JPWO2019131015A1 - 密封構造 - Google Patents

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Abstract

密封装置は、弾性材料から形成された弾性環と、弾性環を補強する剛性材料から形成された剛性環とを備える。弾性環は、往復運動する棒体の外周面が摺動可能に接触するリップと、棒体のガイドが嵌め入れられてガイドの外周面に接触する弾性環円筒部と、リップと弾性環円筒部とを連結する円環部とを備える。ガイドは、外周面に形成された嵌合周溝と、嵌合周溝の底面の直径よりも大きい外径を有する端側大径部と中央大径部とを有する。嵌合周溝の端部は傾斜面を有する。弾性環円筒部の内周面は、ガイドの嵌合周溝に嵌め込まれる環状突起と、嵌合周溝の傾斜面に対向する弾性環周溝と、中央大径部に接触させられる接触部とを有する。

Description

本発明は、密封構造に関する。
自動車、船舶、農機などに使用されるガソリンエンジン、ディーゼルエンジンなどの内燃機関の吸気ポートおよび排気ポートには、それぞれ吸気バルブおよび排気バルブが配置されている。各バルブは、バルブステムと、バルブステムを軸線方向に往復運動可能に案内するバルブステムガイドを有する。バルブステムとバルブステムガイドの間の間隙へのエンジンオイルが侵入することを制限するためにバルブステムシール(密封装置)が使用されている。バルブステムシールは、周囲のエンジンオイルがバルブステムとバルブステムガイドの間の間隙に流入することを許容し、バルブステムとバルブステムガイドを潤滑する。但し、エンジンオイルによる白煙の発生を低減または防止し、エンジンオイルの消費を削減するため、バルブステムシールは、バルブステムとバルブステムガイドの間の間隙へのエンジンオイルの流入量を適切に抑制する。
バルブステムシールには、上記の間隙を通じて、内燃機関の燃焼室の高い圧力が与えられることが知られている。特に、排気ポートに設けられるバルブステムシールには、排気工程での高い圧力が与えられる。
特許文献1は、弾性体から形成された部分と補強環を備えるバルブステムシールを開示する。弾性体から形成された部分は、バルブステムの外周面に接触する2つのリップと、バルブステムガイドの外周面に接触する筒状の部分を有する。バルブステムガイドの外周面には、周溝が形成され、筒状の部分の内周面には、環状突起が形成されている。環状突起は周溝に嵌め込まれ、上記の高い圧力が与えられても、バルブステムシールがバルブステムガイドから外れることが抑制されている。
国際公開第WO2015/111505号
近年では、ターボチャージャーの使用等により、燃焼室内の圧力がさらに高い内燃機関が使用されている。したがって、バルブステムガイドから外れにくいバルブステムシールの要望が高まっている。
また、ピストン式の燃料ポンプにおいても、バルブステムシールに類似する密封装置が使用されることがある。この密封装置についても、高い圧力が与えられても、ピストンガイドから外れにくいことが望まれる。
そこで、本発明は、密封装置に高い圧力が与えられても、棒体のガイドから密封装置が外れにくい密封構造を提供する。
本発明のある態様に係る密封構造は、円筒形部分を有する棒体を前記棒体の軸線方向に往復運動可能に案内する円筒状のガイドと、前記ガイドの端部を覆う密封装置とを備える。前記密封装置は、弾性材料から形成された弾性環と、前記弾性環を補強する剛性材料から形成された剛性環とを備える。前記弾性環は、前記棒体の外周面が摺動可能に接触するリップと、前記ガイドが嵌め入れられて前記ガイドの外周面に接触する弾性環円筒部と、前記リップと前記弾性環円筒部とを連結する円環部とを備える。前記剛性環は、前記弾性環円筒部の外周面に固定された剛性環円筒部を備える。前記ガイドは、前記ガイドの外周面に形成された嵌合周溝と、前記軸線方向において前記嵌合周溝に対して前記円環部側に配置され、前記嵌合周溝の底面の直径よりも大きい外径を有する端側大径部と、前記軸線方向において前記嵌合周溝に対して前記円環部と反対側に配置され、前記嵌合周溝の底面の直径よりも大きい外径を有する中央大径部と、前記棒体の外周面と間隙をおいて配置された内周面とを有する。前記嵌合周溝の前記中央大径部側の端部は、前記中央大径部に近づくほど外径が大きい傾斜面を有する。前記弾性環円筒部の内周面は、前記ガイドの前記嵌合周溝に嵌め込まれる環状突起と、前記軸線方向において前記環状突起に隣接し、前記嵌合周溝の前記傾斜面に対向する弾性環周溝と、前記軸線方向において前記弾性環周溝に隣接し、前記中央大径部に接触させられる接触部とを有する。
