以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
≪第1実施形態≫
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態に係る車両管理装置及び車両管理方法について説明する。本実施形態では、本実施形態に係る車両管理装置を、カーシェアリングを管理運営する共用車両管理システムに適用した例を用いて説明する。カーシェアリングは、複数の共用車両を複数のユーザで共用するシステムである。複数の共用車両は、複数のステーションに配置されている。本実施形態のカーシェアリングシステムでは、共用車両を借り出すステーションと、共用車両を返却するステーションとは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。なお、各ステーションは、共用車両を駐車させることができ、共用車両の貸出及び返却を行ったり、利用されていない共用車両を待機させたりできる場所であり、カーシェアリングシステムのために予め用意した駐車場などが挙げられる。
図1Aは、本実施形態の共用車両管理システム1を示す構成図である。図1Aに示すように、本実施形態の共用車両管理システム1は、共用車両管理装置100と、複数のユーザに利用される複数の共用車両V1〜Vn(以下、共用車両Vnと総称することもある)にそれぞれ設けられる車載装置200V1〜200Vn(以下、車載装置200Vnと総称することもある)と、複数のユーザによりそれぞれ所持されるユーザ端末装置400A〜400Z(以下、ユーザ端末装置400Aと総称することもある)と、を有する。本実施形態の共用車両管理システム1を構成する、車載装置200V1〜200Vn、ユーザ端末装置400A〜400Zの台数は限定されない。
本実施形態の共用車両Vnは、無人で自動的に走行可能な自動運転機能を備える車両である。共用車両Vnは駆動機構や操舵機構を備えており、これらの機構は自動運転機能により、完全に自動で制御される。なお、共用車両Vnは、運転者の運転操作により走行することができる手動運転機能を備えてもよく、自動運転機能と手動運転機能の切り替えが可能な車両であってもよい。本実施形態の自動運転機能には、本願出願時における自動運転技術を適宜に用いることができる。なお、共用車両Vnは自動運転機能を備えなくてもよい。
本実施形態の共用車両Vnとしては、電動モータを駆動源として備える電気自動車、内燃機関を駆動源として備えるエンジン自動車、電動モータ及び内燃機関の両方を駆動源として備えるハイブリッド自動車を例示できる。なお、電動モータを駆動源とする電気自動車やハイブリッド自動車には、二次電池を電動モータの電源とするタイプや燃料電池を電動モータの電源とするタイプのものも含まれる。
共用車両管理装置100、車載装置200V1〜200Vn及びユーザ端末装置400A〜400Zは、それぞれ通信装置(20、220、420)を備え、インターネット300などの電気通信回線網を介して相互に情報の授受が可能である。通信経路は有線であっても無線であってもよい。
本実施形態のユーザ端末装置400Aは、本発明の本実施形態に係るユーザ端末装置400Aに適用されるプログラムが格納されたROM(Read Only Memory)と、このROMに格納されたプログラムを実行することで、各機能を実行させる動作回路としてのCPU(Central Processing Unit)と、アクセス可能な記憶装置として機能するRAM(Random Access Memory)と、を備えるコンピュータである。本実施形態のユーザ端末装置400Aは、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、又はPDA(Personal Digital Assistant)その他の可搬型の端末装置であってもよい。
本実施形態のユーザ端末装置400Aは、各ユーザによる共用車両Vnの利用を求める入力情報(車両リクエストとともいう)を受け付ける入力装置410と、共用車両管理装置100などの外部装置と通信を行う通信装置420と、各ユーザに情報を通知するための表示装置430と、ユーザによる共用車両Vnの利用の制御処理を実行する制御装置440とを備える。
ユーザ端末装置400Aの入力装置410としては、例えば、ユーザの手操作による入力が可能なディスプレイ画面上に配置されるタッチパネル又はジョイスティックや、ユーザの音声による入力が可能なマイクなどの装置を用いることができる。
表示装置430は、共用車両管理装置100から受信した情報を、ユーザに通知する。表示装置430としては、ディスプレイなどが挙げられ、タッチパネル・ディスプレイを用いる場合には、入力装置410と兼用することができる。表示装置430は、例えば、予約が完了した共用車両Vnの情報などを共用車両管理装置100から受信して、ユーザに通知する。
本実施形態の制御装置440は、ユーザ端末装置400Aに備えられた図示しないGPS(Global Positioning System)受信機などの位置取得装置を用いて、ユーザ端末装置400Aを操作するユーザの現在位置の情報を取得する。現在位置の情報としては、例えば、緯度及び経度の情報が挙げられる。制御装置440は、取得した現在位置の情報を、通信装置420を介して、共用車両管理装置100に送信する。本実施形態では、制御装置440は、定期的に各ユーザの現在位置の情報を、共用車両管理装置100に送信する。これにより、後述する共用車両管理装置100が備える制御装置10は、各ユーザの現在の位置情報を取得することができる。
また、制御装置440は、ユーザが共用車両Vnの利用を要求することを示す車両リクエストなどの入力情報を受け付け、通信装置420を介して、共用車両管理装置100に送信する。本実施形態では、共用車両Vnのリクエストとしては、ユーザが車両リクエストの情報を送信してから直ぐに共用車両Vnを利用開始する即時利用の態様が挙げられる。なお、以降では、「車両リクエストの情報」を単に「車両リクエスト」と呼ぶ。
上述した車両リクエストには、ユーザのID情報、ユーザの現在位置の情報、ユーザが乗車して共用車両Vnが出発する地点である出発地の情報、ユーザが利用しようとする共用車両VnのID情報、共用車両Vnが到着してユーザが降車する地点である目的地の情報、ユーザが共用車両Vの利用開始する時刻を示す利用開始時刻などが含まれる。出発地の情報とは、ユーザが共用車両Vnに乗車する乗車位置の情報であり、目的地の情報とは、ユーザが共用車両Vnを降車する降車位置の情報である。なお、本実施形態のユーザ端末装置400Aは、必要に応じて、共用車両管理装置100から、各ステーションの情報や、各ステーションにおける利用候補の共用車両Vnの情報などを受信してもよい。
また、本実施形態においては、ユーザ端末装置400A及び車載装置200Vnのうち、一方又は両方が、ユーザに対して共用車両Vnの走行経路を案内するためのナビゲーション装置として機能してもよい。ナビゲーション装置として機能する場面としては、例えば、共用車両Vnが自動運転機能と手動運転機能の切り替えが可能な車両の場合において、ユーザが共用車両Vnを運転する場面が挙げられる。ユーザ端末装置400Aがナビゲーション装置として機能する場合には、ユーザ端末装置400Aは、例えば、予めユーザ端末装置400Aに備えられたROMなどに地図情報を記憶させておく。ユーザ端末装置400Aは、表示装置430に、地図情報とともに、ユーザが現在利用している共用車両Vnの現在位置と、ユーザが設定した目的地の位置とを表示し、共用車両Vnの現在位置から目的地までの走行経路を案内する。
本実施形態の車載装置200Vnは、各共用車両Vnの現在位置を検出するGPS受信機210と、共用車両管理装置100などの外部装置と通信を行う通信装置220と、ユーザによる共用車両Vnの利用の制御処理を実行する制御装置230とを備える。
この車載装置200Vnは、ユーザ端末装置400Aの機能を利用した簡易な機構にしてもよい。例えば、GPS受信機や通信装置、経路演算および経路誘導装置などがユーザ端末装置400Aに搭載されている場合はその機能を利用し、車載装置200Vnは、次に示すユーザの認証のみを行うようにしてもよい。
本実施形態においては、制御装置230は、車載装置200Vnに備えられた認証装置(不図示)を用いて、共用車両Vnに乗車したユーザが、この共用車両Vnについて車両リクエストしたユーザと一致するか否かのユーザ認証を行う。例えば、制御装置230は、認証装置として、NFC(Near Field Communication)による通信が可能な装置を用いて、ユーザが所有するユーザ端末装置400Aや会員カードなどからユーザのID情報を読み取る。さらに、制御装置230は、通信装置220を介して共用車両管理装置100にアクセスして、共用車両Vnの車両リクエストの情報を取得し、共用車両Vnに乗車したユーザのユーザ認証を行う。
また、制御装置230は、GPS受信機210を用いて取得した現在位置の情報を、通信装置220を介して、共用車両管理装置100に送信する。
さらに、制御装置230は、図示しないディスプレイやスピーカなどを用いて、共用車両管理装置100から送信された情報などを、ユーザに通知する。本実施形態では、制御装置230は、共用車両管理装置100から、共用車両Vnへの相乗りを希望しているユーザに関する情報などを受信して、ユーザに通知する。本実施形態の相乗りとは、一台の共用車両に複数人数が一緒に乗り合わせることを示し、例えば、他人同士が一台の共用車両に乗ることを示す。
なお、本実施形態においては、車載装置200Vnは、上述したユーザ端末装置400Aと同様に、共用車両Vnの現在位置から目的地までの走行経路を案内するためのナビゲーション装置として機能するものであってもよい。
本実施形態の共用車両管理装置100は、共用車両管理システム1のサーバとして機能し、カーシェアリングシステムを管理運営するための制御処理を実行する制御装置10と、車載装置200Vn及びユーザ端末装置400Aとそれぞれ相互に通信可能な通信装置20と、通信装置20により受信した情報、各共用車両Vnの情報などを記憶するデータベース30とを備える。なお、通信装置20は、ユーザ端末装置400A及び車載装置200Vnと通信するだけでなく、VICS(登録商標)(Vehicle Information and Communication System)等の交通情報を提供するシステムと通信できる。また、通信装置20は、天気情報を提供するシステムとも通信できる。
データベース30は、共用車両情報31と、ユーザから受け付けた車両リクエスト32と、地図情報33と、ユーザ情報34とを記憶する。
