JPWO2019069490A1 - 食品微粒子複合体含有組成物及びその製造法 - Google Patents

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Abstract

食品を組成物中で安定的に存在させ、かつ多様な用途に用いることができる様々な利用特性をもった組成物の提供。食品の微粒子複合体を含有する組成物であって、(a)超音波処理前の最大粒子径が100μmより大きく、(b)超音波処理を行った場合に、当該処理の前後において、最大粒子径が10%以上低下し、(c)超音波処理を行った場合に、当該処理後のモード径が0.3μm以上200μm以下であり、(d)超音波処理前の組成物中の微粒子および/または微粒子複合体を粒子形状画像解析装置で10000個分析した場合に、各微粒子および/または微粒子複合体について下記計算式により求められる数値Nの10パーセンタイル値が0.40以下であることを特徴とする、食品微粒子複合体含有組成物。N=(凹凸度×円形度)÷アスペクト比。

Description

本発明は、食品微粒子複合体含有組成物及びその製造法に関する。
従来、様々な有効成分を持つ食品微粒子を含む組成物は多様な用途に用いられることが望まれていた。しかし、それらの組成物は不安定であり、組成物の変化に伴って様々な利用特性も逓減するため、多様な用途への応用が妨げられていた。従来、食品を組成物中で安定的に存在させ、かつ多様な用途に用いることができる様々な利用特性をもった組成物は存在しなかった。
食品を粉末組成物として用いる方法もあるが、組成物の安定性が悪いという欠点がある。また、食品を含有する組成物として、例えば、緑黄色野菜の粉砕に際しオイルを存在させて、粉砕された緑黄色野菜を含有する調味料(特許文献1)、非ナッツ植物材料を粉砕し、平均粒径が約100μm未満の粉を生成した後、前記平均粒径が約100μm未満の粉を昇温へ曝すスプレッド食品(特許文献2)、などが報告されている。また、食品の微細化技術として、種皮、種実及び食用油を含み、固形分の50%積算径(メジアン径)が4〜15μmであることを特徴とする種皮付き種実微粉砕ペースト(特許文献3)、水分率5重量%以下、最大粒子径5000μm以下の天然物を、有機媒体中、磨砕機能を有する超微粉砕機による1段粉砕で最大粒子径30μm以下に超微粉砕する超微粉砕された天然物の製法(特許文献4)、乾燥状態の天然物全物質を原料として、磨砕機能を有する超微粉砕機を用いて一段の湿式粉砕で、最大粒径が100μm以下の微粉砕物を得ることを特徴とする天然物の超微粉砕物の製造方法(特許文献5)が報告されている。また、微粒子の凝集粉体を湿式粉砕し、粉砕された微粒子同士が再度凝集することを抑制しながら粉砕する微粒子分散体の製造方法(特許文献6)などの、凝集体を少なくする発明が報告されている。
特開2006−141291号公報 特表2009−543562号公報 特開2004−159606号公報 特開2003−144949号公報 特開2007−268515号公報 特開2010−023001号公報
しかしながら、特許文献1の手段では、得られる食品は野菜由来の水分を多量に含んでおり、組成物が多量の水分によって不安定化することから、安定性の課題は解決されていない。特許文献2の方法では、微細化後の粉をさらに昇温に曝すことで所望のナッツフレーバを生じさせるため、過度の加温によって組成物の安定性が損なわれるため好ましくない。かように、これらの手段によっても多様な食品を組成物中で安定的に存在させ、かつ多様な用途に用いることができる様々な利用特性をもった組成物は実現できなかった。また、特許文献3〜5は、いずれも粒子径がかなり小さくなるまで粉砕する技術であり、組成物の安定性や多様な食品への応用性の点で満足できるものではなく、また微細化物の複合体形成の技術思想ではなかった。また、特許文献6は、粉砕された微粒子を再凝集することを抑制する技術であるが、得られた分散体は安定性が十分ではなく、分散剤としてシランカップリング剤を使用するため食品には応用できない技術である。
従って、本発明の課題は、食品を組成物中で安定的に存在させ、かつ多様な用途に用いることができる様々な利用特性をもった組成物を提供することにある。
そこで本発明者らは、食品を組成物中で安定的に存在させ、かつ多様な用途に用いることができる様々な利用特性をもった組成物を提供する手段について種々検討したところ、食品を粉砕微粒子化した組成物において、微粒子がある特定の大きさの複合体を形成しており、当該複合体が超音波処理により、容易に解砕される特性を有し、解砕前の粒子が特定形状の微粒子となる組成物が、多様な食品が安定的に保持され、かつ特有の食感が付与された、産業的にも好ましい特性をもった組成物になることを見出し、本発明を完成した。特に、本発明の組成物に含まれる微粒子複合体は、凹凸が大きく、真円から離れ、細長いといった、通常とは異なる特徴的な形状を持つ。どのようにその形状を持つ微粒子複合体が形成されるかは定かではないが、例えば食品を高せん断力で加圧条件下かつ昇温条件下で短時間処理することで、微細化粒子同士が再凝集を起こし、本発明に規定される特殊な形状的特徴を有する可能性がある。従来、このような特殊な条件の下で微粒子複合体が再凝集によって特定の形状特性を有するまで処理することで、本発明のような有用な効果が得られるという知見は、全く知られていなかった。
また、本発明者は、多様な種実類、穀物類、豆類、野菜類、果実類、藻類等の微粒子と油脂とを、一定量比で含有させた組成物において、組成物の水分含量や組成物のモード径などの特性を調整すれば、油脂中で多様な種実類、穀物類、豆類、野菜類、果実類、藻類等が安定的に保持され、かつ多様な用途に用いることができる、産業的にも好ましい特性をもった組成物になることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、次の発明を提供するものである。
〔1〕 食品の微粒子複合体を含有する組成物であって、
(1)超音波処理前の最大粒子径が100μmより大きく、
(2)超音波処理を行った場合に、当該処理の前後において、最大粒子径が10%以上低下し、
(3)超音波処理を行った場合に、当該処理後のモード径が0.3μm以上200μm以下であり、
(4)超音波処理前の組成物中の微粒子および/または微粒子複合体を粒子形状画像解析装置で10000個分析した場合に、各微粒子および/または微粒子複合体について下記計算式により求められる数値Nの10パーセンタイル値が0.40以下であることを特徴とする、食品微粒子複合体含有組成物。
N=(凹凸度×円形度)÷アスペクト比。
〔2〕 超音波処理前の組成物中の粒子を粒子形状画像解析装置で分析した場合に、下記(A)及び(B)を満たす粒子の個数が1%以上である、〔1〕記載の組成物。
(A)平面画像における粒子の包絡周囲長が周囲長の95%以下。(B)平面画像における粒子の包絡面積が200μm2以下。
〔3〕 超音波処理を行った場合に、当該処理後の単位体積当り比表面積が0.10m2/mL以上であり、且つ、当該処理の前後で単位体積当り比表面積が1.6倍以上に上昇する、〔1〕又は〔2〕記載の組成物。
〔4〕 水分含量が20質量%以下である、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の組成物。
〔5〕 超音波処理を行った場合に、当該処理の前後で最大粒子径が30%以上95%以下の範囲で低下する、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の組成物。
〔6〕 超音波処理前のモード径が20μm以上400μm以下である、〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の組成物。
〔7〕 食品微粒子の含有量が20質量%以上98質量%以下である、〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の組成物。
〔8〕 全油脂分含量が30質量%以上である、〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の組成物。
〔9〕 食品が、種実類、穀物類、豆類、野菜類、果実類、スパイス類、動物類及び藻類から選ばれる1種以上である、〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の組成物。
〔10〕 食品微粒子複合体が、水分活性値0.95以下の食品を粉砕処理したものである、〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載の組成物。
〔11〕 粉砕処理が、媒体撹拌ミル及び/又は高圧ホモジナイザー処理である、〔10〕記載の組成物。
〔12〕 粉砕処理が、湿式粉砕処理である、〔10〕又は〔11〕記載の組成物。
〔13〕 〔1〕〜〔12〕のいずれかに記載の組成物を含有する飲食品。
〔14〕 〔1〕〜〔12〕のいずれかに記載の組成物を含有する液状調味料。
〔15〕 〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載の組成物を製造する方法であって、水分活性値0.95以下の食品を粉砕処理することを含む方法。
〔16〕 粉砕処理が、媒体撹拌ミル及び/又は高圧ホモジナイザー処理である、〔15〕記載の方法。
〔17〕 粉砕処理が、湿式粉砕処理である、〔15〕又は〔16〕記載の方法。
〔18〕 食品の微粒子複合体を含有する組成物の耐光性を向上させる方法であって、食品を粉砕処理することにより、以下の(1)〜(3)を満たす食品微粒子複合体を含む組成物を作製することを含む方法。
(1)超音波処理前の最大粒子径が100μmより大きい。
(2)超音波処理を行った場合に、当該処理後のモード径が0.3μm以上200μm以下である。
(3)超音波処理前の組成物中の微粒子および/または微粒子複合体を粒子形状画像解析装置で10000個分析した場合に、各微粒子および/または微粒子複合体について下記計算式により求められる数値Nの10パーセンタイル値が0.40以下である。
N=(凹凸度×円形度)÷アスペクト比。
〔19〕 食品の微粒子複合体を含有する組成物の保管時の色調安定性を向上させる方法であって、食品を粉砕処理することにより、以下の(1)〜(3)を満たす食品微粒子複合体を含む組成物を作製することを含む方法。
(1)超音波処理前の最大粒子径が100μmより大きい。
(2)超音波処理を行った場合に、当該処理後のモード径が0.3μm以上200μm以下である。
(3)組成物を粒子形状画像解析装置で分析した場合に、下記(A)及び(B)を満たす粒子の個数が1%以上である。
(A)平面画像における粒子の包絡周囲長が周囲長の95%以下。(B)平面画像における粒子の包絡面積が200μm2以下。
〔20〕 食品の微粒子複合体を含有する組成物であって、
(1)超音波処理前の最大粒子径が100μmより大きく、
(2)超音波処理を行った場合に、当該処理の前後において、最大粒子径が10%以上低下し、
(3)超音波処理を行った場合に、当該処理後のモード径が0.3μm以上200μm以下であり、
(4)超音波処理前の組成物中の粒子を粒子形状画像解析装置で分析した場合に、下記(A)及び(B)を満たす粒子の個数が1%以上である、
食品微粒子複合体含有組成物。(A)平面画像における粒子の包絡周囲長が周囲長の95%以下。(B)平面画像における粒子の包絡面積が200μm2以下。
〔21〕食品微粒子複合体含有組成物の製造方法であって、媒体撹拌ミルによって、最大圧0.01MPa以上1MPa以下の加圧条件下かつ処理開始直後の処理温度(T1)に対して処理終了時の処理温度(T2)が「T1+1<T2<T1+50」を満たす範囲内での昇温条件下で乾燥食品を湿式粉砕処理し、以下の特徴を持つ食品微粒子複合体含有組成物を製造する方法。
(1)超音波処理前の最大粒子径が100μmより大きい
(2)超音波処理を行った場合に、当該処理の前後において、最大粒子径が10%以上低下
