JPWO2019151370A1 - 伸縮性積層体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

肌触りがよく伸長時の応力に優れた伸縮性積層体を得ることが可能であり、なお且つ、通常のホットメルト接着剤塗布装置を用いて伸縮部材を塗工可能な、伸縮性積層体の製造方法を提供すること。伸縮性積層体の製造方法であって、溶融されたホットメルト組成物を塗工してホットメルト組成物層を得る工程1、第1の不織布、延伸された前記ホットメルト組成物層、及び第2の不織布をこの順に積層する工程2、及び、前記第1の不織布及び前記第2の不織布に、延伸された前記ホットメルト組成物層を、ホットメルト接着剤接合及び/又は超音波融着により接合する工程3を有し、前記ホットメルト組成物は、水素添加されたスチレン系ブロック共重合体(A)及び可塑剤(B)を含み、前記ホットメルト組成物中100質量%中に、前記水素添加されたスチレン系ブロック共重合体(A)を55〜70質量%、及び前記可塑剤(B)を5〜25質量%含み、前記水素添加されたスチレン系ブロック共重合体(A)はスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体及び/又はスチレン−エチレン−ブチレン/スチレン−スチレン共重合体であり、180℃における溶融粘度が10,000〜30,000mPa・sであることを特徴とする、製造方法。

Description

本発明は、伸縮性積層体の製造方法に関する。
近年、紙おむつ又は生理用ナプキン等の衛生材料の製造において、着用時のずれ落ち防止のために、天然ゴム及び/又は合成高分子を糸状にした糸ゴムが使用される。糸ゴムは伸長時に良好な応力を示すため、糸ゴムを衛生材料に使用することは、衛生材料の着用時のずれ落ち防止に効果的である。
糸ゴム以外の衛生材料に設けられる伸縮性積層体の伸縮部材としては、熱可塑性エラストマーを含む伸縮性フィルムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には熱可塑性エラストマーと親水性樹脂を含む伸縮性フィルムが開示されている。当該伸縮性フィルムによれば、透湿性及び柔軟性に優れた、生理用品など衛生材料に好適な伸縮性フィルムが提供される。
また、ホットメルト接着剤塗布装置で使用できる伸縮性材料として、ホットメルト伸縮性接着剤組成物が提案されている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2にはブタジエン重合体もしくはイソプレン重合体の水素添加重合体、又はエチレンプロピレン重合体より選択された1種以上の重合体である弾性重合体セグメントとポリスチレン重合体セグメントを含むブロック共重合体を含むホットメルト伸縮性接着剤組成物が開示されている。当該ホットメルト伸縮性接着剤組成物によれば、通常のホットメルトアプリケーターを使用して塗工可能であり、且つ、それ自体が接着性と伸縮性を合わせて有するので、不織布等の基材と積層することで、容易にギャザー部を形成することができるホットメルト接着剤が提供される。
日本国特開2015−86367号公報 日本国特許第2919385号公報
しかしながら、上述したような糸ゴムを使用すれば、人の身体に線圧がかかるため、着用時の圧迫感やかぶれの原因になることがある。また、衛生材料には細い糸ゴムが複数本使用されるため、衛生材料の製造時に糸ゴムが切れやすく、しばしば衛生材料の製造を困難にする原因ともなっている。
また、特許文献1にあるような伸縮性フィルムに関しても、当該伸縮性フィルムは高粘度であるため押し出し装置が必要となり、通常用いられるホットメルト接着剤塗布装置では使用できないため、衛生材料の生産性の観点で課題がある。
さらに、特許文献2の伸縮性接着剤組成物を用いた伸縮性積層体では、伸長時の応力が十分ではないため、衛生材料が着用時にずれ落ちる恐れがある。また、着用時の肌触りの面でも、十分とはいえない。
上記のような事情に鑑み、本発明の目的とするところは、肌触りがよく伸長時の応力に優れた伸縮性積層体を得ることが可能であり、なお且つ、通常のホットメルト接着剤塗布装置を用いて伸縮部材を塗工可能な、伸縮性積層体の製造方法を提供することにある。
本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、所定のホットメルト組成物を使用することにより、肌触りがよく伸長時の応力に優れた伸縮性積層体を得ることが可能であり、なお且つ、通常のホットメルト接着剤塗布装置を用いて伸縮部材を塗工可能であることを見出した。本発明者らは、かかる知見に基づきさらに研究を重ね、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下の伸縮性積層体の製造方法を提供する。
項1.
伸縮性積層体の製造方法であって、
溶融されたホットメルト組成物を塗工してホットメルト組成物層を得る工程1、
第1の不織布、延伸された前記ホットメルト組成物層、及び第2の不織布をこの順に積層する工程2、及び、
前記第1の不織布及び前記第2の不織布に、延伸された前記ホットメルト組成物層を、ホットメルト接着剤接合及び/又は超音波融着により接合する工程3を有し、
前記ホットメルト組成物は、
水素添加されたスチレン系ブロック共重合体(A)及び可塑剤(B)を含み、
前記ホットメルト組成物中100質量%中に、前記水素添加されたスチレン系ブロック共重合体(A)を55〜70質量%、及び前記可塑剤(B)を5〜25質量%含み、
前記水素添加されたスチレン系ブロック共重合体(A)はスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体及び/又はスチレン−エチレン−ブチレン/スチレン−スチレン共重合体であり、
180℃における溶融粘度が10,000〜30,000mPa・sであることを特徴とする、製造方法。
項2.
