JPWO2019224467A5 - - Google Patents

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JPWO2019224467A5
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本発明は、バイオリアクターにおける細胞培養のためのシステムに関する。本発明によるシステムは、目的の細胞の産生、目的の細胞集合体(オルガノイド、組織)の産生および/または分子の産生、または複雑な分子集合体(細胞外マトリックス、細胞オルガネラ、抗体、ワクチン、エキソソーム、ウイロイドの成分)の産生、またはかかるシステムにおいて増殖される細胞に由来するまたは細胞により産生される他の目的の材料の産生のために使用することができる。
バイオリアクター細胞培養システムは、とりわけ製薬業界にとってますます関心が高まっている。実際に、真核細胞は、特に細胞および組織療法における、治療ツールとして、および、タンパク質画分(インスリン、抗体など)から、細胞または細胞オルガネラに由来するタンパク質、脂質および糖の複合体、細胞外小胞およびエキソソームを介して、ウイルス誘導体(特にワクチンの産生のために)に、目的の分子の生物産生のためのツールとして、ますます使用される。バイオリアクター細胞培養システムは、これらの細胞の大量培養を可能にし、したがって、産業規模で目的の細胞および/または分子のニーズを満たす。
現在、バイオリアクター細胞培養方法の3つの主要なクラスがある:
-細胞を固定された容積の培地に接種するバッチ培養を可能にする方法。十分な増殖を可能にするための十分な培養時間の後、分子および/または細胞を回収する。これらの方法の主な問題は、培地に存在する栄養素が時間とともに枯渇され、有毒な代謝産物が蓄積することである。
-許容される細胞密度を維持しながら細胞を飼育するために必要に応じて培地を加えるフェドバッチを可能にする方法。これらのシステムの主な問題は、代謝老廃物が除去されず、バイオリアクターに蓄積され、最後に収量に影響を与えることである。
-細胞を飼育し老廃物を除去するために培地が連続的に交換される潅流培養を可能にする方法。このようなシステムはより高い収量を可能にするが、培地の迅速かつ連続的な交換は、細胞を損傷すること(流れによって生成される機械的応力)なく細胞を保持する必要がある。
従来技術において、これらの大量の生物産生方法は、脆弱な細胞または脆弱な細胞集合体への適用性をほとんどあるいは全く有さない。実際に、懸濁液中、凝集体中、またはマイクロキャリア上で、細胞および細胞集合体は、培地中で機械的応力(衝撃、せん断応力、圧力など)に直接的にさらされる。容積が大きくなると、培地を攪拌または循環させるために使用される機械的な力が、特に液体の流れによって適用されるせん断応力または培地を攪拌する可動成分との衝突によって、細胞または細胞集合体を破壊する可能性がある。
発明の概要
バイオリアクターにおける細胞培養のこれらの問題に取り組むことにより、本発明者らは、外側のヒドロゲル層によって区切られたマイクロコンパートメント内に培養空間を作成して、バイオリアクター内で多くの細胞を培養することが可能であることを見いだした。したがって、目的の細胞ニッチは、有利には栄養素が浸透し、タンパク質および代謝産物が脱出することを可能にするが、サイズが150kDaを超える成分(細胞外マトリックス、エキソソーム、ウイルス粒子、細胞)を保持するヒドロゲルシェルに囲まれている。さらに、細胞はヒドロゲルシェルによって反応器内に存在する可能性のある応力から保護されるため、バイオリアクターを通る流れは、ヒドロゲルシェルがサポートすることができるのと同じくらい強くできる。さらに、細胞マイクロコンパートメントのヒドロゲルシェルは、既存の培養システムとは異なり、衝突に関連する機械的応力から細胞を保護し、液体懸濁培養中に存在する多細胞因子(凝集体、マイクロキャリア)の融合を防ぎ、これは、細胞によって経験される局所的な条件(培地中の拡散距離、機械的応力)を変化させることによって再現性の問題を引き起こす。マイクロコンパートメントはバイオリアクターに懸濁されており、培地への均一なアクセスおよびマイクロコンパートメントへの拡散、ならびに良好な対流を可能にする。加えて、細胞ニッチがヒドロゲルシェルによって保護されるため、細胞死が少なく、表現型が十分に制御された最適な収量条件下で、最も脆弱な細胞型を培養することができる。ゲルに包まれた単純なスフェロイドとは異なり、カプセル内の空洞は、細胞外マトリックス上で増殖および/または自己組織化する余地を細胞に残す。有利には、各マイクロコンパートメントは、ユニークな細胞ニッチを含む。言い換えれば、特定のヒドロゲルシェルが単一の細胞ニッチを取り囲んでいる。マイクロコンパートメントの外層はヒドロゲルでできているため、産生の終了時に容易に溶解して細胞を回収することができる。これらのマイクロコンパートメントは3Dであるため、マイクロコンパートメント内で最大100000倍の細胞増幅が有利には可能になる。
したがって、本発明は、その目的として、複数の細胞マイクロコンパートメントを含む密閉チャンバーを含むバイオリアクター細胞培養システムを有し、マイクロコンパートメントはそれぞれ、自己組織化細胞のセットおよび細胞外マトリックスまたは細胞外マトリックス代替物を含む空洞を提供する外側のヒドロゲル層を含む。
本発明によれば、外側のヒドロゲル層は細胞のセットを取り囲んでいる。ヒドロゲル層は中空のカプセルを形成し、細胞のセットを含む空洞を提供する。
有利には、ヒドロゲルカプセルは、細胞のユニークなセットを含む。
本発明によれば、複数の細胞マイクロコンパートメントは、バイオリアクターチャンバー内に懸濁される。より具体的には、マイクロコンパートメントは、バイオリアクターチャンバーに含まれる培地に浮かんでいる。
本発明はまた、その目的として、目的の細胞の産生および/または増幅のための、密閉チャンバーを含むかかるバイオリアクター細胞培養システムの使用を有する。増幅は、有利には、各継代の間で2から100,000倍である。この増幅率は、増幅の最後に回収される生細胞の数を、接種される生細胞の数で割ったものに対応する。
本発明はまた、その目的として、細胞外マトリックス、細胞オルガネラ、抗体、ワクチン、エキソソーム、ウイロイドなどの成分のような、目的の分子および/または複雑な分子集合体の産生のためのかかるバイオリアクター細胞培養システムの使用であって、前記分子および/または集合体は、マイクロコンパートメントの細胞によって前記マイクロコンパートメントから培地に排出される、または逆に、その後の回収のためにマイクロコンパートメントの内部に蓄積される、使用を有する。
