JPWO2019031380A1 - 電極、電池、電池パック、車両、蓄電システム、電動工具及び電子機器 - Google Patents

電極、電池、電池パック、車両、蓄電システム、電動工具及び電子機器 Download PDF

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Abstract

電池特性や信頼性を更に向上させることができる電極を提供すること。電極活物質層を備え、該電極活物質層が、少なくとも、電極活物質と、ポリフッ化ビニリデンと、ヘキサフルオロプロピレンと、導電剤と、を含み、該ポリフッ化ビニリデンと該ヘキサフルオロプロピレンとの合計質量に対して、該ヘキサフルオロプロピレンの質量が5〜50質量%であり、該ヘキサフルオロプロピレンの質量に対する該導電剤の質量の質量比(導電剤の質量/ヘキサフルオロプロピレンの質量)が0.095〜50である、電極を提供する。

Description

本技術は、電極及び電池に関し、より詳しくは、電極、電池、電池パック、車両、蓄電システム、電動工具及び電子機器に関する。
近年、パーソナルコンピュータ(PC)、携帯通信端末などの電子機器、電気自動車などの自動車、風力発電などの新エネルギーシステム等の技術分野では、電池、特には、リチウムイオン二次電池の需要が急速に拡大している。
例えば、正極板および負極板の少なくとも一方に、重量平均分子量が300,000以上、600,000以下のフッ素系高分子共重合体を含有していることを特徴とする非水電解質二次電池が提案されている(特許文献1を参照)。
特開2002−313345号公報
しかしながら、特許文献1で提案された技術では、電池特性や信頼性の更なる向上が図れないおそれがある。
そこで、本技術は、このような状況に鑑みてなされたものであり、電池特性や信頼性を更に向上させることができる電極、及び優れた電池特性や優れた信頼性を有する電池、電池パック、車両、蓄電システム、電動工具及び電子機器を提供することを主目的とする。
本発明者は、上述の目的を解決するために鋭意研究を行った結果、電池特性や信頼性を更に向上させることができる電極、及び優れた電池特性や優れた信頼性を有する電池を開発することに成功し、本技術を完成するに至った。
すなわち、本技術では、電極活物質層を備え、該電極活物質層が、少なくとも、電極活物質と、ポリフッ化ビニリデンと、ヘキサフルオロプロピレンと、導電剤と、を含み、該ポリフッ化ビニリデンと該ヘキサフルオロプロピレンとの合計質量に対して、該ヘキサフルオロプロピレンの質量が5質量%〜50質量%であり、該ヘキサフルオロプロピレンの質量に対する該導電剤の質量の質量比(導電剤の質量/ヘキサフルオロプロピレンの質量)が0.095〜50である、電極を提供する。
本技術に係る電極において、前記電極活物質層が空孔を有してよく、前記電極活物質層の全体積に対して、該空孔の体積が、10体積%〜25体積%でよい。
本技術に係る電極において、前記空孔の平均孔径が0.07μm〜1.5μmでよい。
本技術に係る電極において、前記電極活物質層の全質量に対して、前記導電剤の含有量が0.3質量%〜3質量%でよい。
本技術に係る電極において、前記電極活物質層の密度が3.8g/cm〜4.3g/cmでよい。
本技術に係る電極において、前記電極活物質の平均粒径(D50)が3μm〜40μmでよい。
本技術に係る電極において、前記電極活物質層の平均曲路率の平均値が1.1〜2.5でよい。
本技術に係る電極は、集電体を更に備えてよく、本技術に係る電極において、前記電極活物質層と該集電体との剥離強度が、20N/m〜80N/mでよい。
また、本技術では、本技術に係る電極を少なくとも備える、電池を提供する。
さらに、本技術では、
本技術に係る電池を備える、電池パックを提供し、
本技術に係る電池と、該電池の使用状態を制御する制御部と、該制御部の指示に応じて該電池の使用状態を切り換えるスイッチ部と、を備える、電池パックを提供し、
本技術に係る電池と、該電池から電力の供給を受けて車両の駆動力に変換する駆動力変換装置と、該駆動力に応じて駆動する駆動部と、車両制御装置と、を備える、車両を提供し、
本技術に係る電池を有する蓄電装置と、該電池から電力が供給される電力消費装置と、該電池からの該電力消費装置に対する電力供給を制御する制御装置と、該電池を充電する発電装置と、を備える、蓄電システムを提供し、
本技術に係る電池と、該電池から電力が供給される可動部と、を備える、電動工具を提供し、
本技術に係る電池を備え、該電池から電力の供給を受ける、電子機器を提供する。
本技術によれば、電池特性や信頼性を向上させることができる。なお、ここに記載された効果は、必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果、または、それらと異質な効果であってもよい。
本技術に係る電池の適用例(電池パック)の構成を表すブロック図である。 本技術に係る電池の適用例(車両)の構成を表すブロック図である。 本技術に係る電池の適用例(蓄電システム)の構成を表すブロック図である。 本技術に係る電池の適用例(電動工具)の構成を表すブロック図である。 本技術に係る電池の適用例(電子機器)の構成を表すブロック図である。 本技術に係る電池の応用例1(プリント回路基板)の構成を表す図である。 本技術に係る電池の応用例2(ユニバーサルクレジットカード)の構成の一例を表す図である。 本技術に係る電池の応用例3(リストバンド型活動量計)の構成の一例を表す図である。 本技術に係る電池の応用例3(リストバンド型活動量計)の構成の一例を表す図である。 本技術に係る電池の応用例3(リストバンド型電子機器)の構成を表す図である。 本技術に係る電池の応用例4(スマートウオッチ)の構成を表す分解斜視図である。 本技術に係る電池の応用例4(バンド型電子機器)の内部構成の一部を表す図である。 本技術に係る電池の応用例4(バンド型電子機器)の回路構成を示すブロック図である。 本技術に係る電池の応用例5(眼鏡型端末)の構成の具体例を表す図である。
以下、本技術を実施するための好適な形態について説明する。以下に説明する実施形態は、本技術の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本技術の範囲が狭く解釈されることはない。なお、図面については、同一又は同等の要素又は部材には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
なお、説明は以下の順序で行う。
1.本技術の概要
2.第1の実施形態(電極の例)
3.第2の実施形態(電池の例)
4.電池の用途
4−1.電池の用途の概要
4−2.第3の実施形態(電池パックの例)
4−3.第4の実施形態(車両の例)
4−4.第5の実施形態(蓄電システムの例)
4−5.第6の実施形態(電動工具の例)
4−6.第7の実施形態(電子機器の例)
<1.本技術の概要>
まず、本技術の概要について説明をする。
正極板及び/又は負極板の結着剤として、重量平均分子量が300,000以上、600,000以下のフッ素系高分子共重合体を用いることができる。これによれば、高容量で、しかも高温充放電サイクル特性、低温放電特性などに優れたものとすることができる。このフッ素系高分子共重合体としては、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体などが好適であり、さらに、電極合剤層の空孔率を17%以上、30%以下とすることにより、電極合剤層の脱落や極板の切断を防止することができる。正極板の合剤層の空孔率を小さくすると、電極合剤層が硬くなり、極板の切断が発生しやすくなるが、空孔率を17%以上とすることにより極板の切断を防止できる。空孔率を17%より小さくすると、フッ素系高分子共重合体を用いた場合でも極板が切断する場合があり、さらに、合剤層中での電解液の拡散効率が低下して充放電特性も悪くなるため、この点からも空孔率は17%以上とするのが好ましい。
しかしながら、空孔率を17%以上とすると、電池のエネルギー密度が低下するだけでなく、活物質と導電助剤との接点の減少に起因する導電性の低下、バインダーとの接点の減少による機械的強度の低下から、充放電中の活物質の膨張収縮による活物質層内部の構造破壊と導電性の低下とが生じ、放電負荷特性が低下する場合がある。
本技術は以上の状況に基づくものであり、本技術によれば、電池特性や信頼性を向上させることができる電極を提供することができる。また、本技術によれば、前記電極を用いることで、優れた電池特性や優れた信頼性を有する電池を提供することができる。より詳しくは、本技術によれば、優れた電解液保液性や優れた機械的強度の効果が奏されて、さらには、電解液保液性と機械的強度とを両立させることにより、優れた放電負荷特性の効果が奏される。
本技術に係る電池は、電池の形状、外装体の種類、電極反応物質の種類等は特に限定されず、一次電池でも二次電池もよいが、例えば、円筒型、角型、ラミネートフィルム型、コイン型、ボタン型、円盤型、平板型のリチウムイオン二次電池である。本技術に係る電池は、電池パック、車両、蓄電システム、電動工具、電子機器等に好適に適用され得る。
<2.第1の実施形態(電極の例)>
本技術に係る第1の実施形態(電極の例)の電極は、電極活物質層を備え、電極活物質層が、少なくとも、電極活物質と、ポリフッ化ビニリデンと、ヘキサフルオロプロピレンと、導電剤と、を含み、ポリフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの合計質量に対して、ヘキサフルオロプロピレンの質量が5質量%〜50質量%であり、ヘキサフルオロプロピレンの質量に対する導電剤の質量の質量比(導電剤の質量/ヘキサフルオロプロピレンの質量)が0.095〜50である、電極である。
ヘキサフルオロプロピレン(HFP)は、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)の架橋長(架橋長とは、隣り合う任意の2つの架橋点の距離をいう。)を拡張し、電解液の保液性を向上させる。ここで、電解液の保液性とは、電解液を十分に含むことのできる特性を意味する。しかしながら、架橋長が拡張して大きくなるため、電極強度(例えば、電極剥離強度等の機械的強度である。以下同じ。)が低下する場合がある。電解液を保液することで、電極(電極活物質層)が膨潤し、電極(電極活物質層)中の電極活物質と導電剤との間の接点が断絶されて導電性が低下する場合がある。ポリフッ化ビニリデン(PVdF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)との合計質量に対して、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)の質量を5質量%〜50質量%にし、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)の質量に対する導電剤の質量の質量比(導電剤の質量/ヘキサフルオロプロピレンの質量)を0.095〜50にすることで、電極の保液性が向上し、かつ、膨潤が抑制されて、導電性と機械的強度とが維持され得るため、イオン導電性が向上し、放電負荷特性が向上する。
本技術に係る第1の実施形態の電極において、電極活物質層が複数個の空孔を有して、多孔質性であることが好ましく、電極活物質層の全体積に対して、複数個の空孔の合計体積、所謂、空孔率は、特に限定されず任意の値を示してよいが、10体積%〜25体積%であることが好ましく、10体積%〜17体積%であることがより好ましい。空孔率を10体積%〜25体積%又は10体積%〜17体積%にすることで、電極の保液性が更に向上し、かつ、膨潤が更に抑制されて、導電性と機械的強度とが更に効果的に維持され得るため、イオン導電性が更に向上し、放電負荷特性が更に向上する。
本技術に係る第1の実施形態の電極において、空孔の平均孔径は任意の平均孔径でよいが、0.07μm〜1.5μmであることが好ましい。空孔の平均孔径を0.07μm〜1.5μmにすることで、保液性(吸液性とも言う。)が更に向上し、機械的強度が更に効果的に維持され得る。
