JPWO2019102788A1 - 半導体素子およびその製造方法、ならびに無線通信装置 - Google Patents

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Abstract

簡易かつ低コストで、ソース電極・ドレイン電極間に流れる電流を増加できる半導体素子を提供することを目的とする。半導体素子は、絶縁性基材と、ゲート電極と、ソース電極と、ソース電極と離間して設けられたドレイン電極と、ソース電極およびドレイン電極の一部と接するように閉領域に設けられた半導体塗布層と、半導体塗布層とゲート電極とを絶縁するゲート絶縁層と、を備える半導体素子であって、ソース電極とドレイン電極との少なくとも一部が互い違いに配置された重複領域が、閉領域の形状に対応した形状である。

Description

発明は、半導体素子およびその製造方法、ならびにこの半導体素子を備えた無線通信装置に関する。
近年、非接触型のタグとして、RFID(Radio Frequency IDentification)技術を用いた無線通信システムの開発が進められている。RFIDシステムにおいては、リーダ/ライタと呼ばれる無線送受信機とRFIDタグとの間で、無線通信が行われる。
RFIDタグは、物流管理、商品管理、および万引き防止などの様々な用途での利用が期待されており、交通カードなどのICカードや商品タグなどへの導入が始まっている。RFIDタグは、ICチップ、およびリーダ/ライタと無線通信を行うためのアンテナを有する。タグ内に設置されたアンテナが、リーダ/ライタから送信される搬送波を受信することによって、ICチップ内の駆動回路が動作する。
RFIDタグは、種々の商品での使用が期待されている。RFIDタグを、あらゆる商品に利用するためには、製造コストを低減する必要がある。製造コストを低減するために、真空や高温を使用する従来の製造プロセスを改善して、塗布技術や印刷技術を用いた、フレキシブルで安価、かつ小型化可能な方法が検討されている。具体的に、ICチップ内の駆動回路に、半導体層として成形性に優れた有機半導体を用いた、電界効果型トランジスタ(以下、FET)が提案されている。
FETとしては、基板上に、ソース電極およびドレイン電極と、半導体層とが設けられ、それぞれの上層にゲート絶縁層、およびゲート電極が順次積層されたトップゲート構造、ならびに基板上に、ゲート電極およびゲート絶縁層が順次積層され、それぞれの上層に、ソース電極およびドレイン電極と、半導体層とが設けられたボトムゲート構造が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1においては、基板上に半導体層を形成する際に、有機半導体材料を含む液体を基板上に塗布した後に、固化および硬化させる方法、いわゆる塗布法が用いられている。
この塗布法においては、有機半導体をインクとして利用することによって、インクジェット技術やスクリーニング技術などにより、フレキシブル基板上に回路パターンを直接形成することが可能になる。また、大気中での使用が可能であることから、半導体層の形成工程の簡易化、およびトランジスタの低コスト化を実現できる。そこで、従来の無機半導体に代わり、有機半導体や、塗布法を用いて製造する場合に好適なカーボンナノチューブ(CNT)を用いたFETが検討されている(特許文献2参照)。
一般に、FETにおいては、ソース電極とドレイン電極との間の距離であるチャネル長を短くしたり、ソース電極とドレイン電極との間においてチャネル長に対して直交する方向のチャネル幅を長くしたりすると、ソース電極とドレイン電極との間に電流が流れ易くなるため、電気特性を向上できる。そこで、薄膜トランジスタにおいて、チャネル形成用のアモルファスシリコン薄膜上または下に、複数の歯部とこれらの歯部を連結する連結部とを有して櫛歯状に形成されたドレイン電極とソース電極とが互いに食い込むように設ける構成が提案されている(特許文献3参照)。
しかしながら、塗布法、特にインクジェット技術によって形成される半導体塗布層は、その形状が略円形になる。そのため、従来の櫛歯状の電極にチャネル形成用の半導体塗布層を塗布すると、半導体塗布層において活用されない領域が生じるとともに、半導体塗布層の面積が大きくなって半導体素子が大型化してしまう。
そこで、この問題を解決するために、特許文献1に記載の技術においては、基板表面の濡れ性を制御したり、所望のパターンの輪郭に沿って障壁構造(バンク構造)を設けたりすることによって、基板の表面における液体の挙動を制御している。
特開2004−6782号公報 国際公開第2009/139339号 特開2004−356646号公報
しかしながら、上述した濡れ性を制御したり障壁構造を設けたりする方法においては、FETを構成する各部の形成とは別に、濡れ性を制御する領域を形成したり障壁構造を形成したりする必要があった。特に、濡れ性を制御する領域や障壁構造の形成には、フォトリソグラフィー法を用いる必要があるため、FETの製造工程が複雑化して、生産性が低下するという問題があった。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、電界効果トランジスタの製造工程を複雑化させたり、半導体塗布層の面積を大きくしたりすることなく、簡易かつ低コストの構成によって、ソース電極とドレイン電極との間に流れる電流を増加させることができる半導体素子およびその製造方法、ならびにこの半導体素子を備えた無線通信装置を提供することにある。
上述した課題を解決し、上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る半導体素子は、絶縁性基材と、ゲート電極と、ソース電極と、前記ソース電極と離間して設けられたドレイン電極と、前記ソース電極および前記ドレイン電極の一部と接するように閉領域に設けられた半導体塗布層と、前記半導体塗布層と前記ゲート電極とを絶縁するゲート絶縁層と、を備える半導体素子であって、前記ソース電極と前記ドレイン電極との少なくとも一部が互い違いに配置された重複領域が、前記閉領域の形状に対応した形状である。
本発明の一態様に係る半導体素子は、上記の発明において、前記重複領域の形状と前記閉領域の形状とが略等しい。
本発明の一態様に係る半導体素子は、上記の発明において、前記重複領域における前記ソース電極と前記ドレイン電極との間の対向領域が、一方の凸部と他方の凹部とが対向した凹凸形状である。
本発明の一態様に係る半導体素子は、上記の発明において、前記重複領域における前記ソース電極と前記ドレイン電極との間の対向領域が、一方の並列した複数の凸部と他方の並列した複数の凹部とがそれぞれ対向してなる連続的な凹凸形状を有する。
本発明の一態様に係る半導体素子は、上記の発明において、前記重複領域における前記ソース電極と前記ドレイン電極との間の対向領域が、一方の並列した複数の凸部と他方の並列した複数の凹部とがそれぞれ対向してなる離散的な形状を有する。
本発明の一態様に係る半導体素子は、上記の発明において、前記対向領域の凹凸形状は、櫛歯状、波状、鋸歯状、または三角波状である。
本発明の一態様に係る半導体素子は、上記の発明において、前記対向領域の凹凸形状は、不均一な凹凸が連続される凹凸形状である。
本発明の一態様に係る半導体素子は、上記の発明において、前記重複領域は、前記対向領域および前記互い違いに配置された部分の外縁を滑らかに繋いだ曲線の内側の領域であり、前記重複領域の形状は、略円状または略楕円状である。
本発明の一態様に係る半導体素子は、上記の発明において、前記重複領域における前記ソース電極および前記ドレイン電極の形状が、径方向に沿って互い違いに並んだ渦巻形状である。
本発明の一態様に係る半導体素子は、上記の発明において、前記閉領域の形状は、前記重複領域を覆う略円状または略楕円状である。
本発明の一態様に係る半導体素子は、上記の発明において、前記半導体塗布層は、カーボンナノチューブ、グラフェン、フラーレン、および有機半導体からなる群より選ばれる1種以上を含有する。