本発明はまた、その目的として、目的のオルガノイドまたは細胞の産生のためのプロセスであって、
-複数の細胞マイクロコンパートメントを密閉チャンバーを含むバイオリアクターに導入する工程、ここで、前記マイクロコンパートメントはそれぞれ、細胞および細胞外マトリックスまたは細胞外マトリックス代替物をカプセル化する外側のヒドロゲル層を含む;
-マイクロコンパートメントを、マイクロコンパートメント内の細胞の増殖、および/またはオルガノイドへの細胞の自己組織化を可能にする条件下で培養する工程;
-細胞マイクロコンパートメントを回収する工程
-および所望により、目的のオルガノイドまたは細胞を回収するために、ヒドロゲル層を加水分解する工程
を含む、プロセスを有する。
本発明はまた、その目的として、多重能性(multipotent)、多能性(pluripotent)、または全能性(totipotent)細胞から分化した細胞の産生のためのプロセスであって、
-複数の細胞マイクロコンパートメントをバイオリアクターに導入する工程、前記マイクロコンパートメントはそれぞれ、多重能性、多能性または全能性細胞および細胞外マトリックスまたは細胞外マトリックス代替物をカプセル化する外側のヒドロゲル層を含む;
-マイクロコンパートメントを、マイクロコンパートメント内の細胞の増殖、および/または目的の1つ以上の細胞型への分化を可能にする条件下で培養する工程;
-細胞マイクロコンパートメントを回収する工程
-および所望により、目的の細胞型を回収するために、ヒドロゲル層を加水分解する工程
を含む、プロセスを有する。
詳細な説明
本発明者らは、細胞を架橋ヒドロゲルの外側カプセルの内部に保持することにより、密閉チャンバーを含むリアクター内で細胞を培養することが可能であり、特に有利であることを見いだした。より正確には、本発明者らは、それぞれが自己組織化細胞のセットおよび細胞外マトリックスまたは細胞外マトリックス代替物をカプセル化する外側のヒドロゲル層を含む細胞マイクロコンパートメントを開発した。本発明によれば、細胞マイクロコンパートメントは、バイオリアクターに懸濁される。
本発明によれば、自己組織化細胞は、細胞の相互作用および伝達を作り、目的の三次元微細構造を形成するために、互いに対してユニークに配置される細胞のセットを意味する。したがって、各マイクロコンパートメントは、自己組織化細胞のセットを含む、外側のヒドロゲル層、またはヒドロゲルカプセルを含む。細胞は、ヒドロゲルカプセル内で増殖、組織化、および/または分化することができる。
ある態様において、ヒドロゲルカプセルは、自己組織化細胞のユニークなセットを含む。ユニークとは、カプセルが多かれ少なかれ凝集している可能性がある、細胞の1つのみのグループを含むことを意味する。特に、細胞のユニークなセットは、前記セットの各細胞が前記セットの少なくとも1つの他の細胞と物理的に接触している三次元細胞構造を意味する。
本発明によれば、すべての種類の真核細胞、より具体的には哺乳動物細胞をカプセル化することが可能である。特に、細胞は、分化した細胞、前駆細胞、幹細胞、多重能性細胞、多能性細胞、全能性細胞、遺伝子的に改変された細胞、およびそれらの混合物などから選択される。ある態様において、カプセル化された細胞は、特に胚性幹細胞および/または人工多能性細胞(IPS)から選択される多能性幹細胞である。ある態様において、カプセル化された細胞は、胚性幹細胞、特に多能性胚性幹細胞である。ある態様において、カプセル化された細胞は、ヒト胚の破壊を必要としているヒト胚性幹細胞を除く、胚性幹細胞である。別の態様において、カプセル化された細胞は、その時点および上記の胚性幹細胞が得られた国で施行されている生命倫理法に従って、もはや親プロジェクトの対象ではない、医学的に支援された生殖の文脈で考案された過剰な(supernumerary)ヒト胚に由来するヒト胚性幹細胞である。別の態様において、カプセル化された細胞は、人工多能性細胞(IPS)、特にヒト人工多能性細胞(hIPS)である。別の態様において、カプセル化された細胞は、胚性幹細胞および人工多能性細胞である。ある態様において、カプセル化された細胞は、胚性幹細胞および人工多能性細胞の混合物を含む。
本発明の文脈において、「外側のヒドロゲル層」または「ヒドロゲルシェル」は、液体、好ましくは水によって膨潤したポリマー鎖のマトリックスから形成された三次元構造を意味する。かかる外側のヒドロゲル層は、ヒドロゲル溶液を架橋することによって得られる。有利には、ヒドロゲル溶液のポリマーは、温度、pH、イオンなどの刺激に暴露されたときに架橋可能なポリマーである。有利には、使用されるヒドロゲル溶液は、細胞に対して毒性がないという意味で生体適合性である。ヒドロゲル層は、有利には、溶解されたガス(および特に酸素および/または二酸化炭素)、栄養素、および代謝老廃物の拡散を可能にし、細胞の生存、増殖、分化、成熟、および/または目的の分子または分子集合体の産生および/または目的の細胞行動の反復発生を可能にする。ヒドロゲル溶液のポリマーは、天然または合成起源のものであってよい。例えば、ヒドロゲル溶液は、ポリスチレンスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸塩ベースのポリマー、ポリアクリル酸ナトリウムなどのアクリル酸ベースのポリマー、ポリエチレングリコールジアクリラート、メタクリル酸ゼラチン化合物、多糖類、および特にジェランガムなどの細菌起源の多糖類、またはペクチンまたはアルギン酸塩などの植物起源のもののうちの1つ以上のポリマーを含む。ある態様において、ヒドロゲル溶液は、少なくともアルギン酸塩を含む。好ましくは、ヒドロゲル溶液はアルギン酸塩のみを含む。本発明の文脈において、「アルギン酸塩」は、β-D-マンヌロン酸塩(M)およびα-L-グルロネート(G)、それらの塩および誘導体から形成される線状多糖類を意味する。有利には、アルギン酸塩は、80%を超えるGおよび20%未満のMで構成され、平均分子量が100から400kDa(例えば、PRONOVA(登録商標)SLG100)であり、総濃度が密度で0.5%から5%(重量/容積)で構成される、アルギン酸ナトリウムである。
本発明によれば、細胞マイクロコンパートメントは密閉される。細胞マイクロコンパートメントにそのサイズと形状を与えるのは、外側のヒドロゲル層である。マイクロコンパートメントは、細胞のカプセル化と適合性のある任意の形状を有することができる。
