JPWO2019106962A1 - レーザ脱離イオン化法及び質量分析方法 - Google Patents

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Abstract

レーザ脱離イオン化法は、互いに対向する第1表面(2a)及び第2表面(2b)に開口する複数の貫通孔が形成された基板(2)と、少なくとも第1表面に設けられた導電層と、を備える試料支持体(1)が用意される第1工程と、試料(S)、及び真空中で難揮発性を有する溶媒(81)が複数の貫通孔に導入される第2工程と、導電層に電圧が印加されつつ第1表面に対してレーザ光が照射されることにより、試料の成分がイオン化される第3工程と、を備える。

Description

本開示は、レーザ脱離イオン化法及び質量分析方法に関する。
従来、質量分析等を行うために生体試料等の試料をイオン化する手法として、マトリックス支援レーザ脱離イオン化法(MALDI:Matrix-Assisted Laser Desorption/Ionization)が知られている(例えば、特許文献1参照)。MALDIは、レーザ光を吸収するマトリックスと呼ばれる低分子量の有機化合物を試料に加え、これにレーザ光を照射することにより、試料をイオン化する手法である。この手法によれば、熱に不安定な物質や高分子量物質を非破壊でイオン化すること(いわゆるソフトイオン化)が可能である。
一方、マトリックスを使用せずにイオン化する手法として、表面支援レーザ脱離イオン化法(SALDI:Surface-Assisted Laser Desorption/Ionization)が知られている(例えば、特許文献2及び3参照)。SALDIは、表面に微細な凹凸構造を有するイオン化基板に試料を滴下し、これにレーザ光を照射することにより、試料をイオン化する手法である。
米国特許第7695978号明細書 特許第5129628号公報 米国特許第6288390号明細書
質量分析においては、イオン化された試料が検出され、その検出結果に基づいて試料の質量分析が実施される。したがって、質量分析においては、イオン化された試料の検出強度(感度)の向上が望まれる。
そこで、本開示は、質量分析においてイオン化された試料の検出強度を向上させることができるレーザ脱離イオン化法及び質量分析方法を提供することを目的とする。
本開示の一側面のレーザ脱離イオン化法は、互いに対向する第1表面及び第2表面に開口する複数の貫通孔が形成された基板と、少なくとも第1表面に設けられた導電層と、を備える試料支持体が用意される第1工程と、試料、及び真空中で難揮発性を有する溶媒が複数の貫通孔に導入される第2工程と、導電層に電圧が印加されつつ第1表面に対してレーザ光が照射されることにより、試料の成分がイオン化される第3工程と、を備える。
このレーザ脱離イオン化法では、試料及び溶媒が複数の貫通孔に導入される。試料の成分は、溶媒と共に各貫通孔において第1表面側に留まる。そして、導電層に電圧が印加されつつ第1表面に対してレーザ光が照射されると、第1表面側における試料の成分にエネルギーが伝達される。これにより、試料の成分がイオン化される。このレーザ脱離イオン化法では、溶媒が真空中で難揮発性を有している。このため、溶媒が真空中で揮発性を有している場合に比べて、溶媒がより確実に第1表面側に留まる。したがって、試料の成分もより確実に第1表面側に留まる。これにより、導電層に電圧が印加されつつ第1表面に対してレーザ光が照射されたときに、試料の成分がより確実にイオン化される。以上により、このレーザ脱離イオン化法によれば、質量分析においてイオン化された試料の検出強度を向上させることができる。
本開示の一側面のレーザ脱離イオン化法では、第2工程においては、試料と溶媒との混合液が載置部の載置面に滴下され、混合液に第2表面が接触するように混合液上に試料支持体が配置され、第3工程においては、導電層に電圧が印加されつつ第1表面に対してレーザ光が照射されることにより、第2表面側から貫通孔を介して第1表面側に移動した混合液中の試料の成分がイオン化されてもよい。この場合、試料を含む混合液は、第2表面側から各貫通孔を介して第1表面側に移動する。混合液は、各貫通孔において第1表面側に留まる。そして、上述したように試料の成分がより確実に第1表面側に留まり、より確実にイオン化される。これによれば、質量分析においてイオン化された試料の検出強度を向上させることができる。
本開示の一側面のレーザ脱離イオン化法では、第2工程においては、載置部の載置面に第2表面が対向するように載置面上に試料支持体が載置され、第1表面側から複数の貫通孔に対して試料と溶媒との混合液が滴下され、第3工程においては、導電層に電圧が印加されつつ第1表面に対してレーザ光が照射されることにより、第1表面側に留まっている混合液中の試料の成分がイオン化されてもよい。この場合、試料を含む混合液は、第1表面側から各貫通孔を介して第2表面側に移動し、各貫通孔を充填する。混合液は、各貫通孔において第1表面側に留まる。そして、上述したように試料の成分がより確実に第1表面側に留まり、より確実にイオン化される。これによれば、質量分析においてイオン化された試料の検出強度を向上させることができる。
本開示の一側面のレーザ脱離イオン化法では、第2工程においては、試料が載置部の載置面に載置され、試料に第2表面が接触するように試料上に試料支持体が配置された後、溶媒が複数の貫通孔に導入され、第3工程においては、載置部と試料支持体との間に試料が配置された状態で、導電層に電圧が印加されつつ第1表面に対してレーザ光が照射されることにより、溶媒と混合すると共に第2表面側から貫通孔を介して第1表面側に移動した試料の成分がイオン化されてもよい。この場合、溶媒は、第1表面側から各貫通孔を介して第2表面側に移動し、試料の成分と混合する。試料の成分は、溶媒と混合すると共に第2表面側から各貫通孔を介して第1表面側に移動する。試料の成分は、溶媒と共に第1表面側に留まる。そして、上述したように試料の成分がより確実に第1表面側に留まり、より確実にイオン化される。これによれば、質量分析においてイオン化された試料の検出強度を向上させることができる。
