JPWO2019208519A1 - 蓄冷材組成物、蓄冷材および輸送容器 - Google Patents

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Abstract

−80℃〜−65℃の範囲内の様々な管理温度領域で、温度管理対象物品を温度保持可能である、蓄冷材組成物等を提供することを目的とする。水、カルシウムイオン、臭化物イオン、およびアンモニウムイオンを含み、−80℃〜−65℃の範囲内に融解温度を有する蓄冷材組成物により、課題を解決する。

Description

本発明は、蓄冷材組成物、蓄冷材および輸送容器に関する。
従来、潜熱を利用した様々な蓄熱材組成物または蓄冷材組成物が知られており(例えば、特許文献1および5〜7参照)、これら蓄熱材組成物または蓄冷材組成物は冷暖房システムまたは物品の保管および運搬等様々な分野で用いられている。
例えば、病院等の医療機関で取り扱われる医薬品および検体等、並びにスーパーマーケット等で取り扱われる食品等の中には、その品質を保持するため、輸送または保管時に所定の時間、所定の温度範囲内に保温される必要があるものがある。
従来、医薬品、医療機器、細胞、検体、臓器、化学物質または食品等の物品を保温した状態で輸送または保管する方法としては、次のような方法があげられる。すなわち、断熱性を有する容器内に、予め凍結および凝固させた蓄冷材を配置して保温容器とし、当該蓄冷材の融解潜熱を利用して、保温容器内に収容した物品を温度保持した状態で、輸送または保管する方法である。前述の保温の対象となる物品(以下、「温度管理対象物品」と称する場合がある。)を、所定の温度(以下、「管理温度」と称する場合がある。)範囲内に長時間維持するためには、所定の温度範囲内に融解温度を有する蓄冷材を用いることが好ましいとされている。
温度管理対象物品の中には、−30℃以下、好ましくは−50℃以下、より好ましくは−60℃以下、さらに好ましくは−70℃以下等の管理温度下で輸送することが必要となるものがある。これらの管理温度を満たすため、従来は、蓄冷材としてドライアイスが使用されてきた。しかし、ドライアイスは安価で汎用性があるものの、昇華(固体から気体への相転移)による体積膨張が起こり、輸送、特に航空輸送においては危険物としての取り扱いとなるため、保温容器(輸送容器)に用いる蓄冷材として積載量が制限される等の問題がある。
低温領域で使用可能であり、気体への相転移を伴わない蓄冷材としては、水と特定の無機塩を含む無機塩水溶液を利用した蓄冷材組成物が開示されている。
例えば、特許文献2では、水に塩化カルシウム15重量%(混合後、1.3モル%)および塩化マグネシウム5重量%(混合後、0.5モル%)を混合して、融解温度が−47.5℃である蓄冷材組成物が開示されている。
また、特許文献3では、水100モルに対して、塩化カルシウムを6モル(蓄冷材組成物の全モル量に対して5.6モル%)、塩化ナトリウムを2モル(蓄冷材組成物の全モル量に対して1.9モル%)を含み、且つ増粘剤として蓄冷材組成物の全重量に対して、高粘度タイプのヒドロキシエチルセルロースを1重量%含んだ、融解温度が−54.7℃である蓄冷材組成物が開示されている。
また、特許文献4では、無機塩を共晶点における溶質濃度以下の濃度に溶解した水溶液を凍結開始温度より低く、かつ共晶点より高い温度まで冷却することにより水溶液の一部に氷を析出させたスラリ状の蓄冷材であって、流動性を備えると共に、冷凍温度域(−18℃以下)において相変化(融解)することを特徴とする蓄冷材が開示されている。
特開2004−307772号公報 特開2002−371269号公報 国際公開公報WO2016/204284 特開平7−26250号公報 特開平6−158362号公報 特開2011−196580号公報 特開昭62−30182号公報
しかしながら、上述した従来の蓄冷材組成物では、依然として改善の余地が存在していた。
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、−80℃〜−65℃の範囲内の様々な管理温度領域で、温度管理対象物品を温度保持可能である、新規の蓄冷材組成物、当該蓄冷材組成物を備えた蓄冷材、および当該蓄冷材を備えた輸送容器を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、水、カルシウムイオン、臭化物イオン、およびアンモニウムイオンを含むことにより、−80℃〜−65℃の範囲内に融解温度を有する蓄冷材組成物が得られる、という新規知見を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の一実施形態は、水、カルシウムイオン、臭化物イオン、およびアンモニウムイオンを含み、−80℃〜−65℃の範囲内に融解温度を有する蓄冷材組成物である。
また、本発明の一実施形態は、水、臭化カルシウム、および臭化アンモニウムを含み、−80℃〜−65℃の範囲内に融解温度を有する蓄冷材組成物である。
本発明の一実施形態によれば、−80℃〜−65℃の範囲内の様々な管理温度領域で、温度管理対象物品を温度保持可能である、という効果を奏する。
恒温槽内に、本発明の一実施形態に係る凝固状態の蓄冷材組成物を設置した後、恒温槽の温度を、極低温から一定の昇温速度で温度上昇させた場合の、蓄冷材組成物の温度を時間に対してプロットしたグラフである。 (a)は本発明の一実施形態に係る蓄冷材の一例を、概略的に示す斜視図であり、(b)は本発明の一実施形態に係る輸送容器の一例を、概略的に示す分解斜視図である。 (a)は本発明の一実施形態に係る輸送容器の内部を概略的に示す斜視図であり、(b)は(a)のA−A線断面を模式的に表す断面図である。
本発明の一実施形態について以下に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、以下に説明する各構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能である。本発明はまた、異なる実施形態や実施例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態や実施例についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。なお、本明細書中に記載された学術文献および特許文献の全てが、本明細書中において参考文献として援用される。また、本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A〜B」は、「A以上(Aを含みかつAより大きい)B以下(Bを含みかつBより小さい)」を意図する。
〔1.本発明の一実施形態の技術的思想〕
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、融解温度以上であり、かつ、液化した状態において、水、カルシウムイオン、臭化物イオン、およびアンモニウムイオンを含むことにより、−80℃〜−65℃の範囲内に融解温度を有する蓄冷材組成物を開発し、本発明に至った。また、本発明者らは、水、カルシウムイオン、臭化物イオン、およびアンモニウムイオンを含み、かつ、塩化物イオンをさらに含む蓄冷材組成物を作製した。その結果、添加する塩化物イオンの量に依存して、蓄冷材組成物の融解温度を変化させることができることを、独自に、初めて見出した。また、本発明者らは、水、カルシウムイオン、臭化物イオン、およびアンモニウムイオンを含み、かつ、塩化物イオンを実質的に含まない蓄冷材組成物を作製した。その結果、従来の蓄冷材組成物と比較して非常に低温(例えば−70℃以下)の融解温度を有する蓄冷材組成物を得ることができることを、独自に、初めて見出した。
〔2.蓄冷材組成物〕
本発明の一実施形態に係る蓄冷材組成物は、水、カルシウムイオン、臭化物イオン、およびアンモニウムイオンを含み、−80℃〜−65℃の範囲内に融解温度を有する。上記構成により、本発明の一実施形態に係る蓄冷材組成物は、下記(1)〜(4)の利点を有する。
