JPWO2019208503A1 - 含フッ素エーテル化合物、それを含む組成物、コーティング液及び物品 - Google Patents

含フッ素エーテル化合物、それを含む組成物、コーティング液及び物品 Download PDF

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Abstract

従来と同様に指紋汚れ除去性、耐摩擦性に優れ、従来に比べ耐光性が更に優れる表面層を形成できる含フッ素エーテル化合物の提供。ポリフルオロポリエーテル鎖及び下記Xで表される基を有し、好ましくは、(G1−)tQ1(−X)s又は(X−)sQ2−G2−Q2(−X)sで表される、含フッ素エーテル化合物。但し、G1は1価のポリフルオロポリエーテル鎖、G2は2価のポリフルオロポリエーテル鎖、Q1はs+t価の有機基、Q2はs+1価の有機基、sは1以上の整数、tは1以上の整数、Xは−Si(R1)3−a[−(OSi(R2)2)b−O−Si(R3)3−c(L)c]a、R1はアルキル基であり、R2はアルキル基等、R3はアルキル基、Lは加水分解性基又は水酸基、aは2又は3、bは0〜5の整数、cは2又は3である。

Description

本発明は、含フッ素エーテル化合物、含フッ素エーテル組成物、コーティング液、物品、その製造方法、及び反応性シリル基含有化合物に関する。
ペルフルオロポリエーテル鎖を有する含フッ素エーテル化合物は、高い潤滑性、撥水撥油性等を示す表面層を基材の表面に形成できるため、表面処理剤に好適に用いられる。含フッ素エーテル化合物を含む表面処理剤は、表面層が指で繰り返し摩擦されても撥水撥油性が低下しにくい性能(耐摩擦性)及び拭き取りによって表面層に付着した指紋を容易に除去できる性能(指紋汚れ除去性)が長期間維持されることが求められる用途、例えば、タッチパネルの指で触れる面を構成する部材、メガネレンズ、ウェアラブル端末のディスプレイの表面処理剤として用いられる。
耐摩擦性及び指紋汚れ除去性に優れる表面層を基材の表面に形成できる含フッ素エーテル化合物としては、ペルフルオロポリエーテル鎖の一方又は両方の末端に連結基を介して1個の加水分解性シリル基を導入した含フッ素エーテル化合物が提案されている(特許文献1)。しかし、特許文献1に記載の含フッ素エーテル化合物を用いて形成された表面層は、耐摩擦性が不充分である。
耐摩擦性が更に優れる表面層を基材の表面に形成できる含フッ素エーテル化合物としては、下記のものが提案されている。
ペルフルオロポリエーテル鎖の一方の末端に炭素原子による分岐点を有する連結基を介して3個の加水分解性シリル基を導入した含フッ素エーテル化合物(特許文献2)。
ペルフルオロポリエーテル鎖の一方の末端に窒素原子による分岐点を有する連結基を介して2個の加水分解性シリル基を導入した含フッ素エーテル化合物(特許文献3)。
国際公開第2013/121986号 国際公開第2017/038830号 国際公開第2017/038832号
特許文献2、3に記載の含フッ素エーテル化合物は、指紋汚れ除去性及び耐摩擦性に加え、耐光性にも優れる。最近では、タッチパネルの指で触れる面を構成する部材等の表面層には、耐光性のさらなる向上が求められることがある。そのため、指紋汚れ除去性及び耐摩擦性を維持しつつ、耐光性が更に優れる表面層を形成できる含フッ素エーテル化合物が必要となることがある。
本発明は、指紋汚れ除去性、耐摩擦性に優れ、耐光性が更に優れる表面層を形成できる含フッ素エーテル化合物、含フッ素エーテル化合物を含む含フッ素エーテル組成物及びコーティング液、指紋汚れ除去性、耐摩擦性に優れ、耐光性が更に優れる表面層を有する物品及びその製造方法の提供を目的とする。
また、本発明は、表面処理剤に好適に用いられる含フッ素エーテル化合物の原料として有用な反応性シリル基含有化合物の提供を目的とする。
本発明は、上記目的を達成するものであり、下記の態様を有する。
[1]ポリフルオロポリエーテル鎖及び下式g1で表される基を有する、含フッ素エーテル化合物。
−Si(R3−a[−(OSi(R−O−Si(R3−c(L) 式g1
但し、Rは、アルキル基であり、Rは、アルキル基、フェニル基又はアルコキシ基であり、2つのRは同一であっても異なっていてもよく、Rは、アルキル基であり、Lは、加水分解性基又は水酸基であり、2以上のLは同一であっても異なっていてもよく、aは、2又は3であり、2以上の[−(OSi(R−O−Si(R3−c(L)]は同一であっても異なっていてもよく、bは、0〜5の整数であり、bが2以上の場合、2以上の(OSi(R)は同一であっても異なっていてもよく、cは、2又は3である。
[2]前記含フッ素エーテル化合物が、下式1aで表される化合物である、[1]の含フッ素エーテル化合物。
(G−)(−X) 式1a
但し、Gは、1価のポリフルオロポリエーテル鎖であり、Qは、s+t価の有機基であり、Xは、前記式g1で表される基であり、sは、1以上の整数であり、sが2以上の場合、2以上のXは同一であっても異なっていてもよく、tは、1以上の整数であり、tが2以上の場合、2以上のGは同一であっても異なっていてもよい。
[3]前記Gが、下式g2−1で表される基である、[2]の含フッ素エーテル化合物。
A−O−(Rf1O)−Rf2− 式g2−1
但し、Aは、炭素数1〜20のポリフルオロアルキル基(但し、末端にCF−を有する。)であり、Rf1は、フルオロアルキレン基であり、Rf2は、フルオロアルキレン基(但し、Q側の末端の炭素原子及びO(Rf1O)側の末端の炭素原子には少なくとも1個のフッ素原子が結合する。)であり、mは、2〜500の整数であり、(Rf1O)は炭素数の異なる2種以上のRf1Oからなるものであってもよい。
[4]前記tが1であり、前記Qが、式g3−1で表される基(但し、s=1である。)、式g3−2で表される基(但し、s=dである。)、式g3−3で表される基(但し、s=2である。)、式g3−4で表される基(但し、s=eである。)、式g3−5で表される基(但し、s=nである。)、式g3−6で表される基(但し、s=d1+n×d2である。)、式g3−7で表される基(但し、s=(2−h)+n×hである。)又は式g3−8で表される基(但し、s=e1+n×e2である。)である、[2]又は[3]の含フッ素エーテル化合物。
−Q11− 式g3−1
−Q12−C(R3−d(−Q21−) 式g3−2
−Q13−N(−Q21−) 式g3−3
−Q14−Z(−Q21−) 式g3−4
−Q11−Si(R3−n(−Q21−) 式g3−5
−Q12−C(R3−d1−d2(−Q21−)d1[−Q15−Si(R3−n(−Q21−)d2 式g3−6
−Q13−N(−Q21−)2−h[−Q15−Si(R3−n(−Q21−) 式g3−7
−Q14−Z(−Q21−)e1[−Q15−Si(R3−n(−Q21−)e2 式g3−8
但し、式g3−2〜式g3−8においては、Q11、Q12、Q13又はQ14側がGに接続し、Q21側がXに接続する。式g3−2〜式g3−8における各記号の意味は後記するとおりである。
[6]前記Gが、下式g2−2で表される基である、[5]の含フッ素エーテル化合物。
−Rf2−O−(Rf1O)−Rf2− 式g2−2
但し、Rf1は、フルオロアルキレン基であり、Rf2は、フルオロアルキレン基(但し、Q側の末端の炭素原子及びO(Rf1O)側の末端の炭素原子には少なくとも1個のフッ素原子が結合する。)であり、mは、2〜500の整数であり、(Rf1O)は炭素数の異なる2種以上のRf1Oからなるものであってもよい。
[7]前記tが1であり、前記Qが、式g3−1で表される基(但し、s=1である。)、式g3−2で表される基(但し、s=dである。)、式g3−3で表される基(但し、s=2である。)、式g3−4で表される基(但し、s=eである。)、式g3−5で表される基(但し、s=nである。)、式g3−6で表される基(但し、s=d1+n×d2である。)、式g3−7で表される基(但し、s=(2−h)+n×hである。)又は式g3−8で表される基(但し、s=e1+n×e2である。)である、[5]又は[6]の含フッ素エーテル化合物。
−Q11− 式g3−1
−Q12−C(R3−d(−Q21−) 式g3−2
−Q13−N(−Q21−) 式g3−3
−Q14−Z(−Q21−) 式g3−4
−Q11−Si(R3−n(−Q21−) 式g3−5
−Q12−C(R3−d1−d2(−Q21−)d1[−Q15−Si(R3−n(−Q21−)d2 式g3−6
−Q13−N(−Q21−)2−h[−Q15−Si(R3−n(−Q21−) 式g3−7
−Q14−Z(−Q21−)e1[−Q15−Si(R3−n(−Q21−)e2 式g3−8
但し、式g3−2〜式g3−8においては、Q11、Q12、Q13又はQ14側がGに接続し、Q21側がXに接続する。式g3−2〜式g3−8における各記号の意味は後記するとおりである。
[8]前記[1]〜[7]のいずれかの含フッ素エーテル化合物の1種以上と、他の含フッ素エーテル化合物とを含む含フッ素エーテル組成物。
[9]前記[1]〜[7]のいずれかの含フッ素エーテル化合物又は前記[8]の含フッ素エーテル組成物と、液状媒体とを含むコーティング液。
[10]前記[1]〜[7]のいずれかの含フッ素エーテル化合物又は前記[8]の含フッ素エーテル組成物から形成された表面層を基材の表面に有する物品。
[11]前記表面層を、タッチパネルの指で触れる面を構成する部材の表面に有する、[10]の物品。
[12]前記[1]〜[7]のいずれかの含フッ素エーテル化合物又は前記[8]の含フッ素エーテル組成物を用いたドライコーティング法によって基材の表面を処理して、前記含フッ素エーテル化合物又は前記含フッ素エーテル組成物から形成された表面層を前記基材の表面に形成する物品の製造方法。
[13]前記[9]のコーティング液を、ウェットコーティング法によって基材の表面に塗布し、乾燥させて、前記含フッ素エーテル化合物又は前記含フッ素エーテル組成物から形成された表面層を前記基材の表面に形成する物品の製造方法。
[14]下式2で表される化合物である、反応性シリル基含有化合物。
H−Si(R3−a[−(OSi(R−O−Si(R3−c(L) 式2
但し、Rは、アルキル基であり、Rは、アルキル基、フェニル基又はアルコキシ基であり、2つのRは同一であっても異なっていてもよく、Rは、アルキル基であり、Lは、加水分解性基又は水酸基であり、2以上のLは同一であっても異なっていてもよく、aは、2又は3であり、2以上の[−(OSi(R−O−Si(R3−c(L)]は同一であっても異なっていてもよく、bは、0〜5の整数であり、bが2以上の場合、2以上の(OSi(R)は同一であっても異なっていてもよく、cは、2又は3である。
