以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
(部品実装装置の構成)
まず、図1および図2を参照して、本発明の一実施形態による部品実装装置100の全体構成について説明する。なお、以下の説明では、基板搬送方向に沿う方向をX方向とし、水平面内でX方向と直交する方向をY方向とし、X方向およびY方向に直交する上下方向をZ方向とする。
部品実装装置100は、IC、トランジスタ、コンデンサおよび抵抗などの部品E(電子部品)を、プリント基板などの基板Pに実装する装置である。
図1および図2に示すように、部品実装装置100は、基台1と、搬送部2と、ヘッドユニット3と、ヘッド水平移動機構部4と、部品撮像部5と、基板撮像部6と、制御部7(図2参照)とを備えている。
基台1は、部品実装装置100において各構成要素を配置する基礎となる台である。基台1上には、搬送部2、レール部42および部品撮像部5が設けられている。また、基台1内には、制御部7が設けられている。また、基台1には、Y方向の両側(Y1方向側およびY2方向側)に、複数の部品供給装置200がそれぞれ配置されている。
部品供給装置200は、基板Pに実装される部品Eを供給する装置である。部品供給装置200は、部品Eを収納する部品供給テープ200a(図3参照)を送ることにより、部品Eを供給するテープフィーダである。部品供給装置200は、ヘッドユニット3による部品保持動作に応じて、部品供給テープ200aを間欠的に送る。部品供給テープ200aは、複数の部品Eを所定のピッチで収納しているテープである。部品供給テープ200aは、部品Eを保持するキャリアテープと、キャリアテープ上に貼付されたカバーテープとを含む。なお、部品供給装置200の詳細については、後述する。
搬送部2は、基板Pを基板搬送方向(X方向)に搬送する。搬送部2は、一対のコンベア部2aを含む。搬送部2は、一対のコンベア部2aにより基板PのY方向の両端を支持しつつ基板Pを基板搬送方向に搬送する。一対のコンベア部2aは、それぞれ、搬送ベルトを有する。
搬送部2は、実装前の基板Pを搬入し、搬入された基板Pを実装停止位置Paまで搬送する。また、搬送部2は、基板Pを実装停止位置Paにおいて基板固定機構(図示せず)により固定する。実装停止位置Paでは、基板固定機構により基板Pが固定された状態で、ヘッドユニット3による基板Pへの部品Eの実装が行われる。ヘッドユニット3による基板Pへの部品Eの実装が完了すると、搬送部2は、実装停止位置Paにおける基板固定機構による基板Pの固定を解除する。また、搬送部2は、実装後の基板Pを実装停止位置Paから搬送し、搬出する。
ヘッドユニット3は、部品実装用のヘッドユニットである。ヘッドユニット3は、実装停止位置Paにおいて固定された基板Pに部品Eを実装する。ヘッドユニット3は、複数(5つ)のヘッド(実装ヘッド)31を含む。ヘッド31の先端には、部品Eを保持するためのノズル(図示せず)が着脱可能に装着されている。ヘッド31は、真空発生装置(図示せず)から供給された負圧により、ノズルに部品Eを保持(吸着)可能に構成されている。
また、ヘッドユニット3は、ヘッド31のノズルを上下方向(Z方向)に移動させるZ軸モータ32(図2参照)と、ヘッド31のノズルをZ方向に延びる回転軸線回りに回転させるR軸モータ33(図2参照)とを含む。ヘッド31のノズルは、Z軸モータ32により、部品Eを保持する際かまたは保持された部品Eを実装する際の下降位置と、保持された部品Eを基板Pに搬送する際の上昇位置との間で、上下方向に移動可能に構成されている。また、ヘッド31のノズルは、部品Eを保持した状態でR軸モータ33により回転されることにより、保持している部品Eの向きを調整可能に構成されている。
ヘッド水平移動機構部4は、ヘッドユニット3を水平方向(X方向およびY方向)に移動させるように構成されている。ヘッド水平移動機構部4は、ヘッドユニット3を基板搬送方向(X方向)に移動可能に支持する支持部41と、支持部41をY方向に移動可能に支持するレール部42とを含む。支持部41は、基板搬送方向に延びるボールねじ軸41aと、ボールねじ軸41aを回転させるX軸モータ41bとを有する。ヘッドユニット3には、支持部41のボールねじ軸41aと係合するボールナット(図示せず)が設けられている。ヘッドユニット3は、X軸モータ41bによりボールねじ軸41aが回転されることにより、ボールねじ軸41aと係合するボールナットとともに、支持部41に沿って基板搬送方向に移動可能に構成されている。
レール部42は、支持部41のX方向の両端部をY方向に移動可能に支持する一対のガイドレール42aと、Y方向に延びるボールねじ軸42bと、ボールねじ軸42bを回転させるY軸モータ42cとを有する。支持部41には、レール部42のボールねじ軸42bと係合するボールナット(図示せず)が設けられている。支持部41は、Y軸モータ42cによりボールねじ軸42bが回転されることにより、ボールねじ軸42bと係合するボールナットとともに、レール部42の一対のガイドレール42aに沿ってY方向に移動可能に構成されている。
ヘッド水平移動機構部4の支持部41およびレール部42により、ヘッドユニット3は、基台1上を水平方向に移動可能に構成されている。これにより、ヘッドユニット3は、部品供給装置200の上方に移動して、部品供給装置200から供給される部品Eを保持(吸着)可能である。また、ヘッドユニット3は、実装停止位置Paにおいて固定された基板Pの上方に移動して、保持(吸着)された部品Eを基板Pに実装可能である。
部品撮像部5は、部品認識用のカメラである。部品撮像部5は、ヘッドユニット3のヘッド31による部品Eの基板Pへの搬送中に、ヘッド31のノズルに保持(吸着)された部品Eを撮像する。部品撮像部5は、基台1の上面上に固定されており、部品Eの下方(Z2方向)から、ヘッド31のノズルに保持(吸着)された部品Eを撮像する。部品撮像部5による部品Eの撮像画像に基づいて、制御部7は、部品Eの保持状態(回転姿勢およびヘッド31に対する保持位置)を取得(認識)する。
基板撮像部6は、基板認識用のカメラである。基板撮像部6は、ヘッドユニット3のヘッド31による基板Pへの部品Eの実装開始前に、実装停止位置Paにおいて固定された基板Pにおいて、基板Pの上面に付された位置認識マーク(フィデューシャルマーク)P1を撮像する。位置認識マークP1は、基板Pの位置を認識するためのマークである。基板撮像部6による位置認識マークP1の撮像画像に基づいて、制御部7は、実装停止位置Paにおいて固定された基板Pの正確な位置および姿勢を取得(認識)する。
