JPWO2019245000A1 - アルミニウム基複合材 - Google Patents

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Abstract

柱状金属結晶粒の長軸の長さL1の平均値が5.0μm以下、短軸の最大長さL2の平均値が2.0μm以下であることが望ましい。また、L1/L2が4以上の柱状金属結晶粒の面積率が25%以下であることが望ましい。このような結晶粒サイズには、炭化アルミニウム粒子が影響を与える。この炭化アルミニウム粒子の炭素源は、製造工程において炭素繊維から脱落または分離した炭素片であると推定され、製造工程において、炭素繊維に所定のダメージを与えることで、炭素繊維から炭素片が遊離し、これによって炭素繊維との境界とは異なる位置に炭化アルミニウム粒子が生成されるものと推定される。

Description

本発明は、強化材である炭素繊維を基地組織中に含有するアルミニウム基複合材に関し、より詳細にはアルミニウム粒子同志が固相接合してなる基地組織中に炭素繊維が分散したアルミニウム基複合焼結体に関するものである。
内燃機関搭載車のCO排出量削減や、電気自動車およびハイブリッド自動車等の航続距離延長のニーズを背景として、各自動車メーカーは、車両の軽量化を推進している。軽量化手段の1つとして、アルミニウム合金の採用が拡大しているが、低ヤング率(低剛性)による重量増加、スペ−スの確保、乗り心地の低下等の問題を有している。このため、軽量かつヤング率の高い構造部材および機能部品向け材料が求められている。
このような材料として、カーボンナノチューブで補強されたアルミニウム基複合材が提案されている(例えば、特許文献1〜3)。
中国特許第101818280号 特開2006−265686号公報 WO2009/054309
しかし、発明者らは、従来の方法では、引張強度、伸びおよびヤング率のいずれもが一定以上の値を示す優れた機械的特性を有するアルミニウム基複合材を得ることができず、さらなる改良の必要があることを知見した。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、引張強度、伸びおよびヤング率のいずれもが一定以上の値を示す優れた機械的特性を有するアルミニウム基複合材を提供することを目的とする。
前述した目的を達成するため、本発明は、強化材である炭素繊維を基地組織中に含有するアルミニウム基複合材であって、前記炭素繊維を1〜5質量%有し、前記基地組織は、Mg0.5〜7質量%、残部Alおよび不可避不純物からなるとともに、略同一方向に配向した柱状金属結晶粒からなり、前記柱状金属結晶粒の配向方向に沿う当該柱状金属結晶粒の長軸の長さL1の平均値が5.0μm以下、短軸の最大長さL2の平均値が2.0μm以下であり、L1/L2が4以上の柱状金属結晶粒の面積率が25%以下であることを特徴とするアルミニウム基複合材である。
前記炭素繊維がカーボンナノファイバーまたはカーボンナノチューブであることが望ましい。
任意の断面において、前記基地組織中に存在する円相当径が500nm以下の炭化アルミニウム粒子の面積率が0.5〜5%であることが望ましい。
前記基地組織は、Mg以外にMn、Cr、Fe、Zr、Ti、Bからなる群から選択される元素のいずれか一種を総量で2.2質量%以下含み、前記基地組織中に析出する前記元素の化合物の面積率が4%以下であることが望ましい。
本発明によれば、基地組織の柱状金属結晶粒のサイズが適切であるため、十分な機械的特性を得ることができる。
特に、炭素繊維がカーボンナノチューブまたはカーボンナノファイバーであれば、基地組織中に炭素繊維が分散し、効率よく、基地組織を強化することができる。
また、基地組織において、円相当径が500nm以下の炭化アルミニウム粒子の面積率を0.5〜5%とし、より好ましくはMn、Cr、Fe、Zr、Ti、B等の化合物の析出物の面積率が4%以下とすれば、効率よく柱状金属結晶粒が微細化され、より高い機械的特性を得ることができる。
本発明によれば、十分な機械的特性を有するアルミニウム基複合材を提供することができる。
実施例1のアルミニウム基複合材の押出方向に平行な面における基地組織を示す図 実施例2のアルミニウム基複合材の押出方向に平行な面における基地組織を示す図 炭化アルミニウム粒子のSEM写真 アルミニウム基複合材の製造工程を示すフローチャート 押出用金型を示す概略図 引張試験用試験片の形状を示す図
まず、本発明の実施の形態にかかるアルミニウム基複合材について説明する。本実施の形態にかかるアルミニウム基複合材は、強化材である炭素繊維を基地組織中に含有するアルミニウム基複合材であって、前記炭素繊維を1〜5質量%有し、前記基地組織は、Mgが0.5〜7質量%、残部Alおよび不可避不純物からなるとともに、略同一方向に配向した柱状金属結晶粒からなり、柱状金属結晶粒の配向方向に沿う当該柱状金属結晶粒の長軸の長さL1の平均値が5.0μm以下、短軸の最大長さL2の平均値が2.0μm以下であり、L1/L2が4以上の柱状金属結晶粒の面積率が25%以下であることを特徴としている。なお、炭素繊維としては、カーボンナノファイバー(carbon nanofiber:CNF)またはカーボンナノチューブ(carbon nanotube:CNT)であることが望ましい。以下、本実施形態のアルミニウム基複合材の各構成要素について、詳細に説明する。
[基地組織組成]
基地組織を構成するアルミニウム合金としては、Mg0.5〜7質量%、残部Alおよび不可避不純物からなり、例えばAl−Mg系の5000系合金が望ましく、JIS(Japanese Industrial Standards) H4000で規定されるA5083アルミニウム合金(以下、JIS A5083合金などと言う場合がある。)等を適用可能である。Mgが多すぎると、加工性や伸びが低下し、組織を固溶強化するMgが少なすぎると、強度が低下する。また、Mgが少なすぎると、MgSi等の析出物の生成量が減少し、後述する析出物による基地組織の結晶粒の微細化効果(ピン止め効果)が低減する。なお、後述するように、基地組織は、Mg以外にMn、Cr、Fe、Zr、Ti、Bからなる群から選択される元素のいずれか一種を総量で2.2質量%以下含んでもよい。
[炭素繊維含有量]
基地組織中に分散した状態で含有する炭素繊維は、アルミニウム基複合材に対する質量割合を1〜5質量%とする。アルミニウム基複合材の機械的特性は、基本的に、強化材として含有せしめる炭素繊維の割合により制御され、基地組織を構成するアルミニウム合金及び炭素繊維の各々の機械的特性と炭素繊維の割合に基づき凡そ複合則により設定することが可能である。すなわち、炭素繊維が1質量%未満であると炭素繊維による基地組織の強化能を発揮できず、炭素繊維が5質量%を超えると、加工性が悪くなるとともに伸びが低下する。なお、炭素繊維の含有率は、JIS Z2615で規定される赤外線吸収法(積分法)
に準拠し測定することができる。
[基地組織:金属結晶粒形態]
次に、本発明にかかるアルミニウム基複合材の基地組織について説明する。図1aは、後述する実施例1のアルミニウム基複合材の押出成形方向に平行な面における基地組織の後方散乱電子回折(Electron Back Scatter Diffraction:EBSD)像を示す図であり、図1bは、後述する実施例2のアルミニウム基複合材の押出成形方向に平行な面における基地組織のEBSD像を示す図である。なお、アルミニウム基複合材の製造工程の詳細については、後述する。
本発明に係るアルミニウム基複合材における基地組織は、例えば押出加工などの加工(押出)方向に対して略同一方向に配向した柱状金属結晶粒からなる。この柱状金属結晶粒が細かくなるほど機械的特性は向上する。このため、できるだけ加工後の柱状金属結晶粒を細かくすることが望まれる。
そして、本発明者らは、下記で詳述するように金属粉末と炭素繊維を焼結してなる焼結体(被加工体)の押出成形工程において、焼結体の加熱温度、押出比および押出速度を適切に制御することにより、基地組織を構成する柱状金属結晶粒の大きさを制御せしめ、引張強度、伸びおよびヤング率のいずれについても一定の水準を超える優れた機械的特性を有するアルミニウム基複合材を形成できることを知見したのである。すなわち、アルミニウム基複合材を形成する押出成形工程では、押出成形中に加工硬化した基地組織は、動的回復を主体とした態様、動的回復後の動的再結晶を伴う態様の、いずれかの態様で加工中にも回復すると言われている。そして、本発明者らは、焼結体(被加工体)を比較的低ひずみ状態で押出成形し、加工硬化した基地組織の加工中の復旧を、動的回復を主とする態様で行うことが、基地組織の微細化のためには有利であると推察した。かかる態様となるよう押出成形を行えば、動的再結晶した結晶粒がその後粒成長することにより生じる粗大な柱状金属結晶粒の生成が抑制され、その結果、基地組織を構成する柱状金属結晶粒が微細化され、優れた引張強度と伸びが両立したアルミニウム基複合材を具現することが可能となると推察した。
上記のように特に押出成形工程における加工条件を制御することにより得られた本発明に係るアルミニウム基複合材は、柱状金属結晶粒の配向方向に沿う長軸の長さL1の平均値が5.0μm以下、短軸の最大長さL2の平均値が2.0μm以下であり、L1/L2が4以上の柱状金属結晶粒(以下、L1/L2が4以上の柱状金属結晶粒を長伸金属結晶粒と言う場合がある。)の面積率が25%以下である。本発明に係るアルミニウム基複合材によれば、上記のとおり柱状金属結晶粒の長軸の長さL1および短軸の最大長さL2の各々の平均値が上記範囲であり、かつ長伸金属結晶粒の面積率が25%以下と低いので、その基地組織は、微細化された柱状金属結晶が均一に分布しており異方性が低く、その結果、優れた引張強度と伸びを両立することができる。なお、製造上、上述した柱状金属結晶粒の配向方向に沿う長軸の長さL1の平均値及び短軸の最大長さL2の平均値を0.4μm未満とすることは困難である。このため、上述した柱状金属結晶粒の配向方向に沿う長軸の長さL1の平均値及び短軸の最大長さL2の平均値は、それぞれ0.4μm以上であることが望ましい。さらに、ヤング率および引張強度いずれも優れたアルミニウム基複合材を得るためには、長軸L1の長さの下限値が1.2μm、上限値が3.7μmであることが望ましく、加えて、長伸金属結晶粒の面積率の下限値が8%、上限値が19%であることが望ましい。
上記した柱状金属結晶粒の長軸の長さL1とは、柱状金属結晶粒の配向方向に沿い柱状金属結晶粒の中で最も長さが長くなる2点を結んだ線分の長さのことを指す。また、短軸の最大長さL2とは、上記のように設定した長軸に直交する方向で、当該柱状金属結晶粒の中において最も長さが長くなる2点を結んだ線分の長さのことを指す。
