以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1〜図16を参照して、本発明の第1実施形態による印刷装置1について説明する。図1に示すように、印刷装置1は、一対のコンベア2cにより基板B(図2参照)をX1方向に搬送し、印刷位置において基板Bに半田を印刷する装置である。なお、基板Bは、電子部品(図示せず)が実装されるプリント基板である。ここで、一対のコンベア2cによる基板Bの搬送方向(X1方向)およびその逆方向(X2方向)をX方向とし、水平方向においてX方向に略直交する方向をY方向とする。また、X方向およびY方向に略直交する方向をZ方向(上下方向)とする。なお、半田は、請求の範囲の「塗布材」の一例である。
印刷装置1は、搬入コンベア1aにより搬入された基板Bの表面に対して、マスクMに形成された複数の開口Hにより構成された所定のパターンで印刷作業を行った後、印刷済みの基板Bを搬出コンベア1bにより搬出するように構成されている。ここで、マスクMは、平面視において矩形形状に形成されている。マスクMには、所定のパターンを形成する複数の開口Hと、複数の開口H以外の領域である非印刷領域Prとが設けられている。また、マスクMは、外周部に取り付けられたフレームFを有している。なお、図1は、マスクMによる基板Bへの印刷作業を行う作業位置Wから後述するマスク交換ユニット8に、マスクMを移動させた状態の図である。
具体的には、印刷装置1は、図2に示すように、基台2と、印刷テーブルユニット3と、バックアップピン交換ユニット4と、カメラユニット5(図3参照)と、マスククランプ部材6(図1参照)と、スキージユニット7と、マスク交換ユニット8と、制御装置9(図8参照)とを備えている。なお、印刷テーブルユニット3は、請求の範囲の「基板支持ユニット」の一例である。また、バックアップピン交換ユニット4は、請求の範囲の「支持部材交換ユニット」の一例である。また、カメラユニット5は、請求の範囲の「撮像装置」の一例である。
印刷テーブルユニット3は、基台2上に設けられ、基板Bを保持するとともに、マスクMに対して位置合わせするように構成されている。具体的には、印刷テーブルユニット3は、X軸移動機構(図示せず)と、Y軸移動機構(図示せず)と、R軸移動機構(図示せず)と、Z軸移動機構2aと、印刷テーブル2bと、一対のコンベア2c(図1参照)と、バックアップピンステーション2d(図1参照)とを含んでいる。なお、バックアップピンステーション2dは、請求の範囲の「支持部材ステーション」の一例である。
X軸移動機構は、X軸駆動部11(図8参照)を駆動源とし、印刷テーブル2bをX方向に移動させる。Y軸移動機構は、Y軸駆動部12(図8参照)を駆動源とし、印刷テーブル2bをY方向に移動させる。R軸移動機構は、R軸駆動部13(図8参照)を駆動源とし、印刷テーブル2bをZ方向に延びる中心軸線周りの回転方向であるR方向に移動させる。Z軸移動機構2aは、Z軸駆動部14(図8参照)を駆動源とし、印刷テーブル2bをZ方向(上下方向)に移動させる。
印刷テーブル2bは、テーブル本体3aと、テーブル本体3a上に設けられる一対のブラケット部材3bと、複数のバックアップピンPが配置された支持板3cと、支持板3cをZ方向に移動させる支持板駆動部3dとを有している。一対のブラケット部材3bの各上部には、コンベア2c(図1参照)が設けられている。バックアップピンPは、支持板駆動部3dにより支持板3cをZ1方向(上方向)に移動させることによって、後述するスキージ55により半田を基板Bに印刷する際に基板BをZ2方向(下方向)から支持するように構成されている。なお、バックアップピンPは、請求の範囲の「支持部材」の一例である。
図1に示すように、一対のコンベア2cは、X方向に沿って延びるように設けられている。また、一対のコンベア2cは、Y方向に所定距離を隔てて互いに平行に配置されている。また、一対のコンベア2cは、搬送する基板幅に対応させてY方向の間隔を調整可能に構成されている。具体的には、基板幅軸駆動部15(図8参照)の駆動により、一対のコンベア2cの間隔(幅)が調整される。
バックアップピンステーション2dは、図1に示すように、複数のバックアップピンPを保持するように構成されている。具体的には、バックアップピンステーション2dは、図4および図5に示すように、バックアップピンPを保持するベース部21と、ベース部21をZ方向(上下方向)に昇降させるステーション昇降部22と、ベース部21をZ方向(上下方向)にガイドするガイド部23およびガイド部24とを有している。
ベース部21は、複数のバックアップピンPの各々のZ2方向側の端部において生じる磁力を用いて、表面上に複数のバックアップピンPを保持する。また、ベース部21は、Y1方向側の端部に設けられ、Z2方向側の端面部からZ2方向に突出する第1突出部25と、Y2方向側の端部に設けられ、Z2方向側の端面部からZ2方向に突出する第2突出部26とを有している。
ステーション昇降部22は、基台2上に取り付けられる収容部22aと、収容部22aからZ1方向(上方向)に突出可能に設けられたロッド部22bとを有している。ロッド部22bは、ベース部21のY方向の中央部分に配置されている。ロッド部22bのZ1方向側の端部は、ベース部21のZ2方向側(下方向側)の端部に取り付けられている。
ガイド部23は、Z方向に延びる棒状に形成されている。ガイド部23では、Z2方向側の端部が基台2に取り付けられ、Z1方向側の一部分が第1突出部25をZ方向(上下方向)にスライド移動可能なように第1突出部25に挿入されている。ガイド部24は、Z方向に延びる棒状に形成されている。ガイド部24では、Z2方向側の端部が基台2に取り付けられ、Z1方向側の一部分が第2突出部26をZ方向(上下方向)にスライド移動可能なように第2突出部26に挿入されている。
このように、バックアップピンステーション2dでは、ステーション昇降部22がベース部21をZ方向(上下方向)に昇降することにより、ガイド部23およびガイド部24にZ方向(上下方向)にガイドされながら、ベース部21がZ方向(上下方向)に移動する。ここで、バックアップピンステーション2dは、ベース部21のZ方向(上下方向)の高さ位置を計測する光電センサ27を有している。光電センサ27は、赤外線などの光を発光する投光部27aと、投光部27aからの光を受光する受光部27bとを有している。投光部27aは、たとえばベース部21の第2突出部26に配置され、受光部27bは、たとえば投光部27aの下方に配置されている。
また、図1に示すように、バックアップピンステーション2dは、支持板3c上のバックアップピンPの配置領域A1におけるY2方向の中央部分EよりもY2方向側に配置されている。ここで、バックアップピンステーション2dは、基台2上に複数(2台)配置されている。複数のバックアップピンステーション2dは、それぞれ、支持板3cのX2方向側に配置されている上流側バックアップピンステーション28、および、支持板3cのX1方向側に配置されている下流側バックアップピンステーション29である。