本発明の含フッ素エーテル化合物によれば、指紋汚れ除去性、耐摩擦性に優れ、耐光性が更に優れる表面層を形成できる。
本発明の含フッ素エーテル組成物によれば、指紋汚れ除去性、耐摩擦性に優れ、耐光性が更に優れる表面層を形成できる。
本発明のコーティング液によれば、指紋汚れ除去性、耐摩擦性に優れ、耐光性が更に優れる表面層を形成できる。
本発明の物品は、指紋汚れ除去性、耐摩擦性に優れ、耐光性が更に優れる表面層を有する。
本発明の物品の製造方法によれば、指紋汚れ除去性、耐摩擦性に優れ、耐光性が更に優れる表面層を有する物品を製造できる。
本発明の反応性シリル基含有化合物は、表面処理剤に好適に用いられる含フッ素エーテル化合物の原料として有用である。
本明細書における用語の意味、及び記載の仕方は下記のとおりである。
「式1aで表される化合物」を化合物1aと記す。他の式で表される化合物もこれに準じて記す。「式g1で表される基」を基g1と記す。他の式で表される基もこれに準じて記す。
オキシフルオロアルキレン単位の化学式は、その酸素原子をフルオロアルキレン基の右側に記載して表すものとする。
「加水分解性シリル基」とは、加水分解反応してシラノール基(Si−OH)を形成し得る基を意味する。加水分解性シリル基又はシラノール基は、例えば式g1中の(−Si(R3−c(L))である。以下、加水分解性シリル基及びシラノール基をまとめて「反応性シリル基」とも記す。
「表面層」とは、基材の表面に形成される層を意味する。
含フッ素エーテル化合物の「数平均分子量(Mn)」は、H−NMR及び19F−NMRによって、末端基を基準にしてオキシペルフルオロアルキレン単位の数(平均値)を求めて算出される。末端基は、例えば式g2−1中のA又は式g1中のSi(R3−c(L)である。
数値範囲を示す「〜」は、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含むことを意味する。
[含フッ素エーテル化合物]
本発明の含フッ素エーテル化合物は、ポリフルオロポリエーテル鎖及び下式g1で表される基を有する。特に本発明の含フッ素エーテル化合物としては、化合物1a又は化合物1b(以下、化合物1a及び化合物1bをまとめて「化合物1」とも記す。)が好ましい。ポリフルオロポリエーテル鎖は、フッ素原子を有するポリエーテル鎖(ポリ(オキシアルキレン)鎖)であり、その価数は、1価又は2価が好ましい。
−Si(R3−a[−(OSi(R−O−Si(R3−c(L) 式g1
但し、Rは、アルキル基であり、Rは、アルキル基、フェニル基又はアルコキシ基であり、2つのRは同一であっても異なっていてもよく、Rは、アルキル基であり、Lは、加水分解性基又は水酸基であり、2以上のLは同一であっても異なっていてもよく、aは、2又は3であり、2以上の[−(OSi(R−O−Si(R3−c(L)]は同一であっても異なっていてもよく、bは、0〜5の整数であり、bが2以上の場合、2以上の(OSi(R)は同一であっても異なっていてもよく、cは、2又は3である。
(G−)(−X) 式1a
(X−)−G−Q(−X) 式1b
但し、Gは、1価のポリフルオロポリエーテル鎖であり、Gは、2価のポリフルオロポリエーテル鎖であり、Qは、s+t価の有機基であり、Qは、s+1価の有機基であり、式1bにおける2つのQは同一であっても異なっていてもよく、Xは、下式g1で表される基であり、sは、1以上の整数であり、式1bにおける2つのsは同一であっても異なっていてもよく、sが2以上の場合、2以上のXは同一であっても異なっていてもよく、tは、1以上の整数であり、tが2以上の場合、2以上のGは同一であっても異なっていてもよい。
化合物1は、少なくとも片側の末端に反応性シリル基を複数個有する。末端に反応性シリル基を複数個有する化合物1は、基材と強固に化学結合するため、表面層の耐摩擦性に優れる。
また、化合物1としては、一方の末端のみに反応性シリル基を有する化合物1aが好ましい。一方の末端のみに反応性シリル基を有する化合物1aは凝集しにくいため、表面層の外観に優れる。また、表面層の潤滑性及び耐摩擦性にも優れる。
sは、化合物1を製造しやすい点、及び表面層の耐摩擦性、耐光性及び耐薬品性が更に優れる点から、1〜6が好ましく、1〜4がより好ましく、1〜3が特に好ましい。
tは、化合物1aを製造しやすい点、及び表面層の耐摩擦性、耐光性及び耐薬品性が更に優れる点から、1〜6が好ましく、1〜4がより好ましく、1が特に好ましい。
Xは、後述する本発明の反応性シリル基含有化合物(化合物2)に由来する基である。
のアルキル基の炭素数は、化合物2を製造しやすい点から、1〜6が好ましく、1〜3がより好ましく、1又は2が特に好ましい。
のアルキル基の炭素数は、化合物2を製造しやすい点から、1〜6が好ましく、1〜3がより好ましく、1又は2が特に好ましい。
のアルコキシ基の炭素数は、化合物1の保存安定性に優れる点から、1〜6が好ましく、1〜3がより好ましく、1又は2が特に好ましい。
のアルキル基の炭素数は、化合物2を製造しやすい点から、1〜6が好ましく、1〜3がより好ましく、1又は2が特に好ましい。
Lの加水分解性基は、加水分解反応によって水酸基となる基である。すなわち、Si−Lは、加水分解反応によってシラノール基(Si−OH)となる。シラノール基は、更に分子間で脱水縮合反応してSi−O−Si結合を形成する。また、シラノール基は、基材の表面の水酸基(基材−OH)と脱水縮合反応して、化学結合(基材−O−Si)を形成する。
加水分解性基としては、アルコキシ基、ハロゲン原子、アシル基、イソシアナート基等が挙げられる。アルコキシ基としては、炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましい。ハロゲン原子としては、塩素原子が好ましい。
Lとしては、化合物1を製造しやすい点から、アルコキシ基又はハロゲン原子が好ましい。Lとしては、塗布時のアウトガスが少なく、化合物1の保存安定性に優れる点から、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、化合物1の長期の保存安定性が必要な場合にはエトキシ基が特に好ましく、コーティング後の反応時間を短時間とする場合にはメトキシ基が特に好ましい。
aは、2又は3が好ましい。
bは、0又は1が好ましい。
cは、表面層と基材との密着性がより強固になる点から、3が特に好ましい。
化合物1中の複数のSi(R3−c(L)は、同一であっても異なっていてもよい。化合物1を製造しやすい点から、同一の基であることが好ましい。
及びGのポリフルオロポリエーテル鎖は、複数のフッ素原子及び複数のエーテル性酸素原子を有する有機基である。ポリフルオロポリエーテル鎖は、通常、オキシペルフルオロアルキレン単位を有する。Gとしては、表面層の耐摩擦性及び潤滑性が更に優れる点から、1価のペルフルオロポリエーテル鎖が好ましい。Gとしては、表面層の耐摩擦性及び潤滑性が更に優れる点から、2価のペルフルオロポリエーテル鎖が好ましい。
としては、表面層の耐摩擦性及び潤滑性が更に優れる点から、基g2−1が好ましい。Gとしては、表面層の耐摩擦性及び潤滑性が更に優れる点から、基g2−2が好ましい。
A−O−(Rf1O)−Rf2− 式g2−1
−Rf2−O−(Rf1O)−Rf2− 式g2−2
但し、Aは、炭素数1〜20のポリフルオロアルキル基(但し、末端にCF−を有する。)であり、Rf1は、フルオロアルキレン基であり、Rf2は、フルオロアルキレン基(但し、Q又はQ側の末端の炭素原子及びO(Rf1O)側の末端の炭素原子には少なくとも1個のフッ素原子が結合する。)であり、mは、2〜500の整数であり、(Rf1O)は炭素数の異なる2種以上のRf1Oからなるものであってもよい。
Aとしては、表面層の潤滑性及び耐摩擦性が更に優れる点から、炭素数1〜20のペルフルオロアルキル基が好ましい。Aがペルフルオロアルキル基である化合物1は、Aが末端にCF−を有するため、化合物1aの一方の末端がCF−となり、他方の末端が反応性シリル基となる。一方の末端がCF−であり、他方の末端が反応性シリル基である化合物1aによれば、低表面エネルギーの表面層を形成できるため、両末端に反応性シリル基を有する化合物1bよりも、表面層の潤滑性及び耐摩擦性が更に優れる。
Aのペルフルオロアルキル基の炭素数は、化合物1aによって形成される表面層の潤滑性及び耐摩擦性が更に優れる点から、1〜10が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい。
f1の炭素数は、表面層の耐摩擦性及び指紋汚れ除去性が更に優れる点から、1〜6が好ましい。Rf1としては、表面層の耐摩擦性及び潤滑性が更に優れる点から、直鎖のフルオロアルキレン基が好ましい。 Rf1としては、表面層の耐摩擦性及び潤滑性が更に優れる点から、ペルフルオロアルキレン基が好ましい。
全Rf1のうちのペルフルオロアルキレン基の割合は、表面層の耐摩擦性及び潤滑性が更に優れる点から、60モル%以上が好ましく、80モル%以上がより好ましく、100モル%が特に好ましい。
mは、2〜200の整数が好ましく、5〜150の整数がより好ましく、10〜100の整数が特に好ましい。mが前記範囲の下限値以上であれば、表面層の撥水撥油性が更に優れる。mが前記範囲の上限値以下であれば、表面層の耐摩擦性が更に優れる。すなわち、化合物1の数平均分子量が大きすぎると、単位分子量あたりに存在する反応性シリル基の数が減少し、表面層の耐摩擦性が低下する。
(Rf1O)において、2種以上のRf1Oが存在する場合、各Rf1Oの結合順序は限定されない。例えば、CFOとCFCFOが存在する場合、CFOとCFCFOがランダム、交互、ブロックに配置されてもよい。
2種以上のRf1Oが存在するとは、炭素数の異なる2種以上のRf1Oが存在すること、水素原子数が異なる2種以上のRf1Oが存在すること、水素原子の位置が異なる2種以上のRf1Oが存在すること、及び、炭素数が同一であっても側鎖の有無や側鎖の種類(側鎖の数や側鎖の炭素数等)が異なる2種以上のRf1Oが存在することをいう。
2種以上のRf1Oの配置については、例えば、{(CFO)m1(CFCFO)m2}で表される構造は、m1個の(CFO)とm2個の(CFCFO)とがランダムに配置されていることを表す。また、(CFCFO−CFCFCFCFO)m5で表される構造は、m5個の(CFCFO)とm5個の(CFCFCFCFO)とが交互に配置されていることを表す。
