以下、本発明に係る蓄電装置管理システム、保管装置、サーバー装置、蓄電装置管理方法、プログラム、および記憶媒体について、添付の図面を参照しながら説明する。
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態について、図面を参照して説明する。以下の説明においては、第1実施形態の蓄電装置管理システムが、着脱することができる構成の蓄電装置であるバッテリ(以下、「着脱式バッテリ」という)の電力を利用する電力装置である複数の鞍乗り型の電動車両(以下、「電動二輪車」という)において共同利用される複数の着脱式バッテリの受領と、代わりの着脱式バッテリの供与(提供)とを管理する共用バッテリ管理システムである場合について説明する。
(全体構成)
図1は、本発明の第1実施形態における共用バッテリ管理システムを採用したバッテリ共同利用サービス(いわゆる、バッテリシェアサービス)の概念を示した図である。図1に示したように、第1実施形態の共用バッテリ管理システム10は、バッテリ交換装置100と運用サーバー200とを含んで構成される。なお、第1実施形態の共用バッテリ管理システム10では、1つの運用サーバー200が複数のバッテリ交換装置100に対応する構成とすることもできるが、図1においては、1つのバッテリ交換装置100のみを示している。また、図1においては、共用バッテリ管理システム10を採用したバッテリ共同利用サービスを利用する電動二輪車50も併せて示している。
電動二輪車50は、着脱式バッテリ510から供給される電力によって駆動される電動モータによって走行する電動車両である。なお、電動二輪車50は、着脱式バッテリ510と、ディーゼルエンジンやガソリンエンジンなどの内燃機関とを組み合わせた駆動によって走行するハイブリッド電動車両であってもよい。従って、電動二輪車50は、バッテリ共同利用サービスを利用する電動車両の一例である。
着脱式バッテリ510は、電動二輪車50に対して着脱自在に装着されるカセット式の蓄電装置(二次電池)である。着脱式バッテリ510は、1つの電動二輪車50に少なくとも1つ装着される。以下の説明においては、電動二輪車50が、1つの着脱式バッテリ510が装着される電動車両であるものとして説明する。着脱式バッテリ510は、複数の電動車両で共同利用される蓄電装置である。着脱式バッテリ510は、排他的に割り当てられた識別情報(以下、「バッテリID」という)によって着脱式バッテリ510自体を識別することができる。なお、バッテリIDとしては、例えば、着脱式バッテリ510のシリアル番号などが考えられるが、本発明においては、バッテリIDの形式として種々の形式が考えられる。
バッテリ交換装置100は、複数の場所に設置され、1つ以上の着脱式バッテリ510の保管および充電を行う設備である。また、バッテリ交換装置100は、共用バッテリ管理システム10の利用者(電動二輪車50の使用者(ユーザー)など)が交換を希望する着脱式バッテリ510と、保管している着脱式バッテリ510との交換の手続きを実施する設備でもある。バッテリ交換装置100は、ネットワークNWを介して運用サーバー200と接続されている。ここで、ネットワークNWは、例えば、無線通信の通信網などの通信ネットワークである。なお、ネットワークNWは、有線通信の通信網であってもよい。ただし、本発明においては、ネットワークNWが無線通信の通信網である方が、ネットワークNWが有線通信の通信網である場合よりも、より顕著な効果が得られると考えられる。
バッテリ交換装置100は、ネットワークNWを介した通信によって運用サーバー200との間で情報のやり取りをし、着脱式バッテリ510の交換を実施する。より具体的には、バッテリ交換装置100は、交換することができる着脱式バッテリ510のバッテリIDの情報を、ネットワークNWを介して運用サーバー200から取得する。なお、バッテリ交換装置100は、バッテリIDの情報として運用サーバー200が作成した、バッテリ交換装置100において交換することができる着脱式バッテリ510のバッテリIDを記録した提供可能バッテリリストを事前に取得して記憶している。提供可能バッテリリストには、バッテリ共同利用サービスを利用する電動二輪車50の使用者(ユーザー)などの複数の利用者が共同利用することができる着脱式バッテリ510のバッテリIDが記録されている。提供可能バッテリリストに記録されている着脱式バッテリ510のバッテリIDは、例えば、共用バッテリ管理システム10を採用したバッテリ共同利用サービスの運用者や共用バッテリ管理システム10の管理者により承認された着脱式バッテリ510のバッテリIDである。なお、提供可能バッテリリストに記録されている着脱式バッテリ510のバッテリIDは、バッテリ交換装置100が着脱式バッテリ510を貸し出し順番に並べられていてもよい。言い換えれば、提供可能バッテリリストには、バッテリ交換装置100が着脱式バッテリ510を貸し出す順番の情報が記録されていてもよい。バッテリ交換装置100は、提供可能バッテリリストに記録されているバッテリIDを確認することによって、そのバッテリIDが割り当てられた着脱式バッテリ510が、バッテリ共同利用サービスにおいて提供する(共同利用される)着脱式バッテリ510であるか否かを網羅的に把握することができる。図1には、運用サーバー200が作成した提供可能バッテリリストLを、ネットワークNWを介して運用サーバー200から取得している様子を示している。そして、バッテリ交換装置100は、運用サーバー200から取得した提供可能バッテリリストLに含まれる着脱式バッテリ510のバッテリIDの情報に基づいて、電動二輪車50の使用者(ユーザー)が持ち込んできた電力が消耗している着脱式バッテリ510が、交換することができる着脱式バッテリ510であるか否かを、単独で判定する。バッテリ交換装置100は、電動二輪車50の使用者(ユーザー)が持ち込んできた着脱式バッテリ510が、交換することができる着脱式バッテリ510であると判定した場合に、電動二輪車50の使用者(ユーザー)が持ち込んできた着脱式バッテリ510と保管している着脱式バッテリ510との交換を行う。
図1には、バッテリ交換装置100の構成の一例を示している。図1に示したバッテリ交換装置100は、筐体101に、表示器110と、充電機能を備えた8つのバッテリスロット120−1〜バッテリスロット120−8とが設けられている。なお、以下の説明において8つのバッテリスロット120−1〜バッテリスロット120−8のそれぞれを区別せずに表すときには、「−」とそれに続く数字を示さず、単に「バッテリスロット120」という。
バッテリ交換装置100に備えた表示器110は、電動二輪車50の使用者(ユーザー)に通知する情報を表示する表示装置である。表示器110は、例えば、TFT(薄膜トランジスター:Thin Film Transistor)液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、電子インクによる電気泳動表示装置などを含んで構成される。表示器110は、バッテリ交換装置100において着脱式バッテリ510が現在交換可能な状態であるかなど、バッテリ共同利用サービスに関する情報を表示する。
バッテリ交換装置100に備えたそれぞれのバッテリスロット120は、着脱式バッテリ510が収容されている(挿入されている)状態のバッテリスロット120と、着脱式バッテリ510が収容されていない(挿入されていない)状態のバッテリスロット120とがある。また、着脱式バッテリ510が収容されている状態のバッテリスロット120には、着脱式バッテリ510を充電している状態のバッテリスロット120と、充電が完了した充電済みの着脱式バッテリ510を保管して交換されるのを待っている(待機している)状態のバッテリスロット120とがある。なお、着脱式バッテリ510が収容されていない状態のバッテリスロット120は、交換を希望する着脱式バッテリ510が電動二輪車50の使用者(ユーザー)によって挿入されるのを待機している状態である。
それぞれのバッテリスロット120は、バッテリ収容部120Hと開閉蓋120Lとを備えている。バッテリ収容部120Hは、前面に開口部が設けられており、この開口部からバッテリ収容部120Hに着脱式バッテリ510を出し入れすることができる構造となっている。バッテリ収容部120Hの奥側には、収容された着脱式バッテリ510と接続することによって充電や着脱式バッテリ510のバッテリIDを取得するための構造が設けられている。開閉蓋120Lは、バッテリ収容部120Hの前面の開口部を開閉するための蓋であり、開口部を開状態にすることによってバッテリ収容部120Hに着脱式バッテリ510を出し入れすることができ、閉状態にすることによってバッテリ収容部120Hに着脱式バッテリ510を出し入れすることができないようにする構造となっている。この構造によりそれぞれのバッテリスロット120は、開閉蓋120Lを閉状態に施錠(ロック)することによって、バッテリ収容部120Hに収容された着脱式バッテリ510の出し入れを制限することができる。
図1には、バッテリスロット120−1におけるバッテリ収容部120Hと開閉蓋120Lとを示している。なお、以下の説明において8つのバッテリスロット120−1〜バッテリスロット120−8のそれぞれのバッテリ収容部120Hと開閉蓋120Lとを区別して表すときには、「−」とそれに続く数字を示す。例えば、バッテリスロット120−1のバッテリ収容部120Hを、「バッテリ収容部120−1H」といい、バッテリスロット120−1の開閉蓋120Lを、「開閉蓋120−1L」という。
また、図1には、バッテリスロット120−1に着脱式バッテリ510を出し入れする状態を示している。なお、以下の説明においては、電力が消耗したことにより電動二輪車50の使用者(ユーザー)によってバッテリスロット120に収容される着脱式バッテリ510を、「使用済みバッテリ510u」といい、バッテリ交換装置100による充電が完了し、電動二輪車50の使用者(ユーザー)によってバッテリスロット120から取り出される着脱式バッテリ510を、「充電済みバッテリ510c」という。これにより、以下の説明において、着脱式バッテリ510に蓄電している電力の状態を区別する。
なお、図1に示したバッテリ交換装置100の構成は一例であり、本発明においては、バッテリ交換装置100の構成として種々の構成が考えられる。
運用サーバー200は、バッテリ交換装置100において交換することができる着脱式バッテリ510を管理するサーバー設備である。運用サーバー200は、少なくとも、バッテリ交換装置100において交換することができる着脱式バッテリ510のバッテリIDを記録した提供可能バッテリリスト(提供可能バッテリリストL)を作成して保管する。また、運用サーバー200では、作成した提供可能バッテリリストLの更新も行う。なお、運用サーバー200における提供可能バッテリリストLの作成、更新などは、例えば、共用バッテリ管理システム10の管理者などが運用サーバー200に接続された不図示の端末を操作することによって行う。より具体的には、運用サーバー200は、管理者などによる不図示の端末の操作によって、バッテリ交換装置100において交換することができる着脱式バッテリ510を新たに追加する場合に、追加する着脱式バッテリ510のバッテリIDを提供可能バッテリリストLに登録して更新する。また、運用サーバー200は、管理者などによる不図示の端末の操作によって、登録されている着脱式バッテリ510の劣化や破壊などによってバッテリ交換装置100において交換することができなくなった着脱式バッテリ510の登録を抹消する場合に、登録を抹消する着脱式バッテリ510のバッテリIDを提供可能バッテリリストLから削除して更新する。運用サーバー200は、バッテリ交換装置100からの要求に応じて、作成または更新した提供可能バッテリリストLを、ネットワークNWを介して要求されたバッテリ交換装置100に送信する。
これにより、バッテリ交換装置100は、提供可能バッテリリストLを、ネットワークNWを介して運用サーバー200から取得する。そして、バッテリ交換装置100は、運用サーバー200から取得した提供可能バッテリリストLに含まれる着脱式バッテリ510のバッテリIDの情報に基づいて、電動二輪車50の使用者(ユーザー)が持ち込んできた使用済みバッテリ510uと充電済みバッテリ510cとの交換の手続きを実施する。
なお、バッテリ交換装置100は、例えば、3時間に1回や1日に1回など、使用済みバッテリ510uの充電に支障がない予め定めた比較的長い時間間隔ごとに、提供可能バッテリリストLを、運用サーバー200から事前に取得して記憶しておく。このため、バッテリ交換装置100は、使用済みバッテリ510uと充電済みバッテリ510cとの交換の手続きを実施するごとに、運用サーバー200との間でネットワークNWを介した通信を行わなくてもよい。より具体的には、バッテリ交換装置100では、電動二輪車50の使用者(ユーザー)が持ち込んできた電力が消耗している着脱式バッテリ510が交換することができる着脱式バッテリ510であるか否かを判定するごとに、運用サーバー200との間でネットワークNWを介した通信を行って、交換することができる着脱式バッテリ510のバッテリIDの情報を取得するのではない。そして、バッテリ交換装置100では、事前に運用サーバー200から事前に取得した提供可能バッテリリストLに含まれる着脱式バッテリ510のバッテリIDの情報に基づいて、使用済みバッテリ510uと充電済みバッテリ510cとの交換の手続きを単独で実施する。このため、バッテリ交換装置100では、運用サーバー200との間のネットワークNWを介した通信が途絶えていたり、安定して通信を行うことができない状態であったりしても、電動二輪車50の使用者(ユーザー)が持ち込んできた使用済みバッテリ510uと充電済みバッテリ510cとの交換の手続きを中止したり中断したりする必要はない。これにより、バッテリ交換装置100は、運用サーバー200との間のネットワークNWを介した通信の状態(通信環境)に影響されることなく、単独で着脱式バッテリ510の交換の手続きの実施を継続することができる。言い換えれば、バッテリ交換装置100は、電動二輪車50の使用者(ユーザー)に、バッテリ共同利用サービス(バッテリシェアサービス)を提供し続けることができる。
このような構成によって共用バッテリ管理システム10では、電動二輪車50の使用者(ユーザー)がバッテリ交換装置100に持ち込んできた電力が消耗している使用済みバッテリ510uが交換することができる着脱式バッテリ510である場合に、使用済みバッテリ510uと充電が完了してバッテリ交換装置100に保管している充電済みバッテリ510cとを交換する。
次に、第1実施形態の共用バッテリ管理システム10を構成するそれぞれの構成要素についてより詳細に説明する。
(着脱式バッテリ510の構成)
まず、着脱式バッテリ510の構成例について説明する。図2は、第1実施形態の共用バッテリ管理システム10において管理される着脱式バッテリ510の構成の一例を示したブロック図である。図2に示したように、着脱式バッテリ510は、蓄電部511と、BMU(Battery Management Unit)513と、接続部515とを備えている。また、BMU513は、測定センサ512と記憶部514とを備えている。
蓄電部511は、充電した電力の蓄電および蓄電した電力の放電をする蓄電池を含んで構成される。蓄電部511に含まれる蓄電池としては、例えば、鉛蓄電池やリチウムイオン電池などの二次電池や、電気二重層キャパシタなどのキャパシタ、または二次電池とキャパシタとを組み合わせた複合電池などが考えられる。なお、本発明においては、蓄電部511の構成として種々の構成が考えられる。
測定センサ512は、蓄電部511の状態を測定する各種のセンサを含んで構成される。測定センサ512は、例えば、電圧センサによって、蓄電部511に蓄電されている電圧を測定する。また、測定センサ512は、例えば、電流センサによって、蓄電部511が流す電流を測定する。また、測定センサ512は、例えば、温度センサによって、蓄電部511を充電または蓄電部511が放電する際の温度を測定する。測定センサ512は、測定した蓄電部511の状態を表す測定値を、BMU513上のプロセッサに出力する。
BMU513は、バッテリーマネージメントユニットであり、蓄電部511の充電や放電を制御する。BMU513は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサや、例えば、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などのメモリを記憶部514として含んで構成される。BMU513では、CPUが、記憶部514に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、蓄電部511の制御機能を実現する。そして、BMU513は、測定センサ512から出力された蓄電部511の状態を表す測定値に基づいて蓄電部511に対して行った制御の内容などの情報を、記憶部514に記憶させる。
記憶部514は、BMU513自身で検知した異常や故障、測定センサ512を利用して把握した蓄電部511の異常や故障などの情報を記憶する。記憶部514は、例えば、ROM、RAM、フラッシュメモリなどのメモリを含んで構成される。また、記憶部514は、着脱式バッテリ510に対して排他的に割り当てられた識別情報(以下、「バッテリID」という)を記憶している。なお、記憶部514は、着脱式バッテリ510を現在使用している電動二輪車50の使用者(ユーザー)の識別情報(例えば、「ユーザーID」)を記憶してもよい。
接続部515は、着脱式バッテリ510が電動二輪車50に装着された際に、電動二輪車50の駆動源である電動モータに蓄電部511に蓄電された電力を供給する接続部である。また、接続部515は、着脱式バッテリ510がバッテリ交換装置100に備えたバッテリスロット120に収容された際に、バッテリ収容部120Hの奥側に設けられた着脱式バッテリ510と接続する構造と接続され、着脱式バッテリ510とバッテリ交換装置100との間でやり取りするバッテリIDなどの情報や電力の電送をするための接続部でもある。
(バッテリ交換装置100の構成)
続いて、バッテリ交換装置100の構成例について説明する。図3は、第1実施形態の共用バッテリ管理システム10を構成するバッテリ交換装置100の概略構成を示したブロック図である。図3に示したように、バッテリ交換装置100は、表示器110と、接続部120Tと、充電器120Cと、交換装置記憶部130と、交換装置制御部140と、交換装置通信部150とを備えている。また、交換装置制御部140は、充電制御部141と、測定センサ142と、情報取得部143と、処理部144とを備えている。
接続部120Tは、バッテリ交換装置100に備えたバッテリスロット120において、収容された着脱式バッテリ510に備えた接続部515と電気的に接続する構造の接続部である。バッテリ交換装置100において接続部120Tは、それぞれのバッテリスロット120ごとに、バッテリ収容部120Hの奥側に設けられている。それぞれの接続部120Tは、対応するバッテリスロット120に収容された着脱式バッテリ510と交換装置制御部140との間でやり取りするバッテリIDなどの情報を電送する。また、接続部120Tは、着脱式バッテリ510との間で電力の電送をする。つまり、接続部120Tは、着脱式バッテリ510に備えた蓄電部511に、充電するための電力を供給する。
充電器120Cは、バッテリスロット120に着脱式バッテリ510が収容され、収容された着脱式バッテリ510の接続部515と接続部120Tとが接続された状態のときに、交換装置制御部140からの制御に応じて着脱式バッテリ510を充電する充電器である。充電器120Cは、接続部120Tを介して着脱式バッテリ510の蓄電部511に電力を供給することによって、着脱式バッテリ510を充電する。バッテリ交換装置100において充電器120Cは、それぞれのバッテリスロット120ごとに設けられている。なお、充電器120Cは、着脱式バッテリ510に電力を供給するための不図示の電源が接続されている構成であってもよい。
図1に示したバッテリ交換装置100では、8つのバッテリスロット120−1〜バッテリスロット120−8が設けられている。従って、接続部120Tおよび充電器120Cも、バッテリスロット120のそれぞれに対応して8つ設けられている。なお、以下の説明において8つのバッテリスロット120−1〜バッテリスロット120−8のそれぞれに対応する接続部120Tおよび充電器120Cを区別して表すときには、「−」とそれに続く数字を示す。例えば、バッテリスロット120−1に対応する接続部120Tを、「接続部120−1T」といい、バッテリスロット120−1に対応する充電器120Cを、「充電器120−1C」という。
交換装置記憶部130は、バッテリ交換装置100における種々の情報を記憶する。交換装置記憶部130は、少なくとも、ネットワークNWを介して運用サーバー200から事前に取得した提供可能バッテリリストLを記憶する。交換装置記憶部130は、例えば、ROM、RAM、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリなどのメモリを含んで構成される。また、交換装置記憶部130は、交換装置制御部140がバッテリ交換装置100の機能を実行するためのプログラムを記憶している。なお、交換装置記憶部130は、バッテリ交換装置100に備えたそれぞれのバッテリスロット120に着脱式バッテリ510が収容されているか否かの情報や、それぞれのバッテリスロット120に収容されている着脱式バッテリ510の状態、つまり、着脱式バッテリ510が充電をしている途中の状態であるか、充電が完了した状態であるかを表す情報(以下、「バッテリ状態情報」という)を記憶してもよい。また、交換装置記憶部130は、バッテリ交換装置100に対して排他的に割り当てられた識別情報(以下、「バッテリ交換装置ID」という)を記憶していてもよい。
