JPWO2020027285A1 - 車両用補強部材及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

車両用補強部材は、長手方向に交差する断面が連続閉断面を呈する筒状本体部を備える車両用補強部材であって、筒状本体部は、車両に装着されるとき、当該車両の内側に位置する第1面と、第1面に離間すると共に対向する第2面と、第1面及び第2面をつなぐ第3面と、第3面は、第2面から離れるように延在する第4面と、第4面と第1面とをつなぐ第5面とを有し、長手方向から見た断面視において、第1面及び第3面が交差する第1交差部と、第2面及び第3面が交差する第2交差部とを結ぶ仮想線を設定した場合、第4面及び第5面が交差する第3交差部は、仮想線に対して外側へ突出し、筒状本体部は、第1面と第2面とが互いに対向する対向方向における第3交差部の位置が長手方向に沿って変化する変化部を有する。

Description

本発明は、車両用補強部材及びその製造方法に関する。
下記特許文献1には、衝撃吸収材の一種として、車両に用いられるバンパ補強材が開示されている。この特許文献1では、前部補強材及び後部補強材が別体の板金製部材である第1の態様と、前部補強材及び後部補強材が一体の板金製部材である第2の態様とが開示されている。
特許第5564237号公報
上記第1の態様では、前部補強材及び後部補強材のそれぞれに設けられるフランジ部が溶接されることによって、バンパ補強材が構成されている。このため、バンパ補強材に衝撃が加わった場合、フランジ部にて溶接された箇所に力が集中し、前部補強材及び後部補強材が分断されてしまう。これにより、バンパ補強材の衝撃吸収性が十分に発揮されない。
上記第2の態様では、一体の板金をロールフォーミングすることによって、バンパ補強材が構成されている。このバンパ補強材のフランジ部は、板金を折り畳むことによって形成されている。このため、上記第1の態様のような前部補強材と後部補強材との分断は発生しにくい。しかしながら、上記第2の態様では、バンパ補強材は連続閉断面を呈しておらず、後部補強材の一部が分断されている。これにより、後部補強材の上記一部の衝撃吸収性が劣る傾向にある。よって、バンパ補強材の衝撃吸収性が不十分になることがある。
本発明は、上記課題に鑑み、良好な衝撃吸収性を示す車両用補強部材及びその製造方法の提供を目的とする。
本発明の一側面に係る車両用補強部材は、長手方向に交差する断面が連続閉断面を呈する筒状本体部を備える車両用補強部材であって、筒状本体部は、車両に装着されるとき、当該車両の内側に位置する第1面と、第1面に離間すると共に対向する第2面と、第1面及び第2面をつなぐ第3面と、第3面は、第2面から離れるように延在する第4面と、第4面と第1面とをつなぐ第5面とを有し、長手方向から見た断面視において、第1面及び第3面が交差する第1交差部と、第2面及び第3面が交差する第2交差部とを結ぶ仮想線を設定した場合、第4面及び第5面が交差する第3交差部は、仮想線に対して外側へ突出し、筒状本体部は、第1面と第2面とが互いに対向する対向方向における第3交差部の位置が長手方向に沿って変化する変化部を有する。
この車両用補強部材は、連続閉断面を呈する筒状本体部を備える。このため、車両用補強部材に衝撃が加わった場合であっても、筒状本体部の一部と他部との分断が防止される。また、筒状本体部には予め分断されている箇所が存在しないので、筒状本体部において耐衝撃性に劣る部分が形成されにくくなる。加えて、長手方向から見た断面視において、第1面及び第3面が交差する第1交差部と、第2面及び第3面が交差する第2交差部とを結ぶ仮想線を設定した場合、第4面及び第5面が交差する第3交差部は、仮想線に対して外側へ突出する。このような断面形状において、筒状本体部は、第1面と第2面とが互いに対向する対向方向における第3交差部の位置が長手方向に沿って変化する変化部を有する。この場合、筒状本体部には、対向方向における第3交差部の位置が、互いに異なる複数の箇所が形成される。これらの箇所は、第2面に衝撃が加わったときに、断面視において互いに異なる変形態様にて変形する。このように、長手方向において変形態様が互いに異なる箇所が存在する筒状本体部は、長手方向において変形態様が一定であるものに比して、断面の潰れを抑制して耐荷重性能を向上させることができる。したがって、上記車両用補強部材によれば、良好な衝撃吸収性を示すことができる。
筒状本体部は、変化部として、長手方向における一方へ向かうに従って、第3交差部の位置が第1面側から第2面側へ変化する第1変化部と、長手方向における一方へ向かうに従って、第3交差部の位置が第2面側から第1面側へ変化する第2変化部と、を有してよい。この場合、長手方向において変形態様が互いに異なる箇所を三箇所以上形成することができる。
筒状本体部の長手方向における少なくとも一部では、第1変化部と第2変化部とが、所定の繰り返しの形状パターンにて、長手方向に沿って交互に形成されていてよい。この場合、筒状本体部には、第3交差部の位置が第2面に近い箇所と、第3交差部の位置が第2面から遠くなる箇所とが、交互に形成される。この場合、筒状本体部の耐荷重性能を更に向上できる。
筒状本体部は、第1変化部と第2変化部との間に、第3交差部の位置が長手方向に沿って一定となる非変化部を有する。この場合、第3交差部の位置が第2面に近い箇所、及び第3交差部の位置が第2面から遠くなる箇所の少なくとも一方が、一定断面で連続するような構成となる。この場合、当該一定断面の長さを調整することで、筒状本体部の耐荷重性能の調整を行い易くなる。
上記車両用補強部材の製造方法は、金属パイプを第1の金型及び第2の金型の間に準備する工程と、第1の金型及び第2の金型の少なくとも一方を金型同士が合わさる方向に移動させることによって、筒状本体部を成形するための空間を第1の金型と第2の金型との間に形成する工程と、加熱された金属パイプ内に気体を供給して、空間内に筒状本体部を成形する工程と、を備える。
この車両用補強部材の製造方法によれば、金属パイプから筒状本体部を成形しているので、分断部を含まない連続閉断面を呈する筒状本体部が設けられる。このため、車両用補強部材に衝撃が加わった場合であっても、筒状本体部の一部と他部との分断が防止される。また、筒状本体部において耐衝撃性に劣る部分が形成されにくくなる。したがって、上記製造方法によれば、良好な衝撃吸収性を示す車両用補強部材を製造できる。
本発明の一側面によれば、良好な衝撃吸収性を示す車両用補強部材及びその製造方法を提供できる。
図1は、車両用補強部材を示す概略斜視図である。 図2は、図1のII−II線に沿った断面図である。 図3は、車両用補強部材を成形するための成形装置の概略構成図である。 図4(a)は電極が金属パイプを保持した状態を示す図であり、図4(b)は電極に気体供給ノズルが当接した状態を示す図であり、図4(c)は電極の正面図である。 図5は、成形金型の概略断面図である。 図6(a)〜(c)は、成形金型の動作と金属パイプ材料の形状の変化を示す図である。 図7(a)〜(c)は、比較例に係る補強部材の荷重による変形を示す図である。 図8(a)〜(c)は、車両用補強部材の荷重による変形を示す図である。 図9(a)は、車両用補強部材の一部を示す概略斜視図である。図9(b)は、図9(a)のIXb−IXb線に沿った断面図である。図9(c)は、図9(a)のIXc−IXc線に沿った断面図である。 図10は、図1に示す形態及び図9に示す形態に係る車両用補強部材の荷重変位曲線を示す図である。 図11(a)は第1交差部の拡大断面図であり、図11(b)は第3交差部の拡大断面図であり、図11(c)は第2交差部の拡大断面図であり、図11(d)は第3交差部の形状パターンを短手方向から見た拡大図である。 図12(a)は第3交差部の形状パターンの他の例を短手方向から見た図であり、図12(b)はその拡大図である。
