持体に固定化されていることが好ましい。すなわち、好ましい実施形態において、核酸検出法は、核酸マイクロアレイを使用する核酸検出法である。核酸マイクロアレイは、支持体と、支持体の表面に固定された複数のプローブとを有する。核酸マイクロアレイを使用する核酸検出法では、標識化された標的核酸と、標的核酸にハイブリダイズし得るプローブを備える核酸マイクロアレイとを接触させ、プローブにハイブリダイズした標的核酸を、標的核酸に結合した標識物質を指標として検出することができる。サンプルに標的核酸以外の核酸が含まれる場合、標的核酸と核酸マイクロアレイとを接触させた後、核酸マイクロアレイ上のプローブとハイブリダイズしなかった核酸を洗浄等により除去することが好ましい。複数のプローブを備える核酸マイクロアレイを使用することにより、2種以上の標的核酸を同時に検出することができる。
支持体はプローブを固定化し得る限り特に限定されない。支持体としては、例えば、スライドガラス、メンブレン、ビーズ等が挙げられる。支持体の材質としては、例えば、ガラス、セラミック、シリコン等の無機材料、ポリエチレンテレフタレート、酢酸セルロース、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、シリコーンゴム等のポリマー等が挙げられる。
支持体へのプローブの固定化は、常法に従って行うことができる。支持体にプローブを固定化する方法としては、支持体上面部でオリゴ核酸を合成する方法、あらかじめ合成しておいたオリゴ核酸を支持体上面部へ滴下し固定する方法等が公知である。前者の方法としては、例えば、Ronaldらの方法(米国特許第5705610号明細書)、Michelらの方法(米国特許第6142266号明細書)、Francescoらの方法(米国特許第7037659号明細書)等が挙げられる。これらの方法ではDNA合成反応時に有機溶媒を用いるため、支持体は有機溶媒に耐性のある材質であることが望ましい。例えば、特表平10−503841号公報に記載の方法を用いて作製した凹凸構造を有したガラス製支持体を用いることができる。特にFrancescoらの方法においては、支持体の裏面から光を照射し、DNA合成を制御するため、支持体は透光性を有する材質であることが好ましい。後者の方法としては、例えば、廣田らの方法(特許第3922454号)、ガラスキャピラリーを用いる方法等が挙げられる。ガラスキャピラリーの一例としては、自作したガラスキャピラリー、マイクロピペット((株)マイクロサポート社製;MP−005)等の市販製品を用いることができる。
標的核酸の検出方法として、サンドイッチハイブリダイゼーション法を使用することができる。サンドイッチハイブリダイゼーション法では、支持体に固定された第1のプローブ(捕捉プローブ)と、支持体に固定されていない第2のプローブ(検出プローブ)とが使用される。捕捉プローブ及び検出プローブは、それぞれ、標的核酸の異なる部分に相補的な塩基配列を有し、標的核酸の異なる部分にハイブリダイゼーションすることができる。標的核酸と検出プローブ及び捕捉プローブとがハイブリダイズすることにより複合体が形成される。この複合体に含まれる標識物質を検出することにより、標的核酸を検出することができる。
検出プローブの塩基配列と捕捉プローブの塩基配列との配列同一性は低いことが好ましい。配列同一性は、好ましくは20%以下であり、さらに好ましくは10%以下である。ここで、2つの塩基配列の同一性は、塩基ができるだけ多く一致するように2つの配列を整列させ(必要に応じギャップを入れる)、一致した塩基数を全塩基数(2つの塩基配列の塩基数が異なる場合には大きい方の塩基数)で除すことにより得られる数値であり、FASTAやBLAST等の市販のソフト(インターネットでも提供されている)により容易に算出可能である。
標的核酸の検出方法において検出されたシグナル(例えば、検出された標識物質の強度)は、周辺ノイズと比較される。具体的には、プローブが固定されている支持体上の位置から得られたシグナル値と、プローブが固定されていない支持体上の位置から得られたシグナル値(ノイズ値)を比較し、前者の数値とノイズ値の比をS/N比とする。検出精度は、S/N比によって表すことができる。すなわち、S/N比が大きいほど、検出精度が高く、S/N比が小さいほど、検出精度が低い。
