JP2022087142A - 遮光手段 - Google Patents

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Abstract

【課題】視野角が広く、ゴーストの少ない明るく鮮明な立体像を得ることが可能で、製造も比較的容易な立体像結像装置を提供する。【解決手段】透明平板状に形成され、一側に基準点Xを中心にして放射状に配置された複数の第1の垂直光反射部12を有し、他側に平面視して基準点Xに重なる基準点X1を中心にして第1の垂直光反射部12と交差する同心円状に配置された複数の第2の垂直光反射部14を有する結像手段10と、結像手段10の一側及び他側に対向配置された第1、第2の偏光子44、45を有する遮光手段46とを備え、第2の偏光子45を透過して第2及び第1の垂直光反射部14、12でそれぞれ1回ずつ反射した光L1は、第1の偏光子44を透過して空中に立体像を結像し、第2の偏光子45を透過して第1又は第2の垂直光反射部12、14のみで1回反射した光L2は、第1の偏光子44で遮蔽される。【選択図】図5

Description

本発明は、空中に立体像を結像する立体像結像装置に関する。
物体表面から発する光(散乱光)を用いて立体像を形成する装置として、例えば、特許文献1に記載の立体像結像装置(光学結像装置)がある。
この結像装置は、2枚の透明平板の内部に、この透明平板の厚み方向に渡って垂直に複数かつ帯状で、金属反射面(鏡面)からなる光反射面を一定のピッチで並べて形成した第1、第2の光制御パネルを有し、この第1、第2の光制御パネルのそれぞれの光反射面が平面視して直交するように、第1、第2の光制御パネルの一面側を向い合わせて密着させたものである。
国際公開第2009/131128号公報
上記した第1、第2の光制御パネルの製造に際しては、金属反射面が一面側に形成された一定厚みの板状の透明合成樹脂板やガラス板(以下、「透明板」ともいう)を、金属反射面が一方側に配置されるように複数枚積層して積層体を作製し、この積層体から各金属反射面に対して垂直な切り出し面が形成されるように切り出している。
このため、透明板に金属反射面を形成する作業において大型の蒸着炉を必要とし、しかも、1枚又は少数枚の透明板を蒸着炉に入れて脱気して高真空にした後、蒸着処理を行い、
大気圧に開放して蒸着した透明板を取り出すという作業を百回以上繰り返す必要があり、
極めて手間と時間のかかる作業であった。また、金属蒸着された透明板を積層して積層体を形成し、極めて薄い所定厚で切断する作業を行って、この積層体から第1、第2の光制御パネルを切り出し、更にこれら第1、第2の光制御パネルの切り出し面(両面)の研磨作業等を行う必要があるため、作業性や製造効率が悪かった。
また、第1、第2の光制御パネルの複数の金属反射面がそれぞれ直線状(平行)で、平面視して直交するように配置されているため、金属反射面の配置間隔(ピッチ)に制限を受け、視野角(結像範囲)も限られ、立体像の明るさや鮮明さにも限界があった。
更に、特許文献1には、断面直角三角形の溝を有する第1、第2の光制御パネルを透明樹脂から作り、第1、第2の光制御パネルをその光反射面(溝の垂直面)を直交させて向かい合わせて密着して光学結像装置を提供することも記載されているが、光反射面として全反射を利用するので、溝のアスペクト比も小さく、明るい結像を得ることが困難であるという問題があった。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、視野角が広く、ゴーストの少ない明るく鮮明な立体像を得ることが可能で、製造も比較的容易な立体像結像装置を提供することを目的とする。
前記目的に沿う第1の発明に係る立体像結像装置は、平面視して環状又は環状の一部を用いた形状に形成される結像手段を用いた立体像結像装置であって、
透明平板状に形成され、一側に基準点Xを中心にして放射状に配置された複数の第1の垂直光反射部を有し、他側に平面視して前記基準点Xに重なる基準点X1を中心にして前記第1の垂直光反射部と交差する同心円状に配置された複数の第2の垂直光反射部を有する前記結像手段と、該結像手段の一側及び他側に対向配置された第1、第2の偏光子を有する遮光手段とを備え、前記第1の偏光子を透過して前記第1及び第2の垂直光反射部でそれぞれ1回ずつ反射した光は、前記第2の偏光子を透過して空中に立体像を結像し、前記第1の偏光子を透過して前記第1又は第2の垂直光反射部のみで1回反射した光は、前記第2の偏光子で遮蔽される。
ここで、結像手段(第1~第3の発明において同じ)は、最終形状が平面視して環状又は環状の一部を用いた形状であればよく、製造段階の外形形状は環状、円形状或いはその他の形状でもよい。なお、環状の一部を用いた形状には扇形の他、矩形状も含む。
また、結像手段は、基準点Xを中心にして放射状に配置される第1の垂直光反射部(以下、放射状光反射部ともいう)が直線状に形成されるのに対し、同心円状に配置される第2の垂直光反射部(以下、同心円状光反射部ともいう)は、基準点X1を中心とする同心円に沿って湾曲しているが、平面視して第1の垂直光反射部と第2の垂直光反射部が交差する点では、両者は直交している。よって、従来のように複数の直線状の帯状光反射面を平行に配置した第1、第2の光制御パネル(又は光制御部)を、それぞれの光反射面が平面視して直交した状態で、隙間を有して又は隙間なく重ね合わせた(又は一体化した)立体像結像装置と同様に、立体像を結像させることができる。
第1の垂直光反射部は、透明板材の一側に複数の溝を間隔を開けて放射状に形成し、その垂直面を鏡面としたものが好適に用いられる。また、第2の垂直光反射部は、透明板材の一側に複数の溝を間隔を開けて同心円状に形成し、その垂直面を鏡面としたものが好適に用いられる。これらは、透明樹脂からプレス成型、インジェクション成型、ロール成型等によって製造することができる。そして、2枚の透明板材を透明接着剤等で接合して透明平板状に形成することができる。なお、第1、第2の垂直光反射部が形成される溝は、2枚の透明板材の一側(表面)に別々に成型する代わりに、1枚の透明板材の両側(表裏)に同時に成型してもよい。このとき、溝の断面形状を矩形状、直角三角形状、台形状等に形成することにより、簡単に垂直面を得ることができる。
特に、溝の断面形状を直角三角形状や台形状に形成した場合、溝が開放側に広くなるので、押型又は脱型が容易となり、生産性に優れる。また、溝の断面形状が矩形状の場合、両側の垂直面を光反射部(以下、第1、第2の垂直光反射部をまとめて光反射部ともいう)とすることができる。
なお、放射状光反射部と同心円状光反射部の2種類の光反射部は、透明平板状に形成される結像手段の板厚方向の上下(一側と他側)に重ね合わされて配置されていればよい。
また、成型に用いる金型の表面を光が乱反射しない程度に鏡面研磨することにより、製造される透明板材の表面は平滑化される。そして、金型による成型後に、溝の垂直面に選択的にスパッタリング、金属蒸着、金属微小粒子の吹き付け、又はイオンビームの照射、その他の方法で金属粒子を照射することにより金属反射面(鏡面)を形成し、光反射部として使用することができる。なお、第2の垂直光反射部は同心円状に形成する代わりに、1条若しくは複数条の溝を渦巻状に形成してもよい。また、成型によって透明板材の表面に溝を形成する代わりに、透明板材の表面を削って溝を形成することもできる。
前記目的に沿う第2の発明に係る立体像結像装置は、平面視して環状又は環状の一部を用いた形状に形成される結像手段を用いた立体像結像装置であって、
透明平板状に形成され、一側に基準点Xを中心にして放射状に配置された複数の第1の垂直光反射部を有し、他側に平面視して前記基準点Xに重なる基準点X1を中心にして前記第1の垂直光反射部と交差する同心円状に配置された複数の第2の垂直光反射部を有する前記結像手段と、該結像手段の一側及び他側に対向配置された第1、第2の偏光子を有する遮光手段とを備え、前記第2の偏光子を透過して前記第2及び第1の垂直光反射部でそれぞれ1回ずつ反射した光は、前記第1の偏光子を透過して空中に立体像を結像し、前記第2の偏光子を透過して前記第1又は第2の垂直光反射部のみで1回反射した光は、前記第1の偏光子で遮蔽される。
ここで、第1、第2の発明に係る立体像結像装置における遮光手段は第1、第2の偏光子の組み合わせにより、第1又は第2の垂直光反射部のみで1回反射した光を遮蔽できるものであればよい。第1、第2の偏光子としては、自然光(非偏光)を直線偏光に変える直線偏光子が好適に用いられる。具体的には、第1又は第2の垂直光反射部のみで1回反射した光の振動方向は、反射の前後でほとんど変化せずに保存されるので、第1の偏光子を透過する光の振動方向と、第2の偏光子を透過する光の振動方向が直交するように、第1、第2の偏光子を選択、配置すればよい。
第1、第2の発明に係る立体像結像装置において、前記第1の偏光子は、平行配置された複数の第1の反射軸又は第1の吸収軸を有し、前記第2の偏光子は、平面視して前記第1の反射軸又は前記第1の吸収軸と直交するように平行配置された複数の第2の反射軸又は第2の吸収軸を有することが好ましい。
第1、第2の発明に係る立体像結像装置において、前記第1の偏光子は、平面視して前記基準点Xに重なる基準点X2を中心にして放射状の第1の反射軸又は第1の吸収軸を有し、前記第2の偏光子は、平面視して前記基準点Xに重なる基準点X3を中心にして前記第1の反射軸又は前記第1の吸収軸と交差する同心円状の第2の反射軸又は第2の吸収軸を有することが好ましい。
