JPWO2019082801A1 - 艶消し塗料及び表皮材 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1では、ウレタン樹脂100質量部に対して、平均粒子径1〜30μmの球状樹脂粒子100〜250質量部、微粒子シリカ5〜30質量部、及び、高分子量シリコーンオイル2〜10質量部を添加してなるウレタン樹脂組成物を用いることにより、車両などの内装材に好適に使用される、光沢がなく、なめらかで、しっとり感が付与された、表皮材が提案されている。
以上から、本発明は、成型時の伸びによって生じる被膜の白化や破損、成型時の型との摩擦により生じる被膜の破損のない艶消し塗料、及びこれを用いた表皮材を提供することを目的とする。
[2] さらに前記ポリウレタン樹脂100質量部に対して、体積平均粒子径1〜5μmのシリカAを1〜20質量部、及び体積平均粒子径5〜15μmのシリカBを1〜20質量部含有し、前記シリカBの体積平均粒子径が前記シリカAの体積平均粒子径よりも大きい、[1]に記載の艶消し塗料。
[3] 前記樹脂粒子A、樹脂粒子B、及び樹脂粒子Cが、ポリウレタン樹脂粒子である[1]又は[2]に記載の艶消し塗料。
[4] 水性溶剤を含む[1]〜[3]のいずれかに記載の艶消し塗料。
[5] 熱可塑性樹脂基材に[1]〜[4]のいずれかに記載の艶消し塗料からなる被膜を有する表皮材。
本発明の艶消し塗料は、ポリウレタン樹脂100質量部に対して、体積平均粒子径1〜5μmの樹脂粒子Aを1〜150質量部、体積平均粒子径5〜10μmの樹脂粒子Bを1〜150質量部、及び体積平均粒子径10〜20μmの樹脂粒子Cを1〜150質量部含有してなる。なお、体積平均粒子径は、樹脂粒子C、樹脂粒子B、及び樹脂粒子Aの順に大きい。体積平均粒子径の異なる3種の樹脂粒子を使用することにより、成型時の伸びによって生じる被膜の白化や破損、成型時の型との摩擦により生じる被膜の破損を防ぐことができる。
ここで本明細書において「被膜」とは、艶消し塗料を塗布して得られた未乾燥の「塗膜」を、乾燥して得られた膜をいう。
一方で本発明の艶消し塗料は、上記体積平均粒子径の異なる3種の樹脂粒子を使用することにより、この問題をも解消することができる。
<樹脂粒子>
樹脂粒子Aの体積平均粒子径は、1.5〜4.5μmであることが好ましく、2〜4μmであることがより好ましい。なお、本明細書における体積平均粒子径は、マイクロトラックUPA(日機装)を用いて測定した50%累積平均値により求めることができる。
樹脂粒子Aの含有量は、ポリウレタン樹脂100質量部に対して3〜100質量部であることが好ましく、4〜70質量部であることがより好ましい。
樹脂粒子Bの含有量は、ポリウレタン樹脂100質量部に対して3〜100質量部であることが好ましく、4〜70質量部であることがより好ましい。
樹脂粒子Cの含有量は、ポリウレタン樹脂100質量部に対して3〜100質量部であることが好ましく、4〜70質量部であることがより好ましい。
なお、上記被膜の厚みは0.1〜100μmが好ましく、1〜50μmが特に好ましい。
また、上記同様に表皮材とした際に柔らかい触感を得る観点から、圧縮強度は、0.01〜2.0MPaであることが好ましく、0.01〜1.0MPaであることがより好ましい。
ここで圧縮強度は、樹脂粒子を株式会社島津製作所の微小圧縮試験機MCT−W500にて圧縮試験を行った場合に、粒子径に対して10%変形したときの荷重と粒子径から式[圧縮強度(MPa)=2.8×荷重(N)/{π×粒子径(mm)×粒子径(mm)}]によって算出される値である。
当該ウレタン樹脂としては、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られるポリウレタンを、ジオール、ジアミン、ジカルボン酸などのような2個以上の活性水素をもつ低分子量化合物により鎖伸長したウレタン樹脂や、酸性基を有するポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られるウレタン樹脂などが挙げられる。
また、ウレタン樹脂製の樹脂粒子としては、例えば、ダイミックビーズ(大日精化(株)製)やアートパール(根上工業社製)などを使用することができる。
本発明に係るポリウレタン樹脂は、塗料に用いられる公知のポリウレタン樹脂が使用でき、高分子ポリオールとポリイソシアネートから得られ、必要により短鎖ジオールや短鎖ジアミンなどの鎖伸長剤を使用する。また水性塗料とする場合は更に1個以上の活性水素基を有しかつ親水性基を有する化合物を使用する場合がある。さらに、ポリウレタン樹脂をポリシロキサン変性する際には、ポリシロキサン化合物を使用する場合がある。