前記ホットメルト組成物が、−60℃から−20℃の間で損失正接tanδ(=損失弾性率G’’/貯蔵弾性率G’)の値が極大となる温度において、tanδの値が1.0以下である、項1に記載の製造方法。
項3.
前記ホットメルト組成物が、エチレン−酢酸ビニル共重合体(C)を10〜35質量%含む、項1又は2に記載の製造方法。
項4.
前記第1の不織布及び前記第2の不織布は、スパンボンド不織布、スパンレース不織布、エアレイド不織布、及びエアスルー不織布より選ばれる1種以上である、項1〜3の何れかに記載の製造方法。
本発明に係る伸縮性積層体の製造方法によれば、肌触りがよく伸長時の応力に優れた伸縮性積層体を得ることが可能であり、なお且つ、通常のホットメルト接着剤塗布装置を用いて伸縮部材を塗工可能な、伸縮性積層体の製造方法を提供することができる。
本発明の製造方法において、搬送ロールを使用した一例の説明図。
本発明は、伸縮性積層体の製造方法であって、
溶融されたホットメルト組成物を塗工してホットメルト組成物層を得る工程1、
第1の不織布、延伸された前記ホットメルト組成物層、及び第2の不織布をこの順に積層する工程2、及び、
前記第1の不織布及び前記第2の不織布に、延伸された前記ホットメルト組成物層を、ホットメルト接着剤接合及び/又は超音波融着により接合する工程3を有し、
前記ホットメルト組成物は、
水素添加されたスチレン系ブロック共重合体(A)及び可塑剤(B)を含み、
前記ホットメルト組成物中100質量%中に、前記水素添加されたスチレン系ブロック共重合体(A)を55〜70質量%、及び前記可塑剤(B)を5〜25質量%含み、
前記水素添加されたスチレン系ブロック共重合体(A)はスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体及び/又はスチレン−エチレン−ブチレン/スチレン−スチレン共重合体であり、
180℃における溶融粘度が10,000〜30,000mPa・sであることを特徴とする。
一般に、伸縮性積層体に用いられる部材としては、天然ゴム及び/又は合成高分子を糸状にした糸ゴムが知られている。従来の衛生材のギャザー部位に用いられる伸縮性部材は、不織布などの基材と、複数本の糸ゴムを接合することで形成される。このように形成された伸縮性部材は良好な伸縮性を有するため、吸収性物品に用いることで、着用時のずれがおきにくく、着用者に安心感を与えることができる。しかし、上述のようにして形成された伸縮性積層体は、線状の糸ゴムによる線圧が着用者の胴回りにかかるため、強い締め付け感を感じる場合がある。
面圧で胴回りを締め付ける、伸縮性フィルムを用いた伸縮性部材を用いることにより、着用者にかかる圧力が分散されるため、良好な締め付け感を達成することができる。しかしながら、伸縮性フィルムは高粘度であり、且つ、ホットメルト型ではないため、通常用いられるホットメルト塗布装置を用いて塗布することができず、衛生材料の製造工程が煩雑化する。
ホットメルト伸縮性接着剤組成物を伸縮性部材として用いることにより、通常のホットメルト塗布装置を用いて面圧で締め付ける伸縮性積層体を作成することができる。しかし、従来のホットメルト伸縮性接着剤組成物では伸長時の応力が低いため、着用時に十分な締め付け感を得られず、衛生材料がずれ落ちる恐れがあった。
これに対し、本発明の伸縮性積層体の製造方法によれば、所定のホットメルト組成物を用いることにより、肌触りがよく伸長時の応力に優れた伸縮性積層体を得ることが可能であり、なお且つ、通常のホットメルト接着剤塗布装置を用いて伸縮部材を塗工可能な、伸縮性積層体の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の伸縮性積層体の製造方法について、詳細を説明する。
1.工程1
工程1では、溶融されたホットメルト組成物を塗工してホットメルト組成物層を得る。尚、本明細書において、「ホットメルト」とは、加熱(例えば180℃)をすると流動性を示し、その後室温(23℃)まで冷却されると流動性がなくなり固化することをいうものとする。
(ホットメルト組成物)
ホットメルト組成物は、水素添加されたスチレン系ブロック共重合体(A)及び可塑剤(B)を含む。さらに、エチレン−酢酸ビニル共重合体(C)及び/又はその他添加剤を含んでもよい。
(水素添加されたスチレン系ブロック共重合体(A))
水素添加されたスチレン系ブロック共重合体は、ビニル系芳香族炭化水素と共役ジエン化合物とをブロック共重合し、得られたブロック共重合体における共役ジエン化合物に基づくブロックの全部又は一部が水素添加されたブロック共重合体をいう。
「ビニル系芳香族炭化水素」とは、ビニル基を有する芳香族炭化水素化合物をいい、具体的には、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセンなどが挙げられ、スチレンが好ましい。ビニル系芳香族炭化水素は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
「共役ジエン化合物」とは、少なくとも一対の共役二重結合を有するジオレフィン化合物を意味する。共役ジエン化合物としては、具体的には、例えば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(又はイソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどが挙げられ、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエンが好ましい。共役ジエン化合物は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
