JPWO2019059271A1 - 蚕飼育装置、および、蚕飼育方法 - Google Patents

蚕飼育装置、および、蚕飼育方法 Download PDF

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Abstract

蚕飼育装置は、第1飼育室を有する蚕容器と、蚕を支持可能な支持部材とを具備する。第1飼育室は、蚕容器の第1端部から蚕容器の第2端部に向かう方向である第1方向に延在する。支持部材は、第1飼育室に配置され、かつ、蚕が排出する糞が通過可能な開口を有する。

Description

本発明は、蚕飼育装置、および、蚕飼育方法に関する。
蚕を飼育するための蚕飼育容器が知られている。蚕飼育容器内には、少なくとも蚕および餌が収容される。蚕飼育容器内の蚕は、蚕飼育容器内の餌を食べて成長する。
蚕を飼育する場合、一般的には、桑の葉等の餌を、毎日(蚕の眠期を除く)、蚕飼育容器に供給する必要がある。蚕の幼虫期は約25日であり、幼虫期に4回脱皮する。そして、蚕は、最終齢の5齢期に、体内で絹蛋白を合成して、約1200mの糸を吐き、当該糸によって繭を作る。
関連する技術として、特許文献1には、養蚕方法が記載されている。特許文献1に記載の養蚕方法では、平板状のパレットにシート状の養蚕用飼料が敷かれ、その上にネットが配設される。ネットは、蚕が脱皮をするときに掴まるために利用される。
特開2004−129546号公報
特許文献1に記載の養蚕方法では、ネットの下部に、餌と蚕とが配置される。このため、餌と蚕の糞とが混在することとなる。餌と糞とが混在することにより、蚕がそのような餌を食べなくなる等、蚕の飼育環境が悪化する。
そこで、本発明の目的は、蚕の飼育環境を改善することが可能な蚕飼育装置および蚕飼育方法を提供することである。
いくつかの実施形態における蚕飼育装置は、第1飼育室を有する蚕容器と、蚕を支持可能な支持部材とを具備する。前記第1飼育室は、前記蚕容器の第1端部から前記蚕容器の第2端部に向かう方向である第1方向に延在する。前記支持部材は、前記第1飼育室に配置され、かつ、開口を有する。
いくつかの実施形態における蚕飼育方法は、蚕飼育装置を用いた蚕飼育方法である。前記蚕飼育装置は、第1飼育室を有する蚕容器と、前記第1飼育室に配置される支持部材とを具備する。蚕飼育方法は、蚕を前記第1飼育室内に配置する蚕配置工程と、前記蚕が排出する糞を、前記支持部材の下に落下させる工程と、前記蚕または前記蚕によって作られる繭を前記第1飼育室から取り出す工程とを具備する。
本発明により、蚕の飼育環境を改善することが可能な蚕飼育装置および蚕飼育方法を提供することができる。なお、本発明のその他の効果は、発明を実施する形態にて明らかにされる。
図1は、第1の実施形態における蚕飼育装置を模式的に示す概略斜視図である。 図2は、蚕飼育装置の断面図であって、図1の面PLにおける断面図である。 図3は、第2の実施形態における蚕飼育装置を模式的に示す概略斜視図である。 図4Aは、繰り返し形状の構成単位の一例を模式的に示す図である。 図4Bは、繰り返し形状の構成単位の一例を模式的に示す図である。 図4Cは、繰り返し形状の構成単位の一例を模式的に示す図である。 図5は、第3の実施形態における蚕飼育装置を模式的に示す概略斜視図である。 図6は、第3の実施形態における蚕飼育装置を模式的に示す概略平面図である。 図7は、第1蓋部材を模式的に示す概略斜視図である。 図8は、第2蓋部材を模式的に示す概略斜視図である。 図9は、第4の実施形態における蚕飼育装置を模式的に示す概略縦断面図である。 図10は、実施形態における蚕飼育方法の一例を示すフローチャートである。 図11は、蚕配置工程の一例を模式的に示す図である。 図12は、蚕配置工程の他の一例を模式的に示す図である。 図13は、マニピュレータの一例を模式的に示す図である。
以下、実施形態における蚕飼育装置1および蚕飼育方法に関して、添付図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、同じ機能を有する部材、部位については、同一の符号が付され、同一の符号が付されている部材、部位について、繰り返しの説明は省略される。
(方向の定義)
本明細書において、蚕容器2の第1端部21から第2端部22に向かう方向を「第1方向」と定義する。
(第1の実施形態)
図1を参照して、第1の実施形態における蚕飼育装置1Aについて説明する。図1は、第1の実施形態における蚕飼育装置1Aを模式的に示す概略斜視図である。図2は、蚕飼育装置1Aの断面図であって、図1の面PLにおける断面図である。
第1の実施形態における蚕飼育装置1Aは、第1飼育室SP1を有する蚕容器2と、支持部材3とを具備する。なお、後述のとおり、支持部材3によって、餌が配置される支持部材3上の空間と、糞が収容される支持部材3よりも下側の空間とが規定される場合がある。この場合、支持部材3は、支持部材3上の空間と支持部材3下の空間とを、機能的に分離していると言えるため、当該支持部材3のことを仕切り部材と呼んでもよい。
(蚕容器2および第1飼育室SP1)
蚕容器2は、支持部材3、蚕A、および、餌Fを収容するための第1飼育室SP1を有する。第1飼育室SP1は、蚕容器2で規定される空間の少なくとも一部であって、蚕容器2の第1端部21から前記蚕容器2の第2端部22に向かう方向である第1方向に延在する。
第1方向と水平面との間のなす角度は、好ましくは、0度以上45度以下、より好ましくは、0度以上20度以下、更により好ましくは、0度である。第1方向と水平面との間のなす角度が0度である場合、第1飼育室SP1は、水平に配置されることとなる。他方、第1方向と水平面との間のなす角度が0度より大きい場合、第1飼育室SP1は、傾斜して配置されることとなる。
図1に記載の例では、第1飼育室SP1は、第1方向に沿う方向の長さが、第1方向に垂直な任意の方向に沿う方向の長さよりも長い細長い室である。第1飼育室SP1の長さL(第1方向に沿う方向の長さ)は、例えば、20cm以上、30cm以上、あるいは、40cm以上である。また、第1飼育室SP1の幅W(第1方向に垂直な幅方向における長さ)は、例えば、第1飼育室SP1の長さLの1/2以下、あるいは、1/5以下である。また、第1飼育室SP1の高さH(第1方向および幅方向の両方に垂直な方向における長さ)は、例えば、第1飼育室SP1の長さLの1/5以下、あるいは、1/10以下である。
第1飼育室SP1を規定する壁部材W1は、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、アクリル樹脂等の樹脂によって構成される。なお、当該樹脂は、外側から内側を観察できる素材であることが好ましく、例えば、透明又は半透明な樹脂であることが好ましい。
第1飼育室SP1は、少なくとも第1端部21において開放されていることが好ましい。この場合、蚕(例えば、1齢幼虫、2齢幼虫、3齢幼虫、4齢幼虫、あるいは、5齢幼虫)、より好ましくは、蚕の3齢幼虫を、第1端部21の開口21aを介して、第1飼育室SP1内に容易に配置することが可能となる。なお、開口21aは、支持部材3を挿入するための開口として利用されてもよく、また、支持部材3または蚕の糞を取り出すための開口として利用されてもよい。
