JP3816405B2 - ハイドロフォーム法、ハイドロフォーム筒状部材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は水等の流体圧で成形するハイドロフォーム法、及び、ハイドロフォーム法で成形したハイドロフォーム筒状部材に関する。本発明は、例えば、車両ボディを補強する補強部材等の構造部材に適用できる。
【0002】
【従来の技術】
特開平11−179441号公報には、端部同士を直列に接合した継ぎ目を有するパイプ素材の周壁を継ぎ目と共に流体圧で拡管させるバルジ加工装置(ハイドロフォーム装置に相当)を用いる技術が開示されている。この技術によれば、2個のパイプ素材の端面同士を直列に接合して継ぎ目を形成した状態で、加圧プレスでパイプ素材の軸長方向に沿って互いに対向する方向に加圧しつつ、高圧流体供給管からパイプ素材の中空室に流体圧を加えてパイプ素材の周壁を拡管することにしている。拡管時において、肉厚が相対的に薄いパイプ素材は、肉厚が相対的に厚いパイプ素材よりも伸びやすいため、周壁が破断するおそれがある。そこで上記した公報技術によれば、肉厚が相対的に薄いパイプ素材の周壁の変形を拘束する破断防止ブロックと、肉厚が相対的に厚いパイプ素材の周壁の変形を拘束する支持ブロックとを設け、拡管時に各プロックを個別に制御することにより、肉厚が相対的に厚いパイプ素材の周壁と肉厚が相対的に薄いパイプ素材の周壁とをほぼ同時に拡管することとしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記した公報技術によれば、肉厚が相対的に薄いパイプ素材の周壁の破断を抑え得るものの、パイプ素材の拡管度が大きいときには、パイプ素材の継ぎ目が損傷するおそれがある。このため、パイプ素材の拡管度の増加には限界があった。
【0004】
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、拡管度が大きい場合であっても継ぎ目の損傷を抑えることができ、拡管部のうち継ぎ目以外の部位の拡管度を高めることができるハイドロフォーム法及びハイドロフォーム筒状部材を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るハイドロフォーム法は、少なくとも2つの筒状部材の軸端面同士を直列に接合して継ぎ目を形成することにより、中空室をもつ素管を形成する接合工程と、成形型のキャビティ内に前記素管を配置する配置工程と、前記素管の前記中空室の内圧を増加させることにより、前記素管のうち少なくとも前記継ぎ目を有する部分の周壁を拡管させ前記成形型のキャビティ型面に当接させて拡管部を形成する拡管工程とを実施するハイドロフォーム法において、前記拡管工程は、前記拡管部のうち前記継ぎ目の外周長を、前記拡管部のうち前記継ぎ目以外の他の部分の外周長よりも短く設定する操作を含むことを特徴とするものである。
【0006】
本発明に係るハイドロフォーム法によれば、拡管工程は、拡管部のうち継ぎ目の外周長を、拡管部のうち継ぎ目以外の他の部分の外周長よりも短く設定する。このため拡管工程において拡管度が大きいときであっても、継ぎ目に作用する負荷が軽減される。
【0007】
本発明に係るハイドロフォーム筒状部材は、少なくとも2つの筒状部材の軸端面同士を直列に接合して継ぎ目を形成した中空室を有しハイドロフォーム法で成形されたハイドロフォーム筒状部材において、前記継ぎ目の外周長は、前記継ぎ目以外の他の拡管部の外周長よりも短く設定されていることを特徴とするものである。
【0008】
本発明に係るハイドロフォーム筒状部材によれば、拡管部のうち継ぎ目の外周長は、拡管部のうち継ぎ目以外の他の部分の外周長よりも短く設定されている。このため拡管工程において拡管度が大きいときであっても、継ぎ目に作用する負荷が軽減される。
【0009】
【発明の実施の形態】
・拡管工程は、素管の中空室の内圧を増加させることにより、素管のうち少なくとも継ぎ目を有する部分の周壁を拡管させ、拡管した周壁を成形型のキャビティ型面に当接させて拡管部を形成する。内圧の増加としては、素管の中空室に流体を送給することにより行うことができる。流体としては水や油などの液体などを採用できる。素管の材質としては、鉄系、アルミニウム系、マグネシウム系、チタン系、銅系等の各種金属を採用できるが、これらに限定されるものではない。鉄系としては、ステンレス鋼等の合金鋼系でも、炭素鋼系、純鉄系でも良く、亜共析鋼系、共析鋼系、過共析鋼系で良い、また組織的にはフェライト−パーライト系、フェライト系、オーステナイト系、ベイナイト系、ソルバイト系でも良い。
【0010】
・成形型のキャビティ型面はキャビティ内方に向けて突出する突出部を有し、拡管工程で行う操作としては、成形型のキャビティ型面の突出部に素管の継ぎ目を当接させることにより、継ぎ目の拡管量を抑える形態を採用できる。
【0011】
・素管は、少なくとも2つの筒状部材の軸端面同士を直列に接合して継ぎ目を形成することにより形成されている。素管は円筒形状でも良いし、角筒形状でも良い。従って、筒状部材としては、第1筒状部材と、第1筒状部材に直列に接合された第2筒状部材とを有する形態を採用できる。また、筒状部材としては、第1筒状部材と、第1筒状部材に直列に接合された第2筒状部材と、第2筒状部材に直列に接合された第3筒状部材とを有する形態を採用できる。継ぎ目の接合は溶接で行い得る。溶接としては公知の溶接を採用できるが、高エネルギビームを素管の継ぎ目に照射して溶接する手段、摩擦熱で溶接する摩擦溶接手段を採用できる。高エネルギビームとしてはレーザビーム、電子ビームが代表的なものである。
