JPWO2019074033A1 - アンテナ装置及び電子機器 - Google Patents

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Abstract

複数のコイルアンテナの各々についてコイルアンテナと相手側コイルアンテナとの結合量を向上させる。アンテナ装置(1)は、磁性体(4)と、第1コイルアンテナ(5)と、第2コイルアンテナ(6)とを備える。第1コイルアンテナ(5)は、第1開口(51)を有し、磁性体(4)の第1主面(41)側に配置されている。第2コイルアンテナ(6)は、第2開口(61)を有する。第1開口(51)は、第2開口(61)と重なる部分を有する。第2コイルアンテナ(6)は、第1コイル導体部(62)と、第2コイル導体部(63)とを含む。第1コイル導体部(62)は、磁性体(4)の第1主面(41)側に配置されている。第2コイル導体部(63)は、磁性体(4)の第2主面(42)側に配置されている。第2コイル導体部(63)は、第1コイル導体部(62)に比べて第1コイルアンテナ(5)に近接する。

Description

本発明は、一般にアンテナ装置及び電子機器に関し、より詳細には、複数のコイルアンテナを備えるアンテナ装置、及び、このアンテナ装置を備える電子機器に関する。
従来、複数のコイルアンテナを備えるアンテナ装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1に記載されたアンテナ装置は、NFC(Near Field Communication)用コイルと、非接触充電用コイルと、磁性体シートとを備える。NFC用コイルの主要部及び非接触充電用コイルは、磁性体シートの上面に形成されている。アンテナ装置全体を小型化するために、非接触充電用コイルは、磁性体シートの上面のうちNFC用コイルの主要部の開口が形成されている領域に形成されている。
国際公開第2015/147133号
特許文献1に記載された従来のアンテナ装置では、第1コイルアンテナ(非接触充電用コイル)の外周側が第2コイルアンテナ(NFC用コイル)内周側に近接している。このため、第1コイルアンテナとこの第1コイルアンテナの通信相手となる第1相手側コイルアンテナとの結合量、及び、第2コイルアンテナとこの第2コイルアンテナの通信相手となる第2相手側コイルアンテナとの結合量が低下するという問題があった。また、第1コイルアンテナの外周側が第2コイルアンテナ内周側に近接しないように第2コイルアンテナを大きくした場合、アンテナ装置自体の大きさが大きくなり、製造コストが増加してしまう。また逆に、また、第1コイルアンテナの外周側が第2コイルアンテナ内周側に近接しないように第1コイルアンテナを小さくした場合、第1コイルアンテナのアンテナ特性を十分確保することができない。
本発明は上記の点に鑑みてなされた発明であり、本発明の目的は、小型でありながら複数のコイルアンテナの各々についてコイルアンテナと相手側コイルアンテナとの結合量を向上させることができるアンテナ装置、及び、このアンテナ装置を備える電子機器を提供することにある。
本発明の一態様に係るアンテナ装置は、磁性体と、第1コイルアンテナと、第2コイルアンテナとを備える。前記磁性体は、第1主面及び第2主面を有する。前記第2主面は、前記第1主面に対向する。前記第1コイルアンテナは、第1開口を有し、前記磁性体の前記第1主面側に配置されている。前記第2コイルアンテナは、第2開口を有する。前記磁性体の前記第1主面の平面視で、前記第1開口は、前記第2開口と重なる部分を有する。前記第2コイルアンテナは、第1コイル導体部と、第2コイル導体部とを含む。前記第1コイル導体部は、前記磁性体の前記第1主面側に配置されている。前記第2コイル導体部は、前記磁性体の前記第2主面側に配置されている。前記第2コイル導体部は、前記第1コイル導体部に比べて前記第1コイルアンテナに近接する。
本発明の一態様に係る電子機器は、前記アンテナ装置と、制御部とを備える。前記制御部は、前記アンテナ装置を制御する。
本発明の上記態様に係るアンテナ装置及び電子機器によれば、複数のコイルアンテナの各々についてコイルアンテナと相手側コイルアンテナとの結合量を向上させることができる。
図1は、本発明の実施形態1に係るアンテナ装置の正面図である。 図2は、同上のアンテナ装置の要部における図1のX1−X1線断面図である。 図3は、同上のアンテナ装置の斜視図である。 図4は、本発明の実施形態1に係る電子機器の概略図である。 図5は、同上のアンテナ装置における第1コイルアンテナの通信の際の磁束を説明するための説明図である。 図6は、同上のアンテナ装置の要部における図5のX11−X11線断面図である。 図7は、同上のアンテナ装置における第2コイルアンテナの通信の際の磁束を説明するための説明図である。 図8は、同上のアンテナ装置の要部における図7のX12−X12線断面図である。 図9は、本発明の実施形態2に係るアンテナ装置の正面図である。 図10は、同上のアンテナ装置の要部における図9のX2−X2線断面図である。 図11は、同上のアンテナ装置の斜視図である。 図12は、本発明の実施形態3に係るアンテナ装置の正面図である。 図13は、同上のアンテナ装置の要部における図12のX3−X3線断面図である。 図14は、同上のアンテナ装置の斜視図である。 図15は、同上のアンテナ装置の要部の分解斜視図である。 図16は、本発明の実施形態4に係るアンテナ装置の正面図である。 図17は、同上のアンテナ装置の要部の分解斜視図である。
以下、実施形態1〜4に係るアンテナ装置及び電子機器について、図面を参照して説明する。なお、明細書及び図面に記載された構成要素について、明細書及び図面に記載された大きさ及び厚さ、並びにそれらの寸法関係は例示であり、これらの構成要素は、明細書及び図面に記載された例示には限定されない。
(実施形態1)
(1)アンテナ装置の全体構成
実施形態1に係るアンテナ装置1は、図1〜図3に示すように、アンテナ素子2と、平面導体3とを備える。アンテナ素子2は、磁性体4と、第1コイルアンテナ5と、第2コイルアンテナ6とを備える。第1コイルアンテナ5及び第2コイルアンテナ6は、磁性体4に設けられている。また、第1コイルアンテナ5の第1開口51は、第2コイルアンテナ6の第2開口61と重なっている。
そして、上記のようなアンテナ装置1において、第1コイルアンテナ5は、磁性体4の第1主面41側に配置されている。第2コイルアンテナ6の第1コイル導体部62は、磁性体4の第1主面41側に配置されており、第2コイルアンテナ6の第2コイル導体部63は、磁性体4の第2主面42側に配置されている。ここで「第1主面41側に配置される」とは、第2主面42より第1主面41に近接している配置関係を示す。「第2主面42側に配置される」とは、第1主面41より第2主面42に近接している配置関係を示す。以降、「第n主面側に配置される(nは自然数)」とは同様の配置関係を示す。
上記のようなアンテナ装置1は、図4に示すように、電子機器8に搭載されており、複数のコイルアンテナ、いわゆる複合アンテナを備える。
アンテナ装置1は、磁界結合による通信、例えば無線充電及び近接無線通信(非接触無線通信)に用いられる。アンテナ装置1に用いられる無線充電方式としては、例えば、電磁誘導方式及び磁界共鳴方式のような磁界結合式がある。電磁誘導方式の無線充電規格としては、例えばWPC(Wireless Power Consortium)の策定する規格「Qi(登録商標)」がある。電磁誘導方式で使用される周波数帯は例えば110kHzから205kHz近傍の周波数である。磁界共鳴方式の無線充電規格としては、例えばA4WP(Alliance for Wireless Power)の策定する規格「Rezence(登録商標)」又はAirFuel(登録商標)Allianceの策定する規格「AirFuel Resonant」がある。磁界共鳴方式で使用される周波数帯は例えば100kHz帯や6.78MHz帯の周波数である。アンテナ装置1に用いられる近接無線通信としては、例えばNFC(Near Field Communication)がある。近距離無線通信で使用される周波数帯は例えばHF帯であり、特に13.56MHz又はその近傍の周波数で用いられる。
