JPWO2020045571A1 - 安定性に優れた還元型補酵素q10結晶の製造方法 - Google Patents

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Abstract

FormII型の還元型補酵素Q10結晶を効率よく生産することが可能な製造方法を提供する。本発明が提供する、FormII型の還元型補酵素Q10結晶の製造方法は、アルコール、炭化水素、脂肪酸エステル及び窒素化合物からなる群より選択される少なくとも1種の有機溶媒と、還元型補酵素Q10とを含有する、温度が32〜43℃の溶液に、FormII型の還元型補酵素Q10結晶を種晶として添加して混合液を調製すること、及び、前記混合液中で前記結晶を析出させることを含む。

Description

本発明は、安定性に優れた還元型補酵素Q10結晶及び該結晶を多く含有する還元型補酵素Q10の製造方法に関する。
補酵素Qは、細菌から哺乳動物まで広く生体に分布する必須成分であり、生体内の細胞中におけるミトコンドリアの電子伝達系構成成分として知られている。補酵素Qは、ミトコンドリア内で酸化と還元を繰り返すことで、電子伝達系における伝達成分としての機能を担っているほか、還元型補酵素Qは抗酸化作用を持つことが知られている。ヒトでは、補酵素Qの側鎖が繰り返し構造を10個持つ補酵素Q10が主成分であり、生体内においては、通常、40〜90%程度が還元型として存在している。補酵素Qの生理的作用としては、ミトコンドリア賦活作用によるエネルギー生産の活性化、心機能の活性化、細胞膜の安定化効果、抗酸化作用による細胞の保護効果等が挙げられている。
現在製造・販売されている補酵素Q10の多くは酸化型補酵素Q10であるが、近年では、酸化型補酵素Q10に比べて高い経口吸収性を示す還元型補酵素Q10も市場に登場し、用いられるようになってきている。
還元型補酵素Q10を得る一般的な方法は既に開示されている(特許文献1)。さらに、還元型補酵素Q10を結晶として得る方法についても、いくつかの方法が知られている。例えば、還元型補酵素Q10をアルコール溶液及び/又はケトン溶液中において晶出させ、結晶を製造する方法(特許文献2)や、還元型補酵素Q10の高濃度液相を貧溶媒中に添加することで結晶化を行う方法(特許文献3)などが報告されている。
一方、特許文献4には、還元型補酵素Q10に結晶多形現象が見られることが記載されており、新たに出現した結晶形(以下、この結晶をFormII型の還元型補酵素Q10結晶と呼称する)は従来の還元型補酵素Q10(以下、この結晶をFormI型の還元型補酵素Q10結晶と呼称する)より非常に安定で、その他の物理特性にも優れていると報告されている。
特開平10−109933号公報 WO2003−006409号公報 特開2003−089669号公報 WO2012−176842号公報
特許文献4には、FormII型の還元型補酵素Q10結晶の取得方法として、特定の条件で晶析を行う方法が記載されているが、長時間を要する上に回収量が少ない場合があり、必ずしも工業的には最適とはいえない方法である。また、晶析の際に、FormII型の還元型補酵素Q10結晶を種晶として使用する方法についても言及されているものの、本発明者らが実際に検討を実施した結果、晶析条件によっては得られるFormII型の還元型補酵素Q10結晶の収率が低かったり、得られない場合もあるなど、再現性も含め、効率よくFormII型の還元型補酵素Q10結晶を取得するにはさらに検討が必要であることがわかった。
従って、本発明は、安定型の結晶形であるFormII型の還元型補酵素Q10結晶を得るための工業的規模での生産にも適した効率的な製造法を提供することを目的とする。
本発明者らが、前記課題解決のために鋭意研究した結果、FormII型の還元型補酵素Q10を種晶として使用する結晶析出において、特定の溶媒を使用し、特定の温度範囲内で前記種晶を添加することで、FormII型の還元型補酵素Q10結晶が再現性よくかつ効率良く得られる事を見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明のFormII型の還元型補酵素Q10結晶の製造方法は、
アルコール、炭化水素、脂肪酸エステル及び窒素化合物からなる群より選択される少なくとも1種の有機溶媒と、還元型補酵素Q10とを含有する、温度が32〜43℃の溶液に、FormII型の還元型補酵素Q10結晶を種晶として添加して、混合液を調製すること、及び、
前記混合液中でFormII型の還元型補酵素Q10結晶を析出させること
を含むことを特徴とする。
本発明の方法の一以上の好ましい態様では、前記種晶の添加量が、前記種晶の添加前の前記溶液中の還元型補酵素Q10に対して、0.5〜20重量%である。
本発明の方法の別の一以上の好ましい態様では、前記有機溶媒が、0.5〜34重量%の水を含む。
本発明の方法の別の一以上の好ましい態様では、炭素数1〜5の1価アルコールである。前記アルコールは好ましくはエタノールである。更に、前記エタノールは好ましくは8重量%以下の水を含む又は水を含まないものであることが好ましい。
本発明の方法の別の一以上の好ましい態様は、前記混合液を調製する前に、
前記有機溶媒と還元型補酵素Q10とを含有する原料混合物を42℃以上に加熱して還元型補酵素Q10を溶解させること、及び、
加熱後の前記溶液を、前記加熱温度よりも低く且つ32〜43℃の範囲の温度に冷却して、還元型補酵素Q10の過飽和溶液を調製すること、
を更に含む。
本発明の方法の別の一以上の好ましい態様では、前記結晶を析出させることが、前記種晶を添加してから1時間以上、前記混合液の温度を32℃以上に維持することを含む。
本発明の方法の別の一以上の好ましい態様では、前記結晶を析出させることが、前記混合液の温度を経時的に低下させることを含む。
本発明の方法の別の一以上の好ましい態様では、前記結晶を析出させることが、
前記種晶を添加してから1時間以上、前記混合液の温度を32℃以上に維持すること、及び、
続いて、前記混合液の温度を25℃以下の温度に、1時間あたりの温度低下幅が15℃以下となる速度で、低下させること
を含む。
本発明の方法の別の一以上の好ましい態様では、前記結晶を析出させることを、前記混合液を、単位容積あたり0.03kw/m以上の撹拌所要動力により強制流動させながら実施する。
本発明の方法の別の一以上の好ましい態様では、前記溶液は、1重量%以上、70重量%以下の還元型補酵素Q10を含有する。
本発明の方法の別の一以上の好ましい態様は、析出した前記結晶を固液分離後、46℃以上の温度で乾燥させることを更に含む。