本技術に係る第1の実施形態の電極において、電極活物質層の全質量に対して、導電剤の含有量は任意の量でよいが、0.3質量%〜3質量%であることが好ましい。導電剤の含有量を0.3質量%〜3質量%にすることで、導電剤が十分に電極活物質層に分散され、導電性が更に向上して放電負荷特性が更に向上する。また、比表面積低減によるバインダー(結着剤、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)と、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)とから構成される。)の導電剤への被着を抑制し、粒子間の結着性が更に向上し、電極強度が更に向上する。これにより、充放電中の電極活物質の膨張収縮による電極活物質層の崩壊を抑制し、導電性が維持できるため、放電負荷特性が更に向上する。
本技術に係る第1の実施形態の電極において、電極活物質層の密度は任意の値を示してよいが、3.8g/cm〜4.3g/cmであることが好ましい。電極活物質層の密度を3.8g/cm〜4.3g/cmにすることで、体積当たりのバインダー(結着剤、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)と、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)とから構成される。)の量が増加することで、電極強度が更に向上する。充放電中の電極活物質の膨張収縮による電極活物質層の崩壊を抑制し、導電性を維持できるため放電負荷特性が更に向上する。また、電極活物質層内の導電剤と活物質の粒子とが十分に接触し、導電性が更に向上するため、放電負荷特性が更に向上する。
本技術に係る第1の実施形態の電極において、電極活物質の平均粒径(D50)は、任意の平均粒径(D50)でよいが、3μm〜40μmであることが好ましく、3μm〜25μmであることがより好ましい。電極活物質の平均粒径(D50)を、3μm〜40μm又は3μm〜25μmにすることで、電極中での充填性が高く、導電性が更に向上し、かつ、保液性(吸液性)が更に向上して、イオン伝導性を更に向上することができるため、放電負荷特性が更に向上する。
本技術に係る第1の実施形態の電極において、電極活物質層の平均曲路率の平均値は任意の値でよいが、1.1〜2.5であることが好ましい。平均曲路率の平均値を1.1〜2.5にすることで、電解液が電極活物質層中を三次元的に、よりスムーズに移動することができる。また、電極活物質層の集電体側までの厚さ方向のLiイオンの移動距離がより短くなる。これらにより、Liイオンの伝導度が更に向上し、放電負荷特性が更に向上する。ここで、曲路率とは、多孔質性を有する電極電解質層の片面から反対面につながる細孔の経路の形状を意味する。曲路率が小さいことは、電極電解質層の垂直貫通孔が多いことを意味し、反対に、曲路率が大きいことは、電極電解質層の垂直貫通孔が少ないことを意味する。
本技術に係る第1の実施形態の電極は、集電体(集電箔でもよい。以下同じ。)を更に備えてよく、本技術に係る第1の実施形態の電極において、電極活物質層と集電体との剥離強度は、任意の強度でよいが、20N/m〜80N/mであることが好ましい。剥離強度が20N/m〜80N/mであることで、電極強度と保液性とを両立することができ、放電負荷特性が更に向上する。
ポリフッ化ビニリデン(PVdF)と、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)とはバインダー(結着剤)として適用され得る。バインダー(結着剤)は、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)とから構成されてもよいし、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)と、少なくとも1種のその他材料とから構成されてもよい。その他材料としては、例えば、スチレンブタジエン系ゴム、フッ素系ゴム、エチレンプロピレンジエン等の合成ゴム、ポリイミド等の高分子材料等が挙げられる。
導電剤は、例えば、炭素材料、金属、金属酸化物、導電性高分子などを単独で又は2種以上含んでよい。炭素材料は、例えば、黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック又はカーボンファイバーなどである。金属酸化物は、例えば、SnO2などである。なお、導電剤は、導電性を有する材料であればよく、上述の例に限定され
るものではない。
本技術に係る第1の実施形態の電極は、例えば、リチウムイオン二次電池用の電極であり、正極でもよいし、負極でもよい。本技術に係る第1の実施形態の電極が正極の場合は、正極活物質層が備えられて、正極活物質層が、少なくとも、正極活物質と、ポリフッ化ビニリデンと、ヘキサフルオロプロピレンと、導電剤と、を含み、ポリフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの合計質量に対して、ヘキサフルオロプロピレンの質量が5質量%〜50質量%となり、ヘキサフルオロプロピレンの質量に対する導電剤の質量の質量比(導電剤の質量/ヘキサフルオロプロピレンの質量)が0.095〜50となる。
また、本技術に係る第1の実施形態の電極が負極の場合は、負極活物質層が備えられて、負極活物質層が、少なくとも、負極活物質と、ポリフッ化ビニリデンと、ヘキサフルオロプロピレンと、導電剤と、を含み、ポリフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの合計質量に対して、ヘキサフルオロプロピレンの質量が5質量%〜50質量%となり、ヘキサフルオロプロピレンの質量に対する導電剤の質量の質量比(導電剤の質量/ヘキサフルオロプロピレンの質量)が0.095〜50となる。
以下に、本技術に係る第1の実施形態の電極が、リチウムイオン二次電池用の正極である場合について、詳細に説明をする。
本技術に係る第1の実施形態の電極(正極)は、例えば、正極集電体の両面に正極活物質層が設けられた構造を有している。なお、正極集電体の片面のみに正極活物質層を設けるようにしてもよい。正極集電体は、例えば、アルミニウム箔などの金属箔により構成されている。正極活物質層は、例えば、正極活物質として、リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料の1種又は2種以上を含んでいる。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料としては、例えば、リチウム酸化物、リチウムリン酸化物、リチウム硫化物あるいはリチウムを含む層間化合物などのリチウム含有化合物が適当であり、これらの2種以上を混合して用いてもよい。エネルギー密度を高くするには、リチウムと遷移金属元素と酸素(O)とを含むリチウム含有化合物が好ましく、中でも、遷移金属元素として、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)および鉄(Fe)からなる群のうちの少なくとも1種を含むものであればより好ましい。このようなリチウム含有化合物としては、例えば、式(1)、式(2)もしくは式(3)に示した層状岩塩型の構造を有するリチウム複合酸化物、式(4)に示したスピネル型の構造を有するリチウム複合酸化物、または式(5)に示したオリビン型の構造を有するリチウム複合リン酸塩などが挙げられ、具体的には、LiNi0.50Co0.20Mn0.302、LiaCoO2(a≒1)、LibNiO2(b≒1)、Lic1Nic2Co1-c22(c1≒1、0<c2<1)、LidMn24(d≒1)あるいはLieFePO4(e≒1)などがある。
LifMn(1-g-h)NigM1h(2-j)k ・・・(1)
(式中、M1は、コバルト(Co)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)、モリブデン(Mo)、スズ(Sn)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)およびタングステン(W)からなる群のうちの少なくとも1種を表す。f、g、h、jおよびkは、0.8≦f≦1.2、0<g<0.5、0≦h≦0.5、g+h<1、−0.1≦j≦0.2、0≦k≦0.1の範囲内の値である。なお、リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、fの値は完全放電状態における値を表している。)
LimNi(1-n)M2n(2-p)q・・・(2)
(式中、M2は、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、スズ(Sn)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)およびタングステン(W)からなる群のうちの少なくとも1種を表す。m、n、pおよびqは、0.8≦m≦1.2、0.005≦n≦0.5、−0.1≦p≦0.2、0≦q≦0.1の範囲内の値である。なお、リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、mの値は完全放電状態における値を表している。)
LirCo(1-s)M3s(2-t)u・・・(3)
(式中、M3は、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、スズ(Sn)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)およびタングステン(W)からなる群のうちの少なくとも1種を表す。r、s、tおよびuは、0.8≦r≦1.2、0≦s<0.5、−0.1≦t≦0.2、0≦u≦0.1の範囲内の値である。なお、リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、rの値は完全放電状態における値を表している。)
LivMn2-wM4wxy・・・(4)
(式中、M4は、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、スズ(Sn)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)およびタングステン(W)からなる群のうちの少なくとも1種を表す。v、w、xおよびyは、0.9≦v≦1.1、0≦w≦0.6、3.7≦x≦4.1、0≦y≦0.1の範囲内の値である。なお、リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、vの値は完全放電状態における値を表している。)
LizM5PO4・・・(5)
(式中、M5は、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、タングステン(W)およびジルコニウム(Zr)からなる群のうちの少なくとも1種を表す。zは、0.9≦z≦1.1の範囲内の値である。なお、リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、zの値は完全放電状態における値を表している。)
リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料としては、これらの他にも、MnO2、V25、V613、NiS、MoSなどのリチウムを含まない無機化合物も挙げられる。
以下に、本技術に係る第1の実施形態の電極がリチウムイオン二次電池用の負極である場合について、詳細に説明をする。
本技術に係る第1の実施形態の電極(負極)は、例えば、負極集電体の両面に負極活物質層が設けられた構造を有している。なお、負極集電体の片面のみに負極活物質層を設けるようにしてもよい。負極集電体は、例えば、銅箔などの金属箔により構成されている。
