JPWO2019146409A1 - 表面修飾金属化合物粒子、及び、表面修飾金属化合物粒子の製造方法 - Google Patents

表面修飾金属化合物粒子、及び、表面修飾金属化合物粒子の製造方法 Download PDF

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Abstract

メタクリル酸、アクリル酸及びプロピオン酸からなる群から選択される一種以上の第1カルボン酸と、炭素数6〜16の脂肪酸及びベンゼン環を少なくとも1つ有する炭素数7〜32の1価のカルボン酸からなる群から選択される一種以上の第2カルボン酸とにより表面修飾された金属化合物粒子を有し、第1カルボン酸の少なくとも一部が、カルボキシ基の水素原子がイオンとして解離していないカルボン酸型である表面修飾金属化合物粒子。

Description

本発明は、表面修飾金属化合物粒子、及び、表面修飾金属化合物粒子の製造方法に関する。
金属酸化物粒子や金属水酸化物粒子等の金属化合物粒子は、耐火物、セラミックス、光学材料、自動車排ガス触媒等の分野で広く使用されている。これらの用途において金属化合物粒子は、溶媒を介して他の材料と混合されて使用されることが多い。そのため、用途に応じた適切な溶媒に容易に分散可能な金属化合物粒子が求められている。なかでも、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサン等の非極性溶媒に分散可能な金属化合物粒子の潜在的需要は大きい。
従来、有機溶媒に金属化合物粒子を分散させるために、カルボン酸等の界面活性剤で金属化合物粒子を表面修飾することは、知られている。
特開2008−31023号公報 特開2007−254257号公報 特開2006−82994号公報
しかしながら、従来、有機溶媒への分散性を良好とするための界面活性剤の吸着状態の制御方法については開示されていない。つまり、汎用されているトルエン、ヘキサン、シクロヘキサン等の非極性溶媒に対する分散性に特化したカルボン酸による表面修飾金属化合物粒子については、従来、見出されていない。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサン等の非極性溶媒に対する分散性が良好な表面修飾金属化合物粒子、及び、当該表面修飾金属化合物粒子の製造方法を提供することにある。
本発明者は、表面修飾金属化合物粒子について鋭意検討を行った。その結果、下記構成を採用することにより、表面修飾金属化合物粒子の非極性溶媒に対する分散性を良好とすることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係る表面修飾金属化合物粒子は、
メタクリル酸、アクリル酸及びプロピオン酸からなる群から選択される一種以上の第1カルボン酸と、炭素数6〜16の脂肪酸及びベンゼン環を少なくとも1つ有する炭素数7〜32の1価のカルボン酸からなる群から選択される一種以上の第2カルボン酸とにより表面修飾された金属化合物粒子を有し、
前記第1カルボン酸の少なくとも一部が、カルボキシ基の水素原子がイオンとして解離していないカルボン酸型であることを特徴とする。
前記第2カルボン酸(炭素数6〜16の脂肪酸及びベンゼン環を少なくとも1つ有する炭素数7〜32の1価のカルボン酸)は、親水基であるカルボキシ基(−COOH)と、第2カルボン酸の比較的大部分を占める親油基とを有する。表面修飾金属化合物粒子において、第2カルボン酸の大部分は、金属化合物粒子の表面にカルボキシ基を向け、親油基は外側を向いている。
前記構成によれば、金属化合物粒子が、前記第2カルボン酸により表面修飾されており、第2カルボン酸の比較的大部分を占める親油基に覆われているため、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサン等の非極性溶媒に対する分散性が良好となる。
ここで、単に、非極性溶媒に対する分散性を良好とするためだけであれば、第2カルボン酸の含有量を多くすればよい。第2カルボン酸の含有量を多くすれば、金属化合物粒子を完全に取り囲むことができるからである。
しかしながら、第2カルボン酸は、親油基部分が比較的高分子量であるため、含有量を多くすると、得られる表面修飾金属化合物粒子の物性に影響する。そのため、用途によっては、このような物性の変化が許容されない場合がある。具体的には、例えば、第2カルボン酸の含有量を多くすると、得られる表面修飾金属化合物粒子の溶媒分散液の粘度が高くなる。
一方で、得られる表面修飾金属化合物粒子の物性への影響を小さくするために、第2カルボン酸の含有量を少なくすると、非極性溶媒に対する分散性が不良となる。この理由について本発明者は、(1)金属化合物粒子を取り囲む親油基の密度が全体的に疎になっていることに加えて、(2)1の親油基と他の親油基とが相互作用により密着し、金属化合物粒子の表面のうち、親油部分(複数の親油基が密着した部分)で覆われた部分と、何にも覆われていない部分とに大きく分かれてしまうため、と推察している。
そこで、本発明者は、第2カルボン酸の含有量を少なくした場合であっても、第1カルボン酸をカルボン酸型で含有させれば、表面修飾金属化合物粒子の物性に大きな影響を与えることなく、非極性溶媒に対する分散性を良好とすることができることを見出した。
この理由について本発明者は、第1カルボン酸をカルボン酸型で含有させれば、第1カルボン酸が第2カルボン酸の親油基同士の間に入り込み、第2カルボン酸の1の親油基と他の親油基とが密着することを抑制することができるためである、と推察している。すなわち、第2カルボン酸の親油基の密度が全体として比較的、疎であっても、親油基が均一に金属化合物粒子を取り囲むために、非極性溶媒に対する分散性を良好とすることができると推察している。さらに、第2カルボン酸の親油基同士の間に入り込んだ第1カルボン酸の親油基が、非極性溶媒に対する分散性を良好とすることができると推察している。
なお、第1カルボン酸がカルボン酸型で存在していることについては、実施例より明らかである。
前記構成においては、前記第2カルボン酸が、カルボキシ基の水素原子がイオンとして解離しているカルボキシレート型であることが好ましい。
前記第2カルボン酸が、カルボキシ基の水素原子がイオンとして解離しているカルボキシレート型(−COO)であると、好適に、金属化合物粒子の表面に前記第2カルボン酸を吸着又は結合させることができる。
前記構成において、前記金属化合物粒子を構成する金属が、ジルコニウム及び希土類からなる群から選択される一種以上であることが好ましい。
前記金属化合物粒子を構成する金属が、ジルコニウム及び希土類からなる群から選択される一種以上であると、触媒、電子部品、ファインセラミックス、固体酸化物型燃料電池、光学等の分野における工業的利用価値が高い。
前記構成において、前記金属化合物粒子を構成する金属化合物が、金属酸化物であることが好ましい。
前記金属化合物粒子を構成する金属化合物が、金属酸化物であると、触媒、電子部品、ファインセラミックス、固体酸化物型燃料電池、光学等の分野における工業的利用価値がより高い。
また、本発明に係る表面修飾金属化合物粒子の製造方法は、
前記に記載の表面修飾金属化合物粒子の製造方法であり、
水溶媒に分散した、ゼータ電位が正の金属化合物粒子に対して、炭素数6〜16の脂肪酸及びベンゼン環を少なくとも1つ有する炭素数7〜32の1価のカルボン酸からなる群から選択される一種以上の第2カルボン酸を添加する工程Aと、