利点(1)再現性良く、且つ安定的に、蓄冷材組成物の融解温度を−80℃〜−65℃に調整することが可能であるため、−80℃〜−65℃の範囲内の様々な管理温度領域で、温度管理対象物品を温度保持し、当該温度管理対象物品の保管または輸送を可能とすること、
利点(2)ドライアイスの代替材として使用可能であること、
利点(3)凍結時の体積膨張が小さいこと、および
利点(4)蓄冷材組成物の取り扱いが容易であること。
本明細書中では、「本発明の一実施形態に係る蓄冷材組成物」を、単に「本蓄冷材組成物」と称する場合もある。すなわち、用語「本蓄冷材組成物」は、本発明における蓄冷材組成物の一実施形態を意図する。
本蓄冷材組成物は、蓄冷材組成物が凝固状態(固体)から溶融状態(液体)に相転移する間(換言すれば、融解する間)に熱エネルギーを吸収することによって、潜熱型の蓄冷材として利用できるものである。本蓄冷材組成物は、「融解型潜熱蓄冷材組成物」、ともいえる。なお、溶融状態には後述する「ゲル状」も含まれる。
本蓄冷材組成物に含まれるイオンの種類および量は、当該蓄冷材組成物が融解温度以上の液化した状態において、本蓄冷材組成物中に存在するイオンの種類および量を意図するものである。なお、「液化した状態」には「ゲル化した状態」も含まれる。「ゲル化」については、後に詳述する。本蓄冷材組成物に含まれるイオンの種類および量は、例えば、室温(例えば30℃)にて、イオンクロマトグラフィーの手法を用いて測定することができる。測定方法としては、公知の方法を用いることができる。また、例えば、以下の(1)または(2)等の方法によって、室温において解離し得る特定のイオンを含む混合物を形成させる混合工程を行い、上記イオンが除去されることなく蓄冷材組成物を製造する場合を考える:(1)室温において解離し得る特定の化合物と水とを混合すること;または(2)室温において解離し得る特定の化合物を含む水溶液同士を混合すること。この場合には、混合工程で使用した、特定の化合物の化学式および添加量から、得られた蓄冷材組成物に含まれるイオンの種類および量を理論的に計算して算出してもよい。本明細書において、「解離」とは、「電離」および「イオン化」を意図する。用語「解離」と「電離」と「イオン化」は相互置換可能である。
また、本蓄冷材組成物は、30℃において解離していない(イオンになっていない)カルシウム塩、臭化物塩、およびアンモニウム塩等の化合物を含んでいてもよい。本蓄冷材組成物に含まれる化合物が30℃において解離していない場合には、当該化合物がカルシウム元素、および臭素元素等を含む化合物であっても、当該化合物の含有量は、本蓄冷材組成物が含むカルシウムイオン、臭化物イオン、およびアンモニウムイオン等のイオンの量に影響を与えない。
以下では、まず、本蓄冷材組成物に含まれる成分について説明し、次いで、本蓄冷材組成物の物性(例えば、融解温度)および製造方法について説明する。
〔2−1.蓄冷材組成物に含有される成分〕
本蓄冷材組成物は、水、カルシウムイオン、臭化物イオン、およびアンモニウムイオンを含むものであればよく、その他の構成は特に限定されるものではない。本蓄冷材組成物は、上記構成を有することにより、上述した利点(1)〜利点(4)の各利点を有する。
本蓄冷材組成物が含む(A)カルシウムイオンの量、(B)臭化物イオンの量、および(C)アンモニウムイオンの量は、それぞれ特に限定されるものではないが、それぞれ以下の態様であることが好ましい:
(A)カルシウムイオンの量としては、本蓄冷材組成物は、水100モルに対して、カルシウムイオンを0.1モル〜18モル含むことが好ましく、1モル〜15モル含むことがより好ましく、1モル〜10モル含むことがさらに好ましく、3モル〜9モル含むことが特に好ましい;
(B)臭化物イオンの量としては、本蓄冷材組成物は、水100モルに対して、臭化物イオンを1モル〜25モル含むことが好ましく、5モル〜25モル含むことがより好ましく、10モル〜25モル含むことがさらに好ましく、13モル〜24モル含むことが特に好ましい;
(C)アンモニウムイオンの量としては、本蓄冷材組成物は、水100モルに対して、アンモニウムイオンを1モル〜20モル含むことが好ましく、1モル〜12モル含むことがより好ましく、2モル〜10モル含むことがさらに好ましく、3モル〜8モル含むことが特に好ましい。
本蓄冷材組成物が含む(A)カルシウムイオンの量、(B)臭化物イオンの量、および/または(C)アンモニウムイオンの量(A)が、上述した好ましい態様の範囲内である場合、得られる蓄冷材組成物は、以下の利点を有する:(a)−80℃〜−65℃の範囲内にて、定温保持性能がより安定的に、かつ、より再現性良く発現すること;(b)凍結時の体積膨張がより小さいこと;および(c)蓄冷材組成物の取り扱いがより容易であること。なお、「定温保持性能」については、後述する。
本蓄冷材組成物では、当該蓄冷材組成物に含まれるカルシウムイオン、臭化物イオン、およびアンモニウムイオンのモル比率(カルシウムイオンのモル量:臭化物イオンのモル量:アンモニウムイオンのモル量)が、1:0.5〜6:0.1〜5であることが好ましく、1:1〜4:0.1〜4であることがより好ましく、1:1.5〜4:0.1〜3であることがさらに好ましく、1:1.5〜3:0.5〜2であることが特に好ましい。上記構成によれば、得られる蓄冷材組成物は、−80℃〜−65℃の範囲内にて、定温保持性能がより安定的に、かつ、より再現性良く発現すること等の利点を有する。
本蓄冷材組成物は、塩化物イオンをさらに含んでいてもよい。水、カルシウムイオン、臭化物イオン、およびアンモニウムイオンを含む本蓄冷材組成物が塩化物イオンをさらに含む場合、塩化物イオンの濃度に依存して、当該蓄冷材組成物の融解温度は変化し得る。すなわち、水、カルシウムイオン、臭化物イオン、およびアンモニウムイオンを含む本蓄冷材組成物に対して添加する塩化物イオンの量を調節することにより、所望の融解温度を有する蓄冷材組成物を得ることができる。
本蓄冷材組成物が、水、カルシウムイオン、臭化物イオン、およびアンモニウムイオンに加えて、さらに塩化物イオンを含む場合を考える。この場合、本蓄冷材組成物が含む塩化物イオンは、水100モルに対して、9モル未満であることが好ましく、1モル未満であることが特に好ましい。本蓄冷材組成物が、水、カルシウムイオン、臭化物イオン、およびアンモニウムイオンに加えて、さらに塩化物イオンを上記好ましい態様範囲に基づき含む場合、当該蓄冷材組成物は、以下の利点を有する:(1)−80℃〜−65℃の範囲内にて、定温保持性能がより長時間発現すること、および、塩化物イオンの含有量に依存して融解温度をコントロールできること。
本蓄冷材組成物は、塩化物イオンを実質的に含まないものであってもよい。本明細書において「塩化物イオンを実質的に含まない蓄冷材組成物」とは、蓄冷材組成物の製造過程において、塩化物イオンを含まないことを意図して製造された蓄冷材組成物を指す。故に、例えば、臭化カルシウムおよび臭化アンモニウム等の、塩素元素を含まない化合物を用いて蓄冷材組成物を製造した結果、当該化合物に極微量に混入していた塩化物塩が得られた蓄冷材組成物に含まれたとしても、得られた蓄冷材組成物は、塩化物イオンを実質的に含まない蓄冷材組成物とみなす。
また、塩化物イオンを実質的に含まない蓄冷材組成物を製造する場合、高品質の試薬を用いることによって、得られる蓄冷材組成物における意図しない塩化物イオンの混入を防ぐことができる。また、塩化物イオンを実質的に含まない蓄冷材組成物を製造する場合、得られる蓄冷材組成物に対する意図しない塩化物イオンの混入、すなわち不可避的な塩化物イオンの混入は、極微量であると考えられる。故に、塩化物イオンを実質的に含まない蓄冷材組成物において、塩化物イオンの含有量は、水100モルに対して0.05モル以下であるともいえる。なお、「塩化物イオンを実質的に含まない蓄冷材組成物」であるか否かは、例えば、融解温度以上の液化した状態の本蓄冷材組成物をイオンクロマトグラフィーの手法を用いて分析することによって確認することができる。