(Rf1O)としては、下記の構造を有するものが好ましい。
{(CFO)m1(CFCFO)m2}、
(CFCFO)m3
(CFCFCFO)m4
(CFCFO−CFCFCFCFO)m5
(CFCFCFCFCFO)m6(CFO)m7
(CFCFCFCFCFO)m6(CFCFO)m7
(CFCFCFCFCFCFO)m6(CFO)m7
(CFCFCFCFCFCFO)m6(CFCFO)m7
(CFCFCFCFCFO−CFO)m8
(CFCFCFCFCFO−CFCFO)m8
(CFCFCFCFCFCFO−CFO)m8
(CFCFCFCFCFCFO−CFCFO)m8
(CFO−CFCFCFCFCFO)m8
(CFO−CFCFCFCFCFCFO)m8
(CFCFO−CFCFCFCFCFO)m8
(CFCFO−CFCFCFCFCFCFO)m8
但し、m1は1以上の整数であり、m2は1以上の整数であり、m1+m2は2〜500の整数であり、m3及びm4は、それぞれ、2〜500の整数であり、m5は、1〜250の整数であり、m6及びm7は、それぞれ1以上の整数であり、m6+m7は、2〜500の整数であり、m8は、1〜250の整数である。
(Rf1O)としては、化合物1を製造しやすい点から、下記のものが好ましい。
{(CFO)m1(CFCFO)m2}、
(CFCFCFO)m4
(CFCFO){(CFO)m1(CFCFO)m2−2}、
(CFCFO−CFCFCFCFO)m5−1CFCFO、
(CFCFCFCFCFO−CFO)m8
(CFCFCFCFCFCFO−CFO)m8
(CFCFO−CFCFCFCFCFO)m8−1CFCFO、
(CFCFO−CFCFCFCFCFCFO)m8−1CFCFO。
但し、m2−2、m5−1及びm8−1については、1以上の整数となるように、m2、m5及びm8の数が選択される。
特に{(CFO)m1(CFCFO)m2}において、m2/m1は、表面層の耐摩擦性及び指紋汚れ除去性が更に優れる点から、0.1〜10が好ましく、0.2〜5.0がより好ましく、0.2〜2.0が更に好ましく、0.2〜1.5が特に好ましく、0.2〜0.85が最も好ましい。
f2の炭素数は、表面層の耐摩擦性及び指紋汚れ除去性が更に優れる点から、1〜8が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜5が特に好ましい。Rf2としては、表面層の耐摩擦性及び潤滑性が更に優れる点から、直鎖のフルオロアルキレン基が好ましい。
f2としては、表面層の耐摩擦性及び潤滑性が更に優れる点から、ペルフルオロアルキレン基が好ましい。Rf2の構造は、化合物1を製造する際の原料及び合成方法に依存する。
及びQは、直鎖状又は分岐状の連結基である。
及びQの有機基は、C、N、Si及び後述する環構造からなる群から選ばれる少なくとも1種の分岐点(以下、「分岐点P」と記す。)を有していてもよい。
及びQの有機基は、−C(O)NR−、−C(O)O−、−C(O)−、−O−、−NR−、−S−、−NHC(O)O−、−NHC(O)NR−、−SONR−及び−Si(R)−(但し、Rは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基である。)からなる群から選ばれる少なくとも1種の結合(以下、「結合B」と記す。)を有していてもよい。結合Bとしては、化合物1を製造しやすい点から、−C(O)NR−、−C(O)−及び−O−からなる群から選ばれる少なくとも1種の結合が好ましく、表面層の耐光性及び耐薬品性が更に優れる点から、−C(O)NR−又は−C(O)−が特に好ましい。
及びQとしては、炭化水素基のみ、炭化水素基と分岐点Pとの組み合わせ、炭化水素基と結合Bとの組み合わせ、又は炭化水素基と分岐点Pと結合Bとの組み合わせが挙げられる。炭化水素基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜4が特に好ましい。
(但し、t=1である。)及びQとしては、化合物1を製造しやすい点から、基g3−1(但し、s=1である。)、基g3−2(但し、s=dである。)、基g3−3(但し、s=2である。)、基g3−4(但し、s=eである。)、基g3−5(但し、s=nである。)、基g3−6(但し、s=d1+n×d2である。)、基g3−7(但し、s=(2−h)+n×hである。)又は基g3−8(但し、s=e1+n×e2である。)が好ましい。
−Q11− 式g3−1
−Q12−C(R3−d(−Q21−) 式g3−2
−Q13−N(−Q21−) 式g3−3
−Q14−Z(−Q21−) 式g3−4
−Q11−Si(R3−n(−Q21−) 式g3−5
−Q12−C(R3−d1−d2(−Q21−)d1[−Q15−Si(R3−n(−Q21−)d2 式g3−6
−Q13−N(−Q21−)2−h[−Q15−Si(R3−n(−Q21−) 式g3−7
−Q14−Z(−Q21−)e1[−Q15−Si(R3−n(−Q21−)e2 式g3−8
但し、式g3−2〜式g3−8においては、Q11、Q12、Q13又はQ14側がGに接続するか(式(1a)の場合)、又はGに接続し(式(1b)の場合)、Q21側がXに接続し、Q11は、アルキレン基、炭素数2以上のアルキレン基の炭素−炭素原子間に−C(O)NH−、−C(O)−、−NH−又は−O−を有する基、アルキレン基のGもしくはG側の末端に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有する基、又は炭素数2以上のアルキレン基の炭素−炭素原子間に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有しかつGもしくはG側の末端に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有する基であり、Q12は、単結合、−C(O)NH−、アルキレン基、炭素数2以上のアルキレン基の炭素−炭素原子間に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有する基、アルキレン基の末端に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有する基、又は炭素数2以上のアルキレン基の炭素−炭素原子間に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有しかつ末端に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有する基であり、Q13は、単結合、−C(O)−、アルキレン基、炭素数2以上のアルキレン基の炭素−炭素原子間に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有する基、アルキレン基のGもしくはG側の末端に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有する基、又は炭素数2以上のアルキレン基の炭素−炭素原子間に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有しかつGもしくはG側の末端に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有する基であり、Q14は、単結合、アルキレン基、炭素数2以上のアルキレン基の炭素−炭素原子間に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有する基、アルキレン基の末端(但し、Zの窒素原子に接続する末端を除く。)に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有する基、又は炭素数2以上のアルキレン基の炭素−炭素原子間に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有しかつ末端(但し、Zの窒素原子に接続する末端を除く。)に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有する基であり、Q15は、単結合、アルキレン基、炭素数2以上のアルキレン基の炭素−炭素原子間に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有する基、アルキレン基のSiに接続しない側の末端(但し、Nに接続する末端を除く。)に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有する基、又は炭素数2以上のアルキレン基の炭素−炭素原子間に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有しかつSiに接続しない側の末端(但し、Nに接続する末端を除く。)に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有する基であり、Q21は、アルキレン基、炭素数2以上のアルキレン基の炭素−炭素原子間に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有する基、アルキレン基のSiに接続しない側の末端(但し、Nに接続する末端を除く。)に−C(O)NH−、−C(O)−、−O−、−CF−又は−CFC(O)NH−を有する基、又は炭素数2以上のアルキレン基の炭素−炭素原子間に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有しかつSiに接続しない側の末端(但し、Nに接続する末端を除く。)に−C(O)NH−、−C(O)−、−O−、−CF−又は−CFC(O)NH−を有する基であり、Q又はQがQ21を2以上有する場合、2以上のQ21は同一であっても異なっていてもよく、Zは、Q14が直接結合する炭素原子又は窒素原子を有しかつQ21が直接結合する炭素原子又は窒素原子を有するe+1価の環構造を有する基であり、Rは、水素原子、アルキル基、水酸基、フッ素原子又はフルオロアルキル基であり、Rは、アルキル基であり、dは、2又は3であり、eは、1以上の整数であり、nは、2又は3であり、d1は、0〜2の整数であり、d2は、1〜3の整数であり、d1+d2は、2又は3であり、d2が2以上の場合、2以上の[−Q15−Si(R3−n(−Q21−)]は同一であっても異なっていてもよく、hは、1又は2であり、hが2の場合、2個の[−Q15−Si(R3−n(−Q21−)]は同一であっても異なっていてもよく、e1は、0以上の整数であり、e2は、1以上の整数であり、e2が2以上の場合、2以上の[−Q15−Si(R3−n(−Q21−)]は同一であっても異なっていてもよい。