実施形態1では、第1コイルアンテナ5が無線充電用のコイルアンテナであり、第2コイルアンテナ6が近接無線通信用のコイルアンテナである。第1コイルアンテナ5及び第2コイルアンテナ6の双方のコイルアンテナにおいて、コイルアンテナの大きさはそれぞれで使用する周波数における波長λに比べて十分に小さく、使用周波数帯においては電磁波の放射効率は低い。コイルアンテナの大きさはλ/10以下である。より具体的には、コイルアンテナの電流経路の長さつまり、後述のコイルアンテナの導体の線路長がλ/10以下である。なお、ここでいう波長とは、導体が形成される基材の誘電性や透磁性による波長短縮効果を考慮した実効的な波長である。コイルアンテナが有する導体の両端は、給電回路に接続される。コイルアンテナには、電流経路つまり、コイルアンテナの導体に沿って、ほぼ一様な大きさの電流が流れる。
本発明において、通信とは、無線充電と、近接無線通信とを含む概念で用いられる。また、無線充電は無線給電、無線電力伝送とも言われる。
アンテナ装置1を備える電子機器8は、例えば、スマートフォンを含む携帯電話、ウェアラブル機器、腕時計型端末、ヘッドフォン又は補聴器である。電子機器8は、アンテナ装置1を備えると共に、制御部81を備える。制御部81は、アンテナ装置1を制御する。より具体的には、制御部81は、例えば第1コイルアンテナ5が無線充電を行うように制御する無線充電用のICと、第2コイルアンテナ6が近接無線通信を行うように制御する近接無線通信用のICとを備える。
(2)アンテナ装置の各構成要素
次に、実施形態1に係るアンテナ装置1の各構成要素について、図面を参照して説明する。
(2.1)平面導体
平面導体3は、図1〜図3に示すように、金属などにより例えば長方形の主面を有する板状に形成されている。平面導体3は、例えば、アルミニウム、ステンレス、又は銅などの材料により形成されている。平面導体3は、例えば、電子機器8(図4参照)内に搭載されている二次電池の金属ケースである。平面導体3は、主面31を有し、第1方向D1(第1方向D1は、平面導体3の主面31を平面視する方向、又は、平面導体3の主面31に直交する方向、又は、平面導体3の厚み方向、又は、磁性体4の第1主面41若しくは第2主面42を平面視する方向、又は、磁性体4の第1主面41若しくは第2主面42に直交する方向、又は、磁性体4の厚み方向である。)において主面31がアンテナ素子2と対向するように配置されている。言い換えると、平面導体3は、平面導体3の主面31の平面視で、少なくとも一部がアンテナ素子2と重なるように配置されている。より詳細には、平面導体3は、第1方向D1において、磁性体4の第2主面42側に配置されている。言い換えると、平面導体3は、第1方向D1において、磁性体4の第1主面41よりも第2主面42に近接して配置されている。主面31は長方形状の平面である。
平面導体3では、第1方向D1の寸法に対する第2方向D2及び第3方向D3の寸法の寸法比が1よりも大きい。つまり、平面導体3は、第1方向D1の寸法よりも第2方向D2の寸法のほうが長い平面導体である。第2方向D2及び第3方向D3は、いずれも、第1方向D1と直交する方向である。言い換えると、第2方向D2及び第3方向D3は、いずれも、平面導体3の主面31に沿った方向である。また、第3方向D3は、第2方向D2と直交する方向である。本実施形態では、平面導体3は磁性体4を平面視したときに長方形の外形を有していて、第2方向D2は、平面導体3の外形のうち短辺が延びる方向に沿った方向であり、第3方向D3は、平面導体3の外形のうち長辺が延びる方向に沿った方向である。
なお、平面導体3において、アンテナ素子2と対向する主面31が完全な平面であることに限定されない。ここでは、平面導体3の第1方向D1における寸法(平面導体3の厚み)又は第2方向D2における寸法に比べて小さい凹凸があっても、主面31は平面といえる。また、主面31の全てが平面であることに限定されない。すなわち、主面31は、少なくとも一部において、平面であってもよい。
(2.2)アンテナ素子
アンテナ素子2は、図1〜図3に示すように、長方形の主面を有する板状に形成されており、磁性体4と、第1コイルアンテナ5と、第2コイルアンテナ6とを備える。また、図示を省略するが、アンテナ素子2は、第1コイルアンテナ5の導体及び第2コイルアンテナ6の表面上に、導体が露出しないように保護層を更に備えてもよい。アンテナ素子2は、第1方向D1において平面導体3に隣接(近接)している。なお、アンテナ素子2は、第2コイルアンテナ6と平面導体3との絶縁性が確保される程度で密着してもよいし、平面導体3に対して隙間を介して配置されていてもよい。
(2.2.1)磁性体
磁性体4は、長方形の板状又は長方形のシート状に形成されており、第1主面41及び第2主面42を有する。磁性体4は、フェライトなどの強磁性材料により形成されている。例えば、磁性体4は、焼結体フェライト、アモルファス磁性体である。磁性体4に用いられる強磁性材料としては、例えばMn−Zn−Fe系フェライト又はNi−Zn−Fe系フェライトがある。磁性体4は、平面導体3及び保護層(図示せず)よりも高い透磁率を有する。磁性体4の第1主面41及び磁性体4の第2主面42は、第1方向D1において、互いに対面する。
また、磁性体4は、複数(図示例では12個)のスルーホール43を有する。各スルーホール43は、磁性体4のうち第2コイルアンテナ6が設けられている領域の一部に形成されている。各スルーホール43は、磁性体4のうち第1主面41と第2主面42との間を貫通している。
(2.2.2)第1コイルアンテナ
第1コイルアンテナ5は、第1方向D1からの平面視で正方形の環状であり、第1開口51を有する。第1コイルアンテナ5は、第1コイルアンテナ5の通信相手となる第1相手側コイルアンテナ92(図6参照)と第1周波数帯で通信する。第1相手側コイルアンテナ92は、第1相手側アンテナ装置91に設けられている。
第1コイルアンテナ5は、磁性体4の第1主面41側に配置されている。言い換えると、第1コイルアンテナ5は、第1方向D1において、磁性体4の第2主面42よりも第1主面41に近接して配置されている。より詳細には、第1コイルアンテナ5は、磁性体4の第1主面41上に設けられている。ここで「第1主面41上に設けられている」とは、第1方向D1において第2主面42より第1主面41に近接し、かつ、第1主面41の平面視で第1主面41に重なる配置関係を示す。以降、「第n主面上に設けられている(nは自然数)」とは同様の配置関係を示す。
第1コイルアンテナ5は、細長い線状の導体を有し、第1方向D1に沿った第1軸の周りにスパイラル状に設けられ、コイル開口である第1開口51を定義している。より詳細には、第1コイルアンテナ5は、第1軸方向(第1方向D1)からの平面視で、導体が第1軸の周りに複数回巻かれた状態に設けられている。例えば、第1コイルアンテナ5は、導体が3回巻かれた状態に設けられている。第1コイルアンテナ5は、銅又はアルミニウムなどにより、磁性体4の第1主面41側に設けられている。例えば、エッチング又は印刷により、銅膜又はアルミニウム膜が磁性体4の第1主面41上に形成されることによって、第1コイルアンテナ5が磁性体4の第1主面41側に設けられる。
ここで、第1コイルアンテナ5において、「N(Nは自然数)回巻かれた状態に設けられている」とは、線状の導体がN回巻かれている場合だけではなく、線状の導体がN回巻かれた形状にパターン形成されている場合も含む。