本発明の一態様に係る半導体素子は、上記の発明において、前記半導体塗布層は、表面の少なくとも一部に共役系重合体が付着したカーボンナノチューブからなる。
本発明の一態様に係る半導体素子の製造方法は、上記の発明による半導体素子を製造する半導体素子の製造方法であって、前記半導体塗布層を塗布法によって形成する。
本発明の一態様に係る無線通信装置は、上記の発明による半導体素子を備える。
本発明によれば、ソース電極とドレイン電極との少なくとも一部が互い違いに配置された重複領域の形状が、ソース電極およびドレイン電極の一部と接するようにして閉領域に設けられた半導体塗布層の形状に対応した形状であることによって、濡れ性を制御する領域や隔壁構造を有する半導体素子に比して、半導体塗布層の面積を大きくすることなく、ソース電極とドレイン電極との間に流れる電流を増加させることが可能となる。
図1Aは、本発明の第1の実施形態による半導体素子を示す模式断面図である。 図1Bは、本発明の第1の実施形態の変形例による半導体素子を示す模式断面図である。 図2Aは、本発明の第2の実施形態による半導体素子を示す模式断面図である。 図2Bは、本発明の第2の実施形態の変形例による半導体素子を示す模式断面図である。 図3Aは、本発明の第3の実施形態による半導体素子を示す模式断面図である。 図3Bは、本発明の第3の実施形態の変形例による半導体素子を示す模式断面図である。 図4Aは、本発明の第4の実施形態による半導体素子を示す模式断面図である。 図4Bは、本発明の第4の実施形態の変形例による半導体素子を示す模式断面図である。 図5Aは、比較例となる従来技術による半導体素子における電極形状を模式的に示す平面図である。 図5Bは、比較例となる従来技術による半導体素子における電極形状および半導体塗布層を模式的に示す平面図である。 図6Aは、本発明の第5の実施形態による半導体素子における凹凸を並列させた形状の電極を模式的に示す平面図である。 図6Bは、本発明の第5の実施形態による半導体素子における凹凸を並列させた形状の電極および半導体塗布層を模式的に示す平面図である。 図7Aは、本発明の第6の実施形態による半導体素子における櫛歯状の電極を模式的に示す平面図である。 図7Bは、本発明の第6の実施形態による半導体素子における櫛歯状の電極および半導体塗布層を模式的に示す平面図である。 図7Cは、本発明の第6の実施形態の変形例による半導体素子における櫛歯状の電極を模式的に示す平面図である。 図7Dは、本発明の第6の実施形態の変形例による半導体素子における櫛歯状の電極および半導体塗布層を模式的に示す平面図である。 図7Eは、本発明の第6の実施形態の変形例による半導体素子における櫛歯状の電極を模式的に示す平面図である。 図7Fは、本発明の第6の実施形態の変形例による半導体素子における櫛歯状の電極および半導体塗布層を模式的に示す平面図である。 図7Gは、本発明の第6の実施形態の変形例による半導体素子における櫛歯状の電極を模式的に示す平面図である。 図7Hは、本発明の第6の実施形態の変形例による半導体素子における櫛歯状の電極および半導体塗布層を模式的に示す平面図である。 図7Iは、本発明の第6の実施形態の変形例による半導体素子における櫛歯状の電極を模式的に示す平面図である。 図7Jは、本発明の第6の実施形態の変形例による半導体素子における櫛歯状の電極および半導体塗布層を模式的に示す平面図である。 図8Aは、本発明の第7の実施形態による半導体素子における波状の電極を模式的に示す平面図である。 図8Bは、本発明の第7の実施形態による半導体素子における波状の電極および半導体塗布層を模式的に示す平面図である。 図9Aは、本発明の第8の実施形態による半導体素子における鋸歯状の電極を模式的に示す平面図である。 図9Bは、本発明の第8の実施形態による半導体素子における鋸歯状の電極および半導体塗布層を模式的に示す平面図である。 図10Aは、本発明の第9の実施形態による半導体素子における三角波状の電極を模式的に示す平面図である。 図10Bは、本発明の第9の実施形態による半導体素子における三角波状の電極および半導体塗布層を模式的に示す平面図である。 図11Aは、本発明の第10の実施形態による半導体素子における渦巻形状の電極を模式的に示す平面図である。 図11Bは、本発明の第10の実施形態による半導体素子における渦巻形状の電極および半導体塗布層を模式的に示す平面図である。 図11Cは、本発明の第10の実施形態の変形例による半導体素子における渦巻形状の電極を模式的に示す平面図である。 図12Aは、本発明の第1の実施形態による半導体素子の製造方法を示す模式断面図である。 図12Bは、本発明の第1の実施形態による半導体素子の製造方法を示す模式断面図である。 図12Cは、本発明の第1の実施形態による半導体素子の製造方法を示す模式断面図である。 図12Dは、本発明の第1の実施形態による半導体素子の製造方法を示す模式断面図である。 図13Aは、本発明の第2の実施形態による半導体素子の製造方法を示す模式断面図である。 図13Bは、本発明の第2の実施形態による半導体素子の製造方法を示す模式断面図である。 図13Cは、本発明の第2の実施形態による半導体素子の製造方法を示す模式断面図である。 図13Dは、本発明の第2の実施形態による半導体素子の製造方法を示す模式断面図である。 図14は、本発明による半導体素子を用いた無線通信装置の一例を示すブロック図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施形態の全図においては、同一または対応する部分には同一の符号を付す。また、本発明は以下に説明する実施形態によって限定されるものではない。
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態による半導体素子について説明する。図1Aは、この第1の実施形態による半導体素子を示す模式断面図である。図1Aに示すように、第1の実施形態による半導体素子は、絶縁性基材1、ゲート電極2、ゲート絶縁層3、半導体塗布層4、ソース電極5、およびドレイン電極6を有して構成された電界効果トランジスタ(FET)である。ゲート電極2は、絶縁性基材1上に設けられている。ゲート絶縁層3は、ゲート電極2を覆うように設けられている。半導体塗布層4は、ゲート絶縁層3上に互いに離間して設けられたソース電極5およびドレイン電極6の一部と接するように、閉領域に設けられている。半導体塗布層4は、表面の少なくとも一部に共役系重合体が付着したカーボンナノチューブ複合体を含む材料から構成するのが好ましい。ゲート絶縁層3は、半導体塗布層4とゲート電極2とを絶縁するように構成されている。第1の実施形態において、半導体素子は、ソース電極5とドレイン電極6との少なくとも一部が互い違いに並列に配置された重複領域7を有する。重複領域7は、半導体塗布層4が設けられる閉領域の形状に対応した形状を有する。また、重複領域7は、ソース電極5とドレイン電極6とが対向する領域である対向領域7aを含む。
図1Bは、この第1の実施形態における変形例による半導体素子を示す模式断面図である。図1Bに示すように、第1の実施形態の変形例による半導体素子は、ゲート電極2の形状が対向領域7aの形状に対応した形状である。
上述した第1の実施形態による半導体素子の構造は、ゲート電極2が半導体塗布層4の下方に配置され、半導体塗布層4の下面の一部にソース電極5およびドレイン電極6が接続された配置である、いわゆる、ボトムゲート・ボトムコンタクト構造である。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態による半導体素子について説明する。図2Aは、この第2の実施形態による半導体素子を示す模式断面図である。図2Aに示すように、第2の実施形態による半導体素子は、第1の実施形態と異なり、半導体塗布層4が、ゲート絶縁層3上において閉領域に設けられている。ソース電極5およびドレイン電極6は、互いに離間しつつ、ゲート絶縁層3および半導体塗布層4上に設けられている。ソース電極5とドレイン電極6との少なくとも一部が互い違いに配置された重複領域7が、半導体塗布層4の閉領域の形状に対応した形状を有する。重複領域7は、ソース電極5とドレイン電極6とが対向する領域である対向領域7aを含む。半導体塗布層4は、その上面の部分において、ソース電極5およびドレイン電極6の一部と接するように設けられている。その他の構成は、第1の実施形態と同様である。