高分子ポリオールとしては、例えば、以下のものが例示される。
(1)ポリカーボネートジオール
ポリカーボネートポリオールとしては、ポリテトラメチレンカーボネートジオール、ポリペンタメチレンカーボネートジオール、ポリネオペンチルカーボネートジオール、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンカーボネート)ジオール、及びこれらのランダム/ブロック共重合体などが挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、アルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)および複素環式エーテル(テトラヒドロフランなど)のいずれかを重合または共重合して得られるものが挙げられる。具体的にはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール−ポリテトラメチレングリコール(ブロックまたはランダム)、ポリテトラメチレンエーテルグリコールおよびポリヘキサメチレングリコールなどが挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、脂肪族系ジカルボン酸類(例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸およびアゼライン酸など)、及び芳香族系ジカルボン酸(例えば、イソフタル酸およびテレフタル酸など)の少なくともいずれかと、低分子量グリコール類(例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコールおよび1,4−ビスヒドロキシメチルシクロヘキサンなど)と、を縮重合したものが挙げられる。
具体的にはポリエチレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリヘキサメチレンアジペートジオール、ポリネオペンチルアジペートジオール、ポリエチレン/ブチレンアジペートジオール、ポリネオペンチル/ヘキシルアジペートジオール、ポリ−3−メチルペンタンアジペートジオールおよびポリブチレンイソフタレートジオールなどが挙げられる。
ポリラクトンポリオールとしては、ポリカプロラクトンジオール及びポリ−3−メチルバレロラクトンジオールなどが挙げられる。
(5)ポリオレフィンポリオール
ポリオレフィンポリオールとしては、ポリブタジエングリコールおよびポリイソプレングリコール、または、その水素化物などが挙げられる。
(6)ポリメタクリレートジオール
ポリメタクリレートジオールとしては、α,ω−ポリメチルメタクリレートジオールおよびα,ω−ポリブチルメタクリレートジオールなどが挙げられる。
なお、数平均分子量は、ポリスチレン換算の数平均分子量であり、通常ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)の測定により求めることができる。
ポリイソシアネート化合物としては、トルエン−2,4−ジイソシアネート、4−メトキシ−1,3−フェニレンジイソシアネート、4−イソプロピル−1,3−フェニレンジイソシアネート、4−クロル−1,3−フェニレンジイソシアネート、4−ブトキシ−1,3−フェニレンジイソシアネート、2,4−ジイソシアネートジフェニルエーテル、4,4’−メチレンビス(フェニレンイソシアネート)(MDI)、ジュリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ベンジジンジイソシアネート、o−ニトロベンジジンジイソシアネートおよび4,4’−ジイソシアネートジベンジルなどの芳香族ジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートおよび1,10−デカメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加MDIおよび水素添加XDIなどの脂環式ジイソシアネートなど、或いはこれらのジイソシアネート化合物と低分子量のポリオールやポリアミンを末端がイソシアネートとなるように反応させて得られるポリウレタンプレポリマーなどが挙げられる。
