JPWO2019003730A1 - 立体像結像装置及び立体像結像装置の製造方法 - Google Patents

立体像結像装置及び立体像結像装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

平面視して環状又は環状の一部を用いた形状に形成される立体像結像装置及びその製造方法であって、透明平板材16の一側に基準点Xを中心にして、垂直面17と傾斜面18とを有する断面三角形の複数の溝19、及び隣り合う溝19の間に形成される断面三角形の複数の凸条20がそれぞれ放射状に配置され、透明平板材26の一側に基準点Yを中心にして、垂直面27と傾斜面28を有する断面三角形の複数の溝29、及び隣り合う溝29の間に形成される断面三角形の複数の凸条30がそれぞれ同心円状に配置されており、各溝19、29の垂直面17、27には金属反射面37、38が形成され、各溝19、29には、透明平板材16、26の屈折率と同一又は近似の屈折率を有する透明樹脂が充填され、溝19、29が向かい合った状態で透明平板材16、26が積層され接合されている。

Description

本発明は、空中に立体像を結像する立体像結像装置及び立体像結像装置の製造方法に関する。
物体表面から発する光(散乱光)を用いて立体像を形成する装置として、例えば、特許文献1に記載の立体像結像装置(光学結像装置)がある。
この結像装置は、2枚の透明平板の内部に、この透明平板の厚み方向に渡って垂直に複数かつ帯状で、金属反射面(鏡面)からなる光反射面を一定のピッチで並べて形成した第1、第2の光制御パネルを有し、この第1、第2の光制御パネルのそれぞれの光反射面が平面視して直交するように、第1、第2の光制御パネルの一面側を向い合わせて密着させたものである。
国際公開第2009/131128号公報
上記した第1、第2の光制御パネルの製造に際しては、金属反射面が一面側に形成された一定厚みの板状の透明合成樹脂板やガラス板(以下、「透明板」ともいう)を、金属反射面が一方側に配置されるように複数枚積層して積層体を作製し、この積層体から各金属反射面に対して垂直な切り出し面が形成されるように切り出している。
このため、透明板に金属反射面を形成する作業において大型の蒸着炉を必要とし、しかも、1枚又は少数枚の透明板を蒸着炉に入れて脱気して高真空にした後、蒸着処理を行い、
大気圧に開放して蒸着した透明板を取り出すという作業を百回以上繰り返す必要があり、
極めて手間と時間のかかる作業であった。また、金属蒸着された透明板を積層して積層体を形成し、極めて薄い所定厚で切断する作業を行って、この積層体から第1、第2の光制御パネルを切り出し、更にこれら第1、第2の光制御パネルの切り出し面(両面)の研磨作業等を行う必要があるため、作業性や製造効率が悪かった。
また、第1、第2の光制御パネルの複数の金属反射面がそれぞれ直線状(平行)で、平面視して直交するように配置されているため、金属反射面の配置間隔(ピッチ)に制限を受け、視野角(結像範囲)も限られ、立体像の明るさや鮮明さにも限界があった。
更に、特許文献1には、断面直角三角形の溝を有する第1、第2の光制御パネルを透明樹脂から作り、第1、第2の光制御パネルをその光反射面を直交させて向かい合わせて密着して光学結像装置を提供することも記載されているが、光反射面として全反射を利用するので、溝のアスペクト比も小さく、明るい結像を得ることが困難であるという問題があった。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、視野角が広く、ゴーストの少ない明るく鮮明な立体像を得ることが可能で、製造も比較的容易な立体像結像装置及び立体像結像装置の製造方法を提供することを目的とする。
前記目的に沿う第1の発明に係る立体像結像装置は、平面視して環状又は環状の一部を用いた形状に形成される立体像結像装置であって、
透明平板材の一側に基準点Xを中心にして放射状に複数の第1の垂直光反射部を設け、前記透明平板材の他側に平面視して前記基準点Xに重なる基準点Yを中心にして前記第1の垂直光反射部と交差する同心円状に複数の第2の垂直光反射部を設けたものである。
ここで、立体像結像装置は最終形状が平面視して環状又は環状の一部を用いた形状であればよく、製造段階の外形形状は環状、円形状或いはその他の形状でもよい。なお、環状の一部を用いた形状には扇形の他、矩形状も含む。
この立体像結像装置では、基準点Xを中心にして放射状に設けられる第1の垂直光反射部(放射状光反射部)が直線状に形成されるのに対し、同心円状に設けられる第2の垂直光反射部(同心円状光反射部)は、基準点Yを中心とする同心円に沿って湾曲しているが、平面視して第1の垂直光反射部と第2の垂直光反射部が交差する点では、両者は直交している。よって、従来のように複数の直線状の帯状光反射面を平行に配置した第1、第2の光制御パネル(又は光制御部)を、それぞれの光反射面が平面視して直交した状態で、隙間を有して又は隙間なく重ね合わせた(又は一体化した)立体像結像装置と同様に、立体像を結像させることができる。
第1の垂直光反射部は、透明平板材の一側に複数の溝を間隔を開けて放射状に形成し、その垂直面を鏡面としたものが好適に用いられる。また、第2の垂直光反射部は、透明平板材の他側に複数の溝を間隔を開けて同心円状に形成し、その垂直面を鏡面としたものが好適に用いられる。これらは、透明樹脂からプレス成型、インジェクション成型、ロール成型等によって製造することができる。なお、第1、第2の垂直光反射部が形成される溝は、1枚の透明平板材の両側(表裏)に同時に成型してもよいし、2枚の透明平板材の一側(表面)に別々に成型して透明接着剤で接合してもよい。このとき、溝の断面形状を矩形状、直角三角形状、台形状等に形成することにより、簡単に垂直面を得ることができる。
特に、溝の断面形状を直角三角形状や台形状に形成した場合、溝が開放側に広くなるので、押型又は脱型が容易となり、生産性に優れる。また、溝の断面形状が矩形状の場合、両側の垂直面を光反射部(以下、第1、第2の垂直光反射部をまとめて光反射部ともいう)とすることができる。
なお、放射状光反射部と同心円状光反射部の2種類の光反射部は、透明平板材の板厚方向の上下(一側と他側)に重ね合わされて配置されていればよい。
また、成型に用いる金型の表面を光が乱反射しない程度に鏡面研磨することにより、製造される透明平板材の表面も同様の鏡面となる。よって、光の全反射を利用する場合は、溝の垂直面をそのまま光反射部として使用することができる。但し、その場合、溝の幅を広くすると立体像の形成に使用される透明平板材表面の面積が減少して明るい立体像が得られなくなるので、溝の断面を直角三角形状に形成して、溝と溝の間に形成される凸条の断面を台形状とすることが望ましい。また、金型による成型後に、溝の垂直面に選択的に金属蒸着等を行って金属反射面(鏡面)を形成し、光反射部として使用することもできる。なお、第2の垂直光反射部は同心円状に形成する代わりに、1条若しくは複数条の溝を渦巻状に形成してもよい。また、成型によって透明平板材の表面に溝を形成する代わりに、透明平板材の表面を削って溝を形成することもできる。
第1の発明に係る立体像結像装置において、前記第1、第2の垂直光反射部は、それぞれ金属反射面であることが好ましい。
ここで、金属反射面(鏡面)を形成する方法として、溝の垂直面に直接、スパッタリング、金属蒸着、金属微小粒子の吹き付け、イオンビームの照射、金属ペーストの塗布等を行う以外に、スパッタリングや金属蒸着等で反射膜を形成した樹脂フィルムを溝の垂直面に貼り付けてもよい。なお、特に、断面三角形の溝の垂直面に直接、スパッタリング、金属蒸着、金属微小粒子の吹き付け、イオンビームの照射等を行う場合、溝の傾斜面は平面の他、断面が内側に窪む凹面、多角面(多角形の一部からなる)を含むことが好ましい。これにより、溝の傾斜面に金属反射面が形成されるのを極力防止できる。
第1の発明に係る立体像結像装置において、該立体像結像装置は両表面が平坦な平板状となって、前記第1、第2の垂直光反射部以外の素材は、屈折率が同一又は近似する2種類以上の透明樹脂からなることが好ましい。
ここで、一の透明樹脂の屈折率に対し、他の透明樹脂の屈折率は0.8〜1.2倍(より好ましくは、0.9〜1.1倍、さらに好ましくは、0.95〜1.05倍)の範囲にあることが好ましい。
第1の発明に係る立体像結像装置において、前記第1、第2の垂直光反射部は、それぞれ全反射面であることが好ましい。
第1の発明に係る立体像結像装置において、前記第1、第2の垂直光反射部には気体層又は真空が使用されていることが好ましい。
第1の発明に係る立体像結像装置において、前記透明平板材の一側に前記基準点Xを中心にして、垂直面と傾斜面とを有する断面三角形の複数の第1の溝、及び隣り合う前記第1の溝の間に形成される断面三角形の複数の第1の凸条がそれぞれ放射状に配置され、前記透明平板材の他側に前記基準点Yを中心にして、垂直面と傾斜面を有する断面三角形の複数の第2の溝、及び隣り合う前記第2の溝の間に形成される断面三角形の複数の第2の凸条がそれぞれ同心円状に配置されており、前記第1、第2の溝の前記垂直面には前記金属反射面が形成され、前記第1、第2の溝には、前記透明平板材の屈折率と同一又は近似の屈折率を有する透明樹脂が充填されていることが好ましい。
第1の発明に係る立体像結像装置において、前記透明平板材の一側に前記基準点Xを中心にして、垂直面と傾斜面とを有する断面台形の複数の第1の凸条、及び隣り合う前記第1の凸条の間に形成される断面三角形の複数の第1の溝がそれぞれ放射状に配置され、前記透明平板材の他側に前記基準点Yを中心にして、傾斜面と垂直面とを有する断面台形の複数の第2の凸条、及び隣り合う前記第2の凸条の間に形成される断面三角形の複数の第2の溝がそれぞれ同心円状に配置されており、前記第1、第2の凸条の前記垂直面は、前記気体層又は真空を使用した全反射面であることが好ましい。
前記目的に沿う第2の発明に係る立体像結像装置の製造方法は、平面視して環状又は環状の一部を用いた形状に形成される立体像結像装置の製造方法であって、
透明平板材の一側に基準点Xを中心にして、垂直面と傾斜面とを有する断面三角形の複数の溝、及び隣り合う前記溝の間に形成される断面三角形の複数の凸条がそれぞれ放射状に配置された第1の成型母材を、第1の透明樹脂からプレス成型、インジェクション成型及びロール成型のいずれか1によって製造する第1工程と、
透明平板材の一側に基準点Yを中心にして、垂直面と傾斜面とを有する断面三角形の複数の溝、及び隣り合う前記溝の間に形成される断面三角形の複数の凸条がそれぞれ同心円状に配置された第2の成型母材を、第2の透明樹脂からプレス成型、インジェクション成型及びロール成型のいずれか1によって製造する第2工程と、
前記第1、第2の成型母材の前記溝の垂直面のみに第1、第2の垂直光反射部となる金属反射面を選択的に形成して、第1、第2の中間母材を製造する第3工程と、
前記第1、第2の中間母材の前記溝に、前記第1、第2の透明樹脂の屈折率と同一若しくは近似の屈折率を有する第3の透明樹脂を充填し、前記第1、第2の中間母材の前記溝同士を向かい合わせた状態で、平面視してそれぞれの前記基準点X、Yが重なるように前記第1、第2の中間母材を積層して接合する第4工程とを有する。
ここで、第1、第2の透明樹脂の屈折率η1、η2は同一で、第3の透明樹脂の屈折率η3は、第1、第2の透明樹脂の屈折率η1、η2の0.8〜1.2倍(より好ましくは、0.9〜1.1倍、さらに好ましくは、0.95〜1.05倍)の範囲にあることが好ましい。
なお、第4工程では、第1、第2の透明樹脂より融点が低いシート状の第3の透明樹脂を第1、第2の中間母材の間に挟み込み、真空状態で加熱、押圧して、第3の透明樹脂のみを溶解し、第1、第2の中間母材の溝に充填して固化させてもよいし、第1、第2の中間母材の溝に透明接着剤(第3の透明樹脂からなる)を充填し、第1、第2の中間母材の凸条を向かい合わせて第1、第2の中間母材を突き合わせ、透明接着剤を硬化させてもよい。透明接着剤としては紫外線等を照射することにより硬化する光硬化型の他、熱硬化型や二液混合型の接着剤を用いることができるが、特に、屈折率η3を屈折率η1、η2に近づけるために、屈折率を調整した屈折率調整樹脂からなる光学用接着剤等が好適に用いられる。
前記目的に沿う第3の発明に係る立体像結像装置の製造方法は、平面視して環状又は環状の一部を用いた形状に形成される立体像結像装置の製造方法であって、
透明平板材の一側に基準点Xを中心にして、垂直面と傾斜面とを有する断面三角形の複数の溝、及び隣り合う前記溝の間に形成される断面三角形の複数の凸条がそれぞれ放射状に配置された第1の成型母材を、第1の透明樹脂からプレス成型、インジェクション成型及びロール成型のいずれか1によって製造する第1工程と、
透明平板材の一側に基準点Yを中心にして、垂直面と傾斜面とを有する断面三角形の複数の溝、及び隣り合う前記溝の間に形成される断面三角形の複数の凸条がそれぞれ同心円状に配置された第2の成型母材を、第2の透明樹脂からプレス成型、インジェクション成型及びロール成型のいずれか1によって製造する第2工程と、
前記第1、第2の成型母材の前記溝の垂直面のみに第1、第2の垂直光反射部となる金属反射面を選択的に形成して、第1、第2の中間母材を製造する第3工程と、
前記第1の中間母材の前記溝に、前記第1の透明樹脂の屈折率と同一若しくは近似の屈折率を有する第3の透明樹脂を充填し、表面を平面化して第1の光制御部材を形成する第4工程と、
前記第2の中間母材の前記溝に、前記第2の透明樹脂の屈折率と同一若しくは近似の屈折率を有する第4の透明樹脂を充填し、表面を平面化して第2の光制御部材を形成する第5工程と、
前記第1、第2の光制御部材を平面視してそれぞれの前記基準点X、Yが重なるように隙間を有して又は隙間なく重ね合わせる第6工程とを有する。
ここで、第3の透明樹脂の屈折率η3は、第1の透明樹脂の屈折率η1の0.8〜1.2倍(より好ましくは、0.9〜1.1倍、さらに好ましくは、0.95〜1.05倍)の範囲にあることが好ましい。また、第4の透明樹脂の屈折率η4は、第2の透明樹脂の屈折率η2の0.8〜1.2倍(より好ましくは、0.9〜1.1倍、さらに好ましくは、0.95〜1.05倍)の範囲にあることが好ましい。なお、第1の透明樹脂と第2の透明樹脂、第3の透明樹脂と第4の透明樹脂はそれぞれ同一の素材であることが好ましいが、異なっていてもよい。
なお、第4工程では、第1の透明樹脂より融点が低いシート状の第3の透明樹脂を真空状態で加熱、押圧して、第3の透明樹脂のみを溶解し、第1の中間母材の溝に充填して固化させてもよいし、第1の中間母材の溝に透明接着剤(第3の透明樹脂からなる)を充填して硬化させてもよい。また、第5工程では、第2の透明樹脂より融点が低いシート状の第4の透明樹脂を真空状態で加熱、押圧して、第4の透明樹脂のみを溶解し、第2の中間母材の溝に充填して固化させてもよいし、第2の中間母材の溝に透明接着剤(第4の透明樹脂からなる)を充填して硬化させてもよい。第4工程、第5工程で透明接着剤を用いる場合は、第2の発明と同様のものが好適に用いられる。