【0012】
・素管を構成する隣設する筒状部材は互いに異なる特性を有することが好ましい。特性としては、強度、硬さ、塑性変形能、肉厚、組成のうちの少なくとも一つとすることができる。この場合、素管の軸長方向の中央領域に位置する筒状部材の強度を、素管の軸長方向の端領域に位置する筒状部材の強度よりも高くできる。また素管の軸長方向の中央領域に位置する筒状部材の硬度を、素管の軸長方向の端領域に位置する筒状部材の硬度よりも高くできる。更に素管の軸長方向の中央領域に位置する筒状部材の塑性変形能を、素管の軸長方向の端領域に位置する筒状部材の塑性変形能よりも大きくできる。また素管の軸長方向の中央領域に位置する筒状部材の肉厚を、素管の軸長方向の端領域に位置する筒状部材の肉厚よりも大きくできる。
【0013】
・前述したように、素管として、第1筒状部材と、第1筒状部材に直列に接合された第2筒状部材と、第2筒状部材に直列に接合された第3筒状部材とを有する形態を採用できる。この場合、第1筒状部材、第2筒状部材、第3筒状部材のうち一者または二者の強度を残りの筒状部材の強度よりも高くできる。また第1筒状部材、第2筒状部材、第3筒状部材のうち一者または二者の硬度を残りの筒状部材の硬度よりも高くできる。更に第1筒状部材、第2筒状部材、第3筒状部材のうち一者または二者の塑性変形能を残りの筒状部材の塑性変形能よりも大きくできる。また第1筒状部材、第2筒状部材、第3筒状部材のうち一者または二者の肉厚を残りの筒状部材の肉厚よりも大きくできる。
【0014】
あるいは、第2筒状部材の強度を第1筒状部材及び第3筒状部材の一方または双方の強度よりも高くできる。また第2筒状部材の硬度を第1筒状部材及び第3筒状部材の一方または双方の硬度よりも高くできる。更に第2筒状部材の塑性変形能を第1筒状部材及び第3筒状部材の一方または双方の塑性変形能よりも大きくできる。第2筒状部材の肉厚を第1筒状部材及び第3筒状部材の一方または双方の肉厚よりも大きくできる。第2筒状部材の炭素含有量を第1筒状部材及び第3筒状部材の一方または双方の炭素含有量よりも高くできる。
【0015】
・素管として、第1筒状部材と、第1筒状部材に直列に接合された第2筒状部材と、第2筒状部材に直列に接合された第3筒状部材とを有する形態が採用されている場合には、次のようにできる。例えば、第1筒状部材、第3筒状部材の引張強度を相対的に低く、第2筒状部材の引張強度を相対的に高くできる。従って、第1筒状部材、第3筒状部材は例えば300〜400MPaの引張強度を有する鋼材で形成されている形態を採用できる。第2筒状部材は例えば420〜800MPaの引張強度を有する鋼材で形成されている形態を採用できる。第1筒状部材、第3筒状部材の炭素含有量を相対的に低く、第2筒状部材の炭素含有量を相対的に高くできる。従って、第1筒状部材、第3筒状部材として、炭素含有量が例えば0.08〜0.14wt%程度の鋼材で形成されている形態を採用できる。第2筒状部材として、炭素含有量が例えば0.17〜0.4wt%程度の鋼材で形成されている形態を採用できる。
【0016】
・継ぎ目の外周長を短くさせる操作としては、拡管部のうち継ぎ目の断面積(継ぎ目の内壁面で区画される中空部の断面積も含む)が、拡管部のうち継ぎ目以外の他の部分の断面積(当該他の部分の内壁面で区画される中空部の断面積も含む)よりも小さくなるように行なわれる形態を採用できる。この場合、拡管部のうち継ぎ目の外周に溝を形成することにより行なわれる形態を採用できる。また、拡管部のうち継ぎ目に角部領域が存在する場合には、角部領域に面取り状部を形成することにより行なわれる形態を採用できる。更に、拡管部のうち継ぎ目の角部領域の輪郭を規定する円弧の曲率半径が、拡管部のうち継ぎ目以外の他の部分の角部領域の輪郭を規定する円弧の曲率半径よりも大きくなる形態を採用することもできる。
【0017】
・素管を拡管させてハイドロフォーム筒状部材を成形するにあたり、継ぎ目も拡管させる形態でも良いし、継ぎ目を拡管しないか実質的に拡管しない形態でも良い。
【0018】
・継ぎ目は軸長方向において複数個設けられており、少なくとも一個の継ぎ目の外周長は、他の継ぎ目の外周長と異なる値とされている形態を採用できる。この場合、後述するように継ぎ目が衝撃吸収用のクラッシュビードとして機能するとき、衝撃吸収の優先順位をつけることができる。
【0019】
・ハイドロフォーム法で成形されたハイドロフォーム筒状部材としては、円筒形状でも良いし、角筒形状でも良い。ハイドロフォーム筒状部材を構造物に適用することができる。殊に車両のボディを補強する補強部材に適用できる。補強部材としては、車両前部の側部を補強するフロントサイドメンバー、車両の前席と後席との間のセンターピラー、センターピラーを補強するセンターピラーリンフォース、ルーフサイドメンバー等が例示される。
【0020】
【実施例】
(第1実施例)