上記長軸の長さL1および短軸の最大長さL2は、例えば以下のようにして確認することができる。アルミニウム基複合材の押出方向に平行な任意の断面における24×24μmの視野の組織写真を撮像し、当該組織写真を画像解析し、視野中に含まれる全結晶粒の長軸の長さ(以下、長軸長と言う場合がある。)L1と短軸の最大長さ(以下、最大短軸長と言う場合がある。)L2を測定し、測定された各結晶粒の長軸長L1および最大短軸長L2を平均化する。さらに、上記した方法で得られた視野中の各結晶粒についてL1/L2を算出し、L1/L2が4以上の長伸金属結晶粒を選択して、視野における長伸金属結晶粒の全体に対する面積率を算出することで、L1/L2が4以上の長伸金属結晶粒の面積率を算出することができる。(詳細は、後述する。)
[炭化アルミニウム粒子]
加えて、本発明者らは、各種のアルミニウム基複合材の結晶粒サイズについて調査検討を進めたところ、炭化アルミニウム粒子の存在が、結晶粒サイズに影響を及ぼしているものと推定した。
図2は、アルミニウム基複合材の基地組織の走査型透過電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)写真である。基地組織中には微小な炭化アルミニウム(Al)粒子が確認された。ここで、炭化アルミニウム粒子の炭素源は、炭素繊維であると考えられる。しかし、発明者らは、結晶粒サイズに影響を与える炭化アルミニウム粒子は、炭素繊維と基地組織との界面に生成されず、炭素繊維とは離れた位置に形成されていることを知見した。
さらに、本発明者らは鋭意研究の結果、この炭化アルミニウム粒子の炭素源は、製造工程において炭素繊維から脱落または分離した炭素片であると推定した。すなわち、下記詳述する炭素繊維酸処理工程において、炭素繊維に所定のダメージを与えることで、炭素繊維から炭素片が遊離(分離)し、これによって炭素繊維との境界とは異なる位置に炭化アルミニウム粒子が生成されるものと推定した。したがって、炭素繊維の酸処理条件を調整することで、この炭化アルミニウム粒子の生成量も調整可能であると推定した。このように微小な炭化アルミニウム粒子が適正に生成されると、この微小な炭化アルミニウム粒子が結晶粒成長を抑制するピン止め効果を奏し、結晶粒が微細化されるものと考えられる。
このようなピン止め効果を得るためには、基地組織中に存在する円相当径が500nm以下の炭化アルミニウム粒子(以下、微小炭化アルミニウム粒子と言う場合がある。)の面積率が0.5〜5%であることが望ましい。この微小炭化アルミニウム粒子のサイズや面積率は、後述する製造条件を適切に設定することで調整することができる。なお、微小炭化アルミニウム粒子の面積率は、例えば以下のようにして算出される。まず、アルミニウム基複合材の任意の断面において、任意に選択した2.0×2.6μmの視野において、エネルギー分散型X線分析(Energy dispersive X-ray spectrometry:EDX)を使用した元素マッピングによりAlとCの分布を取得し、AlとCが共存している領域を炭化アルミニウム粒子の存在領域と見なす。そして、当該炭化アルミニウム粒子の存在領域の透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope:TEM)観察により炭化アルミニウム粒子を含む組織写真を撮像し、当該組織写真に基づき画像解析ソフトにより炭化アルミニウム粒子の存在領域を二値化し、その炭化アルミニウム粒子の円相当径と面積を算出し、当該視野における円相当径が500nm以下の炭化アルミニウム粒子(微小炭化アルミニウム粒子)の面積を視野全体の面積で割ることにより微小炭化アルミニウム粒子の面積率を算出することができる。(詳細は、後述する。)
[析出物]
このような結晶粒微細化効果(ピン止め効果)は、上記した微小炭化アルミニウム粒子以外にも、他の金属間化合物を分散させることでも得ることができる。例えば、基地組織は、Mg以外にMn、Cr、Fe、Zr、Ti、Bからなる群から選択される元素のいずれか一種を総量で2.2質量%以下含んでもよく、この場合、基地組織中に析出する元素の化合物の面積率が4%以下であることが望ましい。なお、上記Mn、Cr、Fe、Zr、Ti、Bの含有量の総量の下限値は不可避不純物の水準である0.002質量%であり、その場合、上記化合物(析出物)の面積率の下限値は0.01%である。
上記した各元素の成分は、誘導結合プラズマ(Inductively coupled plasma:ICP)発光分析法で測定することができる。また、上記Mg、Mn等の各元素からなる化合物(析出物)の面積率は、基本的に、上記炭化アルミニウム粒子の面積率と同様にして確認することができる。すなわち、アルミニウム基複合材の任意の断面において、任意に選択した2.0×2.6μmの視野において、EDXを使用した元素マッピングにより各元素の分布を取得し、各元素が存在している領域を析出物の存在領域と見なす。そして、当該析出物の存在領域のTEM観察により析出物を含む組織写真を撮像し、当該組織写真に基づき画像解析ソフトにより析出物の存在領域を二値化し、その析出物の面積を算出し、当該視野における析出物の面積を全体の面積で割ることにより面積率を算出することができる。(詳細は、後述する。)
以上のように、基地組織を構成する柱状金属結晶粒の大きさ(L1、L2、L1/L2)を適切に制御して所定の範囲とすることで、優れた機械的特性を具現することができ、例えばJIS A5083合金からなる基地組織を有するアルミニウム基複合材の場合には、ヤング率80GPa以上、引張強度350MPa以上、伸び5%以上と引張強度、伸びおよびヤング率の何れも一定以上の水準を有する優れた機械的特性を有するアルミニウム基複合材とすることができる。
本実施形態のアルミニウム基複合材の製造方法について説明する。上記説明したアルミニウム基複合材の製造方法は特に限定されないが、以下の製造方法により好適に製造することができる。すなわち、本実施形態の製造方法は
炭素繊維を酸処理し、炭素繊維の表面に官能基を形成する炭素繊維酸処理工程と、
前記炭素繊維酸処理工程で酸処理された炭素繊維を溶液中に添加し炭素繊維スラリーを形成する炭素繊維スラリー形成工程と、
樹脂を含む溶液に金属粉末を添加し、表面に水酸基が形成された金属粉末を含む金属粉末スラリーを形成する金属粉末スラリー形成工程と、
炭素繊維スラリー形成工程で得られた炭素繊維スラリーと金属粉末スラリー形成工程で得られた金属粉末スラリーとを炭素繊維の含有率が金属粉末に対し1〜5質量%となるよう混合し、炭素繊維表面の官能基と金属粉末表面の水酸基を介して金属粉末の表面に炭素繊維を吸着させ、炭素繊維吸着金属粉末を得る炭素繊維吸着工程と、
炭素繊維吸着工程で得られた炭素繊維吸着金属粉末を加熱処理し、炭素繊維吸着金属粉末に含まれる樹脂を除去する加熱処理工程と、
加熱処理工程で得られた炭素繊維吸着金属粉末を焼結する焼結工程と、
前記焼結工程で得られた焼結体を押出成形する押出成形工程と、を有し、
金属粉末スラリー形成工程で使用する金属粉末が、Mg0.5〜7質量%、残部Alおよび不可避不純物からなり、
前記押出成形工程において、前記焼結工程で得られた焼結体を加熱温度350〜500℃、押出比20〜30、押出速度0.5〜10.0mm/sで押出成形することを特徴としている。以下、図3に示すアルミニウム基複合材の製造工程のフローチャートを用いて、上記各工程および上記各工程に更に付加される好ましい工程について詳細に説明する。
[炭素繊維準備工程:ステップ100]
まず、使用される炭素繊維を準備する(ステップ100)。原料となる炭素繊維の種類、繊維径は特に限定されるものではないが、カーボンナノファイバー(carbon nanofiber:CNF)やカーボンナノチューブ(carbon nanotube:CNT)などを使用することが好ましい。カーボンナノファイバーやカーボンナノチューブ(炭素繊維)の好ましい純度は90%以上、好ましい平均直径は200nm以下、好ましい平均長さは0.5μm以上である。純度が90%より低いと炭素繊維自体の特性が低下し、平均直径が200nmより大きく、平均長さが0.5μmより短いとアスペクト比が小さくなり繊維強化材としての効果が低下する。なお、炭素繊維の平均直径の下限値、平均長さの上限値は特段限定されないが、工業生産的に適正なコストの炭素繊維を得るためには、各々0.5nm以上、1000μm以下であることが望ましい。
[炭素繊維酸処理工程:ステップ101]
次に、この炭素繊維に対して酸処理を行う(ステップ101)。炭素繊維酸処理工程(以下、酸処理工程という場合がある。)においては、金属粉末表面に炭素繊維が吸着するように、炭素繊維表面に官能基を形成する。酸処理工程では、硫酸、硝酸、塩酸、混酸などの酸液に炭素繊維を浸漬させて、カルボキシル基(−COOH)、水酸基(−OH)、カルボニル基(−C=O)などの官能基を形成させることができる。このように官能基が形成された炭素繊維は、水や有機溶媒等の溶液との親和性が向上し、それらの溶液中での分散性も向上する。
酸処理工程は、上記酸液中に炭素繊維を添加した後、炭素繊維を含む酸液を撹拌することで行われる。この際、炭素繊維を50〜90℃の温度の酸液中に10〜90分間保持することが望ましい。酸液の温度が低い場合や酸液への保持時間が短い場合は、官能基の形成が不十分となり、また、炭素繊維から遊離する炭素片の量が少なくなり、基地組織を構成する柱状金属結晶粒の微細化効果のある微小炭化アルミニウム粒子を生成するための炭素源が減少し、得られるアルミニウム基複合材の機械的特性が低下する。一方で、酸液の温度が高い場合や酸液への保持時間が長い場合は、炭素繊維の表面に過度の欠陥が形成されたり、炭素繊維が細くなるため、得られるアルミニウム基複合材の機械的特性が低下する。
上記炭素繊維の酸処理後の表面状態(欠陥の生成状態)は、ラマン分光分析で測定されるDバンドの強度IdとGバンド(グラファイト構造)の強度Igの比率Id/Ig比で評価できる。つまり、酸処理により炭素繊維の欠陥が増加するほど、Id/Ig比が増加する。酸処理後のId/Ig比は0.1〜0.7が望ましい。酸処理工程における酸液の温度が低い場合や酸液への保持時間が短い場合にはId/Ig比が0.1より小さくなり、酸処理不足で官能基の形成が不十分となり、また、炭素繊維から遊離(分離)する炭素片の量が少なくなり、基地組織を構成する柱状金属結晶粒の微細化効果のある微小炭化アルミニウム粒子を生成するための炭素源が減少するので好ましくない。一方で、酸処理工程における酸液の温度が高い場合や酸液への保持時間が長い場合にはId/Ig比が0.7より大きくなり、酸処理過多で炭素繊維の欠陥が多くなりすぎ、炭素繊維の強度が低下する。このため、いずれの場合も、アルミニウム基複合材の機械的特性が低下する。適切な条件で炭素繊維の酸処理を行うことで、適度に炭素繊維がダメージを受けて、炭化アルミニウム粒子の酸素源となる炭素片が形成される。
