JP7038267B1 - 空中像結像素子及び空中像結像装置 - Google Patents

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Abstract

空中像結像装置30に用いられる空中像結像素子10aが、平板状の透明基材11aの表面及び裏面に対してそれぞれ垂直に形成された複数の第1、第2の光反射面12、14を有し、複数の第1の光反射面12が、平面視して透明基材11aの外部に存在する基準点Xを中心に透明基材11aの表面側に放射状に配置され、複数の第2の光反射面14が、平面視して基準点Xに重なる基準点Yを中心に透明基材11aの裏面側に同心円状に配置されており、外部から入射して第1、第2の光反射面12、14で1回ずつ反射する光を空中で結像させる。

Description

本発明は、物体表面(対象物)から発せられる光(散乱光)を用いて空中にその物体の空中像(立体像)を形成する空中像結像素子及び空中像結像装置に関する。
物体表面から発する光(散乱光)を用いて空中にその物体の空中像(立体像)を形成する装置として、例えば、特許文献1に記載の立体像結像装置(光学結像装置)が知られている。この結像装置は、透明平板の一方の面に垂直な複数の帯状の金属反射面(鏡面)からなる平面光反射部を一定のピッチで透明平板の内部に並べて形成した第1、第2の光制御パネルを有し、その第1、第2の光制御パネルのそれぞれの平面光反射部同士が平面視して直交するように、第1、第2の光制御パネルの一面側同士を向い合わせて密着させたものである。この第1、第2の光制御パネルの製造に際しては、金属反射面が一面側に形成された一定厚みの板状の透明合成樹脂板やガラス板(以下、「透明板」ともいう)を、金属反射面が一方側に配置されるように複数枚積層して積層体を作製し、その積層体から各金属反射面に対して垂直な切り出し面が形成されるように切り出している。
しかし、積層体の作製に時間と手間がかかるだけでなく、積層体から切り出す第1、第2の光制御パネルは極めて薄く、それぞれの切り出し面(両面)の研磨作業等を行う必要もあるため、作業工程が煩雑で製造効率が悪かった。また、透明板に金属蒸着によって金属反射面を形成する際に、大型の蒸着炉を必要とするだけでなく、1枚又は少数枚の透明板を入れた蒸着炉を脱気して高真空にした後、蒸着処理を行い、蒸着炉を大気圧に開放して金属蒸着された透明板を取り出すという作業を百回以上繰り返さなければならず、極めて手間と時間のかかる作業が必要であった。さらに、金属反射面の配置間隔(ピッチ)が透明板の板厚によって制限を受け、立体像の明るさや鮮明さに限界があった。また、第1、第2の光制御パネルの複数の金属反射面がそれぞれ直線状(平行)で、平面視して直交するように配置されているため、視野角(結像範囲)も限られ、大人数での使用には不向きであった。
これに対し、特許文献2には、透明平板材の一側に基準点Xを中心にして放射状に複数の第1の垂直光反射部を設け、透明平板材の他側に平面視して基準点Xに重なる基準点Yを中心にして第1の垂直光反射部と交差する同心円状に複数の第2の垂直光反射部を設けた立体像結像装置(空中像結像装置)が開示されている。この立体像結像装置では、基準点Xを中心にして放射状に設けられる第1の垂直光反射部(放射状光反射部)が直線状に形成されるのに対し、同心円状に設けられる第2の垂直光反射部(同心円状光反射部)は、基準点Yを中心とする同心円に沿って湾曲しているが、平面視して第1の垂直光反射部と第2の垂直光反射部が交差する点では、両者は直交している。よって、特許文献1の立体像結像装置と同様に、立体像を結像させることができる。そして、特許文献2の第1、第2の垂直光反射部は、透明平板材の一面側に形成される複数の放射状の溝の垂直面と、透明平板材の他面側に形成される複数の同心円状の溝の垂直面を利用するものであり、それぞれの溝は、プレス成型やインジェクション成型等によって容易に製造することができ、その配置間隔(ピッチ)を細かくして、従来よりも明るく鮮明な立体像を結像させることができる。また、第1の垂直光反射部が放射状に設けられ、第2の垂直光反射部が同心円状に設けられることにより、外周の様々な方向から立体像を観察することができ、従来よりも視野角が広く、ゴーストも少ないため、視認性に優れ、大人数での観察が可能である。
国際公開第2009/131128号 特許第6591127号公報
しかしながら、特許文献2の立体像結像装置では、第1の垂直光反射部が放射状に配置されているため、平面視した観察者の視線の方向と、第1の垂直光反射部の金属反射面(鏡面)が、ほぼ平行になる領域が一部に存在する。従って、立体像結像装置に進入する光のうち、平面視して第1の垂直光反射部の金属反射面とほぼ平行に進入し、第2の垂直光反射部のみで反射して、第1の垂直光反射部で反射することなく空中に出る光は、観察者の視線の方向によってはゴーストとして観察されるという課題があった。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、製造が容易で視認性に優れる空中像結像素子及び空中像結像素子を備え、視野角の拡大が図られると共に、ゴーストの発生が防止され、鮮明な空中像が得られる空中像結像装置を提供することを目的とする。
