JPWO2019193907A1 - 光学物品の製造方法及び光学物品 - Google Patents
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Abstract
本発明の課題は、転写に際し反射層ユニットの構成層へのダメージを抑制する光学物品の製造方法を提供することである。本発明の光学物品の製造方法は、樹脂基材(11)上に親水性ポリマーを含有する屈折率の異なる層が2層以上積層された反射層ユニット(12)を有する光反射フィルム(10)を転写対象支持体(20)上に貼り合わせて形成された光学物品(1)の製造方法であって、反射層ユニット(12)の樹脂基材(11)と対向する面、又は転写対象支持体(11)上に、溶媒(33)として水及びアルコールの少なくとも一方を塗布する工程と、反射層ユニット(12)と転写対象支持体(20)とを、溶媒(33)を塗布した面を介して貼り合わせる工程と、を有することを特徴とする。
Description
本発明は、光学物品の製造方法及び光学物品に関し、より詳しくは、転写に際し反射層ユニットの構成層へのダメージを抑制する光学物品の製造方法及び光学物品に関する。
従来、反射積層体等を転写対象支持体へ転写する際、粘着剤を用いて転写することが知られている。
例えば、特許文献1には、離型性を有する支持フィルムに反射層を設けた転写用波長選択的反射フィルムが開示され、加熱接着性を有する反射層を転写対象物に密着させた後、加圧・加熱することで、反射層を転写対象物に転写することが可能となっている。
具体的には、特許文献1の実施例では、転写用波長選択的反射フィルムの反射層(低屈折率層)を転写対象物に密着させた後、ステンレス鋼板で挟み込み、加圧・加熱条件下(約3900kPa、130℃、5分間)で反射層の転写を行っている。
例えば、特許文献1には、離型性を有する支持フィルムに反射層を設けた転写用波長選択的反射フィルムが開示され、加熱接着性を有する反射層を転写対象物に密着させた後、加圧・加熱することで、反射層を転写対象物に転写することが可能となっている。
具体的には、特許文献1の実施例では、転写用波長選択的反射フィルムの反射層(低屈折率層)を転写対象物に密着させた後、ステンレス鋼板で挟み込み、加圧・加熱条件下(約3900kPa、130℃、5分間)で反射層の転写を行っている。
しかしながら、特許文献1に開示の方法では、反射層に樹脂を用いた場合、加圧・加熱により樹脂が融解して界面が混合し、色ムラの原因となる。また、転写に大掛かりな装置が必要となり、曲面に貼りにくく、時間もかかるといった問題があった。
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、転写に際し反射層ユニットの構成層へのダメージを抑制する光学物品の製造方法及び光学物品を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、親水性ポリマーを含有する屈折率の異なる層が2層以上積層された反射層ユニットの樹脂基材と対向する面、又は転写対象支持体上に、溶媒として水及びアルコールの少なくとも一方を塗布する工程と、反射層ユニットと転写対象支持体とを、溶媒を塗布した面を介して貼り合わせる工程と、を有することが、転写に際し反射層ユニットの構成層へのダメージを抑制する光学物品の製造方法を提供できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.樹脂基材上に親水性ポリマーを含有する屈折率の異なる層が2層以上積層された反射層ユニットを有する光反射フィルムを転写対象支持体上に貼り合わせて形成された光学物品の製造方法であって、
前記反射層ユニットの前記樹脂基材と対向する面、又は前記転写対象支持体上に、溶媒として水及びアルコールの少なくとも一方を塗布する工程と、
前記反射層ユニットと前記転写対象支持体とを、前記溶媒を塗布した面を介して貼り合わせる工程と、
を有することを特徴とする光学物品の製造方法。
前記反射層ユニットの前記樹脂基材と対向する面、又は前記転写対象支持体上に、溶媒として水及びアルコールの少なくとも一方を塗布する工程と、
前記反射層ユニットと前記転写対象支持体とを、前記溶媒を塗布した面を介して貼り合わせる工程と、
を有することを特徴とする光学物品の製造方法。
2.前記親水性ポリマーが、ポリビニルアルコールであり、
前記溶媒が、水であることを特徴とする第1項に記載の光学物品の製造方法。
前記溶媒が、水であることを特徴とする第1項に記載の光学物品の製造方法。
3.樹脂基材上に屈折率の異なる層が2層以上積層された反射層ユニットを有する光反射フィルムと、転写対象支持体とが順に積層された光学物品であって、
前記屈折率の異なる層が、親水性ポリマーを含有し、
前記反射層ユニットと前記転写対象支持体とが、接した状態で積層されていることを特徴とする光学物品。
前記屈折率の異なる層が、親水性ポリマーを含有し、
前記反射層ユニットと前記転写対象支持体とが、接した状態で積層されていることを特徴とする光学物品。
本発明の上記手段により、転写に際し反射層ユニットの構成層へのダメージを抑制した光学物品の製造方法及び光学物品を提供することができる。
また、本発明は、転写に大掛かりな装置を必要とせず、曲面に貼りやすく、転写時間を短縮した光学物品の製造方法及び光学物品を提供することができる。
本発明の効果の発現機構・作用機構については明確になっていないが、以下のように推察している。
本発明の光学物品の製造方法は、親水性ポリマーを含有する屈折率の異なる層が2層以上積層された反射層ユニットの樹脂基材と対向する面、又は転写対象支持体上に、溶媒として水及びアルコールの少なくとも一方を塗布する工程と、反射層ユニットと転写対象支持体とを、溶媒を塗布した面を介して貼り合わせる工程と、を有することを技術的特徴とする。
すなわち、反射層ユニットと転写対象支持体とを密着させた際に、反射層ユニット又は転写対象支持体上に塗布された水及び/又はアルコールによって屈折率の異なる層が含有する親水性ポリマーが溶解するため、加圧・加熱することなく反射層ユニットを転写対象支持体上に転写できるものと考えている。
すなわち、反射層ユニットと転写対象支持体とを密着させた際に、反射層ユニット又は転写対象支持体上に塗布された水及び/又はアルコールによって屈折率の異なる層が含有する親水性ポリマーが溶解するため、加圧・加熱することなく反射層ユニットを転写対象支持体上に転写できるものと考えている。
本発明の光学物品の製造方法は、樹脂基材上に親水性ポリマーを含有する屈折率の異なる層が2層以上積層された反射層ユニットを有する光反射フィルムを転写対象支持体上に貼り合わせて形成された光学物品の製造方法であって、反射層ユニットの樹脂基材と対向する面、又は転写対象支持体上に、溶媒として水又はアルコールを塗布する工程と、反射層ユニットと転写対象支持体とを、溶媒を塗布した面を介して貼り合わせる工程と、を有することを特徴とする。この特徴は、下記各実施形態に係る発明に共通する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、反射層を同時重層塗布した際に、各反射層が層分離しやすい観点から、親水性ポリマーがポリビニルアルコールであり、溶媒が水であることが好ましい。
本発明は、樹脂基材上に屈折率の異なる層が2層以上積層された反射層ユニットを有する光反射フィルムと、転写対象支持体とが順に積層された光学物品であって、屈折率の異なる層が、親水性ポリマーを含有し、反射層ユニットと転写対象支持体とが、接した状態
で積層されている光学物品を提供することができる。
で積層されている光学物品を提供することができる。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、数値範囲を表す「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用している。
《光学物品の製造方法》
本発明の光学物品の製造方法は、反射層ユニットの樹脂基材と対向する面、又は転写対象支持体上に、溶媒として水又はアルコールを塗布する工程と、反射層ユニットと転写対象支持体とを、溶媒を塗布した面を介して貼り合わせる工程と、を有することを特徴とする。
本発明の光学物品の製造方法は、反射層ユニットの樹脂基材と対向する面、又は転写対象支持体上に、溶媒として水又はアルコールを塗布する工程と、反射層ユニットと転写対象支持体とを、溶媒を塗布した面を介して貼り合わせる工程と、を有することを特徴とする。
〈塗布工程〉
塗布工程では、反射層ユニットの樹脂基材と対向する面、又は転写対象支持体上に、溶媒として水又はアルコールを塗布する。
水又はアルコールを塗布する方法としては、特に制限されないが、ロールコーターやスピンコーターなどを用いて、水又はアルコールを樹脂基材表面に塗布してもよいし、スプレー塗布、浸漬法、スクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷等の方法で、水又はアルコールを樹脂基材表面に付与してもよい。
塗布工程では、反射層ユニットの樹脂基材と対向する面、又は転写対象支持体上に、溶媒として水又はアルコールを塗布する。
水又はアルコールを塗布する方法としては、特に制限されないが、ロールコーターやスピンコーターなどを用いて、水又はアルコールを樹脂基材表面に塗布してもよいし、スプレー塗布、浸漬法、スクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷等の方法で、水又はアルコールを樹脂基材表面に付与してもよい。
(溶媒)
反射層ユニットの樹脂基材と対向する面又は転写対象支持体上に塗布する水としては、特に制限されないが、イオン交換水、蒸留水又は純水が挙げられる。
反射層ユニットの樹脂基材と対向する面又は転写対象支持体上に塗布する水としては、特に制限されないが、イオン交換水、蒸留水又は純水が挙げられる。
アルコールとしては、反射層ユニットと転写対象支持体とを貼合することができれば特に制限されないが、例えば、エタノールが挙げられる。
溶媒としては、水とアルコールとの混合溶媒を用いてもよい。水とアルコールとの混合溶媒を用いる場合、その混合比率は特に制限されない。例えば、親水性ポリマーとしてポリビニルアルコール、混合溶媒として水とエタノールとの混合溶媒を用いる場合、エタノールがポリビニルアルコールに難溶であることから、エタノールの含有量を混合溶媒の総量(100体積%)に対し、5体積%程度とすることが好ましい。
反射層ユニットあるいは転写対象支持体に対する溶媒の塗布量としては、その表面が全体的に濡れる量であれば、特に制限されない。
〈貼合工程〉
貼合工程では、反射層ユニットと転写対象支持体とを、溶媒を塗布した面を介して貼合する。具体的には、例えば、水平面に載置した転写対象支持体上に水又はアルコールをスプレー塗布等により塗布する。一方で、樹脂基材上に反射層ユニットを設けた光反射フィルムを準備する。この光反射フィルムを、反射層ユニットを下面側となるようにして、上方から転写対象支持体に貼合する。
貼合工程では、反射層ユニットと転写対象支持体とを、溶媒を塗布した面を介して貼合する。具体的には、例えば、水平面に載置した転写対象支持体上に水又はアルコールをスプレー塗布等により塗布する。一方で、樹脂基材上に反射層ユニットを設けた光反射フィルムを準備する。この光反射フィルムを、反射層ユニットを下面側となるようにして、上方から転写対象支持体に貼合する。
〈乾燥工程〉
光反射フィルムと転写対象支持体とを貼合した後、乾燥することが好ましい。乾燥手段としては特に制限されず、例えば、熱風、赤外線、加熱ローラー、マイクロ波等を用いることができる。乾燥温度は、光反射フィルムの耐熱性の観点から、40〜100℃の範囲内であることが好ましい。
光反射フィルムと転写対象支持体とを貼合した後、乾燥することが好ましい。乾燥手段としては特に制限されず、例えば、熱風、赤外線、加熱ローラー、マイクロ波等を用いることができる。乾燥温度は、光反射フィルムの耐熱性の観点から、40〜100℃の範囲内であることが好ましい。
《光学物品》
本発明の光学物品は、樹脂基材上に屈折率の異なる層が2層以上積層された反射層ユニットを有する光反射フィルムと、転写対象支持体とが順に積層され、屈折率の異なる層が、親水性ポリマーを含有し、反射層ユニットと転写対象支持体とが、接した状態で積層されていることを特徴とする。
