JPWO2019068117A5 - - Google Patents

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本発明は、付加製造方法を用いて高エネルギービームにより溶融されて固体構造体なった、モリブデン(モリブデン)、モリブデン系合金、タングステン(タングステン)又はタングステン系合金からなる、多数の個々の粉末粒子からなる、部品に関する。さらに、本発明は、部品を製造するための付加製造方法及び付加製造方法用の粉末の使用に関する。
選択的レーザ溶融を用いた純タングステンの製造は、Dianzheng Wang et al.による学術論文(Appl.Sci.2007,7,430)に記載され、選択的レーザ溶融を用いたモリブデンの製造は、D.Faidel et al.による学術論文(Additive Manufacturing 8(2015)88-94)に記載されている。国際公開第2012055398号には、高融点金属用の選択的レーザ溶融工程が開示されており、材料の組成は、雰囲気中に含有された反応性ガスとの反応によって部品の造形中に変更できる。中国特許第103074532号の文献には、メカニカルアロイングされたW-TiC粉末のレーザ溶融が記載されている。
本発明によれば、付加製造方法を用いて高エネルギービームにより溶融されて固体構造体なった、モリブデン、タングステン、モリブデン系合金又はタングステン系合金からなる、多数の個々の粉末粒子からなる部品は、0.1原子%以下の酸素含有量を有する。
ここで、モリブデン系合金とは、少なくとも50原子%のモリブデンを含有する合金を意味すると理解される。具体的には、モリブデン系合金は、少なくとも80、90、95又は99原子%のモリブデンを有する。タングステン系合金は、少なくとも50原子%のタングステンを含有する。具体的には、タングステン系合金は、少なくとも80、90、95又は99原子% のタングステンを有する。モリブデン-タングステン合金は、すべての濃度範囲で好ましい実施形態である。
個々の粉末粒子は、付加製造方法を用いて溶融され、SLM(選択的レーザビーム溶融)又はSEBM(選択的電子ビーム溶融)を使用するのが好ましい。部品は、積層状に造形される。粉体層は、コーティングロッドを用いてベースプレートに塗布される。粉体層は、通常、10~150μmの高さを有する。SEBMでは最初に、粉末粒子は、導電性になるように、焦点がぼけた電子ビームを用いて一緒に焼結される。次いで、粉末は、エネルギー入力(レーザビーム又は電子ビームが好ましい)によって局所的に融解される。ビームは、線幅が通常30μm~200μmである直線状溶融浴を形成する。レーザビーム又は電子ビームは、粉体層の上に誘導される。適切なビーム誘導によって粉体層全体又は粉体層のほんの一部もまた溶融され、続いて固化できる。粉体層の溶融して固化した領域は、完成部品の一部である。未溶融粉末は、製造された部品の構成部分ではない。次いで、さらなる粉体層がコーティングロッドを用いて塗布され、レーザビーム又は電子ビームがこの粉体層の上に再び誘導される。これにより、積層状の造形及び特徴的な部品構造を形成できる。電子ビーム又はレーザビームを誘導することにより、それぞれの粉体層に、いわゆる走査構造が形成される。さらに、新しい粉体層の塗布によって決定される造形方向に、同様に典型的な層状構造が形成される。走査構造だけではなく個々の積層もまた、完成部品で明らかに認識できる。
付加製造方法を用いて高エネルギービームにより(レーザ又は電子ビームによるのが好ましい)選択的に溶融し固体構造体を形成する粉末粒子の微細構造は、別の工程、例えば、溶射を用いて製造される微細構造とは大きく異なる。例えば、溶射は、ガス流内で個々の溶射粒子を加速し、コーティングする工程を含む。溶射粒子は、完全融解もしくは部分溶融の形態(プラズマ溶射)又は固相形態(冷却ガス溶射)で存在してもよい。層形成が起こるのは、個々の溶射粒子が部品の表面への衝突時に扁平化し、主に機械的な結合によって付着し、溶射層を層状に形成するからである。これにより、板状の層構造を形成する。上記のように形成された層は、造形方向に対して平行な平面において造形方向に対して垂直の、平均粒子アスペクト比(粒子アスペクト比、GAR値、粒子長の粒子幅に対する比)が2を大幅に超える粒の広がりを示す。従って、造形方向に対して平行な平面において、同様に平均粒子アスペクト比が2を大幅に超えるが、造形方向に対して平行な粒子の広がりを有する、選択的レーザ溶融又は選択的電子ビーム溶融によって製造された層/部品とは明らかに異なる。