以下、本発明の第1実施例について図1〜図11を参照して説明する。図1はハイドロフォーム法で成形する前の素管1を示す。図2はハイドロフォーム法で成形する前の素管1の要部断面を示す。図3はハイドロフォーム法で拡管して形成したハイドロフォーム筒状部材4を示す。図3に示すようにハイドロフォーム筒状部材4の拡管部40は角筒形状とされている。
【0021】
本実施例に係る接合工程では、図1に示すように、鉄系の第1筒状部材11、鉄系の第2筒状部材12、鉄系の第3筒状部材13を直列に溶接で接合し、中空室1xをもつ素管1を形成する。素管1は長筒形状をなし、外径が軸長方向にわたり同一である。第2筒状部材12は第1筒状部材11と第3筒状部材13との間に配置されている。図2に示すように、第1筒状部材11の他端部の軸端面11cと第2筒状部材12の一端部の軸端面12cとは溶接により突き合わせ状態で接合され、第1継ぎ目21を形成している。第2筒状部材12の他端部の軸端面12dと第3筒状部材13の一端部の軸端面13cとは溶接により突き合わせ状態で接合され、第2継ぎ目22を形成している。21x,22xは溶接部を示す。なお、第1継ぎ目21及び第2継ぎ目22は軸直角方向に沿っており、素管1の軸長方向において所定間隔を隔てて直列に配置されている。
【0022】
溶接は、肉盛層を積層させることなく、高エネルギビームであるレーザビームを第1継ぎ目21及び第2継ぎ目22の周方向に沿って照射し、第1継ぎ目21及び第2継ぎ目22を部分的に溶融させた後に凝固させるレーザビーム溶接(高エネルギビーム溶接)とされている。なおレーザビーム溶接によれば、第1継ぎ目21,第2継ぎ目22に焼き入れ領域が局部的に形成されることもある。
【0023】
隣設する第1筒状部材11〜第3筒状部材13の特性は、互いに異なる形態とされている。即ち、第2筒状部材12を構成する鋼材の強度は、第1筒状部材11及び第3筒状部材13を構成する鋼材の強度よりも高くされている。よって素管1の軸長方向の中間領域は高強度とされている。具体的には、第1筒状部材11、第3筒状部材13は、相対的に低い引張強度(例えば300〜500MPa)を有する鋼材で形成されている。軸長方向の中央領域に配置されている第2筒状部材12は、相対的に高い引張強度(例えば520〜800MPa)を有する鋼材で形成されている。第1筒状部材11、第3筒状部材13は、フェライト−パーライト系またはフェライト系であり、相対的に低い炭素含有量(例えば0.08〜0.14wt%程度)の鋼材で形成されている。軸長方向の中央領域に配置されている第2筒状部材12は、フェライト−パーライト系であり、相対的に高い炭素含有量(例えば0.17〜0.4wt%程度)の鋼材で形成されている。
【0024】
更に第2筒状部材12を構成する鋼材の肉厚t2は、第1筒状部材11の肉厚t1、第3筒状部材13を構成する鋼材の肉厚t3よりも大きくされている。但しハイドロフォーム法で成形する前の素管1において、第2筒状部材12の外周面12o、第1筒状部材11の外周面11o、第3筒状部材13の外周面13oは、段差なく面一状態とされている。従って図2に示すように、第2筒状部材12の内周面12iは、第1筒状部材11の内周面11i、第3筒状部材13の内周面13iよりも径内方向に突出している。
【0025】
図4に示すように、成形型3のキャビティ型面30には、成形型3のキャビティ3c内方に向けて突出する第1突出部31が形成されている。第1突出部31は素管1の外周を1周するものであり、凸面31aを有しており、素管1の径外方向への拡管量を抑えることにより、後述する溝51(図3参照)を形成するためのものである。更に図5に示すように、成形型3のキャビティ型面30には、成形型3の成形キャビティ3c内方に向けて突出する第2突出部32が形成されている。第2突出部32は素管1の外周に対面するものであり、素管1の拡管部40の角部領域40xの径外方向への拡管量を抑えることにより、後述する面取り状部52(図3参照)を形成するためのものである。
【0026】
図6に示すように、成形型3は第1分離型3aと第2分離型3bとで構成されており、成形キャビティ3cは断面ほぼ四角形状とされている。従って成形型3のキャビティ型面30は、横方向に延設されたキャビティ型面30hと、縦方向に延設されたキャビティ型面30vとをもつ。配置工程では、金属製の成形型3の成形キャビティ3c内に素管1を配置する。配置工程では、図示はしないものの素管1の軸端部に、水送給能力を有する水送給具をセットする。
【0027】
次に素管1の中空室1xに水送給具から水を送給して素管1の中空室1xの内圧を増加させる拡管工程を行う。この結果、図6〜図8に示すように、素管1のうち周壁を径方向に膨張させて次第に拡管させる。そして拡管した周壁を成形型3のキャビティ型面30に当接させる。成形型3の成形キャビティ3cは断面がほぼ四角形状であるため、拡管部40は成形キャビティ3cと型対象となり、拡管部40の断面形状もほぼ四角形状となり、ハイドロフォーム筒状部材4が成形される。一般的には、成形の際には、図7に示すように素管1の外周面と成形型3のキャビティ型面30の中央域30mとが優先的に接触する。素管1の外周面と成形型3のキャビティ型面30の角部30nとの接触は、ハイドロフォーム法による成形終期になる。ハイドロフォーム法による成形終期となる角部30nによる成形では、成形負荷が大きく、拡管度が高いときには素管1の角部領域40xとなる部分が損傷するおそれがある。このようにハイドロフォーム法による成形終期となる角部領域40xに、後述するごとく、面取り状部52を形成して角部領域40xの拡管量を他の部位よりも抑えることは有効である。