本蓄冷材組成物が、塩化物イオンを実質的に含まない場合、従来の蓄冷材組成物と比較して非常に低温の温度領域(例えば、−75℃〜−68℃等の極低温の範囲内)にて、定温保持性能がより安定的に、かつ、より再現性良く発現すること、等の利点を有する。さらに、本蓄冷材組成物が塩化物イオンを実質的に含まない場合には、当該蓄冷材組成物の融解温度は蓄冷材組成物が含むカルシウムイオン、臭化物イオン、およびアンモニウムイオンの含有量にほとんど影響を受けない、との利点を有する。
本蓄冷材組成物において、カルシウムイオンの供与形態は特に限定されない。なお、「供与形態」は「供与源」、または「由来」とも言い換えることができ、用語「供与形態」、「供与源」および「由来」は、相互置換可能である。カルシウムイオンの供与形態としては、例えば、フッ化カルシウム、塩化カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム、酸化カルシウム、硫化カルシウム、窒化カルシウム、リン化カルシウム、炭化カルシウム、およびホウ化カルシウム、等のカルシウム塩をあげることができる。これらカルシウム塩は、1種を単独で使用しても良いし、複数種を組み合わせて使用しても良い。化合物の取り扱いの容易性に優れること、安全性に優れること、および化合物が安価であること等から、本蓄冷材組成物では、カルシウムイオンは、塩化カルシウム由来、および/または臭化カルシウム由来であることが好ましい。カルシウムイオンの供与形態が、塩化カルシウム、および/または臭化カルシウムである場合、得られる蓄冷材組成物は、以下の利点を有する:(a)−80℃〜−65℃の範囲内にて、定温保持性能がより安定的に、かつ、より再現性良く発現すること;(b)凍結時の体積膨張がより小さいこと;および(c)蓄冷材組成物の取り扱いがより容易であること。なお、本蓄冷材組成物がカルシウムイオンの供与源として、(a)塩化カルシウムを含む場合、得られる蓄冷材組成物は塩化物イオンを含み得、(b)塩化カルシウムを含まない場合(例えば、カルシウムイオンの供与源が臭化カルシウムである場合)、得られる蓄冷材組成物は塩化物イオンを含まない場合もある。
本蓄冷材組成物において、アンモニウムイオンの供与形態は特に限定されない。アンモニウムイオンの供与形態としては、例えば、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム、ヨウ化アンモニウム、および硫酸アンモニウム、等のアンモニウム塩をあげることができる。これらアンモニウム塩は、1種を単独で使用しても良いし、複数種を組み合わせて使用しても良い。化合物の取り扱いの容易性に優れること、および安全性に優れること等から、本蓄冷材組成物では、アンモニウムイオンは、塩化アンモニウム由来、および/または臭化アンモニウム由来であることが好ましい。アンモニウムイオンの供与形態が、塩化アンモニウムおよび/または臭化アンモニウムである場合、得られる蓄冷材組成物は、以下の利点を有する:(a)−80℃〜−65℃の範囲内にて、定温保持性能がより安定的に、かつ、より再現性良く発現すること;(b)凍結時の体積膨張がより小さいこと;および(c)蓄冷材組成物の取り扱いがより容易であること。なお、本蓄冷材組成物がアンモニウムイオンの供与源として、(a)塩化アンモニウムを含む場合、得られる蓄冷材組成物は塩化物イオンを含み得、(b)塩化アンモニウムを含まない場合(例えば、アンモニウムの供与源が臭化アンモニウムである場合)、得られる蓄冷材組成物は塩化物イオンを含まない場合もある。
本蓄冷材組成物において、臭化物イオンの供与形態は特に限定されない。臭化物イオンの供与形態としては、例えば、臭化アンモニウム、臭化カリウム、臭化ナトリウム、臭化カルシウム、臭化リチウム、臭化マグネシウム、および臭化亜鉛、等の臭化物塩をあげることができる。これら臭化物塩は、1種を単独で使用しても良いし、複数種を組み合わせて使用しても良い。化合物の取り扱いの容易性に優れること、および安全性に優れること等から、本蓄冷材組成物では、臭化物イオンは、臭化アンモニウム、臭化カリウム、臭化ナトリウム、および臭化カルシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の臭化物塩に由来することが好ましく、臭化カルシウム由来、および/または臭化アンモニウム由来であることがより好ましい。上記構成によれば、得られる蓄冷材組成物は、以下の利点を有する:(a)−80℃〜−65℃の範囲内にて、定温保持性能がより安定的に、かつ、より再現性良く発現すること;(b)凍結時の体積膨張がより小さいこと;および(c)蓄冷材組成物の取り扱いがより容易であること。また、臭化カルシウムは医薬品の原料にも利用されるほど安全であり、かつ、取り扱いが容易である。故に、本蓄冷材組成物の臭化物イオンは、臭化カルシウム由来であることがさらに好ましい。
本蓄冷材組成物が塩化物イオンを含む場合(以下、場合Aとする)について説明する。場合Aにおいて、本蓄冷材組成物における、塩化物イオンの供与形態(換言すれば、由来)は特に限定されない。塩化物イオンの供与形態としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化アンモニウム、塩化リチウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、および塩化アルミニウム、等の塩化物塩をあげることができる。これら塩化物塩は、1種を単独で使用しても良いし、複数種を組み合わせて使用しても良い。塩化カルシウムは、一般的に融雪剤として使用され得る。故に、化合物の取り扱いの容易性に優れること、および化合物が安価であること等から、場合Aにおいて、本蓄冷材組成物における、塩化物イオンは塩化カルシウム由来であることが好ましい。塩化物イオンの供与形態が、塩化カルシウムである場合には、得られる蓄冷材組成物は、以下の利点を有する:(a)−80℃〜−65℃の範囲内にて、定温保持性能がより安定的に、かつ、より再現性良く発現すること;(b)凍結時の体積膨張がより小さいこと;および(c)蓄冷材組成物の取り扱いがより容易であること。
本蓄冷材組成物が水、カルシウムイオン、臭化物イオン、およびアンモニウムイオンに加えて、さらに塩化物イオンを含む場合、当該蓄冷材組成物を製造するための化合物の組み合わせとしては、例えば次の、(A1)〜(A10)の組み合わせが挙げられる:(A1)塩化カルシウム、臭化カルシウムおよび塩化アンモニウム;(A2)塩化カルシウム、臭化カルシウム、および臭化アンモニウム;(A3)臭化カルシウム、臭化アンモニウムおよび塩化アンモニウム;(A4)塩化カルシウムおよび臭化アンモニウム;(A5)塩化アンモニウムおよび臭化カルシウム;(A6)塩化カルシウム、任意の臭化物塩、および任意のアンモニウム塩;(A7)臭化カルシウム、任意のアンモニウム塩、および任意の塩化物塩;(A8)塩化アンモニウム、任意のカルシウム塩、および任意の臭化物塩;(A9)臭化アンモニウム、任意のカルシウム塩、および任意の塩化物塩;ならびに(A10)任意のカルシウム塩、任意の塩化物塩、任意の臭化物塩、および任意のアンモニウム塩。
上記(A1)〜(A10)の化合物の組み合わせにおいて、各々の化合物量を特定量配合することによって、水、カルシウムイオン、臭化物イオン、およびアンモニウムイオンに加えて、さらに塩化物イオンを含む本蓄冷材組成物を作製することができる。
本蓄冷材組成物において、カルシウムイオン、臭化物イオン、およびアンモニウムイオンの由来が、それぞれ、カルシウム塩、臭化物塩、およびアンモニウム塩である場合を考える。本蓄冷材組成物における、(A)カルシウム塩の配合量、(B)臭化物塩の配合量、および(C)アンモニウム塩の配合量は、それぞれ特に限定されるものではないが、それぞれ、以下の態様であることが好ましい:
(A)カルシウム塩の配合量は、蓄冷材組成物が含む水100モルに対して、0.1モル〜18モルの範囲内であることが好ましく、1モル〜12モルの範囲内であることがより好ましく、2モル〜12モルの範囲内であることがさらに好ましく、5モル〜9モルの範囲内であることが特に好ましい;