本発明の組成物が、脱リン酸化核酸と該脱リン酸化核酸に結合した標識物質とを含んでなる標識化核酸を含有する実施形態では、核酸検出法において本発明の組成物を核酸サンプルとして使用することにより、標的核酸の検出感度を向上させることができる。この効果は、微量(好ましくは5〜1000μL、さらに好ましくは5〜500μL)の核酸サンプルが使用される核酸検出法において顕著である。微量の核酸サンプルが使用される核酸検出法では、核酸サンプルに含まれるペプチド断片群(A)、ペプチド断片群(B)、ペプチド断片群(C)、第2のペプチド断片、第3のペプチド断片又は第4のペプチド断片が検出感度に悪影響を与える可能性がある。この点、本発明の組成物では、アルカリホスファターゼの含有量に対するペプチド断片群(A)、ペプチド断片群(B)、ペプチド断片群(C)、第2のペプチド断片、第3のペプチド断片又は第4のペプチド断片の含有量の比率が、上記所定の式を満たす。すなわち、本発明の組成物では、ペプチド断片群(A)、ペプチド断片群(B)、ペプチド断片群(C)、第2のペプチド断片、第3のペプチド断片又は第4のペプチド断片の相対的含有量が低減している。したがって、微量の核酸サンプルが使用される核酸検出法において、本発明の組成物を核酸サンプルとして使用することにより、ペプチド断片群(A)、ペプチド断片群(B)、ペプチド断片群(C)、第2のペプチド断片、第3のペプチド断片又は第4のペプチド断片の悪影響を低減させることができ、標的核酸の検出感度を顕著に向上させることができる。
好ましい実施形態において、核酸検出法は、核酸マイクロアレイを使用する核酸検出法である。核酸マイクロアレイを使用する核酸検出法では、微量(好ましくは5〜1000μL、さらに好ましくは5〜500μL)の核酸サンプルが使用される。したがって、核酸マイクロアレイを使用する核酸検出法において、本発明の組成物を核酸サンプルとして使用することにより、ペプチド断片群(A)、ペプチド断片群(B)、ペプチド断片群(C)、第2のペプチド断片、第3のペプチド断片又は第4のペプチド断片の悪影響を低減させることができ、標的核酸の検出感度を顕著に向上させることができる。
[製造方法]
本発明の組成物は、ウシ、エビ等の臓器からのアルカリホスファターゼ抽出物、アルカリホスファターゼをコードする遺伝子を導入した微生物からのアルカリホスファターゼ抽出物、アルカリホスファターゼをコードする遺伝子を導入した微生物の菌体破砕物、市販のアルカリホスファターゼ製品等から、ペプチド断片群(A)、ペプチド断片群(B)、ペプチド断片群(C)、第2のペプチド断片、第3のペプチド断片又は第4のペプチド断片を分離することにより製造することができる。ペプチド断片群(A)、ペプチド断片群(B)、ペプチド断片群(C)、第2のペプチド断片、第3のペプチド断片又は第4のペプチド断片の分離方法としては、例えば、透析、塩析、ゲル濾過、限外濾過、膜分離、イオン交換、カラムクロマトグラフィー、電気泳動等が挙げられる。ペプチド断片の分離方法は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。例えば、市販のアルカリホスファターゼ製品をカラムクロマトグラフィー等により精製することにより、アルカリホスファターゼの含有量に対するペプチド断片群(A)、ペプチド断片群(B)、ペプチド断片群(C)、第2のペプチド断片、第3のペプチド断片又は第4のペプチド断片の含有量を所望の範囲とすることができる。カラムクロマトグラフィーは、例えば、液体クロマトグラフィーである。液体クロマトグラフィーで使用されるカラム及び移動相は、ペプチド断片群(A)、ペプチド断片群(B)、ペプチド断片群(C)、第2のペプチド断片、第3のペプチド断片又は第4のペプチド断片を分離し得る限り特に限定されないが、C18が担持された逆相カラムを使用することが好ましい。
[使用方法]
本発明の組成物は、アルカリホスファターゼ活性が求められる様々な方法に使用することができる。
一実施形態において、本発明の組成物は、以下の工程:
本発明の組成物を準備する工程;
核酸を準備する工程;及び
上記核酸を上記組成物で処理し、上記核酸を脱リン酸化する工程
を含む、脱リン酸化核酸の製造方法で使用される。アルカリホスファターゼに混在するペプチド断片群(A)、ペプチド断片群(B)、ペプチド断片群(C)、第2のペプチド断片、第3のペプチド断片又は第4のペプチド断片は、アルカリホスファターゼにより核酸を脱リン酸化する際に悪影響を与える可能性がある。この点、本発明の組成物では、アルカリホスファターゼの含有量に対するペプチド断片群(A)、ペプチド断片群(B)、ペプチド断片群(C)、第2のペプチド断片、第3のペプチド断片又は第4のペプチド断片の含有量の比率が、上記所定の式を満たす。すなわち、本発明の組成物では、ペプチド断片群(A)、ペプチド断片群(B)、ペプチド断片群(C)、第2のペプチド断片、第3のペプチド断片又は第4のペプチド断片の相対的含有量が低減している。このため、本発明の組成物で核酸を処理することにより、核酸の脱リン酸化効率を向上させることができる。