第1、第2の発明に係る立体像結像装置において、前記第1の偏光子は、平面視して前記基準点Xに重なる基準点X2を中心にして同心円状の第1の反射軸又は第1の吸収軸を有し、前記第2の偏光子は、平面視して前記基準点Xに重なる基準点X3を中心にして前記第1の反射軸又は前記第1の吸収軸と交差する放射状の第2の反射軸又は第2の吸収軸を有することが好ましい。
前記目的に沿う第3の発明に係る立体像結像装置は、平面視して環状又は環状の一部を用いた形状に形成される結像手段を用いた立体像結像装置であって、
透明平板状に形成され、一側に基準点Xを中心にして放射状に配置された複数の第1の垂直光反射部を有し、他側に平面視して前記基準点Xに重なる基準点X1を中心にして前記第1の垂直光反射部と交差する同心円状に配置された複数の第2の垂直光反射部を有する前記結像手段と、該結像手段の一側又は他側に配置された液晶シャッターを有する遮光手段とを備え、前記遮光手段は、前記結像手段側から入射して該結像手段を通過した光の一部を前記液晶シャッターで選択的に遮蔽し、又は前記液晶シャッター側から前記結像手段に入射する光の一部を前記液晶シャッターで選択的に遮蔽する。
第3の発明に係る立体像結像装置において、前記遮光手段は、前記結像手段で結像される立体像を観察する観察者の位置を検出する検出手段を有し、該検出手段で検出した前記観察者の位置に応じて遮蔽する領域を決定し、前記液晶シャッターで選択的に遮蔽することが好ましい。
第1~第3の発明に係る立体像結像装置において、前記第1、第2の垂直光反射部は、それぞれ金属反射面であることが好ましい。
ここで、金属反射面(鏡面)を形成する方法として、溝の垂直面に直接、スパッタリング、金属蒸着、金属微小粒子の吹き付け、イオンビームの照射、金属ペーストの塗布等を行う以外に、スパッタリングや金属蒸着等で反射膜を形成した樹脂フィルムを溝の垂直面に貼り付けてもよい。なお、特に、断面三角形の溝の垂直面に直接、スパッタリング、金属蒸着、金属微小粒子の吹き付け、イオンビームの照射等を行う場合、溝の傾斜面は平面の他、断面が内側に窪む凹面、多角面(多角形の一部からなる)を含むことが好ましい。これにより、溝の傾斜面に金属反射面が形成されるのを極力防止できる。
第1~第3の発明に係る立体像結像装置において、前記結像手段は両表面が平坦な平板状となって、前記第1、第2の垂直光反射部以外の素材は、屈折率が同一又は近似する2種類以上の透明樹脂からなることが好ましい。
ここで、一の透明樹脂の屈折率に対し、他の透明樹脂の屈折率は0.8~1.2倍(より好ましくは、0.9~1.1倍、さらに好ましくは、0.95~1.05倍)の範囲にあることが好ましい。
第1~第3の発明に係る立体像結像装置は、結像手段が複数の放射状光反射部と同心円状光反射部を有することにより、結像範囲が広く、光反射部の配置間隔(ピッチ)を細かくして多くの光反射部を密に配置することができ、視野角を広げ、明るい立体像を得ることができる。特に、第1、第2の発明に係る立体像結像装置では、結像手段の一側及び他側に対向配置された第1、第2の偏光子を有する遮光手段を備え、放射状光反射部又は同心円状光反射部のみで1回反射して立体像の結像に関与しない光を遮蔽することにより、ゴーストを解消することができ、極めて鮮明な立体像を形成して視認性を向上させることができる。また、第3の発明に係る立体像結像装置では、結像手段の一側又は他側に配置された液晶シャッターを有する遮光手段を備え、立体像の視認性を低下させる光が透過する領域を選択的に遮蔽することにより、ゴーストを低減して、鮮明な立体像を形成することができる。
第1、第2の発明に係る立体像結像装置において、第1の偏光子が、平行配置された複数の第1の反射軸又は第1の吸収軸を有し、第2の偏光子が、平面視して第1の反射軸又は第1の吸収軸と直交するように平行配置された複数の第2の反射軸又は第2の吸収軸を有する場合、結像手段の放射状光反射部又は同心円状光反射部のみで1回反射した光を、第1、第2の偏光子の組み合わせで効果的に遮蔽してゴーストの発生を防止することができる。
第1、第2の発明に係る立体像結像装置において、第1の偏光子が、放射状の第1の反射軸又は第1の吸収軸を有し、第2の偏光子が、同心円状の第2の反射軸又は第2の吸収軸を有する場合、平面視して第1の反射軸又は第1の吸収軸と第2の反射軸又は第2の吸収軸が交差する点では、両者が直交するので、結像手段の放射状光反射部又は同心円状光反射部のみで1回反射した光を、第1、第2の偏光子の組み合わせで効果的に遮蔽してゴーストの発生を防止することができる。
第1、第2の発明に係る立体像結像装置において、第1の偏光子が、同心円状の第1の反射軸又は第1の吸収軸を有し、第2の偏光子が、放射状の第2の反射軸又は第2の吸収軸を有する場合、平面視して第1の反射軸又は第1の吸収軸と第2の反射軸又は第2の吸収軸が交差する点では、両者が直交するので、結像手段の放射状光反射部又は同心円状光反射部のみで1回反射した光を、第1、第2の偏光子の組み合わせで効果的に遮蔽してゴーストの発生を防止することができる。
第3の発明に係る立体像結像装置において、遮光手段が、結像手段で結像される立体像を観察する観察者の位置を検出する検出手段を有し、検出手段で検出した観察者の位置に応じて遮蔽する領域を決定し、液晶シャッターで選択的に遮蔽する場合、ゴーストの発生原因となり、立体像の視認性を低下させる光を確実に遮蔽することができる。
第1~第3の発明に係る立体像結像装置において、光反射部が金属反射面である場合、光の入射角に制限がなく、多くの反射光が得られ、広範囲で結像させて明るい立体像を得ることができる。
第1~第3の発明に係る立体像結像装置において、結像手段の両表面が平坦な平板状となって、光反射部以外の素材が、屈折率が同一又は近似する2種類以上の透明樹脂からなる場合、透明樹脂の界面における屈折の影響は極めて小さく、全反射や分光等の現象が起こらず、歪みの少ない鮮明な立体像を形成することができる。
(A)、(B)はそれぞれ本発明の第1の実施の形態に係る立体像結像装置の結像手段の正面図及び平面図、(C)は図1(A)のA-A’矢視図、(D)は図1(A)のB-B’矢視図である。 (A)は図1(B)のC-C’部のD-D’断面図、(B)は図1(B)のE-E’部のF-F’断面図である。 (A)、(B)はそれぞれ同立体像結像装置の結像手段における金属反射面の形成について説明する部分拡大正面図及び部分拡大側面図であり、(C)、(D)はそれぞれ同立体像結像装置の結像手段の微小平面部における光反射防止処理を説明する部分拡大正面図及び部分拡大側面図である。 同立体像結像装置の結像手段の部分拡大平面図である。 同立体像結像装置の正断面図及び側断面図である。 (A)、(B)はそれぞれ本発明の第2の実施の形態に係る立体像結像装置の正断面図及び側断面図である。 同立体像結像装置の部分拡大平面図である。
続いて、本発明の実施の形態に係る立体像結像装置について、図面を参照しながら説明する。
まず、本発明の第1の実施の形態に係る立体像結像装置に用いる結像手段10について説明する。図1(A)~(D)に示すように、結像手段10は、基準点Xを中心にして、放射状に複数の放射状光反射部(第1の垂直光反射部)12が配置され、平面視して環状に形成された第1の光制御部13と、平面視して基準点Xに重なる基準点X1を中心にして、同心円状に複数の同心円状光反射部(第2の垂直光反射部)14が配置され、平面視して環状に形成された第2の光制御部15とを有している。この結像手段10は、両表面が平坦な透明平板状となって、放射状光反射部12及び同心円状光反射部14以外の素材は、屈折率が同一又は近似する2種類以上の透明樹脂からなっている。そして、平面視して放射状光反射部12と同心円状光反射部14がそれぞれ交差する点で、放射状光反射部12と同心円状光反射部14が直交していることにより、物体からの光を放射状光反射部12と同心円状光反射部14で反射させて、物体の立体像を結像させるものである。
この放射状光反射部12及び同心円状光反射部14は、例えば、いずれも50~1000μm、好ましくは100~500μm、より好ましくは200~300μmのピッチで配置されるが、図1(C)、(D)では一部のみを示している。放射状光反射部12及び同心円状光反射部14は等ピッチで配置することが望ましいが、異なるピッチで配置することも可能である。このとき、放射状光反射部12の長さrは円形に形成された外形の半径Rに対し、r=(0.2~0.8)Rの範囲であることが好ましい。また、放射状光反射部12は基準点Xに近づくほどピッチが狭くなるので、必要に応じて部分的に間引いて配置してもよい。
なお、結像手段10は平面視して環状に形成されているが、実際に立体像の結像に使用する領域は、例えば、図1(C)、(D)中の矩形状の二点鎖線で囲んだ部分であるので、製造段階では、まず、図1(A)~(D)に示すように環状に形成してから、環状の一部を結像手段として切り出すことができる(以下の実施の形態においても同じ)。よって、製造時の外形を大型化すれば複数の結像手段を切り出すことができ、生産性を向上できる。また、外形の直径を大きくすることにより、同心円状光反射部の曲率半径も大きくなり、湾曲による立体像の歪みを低減することができる。このとき、切り出される結像手段の外形形状は適宜、選択することができ、環状の一部の他、矩形状でも扇形でもよい。
以下、結像手段10の詳細について説明する。