本開示の一側面のレーザ脱離イオン化法では、第2工程においては、溶媒が複数の貫通孔に導入され、試料が載置部の載置面に載置された後、試料に第2表面が接触するように試料上に試料支持体が配置され、第3工程においては、載置部と試料支持体との間に試料が配置された状態で、導電層に電圧が印加されつつ第1表面に対してレーザ光が照射されることにより、溶媒と混合すると共に第2表面側から貫通孔を介して第1表面側に移動した試料の成分がイオン化されてもよい。この場合、複数の貫通孔に溶媒が導入された試料支持体が試料上に配置される。試料の成分は、溶媒と混合すると共に第2表面側から各貫通孔を介して第1表面側に移動する。試料の成分は、溶媒と共に第1表面側に留まる。そして、上述したように試料の成分がより確実に第1表面側に留まり、より確実にイオン化される。これによれば、質量分析においてイオン化された試料の検出強度を向上させることができる。
本開示の一側面のレーザ脱離イオン化法では、第2工程においては、溶媒が第1表面側から複数の貫通孔に対して滴下されてもよい。この場合、溶媒を各貫通孔に容易に導入することができる。
本開示の一側面のレーザ脱離イオン化法では、第2工程においては、溶媒が第1表面側又は第2表面側から複数の貫通孔に対して滴下されてもよい。この場合、溶媒を各貫通孔に容易に導入することができる。
本開示の一側面のレーザ脱離イオン化法では、第2工程においては、試料支持体が溶媒に浸漬されてもよい。この場合、溶媒を各貫通孔に容易に導入することができる。
本開示の一側面のレーザ脱離イオン化法では、第2工程においては、溶媒が加熱されて蒸発した状態で複数の貫通孔に導入されてもよい。この場合、溶媒を各貫通孔に容易に導入することができる。
本開示の一側面のレーザ脱離イオン化法では、試料は、乾燥試料であってもよい。このレーザ脱離イオン化法では、試料の成分が溶媒と混合すると共に移動するため、試料が乾燥試料であっても、試料の成分をスムーズに移動させることができる。
本開示の一側面のレーザ脱離イオン化法は、導電性を有し、互いに対向する第1表面及び第2表面に開口する複数の貫通孔が形成された基板を備える試料支持体が用意される第1工程と、試料、及び真空中で難揮発性を有する溶媒が複数の貫通孔に導入される第2工程と、基板に電圧が印加されつつ第1表面に対してレーザ光が照射されることにより、試料の成分がイオン化される第3工程と、を備える。
このレーザ脱離イオン化法によれば、試料支持体において導電層を省略することができると共に、上述したように導電層を備える試料支持体を用いる場合と同様の効果を得ることができる。
本開示の一側面のレーザ脱離イオン化法では、溶媒は、グリセリン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ニトロベンジルアルコール、ニトロフェニルオクチルエーテル、チオグリセロール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、流動パラフィン、スルホラン、ジチオトレイトール、ジチオトレイトールとチオグリセロールとの混合物、ジチオトレイトールとニトロベンジルアルコールとの混合物、及びジチオトレイトールとジチオエリスリトールとの混合物から選択される少なくとも一つであってもよい。この場合、真空中で難揮発性を有する溶媒を用いて、質量分析においてイオン化された試料の検出強度を向上させることができる。
本開示の一側面の質量分析方法は、上記レーザ脱離イオン化法の各工程と、第3工程においてイオン化された成分が検出される第4工程と、を備える。
この質量分析方法によれば、イオン化された試料の検出強度を向上させることができる。
本開示によれば、質量分析においてイオン化された試料の検出強度を向上させることができるレーザ脱離イオン化法及び質量分析方法を提供することが可能となる。
図1は、第1実施形態のレーザ脱離イオン化法及び質量分析方法に用いられる試料支持体の平面図である。 図2は、図1に示されるII−II線に沿っての試料支持体の断面図である。 図3は、図1に示される試料支持体の基板の拡大像を示す図である。 図4は、第1実施形態の質量分析方法の工程を示す図である。 図5は、第1実施形態の質量分析方法の工程を示す図である。 図6は、第1実施形態の質量分析方法の工程を示す図である。 図7の(a)は、比較例の質量分析方法によるマススペクトルである。図7の(b)は、実施例の質量分析方法によるマススペクトルである。 図8は、第2実施形態の質量分析方法の工程を示す図である。 図9は、第2実施形態の質量分析方法の工程を示す図である。 図10は、第3実施形態の質量分析方法の工程を示す図である。 図11は、第3実施形態の質量分析方法の工程を示す図である。 図12は、第3実施形態の質量分析方法の工程を示す図である。 図13は、第4実施形態の質量分析方法の工程を示す図である。 図14は、第4実施形態の質量分析方法の工程を示す図である。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
[第1実施形態]
最初に、第1実施形態〜第4実施形態のレーザ脱離イオン化法及び質量分析方法に用いられる試料支持体について説明する。図1及び図2に示されるように、試料支持体1は、基板2と、フレーム3と、導電層4と、を備えている。基板2は、互いに対向する第1表面2a及び第2表面2bを有している。基板2には、複数の貫通孔2cが一様に(均一な分布で)形成されている。各貫通孔2cは、基板2の厚さ方向(第1表面2a及び第2表面2bに垂直な方向)に沿って延在しており、第1表面2a及び第2表面2bに開口している。
基板2は、例えば、絶縁性材料によって長方形板状に形成されている。基板2の厚さ方向から見た場合における基板2の一辺の長さは、例えば数cm程度であり、基板2の厚さは、例えば1μm〜50μm程度である。基板2の厚さ方向から見た場合における貫通孔2cの形状は、例えば略円形である。貫通孔2cの幅は、1nm〜700nmである。貫通孔2cの幅とは、基板2の厚さ方向から見た場合における貫通孔2cの形状が略円形である場合には、貫通孔2cの直径を意味し、当該形状が略円形以外である場合には、貫通孔2cに収まる仮想的な最大円柱の直径(有効径)を意味する。各貫通孔2c間のピッチは、1〜1000nmである。各貫通孔2c間のピッチとは、基板2の厚さ方向から見た場合における貫通孔2cの形状が略円形である場合には、当該各円の中心間距離を意味し、当該形状が略円形以外である場合には、貫通孔2cに収まる仮想的な最大円柱の中心軸間距離を意味する。