短鎖ジオールとしては、数平均分子量が500未満の化合物であり、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキサメチレングリコールおよびネオペンチルグリコールなどの脂肪族グリコール類およびそのアルキレンオキサイド低モル付加物(数平均分子量500未満)、1,4−ビスヒドロキシメチルシクロヘキサンおよび2−メチル−1,1−シクロヘキサンジメタノールなどの脂環式系グリコール類およびそのアルキレンオキサイド低モル付加物(数平均分子量500未満)、キシリレングリコールなどの芳香族グリコール類およびそのアルキレンオキサイド低モル付加物(数平均分子量500未満)、ビスフェノールA、チオビスフェノールおよびスルホンビスフェノールなどのビスフェノール類およびそのアルキレンオキサイド低モル付加物(数平均分子量500未満)、およびC1〜C18のアルキルジエタノールアミンなどのアルキルジアルカノールアミン類などの化合物が挙げられる。
短鎖ジアミンとしては、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンおよびオクタメチレンジアミンなどの脂肪族ジアミン化合物、フェニレンジアミン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−メチレンビス(フェニルアミン)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルおよび4,4’−ジアミノジフェニルスルホンなどの芳香族ジアミン化合物、シクロペンタンジアミン、シクロヘキシルジアミン、4,4−ジアミノジシクロヘキシルメタン、1,4−ジアミノシクロヘキサンおよびイソホロンジアミンなどの脂環式ジアミン化合物、ヒドラジン、カルボジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジドなどのヒドラジン類などが挙げられる。
1個以上の活性水素を有しかつ親水性基を有する化合物としては、ポリウレタン水分散体の水分散性を付与する成分として使用される公知の化合物を使用できる。
当該化合物において、活性水素とは、ポリイソシアネートのイソシアネート基と反応する水素原子であり、水酸基、メルカプト基、アミノ基などの水素原子が挙げられ、これらの中では水酸基の水素原子が好ましい。また、親水性基は、水分散性を付与するための官能基であり、アニオン性、カチオン性のいずれでもよいが、アニオン性であることが好ましい。アニオン性の親水性基としては、カルボキシル基、スルホ基、燐酸基などが挙げられ、これらの中ではカルボキシル基が好ましい。
これらの中では、2価アルコールのカルボン酸化合物、特にジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸などのジメチロールアルカン酸を用いることが好ましい。
ポリシロキサン化合物は、ポリウレタン樹脂をポリシロキサン変性する際に用いられる。ポリシロキサン変性することで耐スクラッチ性を向上させることができる。ポリシロキサン化合物としては、以下の構造のものが使用できる。
また、本発明の効果に影響のない範囲で、エポキシ樹脂、ポリ塩化ビニルなどをポリウレタン樹脂と組合せて使用することもできる。
本発明に係るポリウレタン樹脂の製造方法については特に限定されず、従来公知のポリウレタンの製造方法を用いることができる。例えば、高分子ポリオールとポリイソシアネートと、必要により短鎖ジオールや短鎖ジアミンなどの鎖伸長剤とを、イソシアネート基と活性水素含有基(水酸基など)との当量比が、通常、1.0またはその前後(0.9〜1.1)となる配合で、ワンショット法、または多段法により、20〜150℃(好ましくは60〜110℃)で、生成物が理論NCO%となるまで反応する。また、生成した樹脂を水と中和剤で乳化した後、必要に応じて脱溶剤工程を経て製造することもできる。
なお、ポリウレタン樹脂は市販品を使用することもできる。例えば、レザミンD−6022SP(大日精化工業(株)製)などが挙げられる。
本発明の艶消し塗料は、体積平均粒子径1〜5μmのシリカAを1〜20質量部、及び体積平均粒子径5〜15μmのシリカBを1〜20質量部含有することが好ましい。シリカAを1〜20質量部含有することで艶消し効果を得ることができる。好ましくは、1.5〜12質量部である。またシリカBを1〜20質量部含有することで、艶消し効果及び耐摩耗性を向上させることができる。好ましくは、1.5〜12質量部である。なお、シリカBの体積平均粒子径はシリカAの体積平均粒子径よりも大きい。