本発明の光学物品は、樹脂基材上に屈折率の異なる層が2層以上積層された反射層ユニットを有する光反射フィルムと、転写対象支持体とが順に積層され、屈折率の異なる層が、親水性ポリマーを含有し、反射層ユニットと転写対象支持体とが、接した状態で積層されていることを特徴とする。
図1に示すように、光学物品1は、光反射フィルム10と、転写対象支持体20とから構成されている。
光反射フィルム10は、樹脂基材11と、当該樹脂基材11上に設けられた、屈折率の異なる層が2層以上積層された反射層ユニット12とを有している。光学物品1において、反射層ユニット12は、転写対象支持体20側に設けられている。また、樹脂基材11と反射層ユニット12との間には、離型層(図示略)が設けられていてもよい。
光反射フィルム10は、樹脂基材11と、当該樹脂基材11上に設けられた、屈折率の異なる層が2層以上積層された反射層ユニット12とを有している。光学物品1において、反射層ユニット12は、転写対象支持体20側に設けられている。また、樹脂基材11と反射層ユニット12との間には、離型層(図示略)が設けられていてもよい。
〈光反射フィルム〉
本発明に係る光反射フィルムは、少なくとも、樹脂基材と、当該樹脂基材上に設けられた屈折率の異なる層が2層以上積層された反射層ユニットから構成されている。
本発明に係る光反射フィルムは、少なくとも、樹脂基材と、当該樹脂基材上に設けられた屈折率の異なる層が2層以上積層された反射層ユニットから構成されている。
(樹脂基材)
本発明に係る光反射フィルムに用いられる樹脂基材としては、透明な有機材料で形成されたものであれば、特に限定されるものではない。
本発明に係る光反射フィルムに用いられる樹脂基材としては、透明な有機材料で形成されたものであれば、特に限定されるものではない。
樹脂基材として使用できる樹脂としては特に制限はなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、変性ポリエステル等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、環状オレフィン系樹脂等のポリオレフィン類樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)等が挙げられる。
これらの樹脂は、単独で使用してもよいし、複数を併用してもよい。
これらの樹脂は、単独で使用してもよいし、複数を併用してもよい。
樹脂基材の厚さは、5〜200μm程度が好ましく、更に好ましくは15〜150μmである。樹脂基材は、2枚以上を重ねたものであってもよく、この際、樹脂基材の種類は同じでもよいし異なっていてもよい。
また、樹脂基材は、JIS R 3106:1998で示される可視光領域の透過率としては85%以上であることが好ましく、特に90%以上であることが好ましい。樹脂基材が上記透過率以上であることにより、光反射フィルムとしたときのJIS R 3106:1998で示される可視光領域の透過率を50%以上にするという点で有利であり、好ましい。
また、上記樹脂等を用いた樹脂基材(フィルム)は、未延伸フィルムでもよく、延伸フィルムでもよい。強度向上、熱膨張抑制の点から延伸フィルムが好ましい。
樹脂基材は、従来公知の一般的な方法により製造することが可能である。例えば、材料となる樹脂を押出機により溶融し、環状ダイやTダイにより押し出して急冷することにより、実質的に無定形で配向していない未延伸の基材を製造することができる。また、未延伸の基材を1軸延伸、テンター式逐次2軸延伸、テンター式同時2軸延伸、チューブラー式同時2軸延伸などの公知の方法により、基材の流れ(縦軸)方向、又は基材の流れ方向と直角(横軸)方向に延伸することにより延伸基材を製造することができる。この場合の延伸倍率は、樹脂基材の原料となる樹脂に合わせて適宜選択することできるが、縦軸方向及び横軸方向にそれぞれ2〜10倍が好ましい。
また、樹脂基材は、寸法安定性の観点から、弛緩処理、オフライン熱処理を行ってもよい。弛緩処理は樹脂基材の延伸製膜工程中の熱固定した後、横延伸のテンター内、又はテンターを出た後の巻き取りまでの工程で行われるのが好ましい。
弛緩処理は、処理温度が80〜200℃の範囲内で行われることが好ましく、より好ましくは処理温度が100〜180℃の範囲内である。
また、長手方向、幅手方向ともに、弛緩率が0.1〜10%の範囲内で行われることが好ましく、より好ましくは弛緩率が2〜6%の範囲内で処理されることである。
弛緩処理された樹脂基材は、オフライン熱処理を施すことにより耐熱性が向上し、さらに、寸法安定性が良好になる。
弛緩処理は、処理温度が80〜200℃の範囲内で行われることが好ましく、より好ましくは処理温度が100〜180℃の範囲内である。
また、長手方向、幅手方向ともに、弛緩率が0.1〜10%の範囲内で行われることが好ましく、より好ましくは弛緩率が2〜6%の範囲内で処理されることである。
弛緩処理された樹脂基材は、オフライン熱処理を施すことにより耐熱性が向上し、さらに、寸法安定性が良好になる。
樹脂基材は、製膜過程で片面又は両面にインラインで下引層形成用塗布液を塗布することが好ましい。本発明においては、製膜工程中での下引塗布をインライン下引という。本発明に有用な下引層形成用塗布液に使用する樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル変性ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリエチレンイミンビニリデン樹脂、ポリエチレンイミン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、変性ポリビニルアルコール樹脂、ゼラチン等が挙げられ、いずれも好ましく用いることができる。これらの下引層には、従来公知の添加剤を加えることもできる。そして、上記の下引層は、ロールコート、グラビアコート、ナイフコート、ディップコート、スプレーコート等の公知の方法によりコーティングすることができる。上記の下引層の塗布量としては、0.01〜2g/m2(乾燥状態)程度が好ましい。
(反射層ユニット)
本発明に係る反射層ユニットは、親水性ポリマーを含有し、かつ屈折率の異なる層が2層以上積層されたものである。
本発明に係る反射層ユニットは、親水性ポリマーを含有し、かつ屈折率の異なる層が2層以上積層されたものである。
反射層ユニットは、高屈折率層と低屈折率層とが交互に積層された積層体であることが好ましい形態である。ここで、「高屈折率層」及び「低屈折率層」なる用語は、隣接した2層の屈折率差を比較した場合に、屈折率が高い層を高屈折率層とし、屈折率が低い層を低屈折率層とすることを意味する。したがって、「高屈折率層」及び「低屈折率層」なる用語は、光反射フィルムを構成する各屈折率層において、隣接する二つの屈折率層に着目した場合に、各層が同じ屈折率を有する形態以外のあらゆる形態を含むものである。
反射層ユニットにおいて、低屈折率層は、主には親水性ポリマーと第1の金属酸化物粒子とから構成され、高屈折率層は、主には親水性ポリマーと第2の金属酸化物粒子とから構成されていることが好ましい。各層において用いられる親水性ポリマーは、同一であっても異なっていてもよい。
(1)親水性ポリマー
本発明において、親水性ポリマーとは、25℃の水100gに0.001g以上溶解するポリマーのことをいう。
親水性ポリマーとしては、ポリビニルアルコール、ポリエチレンイミン、ゼラチン、デンプン、グアーガム、アルギン酸塩、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、ポリエチレングリコール、ポリアルキレンオキサイド、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ナフタリンスルホン酸縮合物や、アルブミン、カゼイン等の蛋白質、アルギン酸ソーダ、デキストリン、デキストラン、デキストラン硫酸塩等の糖誘導体などを挙げられ、中でも、ポリビニルアルコールが好ましい。
その他、親水性ポリマーとしては、特開2012−27288号公報、特開2012−
139938号公報、特開2012−185342号公報、特開2012−215733号公報、特開2012−220708号公報、特開2012−242644号公報、特開2012−252137号公報、特開2013−4916号公報、特開2013−97248号公報、特開2013−148849号公報、特開2014−89347号公報、特開2014−201450号公報、特開2014−215513号公報等に記載のものが挙げられる。
親水性ポリマーは、単独で、又は併用することができる。
本発明において、親水性ポリマーとは、25℃の水100gに0.001g以上溶解するポリマーのことをいう。
親水性ポリマーとしては、ポリビニルアルコール、ポリエチレンイミン、ゼラチン、デンプン、グアーガム、アルギン酸塩、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、ポリエチレングリコール、ポリアルキレンオキサイド、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ナフタリンスルホン酸縮合物や、アルブミン、カゼイン等の蛋白質、アルギン酸ソーダ、デキストリン、デキストラン、デキストラン硫酸塩等の糖誘導体などを挙げられ、中でも、ポリビニルアルコールが好ましい。
その他、親水性ポリマーとしては、特開2012−27288号公報、特開2012−
139938号公報、特開2012−185342号公報、特開2012−215733号公報、特開2012−220708号公報、特開2012−242644号公報、特開2012−252137号公報、特開2013−4916号公報、特開2013−97248号公報、特開2013−148849号公報、特開2014−89347号公報、特開2014−201450号公報、特開2014−215513号公報等に記載のものが挙げられる。
親水性ポリマーは、単独で、又は併用することができる。
ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られるポリビニルアルコールは、平均重合度が1000以上であることが好ましく、平均重合度が1500〜5000の範囲内であることが特に好ましい。
また、ケン化度は、70〜100mol%の範囲内であることが好ましく、80〜99.9mol%の範囲内であることが特に好ましい。
また、ケン化度は、70〜100mol%の範囲内であることが好ましく、80〜99.9mol%の範囲内であることが特に好ましい。
ポリビニルアルコールとしては、合成品を用いてもよいし市販品を用いてもよい。ポリビニルアルコールとして用いられる市販品の例としては、PVA−102、PVA−103、PVA−105、PVA−110、PVA−117、PVA−120、PVA−124、PVA−203、PVA−205、PVA−210、PVA−217、PVA−220、PVA−224、PVA−235(以上、株式会社クラレ製)、JC−25、JC−33、JF−03、JF−04、JF−05、JP−03、JP−04、JP−05、JP−45(以上、日本酢ビ・ポバール株式会社製)等が挙げられる。
反射層ユニットを構成する各層は、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる通常のポリビニルアルコールの他に、一部が変性された変性ポリビニルアルコールを含んでもよい。このような変性ポリビニルアルコールを含むと、膜の密着性や耐水性、柔軟性が改良される場合がある。
変性ポリビニルアルコールとしては、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、ノニオン変性ポリビニルアルコール、ビニルアルコール系ポリマーが挙げられる。また、酢酸ビニル系樹脂(例えば、株式会社クラレ製「エクセバール」)、ポリビニルアルコールにアルデヒドを反応させて得られるポリビニルアセタール樹脂(例えば、積水化学工業株式会社製「エスレック」)、シラノール基を有するシラノール変性ポリビニルアルコール(例えば、株式会社クラレ製「R−1130」)、分子内にアセトアセチル基を有する変性ポリビニルアルコール系樹脂(例えば、日本合成化学工業株式会社製「ゴーセファイマー(登録商標)Z/WRシリーズ」)等もポリビニルアルコール系樹脂に含まれる。
アニオン変性ポリビニルアルコールは、例えば、特開平1−206088号公報に記載されているようなアニオン性基を有するポリビニルアルコール、特開昭61−237681号公報及び同63−307979号公報に記載されているようなビニルアルコールと水溶性基を有するビニル化合物との共重合体、及び特開平7−285265号公報に記載されているような水溶性基を有する変性ポリビニルアルコールが挙げられる。
