JPWO2019035238A1 - 共振子及び共振装置 - Google Patents

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Abstract

共振子において、DLDを改善する。基部と、第1電極及び第2電極と、第1電極と第2電極との間に設けられ、第1電極に対向する上面を有し、第1及び第2電極の間に電圧が印加されたときに所定の振動モードで振動する圧電膜とを有し、一端が基部の前端と接続する固定端であり、他端が前端から離れる方向に延びた開放端である3本以上の振動腕と、を有し、3本以上の振動腕は、3本以上の振動腕が並ぶ方向において、最も外側に位置し、同位相で振動する2本の第1腕と、2本の第1腕の間に挟まれた1本以上の第2腕とを有し、第1腕は、第2腕よりも質量が大きい。

Description

本発明は、共振子及び共振装置に関する。
従来、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いた共振装置が例えばタイミングデバイスとして用いられている。この共振装置は、スマートフォンなどの電子機器内に組み込まれるプリント基板上に実装される。共振装置は、下側基板と、下側基板との間でキャビティを形成する上側基板と、下側基板及び上側基板の間でキャビティ内に配置された共振子と、を備えている。
例えば特許文献1には、複数の振動腕を備えた共振子が開示されている。この共振子では、振動腕はその固定端で基部の前端に接続されており、基部は、前端とは反対側の後端で支持部に接続されている。特許文献1に記載された共振子において、基部はその長さ(前端から後端へ向かう方向)が幅に対して小さく設定されることにより、基部自体が屈曲変位しやすい構造となっている。これによってDLD(Drive Level Dependency)の改善が図られている。
国際公開第2016/175218号
しかしながら特許文献1に記載された技術では、DLDの改善が図られる一方で、例えば保持が不安定になる可能性があり、より適切にDLDを改善するには、さらなる検討の余地がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、共振子において、DLDを改善することを目的とする。
本発明の一側面に係る共振子は、基部と、第1電極及び第2電極と、第1電極と第2電極との間に設けられ、第1電極に対向する上面を有し、第1及び第2電極の間に電圧が印加されたときに所定の振動モードで振動する圧電膜とを有し、一端が基部の前端と接続する固定端であり、他端が前端から離れる方向に延びた開放端である3本以上の振動腕と、を有し、3本以上の振動腕は、3本以上の振動腕が並ぶ方向において、最も外側に位置し、同位相で振動する2本の第1腕と、2本の第1腕の間に挟まれた1本以上の第2腕とを有し、第1腕は、第2腕よりも質量が大きい。
本発明によれば、共振子において、DLDを改善することを目的とする。
本発明の第1実施形態に係る共振装置の外観を概略的に示す斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る共振装置の構造を概略的に示す分解斜視図である。 上側基板を取り外した本発明の第1実施形態に係る共振子の平面図である。 図3のAA´線に沿った断面図である。 本発明に係る共振子とDLDとの関係を示すグラフである。 本発明の第2実施形態に係る共振子の断面図である。 本発明の第3実施形態に係る共振子の断面図である。
[第1実施形態]
以下、添付の図面を参照して本発明の第1実施形態について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る共振装置1の外観を概略的に示す斜視図である。また、図2は、本発明の第1実施形態に係る共振装置1の構造を概略的に示す分解斜視図である。
この共振装置1は、共振子10と、共振子10を挟んで互いに対向するように設けられた蓋体(上蓋30及び下蓋20)と、を備えている。すなわち、共振装置1は、下蓋20と、共振子10と、上蓋30とがこの順で積層されて構成されている。
また、共振子10と下蓋20及び上蓋30とが接合され、これにより、共振子10が封止され、共振子10の振動空間が形成される。共振子10、下蓋20及び上蓋30は、それぞれSi基板を用いて形成されている。そして、共振子10、下蓋20及び上蓋30は、Si基板同士が互いに接合されて、互いに接合される。共振子10及び下蓋20は、SOI基板を用いて形成されてもよい。
共振子10は、MEMS技術を用いて製造されるMEMS共振子である。なお、本実施形態においては、共振子10はシリコン基板を用いて形成されるものを例として説明する。以下、共振装置1の各構成について詳細に説明する。
(1.上蓋30)
上蓋30はXY平面に沿って平板状に広がっており、その裏面に例えば平たい直方体形状の凹部31が形成されている。凹部31は、側壁33に囲まれており、共振子10が振動する空間である振動空間の一部を形成する。
(2.下蓋20)