第1飼育室SP1は、第2端部22において開放されていてもよい。この場合、第1飼育室SP1は、第2端部22に、蚕または繭を取り出すことができる取出開口22aを有することとなる。このため、蚕(例えば、5齢幼虫)または繭を、第2端部22(取出開口22a)を介して、第1飼育室SP1から容易に取り出すことが可能となる。なお、取出開口22aは、支持部材3を挿入するための開口として利用されてもよく、また、支持部材3または蚕の糞を取り出すための開口として利用されてもよい。なお、蚕(例えば、5齢幼虫)または繭の位置によっては、これらを、第1端部21(開口21a)を介して、第1飼育室SP1から取り出してよいことは、いうまでもない。
第1飼育室SP1の両端が開放されている場合、第1飼育室SP1を規定する壁部材W1は、筒状の壁部材となる。他方、第1飼育室SP1の一端のみ開放されている場合、第1飼育室SP1を規定する壁部材W1は、有底筒状の壁部材となる。この場合、蚕Aを挿入する入口と、蚕Aまたは繭を取り出す出口とが同じになる。
(支持部材3)
支持部材3は、蚕Aを支持する機能と、餌Fを支持する機能と、支持部材3上の蚕Aが排出する糞を、支持部材3の下方に落下させる機能とを有する。このため、支持部材3には、蚕が排出する糞が通過可能な開口OPが設けられる。図1に記載の例では、支持部材3は、100個以上の開口OPを備える。なお、支持部材3上の蚕Aが排出する糞を支持部材3の下方に落下させる機能が不要である場合には、支持部材3に開口OPが設けられなくてもよく、支持部材3に開口OPが設けられたとしても、開口OPの形状やサイズは、蚕Aが排出する糞が通過不能なものであってよい。
図1に記載の例では、第1飼育室SP1の両端が開放されている場合を想定している。支持部材3は、メッシュ状の部材(換言すれば、網状の部材)であり、メッシュの各開口が、糞が通過可能な開口OPに対応する。糞の通過をより確実にする観点から、開口OPの最小長さは、例えば、5mm以上、7mm以上、あるいは、10mm以上であるが、蚕の種類によって、糞の形状やサイズが異なり得るから、糞が通過可能でありさえすればよい。なお、開口OPが円である場合には、最小長さは、円の直径に対応し、開口OPが長方形である場合には、最小長さは、長方形の短片に対応する。開口OPの最大長さに特に制限はないが、当該最大長さは、例えば、30mm以下、20mm以下、あるいは、15mm以下である。なお、複数の開口OPの形状および/または大きさは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
図1に記載の例では、第1飼育室SP1に挿入された蚕Aは、より高い場所へ移動する習性があるため、成長するにつれて、概ね、第1端部21から第2端部22に向かって移動することが想定されている。なお、第1飼育室SP1内における蚕の移動は自由であるため、蚕Aが想定された移動を行わなくても構わない。例えば、蚕Aが、第1端部21と第2端部22との間を往復移動してもよい。
支持部材3の上面は、水平面に対して傾斜して配置されることが好ましい。図1に記載の例では、第2端部22における支持部材3の高さ(上面の高さ)は、第1端部21における支持部材3の高さ(上面の高さ)よりも高い。蚕は、より高い場所へ移動する習性があるので、特に、繭づくりの時期が近づくような成長の段階に至ると、上方に向かって移動する習性を持つ。このため、支持部材3の高さが第2端部22に向かうにつれて高くなるように支持部材3を配置することにより、蚕が、第2端部22側に向かって移動することが期待できる。よって、蚕が繭を作る場所が自ずと一定の範囲に収まることが期待できるので、第2端部側の取出開口22aから、蚕または繭を取り出すことが容易となる。
図1に記載の例では、支持部材3の第2端部22側に脚部31を配置することにより、支持部材3が水平面に対して傾斜するように構成される。支持部材3の第1端部21側にも脚部を配置する場合には、第2端部22側の脚部31を第1端部21側の脚部よりも長くすればよい。代替的に、壁部材W1の側面に、第1飼育室SP1内に突出する突出部を設け、当該突出部により、支持部材3を支持してもよい。
図1に記載の例では、支持部材3が、第1飼育室SP1の底面BSに対して傾斜配置されることにより、支持部材3が水平面に対して傾斜配置される。他方、第1飼育室SP1の底面BSが水平面に対して傾斜配置される場合(例えば、蚕容器2が水平面に対して傾斜配置される場合)には、支持部材3は、第1飼育室SP1の底面BSに対して平行に配置されてもよい。図1に記載の例では、支持部材3の幅W方向の高さが同じになるように支持部材3が配置されているが、支持部材3の幅W方向の高さは、必ずしも同じでなくてもよい。また、図1に記載の例では、支持部材3の上面は、平面状に形成されているが、これに限られず、全体として、支持部材3の第1端部21側より第2端部22側が高いという傾向または支持部材3の第2端部22側より第1端部21側が高いという傾向があればよく、例えば、支持部材3の上面は、凹凸が存在したり、その他の形状を有していてもよい。なお、支持部材3の上面を、水平面に対して傾斜して配置することは必須の構成ではない。換言すれば、支持部材3の上面は、非傾斜面であっても構わない。
支持部材3は、第1飼育室SP1を規定する壁部材W1に対して着脱自在であることが好ましい。この場合、支持部材3上に餌Fを配置した後に、支持部材3を壁部材W1に支持させればよい。また、蚕または繭を第1飼育室SP1から取り出した後に、支持部材3を壁部材W1から取り外すことが可能である。この場合、支持部材3および壁部材W1を独立して洗浄することが可能である。
支持部材3は、糸状の部材を織ったり、編んだりすることにより形成してもよい。代替的に、支持部材3は、蚕容器2と一体成形により形成されてもよいし、複数の部材を接合することにより形成されてもよい。支持部材3は、金属製であってもよいし、樹脂製であってもよいし、その他の材料によって構成されていてもよい。
図1に記載の例では、第1飼育室SP1の両端が開放されている場合(より具体的には、第1端部21に開口21aが設けられ、第2端部22に取出開口22aが設けられる場合)が想定されている。他方、第1飼育室SP1の一方端のみが開放され、第1飼育室SP1の他方端が開放されていない場合(他方端に開口が設けられていない場合)には、支持部材3は、開放された一方端に向かうにつれて支持部材3の高さ(上面の高さ)が高くなるように配置されてもよい。
なお、支持部材3を水平面に対して傾斜配置する構成は、実施形態において必須の構成ではない。支持部材3は、水平面に対して平行に配置されてもよい。換言すれば、支持部材3の上面は、実質的に水平であってもよい。
(餌F)
餌Fは、例えば、支持部材3の長手方向(第1方向)に沿って配置される。餌Fが、支持部材3の長手方向に沿って配置される場合、第1端部21側に配置された蚕Aは、餌Fを食べながら餌Fに沿って、第2端部22側に移動する。よって、第2端部側の取出開口22aから、蚕Aまたは繭を取り出すのが容易となる。
なお、餌Fの上面は、傾斜面であることが好ましい。餌Fの上面が傾斜面であることにより、餌Fの上部に蚕の糞D(図2を参照)が堆積しにくい。このため、蚕の飼育環境が悪化しない。なお、餌Fの上面の形状は、糞Dが堆積しにくい形状、すなわち、糞Dが落下しやすい形状でありさえすればよいので、例えば、逆V字形状(屋根の形状)等任意の形状を採用することができる。また、傾斜面には、曲面状の傾斜面も包含される。