バックアップピンPは、図4に示すように、Z2方向側の端部に設けられた接続部31と、Z1方向側の端部に設けられた吸着部32と、接続部31と吸着部32とを繋ぐ柱部33とを有している。接続部31は、磁気を帯びており、バックアップピンステーション2dのベース部21または印刷テーブル2bの支持板3cに付着する。吸着部32は、バックアップピン交換ユニット4の後述する第1ヘッド4a(第2ヘッド4b)により吸着される。柱部33は、接続部31からZ1方向に延びている。
バックアップピン交換ユニット4は、図6(A)および図6(B)に示すように、支持板3c上の所定の配置位置DにバックアップピンPを搭載(配置)するように構成されている。具体的には、バックアップピン交換ユニット4は、第1ヘッド4aと、第2ヘッド4bとを含んでいる。なお、第1ヘッド4aと第2ヘッド4bとは、同様の構成を有しているため、以下では第1ヘッド4aの説明のみを行う。
第1ヘッド4aは、ピン交換ノズル部41と、先端部にピン交換ノズル部41を取り付けたピン交換ヘッド部42と、ピン交換ヘッド部42に設けられたヘッド昇降部43と、吸着確認部44(図8参照)とを有している。ピン交換ノズル部41は、図示しない負圧発生装置からの負圧によりバックアップピンPの吸着部32を吸着するように構成されている。また、ピン交換ノズル部41は、図示しない正圧発生装置からの正圧によりバックアップピンPを離すように構成されている。
ヘッド昇降部43は、ヘッド昇降スライド部43aと、ヘッド昇降ガイド部43bと、ヘッド昇降用駆動部43cとを有している。ヘッド昇降部43では、ヘッド昇降スライド部43aがピニオンギアを有しており、ヘッド昇降用駆動部43cがラックギアを有している。これにより、ヘッド昇降部43では、ヘッド昇降用駆動部43cのラックギアの動きに合わせてヘッド昇降スライド部43aを、ヘッド昇降ガイド部43bによりガイドさせながらZ方向(上下方向)にスライド移動させることにより、ピン交換ノズル部41およびピン交換ヘッド部42をZ方向(上下方向)に移動させることが可能である。
吸着確認部44は、ピン交換ヘッド部42内の空気圧を計測することにより、ピン交換ノズル部41において生じた負圧を計測するように構成されている。すなわち、ピン交換ノズル部41にバックアップピンPを吸着した状態では、吸着確認部44において計測される負圧は、ピン交換ノズル部41にバックアップピンPを吸着していない状態よりも大きくなる。これにより、ピン交換ノズル部41におけるバックアップピンPの吸着状態を確認することが可能である。
バックアップピン交換ユニット4は、図2および図3に示すように、ユニットY軸移動機構45と、ユニットX軸移動機構46と、接続部材収納部47とを含んでいる。バックアップピン交換ユニット4では、ユニットY軸移動機構45が基台2に取り付けられ、ユニットY軸移動機構45にユニットX軸移動機構46が取り付けられている。そして、バックアップピン交換ユニット4では、ユニットX軸移動機構46のY2方向側に第1ヘッド4a(図6参照)および第2ヘッド4b(図6参照)が配置され、ユニットX軸移動機構46のY1方向側に接続部材収納部47が配置されている。
ユニットY軸移動機構45は、Y軸モータ45aと、Y方向に延びるボールねじ45bとを有している。ユニットX軸移動機構46は、X軸モータ46aと、X方向に延びるボールねじ46bとを有している。また、接続部材収納部47は、ユニットX軸移動機構46のX軸モータ46aと制御装置9とを接続するケーブル、ピン交換ヘッド部42と負圧発生装置とを接続する管、および、ピン交換ヘッド部42と正圧発生装置とを接続する管などを収納するケースである。
また、バックアップピン交換ユニット4は、図6(A)に示すように、ユニットX軸移動機構46(図3参照)およびユニットY軸移動機構45(図2参照)により水平方向に移動する。そして、バックアップピン交換ユニット4は、バックアップピンステーション2dに保持されたバックアップピンPを第1ヘッド4a(第2ヘッド4b)のピン交換ノズル部41により吸着し支持板3c上の所定の配置位置Dに配置するように構成されている。また、バックアップピン交換ユニット4は、図6(B)に示すように、ユニットX軸移動機構46(図3参照)およびユニットY軸移動機構45(図2参照)により水平方向に移動する。そして、バックアップピン交換ユニット4は、支持板3c上に配置されたバックアップピンPをピン交換ノズル部41により吸着し支持板3c上の所定の配置位置Dに配置するように構成されている。
カメラユニット5は、図2および図3に示すように、マスクMに対して基板Bの位置決めを行うように構成されている。具体的には、カメラユニット5は、基板カメラ50aおよびマスクカメラ50bを有する撮像部50と、バックアップピン交換ユニット4と共通の駆動機構としてユニットX軸移動機構46およびユニットY軸移動機構45(図2参照)とを有している。基板カメラ50aは、バックアップピンPに支持された基板Bの印刷テーブル2bに対する相対位置を認識するように構成されている。マスクカメラ50bは、マスククランプ部材6に保持されたマスクMの位置を認識するように構成されている。
このように、印刷装置1では、基板カメラ50aおよびマスクカメラ50bを用いてマスクMに対する基板Bの相対位置を認識させた後、印刷テーブルユニット3のX軸移動機構、Y軸移動機構およびR軸移動機構によってマスクMに対する基板Bの相対位置(水平面内の位置および傾き)が正確に位置決めされる。そして、印刷装置1では、マスクMに対する基板Bの相対位置を正確に位置決めした状態で、支持板駆動部3dによって基板Bの上面がマスクMの下面に当接される。
マスククランプ部材6は、図3に示すように、マスクMを用いて基板Bに所定のパターンにより半田を印刷する際、マスクMを作業位置Wに保持するように構成されている。具体的には、マスククランプ部材6は、マスクMのX1方向側の端部を保持する第1マスク保持部6aと、マスクMのX2方向側の端部を保持する第2マスク保持部6bとを有している。
第1マスク保持部6aは、マスクMのX1方向側の端部をZ2方向(下方向)およびX1方向から支持する。第2マスク保持部6bは、マスクMのX2方向側の端部をZ2方向(下方向)から支持するとともに、マスクMのX2方向側の端部をX2方向からX1方向に向かって押圧する。
スキージユニット7は、図2および図3に示すように、Y方向に往復移動することにより、マスクMの上面上に供給された半田をマスクMの上面に沿って掻きながら移動させるように構成されている。具体的には、スキージユニット7は、スキージ55と、スキージ55を印刷方向(方向)に移動させるスキージY軸駆動部56と、スキージ55を上下方向(Z方向)に移動させるスキージZ軸駆動部57と、スキージ55をZ方向に延びる回動軸線周りに回動させるスキージR軸駆動部58(図8参照)とを含んでいる。
スキージ55は、X方向に延びるように形成されている。スキージ55は、所定の印圧(荷重)をかけながらマスクMに供給された半田を基板Bに印刷するように構成されている。スキージY軸駆動部56は、Y軸モータ56aと、Y方向に延びるボールねじ56bとを有している。スキージZ軸駆動部57は、Z軸モータ57aと、ベルト57bと、Z方向に延びるボールねじ57cとを有している。