[炭素繊維スラリー形成工程:ステップ102]
ステップ101で酸処理された炭素繊維を用いて炭素繊維スラリーを形成する(ステップ102)。ステップ102においては、分散剤が0.5〜1.5質量%添加された水溶液にステップ101で得られた酸処理後の炭素繊維を0.5〜1.5質量%添加して分散処理を行う。分散媒(溶媒)には、水の他にエタノールなどのアルコール類も使うことができる。
なお、分散剤には、ラウリル硫酸ナトリウム(ドデシル硫酸ナトリウム)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸などが、分散処理には、超音波処理機、湿式ビーズミル、湿式ジェットミルなどを用いることができる。この処理を施すことにより、バンドル状に絡み合った炭素繊維でもほぐれて炭素繊維が分散したスラリーを得ることができる。この時の炭素繊維の好ましい粒度はD90で0.15〜8μmである。
[金属粉末準備工程:ステップ103]
炭素繊維の準備と並行して、または前後して、金属粉末を準備する(ステップ103)。原料となる金属粉末の成分、形状、平均粒径は特に限定されるものではない。金属粉末の組成の好ましい範囲は、Mg:0.5〜7質量%であり、残部Alおよび不可避不純物である。その他に添加元素として、Mn、Cr、Fe、Zr、Ti、Bからなる群から選択される元素のいずれか一種を総量で2.2質量%以下添加してもよい。Mgは基地組織の強度を上げ、他の元素はAlなどとともに化合物を形成して基地組織中に析出し、再結晶する際の結晶粒の成長を抑制するためアルミニウム基複合材の強度を上げる効果がある。
[金属粉末鱗片化工程:ステップ104]
上記金属粉末について、鱗片化処理を行う(ステップ104)。金属粉末鱗片化処理工程(以下、鱗片化工程という場合がある。)では、略球状の金属粒子を潰して偏平化し、金属粉末を鱗片化する。鱗片化処理によって、金属粒子の比表面積を増加させ、金属粉末への炭素繊維の吸着量を増加させることができる。なお、鱗片化処理後の金属粉末(以下、鱗片粉と称する場合がある。)の好ましい比表面積は、1.0〜10m/gである。また、鱗片粉の好ましい厚さは、0.1〜10μm程度である。
金属粉末の鱗片化処理には、ボールの衝撃で金属粉末を押しつぶすアトライター、遊星ボールミル、振動ボールミルなど各種ボールミルが使用できる。ボールミルで鱗片化処理を行う場合、ボールミルのチャンバー内で結露すると溶媒(例えば、エタノール等の有機溶剤)中の水分濃度が上昇して、鱗片化中に現れる金属粉末の新生面が酸化し、Alを含む酸化物(以下、Al酸化物と言う場合がある。)が生成する。このAl酸化物の生成を抑制するため、チャンバー内が結露しないよう、チャンバー内の温度を、露点以上に維持することが望ましい。加えて、温度が高すぎると鱗片粉の酸化が進むため、チャンバー内の処理温度としては、20℃以下が望ましい。
なお、鱗片化工程において、金属粉末が酸化されると、鱗片粉の酸素濃度が上昇し、鱗片粉表面にAl酸化物が生じるおそれがある。さらに金属粉末が過度に粉砕されると、生成した鱗片粉の径が小さいほど比表面積は大きいゆえに、鱗片粉が小さいほど体積あたりのAl酸化物の比率も大きくなる。このため、使用されるエタノール等の溶媒に対して、潤滑(すなわち過度の粉砕の防止)と酸化防止を目的に粉砕助剤を加えることが好ましい。粉砕助剤は鱗片化の過程において金属粉末の表面に結合して保護層を形成し、さらなる反応を防止することにより、鱗片粉の酸化を防止し、また、鱗片粉が他の鱗片粉や鱗片化に用いるボールなどの衝撃媒体と結合(凝着)することを防止する。粉砕助剤としては、有機酸であるステアリン酸やオレイン酸、界面活性剤であるドデシルベンゼンスルホン酸やラウリル硫酸ナトリウムなどを用いることができるが、中でもチタネート(有機チタン酸エステル)が優れている。チタネートはチタン酸(Ti(OH))の4つのOH基が、有機酸あるいは有機リン酸、有機スルホン酸などと反応してエステル結合した化合物である。この化合物が、Al酸化物表面や、鱗片化処理によって生成した新生面に接触すると、4つのエステルのうち2つが分解してAl−O−Tiの結合を2つ生成する。すなわちチタネートは2つの結合手によってAlと結合し、残る2つの結合手はエステル結合によって有機酸あるいは有機リン酸、有機スルホン酸などと結合した状態で存在する。前記した2つの結合手とエステル結合を形成している有機酸あるいは有機リン酸、有機スルホン酸を粉砕助剤として用いることもできるが、チタネートとして用いる方がAl−O−Tiの結合が強固であることから鱗片粉表面に安定に存在し、酸化防止ならびに潤滑の機能は優れている。
粉砕助剤としてチタネートを粉砕助剤として使用すると、鱗片化工程における鱗片粉の潤滑および酸化防止、並びに、鱗片化工程の後に行われる後述する炭素繊維吸着金属粉末洗浄工程および加熱処理工程におけるチタネートの除去を両立できる点で好ましい。さらに、粉砕助剤としてチタネートを使用する場合には、鱗片粉の原料である金属粉末100質量部に対し、チタネートが0.1〜5.0質量部となるよう溶媒に添加することが好ましい。チタネートの添加量が0.1質量部未満だと鱗片粉の潤滑および酸化防止を充分に行うことができない。一方で、5.0質量部を超えても潤滑および酸化防止の効果が平衡化することに加え、鱗片化工程の後に行われる後述の加熱処理工程におけるチタネートの除去が不十分となり、得られるアルミニウム基複合材の機械的強度が低下する恐れがある。
また、上記ボールミルで使用する溶媒としては、エタノール以外に、例えばメタノールなどのアルコール類、エチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、ヘキサン、ヘプタンなどの炭化水素、ミネラルスピリット等の石油系の混合溶剤を使うことができる。また、鱗片粉の乾燥時には、真空またはAr雰囲気など雰囲気中の酸素濃度が低い非酸化雰囲気にすることが望ましい。また、乾燥後の鱗片粉は、真空保管して酸化を防止することが望ましい。これら鱗片化工程における酸化防止対策により、鱗片粉の酸化が抑制され、鱗片粉表面に生成されるAl酸化物が低減する。なお、鱗片化工程は、必ずしも必須の工程ではなく、次工程で炭素繊維が十分に吸着可能であれば、鱗片化処理を行わなくてもよい。
[金属粉末スラリー形成工程:ステップ105]
金属粉末(上記鱗片化工程を経た場合は、金属粉末を鱗片粉と読み替えることができる。以下の他の工程についても、同様。)に、ステップ101(炭素繊維酸処理工程)で形成された官能基を表面に持つ炭素繊維が容易に吸着できるように、金属粉末のスラリーを形成する(ステップ105)。ステップ105においては、樹脂を溶解した水溶液に金属粉末を5〜15質量%添加し浸漬して樹脂で被覆し、表面に水酸基が形成した金属粉末のスラリーを得る。この樹脂としては、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリエチレンオキシド・プロピレンオキシド共重合体(EOPO)などから選択された1種類または複数種類を用いることができる。
[炭素繊維吸着工程:ステップ106]
ステップ102(炭素繊維スラリー形成工程)で得られた炭素繊維スラリーと、ステップ105(金属粉末スラリー形成工程)で得られた金属粉末スラリーとを混合して、金属粉末へ炭素繊維を吸着させる(ステップ106)。この際、炭素繊維表面の官能基と金属粉末表面に形成された樹脂膜の水酸基との結合(例えば水素結合)を利用して、金属粉末表面に炭素繊維を吸着させることで、得られるアルミニウム基複合材に対する質量割合で炭素繊維の含有率が1〜5質量%となるよう炭素繊維が吸着した金属粉末(以下、炭素繊維吸着金属粉末という場合がある。)を得ることができる。炭素繊維スラリーと金属粉末スラリーの混合比率は、得ようとするアルミニウム基複合材の炭素繊維含有量に応じて選択される。混合及び吸着には、スターラーや撹拌羽根を用いることができ、撹拌の回転数は500〜800rpm、時間は30分程度である。
[炭素繊維吸着金属粉末洗浄工程:ステップ107]
必要に応じて、炭素繊維吸着金属粉末を洗浄する(ステップ107)。後述するステップ108(加熱処理工程)において、炭素繊維吸着金属粉末に残る樹脂を加熱処理で除去するが、加熱処理の前に洗浄して樹脂の一部を除去しておけば、加熱処理時間を短縮することができる。
炭素繊維吸着金属粉末洗浄工程(以下、粉末洗浄工程という場合がある。)は、純水や有機溶剤を用い、炭素繊維吸着金属粉末を吸引濾過しながら洗浄する工程である。この場合、洗浄液による吸引濾過を複数回行ってもよい。なお、粉末洗浄工程で使用される洗浄液は、炭素繊維吸着金属粉末の酸化を抑制し、金属粉末に生成するAl酸化物を低減する面から、有機溶剤であることが望ましい。また、有機溶剤の使用量を削減するためには、最初の洗浄を純水で行い、最後の洗浄を有機溶剤で行ってもよい。また、複数回の洗浄を行う際には、洗浄と洗浄の間に炭素繊維吸着金属粉末が大気と触れ合い、酸化するおそれがあるため、洗浄液を連続して供給しながら吸引濾過することが望ましい。この際、例えば、洗浄開始時には純水を供給しながら吸引濾過を行い、所定時間後に、純水から有機溶剤の供給に切り替えて吸引濾過を行ってもよい。このようにすることで、有機溶剤の使用量を抑えるとともに、洗浄時における酸化を抑制することができる。
洗浄に用いられる有機溶剤には、エタノール、メタノールなどのアルコール類、エチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、ヘキサン、ヘプタンなどの炭化水素、ミネラルスピリット等の石油系の混合溶剤を使うことができる。なお、粉末洗浄工程は、必ずしも必須の工程ではない。
[加熱処理工程:ステップ108]