図2に記載の例では、第1方向に垂直な断面において、餌Fは、最高部HPから、最高部HPの一方側に向かって高さが徐々に低くなる第1部分F1と、最高部HPから、最高部HPの他方側に向かって高さが徐々に低くなる第2部分F2とを備える。図2に示されるように、餌Fは、第1方向に垂直な断面において、半円形状を有していてもよい。
図1に記載の例では、餌Fは、支持部材3の長手方向に沿って連続的に配置されている。代替的に、餌Fは、支持部材3の長手方向に沿って、断続的に配置されていてもよい。なお、餌Fが、支持部材3の長手方向に沿って連続的に配置される場合には、餌Fを断続的に配置する場合と比較して、餌Fを支持部材3上に配置する作業が容易である。
図1に記載の例では、餌Fは、支持部材3の長手方向に平行な1本の直線に沿って配置されているが、餌Fは、支持部材3の長手方向に平行な複数本の直線に沿って配置されていてもよい。また、餌Fは、支持部材3の長手方向に向かってさえいれば、湾曲部を有していてもよい。なお、餌Fを、1本または複数本の線(曲線を含む)に沿って、細長形状に配置する場合、餌Fを支持部材3上に配置する作業が容易である。例えば、チューブ等から餌Fを押し出して、餌Fを支持部材3上に配置することも可能である。
図1に記載の例では、支持部材3の一部は、餌Fによって覆われることなく、露出している(露出部Eを参照)。図1に記載の例では、餌Fの側方に、餌によって覆われることなく露出する露出部Eが配置されている。代替的に、あるいは、付加的に、餌Fよりも第1方向側(または、第1方向とは反対方向側)に露出部Eが配置されてもよい。蚕Aは乾燥した雰囲気を好むため、餌(湿っている餌)が存在しない露出部Eを設けることにより、蚕の飼育環境が改善される。より具体的には、蚕Aは、餌Fのある場所よりも乾燥した状態の露出部Eにおいて、休むことができる。蚕Aは、露出部Eにおいて眠期を過ごすことも可能である。なお、図1に記載の例では、支持部材3の露出部Eの面積は、支持部材3が餌Fによって覆われている面積よりも大きいが、これに限られないことは、いうまでもない。
餌Fは、例えば、桑の葉と、おからと、水分とを含む人工飼料である。
第1の実施形態における蚕飼育装置1Aは、蚕および餌を支持する支持部材3が、蚕の糞が通過可能な開口OPを有する。このため、蚕の飼育環境が改善される。さらに、蚕または繭を第1飼育室SP1から取り出した後に、蚕の糞Dと、蚕の餌Fとを選別する作業が容易となる。蚕の糞Dは、他の家畜の飼料、あるいは、薬の成分として利用可能である。
(第2の実施形態)
図3を参照して、第2の実施形態における蚕飼育装置1Bについて説明する。図3は、第2の実施形態における蚕飼育装置1Bを模式的に示す概略斜視図である。
第2の実施形態における蚕飼育装置1Bでは、蚕容器2が、第1飼育室SP1および第2飼育室SP2を含む複数の飼育室SPを備える。その他の点では、第2の実施形態における蚕飼育装置1Bは、第1の実施形態における蚕飼育装置1Aと同様である。例えば、第2の実施形態における第1飼育室SP1は、第1の実施形態における第1飼育室SP1と同様である。また、第1飼育室SP1は壁部材W1によって規定され、第1飼育室SP1内には、第1の実施形態と同様に、支持部材3、餌F、および、蚕Aが配置される。
このため、第2の実施形態では、第1の実施形態と異なる点を中心に説明し、第1の実施形態において説明済みの事項についての繰り返しとなる説明は省略する。したがって、第2の実施形態において、明示的に説明をしなかったとしても、第1の実施形態において説明済み事項を第2の実施形態に適用できることは、いうまでもない。このことは、他の実施形態においても同様である。
第2飼育室SP2は、第1方向に沿って延在する。第2飼育室SP2の形状は、第1飼育室SP1の形状と同一であることが好ましく、第2飼育室SP2内に配置される支持部材3の形状および構造は、第1飼育室SP1内に配置される支持部材3の形状および構造と同一であることが好ましい。
図3に記載の例では、第1飼育室SP1を規定する壁部材W1と、第2飼育室SP2を規定する壁部材W2とが、一体的に形成されている。このため、蚕容器2の強度が向上する。また、蚕容器2内に、より多くの飼育室を配置することが可能となる。図3に示されるように、第1飼育室SP1を規定する壁部材W1の一部WPが、同時に、第2飼育室SP2を規定する壁部材W2の一部WPを構成していてもよいし、それぞれ別個に形成された第1飼育室SP1及び第2飼育室SP2を密着又は係合等させて並べることによって、蚕飼育装置1Bの蚕容器2を構成してもよい。例えば、第1飼育室SP1を規定する筒状容器と、第2飼育室SP2を規定する筒状容器とが別々に用意され、これらの筒状容器が、枠部材内に挿入されることにより、互いに分離可能な形態で、複数の飼育室を有する蚕容器2が形成されてもよい。
図3に記載の例では、第1飼育室SP1および第2飼育室SP2以外の飼育室SPの形状は、第1飼育室SP1の形状と同様であることが好ましい。また、飼育室SP内に配置される支持部材3の形状および構造は、第1飼育室SP1内に配置される支持部材3の形状および構造と同一であることが好ましい。
第2の実施形態における蚕飼育装置1Bは、第1の実施形態における蚕飼育装置1Aと同様の効果を奏する。また、第2の実施形態における蚕飼育装置1Bでは、蚕容器2が、複数の飼育室SPを備える。このため、多数の蚕を、一度に飼育することが可能である。なお、隣接する飼育室である第1飼育室SP1および第2飼育室SP2が、壁部材によって完全に隔離されている場合、万が一、第1飼育室SP1内の蚕が病気になった場合でも、第2飼育室SP2内の蚕が病気に感染するリスクが低減される。蚕容器2が備える飼育室SPの数は、例えば、2個以上1000個以下、あるいは、50個以上1000個以下である。なお、蚕容器2が備える飼育室SPの数が、50個以上300個以下である場合には、作業者等による蚕容器2の取り扱い(運搬作業等)が容易となり、かつ、多数の蚕を効率的に飼育することが可能となる。
複数の飼育室SP内の各々に配置される支持部材3に関し、第2端部22における支持部材3の高さが、第1端部21における支持部材3の高さよりも高い場合を想定する。この場合、複数の飼育室SP内に配置される複数の蚕は、繭づくりの時期が近づくと、上方、すなわち、第2端部22に向かって移動する。このため、第2端部22側から、複数の蚕または繭を取り出すのが容易となる。
(第1変形例)
第2の実施形態(図3に記載の例)では、第1方向に垂直な面における蚕容器2の断面は、第1飼育室SP1を含む断面形状の繰り返し形状を有する。また、図3に記載の例では、繰り返し形状の構成単位が、四角形形状(より具体的には、長方形形状)である。換言すれば、各飼育室SPを規定する壁部材の断面形状(第1方向に垂直な面における断面形状)が、四角枠形状である。
第2の実施形態の第1変形例では、第1方向に垂直な面における蚕容器2の断面は、第1飼育室SP1の断面形状の繰り返し形状を有するが、繰り返し形状の構成単位が、四角形形状以外の形状である。繰り返し形状の構成単位は、図4Aに示されるように、六角形形状であってもよい。この場合、各飼育室SPを規定する壁部材の断面形状(第1方向に垂直な面における断面形状)は、六角枠形状となる。なお、各飼育室SPを規定する壁部材の断面形状が、角部CP(例えば、六角形の角部)を有する形状の場合、当該角部CPを用いて、支持部材3を支持するようにしてもよい。