フレーム3は、基板2の第1表面2aに設けられている。具体的には、フレーム3は、接着層5によって基板2の第1表面2aに固定されている。接着層5の材料としては、放出ガスの少ない接着材料(例えば、低融点ガラス、真空用接着剤等)が用いられることが好ましい。フレーム3は、基板2の厚さ方向から見た場合に基板2と略同一の外形を有している。フレーム3には、開口3aが形成されている。基板2のうち開口3aに対応する部分は、後述する試料の成分を第1表面2a側に移動させるための実効領域Rとして機能する。
フレーム3は、例えば、絶縁性材料によって長方形板状に形成されている。基板2の厚さ方向から見た場合におけるフレーム3の一辺の長さは、例えば数cm程度であり、フレーム3の厚さは、例えば1mm以下である。基板2の厚さ方向から見た場合における開口3aの形状は、例えば円形であり、その場合における開口3aの直径は、例えば数mm〜数十mm程度である。このようなフレーム3によって、試料支持体1のハンドリングが容易化すると共に、温度変化等に起因する基板2の変形が抑制される。
導電層4は、基板2の第1表面2aに設けられている。具体的には、導電層4は、基板2の第1表面2aのうちフレーム3の開口3aに対応する領域(すなわち、実効領域Rに対応する領域)、開口3aの内面、及びフレーム3における基板2とは反対側の表面3bに一続きに(一体的に)形成されている。導電層4は、実効領域Rにおいて、基板2の第1表面2aのうち貫通孔2cが形成されていない部分を覆っている。つまり、実効領域Rにおいては、各貫通孔2cが開口3aに露出している。
導電層4は、導電性材料によって形成されている。ただし、導電層4の材料としては、以下に述べる理由により、試料Sとの親和性(反応性)が低く且つ導電性が高い金属が用いられることが好ましい。
例えば、タンパク質等の試料と親和性が高いCu(銅)等の金属によって導電層4が形成されていると、後述する試料のイオン化の過程において、試料分子にCu原子が付着した状態で試料がイオン化されるおそれがある。その結果、Cu原子が付着した分だけ、後述する質量分析方法において検出結果がずれるおそれがある。したがって、導電層4の材料としては、試料との親和性が低い金属が用いられることが好ましい。
一方、導電性の高い金属ほど一定の電圧を容易に且つ安定して印加し易くなる。そのため、導電性が高い金属によって導電層4が形成されていると、実効領域Rにおいて基板2の第1表面2aに均一に電圧を印加することが可能となる。また、導電性の高い金属ほど熱伝導性も高い傾向にある。そのため、導電性が高い金属によって導電層4が形成されていると、基板2に照射されたレーザ光のエネルギーを、導電層4を介して試料に効率的に伝えることが可能となる。したがって、導電層4の材料としては、導電性の高い金属が用いられることが好ましい。
以上の観点から、導電層4の材料としては、例えば、Au(金)、Pt(白金)等が用いられることが好ましい。導電層4は、例えば、メッキ法、原子層堆積法(ALD:Atomic Layer Deposition)、蒸着法、スパッタ法等によって、厚さ1nm〜350nm程度に形成される。なお、導電層4の材料としては、例えば、Cr(クロム)、Ni(ニッケル)、Ti(チタン)等が用いられてもよい。
図3は、基板2の厚さ方向から見た場合における基板2の拡大像を示す図である。図3において、黒色の部分は貫通孔2cであり、白色の部分は貫通孔2c間の隔壁部である。図3に示されるように、基板2は、略一定の幅を有する複数の貫通孔2cが一様に形成されている。実効領域Rにおける貫通孔2cの開口率(基板2の厚さ方向から見た場合に実効領域Rに対して全ての貫通孔2cが占める割合)は、実用上は10〜80%であり、特に60〜80%であることが好ましい。複数の貫通孔2cの大きさは互いに不揃いであってもよいし、部分的に複数の貫通孔2c同士が互いに連結していてもよい。
図3に示される基板2は、Al(アルミニウム)を陽極酸化することにより形成されたアルミナポーラス皮膜である。具体的には、Al基板に対して陽極酸化処理を施し、酸化された表面部分をAl基板から剥離することにより、基板2を得ることができる。なお、基板2は、Ta(タンタル)、Nb(ニオブ)、Ti(チタン)、Hf(ハフニウム)、Zr(ジルコニウム)、Zn(亜鉛)、W(タングステン)、Bi(ビスマス)、Sb(アンチモン)等のAl以外のバルブ金属を陽極酸化することにより形成されてもよいし、Si(シリコン)を陽極酸化することにより形成されてもよい。
次に、第1実施形態のレーザ脱離イオン化法及び質量分析方法について説明する。図4〜図6においては、試料支持体1における貫通孔2c、導電層4及び接着層5の図示が省略されている。また、図1及び図2に示される試料支持体1と図4〜図6に示される試料支持体1とでは、図示の便宜上、寸法の比率等が異なっている。
まず、上述した試料支持体1が用意される(第1工程)。試料支持体1は、レーザ脱離イオン化法及び質量分析方法を実施する者によって製造されることで用意されてもよいし、試料支持体1の製造者又は販売者等から取得されることで用意されてもよい。
続いて、質量分析対象となる試料、及び溶媒が複数の貫通孔2cに導入される(第2工程)。具体的には、図4の(a)に示されるように、試料Sと溶媒81との混合液80が、例えばピペット8によってスライドグラス(載置部)6の載置面6aに滴下される。スライドグラス6は、ITO(Indium Tin Oxide)膜等の透明導電膜が形成されたガラス基板であり、透明導電膜の表面が載置面6aとなっている。なお、スライドグラス6に限定されず、導電性を確保し得る部材(例えば、ステンレス等の金属材料等からなる基板等)を載置部として用いることができる。続いて、図4の(b)に示されるように、混合液80に第2表面2bが接触するように混合液80上に試料支持体1が配置される。このとき、混合液80は、基板2の厚さ方向から見た場合に実効領域R内に配置される。
ここで、混合液80は、試料S及び溶媒81を含んだ溶液である。試料Sは、例えばペプチド試料である。溶媒81は、例えば有機溶剤である。溶媒81は、真空中で難揮発性を有している。「真空中で難揮発性を有する」とは、真空中で水よりも難揮発性を有することをいう。すなわち、「真空中で難揮発性を有する」とは、真空中で水よりも揮発し難いことをいう。「真空中で難揮発性を有する」とは、真空中での揮発性が真空中での水の揮発性よりも低いことをいう。