また、ノニオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開平7−9758号公報に記載されているようなポリアルキレンオキサイド基をビニルアルコールの一部に付加したポリビニルアルコール誘導体、特開平8−25795号公報に記載されているような疎水性基を有するビニル化合物とビニルアルコールとのブロック共重合体、シラノール基を有するシラノール変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル基やカルボニル基、カルボキシ基などの反応性基を有する反応性基変性ポリビニルアルコール等が挙げられる。
カチオン変性ポリビニルアルコールは、例えば、特開昭61−10483号公報に記載されているような、第1級〜第3級アミノ基や第4級アンモニウム基を上記ポリビニルアルコールの主鎖又は側鎖中に有するポリビニルアルコールであり、カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体をケン化することにより得られる。
ビニルアルコール系ポリマーとしては、エクセバール(商品名:株式会社クラレ製)やニチゴーGポリマー(商品名:日本合成化学工業株式会社製)などが挙げられる。
反射層ユニットを構成する各層は、上記説明した親水性ポリマー以外に、本発明の目的効果を損なわない範囲でその他公知のバインダー樹脂を含んでいてもよい。
(2)金属酸化物粒子
本発明において、低屈折率層及び高屈折率層は、金属酸化物粒子を含有することが好ましい。
本発明において、低屈折率層及び高屈折率層は、金属酸化物粒子を含有することが好ましい。
(2.1)低屈折率層中の金属酸化物粒子:第1の金属酸化物粒子
低屈折率層に用いられる金属酸化物粒子としては、例えば、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、酸化亜鉛、アルミナ、コロイダルアルミナ等が挙げられる。これらのうち、コロイダルシリカゾル、特に酸性のコロイダルシリカゾルを用いることがより好ましく、有機溶媒に分散させたコロイダルシリカを用いることが特に好ましい。
また、屈折率をより低減させるために、低屈折率層の金属酸化物粒子として、粒子の内部に空孔を有する中空微粒子を用いてもよく、特に酸化ケイ素(二酸化ケイ素)の中空微粒子が好ましい。また、酸化ケイ素以外の公知の金属酸化物粒子(無機酸化物粒子)も使用することができる。
屈折率を調整するため、金属酸化物粒子は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
低屈折率層に用いられる金属酸化物粒子としては、例えば、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、酸化亜鉛、アルミナ、コロイダルアルミナ等が挙げられる。これらのうち、コロイダルシリカゾル、特に酸性のコロイダルシリカゾルを用いることがより好ましく、有機溶媒に分散させたコロイダルシリカを用いることが特に好ましい。
また、屈折率をより低減させるために、低屈折率層の金属酸化物粒子として、粒子の内部に空孔を有する中空微粒子を用いてもよく、特に酸化ケイ素(二酸化ケイ素)の中空微粒子が好ましい。また、酸化ケイ素以外の公知の金属酸化物粒子(無機酸化物粒子)も使用することができる。
屈折率を調整するため、金属酸化物粒子は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
低屈折率層に含まれる二酸化ケイ素粒子は、その平均粒径(個数平均:直径)が3〜100nmの範囲内であることが好ましい。1次粒子の状態で分散された二酸化ケイ素の1次粒子の平均粒径(塗布前の分散液状態での粒径)は、3〜50nmの範囲内であることがより好ましく、3〜40nmの範囲内であることが更に好ましく、3〜20nmの範囲内であることが特に好ましく、4〜10nmの範囲内であることが最も好ましい。また、2次粒子の平均粒径としては、30nm以下であることが、ヘイズが少なく可視光透過性に優れる観点で好ましい。
また、低屈折率層に含まれる二酸化ケイ素粒子の粒径は、1次平均粒径の他に、体積平均粒径により求めることもできる。
本発明で用いられるコロイダルシリカは、ケイ酸ナトリウムの酸等による複分解やイオン交換樹脂層を通過させて得られるシリカゾルを加熱熟成して得られるものであり、例えば、特開昭57−14091号公報、特開昭60−219083号公報、特開昭60−219084号公報、特開昭61−20792号公報、特開昭61−188183号公報、特開昭63−17807号公報、特開平4−93284号公報、特開平5−278324号公報、特開平6−92011号公報、特開平6−183134号公報、特開平6−297830号公報、特開平7−81214号公報、特開平7−101142号公報、特開平7−179029号公報、特開平7−137431号公報、国際公開第94/26530号などに記載されているものである。
このようなコロイダルシリカは合成品を用いてもよいし、市販品を用いてもよい。市販品としては、日産化学工業株式会社から販売されているスノーテックスシリーズ(スノーテックスOS、OXS、S、20、30、40、O、N、C等)が挙げられる。
コロイダルシリカは、その表面をカチオン変性されたものであってもよく、また、Al、Ca、Mg又はBa等で処理されたものであってもよい。
また、低屈折率層の二酸化ケイ素粒子としては、上述のように、中空粒子を用いることもできる。中空微粒子を用いる場合には、平均粒子空孔径が、3〜70nmの範囲内であると好ましく、5〜50nmの範囲内であるとより好ましく、5〜45nmの範囲内であると更に好ましい。なお、中空微粒子の平均粒子空孔径とは、中空微粒子の内径の平均値である。中空微粒子の平均粒子空孔径は、上記範囲であれば、十分に低屈折率層の屈折率が低屈折率化される。
平均粒子空孔径は、電子顕微鏡観察で、円形、楕円形又は実質的に円形は楕円形として観察できる空孔径を、ランダムに50個以上観察し、各粒子の空孔径を求め、その数平均値を求めることにより得られる。なお、平均粒子空孔径は、円形、楕円形又は実質的に円形若しくは楕円形として観察できる空孔径の外縁を、2本の平行線で挟んだ距離のうち、最小の距離を意味する。
平均粒子空孔径は、電子顕微鏡観察で、円形、楕円形又は実質的に円形は楕円形として観察できる空孔径を、ランダムに50個以上観察し、各粒子の空孔径を求め、その数平均値を求めることにより得られる。なお、平均粒子空孔径は、円形、楕円形又は実質的に円形若しくは楕円形として観察できる空孔径の外縁を、2本の平行線で挟んだ距離のうち、最小の距離を意味する。
低屈折率層における二酸化ケイ素粒子の含有量は、低屈折率層の全固形分に対して、20〜90質量%の範囲内であることが好ましく、30〜85質量%の範囲内であることがより好ましく、40〜80質量%の範囲内であることが更に好ましい。20質量%以上であると、所望の屈折率が得られ90質量%以下であると塗布性が良好となり好ましい。
(2.2)高屈折率層中の金属酸化物粒子:第2の金属酸化物粒子
高屈折率層においては、第2の金属酸化物粒子を含有することが好ましい。高屈折率層に適用する第2の金属酸化物粒子としては、上記説明した低屈折率層に適用する第1の金属酸化物粒子とは異なる金属酸化物粒子であることが好ましい。
高屈折率層においては、第2の金属酸化物粒子を含有することが好ましい。高屈折率層に適用する第2の金属酸化物粒子としては、上記説明した低屈折率層に適用する第1の金属酸化物粒子とは異なる金属酸化物粒子であることが好ましい。
高屈折率層に用いられる金属酸化物粒子としては、酸化チタン粒子、酸化ジルコニウム粒子、酸化亜鉛粒子、アルミナ粒子、コロイダルアルミナ、酸化ニオブ粒子、酸化ユーロピウム粒子、ジルコン粒子等を挙げられる。上記金属酸化物粒子は、それぞれ1種単独で用いても、あるいは2種以上混合して用いてもよい。上記金属酸化物粒子の中でも、酸化ジルコニウム粒子を含有することが好ましい。酸化ジルコニウム粒子を含む高屈折率層は、透明でより高い屈折率を発現することができる。また、光触媒活性が低いことから、高屈折率層や隣接した低屈折率層の耐光性、耐候性が高くなる。なお、本発明において、酸化ジルコニウムとは二酸化ジルコニウム(ZrO2)を意味する。
酸化ジルコニウム粒子は、立方晶でも正方晶であってもよく、また、それらの混合物であってもよい。
高屈折率層に含まれる酸化ジルコニウム粒子の大きさは、特に制限されるものではないが、体積平均粒径又は1次平均粒径により求めることができる。高屈折率層で用いられる酸化ジルコニウム粒子の体積平均粒径は、100nm以下であることが好ましく、1〜100nmの範囲内であることがより好ましく、2〜50nmの範囲内であることが更に好ましい。
また、高屈折率層で用いられる酸化ジルコニウム粒子の1次平均粒径は、100nm以下であることが好ましく、1〜100nmの範囲内であることがより好ましく、2〜50nmの範囲内であることが更に好ましい。
体積平均粒径又は1次平均粒径が1〜100nmの範囲内であれば、ヘイズが少なく可視光透過性に優れている。
また、高屈折率層で用いられる酸化ジルコニウム粒子の1次平均粒径は、100nm以下であることが好ましく、1〜100nmの範囲内であることがより好ましく、2〜50nmの範囲内であることが更に好ましい。
体積平均粒径又は1次平均粒径が1〜100nmの範囲内であれば、ヘイズが少なく可視光透過性に優れている。
なお、本発明において、体積平均粒径は、粒子そのものをレーザー回折散乱法、動的光散乱法、あるいは電子顕微鏡を用いて観察する方法や、屈折率層の断面や表面に現れた粒子像を電子顕微鏡で観察する方法により、1000個の任意の粒子の粒径を測定し、それぞれd1、d2、・・・、di、・・・、dkの粒径を持つ粒子がそれぞれn1、n2、・・・、ni、・・・、nk個存在する粒子の集団において、粒子1個あたりの体積をviとした場合に、体積平均粒径mv={Σ(vi・di)}/{Σ(vi)}で表される体積で重み付けされた平均粒径を算出することによって求めることができる。
また、1次平均粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM)等による電子顕微鏡写真から計測することができる。動的光散乱法や静的光散乱法等を利用する粒度分布計等によって計測してもよい。
透過型電子顕微鏡から求める場合、粒子の1次平均粒径は、粒子そのもの、又は屈折率層の断面や表面に現れた粒子を電子顕微鏡で観察し、1000個の任意の粒子の粒径を測定し、その単純平均値(個数平均)として求められる。ここで、個々の粒子の粒径は、その投影面積に等しい円を仮定したときの直径で表したものである。
また、酸化ジルコニウム粒子としては、水系の酸化ジルコニウムゾルの表面を変性して有機溶剤等に分散可能な状態にしたものを用いてもよい。
酸化ジルコニウム粒子又はその分散液の調製方法としては、従来公知のいずれの方法も用いることができる。例えば、特開2014−80361号公報に記載されるように、ジルコニウム塩を水中にてアルカリと反応させて、酸化ジルコニウム粒子のスラリーを調製し、有機酸を加えて水熱処理する方法が用いられうる。
酸化ジルコニウム粒子は、市販のものを使用してもよく、例えば、SZR−W、SZR−CW、SZR−M、及びSZR−K等(以上、堺化学工業株式会社製)を好適に使用することができる。
さらに、本発明で用いられる酸化ジルコニウム粒子は、単分散であることが好ましい。
高屈折率層における酸化ジルコニウム粒子の含有量としては、特に制限されないが、高屈折率層の全固形分に対して、15〜95質量%の範囲内であることが好ましく、20〜90質量%の範囲内であることがより好ましく、30〜90質量%の範囲内であることが更に好ましい。上記範囲とすることで、光学反射特性の良好なものとできる。
なお、酸化ジルコニウムと他の金属酸化物微粒子を組み合わせる場合、高屈折率層に用いられる金属酸化物粒子の総量(酸化ジルコニウム粒子と上記酸化ジルコニウム以外の高屈折率金属酸化物微粒子との合計量)に対して、酸化ジルコニウム粒子の含有量は80〜100質量%の範囲内であることが好ましく、90〜100質量%の範囲内であることが好ましく、100質量%であることが更に好ましい。
(2.3)各屈折率層に適用可能なその他の添加剤