本発明の方法の別の一以上の好ましい態様は、各工程を脱酸素雰囲気下で実施する。
本明細書は本願の優先権の基礎となる日本国特許出願番号2018−161790号の開示内容を包含する。
本発明での製造方法によれば、従来の還元型補酵素Q10結晶よりも安定なFormII型の還元型補酵素Q10結晶を、効率よくかつ工業的にも適した方法で得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書における「還元型補酵素Q10」とは、還元型補酵素Q10を主成分とする限り、その一部に酸化型補酵素Q10を含んでいてもよい。なお、ここで主成分とは、例えば50重量%以上、通常60重量%以上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは80重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上、特に好ましくは95重量%以上、とりわけ98重量%以上含まれていることを意味する。ここで前記割合は、補酵素Q10の総量に対する、還元型補酵素Q10の割合である。
なお、上述したように、還元型補酵素Q10には、従来から知られているFormI型と、最近になって新たに見出されたFormII型の2種の結晶多形が存在する。具体的には、融点が48℃付近で、粉末エックス線(Cu−Kα)回析において、回析角(2θ±0.2°)3.1°、18.7°、19.0°、20.2°、23.0°に特徴的なピークを示す還元型補酵素Q10の結晶形がFormI型であり、融点が52℃付近で、粉末エックス線(Cu−Kα)回析において、回析角(2θ±0.2°)11.5°、18.2°、19.3°、22.3°、23.0°、33.3°に特徴的なピークを示す還元型補酵素Q10の結晶形がFormII型である。本明細書においては、示差走査熱量測定(DSC)により、5℃/分の速度で昇温した場合において54±2℃に吸熱ピークを有するか、昇温速度1℃/分において同様に測定をおこなった場合、52±2℃に吸熱ピークを有するか、粉末エックス線(Cu−Kα)回折において、回折角(2θ±0.2°)11.5°、18.2°、19.3°、22.3°、23.0°及び33.3°に特徴的なピークを示すか、そのうち1つでも満たす還元型補酵素Q10の結晶を「FormII型の還元型補酵素Q10の結晶」という。もちろん、全ての条件を満たすものであってもかまわない。
また、本明細書における「結晶性固体」とは、結晶構造を有する部分とともに、結晶構造を有さない非晶質成分をその中に含んだ固体を意味する。
本発明のFormII型の還元型補酵素Q10結晶の製造方法は、
アルコール、炭化水素、脂肪酸エステル及び窒素化合物からなる群より選択される少なくとも1種の有機溶媒と、還元型補酵素Q10とを含有する、温度が32〜43℃の溶液に、FormII型の還元型補酵素Q10結晶を種晶として添加して、混合液を調製すること、及び、
前記混合液中でFormII型の還元型補酵素Q10結晶を析出させること
を含むことを特徴とする。
本発明で用いる、有機溶媒と還元型補酵素Q10とを含有する溶液は、還元型補酵素Q10を含有していれば特に限定されず、還元型補酵素Q10が使用する有機溶媒に溶解した均一な溶液状態でも、一部溶解されず残っているスラリー状態であっても良いが、均一な溶液状態であるのが好ましい。
なお上記還元型補酵素Q10溶液に使用される還元型補酵素Q10としては、結晶、非晶状態を問わず、またその結晶多形も問わない。従って、従来公知のFormI型の還元型補酵素Q10を使用することも出来る。また、結晶析出においてその純度を高めることが可能なため、不純物を有するものや、未精製・粗精製の還元型補酵素Q10であってもよい。さらに、従来公知の方法によって得られた還元型補酵素Q10の抽出液や、公知の還元方法で酸化型補酵素Q10から得られた還元型補酵素Q10を含有する反応液を、そのまま、あるいは必要に応じて精製及び/又は溶媒置換したものを、還元型補酵素Q10溶液として使用することもできる。
本発明においては、還元型補酵素Q10溶液に使用する有機溶媒としてアルコール、炭化水素、脂肪酸エステル及び窒素化合物からなる群より選択される少なくとも1種の有機溶媒を使用する必要がある。
本発明で用いるアルコールとしては、環状、非環状を問わず、又、飽和、不飽和を問わず、特に制限されないが、一般に、飽和のものが好ましく用いられる。例えば、炭素数1〜20、炭素数1〜12、特に炭素数1〜6、とりわけ炭素数1〜5、なかでも炭素数1〜4、なかんずく炭素数1〜3、更には炭素数2〜3の1価アルコールが好ましく、又、炭素数2〜5の2価アルコールが好ましく、又、炭素数3の3価アルコールが好ましい。上記のなかでも、炭素数1〜5の1価アルコールは、水と相溶性の高いアルコールであり、水との混合溶媒として使用する場合に好適に用いられる。
1価のアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、イソペンチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、3−メチル−2−ブタノール、ネオペンチルアルコール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、1−ノナノール、1−デカノール、1−ウンデカノール、1−ドデカノール、アリルアルコール、プロパルギルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、1−メチルシクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノール、4−メチルシクロヘキサノール等を挙げることができる。
1価のアルコールは、好ましくは、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、イソペンチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、3−メチル−2−ブタノール、ネオペンチルアルコール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、シクロヘキサノールであり、より好ましくは、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、イソペンチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、3−メチル−2−ブタノール、ネオペンチルアルコールであり、さらに好ましくは、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、2−メチル−1−ブタノール、イソペンチルアルコールであり、とりわけ、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールが好ましく、更に、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールが好ましく、最も好ましくは、エタノールである。