(B)臭化物塩の配合量は、蓄冷材組成物が含む水100モルに対して、0.1モル〜25モルの範囲内であることが好ましく、1モル〜20モルの範囲内であることがより好ましく、5モル〜18モルの範囲内であることがさらに好ましく、8モル〜15モルの範囲内であることが特に好ましい;
(C)アンモニウム塩の配合量は、蓄冷材組成物が含む水100モルに対して、1モル〜20モルの範囲内であることが好ましく、2モル〜15モルの範囲内であることがより好ましく、3モル〜10モルの範囲内であることがさらに好ましく、5モル〜8モルの範囲内であることが特に好ましい。
(A)カルシウム塩の配合量、(B)臭化物塩の配合量、および/または(C)アンモニウム塩の配合量が、上述した好ましい態様の範囲内である場合、得られる蓄冷材組成物は、以下の利点を有する:(a)−80℃〜−65℃の範囲内にて、定温保持性能がさらに安定的に、かつ、さらに再現性良く発現すること;(b)凍結時の体積膨張がさらに小さいこと;および(c)蓄冷材組成物の取り扱いがさらに容易であること。
本蓄冷材組成物が水、カルシウムイオン、臭化物イオン、およびアンモニウムイオンに加えて、さらに塩化物イオンを含み、かつ、塩化物イオンの由来が塩化物塩である場合を考える。本蓄冷材組成物における、塩化物塩の配合量は、特に限定されるものではないが、蓄冷材組成物が含む水100モルに対して、0モルより多く9モル未満であることが好ましい。上記構成によれば、得られる蓄冷材組成物は、以下の利点を有する:(a)−80℃〜−65℃の範囲内にて、定温保持性能がさらに安定的に、かつ、さらに再現性良く発現すること;(b)凍結時の体積膨張がさらに小さいこと;および(c)蓄冷材組成物の取り扱いがさらに容易であること。
本明細書において、「配合」は、「添加」または「使用」とも言える。また、「配合」、「添加」および「使用」は製造における用語であり、製造により得られた物質における「含有」ともいえる。本明細書において、用語「配合」、「添加」、「使用」および「含有」は相互置換可能であり、用語「配合量」、「添加量」、「使用量」および「含有量」は相互置換可能である。
本蓄冷材組成物が塩化物イオンを実質的に含まない場合、当該蓄冷材組成物を製造するための化合物の組み合わせとしては、例えば次の、(B1)〜(B4)の組み合わせが挙げられる:(B1)臭化カルシウムおよび臭化アンモニウム;(B2)臭化カルシウムおよび、塩化アンモニウム以外の任意のアンモニウム塩;(B3)臭化アンモニウムおよび、塩化カルシウム以外の任意のカルシウム塩;ならびに(B4)塩化カルシウム以外の任意のカルシウム塩、任意の臭化物塩、および塩化アンモニウム以外の任意のアンモニウム塩。
上記(B1)〜(B4)の化合物の組み合わせにおいて、各々の化合物量を特定量配合することによって、水、カルシウムイオン、臭化物イオン、およびアンモニウムイオンを含み、塩化物イオンを実質的に含まない本蓄冷材組成物を作製することができる。
本蓄冷材組成物が塩化物イオンを実質的に含まない場合、当該蓄冷材組成物は、上記(B1)の化合物の組み合わせ、すなわち臭化カルシウムおよび臭化アンモニウムの組み合わせにより、製造されることが好ましい。上記構成であれば、得られる蓄冷材組成物は、以下の利点を有する:(a)−75℃〜−68℃の範囲内にて、定温保持性能がさらに安定的に、かつ、さらに再現性良く発現すること;(c)凍結時の体積膨張がさらに小さいこと;および(d)蓄冷材組成物の取り扱いがさらに容易であること。
本発明の別の一実施形態に係る蓄冷材組成物は、水、臭化カルシウム、および臭化アンモニウムを含み、−80℃〜−65℃の範囲内に融解温度を有する。上記構成により、本発明の別の一実施形態に係る蓄冷材組成物は、上述した(1)〜(4)の利点を有する。
本発明の別の一実施形態に係る蓄冷材組成物において、(A)臭化カルシウムの含有量、(B)臭化アンモニウムの含有量、および(C)臭化カルシウムと臭化アンモニウムとのモル比率(臭化カルシウム/臭化アンモニウム)は、それぞれ特に限定されるものではないが、それぞれ以下の態様であることが好ましい:
(A)臭化カルシウムの含有量は、蓄冷材組成物が含む水100モルに対して、0.1モル〜18モルの範囲内であることが好ましく、1モル〜15モルの範囲内であることがより好ましく、3モル〜12モルの範囲内であることがさらに好ましく、5モル〜9モルの範囲内であることが特に好ましい;
(B)臭化アンモニウムの含有量は、蓄冷材組成物が含む水100モルに対して、1モル〜25モルの範囲内であることが好ましく、1モル〜15モルの範囲内であることがより好ましく、3モル〜12モルの範囲内であることがさらに好ましく、5モル〜10モルの範囲内であることが特に好ましい;
(C)臭化カルシウムと臭化アンモニウムとのモル比率(臭化カルシウム/臭化アンモニウム)は、0.1〜4の範囲内であることが好ましく、0.3〜3の範囲内であることがより好ましく、0.5〜2の範囲内であることがさらに好ましく、0.6〜1.7の範囲内であることが特に好ましい。
(A)臭化カルシウムの含有量、(B)臭化アンモニウムの含有量、および/または(C)臭化カルシウムと臭化アンモニウムとのモル比率(臭化カルシウム/臭化アンモニウム)が、上述した好ましい態様の範囲内である場合、得られる蓄冷材組成物は、以下の利点を有する:(a)−80℃〜−65℃の範囲内にて、定温保持性能がより安定的に、かつ、より再現性良く発現すること;および(b)蓄冷材組成物の取り扱いがより容易であること。
本発明の一実施形態では、蓄冷材組成物に使用されるかまたは含まれる化合物は、特に限定されるものではないが、有害なヒュームの発生の懸念がなく、および/または、強アルカリおよび強酸等の性質を有さないことが好ましい。上記構成であれば、本蓄冷材組成物の製造および取り扱いが容易になるという利点を有する。換言すれば、本明細書中において、「取扱いが容易である」ことは、蓄冷材組成物に使用されるかまたは含まれる化合物、および蓄冷材組成物それ自身が、有害なヒュームの発生の懸念がなく、および/または、強アルカリおよび強酸等の性質を有さないことを意図する。例えば、上記した特許文献4には、水と混合することで−60℃以下に共晶点を有する無機塩として、塩化亜鉛および水酸化カリウムが記載されている。しかしながら、塩化亜鉛は有害なヒュームを発生し得、水酸化カリウムは強アルカリであるため、塩化亜鉛および水酸化カリウムは、取り扱いが困難な化合物といえる。
本蓄冷材組成物における水は、飲料水として使用可能な水であってもよく、例えば、軟水、硬水、および純水等であってもよい。
本発明の一実施形態に係る蓄冷材組成物は、後述するように、容器、または袋等に充填されて、蓄冷材を形成し、当該蓄冷材は、輸送容器内に配置されて使用され得る。しかしながら、輸送または運搬時に、蓄冷材を形成する容器等が破損した場合には、破損した容器等から、該容器内に充填されていた蓄冷材組成物が漏れ出すこととなる。この場合、温度管理対象物品を汚染して該温度管理対象物品を使用不可能にすること、等が懸念される。
そこで、輸送または運搬時に蓄冷材組成物が充填された容器等が破損した場合であっても、蓄冷材組成物の流出を最小限に防ぐために、本発明の一実施形態に係る蓄冷材組成物は、増粘剤を含有し、固体状(ゲル状を含む)となることが好ましい。
上記増粘剤としては、特に限定されないが、例えば、吸水性樹脂(例えば、澱粉系、アクリル酸塩系、ポバール系、およびカルボキシメチルセルロース系等)、アタパルジャイト粘土、ゼラチン、寒天、シリカゲル、キサンタンガム、アラビアガム、グアーガム、カラギーナン、セルロース、および蒟蒻等が挙げられる。
上記増粘剤としてはまた、イオン性の増粘剤であってもよく、またはノニオン性の増粘剤であってもよい。増粘剤としては、蓄冷材組成物に含まれるイオンに影響を与えないノニオン性の増粘剤を用いるのが好ましい。上記ノニオン性の増粘剤としては、例えば、グアーガム、デキストリン、ポリビニルピロリドン、およびヒドロキシエチルセルロース等が挙げられる。これらノニオン性の増粘剤の中でも、ゲルの安定性に優れており、かつ環境適合性の高いヒドロキシエチルセルロースが特に好ましい。