高屈折率層及び低屈折率層に適用可能な各種の添加剤を、以下に列挙する。例えば、特開昭57−74193号公報、特開昭57−87988号公報、特開昭62−261476号公報等に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、特開昭57−87989号公報、特開昭60−72785号公報、特開昭61−146591号公報、特開平1−95091号公報、特開平3−13376号公報等に記載の退色防止剤、アニオン、カチオン又はノニオンの各種界面活性剤、特開昭59−42993号公報、特開昭59−52689号公報、特開昭62−280069号公報、特開昭61−242871号公報、特
開平4−219266号公報等に記載の蛍光増白剤、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消泡剤、ジエチレングリコール等の潤滑剤、防腐剤、防黴剤、帯電防止剤、マット剤、熱安定剤、酸化防止剤、難燃剤、結晶核剤、無機粒子、有機粒子、ポリエステル樹脂、減粘剤、滑剤、赤外線吸収剤、色素、顔料等の公知の各種添加剤などが挙げられる。
高屈折率層及び低屈折率層に適用可能な各種の添加剤を、以下に列挙する。例えば、特開昭57−74193号公報、特開昭57−87988号公報、特開昭62−261476号公報等に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、特開昭57−87989号公報、特開昭60−72785号公報、特開昭61−146591号公報、特開平1−95091号公報、特開平3−13376号公報等に記載の退色防止剤、アニオン、カチオン又はノニオンの各種界面活性剤、特開昭59−42993号公報、特開昭59−52689号公報、特開昭62−280069号公報、特開昭61−242871号公報、特
開平4−219266号公報等に記載の蛍光増白剤、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消泡剤、ジエチレングリコール等の潤滑剤、防腐剤、防黴剤、帯電防止剤、マット剤、熱安定剤、酸化防止剤、難燃剤、結晶核剤、無機粒子、有機粒子、ポリエステル樹脂、減粘剤、滑剤、赤外線吸収剤、色素、顔料等の公知の各種添加剤などが挙げられる。
(3)反射層ユニットの形成方法
反射層ユニットの形成方法としては、前述のように、樹脂基材上に、高屈折率層と低屈折率層とから構成されるユニットを形成することができる方法であれば、いかなる方法でも用いられ得る。
反射層ユニットの形成方法としては、前述のように、樹脂基材上に、高屈折率層と低屈折率層とから構成されるユニットを形成することができる方法であれば、いかなる方法でも用いられ得る。
具体的には、樹脂基材上に、高屈折率層と低屈折率層とを交互に塗布、乾燥して積層体を形成することが好ましい。具体的には以下の形態が挙げられる。
(i)樹脂基材上に、高屈折率層形成用塗布液を塗布・乾燥して高屈折率層を形成した後、低屈折率層形成用塗布液を塗布・乾燥して低屈折率層を形成し、これを順次繰り返し行い、反射層ユニットを形成する方法
(ii)樹脂基材上に、低屈折率層形成用塗布液を塗布・乾燥して低屈折率層を形成した後、高屈折率層形成用塗布液を塗布・乾燥して高屈折率層を形成し、これを順次繰り返し行い、反射層ユニットを形成する方法
(iii)樹脂基材上に、高屈折率層形成用塗布液と、低屈折率層形成用塗布液とを逐次重層塗布した後乾燥して、所定の層数の高屈折率層及び低屈折率層で構成されている反射層ユニットを形成する方法
(iv)樹脂基材上に、高屈折率層形成用塗布液と、低屈折率層形成用塗布液とをウェット状態で複数層積層し、所定の層数を同時重層塗布・乾燥して、高屈折率層及び低屈折率層を含む反射層ユニットを形成する方法
(ii)樹脂基材上に、低屈折率層形成用塗布液を塗布・乾燥して低屈折率層を形成した後、高屈折率層形成用塗布液を塗布・乾燥して高屈折率層を形成し、これを順次繰り返し行い、反射層ユニットを形成する方法
(iii)樹脂基材上に、高屈折率層形成用塗布液と、低屈折率層形成用塗布液とを逐次重層塗布した後乾燥して、所定の層数の高屈折率層及び低屈折率層で構成されている反射層ユニットを形成する方法
(iv)樹脂基材上に、高屈折率層形成用塗布液と、低屈折率層形成用塗布液とをウェット状態で複数層積層し、所定の層数を同時重層塗布・乾燥して、高屈折率層及び低屈折率層を含む反射層ユニットを形成する方法
中でも、より簡便な製造プロセスとなる上記(iv)の方法が好ましい。すなわち、反射層ユニットの形成方法としては、水系同時重層塗布法により、高屈折率層及び低屈折率層とを複数層積層することを含むことが好ましい。
塗布方式としては、例えば、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法、米国特許第2761419号明細書、同第2761791号明細書に記載のホッパーを使用するスライドビード塗布方法、エクストルージョンコート法等が好ましく用いられる。
高屈折率層形成用塗布液及び低屈折率層形成用塗布液を調製するための溶媒は、特に制限されないが、水、有機溶媒、又はその混合溶媒が好ましい。本発明においては、各屈折率層の構成バインダー樹脂としてポリビニルアルコールを主として用いることが好ましいが、ポリビニルアルコールを用いることにより水系溶媒による塗布が可能となる。
さらに、本発明では、ヘイズの低減やクラックの抑制のため、2種以上のカチオンポリマーを低屈折率層塗布液に添加することが好ましい。水系溶媒は、有機溶媒を用いる場合と比較して、大規模な生産設備を必要とすることがないため、生産性の点で好ましく、また環境保全の点でも好ましい。
2種以上のカチオンポリマーの含有量は、各カチオンポリマーが、酸化ケイ素粒子を含む金属酸化物粒子の合計質量に対して、例えば0.5〜20質量%の範囲内であり、2〜20質量%の範囲内であることが好ましく、3〜10質量%の範囲内であることがより好ましく、1〜10質量%の範囲内であることが更に好ましく、2〜5質量%の範囲内であることが特に好ましい。
2種以上のカチオンポリマーの含有量は、各カチオンポリマーが、酸化ケイ素粒子を含む金属酸化物粒子の合計質量に対して、例えば0.5〜20質量%の範囲内であり、2〜20質量%の範囲内であることが好ましく、3〜10質量%の範囲内であることがより好ましく、1〜10質量%の範囲内であることが更に好ましく、2〜5質量%の範囲内であることが特に好ましい。
有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノールなどのアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類、ジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル類、ジメチルホルムアミドなどのアミド類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類などが挙げられる。
これら有機溶媒は、単独でも又は2種以上混合して用いてもよい。環境面、操作の簡便性などから、塗布液の溶媒としては、水系溶媒が好ましく、水、又は水とメタノール、エタノール、若しくは酢酸エチルとの混合溶媒がより好ましく、水が特に好ましい。
これら有機溶媒は、単独でも又は2種以上混合して用いてもよい。環境面、操作の簡便性などから、塗布液の溶媒としては、水系溶媒が好ましく、水、又は水とメタノール、エタノール、若しくは酢酸エチルとの混合溶媒がより好ましく、水が特に好ましい。
水と少量の有機溶媒との混合溶媒を用いる際、当該混合溶媒中の水の含有量は、混合溶媒全体を100質量%として、80〜99.9質量%の範囲内であることが好ましく、85〜99.5質量%の範囲内であることがより好ましい。混合溶媒中の水の含有量を80質量%以上にすることで、溶媒の揮発による体積変動が低減でき、ハンドリングが向上し、また、99.9質量%以下にすることで、液添加時の均質性が増し、安定した液物性を得ることができる。
高屈折率層形成用塗布液中の樹脂の濃度(複数種類の樹脂を用いる場合は、その合計濃度)は、0.5〜10質量%の範囲内であることが好ましい。
また、高屈折率層形成用塗布液中の金属酸化物粒子の合計濃度は、1〜50質量%の範囲内であることが好ましい。
また、高屈折率層形成用塗布液中の金属酸化物粒子の合計濃度は、1〜50質量%の範囲内であることが好ましい。
低屈折率層形成用塗布液中の樹脂の濃度は、0.5〜10質量%の範囲内であることが好ましい。
また、低屈折率層形成用塗布液中の金属酸化物粒子の合計濃度は、1〜50質量%の範囲内であることが好ましい。
また、低屈折率層形成用塗布液中の金属酸化物粒子の合計濃度は、1〜50質量%の範囲内であることが好ましい。
高屈折率層形成用塗布液の調製方法は、特に制限されず、例えば、金属酸化物粒子、親水性ポリマー、例えば、ポリビニルアルコール、更に必要に応じて添加されるその他の添加剤を添加し、撹拌混合する方法が挙げられる。この際、各成分の添加順も特に制限されず、撹拌しながら各成分を順次添加し混合してもよいし、撹拌しながら一度に添加し混合してもよい。
低屈折率層形成用塗布液の調製方法も、特に制限されず、例えば、金属酸化物粒子、親水性ポリマー、例えば、ポリビニルアルコール、更に必要に応じて添加されるその他の添加剤を添加し、撹拌混合する方法が挙げられる。この際、各成分の添加順も特に制限されず、撹拌しながら各成分を順次添加し混合してもよいし、撹拌しながら一度に添加し混合してもよい。
また、本発明において、同時重層塗布を行う場合、高屈折率層形成用塗布液及び低屈折率層形成用塗布液に用いるポリビニルアルコールのケン化度が異なることが好ましい。ケン化度が異なることによって塗布、乾燥工程の各工程において層の混合を抑制することができる。
同時重層塗布を行う際の高屈折率層形成用塗布液及び低屈折率層形成用塗布液の温度は、スライドホッパー塗布方式を用いる場合は、25〜60℃の温度範囲が好ましく、30〜45℃の温度範囲がより好ましい。また、カーテン塗布方式を用いる場合は、25〜60℃の温度範囲が好ましく、30〜45℃の温度範囲がより好ましい。
同時重層塗布を行う際の高屈折率層形成用塗布液と低屈折率層形成用塗布液の粘度は、
特に制限されない。しかしながら、スライドビード塗布方式を用いる場合には、上記の塗布液の好ましい温度の範囲において、5〜160mPa・sの範囲内が好ましく、更に好ましくは60〜140mPa・sの範囲内である。また、カーテン塗布方式を用いる場合には、上記の塗布液の好ましい温度の範囲において、5〜1200mPa・sの範囲内が好ましく、更に好ましくは25〜500mPa・sの範囲内である。
このような粘度の範囲であれば、効率よく同時重層塗布を行うことができる。
特に制限されない。しかしながら、スライドビード塗布方式を用いる場合には、上記の塗布液の好ましい温度の範囲において、5〜160mPa・sの範囲内が好ましく、更に好ましくは60〜140mPa・sの範囲内である。また、カーテン塗布方式を用いる場合には、上記の塗布液の好ましい温度の範囲において、5〜1200mPa・sの範囲内が好ましく、更に好ましくは25〜500mPa・sの範囲内である。
このような粘度の範囲であれば、効率よく同時重層塗布を行うことができる。
塗布及び乾燥方法の条件は、特に制限されないが、例えば、逐次塗布法の場合は、まず、30〜60℃に加温した高屈折率層形成用塗布液及び低屈折率層形成用塗布液のいずれか一方を樹脂基材上に塗布、乾燥して層を形成した後、もう一方の塗布液をこの層上に塗布、乾燥して積層膜前駆体(ユニット)を形成する。乾燥する際は、形成した塗膜を、30℃以上で乾燥することが好ましい。例えば、湿球温度5〜50℃、膜面温度5〜100℃(好ましくは10〜50℃)の範囲で乾燥することが好ましく、例えば、40〜60℃の温風を1〜5秒吹き付けて乾燥する。
また、同時重層塗布を行う場合の塗布及び乾燥方法の条件は、高屈折率層形成用塗布液及び低屈折率層形成用塗布液を30〜60℃に加温して、樹脂基材上に高屈折率層形成用塗布液及び低屈折率層形成用塗布液の同時重層塗布を行った後、形成した塗膜の温度を好ましくは1〜15℃に一旦冷却し(セット)、その後10℃以上で乾燥することが好ましい。より好ましい乾燥条件は、湿球温度5〜50℃、膜面温度10〜50℃の範囲の条件である。例えば、40〜80℃の温風を1〜5秒吹き付けて乾燥する。また、塗布直後の冷却方式としては、形成された塗膜の均一性向上の観点から、水平セット方式で行うことが好ましい。
(4)層構成の設計