第1、第2の光制御部材は、鮮明な立体像を形成するために、両表面が平坦な平板状となっている必要があるので、第4工程、第5工程で透明接着剤を用いる場合は、硬化後の樹脂表面を切削や研磨等により平面化処理することが好ましい。なお、平面化処理の代わりに、第1、第2の中間母材の溝に透明接着剤を充填した上から、表面が平坦な透明樹脂板を積層し、接合してもよい。このとき、透明樹脂板の材質は、第1、第2の透明樹脂と同一のものが好適に用いられるが、その屈折率が、第1、第2の透明樹脂の屈折率η1、η2の0.8〜1.2倍(より好ましくは、0.9〜1.1倍、さらに好ましくは、0.95〜1.05倍)の範囲にあるものであれば使用可能である。
前記目的に沿う第4の発明に係る立体像結像装置の製造方法は、平面視して環状又は環状の一部を用いた形状に形成される立体像結像装置の製造方法であって、
透明平板材の一側に基準点Xを中心にして、垂直面と傾斜面とを有する断面三角形の複数の第1の溝、及び隣り合う前記第1の溝の間に形成される断面三角形の複数の第1の凸条がそれぞれ放射状に配置され、前記透明平板材の他側に平面視して前記基準点Xに重なる基準点Yを中心にして、垂直面と傾斜面とを有する断面三角形の複数の第2の溝、及び隣り合う前記第2の溝の間に形成される断面三角形の複数の第2の凸条がそれぞれ同心円状に配置された成型母材を、第1の透明樹脂からプレス成型、インジェクション成型及びロール成型のいずれか1によって製造する第1工程と、
前記成型母材の前記第1、第2の溝の垂直面のみに第1、第2の垂直光反射部となる金属反射面を選択的に形成して中間母材を製造する第2工程と、
前記中間母材の前記第1、第2の溝に、前記第1の透明樹脂の屈折率と同一若しくは近似の屈折率を有する第2の透明樹脂を充填し、表面を平面化する第3工程とを有する。
ここで、第2の透明樹脂の屈折率η2は、第1の透明樹脂の屈折率η1の0.8〜1.2倍(より好ましくは、0.9〜1.1倍、さらに好ましくは、0.95〜1.05倍)の範囲にあることが好ましい。
なお、第3工程では、第1の透明樹脂より融点が低いシート状の第2の透明樹脂を真空状態で加熱、押圧して、第1の透明樹脂のみを溶解し、中間母材の第1、第2の溝に充填して固化させてもよいし、中間母材の第1、第2の溝に透明接着剤(第2の透明樹脂からなる)を充填して硬化させてもよい。第3工程で透明接着剤を用いる場合は、第2の発明と同様のものが好適に用いられる。
立体像結像装置は、鮮明な立体像を形成するために、両表面が平坦な平板状となっている必要があるので、第3工程で透明接着剤を用いる場合は、硬化後の樹脂表面を切削や研磨等により平面化処理することが好ましい。なお、平面化処理の代わりに、中間母材の第1、第2の溝に透明接着剤を充填した上から、表面が平坦な透明樹脂板を積層し、接合してもよい。このとき、透明樹脂板の材質は、第1の透明樹脂と同一のものが好適に用いられるが、その屈折率が、第1の透明樹脂の屈折率η1の0.8〜1.2倍(より好ましくは、0.9〜1.1倍、さらに好ましくは、0.95〜1.05倍)の範囲にあるものであれば使用可能である。
前記目的に沿う第5の発明に係る立体像結像装置の製造方法は、平面視して環状又は環状の一部を用いた形状に形成される立体像結像装置の製造方法であって、
透明平板材の一側に基準点Xを中心にして、第1の垂直光反射部となる垂直面と傾斜面とを有する断面台形の複数の第1の凸条、及び隣り合う前記第1の凸条の間に形成される断面三角形の複数の第1の溝がそれぞれ放射状に配置され、前記透明平板材の他側に平面視して前記基準点Xに重なる基準点Yを中心にして、第2の垂直光反射部となる垂直面と傾斜面とを有する断面台形の複数の第2の凸条、及び隣り合う前記第2の凸条の間に形成される断面三角形の複数の第2の溝がそれぞれ同心円状に配置された成型体を、透明樹脂からプレス成型、インジェクション成型及びロール成型のいずれか1によって製造する工程を有する。
第1の発明に係る立体像結像装置は、複数の放射状光反射部と同心円状光反射部を有することにより、結像範囲が広く、光反射部の配置間隔(ピッチ)を細かくして多くの光反射部を密に配置することができ、視野角を広げて、ゴーストの少ない明るく鮮明な立体像を得ることができる。
光反射部が金属反射面である場合、光の入射角に制限がなく、多くの反射光が得られ、広範囲で結像させて明るい立体像を得ることができる。
また、立体像結像装置の両表面が平坦な平板状となって、光反射部以外の素材が、屈折率が同一又は近似する2種類以上の透明樹脂からなる場合、透明樹脂の界面における屈折の影響は極めて小さく、全反射や分光等の現象が起こらず、歪みの少ない鮮明な立体像を形成することができる。
光反射部が全反射面である場合、溝の垂直面に金属反射面を形成する必要がなく、構造を簡素化することができる。
光反射部が気体層又は真空を使用した全反射面である場合、溝の内部に透明樹脂を充填する必要がなく、特に気体層では製造工数を削減することができ、量産性に優れる。
第2〜第4の発明に係る立体像結像装置の製造方法は、プレス成型、インジェクション成型及びロール成型のいずれか1で製造された成型母材が使用され、成型母材には垂直面と傾斜面とを有する多数の溝が形成されている。この溝は開放側に広くなるので、押型又は脱型が容易となり、(溝の深さ)/(溝の幅)で定義されるアスペクト比の高い立体像結像装置を比較的安価に製造できる。
また、成型母材の成型に用いる透明樹脂の屈折率と同一若しくは近似の屈折率を有する透明樹脂が溝に充填されることにより、傾斜面での屈折の影響を極力小さくして、歪みの少ない明るく鮮明な立体像が得られる高品質な立体像結像装置を製造できる。
第5の発明に係る立体像結像装置の製造方法は、プレス成型、インジェクション成型及びロール成型のいずれか1で製造された成型体をそのまま使用することができ、押型又は脱型が容易で、溝のアスペクト比が高いだけでなく、金属反射面を形成する必要や溝に透明樹脂を充填する必要がなく、極めて簡素な構造で、明るく鮮明な立体像を得ることができる量産性に優れた立体像結像装置を製造できる。
(A)、(B)はそれぞれ本発明の第1の実施例に係る立体像結像装置の正面図及び平面図、(C)は図1(A)のA−A’矢視図、(D)は図1(A)のB−B’矢視図である。 (A)は図1(B)のC−C’部D−D’矢視断面図、(B)は図1(B)のE−E’部F−F’矢視断面図である。 (A)は同立体像結像装置の製造方法の第1工程を示す正断面図であり、(B)は同立体像結像装置の製造方法の第2工程を示す側断面図である。 (A)、(B)はそれぞれ同立体像結像装置の製造方法の第3工程を示す正断面図及び側断面図である。 (A)、(B)はそれぞれ同立体像結像装置の製造方法の第4工程を示す正断面図及び側断面図である。 (A)、(B)はそれぞれ同立体像結像装置の製造方法の第4工程の変形例を示す正断面図及び側断面図である。 (A)、(B)はそれぞれ本発明の第2の実施例に係る立体像結像装置の製造方法の第4工程を示す正断面図である。 (A)、(B)はそれぞれ同立体像結像装置の製造方法の第5工程を示す側断面図である。 (A)、(B)はそれぞれ同立体像結像装置の正断面図及び側断面図である。 (A)、(B)はそれぞれ本発明の第3の実施例に係る立体像結像装置の正断面図及び側断面図である。 (A)、(B)はそれぞれ同立体像結像装置の製造方法の第1工程を示す正断面図及び側断面図である。 (A)、(B)はそれぞれ同立体像結像装置の製造方法の第2工程を示す正断面図及び側断面図である。 (A)、(B)はそれぞれ同立体像結像装置の製造方法の第3工程を示す正断面図及び側断面図である。 (A)、(B)はそれぞれ本発明の第4の実施例に係る立体像結像装置の正断面図及び側断面図である。
続いて、本発明の実施例に係る立体像結像装置及びその製造方法について、図面を参照しながら説明する。
図1(A)〜(D)に示すように、本発明の第1の実施例に係る立体像結像装置10は、基準点Xを中心にして、放射状に複数の放射状光反射部(第1の垂直光反射部)12が設けられた平面視して環状の第1の光制御部材13と、平面視して基準点Xに重なる基準点Yを中心にして、同心円状に複数の同心円状光反射部(第2の垂直光反射部)14が設けられた平面視して環状の第2の光制御部材15とを有している。この立体像結像装置10は、平面視して放射状光反射部12と同心円状光反射部14がそれぞれ交差する点で、放射状光反射部12と同心円状光反射部14が直交していることにより、物体からの光を放射状光反射部12と同心円状光反射部14で反射させて、物体の立体像を結像させるものである。
この放射状光反射部12及び同心円状光反射部14は、例えば、いずれも200〜1000μm、好ましくは200〜300μmのピッチで配置されるが、図1(C)、(D)では一部のみを示している。放射状光反射部12及び同心円状光反射部14は等ピッチで配置することが望ましいが、異なるピッチで配置することも可能である。このとき、放射状光反射部12の長さrは円形に形成された外形の半径Rに対し、r=(0.2〜0.8)Rの範囲であることが好ましい。また、放射状光反射部12は基準点Xに近づくほどピッチが狭くなるので、必要に応じて部分的に間引いて配置してもよい。
なお、立体像結像装置10は平面視して環状に形成されているが、実際に立体像の結像に使用する領域は、図1(C)、(D)中の矩形状の二点鎖線で囲んだ部分であるので、製造段階では、まず、図1(A)〜(D)に示すように環状に形成してから、環状の一部を立体像結像装置として切り出すことができる(以下の実施例においても同じ)。よって、製造時の外形を大型化すれば複数の立体像結像装置を切り出すことができ、生産性を向上できる。また、外形の直径を大きくすることにより、同心円状光反射部の曲率半径も大きくなり、湾曲による立体像の歪みを低減することができる。このとき、切り出される立体像結像装置の外形形状は適宜、選択することができ、環状の一部の他、矩形状でも扇形でもよい。
次に、立体像結像装置10の詳細について説明する。
ここで、各同心円状光反射部14は基準点Yを中心とする同心円に沿って湾曲しているが、微小範囲では直線状とみなせるため、図2(A)では、図1(B)のC−C’部D−D’矢視断面図を拡大して平面(直線)状の正断面図として示す。また、図2(B)では、放射状光反射部12に沿う図1(B)のE−E’部F−F’矢視断面図を90度回転して側断面図として示す(以下、同じ)。
この立体像結像装置10の製造にあっては、図3(A)に示すように、透明平板材16の表側(一側)に、基準点X(図1(C)参照)を中心にして、垂直面17と傾斜面18とを有する断面三角形の複数の溝19と、隣り合う溝19の間に形成される断面三角形の複数の凸条20がそれぞれ放射状に配置された第1の成型母材21を、第1の透明樹脂(屈折率η1)を原料として、インジェクション成型(又はプレス成型若しくはロール成型)によって製造する。この第1の透明樹脂として、比較的融点の高い熱可塑性樹脂(例えば、ゼオネックス(ZEONEX:登録商標、ガラス転移温度:120〜160℃、屈折率η1:1.535、シクロオレフィンポリマー))を使用することが好ましい。その他、透明樹脂としては、ポリメチルメタルクレート(アクリル系樹脂)、非晶質フッ素樹脂、PMMA、光学用ポリカーボネイト、フルオレン系ポリエステル、ポリエーテルスルホン等の熱可塑性樹脂を使用することができるが、特に融点、透明度の高いものを使用することが好ましい。
第1の成型母材21は、成型後、アニーリング処理を行って、残留応力等を除去するのが好ましい。また、図3(A)に示すように、溝19の垂直面17の下端と傾斜面18の下端との間、及び溝19の垂直面17の上端と傾斜面18の上端との間には、それぞれ微小平面部23、24が形成されている。微小平面部23、24の幅は、例えば、凸条20のピッチwの0.01〜0.1倍程度とするのがよい。このとき、凸条20のピッチwは放射状光反射部12のピッチと同一であり、200〜1000μm、好ましくは200〜300μmである。なお、このような微小平面部23、24を形成することにより、溝19、及び凸条20の形状安定性に優れ、寸法管理の信頼性にも優れる。
また、溝19の深さdは、(0.8〜5)wとするのが好ましい。これによってアスペクト比(鏡面の高さd/鏡面のピッチw)が0.8〜5の光反射部が得られる(以上、第1工程)。
次に、図3(B)に示すように、透明平板材26の表側(一側)に、基準点Y(図1(D)参照)を中心にして、垂直面27と傾斜面28とを有する断面三角形の複数の溝29と、隣り合う溝29の間に形成される断面三角形の複数の凸条30がそれぞれ同心円状に配置された第2の成型母材31を、第2の透明樹脂(屈折率η2)を原料として、インジェクション成型(又はプレス成型若しくはロール成型)によって製造する。この第2の透明樹脂として、第1の透明樹脂と同一のものを使用することが好ましい。
第2の成型母材31は、成型後、アニーリング処理を行って、残留応力等を除去するのが好ましい。また、図3(B)に示すように、溝29の垂直面27の下端と傾斜面28の下端との間、及び溝29の垂直面27の上端と傾斜面28の上端との間には、それぞれ微小平面部33、34が形成されている。微小平面部33、34の幅は、例えば、凸条30のピッチwの0.01〜0.1倍程度とするのがよい。このとき、凸条30のピッチwは同心円状光反射部14のピッチと同一であり、200〜1000μm、好ましくは200〜300μmである。なお、このような微小平面部33、34を形成することにより、溝29、及び凸条30の形状安定性に優れ、寸法管理の信頼性にも優れる。
また、溝29の深さdは、(0.8〜5)wとするのが好ましい。これによってアスペクト比(鏡面の高さd/鏡面のピッチw)が0.8〜5の光反射部が得られる(以上、第2工程)。
次に、図4(A)、(B)に示すように、第1、第2の成型母材21、31の溝19、29の垂直面17、27のみに選択的に金属反射面(鏡面)37、38を形成して、傾斜面18、28には金属反射面を形成せず、透明の状態を保持する処理を行う。この垂直面17、27への金属反射面37、38の選択形成は、傾斜面18、28に沿った斜め方向から、傾斜面18、28に平行又は傾斜面18、28が凸条20、30の影になるようにして、真空中又は低圧下で、垂直面17、27に向けてスパッタリング、金属蒸着、金属微小粒子の吹き付け、又はイオンビームの照射、その他の方法で金属粒子を照射することにより行う。この場合、金属粒子の照射方向35、36(角度θ2)は、僅少の範囲で傾斜面18、28の角度θ1より寝かせる(即ち、θ1>θ2)ことが好ましい。このとき、溝19、29の垂直面17、27の下端と傾斜面18、28の下端との間にそれぞれ微小平面部23、33が形成されているので、傾斜面18、28に金属粒子が付着することを減らし又は無くしながら、垂直面17、27の下端まで斑なく金属粒子を照射することができる。
なお、実際には、溝19の垂直面17は放射状に配置され、溝29の垂直面27は同心円状に配置されているので、第1、第2の成型母材21、31をそれぞれ基準点X、Y(図1(C)、(D)参照)を中心に回転させながら金属粒子の照射を行うことが好ましい。
