JP2018116218A - 空中像結像装置及びその製造方法並びに光制御パネルの製造方法 - Google Patents

Abstract

【課題】従来よりも作業性よく効率的に製造可能な空中像結像装置及びその製造方法並びに光制御パネルの製造方法を提供する。【解決手段】第１、第２の光制御パネル１２、１４を、光反射部１１、１３が交差するように重ねて配置した空中像結像装置１０及びその製造方法は、凸条１５〜１８を平板部１９、２０の表裏に対称に有する第１、第２の凹凸部材２１、２２を、インジェクション成形又はプレス成形によって形成する第１工程と、第１、第２の凹凸部材２１、２２の表裏面に金属光反射面３３を形成する第２工程と、レーザ光を照射し不要な金属光反射面３３を除去して光反射部１１、１３とし、第１、第２の光制御パネル１２、１４を製造する第３工程と、光反射部１１と光反射部１３とが交差するように、第１、第２の光制御パネル１２、１４を重合する第４工程を有している。【選択図】図１

Description

本発明は、帯状の光反射部（鏡面）を平行に並べて配置した第１、第２の光制御パネルを用いる空中像結像装置及びその製造方法並びに光制御パネルの製造方法に関する。

物体表面から発する光（散乱光）を用いて空中像（立体像に同じ）を形成する装置として、例えば、特許文献１に記載の空中像結像装置（光学結像装置）がある。
この結像装置は、２枚の透明平板の内部に、この透明平板の厚み方向に渡って垂直に多数かつ帯状で、金属反射面からなる光反射部を一定のピッチで並べて形成した第１、第２の光制御パネルを有し、この第１、第２の光制御パネルのそれぞれの光反射部が直交するように、第１、第２の光制御パネルの一面側を向い合わせて密着させたものである。

国際公開第２００９／１３１１２８号公報

上記した第１、第２の光制御パネルの製造に際しては、金属反射面が一面側に形成された一定厚みの板状の透明合成樹脂板やガラス板（以下、「透明板」ともいう）を、金属反射面が一方側に配置されるように多数枚積層して積層体を作製し、この積層体から各金属反射面に対して垂直な切り出し面が形成されるように切り出している。
このため、透明板に金属反射面を形成する作業において大型の蒸着炉を必要とし、しかも、１枚又は少数枚の透明板を蒸着炉に入れて脱気し蒸着処理を行い、大気圧に開放して蒸着した透明板を取り出すという作業を数百回繰り返す必要があり、極めて手間と時間のかかる作業であった。また、金属蒸着された透明板を積層して積層体を形成し、極めて薄い所定厚で切断する作業を行って、この積層体から第１、第２の光制御パネルを切り出し、更に切り出し面の研磨作業等を行う必要があるため、作業性や製造効率が悪かった。

本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、従来よりも作業性よく効率的に製造可能な空中像結像装置及びその製造方法並びに光制御パネルの製造方法を提供することを目的とする。

前記目的に沿う第１の発明に係る空中像結像装置は、平行に並んで立設された帯状の多数の光反射部ａ１、ａ２をそれぞれ有する第１、第２の光制御パネルｂ１、ｂ２を、前記光反射部ａ１、ａ２が交差するようにして重ねて配置した空中像結像装置において、
前記第１の光制御パネルｂ１は、中央に設けられた平板部ｃ１の表裏に平行かつ対称に断面矩形の凸条ｄ１、ｄ１’が形成され、該凸条ｄ１、ｄ１’の両側面には、前記光反射部ａ１が形成され、
前記第２の光制御パネルｂ２は、中央に設けられた平板部ｃ２の表裏に平行かつ対称に断面矩形の凸条ｄ２、ｄ２’が形成され、該凸条ｄ２、ｄ２’の両側面には、前記光反射部ａ２が形成され、
前記平板部ｃ１、及び、これに連結する前記凸条ｄ１、ｄ１’は透明材で形成され、かつ、前記平板部ｃ２、及び、これに連結する前記凸条ｄ２、ｄ２’は透明材で形成されている。

また、第１の発明に係る空中像結像装置において、前記光反射部ａ１が形成された、隣り合う前記凸条ｄ１の間と隣り合う前記凸条ｄ１’の間にそれぞれ形成される溝ｆ１、ｆ１’と、前記光反射部ａ２が形成された、隣り合う前記凸条ｄ２の間と隣り合う前記凸条ｄ２’の間にそれぞれ形成される溝ｆ２、ｆ２’に、透明な樹脂が充填されているのがよい。

そして、第１の発明に係る空中像結像装置において、前記凸条ｄ１、ｄ１’と前記凸条ｄ２、ｄ２’の（横／縦）比が、０．４〜２の範囲にあるのが好ましい。

第２の発明に係る空中像結像装置は、平行に並んで立設された帯状の多数の光反射部ａ１、ａ２をそれぞれ有する第１、第２の光制御パネルｂ１、ｂ２を、前記光反射部ａ１、ａ２が交差するようにして重ねて配置した空中像結像装置において、
前記第１の光制御パネルｂ１は、平行配置された断面矩形の第１の凸条と、隣り合う該第１の凸条を連結する第１の連結部を有し、該第１の凸条の両側面には、前記光反射部ａ１が形成され、
前記第２の光制御パネルｂ２は、平行配置された断面矩形の第２の凸条と、隣り合う該第２の凸条を連結する第２の連結部を有し、該第２の凸条の両側面には、前記光反射部ａ２が形成され、
前記第１の凸条、及び、これを連結する前記第１の連結部は透明材で形成され、かつ、前記第２の凸条、及び、これを連結する前記第２の連結部は透明材で形成されている。

また、第２の発明に係る空中像結像装置において、前記第１の連結部が、前記第１の凸条の長手方向に間隔を有して複数設けられ、前記第２の連結部が、前記第２の凸条の長手方向に間隔を有して複数設けられているのがよい。

そして、第２の発明に係る空中像結像装置において、前記光反射部ａ１が形成された、隣り合う前記第１の凸条の間に形成される第１の溝と、前記光反射部ａ２が形成された、隣り合う前記第２の凸条の間に形成される第２の溝に、透明な樹脂が充填されているのが好ましい。