スキージユニット7は、図2に示すように、マスクMをY方向にスライド移動させるマスクスライダ59を含んでいる。マスクスライダ59は、Z方向(上下方向)に移動可能なスライド部59aと、スライド部59aを収容する収容部59bとを有している。マスクスライダ59は、たとえばエアシリンダにより構成されており、スライド部59aはエアシリンダのロッドにより構成され、収容部59bはエアシリンダのシリンダにより構成されている。なお、マスクスライダ59は、請求の範囲の「マスク移動部材」の一例である。
マスクスライダ59は、スキージY軸駆動部56によりスキージ55をY方向に移動させることによって、一体的にY方向に移動するように構成されている。また、マスクスライダ59では、作業位置WのマスクMのフレームFにスライド部59aが水平方向に当接可能な高さ位置まで、スライド部59aが収容部59bから突出するようにZ2方向(下方向)に移動する。マスクスライダ59では、作業位置WのマスクMのフレームFにスライド部59aが水平方向に当接しない高さ位置まで、スライド部59aが収容部59bに収容されるようにZ1方向(上方向)に移動する。
マスク交換ユニット8は、図7(A)および図7(B)に示すように、マスククランプ部材6に保持されたマスクM(以下、第1マスクM1)、および、第1マスクM1から所定のタイミングで交換されるマスクM(以下、第2マスクM2)を収納可能に構成されている。具体的には、マスク交換ユニット8は、上側マスク収納部8aと、下側マスク収納部8bと、第1昇降部8cと、第2昇降部8dと、第1ガイドレール(図示せず)と、第2ガイドレール(図示せず)とを含んでいる。なお、所定のタイミングとは、基板Bの種類が切り替わるタイミングである。所定のタイミングは、半田を印刷した基板Bの生産枚数に基づいて認識されるかまたは基板Bの種類を示す基板Bに付された情報(QR(Quick Response)コードなど)を撮像部50により撮像し制御装置9が読み込むことにより認識される。なお、下側マスク収納部8bは、請求の範囲の「マスク収納部」の一例である。
上側マスク収納部8aは、第2マスクM2を収納可能に構成されている。具体的には、上側マスク収納部8aは、X1方向側に配置された第1保持部61と、X2方向側に配置された第2保持部62とを有している。上側マスク収納部8aは、第1保持部61および第2保持部62により、第2マスクM2のX方向の両端部をZ2方向(下方向)から支持する。これにより、上側マスク収納部8aは、第2マスクM2を保持する。
下側マスク収納部8bは、第1マスクM1を収納可能に構成されている。具体的には、下側マスク収納部8bは、X1方向側に配置された第3保持部63と、X2方向側に配置された第4保持部64とを有している。下側マスク収納部8bは、第3保持部63および第4保持部64により、第1マスクM1のX方向の両端部をZ2方向(下方向)から支持する。これにより、下側マスク収納部8bは、第1マスクM1を保持する。
第1昇降部8cおよび第2昇降部8dは、上側マスク収納部8aおよび下側マスク収納部8bを一体的に昇降させるように構成されている。第1昇降部8cは、X1方向側の基台2に配置されている。第1昇降部8cは、エアシリンダにより構成されている。第2昇降部8dは、X2方向側の基台2に配置されている。第2昇降部8dは、エアシリンダにより構成されている。
マスク交換ユニット8では、図7(A)に示すように、第1昇降部8cおよび第2昇降部8dにより上側マスク収納部8aおよび下側マスク収納部8bを一体的に上昇させることにより、上側マスク収納部8aおよび下側マスク収納部8bが上昇位置71に配置される。マスク交換ユニット8では、図7(B)に示すように、第1昇降部8cおよび第2昇降部8dにより上側マスク収納部8aおよび下側マスク収納部8bを一体的に下降させることにより、上側マスク収納部8aおよび下側マスク収納部8bが下降位置72に配置される。このように、マスク交換ユニット8では、第1昇降部8cおよび第2昇降部8dにより、下側マスク収納部8bが上昇位置71および下降位置72に昇降可能に構成されている。
(制御装置)
また、制御装置9は、図8に示すように、主制御部9aと、記憶部9bと、駆動制御部9cと、IO制御部9dと、カメラ制御部9eとを有している。主制御部9aは、CPU(Central Processing Unit)により構成されている。記憶部9bは、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などにより構成され、基板データE1、マシンデータE2および印刷プログラムを記憶している。主制御部9aは、記憶部9bに記憶された印刷プログラムに基づいて印刷装置1の各部を制御する機能を有している。ここで、基板データE1は、基板Bの種類の情報、基板Bのサイズの情報、基板Bの種類に対応するマスクMの情報および基板Bの種類毎の印刷枚数の情報などを含んでいる。マシンデータE2は、スキージユニット7のX方向およびY方向それぞれの移動限界位置の情報、および、バックアップピン交換ユニット4のX方向およびY方向それぞれの移動限界位置の情報などを含んでいる。
主制御部9aは、駆動制御部9cにより、スキージユニット7を制御するように構成されている。具体的には、駆動制御部9cにより、スキージY軸駆動部56、スキージZ軸駆動部57およびスキージR軸駆動部58の駆動が制御されて、スキージ55がY方向およびZ方向に移動されるとともに、スキージ55がX方向に延びる回動軸線周りに回動される。
主制御部9aは、駆動制御部9cにより、印刷テーブルユニット3を制御するように構成されている。具体的には、主制御部9aは、駆動制御部9cにより、X軸駆動部11、Y軸駆動部12、R軸駆動部13およびZ軸駆動部14の駆動を制御して、X方向、Y方向およびZ方向に基板Bを移動させるとともに、Z方向に延びる回動軸線周りに基板Bを回動させる。また、主制御部9aは、駆動制御部9cにより、支持板駆動部3dの駆動を制御して、支持板3cを移動させることにより、バックアップピンPをZ方向(上下方向)に移動させる。また、主制御部9aは、駆動制御部9cにより、基板幅軸駆動部15の駆動を制御して、コンベア2cのY方向の間隔(幅)を調整させる。また、主制御部9aは、駆動制御部9cにより、基板搬送軸駆動部16の駆動を制御して、基板BをX方向に搬送させる。
主制御部9aは、駆動制御部9cにより、バックアップピン交換ユニット4およびカメラユニット5を制御するように構成されている。具体的には、主制御部9aは、駆動制御部9cにより、ユニットX軸移動機構46、ユニットY軸移動機構45の駆動を制御して、X方向およびY方向にバックアップピン交換ユニット4およびカメラユニット5を移動させる。
主制御部9aは、カメラ制御部9eにより、カメラユニット5を制御するように構成されている。具体的には、主制御部9aは、カメラ制御部9eにより、基板カメラ50aによる基板Bの撮像動作を制御する。主制御部9aは、カメラ制御部9eにより、マスクカメラ50bによるマスクMの撮像動作を制御する。