負極活物質層は、負極活物質として、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料のいずれか1種または2種以上を含んで構成されている。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、例えば、難黒鉛化性炭素、易黒鉛化性炭素、黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成体、炭素繊維あるいは活性炭などの炭素系材料が挙げられる。このうち、コークス類には、ピッチコークス、ニードルコークスあるいは石油コークスなどがある。有機高分子化合物焼成体というのは、フェノール樹脂やフラン樹脂などの高分子材料を適当な温度で焼成して炭素化したものをいい、一部には難黒鉛化性炭素または易黒鉛化性炭素に分類されるものもある。また、高分子材料としてはポリアセチレンあるいはポリピロールなどがある。これら炭素系材料は、充放電時に生じる結晶構造の変化が非常に少なく、高い充放電容量を得ることができると共に、良好なサイクル特性を得ることができるので好ましい。特に黒鉛は、電気化学当量が大きく、高いエネルギー密度を得ることができ好ましい。また、難黒鉛化性炭素は、優れた特性が得られるので好ましい。更にまた、充放電電位が低いもの、具体的には充放電電位がリチウム金属に近いものが、電池の高エネルギー密度化を容易に実現することができるので好ましい。
また、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、リチウムを吸蔵および放出することが可能であり、金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として含む材料も挙げられる。このような材料を用いれば、高いエネルギー密度を得ることができるからである。特に、炭素系材料と共に用いるようにすれば、高エネルギー密度を得ることができると共に、優れたサイクル特性を得ることができるのでより好ましい。この負極材料は金属元素あるいは半金属元素の単体でも合金でも化合物でもよく、またこれらの1種または2種以上の相を少なくとも一部に有するようなものでもよい。なお、この発明において、合金には2種以上の金属元素からなるものに加えて、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とを含むものも含める。また、非金属元素を含んでいてもよい。その組織には固溶体、共晶(共融混合物)、金属間化合物あるいはそれらのうちの2種以上が共存するものがある。
この負極材料を構成する金属元素あるいは半金属元素としては、例えば、マグネシウム(Mg)、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、カドミウム(Cd)、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)、パラジウム(Pd)あるいは白金(Pt)が挙げられる。これらは結晶質のものでもアモルファスのものでもよい。
なかでも、この負極材料としては、短周期型周期表における4B族の金属元素あるいは半金属元素を構成元素として含むものが好ましく、特に好ましいのはケイ素(Si)およびスズ(Sn)の少なくとも一方を構成元素として含むものである。ケイ素(Si)およびスズ(Sn)は、リチウム(Li)を吸蔵および放出する能力が大きく、高いエネルギー密度を得ることができるからである。
スズ(Sn)の合金としては、例えば、スズ(Sn)以外の第2の構成元素として、ケイ素(Si)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、銀(Ag)、チタン(Ti)、ゲルマニウム(Ge)、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)、およびクロム(Cr)からなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。ケイ素(Si)の合金としては、例えば、ケイ素(Si)以外の第2の構成元素として、スズ(Sn)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、銀(Ag)、チタン(Ti)、ゲルマニウム(Ge)、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)およびクロム(Cr)からなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。
スズ(Sn)の化合物あるいはケイ素(Si)の化合物としては、例えば、酸素(O)あるいは炭素(C)を含むものが挙げられ、スズ(Sn)またはケイ素(Si)に加えて、上述した第2の構成元素を含んでいてもよい。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、更に、他の金属化合物あるいは高分子材料が挙げられる。他の金属化合物としては、MnO2、V25、V613などの酸化物、NiS、MoSなどの硫化物、あるいはLiN3などのリチウム窒化物が挙げられ、高分子材料としてはポリアセチレン、ポリアニリンあるいはポリピロールなどが挙げられる。
また、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、LTO系材料(リチウムチタン複合酸化物)が挙げられる。
<3.第2の実施形態(電池の例)>
本技術に係る第2の実施形態(電池の例)の電池は、本技術に係る第1の実施形態の電極を少なくとも備える、電池である。
本技術に係る第2の実施形態の電池は、正極に対して、本技術に係る第1の実施形態の電極を適用してもよいし、負極に対して、本技術に係る第1の実施形態の電極を適用してもよい。また、本技術に係る第2の実施形態の電池は、正極及び負極の両方に対して、本技術に係る第1の実施形態の電極を適用してもよい。
本技術に係る第2の実施形態の電池は、電極反応物質の種類等は特に限定されないが、例えば、リチウムイオン二次電池である。以下に、本技術に係る第2の実施形態の電池がリチウムイオン二次電池である場合について、詳細に説明をする。
本技術に係る第2の実施形態の電池は、上記で説明をした正極及び負極の他に、セパレータを備えることができる。セパレータは、正極と負極とを隔離し、両極の接触による電流の短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるものである。セパレータは、例えばポリプロピレンあるいはポリエチレンなどのポリオレフィン系の材料よりなる多孔質膜、またはセラミック製の不織布などの無機材料よりなる多孔質膜により構成されており、これら2種以上の多孔質膜を積層した構造とされていてもよい。
セパレータには、液状の電解質である電解液が含浸されている。この電解液は、例えば、溶媒と、電解質塩であるリチウム塩とを含んで構成されている。溶媒は、電解質塩を溶解し解離させるものである。また、溶媒として、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)といった環状炭酸エステル;ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジプロピルカーボネート(DPC)、プロピルメチルカーボネート(PMC)、プロピルエチルカーボネート(PEC)といった鎖状炭酸エステル;テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン(2−MeTHF)、1,3ジオキソラン(DOL)、4−メチル−1,3ジオキソラン(4−MeDOL)といった環状エーテル;1,2ジメトキシエタン(DME)、1,2ジエトキシエタン(DEE)といった鎖状エーテル;γ−ブチロラクトン(GBL)、γ−バレロラクトン(GVL)といった環状エステル;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、酪酸メチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピルといった鎖状エステルを挙げることができる。あるいは又、有機溶媒として、テトラヒドロピラン、1,3ジオキサン、1,4ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、N−メチルピロリジノン(NMP)、N−メチルオキサゾリジノン(NMO)、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン(DMI)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、トリメチルホスフェート(TMP)、ニトロメタン(NM)、ニトロエタン(NE)、スルホラン(SL)、メチルスルホラン、アセトニトリル(AN)、アニソール、プロピオニトリル、グルタロニトリル(GLN)、アジポニトリル(ADN)、メトキシアセトニトリル(MAN)、3−メトキシプロピオニトリル(MPN)、ジエチルエーテルを挙げることができる。あるいは又、イオン液体を用いることもできる。イオン液体として、従来公知のものを用いることができ、必要に応じて選択すればよい。
リチウム塩としては、例えば、LiPF6、LiClO4、LiBF4、LiAsF6、LiSbF6、LiTaF6、LiNbF6、LiAlCl4、LiCF3SO3、LiCH3SO3、LiN(CF3SO22、LiC(CF3SO23、LiC49SO3、Li(FSO22N、Li(CF3SO22N、Li(C25SO22N、Li(CF3SO23C、LiBF3(C25)、LiB(C242、LiB(C654、LiPF3(C253、1/2Li21212、Li2SiF6、LiCl、LiBr、LiIを挙げることができるが、
本技術に係る第2の実施形態の電池は、正極と負極とを、セパレータを間にして積層した積層電極体又は、正極と負極とをセパレータを間にして積層した後、さらに、巻回した巻回電極体と、積層電極体又は巻回電極体を収容する外装体とから構成されてよい。
本技術に係る第2の実施形態の電池は、充電の途中において負極にリチウム金属が析出しないようにすれば、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料の電気化学当量は、正極材料の電気化学当量よりも大きくてもよいし、小さくてもよい。
また、本技術に係る第2の実施形態の電池は、完全充電時における開回路電圧(すなわち電池電圧)が、例えば4.2V以上4.6V以下の範囲内になるように設計されてよい。
本技術に係る第2の実施形態の電池は、電解質層を備えていてもよく、その場合は正極と負極とを、セパレータと、さらに、電解質層とを間にして積層した積層電極体又は、正極と負極とを、セパレータと、さらに、電解質層とを間にして積層した後、さらに、巻回した巻回電極体と、積層電極体又は巻回電極体を収容する外装体とから構成されてよい。
電解質層は、電解液が高分子化合物により保持されたものであり、必要に応じて、各種添加剤などの他の材料を含んでいてもよい。この電解質層は、例えば、いわゆるゲル状の電解質である。ゲル状の電解質は、高いイオン伝導率(例えば、室温で1mS/cm以上)が得られると共に電解液の漏液が防止されるので好ましい。
高分子化合物としては、例えば、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリフォスファゼン、ポリシロキサン、ポリフッ化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリル−ブタジエンゴム、ポリスチレン、ポリカーボネート、またはフッ化ビニリデンとヘキサフルオロピレンとの共重合体などが挙げられる。これらは単独でもよいし、複数種が混合されてもよい。中でも、ポリフッ化ビニリデン、またはフッ化ビニリデンとヘキサフルオロピレンとの共重合体が好ましい。電気化学的に安定だからである。
外装体は、上記で述べた積層電極体又は巻回電極体を収容することができれば特に限定されないが、例えば、ラミネートフィルム型のリチウムイオン二次電池を構成するラミネート材料を含む外装部材、円筒型又は角型のリチウムイオン二次電池を構成する電池缶等が挙げられる。
ラミネート材料は、例えば、融着層、金属層および表面保護層がこの順に積層されたラミネートフィルムである。融着層は、例えば、ポリエチレンまたはポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂などで構成される。金属層は、例えば、アルミニウムなどで構成される。表面保護層は、例えば、ナイロンまたはポリエチレンテレフタレートなどで構成される。外装体は、他の積層構造を有するラミネートフィルムでもよく、高分子フィルム単体または金属フィルム単体でもよい。