以上の処理によって、垂直面17、27のみが鏡面化されて第1、第2の光制御部材13、15の放射状光反射部12、同心円状光反射部14となる金属反射面37、38が形成され、第1、第2の中間母材39、40が製造される。(以上、第3工程)。
また、微小平面部24、34に金属粒子が付着すると微小平面部24、34が鏡面となるので、微小平面部24、34に付着した金属を除去するか、微小平面部24、34に非透明処理又は非反射処理をするのが好ましい。
なお、この実施例においては、第1、第2の成型母材21、31の溝19、29の傾斜面18、28が平面であるため、僅少の範囲ではあるが、垂直面17、27の鏡面化中に傾斜面18、28にも金属粒子が付着することがある。そこで、垂直面17、27の下端と凸条20、30の上端とを連結する平面より窪んだ位置に多角面や円弧状の凹面を有する傾斜面とすることもできる。また、多数の微小な疵や凹凸からなる凹凸面を有する傾斜面とすることもできる。このように凸条の内側に窪む多角面、凹面、凹凸面を有する傾斜面の成型及び脱型は容易であり、垂直面の鏡面化中に傾斜面に金属粒子が付着することを効果的に防止できる。なお、多数の微小な凹凸からなる凹凸面は、成型母材の成型に用いられる金型の製造時に、傾斜面を形成する金型部分の表面に、予めショットブラスト処理や梨地処理等を行って多数の微小な凸凹を形成しておき、成型時にそれを第1、第2の成型母材となる第1、第2の透明樹脂の表面に転写することにより、簡単に形成することができる。なお、凹凸(疵)の凹部の形状は球面状や多角面状に限らず、適宜、選択することができる。この凹凸は規則的に形成しても不規則に形成してもよいが、不規則な方がアンカー効果をさらに高めることができる。また、凹凸の凹部の深さは、適宜、選択することができるが、5〜50μm、好ましくは10〜30μm程度である。なお、この凹凸は平面状の傾斜面の表面だけでなく、多角面や凹面を有する傾斜面の表面にも組み合わせて形成することができる。
以上説明した多角面、凹面、凹凸面を有する傾斜面は、他の実施例においても同様に採用することができる。よって、以下の図面上で、平面として記載した傾斜面においても、平面以外の多角面、凹面、凹凸面を含むものとする。
以上の工程によって、第1、第2の中間母材39、40が形成されるので、図5(A)、(B)に示すように、それぞれの溝19、29に、第1、第2の透明樹脂の屈折率η1、η2と同一若しくは近似の屈折率η3を有する第3の透明樹脂として、透明接着剤41を充填し、第1、第2の中間母材39、40の溝19、29同士を向かい合わせた状態で、平面視して基準点Xと基準点Yが重なるように(図1(C)、(D)参照)第1、第2の中間母材39、40を積層して接合し、一体化する。このとき、第1、第2の中間母材39、40が平面視して環状に形成されているので、基準点X、Yを中心にして容易に位置合わせを行うことができる。なお、溝19、29の底部に微小平面部23、33を有するので、気泡が抜け易く、透明接着剤41を溝19、29の隅々まで充填することができる。また、凸条20、30の頂部に微小平面部24、34を有することにより、頂部の欠けや変形を防止し、凸条20、30同士を当接させて確実に加圧し、密着させることができる。このとき、透明接着剤(第3の透明樹脂)41の屈折率η3は第1、第2の透明樹脂の屈折率η1、η2の0.8〜1.2倍(より好ましくは、0.9〜1.1倍、さらに好ましくは、0.95〜1.05倍)の範囲にあることが好ましい。なお、透明接着剤41としては、紫外線等を照射することにより硬化する光硬化型の他、熱硬化型や二液混合型の接着剤を用いることができるが、特に、屈折率η3を屈折率η1、η2に近づけるために、屈折率を調整した屈折率調整樹脂からなる光学用接着剤等が好適に用いられる。
なお、各溝の傾斜面が多角面、凹面、凹凸面を有する場合、その傾斜面と、溝に充填される透明接着剤(第3の透明樹脂)との密着性に優れる。特に、傾斜面に多数の凹凸が形成されている場合、アンカー効果によって密着性を高めることができる。これにより、溝内を透明接着剤(第3の透明樹脂)で隙間なく埋めて凹凸を解消することができる。その結果、傾斜面と第3の透明樹脂との界面で乱反射(散乱)を発生させることなく光を通過させることができ、屈折も最小限に抑えて、明るく鮮明な立体像を得ることができる(以上、第4工程)。
上記第4工程では、第3の透明樹脂として透明接着剤41を用いたが、透明接着剤41の代わりに、シート状の透明樹脂を用いてもよい。
つまり、図6(A)、(B)に示すように、第1、第2の中間母材39、40の凸条20、30を向かい合わせた状態で、第1、第2の中間母材39、40の間に第1、第2の透明樹脂より融点が低く、かつ第1、第2の透明樹脂の屈折率η1、η2と同一若しくは近似の屈折率η3を有する透明樹脂シート(第3の透明樹脂)43を挟み込み、加熱機構を有する平面プレス44の間に配置して、周囲を真空にして加熱しながら(具体的には真空加熱炉に入れて)、押圧する。これにより、透明樹脂シート43のみを溶融して第1、第2の中間母材39、40の溝19、29に充填し、固化させて第1、第2の中間母材39、40を一体化することができる。
透明樹脂シート(第3の透明樹脂)43としては、例えば、ゼオノア(ZEONOR:登録商標、ガラス転移温度:100〜102℃のもの、屈折率η3:1.53、シクロオレフィンポリマー)を使用するのが好ましいが、その他の透明樹脂で、融点が第1、第2の透明樹脂より低く、透明度が高く、屈折率η3が第1、第2の透明樹脂の屈折率η1、η2の0.8〜1.2倍(より好ましくは、0.9〜1.1倍、さらに好ましくは、0.95〜1.05倍)の範囲のものであれば代替可能である。
なお、溝19、29内の樹脂の量が不足すると、空間が形成されるので、溶融後の透明樹脂が溝19、29から溢れる程度に透明樹脂シート43の厚みt1を設定することが好ましい。よって、透明樹脂シート43の溶融後の体積が、溝19、29の空間の体積と同等以上となるように透明樹脂シート43の厚みt1を選択すればよい。例えば、溝19、29の深さdに対し、透明樹脂シート43の厚みt1>d(更に詳細には、2d>t1>d)とすることによって、溝19、29を第3の透明樹脂によって完全に埋めることができる。
この立体像結像装置10の動作を、図2(A)、(B)を参照して説明すると、図示しない対象物からの光L1はP11から第2の光制御部材15に進入し、金属反射面38からなる同心円状光反射部14のP12で反射する。P12で反射した光は第1の光制御部材13に進入し、金属反射面37からなる放射状光反射部12のP13で反射し、P14の位置で第1の光制御部材13から空中に出て行き結像する。
ここで、図2(B)のQ11で第2の透明樹脂(透明平板材26)から第3の透明樹脂(透明接着剤41)に、Q12で第3の透明樹脂(透明接着剤41)から第1の透明樹脂(透明平板材16)に、図2(A)のS11で第2の透明樹脂(透明平板材26)から第3の透明樹脂(透明接着剤41)に、S12で第3の透明樹脂(透明接着剤41)から第1の透明樹脂(透明平板材16)に入光するが、第1、第2の透明樹脂の屈折率η1、η2と第3の透明樹脂の屈折率η3が略同じであるので、全反射や分光等の現象は起こらず、屈折の影響も極めて小さい。なお、P11、P14の位置でも屈折を起こすが、P11、P14の屈折は相殺する。また、放射状光反射部12及び同心円状光反射部14は表裏(図2(A)、(B)では左右)いずれの側も光反射部として機能する。
続いて、本発明の第2の実施例に係る立体像結像装置及びその製造方法を説明する。
第1の実施例に係る立体像結像装置の製造方法と同様に、図3(A)、(B)、図4(A)、(B)に示した第1工程〜第3工程を経て、第1、第2の中間母材39、40を製造する。その後、図7(A)に示すように、第1の中間母材39の溝19に、第1の透明樹脂の屈折率η1と同一若しくは近似の屈折率η3を有する第3の透明樹脂として、透明接着剤45を充填し、表面が平坦な透明樹脂板46を積層する。そして、透明接着剤45を硬化させ、第1の中間母材39と透明樹脂板46を接合することにより、図7(B)に示す第1の光制御部材47が得られる(以上、第4工程)。
また、図8(A)に示すように、第2の中間母材40の溝29に、第2の透明樹脂の屈折率η2と同一若しくは近似の屈折率η4を有する第4の透明樹脂として、透明接着剤48を充填し、表面が平坦な透明樹脂板49を積層する。そして、透明接着剤48を硬化させ、第2の中間母材40と透明樹脂板49を接合することにより、図8(B)に示す第2の光制御部材50が得られる(以上、第5工程)。
上記第4、第5工程において、透明接着剤(第3、第4の透明樹脂)45、48の屈折率η3、η4は第1、第2の透明樹脂の屈折率η1、η2の0.8〜1.2倍(より好ましくは、0.9〜1.1倍、さらに好ましくは、0.95〜1.05倍)の範囲にあることが好ましい。なお、透明接着剤(第3、第4の透明樹脂)45、48は、第1の実施例における透明接着剤41と同様のものが好適に用いられる。
また、上記第4、第5工程において、第1、第2の中間母材39、40に透明樹脂板46、49を積層することにより、第1、第2の光制御部材47、50の表面を容易に平坦(平面)化することができるが、硬化後の透明接着剤(第3、第4の透明樹脂)45、48の表面を切削や研磨等により平面化処理できる場合は、透明樹脂板46、49を省略できる。なお、透明樹脂板46、49の材質は、第1、第2の透明樹脂と同一のものが好適に用いられるが、その屈折率が、第1、第2の透明樹脂の屈折率η1、η2の0.8〜1.2倍(より好ましくは、0.9〜1.1倍、さらに好ましくは、0.95〜1.05倍)の範囲にあるものであれば使用可能である。
第4、第5工程で得られた第1、第2の光制御部材47、50を平面視してそれぞれの基準点X、Y(図1(C)、(D)参照)が重なるように積層して透明接着剤等を用いて(例えば、真空状態で)接合することにより、図9(A)、(B)に示す第2の実施例に係る立体像結像装置51が完成する。この立体像結像装置51は、第1の実施例と同様に、金属反射面37からなる放射状光反射部12及び金属反射面38からなる同心円状光反射部14を有している(以上、第6工程)。
以上のようにして得られた立体像結像装置51の動作を説明すると、図示しない対象物からの光L2はP21から第2の光制御部材50に進入し、金属反射面38からなる同心円状光反射部14のP22で反射する。P22で反射した光は第1の光制御部材47に進入し、金属反射面37からなる放射状光反射部12のP23で反射し、P24の位置で第1の光制御部材47から空中に出て行き結像する。
ここで、図9(B)のQ21で透明樹脂板49から第4の透明樹脂(透明接着剤48)に、Q22で第4の透明樹脂(透明接着剤48)から第2の透明樹脂(透明平板材26)に、図9(A)のS21で第1の透明樹脂(透明平板材16)から第3の透明樹脂(透明接着剤45)に、Q23で第3の透明樹脂(透明接着剤45)から透明樹脂板46に入光するが、第1〜第4の透明樹脂の屈折率η1〜η4及び透明樹脂板46、49の屈折率が略同じであるので、全反射や分光等の現象は起こらず、屈折の影響も極めて小さい。また、第1、第2の光制御部材47、50の間にも透明接着剤層52が存在するが、透明接着剤45、48と同様に、第1、第2の透明樹脂の屈折率η1、η2と略同じ屈折率を有する透明接着剤を用い、厚さも薄く(5〜50μm)することにより、透明接着剤層52を通過する際の屈折の影響は極めて小さく、全反射等の現象は起こらない。なお、P21、P24の位置でも屈折を起こすが、P21、P24の屈折は相殺する。また、放射状光反射部12及び同心円状光反射部14は表裏(図9(A)、(B)では左右)いずれの側も光反射部として機能する。
なお、図9(A)、(B)では、第1、第2の光制御部材47、50の裏側(溝19、29が形成されていない面)同士が接するように重ねて接合したが、表側同士を重ねて接合してもよいし、表側と裏側が接するように重ねて接合してもよい。いずれの場合も、完成した立体像結像装置の一側に放射状光反射部が配置され、他側に同心円状光反射部が配置されるので、動作に違いはなく、立体像を形成することができる。
続いて、本発明の第3の実施例に係る立体像結像装置及びその製造方法を説明する。
図10(A)、(B)に示す第3の実施例に係る立体像結像装置60は、1枚の透明平板材61の一側(表側)に複数の放射状光反射部(第1の垂直光反射部)62を備えた第1の光制御部63を有し、他側(裏側)に複数の同心円状光反射部(第2の垂直光反射部)64を備えた第2の光制御部65を有している。
図10(A)、(B)、図11(A)、(B)に示すように、この透明平板材61の一側(表側)には、基準点X(図示せず)を中心にして、垂直面66と傾斜面67を有する断面三角形の複数の第1の溝68が放射状に配置されており、透明平板材61の他側(裏側)には、平面視して基準点Xに重なる基準点Y(図示せず)を中心にして、垂直面69と傾斜面70を有する断面三角形の複数の第2の溝71が同心円状に配置されている。そして、隣り合う第1の溝68の間には断面三角形の複数の第1の凸条72が形成され、隣り合う第2の溝71の間には断面三角形の複数の第2の凸条73が形成されている。
また、図11(A)、(B)に示すように、第1の溝68の傾斜面67の下端と垂直面66の下端との間(第1の溝68の底部)、第2の溝71の傾斜面70の下端と垂直面69の下端との間(第2の溝71の底部)にはそれぞれ微小平面部75が形成され、第1の溝68の傾斜面67の上端と垂直面66の上端との間(第1の凸条72の頂部)、第2の溝71の傾斜面70の上端と垂直面69の上端との間(第2の凸条73の頂部)にはそれぞれ微小平面部76が形成されている。この微小平面部75、76の幅は、第1の実施例における微小平面部23、24と同様である。
この立体像結像装置60を製造する際は、まず、第1の透明樹脂(屈折率η1)を原料として、インジェクション成型(又はプレス成型若しくはロール成型)によって成型を行い、成型母材74を製造する。このとき原料となる第1の透明樹脂は第1の実施例の第1、第2の透明樹脂と同様のものが好適に用いられる。また、成型後は、第1の実施例と同様に、アニーリング処理を行って、残留応力等を除去するのが好ましい。(以上、第1工程)。
次に、図12(A)、(B)に示すように、成型母材74の第1、第2の溝68、71の垂直面66、69に選択的に金属反射面(鏡面)79、80を形成する。金属反射面79、80の形成は、第1の実施例と同様に、スパッタリング等により金属粒子を照射する方法が好適に用いられる。このときの傾斜面67、70の角度θ1と、金属粒子の照射方向77、78(角度θ2)との関係も第1の実施例と同様である。これにより、図10(A)、(B)に示した第1、第2の光制御部63、65の放射状光反射部62、同心円状光反射部64となる金属反射面79、80が形成され、中間母材81が製造される。なお、第1の光制御部63側と第2の光制御部65側では金属粒子の照射方向77、78が異なるので、第1の光制御部63側と第2の光制御部65側で別々に金属粒子の照射を行うことが望ましい。(以上、第2工程)。