本蓄冷材組成物に含まれるカルシウムイオン、臭化物イオンおよびアンモニウムイオン、並びに本蓄冷材組成物に含まれる場合がある塩化物イオンは、それらの濃度に依存して、温度変化により経時的に、塩を形成する場合があり、形成された塩は、析出する場合がある。本蓄冷材組成物が、増粘剤を含む場合、増粘剤は蓄冷材組成物をゲル状にするだけでなく、蓄冷材組成物中に溶解しているイオンを効率的に分散することにより、塩の析出を防ぐことができる。
蓄冷材組成物が無機塩、または無機塩を形成し得るイオン、を含む場合には、含有する無機塩の濃度に依存して、温度変化により、経時的に、無機塩の析出が起こる場合がある。蓄冷材組成物が、増粘剤を含む場合、増粘剤は蓄冷材組成物をゲル状にするだけでなく、溶解している無機塩のイオンを効率的に分散することにより、無機塩を系内に留めることを可能とする。
本蓄冷材組成物が増粘剤を含む場合、以下(a)〜(c)の利点を有する:(a)増粘剤が蓄冷材組成物の融解および凝固の挙動に影響を与えることなく、蓄冷材組成物が高い融解潜熱量を維持することが可能となる;(b)蓄冷材組成物の使用が想定される環境温度下での昇降温試験後であっても、蓄冷材組成物において固相および液相の分離がない;(c)容器または袋等の破損による漏洩時の環境負荷、および回収時の作業負荷を低減することが可能となる。
蓄冷材組成物が増粘剤を含む場合、蓄冷材組成物は、当該蓄冷材組成物の融解温度以上の環境下において、ゲル化し得る。増粘剤を含む蓄冷材組成物は、凝固状態(固体)から溶融状態(ゲル状)に相転移し得る。
増粘剤は、使用する種類によって最適配合量が異なるが、(a)蓄冷材組成物が含むイオンからなる塩、および/または、蓄冷材組成物が含む化合物、の凝集および析出を防ぎ、(b)蓄冷材組成物の容器または袋への充填時に特殊なポンプ等を必要とせず、且つ、(c)蓄冷材組成物のハンドリング性が良い、という観点から、通常、蓄冷材組成物の100重量部に対して、0.1〜10重量部を添加することが好ましく、0.2〜5重量部を添加することがさらに好ましい。蓄冷材組成物は、ヒドロキシエチルセルロースを0.2〜5重量部含むことにより、流動性を抑えた透明なゲルとなり得る。
本蓄冷材組成物は、上記成分の他に、結晶核剤、相分離防止剤(例えば、オレイン酸、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、メタリン酸カリウム、ケイ酸ナトリウム、またはイソステアリン酸カリウム)、香料、着色剤、抗菌剤、高分子ポリマー、その他の有機化合物、または、その他の無機化合物等を、必要に応じて含有することができる。
結晶核剤としては、例えば、炭酸カルシウム、四ホウ酸ナトリウム10水和物、ケイ酸カルシウム等のケイ酸塩、および氷晶石等を挙げることができる。これら結晶核剤は、1種を単独で使用しても良いし、複数種を組み合わせて使用しても良い。本蓄冷材組成物が結晶核剤を含む場合には、得られる蓄冷材組成物は、−80℃〜−65℃の範囲内にて、定温保持性能がさらに安定的に、かつ、さらに再現性良く発現すること、等の利点を有する。
本蓄冷材組成物は、−80℃〜−65℃の範囲内に融解温度を有する限り、融解温度以上であり、かつ、液化した状態において、カルシウムイオン、臭化物イオン、およびアンモニウムイオン以外のその他物質および/またはその他イオンを含んでいてもよい。上記その他物質としては、例えば、軽金属および重金属などの金属が挙げられる。軽金属としては、アルミニウム、マグネシウム、ベリリウムおよびチタンなどが挙げられる。重金属としては、鉄、鉛、金、白金、銀、銅、クロム、カドミウム、水銀、亜鉛、ヒ素、マンガン、コバルト、ニッケル、モリブデン、タングステン、錫、ビスマス、ウランおよびプルトニウムなどが挙げられる。上記その他イオンとしては、カルシウムイオン、並びに、上述した軽金属および重金属からなる、軽金属イオンおよび重金属イオンなどの金属イオンが挙げられる。
本蓄冷材組成物の製造において使用する原料(化合物および水など)は、上述した金属および金属イオンを含んでいる場合がある。
〔2−2.蓄冷材組成物の物性〕
本発明の一実施形態に係る蓄冷材組成物は、−80℃〜−65℃の範囲内に融解温度を有する。
本明細書において蓄冷材組成物の「融解温度」とは、「固体状の蓄冷材組成物が融解し始めて液化する間に、当該蓄冷材組成物が呈する温度」のことを意図する。なお、上記「液化」には上述した「ゲル化」も含まれる。上記「融解温度」について、より具体的に、図1を用いて説明する。図1は、恒温槽内に、凝固状態の本発明の一実施形態に係る蓄冷材組成物を設置した後、当該恒温槽の温度を極低温から一定の昇温速度で温度上昇させた場合の、蓄冷材組成物の温度を時間に対してプロットしたグラフである。図1に示すように、一定速度で上昇していく恒温槽の温度と比較して、蓄冷材組成物の温度は、次の(1)〜(3)の順で変化する:(1)一定速度で上昇する;(2)温度Tにおいて蓄冷材組成物の潜熱によりほとんど変化しなくなり、温度Tから温度Tまで、定温を保持する;(3)温度Tを境に、上昇を再開する。本明細書において、温度Tを「融解開始温度」と称し、温度Tを「融解終了温度」と称する。温度Tと温度Tとの中点の温度Tを、本明細書において「融解温度」と定義する。
また、本発明の一実施形態に係る蓄冷材組成物について、蓄冷材組成物の潜熱作用により、融解開始温度Tから融解終了温度Tまで、融解開始温度T+3.0℃の範囲内で蓄冷材組成物の温度が維持される状態を「定温保持」と定義付ける。蓄冷材組成物が定温保持を示す場合、該蓄冷材組成物は「定温保持性がある」または「定温保持性能がある」といえる。蓄冷材組成物は、定温保持性または定温保持性能があることが好ましい。
本発明の一実施形態に係る蓄冷材組成物の融解温度は、−80℃〜−65℃の範囲内であれば、特に限定されず、様々な温度管理対象物品が必要とする様々な管理温度に合わせて、適宜設定し得る。例えば、医薬品、医療機器、細胞、検体、臓器、化学物質または食品等の各種物品の保管または輸送には、管理温度として−40℃以下が必要とされる場合がある。また温度管理対象物品のなかでも、バイオ医薬品(抗体等)、細胞、再生細胞、ワクチン、検体、遺伝子治療用ベクター等の保管または輸送には、管理温度として、−65℃以下が必要とされる場合があり、さらには−68℃以下が必要とされる場合もある。従って、より広範囲な温度管理対象物品に使用可能であるという観点から、本蓄冷材組成物は、好ましくは−75℃〜−68℃の範囲内に、融解温度を有するものである。本発明の一実施形態に係る蓄冷材も、蓄冷材組成物と同様に上記範囲内に、融解温度を有することが好ましい。
本明細書において、「液体状の蓄冷材組成物が凝固して固化するときに、当該蓄冷材組成物が呈する温度」のことを蓄冷材組成物の「凝固開始温度」と称する。すなわち、「凝固開始温度」とは、「液体状の蓄冷材組成物の凝固が開始されるときに、当該蓄冷材組成物が呈する温度」ともいえる。蓄冷材組成物の融解温度と凝固開始温度とは、一致する場合もあり、一致しない場合もある。
本発明の一実施形態に係る蓄冷材組成物の融解温度および凝固開始温度は、市販の温度コントロールユニットを備えた恒温槽中に測定試料を入れ、恒温槽の温度を一定の速度で上昇または下降させ、その間の試料温度を、熱電対を用いてモニターすることにより測定することができる。
〔2−3.蓄冷材組成物の製造方法〕
本発明の一実施形態に係る蓄冷材組成物を調製する方法としては、特に限定されず、公知の方法を採用することができる。例えば、以下の(i)および(ii)の方法によって、蓄冷材組成物を調製することができる:(i)上記(A1)〜(A8)の組み合わせの化合物、または、上記(B1)〜(B4)の組み合わせの化合物、を、タンブラー、またはリボンブレンダー等を用いて予め混合して混合物を作製する;その後(ii)当該混合物を容器へ移し、当該容器へ水を注ぎ入れ、容器を冷却しながらミキサー等で攪拌して、蓄冷材組成物を調製する。また、以下の(iii)および(iv)の方法によっても、蓄冷材組成物を調製することができる:(iii)上記(A1)〜(A8)の組み合わせの化合物、または、上記(B1)〜(B4)の組み合わせの化合物、の各々の化合物からなる水溶液を準備する;(iv)それら水溶液を混合することにより、蓄冷材組成物を調製する。