制御部7は、部品実装装置100の動作を制御する制御回路である。制御部7は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、および、RAM(Random Access Memory)を含む。制御部7は、搬送部2、部品供給装置200、X軸モータ41bおよびY軸モータ42cなどを生産プログラムに従って制御することにより、ヘッドユニット3により基板Pに部品Eを実装させる制御を行うように構成されている。
(部品供給装置の構成)
次に、図3〜図9を参照して、本発明の一実施形態による部品供給装置200の全体構成について説明する。
なお、以下の説明では、部品供給装置200における部品供給テープ200aの送り方向をA1方向とし、送り方向とは反対方向をA2方向とする。また、部品供給装置200の幅方向をB方向とする。B方向は、部品供給装置200が部品実装装置100に取り付けられた状態で、A1方向(A2方向)およびZ方向(上下方向)に直交するとともに、略水平な方向である。また、幅方向のうちの一方方向をB1方向とし、幅方向のうちの他方方向をB2方向とする。なお、A1方向(A2方向)は、部品供給装置200が部品実装装置100に取り付けられた状態で、上記X方向に直交するとともに、上記Y方向に略平行な方向である。また、B方向は、部品供給装置200が部品実装装置100に取り付けられた状態で、上記Y方向に直交するとともに、上記X方向に略平行な方向である。
〈テープ送り機構〉
図3に示すように、部品供給装置200は、部品供給テープ200aを送るテープ送り機構210を備える。テープ送り機構210は、テープ通路211に沿って部品供給テープ200aを送り方向(A1方向)に送るように構成されている。テープ通路211は、部品供給装置本体220に形成された部品供給テープ200aが通る通路である。テープ通路211は、部品供給装置本体220のうちの内側の部分(内部)に形成された内側通路211aと、部品供給装置本体220のうちの外側の部分に形成された外側通路211bとを含む。内側通路211aは、外側通路211bに対して送り方向の上流側(A2方向側)に形成されている。外側通路211bは、内側通路211aに対して送り方向の下流側(A1方向側)に形成されている。外側通路211bは、内側通路211aとは異なり、後述するテープガイド230を取付可能なように上側(Z1方向側)が開放されている。
テープ送り機構210は、複数(3つ)のスプロケット212a、212bおよび212cと、複数(2つ)の駆動モータ213aおよび213bとを含む。スプロケット212a、212bおよび212cは、部品供給テープ200aの係合孔(図示せず)に係合(嵌合)する歯を有する。歯が部品供給テープ200aの係合孔に係合した状態で回転することにより、スプロケット212a、212bおよび212cは、部品供給テープ200aを送り方向(A1方向)に送る。逆回転すれば、スプロケット212a、212bおよび212cは、部品供給テープ200aを通常の送り方向とは反対方向(A2方向)に送ることも可能である。
スプロケット212a、212bおよび212cは、送り方向の上流側(A2方向側)から下流側(A1方向側)に向かって、この順に配置されている。スプロケット212aは、部品供給装置本体220のうちの送り方向の上流側の部分に配置されている。スプロケット212aは、テープ通路211の入口部の近傍に配置されている。スプロケット212aは、テープ通路211の入口部から導入された部品供給テープ200aを、下流側に配置されたスプロケット212bに送る。
スプロケット212bおよび212cは、部品供給装置本体220のうちの送り方向の下流側の部分に配置されている。スプロケット212bおよび212cは、テープ通路211の外側通路211bにおいてテープガイド230が配置された位置に対応する位置に配置されている。スプロケット212bおよび212cは、部品供給テープ200aを送ることにより、部品供給テープ200aに収納された部品Eを、テープ通路211の外側通路211b上の部品供給位置Pbに送る。部品供給位置Pbは、テープガイド230の後述する部品取出口234とZ方向に重なるテープ通路211の外側通路211b上の位置である。
駆動モータ213aは、スプロケット212aを回転させるモータである。駆動モータ213aは、駆動モータ213aの駆動力をスプロケット212aに伝達する駆動力伝達機構214aにより、スプロケット212aに接続されている。駆動力伝達機構214aは、たとえば、ベルト−プーリ機構である。駆動モータ213bは、スプロケット212bおよび212cを回転させるモータである。駆動モータ213bは、駆動モータ213bの駆動力をスプロケット212bおよび212cに伝達する駆動力伝達機構214bにより、スプロケット212bおよび212cに接続されている。スプロケット212bおよび212cは、単一の駆動モータ213bにより同期して駆動される。駆動力伝達機構214bは、たとえば、ベルト−プーリ機構である。
〈テープガイド〉
図3〜図5に示すように、部品供給装置200は、部品供給テープ200aを上下方向(Z方向)に押さえつつ案内するテープガイド230を備える。テープガイド230は、テープ通路211の外側通路211bに設けられている。テープガイド230は、テープ通路211の外側通路211bを上側(Z1方向側)から覆うように設けられている。テープガイド230は、上面部231とテープ通路211の外側通路211bとの間において部品供給テープ200aを上下方向に押さえる。テープガイド230の上面部231は、部品供給テープ200aを上側(Z1方向側)から下側(Z2方向側、テープ通路211側)に向かって押さえる。テープガイド230の上面部231とテープ通路211の外側通路211bとの間に部品供給テープ200aの先端部(A1方向側の端部)が進入した場合、テープガイド230は、部品供給テープ200aを押さえ始める。テープガイド230の上面部231とテープ通路211の外側通路211bとの間において部品供給テープ200aが送られている間、テープガイド230は、部品供給テープ200aを押さえ続ける。
また、テープガイド230は、部品供給テープ200aを部品供給テープ200aの幅方向(B方向)に規制しつつ案内する。テープガイド230は、B方向に互いに対向する一対の側面部232により、部品供給テープ200aをB方向に規制する。一対の側面部232は、テープ送り機構210により部品供給テープ200aが送られる際、部品供給テープ200aがB方向に変位することを規制する。これにより、部品供給テープ200aを送り方向(A1方向)に確実に送ることが可能である。