図2Bは、この第2の実施形態における変形例による半導体素子を示す模式断面図である。図2Bに示すように、第2の実施形態の変形例による半導体素子においては、ゲート電極2の形状は、対向領域7aに対応した形状である。また、半導体塗布層4は、表面の少なくとも一部に共役系重合体が付着したカーボンナノチューブ複合体を含む材料から構成するのが好ましい。
上述した第2の実施形態による半導体素子の構造は、ゲート電極2が半導体塗布層4の下方に配置され、半導体塗布層4の上面の一部にソース電極5およびドレイン電極6が接続された配置である、いわゆる、ボトムゲート・トップコンタクト構造である。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態による半導体素子について説明する。図3Aは、この第3の実施形態による半導体素子を示す模式断面図である。図3Aに示すように、第3の実施形態による半導体素子は、第1の実施形態と異なり、絶縁性基材1上に、ソース電極5およびドレイン電極6が互いに離間して設けられている。半導体塗布層4は、ソース電極5およびドレイン電極6の一部を覆うように閉領域に設けられている。半導体塗布層4、ソース電極5、およびドレイン電極6を覆うように、ゲート絶縁層3が設けられている。ゲート電極2は、ゲート絶縁層3上に選択的に設けられている。ソース電極5とドレイン電極6との少なくとも一部が互い違いに配置された重複領域7は、半導体塗布層4の閉領域の形状に対応した形状である。その他の構成は、第1の実施形態と同様である。
図3Bは、この第3の実施形態における変形例による半導体素子を示す模式断面図である。図3Bに示すように、第3の実施形態の変形例による半導体素子においては、ゲート電極2の形状は、対向領域7aに対応した形状である。また、半導体塗布層4は、表面の少なくとも一部に共役系重合体が付着したカーボンナノチューブ複合体を含む材料から構成するのが好ましい。
上述した第3の実施形態による半導体素子の構造は、ゲート電極2が半導体塗布層4の上方に配置され、半導体塗布層4の下面の一部にソース電極5およびドレイン電極6が接続された配置である、いわゆる、トップゲート・ボトムコンタクト構造である。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態による半導体素子について説明する。図4Aは、この第4の実施形態による半導体素子を示す模式断面図である。図4Aに示すように、第4の実施形態による半導体素子においては、第3の実施形態と異なり、絶縁性基材1上に部分的に半導体塗布層4が設けられている。半導体塗布層4は、閉領域に設けられている。絶縁性基材1の上面および半導体塗布層4の上面に部分的に、ソース電極5およびドレイン電極6が互いに離間して設けられている。半導体塗布層4、ソース電極5、およびドレイン電極6を覆うように、ゲート絶縁層3が設けられている。ゲート絶縁層3上には、ゲート電極2が選択的に設けられている。ソース電極5とドレイン電極6との少なくとも一部が互い違いに配置された重複領域7は、半導体塗布層4の閉領域の形状に対応した形状である。その他の構成は、第1の実施形態と同様である。
図4Bは、この第4の実施形態における変形例による半導体素子を示す模式断面図である。図4Bに示すように、第4の実施形態の変形例による半導体素子においては、ゲート電極2の形状は、対向領域7aに対応した形状である。また、半導体塗布層4は、表面の少なくとも一部に共役系重合体が付着したカーボンナノチューブ複合体を含む材料から構成するのが好ましい。
上述した第4の実施形態による半導体素子の構造は、ゲート電極2が半導体塗布層4の上方に配置され、半導体塗布層4の上面の一部にソース電極5およびドレイン電極6が接続された配置である、いわゆるトップゲート・トップコンタクト構造である。
なお、本発明の半導体素子は、上述した実施形態に限定されるものではなく、以下の説明は、特に断りのない限り実施形態によらず共通する。
(電極形状)
図5Aは、比較例となる従来技術による半導体素子における電極形状を模式的に示す平面図である。図5Bは、比較例となる従来技術による半導体素子における電極形状および半導体塗布層を模式的に示す平面図である。
図5Aおよび図5Bに示すように、従来技術による半導体素子は、絶縁性基材の一主面である上面の面方向に沿って、換言すると絶縁性基材1上の積層構造における積層方向に沿った上方から見て、ソース電極25とドレイン電極26とが、所定距離離間して設けられている。なお、図5Aおよび図5Bにおいてゲート電極の図示は省略している。ソース電極25とドレイン電極26との間の対向領域27aにおける半導体塗布層24には、キャリアが移動する。対向領域27aにおける半導体塗布層24に誘起された大部分のキャリアは、半導体塗布層24のゲート絶縁層(図示せず)との界面に沿って移動する。ソース電極25とドレイン電極26との離間距離は、キャリアの移動方向の長さであって、チャネル長Lという。一方、ソース電極25とドレイン電極26との間においてチャネル長Lの方向と直交する方向に沿った長さをチャネル幅Wという。
図5Bに示すように、従来技術においては、半導体塗布層24のうちの対向領域27a以外の領域は、キャリアの移動に活用されない領域となる。従来技術によるソース電極25およびドレイン電極26においては、対向領域27aのチャネル幅Wを増加させるためには、半導体塗布層24の面積を増加させる必要が生じる。この場合、半導体素子の面積も増加してしまう。
この点に関して、本発明者が鋭意検討を行った結果、ソース電極とドレイン電極との少なくとも一部を互い違いに配置した重複領域を設け、この重複領域を半導体塗布層の閉領域に対応した形状にすることを案出した。これにより、従来技術に比して、半導体塗布層の面積を増加させることなく、実質的にチャネル幅Wを増加させることができ、ソース電極とドレイン電極との間に流すことができる電流(ソース・ドレイン間電流Id)を増加させることができた。実質的なチャネル幅Wを可能な限り増加させるためには、重複領域の形状と半導体塗布層の閉領域の形状とは略等しいことが望ましい。さらに、後述する半導体塗布層材料を液状材料とし、インクジェット技術やスクリーニング技術などによって、半導体塗布層を形成することを考慮すると、半導体塗布層の閉領域の形状は重複領域を覆う略円状または略楕円状であることが望ましい。
さらに具体的には、半導体塗布層を、表面の少なくとも一部に共役系重合体が付着したカーボンナノチューブ複合体を含む材料から構成したFETの場合、オン電流の増加、高いオン電流における電流のオン/オフ比の向上、さらにはソース・ドレイン間電流Idのばらつきの低減を実現できた。電流のオン/オフ比とは、トランジスタの電流伝達特性におけるソース・ドレイン間電流Idの最大電流値と最小電流値の比(Ion/Ioff)で表される。電流のオン/オフ比は、大きいほどスイッチとしての機能が優れていることを示し、駆動に大電流を要する方式の駆動も可能となることから、10以上が好ましい。
CNT−FETにおいて、チャネルは複数本のCNT同士が連続的に接触したネットワークから構成され、このネットワークがソース電極とドレイン電極とを接続し、CNTのネットワークの密度を制御することでFET特性を調整することができる。従来、CNT−FETにおいては高いオン電流を得るためにネットワークの密度を増す方法が採用されていたが、オフ電流も高くなり、電流のオン/オフ比が低下するため、高いオン電流での高いオン/オフ比を実現することが困難であった。