方法の説明及び実施例で述べたように、本発明の酸素含有量は、出発粉末への炭素添加によって調整するのが好ましい。原則として、本発明の特性は、部品中の炭素含有量が0.08原子%未満である場合にも達成できる。ただし、工業的方法では完全には回避できないような、材料不均一性が小さい場合、0.08原子%以上の炭素含有量が非常に有利であることが分かっている。従って、本発明の酸素含有量を高い作業信頼性で確立することが可能である。それに加えて、局所的な酸素偏析が確実に回避されるか、又は酸素は、酸炭化物を形成することによって、酸素が粒界強度にもはや悪影響を与える可能性がない形態に結合される。
本発明のさらなる好適な実施形態において、部品は、(モリブデン系材料の場合)純モリブデン又は(タングステン系材料の場合)純タングステンからなるマトリックスに埋め込まれている炭化物を有する。炭化物(例えば、Mo もしくはMoC又は もしくはWC)は、実施例のように、製造時でも形成できるか、又は下流のアニール処理によって生成できる。純モリブデン又は純タングステンからなる延性マトリックスにより、確実に応力が塑性変形によって低減できるから、亀裂を生じない。純モリブデン又は純タングステンとは、溶解した元素の含有量が0.5原子%以下、好ましくは、0.1原子%以下又は0.01原子%以下を意味すると理解される。
さらに好適な実施形態において、炭素の25原子%超、好ましくは、50原子%超、特に好ましくは、80又は90原子%超が、モリブデン炭化物(例えば、Mo 又はMoC)及び/又はタングステン炭化物(例えば、 又はWC)として存在する。炭化物は、微細な析出形態で存在し、炭素含有量が低い場合、粒界強度を高め、炭素含有量が高い場合、耐熱性及び耐クリープ性を高める。
本発明のさらに好適な実施形態において、部品は、造形方向に対して平行な破断面において、破断面の少なくとも50%で粒内破壊特性を有する。好ましくは、粒内破壊特性は、≧80%、特に好ましくは、≧90%である。粒内破壊特性とは、過度の圧力によって引き起こされる部品の破壊の場合、亀裂が粒界に沿ってではなく、主に粒子を横断して伸びることを意味すると理解される。粒界破壊特性から粒内破壊特性への移行は、本発明の
低い酸素含有量に起因する。粒内破壊特性の測定は、規格(DIN EN ISO 148-1)に従ったシャルピー衝撃試験を介して室温で行われる。粒内破壊特性は、走査型電子顕微鏡での、シャルピー衝撃試験で生成された破断面の顕微鏡画像により評価される。この場合、破断面の各々の部位において、粒内破壊特性を有する面積及び粒界破壊特性を有する面積が測定され、粒内破壊特性は、検査された全面積に対する粒内面積の比から決定される。
本発明による付加製造方法を用いて、本発明による部品に関して上述した利点は、確実かつ作業信頼性高く達成される。さらに、本発明の上述した好適な実施形態は、本発明による方法に対してもまた有利である。
従って、本発明の方法によって製造される部品は、有利には、以下の特性のうちの少なくとも1つを有する。
酸素含有量は、≦0.1原子%、特に好ましくは、モリブデンについては、<0.09原子%、<0.08原子%、<0.07原子%、<0.06原子%、<0.05原子%、<0.04原子%、<0.03原子%、<0.02原子%又は<0.01原子%、タングステンについては、<0.09原子%、<0.08原子%、<0.07原子%、<0.06原子%、<0.05原子%、<0.04原子%、<0.03原子%、<0.02原子%又は<0.01原子%である。
炭素含有量は、≧0.08原子%、特に好ましくは、≧0.1原子%、≧0.2原子%、≧0.3原子%、≧0.4原子%、≧0.5原子%、≧0.6原子%、≧0.7原子%、≧0.8原子%、≧0.9原子%又は≧1原子%である。
炭素含有量は、≦25原子%、特に好ましくは、≦15原子%、≦10原子%、≦5原子%又は≦2原子%である。
炭素含有量(原子%単位)≧酸素含有量(原子%単位)、特に好ましくは、炭素(原子%単位)/酸素(原子%単位)≧1.5、≧2又は≧5かつ炭素(原子%単位)/酸素(原子%単位)≦30、≦20又は≦10である。