好ましくは、細胞外マトリックス層はゲルを形成する。細胞外マトリックス層は、多能性細胞のような細胞培養に必要なタンパク質および細胞外化合物の混合物を含む。好ましくは、細胞外マトリックスは、ラミニン521、511または421、エンタクチン、ビトロネクチン、ラミニン、コラーゲンなどの構造タンパク質、ならびにTGF-ベータおよび/またはEGFなどの増殖因子を含む。ある態様において、細胞外マトリックス層は、Matrigel(登録商標)および/またはGeltrex(登録商標)からなるか、またはそれらを含む。
本発明によれば、マイクロコンパートメントは、細胞外マトリックスの代わりに、細胞外マトリックス代替物を含んでよい。細胞外マトリックス代替物は、膜タンパク質および/または細胞外シグナル変換経路と相互作用することによって細胞接着および/または生存を促進することができる化合物を意味する。例えば、かかる代替物は、タンパク質(ラミニン、ビトロネクチン、フィブロネクチンおよびコラーゲン)、非硫酸化グリコサミノグリカン(ヒアルロン酸)または硫酸化グリコサミノグリカン(コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ケラタン硫酸、ヘパラン硫酸)を含む生物学的ポリマーおよびそのフラグメント、および生物学的ポリマーに由来する単位を含むか、またはこれらの特性を再現する合成ポリマー(RGD単位)、および基質への付着を模倣する小分子(Y-27632またはチアゾビビンなどのRho-Aキナーゼ阻害剤)を含む。
ヒドロゲルカプセル内に細胞外マトリックスおよび細胞を含む細胞マイクロコンパートメントの産生のための任意の方法を、本発明による製造プロセスを実施するために使用してよい。特に、Alessandri et al. 2016(“A 3D printed microfluidic device for production of functionalized hydrogel microcapsules for culture and differentiation of human Neuronal Stem Cells (hNSC)”, Lab on a Chip, 2016, vol. 16, no. 9, pp. 1593-1604)に記載されている方法およびマイクロ流体デバイスを適合させることにより、マイクロコンパートメントを製造することができる。
有利には、細胞マイクロコンパートメントの寸法が制御される。ある態様において、本発明による細胞マイクロコンパートメントは球状形を有する。好ましくは、かかるマイクロコンパートメントの直径は、10μmから1mmの間、より好ましくは50μmから500μmの間、さらにより好ましくは500μm未満、好ましくは400μm未満で構成される。別の態様において、本発明による細胞マイクロコンパートメントは、細長い形状を有する。特に、マイクロコンパートメントは、卵形または管状の形状を有してよい。有利には、かかる卵形または管状のマイクロコンパートメントの最小寸法は、10μmから1mmの間、より好ましくは50μmから500μmの間、さらにより好ましくは500μm未満、好ましくは400μm未満で構成される。「最小寸法」は、ヒドロゲル層の外側の表面に位置する点とマイクロコンパートメントの中心との間の最小距離の2倍を意味する。
特定の態様において、外側のヒドロゲル層の厚さは、マイクロコンパートメントの半径の5から40%を表す。細胞外マトリックス層の厚さは、マイクロコンパートメントの半径の5から80%を示し、有利にはヒドロゲルシェルの内面に吊るされる。このマトリックス層は、細胞およびヒドロゲルシェルの間のスペースを満たすことができる。本発明の文脈において、層の「厚さ」は、マイクロコンパートメントの中心から放射状に延びる前記層の寸法である。
本発明の態様において、バイオリアクターは、細胞が嚢胞に自己組織化されるマイクロコンパートメントを含む。
本発明の文脈において、嚢胞は、中央管腔の周りに組織化された多能性または全能性細胞の少なくとも1つの層として定義される。したがって、本発明によれば、かかるマイクロコンパートメントは、中央管腔の周りに、多能性細胞の前記層、細胞外マトリックスの層、または細胞外マトリックス代替物の層、および外側のヒドロゲル層を連続的に含む。管腔は、嚢胞形成の瞬間に、細胞外マトリックス層上の層において増殖および発達する細胞によって産生される。有利には、管腔は液体、より具体的には培地を含む。
本発明によれば、嚢胞は、有利には、哺乳動物、ヒトまたは非ヒトの多能性幹細胞の1つ以上の層を含む。多能性幹細胞、または多能性細胞は、生物全体を形成することはできず、起源の生物全体に存在するすべての組織を形成する能力を有する細胞を意味する。特に、嚢胞は、胚性幹細胞(ESC)、人工多能性幹(IPS)細胞、または成体の哺乳動物の皮膚および骨髄に見られる多系統分化ストレス持続(multilineage-differentiating stress enduring)(MUSE)細胞を含んでよい。
有利には、外側のヒドロゲル層の厚さは、マイクロコンパートメントの半径の5から40%を示し、細胞外マトリックス層の厚さは、マイクロコンパートメントの半径の5から80%を示し、多能性細胞層の厚さは、マイクロコンパートメントの半径の約10%を示す。多能性細胞層は、細胞外マトリックス層と少なくとも一点で接触しており、培地で満たされた空間が、マトリックス層および嚢胞との間に存在してよい。次に、管腔は、マイクロコンパートメントの半径の5から30%を示す。特定の例において、細胞マイクロコンパートメントは、半径が100μmに等しい球状形を有する。ヒドロゲル層の厚さは5μmから40μmである。細胞外マトリックス層の厚さは5μmから約80μmである。多能性細胞層の厚さは10から30μmを有し、管腔の半径はおよそ5から30μmである。
本発明の例示的な態様によれば、
(a)RHO/ROCK経路のインヒビターを含む培地において60万から200万の哺乳動物多能性幹細胞をインキュベートする工程;
(b)工程(a)に由来するこれらの多能性幹細胞を細胞外マトリックスと混合する工程;
(c)工程(b)からの混合物をヒドロゲル層にカプセル化する工程;
(d)工程(c)で得られたカプセルを、RHO/ROCK経路のインヒビターを含む培地において培養する工程;
(e)RHO/ROCK経路のインヒビターを除去するように、工程(d)に由来するカプセルを濯ぐ工程;