そこで、本発明者は鋭意検討を行い、ソース電極とドレイン電極との少なくとも一部を互い違いに並列した重複領域を設け、この重複領域を半導体塗布層の閉領域に対応した形状を案出した。これによって、有効となるチャネル幅Wを増加させ、オン電流の増加、高いオン電流でのオン/オフ比の向上、さらにはネットワーク領域の増加に伴う均一性の向上によりソース・ドレイン間電流Idのばらつきの低減を実現した。そのため、本発明者が案出した電極形状を有するCNT−FETを作製することにより、高いFET特性とFET間の性能のばらつきを低減できる。さらに、本発明者が案出した電極形状を有するCNT−FETを並列させることによって、駆動に大電流を要する方式のスイッチも実現できる。
より具体的に説明すると、半導体塗布層4の閉領域内にて、重複領域7のチャネル幅Wを増大するにあたり、重複領域7は、閉領域の形状に対応した凹凸形状または渦巻形状が望ましい。
ここで、重複領域とは、ソース電極とドレイン電極との少なくとも一部が互い違いに配置される領域であって、互い違いに配置された部分の外縁を滑らかに繋いだ内側の領域として規定される。換言すると、重複領域は、互い違いに配置されたソース電極およびドレイン電極の部分と、ソース電極とドレイン電極との間の領域である対向領域と、を含む領域であり、互い違いに配置された部分のソース電極およびドレイン電極と対向領域との最も外側の縁を滑らかにつないだ曲線の内側の領域である。重複領域の形状は特に限定されないが、好適には略円状や略楕円状によって規定される。
また、FETなどの半導体素子において、半導体塗布層4における、ソース電極5とドレイン電極6との少なくとも一部が互い違いに配置された重複領域7における対向領域7aは、キャリアが移動する領域になる。半導体塗布層4の対向領域7aに誘起された大部分のキャリアは、半導体塗布層4のゲート絶縁層3との界面に沿って移動する。以下、重複領域7において、キャリアの移動方向の長さ、すなわちソース電極5とドレイン電極6との間の距離をチャネル長L、ソース電極5とドレイン電極6との間においてチャネル長Lの方向と直交する方向に沿った長さをチャネル幅Wと言う。
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態による半導体素子における電極形状について説明する。図6Aは、この第5の実施形態による半導体素子における、凹凸を並列させた形状の電極を模式的に示す平面図であり、図6Bは、凹凸を並列させた形状の電極および半導体塗布層を模式的に示す平面図である。図6Aおよび図6Bに示すように、重複領域7におけるソース電極5とドレイン電極6とは、互い違いに配置されている。ソース電極5とドレイン電極6との間の対向領域7aは、それぞれの凸部と凹部とが相互に対向しつつ並列に並んだ凹凸形状である。換言すると、対向領域7aは、絶縁性基材1の面方向に沿って長さDの不均一な凹凸が連続される凹凸形状である。重複領域7は、対向領域7aおよびドレイン電極6の最も外側の縁を滑らかにつないだ曲線の内側の領域であって、図6Aおよび図6Bに示す例においては、重複領域7の形状は略円状である。なお、ドレイン電極6とソース電極5の形状が互いに入れ替わった場合、重複領域7は、対向領域7aおよびソース電極5の最も外側の縁を滑らかにつないだ曲線の内側の領域となる。
(第6〜第9の実施形態)
次に、本発明の第6〜第9の実施形態について説明する。図7A、図8A、図9A、および図10Aはそれぞれ、本発明の第6、第7、第8、および第9の実施形態による半導体素子における電極を模式的に示す平面図である。図7B、図8B、図9B、および図10Bはそれぞれ、この第6、第7、第8、および第9の実施形態による半導体素子における電極および半導体塗布層を模式的に示す平面図である。
図7A、図7B〜図10A、図10Bに示すように、対向領域7aの凹凸形状、すなわち、重複領域7内におけるソース電極5およびドレイン電極6が並列に互い違いに配置される部分の形状は、凸形状の先端部分および/または凹形状の底端部分が一部矩形状である櫛歯状(図7A)、波状(図8A)、鋸歯状(図9A)、または三角波状(図10A)でもよい。さらに、半導体塗布層4の閉領域の形状に対向領域7aの凹凸形状を対応させるために、図中の凹凸長さD,D′を不均一にして、対向領域7aの凹凸形状を不均一な凹凸が連続される形状にすることが好ましい。換言すると、ソース電極5における並列する凸部の長さD′は、チャネル幅W方向に並んで全てが均一ではないことが好ましく、ドレイン電極6における並列する凸部の長さDも、チャネル幅W方向に並んで全てが均一ではないことが好ましい。また、第6〜第9の実施形態において、重複領域7の形状は略円状であるが、対向領域7aおよびドレイン電極6の最も外側の縁を滑らかにつないだ曲線の形状に基づいて種々の曲線状とすることが可能である。
次に、本発明の第6の実施形態の変形例について説明する。図7C、図7E、図7G、および図7Iは、図7Aに対応する第6の実施形態の変形例による半導体素子における電極を模式的に示す平面図である。図7D、図7F、図7H、および図7Jは、図7Bに対応する第6の実施形態における変形例による半導体素子における電極および半導体塗布層を模式的に示す平面図である。
図7Cに示すように凹凸の突起部の一部が曲線形状でもよい。すなわち、図7Cおよび図7Dに示すように、対向領域7aの凹凸形状が櫛歯状である場合、凸形状の先端部分、および/または凹形状の底端部分の形状を、先端部分および/または底端部分の一部が直線であって角部が滑らかな曲線となる略矩形状とすることも可能である。
また、図7Eに示すように凹凸の突起部が曲線形状でもよい。すなわち、図7Eおよび図7Fに示すように、対向領域7aの凹凸形状が櫛歯状である場合、凸形状の先端部分、および/または凹形状の底端部分の形状を、半円状の曲線となる半円形状にすることも可能である。
また、対向領域7aを構成する辺のうちの重複領域7内において最も外側に位置する端辺の間を、図に対して横水平線となる3等分線によって、一方の端辺側の分割一方部、他方の端辺側の分割他方部、および分割一方部と分割他方部との間の分割中央部の3つの領域に分割したときに、分割中央部における対向領域7aの面積は、分割一方部における対向領域7aの面積および分割他方部における対向領域7aの面積よりも大きい。すなわち、より具体的には、重複領域7をソース電極5とドレイン電極6との並び方向に沿った線からなる3等分線によって3つに分割したとき、分割された中央部分の対向領域7aの面積が、分割された端部の対向領域7aの面積よりも大きくなることが好ましい。
対向領域7aを構成する凹凸のうちの重複領域7内の中央に位置する凹凸の長さが、対向領域7aを構成する凹凸のうちの重複領域7内において最も外側に位置する凹凸の長さよりも大きいことが好ましい。すなわち、より具体的には、重複領域7の中央に位置する凹凸長さD1、すなわち凸部の長さD1が、端に位置する凹凸長さD2、すなわち凸部の長さD2よりも長いこと(D1>D2)が好ましい。さらに、対向領域7aを構成する凹凸のうちの重複領域7内の中央に位置する凹凸から、重複領域7内において最も外側に位置する凹凸に向かって、凹凸の長さDが短縮されていることも好ましい。
また、ソース電極5およびドレイン電極6の突起部の形状は単純な矩形状や略矩形状に限定されるものではなく、対向領域7aも連続的につながった形状に限定されるものではない。ソース電極5およびドレイン電極6の突起部の形状は、これらによって形成される対向領域7aの全体が、半導体塗布層4の閉領域に対応した形状になっていれば、その他の形状を採用してもよい。
図7Gに示すように、ソース電極5およびドレイン電極6の少なくとも一方における突起部が、突起部の長手方向に対する直角方向において幅が異なる段差形状を有してもよい。さらに、対向領域7aは、ソース電極5の突起部およびドレイン電極6の突起部との間において、略直線形状であるとともに、重複領域7内において不連続で離散的に設けられる。すなわち、図7Gおよび図7Hに示すように、略直線状かつ離散的に形成される対向領域7aの全体を覆うように、半導体塗布層4が設けられる。この場合においても、ソース電極5とドレイン電極6との少なくとも一部が互い違いに配置された重複領域7は、半導体塗布層4の閉領域の形状に対応した形状となる。