以下、本発明に係る車両用補強部材及びその製造方法の一実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、各図において同一部分又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、車両用補強部材を示す概略斜視図である。図2は、図1のII−II線に沿った断面図である。図1及び図2に示される車両用補強部材1は、自動車等の車両に装着される補強部材であり、衝突時に発生する衝撃を吸収する。本形態では、車両用補強部材1は、例えば車両のフロントバンパ内部に設置されるバンパービームであり、車両幅方向に沿って延在する中空部材である。このため、車両用補強部材1が車両に装着される場合、車両用補強部材1の長手方向は、車両幅方向に相当する。
車両用補強部材1は、長手方向に交差する断面が連続閉断面である金属製の筒状本体部100を備える。筒状本体部100は、断面多角形状を呈する。連続閉断面の部材は、予め断面環形状を呈するリングもしくは金属パイプ等から構成される部材である。本形態に係る筒状本体部100は、一本の金属パイプから構成される。すなわち、筒状本体部100は、複数の板金を溶接することによって構成されるものではなく、1枚の板金への加工(例えば、ロールフォーミング等)によって構成されるものでもない。このため、筒状本体部100の断面には合口(ジョイント)が存在しない。上記金属パイプは、例えば、高張力鋼もしくは超高張力鋼から構成される筒状部材である。高張力鋼は、400MPa以上の引張強度を示す鋼材である。超高張力鋼は、1GPa以上の引張強度を示す鋼材である。また、筒状本体部100の厚さは、特に限定されないが、例えば1.0mm以上2.3mm以下である。
筒状本体部100は、第1面101、第1面101に離間すると共に対向する第2面102、第1面101と第2面102とをつなぐ一対の第3面103a,103b、及び一対の突出部104a,104bを有する。第1面101、第2面102、及び一対の第3面103a,103bのそれぞれは、外周面及び内周面を有する。
第1面101は、筒状本体部100が車両に装着されるとき、当該車両の内側に位置する部分である。例えば、車両用補強部材1がフロントバンパービームである場合、第1面101は、車両後方に位置する。第1面101は、略平板形状を呈しており、略円弧形状を描くようにしなっている。
第2面102は、筒状本体部100が車両に装着されるとき、当該車両の外側に位置する部分である。このため、筒状本体部100が車両に装着されるとき、第2面102は最初に衝撃を受ける面として機能する。例えば、車両用補強部材1がフロントバンパービームである場合、第2面102は、車両前方に位置する。この場合、第1面101と第2面102とが互いに対向する方向(以下、単に「対向方向」と省略する)は、車両前後方向に相当する。また、車両上下方向は、上記長手方向に直交する短手方向に相当する。第2面102は、第1面101と同様に略円弧形状を描くようにしなっている板状部分である。短手方向において、第2面102の幅W2は、第1面101の幅W1よりも大きい。例えば、幅W2は、幅W1の60%以上90%以下である。
第2面102には、互いに離間する複数の溝110が設けられる。複数の溝110のそれぞれは、第2面102の耐衝撃性を向上するために設けられる。複数の溝110のそれぞれは、上記長手方向に沿って延在しており、第2面102の表面から第1面101に向かって窪む部分である。各溝110の長手方向に交差する断面は、略台形状を呈する。各溝110は、底面110a及び側面110b,110cを有する。側面110bは、底面110aに近づくにつれて側面110cに接近するように傾斜する傾斜面である。同様に、側面110cは、底面110aに近づくにつれて側面110bに接近するように傾斜する傾斜面である。各溝110の深さD11は、例えば、上記対向方向における第1面101と第2面102との間隔S1の5%以上25%以下である。また、各溝110の幅W11は、第2面102の幅W2の10%以上30%以下である。
第3面103aは、上記短手方向における第1面101の一端と、上記短手方向における第2面102の一端とをつなぐ部分である。第3面103aは、第2面102から延在する第4面121、及び第4面121と第1面101の上記一端とをつなぐ第5面122を有する。第4面121及び第5面122のそれぞれは、略平板形状を呈している。上記対向方向において、第4面121の長さL1は、例えば、第1面101と第2面102との間隔S1の20%以上80%以下である。
第4面121と第2面102とがなす角度は、直角もしくは直角近傍の鋭角である。直角近傍の鋭角とは、例えば85°以上90°以下である。このため第4面121は、第2面102から離れるように第5面122に向かって延在している。よって、第2面102の内周面と、第4面121の内周面と、第4面121に最も近い溝110の内周面とによって空間が形成される。例えば、当該空間に収容され、且つ、第2面102の内周面と、第4面121の内周面と、第4面121に最も近い溝110の側面110cとに接する円(内接円)の直径は、突出部104aの突出量(詳細は後述)よりも大きい。当該内接円の直径は、例えば10mm以上である。もしくは、第4面121の内周面と、第4面121に最も近い溝110の側面110cとの距離は、例えば突出部104aの突出量P1(詳細は後述)より大きくてもよいし、突出量P2(詳細は後述)より大きくてもよい。
突出部104aは、筒状本体部100の耐衝撃性を向上するために設けられる部分であり、上記短手方向に突出している。突出部104aが設けられることによって、第2面102側から筒状本体部100に衝撃が加えられたとき、第3面103aが内側に向かって変形する。突出部104aは、筒状本体部100の一部が折り畳まれることによって形成される。筒状本体部100の上記一部は、第2面102の端部102a(第1端部)と、第3面103aの端部131(第2端部)とを含む。すなわち、筒状本体部100において上記端部102a,131を含む部分が折り畳まれることによって、突出部104aが形成される。図1に示されるように、突出部104aの突出量は、上記長手方向における筒状本体部100の中央部100aと、上記長手方向における筒状本体部100の端部100b,100cとで異なっている。突出部104aにおいて端部100bに位置する部分141と、突出部104aにおいて端部100cに位置する部分142とのそれぞれは、筒状本体部100の耐衝撃性を向上するだけではなく、他部材との接続部分としても機能し得る。例えば、部分141,142のそれぞれには、スポット溶接等が実施される。もしくは、部分141,142のそれぞれには、締結部材等が挿通されるための開口が設けられてもよい。