水素添加されたスチレン系ブロック共重合体における水素添加された割合は、「水素添加率」で示される。水素添加型熱可塑性ブロック共重合体の「水素添加率」とは、共役ジエン化合物に基づくブロックに含まれている全エチレン性不飽和二重結合を基準とし、その中で、水素添加されて飽和炭化水素結合に転換されたエチレン性不飽和二重結合の割合をいう。水素添加率は、赤外分光光度計又は核磁器共鳴装置等によって測定することができる。
スチレン系ブロック共重合体の水素添加物としては特に限定されないが、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)、スチレン−ブチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBBS)、スチレン−エチレン−ブチレン/スチレン−スチレン共重合体(SEB/S−S)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体(SEEPS)、スチレン−エチレン−ブチレン−オレフィン結晶共重合体(SEBC)から選択される少なくとも1種以上であることが好ましい。かかる構成を採用することにより、ホットメルト組成物層の伸縮性が優れたものとなり、伸長時の応力も向上する。その結果、得られる伸縮性積層体の伸縮性と伸長時の応力も優れたものとなる。中でも、伸縮積層体の伸縮性及び伸長時の応力をさらに良好なものとするという観点から、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体及びスチレン−エチレン−ブチレン/スチレン−スチレン共重合体の何れか又は双方を含有することが、特に好ましい。
スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体は、末端のスチレン単位がエンドブロック相となり、エチレン−ブチレン単位がミッドブロック相となる共重合体である。ミッドブロック相が水素添加されたエチレン−ブチレン単位である共重合体を用いることで、エンドブロック相のスチレン単位との極性差が顕著になり、水素添加されていないミッドブロック相の共重合体と比較して、よりエンドブロック相のスチレン単位が強固となる。結果として、ホットメルト組成物層の伸長時の応力を向上させることができる。
スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体のスチレン含有量は、当該スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体を100質量%として、15〜30質量%が好ましく17〜25質量%がより好ましい。スチレン含有量が15質量%以上であると、伸長時の応力がより一層向上する。スチレン含有量が30質量%以下であると、ホットメルト組成物がより柔らかくなり、ホットメルト組成物を塗工しやすくなる(塗工ムラが少なくなる。)。
なお、本明細書において、スチレン系ブロック共重合体の「スチレン含有量」とは、スチレン系ブロック共重合体中のスチレンブロックの含有割合(質量%)をいう。
また、スチレン系ブロック共重合体中のスチレン含有量の算出方法は特に限定されないが、例えば、JIS K6239に準じたプロトン核磁気共鳴法や赤外分光法を用いる方法が挙げられる。
スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体としては市販されている製品を用いることができる。市販品としては、旭化成社製タフテックH1041、クレイトンポリマー社製MD1648などが挙げられる。
スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。例えば、スチレン含有量が高いスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体と、スチレン含有量が低いスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体とを、混合して用いてもよい。2種以上を混合して用いた場合のスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体全体のスチレン含有量は、重量に基づく平均値により算出すればよい。
スチレン−エチレン−ブチレン/スチレン−スチレン共重合体は、末端のスチレン単位がエンドブロック相となり、エチレン−ブチレン単位がミッドブロック相となるスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体において、ミッドブロック相にもスチレンが分散されている共重合体である。ミッドブロック相にスチレンが分散されている共重合体を用いることで、スチレンブロック共重合体の全体のスチレン含有量が多くなっても、スチレンブロック共重合体が硬くなりすぎず、良好な伸長性を示すため、スチレン−エチレン−ブチレン/スチレン−スチレン共重合体を含むホットメルト組成物では、良好な伸長性と、伸長時における応力の向上を両立することができる。さらに、ミッドブロック相にスチレンが分散されているスチレン−エチレン−ブチレン/スチレン−スチレン共重合体をホットメルト組成物に用いることで、低温における溶融粘度の増加が抑制されるため、ホットメルト組成物の塗工適性をより向上させることができる。
スチレン−エチレン−ブチレン/スチレン−スチレン共重合体を調製する方法としては特に限定されず、例えば、米国特許第7,169,848号に記載の方法が挙げられる。