一実施形態において、本発明の組成物は、以下の工程:
本発明の組成物を準備する工程;
核酸を準備する工程;
標識物質を準備する工程;
上記核酸を上記組成物で処理し、上記核酸を脱リン酸化する工程;及び
上記脱リン酸化核酸に上記標識物質を結合させる工程
を含む、標識化核酸の製造方法で使用される。アルカリホスファターゼに混在するペプチド断片群(A)、ペプチド断片群(B)、ペプチド断片群(C)、第2のペプチド断片、第3のペプチド断片又は第4のペプチド断片は、アルカリホスファターゼにより核酸を脱リン酸化する際、及び/又は、脱リン酸化された核酸に標識物質を結合させる際に悪影響を与える可能性がある。この点、本発明の組成物では、アルカリホスファターゼの含有量に対するペプチド断片群(A)、ペプチド断片群(B)、ペプチド断片群(C)、第2のペプチド断片、第3のペプチド断片又は第4のペプチド断片の含有量の比率が、上記所定の式を満たす。すなわち、本発明の組成物では、ペプチド断片群(A)、ペプチド断片群(B)、ペプチド断片群(C)、第2のペプチド断片、第3のペプチド断片又は第4のペプチド断片の相対的含有量が低減している。このため、本発明の組成物で核酸を処理することにより、核酸の脱リン酸化効率、及び/又は、脱リン酸化された核酸の標識化効率を向上させることができる。
核酸を本発明の組成物で処理し、核酸を脱リン酸化する工程において、反応条件は適宜調節することができる。反応時間は、通常10〜60分、好ましくは20〜50分である。反応温度は、通常20〜60℃、好ましくは25〜45℃である。反応は、通常、水等の水性媒体中で行われる。核酸は、例えば、DNA、RNA等である。核酸を本発明の組成物で処理すると、核酸の5’末端及び/又は3’末端が脱リン酸化される。
脱リン酸化核酸に標識物質を結合させる工程において、標識物質としては、例えば、蛍光色素、蛍光タンパク、化学発光体、金属錯体、金属微粒子、ビオチン、ラジオアイソトープ等を使用することができる。反応条件は、標識物質の種類に応じて適宜調節することができる。脱リン酸化核酸は、アルカリホスファターゼで脱リン酸化された5’末端及び/又は3’末端を有し、標識物質は、脱リン酸化された5’末端及び/又は3’末端に結合させることができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
≪LC−MS/MS分析の条件≫
実施例及び比較例で使用されたLC−MS/MS分析の条件は以下の通りである。
<装置構成>
質量分析計:maXis impact(Bruker Daltnics,Inc.製)
<質量分析条件>
イオン化方式:ESI
測定イオン:正イオン
キャピラリー電圧:4500V
ネブライザー:2.0bar
ドライガス:8.0L/分
検出器電圧:1823V
測定範囲(MS):m/z 50〜2200
<MS/MS条件>
測定範囲(MS):m/z 50〜2200
コリジョンガス:窒素
≪LC−UV分析の条件≫
実施例及び比較例で使用されたLC−UV分析の条件は以下の通りである。
<装置構成>
液体クロマトグラフ:LC−30Aシステム(島津製作所製)
検出器:UV−Vis(190〜900nm、島津製作所製)
<液体クロマトグラフィー条件>
カラム:Acquity BEH C18 1.7μm(Waters Corporation製)カラムサイズ:2.1mm×100mm
カラム温度:50℃
移動相流速:0.2mL/分
移動相A:水/ギ酸混液(1000:1)
移動相B:アセトニトリル/水/ギ酸混液(900:100:1)
注入量:20μL
グラジエントプログラム:
Figure 2020067122
≪核酸検出法≫
実施例及び比較例で使用された核酸検出法は以下の通りである。
核酸検出法は、DNAチップ(DNAマイクロアレイ)を使用して行った。具体的には、東レ株式会社製の“3D−Gene” human miRNA oligo chip(miRBase release 21対応)を使用して行った。
[比較例1〜8]
5社から購入した8種類のアルカリホスファターゼ製品(以下「組成物C1」〜「組成物C8」という。)を、比較例1〜8のアルカリホスファターゼ組成物として使用した。組成物C1〜C8のそれぞれに含まれるアルカリホスファターゼは、ウシの腸管由来のアルカリホスファターゼである。組成物C1〜C8のそれぞれのアルカリホスファターゼ比活性を測定したところ、組成物C1は2238U/mg、組成物C2は2492U/mg、組成物C3は2431U/mg、組成物C4は2519U/mg、組成物C5は2411U/mg、組成物C6は2552U/mg、組成物C7は2448U/mg、組成物C8は2490U/mgであった。なお、アルカリホスファターゼ比活性は、p−ニトロフェニルリン酸を使用する方法で測定した。具体的には、以下の通りである。