前記工程Aを経て得られた生成物を乾燥させる工程Bと、
前記工程Bの後に、メタクリル酸、アクリル酸及びプロピオン酸からなる群から選択される一種以上の第1カルボン酸を添加する工程Cとを含むことを特徴とする。
前記工程A、前記工程B、及び、前記工程Cにより、前記に記載の表面修飾金属化合物粒子が得られる。すなわち、前記構成によれば、表面修飾金属化合物粒子の物性に大きな影響を与えることなく、非極性溶媒に対する分散性が良好な表面修飾金属化合物粒子を得ることができる。
前記構成においては、前記工程Bの後の生成物の金属化合物濃度が、酸化物換算で80重量%以下であることが好ましい。
前記工程Bの後の生成物の金属化合物濃度が、酸化物換算で80重量%以下であると、少なくとも少量の水が含まれた状態となる。本発明者は、前記工程Bの後の生成物の金属化合物濃度を酸化物換算で80重量%以下に制御すると、複数の第2カルボン酸の親油基同士の間に水(水分子)が介在した状態にできると推察している。すなわち、第2カルボン酸の親油基同士が密着しにくい状態にあると推察している。そして、複数の第2カルボン酸の親油基同士の間に水が介在した状態で、第1カルボン酸を添加すると、第2カルボン酸の親油基同士の間に、好適に第1カルボン酸が入り込むことができ、第2カルボン酸の1の親油基と他の親油基とが密着することを抑制することができると推察している。
これにより、第2カルボン酸の親油基の密度が全体として比較的、疎であっても、親油基が均一に金属化合物粒子を取り囲むために、非極性溶媒に対する分散性を良好とすることができると推察している。さらに、第2カルボン酸の親油基同士の間に入り込んだ第1カルボン酸の親油基が、非極性溶媒に対する分散性を良好とすることができると推察している。なお、メカニズムについては推察の域であるが、前記工程Bの後の生成物の金属化合物濃度を酸化物換算で80重量%以下とすることにより非極性溶媒に対する分散性が良好となる点については、実施例より明らかである。
本発明によれば、表面修飾金属化合物粒子の非極性溶媒に対する分散性を良好とすることができる。
表面修飾金属化合物粒子において、第1カルボン酸がカルボン酸型で存在することを特定する方法を説明するための赤外吸収スペクトルを示す図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。ただし、本発明はこれらの実施形態のみに限定されるものではない。
<表面修飾金属化合物粒子>
本実施形態に係る表面修飾金属化合物粒子は、
メタクリル酸、アクリル酸及びプロピオン酸からなる群から選択される一種以上の第1カルボン酸と、炭素数6〜16の脂肪酸及びベンゼン環を少なくとも1つ有する炭素数7〜32の1価のカルボン酸からなる群から選択される一種以上の第2カルボン酸とにより表面修飾された金属化合物粒子を有し、前記第1カルボン酸の少なくとも一部が、カルボキシ基の水素原子がイオンとして解離していないカルボン酸型である。
前記第2カルボン酸(炭素数6〜16の脂肪酸及びベンゼン環を少なくとも1つ有する炭素数7〜32の1価のカルボン酸)は、親水基であるカルボキシ基(−COOH)と、第2カルボン酸の比較的大部分を占める親油基とを有する。表面修飾金属化合物粒子において、第2カルボン酸の大部分は、金属化合物粒子の表面にカルボキシ基を向け、親油基は外側を向いている。
前記表面修飾金属化合物粒子によれば、金属化合物粒子が、前記第2カルボン酸により表面修飾されており、第2カルボン酸の比較的大部分を占める親油基に覆われているため、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサン等の非極性溶媒に対する分散性が良好となる。
ここで、単に、非極性溶媒に対する分散性を良好とするためだけであれば、第2カルボン酸の含有量を多くすればよい。第2カルボン酸の含有量を多くすれば、金属化合物粒子を完全に取り囲むことができるからである。
しかしながら、第2カルボン酸は、親油基部分が比較的高分子量であるため、含有量を多くすると、得られる表面修飾金属化合物粒子の物性に影響する。そのため、用途によっては、このような物性の変化が許容されない場合がある。具体的には、例えば、第2カルボン酸の含有量を多くすると、得られる表面修飾金属化合物粒子の粘度が高くなる。
一方で、得られる表面修飾金属化合物粒子の物性への影響を小さくするために、第2カルボン酸の含有量を少なくすると、非極性溶媒に対する分散性が不良となる。この理由について本発明者は、(1)金属化合物粒子を取り囲む親油基の密度が全体的に疎になっていることに加えて、(2)1の親油基と他の親油基とが相互作用により密着し、金属化合物粒子の表面のうち、親油部分(複数の親油基が密着した部分)で覆われた部分と、何にも覆われていない部分とに大きく分かれてしまうため、と推察している。
そこで、本発明者は、第2カルボン酸の含有量を少なくした場合であっても、第1カルボン酸をカルボン酸型で含有させれば、表面修飾金属化合物粒子の物性に大きな影響を与えることなく、非極性溶媒に対する分散性を良好とすることができることを見出した。
この理由について本発明者は、第1カルボン酸をカルボン酸型で含有させれば、第1カルボン酸が第2カルボン酸の親油基同士の間に入り込み、第2カルボン酸の1の親油基と他の親油基とが密着することを抑制することができるためである、と推察している。すなわち、第2カルボン酸の親油基の密度が全体として比較的、疎であっても、親油基が均一に金属化合物粒子を取り囲むために、非極性溶媒に対する分散性を良好とすることができると推察している。さらに、第2カルボン酸の親油基同士の間に入り込んだ第1カルボン酸の親油基が、非極性溶媒に対する分散性を良好とすることができると推察している。
なお、第1カルボン酸がカルボン酸型で存在していることについては、実施例より明らかである。
前記表面修飾金属化合物粒子が非極性溶媒に分散されるとき、金属化合物粒子にカルボン酸型で吸着している第1カルボン酸が、どのような機構により溶媒分散に寄与するかは不明であるが、仮説として、カルボン酸型の第1カルボン酸が溶媒分子と置換することで表面修飾金属化合物粒子の溶媒和が促進されることが考えられる。第1カルボン酸(メタクリル酸、アクリル酸、プロピオン酸)の代わりに酢酸、ギ酸、酢酸エチル等を使用しても分散効果は得られないため、第1カルボン酸は、分子量、双極子モーメント、分極率などの物性がこの作用機構に適合していると考えられる。なお、第2カルボン酸は、カルボン酸型で存在していても構わないが、分子量などの不適合からか、第1カルボン酸の様な機能は発揮されない。
前記金属化合物粒子を構成する金属化合物としては、金属酸化物、金属水酸化物等が挙げられる。なかでも、工業的利用価値の観点から、金属酸化物であることが好ましい。本明細書において、「金属酸化物」、「金属水酸化物」は、金属原子、酸素原子及び水酸基を基本的構成要素とする物質全般をいう。例えば、これらの混合物、複合物及び固溶体も含まれる。また、不純物(例えば、不可避不純物)を含む場合も含まれる。
前記金属酸化物及び前記金属水酸化物の種類は、特に限定されないが、粒子としてよく利用されているジルコニア、ハフニア、セリア、その他希土類酸化物;チタニア、アルミナ、シリカ、水酸化ジルコニウム、水酸化ハフニウム、水酸化セリウム、その他希土類水酸化物;水酸化チタニウム、水酸化アルミニウム;これらの混合物、これらの複合物及びこれらの固溶体などが挙げられる。なかでも、工業的利用価値の観点から、前記金属化合物粒子(例えば、前記金属酸化物、前記金属水酸化物)を構成する金属は、ジルコニウム及び希土類からなる群から選択される一種以上であることが好ましい。