また、主制御部9aは、IO制御部9dにより、スキージユニット7を制御するように構成されている。具体的には、主制御部9aは、IO制御部9dにより、マスクスライダ59のスライド部59aのZ方向(上下方向)の摺動動作を制御する。
また、主制御部9aは、IO制御部9dにより、マスク交換ユニット8を制御するように構成されている。具体的には、主制御部9aは、IO制御部9dにより、第1昇降部8cのZ方向(上下方向)の摺動動作および第2昇降部8dのZ方向(上下方向)の摺動動作を制御する。
また、主制御部9aは、IO制御部9dにより、バックアップピン交換ユニット4を制御するように構成されている。具体的には、主制御部9aは、IO制御部9dにより、ヘッド昇降用駆動部43cのZ方向(上下方向)の摺動動作を制御する。また、主制御部9aは、IO制御部9dにより、ピン交換ヘッド部42を介したピン交換ノズル部41によるバックアップピンPの配置動作を制御する。また、主制御部9aは、IO制御部9dにより、ピン交換ノズル部41において吸着確認部44によって計測したピン交換ノズル部41の負圧の計測信号を受信するように構成されている。
(並行処理)
第1実施形態の印刷装置1では、図9〜図16に示すように、作業位置Wに配置された第1マスクM1のマスクスライダ59による交換動作と、バックアップピンPの所定の配置位置Dへのバックアップピン交換ユニット4による配置動作との一部が並行して行われる。つまり、図9(A)および図9(B)に示すように、制御装置9は、基板Bの種類の切り替えのタイミング(時間=0の時点、以下、切替タイミングとする)に基づいて、交換動作と配置動作との一部を並行して行うように構成されている。
具体的には、制御装置9は、作業位置Wに配置された第1マスクM1を第2マスクM2に交換するマスク交換処理に並行して、バックアップピン交換ユニット4によりバックアップピンPを所定の配置位置Dに移動させるバックアップピン配置処理を行うように構成されている。すなわち、制御装置9は、下側マスク収納部8bの昇降動作に合わせて、バックアップピン交換ユニット4の移動領域A2を、非制限移動領域A4または制限移動領域A3に切り替えるように構成されている。なお、所定の配置位置Dは、基板Bを支持するために必要な全てのバックアップピンPの支持板3c上の位置(搭載位置)を示している。
ここで、非制限移動領域A4は、下側マスク収納部8bを下降位置72に配置していない状態におけるバックアップピン交換ユニット4の移動領域A2であり、バックアップピン交換ユニット4の移動領域A2を制限していない状態におけるバックアップピン交換ユニット4の移動領域A2である。制限移動領域A3は、下側マスク収納部8bを下降位置72に配置した状態におけるバックアップピン交換ユニット4の移動領域A2であり、下側マスク収納部8bの下方の収納部側領域C(図16参照)におけるバックアップピン交換ユニット4と下側マスク収納部8bとの干渉を回避するために、バックアップピン交換ユニット4の移動領域A2を制限した状態におけるバックアップピン交換ユニット4の移動領域A2である。なお、制限移動領域A3は、請求の範囲の「非干渉領域」の一例である。
以下に、交換動作と配置動作との一部を並行して行う並行処理について一例を示して説明する。
図9(A)に示すように、印刷装置1では、切替タイミングから時刻t1までの間、下側マスク収納部8bが上昇位置71に配置されている。この際、制御装置9は、図10に示すように、マスクスライダ59により、作業位置Wの第1マスクM1をY1方向に搬送し、下側マスク収納部8bに第1マスクM1を収納するように構成されている。また、印刷装置1では、下側マスク収納部8bが上昇位置71に配置されているので、バックアップピン交換ユニット4の移動領域A2を非制限移動領域A4に設定する。ここで、バックアップピン交換ユニット4の移動を制限しない状態を非制限状態S1とする。
図9(B)に示すように、印刷装置1では、切替タイミングから時刻t1までの非制限状態S1の間、非制限移動領域A4内を移動するバックアップピン交換ユニット4により、バックアップピンPが配置されている。この際、制御装置9は、図11に示すように、バックアップピンステーション2dのY1方向側の端部のバックアップピンPを吸着し、支持板3cのY1方向側の所定の配置位置Dのうちの第1配置位置D1にバックアップピンPを搭載(配置)するように構成されている。
ここで、図9(B)に示すグラフにおいて、凹状の部分がバックアップピン交換ユニット4によるバックアップピンPの吸着を示し、凸状の部分がバックアップピン交換ユニット4によるバックアップピンPの搭載(配置)を示している。
図9(A)に示すように、印刷装置1では、時刻t1から時刻t2までの間、下側マスク収納部8bが下降位置72に配置されている。この際、制御装置9は、図12に示すように、マスクスライダ59により、上側マスク収納部8aに配置された第2マスクM2をY2方向に搬送し、作業位置Wに第2マスクM2を配置するように構成されている。また、印刷装置1では、下側マスク収納部8bが下降位置72に配置されているので、バックアップピン交換ユニット4の移動領域A2を制限移動領域A3に設定する。ここで、バックアップピン交換ユニット4の移動を制限する状態を制限状態S2とする。
図9(B)に示すように、印刷装置1では、時刻t1から時刻t2までの制限状態S2の間、制限移動領域A3内を移動するバックアップピン交換ユニット4により、バックアップピンPが搭載されている。この際、制御装置9は、図13に示すように、バックアップピンステーション2dのY2方向側の端部のバックアップピンPを吸着し、支持板3cのY2方向側の所定の配置位置Dのうちの第2配置位置D2にバックアップピンPを搭載するように構成されている。
図9(A)に示すように、印刷装置1では、時刻t2以降、下側マスク収納部8bが上昇位置71に配置されている。この際、制御装置9は、図14に示すように、マスクスライダ59による第1マスクM1または第2マスクM2の移動を行わない。図9(B)に示すように、印刷装置1では、時刻t2以降の非制限状態S1の間、非制限移動領域A4内を移動するバックアップピン交換ユニット4により、バックアップピンPが搭載されている。この際、制御装置9は、図15に示すように、バックアップピン交換ユニット4によりバックアップピンステーション2dのY2方向側の端部のバックアップピンPを吸着し、支持板3cの第2配置位置D2よりもY1方向側の所定の配置位置Dのうちの第3配置位置D3にバックアップピンPを搭載するように構成されている。同様に、制御装置9は、バックアップピン交換ユニット4によりバックアップピンステーション2dのY2方向側の端部のバックアップピンPを吸着し、支持板3cの第1配置位置D1と第3配置位置D3との間の所定の配置位置Dのうちの第4配置位置D4(図16参照)にバックアップピンPを搭載するように構成されている。
そして、制御装置9は、図16に示すように、支持板3cの第1〜第4配置位置D1〜D4にバックアップピンPを配置した状態で、Z軸移動機構2aにより印刷テーブル2bをZ1方向(上方向)に移動させ、支持板駆動部3dにより支持板3cをZ1方向(上方向)に移動させて、基板Bと第2マスクM2とを接触させるように構成されている。これにより、交換された第2マスクM2に設けられた所定のパターンにより基板Bに半田の印刷を行うことが可能である。