第３の発明に係る空中像結像装置の製造方法は、平行に並んで立設された帯状の多数の光反射部ａ１、ａ２をそれぞれ有する第１、第２の光制御パネルｂ１、ｂ２を、前記光反射部ａ１、ａ２が交差するようにして重ねて配置した空中像結像装置の製造方法において、
平行に並べて配置された断面矩形の凸条ｄ１、ｄ１’を平板部ｃ１の表裏に対称に有する透明な第１の凹凸部材と、平行に並べて配置された断面矩形の凸条ｄ２、ｄ２’を平板部ｃ２の表裏に対称に有する透明な第２の凹凸部材を、それぞれインジェクション成形又はプレス成形によって形成する第１工程と、
前記第１、第２の凹凸部材の表裏面に金属蒸着又はスパッタリングによって金属光反射面をそれぞれ形成する第２工程と、
前記金属光反射面が形成された前記第１、第２の凹凸部材の表面側と裏面側から、同時又は順次レーザ光を照射して、前記凸条ｄ１、ｄ１’の天井面及び隣り合う該凸条ｄ１、ｄ１’の間に形成された溝底と、前記凸条ｄ２、ｄ２’の天井面及び隣り合う該凸条ｄ２、ｄ２’の間に形成された溝底にある、前記金属光反射面をそれぞれ除去し、前記凸条ｄ１、ｄ１’の両側面に形成された前記金属光反射面を前記光反射部ａ１とし、前記凸条ｄ２、ｄ２’の両側面に形成された前記金属光反射面を前記光反射部ａ２として、前記第１、第２の光制御パネルｂ１、ｂ２を製造する第３工程と、
前記第１の光制御パネルｂ１の前記光反射部ａ１と、前記第２の光制御パネルｂ２の前記光反射部ａ２とが交差するように、前記第１、第２の光制御パネルｂ１、ｂ２を重合する第４工程とを有する。

また、第３の発明に係る空中像結像装置の製造方法において、前記第３工程を行った後、前記光反射部ａ１が形成された、隣り合う前記凸条ｄ１の間と隣り合う前記凸条ｄ１’の間にそれぞれ形成される溝ｆ１、ｆ１’と、前記光反射部ａ２が形成された、隣り合う前記凸条ｄ２の間と隣り合う前記凸条ｄ２’の間にそれぞれ形成される溝ｆ２、ｆ２’に、透明な樹脂を充填して、前記第４工程を行うのが好ましい。

そして、第３の発明に係る空中像結像装置の製造方法において、前記凸条ｄ１、ｄ１’と前記凸条ｄ２、ｄ２’の（横／縦）比は、０．４〜２の範囲にあるのが好ましい。

更に、第３の発明に係る空中像結像装置の製造方法において、前記レーザ光が、前記各天井面に対して垂直、又は、前記各溝側面に対して平行になっている。

第４の発明に係る空中像結像装置の製造方法は、平行に並んで立設された帯状の多数の光反射部ａ１、ａ２をそれぞれ有する第１、第２の光制御パネルｂ１、ｂ２を、前記光反射部ａ１、ａ２が交差するようにして重ねて配置した空中像結像装置の製造方法において、
平行に並べて配置された断面矩形の第１の凸条と、隣り合う該第１の凸条を連結する第１の連結部を有する透明な第１の凹凸部材と、平行に並べて配置された断面矩形の第２の凸条と、隣り合う該第２の凸条を連結する第２の連結部を有する透明な第２の凹凸部材を、それぞれインジェクション成形又はプレス成形によって形成する第１工程と、
前記第１、第２の凹凸部材の表裏面に金属蒸着又はスパッタリングによって金属光反射面をそれぞれ形成する第２工程と、
前記金属光反射面が形成された前記第１、第２の凹凸部材の表面側と裏面側から、同時又は順次レーザ光を照射して、前記第１、第２の凸条の天井面にある前記金属光反射面をそれぞれ除去し、前記第１、第２の凸条の両側面に形成された前記金属光反射面を前記光反射部ａ１、ａ２として、前記第１、第２の光制御パネルを製造する第３工程と、
前記第１の光制御パネルｂ１の前記光反射部ａ１と、前記第２の光制御パネルｂ２の前記光反射部ａ２とが交差するように、前記第１、第２の光制御パネルｂ１、ｂ２を重合する第４工程とを有する。

また、第４の発明に係る空中像結像装置の製造方法において、前記第１の連結部が、前記第１の凸条の長手方向に間隔を有して複数設けられ、前記第２の連結部が、前記第２の凸条の長手方向に間隔を有して複数設けられているのがよい。

そして、第４の発明に係る空中像結像装置の製造方法において、前記第３工程を行った後、前記光反射部ａ１が形成された、隣り合う前記第１の凸条の間と、前記光反射部ａ２が形成された、隣り合う前記第２の凸条の間に、それぞれ透明な樹脂を充填して、前記第４工程を行う。なお、樹脂を充填する方法として、例えば、真空状態でパレット内に溶融した樹脂を入れ、光反射部が形成された中間部材を浸漬し、半硬化の状態で取り出し、プレスで押圧して形成するのが好ましい。

第５の発明に係る光制御パネルの製造方法は、平行に並んで立設された帯状の多数の光反射部を有する光制御パネルの製造方法において、
少なくとも平板部の片側に平行配置された断面矩形の凸条を有する透明な凹凸部材を、インジェクション成形又はプレス成形によって形成する第１工程と、
前記凹凸部材の少なくとも前記凸条が形成された側に金属蒸着又はスパッタリングによって金属光反射面を形成する第２工程と、
前記金属光反射面が形成された前記凹凸部材の片側からレーザ光を照射して、前記凸条の天井面及び隣り合う該凸条の間に形成された溝底にある前記金属光反射面を除去し、前記凸条の両側面に形成された前記金属光反射面を前記光反射部とする第３工程と、
隣り合う前記凸条の間に形成される溝に透明な樹脂を充填し、その表面を平面化処理する第４工程とを有する。

また、第５の発明に係る光制御パネルの製造方法において、前記第４工程での平面化処理は、隣り合う前記凸条の間に前記樹脂を充填した後、その表面に透明平板を配置し、プレスによって押圧して行うのが好ましい。この場合、透明平板無しでプレスで押圧することもできる。