前記金属酸化物及び前記金属水酸化物は、結晶状態(結晶質であるか、非晶質であるか)及び結晶系の種別を問わない。
ジルコニウム化合物は、通常、不可避不純物としてハフニウムを含有する。具体的に、ジルコニウム化合物は、通常、酸化物換算で、下記式(1)で算出される酸化ハフニウムの含有量が1.3〜2.5重量%となる程度で、ハフニウムを含有している。
<式(1)>
([酸化ハフニウムの重量]/([酸化ジルコニウムの重量]+[酸化ハフニウムの重量]))×100(%)
また、ジルコニアは、結晶相の安定化剤として希土類元素、アルカリ金属元素及びアルカリ土類金属元素を含有するものであってもよい。また、前記金属酸化物、前記金属水酸化物は、触媒特性、光触媒特性、蛍光特性、吸光特性等の物性改変等を目的として金属元素以外の元素が添加されていてもよい。また、表面修飾金属化合物粒子として使用する際に悪影響を与えない限り、上記以外の不純物が含まれていても構わない。
前記金属化合物粒子は、メタクリル酸、アクリル酸及びプロピオン酸からなる群から選択される一種以上の第1カルボン酸と、炭素数6〜16の脂肪酸及びベンゼン環を少なくとも1つ有する炭素数7〜32の1価のカルボン酸からなる群から選択される一種以上の第2カルボン酸とにより表面修飾されている。
「表面修飾される」とは、(1)金属化合物粒子の表面に前記第1カルボン酸、前記第2カルボン酸が、化学的又は物理的に吸着した状態、及び、(2)前記第1カルボン酸が前記第2カルボン酸の親油基同士の間に入り込んだ状態を含む。
前記(1)の場合、前記第1カルボン酸、及び、前記第2カルボン酸は、基本的には、カルボキシ基の水素原子がイオンとして解離しているカルボキシレート型で金属化合物粒子の表面に吸着している。
前記(2)の場合、前記第1カルボン酸は、カルボキシ基の水素原子がイオンとして解離していないカルボン酸型で前記第2カルボン酸の親油基同士の間に入り込んでいる。なお、この場合、前記第1カルボン酸は、金属化合物粒子の表面には、化学的又は物理的に吸着した状態ではない。
上述のように、前記第2カルボン酸は、炭素数6〜16の脂肪酸及びベンゼン環を少なくとも1つ有する炭素数7〜32の1価のカルボン酸からなる群から選択される一種以上である。
本明細書において、炭素数6〜16の脂肪酸とは、カルボキシ基に含まれる炭素原子も含めて、分子中に炭素原子を6〜16個有する1価のカルボン酸を意味する。具体的には、例えば、ヘプタン酸[CH(CHCOOH]は、炭素数7の脂肪酸である。
前記炭素数6〜16の脂肪酸は、直鎖型、側鎖型のいずれでもよい。また、分子中に二重結合を有していてもよい。また、環状構造を有していてもよい。前記炭素数6〜16の脂肪酸は、機能性、経済性の観点から、炭素数7〜12の直鎖型脂肪酸が好ましい。具体的にはヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ドデカン酸が好ましい。
また、本明細書において、ベンゼン環を少なくとも1つ有する炭素数7〜32の1価のカルボン酸は、特に限定されないが、具体的には、例えば、(a)ベンゼン環を1つ有する炭素数7〜32の1価のカルボン酸、(b)ベンゼン環を2つ有する炭素数14〜32の1価のカルボン酸が挙げられる。
具体的には、例えば、3−フェニルプロピオン酸[CCHCHCOOH]は、ベンゼン環を1つ有する炭素数9の1価のカルボン酸である。
上記(a)としては、特に限定されないが、例えば、下記(a−1)〜(a−6)が挙げられる。
(a−1)安息香酸[CCOOH]
(a−2)R−Ph−COOH
(ただし、式中、Phはベンゼン環、Rは炭化水素であり、ベンゼン環とRの炭素数の合計が7〜31の範囲内である。)
(a−3)Ph−R−COOH
(ただし、式中、Phはベンゼン環、Rは炭化水素であり、ベンゼン環とRの炭素数の合計が7〜31の範囲内である。)
(a−4)R−Ph−R−COOH
(ただし、式中、Phはベンゼン環、R及びRは炭化水素であり、ベンゼン環とRとRの炭素数の合計が8〜31の範囲内である。)
(a−5)R−Ph(Me)−R−COOH
(ただし、式中、Phはベンゼン環、Meはメチル基、xは1〜4の整数、R及びRは炭化水素であり、ベンゼン環とメチル基とRとRの炭素数の合計が9〜31の範囲内である。)
(a−6)R−Ph(Et)−R−COOH
(ただし、式中、Phはベンゼン環、Etはエチル基、xは1〜4の整数、R及びRは炭化水素であり、ベンゼン環とエチル基とRとRの炭素数の合計が10〜31の範囲内である。)
上記R〜Rで示す炭化水素は、直鎖型であってもよく、分岐を有していてもよい。また、二重結合を有していてもよく、環状構造を有していてもよい。
上記(b)としては、特に限定されないが、例えば、下記(b−1)が挙げられる。
(b−1)R−BiPh−R10−COOH
(ただし、式中、BiPhはビフェニル構造、R及びR10は炭化水素であり、ビフェニル構造とRとR10の炭素数の合計が14〜31の範囲内である。)
上記R、R10で示す炭化水素は、直鎖型であってもよく、分岐を有していてもよい。また、二重結合を有していてもよく、環状構造を有していてもよい。
上述のように、前記第2カルボン酸は、カルボキシ基の水素原子がイオンとして解離しているカルボキシレート型で前記金属化合物粒子の表面に吸着していることが好ましい。ただし、必ずしも前記第2カルボン酸の全部がカルボキシレート型で前記金属化合物粒子の表面に吸着している必要はなく、少なくとも一部、好ましくは大部分が、カルボキシレート型で前記金属化合物粒子の表面に吸着していればよい。
上述のように、前記第1カルボン酸は、メタクリル酸、アクリル酸及びプロピオン酸からなる群から選択される一種以上であり、前記第1カルボン酸の少なくとも一部が、カルボキシ基の水素原子がイオンとして解離していないカルボン酸型である。
前記第1カルボン酸が、カルボン酸型で存在することを特定する方法については、後に説明する。
前記表面修飾金属化合物粒子は、トルエンに分散させた際に、メディアン径が1〜100nmであることが好ましく、1〜50nmであることがより好ましく、1〜30nmであることがさらに好ましい。前記表面修飾金属化合物粒子をトルエンに分散させた際のメディアン径が1〜100nmであると、非極性溶媒に対する分散性がより良好とすることができる。
なお、上記でトルエンに分散させた際のメディアン径を定義したのは、メディアン径を定義するために、非極性溶媒の代表としてトルエンに分散させた際のメディアン径が1〜100nmであれば、トルエン以外の非極性溶媒であっても、トルエンと同様に、分散性を良好とすることができることによる。従って、トルエンに分散させた際のメディアン径が1〜100nmであることは、トルエンのみならず、トルエン以外の非極性溶媒に対する分散性がより良好であることを示すための指標であり、本トルエン以外の非極性溶媒に対する分散性が良好であることを意味する。
ここで、メディアン径とは動的光散乱法による粒子径測定において粒子の累積体積頻度が50%となる粒子径のことを意味する。
表面修飾金属化合物粒子を分散することができる非極性溶媒としては、特に限定はされない。前記非極性溶媒の具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル、ミネラルスピリット等が挙げられる。なお、前記石油エーテルは、石油の低沸点留分をいい、化学種としてのエーテルは含有していない。