共用車両情報31は、各共用車両Vnに関する情報である。共用車両情報31には、各共用車両Vnの現在位置の情報、各共用車両Vnの電力残容量や故障情報、各共用車両Vnの現在の利用状況などが含まれる。また、共用車両情報31には、共用車両Vnごとのユーザによる予約状況を示す共用車両Vnのスケジュールが含まれる。
車両リクエスト32は、ユーザ端末装置400Aを介して各ユーザにより入力された情報であって、共用車両Vnの利用を要求することを示す情報である。車両リクエスト32には、ユーザのID情報、ユーザが利用しようとする共用車両VnのID情報、ユーザの現在位置の情報、ユーザが設定した乗車位置(出発地)、降車位置(目的地)、乗車予定時刻(出発予定時刻)、降車予定時刻(到着予定時刻)等を示す情報などが含まれる。乗車予定時刻及び降車予定時刻は、それぞれ時間の幅をもたせてもよい。例えば、ユーザが、降車位置に、午前10時30分から午前11時30分の間に到着したい場合には、到着予定時刻は、午前11時を中心とし30分前後の幅をもつ時間で示される。出発予定時刻も、同様に、任意の時間を中心として、任意の時間幅をもつ時間で示される。
地図情報33は、道路や施設などの情報も含む地図情報である。施設の情報には、例えば、建物の階数、建物の通路、建物の出入り口等を示す建物の構造に関する情報が含まれる。また、地図情報33には、例えば、各ステーションの位置情報、各ステーション周辺の施設情報、各ステーション周辺の交通状況、及び各ステーションの利用状況等の各ステーションに関する情報が含まれる。
ユーザ情報34は、カーシェアリングシステムを利用することができる全ユーザの情報である。ユーザ情報34には、全ユーザのID情報、全ユーザの現在位置の情報が含まれる。例えば、通信装置20が各ユーザのユーザ端末装置400Aから所定の期間ごとに各ユーザの現在の位置情報を受信することで、ユーザ情報34に各ユーザの現在の位置情報を格納することができる。
本実施形態の共用車両管理装置100の制御装置10は、図1Aに示すように、カーシェアリングシステムを管理運営する処理を実行するためのプログラムが格納されたROM(Read Only Memory)12と、このROM12に格納されたプログラムを実行することで、共用車両管理装置100として機能する動作回路としてのCPU(Central Processing Unit)11と、アクセス可能な記憶装置として機能するRAM(Random Access Memory)13とを備える。
図1Bを用いて、カーシェアリングの形態の一例を説明する。図1Bは、本実施形態の共用車両管理システム1において、ユーザU1が共用車両V1を利用する方法の一例を示す概要図である。図1Bでは、ユーザU1は、ユーザ端末装置400Aを用いて、共用車両V1を利用し、ユーザU1が設定した出発地P1から目的地P2まで移動しようとする場面を示している。
例えば、図1Bに示す場面において、ユーザU1がユーザ端末装置400Aに出発地P1及び目的地P2を入力すると、入力された情報は、ユーザU1が共用車両の利用を要求する車両リクエストとして、ユーザ端末装置400Aから共用車両管理装置100に送信される。
共用車両管理装置100は、ユーザの車両リクエストに基づいて選定した共用車両V1に対して、出発地P1へ移動して、ユーザU1を迎えに行くための移動指令を送信する。移動指令には、現在の共用車両V1の位置から出発地P1までの走行経路、及び出発地P1から目的地P2までの走行経路R1が含まれる。共用車両V1は、共用車両管理装置100から移動指令を受信すると、自動運転機能により無人で自動的に出発地P1まで走行する。そして、ユーザU1が出発地P1で乗車すると、共用車両V1は、移動指令に含まれる走行経路R1に沿って、自動的に目的地P2まで走行する。共用車両V1が目的地P2に到着すると、ユーザU1は降車して共用車両V1の利用を終了する。その後、共用車両V1は、目的地P2から所定範囲内にあるステーションへ移動する。
なお、本実施形態では、ユーザは、出発地及び目的地として鉄道の駅や商業施設などの任意の地点を設定することができる。
図1Bに示す場面において、ユーザU2は、ユーザU1と同様に、共用車両V1を利用することができるユーザである。例えば、カーシェアリングシステムがユーザ登録した会員限定のシステムの場合、ユーザU1とユーザU2はともにユーザ登録した会員である。ユーザU2は、ユーザ端末装置400Bを操作し、共用車両管理装置100に対して車両リクエストを送信する。
共用車両管理装置100は、ユーザU2の車両リクエストに合う共用車両Vnを選定する。選定候補となる共用車両は、他のユーザに利用されていない共用車両Vn(予約されていない共用車両Vn)に限らず、現在、他のユーザに利用されている共用車両Vn(現在、他のユーザが乗車している共用車両Vn)も含まれる。すなわち、ユーザU1により利用されている共用車両VnにユーザU2が乗車する場合には、相乗り乗車となる。
ユーザU2は、ユーザ端末装置400Bにより、共用車両V1の走行計画を含む情報と、相乗りを希望するか否かを確認するための情報を共用車両管理装置100から受信する。走行計画は、ユーザU1とユーザU2が相乗りを行うための走行経路R2を含んでいる。ユーザU2は、ユーザ端末装置400Bに表示された走行経路等の走行計画を確認し、相乗りで共用車両V1を利用する旨の情報を共用車両管理装置100に送信する。
共用車両管理装置100は、ユーザU1が単独で共用車両V1を利用する状況から、ユーザU1とユーザU2が共同で共用車両V1を利用する状況に変更されたため、共用車両V1の走行計画を、相乗りなしの走行経路R1から相乗り有りの走行経路R2に変更する。走行経路の変更に伴い、ユーザU1の目的地への到着予定時刻は遅くなる。
以下、共用車両管理装置100の具体的な制御を説明する。図2は、共用車両管理装置100の制御装置10による制御フローを示すフローチャートである。
ステップS101では、制御装置10はユーザ端末装置400Aと通信を行い、ユーザから車両リクエストを取得する。車両リクエストは、共用車両Vnの利用にあたって、ユーザにより設定された多数の情報である。車両リクエストとしては、乗車位置、降車位置、乗車希望時刻、降車希望時刻等が挙げられる。乗車位置及び降車位置は、例えばユーザ端末装置400Aの表示装置430に表示される地図上でユーザにより設定される位置である。乗車位置及び降車位置は、例えば緯度、経度で示される。なお、乗車位置及び降車位置は、例えば横浜駅周辺など、エリア単位で設定されてもよい。
乗車希望時刻及び降車希望時刻は、特定の時刻に限らず、例えばAM8時からAM9時などの時間帯で設定されてもよい。なお、車両リクエストには必ずしも乗車希望時刻又は降車希望時刻が含まれていなくてもよい。例えば、ユーザができるだけ早く共用車両Vnに乗車したいこと要求した場合には、車両リクエストには乗車希望時刻が含まれない。車両リクエストには、相乗りの要求の有無を含んでもよい。例えば、相乗り時の共用車両Vnの利用料金が、相乗りをしていない時の利用料金より安くなる場合には、ユーザが共用車両Vnの利用を要求した時に相乗りを要求できるようにするために、車両リクエストには、相乗りの要求の有無が含まれる。
ステップS102では、制御装置10は、ユーザから取得した車両リクエストに基づき、複数の共用車両Vnから利用可能な車両を特定する。制御装置10は、車両リクエストに合う共用車両Vnを選定する。例えば、制御装置10は、車両リクエストにおいて設定された乗車位置から最も近い共用車両Vnを、利用可能な車両候補として選定する。車両リクエストに乗車位置及び乗車希望時刻が含まれる場合には、制御装置10は、共用車両Vnが乗車位置に乗車希望時刻までに到着できるか否かを判定する。共用車両Vnが乗車位置に乗車希望時刻までに到着できると判定した場合に、制御装置10は共用車両Vnを利用できると判定する。共用車両Vnを利用できる場合には、制御装置10はステップS103の制御処理を実行する。共用車両Vnを利用できない場合、すなわち車両リクエストに合う共用車両Vnを特定できない場合には、制御装置10はステップS105の制御処理を実行する。
ステップS103では、制御装置10は、車両リクエストに基づき、走行計画を算出し、そして、設定する。走行計画は、乗車位置の位置座標、降車位置の位置座標、選定された共用車両Vnの走行経路、乗車位置における出発予定時刻、降車位置における到着予定時刻により定められる。出発予定時刻はユーザの乗車予定時刻に相当し、到着予定時刻はユーザの降車予定時刻に相当する。制御装置10は、乗車位置から降車位置までのルート演算を行うことで、ユーザが設定する乗車位置までの走行経路を算出する。なお、以降の説明において、「走行計画を設定する」とは「走行計画を算出し、その後、算出した走行計画を設定する」という意味を示す。
ステップS104では、制御装置10は、通信装置420を用いて、走行計画を含む予約完了情報をユーザ端末装置400に送信する。予約完了情報は、ステップS102の制御処理にて、選定された車両情報、及び、共用車両V1の予約が完了した旨を示す情報を含む。なお、以降のステップでは、説明の便宜上、ステップS102にて特定された利用可能な共用車両Vn(利用車両とも称す。)を共用車両V1とする。
ステップS102の制御処理において、利用可能な共用車両Vnが存在しない場合には、ステップS114へ進み、制御装置10は、ユーザに対して予約不可を通知して、制御フローを終了させる。
次に、共用車両の利用開始後の制御処理について説明する。ステップS104では、制御装置10が予約完了情報を送信すると、共用車両V1は、予約したユーザを迎えに行くために、ステップS103にて設定した走行計画に従って乗車位置までの走行を開始する。
ステップS105では、制御装置10は、共用車両V1がユーザの乗車位置に到着したか否かを判定する。制御装置10は、共用車両V1から送信される共用車両V1の現在位置の情報から、共用車両V1が乗車位置に到着したか否かを判定する。共用車両V1が乗車位置に到着したと判定した場合、ステップS106に進む。反対に、共用車両V1が乗車位置に到着していないと判定した場合、ステップS105にて待機する。なお、制御装置10は、共用車両V1が乗車予定時刻までに乗車位置に到着している場合、共用車両V1が乗車位置に到着したと判定する。本実施形態では、共用車両V1は、自動運転機能により走行する場合、乗車予定時刻通りに乗車位置に到着するようにプログラミングされている。
ステップS106では、制御装置10は、ユーザが乗車位置にいるか否かを判定する。制御装置10は、ユーザ端末装置400Aから送信されるユーザの現在位置の情報から、ユーザが乗車位置に到着したか否かを判定する。ユーザが乗車位置にいない場合、ステップS107へ進む。反対に、ユーザが乗車位置にいる場合、あるいは、乗車予定時刻までにユーザが乗車位置に到着した場合、制御フローを終了させる。