前記目的に沿う第1の発明に係る空中像結像素子は、平板状の透明基材の表面及び裏面に対してそれぞれ垂直に形成された複数の第1、第2の光反射面を有し、外部から入射して前記第1、第2の光反射面で1回ずつ反射する光を空中で結像させる空中像結像素子であって、
複数の前記第1の光反射面は、平面視して前記透明基材の外部に存在する基準点Xを中心に前記透明基材の表面側に放射状に配置され、複数の前記第2の光反射面は、平面視して前記基準点Xに重なる基準点Yを中心に前記透明基材の裏面側に同心円状に配置されている。
ここで、外部から入射する光は対象となる物体表面から発せられる光(散乱光)であり、結像により、空中にその物体の空中像(立体像)が形成される。空中像には平面画像(二次元像)及び立体像(三次元像)が含まれ、対象となる物体が、例えばディスプレイ等の画像表示手段に表示された画像であれば、その実像となる平面画像(二次元像)が空中像として結像し、対象となる物体が、各種立体であれば、その実像となる立体像(三次元像)が空中像として結像する(以上、第2の発明においても同じ)。
第1の発明に係る空中像結像素子において、前記透明基材は、平面視して四角形状に形成され、前記基準点X及び前記基準点Yは、平面視した前記透明基材の外周の各辺のうち、いずれか一辺の延長線上に位置することができる。
第1の発明に係る空中像結像素子において、前記透明基材は、平面視して正方形状に形成され、前記基準点X及び前記基準点Yは、平面視した前記透明基材の一方の対角線の延長線上に位置してもよい。
第1の発明に係る空中像結像素子において、前記透明基材は、平面視して正方形状に形成され、前記基準点X及び前記基準点Yは、平面視した前記透明基材の二本の対角線の交点Zを中心に、いずれか一方の対角線を水平面内で所定角度αだけ時計回り又は反時計回りに回転させて得られる基準線の延長線上に位置することが好ましい。
第1の発明に係る空中像結像素子において、前記所定角度αの回転方向を時計回りとし、平面視した前記透明基材の外周の各辺のうち、前記各第2の光反射面を時計回りに辿る時の始点位置と重なる辺が観察者と対向するように配置されるか、前記所定角度αの回転方向を反時計回りとし、平面視した前記透明基材の外周の各辺のうち、前記各第2の光反射面を時計回りに辿る時の終点位置と重なる辺が観察者と対向するように配置されることがさらに好ましい。
第1の発明に係る空中像結像素子において、前記所定角度αは5~15度(より好ましくは10度)であることが好ましい。
前記目的に沿う第2の発明に係る空中像結像装置は、第1の発明に係る空中像結像素子を備えている。
第2の発明に係る空中像結像装置において、第1の発明に係る2つの空中像結像素子が平面視して左右対称に配置されていることが好ましい。
第1の発明に係る空中像結像素子及び第2の発明に係る空中像結像装置は、使用時における平面視した観察者の視線の方向と、放射状に配置される第1の光反射面の長手方向が一致する領域を極力減らしてゴーストがほとんど発生しない鮮明な空中像を得ることができ、視野角(結像範囲)を大幅に広げ、視認性を向上させることができる。
本発明の第1の実施例に係る空中像結像素子を示す平面図である。 (A)は図1のA-A部B-B矢視断面拡大図、(B)は図1のC-C部D-D矢視断面拡大図である。 本発明の第2の実施例に係る空中像結像素子を示す平面図である。 (A)は図3のE-E部F-F矢視断面拡大図、(B)は図3のG-G部H-H矢視断面拡大図である。 同空中像結像素子の変形例を示す平面図である。 本発明の第3の実施例に係る空中像結像装置を示す平面図である。 本発明の第4の実施例に係る空中像結像素子を示す平面図である。 同空中像結像素子を備えた空中像結像装置を示す平面図である。 同空中像結像装置の変形例を示す平面図である。
続いて、本発明の実施例に係る空中像結像素子及び空中像結像装置について、図面を参照しながら説明する。
図1に示す本発明の第1の実施例に係る空中像結像素子10は、平板状の透明基材11の表面及び裏面に対してそれぞれ垂直に形成された複数の第1、第2の光反射面12、14を有し、外部から入射して第1、第2の光反射面12、14で1回ずつ反射する光を空中で結像させるものである。従って、対象となる物体表面から発せられる光(散乱光)が、外部から空中像結像素子10に入射して結像することにより、空中にその物体の空中像(立体像)を形成することができる。
透明基材11は、平面視して四角形状(ここでは正方形状)に形成され、複数の第1の光反射面12は、平面視して透明基材11の外部に存在する基準点Xを中心に透明基材11の表面側(ここでは上面側)に放射状に配置され、複数の第2の光反射面14は、平面視して基準点Xに重なる基準点Yを中心に透明基材11の裏面側(ここでは下面側)に同心円状に配置されている。
ここで、第1の光反射面(以下、放射状光反射面ともいう)12及び第2の光反射面(以下、同心円状光反射面ともいう)14は、例えば、いずれも200~1000μm、好ましくは200~300μmのピッチで配置されるが、図1では一部のみを(ピッチを粗くして)示している。また、放射状光反射面は円周方向に等角度間隔で配置され、同心円状光反射面は半径方向に等間隔で配置されることが望ましいが、場所によって間隔が異なっていてもよいし、部分的に異なる間隔で配置されていてもよい。例えば、放射状光反射面については、等角度間隔で配置されていても基準点Xに近づく程、隣り合う放射状光反射面同士の間隔が狭くなるので、必要に応じて部分的に間引かれて配置されてもよい。