スチレン−エチレン−ブチレン/スチレン−スチレン共重合体のスチレン含有量は、当該スチレン−エチレン−ブチレン/スチレン−スチレン共重合体を100質量%として20〜40質量%が好ましく、25〜35質量%がより好ましい。スチレン含有量が20質量%以上であると、伸長時の応力がより一層向上し、伸縮性積層体の伸縮性も優れたものとなる。スチレン含有量が40質量%以下であると、ホットメルト組成物がより柔らかくなり、塗工適性が良好なものとなる。
スチレン−エチレン−ブチレン/スチレン−スチレン共重合体としては、市販されている製品を用いることができる。市販品としては、クレイトンポリマー社製MD6951等が挙げられる。
スチレン−エチレン−ブチレン/スチレン−スチレン共重合体は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。例えば、スチレン含有量が高いスチレン−エチレン−ブチレン/スチレン−スチレン共重合体と、スチレン含有量が低いスチレン−エチレン−ブチレン/スチレン−スチレン共重合体とを、混合して用いてもよい。2種以上を混合して用いた場合のスチレン−エチレン−ブチレン/スチレン−スチレン共重合体全体のスチレン含有量は、重量に基づく平均値により算出すればよい。
本発明の伸縮性積層体の製造方法に用いられるホットメルト組成物中の水素添加されたスチレン系ブロック共重合体(A)の含有量は、ホットメルト組成物を100質量%として、55〜70質量%であり、58〜65質量%であることがより好ましい。スチレン系ブロック共重合体(A)の含有量が55質量%未満、或いは70質量%を超えてしまうと、最終的に得られる伸縮性積層体の、伸縮性及び伸長時の応力が不十分となってしまう。
ホットメルト組成物の180℃における溶融粘度は10,000〜30,000mPa・sであり、13,000〜25,000mPa・sであることがより好ましく、15,000〜20,000mPa・sであることがさらに好ましい。ホットメルト組成物の180℃における溶融粘度が10,000mPa・s未満であると、最終的に得られる伸縮性積層体の伸長時の応力が不十分となる。一方、180℃における溶融粘度が30,000mPa・sを超えてしまう場合、通常のホットメルト接着剤塗布装置で塗工してホット組成物層を形成する際に、粘度過多に起因する塗工ムラが発生してしまう。
本明細書において、「溶融粘度」は、一定の温度で加熱溶融状態となったホットメルト接着剤の粘度であると定義する。測定方法としては特に限定されないが、例えば、ホットメルト組成物を加熱溶融し、180℃における溶融状態の粘度を、ブルックフィールドRVT型粘度計(スピンドルNo.29)を用いて測定することができる。
(可塑剤(B))
可塑剤(B)としては、23℃におけるホットメルト組成物の伸縮性を良好なものとするために、23℃で液状の可塑剤を、使用することが好ましい。尚、本明細書において「液状」とは、流動性を示す状態のことをいう。可塑剤(B)としては特に限定されず、例えば、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル、流動パラフィン、及び炭化水素系合成オイル等が挙げられる。なかでも、加熱安定性が優れる観点から、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、流動パラフィン、及び炭化水素系合成オイルが好ましく、伸縮性が優れる観点から、炭化水素系合成オイルがより好ましい。
パラフィン系プロセスオイルとしては、市販品を用いることができる。市販品としては、例えば、出光興産社製PW−32、出光興産社製PS−32、出光興産社製PS−90等が挙げられる。
ナフテン系プロセスオイルとしては、市販品を用いることができる。市販品としては、例えば、出光興産社製ダイアナフレシアN28、出光興産社製ダイアナフレシアU46、Nynas社製Nyflex222B等が挙げられる。
流動パラフィンとしては、市販品を用いることができる。市販品としては、MORESCO社製P−100、Sonneborn社製Kaydol等が挙げられる。
炭化水素合成オイルとしては、市販品を用いることができる。市販品としては、三井化学社製ルーカントHC−10、三井化学社製ルーカントHC−20等が挙げられる。
上記可塑剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
ホットメルト組成物中の可塑剤(B)の含有量は、ホットメルト組成物を100質量%として、5〜25質量%であり、10〜20質量%であることがより好ましい。可塑剤(B)の含有量が5質量%未満となると、ホットメルト組成物の溶融粘度が高くなり、ホットメルト組成物を通常のホットメルト接着剤塗布装置で塗工不能となる。一方、可塑剤(B)の含有量が25質量%を超えると、ホットメルト組成物層が軟らかくなり過ぎてしまい、最終的に得られる伸縮性積層体の伸長時の応力が不十分となる。
(エチレン−酢酸ビニル共重合体(C))
ホットメルト組成物は、エチレン−酢酸ビニル共重合体を含有してもよい。
エチレン−酢酸ビニル共重合体としては、市販品を用いることができる。市販品としては、例えば、Honeywell社製AC−400、Honeywell社製AC−430等が挙げられる。
上記エチレン−酢酸ビニル共重合体は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
ホットメルト組成物中のエチレン−酢酸ビニル共重合体(C)の含有量は、ホットメルト組成物を100質量%として、10〜35質量%が好ましく、15〜30質量%がより好ましい。エチレン−酢酸ビニル共重合体(C)の含有量を10質量%以上とすることにより、伸縮性積層体の伸長時の応力が向上する。エチレン−酢酸ビニル共重合体(C)の含有量を35質量%以下とすることにより、ホットメルト組成物の加熱安定性が向上する。
(他の添加剤)
