JPWO2019138970A1 - 投影距離測定方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
虚像の投影距離を正確に設定するための前提となる投影距離測定方法及び投影距離測装置を提供する。投影距離測定方法は、ヘッドアップディスプレイ装置200によって表示スクリーン20越しに投影像(虚像)IMを表示し、表示視野内で所定の位置にターゲット81を配置した状態で、表示視野を撮影するように距離計測用カメラ(画像取得部)51を配置し、ヘッドアップディスプレイ装置200によってターゲット81に重なるように計測用の表示像FMを表示させつつ距離計測用カメラ51を移動させて表示視野を撮影させて得たターゲット81と計測用の表示像FMとの位置ずれの度合いから、ヘッドアップディスプレイ装置200によって投影される虚像の投影距離を測定する。
Description
本発明は、虚像の投影位置を可変としたヘッドアップディスプレイ装置に適用される投影距離測定方法及び投影距離測定装置に関するものである。
従来のヘッドアップディスプレイ(以下HUD(Head-Up Display)とも称する)装置は、虚像を運転者からある一定の距離に生成するのが一般的であり、表示内容は、車速、カーナビ情報等に限られていた。そもそもHUDを車に搭載する目的は、運転者の視線移動を最小限に抑えることで、より安全な運転を支援するものであるが、安全運転支援という意味においては、上記のような表示内容だけでは不十分であり、例えば前方の車、歩行者、障害物等をカメラその他のセンサーで検知し、HUDを通して運転者に事前に危険を察知させて事故を未然に防ぐようなシステムの方がより好ましい。こういったシステムを実現するには、車、人、障害物等に対して枠状の危険信号を重畳させて表示させることが考えられる(特許文献1参照)が、運転者から虚像までの距離が一定だと運転者の眼の位置がずれた場合、実物と危険信号との位置関係がずれてしまい、ずれが過度となった場合、運転者が誤認してしまうという課題がある。
なお、虚像の表示距離を変化させる表示装置として、表示素子と結像光学系との間にリレー光学系を配置し、リレー光学系により中間像を形成するとともに、リレー光学系を構成する光学素子の位置を変化させて中間像の位置を変え、虚像の投影距離を変化させるものが公知となっている(特許文献2参照)。
しかしながら、虚像の投影距離を変化させることができても、その投影距離が正確でなければ、運転者の誤認が生じる可能性がある。
本発明は、虚像の投影距離を正確に設定するための前提となる投影距離測定方法及び投影距離測装置を提供することを目的とする。
上述した目的のうち少なくとも一つを実現するために、本発明の一側面を反映した投影距離測定方法は、ヘッドアップディスプレイ装置によって表示スクリーン越しに虚像を表示し、表示視野内で所定の位置にターゲットを配置した状態で、表示視野を撮影するように画像取得部を配置し、ヘッドアップディプレイ装置によってターゲットに重なるように所定の表示像を表示させつつ画像取得部を移動させて表示視野を撮影させて得たターゲットと所定の表示像との位置ずれの度合いから、ヘッドアップディスプレイ装置によって投影される虚像の投影距離を測定する。
上述した目的のうち少なくとも一つを実現するために、本発明の一側面を反映した投影距離測定装置は、表示視野内の所定の位置にターゲットを配置するとともに、表示スクリーン越しにターゲットに重なるように所定の表示像を表示させた状態のヘッドアップディスプレイ装置に対して用いられる投影距離測定装置であって、表示視野を撮影する画像取得部と、画像取得部を移動させる移動機構と、移動機構によって画像取得部を移動させつつ、画像取得部によって表示視野を撮影させて得たターゲットと所定の表示像との位置ずれの度合いから、ヘッドアップディスプレイ装置によって投影される虚像の投影距離を算出する制御部と、備える。
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る一実施形態の投影距離測定方法及び装置について説明する。
図1及び図2に示すように、実施形態の投影距離測定方法が適用される画像表示装置100は、例えば自動車に搭載されるものであり、投影ユニット10と表示スクリーン20とを備える。ここで、投影ユニット10は、表示デバイス11と、虚像型の拡大結像系である本体光学系13と、表示デバイス11等の動作制御する表示制御部18と、表示デバイス11、本体光学系13、表示制御部18等を収納するハウジング12とを備える。表示スクリーン20は、コンバイナーとも呼ばれ、半透過性を有する凹面鏡又は平面鏡である。これらのうち本体光学系13と表示スクリーン20とを組み合わせたものは、表示光学系30を構成する。
ここで、図1に示した画像表示装置100は、表示スクリーン20としてコンバイナーを用いているが、例えば表示スクリーンを自動車のウィンドシールドに組み込む場合のように、表示スクリーン20が装置に取り付けられていない場合もある。こういった場合には、ウィンドシールドの全体、ウィンドシールドで表示に用いる部分を切り出した部材、又は代替となる別の代替表示スクリーンを用意して、ウィンドシールド全体、ウィンドシールドの一部相当の部材、又は代替表示スクリーンを、投影ユニット10に対して表示スクリーンとして配置して、測定を実施すればよい。