また、スパイラル状に設けられている第1コイルアンテナ5は、一の平面上において導体が巻回軸の周りに渦巻き状に複数回巻かれているような形状の2次元のコイルアンテナであってもよい。あるいは、スパイラル状に設けられている第1コイルアンテナ5は、導体が巻回軸の周りに巻回軸に沿ってらせん状に複数回巻かれているような形状の3次元のコイルアンテナであってもよい。図1及び図2は、2次元のコイルアンテナを示す。
このような第1コイルアンテナ5では、第1コイルアンテナ5の最内周と第1コイルアンテナ5の最外周との間において、導体線幅は、全ての位置で同じである。ただし、導体線幅は、第1コイルアンテナ5の最内周と第1コイルアンテナ5の最外周との間において、異なっていてもよい。第1コイルアンテナ5が、導体が第1軸の周りにスパイラル状に巻かれているような形状である場合、第1コイルアンテナ5の導体線幅は、第1コイルアンテナ5を構成する線状の導体において長手方向(延伸する方向)と直交する短手方向の長さをいう。
第1コイルアンテナ5において、導体線幅は、隣接する2つの導体の線間幅よりも広い。
(2.2.3)第2コイルアンテナ
第2コイルアンテナ6は、第1方向D1からの平面視で長方形の環状であり、第2開口61を有する。第2コイルアンテナ6は、第1コイルアンテナ5の周囲に設けられている。つまり、第2コイルアンテナ6は、第1コイルアンテナ5の最外周よりも外側に設けられている。第2コイルアンテナ6は、第2コイルアンテナ6の通信相手となる第2相手側コイルアンテナ94(図8参照)と第2周波数帯で通信する。第2周波数帯は、第1周波数帯とは異なる。第2相手側コイルアンテナ94は、第2相手側アンテナ装置93に設けられている。
第2コイルアンテナ6は、細長い線状の導体を有し、磁性体4において、第1方向D1に沿った第2軸の周りにスパイラル状に設けられ、コイル開口である第2開口61を定義している。より詳細には、第2コイルアンテナ6は、第2軸方向(第1方向D1)からの平面視で、導体が第2軸の周りに複数回巻かれた状態に設けられている。例えば、第2コイルアンテナ6は、導体が3回巻かれた状態に設けられている。第2コイルアンテナ6は、銅又はアルミニウムなどにより、磁性体4に設けられている。例えば、エッチング又は印刷により、銅膜又はアルミニウム膜が磁性体4に形成されることによって、第2コイルアンテナ6が磁性体4の第1主面41に設けられる。
ここで、第2コイルアンテナ6においても、第1コイルアンテナ5と同様、「N(Nは自然数)回巻かれた状態に設けられている」とは、線状の導体がN回巻かれている場合だけではなく、線状の導体がN回巻かれた形状にパターン形成されている場合も含む。
また、スパイラル状に設けられている第2コイルアンテナ6は、一の平面上において導体が巻回軸の周りに渦巻き状に複数回巻かれているような形状の2次元のコイルアンテナであってもよい。あるいは、スパイラル状に設けられている第2コイルアンテナ6は、導体が巻回軸の周りに巻回軸に沿ってらせん状に複数回巻かれているような形状の3次元のコイルアンテナであってもよい。図1及び図2は、2次元のコイルアンテナを示す。
このような第2コイルアンテナ6では、第2コイルアンテナ6の最内周と第2コイルアンテナ6の最外周との間において、導体線幅は、全ての位置で同じである。ただし、導体線幅は、第2コイルアンテナ6の最内周と第2コイルアンテナ6の最外周との間において、異なっていてもよい。第2コイルアンテナ6が、導体が第2軸の周りにスパイラル状に巻かれているような形状である場合、第2コイルアンテナ6の導体線幅は、第2コイルアンテナ6を構成する線状の導体において長手方向(延伸する方向)と直交する短手方向の長さをいう。
第2コイルアンテナ6において、導体線幅は、隣接する2つの導体の線間幅よりも広い。
(2.2.4)第1コイルアンテナと第2コイルアンテナの配置関係
上述した構成の第1コイルアンテナ5及び第2コイルアンテナ6において、第1方向D1からの平面視において、第1コイルアンテナ5の第1開口51と第2コイルアンテナ6の第2開口61とは互いに重なっている。言い換えると、磁性体4の第1主面41又は第2主面42からの平面視で、第1開口51と第2開口61とは互いに重なっている。
第1コイルアンテナ5は、磁性体4の第1主面41側に配置されている。より詳細には、第1コイルアンテナ5は、磁性体4の第1主面41上の中央部分に設けられている。
第2コイルアンテナ6は、2つの第1コイル導体部62と、2つの第2コイル導体部63と、4つの接続部64とを有する。第2コイルアンテナ6は、磁性体4のうち第1コイルアンテナ5よりも外周に近い領域に配置されている。各第1コイル導体部62は、複数(図示例では3つ)の第1導体部分で構成されている。各第2コイル導体部63は、複数(図示例では3つ)の第2導体部分で構成されている。上述したように、第2コイルアンテナ6は、第1方向D1からの平面視で、第1コイルアンテナ5の周囲に設けられている。
2つの第2コイル導体部63は、2つの第1コイル導体部62に比べて第1コイルアンテナ5に近接している。より詳細には、第2コイル導体部63と第1コイルアンテナ5との間の距離は、第1コイル導体部62と第1コイルアンテナ5との間の距離よりも短い。ここで、第2コイル導体部63と第1コイルアンテナ5との間の距離は、第2コイル導体部63を構成する線状導体の中間点と第1コイルアンテナ5との3次元空間における最短距離をいう。同様に、第1コイル導体部62と第1コイルアンテナ5との間の距離も、第1コイル導体部62を構成する線状導体の中間点と第1コイルアンテナ5との3次元空間における最短距離をいう。
また、磁性体4の第1主面41の平面視で第1主面41に平行な方向(第1方向D1と直交する方向)において、2つの第2コイル導体部63は、2つの第1コイル導体部62に比べて第1コイルアンテナ5に近接している。より詳細には、磁性体4の第1主面41の平面視において、第2コイル導体部63と第1コイルアンテナ5との間の第1主面41に平行な方向(第3方向D3)の距離は、第1コイル導体部62と第1コイルアンテナ5との間の第1主面41に平行な方向(第2方向D2)の距離よりも短い。
2つの第1コイル導体部62は、磁性体4の第1主面41側に配置されている。より詳細には、2つの第1コイル導体部62は、磁性体4の第1主面41上のうち第2方向D2(平面導体3の短辺が延びる方向、又は、磁性体4の長辺が延びる方向)の両端部に設けられている。各第1コイル導体部62の主要部は、磁性体4の第3方向D3(平面導体3の長辺が延びる方向、又は、磁性体4の短辺が延びる方向)の外縁に沿って設けられている。
2つの第2コイル導体部63は、磁性体4の第2主面42側に配置されている。より詳細には、2つの第2コイル導体部63は、磁性体4の第2主面42上のうち第3方向D3の両端部に設けられている。各第2コイル導体部63は、第2方向D2に沿って伸びるように設けられており、かつ、磁性体4の外縁に沿って設けられている。
4つの接続部64は、それぞれ、磁性体4のうち第1コイル導体部62と第2コイル導体部63との間に設けられている。各接続部64は、磁性体4のスルーホール43に配置されている導体である。第1コイル導体部62及び第2コイル導体部63は、第1方向D1において互いに重ならない。
2つの第1コイル導体部62と2つの第2コイル導体部63とは、4つの接続部64と共に一体に設けられており、2つの第1コイル導体部62と2つの第2コイル導体部63と4つの接続部64とで1つのコイル開口である第2開口61を定義するスパイラル状のコイルを形成している。つまり、第1コイル導体部62を構成する複数の第1導体部分と、第2コイル導体部63を構成する複数の第2導体部分とが交互に繋がっている。また、第1コイル導体部62と第2コイル導体部63とは、接続部64の箇所を除き第1方向D1からの平面視で互いに重ならない位置にある。すなわち、第1コイル導体部62と第2コイル導体部63とは、接続部64の箇所を除き磁性体4の平面視で互いに重ならない位置にある。言い換えると、第1コイル導体部62を構成する複数の第1導体部分により形成されている第1コイル導体領域と、第2コイル導体部63を構成する複数の第2導体部分により形成されている第2コイル導体領域とは、接続部64の箇所を除き磁性体4の平面視で互いに重ならない。