本発明の伸縮性積層体の製造方法に用いられるホットメルト組成物は、本発明の目的を本質的に妨げない範囲で、他の添加剤を含有していてもよい。上記他の添加剤としては、酸化防止剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。
酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(4'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,4−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルべンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,4−ジ−t−アミル−6−〔1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル〕フェニルアクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ぺンチルフェニル)]アクリレート、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン等のヒンダードフェノール系酸化防止剤;ジラウリルチオジプロピオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)等のイオウ系酸化防止剤;トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト等のリン系酸化防止剤等が挙げられる。酸化防止剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
ホットメルト組成物中の酸化防止剤の含有量としては、ホットメルト組成物を100質量%として、0.01〜2質量%が好ましく、0.05〜1.5質量%がより好ましく、0.1〜1質量%が更に好ましい。酸化防止剤の含有量を0.01質量%以上とすることにより、ホットメルト組成物の熱安定が向上する。酸化防止剤の含有量を2質量%以下とすることにより、ホットメルト組成物の臭気が低減するため、それを用いてなる伸縮性積層体の臭気も低減する。
紫外線吸収剤としては、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤;サリチル酸エステル系紫外線吸収剤;シアノアクリレート系紫外線吸収剤;ヒンダードアミン系光安定剤が挙げられる。紫外線吸収剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
紫外線吸収剤の含有量としては、ホットメルト組成物を100質量%として、0.01〜2質量%が好ましく、0.05〜1.5質量%がより好ましく、0.1〜1質量%が更に好ましい。紫外線吸収剤の含有量を0.01質量%以上とすることにより、ホットメルト組成物の耐候性が向上する。紫外線吸収剤の含有量を2質量%以下とすることにより、ホットメルト組成物の臭気が低減するため、それを用いてなる伸縮性積層体の臭気も低減する。
本発明の伸縮性積層体の製造方法に用いられるホットメルト組成物は、動的粘弾性測定によって周波数1Hzで昇温過程で測定された、−60℃から−20℃の間で損失正接tanδ(=損失弾性率G’’/貯蔵弾性率G’)の値が極大となる温度において、tanδの値が1.0以下であることが好ましい。
動的粘弾性測定は、周波数を1Hzに固定して回転せん断モードで測定される。動的粘弾性測定は、具体的には、下記の要領で行われる。ホットメルト組成物を180℃で加熱溶融した後、離型処理されたPETフィルム上にたらす。その後、離型処理された別のPETフィルムを伸縮ホットメルト組成物上に離型面がホットメルト組成物に接触するよう重ね合わせる。その後、120℃に加熱した熱プレスで圧縮し、ホットメルト組成物の厚みが約1〜2mmとなるように調整する。
ホットメルト組成物を離型フィルム間に挟んだ状態で23℃にて24時間静置した後、離型フィルムを除去して動的粘弾性測定用のサンプルを作製する。このサンプルについて、動的粘弾性測定装置を用いて周波数1Hzにて回転せん断モードで−80から130℃まで5℃/分で昇温して動的粘弾性測定(昇温過程)を行う。このとき測定される貯蔵弾性率G’と損失弾性率G”から損失正接tanδ(=損失弾性率G”/貯蔵弾性率G’)を算出する。なお、動的粘弾性測定装置としては、例えば、ティーエーインスツルメント社から市販されているローテェーショナルレオメーター(商品名「AR−G2」)などが挙げられる。
ホットメルト組成物は、動的粘弾性測定によって周波数1Hzで−80℃から130℃まで昇温過程で測定された場合、−60℃から−20℃の間で損失正接tanδ(=損失弾性率G’’/貯蔵弾性率G’)が極大となる温度を有することが好ましい。ホットメルト組成物を−80℃から昇温すると、分子運動の増加に伴い、ガラス状態からゴム状態へ転移する。この際、tanδの値は極大値をとり、その時の温度はガラス転移温度として評価される。
本発明の伸縮性積層体の製造方法に用いられるホットメルト組成物は、動的粘弾性測定によって周波数1Hzで昇温過程で測定された損失正接tanδ(=損失弾性率G’’/貯蔵弾性率G’)において、−60℃から−20℃の間にあるtanδの値が極大となる温度において、tanδの値が1.0以下であることが好ましく、0.9以下がより好ましい。tanδの値が1.0以下とすることにより、ホットメルト組成物の粘性的な性質が低くなるため粘着性が低下し、且つ、硬くなるので、ホットメルト組成物の伸長時の応力が向上する。その結果、かかるホットメルト組成物を使用した伸縮性積層体の伸長時の応力も向上する。