代替的に、繰り返し形状の構成単位は、図4Bに示されるように、六角形形状以外の多角形形状、例えば、三角形形状であってもよく、図4Cに示されるように、円形状であってもよい。この場合、各飼育室SPを規定する壁部材の断面形状(第1方向に垂直な面における断面形状)は、多角枠形状(例えば、三角枠形状)、あるいは、リング形状となる。
更に代替的に、繰り返し形状の構成単位は、角部が丸い角丸多角形形状であってもよい。なお、各飼育室の形状(繰り返し形状の構成単位)の角部が丸められている場合には、当該角部の洗浄が容易となる。換言すれば、角部が尖っている場合には、洗浄時に、当該角部に付着した糞(または汚れ)が角部に留まる傾向がある。これに対し、角部が丸められている場合には、洗浄時に、当該角部に付着した糞(または汚れ)が剥離しやすい。
なお、全ての飼育室SPの断面形状(第1方向に垂直な方向の断面形状)が等しい場合には、各飼育室に配置された蚕の飼育環境が他の飼育室に配置された蚕の飼育環境と同等となる。ただし、第2の実施形態において、全ての飼育室SPの断面形状が同一である必要はない。例えば、第1飼育室の断面形状と、第2飼育室の断面形状とが異なる形状であってもよい。この場合、第1飼育室および第2飼育室からなる2つの飼育室が、繰り返し形状の構成単位となっていてもよい。代替的に、3つ以上の飼育室が、繰り返し形状の構成単位となっていてもよい。
(第3の実施形態)
図5乃至図8を参照して、第3の実施形態における蚕飼育装置1Cについて説明する。図5は、第3の実施形態における蚕飼育装置1Cを模式的に示す概略斜視図である。図6は、第3の実施形態における蚕飼育装置1Cを模式的に示す概略平面図である。図7は、第1蓋部材41を模式的に示す概略斜視図であり、図8は、第2蓋部材42を模式的に示す概略斜視図である。
図6に示されるように、第3の実施形態における蚕飼育装置1Cは、第2の実施形態における蚕容器2に加え、第1蓋部材41および/または第2蓋部材42を備える。
第1蓋部材41は、蚕容器2の第1端部21を覆う部材であり、第2蓋部材42は、蚕容器2の第2端部22を覆う部材である。図7および図8に示されるように、第1蓋部材41および第2蓋部材42の各々には、複数の通気孔が設けられている。各通気孔の形状は、全て同じであってもよいが、それぞれ異なっていてもよい。各通気孔の孔径は、蚕Aが通過できないサイズが好ましく、例えば、1mm以上、10mm以下である。あるいは、各通気孔の面積は、0.5mm以上、100mm以下である。各通気孔の形状は、蚕Aが通過できない形状が好ましく、円形状であってもよく、多角形形状等の非円形形状であってもよい。第2蓋部材42に設けられる通気孔420のサイズは、第1蓋部材41に設けられる通気孔410のサイズより大きくてもよいし、小さくてもよく、また、同じであってもよい。
第1蓋部材41は、蚕容器2の第1端部21を覆うことが可能であり、また、蚕容器2の第1端部21を開放することが可能である。蚕容器2の第1端部21が開放された状態で、複数の蚕が、複数の飼育室SPに、それぞれ挿入される。複数の蚕が、複数の飼育室SPに挿入された後、蚕容器2の第1端部21は、第1蓋部材41によって覆われる。
図6に記載の例では、第1蓋部材41は、スライドタイプの蓋部材である。図5および図6に記載の例では、蚕飼育装置1Cは、蚕容器2を囲む枠部材50を備え、当該枠部材50に摺動案内部51が設けられている。第1蓋部材41は、摺動案内部51に対してスライド移動可能である。図5および図6に記載の例では、第1蓋部材41は、枠部材50から完全に分離可能である。よって、第1蓋部材41の洗浄等を容易に行うことができる。なお、第1蓋部材41は、スライドタイプ以外の蓋部材であってよく、例えば、第1蓋部材41を枠部材50に設け、蚕容器2の第1端部21に対し、開閉可能(例えば、揺動可能)としてもよいし、その他の手段によって、蓋部材として作用するように構成してもよい。
第2蓋部材42は、蚕容器2の第2端部22を覆うことが可能であり、また、蚕容器2の第2端部22を開放することが可能である。蚕容器2の第2端部22が開放された状態で、蚕または繭を蚕容器2から取り出すことが可能である。他方、蚕容器2の第2端部22が第2蓋部材42によって覆われた状態では、蚕は、通気孔420のサイズを蚕のサイズより小さくすることによって、第2端部22側から蚕容器外に抜け出すことができない。
図6に記載の例では、第2蓋部材42は、スライドタイプの蓋部材である。図5および図6に記載の例では、枠部材50に摺動案内部52が設けられている。第2蓋部材42は、摺動案内部52に対してスライド移動可能である。図5および図6に記載の例では、第2蓋部材42は、枠部材50から完全に分離可能である。よって、第2蓋部材42の洗浄等を容易に行うことができる。なお、第2蓋部材42は、スライドタイプ以外の蓋部材であってよく、例えば、第2蓋部材42を枠部材50に設け、蚕容器2の第2端部22に対し、開閉可能(例えば、揺動可能)としてもよいし、その他の手段によって、蓋部材として作用するように構成してもよい。
第3の実施形態における蚕飼育装置1Cは、第2の実施形態における蚕飼育装置1Bと同様の効果を奏する。また、第3の実施形態における蚕飼育装置1Cは、蚕容器2の第1端部21を覆う第1蓋部材41および/または蚕容器2の第2端部22を覆う第2蓋部材42を備える。このため、蚕容器2内への蚕の挿入および/または蚕容器2からの蚕または繭の取り出しが容易である。また、蚕容器2からの蚕または繭の脱落が効果的に抑制される。第1蓋部材41は、複数の飼育室SP(より好ましくは、全ての飼育室SP)の第1端部21側の開口を一括して覆う部材であることが好ましく、第2蓋部材42は、複数の飼育室SP(より好ましくは、全ての飼育室SP)の第2端部22側の取出開口を一括して覆う部材であることが好ましい。この場合、複数の飼育室SPの開口を覆う作業が容易となる。
なお、枠部材50と、蚕容器2とは一体であってもよいし、別体であってもよい。枠部材50と、蚕容器2とが別体である場合、枠部材50および蚕容器2の製造が容易となる。また、蚕容器2が、枠部材50から完全に分離可能である場合には、蚕容器2の洗浄等が容易となる。
なお、第1の実施形態における蚕飼育装置1Aまたは第2の実施形態における蚕飼育装置1Bにおいて、飼育室(第1飼育室SP1等)の開放部分を覆うことが可能な蓋部材を設けるようにしてもよい。
(第4の実施形態)
図9を参照して、第4の実施形態における蚕飼育装置1Dについて説明する。図9は、第4の実施形態における蚕飼育装置1Dを模式的に示す概略縦断面図である。
第4の実施形態における蚕飼育装置1Dでは、第2の実施形態における蚕飼育装置1Bまたは第3の実施形態における蚕飼育装置1Cに対して、乾燥空気供給装置6が付加されている。
図9に記載の例では、蚕容器2の第2端部22が、乾燥空気供給装置6から供給される乾燥空気の流路60に面して配置されている。換言すれば、乾燥空気供給装置6の空気吹出口61が蚕容器2の第2端部22側に配置されている。
蚕の5齢幼虫は、乾燥した場所を求めて移動する習性を有する。このため、図9に記載の例では、流路60に乾燥空気が供給されると、蚕容器2内の複数の蚕は、第2端部22側に集まる。よって、各飼育室SPの第2端部22側の取出開口を介して、蚕または繭を各飼育室から容易に取り出すことが可能となる。