ところで、第1コイル導体部62は、第2コイル導体部63よりも平面導体3の外縁に近接している。より詳細には、第1コイル導体部62の最外周と平面導体3における第3方向D3に沿った外縁との間の距離A1は、第2コイル導体部63と平面導体3における第2方向D2に沿った外縁との間の距離A2よりも短い。これらの距離関係は、磁性体4の第1主面41と平行な方向とした場合でも共通である。
また、磁性体4の第1主面41、磁性体4の第2主面42、及び平面導体3の主面31が互いに平行であるため、磁性体4の第1主面41と平行な方向は、互いにこれらと平行な方向と言い換えることができる。
(3)アンテナ装置での磁束
次に、実施形態1に係るアンテナ装置1での磁束について、図5〜図8を参照して説明する。
まず、第1コイルアンテナ5の通信の際の磁束について図5及び図6を参照して説明する。
第1方向D1において、第1コイルアンテナ5の通信相手となり、第1コイルアンテナ5に対し、磁性体4とは反対側に位置する第1相手側コイルアンテナ92からの磁束φ1が第1コイルアンテナ5の第1開口51を通って磁性体4の内部に入る。磁性体4の内部に入った磁束φ1は、第1コイルアンテナ5の最外周が形成されている領域のほうへ向かう。そして、磁束φ1は、第1コイルアンテナ5の最外周よりも外側の領域から磁性体4の外側に出て、第1コイルアンテナ5と鎖交する。ここで、第1コイルアンテナ5と近接する第2コイルアンテナ6の第2コイル導体部63は磁性体4の第2主面42側に存在している。したがって、第1コイルアンテナ5と鎖交する磁束φ1を阻害しない。
上記より、第1コイルアンテナ5が第2コイルアンテナ6に近接する部分を有する構成であっても、第1相手側コイルアンテナ92からの磁束φ1は、第2コイルアンテナ6の干渉を受けることなく、第1コイルアンテナ5の周囲を通る。これにより、第1コイルアンテナ5と第1相手側コイルアンテナ92との結合量を増加させることができる。その結果、第1コイルアンテナ5が無線充電用のコイルアンテナである場合、充電効率を高めることができる。
次に、第2コイルアンテナ6の通信の際の磁束について図7及び図8を参照して説明する。
第1方向D1において、第2コイルアンテナ6の通信相手となる第2相手側コイルアンテナ94からの磁束φ21が第2コイルアンテナ6の第2開口61を通って磁性体4の内部に入る。磁性体4の内部に入った磁束φ21は、第2方向D2に沿って第2コイルアンテナ6の第1コイル導体部62が配置されている部分のほうへ向かう。そして、磁束φ21は、第2コイルアンテナ6の最外周よりも外側である磁性体4の外縁から磁性体4の外側に出て、第2コイルアンテナ6と鎖交する。第2相手側コイルアンテナ94の磁束φ21は、第1コイルアンテナ5の干渉を低減しつつ、第2コイルアンテナ6の周囲を通る。
第1方向D1において、第2相手側コイルアンテナ94からの磁束φ22が平面導体3に向かって進んだ場合、磁束φ22は、磁性体4のほうへ向かい、磁性体4の内部に入る。磁性体の内部に入った磁束φ22は、第2方向D2に沿って第2コイルアンテナ6の第1コイル導体部62が配置されている部分のほうへ向かう。そして、磁束φ22は、第2コイルアンテナ6の最外周よりも外側である磁性体4の外縁から磁性体4の外側へ出て、第2コイルアンテナ6と鎖交する。第2相手側コイルアンテナ94からの磁束φ22は、磁束φ21と同様、第1コイルアンテナ5の干渉を低減しつつ、第2コイルアンテナ6の周囲を通る。一方、第2コイルアンテナの全てが磁性体4の第1主面41側に形成される場合、第1方向D1において、第2相手側コイルアンテナ94からの磁束φ22が平面導体3に向かって進んだ場合、この磁束は上記のような経路を辿らず、第2コイルアンテナ6と鎖交しない。
上記より、第1方向D1からの平面視で、第2開口61の領域に到来する磁束φ21だけでなく、第2開口61の外側に到来した磁束φ22も集磁することができる。これにより、実効的なアンテナサイズを大きくすることができる。その結果、第2コイルアンテナ6が近接無線通信用のコイルアンテナである場合、通信性能をより高めることができる。この効果は、第1コイル導体部62が第2コイル導体部63よりも平面導体3の外縁に近接していることで、更に強めることができる。
(4)効果
以上説明したように、実施形態1に係るアンテナ装置1では、第1コイルアンテナ5及び第2コイルアンテナ6の第1コイル導体部62が磁性体4の第1主面41側に配置されており、第2コイルアンテナ6のうち第1コイル導体部62に比べて第1コイルアンテナ5に近接する第2コイル導体部63が磁性体4の第2主面42側に配置されている。これにより、第1コイルアンテナ5が第2コイルアンテナ6に近接する部分を有する構成であっても、第1コイルアンテナ5と第1相手側コイルアンテナ92との間の通信に第2コイルアンテナ6が干渉することを低減できるので、第1コイルアンテナ5と第1相手側コイルアンテナ92との結合量を向上させることができる。また、第2コイルアンテナ6と第2相手側コイルアンテナ94との間の通信に第1コイルアンテナ5が干渉することも低減できるので、第2コイルアンテナ6と第2相手側コイルアンテナ94との結合量も向上させることができる。
実施形態1に係るアンテナ装置1では、磁性体4の第2主面42側に平面導体3が配置されている。平面導体3には磁束が通りにくいので、磁性体4の第1主面41又は第2主面42と直交する方向の磁束φ1,φ21,φ22を、上記方向と交差する方向へ容易に変更することができる。その結果、集磁性を向上させることができる。
実施形態1に係るアンテナ装置1では、第1コイル導体部62が第2コイル導体部63よりも平面導体3の外縁に近接している。これにより、第1コイル導体部62が平面導体3の平面方向に対向する方向のほうが、第2コイル導体部63が対向する方向より磁気的抵抗が低くなる。その結果、磁性体4の第1主面41側から第2コイルアンテナ6の第2開口61を通る磁束φ21を、磁性体4の内部において第1コイル導体部62が配置されている側に向かって通り、第2相手側コイルアンテナ94に戻すことができる。また、平面導体3上の磁束φ22を、第2コイル導体部63が配置されている部分から磁性体4の内部に入り、磁性体4の内部において第1コイル導体部62が配置されている側に向かって通り、第2相手側コイルアンテナ94に戻すことができる。
また、実施形態1に係るアンテナ装置1では、第1コイルアンテナ5及び第2コイルアンテナ6が磁性体4に直接設けられている。これにより、第1コイルアンテナ5及び第2コイルアンテナ6を設けるために磁性体4とは別に基材を備える必要がないから、アンテナ素子2の第1方向D1の厚さを低減させることができる。
(5)変形例
以下、実施形態1の変形例について説明する。
アンテナ装置1において、第1コイルアンテナ5が近接無線通信用のコイルアンテナであり、第2コイルアンテナ6が無線充電用のコイルアンテナであってもよい。
また、アンテナ装置1の用途は、無線充電と近接無線通信との組合せに限定されない。アンテナ装置1は、互いに異なる複数の規格の無線充電に用いられてもよい。この場合、第1コイルアンテナ5及び第2コイルアンテナ6は、互いに異なる複数の規格の無線充電用のコイルアンテナである。例えば、第1コイルアンテナ5がQi用のコイルアンテナであり、第2コイルアンテナ6がA4WP用のコイルアンテナである。
あるいは、アンテナ装置1は、互いに異なる複数の規格の近接無線通信の組合せに用いられてもよい。この場合、第1コイルアンテナ5及び第2コイルアンテナ6は、互いに異なる複数の規格の近接無線通信用のコイルアンテナである。
平面導体3は、二次電池の金属ケースに限定されず、電子機器8(図4参照)の筐体の金属部分であってもよく、電子機器8内に搭載されているプリント回路基板のグランド導体やシールドボックス、又はディスプレイのバックメタル等の各種金属部材であってもよい。