下蓋20は、XY平面に沿って設けられる矩形平板状の底板22と、底板22の周縁部からZ軸方向(すなわち、下蓋20と共振子10との積層方向)に延びる側壁23とを有する。下蓋20には、共振子10と対向する面において、底板22の表面と側壁23の内面とによって形成される凹部21が設けられる。凹部21は、共振子10の振動空間の一部を形成する。上述した上蓋30と下蓋20とによって、この振動空間は気密に封止され、真空状態が維持される。この振動空間には、例えば不活性ガス等の気体が充填されてもよい。
(3.共振子10)
図3は、本実施形態に係る、共振子10の構造を概略的に示す平面図である。図3を用いて本実施形態に係る共振子10の、各構成について説明する。共振子10は、振動部120と、保持部140と、保持腕111,112とを備えている。
(a)振動部120
振動部120は、図3の直交座標系におけるXY平面に沿って広がる矩形の輪郭を有している。振動部120は、保持部140の内側に設けられており、振動部120と保持部140との間には、所定の間隔で空間が形成されている。図3の例では、振動部120は、基部130と4本の振動腕135A〜135D(まとめて「振動腕135」とも呼ぶ。)とを有している。なお、振動腕の数は、4本に限定されず、例えば3本以上の任意の数に設定される。本実施形態において、各振動腕135と、基部130とは、一体に形成されている。
基部130は、平面視において、X軸方向に長辺131a、131b、Y軸方向に短辺131c、131dを有している。長辺131aは、基部130の前端の面131A(以下、「前端131A」とも呼ぶ。)の一つの辺であり、長辺131bは基部130の後端の面131B(以下、「後端131B」とも呼ぶ。)の一つの辺である。基部130において、前端131Aと後端131Bとは、互いに対向するように設けられている。
基部130は、前端131Aにおいて、後述する振動腕135に接続され、後端131Bにおいて、後述する保持腕111,112に接続されている。なお、基部130は、図3の例では平面視において、略長方形の形状を有しているがこれに限定されず、長辺131aの垂直二等分線に沿って規定される仮想平面Pに対して略面対称に形成されていればよい。基部130は、例えば、長辺131bが131aより短い台形や、長辺131aを直径とする半円の形状であってもよい。また、長辺131a、131b、短辺131c、131dは直線に限定されず、曲線であってもよい。
基部130において、前端131Aから後端131Bに向かう方向における、前端131Aと後端131Bとの最長距離である基部長(図3においては短辺131c、131dの長さ)は37μm程度である。また、基部長方向に直交する幅方向であって、基部130の側端同士の最長距離である基部幅(図3においては長辺131a、131bの長さ)は285μm程度である。
振動腕135は、Y軸方向に延び、それぞれ同一のサイズを有している。振動腕135は、それぞれが基部130と保持部140との間にY軸方向に平行に設けられ、一端は、基部130の前端131Aと接続されて固定端となっており、他端は開放端となっている。また、振動腕135は、それぞれ、X軸方向に所定の間隔で、並列して設けられている。なお、振動腕135は、例えばX軸方向の幅が50μm程度、Y軸方向の長さが420μm程度である。
振動腕135はそれぞれ、例えば開放端から150μm程度の部分が、振動腕135の他の部位よりもX軸方向の幅が広くなっている。この幅が広くなった部位を錘部Gと呼ぶ。錘部Gは、例えば、振動腕135の他の部位よりも、X軸方向に沿って左右に幅が10μmずつ広く、X軸方向の幅が70μm程度である。錘部Gは、振動腕135と同一プロセスによって一体形成される。錘部Gが形成されることで、振動腕135は、単位長さ当たりの重さが、固定端側よりも開放端側の方が重くなっている。従って、振動腕135が開放端側にそれぞれ錘部Gを有することで、各振動腕における上下方向の振動の振幅を大きくすることができる。
本実施形態の振動部120では、X軸方向において、外側に2本の振動腕135A、135Dが配置されており、内側に2本の振動腕135B、135Cが配置されている。X軸方向における、振動腕135Bと135Cとの間隔W1は、振動腕135が並ぶ方向(X軸方向)における、外側の振動腕135A(135D)(第1腕の一例である。)と当該外側の振動腕135A(135D)に隣接する内側の振動腕135B(135C)(第2腕の一例である。)との間の間隔W2よりも大きく設定される。間隔W1は例えば35μm程度、間隔W2は例えば25μm程度である。間隔W2は間隔W1より小さく設定することにより、振動特性が改善される。また、共振装置1を小型化できるように、間隔W1を間隔W2よりも小さく設定してもよいし、等間隔にしても良い。
振動部120の表面(上蓋30に対向する面)には、その全面を覆うように保護膜235が形成されている。また、振動腕135A〜135Dの開放端側の先端における保護膜235の表面には、それぞれ、調整膜236A〜236D(以下、調整膜236A〜236Dをまとめて「調整膜236」とも呼ぶ。)が形成されている。保護膜235及び調整膜236によって、振動部120の共振周波数を調整することができる。なお、保護膜235は、少なくとも振動腕135上に形成されていればよく、基部130上には形成されていなくてもよい。