当該製造方法では、使用された化合物(例えば塩化カルシウム、臭化カルシウム、塩化アンモニウムおよび/または臭化アンモニウムなど)に由来する成分は、全て蓄冷材組成物に含まれ、かつ、全て室温において解離し得る。故に、得られる蓄冷材組成物が含み得るカルシウムイオン、臭化物イオン、アンモニウムイオンおよび塩化物イオンの量は、使用された化合物の使用量から理論的に計算して求めることができる。
〔3.蓄冷材〕
本発明の一実施形態に係る蓄冷材は、上述した蓄冷材組成物を備えるものであればよく、その他の構成、材料等については限定されるものではない。
本発明の一実施形態に係る蓄冷材は、該蓄冷材を形成する蓄冷材組成物が凝固状態(固体)から溶融状態(液体)に相転移する間(換言すれば、融解する間)に熱エネルギーを吸収することによって、潜熱型の蓄冷材として利用できるものである。本発明の一実施形態に係る蓄冷材は、融解型潜熱蓄冷材、ともいえる。なお、溶融状態には上述した「ゲル状」も含まれる。
本発明の一実施形態に係る蓄冷材の融解温度は、当該蓄冷材が備える蓄冷材組成物の融解温度と同一であるとみなすことができる。すなわち、本発明の一実施形態に係る蓄冷材の融解温度は、−80℃〜−65℃であり得る。
例えば、本発明の一実施形態に係る蓄冷材は、上述した蓄冷材組成物が容器または袋等に充填されたものであり得る。
上記容器または袋は、蓄冷材組成物による錆びおよび腐食に起因する、液漏れを防ぐという観点から、主に樹脂(例えば合成樹脂)で形成されたものであることが好ましい。上記樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ナイロンおよびポリエステル等が挙げられる。
これらの素材は、1種類を単独で使用してもよく、耐熱性およびバリアー性を高めるために、これらの素材のうち2種類以上を組み合わせて使用する(例えば、多層構造としたものを使用する等)こともできる。取り扱い、およびコストの点より、ポリエチレンからなる容器または袋を用いることが好ましい。
上記容器または袋の形状としては、特に限定されないが、容器または袋を介して蓄冷材組成物と温度管理対象物品またはその周辺の空間との間で効率良く熱交換を行うという観点から、厚みが薄く、且つ表面積を大きく確保できる形状が好ましい。これらの容器または袋に対して、蓄冷材組成物を充填することによって、蓄冷材を形成することができる。
なお、上記容器または袋のさらに具体的な例は、特開2015−78307号公報に開示の容器または袋を用いることができる。当該文献は、本明細書中において参考文献として援用される。
〔4.輸送容器〕
本発明の一実施形態に係る輸送容器は、上述した本発明の一実施形態に係る蓄冷材を備えたものであればよく、その他の具体的な構成、材料等については特に限定されるものではない。
本発明の一実施形態に係る輸送容器の一例を図2に示す。図2の(a)は、本発明の一実施形態に係る蓄冷材10を、概略的に示す斜視図であり、図2の(b)は、本発明の一実施形態に係る輸送容器1を、概略的に示す分解斜視図である。
図2の(a)および(b)に示すように、本実施形態の蓄冷材10の開口は、蓄冷材の蓋11によって塞がれている。蓄冷材10の中には、上記開口を介して本発明の一実施形態に係る蓄冷材組成物20が充填されており、該蓄冷材10は、断熱容器40内に収納または配置して使用することができる。
蓄冷材10及び蓄冷材の蓋11の素材としては、特に限定されず、従来公知のものを適宜使用することがきる。
上記断熱容器40は、例えば箱体41とその箱体の開口部410に嵌合する蓋42と、を用いることで、断熱性を有するよう構成される。
断熱容器40の素材としては、断熱性を有するものであれば特に限定されないが、軽量および安価であり、且つ結露を防止することができるという観点からは、発泡プラスチックが、好適に用いられる。断熱容器40の素材としてはまた、断熱性が非常に高く、温度保持時間が長く、且つ結露を防止することができるという観点からは、真空断熱材が、好適に用いられる。発泡プラスチックとしては、具体的には、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、AS樹脂又はABS樹脂等を発泡させたものが用いられる。また、真空断熱材としては、例えば、芯材にシリカ粉、グラスウール、またはガラス繊維等を用いたものが用いられる。さらに断熱容器40は、発泡プラスチックと真空断熱材との組合せにより構成されていてもよい。その場合には、(i)発泡プラスチックからなる箱体41および蓋42の外面もしくは内面を真空断熱材で覆う、または、(ii)発泡プラスチックからなる箱体41および蓋42を構成する壁の内部に真空断熱材を埋設させる、等の手段により、断熱性能の高い断熱容器40が得られる。
上記断熱容器40のさらに具体的な構成としては、特開2015−78307号公報に開示されている構成を用いることができる。当該文献は、本明細書中において参考文献として援用される。
図3の(a)は、輸送容器1の内部を概略的に示す斜視図であり、図3の(b)は、図3の(a)のA−A線断面を模式的に表す断面図である。
図2の(b)に示すように、断熱容器40は、箱体41と蓋42とを備え、本発明の一実施形態に係る輸送容器1は、断熱容器40と蓄冷材10とスペーサー6とを備えている。図2および図3に示すように、本発明の一実施形態に係る輸送容器1は、蓄冷材10を該輸送容器1内に収納または配置するときに、(1)箱体内の空間を覆う蓋42の表面、箱体の側面部412、および箱体の底面部411と、当該蓄冷材10との間の空間を埋めるために、且つ、(2)図3の(b)に示すように、温度管理対象物品を収容する空間5を確保するために、スペーサー6を備えることもできる。
スペーサー6の素材としては、特に限定されないが、例えば、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、AS樹脂またはABS樹脂並びにこれらの樹脂を発泡させた発泡プラスチックが用いられる。
本発明の一実施形態では、断熱容器40の内部に一対のスペーサー6を対向させて配置させている。本発明の一実施形態に係る輸送容器1は、スペーサー6を備えることにより、蓄冷材10の配置位置が定まるため、パッキングを容易に行うことを可能とする。輸送容器1が備えるスペーサー6の大きさおよび数は、特に限定されず、輸送容器1、蓄冷材10および温度管理対象物品の大きさ等によって、適宜設定されてもよい。
図2及び図3では、輸送容器1は10個の蓄冷材10を備えているが、輸送容器1が備える蓄冷材の数は1個以上であれば特に限定されない。温度管理対象物品を長時間および/または安定的に管理温度下で保管または輸送する観点から、輸送容器1が備えている蓄冷材10は、好ましくは2個以上、より好ましくは4個以上、さらに好ましくは6個以上、特に好ましくは10個以上である。輸送容器1が備える蓄冷材10の数は、蓄冷材10の大きさ、温度管理対象物品の保管または輸送時間、ならびに温度管理対象物品の保管または輸送時の外気温度等によって、適宜選択されてもよい。
図2及び図3では、輸送容器1は、温度管理対象物品を収容する空間5を1つ備えているが、輸送容器1が備える空間5の数は1個以上であれば特に限定されず、複数の空間5を備えていてもよい。例えば、1つの空間5の中に蓄冷材10および/またはスペーサー6を配置することにより、空間5を分割して使用してもよい。本発明の一実施形態に係る輸送容器の融解温度は、当該輸送容器が備える蓄冷材の融解温度を同一であるとみなすことができる。