また、平面導体3は、第1方向D1においてアンテナ素子2の全てに対向するように配置されていることに限定されない。例えば、平面導体3は、第1方向D1において第1コイルアンテナ5のみに対向するように配置されていてもよい。他の例として、平面導体3は、第1方向D1において第2コイルアンテナ6のみに対向するように配置されていてもよい。要するに、平面導体3は、第1方向D1においてアンテナ素子2の少なくとも一部に近接して配置されていればよい。
また、実施形態1の変形例として、アンテナ装置1は、平面導体3を備えなくてもよい。つまり、平面導体3は必須の構成ではない。
アンテナ素子2の形状は、長方形状に限定されない。アンテナ素子2は、第1方向D1からの平面視で、例えば正方形状など長方形状以外の四角形状に形成されていてもよい。あるいは、アンテナ素子2は、第1方向D1からの平面視で、円状に形成されていてもよいし、四角形以外の多角形状に形成されていてもよい。
第1コイルアンテナ5の第1開口51の大きさは限定されない。同様に、第2コイルアンテナ6の第2開口61の大きさも限定されない。
第1コイルアンテナ5は、図2に示すような1層構造に限定されず、2層以上の構造であってもよい。同様に、第2コイルアンテナ6も、図2に示すような1層構造に限定されず、2層以上の構造であってもよい。
また、第1コイルアンテナ5のループ数(巻回数)は3回に限定されない。第1コイルアンテナ5は、導体が2以下に巻かれた状態に設けられていてもよいし、導体が4回以上巻かれた状態に設けられていてもよい。同様に、第2コイルアンテナ6のループ数(巻回数)も3回に限定されない。第2コイルアンテナ6は、導体が2回以下に巻かれた状態に設けられていてもよいし、導体が4回以上巻かれた状態に設けられていてもよい。
上記の各変形例に係るアンテナ装置1においても、実施形態1に係るアンテナ装置1と同様の効果を奏する。
(実施形態2)
実施形態2に係るアンテナ装置1aは、図9に示すように、第1コイルアンテナ5aの一部が第2コイルアンテナ6の第2コイル導体部63と重なる点で、実施形態1に係るアンテナ装置1(図1参照)と相違する。なお、実施形態1に係るアンテナ装置1と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
実施形態2に係るアンテナ装置1aは、図9〜図11に示すように、アンテナ素子2aと、平面導体3とを備える。実施形態2の平面導体3は、実施形態1の平面導体3と同様の形状及び機能を有する。
アンテナ素子2aは、実施形態1のアンテナ素子2(図1参照)と同様、長方形状に形成されており、磁性体4と、第2コイルアンテナ6とを備える。また、アンテナ素子2aは、第1コイルアンテナ5(図1参照)に代えて、第1コイルアンテナ5aを更に備える。なお、実施形態1のアンテナ素子2と同様の構成及び機能については説明を省略する。
第1コイルアンテナ5aは、第1方向D1からの平面視で正方形の環状であり、第1開口51aを有する。第1コイルアンテナ5aは、実施形態1の第1コイルアンテナ5と同様、第1コイルアンテナ5aの通信相手となる第1相手側コイルアンテナ92(図6参照)と第1周波数帯で通信する。
第1コイルアンテナ5aは、磁性体4の第1主面41側に配置されている。より詳細には、第1コイルアンテナ5aは、磁性体4の第1主面41上に設けられている。言い換えると、第1コイルアンテナ5aは、第1方向D1において、磁性体4の第2主面42よりも第1主面41に近接して配置されている。
実施形態2の第1コイルアンテナ5aは、実施形態1の第1コイルアンテナ5よりも大きくなるように形成されている。第1コイルアンテナ5aは、第1方向D1からの平面視で第1コイルアンテナ5aの一部が第2コイルアンテナ6の第2コイル導体部63と重なるように、磁性体4の第1主面41側に配置されている。言い換えると、第1コイルアンテナ5aは、第1方向D1からの平面視で第1コイルアンテナ5aの全てが第2コイルアンテナ6の第2開口61に重なっているのではない。
また、実施形態1と同様、実施形態2の第2コイルアンテナ6において、2つの第2コイル導体部63は、2つの第1コイル導体部62に比べて第1コイルアンテナ5aに近接している。より詳細には、第2コイル導体部63と第1コイルアンテナ5aとの間の距離は、第1コイル導体部62と第1コイルアンテナ5aとの間の距離よりも短い。ここで、第2コイル導体部63と第1コイルアンテナ5aとの間の距離は、3次元空間における最短距離をいう。同様に、第1コイル導体部62と第1コイルアンテナ5aとの間の距離も、3次元空間における最短距離をいう。
以上説明したように、実施形態2に係るアンテナ装置1aにおいても、実施形態1に係るアンテナ装置1(図1参照)と同様、第1コイルアンテナ5a及び第2コイルアンテナ6の第1コイル導体部62が磁性体4の第1主面41側に配置されており、第2コイルアンテナ6のうち第1コイル導体部62に比べて第1コイルアンテナ5aに近接する第2コイル導体部63が磁性体4の第2主面42側に配置されている。これにより、第1コイルアンテナ5aと第1相手側コイルアンテナ92(図6参照)との間の通信に第2コイルアンテナ6が干渉することを低減できるので、第1コイルアンテナ5aと第1相手側コイルアンテナ92との結合量を向上させることができる。また、第2コイルアンテナ6と第2相手側コイルアンテナ94(図8参照)との間の通信に第1コイルアンテナ5aが干渉することも低減できるので、第2コイルアンテナ6と第2相手側コイルアンテナ94との結合量も向上させることができる。
なお、実施形態2の第1コイルアンテナ5aは、実施形態1の第1コイルアンテナ5と同様、一の平面上において導体が巻回軸の周りに渦巻き状に複数回巻かれているような形状の2次元のコイルアンテナであってもよい。あるいは、スパイラル状に設けられている第1コイルアンテナ5aは、導体が巻回軸の周りに巻回軸に沿ってらせん状に複数回巻かれているような形状の3次元のコイルアンテナであってもよい。図9及び図10は、2次元のコイルアンテナを示す。
また、実施形態2に係るアンテナ装置1aは、実施形態1に係るアンテナ装置1と同様、電子機器8(図4参照)に搭載されて用いられる。
(実施形態3)
実施形態3に係るアンテナ装置1bは、図12に示すように、第1コイルアンテナ5b及び第2コイルアンテナ6bが磁性体4(図1参照)ではなく基材7に設けられている点で、実施形態1に係るアンテナ装置1(図1参照)と相違する。なお、実施形態1に係るアンテナ装置1と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
実施形態3に係るアンテナ装置1bは、図12〜図15に示すように、アンテナ素子2bと、平面導体3とを備える。実施形態3の平面導体3は、実施形態1の平面導体3と同様の形状及び機能を有する。
アンテナ素子2bは、磁性体4bと、第1コイルアンテナ5bと、第2コイルアンテナ6bと、基材7とを備える。アンテナ素子2bは、実施形態1のアンテナ素子2(図1参照)と同様、長方形状に形成されている。
基材7は、樹脂などの電気絶縁材料により板状又はシート状に形成されており、第1主面71及び第2主面72を有する。基材7は、第1方向D1からの平面視で長方形状である。基材7に用いられる電気絶縁材料としては、例えば、ポリイミド、PET(Poly Ethylene Terephthalate:ポリエチレンテレフタレート)又は液晶ポリマー(Liquid Crystal Polymer:LCP)がある。基材7は、フレキシブル性を有していることが好ましい。
基材7の大きさは、第1コイルアンテナ5b及び第2コイルアンテナ6bが設けられるのに十分な大きさである。基材7の第1主面71上に第1コイルアンテナ5b及び第2コイルアンテナ6bが設けられている。