(f)フェドバッチ型産生モードにおいて、工程(e)に由来するカプセルを、RHO/ROCK経路の阻害剤を含まないMTESR1(Stemcell Technologies)などの多能性細胞培地の容積を1日2倍に希釈することによって、3から20日間、好ましくは5から10日間培養し、および所望により、得られた細胞マイクロコンパートメントを回収する工程
に従って、細胞が嚢胞を形成する、例えば150mLのバイオリアクターにおいてかかるマイクロコンパートメントを培養することが可能である。
当業者は、必要に応じて細胞の数およびバイオリアクターの容積を適合させる方法を知っている。
チアゾビビン(C1513OS)および/またはY-27632(C1421O)などのRHO/ROCK(「Rho関連タンパク質キナーゼ」)経路の1つ以上の阻害剤を含む培地におけるインキュベーションの工程(a)および培養の工程(d)は、細胞外マトリックスの周囲に外側のヒドロゲル層が形成された瞬間に、多能性幹細胞の生存および細胞外マトリックスへの細胞の付着を促進する。しかしながら、RHO/ROCK経路の阻害剤が嚢胞の形成を妨げないように、これらの工程は時間的に制限されることが望ましい。
したがって、好ましくは、工程(a)のインキュベーションは、数分から数時間、好ましくは2分から2時間、より好ましくは10分から1時間で構成される期間にわたって行われる。
同様に、好ましくは、培養工程(d)は、2から48時間で構成される期間、好ましくは6から24時間の期間、より好ましくは12から18時間の期間にわたって実施される。
工程(e)は、RHO/ROCK経路の阻害剤の痕跡の除去を保証するために必要である。工程(e)は、例えば、RHO/ROCK経路の阻害剤を含まない連続培地において、濯ぐ、好ましくは数回濯ぐことによって実行される。
有利には、工程(f)は、細胞外マトリックスおよび多能性細胞の層が、外側のヒドロゲル層の厚さの50から100%に等しい累積(cumulative)厚さを有する細胞マイクロコンパートメントを得るために十分な時間行われる。多能性幹細胞の培養のために適した任意の培地を使用してよい。
ある態様において、本発明によるプロセスは、工程(a)から工程(b)の前に、好ましくは酵素を含まない試薬の手段によって、誘導される多能性幹細胞を解離することから構成される中間工程(a’)を含む。有利には、前記試薬は、特に多能性細胞のための特定の培地において連続的な濯ぐことによって、カプセル化工程の前に阻害または濯がれる。例えば、使用される試薬はReLeSR(登録商標)である。もちろん、トリプシンまたは酵素を含む試薬を使用することも可能であるが、この工程後の多能性細胞の生存率は、次に、酵素を含まない試薬の使用と比較して低くなる可能性がある。
あるいは、かかるマイクロコンパートメントは、
(A)哺乳動物の分化した細胞を細胞外マトリックスおよび細胞再プログラミング剤と混合する工程;
(B)工程(A)からの混合物をヒドロゲル層にカプセル化する工程;
(C)工程(B)に由来するカプセルを少なくとも3日間培養し、および所望により、得られた細胞マイクロコンパートメントを回収する工程
に従って、得ることができる。
例えば、使用される分化される細胞は、繊維芽細胞、末梢血単核細胞、上皮性細胞およびさらに一般的にヒト組織の液体または固体生検に由来する細胞である。
当業者は、特定の因子の手段により胚期と関連する遺伝子の発現を再活性化することによって、分化した細胞を幹細胞に再プログラムする方法を知っている。一例として、記載は、Takahashi et al., 2006(“Induction of pluripotent stem cells from mouse embryonic and adult fibroblast cultures by defined factors” Cell, 2006 Vol 126, pages 663-676)および“Production of reprogrammed pluripotent cells”と題された国際出願WO2010/105311において記載されている方法を挙げることができる。
再プログラミング剤は、有利には、産物を濃縮し、および細胞のセットとの接触を促進するように、分化した細胞と共カプセル化される。
再プログラミング剤は、多能性段階までの一連の表現型交換を細胞に課すことを可能にする。有利には、再プログラミング工程(A)は、特定の培地を使用して実行され、これらの表現型の交換を促進する。例えば、細胞を、セリン/スレオニンタンパク質キナーゼ受容体インヒビター(例えば、製品SB-431542(C2216))、RHO/ROCK(“Rho-関連タンパク質キナーゼ”)経路の1つ以上の阻害剤、例えば、チアゾビビンおよび/またはY-27632、線維芽細胞増殖因子、例えば、FGF-2、アスコルビン酸および抗生物質、例えば、トリコスタチンA(C1722)を補った最小必須イーグル培地(DMEM)中の10% ヒトまたはウシ血清を含む第1の培地において培養する。培地を、次に、多能性細胞の増殖を促進する培地、例えば、培地mTeSR(登録商標)1と置き換える。
次に、かかる嚢胞を、特に目的の分子の産生、または目的のオルガノイドの産生のために、目的の1つ以上の細胞型を含むマイクロコンパートメントを得るように、目的の分化経路に強制することができる。
ある態様において、バイオリアクターは、オルガノイドに自己組織化された細胞を含むマイクロコンパートメントを含む。
本発明の文脈において、オルガノイドは、器官の少なくとも一部の微細構造を再現するように3次元で組織化された多細胞構造として定義される。したがって、本発明によれば、かかるマイクロコンパートメントは、細胞外マトリックスに囲まれた三次元多細胞構造を含み、全体が外側のヒドロゲル層にカプセル化される。
本発明によれば、オルガノイドは、ヒドロゲルカプセル内で次に分化する多能性または前駆細胞をカプセル化することによって、または分化した細胞または成熟細胞を直接的にカプセル化することによって得ることができる。
ある態様において、バイオリアクターに導入される細胞マイクロコンパートメントは、多能性細胞を含む。次に、目的の少なくとも1つの細胞型への細胞分化の工程を、バイオリアクターの内部で実行し、所望により、マイクロコンパートメント内の前記分化した細胞の増殖の工程を実行する。
ある態様において、バイオリアクターに導入される細胞マイクロコンパートメントは、すでに分化した細胞または前駆細胞を含む。次に、マイクロコンパートメントにおける前記分化した細胞の増殖および/または成熟の工程を、バイオリアクターの内部で実行する。