2価のアルコールとしては、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール等を挙げることができる。好ましくは、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオールであり、最も好ましくは、1,2−エタンジオールである。
3価のアルコールとしてはグリセリン等を好適に用いることができる。
炭化水素としては、特に制限されないが、例えば、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素等を挙げることができる。
脂肪族炭化水素としては、環状、非環状を問わず、また、飽和、不飽和を問わず、特に制限されないが、通常、炭素数3〜20、好ましくは炭素数5〜12のものが用いられる。具体例としては、例えば、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、2−メチルブタン、シクロペンタン、2−ペンテン、ヘキサン、2−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、1−ヘキセン、シクロヘキセン、ヘプタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、2,3−ジメチルペンタン、2,4−ジメチルペンタン、メチルシクロヘキサン、1−ヘプテン、オクタン、2,2,3−トリメチルペンタン、イソオクタン、エチルシクロヘキサン、1−オクテン、ノナン、2,2,5−トリメチルヘキサン、1−ノネン、デカン、1−デセン、p−メンタン、ウンデカン、ドデカン等を挙げることができる。好ましくは、ペンタン、2−メチルブタン、ヘキサン、2−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、ヘプタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、2,3−ジメチルペンタン、2,4−ジメチルペンタン、オクタン、2,2,3−トリメチルペンタン、イソオクタン、ノナン、2,2,5−トリメチルヘキサン、デカン、ドデカン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、p−メンタン等である。より好ましくは、ペンタン、2−メチルブタン、ヘキサン、2−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、ヘプタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、2,3−ジメチルペンタン、2,4−ジメチルペンタン、オクタン、2,2,3−トリメチルペンタン、イソオクタン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等であり、さらに好ましくは、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等であり、特に好ましくは、ヘプタン、ヘキサン、メチルシクロヘキサンであり、最も好ましくはヘプタン、ヘキサンである。
芳香族炭化水素としては、特に制限されないが、通常、炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜12、より好ましくは炭素数7〜10のものが用いられる。具体例としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、クメン、メシチレン、テトラリン、ブチルベンゼン、p−シメン、シクロヘキシルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、ジペンチルベンゼン、ドデシルベンゼン、スチレン等を挙げることができる。
ハロゲン化炭化水素としては、環状、非環状を問わず、また、飽和、不飽和を問わず、特に制限されないが、非環状のものが好ましく用いられる。塩素化炭化水素、フッ素化炭化水素がより好ましく、塩素化炭化水素がさらに好ましい。
また、ハロゲン化炭化水素としては、好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜4、より好ましくは炭素数1〜2のものが用いられる。具体例としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1,2−テトラクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、ペンタクロロエタン、ヘキサクロロエタン、1,1−ジクロロエチレン、1,2−ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、1,2−ジクロロプロパン、1,2,3−トリクロロプロパン、クロロベンゼン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン等を挙げることができる。
脂肪酸エステルとしては、特に制限されないが、例えば、プロピオン酸エステル、酢酸エステル、ギ酸エステル等を挙げることができる。酢酸エステル、ギ酸エステルが好ましく、酢酸エステルがより好ましい。
エステル基としては、特に制限されないが、炭素数1〜8のアルキルエステル、炭素数1〜8のアラルキルエステル等が挙げられ、好ましくは炭素数1〜6のアルキルエステル、より好ましくは炭素数1〜4のアルキルエステルである。
プロピオン酸エステルとしては、例えば、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸イソペンチル等を挙げることができる。
酢酸エステルとしては、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、酢酸sec−ヘキシル、酢酸シクロヘキシル、酢酸ベンジル等を挙げることができる。好ましくは、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等であり、最も好ましくは、酢酸エチルである。