11、Q12、Q13、Q14、Q15又はQ21のアルキレン基の炭素数は、化合物1を製造しやすい点、及び表面層の耐摩擦性、耐光性及び耐薬品性が更に優れる点から、1〜10が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜4が特に好ましい。但し、炭素−炭素原子間に特定の結合を有する場合のアルキレン基の炭素数の下限値は2である。
Zにおける環構造としては、化合物1を製造しやすい点、及び表面層の耐摩擦性、耐光性及び耐薬品性が更に優れる点から、3〜8員環の脂肪族環、3〜8員環の芳香族環、3〜8員環のヘテロ環、及びこれらの環のうちの2つ以上からなる縮合環からなる群から選ばれる1種が好ましく、下式に挙げられる環構造が特に好ましい。
Figure 2019208503
Zにおける環構造は、ハロゲン原子、アルキル基(炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子を含んでいてもよい。)、シクロアルキル基、アルケニル基、アリル基、アルコキシ基、オキソ基(=O)等の置換基を有してもよい。なお、Zにおける環構造にはQ14やQ21が直接結合するため、環構造に例えばアルキレン基が連結して、そのアルキレン基にQ14やQ21が連結することはない。
e又は(e1+e2)は、化合物1を製造しやすい点、及び表面層の耐摩擦性、耐光性及び耐薬品性が更に優れる点から、2〜6が好ましく、2〜4がより好ましく、2又は3が特に好ましい。e又は(e1+e2)が2以上であれば、化合物1が強固に基材の表面に結合し、表面層の耐摩擦性、耐光性及び耐薬品性が更に優れる。e又は(e1+e2)が6以下であれば、原料を入手しやすくなり、化合物1を製造しやすい。また、化合物1の反応性シリル基側の末端が嵩高くならないため、基材の表面における化合物1の密度が比較的高くなる。その結果、表面層の耐摩擦性、耐光性及び耐薬品性が更に優れる。
のアルキル基の炭素数は、化合物1を製造しやすい点から、1〜6が好ましく、1〜3がより好ましく、1又は2が特に好ましい。
のフルオロアルキル基の炭素数は、化合物1を製造しやすい点から、1〜6が好ましく、1〜3がより好ましく、1又は2が特に好ましい。
のアルキル基の炭素数は、化合物1を製造しやすい点から、1〜6が好ましく、1〜3がより好ましく、1又は2が特に好ましい。
化合物1としては、例えば、下式の化合物が挙げられる。下式の化合物は、工業的に製造しやすく、取扱いやすく、表面層の撥水撥油性、耐摩擦性、指紋汚れ除去性、潤滑性、耐薬品性、耐光性及び耐薬品性が更に優れ、なかでも耐光性が特に優れる点から好ましい。下式の化合物におけるGの好ましい形態は、上述した基g2−1において好ましいA、(Rf1O)及びRf2を組み合わせたものとなる。
tが1であり、Qが基g3−1である化合物1aとしては、下式の化合物が挙げられる。
Figure 2019208503
tが1であり、Qが基g3−2である化合物1aとしては、下式の化合物が挙げられる。
Figure 2019208503
Figure 2019208503
Figure 2019208503
Figure 2019208503
Figure 2019208503
tが1であり、Qが基g3−3である化合物1aとしては、下式の化合物が挙げられる。
Figure 2019208503
tが1であり、Qが基g3−4である化合物1aとしては、下式の化合物が挙げられる。
Figure 2019208503
Figure 2019208503
tが1であり、Qが基g3−5である化合物1aとしては、下式の化合物が挙げられる。
Figure 2019208503
Figure 2019208503
tが1であり、Qが基g3−6である化合物1aとしては、下式の化合物が挙げられる。
Figure 2019208503
(化合物1の製造方法)
化合物1は、例えば、本発明の反応性シリル基含有化合物である化合物2と、化合物3a又は化合物3b(以下、化合物3a及び化合物3bをまとめて「化合物3」とも記す。)とをヒドロシリル化反応させる方法によって製造できる。
H−Si(R3−a[−(OSi(R−O−Si(R3−c(L) 式2
但し、R、R、R、L、a、b及びcは、化合物1で説明したR、R、R、L、a、b及びcと同じであり、好ましい形態も同様である。
(G−)10(−CH=CH 式3a
(CH=CH−)20−G−Q20(−CH=CH 式3b
但し、G、G、s及びtは、化合物1で説明したG、G、s及びtと同じであり、好ましい形態も同様である。
10(−CH=CHは、ヒドロシリル化後に化合物1aにおけるQとなる。
20(−CH=CHは、ヒドロシリル化後に化合物1bにおけるQとなる。
10(但しt=1である。)及びQ20としては、化合物2を製造しやすい点から、基g4−1(但しs=1である。)、基g4−2(但しs=dである。)、基g4−3(但しs=2である。)、基g4−4(但しs=eである。)、基g4−5(但しs=nである。)、基g4−6(但しs=d1+n×d2である。)、基g4−7(但しs=(2−h)+n×hである。)又は基g4−8(但しs=e1+n×e2である。)が好ましい。
−Q110−CH=CH 式g4−1
−Q12−C(R3−d(−Q210−CH=CH 式g4−2
−Q13−N(−Q210−CH=CH 式g4−3
−Q14−Z(−Q210−CH=CH 式g4−4
−Q11−Si(R3−n(−Q210−CH=CH 式g4−5
−Q12−C(R3−d1−d2(−Q210−CH=CHd1[−Q15−Si(R3−n(−Q210−CH=CHd2 式g4−6
−Q13−N(−Q210−CH=CH2−h[−Q15−Si(R3−n(−Q210−CH=CH 式g4−7
−Q14−Z(−Q210−CH=CHe1[−Q15−Si(R3−n(−Q210−CH=CHe2 式g4−8
但し、Q11、Q12、Q13、Q14、Q15、Z、R、R、d、e、n、d1、d2、h、e1及びe2は、基3−1〜基3−8で説明したQ11、Q12、Q13、Q14、Q15、Z、R、R、d、e、n、d1、d2、h、e1及びe2と同じであり、好ましい形態も同様である。
110−CH=CHは、ヒドロシリル化後に式g3−1におけるQ11となる。
210−CH=CHは、ヒドロシリル化後に式g3−2〜式g3−8におけるQ21となる。
(化合物2の製造方法)
化合物2は、例えば、下記のようにして製造できる。
化合物4と化合物5とを反応させて化合物2aを得る。
H−Si(R3−a[−(OSi(R−O−Si(R 式4
ClSi(OR 式5
H−Si(R3−a[−(OSi(R−O−Si(OR 式2a
但し、Rは、アルキル基であり、Rは、アルキル基である。Rのアルキル基の炭素数は、1〜6が好ましく、1〜3がより好ましく、1又は2が特に好ましい。Rのアルキル基の炭素数は、1〜6が好ましく、1〜3がより好ましく、1又は2が特に好ましい。
、R、a及びbは、化合物1で説明したR、R、a及びbと同じであり、好ましい形態も同様である。
化合物4は、例えば、化合物4−1(1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン)、化合物4−2(トリス(トリメチルシリルオキシ)シラン)として東京化成工業社、シグマアルドリッチ社等から入手できる。
H−Si(CH)[−O−Si(CH 式4−1
H−Si[−O−Si(CH 式4−2
化合物5は、例えば、化合物5−1(クロロトリエトキシシラン)として東京化成工業社、シグマアルドリッチ社等から入手できる。
ClSi(OC 式5−1
(化合物3の製造方法)
10又はQ20が基g4−1である化合物3は、例えば、日本特開2012−072272号公報、国際公開第2013/121984号、特許文献1に記載の方法によって製造できる。
10又はQ20が基g4−2である化合物3は、例えば、日本特開2015−199906号公報(d=2、R=水酸基)、日本特開2016−204656号公報(d=3)、特許文献2(d=3)、日本特開2019−044158号の明細書(d=2、R=水素原子、アルキル基、フッ素原子又はフルオロアルキル基)に記載の方法によって製造できる。
10又はQ20が基g4−3である化合物3は、例えば、特許文献3に記載の方法によって製造できる。Q10又はQ20が基g4−4である化合物3は、例えば、国際公開第2019/039186号の明細書に記載の方法によって製造できる。Q10又はQ20が基g4−5である化合物3は、例えば、日本特開2016−037541号公報に記載の方法によって製造できる。Q10又はQ20が基g4−6である化合物3は、例えば、日本特願2017−251611号の明細書に記載の方法によって製造できる。Q10又はQ20が基g4−7である化合物3は、例えば、日本特願2017−251611号の明細書に記載の方法によって製造できる。Q10又はQ20が基g4−8である化合物3は、例えば、日本特願2017−251611号の明細書に記載の方法によって製造できる。
以上説明した化合物1にあっては、下記の理由から、指紋汚れ除去性、耐摩擦性及び耐光性に優れる表面層を形成できる。
化合物1は、(Rf1O)を有するため、フッ素原子の含有量が多い。そのため、化合物1は、耐摩擦性及び指紋汚れ除去性に優れる表面層を形成できる。また、化合物1は、複数個の反応性シリル基(Si(R3−c(L))を有するXを末端に有するため、基材との結合部位が多くなり、基材と強固に結合する。そのため、化合物1は、耐摩擦性に優れる表面層を形成できる。
更に、化合物1は、Si−O−Si結合を有するXを末端に有する。Si−O−Si結合はC−C結合に比べ耐酸化性が高いため、C−C結合が比較的少なくなるXの耐酸化性は高い。そのため、従来と同様に指紋汚れ除去性、耐摩擦性に優れ、従来に比べ耐光性が更に優れる表面層を形成できる。
[含フッ素エーテル組成物]
本発明の含フッ素エーテル組成物(以下、「本組成物」とも記す。)は、化合物1の1種以上と、他の含フッ素エーテル化合物とを含む。
他の含フッ素エーテル化合物としては、化合物1の製造工程で副生する含フッ素エーテル化合物(以下、「副生含フッ素エーテル化合物」とも記す。)や、化合物1と同様の用途に用いられる公知の含フッ素エーテル化合物等が挙げられる。
他の含フッ素エーテル化合物としては、化合物1の特性を低下させるおそれが少ない化合物が好ましい。