調整膜236は、振動部120における、振動による変位の比較的大きい領域において、その表面が露出するように、保護膜235上に形成されている。具体的には、調整膜236は、振動腕135の開放端近傍に形成される。本実施形態では、調整膜236は、振動腕135の錘部G上に形成される。
本実施形態に係る振動腕135は、外側の振動腕135A,135Dの方が、内側の振動腕135B,135Cよりも質量が大きい。より好ましくは、外側の振動腕135A,135Dの方が、内側の振動腕135B,135Cよりも、先端部(振動による変位の比較的大きい領域であり、例えば錘部Gに対応する領域である。)において、質量が大きい。具体的な態様の一例として、外側の振動腕135A,135Dの方が、内側の振動腕135B,135Cよりも少なくとも自由端側の領域において、Z軸方向(積層方向)の厚みが大きい構成や、X軸方向に沿った幅が大きい構成が挙げられる。また、外側の振動腕135A,135Dの方が、内側の振動腕135B,135Cよりも少なくとも自由端側の領域において、質量が大きい材料が用いられていてもよい。
以下では、外側の振動腕135A,135Dに形成された調整膜236A,236Dは、内側の振動腕135B,135Cに形成された調整膜236B,236CよりもZ軸方向(積層方向)の厚さが厚い構成を例に説明する。なお、調整膜236の厚さは均一である必要はなく、表面に凹凸を有する構成でもよい。また、調整膜の厚さの比較には、例えば、振動腕135の自由端に形成された厚さや、最も厚い部分の厚さ、最も薄い部分の厚さ、平均の厚さ等を用いることができる。
(b)保持部140
保持部140は、XY平面に沿って矩形の枠状に形成される。保持部140は、平面視において、XY平面に沿って振動部120の外側を囲むように設けられる。なお、保持部140は、振動部120の周囲の少なくとも一部に設けられていればよく、枠状の形状に限定されない。例えば、保持部140は、振動部120を保持し、また、上蓋30及び下蓋20と接合できる程度に、振動部120の周囲に設けられていればよい。
本実施形態においては、保持部140は一体形成される角柱形状の枠体140a〜140dからなる。枠体140aは、図3に示すように、振動腕135の開放端に対向して、長手方向がX軸に平行に設けられる。枠体140bは、基部130の後端131Bに対向して、長手方向がX軸に平行に設けられる。枠体140cは、基部130の側端(短辺131c)及び振動腕135Aに対向して、長手方向がY軸に平行に設けられ、その両端で枠体140a、140bの一端にそれぞれ接続される。枠体140dは、基部130の側端(短辺131d)及び振動腕135Dに対向して、長手方向がY軸に平行に設けられ、その両端で枠体140a、140bの他端にそれぞれ接続される。
本実施形態においては、保持部140は、保護膜235で覆われているとして説明するが、これに限定されず、保護膜235は、保持部140の表面には形成されていなくてもよい。
(c)保持腕111、112
保持腕111及び保持腕112は、保持部140の内側に設けられ、基部130の後端131Bと枠体140c、140dとを接続する。図3に示すように、保持腕111と保持腕112とは、基部130のX軸方向の中心線に沿ってYZ平面に平行に規定される仮想平面Pに対して略面対称に形成される。
保持腕111は、腕111a、111b、111c、111dを有している。保持腕111は、一端が基部130の後端131Bに接続しており、そこから枠体140bに向かって延びている。そして、保持腕111は、枠体140cに向かう方向(すなわち、X軸方向)に屈曲し、さらに枠体140aに向かう方向(すなわち、Y軸方向)に屈曲し、再度枠体140cに向かう方向(すなわち、X軸方向)に屈曲して、他端が枠体140cに接続している。
腕111aは、基部130と枠体140bとの間に、枠体140cに対向して、長手方向がY軸に平行になるように設けられている。腕111aは、一端が、後端131Bにおいて基部130と接続しており、そこから後端131Bに対して略垂直、すなわち、Y軸方向に延びている。腕111aのX軸方向の中心を通る軸は、振動腕135Aの中心線よりも内側に設けられることが望ましく、図3の例では、腕111aは、振動腕135Aと135Bとの間に設けられている。また腕111aの他端は、その側面において、腕111bの一端に接続されている。腕111aは、X軸方向に規定される幅が20μm程度であり、Y軸方向に規定される長さが25μm程度である。
腕111bは、基部130と枠体140bとの間に、枠体140bに対向して、長手方向がX軸方向に平行になるように設けられている。腕111bは、一端が、腕111aの他端であって枠体140cに対向する側の側面に接続し、そこから腕111aに対して略垂直、すなわち、X軸方向に延びている。また、腕111bの他端は、腕111cの一端であって振動部120と対向する側の側面に接続している。腕111bは、例えばY軸方向に規定される幅が20μm程度であり、X軸方向に規定される長さが92μm程度である。