次に、図13(A)、(B)に示すように、中間母材81の第1、第2の溝68、71に、それぞれ第1の透明樹脂の屈折率η1と同一若しくは近似の屈折率η2を有する第2の透明樹脂として、透明接着剤82を充填し、中間母材81の両面に表面が平坦な透明樹脂板83を積層する。そして、透明接着剤82を硬化させ、中間母材81と両面の透明樹脂板83を接合することにより、図10(A)、(B)に示した立体像結像装置60が得られる(以上、第3工程)。
上記第3工程において、透明接着剤(第2の透明樹脂)82の屈折率η2は第1の透明樹脂の屈折率η1の0.8〜1.2倍(より好ましくは、0.9〜1.1倍、さらに好ましくは、0.95〜1.05倍)の範囲にあることが好ましい。なお、透明接着剤(第2の透明樹脂)82は、第1の実施例における透明接着剤41と同様のものが好適に用いられる。
また、上記第3工程において、中間母材81の両面に透明樹脂板83を積層することにより、立体像結像装置60の両面を容易に平坦(平面)化することができるが、硬化後の透明接着剤(第2の透明樹脂)82の表面を切削や研磨等により平面化処理できる場合は、透明樹脂板83を省略できる。なお、透明樹脂板83の材質は、第1の透明樹脂と同一のものが好適に用いられるが、その屈折率が、第1の透明樹脂の屈折率η1の0.8〜1.2倍(より好ましくは、0.9〜1.1倍、さらに好ましくは、0.95〜1.05倍)の範囲にあるものであれば使用可能である。
以上のようにして得られた立体像結像装置60の動作を、図10(A)、(B)を参照して説明すると、図示しない対象物からの光L3はP31から第2の光制御部65に進入し、金属反射面80からなる同心円状光反射部64のP32で反射する。P32で反射した光は第1の光制御部63に進入し、金属反射面79からなる放射状光反射部62のP33で反射し、P34の位置で第1の光制御部63から空中に出て行き結像する。
ここで、図10(B)のQ31で透明樹脂板83から第2の透明樹脂(透明接着剤82)に、Q32で第2の透明樹脂(透明接着剤82)から第1の透明樹脂(透明平板材61)に、図10(A)のS31で第1の透明樹脂(透明平板材61)から第2の透明樹脂(透明接着剤82)、Q33で第2の透明樹脂(透明接着剤82)から透明樹脂板83に入光するが、第1、第2の透明樹脂の屈折率η1、η2及び透明樹脂板83の屈折率が略同じであるので、全反射や分光等の現象は起こらず、屈折の影響も極めて小さい。なお、P31、P34の位置でも屈折を起こすが、P31、P34の屈折は相殺する。また、放射状光反射部62及び同心円状光反射部64は表裏(図10(A)、(B)では左右)いずれの側も光反射部として機能する。
続いて、本発明の第4の実施例に係る立体像結像装置及びその製造方法を説明する。
図14(A)、(B)に示す第4の実施例に係る立体像結像装置84は、第3の実施例と同様に、透明平板材85の一側に複数の放射状光反射部(第1の垂直光反射部)86を備えた第1の光制御部87を有し、透明平板材85の他側に複数の同心円状光反射部(第2の垂直光反射部)88を備えた第2の光制御部89を有している。この透明平板材85の一側(表側)には、放射状光反射部86となる垂直面90と傾斜面91を有する断面台形の複数の第1の凸条92が、基準点X(図示せず)を中心にして、放射状に配置されており、透明平板材85の他側(裏側)には、平面視した基準点Xに重なる基準点Y(図示せず)を中心にして、同心円状光反射部88となる垂直面93と傾斜面94を有する断面台形の複数の第2の凸条95が同心円状に配置されている。そして、隣り合う第1の凸条92の間には断面三角形の複数の第1の溝96が形成され、隣り合う第2の凸条95の間には断面三角形の複数の第2の溝97が形成されている。なお、第1の凸条92の傾斜面91の下端と垂直面90の下端との間(第1の溝96の底部)、第2の凸条95の傾斜面94の下端と垂直面93の下端との間(第2の溝97の底部)にはそれぞれ微小平面部98が形成されている。この微小平面部98の幅は、第1の実施例における微小平面部23、33と同様である。
第3の実施例では、第1、第2の溝68、71の垂直面66、69に金属反射面79、80を形成し、放射状光反射部62及び同心円状光反射部64として機能させたが、本実施例では、第1、第2の溝96、97内の空気層(気体層の一例)を使用して、第1、第2の凸条92、95の垂直面90、93を全反射面とすることにより、そのまま放射状光反射部86及び同心円状光反射部88として機能させている。このとき、第1、第2の凸条92、95が断面台形に形成されることにより、それぞれ幅広の表面水平部99を有しているので、立体像の形成に使用される透明平板材85表面の面積が減少することを防ぎ、明るい立体像を得ることができる。
この立体像結像装置84を製造する際は、第3の実施例と同様に、透明樹脂を原料として、インジェクション成型(又はプレス成型若しくはロール成型)によって成型を行う。このとき原料となる透明樹脂は第1の実施例の第1、第2の透明樹脂と同様のものが好適に用いられるが、全反射を利用するので、材質は特に限定されない。なお、成型後は、第1の実施例と同様に、アニーリング処理を行って、残留応力等を除去するのが好ましい。
立体像結像装置84では、放射状光反射部86及び同心円状光反射部88となる第1、第2の凸条92、95の垂直面90、93が、空気層を使用した全反射面であるので、垂直面90、93に金属反射面を形成する必要や第1、第2の溝96、97に透明樹脂を充填する必要がなく、インジェクション成型等によって成型された成型体をそのまま立体像結像装置84として使用することができる。従って、傾斜面91、94は多角面、凹面、凹凸面等を有する必要はなく、平面でよい。
また、この立体像結像装置84では、第1、第2の光制御部87、89を1枚の透明平板材85の表裏に同時に成型することができるので、放射状光反射部86と同心円状光反射部88の位置合わせも容易で生産性に優れる。
以上のようにして得られた立体像結像装置84の動作を、図14(A)、(B)を参照して説明すると、図示しない対象物からの光L4は、第2の凸条95における表面水平部99上のP41から第2の光制御部89に進入する。ここで、第2の溝97内(垂直面93の外側領域)には空気が存在しており、透明平板材85(第2の凸条95内)の屈折率η1は、垂直面93の外側領域、すなわち空気層の屈折率ηaより大きい。このため、第2の凸条95内を進行した光が垂直面93上のP42に入射する際に、その入射角θi1がsinθc=η1/ηaの関係を満たす臨界角θcを超える場合、垂直面93の内側が全反射面となり、同心円状光反射部88として機能し、P42で光の全反射が起こる。P42で反射した光は透明平板材85内を進行し、第1の光制御部87(第1の凸条92内)に進入する。そして、垂直面90上のP43に達した光の入射角θi2が臨界角θcを超える場合、前述と同様に垂直面90の内側が全反射面となり、放射状光反射部86として機能し、P43で光の全反射が起こる。P43で反射した光は、第1の凸条92における表面水平部99上のP44の位置で第1の光制御部87から空中に出て行き結像する。
このとき、第1、第2の溝96、97の底部に設けられた微小平面部98を通過する光は少なく、多くの光が第1、第2の凸条92、95の内部を通過するので、放射状光反射部86及び同心円状光反射部88で全反射する光の量を増加させることができ、明るく鮮明な立体像を形成することができる。なお、P41、P44の位置でも屈折を起こすが、P41、P44の屈折は相殺する。
本発明は以上の実施例に限定されるものではなく、それぞれの実施例に係る立体像結像装置の製造方法を組み合わせて、立体像結像装置を製造する場合も本発明は適用される。
本発明では、第1、第2の垂直光反射部として、放射状光反射部及び同心円状光反射部を有する立体像結像装置及びその製造方法について説明したが、第1〜第4の実施例における各製造工程は、例えば従来のように第1、第2の光制御パネル(又は光制御部)の複数の垂直光反射面(帯状光反射面)がそれぞれ直線状(平行)で、平面視して直交するように配置される立体像結像装置に対しても適用することができる。
特に、各溝の傾斜面を形成する金型部分の表面に、予めショットブラスト処理や梨地処理等により凸凹を形成し、各溝の傾斜面に金型の凸凹を転写して凹凸を形成する技術は、金型からの脱型を容易にすることに加え、各溝の傾斜面と、各溝に充填される透明樹脂との密着性を高めることを目的としている。したがって、この技術は立体像結像装置の製造において、溝の内部に透明樹脂を充填する際に有用であり、その際の溝の形状や配置は問わない。
第1〜第3の実施例では、各溝の垂直面にスパッタリング等の方法で金属粒子の照射を行って金属反射面(鏡面)を形成したが、その他に、金属ペーストを塗布する等して金属反射面を形成してもよい。
第2の実施例の第6工程では、第1、第2の光制御部材を透明接着剤等を用いて接合する場合について説明したが、第1、第2の光制御部材は、隙間を有して又は隙間なく重ね合わせることにより、立体像結像装置として使用することができる。
第4の実施例では、1枚の透明平板材の両面(表裏)に第1、第2の光制御部を同時に成型したものについて説明したが、2枚の透明平板材に別々に第1、第2の光制御部材を成型して透明接着剤等で接合することも可能である。なお、第4の実施例では、第1、第2の溝が立体像結像装置の両面に開口しており、ゴミ等の異物が進入して溜まり易いので、透明平板材の屈折率と同一若しくは近似の屈折率を有する透明板を立体像結像装置の両面に接合する等して第1、第2の溝に蓋をし、各溝の内部に空気層を形成してもよい。また、2枚の透明平板材に別々に第1、第2の光制御部材を成型して透明接着剤等で接合する際に、第1、第2の溝を向かい合わせて密封し、各溝の内部に空気層を形成することもできる。なお、第1、第2の溝に、空気の代わりに窒素等の気体を封入して気体層を形成してもよいし、第1、第2の溝の内部を真空にしてもよい。
なお、本発明の同心円状光反射部は、完全な円形だけでなく、多角形状に形成し、その各面が放射状光反射部と直交するようにしたものも含む。
本発明に係る立体像結像装置及び立体像結像装置の製造方法においては、複数の放射状光反射部と複数の同心円状光反射部を有することにより、結像範囲が広く、光反射部の配置間隔を細かくして多くの光反射部を密に配置することができるので、視野角を広げて、ゴーストの少ない明るく鮮明な立体像を形成することができ、立体表示機器、ゲーム機、遊戯機器、広告塔等に応用できる。更に、構造も簡単であるので、安価で量産性に優れた立体像結像装置を製造できる。
10:立体像結像装置、12:放射状光反射部(第1の垂直光反射部)、13:第1の光制御部材、14:同心円状光反射部(第2の垂直光反射部)、15:第2の光制御部材、16:透明平板材、17:垂直面、18:傾斜面、19:溝、20:凸条、21:第1の成型母材、23、24:微小平面部、26:透明平板材、27:垂直面、28:傾斜面、29:溝、30:凸条、31、第2の成型母材、33、34:微小平面部、35、36:照射方向、37、38:金属反射面、39:第1の中間母材、40:第2の中間母材、41:透明接着剤(第3の透明樹脂)、43:透明樹脂シート(第3の透明樹脂)、44:平面プレス、45:透明接着剤(第3の透明樹脂)、46:透明樹脂板、47:第1の光制御部材、48:透明接着剤(第4の透明樹脂)、49:透明樹脂板、50:第2の光制御部材、51:立体像結像装置、52:透明接着剤層、60:立体像結像装置、61:透明平板材、62:放射状光反射部(第1の垂直光反射部)、63:第1の光制御部、64:同心円状光反射部(第2の垂直光反射部)、65:第2の光制御部、66:垂直面、67:傾斜面、68:第1の溝、69:垂直面、70:傾斜面、71:第2の溝、72:第1の凸条、73:第2の凸条、74:成型母材、75、76:微小平面部、77、78:照射方向、79、80:金属反射面、81:中間母材、82:透明接着剤(第2の透明樹脂)、83:透明樹脂板、84:立体像結像装置、85:透明平板材、86:放射状光反射部(第1の垂直光反射部)、87:第1の光制御部、88:同心円状光反射部(第2の垂直光反射部)、89:第2の光制御部、90:垂直面、91:傾斜面、92:第1の凸条、93:垂直面、94:傾斜面、95:第2の凸条、96:第1の溝、97:第2の溝、98:微小平面部、99:表面水平部
本発明は、空中に立体像を結像する立体像結像装置及び立体像結像装置の製造方法に関する。
物体表面から発する光(散乱光)を用いて立体像を形成する装置として、例えば、特許文献1に記載の立体像結像装置(光学結像装置)がある。
この結像装置は、2枚の透明平板の内部に、この透明平板の厚み方向に渡って垂直に複数かつ帯状で、金属反射面(鏡面)からなる光反射面を一定のピッチで並べて形成した第1、第2の光制御パネルを有し、この第1、第2の光制御パネルのそれぞれの光反射面が平面視して直交するように、第1、第2の光制御パネルの一面側を向い合わせて密着させたものである。
国際公開第2009/131128号公報
上記した第1、第2の光制御パネルの製造に際しては、金属反射面が一面側に形成された一定厚みの板状の透明合成樹脂板やガラス板(以下、「透明板」ともいう)を、金属反射面が一方側に配置されるように複数枚積層して積層体を作製し、この積層体から各金属反射面に対して垂直な切り出し面が形成されるように切り出している。
このため、透明板に金属反射面を形成する作業において大型の蒸着炉を必要とし、しかも、1枚又は少数枚の透明板を蒸着炉に入れて脱気して高真空にした後、蒸着処理を行い、
大気圧に開放して蒸着した透明板を取り出すという作業を百回以上繰り返す必要があり、
極めて手間と時間のかかる作業であった。また、金属蒸着された透明板を積層して積層体を形成し、極めて薄い所定厚で切断する作業を行って、この積層体から第1、第2の光制御パネルを切り出し、更にこれら第1、第2の光制御パネルの切り出し面(両面)の研磨作業等を行う必要があるため、作業性や製造効率が悪かった。
また、第1、第2の光制御パネルの複数の金属反射面がそれぞれ直線状(平行)で、平面視して直交するように配置されているため、金属反射面の配置間隔(ピッチ)に制限を受け、視野角(結像範囲)も限られ、立体像の明るさや鮮明さにも限界があった。
更に、特許文献1には、断面直角三角形の溝を有する第1、第2の光制御パネルを透明樹脂から作り、第1、第2の光制御パネルをその光反射面を直交させて向かい合わせて密着して光学結像装置を提供することも記載されているが、光反射面として全反射を利用するので、溝のアスペクト比も小さく、明るい結像を得ることが困難であるという問題があった。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、視野角が広く、ゴーストの少ない明るく鮮明な立体像を得ることが可能で、製造も比較的容易な立体像結像装置及び立体像結像装置の製造方法を提供することを目的とする。
前記目的に沿う第1の発明に係る立体像結像装置は、平面視して環状又は環状の一部を用いた形状に形成される立体像結像装置であって、