加熱処理によって、ステップ106(107)で得られた炭素繊維吸着金属粉末に含まれる余剰の樹脂を除去する(ステップ108)。この加熱処理は、金属粉末が酸化し、金属粉末にMgを含む酸化物(以下、Mg酸化物という場合がある。)が生成しないよう、初期炉内酸素濃度1000ppm以下、最終炉内酸素濃度0.1ppb未満の低酸素濃度とした不活性ガス雰囲気などで、炭素繊維吸着金属粉末に含まれる樹脂を除去する。ここで、「初期」とは、金属粉末の所定温度での加熱開始時のことを指し、「最終」とは所定温度での加熱終了時のことを指す(以下説明する、焼結工程について同じ)。加熱処理は、加熱温度350〜500℃、保持時間1〜24時間で行うことが好ましい。加熱温度が350℃より低い場合や保持時間が1時間より短い場合は樹脂の除去が不十分となる。また、加熱温度が500℃より高い場合や保持時間が24時間より長い場合は金属粉末(鱗片粉)に含まれるMgによるAl酸化物の還元が進み、その結果、金属粉末に過度のMg酸化物が生成する。したがって、いずれの場合も得られるアルミニウム基複合材の機械的特性が低下する。加熱処理工程後の炭素繊維吸着金属粉末に含まれる残存樹脂量は、熱重量分析(例えば、BRUKER製TG−DTA2000SA)によって測定することができる。また、加熱処理工程後の炭素繊維吸着金属粉末に含まれる酸素量は不活性ガス融解法で測定でき、酸素量の好ましい範囲は4質量%以下である。
[圧粉体成形工程:ステップ109]
必要に応じて、炭素繊維吸着金属粉末の圧粉体を成形する(ステップ109)。圧粉体成形工程は、ステップ108(加熱処理工程)で得られた炭素繊維吸着金属粉末をプレス機などを用いて低温で加圧成形し圧粉体を得る工程である。この時の好ましい条件は、温度は300℃以下で、圧力は200〜800MPaである。この成形処理により圧粉体の相対密度が増加するため、次工程の焼結時間を短縮することができる。なお、圧粉体成形工程は、必ずしも必須の工程ではない。
[焼結工程:ステップ110]
樹脂を除去した炭素繊維吸着金属粉末または上記圧粉体成形工程で得られた圧粉体のバルク化を行うため、焼結処理を行う(ステップ110)。焼結は、初期炉内酸素濃度1000ppm以下、最終炉内酸素濃度0.1ppb未満の不活性ガス雰囲気中で加熱して570〜620℃で2〜10時間の条件で行われる。この焼結処理では、金属粉末同士の固相接合が進む。この時、金属粉末表面を覆っているAl等のAl酸化物は、金属粉末に固溶しているMgによって還元されて除去され、Alが露出した金属新生面が現れるため、金属粉末同士の固相接合が促進される。この焼結工程では、加圧力をかけながら焼結を行うホットプレスやスパークプラズマ焼結を使ってもよい。また、この焼結工程において、上記酸処理工程で炭素繊維から遊離(分離)し、上記圧粉体成形工程において形成された圧粉体中に含まれる炭素片がアルミニウムと反応して微小炭化アルミニウム粒子が形成される。
[押出成形工程:ステップ111]
得られた焼結体を押出成形で加工する(ステップ111)。押出成形によって、アルミニウム基複合材の密度向上、基地組織の微細化、形状付与を行うことができる。なお、焼結体の加工方法としては押出成形に限定されず、鍛造、プレスなどの塑性加工方法を適用することも出来るが、高密度で均一な微細基地組織を得るためには、押出成形が適している。押出成形の好ましい条件は、被加工体である焼結体の加熱温度が350〜500℃、押出比が20〜30、押出速度が0.5〜10.0mm/sである。加熱温度が350℃より低いと組成流動性が低く、500℃より高いと動的再結晶が進んで結晶粒が成長し強度が低下する。押出比が20より小さいと高密度が得られず、30より大きいと押出成形することは困難である。押出速度が0.5mm/sより小さいと生産性が低下し、10.0mm/sより大きいと、動的再結晶が進んで結晶粒が成長し強度が低下する。なお、押出比は、下記式で算出することができる。
R=A0/A
ここで、
R:押出比
A0:押出前の被加工体(焼結体)の押出方向に直交する方向の断面積
A:押出後の被加工体の押出方向に直交する方向の断面積
このように本発明に係るアルミニウム基複合材は、その製造過程中の押出成形工程において、焼結体の加熱温度、押出比および押出速度を適切に制御して焼結体(被加工体)を低ひずみ状態で押出成形することにより形成されているので、基地組織を構成する柱状金属結晶粒が微細化され、優れた引張強度と伸びが両立したアルミニウム基複合材を具現することができる。さらに、炭素繊維の酸処理工程においても、適切な条件で炭素繊維を酸処理することにより、炭素繊維に付着する官能基の量および炭素繊維のダメージを制御するとともに、微小炭化アルミニウム粒子を形成するための炭素源である炭素繊維から遊離(分離)する炭素片の量も制御しているので、生成した微小炭化アルミニウム粒子のピン止め効果により基地組織を構成する柱状金属結晶粒の更なる微細化を図ることができる。
次に、実際に各種条件によってアルミニウム基複合材を作製し、基地組織の状態や機械的特性等を評価した。
(実施例1)
実施例1では、Mg4.52質量%−Mn0.66質量%−Fe0.21質量%−残部Alおよび不可避不純物からなる金属粉末を使用し形成した基地組織に炭素繊維が分散されたアルミニウム基複合材を以下のように作製した。
[炭素繊維準備工程]
炭素繊維としてカーボンナノファイバー(昭和電工社製VGCF(登録商標)、平均外径150nm、平均長さ6μm、純度99%以上)を用いた。この炭素繊維をラマン分光装置(レニショー製inVia Qontor)で分析し、1350cm−1付近のDバンドと呼ばれるピークの強度Idと、1570cm−1付近のGバンドと呼ばれるピークの強度Igの比(Id/Ig)を確認したところ、0.03であった。なお、以下説明する炭素繊維のId/Igについても、同様な方法で確認した。
[炭素繊維酸処理工程]
次に、炭素繊維の酸処理を行うため、硫酸150gと硝酸50gを混合して酸液を調合し、その中に炭素繊維を2g添加して、70℃に加熱したウォーターバススターラー(アズワン製EWS100RD)内にて温浴し、100rpmで60分間撹拌した。
その後、純水およびエタノールで炭素繊維を洗浄し、吸引濾過して80℃で乾燥し、カルボキシル基が表面に形成された炭素繊維を得た。酸処理後の炭素繊維のId/Igを確認したところ、0.47であった。
[炭素繊維スラリー形成工程]
次に、ラウリル硫酸ナトリウム(昭和化学製濃度99%以上)、純水および超音波処理装置(ブランソン製超音波ホモジナイザーDCX S20:1.25)を用意した。純水200mlにラウリル硫酸ナトリウムを2g添加した溶液に、前述した酸処理後の炭素繊維を2g添加して、超音波処理を行い、炭素繊維スラリーを得た。なお、上記超音波処理の条件は、720Wで10分→360Wで2時間→720Wで10分とした。
[金属粉末準備工程]
金属粉末としては、Mg4.52質量%−Mn0.66質量%−Fe0.21質量%−残部Alおよび不可避不純物からなる粒径(D50)が約10μmのアトマイズ粉を用いた。なお、上記アトマイズ粉の成分は、ICP発光分析法(島津製作所製 ICPS−8100)で確認した。なお、本実施例では、後述するように金属粉末を鱗片化処理し鱗片粉を形成するので、本工程で準備される金属粉末(アトマイズ粉)は、鱗片粉のための原料である(以下説明する他の実施例および比較例について同様)。
[金属粉末鱗片化工程]
上記アトマイズ粉を鱗片化処理した。エタノール、助剤としてのチタネート(味の素ファインテクノ製プレンアクト238S)およびボールミル(ユニオンプレス製アトライターHD−01)を用意した。エタノール300mlにチタネートを7g添加した後、上記アトマイズ粉を220g(アトマイズ粉100質量部に対し、チタネート3.2質量部)添加し、鋼球(SUJ2、直径10mm、総量で3.25kg)を使用したボールミルにて366rpmで5時間処理した。
なお、鱗片化処理は、略球形の金属粉末を偏平化させて平らに押しつぶした形状にするものである。鱗片化処理の際のチャンバー内の温度は15℃であり、また、チャンバー雰囲気の室温は20℃、湿度は50%であり、露点温度は9.3℃であった。すなわち、チャンバー内を露点以上、20℃以下の温度で鱗片化処理を行った。
鱗片化工程の後、懸濁液を取り出し、大気中で85℃、2時間乾燥し、厚さ約1〜4μm、平均直径(個数頻度でのD50)が24μm、比表面積約4.5m/g、酸素濃度が1.7質量%の鱗片粉を得た。
鱗片粉の厚さは、樹脂埋めした鱗片粉を研磨し、その断面をSEM(日立ハイテクノロジー製SU−70)の画像で測定し、鱗片粉の平均直径D50はレーザ回折式粒子径分布測定装置(堀場製作所製LA−960)で測定した。また、鱗片粉の比表面積は比表面積計(島津製作所製トライスターII3020)で測定した。また、鱗片粉の酸素濃度は、酸素窒素(ON)分析装置(LECO製ON836)で測定した。なお、以下説明する鱗片粉(金属粉末)の酸素濃度についても、同様な方法で確認した。
[金属粉末スラリー形成工程]
次に、金属粉末スラリーを形成した。純水およびポリビニルアルコール(デンカ製ポバール(登録商標))を用意した。95℃に加熱したウォーターバススターラー(アズワン製EWS100RD)内に純水1000mlを満たした容器を温浴し、撹拌しながらポリビニルアルコールを30g添加して、450rpmで1時間撹拌を行った。
上記ポリビニルアルコール溶液1000mlを10℃まで冷却し、前述した鱗片粉110gを添加し、温度を維持しながら1000rpmで60分間撹拌した。
その後、純水を加えて遠心分離および吸引濾過にてポリビニルアルコールで被覆した金属粉末スラリーを得た。遠心分離の条件は、4000rpmで3分間を3回繰り返すこととした。
[炭素繊維吸着工程]
次に、鱗片粉(金属粉末)に炭素繊維を吸着させた。PVAが付着した鱗片粉を100g含む金属粉末スラリーを純水1200mlに添加して、スターラー(東京硝子器械製F−205D)を用いて750rpmで撹拌しながら、前述した炭素繊維を2g含む炭素繊維スラリー200mlを添加し、鱗片粉に炭素繊維を吸着させ、炭素繊維が吸着した鱗片粉を得た。
[炭素繊維吸着金属粉末洗浄工程]
次に、炭素繊維が吸着した上記鱗片粉に純水およびエタノールを加えながら吸引濾過し、濾紙に残った鱗片粉を85℃で乾燥した。
[加熱処理工程]
次に、粉末洗浄工程後の鱗片粉を、熱処理炉内雰囲気をアルゴン雰囲気(初期炉内酸素濃度312ppm、最終炉内酸素濃度0.1ppb以下)にて450℃で2時間加熱処理し、当該鱗片粉からポリビニルアルコールを除去した。加熱処理後の鱗片粉の酸素量は2.6%であった。また、鱗片粉の炭素量を、JIS Z2615の赤外線吸収法(積分法)に準拠し、炭素硫黄(CS)分析装置(LECO製CS844)で測定した。鱗片粉の炭素量は1.9質量%であった。なお、以下説明する鱗片粉の炭素量は、同様な方法で確認した。
[圧粉体成形工程]
次に、200℃に加熱した内径40mmのプレス用金型に加熱処理工程後の鱗片粉を70g充填して、2000kNのプレス機(アサイ産業製EFP−200)を用い、圧力600MPaで加圧し、直径40mm、高さ22mmの圧粉体を得た。