ホットメルト組成物は公知の方法で製造される。例えば、水素添加されたスチレン系ブロック共重合体、可塑剤、各種添加剤等を150℃に加熱した双腕型混練機へ投入し、加熱しながら溶融混練することによって製造される。
(ホットメルト組成物層)
ホットメルト組成物層は、溶融された上記ホットメルト組成物を塗工して得ることができる。この際の溶融温度は、特に限定はなく、例えば、160〜200℃とすることが好ましい。
また、溶融されたホットメルト組成物を塗工する被塗工面については、溶融状態にあるホットメルト組成物を冷却可能なものであれば特に限定はない。被塗工面の材質について、特に限定はなく、例えば、ステンレス鋼で形成されたロールの内部に冷却用の流体を循環させる、所謂チルロールを用いることができる。被塗工面の形状についても特に限定はなく、平板形状など各種の形状を挙げることが可能であるが、生産性を考慮し、円筒形状のものを使用することも好適である。
ホットメルト組成物層の目付は、所望の接着力を得るためには、1g/m以上であることが好ましく、5g/m以上であることがより好ましい。一方、得られる積層体の肌触りを考慮し、ホットメルト組成物層の目付は30g/m以下であることが好ましく、10g/m以下であることがより好ましい。
ホットメルト組成物を被塗工面に塗工する方法としては、特に限定されず、一般的な方法を用いることができる。例えば、180℃に加熱した熱溶融タンク内にホットメルト組成物を投入し、十分熱溶融させた後、180℃に加熱した吐出用ノズルからホットメルト組成物を吐出する。吐出パターンとしては特に限定されず、例えば、スロット塗布、スロット形状にスリットを施したスリット塗布、スパイラル塗布やカーテン塗布等のスプレー塗布、ビード塗布等が挙げられる。
2.工程2
工程2では、第1の不織布、延伸された上記ホットメルト組成物層、及び第2の不織布をこの順に積層する。
(第1不織布及び第2の不織布)
不織布としては、公知の不織布を広く採用できる。具体的には、スパンボンド不織布、スパンレース不織布、エアレイド不織布、及びエアスルー不織布より選ばれる1種以上を使用することが好ましい。また、第1の不織布及び第2の不織布は、互いに異なる種類のものを使用してもよいし、同一の種類のものを使用してもよい。
不織布の目付は、引張強度の確保という観点から、10g/m以上であることが好ましく、13g/m以上であることがより好ましい。一方、最終的に得られる積層体の肌触りも考慮し、不織布の目付は30g/m以下であることが好ましく、15g/m以下であることがより好ましい。
また、使用する不織布は、少なくとも一方向で伸長性を有さない不織布が好ましい。かかる構成を採用することにより、不織布を搬送する際、搬送方向における引張応力が作用しても実質的に伸長しないという利点を得ることができる。
上述の如く、第1の不織布及び第2の不織布として、少なくとも一方向で伸長性を有さない不織布を使用する場合、積層状態における第1の不織布における伸長性を有さない方向と、第2の不織布における伸長性を有さない方向は、同一にして積層することが好ましい。
尚、本明細書において「少なくとも一方向で伸長性を有さない不織布」とは、不織布を搬送する際、搬送方向における引張応力が作用しても実質的に伸長しないことをいう。より具体的には、搬送時の伸長率が30%未満のものをいうこととする。
積層する際に、ホットメルト組成物層は、延伸された状態とする。延伸する方法としては、公知の方法を広く採用することが可能であり、特に限定はない。ここで、延伸するとは、ホットメルト組成物による伸縮性を生じさせるためにホットメルト組成物に対し伸長応力を付加していない状態から搬送方向に引き伸ばすことであり、搬送方向の上流側の搬送速度よりも下流側の搬送速度を大きくすることでホットメルト組成物の延伸が可能となる。なお、延伸倍率については、伸長応力が作用しない自然長の約200%〜500%(2倍から5倍)に延伸することが好ましい。かかる構成を有することにより、伸長時の応力に優れた伸縮性積層体を得ることができる。
本工程2で延伸状態とされたホットメルト組成物層は、後述する工程3において接合されるまで、その延伸状態を維持される。
3.工程3
工程3では、前記第1の不織布及び前記第2の不織布に、延伸された前記ホットメルト層を、ホットメルト接着剤接合及び/又は超音波融着により接合する。
ホットメルト接着剤接合に使用されるホットメルト接着剤としては、特に限定されず、公知のホットメルト接着剤を用いることができる。前記ホットメルト接着剤は熱可塑性エラストマーを含む。熱可塑性エラストマーとしては、特に限定されず、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体、スチレン−ブチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、ポリエチレン共重合体、ポリプロピレン共重合体、ポリエチレン−ポリプロピレン共重合体、ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。これら熱可塑性エラストマーは一種単独で用いられてもよいし、二種以上混合して用いることもできる。より具体的には、例えば、日本国特開2008−239931号公報に開示されるような、スチレン系ブロック共重合体を含むホットメルト接着剤を用いることができる。
超音波融着の具体的な態様としても、特に限定はなく、公知の方法を広く採用することが可能である。
次に図1を用いて本発明に関わる伸縮性積層体の製造方法の一例を説明する。尚、本発明は、かかる一例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