腕111cは、基部130と枠体140cとの間に、枠体140cに対向して、長手方向がY軸方向に平行になるように設けられている。腕111cの一端は、その側面において、腕111bの他端に接続されており、他端は、腕111dの一端であって、枠体140c側の側面に接続されている。腕111cは、例えばX軸方向に規定される幅が20μm程度、Y軸方向に規定される長さが255μm程度である。
腕111dは、基部130と枠体140cとの間に、枠体140aに対向して、長手方向がX軸方向に平行になるように設けられている。腕111dの一端は、腕111cの他端であって枠体140cと対向する側の側面に接続している。また、腕111dは、他端が、振動腕135Aと基部130との接続箇所付近に対向する位置において、枠体140cと接続しており、そこから枠体140cに対して略垂直、すなわち、X軸方向に延びている。腕111dは、例えばY軸方向に規定される幅が50μm程度、X軸方向に規定される長さが5μm程度である。
このように、保持腕111は、腕111aにおいて基部130と接続し、腕111aと腕111bとの接続箇所、腕111bと111cとの接続箇所、及び腕111cと111dとの接続箇所で屈曲した後に、保持部140へと接続する構成となっている。
保持腕112は、腕112a、112b、112c、112dを有している。保持腕112は、一端が基部130の後端131Bに接続しており、そこから枠体140bに向かって延びている。そして、保持腕112は、枠体140dに向かう方向(すなわち、X軸方向)に屈曲し、さらに枠体140aに向かう方向(すなわち、Y軸方向)に屈曲して、再度枠体140dに向かう方向(すなわち、X軸方向)屈曲し、他端が枠体140dに接続している。
なお、腕112a、112b、112c、112dの構成は、それぞれ腕111a、111b、111c、111dと対称な構成であるため、詳細な説明については省略する。
(4.積層構造)
図4を用いて共振子10の積層構造について、振動腕135D及び基部130を例に説明する。図4は、図3のAA´断面を模式的に示す概略図である。
共振子10では、保持部140、基部130、振動腕135、保持腕111,112は、同一プロセスで一体的に形成される。共振子10では、まず、Si(シリコン)基板F2の上に、金属層E1(第2電極の一例である。)が積層されている。そして、金属層E1の上には、金属層E1を覆うように、圧電薄膜F3(圧電膜の一例である。)が積層されており、さらに、圧電薄膜F3の表面には、金属層E2(第1電極の一例である。)が積層されている。金属層E2の上には、金属層E2を覆うように、保護膜235が積層されている。振動腕135の開放端近傍(錘部G)においては、さらに、保護膜235を介して圧電薄膜F3の上面と対向して、調整膜236が積層されている。
Si基板F2は、例えば、厚さ5μm程度の縮退したn型Si半導体から形成されており、n型ドーパントとしてP(リン)やAs(ヒ素)、Sb(アンチモン)などを含むことができる。特に、振動腕135とn型Si半導体から構成されたSi基板F2の[100]結晶軸またはこれと等価な結晶軸とのなす回転角は、0度おり大きく15度以下(または0度以上15度以下でもよい)、または75度以上90度以下の範囲内にある事が望ましい。なお、ここで回転角とは、Si基板F2の[100]結晶軸またはこれと等価な結晶軸に沿った線分に対して保持腕110が伸びる方向の角度をいう。また、Si基板F2に用いられる縮退Siの抵抗値は、例えば16mΩ・cm未満であり、より好ましくは1.2mΩ・cm以下である。さらにSi基板F2の下面には、380nm程度の酸化ケイ素(例えばSiO2)層F21(温度特性補正層)が形成されている。これにより、温度特性を向上させることが可能になる。尚、Si基板に縮退したシリコンを用いると、Si基板F2が金属層E1を代用する事ができ、より薄層化できる。
本実施形態において、温度特性補正層とは、当該温度特性補正層をSi基板F2に形成しない場合と比べて、Si基板F2に温度補正層を形成した時の振動部における周波数の温度係数(すなわち、温度当たりの変化率)を、少なくとも常温近傍において低減する機能を持つ層をいう。振動部120が温度特性補正層を有することにより、例えば、Si基板F2と金属層E1、E2と圧電薄膜F3及び酸化ケイ素層(温度補正層)F21による積層構造体の共振周波数の、温度に伴う変化を低減することができる。
共振子10においては、酸化ケイ素層F21は、均一の厚みで形成されることが望ましい。なお、均一の厚みとは、酸化ケイ素層F21の厚みのばらつきが、厚みの平均値から±20%以内であることをいう。
なお、酸化ケイ素層F21は、Si基板F2の上面に形成されてもよいし、Si基板F2の上面と下面の双方に形成されてもよい。また、保持部140においては、Si基板F2の下面に酸化ケイ素層F21が形成されなくてもよい。
金属層E2、E1は、例えば厚さ0.1μm以上0.2μm以下程度のMo(モリブデン)やアルミニウム(Al)等を用いて形成される。金属層E2、E1は、エッチング等により、所望の形状に形成される。金属層E1は、例えば振動部120上においては、下部電極として機能するように形成される。また、金属層E1は、保持腕111,112や保持部140上においては、共振子10の外部に設けられた交流電源に下部電極を接続するための配線として機能するように形成される。