透明平板材の一側に基準点Xを中心にして放射状に複数の第1の垂直光反射部を設け、前記透明平板材の他側に平面視して前記基準点Xに重なる基準点Yを中心にして前記第1の垂直光反射部と交差する同心円状に複数の第2の垂直光反射部を設けたものである。
ここで、立体像結像装置は最終形状が平面視して環状又は環状の一部を用いた形状であればよく、製造段階の外形形状は環状、円形状或いはその他の形状でもよい。なお、環状の一部を用いた形状には扇形の他、矩形状も含む。
この立体像結像装置では、基準点Xを中心にして放射状に設けられる第1の垂直光反射部(放射状光反射部)が直線状に形成されるのに対し、同心円状に設けられる第2の垂直光反射部(同心円状光反射部)は、基準点Yを中心とする同心円に沿って湾曲しているが、平面視して第1の垂直光反射部と第2の垂直光反射部が交差する点では、両者は直交している。よって、従来のように複数の直線状の帯状光反射面を平行に配置した第1、第2の光制御パネル(又は光制御部)を、それぞれの光反射面が平面視して直交した状態で、隙間を有して又は隙間なく重ね合わせた(又は一体化した)立体像結像装置と同様に、立体像を結像させることができる。
第1の垂直光反射部は、透明平板材の一側に複数の溝を間隔を開けて放射状に形成し、その垂直面を鏡面としたものが好適に用いられる。また、第2の垂直光反射部は、透明平板材の他側に複数の溝を間隔を開けて同心円状に形成し、その垂直面を鏡面としたものが好適に用いられる。これらは、透明樹脂からプレス成型、インジェクション成型、ロール成型等によって製造することができる。なお、第1、第2の垂直光反射部が形成される溝は、1枚の透明平板材の両側(表裏)に同時に成型してもよいし、2枚の透明平板材の一側(表面)に別々に成型して透明接着剤で接合してもよい。このとき、溝の断面形状を矩形状、直角三角形状、台形状等に形成することにより、簡単に垂直面を得ることができる。
特に、溝の断面形状を直角三角形状や台形状に形成した場合、溝が開放側に広くなるので、押型又は脱型が容易となり、生産性に優れる。また、溝の断面形状が矩形状の場合、両側の垂直面を光反射部(以下、第1、第2の垂直光反射部をまとめて光反射部ともいう)とすることができる。
なお、放射状光反射部と同心円状光反射部の2種類の光反射部は、透明平板材の板厚方向の上下(一側と他側)に重ね合わされて配置されていればよい。
また、成型に用いる金型の表面を光が乱反射しない程度に鏡面研磨することにより、製造される透明平板材の表面も同様の鏡面となる。よって、光の全反射を利用する場合は、溝の垂直面をそのまま光反射部として使用することができる。但し、その場合、溝の幅を広くすると立体像の形成に使用される透明平板材表面の面積が減少して明るい立体像が得られなくなるので、溝の断面を直角三角形状に形成して、溝と溝の間に形成される凸条の断面を台形状とすることが望ましい。また、金型による成型後に、溝の垂直面に選択的に金属蒸着等を行って金属反射面(鏡面)を形成し、光反射部として使用することもできる。なお、第2の垂直光反射部は同心円状に形成する代わりに、1条若しくは複数条の溝を渦巻状に形成してもよい。また、成型によって透明平板材の表面に溝を形成する代わりに、透明平板材の表面を削って溝を形成することもできる。
第1の発明に係る立体像結像装置において、前記第1、第2の垂直光反射部は、それぞれ金属反射面であることが好ましい。
ここで、金属反射面(鏡面)を形成する方法として、溝の垂直面に直接、スパッタリング、金属蒸着、金属微小粒子の吹き付け、イオンビームの照射、金属ペーストの塗布等を行う以外に、スパッタリングや金属蒸着等で反射膜を形成した樹脂フィルムを溝の垂直面に貼り付けてもよい。なお、特に、断面三角形の溝の垂直面に直接、スパッタリング、金属蒸着、金属微小粒子の吹き付け、イオンビームの照射等を行う場合、溝の傾斜面は平面の他、断面が内側に窪む凹面、多角面(多角形の一部からなる)を含むことが好ましい。これにより、溝の傾斜面に金属反射面が形成されるのを極力防止できる。
第1の発明に係る立体像結像装置において、該立体像結像装置は両表面が平坦な平板状となって、前記第1、第2の垂直光反射部以外の素材は、一の透明樹脂の屈折率に対し、他の透明樹脂の屈折率が0.95〜1.05倍の範囲にある2種類以上の透明樹脂からなることが好ましい。
第1の発明に係る立体像結像装置において、前記第1、第2の垂直光反射部は、それぞれ全反射面であることが好ましい。
第1の発明に係る立体像結像装置において、前記第1、第2の垂直光反射部には気体層又は真空が使用されていることが好ましい。
第1の発明に係る立体像結像装置において、前記透明平板材の一側に前記基準点Xを中心にして、垂直面と傾斜面とを有する断面三角形の複数の第1の溝、及び隣り合う前記第1の溝の間に形成される断面三角形の複数の第1の凸条がそれぞれ放射状に配置され、前記透明平板材の他側に前記基準点Yを中心にして、垂直面と傾斜面を有する断面三角形の複数の第2の溝、及び隣り合う前記第2の溝の間に形成される断面三角形の複数の第2の凸条がそれぞれ同心円状に配置されており、前記第1、第2の溝の前記垂直面には前記金属反射面が形成され、前記第1、第2の溝には、前記透明平板材の屈折率の0.95〜1.05倍の範囲にある屈折率を有する透明樹脂が充填されていることが好ましい。
第1の発明に係る立体像結像装置において、前記透明平板材の一側に前記基準点Xを中心にして、垂直面と傾斜面とを有する断面台形の複数の第1の凸条、及び隣り合う前記第1の凸条の間に形成される断面三角形の複数の第1の溝がそれぞれ放射状に配置され、前記透明平板材の他側に前記基準点Yを中心にして、傾斜面と垂直面とを有する断面台形の複数の第2の凸条、及び隣り合う前記第2の凸条の間に形成される断面三角形の複数の第2の溝がそれぞれ同心円状に配置されており、前記第1、第2の凸条の前記垂直面は、前記気体層又は真空を使用した全反射面であることが好ましい。
前記目的に沿う第2の発明に係る立体像結像装置の製造方法は、平面視して環状又は環状の一部を用いた形状に形成される立体像結像装置の製造方法であって、
透明平板材の一側に基準点Xを中心にして、垂直面と傾斜面とを有する断面三角形の複数の溝、及び隣り合う前記溝の間に形成される断面三角形の複数の凸条がそれぞれ放射状に配置された第1の成型母材を、第1の透明樹脂からプレス成型、インジェクション成型及びロール成型のいずれか1によって製造する第1工程と、
透明平板材の一側に基準点Yを中心にして、垂直面と傾斜面とを有する断面三角形の複数の溝、及び隣り合う前記溝の間に形成される断面三角形の複数の凸条がそれぞれ同心円状に配置された第2の成型母材を、第2の透明樹脂からプレス成型、インジェクション成型及びロール成型のいずれか1によって製造する第2工程と、
前記第1、第2の成型母材の前記溝の垂直面のみに第1、第2の垂直光反射部となる金属反射面を選択的に形成して、第1、第2の中間母材を製造する第3工程と、
前記第1、第2の中間母材の前記溝に、前記第1、第2の透明樹脂の屈折率の0.95〜1.05倍の範囲にある屈折率を有する第3の透明樹脂を充填し、前記第1、第2の中間母材の前記溝同士を向かい合わせた状態で、平面視してそれぞれの前記基準点X、Yが重なるように前記第1、第2の中間母材を積層して接合する第4工程とを有する。
ここで、第1、第2の透明樹脂の屈折率η1、η2は同一であるのが好ましい。
なお、第4工程では、第1、第2の透明樹脂より融点が低いシート状の第3の透明樹脂を第1、第2の中間母材の間に挟み込み、真空状態で加熱、押圧して、第3の透明樹脂のみを溶解し、第1、第2の中間母材の溝に充填して固化させてもよいし、第1、第2の中間母材の溝に透明接着剤(第3の透明樹脂からなる)を充填し、第1、第2の中間母材の凸条を向かい合わせて第1、第2の中間母材を突き合わせ、透明接着剤を硬化させてもよい。透明接着剤としては紫外線等を照射することにより硬化する光硬化型の他、熱硬化型や二液混合型の接着剤を用いることができるが、特に、屈折率η3を屈折率η1、η2に近づけるために、屈折率を調整した屈折率調整樹脂からなる光学用接着剤等が好適に用いられる。
前記目的に沿う第3の発明に係る立体像結像装置の製造方法は、平面視して環状又は環状の一部を用いた形状に形成される立体像結像装置の製造方法であって、
透明平板材の一側に基準点Xを中心にして、垂直面と傾斜面とを有する断面三角形の複数の溝、及び隣り合う前記溝の間に形成される断面三角形の複数の凸条がそれぞれ放射状に配置された第1の成型母材を、第1の透明樹脂からプレス成型、インジェクション成型及びロール成型のいずれか1によって製造する第1工程と、
透明平板材の一側に基準点Yを中心にして、垂直面と傾斜面とを有する断面三角形の複数の溝、及び隣り合う前記溝の間に形成される断面三角形の複数の凸条がそれぞれ同心円状に配置された第2の成型母材を、第2の透明樹脂からプレス成型、インジェクション成型及びロール成型のいずれか1によって製造する第2工程と、
前記第1、第2の成型母材の前記溝の垂直面のみに第1、第2の垂直光反射部となる金属反射面を選択的に形成して、第1、第2の中間母材を製造する第3工程と、
前記第1の中間母材の前記溝に、前記第1の透明樹脂の屈折率の0.95〜1.05倍の範囲にある屈折率を有する第3の透明樹脂を充填し、表面を平面化して第1の光制御部材を形成する第4工程と、
前記第2の中間母材の前記溝に、前記第2の透明樹脂の屈折率の0.95〜1.05倍の範囲にある屈折率を有する第4の透明樹脂を充填し、表面を平面化して第2の光制御部材を形成する第5工程と、
前記第1、第2の光制御部材を平面視してそれぞれの前記基準点X、Yが重なるように隙間を有して又は隙間なく重ね合わせる第6工程とを有する。
お、第1の透明樹脂と第2の透明樹脂、第3の透明樹脂と第4の透明樹脂はそれぞれ同一の素材であることが好ましいが、異なっていてもよい。
なお、第4工程では、第1の透明樹脂より融点が低いシート状の第3の透明樹脂を真空状態で加熱、押圧して、第3の透明樹脂のみを溶解し、第1の中間母材の溝に充填して固化させてもよいし、第1の中間母材の溝に透明接着剤(第3の透明樹脂からなる)を充填して硬化させてもよい。また、第5工程では、第2の透明樹脂より融点が低いシート状の第4の透明樹脂を真空状態で加熱、押圧して、第4の透明樹脂のみを溶解し、第2の中間母材の溝に充填して固化させてもよいし、第2の中間母材の溝に透明接着剤(第4の透明樹脂からなる)を充填して硬化させてもよい。第4工程、第5工程で透明接着剤を用いる場合は、第2の発明と同様のものが好適に用いられる。
第1、第2の光制御部材は、鮮明な立体像を形成するために、両表面が平坦な平板状となっている必要があるので、第4工程、第5工程で透明接着剤を用いる場合は、硬化後の樹脂表面を切削や研磨等により平面化処理することが好ましい。なお、平面化処理の代わりに、第1、第2の中間母材の溝に透明接着剤を充填した上から、表面が平坦な透明樹脂板を積層し、接合してもよい。このとき、透明樹脂板の材質は、第1、第2の透明樹脂と同一のものが好適に用いられるが、その屈折率が、第1、第2の透明樹脂の屈折率η1、η2の0.8〜1.2倍(より好ましくは、0.9〜1.1倍、さらに好ましくは、0.95〜1.05倍)の範囲にあるものであれば使用可能である。
前記目的に沿う第4の発明に係る立体像結像装置の製造方法は、平面視して環状又は環状の一部を用いた形状に形成される立体像結像装置の製造方法であって、
透明平板材の一側に基準点Xを中心にして、垂直面と傾斜面とを有する断面三角形の複数の第1の溝、及び隣り合う前記第1の溝の間に形成される断面三角形の複数の第1の凸条がそれぞれ放射状に配置され、前記透明平板材の他側に平面視して前記基準点Xに重なる基準点Yを中心にして、垂直面と傾斜面とを有する断面三角形の複数の第2の溝、及び隣り合う前記第2の溝の間に形成される断面三角形の複数の第2の凸条がそれぞれ同心円状に配置された成型母材を、第1の透明樹脂からプレス成型、インジェクション成型及びロール成型のいずれか1によって製造する第1工程と、
前記成型母材の前記第1、第2の溝の垂直面のみに第1、第2の垂直光反射部となる金属反射面を選択的に形成して中間母材を製造する第2工程と、
前記中間母材の前記第1、第2の溝に、前記第1の透明樹脂の屈折率の0.95〜1.05倍の範囲にある屈折率を有する第2の透明樹脂を充填し、表面を平面化する第3工程とを有する。
お、第3工程では、第1の透明樹脂より融点が低いシート状の第2の透明樹脂を真空状態で加熱、押圧して、第1の透明樹脂のみを溶解し、中間母材の第1、第2の溝に充填して固化させてもよいし、中間母材の第1、第2の溝に透明接着剤(第2の透明樹脂からなる)を充填して硬化させてもよい。第3工程で透明接着剤を用いる場合は、第2の発明と同様のものが好適に用いられる。
立体像結像装置は、鮮明な立体像を形成するために、両表面が平坦な平板状となっている必要があるので、第3工程で透明接着剤を用いる場合は、硬化後の樹脂表面を切削や研磨等により平面化処理することが好ましい。なお、平面化処理の代わりに、中間母材の第1、第2の溝に透明接着剤を充填した上から、表面が平坦な透明樹脂板を積層し、接合してもよい。このとき、透明樹脂板の材質は、第1の透明樹脂と同一のものが好適に用いられるが、その屈折率が、第1の透明樹脂の屈折率η1の0.8〜1.2倍(より好ましくは、0.9〜1.1倍、さらに好ましくは、0.95〜1.05倍)の範囲にあるものであれば使用可能である。
前記目的に沿う第5の発明に係る立体像結像装置の製造方法は、平面視して環状又は環状の一部を用いた形状に形成される立体像結像装置の製造方法であって、
透明平板材の一側に基準点Xを中心にして、第1の垂直光反射部となる垂直面と傾斜面とを有する断面台形の複数の第1の凸条、及び隣り合う前記第1の凸条の間に形成される断面三角形の複数の第1の溝がそれぞれ放射状に配置され、前記透明平板材の他側に平面視して前記基準点Xに重なる基準点Yを中心にして、第2の垂直光反射部となる垂直面と傾斜面とを有する断面台形の複数の第2の凸条、及び隣り合う前記第2の凸条の間に形成される断面三角形の複数の第2の溝がそれぞれ同心円状に配置された成型体を、透明樹脂からプレス成型、インジェクション成型及びロール成型のいずれか1によって製造する工程を有する。
第1の発明に係る立体像結像装置は、複数の放射状光反射部と同心円状光反射部を有することにより、結像範囲が広く、光反射部の配置間隔(ピッチ)を細かくして多くの光反射部を密に配置することができ、視野角を広げて、ゴーストの少ない明るく鮮明な立体像を得ることができる。
光反射部が金属反射面である場合、光の入射角に制限がなく、多くの反射光が得られ、広範囲で結像させて明るい立体像を得ることができる。
また、立体像結像装置の両表面が平坦な平板状となって、光反射部以外の素材が、屈折率が同一又は近似する2種類以上の透明樹脂からなる場合、透明樹脂の界面における屈折の影響は極めて小さく、全反射や分光等の現象が起こらず、歪みの少ない鮮明な立体像を形成することができる。
光反射部が全反射面である場合、溝の垂直面に金属反射面を形成する必要がなく、構造を簡素化することができる。