このように、制御装置9は、切替タイミングから時刻t1までの非制限状態S1において、下側マスク収納部8bを上昇位置71に配置した場合、非制限移動領域A4を移動可能なバックアップピン交換ユニット4により、交換動作の一部と並行して配置動作を行うように構成されている。つまり、図10に示すように、制御装置9は、下側マスク収納部8bを上昇位置71に配置した場合、収納部側領域C(図16参照)に移動したバックアップピン交換ユニット4により、交換動作の一部と並行して所定の配置位置D(第1〜第4配置位置D1〜D4)のうち下側マスク収納部8b側の位置(第1配置位置D1)に対して配置動作を行うように構成されている。
制御装置9は、時刻t1から時刻t2までの制限状態S2において、下側マスク収納部8bを下降位置72に配置した場合、制限移動領域A3に移動したバックアップピン交換ユニット4により、交換動作の一部と並行して配置動作を行うように構成されている。つまり、図12に示すように、制御装置9は、下側マスク収納部8bを下降位置72に配置した場合、所定の配置位置D(第1〜第4配置位置D1〜D4)のうちY2方向側の配置位置(第2配置位置D2)から、バックアップピン交換ユニット4によりバックアップピンPを配置するように構成されている。ここで、制限移動領域A3においてバックアップピンPを搭載可能な配置位置とは、支持板3cの移動領域A2のY方向における中央部分E(図1参照)よりもY2方向側の部分である。
このように、制御装置9は、交換動作において下側マスク収納部8bを上昇位置71に配置した後に下降位置72に配置する場合、下側マスク収納部8bを上昇位置71に配置したことに基づいて、所定の配置位置D(第1〜第4配置位置D1〜D4)のうちY1方向側の配置位置(第1配置位置D1)から、バックアップピン交換ユニット4によりバックアップピンPを配置するように構成されている。つまり、制御装置9は、下側マスク収納部8bを下降位置72に配置した場合にバックアップピンPを配置できなくなる配置位置から優先して、バックアップピン交換ユニット4によるバックアップピンPの配置を行うように構成されている。
また、制御装置9は、時刻t2以降の非制限状態S1において、下側マスク収納部8bを上昇位置71に配置した場合、非制限移動領域A4を移動可能なバックアップピン交換ユニット4により、交換動作の一部と並行して配置動作を行うように構成されている。つまり、図14に示すように、制御装置9は、下側マスク収納部8bを上昇位置71に配置した場合、収納部側領域Cに移動したバックアップピン交換ユニット4により、交換動作の一部と並行して所定の配置位置D(第1〜第4配置位置D1〜D4)のうちの第3配置位置D3および第4配置位置D4(図16参照)の順に配置動作を行うように構成されている。
(マスク交換処理のフローチャート)
以下に、マスク交換処理について図17を参照して説明する。マスク交換処理は、作業位置Wに配置された第1マスクM1を下側マスク収納部8bに収納した後、上側マスク収納部8aに収納された第2マスクM2を作業位置Wに配置する交換を行う処理である。
図17に示すように、ステップS1において、制御装置9では、作業位置Wに配置された第1マスクM1の交換タイミングか否かが判断される。制御装置9では、交換タイミングであった場合にはステップS2に進み、交換タイミングではなかった場合にはステップS1に戻る。ステップS2において、印刷装置1では、制御装置9の制御により、下側マスク収納部8bが上昇位置71に配置される。この際、制御装置9は、下側マスク収納部8bの配置位置を記憶部9bに保存する。ステップS3において、印刷装置1では、制御装置9の制御により、作業位置Wの第1マスクM1が下側マスク収納部8bに移動される。
ステップS4において、印刷装置1では、制御装置9の制御により、下側マスク収納部8bが下降位置72に配置される。この際、制御装置9は、下側マスク収納部8bの配置位置を記憶部9bに更新して保存する。ステップS5において、印刷装置1では、制御装置9の制御により、上側マスク収納部8aの第2マスクM2が作業位置Wに配置される。ステップS6において、印刷装置1では、制御装置9の制御により、下側マスク収納部8bが上昇位置71に配置される。この際、制御装置9は、下側マスク収納部8bの配置位置を記憶部9bに更新して保存する。そして、マスク交換処理は、終了する。
(バックアップピン移動処理のフローチャート)
以下に、バックアップピン移動処理について図17を参照して説明する。バックアップピン移動処理は、上記したマスク交換処理と並行して行われ、バックアップピンPの配置位置を変更する処理である。
図17に示すように、ステップS11において、制御装置9では、作業位置Wに配置された第1マスクM1の交換タイミングか否かが判断される。制御装置9では、交換タイミングであった場合にはステップS12に進み、交換タイミングではなかった場合にはステップS11に戻る。ステップS12において、制御装置9では、記憶部9bに保存された下側マスク収納部8bの配置位置が取得される。ステップS13において、制御装置9では、下側マスク収納部8bが下降位置72に配置されたか否かが判断される。制御装置9では、下側マスク収納部8bが下降位置72に配置された場合にはステップS14に進み、下側マスク収納部8bが下降位置72に配置されていない(上昇位置71に配置されている)場合にはステップS15に進む。
ステップS14において、制御装置9では、バックアップピン交換ユニット4の移動領域A2が制限移動領域A3に設定される。また、ステップS15において、制御装置9では、バックアップピン交換ユニット4の移動領域A2が非制限移動領域A4に設定される。そして、ステップS16において、制御装置9では、バックアップピンPを支持板3cの所定の配置位置Dに移動させるバックアップピン配置処理が行われる。ステップS17において、制御装置9では、全てのバックアップピンPを搭載完了したか否かが判断される。制御装置9では、全てのバックアップピンPを搭載した場合にはバックアップピン移動処理を終了し、全てのバックアップピンPを搭載していない場合にはステップS12に戻る。
〈バックアップピン配置処理のフローチャート〉
以下に、バックアップピン配置処理について図18および図19を参照して説明する。バックアップピン配置処理は、支持板3c上の所定の配置位置DにバックアップピンPを配置する処理である。
図18に示すように、ステップS21において、印刷装置1では、制御装置9の制御により、搭載するバックアップピンPを吸着する吸着位置へバックアップピン交換ユニット4が移動される。ステップS22において、制御装置9では、バックアップピン交換ユニット4が吸着位置へ移動完了したか否かが判断される。制御装置9では、バックアップピン交換ユニット4が吸着位置へ移動した場合にはステップS23に進み、バックアップピン交換ユニット4が吸着位置へ移動していない場合にはステップS21に戻る。ステップS23において、印刷装置1では、制御装置9の制御により、バックアップピン交換ユニット4の第1ヘッド4a(第2ヘッド4b)が下降してバックアップピンPを吸着する。