この態様においては、密封装置の弾性環の弾性環円筒部の内周面に形成された環状突起が、ガイドの外周面に形成された嵌合周溝に嵌め込まれると、密封装置に高い圧力が与えられても、ガイドから密封装置が外れにくくなる。一般的には、エラストマーは弾性変形しても、体積が変化しないため、弾性環円筒部にはガイドが嵌め入れられた後、弾性環の弾性復元力が、弾性環円筒部をガイドから軸線方向に外す方向へのスプリングバック力として作用しやすい。しかし、この態様においては、嵌合周溝の端部には傾斜面が形成されており、弾性環円筒部の内周面には、嵌合周溝の傾斜面に対向する弾性環周溝が形成されている。ガイドの外周面に形成された嵌合周溝の傾斜面の周囲に、弾性環円筒部の内周面に形成された弾性環周溝が配置されることにより、剛性環円筒部とガイドの間に挟まれた弾性環円筒部が径方向内側に膨張する余地が生ずる。このように、弾性環円筒部が径方向内側に膨張することにより、弾性環の弾性復元力のうち、弾性環円筒部をガイドから軸線方向に外す方向に作用する成分を低減させることができる。したがって、スプリングバック力を低減することができるため、環状突起を嵌合周溝に確実に嵌め込むことが可能である。この結果、密封装置に高い圧力が与えられても、ガイドから密封装置が外れにくい。
好ましくは、前記嵌合周溝の前記傾斜面は、前記弾性環周溝に面接触圧を与えない。この場合には、ガイドから密封装置がさらに外れにくい。
さらに好ましくは、前記嵌合周溝の前記傾斜面と、前記弾性環周溝との間に間隙が設けられている。この場合には、嵌合周溝の傾斜面が弾性環周溝に面接触圧を与えることが確実に防止される。
本発明の実施形態に係る密封構造が使用される内燃機関の一部の断面図である。 実施形態に係る密封構造の密封装置を示す部分断面図である。 実施形態に係る密封構造を示す部分断面図である。 実施形態の密封構造を示す拡大部分断面図である。 比較例の密封構造を示す拡大部分断面図である。
以下、添付の図面を参照しながら本発明に係る実施の形態を説明する。
図1に示すように、実施形態に係る密封構造が使用される内燃機関1は、シリンダーヘッド2を備える。シリンダーヘッド2は、シリンダー(図示せず)の上方に配置されている。シリンダーの内部にはピストン(図示せず)が往復運動可能に配置されている。シリンダーヘッド2と、シリンダーとピストンは、燃焼室4を画定する。シリンダーヘッド2には、吸気ポート6と排気ポート8が形成されており、吸気ポート6と排気ポート8には、それぞれ吸気バルブ10と排気バルブ12が配置されている。
吸気バルブ10と排気バルブ12の各々は、円筒形のバルブステム(棒体)14と、バルブステム14の下端に取り付けられたバルブヘッド16を有する。各バルブは、バルブステム14の軸線方向に往復運動可能であって、往復運動に伴って、バルブヘッド16がポート6または8を開閉する。シリンダーヘッド2には、各バルブステム14の往復運動を案内する円筒状のバルブステムガイド(ガイド)18が固定されており、バルブステムガイド18にバルブステム14が挿入されている。
各バルブステム14の上端には、カムフォロワー20が取り付けられている。カムフォロワー20の上面には、カムシャフト22に取り付けられたカム24が接触する。
また、各バルブステム14の上端には、スプリングシート26が取り付けられている。スプリングシート26と、シリンダーヘッド2に形成されたスプリングシート28との間には、コイルスプリング29が圧縮状態で配置されている。コイルスプリング29の弾性復元力は、バルブステム14を常に上方に持ち上げる方向に働く。
上記構成において、カムシャフト22の回転によってカム24が、コイルスプリング29の弾性復元力に抗して、カムフォロワー20を押し下げると、バルブステム14が下降して、ポート6または8が開かれる。カムシャフト22の回転によって、カム24がカムフォロワー20を押し下げる力が減少すると、コイルスプリング29の弾性復元力によって、バルブステム14が上昇して、ポート6または8が閉じられる。
バルブステムガイド18の端部およびバルブステム14の中央部は、バルブステムシール(密封装置)30で覆われている。バルブステムシール30は、周囲の油室32のエンジンオイルがバルブステム14とバルブステムガイド18の間の間隙(図2および図3の間隙Ga)に流入することを許容し、バルブステム14とバルブステムガイド18を潤滑する。但し、エンジンオイルによる白煙の発生を低減または防止し、エンジンオイルの消費を削減するため、バルブステムシール30は、バルブステム14とバルブステムガイド18の間の間隙へのエンジンオイルの流入量を適切に抑制する。