また、図7Iに示すように、ソース電極5の少なくとも一部の突起部が、突起部の長手方向に対する直角方向において幅が異なる段差形状を有するとともに、ドレイン電極6の少なくとも一部の突起部が、ソース電極5の突起部の段差形状に対応した段差形状を有してもよい。この場合、対向領域7aは、ソース電極5の突起部およびドレイン電極6の突起部との間において、略直線形状および屈曲形状の部分を有するとともに、重複領域7内において不連続で離散的に設けられる。すなわち、図7Iおよび図7Jに示すように、略直線形状および屈曲形状の部分が離散的に形成される対向領域7aの全体を覆うように、半導体塗布層4が設けられる。この場合においても、ソース電極5とドレイン電極6との少なくとも一部が互い違いに配置された重複領域7は、半導体塗布層4の閉領域の形状に対応した形状となる。
(第10の実施形態)
次に、本発明の第10の実施形態について説明する。図11Aは、この第10の実施形態による半導体素子における渦巻形状の電極を模式的に示す平面図であり、図11Bは、渦巻形状の電極および半導体塗布層を模式的に示す平面図である。
図11Aおよび図11Bに示すように、重複領域7におけるソース電極5およびドレイン電極6の形状は、中心からの径方向に沿って、換言すると略円状の重複領域7の径方向に沿って、互い違いに並んだ渦巻形状である。
図11Cは、第10の実施形態における変形例による半導体素子における渦巻形状の電極を模式的に示す平面図である。図11Cに示すように、第10の実施形態の変形例による重複領域7におけるソース電極5およびドレイン電極6の形状は、中心からの径方向に沿って、互い違いに並んだ1周未満の渦巻形状である。
次に、上述した実施形態による半導体素子を構成する絶縁性基材1、ゲート電極2、ゲート絶縁層3、半導体塗布層4、ソース電極5、およびドレイン電極6の材料や構成、および形成方法について説明する。
(絶縁性基材)
絶縁性基材1は、少なくとも電極系が配置される面が絶縁性であればいかなる材質のものでもよい。絶縁性基材1の材質としては、例えば、シリコンウエハ、ガラス、サファイア、アルミナ焼結体等の無機材料、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルクロライド、ポリエチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリシロキサン、ポリビニルフェノール(PVP)、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリパラキシレン等の有機材料などが好適に用いられる。
絶縁性基材1としては、例えば、シリコンウエハ上にPVP膜を形成したものや、ポリエチレンテレフタレート上にポリシロキサン膜を形成したものなど、複数の材料が積層されたものであってもよい。
(電極)
ゲート電極2、ソース電極5、ドレイン電極6、および配線(図示せず)に用いられる材料は、一般的に電極として使用される導電材料であれば、いかなるものを採用してもよい。例えば、酸化錫、酸化インジウム、酸化錫インジウム(ITO)などの導電性金属酸化物;白金、金、銀、銅、鉄、錫、亜鉛、アルミニウム、インジウム、クロム、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、カルシウム、マグネシウム、パラジウム、モリブデン、アモルファスシリコンやポリシリコンなどの金属やこれらの合金;ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質;ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン;ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸の錯体など;ヨウ素などのドーピングなどで導電率を向上させた導電性ポリマーなど;炭素材料など;および有機成分と導電体を含有する材料などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの電極材料は、単独で用いてもよいが、複数の材料を積層または混合して用いてもよい。
また、ゲート電極2、ソース電極5、ドレイン電極6、および配線(図示せず)における、幅や厚み、ならびにソース電極5とドレイン電極6とのチャネル長Lは、任意に設定することが可能である。ゲート電極2、ソース電極5、およびドレイン電極6において、幅は5μm〜1mmが好ましく、厚みは0.01μm〜100μmが好ましく、ソース電極5とドレイン電極6との間隔は1μm〜500μmが好ましいが、必ずしもこれらに限定されない。
さらに、配線における幅や厚みも任意に設定可能である。配線において、厚みは0.01μm〜100μmが好ましく、幅は5μm〜500μmが好ましいが、必ずしもこれらに限定されない。
また、ゲート電極2、ソース電極5、ドレイン電極6、および配線(図示せず)の形成方法としては、抵抗加熱蒸着、電子線ビーム、スパッタリング、メッキ、CVD、イオンプレーティングコーティング、インクジェット、または印刷などの公知技術を用いた方法や、上述した有機成分および導電体を含むペーストを、スピンコート法、ブレードコート法、スリットダイコート法、スクリーン印刷法、バーコーター法、鋳型法、印刷転写法、または浸漬引き上げ法などの公知の技術で絶縁基板上に塗布し、オーブン、ホットプレート、または赤外線などを用いて乾燥を行って形成する方法などを挙げることができるが、導通可能な状態に形成できれば特に限定されるものではない。
また、電極および配線のパターンの形成方法としては、上述した方法により作製した電極薄膜を、公知のフォトリソグラフィー法などによって所望の形状にパターン形成してもよいし、または電極および配線物質を蒸着させたりスパッタリングによって形成したりする際に、所望の形状のマスクを介してパターン形成してもよい。また、インクジェット法や印刷法を用いて直接パターンを形成する方法を採用してもよい。
(ゲート絶縁層)
ゲート絶縁層3に用いられる材料としては、特に限定されないが、酸化シリコン、アルミナ等の無機材料;ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルクロライド、ポリエチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリシロキサン、ポリビニルフェノール(PVP)等の有機高材料;または無機材料粉末と有機材料の混合物を挙げることができる。中でも、ケイ素原子と炭素原子との結合を含む有機化合物を含むものが好ましい。また、ケイ素原子と炭素原子との結合を含む有機化合物と、金属原子および酸素原子の結合を含む金属化合物とを含むものも好ましい。
ゲート絶縁層3は単層でも複数層でもよい。また、1つの層を複数の絶縁性材料から形成してもよいし、複数の絶縁性材料を積層して複数の絶縁層を形成してもよい。ゲート絶縁層3の形成方法としては、抵抗加熱蒸着、電子線ビーム、スパッタリング、メッキ、CVD、イオンプレーティングコーティング、インクジェット、印刷、スピンコート法、ブレードコート法、スリットダイコート法、スクリーン印刷法、バーコーター法、鋳型法、印刷転写法、または浸漬引き上げ法などの公知の技術が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ゲート絶縁層3の膜厚は0.05μm以上5μm以下が好ましく、0.1μm以上1μm以下がより好ましい。ゲート絶縁層3の膜厚を上述した範囲にすることによって、均一な薄膜形成が容易になる。膜厚は、原子間力顕微鏡やエリプソメトリ法などにより測定できる。
(半導体塗布層)