ここで、各同心円状光反射部14は基準点X1を中心とする同心円に沿って湾曲しているので、図2(A)では、図1(B)のC-C’部の同心円状光反射部14に沿うD-D’断面を拡大して平面(直線)状に展開した正断面図として示す。また、図2(B)では、図1(B)のE-E’部の放射状光反射部12に沿うF-F’断面を拡大して90度回転させた側断面図として示す(以下、同じ)。
図2(A)に示すように、第1の光制御部13では、透明板材16の下面側(結像手段10の一側)に、基準点X(図1(C)参照)を中心にして、垂直面17と傾斜面18とを有する断面三角形の複数の溝19と、隣り合う溝19の間に形成される断面三角形の複数の凸条20がそれぞれ放射状に配置されており、溝19の底部(傾斜面18の下端と垂直面17の下端との間)、及び凸条20の頂部(傾斜面18の上端と垂直面17の上端との間)には、それぞれ微小平面部23、24が形成されている。
また、図2(B)に示すように、第2の光制御部15では、透明板材26の上面側(結像手段10の他側)に、基準点X1(図1(D)参照)を中心にして、垂直面27と傾斜面28とを有する断面三角形の複数の溝29と、隣り合う溝29の間に形成される断面三角形の複数の凸条30がそれぞれ同心円状に配置されており、溝29の底部(傾斜面28の下端と垂直面27の下端との間)、及び凸条30の頂部(傾斜面28の上端と垂直面27の上端との間)には、それぞれ微小平面部33、34が形成されている。
そして、溝19、29の垂直面17、27のみに放射状光反射部12及び同心円状光反射部14となる金属反射面(鏡面)37、38が選択的に形成され、傾斜面18、28には金属反射面が形成されず、透明の状態が保持されている。金属反射面(鏡面)37、38を形成する方法としては、溝19、29の垂直面17、27に直接、スパッタリング、金属蒸着、金属微小粒子の吹き付け、イオンビームの照射、金属ペーストの塗布等を行うものが好適に用いられるが、スパッタリングや金属蒸着等で反射膜を形成した樹脂フィルムを溝19、29の垂直面17、27に貼り付けてもよい。なお、溝19、29の垂直面17、27に直接、スパッタリング、金属蒸着、金属微小粒子の吹き付け、イオンビームの照射等を行う場合は、真空中又は低圧下で、斜め上方から垂直面17、27に向けて金属粒子を照射する。このとき、溝19、29の底部にそれぞれ微小平面部23、33が形成されているので、傾斜面18、28に金属粒子が付着することを減らし又は無くしながら、垂直面17、27の下端まで斑なく金属粒子を照射することができる。なお、溝19、29の傾斜面18、28は平面状に形成する代わりに、凸条20、30の内側に窪む断面多角形状の多角面や断面円弧状の凹面、或いは表面に多数の微小な凹凸(疵)を有する凹凸面として、金属粒子の付着を防止してもよい。
しかし、図2(A)、(B)に示したように、溝19、29の垂直面17、27のみに金属反射面(鏡面)37、38を形成しようとして、図3(A)、(B)に示すように、斜め方向から金属粒子の照射(噴射)を行うと、溝19、29の垂直面17、27から微小平面部24、34にかけて金属被膜39が形成されてしまう。このように、微小平面部24、34に金属被膜39が形成された状態で結像手段を製造して使用すると、微小平面部24、34における金属被膜39の両面が光反射面となって光の散乱と正反射が発生して立体像が白っぽく光って見えるという問題が発生する。そこで、微小平面部24、34を非光反射面とする処理を行うことが好ましい。例えば、上記と同様にして、金属反射面(鏡面)37、38を形成するために金属粒子を照射する前後に、図3(C)、(D)に示すように、微小平面部24、34に対してそれぞれ黒色塗料(インク)を塗布する等して、第1、第2の着色膜(光吸収膜)40a、40bを形成しておけば、図2(A)、(B)において、第1、第2の光制御部13、15のどちら側から入射する光も微小平面部24、34での反射を防止できる。第1、第2の着色膜の色は黒色に限定されるものではなく、光を吸収できる色であればよいが、インクとしては、隠蔽度が高い顔料系又は光吸収能が高い艶消し系等のインク(例えば、カーボンブラックを含有したインク)が好適に用いられる。なお、第1、第2の着色膜の厚みは、例えば、数μm~数十μm程度であればよいが、着色材を金属被膜に含浸させた場合は0μmとなる。また、第1、第2の着色膜を形成する代わりに、図3(A)、(B)に示したように、溝19、29の垂直面17、27から微小平面部24、34にかけて金属被膜39を形成した後、微小平面部24、34に付着した金属(不要金属)のみを剥離処理、研磨処理、又は溶解処理によって除去し、微小平面部24、34を透明な光通過面としてもよい。この場合、図2(A)、(B)において、結像手段10を透過して結像に寄与する光が微小平面部24、34で反射されることなく通過できるので、立体像が暗くなることを防止できる。以下の図5(A)、(B)、図6(A)、(B)においては、微小平面部24、34における不要金属が除去された構成となっているが、図3(C)、(D)と同様の構成を採用してもよい。なお、微小平面部の幅が極めて小さい場合(例えば、10μm未満)は、これらの非光反射面処理は省略することも可能である。
次に、向かい合わせに配置された溝19、29には透明樹脂(透明接着剤)41が充填されている。なお、透明板材16、26の屈折率η1、η2は同一で、その間に充填される透明樹脂41の屈折率η3は、透明板材16、26の屈折率η1、η2の0.8~1.2倍(より好ましくは、0.9~1.1倍、さらに好ましくは、0.95~1.05倍)の範囲にあることが好ましい。
透明板材16、26の原料となる透明樹脂としては、シクロオレフィンポリマー、ポリメチルメタルクレート(アクリル系樹脂)、非晶質フッ素樹脂、PMMA、光学用ポリカーボネイト、フルオレン系ポリエステル、ポリエーテルスルホン等の熱可塑性樹脂を使用することができるが、特に融点、透明度の高いものが好適に用いられる。また、透明樹脂41としては、紫外線等を照射することにより硬化する光硬化型の他、熱硬化型や二液混合型の透明接着剤を用いることができるが、特に、屈折率η3を屈折率η1、η2に近づけるために、屈折率を調整した屈折率調整樹脂からなる光学用接着剤等が好適に用いられる。
溝19、29に透明樹脂41を充填する方法としては、平面視して基準点Xと基準点X1(図1(C)、(D)参照)が重なるように、溝19、29を対向させて配置した状態で、その間に、透明板材16、26より融点が低いシート状の透明樹脂を挟み込み、真空状態で加熱、押圧して、透明樹脂のみを溶解し、固化させてもよいし、それぞれの溝19、29に別々に透明樹脂からなる透明接着剤を充填してから溝19、29を向かい合わせ、平面視して基準点Xと基準点X1が重なるように突き合わせて、透明接着剤を硬化させてもよい。
なお、各溝の傾斜面が多角面、凹面、凹凸面等を有する場合、アンカー効果によって、傾斜面と、溝に充填される透明樹脂との密着性を高め、溝内を透明樹脂で隙間なく埋めて凹凸を解消することができる。その結果、傾斜面と透明樹脂との界面で乱反射(散乱)を発生させることなく光を通過させることができ、屈折も最小限に抑えて、明るく鮮明な立体像を得ることができる。
この結像手段10の動作を、図2(A)、(B)を参照して説明すると、図示しない対象物からの光L1はP11から第2の光制御部15に進入し、金属反射面38からなる同心円状光反射部14のP12で反射する。P12で反射した光は第1の光制御部13に進入し、金属反射面37からなる放射状光反射部12のP13で反射し、P14の位置で第1の光制御部13から空中に出て行き立体像を結像する。
ここで、光L1は図2(B)のQ11で透明板材26から透明樹脂41に進入し、図2(A)、(B)のQ12を通過して、図2(A)のS11で透明樹脂41から出て透明板材16に進入するが、透明板材16、26の屈折率η1、η2と透明樹脂41の屈折率η3が略同じであるので、全反射や分光等の現象は起こらず、屈折の影響も極めて小さい。なお、P11、P14の位置でも屈折を起こすが、P11、P14の屈折は相殺する。また、放射状光反射部12及び同心円状光反射部14は表裏(図2(A)、(B)では左右)いずれの側も光反射部として機能する。
以上の光L1の動きを平面図で見ると、図4のように、同心円状光反射部14と放射状光反射部12でそれぞれ1回ずつ反射した光L1は空中で結像し、観察者42は立体像を観察することができる。
これに対し、図2(A)、(B)の光L2はP21から第2の光制御部15に進入し、金属反射面38からなる同心円状光反射部14のP22で反射して第1の光制御部13に進入し、そのままP23の位置で第1の光制御部13から空中に出て行く。
ここで、光L2は図2(B)のQ21で透明板材26から透明樹脂41に進入し、図2(A)、(B)のQ22を通過して、図2(A)のS21で透明樹脂41から出て透明板材16に進入するが、透明板材16、26の屈折率η1、η2と透明樹脂41の屈折率η3が略同じであるので、全反射や分光等の現象は起こらず、屈折の影響も極めて小さい。なお、P21、P23の位置でも屈折を起こすが、P21、P23の屈折は相殺する。
以上の光L2の動きを平面図で見ると、図4のように、同心円状光反射部14のみで1回反射した光L2は空中で結像することなく、ゴーストとして観察者42に観察される。