前記表面修飾金属化合物粒子は、トルエンに対して、金属酸化物換算で60重量%以上で溶解又は分散することが好ましく、65重量%以上で溶解又は分散することがより好ましい。なお、溶解又は分散する、とは、後述する透過率が、後述する数値範囲内となることを意味する。
前記表面修飾金属化合物粒子の粘度は、当該表面修飾金属化合物粒子を使用した製品の特性等に応じて好適な値は異なるが、例えば、0.1〜10000mPa・sの範囲内であることが好ましく、21〜1000mPa・sの範囲内であることがより好ましい。前記粘度は、実施例に記載の方法による。
前記表面修飾金属化合物粒子は、トルエンに酸化物換算で60重量%になるように溶解又は分散させた際の透過率が、波長400nmにおいて1%以上且つ波長800nmにおいて50%以上であることが好ましく、波長400nmにおいて5%以上且つ波長800nmにおいて60%以上であることがより好ましい。前記透過率が、波長400nmにおいて1%以上且つ波長800nmにおいて50%以上であると、前記表面修飾金属化合物粒子は、好適に非極性溶媒に分散されているといえる。なお、トルエンに前記表面修飾金属化合物粒子を溶解又は分散させようとした際に、沈殿が認められる場合には、仮に前記透過率が前記数値範囲を満たしていたとしても、非極性溶媒に好適に分散されているとはいえない。
<表面修飾金属化合物粒子の製造方法>
本実施形態に係る表面修飾金属化合物粒子の製造方法は、
水溶媒に分散した、ゼータ電位が正の金属化合物粒子に対して、炭素数6〜16の脂肪酸及びびベンゼン環を少なくとも1つ有する炭素数7〜32の1価のカルボン酸からなる群から選択される一種以上の第2カルボン酸を添加する工程Aと、
前記工程Aを経て得られた生成物を乾燥させる工程Bと、
前記工程Bの後に、メタクリル酸、アクリル酸及びプロピオン酸からなる群から選択される一種以上の第1カルボン酸を添加する工程Cとを少なくとも含む。
本実施形態に係る表面修飾金属化合物粒子の製造方法は、より好ましくは、
水溶媒に分散した、ゼータ電位が正の金属化合物粒子に対して、炭素数6〜16の脂肪酸及びびベンゼン環を少なくとも1つ有する炭素数7〜32の1価のカルボン酸からなる群から選択される一種以上の第2カルボン酸を添加する工程Aと、
水溶媒に分散した、ゼータ電位が正の金属化合物粒子に対して、メタクリル酸、アクリル酸及びプロピオン酸からなる群から選択される一種以上の第1カルボン酸を添加する工程Xと、
前記工程A及び前記工程Xの工程を経て得られた生成物を純水で洗浄する工程Yと、
前記工程A、前記工程X、及び、前記工程Yを経て得られた生成物を乾燥させる工程Bと、
前記工程Bの後に、メタクリル酸、アクリル酸及びプロピオン酸からなる群から選択される一種以上の第1カルボン酸を添加する工程Cとを少なくとも含む。
以下、各工程について説明する。なお、以下に説明する各工程では、一般的な化学反応速度の原理に基づいて各工程における温度等を調整することにより、製造上の都合に応じて、各工程の反応速度を適宜変更することができる。
<工程A、及び、工程X>
まず、水溶媒に分散した金属化合物粒子を準備する。金属化合物粒子としては、上述した金属化合物粒子が挙げられる。水溶媒に分散した金属化合物粒子としては、水に金属化合物粒子(例えば、金属酸化物粒子、金属水酸化物粒子、又は、金属酸化物粒子と金属水酸化物粒子との混合物)が、1〜100nmのメディアン径で分散したゾルを準備する。前記金属酸化物粒子、金属水酸化物粒子を構成する金属としては、特に限定されないが、例えば、ジルコニウム、セリウム、その他希土類、チタニウム、アルミニウム、ケイ素等が挙げられる。水溶媒に分散した金属化合物粒子の具体例としては、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3に開示されたジルコニアゾルやセリアゾルが挙げられる。
以下、出発原料として使用される、水溶媒に分散した金属化合物粒子のことを被修飾粒子ともいう。
前記被修飾粒子のゼータ電位は正であることが好ましい。これは、後段の表面修飾処理において、正のゼータ電位により、負電荷を帯びた第2カルボン酸のカルボキシレート(COO)が前記被修飾粒子の表面に引きつけられて、吸着又は結合することで、非極性溶媒への親和性が高い親油基(脂肪鎖)が前記被修飾粒子の外側に向くことになり、これにより、非極性溶媒への溶媒和に適した配向状態が形成されるためである。
前記被修飾粒子へ第2カルボン酸を添加する方法(工程A)としては、例えば、前記被修飾粒子(例えば、ゾル)を撹拌しているところへ、アルコール溶液とした第2カルボン酸を添加する。撹拌時間は特に限定されないが、例えば、30分〜2時間とすることができる。
前記アルコール溶液に使用するアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール等が使用できる。なお、アルコール以外の溶媒でも、前記第2カルボン酸を溶解することができるものであれば使用することができる。
前記工程Aにおける前記第2カルボン酸の濃度に特に限定されないが、好ましくは1〜30重量%、より好ましくは5〜25重量%である。前記工程Aにおける前記第2カルボン酸の濃度を前記数値範囲内とすることにより、金属化合物粒子への吸着反応を適した速度に制御できる。
前記工程Aにおいては、前記第2カルボン酸と前記金属化合物粒子を構成する金属とのモル比([第2カルボン酸のモル数]/[金属化合物粒子を構成する金属のモル数])が、0.01〜0.2の範囲内であることが好ましく、0.02〜0.15の範囲内であることがより好ましい。前記工程Aにおける前記モル比を前記数値範囲内とすることにより、得られる表面修飾金属化合物粒子の物性(例えば、粘度)に大きな影響を与えることを抑制できる。
特に、前記金属化合物粒子を構成する金属がジルコニウムである場合、前記工程Aにおいて、前記第2カルボン酸とジルコニウムとのモル比([第2カルボン酸のモル数]/[ジルコニウム])が、0.01〜0.2の範囲内であることが好ましく、0.02〜0.15の範囲内であることがより好ましい。
前記工程Aの後、必要に応じて、工程Xを行う。具体的に、工程Xでは、例えば、工程Aで得られた分散溶液(第2カルボン酸が添加された被修飾粒子)を撹拌しているところへ、希釈していない、又は、上記と同様のアルコール等で希釈した第1カルボン酸を添加する。撹拌時間は特に限定されないが、例えば、30分〜2時間とすることができる。
工程Xは、第2カルボン酸による金属化合物粒子表面の疎水化が不十分である場合に行う工程であり、工程Xにおいて金属化合物粒子表面の疎水化が十分である場合には行わなくてもよい。ただし、工程Xにおいて第2カルボン酸の添加量を多くすると、得られる表面修飾金属化合物粒子の物性に大きな影響を与えてしまうことになるため、分子量の大きい第2カルボン酸の添加量を少なめにしておき、分子量の小さい第1カルボン酸を添加することにより、得られる表面修飾金属化合物粒子の物性に大きな影響を与えることなく、疎水化を補うこととすることが好ましい。
なお、工程Xで添加される第1カルボン酸は、カルボキシ基の水素原子がイオンとして解離しているカルボキシレート型で金属化合物粒子表面に吸着する。すなわち、工程A及び工程Xの後は、第1カルボン酸及び第2カルボン酸が金属化合物粒子の表面にカルボキシ基を向けて、カルボキシレート型で吸着している。
また、工程Xを行った場合、カルボキシレート型の第1カルボン酸が存在しているため、複数の第2カルボン酸の親油基同士が密着することを抑制することができる。