[焼結工程]
次に、得られた圧粉体を、熱処理炉において、初期炉内酸素濃度300ppm、最終炉内酸素濃度0.1ppb未満のアルゴン雰囲気中、600℃で、10時間保持して焼結体を得た。
[押出成形工程]
次に、2000kNのプレス機(アサイ産業製EFP−200)、図4に示す押出用金型10を用いて押出成形を行った。押出用金型10は、入側の内径(図中A)が40.5mm、出側の内径(図中B)が8.0mmで、ダイス角度(図中C)は45°である。直径40mm、高さ22mmの焼結体を、450℃で予熱した後、450℃に加熱した押出用金型10に挿入して、押出比25、押出速度5mm/sで押出成形を行った。
押出成形で得られた実施例1の直径8.0mmのアルミニウム基複合材の基地組織について、その成分を、前述したICP発光分析法で確認した。実施例1のアルミニウム基複合材の基地組織の成分は、Mg4.50質量%、Mn0.64質量%、Fe0.20質量%、残部Alおよび不可避不純物であった。すなわち、(Mn、Cr、Fe、Zr、Ti、B)の総量は0.84質量%であった。また、アルミニウム基複合材の炭素量を、JIS Z2615の赤外線吸収法(積分法)に準拠し、前述のCS分析装置で測定した。実施例1のアルミニウム基複合材の炭素量は、1.9質量%であった。なお、鱗片粉に吸着させた炭素繊維の一部は、焼結工程においてアルミニウムと化合して炭化アルミニウムとなるが、その生成量は、添加した炭素繊維量に対し僅かであり、上記測定された炭素量は、アルミニウム基複合材が含有する炭素繊維の含有量と見て差し支えない。(以下説明する、実施例および比較例でも同様である。)
また、実施例1のアルミニウム基複合材について、結晶粒の組織観察を行った。得られたアルミニウム基複合材の押出方向に平行な任意の断面において、TSL社製ソリューションズ・SC−200を使用し、後方散乱電子回折(Electron Back Scatter Diffraction:EBSD)像を視野24×24μmで3視野、取得した。得られた各視野のEBSD像を、画像処理ソフト「A像くん」(旭化成エンジニアリング)によって画像解析を行い、3視野中の全結晶粒の長軸長L1と最大短軸長L2を求め、求められた3視野中のそれぞれの結晶粒の長軸長L1、最大短軸長L2を平均化したものを柱状金属結晶粒の長軸長L1の平均値および最大短軸長L2の平均値とした。また、上記のように求めた各視野中の結晶粒の長軸長L1と最大短軸長L2に基づき各結晶粒のL1/L2(アスペクト比)を算出し、3視野におけるL1/L2が4以上の長伸金属結晶粒の面積を求め、当該面積を3視野全体の面積で除して面積率を算出した。なお、以下説明する実施例および比較例でも、結晶粒の長軸長L1、最大短軸長L2およびL1/L2は、同様な方法で確認した。表2に示すように、実施例1の長軸長L1の平均値は3.5μm、最大短軸長L2の平均値は1.2μm、L1/L2が4以上の長伸金属結晶粒の面積率は17%であった。
また、実施例1のアルミニウム基複合材について、機械的特性を評価した。機械的特性は、押出成形後のアルミニウム基複合材から加工して作製した図5に示す下記寸法の試験片11を用い、JIS Z2241に準拠し、クロスヘッド速度が1mm/minとなるよう設定した万能試験機(インストロン製5982)で引張試験を行って求めた。試験片の中心軸と、押出成形の押出方向は一致させた。なお、以下説明する実施例および比較例でも、アルミニウム基複合材の機械的特性は、同様な方法で確認した。表2に示すように、実施例1の機械的特性は、ヤング率92GPa、引張強さ386MPa、伸び8.3%であった。
試験片形状
全長 L=67mm
標点距離 L=25mm
平行部長さ L=31mm
径 d=5mm±0.02mm
肩部半径 R=3mm
掴み部長さ L=15mm
掴み部径 d=7.8mm
円相当径が500nm以下の微小炭化アルミニウム粒子の面積率は、次のようにして求めた。上記任意の断面の任意の3視野を視野2.0×2.6μmで走査型透過電子顕微鏡(Scanning Transmission Electron Microscope:STEM、日立製HD−2100)にて撮像し、当該3視野それぞれについてEDXマッピングによりAlおよびCの分布を取得した。各視野について、画像解析ソフト「AT−image」によりAlおよびCの分布をモノクロ変換後、輝度反転し、AlとCの共存領域を炭化アルミニウム粒子の存在領域と見なした。そして、当該炭化アルミニウム粒子の存在領域のTEM観察により炭化アルミニウム粒子を含む組織写真を暗視野像で撮像し、当該組織写真を画像解析ソフト「A像くん」の粒子解析モードにより自動で二値化して炭化アルミニウム粒子を特定した。その後、特定した炭化アルミニウム粒子の外縁を区切り、炭化アルミニウム粒子の円相当径と面積を算出し、各視野中の円相当径が500nm以下の微小炭化アルミニウム粒子の面積を視野全体の面積で割ることにより微小炭化アルミニウム粒子の面積率を計算し、3視野の平均値を微小炭化アルミニウム粒子の面積率とした。表2に示すように、実施例1の微小炭化アルミニウム粒子の面積率は、1.6%であった。なお、以下説明する実施例および比較例でも、アルミニウム基複合材の微小炭化アルミニウム粒子の面積率は、同様な方法で確認した。
Mn、Cr等の元素の化合物(析出物)の面積率は、次のようにして求めた。上記任意の断面の任意の3視野を視野2.0×2.6μmで前述のSTEMにて撮像し、当該3視野それぞれについてEDXマッピングにより各元素の分布を取得した。各視野について、画像解析ソフト「AT−image」により各元素の分布をモノクロ変換後、輝度反転し、各元素の存在領域を析出物の存在領域と見なした。そして、当該析出物の存在領域のTEM観察により析出物を含む組織写真を暗視野像で撮像し、当該組織写真を画像解析ソフト「A像くん」の粒子解析モードにより自動で二値化して析出物を特定した。その後、特定した析出物の外縁を区切り、析出物の面積を算出し、各視野中の面積を視野全体の面積で割ることによりの面積率を計算し、3視野の平均値を析出物の面積率とした。表2に示すように、実施例1の析出物の面積率は、1.3%であった。なお、以下説明する実施例および比較例でも、アルミニウム基複合材の析出物の面積率は、同様な方法で確認した。
(実施例2)
実施例1と同様の金属粉末および炭素繊維を用いたが、焼結条件および押出成形条件を変更した。実施例1と同様の条件で、炭素繊維と金属粉末を処理し炭素繊維を鱗片粉に吸着させ、その後加熱処理を行った。炭素繊維が吸着した鱗片粉の加熱処理後の炭素量は2.0質量%であった。その後、圧粉体成形で得られた成形体を実施例1と同様のアルゴン雰囲気中、620℃で、12時間保持し焼結して焼結体を得た。
次に、実施例1と同様のプレス機を用いて押出成形を行った。実施例2に用いられる押出用金型は、入側の内径(図4のA)が40.5mm、出側の内径(図4のB)が7.3mmで、ダイス角度(図4のC)は45°である。直径40mm、高さ22mmの焼結体を、350℃で予熱した後、350℃に加熱した押出用金型に挿入して、押出比30、押出速度0.5mm/sで押出成形を行った。
この押出成形で得られた実施例2の直径7.3mmのアルミニウム基複合材について、実施例1と同様にその基地組織の成分、炭素量の測定を行った。実施例2のアルミニウム基複合材の基地組織の成分は、Mg4.49質量%、Mn0.65質量%、Fe0.20質量%、残部Alおよび不可避不純物であり、アルミニウム基複合材の炭素量は2.0質量%であった。すなわち、(Mn、Cr、Fe、Zr、Ti、B)の総量は0.85質量%であった。また、実施例1と同様に実施例2のアルミニウム基複合材の結晶粒の組織観察を行ったところ、実施例2の長軸長L1の平均値は1.2μm、最大短軸長L2の平均値は0.8μm、L1/L2が4以上の長伸金属結晶粒の面積率は8%であった。
また、実施例2のアルミニウム基複合材について、実施例1と同様に機械的特性を評価したところ、実施例2の機械的特性は、ヤング率93GPa、引張強さ398MPa、伸び8.1%であった。なお、実施例2の試験片11は、図5の掴み部径dを7.3mmとした。
また、実施例1と同様に、円相当径が500nm以下の微小炭化アルミニウム粒子の面積率を評価したところ、実施例2の微小炭化アルミニウム粒子の面積率は、2.1%であった。同様に、Mn、Cr等の元素の化合物(析出物)の面積率を評価したところ、実施例2の析出物の面積率は、2.1%であった。
(実施例3)
実施例1と同様の金属粉末および炭素繊維を用いたが、酸処理条件および押出成形条件を変更した。実施例3では、硫酸150gと硝酸50gを混合して酸液を調合し、その中に炭素繊維を2g添加して、90℃に加熱したウォーターバススターラー(アズワン製EWS100RD)内にて温浴し、100rpmで70分間撹拌した。
その後、実施例1と同様に炭素繊維を洗浄・乾燥し、酸処理後の炭素繊維のId/Igを確認したところ、0.67であった。
次に、実施例1と同様の条件で、炭素繊維と金属粉末を処理し炭素繊維を鱗片粉に吸着させ、その後加熱処理、圧粉体成形および焼結を行った。加熱処理後の炭素繊維が吸着した鱗片粉の炭素量は1.5質量%であった。
次に、実施例1と同様のプレス機を用いて押出成形を行った。実施例3に用いられる押出用金型は、入側の内径(図4のA)が40.5mm、出側の内径(図4のB)が8.9mmで、ダイス角度(図4のC)は45°である。直径40mm、高さ22mmの焼結体を、500℃で予熱した後、500℃に加熱した押出用金型に挿入して、押出比20、押出速度10mm/sで押出成形を行った。
この押出成形で得られた実施例3の直径8.9mmのアルミニウム基複合材について、実施例1と同様にその基地組織の成分、炭素量の測定を行った。実施例3のアルミニウム基複合材の基地組織の成分は、Mg4.52質量%、Mn0.64質量%、Fe0.19質量%、残部Alおよび不可避不純物であり、アルミニウム基複合材の炭素量は1.5質量%であった。すなわち、(Mn、Cr、Fe、Zr、Ti、B)の総量は0.83質量%であった。また、実施例1と同様に実施例3のアルミニウム基複合材の結晶粒の組織観察を行ったところ、実施例3の長軸長L1の平均値は4.9μm、最大短軸長L2の平均値は1.6μm、L1/L2が4以上の長伸金属結晶粒の面積率は23%であった。
また、実施例3のアルミニウム基複合材について、実施例1と同様に機械的特性を評価したところ、実施例3の機械的特性は、ヤング率83GPa、引張強さ373MPa、伸び8.9%であった。