この結像手段10で発生するゴーストを低減(解消)するために、本発明の第1の実施の形態に係る立体像結像装置43では、図5(A)、(B)に示すように、結像手段10の一側及び他側に対向配置された第1、第2の偏光子44、45を有する遮光手段46を備えている。偏光子とは、あらゆる方向に振動している光(自然光)から、一定方向にのみ振動する光を取り出す光学フィルタ(直線偏光素子)であり、反射型と吸収型に大別できる。反射型にはワイヤーグリッド方式等があり、吸収型にはヨウ素系、染料系、ポリエン系等がある。それぞれ反射軸又は吸収軸と平行な方向に振動する光を反射又は吸収して、反射軸又は吸収軸と直交する方向に振動する光のみを透過させる(反射軸又は吸収軸と直交する方向に透過軸が存在する)ものである。第1、第2の偏光子44、45は、それぞれ反射型でも吸収型でも使用可能であるが、以下では反射型について説明する。
第1の偏光子44は、平面視して基準点X(図1(C)参照)に重なる基準点X2を中心にして放射状の第1の反射軸(以下、放射状反射軸ともいう)を有し、第2の偏光子45は、平面視して基準点X(図1(C)参照)に重なる基準点X3を中心にして第1の反射軸と交差する同心円状の第2の反射軸(以下、同心円状反射軸ともいう)を有する。よって、平面視して第1の偏光子44の放射状反射軸と、第2の偏光子45の同心円状反射軸が交差する点では、放射状反射軸と同心円状反射軸は、放射状光反射部12と同心円状光反射部14の関係と同様に、直交することになる。
ここで、図4に示すように、例えば光L2が同心円状光反射部14のみ(P22)で1回反射する場合、入射光と反射光のなす角度θは小さく、反射前の光の振動方向(振動面)と反射後の光の振動方向は、ほとんど変化しない。したがって、図5(A)、(B)に示すように、第2の偏光子45を透過して同心円状光反射部14のみ(P22)で1回反射した光L2の振動方向は、第1の偏光子44の放射状反射軸とほぼ平行となるため、光L2はP23で反射され、第1の偏光子44を透過することなく遮蔽される。また、第2の偏光子45を透過して同心円状光反射部14及び放射状光反射部12でそれぞれ1回ずつ反射した光L1の振動方向は、第1の偏光子44の放射状反射軸とは平行でないため、第1の偏光子44を透過して空中で立体像を結像する。これにより、立体像結像装置43ではゴーストの少ない明るく鮮明な立体像を得ることが可能となる。なお、図5(A)、(B)では、第1、第2の偏光子44、45を透過する際の光の屈折は考慮していない。
本実施の形態では、第2の偏光子45を透過して同心円状光反射部14のみで1回反射した光が第1の偏光子44で遮蔽される場合について説明したが、第1の偏光子44の放射状反射軸と、第2の偏光子45の同心円状反射軸が直交して配置されているので、第2の偏光子45を透過して放射状光反射部12のみで1回反射した光も第1の偏光子44で遮蔽される。また、立体像結像装置43は上下反転させて(入光側と出光側を入れ替えて)も使用することができ、その場合は、第1の偏光子44を透過して放射状光反射部12又は同心円状光反射部14のみで1回反射した光が第2の偏光子45で遮蔽される。さらに、本実施の形態では、遮光手段46として、結像手段10の一側に放射状反射軸を有する第1の偏光子44を配置し、他側に同心円状反射軸を有する第2の偏光子45を配置したが、結像手段10の一側に同心円状の第1の反射軸を有する第1の偏光子を配置し、他側に放射状の第2の反射軸を有する第2の偏光子を配置しても、上記と同様に、ゴーストとなる1回反射の光を遮蔽することができる。また、先に説明したように、偏光子には、反射型以外に吸収型もあるので、放射状反射軸を有する第1の偏光子及び同心円状反射軸を有する第2の偏光子の代わりに、放射状吸収軸を有する第1の偏光子及び同心円状吸収軸を有する第2の偏光子を用いてもよいし、同心円状吸収軸を有する第1の偏光子及び放射状吸収軸を有する第2の偏光子を用いてもよい。さらに、第1、第2の偏光子は、放射状反射軸と同心円状反射軸との組み合わせ又は放射状吸収軸と同心円状吸収軸との組み合わせに限らず、放射状反射軸と同心円状吸収軸との組み合わせ又は放射状吸収軸と同心円状反射軸との組み合わせでも同様の作用が得られる。なお、同心円状反射軸のように反射軸を完全な円形状に配置する代わりに多角形状に配置して、多角形状の各辺における直線状の反射軸に対し、平面視して放射状反射軸が交差(直交)するように配置してもよい。
続いて、本発明の第2の実施の形態に係る立体像結像装置について説明する。なお、第1の実施の形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
まず、第2の実施の形態に係る立体像結像装置50に用いる結像手段51について説明する(図6(A)、(B)参照)。結像手段10では、溝19、29が向かい合わせに配置されていたのに対し、結像手段51では、溝19、29が背中合わせに配置されている。そして、溝19には透明樹脂(透明接着剤)52が充填され、表面が平坦な透明樹脂板53が積層されて接合されており、溝29には透明樹脂(透明接着剤)54が充填され、表面が平坦な透明樹脂板55が積層されて接合されている。また、第1、第2の光制御部13、15が形成される透明板材16、26は透明接着剤層56を介して接合され、一体化されている。
ここで、透明板材16、26の原料となる透明樹脂は第1の実施の形態と同様であり、透明樹脂52、54としては、第1の実施の形態における透明樹脂41と同様のものが好適に用いられる。そして、透明樹脂52、54の屈折率η3、η4は透明板材16、26の屈折率η1、η2の0.8~1.2倍(より好ましくは、0.9~1.1倍、さらに好ましくは、0.95~1.05倍)の範囲にあることが好ましい。また、透明樹脂板53、55の材質は、透明板材16、26と同一のものが好適に用いられるが、その屈折率が、透明板材16、26の屈折率η1、η2の0.8~1.2倍(より好ましくは、0.9~1.1倍、さらに好ましくは、0.95~1.05倍)の範囲にあるものであれば使用可能である。なお、硬化後の透明樹脂(透明接着剤)52、54の表面を切削や研磨等により平面化処理できる場合は、透明樹脂板53、55を省略できる。また、透明接着剤層56を形成する透明接着剤も透明樹脂(透明接着剤)52、54と同様に、透明板材16、26の屈折率η1、η2と略同じ屈折率を有する。
次に、立体像結像装置50に用いる遮光手段57について説明する。
遮光手段57は、図6(A)、(B)、図7に示すように、結像手段51の一側に配置された液晶シャッター58と、図7に示すように、結像手段51の外周に沿って配置され、結像手段51で結像される立体像を観察する観察者42の位置を検出する複数の検出手段59を有する。液晶シャッター58の構造としては、従来公知のものを用いることができる。例えば代表的なTN型液晶シャッターは、分子の並び方が90度ねじれた液晶を2枚の偏光フィルタで挟んだものであり、電圧を印加していない状態では光を透過させ、電圧を印加した状態では光を遮蔽することができる。この液晶シャッター58では、図7の破線で示すセル60毎に選択的に電圧の印加の有無を切り替えて、選択した領域で光を遮蔽する。セル60毎に選択的に電圧の印加の有無を切り替えるためには、放射状光反射部12及び同心円状光反射部14に対応させて放射状に配置される第1の電極(図示せず)と、同心円状に配置される第2の電極(図示せず)を用いることが好ましいが、第1、第2の電極のそれぞれの間隔は、放射状光反射部12及び同心円状光反射部14のそれぞれの間隔と必ずしも等しい必要はない。また、第1の電極と第2の電極が交差する位置に選択的に電圧を印加することができればよく、駆動方式は、単純マトリックス駆動でもアクティブマトリックス駆動でもよい。
検出手段59としては、例えば人感センサが好適に用いられるが、これに限定されるものではなく、観察者42の位置を検出することができるものであればよい。図7に示すように、結像手段51の外周に沿って複数の検出手段59を配置することにより、観察者42の位置を検出し、検出した位置に応じて液晶シャッター58を動作させ、観察者42の正面の所定領域(ハッチング部分)を遮蔽するようになっている。なお、検出手段59の数や配置は、放射状光反射部12の間隔に応じて、適宜、選択することができる。
以上のようにして得られた立体像結像装置50の動作を、図6(A)、(B)、図7を参照して説明すると、図示しない対象物からの光L3はP31から第2の光制御部15に進入し、金属反射面38からなる同心円状光反射部14のP32で反射する。P32で反射した光は第1の光制御部13に進入し、金属反射面37からなる放射状光反射部12のP33で反射してP34の位置に達する。このとき、図7のように観察者42の正面からずれたP34の位置に対応するセル60では、液晶シャッター58は動作せず、図6(A)のように透過状態となっているで、光L3は液晶シャッター58を通過(透過)して空中に出て行き立体像を結像する。
ここで、図6(B)のQ31で透明樹脂板55から透明樹脂54に、Q32で透明樹脂54から透明板材26に、図6(A)のS31で透明板材16から透明樹脂52に、図6(A)、(B)のQ33で透明樹脂52から透明樹脂板53に進入するが、前述のように、透明板材16、26、透明樹脂52、54の屈折率η1~η4及び透明樹脂板53、55の屈折率が略同じであるので、全反射や分光等の現象は起こらず、屈折の影響も極めて小さい。また、透明板材16、26の間に透明接着剤層56が存在するが、透明接着剤層56の厚さが薄く(例えば5~50μm)、透明接着剤層56の屈折率が透明板材16、26の屈折率η1、η2と略同じであることにより、透明接着剤層56を通過する際の屈折の影響は極めて小さく、全反射等の現象は起こらない。なお、P31、P34の位置でも屈折を起こすが、P31、P34の屈折は相殺する。