本形態では、中央部100aにおける突出部104aの突出量P1は、上記部分141,142の突出量P2(すなわち、端部100b,100cにおける突出部104aの突出量)よりも小さい。突出部104aによる耐衝撃性の向上を十分に発揮する観点から、突出量P1は、例えば1mm以上に設定される。突出部104aを確実に形成する観点から、突出量P1は、例えば2mm以上に設定されてもよい。後述するように、突出部104aは金型を用いた成形手法にて形成される。よって、突出部104aを形成するために、第2面102の端部102aと第3面103aの端部131とを溶接しなくてもよい。したがって突出部104aにおいては、溶接に必要な突出量が確保されなくてもよい。例えば特開2017−170466号公報においては、フランジ部にスポット溶接を実施するためには、当該フランジ部の幅を15mm〜20mm程度確保する必要があるとされている。また、上記公報においては、フランジ部にレーザ溶接を実施する場合であっても、当該フランジ部の幅を少なくとも5mm程度は確保する必要があるとされている。これに対して、突出量P1は、5mm以下でもよく、4mm以下でもよく、3mm以下でもよく、2mm以下でもよい。一方、部分141,142の突出量P2は、10mm以上でもよく、15mm以上でもよく、20mm以上でもよい。この場合、部分141,142に対して容易にスポット溶接等が実施できる。
第3面103bは、短手方向における第1面101の他端と、短手方向における第2面102の他端とをつなぐ部分である。第3面103bは、第3面103aと同様に、第2面102から延在する第4面151、及び第4面151と第1面101の上記他端とをつなぐ第5面152を有する。第4面121,151は互いに略同一形状を呈しており、第5面122,152は互いに略同一形状を呈している。このため第4面151は、第4面121と同様に、第2面102から離れるように第5面152に向かって延在している。
突出部104bは、突出部104aと同様に筒状本体部100の耐衝撃性を向上するために設けられる部分であり、上記短手方向に突出している。突出部104bは、上記短手方向において突出部104aの反対側に位置している。突出部104bもまた、筒状本体部100の一部が折り畳まれることによって形成される。筒状本体部100の上記一部は、第2面102の端部102b(第1端部)と、第3面103aの端部161(第2端部)とを含む。突出部104bは、突出部104aと略同一形状を呈する。このため、突出部104bの突出量は、上記長手方向における中央部100aと、上記長手方向における端部100b,100cとで異なっている。
次に、図3〜図6を参照しながら本形態に係る車両用補強部材1の製造方法を説明する。まず、図3〜図5を参照しながら、車両用補強部材1を成形するための成形装置について説明する。
<成形装置の構成>
図3は、成形装置の概略構成図である。図3に示されるように、車両用補強部材1を成形する成形装置10は、互いに対となる上型(金型)12及び下型(金型)11を有する成形金型(成形部)13と、上型12及び下型11の少なくとも一方を移動させる駆動機構80と、上型12と下型11との間に配置される金属パイプ14を保持するパイプ保持機構30と、パイプ保持機構30で保持されている金属パイプ14に通電して加熱する加熱機構50と、上型12及び下型11の間に保持され加熱された金属パイプ14内にガス(気体)を供給するための気体供給ユニット60と、パイプ保持機構30で保持された金属パイプ14の内部に気体供給ユニット60からの気体を供給するための一対の気体供給部40,40と、成形金型13を強制的に水冷する水循環機構72とを備えると共に、上記駆動機構80の駆動、上記パイプ保持機構30の駆動、上記加熱機構50の駆動、及び上記気体供給ユニット60の気体供給をそれぞれ制御する制御部70と、を備える。
成形金型13は、金属パイプ14を金属パイプに成形するために用いられる型である。このため、成形金型13に含まれる下型11には、金属パイプ14が収容されるキャビティ(凹部)が設けられる(詳細は後述する)。
下型11は、大きな基台15に固定されている。下型11は、大きな鋼鉄製ブロックで構成され、その上面にキャビティ16を備える。下型11には冷却水通路19が形成されている。また、下型11は、略中央に下から差し込まれた熱電対21を備えている。熱電対21は、スプリング22により上下移動自在に支持されている測温手段である。通電時間と温度との相関が得られれば、測温手段は省いてもよい。
下型11の左右端(図3における左右端)近傍には、電極収納スペース11aが設けられている。電極収納スペース11a内には、上下に進退動可能に構成された電極(下側電極)17,18が設けられる。下型11と下側電極17との間及び下側電極17の下部、並びに下型11と下側電極18との間及び下側電極18の下部には、通電を防ぐための絶縁材91がそれぞれ設けられている。それぞれの絶縁材91は、パイプ保持機構30を構成するアクチュエータ(不図示)の可動部である進退ロッド95に固定されている。このアクチュエータは、下側電極17,18等を上下動させるためのものであり、アクチュエータの固定部は、下型11と共に基台15側に保持されている。
下側電極17,18の上面には、金属パイプ14の下側外周面に対応した半円弧状の凹溝17a,18aがそれぞれ形成されている(図4(c)を参照)。このため、下型11側に位置する一対の下側電極17,18は、パイプ保持機構30の一部を構成しており、金属パイプ14を上型12と下型11との間で昇降可能に支えることができる。下側電極17,18にて支持される金属パイプ14は、例えば凹溝17a,18aにて嵌め込まれ載置される。下側電極17,18の正面(金型の外側方向の面)には、凹溝17a,18aに向って周囲がテーパー状に傾斜して窪んだテーパー凹面17b,18bが形成されている。なお、絶縁材91には、上記凹溝17a,18aに連通すると共に、金属パイプ14の外周面に対応した半円弧状の凹溝が形成されている。
上型12は、下型11と同様に大きな鋼鉄製ブロックによって構成されており、駆動機構80を構成するスライド81(詳細は後述)に固定されている。上型12の内部には、冷却水通路25が設けられている。
上型12の左右端(図3における左右端)近傍には、下型11と同様な電極収納スペース12aが設けられている。電極収納スペース12a内には、下型11と同じく、上下に進退動可能に構成された電極(上側電極)17,18が設けられる。上型12と上側電極17との間及び上側電極17の上部、並びに上型12と上側電極18との間及び上側電極18の上部には、通電を防ぐための絶縁材92がそれぞれ設けられている。それぞれの絶縁材92は、パイプ保持機構30を構成するアクチュエータ(不図示)の可動部である進退ロッド96に固定されている。このアクチュエータは、上側電極17,18等を上下動させるためのものであり、アクチュエータの固定部は、上型12と共に駆動機構80側に保持されている。
上側電極17,18の下面には、金属パイプ14の上側外周面に対応した半円弧状の凹溝17a,18aがそれぞれ形成されている(図4(c)を参照)。このため、上側電極17,18は、パイプ保持機構30の他の一部を構成している。上下一対の電極17,18で金属パイプ14を上下方向から挟持すると、金属パイプ14の外周を全周に渡って密着するように取り囲むことができる。上側電極17,18の正面(金型の外側方向の面)には、凹溝17a,18aに向って周囲がテーパー状に傾斜して窪んだテーパー凹面17b,18bが形成されている。なお、絶縁材92には、上記凹溝17a,18aに連通すると共に、金属パイプ14の外周面に対応した半円弧状の凹溝が形成されている。