(3)超音波処理を行った場合に、当該処理後のモード径が0.3μm以上200μm以下
(4)超音波処理前の組成物中の微粒子および/または微粒子複合体を粒子形状画像解析装置で10000個分析した場合に、各微粒子および/または微粒子複合体について下記計算式により求められる数値Nの10パーセンタイル値が0.40以下
N=(凹凸度×円形度)÷アスペクト比
(5)水分含量が20質量%以下
(6)全油脂分含量が30質量%以上
(7)食品微粒子の含有量が20質量%以上98質量%以下
本発明によれば、多様な食品を組成物中で安定的に存在させ、かつ特有の食感が付与された様々な利用特性をもった組成物が提供される。
以下、本発明の実施態様の例を記載するが、本発明はこれらの態様に限定されるものではなく、その主旨を逸脱しない限りにおいて、任意の改変を加えて実施することが可能である。
本発明の食品微粒子含有組成物は、以下の特徴を備える食品の微粒子複合体を含有する組成物である。
(a)超音波処理前の最大粒子径が100μmより大きく、
(b)超音波処理を行った場合に、当該処理の前後において、最大粒子径が10%以上低下し、
(c)超音波処理を行った場合に、当該処理後のモード径が0.3μm以上200μm以下であり、
(d)超音波処理前の組成物中の微粒子および/または微粒子複合体を粒子形状画像解析装置で10000個分析した場合に、各微粒子および/または微粒子複合体について下記計算式により求められる数値Nの10パーセンタイル値が0.40以下であることを特徴とする、食品微粒子複合体含有組成物。
N=(凹凸度×円形度)÷アスペクト比。
昨今、素材の物性が変化し応用範囲が格段に広がることから、微細化技術は盛んに研究が行なわれている。食品分野においても微細化技術の研究が盛んに行なわれているが、微細化に伴い表面積が増加するため、酸素や水との接触頻度が増し品質劣化が促進されるという課題が存在した。すなわち、本発明によれば、食品微粒子複合体含有組成物の特徴を持ちつつ、品質劣化しにくい組成物を提供することができる。その原因は不明であるが、組成物中で食品微粒子が複数集まった複合体を形成している。このような構造をとる場合、食品微粒子の表面積を小さくすることで保管中の品質劣化が低減され、かつ複合体の持つ絶妙の崩壊性によって、喫食時に複合体が崩壊することで、口中であたかもほろりと崩れるような特有の食感が発揮されると考えられる。
本発明に用いられる食品微粒子の素原料である食品(食材)は、飲食に適する食品であればどのようなものでも良く、野菜類(芋類、きのこ類を含む)、果実類、スパイス類、藻類、穀物類、種実類、豆類、魚介類、動物類から選ばれる1種以上であり、それら食材を皮や種子などの非可食部と共に丸ごと用いても良く、それらの加工品(加熱調理や灰汁抜き、皮むき、種実抜き、追熟、塩蔵、果皮加工などの前処理を施したものを含む)を用いても良いが、非可食部を取り除いた可食部を用いることが好ましい。
野菜類としては、食品として飲食に供されるものであればどのようなものでも用いることができるが、特にダイコン、ニンジン、ゴボウ、ルタバガ、ビート(好適にはビーツ(ビートルート):ビートの根を食用とするために改良された品種)、パースニップ、カブ、ブラック・サルシファイ、サツマイモ、キャッサバ、ヤーコン、タロイモ、サトイモ、コンニャクイモ、タシロイモ(ポリネシアン・アロールート)、レンコン、ジャガイモ、ムラサキイモ、キクイモ、クワイ、エシャロット、ニンニク、ラッキョウ、ユリネ、カタクリ、ケール、ヤムイモ、ヤマノイモ、ナガイモ、タマネギ、アスパラガス、ウド、キャベツ、レタス、ホウレンソウ、ハクサイ、アブラナ、コマツナ、チンゲンサイ、ニラ、ネギ、ノザワナ、フキ、フダンソウ(不断草、スイスチャード)、ミズナ、トマト、ナス、カボチャ、ピーマン、キュウリ、ミョウガ、カリフラワー、ブロッコリー、食用菊、ニガウリ、オクラ、アーティチョーク、ズッキーニ、てんさい、ショウガ、シソ、ワサビ、パプリカ、ハーブ類(クレソン、コリアンダー、クウシンサイ、セロリ、タラゴン、チャイブ、チャービル、セージ、タイム、ローレル、パセリ、マスタードグリーン(からしな)、ミョウガ、ヨモギ、バジル、オレガノ、ローズマリー、ペパーミント、サボリー、レモングラス、ディル、ワサビ葉、山椒の葉、ステビア)、ワラビ、ゼンマイ、クズ、チャノキ(茶)、タケノコ、シイタケ、マツタケ、キクラゲ、マイタケ、サルノコシカケ、ヒラタケ、エリンギ、エノキタケ、シメジ、ナラタケ、マッシュルーム、ナメコ、アミタケ、ハツタケ、チチタケ、などが挙げられる。中でも、ニンジン、カボチャ、トマト、パプリカ、キャベツ、ビート(好適にはビーツ(ビートルート))、タマネギ、ブロッコリー、アスパラガス、ムラサキイモ、サツマイモ等が好ましく、ニンジン、カボチャ、トマト、パプリカ、ビート(好適にはビーツ(ビートルート))、ブロッコリー等が特に好ましい。
果実類としては、飲食に供されるものであればどのようなものでも用いることができるが、特にカリン、チュウゴクナシ(白梨、シナナシ)、ナシ、マルメロ、セイヨウカリン、ジューンベリー、シポーバ、リンゴ、アメリカンチェリー(ブラックチェリー、ダークチェリー)、アンズ(杏、杏子、アプリコット)、ウメ(梅)、サクランボ(桜桃、スイートチェリー)、スミミザクラ、スピノサスモモ、スモモ(李、酸桃)、モモ、イチョウ(銀杏)、クリ、アケビ(木通)、イチジク(無花果)、カキ、カシス(クロスグリ)、キイチゴ(木苺)、キウイフルーツ(キウイ)、グミ(頽子、胡頽子、茱萸)、クワの実(マルベリー、どどめ)、クランベリー(オオミツルコケモモ)、コケモモ(苔桃、岩桃、はまなし、おかまりんご)、ザクロ(柘榴、石榴)、サルナシ(猿梨、シラクチズル、コクワ)、シーバックソーン(サジー、ヒッポファエ、シーベリー)、スグリ(酢塊、グーズベリー)、ナツメ(棗)、ニワウメ(庭梅、こうめ、いくり)、ハスカップ(クロミノウグイスカグラ)、ビルベリー、フサスグリ(房酸塊、レッドカラント)、ブドウ(葡萄)、ブラックベリー、ブルーベリー、ポーポー(ポポー、ポウポウ、ポポウ)、マツブサ、ラズベリー、ユスラウメ、ミカン、キンカン、カラタチ、オリーブ、ビワ(枇杷)、ヤマモモ(山桃、楊梅)、羅漢果、トロピカルフルーツ類(マンゴー、マンゴスチン、パパイヤ、チェリモヤ、アテモヤ、バナナ、ドリアン、スターフルーツ、グァバ、パイナップル、アセロラ、パッションフルーツ、ドラゴンフルーツ、ライチ、エッグフルーツなどの熱帯果実)、イチゴ、スイカ、メロン、アボカド、ミラクルフルーツ、オレンジ、レモン、プルーン、ユズ、スダチ、グレープフルーツ、ダイダイ、シークワーサーなどが挙げられる。中でも、アボカド、リンゴ等が好ましい。
藻類としては、コンブ類、ワカメ類、海苔類、アオノリ類、テングサ類などの大型藻類、緑藻類、紅藻類、藍藻類、渦鞭毛藻類、ユーグレナ類などの微細藻類などの飲食に供されるものであればどのようなものでも用いることができるが、特に、あおさ、あおのり(青海苔)、アナアオサ、うみぶどう(クビレヅタ)、カタシオクサ、クビレヅタ、クロミル、タマミル、とりのあし(ユイキリ)、ヒトエグサ、ヒラアオノリ、フサイワヅタ、ボウアオノリ、アカモク、アミジグサ、アラメ、アントクメ、イシゲ、イチメガサ、イロロ、イワヒゲ、ウミトラノオ、ウミウチワ、オオバモク、オキナワモヅク、カイガラアマノリ、カゴメノリ、かじめ(アラメ)、カヤモノリ、ぎばさ(アカモク、銀葉草、神馬草、じばさ)、サナダグサ、シワノカワ、シワヤハズ、セイヨウハバノリ、ツルアラメ、なのり(カヤモノリ)、ネバリモ、ノコギリモク、ハバノリ、ヒジキ、ヒロメ、フクロノリ、フトモヅク、ホンダワラ、マコンブ、マツモ、むぎわらのり(カヤモノリ)、ムチモ、モヅク(モズク)、ユナ、ワカメ、アサクサノリ、イボツノマタ、ウシケノリ、ウスカワカニノテ、エゾツノマタ(クロハギンナンソウ)、オオブサ、オゴノリ、オキツノリ、オバクサ、カタノリ、カバノリ、カモガシラノリ、キジノオ、クロハギンナンソウ(エゾツノマタ)、サクラノリ、シラモ、タンバノリ、ツノマタ、ツルシラモ、ツルツル、トサカノリ、トサカマツ、のげのり(フクロフノリ)、海苔(のり、スサビノリ)、ハナフノリ、ハリガネ、ヒラガラガラ、ヒラクサ、ヒラムカデ、ピリヒバ、フクロフノリ、フシツナギ、マクサ、マルバアマノリ、ミツデソゾ、ミドリムシ(ユーグレナ)、クロレラ、ミリン、ムカデノリ、ユイキリ、ユカリ、天草(テングサ)などが挙げられる。中でも、コンブ類、海苔類、アオノリ類等が特に好ましい。
種実類としては、飲食に供されるものであればどのようなものでも用いることができるが、特にアーモンド、カシューナッツ、ペカン(ピーカン)、マカダミアナッツ、ピスタチオ、ヘーゼルナッツ、ココナッツ、松の実、ヒマワリの種、カボチャの種、スイカの種、シイ、クルミ、クリ、銀杏、ごま、ブラジルナッツなどが挙げられる。中でも、アーモンド、カシューナッツ、マカダミアナッツ、ピスタチオ、ヘーゼルナッツ、ココナッツ等が好ましい。
豆類としては、飲食に供されるものであればどのようなものでも用いることができるが、特にインゲンマメ(隠元豆)、キドニー・ビーン、赤インゲン、白インゲン、ブラック・ビーン、うずら豆、とら豆、ライマメ、ベニバナインゲン、エンドウ(特には未熟の種子であるグリーンピース)、キマメ、緑豆、ササゲ、アズキ、ソラマメ、大豆(特に枝豆)、ヒヨコマメ、レンズマメ、ヒラ豆、レンティル、ラッカセイ、ルピナス豆、グラスピー、イナゴマメ(キャロブ)、ネジレフサマメノキ、ヒロハフサマメノキ、コーヒー豆、カカオ豆、メキシコトビマメなどが挙げられる。中でも、エンドウ(特には未熟の種子であるグリーンピース)、大豆(特に枝豆)等が好ましい。また、カカオ豆の加工品としてカカオマスも用いることができるが、外皮と胚芽が製造工程中で除去されている上に、製造工程で発酵されているため、本来の風味が感じにくくなっており、カカオマス以外を用いることが好ましい。
穀物類としては、飲食に供されるものであればどのようなものでも用いることができるが、特にコーン(特にスイートコーンが好ましい)、コメ、コムギ、オオムギ、モロコシ、エンバク、ライコムギ、ライムギ、ソバ、フォニオ、キノア、ひえ、アワ、きび、ジャイアントコーン、サトウキビ、アマランサスなどが挙げられる。
また、スパイス類としては、白胡椒、赤胡椒、唐辛子、ホースラディシュ(西洋ワサビ)、マスタード、ケシノミ、ナツメグ、シナモン、カルダモン、クミン、サフラン、オールスパイス、クローブ、山椒、オレンジピール、ウイキョウ、カンゾウ、フェネグリーク、ディルシード、カショウ、ロングペパー、オリーブの実)などが挙げられる。
動物類としては、牛、豚、馬、山羊、ヒツジ、トナカイ、スイギュウ、ヤク、ラクダ、ロバ、ラバ、ウサギ、ニワトリ(鶏)、アヒル、七面鳥、ホロホロチョウ、ガチョウ、ウズラ、カワラバト、イノシシ、シカ、クマ、ウサギ、イノブタ、ダチョウ、クジラ、イルカ、トド、ワニ、ヘビ、カエル、イナゴ、ハチノコ、カイコ、ザザムシなどが挙げられる。中でも、牛、豚、馬、ヒツジ、ニワトリ(鶏)をはじめとする家畜類を用いることが経済的に好ましい。
魚介類としては、いわゆるシーフードを用いることができる。例えば、軟骨魚類、硬骨魚類を含む魚類、ヤツメウナギなどを含む無顎類、ホヤ類、ホタテなどを含む貝類、タコ、イカなどを含む頭足類、ウニ、ナマコなどを含む棘皮動物類、タラバガニなどを含む節足動物類、えび、かになどを含む甲殻類、クラゲなどを含む刺胞動物類やこれらの卵や内臓や可食部を加工した水産加工品(いくら、たらこ、鮫皮、貝紐など)が挙げられる。
前記食材のうち、非常に強い細胞壁を有するクロレラ類などの微細藻類については、粒子形状を調整することが難しいため微細藻類以外の食材を用いることが便利である。