副生含フッ素エーテル化合物としては、未反応の化合物3、化合物1の製造におけるヒドロシリル化の際にアリル基の一部がインナーオレフィンに異性化した含フッ素エーテル化合物等が挙げられる。
公知の含フッ素エーテル化合物としては、市販の含フッ素エーテル化合物等が挙げられる。本組成物が公知の含フッ素エーテル化合物を含む場合、化合物1の特性を補う等の新たな作用効果が発揮される場合がある。
化合物1の含有量は、本組成物のうち、60質量%以上100質量%未満が好ましく、70質量%以上100質量%未満がより好ましく、80質量%以上100質量%未満が特に好ましい。
他の含フッ素エーテル化合物の含有量は、本組成物のうち、0質量%超40質量%以下が好ましく、0質量%超30質量%以下がより好ましく、0質量%超20質量%以下が特に好ましい。
化合物1の含有量及び他の含フッ素エーテル化合物の含有量の合計は、本組成物のうち、80〜100質量%が好ましく、85〜100質量%が特に好ましい。該合計が前記範囲内であれば、表面層の初期の撥水撥油性、耐摩擦性、指紋汚れ除去性、耐光性及び耐薬品性が更に優れる。
本組成物は、化合物1及び他の含フッ素エーテル化合物以外の成分を含んでいてもよい。
他の成分としては、化合物1や公知の含フッ素エーテル化合物の製造工程で生成した副生物(但し、副生含フッ素エーテル化合物を除く。)、未反応の原料等の製造上不可避の化合物が挙げられる。
また、反応性シリル基の加水分解と縮合反応を促進する酸触媒や塩基性触媒等の添加剤が挙げられる。酸触媒としては、塩酸、硝酸、酢酸、硫酸、燐酸、スルホン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等が挙げられる。塩基性触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等が挙げられる。
他の成分の含有量は、本組成物のうち、0〜9.999質量%が好ましく、0〜0.99質量%が特に好ましい。
[コーティング液]
本発明のコーティング液(以下、「本コーティング液」とも記す。)は、化合物1又は本組成物と液状媒体とを含む。本コーティング液は、溶液であっても分散液であってもよい。
液状媒体としては、有機溶媒が好ましい。有機溶媒は、含フッ素有機溶媒でも非フッ素有機溶媒でもよく、両溶媒を含んでもよい。
含フッ素有機溶媒としては、フッ素化アルカン、フッ素化芳香族化合物、フルオロアルキルエーテル、フッ素化アルキルアミン、フルオロアルコール等が挙げられる。
フッ素化アルカンとしては、炭素数4〜8の化合物が好ましい。市販品としては、C13H(AGC社製、アサヒクリン(登録商標)AC−2000)、C13(AGC社製、アサヒクリン(登録商標)AC−6000)、CCHFCHFCF(ケマーズ社製、バートレル(登録商標)XF)等が挙げられる。
フッ素化芳香族化合物としては、ヘキサフルオロベンゼン、トリフルオロメチルベンゼン、ペルフルオロトルエン、ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン等が挙げられる。
フルオロアルキルエーテルとしては、炭素数4〜12の化合物が好ましい。市販品としては、CFCHOCFCFH(AGC社製、アサヒクリン(登録商標)AE−3000)、COCH(3M社製、ノベック(登録商標)7100)、COC(3M社製、ノベック(登録商標)7200)、CCF(OCH)C(3M社製、ノベック(登録商標)7300)等が挙げられる。
フッ素化アルキルアミンとしては、ペルフルオロトリプロピルアミン、ペルフルオロトリブチルアミン等が挙げられる。
フルオロアルコールとしては、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、ヘキサフルオロイソプロパノール等が挙げられる。
非フッ素有機溶媒としては、水素原子及び炭素原子のみからなる化合物と、水素原子、炭素原子及び酸素原子のみからなる化合物が好ましく、炭化水素、アルコール、ケトン、エーテル、エステルが挙げられる。
液状媒体は、2種以上を混合した混合媒体であってもよい。
化合物1又は本組成物の含有量は、本コーティング液のうち、0.001〜10質量%が好ましく、0.01〜1質量%が特に好ましい。液状媒体の含有量は、本コーティング液のうち、90〜99.999質量%が好ましく、99〜99.99質量%が特に好ましい。
[物品]
本発明の物品(以下、「本物品」とも記す。)は、化合物1又は本組成物から形成された表面層を基材の表面に有する。表面層は、化合物1を、化合物1の反応性シリル基の一部又は全部が加水分解反応し、かつ脱水縮合反応した状態で含む。
表面層の厚さは、1〜100nmが好ましく、1〜50nmが特に好ましい。該厚さが1nm以上であれば、表面処理による効果が充分に得られやすい。該厚さが100nm以下であれば、利用効率が高い。表面層の厚さは、薄膜解析用X線回折計(RIGAKU社製、ATX−G)を用いて、X線反射率法によって反射X線の干渉パターンを得て、干渉パターンの振動周期から算出できる。
基材としては、撥水撥油性の付与が求められている基材が挙げられる。基材の材料としては、金属、樹脂、ガラス、サファイア、セラミック、石、これらの複合材料が挙げられる。ガラスは化学強化されていてもよい。基材の表面にはSiO膜等の下地膜が形成されていてもよい。
基材としては、タッチパネル用基材、ディスプレイ用基材、メガネレンズが好適であり、タッチパネル用基材が特に好適である。タッチパネル用基材の材料としては、ガラス又は透明樹脂が好ましい。
[物品の製造方法]
本物品は、例えば、下記の方法で製造できる。
・化合物1又は本組成物を用いたドライコーティング法によって基材の表面を処理して、化合物1又は本組成物から形成された表面層を基材の表面に形成する方法。
・ウェットコーティング法によって本コーティング液を基材の表面に塗布し、乾燥させて、化合物1又は本組成物から形成された表面層を基材の表面に形成する方法。
ドライコーティング法としては、真空蒸着、CVD、スパッタリング等の手法が挙げられる。ドライコーティング法としては、化合物1の分解を抑える点、及び装置の簡便さの点から、真空蒸着法が好ましい。真空蒸着時には、鉄、鋼等の金属多孔体に化合物1又は本組成物を含浸させたペレット状物質を用いてもよい。本コーティング液を鉄、鋼等の金属多孔体に含浸させ、液状媒体を乾燥させて、化合物1又は本組成物が含浸したペレット状物質を用いてもよい。
ウェットコーティング法としては、スピンコート法、ワイプコート法、スプレーコート法、スキージーコート法、ディップコート法、ダイコート法、インクジェット法、フローコート法、ロールコート法、キャスト法、ラングミュア・ブロジェット法、グラビアコート法等が挙げられる。
以下に実施例を用いて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。以下において「%」は特に断りのない限り「質量%」である。例3、4、8〜11は実施例であり、例5〜7、12〜14は比較例である。
[例1]
(例1−1)
窒素置換した50mLの3口フラスコに、ビスマス(III)クロライド(東京化成工業社製)の0.089g、アセトニトリルの4.0gを入れ、25℃で撹拌した。3口フラスコ内に、及び化合物5−1の3.57gを滴下し、次いで化合物4−1(東京化成工業社製)の1.03gを滴下した。25℃で24時間撹拌した。反応液を濃縮し、析出した固体を濾過によって取り除き、液体を55℃で減圧乾燥した。更に析出した固体を濾過によって取り除き、液体である化合物2−1の1.06gを得た。
Figure 2019208503
化合物2−1のNMRスペクトル;
H-NMR(300.4MHz、溶媒:CDCl、基準:CHCl) δ(ppm):4.7(1H)、3.8(12H)、1.1(18H)、0.1(3H)。
(例1−2)
窒素置換した50mLのナスフラスコに、例1−1で得た化合物2−1の0.5g、及びメタノールの4gを入れ、25℃で18時間撹拌した。反応液を濃縮し、化合物2−2の0.35g得た。
Figure 2019208503
化合物2−2のNMRスペクトル;
H−NMR(300.4MHz、溶媒:CDCl、基準:CHCl) δ(ppm):4.7(1H)、3.6(18H)、0.1(3H)。
[例2]
(例2−1)
国際公開第2013/121984号の実施例の例11−1〜例11−3に記載の方法にしたがって化合物6−1を得た。
CF−O−(CFCFO−CFCFCFCFO)CFCFO−CFCFCF−CFOC(O)CF(CF)OCFCFCF 式6−1
xの平均値:13、化合物6−1のMn:5,050。
(例2−2)
アルミホイルで遮光した500mLのナスフラスコに、ピリチオンナトリウムの5.8g、1,3−ビストリフルオロメチルベンゼン(AGCセイミケミカル社製、SR−ソルベント)の100mLを入れ、氷冷下で撹拌した。次いで、例2−1で得た化合物6−1の50.0gを入れ、氷冷のまま2時間撹拌した。次いで、ヨウ素の12.0g、2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)の1.8gを入れ、遮光していたアルミホイルを取り除き、85℃で一晩撹拌した。温度を25℃に戻し、メタノールを入れて撹拌した後、C13(AGC社製、アサヒクリン(登録商標)AC−6000)を入れて2層分離し、下層を回収し、溶媒を留去した。得られた粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物7−1の39.8gを得た。
CF−O−(CFCFO−CFCFCFCFO)CFCFO−CFCFCFI 式7−1
化合物7−1のNMRスペクトル;
19F−NMR(282.7MHz、溶媒:CDCl、基準:CFCl) δ(ppm):−55(3F)、−58(2F)、−83(50F)、−88(52F)、−90(2F)、−116(2F)、−125(52F)。
xの平均値:13。
(例2−3)
100mLのナスフラスコに、例2−2で得た化合物7−1の10g、SRソルベントの10gを入れ、25℃で撹拌した。次いで、アリルトリブチルスズ(東京化成工業社製)の4g、及びアゾビスイソブチロニトリルの0.04gを入れ、90℃で21時間撹拌した。25℃に戻し、水で洗浄した後、ヘキサンで再沈した。得られた固体をC13H(AGC社製、アサヒクリン(登録商標)AC−2000)に溶解し、硫酸マグネシウムで脱水した後、固体を濾過で取り除き、液体を濃縮した。得られた粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物3−1の8.5g得た。