電池缶は、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、これらの合金、ステンレス鋼(SUS)等の材料から構成されてよい。電池缶には、リチウムイオン二次電池の充放電に伴う電気化学的な腐食を防止するために、例えばニッケル等のメッキが施されていてもよい。
次に、本技術に係る第2の実施形態の電池(リチウムイオン二次電池)の製造方法の一例について説明をする。なお、下記の製造方法の例は、本技術に係る第2の実施形態の電池が、正極に対して、本技術に係る第1の実施形態の電極を適用した場合の電池の製造方法について説明をする。
まず、正極を作製する。最初に、正極活物質と、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)とから構成されるバインダー(結着剤)と導電剤等とを混合して正極合剤としたのち、例えば、有機溶剤などに分散させてペースト状またはスラリー状の正極合剤スラリーとする。なお、ポリフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの合計質量に対して、ヘキサフルオロプロピレンの質量が、5質量%〜50質量%になるようにする。また、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)の質量に対する導電剤の質量の質量比(導電剤の質量/ヘキサフルオロプロピレンの質量)が0.095〜50になるようにする。
続いて、正極集電体の両面に正極合剤スラリーを均一に塗布してから乾燥させて、正極活物質層を形成する。最後に、必要に応じて加熱しながら、ロールプレス機などを用いて正極活物質層を圧縮成型する。なお、複数回に渡って圧縮成型を繰り返してもよい。
次に、負極を作製する。最初に、負極活物質と、必要に応じて結着剤および導電剤などとを混合して負極合剤としたのち、例えば、有機溶剤などに分散させてペースト状またはスラリー状の負極合剤スラリーとする。
こののち、負極集電体の両面に負極合剤スラリーを均一に塗布してから乾燥させて、負極活物質層を形成したのち、その負極活物質層を圧縮成型する。なお、複数回に渡って圧縮成型を繰り返してもよい。
上記のように作製した正極に正極リードを取り付けると共に、上記のように作製した負極に負極リードを取り付ける。続いて、両面にセパレータを介して正極と負極とを積層して固定部材を接着させて、積層電極体(電池素子)を作製する。
次に、一辺の外周縁部を除いた残りの外周縁部を熱融着などで接着させて、ラミネート材料を含む外装部材の内部に積層電極体を収納する。続いて、電解液を、袋状のラミネート材料を含む外装部材の内部に注入したのち、その外装部材の開口部を熱融着などで密封して、リチウムイオン二次電池を得ることができる。なお、正極および負極のそれぞれに、溶媒と、電解質塩と、高分子化合物と、混合溶剤とを含む前駆溶液を塗布し、混合溶剤を揮発させて電解質層を形成して、リチウムイオン二次電池を得てもよい。
また、本技術に係る第2の実施形態の電池(リチウムイオン二次電池)は、例えば、次のようにして製造することもできる。
上記のように、正極及び負極を作製して、次に、正極集電体に正極リードを溶接などにより取り付けると共に、負極集電体に負極リードを溶接などにより取り付ける。次に、正極と負極とをセパレータ23を介して巻回する。次に、正極リードの先端部を安全弁機構に溶接すると共に、負極リードの先端部を電池缶に溶接して、巻回した正極および負極を一対の絶縁板で挟み電池缶の内部に収納する。
次に、正極および負極を電池缶の内部に収納したのち、電解液を電池缶の内部に注入し、セパレータに含浸させる。次に、電池缶の開口端部に電池蓋、安全弁機構および熱感抵抗素子を、封口ガスケットを介してかしめることにより固定する。これにより、リチウムイオン二次電池が得られる。
<4.電池の用途>
本技術に係る電池の用途について下記に詳細に説明する。
<4−1.電池の用途の概要>
本技術に係る電池の用途は、その電池を駆動用の電源または電力蓄積用の電力貯蔵源などとして利用可能な機械、機器、器具、装置およびシステム(複数の機器などの集合体)などであれば、特に限定されない。電源として使用される電池は、主電源(優先的に使用される電源)でもよいし、補助電源(主電源に代えて、または主電源から切り換えて使用される電源)でもよい。本技術に係る電池を補助電源として利用する場合には、主電源の種類は電池及び電池モジュールに限られない。
電池の用途は、例えば、以下の通りである。ノート型パーソナルコンピュータ、タブレット型コンピュータ、携帯電話(例えばスマートフォンなど)、携帯情報端末(Personal Digital Assistants:PDA)、撮像装置(例えばデジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラなど)、オーディオ機器(例えばポータブルオーディオプレイヤー)、ゲーム機器、コードレスフォン子機、電子書籍、電子辞書、ラジオ、ヘッドホン、ナビゲーションシステム、メモリーカード、ペースメーカー、補聴器、照明機器、玩具、医療機器、ロボットなどの電子機器(携帯用電子機器を含む)である。電気シェーバなどの携帯用生活器具である。バックアップ電源およびメモリーカードなどの記憶用装置である。電動ドリルおよび電動鋸などの電動工具である。着脱可能な電源としてノート型パソコンなどに用いられる電池パックである。ペースメーカーおよび補聴器などの医療用電子機器である。電気自動車(ハイブリッド自動車を含む)などに用いられる車両である。非常時などに備えて電力を蓄積しておく家庭用バッテリシステムなどの蓄電システムである。勿論、上記以外の用途でもよい。
本技術に係る電池は、電池パック、車両、蓄電システム、電動工具、及び電子機器に適用されることが特に有効である。優れた電池特性や優れた信頼性が要求されるため、本技術に電池を用いることで、有効に、性能の向上を図ることができるからである。なお、電池パックは、本技術に係る電池を用いた電源であり、いわゆる組電池などである。車両は、本技術に係る電池を駆動用電源として作動(走行)する車両であり、上記したように、本技術に係る電池以外の駆動源を併せて備えた自動車(ハイブリッド自動車など)でもよい。蓄電システムは、例えば、住宅用の蓄電システムが挙げられ、本技術に係る電池を電力貯蔵源として用いるシステムである。蓄電システムでは、電力貯蔵源である本技術に係る電池に電力が蓄積されているため、その電力を利用して電力消費装置、例えば、家庭用の電気製品が使用可能になる。電動工具は、本技術に係る電池を駆動用の電源として可動部(例えばドリルなど)が可動する工具である。電子機器は、本技術に係る電池を駆動用の電源(電力供給源)として各種機能を発揮する機器である。
次に、本技術に係る電池のいくつかの適用例について具体的に説明する。なお、以下で説明する各適用例の構成はあくまで一例であるため、適宜変更可能である。
<4−2.第3の実施形態(電池パックの例)>
本技術に係る第3の実施形態の電池パックは、本技術に係る第2の実施形態の電池を備える。例えば、本技術に係る第3の実施形態の電池パックは、本技術に係る第2の実施形態の電池と、電池の使用状態を制御する制御部と、制御部の指示に応じて、電池の使用状態を切り換えるスイッチ部と、を備える、電池パックである。本技術に係る第3の実施形態の電池パックは、優れた電池特性や優れた信頼性を有する本技術に係る第2の実施形態の電池を備えているので、電池パックの性能や信頼性の向上につながる。
以下に、本技術に係る第3の実施形態の電池パックについて、図面を参照しながら説明する。
図1は、電池パックのブロック構成を表している。この電池パックは、例えば、プラスチック材料などにより形成された筐体60の内部に、制御部61と、電源62と、スイッチ部63と、電流測定部64と、温度検出部65と、電圧検出部66と、スイッチ制御部67と、メモリ68と、温度検出素子69と、電流検出抵抗70と、正極端子71および負極端子72とを備えている。
制御部61は、電池パック全体の動作(電源62の使用状態を含む)を制御するものであり、例えば、中央演算処理装置(CPU)などを含んでいる。電源62は、1または2以上の電池(図示せず)を含んでいる。この電源62は、例えば、2以上の電池を含む組電池であり、それらの電池の接続形式は、直列でもよいし、並列でもよいし、双方の混合型でもよい。一例を挙げると、電源62は、2並列3直列となるように接続された6つの電池を含んでいる。
スイッチ部63は、制御部61の指示に応じて電源62の使用状態(電源62と外部機器との接続の可否)を切り換えるものである。このスイッチ部63は、例えば、充電制御スイッチ、放電制御スイッチ、充電用ダイオードおよび放電用ダイオード(いずれも図示せず)などを含んでいる。充電制御スイッチおよび放電制御スイッチは、例えば、金属酸化物半導体を用いた電界効果トランジスタ(MOSFET)などの半導体スイッチである。
電流測定部64は、電流検出抵抗70を用いて電流を測定して、その測定結果を制御部61に出力するものである。温度検出部65は、温度検出素子69を用いて温度を測定して、その測定結果を制御部61に出力するようになっている。この温度測定結果は、例えば、異常発熱時において制御部61が充放電制御を行う場合や、制御部61が残容量の算出時において補正処理を行う場合などに用いられる。電圧検出部66は、電源62中における電池の電圧を測定して、その測定電圧をアナログ−デジタル変換して制御部61に供給するものである。
スイッチ制御部67は、電流測定部64および電圧検出部66から入力される信号に応じて、スイッチ部63の動作を制御するものである。
このスイッチ制御部67は、例えば、電池電圧が過充電検出電圧に到達した場合に、スイッチ部63(充電制御スイッチ)を切断して、電源62の電流経路に充電電流が流れないように制御する。これにより、電源62では、放電用ダイオードを介して放電のみが可能になる。なお、スイッチ制御部67は、例えば、充電時に大電流が流れた場合に、充電電流を遮断するようになっている。
また、スイッチ制御部67は、例えば、電池電圧が過放電検出電圧に到達した場合に、スイッチ部63(放電制御スイッチ)を切断して、電源62の電流経路に放電電流が流れないようにする。これにより、電源62では、充電用ダイオードを介して充電のみが可能になる。なお、スイッチ制御部67は、例えば、放電時に大電流が流れた場合に、放電電流を遮断するようになっている。
なお、電池では、例えば、過充電検出電圧は4.2V±0.05Vであり、過放電検出電圧は2.4V±0.1Vである。
メモリ68は、例えば、不揮発性メモリであるEEPROMなどである。このメモリ68には、例えば、制御部61により演算された数値や、製造工程段階において測定された電池の情報(例えば初期状態の内部抵抗)などが記憶されている。なお、メモリ68に電池の満充電容量を記憶させておけば、制御部61が残容量などの情報を把握可能になる。
温度検出素子69は、電源62の温度を測定すると共にその測定結果を制御部61に出力するものであり、例えば、サーミスタなどである。
正極端子71および負極端子72は、電池パックを用いて稼働される外部機器(例えばノート型のパーソナルコンピュータなど)や、電池パックを充電するために用いられる外部機器(例えば充電器など)などに接続される端子である。電源62の充放電は、正極端子71および負極端子72を介して行われる。
<4−3.第4の実施形態(車両の例)>
本技術に係る第4の実施形態の車両は、本技術に係る第2の実施形態の電池と、電池から供給された電力を駆動力に変換する駆動力変換装置と、駆動力に応じて駆動する駆動部と、車両制御装置と、を備える、車両である。本技術に係る第4の実施形態の車両は、優れた電池特性や優れた信頼性を有する本技術に係る第2の実施形態の電池を備えているので、車両の性能や信頼性の向上につながる。
以下に、本技術に係る第4の実施形態の車両について、図2を参照しながら説明する。