さらに、シリカAとシリカBとの質量比(シリカA/シリカB)は、0.5/10〜10/0.5であることが好ましく、1/10〜10/1であることがより好ましい。質量比(シリカA/シリカB)は、0.5/10〜10/0.5であることで、成型により延伸された個所の艶消し効果の低下を防ぐことができる。
本発明の艶消し塗料に架橋剤を添加することにより耐久性がさらに向上した被膜を得ることができる。架橋剤としては、オキサゾリン化合物、水系エポキシ化合物、水系カルボジイミド化合物、アジリジン化合物、水系イソシアネート化合物、金属錯体系架橋剤などの従来公知の架橋剤を用いることができる。これらの架橋剤のなかでも、エポキシ化合物、カルボジイミド化合物、アジリジン化合物、オキサゾリン化合物、イソシアネート化合物が好ましい。架橋剤として用いることのできるエポキシ化合物の市販品としては、「JER」(三菱化学社製)などを挙げることができる。カルボジイミド化合物の市販品としては、「カルボジライト」(日清紡ケミカル社製)などを挙げることができる。アジリジン化合物の市販品としてはとしては、「ケミタイト」(日本触媒社製)などを挙げることができる。オキサゾリン化合物の市販品としては、「エポクロス」(日本触媒社製)などを挙げることができる。イソシアネート化合物の市販品としては、「デュラネート」(旭化成ケミカルズ社製)などを挙げることができる。
本発明においては、粘度を調整するなどの目的で溶剤を混合してよい。当該溶剤としては、水が環境の面から好ましい。
<添加剤>
本発明の艶消し塗料に、本発明の効果に影響のない範囲で架橋剤、スリップ剤、顔料、シランカップリング剤などを添加できる。
本発明の表皮材は、熱可塑性樹脂基材に本発明の艶消し塗料からなる被膜を有してなる。熱可塑性樹脂基材としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、熱可塑性ポリオレフィンなどのオレフィン系樹脂、エチレンプロピレンジエン系樹脂、スチレンアクリロニトリル系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ノルボルネン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルホルマール系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、ポリビニルピロリドン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル、エンジニアプラスチック、生分解性プラスチックなどが挙げられる。
特に自動車用の内装材として使用される熱可塑性ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリプロピレンなどが挙げられる。例えば、熱可塑性ポリオレフィンである、TPO(オレフィン系熱可塑性エラストマー)基材シートの場合、コロナ放電処理されたTPO基材シート上に2液型水系ウレタン系樹脂を塗工し、さらにその上に本発明の艶消し塗料をスプレー塗装やグラビア塗装により塗工して塗膜を形成する。その後、80〜120℃で1〜3分間乾燥して被膜とした後、160〜220℃で成型処理を施して表皮材(自動車用のインストルメントパネル)とされる。
なお、接着性の劣る熱可塑性樹脂基材に本発明の艶消し塗料を塗布する場合には、塗料との密着性を高めるため、その表面をコロナ放電処理したり、プライマー処理をしたりしてもよい。
コロナ処理で表面改質(50mN/m)を施した硬度(JIS−A)75のオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)シート上に下記のプライマー組成物をスプレー塗装した後に、90℃90秒間乾燥して得たシート上に、さらに実施例1〜7および比較例1〜5の塗料をスプレー塗装し90℃90秒間乾燥して塗装シート(乾燥厚み:8μm)を得た。これらのシートに220℃に加温したシボ(模様)の入ったエンボスロールで幾何学調の模様を施し各種評価試験を行った。結果を表2に示す。
・非シリコーン変性ポリウレタンディスパージョン:100部
(大日精化工業社製「レザミンD−6028」、不揮発分=40%)
・水分散型イソシアネート:5部
(旭化成ケミカルズ社製「WT20−100」、不揮発分=100%)
・イオン交換水:345部
<60°光沢度>
スガ試験機社製 直読ヘーズコンピューターHGM−2DPを使用し、各種試験シートの光沢度(60°入射光/60°反射光)を測定した。自動車用内装材としては、光沢度は1.2以下が好ましい。