なお、ステップS105、S106において、ユーザが任意の時間に対して任意の時間幅を持つ時間として乗車予定時刻を入力した場合、制御装置10は、乗車予定の時間帯に共用車両V1が到着したか否か、あるいは、乗車予定時間帯にユーザがいるか否かを判定する。例えば、ユーザが、乗車位置に、午前9時30分から午前10時の間に乗車したい場合には、ステップS105にて、制御装置10は、共用車両V1が午前9時30分から午前10時の時間帯に乗車位置に到着したか否かを判定する。また、ステップS106では、制御装置10は、ユーザが午前9時30分から午前10時の時間帯に乗車位置にいるか否かを判定する。
ステップS107では、制御装置10は、他のユーザが共用車両V1に乗車しているか否かを判定する。他のユーザとは、ステップS106にて乗車位置にいないと判定されたユーザとは異なるユーザを示す。例えば、制御装置10は、データベース30に記憶された共用車両V1の予約スケジュールを参照することで、既に共用車両V1を利用しているユーザの有無を確認し、既に他のユーザが共用車両V1に乗車しているか否かを判定する。制御装置10は、予約スケジュール上、現在の時間が他のユーザにより予約された時間帯に該当する場合、共用車両V1に他のユーザが乗車していると判定する。反対に、制御装置10は、予約スケジュール上、乗車位置にいないユーザが共用車両V1を利用する最初のユーザに該当することを確認した場合、乗車中のユーザはいないと判定する。
なお、乗車中のユーザが存在するか否かの確認方法は、予約スケジュールの確認に限られず、例えば、制御装置10は、ユーザ端末装置400Aから送信されるユーザの現在位置の情報から、共用車両V1に他のユーザが乗車しているか否かを判定してもよい。また、共用車両V1が車内を撮像する撮像装置(例えば、カメラ)を備えている場合には、制御装置10は、プローブデータに含まれ、撮像装置により撮像された車内の撮像画像から、他のユーザが乗車しているか否かを判定してもよい。
他のユーザが乗車していないと判定された場合、ステップS108に進む。反対に、他のユーザが乗車していると判定された場合、ステップS111に進む。
ステップS108では、制御装置10は、共用車両V1への次の予約が入っているか否かを判定する。次の予約とは、これから共用車両V1を利用するユーザ又は利用する予定のユーザによりされた予約を示す。制御装置10は、データベース30に記憶されている共用車両V1の予約スケジュールを参照することで、共用車両V1への次の予約が入っているか否かを確認し、次の予約が有るか否かを判定する。共用車両V1への次の予約が入っていないと判定した場合、ステップS109に進む。反対に、共用車両V1への次の予約が入っていると判定した場合、ステップS110に進む。
ステップS109では、制御装置10は、乗車位置にいないユーザを待つために、乗車位置での待ち時間を設定する。本実施形態では、制御装置10は、データベース30に記憶されており、予め定められた待ち時間を取得し、待ち時間を設定する。
データベース30には、他のユーザが乗車しているか否かの判定結果と、共用車両V1への次の予約が有るか否かの判定結果に応じて異なる待ち時間が記憶されている。ステップS109では、制御装置10は、他のユーザが乗車中ではなく、かつ、共用車両V1への次の予約が入っていない条件に該当する待ち時間t1を、データベース30から取得し、待ち時間t1を乗車位置での待ち時間として設定する。
ステップS108にて、共用車両V1への次の予約が入っていないと判定した場合には、ステップS110に進む。ステップS110では、制御装置10は、ステップS109と同様に、待ち時間を設定する。ステップS110では、制御装置10は、他のユーザが乗車中ではなく、かつ、共用車両V1への次の予約が入っている条件に該当する待ち時間t2を、データベース30から取得し、待ち時間t2を乗車位置での待ち時間として設定する。
次に、他のユーザが乗車中の場合の制御フローについて説明する。ステップS107にて、他のユーザが乗車していると判定された場合、ステップS111に進む。ステップS111では、制御装置10は、共用車両V1への次の予約が入っているか否かを判定する。このステップにおける処理は、ステップS108と同様の処理である。共用車両V1への次の予約が入っていないと判定した場合、ステップS112に進む。反対に、共用車両V1への次の予約が入っていると判定した場合、ステップS113に進む。
ステップS112では、制御装置10は、ステップS109、S110と同様に、待ち時間を設定する。ステップS112では、制御装置10は、他のユーザが乗車中であり、かつ、共用車両V1への次の予約が入っていない条件に該当する待ち時間t3を、データベース30から取得し、待ち時間t3を乗車位置での待ち時間として設定する。
ステップS111にて、共用車両V1への次の予約が入っていると判定した場合には、ステップS113に進む。ステップS113では、制御装置10は、ステップS109、S110、S112と同様に、待ち時間を設定する。ステップS113では、制御装置10は、他のユーザが乗車中であり、かつ、共用車両V1への次の予約が入っている条件に該当する待ち時間t4を、データベース30から取得し、待ち時間t4を乗車位置での待ち時間として設定する。
ステップS109、S110、S112、S113の処理が終了すると、制御装置10は、制御フローを終了させる。
ここで、待ち時間t1〜待ち時間t4の待ち時間の長さについて説明する。本実施形態では、待ち時間t1が最も長い待ち時間であり、待ち時間t2、待ち時間t3、待ち時間t4の順で待ち時間は短くなる。例えば、乗車有と予約有の優先度を同じと考えた場合は、待ち時間t2は待ち時間t3と同じ長さの時間となる。各待ち時間の長さは、他のユーザが乗車しているか否かの判定結果と、共用車両V1への次の予約が有るか否かの判定結果に基づくものである。例えば、他のユーザが共用車両V1に乗車していない状況では、共用車両V1への次の予約が入っているか否かに応じて待ち時間は異なる。共用車両V1への次の予約が入っていない場合、共用車両V1は乗車位置で可能な限りユーザを待つことができるのに対して、共用車両V1への次の予約が入っている場合、共用車両V1には次の予定があるため、待ち時間に制限がかかる(待ち時間t2<待ち時間t1)。同様に、他のユーザが乗車している場合、共用車両V1は、他のユーザの車両リクエストに基づいて設定された走行計画に従って運行しており、待ち時間に制限がかかる(待ち時間t3、待ち時間t4≦待ち時間t1、待ち時間t2)。なお、待ち時間t1〜待ち時間t4は、実験的に求められた時間であることが好ましい。また、待ち時間t1〜待ち時間t4の時間の長さの関係は一例であって、特に限定されず、例えば、待ち時間t1〜待ち時間t4は全て異なる長さの時間でもよい。
上記のとおり、本実施形態では、ユーザから共用車両の利用の要求を示す車両リクエストを取得し、取得された車両リクエストに基づき、複数の共用車両の中から利用可能な車両を利用車両として特定する。また、ユーザの車両リクエストに基づいて、ユーザの乗車位置を経由する共用車両の走行経路を含む走行計画を設定し、共用車両が乗車位置に到着した際、ユーザが乗車位置にいない場合、設定した走行計画に基づいて、乗車位置での待ち時間を設定する。これにより、何らかの原因により乗車位置にユーザがいない場合であっても、共用車両V1の走行計画に支障がでない時間内でユーザを乗車位置で待つ、という適切な対応をすることができる。
また、本実施形態では、利用車両に他のユーザが乗車しているか否かを判定し、利用車両を利用する予定のユーザによる利用車両への予約が入っているか否かを判定する。そして、利用車両にユーザが乗車しているか否かの判定結果と、利用車両への次の予約が入っているか否かの判定結果に応じて、待ち時間を設定する。これにより、利用車両に他のユーザが乗車している場合には、利用車両に他のユーザが乗車していない場合と比べて長い時間、ユーザを乗車位置で待つことができる。また、利用車両への次の予約が入っていない場合には、利用車両への次の予約が入っている場合にと比べて長い時間、ユーザを乗車位置で待つことができる。その結果として、利用車両の現在の状況と、利用車両の次の予定に応じて適切な時間だけ、乗車位置でユーザを待つことができる。
なお、本実施形態において、図2に示すように、ステップS107にて利用車両にユーザが乗車しているか否かの判定を行った後に、ステップS108又はステップS111にて利用車両への次の予約が入っているか否かを判定しているが、判定を行う順番は特に限定されない。例えば、利用車両への次の予約が入っているか否かを判定した後に、利用車両にユーザが乗車しているか否かの判定を行ってもよい。
《第2実施形態》
図3を参照しながら、本発明の他の実施形態に係る車両管理方法又は車両管理装置について説明する。本実施形態では上述した第1実施形態に対して、データベース130に記憶されている情報と、制御装置10が実行する待ち時間の設定についての制御処理の一部が異なる。その他の構成及び制御処理は、第1実施形態と同じであり、第1実施形態の記載を適宜援用する。
本実施形態のデータベース130は、第1実施形態においてデータベース30に記憶されている、共用車両情報31と、車両リクエスト32と、地図情報33だけでなく、ユーザ情報134と、交通情報135と、天気情報136と、走行履歴137とを記憶する。
本実施形態のユーザ情報134には、全ユーザのID情報、全ユーザの現在位置の情報だけでなく、各ユーザのスケジュールの情報が含まれる。ユーザのスケジュールの情報には、共用車両Vnを利用する予定以外の予定が含まれる。例えば、ユーザ端末装置400Aにはスケジューリングを行うためのスケジュール管理のアプリケーションが備わっており、ユーザがこのアプリケーションにスケジュールを入力していたとする。この場合、通信装置20が各ユーザ端末装置400Aから所定の期間ごとに各ユーザのスケジュールの情報を受信することで、ユーザ情報134に各ユーザのスケジュールの情報を格納することができる。
なお、ユーザのスケジュールの取得方法は、ユーザ端末装置400Aからの取得に限られず、例えば、共用車両の車両リクエストを送信する際に、共用車両を利用する日のスケジュールを車両リクエスト内の所定の入力フォームに入力する構成でもよい
交通情報135は、交通規制や渋滞の情報である。交通情報135としては、VICSから通信装置20を介して受信した情報が例示できる。交通情報135には、道路の渋滞情報(車速、通過所要時間など)、事故情報が含まれる。
天気情報136は、共用車両Vnが利用される周辺域の天気の情報である。