前記食材のうち、種実類、穀物類、豆類、野菜類、果実類、スパイス類、動物類及び藻類を用いるのが好ましく、さらに穀物類、種実類、豆類、動物類について用いるのが好ましく、特に穀物類、種実類、豆類については、食材が品質劣化しやすいため、品質劣化を抑制する本発明の技術を好適に用いることができる。すなわち、本発明の組成物中には不溶性成分(組成物に対して不溶な成分)として本発明で規定する食品(好ましくは、種実類、穀物類、豆類、野菜類、果実類、スパイス類、動物類及び藻類、より好ましくは穀物類、種実類、豆類、動物類、さらに好ましくは穀物類、種実類、豆類)を規定量含有すれば、それ以外にその他の不溶性成分を含有していても良いが、組成物中の不溶性成分全体重量に対して、本発明の食品(好ましくは、種実類、穀物類、豆類、野菜類、果実類、スパイス類、動物類及び藻類、より好ましくは穀物類、種実類、豆類、動物類、さらに好ましくは穀物類、種実類、豆類)重量が30質量%以上を占める態様であれば本発明の効果が発揮されるため、30質量%以上を占める態様が好ましく、50質量%以上を占める態様がより効果が発揮されやすいためさらに好ましく、70質量%以上を占める態様がさらに好ましく、90質量%以上を占める態様がさらに好ましく、100%を占める態様が最も好ましい。例えば、不溶性成分として種実類であるアボカド乾燥物由来の食品微粒子を20質量部、それ以外の食材である砂糖を30質量部、油脂を50質量部含有する組成物の場合、組成物中で砂糖は油脂に溶解しないため、不溶性成分(乾燥アボカド+砂糖:50質量%)中の食品(アボカド:20質量%)が占める割合は40質量%となる。
また、本発明には、本発明の組成物に野菜類を含まない態様、本発明の組成物に果実類を含まない態様、本発明の組成物に動物類を含まない態様、本発明の組成物に藻類を含まない態様、本発明の組成物にスパイス類を含まない態様、また、これらの各食材を含まない態様の組み合わせ(本発明の組成物に野菜類と果実類を含まない態様、本発明の組成物に野菜類と果実類と動物類を含まない態様、本発明の組成物に野菜類、果実類、動物類、藻類を含まない態様、本発明の組成物に野菜類、果実類、動物類、藻類、スパイス類を含まない態様など)が含まれる。
また、これらの食材は、1種類でもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記食材として乾燥食品を用いると好ましい。当該乾燥食品の品質は、食品(食材)の水分活性が0.95以下であるのが、微細化後の微粒子が本発明の複合体を形成しやすいため好ましく、0.9以下がより好ましく、0.8以下がより好ましく、0.65以下がさらに好ましい。水分活性は、一般的な水分活性測定装置を用いて、定法に従って測定することができる。一般的な果実や野菜の水分活性は0.95より大きくなるため、本発明に用いる際は乾燥処理を行うことが好ましい。また、保管管理が容易になるため、食品の水分活性が0.10以上であることが好ましく、0.20以上がより好ましく、0.30以上がさらに好ましく、0.40以上が最も好ましい。
また、食材として乾燥食品を用いる場合は、あらかじめ乾燥処理を施した食材を用いる方法が好ましい。前記食材の乾燥方法は一般的に食品の乾燥に用いられるどのような方法でも良く、例えば天日乾燥、陰干し、フリーズドライ、エアドライ(熱風乾燥、流動層乾燥法、噴霧乾燥、ドラム乾燥、低温乾燥など)、加圧乾燥、減圧乾燥、マイクロウェーブドライ、油熱乾燥などによる乾燥方法が挙げられるが、食材が本来有する色調や風味の変化の程度が小さく、食品以外の香り(こげ臭など)が発生しにくいため、エアドライまたはフリーズドライによる方法を用いるとさらに好ましい。
また、あらかじめ乾燥処理を施した食材を用いて油脂の存在下で微細化処理を行なうことが、さらに好ましい。
本発明の組成物は、食品の粉砕処理微粒子複合体を含有する組成物、すなわち、食品を粉砕処理して微粒子化された微粒子の形態で存在する。なお、前記の微粒子は、1種又は2種以上の食品のみから形成されるものであってもよいが、1種又は2種以上の食品と、1種又は2種以上の他の成分とから形成されるものであってもよい。更に、本発明の組成物においては、前述の食品微粒子が複数個凝集し、擾乱によって解砕しうる複合体を形成する。即ち、本発明の組成物は、食品微粒子の複合体を含有する。本発明の組成物は、前述のように、食品微粒子を複合体の状態で含有することにより、保存安定性が良好であり、かつ良好な食感が得られる。なお、本発明では特に断り無き限り、微粒子複合体を解砕させる外部からの擾乱の典型的な例として、超音波処理を想定するものとする。本発明において「超音波処理」とは、特に指定が無い限り、測定サンプルに対して周波数40kHzの超音波を出力40Wにて3分間印加する処理を表す。
本発明の組成物において、超音波処理前の最大粒子径が100μm以下となるまで微細化を行なうと、食材の組織が破壊されて好ましく無い風味が付与されやすいため、超音波処理前の最大粒子径が100μmよりも大きくなるように微細化を行なう方法が好ましい。最大粒子径の測定は、後述するレーザ回析式粒度分布測定装置を用いて測定する方法が好ましい。
本発明の組成物は混濁系であり目視による最大粒子径の判別は困難であるが、超音波処理前の最大粒子径が100μmより大きい粒子を含む組成物は、顕微鏡下で肉眼で観察される最大粒子径が100μmより大きい粒子を含む蓋然性が高いと考えられる。
本発明において、最大粒子径が、超音波処理前後で10%以上低下することで口中での崩壊性が良好となる点で好ましく、20%以上低下することがさらに好ましく、30%以上低下することがさらに好ましく、40%以上低下することがさらに好ましく、50%以上低下することが最も好ましい。また、超音波処理前後の最大粒子径低下率が95%より大きくなると、逆に粉っぽい食感となるため、超音波処理による最大粒子径低下率は95%以下であることが好ましく、90%以下であることがさらに好ましい。「最大粒子径が、超音波処理前後で低下した割合(最大粒子径低下率)」とは、「周波数40kHz出力40W、3分間の超音波処理による超音波処理後最大粒子径/超音波処理前最大粒子径」を%表示した割合を100%から差し引いた値を表す。例えば、ある組成物における超音波処理前最大粒子径が200μmであり、超音波処理後最大粒子径が150μmの場合、その組成物の最大粒子径が、超音波処理前後で低下した割合(最大粒子径低下率)は25%となる。
また、本発明における最大粒子径は後述するレーザ回折式粒度分布測定装置を用いて、表1に記載した測定チャンネルごとの粒子径を規格として用いてモード径などと同条件で測定することができる。すなわち、各チャンネルに規定された粒子径以下で、かつ数字が一つ大きいチャンネルに規定された粒子径(測定範囲の最大チャンネルにおいては、測定下限粒子径)よりも大きい粒子の頻度を各チャンネルごとに測定し、測定範囲内の全チャンネルの合計頻度を分母として、各チャンネルの粒子頻度%を求めることができる。具体的には以下132チャンネルのそれぞれにおける粒子頻度%を測定して得られた結果について、粒子頻度%が認められたチャンネルのうち、最も粒子径が大きいチャンネルの粒子径を最大粒子径として採用した。すなわち、本発明に食品の微粒子複合体を含有する組成物をレーザ回折式粒度分布測定装置を用いて測定する際の好ましい測定方法は、「レーザ回折式粒度分布測定装置によって、測定溶媒として95%エタノールを用いて、測定上限2000.00μm、測定下限0.021μmの対象について、サンプル投入後速やかに粒子径を測定する。超音波処理を行うサンプルについては、周波数40kHz出力40W、3分間の超音波処理を行う」ことである。
また、本発明の組成物中の複合体は、喫食時に崩壊するが、その崩壊後は微粒子になるのが好ましく、その指標として超音波処理前の組成物中に、特定の大きさ及び形態の粒子を一定数以上含有することが好ましい。すなわち、超音波処理前の組成物を粒子形状画像解析装置で分析した場合に、平面画像における下記(A)及び(B)を満たす粒子を1%以上(すなわち、10000個の粒子に対して(A)及び(B)を満たす粒子の個数が100個以上)含有するように調整されていることで、保管時の色調安定性が向上するため好ましいが、当該粒子の含有割合が2%以上であるとさらに好ましく、3%以上であるとより好ましく、4%以上であるとより好ましく、6%以上が最も好ましい。また、当該粒子の含有割合が25%以上であると、食材由来の好ましくない風味が付与される傾向があるため、含有量が25%未満であるとさらに好ましく、16%未満であるとさらに好ましい。
(A)平面画像における粒子の包絡周囲長が周囲長の95%以下、
(B)平面画像における粒子の包絡面積が200μm2以下。
ここで、(A)の条件は、包絡周囲長が周囲長の95%以下であるから、粒子は平面画像が円形や楕円形ではなく、多くの凹凸があることを意味する。(B)の条件は、平面画像における包絡面積が200μm2以下であるから、仮に平面画像を円形と仮定すると、粒子径が約15.9μm以下であることを意味する。超音波処理前の組成物中に、このような小さく、かつ凹凸のある粒子が一定割合以上含まれることにより、組成物が口中であたかもほろりと崩れるような特有の食感が得られる。
本発明の超音波処理前の組成物における「特定形状の粒子数」解析を行う際の粒子形状解析装置での平面画像解析は、例えば以下の方法で行なうことができる。
粒子数解析を行う際の粒子形状画像解析装置は、一般的な個別の粒子画像を撮影してその粒子形状を解析できる機能を持つものであればどのようなものでも用いる事ができるが、例えば粉粒体懸濁液をフローセル内に流し、撮影視野に入った粒子を自動的に判別し、解析することによって、粒子を無作為に抽出し、かつ、短時間で大量の個別粒子情報を自動的に得ることができる動的画像解析法による粒子分析計(例えば株式会社セイシン企業製のPITA−3)を使用することで行うことが好ましい。
粒子数解析にあたっては、俯瞰的な視点で画像を解析する必要から、粒子画像撮影時のカメラとしては有効画素数1392 (H)×1040(V)、画素サイズ4.65×4.65μm程度よりも粗い画素で粒子の存在する平面画像を取得できる撮像カメラ(CCDカメラもしくはC-MOSカメラ)が好ましく、例えばCM140MCL(JAI社製)を用いることができる。粒子画像撮影時の対物レンズは倍率4倍のものを用い適切な流量でサンプルを流しながら粒子画像を撮影した。特に、フローセルの形状については平面伸張効果を高め、大部分の超音波処理前の組成物中の粒子の中心がレンズの持つ焦点範囲内を通過させることができる平面伸張セルを用いることで、正確な粒子の数を得ることができるため、好ましい。粒子画像の撮影に際しては、焦点が適切に設定され、粒子形状が明瞭に確認でき、背景とのコントラストが粒子が背景と明確に判別できる程度に粒子画像解析装置の条件を設定した。例えば、粒子画像取得時の解析条件設定例として、8Bitグレースケールの撮像カメラ(0を黒色、255を白色とする)を使用した場合、LED強度110、カメラゲイン100db、として粒子の存在する平面画像を取得したのち、その中に存在する粒子画像の明るさレベル115、粒子画像の輪郭レベル169、として個々の超音波処理前の組成物中の粒子画像を取得して解析に供することができる。
測定時の溶媒、キャリア液は、測定対象に適したものを用いることができるが、例えば油系粉砕ペースト中の粒子形状を測定する際には、イソプロピルアルコール(IPA)を用いて測定を行なう。
サンプルを測定の際に使用する溶媒で1000倍に希釈し、粒子画像測定用セル(合成石英ガラス)に注入し、粒子画像解析に供することができる。
粒子画像撮影は超音波処理前の組成物中の粒子数が10000に達するまで粒子画像の撮影を行う。このように撮影された1392画素×1040画素の平面画像(画素サイズ4.65μm×4.65μm)に関して、平面画像内に存在する最低画素数6画素以上の個々の粒子画像について包絡周囲長、周囲長、包絡面積を測定した。包絡周囲長とは、縦横斜めに4画素以下の間隔を持つ画素同士を連結して形成される粒子画像における、凸部の頂点を最短の距離をもって結んだときの周囲の長さを表し、周囲長とは、縦横斜めに4画素以下の間隔を持つ画素同士を連結して形成される粒子画像における、特定粒子の輪郭そのものの長さを表し、包絡面積とは包絡周囲長で囲まれた粒子画像中の投影面積を表す。
すなわち、本発明における超音波処理前の粒子を粒子形状画像解析装置で分析した、平面画像における粒子の包絡周囲長が周囲長の95%以下、かつ、平面画像における粒子の包絡面積が200μm2以下の粒子数を解析する際の好ましい測定方法は以下の通りとなる。