各種試験シートの被膜を約1kg/cm2の荷重にてスコッチブライト(住友スリーエム(株)製)で100回擦り、表面の傷付きを目視にて確認した。
A:確認できる傷が0本以上5本未満
B:確認できる傷が5本以上10本未満
C:確認できる傷が10本以上
各種試験シートの被膜面を指で触り、得られた触感からソフトフィール性を評価した。
A:弾力性がありシルクのような触感
B:やや弾力性がなく、グリップ感やカサつきのある触感
C:弾力性がなく、ガサガサした触感
各種試験シートを表面温度120℃又は160℃まで加熱後に真空成型を行い、展開率300%での成型前後における試料片の表面を、目視およびデジタルスコープ(100倍)にて観察し、外観不良(絞の変化、白化、クラックなど)の有無を確認した。
また、展開率300%での成型前後における60°光沢度の変化を、120℃及び160℃のそれぞれについて確認した。
A:外観不良なし
B:軽微な絞変化、白化、クラック発生
C:著しい絞変化、白化、クラック発生
60°光沢度変化基準
5:60°光沢度変化率30%未満
4:60°光沢度変化率30%以上〜60%未満
3:60°光沢度変化率60%以上〜90%未満
2:60°光沢度変化率90%以上〜120%未満
1:60°光沢度変化率120%以上
各種試験シートをオーブンにて試験条件を120℃で400時間とし耐熱性試験を行い、被膜の外観変化を確認した。
また、耐熱試験前後における60°光沢度の変化を確認した。
A:黄色変色、チョーキング、ワレ・ヒビなどがない
B:軽微な黄色変色、チョーキング、ワレ・ヒビなどがある
C:著しい黄色変色、チョーキング、ワレ・ヒビなどがある
60°光沢度変化基準
5:60°光沢度変化率30%未満
4:60°光沢度変化率30%以上〜60%未満
3:60°光沢度変化率60%以上〜90%未満
2:60°光沢度変化率90%以上〜120%未満
1:60°光沢度変化率120%以上
各種試験シートをキセノンウェザオメーターにて耐候促進試験を行い、被膜の外観変化を確認した。
また、耐候試験前後における60°光沢度の変化を確認した。
耐候性試験条件;キセノンウェザオメーターの照射条件は、照度(50〜150w/m2、300〜400nm)、ブラックパネル温度90℃で照射時間8週間(2000kj)。
A:変色、白化、クラックなどがない
B:軽微な変色、白化、クラックなどがある
C:著しい変色、白化、クラックなどがある
60°光沢度変化基準
5:60°光沢度変化率30%未満
4:60°光沢度変化率30%以上〜60%未満
3:60°光沢度変化率60%以上〜90%未満
2:60°光沢度変化率90%以上〜120%未満
1:60°光沢度変化率120%以上
各種試験シートのジャングル試験(温度70℃で相対湿度95%、8週間)を行い、被膜の外観変化を確認した。
また、耐加水分解試験前後における60°光沢度の変化を確認した。
A:変色、白化、クラックなどがない
B:軽微な変色、白化、クラックなどがある
C:著しい変色、白化、クラックなどがある
60°光沢度変化基準
5:60°光沢度変化率30%未満
4:60°光沢度変化率30%以上〜60%未満
3:60°光沢度変化率60%以上〜90%未満
2:60°光沢度変化率90%以上〜120%未満
1:60°光沢度変化率120%以上
Claims (5)
- ポリウレタン樹脂100質量部に対して、体積平均粒子径1〜5μmの樹脂粒子Aを1〜150質量部、体積平均粒子径5〜10μmの樹脂粒子Bを1〜150質量部、及び体積平均粒子径10〜20μmの樹脂粒子Cを1〜150質量部含有し、前記樹脂粒子A、樹脂粒子B、及び樹脂粒子Cの合計量が前記ポリウレタン樹脂100質量部に対して3〜250質量部であり、体積平均粒子径は、前記樹脂粒子C、前記樹脂粒子B、及び前記樹脂粒子Aの順に大きい、艶消し塗料。
- さらに前記ポリウレタン樹脂100質量部に対して、体積平均粒子径1〜5μmのシリカAを1〜20質量部、及び体積平均粒子径5〜15μmのシリカBを1〜20質量部含有し、前記シリカBの体積平均粒子径が前記シリカAの体積平均粒子径よりも大きい、請求項1に記載の艶消し塗料。
- 前記樹脂粒子A、樹脂粒子B、及び樹脂粒子Cが、ポリウレタン樹脂粒子である請求項1又は2に記載の艶消し塗料。
- 水性溶剤を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の艶消し塗料。
- 熱可塑性樹脂基材に請求項1〜4のいずれか1項に記載の艶消し塗料からなる被膜を有する表皮材。
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