ギ酸エステルとしては、例えば、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸イソプロピル、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸sec−ブチル、ギ酸ペンチル等を挙げることができる。
窒素化合物としては、例えばニトリルが使用できる。当該ニトリルとしては、環状、非環状を問わず、又、飽和、不飽和を問わず、特に制限されないが、飽和のものが好ましく用いられる。通常、炭素数2〜20、好ましくは炭素数2〜12、より好ましくは炭素数2〜8のニトリルが用いられる。ニトリルの具体例としては、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、マロノニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、スクシノニトリル、バレロニトリル、グルタロニトリル、ヘキサンニトリル、ヘプチルシアニド、オクチルシアニド、ウンデカンニトリル、ドデカンニトリル、トリデカンニトリル、ペンタデカンニトリル、ステアロニトリル、クロロアセトニトリル、ブロモアセトニトリル、クロロプロピオニトリル、ブロモプロピオニトリル、メトキシアセトニトリル、シアノ酢酸メチル、シアノ酢酸エチル、トルニトリル、ベンゾニトリル、クロロベンゾニトリル、ブロモベンゾニトリル、シアノ安息香酸、ニトロベンゾニトリル、アニソニトリル、フタロニトリル、ブロモトルニトリル、メチルシアノベンゾエート、メトキシベンゾニトリル、アセチルベンゾニトリル、ナフトニトリル、ビフェニルカルボニトリル、フェニルプロピオニトリル、フェニルブチロニトリル、メチルフェニルアセトニトリル、ジフェニルアセトニトリル、ナフチルアセトニトリル、ニトロフェニルアセトニトリル、クロロベンジルシアニド、シクロプロパンカルボニトリル、シクロヘキサンカルボニトリル、シクロヘプタンカルボニトリル、フェニルシクロヘキサンカルボニトリル、トリルシクロヘキサンカルボニトリル等を挙げることができる。好ましくは、アセトニトリル、プロピオニトリル、スクシノニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、バレロニトリル、シアノ酢酸メチル、シアノ酢酸エチル、ベンゾニトリル、トルニトリル、クロロプロピオニトリルであり、より好ましくは、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリルであり、最も好ましくは、アセトニトリルである。
上記ニトリル以外の窒素化合物としては、例えば、ニトロメタン、トリエチルアミン、ピリジン、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。
上記有機溶媒のうち、アルコールまたは炭化水素が好ましく、アルコールが特に好ましい。
本発明において、還元型補酵素Q10含有溶液に使用される有機溶媒としては、上記例示したものを単独で用いても良く、還元型補酵素Q10の溶解度、結晶析出濃度、収率、スラリー性状、結晶性状等の結晶析出条件を左右する条件を改善するために、それぞれの溶媒の特性に従って、2種以上を適切な割合で混合して用いることもできる。
また、上記アルコール、炭化水素、脂肪酸エステル及び窒素化合物からなる群より選択される少なくとも1種の有機溶媒を使用する限り、それら以外の有機溶媒を補助的に使用してもかまわない。さらに、本発明における「有機溶媒」は、水を含む有機溶媒を包含する。得られる還元型補酵素Q10の収率、スラリー性状、結晶性状、QH FormII型結晶の含量等の条件を改善するために、水を含む前記有機溶媒を用いることができる。その場合、有機溶媒中の水分量は、水を含む有機溶媒の全量あたり、0.01〜50重量%が好ましく、0.1〜40重量%がさらに好ましく、0.5〜34重量%がより好ましく、0.5〜15重量%が特に好ましい。50重量%以上では、有機溶媒と水の分離が生じたり、還元型法酵素Q10の有機溶媒への溶解度が大幅に低下し、目的とするQH FormIIを多く含む還元型補酵素Q10の結晶化が困難となることがある。水を含む有機溶媒を使用する場合、水と有機溶媒が均一系であることが好ましく、この観点からも、有機溶媒としてはエタノール等のアルコールや酢酸エチル等の脂肪酸エステルが好ましく選択される。
本発明のより好ましい一以上の実施形態では、有機溶媒が、15重量%以下の水を含む又は水を含まない炭素数1〜5の1価アルコールであり、より好ましくは、8重量%以下の水を含む又は水を含まない炭素数1〜5の1価アルコールであり、特に好ましくは、8重量%以下の水を含む又は水を含まないエタノールであり、更に好ましくは、0.1重量%以上8重量%以下の水を含むエタノールである。
前記有機溶媒と還元型補酵素Q10とを含む溶液中の、還元型補酵素Q10の濃度は、使用する有機溶媒に応じて適宜調整でき特に限定されないが、例えば80重量%以下、70重量%以下が好ましく、60重量%以下がより好ましく、50重量%以下がさらに好ましく、40重量%以下が特に好ましい。また、生産効率の面からは、前記溶液中の還元型補酵素Q10の濃度はある程度高い濃度に調整されることが好ましく、例えば、1重量%以上が好ましく、5重量%以上がさらに好ましく、10重量%以上が特に好ましい。
種晶を添加して結晶析出工程に供する混合液の調製に用いる、前記有機溶媒と還元型補酵素Q10とを含む溶液は、より好ましくは、前記混合液を調製する32〜43℃の範囲内の温度における還元型補酵素Q10の飽和濃度以上の濃度で溶解した還元型補酵素Q10を含む過飽和溶液である。このような過飽和溶液は、前記有機溶媒と還元型補酵素Q10とを含有する原料混合物を42℃以上、45℃以上、より好ましくは49℃以上の温度、更に好ましくは70℃以下、特に好ましくは55℃以下の温度、に加熱して還元型補酵素Q10を溶解させること、及び、加熱後の前記溶液を、前記加熱温度よりも低く且つ32〜43℃の範囲の温度に冷却して、還元型補酵素Q10の過飽和溶液を調製することにより得られる。
特に、前記有機溶媒が8重量%以下の水を含む又は水を含まない炭素数1〜5の1価アルコール(好ましくはエタノール)である実施形態では、前記有機溶媒と還元型補酵素Q10とを含む溶液中の還元型補酵素Q10の濃度は、5重量%以上が好ましく、10重量%以上が特に好ましく、50重量%以下が好ましく、40重量%以下がより好ましく、25重量%以下がより好ましく、20重量%以下が特に好ましい。前記溶液中の還元型補酵素Q10がこの濃度範囲の場合に、上記の手順により還元型補酵素Q10の過飽和溶液が調製し易く、種晶の添加によりFormII型結晶が析出し易い。