部品は、純モリブデン又は純タングステンからなるマトリックスに埋め込まれた炭化物を有する。ここで、純モリブデン又は純タングステンとは、溶解した元素の含有量が0.5原子%以下、好ましくは、0.1原子%以下又は0.01原子%以下を意味すると理解される。
存在する含有炭素の総含有量に基づいて、25原子%超、特に好ましくは、50原子%超、又は80原子%超が、モリブデン炭化物又はタングステン炭化物の形態である。
部品は、造形方向に対して平行な破断面において、破断面の少なくとも50%で粒内破壊特性を有し、特に好ましくは、粒内破壊特性は、≧80%又は≧90%である。
部品は、造形方向に対して垂直な破断面において、破断面の少なくとも50%で粒内破壊特性を有し、粒内破壊特性は、特に好ましくは、≧80%又は≧90%である。
部品は、破断面の向きとは無関係に、破断面の少なくとも50%で粒内破壊特性を有し、粒内破壊特性は、特に好ましくは、≧80%又は≧90%である。
部品には、金属間化合物相がない。
金属合金元素の合計は、2.0原子%以下、特に好ましくは、1.0原子%以下であり、その場合、これらの値は、モリブデン中の合金元素としてタングステン及びタングステン中の合金元素としてモリブデンを含まない
平均GAR値は、造形方向に対して平行な平面において5未満、特に好ましくは、3未満である。
これにより、本発明による利点は、高エネルギービームを用いて粉末粒子を溶融することを含む付加製造において確実に達成される。特に好ましい炭素含有量は、モリブデン及びモリブデン系材料について、≧0.2原子%、≧0.4原子%、≧0.6原子%、≧0.8原子%、≧1.0原子%、≧1.25原子%及び≧1.5原子%である。特に好ましい炭素含有量は、タングステン及びタングステン系材料について、≧0.2原子%、≧0.4原子%、≧0.6原子%、≧0.8原子%、≧1.0原子%、≧1.25原子%及び≧1.5原子%である。炭素含有量が0.15原子%未満である場合には、以下で詳細に説明するように、本発明による利点は達成されない。
好適な形態によれば、個々の粉末粒子は、溶融相により製造される。粒子体積が小さいおかげ、追加の措置なしであっても冷却速度が高くなる。高い冷却速度により、例えば、炭素がモリブデン結晶格子若しくはタングステン結晶格子内に強制的に溶解されているか又は非常に小さな炭化物粒子の形態で析出しているという点で非常に均一な炭素の分布をもたらす
別の好適な形態によれば、粉末粒子は、造粒により製造される。造粒とは、細かく分散した一次粒子が凝集して互いに結合し、より大きな粉末粒子となる工程である。この工程について、以下でさらに詳しく説明する。機械的に粉砕された粉末と比較して、造粒粉末粒子は、良好な流動挙動を有し、それにより均一な粉体層を塗布することが可能になる。それに加えて、以下に説明するように、高い酸素含有量及び、フライス加工装置の摩耗に起因する粉末中のその他の不純物を回避できる。炭素は、細かく分散した一次粒子により、又は炭化工程を用いて導入できる。炭化工程は、有利には、気相(例えば、メタン)より行われる。
粉末粒子が造粒及び溶融相により製造される場合に特に有利である。最初に、細かく分散した一次粒子を造粒し、続いて、顆粒を溶融相で晶粒生成する。これに関してもまた、利点を以下でさらに説明する。
本発明のさらに好適な実施形態によれば、晶粒生成は、プラズマ中の炭素含有雰囲気で行われる。ここで、誘導結合高周波プラズマを使用するのが好ましい。高周波交流電圧を誘導することにより、ガスは、プラズマ状態となる。これにより、ガス流をプラズマ温度に加熱する渦電流が発生する。放電帯に電極がないため、非常に純粋なプラズマが生成される。プラズマガスは、アルゴンが好ましく、アルゴンにCH が浸炭剤として添加される。
本発明のさらに好適な実施形態において、出発粉末の提供は、造粒を含み、造粒前又は造粒中に顆粒に炭素質が添加される。炭素質は、ファーネスブラック又は有機バインダであるのが好ましい。ここで、造粒とは、原料粉末(一次粒子)が凝集して顆粒(二次粒子)を形成する工程を意味すると理解される。
好適には、その場合、造粒は、少なくとも、
モリブデン原料粉末及び/又はタングステン原料粉末、バインダ並びに液体を含むスラリーを提供する工程と、
スラリーを顆粒に噴霧乾燥することにより顆粒を製造する工程と、
顆粒から、任意選択的に部分的又は完全にバインダ除去する工程と、