本発明に係る空中像結像装置及びその製造方法は、平行に並んで立設された帯状の光反射部を形成する凸条とこれを支持する平板部又は連結部を有するスケルトンを透明材で作成し、その後鏡面形成を行っているので、従来のように多数回の蒸着処理の繰り返し作業が不要となる。また、光制御パネルを切り出すための積層体を作製する必要がなくなる。
インジェクション成形又はプレス成形においては、形成される凸条の高さ（縦長さ）を長くして、より広く光の受光面を確保し、対向する光反射部での複数反射（奇数反射）を起こさせることができる。
従って、空中像結像装置を作業性よく効率的に製造できる。また、透明材を用いた凸条の両側面に光反射部を形成し、かつ凸条の間に形成される溝には透明な樹脂が充填されているので、有効に光反射をさせることができる。

また、本発明に係る光制御パネルの製造方法は、平行に並んで立設された帯状の多数の光反射部を有する光制御パネルの製造に際し、前記した第１〜第３工程を有するので、例えば、従来のような、蒸着処理の繰り返し作業が不要となる。また、光制御パネルを切り出すための積層体を作製する必要がなくなる。更に、前記した第４工程を有するので、光制御パネルの強度向上が図れる。
従って、光制御パネルを作業性よく効率的に製造できる。

（Ａ）、（Ｂ）はそれぞれ本発明の第１の実施の形態に係る空中像結像装置の部分正断面図、部分側断面図である。 同空中像結像装置を構成する第１、第２の凹凸部材の斜視図である。 （Ａ）〜（Ｄ）は同空中像結像装置の製造方法の工程説明図である。 （Ａ）、（Ｂ）はそれぞれ本発明の第２の実施の形態に係る空中像結像装置の斜視図、平面図である。 （Ａ）、（Ｂ）はそれぞれ本発明の第３の実施の形態に係る光制御パネルを用いて製造した空中像結像装置の部分正断面図、部分側断面図である。 （Ａ）、（Ｂ）は同光制御パネルの製造方法の工程説明図である。

続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図１（Ａ）、（Ｂ）に示すように、本発明の第１の実施の形態に係る空中像結像装置１０は、平行に並んで立設された帯状の多数の光反射面（光反射部ａ１の一例）１１を有する第１の光制御パネル（第１の光制御パネルｂ１の一例）１２と、平行に並んで立設された帯状の多数の光反射面（光反射部ａ２の一例）１３を有する第２の光制御パネル（第２の光制御パネルｂ２の一例）１４とを、光反射面１１と光反射面１３が交差（例えば、直交、以下同じ）するように重ねて配置した装置であり、従来よりも作業性よく効率的に製造可能なものである。
以下、詳しく説明する。

第１の光制御パネル１２は、図１（Ａ）、図２に示すように、それぞれ特定ピッチ（例えば、同一ピッチ又は不揃いのピッチ、以下、同じ）で多数平行に並べて配置された断面矩形の凸条（凸条ｄ１の一例）１５と凸条（凸条ｄ１’の一例）１６を有している。
また、第２の光制御パネル１４は、図１（Ｂ）、図２に示すように、それぞれ特定ピッチ（例えば、同一ピッチ又は不揃いのピッチ、以下、同じ）で多数平行に並べて配置された断面矩形の凸条（凸条ｄ２の一例）１７と凸条（凸条ｄ２’の一例）１８を有している。
ここで、断面矩形とは、ここでは断面長方形であるが、断面正方形でもよい。

凸条１５と凸条１６は、平板部（平板部ｃ１の一例）１９の表裏（平板部１９を中心としてその両側）に平行かつ対称に形成され、平板部１９に一体となっている。また、凸条１７と凸条１８は、平板部（平板部ｃ２の一例）２０の表裏（平板部２０を中心としてその両側）に平行かつ対称に形成され、平板部２０に一体となっている。
これにより、凸条１５及び凸条１６と平板部１９とで第１の凹凸部材２１が構成され、凸条１７及び凸条１８と平板部２０とで第２の凹凸部材２２が構成される（図２参照）。この第１、第２の凹凸部材２１、２２は、凸条１５、１６と凸条１７、１８とが交差（直交が好ましい）するように配置されている。
なお、第１、第２の凹凸部材２１、２２は、透明なプラスチックや樹脂（アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、メタクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネイト樹脂、エポキシ樹脂等、以下の実施の形態においても同じ）等の透明材で構成されているが、透明であればよく、例えば、ガラス板等で構成することもできる。

一方（第１の凹凸部材２１）の凸条１５の両側面（隣り合う凸条１５の対向面）２３には、光反射面１１が形成され（凸条１６も同様）、他方（第２の凹凸部材２２）の凸条１７の両側面（隣り合う凸条１７の対向面）２４には、光反射面１３が形成されている（凸条１８も同様）。
なお、一方の凸条１５、１６の天井面２５と、他方の凸条１７、１８の天井面２６は、それぞれ透明となって透光性を有している（第１、第２の凹凸部材２１、２２の表面が露出した状態）。また、隣り合う凸条１５の間に形成される溝２７（溝ｆ１の一例）の底面２８（凸条１６間の溝２７（溝ｆ１’の一例）の底面２８も同様）と、隣り合う凸条１７の間に形成される溝２９（溝ｆ２の一例）の底面３０（凸条１８間の溝２９（溝ｆ２’の一例）の底面３０も同様）も、それぞれ透明となっている（第１、第２の凹凸部材２１、２２の表面が露出した状態）。

これにより、第１、第２の光制御パネル１２、１４には、それぞれ帯状の光反射面１１、１３が多数並べて配置（立設）されることになる。
なお、光反射面１１、１３は、高反射率を有する金属（例えば、Ａｇ（銀）、Ａｌ（アルミニウム）、Ｎｉ（ニッケル）、Ｔｉ（チタン）、Ｃｒ（クロム）等）を、各凸条１５、１６の両側面２３と各凸条１７、１８の両側面２４にそれぞれ、蒸着やスパッタリングして形成された金属膜（金属光反射面）により構成されている（以下の実施の形態においても同じ）。

従って、第１の光制御パネル１２を構成する帯状の光反射面１１が、第２の光制御パネル１４を構成する帯状の光反射面１３に対して交差状態に配置されることになる。
ここで、一方の光反射面１１と他方の光反射面１３の交差状態とは、平面視して直交（即ち、９０度）させた状態であるが、空中像を目標位置に結像できれば特に限定されるものではなく、例えば、８０度以上１００度以下（好ましくは、下限を８８度、上限を９２度）の範囲内で交差させた状態にすることが好ましい。