図1に示すように、画像表示装置100又はこれを含むヘッドアップディスプレイ装置について投影像(虚像)IMの投影距離の測定を行う場合、投影距離測定装置50を利用する。投影距離測定装置50は、投影像IMの観察を可能にするアイボックスEBの位置に配置される画像取得部である距離計測用カメラ51と、距離計測用カメラ51を光軸AXに垂直な横のX方向に移動させる移動機構52と、距離計測用カメラ51及び移動機構52を動作させるとともにこれらから得た情報に基づいて画像表示装置100を含むヘッドアップディスプレイ装置によって投影される投影像(虚像)IMの投影距離を算出する制御部53とを備える。ここで、距離計測用カメラ(画像取得部)51は、表示スクリーン20越しに表示視野を撮影するものであり、好ましくは表示スクリーン20から表示光学系30の瞳位置となる距離に配置される。この場合、後述する所定の表示像FMを捉えることができる範囲が大きくなり、距離計測用カメラ51を大きく移動させることができるので、測定を行いやすい。距離計測用カメラ(画像取得部)51は、画像表示装置100によって形成された計測用の所定の表示像FMを撮影するが、その際、表示スクリーン20越しの表示視野内で所定の位置に配置されたターゲット(不図示)を撮影することにもなる。計測用の表示像FMは、計測時にのみ投影される投影像(虚像)IMであり、投影距離の測定を容易にするマークとなっている。ターゲット(不図示)は、目印となる物体であるが、詳細については後述する。
図3A及び3Bは、図1等に示す画像表示装置100の応用例を説明する概念的な側方断面図及び正面図である。この場合、画像表示装置100は、自動車の車体2内に搭載されている。画像表示装置100は、投影ユニット10中の後述する表示デバイス11に表示されている画像情報を表示スクリーン20を介して観察者であるドライバーVDに向けて虚像表示する。
画像表示装置100のうち投影ユニット10は、車体2のダッシュボード4内であってディスプレイ5の背後に埋め込むように設置されており、運転関連情報等を含む画像に対応する映像光である表示光DLを表示スクリーン20に向けて射出する。表示スクリーン20は、下端の支持によってダッシュボード4上に立設され、投影ユニット10からの表示光(映像光)DLを車体2の後方に向けて反射する。つまり、図示の場合、表示スクリーン20は、フロントウインドウ8とは別体で設置される独立型のものとなっている。表示スクリーン20で反射された表示光DLは、運転席6に座ったドライバーVDの瞳PU及びその周辺位置に対応するアイボックスEBに導かれる。ドライバーVDは、表示スクリーン20で反射された表示光DL、つまり車体2の前方にある虚像としての投影像IMを観察することができる。一方、ドライバーVDは、表示スクリーン20を透過した外界光、つまり前方景色、自動車等の実像を観察することができる。結果的に、観察者であるドライバーVDは、表示スクリーン20の背後の外界像又はシースルー像に重ねて、表示スクリーン20での表示光DLの反射によって形成される運転関連情報等の関連情報を含む投影像(虚像)IMを観察することができる。
ここで、表示スクリーン20をフロントウインドウ8と別体で構成しているが、上述したように、ウィンドシールドであるフロントウインドウ8を表示スクリーンとして用い、フロントウインドウ8内に設定した表示範囲に投影を行って、ドライバーVDが投影像IMを観察できる構成としても構わない。この際、フロントウインドウ8のガラスの一部領域の反射率をコート等によって変更することで、反射領域を確保することができる。また、フロントウインドウ8での反射角度が例えば60度程度であれば、反射率が15%程度確保され、特にコートを設けなくても透過性を有する反射面として用いることができる。これら以外に、フロントウインドウ8のガラス中にサンドイッチする構成で表示スクリーンを設けることもできる。
図1及び図2に戻って、表示デバイス11は、2次元的な表示面11aを有する表示素子である。表示デバイス11は、例えば自発光型の表示装置とできるが、光源によって照明される光変調型の表示装置としてもよい。表示デバイス(表示素子)11の表示面11aに形成された像は、結像光学系(第1投影光学系)15で拡大されて拡散部16に設けた螺旋面状の中間スクリーン19に投影される。この際、2次元表示が可能な表示デバイス11を用いることで、中間スクリーン19に対する投影像の切替え、つまり表示スクリーン20越しに虚像として表示される投影像IMの切替えを比較的高速とできる。表示デバイス11は、自発光型である場合、有機EL等の素子とでき、光変調型である場合、DMD(Digital Mirror Device)やLCOS(Liquid crystal on silicon)等の反射型の素子であっても、液晶等の透過型の素子であってもよい。特に、表示デバイス11として有機EL素子、DMD、LCOS等を用いると、明るさを維持しつつ画像を高速で切替えること(高速の間欠表示を含む)が容易になり、虚像距離又は投影距離を変化させる表示に有利である。なお、表示デバイス11は、表示距離を変化させる場合には、それぞれの投影距離に対して30fps以上、さらに望ましくは60fps以上のフレームレートで動作する。これにより、異なる投影距離に複数の投影像(虚像)IMをドライバー(観察者)VDに対して同時に表示されているように見せることが可能になる。特に、90fps以上で表示の切替えを行う場合、有機EL素子、DMD、やLCOS等が表示デバイス11の候補となる。なお、投影像IMは、例えば眼前のオブジェクトを囲むフレーム枠のような標識とすることができる。
本体光学系13は、表示デバイス11に形成された画像を拡大した中間像TIを形成する第1投影光学系である結像光学系15と、中間像TIを虚像に変換する第2投影光学系である虚像形成光学系17と、投影用の両光学系15,17間に配置される拡散部16とを備える。
拡散部16は、結像光学系(第1投影光学系)15による投影位置又は結像位置(つまり中間像の結像予定位置又はその近傍)に配置され、回転体16aと中空枠体16bとを有し、スクリーン駆動部である回転駆動部64に駆動されて例えば一定速度で基準軸SXの周りに回転する。
図4Aは、拡散部16を説明する正面図であり、図4Bは、拡散部16を説明する側方断面図である。拡散部16は、全体として円板に近い輪郭を有する螺旋状の回転体16aと、回転体16aを収納する円筒状の中空枠体16bとを有する。