CF−O−(CFCFO−CFCFCFCFO)CFCFO−CFCFCF−CHCH=CH 式3−1
化合物3−1のNMRスペクトル;
H−NMR(300.4MHz、溶媒:CDCl、基準:CHCl) δ(ppm):6.0(1H)、5.5(2H)、3.0(2H)。
19F−NMR(282.7MHz、溶媒:CDCl、基準:C) δ(ppm):−55(3F)、−83(50F)、−88(52F)、−90(2F)、−114(2F)、−125(52F)。
xの平均値:13。
[例3]
50mLのナスフラスコに、例2−3で得た化合物3−1の2.0g、例1−1で得た化合物2−1の0.25g、アニリンの0.0024g、AC−6000の2.0g、及び白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体の0.0067gを入れ、60℃で撹拌した。反応液を濃縮し、化合物1−1の2.1gを得た。
Figure 2019208503
xの平均値:13。
[例4]
50mLのナスフラスコに、例2−3で得た化合物3−1の2.0g、例1−2で得た化合物2−2の0.20g、アニリンの0.0024g、AC−6000の2.0g、及び白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体の0.0067gを入れ、60℃で撹拌した。反応液を濃縮し、化合物1−2の2.0gを得た。
Figure 2019208503
xの平均値:13。
[例5]
50mLのナスフラスコに、例2−3で得た化合物3−1の2.0g、トリエトキシシランの0.13g、アニリンの0.0024g、AC−6000の2.0g、及び白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体の0.0067gを入れ、60℃で撹拌した。反応液を濃縮し、化合物10−1の2.0g得た。
CF−O−(CFCFO−CFCFCFCFO)CFCFO−CFCFCF−CHCHCH−Si(OC 式10−1
[例6]
50mLのナスフラスコに、例2−3で得た化合物3−1の2.0g、トリメトキシシランの0.13g、アニリンの0.0024g、AC−6000の2.0g、及び白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体の0.0067gを入れ、60℃で撹拌した。反応液を濃縮し、化合物10−2の1.9g得た。
CF−O−(CFCFO−CFCFCFCFO)CFCFO−CFCFCF−CHCHCH−Si(OCH 式10−2
[例7]
特許文献3の実施例の例3に記載の方法にしたがって化合物10−3を得た。
Figure 2019208503
[例8]
(例8−1)
窒素置換した50mLのナスフラスコに例2−3で得た化合物3−1の2.0g、トリクロロシランの0.20g、AC−6000の2.0g、及び白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体の0.0052gを入れ、60℃で撹拌した。反応液を濃縮し、化合物8−1の2.0g得た。
CF−O−(CFCFO−CFCFCFCFO)CFCFO−CFCFCF−CHCHCH−SiCl 式8−1
(例8−2)
300mLのナスフラスコに炭酸アンモニウムの14.55g、水の2.38g、及びテトラヒドロフランの125mLを加えた後、氷冷下攪拌した。その後、テトラヒドロフラン50mLにクロロトリエトキシシランの5.45gを溶解した溶液を2時間かけてゆっくり滴下し、滴下終了後1時間攪拌した。その後吸引ろ過でろ過した後、ろ液を硫酸ナトリウムで乾燥、蒸留することにより−0.1kPaで43〜46℃の留分の(CHCHO)Si−OHを3.49g得た。
(例8−3)
窒素置換した50mLのナスフラスコに、例8−2で得た(CHCHO)Si−OHの0.35g、AC−2000の2mL、及びピリジンの0.32gを加え、氷冷下攪拌した。次に例8−1で得たAC−2000の2mLで溶解した化合物4−1の2.0gを滴下し室温に挙げた後、終夜で攪拌した。その後、反応系を氷冷し、クロロトリメチルシランの0.06gを添加し、6時間室温で攪拌した後、吸引ろ過し、ろ液を硫酸ナトリウムで乾燥した。その後真空乾燥し、化合物1−3を2.1g得た。
CF−O−(CFCFO−CFCFCFCFO)CFCFO−CFCFCF−CHCHCH−Si(OSi(OCHCH 式1−3
[例9〜14:物品の製造及び評価]
例3〜8で得た各化合物を用いて基材を表面処理し、例9〜14の物品を得た。表面処理方法として、各例について下記のドライコーティング法又はウェットコーティング法を用いた。基材としては化学強化ガラスを用いた。得られた物品について、下記の方法で評価した。結果を表1に示す。
(ドライコーティング法)
ドライコーティングは、真空蒸着装置(ULVAC社製、VTR350M)を用いて行った(真空蒸着法)。例3〜8で得た各化合物の0.5gを真空蒸着装置内のモリブデン製ボートに充填し、真空蒸着装置内を1×10−3Pa以下(絶対圧)に排気した。化合物を配置したボートを昇温速度10℃/分以下の速度で加熱し、水晶発振式膜厚計による蒸着速度が1nm/秒を超えた時点でシャッターを開けて基材の表面への製膜を開始させた。膜厚が約50nmとなった時点でシャッターを閉じて基材の表面への製膜を終了させた。化合物が堆積された基材を、200℃で30分間加熱処理し、ジクロロペンタフルオロプロパン(AGC社製、AK−225)にて洗浄して基材の表面に表面層を有する物品を得た。
(ウェットコーティング法)
例3〜8で得た各化合物と、媒体としてのCOC(3M社製、ノベック(登録商標)7200)とを混合して、固形分濃度0.05%のコーティング液を調製した。コーティング液に基材をディッピングし、30分間放置後、基材を引き上げた(ディップコート法)。塗膜を200℃で30分間乾燥させ、AK−225にて洗浄して、基材の表面に表面層を有する物品を得た。
(評価方法)
<接触角の測定方法>
表面層の表面に置いた、約2μLの蒸留水又はn−ヘキサデカンの接触角を、接触角測定装置(協和界面科学社製、DM−500)を用いて測定した。表面層の表面における異なる5箇所で測定し、その平均値を算出した。接触角の算出には2θ法を用いた。
<初期接触角>
表面層について、初期水接触角及び初期n−ヘキサデカン接触角を前記測定方法で測定した。評価基準は下記のとおりである。
初期水接触角:
◎(優):115度以上 ○(良):110度以上115度未満
△(可):100度以上110度未満 ×(不可):100度未満。
初期n−ヘキサデカン接触角:
◎(優):66度以上 ○(良):65度以上66度未満。
△(可):63度以上65度未満 ×(不可):63度未満。
<耐光性>
表面層に対し、卓上型キセノンアークランプ式促進耐光性試験機(東洋精機社製、SUNTEST XLS+)を用いて、ブラックパネル温度:63℃にて、光線(650W/m、300〜700nm)を1,000時間照射した後、水接触角を測定した。促進耐光試験後の水接触角の低下が小さいほど光による性能の低下が小さく、耐光性に優れる。評価基準は下記のとおりである。
◎(優) :促進耐光試験後の水接触角の変化が2度以下。
○(良) :促進耐光試験後の水接触角の変化が2度超5度以下。
△(可) :促進耐光試験後の水接触角の変化が5度超10度以下。
×(不可):促進耐光試験後の水接触角の変化が10度超。
<耐摩擦性>
表面層について、JIS L0849:2013(ISO 105−X12:2001)に準拠して往復式トラバース試験機(ケイエヌテー社製)を用い、スチールウールボンスター(♯0000)を圧力:98.07kPa、速度:320cm/分で1万回往復させた後、水接触角を測定した。摩擦後の撥水性(水接触角)の低下が小さいほど摩擦による性能の低下が小さく、耐摩擦性に優れる。評価基準は下記のとおりである。
◎(優) :1万回往復後の水接触角の変化が2度以下。
○(良) :1万回往復後の水接触角の変化が2度超5度以下。
△(可) :1万回往復後の水接触角の変化が5度超10度以下。
×(不可):1万回往復後の水接触角の変化が10度超。
<耐光性+耐摩擦性>
上記耐光性の試験後に、上記耐摩擦性の試験を行い、耐摩擦性(スチールウール)の評価基準にて評価した。
<耐薬品性(耐アルカリ性)>
物品を、1規定の水酸化ナトリウム水溶液(pH=14)に5時間浸漬した後、水洗、風乾し、水接触角を測定した。試験後における水接触角の低下が小さいほどアルカリによる性能の低下が小さく、耐アルカリ性に優れる。評価基準は下記のとおりである。
◎(優) :耐アルカリ性試験後の水接触角の変化が2度以下。
〇(良) :耐アルカリ性試験後の水接触角の変化が2度超5度以下。
△(可) :耐アルカリ性試験後の水接触角の変化が5度超10度以下。
×(不可):耐アルカリ性試験後の水接触角の変化が10度超。
<耐薬品性(耐塩水性)>
JIS H8502に準拠して塩水噴霧試験を行った。すなわち、物品を、塩水噴霧試験機(スガ試験機社製)内で300時間塩水雰囲気に暴露した後、水接触角を測定した。試験後における水接触角の低下が小さいほど塩水による性能の低下が小さく、耐塩水性に優れる。評価基準は下記のとおりである。
◎(優) :塩水噴霧試験後の水接触角の変化が2度以下。
○(良) :塩水噴霧試験後の水接触角の変化が2度超5度以下。
△(可) :塩水噴霧試験後の水接触角の変化が5度超10度以下。
×(不可):塩水噴霧試験後の水接触角の変化が10度超。
<指紋汚れ除去性>
人工指紋液(オレイン酸とスクアレンとからなる液)を、シリコンゴム栓の平坦面に付着させた後、余分な油分を不織布(旭化成社製、ベンコット(登録商標)M−3)にて拭き取って、指紋のスタンプを準備した。指紋スタンプを表面層上に乗せ、荷重:9.8Nにて10秒間押しつけた。指紋が付着した箇所のヘーズをヘーズメータにて測定し、初期値とした。指紋が付着した箇所について、ティッシュペーパーを取り付けた往復式トラバース試験機(ケイエヌテー社製)を用い、荷重:4.9Nにて拭き取った。拭き取り一往復毎にヘーズの値を測定し、ヘーズが初期値から10%以下になる拭き取り回数を測定した。拭き取り回数が少ないほど指紋汚れを容易に除去でき、指紋汚れ拭き取り性に優れる。評価基準は下記のとおりである。
◎(優) :拭き取り回数が3回以下。 ○(良):拭き取り回数が4〜5回。
△(可) :拭き取り回数が6〜8回。 ×(不可):拭き取り回数が9回以上。