図2に、本技術が適用されるシリーズハイブリッドシステムを採用するハイブリッドの車両の構成の一例を概略的に示す。シリーズハイブリッドシステムはエンジンで動かす発電機で発電された電力、あるいはそれをバッテリーに一旦貯めておいた電力を用いて、電力駆動力変換装置で走行する車である。
このハイブリッド車両7200には、エンジン7201、発電機7202、電力駆動力変換装置7203、駆動輪7204a、駆動輪7204b、車輪7205a、車輪7205b、バッテリー7208、車両制御装置7209、各種センサ7210、充電口7211が搭載されている。バッテリー7208に対して、蓄電装置(不図示)が適用される。
ハイブリッド車両7200は、電力駆動力変換装置7203を動力源として走行する。電力駆動力変換装置7203の一例は、モータである。バッテリー7208の電力によって電力駆動力変換装置7203が作動し、この電力駆動力変換装置7203の回転力が駆動輪7204a、7204bに伝達される。なお、必要な個所に直流−交流(DC−AC)あるいは逆変換(AC−DC変換)を用いることによって、電力駆動力変換装置7203が交流モータでも直流モータでも適用可能である。各種センサ7210は、車両制御装置7209を介してエンジン回転数を制御したり、図示しないスロットルバルブの開度(スロットル開度)を制御したりする。各種センサ7210には、速度センサ、加速度センサ、エンジン回転数センサなどが含まれる。
エンジン7201の回転力は発電機7202に伝えられ、その回転力によって発電機7202により生成された電力をバッテリー7208に蓄積することが可能である。
図示しない制動機構によりハイブリッド車両が減速すると、その減速時の抵抗力が電力駆動力変換装置7203に回転力として加わり、この回転力によって電力駆動力変換装置7203により生成された回生電力がバッテリー7208に蓄積される。
バッテリー7208は、ハイブリッド車両の外部の電源に接続されることで、その外部電源から充電口211を入力口として電力供給を受け、受けた電力を蓄積することも可能である。
図示しないが、電池に関する情報に基づいて車両制御に関する情報処理を行なう情報処理装置を備えていてもよい。このような情報処理装置としては、例えば、電池の残量に関する情報に基づき、電池残量表示を行う情報処理装置などがある。
なお、以上は、エンジンで動かす発電機で発電された電力、或いはそれをバッテリーに一旦貯めておいた電力を用いて、モータで走行するシリーズハイブリッド車を例として説明した。しかしながら、エンジンとモータの出力がいずれも駆動源とし、エンジンのみで走行、モータのみで走行、エンジンとモータ走行という3つの方式を適宜切り替えて使用するパラレルハイブリッド車に対しても本技術は有効に適用可能である。さらに、エンジンを用いず駆動モータのみによる駆動で走行する所謂、電動車両に対しても本技術は有効に適用可能である。
<4−4.第5の実施形態(蓄電システムの例)>
本技術に係る第5の実施形態の蓄電システムは、本技術に係る第2の実施形態の電池を有する蓄電装置と、電池から電力が供給される電力消費装置と、電池からの該電力消費装置に対する電力供給を制御する制御装置と、電池を充電する発電装置と、を備える、蓄電システムである。本技術に係る第5の実施形態の蓄電システムは、優れた電池特性や優れた信頼性を有する本技術に係る第2の実施形態の電池を備えているので、蓄電システムの性能や信頼性の向上につながる。
以下に、本技術に係る第7の実施形態の蓄電システムの1例である住宅用の蓄電システムについて、図3を参照しながら説明する。
例えば、住宅9001用の蓄電システム9100においては、火力発電9002a、原子力発電9002b、水力発電9002c等の集中型電力系統9002から電力網9009、情報網9012、スマートメータ9007、パワーハブ9008等を介し、電力が蓄電装置9003に供給される。これと共に、家庭内発電装置9004等の独立電源から電力が蓄電装置9003に供給される。蓄電装置9003に供給された電力が蓄電される。蓄電装置9003を使用して、住宅9001で使用する電力が給電される。住宅9001に限らずビルに関しても同様の蓄電システムを使用できる。
住宅9001には、発電装置9004、電力消費装置9005、蓄電装置9003、各装置を制御する制御装置9010、スマートメータ9007、各種情報を取得するセンサ9011が設けられている。各装置は、電力網9009および情報網9012によって接続されている。発電装置9004として、太陽電池、燃料電池等が利用され、発電した電力が電力消費装置9005および/または蓄電装置9003に供給される。電力消費装置9005は、冷蔵庫9005a、空調装置9005b、テレビジョン受信機9005c、風呂9005d等である。さらに、電力消費装置9005には、電動車両9006が含まれる。電動車両9006は、電気自動車9006a、ハイブリッドカー9006b、電気バイク9006cである。
蓄電装置9003に対して、上述した本技術に係る第2の実施形態の電池(バッテリユニット)が適用される。蓄電装置9003は、電池及び/又はキャパシタから構成されている。例えば、リチウムイオン二次電池によって構成されている。リチウムイオン二次電池は、定置型であっても、電動車両9006で使用されるものでもよい。スマートメータ9007は、商用電力の使用量を測定し、測定された使用量を、電力会社に送信する機能を備えている。電力網9009は、直流給電、交流給電、非接触給電の何れか一つまたは複数を組み合わせてもよい。
各種のセンサ9011は、例えば人感センサ、照度センサ、物体検知センサ、消費電力センサ、振動センサ、接触センサ、温度センサ、赤外線センサ等である。各種センサ9011により取得された情報は、制御装置9010に送信される。センサ9011からの情報によって、気象の状態、人の状態等が把握されて電力消費装置9005を自動的に制御してエネルギー消費を最小とすることができる。さらに、制御装置9010は、住宅9001に関する情報を、インターネットを介して外部の電力会社等に送信することができる。
パワーハブ9008によって、電力線の分岐、直流交流変換等の処理がなされる。制御装置9010と接続される情報網9012の通信方式としては、UART(Universal Asynchronous Receiver-Transmitter:非同期シリアル通信用送受信回路)等の通信インターフェースを使う方法、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Wi−Fi(登録商標)等の無線通信規格によるセンサーネットワークを利用する方法がある。Bluetooth(登録商標)方式は、マルチメディア通信に適用され、一対多接続の通信を行うことができる。ZigBee(登録商標)は、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers) 802.15.4の物理層を使用するものである。IEEE802.15.4は、PAN(Personal Area Network) またはW(Wireless)PANと呼ばれる短距離無線ネットワーク規格の名称である。
制御装置9010は、外部のサーバ9013と接続されている。このサーバ9013は、住宅9001、電力会社、サービスプロバイダーの何れかによって管理されていても良い。サーバ9013が送受信する情報は、たとえば、消費電力情報、生活パターン情報、電力料金、天気情報、天災情報、電力取引に関する情報である。これらの情報は、家庭内の電力消費装置(たとえばテレビジョン受信機)から送受信しても良いが、家庭外の装置(たとえば、携帯電話機等)から送受信してもよい。これらの情報は、表示機能を持つ機器、たとえば、テレビジョン受信機、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)等に、表示されてもよい。
各部を制御する制御装置9010は、CPU、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等で構成され、この例では、蓄電装置9003に格納されている。制御装置9010は、蓄電装置9003、家庭内発電装置9004、電力消費装置9005、各種センサ9011、サーバ9013と情報網9012により接続され、例えば、商用電力の使用量と、発電量とを調整する機能を有している。なお、その他にも、電力市場で電力取引を行う機能等を備えていてもよい。
以上のように、電力が火力9002a、原子力9002b、水力9002c等の集中型電力系統9002のみならず、家庭内発電装置9004(太陽光発電、風力発電)の発電電力を蓄電装置9003に蓄えることができる。したがって、家庭内発電装置9004の発電電力が変動しても、外部に送出する電力量を一定にしたり、または、必要なだけ放電するといった制御を行うことができる。例えば、太陽光発電で得られた電力を蓄電装置9003に蓄えると共に、夜間は料金が安い深夜電力を蓄電装置9003に蓄え、昼間の料金が高い時間帯に蓄電装置9003によって蓄電した電力を放電して利用するといった使い方もできる。
なお、この例では、制御装置9010が蓄電装置9003内に格納される例を説明したが、スマートメータ9007内に格納されてもよいし、単独で構成されていてもよい。さらに、蓄電システム9100は、集合住宅における複数の家庭を対象として用いられてもよいし、複数の戸建て住宅を対象として用いられてもよい。
<4−5.第6の実施形態(電動工具の例)>
本技術に係る第6の実施形態の電動工具は、本技術に係る第2の実施形態の電池と、電池から電力が供給される可動部とを備える、電動工具である。本技術に係る第6の実施形態の電動工具は、優れた電池特性や優れた信頼性を有する本技術に係る第2の実施形態の電池を備えているので、電動工具の性能や信頼性の向上につながる。
以下に、本技術に係る第6の実施形態の電動工具について、図4を参照しながら説明する。
図4は、電動工具のブロック構成を表している。この電動工具は、例えば、電動ドリルであり、プラスチック材料などにより形成された工具本体98の内部に、制御部99と、電源100とを備えている。この工具本体98には、例えば、可動部であるドリル部101が稼働(回転)可能に取り付けられている。
制御部99は、電動工具全体の動作(電源100の使用状態を含む)を制御するものであり、例えば、CPUなどを含んでいる。電源100は、1または2以上の電池(図示せず)を含んでいる。この制御部99は、図示しない動作スイッチの操作に応じて、電源100からドリル部101に電力を供給するようになっている。
<4−6.第7の実施形態(電子機器の例)>
本技術に係る第7の実施形態の電子機器は、本技術に係る第2の実施形態の電池を備え、電池から電力の供給を受ける、電子機器である。上述したように、本技術に係る第7の実施形態の電子機器は、電池を駆動用の電源(電力供給源)として各種機能を発揮する機器である。本技術に係る第7の実施形態の電子機器は、優れた電池特性や優れた信頼性を有する本技術に係る第2の実施形態の電池を備えているので、電子機器の性能や信頼性の向上につながる。
以下に、本技術に係る第7の実施形態の電子機器について、図5を参照しながら説明する。
本技術の第7の実施形態に係る電子機器400の構成の一例について説明する。電子機器400は、電子機器本体の電子回路401と、電池パック300とを備える。電池パック300は、正極端子331aおよび負極端子331bを介して電子回路401に対して電気的に接続されている。電子機器400は、例えば、ユーザにより電池パック300を着脱自在な構成を有している。なお、電子機器400の構成はこれに限定されるものではなく、ユーザにより電池パック300を電子機器400から取り外しできないように、電池パック300が電子機器400内に内蔵されている構成を有していてもよい。
電池パック300の充電時には、電池パック300の正極端子331a、負極端子331bがそれぞれ、充電器(図示せず)の正極端子、負極端子に接続される。一方、電池パック300の放電時(電子機器400の使用時)には、電池パック300の正極端子331a、負極端子331bがそれぞれ、電子回路401の正極端子、負極端子に接続される。