また、テープガイド230には、部品供給テープ200aのカバーテープを開くためのテープ開き部233が設けられている。テープ開き部233は、部品供給テープ200aのカバーテープを開くことにより、部品供給テープ200aに収納された部品Eを露出させる。テープ開き部233は、たとえば、部品供給テープ200aのカバーテープを切ることにより開くカッタである。テープ開き部233は、部品供給テープ200aのカバーテープをキャリアテープから剥がすことにより開く剥がし部であってもよい。テープ開き部233は、テープ送り機構210による部品供給テープ200aの駆動力を利用して、部品供給テープ200aのカバーテープを開く。部品供給テープ200aのカバーテープを開く際、テープ開き部233の先端部233aは、部品供給テープ200aの先端部のカバーテープとキャリアテープとの間(境界面)に挿入される。テープ開き部233の先端部(挿入部)233aは、この境界面に挿入可能なように、送り方向とは反対方向(A2方向)を向いている。テープ開き部233は、スプロケット212bと212cとの間に配置されている。
テープガイド230では、テープ開き部233に対して送り方向の下流側(A1方向側)に部品取出口234が設けられている。部品取出口234は、ヘッドユニット3のヘッド31が部品供給テープ200aに収納された部品Eを取り出すための上下方向(Z方向)に貫通する貫通孔である。部品取出口234とZ方向に重なる位置である部品供給位置Pbには、カバーテープが開かれて露出した状態で、部品供給テープ200aに収納された部品Eが配置される。部品取出口234は、スプロケット212cの近傍に配置されている。
また、テープガイド230は、部品供給装置本体220に着脱可能に構成されている。テープガイド230は、2つのガイド側位置決め部(ガイド側取付部)235および236を有する。テープガイド230は、部品供給装置本体220に取り付けられた状態で、2つのガイド側位置決め部235および236により、部品供給装置本体220に対して位置決めされている。
ガイド側位置決め部235は、テープガイド230の送り方向側(A1方向側)の端部230aに設けられている。ガイド側位置決め部235は、部品供給装置本体220の本体側位置決め部(本体側取付部)221と係合する。テープガイド230のガイド側位置決め部235は、下側(Z2方向側)に窪む位置決め溝により構成されている。部品供給装置本体220の本体側位置決め部221は、B方向に延びる円柱状の位置決めピンにより構成されている。
ガイド側位置決め部236は、テープガイド230の送り方向とは反対側(A2方向側)の端部230bに設けられている。ガイド側位置決め部236は、後述するレバー機構240のレバー側位置決め部(レバー側取付部)243と係合する。テープガイド230のガイド側位置決め部235は、下側(Z2方向側)に窪む位置決め溝により構成されている。レバー機構240のレバー側位置決め部243は、B方向に延びる円柱状の位置決めピンにより構成されている。ガイド側位置決め部235が部品供給装置本体220の本体側位置決め部221と係合し、ガイド側位置決め部236がレバー機構240のレバー側位置決め部243と係合することにより、テープガイド230は、部品供給装置本体220に対して位置決めされている。
〈レバー機構〉
図3、図4、図6および図9に示すように、部品供給装置200は、テープガイド230を上下動可能に押さえるレバー機構240を備える。レバー機構240は、部品供給テープ200aおよびテープ通路211の外側通路211bに対して上側(Z1方向側)に配置されている。レバー機構240は、テープガイド230に対して送り方向側(A1方向側)とは反対側(A2方向側)に配置されている。レバー機構240は、送り方向側の端部240aがテープガイド230の送り方向とは反対側の端部230aと上下方向に重なる位置に配置されている。レバー機構240は、送り方向側の端部240aにおいて、テープガイド230の送り方向側とは反対側の端部230bを上側(Z1方向側)から下側(Z2方向側)に向かって上下動可能に押さえている。また、テープガイド230の送り方向側の端部230aは、上下動可能な部品供給装置本体220の本体側位置決め部221により、上側から下側に向かって上下動可能に押さえられている。
レバー機構240は、梃子によりテープガイド230を上下方向に押さえる機構である。レバー機構240は、力点としての弾性部材241と、支点としての回転軸部242と、作用点としてのレバー側位置決め部243とを含む。弾性部材241、回転軸部242、および、レバー側位置決め部243は、送り方向側とは反対側(A2方向側)から送り方向側(A1方向側)に向かって、略A方向(略水平方向)に沿ってこの順に配置されている。つまり、弾性部材241、回転軸部242、および、レバー側位置決め部243は、略同じ高さ位置に配置されている。弾性部材241、回転軸部242、および、レバー側位置決め部243は、梃子としてのレバー機構本体部材244により互いに接続されている。
弾性部材241は、レバー機構240の送り方向側(A1方向側)とは反対側(A2方向側)の端部240bに設けられている。弾性部材241は、たとえば、コイルばねである。弾性部材241は、コイルばね以外の弾性部材であってもよい。弾性部材241は、レバー機構240が部品供給装置本体220に取り付けられた状態で、圧縮されている。圧縮された弾性部材241は、レバー機構240の送り方向側とは反対側の端部240bに上向きの付勢力を加えている。この上向きの付勢力は、回転軸部242により、レバー機構240の送り方向側の端部240aにおいては、下向きの付勢力に変換されている。テープガイド230は、レバー機構240の弾性部材241によるこの下向きの付勢力により、上側から下側に向かって上下動可能に押さえられている。回転軸部242は、テープガイド230に対して送り方向側とは反対側に配置されている。回転軸部242は、A方向における弾性部材241とレバー側位置決め部243との間の略中央位置に配置されている。梃子としてのレバー機構本体部材244は、回転軸部242周りに回転される。
ここで、本実施形態では、レバー機構240に、テープガイド230のガイド側位置決め部236と係合することにより、テープガイド230を部品供給装置本体220に対して位置決めするレバー側位置決め部243が設けられている。レバー側位置決め部243は、テープガイド230を送り方向(A1方向)および送り方向の反対方向(A2方向)に規制する。レバー側位置決め部243は、テープ送り機構210により部品供給テープ200aが送られる際、部品供給テープ200aと共にテープガイド230がA1方向かまたはA2方向に移動することを規制する。