回転体16aは、中央部16cと外周光学部16pとを有する。回転体16aの外周光学部16pに形成された一方の表面16fは、平滑面又は光学面に形成されており、表面16f上には、全域に亘って中間スクリーン19が形成されている。回転体16aの表面16fは、立体形状部116として機能する。中間スクリーン19は、配光角を所望の角度に制御した拡散板であり、拡散度(拡散分布の半値強度の拡散角)が例えば20°以上である。中間スクリーン19は、回転体16aに貼り付けられるシートとできるが、回転体16aの表面に形成された微細な凹凸パターンであってもよい。さらに、中間スクリーン19は、回転体16aの内部に埋め込むように形成されたものであってもよい。中間スクリーン19は、入射した表示光DLを拡散させることによって中間像TIを形成する(図1等参照)。回転体16aの外周光学部16pに形成された他方の表面16sは、平滑面又は光学面に形成されている。回転体16aは、光透過性を有する螺旋状の部材であり、一対の表面16f,16sは、基準軸SXを螺旋軸とする螺旋面となっている。結果的に、一方の表面16f上に形成された中間スクリーン19も連続的な螺旋面に沿って形成されたものとなっている。回転体16aは、基準軸SX又は光軸AX方向に関して略等しい厚みtを有する。中間スクリーン19は、螺旋の一周期に対応する範囲に形成されている。つまり、中間スクリーン19は、螺旋の1ピッチ分の範囲に形成されている。この結果、拡散部16の周に沿った一箇所に段差部16jが形成されている。
回転体16aにおいて、周方向に沿った一箇所は、本体光学系13の光軸AXが通る機能領域FAとなっており、機能領域FAにおける中間スクリーン19の部分によって中間像TIが形成される。この機能領域FAは、回転体16aの回転に伴って回転体16a上において一定速度で移動する。つまり、回転体16aを回転させつつその一部である機能領域FAに表示光(映像光)DLを入射させることで、機能領域FA又は中間像TIの位置が光軸AXに沿って往復移動する(表示デバイス11の表示が動作していなければ、必ずしも表示としての中間像は形成されないが、中間像が形成されるであろう位置も中間像の位置と呼ぶ)。図示の例では、中間スクリーン19が螺旋の一周期に対応する範囲に形成されているので、回転体16aの1回転で中間スクリーン19の機能領域FA又は中間像TIは、光軸AX方向に段差に相当する距離だけ1往復することになる。
なお、結像光学系(第1投影光学系)15は、拡散部16に設けた中間スクリーン19の位置によってピントぼけが生じないように、機能領域FAの移動範囲以上の所定の焦点深度を有する。
中空枠体16bは、円柱状の外形輪郭を有し、側面部16eと一対の端面部16g,16hとで構成される。側面部16eと一対の端面部16g,16hとは、光透過性を有する同一の材料で形成されている。ただし、側面部16eは、光透過性を有していなくてもよい。一方の端面部16gの主面63a,63bは、例えば互いに平行な平滑面又は光学面とできるが、自由曲面形状や非球面形状とすることもできる。同様に、他方の端面部16hの主面64a,64bも、例えば互いに平行な平滑面又は光学面とできるが、自由曲面形状や非球面形状とすることもできる。中空枠体16b中の回転体16aは、一対の中心軸部65を介して中空枠体16bに固定されており、中空枠体16bと回転体16aとは基準軸SXの周りに一体的に回転する。このように、中間スクリーン19を設けた回転体16aを中空枠体16b中に配置することで、回転体16aに塵等が付着することを抑制でき、回転体16aの回転に伴う音の発生を抑制することができ、回転体16aの高速での回転を安定化させることが容易になる。なお、回転体16aは、その外周部分において中空枠体16bに固定してもよい。
図2等に戻って、スクリーン駆動部である回転駆動部64によって拡散部16を一定速度で基準軸SXの周りに回転させることで、回転体16aの中間スクリーン19(又は立体形状部116)が光軸AXと交差する位置(つまり機能領域FA)も光軸AX方向に移動する。つまり、例えば図4Cに示すように、回転体16aの回転に伴って、中間スクリーン19上の機能領域FAは、例えば等角度でずれた位置に設定された隣接する機能領域FA’に順次シフトし、光軸AX方向に移動する。このような機能領域FAの光軸AX方向への移動により、中間像TIの位置も光軸AX方向に移動させることができる。詳細は後述するが、例えば中間像TIの位置を表示デバイス(表示素子)11側に移動させることにより、投影像IMまでの投影距離又は虚像距離を増加させることができる。また、中間像TIの位置を虚像形成光学系17側に移動させることにより、投影像IMまでの投影距離又は虚像距離を減少させることができる。
虚像形成光学系(第2投影光学系)17は、結像光学系(第1投影光学系)15によって形成された中間像TIを表示スクリーン20と協働して拡大し、観察者であるドライバーVDの前方に虚像としての投影像IMを形成する。虚像形成光学系17は、少なくとも1枚のミラーで構成されるが、図示の例では2枚のミラー17a,17bを含む。虚像形成光学系(第2投影光学系)17は、回転体16aの機能領域FAにおける中間スクリーン19の湾曲(つまり中間像TIの像面湾曲)を補正するような光学特性を有するものとできる。
図2等に示す画像表示装置100において、表示制御部18の制御下で回転駆動部64を動作させることで、拡散部16が基準軸SXの周りに回転して機能領域FAに対応する中間像TIの位置が光軸AX方向に繰り返し周期的に移動し、虚像形成光学系17によって表示スクリーン20の背後に形成される虚像としての投影像IMと観察者であるドライバーVDとの距離を大きく、又は小さくすることができる。このように、投影される投影像IMの位置を前後に変化させるとともに、表示制御部18の制御下で、表示デバイス11を中間像TIの配置に同期させて光軸AX方向に同期して移動させつつ、表示デバイス(表示素子)11による表示内容をその位置に応じたものとすることで、投影像IMまでの投影距離又は虚像距離を変化させつつ投影像IMの表示内容を変化させることになり、一連の投影像としての投影像IMを3次元的なものとすることができる。