図1において、平面視して各放射状光反射面12と各同心円状光反射面14が交差するそれぞれの点では、放射状光反射面12と同心円状光反射面14が直交することになる。つまり、各放射状光反射面12は基準点Xを中心とする放射状に配置され、各同心円状光反射面14は基準点Yを中心とする同心円に沿って湾曲しているが、微小範囲では、隣り合う放射状光反射面12は平行に配置され、各同心円状光反射面14は直線状(平面)で各放射状光反射面12と直交配置されているものとみなせる。よって、図1のA-A部B-B矢視断面拡大図を示す図2(A)では、放射状光反射面12が等間隔に配置されている。また、図2(B)では、図2(A)と対比するため、図1のC-C部D-D矢視断面拡大図を90度回転させて示している。
図2(A)、(B)に示すように、放射状光反射面12は、垂直面17と傾斜面18とを有する断面略三角形状の溝19の垂直面17を利用して形成され、同心円状光反射面14は、垂直面20と傾斜面21とを有する断面略三角形状の溝22の垂直面20を利用して形成される。例えば、透明樹脂を原料とする成型(インジェクション成型、プレス成型又はロール成型等)によって、表面側に複数の溝19が放射状に形成され、裏面側に複数の溝22が同心円状に形成された成型体24が製造され、それぞれの溝19、22の垂直面17、20が選択的に金属反射材料25で覆われることにより、鏡面である放射状光反射面12及び同心円状光反射面14が形成される。そして、放射状光反射面12及び同心円状光反射面14が形成された成型体24の溝19、22の内部に透明接着剤26が充填され、成型体24の表裏に樹脂製又はガラス製の透明板27が接合されることにより、平板状の透明基材11の表面側及び裏面側に放射状光反射面12及び同心円状光反射面14が形成された空中像結像素子10が得られる。
ここで、成型体24の成型には、比較的融点が高く、透明度の高い熱可塑性樹脂が好適に使用される。具体的には、例えば、ゼオネックス(ZEONEX:登録商標、ガラス転移温度Tg=100~160℃、屈折率η1=1.535のシクロオレフィンポリマー)が用いられるが、この他に、例えばポリメチルメタルクレート(アクリル系樹脂)、非晶質フッ素樹脂、PMMA、光学用ポリカーボネート、フルオレン系ポリエステル、ポリエーテルスルホン等の熱可塑性樹脂が使用可能である
金属反射材料25は、光を正反射(鏡面反射)するものであり、アルミニウム等の金属を原料とし、スパッタリング、金属蒸着、金属微小粒子の吹き付け、イオンビームの照射、金属ペーストの塗布又はメッキ等の方法により溝19、22の垂直面17、20を覆うことができる。
透明接着剤26及び透明板27の屈折率は、成型体24の成型に用いられる透明樹脂の屈折率η1と同一又は±5%の範囲で近似することが好ましいが、これらに限定されるものではない。また、透明接着剤26としては、紫外線等を照射することにより硬化する光硬化型の他、熱硬化型、常温硬化型、二液混合型等の接着剤又は屈折率が調整された屈折率調整樹脂からなる光学用接着剤等が用いられる。なお、透明接着剤26の代わりに、同一又は近時の屈折率を有する半溶融状態の透明樹脂が充填されて透明板と接合(一体化)されてもよい。また、透明板を省略し、溝に充填され固化した透明樹脂の表面を切削や研磨等により平面(平坦)化してもよい。
以上のように構成された空中像結像素子10の動作を、図2(A)、(B)を参照して説明すると、図示しない対象物から発せられる光のうち、光L1は、透明基材11の裏面側(ここでは下面側)の表面上のP11から空中像結像素子10の内部に入射し、第2の光反射面14上のP12で反射して透明基材11(成型体24)の内部を進行し、第1の光反射面12上のP13で反射して、透明基材11の表面側(ここでは上面側)の表面上のP14から空中に出て行く。
ここで、光L1は、図2(B)のQ11で透明板27から透明接着剤26に、Q12で透明接着剤26から成型体24に、図2(A)のQ13で成型体24から透明接着剤26に、Q14で透明接着剤26から透明板27に進入するが、空中像結像素子10の透明基材11を構成する成型体24、透明接着剤26及び表裏の透明板27の屈折率が全て同等(同一又は近似)であるため、それぞれの界面における屈折の影響は極めて小さく、全反射や分光等の現象は起こらない。
以上のようにして、対象物から発せられ、空中像結像素子10の第2の光反射面14及び第1の光反射面12で1回ずつ反射する無数の光が空中で結像することにより、空中像結像素子10を挟んで対象物と対称となる位置に、対象物の実像となる空中像(図示せず)が得られる。なお、光L1は、透明基材11の裏面側の透明板27上のP11及び表面側の透明板27上のP14で屈折しているが、2枚の透明板27は均質で屈折率が同等であり、空中像の結像に関与する全ての光が、入射位置及び出射位置によらず、光L1と同様に、透明基材11の裏表で一定(同一)の角度で屈折するため、これらの屈折が結像に影響を与えることはない。