下記溶液A及びBを準備した。
溶液A:1M ジエタノールアミン緩衝液(pH9.8)
溶液B:0.67M p−ニトロフェノールリン酸水溶液
溶液A 2.9mLと溶液B 0.1mLとをキュベット(光路長=1cm)に調製し、37℃で5分間加温した。次いで、アルカリホスファターゼ水溶液 0.1mLを添加し、分光光度計で405nm(37℃)の吸光度変化を3〜5分間測定し、単位時間あたりの吸光度変化を求めた(ΔOD)。対照としてアルカリホスファターゼ水溶液の代わりに水を添加したサンプルで吸光度変化を求めた(ΔODブランク)。下記式によりアルカリホスファターゼ活性(U/mL)を算出した。
アルカリホスファターゼ活性(U/mL)=(ΔOD−ΔODブランク)×3.1/(18.2×0.1×1.0)
アルカリホスファターゼ水溶液中のアルカリホスファターゼの濃度は214nmの吸光度を測定することにより算出した。214nmにおける吸光度が0.1〜1.0となるようにアルカリホスファターゼ水溶液を蒸留水で希釈し、1Abs=1mg/mLと近似して、希釈倍率を乗じた値をアルカリホスファターゼの濃度とした。本発明における比活性とはアルカリホスファターゼ1mgあたりの活性(U/mg)であり、上記測定法により算出した。
組成物C1〜C8のそれぞれから、10重量%アルカリホスファターゼ水溶液を調製し、この水溶液を使用してLC−UV分析及びLC−MS/MS分析を行った。LC−MS/MS分析により得られた抽出イオンクロマトグラムに基づいて、配列番号1に記載のアミノ酸配列(VPLASETHGGEDVAVF)からなる第1のペプチド断片、配列番号2に記載のアミノ酸配列(VPLASETHGGEDV)からなる第2のペプチド断片、配列番号3に記載のアミノ酸配列(GPQAHLVHGVQEETFVAH)からなる第3のペプチド断片、及び、配列番号4に記載のアミノ酸配列(GPQAHLVHGVQE)からなる第4のペプチド断片のそれぞれのピーク面積値を自動積分法により算出した。また、LC−UV分析により得られたクロマトグラムに基づいて、アルカリホスファターゼのピーク面積値を自動積分法により算出した。LC−UV分析において、アルカリホスファターゼは、214nmに吸収を有する成分として検出した。
図1は、比較例2において組成物C2のLC−MS/MS分析により得られた、第1のペプチド断片に関する抽出イオンクロマトグラムを示す。
図2は、比較例2において組成物C2のLC−MS/MS分析により得られた、第2のペプチド断片に関する抽出イオンクロマトグラムを示す。
図3は、比較例2において組成物C2のLC−MS/MS分析により得られた、第3のペプチド断片に関する抽出イオンクロマトグラムを示す。
図4は、比較例2において組成物C2のLC−MS/MS分析により得られた、第4のペプチド断片に関する抽出イオンクロマトグラムを示す。
比較例1〜8のアルカリホスファターゼ組成物を使用して核酸を脱リン酸化し、得られた脱リン酸化核酸をシアニン系有機蛍光色素で標識化した。具体的には、以下の通り、脱リン酸化反応及び標識化反応を行った。
健常人から採血した全血を遠心分離して血清 1mL得た。血清中から“3D−Gene” RNA extraction reagent from liquid sample kit(東レ(株)製)を使用してマイクロRNAを抽出した。得られた抽出マイクロRNAを母液とし、“3D−Gene” miRNA labeling kit(東レ(株)製)を使用して標識した。得られた抽出マイクロRNA 5μLを上記キットのAP buffer 0.4μL及びSpike Control 1.0μLの混合液に添加し、さらに組成物C1を0.4μL添加した溶液を調製した。次いで、37℃で40分間インキュベートした後、氷上で2分間静置した。次いで、LE Buffer 1.2μL、3D−Gene Fluorescent Label 3.0μL、Nuclease free water 2.5μL、Labeling enzyme 1.0μLを添加し、16℃で1時間インキュベートした後、65℃で15分間インキュベートして、標識化核酸を得た。組成物C2〜C8を使用した脱リン酸化反応及び標識化反応も同一の抽出マイクロRNA母液を使用し、上記と同様の方法で行った。
