JPWO2019163630A1 - 金型の製造方法 - Google Patents

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Abstract

鮮明な境界の像を提供する、ほぼ平坦な面である第1の部分と光線に回折、拡散などを生じさせる光学的構造である第2の部分とから構成される光学素子の金型を製造する方法を提供する。本発明による光学素子用の金型の製造方法は、レジストパターニング及びエッチングによって、基板の表面の第1の領域に2マイクロメータ以上の幅のほぼ平坦な底面を有する第1の溝を形成するステップと、該基板の表面の該第1の領域を囲む第2の領域を、該底面と平行ではない面から構成される形状に機械加工するステップとを含む。

Description

本発明は、金型の製造方法、特に光学素子用金型の製造方法に関する。
光線を透過させる第1の部分と光線を遮蔽する第2の部分とを備えた光学素子であって、該光学素子を通してある面に光線を照射させて該面上に第1の部分の形状に対応する形状を有する、周囲より照度の高い領域を光線によって形成する光学素子が知られている。上記の光学素子の従来の製造方法の一例は、光学素子の第2の部分の表面を金属膜で覆う方法である。この従来の製造方法においては、第2の部分の表面のみに金属膜を成膜するか、表面全体に金属膜を成膜してから第1の部分の金属膜をレーザーなどによって除去する。したがって、上記の製造方法は量産には適していない。
そこで、量産のために上記の光学素子を金型によって製造することが考えられる。光学素子において、第1の部分はほぼ平坦な面とし、第2の部分は、光線に回折、拡散などを生じさせる光学的構造とすることが考えられる。このような光学素子を通してある面に光線を照射すると、光線は第1の部分をほぼそのまま透過し、第2の部分において回折、拡散などを生じそのまま透過することはないので、該面上に第1の部分の形状に対応する形状を有する周囲より照度の高い領域が形成される。
このような光学素子用の金型は、光学素子の第1の部分に対応するほぼ平坦な領域と光学素子の第2の部分である光学的構造に対応する領域とから構成される。ここで、光学素子の第1の部分に対応するほぼ平坦な領域を金型の第1の領域と呼称し、光学素子の第2の部分である光学的構造に対応する領域を金型の第2の領域と呼称する。光学素子を通過した光線によって形成される周囲より照度の高い領域の境界を鮮明にするために、金型の第1の領域と金型第2の領域との境界には段差があるのが望ましい。また、段差の立ち上がりの隅(コーナー)のコーナーRはできるだけ小さいのが望ましい。
光学素子用金型のうち、レンズなどの金型は通常ボールエンドミルを使用した機械加工によって製造される。ボールエンドミルによって、たとえば、非球面、自由曲面などに対応する種々の光学面の形状を形成することができる。しかし、ボールエンドミルによって光学素子用の金型を製造する場合には、コーナーRはボールエンドミルの刃先の曲率半径より小さくすることはできない。ボールエンドミルの刃先の曲率半径の最小値は約15マイクロメータであるので、コーナーRの最小値は約15マイクロメータである。
光学素子用金型のうち、バイナリー回折格子などの金型はレジストパターニング及びエッチングによって製造されることがある。レジストパターニング及びエッチングによれば、例えば、バイナリー回折格子のコーナーRを1マイクロメータ以下とすることができる。しかし、レジストパターニング及びエッチングによって、非球面、自由曲面などに対応する種々の光学面の形状を形成するのは困難である。
このように、金型の製造方法において、ボールエンドミルなどを使用する機械加工とレジストパターニング及びエッチングとは別の技術分野に属するものであり両者が組み合わされることはまれであった。
特許文献1は、光線を透過させる部分と光線を遮蔽または拡散させる部分とを有する光学素子を開示している。しかし、特許文献1は、そのような光学素子の製造方法を詳細に開示していない。また、特許文献1の光学素子は、顕微鏡の光量を制御するものであり、光学素子を通過した光線によって面上に形成される周囲より照度の高い領域の境界を鮮明にするという技術的課題とは無関係である。