電子機器400としては、例えば、ノート型パーソナルコンピュータ、タブレット型コンピュータ、携帯電話(例えばスマートフォンなど)、携帯情報端末(PDA)、撮像装置(例えばデジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラなど)、オーディオ機器(例えばポータブルオーディオプレイヤー)、ゲーム機器、コードレスフォン子機、電子書籍、電子辞書、ラジオ、ヘッドホン、ナビゲーションシステム、メモリーカード、ペースメーカー、補聴器、照明機器、玩具、医療機器、ロボットなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。具体例として、頭部装着型ディスプレイ及びバンド型電子機器を説明すると、頭部装着型ディスプレイは、画像表示装置、画像表示装置を観察者の頭部に装着するための装着装置、及び画像表示装置を装着装置に取り付けるための取付け部材を備え、本技術に係る第2の実施形態の電池を駆動用の電源とした電子機器であり、バンド型電子機器は、バンド状に連結される複数のセグメントと、複数のセグメント内に配置される複数の電子部品と、複数のセグメント内の複数の電子部品を接続し、少なくとも1つのセグメント内に蛇行形状で配置されるフレキシブル回路基板と、を備え、上記電子部品として、例えば、本技術に係る第2の実施形態の電池が、上記セグメントに配される電子機器である。
電子回路401は、例えば、CPU、周辺ロジック部、インターフェース部および記憶部などを備え、電子機器400の全体を制御する。
電池パック300は、組電池301と、充放電回路302とを備える。組電池301は、複数の電池301aを直列および/または並列に接続して構成されている。複数の電池301aは、例えばn並列m直列(n、mは正の整数)に接続される。なお、図5では、6つの電池301aが2並列3直列(2P3S)に接続された例が示されている。電池301aとしては、第2の実施形態の電池が用いられてよい。
充電時には、充放電回路302は、組電池301に対する充電を制御する。一方、放電時(すなわち電子機器400の使用時)には、充放電回路302は、電子機器400に対する放電を制御する。
以下に、実施例を挙げて、本技術の効果について具体的に説明をする。なお、本技術の範囲は実施例に限定されるものではない。
この実施例における空孔率、電極密度(電極活物質層の密度)、平均細孔径(平均孔径)、電極活物質の平均粒径(D50)、平均曲路率、剥離強度及び放電負荷特性の測定方法は以下のとおりである。
[空孔率]
空孔率は(1−(電極活物質層密度/電極活物質層真密度))×100により算出した。電極活物質層真密度は、電極活物質層中に存在する電極活物質、導電剤及びバインダーの密度にそれぞれの組成比を乗じたものの総和である。なお、電極活物質層の密度は下記に従って算出した。
[電極密度(電極活物質層の密度)]
集電体(集電箔でもよい。)と、集電体の片面に塗布した電極とをΦ15mmの円形に打ち抜き、集電体及び電極の重量と厚さとを測定した。その後、下式により電極密度を測定した。
(電極密度)=(電極重量-集電体重量)÷(Π*0.75*0.75)÷(電極厚さ-集電体厚さ)。
[平均細孔径(平均孔径)]
平均細孔径は以下のようにして求めた。
細孔径分布を得るため、Micromeritics Instrument Corporation製オートポアIV9500シリーズ[V1.0]により0.2PSIA〜60000PSIAの圧力範囲で水銀圧入試験をおこなった。得られた細孔容積と比表面積とから平均細孔径を算出した。平均細孔径は(4×総細孔容積)/比表面積により算出した。
[電極活物質の平均粒径(D50)]
D50とは、粒子サイズが、最小である粒子から最大である粒子の順序に累積させた分布曲線において、全体粒子個数を100%にしたとき最小粒子から50%に該当する粒径を意味する。D50は、当業者に周知の方法で測定され、例えば、粒度分析機で測定したり、TEM(透過型電子顕微鏡)写真またはSEM(走査型電子顕微鏡)写真から測定したりすることができる。他の方法の例としては、動的光散乱法を利用した測定装置を用いて測定した後、データ分析を実施し、それぞれのサイズ範囲に対して、粒子数を計数し、それによって、計算を介してD50を容易に得ることができる。
[平均曲路率]
平均曲路率は以下のように算出した。まずFEI社製Helios 400SによりFIBでの断面出し加工とSEMによる断面像取得を繰り返し、取得した像を再構築することで立体的な構造モデルを得た。得られた構造モデルをMath2Market社製GeoDictにより電極活物質、導電剤及びバインダー部と空隙部とに二値化し、曲路率を算出した。
[剥離強度]
剥離強度はInstron社製5564型引っ張り試験機により180°剥離試験を行い測定した。幅50mm、長さ150mmのSUS板中央に幅25mm、長さ100mmの両面粘着テープ(Dexerials社製G9000)を貼り、幅25mm、長さ50mmの電極を活物質層と両面粘着テープが接着するように張り付けた。試験片の一端を3mm剥離し、幅25mm、長さ100mmの紙片と繋ぎ合わせ、紙片を引っ張り試験機のチャックに固定した。引っ張り角度が180°となるように引張速度100mm/minで紙片を引っ張り、測定開始20mmから50mmの荷重の平均を剥離強度(mN/mm)とした。
[放電負荷特性]
充電上限電圧4.5V、充電電流0.2C、放電終了電圧3.0V、温度23℃において、放電電流レート0.2C及び0.5Cの条件で、リチウムイオン電池の放電容量を測定し、0.2Cに対する0.5Cの容量を放電負荷特性とした。
<実施例1>
正極として、94.8質量%のLiCoO、5.18質量%のバインダー(結着剤)、及び0.025質量%のケッチェンブラック(導電剤)を所定量のNMP(N−メチル−2−ピロリドン)と混合し、自公転式ミキサーにて混練し、分散することで正極合剤塗料を得た。なお、バインダーは、95質量%のポリフッ化ビニリデン(PVdF)と5質量%のヘキサフルオロプロピレン(HFP)とから構成されている。この正極合剤塗料を厚さ15μmのアルミニウム箔に塗布し、120℃で乾燥後、正極活物質層を形成し、ハンドプレス機にて3.9g/ccになるまで圧力をかけた上、真空乾燥することで正極を作製した。
負極としてはLi金属箔を使用した。セパレータとしてはポリエチレン製25μm厚みの微多孔フィルムを使用した。タブを付した前述の正極及び負極でセパレータをはさみ、電解液を注液した上、ラミネートで真空シールすることにより、単極ラミネートセルを作製した。
実施例1で作製した正極を用いて、空孔率、電極密度(電極活物質層の密度)、平均細孔径(平均孔径)、電極活物質の平均粒径(D50)、平均曲路率、及び剥離強度の測定をした。結果を下記の表1に示す。また、実施例1で作製した単極ラミネートセルを用いて、放電負荷特性の測定をした。結果を下記の表1に示す。なお、表1並びに後述する表2及び表3に記載の「導電剤量/HFP量」は、「電極活物質層(正極活物質層)の全質量に対する導電剤の質量(電極活物質層(正極活物質層)中の導電剤の質量%)/電極活物質層(正極活物質層)の全質量に対するHFPの質量(電極活物質層(正極活物質層)中のHFPの質量%)」を意味する。
<実施例2〜実施例37及び比較例1〜4>
実施例2〜20については、下記の表1に記載されている、LiCoO、バインダー(結着剤)、ケッチェンブラック(導電剤)、及びヘキサフルオロプロピレン(HFP)(ポリフッ化ビニリデン(PVdF))の量、並びに導電剤量/HFP量にした以外は、実施例1に記載されている方法と全く同様な方法で、正極及び単極ラミネートセルを作製した。
実施例2〜20で作製した、それぞれの正極を用いて、空孔率、電極密度(電極活物質層の密度)、平均細孔径(平均孔径)、電極活物質の平均粒径(D50)、平均曲路率、及び剥離強度の測定をした。結果を下記の表1に示す。また、実施例2〜20で作製した、それぞれの単極ラミネートセルを用いて、放電負荷特性の測定をした。結果を下記の表1に示す。
実施例21〜37については、下記の表2に記載されている、LiCoO、バインダー(結着剤)、ケッチェンブラック(導電剤)及びヘキサフルオロプロピレン(HFP)(ポリフッ化ビニリデン(PVdF))の量、並びに導電剤量/HFP量にした以外は、実施例1に記載されている方法と全く同様な方法で、正極及び単極ラミネートセルを作製した。
実施例21〜37で作製した、それぞれの正極を用いて、空孔率、電極密度(電極活物質層の密度)、平均細孔径(平均孔径)、電極活物質の平均粒径(D50)、平均曲路率、及び剥離強度の測定をした。結果を下記の表2に示す。また、実施例21〜37で作製した、それぞれの単極ラミネートセルを用いて、放電負荷特性の測定をした。結果を下記の表2に示す。
比較例1〜4は、下記の表3に記載されている、LiCoO、バインダー(結着剤)、ケッチェンブラック(導電剤)及びヘキサフルオロプロピレン(HFP)(ポリフッ化ビニリデン(PVdF))の量、並びに導電剤量/HFP量にした以外は、実施例1に記載されている方法と全く同様な方法で、正極及び単極ラミネートセルを作製した。
比較例1〜4で作製した、それぞれの正極を用いて、空孔率、電極密度(電極活物質層の密度)、平均細孔径(平均孔径)、電極活物質の平均粒径(D50)、平均曲路率、及び剥離強度の測定をした。結果を下記の表3に示す。また、比較例1〜4で作製した、それぞれの単極ラミネートセルを用いて、放電負荷特性の測定をした。結果を下記の表3に示す。
表1〜表3から明らかなように、実施例1〜37で作製された正極を用いた単極ラミネートセルは、比較例1〜4で作製された正極を用いた単極ラミネートセルに対して、良好な放電負荷特性を有した。HFP量が5質量〜50質量%であり、該ヘキサフルオロプロピレンの質量に対する該導電剤の質量比が0.095〜50であることで、イオン導電性が向上し、また機械的強度の低下も抑制できるため、放電負荷特性の優れた単極ラミネートセルが得られたと考えられる。また、電極活物質層の全体積に対して空孔が10体積%〜25体積%であることにより、電極活物質層の強度が維持されたと考えられる。
なお、本技術を負極に適用しても、又は正極と負極との両方に適用しても、本技術を正極に適用した上記の実施例と同様な結果が得られて、優れた放電負荷特性の効果が奏される。
以下に、応用例1〜5を挙げて、本技術について更に具体的に説明をする。
<応用例1:プリント回路基板>
本技術に係る電池は、図6に示すように、プリント回路基板1202(Print circuit board、以下「PCB」と称する。)上に充電回路等と共に実装することができる。例えば、PCB1202上に、本技術に係る電池(図6中では、本技術に係る電池のうち、二次電池1203を示す。以下同じ。)及び充電回路等の電子回路をリフロー工程でもって実装することができる。PCB1202上に二次電池1203及び充電回路等の電子回路が実装されたものを電池モジュール1201と称する。電池モジュール1201は、必要に応じてカード型の構成とされ、携帯可能なカード型モバイルバッテリとして構成することができる。
PCB1202上には、また、充電制御IC(Integrated Circuit)1204、電池保護IC1205及び電池残量監視IC1206が形成されている。電池保護IC1205は、充放電時に充電電圧が過大となったり、負荷短絡によって過電流が流れたり、過放電が生じることがないように充放電動作を制御する。
PCB1202に対してUSB(Universal Serial Bus)インターフェース1207が取り付けられている。USBインターフェース1207を通じて供給される電力によって二次電池1203が充電される。この場合、充電制御IC1204によって充電動作が制御される。さらに、PCB1202に取り付けられている負荷接続端子1208a及び1208bから負荷1209に対して所定の電力(例えば電圧が4.2V)が供給される。二次電池1203の電池残量が電池残量監視IC1206によって監視され、電池残量を表す表示(図示しない)が外部から分かるようになされる。なお、負荷接続のためにUSBインターフェース1207を使用してもよい。
上述した負荷1209の具体例は以下のようなものである。