図2および図3を参照して、バルブステムシール30とバルブステムガイド18を有する密封構造をさらに詳しく説明する。図2は、バルブステム14およびバルブステムガイド18に接触させられていないバルブステムシール30を示し、図2では、参考のため、バルブステム14およびバルブステムガイド18を仮想線で示す。図3は、バルブステム14およびバルブステムガイド18に接触させられた使用状態のバルブステムシール30を示す。バルブステムシール30およびバルブステムガイド18は円筒状の形状を有するが、図2および図3においては、それらの左側部分のみが示されている。
バルブステムガイド18の内周面は、バルブステム14の外周面と間隙Gaをおいて配置されている。バルブステムシール30には、間隙Gaを通じて、燃焼室4の高い圧力(以下、「背圧」と呼ぶ)が与えられる。特に、排気ポート8に設けられるバルブステムシール30には、排気工程での高い背圧が与えられる。
バルブステムシール30は、弾性環34と剛性環36を有する二重構造である。弾性環34は、弾性材料(例えばエラストマー)から形成されている。剛性環36は、剛性材料(例えば金属)から形成され、弾性環34に密着させられて、弾性環34を補強する。
弾性環34は、弾性環円筒部38、内側円環部40、および連結円環部(円環部)42を備える。弾性環円筒部38には、バルブステムガイド18が締まり嵌め方式で嵌め入れられる。したがって、弾性環円筒部38の内周面は、バルブステムガイド18の外周面に接触する。内側円環部40は、弾性環円筒部38の上方に配置され、弾性環円筒部38よりも小さい外径および内径を有する。連結円環部42は、弾性環円筒部38の上端と内側円環部40を連結する。
内側円環部40には、メインリップ44と、背圧リップ46と、複数の突起48が形成されている。メインリップ44と背圧リップ46には、バルブステム14の外周面が摺動可能に接触する。メインリップ44は、主に油室32のエンジンオイルが過剰にバルブステムガイド18に向けて流入しないように設けられている。背圧リップ46は、バルブステム14とバルブステムガイド18の間の間隙Gaを通じてバルブステムシール30に与えられる背圧を受けて、過剰な背圧によってメインリップ44が過剰に変形しないように設けられている。複数の突起48は、バルブステム14を囲むように、周方向に間欠的に配置されている。これらの突起48は、バルブステムシール30をバルブステムガイド18に装着した場合に、バルブステムシール30がバルブステム14に対して偏心していても、メインリップ44と背圧リップ46がバルブステム14の全周にわたってほぼ均等な接触圧で接触するように、設けられている。
図3に示すように、バルブステム14に接触すると、メインリップ44と背圧リップ46は変形し、バルブステム14の外周面に全周にわたって接触する。但し、バルブステム14とバルブステムガイド18の間の間隙Gaに適量のエンジンオイルを供給するため、メインリップ44とバルブステム14の外周面の間には、微小な間隙(図示せず)が設けられ、背圧リップ46とバルブステム14の外周面の間にも、微小な間隙(図示せず)が設けられている。
不可欠ではないが、図3に示すように、内側円環部40の周囲には、ガータースプリング50を巻きつけてもよい。この実施形態では、内側円環部40の外周面にガータースプリング50を受ける周溝52が形成されている。ガータースプリング50は、メインリップ44および突起48を内側に向けて押圧し、バルブステム14に対するメインリップ44および突起48の接触圧を高める。
剛性環36は、剛性環円筒部54および円環部56を備える。剛性環円筒部54は、弾性環34の弾性環円筒部38の外周面に固定されている。したがって、弾性環34の弾性環円筒部38は、剛性環36の剛性環円筒部54に全周にわたって包囲されており、半径方向への移動または膨張が拘束されている。円環部56は、弾性環34の内側円環部40および連結円環部42に固定されている。