Figure 2019208503
化合物1を用いた例9〜11は、初期の撥水撥油性、耐摩擦性、指紋汚れ除去性、耐光性及び耐薬品性に優れていることを確認した。特に、耐光性の試験後の耐摩擦性に優れており、従来の含フッ素エーテル化合物を用いた例12〜14よりも、更に耐光性に優れることを確認した。
本発明の含フッ素エーテル化合物は、潤滑性や撥水撥油性の付与が求められている各種の用途に用いることができる。例えばタッチパネル等の表示入力装置;透明なガラス製又は透明なプラスチック製部材の表面保護コート、キッチン用防汚コート;電子機器、熱交換器、電池等の撥水防湿コートや防汚コート、トイレタリー用防汚コート;導通しながら撥液が必要な部材へのコート;熱交換機の撥水・防水・滑水コート;振動ふるいやシリンダ内部等の表面低摩擦コート等に用いることができる。
より具体的な使用例としては、ディスプレイの前面保護板、反射防止板、偏光板、アンチグレア板、あるいはそれらの表面に反射防止膜処理を施したもの、携帯電話、携帯情報端末等の機器のタッチパネルシートやタッチパネルディスプレイ等人の指あるいは手のひらで画面上の操作を行う表示入力装置を有する各種機器、トイレ、風呂、洗面所、キッチン等の水周りの装飾建材、配線板用防水コーティング熱交換機の撥水・防水コート、太陽電池の撥水コート、プリント配線板の防水・撥水コート、電子機器筐体や電子部品用の防水・撥水コート、送電線の絶縁性向上コート、各種フィルタの防水・撥水コート、電波吸収材や吸音材の防水性コート、風呂、厨房機器、トイレタリー用防汚コート、熱交換機の撥水・防水・滑水コート、振動ふるいやシリンダ内部等の表面低摩擦コート、機械部品、真空機器部品、ベアリング部品、自動車部品、工具等の表面保護コートが挙げられる。
なお、2018年4月26日に出願された日本特許出願2018−085493号の明細書、特許請求の範囲、図面、及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (14)

  1. ポリフルオロポリエーテル鎖及び下式g1で表される基を有する、含フッ素エーテル化合物。
    −Si(R3−a[−(OSi(R−O−Si(R3−c(L) 式g1
    但し、Rは、アルキル基であり、Rは、アルキル基、フェニル基又はアルコキシ基であり、2つのRは同一であっても異なっていてもよく、Rは、アルキル基であり、Lは、加水分解性基又は水酸基であり、2以上のLは同一であっても異なっていてもよく、aは、2又は3であり、2以上の[−(OSi(R−O−Si(R3−c(L)]は同一であっても異なっていてもよく、bは、0〜5の整数であり、bが2以上の場合、2以上の(OSi(R)は同一であっても異なっていてもよく、cは、2又は3である。
  2. 前記含フッ素エーテル化合物が、下式1aで表される化合物である、請求項1に記載の含フッ素エーテル化合物。
    (G−)(−X) 式1a
    但し、Gは、1価のポリフルオロポリエーテル鎖であり、Qは、s+t価の有機基であり、Xは、前記式g1で表される基であり、sは、1以上の整数であり、sが2以上の場合、2以上のXは同一であっても異なっていてもよく、tは、1以上の整数であり、tが2以上の場合、2以上のGは同一であっても異なっていてもよい。
  3. 前記Gが、下式g2−1で表される基である、請求項2に記載の含フッ素エーテル化合物。
    A−O−(Rf1O)−Rf2− 式g2−1
    但し、Aは、炭素数1〜20のポリフルオロアルキル基(但し、末端にCF−を有する。)であり、Rf1は、フルオロアルキレン基であり、Rf2は、フルオロアルキレン基(但し、Q側の末端の炭素原子及びO(Rf1O)側の末端の炭素原子には少なくとも1個のフッ素原子が結合する。)であり、mは、2〜500の整数であり、(Rf1O)は炭素数の異なる2種以上のRf1Oからなるものであってもよい。
  4. 前記tが1であり、
    前記Qが、式g3−1で表される基(但し、s=1である。)、式g3−2で表される基(但し、s=dである。)、式g3−3で表される基(但し、s=2である。)、式g3−4で表される基(但し、s=eである。)、式g3−5で表される基(但し、s=nである。)、式g3−6で表される基(但し、s=d1+n×d2である。)、式g3−7で表される基(但し、s=(2−h)+n×hである。)又は式g3−8で表される基(但し、s=e1+n×e2である。)である、請求項2又は3に記載の含フッ素エーテル化合物。
    −Q11− 式g3−1
    −Q12−C(R3−d(−Q21−) 式g3−2
    −Q13−N(−Q21−) 式g3−3
    −Q14−Z(−Q21−) 式g3−4
    −Q11−Si(R3−n(−Q21−) 式g3−5
    −Q12−C(R3−d1−d2(−Q21−)d1[−Q15−Si(R3−n(−Q21−)d2 式g3−6
    −Q13−N(−Q21−)2−h[−Q15−Si(R3−n(−Q21−) 式g3−7
    −Q14−Z(−Q21−)e1[−Q15−Si(R3−n(−Q21−)e2 式g3−8
    但し、 式g3−2〜式g3−8においては、Q11、Q12、Q13又はQ14側がGに接続し、Q21側がXに接続し、
    11は、アルキレン基、炭素数2以上のアルキレン基の炭素−炭素原子間に−C(O)NH−、−C(O)−、−NH−又は−O−を有する基、アルキレン基のG側の末端に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有する基、又は炭素数2以上のアルキレン基の炭素−炭素原子間に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有しかつG側の末端に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有する基であり、
    12は、単結合、−C(O)NH−、アルキレン基、炭素数2以上のアルキレン基の炭素−炭素原子間に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有する基、アルキレン基の末端に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有する基、又は炭素数2以上のアルキレン基の炭素−炭素原子間に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有しかつ末端に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有する基であり、
    13は、単結合、−C(O)−、アルキレン基、炭素数2以上のアルキレン基の炭素−炭素原子間に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有する基、アルキレン基のG側の末端に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有する基、又は炭素数2以上のアルキレン基の炭素−炭素原子間に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有しかつG側の末端に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有する基であり、
    14は、単結合、アルキレン基、炭素数2以上のアルキレン基の炭素−炭素原子間に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有する基、アルキレン基の末端(但し、Zの窒素原子に接続する末端を除く。)に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有する基、又は炭素数2以上のアルキレン基の炭素−炭素原子間に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有しかつ末端(但し、Zの窒素原子に接続する末端を除く。)に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有する基であり、
    15は、単結合、アルキレン基、炭素数2以上のアルキレン基の炭素−炭素原子間に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有する基、アルキレン基のSiに接続しない側の末端(但し、Nに接続する末端を除く。)に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有する基、又は炭素数2以上のアルキレン基の炭素−炭素原子間に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有しかつSiに接続しない側の末端(但し、Nに接続する末端を除く。)に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有する基であり、
    21は、アルキレン基、炭素数2以上のアルキレン基の炭素−炭素原子間に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有する基、アルキレン基のSiに接続しない側の末端(但し、Nに接続する末端を除く。)に−C(O)NH−、−C(O)−、−O−、−CF−又は−CFC(O)NH−を有する基、又は炭素数2以上のアルキレン基の炭素−炭素原子間に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有しかつSiに接続しない側の末端(但し、Nに接続する末端を除く。)に−C(O)NH−、−C(O)−、−O−、−CF−又は−CFC(O)NH−を有する基であり、QがQ21を2以上有する場合、2以上のQ21は同一であっても異なっていてもよく、
    Zは、Q14が直接結合する炭素原子又は窒素原子を有しかつQ21が直接結合する炭素原子又は窒素原子を有するe+1価の環構造を有する基であり、
    は、水素原子、アルキル基、水酸基、フッ素原子又はフルオロアルキル基であり、Rは、アルキル基であり、dは、2又は3であり、eは、1以上の整数であり、nは、2又は3であり、d1は、0〜2の整数であり、d2は、1〜3の整数であり、d1+d2は、2又は3であり、d2が2以上の場合、2以上の[−Q15−Si(R3−n(−Q21−)]は同一であっても異なっていてもよく、hは、1又は2であり、hが2の場合、2個の[−Q15−Si(R3−n(−Q21−)]は同一であっても異なっていてもよく、e1は、0以上の整数であり、e2は、1以上の整数であり、e2が2以上の場合、2以上の[−Q15−Si(R3−n(−Q21−)]は同一であっても異なっていてもよい。