前記工程Xにおいては、前記第1カルボン酸と前記金属化合物粒子を構成する金属とのモル比([第1カルボン酸のモル数]/[金属化合物粒子を構成する金属のモル数])が、0.01〜0.5の範囲内であることが好ましく、0.1〜0.4の範囲内であることがより好ましい。前記工程Xにおける前記モル比を前記数値範囲内とすることにより、金属化合物粒子の表面に吸着された複数の第2カルボン酸同士の間に、好適に、第1カルボン酸を配置することができる。
特に、前記金属化合物粒子を構成する金属がジルコニウムである場合、前記工程Xにおいて、前記第2カルボン酸とジルコニウムとのモル比([第1カルボン酸のモル数]/[ジルコニウム])が、0.01〜0.5の範囲内であることが好ましく、0.1〜0.4の範囲内であることがより好ましい。
以上の工程A及び工程Xを経て、通常はペースト状の沈殿の生成物が得られる。
<工程Y>
次に、必要に応じて、前記工程A及び前記工程Xを経て得られた生成物を純水で洗浄する。具体的には、前記工程A及び前記工程Xを経て得られた生成物を純水中に投入するか、前記生成物に対して純水を加えるなどして、生成物に付着した不純物を除去する。前記不不純物としては、例えば、前記被修飾粒子原料由来のイオン成分、前記工程Aや前記工程Xで使用したアルコール溶媒等が挙げられる。ただし、前記不純物が、得られる表面修飾金属化合物粒子、及び、当該表面修飾金属化合物粒子を使用した製品において問題とならない場合は、工程Yを行わないこととしてもよい。ただし、通常、前記不純物は可能な限り除去することが好ましい。
なお、工程Yにより、金属化合物粒子表面に吸着していたカルボキシレート型の第1カルボン酸は、ほぼ全て洗い流されることとなる。
<工程B>
次に、前記工程A、前記工程X、及び、前記工程Yを経て得られた生成物を乾燥させる。乾燥の方法としては、特に限定されず、濾過、加熱、及び、これらの組み合わせ等を採用することができる。
乾燥後の生成物の金属化合物濃度、すなわち、前記工程Bの後の生成物の金属化合物濃度は、酸化物換算で80重量%以下であることが好ましく、酸化物換算で75重量%以下であることがより好ましい。
前記工程Bの後の生成物の金属化合物濃度が、酸化物換算で80重量%以下であると、少なくとも少量の水が含まれた状態となる。本発明者は、前記工程Bの後の生成物の金属化合物濃度を酸化物換算で80重量%以下に制御すると、複数の第2カルボン酸の親油基同士の間に水(水分子)が介在した状態にできると推察している。すなわち、第2カルボン酸の親油基同士が密着しにくい状態にあると推察している。そして、複数の第2カルボン酸の親油基同士の間に水が介在した状態で、第1カルボン酸を添加すると、第2カルボン酸の親油基同士の間に、好適に第1カルボン酸が入り込むことができ、第2カルボン酸の1の親油基と他の親油基とが密着することを抑制することができると推察している。
これにより、第2カルボン酸の親油基の密度が全体として比較的、疎であっても、親油基が均一に金属化合物粒子を取り囲むために、非極性溶媒に対する分散性を良好とすることができると推察している。さらに、第2カルボン酸の親油基同士の間に入り込んだ第1カルボン酸の親油基が、非極性溶媒に対する分散性を良好とすることができると推察している。なお、メカニズムについては推察の域であるが、前記工程Bの後の生成物の金属化合物濃度を80重量%以下とすることにより非極性溶媒に対する分散性が良好となる点については、実施例より明らかである。
なお、前記工程Bの後の生成物の金属化合物濃度の下限値は特に限定されない。前記金属化合物濃度が低い場合には、次の工程Cにて添加する第1カルボン酸の量を多くすれば、所望の表面修飾金属化合物粒子が得られるからである。前記金属化合物濃度の下限値としては、製造上の観点から、例えば、酸化物換算で50重量%以上、60重量%以上等とすればよい。
以上の工程を経て、前駆体粉末が得られる。
<工程C>
前記工程Bの後に、前記前駆体粉末に第1カルボン酸を添加する。具体的には、例えば、溶媒等で希釈せずに、第1カルボン酸そのものを、前記前駆体粉末に直接に添加し、混合する。混合方法としては、特に限定されないが、例えば、混練等が挙げられる。これにより、複数の第2カルボン酸の親油基同士の間に介在している水(水分子)が、第1カルボン酸と置き換えられる等して、第2カルボン酸の親油基同士の間に、第1カルボン酸が入り込む。これにより、第2カルボン酸の1の親油基と他の親油基とが密着することを抑制することができる。さらに、第2カルボン酸の親油基同士の間に入り込んだ第1カルボン酸の親油基が、非極性溶媒に対する分散性を良好とすることができる。
なお、工程Cで添加される第1カルボン酸は、カルボキシ基の水素原子がイオンとして解離していないカルボン酸型で第2カルボン酸の親油基同士の間に入り込む。すなわち、工程Cの後は、第1カルボン酸は、カルボン酸型で第2カルボン酸の親油基同士の間に入り込んでいる。これにより、第2カルボン酸の親油基の密度が全体として比較的、疎であっても、親油基が均一に金属化合物粒子を取り囲むために、非極性溶媒に対する分散性を良好とすることができる。さらに、第2カルボン酸の親油基同士の間に入り込んだ第1カルボン酸の親油基が、非極性溶媒に対する分散性を良好とすることができる。
前記工程Cにおいては、前記第1カルボン酸と前記金属化合物粒子を構成する金属とのモル比([第1カルボン酸のモル数]/[金属化合物粒子を構成する金属のモル数])が、0.01〜0.5の範囲内であることが好ましく、0.1〜0.4の範囲内であることがより好ましい。前記工程Cにおける前記モル比を前記数値範囲内とすることにより、第2カルボン酸の親油基同士の間に好適に、第1カルボン酸を配置することができる。
特に、前記金属化合物粒子を構成する金属がジルコニウムである場合、前記工程Cにおいて、前記第1カルボン酸とジルコニウムとのモル比([第1カルボン酸のモル数]/[ジルコニウム])が、0.01〜0.5の範囲内であることが好ましく、0.1〜0.4の範囲内であることがより好ましい。
工程Cの後、必要に応じて、乾燥を行ってもよい。
以上の工程を経て、通常は粉末状の表面修飾金属化合物粒子が得られる。
以上、本実施形態に係る表面修飾金属化合物粒子の製造方法ついて説明した。
最後に、本実施形態に係る表面修飾金属化合物粒子において、第1カルボン酸がカルボン酸型で存在することを特定する方法について説明する。
図1は、表面修飾金属化合物粒子において、第1カルボン酸がカルボン酸型で存在することを特定する方法を説明するための赤外吸収スペクトルを示す図である。
図1中、aは、前記工程Bの後、前記工程Cの前の前駆体粉末(乾燥後)の赤外吸収スペクトルの一例である。bは、前記工程Cの後に得られる表面修飾金属化合物粒子の赤外吸収スペクトルの一例である。cは、得られる表面修飾金属化合物粒子を純水で洗浄して得られる粉末の赤外吸収スペクトルの一例である。なお、aは、後述する比較例1に係る表面修飾ジルコニア粒子の赤外吸収スペクトルであり、bは、後述する実施例1に係る表面修飾ジルコニア粒子の赤外吸収スペクトルであり、cは、実施例1に係る表面修飾ジルコニア粒子を純水で洗浄して得られた粉末の赤外吸収スペクトルである。
図1では、各スペクトルを容易に対比できるようにするために、ベースラインを揃えて表示している。
まず、スペクトルaと前記工程Bの後の状態とを比較する。
上述の通り、前記工程Bの後は、金属化合物粒子表面に吸着していたカルボキシレート型の第1カルボン酸は、ほぼ全て洗い流されることとなる。従って、前記工程Bの後は、金属化合物粒子には、カルボン酸としては、カルボキシレート型の第2カルボン酸のみが表面に吸着している状態である。図1のスペクトルaは、この状態、すなわち、金属化合物粒子にカルボキシレート型の第2カルボン酸のみが表面に吸着している状態でのスペクトルである。