他方で、金属層E2は、振動部120上においては、上部電極として機能するように形成される。また、金属層E2は、保持腕111,112や保持部140上においては、共振子10の外部に設けられた回路に上部電極を接続するための配線として機能するように形成される。
なお、交流電源から下部配線または上部配線への接続にあたっては、上蓋30の外面に電極を形成して、当該電極が回路と下部配線または上部配線とを接続する構成や、上蓋30内にビアを形成し、当該ビアの内部に導電性材料を充填して配線を設け、当該配線が交流電源と下部配線または上部配線とを接続する構成が用いられてもよい。
圧電薄膜F3は、印加された電圧を振動に変換する圧電体の薄膜であり、例えば、AlN(窒化アルミニウム)等の窒化物や酸化物を主成分とすることができる。具体的には、圧電薄膜F3は、ScAlN(窒化スカンジウムアルミニウム)により形成することができる。ScAlNは、窒化アルミニウムにおけるアルミニウムの一部をスカンジウムに置換したものである。また、圧電薄膜F3は、例えば、0.81μm程度である。
圧電薄膜F3は、金属層E2、E1によって圧電薄膜F3に印加される電界に応じて、XY平面の面内方向すなわちY軸方向に伸縮する。この圧電薄膜F3の伸縮によって、振動腕135は、下蓋20及び上蓋30の内面に向かってその自由端を変位させ、面外の屈曲振動モードで振動する。
保護膜235は、エッチングによる質量低減の速度が調整膜236より遅い材料により形成される。具体的には、保護膜235は、AlN(窒化アルミニウム)やSiN等の窒化膜やTa25(5酸化タンタル)やSiO2(二酸化ケイ素)、Al23(酸化アルミニウム)等の酸化膜により形成されてもよい。また、質量低減速度は、エッチング速度(単位時間あたりに除去される厚み)と密度との積により表される。保護膜235の厚さは、例えば0.2μm程度である。
調整膜236は、振動部120の略全面に形成された後、エッチング等の加工により所定の領域のみに形成される。調整膜236は、エッチングによる質量低減の速度が保護膜235より速い材料により形成される。具体的には、調整膜236は、モリブデン(Mo)や、タングステン(W)、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)等の金属により形成される。
なお、保護膜235と調整膜236とは、質量低減速度の関係が上述のとおりであれば、エッチング速度の大小関係は任意である。
また、図4から明らかなように、周波数調整工程後の調整膜236A,236Dの厚さは、調整膜236B,236Cの厚さよりも大きい。具体的には、調整膜236A,236Dの厚さは600nmであり、調整膜236B,236Cの厚さは300nmである。
(5.共振子の機能)
図4を参照して共振子10の機能について説明する。本実施形態では、外側の振動腕135A、135Dに印加される電界の位相と、内側の振動腕135B、135Cに印加される電界の位相とが互いに逆位相になるように設定される。これにより、外側の振動腕135A、135Dと内側の振動腕135B、135Cとが互いに逆方向に変位する。例えば、外側の振動腕135A、135Dが上蓋30の内面に向かって自由端を変位すると、内側の振動腕135B、135Cは下蓋20の内面に向かって自由端を変位する。
これによって、本実施形態に係る共振子10では、逆位相の振動時、すなわち、図3に示す振動腕135Aと振動腕135Bとの間でY軸に平行に延びる第1中心軸回りに振動腕135Aと振動腕135Bとが上下逆方向に振動する。また、振動腕135Cと振動腕135Dとの間でY軸に平行に延びる第2中心軸回りに振動腕135Cと振動腕135Dとが上下逆方向に振動する。これによって、第1中心軸と第2中心軸とで互いに逆方向の捩れモーメントが生じ、基部130で屈曲振動が発生する。
(6.調整膜の機能)
次に調整膜236の機能について説明する。本実施形態に係る共振装置1では、上述のような共振子10が形成された後、調整膜236の膜厚を調整するトリミング工程が行われる。
トリミング工程では、まず各共振子10の共振周波数を測定し、周波数分布を算出する。次に、算出した周波数分布に基づき、調整膜236の膜厚を調整する。調整膜236の膜厚の調整は、例えばアルゴン(Ar)イオンビームを共振子10の全面に対して照射して、調整膜236をエッチングすることによって行うことができる。さらに、調整膜236の膜厚が調整されると、共振子10の洗浄を行い、飛び散った膜を除去することが望ましい。
このようにトリミング工程によって、調整膜236の膜厚が調整されることによって、同一ウエハにおいて製造される複数の共振装置1の間で、周波数のばらつきを抑えることができる。
また、調整膜236B,236Cを、調整膜236A,236Dより多くエッチングする事で、調整膜236A,236Dの厚みを調整膜236B,236Cの厚みより厚くする事ができる。
(7.実験結果)
図5を用いて、外側の振動腕135A,135Dの方が内側の振動腕125B,135Cよりも質量が大きいことの効果について説明する。図5は、調整膜236A,236Dと調整膜236B,236Cとの厚さの関係がDLD(Drive Level Dependency)に与える影響を示すグラフである。横軸はドライブレベルを示し、縦軸は周波数シフト量を示している。