レバー側位置決め部243には、弾性部材241により下向きの付勢力が加えられているレバー機構240の送り方向側(A1方向側)の端部240aに設けられている。レバー側位置決め部243は、弾性部材241による下向きの付勢力により、テープガイド230のガイド側位置決め部236を上側から下側に向かって上下動可能に押さえている。つまり、レバー側位置決め部243は、テープガイド230を上下動可能に押さえる押さえ部を兼ねる。
レバー側位置決め部243は、B1方向側およびB2方向側にそれぞれ設けられている。テープガイド230のガイド側位置決め部236は、一対のレバー側位置決め部243に対応するように、テープガイド230のB1方向側の端部およびB2方向側の端部にそれぞれ設けられている。一対のレバー側位置決め部243は、一対のガイド側位置決め部236と係合する。一対のレバー側位置決め部243は、テープガイド230を一対のガイド側位置決め部236を介して上下動可能に押さえている。
押さえ部としてのレバー側位置決め部243は、テープガイド230の上下動と共に上下動する。レバー側位置決め部243は、テープガイド230が上方向(Z1方向)に移動した場合、回転軸部242周りの回転軌道に従って、概略上方向に移動する。レバー側位置決め部243は、テープガイド230が下方向(Z2方向)に移動した場合、回転軸部242周りの回転軌道に従って、概略下方向に移動する。また、レバー側位置決め部243は、テープガイド230を押さえることにより、テープガイド230をテープガイド230の上下方向の移動範囲内で上下方向に規制する。
ここで、図8および図9を参照して、レバー機構240の作用点(レバー側位置決め部243)における力の損失について説明する。まず、図8を参照して、比較例の部品供給装置300におけるレバー機構340の作用点(押さえ部341)における力の損失について説明する。その後、図9を参照して、本実施形態の部品供給装置200におけるレバー機構240の作用点(レバー側位置決め部243)における力の損失について説明する。ここでは、テープガイドが上方向に移動(上昇)する場合を例に説明する。
図8に示すように、比較例の部品供給装置300では、テープガイド330は、ガイド側位置決めピン330aが部品供給装置本体320の本体側位置決め溝320aと係合することにより、部品供給装置本体320に対して位置決めされている。また、比較例の部品供給装置300では、レバー機構340は、押さえ部341によりテープガイド330を上下動可能に押さえているだけで、部品供給装置本体320に対する位置決めはしていない。
比較例の部品供給装置300では、テープガイド330が部品供給テープ200aを上下方向(Z方向)に押さえた状態で、部品供給テープ200aが送り方向(A1方向)に送られると、テープガイド330も部品供給テープ200aと共に送り方向に移動しようとする。しかしながら、テープガイド330が部品供給テープ200aと共に送り方向に移動しようとしたとしても、テープガイド330のガイド側位置決めピン330aが部品供給装置本体320の本体側位置決め溝320aと送り方向に接触するため、テープガイド330は実際には送り方向には移動しない。この場合、テープガイド330のガイド側位置決めピン330aと部品供給装置本体320の本体側位置決め溝320aとの接触部分には、テープガイド330を送り方向に引く力Fが働く。
テープガイド330を送り方向(A1方向)に引く力Fが働いている状態で、レバー機構340に押さえられたテープガイド330がレバー機構340と共に上昇する場合、テープガイド330のガイド側位置決めピン330aが部品供給装置本体320の本体側位置決め溝320aに送り方向に押し付けられた状態で上昇しようとする。このため、テープガイド330のガイド側位置決めピン330aと部品供給装置本体320の本体側位置決め溝320aとの接触部分に摺動抵抗(摩擦力)Fμ(μは、摩擦係数)が生じる。この摺動抵抗Fμに起因して、レバー機構340が上昇することを阻害する力Flossが働く。比較例の部品供給装置300では、Flossは、以下の式(2)により表される。つまり、摺動抵抗Fμがそのままレバー機構340が上昇することを阻害する力Flossとなる。なお、テープガイド330が上昇する場合、Flossは、下向きの力である。
Floss=Fμ ・・・(2)
一方、図9に示すように、本実施形態の部品供給装置200では、テープガイド230は、ガイド側位置決め部236がレバー機構240のレバー側位置決め部243と係合することにより、部品供給装置本体220に対して位置決めされている。
本実施形態の部品供給装置200では、テープガイド230のガイド側位置決め部236とレバー機構240のレバー側位置決め部243との接触部分にテープガイド230を送り方向に引く力Fが働いている状態で、レバー機構240に押さえられたテープガイド230がレバー機構240と共に上昇する場合、テープガイド230のガイド側位置決め部236がレバー機構240のレバー側位置決め部243に送り方向に押し付けられた状態で上昇しようとする。このため、テープガイド230のガイド側位置決め部236とレバー機構240のレバー側位置決め部243との接触部分に摺動抵抗(摩擦力)Fμが生じる。この際、摺動抵抗Fμは、レバー機構240がテープガイド230に対する回転を阻害するように作用する。この摺動抵抗Fμに起因してレバー機構240が上昇することを阻害する、レバー機構240の作用点(レバー側位置決め部243)周りの回転モーメントMは、以下の式(3)により表される。
M=Fμ×r ・・・(3)
ここで、
M:レバー機構の作用点周りの回転モーメント
F:部品供給テープによりテープガイドが送り方向に引かれる力
μ:位置決めピン(レバー側位置決め部)と位置決め溝(ガイド側位置決め部)との間の摩擦係数
r:位置決めピン(レバー側位置決め部)の半径
である。
また、この回転モーメントMと釣り合うレバー機構240の力点(弾性部材241)における力の損失Floss_springは、以下の式(4)により表される。
M=Floss_spring×L ・・・(4)
ここで、
L:レバー機構の力点(弾性部材)と作用点(レバー側位置決め部)との間の長さ
である。
また、Floss_springと釣り合うレバー機構240の作用点(レバー側位置決め部243)における力の損失Flossは、以下の式(5)および式(5)を変形した式(6)により表される。