本実施例では、光が透明基材11の裏面側(同心円状光反射面14側)から進入する場合について説明したが、空中像結像素子10の表裏(図2(A)、(B)の上下)を入れ替えて、光が透明基材11の表面側(放射状光反射面12側)から進入するようにしても、空中像が結像される。なお、放射状光反射面12及び同心円状光反射面14は表裏(図2(A)、(B)では左右)いずれの側も光反射面として機能する。
本実施例では、図1に示すように、基準点X及び基準点Yは、平面視した透明基材11の一方の対角線の延長線上に位置している。従って、空中像結像素子10を使用する際に、平面視した透明基材11の外周の各辺a1~a4のうち、いずれか一辺と対向する位置から観察者が観察する(空中像結像素子10を空中像結像装置に取り付ける際に、透明基材11の外周の各辺a1~a4のうち、いずれか一辺が空中像結像装置の正面と平行になるように設置する)ことにより、観察者の視線の方向が放射状光反射面12と平行になることがなく、ゴーストの発生を防止することができる。
なお、空中像結像素子10を製造する場合、最初から、透明基材11の形状と、放射状光反射面12及び同心円状光反射面14の配置に合わせて金型を作製し、透明基材11に対応する成形体24を1つずつ成型してもよいが、例えば、外形がドーナツ状で、図1に示した基準点X、Yを中心とする放射状光反射面12及び同心円状光反射面14が、表裏の全面に(全周にわたって)形成される大型成型体28(図1の仮想線は外形がドーナツ状の大型成型体28の一部を示している)に対応した金型を作製すれば、成型された1つのドーナツ状の大型成型体28の中から、外形が正方形の複数の成型体24を切出して複数の透明基材11を得ることができる。
次に、図3に示す本発明の第2の実施例に係る空中像結像素子10a及びそれを用いた空中像結像装置30について説明する。なお、第1の実施例と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
空中像結像素子10aが空中像結像素子10と異なる点は、複数の放射状光反射面12の基準点X及び複数の同心円状光反射面14の基準点Yが、平面視した透明基材11aの二本の対角線の交点Zを中心に水平面内で所定角度αだけ時計回りに回転させた一方の対角線(厳密には、一方の対角線を回転させて得られる基準線S、以下同じ)の延長線上に位置する点である。これにより、空中像結像素子10aの透明基材11aにおける各放射状光反射面12及び各同心円状光反射面14の配置は、空中像結像素子10の透明基材11における各放射状光反射面12及び各同心円状光反射面14を、二本の対角線の交点Zを中心に水平面内で所定角度αだけ時計回りに回転させた配置となっているが、各放射状光反射面12と各同心円状光反射面14との位置関係については、空中像結像素子10aと空中像結像素子10の間に違いがない。従って、図3のE-E部F-F矢視断面拡大図及び図3のG-G部H-H矢視断面拡大図は図4(A)、(B)のようになる。
ここで、図2(A)、(B)と図4(A)、(B)を比較すると、空中像結像素子10では、透明基材11を構成する1枚の成型体24の表面側に複数の放射状光反射面12が形成され、裏面側に複数の同心円状光反射面14が形成されていたのに対し、空中像結像素子10aでは、透明基材11aを構成する第1、第2の成型体24a、24bに複数の放射状光反射面12及び複数の同心円状光反射面14がそれぞれ形成されている。
つまり、空中像結像素子10aでは、表面(一方の面)側に複数の溝19が放射状に形成された第1の成型体24aと、表面(一方の面)側に複数の溝22が同心円状に形成された第2の成型体24bが別々に製造され、それぞれの溝19、22の垂直面17、20が選択的に金属反射材料25で覆われることにより、第1、第2の成型体24a、24bにそれぞれ放射状光反射面12及び同心円状光反射面14が形成されている。そして、放射状光反射面12及び同心円状光反射面14がそれぞれ形成された第1、第2の成型体24a、24bが積層され、溝19、22に充填された透明接着剤26で接合されて一体化されることにより、透明基材11aの表面側に放射状光反射面12が配置され、裏面側に同心円状光反射面14が配置された空中像結像素子10aが得られる。
以上のように構成された空中像結像素子10aの動作を、図4(A)、(B)を参照して説明すると、図示しない対象物から発せられる光のうち、光L2は、透明基材11aの裏面側(ここでは第2の成型体24bの下面側)の表面上のP21から空中像結像素子10aの内部に入射し、第2の光反射面14上のP22で反射して透明基材11aの内部を進行し、第1の光反射面12上のP23で反射して、透明基材11aの表面側(ここでは第1の成型体24aの上面側)の表面上のP24から空中に出て行く。
ここで、光L2は、図4(B)のQ21で第2の成型体24bから透明接着剤26に、図4(A)のQ22で透明接着剤26から第1の成型体24aに進入するが、空中像結像素子10aの透明基材11aを構成する第1、第2の成型体24a、24b及び透明接着剤26の屈折率が全て同等(同一又は近似)であるため、それぞれの界面における屈折の影響は極めて小さく、全反射や分光等の現象は起こらない。