本発明においては、前記有機溶媒と還元型補酵素Q10とを含む前記溶液に、FormII型の還元型補酵素Q10結晶を種晶として添加して、結晶析出工程に供する混合液を調製する。種晶であるFormII型の還元型補酵素Q10結晶の添加量(種晶添加量)としては、特に限定されないが、種晶の添加前の還元型補酵素Q10溶液中の還元型補酵素Q10の量に対して0.1〜30重量%が好ましく、0.5〜20重量%がさらに好ましく、0.8〜5重量%が特に好ましい。なお、種晶に使用される還元型補酵素Q10結晶は、FormII型の還元型補酵素Q10結晶を含む限り、FormI型の還元型補酵素Q10結晶や非晶体を含むものであっても差し支えないが、FormII型の還元型補酵素Q10結晶の純度が高い方が好ましく、例えば50重量%以上、好ましくは75重量%以上、さらに好ましくは80重量%以上、より好ましくは90重量%以上のものを使用するのが良い。
さらに本発明においては、種晶を添加するときの還元型補酵素Q10溶液の温度が32〜43℃の範囲であることを特徴とする。好ましくは、種晶添加時の還元型補酵素Q10溶液の温度は35℃以上であり、より好ましくは38℃以上である。また、上限としては41℃以下が好ましい。種晶添加時の還元型補酵素Q10溶液の温度が43℃を超える場合、添加した種晶が溶解し、結晶が析出しないことがある。また、32℃未満の温度の還元型補酵素Q10溶液に種晶を添加した場合は、析出した還元型補酵素Q10中のFormII型結晶の割合が低くなったり、あるいはFormII型結晶が析出しない場合がある。
続いて、前記混合液中でFormII型の還元型補酵素Q10結晶を析出させる結晶析出工程の一以上の好ましい実施形態について説明する。種晶添加時の還元型補酵素Q10溶液の温度が上記範囲内であれば、種晶添加後の結晶析出工程の温度は特に限定されないが、好ましくは、前記種晶を添加してから1時間以上、前記混合液の温度を好ましくは32℃以上、より好ましくは32〜43℃の範囲に維持することを含む。前記温度範囲はより好ましくは、種晶添加時の前記溶液の温度の好ましい範囲と同様の範囲から選択される。前記混合液を前記温度範囲に維持する時間は特に限定されないが1時間以上が好ましく、2時間以上が好ましく、4時間以上がより好ましく、10時間以上が特に好ましい。前記混合液を前記温度範囲に維持する時間の上限は特に限定されないが24時間程度で十分な効果が得られる。なおこの場合、例えば32〜43℃間において一定の温度を維持してもよいし、例えば冷却晶析などにおいて、種晶添加後に前記混合液を徐々に冷却しながら32℃まで到達させてもよい。また、結晶析出工程を通じて、32〜43℃の温度を維持してもよく、あるいは32〜43℃の温度を例えば1時間以上維持したのちに、その後冷却を行っても良い。
結晶析出工程の終点温度は、特に制限されないが、回収量増の観点より、好ましくは40℃以下、より好ましくは35℃以下、とりわけ30℃以下で実施される。下限は、系の固化温度であるが、好ましくは0℃以上、より好ましくは10℃以上である。
結晶析出工程においては、単位時間当たりの結晶の析出量を制御して、過飽和の形成を制御するのが好ましい。好ましい単位時間当たりの析出量は、例えば、単位時間当たり全析出量の約50%量が析出する速度以下(即ち、最大で50%量/時間)であり、好ましくは、単位時間当たり全析出量の25%量が析出する速度以下(即ち、最大で25%量/時間)である。
一以上の好ましい実施形態では、前記結析出工程は、前記混合液の温度を経時的に低下させること、すなわち冷却晶析の工程を含む。冷却晶析では、前記混合液を冷却することで液相中での還元型補酵素Q10の溶解度を下げて結晶化を促進する。前記混合液を冷却する工程は、好ましくは、前記混合液を32℃以上の温度に一定時間維持してこの温度で析出できる結晶を析出させる上記の工程の後に続けて行う。前記混合液の温度を経時的に低下させるとは、前記混合液の温度を時間経過とともに連続的に低下させること、段階的に低下させること、それらを組み合わせることを包含する。前記混合液の温度を経時的に低下させる場合、冷却速度は特に限定されないが、例えば、1時間あたりの温度低下幅が30℃以下、好ましくは20℃以下、より好ましくは15℃以下、より好ましくは10℃以下、より好ましくは5℃以下、より好ましくは1℃以上、より好ましくは2℃以上となる冷却速度である。前記混合液の温度を経時的に低下させる場合の冷却速度は一定であってもよいし、変化するものであってもよい。特に、前記冷却速度が、前記混合液の温度が低下するに従い、連続的又は段階的に冷却速度が増す、すなわち、1時間あたりの温度低下幅が大きくなる実施形態により、前記混合液の温度が低下するに従い液相中の残存量が低下する還元型補酵素Q10を効率よく結晶化することができる。例えば、前記混合液の温度が25℃に到達するまでは、1時間あたりの温度低下幅が好ましくは5℃以下、より好ましくは3℃以下の速度で前記混合液を冷却し、前記混合液を25℃未満の温度に更に冷却する段階では、1時間あたりの温度低下幅が好ましくは6℃以上、より好ましくは8℃以上の速度で前記混合液を冷却することができる。本発明の一以上の実施形態において、前記混合液の温度を経時的に低下させて到達する終点温度は、好ましくは25℃以下、より好ましくは20℃以下、より好ましくは10℃以下、より好ましくは7℃以下、より好ましくは5℃以下である。前記終点温度の下限は前記混合液の系の固化温度であるが、好ましくは0℃以上、より好ましくは3℃以上である。
結晶の析出は、種晶添加後の混合液を強制流動させながら実施するのが好ましい。過飽和の形成を抑制し、スムースに核化・結晶成長を行うためには、或いは、高品質化の観点から、単位容積当たりの撹拌所要動力として、通常約0.01kW/m以上、好ましくは0.03kW/m以上、より好ましくは0.1kW/m以上、さらに好ましくは0.3kW/m以上の流動を前記混合液に与えるのがよい。上記の強制流動は、通常、撹拌翼の回転により与えられるが、上記流動が得られれば必ずしも撹拌翼を用いる必要はなく、例えば、混合液の循環による方法などを利用しても良い。
本発明の製造方法において、好ましい結晶析出の方法は、特に限定されず、上記の冷却晶析のほか、貧溶媒晶析、濃縮晶析などが利用でき、冷却晶析または、冷却晶析と他の晶析方法を組み合わせた方法であることが好ましい。貧溶媒晶析とは、前記混合液に貧溶媒を混合することで溶解度を下げ、還元型補酵素Q10を結晶化させる方法である。ここで、貧溶媒とは、還元型補酵素Q10をほとんど溶解しないか、あるいは全く溶解しない溶媒をいう。貧溶媒は還元型補酵素Q10溶液に使用される有機溶媒と相互に溶解することが好ましい。