Floss_spring×a=Floss×b ・・・(5)
Floss_spring=Floss×b/a ・・・(6)
ここで、
a:レバー機構の力点(弾性部材)と支点(回転軸部)との間の長さ
b:レバー機構の作用点(レバー側位置決め部)と支点(回転軸部)との間の長さ
である。
また、上記式(3)、(4)および(6)から、レバー機構240の作用点(レバー側位置決め部243)における力の損失Flossは、以下の式(7)により表される。
Floss=F×μ×r/L×a/b ・・・(7)
また、レバー機構240の支点(回転軸部242)がレバー機構の力点(弾性部材241)と作用点(レバー側位置決め部243)との間の中央位置(a=bの位置)に配置されている場合、レバー機構240の作用点(レバー側位置決め部243)における力の損失Flossは、以下の式(8)により表される。
Floss=F×μ×r/L ・・・(8)
つまり、本実施形態の部品供給装置200のレバー機構240では、摺動抵抗Fμに起因してレバー機構240が上昇することを阻害する力Flossは、上記式(8)により表される。したがって、本実施形態の部品供給装置200では、摺動抵抗Fμがそのままレバー機構340が上昇することを阻害する力Flossとなる比較例の部品供給装置300に比べて、r/L(r<L)の項の分だけ、摺動抵抗Fμに起因してレバー機構240が上昇することを阻害する力Flossを小さくすることができる。なお、レバー機構240の力点(弾性部材241)と作用点(レバー側位置決め部243)との間の長さLに対するレバー側位置決め部243の半径rの比は、1/10以下である。好ましくは、レバー機構240の力点(弾性部材241)と作用点(レバー側位置決め部243)との間の長さLに対するレバー側位置決め部243の半径rの比は、1/50以下である。また、力Flossが上記式(7)により表される場合、長さaを長さbよりも小さくする(a<bとする)ことにより、さらに力Flossを小さくすることができる。なお、実際には、回転軸部242の配置の都合上、長さaおよび長さbのうちの一方が他方に対して極めて大きくなったり、極めて小さくなったりすることは考えにくい。このため、a/bの項では、r/Lの項の様な大きな効果は得られにくいとともに、a/bの項がr/Lの項の効果を大きく打ち消すことはない。
〈レバー機構の着脱に関する構成〉
本実施形態では、レバー機構240は、部品供給装置本体220に対して着脱可能に構成されている。図10(A)(B)および図11(A)(B)に示すように、レバー機構240は、部品供給装置本体220に取り付けられた状態で、レバー機構240の回転軸部242により、部品供給装置本体220に対して位置決めされている。つまり、レバー機構240の回転軸部242は、レバー機構240を部品供給装置本体220に対して位置決めする位置決め部を兼ねる。レバー機構240の回転軸部242は、部品供給装置本体220の本体側位置決め部(本体側取付部)222と係合することにより、レバー機構240を部品供給装置本体220に対して位置決めする。
レバー機構240の回転軸部242は、B方向に延びる円柱状の位置決めピンにより構成されている。レバー機構240の回転軸部242は、ピン状でかつ切欠き状に形成されている。レバー機構240の回転軸部242のうちの切り欠かかれずに残った部分は、B方向から見て、略D形状に形成されている。この切り欠かかれずに残った部分は、部品供給装置本体220の本体側位置決め部222への挿入部分242aとして構成されている。
部品供給装置本体220の本体側位置決め部222は、下側(Z2方向側)に窪む位置決め溝により構成されている。部品供給装置本体220の本体側位置決め部222は、下側に向かって徐々に先細る第1溝部222aと、レバー機構240の回転軸部242に対応する形状に形成された第2溝部222bとを有する。第1溝部222aと第2溝部222bとは、連続して設けられている。第1溝部222aは、レバー機構240が部品供給装置本体220に取り付けられる際、レバー機構240の回転軸部242の挿入部分242aを第2溝部222bに案内する。第2溝部222bは、レバー機構240の回転軸部242の挿入部分242aと係合する。
図11(A)に示すように、回転軸部242の挿入部分242aの最小幅W1は、本体側位置決め部222の最小開口幅W2よりも小さい。最小幅W1は、回転軸部242の挿入部分242aの切欠き端から切欠き端とは反対側の端部までの幅である。最小開口幅W2は、本体側位置決め部222の第1溝部222aと第2溝部222bとの接続部分の開口幅である。図11(B)に示すように、回転軸部242の挿入部分242aの最大幅W3は、本体側位置決め部222の最小開口幅W2よりも大きい。最大幅W3は、ピンとしての回転軸部242の直径である。
図10(B)および図11(B)に示すように、部品供給装置200では、レバー機構240を部品供給装置本体220に取り付ける場合、レバー機構240の回転軸部242の挿入部分242aが本体側位置決め部222の第2溝部222bに挿入された状態で、回転軸部242を第1状態S1に回転させる。第1状態S1は、回転軸部242の挿入部分242aの最大幅W3の部分が、本体側位置決め部222の最小開口幅W2の開口部と開口方向に対向した状態である。第1状態S1では、回転軸部242の挿入部分242aは、本体側位置決め部222の第2溝部222bから抜けないように、本体側位置決め部222の第2溝部222bに係合している。また、第1状態S1では、回転軸部242の挿入部分242aは、弾性部材241による上向きの付勢力により、本体側位置決め部222の第2溝部222bに付勢されている。これらの結果、レバー機構240が、部品供給装置本体220に取り付けられるとともに、部品供給装置本体220に対して位置決めされる。
図10(A)および図11(A)に示すように、部品供給装置200では、レバー機構240を部品供給装置本体220から取り外す場合、レバー機構240の回転軸部242の挿入部分242aが本体側位置決め部222の第2溝部222bに挿入された状態で、回転軸部242を第1状態S1から第2状態S2に回転させる。第2状態S2は、回転軸部242の挿入部分242aの最小幅W1の部分が、本体側位置決め部222の最小開口幅W2の開口部と開口方向に対向した状態である。第2状態S2では、回転軸部242の挿入部分242aは、本体側位置決め部222の第2溝部222bとの係合状態が解除されている。第2状態S2では、回転軸部242の挿入部分242aを、本体側位置決め部222の第2溝部222bから引き抜くことが可能である。これらの結果、レバー機構240が、部品供給装置本体220に対する位置決め状態が解除されるとともに、部品供給装置本体220から取り外される。