拡散部16若しくは回転体16aの回転速度又は機能領域FAの移動速度は、後に詳述するように虚像としての投影像IMが奥行き方向に関して複数個所又は複数投影距離に同時に表示されているかのように見せることができる速度であることが望ましい。ここで、投影距離の単位である各距離ゾーンの投影像IMを30fps以上、望ましくは60fps以上で切替えれば、表示される複数の画像が視覚的には連続的な画像として認識される。例えば、拡散部16の動作に伴って投影像IMが近距離から遠距離までに5段階で順次投影されるものとして、表示デバイス11に200fpsで表示を行わせると、各距離(例えば近距離)の投影像IMは、40fpsで表示の切替えが行われることになり、各距離ゾーンの投影像IMが並列的に行われかつ切替えが略連続的なものとして認識される。
図5は、拡散部16の回転に伴う中間像TIの位置の変化を具体的に例示する図である。拡散部16の機能領域FAは、光軸AX方向に沿って鋸歯状の経時パターンPAで繰り返し周期的に移動しており、中間像TIの位置も、表示デバイス(表示素子)11が連続表示を行っている場合、図示のように光軸AX方向に沿って鋸歯状の経時パターンPAで繰り返し周期的に移動する。つまり、中間像TIの位置は、段差部16jに対応する箇所で不連続的ながら、拡散部16の回転に伴って連続的かつ周期的に変化する。この結果、図示を省略するが、投影像(虚像)IMの位置も、スケールは異なるが、中間像TIの位置と同様に光軸AX方向に沿って繰り返し周期的に移動し、投影距離を連続的に変化させることができる。ここで、表示デバイス11は、連続表示を行うものでなく、表示内容を切り替りえつつ間欠的な表示を行うものであるから、中間像TIの表示位置も鋸歯状の経時パターン上における離散的な位置となる。経時パターンPAにおいて、最も近距離側又は虚像形成光学系17寄りの表示位置Pnと、最も遠距離側又は反虚像形成光学系17寄りの表示位置Pfとは、マージンを確保して、経時パターンPAの両端から所定量だけ離れた位置に設定される。また、経時パターンPAの途切れ目PDは、拡散部16の回転体16aに設けた段差部16jに対応する。
ここで、ある距離ゾーンの画像について表示を行う場合、同一対象を表示している時間内で中間像TIの位置を変化させることで、表示している奥行き方向の距離が変化する。つまり、投影像IMは、奥行きを持つ表示となる。この際、そのように奥行き方向の距離が変化する表示ゾーンについて観察者(ドライバーVD)に見える表示距離は、その表示時間内で変化する奥行き方向の距離の略平均位置となる。
中間像TIの位置の両端間を移動する時間を1周期と考えた場合、奥行きを持つ表示の単位を表示ゾーンとして、その1周期の時間が各表示ゾーンの表示時間と、表示ゾーン数nの積よりも短い時間であれば、表示ゾーンは複数の距離ゾーンに亘るものとなり、少なくとも隣り合う表示ゾーンで、各ゾーンで表示される投影距離範囲に、重なりが生じる。このように重ねた表示を行うことで、同一の投影像(虚像)IMを奥行方向に広がりを持たせて表示することができ、重なりを生じない表示に比較して各表示ゾーンの表示時間を長くすることが可能となり、投影像(虚像)IMの輝度が向上する。
図6は、ヘッドアップディスプレイ装置200の全体構造を説明する概念的ブロック図であり、ヘッドアップディスプレイ装置200は、その一部として画像表示装置100を含む。画像表示装置100は、図1又は図2に示す構造を有するものであり、ここでは説明を省略する。
ヘッドアップディスプレイ装置200は、画像表示装置100のほかに、運転者検出部71と、環境監視部72と、主制御部90とを備える。
運転者検出部71は、例えばドライバーVDの存在を検出する検出部であり、運転席用カメラ71aと、運転席用画像処理部71bと、判断部71cとを備える。運転席用カメラ71aは、車体2内のダッシュボード4の運転席正面に設置されており(図3B参照)、ドライバーVDの頭部及びその周辺の画像を撮影する。運転席用画像処理部71bは、運転席用カメラ71aで撮影した画像に対して明るさ補正等の各種画像処理を行って判断部71cでの処理を容易にする。判断部71cは、運転席用画像処理部71bを経た運転席画像からオブジェクトの抽出又は切り出しを行うことによってドライバーVDの頭部を検出するとともに、運転席画像に付随する奥行情報から車体2内におけるドライバーVDの頭部の存否とともに例えばドライバーVDの目の空間的な位置(結果的に視線の方向)を算出する。
環境監視部72は、検出領域内に存在するオブジェクトを検出するオブジェクト検出部であり、車体2の前方に近接して存在する移動体や人、具体的には自動車、自転車、歩行者等をオブジェクトとして識別し、オブジェクトの3次元的な位置情報を抽出する3次元計測器を有する。環境監視部(オブジェクト検出部)72は、3次元計測器として、外部用カメラ72aと、外部用画像処理部72bと、判断部72cとを備える。外部用カメラ72aは、可視又は赤外域において外界像の撮影を可能にする。外部用カメラ72aは、車体2内外の適所に設置されており、ドライバーVD又はフロントウインドウ8の前方の検出領域を外部画像として撮影する。外部用画像処理部72bは、外部用カメラ72aで撮影した外部画像に対して明るさ補正等の各種画像処理を行って判断部72cでの処理を容易にする。判断部72cは、外部用画像処理部72bを経た外部画像からオブジェクト画像の抽出又は切り出しを行うことによって自動車、自転車、歩行者等のオブジェクトの存否を検出するとともに、外部画像に付随する奥行情報から車体2前方におけるオブジェクトの空間的な位置を算出し3次元的な位置情報として記憶部72mに保管する。判断部72cの記憶部72mには、外部画像からオブジェクト画像の抽出を可能にするソフトウエアが保管されており、外部画像からオブジェクト画像を抽出する動作時には、記憶部72mから必要となるソフトウエアやデータが読み出される。判断部72cにより、例えば得られた画像内の各オブジェクト要素の形状、大きさ、色等から、オブジェクト要素に対応する要素が何かを検出することができる。その際の判断基準は、予め登録されている情報とのパターンマッチングを行ってマッチングの度合いからオブジェクトが何かを検出する方法等がある。また、処理速度を高める観点で、画像から車線を検知し、その車線内にあるターゲット又はオブジェクト要素について、上記の形状、大きさ、色等からオブジェクトの検出を行うこともできる。