【0028】
図3に示すようにハイドロフォーム法で成形したハイドロフォーム筒状部材4の拡管部40は角筒形状とされており、横方向に沿った面40hと、縦方向に沿った面40vと、角部領域40xとを有する。第1継ぎ目21及び第2継ぎ目22は拡管部40に位置しているため、第1継ぎ目21及び第2継ぎ目22も拡管している。拡管部40の第1継ぎ目21の外周には、溝51が形成されているため、第1継ぎ目21の拡管量は他の部位よりも抑えられている。なお溝51は拡管部40の周方向に沿って連続している。
【0029】
更に図3に示すようにハイドロフォーム法で成形したハイドロフォーム筒状部材4の拡管部40の第2継ぎ目22の4個の角部領域40xには、面取り状部52がそれぞれ形成されている。面取り状部52は互いに対向する斜面52aをもつ。拡管部40の第2継ぎ目22の外周には面取り状部52が形成されているため、面取り状部52の拡管量は他の部位よりも抑えられている。
【0030】
ハイドロフォーム筒状部材4を使用するにあたり、最終的には、ハイドロフォーム筒状部材4の軸長方向の双方の軸端部4pを除去するため、切断面100に沿って切断する。なおハイドロフォーム筒状部材4の軸端部4pは拡管されていない。
【0031】
図9は、ハイドロフォーム筒状部材4の拡管部40のうち第1継ぎ目21及び第2継ぎ目22以外の部分の断面を示す。拡管部40のうち第1継ぎ目21及び第2継ぎ目22以外の部分の断面方向に沿った外周長は、L3として示されている。拡管部40のうち第1継ぎ目21及び第2継ぎ目22以外の他の部分の断面積(A3×B3)は、拡管部40の内壁面で形成された中空部の面積も含み、S3として示されている。
【0032】
第1継ぎ目21について図10(A)(B)を参照して説明する。図10(A)は、成形型3の第1突出部31により拡管部40の拡管量を抑え、第1突出部31により拡管部40の第1継ぎ目21の外周に溝51を成形している状態を示す。図10(B)は溝51をもつハイドロフォーム筒状部材4の拡管部40の断面を示す。図10(A)(B)に示すように、前記したごとくハイドロフォーム筒状部材4の拡管部40の第1継ぎ目21の外周には溝51が形成されており、溝51は成形型3の第1突出部31で成形される。拡管部40のうち溝51が形成されている第1継ぎ目21の断面方向に沿った外周長は、L1として示されている。本実施例によれば、外周長L1は、前記した外周長L3よりも短く設定されている(L1<L3)。従って溝51は外周長短縮部として機能できる。ハイドロフォーム筒状部材4の拡管部40のうち第1継ぎ目21の断面積(A1×B1)は、S1として示されている。断面積S1は前記した断面積S3よりも小さく設定されている(S1<S3)。なお第1継ぎ目21の断面積(A1×B1)は、図10(B)から明らかなように、ハイドロフォーム筒状部材4の拡管部40において第1継ぎ目21の内壁面で区画される中空部の面積も含む。
【0033】
また第2継ぎ目22について図11(A)(B)を参照して説明する。図11(A)は、ハイドロフォーム筒状部材4の拡管部40の拡管量を成形型3の第2突出部32により抑え、拡管部40の角部領域40xに面取り状部52を成形している状態を示す。図11(B)は角部領域40xに面取り状部52をもつハイドロフォーム筒状部材4の拡管部40の断面を示す。図11(A)(B)に示すように、ハイドロフォーム筒状部材4の拡管部40の第2継ぎ目22の角部領域40xには面取り状部52が形成されており、面取り状部52は成形型3の第2突出部32で成形される。面取り状部52の斜面52aは、ほぼ角筒形状の拡管部40の面40h及び面40vに対して傾斜している。
【0034】
ハイドロフォーム筒状部材4に面取り状部52が形成されていないときには、図11(C)に示すように、第2継ぎ目22部分の外周長L2は辺長m1と辺長m2とを含む。しかしハイドロフォーム筒状部材4の拡管部40の角部領域40xに面取り状部52が形成されているときには、第2継ぎ目22の外周長L2は、辺長m1と辺長m2とを含むのではなく、辺長m3を含む。辺長m3は辺長m1+辺長m2よりも短い。拡管部40の角部領域40xのアール円弧を無視すれば、m32=m12+m22となるからである。
【0035】
前述したようにハイドロフォーム筒状部材4の拡管部40のうち第2継ぎ目22及び第1継ぎ目21以外の部分の断面方向に沿った外周長は、L3として示されている。図11(B)に示すように、ハイドロフォーム筒状部材4の拡管部40のうち第2継ぎ目22の断面方向に沿った外周長は、L2として示されている。本実施例によれば、ハイドロフォーム筒状部材4には面取り状部52が形成されているため、外周長L3よりも外周長L2は短く設定されている(L2<L3)。従って面取り状部52は外周長短縮部として機能できる。
【0036】