また、図4、図6、図7、図10(A)および図10(B)に示すように、レバー機構240は、回転軸部242を回転させるための操作部材245を含む。操作部材245により、作業者は、レバー機構240の回転軸部242を容易に回転させることが可能である。操作部材245は、回転軸部242に接続されている。操作部材245は、レバー機構240を部品供給装置本体220に取り付ける場合、作業者により把持されて操作(回転)される。具体的には、操作部材245は、作業者により垂直な状態から水平な状態に倒されることにより、接続された回転軸部242を第2状態S2から第1状態S1に回転させる。操作部材245は、レバー機構240を部品供給装置本体220から取り外す場合、作業者により把持されて操作(取付時とは反対方向に回転)される。具体的には、操作部材245は、作業者により水平な状態から垂直な状態に起こされることにより、接続された回転軸部242を第2状態S2から第1状態S1に回転させる。
操作部材245は、環状に形成されている。操作部材245は、針金状の部材により形成されている。操作部材245は、線ばねとして構成されている。操作部材245は、水平に倒された状態で、レバー機構本体部材244の操作部材収納部244aに少なくとも一部が収納される。操作部材収納部244aは、レバー機構本体部材244に形成されたA方向に延びる貫通長孔である。線ばねとしての操作部材245は、操作部材収納部244aのA1方向側の端部に接触して圧縮される起き上がり抑制部245aを有する。
起き上がり抑制部245aは、こぶ状に形成されている。線ばねとしての操作部材245は、こぶ状の起き上がり抑制部245aを操作部材収納部244aのA1方向側の端部に押し付けて圧縮させながら(弾性変形させながら)、垂直な状態から水平な状態に倒される。同様に、線ばねとしての操作部材245は、こぶ状の起き上がり抑制部245aを操作部材収納部244aのA1方向側の端部に押し付けて圧縮させながら(弾性変形させながら)、水平な状態から垂直な状態に起こされる。起き上がり抑制部245aにより、操作部材245は、ある程度力を加えなければ、水平な状態から垂直な状態に起き上がることができない。つまり、不意な外力が働いたとしても、起き上がり抑制部245aにより、操作部材245が水平な状態から垂直な状態に起き上がることを抑制可能である。その結果、レバー機構240の回転軸部242が第1状態S1から第2状態S2に回転することを抑制することができるので、部品供給装置200の動作中にレバー機構240が部品供給装置本体220から外れることを抑制可能である。
また、図4、図6、図10(A)および図10(B)に示すように、操作部材245には、操作部材245が水平な状態から垂直な状態に起き上がることを抑制するための起き上がり抑制部材246が設けられている。起き上がり抑制部材246は、平板形状に形成されている。起き上がり抑制部材246の一端は、操作部材245に係合されている。起き上がり抑制部材246の他端は、操作部材245が水平に倒された状態で、固定部材(ねじ部材)223により部品供給装置本体220に係合(固定)されている。起き上がり抑制部材246は、他端が固定部材223により部品供給装置本体220に係合(固定)された状態で、一端により水平に倒された状態の操作部材245が起き上がる方向に移動することを規制する。
また、図4、図6、図7、図10(A)および図10(B)に示すように、レバー機構240は、レバー機構240の紛失を防止するための紛失防止部材247を含む。紛失防止部材247は、レバー機構240を部品供給装置本体220に繋ぐクリップである。紛失防止部材247により、レバー機構240の部品供給装置本体220に対する位置決め状態が解除されたとしても、レバー機構240を部品供給装置本体220に繋いだ状態にすることができるので、レバー機構240の紛失を防止可能である。紛失防止部材247の一端は、レバー機構240の端部240bに係合している。紛失防止部材247の他端は、部品供給装置本体220の係合部224に係合している。紛失防止部材247は、レバー機構240を部品供給装置本体220に繋いだ状態で、レバー機構240の回転軸部242を部品供給装置本体220の本体側位置決め部222から取り外すことが可能なように構成されている。紛失防止部材247は、針金状の部材により形成されている。紛失防止部材247の一端および他端は、概略環状に形成されている。
(テープガイドおよびレバー機構の着脱)
次に、図12(A)〜(D)を参照して、テープガイド230およびレバー機構240の部品供給装置本体220への取り付けについて説明する。
図12(A)に示すように、まず、テープガイド230のガイド側位置決め部235が、下側(Z2方向側)から引っ掛かるように、部品供給装置本体220の本体側位置決め部221に係合される。そして、図12(B)に示すように、テープガイド230のガイド側位置決め部235が部品供給装置本体220の本体側位置決め部221と係合された状態で、テープガイド230がテープ通路211の外側通路211b上に配置される。
そして、図12(C)に示すように、紛失防止部材247によりレバー機構240と部品供給装置本体220とが繋がれた状態で、レバー機構240のレバー側位置決め部243が、上側(Z1方向側)から押さえるように、テープガイド230のガイド側位置決め部236に係合される。そして、弾性部材241が圧縮されつつ、レバー機構240の回転軸部242が、上側から下側に向かって、部品供給装置本体220の本体側位置決め部222に挿入される。レバー機構240の回転軸部242が部品供給装置本体220の本体側位置決め部222に挿入される際、レバー機構240の回転軸部242は、第2状態S2である。第2状態S2のレバー機構240の回転軸部242が、本体側位置決め部222の第1溝部222aを介して、本体側位置決め部222の第2溝部222bに挿入される。