有利には、バイオリアクターに導入されるマイクロコンパートメントは、マイクロコンパートメントの内部容積の10%未満、好ましくは1%未満、さらにより好ましくは0.1%未満の最初の細胞密度を有する。
有利には、バイオリアクターにおける培養工程の終了時に回収されるマイクロコンパートメントは、マイクロコンパートメントの内部容積の10%占有以上の細胞密度を有する。
本発明によれば、ヒドロゲルカプセルに含まれる細胞は、バイオリアクターに含まれ、ヒドロゲル層を通過する培地の流れにさらされる。
有利には、マイクロコンパートメントの内部の拡散容積に対するマイクロコンパートメントの外部の対流容積の比は、1から10,000の間、好ましくは1から1000の間、より好ましくは1から100の間で構成される。
本発明によれば、対流容積は、マイクロコンパートメント間のリアクターチャンバーの内部の培地の容積を示す。したがって、マイクロコンパートメントはバイオリアクターに懸濁されており、対流容積はマイクロコンパートメント間を循環する培地を示す。逆に、拡散容積は、マイクロコンパートメントの内部に、すなわち、自己組織化された細胞の周囲に/間に/によって作られる空間/空隙において、拡散する培地の容積を示す。
したがって、嚢胞を含むマイクロコンパートメントの場合、拡散容積は、中央管腔および、嚢胞の増殖の開始時に、カプセル壁および嚢胞の間の空間によって主に構成される。オルガノイドを含むマイクロコンパートメントの場合、拡散容積は主に、三次元の多細胞構造内に作成される空間からなる。
本発明によるマイクロコンパートメントは、細胞を含まず、マイクロコンパートメントの内部に細胞の増殖または自己組織化を正確に可能にする、1つ以上の管腔または1つ以上の空間のヒドロゲルカプセル内の存在によって有利に特徴付けられる。当業者は、この文脈において最適な空間の特定のレベルの飽和に対応する増幅または分化プロセスに最も適切な瞬間に細胞を回収する方法を知っている。
ある態様において、マイクロコンパートメントは、バイオリアクターチャンバーの容積の0.01%から74%の間を占める。
細胞マイクロコンパートメントの使用は、密閉チャンバーを備えた任意のタイプのバイオリアクター、および特にバッチ、フェドバッチまたは連続的な飼育(灌流)モードにおけるバイオリアクターで細胞を培養することを可能にする。これらのマイクロコンパートメントの使用は、連続的な飼育培養の場合に特に有利である。確かに、細胞はヒドロゲルシェルによって保護されており、細胞を弱めるリスクなしに連続的な流れにさらすことが可能である。
ある態様において、バイオリアクターは、密封することができるチャンバーを含む。これにより、バイオリアクターの内部の雰囲気を制御すること、および例えば、不活性雰囲気下でマイクロコンパートメントを培養することが可能になる。
本発明による細胞培養システムは、1mLから10,000Lの間、好ましくは5mLから10,000Lの間、10mLから10,000Lの間、100mLから10,000Lの間、200mLから10,000Lの間、500mLから10,000Lの間から構成される容積を有するチャンバーを含んでよい。ある態様において、チャンバーは、少なくとも1mLの容積を有する。ある態様において、チャンバーは、少なくとも10mLの容積を有する。ある態様において、チャンバーは、少なくとも100mLの容積を有する。ある態様において、チャンバーは、少なくとも500mLの容積を有する。ある態様において、チャンバーは、少なくとも1Lの容積を有する。ある態様において、チャンバーは、少なくとも10Lの容積を有する。ある態様において、チャンバーは、100L以上の容積を有する。有利には、密閉チャンバーを含み、細胞、オルガノイド、分子および/または複雑な分子集合体の産業規模の産生をすることができる任意のバイオリアクターを使用することができる。
一般的に、密閉チャンバーの使用は、外部環境による妨害のリスクなしに、培養環境の微調整を可能にする。さらに、滅菌産物を容易に得ることができる。また、より良い容積収率を可能にする。
ある態様において、マイクロコンパートメントは、回収時の細胞の10容積%から98容積%、すなわち、関連するコンパートメントの直径および産生される細胞のサイズに依存して100から1,000,000の細胞を含み、これは、産生された細胞の総数(Malassez細胞または自動セルカウンターを使用して当業者により測定されるとき)および得られたカプセルの数(光学顕微鏡下で手動でカウントすることによって、または自動画像分析によってカプセルの容積を特徴付けることによって当業者により測定されるとき)の比率によって計算することできる。もちろん、開始時に少数の細胞、特に1~1,000個の細胞、すなわち関連するコンパートメントの直径および産生される細胞のサイズに依存してマイクロコンパートメント内で細胞によって占められる0.01容積%~10容積%を含むマイクロコンパートメントで細胞培養を開始することが可能である。より一般的には、本発明によるマイクロコンパートメントは、0.01容積%から98容積%の細胞を含む。
次に、細胞は、マイクロコンパートメントの内部で増殖し、特にオルガノイドに自己組織化することができる。
ある態様において、マイクロコンパートメントの細胞はすべて同じ細胞型である。本発明によれば、同じマイクロコンパートメントの細胞は、細胞型を特徴づけることを可能にする当業者の知識によれば、前記マイクロコンパートメントの細胞の少なくとも50%、好ましくは70%、より好ましくは90%、さらにより好ましくは98%以上が同じ表現型を有する場合、すべて同じ細胞型であると考慮される。別の態様において、マイクロコンパートメントの細胞は、少なくとも2つの異なる細胞型である。有利には、コンパートメントの細胞の20~100%が同じ表現型を有する。
本発明によれば、すべて同じ細胞型を含むか、または逆に異なる細胞型を有する同じバイオリアクターマイクロコンパートメント内で培養することが可能である。例えば、バイオリアクターは、それぞれ特定の細胞型を含む2つのタイプのマイクロコンパートメントを含んでよい。
本発明による培養システムは、目的の細胞の産生および/または増幅に特に有利である。実際に、ヒドロゲルカプセル内の細胞の組織化は、細胞外マトリックスとともに、各継代の間に2~100,000倍に増殖することができる。