図5において、実線は本実施形態に係る共振子10のDLDを示すグラフである。また、一点鎖線で示すグラフと破線で示すグラフは、それぞれ比較例1、2の共振子のDLDを示すグラフである。本実施形態に係る共振子10と、比較例1,2の共振子とは調整膜236の厚さのみが異なり、その他の構成は同一である。具体的には、比較例1の共振子は、内側の振動腕に形成された調整膜の方が、外側の振動腕に形成された調整膜よりも300nm厚い。また、比較例2の共振子は、外側の振動腕と内側の振動腕とで形成される調整膜の厚さは同一である。
図5のグラフから本実施形態に係る共振子10は比較例1,2の共振子と比べてDLDが改善されていることは明らかである。
このように、本実施形態に係る共振子10は、外側の振動腕135A,135Dの方が、内側の振動腕135B,135Cよりも質量が大きい。より好ましくは、外側の振動腕135A,135Dの方が、内側の振動腕135B,135Cよりも、自由端側の領域(振動による変位の比較的大きい領域であり、例えば錘部Gに対応する領域である。)において、質量が大きい。より好ましくは、外側の振動腕135A,135Dに形成された調整膜236A,236Dは、内側の振動腕135B,135Cに形成された調整膜236B,236CよりもZ軸方向(積層方向)の厚さが厚い。本実施形態に係る共振子10はこのような構成を有することでDLDを改善することができる。
[第2実施形態]
第2実施形態以降では第1実施形態と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については実施形態毎には逐次言及しない。
図6は、本実施形態に係る、共振子10Aの構造の一例を概略的に示す断面図である。なお、図6の断面図は、図3のAA’において第2実施形態に係る共振子10を切断した場合の断面図である。
本実施形態に係る共振子10Aにおいて、調整膜236は、X軸方向(振動腕135が並ぶ方向)に沿った外側の端部よりも内側の端部の方が厚さが小さいテーパー形状を有している。なお、調整膜236の形状はテーパー形状に限定されず、外側の端部から内側の端部に向かう途中に凹凸を有する形状でもよい。
その他の共振子10Aの構成は、第1実施形態と同様である。
[第3実施形態]
以下に本実施形態に係る共振子10Bの各構成のうち、第1実施形態との差異点について説明する。図7は、本実施形態に係る、共振子10Bの構造の一例を概略的に示す断面図である。なお、図7の断面図は、図3のAA’において第3実施形態に係る共振子10Aを切断した場合の断面図である。
図7に示すように本実施形態に係る共振子10Bは、保護膜235を有しない。これにより、保護膜235を形成する工程を省略できる。さらに、本実施形態に係る共振子10Bでは、外側の振動腕にのみ、調整膜236を形成する事で、内側と外側の厚みを変えている。しかしこれに限定されず、共振子10Bにおいて、内側の振動腕にも調整膜236を形成し、内側の振動腕の調整膜を重点的に除去することで、外側の厚みを厚くしても良い。
[その他の実施形態]
既述の実施形態において、共振子10は4本の振動腕135を有する構成について説明した。しかしこれに限定されず、共振子10は、5本以上の振動腕135を有する構成でもよい。この場合、最も外側に位置する2本の振動腕135以外の内側の複数の振動腕135は、それぞれ同相で振動することが好ましい。また、このとき最も外側に位置する2本の振動腕135以外の内側の振動腕135の質量は、それぞれ同じでもよいし、内側(中央側)に向かうにつれて小さくなる構成でもよい。ただしいずれの場合でも、最も外側に位置する2本の振動腕135の質量は、当該2本の振動腕135の間の複数のいずれの振動腕の質量よりも大きい。
以上、本発明の例示的な実施形態について説明した。本発明の一実施形態に係る共振子10は基部130と、第1電極E2及び第2電極E1と、第1電極E2と第2電極E1との間に設けられ、第1電極E2に対向する上面を有し、第1及び第2電極E2,E1の間に電圧が印加されたときに所定の振動モードで振動する圧電膜F3とを有し、一端が基部130の前端と接続する固定端であり、他端が前端から離れる方向に延びた開放端である3本以上の振動腕135と、を有し、3本以上の振動腕135は、3本以上の振動腕135が並ぶ方向において、最も外側に位置し、同位相で振動する2本の第1腕135A(135D)と、2本の第1腕の間に挟まれた1本以上の第2腕135B(135C)とを有し、第1腕135A(135D)は、第2腕135B(135C)よりも質量が大きい。これによって、共振子10において、DLDが改善される。
また、第1腕135A,135Dは、第2腕135B,135Cよりも、先端部(錘部G)において、質量が大きいことが好ましい。また、第1腕135A(135D)は、第2腕135B(135C)よりも、少なくとも先端部(錘部G)における厚さが大きいことが好ましい。