ここで、スペクトルaでは、1680〜1720cm−1の領域に、COOHのC=O伸縮振動に帰属されるピーク(以下、「1700cm−1のピーク」ともいう)が存在せず、1540〜1580cm−1の領域に、COOの非対称伸縮振動に帰属されるピーク(以下、「1560cm−1のピーク」ともいう)が存在する。このことは、カルボン酸型のカルボン酸が存在せず、カルボキシレート型のカルボン酸のみが存在することを意味する。
すなわち、スペクトルaは、前記工程Bの後の第2カルボン酸が、カルボン酸型として存在せず、カルボキシレート型として存在することと一致する。
次に、スペクトルbと前記工程Cの後の状態とを比較する。
上述の通り、前記工程Cは、前記工程Bの後に、第1カルボン酸を添加する工程である。従って、前記工程Cの後は、前記工程Bの後の状態に、第1カルボン酸が添加された状態である。そして上述の通り、前記工程Cの後は、第1カルボン酸の少なくとも一部が、カルボキシ基の水素原子がイオンとして解離していないカルボン酸型で存在する。
図1のスペクトルbは、この状態、すなわち、金属化合物粒子にカルボキシレート型の第2カルボン酸が表面に吸着し、且つ、第1カルボン酸の少なくとも一部が、カルボン酸型で存在している状態でのスペクトルである。
ここで、スペクトルbでは、1720cm−1のピークが存在する。さらに、1560cm−1のピークが、スペクトルaと比較して大きくなっている。
このことは、添加された第1カルボン酸の少なくとも一部が、カルボン酸型として存在し、且つ、残りの第1カルボン酸が、カルボキシレート型として存在することを意味する。
すなわち、スペクトルbは、前記工程Cの後の状態、すなわち、本実施形態に係る表面修飾金属化合物粒子において、第1カルボン酸の少なくとも一部が、カルボン酸型で存在することと一致する。
次に、スペクトルcと表面修飾金属化合物粒子を純水で洗浄した後の状態とを比較する。
表面修飾金属化合物粒子を十分な純水で洗浄すると、金属化合物粒子の表面に吸着していたカルボキシレート型の第1カルボン酸と、複数の第2カルボン酸の親油基同士の間に介在していたカルボン酸型の第1カルボン酸との両方が溶出する。
図1のスペクトルcは、この状態、すなわち、カルボキシレート型の第1カルボン酸と、カルボン酸型の第1カルボン酸との両方が溶出し、金属化合物粒子にカルボキシレート型の第2カルボン酸のみが表面に吸着している状態でのスペクトルである。
ここで、スペクトルcは、スペクトルaとほぼ同様のスペクトルとなっている。このことは、カルボキシレート型の第1カルボン酸と、カルボン酸型の第1カルボン酸との両方が溶出し、スペクトルaと同様の、金属化合物粒子にカルボキシレート型の第2カルボン酸のみが表面に吸着している状態であることを意味する。
以上、表面修飾金属化合物粒子の製造工程の各工程において赤外吸収スペクトルを対比することにより、得られる表面修飾金属化合物粒子において、金属化合物粒子の表面を修飾している第1カルボン酸の少なくとも一部が、カルボキシ基の水素原子がイオンとして解離していないカルボン酸型であることが特定できる。
また、得られた表面修飾金属化合物粒子の赤外吸収スペクトルと、当該表面修飾金属化合物粒子を十分な純水で洗浄した後の赤外吸収スペクトルとを対比することにより、表面修飾金属化合物粒子にカルボン酸型の第1カルボン酸が存在していたか否かを確認することができる。
以下に、本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている材料や配合量などは、特に限定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。以下、重量%については単に%と記す。なお、実施例及び比較例において得られた表面修飾ジルコニア粒子中には、不可避不純物として酸化ジルコニウムに対して酸化ハフニウムを1.3〜2.5重量%含有(下記式(1)にて算出)している。
<式(1)>
([酸化ハフニウムの重量]/([酸化ジルコニウムの重量]+[酸化ハフニウムの重量]))×100(%)
実施例で使用した試薬を以下に示す。以下、重量%については単に%と記す。
<試薬>
ヘプタン酸(東京化成工業)
デカン酸(東京化成工業)
ドデカン酸(東京化成工業)
3−フェニルプロピオン酸(東京化成工業)
ペンタン酸(東京化成工業)
12−ヒドロキシステアリン酸(東京化成)
n−ブタノール(シグマアルドリッチジャパン、1級)
メタクリル酸(東京化成工業)
アクリル酸(シグマアルドリッチジャパン、1級)
プロピオン酸(シグマアルドリッチジャパン、1級)
88%ギ酸(キシダ化学工業、特級)
氷酢酸(シグマアルドリッチジャパン、1級)
トルエン(シグマアルドリッチジャパン、1級)
無水クエン酸(キシダ化学、特級)
25%アンモニア水(シグマアルドリッチジャパン、特級)
分析(測定)に使用した装置、及び、測定条件を以下に示す。
<ゼータ電位測定>
装置:ゼータサイザーナノZS(マルバーン)
測定条件:
酸化物濃度:30%
Material:
ZrO(ジルコニアゾル)
RI:2.17
Absorption:0.01
CeO(セリアゾル)
RI:2.15
Absorption:0.01
Dispersant:Water
Temperature:25℃
Cell:DTS1060C
Measurement duration:Automatic(10〜100runs)
F(κa)selection:
Model:Smoluchowski
Automatic attenuation selection:Yes
Automatic voltage selection:Yes
Analysis model:Auto mode
<pH測定>
装置:pHメーターD−51(堀場製作所製)、GRT複合電極9681S−10D(堀場製作所製)
測定条件:
ZrO濃度:30%
温度:20〜25℃
撹拌下において測定した。
<金属酸化物濃度の測定>
装置:
電気炉:NHK−170(日陶科学)
るつぼ:C1(ニッカトー)
測定条件:
試料1gをるつぼ内に量りとり、1000℃で1時間焼成した後の試料の残重量を金属酸化物重量とみなした。重量は精密天秤を用いて1/10000gまで測定した。
[実施例、比較例に係る表面修飾金属化合物粒子の作製]
(実施例1)
まず、以下の手順により被修飾粒子(水溶媒に分散した金属化合物粒子)であるジルコニアゾルを得た。
オキシ塩化ジルコニウム水溶液(ZrをZrO換算で180.0g含有)886.7gへ純水を添加し、1000gとした。一方、水酸化ナトリウム水溶液(NaOHを100%NaOHとして、187.0g含有)747.9gへ純水を添加し、1400gとし、90℃に加温した。そして、90℃に加温された水酸化ナトリウム水溶液に調製したオキシ塩化ジルコニウム水溶液を添加し、その後、室温(25℃)まで冷却を行った。この時の溶液のpHは、13.7であった。この溶液を濾過し、5000gの純水で洗浄を行い、得られた水酸化ジルコニウム中の不純物を除去し、ウエットケーキ651.7gを得た。このウエットケーキから538.8gを量りとり、ビーカーに入れ、純水を添加し、1000gとした。これを10分間攪拌し、水酸化ジルコニウムを均一に分散させた。その後、解膠剤として、61%硝酸を60.35g添加し、100℃に加温し、72時間攪拌・保持することにより、ジルコニアゾルを得た。