以上のようにして、対象物から発せられ、空中像結像素子10aの第2の光反射面14及び第1の光反射面12で1回ずつ反射する無数の光が空中で結像することにより、空中像結像素子10aを挟んで対象物と対称となる位置に、対象物の実像となる空中像(図示せず)が得られる。なお、光L2は、透明基材11aの裏面側の表面上のP21及び表面側の表面上のP24で屈折しているが、第1、第2の成型体24a、24bは均質で屈折率が同等であり、空中像の結像に関与する全ての光が、入射位置及び出射位置によらず、光L2と同様に、透明基材11aの裏表で一定(同一)の角度で屈折するため、これらの屈折が結像に影響を与えることはない。
また、空中像結像素子10aでは、前述のように、各放射状光反射面12の基準点X及び各同心円状光反射面14の基準点Yが、交点Zを中心に水平面内で時計回りに角度α回転させた対角線の延長線上に位置していることにより、図3に示した空中像結像装置30のように、平面視した観察者Mの視線の方向と、放射状光反射面12及び同心円状光反射面14の方向が一致する領域を極力減らすことができる。その結果、空中像結像素子10及びそれを用いた空中像結像装置と比べてさらにゴーストを発生し難くして、視認性を向上させることができる。
ここで、所定角度αは5~15度(より好ましくは10度)であることが好ましいが、これに限定されるものではなく、適宜、選択される。
なお、本実施例では、光が透明基材11aの裏面側(第2の成型体24b側)から進入する場合について説明したが、空中像結像素子10aの表裏(図4(A)、(B)の上下)を入れ替えて、光が透明基材11aの表面側(第1の成型体24a側)から進入するようにしても、空中像が結像される。
また、本実施例のように、平面視した透明基材11aの各辺a1~a4のうち、各同心円状光反射面14を時計回りに辿る時の始点位置と重なる辺a1が観察者Mと対向するように、空中像結像素子10aが、仮想線で示した空中像結像装置30の筐体内に配置されることにより、最も高いゴースト削減効果が得られるが、空中像結像素子10aの配置はこれに限定されるものではなく、辺a1~a4のうちのいずれの一辺が観察者Mと対向するように配置されてもよく、最適な配置は所定角度αの大きさによっても異なる。なお、空中像結像素子10aを空中像結像装置30の筐体内に設置する際には、水平面に対して所定角度傾斜させることが好ましいが、空中像結像素子10aを傾斜させる代わりに、空中像結像装置30を傾斜させて使用してもよい。
空中像結像素子10aを製造する場合、最初から、図3に示した透明基材11aの形状と、放射状光反射面12及び同心円状光反射面14のそれぞれ配置に合わせて、第1、第2の成型体24a、24bに対応する金型を作製してもよいが、例えば、外形がドーナツ状で、基準点X、Yを中心とする放射状光反射面12及び同心円状光反射面14がそれぞれ全面に(全周にわたって)形成される第1、第2の大型成型体に対応した金型を作製すれば、成型されるドーナツ状の第1、第2の大型成型体の中から、外形が正方形の複数の第1、第2の成型体24a、24bをそれぞれ切出すことができる。つまり、ドーナツ状の第1、第2の大型成型体から正方形の透明基材11aに対応する第1、第2の成型体24a、24bを切出す際に、図3に示したように、正方形の透明基材11aに対して、各放射状光反射面12及び各同心円状光反射面14が、交点Zを中心に水平面内で角度α回転した状態となるように、切出す位置と角度(範囲)を選択すればよいので、金型の製作が容易となり、生産性が向上する。
なお、本実施例では、放射状光反射面12が形成された第1の成型体24aの溝19と、同心円状光反射面14が形成された第2の成型体24bの溝22を向かい合わせに配置した状態で、それぞれの溝19、22に透明接着剤26を充填して接合することにより空中像結像素子10aを製造したが、放射状光反射面12が形成された第1の成型体24aの溝19と、同心円状光反射面14が形成された第2の成型体24bの溝22に、それぞれ第1、第2の成型体24a、24bの屈折率と同等の屈折率を有する半溶融状態の透明樹脂を充填して別々に固化させて平板化してから積層し、透明接着剤で接合(一体化)して空中像結像素子を製造することもできる。この場合、表面(溝に透明樹脂が充填された面)同士又は裏面同士が向かい合うようにして接合してもよいし、一方の表面と他方の裏面が向かい合うようにして接合してもよい。いずれの場合も、完成した空中像結像素子(透明基材)の表面側に放射状光反射面を配置し、裏面側に同心円状光反射面を配置することができるので、動作に違いはなく、空中像を形成することができる。なお、溝に充填された透明樹脂の表面を切削や研磨等により平面(平坦)化することが好ましいが、透明樹脂の代わりに透明接着剤を溝に充填し、表面に透明板を接合してもよい。
また、第1、第2の大型成型体から空中像結像素子10aを製造する場合、第1、第2の大型成型体から第1、第2の成型体24a、24bを切出し、それぞれの溝19、22の垂直面17、20を選択的に金属反射材料25で覆って、放射状光反射面12及び同心円状光反射面14を形成してから積層、接合する代わりに、第1、第2の大型成型体のそれぞれの溝の垂直面を先に金属反射材料で覆って、第1、第2の大型成型体全体に放射状光反射面及び同心円状光反射面を形成し、両者を積層、接合してから、複数の空中像結像素子を切り出すこともできる。