半導体塗布層4は、半導体としての性質を示すものであればよいが、カーボンナノチューブ、グラフェン、フラーレン、および有機半導体からなる群より選ばれる1種以上を含有するのが好ましい。有機半導体としては、例えば、ペンタセン、アントラセン、ルブレンなどの多環芳香族炭化水素、フタロシアニン、テトラシアノキノジメタン(TCNQ)などの低分子化合物、ポリアセチレン、ポリ−3−ヘキシルチオフェン(P3HT)などのポリチオフェン、ポリパラフェニレンビニレン(PPV)、ポリフルオレンなどのポリマー、CNTやグラフェンやフラーレンなどのナノカーボンなどが挙げられる。半導体塗布層4は、電気特性を阻害しない範囲であれば、さらに有機半導体や絶縁性材料を含んでもよい。またこれらを単独で用いても、複数の材料を積層または混合して用いてもよい。
中でも、半導体塗布層4はCNTを含むものが好ましい。さらに表面の少なくとも一部に共役系重合体が付着したCNTがより好ましい。CNTの表面の少なくとも一部に共役系重合体が付着した状態とは、CNTの表面の一部、あるいは全部を共役系重合体が被覆した状態を意味する。共役系重合体がCNTを被覆できるのは、両者の共役系構造に由来するπ電子雲が重なることによって相互作用が生じるためと推測される。CNTが共役系重合体で被覆されているか否かは、被覆されたCNTの反射色が被覆されていないCNTの色から共役系重合体の色に近づくことで判断できる。定量的にはX線光電子分光(XPS)などの元素分析によって、付着物の存在とCNTに対する付着物の重量比を同定することができる。
また、CNTへの付着のしやすさから、共役系重合体の重量平均分子量が1000以上であることが好ましい。ここで、共役系重合体とは、繰り返し単位が共役構造をとり、重合度が2以上の化合物を指す。
CNTの表面の少なくとも一部に共役系重合体を付着させることにより、CNTの保有する高い電気的特性を損なうことなくCNTを溶液中に均一に分散することが可能になる。また、CNTが均一に分散した溶液から塗布法により、均一に分散したCNT膜を形成することが可能になる。これにより、高い半導体特性を実現できる。
CNTに共役系重合体を付着させる方法は、(I)溶融した共役系重合体中にCNTを添加して混合する方法、(II)共役系重合体を溶媒中に溶解させ、この中にCNTを添加して混合する方法、(III)CNTを溶媒中に超音波等で予備分散させておき、そこへ共役系重合体を添加し混合する方法、(IV)溶媒中に共役系重合体とCNTを入れ、この混合系へ超音波を照射して混合する方法などが挙げられる。本発明では、いずれの方法を用いてもよく、複数の方法を組み合わせてもよい。
共役系重合体としては、ポリチオフェン系重合体、ポリピロール系重合体、ポリアニリン系重合体、ポリアセチレン系重合体、ポリ−p−フェニレン系重合体、ポリ−p−フェニレンビニレン系重合体などが挙げられるが、特に限定されない。上述した重合体は単一のモノマーユニットが並んだものが好ましく用いられるが、異なるモノマーユニットをブロック共重合したもの、ランダム共重合したものも用いられる。また、グラフト重合したものも用いることができる。
上述した重合体の中でも本発明においては、CNTへの付着が容易であり、CNT複合体を形成しやすいポリチオフェン系重合体が好ましく使用される。環中に含窒素二重結合を有する縮合へテロアリールユニットとチオフェンユニットを繰り返し単位中に含むものがより好ましい。
本発明において、CNTを半導体素子の半導体塗布層4に用いる場合、CNTの長さは、ソース電極5とドレイン電極6との間の距離(チャネル長L)よりも短いことが好ましい。CNTの平均長さは、ソース電極5とドレイン電極6との間隔にもよるが、好ましくは2μm以下、より好ましくは1μm以下である。
CNTの平均長さとは、ランダムにピックアップした20本のCNTの長さの平均値を言う。CNTの平均長さの測定方法としては、原子間力顕微鏡、走査型電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡等で得た画像の中から、20本のCNTをランダムにピックアップし、それらの長さの平均値を得る方法が挙げられる。CNTの直径は特に限定されないが、1nm以上100nm以下が好ましく、より好ましくは50nm以下である。
半導体塗布層4の膜厚は1nm以上100nm以下が好ましい。この範囲内にあることで、均一な薄膜形成が容易になる。より好ましくは1nm以上50nm以下、さらに好ましくは1nm以上20nm以下である。膜厚は、原子間力顕微鏡やエリプソメトリ法などにより測定できる。
半導体塗布層4の形成方法としては、抵抗加熱蒸着、電子線ビーム、スパッタリング、CVDなど乾式の方法を用いることも可能であるが、製造コストや大面積への適合の観点から塗布法を用いることが好ましい。具体的には、スピンコート法、ブレードコート法、スリットダイコート法、スクリーン印刷法、バーコーター法、鋳型法、印刷転写法、浸漬引き上げ法、インクジェット法などを好ましく用いることができ、塗膜厚み制御や配向制御など、得ようとする塗膜特性に応じて塗布方法を選択できる。また、形成した塗膜に対して、大気下、減圧下または窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気下でアニーリング処理を行ってもよい。
(第2絶縁層)
本発明では、半導体塗布層4に対してゲート絶縁層3と反対側に第2絶縁層を形成してもよい。これにより、半導体塗布層4を酸素や水分などの外部環境から保護することができる。第2絶縁層に用いられる材料としては特に限定されない。また、1つの層を複数の絶縁性材料から形成してもよいし、複数の絶縁性材料を積層して形成しても構わない。
第2絶縁層の形成方法としては、特に限定されず、抵抗加熱蒸着、電子線ビーム、スパッタリング、CVDなど乾式の方法を用いることも可能であるが、製造コストや大面積への適合の観点から塗布法を用いることが好ましい。塗布法として、具体的には、スピンコート法、ブレードコート法、スリットダイコート法、スクリーン印刷法、バーコーター法、鋳型法、印刷転写法、浸漬引き上げ法、インクジェット法、ドロップキャスト法などを好ましく用いることができる。塗膜厚み制御や配向制御など、得ようとする塗膜特性に応じて塗布方法を選択できる。
(半導体素子の製造方法)
半導体素子の製造方法は特に制限はないが、半導体素子の半導体塗布層4を塗布および乾燥して形成する工程を含むことが好ましい。以下、図1と図2に示す実施形態に係る半導体素子の製造方法を例に具体的に説明する。
図1に示す半導体素子の製造方法について、図12Aに示すように、上述した方法によって、絶縁性基材1上にゲート電極2を形成する。次に、図12Bに示すように、ケイ素原子と炭素原子の結合を含む有機化合物を塗布および乾燥して、ゲート絶縁層3を形成する。次に、図12Cに示すように、上述した方法によって、ゲート絶縁層3上にソース電極5およびドレイン電極6を、同一の材料を用いて同時に形成する。次に、図12Dに示すように、上述した方法によって、ソース電極5とドレイン電極6との間に半導体塗布層4を形成する。以上により、半導体素子が製造される。
図2に示す半導体素子の製造方法について、図13Aに示すように、上述した方法によって、絶縁性基材1上にゲート電極2を形成する。次に、図13Bに示すように、ケイ素原子と炭素原子の結合を含む有機化合物を塗布および乾燥して、ゲート絶縁層3を形成する。次に、図13Cに示すように、上述した方法によって、半導体塗布層4を形成する。次に、図13Dに示すように、上述した方法によって、ゲート絶縁層3および半導体塗布層4上にソース電極5およびドレイン電極6を、同一の材料を用いて同時に形成する。以上により半導体素子が製造される。
<無線通信装置>
次に、本発明の半導体素子を含有する無線通信装置について説明する。無線通信装置は、例えばRFIDなどの、リーダ/ライタに搭載されたアンテナから送信される搬送波を、RFIDタグが受信することによって電気通信を行う装置である。具体的な動作は、例えばリーダ/ライタに搭載されたアンテナから送信された無線信号を、RFIDタグのアンテナが受信し、整流回路により直流電流に変換されRFIDタグが起電する。次に、起電されたRFIDタグは、無線信号からコマンドを受信し、コマンドに応じた動作を行う。その後、コマンドに応じた結果の回答を、RFIDタグのアンテナからリーダ/ライタのアンテナに無線信号で送信する。なお、コマンドに応じた動作は少なくとも公知の復調回路、動作制御ロジック回路、変調回路で行われる。