大気中において、溶媒81の揮発性は、水の揮発性よりも低い。真空中において、溶媒81の揮発性は、水の揮発性よりも低い。大気中において、溶媒81の揮発性は、アセトンの揮発性よりも低い。真空中において、溶媒81の揮発性は、アセトンの揮発性よりも低い。大気中において、溶媒81の揮発性は、アセトニトリルの揮発性よりも低い。真空中において、溶媒81の揮発性は、アセトニトリルの揮発性よりも低い。大気中において、溶媒81は、液状であり、流動性を有している。真空中において、溶媒81は、液状であり、流動性を有している。大気中において、溶媒81の表面張力は、水の表面張力よりも低い。真空中において、溶媒81の表面張力は、水の表面張力よりも低い。溶媒81は、例えばグリセリン(グリセロール)である。
続いて、図5の(a)に示されるように、混合液80に基板2の第2表面2bが接触させられた状態で、スライドグラス6に対して試料支持体1が固定される。このとき、試料支持体1は、導電性を有するテープ7(例えば、カーボンテープ等)によって、スライドグラス6に対して固定される。具体的には、テープ7は、基板2の第1表面2a上の導電層4に接触し、且つ、スライドグラス6の載置面6aに接触することにより、試料支持体1をスライドグラス6に対して固定する。テープ7は、試料支持体1の一部であってもよいし、試料支持体1とは別に用意されてもよい。テープ7が試料支持体1の一部である場合(すなわち、試料支持体1がテープ7を備える場合)には、例えば、テープ7は、予め、基板2の周縁部において第1表面2a側に固定されていてもよい。より具体的には、テープ7は、基板2の周縁部において導電層4上に固定されていてもよい。図5の(b)に示されるように、混合液80は、試料支持体1の第2表面2b側から各貫通孔2cを介して第1表面2a側に向かって移動する。そして、混合液80は、表面張力によって各貫通孔2cにおいて試料支持体1の第1表面2a側に留まる。
続いて、図6に示されるように、試料支持体1及び混合液80がスライドグラス6の載置面6aに載置された状態で、スライドグラス6、試料支持体1及び混合液80が、質量分析装置10の支持部12(例えば、ステージ)上に載置される。続いて、スライドグラス6、試料支持体1及び混合液80が載置された環境が真空状態とされる。続いて、質量分析装置10の電圧印加部14によって、スライドグラス6の載置面6a及びテープ7を介して試料支持体1の導電層4に電圧が印加される(第3工程)。続いて、質量分析装置10のレーザ光照射部13によって、フレーム3の開口3aを介して、基板2の第1表面2aに対してレーザ光Lが照射される(第3工程)。
つまり、レーザ光Lは、基板2の第1表面2aのうちフレーム3の開口3aに対応する領域(すなわち、実効領域Rに対応する領域)に対して照射される。ここでは、レーザ光照射部13は、実効領域Rに対応する領域であって、互いに相違する領域に対してレーザ光Lを照射することができる。なお、互いに相違する領域に対するレーザ光Lの照射は、支持部12及びレーザ光照射部13の少なくとも1つが動作させられることにより、実施可能である。
このように、導電層4に電圧が印加されつつ基板2の第1表面2aに対してレーザ光Lが照射される。これにより、基板2の第1表面2a側に移動した混合液80中の試料Sの成分がイオン化され、試料イオンS1(イオン化された成分)が放出される。具体的には、導電層4、及び、試料Sと共に基板2の第1表面2a側に移動した溶媒81が、レーザ光Lのエネルギーを吸収する。このエネルギーによって、溶媒81は試料Sの成分と共に気化する。そして、気化した試料Sの成分は、その分子にプロトン又はカチオンが付加されることで、試料イオンS1となる。以上の第1工程〜第3工程が、試料支持体1を用いたレーザ脱離イオン化法に相当する。
放出された試料イオンS1は、試料支持体1とイオン検出部15との間に設けられたグランド電極(図示省略)に向かって加速しながら移動する。つまり、試料イオンS1は、電圧が印加された導電層4とグランド電極との間に生じた電位差によって、グランド電極に向かって加速しながら移動する。そして、質量分析装置10のイオン検出部15によって試料イオンS1が検出される(第4工程)。ここでは、イオン検出部15は、レーザ光Lの照射位置に対応するように、試料イオンS1を検出する。なお、ここでの質量分析装置10は、飛行時間型質量分析法(TOF−MS:Time-of-Flight Mass Spectrometry)を利用する質量分析装置である。以上の第1工程〜第4工程が、試料支持体1を用いた質量分析方法に相当する。
以上説明したように、第1実施形態のレーザ脱離イオン化法では、試料S及び溶媒81が複数の貫通孔2cに導入される。試料Sの成分は、溶媒81と共に各貫通孔2cにおいて第1表面2a側に留まる。そして、導電層4に電圧が印加されつつ第1表面2aに対してレーザ光Lが照射されると、第1表面2a側における試料Sの成分にエネルギーが伝達される。これにより、試料Sの成分がイオン化される。このレーザ脱離イオン化法では、溶媒81が真空中で難揮発性を有している。このため、溶媒が真空中で揮発性を有している場合に比べて、溶媒81がより確実に第1表面2a側に留まる。したがって、試料Sの成分もより確実に第1表面2a側に留まる。すなわち、溶媒81及び試料Sは、より長時間に亘って第1表面2a側に留まる。これにより、導電層4に電圧が印加されつつ第1表面2aに対してレーザ光Lが照射されたときに、試料Sの成分がより確実にイオン化される。すなわち、溶媒81及び試料Sの成分がより長時間に亘って第1表面2a側に留まるため、より長時間に亘って電圧を印加しつつレーザ光Lを照射することで、試料Sの成分をイオン化することができる。これにより、より多くの試料Sの成分をイオン化することができる。以上により、このレーザ脱離イオン化法によれば、質量分析においてイオン化された試料Sの検出強度を向上させることができる。すなわち、同じ試料に対して質量分析を行うときに、試料が確実にイオン化されない場合に比べて、質量分析における感度を向上させることができる。