なお、第1、第2の成型体24a、24bの成型には、成型体24の成型に用いられる透明樹脂と同様の透明樹脂が用いられる。このとき、第1、第2の成型体24a、24bは、同一の透明樹脂で成型されることが好ましいが、屈折率が同一又は±5%の範囲で近似するものであれば、異なる透明樹脂が用いられてもよい。また、第1の実施例と同様に、透明接着剤26の代わりに、半溶融状態の透明樹脂が用いられてもよい。
次に、図5に示す変形例の空中像結像素子10a’について説明する。なお、第1、第2の実施例と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
空中像結像素子10a’が空中像結像素子10aと異なる点は、基準点X及び基準点Yの回転方向(移動方向)が反時計回りとなっており、平面視した透明基材11a’の各辺a1’~a4’のうち、各同心円状光反射面14を時計回りに辿る時の終点位置と重なる辺a1’が観察者Mと対向するように配置されている点である。従って、空中像結像素子10a’は、平面視して空中像結像素子10aと左右対称の構造であり、透明基材11a’を構成する第1、第2の成型体24a’、24b’の材質は透明基材11aを構成する第1、第2の成型体24a、24bの材質と同一であって、空中像結像素子10a’の動作及び作用、効果は、空中像結像素子10aの動作及び作用、効果と同様であるので、説明を省略する。なお、空中像結像素子10aの透明基材11aを構成する第1、第2の成型体24a、24bと、空中像結像素子10a’の透明基材11a’を構成する第1、第2の成型体24a’、24b’は、平面視したそれぞれの形状が左右対称(所定角度αの回転方向が逆)になっているだけなので、先に説明したドーナツ状の第1、第2の大型成型体に対する切出し位置と角度を選択するだけで、第1、第2の成型体24a、24bと第1、第2の成型体24a’、24b’のいずれでも製造することができる。従って、空中像結像素子10a及び空中像結像素子10a’の製造に必要な金型を共通化することができる。
次に、図6に示す本発明の第3の実施例の空中像結像装置30aについて説明する。なお、第1、第2の実施例と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
空中像結像装置30aが空中像結像装置30と異なる点は、先に説明した空中像結像素子10aと空中像結像素子10a’が、仮想線で示す筐体内に平面視して右側と左側に並べて配置されている点である。ここで、空中像結像素子10a’と空中像結像素子10aの構造は平面視して左右対称となっており、平面視した空中像結像素子10a(透明基材11a)の各辺a1~a4のうち、空中像結像素子10aの各同心円状光反射面14を時計回りに辿る時の終点位置と重なる辺a2と、平面視した空中像結像素子10a’(透明基材11a’)の各辺a1’~a4’のうち、空中像結像素子10a’の各同心円状光反射面14を時計回りに辿る時の始点位置と重なる辺a2’が接合されて、空中像結像素子10aと空中像結像素子10a’が一体化されている。これにより、空中像結像素子10aの各同心円状光反射面14の終点位置と空中像結像素子10a’の各同心円状光反射面14の始点位置が一致し、空中像結像素子10aの各同心円状光反射面14と空中像結像素子10a’の各同心円状光反射面14が連続的に形成される。
従って、空中像結像装置30aは、空中像結像装置30と同様の動作によって空中像を結像させることができ、空中像結像装置30のおよそ2倍の視野角を有する。なお、本実施例では、空中像結像素子10aの辺a1と空中像結像素子10a’の辺a1’が観察者Mと対向するように筐体内に配置されているが、空中像結像素子10aの辺a3と空中像結像素子10a’の辺a3’が観察者Mと対向するように筐体内に配置されてもよい。また、本実施例では、空中像結像素子10aの辺a2と空中像結像素子10a’の辺a2’が重なるように配置されているが、2つの空中像結像素子を平面視して右側と左側に並べて配置する場合、2つの空中像結像素子が平面視して左右対称に配置されていればよく、2つの空中像結像素子の外周の四辺のうち、いずれの辺が重なるように配置されてもよい。
なお、2つの空中像結像素子を別々に作製して組み合わせる(左右対称に配置する)代わりに、最初から、2つの空中像結像素子が左右対称に配置され一体化された構造の空中像結像素子を製造し、位置決め作業及び接合作業を不要として、製造工程を簡素化することもできる。
次に、図7に示す本発明の第4の実施例の空中像結像素子40について説明する。なお、第1~第3の実施例と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