図5は、成形金型13の概略断面図である。図5に示されるように、下型11の上面には、下型11の中央のキャビティ16表面を基準ラインLVとすると、キャビティ16の一方側(図5において右側、図3において紙面奥側)に第1突起11bが形成されており、キャビティ16の他方側(図5において左側、図3において紙面手前側)に第2突起11cが形成されている。第1突起11b及び第2突起11cの先端面は、それぞれ平面を呈している。第1突起11b及び第2突起11cにおいて基準ラインLVからの突出量は略同一である。キャビティ16は、第1突起11b及び第2突起11cにつながる第1部分16aと、第1部分16aにつながる第2部分16bとを有する。第1部分16aは、車両用補強部材1の第4面121,151を成形するための部分である。第1部分16aの断面形状は、例えば略矩形状を呈する。第2部分16bは、車両用補強部材1の第5面122,152を成形するための部分である。第2部分16bは、第1部分16aよりもキャビティ16の底面側に位置する。第2部分16bの断面形状は、例えば略逆台形状を呈する。
上型12において下型11に対向する面12bには、下型11に向かって突出する凸部24が設けられる。このため、面12bの一部は、凹凸面を呈している。より具体的には、面12bにおいてキャビティ16に重なる部分は、凹凸面を呈している。この凹凸面は、車両用補強部材1における第2面102の溝110を形成するために設けられる。凸部24は、車両用補強部材1における突出部104a,104bを形成するために設けられる。凸部24は、例えば金属パイプ14の延在方向に沿って延在している。なお、上型12及び下型11を密着可能にするため、面12bにおいて第1突起11bもしくは第2突起11cに重なる部分は、平面を呈している。
図3に戻って、駆動機構80は、上型12及び下型11同士が合わさるように上型12を移動させるスライド81と、スライド81を移動させるための駆動力を発生するシャフト82と、該シャフト82で発生した駆動力をスライド81に伝達するためのコネクティングロッド83とを備えている。シャフト82は、スライド81上方にて左右方向に延在していると共に回転自在に支持されており、その軸心から離間した位置にて左右端から突出して左右方向に延在する偏心クランク82aを有している。この偏心クランク82aと、スライド81の上部に設けられると共に左右方向に延在している回転軸81aとは、コネクティングロッド83によって連結されている。偏心クランク82aの位置変化をスライド81に伝達する際に発生するコネクティングロッド83の揺動(回転運動)は、回転軸81aによって吸収される。なお、シャフト82は、例えば制御部70によって制御されるモータ等の駆動に応じて回転又は停止する。
加熱機構(電力供給部)50は、電力供給源55、及び、電力供給源55と電極17,18とを電気的に接続する電力供給ライン52を備える。電力供給源55は、直流電源及びスイッチを含み、電力供給ライン52、電極17,18を介して金属パイプ14に通電可能になっている。本形態では、電力供給ライン52は、下側電極17,18に接続されているが、これに限られない。制御部70は、上記加熱機構50を制御することによって、金属パイプ14を焼入れ温度(例えば、AC3変態点温度以上)まで加熱できる。
一対の気体供給部40の各々は、ブロック41を介して基台15上に載置固定されるシリンダユニット42と、シリンダユニット42の作動に合わせて進退動するシリンダロッド43と、シリンダロッド43の先端に連結された気体供給ノズル44とを有する。気体供給ノズル44の先端には、先細になるように設けられるテーパー面45が設けられる。また、気体供給ノズル44の内部には、ガス通路46が設けられる。
気体供給ユニット60は、ガス源61と、このガス源61によって供給されたガスを貯留するアキュムレータ62と、このアキュムレータ62から気体供給部40のシリンダユニット42まで延びている第1チューブ63と、この第1チューブ63に介設されている圧力制御弁64及び切替弁65と、アキュムレータ62から気体供給部40の気体供給ノズル44まで延びている第2チューブ67と、この第2チューブ67に介設されている圧力制御弁68及び逆止弁69と、を有する。圧力制御弁64は、気体供給ノズル44の金属パイプ14に対する押力に適応した作動圧力のガスをシリンダユニット42に供給する役割を果たす。逆止弁69は、第2チューブ67内でガスが逆流することを防止する役割を果たす。
圧力制御弁68は、制御部70の制御により、第2チューブ67内の圧力を調節するバルブである。例えば、金属パイプ14を仮膨張させるための作動圧力(以下、第1到達圧力とする)を有するガス(以下、低圧ガスとする)と、金属パイプを成形するための作動圧力(以下、第2到達圧力とする)を有するガス(以下、高圧ガスとする)とを、第2チューブ67内に供給する役割を果たす。これにより、第2チューブ67に接続される気体供給ノズル44に低圧ガス及び高圧ガスを供給できる。なお、高圧ガスの圧力は、例えば低圧ガスの約2倍〜5倍である。
また、制御部70は、図1に示す(A)から情報が伝達されることによって、熱電対21から温度情報を取得し、加熱機構50及び駆動機構80を制御する。水循環機構72は、水を溜める水槽73と、この水槽73に溜まっている水を汲み上げ、加圧して下型11の冷却水通路19及び上型12の冷却水通路25へ送る水ポンプ74と、配管75とを備える。省略したが、水温を下げるクーリングタワーや水を浄化する濾過器を配管75に介在させることは差し支えない。
<成形装置を用いた金属パイプの成形方法>
次に、成形装置10を用いた筒状本体部100の成形方法について図6(a)〜(c)を参照しながら説明する。まず、図6(a)に示されるように、成形装置10内に金属パイプ14を準備する。具体的には、上型11及び下型12の間に金属パイプ14を配置する。この金属パイプ14は、パイプ保持機構30の上側電極17,18及び下側電極17,18によって挟持されている。また、金属パイプ14は、制御部70による加熱機構50の制御によって、通電加熱されている。具体的には、制御部70による加熱機構50の制御によって金属パイプ14に電力を供給する。すると、電力供給ライン52を介して下側電極17,18に伝達される電力が、金属パイプ14を挟持している上側電極17,18及び金属パイプ14に供給される。そして、金属パイプ14自身の電気抵抗により、金属パイプ14自体がジュール熱によって発熱する。
次に、図6(b)に示されるように、制御部70による駆動機構80の制御によって、上型12を下型11に向かって移動させる。これにより、上型12と下型11とを接近させ、筒状本体部100を成形するための空間を上型12と下型11との間に形成する。このとき、上型12と下型11との間に配置される金属パイプ14は、キャビティ16内に位置する。なお、金属パイプ14を通電加熱する前等に、上型12を下型11側に近づけてもよい。