走行履歴137は、共用車両Vnの走行履歴である。走行履歴137には、共用車両Vnごとに、利用したユーザの情報(ユーザID等)、各ユーザの乗車位置及び降車位置を含む走行経路、乗車位置から降車位置までの移動にかかった所要時間が含まれる。
次に、本実施形態の共用車両管理システム2において、共用車両管理装置100の制御フローを説明する。図4は、共用車両管理装置100の制御装置10の制御フローを示すフローチャートである。ステップS201〜ステップS209、ステップS220の制御処理は、ステップS101〜ステップS109、ステップS114の制御処理と同じため、各ステップの説明を援用する。
ステップS208にて、共用車両V1への次の予約が入っていると判定した場合には、ステップS210に進む。
ステップS210では、制御装置10は、共用車両V1のスケジュールの情報を取得する。例えば、制御装置10は、データベース130に記憶されている共用車両情報31を参照し、利用されている共用車両V1のスケジュールの情報を取得する。
ステップS211では、制御装置10は、補正係数を算出する。補正係数とは、予め定められた待ち時間(待ち時間t1〜t4)を補正するための係数である。制御装置10は、ステップS210にて取得した共用車両V1のスケジュールに基づいて、補正係数を算出する。例えば、共用車両V1がユーザの到着を待つために待ち時間t2だけ乗車位置で停車しても、共用車両V1の次の予約までの時間が所定の時間以上ある場合、制御装置10は、予め定められた待ち時間t2を長くしても次の予約については予定時間通りに利用開始できると判断する。この場合、例えば、制御装置10は、次の予約を予定時間通りに利用開始できる範囲のうち待ち時間が最長となるように補正係数を設定する。反対に、共用車両V1がユーザの到着を待つために待ち時間t2だけ乗車位置で停車すると、共用車両V1の次の予約までの時間が所定の時間未満になる場合、制御装置10は、予め定められた待ち時間t2では次の予約については予定時間通りに利用開始できないと判断する。この場合、例えば、制御装置10は、次の予約について予定時間通りに利用開始できる時間まで待ち時間が短くなるように補正係数を設定する。なお、説明の便宜上、共用車両のスケジュールに基づいて算出された補正係数を補正係数Bとして説明する。また、所定の時間は、実験的に定められた時間が好ましい。
ステップS212では、制御装置10は、待ち時間を設定する。具体的には、制御装置10は、データベース130から待ち時間t2を取得し、待ち時間t2にステップS211にて算出した補正係数Bを乗算することで、待ち時間B×t2を乗車位置での待ち時間として設定する。
次に、他のユーザが乗車中の場合の制御フローについて説明する。ステップS207にて、他のユーザが乗車していると判定された場合、ステップS213に進む。ステップS213では、制御装置10は、乗車中のユーザのスケジュールの情報を取得する。例えば、制御装置10は、データベース130に記憶されているユーザ情報134の中から、乗車中のユーザのユーザIDが紐づけられているスケジュールの情報を取得する。
ステップS214では、制御装置10は、補正係数を算出する。制御装置10は、ステップS213にて取得した乗車中のユーザのスケジュールに基づいて、補正係数を算出する。例えば、現在の時刻からユーザの次の予定までの時間が所定の時間以上の場合、制御装置10は、予め定められた待ち時間t3、又は待ち時間t4を長くしてもユーザの次の予定に支障はないと判断する。この場合、例えば、制御装置10は、ユーザの次の予定に支障がない範囲内で待ち時間が最長となるように補正係数を設定する。反対に、現在の時刻からユーザの次の予定までの時間が所定の時間未満の場合、制御装置10は、予め定められた待ち時間t3、又は待ち時間t4ではユーザの次の予定に支障があると判断する。この場合、例えば、制御装置10は、ユーザの次の予定に支障がない時間まで待ち時間が短くなるように補正係数を設定する。なお、説明の便宜上、ユーザのスケジュールに基づいて算出された補正係数を補正係数Aとして説明する。
ステップS215では、制御装置10は、共用車両V1への次の予約が入っているか否かを判定する。このステップにおける処理は、ステップS208と同様の処理である。共用車両V1への次の予約が入っていないと判定した場合、ステップS216に進む。反対に、共用車両V1への次の予約が入っていると判定した場合、ステップS217に進む。
ステップS216では、制御装置10は、待ち時間を設定する。具体的には、制御装置10は、データベース130から待ち時間t3を取得し、待ち時間t3にステップS214にて算出した補正係数Aを乗算することで、待ち時間A×t3を乗車位置での待ち時間として設定する。
ステップS215にて、共用車両V1への次の予約が入っていると判定した場合には、ステップS217に進む。ステップS217では、制御装置10は、共用車両V1のスケジュールの情報を取得する。このステップにおける処理は、ステップS210と同様の処理である。
ステップS218では、制御装置10は、補正係数を算出する。このステップにおける処理は、ステップS211と同様の処理である。制御装置10が算出した補正係数は補正係数Bとする。
ステップS219では、制御装置10は、待ち時間を設定する。具体的には、制御装置10は、データベース130から待ち時間t4を取得し、待ち時間t4にステップS214にて算出した補正係数A及びステップS218にて算出した補正係数Bを乗算することで、待ち時間A×B×t4を乗車位置での待ち時間として設定する。
ステップS209、S212、S216、S219の処理が終了すると、制御装置10は、制御フローを終了させる。
上記のとおり、本実施形態では、利用車両のスケジュールと、利用車両に乗車中のユーザのスケジュールを取得し、取得したスケジュールに基づいて補正係数を算出する。そして、予め定められた待ち時間に補正係数を乗算することで、待ち時間を設定する。これにより、予め定められた待ち時間を、利用車両のスケジュールと、乗車中のユーザのスケジュールに応じた適切な待ち時間へ補正することができる。その結果として、利用車両のスケジュール及び乗車中のユーザのスケジュールに支障を与えることなく、利用車両のスケジュールごと、ユーザのスケジュールごとに適切な待ち時間だけ、乗車位置でユーザを待つことができる。
なお、本実施形態では、待ち時間を補正する要素として、共用車両Vnのスケジュールと乗車中のユーザのスケジュールを用いて説明したが、待ち時間を補正する要素はこれに限られない。
本実施形態の変形例において、制御装置10は、乗車位置にいないユーザのスケジュールを取得し、取得したスケジュールに基づいて補正係数を算出する。例えば、制御装置10は、ステップS207での他のユーザが乗車しているか否かの判定結果に関わらず、ステップS207以降のステップにおいて、乗車位置にいないユーザ、すなわち、乗車予定のユーザのスケジュールを取得する。
制御装置10は、ステップS210と同様に、データベース130に記憶されているユーザ情報134の中から、乗車予定のユーザのユーザIDが紐づけられているスケジュールの情報を取得する。
そして、制御装置10は、乗車予定のユーザのスケジュールに基づいて、補正係数を算出する。例えば、現在の時刻からユーザの次の予定までの時間が所定の時間以上の場合、制御装置10は、予め定められた待ち時間t2〜待ち時間t4を長くしてもユーザの次の予定に支障はないと判断する。この場合、例えば、制御装置10は、ユーザの次の予定に支障がない範囲内で待ち時間が最長となるように補正係数を設定する。反対に、現在の時刻からユーザの次の予定までの時間が所定の時間未満の場合、制御装置10は、予め定められた待ち時間t2〜待ち時間t4ではユーザの次の予定に支障があると判断する。この場合、例えば、制御装置10は、ユーザの次の予定に支障がない時間まで待ち時間が短くなるように補正係数を設定する。
制御装置10は、待ち時間を設定するステップ(図4に示すステップS212、S216、S219)にて、予め定められた待ち時間に乗車予定のユーザのスケジュールに基づいて算出された補正係数を乗算することで、乗車位置での待ち時間を設定する。
上記のとおり、本実施形態の変形例では、利用車両のスケジュールと、利用車両に乗車中のユーザのスケジュールだけでなく、利用車両に乗車予定のユーザのスケジュールを取得し、取得したスケジュールに基づいて待ち時間を設定する。これにより、利用車両のスケジュール、乗車中のユーザのスケジュールだけでなく、乗車位置にいないユーザのスケジュールに応じた適切な待ち時間へ、予め定めた待ち時間を補正することができる。その結果として、共用車両Vnの利用順序に関わらず、共用車両Vnを利用するユーザのスケジュールに適切な待ち時間を設定することができる。
また、本実施形態の他の変形例では、待ち時間を補正する要素として、交通情報、天気情報、共用車両Vnの走行履歴を用いる。他の変形例の制御装置10は、例えば、図4に示すステップS208又はステップS215にて共用車両Vnへの次の予定が入っていると判定された以降、データベース130から、交通情報135、天気情報136、走行履歴137を取得する。なお、全ての情報をデータベース130から取得するものではなく、制御装置10は、少なくとも一つの情報をデータベース130から取得する。
例えば、制御装置10は、交通情報135含まれる道路の状況を取得する。制御装置10は、次の目的地までの道路の渋滞情報を取得すると、次の目的地までの所要時間が長くなると判断し、予め定めた待ち時間が短くなるように補正係数を設定する。反対に、渋滞情報や事故情報等が無い場合、制御装置10は、次の目的地までの所要時間を短くできると判断し、待ち時間が長くなるように補正係数を設定する。
また、例えば、制御装置10は、天気情報136に含まれる現在の天気の情報を取得する。制御装置10は、現在の天気が雨であることを示す情報を取得すると、車両の利用者が晴天時に比べて多く、道路が混在するため、次の目的地までの所要時間が長くなると判断し、予め定めた待ち時間が短くなるように補正係数を設定する。反対に、現在の天気が晴れであることを示す情報を取得すると、制御装置10は、予め定めた待ち時間が長くなるように補正係数を設定する。
また、例えば、制御装置10は、走行履歴137に含まれる、次の目的地までの移動時間の履歴の情報を取得する。制御装置10は、走行計画における次の目的地までの移動時間よりも履歴情報における次の目的地までの移動時間の方が短い場合、予め定めた待ち時間が短くなるように補正係数を設定する。反対に、制御装置10は、走行計画における次の目的地までの移動時間よりも履歴情報における次の目的地までの移動時間の方が長い場合、予め定めた待ち時間が長くなるように補正係数を設定する。