また、第1実施形態のレーザ脱離イオン化法では、第2工程において、混合液80がスライドグラス6の載置面6aに滴下され、混合液80に第2表面2bが接触するように混合液80上に試料支持体1が配置される。この場合、混合液80が、第2表面2b側から各貫通孔2cを介して第1表面2a側に移動し、各貫通孔2cにおいて第1表面2a側に留まる。そして、上述したように試料Sの成分がより確実に第1表面2a側に留まり、より確実にイオン化される。これによれば、質量分析においてイオン化された試料Sの検出強度を向上させることができる。
第1実施形態の質量分析方法によれば、イオン化された試料Sの検出強度を向上させることができる。
図7は、比較例及び実施例の質量分析方法による結果を示す図である。比較例では、AngiotensinII(アンジオテンシンII)(試料S):DHC(クエン酸水素二アンモニウム):CHAc(クエン酸):ACN(アセトニトリル)=1:1:1:1(AngiotensinII:1mM、DHC:0.2M、CHAc:0.2M、ACN)で混合した溶液を準備し、試料支持体1及び当該溶液を用いてマススペクトルを測定した。図7の(a)は、その結果を示す図である。比較例では、レーザ光Lを実効領域Rにおける一か所に20パルス分照射した程度で、イオン化された試料Sの検出強度が減衰し始めた。これは、試料Sが混合された分子が揮発していたためであると考えられる。このため、レーザ光Lを実効領域Rにおける3か所に20パルス分ずつ照射し、その検出結果の積算値を求めた。
実施例では、AngiotensinII(試料S):グリセリン(溶媒81)=1:1で混合した溶液を準備し、試料支持体1及び当該溶液を用いてマススペクトルを測定した。図7の(b)は、その結果を示す図である。実施例では、比較例と同じ条件でレーザ光Lを実効領域Rにおける一か所に500パルス照射した。実施例では、レーザ光Lを少なくとも20パルス分照射した程度では、イオン化された試料の検出強度の減衰が見られなかった。これは、試料Sが長時間に亘って溶媒81と共に第1表面2a側に留まっていたためである。図7の(a)及び(b)に示されるように、実効領域Rにおける一か所当たりのAngiotensinII(m/z=1049)の検出強度については、実施例の検出強度は、比較例の検出強度の60倍程度であった。これにより、試料支持体1及び溶媒81を用いることによって、質量分析においてイオン化された試料Sの検出強度を向上させることができることが証明された。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態のレーザ脱離イオン化法及び質量分析方法について説明する。第2実施形態のレーザ脱離イオン化法及び質量分析方法は、試料及び溶媒が複数の貫通孔2cに導入される第2工程において、スライドグラス6の載置面6aに試料支持体1が載置された後に、試料支持体1に対して混合液80が滴下される点で、第1実施形態のレーザ脱離イオン化法及び質量分析方法と主に相違している。第2実施形態のレーザ脱離イオン化法及び質量分析方法のその他は、第1実施形態のレーザ脱離イオン化法及び質量分析方法と同様であるため、詳細な説明については省略する。図8及び図9においては、試料支持体1における貫通孔2c、導電層4及び接着層5の図示が省略されている。また、図1及び図2に示される試料支持体1と図8及び図9に示される試料支持体1とでは、図示の便宜上、寸法の比率等が異なっている。
まず、図8の(a)に示されるように、上述した試料支持体1が用意される(第1工程)。続いて、試料及び溶媒が複数の貫通孔2cに導入される(第2工程)。具体的には、図8の(b)に示されるように、載置面6aに第2表面2bが対向するように載置面6a上に試料支持体1が載置される。続いて、図9の(a)に示されるように、第1実施形態と同様に、テープ7によって試料支持体1がスライドグラス6に固定される。続いて、図9の(b)に示されるように、混合液80が例えばピペット8によって第1表面2aから複数の貫通孔2cに対して滴下される。混合液80は、試料支持体1の第1表面2a側から各貫通孔2cを介して第2表面2b側に向かって移動する。各貫通孔2cは、混合液80によって充填される。混合液80は、表面張力によって各貫通孔2cにおいて試料支持体1の第1表面2a側に留まる。
続いて、第1実施形態と同様に(図6参照)、導電層4に電圧が印加されつつ基板2の第1表面2aに対してレーザ光Lが照射される。これにより、基板2の第1表面2a側に留まっている混合液80中の試料Sの成分がイオン化され、試料イオンS1(イオン化された成分)が放出される(第3工程)。そして、第1実施形態と同様に、質量分析装置10のイオン検出部15によって試料イオンS1が検出される(第4工程)。なお、第2実施形態のレーザ脱離イオン化法は、上述した第3工程までの各工程を含んでいる。第2実施形態の質量分析方法は、上述した第4工程までの各工程を含んでいる。
以上説明したように、第2実施形態のレーザ脱離イオン化法では、第2工程において、スライドグラス6の載置面6aに第2表面2bが対向するように載置面6a上に試料支持体1が載置され、第1表面2a側から複数の貫通孔2cに対して混合液80が滴下される。この場合も、混合液80が、各貫通孔2cにおいて第1表面2a側に留まる。そして、第1実施形態と同様に試料Sの成分がより確実に第1表面2a側に留まり、より確実にイオン化される。これによれば、質量分析においてイオン化された試料Sの検出強度を向上させることができる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態のレーザ脱離イオン化法及び質量分析方法について説明する。第3実施形態のレーザ脱離イオン化法及び質量分析方法は、第2工程において、試料及び溶媒が混合液として試料支持体1の貫通孔2cに導入されない点で、第1実施形態のレーザ脱離イオン化法及び質量分析方法と主に相違している。第3実施形態のレーザ脱離イオン化法及び質量分析方法のその他は、第1実施形態のレーザ脱離イオン化法及び質量分析方法と同様であるため、詳細な説明については省略する。図10〜図12においては、試料支持体1における貫通孔2c、導電層4及び接着層5の図示が省略されている。また、図1及び図2に示される試料支持体1と図10〜図12に示される試料支持体1とでは、図示の便宜上、寸法の比率等が異なっている。