次に、図6(c)に示されるように、金属パイプ14内に気体を供給して、上記空間に突出部104a,104bを有する筒状本体部100を膨張成形する。具体的には、まず、気体供給部40のシリンダユニット42を作動させることによって、気体供給ノズル44を前進させ、金属パイプ14の両端に気体供給ノズル44を挿入する。このとき、各気体供給ノズル44の先端部44Aを金属パイプ14の両端に挿入してシールする。これにより、金属パイプ14の内部と、ガス通路46とが、気密性よく連通する。続いて、制御部70による気体供給ユニット60、駆動機構80、及び開閉弁47の制御によって、加熱後の金属パイプ14内に気体(ガス)を供給する。これにより、加熱により軟化した金属パイプ14が膨張して成形金型13と接触する。そして、金属パイプ14は、キャビティ16、第1突起11b、第2突起11c、及び面12bの形状に沿うように成形される。
供給するガスのタイミング、圧力等の調整によって、第1突起11bと面12bとの間、並びに、第2突起11cと面12bとの間のそれぞれに、膨張した金属パイプ14の一部を確実に侵入させる。これにより、突出部104a,104bを有する筒状本体部100を良好に成形できる。なお、金属パイプ14のブロー成形から車両用補強部材1の成形完了までに至るまでの時間は、金属パイプ14の種類にもよるが、概ね数秒から数十秒程度である。
ブロー成形されて膨らんだ金属パイプ14の外周面が下型11のキャビティ16に接触して急冷されると同時に、上型12の面12bに接触して急冷される。これにより、金属パイプ14の焼き入れが実施される。上型12と下型11は熱容量が大きく且つ低温に管理されている。このため、金属パイプ14の上型12及び下型11への接触によって、パイプ表面の熱が急激に金型側へと奪われる。このような冷却法は、金型接触冷却又は金型冷却と呼ばれる。急冷された直後はオーステナイトがマルテンサイトに変態する(以下、オーステナイトがマルテンサイトに変態することをマルテンサイト変態とする)。冷却の後半は冷却速度が小さくなったので、復熱によりマルテンサイトが別の組織(トルースタイト、ソルバイト等)に変態する。従って、別途焼戻し処理を行う必要がない。また、本形態においては、金型冷却に代えて、あるいは金型冷却に加えて、冷却媒体を例えばキャビティ16内に供給することによって冷却が行われてもよい。例えば、マルテンサイト変態が始まる温度までは金型(上型12及び下型11)に金属パイプ14を接触させて冷却し、その後型開きすると共に冷却媒体(冷却用気体)を金属パイプ14へ吹き付けることにより、マルテンサイト変態を発生させてもよい。
<作用効果>
次に、車両用補強部材1の作用効果について、下記の比較例を示しながら説明する。比較例に係る補強部材は、突出部を備えていないこと以外は、本形態の車両用補強部材1と同様の構成を備える。
図7(a)〜(c)は、比較例に係る補強部材の荷重による変形を示す図である。図7(c)は、図7(b)において破線で示された部分の拡大図である。図7(c)において仮想線で示される部分は、変形前の補強部材を示している。図7(a),(b)に示される各矢印は、荷重Fの印加に伴って補強部材が変形する方向を示す。図7(a)には、第1面201、第1面201に対向すると共に溝部210が設けられる第2面202、及び第1面201と第2面202とをつなぐ第3面203a,203bを有する補強部材200が示されている。この補強部材200に対して第2面202側から荷重Fが加えられたとき、補強部材200は、図7(b)に示されるように変形する。特に、第3面203a,203bにおいて第2面202の近傍に位置する部分は、図7(c)に示されるように、変形前よりも外側に変位する。このため、第3面203a,203bは、荷重Fを受け止められずに容易に変形する傾向にある。したがって比較例に係る補強部材200によれば、上記荷重Fの印加に対する十分な耐衝撃性を示すことができない傾向にある。
図8(a)〜(c)は、本形態に係る車両用補強部材1の荷重による変形を示す図である。図8(c)は、図8(b)において破線で示された部分の拡大図である。図8(c)において仮想線で示される部分は、変形前の車両用補強部材1を示している。図8(a),(b)に示される各矢印は、荷重Fの印加に伴って車両用補強部材1が変形する方向を示す。本形態に係る車両用補強部材1に対して第2面102側から荷重Fが加えられたとき、車両用補強部材1は、図8(b)に示されるように変形する。ここで図8(c)に示されるように、第3面103a,103bの第4面121,151は、上記比較例と異なり、変形前よりも内側に変位する。このため、第3面103a,103bは、それらが変形した場合であっても継続して荷重Fを受け止められる傾向にある。したがって本形態に係る車両用補強部材1は、上記比較例に係る補強部材200よりも耐衝撃性に優れている傾向にある。
加えて、本形態に係る製造方法によって成形される車両用補強部材1は、連続閉断面を呈する筒状本体部100を備える。このため、車両用補強部材1に衝撃が加わった場合であっても、筒状本体部100の一部と他部との分断が防止される。また、筒状本体部100には予め分断されている箇所が存在しないので、筒状本体部100において耐衝撃性に劣る部分が形成されにくくなる。さらには、第3面103aは、第2面102から離れるように端部131から延在する第4面121を有し、第3面103bは、第2面102から離れるように端部161から延在する第4面151を有する。これにより、第3面103a,103bの内側へ向かう変形が第2面102によって阻害されにくくなる。このため、第2面102側から車両用補強部材1に衝撃が加わったとき、第3面103a,103bによる衝撃吸収が良好に発揮される。したがって、車両用補強部材1によれば、良好な衝撃吸収性を示すことができる。
上記長手方向における筒状本体部100の中央部100aに位置する突出部104a,104bの突出量P1は、1mm以上5mm以下であってもよい。この場合であっても、第2面102側から車両用補強部材1に衝撃が加わったとき、中央部100aの突出部104a,104bは外側へ向かって変形する。このため、中央部100aにおいても第3面103a,103bによる衝撃吸収が良好に発揮される。加えて、筒状本体部100の強度低下抑制と軽量化との両方を実現できる。
上記長手方向における筒状本体部100の端部100b,100cに位置する突出部104a,104bの突出量P2は、10mm以上であってもよい。この場合、端部100b,100cに位置する突出部104a,104bを、他の部材に対して溶接される箇所として利用できる。
次に、図9(a)〜(c)を参照しながら、他の車両用補強部材を説明する。他の車両用補強部材の説明において上記形態と重複する記載は省略し、上記形態と異なる部分を記載する。図9(a)は、他の車両用補強部材の一部を示す概略斜視図である。図9(b)は、図9(a)のIXb−IXb線に沿った断面図である。図9(c)は、図9(a)のIXc−IXc線に沿った断面図である。
図9(a)〜(c)に示される車両用補強部材1Aの筒状本体部100Aは、第3面103c,103dを有する。上記対向方向における第3面103cの第4面121Aの長さは、長手方向に沿って周期的に変化している。例えば、図9(b)に示される断面(第1断面)における第4面121Aの長さL11は最も短く、図9(c)に示される断面(第2断面)における第4面121Aの長さL12は最も長い。例えば、長さL11は間隔S1の20%以上35%以下であり、長さL12は間隔S1の40%以上60%以下である。同様に、上記対向方向における第3面103dの第4面151Aの長さは、長手方向に沿って周期的に変化している。断面における第4面121A,151Aの長さは、互いに略同一である。