上記した各凸条１５、１６の幅Ｗ１と、溝２７の幅（間隔）ｓ１は、例えば、１０〜１０００μｍ（より好ましくは、下限が１００μｍ、上限が５００μｍ）の範囲内で選定できる。ここで、多数の凸条１５の幅Ｗ１は同じであるが、異なってもよい（多数の凸条１６の幅Ｗ１も同様）。なお、溝２７の幅ｓ１も同様である。
また、上記した各凸条１７、１８の幅Ｗ２と、溝２９の幅（間隔）ｓ２も、例えば、１０〜１０００μｍ（より好ましくは、下限が１００μｍ、上限が５００μｍ）の範囲内で選定できる。ここで、多数の凸条１７の幅Ｗ２は同じであるが、異なってもよい（多数の凸条１８の幅Ｗ２も同様）。なお、溝２９の幅ｓ２も同様である。

上記した各凸条１５、１６の幅Ｗ１と、溝２７の幅ｓ１との関係Ｗ１／ｓ１は、０．４〜２．５（好ましくは、下限を２／３、上限を１．５）の範囲にあることが好ましい（各凸条１７、１８の幅Ｗ２と、溝２９の幅ｓ２との関係Ｗ２／ｓ２も同様）。
また、凸条１５と凸条１６のそれぞれの（横／縦）比、即ち、凸条１５と凸条１６のそれぞれの（幅Ｗ１／高さｈ１）比は、０．４〜２（好ましくは、下限を７／１０、上限を１０／７）の範囲にあることが好ましい（凸条１７と凸条１８のそれぞれの（幅Ｗ２／高さｈ２）比も同様）。

ここで、関係Ｗ１／ｓ１が０．４未満の場合、溝の幅ｓ１が広くなり過ぎ、光反射面で反射される光が少なくなって、鮮明な像が得られにくくなる傾向にある。各凸条１５、１６の（横／縦）比が２超の場合は最終的に光反射部の領域が狭くなる。一方、関係Ｗ１／ｓ１が２．５超の場合、溝の幅ｓ１が狭くなり過ぎ、光反射面で反射した光が再び光反射面で反射することが繰り返され、鮮明な像が得られにくくなる傾向にある。各凸条１５、１６の（横／縦）比が０．４未満の場合は第１の凹凸部材（スケルトン）２１の製作（脱型）が困難となる。
上記した関係は、関係Ｗ２／ｓ２と（幅Ｗ２／高さｈ２）比についても同様である。
なお、凸条の成形は、インジェクション成形又はプレス成形で行う。そのため、凸条が完全平行で長さも長い場合、樹脂の種類によっては型抜きが困難となるので、僅少の範囲で抜き勾配を設けるときもあるが、この形態も本発明に含まれる。

上記した隣り合う凸条１５の間と隣り合う凸条１６の間（溝２７内）には、第１、第２の光制御パネル１２の強度向上のため、透明な樹脂（例えば、第１、第２の凹凸部材２１、２２と同一材質である透明なプラスチックや樹脂）３１が充填されているが、充填しなくてもよい（隣り合う凸条１７の間と隣り合う凸条１８の間（溝２９内）も同様）。
このように、樹脂３１を充填する場合、樹脂３１を充填した後、第１、第２の凹凸部材２１、２２の両面（上下面）に透明の平板３２を配置し、脱気してプレス（平板又はロール）により両側から押圧する、平面化処理を行うことが好ましい。この場合、当然のことながら、凸条１５、１６、１７、１８を潰さないようにして行う。
なお、場合によっては、平板を省略してプレス処理を行ってもよい。また、溝２７内に充填する樹脂の屈折率は凹凸母材の屈折率と同じとするのが好ましい（以下の実施の形態においても同じ）。

また、他の方法による平面化処理としては、溝内に充填した樹脂を硬化させた後、中間加工体（即ち、第１、第２の凹凸部材に金属光反射面を形成したもの、又は、その後溝内に透明樹脂を充填して硬化させたものをいう）の両面に対し、研磨等による平面化処理を行うこともできる。
そして、平板部１９、２０の厚みは、特に限定されるものではないが、第１、第２の光制御パネル１２、１４の強度と投光率を考慮すれば、例えば、１０〜１０００μｍ（上限を、好ましくは５００μｍ、更に好ましくは３００μｍ）程度である。

以上の構成により、空中像結像装置１０の使用にあっては、第１の光制御パネル１２で反射した対象物からの光を、第２の光制御パネル１４で再反射して対象物の像を形成できる。以上の凸条と溝の寸法、及び寸法比は以下の実施の形態においても同様に適用できる。

続いて、本発明の第１の実施の形態に係る空中像結像装置１０の製造方法について、図１（Ａ）、（Ｂ）、図２、図３（Ａ）〜（Ｄ）を参照しながら説明する。なお、空中像結像装置１０を構成する第１の光制御パネル１２と第２の光制御パネル１４の製造方法は同じであるため、図３（Ａ）〜（Ｄ）においては、第１の光制御パネル１２の製造方法についてのみ図示する。

（第１工程）
まず、図１（Ａ）、図２、図３（Ａ）に示すように、透明な第１の凹凸部材２１を形成する。この第１の凹凸部材２１は、凸条１５と凸条１６が、平板部１９の表裏に平行かつ対称に一体となって形成されたものである。
なお、第１の凹凸部材２１は、以下の方法で作製したものを使用することができるが、予め製造されたものを購入して使用することもできる。

１）インジェクション成形（射出成形）
この方法は、例えば、熱可塑性の透明樹脂（透明プラスチック）を溶融させた状態で、対となる上下対象な金型内に注入し冷却して固化させた後、この金型を離間し固化して透明樹脂を取り出すことで、第１の凹凸部材２１を形成する方法である。この方法では、熱可塑性の透明樹脂の代わりに熱硬化性の透明樹脂（透明プラスチック）を使用することもできる。
なお、第１の凹凸部材２１の脱型を容易にするため、例えば、金型の材質選定（金型の樹脂接触面にめっき処理を施す等）や金型への樹脂の注入位置、また、金型の構造（冷却構造等）を設定することが好ましい。
また、金型は熱膨張係数の小さい金属（例えば、鉄、銅、インバー、スーパーインバー、ステンレスインバー、Ｆｅ−Ｐｔ合金、Ｆｅ−Ｐｄ合金）を用いると、透明プラスチックの熱膨張は大きいので、金型で樹脂が固化後、樹脂の収縮が金型より大きくなり、脱型が容易となりえる。また、脱型時に金型の降温と昇温とを繰り返して、凹凸部材と金型の熱膨張の差を利用して脱型を促進することもできる（以下の実施の形態においても同様）。