交換装置制御部140は、バッテリ交換装置100の全体を制御する。交換装置制御部140は、例えば、CPUなどのプロセッサを含んで構成される。交換装置制御部140は、交換装置記憶部130に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、バッテリ交換装置100の機能を実現する。より具体的には、交換装置制御部140は、予め定めた比較的長い時間間隔ごと(例えば、3時間ごとや1日ごと)に、提供可能バッテリリストLを取得するための指示を、交換装置通信部150に出力する。これにより、交換装置通信部150は、ネットワークNWを介して運用サーバー200との間で通信を行って、運用サーバー200から取得した提供可能バッテリリストLを交換装置記憶部130に記憶させる。そして、交換装置制御部140は、交換装置記憶部130に記憶した提供可能バッテリリストLに含まれる着脱式バッテリ510のバッテリIDの情報に基づいて、電動二輪車50の使用者(ユーザー)が持ち込んできた使用済みバッテリ510uと充電済みバッテリ510cとの交換の手続きを実施する。このとき、交換装置制御部140は、使用済みバッテリ510uを収容するバッテリスロット120(例えば、バッテリスロット120−1)を、表示器110によって電動二輪車50の使用者(ユーザー)に通知する。これにより、電動二輪車50の使用者(ユーザー)は、持ち込んできた使用済みバッテリ510uを、着脱式バッテリ510が収容されていない状態のバッテリスロット120−1のバッテリ収容部120−1Hに収容する。その後、交換装置制御部140は、提供可能バッテリリストLに含まれる着脱式バッテリ510のバッテリIDの情報に基づいて、バッテリ収容部120−1Hに収容された使用済みバッテリ510uが、交換することができる着脱式バッテリ510であるか否かを判定する。そして、交換装置制御部140は、バッテリ収容部120−1Hに収容された使用済みバッテリ510uが交換することができる着脱式バッテリ510であると判定した場合に、充電済みバッテリ510cが収容されているバッテリスロット120(例えば、バッテリスロット120−2)を、表示器110によって電動二輪車50の使用者(ユーザー)に通知する。これにより、電動二輪車50の使用者(ユーザー)は、充電済みバッテリ510cを、バッテリスロット120−2のバッテリ収容部120−2Hから取り出して、着脱式バッテリ510の交換をする。その後、交換装置制御部140は、バッテリ収容部120−1Hに収容された使用済みバッテリ510uの充電をする。一方、交換装置制御部140は、バッテリ収容部120−1Hに収容された使用済みバッテリ510uが交換することができない着脱式バッテリ510であると判定した場合に、バッテリスロット120(例えば、バッテリスロット120−2)に収容されている充電済みバッテリ510cの交換を禁止する。そして、交換装置制御部140は、バッテリ収容部120−1Hに収容された使用済みバッテリ510uが交換することができない着脱式バッテリ510であることを表示器110によって電動二輪車50の使用者(ユーザー)に通知する。
情報取得部143は、バッテリスロット120に収容された着脱式バッテリ510の情報を取得する。より具体的には、情報取得部143は、バッテリスロット120のバッテリ収容部120Hに使用済みバッテリ510uが収容されて接続部515と接続部120Tが接続されたときに、使用済みバッテリ510uのバッテリIDを、接続部120Tを介して取得する。そして、情報取得部143は、取得したバッテリIDの情報を、処理部144に出力する。なお、情報取得部143は、取得したバッテリIDの情報を交換装置記憶部130に記憶させてもよい。
測定センサ142は、充電器120Cが着脱式バッテリ510を充電しているときの状態を測定する各種のセンサを含んで構成される。測定センサ142は、例えば、電圧センサや、電流センサ、温度センサを含んで構成される。測定センサ142は、着脱式バッテリ510を充電しているときに蓄電部511に印加されている電圧を電圧センサによって測定し、蓄電部511に流れる電流を電流センサによって測定する。また、測定センサ142は、着脱式バッテリ510を充電しているときの蓄電部511の温度を温度センサによって測定する。測定センサ142は、測定した着脱式バッテリ510の状態を表す測定値を、充電制御部141に出力する。
なお、測定センサ142は、着脱式バッテリ510に備えた測定センサ512が測定した蓄電部511の状態を、接続部120Tを介して取得する構成であってもよい。この場合、測定センサ142は、測定センサ512から取得した蓄電部511の状態を表す測定値を、充電制御部141に出力する。
充電制御部141は、測定センサ142から出力された着脱式バッテリ510の測定値も考慮して充電器120Cを制御することによって、着脱式バッテリ510の充電を制御する。そして、充電制御部141は、着脱式バッテリ510の充電が完了したときに、充電が完了したことを表す情報を、処理部144に出力する。なお、充電制御部141は、着脱式バッテリ510を充電している現在の状態を表す情報を、処理部144に出力してもよい。このとき、交換装置記憶部130にバッテリ状態情報を記憶している場合には、充電制御部141は、着脱式バッテリ510を充電している現在の状態を表す情報を交換装置記憶部130に出力して、交換装置記憶部130に記憶しているバッテリ状態情報を更新するようにしてもよい。
なお、バッテリ交換装置100では、着脱式バッテリ510の充電に先だって、着脱式バッテリ510に残っている電力を一旦放電するようにしてもよい。この場合、充電制御部141は、着脱式バッテリ510の放電の制御も行う。
処理部144は、バッテリ交換装置100における着脱式バッテリ510の交換の手続きを実施する。より具体的には、処理部144は、情報取得部143から出力されたバッテリIDを、交換装置記憶部130に記憶されている提供可能バッテリリストLに含まれる着脱式バッテリ510のバッテリIDと照合し、バッテリスロット120に収容された使用済みバッテリ510uが、バッテリ交換装置100において交換することができる着脱式バッテリ510であるか否かを判定する。
処理部144は、上記の判定の結果、使用済みバッテリ510uがバッテリ交換装置100において交換することができる着脱式バッテリ510であると判定した場合に、使用済みバッテリ510uと充電済みバッテリ510cとを交換する処理、および使用済みバッテリ510uを充電する処理を実施する。処理部144における使用済みバッテリ510uと充電済みバッテリ510cとを交換する処理では、交換する充電済みバッテリ510cの選定と、選定した充電済みバッテリ510cが収容されたバッテリスロット120の電動二輪車50の使用者(ユーザー)への通知とを行う。このとき、交換装置記憶部130にバッテリ状態情報を記憶している場合には、処理部144は、バッテリスロット120に着脱式バッテリ510が収容されているか否かの情報を交換装置記憶部130に出力して、交換装置記憶部130に記憶しているバッテリ状態情報を更新するようにしてもよい。また、処理部144における使用済みバッテリ510uを充電する処理では、使用済みバッテリ510uを充電すること表す指示を、充電制御部141に出力する。これにより、充電制御部141は、測定センサ142から出力された着脱式バッテリ510の測定値も考慮して充電器120Cを制御し、使用済みバッテリ510uの充電を実施する。
一方、処理部144は、上記の判定の結果、使用済みバッテリ510uがバッテリ交換装置100において交換することができない着脱式バッテリ510であると判定した場合には、使用済みバッテリ510uを交換することができないことを、電動二輪車50の使用者(ユーザー)に通知する。
交換装置通信部150は、交換装置制御部140からの指示に応じて、運用サーバー200との間でネットワークNWを介した無線通信を行い、運用サーバー200から提供可能バッテリリストLを取得する。そして、交換装置通信部150は、運用サーバー200から取得した提供可能バッテリリストLを交換装置記憶部130に出力して記憶させる。
なお、提供可能バッテリリストLは、交換装置通信部150が運用サーバー200にアクセスするたびに更新されているとは限らない。このため、交換装置通信部150は、交換装置制御部140から提供可能バッテリリストLを取得する指示が入力されると、まず、運用サーバー200に、提供可能バッテリリストLの更新がされているか否かを問い合わせる。そして、交換装置通信部150は、運用サーバー200において提供可能バッテリリストLが更新されている場合にのみ、現在の提供可能バッテリリストLを新たな提供可能バッテリリストLとして取得し、交換装置記憶部130に記憶させる、つまり、交換装置記憶部130に記憶している提供可能バッテリリストLを更新してもよい。
なお、交換装置通信部150は、交換装置記憶部130に記憶している提供可能バッテリリストLを更新したことを表す情報を交換装置制御部140(より具体的には、処理部144)に通知してもよい。しかし、処理部144は、交換装置記憶部130に事前に記憶されている提供可能バッテリリストLに含まれる着脱式バッテリ510のバッテリIDに基づいて、使用済みバッテリ510uが交換することができる着脱式バッテリ510であるか否かを判定する。このため、交換装置記憶部130に記憶されている提供可能バッテリリストLが更新されたか否かは、処理部144における使用済みバッテリ510uが交換することができる着脱式バッテリ510であるか否かの判定には影響しない。従って、交換装置通信部150は、必ずしも提供可能バッテリリストLを更新したことを表す情報を処理部144に出力しなくてもよい。
(運用サーバー200の構成)
続いて、運用サーバー200の構成例について説明する。図4は、第1実施形態の共用バッテリ管理システム10を構成する運用サーバー200の概略構成を示したブロック図である。図4に示したように、運用サーバー200は、サーバー記憶部210と、サーバー制御部220と、サーバー通信部230とを備えている。また、サーバー制御部220は、情報取得部221とリスト処理部222とを備えている。
サーバー記憶部210は、運用サーバー200における種々の情報を記憶する。サーバー記憶部210は、少なくとも、ネットワークNWを介してバッテリ交換装置100に送信する提供可能バッテリリストLを記憶する。サーバー記憶部210は、例えば、ROM、RAM、EEPROM、HDD、フラッシュメモリなどのメモリを含んで構成される。また、サーバー記憶部210は、サーバー制御部220が運用サーバー200の機能を実行するためのプログラムを記憶している。また、サーバー記憶部210は、バッテリ交換装置100に対して排他的に割り当てられたバッテリ交換装置IDと、このバッテリ交換装置100に送信した提供可能バッテリリストLのバージョンとを紐付ける情報を記憶していてもよい。
サーバー制御部220は、運用サーバー200の全体を制御する。サーバー制御部220は、例えば、CPUなどのプロセッサを含んで構成される。サーバー制御部220は、サーバー記憶部210に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、運用サーバー200の機能を実現する。より具体的には、サーバー制御部220は、バッテリ交換装置100において交換することができる着脱式バッテリ510のバッテリIDを記録した提供可能バッテリリストLを作成や更新などを行い、作成や更新をした提供可能バッテリリストLをサーバー記憶部210に出力して記憶させる。なお、上述したように、サーバー制御部220における提供可能バッテリリストLの作成、更新などは、例えば、共用バッテリ管理システム10の管理者などが、運用サーバー200に接続された不図示の端末の不図示の表示装置(例えば、液晶ディスプレイなど)に表示された情報に基づいて、不図示の入力装置(例えば、キーボードやマウスなど)を操作することによって行う。また、サーバー制御部220は、バッテリ交換装置100からの要求に応じてサーバー記憶部210に記憶している提供可能バッテリリストLを読み出してサーバー通信部230に出力することにより、ネットワークNWを介して、提供可能バッテリリストLをバッテリ交換装置100に送信する。
情報取得部221は、例えば、共用バッテリ管理システム10の管理者などによる運用サーバー200に接続された不図示の端末の不図示の入力装置の操作に応じて、追加や削除(抹消)をする提供可能バッテリリストLに含める着脱式バッテリ510のバッテリIDの情報を取得する。より具体的には、情報取得部221は、管理者などによる不図示の端末の操作によって、バッテリ交換装置100において交換することができる着脱式バッテリ510を新たに追加する場合に、追加する着脱式バッテリ510のバッテリIDを取得する。また、情報取得部221は、管理者などによる不図示の端末の操作によって、提供可能バッテリリストLから登録を抹消する劣化や破壊などによってバッテリ交換装置100において交換することができなくなった着脱式バッテリ510のバッテリIDを取得する。なお、情報取得部221は、提供可能バッテリリストLから登録を抹消する着脱式バッテリ510のバッテリIDを、バッテリ交換装置100から取得してもよい。この場合、情報取得部221は、バッテリ交換装置100により送信された、提供可能バッテリリストLから登録を抹消すべき着脱式バッテリ510(劣化や破壊などが起こっている着脱式バッテリ510)のバッテリIDの情報を、ネットワークNWを介して取得する。そして、情報取得部221は、取得したバッテリIDの情報を、リスト処理部222に出力する。なお、情報取得部221は、取得したバッテリIDの情報をサーバー記憶部210に記憶させてもよい。
リスト処理部222は、提供可能バッテリリストLの作成および更新の処理をする。より具体的には、リスト処理部222は、情報取得部221から提供可能バッテリリストLに追加する着脱式バッテリ510のバッテリIDが出力された場合、このバッテリIDを登録した新たな提供可能バッテリリストLを作成する処理、または現在の提供可能バッテリリストLにバッテリIDを追加(登録)する処理を行って、提供可能バッテリリストLを更新する。また、リスト処理部222は、情報取得部221から提供可能バッテリリストLから抹消する着脱式バッテリ510のバッテリIDが出力された場合、現在の提供可能バッテリリストLに含まれる(登録されている)バッテリIDを削除する処理を行って、提供可能バッテリリストLを更新する。そして、リスト処理部222は、作成や更新をした提供可能バッテリリストLをサーバー記憶部210に出力して記憶させる。なお、現在の提供可能バッテリリストLに含まれる(登録されている)バッテリIDを削除する処理は、バッテリ交換装置100が行う構成であってもよい。この場合、バッテリ交換装置100は、更新した提供可能バッテリリストLを、ネットワークNWを介して運用サーバー200に送信する。情報取得部221は、バッテリ交換装置100により送信された更新後の提供可能バッテリリストLを取得して、リスト処理部222に出力する。そして、リスト処理部222は、情報取得部221により出力された更新後の提供可能バッテリリストL(情報取得部221により出力されたそのままの状態であってもよいし、さらに処理を行ってもよい)を、サーバー記憶部210に出力して記憶させる。
サーバー通信部230は、バッテリ交換装置100に備えた交換装置通信部150との間でネットワークNWを介した無線通信を行う。サーバー通信部230は、バッテリ交換装置100から送信されてきた提供可能バッテリリストLの要求に応じて、リスト処理部222が作成または更新してサーバー記憶部210に記憶した提供可能バッテリリストLをバッテリ交換装置100に送信する。
なお、上述したように、提供可能バッテリリストLは、バッテリ交換装置100から要求があるたびに更新されているとは限らない。このため、バッテリ交換装置100からは、まず、提供可能バッテリリストLの更新がされているか否かの問い合わせが送信されてくる。サーバー通信部230は、提供可能バッテリリストLの更新がされているか否かの問い合わせがバッテリ交換装置100から送信されてきた場合、問い合わせが送信されてきたことをサーバー制御部220に通知する。これにより、サーバー制御部220は、提供可能バッテリリストLを前回送信した以降にリスト処理部222が提供可能バッテリリストLを更新したか否かを表す情報を、サーバー通信部230に出力する。なお、サーバー制御部220における提供可能バッテリリストLを更新したか否かの判定は、サーバー記憶部210に記憶している、バッテリ交換装置100のバッテリ交換装置IDと送信した提供可能バッテリリストLのバージョンとを紐付けた情報に基づいて、運用サーバー200ごとに行ってもよい。そして、サーバー通信部230は、サーバー制御部220から出力された提供可能バッテリリストLを更新したか否かを表す情報を、ネットワークNWを介してバッテリ交換装置100に送信する。その後、提供可能バッテリリストLを更新したことを表す情報をバッテリ交換装置100に送信した場合、バッテリ交換装置100から、提供可能バッテリリストLの要求が送信されてくる。サーバー通信部230は、提供可能バッテリリストLの要求がバッテリ交換装置100から送信されてきた場合、提供可能バッテリリストLの送信が要求されていることをサーバー制御部220に通知する。これにより、サーバー制御部220は、サーバー記憶部210に記憶している提供可能バッテリリストLを読み出してサーバー通信部230に出力する。そして、サーバー通信部230は、サーバー制御部220から出力された提供可能バッテリリストLを、ネットワークNWを介してバッテリ交換装置100に送信する。これにより、バッテリ交換装置100は、最新の提供可能バッテリリストLを取得し、取得した最新の提供可能バッテリリストLに基づいて、使用済みバッテリ510uと充電済みバッテリ510cとの交換の手続きを単独で実施することができる。
次に、第1実施形態の共用バッテリ管理システム10における処理の流れの一例について説明する。図5は、第1実施形態の共用バッテリ管理システム10を採用したバッテリ共同利用サービスにおいて交換することができる着脱式バッテリ510の情報(提供可能バッテリリストL)を取得する処理の流れを示したシーケンス図である。図5には、バッテリ共同利用サービスを提供する共用バッテリ管理システム10を構成するバッテリ交換装置100および運用サーバー200の処理の一例を示している。また、図6は、第1実施形態の共用バッテリ管理システム10を採用したバッテリ共同利用サービスにおいて着脱式バッテリ510を交換する処理の流れを示したシーケンス図である。図6には、バッテリ共同利用サービスを提供する共用バッテリ管理システム10を構成するバッテリ交換装置100の処理の一例を、交換をする対象の着脱式バッテリ510(使用済みバッテリ510u)および電動二輪車50の使用者(ユーザー)と関連付けて示している。
最初に、図5を用いて、運用サーバー200が提供可能バッテリリストLを作成または更新する処理と、バッテリ交換装置100が提供可能バッテリリストLを取得する処理について説明する。なお、以下の説明においては、バッテリ共同利用サービスの運用を開始する前の段階からの処理を説明するため、共用バッテリ管理システム10では、現時点では提供可能バッテリリストLが作成されていないものとして説明する。なお、上述したように、共用バッテリ管理システム10では、例えば、共用バッテリ管理システム10の管理者などが運用サーバー200に接続された不図示の端末を操作することによって提供可能バッテリリストLの作成や更新をするが、図5に示したシーケンス図では、説明を容易にするため、管理者などの操作による提供可能バッテリリストLの作成や更新も運用サーバー200による処理として示している。
バッテリ共同利用サービスの運用を開始する前段階において、まず、共用バッテリ管理システム10では、管理者が運用サーバー200に接続された不図示の端末を操作し、電動二輪車50の使用者(ユーザー)に貸し出しをする着脱式バッテリ510が登録された提供可能バッテリリストLを作成する(ステップS101)。このとき、運用サーバー200では、管理者が不図示の端末を操作してサーバー制御部220に備えた情報取得部221に対してアクセスし、提供可能バッテリリストLに含める着脱式バッテリ510のバッテリIDの情報を取得させ、サーバー制御部220に備えたリスト処理部222が、情報取得部221で取得した着脱式バッテリ510のバッテリIDを登録した新たな提供可能バッテリリストLを作成する。そして、運用サーバー200では、作成した提供可能バッテリリストLをサーバー記憶部210に記憶する。ここで、リスト処理部222が作成してサーバー記憶部210に記憶する提供可能バッテリリストLには、バッテリ共同利用サービスにおいて電動二輪車50の使用者(ユーザー)に貸し出しをすることができる複数の着脱式バッテリ510のバッテリIDが登録される。この提供可能バッテリリストLが作成されることにより、バッテリ共同利用サービスの運用を開始することができる。
その後、運用サーバー200では、管理者による不図示の端末の操作によって、電動二輪車50の使用者(ユーザー)に貸し出しをする着脱式バッテリ510が追加または抹消され、提供可能バッテリリストLを更新する(ステップS102)。このとき、運用サーバー200では、情報取得部221が、管理者による不図示の端末の操作に応じて提供可能バッテリリストLに含める、または提供可能バッテリリストLから削除する着脱式バッテリ510のバッテリIDの情報を取得し、リスト処理部222が、情報取得部221が取得した着脱式バッテリ510のバッテリIDを登録または抹消して提供可能バッテリリストLを更新する。そして、運用サーバー200では、更新した提供可能バッテリリストLをサーバー記憶部210に記憶する。これにより、バッテリ共同利用サービスにおいて電動二輪車50の使用者(ユーザー)に貸し出しをすることができる着脱式バッテリ510が変更される。
なお、運用サーバー200における提供可能バッテリリストLの更新の処理は、管理者の操作によって電動二輪車50の使用者(ユーザー)に貸し出しをする着脱式バッテリ510が追加または抹消された後であれば、いかなるタイミングでも行うことができる。このため、運用サーバー200は、ステップS102における提供可能バッテリリストLの更新の処理を、任意のタイミングで繰り返す。
なお、運用サーバー200における提供可能バッテリリストLの更新は、バッテリ交換装置100において交換することができる着脱式バッテリ510が新たに追加された場合や、登録されている着脱式バッテリ510の劣化や破壊などによってバッテリ交換装置100において交換することができなくなった場合に行われるため、頻繁に行われるものではないと考えられる。