外部用カメラ72aは、図示を省略しているが、例えば複眼型の3次元カメラである。つまり、外部用カメラ72aは、結像用のレンズと、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)その他の撮像素子とを一組とするカメラ素子をマトリックス状に配列したものであり、撮像素子用の駆動回路をそれぞれ有する。外部用カメラ72aを構成する複数のカメラ素子は、例えば相対的な視差を検出できるようになっており、カメラ素子から得た画像の状態(フォーカス状態、オブジェクトの位置等)を解析することで、検出領域に対応する画像内の各領域又はオブジェクトまでの目標距離を判定できる。
なお、上記のような複眼型の外部用カメラ72aに代えて、2次元カメラと赤外距離センサーとを組み合わせたものを用いても、撮影した画面内の各部(領域又はオブジェクト)に関して奥行方向の距離情報である目標距離を得ることができる。また、複眼型の外部用カメラ72aに代えて、2つの2次元カメラを分離配置したステレオカメラによって、撮影した画面内の各部(領域又はオブジェクト)に関して奥行方向の距離情報である目標距離を得ることができる。その他、単一の2次元カメラにおいて、焦点距離を高速で変化させながら撮像を行うことによっても、撮影した画面内の各部(領域又はオブジェクト)に関して奥行方向の距離情報である目標距離を得ることができる。
また、複眼型の外部用カメラ72aに代えて、LIDAR(Light Detection and Ranging)技術を用いても、検出領域内の各部(領域又はオブジェクト)に関して奥行方向の距離情報を得ることができる。さらに、例えばLIDAR技術のようなレーダーセンシング技術と画像情報からオブジェクトの距離等を検出する技術とを組み合わせるような複合的な手法、つまり複数のセンサーをフュージョンさせる手法によって、オブジェクトの検出精度を高めることができる。
表示制御部18は、主制御部90の制御下で表示デバイス11及び表示光学系30を動作させて、表示スクリーン20の背後に虚像距離又は投影距離が変化する3次元的な投影像IMを表示させる。
主制御部90は、画像表示装置100、環境監視部72等の動作を調和させる役割を有する。主制御部90は、例えば表示制御部18を介してスクリーン駆動部である回転駆動部64を動作させることによって、表示光学系30による投影像IMである虚像の投影距離を周期的に変化させる。つまり、主制御部90等は、投影像IMである虚像の奥行き方向に関する投影位置を周期的に変化させる。また、主制御部90は、環境監視部72によって検出したオブジェクトの空間的な位置に対応するように、表示デバイス11及び表示光学系30によって投影されるフレーム枠の空間的な配置を調整する。すなわち、主制御部90は、環境監視部72から受信した表示形状や表示距離を含む表示情報から、表示デバイス11及び表示光学系30によって形成すべき投影像IMに対応する画像データを生成する。投影像IMの表示内容は、回転駆動部64の動作に同期したもの、つまり中間像TIの移動に同期させたものとなっている。投影像IMは、例えば表示スクリーン20の背後に存在する自動車、自転車、歩行者その他のオブジェクトに対して、その上下、左右、並びに奥行き位置方向に関して周辺に位置するフレーム枠のような標識とすることができる。以上のように、主制御部90は、表示制御部18と協働して像付加部として機能し、検出されたオブジェクトまでの目標距離が投影距離と略一致するタイミングで、検出されたオブジェクトに対して表示デバイス11及び表示光学系30を介して虚像として関連情報像を付加する。
図7を参照して、図1に示す投影距離測定装置50の制御部53について説明する。投影距離測定装置50又は制御部53は、画像表示装置100又はヘッドアップディスプレイ装置200によって形成された投影像(虚像)IMについて投影距離の測定を行う際に動作させる。制御部53は、通信部53aと、入力部53bと、記憶部53cと、表示部53dと、処理部53pとを備える。通信部53aは、処理部53pが距離計測用カメラ51及び移動機構52との間で通信することで計測処理を可能にするだけでなく、画像表示装置100の表示制御部18等である外部装置との間で連携した動作を可能にする。入力部53bは、ユーザーの操作又は外部装置からのコマンドを受け付ける部分であり、記憶部63dは、投影距離測定装置50の動作に必要な情報、距離計測用カメラ51等によって取得した画像データ等を保管する部分であり、表示部53dは、ユーザーに提示すべき情報、撮影した画像、投影距離の計測結果等を表示する部分である。処理部53pは、通信部53a、入力部53b、記憶部53c等の動作を統括的に制御しており、例えばヘッドアップディスプレイ装置によって投影される投影像(虚像)IM、具体的には計測用の表示像FMの投影距離を算出する。処理部53pは、計測用の表示像FMや、通常の投影像(虚像)IMの元になる画像データを作成する部分であり、表示画像生成部57dとして機能する。処理部53pは、距離計測用カメラ51によって取得した画像を解析して、後述するターゲット81に対する計測用の表示像FMのずれ量を評価する部分であり、取得画像解析部57fとして機能する。なお、計測用の表示像FMは、あまり奥行き幅が大きくない方がよく、投影像IMの表示を特定の距離ゾーンに限るか、表示ゾーンを通常の投影像IMの場合よりも狭くすることで対処する。