また、実施例1と同様に、円相当径が500nm以下の微小炭化アルミニウム粒子の面積率を評価したところ、実施例3の微小炭化アルミニウム粒子の面積率は、2.1%であった。同様に、Mn、Cr等の元素の化合物(析出物)の面積率を評価したところ、実施例3の析出物の面積率は、0.8%であった。
(実施例4)
実施例1に対して、金属粉末のMg量を変更し、金属粉末として、Mg6.80質量%−Mn0.66質量%−Fe0.21質量%−残部Alおよび不可避不純物からなる粒径(D50)が約10μmのアトマイズ粉を用いた。アトマイズ粉の鱗片化処理条件、使用する炭素繊維及びその酸処理条件、吸着条件、焼結条件及び押出成形条件等は、全て実施例1と同様とした。
得られた実施例4の直径8.0mmのアルミニウム基複合材について、実施例1と同様にその基地組織の成分、炭素量の測定を行った。実施例4のアルミニウム基複合材の基地組織の成分は、Mg6.80質量%、Mn0.64質量%、Fe0.20質量%、残部Alおよび不可避不純物であり、アルミニウム基複合材の炭素量は1.9質量%であった。すなわち、(Mn、Cr、Fe、Zr、Ti、B)の総量は0.84質量%であった。また、実施例1と同様に実施例4のアルミニウム基複合材の結晶粒の組織観察を行ったところ、実施例4の長軸長L1の平均値は3.1μm、最大短軸長L2の平均値は1.1μm、L1/L2が4以上の長伸金属結晶粒の面積率は16%であった。
また、実施例4のアルミニウム基複合材について、実施例1と同様に機械的特性を評価したところ、実施例4の機械的特性は、ヤング率89GPa、引張強さ390MPa、伸び7.7%であった。
また、実施例1と同様に、円相当径が500nm以下の微小炭化アルミニウム粒子の面積率を評価したところ、実施例4の微小炭化アルミニウム粒子の面積率は、1.5%であった。同様に、Mn、Cr等の元素の化合物(析出物)の面積率を評価したところ、実施例4の析出物の面積率は、1.4%であった。
(実施例5)
実施例1に対して、金属粉末のMg量を変更し、金属粉末として、Mg2.50質量%−Mn0.66質量%−Fe0.21質量%−残部Alおよび不可避不純物からなる粒径(D50)が約10μmのアトマイズ粉を用いた。アトマイズ粉の鱗片化処理条件、使用する炭素繊維及びその酸処理条件、吸着条件、焼結条件及び押出成形条件等は、全て実施例1と同様とした。なお、実施例1と同様に炭素繊維を洗浄・乾燥し、酸処理後の炭素繊維のId/Igを確認したところ、0.47であった。
得られた実施例5の直径8.0mmのアルミニウム基複合材について、実施例1と同様にその基地組織の成分、炭素量の測定を行った。実施例5のアルミニウム基複合材の基地組織の成分は、Mg2.50質量%、Mn0.64質量%、Fe0.20質量%、残部Alおよび不可避不純物であり、アルミニウム基複合材の炭素量は1.9質量%であった。すなわち、(Mn、Cr、Fe、Zr、Ti、B)の総量は0.84質量%であった。また、実施例1と同様に実施例5の結晶粒の組織観察を行ったところ、実施例5の長軸長L1の平均値は3.7μm、最大短軸長L2の平均値は1.4μm、L1/L2が4以上の長伸金属結晶粒の面積率は19%であった。
また、実施例5のアルミニウム基複合材について、実施例1と同様に機械的特性を評価したところ、実施例5の機械的特性は、ヤング率91GPa、引張強さ385MPa、伸び8.5%であった。
また、実施例1と同様に、円相当径が500nm以下の微小炭化アルミニウム粒子の面積率を評価したところ、実施例5の微小炭化アルミニウム粒子の面積率は、1.6%であった。同様に、Mn、Cr等の元素の化合物(析出物)の面積率を評価したところ、実施例5の析出物の面積率は、1.2%であった。
(実施例6)
実施例1に対して、金属粉末のMg量を変更し、金属粉末として、Mg1.00質量%−Mn0.66質量%−Fe0.21質量%−残部Alおよび不可避不純物からなる粒径(D50)が約10μmのアトマイズ粉を用いた。アトマイズ粉の鱗片化処理条件、使用する炭素繊維及びその酸処理条件、吸着条件、焼結条件及び押出成形条件等は、全て実施例1と同様とした。なお、実施例1と同様に炭素繊維を洗浄・乾燥し、酸処理後の炭素繊維のId/Igを確認したところ、0.47であった。
得られた実施例6の直径8.0mmのアルミニウム基複合材について、実施例1と同様にその基地組織の成分、炭素量の測定を行った。実施例6のアルミニウム基複合材の基地組織の成分は、Mg1.00質量%、Mn0.64質量%、Fe0.20質量%、残部Alおよび不可避不純物であり、アルミニウム基複合材の炭素量は1.9質量%であった。すなわち、(Mn、Cr、Fe、Zr、Ti、B)の総量は0.84質量%であった。また、実施例1と同様に実施例6のアルミニウム基複合材の結晶粒の組織観察を行ったところ、実施例6の長軸長L1の平均値は3.9μm、最大短軸長L2の平均値は1.7μm、L1/L2が4以上の長伸金属結晶粒の面積率は22%であった。
また、実施例6のアルミニウム基複合材について、実施例1と同様に機械的特性を評価したところ、実施例6の機械的特性は、ヤング率84GPa、引張強さ368MPa、伸び9.5%であった。
また、実施例1と同様に、円相当径が500nm以下の微小炭化アルミニウム粒子の面積率を評価したところ、実施例6の微小炭化アルミニウム粒子の面積率は、1.5%であった。同様に、Mn、Cr等の元素の化合物(析出物)の面積率を評価したところ、実施例6の析出物の面積率は、1.1%であった。
(実施例7)
実施例1に対して、炭素繊維スラリー形成工程における炭素繊維(CNF)添加量を変えた以外は、実施例1と同様の条件で炭素繊維が分散されたアルミニウム基複合材を作製した。
まず、実施例1と同一の手順で酸処理および鱗片化処理行った。なお、実施例1と同様に炭素繊維を洗浄・乾燥し、酸処理後の炭素繊維のId/Igを確認したところ、0.47であった。
ラウリル硫酸ナトリウム(昭和化学製濃度99%以上)、純水および超音波処理装置(ブランソン製超音波ホモジナイザーDCX S20:1.25)を用意し、純水200mlにラウリル硫酸ナトリウムを2g添加した溶液に、酸処理後の炭素繊維を5.0g添加して、超音波処理を行い、炭素繊維スラリーを得た。実施例1と同様の手順で、鱗片粉に炭素繊維を吸着させ、その後加熱処理を行った。炭素繊維が吸着した鱗片粉の炭素量は4.8質量%であった。
その後、実施例1と同様の条件で、圧粉体成形、焼結および押出成形を行い得られた実施例7の直径8.0mmのアルミニウム基複合材について、実施例1と同様にその基地組織の成分、炭素量の測定を行った。実施例7のアルミニウム基複合材の基地組織の成分は、Mg4.51質量%、Mn0.64質量%、Fe0.20質量%、残部Alおよび不可避不純物であり、アルミニウム基複合材の炭素量は4.8質量%であった。すなわち、(Mn、Cr、Fe、Zr、Ti、B)の総量は0.84質量%であった。また、実施例1と同様に実施例7のアルミニウム基複合材の結晶粒の組織観察を行ったところ、実施例7の長軸長L1の平均値は1.7μm、最大短軸長L2の平均値は0.9μm、L1/L2が4以上の長伸金属結晶粒の面積率は12%であった。
また、実施例7のアルミニウム基複合材について、実施例1と同様に機械的特性を評価したところ、実施例7の機械的特性は、ヤング率109GPa、引張強さ457MPa、伸び5.0%であった。
また、実施例1と同様に、円相当径が500nm以下の微小炭化アルミニウム粒子の面積率を評価したところ、実施例7の微小炭化アルミニウム粒子の面積率は、3.8%であった。同様に、Mn、Cr等の元素の化合物(析出物)の面積率を評価したところ、実施例7の析出物の面積率は、2.0%であった。
(実施例8)
実施例1に対して、炭素繊維スラリー形成工程における炭素繊維(CNF)添加量を変えた以外は、実施例1と同様の条件で炭素繊維が分散されたアルミニウム基複合材を作製した。
まず、実施例1と同一の手順で酸処理および鱗片化処理行った。なお、実施例1と同様に炭素繊維を洗浄・乾燥し、酸処理後の炭素繊維のId/Igを確認したところ、0.47であった。
ラウリル硫酸ナトリウム(昭和化学製濃度99%以上)、純水および超音波処理装置(ブランソン製超音波ホモジナイザーDCX S20:1.25)を用意し、純水200mlにラウリル硫酸ナトリウムを2g添加した溶液に、酸処理後の炭素繊維を1.2g添加して、超音波処理を行い、炭素繊維スラリーを得た。実施例1と同様の手順で、鱗片粉に炭素繊維を吸着させ、加熱処理を行った。炭素繊維が吸着した鱗片粉の炭素量は1.2質量%であった。
その後、実施例1と同様の条件で、圧粉体成形、焼結および押出成形を行い得られた実施例8の直径8.0mmのアルミニウム基複合材について、実施例1と同様にその基地組織の成分、炭素量の測定を行った。実施例8のアルミニウム基複合材の基地組織の成分は、Mg4.52質量%、Mn0.64質量%、Fe0.20質量%、残部Alおよび不可避不純物であり、アルミニウム基複合材の炭素量は1.2質量%であった。すなわち、(Mn、Cr、Fe、Zr、Ti、B)の総量は0.84質量%であった。また、実施例1と同様に実施例8のアルミニウム基複合材の結晶粒の組織観察を行ったところ、実施例8の長軸長L1の平均値は4.0μm、最大短軸長L2の平均値は1.8μm、L1/L2が4以上の長伸金属結晶粒の面積率は20%であった。
また、実施例8のアルミニウム基複合材について、実施例1と同様に機械的特性を評価したところ、実施例8の機械的特性は、ヤング率82GPa、引張強さ351MPa、伸び12.6%であった。
また、実施例1と同様に、円相当径が500nm以下の微小炭化アルミニウム粒子の面積率を評価したところ、実施例8の微小炭化アルミニウム粒子の面積率は、0.7%であった。同様に、Mn、Cr等の元素の化合物(析出物)の面積率を評価したところ、実施例8の析出物の面積率は、0.9%であった。
(実施例9)
実施例1に対して、炭素繊維の酸処理条件を変更した以外は、実施例1と同様の条件で炭素繊維が分散されたアルミニウム基複合材を作製した。
実施例9では、硫酸150gと硝酸50gを混合して酸液を調合し、その中に炭素繊維を2g添加して、90℃に加熱したウォーターバススターラー(アズワン製EWS100RD)内にて温浴し、100rpmで90分間撹拌した。
その後、実施例1と同様に炭素繊維を洗浄・乾燥し、酸処理後の炭素繊維のId/Igを確認したところ、0.70であった。
次に、実施例1と同様の条件で、炭素繊維と金属粉末を処理し鱗片粉に炭素繊維を吸着させ、加熱処理、圧粉体成形および焼結を行い、押出成形をおこなった。