２）プレス成形（金型成形）
透明のプラスチック又はガラスからなるシート材を、ダイと、このダイに対して昇降可能なパンチの間に、間欠的に送り込むことで、第１の凹凸部材２１を形成する方法である。この場合、シート材が軟化している状態でプレス間内に送り込む必要がある。

（第２工程）
図３（Ｂ）に示すように、第１の凹凸部材２１の表裏面（凹凸形成面）に、金属光反射面３３（金属膜）を形成する。
金属光反射面３３は、Ａｇ、Ａｌ、Ｎｉ、Ｔｉ、Ｃｒ等の高反射率を有する金属を、蒸着やスパッタリングすることにより形成する。これにより、第１の凹凸部材２１の表裏面（即ち、凸条１５、１６の両側面２３及び天井面２５と、溝２７の底面２８）が、金属光反射面３３で覆われる。

（第３工程）
図３（Ｃ）に示すように、金属光反射面３３で覆われた第１の凹凸部材２１の表面側と裏面側から、同時又は順次レーザ光を照射して、凸条１５、１６の天井面２５と、隣り合う凸条１５の間に形成された溝２７の底面２８と、隣り合う凸条１６の間に形成された溝２７の底面２８にある（形成された）、金属光反射面３３をそれぞれ除去する（図３（Ｃ）に示す「×」印部分）。このとき、レーザ光が、天井面２５に対して垂直、又は、各溝２７の側面２３に対して平行になっている。
これにより、凸条１５、１６の両側面２３に形成された金属光反射面３３が光反射面１１となる。

（第４工程）
図３（Ｄ）に示すように、隣り合う凸条１５の間と隣り合う凸条１６の間（溝２７内）に透明な樹脂３１を充填し、その両面（上下面）に透明の平板３２を配置し、脱気してプレスにより両側から押圧する、平面化処理を行う。なお、平板３２は省略することも可能である。これにより、第１の光制御パネル１２を製造できる。
そして、この第１の光制御パネル１２と、上記した方法と同様の方法で製造した第２の光制御パネル１４とを、図１（Ａ）、（Ｂ）に示すように、光反射面１１と光反射面１３とが交差するように重合する（貼り合わせる）ことで、空中像結像装置１０が得られる。

次に、図４（Ａ）、（Ｂ）を参照しながら、本発明の第２の実施の形態に係る空中像結像装置について説明するが、前記した本発明の第１の実施の形態に係る空中像結像装置１０と同一部材には同一符号を付し、詳しい説明を省略する。

空中像結像装置は、平行に並んで立設された帯状の光反射面（光反射部ａ１の一例）を有する第１の光制御パネル（第１の光制御パネルｂ１）と平行に並んで立設された帯状の光反射面（光反射部ａ２の一例）を有する第２の光制御パネル（第２の光制御パネルｂ２）を有する装置である。この第１、第２の光制御パネルは、前記した第１、第２の光制御パネル１２、１４と同様の作用を有するものであり、また、第１の光制御パネルと第２の光制御パネルは同じ構成であるため、以下、簡単に説明する。

第１の光制御パネルは、特定ピッチで平行配置した断面矩形の第１の凸条４１と、隣り合う第１の凸条４１を連結する第１の連結部４２を有し、第２の光制御パネルは、特定ピッチで平行配置した断面矩形の第２の凸条４３と、隣り合う第２の凸条４３を連結する第２の連結部４４を有している。なお、この実施の形態において、第１、第２の連結部４２、４４はそれぞれ第１、第２の凸状４１、４３の高さ方向中央に配置したが、上側、下側又は他の位置にあってもよい。
ここで、第１の凸条４１は、前記した平板部１９が除かれて、凸条１５と凸条１６が一体となった形状と略同様である。また、第２の凸条４３も、前記した平板部２０が除かれて、凸条１７と凸条１８が一体となった形状と略同様である。

第１の凸条４１と第１の連結部４２で第１の凹凸部材４５が構成され、第２の凸条４３と第２の連結部４４で第２の凹凸部材４６が構成されている（第１、第２の凹凸部材４５、４６の材質は、前記した第１、第２の凹凸部材２１、２２と同様の透明材で形成されている）。
この第１の連結部４２は、第１の凸条４１の長手方向に間隔を有して複数設けられ、第２の連結部４４は、第２の凸条４３の長手方向に間隔を有して複数設けられている。なお、第１の連結部４２は、隣り合う第１の凸条４１を連結できればよく、ここでは、断面矩形の棒状のものであるが、例えば、断面円形の棒状のものでもよい（第２の連結部４４も同様）。

このため、第１の凹凸部材４５は、図４（Ｂ）に示すように、平面視して格子状（碁盤の目状）となっており、第１の凸条４１と第１の連結部４２が存在しない領域は、第１の凹凸部材４５の厚み方向に貫通孔４７が形成されている。
従って、第１の凹凸部材４５を構成する、隣り合う第１の凸条４１の間で上下に形成される第１の溝４８の底面４９は、第１の連結部４２の上下面となり、第２の凹凸部材４６を構成する、隣り合う第２の凸条４３の間で上下に形成される第２の溝５０の底面５１は、第２の連結部４４の上下面となる。

第１の凸条４１の両側面５２には、光反射面が形成され、第２の凸条４３の両側面５３には、光反射面が形成されている。この光反射面は、前記した光反射面１１、１３と同じ材質である。
なお、第１の凸条４１の天井面５４及び第２の凸条４３の天井面５５と、第１の連結部４２の周面及び第２の連結部４４の周面には、光反射面が形成されておらず、それぞれ透明となっている（第１、第２の凹凸部材４５、４６の表面が露出した状態となっている）。