A.ウェアラブル機器(スポーツウオッチ、時計、補聴器等)、
B.IoT端末(センサネットワーク端末等)、
C.アミューズメント機器(ポータブルゲーム端末、ゲームコントローラ)、
D.IC基板埋め込み電池(リアルタイムクロックIC)、
E.環境発電機器(太陽光発電、熱電発電、振動発電等の発電素子用の蓄電素子)。
<応用例2:ユニバーサルクレジットカード>
現在、複数枚のクレジットカードを持ち歩いている人が多い。しかしながら、クレジットカードの枚数が多くなるほど、紛失、盗難等の危険性が増す問題がある。そこで、複数枚のクレジットカードやポイントカードなどの機能を1枚のカードに集約した、ユニバーサルクレジットカードと呼ばれるカードが実用化されている。このカードの中には、例えば、様々なクレジットカードやポイントカードの番号や有効期限等の情報を取り込むことができるので、そのカード1枚を財布等の中の入れておけば、好きな時に好きなカードを選択して利用することができる。
図7はユニバーサルクレジットカード1301の構成の一例を示す。カード型形状を有し、ICチップ及び本技術に係る電池(不図示)が内蔵されている。さらに、小電力消費のディスプレイ1302及び操作部例えば方向キー1303a及び1303bが設けられている。さらに、充電用端子1304がユニバーサルクレジットカード1301の表面に設けられている。
例えば、ユーザはディスプレイ1302を見ながら方向キー1303a及び1303bを操作して予めユニバーサルクレジットカード1301にロードされているクレジットカード等を特定することができる。複数のクレジットカードが予めロードされている場合には、ディスプレイ1302に各クレジットカードを示す情報が表示され、ユーザが方向キー1303a及び1303bを操作して所望のクレジットカードを指定することができる。その後は、従来のクレジットカードと同様に使用することができる。なお、上記は一例であって、本技術による電池(不図示)は、ユニバーサルクレジットカード1301以外のあらゆる電子カードに適用可能であることは言うまでもない。
<応用例3:リストバンド型電子機器>
ウェアラブル端末の一例として、リストバンド型電子機器がある。その中でも、リストバンド型活動量計は、スマートバンドとも呼ばれ、腕に巻き付けておくのみで、歩数、移動距離、消費カロリー、睡眠量、心拍数などの人の活動に関するデータを取得することができるものである。さらに、取得されたデータをスマートフォンで管理することもできる。さらに、メールの送受信機能を備えることもでき、例えば、メールの着信をLED(Light Emitting Diode)ランプ及び/又はバイブレーションでユーザに知らせる通知機能を有するものが使用されている。
図8及び図9は、例えば脈拍を計測するリストバンド型活動量計の一例を示す。図8は、リストバンド型活動量計1501の外観の構成例を示している。図9は、リストバンド型活動量計1501の本体部1502の構成例を示している。
リストバンド型活動量計1501は、光学方式により被験者の例えば脈拍を計測するリストバンド型の計測装置である。図8に示されるように、リストバンド型活動量計1501は、本体部1502とバンド1503により構成され、腕時計のようにバンド1503が被験者の腕(手首)1504に装着される。そして、本体部1502が、所定の波長の計測光を被験者の腕1504の脈を含む部分に照射し、戻ってきた光の強度に基づいて、被験者の脈拍の計測を行う。
本体部1502は、基板1521、LED1522、受光IC1523、遮光体1524、操作部1525、演算処理部1526、表示部1527、及び無線装置1528を含むように構成される。LED1522、受光IC1523、及び、遮光体1524は、基板1521上に設けられている。LED1522は、受光IC1523の制御の下に、所定の波長の計測光を被験者の腕1504の脈を含む部分に照射する。
受光IC1523は、計測光が腕1504に照射された後に戻ってきた光を受光する。受光IC1523は、戻ってきた光の強度を示すデジタルの計測信号を生成し、生成した計測信号を演算処理部1526に供給する。
遮光体1524は、基板1521上においてLED1522と受光IC1523の間に設けられている。遮光体1524は、LED1522からの計測光が、受光IC1523に直接入射されることを防止する。
操作部1525は、例えば、ボタン、スイッチ等の各種の操作部材により構成され、本体部1502の表面等に設けられる。操作部1525は、リストバンド型活動量計1501の操作に用いられ、操作内容を示す信号を演算処理部1526に供給する。
演算処理部1526は、受光IC1523から供給される計測信号に基づいて、被験者の脈拍を計測するための演算処理を行う。演算処理部1526は、脈拍の計測結果を表示部1527及び無線装置1528に供給する。
表示部1527は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示装置により構成され、本体部1502の表面に設けられる。表示部1527は、被験者の脈拍の計測結果等を表示する。
無線装置1528は、所定の方式の無線通信により、被験者の脈拍の計測結果を外部の装置に送信する。例えば、図9に示されるように、無線装置1528は、被験者の脈拍の計測結果をスマートフォン1505に送信し、スマートフォン1505の画面1506に計測結果を表示させる。さらに、計測結果のデータがスマートフォン1505によって管理され、計測結果をスマートフォン1505によって閲覧したり、ネットワーク上のサーバに保存することが可能とされている。なお、無線装置1528の通信方式には、任意の方式を採用することができる。なお、受光IC1523は、被験者の腕1504以外の部位(例えば、指、耳たぶ等)において脈拍の計測を行う場合にも用いることができる。
上述したリストバンド型活動量計1501は、受光IC1523における信号処理によって、体動の影響を除去して、正確に被験者の脈波及び脈拍を計測することができる。例えば、被験者がランニング等の激しい運動を行っても、正確に被験者の脈波及び脈拍を計測することができる。また、例えば、被験者がリストバンド型活動量計1501を長時間装着して計測を行う場合にも、被験者の体動の影響を除去して、正確に脈波及び脈拍を計測し続けることができる。
また、演算量を削減することにより、リストバンド型活動量計1501の消費電力を下げることができる。その結果、例えば、充電や電池の交換を行わずに、リストバンド型活動量計1501を被験者に長時間装着して、計測を行うことが可能になる。
なお、電源として例えば薄型の電池がバンド1503内に収納されている。リストバンド型活動量計1501は、本体の電子回路と、電池パックを備える。例えばユーザにより電池パックが着脱自在な構成を有している。電子回路は、上述した本体部1502に含まれる回路である。電源として、電池を使用する場合に本技術を適用することができる。
図10にリストバンド型電子機器1601(以下、単に「電子機器1601」と称する。)の外観の構成例を示す。
電子機器1601は、例えば、人体に着脱自在とされる時計型のいわゆるウェアラブル機器である。電子機器1601は、例えば、腕に装着されるバンド部1611と、数字や文字、図柄等を表示する表示装置1612と、操作ボタン1613とを備えている。バンド部1611には、複数の孔部1611aと、内周面(電子機器1601の装着時に腕に接触する側の面)側に形成される突起1611bとが形成されている。
電子機器1601は、使用状態においては、図10に示すようにバンド部1611が略円形となるように折り曲げられ、孔部1611aに突起1611bが挿入されて腕に装着される。突起1611bを挿入する孔部1611aの位置を調整することにより、腕の太さに対応して径の大きさを調整することができる。電子機器1601は、使用されない状態では、孔部1611aから突起1611bが取り外され、バンド部1611が略平坦な状態で保管される。本技術の一実施形態に係るセンサは、例えば、バンド部1611の全体にわたって設けられている。
<応用例4:スマートウオッチ>
スマートウオッチは、既存の腕時計のデザインと同様ないし類似の外観を有し、腕時計と同様にユーザの腕に装着して使用するものであり、ディスプレイに表示される情報で、電話や電子メールの着信などの各種メッセージをユーザに通知する機能を有する。さらに、電子マネー機能、活動量計等の機能を有するスマートウオッチも提案されている。スマートウオッチは、電子機器の本体部分の表面にディスプレイが組み込まれ、ディスプレイに様々な情報が表示される。また、スマートウオッチは、例えば、通信端末(スマートフォン等)とBluetooth(登録商標)などの近距離無線通信を行うことによって、通信端末等の機能やコンテンツ等と連携することも可能である。
スマートウオッチの一つとして、バンド状に連結される複数のセグメントと、複数のセグメント内に配置される複数の電子部品と、複数のセグメント内の複数の電子部品を接続し少なくとも1つのセグメント内に蛇行形状で配置されるフレキシブル回路基板とを備えるものが提案されている。このような蛇行形状を有することで、フレキシブル回路基板は、バンドが屈曲しても、ストレスが加わらず、回路の切断が防止される。また、ウオッチ本体を構成する筐体ではなく、そのウオッチ本体に取り付けられるバンド側のセグメントに、電子回路部品を内蔵させることが可能になり、ウオッチ本体側には変更を加える必要がなくなり、従来の時計のデザインと同様のデザインのスマートウオッチを構成することが可能となる。また、本応用例のスマートウオッチは、電子メールや着信などの通知、ユーザの行動履歴などのログの記録、通話などを行うことができる。また、スマートウオッチは、非接触式ICカードとしての機能を備え、非接触で決済や認証等を行うことができる。
本応用例のスマートウオッチは、金属製のバンド内に、通信処理や通知処理を行う回路部品を内蔵している。金属製のバンドを薄型化しながら、電子機器として機能するようにするために、バンドが複数のセグメントを連結した構成とされ、各セグメントに回路基板、振動モータ、電池、加速度センサが収納される。各セグメントの回路基板、振動モータ、電池、加速度センサなどの部品は、フレキシブルプリント回路基板(FPC)で接続されている。
図11にスマートウオッチの全体構成(分解斜視図)を示す。バンド型電子機器2000は、時計本体3000に取り付けられる金属製のバンドであり、ユーザの腕に装着される。時計本体3000は、時刻を表示する文字盤3100を備える。時計本体3000は、文字盤3100の代わりに、液晶ディスプレイなどで電子的に時刻を表示してもよい。
バンド型電子機器2000は、複数のセグメント2110〜2230を連結した構成である。時計本体3000の一方のバンド取付孔にセグメント2110が取り付けられ、時計本体3000の他方のバンド取付孔にセグメント2230が取り付けられる。本例では、それぞれのセグメント2110〜2230は金属で構成される。
(セグメントの内部の概要)
図12は、バンド型電子機器2000の内部構成の一部を示す。例えば3個のセグメント2170、2180、2190、2200、2210の内部を示す。バンド型電子機器2000では、連続した5個のセグメント2170〜2210の内部にフレキシブル回路基板2400が配置される。セグメント2170内には、種々の電子部品が配置され、セグメント2190、2210には、本技術に係る電池から構成されるバッテリー2411、2421が配置され、これらの部品がフレキシブル回路基板2400で電気的に接続される。セグメント2170とセグメント2190との間のセグメント2180は、比較的小さなサイズであり、蛇行状態のフレキシブル回路基板2400が配置される。セグメント2180の内部では、防水部材に挟まれた状態でフレキシブル回路基板2400が配置される。なお、セグメント2170〜2210の内部は、防水構造とされている。
(スマートウオッチの回路構成)
図13は、バンド型電子機器2000の回路構成を示すブロック図である。バンド型電子機器2000の内部の回路は、時計本体3000とは独立した構成である。時計本体3000は、文字盤3100に配置された針を回転させるムーブメント部3200を備える。ムーブメント部3200には、バッテリー3300が接続されている。これらのムーブメント部3200やバッテリー3300は、時計本体3000の筐体内に内蔵されている。