光反射部が気体層又は真空を使用した全反射面である場合、溝の内部に透明樹脂を充填する必要がなく、特に気体層では製造工数を削減することができ、量産性に優れる。
第2〜第4の発明に係る立体像結像装置の製造方法は、プレス成型、インジェクション成型及びロール成型のいずれか1で製造された成型母材が使用され、成型母材には垂直面と傾斜面とを有する多数の溝が形成されている。この溝は開放側に広くなるので、押型又は脱型が容易となり、(溝の深さ)/(溝の幅)で定義されるアスペクト比の高い立体像結像装置を比較的安価に製造できる。
また、成型母材の成型に用いる透明樹脂の屈折率と同一若しくは近似の屈折率を有する透明樹脂が溝に充填されることにより、傾斜面での屈折の影響を極力小さくして、歪みの少ない明るく鮮明な立体像が得られる高品質な立体像結像装置を製造できる。
第5の発明に係る立体像結像装置の製造方法は、プレス成型、インジェクション成型及びロール成型のいずれか1で製造された成型体をそのまま使用することができ、押型又は脱型が容易で、溝のアスペクト比が高いだけでなく、金属反射面を形成する必要や溝に透明樹脂を充填する必要がなく、極めて簡素な構造で、明るく鮮明な立体像を得ることができる量産性に優れた立体像結像装置を製造できる。
(A)、(B)はそれぞれ本発明の第1の実施例に係る立体像結像装置の正面図及び平面図、(C)は図1(A)のA−A’矢視図、(D)は図1(A)のB−B’矢視図である。 (A)は図1(B)のC−C’部D−D’矢視断面図、(B)は図1(B)のE−E’部F−F’矢視断面図である。 (A)は同立体像結像装置の製造方法の第1工程を示す正断面図であり、(B)は同立体像結像装置の製造方法の第2工程を示す側断面図である。 (A)、(B)はそれぞれ同立体像結像装置の製造方法の第3工程を示す正断面図及び側断面図である。 (A)、(B)はそれぞれ同立体像結像装置の製造方法の第4工程を示す正断面図及び側断面図である。 (A)、(B)はそれぞれ同立体像結像装置の製造方法の第4工程の変形例を示す正断面図及び側断面図である。 (A)、(B)はそれぞれ本発明の第2の実施例に係る立体像結像装置の製造方法の第4工程を示す正断面図である。 (A)、(B)はそれぞれ同立体像結像装置の製造方法の第5工程を示す側断面図である。 (A)、(B)はそれぞれ同立体像結像装置の正断面図及び側断面図である。 (A)、(B)はそれぞれ本発明の第3の実施例に係る立体像結像装置の正断面図及び側断面図である。 (A)、(B)はそれぞれ同立体像結像装置の製造方法の第1工程を示す正断面図及び側断面図である。 (A)、(B)はそれぞれ同立体像結像装置の製造方法の第2工程を示す正断面図及び側断面図である。 (A)、(B)はそれぞれ同立体像結像装置の製造方法の第3工程を示す正断面図及び側断面図である。 (A)、(B)はそれぞれ本発明の第4の実施例に係る立体像結像装置の正断面図及び側断面図である。
続いて、本発明の実施例に係る立体像結像装置及びその製造方法について、図面を参照しながら説明する。
図1(A)〜(D)に示すように、本発明の第1の実施例に係る立体像結像装置10は、基準点Xを中心にして、放射状に複数の放射状光反射部(第1の垂直光反射部)12が設けられた平面視して環状の第1の光制御部材13と、平面視して基準点Xに重なる基準点Yを中心にして、同心円状に複数の同心円状光反射部(第2の垂直光反射部)14が設けられた平面視して環状の第2の光制御部材15とを有している。この立体像結像装置10は、平面視して放射状光反射部12と同心円状光反射部14がそれぞれ交差する点で、放射状光反射部12と同心円状光反射部14が直交していることにより、物体からの光を放射状光反射部12と同心円状光反射部14で反射させて、物体の立体像を結像させるものである。
この放射状光反射部12及び同心円状光反射部14は、例えば、いずれも200〜1000μm、好ましくは200〜300μmのピッチで配置されるが、図1(C)、(D)では一部のみを示している。放射状光反射部12及び同心円状光反射部14は等ピッチで配置することが望ましいが、異なるピッチで配置することも可能である。このとき、放射状光反射部12の長さrは円形に形成された外形の半径Rに対し、r=(0.2〜0.8)Rの範囲であることが好ましい。また、放射状光反射部12は基準点Xに近づくほどピッチが狭くなるので、必要に応じて部分的に間引いて配置してもよい。
なお、立体像結像装置10は平面視して環状に形成されているが、実際に立体像の結像に使用する領域は、図1(C)、(D)中の矩形状の二点鎖線で囲んだ部分であるので、製造段階では、まず、図1(A)〜(D)に示すように環状に形成してから、環状の一部を立体像結像装置として切り出すことができる(以下の実施例においても同じ)。よって、製造時の外形を大型化すれば複数の立体像結像装置を切り出すことができ、生産性を向上できる。また、外形の直径を大きくすることにより、同心円状光反射部の曲率半径も大きくなり、湾曲による立体像の歪みを低減することができる。このとき、切り出される立体像結像装置の外形形状は適宜、選択することができ、環状の一部の他、矩形状でも扇形でもよい。
次に、立体像結像装置10の詳細について説明する。
ここで、各同心円状光反射部14は基準点Yを中心とする同心円に沿って湾曲しているが、微小範囲では直線状とみなせるため、図2(A)では、図1(B)のC−C’部D−D’矢視断面図を拡大して平面(直線)状の正断面図として示す。また、図2(B)では、放射状光反射部12に沿う図1(B)のE−E’部F−F’矢視断面図を90度回転して側断面図として示す(以下、同じ)。
この立体像結像装置10の製造にあっては、図3(A)に示すように、透明平板材16の表側(一側)に、基準点X(図1(C)参照)を中心にして、垂直面17と傾斜面18とを有する断面三角形の複数の溝19と、隣り合う溝19の間に形成される断面三角形の複数の凸条20がそれぞれ放射状に配置された第1の成型母材21を、第1の透明樹脂(屈折率η1)を原料として、インジェクション成型(又はプレス成型若しくはロール成型)によって製造する。この第1の透明樹脂として、比較的融点の高い熱可塑性樹脂(例えば、ゼオネックス(ZEONEX:登録商標、ガラス転移温度:120〜160℃、屈折率η1:1.535、シクロオレフィンポリマー))を使用することが好ましい。その他、透明樹脂としては、ポリメチルメタルクレート(アクリル系樹脂)、非晶質フッ素樹脂、PMMA、光学用ポリカーボネイト、フルオレン系ポリエステル、ポリエーテルスルホン等の熱可塑性樹脂を使用することができるが、特に融点、透明度の高いものを使用することが好ましい。
第1の成型母材21は、成型後、アニーリング処理を行って、残留応力等を除去するのが好ましい。また、図3(A)に示すように、溝19の垂直面17の下端と傾斜面18の下端との間、及び溝19の垂直面17の上端と傾斜面18の上端との間には、それぞれ微小平面部23、24が形成されている。微小平面部23、24の幅は、例えば、凸条20のピッチwの0.01〜0.1倍程度とするのがよい。このとき、凸条20のピッチwは放射状光反射部12のピッチと同一であり、200〜1000μm、好ましくは200〜300μmである。なお、このような微小平面部23、24を形成することにより、溝19、及び凸条20の形状安定性に優れ、寸法管理の信頼性にも優れる。
また、溝19の深さdは、(0.8〜5)wとするのが好ましい。これによってアスペクト比(鏡面の高さd/鏡面のピッチw)が0.8〜5の光反射部が得られる(以上、第1工程)。
次に、図3(B)に示すように、透明平板材26の表側(一側)に、基準点Y(図1(D)参照)を中心にして、垂直面27と傾斜面28とを有する断面三角形の複数の溝29と、隣り合う溝29の間に形成される断面三角形の複数の凸条30がそれぞれ同心円状に配置された第2の成型母材31を、第2の透明樹脂(屈折率η2)を原料として、インジェクション成型(又はプレス成型若しくはロール成型)によって製造する。この第2の透明樹脂として、第1の透明樹脂と同一のものを使用することが好ましい。
第2の成型母材31は、成型後、アニーリング処理を行って、残留応力等を除去するのが好ましい。また、図3(B)に示すように、溝29の垂直面27の下端と傾斜面28の下端との間、及び溝29の垂直面27の上端と傾斜面28の上端との間には、それぞれ微小平面部33、34が形成されている。微小平面部33、34の幅は、例えば、凸条30のピッチwの0.01〜0.1倍程度とするのがよい。このとき、凸条30のピッチwは同心円状光反射部14のピッチと同一であり、200〜1000μm、好ましくは200〜300μmである。なお、このような微小平面部33、34を形成することにより、溝29、及び凸条30の形状安定性に優れ、寸法管理の信頼性にも優れる。
また、溝29の深さdは、(0.8〜5)wとするのが好ましい。これによってアスペクト比(鏡面の高さd/鏡面のピッチw)が0.8〜5の光反射部が得られる(以上、第2工程)。
次に、図4(A)、(B)に示すように、第1、第2の成型母材21、31の溝19、29の垂直面17、27のみに選択的に金属反射面(鏡面)37、38を形成して、傾斜面18、28には金属反射面を形成せず、透明の状態を保持する処理を行う。この垂直面17、27への金属反射面37、38の選択形成は、傾斜面18、28に沿った斜め方向から、傾斜面18、28に平行又は傾斜面18、28が凸条20、30の影になるようにして、真空中又は低圧下で、垂直面17、27に向けてスパッタリング、金属蒸着、金属微小粒子の吹き付け、又はイオンビームの照射、その他の方法で金属粒子を照射することにより行う。この場合、金属粒子の照射方向35、36(角度θ2)は、僅少の範囲で傾斜面18、28の角度θ1より寝かせる(即ち、θ1>θ2)ことが好ましい。このとき、溝19、29の垂直面17、27の下端と傾斜面18、28の下端との間にそれぞれ微小平面部23、33が形成されているので、傾斜面18、28に金属粒子が付着することを減らし又は無くしながら、垂直面17、27の下端まで斑なく金属粒子を照射することができる。
なお、実際には、溝19の垂直面17は放射状に配置され、溝29の垂直面27は同心円状に配置されているので、第1、第2の成型母材21、31をそれぞれ基準点X、Y(図1(C)、(D)参照)を中心に回転させながら金属粒子の照射を行うことが好ましい。
以上の処理によって、垂直面17、27のみが鏡面化されて第1、第2の光制御部材13、15の放射状光反射部12、同心円状光反射部14となる金属反射面37、38が形成され、第1、第2の中間母材39、40が製造される。(以上、第3工程)。
また、微小平面部24、34に金属粒子が付着すると微小平面部24、34が鏡面となるので、微小平面部24、34に付着した金属を除去するか、微小平面部24、34に非透明処理又は非反射処理をするのが好ましい。
なお、この実施例においては、第1、第2の成型母材21、31の溝19、29の傾斜面18、28が平面であるため、僅少の範囲ではあるが、垂直面17、27の鏡面化中に傾斜面18、28にも金属粒子が付着することがある。そこで、垂直面17、27の下端と凸条20、30の上端とを連結する平面より窪んだ位置に多角面や円弧状の凹面を有する傾斜面とすることもできる。また、多数の微小な疵や凹凸からなる凹凸面を有する傾斜面とすることもできる。このように凸条の内側に窪む多角面、凹面、凹凸面を有する傾斜面の成型及び脱型は容易であり、垂直面の鏡面化中に傾斜面に金属粒子が付着することを効果的に防止できる。なお、多数の微小な凹凸からなる凹凸面は、成型母材の成型に用いられる金型の製造時に、傾斜面を形成する金型部分の表面に、予めショットブラスト処理や梨地処理等を行って多数の微小な凸凹を形成しておき、成型時にそれを第1、第2の成型母材となる第1、第2の透明樹脂の表面に転写することにより、簡単に形成することができる。なお、凹凸(疵)の凹部の形状は球面状や多角面状に限らず、適宜、選択することができる。この凹凸は規則的に形成しても不規則に形成してもよいが、不規則な方がアンカー効果をさらに高めることができる。また、凹凸の凹部の深さは、適宜、選択することができるが、5〜50μm、好ましくは10〜30μm程度である。なお、この凹凸は平面状の傾斜面の表面だけでなく、多角面や凹面を有する傾斜面の表面にも組み合わせて形成することができる。
以上説明した多角面、凹面、凹凸面を有する傾斜面は、他の実施例においても同様に採用することができる。よって、以下の図面上で、平面として記載した傾斜面においても、平面以外の多角面、凹面、凹凸面を含むものとする。
以上の工程によって、第1、第2の中間母材39、40が形成されるので、図5(A)、(B)に示すように、それぞれの溝19、29に、第1、第2の透明樹脂の屈折率η1、η2と同一若しくは近似の屈折率η3を有する第3の透明樹脂として、透明接着剤41を充填し、第1、第2の中間母材39、40の溝19、29同士を向かい合わせた状態で、平面視して基準点Xと基準点Yが重なるように(図1(C)、(D)参照)第1、第2の中間母材39、40を積層して接合し、一体化する。このとき、第1、第2の中間母材39、40が平面視して環状に形成されているので、基準点X、Yを中心にして容易に位置合わせを行うことができる。なお、溝19、29の底部に微小平面部23、33を有するので、気泡が抜け易く、透明接着剤41を溝19、29の隅々まで充填することができる。また、凸条20、30の頂部に微小平面部24、34を有することにより、頂部の欠けや変形を防止し、凸条20、30同士を当接させて確実に加圧し、密着させることができる。このとき、透明接着剤(第3の透明樹脂)41の屈折率η3は第1、第2の透明樹脂の屈折率η1、η2の0.8〜1.2倍(より好ましくは、0.9〜1.1倍、さらに好ましくは、0.95〜1.05倍)の範囲にあることが好ましい。なお、透明接着剤41としては、紫外線等を照射することにより硬化する光硬化型の他、熱硬化型や二液混合型の接着剤を用いることができるが、特に、屈折率η3を屈折率η1、η2に近づけるために、屈折率を調整した屈折率調整樹脂からなる光学用接着剤等が好適に用いられる。
なお、各溝の傾斜面が多角面、凹面、凹凸面を有する場合、その傾斜面と、溝に充填される透明接着剤(第3の透明樹脂)との密着性に優れる。特に、傾斜面に多数の凹凸が形成されている場合、アンカー効果によって密着性を高めることができる。これにより、溝内を透明接着剤(第3の透明樹脂)で隙間なく埋めて凹凸を解消することができる。その結果、傾斜面と第3の透明樹脂との界面で乱反射(散乱)を発生させることなく光を通過させることができ、屈折も最小限に抑えて、明るく鮮明な立体像を得ることができる(以上、第4工程)。
上記第4工程では、第3の透明樹脂として透明接着剤41を用いたが、透明接着剤41の代わりに、シート状の透明樹脂を用いてもよい。
つまり、図6(A)、(B)に示すように、第1、第2の中間母材39、40の凸条20、30を向かい合わせた状態で、第1、第2の中間母材39、40の間に第1、第2の透明樹脂より融点が低く、かつ第1、第2の透明樹脂の屈折率η1、η2と同一若しくは近似の屈折率η3を有する透明樹脂シート(第3の透明樹脂)43を挟み込み、加熱機構を有する平面プレス44の間に配置して、周囲を真空にして加熱しながら(具体的には真空加熱炉に入れて)、押圧する。これにより、透明樹脂シート43のみを溶融して第1、第2の中間母材39、40の溝19、29に充填し、固化させて第1、第2の中間母材39、40を一体化することができる。