図8A及び8Bは、本発明の投影距離測定方法の原理を説明する図である。この場合、測定を実施する際に、ヘッドアップディスプレイ装置200の視野内にターゲット81として人物の絵を表示した立札状又は看板状のものを配置し、そのターゲット81に対し表示スクリーン20の中心位置から観察した際に重なるように計測用の表示像FMとして矢印を表示させている。なお、図示を省略しているが、ターゲット81に付随して、ターゲット81を置いたり固定したりする設置部材、並びに、ヘッドアップディスプレイ装置200の画像表示装置100を測定位置に固定するためのステージ又はマウントが用意されており、ターゲット81、画像表示装置100、距離計測用カメラ(画像取得部)51等が所望の配置関係となるようにしている。これらの設置部材、ステージ等は、投影距離測定装置50と一体化していてもいいし、別体のものでも構わない。
図8Aに示す状態では、表示スクリーン20から計測用の表示像FMまでの投影距離がターゲット81までの距離と一致している。このように、ターゲット81に対して計測用の表示像FMを同じ距離で重ねて投影している場合、計測用の表示像FMを表示スクリーン20越しに観察する距離計測用カメラ(画像取得部)51を移動機構52(図1参照)によって表示スクリーン20の中心20aに対応する位置から横の−X方向に移動させても、お互いの像の位置はずれを生じない。
一方、図8Bに示す状態では、表示スクリーン20から計測用の表示像FMまでの投影距離がターゲット81までの距離と異なっており、表示像FMはターゲット81よりも近い位置に配置されている。計測用の表示像FMを観察する距離計測用カメラ(画像取得部)51を表示スクリーン20の中心20aに対応する位置から横の−X方向に移動させると、当初表示スクリーン20の中心20aで重なっていた両像(つまり、計測用の表示像FM及びターゲット81の像)が距離計測用カメラ51の横移動に伴って互いにずれ始め、お互いの像が重ならなくなってしまう。この時の両像のずれ量は、距離計測用カメラ51の移動量、ターゲット81までの距離に対する表示像FMの投影距離の差等から決まるものであり、本実施形態の測定方法では、距離計測用カメラ51の横移動に対してこのような両像のずれ量を検知し適宜の処理を行うことで、計測用の表示像FMの投影距離を測定する。このように計測用の表示像FMの投影距離の投影距離を測定することで、ヘッドアップディスプレイ装置200又は画像表示装置100による投影動作のチェックが可能になり、ヘッドアップディスプレイ装置200の投影動作を修正することができる。これにより、ヘッドアップディスプレイ装置200によって任意の投影像(虚像)IMを目的とする投影距離に正確に投影することが可能になる。
図9は、ターゲット81までの距離と計測用の表示像FMまでの距離とに差があった場合に、距離計測用カメラ(画像取得部)51を移動させて観察した際の計測用の表示像FMのずれ量から投影距離を求める演算方法の一例を説明する図である。具体的な測定では、まず表示スクリーン20の中心20aに対応する位置Paにおいて、ターゲット81と計測用の表示像FMとが重なるように、ヘッドアップディスプレイ装置200又は画像表示装置100に表示を行わせる。その後、距離計測用カメラ(画像取得部)51をターゲット81と表示スクリーン20の中心20aとを繋いだ線(図1では光軸AX)に対して垂直な面内で横方向又は−X方向にある位置Pbに移動させて画像取得する。この際の計測用の表示像FMの移動量を図中に値Siで示している。ここで、距離計測用カメラ(画像取得部)51の撮像素子ISからターゲット81までの配置距離をLt、距離計測用カメラ(画像取得部)51の撮像素子ISから計測用の表示像FMまでの投影距離をLiとし、距離計測用カメラ(画像取得部)51の移動量をScとした場合、測定値がSiとなった場合、
Lt:(Lt−Li)=Sc:Si … (1)
の比が成り立ち、これより、
Li=(Sc−Si)/Sc×Lt … (2)
の演算により投影距離Liが求められる。図9においては、ターゲット81より計測用の表示像FMが近くに配置されている場合を示したが、逆にターゲット81より計測用の表示像FMが遠くに配置されている場合は、距離計測用カメラ(画像取得部)51を移動させた場合の表示画像のずれが生じる方向は、計測用の表示像FMがターゲット81より近くなっている場合の逆方向となる。例えば計測用の表示像FMが近くなった際に移動する方向を正方向として+の値、計測用の表示像FMが遠くなった際に移動する方向を負方向として−の値とすれば、上記式(2)によって計測用の表示像FMがターゲット81に対して近い場合も遠い場合も、計測用の表示像FMの投影距離を演算可能である。
Lt:(Lt−Li)=Sc:Si … (1)
の比が成り立ち、これより、
Li=(Sc−Si)/Sc×Lt … (2)
の演算により投影距離Liが求められる。図9においては、ターゲット81より計測用の表示像FMが近くに配置されている場合を示したが、逆にターゲット81より計測用の表示像FMが遠くに配置されている場合は、距離計測用カメラ(画像取得部)51を移動させた場合の表示画像のずれが生じる方向は、計測用の表示像FMがターゲット81より近くなっている場合の逆方向となる。例えば計測用の表示像FMが近くなった際に移動する方向を正方向として+の値、計測用の表示像FMが遠くなった際に移動する方向を負方向として−の値とすれば、上記式(2)によって計測用の表示像FMがターゲット81に対して近い場合も遠い場合も、計測用の表示像FMの投影距離を演算可能である。
実際には、距離計測用カメラ(画像取得部)51で撮像した像での測定となるため、撮像素子IS上の移動量は距離計測用カメラ51の撮影倍率Mがかかった値となっており、上記式(2)の演算は、距離計測用カメラ51の倍率も考慮して行う必要がある。このような撮像倍率の考慮は、以下の投影距離等の演算においても、説明を省略しているが、同様に行う必要がある。