これに対し、図6(A)、(B)、図7の光L4はP41から第2の光制御部15に進入し、金属反射面38からなる同心円状光反射部14のP42で反射して第1の光制御部13に進入し、そのままP43の位置に達する。このように、同心円状光反射部14のみで1回反射した光L4が空中に出ると、結像することなく、ゴーストとして観察者42に観察される。そこで、図7のように観察者42の正面にあるP43の位置に対応するセル60を含む所定範囲(ハッチング部分)では、液晶シャッター58が動作し、図6(A)、(B)、図7のように遮蔽状態となっているで、光L4は液晶シャッター58で反射して空中に出ることはなく、ゴーストが低減(解消)される。
ここで、光L4は図6(B)のQ41で透明樹脂板55から透明樹脂54に、Q42で透明樹脂54から透明板材26に、図6(A)のS41で透明板材16から透明樹脂52に、図6(A)、(B)のQ43で透明樹脂52から透明樹脂板53に進入するが、前述のように、透明板材16、26、透明樹脂52、54の屈折率η1~η4及び透明樹脂板53、55の屈折率が略同じであるので、全反射や分光等の現象は起こらず、屈折の影響も極めて小さい。なお、P41の位置でも屈折を起こすが、最終的に液晶シャッター58で遮蔽されるので、空中での結像に影響することはない。
以上のように、立体像結像装置50では、同心円状光反射部14のみで1回反射した光が通過してゴーストを発生させる領域となる観察者42の正面の所定範囲を予め液晶シャッター58で遮蔽することにより、ゴーストを低減(解消)することができ、観察者42は鮮明な立体像を観察することが可能となる。なお、本実施の形態では、観察者42の正面の円周方向2列分のセル60を液晶シャッター58で遮蔽したが、液晶シャッター58で遮蔽する領域は、立体像結像装置50(結像手段51)の大きさ、放射状光反射部12及び同心円状光反射部14の配置間隔、立体像結像装置50から観察者42までの距離等に応じて、適宜、選択することができる。また、立体像結像装置50は上下反転させて(入光側と出光側を入れ替えて)も使用することができ、その場合は、液晶シャッター58側から結像手段51に入射する光の一部を液晶シャッター58で選択的に遮蔽することができる。さらに、本実施の形態では、結像手段51の一側に液晶シャッター58を配置したが、結像手段51の他側に液晶シャッター58を配置してもよい。
本発明は以上の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。
例えば、それぞれの実施の形態に係る結像手段と遮光手段を組み合わせた立体像結像装置にも本発明は適用される。
また、第1、第2の実施の形態では、2枚の透明板材に別々に放射状光反射部(第1の垂直光反射部)及び同心円状光反射部(第2の垂直光反射部)を形成し、それぞれの溝を向かい合わせ又は背中合わせに配置して一体化した結像手段について説明したが、1枚の透明板材の両面(表裏)に放射状光反射部(第1の垂直光反射部)及び同心円状光反射部(第2の垂直光反射部)を形成した結像手段を用いることも可能である。
なお、本発明の同心円状光反射部は、完全な円形だけでなく、多角形状に形成し、その各面が平面視して放射状光反射部と交差(直交)するようにしたものも含む。
また、第1の実施の形態では、第1、第2の偏光子の反射軸(又は吸収軸)として、放射状反射軸(又は吸収軸)と同心円状反射軸(又は吸収軸)との組み合わせについて説明したが、第1、第2の偏光子の反射軸(又は吸収軸)は、平面視して直交していればよく、それぞれ直線状に形成された(平行配置された)反射軸(又は吸収軸)が格子状に重なるように配置してもよい。
さらに、第1の実施の形態では、遮光手段として、結像手段の一側及び他側に第1、第2の偏光子を対向配置したが、ゴーストは、主に同心円状光反射部(第2の垂直光反射部)のみで光が1回反射(正反射)することにより発生するので、第1、第2の偏光子は、第2の垂直光反射部が形成される第2の光制御部を両面から挟むように対向配置してもよい。このとき、第1、第2の偏光子の組合せ及び配置は、第1の実施の形態と同様に、適宜、選択することができる。
10:結像手段、12:放射状光反射部(第1の垂直光反射部)、13:第1の光制御部、14:同心円状光反射部(第2の垂直光反射部)、15:第2の光制御部、16:透明板材、17:垂直面、18:傾斜面、19:溝、20:凸条、23、24:微小平面部、26:透明板材、27:垂直面、28:傾斜面、29:溝、30:凸条、33、34:微小平面部、37、38:金属反射面、39:金属被膜、40a:第1の着色膜(光吸収膜)、40b:第2の着色膜(光吸収膜)、41:透明樹脂、42:観察者、43:立体像結像装置、44:第1の偏光子、45:第2の偏光子、46:遮光手段、50:立体像結像装置、51:結像手段、52:透明樹脂、53:透明樹脂板、54:透明樹脂、55:透明樹脂板、56:透明接着剤層、57:遮光手段、58:液晶シャッター、59:検出手段、60:セル
本発明は、空中に立体像を結像する立体像結像装置に用いられる遮光手段に関する。
物体表面から発する光(散乱光)を用いて立体像を形成する装置として、例えば、特許文献1に記載の立体像結像装置(光学結像装置)がある。
この結像装置は、2枚の透明平板の内部に、この透明平板の厚み方向に渡って垂直に複数かつ帯状で、金属反射面(鏡面)からなる光反射面を一定のピッチで並べて形成した第1、第2の光制御パネルを有し、この第1、第2の光制御パネルのそれぞれの光反射面が平面視して直交するように、第1、第2の光制御パネルの一面側を向い合わせて密着させたものである。
国際公開第2009/131128号公報
上記した第1、第2の光制御パネルの製造に際しては、金属反射面が一面側に形成された一定厚みの板状の透明合成樹脂板やガラス板(以下、「透明板」ともいう)を、金属反射面が一方側に配置されるように複数枚積層して積層体を作製し、この積層体から各金属反射面に対して垂直な切り出し面が形成されるように切り出している。
このため、透明板に金属反射面を形成する作業において大型の蒸着炉を必要とし、しかも、1枚又は少数枚の透明板を蒸着炉に入れて脱気して高真空にした後、蒸着処理を行い、
大気圧に開放して蒸着した透明板を取り出すという作業を百回以上繰り返す必要があり、
極めて手間と時間のかかる作業であった。また、金属蒸着された透明板を積層して積層体を形成し、極めて薄い所定厚で切断する作業を行って、この積層体から第1、第2の光制御パネルを切り出し、更にこれら第1、第2の光制御パネルの切り出し面(両面)の研磨作業等を行う必要があるため、作業性や製造効率が悪かった。
また、第1、第2の光制御パネルの複数の金属反射面がそれぞれ直線状(平行)で、平面視して直交するように配置されているため、金属反射面の配置間隔(ピッチ)に制限を受け、視野角(結像範囲)も限られ、立体像の明るさや鮮明さにも限界があった。
更に、特許文献1には、断面直角三角形の溝を有する第1、第2の光制御パネルを透明樹脂から作り、第1、第2の光制御パネルをその光反射面(溝の垂直面)を直交させて向かい合わせて密着して光学結像装置を提供することも記載されているが、光反射面として全反射を利用するので、溝のアスペクト比も小さく、明るい結像を得ることが困難であるという問題があった。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、視野角が広く、ゴーストの少ない明るく鮮明な立体像を得ることが可能で、製造も比較的容易な立体像結像装置に用いられる遮光手段を提供することを目的とする。
前記目的に沿う第1の発明に係る遮光手段、基準点Xを中心にして放射状に複数の第1の垂直光反射部が配置された第1の光制御部と、平面視して前記基準点Xに重なる基準点X1を中心にして同心円状に複数の第2の垂直光反射部が配置された第2の光制御部とを有する結像手段を備えた立体像結像装置に用いられる遮光手段であって
前記結像手段の一側及び他側に対向配置され第1、第2の偏光子を有し、前記第1の偏光子を透過して前記第1又は第2の垂直光反射部のみで1回反射した光前記第2の偏光子で遮蔽し、前記第2の偏光子を透過して前記第1又は第2の垂直光反射部のみで1回反射した光を前記第1の偏光子で遮蔽する。
ここで、結像手段(第1の発明において同じ)は、最終形状が平面視して環状又は環状の一部を用いた形状であればよく、製造段階の外形形状は環状、円形状或いはその他の形状でもよい。なお、環状の一部を用いた形状には扇形の他、矩形状も含む。
また、結像手段は、基準点Xを中心にして放射状に配置される第1の垂直光反射部(以下、放射状光反射部ともいう)が直線状に形成されるのに対し、同心円状に配置される第2の垂直光反射部(以下、同心円状光反射部ともいう)は、基準点X1を中心とする同心円に沿って湾曲しているが、平面視して第1の垂直光反射部と第2の垂直光反射部が交差する点では、両者は直交している。よって、従来のように複数の直線状の帯状光反射面を平行に配置した第1、第2の光制御パネル(又は光制御部)を、それぞれの光反射面が平面視して直交した状態で、隙間を有して又は隙間なく重ね合わせた(又は一体化した)立体像結像装置と同様に、立体像を結像させることができる。