貧溶媒と混合する方法としては、溶液中に貧溶媒を添加してもよく、貧溶媒中に溶液を添加してもよい。冷却晶析と組み合わせる他の晶析方法には、前記貧溶媒晶析のほか、例えば溶液を濃縮することにより結晶を析出させる濃縮晶析などがあげられる。
上記方法によって得られたFormII型の還元型補酵素Q10結晶又は結晶性固体は、例えば、特許文献2や3に記載されたような従来公知の方法により、固液分離・乾燥の工程を経て回収される。例えば固液分離には加圧ろ過、遠心ろ過などが使用できる。また、乾燥後の結晶や結晶性固体を必要に応じて粉砕、分級(ふるい分け)して回収することもできる。
本発明においては、より好ましい態様の一つとして、上記固液分離後のFormII型の還元型補酵素Q10結晶又は結晶性固体の乾燥を、加温下に行うことでFormII型の還元型補酵素Q10結晶の含有割合の向上を図ることも出来る。この目的において、乾燥温度としては、46℃以上が好ましく、47℃以上がより好ましく、49℃以上がさらに好ましい。上限としては通常52℃以下、好ましくは51℃以下である。46℃未満の場合、乾燥は進むが、FormII型の還元型補酵素Q10結晶の含有割合はほとんど向上しない。また、52℃を超える場合は、乾燥中に還元型補酵素Q10結晶が融解してしまうことがある。また上記温度条件で乾燥を行う場合の加温時間も特に限定されないが、4時間以上が好ましく、10時間以上が好ましく、20時間以上がより好ましい。
なお、結晶析出工程において既に目的とするFormII型の還元型補酵素Q10結晶の含有割合に達成している場合は上記の限りではなく、例えば25℃以上、好ましくは30℃以上、より好ましくは35℃以上で乾燥を実施すれば良い。
なお、本発明の方法における各工程、具体的には、上記で説明した混合液形成工程、結晶析出工程、固液分離や乾燥などの回収工程、その他その後の処理工程などは、脱酸素雰囲気下にて実施するのが好ましい。脱酸素雰囲気は、雰囲気の不活性ガスによる置換、減圧、沸騰やこれらを組み合わせることにより達成できる。少なくとも、雰囲気の不活性ガスによる置換、即ち、不活性ガス雰囲気を用いるのが好適である。上記不活性ガスとしては、例えば、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス、水素ガス、炭酸ガス等を挙げることができ、好ましくは窒素ガスである。
得られた還元型補酵素Q10の結晶あるいは結晶性固体中に、FormII型の還元型補酵素Q10結晶が含有されているかどうかやその含有割合は、例えば示差走査型熱量計(DSC)で測定することにより判別が可能である。
前述したとおり、FormII型の還元型補酵素Q10結晶は、DSCにより昇温速度1℃/分において測定を行った場合、52±2℃付近に吸熱ピークを示し、FormI型の還元型補酵素Q10結晶は、同条件において、48±1℃付近に吸熱ピークを示す。FormII型の還元型補酵素Q10結晶が、従来のFormI型の還元型補酵素Q10結晶あるいはその結晶性固体と混合された状態であっても、前記52±2℃付近のピークの有無やその吸熱ピークの高さや吸熱量の比によりFormII型の還元型補酵素Q10結晶の存在の有無やその含有割合を判別することが出来る。本発明の方法によれば、高純度のFormII型の還元型補酵素Q10結晶あるいは結晶性固体を効率的に得ることができる。
以下に実施例をあげて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例および比較例中のDSC測定条件は下記の通りである。
(DSC測定条件)
装置:SIIナノテクノロジー製 DSC6220
サンプル容器:アルミ製パン&カバー(SSC000C008)
昇温速度:1℃/分
サンプル量:5±2mg
また、DSC分析で得られたFormI型の還元型補酵素Q10結晶の吸熱ピークの高さ(Y差)(以下、I−Y差)およびFormII型の還元型補酵素Q10結晶の吸熱ピークの高さ(Y差)(以下、II−Y差)より、FormII型の還元型補酵素Q10結晶の比率(FormII比率)を以下のように計算した。
Figure 2020045571
(実施例1)
容積500mLのセパラブルフラスコ(硼珪酸ガラス製)の内部を窒素置換した後、還元型補酵素Q10を84gと99.5%エタノール340gを入れ(還元型補酵素Q10濃度:20wt%)、撹拌翼により撹拌(撹拌所要動力0.3kw/m)しながら50℃まで加温して均一な溶液とした。この溶液を40℃まで冷却した後、FormII型の還元型補酵素Q10結晶を含む還元型補酵素Q10結晶を種晶として0.8g(1wt%)添加し、40℃で3時間保持して結晶を析出させた。その後35℃まで6時間かけて冷却し、35℃で24時間保持した後、ろ過して固液分離し、得られた結晶を47℃で4時間減圧乾燥することでFormII型の還元型補酵素Q10結晶(FormII比率:100%、回収率91%)を得た。
(実施例2)
容積500mLのセパラブルフラスコ(硼珪酸ガラス製)の内部を窒素置換した後、還元型補酵素Q10を55gと95%エタノール(含水率7.6重量%)368gを入れ(還元型補酵素Q10濃度:13wt%)、撹拌翼により撹拌(撹拌所要動力0.3kw/m)しながら50℃まで加温して均一な溶液とした。この溶液を38℃まで冷却した後、FormII型の還元型補酵素Q10結晶を含む還元型補酵素Q10結晶を種晶として0.55g(1wt%)添加し、38℃で23時間保持して結晶を析出させた。その後25℃まで1時間かけて冷却し、25℃で1時間保持した後、ろ過して固液分離し、得られた結晶を49℃で4時間減圧乾燥することでFormII型の還元型補酵素Q10結晶(FormII比率:100%、回収率98%)を得た。なお、固液分離後乾燥前の結晶のFormII比率もサンプリングして測定した結果100%であった。
(実施例3)
容積100mLの3つ口フラスコ(硼珪酸ガラス製)の内部を窒素置換した後、還元型補酵素Q10を50gとn−ヘキサン33gを入れ(還元型補酵素Q10濃度:60wt%)、撹拌翼により撹拌(撹拌所要動力0.3kw/m)しながら50℃まで加温して均一な溶液とした。この溶液を38℃まで冷却した後、FormII型の還元型補酵素Q10結晶を含む還元型補酵素Q10結晶を種晶として0.5g(1wt%)添加し、38℃で5時間保持して結晶を析出させた。その後25℃まで1時間かけて冷却し、25℃で14時間保持した後、ろ過して固液分離し、得られた結晶を40℃で減圧乾燥することでFormII型の還元型補酵素Q10結晶(FormII比率:100%、回収率67%)を得た。なお、固液分離後乾燥前の結晶のFormII比率も100%であった。