空中像結像素子40が空中像結像素子10と異なる点は、空中像結像素子10では、基準点X及び基準点Yが、平面視した透明基材11の一方の対角線の延長線上に位置する(図1参照)のに対し、空中像結像素子40では、基準点X及び基準点Yが、平面視した透明基材41の外周の各辺b1~b4のうち、辺b1の延長線上(ここでは右側延長線上)に位置する点である。このように空中像結像素子40と空中像結像素子10で基準点X及び基準点Yの位置が異なることにより、空中像結像素子40の透明基材41と空中像結像素子10の透明基材11では、放射状光反射面12及び同心円状光反射面14が形成される位置と範囲が異なるものとなるが、各放射状光反射面12と各同心円状光反射面14との位置関係及び結像動作については、空中像結像素子40と空中像結像素子10の間に違いがない。
この空中像結像素子40では、基準点X、Yが辺b1の延長線上に位置することにより、平面視した透明基材41の内部における放射状光反射面12及び同心円状光反射面14の配置が不均一(非対称)となり、各辺b1~b4のうち、どの辺と対向する位置から観察者が観察しても(空中像結像素子40を空中像結像装置に取り付ける際に、透明基材41の外周の各辺b1~b4のうち、どの辺が空中像結像装置の正面と平行になるように設置しても)、観察者の視線の方向が、放射状光反射面12又は同心円状光反射面14と平行に近づく領域を減らして、ゴーストの発生を抑制することができる。
また、空中像結像素子40では、基準点X、Yが、平面視した透明基材41の辺b1の右側延長線上に存在しているが、図7に示したもう一つの空中像結像素子40aでは、基準点X、Yが、平面視した透明基材41aの辺b1の左側延長線上に存在している。この空中像結像素子40aは、平面視して空中像結像素子40と左右対称の構造であり、空中像結像素子40aの動作及び作用、効果は、空中像結像素子40の動作及び作用、効果と同様である。
空中像結像素子40、40aのように透明基材が平面視して正方形状に形成されている場合は、外周の4つの辺b1~b4のどの辺の延長線上に基準点X、Yが存在するように放射状光反射面12及び同心円状光反射面14を形成しても、透明基材の寸法及び基準点X、Yから透明基材までの距離dが等しい限り、透明基材の内部における放射状光反射面12及び同心円状光反射面14の配置は、空中像結像素子40、40aのいずれかと同じになる。また、表裏に放射状光反射面12及び同心円状光反射面14が形成された外形がドーナツ状の大型成型体28から空中像結像素子40、40a(透明基材41、41a)を切り出す場合、切出す位置(角度)を基準点X、Yを中心に円周方向に回転させても、空中像結像素子(透明基材)全体が回転するだけで、内部の放射状光反射面12及び同心円状光反射面14の配置は空中像結像素子40、40aのどちらかと同じになるので、1つの大型成型体28から複数の空中像結像素子40、40aを製造することができる。
なお、透明基材は平面視して長方形状に形成されてもよく、その縦横比は適宜、選択されるが、縦横の辺の長さが異なるので、外周の4つの辺のうち、どの辺の延長線上に基準点X、Yが存在するように放射状光反射面12及び同心円状光反射面14を形成するかによって、平面視した透明基材の内部における放射状光反射面12及び同心円状光反射面14の配置が変化する。
また、透明基材の内部には、部分的に放射状光反射面12及び同心円状光反射面14が形成されていない領域が存在してもよい。
続いて、図8に示す空中像結像素子40、40aを用いた空中像結像装置42について説明する。
空中像結像装置42では、2つの空中像結像素子40、40aが平面視して左右対称に配置されている。空中像結像素子40と空中像結像素子40aの構造は、先に説明した通り、平面視して左右対称となっており、平面視した空中像結像素子40(透明基材41)の辺b2と、平面視した空中像結像素子40a(透明基材41a)の辺b2が接合されて、空中像結像素子40と空中像結像素子40aが一体化されている。
従って、空中像結像装置42は、空中像結像装置30aと同様の動作によって空中像を結像させることができ、空中像結像装置30aと同様に、空中像結像装置30のおよそ2倍の視野角を有する。これにより、観察者Mは、空中像結像素子40の辺b1及び空中像結像素子40aの辺b1と対向する位置又は空中像結像素子40の辺b3及び空中像結像素子40aの辺b3と対向する位置から、ゴーストの少ない鮮明な空中像を観察することができる。
続いて、図9に示す変型例の空中像結像装置42aについて説明する。
空中像結像装置42aが空中像結像装置42と異なる点は、2つの空中像結像素子40、40aが180度回転され、平面視した空中像結像素子40(透明基材41)の辺b4と、平面視した空中像結像素子40a(透明基材41a)の辺b4が接合されて、空中像結像素子40と空中像結像素子40aが一体化されている点である。この空中像結像装置42aは、空中像結像装置42と同様の動作及び作用、効果を実現することができる。
以上、実施例を参照して本発明を説明したが、本発明は何ら上記の実施例の構成に限定されるものではなく、請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施例や変形例も含むものである。
第1、第4の実施例では、1つの成型体の表裏に放射状光反射面及び同心円状光反射面がそれぞれ形成される一体型の空中像結像素子について説明し、第2、第3の実施例では、表面(一方の面)に放射状光反射面が形成された第1の成型体と、表面(一方の面)に同心円状光反射面が形成された第2の成型体が積層され、接合される積層型の空中像結像素子について説明したが、第1、第4の実施例の空中像結像素子を製造する際に積層型を採用し、第2、第3の実施例の空中像結像素子を製造する際に一体型を採用してもよい。