そして、制御装置10は、待ち時間を設定するステップ(図4に示すステップS212、S216、S219)にて、予め定められた待ち時間に交通情報135、天気情報136、走行履歴137の少なくとも何れか一つに基づいて算出された補正係数を乗算することで、乗車位置での待ち時間を設定する。
上記のとおり、本実施形態の他の変形例では、交通情報、天気情報、及び共用車両の走行履歴のうち少なくとも一つの情報を取得し、取得した情報に基づいて待ち時間を設定する。これにより、現在の交通状況、天気の状況に適した待ち時間へ予め定めた待ち時間を補正することができる。また、過去の実績に基づく待ち時間へ予め定めた待ち時間を補正することができる。その結果として、共用車両Vnを利用している状況に最適な待ち時間を設定することができる。
《第3実施形態》
本発明の他の実施形態に係る車両管理方法又は車両管理装置について説明する。本実施形態では上述した第1実施形態に対して、待ち時間を設定した後の制御が異なる。その他の構成及び制御処理は、第1実施形態と同様であり、第1実施形態の記載を援用する。
本実施形態の共用車両管理システム1において、共用車両管理装置100の制御フローを説明する。図5は、共用車両管理装置100の制御装置10の制御フローを示すフローチャートである。ステップS301〜ステップS313、ステップS319の制御処理は、ステップS101〜ステップS114の制御処理と同じため、各ステップの説明を援用する。
ステップS309〜S313にて、待ち時間が設定されると、ステップS314に進む。
ステップS314では、制御装置10は、乗車位置にいないユーザの現在位置の情報を取得する。例えば、制御装置10は、データベース30に格納されているユーザ情報34を参照することで、ユーザの現在位置の情報を取得する。また、例えば、制御装置10は、ユーザ端末装置400Aから送信されるユーザの現在位置の情報を、通信装置20を介して取得する。
ステップS315では、制御装置10は、ユーザの乗車位置への到着所要時間を算出する。到着所要時間とは、ユーザが現在の位置から乗車位置に到着するために要する時間である。制御装置10は、ステップS314にて取得したユーザの現在位置から、乗車位置までの距離に基づいて、到着所要時間を算出する。例えば、制御装置10は、距離ごとに予め実験的に求められた所要時間がる場合、ユーザの現在位置から乗車位置までの距離を算出し、予め求められた距離に応じた所要時間と算出した距離に基づいて、到着所要時間を算出する。なお、実験的に求められた所要時間には、ユーザによる移動手段の違いは考慮されていないものとする。
ステップS316では、制御装置10は、待ち時間と到着所要時間の比較を行う。このステップにおける待ち時間は、ステップS309、S310、S312、S313のいずれかにて設定された待ち時間t1〜待ち時間t4のいずれかを示している。ステップS315にて算出された到着所要時間が乗車位置での待ち時間よりも長い場合、ステップS317に進み、反対に、到着所要時間が乗車位置での待ち時間以下の場合、ステップS318に進む。
ステップS317では、制御装置10は、共用車両V1に搭載された車載装置200V1に対して出発指示を送信する。本実施形態では、共用車両V1は、無人で自動的に走行可能な自動運転機能を備えているため、出発指示を受信した車載装置200V1により、乗車位置にいないユーザを待たずに直ちに出発することができる。また、このステップにて、制御装置10は、走行計画の更新を行う。具体的には、制御装置10は、乗車位置で停止してユーザを乗車させる予定から、乗車位置でユーザを乗車させずに出発する予定に変更し、走行計画の更新を行う。
ステップS316にて、到着所要時間が乗車位置での待ち時間以下の場合、ステップS318に進む。ステップS318では、制御装置10は、共用車両V1に搭載された車載装置200V1に対して待機指示を送信する。待機指示には、共用車両V1の待機する時間を示す「待ち時間」の情報が含まれている。これにより、共用車両V1は、待機指示を受信した車載装置200V1により、乗車位置にいないユーザを待つために「待ち時間」に応じた時間だけ待機することができる。また、このステップにて、制御装置10は、走行計画の更新を行う。具体的には、制御装置10は、乗車位置で停止してユーザを乗車させる予定から、乗車位置に算出された待ち時間の時間だけ待機する予定に変更し、走行計画の更新を行う。
ステップS317又はステップS318の処理が終了すると、制御装置10は、制御フローを終了させる。
上記のとおり、本実施形態では、ユーザの現在位置の情報を取得し、ユーザが乗車位置に到着するために要する到着所要時間を算出する。そして、到着所要時間が待ち時間よりも長い場合には、待ち時間が経過する前に共用車両Vnを出発させる。これにより、待ち時間以内に乗車位置に到着する見込みのあるユーザのみを待つことができるため、ユーザが乗車位置にいない場合には他のユーザが共用車両Vnを利用することができ、共用車両Vnの利用機会を失うユーザを可能な限り減らすことができる。
なお、本実施形態では、ユーザの現在位置と乗車位置までの距離に基づいて到着所要時間を算出する構成を例に挙げて説明したが、到着所要時間をより高精度に算出することが可能な本実施形態の変形例について説明する。
変形例に係る共用車両管理装置100の制御装置10の制御フローについて説明する。変形例に係る制御フローは、本実施形態に係る制御フローと比べて、ステップS314、S315の制御処理が異なる以外は同様の制御フローである。具体的には、到着所要時間の算出方法について、変形例は本実施形態と異なる。ステップS314、S315以外のステップについての説明は、本実施形態の説明を援用する。
ステップS314では、制御装置10は、乗車位置にいないユーザの現在位置の情報を取得するだけでなく、ユーザの移動速度の情報を取得する。ユーザの移動速度とは、ユーザが乗車位置に到着するまでに移動する速度であり、ユーザの移動手段に応じた速度である。ユーザの移動速度としては、徒歩移動による移動速度、電車移動による移動速度、車両移動による移動速度、二輪車移動による移動速度が挙げられる。
これらの移動速度は、データベース30に予め定められた速度として記憶されていてもよいし、ユーザごとに設定してもよい。また、移動速度は、移動手段ごとの瞬間的な速度であってもよいし、所定距離を移動した際の平均速度であってもよい。
例えば、制御装置10は、ユーザの現在位置から乗車位置までの距離から、乗車位置までのユーザの移動手段が徒歩と推定した場合、データベース30から徒歩移動による移動速度を取得する。また、例えば、制御装置10は、ユーザの現在位置から乗車位置までの距離から、乗車位置までのユーザの移動手段が電車及び徒歩と推定した場合、データベース30から電車移動による移動速度と徒歩移動による移動速度を取得する。
ステップS315では、制御装置10は、ユーザの乗車位置への到着所要時間を算出する。変形例では、まず、制御装置10は、ステップS314にて取得したユーザの現在位置に基づいて、ユーザの現在位置から乗車位置までの距離を算出する。そして、制御装置10は、算出した距離をステップS314にて取得したユーザの移動速度で除算することで、到着所要時間を算出する。
上記のとおり、本実施形態の変形例では、ユーザの移動速度の情報を取得し、取得したユーザの移動速度に基づいて、到着所要時間を算出する。これにより、到着所要時間を高精度に算出することができるため、待ち時間以内に乗車位置に到着する見込みを高い精度で予測することができる。その結果として、共用車両Vnの利用機会を失うユーザをさらに減らすことができる。
《第4実施形態》
本発明の他の実施形態に係る車両管理方法又は車両管理装置について説明する。本実施形態では、上述した第1実施形態での制御処理に対して、法規上又はルール上、道路又は道路側部、私有地部などに停車可能な時間が設定されている場合の制御処理が追加されている。その他の構成及び制御処理については、第1実施形態と同様の構成及び制御処理であり、第1実施形態の記載を適宜援用する。
本実施形態の共用車両管理システム1において、共用車両管理装置100の制御フローを説明する。図6A、図6Bは、共用車両管理装置100の制御装置10の制御フローを示すフローチャートである。ステップS401〜ステップS404、ステップS407〜ステップS415、ステップS425の制御処理は、ステップS101〜ステップS114の制御処理と同じため、本実施形態におけるこれらのステップの説明は、第1実施形態における各ステップの説明を援用する。
ステップS405では、制御装置10は、共用車両V1の乗車位置としてユーザに設定された場所(例えば、道路側部など)の車両停車可能時間Ttを取得する。車両停車可能時間Ttは、法律で定められた、車両が特定の場所に停車することができる時間を示す。また、車両停車可能時間Ttは、道路の種別や車両が停止又は停車する場所の種別ごとに異なる時間である。例えば、自動車が通行可能な日本国内の道路の場合、車両停車可能時間Ttは「5以内」になる。また、例えば、タクシーが待機するための場所(いわゆるタクシー待機場所)などの道路の路側帯の場合、車両停車可能時間Ttは「30分以内」になる。
ステップS406では、制御装置10は、ユーザから共用車両V1の利用に対する予約キャンセルの依頼があったか否かを確認する。例えば、制御装置10は、ユーザ端末装置400Aを介して、予約をキャンセルする旨の情報を受信したか否かに応じて、予約キャンセルの依頼があったか否かを判定する。予約キャンセルの依頼を確認できない場合、ステップS407へ進む。反対に、予約キャンセルの依頼を確認できた場合、ステップS422へ進む。ステップS422では、制御装置10は、ユーザに対して予約のキャンセルが完了した旨の情報を送信する。そして、ステップS423では、制御装置10は、共用車両V1に搭載された車載装置200V1に対して出発指示を送信する。これにより、ユーザによって予約がキャンセルされた共用車両V1は、次の移動先に向かう走行を開始する。ステップS423の処理が終了すると、制御装置10は、制御フローを終了させる。
ステップS407〜ステップS415は、第1実施形態におけるステップS105〜ステップS113に対応するため、これらのステップについては、第1実施形態での各ステップの説明を援用する。
ステップS416では、制御装置10は、ステップS411、S412、S414、S415の何れかのステップにおいて設定された待ち時間(共用車両V1が停車位置に待機できる時間)を、車両待機可能時間Tに代入する。車両待機可能時間Tは、共用車両V1に他のユーザが乗車しているか否かと、共用車両V1に次の予約が入っているか否かの各種条件に応じて、共用車両V1が乗車位置で待機可能な時間である。このステップ以降、車両待機可能時間Tは、制御装置10により代入された、ステップS411、S412、S414、S415の何れかのステップにおいて設定された待ち時間となる。