フローセル式の粒子形状画像解析装置を用いて、測定溶媒にイソプロピルアルコールを用い、4倍対物レンズを用いて1392画素×1040画素の平面画像(画素サイズ4.65μm×4.65μm)を撮影し、平面画像内に存在する最低画素数6画素以上の個々の「粒子画像(縦横斜めに4画素以下の間隔を持つ画素同士を連結して形成される画像。
結果的に複数の微粒子、微粒子複合体も1画像としてカウントされうる)」について、包絡周囲長(I)、周囲長(II)、包絡面積(III)を測定する。
(I)包絡周囲長:凸部の頂点を最短の距離をもって結んだときの周囲の長さ
(II)周囲長:縦横斜めに4画素以下の間隔を持つ画素同士を連結して形成される粒子画像における、特定粒子の輪郭そのものの長さ
(III)包絡面積:包絡周囲長で囲まれた粒子画像中の投影面積
また、特に、本発明の超音波処理前の組成物中の微粒子、微粒子複合体の「形態的特徴」解析をする際の、粒子形状解析装置での平面画像解析は、例えば以下の方法で行なうことで、微粒子、微粒子複合体画像の正確な形態的特徴が把握できるため好ましい。
超音波処理前の組成物中の微粒子、微粒子複合体の形態的特徴を解析する際は、一般的な個別の粒子画像を撮影してその形状を解析できる機能を持つもの、例えば粉粒体懸濁液をフローセル内に流し、撮影視野に入った微粒子、微粒子複合体を自動的に判別し、その形態的特徴を把握解析することによって、微粒子、微粒子複合体を無作為に抽出し、短時間で大量の個別粒子情報を自動的に得ることができる動的画像解析法による粒子分析計(粒子形状画像解析装置)であって、高画素のカメラ(具体的には、有効画素数1920(H)×1080(V)、画素サイズ2.8μm×2.8μmよりも詳細な微粒子、微粒子複合体の存在する平面画像を撮影できる撮像カメラ)が設置可能なもの(例えば株式会社セイシン企業製のPITA−4)を使用することが好ましい。
本発明の組成物は、超音波処理前の組成物中の微粒子、微粒子複合体を粒子形状画像解析装置で10000個分析した場合に、「(凹凸度×円形度)÷アスペクト比」の計算値についての10パーセンタイル値が0.40より大きくなると、充分な耐光性が発揮されないため、その値は0.40以下であることが好ましく、0.30以下であることがさらに好ましく、0.20以下であることがさらに好ましく、0.19以下であることがさらに好ましく、0.14以下であることが最も好ましい。また、「(凹凸度×円形度)÷アスペクト比」の計算値についての10パーセンタイル値が0.01以上であることが生産上便利であるため好ましく、0.02以上であることがさらに好ましい。超音波処理前の「(凹凸度×円形度)÷アスペクト比」が一定範囲に調整されていることで、本発明の組成物の耐光性が高まり、さらにおいしさも高まる効果が得られる。「(凹凸度×円形度)÷アスペクト比」の計算値が低い微粒子複合体とは、後述するとおり、凹凸が大きく、真円から離れ、細長いといった形態的特徴を持っており、通常の微粒子とは異なる特徴的な形状を持つ。どのようにその形状を持つ微粒子複合体が形成されるかは定かではないが、例えば食品を高せん断力で加圧条件下かつ昇温条件下で短時間処理することで、微細化粒子同士が再凝集を起こし、本発明に規定される特殊な形状的特徴を有する可能性がある。従来、このような特殊な条件の下で微粒子複合体が再凝集によって特定の形状特性を有するまで処理することで、本発明のような有用な効果が得られるという知見は、全く知られていなかった。
超音波処理前の組成物中の微粒子、微粒子複合体の凹凸度、円形度、アスペクト比を測定するに際しては、詳細な微粒子、微粒子複合体画像を撮影をできるカメラを用いる必要があり、画像撮影時のカメラとしては有効画素数1920(H)×1080(V)、画素サイズ2.8μm×2.8μm程度よりも詳細な微粒子、微粒子複合体の存在する平面画像を撮影できる撮像カメラ(CCDカメラもしくはC-MOSカメラ)を好ましく用いることができ、例えばDMK33UX290(The Imaging Source社製)を用いることができる。画像撮影時の対物レンズは倍率4倍のものを用い、適切な流量でサンプルを流しながら微粒子、微粒子複合体画像を撮影した。特に、フローセルの形状については平面伸張効果を高め、大部分の超音波処理前の組成物中の微粒子、微粒子複合体の中心がレンズの持つ焦点範囲内を通過させることができる平面伸張セルを用いることで、正確な形態的特徴を把握することができる。画像の撮影に際しては、焦点が適切に設定され、粒子形状が明瞭に確認でき、背景とのコントラストが超音波処理前の組成物中の微粒子、微粒子複合体が背景と明確に判別できる程度に粒子画像解析装置の条件を設定した。
例えば、微粒子、微粒子複合体画像取得時の解析条件設定例として、8Bitグレースケールの撮像カメラ(0を黒色、255を白色とする)を使用した場合、LED強度100、カメラゲイン100db、として平面画像を取得したのち、その中に存在する微粒子、微粒子複合体画像の明るさレベル115、画像の輪郭レベル160、として個々の微粒子または微粒子複合体画像を10000枚以上撮影し、形態的特徴解析に供することができる。測定時の溶媒、キャリア液は、測定対象に適したものを用いることができるが、例えば油系粉砕ペースト中の粒子形状を測定する際には、イソプロピルアルコール(IPA)を用いて測定を行なう。
サンプルを測定の際に使用する溶媒で1000倍に希釈し、粒子画像測定用セル(合成石英ガラス)に注入し、微粒子、微粒子複合体形状画像解析に供することができる。
画像撮影は微粒子、微粒子複合体数が10000検体に達するまで撮影を行う。撮影された1920画素×1080画素の平面画像(画素サイズ2.8μm×2.8μm)に関して、平面画像内に存在する最低画素数15画素以上の微粒子、微粒子複合体画像について、凹凸度、円形度、アスペクト比を10000枚の画像のそれぞれについて測定し、各微粒子、微粒子複合体の「(凹凸度×円形度)÷アスペクト比」の計算値について、10000検体中の10パーセンタイル値(パーセンタイル値とは、計測値の分布を小さい数字から大きい数字に並べ変え、小さいほうから数えて任意の%に位置する値。例えば10000個の微粒子、微粒子複合体画像を測定した場合の10パーセンタイル値は、下から1000番目に小さい微粒子または微粒子複合体画像の計算値を指す)を採用した。
凹凸度とは、縦横斜めに隣接する画素同士を連結して形成される微粒子または微粒子複合体画像において、微粒子または微粒子複合体画像周囲の凹凸の度合いを表す値であって、「特定微粒子または微粒子複合体画像の凸部の頂点を最短の距離をもって結んだときの周囲の長さ÷特定微粒子または微粒子複合体画像の輪郭長」によって求められ、凹凸が大きい微粒子または微粒子複合体画像の方が小さい値が得られる。円形度とは、特定微粒子または微粒子複合体画像の形状が真円から離れるほど小さくなっていく値であって、「特定微粒子または微粒子複合体画像の面積と等しい面積を有する真円の周囲長÷特定微粒子または微粒子複合体画像の輪郭長」によって求められ、形状が複雑な微粒子または微粒子複合体画像の方が小さい値が得られる。アスペクト比は特定微粒子または微粒子複合体画像の縦横比率を表す値であって、「特定微粒子または微粒子複合体画像の輪郭線上の2点間での最大距離÷当該最大距離に対し平行な2本の直線で粒子画像を挟んだ際の距離」によって求められ、細長い微粒子または微粒子複合体画像の方が大きい値が得られる。すなわち、凹凸が大きく、真円から離れ、細長い形態的特徴を持つような特定の形態的特徴を強く持つ微粒子または微粒子複合体が多いほど「(凹凸度×円形度)÷アスペクト比」が小さくなり、10000個の微粒子、微粒子複合体中にその特徴を顕著に持つ粒子が多いほど、下位10%の値が小さくなる。
上述の微粒子、微粒子複合体形状画像解析の測定条件については、撮影画像のピントが適切に調整されていないとその形状が正確に測定できないため、撮影画像のピントを良く合わせた状態で測定を実施する。
なお、測定条件は、試料の測定によって設定がずれることがあるため、測定の都度適切な条件に調整しなおしてから測定を行うことが望ましい。
すなわち、本発明における超音波処理前の組成物中の微粒子または微粒子、微粒子複合体の凹凸度、円形度、アスペクト比を測定する際の好ましい測定方法は以下の通りとなる。
フローセル式の粒子形状画像解析装置を用いて、測定溶媒にイソプロピルアルコールを用い、4倍対物レンズを用いて1920画素×1080画素の平面画像(画素サイズ2.8μm×2.8μm)を撮影し、平面画像内に存在する最低画素数15画素以上の個々の「微粒子または微粒子複合体画像(縦横斜めに隣接する画素同士を連結して形成される画像。結果的に複数の微粒子、微粒子複合体も1画像としてカウントされうる)」について、凹凸度(IV)、円形度(V)、アスペクト比(VI)を測定する。
(IV)凹凸度:特定微粒子または微粒子複合体画像の凸部の頂点を最短の距離をもって結んだときの周囲の長さ÷特定微粒子または微粒子複合体画像の輪郭長
(V)円形度:特定の微粒子または微粒子複合体画像の面積と等しい面積を有する真円の周囲長÷特定微粒子または微粒子複合体画像の輪郭長
(VI)アスペクト比:特定の微粒子または微粒子複合体画像の輪郭線上の2点間での最大距離÷当該最大距離に対し平行な2本の直線で微粒子または特定微粒子複合体画像を挟んだ際の距離
また、本発明の組成物中には、超音波処理前の微粒子および/または微粒子複合体のうち、粒子径が2.3μm〜1600μmを満たす微粒子および/または微粒子複合体が10000個/cm3以上含有される。これよりも超音波処理前の含有数が少ない組成物については、本発明の効果が十分に発揮されず好ましくない。当該含数は超音波処理前の組成物中の微粒子、微粒子複合体の「形態的特徴」解析をする際の、粒子形状解析装置での平面粒子画像解析(PITA−4)の測定方法を用いて測定することができる。
本発明の組成物は、超音波処理前は微粒子、微粒子複合体を含有し、超音波処理後はその複合体の一部または全部が崩壊するので、超音波処理前と処理後では、最大粒子径だけでなく、単位体積当り比表面積、モード径、d50等が大きく変化する。
単位体積当り比表面積は、超音波処理前の単位体積当り比表面積が1.00m2/mLより大きいと微細化物が充分に再凝集していないと考えられるため、1.00m2/mL以下であるのが好ましく、0.80m2/mL以下であるのが好ましい。また、超音波処理後の単位体積当り比表面積が0.10m2/mL未満であると、複合体の再凝集強度が充分で無いため、0.10m2/mL以上であるのが好ましく、0.15m2/mL以上であるのがより好ましく、0.20m2/mL以上であるのがより好ましく、0.25m2/mL以上であるのが最も好ましい。さらに、超音波処理により単位体積当り比表面積が1.6倍以上に上昇するのが複合体の再凝集強度が好ましく、1.9倍以上に上昇するのがより好ましく、2.2倍以上に上昇するのがさらに好ましい。
モード径は、超音波処理前が20μm以上であるのが好ましく、25μm以上であるのがより好ましく、30μm以上であるのがさらに好ましく、40μm以上であるのが最も好ましい。また、400μm以下であるのが好ましく、300μm以下であるのがより好ましく、220μm以下であるのがさらに好ましく、150μm以下であるのが最も好ましい。
また超音波処理後のモード径は0.3μm以上であるのが好ましく、1μm以上であるのがより好ましく、3.0μm以上であるのがさらに好ましく、5.0μm以上であるのが特に好ましく、7.0μm以上であるのが最も好ましい。また、超音波処理後のモード径は200μm以下であるのが好ましく、150μm以下であるのがより好ましく、100μm以下であるのがさらに好ましく、90μm以下であるのが特に好ましく、50.0μm以下であるのが最も好ましい。