基材7は、複数(図示例では2つ)の貫通孔73を有する。各貫通孔73は、第3方向D3における第1コイルアンテナ5bと第2コイルアンテナ6bの第2コイル導体部63bとの間に形成されている。各貫通孔73は、第1方向D1において第1主面71と第2主面72との間を貫通する。
第1コイルアンテナ5bは、第1方向D1からの平面視で正方形の環状であり、第1開口51bを有する。第1コイルアンテナ5bは、第1コイルアンテナ5bの通信相手となる第1相手側コイルアンテナ92(図6参照)と第1周波数帯で通信する。
第1コイルアンテナ5bは、基材7の第1主面71上に設けられている。言い換えると、第1コイルアンテナ5bは、第1方向D1において、基材7の第2主面72よりも第1主面71に近接して配置されている。第1コイルアンテナ5bは、基材7に設けられている点で、実施形態1の第1コイルアンテナ5と相違する。しかしながら、第1コイルアンテナ5bは、実施形態1の第1コイルアンテナ5と同様、磁性体4bの第1主面41b側に配置されている。
第1コイルアンテナ5bは、第1軸方向(第1方向D1)からの平面視で、導体が第1軸の周りに複数回巻かれた状態で基材7に設けられている。第1コイルアンテナ5bは、銅又はアルミニウムなどにより、基材7の第1主面71側に設けられている。例えば、エッチング又は印刷により、銅膜又はアルミニウム膜が基材7の第1主面71上に形成される。
第1コイルアンテナ5bは、第1方向D1に沿った第2軸の周りにスパイラル状に設けられている。なお、スパイラル状に設けられている第1コイルアンテナ5bは、一の平面上において導体が巻回軸の周りに渦巻き状に複数回巻かれているような形状の2次元のコイルアンテナであってもよい。あるいは、スパイラル状に設けられている第1コイルアンテナ5bは、導体が巻回軸の周りに巻回軸に沿ってらせん状に複数回巻かれているような形状の3次元のコイルアンテナであってもよい。図12及び図13は、2次元のコイルアンテナを示す。
第2コイルアンテナ6bは、第1方向D1からの平面視で長方形の環状であり、第2開口61bを有する。第2コイルアンテナ6bは、基材7において、第1コイルアンテナ5bの周囲に設けられている。つまり、第2コイルアンテナ6bは、第1コイルアンテナ5bの最外周よりも外側に設けられている。
第2コイルアンテナ6bは、2つの第1コイル導体部62bと、2つの第2コイル導体部63bと、4つの接続部64bとを有する。2つの第1コイル導体部62、2つの第2コイル導体部63b、及び4つの接続部64bは、いずれも、基材7の第1主面71上に設けられている。言い換えると、第2コイルアンテナ6bは、第1方向D1において、基材7の第2主面72よりも第1主面71に近接して配置されている。4つの接続部64bは、基材7のうち第1コイル導体部62bと第2コイル導体部63bとの間に設けられている。第1コイル導体部62b及び第2コイル導体部63bは、第1方向D1において互いに重ならない。
第2コイルアンテナ6bは、第2軸方向(第1方向D1)からの平面視で、導体が第2軸の周りに複数回巻かれた状態で基材7に設けられている。第2コイルアンテナ6bは、銅又はアルミニウムなどにより、基材7の第1主面71側に設けられている。例えば、エッチング又は印刷により、銅膜又はアルミニウム膜が基材7の第1主面71上に形成される。
第2コイルアンテナ6bは、第1方向D1に沿った第2軸の周りにスパイラル状に設けられている。なお、スパイラル状に設けられている第2コイルアンテナ6bは、一の平面上において導体が巻回軸の周りに渦巻き状に複数回巻かれているような形状の2次元のコイルアンテナであってもよい。あるいは、スパイラル状に設けられている第2コイルアンテナ6bは、導体が巻回軸の周りに巻回軸に沿ってらせん状に複数回巻かれているような形状の3次元のコイルアンテナであってもよい。図12及び図13は、2次元のコイルアンテナを示す。
磁性体4bは、フェライトなどの強磁性材料により長方形の板状又は長方形のシート状に形成されている。磁性体4bは、例えば、焼結体フェライト、アモルファス磁性体、又は磁性シートである。磁性体4bに用いられる強磁性材料としては、例えばMn−Zn−Fe系フェライト又はNi−Zn−Fe系フェライトがある。磁性体4bは、平面導体3及び保護層(図示せず)よりも高い透磁率を有する。
磁性体4bは、2つの第1磁性部44と、第2磁性部45とを備える。実施形態3では、2つの第1磁性部44と第2磁性部45とは一体に設けられている。第2方向D2において2つの第1磁性部44の間に第2磁性部45が位置するように、2つの第1磁性部44及び第2磁性部45は第2方向D2に並んでいる。磁性体4bは、複数(図示例では4つ)のスリット46を有する。各スリット46は、第1磁性部44と第2磁性部45との境界において第3方向D3に沿って形成されている。つまり、第1磁性部44と第2磁性部45は、一部が繋がっており、残りは、スリット46によって離れている。
次に、上記のような磁性体4bと基材7との組み合わせ方について説明する。まず、第1コイルアンテナ5b及び第2コイルアンテナ6bが第1主面71上に形成されている基材7の第2主面72側に磁性体4bを配置する。磁性体4bが基材7の第2主面72側に配置されている状態において、第2磁性部45の第3方向D3における両端部を基材7の貫通孔73に通して、基材7の第1主面71側に配置させる。これにより、磁性体4bは基材7と組み合わされる。
磁性体4bが基材7と組み合わされた状態では、第1コイルアンテナ5b及び第2コイルアンテナ6bの2つの第1コイル導体部62bは、磁性体4bの第1主面41b側に配置されており、第2コイルアンテナ6bの2つの第2コイル導体部63bは、磁性体4bの第2主面42b側に配置されている。そして、4つの接続部64bは、磁性体4bのスリット46内に配置されている。
以上説明したように、実施形態3に係るアンテナ装置1bでは、第1コイルアンテナ5bと第2コイルアンテナ6bの第2コイル導体部63bとの間に形成された貫通孔73に磁性体4bが挿入されている。これにより、第1コイルアンテナ5bと第2コイルアンテナ6bの第1コイル導体部62bとを磁性体4bの第1主面41b側に、第2コイルアンテナ6bの第2コイル導体部63bを磁性体4bの第2主面42b側に、第1コイルアンテナ5b及び第2コイルアンテナ6bを磁性体4bに直接設けることなく、容易に配置させることができる。
なお、磁性体4bにおいて、2つの第1磁性部44及び第2磁性部45は、一体であることに限定されない。2つの第1磁性部44及び第2磁性部45は、別体であってもよい。この場合、第1磁性部44と第2磁性部45とで異なる材料を用いることができる。例えば、第1磁性部44の材料として、第2コイルアンテナ6bの通信で用いられる第2周波数帯に適した材料を用いることができる。同様に、第2磁性部45の材料として、第1コイルアンテナ5bの通信で用いられる第1周波数帯に適した材料を用いることができる。このように、第3の実施形態においては、第1コイルアンテナ5b及び第2コイルアンテナ6bが磁性体4bではなく基材7に設けられているため、磁性体4b上に直接コイルアンテナを形成する必要がなく、また、磁性体4bを貫通させるビア導体を設ける必要もない。
なお、実施形態3に係るアンテナ装置1bは、実施形態1に係るアンテナ装置1と同様、電子機器8(図4参照)に搭載されて用いられる。
(実施形態4)
実施形態4に係るアンテナ装置1cは、図16及び図17に示すように、磁性体4cが十字型である点で、実施形態3に係るアンテナ装置1b(図12参照)と相違する。なお、実施形態3に係るアンテナ装置1bと同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
実施形態4に係るアンテナ装置1cは、図16及び図17に示すように、アンテナ素子2cと、平面導体3とを備える。実施形態4の平面導体3は、実施形態3の平面導体3(図12参照)と同様の形状及び機能を有する。