このような構成によって、図1の形態と同様の作用効果が奏される。加えて、上記長手方向に沿った第4面121A,151Aの長さを調整することによって、車両用補強部材1Aの位置に応じた耐衝撃性の設定が可能になる。さらには、上記対向方向における第3面103cの第4面121Aの長さ及び第3面103dの第4面151Aの長さが長手方向に沿って周期的に変化することによって、第2面102側からの荷重に対する車両用補強部材1Aの最大反力値を向上できる。
ここで、図9(b),(c)に示すように、長手方向から見た断面視において、第1面101及び第3面103c,103dが交差する部分を第1交差部181,191とする。第2面102及び第3面103c,103dが交差する部分を第2交差部182,192とする。第4面121A,151A及び第5面122A,152Aが交差する部分を第3交差部183,193とする。このとき、第1交差部181,191と第2交差部182,192とを結ぶ仮想線VLを設定する。このとき、第3交差部183,193は、仮想線VLに対して外側へ突出する。ここでの外側とは、内部空間から見た時の外側のことである。すなわち、第3面103c,103dの断面形状が、仮想線VLに対して、外側へ膨らむような形状となる。
なお、図11(a),(b),(c)を参照して、仮想線VLの設定方法、及び仮想線VLと第3交差部183,193との比較方法の一例について説明する。なお、以降の説明においては、第3面103d側の構成についてのみ説明するが、第3面103cについても同様な説明が成り立つ。図11(a)に示すように、第1面101の内面と第3面103dの内面とが交わる箇所に仮想線VLの端部となる基準点SP1を設定してよい。ここで、角部が湾曲している場合、円弧の周方向における中心位置に基準点SP1を設定してよい。
図11(b)に示すように、仮想線VLと第3交差部193とを比較する場合、第4面151Aの内面と第5面152Aの内面とが交わる箇所に基準点SP3を設定してよい。そして、基準点SP3が、仮想線VLよりも外側にあればよい。ここで、角部が湾曲している場合、円弧の周方向における中心位置に基準点SP3を設定してよい。
図11(c)に示すように、第2面102の内面と第3面103dの内面とが交わる箇所に仮想線VLの端部となる基準点SP2を設定してよい。ただし、第2面102と第3面103dとの間に突出部104bが形成されている場合、仮想線VL設定の場面においては、突出部104bは第3面103dに属するものとして考えてよい。従って、突出部104bの折り返し部114の内面と第4面151Aの内面とが交わる箇所に基準点SP2を設定してよい。角部が湾曲している場合、円弧の周方向における中心位置に基準点SP2を設定してよい。
なお、図においては、突出部104bの折り返し部114の内面は、第2面102の内面の対向箇所と接触しており、突出部104bが潰れた形状となっているが、両内面が離間することで突出部104b内に空間が形成されてもよい。この場合も、突出部104bの折り返し部114の内面と第4面151Aの内面とが交わる箇所に基準点SP2を設定してよい。
図11(d)に示すように、筒状本体部100Aは、対向方向における第3交差部193の位置が長手方向に沿って変化する除変部196,197(変化部)を有する。以降、「第3交差部の位置」と称した場合は、対向方向における第3交差部の位置であるものとする。「除変部」とは、第3交差部の位置が長手方向に沿って徐々に、すなわち漸次的に変化する部分である。
筒状本体部100Aは、除変部として、除変部196と、除変部197と、を有する。除変部196は、長手方向における一方(ここでは、図11(d)における右側から左側)へ向かうに従って、第3交差部193の位置が第1面101側から第2面102側へ変化する。除変部197は、長手方向における一方へ向かうに従って、第3交差部193の位置が第2面102側から第1面101側へ変化する。
なお、図11(d)における右側から左側の方向を請求項における「長手方向における一方」とした場合、除変部196が「第1変化部」に該当し、除変部197が「第2変化部」に該当する。しかし、図11(d)における左側から右側の方向を請求項における「長手方向における一方」とした場合、除変部197が「第1変化部」に該当し、除変部196が「第2変化部」に該当する。
筒状本体部100Aの長手方向における少なくとも一部では、除変部196と除変部197とが、所定の繰り返しの形状パターンにて、長手方向に沿って交互に形成されている。
また、筒状本体部100Aは、除変部196と除変部197との間に、第3交差部193の位置が長手方向に沿って一定となる非変化部198,199を有する。非変化部198は、第3交差部193の位置が第2面102に近い箇所で一定断面となる。非変化部198の断面形状は、図9(b)に示される形状である。非変化部199は、第3交差部193の位置が第2面102から遠くなる箇所で一定断面となる。非変化部199の断面形状は、図9(c)に示される形状である。
図11(d)における右側から左側へ向かう順に「非変化部198、除変部197、非変化部199、除変部196、非変化部198…」という繰り返しの形状パターンが形成されている。
図9に示す形態の作用・効果について説明する。
長手方向から見た断面視において、第1面101及び第3面103c,103dが交差する第1交差部181,191と、第2面102及び第3面103c,103dが交差する第2交差部182,192とを結ぶ仮想線VLを設定した場合、第4面121A,151A及び第5面122A,152Aが交差する第3交差部183,193は、仮想線VLに対して外側へ突出する。このような断面形状において、筒状本体部100Aは、第1面101と第2面102とが互いに対向する対向方向における第3交差部183,193の位置が長手方向に沿って変化する除変部196,197を有する。
この場合、筒状本体部100Aには、対向方向における第3交差部183,193の位置が、互いに異なる複数の箇所が形成される。すなわち、筒状本体部100Aは、図9(b)に示す断面形状を有する箇所(ここでは非変化部198)と、図9(c)に示す断面形状を有する箇所(ここでは非変化部199)と、を有する。これらの箇所は、第2面102に衝撃が加わったときに、断面視において互いに異なる変形態様にて変形する。
例えば、図9(c)に示す断面形状の箇所は、第3面103c,103dが更に外側へ膨らむような形状となるように変化し得る。一方、図9(b)に示す断面形状の箇所は、第3面103c,103dが内側へ入り込むような形状(例えば、第3交差部193が仮想線VLより内側へ入り込むような形状)となるように変化し得る。あるいは、図9(b)に示す断面形状の箇所が、第3面103c,103dが外側へ膨らむように変化したとしても、その膨らみ量は、図9(c)の箇所よりも小さくなる。
このように、長手方向において変形態様が互いに異なる箇所が存在する筒状本体部100Aは、長手方向において変形態様が一定であるものに比して、断面の潰れを抑制して耐荷重性能を向上させることができる。したがって、上記車両用補強部材によれば、良好な衝撃吸収性を示すことができる。