継代は、増幅を継続するために、またはオルガノイドへの分化または自己組織化を開始するために、空間または培養表面を追加するための細胞の操作を意味する。この操作により、マイクロキャリアの例において、バイオリアクターに新しいマイクロキャリアを再負荷する必要が生じる場合がある。付着性の多能性幹細胞の標準的な二次元培養について、この操作は、より大きな表面積を有する新しい培地に再接種するために、古い培地から細胞を分離することから構成される;当業者にとって、この操作は細胞の50%の損失をもたらす可能性がある。本発明によるマイクロコンパートメントにおける培養について、これは、マイクロコンパートメントの解離、自己組織化細胞セットの解離、または新しいマイクロコンパートメントに再びカプセル化されるのに十分小さい細胞セットへのそれらの分散に対応する。
本発明は、特に、その目的として、多能性細胞の大量産生のためのかかるバイオリアクター細胞培養システムの使用を有する。
本発明はまた、その目的として、多能性細胞から単能性または多重能性前駆細胞を産生するためのかかるバイオリアクター細胞培養システムの使用を有する。
本発明はまた、その目的として、多能性細胞および/または単能性または多重能性前駆細胞および/またはこれらの前駆細胞の組み合わせから最終分化した細胞(すなわち、1つ以上の特定の機能に対応する)の産生のためのかかるバイオリアクター細胞培養システムの使用を有する。
本発明は、特に、その目的として、目的のオルガノイドまたは細胞の産生のためのプロセスであって、
-複数の細胞マイクロコンパートメントを密閉チャンバーを含むバイオリアクターに導入する工程、ここで、前記マイクロコンパートメントはそれぞれ、細胞および細胞外マトリックスまたは細胞外マトリックス代替物をカプセル化する外側のヒドロゲル層を含む;
-マイクロコンパートメントを、マイクロコンパートメント内の細胞の増殖、および/またはオルガノイドへの細胞の自己組織化を可能にする条件下で培養する工程;
-細胞マイクロコンパートメントを回収する工程
-および所望により、目的のオルガノイドまたは細胞を回収するために、ヒドロゲル層を加水分解する工程
を含む、プロセスを有する。
当業者は、それらの増殖および/または自己組織化を促進するために、マイクロコンパートメントの細胞型に培養条件を適合させることができる。
ある態様において、導入された細胞マイクロコンパートメントは、多能性細胞を含み、前記プロセスは、バイオリアクターの内部で、少なくとも1つの目的の細胞型への細胞分化の工程、およびマイクロコンパートメントにおいて前記分化した細胞の増殖の工程を含む。例えば、ヒト内胚葉組織における分化の研究のための原始(primitive)内胚葉オルガノイドの産生は、以下のプロトコールに従って実施することができる:
-培養の2-3日で、上記のマイクロコンパートメントを得る工程f)から:
-STEMCELL Technologiesから販売されているSTEMdiff(商標)膵臓前駆細胞キットのSTEMdiff(商標)膵臓ステージ1培地で、150mLの密閉バイオリアクターで3から6日間培養すること、
-発達研究のために得られた原始内胚葉の使用。
別の態様において、導入された細胞マイクロコンパートメントは、すでに分化した細胞または前駆細胞を含み、前記プロセスは、バイオリアクターの内部で、マイクロコンパートメントにおいて前記分化した細胞の増殖の工程を含む。
増殖および/または成熟工程の間、細胞は、前記細胞型に特異的な組織化にしたがって、特定のオルガノイドに有利には自己組織化する。
増幅に関する態様において、バイオリアクターに導入されるマイクロコンパートメントは、マイクロコンパートメントの内部容積の10%未満、好ましくは1%、さらにより好ましくは0.1%の占有率の細胞密度を有する。その後、培養工程中に、細胞はマイクロコンパートメントの内部で増殖する。
増幅を含まない分化および/または成熟に関する態様において、バイオリアクターに導入されるマイクロコンパートメントは、マイクロコンパートメントの内部容積の1%を超える占有率の細胞密度を有する。次に、細胞は、培養工程中に、マイクロコンパートメントの内部で分化および/または成熟および/または自己組織化する。例えば、パーキンソン病の細胞療法の文脈において、神経移植のための神経オルガノイドの産生の最初のタイプは、次のプロトコールにしたがって実行された:
-Cellular Dynamics International (iCell(登録商標) DopaNeurons)により販売されているもののような500万のドーパミン作動性前駆細胞の解凍、
-Alessandri et al. 2016に記載されているプロトコールにしたがって前分化神経前駆細胞のカプセル化。
-Cellular Dynamicsにより提供される培地において150mLの密閉型バイオリアクターにおける培養。
-バイオリアクター内での2週間のドーパミン作動性神経オルガノイドの成熟および構造化。
-1mlのReLeSR(登録商標)(Stemcell Technologies)において30秒間2回リンスしてヒドロゲルカプセルの解離、次に、ニューロン培地において70kDaデキストランの11質量%の溶液における再懸濁、自社製のガラスカニューレにおける分配による移植片の調製。
-パーキンソン病の動物モデルへの移植。
増幅および分化/成熟を組み合わせた態様において、バイオリアクターに導入されるマイクロコンパートメントは、有利には、マイクロコンパートメントの内部容積の10%、好ましくは1%、さらにより好ましくは0.1%未満の占有率の細胞密度を有する。次に、細胞は、培養工程中、および次に分化工程中に、マイクロコンパートメントの内部で増殖する。次に、細胞は、栄養培地の種類の交換または物理的トリガー(温度、照度)によってトリガーされることができる第2の培養工程中に、マイクロコンパートメントの内部で自己組織化する。例えば、パーキンソン病の細胞療法の文脈において、ニューロン移植のための神経オルガノイドの産生の第2のタイプは、次のプロトコールにしたがって実行された:
-培養の2-3日で上記のマイクロコンパートメントを得る工程f)から:
-BMP2(2μm ドルソモルフィンまたは0.5μm LDN 193189)およびTGFbeta(10μm+SB 431542)シグナル伝達経路のインヒビター、N2およびB27を補ったneurobasal/DMEM-F12ベースにおいて10μm 24(S),25-エポキシコレステロールを含む神経誘導培地において150mL密閉バイオリアクターにおける1-2日間培養。