一方、共用バッテリ管理システム10において、バッテリ交換装置100は、提供可能バッテリリストLの更新の有無を運用サーバー200に問い合わせる(ステップS203)。このとき、バッテリ交換装置100では、交換装置制御部140に備えた処理部144が、提供可能バッテリリストLを取得する指示を交換装置通信部150に出力する。これにより、バッテリ交換装置100では、交換装置通信部150が、提供可能バッテリリストLの更新がされているか否かの問い合わせを、ネットワークNWを介して運用サーバー200に送信する。
この問い合わせに応じて、運用サーバー200は、提供可能バッテリリストLの更新の有無を回答する(ステップS204)。このとき、運用サーバー200では、リスト処理部222が、提供可能バッテリリストLを更新したか否かを表す情報を、サーバー通信部230に出力する。これにより、運用サーバー200では、サーバー通信部230が、リスト処理部222から出力された提供可能バッテリリストLの更新がされているか否かを表す情報を、問い合わせに対する回答として、ネットワークNWを介してバッテリ交換装置100に送信する。
この回答に応じて、バッテリ交換装置100は、提供可能バッテリリストLの更新がされているか否かを判定する(ステップS205)。ステップS205の判定の結果、提供可能バッテリリストLの更新がされていない場合(ステップS205の“NO”)、バッテリ交換装置100は、処理をステップS409に進める。一方、ステップS205の判定の結果、提供可能バッテリリストLの更新がされている場合(ステップS205の“YES”)、バッテリ交換装置100は、更新された提供可能バッテリリストLを運用サーバー200に要求する(ステップS306)。このとき、バッテリ交換装置100では、交換装置通信部150が、提供可能バッテリリストLの要求を、ネットワークNWを介して運用サーバー200に送信する。
この要求に応じて、運用サーバー200は、サーバー記憶部210に記憶している提供可能バッテリリストLをバッテリ交換装置100に送信する(ステップS307)。このとき、運用サーバー200では、サーバー制御部220が、サーバー記憶部210に記憶している提供可能バッテリリストLを読み出し、読み出した提供可能バッテリリストLをサーバー通信部230に出力する。これにより、運用サーバー200では、サーバー通信部230が、サーバー制御部220から出力された提供可能バッテリリストLを、最新の提供可能バッテリリストLとして、ネットワークNWを介してバッテリ交換装置100に送信する。
バッテリ交換装置100は、運用サーバー200から送信されてきた提供可能バッテリリストLを、交換装置記憶部130に記憶する(ステップS308)。このとき、バッテリ交換装置100では、交換装置通信部150が、運用サーバー200から送信されてきた提供可能バッテリリストLを交換装置記憶部130に出力して記憶させる。これにより、バッテリ交換装置100は、運用サーバー200から送信されてきた最新の提供可能バッテリリストLに基づいて、着脱式バッテリ510の交換の手続きを単独で実施することができる。
その後、バッテリ交換装置100は、予め定めた時間(例えば、3時間や1日)が経過したか否かを判定する(ステップS409)。ステップS409の判定の結果、予め定めた時間が経過していない場合(ステップS409の“NO”)、バッテリ交換装置100は、処理をステップS409の判定を繰り返す。つまり、バッテリ交換装置100は、予め定めた時間になるまで、運用サーバー200から提供可能バッテリリストLを取得する処理を待機する。一方、ステップS409の判定の結果、予め定めた時間が経過している場合(ステップS409の“YES”)、バッテリ交換装置100は、ステップS203に戻って、再び運用サーバー200に、提供可能バッテリリストLの更新の有無の問い合わせをする。つまり、バッテリ交換装置100は、運用サーバー200からさらに最新の提供可能バッテリリストLを取得する処理(ステップS203〜ステップS308)を繰り返す。
続いて、図6を用いて、バッテリ交換装置100が着脱式バッテリ510の交換をする処理について説明する。なお、以下の説明においては、電動二輪車50の使用者(ユーザー)が持ち込んできた使用済みバッテリ510uと充電済みバッテリ510cとを交換するものとして説明する。また、以下の説明においては、図5に示した処理の流れで運用サーバー200から事前に取得した提供可能バッテリリストLが、バッテリ交換装置100に備えた交換装置記憶部130に記憶されているものとして説明する。また、共用バッテリ管理システム10では、電動二輪車50の使用者(ユーザー)が、例えば、バッテリ交換装置100に備えた不図示の入力手段を操作することによって着脱式バッテリ510の交換手続きを開始することが考えられるが、以下の説明においては、説明を容易にするため、電動二輪車50の使用者(ユーザー)によるバッテリ交換装置100の操作に関する詳細な説明は省略する。
電動二輪車50の使用者(ユーザー)が、電力が消耗した使用済みバッテリ510uを持ち込み、バッテリスロット120のバッテリ収容部120Hに収容する(ステップS500)。これにより、バッテリ交換装置100に備えたいずれかのバッテリスロット120のバッテリ収容部120H内の接続部120Tと、電動二輪車50の使用者(ユーザー)が収容した使用済みバッテリ510uの接続部515とが電気的に接続される。このとき、バッテリ交換装置100では、交換装置制御部140が、バッテリ収容部120Hに収容された使用済みバッテリ510uの交換を電動二輪車50の使用者(ユーザー)から要求されたものとして、使用済みバッテリ510uと充電済みバッテリ510cとの交換の処理を開始する。
バッテリ交換装置100において使用済みバッテリ510uと充電済みバッテリ510cとの交換の処理が開始されると、まず、使用済みバッテリ510uのバッテリIDの情報を取得する(ステップS601)。このとき、バッテリ交換装置100では、交換装置制御部140に備えた情報取得部143が、バッテリ収容部120Hの接続部120Tおよび接続部515を介して、使用済みバッテリ510uに備えた記憶部514から、バッテリIDの情報を取得する。そして、情報取得部143は、取得したバッテリIDの情報を、交換装置制御部140に備えた処理部144に出力する。
情報取得部143からバッテリIDの情報が出力されると、交換装置制御部140に備えた処理部144は、バッテリ収容部120Hに収容された使用済みバッテリ510uが、交換することができる着脱式バッテリ510であるか否かを判定する(ステップS602)。このとき、処理部144は、交換装置記憶部130に記憶されている提供可能バッテリリストLに含まれるバッテリIDと、情報取得部143から出力されたバッテリIDとを照合する。より具体的には、処理部144が、提供可能バッテリリストLを交換装置記憶部130から読み出し、読み出した提供可能バッテリリストLに含まれるバッテリIDと、情報取得部143から出力されたバッテリIDとを順次比較する。
処理部144は、情報取得部143から出力されたバッテリIDが提供可能バッテリリストLに含まれていない場合、ステップS602において、バッテリ収容部120Hに収容された使用済みバッテリ510uは、バッテリ交換装置100において交換することができない着脱式バッテリ510であると判定する(ステップS602の“NO”)。この場合、処理部144は、使用済みバッテリ510uを交換することができない(交換不可である)ことを、電動二輪車50の使用者(ユーザー)に通知する(ステップS703)。なお、使用済みバッテリ510uを交換することができないことを電動二輪車50の使用者(ユーザー)に通知する方法としては、表示器110に交換不可であることを表すメッセージを表示する方法が考えられるが、本発明においては、電動二輪車50の使用者(ユーザー)に通知する方法として種々の方法が考えられる。
一方、処理部144は、情報取得部143から出力されたバッテリIDが提供可能バッテリリストLに含まれている場合、ステップS602において、バッテリ収容部120Hに収容された使用済みバッテリ510uは、バッテリ交換装置100において交換することができる着脱式バッテリ510であると判定する(ステップS602の“YES”)。この場合、処理部144は、使用済みバッテリ510uが収容されたバッテリスロット120と異なるバッテリスロット120に収容されている充電済みバッテリ510cの中から交換する充電済みバッテリ510cを選定する(ステップS704)。なお、複数の充電済みバッテリ510cを収容している場合、処理部144における充電済みバッテリ510cの選定の処理では、最も早く充電が完了した充電済みバッテリ510cを選定することが考えられるが、本発明においては、処理部144における充電済みバッテリ510cの選定の方法として種々の方法が考えられる。なお、処理部144は、選定した充電済みバッテリ510cのバッテリIDの情報を、交換装置記憶部130に記憶させてもよい。
そして、処理部144は、選定した充電済みバッテリ510c、つまり、交換する充電済みバッテリ510cが収容されたバッテリスロット120の情報を、電動二輪車50の使用者(ユーザー)に通知する(ステップS705)。これにより、電動二輪車50の使用者(ユーザー)は、通知されたバッテリスロット120のバッテリ収容部120Hに収容された充電済みバッテリ510cを取り出す(ステップS800)。つまり、電動二輪車50の使用者(ユーザー)は、着脱式バッテリ510の交換を完了する。これにより、電動二輪車50の使用者(ユーザー)は、充電済みバッテリ510cを電動二輪車50に装着し、走行を継続することができる。
このとき、選択して通知したバッテリスロット120のバッテリ収容部120H内の接続部120Tと、収容している充電済みバッテリ510cの接続部515との電気的な接続が切断される。これにより、バッテリ交換装置100では、交換装置制御部140が、電動二輪車50の使用者(ユーザー)による使用済みバッテリ510uと充電済みバッテリ510cとの交換が終了したものとして、使用済みバッテリ510uを充電する処理を開始する(ステップS906)。このとき、バッテリ交換装置100では、処理部144が、使用済みバッテリ510uを充電すること表す指示を、交換装置制御部140に備えた情報取得部143に出力する。これにより、充電制御部141は、測定センサ142から出力された着脱式バッテリ510の測定値に基づいて充電器120Cを制御し、使用済みバッテリ510uを充電する。
なお、本発明においては、バッテリ交換装置100において使用済みバッテリ510uの充電を開始するタイミングとして種々のタイミングが考えられる。例えば、複数の充電済みバッテリ510cを収容している場合、処理部144は、使用済みバッテリ510uの交換が終了した後すぐに充電を開始するように充電制御部141に指示を出してもよいし、充電済みバッテリ510cの数が予め定めた個数以下となったときに充電を開始するように充電制御部141に指示を出してもよい。
なお、本発明においては、使用済みバッテリ510uを充電する際の充電器120Cの制御方法として種々の方法が考えられる。
その後、バッテリ交換装置100は、電動二輪車50の使用者(ユーザー)からの使用済みバッテリ510uの交換の要求を受け付けられる状態で待機する。そして、バッテリ交換装置100は、電動二輪車50の使用者(ユーザー)が、電力が消耗した使用済みバッテリ510uを持ち込んで使用済みバッテリ510uの交換が要求されるごとに、使用済みバッテリ510uと充電済みバッテリ510cとを交換する処理および使用済みバッテリ510uを充電する処理(ステップS601〜ステップS906)を繰り返す。
(共用バッテリ管理システム10と従来の共用バッテリ管理システムとの動作の比較)
ここで、共用バッテリ管理システム10を採用したバッテリ共同利用サービスと、従来の共用バッテリ管理システムを採用したバッテリ共同利用サービスとの動作を比較する。図7は、第1実施形態の共用バッテリ管理システム10を採用したバッテリ共同利用サービスにおいて着脱式バッテリ510を交換する手続きの流れを模式的に示した図である。また、図8は、従来の共用バッテリ管理システムを採用したバッテリ共同利用サービスにおいて着脱式バッテリ510を交換する手続きの流れを模式的に示した図である。
上述したように、共用バッテリ管理システム10では、バッテリ交換装置100が、ネットワークNWを介して接続された運用サーバー200から提供可能バッテリリストLを事前に取得し、取得した提供可能バッテリリストLに含まれる着脱式バッテリ510のバッテリIDの情報に基づいて、電動二輪車50の使用者(ユーザー)が持ち込んできた使用済みバッテリ510uと充電済みバッテリ510cとの交換の手続きを実施する。図7の(a)には、共用バッテリ管理システム10が、運用サーバー200が作成または更新した提供可能バッテリリストLを、ネットワークNWを介して取得する様子を模式的に示している。また、図7の(b)には、バッテリ交換装置100が、取得した提供可能バッテリリストLに基づいて、電動二輪車50の使用者(ユーザー)Pが持ち込んできた使用済みバッテリ510uと充電済みバッテリ510cとを交換する様子を模式的に示している。
図7の(a)に示したように、使用済みバッテリ510uが交換することができる着脱式バッテリ510であるか否かを判定する際にバッテリ交換装置100が用いる提供可能バッテリリストLは、判定のたびに運用サーバー200から取得するのではなく、例えば、3時間に1回や1日に1回など、使用済みバッテリ510uの充電に支障がない予め定めた比較的長い時間間隔で事前に取得したものである。このため、バッテリ交換装置100は、バッテリ交換装置100と運用サーバー200との間のネットワークNWを介した無線通信の状態(通信環境)に影響されることなく、単独で着脱式バッテリ510の交換の手続きを単独で実施することができる。つまり、バッテリ交換装置100は、図7の(b)に示したように、運用サーバー200との間のネットワークNWを介した無線通信が途絶えていたり、安定して無線通信を行うことができない状態であったりしても、電動二輪車50の使用者(ユーザー)Pが持ち込んできた使用済みバッテリ510uと充電済みバッテリ510cとの交換の手続きを中止したり中断したりする必要はなく、バッテリ交換装置100が単独で、着脱式バッテリ510の交換の手続きを行うことができる。このため、共用バッテリ管理システム10を採用したバッテリ共同利用サービスでは、電動二輪車50の使用者(ユーザー)Pが使用済みバッテリ510uの交換を行いたいときに、充電済みバッテリ510cと交換をすることができる。これは、電動二輪車50の使用者(ユーザー)Pが、着脱式バッテリ510が電力を消耗して電動二輪車50による走行が困難になることが予想されるタイミングでバッテリ共同利用サービスを利用することを考慮すると、共用バッテリ管理システム10は、バッテリ共同利用サービス(バッテリシェアサービス)を普及させるために非常に有効であると考えられる。
これに対して、従来の共用バッテリ管理システムでは、電動二輪車50の使用者(ユーザー)Pが使用済みバッテリ510uを持ち込んでくるごとに、バッテリ交換装置100に相当するステーション管理装置と、運用サーバー200に相当するシステム管理装置との間で、ネットワークNWを介した通信が行われる。図8の(a)には、従来の共用バッテリ管理システムにおけるネットワークNWを介したステーション管理装置であるバッテリ交換装置800とシステム管理装置900とにおける処理の様子を模式的に示している。より具体的には、従来の共用バッテリ管理システムでは、図8の(a)に示したように、使用済みバッテリ510uと充電済みバッテリ510cとを交換するタイミングで、バッテリ交換装置800が、ネットワークNWを介して接続されたシステム管理装置900に、使用済みバッテリ510uのICカードの情報を送信する。そして、従来の共用バッテリ管理システムでは、図8の(a)に示したように、システム管理装置900が、バッテリ交換装置800から送信されてきた使用済みバッテリ510uのICカードの情報に基づいて、使用済みバッテリ510uがバッテリ交換装置800において充電済みバッテリ510cと交換することができる着脱式バッテリ510であるか否かを判定し、判定した結果を、ネットワークNWを介してバッテリ交換装置800に送信する。そして、従来の共用バッテリ管理システムでは、バッテリ交換装置800が、システム管理装置900から送信されてきた判定結果に応じて、使用済みバッテリ510uと充電済みバッテリ510cとの交換の手続きを行う。
このため、従来の共用バッテリ管理システムでは、図8の(b)に示したように、電動二輪車50の使用者(ユーザー)Pが使用済みバッテリ510uを持ち込んできたタイミングが、バッテリ交換装置800とシステム管理装置900との間のネットワークNWを介した無線通信が途絶えていたり、安定して無線通信を行うことができない状態であったりすると、使用済みバッテリ510uと充電済みバッテリ510cとの交換の手続きを行うことができない。つまり、従来の共用バッテリ管理システムでは、バッテリ交換装置800とシステム管理装置900との間のネットワークNWを介した無線通信の状態(通信環境)に影響されて、電動二輪車50の使用者(ユーザー)Pが持ち込んできた使用済みバッテリ510uと充電済みバッテリ510cとの交換の手続きを中止したり中断したりせざるを得なくなる。この場合、電動二輪車50の使用者(ユーザー)Pは、バッテリ交換装置800とシステム管理装置900との間のネットワークNWを介した無線通信が復旧するまで待たされることになってしまう。これは、電動二輪車50の使用者(ユーザー)Pが、着脱式バッテリ510が電力を消耗して電動二輪車50による走行が困難になることが予想されるタイミングで現在のバッテリ交換装置800のところに出向いてきていることを考慮すると、別のバッテリ交換装置800のところに出向くことも困難であると考えられるからである。このため、電動二輪車50の使用者(ユーザー)Pが、着脱式バッテリ510が電力を消耗して電動二輪車50による走行が困難になった場合に、着脱式バッテリ510の充電に要する時間を短縮することを目的としてバッテリ共同利用サービスを利用することを考慮すると、従来の共用バッテリ管理システムは、バッテリ共同利用サービス(バッテリシェアサービス)を普及させるためには非常に不利であると考えられる。
上記に述べたとおり、第1実施形態によれば、共用バッテリ管理システム10は、複数の場所に設置され、1つ以上の着脱式バッテリ510の保管および充電を行うバッテリ交換装置100と、バッテリ交換装置100において交換することができる着脱式バッテリ510を管理する運用サーバー200とによって構成される。そして、第1実施形態では、運用サーバー200が、バッテリ交換装置100において交換することができる着脱式バッテリ510のバッテリIDを記録した提供可能バッテリリストLを作成または更新して保管する。また、第1実施形態では、バッテリ交換装置100が、例えば、1日に1回など、予め定めた比較的長い時間間隔ごとに、運用サーバー200から提供可能バッテリリストLを、ネットワークNWを介して取得して記憶する。そして、第1実施形態では、バッテリ交換装置100が、記憶している提供可能バッテリリストLに基づいて、電動二輪車50の使用者(ユーザー)が交換を希望する使用済みバッテリ510uが、充電を完了して保管している充電済みバッテリ510cと交換することができる着脱式バッテリ510であるか否かを判定する。そして、第1実施形態では、バッテリ交換装置100が、使用済みバッテリ510uが交換することができる着脱式バッテリ510であると判定した場合に、使用済みバッテリ510uと充電済みバッテリ510cとの交換の手続きを実施する。これにより、第1実施形態では、バッテリ交換装置100が、バッテリ交換装置100と運用サーバー200との間のネットワークNWを介した通信の状態(通信環境)に影響されることなく、着脱式バッテリ510の交換の手続きを単独で行うことができる。このことにより、第1実施形態では、共用バッテリ管理システム10を採用したバッテリ共同利用サービスを利用する電動二輪車50の使用者(ユーザー)が、使用済みバッテリ510uの交換を行いたいときに、使用済みバッテリ510uと充電済みバッテリ510cとの交換をすることができる。
しかも、第1実施形態によれば、バッテリ交換装置100において使用済みバッテリ510uが交換することができる着脱式バッテリ510であるか否かを判定する際に用いる提供可能バッテリリストLの更新は、頻繁に行われるものではないと考えられる。このため、第1実施形態では、バッテリ交換装置100と運用サーバー200との間のネットワークNWを介した通信が途絶えていたり、安定して通信を行うことができない状態であったりする期間が、例えば、数日というように長い期間になってしまった場合でも、バッテリ交換装置100は単独で、記憶している提供可能バッテリリストLに基づいた着脱式バッテリ510の交換の手続きを継続して行うことができる。このことにより、第1実施形態では、電動二輪車50の使用者(ユーザー)に、バッテリ共同利用サービス(バッテリシェアサービス)を提供し続けることができる。
これらのことにより、第1実施形態では、自動のバッテリ共同利用サービス(バッテリシェアサービス)の普及に貢献することができる。
なお、第1実施形態では、共用バッテリ管理システム10を構成するバッテリ交換装置100と運用サーバー200とが、無線通信の通信網であるネットワークNWを介して通信を行う場合の例を説明した。しかしながら、共用バッテリ管理システム10におけるバッテリ交換装置100と運用サーバー200との間の通信は、無線通信に限定されるものではない。共用バッテリ管理システム10におけるバッテリ交換装置100と運用サーバー200との間の通信が有線通信、つまり、ネットワークNWが有線通信の通信網である場合でも、例えば、運用サーバー200の保守(メンテナンス)を行っているときなどには、有線通信が途絶えていたり、安定して有線通信を行うことができない状態であったりすることも考えられる。しかし、共用バッテリ管理システム10では、バッテリ交換装置100と運用サーバー200との間の通信が有線通信である場合であっても、ネットワークNWを有線通信に置き換えることによって、同様に考えることができる。従って、バッテリ交換装置100と運用サーバー200との間の通信が有線通信である場合の共用バッテリ管理システム10における着脱式バッテリ510の交換の手続きに関する詳細な説明は省略する。