乾燥空気供給装置6は、例えば、空気吸込部62、除湿部63、および、ブロワ64を備える。また、空気吸込部62には、異物等の吸込を防止するフィルタ65が配置されていてもよい。空気吸込部62、除湿部63、ブロワ64としては、公知の機構を採用することが可能である。
乾燥空気供給装置6は、必要に応じて、加湿空気を供給する機能を備えていてもよい。この場合、乾燥空気供給装置6は、空気吹出口61に送る空気を、乾燥空気または加湿空気に切り換える弁装置66を備えることが好ましい。弁装置66は、1つの弁(例えば、3方切換弁)によって構成されてもよいし、複数の弁によって構成されてもよい。弁装置66には、乾燥空気供給配管67と、加湿空気供給配管68とが接続される。また、加湿空気供給配管68には、加湿部69(例えば、除菌された空気を、水中に導入することにより加湿する公知の加湿部)が配置される。
乾燥空気供給装置6が、加湿空気を供給する機能を備える場合、空気吹出口61から流路60に向けて加湿空気を供給すれば、各飼育室SPの第2端部22側から加湿空気が蚕容器2内に導入され、餌の乾燥が抑制される。また、繭を各飼育室から容易に取り出すためには、繭を作る時期に近接した蚕に対し、乾燥空気を供給すれば足りる。このため蚕が繭を作る時期に近接した時期に、乾燥空気供給装置6による加湿空気の供給を乾燥空気の供給に切り替えてもよいし、直前に加湿空気が供給されているか否かに関係なく、蚕が繭を作る時期に近接した時期に乾燥空気が供給されるようにコントロールしてもよい。さらに、乾燥空気の供給タイミングのコントロールには、飼育室の内部の蚕が繭を作る時期に近接した時期になった場合に、後述するとおり、蚕容器2を乾燥空気供給装置6が設置されている場所へ移動させることによって、乾燥空気を蚕容器2の各飼育室SPの第2端部22側へ供給することも包含される。
蚕飼育装置1Dは、1つまたは複数の蚕容器2を支持する容器支持部材7と、容器支持部材7の底部に設けられたキャスタ71とを備えていてもよい。
図9に記載の例では、容器支持部材7は、蚕容器2を支持する下段部72と、蚕容器2を支持する上段部73とを具備する。このため、蚕容器2が、上下方向に並んだ状態で配置される。この場合、蚕容器2の集積度を向上させることが可能である。下段部72に、複数の蚕容器2が支持され、上段部73に複数の蚕容器2が支持されるようにしてもよい。なお、図9に記載の例では、蚕容器2は、2段に配置されているが、蚕容器2は、1段でもよいし、3段以上に配置されてもよい。
蚕飼育装置1Dが、キャスタ71を備える場合、蚕飼育設備における複数の蚕容器2の配置の変更が容易となる。このため、蚕飼育設備における蚕容器2の集積度を向上させることができる。また、乾燥空気供給装置6が、蚕飼育設備(建物等)に固定されている場合には、蚕の成長度合いに合わせて、蚕容器2を乾燥空気供給装置6に近接配置したり、乾燥空気供給装置6から離間配置したりすることが可能となる。
図9に記載の例では、流路60(乾燥空気の流路)を挟むように2つの蚕容器(2A、2B)が配置されている。このため、1つの流路60を用いて、より多くの蚕容器に乾燥空気を供給することが可能である。より具体的には、図9に記載の例では、第1蚕容器2Aの第2端部22が流路60に面し(第2蓋部材42を介して流路60に面し)、第2蚕容器2Bの第2端部22が流路60に面し(第2蓋部材42を介して流路60に面し)、第1蚕容器2Aの第2端部22と、第2蚕容器2Bの第2端部22とが互いに対向配置されている。
図9に記載の例では、乾燥空気供給装置6が、容器支持部材7に取り付けられているが、乾燥空気供給装置6は、蚕容器2を支持する容器支持部材以外の部材に取り付けられていてもよい。例えば、乾燥空気供給装置6は、蚕飼育施設の天井部に取り付けられていてもよい。また、図9に記載の例では、乾燥空気供給装置6は、上から下に向かって乾燥空気を供給しているが、代替的に、乾燥空気供給装置6は、水平方向に乾燥空気を供給するようにしてもよい。換言すれば、流路60を鉛直方向に沿って配置する代わりに、水平方向に沿って配置してもよい。
第4の実施形態における蚕飼育装置1Dは、第2の実施形態における蚕飼育装置1Bまたは第3の実施形態における蚕飼育装置1Cと同様の効果を奏する。また、第4の実施形態における蚕飼育装置1Dは、蚕容器2の第2端部22に乾燥空気を供給する乾燥空気供給装置6を備える。このため、支持部材3の形状によって蚕の移動が誘引されることとは別に、蚕または繭を、蚕容器2の第2端部22側に集めることができる。その結果、蚕または繭の回収が容易となる。また、蚕容器2に、乾燥空気供給装置6からの無菌空気(無菌乾燥空気または無菌加湿空気)が供給される場合、蚕容器2内の圧力が陽圧に維持される。このため、外部から蚕容器2内への細菌またはウイルスの進入が防止される。また、蚕飼育装置1Dが、1個の蚕が配置される飼育室と、当該飼育室を複数備えた蚕容器2と、複数の蚕容器2が載置される容器支持部材7とを備える場合には、各蚕の飼育環境が良好に維持された状態で、大量の蚕を効率的、かつ、省スペースで飼育することが可能である。
(実施形態における蚕飼育方法)
図1乃至図10を参照して、実施形態における蚕飼育方法について説明する。図10は、実施形態における蚕飼育方法の一例を示すフローチャートである。
実施形態における蚕飼育方法は、上述のいずれかの実施形態における蚕飼育装置1を用いて行われる。
第1ステップST1において、少なくとも1つの飼育室(例えば、第1飼育室SP1)を備えた蚕容器2が用意される。蚕容器2の各飼育室(例えば、第1飼育室SP1)には、支持部材3と、餌Fとが配置される。
第2ステップST2において、蚕Aが、第1飼育室SP1に収容される。当該収容は、例えば、蚕Aを支持部材3上に移載することにより行われる。なお、第1飼育室SP1に収容される蚕Aは、例えば、孵化直後の幼虫(1齢幼虫)から4齢幼虫までのものである。なお、第1飼育室SP1に蚕Aを収容するのではなく、蚕の卵を収容してもよい。
各飼育室(例えば、第1飼育室SP1)が、第1端部21において開放されている場合、第2ステップST2は、蚕Aを第1端部21側から各飼育室(例えば、第1飼育室)に挿入することにより行われる。また、蚕飼育装置1が、第1蓋部材41を備える場合、各飼育室に蚕Aが挿入された後、蚕容器2の第1端部21は、第1蓋部材41によって覆われる。また、蚕飼育装置1が、第2蓋部材42を備える場合、蚕容器2の第2端部22は、第2蓋部材42によって覆われる。なお、第2端部22を第2蓋部材42によって覆う工程は、第2ステップST2の前に実行されてもよいし、第2ステップST2の後に実行されてもよい。
蚕飼育装置1が、蚕容器2を支持する容器支持部材7を備える場合、第2ステップST2は、蚕容器2が容器支持部材7上に載置された状態で実行されてもよい。代替的に、第2ステップST2を実行後に、蚕容器2が容器支持部材7上に載置されてもよい。
なお、1齢幼虫から3齢幼虫になるまでの幼虫を、高密度で効率的に飼育する観点から、1齢幼虫から3齢幼虫になるまでの幼虫は、実施形態における蚕容器2とは別の容器において飼育されてもよい。この場合、第2ステップST2において、3齢幼虫の蚕Aが第1飼育室SP1内に挿入されて収容されることになる。