特に超音波処理後のモード径が一定範囲に調整されていることで、本発明の組成物特有の口中であたかもほろりと崩れるような食感をより好ましく感じることができる。また、超音波処理によりモード径が1%以上90%以下に変化するのが好ましく、2%以上80%以下に変化するのがより好ましい。超音波処理前後のモード径変化率が一定範囲に調整されていることで、本発明の組成物特有の口中であたかもほろりと崩れるような食感をさらに好ましく感じることができる。例えば、超音波処理前の組成物モード径が100μmであり、超音波処理後の組成物モード径が20μmである場合、超音波処理前後のモード径変化率は20%となる。
d50は、超音波処理前が20μm以上であるのが好ましく、25μm以上であるのがより好ましく、30μm以上がさらに好ましい。また、超音波処理前のd50は400μm以下であるのが好ましく、300μm以下であるのがより好ましく、250μm以下がさらに好ましい。超音波処理後のd50は、1μm以上が好ましく、5μm以上がより好ましく、8μm以上がさらに好ましい。また、超音波処理後のd50は、150μm以下が好ましく、100μm以下がより好ましく、75μm以下がさらに好ましい。また、超音波処理後のd50および/またはモード径と超音波処理前の組成物中の微粒子および/または微粒子複合体における「(凹凸度×円形度)÷アスペクト比」の10パーセンタイル値が共に好ましい範囲に調整されていることで、耐光性が相乗的に高まる効果があるため、特に好ましい。また、特定形状((A)平面画像における粒子の包絡周囲長が周囲長の95%以下、(B)平面画像における粒子の包絡面積が200μm2以下)の粒子数が一定以上割合となるように共に好ましい範囲に調整されていることで、耐光性が相乗的に高まる効果があるため、特に好ましい。
本発明における粒子径とは、特に指定が無い限り全て体積基準で測定されたものを表す。また、本発明における「粒子」とは、特に指定が無い限り微粒子、微粒子複合体も含みうる概念である。
また、本発明における単位体積当り比表面積とは、粒子を球状と仮定した場合の単位体積(1mL)当り比表面積を表し、サンプルをレーザ回折式粒度分布測定装置を用いて測定することで得られる。なお、粒子を球状と仮定した場合の単位体積あたりの比表面積は、レーザ回析式粒度分布測定装置では測定できない粒子の成分や表面構造などを反映した測定値(透過法や気体吸着法などで求められる体積あたり、重量あたり比表面積)とは異なる測定メカニズムに基づく数値である。また、粒子を球状と仮定した場合の単位体積あたりの比表面積は、粒子1個当りの表面積をai、粒子径をdiとした場合に、6×Σ(ai)÷Σ(ai・di)によって求められる。
また、モード径とは組成物をレーザ回折式粒度分布測定装置を用いて測定して得られたチャンネルごとの粒子径分布について、粒子頻度%がもっとも大きいチャンネルの粒子径を表す。全く同じ粒子頻度%のチャンネルが複数存在する場合には、その中で最も粒子径の小さいチャンネルの粒子径を採用する。粒子径分布が正規分布であればその値はメジアン径と一致するが、粒子径分布に偏りがある場合、特に粒子径分布のピークが複数ある場合には大きく数値が異なる。レーザ回折式粒度分布測定装置によるサンプルの粒子径分布測定は、例えば以下の方法で実施することができる。なお、サンプルが熱可塑性固形物の場合は、サンプルを加熱処理して液体状にした後に分析に供することで、レーザ解析式粒度分布測定装置による分析に供することができる。
レーザ回折式粒度分布測定装置は、例えばマイクロトラック・ベル株式会社のMicrotrac MT3300 EXIIシステムを使用することができる。測定時の溶媒は、組成物中の食品微粒子の構造に影響を与えにくいものを用いることができる。例えば、油が多い組成物には測定溶媒として95%エタノール(例えば、日本アルコール販売 特定アルコール トレーサブル95 95度1級)を用いることが好ましい。また、測定アプリケーションソフトウェアとして、DMS2(Data Management System version2、マイクロトラック・ベル株式会社)を使用することができる。測定に際しては、測定アプリケーションソフトウェアの洗浄ボタンを押下して洗浄を実施したのち、同ソフトのSetzeroボタンを押下してゼロ合わせを実施し、サンプルローディングで適正濃度範囲に入るまでサンプルを直接投入できる。超音波処理を行なわないサンプルについては、サンプル投入後のサンプルローディング2回以内に適正濃度範囲に調整し、調整後ただちに流速60%で10秒の測定時間でレーザー回折した結果を測定値とする。超音波処理を行なうサンプルについては、サンプル投入後にサンプルローディングにて適正濃度範囲に調整し、調整後同ソフトの超音波処理ボタンを押下して周波数40kHz出力40W、3分間の超音波処理を行い、3回の脱泡処理を行ったうえで、超音波処理後再度サンプルローディング処理を行い、濃度が適正範囲であることを確認した後、速やかに流速60%で10秒の測定時間でレーザ回折した結果を測定値とすることができる。
測定条件としては、分布表示:体積、粒子屈折率:1.60、溶媒屈折率:1.36、測定上限(μm)=2000.00μm、測定下限(μm)=0.021μm、の条件で測定することができる。
本発明におけるチャンネル(CH)ごとの粒子径分布を測定する際は、後述の表1に記載した測定チャンネルごとの粒子径を規格として用いて測定することができる。各チャンネルに規定された粒子径を、「○○チャンネルの粒子径」とも称する。各チャンネルに規定された粒子径以下で、かつ数字が一つ大きいチャンネルに規定された粒子径(測定範囲の最大チャンネルにおいては、測定下限粒子径)よりも大きい粒子の頻度を各チャンネルごとに測定し、測定範囲内の全チャンネルの合計頻度を分母として、各チャンネルの粒子頻度%を求めることができる(「○○チャンネルの粒子頻度%」とも称する)。例えば1チャンネルの粒子頻度%は、2000.00μm以下かつ1826.00μmより大きい粒子の頻度%を表す。
すなわち、本発明に食品の微粒子複合体を含有する組成物をレーザ回折式粒度分布測定装置を用いて測定する際の好ましい測定方法は以下の通りとなる。レーザ回折式粒度分布測定装置によって、測定溶媒として95%エタノールを用いて、測定上限2000.00μm、測定下限0.021μmの対象について、サンプル投入後速やかに粒子径を測定する。超音波処理を行うサンプルについては、周波数40kHz出力40W、3分間の超音波処理を行う。
本発明の組成物には油脂が含まれていても良い。油脂の種類としては、食用油脂、各種脂肪酸やそれらを原料とする食品などが挙げられるが、食用油脂を用いることが好ましい。また、組成物全体の全油脂分含量が30質量%以上であると、耐光性が高まるため好ましく、34質量%以上であるとさらに好ましく、40質量%以上であるとさらに好ましく、50質量%以上が最も好ましい。また、素材の味わいが分かりにくくなるため、90質量%以下が好ましく、85質量%以下がさらに好ましく、80質量%以下が最も好ましい。
食用油脂の例としては、ごま油、菜種油、高オレイン酸菜種油、大豆油、パーム油、パームステアリン、パームオレイン、パーム核油、パーム分別油(PMF)、綿実油、コーン油、ひまわり油、高オレイン酸ひまわり油、サフラワー油、オリーブ油、亜麻仁油、米油、椿油、荏胡麻油、香味油、ココナッツオイル、グレープシードオイル、ピーナッツオイル、アーモンドオイル、アボカドオイル、サラダ油、キャノーラ油、魚油、牛脂、豚脂、鶏脂、又はMCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)、ジグリセリド、硬化油、エステル交換油、乳脂、ギー、カカオバターなど、が挙げられるが、製造に便利なためカカオバター以外の油脂を用いることが好ましい。また、ごま油、オリーブ油、菜種油、大豆油、乳脂、ひまわり油、米油、パームオレインなどの液体状食用油脂については、食品組成物のなめらかさを高める効果があり、より効果的に用いることができるためより好ましい。本発明における液体状食用油脂とは、「常温(本発明では20℃を表す)で、液体状の流動性(具体的にはボストウィック粘度計(本発明においては、トラフ長28.0cmで、ボストウィック粘度すなわちサンプルのトラフ内における流下距離が最大28.0cmのものを用いる)における20℃、10秒間のボストウィック粘度(所定温度所定時間における、トラフ内のサンプル流下距離測定値)が10cm以上、より好ましくは15cm以上、さらに好ましくは28cm以上)」を有する油脂を表す。また、本発明において、その組成物中における油脂部(例えば、15000rpmで1分間の遠心分離を行った際に遊離する油脂成分)が、液体状の流動性(具体的にはボストウィック粘度計における20℃、10秒間のボストウィック粘度が10cm以上、より好ましくは15cm以上、さらに好ましくは28cm以上)を有することが好ましい。さらに、液体状油脂を含む2種類以上の油脂を使用した場合、油脂全体の90質量%以上が液体状食用油脂であることが好ましく、92質量%以上が液体状油脂であることがさらに好ましく、95質量%以上が液体状油脂であることがさらに好ましく、100質量%が液体状油脂であることが最も好ましい。また、食用油脂は組成物の食材中に含まれる油脂でも良いが、抽出精製処理がなされた油脂を食材とは別に添加する方が食材とのなじみが良いため好ましく、油脂全体の10質量%以上抽出精製処理がなされた油脂を添加することが好ましく、より好ましくは30%以上抽出精製処理がなされた油脂を添加することが好ましい。
また、食用油脂はその組成中の飽和脂肪酸割合よりも不飽和脂肪酸割合(一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸の合計割合)が多い食用油脂であることで、微細化処理が効率的に行なえるため好ましく、飽和脂肪酸割合の2倍量よりも不飽和脂肪酸割合が多い方がさらに好ましい。
また、食用油脂を原料とする食品の例としては、バター、マーガリン、ショートニング、生クリーム、豆乳クリーム(例えば不二製油株式会社の「濃久里夢(こくりーむ)」(登録商標))など、が挙げられるが、特にその物性が液体状の食品が、便利に用いることができる。これらのうち二種以上の食用油脂やそれらを原料とする食品を任意の比率で併用してもよい。
本発明の組成物中の前記食品微粒子の含有量は、本発明においてレーザ回析式粒度分布測定や粒子形状画像解析装置の測定対象とならない粒径2000μm(2mm)よりも大きい食品等を除いた組成物中の食品微粒子含量を測定する。組成物が2mmよりも大きい食品等を含む場合には、例えば、組成物中の9メッシュ(目開き2mm)パスさせた画分中のうち、遠心分離による分離上清を充分に取り除いた沈殿画分の重量を指す(固形油脂の場合は加温して溶解した状態で、必要に応じて2mmよりも大きい食品等を取り除いた後、遠心分離を実施し、分離上清を取り除く)。一部の油脂や水分は沈殿画分に取り込まれるため、食品微粒子の合計量は、沈殿画分に取り込まれたそれら成分と食品の合計重量を表す。組成物中の食品微粒子含有量は、20質量%以上98質量%以下であればよいが、20質量%未満であると素材の味わいを十分に感じることができず好ましくない。また、食品微粒子の含有量が98質量%を超えると、摂食しにくい品質となるため、好ましくない。また、食品微粒子の含有量は20質量%以上が好ましく、30質量%以上が好ましく、45質量%以上がより好ましく、65質量%以上が最も好ましい。また、食品微粒子の含有量は、98質量%以下が好ましく、90質量%以下がさらに好ましく、85質量%以下がさらに好ましく、80質量%以下が最も好ましい。
本発明における食品微粒子の含有量は、例えば任意の量の組成物を9メッシュ(タイラーメッシュ)パスさせた後、通過画分に対して15000rpmで1分間の遠心分離を行い、分離上清を充分に取り除いた沈殿画分重量を量ることで組成物中の食品微粒子の含有量を測定することができる。9メッシュパスさせる際のメッシュ上残分については、充分に静置した後、組成物の粒子サイズが変わらないようにヘラなどで9メッシュの目開きより小さい食品微粒子を充分に通過させた後、通過画分を得た。9メッシュを通過しない程度に流動性が低い組成物(例えばボストウィック粘度が20℃30秒間で10cm以下の物性)については、オリーブオイルなどの溶媒で3倍程度に希釈した状態で9メッシュパスさせた後の組成物を遠心分離して組成物中の食品微粒子の含有量を測定することができる。また熱可塑性の組成物については、加熱して流動性を持たせた状態でオリーブオイルなどの溶媒で3倍程度に希釈した状態で9メッシュパスさせた後の組成物を遠心分離して組成物中の食品微粒子の含有量を測定することができる。