さらに共振子10は、第1電極E2を挟んで圧電膜F3の上面と対向して設けられ、かつ振動腕135から基部130に亘って設けられた保護膜235と、3本以上の振動腕135それぞれにおいて、少なくとも先端部(錘部G)において露出した調整膜236と、を備え、第1腕135A(135D)に形成された調整膜236は、第2腕135B(135C)に形成された調整膜よりも厚さが大きいことが好ましい。さらに調整膜236は、3本以上の振動腕135が並ぶ方向における外側の端部よりも内側の端部の方が厚さが小さいことも好ましい。
また、調整膜236は、エッチングによる質量低減の速度が保護膜235よりも速い材料から成ることが好ましい。これによって、本実施形態に係る共振子10は、トリミング工程によって、調整膜236の膜厚が調整されることによって、同一ウエハにおいて製造される複数の共振装置1の間で、周波数のばらつきを抑えることができる。
さらに、保護膜235は、絶縁体であり、調整膜236は金属であってもよい。
また、本発明の一実施形態に係る共振装置1は、上述の共振子10と、共振子10を覆う蓋体20、30と、外部電極とを備える。
以上説明した各実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るととともに、本発明にはその等価物も含まれる。即ち、各実施形態に当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、各実施形態が備える各要素およびその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、各実施形態は例示であり、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることは言うまでもなく、これらも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
1 共振装置
10 共振子
30 上蓋
20 下蓋
140 保持部
140a〜d 枠体
111,112 保持腕
120 振動部
130 基部
135A〜D 振動腕
F2 Si基板
F21 酸化ケイ素層(温度特性補正層)
235 保護膜
236 調整膜
本発明の第1実施形態に係る共振装置の外観を概略的に示す斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る共振装置の構造を概略的に示す分解斜視図である。 を取り外した本発明の第1実施形態に係る共振子の平面図である。 図3のAA´線に沿った断面図である。 本発明に係る共振子とDLDとの関係を示すグラフである。 本発明の第2実施形態に係る共振子の断面図である。 本発明の第3実施形態に係る共振子の断面図である。
Si基板F2は、例えば、厚さ5μm程度の縮退したn型Si半導体から形成されており、n型ドーパントとしてP(リン)やAs(ヒ素)、Sb(アンチモン)などを含むことができる。特に、振動腕135とn型Si半導体から構成されたSi基板F2の[100]結晶軸またはこれと等価な結晶軸とのなす回転角は、0度り大きく15度以下(または0度以上15度以下でもよい)、または75度以上90度以下の範囲内にある事が望ましい。なお、ここで回転角とは、Si基板F2の[100]結晶軸またはこれと等価な結晶軸に沿った線分に対して保持腕110が伸びる方向の角度をいう。また、Si基板F2に用いられる縮退Siの抵抗値は、例えば16mΩ・cm未満であり、より好ましくは1.2mΩ・cm以下である。さらにSi基板F2の下面には、厚さ380nm程度の酸化ケイ素(例えばSiO2)層F21(温度特性補正層)が形成されている。これにより、温度特性を向上させることが可能になる。尚、Si基板に縮退したシリコンを用いると、Si基板F2が金属層E1を代用する事ができ、より薄層化できる。
本実施形態において、温度特性補正層とは、当該温度特性補正層をSi基板F2に形成しない場合と比べて、Si基板F2に温度特性補正層を形成した時の振動部における周波数の温度係数(すなわち、温度当たりの変化率)を、少なくとも常温近傍において低減する機能を持つ層をいう。振動部120が温度特性補正層を有することにより、例えば、Si基板F2と金属層E1、E2と圧電薄膜F3及び酸化ケイ素層(温度特性補正層)F21による積層構造体の共振周波数の、温度に伴う変化を低減することができる。
圧電薄膜F3は、印加された電圧を振動に変換する圧電体の薄膜であり、例えば、AlN(窒化アルミニウム)等の窒化物や酸化物を主成分とすることができる。具体的には、圧電薄膜F3は、ScAlN(窒化スカンジウムアルミニウム)により形成することができる。ScAlNは、窒化アルミニウムにおけるアルミニウムの一部をスカンジウムに置換したものである。また、圧電薄膜F3の厚さは、例えば、0.81μm程度である。
また、図4から明らかなように、周波数調整工程後の調整膜236A,236Dの厚さは、調整膜236B,236Cの厚さよりも大きい。具体的には、調整膜236A,236Dの厚さは600nm程度であり、調整膜236B,236Cの厚さは300nm程度である。
これによって、本実施形態に係る共振子10では、逆位相の振動時、すなわち、図に示す振動腕135Aと振動腕135Bとの間でY軸に平行に延びる第1中心軸r1回りに振動腕135Aと振動腕135Bとが上下逆方向に振動する。また、振動腕135Cと振動腕135Dとの間でY軸に平行に延びる第2中心軸r2回りに振動腕135Cと振動腕135Dとが上下逆方向に振動する。これによって、第1中心軸r1と第2中心軸r2とで互いに逆方向の捩れモーメントが生じ、基部130で屈曲振動が発生する。