透明樹脂シート(第3の透明樹脂)43としては、例えば、ゼオノア(ZEONOR:登録商標、ガラス転移温度:100〜102℃のもの、屈折率η3:1.53、シクロオレフィンポリマー)を使用するのが好ましいが、その他の透明樹脂で、融点が第1、第2の透明樹脂より低く、透明度が高く、屈折率η3が第1、第2の透明樹脂の屈折率η1、η2の0.8〜1.2倍(より好ましくは、0.9〜1.1倍、さらに好ましくは、0.95〜1.05倍)の範囲のものであれば代替可能である。
なお、溝19、29内の樹脂の量が不足すると、空間が形成されるので、溶融後の透明樹脂が溝19、29から溢れる程度に透明樹脂シート43の厚みt1を設定することが好ましい。よって、透明樹脂シート43の溶融後の体積が、溝19、29の空間の体積と同等以上となるように透明樹脂シート43の厚みt1を選択すればよい。例えば、溝19、29の深さdに対し、透明樹脂シート43の厚みt1>d(更に詳細には、2d>t1>d)とすることによって、溝19、29を第3の透明樹脂によって完全に埋めることができる。
この立体像結像装置10の動作を、図2(A)、(B)を参照して説明すると、図示しない対象物からの光L1はP11から第2の光制御部材15に進入し、金属反射面38からなる同心円状光反射部14のP12で反射する。P12で反射した光は第1の光制御部材13に進入し、金属反射面37からなる放射状光反射部12のP13で反射し、P14の位置で第1の光制御部材13から空中に出て行き結像する。
ここで、図2(B)のQ11で第2の透明樹脂(透明平板材26)から第3の透明樹脂(透明接着剤41)に、Q12で第3の透明樹脂(透明接着剤41)から第1の透明樹脂(透明平板材16)に、図2(A)のS11で第2の透明樹脂(透明平板材26)から第3の透明樹脂(透明接着剤41)に、S12で第3の透明樹脂(透明接着剤41)から第1の透明樹脂(透明平板材16)に入光するが、第1、第2の透明樹脂の屈折率η1、η2と第3の透明樹脂の屈折率η3が略同じであるので、全反射や分光等の現象は起こらず、屈折の影響も極めて小さい。なお、P11、P14の位置でも屈折を起こすが、P11、P14の屈折は相殺する。また、放射状光反射部12及び同心円状光反射部14は表裏(図2(A)、(B)では左右)いずれの側も光反射部として機能する。
続いて、本発明の第2の実施例に係る立体像結像装置及びその製造方法を説明する。
第1の実施例に係る立体像結像装置の製造方法と同様に、図3(A)、(B)、図4(A)、(B)に示した第1工程〜第3工程を経て、第1、第2の中間母材39、40を製造する。その後、図7(A)に示すように、第1の中間母材39の溝19に、第1の透明樹脂の屈折率η1と同一若しくは近似の屈折率η3を有する第3の透明樹脂として、透明接着剤45を充填し、表面が平坦な透明樹脂板46を積層する。そして、透明接着剤45を硬化させ、第1の中間母材39と透明樹脂板46を接合することにより、図7(B)に示す第1の光制御部材47が得られる(以上、第4工程)。
また、図8(A)に示すように、第2の中間母材40の溝29に、第2の透明樹脂の屈折率η2と同一若しくは近似の屈折率η4を有する第4の透明樹脂として、透明接着剤48を充填し、表面が平坦な透明樹脂板49を積層する。そして、透明接着剤48を硬化させ、第2の中間母材40と透明樹脂板49を接合することにより、図8(B)に示す第2の光制御部材50が得られる(以上、第5工程)。
上記第4、第5工程において、透明接着剤(第3、第4の透明樹脂)45、48の屈折率η3、η4は第1、第2の透明樹脂の屈折率η1、η2の0.8〜1.2倍(より好ましくは、0.9〜1.1倍、さらに好ましくは、0.95〜1.05倍)の範囲にあることが好ましい。なお、透明接着剤(第3、第4の透明樹脂)45、48は、第1の実施例における透明接着剤41と同様のものが好適に用いられる。
また、上記第4、第5工程において、第1、第2の中間母材39、40に透明樹脂板46、49を積層することにより、第1、第2の光制御部材47、50の表面を容易に平坦(平面)化することができるが、硬化後の透明接着剤(第3、第4の透明樹脂)45、48の表面を切削や研磨等により平面化処理できる場合は、透明樹脂板46、49を省略できる。なお、透明樹脂板46、49の材質は、第1、第2の透明樹脂と同一のものが好適に用いられるが、その屈折率が、第1、第2の透明樹脂の屈折率η1、η2の0.8〜1.2倍(より好ましくは、0.9〜1.1倍、さらに好ましくは、0.95〜1.05倍)の範囲にあるものであれば使用可能である。
第4、第5工程で得られた第1、第2の光制御部材47、50を平面視してそれぞれの基準点X、Y(図1(C)、(D)参照)が重なるように積層して透明接着剤等を用いて(例えば、真空状態で)接合することにより、図9(A)、(B)に示す第2の実施例に係る立体像結像装置51が完成する。この立体像結像装置51は、第1の実施例と同様に、金属反射面37からなる放射状光反射部12及び金属反射面38からなる同心円状光反射部14を有している(以上、第6工程)。
以上のようにして得られた立体像結像装置51の動作を説明すると、図示しない対象物からの光L2はP21から第2の光制御部材50に進入し、金属反射面38からなる同心円状光反射部14のP22で反射する。P22で反射した光は第1の光制御部材47に進入し、金属反射面37からなる放射状光反射部12のP23で反射し、P24の位置で第1の光制御部材47から空中に出て行き結像する。
ここで、図9(B)のQ21で透明樹脂板49から第4の透明樹脂(透明接着剤48)に、Q22で第4の透明樹脂(透明接着剤48)から第2の透明樹脂(透明平板材26)に、図9(A)のS21で第1の透明樹脂(透明平板材16)から第3の透明樹脂(透明接着剤45)に、Q23で第3の透明樹脂(透明接着剤45)から透明樹脂板46に入光するが、第1〜第4の透明樹脂の屈折率η1〜η4及び透明樹脂板46、49の屈折率が略同じであるので、全反射や分光等の現象は起こらず、屈折の影響も極めて小さい。また、第1、第2の光制御部材47、50の間にも透明接着剤層52が存在するが、透明接着剤45、48と同様に、第1、第2の透明樹脂の屈折率η1、η2と略同じ屈折率を有する透明接着剤を用い、厚さも薄く(5〜50μm)することにより、透明接着剤層52を通過する際の屈折の影響は極めて小さく、全反射等の現象は起こらない。なお、P21、P24の位置でも屈折を起こすが、P21、P24の屈折は相殺する。また、放射状光反射部12及び同心円状光反射部14は表裏(図9(A)、(B)では左右)いずれの側も光反射部として機能する。
なお、図9(A)、(B)では、第1、第2の光制御部材47、50の裏側(溝19、29が形成されていない面)同士が接するように重ねて接合したが、表側同士を重ねて接合してもよいし、表側と裏側が接するように重ねて接合してもよい。いずれの場合も、完成した立体像結像装置の一側に放射状光反射部が配置され、他側に同心円状光反射部が配置されるので、動作に違いはなく、立体像を形成することができる。
続いて、本発明の第3の実施例に係る立体像結像装置及びその製造方法を説明する。
図10(A)、(B)に示す第3の実施例に係る立体像結像装置60は、1枚の透明平板材61の一側(表側)に複数の放射状光反射部(第1の垂直光反射部)62を備えた第1の光制御部63を有し、他側(裏側)に複数の同心円状光反射部(第2の垂直光反射部)64を備えた第2の光制御部65を有している。
図10(A)、(B)、図11(A)、(B)に示すように、この透明平板材61の一側(表側)には、基準点X(図示せず)を中心にして、垂直面66と傾斜面67を有する断面三角形の複数の第1の溝68が放射状に配置されており、透明平板材61の他側(裏側)には、平面視して基準点Xに重なる基準点Y(図示せず)を中心にして、垂直面69と傾斜面70を有する断面三角形の複数の第2の溝71が同心円状に配置されている。そして、隣り合う第1の溝68の間には断面三角形の複数の第1の凸条72が形成され、隣り合う第2の溝71の間には断面三角形の複数の第2の凸条73が形成されている。
また、図11(A)、(B)に示すように、第1の溝68の傾斜面67の下端と垂直面66の下端との間(第1の溝68の底部)、第2の溝71の傾斜面70の下端と垂直面69の下端との間(第2の溝71の底部)にはそれぞれ微小平面部75が形成され、第1の溝68の傾斜面67の上端と垂直面66の上端との間(第1の凸条72の頂部)、第2の溝71の傾斜面70の上端と垂直面69の上端との間(第2の凸条73の頂部)にはそれぞれ微小平面部76が形成されている。この微小平面部75、76の幅は、第1の実施例における微小平面部23、24と同様である。
この立体像結像装置60を製造する際は、まず、第1の透明樹脂(屈折率η1)を原料として、インジェクション成型(又はプレス成型若しくはロール成型)によって成型を行い、成型母材74を製造する。このとき原料となる第1の透明樹脂は第1の実施例の第1、第2の透明樹脂と同様のものが好適に用いられる。また、成型後は、第1の実施例と同様に、アニーリング処理を行って、残留応力等を除去するのが好ましい。(以上、第1工程)。
次に、図12(A)、(B)に示すように、成型母材74の第1、第2の溝68、71の垂直面66、69に選択的に金属反射面(鏡面)79、80を形成する。金属反射面79、80の形成は、第1の実施例と同様に、スパッタリング等により金属粒子を照射する方法が好適に用いられる。このときの傾斜面67、70の角度θ1と、金属粒子の照射方向77、78(角度θ2)との関係も第1の実施例と同様である。これにより、図10(A)、(B)に示した第1、第2の光制御部63、65の放射状光反射部62、同心円状光反射部64となる金属反射面79、80が形成され、中間母材81が製造される。なお、第1の光制御部63側と第2の光制御部65側では金属粒子の照射方向77、78が異なるので、第1の光制御部63側と第2の光制御部65側で別々に金属粒子の照射を行うことが望ましい。(以上、第2工程)。
次に、図13(A)、(B)に示すように、中間母材81の第1、第2の溝68、71に、それぞれ第1の透明樹脂の屈折率η1と同一若しくは近似の屈折率η2を有する第2の透明樹脂として、透明接着剤82を充填し、中間母材81の両面に表面が平坦な透明樹脂板83を積層する。そして、透明接着剤82を硬化させ、中間母材81と両面の透明樹脂板83を接合することにより、図10(A)、(B)に示した立体像結像装置60が得られる(以上、第3工程)。
上記第3工程において、透明接着剤(第2の透明樹脂)82の屈折率η2は第1の透明樹脂の屈折率η1の0.8〜1.2倍(より好ましくは、0.9〜1.1倍、さらに好ましくは、0.95〜1.05倍)の範囲にあることが好ましい。なお、透明接着剤(第2の透明樹脂)82は、第1の実施例における透明接着剤41と同様のものが好適に用いられる。
また、上記第3工程において、中間母材81の両面に透明樹脂板83を積層することにより、立体像結像装置60の両面を容易に平坦(平面)化することができるが、硬化後の透明接着剤(第2の透明樹脂)82の表面を切削や研磨等により平面化処理できる場合は、透明樹脂板83を省略できる。なお、透明樹脂板83の材質は、第1の透明樹脂と同一のものが好適に用いられるが、その屈折率が、第1の透明樹脂の屈折率η1の0.8〜1.2倍(より好ましくは、0.9〜1.1倍、さらに好ましくは、0.95〜1.05倍)の範囲にあるものであれば使用可能である。
以上のようにして得られた立体像結像装置60の動作を、図10(A)、(B)を参照して説明すると、図示しない対象物からの光L3はP31から第2の光制御部65に進入し、金属反射面80からなる同心円状光反射部64のP32で反射する。P32で反射した光は第1の光制御部63に進入し、金属反射面79からなる放射状光反射部62のP33で反射し、P34の位置で第1の光制御部63から空中に出て行き結像する。
ここで、図10(B)のQ31で透明樹脂板83から第2の透明樹脂(透明接着剤82)に、Q32で第2の透明樹脂(透明接着剤82)から第1の透明樹脂(透明平板材61)に、図10(A)のS31で第1の透明樹脂(透明平板材61)から第2の透明樹脂(透明接着剤82)、Q33で第2の透明樹脂(透明接着剤82)から透明樹脂板83に入光するが、第1、第2の透明樹脂の屈折率η1、η2及び透明樹脂板83の屈折率が略同じであるので、全反射や分光等の現象は起こらず、屈折の影響も極めて小さい。なお、P31、P34の位置でも屈折を起こすが、P31、P34の屈折は相殺する。また、放射状光反射部62及び同心円状光反射部64は表裏(図10(A)、(B)では左右)いずれの側も光反射部として機能する。
続いて、本発明の第4の実施例に係る立体像結像装置及びその製造方法を説明する。
図14(A)、(B)に示す第4の実施例に係る立体像結像装置84は、第3の実施例と同様に、透明平板材85の一側に複数の放射状光反射部(第1の垂直光反射部)86を備えた第1の光制御部87を有し、透明平板材85の他側に複数の同心円状光反射部(第2の垂直光反射部)88を備えた第2の光制御部89を有している。この透明平板材85の一側(表側)には、放射状光反射部86となる垂直面90と傾斜面91を有する断面台形の複数の第1の凸条92が、基準点X(図示せず)を中心にして、放射状に配置されており、透明平板材85の他側(裏側)には、平面視した基準点Xに重なる基準点Y(図示せず)を中心にして、同心円状光反射部88となる垂直面93と傾斜面94を有する断面台形の複数の第2の凸条95が同心円状に配置されている。そして、隣り合う第1の凸条92の間には断面三角形の複数の第1の溝96が形成され、隣り合う第2の凸条95の間には断面三角形の複数の第2の溝97が形成されている。なお、第1の凸条92の傾斜面91の下端と垂直面90の下端との間(第1の溝96の底部)、第2の凸条95の傾斜面94の下端と垂直面93の下端との間(第2の溝97の底部)にはそれぞれ微小平面部98が形成されている。この微小平面部98の幅は、第1の実施例における微小平面部23、33と同様である。
第3の実施例では、第1、第2の溝68、71の垂直面66、69に金属反射面79、80を形成し、放射状光反射部62及び同心円状光反射部64として機能させたが、本実施例では、第1、第2の溝96、97内の空気層(気体層の一例)を使用して、第1、第2の凸条92、95の垂直面90、93を全反射面とすることにより、そのまま放射状光反射部86及び同心円状光反射部88として機能させている。このとき、第1、第2の凸条92、95が断面台形に形成されることにより、それぞれ幅広の表面水平部99を有しているので、立体像の形成に使用される透明平板材85表面の面積が減少することを防ぎ、明るい立体像を得ることができる。