ステップS417では、制御装置10は、ステップS405にて取得した車両停車可能時間Ttと、ステップS416にて代入した車両待機可能時間Tとを比較する。車両待機可能時間Tが車両停車可能時間Ttよりも長い場合、すなわち、設定された待ち時間が法規上定められている停車可能時間よりも長い場合、ステップS418に進む。反対に、車両待機可能時間Tが車両停車可能時間Tt以下の場合、すなわち、設定された待ち時間が法規上定められている停車可能時間以下の場合、ステップS419に進む。
ステップS418では、制御装置10は、車両待機時間Twを、ステップS405にて取得した車両停車可能時間Ttに設定する。車両待機時間Twは、共用車両V1が乗車位置で待機する時間を示す。共用車両V1に搭載された車載装置200V1は、後述するステップS424の処理により、制御装置10から待機指示を受信した場合、車両停車可能時間Ttとして設定された時間の分だけ、共用車両V1を乗車位置で停車させるための処理を実行する。この場合、共用車両V1は、法規上定められている停車可能な時間だけ、ユーザの乗車位置で停車する。
ステップS417において、車両待機可能時間Tが車両停車可能時間Tt以下の場合、ステップS419に進む。ステップS419では、制御装置10は、車両待機時間Twを、ステップS416にて代入した車両待機可能時間Tに設定する。共用車両V1に搭載された車載装置200V1は、後述するステップS424の処理により、制御装置10から待機指示を受信した場合、車両待機可能時間Tとして設定された時間の分だけ、共用車両V1を乗車位置で停車させるための処理を実行する。この場合、共用車両V1は、ステップS411、S412、S414、S415の何れかのステップにおいて算出された待ち時間だけ、ユーザの乗車位置で停車する。
ステップS420では、制御装置10は、共用車両V1がユーザの乗車位置に停車した時点から現在までに経過した時間を車両停車時間Tpとして算出する。具体的には、制御装置10は、共用車両V1の位置情報に基づいて共用車両V1がユーザの乗車位置に停車したことを判定した時点から、現在までに経過した時間を車両停車時間Tpとして算出する。
ステップS421では、制御装置10は、ステップS418又はステップS419にて設定した車両待機時間Twと、ステップS420にて算出した車両停車時間Tpを比較する。このステップでは、制御装置10は、共用車両V1が乗車位置に停車してから現在まで経過時間が車両待機時間Twを超えているか否かの判定を行う。車両停車時間Tpが車両待機時間Twよりも長い場合、すなわち、現時点で既に共用車両V1の待機時間を経過している場合、ステップS422に進む。反対に、車両停車時間Tpが車両待機時間Tw以下の場合、すなわち、現時点では共用車両V1の待機時間を経過していない場合、ステップS424へ進む。
ステップS422では、制御装置10は、ユーザに対して予約のキャンセルが完了した旨の情報を送信する。ステップS423では、制御装置10は、共用車両V1に搭載された車載装置200V1に対して、次の目的地へ向かって出発するように出発指示を送信する。これにより、共用車両V1は、次の目的地への走行を開始する。ステップS423の処理が終了すると、制御装置10は、制御フローを終了させる。
ステップS421にて、車両停車時間Tpが車両待機時間Tw以下の場合、ステップS424へ進む。ステップS424では、制御装置10は、共用車両V1に搭載された車載装置200V1に対して待機指示を送信する。これにより、共用車両V1は、車両待機時間Twだけ、ユーザの乗車位置で停車する。ステップS421の処理が終了すると、ステップS406へ戻る。その後、ステップS406以降の処理が再び繰り返される。
上記のとおり、本実施形態では、乗車位置に車両が停車可能な時間である車両停車可能時間Ttを取得する。そして、車両停車可能時間Ttと車両待機可能時間Tを比較し、車両待機可能時間Tが車両停車可能時間Ttより長い場合、車両停車可能時間Ttを車両待機時間Twとして設定し、車両待機可能時間Tが車両停車可能時間Tt以下の場合、車両待機可能時間Tを車両待機時間Twとして設定する。さらに、現時点までに共用車両V1が乗車位置で停車している時間を車両停車時間Tpとして算出し、車両待機時間Twと車両停車時間Tpを比較する。車両停車時間Tpが車両待機時間Twよりも長い場合、共用車両V1に対して、次の目的地に向かって出発するように出発指示を送信する。これにより、共用車両V1が車両停車可能時間Ttを超えて乗車位置で停車することを防ぐことができる。また、共用車両V1が車両待機可能時間Tを超えて乗車位置で停車することを防ぐことができる。
次に、本実施形態の変形例に係る構成及び制御処理について説明する。具体的には、本実施形態の変形例では、制御装置10は、本実施形態の処理に加えて、上述した第3実施形態に示されたユーザの現在位置に応じた車両待機処理を実行する。図7A、図7Bは、本実施形態の変形例に係る共用車両管理装置100の制御装置10の制御フローを示すフローチャートである。図7A及び図7Bに示すステップS401〜ステップS425の制御処理は、図6A及び図6Bに示すステップS401〜ステップS425の制御処理に対応するため、各ステップの説明については、上述した実施形態での各ステップの説明を援用する。
ステップS418又はステップS419において、制御装置10が車両待機時間Twを設定すると、ステップS426に進む。
ステップS426では、制御装置10は、乗車位置にいないユーザの現在位置の情報を取得する。現在位置の情報としては、例えば、緯度及び経度の情報が挙げられる。このステップは、図5(第3実施形態参照)に示すステップS314に対応している。
ステップS427では、制御装置10は、ユーザが乗車位置へ到着するまでの到着所要時間Tuを算出する。到着所要時間Tuとは、ユーザが現在の位置から乗車位置に到着するために要する時間である。制御装置10は、ステップS426にて取得したユーザの現在位置の情報と、乗車位置の位置情報とに基づいて、ユーザの到着所要時間Tuを算出する。このステップは、図5(第3実施形態参照)に示すステップS315に対応している。
位置情報を緯度及び経度で示す場合を例に挙げて、到着所要時間T
uの算出方法について説明する。例えば、ユーザの現在位置を緯度(l
at_U)及び経度(l
on_U)、ユーザの乗車位置を緯度(l
at_R)及び経度(l
on_R)で示すとする。ユーザの現在位置から乗車位置までの距離を直線距離で近似できる場合、制御装置10は、下記式(1)を用いて、ユーザの現在位置から乗車位置までの距離Lを算出する。
そして、上記式(1)により、距離Lが算出されると、制御装置10は、算出した距離Lをユーザの移動速度で除算することで、到着所要時間Tuを算出する。例えば、距離Lを200m、ユーザの移動速度を4km/hとすると、制御装置10は、到着所要時間Tuを3分(距離L/移動速度≒0.2/4×60)として算出する。
なお、上記の到着所要時間の算出方法は一例であって、ユーザの現在位置から乗車位置までの距離は直線距離でなくてもよい。例えば、近似した直線距離と実際の経路に沿った距離との間に所定距離以上の差がある場合、すなわち、直線距離の近似では誤差が比較的大きい場合、制御装置10は、ユーザの現在位置から乗車位置までの距離を、実際の道路形状に沿った距離を用いてもよい。また、ユーザの移動速度は、必ずしも実際のユーザの移動速度に近い速度でなくてもよく、例えば、移動速度に余裕度を設けて、意図的に移動速度を遅くしてもよい。余裕度が付された移動速度を用いた場合、制御装置10は、ある程度ユーザが余裕を持って乗車位置に到着するまでの到着所要時間Tuを算出することができる。
また、例えば、制御装置10は、算出した到着所要時間Tuに対して、ユーザ個人の特性に応じた係数を乗じて、ユーザごとに到着所要時間Tuを調整してもよい。ユーザ個人の特性としては、例えば、ユーザの性別、年齢、運動能力(歩行速度など)、当日の体調などが挙げられる。
ステップS428では、制御装置10は、ステップS418又はステップS419にて設定した車両待機時間Twと、ステップS427にて算出した到着所要時間Tuとを比較する。到着所要時間Tuが車両待機時間Twよりも長い場合、すなわち、ユーザが乗車位置に到着するまでに要する時間が共用車両V1の乗車位置での待機時間よりも長い場合、ステップS422に進む。反対に、到着所要時間Tuが車両待機時間Tw以下の場合、すなわち、ユーザが乗車位置に到着するまでに要する時間が共用車両V1の乗車位置での待機時間以下の場合、ステップS420に進む。
ステップS420〜ステップS425は、上述した第4実施形態のステップS420〜ステップS425に対応するため、これらのステップについては、第4実施形態での各ステップの説明を援用する。
《第5実施形態》
本発明の他の実施形態に係る車両管理方法又は車両管理装置について説明する。本実施形態では上述した第4実施形態での制御処理に対して、法規上又はルール上、道路又は道路側部、私有地部などに停車可能な時間が設定されている。また、本実施形態では、法規上の停車可能時間の関係で、共用車両V1が乗車位置で停車できない場合であっても、乗車位置以外の地点で共用車両V1が停車可能な場合には、ユーザの到着を待つための待機場所を変更する処理を行う。その他の構成及び制御処理については、第4実施形態と同様の構成及び制御処理であり、第4実施形態の記載を適宜援用する。
本実施形態の共用車両管理システム1において、共用車両管理装置100の制御フローを説明する。図8A、図8Bは、共用車両管理装置100の制御装置10の制御フローを示すフローチャートである。ステップS501〜ステップS517の制御処理は、ステップS401〜ステップS417の制御処理と同じため、これらのステップについては、第4実施形態での各ステップの説明を援用する。
ステップS517では、制御装置10は、ステップS505にて取得した車両停車可能時間Ttと、ステップS516にて代入した車両待機可能時間Tとを比較する。車両待機可能時間Tが車両停車可能時間Ttよりも長い場合、ステップS518に進む。反対に、車両待機可能時間Tが車両停車可能時間Tt以下の場合、ステップS525に進む。
ステップS518では、制御装置10は、共用車両V1がユーザの乗車位置に停車してから現在までに経過した時間を車両停車時間Tpとして算出する。このステップは、図7B(第4実施形態参照)に示すステップS420に対応している。
ステップS519では、制御装置10は、ステップS505にて取得した車両停車可能時間Ttと、ステップS518にて算出した車両停車時間Tpとを比較する。車両停車時間Tpが車両停車可能時間Ttよりも長い場合、すなわち、共用車両V1が乗車位置から出発する必要がある場合、ステップS520に進む。反対に、車両停車時間Tpが車両停車可能時間Tt以下の場合、すなわち、まだ共用車両V1が乗車位置で停車できる場合、ステップS507へ戻る。