得られた標識化核酸を使用して核酸の検出を行った。標識した検体RNAについて、DNAチップ(“3D−Gene” miRNA chip,東レ(株)製)を使用し、その標準プロトコールに従い、ハイブリダイゼーションを行った。ハイブリダイゼーション後のDNAチップをマイクロアレイスキャナー(東レ(株)製)に供して蛍光強度を測定した。スキャナーの設定は、レーザー出力100%、フォトマルチプライヤーの電圧設定をAUTO設定にした。核酸の検出は、上記の通りDNAチップ(DNAマイクロアレイ)を使用して行った。DNAチップにおける有効スポット数を求め、検出率(%)を算出した。DNAチップ上の全2,588スポットのうち、検出シグナル値からノイズ(スポットの無い箇所のシグナル値)を引いた値が100以上のものを有効スポットとし、有効スポット数を全スポット数で除して100を乗じた値を検出率とした。結果を表4−2に示す。
[実施例1〜4]
比較例2〜4及び8のアルカリホスファターゼ組成物(組成物C2〜C4及びC8)を以下の方法で精製して、実施例1〜4のアルカリホスファターゼ組成物(以下「組成物E1」〜「組成物E4」という。)を得た。精製方法は、以下の通りである。
(透析工程)
組成物C2(30μL)を、透析カップ(カットオフ分子量3.5K)を使用して、透析バッファ(1mL,50mM Tris−HCl,2mM MgCl,0.2mM ZnCl)で3回透析処理し、濃縮液を回収した。
(ゲル濾過工程)
透析処理後の濃縮液をゲル濾過カラムを使用して、バッファ(2.5mL,10mM Tris−HCl,1mM MgCl,0.1mM ZnCl,50mM KCl,55重量% グリセリン)で濾過回収した。
(疎水カラム工程)
ゲル濾過後の回収液から、疎水カラムを使用して、下記条件でアルカリホスファターゼ画分を回収した。
移動相流速:1.0mL/分
移動相A:20mM リン酸水素二ナトリウム、3M 硫酸アンモニウム(50/50)
移動相B:20mM リン酸水素二ナトリウム
グラジエントプログラム:
Figure 2020067122
検出器:UV214nm
(透析工程)
回収したアルカリホスファターゼ画分を上記透析と同じ条件で3回透析処理し、濃縮液を回収した。
(限外濾過工程)
回収した濃縮液を、限外濾過カラム(カットオフ分子量10K)を使用して、バッファ(2.5mL,10mM Tris−HCl,1mM MgCl,0.1mM ZnCl,50mM KCl,55重量% グリセリン)で濾過回収し、組成物E1を得た。
組成物E2、組成物E3及び組成物E4も同様に、上記と同様の方法を使用して、それぞれ、組成物C3、組成物C4及び組成物C8から得た。
実施例1〜4のアルカリホスファターゼ組成物のアルカリホスファターゼ比活性を測定したところ、組成物E1は2490U/mg、組成物E2は2420U/mg、組成物E3は2522U/mg、組成物E4は2470U/mgであった。なお、アルカリホスファターゼ比活性は、上記と同様にして測定した。
組成物E1〜E4のそれぞれから、10重量%アルカリホスファターゼ水溶液を調製し、この水溶液を使用してLC−UV分析及びLC−MS/MS分析を行った。LC−MS/MS分析により得られた抽出イオンクロマトグラムに基づいて、配列番号1に記載のアミノ酸配列(VPLASETHGGEDVAVF)からなる第1のペプチド断片、配列番号2に記載のアミノ酸配列(VPLASETHGGEDV)からなる第2のペプチド断片、配列番号3に記載のアミノ酸配列(GPQAHLVHGVQEETFVAH)からなる第3のペプチド断片、及び、配列番号4に記載のアミノ酸配列(GPQAHLVHGVQE)からなる第4のペプチド断片のそれぞれのピーク面積値を自動積分法により算出した。また、LC−UV分析により得られたクロマトグラムに基づいて、アルカリホスファターゼのピーク面積値を自動積分法により算出した。LC−UV分析において、アルカリホスファターゼは、214nmに吸収を有する成分として検出した。
図5は、実施例1において組成物E1(組成物C2の精製品)のLC−MS/MS分析により得られた、第1のペプチド断片に関する抽出イオンクロマトグラムを示す。
図6は、実施例1において組成物E1(組成物C2の精製品)のLC−MS/MS分析により得られた、第2のペプチド断片に関する抽出イオンクロマトグラムを示す。
図7は、実施例1において組成物E1(組成物C2の精製品)のLC−MS/MS分析により得られた、第3のペプチド断片に関する抽出イオンクロマトグラムを示す。
図8は、実施例1において組成物E1(組成物C2の精製品)のLC−MS/MS分析により得られた、第4のペプチド断片に関する抽出イオンクロマトグラムを示す。
図9は、実施例1において組成物E1(組成物C2の精製品)のLC−UV分析により得られた、アルカリホスファターゼに関するクロマトグラムを示す。なお、実施例2〜4及び比較例1〜8において各組成物のLC−UV分析により得られた、アルカリホスファターゼに関するクロマトグラムは、図9と同様であった。