以上説明したように本実施例によれば、ハイドロフォーム筒状部材4の第1継ぎ目21の外周長L1は、ハイドロフォーム筒状部材4の拡管部40のうち第1継ぎ目21以外の他の部分の外周長L3よりも短く設定されている。またハイドロフォーム筒状部材4の第2継ぎ目22の外周長L2は、ハイドロフォーム筒状部材4の拡管部40のうち第2継ぎ目22以外の他の部分の外周長L3よりも短く設定されている。このため拡管工程においてハイドロフォーム筒状部材4の拡管度が大きいときであっても、第1継ぎ目21及び第2継ぎ目22の拡管量を抑えることができ、第1継ぎ目21及び第2継ぎ目22に作用する負荷が軽減される。故にハイドロフォーム筒状部材4の拡管部40のうち第1継ぎ目21及び第2継ぎ目22以外の部位の拡管度を高めることができる。このように本実施例によれば、ハイドロフォーム筒状部材4の拡管部40の拡管度が大きいときであっても、第1継ぎ目21及び第2継ぎ目22の損傷を回避できる。
【0037】
本実施例によれば、第1継ぎ目21の外周長L1は、第2継ぎ目22の外周長L2と異なる値とされている。このため後述するように第1継ぎ目21の溝51、第2継ぎ目22の面取り状部52が衝撃吸収用のクラッシュビードとして機能するとき、衝撃吸収の優先順位をつけることができる。
【0038】
更に本実施例の素管1によれば、第2筒状部材12を構成する鋼材の肉厚t2は、第1筒状部材11の肉厚t1、第3筒状部材13を構成する鋼材の肉厚t3よりも大きくされている。従って素管1を拡管成形したハイドロフォーム筒状部材4においても、軸長方向の中間領域に配置されている第2筒状部材12の肉厚は、軸長方向の端領域に配置されている第1筒状部材11の肉厚、第3筒状部材13の肉厚よりも大きくされている。このためハイドロフォーム筒状部材4の強度必要部位の高強度化を図りつつ、軽量化も図り得る。
【0039】
なおハイドロフォーム法を実施する前に、必要があれば、素管1の第1継ぎ目21,第2継ぎ目22を加熱して軟化させることもできる。
【0040】
(第2実施例)
以下、本発明の第2実施例について図12を参照して説明する。第2実施例は第1実施例と基本的には同様の条件で行われ、基本的には同様の作用効果を奏する。以下相違する部分を中心として説明する。本実施例に係るハイドロフォーム筒状部材4Bの第1継ぎ目21及び第2継ぎ目22の双方には、溝51が形成されている。溝51は拡管部40の周方向に連続している。
【0041】
ハイドロフォーム筒状部材4Bの拡管部40のうち第1継ぎ目21の断面方向に沿った外周長は、L1として示されている。ハイドロフォーム筒状部材4Bの拡管部40のうち第2継ぎ目22の断面方向に沿った外周長は、L2として示されている(L1≒L2,L1=L2)。ハイドロフォーム筒状部材4Bの拡管部40のうち第1継ぎ目21及び第2継ぎ目22以外の断面方向に沿った外周長は、L3として示されている。本実施例によれば、外周長L1及び外周長L2は外周長L3よりも短く設定されている(L3>L1、L2)。
【0042】
このため拡管工程においてハイドロフォーム筒状部材4Bの拡管部40の拡管度が大きいときであっても、第1継ぎ目21及び第2継ぎ目22の拡管量を抑えることができ、第1継ぎ目21及び第2継ぎ目22に作用する負荷が軽減される。故にハイドロフォーム筒状部材4Bの拡管部40の拡管度を高めることができる。このように本実施例によれば、ハイドロフォーム筒状部材4Bの拡管部40の拡管度が大きいときであっても、第1継ぎ目21及び第2継ぎ目22の損傷を回避できる。
【0043】
(第3実施例)
以下、本発明の第3実施例について図13を参照して説明する。第3実施例は第1実施例と基本的には同様の条件で行われ、基本的には同様の作用効果を奏する。以下相違する部分を中心として説明する。ハイドロフォーム筒状部材4Cによれば、第1継ぎ目21及び第2継ぎ目22の双方の角部領域40xには、面取り状部52がそれぞれ形成されている。第1継ぎ目21の断面方向に沿った外周長は、L1として示されている。第2継ぎ目22の断面方向に沿った外周長は、L2として示されている(L1≒L2,L1=L2)。ハイドロフォーム筒状部材4Cの拡管部40のうち第1継ぎ目21及び第2継ぎ目22以外の断面方向に沿った外周長は、L3として示されている。本実施例によれば、外周長L1及び外周長L2は外周長L3よりも短く設定されている(L3>L1、L2)。
【0044】
このため拡管工程においてハイドロフォーム筒状部材4Cの拡管度が大きいときであっても、第1継ぎ目21及び第2継ぎ目22の拡管量を抑えることができ、第1継ぎ目21及び第2継ぎ目22に作用する負荷が軽減される。故にハイドロフォーム筒状部材4Cの拡管部40の拡管度を高めることができる。このように本実施例によれば、ハイドロフォーム筒状部材4Cの拡管部40の拡管度が大きいときであっても、第1継ぎ目21及び第2継ぎ目22の損傷を回避できる。
【0045】
(第4実施例)
以下、本発明の第4実施例について図14を参照して説明する。第4実施例は第1実施例と基本的には同様の条件で行われ、基本的には同様の作用効果を奏する。以下相違する部分を中心として説明する。本実施例に係る操作は、ハイドロフォーム筒状部材4Dの拡管部40のうち第1継ぎ目21の角部領域40xの輪郭を規定する円弧の曲率半径R1を、拡管部40のうち第1継ぎ目21以外の他の部分の角部領域40xの輪郭を規定する円弧の曲率半径R2よりも大きくすることにより行なわれている。第2継ぎ目22についても同様な構造にできる。
【0046】