ステップS520では、制御装置10は、現在の乗車位置から所定の距離の範囲内に共用車両V1が停車可能な場所があるか否かを判定する。共用車両V1が停車可能な場所がある場合、ステップS521へ進み、共用車両V1が停車可能な場所がない場合、ステップS529へ進む。なお、所定の距離は、実験的に求められた距離であり、制御装置10は、適宜所定の距離を変更することができる。また、停車可能な場所があるか否かの判断方法は、特に限定されず、制御装置10は、出願時に知られた技術を適宜用いることができる。
ステップS521では、制御装置10は、ユーザにより設定された乗車位置から、ステップS520にて検出した共用車両V1が停車可能な場所へ、ユーザの乗車位置を変更する。そして、制御装置10は、変更した乗車位置に関する情報を、ユーザに通知する。変更した乗車位置に関する情報には、新たなユーザの乗車位置の位置情報(例えば、緯度及び経路)、ユーザに乗車位置の変更について承諾を求める情報が含まれる。乗車位置に到着していないユーザは、制御装置10からの通知により、乗車位置の変更を知ることになる。なお、制御装置10が変更した乗車位置に関する情報を通知する対象のユーザは、ステップS508において乗車位置にいないと判定されたユーザである。また、以降のステップにおけるユーザも、ステップS508において乗車位置にいないと判定されたユーザを示すものとする。
ステップS522では、制御装置10は、ユーザが乗車位置の変更を承諾したか否かを判定する。例えば、ユーザが、乗車位置の変更を承諾する旨の情報を、ユーザ端末装置400Aを介して、制御装置10に送信したとする。制御装置10は、受信した情報によりユーザが乗車位置の変更に承諾したと判断する。この場合、ステップS523に進む。反対に、例えば、ユーザが乗車位置の変更を承諾しない旨の情報を、ユーザ端末装置400Aを介して、制御装置10に送信したとする。制御装置10は、受信した情報によりユーザは乗車位置の変更を承諾しなかったと判断する。この場合、ステップS529へ進む。
なお、ステップS521で行ったユーザへの通知に対して、ユーザが返信をしない場合に備えて、例えば、ユーザからの回答に対しては時間制限を設けてもよい。例えば、制御装置10は、ステップS521にて変更した乗車位置に関する情報をユーザに通知してから、所定の時間以内にユーザから返信がなかった場合、ユーザが乗車位置の変更を承諾したものとみなすことができる。反対に、例えば、制御装置10は、所定の時間以内にユーザから返信がなかった場合、ユーザが乗車位置の変更を承諾していないものとみなすこともできる。なお、所定の時間は、任意に設定することができる時間である。
ステップS523では、制御装置10は、乗車位置を変更するとともに、乗車位置の変更が完了したことをユーザに通知する。
ステップS524では、制御装置10は、変更した乗車位置に基づいて走行計画を更新する。例えば、制御装置10は、変更した乗車位置までの走行経路を算出し、新たな走行経路を走行計画に加える。そして、制御装置10は、更新された走行計画に沿って走行するように、共用車両V1に搭載された車載装置200V1に対して出発指示を送信する。これにより、共用車両V1は、新たな乗車位置に向かう走行を開始する。ステップS524の処理が終了すると、ステップS505へ戻り、再びステップS505以降の処理が実行される。
ステップS517にて、車両待機可能時間Tが車両停車可能時間Tt以下の場合、ステップS525に進む。ステップS525では、制御装置10は、車両待機時間Twを、ステップS516にて代入した車両待機可能時間Tに設定する。
ステップS526では、制御装置10は、乗車位置にいないユーザの現在位置の情報を取得する。ステップS527では、制御装置10は、共用車両V1がユーザの乗車位置に停車した時点から現在までに経過した時間を車両停車時間Tpとして算出する。
ステップS528では、制御装置10は、ステップS525にて設定した車両待機時間Twと、ステップS527にて算出した到着所要時間Tuとを比較する。到着所要時間Tuが車両待機時間Twよりも長い場合、ステップS529に進む。反対に、到着所要時間Tuが車両待機時間Tw以下の場合、ステップS531に進む。
ステップS529、S530は、上述した第4実施形態におけるステップS422、S423に対応するステップであるため、各ステップの説明については、第4実施形態での各ステップの説明を援用する。また、ステップS531〜ステップS534は、上述した第4実施形態の変形例におけるステップS420、S421、S424、S425に対応するステップであるため、各ステップの説明については、第4実施形態の変形例での各ステップの説明を援用する。
上記のとおり、本実施形態では、乗車位置に車両が停車可能な時間である車両停車可能時間Ttを取得し、現時点までに共用車両V1が乗車位置で停車している時間を車両停車時間Tpとして算出する。そして、車両停車時間Tpが車両停車可能時間Ttよりも長い場合、乗車位置から所定の範囲内に共用車両V1が停車可能時な場所があるか否かを判定する。停車可能な場所があると判定し、かつ、ユーザが停車可能な場所での乗車を承諾した場合、共用車両V1に対して、停車可能な場所で停車するように出発指示を送信する。これにより、共用車両V1が車両停車可能時間Ttを超えて乗車位置で停車することを防ぐとともに、ユーザは他の停車可能場所から共用車両V1に乗車することができる。その結果、乗車位置に予定通り到着できないユーザであっても、共用車両V1の利用機会を失うことを防ぐことができる。
《第6実施形態》
本発明の他の実施形態に係る車両管理方法又は車両管理装置について説明する。本実施形態では、上述した第5実施形態での制御処理に対して、法規上定められた車両の停車可能時間内に、ユーザが乗車位置に到着することができない場合、共用車両V1の代わりに、他の共用車両を利用するための処理を行う。その他の構成及び制御処理については、第5実施形態と同様の構成及び制御処理であり、第5実施形態の記載を援用する。
本実施形態の共用車両管理システム1において、共用車両管理装置100の制御フローを説明する。図9A、図9Bは、共用車両管理装置100の制御装置10の制御フローを示すフローチャートである。ステップS601〜ステップS627の制御処理は、上述した第5実施形態におけるステップS501〜ステップS527の制御処理と同じため、これらのステップについては、第5実施形態での各ステップの説明を援用する。
ステップS628では、制御装置10は、ステップS625にて設定した車両待機時間Twと、ステップS627にて算出した到着所要時間Tuとを比較する。到着所要時間Tuが車両待機時間Twよりも長い場合、すなわち、車両待機時間Twの時間内にユーザが乗車位置に到着できない場合、ステップS629に進む。反対に、到着所要時間Tuが車両待機時間Tw以下の場合、すなわち、車両待機時間Twの時間内にユーザが乗車位置に到着できる場合、ステップS636に進む。
ステップS629では、制御装置10は、現在の乗車位置から所定の距離の範囲内に利用可能な他の共用車両(他の利用車両ともいう)があるか否かを判定する。他の利用車両とは、ユーザの車両リクエストに基づいて選定された共用車両V1とは異なる共用車両である。すなわち、このステップでは、制御装置10は、ユーザの車両リクエストに基づいて、ユーザが利用する共用車両について再選定を行う。他の利用車両としては、例えば、乗車可能な人数に対して予約しているユーザ数が少ない共用車両が挙げられる。また、他の利用車両の状態としては、例えば、他のユーザ同士が相乗りした状態、他のユーザにより設定された乗車位置で停車している状態が挙げられる。利用可能な他の共用車両があると判定した場合、ステップS630に進み、反対に、利用可能な共用車両がないと判定した場合、ステップS638に進む。
例えば、まず、制御装置10は、共用車両情報31に含まれる各共用車両の現在位置、現在の利用状況、及び予約状況に基づいて、ユーザの車両リクエストに合う共用車両であって、利用可能な共用車両があるか否かを判定する。「ユーザの車両リクエストに合う」とは、他の共用車両がユーザにより設定された希望目的地に到着することができることを示す。そして、制御装置10は、利用可能な他の共用車両があると判定した場合、他の共用車両が乗車位置から所定の距離の範囲内に位置するか否かを判定する。制御装置10は、他の共用車両がユーザの現在位置から所定の距離の範囲内に位置する場合、利用可能な共用車両が判定する。反対に、他の共用車両がユーザの現在位置から所定の距離の範囲内に位置しない場合、利用可能な共用車両がないと判定する。
ステップS630では、制御装置10は、ステップS629にて検出された他の共用車両が乗車位置まで走行するための走行経路を算出する。また、制御装置10は、走行経路とともに、他の共用車両が乗車位置に到着するまでに要する所要時間を算出する。
ステップS631では、制御装置10は、利用可能な他の共用車両に関する情報をユーザに通知する。他の共用車両に関する情報には、共用車両V1に代えて他の共用車両を利用することについて承諾を求める情報と、ユーザが他の共用車両を認識するための情報が含まれている。他の共用車両を認識するための情報としては、例えば、車両のナンバープレート、車種、車体の色などの情報が挙げられる。また、他の共用車両に関する情報には、当該他の共用車両が乗車位置に到着するまでに要する到着所要時間の情報が含まれる。なお、制御装置10が利用可能な他の共用車両に関する情報を通知する対象のユーザは、ステップS608において乗車位置にいないと判定されたユーザである。また、以降のステップにおけるユーザも、ステップS608において乗車位置にいないと判定されたユーザとする。
ステップS632では、制御装置10は、ユーザが共用車両の変更を承諾したか否かを判定する。例えば、ユーザが、共用車両の変更を承諾する旨の情報を、ユーザ端末装置400Aを介して、制御装置10に送信したとする。制御装置10は、受信した情報によりユーザが乗車位置の変更に承諾したと判断する。この場合、ステップS633に進む。反対に、例えば、ユーザが共用車両の変更を承諾しない旨の情報を、ユーザ端末装置400Aを介して、制御装置10に送信したとする。制御装置10は、受信した情報によりユーザは乗車位置の変更を承諾しなかったと判断する。この場合、ステップS638へ進む。