例えば、筒状本体部100Aに対する入力は、長手方向において最も出張った箇所から開始される。例えば、図11(d)に示す例では、図面の右側の非変化部198から潰れ始め、次に、除変部197を経て、左隣の非変化部199が潰れる。そして、除変部196を経て、更に左隣の非変化部198が潰れる。このように、筒状本体部100Aの潰れが進行するに従って、断面形状の変形態様が、非変化部198と非変化部199とで、交互に繰り返し変化する。この場合、断面形状の潰れの進行は、変化態様が変化するたびに抵抗を受けるため、筒状本体部100Aの潰れが抑制される。
これに対し、図1の形態のように、断面形状が長手方向に一定である場合、変形態様も長手方向において略一定となる。この場合、筒状本体部100Aの荷重の入力箇所から潰れが開始されると、それ以降の箇所においても、同様の変形態様にて潰れが進行してゆく。このように、図1の形態は、図9に示す形態に比して、筒状本体部の潰れの進行時における抵抗が少なくなる。
筒状本体部100Aは、変化部として、長手方向における一方へ向かうに従って、第3交差部183,193の位置が第1面101側から第2面102側へ変化する除変部196と、長手方向における一方へ向かうに従って、第3交差部193の位置が第2面102側から第1面101側へ変化する除変部197と、を有する。この場合、長手方向において変形態様が互いに異なる箇所を三箇所以上形成することができる。すなわち、変化部として、筒状本体部の全長の中で、一箇所だけ変化部(除変部196または除変部197の一方のみ)が形成されるような構造が採用されてもよいが、除変部196及び除変部197を両方有する構造は、耐荷重性能を更に向上することができる。
筒状本体部100Aの長手方向における少なくとも一部では、除変部196と除変部197とが、所定の繰り返しの形状パターンにて、長手方向に沿って交互に形成されている。この場合、筒状本体部100Aには、第3交差部193の位置が第2面102に近い箇所と、第3交差部193の位置が第2面102から遠くなる箇所とが、交互に形成される。この場合、筒状本体部100Aの耐荷重性能を更に向上できる。
筒状本体部100は、除変部196と除変部197との間に、第3交差部193の位置が長手方向に沿って一定となる非変化部198,199を有する。この場合、第3交差部193の位置が第2面102に近い箇所、及び第3交差部193の位置が第2面102から遠くなる箇所が、一定断面で連続するような構成となる。この場合、当該一定断面の長さを調整することで、筒状本体部100Aの耐荷重性能の調整を行い易くなる。例えば、除変部196,197の形状の最適化のみで、筒状本体部100Aの耐荷重性能の調整を行おうとする場合、設計時のシミュレーションの負荷が大きくなる。これに対し、非変化部も一部に設けておくことで、当該非変化部の長さを調整することによっても、耐荷重性能の調整を行えるようになる。これにより、設計時のシミュレーションの負荷を低減できる。
なお、第3交差部193の形状パターンは、図11(d)に示すものに限定されない。例えば、図12に示すような形状パターンを有する車両用補強部材1Bが採用されてもよい。当該形状パターンは、非変化部199を有しておらず、除変部197から頂部195を経て、除変部196へ直ちに移行している。図9(c)の断面形状が、頂部195の断面形状となる。その他、あらゆる形状パターンが採用されてもよい。
変化部として、図11に示すような漸次的に湾曲するような除変部が採用されたが、変化部の形状は特に限定されない。例えば、変化部は、斜めに真っ直ぐ延びる直線状の形状を有してよい。また、変化部は、斜めの直線を複数組み合わせたような形状を有して良い。
変化部を有する形状パターンは、筒状本体部の全長にわたって形成されてよいが、一部だけに形成されてもよい。
図10は、図1の形態及び図9の形態に係る車両用補強部材の荷重変位曲線を示す図である。図10において縦軸は荷重を示し、横軸は変位を示す。破線のグラフは図1の形態に係る車両用補強部材の荷重変位曲線を示し、実線のグラフは図9の形態に係る車両用補強部材の荷重変位曲線を示す。これらの荷重変位曲線は、三点曲げ試験を実施することによって得られた。三点曲げ試験は、第3面の形状以外は同一の形状・寸法に設定したサンプルを用い、同条件にて実施した。これら2つのサンプルは、引張強度:1.5GPa、板厚:1.2mmの超高張力鋼から形成された金属パイプを成形加工することによって得られた。
図10に示されるように、変位が0mm〜35mm程度までは、図9の形態の耐荷重特性が図1の形態の耐荷重特性よりも良好であることを示している。また、図9の形態における最大反力値は、図1の形態よりも大きい。加えて、図1の形態及び図9の形態の両方において、変位が30mm〜35mmである場合の荷重は30kNを超えている。
また、引張強度:1.8GPa、板厚:1.25mm以上1.6mm以下である2枚の超高張力鋼を冷間加工及び溶接することによって得られたフランジ付き補強部材に対しても上記三点曲げ試験を実施した。結果、当該補強部材においては、変位が30mm〜35mmである場合の荷重は30kN未満であった。このことから、図1の形態及び図9の形態に係る車両用補強部材1,1Aのそれぞれは、上記補強部材よりも耐衝撃性に優れる傾向にあることがわかる。特に、車両用補強部材1,1Aのそれぞれにおいては、上記補強部材よりも引張強度が劣り、且つ、板厚が薄い材料から成形されているにもかかわらず、上記結果が得られている。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述のような形態に何ら限定されるものではない。例えば、上述の形態における車両用補強部材の突出部の突出量は一定でもよい。また、上述の形態において、突出部は上記短手方向に沿って突出しているが、これに限られない。突出部は上記対向方向に沿って突出してもよい。
[第1の形態]
長手方向に交差する断面が連続閉断面を呈する筒状本体部を備える車両用補強部材であって、
前記筒状本体部は、
車両に装着されるとき、当該車両の内側に位置する第1面と、
前記第1面に離間すると共に対向する第2面と、
前記第1面及び前記第2面をつなぐ第3面と、
前記第2面の第1端部及び前記第3面の第2端部を含む前記筒状本体部の一部が折り畳まれてなる突出部と、を有し、
前記第3面は、前記第2面から離れるように前記第2端部から延在する第4面と、前記第4面と前記第1面とをつなぐ第5面とを有する、
車両用補強部材。
[第2の形態]
前記長手方向における前記筒状本体部の中央部に位置する前記突出部の突出量は、1mm以上5mm以下である、第1の形態に記載の車両用補強部材。
[第3の形態]
前記長手方向における前記筒状本体部の端部に位置する前記突出部の突出量は、10mm以上である、第2の形態に記載の車両用補強部材。
[第4の形態]
前記筒状本体部において、前記長手方向に交差する第1断面における前記第3面の形状と、前記長手方向に交差すると共に前記第1断面とは異なる第2断面における前記第3面の形状とは、互いに異なる、第1〜3の形態のいずれか一つに記載の車両用補強部材。
[第5の形態]
前記第1面と前記第2面とが対向する方向における前記第4面の長さは、前記長手方向に沿って周期的に変化する、第4の形態に記載の車両用補強部材。