このように、従来、光学素子を通過した光線によって面上に形成される周囲より照度の高い領域の境界を鮮明にすることのできる、ほぼ平坦な面である第1の部分と光線に回折、拡散などを生じさせる光学的構造である第2の部分とから構成される光学素子の金型を高精度かつ高効率で製造する方法は開発されていなかった。
特開2007-033790号公報
したがって、光学素子を通過した光線によって面上に形成される周囲より照度の高い領域の境界を鮮明にすることのできる、ほぼ平坦な面である第1の部分と光線に回折、拡散などを生じさせる光学的構造である第2の部分とから構成される光学素子の金型を高精度かつ高効率で製造する方法に対するニーズがある。本発明の課題は、光学素子を通過した光線によって面上に形成される周囲より照度の高い領域の境界を鮮明にすることのできる、ほぼ平坦な面である第1の部分と光線に回折、拡散などを生じさせる光学的構造である第2の部分とから構成される光学素子の金型を高精度かつ高効率で製造する方法を提供することである。
本発明による光学素子用の金型の製造方法は、レジストパターニング及びエッチングによって、基板の表面の第1の領域に2マイクロメータ以上の幅のほぼ平坦な底面を有する第1の溝を形成するステップと、該基板の表面の該第1の領域を囲む第2の領域を、該底面と平行ではない面から構成される形状に機械加工するステップとを含む。
本発明によれば、基板の表面の第1の領域に2マイクロメータ以上の幅のほぼ平坦な底面を有する第1の溝を、レジストパターニング及びエッチングによって形成するので、第1の溝の、ほぼ平坦な底面と側面との境界のコーナーRを、一例として1マイクロメータ以下にすることができる。したがって、金型から製造される光学素子の、金型の第1の領域に対応する光学素子の第1の部分と金型の第1の領域を囲む金型の第2の領域に対応する光学素子の第2の部分との境界がシャープになる。この結果、該光学素子を通してある面に光線を照射した場合に、金型の第1の領域の形状に対応する鮮明な境界の形状を有する照度の高い領域を該面上に形成することのできる光学素子が得られる。ここで、金型の第1の領域を囲む金型の第2の領域とは、第1の領域の周囲を縁取る領域であって、その金型によって光学素子を製造し、該光学素子を通してある面に光線を照射した場合に、金型の第1の領域の形状に対応する鮮明な境界を有する周囲より照度の高い領域を該面上に形成することができるように形成された領域を意味する。したがって、第1の領域の周囲を縁取る領域以外の領域の形状はどのような形状であってもよい。第2の領域においては、光学素子の所望の機能を実現するために、第1の溝の底面と平行ではない面から構成される形状を機械加工によって高精度かつ高効率で形成することができる。
従来、金型の製造において、レジストパターニング及びエッチングならびに機械加工の両方を使用することはまれであった。本発明は、光学素子を通過した光線によって形成される形状の境界を鮮明にすることのできる、ほぼ平坦な面である第1の部分と光線に回折、拡散などを生じさせる光学的構造である第2の部分とから構成される光学素子の金型を高精度かつ高効率で製造する方法を提供するという技術的課題を解決するために、レジストパターニング及びエッチングならびに機械加工の両方を適切に組み合わせた点を特徴とする。
本発明の第1の実施形態による金型の製造方法においては、該第1の溝の深さが30マイクロメータ以下であり、該第2の領域の該形状の深さが20マイクロメータ以下である。
本実施形態による金型の製造方法において、第1の領域における第1の溝及び第2の領域における形状の加工前の基板の表面からの深さは30マイクロメータ以下である。したがって、厚さの小さなコンパクトな光学素子が得られる。
本発明の第2の実施形態による金型の製造方法において、該第2の領域の該形状が周期的な構造を含み、該周期的な構造の周期が該第1の溝の底面の幅よりも小さい。
本実施形態による金型によって製造された光学素子の、第2の領域に対応する部分は、周期的な構造を含むので光線の回折、拡散などを生じさせることができる。
本発明の第3の実施形態による金型の製造方法において、該第2の領域の該形状が、長手方向がほぼ同じ方向となるように配列された複数の第2の溝であり、該複数の第2の溝の長手方向に垂直な断面が周期的な構造を示す