(第5実施例)
以下、本発明の第5実施例について図15を参照して説明する。第5実施例は第1実施例と基本的には同様の条件で行われ、基本的には同様の作用効果を奏する。以下相違する部分を中心として説明する。ハイドロフォーム法で成形された素管1Eは、第1筒状部材11Eと第2筒状部材12Eと第3筒状部材13Eとを直列に溶接して構成されている。第2筒状部材12Eを構成する鋼材の肉厚t2は、第1筒状部材11Eの肉厚t1、第3筒状部材13Eを構成する鋼材の肉厚t3と同一とされている。素管1Eにおいて、第2筒状部材12Eの外周面12o、第1筒状部材11Eの外周面11o、第3筒状部材13Eの外周面13oは、段差なく面一状態とされている。また第2筒状部材12Eの内周面12i、第1筒状部材11Eの内周面11i、第3筒状部材13Eの内周面13iは、段差なく面一状態とされている。
【0047】
本実施例では、第2筒状部材12Eを構成する鋼材の炭素含有量及び強度は、第1筒状部材11E及び第3筒状部材13Eを構成する鋼材の炭素含有量及び強度よりも高く設定されている。本実施例によれば、この素管1Eをハイドロフォーム法で拡管させる。
【0048】
(第6実施例)
以下、本発明の第6実施例について図16を参照して説明する。第6実施例は第1実施例と基本的には同様の条件で行われ、基本的には同様の作用効果を奏する。以下相違する部分を中心として説明する。鉄系の第1筒状部材11、鉄系の第2筒状部材12を直列に溶接で接合し、中空室1xをもつ素管1Fを形成する。この素管1Fをハイドロフォーム法で拡管させる。第1継ぎ目21は摩擦溶接とされている。
【0049】
(第7実施例)
以下、本発明の第7実施例について図17を参照して説明する。第7実施例は第1実施例と基本的には同様の条件で行われ、基本的には同様の作用効果を奏する。以下相違する部分を中心として説明する。鉄系の第1筒状部材11、鉄系の第2筒状部材12、鉄系の第3筒状部材13、鉄系の第4筒状部材14を直列に溶接で接合し、中空室1xをもつ素管1Gを形成する。この素管1Gをハイドロフォーム法で拡管させる。第1継ぎ目21、第2継ぎ目22、第3継ぎ目23は電子ビーム溶接で接合されており、溶接部21x,22x,23xを形成している。
【0050】
(第8実施例)
以下、本発明の第8実施例について図18を参照して説明する。第8実施例は第1実施例と基本的には同様の条件で行われ、基本的には同様の作用効果を奏する。以下相違する部分を中心として説明する。角筒形状をなす第1筒状部材11H、角筒形状をなす第2筒状部材12H、角筒形状をなす第3筒状部材13Hを直列に溶接で接合し、中空室1xをもつ素管1Hを形成する。この素管1Hをハイドロフォーム法で拡管させる。第1継ぎ目21、第2継ぎ目22はレーザビーム溶接で接合されている。
【0051】
(第9実施例)
以下、本発明の第9実施例について図19を参照して説明する。第9実施例は第1実施例と基本的には同様の条件で行われ、基本的には同様の作用効果を奏する。以下相違する部分を中心として説明する。ハイドロフォーム筒状部材4Kは、円筒形状をなす第1筒状部材11Kと、第1筒状部材11Kに直列に接合された円筒形状をなす第2筒状部材12Kと、第2筒状部材12Kに直列に接合された円筒形状をなす第3筒状部材13Kとを有する。第1筒状部材11Kと第2筒状部材12Kとの第1継ぎ目21には、溝51Kが形成されている。第2筒状部材12Kと第3筒状部材13Kとの第2継ぎ目22には、溝51Mが形成されている。溝51K、溝51Mは周方向に連続している。第1継ぎ目21の外周長L1は、拡管部40のうち継ぎ目以外の他の部分の外周長L3よりも短く設定されている。ハイドロフォーム筒状部材4Kの第2継ぎ目22の外周長L2は、ハイドロフォーム筒状部材4Kの拡管部40のうち継ぎ目以外の他の部分の外周長L3よりも短く設定されている。
【0052】
(適用例)
図20は本発明のハイドロフォーム筒状部材を車両のフロントサイドメンバー7に適用した場合を示す。フロントサイドメンバー7は、車両200の前部210の補強部材として機能する。車両衝突などでは、フロントサイドメンバー7の軸長方向に沿った外力がフロントサイドメンバー7に作用する。拡管部40のうち継ぎ目の外周長は、拡管部40のうち第1継ぎ目21及び第2継ぎ目22以外の他の部分の外周長よりも短く設定されている。このため、第1継ぎ目21及び第2継ぎ目22は他の部分よりも優先して変形し衝撃吸収作用を奏するクラッシュビードとしての機能も期待できる。これによればエンジン等の重要部品の損傷回避に有利である。
【0053】
フロントサイドメンバー7が図3に示すハイドロフォーム筒状部材4で形成されている場合には、ハイドロフォーム筒状部材4のうち、溝51が形成されている第1継ぎ目21と、面取り状部52が形成されている第2継ぎ目22とで強度上の差異をつけることができる。故に、車両衝突の際にフロントサイドメンバー7が破損して衝撃吸収する際に、破損の優先順位をつけることができる。
【0054】
(その他)