また、第1実施形態では、電動二輪車50の使用者(ユーザー)が持ち込んでバッテリ交換装置100において交換する使用済みバッテリ510uが1つである場合の例を説明した。しかしながら、電動二輪車50が走行するために装着される着脱式バッテリ510の数は、1つであるとは限らない。つまり、電動二輪車50は、複数の着脱式バッテリ510から供給される電力によって走行する電動車両であることも考えられる。しかし、電動二輪車50が複数の着脱式バッテリ510を装着して走行する電動車両であっても、着脱式バッテリ510の交換の手続きは、同様に考えることができる。例えば、電動二輪車50が2つの着脱式バッテリ510から供給される電力によって走行する電動車両である場合、電動二輪車50の使用者(ユーザー)は、図6に示したステップS500とステップS800との動作を、それぞれの着脱式バッテリ510に対して行う、つまり、2回行うことになるが、その動作は、同じ動作の繰り返しである。従って、複数の着脱式バッテリ510から供給される電力によって走行する電動車両における着脱式バッテリ510の交換の手続きに関する詳細な説明は省略する。
<第2実施形態>
以下、本発明の第2実施形態について、図面を参照して説明する。第2実施形態の蓄電装置管理システムは、蓄電装置(着脱式バッテリ)の貸し出し方法の変更が容易なバッテリ共同利用サービスを構築することができることを目的とした蓄電装置管理システムである。以下の説明においても、第2実施形態の蓄電装置管理システムが、着脱式バッテリの電力を利用する電力装置(電動二輪車)において共同利用される複数の着脱式バッテリの受領と、代わりの着脱式バッテリの供与(提供)とを管理する共用バッテリ管理システムである場合について説明する。なお、上述した第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付与して詳細な説明を省略する。
(全体構成)
図9は、本発明の第2実施形態における共用バッテリ管理システムを採用したバッテリ共同利用サービス(バッテリシェアサービス)の概念を示した図である。図9に示したように、第2実施形態の共用バッテリ管理システム10Aは、バッテリ交換装置100Aと運用サーバー200Aとを含んで構成される。なお、第2実施形態の共用バッテリ管理システム10Aでも、1つの運用サーバー200Aが複数のバッテリ交換装置100Aに対応する構成とすることもできるが、図9においては、1つのバッテリ交換装置100Aのみを示している。また、図9においても、共用バッテリ管理システム10Aを採用したバッテリ共同利用サービスを利用する電動二輪車50も併せて示している。
バッテリ交換装置100Aは、第1実施形態のバッテリ交換装置100と同様に、複数の場所に設置され、1つ以上の着脱式バッテリ510の保管および充電を行う設備である。また、バッテリ交換装置100Aは、第1実施形態のバッテリ交換装置100と同様に、共用バッテリ管理システム10Aの利用者(電動二輪車50の使用者(ユーザー)など)が交換を希望する着脱式バッテリ510と、保管している着脱式バッテリ510との交換の手続きを実施する設備でもある。バッテリ交換装置100Aも、第1実施形態のバッテリ交換装置100と同様に、ネットワークNWを介して運用サーバー200Aと接続されている。ここで、ネットワークNWは、例えば、無線通信の通信網などの通信ネットワークである。なお、ネットワークNWは、有線通信の通信網であってもよい。ただし、本発明においては、ネットワークNWが無線通信の通信網である方が、ネットワークNWが有線通信の通信網である場合よりも、より顕著な効果が得られると考えられる。
バッテリ交換装置100Aは、ネットワークNWを介した通信によって運用サーバー200Aとの間で情報のやり取りをし、着脱式バッテリ510の交換を実施する。より具体的には、バッテリ交換装置100Aは、保管および充電をしている着脱式バッテリ510に関する情報を記録したバッテリ状態リストを、予め定めた時間間隔(例えば、5分間隔)で定期的に、ネットワークNWを介して運用サーバー200Aに送信する。また、バッテリ交換装置100Aは、貸し出しをすることができる着脱式バッテリ510と貸し出す順番の情報を記録した貸し出し可能バッテリリストを、予め定めた時間間隔(例えば、5分間隔)で定期的に、ネットワークNWを介して運用サーバー200Aから取得(受信)する。
ここで、バッテリ交換装置100Aが運用サーバー200Aに送信するバッテリ状態リストには、保管および充電をしている着脱式バッテリ510のバッテリIDに加え、少なくとも、保管している着脱式バッテリ510の充電回数、および劣化状態と、充電している着脱式バッテリ510の充電回数、劣化状態、および充電の状態(例えば、充電が完了している割合:充電率)などの情報が、着脱式バッテリ510に関する情報として記録されている。なお、バッテリ状態リストには、バッテリ交換装置100Aに対して排他的に割り当てられた識別情報(バッテリ交換装置ID)や、バッテリ交換装置100Aにおける故障の有無などの情報を記録していてもよい。また、バッテリ交換装置100Aが運用サーバー200Aから取得する貸し出し可能バッテリリストには、少なくとも、バッテリ交換装置100Aから送信されたバッテリ状態リストに基づいて運用サーバー200Aが決定した、バッテリ交換装置100Aにおいて貸し出し(交換)をすることができる着脱式バッテリ510および貸し出しをする(交換する)順番などの情報が、貸し出しをすることができる着脱式バッテリ510の情報として記録されている。
そして、バッテリ交換装置100Aは、バッテリ交換装置100Aにおいて貸し出し(交換)をすることができる着脱式バッテリ510およびその順番が記録された貸し出し可能バッテリリストを運用サーバー200Aから取得して記憶している。なお、バッテリ交換装置100Aは、運用サーバー200Aから新たな貸し出し可能バッテリリストを取得するごとに、現在記憶している貸し出し可能バッテリリストを新たに取得した貸し出し可能バッテリリストに差し替える。つまり、バッテリ交換装置100Aは、予め定めた時間間隔ごとに記憶している貸し出し可能バッテリリストを更新する。図9には、バッテリ交換装置100Aが、バッテリ状態リストSを、ネットワークNWを介して運用サーバー200Aに送信し、運用サーバー200Aが、貸し出し可能バッテリリストBを、ネットワークNWを介して運用サーバー200Aから取得(受信)している様子を示している。
バッテリ交換装置100Aは、運用サーバー200Aから取得した貸し出し可能バッテリリストBが表すバッテリ交換装置100Aにおいて貸し出し(交換)をすることができる着脱式バッテリ510およびその順番の情報に従って、電動二輪車50の使用者(ユーザー)が持ち込んできた電力が消耗している着脱式バッテリ510と保管している着脱式バッテリ510との交換を行う。なお、バッテリ交換装置100Aは、保管している着脱式バッテリ510の交換を行った後、記憶している貸し出し可能バッテリリストBから、交換した着脱式バッテリ510に関する情報を削除する。これにより、バッテリ交換装置100Aは、貸し出し可能バッテリリストBに含まれる貸し出し(交換)をすることができる着脱式バッテリ510のみを、電動二輪車50の使用者(ユーザー)が持ち込んできた電力が消耗している着脱式バッテリ510と交換することができる。
図9には、バッテリ交換装置100Aの構成の一例を示している。図9に示したバッテリ交換装置100Aの構成は、第1実施形態のバッテリ交換装置100の構成と同様であるため、同一の符号を付与して詳細な説明を省略する。
また、図9には、図1と同様に、バッテリスロット120−1に着脱式バッテリ510を出し入れする状態を示している。
なお、図9に示したバッテリ交換装置100Aの構成も一例であり、本発明においては、バッテリ交換装置100Aの構成として種々の構成が考えられる。
運用サーバー200Aは、第1実施形態のバッテリ交換装置100と同様に、バッテリ交換装置100Aにおいて交換することができる着脱式バッテリ510を管理するサーバー設備である。運用サーバー200Aは、バッテリ交換装置100Aから送信されたバッテリ状態リストSに含まれる、バッテリ交換装置100Aが保管している着脱式バッテリ510のバッテリID、充電回数、および劣化状態と、充電している着脱式バッテリ510のバッテリID、充電回数、劣化状態、および充電率との情報に基づいて、バッテリ交換装置100Aにおいて貸し出し(交換)をすることができる着脱式バッテリ510およびその着脱式バッテリ510の貸し出しをする(交換する)順番を決定する。そして、運用サーバー200Aは、決定したバッテリ交換装置100Aにおいて貸し出し(交換)をすることができる着脱式バッテリ510およびその着脱式バッテリ510の貸し出しをする(交換する)順番などの情報が含まれた貸し出し可能バッテリリストBを作成する。
なお、バッテリ交換装置100Aが運用サーバー200Aに送信するバッテリ状態リストSは、例えば、バッテリ交換装置100Aに備えたバッテリスロット120ごとに、保管している着脱式バッテリ510のバッテリIDと、充電回数、劣化状態、および充電率との情報が紐付けられて記憶されている形式のリストなどが考えられるが、本発明においては、バッテリ状態リストSの形式として種々の形式が考えられる。また、運用サーバー200Aが作成してバッテリ交換装置100Aに送信する貸し出し可能バッテリリストBは、例えば、バッテリ交換装置100Aにおいて貸し出し(交換)をすることができる着脱式バッテリ510のバッテリIDが貸し出しをする(交換する)順番に並んだ形式のリストなどが考えられるが、本発明においては、貸し出し可能バッテリリストBの形式として種々の形式が考えられる。
以下の説明においては、バッテリ交換装置100Aが運用サーバー200Aに送信するバッテリ状態リストSが、バッテリ交換装置100Aに備えたバッテリスロット120ごとに、保管している着脱式バッテリ510のバッテリIDと、充電回数、劣化状態、および充電率との情報が紐付けられて記憶されている形式のリストであるものとして説明する。また、運用サーバー200Aが作成してバッテリ交換装置100Aに送信する貸し出し可能バッテリリストBは、バッテリ交換装置100Aにおいて貸し出し(交換)をすることができる着脱式バッテリ510のバッテリIDが貸し出しをする(交換する)順番に並んだ形式のリストであるものとして説明する。
ここで、貸し出し可能バッテリリストBに含まれる、バッテリ交換装置100Aにおいて貸し出し(交換)をすることができる着脱式バッテリ510およびその順番を決定する際の考え方の一例について説明する。運用サーバー200Aが決定するバッテリ交換装置100Aにおいて貸し出し(交換)をすることができる着脱式バッテリ510およびその着脱式バッテリ510を貸し出す(交換する)順番は、様々な考え方で定めた規則(ルール)に基づいて決定することができる。つまり、共用バッテリ管理システム10Aでは、バッテリ交換装置100Aが着脱式バッテリ510の交換の手続きを実施する際の論理(ロジック)を任意に変更することができる。なお、バッテリ交換装置100Aが着脱式バッテリ510の交換の手続きを実施する際の論理(ロジック)を定めるための条件、つまり、運用サーバー200Aが貸し出し(交換)をする着脱式バッテリ510およびその順番を決定するための条件としては、例えば、バッテリ交換装置100Aに保管している着脱式バッテリ510の状態などを考慮することが考えられる。また、運用サーバー200Aが貸し出し(交換)をする着脱式バッテリ510およびその順番を決定するための条件としては、例えば、バッテリ交換装置100Aが設置されている場所、日時(日付や、曜日、時間帯など)、天候などの様々な外的な要因などを考慮することが考えられる。これらの条件は、運用サーバー200Aに予め設定された規則(ルール)に従って変更することができる。そして、運用サーバー200Aに予め設定する規則(ルール)は、例えば、共用バッテリ管理システム10Aの管理者やバッテリ共同利用サービスの運用者が、着脱式バッテリ510の管理や運用をする際の考え方や意向などに基づいて逐次変更することができる。このとき、共用バッテリ管理システム10Aの管理者やバッテリ共同利用サービスの運用者は、運用サーバー200Aに接続された不図示の端末を操作することによって、バッテリ交換装置100Aにおいて貸し出し(交換)をすることができる着脱式バッテリ510およびその順番を運用サーバー200Aが決定するための規則(ルール)を設定する。
例えば、共用バッテリ管理システム10Aを採用したバッテリ共同利用サービスにおいて、バッテリ交換装置100Aが、充電が不十分な着脱式バッテリ510の貸し出し(交換)をしてしまうことがないようにする場合を考える。この場合、共用バッテリ管理システム10Aの管理者などは、運用サーバー200Aに接続された不図示の端末を操作して、充電を完了してバッテリ交換装置100Aに保管している充電済みバッテリ510cのみを、貸し出し(交換)をすることができる着脱式バッテリ510とするように、運用サーバー200Aの規則(ルール)を設定する。また、共用バッテリ管理システム10Aの管理者などは、不図示の端末を操作して、例えば、充電が完了した順番や、劣化が少ない順、あるいは劣化が多い順を、バッテリ交換装置100Aにおいて充電済みバッテリ510cを貸し出す(交換する)順番に決定するように、運用サーバー200Aに規則(ルール)を設定する。ここで、共用バッテリ管理システム10Aの管理者などが、充電が完了した順番を、バッテリ交換装置100Aにおいて充電済みバッテリ510cを貸し出す(交換する)順番に決定するように、運用サーバー200Aに規則(ルール)を設定した場合、共用バッテリ管理システム10Aを採用したバッテリ共同利用サービスでは、早く充電が完了した充電済みバッテリ510cから順に、電動二輪車50の使用者(ユーザー)に貸し出されることになる。これにより、共用バッテリ管理システム10Aを採用したバッテリ共同利用サービスでは、充電済みバッテリ510cのみの貸し出し(交換)を安定して行うことができる。また、共用バッテリ管理システム10Aの管理者などが、劣化の少ない順を、バッテリ交換装置100Aにおいて充電済みバッテリ510cを貸し出す(交換する)順番に決定するように運用サーバー200Aに規則(ルール)を設定した場合、共用バッテリ管理システム10Aを採用したバッテリ共同利用サービスでは、貸し出し(交換)をする多くの着脱式バッテリ510の劣化状態を均一にすることができる。これにより、共用バッテリ管理システム10Aを採用したバッテリ共同利用サービスでは、劣化した着脱式バッテリ510を交換するバッテリ共同利用サービスの保守(メンテナンス)の頻度を少なくし、共用バッテリ管理システム10Aの管理者やバッテリ共同利用サービスの運用者は、同時期に全ての着脱式バッテリ510を交換するなど、メンテナンス作業を容易にすることができる。また、共用バッテリ管理システム10Aの管理者などが、劣化の多い順を、バッテリ交換装置100Aにおいて充電済みバッテリ510cを貸し出す(交換する)順番に決定するように運用サーバー200Aに規則(ルール)を設定した場合、共用バッテリ管理システム10Aを採用したバッテリ共同利用サービスでは、貸し出し(交換)をする多くの着脱式バッテリ510が同時期に劣化してしまうのを回避することができる。これにより、共用バッテリ管理システム10Aを採用したバッテリ共同利用サービスでは、劣化した着脱式バッテリ510を交換するバッテリ共同利用サービスのメンテナンスの頻度を平均化し、共用バッテリ管理システム10Aの管理者やバッテリ共同利用サービスの運用者は、1回のメンテナンス作業において交換する着脱式バッテリ510の数を少なくすることができる。
また、例えば、共用バッテリ管理システム10Aを採用したバッテリ共同利用サービスにおいて、バッテリ交換装置100Aが、より多くの電動二輪車50の使用者(ユーザー)に着脱式バッテリ510を貸し出す(交換する)ことができるようにする場合を考える。この場合、共用バッテリ管理システム10Aの管理者などは、バッテリ交換装置100Aにおいて貸し出す(交換する)ことができる着脱式バッテリ510として判断する(見なす)ための貸し出し基準として、例えば、充電率の閾値を予め定める。そして、共用バッテリ管理システム10Aの管理者などは、運用サーバー200Aに接続された不図示の端末を操作して、充電率が予め定めた割合以上(例えば、充電率が90%以上)の着脱式バッテリ510を充電済みバッテリ510cと見なして、貸し出し(交換)をすることができる着脱式バッテリ510とするように、運用サーバー200Aの規則(ルール)を設定する。また、共用バッテリ管理システム10Aの管理者などは、不図示の端末を操作して、例えば、充電率が高い順を、バッテリ交換装置100Aにおいて充電済みバッテリ510cと見なした着脱式バッテリ510を貸し出す(交換する)順番に決定するように、運用サーバー200Aに規則(ルール)を設定する。これにより、共用バッテリ管理システム10Aを採用したバッテリ共同利用サービスでは、例えば、バッテリ交換装置100Aが設置されている場所が観光地である、晴天である、週末である、午前中であるなど、着脱式バッテリ510の貸し出し(交換)が頻繁に行われることが予想される場合に、より多くの電動二輪車50の使用者(ユーザー)に着脱式バッテリ510を貸し出す(交換する)ことができる。
このように、共用バッテリ管理システム10Aでは、共用バッテリ管理システム10Aの管理者などが、不図示の端末を操作して運用サーバー200Aに規則(ルール)を設定することによって、同じバッテリ交換装置100Aであっても、着脱式バッテリ510の交換の手続きを実施する際の論理(ロジック)を任意に変更することができる。なお、上記では、共用バッテリ管理システム10Aの管理者などが不図示の端末を操作して運用サーバー200Aに規則(ルール)を設定する方法を提示したが、例えば、週末である、午前中であるなど、機械的に判断することができる条件に基づいた運用サーバー200Aの規則(ルール)の設定は、運用サーバー200A内のサーバー制御部220Aが自動で実行する構成にしてもよい。なお、以下の説明においては、説明を容易にするため、充電済みバッテリ510cと見なした予め定めた割合(充電率)以上の充電がされた着脱式バッテリ510も「充電済みバッテリ510c」であるものとして説明する。
運用サーバー200Aは、作成した貸し出し可能バッテリリストBを、バッテリ状態リストSを送信してきたバッテリ交換装置100Aに、ネットワークNWを介してバッテリ交換装置100Aに送信する。これにより、バッテリ交換装置100Aは、貸し出し可能バッテリリストBを、ネットワークNWを介して運用サーバー200Aから取得する。そして、バッテリ交換装置100Aは、運用サーバー200Aから取得した貸し出し可能バッテリリストBに含まれるバッテリIDの順番、つまり、貸し出し可能バッテリリストBが表す充電済みバッテリ510cの順番に、着脱式バッテリ510の交換の手続きを実施する。
なお、運用サーバー200Aがバッテリ交換装置100Aに送信する貸し出し可能バッテリリストBには、バッテリ交換装置100Aから送信されてきたバッテリ状態リストSに含まれる全ての着脱式バッテリ510のバッテリIDが必ずしも含まれていなくてもよい。つまり、共用バッテリ管理システム10Aでは、貸し出し可能バッテリリストBにバッテリIDが含まれていない着脱式バッテリ510は、バッテリ交換装置100Aにおいて貸し出しすることができない着脱式バッテリ510となる。そこで、運用サーバー200Aは、バッテリ交換装置100Aから送信されてきたバッテリ状態リストSから、充電を予め定めた回数(充電回数)以上行った、つまり、劣化している着脱式バッテリ510が含まれていることがわかった場合には、この着脱式バッテリ510を、バッテリ共同利用サービスにおいて貸し出しをしない(交換しない)着脱式バッテリ510として、貸し出し可能バッテリリストBに含めないようにしてもよい。つまり、運用サーバー200Aは、劣化している着脱式バッテリ510をバッテリ共同利用サービスの保守(メンテナンス)において交換する着脱式バッテリ510とし、意図的に貸し出し可能バッテリリストBに含めないようにしてもよい。この場合、運用サーバー200Aは、意図的に貸し出し可能バッテリリストBに含めないようにした着脱式バッテリ510があることを、共用バッテリ管理システム10Aの管理者やバッテリ共同利用サービスの運用者などに通知するようにしてもよい。
なお、運用サーバー200Aにおけるそれぞれの着脱式バッテリ510の劣化の管理は、例えば、バッテリ共同利用サービスにおいて貸し出す(交換する)ための新たな着脱式バッテリ510が追加されたときから、その着脱式バッテリ510の充電回数を計数することによって行うことができると考えられる。ここで、着脱式バッテリ510から充電回数の情報が出力される場合であれば、運用サーバー200Aは、着脱式バッテリ510自体が計数した充電回数に基づいて、着脱式バッテリ510の劣化の管理をしてもよい。また、運用サーバー200Aがバッテリ共同利用サービスにおいて運用するための着脱式バッテリ510を登録して管理している場合であれば、運用サーバー200Aが、バッテリ交換装置100Aから送信されてきたバッテリ状態リストSに含まれる着脱式バッテリ510のバッテリIDと充電の状態に関する情報に基づいて着脱式バッテリ510の充電回数を計数し、着脱式バッテリ510の劣化の管理をしてもよい。しかし、本発明においては、着脱式バッテリ510の充電回数の計数方法や、運用サーバー200Aにおける着脱式バッテリ510の劣化の管理の方法として種々の方法が考えられる。
このような構成によって共用バッテリ管理システム10Aでは、共用バッテリ管理システム10Aの管理者やバッテリ共同利用サービスの運用者などが運用サーバー200Aに設定した規則(ルール)に従った論理(ロジック)で、電動二輪車50の使用者(ユーザー)がバッテリ交換装置100Aに持ち込んできた電力が消耗している使用済みバッテリ510uに代わる充電済みバッテリ510cを貸し出す(交換する)。このとき、バッテリ交換装置100Aは、運用サーバー200Aから事前(例えば、最大で5分前)に取得した貸し出し可能バッテリリストBに含まれるバッテリIDの順番に、充電済みバッテリ510cを電動二輪車50の使用者(ユーザー)が持ち込んできた使用済みバッテリ510uと交換する手続きを実施する。