以上の説明では、ターゲット81として人物像、計測用の表示像FMとして矢印を用いた例を示しているが、ターゲット81と計測用の表示像FMとを同じ像としても構わないし、別の像としても構わない。このように、ターゲット81には、距離計測用カメラ51により基準となる位置が撮影できるようにする図形が描画されている。これにより、ターゲット81に対する所定の表示像FMの位置ずれの定量化が正確になる。ターゲット81上の画像や輪郭、計測用の表示像FM上の像は、位置のずれが検知できるものであれば、人物像や矢印の他にも、円形の像とでき、三角形や四角形等の多角形の像でも構わないし、直線や曲線等の像でも構わない。
また、測定に際して計測用の表示像FMを形成する投影距離は、図8Aに示すように、ターゲット81の配置距離を画像表示装置100による設計値として、計測用の表示像FMをターゲット81と略一致させるようなものとしてもよいが、図8Bに示すように、ターゲット81の配置距離を画像表示装置100による設計値から外してもよい。ターゲット81を画像表示装置100による設計の配置距離に相当する位置に置けば、ターゲット81に対するずれ量が0となる場合に、計測用の表示像FMが設計の位置に配置されていることになり、演算がしやすくなって計測データの処理上は望ましい。しかしながら、ヘッドアップディスプレイ装置200の仕様によって、投影像(虚像)IMの投影距離が遠く、ターゲット81を設計位置に置くと測定に必要な場所を広く取る必要があって問題となる場合も考えられる。このような場合、ターゲット81を設計より近い位置に置いて、その位置で発生するずれ量を基準とした測定とすれば、場所を大きく取らないコンパクトな測定も可能である。その際の演算は、例えば上記式(2)と同じ演算方法を用いた場合では、設計の投影距離をLdとした場合に、ターゲットの位置で生じるずれ量の測定値Stが、
St=(Ld−Lt)/Ld×Sc … (3)
となり、測定値Siがこの値を示す場合、設計と等しい投影位置となっていることになる。
St=(Ld−Lt)/Ld×Sc … (3)
となり、測定値Siがこの値を示す場合、設計と等しい投影位置となっていることになる。
以上では、画像表示装置100によって形成される投影像(虚像)IMまでの投影距離が観察位置によって変化しないことが前提となっているが、観察位置を表示スクリーン20の中心20aから移動させた際に表示光学系30の収差により投影像(虚像)IMの投影位置が変動してしまう場合もある。このような場合、上記式(2)を修正する必要がある。具体的には、例えば図10に示すように、観察位置の移動に伴って計測用の表示像FMが移動し計測用の表示像FM’として観察される。値ΔLは、投影距離の設計的な変化に対応するものであり、表示光学系30が持つ収差により、表示スクリーン20の中心20aから値Scだけ観察位置を移動した際の投影距離の変動量である。投影距離の変動量ΔLは、表示光学系30の設計により決まる値であり、実際の表示スクリーン20の中心20aにおける投影距離LiからΔLだけずれた位置に相当する測定誤差が生じてしまう。この問題を解決するために、表示光学系30が持つ収差による変動量を加味した演算を行う。投影距離は、図9に示す演算方法と同様の方法で得られるが、この場合、距離計測用カメラ(画像取得部)51を移動した際の測定値SiがLi+ΔLに相当していることになる。従って、式(2)は、
Li+ΔL=(Sc−Si)/Sc×Lt … (4)
のように変換され、以下のように書き換えられる、
Li=(Sc−Si)/Sc×Lt−ΔL … (5)
実際の投影距離Li又は表示スクリーン20の中心20a方向の投影距離は、式(5)により与えられる。つまり、虚像の投影距離の測定に際して設計的な変化を差し引いた演算を実施することで、ヘッドアップディスプレイ装置200の光学系の投影距離の収差等を考慮したより精密な投影距離の測定が可能になる。
Li+ΔL=(Sc−Si)/Sc×Lt … (4)
のように変換され、以下のように書き換えられる、
Li=(Sc−Si)/Sc×Lt−ΔL … (5)
実際の投影距離Li又は表示スクリーン20の中心20a方向の投影距離は、式(5)により与えられる。つまり、虚像の投影距離の測定に際して設計的な変化を差し引いた演算を実施することで、ヘッドアップディスプレイ装置200の光学系の投影距離の収差等を考慮したより精密な投影距離の測定が可能になる。
図11は、投影距離測定装置50を利用した投影距離測定方法の一例を説明する図である。まず、目標となる投影距離又はこれから敢えて外した投影距離にターゲット81を配置する(ステップS11)。ターゲット81の配置は、設置部材によって自動化することができる。次に、制御部53は、表示画像生成部57dとして投影像IMの画像データを作成するとともに、ヘッドアップディスプレイ装置200を動作させて目標となる投影距離に計測用の表示像FMを継続的に投影させる(ステップS12)。次に、制御部53は、移動機構52を動作させて距離計測用カメラ(画像取得部)51を表示スクリーン20の中心20aの正面に移動させ距離計測用カメラ(画像取得部)51に表示視野内のターゲット81と計測用の表示像FMとを撮影させる(ステップS13)。得られた画像データは、記憶部53cの測定データ蓄積部57bに保管される。この際、ターゲット81と計測用の表示像FMとが位置ずれしている場合、ターゲット81を移動させて再撮影を行わせるといった処理も可能である。その後、制御部53は、移動機構52を動作させて距離計測用カメラ(画像取得部)51を表示スクリーン20の中心20aから横方向に外れた位置に移動させ距離計測用カメラ(画像取得部)51に表示視野内のターゲット81と計測用の表示像FMとを撮影させる(ステップS14)。得られた画像データは、記憶部53cの測定データ蓄積部57bに保管される。その後、制御部53は、ステップS14で得た画像データについて取得画像解析部57fとしてオブジェクト検出を行う等して、計測用の表示像FMがターゲット81に対してどの程度位置ずれしているかを評価する(ステップS15)。ステップS15で得た位置ずれ量は、ヘッドアップディスプレイ装置200による投影像(虚像)IMの投影距離の較正に必要なパラメータとして記憶部53cに保管される。