そして、レバー機構240の回転軸部242が部品供給装置本体220の本体側位置決め部222の第2溝部222bに挿入された状態で、レバー機構240の操作部材245が垂直な状態から水平な状態に倒される。これにより、操作部材245に接続された回転軸部242が、第2状態S2から第1状態S1に回転される。この結果、レバー機構240の回転軸部242が、部品供給装置本体220の本体側位置決め部222に係合される。レバー機構240の回転軸部242が、部品供給装置本体220の本体側位置決め部222に係合された状態で、テープガイド230およびレバー機構240は、部品供給装置本体220に対して位置決めされている。以上のように、テープガイド230およびレバー機構240が、部品供給装置本体220に取り付けられる。なお、テープガイド230およびレバー機構240の部品供給装置本体220からの取り外しは、上記取り付け手順と逆の手順である。
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態では、上記のように、レバー機構240に、テープガイド230を部品供給装置本体220に対して位置決めするレバー側位置決め部243を設けることにより、テープガイド230が上下動する際、テープガイド230のガイド側位置決め部236と共にレバー機構240のレバー側位置決め部243も上下動させることができる。その結果、テープガイド230の上下動に対して位置決め部が部品供給装置本体220に固定的に設けられている場合に比べて、テープガイド230のガイド側位置決め部236とレバー機構240のレバー側位置決め部243との接触部分の摺動抵抗に起因するレバー機構240の上下動(回転)を阻害する力を小さくすることができる。これにより、レバー機構240を円滑に上下動させることができるので、テープガイド230を円滑に上下動させることができる。その結果、たとえば、部品供給テープ200aの先端部がテープガイド230の下に進入する際、テープガイド230が適切に持ち上がらず、部品供給テープ200aの先端部がテープガイド230の下に進入できないことを抑制することができる。この効果は、部品供給装置200が互いに厚みが異なる複数種類の部品供給テープ200aを扱う場合に、特に有効である。
また、本実施形態では、上記のように、レバー側位置決め部243を、テープガイド230を上下動可能に押さえる押さえ部を兼ねるように構成する。これにより、レバー側位置決め部243によりテープガイド230を位置決めしつつ押さえることができるので、レバー側位置決め部243とは別途独立して押さえ部を設ける必要がない。その結果、レバー側位置決め部243とは別途独立して押さえ部を設ける場合に比べて、レバー機構240を簡素化することができる。
また、本実施形態では、上記のように、レバー側位置決め部243を、位置決めピンにより構成する。また、ガイド側位置決め部236を、位置決めピン(レバー側位置決め部243)と係合する位置決め溝により構成する。これにより、位置決めピンおよび位置決め溝という簡素な構成によりテープガイド230を確実に位置決めすることができる。また、レバー側位置決め部243を位置決め溝ではなく位置決めピンにより構成することにより、レバー側位置決め部243の剛性を向上させることができる。その結果、レバー側位置決め部243によりより確実にテープガイドを押さえることができる。
また、本実施形態では、上記のように、レバー機構240を、上記式(8)により、位置決めピン(レバー側位置決め部243)と位置決め溝(ガイド側位置決め部236)との摺動抵抗によるレバー機構240の作用点における力の損失が表されるように構成する。これにより、r/L(r<L)の項の分だけ、レバー機構240の作用点における力の損失(摺動抵抗に起因するレバー機構240の上下動を阻害する力)を小さくすることができる。その結果、レバー機構240の作用点における力の損失を効果的に低減することができるので、レバー機構240をより円滑に上下動させることができ、かつ、テープガイド230をより円滑に上下動させることができる。
また、本実施形態では、上記のように、レバー機構240の力点と作用点との間の長さLに対する位置決めピンの半径rの比を、1/10以下に構成する。これにより、レバー機構240の作用点における力の損失を極めて小さくすることができるので、レバー機構240の作用点における力の損失を極めて効果的に低減することができる。
また、本実施形態では、上記のように、レバー機構240を、部品供給テープ200aに対して上側に配置する。また、レバー機構240の回転軸部242を、テープガイド230に対して部品供給テープ200aの送り方向側とは反対側に配置する。これにより、レバー機構240の配置箇所を容易に確保することができるとともに、確保した配置箇所にレバー機構240を容易に配置することができる。
また、本実施形態では、上記のように、レバー機構240の回転軸部242と押さえ部としてのレバー側位置決め部243とを、略同じ高さ位置に配置する。ここで、レバー機構240のように回転によりテープガイド230を押さえる場合、押さえ部としてのレバー側位置決め部243は、レバー機構240の回転軸部242周りに回転された際、上下方向だけでなく、前後方向(部品供給テープ200aの送り方向に沿う方向(A方向))にもわずかに移動する。テープガイド230を確実に押さえるためには、押さえ部としてのレバー側位置決め部243を極力上下方向に移動させることが重要である。そこで、上記のように、レバー機構240の回転軸部242と押さえ部としてのレバー側位置決め部243とを略同じ高さ位置に配置することにより、押さえ部としてのレバー側位置決め部243がレバー機構240の回転軸部242周りに回転された際、押さえ部としてのレバー側位置決め部243の前後方向への移動成分に対して上下方向への移動成分を極めて大きくすることができる。その結果、押さえ部としてのレバー側位置決め部243が前後方向に移動することを極力抑制しつつ、押さえ部としてのレバー側位置決め部243を確実に上下方向に移動させることができるので、テープガイド230を確実に押さえることができる。
また、本実施形態では、上記のように、レバー機構240を、部品供給装置本体220に着脱可能に構成する。これにより、レバー機構240を部品供給装置本体220から取り外すことができるので、レバー機構240のメンテナンス性を向上させることができる。また、本実施形態のようにレバー機構240だけでなくテープガイド230も部品供給装置本体220に着脱可能に構成されている場合、テープガイド230を押さえるレバー機構240を部品供給装置本体220から取り外せば、テープガイド230を部品供給装置本体220から容易に取り外すことができる。その結果、テープガイド230を着脱する作業の作業性を向上させることができる。