バルブステムガイド18は、嵌合周溝58、端側大径部60および中央大径部62を有する。嵌合周溝58は、バルブステムガイド18の外周面に形成された周溝である。端側大径部60は、バルブステムガイド18の軸線方向において嵌合周溝58に対して連結円環部42側に配置され、嵌合周溝58の底面の直径よりも大きい外径を有する。中央大径部62は、バルブステムガイド18の軸線方向において嵌合周溝58に対して連結円環部42と反対側に配置され、嵌合周溝58の底面の直径よりも大きい外径を有する。嵌合周溝58の中央大径部62側の端部は、中央大径部62に近づくほど外径が大きい傾斜面59を有する。この実施形態では、端側大径部60の外径が中央大径部62の外径よりも小さいので、バルブステムガイド18を弾性環円筒部38に嵌め入れやすい。
弾性環円筒部38の内周面は、中央接触部64、環状突起66、弾性環周溝68および端側接触部70を有する。中央接触部64は、バルブステムガイド18の端側大径部60に接触させられる。環状突起66は、バルブステムシール30の軸線方向において中央接触部64に隣接し、バルブステムガイド18の嵌合周溝58に嵌め込まれる。弾性環周溝68は、バルブステムシール30の軸線方向において環状突起66に隣接し、嵌合周溝58の傾斜面59に対向する。端側接触部70は、バルブステムシール30の軸線方向において弾性環周溝68に隣接し、中央大径部62に接触させられる。
弾性環円筒部38とバルブステムガイド18の間にエンジンオイルが侵入することは好ましくないため、中央接触部64と端側接触部70は大きな締め代を有する。したがって、図2および図3を対比すると明らかな通り、弾性環円筒部38にバルブステムガイド18が嵌め入れられると、バルブステムガイド18によって中央接触部64と端側接触部70は大きく弾性変形し、それらの厚さが減少する。
この実施形態においては、バルブステムシール30の弾性環34の弾性環円筒部38の内周面に形成された環状突起66が、バルブステムガイド18の外周面に形成された嵌合周溝58に嵌め込まれる。したがって、バルブステム14とバルブステムガイド18の間の間隙Gaを通じて、バルブステムシール30に高い背圧が与えられても、バルブステムガイド18からバルブステムシール30が外れにくい。
この実施形態では、環状突起66を嵌合周溝58に確実に嵌め込むことが可能である。以下、これを詳述する。
一般的には、エラストマーは弾性変形しても、体積が変化しない。弾性環34の弾性環円筒部38は、剛性環36の剛性環円筒部54に全周にわたって包囲されており、弾性環円筒部38にバルブステムガイド18を嵌め入れると、図3に示すように、バルブステムガイド18によって弾性環円筒部38の中央接触部64と端側接触部70の厚さが減少するが、弾性環円筒部38の体積は変化しない。したがって、弾性環円筒部38にはバルブステムガイド18が嵌め入れられた後、弾性環34の弾性復元力が、弾性環円筒部38をバルブステムガイド18から軸線方向に外す方向へのスプリングバック力として作用しやすい。
しかし、この実施形態においては、嵌合周溝58の端部には傾斜面59が形成されており、弾性環円筒部38の内周面には、嵌合周溝58の傾斜面59に対向する弾性環周溝68が形成されている。バルブステムガイド18の外周面に形成された嵌合周溝58の傾斜面59の周囲に、弾性環円筒部38の内周面に形成された弾性環周溝68が配置されることにより、剛性環円筒部54とバルブステムガイド18の間に挟まれた弾性環円筒部38が径方向内側に膨張する余地が生ずる。すなわち、弾性環周溝68は、厚さ方向に圧縮された弾性環円筒部38(特に、環状突起66の中腹部分と、弾性環周溝68の外側部分と、端側接触部70)の逃げ場として機能する。このように、弾性環円筒部38が径方向内側に膨張することにより、弾性環34の弾性復元力のうち、弾性環円筒部38をバルブステムガイド18から軸線方向に外す方向に作用する成分を低減させることができる。したがって、スプリングバック力を低減することができるため、環状突起66を嵌合周溝58に確実に嵌め込むことが可能である。この結果、バルブステムシール30に高い圧力が与えられても、バルブステムガイド18からバルブステムシール30が外れにくい。
図4は、実施形態の密封構造の傾斜面59、弾性環周溝68およびその近傍を示す拡大部分断面図であり、図5は比較例の密封構造の傾斜面59およびその近傍を示す拡大部分断面図である。比較例においては、弾性環周溝68が形成されず、環状突起66に端側接触部70が隣接している。このため、バルブステムガイド18の傾斜面59から弾性環円筒部38に弾性復元力の反力P(すなわち面接触圧)が与えられ、弾性環円筒部38をバルブステムガイド18から軸線方向に外す方向へのスプリングバック力が大きい。