得られた実施例9の直径8.0mmのアルミニウム基複合材について、実施例1と同様にその基地組織の成分、炭素量の測定を行った。実施例9のアルミニウム基複合材の基地組織の成分は、Mg4.52質量%、Mn0.64質量%、Fe0.20質量%、残部Alおよび不可避不純物であり、アルミニウム基複合材の炭素量は1.5質量%であった。すなわち、(Mn、Cr、Fe、Zr、Ti、B)の総量は0.84質量%であった。また、実施例1と同様に実施例9のアルミニウム基複合材の結晶粒の組織観察を行ったところ、実施例9の長軸長L1の平均値は3.1μm、最大短軸長L2の平均値は1.0μm、L1/L2が4以上の長伸金属結晶粒の面積率は13%であった。
また、実施例9のアルミニウム基複合材について、実施例1と同様に機械的特性を評価したところ、実施例9の機械的特性は、ヤング率85GPa、引張強さ389MPa、伸び7.6%であった。
また、実施例1と同様に、円相当径が500nm以下の微小炭化アルミニウム粒子の面積率を評価したところ、実施例9の微小炭化アルミニウム粒子の面積率は、4.8%であった。同様に、Mn、Cr等の元素の化合物(析出物)の面積率を評価したところ、実施例9の析出物の面積率は、1.5%であった。
(実施例10)
実施例1に対して、炭素繊維の酸処理条件を変更した以外は、実施例1と同様の条件で炭素繊維が分散されたアルミニウム基複合材を作製した。
実施例10では、硫酸150gと硝酸50gを混合して酸液を調合し、その中に炭素繊維を2g添加して、70℃に加熱したウォーターバススターラー(アズワン製EWS100RD)内にて温浴し、100rpmで50分間撹拌した。
その後、実施例1と同様に炭素繊維を洗浄・乾燥し、酸処理後の炭素繊維のId/Igを確認したところ、0.44であった。
次に、実施例1と同様の条件で、炭素繊維と金属粉末を処理し鱗片粉に炭素繊維を吸着させ、加熱処理、圧粉体成形および焼結を行い、押出成形を行った。
得られた実施例10の直径8.0mmのアルミニウム基複合材について、実施例1と同様にその基地組織の成分、炭素量の測定を行った。実施例10のアルミニウム基複合材の基地組織の成分は、Mg4.51質量%、Mn0.64質量%、Fe0.20質量%、残部Alおよび不可避不純物であり、アルミニウム基複合材の炭素量は2.0質量%であった。すなわち、(Mn、Cr、Fe、Zr、Ti、B)の総量は0.84質量%であった。また、実施例1と同様に実施例10のアルミニウム基複合材の結晶粒の組織観察を行ったところ、実施例10の長軸長L1の平均値は3.7μm、最大短軸長L2の平均値は1.3μm、L1/L2が4以上の長伸金属結晶粒の面積率は18%であった。
また、実施例10のアルミニウム基複合材について、実施例1と同様に機械的特性を評価したところ、実施例10の機械的特性は、ヤング率91GPa、引張強さ380MPa、伸び8.9%であった。
また、実施例1と同様に、円相当径が500nm以下の微小炭化アルミニウム粒子の面積率を評価したところ、実施例10の微小炭化アルミニウム粒子の面積率は、1.2%であった。同様に、Mn、Cr等の元素の化合物(析出物)の面積率を評価したところ、実施例10の析出物の面積率は、1.2%であった。
(実施例11)
実施例1に対して、炭素繊維の酸処理条件を変更した以外は、実施例1と同様の条件で炭素繊維が分散されたアルミニウム基複合材を作製した。
実施例11では、硫酸150gと硝酸50gを混合して酸液を調合し、その中に炭素繊維を2g添加して、50℃に加熱したウォーターバススターラー(アズワン製EWS100RD)内にて温浴し、100rpmで20分間撹拌した。
その後、実施例1と同様に炭素繊維を洗浄・乾燥し、酸処理後の素繊維のId/Igを確認したところ、0.25であった。
次に、実施例1と同様の条件で、炭素繊維と金属粉末を処理し鱗片粉に炭素繊維を吸着させ、加熱処理、圧粉体成形および焼結を行い、押出成形を行った。
得られた実施例11の直径8.0mmのアルミニウム基複合材について、実施例1と同様にその基地組織の成分、炭素量の測定を行った。実施例11のアルミニウム基複合材の基地組織の成分は、Mg4.50質量%、Mn0.64質量%、Fe0.20質量%、残部Alおよび不可避不純物であり、アルミニウム基複合材の炭素量は2.0質量%であった。すなわち、(Mn、Cr、Fe、Zr、Ti、B)の総量は0.84質量%であった。また、実施例1と同様に実施例11のアルミニウム基複合材の結晶粒の組織観察を行ったところ、実施例11の長軸長L1の平均値は3.9μm、最大短軸長L2の平均値は1.5μm、L1/L2が4以上の長伸金属結晶粒の面積率は20%であった。
また、実施例11のアルミニウム基複合材について、実施例1と同様に機械的特性を評価したところ、実施例11の機械的特性は、ヤング率92GPa、引張強さ356MPa、伸び11.5%であった。
また、実施例1と同様に、円相当径が500nm以下の微小炭化アルミニウム粒子の面積率を評価したところ、実施例11の微小炭化アルミニウム粒子の面積率は、0.6%であった。同様に、Mn、Cr等の元素の化合物(析出物)の面積率を評価したところ、実施例11の析出物の面積率は、1.1%であった。
(実施例12)
実施例1に対して、金属粉末の添加元素量を変更し、金属粉末として、Mg4.61質量%−Mn0.98質量%−Cr0.25質量%−Fe0.42質量%−Ti0.15質量%−残部Alおよび不可避不純物からなる粒径(D50)が約10μmのアトマイズ粉を用いた。アトマイズ粉の鱗片化処理条件、使用する炭素繊維及びその酸処理条件、吸着条件、焼結条件及び押出成形条件等は、全て実施例1と同様とした。
得られた実施例12の直径8.0mmのアルミニウム基複合材について、実施例1と同様にその基地組織の成分、炭素量の測定を行った。実施例12のアルミニウム基複合材の基地組織の成分は、Mg4.61質量%、Mn0.98質量%、Cr0.25質量%、Fe0.42質量%、Ti0.15質量%、残部Alおよび不可避不純物であり、アルミニウム基複合材の炭素量は1.9質量%であった。すなわち、(Mn、Cr、Fe、Zr、Ti、B)の総量は1.80質量%であった。また、実施例1と同様に実施例12のアルミニウム基複合材の結晶粒の組織観察を行ったところ、実施例12の長軸長L1の平均値は1.4μm、最大短軸長L2の平均値は0.9μm、L1/L2が4以上の長伸金属結晶粒の面積率は10%であった。
また、実施例12のアルミニウム基複合材について、実施例1と同様に機械的特性を評価したところ、実施例12の機械的特性は、ヤング率91GPa、引張強さ397MPa、伸び5.2%であった。
また、実施例1と同様に、円相当径が500nm以下の微小炭化アルミニウム粒子の面積率を評価したところ、実施例12の微小炭化アルミニウム粒子の面積率は、1.7%であった。同様に、Mn、Cr等の元素の化合物(析出物)の面積率を評価したところ、実施例12の析出物の面積率は、3.6%であった。
(実施例13)
実施例1に対して、金属粉末の添加元素量を変更し、金属粉末として、Mg4.51質量%−Mn0.22質量%−Cr0.10質量%−残部Alおよび不可避不純物からなる粒径(D50)が約10μmのアトマイズ粉を用いた。アトマイズ粉の鱗片化処理条件、使用する炭素繊維及びその酸処理条件、吸着条件、焼結条件及び押出成形条件等は、全て実施例1と同様とした。
得られた実施例13の直径8.0mmのアルミニウム基複合材について、実施例1と同様にその基地組織の成分、炭素量の測定を行った。実施例13のアルミニウム基複合材の基地組織の成分は、Mg4.51質量%、Mn0.20質量%、Cr0.10質量%、残部Alおよび不可避不純物であり、アルミニウム基複合材の炭素量は1.9質量%であった。すなわち、(Mn、Cr、Fe、Zr、Ti、B)の総量は0.30質量%であった。また、実施例1と同様に実施例13のアルミニウム基複合材の結晶粒の組織観察を行ったところ、実施例13の長軸長L1の平均値は3.4μm、最大短軸長L2の平均値は1.1μm、L1/L2が4以上の長伸金属結晶粒の面積率は14%であった。
また、実施例13のアルミニウム基複合材について、実施例1と同様に機械的特性を評価したところ、実施例13の機械的特性は、ヤング率85GPa、引張強さ370MPa、伸び13.2%であった。
また、実施例1と同様に、円相当径が500nm以下の微小炭化アルミニウム粒子の面積率を評価したところ、実施例13の微小炭化アルミニウム粒子の面積率は、1.6%であった。同様に、Mn、Cr等の元素の化合物(析出物)の面積率を評価したところ、実施例13の析出物の面積率は、0.5%であった。
(比較例1)
実施例1と同様の金属粉末および炭素繊維を用いたが、押出成形条件を変更した。まず、実施例1と同様の条件で、焼結体を得た。
次に、実施例1と同様のプレス機を用いて押出成形を行った。比較例1に用いられる押出用金型は、入側の内径(図4のA)が40.5mm、出側の内径(図4のB)が13.3mmで、ダイス角度(図4のC)は45°である。直径40mm、高さ22mmの焼結体を、530℃で予熱した後、530℃に加熱した押出用金型に挿入して、押出比9、押出速度25mm/sで押出成形を行った。
この押出成形で得られた比較例1の直径13.3mmのアルミニウム基複合材について、実施例1と同様にその基地組織の成分、炭素量の測定を行った。比較例1のアルミニウム基複合材の基地組織の成分は、Mg4.51質量%、Mn0.64質量%、Fe0.20質量%、残部Alおよび不可避不純物であり、アルミニウム基複合材の炭素量は2.0質量%であった。すなわち、(Mn、Cr、Fe、Zr、Ti、B)の総量は0.84質量%であった。また、実施例1と同様に比較例1のアルミニウム基複合材の結晶粒の組織観察を行ったところ、比較例1の長軸長L1の平均値は5.8μm、最大短軸長L2の平均値は1.8μm、L1/L2が4以上の長伸金属結晶粒の面積率は31%であった。
また、比較例1のアルミニウム基複合材について、実施例1と同様に機械的特性を評価したところ、比較例1の機械的特性は、ヤング率86GPa、引張強さ344MPa、伸び9.8%であった。
また、実施例1と同様に、円相当径が500nm以下の微小炭化アルミニウム粒子の面積率を評価したところ、比較例1の微小炭化アルミニウム粒子の面積率は、1.1%であった。同様に、Mn、Cr等の元素の化合物(析出物)の面積率を評価したところ、比較例1の析出物の面積率は、2.0%であった。
(比較例2)
実施例1に対して、金属粉末のMg量を変更し、金属粉末として、Mg7.51質量%−Mn0.66質量%−Fe0.21質量%−残部Alおよび不可避不純物からなる粒径(D50)が約10μmのアトマイズ粉を用いた。アトマイズ粉の鱗片化処理条件、使用する炭素繊維及びその酸処理条件、吸着条件、焼結条件及び押出成形条件等は、全て実施例1と同様とした。