本発明の無線通信装置は、上述の半導体素子と、アンテナと、を少なくとも有するものである。図14は、本発明による半導体素子を用いた無線通信装置の一例を示すブロック図である。図14に示すように、無線通信装置は、アンテナ9、制御回路11、記憶回路12、変調回路13、復調回路14、および電源生成部15を有し、これらの各部が相互に電気的に接続されて構成される。
無線通信装置において、電源生成部15は、アンテナ9で受信した外部からの変調波信号の整流を行い、各部に電源を供給する。復調回路14は、上述した変調波信号を復調して制御回路11に供給する。変調回路13は、制御回路11から供給されたデータを変調してアンテナ9に供給する。制御回路11は、復調回路14によって復調されたデータを記憶回路12に書き込んだり記憶回路12からデータを読み出したりして、変調回路13に供給する。制御回路11、記憶回路12、変調回路13、復調回路14は、CMOSFETなどの相補型半導体素子から構成され、さらにコンデンサ、抵抗素子、およびダイオードを含んでもよい。記憶回路12は、さらにEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)などの不揮発性の書き換え可能な記憶部を有する。電源生成部15は、コンデンサやダイオードから構成される。
アンテナ、コンデンサ、抵抗素子、ダイオード、不揮発性の書き換え可能な記憶部は一般的に使用されるものであればよく、用いられる材料や形状は、特に限定されない。また、それぞれを電気的に接続する材料も、一般的に使用されうる導電材料であればいかなるものでもよい。接続方法も電気的に導通可能な状態にできれば、いかなる方法でもよく、接続部の幅や厚みは任意に設定可能である。
<商品タグ>
次に、本発明の無線通信装置を含有する商品タグについて説明する。この商品タグは、例えば基体と、この基体によって被覆された上述した無線通信装置とを有する。
基体は、例えば、平板状に形成された紙などの非金属材料によって形成されている。例えば、基体は2枚の平板状の紙を貼り合わせた構造をしており、この2枚の紙の間に上述した無線通信装置が配置されている。上述した無線記憶装置の記憶回路12に、例えば商品を個体識別する個体識別情報が予め格納されている。
この商品タグとリーダ/ライタとの間で、無線通信を行う。リーダ/ライタとは、無線により商品タグに対するデータの読み取りおよび書き込みを行う装置であり、商品の流通過程や決済時に、商品タグとデータのやり取りを行うものである。例えば、携帯型のものや、レジに設置される固定型のものがある。リーダ/ライタは公知のものが利用できる。
具体的には、この商品タグは個体識別情報の送信を要求する所定のリーダ/ライタからのコマンドに応じ、記憶している個体識別情報を無線により返信する識別情報返信機能を備えている。これにより、例えば商品の精算レジにおいて、非接触で多数の商品を同時に識別することが可能となり、バーコードでの識別と比較すると決済処理の容易化や迅速化を図ることができる。
例えば、商品の会計の際には、リーダ/ライタが商品タグから読み取った商品情報をPOS(Point Of Sale System、販売時点情報管理)端末に送信すると、POS端末においてその商品情報によって特定される商品の販売登録がなされるといったことが可能となる。
(実施例)
次に、本発明の実施例について説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。実施例における各評価法を以下の[1]〜[3]で説明する。
[1]重量平均分子量測定
ポリマーの重量平均分子量は、サンプル溶液を孔径0.45μmメンブレンフィルターで濾過後、GPC(GEL PERMEATION CHROMATOGRAPHY:ゲル浸透クロマトグラフィー、東ソー社製、HLC−8220GPC)(展開溶剤:テトラヒドロフラン、展開速度:0.4ml/分)を用いて測定し、ポリスチレン標準試料との比較により、ポリスチレン換算の重量平均分子量を求めた。
[2]CNT複合体の総長さの測定方法
半導体塗布層4中の任意の1μmを、透過型電子顕微鏡を用いて倍率150万倍で観察し、その領域に含まれる全てのCNT複合体の長さを測定して、総長さを求めた。
[3]半導体素子のIdVsd特性の評価
FETのゲート電圧(Vg)を変えたときのソース・ドレイン間電流(Id)−ソース・ドレイン間電圧(Vsd)特性を測定した。測定には半導体特性評価システム4200−SCS型(ケースレーインスツルメンツ社製)を用い、大気下で測定した。Vg=0V〜−5Vに変化させたときのVg=−5V、Vsd=−5VにおけるIdの値を求めた。
(実施例1)
(1)半導体溶液の作製
純度が95%のCNT1(CNI社製、単層CNT)を1.5mgと、ドデシル硫酸ナトリウム(和光純薬工業社製)を1.5mgとを、30mlの水中に加え、氷冷しながら超音波ホモジナイザーを用いて、出力を250Wとして3時間超音波撹拌し、溶媒に対するCNT複合体濃度が0.05g/lのCNT複合体分散液を得た。得られたCNT複合体分散液を、遠心分離機(日立工機社製、CT15E)を用いて、21000Gで30分間遠心分離した後、上澄みの80体積%を取り出すことによって半導体溶液を得た。
(2)ゲート絶縁層材料の作製
メチルトリメトキシシラン(以下、MTMSiという)を61.29g(0.45mol)、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(以下、β−EpETMSiという)を12.31g(0.05mol)、およびフェニルトリメトキシシラン(以下、PhTMSiという)を99.15g(0.5mol)用いて、203.36gの容量の沸点が170℃のプロピレングリコールモノブチルエーテルに溶解させた。これに、水を54.90g、リン酸を0.864g、撹拌しながら加えた。得られた溶液をバス温を105℃として2時間加熱し、内温を90℃まで上昇させて、主として副生するメタノールからなる成分を留出した。次に、バス温を130℃として2.0時間加熱し、内温を118℃まで上昇させて、主として水とプロピレングリコールモノブチルエーテルからなる成分を留出せしめた後、室温まで冷却し、固形分濃度が26.0質量%のゲート絶縁層材料Aを得た。ゲート絶縁層材料Aを10gだけ量り取り、アルミニウムビス(エチルアセトアセテート)モノ(2,4−ペンタンジオナート)(商品名「アルミキレートD」、川研ファインケミカル社製、以下、アルミキレートDという)を13gと、沸点が146℃のプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(アルドリッチ社製、以下、PGMEAという)を42gとを混合して、室温にて2時間撹拌し、固形分濃度が24重量%のゲート絶縁層材料Bを得た。本溶液中の上述したポリシロキサンの含有量は、アルミキレートDが100重量部に対して20重量部であった。上述したゲート絶縁層材料Bを、大気中かつ室温で保存したところ、1か月経過しても析出物は観察されず安定であることが確認された。
(3)半導体素子の作製
次に、半導体素子の製造方法の一例について説明する。図7Aに示す電極形状をした図1Bに示す態様の半導体素子を作製した。すなわち、例えば、厚さが0.7mmのガラス製の絶縁性基材1上に、例えば抵抗加熱法により、マスクを通してクロム(Cr)を5nmおよび金を50nmの膜厚に真空蒸着することにより、ゲート電極2を形成する。次に、上述した方法によって作製したゲート絶縁層材料Bを、ゲート電極2が形成されたガラス基板上に、800rpmの回転数で20秒間、スピンコート塗布した後、120℃の温度で5分間熱処理を行う。次に、ゲート絶縁層材料Bを再度、800rpmの回転数で20秒間、スピンコート塗布した後、窒素(N2)気流下において、200℃の温度で30分間熱処理を行うことによって、膜厚が400nmのゲート絶縁層3を形成する。