一方、実施形態においては、弾性環周溝68の部分が径方向内側に膨張しても、傾斜面59が弾性環周溝68に面接触圧を与えないように、弾性環周溝68は設計されている。弾性環円筒部38をバルブステムガイド18から軸線方向に外す方向へのスプリングバック力が小さい。
FEM(有限要素法)解析によって、実施形態の密封構造では、バルブステムシール30のスプリングバック量は、図5の比較例のスプリングバック量の半分未満に低減することができることが確認された。
不可欠ではないが、図4に示すように、傾斜面59と弾性環周溝68との間に間隙72が設けられていると好ましい。この場合には、傾斜面59が弾性環周溝68に面接触圧を与えることが確実に防止される。
変形例
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記の説明は本発明を限定するものではなく、本発明の技術的範囲において、構成要素の削除、追加、置換を含む様々な変形例が考えられる。
例えば、上記の実施形態においては、密封装置は、バルブステム14とバルブステムガイド18とを密封するバルブステムシール30である。しかし、本発明は、ピストン式の燃料ポンプのピストン(往復運動可能な棒体)とピストンガイドを密封する密封装置にも適用することができる。
弾性環34の弾性環円筒部38の内周面は、摩擦係数が小さくエラストマーより硬い樹脂材料でコーティングして、弾性環円筒部38にバルブステムガイド18を嵌め入れやすくしてもよい。このような樹脂材料としては、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)がある。
弾性環34のメインリップ44、背圧リップ46および突起48の少なくともいずれかをこのような樹脂材料でコーティングして、これらの摩耗を低減させてもよい。
14 バルブステム(棒体)
18 バルブステムガイド(ガイド)
30 バルブステムシール(密封装置)
32 油室
34 弾性環
36 剛性環
38 弾性環円筒部
40 内側円環部
42 連結円環部(円環部)
44 メインリップ
46 背圧リップ
52 周溝
54 剛性環円筒部
56 円環部
58 嵌合周溝
60 端側大径部
62 中央大径部
59 傾斜面
64 中央接触部
66 環状突起
68 弾性環周溝
70 端側接触部(接触部)
72 間隙
Ga 間隙

Claims (3)

  1. 円筒形部分を有する棒体を前記棒体の軸線方向に往復運動可能に案内する円筒状のガイドと、
    前記ガイドの端部を覆う密封装置とを備え、
    前記密封装置は、弾性材料から形成された弾性環と、前記弾性環を補強する剛性材料から形成された剛性環とを備え、
    前記弾性環は、前記棒体の外周面が摺動可能に接触するリップと、前記ガイドが嵌め入れられて前記ガイドの外周面に接触する弾性環円筒部と、前記リップと前記弾性環円筒部とを連結する円環部とを備え、
    前記剛性環は、前記弾性環円筒部の外周面に固定された剛性環円筒部を備え、
    前記ガイドは、
    前記ガイドの外周面に形成された嵌合周溝と、
    前記軸線方向において前記嵌合周溝に対して前記円環部側に配置され、前記嵌合周溝の底面の直径よりも大きい外径を有する端側大径部と、
    前記軸線方向において前記嵌合周溝に対して前記円環部と反対側に配置され、前記嵌合周溝の底面の直径よりも大きい外径を有する中央大径部と、
    前記棒体の外周面と間隙をおいて配置された内周面とを有しており、
    前記嵌合周溝の前記中央大径部側の端部は、前記中央大径部に近づくほど外径が大きい傾斜面を有しており、
    前記弾性環円筒部の内周面は、
    前記ガイドの前記嵌合周溝に嵌め込まれる環状突起と、
    前記軸線方向において前記環状突起に隣接し、前記嵌合周溝の前記傾斜面に対向する弾性環周溝と、
    前記軸線方向において前記弾性環周溝に隣接し、前記中央大径部に接触させられる接触部とを有する
    ことを特徴とする密封構造。
  2. 前記嵌合周溝の前記傾斜面は、前記弾性環周溝に面接触圧を与えない
    ことを特徴とする請求項1に記載の密封構造。
  3. 前記嵌合周溝の前記傾斜面と、前記弾性環周溝との間に間隙が設けられている
    ことを特徴とする請求項2に記載の密封構造。
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