(実施例4)
容積100mLの3つ口フラスコ(硼珪酸ガラス製)の内部を窒素置換した後、還元型補酵素Q10を10gとアセトニトリル48.8gを入れ(還元型補酵素Q10濃度:17wt%)、撹拌翼により撹拌(撹拌所要動力0.3kw/m)しながら50℃まで加温して均一な溶液とした。この溶液を38℃まで冷却した後、FormII型の還元型補酵素Q10結晶を含む還元型補酵素Q10結晶を種晶として0.1g(1wt%)添加し、38℃で5時間保持して結晶を析出させた。その後25℃まで1時間かけて冷却し、25℃で14時間保持した後、ろ過して固液分離し、得られた結晶を40℃で減圧乾燥することでFormII型の還元型補酵素Q10結晶(FormII比率:22%、回収率99%)を得た。なお、固液分離後乾燥前の結晶のFormII比率も22%であった。
(実施例5)
容積100mLの3つ口フラスコ(硼珪酸ガラス製)の内部を窒素置換した後、還元型補酵素Q10を50gと7重量%の水を含有する酢酸エチル16.7gを入れ(還元型補酵素Q10濃度:75wt%)、撹拌翼により撹拌(撹拌所要動力0.3kw/m)しながら50℃まで加温して均一な溶液とした。この溶液を38℃まで冷却した後、FormII型の還元型補酵素Q10結晶を含む還元型補酵素Q10結晶を種晶として0.5g(1wt%)添加し、38℃で5時間保持して結晶を析出させた。その後25℃まで1時間かけて冷却し、25℃で14時間保持した後、ろ過して固液分離し、得られた結晶を40℃で減圧乾燥することでFormII型の還元型補酵素Q10結晶(FormII比率:100%、回収率60%)を得た。なお、固液分離後乾燥前の結晶のFormII比率も100%であった。
(実施例6)
容積500mLのセパラブルフラスコ(硼珪酸ガラス製)の内部を窒素置換した後、還元型補酵素Q10を55gと95%エタノール(含水率7.6重量%)368gを入れ(還元型補酵素Q10濃度:13wt%)、撹拌翼により撹拌(撹拌所要動力0.3kw/m)しながら50℃まで加温して均一な溶液とした。この溶液を40℃まで冷却した後、FormII型の還元型補酵素Q10結晶を含む還元型補酵素Q10結晶を種晶として0.55g(1wt%)添加し、40℃で23時間保持して結晶を析出させた。その後25℃まで8時間かけて冷却し、25℃で1時間保持した後、ろ過して固液分離し、得られた結晶を46℃で15時間減圧乾燥することでFormII型の還元型補酵素Q10結晶(FormII比率:100%、回収率97%)を得た。なお、固液分離後乾燥前の結晶のFormII比率も100%であった。
(実施例7)
容積500mLのセパラブルフラスコ(硼珪酸ガラス製)の内部を窒素置換した後、還元型補酵素Q10を55gと95%エタノール(含水率7.6重量%)368gを入れ(還元型補酵素Q10濃度:13wt%)、撹拌翼により撹拌(撹拌所要動力0.3kw/m)しながら50℃まで加温して均一な溶液とした。この溶液を42℃まで冷却した後、FormII型の還元型補酵素Q10結晶を含む還元型補酵素Q10結晶を種晶として0.55g(1wt%)添加し、42℃で18時間保持して結晶を析出させた。その後25℃まで2時間かけて冷却し、25℃で1時間保持した後、ろ過して固液分離し、得られた結晶を47℃で15時間減圧乾燥することでFormII型の還元型補酵素Q10結晶(FormII比率:40%、回収率99%)を得た。
(実施例8)
容積500mLのセパラブルフラスコ(硼珪酸ガラス製)の内部を窒素置換した後、還元型補酵素Q10を55gと95%エタノール(含水率7.6重量%)368gを入れ(還元型補酵素Q10濃度:13wt%)、撹拌翼により撹拌(撹拌所要動力0.3kw/m)しながら50℃まで加温して均一な溶液とした。この溶液を32℃まで冷却した後、FormII型の還元型補酵素Q10結晶を含む還元型補酵素Q10結晶を種晶として0.55g(1wt%)添加し、32℃で23時間保持した後、ろ過して固液分離し、得られた結晶を40℃で減圧乾燥することでFormII型の還元型補酵素Q10結晶(FormII比率:70%、回収率95%)を得た。なお、固液分離後乾燥前の結晶のFormII比率も70%であった。
(比較例1)
容積500mLのセパラブルフラスコ(硼珪酸ガラス製)の内部を窒素置換した後、還元型補酵素Q10を55gと95%エタノール(含水率7.6重量%)368gを入れ(還元型補酵素Q10濃度:13wt%)、撹拌翼により撹拌(撹拌所要動力0.3kw/m)しながら50℃まで加温して均一な溶液とした。この溶液を45℃まで冷却した後、FormII型の還元型補酵素Q10結晶を含む還元型補酵素Q10結晶を種晶として0.55g(1wt%)添加し、45℃で1時間保持した後、目視で確認すると結晶は析出せず、種晶が全て溶解していた。
(比較例2)
容積500mLのセパラブルフラスコ(硼珪酸ガラス製)の内部を窒素置換した後、還元型補酵素Q10を55gと95%エタノール(含水率7.6重量%)368gを入れ(還元型補酵素Q10濃度:13wt%)、撹拌翼により撹拌(撹拌所要動力0.3kw/m)しながら50℃まで加温して均一な溶液とした。この溶液を30℃まで冷却した後、FormII型の還元型補酵素Q10結晶を含む還元型補酵素Q10結晶を種晶として0.55g(1wt%)添加し、30℃で24時間保持した後、ろ過して固液分離し、得られた結晶を40℃で減圧乾燥することで還元型補酵素Q10結晶(回収率95%)を得た。但し、得られた還元型補酵素Q10結晶のFormII比率は0%であった。
(実施例9)
容積500mLのセパラブルフラスコ(硼珪酸ガラス製)の内部を窒素置換した後、還元型補酵素Q10を46.5gと85%エタノール(含水率15重量%)376.5gを入れ(還元型補酵素Q10濃度:11wt%)、撹拌翼により撹拌(撹拌所要動力0.3kw/m)しながら50℃まで加温して均一な溶液とした。この溶液を40℃まで冷却した後、FormII型の還元型補酵素Q10結晶を含む還元型補酵素Q10結晶を種晶として0.465g(1wt%)添加し、40℃で17時間保持した後、ろ過して固液分離し、得られた結晶を40℃で減圧乾燥することでFormII型の還元型補酵素Q10結晶(FormII比率:80%、回収率98%)を得た。なお、固液分離後乾燥前の結晶のFormII比率も80%であった。
(実施例10)