これにより、第１、第２の光制御パネルには、それぞれ帯状の光反射面が多数並べて配置されることになる。従って、一方の帯状の光反射面が、他方の帯状の光反射面に対して交差状態となる（図１（Ａ）、（Ｂ）参照）。
なお、第１、第２の溝４８、５０（隣り合う第１の凸条４１の間と、隣り合う第２の凸条４３の間）には、第１、第２の光制御パネルの強度向上のため、透明な樹脂が充填されているが、充填しなくてもよい。このように、樹脂を充填する場合、前記した平面化処理を行う。

上記した空中像結像装置の製造方法は、前記した図３（Ａ）〜（Ｄ）に示した空中像結像装置１０の製造方法と略同様であるため、以下、簡単に説明する。

（第１工程）
まず、第１の凹凸部材４５を用意する。この第１の凹凸部材４５は、平板部１９を用いることなく、隣り合う第１の凸条４１が第１の連結部４２で連結されたものである。
なお、第１の凹凸部材４５は、前記したインジェクション成形やプレス成形で作製したものを使用することができるが、予め製造されたものを購入して使用することもできる（第２の凹凸部材４６も同様）。

（第２工程）
第１の凹凸部材４５の表裏面（凹凸形成面）に、前記した高反射率を有する金属を蒸着やスパッタリングすることにより、金属光反射面（金属膜）を形成する。
これにより、第１の凹凸部材４５の表面（即ち、第１の凸条４１の両側面５２及び天井面５４と、第１の溝４８の底面４９）が、金属光反射面で覆われる。なお、この第１の凹凸部材４５には、貫通孔４７が形成されているため、この部分には金属光反射面が形成されない（第２の凹凸部材４６も同様）。

（第３工程）
金属光反射面で覆われた第１の凹凸部材４５の表面側と裏面側から、同時又は順次レーザ光を照射して、第１の凸条４１の天井面５４と、隣り合う第１の凸条４１の間に形成された第１の溝４８の底面４９にある（形成された）、金属光反射面をそれぞれ除去する。なお、第１の溝４８の底面４９にある金属光反射面は、除去しなくてもよいし、除去してもよい。 これにより、第１の凸条４１の両側面５２に形成された金属光反射面の表裏面が光反射面となる（第２の凸条４３も同様）。

（第４工程）
隣り合う第１の凸条４１の間（第１の溝４８内）に透明な樹脂を充填し、その両面（上下面）に透明の平板を配置し、脱気してプレスにより両側から押圧する、平面化処理を行う。
これにより、第１の光制御パネルを製造できる。
そして、この第１の光制御パネルと、上記した方法と同様の方法で製造した第２の光制御パネルとを、一方の光反射面と他方の光反射面とが交差するように重合することで、空中像結像装置が得られる。

続いて、図５（Ａ）、（Ｂ）を参照しながら、本発明の第３の実施の形態に係る第１、第２の光制御パネル６０、６１を用いて製造した空中像結像装置６２について説明するが、この第１の光制御パネル６０と第２の光制御パネル６１は同じ構成であるため、主として第１の光制御パネル６０について説明する。また、前記した空中像結像装置１０と同一部材には同一符号を付して、詳しい説明を省略する。

第１、第２の光制御パネル６０、６１はそれぞれ、透明な凹凸部材６３を有している。この凹凸部材６３は、平板部６４と、この平板部６４の片側に特定ピッチで多数平行に並べて配置された（一体的に形成された）断面矩形の凸条６５で構成されている。
ここで、断面矩形とは、ここでは断面長方形であるが、断面正方形でもよい。
また、凹凸部材６３は、透明なプラスチック（アクリル等）で構成されているが、透明であればよく、例えば、ガラス板等で構成することもできる。

凸条６５の両側面（隣り合う凸条６５の対向面）６６には、光反射面（光反射部の一例）１１が形成されている。
なお、凸条６５の天井面６７は透明となって透光性を有している（凹凸部材６３の表面が露出した状態）。また、隣り合う凸条６５の間に形成される溝６８の底面６９も透明となっている（凹凸部材６３の表面が露出した状態）。

隣り合う凸条６５の間（溝６８内）には、透明な樹脂３１が充填されているが、充填しなくてもよい。
このように、樹脂３１を充填する場合、樹脂３１を充填した後、凸条６５の天井面６７に、樹脂３１を覆うように透明の平板３２を配置し、脱気してプレス（平板又はロール）により両側から押圧する、平面化処理を行うことが好ましい。

これにより、第１、第２の光制御パネル６０、６１には、それぞれ帯状の光反射面１１、１３が多数並べて配置（立設）されることになる。
この第１、第２の光制御パネル６０、６１は、平板３２の表面同士が密着するように、しかも、それぞれの帯状の光反射面１１、１３が交差するように、重ねて配置されている。

次に、上記した第１、第２の光制御パネル６０、６１の製造方法について、図６（Ａ）、（Ｂ）を参照しながら説明するが、この製造方法は、前記した図３（Ａ）〜（Ｄ）に示した第１、第２の光制御パネル１２、１４の製造方法と略同様であるため、以下、簡単に説明する。

（第１工程）
まず、凹凸部材６３を用意する。この凹凸部材６３は、平板部６４の片側に凸条６５を有するものである。
なお、凹凸部材６３は、前記したインジェクション成形やプレス成形で作製したものを使用することができるが、予め製造されたものを購入して使用することもできる。

（第２工程）
図６（Ａ）に示すように、凹凸部材６３の凸条６５が形成された側の表面（凹凸形成面）に、金属蒸着又はスパッターリングにより金属光反射面（金属膜）７０を形成する。
これにより、凹凸部材６３の表面（即ち、凸条６５の両側面６６及び天井面６７と、第１の溝６８の底面６９）が、金属光反射面７０で覆われる。

（第３工程）
金属光反射面７０で覆われた凹凸部材６３の表面側から、同時又は順次レーザ光を照射して、凸条６５の天井面６７と、隣り合う第１の凸条６５の間に形成された溝６８の底面６９にある（形成された）、金属光反射面７０をそれぞれ除去する。なお、ここでは、金属光反射面７０で覆われた側からレーザ光を照射したが、凹凸部材６３は透明であるため、金属光反射面７０で覆われていない側（裏面側）からレーザ光を照射してもよい。
これにより、凸条６５の両側面６６に形成された金属光反射面７０が光反射面１１となる（図６（Ｂ）参照）。