第1の垂直光反射部は、透明板材の一側に複数の溝を間隔を開けて放射状に形成し、その垂直面を鏡面としたものが好適に用いられる。また、第2の垂直光反射部は、透明板材の一側に複数の溝を間隔を開けて同心円状に形成し、その垂直面を鏡面としたものが好適に用いられる。これらは、透明樹脂からプレス成型、インジェクション成型、ロール成型等によって製造することができる。そして、2枚の透明板材を透明接着剤等で接合して透明平板状に形成することができる。なお、第1、第2の垂直光反射部が形成される溝は、2枚の透明板材の一側(表面)に別々に成型する代わりに、1枚の透明板材の両側(表裏)に同時に成型してもよい。このとき、溝の断面形状を矩形状、直角三角形状、台形状等に形成することにより、簡単に垂直面を得ることができる。
特に、溝の断面形状を直角三角形状や台形状に形成した場合、溝が開放側に広くなるので、押型又は脱型が容易となり、生産性に優れる。また、溝の断面形状が矩形状の場合、両側の垂直面を光反射部(以下、第1、第2の垂直光反射部をまとめて光反射部ともいう)とすることができる。
なお、放射状光反射部と同心円状光反射部の2種類の光反射部は、透明平板状に形成される結像手段の板厚方向の上下(一側と他側)に重ね合わされて配置されていればよい。
また、成型に用いる金型の表面を光が乱反射しない程度に鏡面研磨することにより、製造される透明板材の表面は平滑化される。そして、金型による成型後に、溝の垂直面に選択的にスパッタリング、金属蒸着、金属微小粒子の吹き付け、又はイオンビームの照射、その他の方法で金属粒子を照射することにより金属反射面(鏡面)を形成し、光反射部として使用することができる。なお、第2の垂直光反射部は同心円状に形成する代わりに、1条若しくは複数条の溝を渦巻状に形成してもよい。また、成型によって透明板材の表面に溝を形成する代わりに、透明板材の表面を削って溝を形成することもできる。
前記目的に沿う第2の発明に係る遮光手段、基準点Xを中心にして放射状に複数の第1の垂直光反射部が配置された第1の光制御部と、平面視して前記基準点Xに重なる基準点X1を中心にして同心円状に複数の第2の垂直光反射部が配置された第2の光制御部とを有する結像手段を備えた立体像結像装置に用いられる遮光手段であって
前記結像手段の前記第2の光制御部を両面から挟むように対向配置され第1、第2の偏光子を有、前記第の偏光子を透過して前記第1又はの垂直光反射部のみで1回反射した光前記第の偏光子で遮蔽し、前記第2の偏光子を透過して前記第1又は第2の垂直光反射部のみで1回反射した光前記第1の偏光子で遮蔽る。
ここで、第1、第2の発明に係る遮光手段は第1、第2の偏光子の組み合わせにより、第1又は第2の垂直光反射部のみで1回反射した光を遮蔽できるものであればよい。第1、第2の偏光子としては、自然光(非偏光)を直線偏光に変える直線偏光子が好適に用いられる。具体的には、第1又は第2の垂直光反射部のみで1回反射した光の振動方向は、反射の前後でほとんど変化せずに保存されるので、第1の偏光子を透過する光の振動方向と、第2の偏光子を透過する光の振動方向が直交するように、第1、第2の偏光子を選択、配置すればよい。
第1、第2の発明に係る遮光手段において、前記第1の偏光子は、平行配置された複数の第1の反射軸又は第1の吸収軸を有し、前記第2の偏光子は、平面視して前記第1の反射軸又は前記第1の吸収軸と直交するように平行配置された複数の第2の反射軸又は第2の吸収軸を有することが好ましい。
第1、第2の発明に係る遮光手段において、前記第1の偏光子は、平面視して前記基準点Xに重なる基準点X2を中心にして放射状の第1の反射軸又は第1の吸収軸を有し、前記第2の偏光子は、平面視して前記基準点Xに重なる基準点X3を中心にして前記第1の反射軸又は前記第1の吸収軸と交差する同心円状の第2の反射軸又は第2の吸収軸を有することが好ましい。
第1、第2の発明に係る遮光手段において、前記第1の偏光子は、平面視して前記基準点Xに重なる基準点X2を中心にして同心円状の第1の反射軸又は第1の吸収軸を有し、前記第2の偏光子は、平面視して前記基準点Xに重なる基準点X3を中心にして前記第1の反射軸又は前記第1の吸収軸と交差する放射状の第2の反射軸又は第2の吸収軸を有することが好ましい。
第1の発明に係る遮光手段が用いられる立体像結像装置において、前記第1、第2の垂直光反射部は、それぞれ金属反射面であることが好ましい。
ここで、金属反射面(鏡面)を形成する方法として、溝の垂直面に直接、スパッタリング、金属蒸着、金属微小粒子の吹き付け、イオンビームの照射、金属ペーストの塗布等を行う以外に、スパッタリングや金属蒸着等で反射膜を形成した樹脂フィルムを溝の垂直面に貼り付けてもよい。なお、特に、断面三角形の溝の垂直面に直接、スパッタリング、金属蒸着、金属微小粒子の吹き付け、イオンビームの照射等を行う場合、溝の傾斜面は平面の他、断面が内側に窪む凹面、多角面(多角形の一部からなる)を含むことが好ましい。これにより、溝の傾斜面に金属反射面が形成されるのを極力防止できる。
第1の発明に係る遮光手段が用いられる立体像結像装置において、前記結像手段は両表面が平坦な平板状となって、前記第1、第2の垂直光反射部以外の素材は、屈折率が同一又は近似する2種類以上の透明樹脂からなることが好ましい。
ここで、一の透明樹脂の屈折率に対し、他の透明樹脂の屈折率は0.8~1.2倍(より好ましくは、0.9~1.1倍、さらに好ましくは、0.95~1.05倍)の範囲にあることが好ましい。
第1の発明に係る遮光手段が用いられる立体像結像装置は、結像手段が複数の放射状光反射部と同心円状光反射部を有することにより、結像範囲が広く、光反射部の配置間隔(ピッチ)を細かくして多くの光反射部を密に配置することができ、視野角を広げ、明るい立体像を得ることができる。特に、第1、第2の発明に係る遮光手段を用いた立体像結像装置では、結像手段の一側及び他側に対向配置された第1、第2の偏光子を有する遮光手段を備え、放射状光反射部又は同心円状光反射部のみで1回反射して立体像の結像に関与しない光を遮蔽することにより、ゴーストを解消することができ、極めて鮮明な立体像を形成して視認性を向上させることができる
第1、第2の発明に係る遮光手段において、第1の偏光子が、平行配置された複数の第1の反射軸又は第1の吸収軸を有し、第2の偏光子が、平面視して第1の反射軸又は第1の吸収軸と直交するように平行配置された複数の第2の反射軸又は第2の吸収軸を有する場合、結像手段の放射状光反射部又は同心円状光反射部のみで1回反射した光を、第1、第2の偏光子の組み合わせで効果的に遮蔽してゴーストの発生を防止することができる。
第1、第2の発明に係る遮光手段において、第1の偏光子が、放射状の第1の反射軸又は第1の吸収軸を有し、第2の偏光子が、同心円状の第2の反射軸又は第2の吸収軸を有する場合、平面視して第1の反射軸又は第1の吸収軸と第2の反射軸又は第2の吸収軸が交差する点では、両者が直交するので、結像手段の放射状光反射部又は同心円状光反射部のみで1回反射した光を、第1、第2の偏光子の組み合わせで効果的に遮蔽してゴーストの発生を防止することができる。
第1、第2の発明に係る遮光手段において、第1の偏光子が、同心円状の第1の反射軸又は第1の吸収軸を有し、第2の偏光子が、放射状の第2の反射軸又は第2の吸収軸を有する場合、平面視して第1の反射軸又は第1の吸収軸と第2の反射軸又は第2の吸収軸が交差する点では、両者が直交するので、結像手段の放射状光反射部又は同心円状光反射部のみで1回反射した光を、第1、第2の偏光子の組み合わせで効果的に遮蔽してゴーストの発生を防止することができる。
第1の発明に係る遮光手段を用いた立体像結像装置において、光反射部が金属反射面である場合、光の入射角に制限がなく、多くの反射光が得られ、広範囲で結像させて明るい立体像を得ることができる。
第1の発明に係る遮光手段を用いた立体像結像装置において、結像手段の両表面が平坦な平板状となって、光反射部以外の素材が、屈折率が同一又は近似する2種類以上の透明樹脂からなる場合、透明樹脂の界面における屈折の影響は極めて小さく、全反射や分光等の現象が起こらず、歪みの少ない鮮明な立体像を形成することができる。
(A)、(B)はそれぞれ本発明の実施の形態に係る遮光手段が用いられる立体像結像装置の結像手段の正面図及び平面図、(C)は図1(A)のA-A’矢視図、(D)は図1(A)のB-B’矢視図である。 (A)は図1(B)のC-C’部のD-D’断面図、(B)は図1(B)のE-E’部のF-F’断面図である。 (A)、(B)はそれぞれ同立体像結像装置の結像手段における金属反射面の形成について説明する部分拡大正面図及び部分拡大側面図であり、(C)、(D)はそれぞれ同立体像結像装置の結像手段の微小平面部における光反射防止処理を説明する部分拡大正面図及び部分拡大側面図である。 同立体像結像装置の結像手段の部分拡大平面図である。 同立体像結像装置の正断面図及び側断面図である。 (A)、(B)はそれぞれ参考例に係る立体像結像装置の正断面図及び側断面図である。 同立体像結像装置の部分拡大平面図である。
続いて、本発明の実施の形態に係る遮光手段について、図面を参照しながら説明する。