本発明に用いられる粉砕処理又は微細化手段は特に限定されず、食品を高せん断力で加圧条件下かつ昇温条件下で短時間処理できる手段であればよく、ブレンダー、ミキサー、ミル機、混練機、粉砕機、解砕機、磨砕機などと称される機器類のいずれであってもよく、乾式粉砕、湿式粉砕のいずれであってもよく、高温粉砕、常温粉砕、低温粉砕のいずれであってもよい。例えば、乾式微粉砕機としては乾式ビーズミル、ボールミル(転動式、振動式など)などの媒体攪拌ミル、ジェットミル、高速回転型衝撃式ミル(ピンミルなど)、ロールミル、ハンマーミル、などを用いることができる。例えば、湿式微粉砕としては、ビーズミル、ボールミル(転動式、振動式、遊星式ミルなど)などの媒体撹拌ミル、ロールミル、コロイドミル、スターバースト、高圧ホモジナイザーなどを用いることができる。湿式微粉砕処理された状態の特定の形状の食品微粒子を含有する組成物については、媒体攪拌ミル(ボールミル、ビーズミル)、高圧ホモジナイザーをより好適に用いることができる。例えば、高圧ホモジナイザーや攪拌媒体ミルを好ましく用いることができる。
具体的には、粒子径2mm以下のビーズを用いたビーズミル粉砕機にて、最大圧力が常圧に加えて0.01MPa以上の加圧条件下(0.01MPa以上かつ1MPa以下に加圧されていることが好ましく、0.02MPa以上かつ0.50MPa以下に加圧されていることがさらに好ましい)、かつ処理開始直後のサンプル温度(処理温度:T1)に対して処理終了時のサンプル温度(処理温度:T2)が「T1+1<T2<T1+50」を満たす範囲内での昇温条件下(T2≧25となるように調整されているとより好ましい)で、ワンパス処理(通常は処理時間30分未満となる)で破砕することで、本発明の特性を持つ食品微粒子含有組成物を好ましく得ることができる。粒子径が2mmより大きいビーズを用いたビーズミル(例えば通常3〜10mmのビーズを使用するアトライタ等の「ボールミル」と称される媒体攪拌ミル)を用いた場合、本発明で規定される特定形状の食品微粒子を得るために長時間の処理が必要となり、原理上常圧より加圧することも困難であることから、本発明の組成物を得ることが難しい。また、微細化処理時に常圧より加圧した条件を作り出す方法はどのような方法でも良いが、特にビーズミル粉砕機で加圧条件を好ましく得るためには、処理出口に適当なサイズのフィルターを設置して、内容物の送液速度を調整しながら加圧条件を調整しながら処理する方法が好ましく、処理時間中において最大0.01MPa以上に加圧調整された状態で微細化処理が行なわれることが好ましく、0.02MPa以上に調整されることがさらに好ましい。媒体攪拌ミルを用いて処理をする場合は、処理前の内容物のボストウィック粘度(測定温度20℃)が1秒間で28.0cm以下であると圧力が調整しやすく好ましい。なお、加圧条件が過酷すぎると設備が破損する恐れがあるため、媒体攪拌ミルを用いて処理をする場合は、微細化処理時の加圧条件の上限は1.0MPa以下が好ましく、0.50MPa以下がさらに好ましい。
また、高圧ホモジナイザーを用いて微細化処理を行なうことで、好ましく加圧条件下での処理を行なうことができる。さらに高圧ホモジナイザー処理前に媒体攪拌ミル処理を行なうか、高圧ホモジナイザー処理後に媒体攪拌ミル処理を行なうことで、さらに好適に処理を行なうことができる。高圧ホモジナイザーとしては常圧よりも加圧した条件下でホモジナイザーとして用いることができるものはどのようなものでも用いることができるが、例えばPANDA2K型ホモジナイザー(Niro Soavi社製)を用いることができる。処理条件としては、例えば100MPa下での高圧均質化処理を単数回または複数回実施することで微細化処理を行なうことができる。
特に、湿式ビーズミルを用いた粉砕方法を用いることで、その他の処理法に比べて食品組成物を静置した際に油脂分離が起こりにくい安定性の高い品質となるため好ましい。その原理は不明であるが、ビーズミル処理により食品微粒子の粒子状態が好ましく変化するためであると考えられる。また、湿式ビーズミル処理時の条件は、食材の大きさや性状、目的とする食品微粒子含有組成物の性状に合わせて、ビーズの大きさや充填率、出口メッシュサイズ、原料スラリーの送液速度、ミル回転強度、一回のみ通過させる方式(ワンパス)か、何度も循環させる方式(循環式)かなどについて、適宜選択・調整すれば良いが、ワンパス処理が好ましく、処理時間が1分以上25分以下であることがさらに好ましく、2分以上20分以下であることが最も好ましい。本発明における処理時間とは、処理サンプルがせん断処理される時間を表す。例えば、粉砕室の容積が100mLでビーズを除いた処理液が注入可能な空隙率が50%のビーズミル破砕機において、毎分200mLの速度でサンプルを循環させずにワンパス処理する場合、粉砕室内の空寸が50mLであることから、サンプル処理時間は50/200=0.25分(15秒)となる。また、あらかじめ前処理として、ジェットミル、ピンミル、石臼粉砕ミルなどによって食材をあらかじめ粗粉砕したものを微細化処理に供することが良く、メジアン径1000μm以下100μm以上の大きさに調整された粉末食材を微細化処理に供することで、原理は不明であるが、対象物への付着性がさらに高まるため、より好ましい。また、ビーズミル処理において、ビーズ材質とビーズミル内筒の材質が同じ材質であることが好ましく、材質が共にジルコニアであるとさらに好ましい。
本発明の組成物には水分が含まれていても良い。水分は、水として添加してもよく、原料由来の水分として組成物に含まれても良い。また、組成物全体の水分含量が20質量%よりも大きいと本発明に規定される複合体の形状の調整が困難であるため、組成物全体の水分含量が20質量%以下であると好ましく、15質量%以下であるとさらに好ましく、10質量%以下であるとさらに好ましく、5質量%以下が最も好ましい。
また、本発明の組成物を製造するにあたり、特に媒体に水分が含まれる場合、食品の水分含量が媒体の水分含量よりも低い状態で媒体攪拌ミル処理、特に湿式ビーズミル処理に供することで、特定形状の食品微粒子が形成されやすく、有用である。具体的には、乾燥食品を油脂または水を媒体として媒体攪拌ミル処理、特に湿式ビーズミル処理に供することが好ましい。また、媒体中の水分が25質量%以上であると、媒体攪拌ミル処理効率が悪化するため、25質量%未満であることが好ましい。また、微細化処理前の油脂または水中に食品を含有させた食品含有媒体の粘度(測定温度20℃)が20Pa・s以下に調整されていることが良く、8Pa・s以下に調整されていることで、微細化処理効率がさらに高まるため、有用である。また、食品微粒子含有組成物の粘度(測定温度20℃)が100mPa・s以上となるように調整されていると好ましく、500mPa・s以上に調整されているとより好ましい。
本発明の組成物は、そのままの状態で喫食することができる他、飲食品又は液状調味料の原料や素材として好適に使用することができる。即ち、本発明には、本発明の食品微粒子含有組成物を含有する飲食品及び液状調味料が包含される。本発明の組成物を原料の一部として用いることで、分散安定性の高いソースやたれやディップやマヨネーズやドレッシングやバターやジャムなどの調味料を製造することができる。調味料への添加量は概ね0.001〜50質量%程度が望ましい。また、製造に際しては、前記組成物をどのタイミングで調味料に添加しても良い。詳細には、調味料に対して組成物を添加しても良く、調味料の原料に組成物原料(食材)を添加してから微細化処理を実施しても良く、それらの方法を組み合わせても良いが、調味料に対して組成物を添加する方法が産業的に便利であり、好ましい。
本発明の組成物には、微粒子複合体を形成している食品以外に、その構成要件を満たす範囲で必要に応じて一般的な食品に用いられる各種食品や食品添加物などを含んでいてもよい。例えば、醤油、味噌、アルコール類、糖類(ブドウ糖、ショ糖、果糖、ブドウ糖果糖液糖、果糖ブドウ糖液糖等)、糖アルコール(キシリトール、エリスリトール、マルチトール等)、人工甘味料(スクラロース、アスパルテーム、サッカリン、アセスルファムK等)、ミネラル(カルシウム、カリウム、ナトリウム、鉄、亜鉛、マグネシウム等、及びこれらの塩類等)、香料、pH調整剤(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、乳酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸及び酢酸等)、シクロデキストリン、酸化防止剤(ビタミンE、ビタミンC、茶抽出物、生コーヒー豆抽出物、クロロゲン酸、香辛料抽出物、カフェ酸、ローズマリー抽出物、ビタミンCパルミテート、ルチン、ケルセチン、ヤマモモ抽出物、ゴマ抽出物等)などを挙げることができる。また、乳化剤(グリセリン脂肪酸エステル、酢酸モノグリセリド、乳酸モノグリセリド、クエン酸モノグリセリド、ジアセチル酒石酸モノグリセリド、コハク酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リノシール酸エステル、キラヤ抽出物、ダイズサポニン、チャ種子サポニン、ショ糖脂肪酸エステル等)や着色料や増粘安定剤も添加することができるが、昨今の自然志向の高まりからいわゆる食品添加物としての乳化剤及び/または食品添加物としての着色料及び/又は食品添加物としての増粘安定剤(例えば、食品添加物表示ポケットブック(平成23年版)の「表示のための食品添加物物質名表」に「着色料」「増粘安定剤」「乳化剤」として記載されているもの)を添加しない品質が望ましく、また特に食品添加物としての乳化剤を添加しないほうが素材の味が感じやすい品質となるため、好ましい。さらに、食品添加物(例えば、食品添加物表示ポケットブック(平成23年版)中の「表示のための食品添加物物質名表」に記載されている物質を食品添加物用途に用いたもの)を含有しない品質が最も望ましい。
また、食品そのものの甘みが感じられにくくなるため、糖類(ブドウ糖、ショ糖、果糖、ブドウ糖果糖液糖、果糖ブドウ糖液糖等)を用いない方が好ましい。
すなわち、本発明には以下の態様が含まれる。
〔1〕食品添加物製剤を含有しない態様
〔2〕食品添加物製剤としての乳化剤を含有しない態様
本発明の組成物は、その原理は不明だが、特定の粒子形状を持つ微粒子または微粒子複合体の合計個数が一定割合以上に増加するまで微細化処理を行なうことで組成物の安定性(保管時の色調安定性、耐光性)が向上するという性質を示し、組成物を商業的に流通させる際には光や熱などの複合的な負荷が加わるため、保管時の色調安定性および耐光性のいずれか一方又は両方が改善することで組成物の安定性が顕著に向上する。特に媒体攪拌ミルおよび/または高圧ホモジナイザーによって微細化処理を行った場合にその傾向が顕著に認められる。従って、本発明の組成物の製造法における微細化処理による安定性の向上効果に着目した派生態様として、本発明には以下の発明が含まれる。
(1)食品を、媒体攪拌ミルおよび/または高圧ホモジナイザーによって、粒子形状画像解析で分析した際に得られる、下記条件Aと条件Bを共に満たす微粒子が処理前後で1.1倍以上増加するまで微細化処理することを特徴とする食品微粒子含有組成物の製造法。
(条件A)平面画像における特定粒子の包絡周囲長が周囲長の95%以下
(条件B)平面画像における特定粒子の包絡面積が200μm2以下
(2)食品微粒子が、媒体攪拌ミルおよび/または高圧ホモジナイザーによって、粒子形状画像解析で分析した際に得られる、下記条件Aと条件Bを共に満たす微粒子が処理前後で1.1倍以上増加するまで微細化処理された状態の食品微粒子であることを特徴とする、食品微粒子含有組成物。