まず、上述した試料支持体1が用意される(第1工程)。続いて、試料及び溶媒が複数の貫通孔2cに導入される(第2工程)。具体的には、図10の(a)に示されるように、試料Sがスライドグラス6の載置面6aに載置される。続いて、図10の(b)に示されるように、試料Sに第2表面2bが接触するように試料S上に試料支持体1が配置される。このとき、試料Sは、基板2の厚さ方向から見た場合に実効領域R内に配置される。ここで、試料Sは、例えば人の毛髪である。試料Sは、乾燥試料である。また、試料Sの成分の移動をスムーズにするために、試料Sの成分の粘性を低くするための溶液(例えばアセトニトリル混合液等)を試料Sに混ぜてもよい。続いて、図11の(a)に示されるように、第1実施形態と同様に、テープ7によって試料支持体1がスライドグラス6に固定される。
続いて、図11の(b)に示されるように、試料支持体1の複数の貫通孔2cに溶媒81が導入される。具体的には、溶媒81は、例えばピペット8によって試料支持体1の第1表面2a側から複数の貫通孔2cに対して滴下される。溶媒81は、試料Sの全領域に届くように、実効領域Rのほぼ全領域に滴下される。より好ましくは、溶媒81は、例えばエアブラシ等によって、試料支持体1の第1表面2a側から複数の貫通孔2cに対して略均一な量塗布される。溶媒81は、試料支持体1の第1表面2a側から各貫通孔2cを介して第2表面2b側に向かって移動する。そして、溶媒81は、各貫通孔2cにおいて試料支持体1の第2表面2bと接触している試料Sの成分と混合する。
図12の(a)に示されるように、試料Sの成分は、試料支持体1の第2表面2b側に移動した溶媒81と混合する共に各貫通孔2cにおいて、試料支持体1の第2表面2b側から各貫通孔2cを介して第1表面2a側に向かって移動する。試料Sの成分と溶媒81との混合液80は、表面張力によって各貫通孔2cにおいて試料支持体1の第1表面2a側に留まる。
続いて、図12の(b)に示されるように、スライドグラス6と試料支持体1との間に試料Sが配置された状態で、導電層4に電圧が印加されつつ基板2の第1表面2aに対してレーザ光Lが照射される。これにより、溶媒81と混合すると共に第2表面2b側から貫通孔2cを介して第1表面2a側に移動した試料Sの成分がイオン化され、試料イオンS1(イオン化された成分)が放出される(第3工程)。ここでは、レーザ光照射部13は、実効領域Rに対応する領域に対してレーザ光Lを走査する。なお、実効領域Rに対応する領域に対するレーザ光Lの走査は、支持部12及びレーザ光照射部13の少なくとも1つが動作させられることにより、実施可能である。
そして、質量分析装置10のイオン検出部15によって試料イオンS1が検出される(第4工程)。ここでは、イオン検出部15は、レーザ光Lの走査位置に対応するように、試料イオンS1を検出する。これにより、試料Sを構成する分子の二次元分布を画像化することができる。なお、第3実施形態のレーザ脱離イオン化法は、上述した第3工程までの各工程を含んでいる。第3実施形態の質量分析方法は、上述した第4工程までの各工程を含んでいる。
以上説明したように、第3実施形態のレーザ脱離イオン化法では、第2工程において、試料Sがスライドグラス6の載置面6aに載置され、試料Sに第2表面2bが接触するように試料S上に試料支持体1が配置された後、溶媒81が複数の貫通孔2cに導入され、第3工程において、溶媒81と混合すると共に第2表面2b側から貫通孔2cを介して第1表面2a側に移動した試料Sの成分がイオン化される。この場合、溶媒81が、第1表面2a側から各貫通孔2cを介して第2表面2b側に移動し、試料Sの成分と混合する。試料Sの成分は、溶媒81と混合すると共に第2表面2b側から各貫通孔2cを介して第1表面2a側に移動する。試料Sの成分は、溶媒81と共に第1表面2a側に留まる。このように、試料Sの成分は、溶媒81によって複数の貫通孔2cを介して第2表面2b側から第1表面2a側に抽出される。このレーザ脱離イオン化法では、溶媒81が真空中で難揮発性を有している。このため、溶媒が真空中で揮発性を有している場合に比べて、溶媒81がより確実に第1表面2a側に留まる。したがって、溶媒81によって抽出される試料Sの成分もより確実に第1表面2a側に留まる。すなわち、溶媒81がより長時間に亘って各貫通孔2c内及び第1表面2a側に留まり、試料Sがより長時間に亘って溶媒81によって第1表面2a側に抽出される。これにより、導電層4に電圧が印加されつつ第1表面2aに対してレーザ光Lが照射されたときに、試料Sの成分がより確実にイオン化される。すなわち、溶媒81及び試料Sの成分がより長時間に亘って第1表面2a側に留まるため、より長時間に亘って電圧を印加しつつレーザ光Lを照射することで、試料Sの成分をイオン化することができる。これにより、より多くの試料Sの成分をイオン化することができる。以上により、このレーザ脱離イオン化法によれば、質量分析においてイオン化された試料Sの検出強度を向上させることができる。
第3実施形態のレーザ脱離イオン化法では、第2工程において、溶媒81が第1表面2a側から複数の貫通孔2cに対して滴下される。この場合、溶媒81を各貫通孔2cに容易に導入することができる。
第3実施形態のレーザ脱離イオン化法では、試料Sが、乾燥試料である。このレーザ脱離イオン化法では、試料Sの成分が溶媒81と混合すると共に移動するため、試料Sが乾燥試料であっても、試料Sの成分をスムーズに移動させることができる。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態のレーザ脱離イオン化法及び質量分析方法について説明する。第4実施形態のレーザ脱離イオン化法及び質量分析方法は、第2工程において、試料支持体1の貫通孔2cに溶媒81が導入された後に、溶媒81が導入された試料支持体1が試料S上に配置される点で、第3実施形態のレーザ脱離イオン化法及び質量分析方法と主に相違している。第4実施形態のレーザ脱離イオン化法及び質量分析方法のその他は、第3実施形態のレーザ脱離イオン化法及び質量分析方法と同様であるため、詳細な説明については省略する。図13及び図14においては、試料支持体1における貫通孔2c、導電層4及び接着層5の図示が省略されている。また、図1及び図2に示される試料支持体1と図13及び図14に示される試料支持体1とでは、図示の便宜上、寸法の比率等が異なっている。