実施例1〜4のアルカリホスファターゼ組成物を使用して核酸を脱リン酸化し、得られた脱リン酸化核酸をシアニン系有機蛍光色素で標識化した。脱リン酸化反応及び標識化反応は、上記と同様にして行った。
得られた標識化核酸を使用して核酸の検出を行った。核酸の検出は、上記の通りDNAチップ(DNAマイクロアレイ)を使用して行った。DNAチップにおける有効スポット数を求め、検出率(%)を算出した。結果を表4−1に示す。
Figure 2020067122
Figure 2020067122
表4−1及び表4−2に示すように、比較例1〜8のアルカリホスファターゼ組成物を使用して調製した核酸サンプルを核酸検出法で使用した場合、有効スポット数が1500未満であったのに対して、実施例1〜4のアルカリホスファターゼ組成物を使用して調製した核酸サンプルを核酸検出法で使用した場合、有効スポット数が1500以上であった。また、比較例1〜8における検出率は、アルカリホスファターゼ組成物が有するアルカリホスファターゼ比活性はほぼ同じであるにも関わらず、差が生じたのに対して、実施例1〜4における検出率はほぼ同じであり、しかも、比較例1〜8の検出率よりも高かった。
表4−1及び表4−2に示すように、アルカリホスファターゼの含有量に対する第1〜第4のペプチド断片の合計含有量の比率の指標である((X+X+X+X)/Y)×100の値は、比較例1〜8のアルカリホスファターゼ組成物では4.4000を超えるのに対して(最小値は比較例6のアルカリホスファターゼ組成物における4.4912)、実施例1〜4のアルカリホスファターゼ組成物では4.4000以下である。このことは、実施例1〜4と比較例1〜8との間で上記効果の差を生じさせた主因の一つであると考えられる。
表4−1及び表4−2に示すように、アルカリホスファターゼの含有量に対する第1及び第2のペプチド断片の合計含有量の比率の指標である((X+X)/Y)×100の値は、比較例1〜8のアルカリホスファターゼ組成物では3.4000を超えるのに対して(最小値は比較例6のアルカリホスファターゼ組成物における3.4171)、実施例1〜4のアルカリホスファターゼ組成物では3.4000以下である。このことは、実施例1〜4と比較例1〜8との間で上記効果の差を生じさせた主因の一つであると考えられる。
表4−1及び表4−2に示すように、アルカリホスファターゼの含有量に対する第3及び第4のペプチド断片の合計含有量の比率の指標である((X+X)/Y)×100の値は、比較例1〜8のアルカリホスファターゼ組成物では1.0000を超えるのに対して(最小値は比較例6のアルカリホスファターゼ組成物における1.0742)、実施例1〜4のアルカリホスファターゼ組成物では1.0000以下である。このことは、実施例1〜4と比較例1〜8との間で上記効果の差を生じさせた主因の一つであると考えられる。
表4−1及び表4−2に示すように、アルカリホスファターゼの含有量に対する第2のペプチド断片の含有量の比率の指標である(X/Y)×100の値は、比較例1〜8のアルカリホスファターゼ組成物では1.6000を超えるのに対して(最小値は比較例1のアルカリホスファターゼ組成物における1.6913)、実施例1〜4のアルカリホスファターゼ組成物では1.6000以下である。このことは、実施例1〜4と比較例1〜8との間で上記効果の差を生じさせた主因の一つであると考えられる。
表4−1及び表4−2に示すように、アルカリホスファターゼの含有量に対する第3のペプチド断片の含有量の比率の指標である(X/Y)×100の値は、比較例1〜8のアルカリホスファターゼ組成物では0.2000を超えるのに対して(最小値は比較例6のアルカリホスファターゼ組成物における0.2073)、実施例1〜4のアルカリホスファターゼ組成物では0.2000以下である。このことは、実施例1〜4と比較例1〜8との間で上記効果の差を生じさせた主因の一つであると考えられる。
表4−1及び表4−2に示すように、アルカリホスファターゼの含有量に対する第4のペプチド断片の含有量の比率の指標である(X/Y)×100の値は、比較例1〜8のアルカリホスファターゼ組成物では0.3500を超えるのに対して(最小値は比較例1のアルカリホスファターゼ組成物における0.3915)、実施例1〜4のアルカリホスファターゼ組成物では0.3500以下である。このことは、実施例1〜4と比較例1〜8との間で効果の差を生じさせた主因の一つであると考えられる。