本実施形態による金型によって製造された光学素子の、第2の領域に対応する部分の断面は周期的な構造を示すので光線の回折、拡散などを生じさせることができる。
本発明の第4の実施形態による金型の製造方法においては、該第2の領域の該形状が該光学素子の回折格子に対応する。
本実施形態による金型の製造方法によって、金型の第2の領域に対応する第2の部分が回折格子からなる光学素子が得られる。光学素子を通してある面を照射した場合に、該面における金型の第1の領域に対応する、照度の高い領域以外の領域の照度を回折格子によって調整することができることができる。
本発明の第5の実施形態による金型の製造方法においては、該第2の領域の該形状が該光学素子のマイクロプリズムアレイに対応する。
本実施形態による金型の製造方法によって、第2の領域に対応する領域にマイクロプリズムアレイを備えた光学素子が得られる。光学素子を通してある面を照射した場合に、該面における第1の領域に対応する照度の高い領域以外の領域の照度をマイクロプリズムアレイによって調整することができる。
本発明の第6の実施形態による金型の製造方法においては、該第2の領域の該形状が該光学素子のマイクロレンズアレイに対応する。
本実施形態による金型の製造方法によって、第2の領域に対応する領域にマイクロレンズアレイを備えた光学素子が得られる。光学素子を通してある射面を照射した場合に、該面における第1の領域に対応する照度の高い領域以外の領域の照度をマイクロレンズアレイによって調整することができる。
本発明の第7の実施形態による金型の製造方法においては、該第2の領域の該形状を引き切り加工によって形成する。
本実施形態による金型の製造方法においては、第2の領域における回折格子などの形状を引き切り加工によって形成する。したがって、回折格子などの形状を高精度かつ高効率で形成することができる。
本発明の第8の実施形態による金型の製造方法においては、該第2の領域の該形状を、ダイヤモンド切削工具を使用して形成する。
本発明の第9の実施形態による金型の製造方法においては、1マイクロメータ以下のコーナーRで該第1の溝及び該形状を形成する。
本実施形態による金型のコーナーRは1マイクロメータ以下であるので、金型から製造される光学素子の、第1の領域に対応する領域と第1の領域を囲む第2の領域に対応する領域との境界がシャープになる。この結果、光線を照射した場合に、第1の領域の形状に対応する照度の高い領域であって、鮮明な境界を有する領域を形成することのできる光学素子が得られる。
本発明の一実施形態の、光学素子用の金型の製造方法を示す流れ図である。 上記の光学素子用の金型の製造方法を説明するための図である。 機械加工後の基板の断面を示す図である。 図3に示すような断面を有する金型によって成形された光学素子の一例を示す図である。 矩形状のダイヤモンド工具を使用した引き切り加工を説明するための図である。 矩形状のダイヤモンド工具の刃先の写真である。 ダイヤモンド・ボールエンドミルによる加工を説明するための図である。 ダイヤモンド・ボールエンドミルの刃先の写真である。 引き切り加工によって形成された直線状の溝の長手方向に垂直な断面を示す図である。 図9(a)に示す一定の間隔で配置された溝を有する金型によって成形された回折格子の機能を説明するための図である。 第1の領域及び第2の領域を備えた金型の、第2の領域の回折格子に対応する形状の溝の種々の態様を示す図である。 、基板の第2の領域に機械加工されたマイクロプリズムアレイに対応する形状を示す図である。 基板の第2の領域に機械加工されたマイクロレンズアレイに対応する形状を示す図である。 本発明の製造方法によって製造された金型のAFM(原子間力顕微鏡)像を示す図である。 本発明の製造方法によって製造された周期構造を有する金型の断面のAFM(原子間力顕微鏡)像を示す図である。
図1は、本発明の一実施形態の、光学素子用の金型の製造方法を示す流れ図である。
図2は、上記の光学素子用の金型の製造方法を説明するための図である。
図1のステップS1010において基板を洗浄する。基板の材料は、一例として、無電解ニッケルリン鍍金であってもよい。