まず、本発明の実施の形態に係る遮光手段が用いられる立体像結像装置結像手段10について説明する。図1(A)~(D)に示すように、結像手段10は、基準点Xを中心にして、放射状に複数の放射状光反射部(第1の垂直光反射部)12が配置され、平面視して環状に形成された第1の光制御部13と、平面視して基準点Xに重なる基準点X1を中心にして、同心円状に複数の同心円状光反射部(第2の垂直光反射部)14が配置され、平面視して環状に形成された第2の光制御部15とを有している。この結像手段10は、両表面が平坦な透明平板状となって、放射状光反射部12及び同心円状光反射部14以外の素材は、屈折率が同一又は近似する2種類以上の透明樹脂からなっている。そして、平面視して放射状光反射部12と同心円状光反射部14がそれぞれ交差する点で、放射状光反射部12と同心円状光反射部14が直交していることにより、物体からの光を放射状光反射部12と同心円状光反射部14で反射させて、物体の立体像を結像させるものである。
この放射状光反射部12及び同心円状光反射部14は、例えば、いずれも50~1000μm、好ましくは100~500μm、より好ましくは200~300μmのピッチで配置されるが、図1(C)、(D)では一部のみを示している。放射状光反射部12及び同心円状光反射部14は等ピッチで配置することが望ましいが、異なるピッチで配置することも可能である。このとき、放射状光反射部12の長さrは円形に形成された外形の半径Rに対し、r=(0.2~0.8)Rの範囲であることが好ましい。また、放射状光反射部12は基準点Xに近づくほどピッチが狭くなるので、必要に応じて部分的に間引いて配置してもよい。
なお、結像手段10は平面視して環状に形成されているが、実際に立体像の結像に使用する領域は、例えば、図1(C)、(D)中の矩形状の二点鎖線で囲んだ部分であるので、製造段階では、まず、図1(A)~(D)に示すように環状に形成してから、環状の一部を結像手段として切り出すことができる(以下の実施の形態においても同じ)。よって、製造時の外形を大型化すれば複数の結像手段を切り出すことができ、生産性を向上できる。また、外形の直径を大きくすることにより、同心円状光反射部の曲率半径も大きくなり、湾曲による立体像の歪みを低減することができる。このとき、切り出される結像手段の外形形状は適宜、選択することができ、環状の一部の他、矩形状でも扇形でもよい。
以下、結像手段10の詳細について説明する。
ここで、各同心円状光反射部14は基準点X1を中心とする同心円に沿って湾曲しているので、図2(A)では、図1(B)のC-C’部の同心円状光反射部14に沿うD-D’断面を拡大して平面(直線)状に展開した正断面図として示す。また、図2(B)では、図1(B)のE-E’部の放射状光反射部12に沿うF-F’断面を拡大して90度回転させた側断面図として示す(以下、同じ)。
図2(A)に示すように、第1の光制御部13では、透明板材16の下面側(結像手段10の一側)に、基準点X(図1(C)参照)を中心にして、垂直面17と傾斜面18とを有する断面三角形の複数の溝19と、隣り合う溝19の間に形成される断面三角形の複数の凸条20がそれぞれ放射状に配置されており、溝19の底部(傾斜面18の下端と垂直面17の下端との間)、及び凸条20の頂部(傾斜面18の上端と垂直面17の上端との間)には、それぞれ微小平面部23、24が形成されている。
また、図2(B)に示すように、第2の光制御部15では、透明板材26の上面側(結像手段10の他側)に、基準点X1(図1(D)参照)を中心にして、垂直面27と傾斜面28とを有する断面三角形の複数の溝29と、隣り合う溝29の間に形成される断面三角形の複数の凸条30がそれぞれ同心円状に配置されており、溝29の底部(傾斜面28の下端と垂直面27の下端との間)、及び凸条30の頂部(傾斜面28の上端と垂直面27の上端との間)には、それぞれ微小平面部33、34が形成されている。
そして、溝19、29の垂直面17、27のみに放射状光反射部12及び同心円状光反射部14となる金属反射面(鏡面)37、38が選択的に形成され、傾斜面18、28には金属反射面が形成されず、透明の状態が保持されている。金属反射面(鏡面)37、38を形成する方法としては、溝19、29の垂直面17、27に直接、スパッタリング、金属蒸着、金属微小粒子の吹き付け、イオンビームの照射、金属ペーストの塗布等を行うものが好適に用いられるが、スパッタリングや金属蒸着等で反射膜を形成した樹脂フィルムを溝19、29の垂直面17、27に貼り付けてもよい。なお、溝19、29の垂直面17、27に直接、スパッタリング、金属蒸着、金属微小粒子の吹き付け、イオンビームの照射等を行う場合は、真空中又は低圧下で、斜め上方から垂直面17、27に向けて金属粒子を照射する。このとき、溝19、29の底部にそれぞれ微小平面部23、33が形成されているので、傾斜面18、28に金属粒子が付着することを減らし又は無くしながら、垂直面17、27の下端まで斑なく金属粒子を照射することができる。なお、溝19、29の傾斜面18、28は平面状に形成する代わりに、凸条20、30の内側に窪む断面多角形状の多角面や断面円弧状の凹面、或いは表面に多数の微小な凹凸(疵)を有する凹凸面として、金属粒子の付着を防止してもよい。
しかし、図2(A)、(B)に示したように、溝19、29の垂直面17、27のみに金属反射面(鏡面)37、38を形成しようとして、図3(A)、(B)に示すように、斜め方向から金属粒子の照射(噴射)を行うと、溝19、29の垂直面17、27から微小平面部24、34にかけて金属被膜39が形成されてしまう。このように、微小平面部24、34に金属被膜39が形成された状態で結像手段を製造して使用すると、微小平面部24、34における金属被膜39の両面が光反射面となって光の散乱と正反射が発生して立体像が白っぽく光って見えるという問題が発生する。そこで、微小平面部24、34を非光反射面とする処理を行うことが好ましい。例えば、上記と同様にして、金属反射面(鏡面)37、38を形成するために金属粒子を照射する前後に、図3(C)、(D)に示すように、微小平面部24、34に対してそれぞれ黒色塗料(インク)を塗布する等して、第1、第2の着色膜(光吸収膜)40a、40bを形成しておけば、図2(A)、(B)において、第1、第2の光制御部13、15のどちら側から入射する光も微小平面部24、34での反射を防止できる。第1、第2の着色膜の色は黒色に限定されるものではなく、光を吸収できる色であればよいが、インクとしては、隠蔽度が高い顔料系又は光吸収能が高い艶消し系等のインク(例えば、カーボンブラックを含有したインク)が好適に用いられる。なお、第1、第2の着色膜の厚みは、例えば、数μm~数十μm程度であればよいが、着色材を金属被膜に含浸させた場合は0μmとなる。また、第1、第2の着色膜を形成する代わりに、図3(A)、(B)に示したように、溝19、29の垂直面17、27から微小平面部24、34にかけて金属被膜39を形成した後、微小平面部24、34に付着した金属(不要金属)のみを剥離処理、研磨処理、又は溶解処理によって除去し、微小平面部24、34を透明な光通過面としてもよい。この場合、図2(A)、(B)において、結像手段10を透過して結像に寄与する光が微小平面部24、34で反射されることなく通過できるので、立体像が暗くなることを防止できる。以下の図5(A)、(B)、図6(A)、(B)においては、微小平面部24、34における不要金属が除去された構成となっているが、図3(C)、(D)と同様の構成を採用してもよい。なお、微小平面部の幅が極めて小さい場合(例えば、10μm未満)は、これらの非光反射面処理は省略することも可能である。
次に、向かい合わせに配置された溝19、29には透明樹脂(透明接着剤)41が充填されている。なお、透明板材16、26の屈折率η1、η2は同一で、その間に充填される透明樹脂41の屈折率η3は、透明板材16、26の屈折率η1、η2の0.8~1.2倍(より好ましくは、0.9~1.1倍、さらに好ましくは、0.95~1.05倍)の範囲にあることが好ましい。
透明板材16、26の原料となる透明樹脂としては、シクロオレフィンポリマー、ポリメチルメタルクレート(アクリル系樹脂)、非晶質フッ素樹脂、PMMA、光学用ポリカーボネイト、フルオレン系ポリエステル、ポリエーテルスルホン等の熱可塑性樹脂を使用することができるが、特に融点、透明度の高いものが好適に用いられる。また、透明樹脂41としては、紫外線等を照射することにより硬化する光硬化型の他、熱硬化型や二液混合型の透明接着剤を用いることができるが、特に、屈折率η3を屈折率η1、η2に近づけるために、屈折率を調整した屈折率調整樹脂からなる光学用接着剤等が好適に用いられる。
溝19、29に透明樹脂41を充填する方法としては、平面視して基準点Xと基準点X1(図1(C)、(D)参照)が重なるように、溝19、29を対向させて配置した状態で、その間に、透明板材16、26より融点が低いシート状の透明樹脂を挟み込み、真空状態で加熱、押圧して、透明樹脂のみを溶解し、固化させてもよいし、それぞれの溝19、29に別々に透明樹脂からなる透明接着剤を充填してから溝19、29を向かい合わせ、平面視して基準点Xと基準点X1が重なるように突き合わせて、透明接着剤を硬化させてもよい。
なお、各溝の傾斜面が多角面、凹面、凹凸面等を有する場合、アンカー効果によって、傾斜面と、溝に充填される透明樹脂との密着性を高め、溝内を透明樹脂で隙間なく埋めて凹凸を解消することができる。その結果、傾斜面と透明樹脂との界面で乱反射(散乱)を発生させることなく光を通過させることができ、屈折も最小限に抑えて、明るく鮮明な立体像を得ることができる。