また、蚕容器2が、複数の飼育室を備える場合には、各飼育室に1個のみの蚕(例えば、3齢幼虫)が挿入されることが好ましい。各蚕Aに、専用の飼育室(個室)を用意することにより、蚕Aに作用するストレスが大幅に軽減される。その結果、蚕が、より健康でより大型に成長することが期待される。また、各蚕Aを個室に入れて飼育する場合、万が一、1つの蚕がウイルス等に感染した場合であっても、当該感染が他の蚕に伝染しにくい。
各飼育室に1個のみの蚕を挿入する場合には、蚕1個当たりの飼育スペースが大きくなり、飼育設備の省スペース化に反する。しかし、例えば、3齢幼虫になるまでは、実施形態における蚕容器2とは別の場所で蚕を飼育することにより、蚕1個当たりの飼育スペースの増加と、飼育設備全体の省スペース化とを両立できる。より具体的には、個室形態の蚕容器2の使用を、3齢幼虫以降の蚕に限定することにより、1個の蚕によって個室が占有される期間が短くなる。このため、蚕容器2の使用の回転率を向上させることが可能となる。その結果、所望の数量の蚕を育成するために要する蚕容器2の総数を低減することが可能となり、蚕飼育設備全体の省スペース化が実現される。
第3ステップST3において、蚕Aは、支持部材3上の餌Fを食べることにより成長する。蚕Aは、餌Fを消化して糞をする。糞は、支持部材3の下に落下する。このため、蚕Aの飼育環境は悪化しない。
第1蓋部材41には、複数の通気孔410が設けられており、第2蓋部材42には、複数の通気孔420が設けられている。このため、第1蓋部材41が蚕容器2の第1端部21を覆い、第2蓋部材42が、蚕容器2の第2端部22を覆う場合であっても、蚕容器2内には、蚕容器2外から空気が導入される。
蚕飼育装置1が、乾燥空気供給装置6を備え、かつ、乾燥空気供給装置6が、加湿空気の供給機能を備える場合、第3ステップST3において、蚕容器2内に加湿空気が供給される。この場合、餌Fの乾燥が抑制され、かつ、蚕容器内の湿度が、蚕の成長に適した湿度に維持される。乾燥空気供給装置6から供給される加湿空気は、例えば、第2蓋部材42の複数の通気孔420を介して、蚕容器2内に供給される。そして、蚕容器2内の圧力が陽圧となる。また、蚕容器2内の空気は、第1蓋部材41の複数の通気孔410を介して排出される。
第4ステップST4において、各飼育室(例えば、第1飼育室SP1)内の蚕Aは、蚕容器2の第2端部22に向かって移動する。当該移動は、餌Fが、第1端部21から第2端部22に向かって延在していることにより誘引されてもよいし、支持部材3の上面が第2端部22に向かうにつれて高くなるように配置されていることにより誘引されてもよい。
なお、蚕飼育装置1が、乾燥空気供給装置6を備える場合、第2端部22に乾燥空気を供給することにより、蚕の第2端部22に向けての移動が誘引される。乾燥空気供給装置6から供給される乾燥空気は、例えば、第2蓋部材42の複数の通気孔420を介して、蚕容器2内に供給される。そして、蚕容器2内の圧力が陽圧となる。また、蚕容器2内の空気は、第1蓋部材41の複数の通気孔410を介して排出される。
第5ステップST5において、蚕(例えば、5齢幼虫)または繭が、各飼育室(例えば、第1飼育室SP1)から取り出される。
第5ステップST5において、蚕が各飼育室から取り出される場合には、蚕は、繭を作成する環境に移される。代替的に、蚕が、各飼育室内で繭を作成する場合には、第5ステップST5において、繭が各飼育室から取り出される。
繭は、各飼育室を規定する壁部材(筒状の壁部材)に繭が付着した状態で形成されてもよいし、第2蓋部材42に繭が付着した状態で形成されてもよいし、壁部材と第2蓋部材42の両方に繭が付着した状態で形成されてもよい。
蚕飼育装置1が、第2蓋部材42を備える場合には、第5ステップST5の実行前に、第2蓋部材42が、蚕容器2の第2端部から取り外される。第2蓋部材42は、蚕容器2から完全に分離されてもよい。
第4ステップST4において、蚕が第2端部22側に向かって移動しているため、第5ステップST5において、第2端部22側から、蚕または繭を取り出す作業は容易である。
第5ステップST5は、蚕容器2を、蚕飼育領域から、蚕取出作業領域に移動させた後に実行されてもよい。蚕容器2の移動は、例えば、蚕飼育装置1が備えるキャスタ71を用いて実行される。
第6ステップST6において、蚕容器2が清掃される。蚕容器2内の各飼育室において、餌は、支持部材3上に配置され、蚕の糞は、支持部材3の下に配置されている。よって、蚕の糞の回収が容易である。蚕の糞は、他の家畜の飼料、あるいは、薬の成分として利用可能である。
蚕容器2の第1端部21が開放され、蚕容器2の第2端部22が開放されている場合、蚕容器2の清掃作業(例えば、洗浄作業)が容易である。例えば、蚕容器2の第1端部21(または、第2端部22)から、空気または水を吹き付け、蚕容器2の第2端部22(または、第1端部21)から、不要物または水が排出される。また、支持部材3、第1蓋部材41、第2蓋部材42が、蚕容器2から完全分離可能である場合には、支持部材3、第1蓋部材41、第2蓋部材42の清掃作業(例えば、洗浄作業)が容易である。
(変形例)
上述の「実施形態における蚕飼育方法」では、1齢幼虫から4齢幼虫まで蚕(例えば、4齢幼虫の蚕)が、第1飼育室SP1内に収容される例について説明された。代替的に、上述の第2ステップ(ST2)において、第1飼育室SP1内に収容される蚕は、5齢幼虫(例えば、5齢幼虫のうち蛹になる直前のもの)の蚕であってもよい。
第1飼育室SP1内に配置される蚕が5齢幼虫の蚕である場合には、第1飼育室SP1内に餌Fを配置する必要がない。すなわち、十分に成長した蚕を第1飼育室SP1内に配置する場合には、当該蚕を更に大きくする必要がない。このため、上述の第1ステップST1において、必ずしも、第1飼育室SP1内に餌Fを配置する必要がない。
変形例における蚕飼育方法では、第1飼育室SP1内に配置される蚕が5齢幼虫の蚕である。この場合、個室形態の蚕容器2の使用が、5齢幼虫の蚕に限定されることとなるため、1個の蚕によって個室が占有される期間が更に短くなる。こうして、蚕容器2の使用の回転率を更に向上させることが可能となる。その結果、所望の数量の蚕を育成するために要する蚕容器2の総数をさらに低減することが可能となり、蚕飼育設備全体の省スペース化が実現される。例えば、蚕が飼育室SPを占有する期間を10日から5日に短縮すれば、最初の5日間で、第1の蚕を飼育室SP内で飼育し、その後の5日間で、第2の蚕を飼育室SP内で飼育することが可能となる。このため、所定数の蚕を飼育するのに要する飼育室SPの総数が半分で済む。蚕を個別飼育する場合、飼育室の数の多寡が飼育コストに大きく影響する。変形例における蚕飼育方法では、飼育室の使用回転率を向上させることにより、飼育室の数を少なくすることが可能である。この場合、飼育コストが大幅に低減される。
また、変形例における蚕飼育方法では、第1飼育室SP1内に餌Fを配置する工程を省略可能である。このため、蚕の飼育コストが更に低減される。また、支持部材3または第1飼育室SP1の壁面に餌Fが付着しないため、支持部材3および/または蚕容器2を清掃する工程(上述の第6ステップST6)を、より容易に実行することが可能となる。