ステップS24において、制御装置9では、吸着確認部44により計測した第1ヘッド4a(第2ヘッド4b)にかかる負圧が閾値以上か否かが判断される。制御装置9では、負圧が閾値以上であった場合にはステップS25に進み、負圧が閾値未満であった場合にはステップS31に進む。ステップS31において、制御装置9では、所定時間経過したか否かが判断される。制御装置9では、所定時間が経過した場合にはステップS32に進み、エラー処理を行った上でバックアップピン配置処理を終了する。また、制御装置9では、所定時間が経過していない場合にはステップS24に戻る。
ステップS25において、印刷装置1では、制御装置9の制御により、バックアップピン交換ユニット4の第1ヘッド4a(第2ヘッド4b)が上昇される。ステップS26において、制御装置9では、吸着したバックアップピンPの下端部の高さ位置が取得される。ステップS27において、制御装置9では、バックアップピンPの下端部の高さ位置が第1所定高さ位置か否かが判断される。ここで、第1所定高さ位置とは、図20(A)に示すバックアップピンステーション2dに保持されたバックアップピンPまたは図20(B)に示す支持板3cに配置されたバックアップピンPの上方を隙間を介して、吸着されたバックアップピンPが移動可能な高さ位置である。制御装置9では、バックアップピンPの下端部の高さ位置が第1所定高さ位置であった場合にはステップS28に進む。また、制御装置9では、バックアップピンPの下端部の高さ位置が第1所定高さ位置ではなかった場合にはステップS25に戻る。
ステップS28において、印刷装置1では、制御装置9の制御により、搭載位置へバックアップピン交換ユニット4が移動される。ステップS29において、制御装置9では、バックアップピン交換ユニット4が搭載位置へ移動完了したか否かが判断される。制御装置9では、バックアップピン交換ユニット4が搭載位置へ移動完了した場合にはステップS30に進み、バックアップピン交換ユニット4が搭載位置へ移動完了していない場合にはステップS28に戻る。ステップS30において、制御装置9では、第1ヘッド4a(第2ヘッド4b)にバックアップピンPが吸着されているか否かを確認するために、吸着確認部44により計測した第1ヘッド4a(第2ヘッド4b)にかかる負圧が閾値以上か否かが判断される。制御装置9では、負圧が閾値以上であった場合には図19のステップS34に進む。また、制御装置9では、負圧が閾値未満であった場合にはステップS33に進み、エラー処理を行った後にバックアップピン配置処理を終了する。
図19に示すように、ステップS34において、制御装置9では、搭載位置で第1ヘッド4a(第2ヘッド4b)が下降される。ステップS35において、制御装置9では、第1ヘッド4a(第2ヘッド4b)にかかる負圧を正圧に変えることにより、支持板3c上の所定の配置位置DにバックアップピンPが搭載される。ステップS36において、制御装置9では、第1ヘッド4a(第2ヘッド4b)からバックアップピンPが外れた否かを確認するために、吸着確認部44により第1ヘッド4a(第2ヘッド4b)の負圧が閾値未満か否かが判断される。制御装置9では、負圧が閾値未満であった場合にはステップS37に進む。また、制御装置9では、負圧が閾値以上であった場合にはステップS42に進む。そして、ステップS42において、制御装置9では、所定時間経過したか否かが判断される。制御装置9では、所定時間が経過した場合にはステップS43に進み、エラー処理を行った上でバックアップピン配置処理が終了する。また、制御装置9では、所定時間が経過していない場合にはステップS36に戻る。
ステップS37において、印刷装置1では、制御装置9の制御により、バックアップピン交換ユニット4の第1ヘッド4a(第2ヘッド4b)が上昇される。ステップS38において、制御装置9では、第1ヘッド4a(第2ヘッド4b)の下端部の高さ位置が取得される。ステップS39において、制御装置9では、第1ヘッド4a(第2ヘッド4b)の下端部の高さ位置が第2所定高さ位置か否かが判断される。ここで、第2所定高さ位置とは、第1所定高さ位置と同様に、バックアップピンステーション2dに保持されたバックアップピンPまたは支持板3cに配置されたバックアップピンPの上方を隙間を介して、第1ヘッド4a(第2ヘッド4b)が移動可能な高さ位置である。制御装置9では、第1ヘッド4a(第2ヘッド4b)の下端部の高さ位置が第2所定高さ位置であった場合にはステップS40に進む。また、制御装置9では、第1ヘッド4a(第2ヘッド4b)の下端部の高さ位置が第2所定高さ位置ではなかった場合にはステップS37に戻る。
ステップS40において、印刷装置1では、制御装置9の制御により、搭載位置へ基板カメラ50aが移動される。ステップS41において、制御装置9では、搭載位置にバックアップピンPが配置されているか否かが判断される。制御装置9では、搭載位置にバックアップピンPが配置されている場合にはバックアップピン配置処理が終了する。制御装置9では、搭載位置にバックアップピンPが配置されていない場合にはステップS44においてエラー処理をした後、バックアップピン配置処理が終了する。
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態では、上記のように、印刷装置1は、作業位置Wに配置された第1マスクM1のマスクスライダ59による交換動作と、バックアップピンPの所定の配置位置Dへのバックアップピン交換ユニット4による配置動作との一部を並行して行うように構成されている。これにより、交換動作と配置動作とを互いに独立して行う(順番に行う)場合よりも、マスクMおよびバックアップピンPの交換に要する時間を短縮することができるので、マスクMおよびバックアップピンPの交換を効率よく行うことができる。
また、第1実施形態では、上記のように、印刷装置1は、下側マスク収納部8bが下降位置72に配置された場合、制限移動領域A3に移動したバックアップピン交換ユニット4により、交換動作の一部と並行して配置動作を行うように構成されている。これにより、交換動作の一部と配置動作とを並行して行う際、下側マスク収納部8bとバックアップピン交換ユニット4との干渉を抑制することができるので、下側マスク収納部8bとバックアップピン交換ユニット4との干渉に起因する印刷装置1の作業の停止が生じることを抑制することができる。また、下側マスク収納部8bとバックアップピン交換ユニット4との干渉を抑制するように印刷装置1のサイズを大きくする必要がないので、その分印刷装置1のサイズが大きくなることを抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、印刷装置1は、下側マスク収納部8bが上昇位置71に配置された場合、非制限移動領域A4を移動可能なバックアップピン交換ユニット4により、交換動作の一部と並行して配置動作を行うように構成されている。これにより、交換動作の一部と配置動作とを並行して行う際、バックアップピン交換ユニット4の移動が制限移動領域A3だけに制限されないので、バックアップピン交換ユニット4によるバックアップピンPの配置動作におけるバックアップピン交換ユニット4の移動の自由度を向上させることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、印刷装置1は、下側マスク収納部8bが上昇位置71に配置された場合、収納部側領域Cに移動したバックアップピン交換ユニット4により、交換動作の一部と並行して所定の配置位置DのうちバックアップピンPを配置可能な下側マスク収納部8b側の位置に対して配置動作を行うように構成されている。これにより、下側マスク収納部8bが上昇位置71に配置されている間、下側マスク収納部8bが下降位置72に配置された場合に配置動作を行えなくなる下側マスク収納部8b側の位置にバックアップピン交換ユニット4によるバックアップピンPの配置動作を行うことができるので、バックアップピン交換ユニット4によるバックアップピンPの配置動作をより効率よく行うことができる。