なお、共用バッテリ管理システム10Aにおいて1つの運用サーバー200Aが複数のバッテリ交換装置100Aに対応する構成である場合、共用バッテリ管理システム10Aの管理者などは、バッテリ交換装置100Aにおいて貸し出し(交換)をすることができる着脱式バッテリ510およびその順番を決定する際の規則(ルール)を、それぞれのバッテリ交換装置100Aごとに運用サーバー200Aに設定することができる。つまり、複数のバッテリ交換装置100Aを備えた共用バッテリ管理システム10Aでは、共用バッテリ管理システム10Aの管理者などが、それぞれのバッテリ交換装置100Aごとに、運用サーバー200Aが貸し出し可能バッテリリストBを作成するための規則(ルール)を設定することができる。これにより、複数のバッテリ交換装置100Aを備えた共用バッテリ管理システム10Aでは、運用サーバー200Aが、それぞれのバッテリ交換装置100Aに対応する貸し出し可能バッテリリストBを作成して送信する。そして、複数のバッテリ交換装置100Aを備えた共用バッテリ管理システム10Aでは、それぞれのバッテリ交換装置100Aが、対応する貸し出し可能バッテリリストBを運用サーバー200Aから事前に取得しておき、取得した貸し出し可能バッテリリストBに基づいて、保管している充電済みバッテリ510cを貸し出す(使用済みバッテリ510uと充電済みバッテリ510cとを交換する)手続きを実施する。なお、複数のバッテリ交換装置100Aを備えた共用バッテリ管理システム10Aでは、共用バッテリ管理システム10Aの管理者などが運用サーバー200Aに設定する、バッテリ交換装置100Aにおいて貸し出し(交換)をすることができる着脱式バッテリ510およびその順番を決定する際の規則(ルール)は、全てのバッテリ交換装置100Aに対して同じ規則(ルール)であっても異なる規則(ルール)であってもよい。つまり、複数のバッテリ交換装置100Aを備えた共用バッテリ管理システム10Aでは、それぞれのバッテリ交換装置100Aごとに、使用済みバッテリ510uと充電済みバッテリ510cとの交換の手続きを実施する際の論理(ロジック)を異ならせることができる。例えば、あるバッテリ交換装置100Aは、充電を完了して保管している充電率が100%の充電済みバッテリ510cのみを貸し出し(交換し)、別のあるバッテリ交換装置100Aは、充電率が90%以上の充電済みバッテリ510cを貸し出す(交換する)ようにすることができる。
なお、バッテリ交換装置100Aは、上述したように、例えば、5分間隔など、予め定めた時間間隔ごと、貸し出し可能バッテリリストBを、運用サーバー200Aから事前に取得して記憶しておく。このため、バッテリ交換装置100Aは、使用済みバッテリ510uと充電済みバッテリ510cとの交換の手続きを実施するごとに、運用サーバー200Aとの間でネットワークNWを介した通信を行わなくてもよい。より具体的には、バッテリ交換装置100Aでは、電動二輪車50の使用者(ユーザー)が持ち込んできた電力が消耗している使用済みバッテリ510uに代わる充電済みバッテリ510cを貸し出す(交換する)ごとに、運用サーバー200Aとの間でネットワークNWを介した通信を行って、いずれの充電済みバッテリ510cを貸し出す(交換する)のかを表す情報を取得するのではない。そして、バッテリ交換装置100Aでは、事前に運用サーバー200Aから事前に取得した貸し出し可能バッテリリストBが表す順番に、充電済みバッテリ510cを貸し出す(交換する)。つまり、バッテリ交換装置100Aでは、事前に運用サーバー200Aから事前に取得した貸し出し可能バッテリリストBに基づいて、使用済みバッテリ510uと充電済みバッテリ510cとの交換の手続きを単独で実施する。このため、バッテリ交換装置100Aでは、例えば、運用サーバー200Aとの間のネットワークNWを介した通信が途絶えていたり、安定して通信を行うことができない状態であったりしても、少なくとも貸し出し可能バッテリリストBにバッテリIDが含まれる充電済みバッテリ510cは、電動二輪車50の使用者(ユーザー)が持ち込んできた使用済みバッテリ510uと交換することができる。つまり、バッテリ交換装置100Aは、運用サーバー200Aとの間のネットワークNWを介した通信の状態(通信環境)が悪化した場合でも、しばらくの間は、通信の状態(通信環境)の影響によって着脱式バッテリ510の交換の手続きを中止したり中断したりすることなく、単独で着脱式バッテリ510の交換の手続きの実施を継続することができる。言い換えれば、バッテリ交換装置100Aは、バッテリ交換装置100Aと運用サーバー200Aとの間の短時間の通信の状態(通信環境)の悪化に影響されることなく、電動二輪車50の使用者(ユーザー)に、バッテリ共同利用サービス(バッテリシェアサービス)を提供し続けることができる。
このような構成によって共用バッテリ管理システム10Aでは、電動二輪車50の使用者(ユーザー)がバッテリ交換装置100Aに持ち込んできた電力が消耗している使用済みバッテリ510uに代わる充電済みバッテリ510cを、予め定めた規則(ルール)に従った論理(ロジック)で決定した順番に貸し出す(交換する)。
次に、第2実施形態の共用バッテリ管理システム10Aを構成するそれぞれの構成要素についてより詳細に説明する。
(着脱式バッテリ510の構成)
まず、着脱式バッテリ510の構成例について説明する。図10は、第2実施形態の共用バッテリ管理システム10Aにおいて管理される着脱式バッテリ510の構成の一例を示したブロック図である。図10に示したように、着脱式バッテリ510は、第1実施形態の共用バッテリ管理システム10においてバッテリ交換装置100が貸し出し(交換)をする着脱式バッテリ510におけるBMU(Battery Management Unit)513がBMU513Aに、接続部515が接続部515Aに、記憶部514が記憶部514Aに、それぞれ代わっている。
測定センサ512は、測定した蓄電部511の状態を表す測定値を、BMU513A上のプロセッサに出力する。
BMU513Aは、第1実施形態の共用バッテリ管理システム10における着脱式バッテリ510が備えるBMU513と同様のバッテリーマネージメントユニットであり、蓄電部511の充電や放電を制御する。BMU513Aは、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサや、例えば、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などのメモリを記憶部514Aとして含んで構成される。BMU513Aでは、CPUが、記憶部514Aに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、蓄電部511の制御機能を実現する。そして、BMU513Aは、測定センサ512から出力された蓄電部511の状態を表す測定値に基づいて蓄電部511に対して行った制御の内容などの情報を、記憶部514Aに記憶させる。また、BMU513Aは、第1実施形態の共用バッテリ管理システム10における着脱式バッテリ510が備えるBMU513の機能に加えて、蓄電部511の充電回数を計数して記憶部514Aに記憶させてもよい。さらに、BMU513Aは、測定センサ512から出力された蓄電部511の状態を表す測定値に基づいて、蓄電部511の充電率を算出してもよい。
記憶部514Aは、第1実施形態の共用バッテリ管理システム10における着脱式バッテリ510が備える記憶部514と同様に、BMU513A自身で検知した異常や故障、測定センサ512を利用して把握した蓄電部511の異常や故障などの情報を記憶する。記憶部514Aは、例えば、ROM、RAM、フラッシュメモリなどのメモリを含んで構成される。また、記憶部514Aは、着脱式バッテリ510に対して排他的に割り当てられたバッテリIDと、蓄電部511の充電回数などの情報を記憶している。ここで、記憶部514Aに記憶している充電回数の情報は、蓄電部511の充電が開始されたとき、あるいは蓄電部511の充電が完了したときなどに、BMU513Aによって“1”が加算されて更新される(つまり、インクリメントされる)。なお、記憶部514Aは、着脱式バッテリ510を現在使用している電動二輪車50の使用者(ユーザー)の識別情報(例えば、「ユーザーID」)を記憶してもよい。
接続部515Aは、第1実施形態の共用バッテリ管理システム10における着脱式バッテリ510が備える接続部515と同様に、着脱式バッテリ510が電動二輪車50に装着された際に、電動二輪車50の駆動源である電動モータに蓄電部511に蓄電された電力を供給する接続部である。また、接続部515Aは、着脱式バッテリ510がバッテリ交換装置100Aに備えたバッテリスロット120に収容された際に、バッテリ収容部120Hの奥側に設けられた着脱式バッテリ510と接続する構造と接続され、着脱式バッテリ510とバッテリ交換装置100Aとの間でやり取りするバッテリID、充電回数、および蓄電部511の状態を表す測定値などの情報や電力の電送をするための接続部でもある。
(バッテリ交換装置100Aの構成)
続いて、バッテリ交換装置100Aの構成例について説明する。図11は、第2実施形態の共用バッテリ管理システム10Aを構成するバッテリ交換装置100Aの概略構成を示したブロック図である。図11に示したように、バッテリ交換装置100Aは、表示器110と、接続部120Tと、充電器120Cと、交換装置記憶部130Aと、交換装置制御部140Aと、交換装置通信部150Aとを備えている。また、交換装置制御部140Aは、充電制御部141Aと、測定センサ142と、情報取得部143Aと、処理部144Aとを備えている。
交換装置記憶部130Aは、第1実施形態の共用バッテリ管理システム10におけるバッテリ交換装置100Aが備える交換装置記憶部130と同様に、バッテリ交換装置100Aにおける種々の情報を記憶する。交換装置記憶部130Aは、少なくとも、ネットワークNWを介して運用サーバー200Aから事前に取得した貸し出し可能バッテリリストBを記憶する。交換装置記憶部130Aは、例えば、ROM、RAM、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリなどのメモリを含んで構成される。また、交換装置記憶部130Aは、交換装置制御部140Aがバッテリ交換装置100Aの機能を実行するためのプログラムを記憶している。なお、交換装置記憶部130Aは、バッテリ交換装置100Aに備えたそれぞれのバッテリスロット120に着脱式バッテリ510が収容されているか否かの情報や、それぞれのバッテリスロット120に収容されている着脱式バッテリ510のバッテリID、充電回数、劣化状態、および蓄電部511の状態を表す測定値などの情報(以下、「バッテリ状態情報」という)を記憶してもよい。また、交換装置記憶部130Aは、それぞれの着脱式バッテリ510の充電率などの充電の状態を表す情報も、バッテリ状態情報として記憶してもよい。また、交換装置記憶部130Aは、バッテリ交換装置100Aに対して排他的に割り当てられた識別情報(バッテリ交換装置ID)を記憶していてもよい。
交換装置制御部140Aは、第1実施形態の共用バッテリ管理システム10におけるバッテリ交換装置100Aが備える交換装置制御部140と同様に、バッテリ交換装置100Aの全体を制御する。交換装置制御部140Aは、例えば、CPUなどのプロセッサを含んで構成される。交換装置制御部140Aは、交換装置記憶部130Aに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、バッテリ交換装置100Aの機能を実現する。より具体的には、交換装置制御部140Aは、予め定めた時間間隔ごと(例えば、5分間隔ごと)に定期的に、それぞれのバッテリスロット120に収容された着脱式バッテリ510のバッテリID、充電回数、劣化状態、および蓄電部511の状態を表す測定値などの情報(バッテリ状態情報)を取得する。そして、交換装置制御部140Aは、取得した蓄電部511の状態を表す測定値に基づいて、蓄電部511の充電率、つまり、着脱式バッテリ510の充電率を算出する。なお、着脱式バッテリ510自体が充電率を算出する場合には、交換装置制御部140Aは、予め定めた時間間隔ごと(例えば、5分間隔ごと)に定期的に、それぞれのバッテリスロット120に収容された着脱式バッテリ510の充電率などの充電の状態を表す情報をバッテリ状態情報として取得してもよい。そして、交換装置制御部140Aは、取得したそれぞれの着脱式バッテリ510のバッテリ状態情報と、算出(または取得)した充電率の情報とを交換装置通信部150Aに出力すると共に、出力したそれぞれの情報をバッテリ状態リストSとして送信するための指示を、交換装置通信部150Aに出力する。これにより、交換装置通信部150Aは、ネットワークNWを介して運用サーバー200Aとの間で通信を行って、交換装置制御部140Aが出力したバッテリ状態情報を含むバッテリ状態リストSを、運用サーバー200Aに送信する。
また、交換装置制御部140Aは、交換装置通信部150Aから運用サーバー200Aから送信されてきた貸し出し可能バッテリリストBが出力されると、運用サーバー200Aから取得した貸し出し可能バッテリリストBを交換装置記憶部130Aに記憶させる。その後、交換装置制御部140Aは、交換装置記憶部130Aに記憶した貸し出し可能バッテリリストBに含まれるバッテリIDの順番に基づいて、電動二輪車50の使用者(ユーザー)が持ち込んできた使用済みバッテリ510uと充電済みバッテリ510cとの交換の手続きを実施する。このとき、交換装置制御部140Aは、使用済みバッテリ510uを収容するバッテリスロット120(例えば、バッテリスロット120−1)を、表示器110によって電動二輪車50の使用者(ユーザー)に通知する。これにより、電動二輪車50の使用者(ユーザー)は、持ち込んできた使用済みバッテリ510uを、着脱式バッテリ510が収容されていない状態のバッテリスロット120−1のバッテリ収容部120−1Hに収容する。その後、交換装置制御部140Aは、貸し出し可能バッテリリストBに含まれる着脱式バッテリ510のバッテリIDの情報に基づいて、バッテリ収容部120−1Hに収容された使用済みバッテリ510uが、交換することができる着脱式バッテリ510であるか否かを判定する。そして、交換装置制御部140Aは、バッテリ収容部120−1Hに収容された使用済みバッテリ510uが交換することができる着脱式バッテリ510であると判定した場合、貸し出し可能バッテリリストBに含まれるバッテリIDの順番に基づいて充電済みバッテリ510cを選択し、選択した充電済みバッテリ510cが収容されているバッテリスロット120(例えば、バッテリスロット120−2)を、表示器110によって電動二輪車50の使用者(ユーザー)に通知する。これにより、電動二輪車50の使用者(ユーザー)は、充電済みバッテリ510cを、バッテリスロット120−2のバッテリ収容部120−2Hから取り出して、着脱式バッテリ510の交換をする。その後、交換装置制御部140Aは、バッテリ収容部120−1Hに収容された使用済みバッテリ510uの充電をする。一方、交換装置制御部140Aは、バッテリ収容部120−1Hに収容された使用済みバッテリ510uが交換することができない着脱式バッテリ510であると判定した場合、バッテリスロット120(例えば、バッテリスロット120−2)に収容されている充電済みバッテリ510cの交換を禁止する。そして、交換装置制御部140Aは、バッテリ収容部120−1Hに収容された使用済みバッテリ510uが交換することができない着脱式バッテリ510であることを表示器110によって電動二輪車50の使用者(ユーザー)に通知する。
情報取得部143Aは、第1実施形態の共用バッテリ管理システム10におけるバッテリ交換装置100Aが備える情報取得部143と同様に、バッテリスロット120に収容された着脱式バッテリ510、つまり、バッテリ交換装置100Aに保管している着脱式バッテリ510の情報を取得する。より具体的には、情報取得部143Aは、バッテリスロット120のバッテリ収容部120Hに収容され、接続部515Aと接続部120Tが接続されている着脱式バッテリ510のバッテリ状態情報(バッテリID、充電回数、および蓄電部511の状態を表す測定値などの情報)を、予め定めた時間間隔(例えば、5分間隔)で定期的に接続部120Tを介して取得する。そして、情報取得部143Aは、取得したバッテリ状態情報を、処理部144Aに出力する。なお、情報取得部143Aは、取得したバッテリ状態情報を交換装置記憶部130Aに記憶させてもよい。
測定センサ142は、測定した着脱式バッテリ510の状態を表す測定値を、充電制御部141Aに出力する。
なお、交換装置制御部140Aでは、情報取得部143Aが、着脱式バッテリ510に備えた測定センサ512が測定した蓄電部511の状態を表す測定値を、バッテリ状態情報として接続部120Tを介して取得している。このため、測定センサ142は、情報取得部143Aが取得した蓄電部511の状態を表す測定値を、充電制御部141Aに出力する構成であってもよい。
充電制御部141Aは、第1実施形態の共用バッテリ管理システム10におけるバッテリ交換装置100Aが備える充電制御部141と同様に、測定センサ142から出力された着脱式バッテリ510の測定値も考慮して充電器120Cを制御することによって、着脱式バッテリ510の充電を制御する。また、充電制御部141Aは、測定センサ142から出力された着脱式バッテリ510の測定値に基づいて、充電している着脱式バッテリ510の現在の充電率、つまり、着脱式バッテリ510に備えた蓄電部511の現在の充電率を算出する。そして、充電制御部141Aは、算出した着脱式バッテリ510の充電率を、処理部144Aに出力する。また、充電制御部141Aは、第1実施形態の共用バッテリ管理システム10におけるバッテリ交換装置100Aが備える充電制御部141と同様に、着脱式バッテリ510の充電が完了したときに、充電が完了したことを表す情報を、処理部144Aに出力する。なお、充電制御部141Aは、それぞれの着脱式バッテリ510の充電率の情報がバッテリ状態情報として交換装置記憶部130Aに記憶している場合には、算出した着脱式バッテリ510の現在の充電率(充電完了も含む)の情報を交換装置記憶部130Aに出力して、交換装置記憶部130Aに記憶しているバッテリ状態情報を更新するようにしてもよい。
なお、バッテリ交換装置100Aでは、着脱式バッテリ510の充電に先だって、着脱式バッテリ510に残っている電力を一旦放電するようにしてもよい。この場合、充電制御部141Aは、着脱式バッテリ510の放電の制御も行う。
処理部144Aは、第1実施形態の共用バッテリ管理システム10におけるバッテリ交換装置100Aが備える処理部144と同様に、バッテリ交換装置100Aにおける着脱式バッテリ510の交換の手続きを実施する。より具体的には、処理部144Aは、電動二輪車50の使用者(ユーザー)が持ち込んできてバッテリスロット120に収容した使用済みバッテリ510uに代わる充電済みバッテリ510cを、交換装置記憶部130Aに記憶されている貸し出し可能バッテリリストBに含まれる貸し出し(交換)をすることができる充電済みバッテリ510cの中から選択する。このとき、処理部144Aは、貸し出し可能バッテリリストBに含まれるバッテリIDの順番に、交換する充電済みバッテリ510cを選択する。そして、処理部144Aは、使用済みバッテリ510uと選択した充電済みバッテリ510cとを交換する処理、および使用済みバッテリ510uを充電する処理を実施する。処理部144Aにおける使用済みバッテリ510uと充電済みバッテリ510cとを交換する処理では、選択した充電済みバッテリ510cが収容されたバッテリスロット120の電動二輪車50の使用者(ユーザー)への通知を行う。そして、処理部144Aは、電動二輪車50の使用者(ユーザー)が、通知したバッテリスロット120に収容された充電済みバッテリ510cを取り出して、着脱式バッテリ510の交換が行われた後、貸し出し可能バッテリリストBを更新する。つまり、処理部144Aは、交換装置記憶部130Aに記憶している貸し出し可能バッテリリストBに含まれる、選択した充電済みバッテリ510cに関するバッテリ状態情報を削除する。また、処理部144Aにおける使用済みバッテリ510uを充電する処理では、使用済みバッテリ510uを充電すること表す指示を、充電制御部141Aに出力する。これにより、充電制御部141Aは、測定センサ142から出力された着脱式バッテリ510の測定値も考慮して充電器120Cを制御し、使用済みバッテリ510uの充電を実施する。
交換装置通信部150Aは、交換装置制御部140Aからの指示に応じて、運用サーバー200Aとの間でネットワークNWを介した無線通信を行い、バッテリ状態リストSを運用サーバー200Aに送信する。また、交換装置通信部150Aは、運用サーバー200Aから貸し出し可能バッテリリストBを取得する。そして、交換装置通信部150Aは、運用サーバー200Aから取得した貸し出し可能バッテリリストBを交換装置記憶部130Aに出力して記憶させる。
なお、貸し出し可能バッテリリストBは、交換装置通信部150Aがバッテリ状態リストSを運用サーバー200Aに送信した後、すぐに運用サーバー200Aから取得することができるとは限らない。これは、運用サーバー200Aが、バッテリ交換装置100Aから送信されてきたバッテリ状態リストSに基づいてバッテリ交換装置100Aにおいて貸し出し(交換)をすることができる着脱式バッテリ510およびその順番を決定し、その後に貸し出し可能バッテリリストBを作成するからである。このため、交換装置通信部150Aは、運用サーバー200Aから貸し出し可能バッテリリストBが送信されてきたときに、送信されてきた貸し出し可能バッテリリストBを受信し、交換装置記憶部130Aに出力して記憶させる、つまり、交換装置記憶部130Aに記憶している貸し出し可能バッテリリストBを更新してもよい。また、交換装置通信部150Aは、バッテリ状態リストSを運用サーバー200Aに送信した後、運用サーバー200Aに貸し出し可能バッテリリストBの更新がされているか否かを問い合わせ、運用サーバー200Aにおいて貸し出し可能バッテリリストBが更新されている場合に、更新された貸し出し可能バッテリリストBを取得して交換装置記憶部130Aに記憶させる(更新する)構成であってもよい。