図中の符号1は、ホットメルトアプリケータであり、加熱溶融されたホットメルト組成物を吐出用ノズル(図示せず)から吐出するようになっている。吐出用ノズルから吐出されたホットメルト組成物は、上記した吐出パターンで冷却ロール2の表面上に塗布されることで冷却され、伸縮部材3が形成される。
伸縮部材3は、ニップロール4,4間を通り、下流側のニップロール5,5間に搬送される。ここで、ニップロール5,5の搬送速度は、ニップロール4,4の搬送速度よりも速くなっており、このため伸縮部材3が延伸され、伸縮部材の伸縮性が発現する。
ニップロール5,5間にはさらに、第1の基材である不織布6および第2の基材である不織布7が伸縮材を挟み込むように導入される。不織布6および不織布7には伸縮部材3に対向する面に予めホットメルトアプリケータ8,8によりホットメルト接着剤が塗布され、これにより不織布6、不織布7および伸縮部材3が接合され伸縮性積層体9が形成される。
ニップロール5,5から導出された伸縮性積層体9はさらに、超音波ホーン10とアンビルロール11との間に供給され、不織布6、不織布7および伸縮部材3が超音波溶着される。
この不織布6、不織布7および伸縮部材3の接合はホットメルト接着剤によるもののみでも良いし、超音波溶着のみでも良い。ホットメルト接着剤のみの場合、設備が安価であり、超音波溶着のみの場合、柔軟で肌触りの良い伸縮積層体9が得られる。このように製造された伸縮性積層体9は、伸長時の応力が高く、紙おむつ等の衛生材料に用いることで、着用時のずれ落ちを防止することができる。
伸縮性積層体の用途としては特に限定されず、例えば、紙おむつ、生理用ナプキンなどいわゆる衛生材料に好適に使用することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
以下、実施例に基づき、本発明の実施形態をより具体的に説明するが、本発明がこれらに限定されるものではない。
(ホットメルト組成物の製造)
以下の原料をそれぞれの配合量で加熱装置を備えた攪拌混練機中に投入した。150℃で90分間加熱しながら混練して、伸縮性ホットメルト組成物1〜4を製造した。
(ホットメルト組成物1)
・水素添加されたスチレン系ブロック共重合体 クレイトンポリマー社製 MD6951 (配合量:30質量%)
・水素添加されたスチレン系ブロック共重合体 クレイトンポリマー社製 MD1648 (配合量:30質量%)
・可塑剤 三井化学社製 ルーカントHC−10 (配合量:4.5質量%)
・エチレン−酢酸ビニル共重合体 Honeywell社製 AC−400 (配合量:35質量%)
酸化防止剤 BASF社製 IRGANOX1010 (配合量:0.5質量%)
(ホットメルト組成物2)
・水素添加されたスチレン系ブロック共重合体 クレイトンポリマー社製 MD6951 (配合量:30質量%)
・水素添加されたスチレン系ブロック共重合体 クレイトンポリマー社製 MD1648 (配合量:30質量%)
・可塑剤 三井化学社製 ルーカントHC−10 (配合量:14.5質量%)
・エチレン−酢酸ビニル共重合体 Honeywell社製 AC−400 (配合量:25質量%)
酸化防止剤 BASF社製 IRGANOX1010 (配合量:0.5質量%)
(ホットメルト組成物3)
・水素添加されたスチレン系ブロック共重合体 クレイトンポリマー社製 MD6951 (配合量:30質量%)
・水素添加されたスチレン系ブロック共重合体 クレイトンポリマー社製 MD1648 (配合量:30質量%)
・可塑剤 三井化学社製 ルーカントHC−10 (配合量:24.5質量%)
・エチレン−酢酸ビニル共重合体 Honeywell社製 AC−400 (配合量:15質量%)
酸化防止剤 BASF社製 IRGANOX1010 (配合量:0.5質量%)
(ホットメルト組成物4)
・水素添加されたスチレン系ブロック共重合体 クレイトンポリマー社製 MD6951 (配合量:30質量%)
・水素添加されたスチレン系ブロック共重合体 クレイトンポリマー社製 MD1648 (配合量:30質量%)
・可塑剤 三井化学社製 ルーカントHC−10 (配合量:0.5質量%)
・エチレン−酢酸ビニル共重合体 Honeywell社製 AC−400 (配合量:39質量%)
酸化防止剤 BASF社製 IRGANOX1010 (配合量:0.5質量%)
(実施例1)
図1に示した工程で伸縮性積層体を製造した。ホットメルト組成物1を190℃に加熱した熱溶融タンクに投入し、190℃に加熱した吐出用ノズルから塗布幅70mm、塗工量60g/mとなるように吐出した。その後伸縮性ホットメルト組成物を伸長応力が作用しない自然長の約350%(3.5倍)に延伸させながら2枚のスパンボンド不織布(坪量18g/mm)で挟むようにし、超音波融着装置により不織布とホットメルト組成物を接合させ、伸縮性積層体を得た。このとき、ライン速度は70m/分とした。
(実施例2)
ホットメルト組成物2を用いる以外、実施例1と同じ工程で伸縮性積層体を得た。
(実施例3)
ホットメルト組成物3を用いる以外、実施例1と同じ工程で伸縮性積層体を得た。
(実施例4)
ホットメルト組成物2を190℃に加熱した熱溶融タンクに投入し、190℃に加熱した吐出用ノズルから塗布幅70mm、塗工量60g/mとなるように吐出した。その後伸縮性ホットメルト組成物を、伸長応力が作用しない自然長の約350%(3.5倍)となるように延伸させながら2枚のスパンボンド不織布(坪量18g/mm)に挟むようにした。このとき、2枚のスパンボンド不織布にはホットメルト接着剤を塗布量3.5g/mでスプレー塗布しており、ホットメルト組成物をホットメルト接着剤によってスパンボンド不織布と接合させ、伸縮性積層体を得た。ホットメルト組成物とスパンボンド不織布の接合に用いるホットメルト接着剤は、ゴム系ホットメルト接着剤を使用した。