この立体像結像装置84を製造する際は、第3の実施例と同様に、透明樹脂を原料として、インジェクション成型(又はプレス成型若しくはロール成型)によって成型を行う。このとき原料となる透明樹脂は第1の実施例の第1、第2の透明樹脂と同様のものが好適に用いられるが、全反射を利用するので、材質は特に限定されない。なお、成型後は、第1の実施例と同様に、アニーリング処理を行って、残留応力等を除去するのが好ましい。
立体像結像装置84では、放射状光反射部86及び同心円状光反射部88となる第1、第2の凸条92、95の垂直面90、93が、空気層を使用した全反射面であるので、垂直面90、93に金属反射面を形成する必要や第1、第2の溝96、97に透明樹脂を充填する必要がなく、インジェクション成型等によって成型された成型体をそのまま立体像結像装置84として使用することができる。従って、傾斜面91、94は多角面、凹面、凹凸面等を有する必要はなく、平面でよい。
また、この立体像結像装置84では、第1、第2の光制御部87、89を1枚の透明平板材85の表裏に同時に成型することができるので、放射状光反射部86と同心円状光反射部88の位置合わせも容易で生産性に優れる。
以上のようにして得られた立体像結像装置84の動作を、図14(A)、(B)を参照して説明すると、図示しない対象物からの光L4は、第2の凸条95における表面水平部99上のP41から第2の光制御部89に進入する。ここで、第2の溝97内(垂直面93の外側領域)には空気が存在しており、透明平板材85(第2の凸条95内)の屈折率η1は、垂直面93の外側領域、すなわち空気層の屈折率ηaより大きい。このため、第2の凸条95内を進行した光が垂直面93上のP42に入射する際に、その入射角θi1がsinθc=η1/ηaの関係を満たす臨界角θcを超える場合、垂直面93の内側が全反射面となり、同心円状光反射部88として機能し、P42で光の全反射が起こる。P42で反射した光は透明平板材85内を進行し、第1の光制御部87(第1の凸条92内)に進入する。そして、垂直面90上のP43に達した光の入射角θi2が臨界角θcを超える場合、前述と同様に垂直面90の内側が全反射面となり、放射状光反射部86として機能し、P43で光の全反射が起こる。P43で反射した光は、第1の凸条92における表面水平部99上のP44の位置で第1の光制御部87から空中に出て行き結像する。
このとき、第1、第2の溝96、97の底部に設けられた微小平面部98を通過する光は少なく、多くの光が第1、第2の凸条92、95の内部を通過するので、放射状光反射部86及び同心円状光反射部88で全反射する光の量を増加させることができ、明るく鮮明な立体像を形成することができる。なお、P41、P44の位置でも屈折を起こすが、P41、P44の屈折は相殺する。
本発明は以上の実施例に限定されるものではなく、それぞれの実施例に係る立体像結像装置の製造方法を組み合わせて、立体像結像装置を製造する場合も本発明は適用される。
本発明では、第1、第2の垂直光反射部として、放射状光反射部及び同心円状光反射部を有する立体像結像装置及びその製造方法について説明したが、第1〜第4の実施例における各製造工程は、例えば従来のように第1、第2の光制御パネル(又は光制御部)の複数の垂直光反射面(帯状光反射面)がそれぞれ直線状(平行)で、平面視して直交するように配置される立体像結像装置に対しても適用することができる。
特に、各溝の傾斜面を形成する金型部分の表面に、予めショットブラスト処理や梨地処理等により凸凹を形成し、各溝の傾斜面に金型の凸凹を転写して凹凸を形成する技術は、金型からの脱型を容易にすることに加え、各溝の傾斜面と、各溝に充填される透明樹脂との密着性を高めることを目的としている。したがって、この技術は立体像結像装置の製造において、溝の内部に透明樹脂を充填する際に有用であり、その際の溝の形状や配置は問わない。
第1〜第3の実施例では、各溝の垂直面にスパッタリング等の方法で金属粒子の照射を行って金属反射面(鏡面)を形成したが、その他に、金属ペーストを塗布する等して金属反射面を形成してもよい。
第2の実施例の第6工程では、第1、第2の光制御部材を透明接着剤等を用いて接合する場合について説明したが、第1、第2の光制御部材は、隙間を有して又は隙間なく重ね合わせることにより、立体像結像装置として使用することができる。
第4の実施例では、1枚の透明平板材の両面(表裏)に第1、第2の光制御部を同時に成型したものについて説明したが、2枚の透明平板材に別々に第1、第2の光制御部材を成型して透明接着剤等で接合することも可能である。なお、第4の実施例では、第1、第2の溝が立体像結像装置の両面に開口しており、ゴミ等の異物が進入して溜まり易いので、透明平板材の屈折率と同一若しくは近似の屈折率を有する透明板を立体像結像装置の両面に接合する等して第1、第2の溝に蓋をし、各溝の内部に空気層を形成してもよい。また、2枚の透明平板材に別々に第1、第2の光制御部材を成型して透明接着剤等で接合する際に、第1、第2の溝を向かい合わせて密封し、各溝の内部に空気層を形成することもできる。なお、第1、第2の溝に、空気の代わりに窒素等の気体を封入して気体層を形成してもよいし、第1、第2の溝の内部を真空にしてもよい。
なお、本発明の同心円状光反射部は、完全な円形だけでなく、多角形状に形成し、その各面が放射状光反射部と直交するようにしたものも含む。
本発明に係る立体像結像装置及び立体像結像装置の製造方法においては、複数の放射状光反射部と複数の同心円状光反射部を有することにより、結像範囲が広く、光反射部の配置間隔を細かくして多くの光反射部を密に配置することができるので、視野角を広げて、ゴーストの少ない明るく鮮明な立体像を形成することができ、立体表示機器、ゲーム機、遊戯機器、広告塔等に応用できる。更に、構造も簡単であるので、安価で量産性に優れた立体像結像装置を製造できる。
10:立体像結像装置、12:放射状光反射部(第1の垂直光反射部)、13:第1の光制御部材、14:同心円状光反射部(第2の垂直光反射部)、15:第2の光制御部材、16:透明平板材、17:垂直面、18:傾斜面、19:溝、20:凸条、21:第1の成型母材、23、24:微小平面部、26:透明平板材、27:垂直面、28:傾斜面、29:溝、30:凸条、31、第2の成型母材、33、34:微小平面部、35、36:照射方向、37、38:金属反射面、39:第1の中間母材、40:第2の中間母材、41:透明接着剤(第3の透明樹脂)、43:透明樹脂シート(第3の透明樹脂)、44:平面プレス、45:透明接着剤(第3の透明樹脂)、46:透明樹脂板、47:第1の光制御部材、48:透明接着剤(第4の透明樹脂)、49:透明樹脂板、50:第2の光制御部材、51:立体像結像装置、52:透明接着剤層、60:立体像結像装置、61:透明平板材、62:放射状光反射部(第1の垂直光反射部)、63:第1の光制御部、64:同心円状光反射部(第2の垂直光反射部)、65:第2の光制御部、66:垂直面、67:傾斜面、68:第1の溝、69:垂直面、70:傾斜面、71:第2の溝、72:第1の凸条、73:第2の凸条、74:成型母材、75、76:微小平面部、77、78:照射方向、79、80:金属反射面、81:中間母材、82:透明接着剤(第2の透明樹脂)、83:透明樹脂板、84:立体像結像装置、85:透明平板材、86:放射状光反射部(第1の垂直光反射部)、87:第1の光制御部、88:同心円状光反射部(第2の垂直光反射部)、89:第2の光制御部、90:垂直面、91:傾斜面、92:第1の凸条、93:垂直面、94:傾斜面、95:第2の凸条、96:第1の溝、97:第2の溝、98:微小平面部、99:表面水平部

Claims (11)

  1. 平面視して環状又は環状の一部を用いた形状に形成される立体像結像装置であって、
    透明平板材の一側に基準点Xを中心にして放射状に複数の第1の垂直光反射部を設け、前記透明平板材の他側に平面視して前記基準点Xに重なる基準点Yを中心にして前記第1の垂直光反射部と交差する同心円状に複数の第2の垂直光反射部を設けたことを特徴とする立体像結像装置。
  2. 請求項1記載の立体像結像装置において、前記第1、第2の垂直光反射部は、それぞれ金属反射面であることを特徴とする立体像結像装置。
  3. 請求項2記載の立体像結像装置において、該立体像結像装置は両表面が平坦な平板状となって、前記第1、第2の垂直光反射部以外の素材は、屈折率が同一又は近似する2種類以上の透明樹脂からなることを特徴とする立体像結像装置。
  4. 請求項1記載の立体像結像装置において、前記第1、第2の垂直光反射部は、それぞれ全反射面であることを特徴とする立体像結像装置。
  5. 請求項4記載の立体像結像装置において、前記第1、第2の垂直光反射部には気体層又は真空が使用されていることを特徴とする立体像結像装置。
  6. 請求項3記載の立体像結像装置において、前記透明平板材の一側に前記基準点Xを中心にして、垂直面と傾斜面とを有する断面三角形の複数の第1の溝、及び隣り合う前記第1の溝の間に形成される断面三角形の複数の第1の凸条がそれぞれ放射状に配置され、前記透明平板材の他側に前記基準点Yを中心にして、垂直面と傾斜面を有する断面三角形の複数の第2の溝、及び隣り合う前記第2の溝の間に形成される断面三角形の複数の第2の凸条がそれぞれ同心円状に配置されており、前記第1、第2の溝の前記垂直面には前記金属反射面が形成され、前記第1、第2の溝には、前記透明平板材の屈折率と同一又は近似の屈折率を有する透明樹脂が充填されていることを特徴とする立体像結像装置。
  7. 請求項5記載の立体像結像装置において、前記透明平板材の一側に前記基準点Xを中心にして、垂直面と傾斜面とを有する断面台形の複数の第1の凸条、及び隣り合う前記第1の凸条の間に形成される断面三角形の複数の第1の溝がそれぞれ放射状に配置され、前記透明平板材の他側に前記基準点Yを中心にして、傾斜面と垂直面とを有する断面台形の複数の第2の凸条、及び隣り合う前記第2の凸条の間に形成される断面三角形の複数の第2の溝がそれぞれ同心円状に配置されており、前記第1、第2の凸条の前記垂直面は、前記気体層又は真空を使用した全反射面であることを特徴とする立体像結像装置。
  8. 平面視して環状又は環状の一部を用いた形状に形成される立体像結像装置の製造方法であって、
    透明平板材の一側に基準点Xを中心にして、垂直面と傾斜面とを有する断面三角形の複数の溝、及び隣り合う前記溝の間に形成される断面三角形の複数の凸条がそれぞれ放射状に配置された第1の成型母材を、第1の透明樹脂からプレス成型、インジェクション成型及びロール成型のいずれか1によって製造する第1工程と、
    透明平板材の一側に基準点Yを中心にして、垂直面と傾斜面とを有する断面三角形の複数の溝、及び隣り合う前記溝の間に形成される断面三角形の複数の凸条がそれぞれ同心円状に配置された第2の成型母材を、第2の透明樹脂からプレス成型、インジェクション成型及びロール成型のいずれか1によって製造する第2工程と、
    前記第1、第2の成型母材の前記溝の垂直面のみに第1、第2の垂直光反射部となる金属反射面を選択的に形成して、第1、第2の中間母材を製造する第3工程と、
    前記第1、第2の中間母材の前記溝に、前記第1、第2の透明樹脂の屈折率と同一若しくは近似の屈折率を有する第3の透明樹脂を充填し、前記第1、第2の中間母材の前記溝同士を向かい合わせた状態で、平面視してそれぞれの前記基準点X、Yが重なるように前記第1、第2の中間母材を積層して接合する第4工程とを有することを特徴とする立体像結像装置の製造方法。
  9. 平面視して環状又は環状の一部を用いた形状に形成される立体像結像装置の製造方法であって、
    透明平板材の一側に基準点Xを中心にして、垂直面と傾斜面とを有する断面三角形の複数の溝、及び隣り合う前記溝の間に形成される断面三角形の複数の凸条がそれぞれ放射状に配置された第1の成型母材を、第1の透明樹脂からプレス成型、インジェクション成型及びロール成型のいずれか1によって製造する第1工程と、
    透明平板材の一側に基準点Yを中心にして、垂直面と傾斜面とを有する断面三角形の複数の溝、及び隣り合う前記溝の間に形成される断面三角形の複数の凸条がそれぞれ同心円状に配置された第2の成型母材を、第2の透明樹脂からプレス成型、インジェクション成型及びロール成型のいずれか1によって製造する第2工程と、
    前記第1、第2の成型母材の前記溝の垂直面のみに第1、第2の垂直光反射部となる金属反射面を選択的に形成して、第1、第2の中間母材を製造する第3工程と、
    前記第1の中間母材の前記溝に、前記第1の透明樹脂の屈折率と同一若しくは近似の屈折率を有する第3の透明樹脂を充填し、表面を平面化して第1の光制御部材を形成する第4工程と、
    前記第2の中間母材の前記溝に、前記第2の透明樹脂の屈折率と同一若しくは近似の屈折率を有する第4の透明樹脂を充填し、表面を平面化して第2の光制御部材を形成する第5工程と、
    前記第1、第2の光制御部材を平面視してそれぞれの前記基準点X、Yが重なるように隙間を有して又は隙間なく重ね合わせる第6工程とを有することを特徴とする立体像結像装置の製造方法。
  10. 平面視して環状又は環状の一部を用いた形状に形成される立体像結像装置の製造方法であって、
    透明平板材の一側に基準点Xを中心にして、垂直面と傾斜面とを有する断面三角形の複数の第1の溝、及び隣り合う前記第1の溝の間に形成される断面三角形の複数の第1の凸条がそれぞれ放射状に配置され、前記透明平板材の他側に平面視して前記基準点Xに重なる基準点Yを中心にして、垂直面と傾斜面とを有する断面三角形の複数の第2の溝、及び隣り合う前記第2の溝の間に形成される断面三角形の複数の第2の凸条がそれぞれ同心円状に配置された成型母材を、第1の透明樹脂からプレス成型、インジェクション成型及びロール成型のいずれか1によって製造する第1工程と、
    前記成型母材の前記第1、第2の溝の垂直面のみに第1、第2の垂直光反射部となる金属反射面を選択的に形成して中間母材を製造する第2工程と、
    前記中間母材の前記第1、第2の溝に、前記第1の透明樹脂の屈折率と同一若しくは近似の屈折率を有する第2の透明樹脂を充填し、表面を平面化する第3工程とを有することを特徴とする立体像結像装置の製造方法。
  11. 平面視して環状又は環状の一部を用いた形状に形成される立体像結像装置の製造方法であって、
    透明平板材の一側に基準点Xを中心にして、第1の垂直光反射部となる垂直面と傾斜面とを有する断面台形の複数の第1の凸条、及び隣り合う前記第1の凸条の間に形成される断面三角形の複数の第1の溝がそれぞれ放射状に配置され、前記透明平板材の他側に平面視して前記基準点Xに重なる基準点Yを中心にして、第2の垂直光反射部となる垂直面と傾斜面とを有する断面台形の複数の第2の凸条、及び隣り合う前記第2の凸条の間に形成される断面三角形の複数の第2の溝がそれぞれ同心円状に配置された成型体を、透明樹脂からプレス成型、インジェクション成型及びロール成型のいずれか1によって製造する工程を有することを特徴とする立体像結像装置の製造方法。
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