図2(a)は、洗浄後の基板の断面を示す図である。
図2のステップS1020において、基板の表面に第1の溝を形成するためのレジストパターニングを実施する。具体的には、基板の表面の、第1の領域以外の第2の領域をレジストで覆う。
図2(b)は、基板の表面の、第1の領域以外の第2の領域がレジストで覆われた基板の断面を示す図である。
図2のステップS1030において、エッチングを実施しての第1の領域に第1の溝を形成する。エッチングは、一例として、イオンビームエッチングであってもよい。
図2(c)は、エッチング後の基板の断面を示す図である。基板の表面の第1の領域に第1の溝が形成されている。
図2のステップS1040において、レジストを除去する。
図2(d)は、レジストを除去した後の基板の断面を示す図である。基板の表面の第1の領域には第1の溝が形成されている。第1の溝の底面はほぼ平坦であり、第1の溝の底面の幅は2マイクロメータ以上である。第1の溝の底面は、加工前の基板の表面とほぼ平行である。また、第1の溝の加工前の基板の表面からの深さは1マイクロメータ以上、30マイクロメータ以下である。
図2のステップS1050において、第1の領域以外の第2の領域を機械加工することによって第1の溝の底面と平行ではない面から構成される形状を形成する。第2の領域の形状の、加工前の基板の表面からの深さは0.5マイクロメータ以上、20マイクロメータ以下である。
このように、第1の溝及び第2の領域の形状の、加工前の基板の表面からの深さは30マイクロメータ以下である。
図2(e)は、機械加工後の基板、すなわち金型の断面を示す図である。第2の領域には機械加工によって周期構造が形成されている。なお、機械加工については後で詳細に説明する。上記の断面は上記の周期構造の長手方向及び加工前の基板の表面に垂直である。
金型を製造する際に、上述のように、レジストパターニング、エッチング、機械加工の順に実施すべきである。機械加工を最初に実施すると、レジストパターニング及びエッチングによってほぼ平坦な底面を有する溝を形成することができない。レジストパターニングの後、エッチングの前にレジストに機械加工を実施すると、レジストに機械加工によって形成された形状がエッチングによって変形されるなどの問題が生じ、金型の形状の精度が劣化する。
上記の金型を使用して、たとえば、射出成形によって光学素子を大量に製造することができる。
図3は、図2(e)と同様に、機械加工後の基板の、周期構造の長手方向及び加工前の基板の表面に垂直な断面を示す図である。基板100の第1の領域101には底面がほぼ平坦な溝が形成され、第1の領域101以外の第2の領域103には周期構造が形成されている。周期構造は、一例として、回折格子に対応する。また、周期構造は、第1の領域101の溝の底面と平行ではない面から構成されている。
図4は、図3に示すような断面を有する金型によって成形された光学素子の一例を示す図である。第1の領域101に対応する光学素子100’の第1の部分101’は平坦な面である。第2の領域103に対応する光学素子100’ の第2の部分103’は回折格子である。光学素子100’を通してある面に光を照射すると、第1の部分101’は光線を、回折を生じさせることなく透過させ、回折格子である第2の部分103’は光を回折させるので、該面上において第1の部分101’の形状に対応する形状を有する領域101”の照度はその周囲よりも高くなる。したがって、該面上において、第1の部分101’の形状に対応する形状の領域101”が識別可能となる。
つぎに、第2の領域103における機械加工について説明する。
図5は、矩形状のダイヤモンド工具を使用した引き切り加工を説明するための図である。図5において、矩形状のダイヤモンド工具201を直線状に移動させながら基板100を削ることによって刃先の形状と同じ形状を断面とする溝が形成される。このような加工方法を引き切り加工と呼称する。一例として、断面がV字型の刃の開き角度が5度の場合には、表面における溝の幅を10マイクロメータとすると溝の深さは約1マイクロメータとなる。
図6は、矩形状のダイヤモンド工具201の刃先の写真である。