次に、ゲート絶縁層3上に、抵抗加熱法により、金(Au)を50nmの膜厚になるように真空蒸着する。形成されたAu層上に、フォトレジスト(商品名「LC100−10cP」、ローム・アンド・ハース社製)を、1000rpmの回転数で20秒間、スピンコート塗布し、100℃の温度で10分間、加熱乾燥させた。形成したフォトレジスト膜を、パラレルライトマスクアライナー(キヤノン社製、PLA−501F)を用いて、マスクを介してパターン露光した後、自動現像装置(滝沢産業社製、AD−2000)において、濃度が2.38質量%の水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(商品名「ELM−D」、三菱ガス化学社製)を用いて、70秒間シャワー現像し、続いて30秒間、水による洗浄を行った。
次に、エッチング液(商品名「AURUM−302」、関東化学社製)を用いて、5分間エッチング処理した後、30秒間、水による洗浄を行った。次に、レジスト剥離液(商品名「AZリムーバ100」、AZエレクトロニックマテリアルズ社製)に5分間浸漬させることにより、レジストを剥離し、30秒間の水洗浄を行った後、120℃の温度で20分間加熱乾燥を行う。これによって、ソース電極5およびドレイン電極6が形成される。ソース電極5およびドレイン電極6のチャネル幅Wは、2000μm、チャネル長Lは10μmである。ソース電極5およびドレイン電極6が形成された絶縁性基材1上に、上述した方法によって作製した半導体溶液を、インクジェット装置(クラスターテクノロジー社製)を用いて400plの量で滴下して半導体塗布層4を形成する。その後、ホットプレート上で窒素気流下において150℃の温度で30分間の熱処理を行う。これにより、図1Bに示す半導体素子を製造した。半導体塗布層4中の1μm当たりに存在するCNT複合体の総長さは、20μmであった。半導体素子のIdVsd特性を測定した結果、ゲート電極2の電圧Vg=−5V、ソース・ドレイン間の電圧Vsd=−5VにおけるIdの値は9μAであり、そのオン/オフ比は3.2×104であった。また集団の標準偏差を平均値で割った変動係数をばらつきと定義した場合、N=6におけるオン電流のばらつきは±22.2%であった。
(比較例1)
比較例1として、断面形状が図1Bに示す半導体素子において、図5に示す電極形状を有する半導体素子を製造した。電極形状と、ソース電極5およびドレイン電極6のチャネル幅Wを200μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして半導体素子を製造した。半導体素子のIdVsd特性を測定した結果、ゲート電極2の電圧Vg=−5V、ソース・ドレイン間の電圧Vsd=−5VにおけるIdの値は1μAであった。また、比較例1による半導体素子のオン/オフ比は5.4×104であった。また、N=6におけるオン電流のばらつきは±41.1%であった。
(比較例2)
比較例2として、実施例1と同程度のオン電流を得られるようにCNTのネットワークの密度を制御したこと以外は、比較例1と同様にして半導体素子を製造した。半導体素子のIdVsd特性を測定した結果、ゲート電極2の電圧Vg=−5V、ソース・ドレイン間の電圧Vsd=−5VにおけるIdの値は9μAであった。また、比較例2による半導体素子のオン/オフ比は5.1×103であった。また、N=6におけるオン電流のばらつきは±30.6%であった。
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。例えば、上述の実施形態において挙げた数値、材料、および構成はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる数値、材料、および構成を用いてもよい。また、上述の実施形態において挙げた材料や数値は、本発明の技術的思想の範囲内で適宜種々組み合わせることが可能である。
例えば、上述した実施形態におけるソース電極5およびドレイン電極6の平面の形状は、互いに反対の形状であってもよい。すなわち、上述した実施形態において、ソース電極5の形状をドレイン電極6の形状にするとともに、ドレイン電極6の形状をソース電極5の形状としてもよい。
本発明に係る半導体素子およびその製造方法、ならびに無線通信装置は、無線通信システムに用いられる非接触型のRFIDタグに好適に用いることができる。
1 絶縁性基材
2 ゲート電極
3 ゲート絶縁層
4,24 半導体塗布層
5,25 ソース電極
6,26 ドレイン電極
7 重複領域
7a,27a 対向領域
9 アンテナ
11 制御回路
12 記憶回路
13 変調回路
14 復調回路
15 電源生成部
D 凹凸長さ(ドレイン電極の凸部の長さ)
D′ 凹凸長さ(ソース電極の凸部の長さ)
D1 重複領域の中央における凹凸長さ
D2 重複領域の端における凹凸長さ
L チャネル長
W チャネル幅

Claims (14)

  1. 絶縁性基材と、
    ゲート電極と、
    ソース電極と、
    前記ソース電極と離間して設けられたドレイン電極と、
    前記ソース電極および前記ドレイン電極の一部と接するように閉領域に設けられた半導体塗布層と、
    前記半導体塗布層と前記ゲート電極とを絶縁するゲート絶縁層と、を備える半導体素子であって、
    前記ソース電極と前記ドレイン電極との少なくとも一部が互い違いに配置された重複領域が、前記閉領域の形状に対応した形状である
    半導体素子。
  2. 前記重複領域の形状と前記閉領域の形状とが略等しい請求項1に記載の半導体素子。
  3. 前記重複領域における前記ソース電極と前記ドレイン電極との間の対向領域が、一方の凸部と他方の凹部とが対向した凹凸形状である請求項1または2に記載の半導体素子。
  4. 前記重複領域における前記ソース電極と前記ドレイン電極との間の対向領域が、一方の並列した複数の凸部と他方の並列した複数の凹部とがそれぞれ対向してなる連続的な凹凸形状を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体素子。
  5. 前記重複領域における前記ソース電極と前記ドレイン電極との間の対向領域が、一方の並列した複数の凸部と他方の並列した複数の凹部とがそれぞれ対向してなる離散的な形状を有する請求項1または2に記載の半導体素子。
  6. 前記対向領域の凹凸形状は、櫛歯状、波状、鋸歯状、または三角波状である請求項3〜5のいずれか1項に記載の半導体素子。
  7. 前記対向領域の凹凸形状は、不均一な凹凸が連続される凹凸形状である請求項3〜6のいずれか1項に記載の半導体素子。
  8. 前記重複領域は、前記対向領域および前記互い違いに配置された部分の外縁を滑らかに繋いだ曲線の内側の領域であり、前記重複領域の形状は、略円状または略楕円状である請求項3〜7のいずれか1項に記載の半導体素子。
  9. 前記重複領域における前記ソース電極および前記ドレイン電極の形状が、径方向に沿って互い違いに並んだ渦巻形状である請求項1または2に記載の半導体素子。
  10. 前記閉領域の形状は、前記重複領域を覆う略円状または略楕円状である請求項1〜9のいずれか1項に記載の半導体素子。
  11. 前記半導体塗布層は、カーボンナノチューブ、グラフェン、フラーレン、および有機半導体からなる群より選ばれる1種以上を含有する請求項1〜10のいずれか1項に記載の半導体素子。
  12. 前記半導体塗布層は、表面の少なくとも一部に共役系重合体が付着したカーボンナノチューブからなる請求項1〜11のいずれか1項に記載の半導体素子。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の半導体素子を製造する半導体素子の製造方法であって、前記半導体塗布層を塗布法によって形成する半導体素子の製造方法。
  14. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の半導体素子を備える無線通信装置。
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