本発明の一実施形態に係る輸送容器であれば、外気温度に左右されず、温度管理の必要な物品(温度管理対象物品)を、長時間にわたって、−80℃〜−65℃の範囲内に維持して保管または輸送できる。本発明の一実施形態に係る輸送容器は、例えば、温度管理の必要な細胞、医薬品、医療機器、検体、臓器、化学物質、もしくは食品等の各種物品の、保管または輸送に好適に使用できる。本発明の一実施形態に係る輸送容器は、温度管理対象物品のなかでも、管理温度として−65℃以下が必要とされ得る、バイオ医薬品(抗体等)、細胞、再生細胞、ワクチン、検体、遺伝子治療用ベクター等の保管または輸送により好適に使用できる。さらに、物品を−65℃以下に維持して保管または輸送する、本発明の一実施形態に係る輸送容器の使用用途としては、(a)細胞の輸送(例えば、細胞培養センター内での凍結細胞の輸送、細胞バンクから細胞培養センター等への凍結細胞の施設間輸送等)および、(b)細胞の保管(例えば、無菌室またはクリーンベンチでの凍結細胞の一時保管、細胞バンクまたは細胞培養センター等で使用されるディープフリーザーが停電したときの細胞の保管(バックアップ)等)等が挙げられる。上述のように、本発明の一実施形態に係る輸送容器は、温度管理対象物品を、長時間にわたって、−80℃〜−65℃の範囲内に維持することができることから、「保温容器」ともいえる。
〔5.蓄冷材組成物の使用方法〕
本発明の他の一実施形態は、水、カルシウムイオン、臭化物イオン、およびアンモニウムイオンを含む蓄冷材組成物を、上記蓄冷材組成物の融解温度よりも低い温度に保存することによって、上記蓄冷材組成物を凝固させる、凝固工程と、上記蓄冷材組成物の融解温度を超える温度環境下にて、対象物の一部または全部を−80℃以上、−65℃以下に維持する、維持工程と、を含むものである、蓄冷材組成物の使用方法、である。
また、本発明の他の一実施形態は、水、臭化カルシウム、および臭化アンモニウムを含む蓄冷材組成物を、上記蓄冷材組成物の融解温度よりも低い温度に保存することによって、上記蓄冷材組成物を凝固させる、凝固工程と、上記蓄冷材組成物の融解温度を超える温度環境下にて、対象物の一部または全部を−80℃以上、−65℃以下に維持する、維持工程と、を含むものである、蓄冷材組成物の使用方法、である。
ここで、本明細書において「対象物」とは、温度管理対象物品、または温度管理対象物品の周囲の環境(気相、液相、または固相のいずれも含む)を意図する。
上記凝固工程は、蓄冷材組成物を、上記蓄冷材組成物の凝固開始温度よりも低い温度に保存することによって、上記蓄冷材組成物を凝固させる工程を含んでいてもよい。
本発明の他の一実施形態に係る蓄冷材組成物の使用方法における蓄冷材組成物は、本発明の一実施形態に係る蓄冷材組成物であることが好ましく、当該蓄冷材組成物の説明には、〔2.蓄冷材組成物〕の項の説明が、適宜援用され得る。
本発明の他の一実施形態に係る蓄冷材組成物の使用方法における蓄冷材は、本発明の一実施形態に係る蓄冷材であることが好ましく、当該蓄冷材の説明には、〔3.蓄冷材〕の項の説明が、適宜援用され得る。
本発明の他の一実施形態に係る蓄冷材組成物の使用方法における輸送容器は、本発明の一実施形態に係る輸送容器であることが好ましく、当該輸送容器の説明には、〔4.輸送容器〕の項の説明が、適宜援用され得る。
本発明の他の一実施形態に係る使用方法は、具体的には、以下の(1)〜(5)のいずれかの態様であり得る。
(1)蓄冷材組成物を容器等に充填することにより蓄冷材を作製する。その後、当該蓄冷材を、蓄冷材組成物の融解温度よりも低い温度に保存し、凝固させる(凝固工程)。凝固させた蓄冷材および対象物を、輸送容器に配置し、蓄冷材組成物の融解温度を超える温度環境下で対象物を−80℃〜−65℃に維持して(維持工程)保管および/または輸送する、蓄冷材組成物の使用方法である。
(2)蓄冷材組成物の融解温度よりも低い温度で運転されている冷凍庫または極低温フリーザー等に、蓄冷材組成物を充填することにより作製した蓄冷材を事前に入れておく(凝固工程)。これによって、停電時に上記冷凍庫内または極低温フリーザー内の対象物を−80℃〜−65℃に維持して(維持工程)保管する、蓄冷材組成物の使用方法である。
(3)蓄冷材組成物を容器等に充填することにより蓄冷材を作製するとき、液状の蓄冷材組成物と共に対象物を容器内に入れ、対象物を蓄冷材組成物によって包埋する。その後、当該蓄冷材を、蓄冷材組成物の融解温度よりも低い温度に保存し、凝固させることにより(凝固工程)、蓄冷材組成物の融解温度を超える温度環境下で対象物を−80℃〜−65℃に維持して(維持工程)保管および/または輸送する、蓄冷材組成物の使用方法である。
(4)蓄冷材組成物を容器等に充填することにより蓄冷材を作製する。その後、当該蓄冷材を、蓄冷材組成物の融解温度よりも低い温度に保存し、凝固させる(凝固工程)。凝固させた蓄冷材を、蓄冷材組成物の融解温度を超える温度環境下に存在する対象物と接触させ、接触した部分(一部分)を−80℃〜−65℃に維持する(維持工程)、蓄冷材組成物の使用方法である。
(5)対象物の内部に、液状の蓄冷材組成物を包埋した後、当該蓄冷材組成物を、蓄冷材組成物の融解温度よりも低い温度に保存し、凝固させる(凝固工程)。これにより、蓄冷材組成物の融解温度を超える温度環境下にて、対象物を−80℃〜−65℃に維持して(維持工程)保管および/または輸送する、蓄冷材組成物の使用方法である。
上記(1)〜(5)の使用方法において、蓄冷材組成物、または、蓄冷材を、蓄冷材組成物の融解温度よりも低い温度に保存し、凝固させるための具体的な方法としては、次のような方法があげられる。すなわち、蓄冷材組成物の融解温度よりも低い温度に調整できる市販のフリーザー、好ましくは−80℃以下に温度を調整できる極低温フリーザーに、当該蓄冷材組成物または当該蓄冷材を入れて、凝固させる方法である。上記(1)〜(5)の使用方法では、蓄冷材組成物、または、〔3.蓄冷材〕の項で説明した蓄冷材を、蓄冷材組成物の凝固開始温度よりも低い温度に保存して、当該蓄冷材組成物または当該蓄冷材を凝固させてもよい。
上述した、本発明の他の一実施形態に係る蓄冷材組成物の使用方法では、凝固工程において、蓄冷材組成物を十分に、かつ、短時間で凝固させることができることから、蓄冷材組成物を凝固させるために、蓄冷材組成物を−80℃以下の温度に保存することが好ましい。
このように、蓄冷材組成物の使用方法の具体例をいくつか挙げたが、本発明の他の一実施形態に係る蓄冷材組成物の使用方法は、これらの使用方法に限定されるものではない。本発明の他の一実施形態が提供する蓄冷材組成物の使用方法としては、(i)本発明の一実施形態に係る蓄冷材組成物を、蓄冷材組成物の融解温度よりも低い温度に保存することによって、蓄冷材組成物を凝固させる、凝固工程、および(ii)蓄冷材組成物の融解温度を超える温度環境下にて、凝固した蓄冷材組成物の融解潜熱を利用し、対象物の一部または全部を−80℃〜−65℃に維持する、維持工程、を含む方法を全て包含するものである。
上記の各項目で記載した内容は、他の項目においても適宜援用できることを付言する。以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
すなわち、本発明の一実施形態は、以下のように構成することもできる。
〔1〕水、カルシウムイオン、臭化物イオン、およびアンモニウムイオンを含み、−80℃〜−65℃の範囲内に融解温度を有する蓄冷材組成物。
〔2〕塩化物イオンをさらに含むことを特徴とする、〔1〕に記載の蓄冷材組成物。
〔3〕上記塩化物イオンが、上記水100モルに対して9モル未満であることを特徴とする、〔2〕に記載の蓄冷材組成物。
〔4〕上記塩化物イオンが、上記水100モルに対して1モル未満であることを特徴とする、〔2〕または〔3〕に記載の蓄冷材組成物。
〔5〕塩化物イオンを実質的に含まないことを特徴とする、〔1〕に記載の蓄冷材組成物。
〔6〕上記水100モルに対して、上記カルシウムイオンを0.1モル〜18モル、上記臭化物イオンを1モル〜25モル、および上記アンモニウムイオンを1モル〜20モル、含むことを特徴とする、〔1〕〜〔5〕の何れか1つに記載の蓄冷材組成物。