表4−1及び表4−2に示すように、アルカリホスファターゼの含有量に対する第1のペプチド断片の含有量の比率の指標である(X/Y)×100の値は、比較例1〜3、5、7及び8のアルカリホスファターゼ組成物では1.0000を超えるのに対して(但し、比較例4及び6では1.0000以下である)、実施例1〜4のアルカリホスファターゼ組成物では1.0000以下である。このことは、実施例1〜4と比較例1〜3、5、7及び8との間で効果の差を生じさせた副因の一つであると考えられる。

Claims (14)

  1. アルカリホスファターゼと、
    配列番号5に記載のアミノ酸配列の501〜578位から選択された連続する5〜50個のアミノ酸残基からなる2種以上のペプチド断片で構成されるペプチド断片群(A)と
    を含有する組成物であって、
    前記アルカリホスファターゼの含有量に対する前記ペプチド断片群(A)の含有量の比率が、下記式(A):
    (X/Y)×100≦4.4000 ・・・(A)
    [式中、Xは、前記組成物のLC−MS/MS分析により得られた抽出イオンクロマトグラムから自動積分法により算出された、前記ペプチド断片群(A)のピーク面積値を表し、Yは、前記組成物のLC−UV分析により得られたクロマトグラムから自動積分法により算出された、前記アルカリホスファターゼのピーク面積値を表す。]
    を満たす、前記組成物。
  2. アルカリホスファターゼと、
    配列番号5に記載のアミノ酸配列の501〜578位から選択された連続する13〜50個のアミノ酸残基からなり、配列番号5に記載のアミノ酸配列の516〜528位を含む2種以上のペプチド断片で構成されるペプチド断片群(B)と
    を含有する組成物であって、
    前記アルカリホスファターゼの含有量に対する前記ペプチド断片群(B)の含有量の比率が、下記式(B):
    (X/Y)×100≦3.4000 ・・・(B)
    [式中、Xは、前記組成物のLC−MS/MS分析により得られた抽出イオンクロマトグラムから自動積分法により算出された、前記ペプチド断片群(B)のピーク面積値を表し、Yは、前記組成物のLC−UV分析により得られたクロマトグラムから自動積分法により算出された、前記アルカリホスファターゼのピーク面積値を表す。]
    を満たす、前記組成物。
  3. アルカリホスファターゼと、
    配列番号5に記載のアミノ酸配列の501〜578位から選択された連続する12〜50個のアミノ酸残基からなり、配列番号5に記載のアミノ酸配列の534〜545位を含む2種以上のペプチド断片で構成されるペプチド断片群(C)と
    を含有する組成物であって、
    前記アルカリホスファターゼの含有量に対する前記ペプチド断片群(C)の含有量の比率が、下記式(C):
    (X/Y)×100≦1.0000 ・・・(C)
    [式中、Xは、前記組成物のLC−MS/MS分析により得られた抽出イオンクロマトグラムから自動積分法により算出された、前記ペプチド断片群(C)のピーク面積値を表し、Yは、前記組成物のLC−UV分析により得られたクロマトグラムから自動積分法により算出された、前記アルカリホスファターゼのピーク面積値を表す。]
    を満たす、前記組成物。
  4. アルカリホスファターゼと、配列番号2に記載のアミノ酸配列からなる第2のペプチド断片とを含有する組成物であって、
    前記アルカリホスファターゼの含有量に対する前記第2のペプチド断片の含有量の比率が、下記式(2):
    (X/Y)×100≦1.6000 ・・・(2)
    [式中、Xは、前記組成物のLC−MS/MS分析により得られた抽出イオンクロマトグラムから自動積分法により算出された、前記第2のペプチド断片のピーク面積値を表し、Yは、前記組成物のLC−UV分析により得られたクロマトグラムから自動積分法により算出された、前記アルカリホスファターゼのピーク面積値を表す。]
    を満たす、前記組成物。
  5. 前記組成物が、配列番号1に記載のアミノ酸配列からなる第1のペプチド断片をさらに含有し、
    前記アルカリホスファターゼの含有量に対する前記第1のペプチド断片の含有量の比率が、下記式(1):
    (X/Y)×100≦1.0000 ・・・(1)
    [式中、Xは、前記組成物のLC−MS/MS分析により得られた抽出イオンクロマトグラムから自動積分法により算出された、前記第1のペプチド断片のピーク面積値を表し、Yは、前記と同義である。]
    を満たす、請求項4に記載の組成物。
  6. 前記組成物が、配列番号3に記載のアミノ酸配列からなる第3のペプチド断片をさらに含有し、
    前記アルカリホスファターゼの含有量に対する前記第3のペプチド断片の含有量の比率が、下記式(3):