(条件A)平面画像における特定粒子の包絡周囲長が周囲長の95%以下
(条件B)平面画像における特定粒子の包絡面積が200μm2以下
(3)食品微粒子複合体の製造方法であって、媒体撹拌ミル及び/又は高圧ホモジナイザーによって食品を湿式粉砕処理し、以下の特徴を持つ食品微粒子複合体を製造する方法。
(a)超音波処理前の最大粒子径が100μmより大きく、(b)超音波処理前後で最大粒子径が10%以上低下し、(c)超音波処理後のモード径が0.3μm以上200μm以下であり、(d)超音波処理前の組成物中の微粒子および/または微粒子複合体を粒子形状画像解析装置で10000個分析した場合に、各微粒子および/または微粒子複合体について下記計算式により求められる数値Nの10パーセンタイル値が0.40以下であること
N=(凹凸度×円形度)÷アスペクト比
(4)食品の粉砕処理によって粒子複合体を含有する組成物の耐光性を向上させる方法であって、(a)超音波処理前の最大粒子径が100μmより大きく、(b)超音波処理を行った場合に、当該処理後のモード径が0.3μm以上200μm以下であり、(c)超音波処理前の組成物中の微粒子および/または微粒子複合体を粒子形状画像解析装置で10000個分析した場合に、各微粒子、微粒子複合体について下記計算式により求められる数値Nの10パーセンタイル値が0.40以下であることを特徴とする、食品微粒子複合体含有組成物の耐光性を向上させる方法。
N=(凹凸度×円形度)÷アスペクト比
(5)食品の粉砕処理によって粒子複合体を含有する組成物の保管時の色調安定性を向上させる方法であって、(a)超音波処理前の最大粒子径が100μmより大きく、(b)超音波処理を行った場合に、当該処理後のモード径が0.3μm以上200μm以下であり、(c)超音波処理前の組成物を粒子形状画像解析装置で分析した場合に、下記(A)及び(B)を満たす粒子の個数が1%以上であることを特徴とする、食品微粒子複合体含有組成物の保管時の色調安定性を向上させる方法。
(A)平面画像における粒子の包絡周囲長が周囲長の95%以下
(B)平面画像における粒子の包絡面積が200μm2以下
本発明の組成物は、その原理は不明だが、組成物の最大粒子径が超音波処理前後で低下した割合(最大粒子径低下率)が一定以下となるまで微細化処理を行なうことで組成物の安定性(保管時の色調安定性、耐光性)が高まるという性質を示し、組成物を商業的に流通させる際には光や熱などの複合的な負荷が加わるため、保管時の色調安定性および耐光性のいずれか一方又は両方が改善することで組成物の安定性が顕著に向上する。特に媒体攪拌ミルおよび/または高圧ホモジナイザーによって微細化処理を行った場合にその傾向が顕著に認められる。この未知の属性により、本発明の組成物の製造法における微細化処理による安定性の向上効果に着目した派生態様として、本発明には以下の発明が含まれる。
(6)食品を、媒体攪拌ミルおよび/または高圧ホモジナイザーによって、組成物の周波数40kHz出力40W、3分間の超音波処理による、最大粒子径低下率が10%以上になるまで微細化処理することを特徴とする食品微粒子含有組成物の製造法。
(7)食品微粒子が、食品を、媒体攪拌ミルおよび/または高圧ホモジナイザーによって、組成物の周波数40kHz出力40W、3分間の超音波処理による、最大粒子径低下率が10%以上になるまで微細化処理された状態の食品微粒子であることを特徴とする、食品微粒子含有組成物。
以下、本発明を実施例に則して更に詳細に説明するが、これらの実施例はあくまでも説明のために便宜的に示す例に過ぎず、本発明は如何なる意味でもこれらの実施例に限定されるものではない。
[食品微粒子含有組成物試料の調製方法]
食品微粒子含有組成物は以下のとおりに調製した。
穀物類の一種であるスイートコーン、米、野菜類の一種であるニンジン、カボチャ、トマトの乾燥物をそれぞれ表中の「前処理」に記載された方法で粉砕した乾燥粉砕物を得た。さらに、豆類の一種である大豆はそれぞれ乾燥豆を、枝豆(大豆を未熟な状態で鞘ごと収穫したもので、豆が緑色の外観を呈するもの)は茹でて鞘から出して乾燥したものを、表中の「前処理」に記載された方法で粉砕した乾燥粉砕物を得た。さらに、豆類の一種であるひよこ豆、種実類の一種であるマカダミアナッツ、ゴマ、ピスタチオの焙煎乾燥物をそれぞれ表中の「前処理」に記載された方法で粉砕した乾燥粉砕物を得た。さらに、果実類の一種であるアボカドの乾燥前後品を表中の「前処理」に記載された方法で粉砕した生粉砕物、乾燥粉砕物を得た。乾燥粉砕物は全て、少なくとも水分活性が0.95以下になるまで乾燥処理した。また、動物類の一種である鶏肉(鶏)の乾燥物を、食塩と共に表中の「前処理」に記載された方法で粉砕した乾燥粉砕物を得た。
これらの粉砕物を、表中の処方に従って、適宜混合した組成物を卓上攪拌機で外見上略均一になるまでよく攪拌し、ペースト状の組成物を得た。油脂としては、市販の菜種油(飽和脂肪酸7%、不飽和脂肪酸86%)、オリーブオイル(飽和脂肪酸14%、不飽和脂肪酸80%)、市販のカカオバター(飽和脂肪酸60%、不飽和脂肪酸33%)を用いた。
微細化処理方法としては、表中の「微細化処理方法」に記載された方法に従って、適宜粉砕処理を実施した。媒体メディアに「ビーズ」を用いる場合は、湿式ビーズミル微粉砕機を用いて、φ2mmのビーズを用いて表中の処理条件にて微細化処理を施し、微細化食品含有組成物を得た。加圧条件については、湿式ビーズミル微粉砕機の出口の目開きを0.6mmに調整し、送液速度を適宜変更することで処理中の最大圧力(常圧下での処理の場合、与圧されないため0となる)を表中に記載された加圧条件となるように調整し、処理終了後まで一定の条件で微細化処理を行なった。
媒体メディアに「ボール」を用いる場合は、アトライタを用いて、φ4mmのボールを用いて表中の処理条件にて微細化処理を施し、微細化食品含有組成物を得た。
微細化処理後、試験例38についてはテンパリング処理を実施した。具体的には、微細化処理後の組成物を45〜50℃に加温し、目標温度到達後は水冷しながらゆっくり混ぜて27〜28℃に冷却し、目標温度到達後はさらに湯せんで31〜33℃まで加温処理を行った。
なお、特に指定が無い限り、各食材は非可食部を取り除いた部分を用いた。
(1)特定形状の粒子数解析(包絡周囲長、周囲長、包絡面積)
本発明の組成物中の特定形状の粒子数解析を行う際の、特定の粒子形状及び物性を持つ複合体測定時における粒子形状解析装置での平面画像解析は、以下の方法で行なった。
粒子数解析を行う際の粒子形状画像解析装置は、一般的な個別の粒子画像を撮影してその粒子形状を解析でき、粉粒体懸濁液をフローセル内に流し、撮影視野に入った粒子を自動的に判別し、解析することができる株式会社セイシン企業製のPITA−3を使用した。
粒子画像撮影時のカメラとしては有効画素数1392 (H)×1040(V)、画素サイズ4.65×4.65μm程度よりも粗い画素で粒子の存在する平面画像を取得できる撮像カメラとして、CM140MCL(JAI社製)を用いた。粒子画像撮影時の対物レンズは倍率4倍のものを用い、適切な流量でサンプルを流しながら粒子画像を撮影した。フローセルとしては、平面伸張セルを用いた。粒子画像の撮影に際しては、焦点が適切に設定され、粒子形状が明瞭に確認でき、背景とのコントラストが粒子が背景と明確に判別できる程度に粒子画像解析装置の条件を設定した。具体的には、8Bitグレースケールの撮像カメラ(0を黒色、255を白色とする)を使用し、LED強度110、カメラゲイン100db、として粒子の存在する平面画像を取得したのち、その中に存在する粒子画像の明るさレベル115、粒子画像の輪郭レベル169、として個々の超音波処理前の組成物中の微粒子、微粒子複合体画像を取得して解析に供した。
測定時の溶媒、キャリア液は、イソプロピルアルコール(IPA)を用いて測定を行なった。サンプルを測定の際に使用する溶媒で1000倍に希釈し、粒子画像測定用セル(合成石英ガラス)に注入し、粒子画像解析に供した。
粒子画像撮影には超音波処理前の組成物中の微粒子、微粒子複合体の粒子数が10000に達するまで粒子画像の撮影を行った。撮影された1392画素×1040画素の粒子画像(画素サイズ4.65μm×4.65μm)に関して、平面画像中の最低画素数6画素以上の個々の粒子画像について解析処理を行ない、それぞれの粒子の包絡周囲長、周囲長、包絡面積を測定し、「平面画像における包絡周囲長が周囲長の95%以下」かつ「平面画像における包絡面積が200μm2以下」を満たす粒子の個数をカウントした。
(2)超音波処理前の組成物中の微粒子、微粒子複合体の形態的特徴解析((凹凸度×円形度)÷アスペクト比)
また、特に、本発明の超音波処理前の組成物中の微粒子、微粒子複合体の「形態的特徴」解析をする際の、粒子形状解析装置での平面粒子画像解析は、以下の方法で行なった。
超音波処理前の組成物中の微粒子、微粒子複合体の形態的特徴を解析する際は、粉粒体懸濁液をフローセル内に流し、動的画像解析法による粒子分析型であって、後述する高画素のカメラが設置可能な粒子分析計として、株式会社セイシン企業製のPITA−4を使用した。
粒子画像撮影時のカメラとしては有効画素数1920(H)×1080(V)、画素サイズ2.8μm×2.8μm程度よりも詳細な微粒子、微粒子複合体の存在する平面画像を撮影できる撮像カメラとして、DMK33UX290(The Imaging Source社製)を用いた。微粒子、微粒子複合体画像撮影時の対物レンズは倍率4倍のものを用い、適切な流量でサンプルを流しながら微粒子、微粒子複合体画像を撮影した。フローセルの形状については、平面伸張セルを用いた。微粒子、微粒子複合体画像の撮影に際しては、焦点が適切に設定され、微粒子、微粒子複合体形状が明瞭に確認でき、背景とのコントラストが超音波処理前の組成物中の微粒子、微粒子複合体が背景と明確に判別できる程度に粒子画像解析装置の条件を設定した。微粒子、微粒子複合体画像取得時の解析条件設定例として、8Bitグレースケールの撮像カメラを使用し、LED強度100、カメラゲイン100db、として平面画像を取得したのち、その中に存在する微粒子、微粒子複合体画像の明るさレベル115、輪郭レベル160、として個々の微粒子、微粒子複合体画像を10000枚以上撮影し、形態的特徴解析に供した。測定時の溶媒、キャリア液は、イソプロピルアルコール(IPA)を用いて測定を行なった。
サンプルを測定の際に使用する溶媒で1000倍に希釈し、粒子画像測定用セル(合成石英ガラス)に注入し、微粒子、微粒子複合体形状画像解析に供した。
画像撮影は、超音波処理前の組成物中の微粒子、微粒子複合体の粒子数が10000に達するまで撮影を行った。
具体的には、撮影された1920画素×1080画素の微粒子、微粒子複合体画像(画素サイズ2.8μm×2.8μm)に関して、撮影された平面画像中の最低画素数15画素以上の微粒子、微粒子複合体画像について、凹凸度、円形度、アスペクト比を10000枚の画像のそれぞれについて測定し、各微粒子、微粒子複合体の「(凹凸度×円形度)÷アスペクト比」の計算値について、10000検体中の10パーセンタイル値を算出した。
(3)粒子径分布(モード径、単位体積当り比表面積、最大粒子径)
レーザ回折式粒度分布測定装置として、マイクロトラック・ベル株式会社のMicrotrac MT3300 EX2システムを用いて組成物の粒子径分布を測定した。測定時の溶媒は95%エタノール(例えば、日本アルコール販売 特定アルコール トレーサブル95 95度1級)を使用し、測定アプリケーションソフトウェアとして、DMSII(Data Management System version2、マイクロトラック・ベル株式会社)を用いた。測定に際しては、測定アプリケーションソフトウェアの洗浄ボタンを押下して洗浄を実施したのち、同ソフトのSetzeroボタンを押下してゼロ合わせを実施し、サンプルローディングで適正濃度範囲に入るまでサンプルを直接投入した。試験例38については、常温では流動性がなかったため、90℃まで加熱して流動性が出た状態のサンプルを投入した。