(比較例1)
ホットメルト組成物4を用いる以外、実施例1と同じ工程で伸縮性積層体を得た。
得られたホットメルト組成物について、以下の測定条件により特性を評価した。
(溶融粘度)
ホットメルト接着剤を加熱溶融し、80℃における溶融状態の粘度を、ブルックフィールドRVT型粘度計(スピンドルNo.29)を用いて測定した。
(加熱安定性)
ホットメルト組成物20gを70mlのガラス瓶に入れ、180℃で3日間静置した。次いで、室温条件下でホットメルト接着剤の分離、変色について目視で観察し、以下の評価基準に従って評価した。なお、評価が△以上であれば実使用において問題ないと評価できる。
○:ホットメルト組成物の分離は見られず、変色もない。
△:ホットメルト組成物の分離は見られないが、変色の度合いが軽微である。
×:ホットメルト組成物の分離が見られ、変色の度合も濃い。
(tanδ極大値)
動的粘弾性測定は、周波数を1Hzに固定して回転せん断モードで測定される。動的粘弾性測定は、具体的には、下記の要領で行われる。ホットメルト組成物を180℃で加熱溶融した後、離型処理されたPETフィルム上にたらす。その後、離型処理された別のPETフィルムをホットメルト組成物上に離型面がホットメルト組成物に接触するよう重ね合わせる。その後、120℃に加熱した熱プレスで圧縮し、ホットメルト組成物の厚みが約1〜2mmとなるように調整する。
ホットメルト組成物を離型フィルム間に挟んだ状態で23℃にて24時間静置した後、離型フィルムを除去して動的粘弾性測定用のサンプルを作製する。このサンプルについて、動的粘弾性測定装置を用いて周波数1Hzにて回転せん断モードで−80から130℃まで5℃/分で昇温して動的粘弾性測定(昇温過程)を行う。このとき測定される貯蔵弾性率G’と損失弾性率G”から損失正接tanδ(=損失弾性率G”/貯蔵弾性率G’)を算出する。−60℃から−20℃の間にあるtanδが極大となる温度におけるtanδの値を記録し、tanδ極大値とした。
(塗工性)
ホットメルト組成物をノズルから吐出するときに、ライン速度70m/分、塗布幅70mm、塗布量60g/mの条件下での塗工ムラを目視で確認し、以下の基準に従って塗工性(吐出性)を評価した。なお、評価が△以上であれば問題ないと評価できる。
○:塗布ムラなく塗工可能
△:やや塗布ムラが見られるが使用上問題ない
×:塗布ムラが顕著に見られる、又は所定量のホットメルト組成物が吐出されない
(2倍伸長時応力)
伸縮性積層体を、ホットメルト組成物の塗工方向(MD方向)に対して100mm、塗工方向に対して垂直な方向(CD方向)に50mmの短冊状に切断し、試験片を作成した。その後、治具幅50mmに設定した引張試験機へ試験片の長辺をおさえるように固定し、引張速度500mm/分で試験片を引っ張った。試験片長辺の初期長さから2倍に伸長したときの応力を2倍伸長時応力とした。
(肌触り)
伸縮性積層体を10人で指触して、伸縮性積層体の肌触りの度合を評価した。以下の基準に従い伸縮性積層体の肌触り評価結果を分類し、表1「肌触り」の欄に記入した。なお、評価が△以上であれば実使用において問題ないと評価できる。
○:10人中8人以上が「肌触りが良い」と回答した
△:10人中5〜7人が「肌触りが良い」と回答した
×:10人中1〜4人が「肌触りが良い」と回答した
結果を表1に示す。
Figure 2019151370
1 ホットメルトアプリケータ
2 冷却ロール
3 伸縮部材
4 ニップロール
5 ニップロール(下流側)
6 不織布
7 不織布
8 ホットメルトアプリケータ
9 伸縮性積層体
10 超音波ホーン
11 アンビルロール

Claims (4)

  1. 伸縮性積層体の製造方法であって、
    溶融されたホットメルト組成物を塗工してホットメルト組成物層を得る工程1、
    第1の不織布、延伸された前記ホットメルト組成物層、及び第2の不織布をこの順に積層する工程2、及び、
    前記第1の不織布及び前記第2の不織布に、延伸された前記ホットメルト組成物層を、ホットメルト接着剤接合及び/又は超音波融着により接合する工程3を有し、
    前記ホットメルト組成物は、
    水素添加されたスチレン系ブロック共重合体(A)及び可塑剤(B)を含み、
    前記ホットメルト組成物中100質量%中に、前記水素添加されたスチレン系ブロック共重合体(A)を55〜70質量%、及び前記可塑剤(B)を5〜25質量%含み、
    前記水素添加されたスチレン系ブロック共重合体(A)はスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体及び/又はスチレン−エチレン−ブチレン/スチレン−スチレン共重合体であり、
    180℃における溶融粘度が10,000〜30,000mPa・sであることを特徴とする、製造方法。
  2. 前記ホットメルト組成物が、−60℃から−20℃の間で損失正接tanδ(=損失弾性率G’’/貯蔵弾性率G’)の値が極大となる温度において、tanδの値が1.0以下である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記ホットメルト組成物が、エチレン−酢酸ビニル共重合体(C)を10〜35質量%含む、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記第1の不織布及び前記第2の不織布は、スパンボンド不織布、スパンレース不織布、エアレイド不織布、及びエアスルー不織布より選ばれる1種以上である、請求項1〜3の何れか1項に記載の製造方法。
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