なお、ステップS631で行った通知に対して、ユーザが返信をしない場合に備えて、例えば、ユーザからの回答に対しては時間制限を設けてもよい。例えば、制御装置10は、ステップS631にて利用可能な他の共用車両に関する情報をユーザに通知してから、所定の時間以内にユーザから返信がなかった場合、ユーザが共用車両の変更を承諾したものとみなすことができる。反対に、例えば、制御装置10は、所定の時間以内にユーザから返信がなかった場合、ユーザが共用車両の変更を承諾していないものとみなすこともできる。なお、所定の時間は、任意に設定することができる時間である。また、この所定の時間は、ステップS622において設定された時間(乗車位置変更の通知に対する応答時間)と同じ時間であってもよいし、異なる時間であってもよい。
ステップS633では、制御装置10は、ユーザの利用車両が共用車両V1から他の共用車両に変更する処理が完了したことをユーザに通知する。
ステップS634では、制御装置10は、乗車位置に停車中の共用車両V1を出発させるために、共用車両V1に搭載された車載装置200V1に対して、出発指示を送信する。これにより、他の共用車両は、共用車両V1が停車していた場所に停車することができる。
ステップS635では、制御装置10は、他の共用車両に対する走行計画を更新する。例えば、制御装置10は、ステップS630にて算出した走行経路を、他の共用車両の走行計画に加える。そして、制御装置10は、他の共用車両を出発させるために、他の共用車両に搭載された車載装置200V1に対して、出発指示を送信する。これにより、他の共用車両は、共用車両V1が停車していた場所に向かって走行を開始する。ステップS635の処理が終了すると、ステップS605へ戻り、再びステップS605以降の処理が実行される。
ステップS636〜ステップS641は、上述した第5実施形態におけるステップS529〜ステップS534に対応するステップであるため、各ステップの説明については、第5実施形態での各ステップの説明を援用する。
上記のとおり、本実施形態では、ユーザの現在位置の情報を取得し、ユーザが乗車位置に到着するために要する到着所要時間Tuを算出する。そして、到着所要時間Tuが車両待機時間Twよりも長い場合には、乗車位置から所定の範囲内に共用車両V1とは異なる他の共用車両であって、ユーザが共用車両V1の代わりに利用可能な共用車両があるか否かを判定する。他の共用車両があると判定し、かつ、ユーザが他の共用車両の利用を承諾した場合、共用車両V1に対して、次の目的地に向かって出発するように出発指示を送信する。これにより、共用車両V1が車両待機時間Twを超えて乗車位置で停車することを防ぐことができる。
また、本実施形態では、他の利用可能な共用車両があると判定し、かつ、ユーザが他の共用車両の利用を承諾した場合、他の共用車両に対して、共用車両V1が停車していた場所に向かって走行するように出発指示を送信する。これにより、ユーザが乗車位置への到着が大幅に遅れるような場合であっても、ユーザは共用車両V1に代えて他の共用車両を利用することができる。その結果、共用車両V1が乗車位置に到着した際に乗車位置にいないユーザであっても、共用車両の利用機会を失うことを防ぐことができる。
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態において開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
例えば、上述した実施形態では、共用車両Vnが乗車位置に到着した以降に待ち時間を設定する構成を例に挙げて説明したが、待ち時間を設定するタイミングは特に限定されない。例えば、制御装置10は、共用車両Vnが乗車位置まで移動している間に、乗車予定のユーザの現在位置と乗車位置の距離から、共用車両Vnが乗車位置に到着した際に乗車位置にはユーザがいないと推定した場合、共用車両Vnが乗車位置に到着する前に予め乗車位置での待ち時間を設定してもよい。
また、例えば、上述した第3実施形態の変形例では、到着所要時間が待ち時間よりも長い場合、共用車両Vnを乗車位置から出発させるための出発指示を送信する構成を例に挙げて説明したが、共用車両Vnは乗車位置に停止させなくてもよい。例えば、制御装置10は、共用車両Vnが乗車位置に到着するまでの間に、共用車両Vnが乗車位置に到着した際に乗車位置にはユーザがいないと推定したとする。この場合、制御装置10は、ユーザの乗車位置への到着所要時間を算出し、到着所要時間が乗車位置での待ち時間よりも長い場合、乗車位置への停止の予定を、乗車位置の通過の予定に変更した走行計画に更新してもよい。そして、制御装置10は、共用車両Vnに搭載されている車載装置200Vに対して、乗車位置を通過するための通過指示を送信してもよい。これにより、乗車位置に停止することなく、共用車両Vnは次の目的地へ走行するため、共用車両Vnが利用されていない時間を減らすことができる。その結果として、共用車両Vnの利用機会の増加を図ることができる。
また、例えば、上述した第4実施形態〜第6実施形態では、法律で定められた時間であって、車両が特定の場所にすることができる時間を、車両停車可能時間Ttとする構成を例に挙げて説明したが、これに限られない。例えば、法規上遵守しなければならない時間よりも所定の時間だけ短い時間を、車両停車可能時間Ttとしてもよい。これにより、仮に、制御装置10により車両停車時間Tpが車両停車可能時間Ttよりも長いと判定された場合であっても、法規上許容される時間内に、共用車両V1に出発指示を送信することができる。なお、所定の時間は実験的に求めた時間であり、適宜変更することができる時間である。
また、例えば、上述した第4実施形態では、共用車両V1に対して出発指示又は待機指示を送信する前に、車両停車可能時間Ttと車両待機可能時間Tを比較する処理(ステップS417)と、車両待機時間Twと車両停車時間Tpを比較する処理(ステップS421)を行う構成を例に挙げて説明したが、これに限られない。例えば、制御装置10は、ステップS417〜ステップS419の処理の前に車両停車時間Tpを算出し(ステップS420に相当)、車両停車可能時間Ttと車両停車時間Tpを比較する処理(ステップS421に相当)を実行してもよい。そして、制御装置10は、車両停車時間Tpが車両停車可能時間Ttよりも長い場合、ユーザに対して予約キャンセルを送信し(ステップS422に相当)、共用車両V1に対して出発指示を送信し(ステップS423に相当)てもよい。これにより、車両待機時間Twを設定する処理の前に、出発指示を送信することができ、演算負荷を軽減することができる。また、共用車両V1が乗車位置から出発する必要がある場合、上述した第4実施形態に比べて、より早く共用車両V1を出発させることができる。
また、例えば、上述した第6実施形態では、共用車両の現在位置、利用状況、及び予約状況に基づいて、共用車両V1の代わりとなる他の共用車両があるか否かを判定する構成を例に挙げて説明したが、これに限られない。例えば、制御装置10は、道路の混雑状況に基づいて、複数の共用車両の中から所定の時間内にユーザの乗車位置に到着することが可能な共用車両を選定してもよい。この場合、制御装置10は、複数の共用車両のうち他のユーザに利用されていない共用車両を検索の対象とすることができる。これにより、他のユーザにより利用中又は利用の予定がある共用車両ではなく、どのユーザにも利用されていない共用車両を割り当てることができ、他のユーザの予定調整などの煩雑な処理を行うことを防ぐことができる。
また、例えば、上述した第1実施形態〜第6実施形態では、カーシェアリングを管理運営する共用車両管理システムにおいて、共用車両Vnに複数のユーザが相乗りする場面を例に挙げて説明したが、これに限られない。例えば、本発明に係る車両管理装置及び車両管理方法は、特定のユーザが単独で共用車両Vnを利用する場面においても、適用することができる。
また、例えば、上述した実施形態では、本発明に係る車両管理装置を共用車両管理装置100として説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
ステップS102では、制御装置10は、ユーザから取得した車両リクエストに基づき、複数の共用車両Vnから利用可能な車両を特定する。制御装置10は、車両リクエストに合う共用車両Vnを選定する。例えば、制御装置10は、車両リクエストにおいて設定された乗車位置から最も近い共用車両Vnを、利用可能な車両候補として選定する。車両リクエストに乗車位置及び乗車希望時刻が含まれる場合には、制御装置10は、共用車両Vnが乗車位置に乗車希望時刻までに到着できるか否かを判定する。共用車両Vnが乗車位置に乗車希望時刻までに到着できると判定した場合に、制御装置10は共用車両Vnを利用できると判定する。共用車両Vnを利用できる場合には、制御装置10はステップS103の制御処理を実行する。共用車両Vnを利用できない場合、すなわち車両リクエストに合う共用車両Vnを特定できない場合には、制御装置10はステップS114の制御処理を実行する。
また、例えば、制御装置10は、天気情報136に含まれる現在の天気の情報を取得する。制御装置10は、現在の天気が雨であることを示す情報を取得すると、車両の利用者が晴天時に比べて多く、道路が混雑するため、次の目的地までの所要時間が長くなると判断し、予め定めた待ち時間が短くなるように補正係数を設定する。反対に、現在の天気が晴れであることを示す情報を取得すると、制御装置10は、予め定めた待ち時間が長くなるように補正係数を設定する。
例えば、まず、制御装置10は、共用車両情報31に含まれる各共用車両の現在位置、現在の利用状況、及び予約状況に基づいて、ユーザの車両リクエストに合う共用車両であって、利用可能な共用車両があるか否かを判定する。「ユーザの車両リクエストに合う」とは、他の共用車両がユーザにより設定された希望目的地に到着することができることを示す。そして、制御装置10は、利用可能な他の共用車両があると判定した場合、他の共用車両が乗車位置から所定の距離の範囲内に位置するか否かを判定する。制御装置10は、他の共用車両がユーザの現在位置から所定の距離の範囲内に位置する場合、利用可能な共用車両があると判定する。反対に、他の共用車両がユーザの現在位置から所定の距離の範囲内に位置しない場合、利用可能な共用車両がないと判定する。
ステップS632では、制御装置10は、ユーザが共用車両の変更を承諾したか否かを判定する。例えば、ユーザが、共用車両の変更を承諾する旨の情報を、ユーザ端末装置400Aを介して、制御装置10に送信したとする。制御装置10は、受信した情報によりユーザが共用車両の変更に承諾したと判断する。この場合、ステップS633に進む。反対に、例えば、ユーザが共用車両の変更を承諾しない旨の情報を、ユーザ端末装置400Aを介して、制御装置10に送信したとする。制御装置10は、受信した情報によりユーザは共用車両の変更を承諾しなかったと判断する。この場合、ステップS638へ進む。