上記実施例では、断面略三角形状の溝の垂直面を金属反射材料で覆って、放射状光反射面及び同心円状光反射面として機能させたが、成型に用いる金型の表面を光が乱反射しない程度に鏡面研磨すれば、成型によって得られる成型体の表面(溝の内面)も金型と同様の鏡面となり、光の全反射を利用して、それぞれの溝の垂直面をそのまま放射状光反射面及び同心円状光反射面として機能させることができるので、その場合は、溝の垂直面を金属反射材料で覆う必要がない。また、光の全反射では、溝内の空気を利用するので、成型体の溝の内部に透明樹脂又は透明接着剤を充填することなく、空中像結像素子(透明基材)を製造することができる。なお、1つの成型体の表面に複数の溝が放射状に形成され、裏面に複数の溝が同心円状に形成される場合、それぞれの溝が大気に開放したままでは、溝内にゴミ等の異物が溜まり易いので、成型体の両面(表裏)に、成型体の屈折率と同等の屈折率を有する透明板を接合する等して溝に蓋をし、各溝の内部に空気層を形成することが好ましい。また、各溝の内部に空気層を形成する代わりに、各溝の内部に窒素等の気体を封入して気体層を形成してもよいし、各溝の内部を真空にしてもよい。
また、上記実施例では、透明樹脂を成型して得られる溝付きの成型体を用いて空中像結像素子を製造したが、透明平板の表面がレーザ又はエッチング等で加工された溝付きの透明板を用いて空中像結像素子を製造することもできる。
製造が容易で視認性に優れる空中像結像素子を用いて、空中像結像装置の視野角を拡大し、ゴーストの発生を防止して、空中像の鮮明化を実現することにより、空中像結像装置の大型化、量産化を促進し、用途の拡大を図る。
10、10a、10a’、40、40a:空中像結像素子、11、11a、11a’、41、41a:透明基材、12:第1の光反射面(放射状光反射面)、14:第2の光反射面(同心円状光反射面)、17:垂直面、18:傾斜面、19:溝、20:垂直面、21:傾斜面、22:溝、24:成型体、24a、24a’:第1の成型体、24b、24b’:第2の成型体、25:金属反射材料、26:透明接着剤、27:透明板、28:大型成型体、30、30a、42、42a:空中像結像装置

Claims (6)

  1. 平板状の透明基材の表面及び裏面に対してそれぞれ垂直に形成された複数の第1、第2の光反射面を有し、外部から入射して前記第1、第2の光反射面で1回ずつ反射する光を空中で結像させる空中像結像素子であって、
    複数の前記第1の光反射面は、平面視して前記透明基材の外部に存在する基準点Xを中心に前記透明基材の表面側に放射状に配置され、複数の前記第2の光反射面は、平面視して前記基準点Xに重なる基準点Yを中心に前記透明基材の裏面側に同心円状に配置され、
    前記透明基材は、平面視して正方形状に形成され、前記基準点X及び前記基準点Yは、平面視した前記透明基材の二本の対角線の交点Zを中心に、いずれか一方の前記対角線を水平面内で所定角度αだけ時計回り又は反時計回りに回転させて得られる基準線の延長線上に位置し、
    前記所定角度αの回転方向を時計回りとし、平面視した前記透明基材の外周の各辺のうち、前記各第2の光反射面を時計回りに辿る時の始点位置と重なる辺が観察者と対向するように配置されることを特徴とする空中像結像素子。
  2. 平板状の透明基材の表面及び裏面に対してそれぞれ垂直に形成された複数の第1、第2の光反射面を有し、外部から入射して前記第1、第2の光反射面で1回ずつ反射する光を空中で結像させる空中像結像素子であって、
    複数の前記第1の光反射面は、平面視して前記透明基材の外部に存在する基準点Xを中心に前記透明基材の表面側に放射状に配置され、複数の前記第2の光反射面は、平面視して前記基準点Xに重なる基準点Yを中心に前記透明基材の裏面側に同心円状に配置され、
    前記透明基材は、平面視して正方形状に形成され、前記基準点X及び前記基準点Yは、平面視した前記透明基材の二本の対角線の交点Zを中心に、いずれか一方の前記対角線を水平面内で所定角度αだけ時計回り又は反時計回りに回転させて得られる基準線の延長線上に位置し、
    前記所定角度αの回転方向を反時計回りとし、平面視した前記透明基材の外周の各辺のうち、前記各第2の光反射面を時計回りに辿る時の終点位置と重なる辺が観察者と対向するように配置されることを特徴とする空中像結像素子。
  3. 請求項1又は2記載の空中像結像素子において、前記所定角度αは5~15度であることを特徴とする空中像結像素子。
  4. 請求項1~3のいずれか1記載の空中像結像素子を備えたことを特徴とする空中像結像装置。
  5. 請求項1~3のいずれか1記載の2つの空中像結像素子が平面視して左右対称に配置されていることを特徴とする空中像結像装置。
  6. 請求項1記載の空中像結像素子と請求項2記載の空中像結像素子が平面視して右側と左側に並べて配置されていることを特徴とする空中像結像装置。
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