図7は、ダイヤモンド・ボールエンドミルによる加工を説明するための図である。図7において、ダイヤモンド・ボールエンドミル203を回転させながら基板100を削ることによって所定の形状が形成される。ボールエンドミル203の刃先の曲率半径の最小値は15マイクロメータである。また、刃先の曲率半径が15マイクロメータのボールエンドミルにおいて、回転速度を60,000回毎分として、送り速度は10ミリメータ毎分に制限される。
図8は、ダイヤモンド・ボールエンドミル203の刃先の写真である。
引き切り加工とボールエンドミルによる加工とを比較する。第一に、ボールエンドミルの刃先の曲率半径の最小値は約15マイクロメータであるので、溝の幅が30マイクロメータより小さな場合にはボールエンドミルによる加工で溝を形成することができない。したがって、溝の幅が30マイクロメータより小さな場合には、溝は引き切り加工で形成される。第二に、加工効率の観点からは、送り速度の速い引き切り加工が有利である。第三に、矩形状のダイヤモンド工具を使用した引き切り加工によれば、コーナーRを、一例として、0.5マイクロメータ以下の範囲で制御することができる。他方、ダイヤモンド・ボールエンドミルを使用した場合のコーナーRは、刃先の曲率半径の最小値である15マイクロメータ以上となる。このように、ボールエンドミルでは形成することのできない15マイクロメータよりも小さいコーナーRのU字状の溝を引き切り加工で形成することができる。
図9は、引き切り加工によって形成された直線状の溝の長手方向に垂直な断面を示す図である。図9(a)は一定の間隔で配置された溝を示し、図9(b)はランダムな間隔で配置された溝を示す。
図10は、図9(a)に示す一定の間隔で配置された溝を有する金型によって成形された回折格子の機能を説明するための図である。回折格子の周期、すなわち溝の間隔をd、回折角度をθ、回折次数をN、光の波長をλで表すと、以下の関係が成立する。回折角度とは、回折後の光線の、回折前の光線に対する角度である。図10において、回折前の光線は、溝を形成する前の基板の面に垂直に入射する。また、図10において、回折角度は反時計回りを正とし、回折次数の符号は回折角度の符号に合わせる。
Figure 2019163630
表1は、回折次数が±1から±3の回折光の回折角度を示す表である。光の波長λ及び回折格子の周期dは以下のとおりである。
λ=546nm, d=2000nm
Figure 2019163630
表2は、回折次数が±1から±3の回折光の回折効率を示す表である。
Figure 2019163630
このように回折格子に入射した光線のほとんどは、所定の回折角度で回折し直進しないので、図4に示すように、光学素子を通してある面を照射した場合に、光学素子の部分101’を通過した光線によって該面上に周囲よりも照度の高い領域101”が形成される。
図11は、第1の領域及び第2の領域を備えた金型の、第2の領域の回折格子に対応する形状の溝の種々の態様を示す図である。
図11(a)の回折格子に対応する形状の複数の溝は直線状である。
図11(b)の回折格子に対応する形状の複数の溝は同心円状である。
図11(c)の回折格子に対応する形状の複数の溝は放射線状である。
図11(d)の回折格子に対応する形状の複数の溝は緩やかな曲線状である。
回折格子の溝の態様を変えることにより、光学素子を通してある面を照射した場合に、該面における照度の高い領域101”以外の領域の照度の変化による模様を変えることができる。
図12は、基板の第2の領域に機械加工されたマイクロプリズムアレイに対応する形状を示す図である。
図12(a)は、第1の溝が形成された第1の領域及びマイクロプリズムアレイに対応する形状が機械加工された第2の領域を示す図である。第2の領域のマイクロプリズムアレイに対応する形状は、第1の領域の溝の底面と平行ではない面から構成されている。
図12(b)は、マイクロプリズムアレイに対応する形状が機械加工された第2の領域の拡大図である。
基板の第2の領域において、引き切り加工によって第1の方向に所定の周期で複数の溝形成し、引き切り加工によって第1の方向と異なる第2の方向に該所定の周期で複数の溝を形成することによって四角錐からなるマイクロプリズムアレイに対応する形状を製造することができる。また、基板面において、引き切り加工によって互いに異なる三方向に所定の周期で複数の溝を形成することによって三角錐からなるマイクロプリズムアレイに対応する形状を製造することができる。基板面に種々の方向の溝を形成するために、一例として、角度割り出し機能を備えた回転テーブルに基板を取り付けて角度割り出し機能によって溝の方向を定め引き切り加工によって溝を形成してもよい。