  5. 前記含フッ素エーテル化合物が、下式1bで表される化合物である、請求項1に記載の含フッ素エーテル化合物。
    (X−)−G−Q(−X) 式1b
    但し、Gは、2価のポリフルオロポリエーテル鎖であり、Qは、s+1価の有機基であり、2つのQは同一であっても異なっていてもよく、Xは、前記式g1で表される基であり、sは、1以上の整数であり、2つのsは同一であっても異なっていてもよく、sが2以上の場合、2以上のXは同一であっても異なっていてもよい。
  6. 前記Gが、下式g2−2で表される基である、請求項5に記載の含フッ素エーテル化合物。
    −Rf2−O−(Rf1O)−Rf2− 式g2−2
    但し、Rf1は、フルオロアルキレン基であり、Rf2は、フルオロアルキレン基(但し、Q側の末端の炭素原子及びO(Rf1O)側の末端の炭素原子には少なくとも1個のフッ素原子が結合する。)であり、mは、2〜500の整数であり、(Rf1O)は炭素数の異なる2種以上のRf1Oからなるものであってもよい。
  7. 前記tが1であり、
    前記Qが、式g3−1で表される基(但し、s=1である。)、式g3−2で表される基(但し、s=dである。)、式g3−3で表される基(但し、s=2である。)、式g3−4で表される基(但し、s=eである。)、式g3−5で表される基(但し、s=nである。)、式g3−6で表される基(但し、s=d1+n×d2である。)、式g3−7で表される基(但し、s=(2−h)+n×hである。)又は式g3−8で表される基(但し、s=e1+n×e2である。)である、請求項5又は6に記載の含フッ素エーテル化合物。
    −Q11− 式g3−1
    −Q12−C(R3−d(−Q21−) 式g3−2
    −Q13−N(−Q21−) 式g3−3
    −Q14−Z(−Q21−) 式g3−4
    −Q11−Si(R3−n(−Q21−) 式g3−5
    −Q12−C(R3−d1−d2(−Q21−)d1[−Q15−Si(R3−n(−Q21−)d2 式g3−6
    −Q13−N(−Q21−)2−h[−Q15−Si(R3−n(−Q21−) 式g3−7
    −Q14−Z(−Q21−)e1[−Q15−Si(R3−n(−Q21−)e2 式g3−8
    但し、式g3−2〜式g3−8においては、Q11、Q12、Q13又はQ14側がGに接続し、Q21側がXに接続し、
    11は、アルキレン基、炭素数2以上のアルキレン基の炭素−炭素原子間に−C(O)NH−、−C(O)−、−NH−又は−O−を有する基、アルキレン基のG側の末端に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有する基、又は炭素数2以上のアルキレン基の炭素−炭素原子間に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有しかつG側の末端に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有する基であり、
    12は、単結合、−C(O)NH−、アルキレン基、炭素数2以上のアルキレン基の炭素−炭素原子間に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有する基、アルキレン基の末端に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有する基、又は炭素数2以上のアルキレン基の炭素−炭素原子間に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有しかつ末端に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有する基であり、
    13は、単結合、−C(O)−、アルキレン基、炭素数2以上のアルキレン基の炭素−炭素原子間に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有する基、アルキレン基のG側の末端に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有する基、又は炭素数2以上のアルキレン基の炭素−炭素原子間に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有しかつG側の末端に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有する基であり、
    14は、単結合、アルキレン基、炭素数2以上のアルキレン基の炭素−炭素原子間に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有する基、アルキレン基の末端(但し、Zの窒素原子に接続する末端を除く。)に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有する基、又は炭素数2以上のアルキレン基の炭素−炭素原子間に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有しかつ末端(但し、Zの窒素原子に接続する末端を除く。)に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有する基であり、
    15は、単結合、アルキレン基、炭素数2以上のアルキレン基の炭素−炭素原子間に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有する基、アルキレン基のSiに接続しない側の末端(但し、Nに接続する末端を除く。)に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有する基、又は炭素数2以上のアルキレン基の炭素−炭素原子間に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有しかつSiに接続しない側の末端(但し、Nに接続する末端を除く。)に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有する基であり、
    21は、アルキレン基、炭素数2以上のアルキレン基の炭素−炭素原子間に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有する基、アルキレン基のSiに接続しない側の末端(但し、Nに接続する末端を除く。)に−C(O)NH−、−C(O)−、−O−、−CF−又は−CFC(O)NH−を有する基、又は炭素数2以上のアルキレン基の炭素−炭素原子間に−C(O)NH−、−C(O)−又は−O−を有しかつSiに接続しない側の末端(但し、Nに接続する末端を除く。)に−C(O)NH−、−C(O)−、−O−、−CF−又は−CFC(O)NH−を有する基であり、QがQ21を2以上有する場合、2以上のQ21は同一であっても異なっていてもよく、
    Zは、Q14が直接結合する炭素原子又は窒素原子を有しかつQ21が直接結合する炭素原子又は窒素原子を有するe+1価の環構造を有する基であり、
    は、水素原子、アルキル基、水酸基、フッ素原子又はフルオロアルキル基であり、Rは、アルキル基であり、dは、2又は3であり、eは、1以上の整数であり、nは、2又は3であり、d1は、0〜2の整数であり、d2は、1〜3の整数であり、d1+d2は、2又は3であり、d2が2以上の場合、2以上の[−Q15−Si(R3−n(−Q21−)]は同一であっても異なっていてもよく、hは、1又は2であり、hが2の場合、2個の[−Q15−Si(R3−n(−Q21−)]は同一であっても異なっていてもよく、e1は、0以上の整数であり、e2は、1以上の整数であり、e2が2以上の場合、2以上の[−Q15−Si(R3−n(−Q21−)]は同一であっても異なっていてもよい。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の含フッ素エーテル化合物の1種以上と、他の含フッ素エーテル化合物とを含む含フッ素エーテル組成物。
  9. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の含フッ素エーテル化合物又は請求項8に記載の含フッ素エーテル組成物と、液状媒体とを含むコーティング液。
  10. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の含フッ素エーテル化合物又は請求項8に記載の含フッ素エーテル組成物から形成された表面層を基材の表面に有する物品。
  11. 前記表面層を、タッチパネルの指で触れる面を構成する部材の表面に有する、請求項10に記載の物品。
  12. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の含フッ素エーテル化合物又は請求項8に記載の含フッ素エーテル組成物を用いたドライコーティング法によって基材の表面を処理して、前記含フッ素エーテル化合物又は前記含フッ素エーテル組成物から形成された表面層を前記基材の表面に形成する物品の製造方法。
  13. 請求項9に記載のコーティング液を、ウェットコーティング法によって基材の表面に塗布し、乾燥させて、前記含フッ素エーテル化合物又は前記含フッ素エーテル組成物から形成された表面層を前記基材の表面に形成する物品の製造方法。
  14. 下式2で表される化合物である、反応性シリル基含有化合物。
    H−Si(R3−a[−(OSi(R−O−Si(R3−c(L) 式2
    但し、Rは、アルキル基であり、Rは、アルキル基、フェニル基又はアルコキシ基であり、2つのRは同一であっても異なっていてもよく、Rは、アルキル基であり、
    Lは、加水分解性基又は水酸基であり、2以上のLは同一であっても異なっていてもよく、aは、2又は3であり、2以上の[−(OSi(R−O−Si(R3−c(L)]は同一であっても異なっていてもよく、bは、0〜5の整数であり、bが2以上の場合、2以上の(OSi(R)は同一であっても異なっていてもよく、cは、2又は3である。
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