また、第1実施形態では、上記のように、印刷装置1は、交換動作において下側マスク収納部8bが上昇位置71に配置された後に下降位置72に配置される場合、下側マスク収納部8bが上昇位置71に配置されたことに基づいて、所定の配置位置Dのうち下側マスク収納部8b側の位置から、バックアップピン交換ユニット4によりバックアップピンPが配置されるように構成されている。これにより、下側マスク収納部8bが下降位置72に配置される前に、下側マスク収納部8bが下降位置72に配置された場合に配置動作を行えなくなる下側マスク収納部8b側の位置に優先してバックアップピンPの配置動作を行うので、下側マスク収納部8bとバックアップピン交換ユニット4との干渉を抑制することができるとともにバックアップピン交換ユニット4によるバックアップピンPの配置動作をより効率よく行うことができる。
また、第1実施形態では、上記のように、印刷装置1は、下側マスク収納部8bが下降位置72に配置された場合、所定の配置位置Dのうち下側マスク収納部8bとは反対側の位置から、バックアップピン交換ユニット4によりバックアップピンPが配置されるように構成されている。これにより、バックアップピン交換ユニット4と下側マスク収納部8bとを十分に離した状態でバックアップピン交換ユニット4によるバックアップピンPの配置動作を行うことができるので、バックアップピン交換ユニット4と下側マスク収納部8bとの干渉を確実に防止することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、印刷テーブルユニット3は、バックアップピンPを保持するバックアップピンステーション2dを含んでいる。バックアップピンステーション2dは、バックアップピンPの配置領域A1における下側マスク収納部8bから作業位置Wに向かう方向の中央部分Eよりも、下側マスク収納部8bとは反対側に配置されている。これにより、配置領域A1のうち、基板BのサイズにかかわらずバックアップピンPが配置される領域に、バックアップピンステーション2dを配置することにより、バックアップピン交換ユニット4の移動量を小さくすることができるので、交換動作に必要となる時間が長くなることを抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、印刷装置1は、基板Bの種類の切り替えのタイミングに基づいて、交換動作と配置動作との一部が並行して行われるように構成されている。これにより、交換動作および配置動作の両方を確実に行う必要があるタイミングで交換動作と配置動作との少なくとも一部を並行して行うことができる。
また、第1実施形態では、上記のように、印刷装置1は、第1マスクM1、第2マスクM2および基板Bを撮像するカメラユニット5を備えている。バックアップピン交換ユニット4およびカメラユニット5は、共通のユニットY軸移動機構45およびユニットX軸移動機構46により一体的に駆動されるように構成されている。これにより、バックアップピン交換ユニット4およびカメラユニット5の各々に別途独立して駆動機構を設ける必要がないので、印刷装置1のサイズの増大および構成の複雑化を抑制することができる。
[第2実施形態]
次に、図8および図21〜図25を参照して、本発明の第2実施形態による印刷装置201の構成について説明する。第2実施形態では、切替タイミングから時刻t1までの間、下側マスク収納部8bが上昇位置71に配置されている上記第1実施形態とは異なり、切替タイミングから時刻t3までの間、下側マスク収納部8bが下降位置72に配置されている例について説明する。なお、第2実施形態において、第1実施形態と同様の構成に関しては、同じ符号を付して説明を省略する。
(並行処理)
第2実施形態の印刷装置201では、図21〜図25に示すように、作業位置Wに配置された第1マスクM1のマスクスライダ59による交換動作と、バックアップピンPの所定の配置位置Dへのバックアップピン交換ユニット4による配置動作との一部が並行して行われる。つまり、図21(A)および図21(B)に示すように、制御装置209(図8参照)は、基板Bの種類の切り替えの切替タイミングに基づいて、交換動作と配置動作との一部を並行して行うように構成されている。
以下に、交換動作と配置動作との一部を並行して行う並行処理について第1実施形態とは別の一例を示して説明する。
図21(A)に示すように、印刷装置201では、切替タイミングから時刻t3までの間、下側マスク収納部8bが下降位置72に配置されている。この際、制御装置209は、図22に示すように、マスクスライダ59により、作業位置Wの第1マスクM1をY1方向に搬送し、上側マスク収納部8aに第1マスクM1を配置するように構成されている。また、印刷装置201では、下側マスク収納部8bが下降位置72に配置されているので、バックアップピン交換ユニット4の移動領域A2を制限移動領域A3に設定する。
図21(B)に示すように、印刷装置201では、切替タイミングから時刻t3までの制限状態S2の間、バックアップピン交換ユニット4により、バックアップピンPが搭載されている。この際、制御装置209は、図23に示すように、バックアップピンステーション2dのY2方向側の端部のバックアップピンPを吸着し、支持板3cのY2方向側の所定の配置位置Dのうちの第5配置位置D5にバックアップピンPを搭載(配置)するように構成されている。
図21(A)に示すように、印刷装置201では、時刻t3から時刻t4までの間、下側マスク収納部8bが上昇位置71に配置されている。この際、制御装置209は、図24に示すように、マスクスライダ59により、下側マスク収納部8bの第2マスクM2をY2方向に搬送し、作業位置Wに第2マスクM2を配置するように構成されている。また、印刷装置201では、下側マスク収納部8bが上昇位置71に配置されているので、バックアップピン交換ユニット4の移動領域A2を非制限移動領域A4に設定する。