本発明に係る反射層ユニットの好ましい高屈折率層及び低屈折率層の総層数は、100層以下、より好ましくは45層以下である。高屈折率層及び低屈折率層の総層数の下限は特に限定されるものではないが、5層以上であることが好ましい。
本発明に係る反射層ユニットの好ましい高屈折率層及び低屈折率層の総層数は、100層以下、より好ましくは45層以下である。高屈折率層及び低屈折率層の総層数の下限は特に限定されるものではないが、5層以上であることが好ましい。
反射層ユニットにおいて、高屈折率層と低屈折率層との屈折率の差を大きく設計することが、少ない層数で所望の光線に対する反射率を高くすることができるという観点から好ましい。本発明においては、少なくとも隣接した2層(高屈折率層及び低屈折率層)の屈折率差が0.15以上であることが好ましく、より好ましくは0.2以上であり、特に好ましくは0.21以上である。また、上限は特に制限はないが通常0.5以下である。
この屈折率差及び必要な層数は、市販の光学設計ソフトを用いて計算することができる。例えば、近赤外線反射率90%以上を得るためには、屈折率差が0.1より小さいと200層以上の積層が必要になり、生産性が低下するだけでなく、積層界面での散乱が大きくなり、透明性が低下し、故障なく製造することも非常に困難になる場合がある。
反射層ユニットにおいて、高屈折率層及び低屈折率層を交互に積層する場合には、高屈折率層と低屈折率層との屈折率差が、上記好適な屈折率差の範囲内にあることが好ましい。ただし、例えば、最下層が樹脂基板との接着性改良層として形成される場合などにおいて、最下層に関しては上記好適な屈折率差の範囲外の構成であってもよい。
(離型層)
本発明に係る光反射フィルムは、樹脂基材と反射層ユニットとの間に離型層を有していてもよい。これにより、本発明の光学物品から樹脂基材(及び離型層)を切り離すことができる。例えば、反射層ユニットが転写された転写対象支持体を更に別の基材上に貼合する等して利用することも可能である。
本発明に係る光反射フィルムは、樹脂基材と反射層ユニットとの間に離型層を有していてもよい。これにより、本発明の光学物品から樹脂基材(及び離型層)を切り離すことができる。例えば、反射層ユニットが転写された転写対象支持体を更に別の基材上に貼合する等して利用することも可能である。
このような離型層を構成する材料としては、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム系樹脂からなるビヒクルに、必要に応じてシリコン、ワックス等の離型剤を添加したものが挙げられる。
離型層は、上記材料をグラビアコート等のコーティング法やシルクスクリーン印刷、グラビア印刷等の印刷法により樹脂基材の反射層ユニットを形成する側に塗布することで形成される。その塗布膜の厚さは0.1〜5μm程度が好ましい。
また、離型層は、安定した良好な離型性能を確保する観点から、シリコーン系樹脂、ポリフッ化エチレン等のフッ素系樹脂等の単独樹脂により形成することが好ましい。
(その他の構成層)
本発明に係る光反射フィルムは、樹脂基材の反射層ユニットと対向する最表面上に、更なる機能の付加を目的として、導電性層、帯電防止層、ガスバリアー層、易接着層(接着層)、防汚層、消臭層、流滴層、易滑層、ハードコート層、耐摩耗性層、反射防止層、電磁波シールド層、紫外線吸収層、赤外線吸収層、印刷層、蛍光発光層、ホログラム層、剥離層、粘着層、上記高屈折率層及び低屈折率層以外の赤外線カット層(金属層、液晶層)、着色層(可視光線吸収層)、合わせガラスに利用される中間膜などの機能層の一つ以上を有していてもよい。
本発明に係る光反射フィルムは、樹脂基材の反射層ユニットと対向する最表面上に、更なる機能の付加を目的として、導電性層、帯電防止層、ガスバリアー層、易接着層(接着層)、防汚層、消臭層、流滴層、易滑層、ハードコート層、耐摩耗性層、反射防止層、電磁波シールド層、紫外線吸収層、赤外線吸収層、印刷層、蛍光発光層、ホログラム層、剥離層、粘着層、上記高屈折率層及び低屈折率層以外の赤外線カット層(金属層、液晶層)、着色層(可視光線吸収層)、合わせガラスに利用される中間膜などの機能層の一つ以上を有していてもよい。
〔ハードコート層〕
光反射フィルムは、耐擦過性を高めるための表面保護層として、熱や紫外線などで硬化する樹脂を含むハードコート層を有していてもよい。
光反射フィルムは、耐擦過性を高めるための表面保護層として、熱や紫外線などで硬化する樹脂を含むハードコート層を有していてもよい。
ハードコート層で使用される硬化樹脂としては、熱硬化型樹脂や紫外線硬化型樹脂が挙げられるが、成型が容易なことから、紫外線硬化型樹脂が好ましく、その中でも鉛筆硬度が少なくとも2Hのものがより好ましい。このような硬化型樹脂は、単独でも又は2種以上組み合わせても用いることができる。
紫外線硬化型樹脂としては(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂が挙げられ、これらは無溶剤型の樹脂組成物としても使用できる。
上記紫外線硬化型樹脂を用いる場合、硬化促進のために、光重合開始剤を添加することが好ましい。
光重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、チウラム化合物類、フルオロアミン化合物などが用いられる。光重合開始剤の具体例としては、2,2′−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1−ヒドロキシジメチルフェニルケトン、2−メチル−4′−メチルチオ−2−モリホリノプロピオフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モリホリノフェニル)−ブタノン1などのアセトフェノン類、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルレタールなどのベンゾイン類、ベンゾフェノン、2,4′−ジクロロベンゾフェノン、4,4′−ジクロロベンゾフェノン、p−クロロベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、アントラキノン類、チオキサントン類などがある。
これらの光重合開始剤は単独で用いてもよいし、2種以上の組合せや、共融混合物であってもよい。特に、硬化性組成物の安定性や重合反応性等からアセトフェノン類を用いる
ことが好ましい。
光重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、チウラム化合物類、フルオロアミン化合物などが用いられる。光重合開始剤の具体例としては、2,2′−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1−ヒドロキシジメチルフェニルケトン、2−メチル−4′−メチルチオ−2−モリホリノプロピオフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モリホリノフェニル)−ブタノン1などのアセトフェノン類、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルレタールなどのベンゾイン類、ベンゾフェノン、2,4′−ジクロロベンゾフェノン、4,4′−ジクロロベンゾフェノン、p−クロロベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、アントラキノン類、チオキサントン類などがある。
これらの光重合開始剤は単独で用いてもよいし、2種以上の組合せや、共融混合物であってもよい。特に、硬化性組成物の安定性や重合反応性等からアセトフェノン類を用いる
ことが好ましい。
このような光重合開始剤は市販品を用いてもよく、例えば、BASFジャパン社製のイルガキュア(登録商標)819、184、907、651などが好ましい例示として挙げられる。
ハードコート層には、添加剤として、例えば安定剤、界面活性剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、難燃剤、帯電防止剤、抗酸化剤、熱安定剤、滑剤、充填剤、着色剤、色素、接着調整剤等を含有させることもできる。
ハードコート層の厚さは、ハードコート性の向上と、光反射フィルムの透明性の向上という観点から、0.1〜50μmの範囲内であることが好ましく、1〜20μmの範囲内であることがより好ましい。
ハードコート層の形成方法は特に制限されず、例えば、上記各成分を含むハードコート層形成用塗布液を調製した後、塗布液をワイヤーバー等により塗布し、熱又は紫外線で塗布液を硬化させ、ハードコート層を形成する方法などが挙げられる。
(その他の層)
光反射フィルムは、上述した層以外の層(その他の層)を有していてもよい。例えば、その他の層として、中間層を設けることができる。ここで、中間層とは、樹脂基材と反射層ユニットとの間の層や、樹脂基材とハードコート層との間の層を意味する。中間層の構成材料としては、ポリエステル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられ、添加剤の相溶性、Tgが低い物質が好ましいが、それを満たしていればいずれを用いてもよい。
光反射フィルムは、上述した層以外の層(その他の層)を有していてもよい。例えば、その他の層として、中間層を設けることができる。ここで、中間層とは、樹脂基材と反射層ユニットとの間の層や、樹脂基材とハードコート層との間の層を意味する。中間層の構成材料としては、ポリエステル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられ、添加剤の相溶性、Tgが低い物質が好ましいが、それを満たしていればいずれを用いてもよい。
中間層のガラス転移温度(Tg)は、30〜120℃の範囲内であれば、十分な耐候性が得られるため好ましく、より好ましくは30〜90℃の範囲内である。
中間層には、添加剤として、例えば安定剤、界面活性剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、難燃剤、帯電防止剤、抗酸化剤、熱安定剤、滑剤、充填剤、着色剤、色素、接着調整剤等を含有させることもできる。
(用途)
本発明に係る光反射フィルムは、反射率をアップさせる特定波長領域を変えることにより、可視光反射フィルムや近赤外線反射フィルムとすることができる。すなわち、反射率をアップさせる特定波長領域を可視光領域に設定すれば可視光線反射フィルムとなり、近赤外領域に設定すれば近赤外線反射フィルムとなる。また、反射率をアップさせる特定波長領域を紫外光領域に設定すれば、紫外線反射フィルムとなる。光反射フィルムを遮熱フィルムに用いる場合は、(近)赤外反射(遮蔽)フィルムとすればよい。赤外反射フィルムの場合、高分子フィルムに互いに屈折率が異なる膜を積層させた多層膜を形成し、JIS R 3106(1998)で示される可視光領域の550nmでの透過率が50%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、75%以上であることが更に好ましい。また、1200nmでの透過率が35%以下であることが好ましく、25%以下であることがより好ましく、20%以下であることがさらに好ましい。このような好適な範囲となるように光学膜厚とユニットとを設計することが好ましい。また、波長900〜1400nmの領域に反射率50%を超える領域を有することが好ましい。
本発明に係る光反射フィルムは、反射率をアップさせる特定波長領域を変えることにより、可視光反射フィルムや近赤外線反射フィルムとすることができる。すなわち、反射率をアップさせる特定波長領域を可視光領域に設定すれば可視光線反射フィルムとなり、近赤外領域に設定すれば近赤外線反射フィルムとなる。また、反射率をアップさせる特定波長領域を紫外光領域に設定すれば、紫外線反射フィルムとなる。光反射フィルムを遮熱フィルムに用いる場合は、(近)赤外反射(遮蔽)フィルムとすればよい。赤外反射フィルムの場合、高分子フィルムに互いに屈折率が異なる膜を積層させた多層膜を形成し、JIS R 3106(1998)で示される可視光領域の550nmでの透過率が50%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、75%以上であることが更に好ましい。また、1200nmでの透過率が35%以下であることが好ましく、25%以下であることがより好ましく、20%以下であることがさらに好ましい。このような好適な範囲となるように光学膜厚とユニットとを設計することが好ましい。また、波長900〜1400nmの領域に反射率50%を超える領域を有することが好ましい。