なお、交換装置通信部150Aは、交換装置記憶部130Aに記憶している貸し出し可能バッテリリストBを更新したことを表す情報を交換装置制御部140A(より具体的には、処理部144A)に通知してもよい。しかし、処理部144Aは、交換装置記憶部130Aに事前に記憶されている貸し出し可能バッテリリストBに含まれるバッテリIDの順番に、交換する充電済みバッテリ510cを選択し、着脱式バッテリ510の交換が行われた後、貸し出し可能バッテリリストBに含まれる、選択した充電済みバッテリ510cに関するバッテリ状態情報を削除して貸し出し可能バッテリリストBを更新する。つまり、交換装置記憶部130Aに記憶されている貸し出し可能バッテリリストBは、バッテリ交換装置100Aにおいて交換することができる充電済みバッテリ510cに関するバッテリ状態情報のみが含まれている状態となっている。このため、交換装置記憶部130Aに記憶されている貸し出し可能バッテリリストBが更新されたか否かは、処理部144Aにおける貸し出し(交換)をする充電済みバッテリ510cの選択には影響しない。従って、交換装置通信部150Aは、必ずしも貸し出し可能バッテリリストBを更新したことを表す情報を処理部144Aに出力しなくてもよい。
(運用サーバー200Aの構成)
続いて、運用サーバー200Aの構成例について説明する。図12は、第2実施形態の共用バッテリ管理システム10Aを構成する運用サーバー200Aの概略構成を示したブロック図である。図12に示したように、運用サーバー200Aは、サーバー記憶部210Aと、サーバー制御部220Aと、サーバー通信部230Aとを備えている。また、サーバー制御部220Aは、リスト処理部222Aを備えている。
サーバー記憶部210Aは、運用サーバー200Aにおける種々の情報を記憶する。サーバー記憶部210Aは、少なくとも、ネットワークNWを介してバッテリ交換装置100Aから送信されてきたバッテリ状態リストSと、ネットワークNWを介してバッテリ交換装置100Aに送信する貸し出し可能バッテリリストBとを記憶する。サーバー記憶部210Aは、例えば、ROM、RAM、EEPROM、HDD、フラッシュメモリなどのメモリを含んで構成される。また、サーバー記憶部210Aは、サーバー制御部220Aが運用サーバー200Aの機能を実行するためのプログラムを記憶している。また、サーバー記憶部210Aは、バッテリ交換装置100Aに対して排他的に割り当てられたバッテリ交換装置IDの情報を記憶していてもよい。
サーバー制御部220Aは、運用サーバー200Aの全体を制御する。サーバー制御部220Aは、例えば、CPUなどのプロセッサを含んで構成される。サーバー制御部220Aは、サーバー記憶部210Aに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、運用サーバー200Aの機能を実現する。より具体的には、サーバー制御部220Aは、バッテリ交換装置100Aから送信されてきたバッテリ状態リストSに基づいて、バッテリ交換装置100Aにおいて貸し出し(交換)をすることができる着脱式バッテリ510およびその順番を決定する。なお、運用サーバー200Aでは、例えば、共用バッテリ管理システム10Aの管理者やバッテリ共同利用サービスの運用者などが、共用バッテリ管理システム10Aにおける着脱式バッテリ510に対する管理や運用の考え方や意向などに基づいて、バッテリ交換装置100Aが着脱式バッテリ510の交換の手続きを実施する際の論理(ロジック)を逐次変更してもよい。このとき、共用バッテリ管理システム10Aの管理者などは、運用サーバー200Aに接続された不図示の端末の不図示の表示装置(例えば、液晶ディスプレイなど)に表示された情報に基づいて、不図示の入力装置(例えば、キーボードやマウスなど)を操作することによって、バッテリ交換装置100Aにおいて貸し出し(交換)をすることができる着脱式バッテリ510およびその順番を決定するための規則(ルール)の設定を逐次変更してもよい。
そして、サーバー制御部220Aは、決定したバッテリ交換装置100Aにおいて貸し出し(交換)をすることができる着脱式バッテリ510およびその着脱式バッテリ510の貸し出しをする(交換する)順番などの情報が含まれた貸し出し可能バッテリリストBを作成し、作成した貸し出し可能バッテリリストBをサーバー記憶部210Aに出力して記憶させる。また、サーバー制御部220Aは、作成した貸し出し可能バッテリリストBをサーバー通信部230Aに出力することにより、ネットワークNWを介して、バッテリ状態リストSを送信してきたバッテリ交換装置100Aに貸し出し可能バッテリリストBを送信する。
リスト処理部222Aは、バッテリ状態リストSに基づいた貸し出し可能バッテリリストBの作成の処理をする。より具体的には、リスト処理部222Aは、バッテリ交換装置100Aから送信されてきたバッテリ状態リストSに含まれるバッテリ交換装置100Aが保管している着脱式バッテリ510のバッテリIDおよび充電回数と、充電している着脱式バッテリ510のバッテリID、充電回数、および充電率との情報に基づいて、バッテリ交換装置100Aにおいて貸し出し(交換)をすることができる着脱式バッテリ510およびその順番を決定する。さらに、リスト処理部222Aは、決定したバッテリ交換装置100Aにおいて貸し出し(交換)をすることができる着脱式バッテリ510およびその着脱式バッテリ510の貸し出しをする(交換する)順番などの情報が含まれた貸し出し可能バッテリリストBを作成する。そして、リスト処理部222Aは、作成した貸し出し可能バッテリリストBを、バッテリ交換装置100Aのバッテリ交換装置IDの情報と紐付けて、サーバー記憶部210Aに出力して記憶させる。また、リスト処理部222Aは、作成した貸し出し可能バッテリリストBをサーバー通信部230Aに出力すると共に、出力した貸し出し可能バッテリリストBを、バッテリ状態リストSを送信してきたバッテリ交換装置100Aに送信するための指示を、サーバー通信部230Aに出力する。これにより、サーバー通信部230Aは、ネットワークNWを介してバッテリ交換装置100Aとの間で通信を行って、サーバー制御部220Aが出力した貸し出し可能バッテリリストBを、バッテリ交換装置100Aに送信する。
サーバー通信部230Aは、バッテリ交換装置100Aに備えた交換装置通信部150Aとの間でネットワークNWを介した無線通信を行う。サーバー通信部230Aは、ネットワークNWを介してバッテリ交換装置100Aから送信されてきたバッテリ状態リストSを受信し、受信したバッテリ状態リストSをサーバー記憶部210Aに記憶させる。また、サーバー通信部230Aは、リスト処理部222Aからの指示に応じて、ネットワークNWを介して貸し出し可能バッテリリストBをバッテリ交換装置100Aに送信する。
なお、上述したように、貸し出し可能バッテリリストBは、バッテリ交換装置100Aから送信されてきたバッテリ状態リストSを受信した後すぐにバッテリ交換装置100Aに送信することができるとは限らない。この場合、バッテリ交換装置100Aからは、貸し出し可能バッテリリストBの更新がされているか否かの問い合わせが送信されてくる。サーバー通信部230Aは、貸し出し可能バッテリリストBの更新がされているか否かの問い合わせがバッテリ交換装置100Aから送信されてきた場合、リスト処理部222Aが作成してサーバー記憶部210Aに記憶された貸し出し可能バッテリリストBを、バッテリ交換装置100Aに送信する。このとき、サーバー通信部230Aは、問い合わせしてきたバッテリ交換装置100Aに対応する貸し出し可能バッテリリストB、つまり、問い合わせしてきたバッテリ交換装置100Aのバッテリ交換装置IDに紐付けられている貸し出し可能バッテリリストBをサーバー記憶部210Aから読み出して、ネットワークNWを介してバッテリ交換装置100Aに送信する。これにより、バッテリ交換装置100Aは、ネットワークNWを介して貸し出し可能バッテリリストBを取得し、取得した貸し出し可能バッテリリストBに基づいて、電動二輪車50の使用者(ユーザー)が持ち込んできた電力が消耗している使用済みバッテリ510uに代わる充電済みバッテリ510cを貸し出す(交換する)手続きを単独で実施することができる。
次に、第2実施形態の共用バッテリ管理システム10Aにおける処理の流れの一例について説明する。図13は、第2実施形態の共用バッテリ管理システム10Aを採用したバッテリ共同利用サービスにおいて貸し出す(交換する)ことができる着脱式バッテリ510の情報(貸し出し可能バッテリリストB)を取得する処理の流れを示したシーケンス図である。図13には、バッテリ共同利用サービスを提供する共用バッテリ管理システム10Aを構成するバッテリ交換装置100Aおよび運用サーバー200Aの処理の一例を、バッテリ交換装置100Aに保管している着脱式バッテリ510と関連付けて示している。また、図14は、第2実施形態の共用バッテリ管理システム10Aを採用したバッテリ共同利用サービスにおいて着脱式バッテリ510を貸し出す(交換する)処理の流れを示したシーケンス図である。図14には、バッテリ共同利用サービスを提供する共用バッテリ管理システム10Aを構成するバッテリ交換装置100Aの処理の一例を、交換をする対象の着脱式バッテリ510(使用済みバッテリ510u)および電動二輪車50の使用者(ユーザー)と関連付けて示している。
最初に、図13を用いて、バッテリ交換装置100Aがバッテリ状態リストSを運用サーバー200Aに送信し、運用サーバー200Aがバッテリ状態リストSに基づいて貸し出し可能バッテリリストBを作成してバッテリ交換装置100Aに送信する(バッテリ交換装置100Aが貸し出し可能バッテリリストBを取得する)処理について説明する。なお、以下の説明においては、バッテリ交換装置100Aが着脱式バッテリ510の交換の手続きを実施する際の論理(ロジック)、つまり、運用サーバー200Aがバッテリ交換装置100Aにおいて貸し出し(交換)をすることができる着脱式バッテリ510およびその順番を決定するための規則(ルール)は、例えば、共用バッテリ管理システム10Aの管理者などによってすでに運用サーバー200Aに設定されているものとして説明する。また、共用バッテリ管理システム10Aでは、例えば、共用バッテリ管理システム10Aの管理者などが運用サーバー200Aを操作することによって貸し出し可能バッテリリストBの作成をしてもよいが、以下の説明においては、説明を容易にするため、管理者などによる操作を省略し、運用サーバー200Aが貸し出し可能バッテリリストBの作成をするものとして説明する。
共用バッテリ管理システム10Aでは、まず、バッテリ交換装置100Aが、予め定めた時間間隔(例えば、5分間隔)で定期的に、保管および充電をしているそれぞれの着脱式バッテリ510からバッテリ状態情報を取得する(ステップS111)。このとき、バッテリ交換装置100Aでは、交換装置制御部140Aに備えた情報取得部143Aが、それぞれのバッテリ収容部120Hの接続部120Tおよび接続部515Aを介して、着脱式バッテリ510に備えたそれぞれの構成要素からそれぞれの情報を取得する。より具体的には、情報取得部143Aは、着脱式バッテリ510に備えた記憶部514Aから、バッテリID、充電回数、および劣化状態の情報を取得する。また、情報取得部143Aは、着脱式バッテリ510に備えた測定センサ512またはBMU513Aから、蓄電部511の状態を表す測定値の情報を取得する。なお、情報取得部143Aは、着脱式バッテリ510に備えたBMU513Aから、充電率の情報を取得してもよい。
その後、バッテリ交換装置100Aは、保管および充電をしているそれぞれの着脱式バッテリ510から取得したバッテリ状態情報を記録したバッテリ状態リストSを、運用サーバー200Aに送信する(ステップS112)。このとき、バッテリ交換装置100Aでは、交換装置制御部140Aに備えた処理部144Aが、バッテリ状態情報をバッテリ状態リストSとして送信するための指示を、交換装置通信部150Aに出力する。これにより、バッテリ交換装置100Aでは、交換装置通信部150Aが、バッテリ状態情報を含むバッテリ状態リストSを、ネットワークNWを介して運用サーバー200Aに送信する。なお、バッテリ交換装置100Aは、情報取得部143Aが着脱式バッテリ510から充電率の情報を取得している場合には、取得した充電率の情報をバッテリ状態情報における充電率の情報としたバッテリ状態リストSを、運用サーバー200Aに送信する。
バッテリ交換装置100Aからバッテリ状態リストSが送信されてくると、運用サーバー200Aは、送信されてきたバッテリ状態リストSに基づいて、バッテリ交換装置100Aにおいて貸し出し(交換)をすることができる着脱式バッテリ510およびその順番を決定する(ステップS213)。このとき、運用サーバー200Aでは、サーバー制御部220Aに備えたリスト処理部222Aが、バッテリ状態リストSに含まれるバッテリ交換装置100Aが保管しているそれぞれの着脱式バッテリ510のバッテリID、充電回数、および劣化状態と、バッテリ交換装置100Aにおいて充電しているそれぞれの着脱式バッテリ510のバッテリID、充電回数、劣化状態、および充電率との情報に基づいて、バッテリ交換装置100Aにおいて貸し出し(交換)をすることができる着脱式バッテリ510およびその順番を決定する。
その後、運用サーバー200Aは、貸し出し可能バッテリリストBを作成する(ステップS214)。このとき、運用サーバー200Aでは、リスト処理部222Aが、決定したバッテリ交換装置100Aにおいて貸し出し(交換)をすることができる着脱式バッテリ510およびその着脱式バッテリ510の貸し出しをする(交換する)順番などの情報が含まれた貸し出し可能バッテリリストBを作成する。
そして、運用サーバー200Aは、作成した貸し出し可能バッテリリストBをバッテリ交換装置100Aに送信する(ステップS215)。このとき、運用サーバー200Aでは、リスト処理部222Aが、バッテリ状態リストSを送信してきたバッテリ交換装置100A用に作成した貸し出し可能バッテリリストBを送信するための指示を、サーバー通信部230Aに出力する。これにより、運用サーバー200Aでは、サーバー通信部230Aが、リスト処理部222Aが作成した貸し出し可能バッテリリストBを、ネットワークNWを介してバッテリ交換装置100Aに送信する。なお、運用サーバー200Aは、バッテリ交換装置100Aから貸し出し可能バッテリリストBの更新がされているか否かの問い合わせが送信されてきた場合には、問い合わせしてきたバッテリ交換装置100Aに、対応する貸し出し可能バッテリリストBを送信する。
その後、運用サーバー200Aは、処理をステップS213に戻る。つまり、運用サーバー200Aは、バッテリ交換装置100Aから次のバッテリ状態リストSが送信されてくるまで、運用サーバー200Aにおける貸し出し可能バッテリリストBの作成の処理を待機する。そして、運用サーバー200Aは、バッテリ交換装置100Aから次のバッテリ状態リストSが送信されてくると、貸し出し可能バッテリリストBの作成の処理、つまり、バッテリ交換装置100Aにおいて貸し出し(交換)をすることができる着脱式バッテリ510およびその順番の決定、貸し出し可能バッテリリストBの作成およびバッテリ交換装置100Aへの送信の処理(ステップS213〜ステップS215)を繰り返す。
一方、バッテリ交換装置100Aは、運用サーバー200Aから送信されてきた貸し出し可能バッテリリストBを、交換装置記憶部130Aに記憶する(ステップS316)。このとき、バッテリ交換装置100Aでは、交換装置通信部150Aが、運用サーバー200Aから送信されてきた貸し出し可能バッテリリストBを交換装置記憶部130Aに出力して記憶させる。これにより、バッテリ交換装置100Aは、運用サーバー200Aから送信されてきた貸し出し可能バッテリリストBに基づいて、使用済みバッテリ510uと充電済みバッテリ510cとの交換の手続きを単独で実施することができる。
その後、バッテリ交換装置100Aは、予め定めた時間(例えば、5分)が経過したか否かを判定する(ステップS417)。ステップS417の判定の結果、予め定めた時間が経過していない場合(ステップS417の“NO”)、バッテリ交換装置100Aは、処理をステップS417の判定を繰り返す。つまり、バッテリ交換装置100Aは、予め定めた時間が経過するまで、それぞれの着脱式バッテリ510からのバッテリ状態情報の取得とバッテリ状態リストSの運用サーバー200Aへの送信を待機する。一方、ステップS417の判定の結果、予め定めた時間が経過している場合(ステップS417の“YES”)、バッテリ交換装置100Aは、ステップS111に戻って、再びそれぞれの着脱式バッテリ510からバッテリ状態情報を取得する。つまり、バッテリ交換装置100Aは、保管および充電をしているそれぞれの着脱式バッテリ510からバッテリ状態情報を取得してバッテリ状態リストSとして運用サーバー200Aに送信し、運用サーバー200Aから貸し出し可能バッテリリストBを取得する処理(ステップS111〜ステップS316)を繰り返す。これにより、バッテリ交換装置100Aでは、交換装置記憶部130Aに記憶している貸し出し可能バッテリリストBが、予め定めた時間間隔(例えば、5分間隔)で定期的に最新の状態に更新される。
このように、共用バッテリ管理システム10Aでは、バッテリ交換装置100Aと運用サーバー200Aとが、予め定めた時間間隔(例えば、5分間隔)で定期的に、ネットワークNWを介して通信を行って、バッテリ交換装置100Aにおいて貸し出し(交換)をすることができる着脱式バッテリ510およびその着脱式バッテリ510の貸し出しをする(交換する)順番の情報が含まれた貸し出し可能バッテリリストBを更新する。これにより、共用バッテリ管理システム10Aでは、バッテリ交換装置100Aが、着脱式バッテリ510に備えた蓄電部511における現在の蓄電の状態が反映された最新の貸し出し可能バッテリリストBに基づいて、電動二輪車50の使用者(ユーザー)が持ち込んできた電力が消耗している使用済みバッテリ510uと保管している充電済みバッテリ510cとの交換の手続きを単独で実施することができる。
続いて、図14を用いて、バッテリ交換装置100Aが着脱式バッテリ510を貸し出す(交換する)処理について説明する。なお、以下の説明においては、電動二輪車50の使用者(ユーザー)が持ち込んできた使用済みバッテリ510uと充電済みバッテリ510cとを交換するものとして説明する。また、以下の説明においては、図13に示した処理の流れで運用サーバー200Aから事前に取得した貸し出し可能バッテリリストBが、バッテリ交換装置100Aに備えた交換装置記憶部130Aに記憶されているものとして説明する。また、共用バッテリ管理システム10Aでは、電動二輪車50の使用者(ユーザー)が、例えば、バッテリ交換装置100Aに備えた不図示の入力手段を操作することによって着脱式バッテリ510の交換手続きを開始することが考えられるが、以下の説明においては、説明を容易にするため、電動二輪車50の使用者(ユーザー)によるバッテリ交換装置100Aの操作に関する詳細な説明は省略する。
電動二輪車50の使用者(ユーザー)が、電力が消耗した使用済みバッテリ510uを持ち込み、バッテリスロット120のバッテリ収容部120Hに収容する(ステップS510)。これにより、バッテリ交換装置100Aに備えたいずれかのバッテリスロット120のバッテリ収容部120H内の接続部120Tと、電動二輪車50の使用者(ユーザー)が収容した使用済みバッテリ510uの接続部515Aとが電気的に接続される。このとき、バッテリ交換装置100Aでは、交換装置制御部140Aが、バッテリ収容部120Hに収容された使用済みバッテリ510uの交換を電動二輪車50の使用者(ユーザー)から要求されたものとして、使用済みバッテリ510uと充電済みバッテリ510cとの交換の処理を開始する。
バッテリ交換装置100Aにおいて使用済みバッテリ510uと充電済みバッテリ510cとの交換の処理が開始されると、まず、貸し出し可能バッテリリストBに、貸し出し(交換)をすることができる着脱式バッテリ510の情報が記録されているか否かを判定する(ステップS611)。つまり、バッテリ交換装置100Aは、貸し出し(交換)をすることができる充電済みバッテリ510cをいずれかのバッテリスロット120に保管しているか否かを判定する。このとき、バッテリ交換装置100Aでは、交換装置制御部140Aに備えた処理部144Aが、交換装置記憶部130Aに記憶されている貸し出し可能バッテリリストBに、いずれかの着脱式バッテリ510に関する情報が含まれているか否かを確認する。
処理部144Aは、貸し出し可能バッテリリストBに着脱式バッテリ510の情報が記録されていない場合、ステップS611において、バッテリ収容部120Hに収容された使用済みバッテリ510uに代わる充電済みバッテリ510cを貸し出す(交換する)ことができないと判定する(ステップS611の“NO”)。この場合、処理部144Aは、使用済みバッテリ510uを交換することができない(交換不可である)ことを、電動二輪車50の使用者(ユーザー)に通知する(ステップS712)。なお、使用済みバッテリ510uを交換することができないことを電動二輪車50の使用者(ユーザー)に通知する方法としては、表示器110に交換不可であることを表すメッセージを表示する方法が考えられるが、本発明においては、電動二輪車50の使用者(ユーザー)に通知する方法として種々の方法が考えられる。
一方、処理部144Aは、貸し出し可能バッテリリストBに着脱式バッテリ510の情報が記録されている場合、ステップS611において、バッテリ収容部120Hに収容された使用済みバッテリ510uに代わる充電済みバッテリ510cを貸し出す(交換する)ことができると判定する(ステップS611の“YES”)。この場合、処理部144Aは、貸し出し可能バッテリリストBに記憶されている充電済みバッテリ510cの中から貸し出す(交換する)充電済みバッテリ510cを選択する(ステップS713)。なお、貸し出し可能バッテリリストB内に複数の充電済みバッテリ510cの情報が記録されている場合、処理部144Aにおける充電済みバッテリ510cの選択の処理では、順番が最も早い充電済みバッテリ510cを、貸し出す(交換する)充電済みバッテリ510cとして選択する。
そして、処理部144Aは、選択した充電済みバッテリ510c、つまり、貸し出す(交換する)充電済みバッテリ510cが収容されたバッテリスロット120の情報を、電動二輪車50の使用者(ユーザー)に通知する(ステップS714)。このとき、処理部144Aは、貸し出し可能バッテリリストBに記憶されている、選択した充電済みバッテリ510cの情報に基づいて、貸し出す(交換する)充電済みバッテリ510cが収容されたバッテリスロット120の情報を通知する。これにより、電動二輪車50の使用者(ユーザー)は、通知されたバッテリスロット120のバッテリ収容部120Hに収容された充電済みバッテリ510cを取り出す(ステップS810)。つまり、電動二輪車50の使用者(ユーザー)は、着脱式バッテリ510の交換を完了する。これにより、電動二輪車50の使用者(ユーザー)は、充電済みバッテリ510cを電動二輪車50に装着し、走行を継続することができる。