（第４工程）
隣り合う凸条６５の間（溝６８内）に透明な樹脂３１を充填し、その表面（上面）に透明の平板３２を配置し、脱気してプレスにより両側から押圧する、平面化処理を行う。
これにより、第１の光制御パネル６０を製造できる。
そして、この第１の光制御パネル６０と、上記した方法と同様の方法で製造した第２の光制御パネル６１とを、光反射面１１と光反射面１３とが交差するように、しかも、平板３２の表面同士が密着するように、重合することで、図５（Ａ）、（Ｂ）に示す空中像結像装置６２が得られる。

以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組合せて本発明の空中像結像装置及びその製造方法並びに光制御パネルの製造方法を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
凸条の両側面の粗度は、１０〜１００ｎｍとするのが好ましいが、これより粗い場合であっても、鏡面処理してミラー面とすることができる。

また、凸条の断面形状は矩形であるが、この矩形は、対象物の像を結像可能な形状の範囲、例えば、平行四辺形（対向する側面が平行）や台形等も含む。
更に、以上の実施の形態では、平行レーザ光を用いたが、通常のレーザ光を用いることもでき、この場合は、光反射部に照射されるレーザ光が存在するが、照射角度が小さく殆どは光反射部で反射するので、凸条の側面に金属光反射面を残すことは可能となる。
また、以上の実施の形態において、樹脂の平面化処理は、溝内に透明樹脂を充填した後、透明の平板を載せてプレス等で押圧処理したが、溝間に樹脂を充填した後、表面及び裏面をカッタ、砥石等で研磨することもできる。

本発明に係る空中像結像装置及びその製造方法並びに光制御パネルの製造方法によって、安価な空中像結像装置を製造や提供できる。これにより、空中像結像装置を使用した光学機器の普及に貢献できる。

１０：空中像結像装置、１１：光反射面（光反射部ａ１）、１２：第１の光制御パネル（第１の光制御パネルｂ１）、１３：光反射面（光反射部ａ２）、１４：第２の光制御パネル（第２の光制御パネルｂ２）、１５：凸条（凸条ｄ１）、１６：凸条（凸条ｄ１’）、１７：凸条（凸条ｄ２）、１８：凸条（凸条ｄ２’）、１９：平板部（平板部ｃ１）、２０：平板部（平板部ｃ２）、２１：第１の凹凸部材、２２：第２の凹凸部材、２３、２４：側面、２５、２６：天井面、２７：溝、２８：底面、２９：溝、３０：底面、３１：樹脂、３２：平板、３３：金属光反射面、４１：第１の凸条、４２：第１の連結部、４３：第２の凸条、４４：第２の連結部、４５：第１の凹凸部材、４６：第２の凹凸部材、４７：貫通孔、４８：第１の溝、４９：底面、５０：第２の溝、５１：底面、５２、５３：側面、５４、５５：天井面、６０：第１の光制御パネル、６１：第２の光制御パネル、６２：空中像結像装置、６３：凹凸部材、６４：平板部、６５：凸条、６６：側面、６７：天井面、６８：溝、６９：底面、７０：金属光反射面

Claims (15)