得られた溶液は、透明な薄い青色であり、完全にジルコニアゾルになっていることが判った。この後、室温まで冷却した後、メンブレンフィルターで限外濾過し、500gの純水で2回洗浄を行い、純水を加えてジルコニアゾル500.0gを得た。得られたジルコニアゾルは、pH3.3、ZrO濃度:30%、ゼータ電位:正であった。
該ゾル150gを撹拌し、そこへデカン酸(炭素数10の直鎖型脂肪酸)のn‐ブタノール溶液(濃度:20%)を23g(モル比[デカン酸]/[Zr]=0.073)添加し、30分間撹拌した(工程Aに相当)。
次に、撹拌を継続したままメタクリル酸を4g(モル比[メタクリル酸]/[Zr]=0.13)添加し30分間撹拌した(工程Xに相当)。撹拌を止めた後、静置したところ、透明な上澄みとペースト状の沈殿物が得られた。
1Lの純水(イオン交換水)を撹拌しているところへ該沈殿物を滴下し、粉末状沈殿を得た。この粉末状沈殿をヌッチェでろ過し、さらに1Lの純水を通水し洗浄を行った(工程Yに相当)。
次に、脱水、乾燥を行い、前駆体粉末を得た(工程Bに相当)。この際、前駆体粉末の金属化合物濃度を、ZrO濃度:70%となるように乾燥を行った。
次に、該前駆体粉末に、モル比[メタクリル酸]/[Zr]=0.13相当量のメタクリル酸を添加し、よく混合した(工程Cに相当)。その後、80℃の乾燥機内で1時間乾燥し、表面修飾ジルコニア粒子を得た。
(実施例2)
前駆体粉末にモル比[アクリル酸]/[Zr]=0.13相当量のアクリル酸を添加した以外は実施例1と同様にして、表面修飾ジルコニア粒子を得た。
(実施例3)
前駆体粉末にモル比[プロピオン酸]/[Zr]=0.13相当量のプロピオン酸を添加した以外は実施例1と同様にして、表面修飾ジルコニア粒子を得た。
(実施例4)
デカン酸のn‐ブタノール溶液(濃度:20%)の代わりに、ヘプタン酸(炭素数7の直鎖型脂肪酸)のn‐ブタノール溶液(濃度:20%)を28g(モル比[ヘプタン酸]/[Zr]=0.12)添加した以外は実施例1と同様にして表面修飾ジルコニア粒子を得た。
(実施例5)
デカン酸のn‐ブタノール溶液(濃度:20%)の代わり、にドデカン酸(炭素数12の直鎖型脂肪酸)のn‐ブタノール溶液(濃度:20%)を25g(モル比[ドデカン酸]/[Zr]=0.068)添加した以外は実施例1と同様にして表面修飾ジルコニア粒子を得た。
(実施例6)
デカン酸のn‐ブタノール溶液(濃度:20%)の代わりに、3−フェニルプロピオン酸のn‐ブタノール溶液(濃度:15%)を30g(モル比[3−フェニルプロピオン酸]/[Zr]=0.082)添加した以外は実施例1と同様にして表面修飾ジルコニア粒子を得た。
(実施例7)
まず、以下の手順により被修飾粒子であるセリアゾルを得た。
硝酸第二セリウム含有水溶液(CeをCeO換算で120g含有、CeO濃度6重量%;pH≦1)2000gを還流下で攪拌しながら100℃で24時間保持した。その後、一昼夜20〜25℃の雰囲気温度で静置した後、上澄みをデカンテーションで除去して沈殿物(セリアゾル前駆体)を残し、そこへ硝酸第二セリウムと純水を加えて2000g(該沈殿物の存在を考慮せず、CeをCeO換算で120g含有、CeO濃度6重量%、pH≦1)とした。この沈殿物を共存させた硝酸第二セリウム含有水溶液を、再度、還流下で攪拌しながら1000℃で24時間保持した。その後、一昼夜20〜25℃の雰囲気温度で静置した後、上澄みをデカンテーションで除去して沈殿物を残し、そこへ硝酸第二セリウムと純水を加えて2000g(該沈殿物の存在を考慮せず、CeをCeOとして120g含有、CeO濃度6重量%、pH≦1)とした。この沈殿物を共存させた硝酸第二セリウム含有水溶液を、再度、還流下で攪拌しながら100℃で24時間保持した。その後、一昼夜20〜25℃の雰囲気温度で静置した後、上澄みをデカンテーションで除去し、濾過を行った。得られた沈殿物188g(wet)に純水を533ml加えることにより、セリアゾルを得た。
次に、限外ろ過により精製及び濃縮し、セリアゾル(pH3.1、CeO濃度:30%、ゼータ電位:正)を得た。
該ゾル150gを撹拌し、そこへデカン酸(炭素数10の直鎖型脂肪酸)のn‐ブタノール溶液(濃度:20%)を23g(モル比[デカン酸]/[Ce]=0.073)添加し、30分間撹拌した(工程Aに相当)。
次に、撹拌を継続したままメタクリル酸を4g(モル比[メタクリル酸]/[Ce]=0.13)添加し30分間撹拌した(工程Xに相当)。撹拌を止めた後、静置したところ、透明な上澄みとペースト状の沈殿物が得られた。
1Lの純水(イオン交換水)を撹拌しているところへ該沈殿物を滴下し、粉末状沈殿を得た。この粉末状沈殿をヌッチェでろ過し、さらに1Lの純水を通水し洗浄を行った(工程Yに相当)。
次に、脱水、乾燥を行い、前駆体粉末を得た(工程Bに相当)。この際、前駆体粉末の金属化合物濃度を、CeO濃度:70%となるように乾燥を行った。
次に、該前駆体粉末に、モル比[メタクリル酸]/[Ce]=0.13相当量のメタクリル酸を添加し、よく混合した(工程Cに相当)。その後、80℃の乾燥機内で1時間乾燥し、表面修飾ジルコニア粒子を得た。
(比較例1)
実施例1で得た前駆体粉末を80℃の乾燥機内で1時間乾燥し、表面修飾ジルコニア粒子を得た。
(比較例2)
デカン酸のn‐ブタノール溶液(濃度:20%)の代わりに、ペンタン酸(炭素数5の直鎖型脂肪酸)のn‐ブタノール溶液(濃度:20%)を24g(モル比[ペンタン酸]/[Zr]=0.13)添加した以外は実施例1同様にして表面修飾ジルコニア粒子を得た。
(比較例3)
デカン酸のn‐ブタノール溶液(濃度:20%)の代わりに、12−ヒドロキシステアリン酸(炭素数18の直鎖型脂肪酸)のn‐ブタノール溶液(濃度:12%)を25g(モル比[12−ヒドロキシステアリン酸]/[Zr]=0.027)添加した以外は実施例1同様にして表面修飾ジルコニア粒子を得た。
(比較例4)
前駆体粉末にモル比[酢酸]/[Zr]=0.15相当量の氷酢酸を添加した以外は実施例1と同様にして、表面修飾ジルコニア粒子を得た。
(比較例5)
前駆体粉末にモル比[ギ酸]/[Zr]=0.18相当量の88%ギ酸を添加した以外は実施例1と同様にして、表面修飾ジルコニア粒子を得た。
(比較例6)
デカン酸のn‐ブタノール溶液(濃度:20%)の代わりに、メタクリル酸のn‐ブタノール溶液(濃度:15%)を25g(モル比[メタクリル酸]/[Zr]=0.13)添加し、30分間撹拌した以外は実施例1と同様にして、表面修飾ジルコニア粒子を得た。
(比較例7)
特許文献1の実施例1に記載の方法に従い得たジルコニアゾル(ZrO:30%、pH3.3、ゼータ電位:正)にモル比[クエン酸]/[Zr]=0.3相当量の無水クエン酸を添加し、つぎに、アンモニア水を加えてpH9.0に調整した。さらに、限外ろ過で精製及び濃縮し、ジルコニアゾル(ZrO:30%、pH7.8、ゼータ電位:負)を得た。
出発原料として該ゾル(ゼータ電位:負)を150g用いた以外は実施例1と同様にして前駆体粉末を製造しようとしたが、カルボン酸と該ゾルの反応が十分進行せず、ほとんど前駆体粉末が得られなかった。
<赤外吸収スペクトルの測定>
実施例1〜実施例7で得られた表面修飾金属化合物粒子、及び、比較例1〜比較例6で得られた表面修飾金属化合物粒子の赤外吸収スペクトルを以下の装置及び測定条件で測定した。
その結果、実施例1〜7では、1700cm−1付近にCOOHのC=O伸縮振動に帰属されるピークが認められた。また、1560cm−1付近には、COOの非対称伸縮振動に帰属されるピークが認められた。