上記した実施例によれば、溝51は拡管部40の周方向に沿って連続しているが、これに限らず、溝51は拡管部40の周方向に沿って不連続であっても良い。上記した実施例によれば、ハイドロフォーム筒状部材4の拡管部40の第2継ぎ目22の4個の角部領域40xには、面取り状部52がそれぞれ形成されているが、4個の角部領域40xのうち3個に面取り状部52を形成しても良い。あるいは、4個の角部領域40xのうち2個または1個のみに面取り状部52を形成しても良い。その他、本発明は上記した実施例のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できるものである。
【0055】
上記した記載から次の技術的思想も把握できる。
(付記項1)少なくとも2つの筒状部材の軸端面同士を直列に接合して継ぎ目を形成することにより、中空室をもつ素管を形成する接合工程と、成形型のキャビティ内に前記素管を配置する配置工程と、前記素管の前記中空室の内圧を増加させることにより、前記素管のうち少なくとも前記継ぎ目を有する部分の周壁を拡管させて前記成形型のキャビティ型面に当接させて拡管部を形成する拡管工程とを実施するフロントサイドメンバーの製造方法において、
前記拡管工程は、前記拡管部のうち前記継ぎ目の外周長を、前記拡管部のうち前記継ぎ目以外の他の部分の外周長よりも短く設定する操作を含むことを特徴とするフロントサイドメンバーの製造方法。この場合、継ぎ目に作用する負荷が軽減されるため、継ぎ目の損傷を回避しつつ、拡管部のうち継ぎ目以外の部位の拡管度を高めることができる。
(付記項2)少なくとも2つの筒状部材の軸端面同士を直列に接合して継ぎ目を形成した中空室を有しハイドロフォーム法で成形されたフロントサイドメンバーにおいて、前記継ぎ目の外周長は、前記継ぎ目以外の他の拡管部の外周長よりも短く設定されていることを特徴とするフロントサイドメンバー。この場合、継ぎ目に作用する負荷が軽減されるため、継ぎ目の損傷を回避しつつ、拡管部のうち継ぎ目以外の部位の拡管度を高めることができる。
(付記項3)請求項10において、継ぎ目は軸長方向において複数個設けられており、各継ぎ目の外周長は、他の継ぎ目の外周長と異なる値とされていることを特徴とするハイドロフォーム筒状部材。継ぎ目がクラッシュビードとして機能するとき、衝撃吸収の優先順位をつけることができる。
(付記項4)請求項10において、継ぎ目の外周には外周長短縮部が設けられていることを特徴とするハイドロフォーム筒状部材。
【0056】
【発明の効果】
本発明に係るハイドロフォーム法によれば、拡管工程では、拡管部のうち継ぎ目の外周長を、拡管部のうち継ぎ目以外の他の部分の外周長よりも短く設定する。このため拡管工程において拡管度が大きいときであっても、継ぎ目に作用する負荷が軽減される。故に継ぎ目の損傷を回避しつつ、拡管部のうち継ぎ目以外の部位の拡管度を高めることができる。
【0057】
本発明に係るハイドロフォーム筒状部材によれば、拡管部のうち継ぎ目の外周長は、拡管部のうち継ぎ目以外の他の部分の外周長よりも短く設定されている。このため拡管工程において拡管度が大きいときであっても、継ぎ目に作用する負荷が軽減される。故に、継ぎ目の損傷を回避しつつ、拡管部のうち継ぎ目以外の部位の拡管度を高めることができる。
【0058】
本発明に係るハイドロフォーム筒状部材がフロントサイドメンバーに代表される補強部材等の構造物に適用される場合には、ハイドロフォーム筒状部材の軸長方向に沿った外力が作用したとき、継ぎ目の外周長は、拡管部のうち継ぎ目以外の他の部分の外周長よりも短く設定されているため、継ぎ目は、他の部分よりも優先して変形して衝撃吸収し、重要部品や人体を保護するクラッシュビードとして機能することも期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係り、ハイドロフォーム法を実施する前の素管の斜視図である。
【図2】第1実施例に係り、ハイドロフォーム法を実施する前の素管の部分断面図である。
【図3】第1実施例に係り、ハイドロフォーム法で成形したハイドロフォーム筒状部材の斜視図である。
【図4】第1実施例に係り、ハイドロフォーム法で用いる成形型の第1突出部の斜視図である。
【図5】第1実施例に係り、ハイドロフォーム法で用いる成形型の第2突出部の斜視図である。
【図6】第1実施例に係り、成形型の成形キャビティに素管を配置した状態を示す断面図である。
【図7】第1実施例に係り、成形型の成形キャビティに配置した素管を膨張させている状態を示す断面図である。
【図8】第1実施例に係り、成形型の成形キャビティに配置した素管を更に膨張させている状態を示す断面図である。
【図9】第1実施例に係り、ハイドロフォーム筒状部材の拡管部の断面図である。
【図10】(A)は第1実施例に係り、成形型の第1突出部でハイドロフォーム筒状部材の溝を成形している状態を示す断面図であり、(B)は第1実施例に係り、溝を有するハイドロフォーム筒状部材の拡管部の断面図である。
【図11】(A)は第1実施例に係り、成形型の第2突出部でハイドロフォーム筒状部材の面取り状部を成形している状態を示す断面図であり、(B)は第1実施例に係り、面取り状部を有するハイドロフォーム筒状部材の拡管部の断面図であり、(C)は面取り状部の拡大図である。
【図12】第2実施例に係り、ハイドロフォーム法で成形したハイドロフォーム筒状部材の斜視図である。
【図13】第3実施例に係り、ハイドロフォーム法で成形したハイドロフォーム筒状部材の斜視図である。
【図14】第4実施例に係り、角部領域の曲率半径を大きく設定しているハイドロフォーム筒状部材の拡管部の断面図である。