なお、変形例における蚕飼育方法では、第1飼育室SP1内に5齢幼虫の蚕が配置される点、および、第1飼育室SP1内に餌Fが配置されない点以外の点は、上述の蚕飼育方法(第1ステップST1乃至第6ステップST6)と同様である。よって、上述の蚕飼育方法(第1ステップST1乃至第6ステップST6)において説明済みの事項についての繰り返しとなる説明は省略する。
(蚕を飼育室SP内に配置する蚕配置工程)
続いて、図11を参照して、蚕を飼育室SP内に配置する蚕配置工程(上述の第2ステップST2)の一例についてより詳細に説明する。
図11に記載の例では、蚕飼育方法において用いられる蚕飼育装置1は、蚕Aを把持する把持部82を備えたマニピュレータ8を更に具備する。蚕飼育装置1は、支持部材挿入装置9を具備していてもよい。蚕飼育装置1のマニピュレータ8および支持部材挿入装置9以外の構成要素については、第1の実施形態における蚕飼育装置1A、第2の実施形態における蚕飼育装置1B、第3の実施形態における蚕飼育装置1C、または、第4の実施形態における蚕飼育装置1Dと同様である。よって、これらの構成要素についての繰り返しとなる説明は省略する。
図11(a)に記載の例では、蚕配置工程は、マニピュレータ8によって、支持部材3に蚕Aを移載する蚕移載工程を含む。なお、図11(a)に記載の例では、支持部材3の少なくとも一部は、第1飼育室SP1外に配置されている。蚕移載工程では、複数の蚕を収容した第1容器C(例えば、上方が開放された容器、または、上方が開放されたトレイ)から、各支持部材3上に、それぞれ1匹の蚕が移載されることが好ましい。
図11(b)に記載の例では、蚕配置工程は、蚕Aが移載された支持部材3を、第1飼育室SP1内に挿入する支持部材挿入工程を含む。支持部材挿入工程の実行により、支持部材3および蚕Aが第1飼育室SP1内に配置される。図11(b)に記載の例では、第1飼育室SP1内への支持部材3の挿入が、マニピュレータ8とは別の支持部材挿入装置9を用いて実行される。支持部材挿入装置9は、例えば、コンベヤ90(例えば、支持部材3を押圧するプッシャー91を備えたコンベヤ90)である。代替的に、マニピュレータ8が、支持部材挿入装置9として機能してもよい。換言すれば、マニピュレータ8が、支持部材3を第1飼育室SP1内に押し込んでもよい。この場合、図11におけるコンベヤ90は省略可能である。
図11に記載の例では、蚕飼育装置1が、蚕Aを把持する把持部82を備えたマニピュレータ8および支持部材挿入装置9を備える。この場合、飼育室SP内への蚕Aの挿入作業を自動化することができる。飼育室SP内への蚕Aの挿入作業に、作業者が介在しないことにより、飼育室SP内への雑菌の混入リスクが低減される。また、自動化により、蚕の飼育コストが低減される。
図11に記載の例では、蚕容器2は、第1飼育室SP1および第2飼育室SP2を含む複数の飼育室SPを有する。この場合、蚕配置工程は、マニピュレータ8によって、支持部材3に第1の蚕A1を移載する第1蚕移載工程、および、第1の蚕A1が移載された支持部材3−1を、第1飼育室SP1内に挿入する第1支持部材挿入工程に加え、マニピュレータ8によって、第2の支持部材3−2に第2の蚕A2を移載する第2蚕移載工程(図11(a)を参照。)、および、第2の蚕A2が移載された第2の支持部材3−2を、第2飼育室SP2内に挿入する第2支持部材挿入工程(図11(b)を参照。)を有していてもよい。また、蚕容器2が、第K飼育室(「K」は、「3」以上の任意の自然数。)を備える場合には、蚕配置工程は、マニピュレータ8によって、K番目の支持部材3−KにK番目の蚕を移載する第K蚕移載工程、および、K番目の蚕が移載されたK番目の支持部材3−Kを、第K飼育室内に挿入する第K支持部材挿入工程を有していてもよい。
なお、図11(b)に記載の例では、第1飼育室SP1への第1の支持部材3−1の挿入と、第2飼育室SP2への第2の支持部材3−2の挿入とが同時に行われている。代替的に、第1飼育室SP1に第1の支持部材3−1を挿入した後、第2飼育室SP2に第2の支持部材3−2を挿入してもよい。また、図11に記載の例では、各支持部材3に餌Fが配置されていない。代替的に、餌Fおよび蚕Aが配置された支持部材3が、第1飼育室SP1等の飼育室に挿入されるようにしてもよい。また、図11に記載の例では、蚕容器2の第1端部21の開口を介して、支持部材3が第1飼育室SP1等の飼育室に挿入される。代替的に、蚕容器2の第2端部22の開口を介して、支持部材3が第1飼育室SP1等の飼育室に挿入されるようにしてもよい。
(蚕配置工程の変形例)
続いて、図12を参照して、蚕を飼育室SP内に配置する蚕配置工程(上述の第2ステップST2)の変形例について説明する。
図12に記載の蚕配置工程は、第1飼育室SP1内の支持部材3に蚕Aを移載する点において、図11に記載の蚕配置工程とは異なる。
図12(a)に記載の例では、蚕配置工程は、マニピュレータ8によって、第1飼育室SP1内の支持部材3に蚕Aを移載する蚕移載工程を含む。マニピュレータ8による蚕Aの移載は、蚕容器2の第1端部21の開口(または、第2端部22の開口)を介して行われる。蚕移載工程では、複数の蚕を収容した第1容器C(例えば、上方が開放された容器、または、上方が開放されたトレイ)から、各飼育室SP内の支持部材3上に、1個のみの蚕が移載されることが好ましい。
図12(a)に記載の例では、蚕飼育装置1が、蚕Aを把持する把持部82を備えたマニピュレータ8を備える。この場合、飼育室SP内への蚕Aの挿入作業を自動化することができる。飼育室SP内への蚕Aの挿入作業に、作業者が介在しないことにより、飼育室SP内への雑菌の混入リスクが低減される。また、自動化により、蚕の飼育コストが低減される。
図12に記載の例では、蚕容器2は、第1飼育室SP1および第2飼育室SP2を含む複数の飼育室SPを有する。この場合、蚕配置工程は、マニピュレータ8によって、第1飼育室SP1内の第1の支持部材3−1に第1の蚕A1を移載する第1蚕移載工程に加えて、マニピュレータ8によって、第2飼育室SP2内の支持部材3−2に第2の蚕A2を移載する第2蚕移載工程(図12(b)を参照。)を有していてもよい。また、蚕容器2が、第K飼育室(「K」は、「3」以上の任意の自然数。)を備える場合には、蚕配置工程は、マニピュレータ8によって、K番目の飼育室内の支持部材3−KにK番目の蚕を移載する第K蚕移載工程を有していてもよい。
図12に記載の例では、各支持部材3に餌Fが配置されていない。代替的に、餌Fが配置された支持部材3に、蚕Aが移載されるようにしてもよい。
(マニピュレータ8)
図13を参照して、蚕移載工程において使用されるマニピュレータ8の一例について説明する。図13に記載の例では、マニピュレータ8は、アーム部81と、把持部82とを有する。アーム部81は、例えば、1個以上の関節部を含むロボットアームである。また、把持部82は、例えば、第1把持片820aおよび第2把持片820bを含む複数の把持片820を有する。なお、把持部82が有する把持片820の数は、2個であってもよいし、3個以上であってもよい。
把持片820のうちの蚕と接触する接触部821は、弾性変形可能な部材(弾性部材)で構成されていることが好ましい。接触部821は、例えば、シリコーンゴムによって形成される。接触部821を弾性材料(例えば、シリコーンゴム)によって形成することにより、形状が変化し、かつ、運動する蚕を、好適に把持することが可能となる。