一方、比較例1〜6では、1700cm−1付近にはCOOHのC=O伸縮振動に帰属されるピークが認められなかった。
<赤外吸収スペクトル測定装置、及び、測定条件>
装置:フーリエ変換赤外分光光度計、FT/IR−620(日本分光社製)
測定条件:
手法:ATR法(ATR−ONEユニット使用)
積算回数:64回
分解:4cm−1
サンプル:%T
バックグラウンド:Single
干渉計:
感度:Auto
アパーチャ径:7.1mm
干渉計速度:Auto
フィルター:Auto
アポタイゼーション関数:cosine
ゼロフィリング:On
検出器:TGS
ここで、実施例1の赤外吸収スペクトルを図1にスペクトルbとして、比較例1の赤外吸収スペクトルを図1にスペクトルaとして示す。
実施例1のスペクトルbでは1700cm−1付近にCOOHのC=O伸縮振動に帰属されるピークが認められた。また、同スペクトルでは、1560cm−1付近にCOOの非対称伸縮振動に帰属されるピークが認められた。
一方、比較例1のスペクトルaでは1700cm−1付近にCOOHのC=O伸縮振動に帰属されるピークが認められなかったが、1560cm−1付近にCOOの非対称伸縮振動に帰属されるピークが認められた。ただし、1560cm−1のピークの高さは、スペクトルaよりも低かった。
実施例1と比較例1との対比より、工程Bを行う前はカルボン酸型のカルボン酸が存在しなかったが、工程Bを行った後は、カルボン酸型のカルボン酸が存在することがわかる。また、工程Bを行う前よりも工程Bを行った後の方が、カルボキシレート型のカルボン酸の量が増加していることがわかる。
ここで、工程Bは、第1カルボン酸を添加する工程である。そうすると、この変化は、第1カルボン酸の増加のみに依存している。その結果、工程Bの後は、添加された第1カルボン酸の少なくとも一部が、カルボン酸型として存在し、且つ、残りの第1カルボン酸が、カルボキシレート型として存在することがわかる。
また、実施例1に係る表面修飾ジルコニア粒子を純水で洗浄し、その後、赤外吸収スペクトルを前記装置及び測定条件で測定した。この赤外吸収スペクトルを図1にスペクトルcとして示す。
スペクトルcは、スペクトルaとほぼ同様のスペクトルとなっていた。このことから、カルボキシレート型の第1カルボン酸と、カルボン酸型の第1カルボン酸との両方が溶出し、スペクトルaと同様の、金属化合物粒子にカルボキシレート型の第2カルボン酸のみが表面に吸着している状態であることがわかる。
<粒子径(メディアン径)の測定>
(実施例1〜実施例6)
トルエンに、得られた表面修飾ジルコニア粒子を添加し、撹拌することでZrO濃度:60%のゾルを得た。その後、以下の装置及び測定条件で、動的光散乱法により該ゾルの粒子径(メディアン径)を測定したところ、実施例1では9nm、実施例2では13nm、実施例3では10nm、実施例4では15nm、実施例5では10nm、実施例6では9nmであった。
<粒子径(メディアン径)測定装置、及び、測定条件>
装置:粒子径測定装置、ゼータサイザーナノZS(マルバーン)
測定条件:
酸化物濃度:30%
Material:
ZrO(ジルコニアゾル)
RI:2.17
Absorption:0.01
CeO(セリアゾル)
RI:2.15
Absorption:0.01
Dispersant:Toluene
Temperature:25℃
Cell:PCS1115(10mmガラス角セル)
Measurement Angle:173°
Measurement duration:Automatic
Extended duration for large particles:No
Position method:Seek for optimum Position
Automatic attenuation selection:Yes
Analysis model:General purpose
(実施例7)
トルエンに、得られた表面修飾ジルコニア粒子を添加し、撹拌することでCeO濃度:50%のゾルを得た。その後、上記と同様の装置及び測定条件で、動的光散乱法により該ゾルの粒子径(メディアン径)を測定したところ、9nmであった。
(比較例1〜6)
トルエンに、得られた表面修飾ジルコニア粒子を添加し、攪拌したが、沈殿物が多量に残り、分散しなかった。従って、粒子径の測定は行わなかった。
(比較例7)
上述の通り、前駆体粉末自体が得られなかったため、表面修飾ジルコニア粒子も得られていない。従って、粒子径の測定は行わなかった。
<表面修飾金属化合物粒子の粘度の測定>
下記装置及び下記測定条件にて実施例1の表面修飾金属化合物粒子の粘度を測定したところ、38mPa・sであった。
<粘度測定装置、及び、測定条件>
装置:VIBRO VISCOMETER SV−10A(A&D)
測定条件:
ZrO濃度:60%
分散媒:トルエン
温度:25℃
<表面修飾金属化合物粒子の分散性の評価(トルエンに溶解又は分散させた際の透過率測定)>
下記装置及び下記測定条件にて実施例1の表面修飾金属化合物粒子の透過率を測定したところ、波長400nmにおいて25%、波長800nmにおいて72%であった。
<透過率測定装置、及び、測定条件>
装置:V−750(日本分光)
測定条件:
ZrO濃度:60%
測定モード:%T
バンド幅:2nm
走査速度:200nm/min.
レスポンス:Fast
データ間隔:0.5nm
補正:ベースライン
温度:20〜25℃
セル:10mm石英ガラス角セル

Claims (6)

  1. メタクリル酸、アクリル酸及びプロピオン酸からなる群から選択される一種以上の第1カルボン酸と、炭素数6〜16の脂肪酸及びベンゼン環を少なくとも1つ有する炭素数7〜32の1価のカルボン酸からなる群から選択される一種以上の第2カルボン酸とにより表面修飾された金属化合物粒子を有し、
    前記第1カルボン酸の少なくとも一部が、カルボキシ基の水素原子がイオンとして解離していないカルボン酸型であることを特徴とする表面修飾金属化合物粒子。
  2. 前記第2カルボン酸が、カルボキシ基の水素原子がイオンとして解離していているカルボキシレート型であることを特徴とする請求項1に記載の表面修飾金属化合物粒子。
  3. 前記金属化合物粒子を構成する金属が、ジルコニウム及び希土類からなる群から選択される一種以上であることを特徴とする請求項1又は2記載に表面修飾金属化合物粒子。
  4. 前記金属化合物粒子を構成する金属化合物が、金属酸化物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の表面修飾金属化合物粒子。
  5. 請求項1〜4のいずれか1に記載の表面修飾金属化合物粒子の製造方法であり、
    水溶媒に分散した、ゼータ電位が正の金属化合物粒子に対して、炭素数6〜16の脂肪酸及びベンゼン環を少なくとも1つ有する炭素数7〜32の1価のカルボン酸からなる群から選択される一種以上の第2カルボン酸を添加する工程Aと、
    前記工程Aを経て得られた生成物を乾燥させる工程Bと、
    前記工程Bの後に、メタクリル酸、アクリル酸及びプロピオン酸からなる群から選択される一種以上の第1カルボン酸を添加する工程Cとを含むことを特徴とする表面修飾金属化合物粒子の製造方法。
  6. 前記工程Bの後の生成物の金属化合物濃度が、酸化物換算で80重量%以下であることを特徴とする請求項5に記載の表面修飾金属化合物粒子の製造方法。
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