このとき、選択して通知したバッテリスロット120のバッテリ収容部120H内の接続部120Tと、収容している充電済みバッテリ510cの接続部515Aとの電気的な接続が切断される。これにより、バッテリ交換装置100Aでは、交換装置制御部140Aが、電動二輪車50の使用者(ユーザー)による使用済みバッテリ510uと充電済みバッテリ510cとの交換が終了したものとして、貸し出し可能バッテリリストBを更新する。より具体的には、処理部144Aが、貸し出し可能バッテリリストBから、選択した充電済みバッテリ510cに関するバッテリ状態情報を削除する。
その後、バッテリ交換装置100Aでは、電動二輪車50の使用者(ユーザー)によってバッテリスロット120に収容された使用済みバッテリ510uを充電する処理を開始する(ステップS915)。このとき、バッテリ交換装置100Aでは、処理部144Aが、使用済みバッテリ510uを充電すること表す指示を、交換装置制御部140Aに備えた情報取得部143Aに出力する。これにより、充電制御部141Aは、測定センサ142から出力された着脱式バッテリ510の測定値に基づいて充電器120Cを制御し、使用済みバッテリ510uを充電する。
なお、本発明においては、バッテリ交換装置100Aにおいて使用済みバッテリ510uの充電を開始するタイミングとして種々のタイミングが考えられる。例えば、複数の充電済みバッテリ510cを収容している場合、処理部144Aは、使用済みバッテリ510uの交換が終了した後すぐに充電を開始するように充電制御部141Aに指示を出してもよいし、充電済みバッテリ510cの数が予め定めた個数以下となったときに充電を開始するように充電制御部141Aに指示を出してもよい。
なお、本発明においては、使用済みバッテリ510uを充電する際の充電器120Cの制御方法として種々の方法が考えられる。
その後、バッテリ交換装置100Aは、電動二輪車50の使用者(ユーザー)からの使用済みバッテリ510uの交換の要求を受け付けられる状態で待機する。そして、バッテリ交換装置100Aは、電動二輪車50の使用者(ユーザー)が、電力が消耗した使用済みバッテリ510uを持ち込んで使用済みバッテリ510uの交換が要求されるごとに、使用済みバッテリ510uと充電済みバッテリ510cとを交換する処理および使用済みバッテリ510uを充電する処理(ステップS611〜ステップS915)を繰り返す。
なお、バッテリ交換装置100Aは、貸し出し可能バッテリリストBにバッテリ交換装置100Aにおいて貸し出し(交換)をすることができる着脱式バッテリ510の情報が記録されている分だけ、使用済みバッテリ510uと充電済みバッテリ510cとを交換する処理をすることができる。しかし、共用バッテリ管理システム10Aでは、バッテリ交換装置100Aと運用サーバー200Aとの間のネットワークNWを介した通信が途絶えなければ、上述したように、例えば、5分間隔など、予め定めた時間間隔ごとに新たな貸し出し可能バッテリリストBが作成されて、交換装置記憶部130Aに記憶している貸し出し可能バッテリリストが更新される。従って、バッテリ交換装置100Aは、電動二輪車50の使用者(ユーザー)が持ち込んできた使用済みバッテリ510uを充電して充電済みバッテリ510cとなった場合には、この充電済みバッテリ510cも、別の使用済みバッテリ510uに代わる充電済みバッテリ510cとして、貸し出し(交換)をすることができる。つまり、共用バッテリ管理システム10Aでは、バッテリ交換装置100Aと運用サーバー200Aとの間のネットワークNWを介した通信が正常に行われている間、着脱式バッテリ510の交換の手続きの実施を継続することができる。
さらに、共用バッテリ管理システム10Aでは、バッテリ交換装置100Aに貸し出し可能バッテリリストBを記憶しておくことにより、バッテリ交換装置100Aが、貸し出し可能バッテリリストBに基づいて、使用済みバッテリ510uと充電済みバッテリ510cとの交換の手続きを単独で実施することができる。このため、共用バッテリ管理システム10Aでは、例えば、バッテリ交換装置100Aと運用サーバー200Aとの間のネットワークNWを介した通信が途絶えたり、安定して通信を行うことができない状態であったりしても、貸し出し可能バッテリリストBに貸し出し(交換)をすることができる着脱式バッテリ510の情報が記録されている分は、使用済みバッテリ510uと充電済みバッテリ510cとを交換する処理をすることができる。つまり、共用バッテリ管理システム10Aでは、現在の貸し出し可能バッテリリストBに記録されている数の着脱式バッテリ510の交換が終了するまでの間は、共用バッテリ管理システム10Aと運用サーバー200Aとの間の通信の状態(通信環境)の悪化の影響による着脱式バッテリ510の交換の中止や中断を回避し、電動二輪車50の使用者(ユーザー)にバッテリ共同利用サービス(バッテリシェアサービス)を提供し続けることができる。これは、電動二輪車50の使用者(ユーザー)が電力の消耗している使用済みバッテリ510uを持ち込んでくるごとに運用サーバーとバッテリ交換装置との間でネットワークNWを介した通信を行って充電済みバッテリ510cを貸し出す(交換する)従来の共用バッテリ管理システムに対して、非常に有効であると考えられる。
(共用バッテリ管理システム10Aと従来の共用バッテリ管理システムとの動作の比較)
ここで、共用バッテリ管理システム10Aを採用したバッテリ共同利用サービスと、従来の共用バッテリ管理システムを採用したバッテリ共同利用サービスとの動作を比較する。図15は、第2実施形態の共用バッテリ管理システム10Aを採用したバッテリ共同利用サービスにおいて着脱式バッテリ510を貸し出す手続きの流れを模式的に示した図である。また、図16は、従来の共用バッテリ管理システムを採用したバッテリ共同利用サービスにおいて着脱式バッテリ510を貸し出す手続きの流れを模式的に示した図である。
上述したように、共用バッテリ管理システム10Aでは、バッテリ交換装置100Aが、ネットワークNWを介してバッテリ状態リストSを運用サーバー200Aに送信し、運用サーバー200Aが作成した貸し出し可能バッテリリストBを事前に取得する。そして、共用バッテリ管理システム10Aでは、バッテリ交換装置100Aが、取得した貸し出し可能バッテリリストBに含まれる、バッテリ交換装置100Aにおいて貸し出し(交換)をすることができる着脱式バッテリ510およびその順番の情報に従って、電動二輪車50の使用者(ユーザー)が持ち込んできた使用済みバッテリ510uと充電済みバッテリ510cとの交換の手続きを単独で実施する。図15の(a)には、共用バッテリ管理システム10Aが、バッテリ交換装置100Aと運用サーバー200Aとの間で、バッテリ状態リストSと貸し出し可能バッテリリストBとをネットワークNWを介してやり取りしている様子を模式的に示している。また、図15の(b)には、バッテリ交換装置100Aが、取得した貸し出し可能バッテリリストBに基づいて、電動二輪車50の使用者(ユーザー)Pが持ち込んできた使用済みバッテリ510uと充電済みバッテリ510cとを交換する様子を模式的に示している。
共用バッテリ管理システム10Aでは、使用済みバッテリ510uに代わって貸し出す(交換する)ことができる充電済みバッテリ510cを選択する際にバッテリ交換装置100Aが用いる貸し出し可能バッテリリストBは、選択のたびに運用サーバー200Aから取得するのではなく、例えば、5分間隔など、予め定めた定期的な時間間隔で事前に取得したものである。このため、共用バッテリ管理システム10Aでは、図15の(a)に示したように、バッテリ交換装置100Aが、保管および充電をしているそれぞれの着脱式バッテリ510のバッテリ状態情報をバッテリ状態リストSとして運用サーバー200Aに送信し、運用サーバー200Aが送信したバッテリ状態リストSに基づいて作成した貸し出し可能バッテリリストBを取得して記憶しておく。これにより、バッテリ交換装置100Aは、バッテリ交換装置100Aと運用サーバー200Aとの間のネットワークNWを介した無線通信の状態(通信環境)に影響されることなく、記憶している貸し出し可能バッテリリストBに基づいて、着脱式バッテリ510の交換の手続きを単独で実施することができる。つまり、バッテリ交換装置100Aは、図15の(b)に示したように、運用サーバー200Aとの間のネットワークNWを介した無線通信が途絶えていたり、安定して無線通信を行うことができない状態であったりしても、電動二輪車50の使用者(ユーザー)Pが持ち込んできた使用済みバッテリ510uと充電済みバッテリ510cとの交換の手続きを、すぐに中止したり中断したりする必要はない。そして、バッテリ交換装置100Aは、貸し出し可能バッテリリストBに記録されている着脱式バッテリ510の数の分は、単独で着脱式バッテリ510の交換の手続きを継続して行うことができる。このため、共用バッテリ管理システム10Aを採用したバッテリ共同利用サービスでは、電動二輪車50の使用者(ユーザー)Pが使用済みバッテリ510uの交換を行いたいときに、充電済みバッテリ510cと交換をすることができる。これは、電動二輪車50の使用者(ユーザー)Pが、着脱式バッテリ510が電力を消耗して電動二輪車50による走行が困難になることが予想されるタイミングでバッテリ共同利用サービスを利用することを考慮すると、共用バッテリ管理システム10Aは、バッテリ共同利用サービス(バッテリシェアサービス)の提供の維持に非常に有効であると考えられる。
しかも、共用バッテリ管理システム10Aでは、共用バッテリ管理システム10Aと運用サーバー200Aとの間の無線通信の状態(通信環境)の悪化している状況でバッテリ交換装置100Aが交換する着脱式バッテリ510の数は、貸し出し可能バッテリリストBに記録されている着脱式バッテリ510の数の分だけである。このため、共用バッテリ管理システム10Aにおいて、例えば、運用サーバー200Aが、どの着脱式バッテリ510がいずれの電動二輪車50の使用者(ユーザー)Pに貸し出されているかを管理することを考慮すると、必要以上に着脱式バッテリ510の交換が行われないため、無線通信の状態(通信環境)が復旧した後に、管理情報の回復が困難になってしまうという事態も回避することができると考えられる。
これに対して、従来の共用バッテリ管理システムでは、電動二輪車50の使用者(ユーザー)Pが使用済みバッテリ510uを持ち込んでくるごとに、バッテリ交換装置100Aに相当するバッテリ供給装置と、運用サーバー200Aに相当するシステム管理装置との間で、ネットワークNWを介した通信が行われる。図16の(a)には、従来の共用バッテリ管理システムにおけるネットワークNWを介したバッテリ供給装置であるバッテリ交換装置800とシステム管理装置900とにおける処理の様子を模式的に示している。より具体的には、従来の共用バッテリ管理システムでは、図16の(a)に示したように、使用済みバッテリ510uと充電済みバッテリ510cとを交換するタイミングで、バッテリ交換装置800が、ネットワークNWを介して接続されたシステム管理装置900に、使用済みバッテリ510uの情報を送信する。そして、従来の共用バッテリ管理システムでは、図16の(a)に示したように、システム管理装置900が、バッテリ交換装置800から送信されてきた使用済みバッテリ510uの情報に基づいて、使用済みバッテリ510uの代わりにバッテリ交換装置800において貸し出す(交換する)充電済みバッテリ510cを選定し、選定した結果を、ネットワークNWを介してバッテリ交換装置800に送信する。そして、従来の共用バッテリ管理システムでは、バッテリ交換装置800が、システム管理装置900から送信されてきた選定結果に応じて、使用済みバッテリ510uと充電済みバッテリ510cとの交換の手続きを行う。
このため、従来の共用バッテリ管理システムでは、図16の(b)に示したように、電動二輪車50の使用者(ユーザー)Pが使用済みバッテリ510uを持ち込んできたタイミングが、バッテリ交換装置800とシステム管理装置900との間のネットワークNWを介した無線通信が途絶えていたり、安定して無線通信を行うことができない状態であったりすると、使用済みバッテリ510uと充電済みバッテリ510cとの交換の手続きを行うことができない。つまり、従来の共用バッテリ管理システムでは、バッテリ交換装置800とシステム管理装置900との間のネットワークNWを介した無線通信の状態(通信環境)に影響されて、電動二輪車50の使用者(ユーザー)Pが持ち込んできた使用済みバッテリ510uと充電済みバッテリ510cとの交換の手続きを中止したり中断したりせざるを得なくなる。この場合、電動二輪車50の使用者(ユーザー)Pは、バッテリ交換装置800とシステム管理装置900との間のネットワークNWを介した無線通信が復旧するまで待たされることになってしまう。これは、電動二輪車50の使用者(ユーザー)Pが、着脱式バッテリ510が電力を消耗して電動二輪車50による走行が困難になることが予想されるタイミングで現在のバッテリ交換装置800のところに出向いてきていることを考慮すると、別のバッテリ交換装置800のところに出向くことも困難であると考えられるからである。このため、電動二輪車50の使用者(ユーザー)Pが、着脱式バッテリ510が電力を消耗して電動二輪車50による走行が困難になった場合に、着脱式バッテリ510の充電に要する時間を短縮することを目的としてバッテリ共同利用サービスを利用することを考慮すると、従来の共用バッテリ管理システムは、バッテリ共同利用サービス(バッテリシェアサービス)の提供を維持するために非常に不利であると考えられる。
ここで、例えば、バッテリ交換装置800にソフトウェアとして組み込まれたバッテリ貸出処理手段が、システム管理装置900による選定結果を用いずに、使用済みバッテリ510uと充電済みバッテリ510cとの交換の手続きを行う場合を考える。より具体的には、バッテリ交換装置800が、ソフトウェアとして組み込まれたバッテリ貸出処理手段の処理に従って、バッテリ交換装置800に保管している満充電の充電済みバッテリ510cを使用済みバッテリ510uと交換する手続きを行う場合を考える。この場合、従来の共用バッテリ管理システムでも、バッテリ交換装置800とシステム管理装置900との間のネットワークNWを介した無線通信の状態(通信環境)が悪化している状況で、使用済みバッテリ510uと充電済みバッテリ510cとの交換の手続きを行うことができる。しかしながら、例えば、バッテリ交換装置800とシステム管理装置900との間のネットワークNWを介した無線通信の状態(通信環境)が悪化している状況が長く続いた場合、従来の共用バッテリ管理システムでは、バッテリ交換装置800が、満充電の充電済みバッテリ510cを際限なく交換してしまうことになる。これは、従来の共用バッテリ管理システムにおいて、例えば、システム管理装置900が、どの着脱式バッテリ510がいずれの電動二輪車50の使用者(ユーザー)Pに貸し出されているかを管理することを考慮すると、無線通信の状態(通信環境)が復旧した後に、管理情報の回復が困難になってしまうという事態を引き起こす要因となってしまうと考えられる。例えば、無線通信の状態(通信環境)が悪化している状況が長く続いた場合、貸し出した充電済みバッテリ510cの電力が消耗するとさらに交換されることになり、充電が完了するとさらに別の電動二輪車50の使用者(ユーザー)Pに貸し出されることも考えられるからである。そして、この着脱式バッテリ510を貸し出すバッテリ交換装置800は、最初に貸し出したバッテリ交換装置800と同じであるとは限らないからである。この場合、従来の共用バッテリ管理システムでは、システム管理装置900が、無線通信の状態(通信環境)が復旧するまでの間に、着脱式バッテリ510の交換がどれくらい行われたのかを時系列で遡って管理情報を回復することが必要となり、管理情報の回復が非常に困難になってしまうと考えられる。
この点、共用バッテリ管理システム10Aでは、共用バッテリ管理システム10Aと運用サーバー200Aとの間の無線通信の状態(通信環境)が悪化している状況が長く続いた場合でも、バッテリ交換装置100Aが交換する着脱式バッテリ510の数は、貸し出し可能バッテリリストBに記録されている着脱式バッテリ510の数に制限される。つまり、共用バッテリ管理システム10Aでは、共用バッテリ管理システム10Aと運用サーバー200Aとの間の無線通信の状態(通信環境)が悪化している状況では、バッテリ交換装置100Aによる着脱式バッテリ510の貸し出し(交換)を、有限回に制限することができる。言い換えれば、共用バッテリ管理システム10Aでは、共用バッテリ管理システム10Aと運用サーバー200Aとの間の無線通信の状態(通信環境)が悪化している状況において、有限回の着脱式バッテリ510の貸し出し(交換)を許容し、際限なく着脱式バッテリ510の貸し出し(交換)が行われてしまうのを回避することができる。このことにより、共用バッテリ管理システム10Aでは、運用サーバー200Aが管理情報を回復させるために時系列で遡る時間が短くなり、従来の共用バッテリ管理システムよりも容易に管理情報を回復させることができる。
上記に述べたとおり、第2実施形態によれば、共用バッテリ管理システム10Aは、複数の場所に設置され、1つ以上の着脱式バッテリ510の保管および充電を行うバッテリ交換装置100Aと、バッテリ交換装置100Aにおいて交換することができる着脱式バッテリ510を管理する運用サーバー200Aとによって構成される。そして、第2実施形態では、バッテリ交換装置100Aが、例えば、5分間隔など、予め定めた時間間隔で定期的に、保管および充電をしている着脱式バッテリ510に関するバッテリ状態情報をバッテリ状態リストSとして、ネットワークNWを介して運用サーバー200Aに送信する。また、第2実施形態では、バッテリ交換装置100Aが、送信したバッテリ状態リストSに基づいて運用サーバー200Aが作成した、貸し出しをする(交換する)ことができる着脱式バッテリ510と貸し出しをする(交換する)順番が記録された貸し出し可能バッテリリストBを、ネットワークNWを介して取得して記憶する。そして、第2実施形態では、バッテリ交換装置100Aが、記憶している貸し出し可能バッテリリストBに基づいて、電動二輪車50の使用者(ユーザー)が交換を希望する使用済みバッテリ510uと保管している着脱式バッテリ510との交換の手続きを実施する。
ここで、第2実施形態では、運用サーバー200Aが、バッテリ交換装置100Aから送信されてきたバッテリ状態リストSに基づいて、バッテリ交換装置100Aにおいて貸し出し(交換)をすることができる着脱式バッテリ510およびその着脱式バッテリ510の貸し出しをする(交換する)順番を決定して、貸し出し可能バッテリリストBを作成する。このとき、第2実施形態では、運用サーバー200Aが、予め設定された規則(ルール)に従った着脱式バッテリ510の交換の手続きを実施する際の論理(ロジック)に基づいて、バッテリ交換装置100Aにおいて貸し出し(交換)をすることができる着脱式バッテリ510およびその順番を決定し、貸し出し可能バッテリリストBを作成する。これにより、第2実施形態では、バッテリ交換装置100Aにおいて貸し出し(交換)をすることができる着脱式バッテリ510およびその順番を運用サーバー200Aが決定するための規則(ルール)を運用サーバー200Aに設定するのみで、バッテリ交換装置100Aが貸し出し(交換)をする着脱式バッテリ510およびその順番、つまり、着脱式バッテリ510の貸し出し方法を、容易に変更することができる。このことにより、第2実施形態では、従来の共用バッテリ管理システムのように、バッテリ供給装置に組み込まれたソフトウェアそのものを変更することなく、任意のタイミングのときに、バッテリ交換装置100Aが着脱式バッテリ510の交換の手続きを実施する際の論理(ロジック)を任意に変更することができる。言い換えれば、第2実施形態では、運用サーバー200Aが作成した貸し出し可能バッテリリストBによって、バッテリ交換装置100Aが貸し出し(交換)をする着脱式バッテリ510およびその順番を管理することができる。なお、第2実施形態では、バッテリ交換装置100Aが着脱式バッテリ510の交換の手続きを実施する際の論理(ロジック)を運用サーバー200Aに設定しても同様に、バッテリ交換装置100Aが貸し出し(交換)をする着脱式バッテリ510およびその順番、つまり、着脱式バッテリ510の貸し出し方法を、容易に変更することができる。しかも、第2実施形態では、運用サーバー200Aが、それぞれのバッテリ交換装置100Aごとに、保管および充電をしているそれぞれの着脱式バッテリ510における現在の蓄電の状態が反映された貸し出し可能バッテリリストBを作成する。このため、第2実施形態では、共用バッテリ管理システム10Aを構成するバッテリ交換装置100Aごとに、異なる規則(ルール)を運用サーバー200Aに設定することによって、バッテリ交換装置100Aが着脱式バッテリ510の交換の手続きを実施する際の論理(ロジック)を異ならせることができる。このようなことから、第2実施形態では、共用バッテリ管理システム10Aの管理者や共用バッテリ管理システム10Aを採用したバッテリ共同利用サービスの運用者における着脱式バッテリ510の管理や運用をする際の考え方や意向などに基づいて、着脱式バッテリ510の貸し出し方法を、容易に変更することができる。
しかも、第2実施形態では、バッテリ交換装置100Aが、記憶している貸し出し可能バッテリリストBに基づいて、電動二輪車50の使用者(ユーザー)が交換を希望する使用済みバッテリ510uと保管している着脱式バッテリ510との交換の手続きを単独で実施することができる。このため、第2実施形態では、バッテリ交換装置100Aが、バッテリ交換装置100Aと運用サーバー200Aとの間のネットワークNWを介した通信の状態(通信環境)が悪化した場合でも、貸し出し可能バッテリリストBに記録されている全ての着脱式バッテリ510の貸し出し(交換)が終わるまでの間は、着脱式バッテリ510の交換の手続きの実施を継続することができる。このことにより、第2実施形態では、バッテリ交換装置100Aが貸し出し可能バッテリリストBに記録されている数分の着脱式バッテリ510の貸し出し(交換)を終わるまでの間は、通信の状態(通信環境)の悪化に影響されて着脱式バッテリ510の交換の手続きを中止したり中断したりすることなく、電動二輪車50の使用者(ユーザー)に、バッテリ共同利用サービス(バッテリシェアサービス)を提供し続けることができる。