まず、図13の(a)に示されるように、上述した試料支持体1が用意される(第1工程)。続いて、試料及び溶媒が複数の貫通孔2cに導入される(第2工程)。具体的には、試料支持体1の複数の貫通孔2cに溶媒81が導入される。溶媒81は、例えばピペット8によって試料支持体1の第1表面2a側から複数の貫通孔2cに対して滴下される。溶媒81は、実効領域Rのほぼ全領域に滴下される。より好ましくは、溶媒81は、例えばエアブラシ等によって、試料支持体1の第1表面2a側から複数の貫通孔2cに対して略均一な量塗布される。溶媒81は、試料支持体1の第1表面2a側から各貫通孔2cを介して第2表面2b側に向かって移動する。各貫通孔2cは、溶媒81によって充填される。
続いて、図13の(b)に示されるように、試料Sがスライドグラス6の載置面6aに載置される。続いて、図14の(a)に示されるように、試料Sに第2表面2bが接触するように試料S上に試料支持体1が配置される。続いて、図14の(b)に示されるように、第1実施形態と同様に、テープ7によって試料支持体1がスライドグラス6に固定される。各貫通孔2c内の溶媒81は、各貫通孔2cにおいて試料支持体1の第2表面2bと接触している試料Sの成分と混合する。試料Sの成分は、溶媒81と混合すると共に試料支持体1の第2表面2b側から各貫通孔2cを介して第1表面2a側に向かって移動する。試料Sの成分と溶媒81との混合液80は、表面張力によって各貫通孔2cにおいて試料支持体1の第1表面2a側に留まる。
続いて、第3実施形態と同様に(図12の(b)参照)、スライドグラス6と試料支持体1との間に試料Sが配置された状態で、電圧印加部14によって、導電層4に電圧が印加されつつ、レーザ光照射部13によって、試料支持体1の第1表面2aに対してレーザ光Lが照射される。これにより、基板2の第1表面2a側に移動した試料Sの成分がイオン化され、試料イオンS1(イオン化された成分)が放出される(第3工程)。そして、第3実施形態と同様に、質量分析装置10のイオン検出部15によって試料イオンS1が検出される(第4工程)。なお、第4実施形態のレーザ脱離イオン化法は、上述した第3工程までの各工程を含んでいる。第4実施形態の質量分析方法は、上述した第4工程までの各工程を含んでいる。
以上説明したように、第4実施形態のレーザ脱離イオン化法では、第2工程において、溶媒81が複数の貫通孔2cに導入され、試料Sがスライドグラス6の載置面6aに載置された後、試料Sに第2表面2bが接触するように試料S上に試料支持体1が配置され、第3工程において、溶媒81と混合すると共に第2表面2b側から貫通孔2cを介して第1表面2a側に移動した試料Sの成分がイオン化される。この場合、試料Sの成分は、溶媒81と混合すると共に第2表面2b側から各貫通孔2cを介して第1表面2a側に移動する。試料Sの成分は、溶媒81と共に第1表面2a側に留まる。このように、試料Sの成分は、溶媒81によって複数の貫通孔2cを介して第2表面2b側から第1表面2a側に抽出される。そして、第3実施形態と同様に試料Sの成分がより確実に第1表面2a側に留まり、より確実にイオン化される。これによれば、質量分析においてイオン化された試料Sの検出強度を向上させることができる。
また、第4実施形態のレーザ脱離イオン化法では、第2工程において、溶媒81が第1表面2a側から複数の貫通孔2cに対して滴下される。この場合、溶媒81を各貫通孔2cに容易に導入することができる。
本開示は、上述した実施形態に限定されない。各実施形態では、例えば、導電層4が、少なくとも基板2の第1表面2aに設けられていれば、基板2の第2表面2b及び貫通孔2cの内面に設けられていなくてもよい。また、導電層4は、基板2の第2表面2b及び貫通孔2cの内面に設けられていてもよい。また、試料支持体1は、テープ7以外の手段(例えば、接着剤、固定具等を用いる手段)で、スライドグラス6に対して固定されてもよい。
また、各実施形態の第3工程においては、スライドグラス6の載置面6a及びテープ7を介さずに導電層4に電圧が印加されてもよい。その場合、スライドグラス6及びテープ7は、導電性を有していなくてもよい。また、基板2が導電性を有していてもよく、第3工程において基板2に電圧が印加されてもよい。その場合、試料支持体1において導電層4を省略することができると共に、上述したように導電層4を備える試料支持体1を用いる場合と同様の効果を得ることができる。
また、各実施形態において、試料Sがペプチド試料又は人の毛髪である例を示したが、試料Sは、様々なものであってもよい。また、第3実施形態及び第4実施形態では、試料Sが乾燥試料である例を示したが、試料Sは、含水試料であってもよい。
また、各実施形態では、溶媒81がグリセリンである例を示したが、溶媒81は、真空中で難揮発性を有している溶媒であればよい。例えば、溶媒81は、グリセリン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ニトロベンジルアルコール、ニトロフェニルオクチルエーテル、チオグリセロール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、流動パラフィン、スルホラン、ジチオトレイトール、ジチオトレイトールとチオグリセロールとの混合物、ジチオトレイトールとニトロベンジルアルコールとの混合物、及びジチオトレイトールとジチオエリスリトールとの混合物から選択される少なくとも一つであってもよい。これらを溶媒81として用いた場合にも、質量分析においてイオン化された試料Sの検出強度を向上させることができる。
また、第3実施形態及び第4実施形態では、質量分析装置10において、レーザ光照射部13が、実効領域Rに対応する領域に対してレーザ光Lを一括で照射し、イオン検出部15が、当該領域の二次元情報を維持しながら、試料イオンS1を検出してもよい。つまり、質量分析装置10は、投影型質量分析装置であってもよい。
また、各実施形態の上述したレーザ脱離イオン化法は、試料Sのマススペクトルの測定、又は、試料Sを構成する分子の二次元分布を画像化するイメージング質量分析だけでなく、イオンモビリティ測定等の他の測定・実験にも利用することができる。