    (X/Y)×100≦0.2000 ・・・(3)
    [式中、Xは、前記組成物のLC−MS/MS分析により得られた抽出イオンクロマトグラムから自動積分法により算出された、前記第3のペプチド断片のピーク面積値を表し、Yは、前記と同義である。]
    を満たす、請求項4又は5に記載の組成物。
  7. 前記組成物が、配列番号4に記載のアミノ酸配列からなる第4のペプチド断片をさらに含有し、
    前記アルカリホスファターゼの含有量に対する前記第4のペプチド断片の含有量の比率が、下記式(4):
    (X/Y)×100≦0.3500 ・・・(4)
    [式中、Xは、前記組成物のLC−MS/MS分析により得られた抽出イオンクロマトグラムから自動積分法により算出された、前記第4のペプチド断片のピーク面積値を表し、Yは、前記と同義である。]
    を満たす、請求項4〜6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. アルカリホスファターゼと、配列番号3に記載のアミノ酸配列からなる第3のペプチド断片とを含有する組成物であって、
    前記アルカリホスファターゼの含有量に対する前記第3のペプチド断片の含有量の比率が、下記式(3):
    (X/Y)×100≦0.2000 ・・・(3)
    [式中、Xは、前記組成物のLC−MS/MS分析により得られた抽出イオンクロマトグラムから自動積分法により算出された、前記第3のペプチド断片のピーク面積値を表し、Yは、前記と同義である。]
    を満たす、前記組成物。
  9. 前記組成物が、配列番号1に記載のアミノ酸配列からなる第1のペプチド断片をさらに含有し、
    前記アルカリホスファターゼの含有量に対する前記第1のペプチド断片の含有量の比率が、下記式(1):
    (X/Y)×100≦1.0000 ・・・(1)
    [式中、Xは、前記組成物のLC−MS/MS分析により得られた抽出イオンクロマトグラムから自動積分法により算出された、前記第1のペプチド断片のピーク面積値を表し、Yは、前記と同義である。]
    を満たす、請求項8に記載の組成物。
  10. 前記組成物が、配列番号4に記載のアミノ酸配列からなる第4のペプチド断片をさらに含有し、
    前記アルカリホスファターゼの含有量に対する前記第4のペプチド断片の含有量の比率が、下記式(4):
    (X/Y)×100≦0.3500 ・・・(4)
    [式中、Xは、前記組成物のLC−MS/MS分析により得られた抽出イオンクロマトグラムから自動積分法により算出された、前記第4のペプチド断片のピーク面積値を表し、Yは、前記と同義である。]
    を満たす、請求項8又は9に記載の組成物。
  11. アルカリホスファターゼと、配列番号4に記載のアミノ酸配列からなる第4のペプチド断片とを含有する組成物であって、
    前記アルカリホスファターゼの含有量に対する前記第4のペプチド断片の含有量の比率が、下記式(4):
    (X/Y)×100≦0.3500 ・・・(4)
    [式中、Xは、前記組成物のLC−MS/MS分析により得られた抽出イオンクロマトグラムから自動積分法により算出された、前記第4のペプチド断片のピーク面積値を表し、Yは、前記と同義である。]
    を満たす、前記組成物。
  12. 前記組成物が、配列番号1に記載のアミノ酸配列からなる第1のペプチド断片をさらに含有し、
    前記アルカリホスファターゼの含有量に対する前記第1のペプチド断片の含有量の比率が、下記式(1):
    (X/Y)×100≦1.0000 ・・・(1)
    [式中、Xは、前記組成物のLC−MS/MS分析により得られた抽出イオンクロマトグラムから自動積分法により算出された、前記第1のペプチド断片のピーク面積値を表し、Yは、前記と同義である。]
    を満たす、請求項11に記載の組成物。
  13. 以下の工程:
    請求項1〜12のいずれか一項に記載の組成物を準備する工程;
    核酸を準備する工程;及び
    前記核酸を前記組成物で処理し、前記核酸を脱リン酸化する工程
    を含む、脱リン酸化核酸の製造方法。
  14. 以下の工程:
    請求項1〜12のいずれか一項に記載の組成物を準備する工程;
    核酸を準備する工程;
    標識物質を準備する工程;
    前記核酸を前記組成物で処理し、前記核酸を脱リン酸化する工程;及び
    前記脱リン酸化核酸に前記標識物質を結合させる工程
    を含む、標識化核酸の製造方法。
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