1. 平行に並んで立設された帯状の多数の光反射部ａ１、ａ２をそれぞれ有する第１、第２の光制御パネルｂ１、ｂ２を、前記光反射部ａ１、ａ２が交差するようにして重ねて配置した空中像結像装置において、
   前記第１の光制御パネルｂ１は、中央に設けられた平板部ｃ１の表裏に平行かつ対称に断面矩形の凸条ｄ１、ｄ１’が形成され、該凸条ｄ１、ｄ１’の両側面には、前記光反射部ａ１が形成され、
   前記第２の光制御パネルｂ２は、中央に設けられた平板部ｃ２の表裏に平行かつ対称に断面矩形の凸条ｄ２、ｄ２’が形成され、該凸条ｄ２、ｄ２’の両側面には、前記光反射部ａ２が形成され、
   前記平板部ｃ１、及び、これに連結する前記凸条ｄ１、ｄ１’は透明材で形成され、かつ、前記平板部ｃ２、及び、これに連結する前記凸条ｄ２、ｄ２’は透明材で形成されていることを特徴とする空中像結像装置。
2. 請求項１記載の空中像結像装置において、前記光反射部ａ１が形成された、隣り合う前記凸条ｄ１の間と隣り合う前記凸条ｄ１’の間にそれぞれ形成される溝ｆ１、ｆ１’と、前記光反射部ａ２が形成された、隣り合う前記凸条ｄ２の間と隣り合う前記凸条ｄ２’の間にそれぞれ形成される溝ｆ２、ｆ２’には、透明な樹脂が充填されていることを特徴とする空中像結像装置。
3. 請求項１又は２記載の空中像結像装置において、前記凸条ｄ１、ｄ１’と前記凸条ｄ２、ｄ２’の（横／縦）比は、０．４〜２の範囲にあることを特徴とする空中像結像装置。
4. 平行に並んで立設された帯状の多数の光反射部ａ１、ａ２をそれぞれ有する第１、第２の光制御パネルｂ１、ｂ２を、前記光反射部ａ１、ａ２が交差するようにして重ねて配置した空中像結像装置において、
   前記第１の光制御パネルｂ１は、平行配置された断面矩形の第１の凸条と、隣り合う該第１の凸条を連結する第１の連結部を有し、該第１の凸条の両側面には、前記光反射部ａ１が形成され、
   前記第２の光制御パネルｂ２は、平行配置された断面矩形の第２の凸条と、隣り合う該第２の凸条を連結する第２の連結部を有し、該第２の凸条の両側面には、前記光反射部ａ２が形成され、
   前記第１の凸条、及び、これを連結する前記第１の連結部は透明材で形成され、かつ、前記第２の凸条、及び、これを連結する前記第２の連結部は透明材で形成されていることを特徴とする空中像結像装置。
5. 請求項４記載の空中像結像装置において、前記第１の連結部は、前記第１の凸条の長手方向に間隔を有して複数設けられ、前記第２の連結部は、前記第２の凸条の長手方向に間隔を有して複数設けられていることを特徴とする空中像結像装置。
6. 請求項４又は５記載の空中像結像装置において、前記光反射部ａ１が形成された、隣り合う前記第１の凸条の間に形成される第１の溝と、前記光反射部ａ２が形成された、隣り合う前記第２の凸条の間に形成される第２の溝には、透明な樹脂が充填されていることを特徴とする空中像結像装置。
7. 平行に並んで立設された帯状の多数の光反射部ａ１、ａ２をそれぞれ有する第１、第２の光制御パネルｂ１、ｂ２を、前記光反射部ａ１、ａ２が交差するようにして重ねて配置した空中像結像装置の製造方法において、
   平行に並べて配置された断面矩形の凸条ｄ１、ｄ１’を平板部ｃ１の表裏に対称に有する透明な第１の凹凸部材と、平行に並べて配置された断面矩形の凸条ｄ２、ｄ２’を平板部ｃ２の表裏に対称に有する透明な第２の凹凸部材を、それぞれインジェクション成形又はプレス成形によって形成する第１工程と、
   前記第１、第２の凹凸部材の表裏面に金属蒸着又はスパッタリングによって金属光反射面をそれぞれ形成する第２工程と、
   前記金属光反射面が形成された前記第１、第２の凹凸部材の表面側と裏面側から、同時又は順次レーザ光を照射して、前記凸条ｄ１、ｄ１’の天井面及び隣り合う該凸条ｄ１、ｄ１’の間に形成された溝底と、前記凸条ｄ２、ｄ２’の天井面及び隣り合う該凸条ｄ２、ｄ２’の間に形成された溝底にある、前記金属光反射面をそれぞれ除去し、前記凸条ｄ１、ｄ１’の両側面に形成された前記金属光反射面を前記光反射部ａ１とし、前記凸条ｄ２、ｄ２’の両側面に形成された前記金属光反射面を前記光反射部ａ２として、前記第１、第２の光制御パネルｂ１、ｂ２を製造する第３工程と、
   前記第１の光制御パネルｂ１の前記光反射部ａ１と、前記第２の光制御パネルｂ２の前記光反射部ａ２とが交差するように、前記第１、第２の光制御パネルｂ１、ｂ２を重合する第４工程とを有することを特徴とする空中像結像装置の製造方法。
8. 請求項７記載の空中像結像装置の製造方法において、前記第３工程を行った後、前記光反射部ａ１が形成された、隣り合う前記凸条ｄ１の間と隣り合う前記凸条ｄ１’の間にそれぞれ形成される溝ｆ１、ｆ１’と、前記光反射部ａ２が形成された、隣り合う前記凸条ｄ２の間と隣り合う前記凸条ｄ２’の間にそれぞれ形成される溝ｆ２、ｆ２’に、透明な樹脂を充填して、前記第４工程を行うことを特徴とする空中像結像装置の製造方法。
9. 請求項７又は８記載の空中像結像装置の製造方法において、前記凸条ｄ１、ｄ１’と前記凸条ｄ２、ｄ２’の（横／縦）比は、０．４〜２の範囲にあることを特徴とする空中像結像装置の製造方法。
10. 請求項７〜９のいずれか１項に記載の空中像結像装置の製造方法において、前記レーザ光は、前記各天井面に対して垂直、又は、前記各溝側面に対して平行になっていることを特徴とする空中像結像装置の製造方法。
11. 平行に並んで立設された帯状の多数の光反射部ａ１、ａ２をそれぞれ有する第１、第２の光制御パネルｂ１、ｂ２を、前記光反射部ａ１、ａ２が交差するようにして重ねて配置した空中像結像装置の製造方法において、
    平行に並べて配置された断面矩形の第１の凸条と、隣り合う該第１の凸条を連結する第１の連結部を有する透明な第１の凹凸部材と、平行に並べて配置された断面矩形の第２の凸条と、隣り合う該第２の凸条を連結する第２の連結部を有する透明な第２の凹凸部材を、それぞれインジェクション成形又はプレス成形によって形成する第１工程と、
    前記第１、第２の凹凸部材の表裏面に金属蒸着又はスパッタリングによって金属光反射面をそれぞれ形成する第２工程と、
    前記金属光反射面が形成された前記第１、第２の凹凸部材の表面側と裏面側から、同時又は順次レーザ光を照射して、前記第１、第２の凸条の天井面にある前記金属光反射面をそれぞれ除去し、前記第１、第２の凸条の両側面に形成された前記金属光反射面を前記光反射部ａ１、ａ２として、前記第１、第２の光制御パネルを製造する第３工程と、
    前記第１の光制御パネルｂ１の前記光反射部ａ１と、前記第２の光制御パネルｂ２の前記光反射部ａ２とが交差するように、前記第１、第２の光制御パネルｂ１、ｂ２を重合する第４工程とを有することを特徴とする空中像結像装置の製造方法。
12. 請求項１１記載の空中像結像装置の製造方法において、前記第１の連結部は、前記第１の凸条の長手方向に間隔を有して複数設けられ、前記第２の連結部は、前記第２の凸条の長手方向に間隔を有して複数設けられていることを特徴とする空中像結像装置の製造方法。
13. 請求項１１又は１２記載の空中像結像装置の製造方法において、前記第３工程を行った後、前記光反射部ａ１が形成された、隣り合う前記第１の凸条の間と、前記光反射部ａ２が形成された、隣り合う前記第２の凸条の間に、それぞれ透明な樹脂を充填して、前記第４工程を行うことを特徴とする空中像結像装置の製造方法。
14. 平行に並んで立設された帯状の多数の光反射部を有する光制御パネルの製造方法において、
    少なくとも平板部の片側に平行配置された断面矩形の凸条を有する透明な凹凸部材を、インジェクション成形又はプレス成形によって形成する第１工程と、
    前記凹凸部材の少なくとも前記凸条が形成された側に金属蒸着又はスパッタリングによって金属光反射面を形成する第２工程と、
    前記金属光反射面が形成された前記凹凸部材の片側からレーザ光を照射して、前記凸条の天井面及び隣り合う該凸条の間に形成された溝底にある前記金属光反射面を除去し、前記凸条の両側面に形成された前記金属光反射面を前記光反射部とする第３工程と、
    隣り合う前記凸条の間に形成される溝に透明な樹脂を充填し、その表面を平面化処理する第４工程とを有することを特徴とする光制御パネルの製造方法。
15. 請求項１４記載の光制御パネルの製造方法において、前記第４工程での平面化処理は、隣り合う前記凸条の間に前記樹脂を充填した後、その表面に透明平板を配置し、プレスによって押圧して行うことを特徴とする光制御パネルの製造方法。

Images