以上で説明した実施形態の投影距離測定方法によれば、ターゲット81に重なるように計測用の表示像FMを表示させつつ距離計測用カメラ(画像取得部)51を移動させて表示視野を撮影し、ターゲット81と計測用の表示像FMとの位置ずれの度合いから虚像の投影距離を測定するので、簡易な手法によって虚像の投影距離を正確に測定することができ、ヘッドアップディスプレイ装置において投影像(虚像)IMの投影距離を正確に調整することが可能になる。
以上では、具体的な実施形態としての投影距離測定方法及び装置について説明したが、本発明に係る投影距離測定方法及び装置は、上記のものには限られない。例えば、測定の対象であるヘッドアップディスプレイ装置又は画像表示装置は、図1等に例示されるものに限らず、様々な方式の装置とすることができる。
例えば、上記実施形態では、ターゲット81と計測用の表示像FMとを重ねた状態で測定を実施する形態となっていたが、ターゲット81と計測用の表示像FMとは必ずしも完全に重なっている状態として測定を実施しなくても良い。つまり、重ならない状態での測定も可能で、例えば重ならない状態で、それぞれの位置の差が予め設定されていて、その差を考慮して、ターゲットと計測用の表示像FMとのそれぞれで、距離計測用カメラ51を移動させた際に取得された像の移動量を計測し、それらそれぞれの移動量の差から、距離差を算出する方法も可能である。
図12に示すヘッドアップディスプレイ装置の場合、表示光学系30のうち本体光学系13は、虚像形成光学系17のみからなり、中間像を形成しないものとなっている。つまり、デバイス駆動部216によって表示デバイス11を光軸AX方向等に移動させることで、投影像(虚像)IMの投影位置又は表示範囲を直接的に調整することができる。このようなヘッドアップディスプレイ装置であっても、図1等に示す投影距離測定装置50を用いた投影距離の測定が可能である。
以上では、被検物としてヘッドアップディスプレイ装置200又は画像表示装置100の全体を測定しているが、ヘッドアップディスプレイ装置200の光学エンジン部である表示デバイス11及び本体光学系13だけでの測定が可能であり、表示を行う表示スクリーン20のみの測定も可能であり、このような場合も、ヘッドアップディスプレイ装置の投影距離測定装置や投影距離測定方法の実施に該当するものとする。こういった場合、計測に不足する部分については、何らかのマスター装置、光学系等の周辺装置に関する治具建てを行って測定を行えば、実施形態で説明したと同様の投影距離測定方法の実施が可能になる。
以上では、距離計測用カメラ51を表示スクリーン20の中心20aの正面に移動させ、距離計測用カメラ51に表示視野内のターゲット81と計測用の表示像FMとを撮影させる(図11のステップS13)が、この工程については、ターゲット81を表示視野の中心に配置できていれば省略することができる。
その他、上記実施形態において、表示スクリーン20の輪郭は、矩形に限らず、様々な形状とすることができる。
以上のヘッドアップディスプレイ装置200では、環境監視部72によって車体2の前方に存在するオブジェクを検出し、画像表示装置100にオブジェクトの配置に対応するフレーム枠といった関連情報像を表示しているが、オブジェクトの有無に関わらず、通信ネットワークを利用して付随的な運転関連情報を取得し、このような運転関連情報を画像表示装置100に表示させることができる。例えば死角に存在する車、障害物等を警告するような表示も可能である。
Claims (5)
- ヘッドアップディスプレイ装置によって表示スクリーン越しに虚像を表示し、表示視野内で所定の位置にターゲットを配置した状態で、前記表示視野を撮影するように画像取得部を配置し、
前記ヘッドアップディプレイ装置によって前記ターゲットに重なるように所定の表示像を表示させつつ前記画像取得部を移動させて前記表示視野を撮影させて得た前記ターゲットと前記所定の表示像との位置ずれの度合いから、前記ヘッドアップディスプレイ装置によって投影される虚像の投影距離を測定する投影距離測定方法。 - 前記ターゲットには、前記画像取得部により基準となる位置が撮影できるようにする図形が描画されている、請求項1に記載の投影距離測定方法。
- 前記画像取得部は、前記表示スクリーンから前記ヘッドアップディプレイ装置の光学系の瞳位置となる距離に配置される、請求項1及び2のいずれか一項に記載の投影距離測定方法。
- 前記ヘッドアップディプレイ装置のアイボックス内で前記表示スクリーンの中心に対応する位置から観察位置が移動した際の、前記所定の表示像の投影距離の設計的な変化を評価し、前記虚像の投影距離の測定に際して前記設計的な変化を差し引いた演算を実施する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の投影距離測定方法。
- 表示視野内の所定の位置にターゲットを配置するとともに、表示スクリーン越しに前記ターゲットに重なるように所定の表示像を表示させた状態のヘッドアップディスプレイ装置に対して用いられる投影距離測定装置であって、
前記表示視野を撮影する画像取得部と、
前記画像取得部を移動させる移動機構と、
前記移動機構によって前記画像取得部を移動させつつ、前記画像取得部によって前記表示視野を撮影させて得た前記ターゲットと前記所定の表示像との位置ずれの度合いから、前記ヘッドアップディスプレイ装置によって投影される虚像の投影距離を算出する制御部と、備える投影距離測定装置。
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