太陽光の入射スペクトルのうち赤外域が室内温度上昇に関係し、これを遮蔽することで室内温度の上昇を抑えることができる。日本工業規格JIS R 3106(1998)
に記載された重価係数をもとに赤外の最短波長(760nm)から最長波長3200nmまでの累積エネルギー比率をみてみると、波長760nmから最長波長3200nmまでの赤外全域の総エネルギーを100としたときの、760nmから各波長までの累積エネルギーを算出すると、760〜1300nmのエネルギー合計が赤外域全体の約75%を占めている。したがって、1300nmまでの波長領域を遮蔽することが熱線遮蔽による省エネルギー効果の効率がよい。
に記載された重価係数をもとに赤外の最短波長(760nm)から最長波長3200nmまでの累積エネルギー比率をみてみると、波長760nmから最長波長3200nmまでの赤外全域の総エネルギーを100としたときの、760nmから各波長までの累積エネルギーを算出すると、760〜1300nmのエネルギー合計が赤外域全体の約75%を占めている。したがって、1300nmまでの波長領域を遮蔽することが熱線遮蔽による省エネルギー効果の効率がよい。
この近赤外光域(760〜1300nm)の反射率を最大ピーク値で約80%以上にすると体感温度の低減が官能評価により得られる。例えば、8月の午前中の南東方法を向く窓際での体感温度が近赤外光域の反射率を最大ピーク値で約80%にまで遮蔽したとき明確な差がでた。
このような機能を発現するのに必要となる多層膜構造を光学シミュレーション(FTG Software Associates Film DESIGN Version 2.23.3700)で求めた結果、1.7以上、望ましくは1.73以上の高屈折率層を利用し、22層以上積層した場合に優れた特性が得られることがわかっている。例えば、高屈折率層と低屈折率層(屈折率=1.45)とを交互に22層積層したモデルのシミュレーション結果を見ると、高屈折率層の屈折率が1.6では反射率が30%にも達しないが、1.7になると約60%の反射率が得られる。
低屈折率層は、屈折率が1.10〜1.60の範囲内であることが好ましく、より好ましくは1.30〜1.50の範囲内である。
高屈折率層は、屈折率が1.65〜1.80の範囲内であることが好ましく、より好ましくは1.70〜1.75の範囲内である。
高屈折率層は、屈折率が1.65〜1.80の範囲内であることが好ましく、より好ましくは1.70〜1.75の範囲内である。
屈折率層の1層(最下層、最表層を除く)あたりの厚さ(乾燥後の厚さ)は、20〜1000nmの範囲内であることが好ましく、50〜500nmの範囲内であることがより好ましく、50〜350nmの範囲内であることが更に好ましい。
光反射フィルムの全体の厚さは、好ましくは12〜315μmの範囲内、より好ましくは15〜200μmの範囲内、更に好ましくは20〜100μmの範囲内である。
さらに、光学特性をより良好なものとするために、光反射フィルムのヘイズは小さいことが好ましく、0〜1.5%の範囲内であるとより好ましい。また、耐久性の観点から、露光後のクラックが抑制されることが好ましい。
〈転写対象支持体〉
本発明に係る転写対象支持体としては、特に制限されず、例えば、ガラス基板、金属基板、樹脂基板からなるものが挙げられ、これらの基板を更に薄型のフィルム状にして用いてもよい。
ガラス基板としては、ソーダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英等を挙げることができる。
金属基板としては、ステンレス、鉄、銅、アルミニウム、マグネシウム、ニッケル、亜鉛、クロム、チタン、モリブデン、シリコン、ゲルマニウム及びタンタルからなる群から選ばれる1種以上の金属又は合金からなるものが挙げられる。
樹脂基板としては、ポリカーボネート、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルファイド、ポリサルフォン等を挙げることができる。
本発明に係る転写対象支持体としては、特に制限されず、例えば、ガラス基板、金属基板、樹脂基板からなるものが挙げられ、これらの基板を更に薄型のフィルム状にして用いてもよい。
ガラス基板としては、ソーダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英等を挙げることができる。
金属基板としては、ステンレス、鉄、銅、アルミニウム、マグネシウム、ニッケル、亜鉛、クロム、チタン、モリブデン、シリコン、ゲルマニウム及びタンタルからなる群から選ばれる1種以上の金属又は合金からなるものが挙げられる。
樹脂基板としては、ポリカーボネート、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルファイド、ポリサルフォン等を挙げることができる。
また、転写対象支持体は、本発明の光学物品の用途にあわせて、湾曲していてもよい。
上述したように、本発明の光学物品の製造方法によれば、光反射フィルムを転写対象支持体に貼合するに際して加圧・加熱しないため、大型の装置を用いる必要がなく、その結果、湾曲した転写対象支持体への貼合を容易にすることができる。
上述したように、本発明の光学物品の製造方法によれば、光反射フィルムを転写対象支持体に貼合するに際して加圧・加熱しないため、大型の装置を用いる必要がなく、その結果、湾曲した転写対象支持体への貼合を容易にすることができる。
転写対象支持体は、上記したような基板単独で構成されていてもよいし、その他の機能層を備えて構成されていてもよい。例えば、上述したような反射層ユニットを備えていてもよい。この場合、光反射フィルムと転写対象支持体との貼合に際しては、光反射フィルム側の反射層ユニット又は転写対象支持体側の反射層ユニットの少なくとも一方に水又はアルコールを塗布して貼合される。
《光学物品の用途》
本発明の光学物品は、幅広い分野に応用することができる。例えば、加飾フィルム、各種センサー、光学反射体(窓貼用フィルム、農業用ビニールハウス用フィルム等)が提供される。
本発明の光学物品は、幅広い分野に応用することができる。例えば、加飾フィルム、各種センサー、光学反射体(窓貼用フィルム、農業用ビニールハウス用フィルム等)が提供される。
〈加飾フィルム〉
(自動車用部材)
本発明の光学物品を自動車用部材の加飾フィルムとする場合、内装ではカーナビゲーションシステムなどの車両用表示装置のタッチパネル、センタークラスターやインストルメントパネル、ドア室内側の内貼り製品であるドアトリム、外装ではフロントグリルなどに使用することができる。
(自動車用部材)
本発明の光学物品を自動車用部材の加飾フィルムとする場合、内装ではカーナビゲーションシステムなどの車両用表示装置のタッチパネル、センタークラスターやインストルメントパネル、ドア室内側の内貼り製品であるドアトリム、外装ではフロントグリルなどに使用することができる。
(モバイル機器用部材)
加飾フィルムが用いられるモバイル機器用部材としては、前面ではメーカーロゴなどの加飾を含む飛散防止フィルム、背面ではカバーなどの筐体があげられる。また携帯電話、特にスマートフォンの湾曲したモデルに使用できる。
加飾フィルムが用いられるモバイル機器用部材としては、前面ではメーカーロゴなどの加飾を含む飛散防止フィルム、背面ではカバーなどの筐体があげられる。また携帯電話、特にスマートフォンの湾曲したモデルに使用できる。
(その他)
窓枠、扉枠等の建材の内装、外装、テレビなどの家電製品の筐体、化粧品ケース、各種機器や製品及び雑貨類のケース、スイッチ、キー、キーパッド、ハンドル、レバー、ボタンなどの各種用途で使用することができる。
窓枠、扉枠等の建材の内装、外装、テレビなどの家電製品の筐体、化粧品ケース、各種機器や製品及び雑貨類のケース、スイッチ、キー、キーパッド、ハンドル、レバー、ボタンなどの各種用途で使用することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
《光学物品の作製》
以下のようにして、光学物品1〜19を作製した。
以下のようにして、光学物品1〜19を作製した。
〈光学物品1の作製〉
(1)低屈折率層形成用塗布液1の調製
撹拌容器にカチオンポリマーとしてメチルジアリルアミン塩酸塩重合体(3級アミン塩を含む。)(PAS−M−1、重量平均分子量20000、50質量%水溶液、ニットーボーメディカル株式会社製)4.0g、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体(4級アンモニウム基を含む。)(PAS−H−5L、重量平均分子量30000、28質量%水溶液、ニットーボーメディカル株式会社製)5.0g、ゆすぎ水31g、及びホウ酸(3質量%水溶液)31.9gを混合した。ここに、10質量%の酸性コロイダルシリカの水溶液(ST−OXS、濃度10%、平均1次粒径:4〜6nm、日産化学工業株式会社製)を489.9g加えた。これを撹拌しながら40℃まで加温した。ここに、親水性ポリマーとしてのポリアクリル酸ナトリウム18.9g、エマルジョン樹脂(スーパ
ーフレックス650、第一工業製薬株式会社)30.5g、5質量%の界面活性剤の溶液(ソフタゾリンLMEB−R、川研ファインケミカル株式会社)6.3g、及び純水15gの混合液を加え、40℃で撹拌、混合し、低屈折率層形成用塗布液1を得た。
低屈折率層形成用塗布液1を用いて作製した単層の屈折率は、1.48であった。なお、屈折率の測定方法は下記のとおりである(以下、実施例において、屈折率は同様に測定した。)。
(1)低屈折率層形成用塗布液1の調製
撹拌容器にカチオンポリマーとしてメチルジアリルアミン塩酸塩重合体(3級アミン塩を含む。)(PAS−M−1、重量平均分子量20000、50質量%水溶液、ニットーボーメディカル株式会社製)4.0g、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体(4級アンモニウム基を含む。)(PAS−H−5L、重量平均分子量30000、28質量%水溶液、ニットーボーメディカル株式会社製)5.0g、ゆすぎ水31g、及びホウ酸(3質量%水溶液)31.9gを混合した。ここに、10質量%の酸性コロイダルシリカの水溶液(ST−OXS、濃度10%、平均1次粒径:4〜6nm、日産化学工業株式会社製)を489.9g加えた。これを撹拌しながら40℃まで加温した。ここに、親水性ポリマーとしてのポリアクリル酸ナトリウム18.9g、エマルジョン樹脂(スーパ
ーフレックス650、第一工業製薬株式会社)30.5g、5質量%の界面活性剤の溶液(ソフタゾリンLMEB−R、川研ファインケミカル株式会社)6.3g、及び純水15gの混合液を加え、40℃で撹拌、混合し、低屈折率層形成用塗布液1を得た。
低屈折率層形成用塗布液1を用いて作製した単層の屈折率は、1.48であった。なお、屈折率の測定方法は下記のとおりである(以下、実施例において、屈折率は同様に測定した。)。
(単膜屈折率の測定)
屈折率を測定するため、基材上に低屈折率層形成用塗布液1を単層で塗布したサンプルを作製し、このサンプルを10cm×10cmに裁断した後、下記の方法に従って屈折率を求めた。日立製の分光光度計 U−4100(固体試料測定システム)を用いて、各サンプルの測定面とは反対側の面(裏面)を粗面化処理した後、黒色のスプレーで光吸収処理を行って裏面での光の反射を防止して、5°正反射の条件にて400〜2500nmの反射率の測定を行い、その結果より屈折率を求めた。屈折率は、屈折率の波長依存性を考え1000nmの屈折率とした。
屈折率を測定するため、基材上に低屈折率層形成用塗布液1を単層で塗布したサンプルを作製し、このサンプルを10cm×10cmに裁断した後、下記の方法に従って屈折率を求めた。日立製の分光光度計 U−4100(固体試料測定システム)を用いて、各サンプルの測定面とは反対側の面(裏面)を粗面化処理した後、黒色のスプレーで光吸収処理を行って裏面での光の反射を防止して、5°正反射の条件にて400〜2500nmの反射率の測定を行い、その結果より屈折率を求めた。屈折率は、屈折率の波長依存性を考え1000nmの屈折率とした。
(2)高屈折率層形成用塗布液1の調製
30質量%の酸化ジルコニウム粒子の分散液(SZR−W、ジルコニアゾル、粒度分布:D50 3〜5nm、堺化学工業株式会社製)384.8gに対してクエン酸水溶液(1.9質量%)を175.4g加えた。これに界面活性剤(ソフタゾリンLMEB−R、川研ファインケミカル株式会社製)の5質量%水溶液を1.94g添加し、これを40℃まで加温した。次いで、親水性ポリマーとしてのポリアクリル酸ナトリウム14.3g及び純水66.7gを加えた。この後、40℃で180分間撹拌し、高屈折率層形成用塗布液1を得た。