【図15】第5実施例に係り、ハイドロフォーム法で成形する前の素管の部分断面図である。
【図16】第6実施例に係り、ハイドロフォーム法で成形する前の素管の斜視図である。
【図17】第7実施例に係り、ハイドロフォーム法で成形する前の素管の斜視図である。
【図18】第8実施例に係り、ハイドロフォーム法で成形する前の素管の斜視図である。
【図19】第9実施例に係り、ハイドロフォーム法で成形したハイドロフォーム筒状部材の斜視図である。
【図20】適用例に係り、ハイドロフォーム筒状部材をフロントサイドメンバーに適用した概略構成図である。
【符号の説明】
図中、1は素管、11は第1筒状部材、12は第2筒状部材、13は第3筒状部材、21は第1継ぎ目、22は第2継ぎ目、3は成形型、4はハイドロフォーム筒状部材、40は拡管部、51は溝、52は面取り状部、7はフロントサイドメンバー(ハイドロフォーム筒状部材)を示す。
Claims (17)
- 少なくとも2つの筒状部材の軸端面同士を直列に接合して継ぎ目を形成することにより、中空室をもつ素管を形成する接合工程と、
成形型のキャビティ内に前記素管を配置する配置工程と、
前記素管の前記中空室の内圧を増加させることにより、前記素管のうち少なくとも前記継ぎ目を有する部分の周壁を拡管させ前記成形型のキャビティ型面に当接させて拡管部を形成する拡管工程とを実施するハイドロフォーム法において、
前記拡管工程は、前記拡管部のうち前記継ぎ目の外周長を、前記拡管部のうち前記継ぎ目以外の他の部分の外周長よりも短く設定する操作を含むことを特徴とするハイドロフォーム法。 - 請求項1において、前記成形型のキャビティ型面はキャビティ内方に向けて突出する突出部を有し、前記操作は、前記成形型の前記キャビティ型面の突出部に前記素管の継ぎ目を当接させることにより行うことを特徴とするハイドロフォーム法。
- 請求項1または請求項2において、前記筒状部材は、第1筒状部材と、前記第1筒状部材に直列に接合された第2筒状部材と、前記第2筒状部材に直列に接合された第3筒状部材とを有することを特徴とするハイドロフォーム法。
- 請求項1〜請求項3のいずれか一項において、隣設する前記筒状部材は互いに異なる特性を有することを特徴とするハイドロフォーム法。
- 請求項4において、前記特性は、強度、硬さ、塑性変形能、肉厚、組成のうちの少なくとも一つであることを特徴とするハイドロフォーム法。
- 請求項1〜請求項5のいずれか一項において、前記操作は、前記拡管部のうち継ぎ目部分の断面積が、前記拡管部のうち継ぎ目以外の他の部分の断面積よりも小さくなるように行なわれることを特徴とするハイドロフォーム法。
- 請求項1〜請求項6のいずれか一項において、前記操作は、前記拡管部のうち継ぎ目の角部領域に面取り状部を形成することにより行なわれることを特徴とするハイドロフォーム法。
- 請求項1〜請求項6のいずれか一項において、前記操作は、前記拡管部のうち前記継ぎ目の角部領域の輪郭を規定する円弧の曲率半径が、前記拡管部のうち前記継ぎ目以外の他の部分の角部領域の輪郭を規定する円弧の曲率半径よりも大きくなるように行なわれることを特徴とするハイドロフォーム法。
- 請求項1〜請求項8のいずれか一項において、前記継ぎ目は軸長方向において複数個設けられており、少なくとも一個の継ぎ目の外周長は、他の継ぎ目の外周長と異なる値とされていることを特徴とするハイドロフォーム法。
- 少なくとも2つの筒状部材の軸端面同士を直列に接合して継ぎ目を形成した中空室を有しハイドロフォーム法で成形されたハイドロフォーム筒状部材において、
前記継ぎ目の外周長は、前記継ぎ目以外の他の拡管部の外周長よりも短く設定されていることを特徴とするハイドロフォーム筒状部材。 - 請求項10において、前記筒状部材は、第1筒状部材と、前記第1筒状部材に直列に接合された第2筒状部材と、前記第2筒状部材に直列に接合された第3筒状部材とを有することを特徴とするハイドロフォーム筒状部材。
- 請求項10または請求項11において、隣設する前記筒状部材の特性は互いに異なることを特徴とするハイドロフォーム筒状部材。
- 請求項12において、前記特性は、強度、硬さ、塑性変形能、肉厚、組成のうちの少なくとも一つであることを特徴とするハイドロフォーム筒状部材。
- 請求項10〜請求項13のいずれか一項において、前記継ぎ目の断面積は、前記継ぎ目以外の他の部分の断面積よりも小さく設定されていることを特徴とするハイドロフォーム筒状部材。
- 請求項10〜請求項14のいずれか一項において、前記継ぎ目の角部領域は面取り状部を有することを特徴とするハイドロフォーム筒状部材。
- 請求項10〜請求項15のいずれか一項において、前記継ぎ目の角部領域の輪郭を規定する円弧の曲率半径は、前記拡管部のうち前記継ぎ目以外の他の部分の角部領域の輪郭を規定する円弧の曲率半径よりも大きく設定されていることを特徴とするハイドロフォーム筒状部材。
- 請求項10〜請求項16のいずれか一項において、前記継ぎ目は軸長方向において複数個設けられており、少なくとも一個の継ぎ目の外周長は、他の継ぎ目の外周長と異なる値とされていることを特徴とするハイドロフォーム筒状部材。
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