容積500mLのセパラブルフラスコ(硼珪酸ガラス製)の内部を窒素置換した後、還元型補酵素Q10を55gと99.5%エタノール403gを入れ(還元型補酵素Q10濃度:12wt%)、撹拌翼により撹拌(撹拌所要動力0.03kw/m)しながら50℃まで加温して均一な溶液とした。この溶液を36℃まで冷却した後、FormII型の還元型補酵素Q10結晶を含む還元型補酵素Q10結晶を種晶として2.5g(5wt%)添加し、36℃で24時間保持して結晶を析出させた。その後10℃まで26時間かけて冷却し、10℃で1時間保持した後、ろ過して固液分離し、得られた結晶を45℃で減圧乾燥することでFormII型の還元型補酵素Q10結晶(FormII比率:100%、回収率97%)を得た。
(比較例3)
容積500mLのセパラブルフラスコ(硼珪酸ガラス製)の内部を窒素置換した後、還元型補酵素Q10を144gとアセトン479gを入れ(還元型補酵素Q10濃度:23wt%)、撹拌翼により撹拌(撹拌所要動力0.3kw/m)しながら50℃まで加温して均一な溶液とした。この溶液を38℃まで冷却した後、FormII型の還元型補酵素Q10結晶を含む還元型補酵素Q10結晶を種晶として1.44g(1wt%)添加し、38℃で5時間保持して結晶を析出させた。その後25℃まで1時間かけて冷却し、25℃で1時間保持した後、ろ過して固液分離し、得られた結晶を45℃で減圧乾燥することで還元型補酵素Q10結晶(回収率78%)を得た。但し、得られた還元型補酵素Q10結晶のFormII比率は0%であった。
(実施例11)
容積500mLのセパラブルフラスコ(硼珪酸ガラス製)の内部を窒素置換した後、還元型補酵素Q10を40.0gと99.5%エタノール360gを入れ(還元型補酵素Q10濃度:10wt%)、撹拌翼により撹拌(撹拌所要動力0.1kw/m)しながら42℃まで加温して均一な溶液とした。この溶液を35℃まで冷却した後、FormII型の還元型補酵素Q10結晶を含む還元型補酵素Q10結晶を種晶として0.4g(1wt%)添加した。
種晶添加後の混合液を35℃で15時間保持し結晶を析出させた。その後、混合液を、−2℃/時間の一定の冷却速度で5時間かけて25℃まで冷却し、続いて、−10℃/時間の一定の冷却速度で1.5時間かけて10℃まで冷却して、結晶を更に析出させた。10℃に到達後に混合液をろ過して固液分離し、得られた結晶を35℃で10時間減圧乾燥することでFormII型の還元型補酵素Q10結晶(FormII比率:100%、回収率97%)を得た。
本実験では、混合液の液相を、種晶添加直前(0時間後)、種晶添加から3時間後、6時間後、9時間後、12時間後、15時間後(ここまでは35℃)、17.5時間後(30℃)、20時間後(25℃)、20.5時間後(20℃)、21.5時間後(10℃)にサンプル採取し、液相サンプル中に溶解する還元型補酵素Q10の濃度(wt%)を高速液体クロマトグラフィーにより測定した。測定結果を次表に示す。
Figure 2020045571
なお、還元型補酵素Q10濃度を測定した高速液体クロマトグラフィーの条件を以下に示す。
(HPLC条件)
カラム:SYMMETRY C18(Waters製)250mm(長さ)4.6mm(内径)
移動相:COH:CHOH=4:3(v:v)
検出波長:210nm
流速:1ml/min
還元型補酵素Q10の保持時間:9.1min。
本明細書で引用した全ての刊行物、特許及び特許出願はそのまま引用により本明細書に組み入れられるものとする。

Claims (14)

  1. アルコール、炭化水素、脂肪酸エステル及び窒素化合物からなる群より選択される少なくとも1種の有機溶媒と、還元型補酵素Q10とを含有する、温度が32〜43℃の溶液に、FormII型の還元型補酵素Q10結晶を種晶として添加して、混合液を調製すること、及び、
    前記混合液中でFormII型の還元型補酵素Q10結晶を析出させること
    を含む、FormII型の還元型補酵素Q10結晶の製造方法。
  2. 前記種晶の添加量が、前記種晶の添加前の前記溶液中の還元型補酵素Q10に対して、0.5〜20重量%である請求項1記載の製造方法。
  3. 前記有機溶媒が、0.5〜34重量%の水を含む、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記有機溶媒が、炭素数1〜5の1価アルコールである、請求項1〜3いずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記炭素数1〜5の1価アルコールが、エタノールである、請求項4に記載の製造方法。
  6. 前記エタノールが、8重量%以下の水を含む又は水を含まない、請求項5に記載の製造方法。
  7. 前記混合液を調製する前に、
    前記有機溶媒と還元型補酵素Q10とを含有する原料混合物を42℃以上に加熱して還元型補酵素Q10を溶解させること、及び、
    加熱後の前記溶液を、前記加熱温度よりも低く且つ32〜43℃の範囲の温度に冷却して、還元型補酵素Q10の過飽和溶液を調製すること、
    を更に含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記結晶を析出させることが、前記種晶を添加してから1時間以上、前記混合液の温度を32℃以上に維持することを含む、請求項1〜7のいずれか1項記載の製造方法。
  9. 前記結晶を析出させることが、前記混合液の温度を経時的に低下させることを含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
  10. 前記結晶を析出させることが、
    前記種晶を添加してから1時間以上、前記混合液の温度を32℃以上に維持すること、及び、
    続いて、前記混合液の温度を25℃以下の温度に、1時間あたりの温度低下幅が15℃以下となる速度で、低下させること
    を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の製造方法。
  11. 前記結晶を析出させることを、前記混合液を、単位容積あたり0.03kw/m以上の撹拌所要動力により強制流動させながら実施する、請求項1〜10のいずれかに記載の製造方法。
  12. 前記溶液は、1重量%以上、70重量%以下の還元型補酵素Q10を含有する、請求項1〜11のいずれかに記載の製造方法。
  13. 析出した前記結晶を固液分離後、46℃以上の温度で乾燥させることを更に含む、請求項1〜12いずれか1項に記載の製造方法。
  14. 脱酸素雰囲気下で実施する請求項1〜13のいずれか1項に記載の製造方法。
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