を含む。
本発明の出発粉末の炭素含有量は、炭素質(例えば、ファーネスブラック)を原料粉末に混合することにより、及び/又は、バインダが完全に除去されない状況でバインダを除去することにより調整できる。
本発明の目的はまた、モリブデン、モリブデン系合金、タングステン又はタングステン系合金の粒子であって、造粒されているか及び/又は溶融相によって製造され、0.15原子%以上の範囲の平均炭素含有量を有する粒子を有する粉末が付加製造方法に用いられることによってもまた満たされる。好適な実施形態において、付加製造方法は、選択的レーザ溶融、選択的電子ビーム溶融又はレーザ金属堆積である。
従来技術による試料:
本発明によらない実験用に球状化モリブデン粉末及び球状化タングステン粉末を使用した。両方の粉末では、15~40μmのふるい分画を使用した。モリブデン粉末は、0.39原子%の酸素含有量及び0.01原子%の炭素含有量を有し、タングステン粉末は、0.34原子%の酸素含有量及び0.009原子%の炭素含有量を有した。両方の粉末は、400 SLM装置を使用して、寸法10mm×10mm×10mmの試料及びDIN EN ISO 148-1に準拠したシャルピー衝撃試験片に加工された。その場合、シャルピー衝撃試験片は、ノッチが上を向くようにベースプレート上に形成された。従って、シャルピー衝撃試験によって生成された破断面は、造形方向に対して平行である。装置は、スペースヒータを有する。実験では、ベースプレートを800℃に加熱した。
SLM工程を、図1に概略的に示す。制御システムは、とりわけ、レーザ1、レーザミラー2、コーティングロッド3、粉末貯蔵容器6からの粉末供給4、及びスペース7におけるベースプレート5の位置を制御する。コーティングロッドを使用して粉体層を塗布した。レーザミラーを用いて誘導されたレーザビームは、粉体層上を走査し、粒子及び粒子の下にある既に溶融して凝固した層の一部を、部品の設計に応じた材料が存在する場所で溶融した(部品8)。次いで、ベースプレートを30μm下げ、コーティングロッドでさらなる粉体層を塗布し、工程を再開した。
本発明によらない試料(図1、符号8)は、ワイヤ浸食によってベースプレートから分離され、部品密度は、浮力法(静水圧秤量)によって定量され、開放細孔は、溶融パラフィンに浸漬することによって事前に封止された。モリブデンでは、理論密度の95%の密度、タングステンでは、理論密度の94%の密度と定量された。試料について、酸素含有量及び炭素含有量は、化学分析を用いて定量され、切断面が形成され、シャルピー衝撃試料は、DIN EN ISO 148-1に従って試験され、破断面は、走査型電子顕微鏡によって検査した。
本発明によらないモリブデン部品は、0.39原子%の酸素含有量及び0.009原子%の炭素含有量を有し、タングステン部品は、0.32原子%の酸素含有量及び0.015原子%の炭素含有量を有した。純モリブデンの微細構造は、図2a及び図2bに例示した。図2aでは、切断面は、造形方向に対して垂直である。従って、切断面は、ベースプレートに対して平行である。部品は、多数の細孔と、工程の走査構造、すなわち、レーザビーム誘導を描写するタイル状の粒界割れと、を有する。図2bは、造形方向に対して平行な平面における組織を示す。粒子構造は、平均粒子アスペクト比(GAR値)が造形方向で約8の柱状結晶様である。GAR値は、平均粒子長及び平均粒子幅を定量し、続いて平均粒子長を平均粒子幅で割ることにより、画像分析によって定量された。この画像においても、細孔及び粒界割れが見られる。シャルピー衝撃試験によって生成された破断面は、モリブデンについて図3に示す。生成された破断面は、造形方向に対して平行である。粒界割れの割合は、100%である。粒子表面にモリブデン酸化物析出が見られる。従来技術により製造された部品は、多数の亀裂及び細孔ならびに粒界割れ特性のために、不十分な破壊強度及び破壊靭性を示す。
本発明による試料:
モリブデン-炭素粉末及びタングステン-炭素粉末の製造用に、製造方法A、B及びを使用した。
A.溶融相での反応性晶粒生成