これらのことにより、第2実施形態では、提供するバッテリ共同利用サービス(バッテリシェアサービス)の柔軟性を向上させることができる。
なお、第2実施形態では、共用バッテリ管理システム10Aを構成するバッテリ交換装置100Aと運用サーバー200Aとが、無線通信の通信網であるネットワークNWを介して通信を行う場合の例を説明した。しかしながら、共用バッテリ管理システム10Aにおけるバッテリ交換装置100Aと運用サーバー200Aとの間の通信は、無線通信に限定されるものではなく、共用バッテリ管理システム10Aにおけるバッテリ交換装置100Aと運用サーバー200Aとの間の通信が有線通信、つまり、ネットワークNWが有線通信の通信網であってもよい。なお、共用バッテリ管理システム10Aにおけるバッテリ交換装置100Aと運用サーバー200Aとの間の通信が有線通信である場合でも、例えば、運用サーバー200Aの保守(メンテナンス)を行っているときなどには、有線通信が途絶えていたり、安定して有線通信を行うことができない状態であったりすることも考えられる。しかし、共用バッテリ管理システム10Aでは、バッテリ交換装置100Aと運用サーバー200Aとの間の通信が有線通信である場合であっても、ネットワークNWを有線通信に置き換えることによって、同様に考えることができ、同様の効果を得ることができる。従って、バッテリ交換装置100Aと運用サーバー200Aとの間の通信が有線通信である場合の共用バッテリ管理システム10Aにおける着脱式バッテリ510の交換の手続きに関する詳細な説明は省略する。
また、第2実施形態では、電動二輪車50の使用者(ユーザー)が持ち込んでバッテリ交換装置100Aにおいて交換する使用済みバッテリ510uが1つである場合の例を説明した。しかしながら、電動二輪車50が走行するために装着される着脱式バッテリ510の数は、1つであるとは限らない。つまり、電動二輪車50は、複数の着脱式バッテリ510から供給される電力によって走行する電動車両であることも考えられる。しかし、電動二輪車50が複数の着脱式バッテリ510を装着して走行する電動車両であっても、着脱式バッテリ510の交換の手続きは、同様に考えることができる。例えば、電動二輪車50が2つの着脱式バッテリ510から供給される電力によって走行する電動車両である場合、電動二輪車50の使用者(ユーザー)は、図14に示したステップS510とステップS810との動作を、それぞれの着脱式バッテリ510に対して行う、つまり、2回行うことになるが、その動作は、同じ動作の繰り返しである。従って、複数の着脱式バッテリ510から供給される電力によって走行する電動車両における着脱式バッテリ510の交換の手続きに関する詳細な説明は省略する。
上述した実施形態では、バッテリ共同利用サービスを利用するユーザーが使用する電力装置である電動車両が、鞍乗り型の電動車両である電動二輪車50である場合について説明した。しかし、バッテリ共同利用サービスを利用するユーザーが使用する電力装置は、上述した実施形態において示したような鞍乗り型の電動車両に限定されるものではない。例えば、上述した実施形態における電力装置としては、二輪の車両のみならず、三輪(前一輪かつ後二輪の他に、前二輪かつ後一輪の車両も含む)の車両や、四輪の車両、さらには、アシスト式の自転車など、着脱式バッテリから供給される電力によって駆動される電動モータによって走行する車両型の移動体の全般が含まれる。これら車両型の移動体に代えて、「電力装置」は、日本国特開2019−068552号公報に記載の、人や車両によって運ばれる可搬型の充電給電装置であってもよい。また「電力装置」は、移動ロボット、自律走行装置、電動自転車、自律走行車、その他の電動車両、ドローン飛行体、又はその他の電動式移動装置(電動モビリティ)であってもよい。
なお、本発明における蓄電装置管理システム(例えば、共用バッテリ管理システム10)の構成要素である、保管装置(例えば、バッテリ交換装置100)またはサーバー(例えば、運用サーバー200)による機能や処理を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、蓄電装置管理システムにおける上述した種々の機能や処理を実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器などのハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリなどの書き込み可能な不揮発性メモリ、CD−ROMなどの可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスクなどの記憶装置のことをいう。
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネットなどのネットワークや電話回線などの通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバーやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置などに格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネットなどのネットワーク(通信網)や電話回線などの通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形および置換を加えることができる。
上記説明した実施形態は、以下のように表現することができる。
(1)実施形態の一態様は、電動車両(例えば、電動二輪車50)に着脱自在に装着され、複数の前記電動車両で共同利用される着脱式バッテリ(例えば、着脱式バッテリ510)の交換を管理する共用バッテリ管理システム(例えば、共用バッテリ管理システム10)であって、前記着脱式バッテリを収容する複数のバッテリスロット(例えば、バッテリスロット120)が設けられ、1つ以上の前記着脱式バッテリの保管および充電を行うバッテリ交換装置(例えば、バッテリ交換装置100)と、前記バッテリ交換装置において交換することができる複数の前記着脱式バッテリの識別情報(例えば、バッテリID)を記録した提供可能バッテリリスト(例えば、提供可能バッテリリストL)を管理する運用サーバー(例えば、運用サーバー200)と、を備え、前記バッテリ交換装置は、予め定めた時間間隔(例えば、3時間ごとや1日ごとなど)で、通信ネットワーク(例えば、ネットワークNW)を介して前記提供可能バッテリリストを取得して記憶しておき、当該記憶しておいた前記提供可能バッテリリストに含まれる前記識別情報に基づいて、前記電動車両において使用されて電力が消耗した前記着脱式バッテリである使用済みバッテリ(例えば、使用済みバッテリ510u)と、充電が完了して保管している前記着脱式バッテリである充電済みバッテリ(例えば、充電済みバッテリ510c)との交換の手続きを実施する共用バッテリ管理システムである。
(2)の態様は、(1)の態様の共用バッテリ管理システムにおいて、前記バッテリ交換装置は、予め定めた時間間隔で、前記通信ネットワークを介して前記提供可能バッテリリストの更新の有無を前記運用サーバーに問い合わせ、前記提供可能バッテリリストが更新されている場合にのみ、前記通信ネットワークを介して前記提供可能バッテリリストを取得して記憶しておく。
(3)の態様は、(2)の態様の共用バッテリ管理システムにおいて、前記バッテリ交換装置は、取得した前記提供可能バッテリリストを記憶する交換装置記憶部(例えば、交換装置記憶部130)と、いずれかの前記バッテリスロットに前記使用済みバッテリが収容されたときに当該使用済みバッテリの前記識別情報を取得し、取得した前記識別情報と、前記交換装置記憶部に記憶した前記提供可能バッテリリストに含まれる前記識別情報とを照合して、前記使用済みバッテリが交換することができる前記着脱式バッテリであるか否かを判定する交換装置制御部(例えば、交換装置制御部140)と、を備える。
(4)の態様は、(3)の態様の共用バッテリ管理システムにおいて、前記交換装置制御部は、前記提供可能バッテリリストに、取得した前記識別情報が含まれていない場合、前記バッテリスロットに収容された前記使用済みバッテリは交換することができない前記着脱式バッテリであると判定して、交換することができないことを(例えば、表示器110によって)通知し、前記提供可能バッテリリストに、取得した前記識別情報が含まれている場合、前記バッテリスロットに収容された前記使用済みバッテリは交換することができる前記着脱式バッテリであると判定し、充電が完了して異なる前記バッテリスロットに保管している前記充電済みバッテリの中から交換する前記充電済みバッテリを選定して、選定した前記充電済みバッテリが収容された前記バッテリスロットを(例えば、表示器110によって)通知する。
(5)の態様は、(4)の態様の共用バッテリ管理システムにおいて、前記交換装置制御部は、選定した前記充電済みバッテリが、収容されている前記バッテリスロットから取り出された後に、前記使用済みバッテリの充電を開始する。
(6)の態様は、(5)の態様の共用バッテリ管理システムにおいて、前記交換装置制御部は、前記使用済みバッテリを充電する充電器を制御する充電制御部(例えば、充電制御部141)、をさらに備える。
(7)実施形態の他の態様は、電動車両(例えば、電動二輪車50)に着脱自在に装着され、複数の前記電動車両で共同利用される着脱式バッテリ(例えば、着脱式バッテリ510)の貸し出しを管理する共用バッテリ管理システム(例えば、共用バッテリ管理システム10A)であって、前記着脱式バッテリを収容する複数のバッテリスロット(例えば、バッテリスロット120)が設けられ、1つ以上の前記着脱式バッテリの保管および充電を行うバッテリ交換装置(例えば、バッテリ交換装置100A)と、前記バッテリ交換装置において貸し出すことができる複数の前記着脱式バッテリおよび当該着脱式バッテリを貸し出す順番を記録した貸し出し可能バッテリリスト(例えば、貸し出し可能バッテリリストB)を作成する運用サーバー(例えば、運用サーバー200A)と、を備え、前記バッテリ交換装置は、予め定めた時間間隔(例えば、5分間隔)で定期的に、通信ネットワーク(例えば、ネットワークNW)を介して前記貸し出し可能バッテリリストを取得して記憶しておき、当該記憶しておいた前記貸し出し可能バッテリリストが表す前記着脱式バッテリを貸し出す順番に従って、前記電動車両において使用されて電力が消耗した前記着脱式バッテリである使用済みバッテリ(例えば、使用済みバッテリ510u)と、前記貸し出し可能バッテリリストに含まれる貸し出すことができる前記着脱式バッテリである充電済みバッテリ(例えば、充電済みバッテリ510c)との交換の手続きを実施する共用バッテリ管理システムである。
(8)の態様は、(7)の態様の共用バッテリ管理システムにおいて、前記バッテリ交換装置は、前記使用済みバッテリと前記貸し出し可能バッテリリストに含まれる前記充電済みバッテリとの交換が終了した後に、当該交換がされた前記充電済みバッテリの情報を前記貸し出し可能バッテリリストから削除する。
(9)の態様は、(7)の態様または(8)の態様の共用バッテリ管理システムにおいて、前記バッテリ交換装置は、予め定めた時間間隔で定期的に、保管している前記着脱式バッテリの状態を記録したバッテリ状態リスト(例えば、バッテリ状態リストS)を、前記通信ネットワークを介して前記運用サーバーに送信し、前記運用サーバーは、送信されてきた前記バッテリ状態リストに含まれるそれぞれの前記着脱式バッテリの状態を表す情報に基づいて、前記バッテリ交換装置において貸し出すことができる前記着脱式バッテリおよび当該着脱式バッテリを貸し出す順番を決定し、前記貸し出し可能バッテリリストを作成する。
(10)の態様は、(9)の態様の共用バッテリ管理システムにおいて、前記運用サーバーは、前記バッテリ交換装置に対応して予め設定された、貸し出すことができる前記着脱式バッテリおよび当該着脱式バッテリを貸し出す順番を決定するための規則(ルール)に従った論理(ロジック)で、前記バッテリ交換装置において貸し出すことができる前記着脱式バッテリおよび当該着脱式バッテリを貸し出す順番を決定する。
(11)の態様は、(9)の態様の共用バッテリ管理システムにおいて、前記バッテリ交換装置は、保管している前記着脱式バッテリの状態を表すバッテリ状態情報を取得すると共に、いずれかの前記バッテリスロットに前記使用済みバッテリが収容されたときに当該使用済みバッテリに代わる前記充電済みバッテリを前記貸し出し可能バッテリリストが表す順番に選択し、前記使用済みバッテリと選択した前記充電済みバッテリとの交換が終了した後に、選択した前記充電済みバッテリの情報を削除して前記貸し出し可能バッテリリストを更新する交換装置制御部(例えば、交換装置制御部140A)と、前記バッテリ状態情報を前記バッテリ状態リストとして前記運用サーバーに送信し、前記運用サーバーから前記貸し出し可能バッテリリストを取得する交換装置通信部(例えば、交換装置通信部150A)と、取得した前記貸し出し可能バッテリリストを記憶する交換装置記憶部(例えば、交換装置記憶部130A)と、を備える。
(12)の態様は、(11)の態様の共用バッテリ管理システムにおいて、前記交換装置制御部は、選択した前記充電済みバッテリが、収容されている前記バッテリスロットから取り出された後に、前記使用済みバッテリの充電を開始する。
(13)の態様は、(12)の態様の共用バッテリ管理システムにおいて、前記交換装置制御部は、前記使用済みバッテリを充電する充電器を制御する充電制御部(例えば、充電制御部141A)、をさらに備える。
(14)の態様は、(9)の態様から(13)の態様のいずれか一態様の共用バッテリ管理システムにおいて、前記バッテリ状態リストは、少なくとも、保管しているそれぞれの前記着脱式バッテリの識別情報(例えば、バッテリID)と、充電回数の情報と、劣化状態の情報と、充電率の情報とが記録されている。
上記表現した(1)から(3)の態様によれば、バッテリ交換装置が、共同利用される着脱式バッテリの識別情報が記載された提供可能バッテリリストを、通信ネットワークを介して事前に運用サーバーから取得して記憶しておく。そして、バッテリ交換装置は、交換が希望されている着脱式バッテリである使用済みバッテリの識別情報と、記憶しておいた提供可能バッテリリストに含まれる識別情報とを照合することにより、使用済みバッテリが交換することができる着脱式バッテリであるか否かを判定する。これにより、共用バッテリ管理システムでは、バッテリ交換装置と運用サーバーとの間の通信ネットワークが利用できない状況であっても、バッテリ交換装置が単独で、着脱式バッテリの交換の手続きを行うことができる。このことにより、共用バッテリ管理システムは、バッテリ交換装置と運用サーバーとの間の通信環境に影響されることなく、バッテリ共同利用サービスの提供を継続することができる。
また、上記表現した(4)の態様によれば、バッテリ交換装置に備えた交換装置制御部が、使用済みバッテリが交換することができる着脱式バッテリであるか否かを判定した結果を通知する。これにより、共用バッテリ管理システムでは、バッテリ共同利用サービスを受けるユーザーに、使用済みバッテリが共同利用される着脱式バッテリであるか否かを知らせることができる。そして、共用バッテリ管理システムでは、共同利用されない着脱式バッテリが紛れ込んでしまうのを防止することができる。
また、上記表現した(5)および(6)の態様によれば、バッテリ交換装置において、充電が完了して保管している充電済みバッテリがバッテリスロットから取り出された後、つまり、着脱式バッテリの交換が完了した後に、使用済みバッテリの充電を開始する。これにより、共用バッテリ管理システムでは、使用済みバッテリの充電を、任意のタイミングから開始することができる。
上記表現した(7)の態様によれば、バッテリ交換装置が、貸し出し(交換)をすることができる着脱式バッテリおよびその着脱式バッテリの貸し出しをする(交換する)順番が記録された貸し出し可能バッテリリストを、通信ネットワークを介して事前に運用サーバーから取得して記憶しておく。そして、バッテリ交換装置は、交換が希望されている着脱式バッテリである使用済みバッテリに代わる着脱式バッテリを、貸し出し可能バッテリリストが表す順番に従って選択して交換の手続きを行う。これにより、共用バッテリ管理システムでは、バッテリ交換装置と運用サーバーとの間の通信ネットワークが利用できない状況であっても、バッテリ交換装置が単独で、着脱式バッテリの交換の手続きを行うことができる。このことにより、共用バッテリ管理システムは、バッテリ交換装置と運用サーバーとの間の通信環境に影響されることなく、バッテリ共同利用サービスの提供を継続することができる。
また、上記表現した(8)の態様によれば、バッテリ交換装置は、交換の手続きが終了した後に、貸し出しをした(交換した)着脱式バッテリの情報を、貸し出し可能バッテリリストから削除する。これにより、共用バッテリ管理システムでは、バッテリ交換装置が、貸し出し可能バッテリリストに含まれている着脱式バッテリの数の分だけ着脱式バッテリの貸し出し(交換)を行うことができる。ところで、バッテリ交換装置は、運用サーバーとの間の通信ネットワークが利用できない状況が長く続いた場合には、新たな貸し出し可能バッテリリストを取得することができなくなる。しかし、バッテリ交換装置は、貸し出し可能バッテリリストに含まれている着脱式バッテリの数の分だけ、つまり、貸し出し可能バッテリリストに着脱式バッテリが記録されている間は、着脱式バッテリの貸し出し(交換)を行うことができる。これにより、共用バッテリ管理システムでは、バッテリ交換装置と運用サーバーとの間の通信ネットワークが利用できない状況では、即時停止とはならず、バッテリ交換装置による有限回の着脱式バッテリの貸し出し(交換)を許容することができる。言い換えれば、共用バッテリ管理システムでは、バッテリ交換装置が、際限なく着脱式バッテリの貸し出し(交換)を行ってしまうのを回避することができる。
また、上記表現した(9)の態様によれば、バッテリ交換装置が、予め定めた時間間隔で定期的に、保管している着脱式バッテリの状態を記録したバッテリ状態リストを運用サーバーに送信する。そして、運用サーバーは、バッテリ状態リストに含まれるそれぞれの着脱式バッテリの情報に基づいて、バッテリ交換装置において貸し出す(交換する)ことができる着脱式バッテリおよびその順番を決定し、貸し出し可能バッテリリストを作成する。これにより、共用バッテリ管理システムでは、バッテリ交換装置が運用サーバーから取得する貸し出し可能バッテリリストが、それぞれの着脱式バッテリの現在の状態が反映された最新の状態に更新される。言い換えれば、共用バッテリ管理システムでは、運用サーバーが貸し出し可能バッテリリストを作成することによって、バッテリ交換装置が貸し出す(交換する)着脱式バッテリを管理することができる。
また、上記表現した(10)の態様によれば、運用サーバーは、予め設定された、バッテリ交換装置において貸し出し(交換)をすることができる着脱式バッテリおよびその順番を決定するための規則(ルール)に従った交換の手続きを行う際の論理(ロジック)で、バッテリ交換装置において貸し出す(交換する)ことができる着脱式バッテリおよびその順番を決定する。このとき、共用バッテリ管理システムでは、それぞれのバッテリ交換装置ごとに、貸し出し(交換)をすることができる着脱式バッテリおよびその順番を決定するための規則(ルール)が設定される。これにより、共用バッテリ管理システムでは、それぞれのバッテリ交換装置ごとに、着脱式バッテリの交換の手続きを行う際の論理(ロジック)を異ならせることができる。このことにより、共用バッテリ管理システムでは、それぞれのバッテリ交換装置ごとに、共用バッテリ管理システムの管理者や共用バッテリ管理システムを採用したバッテリ共同利用サービスの運用者の考え方に合った(意向に沿った)、着脱式バッテリの貸し出しをすることができる。
また、上記表現した(11)の態様によれば、保管している着脱式バッテリの状態を表すバッテリ状態情報を取得してバッテリ状態リストとして運用サーバーに送信すると共に、運用サーバーから取得した貸し出し可能バッテリリストを記憶し、使用済みバッテリに代わる着脱式バッテリを記憶している貸し出し可能バッテリリストが表す順番に選択して交換の手続きを行うバッテリ交換装置の機能を実現することができる。また、交換の手続きによって貸し出した(交換した)着脱式バッテリを貸し出し可能バッテリリストから削除して貸し出し可能バッテリリストを更新するバッテリ交換装置の機能を実現することができる。
また、上記表現した(12)および(13)の態様によれば、バッテリ交換装置において、貸し出す(交換する)着脱式バッテリがバッテリスロットから取り出された後、つまり、着脱式バッテリの交換が完了した後に、使用済みバッテリの充電を開始する。これにより、共用バッテリ管理システムでは、使用済みバッテリの充電を、任意のタイミングから開始することができる。
また、上記表現した(14)の態様によれば、バッテリ交換装置が運用サーバーに送信するバッテリ状態リストには、着脱式バッテリの識別情報と、充電回数と、劣化状態と、充電率(充電が完了している割合)とが記憶されている。これにより、共用バッテリ管理システムでは、限度以上に劣化した着脱式バッテリの貸し出し(交換)をしてしまうことを回避することができる。これにより、共用バッテリ管理システムでは、バッテリ共同利用サービスの保守(メンテナンス)において限度以上に劣化している着脱式バッテリを交換する作業を容易にすることができる。また、共用バッテリ管理システムでは、充電率が予め定めた割合以上の着脱式バッテリも、貸し出し(交換)をすることができる着脱式バッテリに含めることができる。これにより、共用バッテリ管理システムでは、共用バッテリ管理システムの管理者や共用バッテリ管理システムを採用したバッテリ共同利用サービスの運用者の考え方や意向に応じた柔軟な着脱式バッテリの貸し出し(交換)方法を提供することができる。
本発明の態様は、上記の課題認識に基づいてなされたものであり、通信の状態に影響されることなくバッテリの受領が受け付けられるバッテリ共同利用サービスを構築することができる蓄電装置管理システム、保管装置、蓄電装置管理方法、プログラム、および記憶媒体を提供することを目的としている。