また、第4実施形態では、第2工程において、溶媒81が、第1表面2a側から複数の貫通孔2cに対して滴下される例を示したが、溶媒81は、第2表面2b側から複数の貫通孔2cに対して滴下されてもよい。また、第4実施形態では、第2工程において、試料支持体1が溶媒81に浸漬されてもよい。また、第4実施形態では、第2工程において、溶媒81が加熱されて蒸発した状態で複数の貫通孔2cに導入されてもよい。具体的には、蒸発した状態で複数の貫通孔2cに導入された溶媒81は、常温に冷却されることで各貫通孔2c内を満たし、試料支持体1と接触することによって各貫通孔2c内に留まる。いずれの場合でも、溶媒81を各貫通孔2cに容易に導入することができる。
また、各実施形態では、基板2の厚さ方向から見た場合におけるフレーム3の開口3aの形状が円形である例を示したが、開口3aは様々な形状を呈していてもよい。フレーム3の開口3aの形状は、例えば矩形であってもよい。
また、各実施形態では、試料Sがスライドグラス6に載置される例を示したが、試料Sは、直接質量分析装置10の支持部12に載置されてもよい。この際、質量分析装置10の支持部12がスライドグラス6に相当する。
また、試料支持体1の用途は、レーザ光Lの照射による試料Sのイオン化に限定されない。試料支持体1は、レーザ光L以外のエネルギー線(例えば、イオンビーム、電子線等)の照射による試料Sのイオン化に用いられてもよい。
1…試料支持体、2…基板、2a…第1表面、2b…第2表面、2c…貫通孔、4…導電層、6…スライドグラス(載置部)、6a…載置面、80…混合液、81…溶媒、L…レーザ光、S…試料。

Claims (13)

  1. 互いに対向する第1表面及び第2表面に開口する複数の貫通孔が形成された基板と、少なくとも前記第1表面に設けられた導電層と、を備える試料支持体が用意される第1工程と、
    試料、及び真空中で難揮発性を有する溶媒が前記複数の貫通孔に導入される第2工程と、
    前記導電層に電圧が印加されつつ前記第1表面に対してレーザ光が照射されることにより、前記試料の成分がイオン化される第3工程と、を備えるレーザ脱離イオン化法。
  2. 前記第2工程においては、前記試料と前記溶媒との混合液が載置部の載置面に滴下され、前記混合液に前記第2表面が接触するように前記混合液上に前記試料支持体が配置され、
    前記第3工程においては、前記導電層に前記電圧が印加されつつ前記第1表面に対して前記レーザ光が照射されることにより、前記第2表面側から前記貫通孔を介して前記第1表面側に移動した前記混合液中の前記試料の成分がイオン化される、請求項1に記載のレーザ脱離イオン化法。
  3. 前記第2工程においては、載置部の載置面に前記第2表面が対向するように前記載置面上に前記試料支持体が載置され、前記第1表面側から前記複数の貫通孔に対して前記試料と前記溶媒との混合液が滴下され、
    前記第3工程においては、前記導電層に前記電圧が印加されつつ前記第1表面に対して前記レーザ光が照射されることにより、前記第1表面側に留まっている前記混合液中の前記試料の成分がイオン化される、請求項1に記載のレーザ脱離イオン化法。
  4. 前記第2工程においては、前記試料が載置部の載置面に載置され、前記試料に前記第2表面が接触するように前記試料上に前記試料支持体が配置された後、前記溶媒が前記複数の貫通孔に導入され、
    前記第3工程においては、前記載置部と前記試料支持体との間に前記試料が配置された状態で、前記導電層に前記電圧が印加されつつ前記第1表面に対して前記レーザ光が照射されることにより、前記溶媒と混合すると共に前記第2表面側から前記貫通孔を介して前記第1表面側に移動した前記試料の成分がイオン化される、請求項1に記載のレーザ脱離イオン化法。
  5. 前記第2工程においては、前記溶媒が前記複数の貫通孔に導入され、前記試料が載置部の載置面に載置された後、前記試料に前記第2表面が接触するように前記試料上に前記試料支持体が配置され、
    前記第3工程においては、前記載置部と前記試料支持体との間に前記試料が配置された状態で、前記導電層に前記電圧が印加されつつ前記第1表面に対して前記レーザ光が照射されることにより、前記溶媒と混合すると共に前記第2表面側から前記貫通孔を介して前記第1表面側に移動した前記試料の成分がイオン化される、請求項1に記載のレーザ脱離イオン化法。
  6. 前記第2工程においては、前記溶媒が前記第1表面側から前記複数の貫通孔に対して滴下される、請求項4に記載のレーザ脱離イオン化法。
  7. 前記第2工程においては、前記溶媒が前記第1表面側又は前記第2表面側から前記複数の貫通孔に対して滴下される、請求項5に記載のレーザ脱離イオン化法。
  8. 前記第2工程においては、前記試料支持体が前記溶媒に浸漬される、請求項5に記載のレーザ脱離イオン化法。
  9. 前記第2工程においては、前記溶媒が加熱されて蒸発した状態で前記複数の貫通孔に導入される、請求項5に記載のレーザ脱離イオン化法。
  10. 前記試料は、乾燥試料である、請求項4〜9の何れか一項に記載のレーザ脱離イオン化法。
  11. 導電性を有し、互いに対向する第1表面及び第2表面に開口する複数の貫通孔が形成された基板を備える試料支持体が用意される第1工程と、
    試料、及び真空中で難揮発性を有する溶媒が前記複数の貫通孔に導入される第2工程と、
    前記基板に電圧が印加されつつ前記第1表面に対してレーザ光が照射されることにより、前記試料の成分がイオン化される第3工程と、を備えるレーザ脱離イオン化法。
  12. 前記溶媒は、グリセリン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ニトロベンジルアルコール、ニトロフェニルオクチルエーテル、チオグリセロール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、流動パラフィン、スルホラン、ジチオトレイトール、ジチオトレイトールとチオグリセロールとの混合物、ジチオトレイトールとニトロベンジルアルコールとの混合物、及びジチオトレイトールとジチオエリスリトールとの混合物から選択される少なくとも一つである、請求項1〜11の何れか一項に記載のレーザ脱離イオン化法。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載のレーザ脱離イオン化法の各工程と、
    前記第3工程においてイオン化された前記成分が検出される第4工程と、を備える質量分析方法。
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