(7.実験結果)
図5を用いて、外側の振動腕135A,135Dの方が内側の振動腕15B,135Cよりも質量が大きいことの効果について説明する。図5は、調整膜236A,236Dと調整膜236B,236Cとの厚さの関係がDLD(Drive Level Dependency)に与える影響を示すグラフである。横軸はドライブレベルを示し、縦軸は周波数シフト量を示している。
図5において、実線は本実施形態に係る共振子10のDLDを示すグラフである。また、一点鎖線で示すグラフと破線で示すグラフは、それぞれ比較例1、2の共振子のDLDを示すグラフである。本実施形態に係る共振子10と、比較例1,2の共振子とは調整膜236の厚さのみが異なり、その他の構成は同一である。具体的には、比較例1の共振子は、内側の振動腕に形成された調整膜の方が、外側の振動腕に形成された調整膜よりも300nm程度厚い。また、比較例2の共振子は、外側の振動腕と内側の振動腕とで形成される調整膜の厚さは同一である。
図6は、本実施形態に係る、共振子10Aの構造の一例を概略的に示す断面図である。なお、図6の断面図は、図3のAA'において第2実施形態に係る共振子10を切断した場合の断面図である。
[第3実施形態]
以下に本実施形態に係る共振子10Bの各構成のうち、第1実施形態との差異点について説明する。図7は、本実施形態に係る、共振子10Bの構造の一例を概略的に示す断面図である。なお、図7の断面図は、図3のAA'において第3実施形態に係る共振子10を切断した場合の断面図である。
また、本発明の一実施形態に係る共振装置1は、上述の共振子10と、共振子10を覆う蓋体(下蓋20及び上蓋30と、外部電極とを備える。
以上説明した各実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。即ち、各実施形態に当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、各実施形態が備える各要素およびその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、各実施形態は例示であり、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることは言うまでもなく、これらも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。

Claims (9)

  1. 基部と、
    第1電極及び第2電極と、前記第1電極と第2電極との間に設けられ、前記第1電極に対向する上面を有し、前記第1及び第2電極の間に電圧が印加されたときに所定の振動モードで振動する圧電膜とを有し、一端が前記基部の前端と接続する固定端であり、他端が前記前端から離れる方向に延びた開放端である3本以上の振動腕と、
    を有し、
    前記3本以上の振動腕は、
    前記3本以上の振動腕が並ぶ方向において、最も外側に位置し、同位相で振動する2本の第1腕と、
    前記2本の第1腕の間に挟まれた1本以上の第2腕とを有し、
    前記第1腕は、前記第2腕よりも質量が大きい、
    共振子。
  2. 前記第1腕は、前記第2腕よりも、先端部において、質量が大きい、
    請求項1に記載の共振子。
  3. 前記第1腕は、前記第2腕よりも、少なくとも先端部における厚さが大きい、
    請求項1又は2に記載の共振子。
  4. 前記第1電極を挟んで前記圧電膜の前記上面と対向して設けられ、かつ
    前記3本以上の振動腕それぞれにおいて、少なくとも前記先端部において露出した調整膜と、
    を備え、
    前記第1腕に形成された調整膜は、前記第2腕に形成された調整膜よりも厚さが大きい、
    請求項2又は3に記載の共振子。
  5. 前記第1電極を挟んで前記圧電膜の前記上面と対向して設けられ、かつ前記振動腕から前記基部に亘って設けられた保護膜と、
    前記3本以上の振動腕それぞれにおいて、少なくとも前記先端部において露出した調整膜と、
    を備え、
    前記第1腕に形成された調整膜は、前記第2腕に形成された調整膜よりも厚さが大きい、
    請求項2又は3に記載の共振子。
  6. 前記調整膜は、
    前記3本以上の振動腕が並ぶ方向における外側の端部よりも内側の端部の方が厚さが小さい、
    請求項5に記載の共振子。
  7. 前記調整膜は、
    エッチングによる質量低減の速度が前記保護膜よりも速い材料から成る、
    請求項5又は6に記載の共振子。
  8. 前記保護膜は、絶縁体であり、前記調整膜は金属である、
    請求項5乃至7の何れか一項に記載の共振子。
  9. 請求項1乃至7の何れか一項に記載の共振子と、
    前記共振子を覆う蓋体と、
    外部電極と、
    を備える共振装置。
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