また、本実施形態では、上記のように、レバー機構240の回転軸部242を、レバー機構240を部品供給装置本体220に対して位置決めする位置決め部を兼ねるように構成する。これにより、レバー機構240の回転軸部242によりレバー機構240を位置決めすることができるので、レバー機構240の回転軸部242とは別途独立して位置決め部を設ける必要がない。その結果、レバー機構240の回転軸部242とは別途独立して位置決め部を設ける場合に比べて、レバー機構240を簡素化することができる。
また、本実施形態では、上記のように、レバー機構240を、回転軸部242を第1状態S1に回転させることにより、部品供給装置本体220に取り付けられるとともに、部品供給装置本体220に対して位置決めされるように構成する。また、レバー機構240を、回転軸部242を第1状態S1から第2状態S2に回転させることにより、部品供給装置本体220に対する位置決め状態が解除されるとともに、部品供給装置本体220から取り外されるように構成する。これにより、作業者は、単にレバー機構240の回転軸部242を回転させるだけで、レバー機構240を部品供給装置本体220に対して位置決めしたり、レバー機構240の位置決め状態を解除したりすることができる。その結果、レバー機構240の位置決め作業および位置決め解除作業を容易に行うことができるので、レバー機構240を着脱する作業の作業性を向上させることができる。
また、本実施形態では、上記のように、回転軸部242を、ピン状でかつ切欠き状に形成する。また、回転軸部242を、部品供給装置本体220の本体側位置決め部222と係合するように構成する。また、回転軸部242の本体側位置決め部222への挿入部分242aの最大幅W3を、本体側位置決め部222の最小開口幅W2よりも大きくなるように構成する。また、回転軸部242の本体側位置決め部222への挿入部分242aの最小幅W1を、本体側位置決め部222の最小開口幅W2よりも小さなるように構成する。また、第1状態S1を、回転軸部242の本体側位置決め部222への挿入部分242aの最大幅W3の部分が、本体側位置決め部222の開口部と対向した状態とする。また、第2状態S2を、回転軸部242の本体側位置決め部222への挿入部分242aの最小幅W1の部分が、本体側位置決め部222の開口部と対向した状態とする。これにより、第1状態S1では、挿入部分242aの最大幅W3の部分を本体側位置決め部222の開口部に対向させることにより、挿入部分242aの最大幅W3の部分を本体側位置決め部222に係合させることができるので、レバー機構240を部品供給装置本体220に対して位置決めすることができる。また、第2状態S2では、挿入部分242aの最小幅W1の部分を本体側位置決め部222の開口部に対向させることにより、挿入部分242aの最大幅W3の部分と本体側位置決め部222との係合状態を解除することができるので、レバー機構240の部品供給装置本体220に対する位置決め状態を解除することができる。これらの結果、簡素な構成により、レバー機構240を部品供給装置本体220に対して位置決めしたり、レバー機構240の位置決め状態を解除したりすることができる。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく請求の範囲によって示され、さらに請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、レバー機構が、テープガイドの送り方向側とは反対側の端部を上下動可能に押さえている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、レバー機構が、テープガイドのいずれの位置を上下動可能に押さえていてもよい。たとえば、レバー機構が、テープガイドの送り方向側の端部を上下動可能に押さえていてもよいし、テープガイドの送り方向の中間位置を上下動可能に押さえていてもよい。
また、上記実施形態では、レバー側位置決め部が、テープガイドを上下動可能に押さえる押さえ部を兼ねる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、レバー側位置決め部が、必ずしも押さえ部を兼ねる必要はない。たとえば、レバー側位置決め部とは別途独立してテープガイドを上下動可能に押さえる押さえ部(押さえピンなど)を設けてもよい。
また、上記実施形態では、レバー機構のレバー側位置決め部が、位置決めピンにより構成されているとともに、テープガイドのガイド側位置決め部が、位置決め溝により構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、レバー機構のレバー側位置決め部が、位置決め溝により構成されているとともに、テープガイドのガイド側位置決め部が、位置決めピンにより構成されていてもよい。また、本発明では、レバー機構のレバー側位置決め部およびテープガイドのガイド側位置決め部による位置決め機構は、位置決め可能であればどのような位置決め機構であってもよい。
また、上記実施形態では、レバー機構が、式(8)により、レバー機構のレバー側位置決め部とテープガイドのガイド側位置決め部との摺動抵抗によるレバー機構の作用点における力の損失が表されるように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、レバー機構が、式(8)以外の式により、レバー機構のレバー側位置決め部とテープガイドのガイド側位置決め部との摺動抵抗によるレバー機構の作用点における力の損失が表されるように構成されていてもよい。
また、上記実施形態では、レバー機構が、部品供給装置本体に着脱可能に構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、レバー機構が、必ずしも部品供給装置本体に着脱可能に構成されている必要はない。
また、上記実施形態では、レバー機構の回転軸部が、レバー機構を部品供給装置本体に対して位置決めする位置決め部を兼ねる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、レバー機構の回転軸部が、必ずしも位置決め部を兼ねる必要はない。たとえば、レバー側位置決め部とは別途独立してレバー機構を部品供給装置本体に対して位置決めする位置決め部を設けてもよい。
また、上記実施形態では、レバー機構が、回転軸部を第1状態と第2状態との間で回転させることにより、部品供給装置本体に取り付けられたり、部品供給装置本体から取り外されたりする例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、レバー機構が、ねじ部材などの固定部材により、部品供給装置本体に取り付けられたり、部品供給装置本体から取り外されたりしてもよい。