溶融相での晶粒生成は、プラズマ中の炭素含有雰囲気で行われた。凝集体形状の出発材料の粒子は、Ar-CH キャリアガス混合物を用いて誘導結合プラズマトーチに運ばれ、それにより完全に融解された。従って、CH は、プラズマガスの一部となった。下流の冷却用の落下領域では、溶融粒子は、表面張力により球形に造形されて凝固し、落下領域の端部の回収容器に収集された。この工程によって、粒子は、同時に炭化され、粉末の炭素含有量は、CH 対Ar比により簡単な手法で適合できる。その後、粉末をふるい分け、15~40μmのふるい画分をさらなる実験に使用した。
B.モリブデン-炭素顆粒又はタングステン-炭素顆粒の晶粒生成
最初に、スラリーは、
モリブデン粉末又はタングステン粉末及びサーマルブラックからなる原料粉末と、
パラフィンと、
水と、
を混合することにより製造した。スラリーは、約75質量%の粉末、0.75質量%のパラフィン及び残部として水を含有していた。スラリーを激しく撹拌して混合物の均一な濃度を維持し、次いで噴霧乾燥した。その場合、スラリーを3barでノズルを通してスプレー塔の内部に噴霧して液滴を形成し、窒素流で乾燥させた(窒素吸入温度:240℃、窒素吐出温度:160℃)。このようにして製造した凝集粉末を、酸化アルミニウム舟形容器内で1時間、炉中、水素下で1100℃の温度にて焼成し、それによりバインダ除去した。次に粉末を粉砕し、粗粒部分をふるい分けた。
.平均粒子径が4.2μm(d50、LDA-レーザ回折分析により定量)のモリブデン粉末をせん断ミキサ内でサーマルブラックと混合し、ポリビニルアルコール及びアセトンを添加してスラリーに変換した。顆粒製造は、噴霧乾燥により行った。スラリーをノズルを通してスプレー塔の内部に噴霧して液滴を形成し、窒素により向流式で乾燥させ、スプレー塔の下部に顆粒として収集された。1200℃までゆっくりと加熱することにより、顆粒からバインダを除去した。
粉末1~粉末8は、400 SLM装置を使用して、寸法10mm×10mm×10mmの試料及びDIN EN ISO 148-1に従ったシャルピー衝撃試験片に生成した。シャルピー衝撃試験片は、ノッチが上を向くようにベースプレート上に形成された。従って、シャルピー衝撃試験によって生成された破断面が造形方向に対して平行である。SLM工程は、先行技術による試料について記載されたのと同じ条件下で実施した。試料は、この場合も同様にワイヤ浸食によってベースプレートから分離され、密度は、浮力法によって定量され、開放気孔率は、溶融パラフィンに浸漬することによって封止した。モリブデン-炭素試料では、理論密度の97.1~98.6%の範囲の密度、タングステン-炭素試料では、96.9~98.4%の範囲の密度、モリブデン-タングステン-炭素試料では、96.1%の密度であると定量された。試料の切断面を生成し、シャルピー衝撃試料は、DIN EN ISO 148-1に従って試験し、破断面は、走査型電子顕微鏡を用いて検査し、薄い切断面は、TEM及びEELSを用いて検査した。図4a及び図4bには、試料3の例で、本発明による試料の微細構造を示す。図4aでは、切断面は、造形方向に対して垂直である。従って、切断面は、ベースプレートに対して平行である。部品には亀裂がなく、非常に微細な粒子の微細構造を有する。粒界は、結合され、粒界割れを起し難い。図4bは、造形方向に対して平行な平面における微細構造を示す。粒子構造は、平均粒子アスペクト比(GAR値)が1に近い球状である。この試料のTEM画像(例えば、図5a及び図5bを参照)は、最も微細なモリブデン炭化物(図5cのEELS結果を伴う図5bを参照)が、純モリブデンマトリックス(図5dのEELS結果を伴う図5aを参照)に埋め込まれていることを示す。図5cのEELS結果は、図5aに示す測定点で記録した。300~約450eVの範囲にある図5cの特徴的な肩は、モリブデン炭化物の形態で存在する炭素に起因する。図5dのEELS結果は、図5bに示される測定点で記録された。図5dでは、炭素に起因するピークは、300~450eVの範囲で確認できないため、純モリブデンである。モリブデンマトリックスにおける微細な炭化物分布により、変形によって軟モリブデンマトリックスの熱的に誘発された応力を確実に低減できる。シャルピー衝撃試験により生成した試料3の破断面を図6に示す。生成された破断面は、造形方向に対して平行である。破壊は、粒界部分がない粒内部分である。
化学分析の結果を表3に示す。すべての試料で酸素含有量を0.1原子%未満に調整できた。
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