上記のマイクロプリズムアレイに対応する形状を備えた金型によって製造されたマイクロプリズムアレイを備えた光学素子を通してある面を照射した場合に、マイクロプリズムアレイによる光の拡散によって該面における照度の高い領域101”以外の領域の照度を調整することができる。
図13は、基板の第2の領域に機械加工されたマイクロレンズアレイに対応する形状を示す図である。
図13(a)は、第1の溝が形成された第1の領域及びマイクロレンズアレイに対応する形状が機械加工された第2の領域を示す図である。第2の領域のマイクロレンズアレイに対応する形状は、第1の領域の溝の底面と平行ではない面から構成されている。
図13(b)は、マイクロレンズアレイに対応する形状が機械加工された第2の領域の拡大図である。
基板の第2の領域において、ダイヤモンド・ボールエンドミルを使用して超精密ミリング加工を実施することによりマイクロレンズアレイに対応する形状を製造することができる。ダイヤモンド・ボールエンドミルの刃先の曲率半径の最小値は上述のように15マイクロメータである。
上記のマイクロレンズアレイに対応する形状を備えた金型によって製造されたマイクロレンズアレイを備えた光学素子を通してある面を照射した場合に、マイクロレンズアレイによる光の拡散によって該面における照度の高い領域101”以外の領域の照度を調整することができる。
図14は本発明の製造方法によって製造された金型のAFM(原子間力顕微鏡)像を示す図である。
図15は本発明の製造方法によって製造された周期構造を有する金型の断面のAFM(原子間力顕微鏡)像を示す図である。周期構造の周期は2.0マイクロメータ、周期構造の深さは0.76マイクロメータである。上記の断面は、周期構造である格子の繰り返し方向に垂直な断面である。第1の溝の底面の幅は、7.5マイクロメータであり、上記の周期構造の周期よりも小さい。また、周期構造は、第1の溝の底面と平行ではない面から構成されている。

Claims (10)

  1. 光学素子用の金型の製造方法であって、
    レジストパターニング及びエッチングによって、基板の表面の第1の領域に2マイクロメータ以上の幅のほぼ平坦な底面を有する第1の溝を形成するステップと、
    該基板の表面の該第1の領域を囲む第2の領域を、該底面と平行ではない面から構成される形状に機械加工するステップとを含む金型の製造方法。
  2. 該第1の溝の深さが30マイクロメータ以下であり、該第2の領域の該形状の深さが20マイクロメータ以下である請求項1に記載の金型の製造方法。
  3. 該第2の領域の該形状が周期的な構造を含み、該周期的な構造の周期が該第1の溝の底面の幅よりも小さい請求項1または2に記載の金型の製造方法。
  4. 該第2の領域の該形状が、長手方向がほぼ同じ方向となるように配列された複数の第2の溝であり、該複数の第2の溝の長手方向に垂直な断面が周期的な構造を示す請求項3に記載の金型の製造方法。
  5. 該第2の領域の該形状が該光学素子の回折格子に対応する請求項1から4のいずれかに記載の金型の製造方法。
  6. 該第2の領域の該形状が該光学素子のマイクロプリズムアレイに対応する請求項1から3のいずれかに記載の金型の製造方法。
  7. 該第2の領域の該形状が該光学素子のマイクロレンズアレイに対応する請求項1から3のいずれかに記載の金型の製造方法。
  8. 該第2の領域の該形状を引き切り加工によって形成する請求項1から6のいずれかに記載の金型の製造方法。
  9. 該第2の領域の該形状を、ダイヤモンド切削工具を使用して形成する請求項1から8のいずれかに記載の金型の製造方法。
  10. 1マイクロメータ以下のコーナーRで該第1の溝及び該第2の領域の該形状を形成する請求項1から6のいずれかに記載の金型の製造方法。
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