時計本体3000に接続されたバンド型電子機器2000は、3つのセグメント2170、2190、2210に、電子部品が配置される。セグメント2170には、データ処理部4101と無線通信部4102とNFC通信部4104とGPS部4106とが配置される。無線通信部4102、NFC通信部4104、GPS部4106には、それぞれアンテナ4103、4105、4107が接続されている。それぞれのアンテナ4103、4105、4107は、セグメント2170の後述するスリット2173の近傍に配置される。
無線通信部4102は、例えばBluetooth(登録商標)の規格で他の端末と近距離無線通信を行う。NFC通信部4104は、NFCの規格で、近接したリーダー/ライタと無線通信を行う。GPS部4106は、GPS(Global Positioning System)と称されるシステムの衛星からの電波を受信して、現在位置の測位を行う測位部である。これらの無線通信部4102、NFC通信部4104、GPS部4106で得たデータは、データ処理部4101に供給される。
また、セグメント2170には、ディスプレイ4108とバイブレータ4109とモーションセンサ4110と音声処理部4111とが配置されている。ディスプレイ4108とバイブレータ4109は、バンド型電子機器2000の装着者に通知する通知部として機能するものである。ディスプレイ4108は、複数個の発光ダイオードで構成され、発光ダイオードの点灯や点滅でユーザに通知を行う。複数個の発光ダイオードは、例えばセグメント2170の後述するスリット2173の内部に配置され、電話の着信や電子メールの受信などが点灯又は点滅で通知される。ディスプレイ4108としては、文字や数字などを表示するタイプのものが使用されてもよい。バイブレータ4109は、セグメント2170を振動させる部材である。バンド型電子機器2000は、バイブレータ4109によるセグメント2170の振動で、電話の着信や電子メールの受信などを通知する。
モーションセンサ4110は、バンド型電子機器2000を装着したユーザの動きを検出する。モーションセンサ4110としては、加速度センサ、ジャイロセンサ、電子コンパス、気圧センサなどが使用される。また、セグメント2170は、モーションセンサ4110以外のセンサを内蔵してもよい。例えば、バンド型電子機器2000を装着したユーザの脈拍などを検出するバイオセンサが内蔵されてもよい。音声処理部4111には、マイクロホン4112とスピーカ4113とが接続され、音声処理部4111が、無線通信部4102での無線通信で接続された相手と通話の処理を行う。また、音声処理部4111は、音声入力操作のための処理を行うこともできる。
そして、セグメント2190にはバッテリー2411が内蔵され、セグメント2210にはバッテリー2421が内蔵される。バッテリー2411、2421は、上述したように、本技術に係る電池によって構成することができ、セグメント2170内の回路に駆動用の電源を供給する。セグメント2170内の回路とバッテリー2411、2421は、フレキシブル回路基板2400(図18)により接続されている。なお、図19には示さないが、セグメント2170は、バッテリー2411、2421を充電するための端子を備える。また、セグメント2190、2210には、バッテリー2411、2421以外の電子部品が配置されてもよい。例えば、セグメント2190、2210は、バッテリー2411、2421の充放電を制御する回路を備えるようにしてもよい。
<応用例5:眼鏡型端末>
以下に説明するメガネ型端末は、目の前の風景にテキスト、シンボル、画像等の情報を重畳して表示することができるものである。すなわち、透過式メガネ型端末専用の軽量且つ薄型の画像表示装置ディスプレイモジュールを搭載している。代表的なものとして、頭部装着型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ(HMD))がある。
この画像表示装置は、光学エンジンとホログラム導光板からなる。光学エンジンは、マイクロディスプレイレンズを使用して画像、テキスト等の映像光を出射する。この映像光がホログラム導光板に入射される。ホログラム導光板は、透明板の両端部にホログラム光学素子が組み込まれたもので、光学エンジンからの映像光を厚さ1mmのような非常に薄い透明板の中を伝搬させて観察者の目に届ける。このような構成によって、透過率が例えば85%という厚さ3mm(導光板前後の保護プレートを含む)レンズを実現している。かかるメガネ型端末によって、スポーツ観戦中にプレーヤ、チームの成績等をリアルタイムで見ることができたり、旅先での観光ガイドを表示したりできる。
メガネ型端末の具体例は、図14に示すように、画像表示部が眼鏡型の構成とされている。すなわち、通常の眼鏡と同様に、眼前に右画像表示部5001及び左画像表示部5002を保持するためのフレーム5003を有する。フレーム5003は、観察者の正面に配置されるフロント部5004と、フロント部5004の両端に蝶番を介して回動自在に取り付けられた2つのテンプル部5005、5006から成る。フレーム5003は、金属や合金、プラスチック、これらの組合せといった、通常の眼鏡を構成する材料と同じ材料から作製されている。なお、ヘッドホン部を設けるようにしてもよい。
右画像表示部5001および左画像表示部5002は、利用者の右の眼前と、左の眼前とにそれぞれ位置するように配置されている。テンプル部5005、5006が利用者の頭部に画像表示部5001および5002を保持する。フロント部5004とテンプル部5005の接続箇所において、テンプル部5005の内側に右表示駆動部5007が配置されている。フロント部5004とテンプル部5006の接続箇所において、テンプル部5006の内側に左表示駆動部5008が配置されている。
図14では省略されているが、フレーム5003には、本技術に係る電池、加速度センサ、ジャイロ、電子コンパス、マイクロホン/スピーカ等が搭載されている。さらに、撮像装置が取り付けられ、静止画/動画の撮影が可能とされている。さらに、メガネ部と例えば無線又は有線のインターフェースでもって接続されたコントローラを備えている。コントローラには、タッチセンサ、各種ボタン、スピーカ、マイクロホン等が設けられている。さらに、スマートフォンとの連携機能を有している。例えばスマートフォンのGPS機能を活用してユーザの状況に応じた情報を提供することが可能とされている。
本技術は、上記の各実施形態、各実施例、及び各応用例に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲内において変更することが可能である。
なお、本技術の効果は、電池に用いられる電極反応物質であれば電極反応物質の種類に依存せずに得られるはずであるため、その電極反応物質の種類を変更しても同様の効果を得ることができる。また、化合物等の化学式は代表的なものであって、同じ化合物の一般名称であれば、記載された価数等に限定されない。
また、本技術は、以下のような構成を取ることもできる。
[1]
電極活物質層を備え、
該電極活物質層が、少なくとも、電極活物質と、ポリフッ化ビニリデンと、ヘキサフルオロプロピレンと、導電剤と、を含み、
該ポリフッ化ビニリデンと該ヘキサフルオロプロピレンとの合計質量に対して、該ヘキサフルオロプロピレンの質量が5質量%〜50質量%であり、
該ヘキサフルオロプロピレンの質量に対する該導電剤の質量の質量比(導電剤の質量/ヘキサフルオロプロピレンの質量)が0.095〜50である、電極。
[2]
前記電極活物質層が空孔を有し、前記電極活物質層の全体積に対して、該空孔の体積が、10体積%〜25体積%である、[1]に記載の電極。
[3]
前記空孔の平均孔径が0.07μm〜1.5μmである、[2]に記載の電極。
[4]
前記電極活物質層の全質量に対して、前記導電剤の含有量が0.3質量%〜3質量%である、[1]から[3]のいずれか1つ記載の電極。
[5]
前記電極活物質層の密度が3.8g/cm〜4.3g/cmである、[1]から[4]のいずれか1つに記載の電極。
[6]
前記電極活物質の平均粒径(D50)が3μm〜40μmである、[1]〜[5]のいずれか1つに記載の電極。
[7]
前記電極活物質層の平均曲路率の平均値が1.1〜2.5である、[1]〜[6]のいずれか1つに記載の電極。
[8]
集電体を更に備え、
前記電極活物質層と該集電体との剥離強度が、20N/m〜80N/mである、[1]から[7]のいずれか1つに記載の電極。
[9]
[1]から[8]のいずれか1つに記載の電極を少なくとも備える、電池。
[10]
[9]に記載の電池を備える、電池パック。
[11]
[9]に記載の電池と、
該電池の使用状態を制御する制御部と、
該制御部の指示に応じて該電池の使用状態を切り換えるスイッチ部と、を備える、電池パック。
[12]
[9]に記載の電池と、
該電池から電力の供給を受けて車両の駆動力に変換する駆動力変換装置と、
該駆動力に応じて駆動する駆動部と、
車両制御装置と、を備える、車両。
[13]
[9]に記載の電池を有する蓄電装置と、
該電池から電力が供給される電力消費装置と、
該電池からの該電力消費装置に対する電力供給を制御する制御装置と、
該電池を充電する発電装置と、を備える、蓄電システム。
[14]
[9]に記載の電池と、
該電池から電力が供給される可動部と、を備える、電動工具。
[15]
[9]に記載の電池を備え、
該電池から電力の供給を受ける、電子機器。

Claims (15)

  1. 電極活物質層を備え、
    該電極活物質層が、少なくとも、電極活物質と、ポリフッ化ビニリデンと、ヘキサフルオロプロピレンと、導電剤と、を含み、
    該ポリフッ化ビニリデンと該ヘキサフルオロプロピレンとの合計質量に対して、該ヘキサフルオロプロピレンの質量が5質量%〜50質量%であり、
    該ヘキサフルオロプロピレンの質量に対する該導電剤の質量の質量比(導電剤の質量/ヘキサフルオロプロピレンの質量)が0.095〜50である、電極。
  2. 前記電極活物質層が空孔を有し、前記電極活物質層の全体積に対して、該空孔の体積が、10体積%〜25体積%である、請求項1に記載の電極。
  3. 前記空孔の平均孔径が0.07μm〜1.5μmである、請求項2に記載の電極。
  4. 前記電極活物質層の全質量に対して、前記導電剤の含有量が0.3質量%〜3質量%である、請求項1に記載の電極。
  5. 前記電極活物質層の密度が3.8g/cm〜4.3g/cmである、請求項1に記載の電極。
  6. 前記電極活物質の平均粒径(D50)が3μm〜40μmである、請求項1に記載の電極。
  7. 前記電極活物質層の平均曲路率の平均値が1.1〜2.5である、請求項1に記載の電極。
  8. 集電体を更に備え、
    前記電極活物質層と該集電体との剥離強度が、20N/m〜80N/mである、請求項1に記載の電極。
  9. 請求項1に記載の電極を少なくとも備える、電池。
  10. 請求項9に記載の電池を備える、電池パック。
  11. 請求項9に記載の電池と、
    該電池の使用状態を制御する制御部と、
    該制御部の指示に応じて該電池の使用状態を切り換えるスイッチ部と、を備える、電池パック。
  12. 請求項9に記載の電池と、
    該電池から電力の供給を受けて車両の駆動力に変換する駆動力変換装置と、
    該駆動力に応じて駆動する駆動部と、
    車両制御装置と、を備える、車両。
  13. 請求項9に記載の電池を有する蓄電装置と、
    該電池から電力が供給される電力消費装置と、
    該電池からの該電力消費装置に対する電力供給を制御する制御装置と、
    該電池を充電する発電装置と、を備える、蓄電システム。
  14. 請求項9に記載の電池と、
    該電池から電力が供給される可動部と、を備える、電動工具。
  15. 請求項9に記載の電池を備え、
    該電池から電力の供給を受ける、電子機器。
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