高屈折率層形成用塗布液1を用いて作製した単層の屈折率は、1.73であった。
30質量%の酸化ジルコニウム粒子の分散液(SZR−W、ジルコニアゾル、粒度分布:D50 3〜5nm、堺化学工業株式会社製)384.8gに対してクエン酸水溶液(1.9質量%)を175.4g加えた。これに界面活性剤(ソフタゾリンLMEB−R、川研ファインケミカル株式会社製)の5質量%水溶液を1.94g添加し、これを40℃まで加温した。次いで、親水性ポリマーとしてのポリアクリル酸ナトリウム14.3g及び純水66.7gを加えた。この後、40℃で180分間撹拌し、高屈折率層形成用塗布液1を得た。
高屈折率層形成用塗布液1を用いて作製した単層の屈折率は、1.73であった。
(3)反射層ユニットの形成
32層同時塗布が可能なスライドホッパー方式の塗布装置を用い、上記調製した低屈折率層形成用塗布液1及び高屈折率層形成用塗布液1を45℃に保温しながら、45℃に加温した長尺の樹脂基材(長さ1000m、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム:東洋紡株式会社製、コスモシャインA4300)上に、21層同時重層塗布(低屈折率層及び高屈折率層を交互に21層積層)を行った。この際、最下層(樹脂基材側)及び最上層は低屈折率層(乾燥後の厚さ:108nm)とし、それ以外は低屈折率層(乾燥後の厚さ:108nm)及び高屈折率層(乾燥後の厚さ:96nm)がそれぞれ交互に積層されるようにして、21層から構成される反射層ユニットを形成した。
32層同時塗布が可能なスライドホッパー方式の塗布装置を用い、上記調製した低屈折率層形成用塗布液1及び高屈折率層形成用塗布液1を45℃に保温しながら、45℃に加温した長尺の樹脂基材(長さ1000m、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム:東洋紡株式会社製、コスモシャインA4300)上に、21層同時重層塗布(低屈折率層及び高屈折率層を交互に21層積層)を行った。この際、最下層(樹脂基材側)及び最上層は低屈折率層(乾燥後の厚さ:108nm)とし、それ以外は低屈折率層(乾燥後の厚さ:108nm)及び高屈折率層(乾燥後の厚さ:96nm)がそれぞれ交互に積層されるようにして、21層から構成される反射層ユニットを形成した。
(4)光学物品1の作製
光学物品1の製造工程について、図2を参照しながら説明する。
光学物品1の製造工程について、図2を参照しながら説明する。
まず、転写対象支持体20として、長尺の基材(長さ1000m、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム:東洋紡株式会社製、コスモシャインA4300)をバックアップローラー30及びグラビアローラー31間に連続搬送した。グラビアローラー31は貯留槽32に貯留された溶媒33(水)にその一部が浸漬した状態となっており、このグラビアローラー31を回転させることによって、その外周面に付着した水を転写対象支持体20の下面に塗布した。ここで、転写対象支持体20に対する水の塗布量は、72g/m2とした。
次いで、上述したように、スライドホッパー方式の塗布装置34用いて形成された21層からなる反射層ユニット12を有する樹脂基材11(光反射フィルム10)と、水が塗布された転写対象支持体20とを、反射層ユニット12と転写対象支持体20の水の塗布
面とが対向するようにして連続搬送し、会合点Pで会合させ、ローラー35及び36で形成されるローラー間隙(ニップ部)を通過させて両者を貼合し、これを60℃の温度条件下で乾燥させ、光学物品1を得た。
面とが対向するようにして連続搬送し、会合点Pで会合させ、ローラー35及び36で形成されるローラー間隙(ニップ部)を通過させて両者を貼合し、これを60℃の温度条件下で乾燥させ、光学物品1を得た。
〈光学物品2の作製〉
(1)低屈折率層形成用塗布液2の調製
撹拌容器にカチオンポリマーとしてメチルジアリルアミン塩酸塩重合体(3級アミン塩を含む。)(PAS−M−1、重量平均分子量20000、50質量%水溶液、ニットーボーメディカル株式会社製)4.0g、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体(4級アンモニウム基を含む。)(PAS−H−5L、重量平均分子量30000、28質量%水溶液、ニットーボーメディカル株式会社製)5.0g、ゆすぎ水31g、及びホウ酸(3質量%水溶液)31.9gを混合した。ここに、10質量%の酸性コロイダルシリカの水溶液(ST−OXS、濃度10%、平均1次粒径:4〜6nm、日産化学工業株式会社製)を489.9g加えた。これを撹拌しながら40℃まで加温した。ここに、親水性ポリマーとしてのポリビニルアルコールの8質量%水溶液(JP−45、重合度4500、ケン化度88mol%、日本酢ビ・ポバール株式会社製)386.3g、エマルジョン樹脂(スーパーフレックス650、第一工業製薬株式会社)30.5g、及び5質量%の界面活性剤の溶液(ソフタゾリンLMEB−R、川研ファインケミカル株式会社)6.3g、及び純水15gの混合液を加え、40℃で撹拌、混合し、低屈折率層形成用塗布液2を得た。
低屈折率層形成用塗布液2を用いて作製した単層の屈折率は、1.48であった。
(1)低屈折率層形成用塗布液2の調製
撹拌容器にカチオンポリマーとしてメチルジアリルアミン塩酸塩重合体(3級アミン塩を含む。)(PAS−M−1、重量平均分子量20000、50質量%水溶液、ニットーボーメディカル株式会社製)4.0g、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体(4級アンモニウム基を含む。)(PAS−H−5L、重量平均分子量30000、28質量%水溶液、ニットーボーメディカル株式会社製)5.0g、ゆすぎ水31g、及びホウ酸(3質量%水溶液)31.9gを混合した。ここに、10質量%の酸性コロイダルシリカの水溶液(ST−OXS、濃度10%、平均1次粒径:4〜6nm、日産化学工業株式会社製)を489.9g加えた。これを撹拌しながら40℃まで加温した。ここに、親水性ポリマーとしてのポリビニルアルコールの8質量%水溶液(JP−45、重合度4500、ケン化度88mol%、日本酢ビ・ポバール株式会社製)386.3g、エマルジョン樹脂(スーパーフレックス650、第一工業製薬株式会社)30.5g、及び5質量%の界面活性剤の溶液(ソフタゾリンLMEB−R、川研ファインケミカル株式会社)6.3g、及び純水15gの混合液を加え、40℃で撹拌、混合し、低屈折率層形成用塗布液2を得た。
低屈折率層形成用塗布液2を用いて作製した単層の屈折率は、1.48であった。
(2)高屈折率層形成用塗布液2の調製
30質量%の酸化ジルコニウム粒子の分散液(SZR−W、ジルコニアゾル、粒度分布:D50 3〜5nm、堺化学工業株式会社製)384.8gに対してクエン酸水溶液(1.9質量%)を175.4g加えた。これに界面活性剤(ソフタゾリンLMEB−R、川研ファインケミカル株式会社製)の5質量%水溶液を1.94g添加し、これを40℃まで加温した。次いで、更にエチレン変性ポリビニルアルコールの8質量%水溶液(株式会社クラレ製、エクセバールRS2117、ケン化度:97.5〜99mol%)を120.4g加え、更に純水9.9gを加えた。これを10分撹拌後、親水性ポリマーとしてのポリビニルアルコールの6質量%水溶液(JC−40、ケン化度:99mol%以上、日本酢ビ・ポバール株式会社製)240.8g及び純水66.7gを加えた。この後、40℃で180分間撹拌し、高屈折率層形成用塗布液2を得た。
高屈折率層形成用塗布液2を用いて作製した単層の屈折率は、1.73であった。
30質量%の酸化ジルコニウム粒子の分散液(SZR−W、ジルコニアゾル、粒度分布:D50 3〜5nm、堺化学工業株式会社製)384.8gに対してクエン酸水溶液(1.9質量%)を175.4g加えた。これに界面活性剤(ソフタゾリンLMEB−R、川研ファインケミカル株式会社製)の5質量%水溶液を1.94g添加し、これを40℃まで加温した。次いで、更にエチレン変性ポリビニルアルコールの8質量%水溶液(株式会社クラレ製、エクセバールRS2117、ケン化度:97.5〜99mol%)を120.4g加え、更に純水9.9gを加えた。これを10分撹拌後、親水性ポリマーとしてのポリビニルアルコールの6質量%水溶液(JC−40、ケン化度:99mol%以上、日本酢ビ・ポバール株式会社製)240.8g及び純水66.7gを加えた。この後、40℃で180分間撹拌し、高屈折率層形成用塗布液2を得た。
高屈折率層形成用塗布液2を用いて作製した単層の屈折率は、1.73であった。
(3)反射層ユニットの形成
32層同時塗布が可能なスライドホッパー方式の塗布装置を用い、上記調製した低屈折率層形成用塗布液2及び高屈折率層形成用塗布液2を45℃に保温しながら、45℃に加温した長尺の樹脂基材(長さ1000m、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム:東洋紡株式会社製、コスモシャインA4300)上に、21層同時重層塗布(低屈折率層及び高屈折率層を交互に21層積層)を行った。この際、最下層(樹脂基材側)及び最上層は低屈折率層(乾燥後の厚さ:108nm)とし、それ以外は低屈折率層(乾燥後の厚さ:108nm)及び高屈折率層(乾燥後の厚さ:96nm)がそれぞれ交互に積層されるようにして、21層から構成される反射層ユニットを形成した。
32層同時塗布が可能なスライドホッパー方式の塗布装置を用い、上記調製した低屈折率層形成用塗布液2及び高屈折率層形成用塗布液2を45℃に保温しながら、45℃に加温した長尺の樹脂基材(長さ1000m、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム:東洋紡株式会社製、コスモシャインA4300)上に、21層同時重層塗布(低屈折率層及び高屈折率層を交互に21層積層)を行った。この際、最下層(樹脂基材側)及び最上層は低屈折率層(乾燥後の厚さ:108nm)とし、それ以外は低屈折率層(乾燥後の厚さ:108nm)及び高屈折率層(乾燥後の厚さ:96nm)がそれぞれ交互に積層されるようにして、21層から構成される反射層ユニットを形成した。
(4)光学物品2の作製
まず、転写対象支持体としてのガラス(100mm×100mm、3mm厚のフロートガラス)にスプレーで水を吹き付けて全体を濡らした。このとき、水の塗布量は、72g/m2とした。次いで、あらかじめガラスの大きさに合わせて裁断した反射層ユニット/PET(光反射フィルム)を、反射層ユニット側が水の塗布面に対向するようにして、上
方からガラスに貼合し、これを60℃の温度条件下で乾燥させ、光学物品2を得た。
まず、転写対象支持体としてのガラス(100mm×100mm、3mm厚のフロートガラス)にスプレーで水を吹き付けて全体を濡らした。このとき、水の塗布量は、72g/m2とした。次いで、あらかじめガラスの大きさに合わせて裁断した反射層ユニット/PET(光反射フィルム)を、反射層ユニット側が水の塗布面に対向するようにして、上
方からガラスに貼合し、これを60℃の温度条件下で乾燥させ、光学物品2を得た。
〈光学物品3の作製〉
光学物品1の作製において、低屈折率層形成用塗布液1及び高屈折率層形成用塗布液1を光学物品2の作製における低屈折率層形成用塗布液2及び高屈折率層形成用塗布液2に変更し、また、光反射フィルムと転写対象支持体とを貼合した後の乾燥温度を100℃に変更した以外は同様にして、光学物品3を得た。
光学物品1の作製において、低屈折率層形成用塗布液1及び高屈折率層形成用塗布液1を光学物品2の作製における低屈折率層形成用塗布液2及び高屈折率層形成用塗布液2に変更し、また、光反射フィルムと転写対象支持体とを貼合した後の乾燥温度を100℃に変更した以外は同様にして、光学物品3を得た。
〈光学物品4の作製〉
光学物品1の作製において、低屈折率層形成用塗布液1及び高屈折率層形成用塗布液1に含まれる親水性ポリマー、転写対象支持体への塗布溶媒、及び光反射フィルムと転写対象支持体とを貼合した後の乾燥温度を表Iに記載のとおりに変更した以外は同様にして、光学物品4を得た。