-BMP2(2μm ドルソモルフィンまたは0.5μm LDN 193189)およびTGFbeta(10μm+SB 431542)シグナル伝達経路のインヒビター、SHH経路の2つの活性剤(200ng/mL SHH;1μm プルモルファミン)およびFGF8(100ng/mL)、WNT経路のインヒビター(3μm Chir99021)、N2およびB27を補ったneurobasal/DMEM-F12ベースにおいて10μm 24(S),25-エポキシコレステロールを含む神経領域化培地において150mL密閉バイオリアクターにおける6日間培養。
-BMP2シグナル伝達経路のインヒビター(2μm ドルソモルフィンまたは0.5μm LDN 193189)、WNT経路のインヒビター(3μm Chir99021)、N2およびB27を補ったneurobasal/DMEM-F12ベースにおいて10μM 24(S),25-エポキシコレステロールを含む第2の神経領域化培地において150mL密閉バイオリアクターにおける1日間培養。
-環状AMP(500μM)+アスコルビン酸(200μM)+GDNF(20ng/mL)+BDNF(20ng/mL)+FGF-20(5ng/mL)+TGFbeta(1ng/mL)+トリコスタチン(10nM)+化合物E(1μM)を含むバイオリアクターにおいてドーパミン作動性神経オルガノイドの成熟および構造化のための培地において150mL密閉バイオリアクターにおける2週間培養。
-1mlのReLeSR(登録商標)(Stemcell Technologies)において30秒間2回リンスする手段によりヒドロゲルカプセルの解離、次に、ニューロン培地において70kDaデキストランの11質量%の溶液における再懸濁、自社製のガラスカニューレにおける分配による移植片の調製。
-パーキンソン病の動物モデルへの移植。
増幅および分化/成熟を組み合わせた別の態様において、バイオリアクターに導入されるマイクロコンパートメントは、有利には、マイクロコンパートメントの内部容積の10%、好ましくは1%、さらにより好ましくは0.1%未満の占有率の細胞密度を有する。次に、細胞は、マイクロコンパートメントの内部で増殖する。次に、細胞はカプセルの溶解によって回収され、次に、第2のカプセル化工程、次に分化工程に付され、次に、細胞は、栄養培地の種類の交換または物理的トリガー(温度、照度)によってトリガーされることができる第2の培養工程中に、マイクロコンパートメントの内部で自己組織化する。例えば、ヒト膵臓組織移植のためのヒト膵臓オルガノイドの産生は、次のプロトコールにしたがって実行された:
-培養の2-3日で上記のマイクロコンパートメントを得る工程f)から:
-STEMCELL Technologiesから販売されているSTEMdiff(商標)膵臓前駆細胞キットのサプリメント1Aおよびサプリメント1Bを補ったSTEMdiff(商標)膵臓ステージ1培地で、150mLの密閉バイオリアクターで1日間培養。
-STEMCELL Technologiesから販売されているSTEMdiff(商標)膵臓前駆細胞キットのサプリメント1Bを補ったSTEMdiff(商標)膵臓ステージ1培地で、150mLの密閉バイオリアクターで1日間培養。
-STEMCELL Technologiesから販売されているSTEMdiff(商標)膵臓前駆細胞キットのサプリメント2Aおよびサプリメント2Bを補ったSTEMdiff(商標)膵臓ステージ2-4培地で、150mLの密閉バイオリアクターで1日間培養。
-STEMCELL Technologiesから販売されているSTEMdiff(商標)膵臓前駆細胞キットのサプリメント2Aおよびサプリメント2Bを補ったSTEMdiff(商標)膵臓ステージ2-4培地で、150mLの密閉バイオリアクターで2日間培養。
-STEMCELL Technologiesから販売されているSTEMdiff(商標)膵臓前駆細胞キットのサプリメント3を補ったSTEMdiff(商標)膵臓ステージ2-4培地で、150mLの密閉バイオリアクターで3日間培養。
-STEMCELL Technologiesから販売されているSTEMdiff(商標)膵臓前駆細胞キットのサプリメント3を補ったSTEMdiff(商標)膵臓ステージ2-4培地で、150mLの密閉バイオリアクターで5日間培養。
-1mlのReLeSR(登録商標)(Stemcell Technologies)において30秒間2回リンスする手段によりヒドロゲルカプセルの解離、次に、以前の培地において70kDaデキストランの11質量%の溶液における再懸濁、自社製のガラスカニューレにおける分配による移植片の調製。
-1型糖尿病の動物モデルへの移植。
有利には、バイオリアクターにおいて培養工程の終わりに回収されるマイクロコンパートメントは、マイクロコンパートメントの内部容積の10%以上、好ましくは50%以上の占有率の細胞密度を有し、これは最大98%の占有率までオルガノイドの場合に行くことができる。
本発明による培養システムはまた、目的の分子および/または複雑な分子集合体の産生のために特に魅力的であり、前記分子および/または複雑な分子集合体は、マイクロコンパートメントの細胞によって前記マイクロコンパートメントから培地に排出される、または逆に、その後の回収のためにマイクロコンパートメントの内部に蓄積される。この産生方法は、特に細胞成分をマイクロコンパートメントの内部に濃縮させることによって、それらの濾過工程を制限することを可能にする。この方法は、カプセルによる対流および拡散容積のバイオリアクターにおける分離の理由で、不溶性またはカプセルのヒドロゲルのメッシュサイズよりも大きい成分からの溶解成分を含む培地のより容易な分離を可能にする。(典型的には、アルギン酸塩の場合、150から250kDa)。
本発明によれば、次に、マイクロコンパートメントは、有利には、連続的な飼育モードにおいてリアクターにおいて使用される。上で説明したように、保護ヒドロゲルシェルの存在は、細胞を損傷するリスクなしに、流速で培地を灌流することを可能にする。特に、バイオリアクターに含まれる1日あたり0.001から100容量の細胞から構成される流速で、リアクターの内部を培地で灌流することが可能である。

Claims (25)

  1. 複数の懸濁された細胞マイクロコンパートメントを含む密閉チャンバーを含むバイオリアクター細胞培養システムであって、マイクロコンパートメントはそれぞれ、自己組織化細胞のセットおよび細胞外マトリックスまたは細胞外マトリックス代替物を含む空洞を提供する外側のヒドロゲル層を含む、バイオリアクター細胞培養システム。