[第6の形態]
第1〜5の形態のいずれか一つに記載の車両用補強部材の製造方法であって、
金属パイプを第1の金型及び第2の金型の間に準備する工程と、
前記第1の金型及び前記第2の金型の少なくとも一方を金型同士が合わさる方向に移動させることによって、前記突出部を有する前記筒状本体部を成形するための空間を前記第1の金型と前記第2の金型との間に形成する工程と、
加熱された前記金属パイプ内に気体を供給して、前記空間内に前記筒状本体部を成形する工程と、
を備える車両用補強部材の製造方法。
一側面に係る車両用補強部材は、長手方向に交差する断面が連続閉断面を呈する筒状本体部を備え、筒状本体部は、車両内側に位置する第1面と、第1面に離間すると共に対向する第2面と、第1面及び第2面をつなぐ第3面と、第2面の第1端部及び第3面の第2端部を含む筒状本体部の一部が折り畳まれてなる突出部と、を有し、第3面は、第2面から離れるように第2端部から延在する第4面と、第4面と第1面とをつなぐ第5面とを有する。
この車両用補強部材は、連続閉断面を呈する筒状本体部を備える。このため、車両用補強部材に衝撃が加わった場合であっても、筒状本体部の一部と他部との分断が防止される。また、筒状本体部には予め分断されている箇所が存在しないので、筒状本体部において耐衝撃性に劣る部分が形成されにくくなる。加えて、筒状本体部は、第2面の第1端部及び第3面の第2端部を含む筒状本体部の一部が折り畳まれてなる突出部を有する。このため、第2面側から車両用補強部材に衝撃が加わったとき、突出部の外側へ向かう変形に伴って、第3面が内側に向かって変形する。ここで、第3面は、第2面から離れるように第2端部から延在する第4面を有する。これにより、第3面の内側へ向かう変形が第2面によって阻害されにくくなる。このため、第2面側から車両用補強部材に衝撃が加わったとき、第3面による衝撃吸収が良好に発揮される。したがって、上記車両用補強部材によれば、良好な衝撃吸収性を示すことができる。
長手方向における筒状本体部の中央部に位置する突出部の突出量は、1mm以上5mm以内であってもよい。この場合であっても、第2面側から車両用補強部材に衝撃が加わったとき、上記中央部の突出部は外側へ向かって変形する。このため、上記中央部においても第3面による衝撃吸収が良好に発揮される。加えて、筒状本体部の強度低下抑制と軽量化との両方を実現できる。
長手方向における筒状本体部の端部に位置する突出部の突出量は、10mm以上であってもよい。この場合、端部に位置する突出部を、他の部材に対して溶接される箇所として利用できる。
筒状本体部において、長手方向に交差する第1断面における第3面の形状と、長手方向に交差すると共に第1断面とは異なる第2断面における第3面の形状とは、互いに異なってもよい。この場合、車両用補強部材の位置に応じた耐衝撃性の設定が可能になる。
第1面と第2面とが対向する方向における第4面の長さは、長手方向に沿って周期的に変化してもよい。この場合、車両用補強部材の最大反力値を向上できる。
上記車両用補強部材の製造方法は、金属パイプを第1の金型及び第2の金型の間に準備する工程と、第1の金型及び第2の金型の少なくとも一方を金型同士が合わさる方向に移動させることによって、突出部を有する筒状本体部を成形するための空間を第1の金型と第2の金型との間に形成する工程と、加熱された金属パイプ内に気体を供給して、空間内に筒状本体部を成形する工程と、を備える。
この車両用補強部材の製造方法によれば、金属パイプから筒状本体部を成形しているので、分断部を含まない連続閉断面を呈する筒状本体部が設けられる。このため、車両用補強部材に衝撃が加わった場合であっても、筒状本体部の一部と他部との分断が防止される。また、筒状本体部において耐衝撃性に劣る部分が形成されにくくなる。したがって、上記製造方法によれば、良好な衝撃吸収性を示す車両用補強部材を製造できる。
1,1A,1B…車両用補強部材、10…成形装置、11…下型(金型)、12…上型(金型)、13…成形金型(成形部)、14…金属パイプ、16…キャビティ、30…パイプ保持機構、40…気体供給部、50…加熱機構、60…気体供給ユニット、70…制御部、80…駆動機構、100,100A…筒状本体部、100a…中央部、100b,100c…端部、101…第1面、102…第2面、102a,102b…端部(第1端部)、103a〜103d…第3面、104a,104b…突出部、110…溝、121,121A,151,151A…第4面、122,122A,152,152A…第5面、131,161…端部(第2端部)、181,191…第1交差部、182,192…第2交差部、183,193…第3交差部、196,197…除変部(変化部、第1変化部、第2変化部)、198,199…非変化部。

Claims (5)

  1. 長手方向に交差する断面が連続閉断面を呈する筒状本体部を備える車両用補強部材であって、
    前記筒状本体部は、
    車両に装着されるとき、当該車両の内側に位置する第1面と、
    前記第1面に離間すると共に対向する第2面と、
    前記第1面及び前記第2面をつなぐ第3面と、
    前記第3面は、前記第2面から離れるように延在する第4面と、前記第4面と前記第1面とをつなぐ第5面とを有し、
    前記長手方向から見た断面視において、
    前記第1面及び前記第3面が交差する第1交差部と、前記第2面及び前記第3面が交差する第2交差部とを結ぶ仮想線を設定した場合、前記第4面及び前記第5面が交差する第3交差部は、前記仮想線に対して外側へ突出し、
    前記筒状本体部は、前記第1面と前記第2面とが互いに対向する対向方向における前記第3交差部の位置が前記長手方向に沿って変化する変化部を有する、車両用補強部材。
  2. 前記筒状本体部は、前記変化部として、
    前記長手方向における一方へ向かうに従って、前記第3交差部の前記位置が前記第1面側から前記第2面側へ変化する第1変化部と、
    前記長手方向における一方へ向かうに従って、前記第3交差部の前記位置が前記第2面側から前記第1面側へ変化する第2変化部と、
    を有する、請求項1に記載の車両用補強部材。
  3. 前記筒状本体部の前記長手方向における少なくとも一部では、
    前記第1変化部と前記第2変化部とが、所定の繰り返しの形状パターンにて、前記長手方向に沿って交互に形成されている、請求項2に記載の車両用補強部材。
  4. 前記筒状本体部は、前記第1変化部と前記第2変化部との間に、前記第3交差部の前記位置が前記長手方向に沿って一定となる非変化部を有する、請求項2又は3に記載の車両用補強部材。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の車両用補強部材の製造方法であって、
    金属パイプを第1の金型及び第2の金型の間に準備する工程と、
    前記第1の金型及び前記第2の金型の少なくとも一方を金型同士が合わさる方向に移動させることによって、前記筒状本体部を成形するための空間を前記第1の金型と前記第2の金型との間に形成する工程と、
    加熱された前記金属パイプ内に気体を供給して、前記空間内に前記筒状本体部を成形する工程と、
    を備える車両用補強部材の製造方法。
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