得られた比較例2の直径8.0mmのアルミニウム基複合材について、実施例1と同様にその基地組織の成分、炭素量の測定を行った。比較例2のアルミニウム基複合材の基地組織の成分は、Mg7.50質量%、Mn0.64質量%、Fe0.20質量%、残部Alおよび不可避不純物であり、アルミニウム基複合材の炭素量は1.9質量%であった。すなわち、(Mn、Cr、Fe、Zr、Ti、B)の総量は0.84質量%であった。また、実施例1と同様に比較例2のアルミニウム基複合材の結晶粒の組織観察を行ったところ、比較例2の長軸長L1の平均値は2.9μm、最大短軸長L2の平均値は1.0μm、L1/L2が4以上の長伸金属結晶粒の面積率は14%であった。
また、比較例2のアルミニウム基複合材について、実施例1と同様に機械的特性を評価したところ、比較例2の機械的特性は、ヤング率90GPa、引張強さ400MPa、伸び4.8%であった。
また、実施例1と同様に、円相当径が500nm以下の微小炭化アルミニウム粒子の面積率を評価したところ、比較例2の微小炭化アルミニウム粒子の面積率は、1.5%であった。同様に、Mn、Cr等の元素の化合物(析出物)の面積率を評価したところ、比較例2の析出物の面積率は、1.5%であった。
(比較例3)
実施例1に対して、金属粉末のMg量を変更し、金属粉末として、Mg0.41質量%−Mn0.66質量%−Fe0.21質量%−残部Alおよび不可避不純物からなる粒径(D50)が約10μmのアトマイズ粉を用いた。アトマイズ粉の鱗片化処理条件、使用する炭素繊維及びその酸処理条件、吸着条件、焼結条件及び押出成形条件等は、全て実施例1と同様とした。
得られた比較例3の直径8.0mmのアルミニウム基複合材について、実施例1と同様にその基地組織の成分、炭素量の測定を行った。比較例3のアルミニウム基複合材の基地組織の成分は、Mg0.40質量%、Mn0.64質量%、Fe0.20質量%、残部Alおよび不可避不純物であり、アルミニウム基複合材の炭素量は1.9質量%であった。すなわち、(Mn、Cr、Fe、Zr、Ti、B)の総量は0.84質量%であった。また、実施例1と同様に比較例3のアルミニウム基複合材の結晶粒の組織観察を行ったところ、比較例3の長軸長L1の平均値は4.2μm、最大短軸長L2の平均値は1.5μm、L1/L2が4以上の長伸金属結晶粒の面積率は19%であった。
また、得られたアルミニウム基複合材について、実施例1と同様に機械的特性を評価するために、図5に示す試験片の加工を行ったところ、強度が弱く、加工を行うことができなかった。このため、機械的特性を評価することができなかった。
また、実施例1と同様に、円相当径が500nm以下の微小炭化アルミニウム粒子の面積率を評価したところ、比較例3の微小炭化アルミニウム粒子の面積率は、0.8%であった。同様に、Mn、Cr等の元素の化合物(析出物)の面積率を評価したところ、比較例3の析出物の面積率は、1.2%であった。
(比較例4)
実施例1に対して、炭素繊維スラリー形成工程における炭素繊維(CNF)添加量を変えた以外は、実施例1と同様の条件で炭素繊維が分散されたアルミニウム基複合材を作製した。
まず、実施例1と同一の手順で酸処理および鱗片化処理行った。ラウリル硫酸ナトリウム(昭和化学製濃度99%以上)、純水および超音波処理装置(ブランソン製超音波ホモジナイザーDCX S20:1.25)を用意し、純水200mlにラウリル硫酸ナトリウムを2g添加した溶液に、酸処理後の炭素繊維を6.0g添加して、超音波処理を行い、炭素繊維スラリーを得た。実施例1と同様の手順で、鱗片粉に炭素繊維を吸着させ、加熱処理を行った。その後の炭素繊維を吸着した鱗片粉の炭素量は5.7質量%であった。
その後、実施例1と同様の条件で、圧粉体成形、焼結および押出成形を行い得られた比較例4の直径8.0mmのアルミニウム基複合材について、実施例1と同様にその基地組織の成分、炭素量の測定を行った。比較例4のアルミニウム基複合材の基地組織の成分は、Mg4.52質量%、Mn0.64質量%、Fe0.20質量%、残部Alおよび不可避不純物であり、アルミニウム基複合材の炭素量は5.7質量%であった。すなわち、(Mn、Cr、Fe、Zr、Ti、B)の総量は0.84質量%であった。また、実施例1と同様に比較例4のアルミニウム基複合材の結晶粒の組織観察を行ったところ、比較例4の長軸長L1の平均値は1.5μm、最大短軸長L2の平均値は0.8μm、L1/L2が4以上の長伸金属結晶粒の面積率は11%であった。
また、比較例4のアルミニウム基複合材について、実施例1と同様に機械的特性を評価したところ、比較例4の機械的特性は、ヤング率116GPa、引張強さ486MPa、伸び2.9%であった。
また、実施例1と同様に、円相当径が500nm以下の微小炭化アルミニウム粒子の面積率を評価したところ、比較例4の微小炭化アルミニウム粒子の面積率は、3.9%であった。同様に、Mn、Cr等の元素の化合物(析出物)の面積率を評価したところ、比較例4の析出物の面積率は、1.3%であった。
(比較例5)
実施例1に対して、炭素繊維スラリー形成工程における炭素繊維(CNF)添加量を変えた以外は、実施例1と同様の条件で炭素繊維が分散されたアルミニウム基複合材を作製した。
まず、実施例1と同一の手順で酸処理および鱗片化処理行った。ラウリル硫酸ナトリウム(昭和化学製濃度99%以上)、純水および超音波処理装置(ブランソン製超音波ホモジナイザーDCX S20:1.25)を用意し、純水200mlにラウリル硫酸ナトリウムを2g添加した溶液に、酸処理後の炭素繊維を0.5g添加して、超音波処理を行い、炭素繊維スラリーを得た。実施例1と同様の手順で、鱗片粉に炭素繊維を吸着させ、加熱処理を行った。その後の炭素繊維を吸着した鱗片粉の炭素量は0.5質量%であった。
その後、実施例1と同様の条件で、圧粉体成形、焼結および押出成形を行い得られた比較例5の直径8.0mmのアルミニウム基複合材について、実施例1と同様にその基地組織の成分、炭素量の測定を行った。比較例5のアルミニウム基複合材の基地組織の成分は、Mg4.51質量%、Mn0.64質量%、Fe0.20質量%、残部Alおよび不可避不純物であり、アルミニウム基複合材の炭素量は0.5質量%であった。すなわち、(Mn、Cr、Fe、Zr、Ti、B)の総量は0.84質量%であった。また、実施例1と同様に比較例5のアルミニウム基複合材の結晶粒の組織観察を行ったところ、比較例5の長軸長L1の平均値は4.6μm、最大短軸長L2の平均値は2.1μm、L1/L2が4以上の長伸金属結晶粒の面積率は14%であった。
また、比較例5のアルミニウム基複合材について、実施例1と同様に機械的特性を評価したところ、比較例5の機械的特性は、ヤング率71GPa、引張強さ345MPa、伸び15.5%であった。
また、実施例1と同様に、円相当径が500nm以下の微小炭化アルミニウム粒子の面積率を評価したところ、比較例5の微小炭化アルミニウム粒子の面積率は、0.3%であった。同様に、Mn、Cr等の元素の化合物(析出物)の面積率を評価したところ、比較例5の析出物の面積率は、1.2%であった。
以上の結果を表1〜表2に示す。
Figure 2019245000
Figure 2019245000
本発明に係る実施例1〜13は、いずれも、押出成形条件等を適切に制御することで、アルミニウム基複合材の基地組織を構成する柱状金属結晶粒の長軸長L1の平均値を5.0μm以下、最大短軸長L2の平均値を2.0μm以下とし、L1/L2が4以上の柱状金属結晶粒の面積率を25%以下とすることができた。このため、いずれの実施例においても、ヤング率が80GPa以上、引張強度が350MPa、伸びが5%以上を満足した。このように、上記の条件を満たすことで、本実施例の元素組成からなる基地組織を有するアルミニウム基複合材の場合に、引張強度、伸びおよびヤング率のいずれもが一定以上の値を示す優れた機械的特性を有するアルミニウム基複合材を実現できることが判った。なお、上記した適切な押出成形条件の選択による基地組織の微細化効果の説明から理解できるように、柱状金属結晶粒の大きさの適正化は、基地組織を構成するアルミニウム合金が上記実施例の元素組成の場合に限定されず、Mg:0.5〜7質量%、残部Alおよび不可避不純物からなる場合にも有効に作用する。
一方で、押出条件が適切ではなく、押出比の小さい比較例1では、柱状金属結晶粒の長軸長L1の平均値、最大短軸長L2の平均値およびL1/L2が本発明の範囲外となり、所望の機械的特性を有するアルミニウム基複合材を得ることができなかった。また、比較例2、3は、Mg量が本発明の範囲外であるため、強度や加工性が悪く、所望の機械的特性を有するアルミニウム基複合材を得ることができなかった。また、炭素繊維が本発明の範囲外となる比較例4、5では、所望の機械的特性を有するアルミニウム基複合材を得ることができなかった。このように、柱状金属結晶粒の長軸長L1の平均値、最大短軸長L2の平均値、L1/L2、炭素繊維量又はMg量が本発明の範囲外となる比較例1〜5では、所望の機械的特性を有するアルミニウム基複合材を得ることができなかった。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
10………押出用金型

Claims (4)

  1. 強化材である炭素繊維を基地組織中に含有するアルミニウム基複合材であって、
    前記炭素繊維を1〜5質量%有し、
    前記基地組織は、Mg0.5〜7質量%、残部Alおよび不可避不純物からなるとともに、略同一方向に配向した柱状金属結晶粒からなり、
    前記柱状金属結晶粒の配向方向に沿う当該柱状金属結晶粒の長軸の長さのL1の平均値が5.0μm以下、短軸の最大長さL2の平均値が2.0μm以下であり、
    L1/L2が4以上の柱状金属結晶粒の面積率が25%以下であることを特徴とするアルミニウム基複合材。
  2. 前記炭素繊維がカーボンナノファイバーまたはカーボンナノチューブであることを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム基複合材。
  3. 任意の断面において、前記基地組織中に存在する円相当径が500nm以下の炭化アルミニウム粒子の面積率が0.5〜5%であることを特徴とする請求項1記載のアルミニウム基複合材。
  4. 前記基地組織は、Mg以外にMn、Cr、Fe、Zr、Ti、Bからなる群から選択される元素のいずれか一種を総量で2.2質量%以下含み、前記基地組織中に析出する前記元素の化合物の面積率が4%以下であることを特徴とする請求項1記載のアルミニウム基複合材。
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