超音波処理を行なわないサンプルについては、サンプル投入後のサンプルローディング2回以内に適正濃度範囲に調整し、調整後ただちに流速60%で10秒の測定時間でレーザー回折した結果を測定値とした。超音波処理を行なうサンプルについては、サンプル投入後にサンプルローディングにて適正濃度範囲に調整し、調整後同ソフトの超音波処理ボタンを押下して周波数40kHz出力40W、3分間の超音波処理を行い、3回の脱泡処理を行ったうえで、超音波処理後再度サンプルローディング処理を行い、濃度が適正範囲であることを確認した後、速やかに流速60%で10秒の測定時間でレーザ回折した結果を測定値とした。
測定条件としては、分布表示:体積、粒子屈折率:1.60、溶媒屈折率:1.36、測定上限(μm)=2000.00μm、測定下限(μm)=0.021μm、の条件で測定した。
本発明におけるチャンネルごとの粒子径分布を測定する際は、表1に記載した測定チャンネルごとの粒子径を規格として用いて測定した。各チャンネルに規定された粒子径以下で、かつ数字が一つ大きいチャンネルに規定された粒子径(測定範囲の最大チャンネルにおいては、測定下限粒子径)よりも大きい粒子の頻度を各チャンネルごとに測定し、測定範囲内の全チャンネルの合計頻度を分母として、各チャンネルの粒子頻度%を求めた。具体的には以下132チャンネルのそれぞれにおける粒子頻度%を測定した。測定して得られた結果について、粒子頻度%がもっとも大きいチャンネルの粒子径をモード径とした。全く同じ粒子頻度%のチャンネルが複数存在する場合には、その中で最も粒子径の小さいチャンネルの粒子径をモード径として採用した。また、粒子頻度が認められたチャンネルのうち、最も粒子径が大きいチャンネルの粒子径を最大粒子径として採用した。
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(4)崩壊性、(5)おいしさ、(6)食材由来のえぐみ
実施例、比較例で得られた各組成物のサンプルについて、大さじ1杯を、クラッカー(「ルヴァン(登録商標)」ヤマザキビスケット社製)に戴置したものを試食して、喫食前の外観の発色及び喫食時の食味について品質を評価する官能試験を、訓練された官能検査員のべ10名によって行った。この官能試験では、「崩壊性」「おいしさ」「食材由来のえぐみ」といった3項目についてそれぞれ5点満点で評価を行った。「崩壊性」については、5:口中の崩壊性が好ましい、4:口中の崩壊性がやや好ましい、3:どちらでも無い、2:口中の崩壊性がやや好ましくない、1:口中の崩壊性が好ましくない、の5段階で、口中であたかもほろりと崩れるような特有の食感の嗜好性について評価した。「食材由来のえぐみ」については、5:食材由来のえぐみが感じられにくい、4:食材由来のえぐみがやや感じられにくい、3:どちらでも無い、2:食材由来のえぐみがやや感じられやすい、1:食材由来のえぐみが感じられやすい、の5段階で食材由来のえぐみの嗜好性について評価した。「おいしさ」については、5:おいしい、4:ややおいしい、3:どちらでも無い、2:ややおいしくない、1:おいしくない、の5段階で総合的な食味を評価した。各評価項目について、各検査員が自らの評価と最も近い数字をどれか一つ選択する方式で評価した。また、評価結果の集計はのべ10名のスコアの算術平均値から算出した。
官能検査員の訓練に際しては、下記A)乃至C)のような識別訓練を実施し、特に成績が優秀でかつ商品開発経験があり食品の味や外観といった品質についての知識が豊富で、各官能検査項目に関して絶対評価することが可能な検査員を選抜し、検査員のべ10名によって客観性のある官能検査を行った。
A)五味(甘味:砂糖の味、酸味:酒石酸の味、旨み:グルタミン酸ナトリウムの味、塩味:塩化ナトリウムの味、苦味:カフェインの味)について、各成分の閾値に近い濃度の水溶液を各1つずつ作製し、これに蒸留水2つを加えた計7つのサンプルから、それぞれの味のサンプルを正確に識別する味質識別試験、
B)濃度がわずかに異なる5種類の食塩水溶液、酢酸水溶液の濃度差を正確に識別する濃度差識別試験、及び、
C)メーカーA社醤油2つにメーカーB社醤油1つの計3つのサンプルからB社醤油を正確に識別する3点識別試験。
(7)耐光性、(8)保管時の色調安定性(40℃1ヶ月保管後の色調)
実施例で得られた各組成物のサンプルについて、50gを、透明ガラス瓶に充填したものの品質を評価した。
「耐光性」については、20000ルクスの照度下に14日間保管したサンプルの外観を暗所冷蔵保管サンプルと比較して評価した。
「40℃1ヶ月保管後の色調」については、40℃に30日間保管したサンプルの外観を暗所冷蔵保管サンプルと比較して評価した。
この官能試験では、「耐光性」「40℃1ヶ月保管後の色調」といった2項目について、訓練された官能検査員のべ10名によって評価を行った。「耐光性」「40℃1ヶ月保管後の色調」については、5:色調変化が少なく好ましい、4:色調変化がやや少なくやや好ましい、3:色調変化が認められるが許容範囲、2:色調変化がやや目立ち、やや好ましくない、1:色調変化が目立ち好ましくない、の5段階で各検査員が自らの評価と最も近い数字をどれか一つ選択する方式で評価した。また、評価結果の集計はのべ10名のスコアの算術平均値から算出した。
得られた結果を表2〜9に示す。なお、全てのサンプルにおいて、超音波処理前のサンプルの粒子画像解析を行なった結果、サンプル1cm3中から、粒子径が2.3μm〜1600μmを満たす微粒子、微粒子複合体が少なくとも10000個以上確認された。
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Claims (21)

  1. 食品の微粒子複合体を含有する組成物であって、
    (1)超音波処理前の最大粒子径が100μmより大きく、
    (2)超音波処理を行った場合に、当該処理の前後において、最大粒子径が10%以上低下し、
    (3)超音波処理を行った場合に、当該処理後のモード径が0.3μm以上200μm以下であり、
    (4)超音波処理前の組成物中の微粒子および/または微粒子複合体を粒子形状画像解析装置で10000個分析した場合に、各微粒子および/または微粒子複合体について下記計算式により求められる数値Nの10パーセンタイル値が0.40以下であることを特徴とする、食品微粒子複合体含有組成物。
    N=(凹凸度×円形度)÷アスペクト比。
  2. 超音波処理前の組成物中の粒子を粒子形状画像解析装置で分析した場合に、下記(A)及び(B)を満たす粒子の個数が1%以上である、請求項1に記載の組成物。
    (A)平面画像における粒子の包絡周囲長が周囲長の95%以下。(B)平面画像における粒子の包絡面積が200μm2以下。
  3. 超音波処理を行った場合に、当該処理後の単位体積当り比表面積が0.10m2/mL以上であり、且つ、当該処理の前後で単位体積当り比表面積が1.6倍以上に上昇する、請求項1又は2記載の組成物。
  4. 水分含量が20質量%以下である、請求項1〜3のいずれか1項記載の組成物。
  5. 超音波処理を行った場合に、当該処理の前後で最大粒子径が30%以上95%以下の範囲で低下する、請求項1〜4のいずれか1項記載の組成物。
  6. 超音波処理前のモード径が20μm以上400μm以下である、請求項1〜5のいずれか1項記載の組成物。
  7. 食品微粒子の含有量が20質量%以上98質量%以下である、請求項1〜6のいずれか1項記載の組成物。
  8. 全油脂分含量が30質量%以上である、請求項1〜7のいずれか1項記載の組成物。
  9. 食品が、種実類、穀物類、豆類、野菜類、果実類、スパイス類、動物類及び藻類から選ばれる1種以上である、請求項1〜8のいずれか1項記載の組成物。
  10. 食品微粒子複合体が、水分活性値0.95以下の食品を粉砕処理したものである、請求項1〜9のいずれか1項記載の組成物。
  11. 粉砕処理が、媒体撹拌ミル及び/又は高圧ホモジナイザー処理である、請求項10記載の組成物。
  12. 粉砕処理が、湿式粉砕処理である、請求項10又は11記載の組成物。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項記載の組成物を含有する飲食品。
  14. 請求項1〜12のいずれか1項記載の組成物を含有する液状調味料。
  15. 請求項1〜9のいずれか1項記載の組成物を製造する方法であって、水分活性値0.95以下の食品を粉砕処理することを含む方法。
  16. 粉砕処理が、媒体撹拌ミル及び/又は高圧ホモジナイザー処理である、請求項15記載の方法。
  17. 粉砕処理が、湿式粉砕処理である、請求項15又は16記載の方法。
  18. 食品の微粒子複合体を含有する組成物の耐光性を向上させる方法であって、食品を粉砕処理することにより、以下の(1)〜(3)を満たす食品微粒子複合体を含む組成物を作製することを含む方法。
    (1)超音波処理前の最大粒子径が100μmより大きい。
    (2)超音波処理を行った場合に、当該処理後のモード径が0.3μm以上200μm以下である。
    (3)超音波処理前の組成物中の微粒子および/または微粒子複合体を粒子形状画像解析装置で10000個分析した場合に、各微粒子および/または微粒子複合体について下記計算式により求められる数値Nの10パーセンタイル値が0.40以下である。
    N=(凹凸度×円形度)÷アスペクト比。
  19. 食品の微粒子複合体を含有する組成物の保管時の色調安定性を向上させる方法であって、食品を粉砕処理することにより、以下の(1)〜(3)を満たす食品微粒子複合体を含む組成物を作製することを含む方法。
    (1)超音波処理前の最大粒子径が100μmより大きい。
    (2)超音波処理を行った場合に、当該処理後のモード径が0.3μm以上200μm以下である。
    (3)組成物を粒子形状画像解析装置で分析した場合に、下記(A)及び(B)を満たす粒子の個数が1%以上である。
    (A)平面画像における粒子の包絡周囲長が周囲長の95%以下。(B)平面画像における粒子の包絡面積が200μm2以下。
  20. 食品の微粒子複合体を含有する組成物であって、
    (1)超音波処理前の最大粒子径が100μmより大きく、
    (2)超音波処理を行った場合に、当該処理の前後において、最大粒子径が10%以上低下し、
    (3)超音波処理を行った場合に、当該処理後のモード径が0.3μm以上200μm以下であり、
    (4)超音波処理前の組成物中の粒子を粒子形状画像解析装置で分析した場合に、下記(A)及び(B)を満たす粒子の個数が1%以上である、食品微粒子複合体含有組成物。
    (A)平面画像における粒子の包絡周囲長が周囲長の95%以下。(B)平面画像における粒子の包絡面積が200μm2以下。
  21. 食品微粒子複合体含有組成物の製造方法であって、媒体撹拌ミルによって、最大圧0.01MPa以上1MPa以下の加圧条件下かつ処理開始直後の処理温度(T1)に対して処理終了時の処理温度(T2)が「T1+1<T2<T1+50」を満たす範囲内での昇温条件下で乾燥食品を湿式粉砕処理し、以下の特徴を持つ食品微粒子複合体含有組成物を製造する方法。
    (1)超音波処理前の最大粒子径が100μmより大きい
    (2)超音波処理を行った場合に、当該処理の前後において、最大粒子径が10%以上低下
    (3)超音波処理を行った場合に、当該処理後のモード径が0.3μm以上200μm以下
    (4)超音波処理前の組成物中の微粒子および/または微粒子複合体を粒子形状画像解析装置で10000個分析した場合に、各微粒子および/または微粒子複合体について下記計算式により求められる数値Nの10パーセンタイル値が0.40以下
    N=(凹凸度×円形度)÷アスペクト比
    (5)水分含量が20質量%以下
    (6)全油脂分含量が30質量%以上
    (7)食品微粒子の含有量が20質量%以上98質量%以下
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