〔7〕水、臭化カルシウム、および臭化アンモニウムを含み、−80℃〜−65℃の範囲内に融解温度を有する蓄冷材組成物。
〔8〕上記融解温度が−75℃〜−68℃であることを特徴とする、〔1〕〜〔7〕の何れか1つに記載の蓄冷材組成物。
〔9〕〔1〕〜〔8〕の何れか1つに記載の蓄冷材組成物を備えることを特徴とする、蓄冷材。
〔10〕〔9〕に記載の蓄冷材を備えることを特徴とする、輸送容器。
実施例および比較例で使用した原料は、以下のとおりである。
<化合物>
臭化カルシウム[Strem Chemicals, Incorporated製、Calcium bromide hydrate,98%]。臭化アンモニウム[マナック製、臭化アンモニウム、分子量=97.94]。
塩化アンモニウム[山本製作所製、塩化アンモニウム、分子量=53.49]。
塩化カルシウム[和光純薬工業製、塩化カルシウム(水分測定用)、分子量=110.98]。
<水>
飲料水道水。
<蓄冷材組成物の作製>
蓄冷材組成物は、各化合物の水溶液を準備し、それらを混合することで作製した。
実施例および比較例中の測定、および評価は、次の条件および方法により行った。
<融解温度>
蓄冷材組成物について、以下の手順に基づき、昇降温試験を行った:(i)蓄冷材組成得物をポリプロピレン製クライオバイアル内に充填したものを、超低温状態の恒温槽[サイニクス社製、超低温アルミブロック恒温槽 クライオポーター(登録商標)CS−80CP]内に静置した;(ii)−80℃〜20℃の温度範囲内で、0.5℃/分の昇降温速度にて、恒温槽の温度下降を行い、−80℃で蓄冷材組成物を凝固させた;(iii)その後、温度上昇を行い、蓄冷材組成物を融解させた。
昇降温試験における恒温槽の温度上昇過程(上記(iii)の過程)において、恒温槽内の蓄冷材組成物の、時間に対する温度をプロットし、図1に示した。図1に示すように、一定速度で上昇する恒温槽の温度と比較して、蓄冷材組成物の温度は、次の(1)〜(3)の順で変化した:(1)一定速度で上昇した;(2)温度Tにおいて蓄冷材組成物の潜熱によりほとんど変化しなくなり、温度Tから温度Tまで、定温を保持した;(3)温度Tを境に、上昇を再開した。本明細書において、温度Tと温度Tとの中点の温度Tを、「融解温度」と定義する。
融解温度が−65℃以下であるか否か、および、−68℃以下であるか否かの各々を判定し、各々の判定において、該当する場合には○(以下、○は良好の意味)、該当しない場合には×(以下、×は不良の意味)と評価した。
<定温保持性>
超低温アルミブロック恒温槽内での温度上昇過程における蓄冷材組成物の温度変化プロットにおいて、上述した定義において、定温保持性の有無の評価を記載した。つまり、蓄冷材組成物の潜熱作用により、融解開始温度Tから融解終了温度Tまで、融解開始温度T+3.0℃の範囲内で蓄冷材組成物の温度が維持される状態を「定温保持」と定義付ける。蓄冷材組成物が定温保持を示す場合、該蓄冷材組成物は「定温保持性がある」とした。また定温保持性の評価について、定温保持性がある場合は○、ない場合は×とした。
<維持時間>
超低温アルミブロック恒温槽内での温度上昇過程における蓄冷材組成物の温度変化プロットにおいて、定温保持状態の維持時間(換言すれば、融解開始温度Tから融解終了温度Tまでの時間)を測定した。
<実用判定>
以下の判断基準により、AAA(非常に優れている)、AA(優れている)、A(良好)および×(不良)の4段階で実用判定を評価した。Aの数が多いほど実用性が優れていることを示している。
AAA;融解温度が−68℃以下であり、かつ、維持時間が13分以上である。
AA;融解温度が−68℃以下であり、かつ、維持時間が10分以上、13分未満である。
A;(a)融解温度が−68℃以下であり、かつ、維持時間が5分以上、10分未満であるか、または、(b)融解温度が−68℃より高く、かつ、−65℃以下である。
×;融解温度が−65℃より高い。
<試験結果>
各々の蓄冷材組成物の配合量および試験結果を表1〜3に示す。なお、表1〜3に示す各成分の「配合量」は、得られた蓄冷材組成物に含まれる各成分の「モル量(モル数)」とした。
Figure 2019208519
Figure 2019208519
実施例1〜11の試験結果を表1および2に示す。実施例1〜4の蓄冷材組成物は、水、カルシウムイオン、臭化物イオン、およびアンモニウムイオンを含み、塩化物イオンを含まないものである。実施例5〜11の蓄冷材組成物は、水、カルシウムイオン、臭化物イオン、およびアンモニウムイオンを含み、さらに塩化物イオンを含むものである。
実施例1〜11では、蓄冷材組成物の融解温度が−80℃〜−65℃であり、かつ、「定温保持性」の評価は良好であった。実施例1、2、および4〜7では、蓄冷材組成物の融解温度が−68℃以下であり、「維持時間」は10分以上であった。故に、実施例1、2、および4〜7の蓄冷材組成物の「実用判定」はAAまたはAAAであった。実施例3では、蓄冷材組成物の融解温度が−68℃以下であり、「維持時間」は5分以上10分未満であったため、蓄冷材組成物の「実用判定」はAであった。実施例8〜11では、蓄冷材組成物の融解温度が−68℃より高く、かつ、−65℃以下であったため、蓄冷材組成物の「実用判定」はAであった。実施例8〜11では、蓄冷材組成物の「維持時間」は13分以上であった。
Figure 2019208519
比較例1〜3の試験結果を表3に示す。比較例1〜3の蓄冷材組成物は、カルシウムイオン、臭化物イオン、およびアンモニウムイオンの少なくとも1つを含まない。比較例1〜3では、蓄冷材組成物の融解温度が−65℃よりも高いものであった。故に、比較例1〜3の蓄冷材組成物の「実用判定」は×であった。
本発明の一実施形態に係る蓄冷材組成物、当該蓄冷材組成物を備えた蓄冷材、および輸送容器は、管理温度が−80℃〜−65℃の範囲内である温度管理対象物品を、特定の環境下において、それぞれの温度管理対象物品の管理温度内で保管または輸送することを可能とする。従って、本発明の一実施形態は、例えば医薬品、医療機器、細胞、検体、臓器、化学物質または食品等の保管および輸送に好適に利用できる。
10 蓄冷材
11 蓄冷材の蓋
20 蓄冷材組成物
1 輸送容器
6 スペーサー
40 断熱容器
41 箱体
42 蓋
410 開口部
411 箱体の底面部
412 箱体の側面部
5 空間

Claims (10)

  1. 水、カルシウムイオン、臭化物イオン、およびアンモニウムイオンを含み、−80℃〜−65℃の範囲内に融解温度を有する蓄冷材組成物。
  2. 塩化物イオンをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の蓄冷材組成物。
  3. 上記塩化物イオンが、上記水100モルに対して9モル未満であることを特徴とする、請求項2に記載の蓄冷材組成物。
  4. 上記塩化物イオンが、上記水100モルに対して1モル未満であることを特徴とする、請求項2または3に記載の蓄冷材組成物。
  5. 塩化物イオンを実質的に含まないことを特徴とする、請求項1に記載の蓄冷材組成物。
  6. 上記水100モルに対して、上記カルシウムイオンを0.1モル〜18モル、上記臭化物イオンを1モル〜25モル、および上記アンモニウムイオンを1モル〜20モル、含むことを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載の蓄冷材組成物。
  7. 水、臭化カルシウム、および臭化アンモニウムを含み、−80℃〜−65℃の範囲内に融解温度を有する蓄冷材組成物。
  8. 上記融解温度が−75℃〜−68℃であることを特徴とする、請求項1〜7の何れか1項に記載の蓄冷材組成物。
  9. 請求項1〜8の何れか1項に記載の蓄冷材組成物を備えることを特徴とする、蓄冷材。
  10. 請求項9に記載の蓄冷材を備えることを特徴とする、輸送容器。
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