図21(B)に示すように、印刷装置201では、時刻t3から時刻t4までの非制限状態S1の間、非制限移動領域A4内を移動するバックアップピン交換ユニット4により、バックアップピンPが搭載されている。この際、制御装置209は、図25に示すように、バックアップピンステーション2dのY2方向側のバックアップピンPを吸着し、第5配置位置D5よりもY1方向側の支持板3cの所定の配置位置Dのうちの第6配置位置D6にバックアップピンPを搭載(配置)するように構成されている。
図21(A)に示すように、印刷装置201では、時刻t4以降、下側マスク収納部8bが上昇位置71に配置されている。この際、制御装置209は、マスクスライダ59による第1マスクM1または第2マスクM2の移動を行わない。図21(B)に示すように、印刷装置201では、時刻t4以降の非制限状態S1の間、バックアップピン交換ユニット4により、バックアップピンPが搭載されている。この際、制御装置209は、バックアップピンステーション2dのY2方向側のバックアップピンPを吸着し、第6配置位置D6よりもY1方向側の支持板3cの所定の配置位置Dのうちの第7配置位置D7にバックアップピンPを搭載(配置)するように構成されている。
そして、制御装置209は、支持板3cの第5〜第7配置位置D5〜D7にバックアップピンPを配置した状態で、Z軸移動機構2aにより印刷テーブル2bをZ方向に移動させ、支持板駆動部3dにより支持板3cをZ1方向(上方向)に移動させて、基板Bの上面と第2マスクM2の下面とを当接させるように構成されている(図16参照)。なお、第2実施形態のその他の構成は、第1実施形態と同様である。
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第2実施形態では、上記のように、印刷装置201は、交換動作において下側マスク収納部8bが下降位置72に配置された後に上昇位置71に配置される場合、所定の配置位置DのうちY2方向側の位置から順に、バックアップピン交換ユニット4によりバックアップピンPが配置されるように構成されている。これにより、下側マスク収納部8bが下降位置72に配置される前に、下側マスク収納部8bが下降位置72に配置された際に配置動作を行えなくなる箇所のバックアップピンPの交換動作を行う場合よりも、バックアップピン交換ユニット4の移動量を減少させることが可能である。この結果、印刷装置201の作業時間を短縮することが可能である。なお、第2実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく請求の範囲によって示され、さらに請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記第1および第2実施形態では、作業位置Wに配置された第1マスクM1のマスクスライダ59による交換動作と、バックアップピンPの所定の配置位置Dへのバックアップピン交換ユニット4による配置動作との一部が並行して行われている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、マスクスライダによる交換動作中に配置動作の全てが並行して行われてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、基板Bは、バックアップピンPにより支持されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、基板はブロック状の支持部材により支持されてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、下側マスク収納部8bが下降位置72に配置されている際、制御装置9(209)は、バックアップピン交換ユニット4により支持板3cのY2方向側の所定の配置位置DにバックアップピンPを搭載するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、下側マスク収納部が下降位置に配置されている際、制御装置は、バックアップピン交換ユニットにより支持板のY方向の中央部分の所定の配置位置にバックアップピンを搭載するように構成されてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、印刷テーブルユニット3は、バックアップピンステーション2dを含んでいる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、バックアップピンは、バックアップピンステーションの代わりに、支持板においてバックアップピンが配置されない領域にバックアップピンを保持してもよい。これにより、印刷テーブルユニットをコンパクト化することが可能である。
また、上記第1および第2実施形態では、カメラユニット5は、バックアップピン交換ユニット4と共通の駆動機構としてユニットX軸移動機構46およびユニットY軸移動機構45とを有している例を示したが、本発明はこれに限られない。バックアップピン交換ユニットおよびカメラユニットは、各々、個別にユニットX軸移動機構およびユニットY軸移動機構を有していてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、マスク交換ユニット8は、上側マスク収納部8aと、下側マスク収納部8bとを含んでいる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、マスク交換ユニットは、3個以上の収納部を含んでいてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、エアシリンダにより構成された第1昇降部8cおよび第2昇降部8dが、上側マスク収納部8aおよび下側マスク収納部8bを昇降させる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、サーボモータにより構成された第1昇降部および第2昇降部が、上側マスク収納部および下側マスク収納部を昇降させてもよい。
上記第1および第2実施形態では、マスクスライダ59が、スキージユニット7にスキージ55と一体的に配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、マスクスライダは、スキージユニットと別体に設けられてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、マスクスライダ59が、エアシリンダである例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、マスクスライダは、エアシリンダ以外の、フック、磁力または空気圧によるチャック機構などであってもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、説明の便宜上、制御装置9(209)の処理動作を処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローチャートを用いて説明したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御装置の処理動作を、イベント単位で処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。