把持片820は、例えば、弾性材料によって囲まれた内部空間Pを有する把持片であってもよい。この場合、内部空間Pにエア等の流体を供給することにより、把持片820を駆動することが可能である。図13に記載の例では、各把持片820は、内部空間Pに流体を供給する流体供給路PHを備える。なお、内部空間に流体を供給することにより把持片を駆動する方法としては、例えば、国際公開第2012/148742号に開示された方法が採用されてもよい。
本発明は上記各実施形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施形態は適宜変形又は変更され得ることは明らかである。また、各実施形態又は変形例で用いられる種々の技術は、技術的矛盾が生じない限り、他の実施形態又は変形例にも適用可能である。さらに、各実施形態又は変形例における任意付加的な構成は、適宜省略可能である。
例えば、蚕容器2および/または容器支持部材7は、建物内の無菌設備内に配置されてもよく、あるいは、土によって囲まれた空洞内(例えば、トンネル内)の無菌設備内に配置されてもよい。蚕容器2および/または容器支持部材7が、土によって囲まれた空洞内の無菌設備内に配置される場合には、建物の建設費を省略することができる。また、土によって囲まれた空洞内は、温度および湿度が概ね一定であるため、蚕の飼育環境を実現するためのエネルギ(例えば、空調に要するエネルギ)が大幅に低減される。更に、土によって囲まれた空洞内は、遮音性、耐振性が高いため、騒音、振動等に起因する蚕の飼育環境の悪化が抑制される。
また、上述の実施形態では、第2端部22に乾燥空気を供給することにより、蚕の第2端部22に向けての移動が誘引される例について説明された。代替的に、第1端部21に乾燥空気を供給することにより、蚕の第1端部21に向けての移動が誘引されてもよい。この場合、蚕または繭を回収する開口として、第1端部21側の開口が利用されてもよい。また、乾燥空気供給の実行の有無に関わらず、蚕または繭が、第2端部22側の開口から回収されてもよいし、あるいは、第1端部21側の開口から回収されてもよい。
第1飼育室SP1を規定する第1筒状容器は、第1端部21のみが開放され第2端部22が閉鎖された有底の筒状容器であってもよい。代替的に、第1飼育室SP1を規定する第1筒状容器は、第1端部21および第2端部22の両方が開放されたチューブ状の筒状容器(換言すれば、管状の筒状容器)であってもよい。
1、1A、1B、1C、1D…蚕飼育装置、2…蚕容器、2A…第1蚕容器、2B…第2蚕容器、3…支持部材、3−1…第1の支持部材、3−2…第2の支持部材、6…乾燥空気供給装置、7…容器支持部材、8…マニピュレータ、9…支持部材挿入装置、21…第1端部、21a…開口、22…第2端部、22a…取出開口、31…脚部、41…第1蓋部材、42…第2蓋部材、50…枠部材、51、52…摺動案内部、60…流路、61…空気吹出口、62…空気吸込部、63…除湿部、64…ブロワ、65…フィルタ、66…弁装置、67…乾燥空気供給配管、68…加湿空気供給配管、69…加湿部、71…キャスタ、72…下段部、73…上段部、81…アーム部、82…把持部、90…コンベヤ、91…プッシャー、410、420…通気孔、820…把持片、820a…第1把持片、820b…第2把持片、821…接触部、A…蚕、A1…第1の蚕、A2…第2の蚕、BS…底面、C…第1容器、CP…角部、D…糞、E…露出部、F…餌、F1…第1部分、F2…第2部分、HP…最高部、OP…開口、P…内部空間、PH…流体供給路、SP…飼育室、SP1…第1飼育室、SP2…第2飼育室、W1、W2…壁部材、WP…壁部材の一部


Claims (14)

  1. 第1飼育室を有する蚕容器と、
    蚕を支持可能な支持部材と
    を具備し、
    前記第1飼育室は、前記蚕容器の第1端部から前記蚕容器の第2端部に向かう方向である第1方向に延在し、
    前記支持部材は、前記第1飼育室に配置され、かつ、開口を有する
    蚕飼育装置。
  2. 前記第1方向と水平面との間のなす角度は、0度以上45度以下である
    請求項1に記載の蚕飼育装置。
  3. 前記第1飼育室は、前記第2端部において、蚕または繭を取り出す取出開口を有する
    請求項1または2に記載の蚕飼育装置。
  4. 前記支持部材の高さは、前記第2端部に向かうにつれて高くなる
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載の蚕飼育装置。
  5. 餌が、前記支持部材の長手方向に沿って配置されている
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載の蚕飼育装置。
  6. 前記蚕容器は、前記第1方向に延在する前記第1飼育室および前記第1方向に延在する第2飼育室を含む複数の飼育室を含む
    請求項1乃至5のいずれか一項に記載の蚕飼育装置。
  7. 前記蚕容器の前記第1方向に垂直な方向の断面は、前記第1飼育室の断面形状を含む断面形状の繰り返し形状を有する
    請求項6に記載の蚕飼育装置。
  8. 前記蚕容器の前記第1端部を覆う第1蓋部材および前記蚕容器の前記第2端部を覆う第2蓋部材のうちの少なくとも1つを更に具備する
    請求項6または7に記載の蚕飼育装置。
  9. 前記第1飼育室を規定する第1筒状容器と前記第2飼育室を規定する第2筒状容器とは、別体であるか、あるいは、
    前記第1飼育室を規定する第1筒状容器の壁の一部が、前記第2飼育室を規定する第2筒状容器の壁の一部を構成している
    請求項6乃至8のいずれか一項に記載の蚕飼育装置。
  10. 乾燥空気供給装置を更に具備し、
    前記第1端部または前記第2端部は、前記乾燥空気供給装置から供給される乾燥空気の流路に面して配置される
    請求項6乃至9のいずれか一項に記載の蚕飼育装置。
  11. 蚕飼育装置を用いた蚕飼育方法であって、
    前記蚕飼育装置は、
    第1飼育室を有する蚕容器と、
    前記第1飼育室に配置される支持部材と
    を具備し、
    前記蚕飼育方法は、
    蚕を前記第1飼育室内に配置する蚕配置工程と、
    前記蚕が排出する糞を、前記支持部材の下に落下させる工程と、
    前記蚕または前記蚕によって作られる繭を前記第1飼育室から取り出す工程と
    を具備する
    蚕飼育方法。
  12. 前記蚕容器は、複数の飼育室を備え、前記複数の飼育室の各々には、ただ1個の蚕のみが挿入される
    請求項11に記載の蚕飼育方法。
  13. 前記蚕飼育装置は、前記蚕を把持する把持部を備えたマニピュレータを更に具備し、
    前記蚕配置工程は、
    前記マニピュレータによって、前記支持部材に前記蚕を移載する蚕移載工程と、
    前記蚕が移載された前記支持部材を、前記第1飼育室内に挿入する工程と
    を含む
    請求項11または12に記載の蚕飼育方法。
  14. 前記蚕飼育装置は、前記蚕を把持する把持部を備えたマニピュレータを更に具備し、
    前記蚕配置工程は、
    前記マニピュレータによって、前記第1飼育室内の前記支持部材に前記蚕を移載する蚕移載工程を含む
    請求項11または12に記載の蚕飼育方法。


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