光学物品1の作製において、低屈折率層形成用塗布液1及び高屈折率層形成用塗布液1に含まれる親水性ポリマー、転写対象支持体への塗布溶媒、及び光反射フィルムと転写対象支持体とを貼合した後の乾燥温度を表Iに記載のとおりに変更した以外は同様にして、光学物品4を得た。
〈光学物品5の作製〉
光学物品2の作製において、転写対象支持体、及び光反射フィルムと転写対象支持体とを貼合した後の乾燥温度を表Iに記載のとおりに変更した以外は同様にして、光学物品5を得た。
光学物品2の作製において、転写対象支持体、及び光反射フィルムと転写対象支持体とを貼合した後の乾燥温度を表Iに記載のとおりに変更した以外は同様にして、光学物品5を得た。
〈光学物品6の作製〉
光学物品1の作製において、低屈折率層形成用塗布液1及び高屈折率層形成用塗布液1に含まれる親水性ポリマー、及び光反射フィルムと転写対象支持体とを貼合した後の乾燥温度を表Iに記載のとおりに変更した以外は同様にして、光学物品6を得た。
光学物品1の作製において、低屈折率層形成用塗布液1及び高屈折率層形成用塗布液1に含まれる親水性ポリマー、及び光反射フィルムと転写対象支持体とを貼合した後の乾燥温度を表Iに記載のとおりに変更した以外は同様にして、光学物品6を得た。
〈光学物品7の作製〉
光学物品3の作製において、転写対象支持体としてのPETフィルムを光反射フィルムと同一の21層から構成される反射層ユニットを有するPETフィルムとし、転写対象支持体側の反射層ユニット上に水を塗布して反射層ユニット同士を貼合し、光反射フィルムと転写対象支持体とを貼合した後の乾燥温度を10℃に変更した以外は同様にして、光学物品7を作製した。
光学物品3の作製において、転写対象支持体としてのPETフィルムを光反射フィルムと同一の21層から構成される反射層ユニットを有するPETフィルムとし、転写対象支持体側の反射層ユニット上に水を塗布して反射層ユニット同士を貼合し、光反射フィルムと転写対象支持体とを貼合した後の乾燥温度を10℃に変更した以外は同様にして、光学物品7を作製した。
〈光学物品8の作製〉
光学物品3の作製において、転写対象支持体への塗布溶媒を水とエタノールとの混合溶媒(水/エタノール=95vol%/5vol%)に変更した以外は同様にして、光学物品8を作製した。
光学物品3の作製において、転写対象支持体への塗布溶媒を水とエタノールとの混合溶媒(水/エタノール=95vol%/5vol%)に変更した以外は同様にして、光学物品8を作製した。
〈光学物品9の作製〉
光学物品3の作製において、樹脂基材をトリアセチルセルロース(TAC)に変更した以外は同様にして、光学物品9を作製した。
光学物品3の作製において、樹脂基材をトリアセチルセルロース(TAC)に変更した以外は同様にして、光学物品9を作製した。
〈光学物品10の作製〉
光学物品2の作製において、光反射フィルムと転写対象支持体とを貼合した後の乾燥温度を25℃に変更した以外は同様にして、光学物品10を作製した。
光学物品2の作製において、光反射フィルムと転写対象支持体とを貼合した後の乾燥温度を25℃に変更した以外は同様にして、光学物品10を作製した。
〈光学物品11の作製〉
光学物品3の作製において、転写対象支持体への塗布溶媒をアセトンに変更した以外は同様にして、光学物品11を作製した。
光学物品3の作製において、転写対象支持体への塗布溶媒をアセトンに変更した以外は同様にして、光学物品11を作製した。
〈光学物品12の作製〉
光学物品2の作製において、転写対象支持体への塗布溶媒をアセトンに変更した以外は同様にして、光学物品12を作製した。
光学物品2の作製において、転写対象支持体への塗布溶媒をアセトンに変更した以外は同様にして、光学物品12を作製した。
〈光学物品13の作製〉
光学物品10の作製において、転写対象支持体への塗布溶媒をアセトンに変更した以外は同様にして、光学物品13を作製した。
光学物品10の作製において、転写対象支持体への塗布溶媒をアセトンに変更した以外は同様にして、光学物品13を作製した。
〈光学物品14の作製〉
光学物品5の作製において、転写対象支持体への塗布溶媒をアセトンに変更した以外は同様にして、光学物品14を作製した。
光学物品5の作製において、転写対象支持体への塗布溶媒をアセトンに変更した以外は同様にして、光学物品14を作製した。
〈光学物品15の作製〉
光学物品4の作製において、転写対象支持体への塗布溶媒をアセトンに変更した以外は同様にして、光学物品15を作製した。
光学物品4の作製において、転写対象支持体への塗布溶媒をアセトンに変更した以外は同様にして、光学物品15を作製した。
〈光学物品16の作製〉
光学物品1の作製において、転写対象支持体への塗布溶媒、及び光反射フィルムと転写対象支持体とを貼合した後の乾燥温度を表Iに記載のとおりに変更した以外は同様にして、光学物品16を作製した。
光学物品1の作製において、転写対象支持体への塗布溶媒、及び光反射フィルムと転写対象支持体とを貼合した後の乾燥温度を表Iに記載のとおりに変更した以外は同様にして、光学物品16を作製した。
〈光学物品17の作製〉
光学物品9の作製において、転写対象支持体への塗布溶媒をアセトンに変更した以外は同様にして、光学物品17を作製した。
光学物品9の作製において、転写対象支持体への塗布溶媒をアセトンに変更した以外は同様にして、光学物品17を作製した。
〈光学物品18の作製〉
光学物品3の作製において、光反射フィルムと転写対象支持体との貼合に際し、転写対象支持体に溶媒を塗布しなかった以外は同様にして、光学物品18を作製した。
光学物品3の作製において、光反射フィルムと転写対象支持体との貼合に際し、転写対象支持体に溶媒を塗布しなかった以外は同様にして、光学物品18を作製した。
〈光学物品19の作製〉
光学物品18の作製において、光反射フィルムと転写対象支持体とを貼合した後の乾燥温度を200℃に変更した以外は同様にして、光学物品19を作製した。
光学物品18の作製において、光反射フィルムと転写対象支持体とを貼合した後の乾燥温度を200℃に変更した以外は同様にして、光学物品19を作製した。
《評価》
作製した光学物品1〜19について、下記各評価を行った。
評価結果を表Iに示す。
作製した光学物品1〜19について、下記各評価を行った。
評価結果を表Iに示す。
〈転写性の評価〉
光反射フィルムと転写支持体とを貼合してから48時間が経過した後、作製した各光学物品に対し、1mm間隔で5×5の碁盤目状にカッターで切れ込みを入れたクロスカット法によるテープ剥離試験を行い、反射層ユニットが転写対象支持体から剥がれずに残っている数の割合を算出し、下記評価基準に従って評価した。評価項目◎及び○を実用上合格とした。
なお、樹脂基材がPETフィルムの場合、樹脂基材と反射層ユニットとを剥離できないため、樹脂基材の上から碁盤目密着性試験を行い、樹脂基材がTACフィルムの場合、樹脂基材と反射層ユニットとを剥離できるため、樹脂基材を反射層ユニットから剥離した後、反射層ユニットの上から碁盤目密着性試験を行った。
光反射フィルムと転写支持体とを貼合してから48時間が経過した後、作製した各光学物品に対し、1mm間隔で5×5の碁盤目状にカッターで切れ込みを入れたクロスカット法によるテープ剥離試験を行い、反射層ユニットが転写対象支持体から剥がれずに残っている数の割合を算出し、下記評価基準に従って評価した。評価項目◎及び○を実用上合格とした。
なお、樹脂基材がPETフィルムの場合、樹脂基材と反射層ユニットとを剥離できないため、樹脂基材の上から碁盤目密着性試験を行い、樹脂基材がTACフィルムの場合、樹脂基材と反射層ユニットとを剥離できるため、樹脂基材を反射層ユニットから剥離した後、反射層ユニットの上から碁盤目密着性試験を行った。
◎:91%以上
○:71%以上91%未満
×:71%未満
○:71%以上91%未満
×:71%未満
〈外観の評価〉
光反射フィルムと転写支持体とを貼合してから48時間が経過した後、図3に示すようなA4サイズの各光学物品について、縦及び横をそれぞれ3等分した9か所の領域(領域A〜I)で反射率を測定し、各領域の反射率のうち、最大反射率と最小反射率との差(ΔEmax(%)=最大反射率−最小反射率)を算出し、下記評価基準に従って外観を評価した。
なお、反射率の測定は、分光測色計CM2500d(コニカミノルタ社製)を用い、波長550nmにおける反射率を測定した。
光反射フィルムと転写支持体とを貼合してから48時間が経過した後、図3に示すようなA4サイズの各光学物品について、縦及び横をそれぞれ3等分した9か所の領域(領域A〜I)で反射率を測定し、各領域の反射率のうち、最大反射率と最小反射率との差(ΔEmax(%)=最大反射率−最小反射率)を算出し、下記評価基準に従って外観を評価した。
なお、反射率の測定は、分光測色計CM2500d(コニカミノルタ社製)を用い、波長550nmにおける反射率を測定した。
◎:ΔEmax≦1
○:1<ΔEmax≦3
×:3<ΔEmax
○:1<ΔEmax≦3
×:3<ΔEmax
〈まとめ〉
表Iから明らかなように、本発明の光学物品の製造方法により製造された光学物品1〜10は、比較例の光学物品11〜19と比べて、転写性及び外観に優れていることがわかる。
以上から、樹脂基材上に親水性ポリマーを含有する屈折率の異なる層が2層以上積層された反射層ユニットを有する光反射フィルムを転写対象支持体上に貼り合わせて形成された光学物品の製造方法であって、反射層ユニットの樹脂基材と対向する面、又は転写対象支持体上に、溶媒として水及びアルコールの少なくとも一方を塗布する工程と、反射層ユニットと転写対象支持体とを、溶媒を塗布した面を介して貼り合わせる工程と、を有する光学物品の製造方法が、転写に際し反射層ユニットの構成層へのダメージを抑制した光学物品を提供することに有用であることが確認できた。
表Iから明らかなように、本発明の光学物品の製造方法により製造された光学物品1〜10は、比較例の光学物品11〜19と比べて、転写性及び外観に優れていることがわかる。
以上から、樹脂基材上に親水性ポリマーを含有する屈折率の異なる層が2層以上積層された反射層ユニットを有する光反射フィルムを転写対象支持体上に貼り合わせて形成された光学物品の製造方法であって、反射層ユニットの樹脂基材と対向する面、又は転写対象支持体上に、溶媒として水及びアルコールの少なくとも一方を塗布する工程と、反射層ユニットと転写対象支持体とを、溶媒を塗布した面を介して貼り合わせる工程と、を有する光学物品の製造方法が、転写に際し反射層ユニットの構成層へのダメージを抑制した光学物品を提供することに有用であることが確認できた。
本発明の光学物品は、幅広い分野に応用することができ、例えば、加飾フィルム、各種センサー、光学反射体(窓貼用フィルム、農業用ビニールハウス用フィルム等)に利用される。
1 光学物品
10 光反射フィルム
11 樹脂基材
12 反射層ユニット
20 転写対象支持体
30 バックアップローラー
31 グラビアローラー
32 貯留槽
33 溶媒
34 塗布装置
A〜I 領域
P 会合点
10 光反射フィルム
11 樹脂基材
12 反射層ユニット
20 転写対象支持体
30 バックアップローラー
31 グラビアローラー
32 貯留槽
33 溶媒
34 塗布装置
A〜I 領域
P 会合点
Claims (3)
- 樹脂基材上に親水性ポリマーを含有する屈折率の異なる層が2層以上積層された反射層ユニットを有する光反射フィルムを転写対象支持体上に貼り合わせて形成された光学物品の製造方法であって、
前記反射層ユニットの前記樹脂基材と対向する面、又は前記転写対象支持体上に、溶媒として水及びアルコールの少なくとも一方を塗布する工程と、
前記反射層ユニットと前記転写対象支持体とを、前記溶媒を塗布した面を介して貼り合わせる工程と、
を有することを特徴とする光学物品の製造方法。 - 前記親水性ポリマーが、ポリビニルアルコールであり、
前記溶媒が、水であることを特徴とする請求項1に記載の光学物品の製造方法。 - 樹脂基材上に屈折率の異なる層が2層以上積層された反射層ユニットを有する光反射フィルムと、転写対象支持体とが順に積層された光学物品であって、
前記屈折率の異なる層が、親水性ポリマーを含有し、
前記反射層ユニットと前記転写対象支持体とが、接した状態で積層されていることを特徴とする光学物品。
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---|---|---|---|
JP2018072841 | 2018-04-05 | ||
JP2018072841 | 2018-04-05 | ||
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