アンテナ素子2cは、磁性体4cと、第1コイルアンテナ5cと、第2コイルアンテナ6cと、基材7cとを備える。アンテナ素子2cは、実施形態3のアンテナ素子2b(図14参照)と同様、長方形状に形成されている。
基材7cは、実施形態3の基材7(図12参照)と同様、樹脂などの電気絶縁材料により板状又はシート状に形成されており、第1主面71c及び第2主面72cを有する。基材7cの第1主面71c上に第1コイルアンテナ5c及び第2コイルアンテナ6cが設けられている。なお、実施形態4の基材7cに関し、実施形態3の基材7と同様の構成及び機能については説明を省略する。
基材7cは、2つの貫通孔73cと、1つの貫通孔74とを有する。各貫通孔73cは、第3方向D3における第1コイルアンテナ5cと第2コイルアンテナ6cの第2コイル導体部63cとの間に形成されている。貫通孔74は、第2方向D2における第1コイルアンテナ5cと第2コイルアンテナ6cの第1コイル導体部62cとの間に形成されている。貫通孔73c,74の各々は、第1方向D1において第1主面71cと第2主面72cとの間を貫通する。
第1コイルアンテナ5cは、実施形態3の第1コイルアンテナ5b(図12参照)と同様、第1方向D1からの平面視で正方形の環状であり、第1開口51cを有する。第1コイルアンテナ5cは、第1コイルアンテナ5cの通信相手となる第1相手側コイルアンテナ92(図6参照)と第1周波数帯で通信する。なお、実施形態4の第1コイルアンテナ5cに関し、実施形態3の第1コイルアンテナ5bと同様の構成及び機能については説明を省略する。
第2コイルアンテナ6cは、実施形態3の第2コイルアンテナ6b(図12参照)と同様、第1方向D1からの平面視で長方形の環状であり、第2開口61cを有する。第2コイルアンテナ6cは、基材7cにおいて、第1コイルアンテナ5cの周囲に設けられている。つまり、第2コイルアンテナ6cは、第1コイルアンテナ5cの最外周よりも外側に設けられている。なお、実施形態4の第2コイルアンテナ6cに関し、実施形態3の第2コイルアンテナ6bと同様の構成及び機能については説明を省略する。
第2コイルアンテナ6cは、2つの第1コイル導体部62cと、2つの第2コイル導体部63cと、4つの接続部64cとを有する。2つの第1コイル導体部62c、2つの第2コイル導体部63c、及び4つの接続部64cは、いずれも、基材7cの第1主面71c上に設けられている。なお、実施形態4の第1コイル導体部62c、第2コイル導体部63c及び接続部64cに関し、実施形態3の第1コイル導体部62b、第2コイル導体部63b及び接続部64bと同様の構成及び機能については説明を省略する。
磁性体4cは、フェライトなどの強磁性材料により長方形の板状又は長方形のシート状に形成されている。磁性体4cは、例えば、焼結体フェライト、アモルファス磁性体、又は磁性シートである。磁性体4cに用いられる強磁性材料としては、例えばMn−Zn−Fe系フェライト又はNi−Zn−Fe系フェライトがある。磁性体4cは、平面導体3及び保護層(図示せず)よりも高い透磁率を有する。
磁性体4cは、2つの第1磁性部44cと、第2磁性部45cとを備える。実施形態4では、2つの第1磁性部44cと第2磁性部45cとは一体に設けられている。第2方向D2において2つの第1磁性部44cの間に第2磁性部45cが位置するように、2つの第1磁性部44c及び第2磁性部45cは第2方向D2に並んでいる。また、第3方向D3において、第2磁性部45cは第1磁性部44cよりも長い。
次に、上記のような磁性体4cと基材7cとの組み合わせ方について説明する。まず、基材7cの第1主面71c側に磁性体4cを配置する。磁性体4cが基材7cの第1主面71c側に配置されている状態において、磁性体4cの一部を貫通孔74及び貫通孔73cに通す。より詳細には、磁性体4cのうちの1つの第1磁性部44c及び第2磁性部45cの中央部を貫通孔74及び貫通孔73cに通す。そして、磁性体4cのうちの残りの第1磁性部44cを貫通孔74に通す。これにより、第2磁性部45cの両端部を基材7cの第1主面71c側に配置させ、磁性体4cのうち第2磁性部45cの両端部以外の残りの部分を基材7cの第2主面72c側に配置させる。これにより、磁性体4cは基材7cと組み合わされる。
磁性体4cが基材7cと組み合わされた状態では、第1コイルアンテナ5c及び第2コイルアンテナ6cの2つの第1コイル導体部62cは、磁性体4cの第1主面41c側に配置されており、第2コイルアンテナ6cの2つの第2コイル導体部63cは、磁性体4cの第2主面42c側に配置されている。
以上説明したように、実施形態4に係るアンテナ装置1cでは、第1コイルアンテナ5cと第2コイルアンテナ6cの第2コイル導体部63cとの間に形成された貫通孔73c及び貫通孔74に磁性体4cが挿入されている。これにより、第1コイルアンテナ5cと第2コイルアンテナ6cの第1コイル導体部62cとを磁性体4cの第1主面41c側に、第2コイルアンテナ6cの第2コイル導体部63cを磁性体4cの第2主面42c側に、第1コイルアンテナ5c及び第2コイルアンテナ6cを磁性体4cに直接設けることなく、容易に配置させることができる。
なお、磁性体4cにおいて、2つの第1磁性部44c及び第2磁性部45cは、一体であることに限定されない。2つの第1磁性部44c及び第2磁性部45cは、別体であってもよい。この場合、第1磁性部44cと第2磁性部45cとで異なる材料を用いることができる。例えば、第1磁性部44cの材料として、第2コイルアンテナ6cの通信で用いられる第2周波数帯に適した材料を用いることができる。同様に、第2磁性部45cの材料として、第1コイルアンテナ5cの通信で用いられる第1周波数帯に適した材料を用いることができる。
なお、実施形態4に係るアンテナ装置1cは、実施形態1に係るアンテナ装置1と同様、電子機器8(図4参照)に搭載されて用いられる。
以上説明した実施形態及び変形例は、本発明の様々な実施形態及び変形例の一部に過ぎない。また、実施形態及び変形例は、本発明の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
(まとめ)
以上説明した実施形態及び変形例より以下の態様が開示されている。
第1の態様に係るアンテナ装置(1;1a;1b;1c)は、磁性体(4;4b;4c)と、第1コイルアンテナ(5;5a;5b;5c)と、第2コイルアンテナ(6;6b;6c)とを備える。磁性体(4;4b;4c)は、第1主面(41;41b;41c)及び第2主面(42;42b;42c)を有する。第2主面(42;42b;42c)は、第1主面(41;41b;41c)に対向する。第1コイルアンテナ(5;5a;5b;5c)は、第1開口(51;51a;51b;51c)を有し、磁性体(4;4b;4c)の第1主面(41;41b;41c)側に配置されている。第2コイルアンテナ(6;6b;6c)は、第2開口(61;61b;61c)を有する。磁性体(4;4b;4c)の第1主面(41;41b;41c)の平面視で、第1開口(51;51a;51b;51c)は、第2開口(61;61b;61c)と重なる部分を有する。第2コイルアンテナ(6;6b;6c)は、第1コイル導体部(62;62b;62c)と、第2コイル導体部(63;63b;63c)とを含む。第1コイル導体部(62;62b;62c)は、磁性体(4;4b;4c)の第1主面(41;41b;41c)側に配置されている。第2コイル導体部(63;63b;63c)は、磁性体(4;4b;4c)の第2主面(42;42b;42c)側に配置されている。第2コイル導体部(63;63b;63c)は、第1コイル導体部(62;62b;62c)に比べて第1コイルアンテナ(5;5a;5b;5c)に近接する。