  2. 外側のヒドロゲル層の厚さは、マイクロコンパートメントの半径の5から40%を表す、請求項1に記載のバイオリアクター細胞培養システム。
  3. 細胞外マトリックス層または細胞外マトリックス代替物の厚さは、マイクロコンパートメントの半径の5から80%を示す、請求項1から2のいずれか一項に記載のバイオリアクター細胞培養システム。
  4. 外側のヒドロゲル層の厚さは、マイクロコンパートメントの半径の5から40%を示し、細胞外マトリックス層または細胞外マトリックス代替物の厚さは、マイクロコンパートメントの半径の5から80%を示し、多能性細胞層の厚さは、マイクロコンパートメントの半径の約10%を示す、請求項1から3のいずれか一項に記載のバイオリアクター細胞培養システム。
  5. 細胞マイクロコンパートメントは球状形を有し、該マイクロコンパートメントの直径は、10μmから1mmの間、好ましくは50μmから500μmの間、より好ましくは500μm未満、さらにより好ましくは400μm未満で構成される、請求項1から4のいずれか一項に記載のバイオリアクター細胞培養システム。
  6. 細胞マイクロコンパートメントは卵形または管状の形状を有し、該卵形または管状のマイクロコンパートメントの最小寸法は、10μmから1mmの間、好ましくは1から1000の間、より好ましくは1から100の間で構成される、請求項1から5のいずれか一項に記載のバイオリアクター細胞培養システム。
  7. マイクロコンパートメントの内部の拡散容積に対するマイクロコンパートメントの外部の対流容積の比が、1から10000の間で構成される、請求項1から6のいずれか一項に記載のバイオリアクター細胞培養システム。
  8. マイクロコンパートメントのすべてまたは一部が、嚢胞に自己組織化された細胞を含む、請求項1からのいずれか一項に記載のバイオリアクター細胞培養システム。
  9. マイクロコンパートメントのすべてまたは一部が、オルガノイドに自己組織化された細胞を含む、請求項1からのいずれか一項に記載のバイオリアクター細胞培養システム。
  10. 自己組織化細胞は、前駆細胞、幹細胞、多能性細胞、およびそれらの混合物から選択される、請求項1から9のいずれか一項に記載のバイオリアクター細胞培養システム。
  11. 自己組織化細胞は、ヒト哺乳動物由来の多能性幹細胞、それらの前駆細胞、またはそれらの混合物から選択される、請求項1から10のいずれか一項に記載のバイオリアクター細胞培養システム。
  12. バイオリアクターが、バッチモードバイオリアクター、フェドバッチモードバイオリアクターおよび連続モードバイオリアクター、好ましくは連続(潅流)モードバイオリアクターから選択される、請求項1から11のいずれか一項に記載のバイオリアクター細胞培養システム。
  13. チャンバーが1mLから10,000Lの間で構成される容積を有する、請求項1から12のいずれか一項に記載のバイオリアクター細胞培養システム。
  14. マイクロコンパートメントが、0.01容積%から98容積%の細胞を含む、請求項1から13のいずれか一項に記載のバイオリアクター細胞培養システム。
  15. マイクロコンパートメントの細胞が、すべて同じ細胞型である、請求項1から14のいずれか一項に記載のバイオリアクター細胞培養システム。
  16. マイクロコンパートメントの細胞が、少なくとも2つの異なる細胞型である、請求項1から15のいずれか一項に記載のバイオリアクター細胞培養システム。
  17. マイクロコンパートメントがすべて、同じ細胞型を含む、請求項1から16のいずれか一項に記載のバイオリアクター細胞培養システム。
  18. マイクロコンパートメントが、少なくとも部分的に異なる細胞型を有する、請求項1から17のいずれか一項に記載のバイオリアクター細胞培養システム。
  19. 目的のオルガノイドまたは細胞の産生のためのプロセスであって、
    -複数の細胞マイクロコンパートメントをバイオリアクターに導入する工程、ここで、前記マイクロコンパートメントはそれぞれ、細胞および細胞外マトリックスまたは細胞外マトリックス代替物をカプセル化する外側のヒドロゲル層を含む;
    -マイクロコンパートメントを、マイクロコンパートメント内の細胞の増殖、および/またはオルガノイドへの細胞の自己組織化を可能にする条件下で培養する工程;
    -細胞マイクロコンパートメントを回収する工程
    -および所望により、オルガノイドまたは細胞を回収するために、ヒドロゲル層を加水分解する工程
    を含む、プロセス。
  20. 導入された細胞マイクロコンパートメントが多能性細胞を含み、前記プロセスが、バイオリアクターの内部で、少なくとも1つの目的の細胞型への細胞分化の工程、および所望によりマイクロコンパートメントにおいて前記分化した細胞の増殖の工程を含む、請求項19に記載のプロセス。
  21. 導入された細胞マイクロコンパートメントが、すでに分化した細胞または前駆細胞を含み、前記プロセスが、バイオリアクターの内部で、マイクロコンパートメントにおいて前記分化した細胞の増殖および/または成熟の工程を含む、請求項19または20に記載のプロセス。
  22. バイオリアクターに導入されたマイクロコンパートメントが、マイクロコンパートメントの内部容積の10%未満の占有の最初の細胞密度を有する、請求項18から21のいずれか一項に記載のプロセス。
  23. バイオリアクターにおける培養工程の最後に回収されたマイクロコンパートメントが、マイクロコンパートメントの内部容積の10%以上の占有の細胞密度を有する、請求項18から22のいずれか一項に記載のプロセス。
  24. 回収された細胞のマイクロコンパートメントの外側のヒドロゲル層の厚さは、該マイクロコンパートメントの半径の5から40%を示し、そして回収された細胞のマイクロコンパートメントからの細胞外マトリックス層または細胞外マトリックス代替物の厚さは、該マイクロコンパートメントの半径の5から80%を示す、請求項18から23のいずれか一項に記載のプロセス。
  25. バイオリアクターに導入されたマイクロコンパートメントは、該マイクロコンパートメントの内部容積の10%未満の占有の細胞密度を有し、そして回収されたマイクロコンパートメントは、細胞の10容積%から98容積%を含む、請求項18から24のいずれか一項に記載のプロセス。
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