第1の態様に係るアンテナ装置(1;1a;1b;1c)では、第1コイルアンテナ(5;5a;5b;5c)及び第2コイルアンテナ(6;6b;6c)の第1コイル導体部(62;62b;62c)が磁性体(4;4b;4c)の第1主面(41;41b;41c)側に配置されており、第2コイルアンテナ(6;6b;6c)のうち第1コイル導体部(62;62b;62c)に比べて第1コイルアンテナ(5;5a;5b;5c)に近接する第2コイル導体部(63;63b;63c)が磁性体(4;4b;4c)の第2主面(42;42b;42c)側に配置されている。これにより、第1コイルアンテナ(5;5a;5b;5c)と第1相手側コイルアンテナ(92)との間の通信に第2コイルアンテナ(6;6b;6c)が干渉することを低減できるので、第1コイルアンテナ(5;5a;5b;5c)と第1相手側コイルアンテナ(92)との結合量を向上させることができる。また、第2コイルアンテナ(6;6b;6c)と第2相手側コイルアンテナ(94)との間の通信に第1コイルアンテナ(5;5a;5b;5c)が干渉することも低減できるので、第2コイルアンテナ(6;6b;6c)と第2相手側コイルアンテナ(94)との結合量も向上させることができる。
第2の態様に係るアンテナ装置(1;1a;1b;1c)は、第1の態様において、平面導体(3)を更に備える。平面導体(3)は、磁性体(4;4b;4c)の第2主面(42;42b;42c)側に、磁性体(4;4b;4c)に対向して配置されている。
第2の態様に係るアンテナ装置(1;1a;1b;1c)では、磁性体(4;4b;4c)の第2主面(42;42b;42c)側に平面導体(3)が配置されている。平面導体(3)には磁束が通りにくいので、磁性体(4;4b;4c)の第1主面(41;41b;41c)と直交する方向の磁束(φ1,φ21,φ22)を、上記方向と交差する方向へ容易に変更することができる。その結果、集磁性を向上させることができる。
第3の態様に係るアンテナ装置(1;1a;1b;1c)では、第2の態様において、第1コイル導体部(62;62b;62c)は、第2コイル導体部(63;63b;63c)よりも平面導体(3)の外縁に近接する。
第3の態様に係るアンテナ装置(1;1a;1b;1c)では、第1コイル導体部(62;62b;62c)が第2コイル導体部(63;63b;63c)よりも平面導体(3)の外縁に近接する。これにより、磁性体(4;4b;4c)の第1主面(41;41b;41c)側から第2コイルアンテナ(6;6b;6c)の第2開口(61;61b;61c)を通る磁束(φ21)を、磁性体(4;4b;4c)の内部において第1コイル導体部(62;62b;62c)が配置されている側に向かって通り、第2相手側コイルアンテナ(94)に戻すことができる。また、平面導体(3)上の磁束(φ22)を、第2コイル導体部(63;63b;63c)が配置されている部分から磁性体(4;4b;4c)の内部に入り、磁性体(4;4b;4c)の内部において第1コイル導体部(62;62b;62c)が配置されている側に向かって通り、第2相手側コイルアンテナ(94)に戻すことができる。
第4の態様に係るアンテナ装置(1b;1c)は、第1〜3の態様のいずれか1つにおいて、基材(7;7c)を更に備える。基材(7;7c)は、一の主面上に第1コイルアンテナ(5b;5c)及び第2コイルアンテナ(6b;6c)が設けられている。基材(7;7c)は、貫通孔(73;73c)を有する。貫通孔(73;73c)は、第1コイルアンテナ(5b;5c)と第2コイルアンテナ(6b;6c)の第2コイル導体部(63b;63c)との間に形成されている。磁性体(4b;4c)は、基材(7;7c)の貫通孔(73;73c)に挿入されている。
第4の態様に係るアンテナ装置(1b;1c)では、第1コイルアンテナ(5b;5c)と第2コイルアンテナ(6b;6c)の第2コイル導体部(63b;63c)との間に形成された貫通孔(73;73c)に磁性体(4b;4c)が挿通されている。これにより、第1コイルアンテナ(5b;5c)と第2コイルアンテナ(6b;6c)の第1コイル導体部(62b;62c)とを磁性体(4b;4c)の第1主面(41b;41c)側に、第2コイルアンテナ(6b;6c)の第2コイル導体部(63b;63c)を磁性体(4b;4c)の第2主面(42b;42c)側に、第1コイルアンテナ(5b;5c)及び第2コイルアンテナ(6b;6c)を磁性体(4b;4c)に直接設けることなく、容易に配置させることができる。
第5の態様に係る電子機器(8)は、第1〜4の態様のいずれか1つのアンテナ装置(1;1a;1b;1c)と、制御部(81)とを備える。制御部(81)は、アンテナ装置(1;1a;1b;1c)を制御する。
第5の態様に係る電子機器(8)では、アンテナ装置(1;1a;1b;1c)において、第1コイルアンテナ(5;5a;5b;5c)及び第2コイルアンテナ(6;6b;6c)の第1コイル導体部(62;62b;62c)が磁性体(4;4b;4c)の第1主面(41;41b;41c)側に配置されており、第2コイルアンテナ(6;6b;6c)のうち第1コイル導体部(62;62b;62c)に比べて第1コイルアンテナ(5;5a;5b;5c)に近接する第2コイル導体部(63;63b;63c)が磁性体(4;4b;4c)の第2主面(42;42b;42c)側に配置されている。これにより、第1コイルアンテナ(5;5a;5b;5c)と第1相手側コイルアンテナ(92)との間の通信に第2コイルアンテナ(6;6b;6c)が干渉することを低減できるので、第1コイルアンテナ(5;5a;5b;5c)と第1相手側コイルアンテナ(92)との結合量を向上させることができる。また、第2コイルアンテナ(6;6b;6c)と第2相手側コイルアンテナ(94)との間の通信に第1コイルアンテナ(5;5a;5b;5c)が干渉することも低減できるので、第2コイルアンテナ(6;6b;6c)と第2相手側コイルアンテナ(94)との結合量も向上させることができる。
1,1a,1b,1c アンテナ装置
3 平面導体
4,4b,4c 磁性体
41,41b,41c 第1主面
42,42b,42c 第2主面
5,5a,5b,5c 第1コイルアンテナ
51,51a,51b,51c 第1開口
6,6b,6c 第2コイルアンテナ
61,61b,61c 第2開口
62,62b,62c 第1コイル導体部
63,63b,63c 第2コイル導体部
7,7c 基材
71,71c 第1主面
73,73c 貫通孔
8 電子機器
81 制御部

Claims (5)

  1. 第1主面及び前記第1主面に対向する第2主面を有する磁性体と、
    第1開口を有し、前記磁性体の前記第1主面側に配置されている第1コイルアンテナと、
    第2開口を有する第2コイルアンテナと、を備え、
    前記磁性体の前記第1主面の平面視で、前記第1開口は、前記第2開口と重なる部分を有し、
    前記第2コイルアンテナは、
    前記磁性体の前記第1主面側に配置されている第1コイル導体部と、
    前記磁性体の前記第2主面側に配置されている第2コイル導体部と、を含み、
    前記第2コイル導体部は、前記第1コイル導体部に比べて前記第1コイルアンテナに近接する、
    アンテナ装置。
  2. 前記磁性体の前記第2主面側に、前記磁性体に対向して配置されている平面導体を更に備える、
    請求項1に記載のアンテナ装置。
  3. 前記第1コイル導体部は、前記第2コイル導体部よりも前記平面導体の外縁に近接する、
    請求項2に記載のアンテナ装置。
  4. 一の主面上に前記第1コイルアンテナ及び前記第2コイルアンテナが設けられており、前記第1コイルアンテナと前記第2コイルアンテナの前記第2コイル導体部との間に形成された貫通孔を有する基材を更に備え、
    前記磁性体は、前記基材の前記貫通孔に挿通されている、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のアンテナ装置と、
    前記アンテナ装置を制御する制御部と、を備える、
    電子機器。
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