この結像手段10の動作を、図2(A)、(B)を参照して説明すると、図示しない対象物からの光L1はP11から第2の光制御部15に進入し、金属反射面38からなる同心円状光反射部14のP12で反射する。P12で反射した光は第1の光制御部13に進入し、金属反射面37からなる放射状光反射部12のP13で反射し、P14の位置で第1の光制御部13から空中に出て行き立体像を結像する。
ここで、光L1は図2(B)のQ11で透明板材26から透明樹脂41に進入し、図2(A)、(B)のQ12を通過して、図2(A)のS11で透明樹脂41から出て透明板材16に進入するが、透明板材16、26の屈折率η1、η2と透明樹脂41の屈折率η3が略同じであるので、全反射や分光等の現象は起こらず、屈折の影響も極めて小さい。なお、P11、P14の位置でも屈折を起こすが、P11、P14の屈折は相殺する。また、放射状光反射部12及び同心円状光反射部14は表裏(図2(A)、(B)では左右)いずれの側も光反射部として機能する。
以上の光L1の動きを平面図で見ると、図4のように、同心円状光反射部14と放射状光反射部12でそれぞれ1回ずつ反射した光L1は空中で結像し、観察者42は立体像を観察することができる。
これに対し、図2(A)、(B)の光L2はP21から第2の光制御部15に進入し、金属反射面38からなる同心円状光反射部14のP22で反射して第1の光制御部13に進入し、そのままP23の位置で第1の光制御部13から空中に出て行く。
ここで、光L2は図2(B)のQ21で透明板材26から透明樹脂41に進入し、図2(A)、(B)のQ22を通過して、図2(A)のS21で透明樹脂41から出て透明板材16に進入するが、透明板材16、26の屈折率η1、η2と透明樹脂41の屈折率η3が略同じであるので、全反射や分光等の現象は起こらず、屈折の影響も極めて小さい。なお、P21、P23の位置でも屈折を起こすが、P21、P23の屈折は相殺する。
以上の光L2の動きを平面図で見ると、図4のように、同心円状光反射部14のみで1回反射した光L2は空中で結像することなく、ゴーストとして観察者42に観察される。
この結像手段10で発生するゴーストを低減(解消)するために、本発明の実施の形態に係る遮光手段46を用いた立体像結像装置43では、図5(A)、(B)に示すように、結像手段10の一側及び他側に対向配置された第1、第2の偏光子44、45備えている。偏光子とは、あらゆる方向に振動している光(自然光)から、一定方向にのみ振動する光を取り出す光学フィルタ(直線偏光素子)であり、反射型と吸収型に大別できる。反射型にはワイヤーグリッド方式等があり、吸収型にはヨウ素系、染料系、ポリエン系等がある。それぞれ反射軸又は吸収軸と平行な方向に振動する光を反射又は吸収して、反射軸又は吸収軸と直交する方向に振動する光のみを透過させる(反射軸又は吸収軸と直交する方向に透過軸が存在する)ものである。第1、第2の偏光子44、45は、それぞれ反射型でも吸収型でも使用可能であるが、以下では反射型について説明する。
第1の偏光子44は、平面視して基準点X(図1(C)参照)に重なる基準点X2を中心にして放射状の第1の反射軸(以下、放射状反射軸ともいう)を有し、第2の偏光子45は、平面視して基準点X(図1(C)参照)に重なる基準点X3を中心にして第1の反射軸と交差する同心円状の第2の反射軸(以下、同心円状反射軸ともいう)を有する。よって、平面視して第1の偏光子44の放射状反射軸と、第2の偏光子45の同心円状反射軸が交差する点では、放射状反射軸と同心円状反射軸は、放射状光反射部12と同心円状光反射部14の関係と同様に、直交することになる。
ここで、図4に示すように、例えば光L2が同心円状光反射部14のみ(P22)で1回反射する場合、入射光と反射光のなす角度θは小さく、反射前の光の振動方向(振動面)と反射後の光の振動方向は、ほとんど変化しない。したがって、図5(A)、(B)に示すように、第2の偏光子45を透過して同心円状光反射部14のみ(P22)で1回反射した光L2の振動方向は、第1の偏光子44の放射状反射軸とほぼ平行となるため、光L2はP23で反射され、第1の偏光子44を透過することなく遮蔽される。また、第2の偏光子45を透過して同心円状光反射部14及び放射状光反射部12でそれぞれ1回ずつ反射した光L1の振動方向は、第1の偏光子44の放射状反射軸とは平行でないため、第1の偏光子44を透過して空中で立体像を結像する。これにより、立体像結像装置43ではゴーストの少ない明るく鮮明な立体像を得ることが可能となる。なお、図5(A)、(B)では、第1、第2の偏光子44、45を透過する際の光の屈折は考慮していない。
本実施の形態では、第2の偏光子45を透過して同心円状光反射部14のみで1回反射した光が第1の偏光子44で遮蔽される場合について説明したが、第1の偏光子44の放射状反射軸と、第2の偏光子45の同心円状反射軸が直交して配置されているので、第2の偏光子45を透過して放射状光反射部12のみで1回反射した光も第1の偏光子44で遮蔽される。また、立体像結像装置43は上下反転させて(入光側と出光側を入れ替えて)も使用することができ、その場合は、第1の偏光子44を透過して放射状光反射部12又は同心円状光反射部14のみで1回反射した光が第2の偏光子45で遮蔽される。さらに、本実施の形態では、遮光手段46として、結像手段10の一側に放射状反射軸を有する第1の偏光子44を配置し、他側に同心円状反射軸を有する第2の偏光子45を配置したが、結像手段10の一側に同心円状の第1の反射軸を有する第1の偏光子を配置し、他側に放射状の第2の反射軸を有する第2の偏光子を配置しても、上記と同様に、ゴーストとなる1回反射の光を遮蔽することができる。また、先に説明したように、偏光子には、反射型以外に吸収型もあるので、放射状反射軸を有する第1の偏光子及び同心円状反射軸を有する第2の偏光子の代わりに、放射状吸収軸を有する第1の偏光子及び同心円状吸収軸を有する第2の偏光子を用いてもよいし、同心円状吸収軸を有する第1の偏光子及び放射状吸収軸を有する第2の偏光子を用いてもよい。さらに、第1、第2の偏光子は、放射状反射軸と同心円状反射軸との組み合わせ又は放射状吸収軸と同心円状吸収軸との組み合わせに限らず、放射状反射軸と同心円状吸収軸との組み合わせ又は放射状吸収軸と同心円状反射軸との組み合わせでも同様の作用が得られる。なお、同心円状反射軸のように反射軸を完全な円形状に配置する代わりに多角形状に配置して、多角形状の各辺における直線状の反射軸に対し、平面視して放射状反射軸が交差(直交)するように配置してもよい。
続いて、参考例に係る立体像結像装置について説明する。なお、上記実施の形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
まず、参考例に係る立体像結像装置50に用いる結像手段51について説明する(図6(A)、(B)参照)。結像手段10では、溝19、29が向かい合わせに配置されていたのに対し、結像手段51では、溝19、29が背中合わせに配置されている。そして、溝19には透明樹脂(透明接着剤)52が充填され、表面が平坦な透明樹脂板53が積層されて接合されており、溝29には透明樹脂(透明接着剤)54が充填され、表面が平坦な透明樹脂板55が積層されて接合されている。また、第1、第2の光制御部13、15が形成される透明板材16、26は透明接着剤層56を介して接合され、一体化されている。
ここで、透明板材16、26の原料となる透明樹脂は上記実施の形態と同様であり、透明樹脂52、54としては、上記実施の形態における透明樹脂41と同様のものが好適に用いられる。そして、透明樹脂52、54の屈折率η3、η4は透明板材16、26の屈折率η1、η2の0.8~1.2倍(より好ましくは、0.9~1.1倍、さらに好ましくは、0.95~1.05倍)の範囲にあることが好ましい。また、透明樹脂板53、55の材質は、透明板材16、26と同一のものが好適に用いられるが、その屈折率が、透明板材16、26の屈折率η1、η2の0.8~1.2倍(より好ましくは、0.9~1.1倍、さらに好ましくは、0.95~1.05倍)の範囲にあるものであれば使用可能である。なお、硬化後の透明樹脂(透明接着剤)52、54の表面を切削や研磨等により平面化処理できる場合は、透明樹脂板53、55を省略できる。また、透明接着剤層56を形成する透明接着剤も透明樹脂(透明接着剤)52、54と同様に、透明板材16、26の屈折率η1、η2と略同じ屈折率を有する。
次に、立体像結像装置50に用いる遮光手段57について説明する。
遮光手段57は、図6(A)、(B)、図7に示すように、結像手段51の一側に配置された液晶シャッター58と、図7に示すように、結像手段51の外周に沿って配置され、結像手段51で結像される立体像を観察する観察者42の位置を検出する複数の検出手段59を有する。液晶シャッター58の構造としては、従来公知のものを用いることができる。例えば代表的なTN型液晶シャッターは、分子の並び方が90度ねじれた液晶を2枚の偏光フィルタで挟んだものであり、電圧を印加していない状態では光を透過させ、電圧を印加した状態では光を遮蔽することができる。この液晶シャッター58では、図7の破線で示すセル60毎に選択的に電圧の印加の有無を切り替えて、選択した領域で光を遮蔽する。セル60毎に選択的に電圧の印加の有無を切り替えるためには、放射状光反射部12及び同心円状光反射部14に対応させて放射状に配置される第1の電極(図示せず)と、同心円状に配置される第2の電極(図示せず)を用いることが好ましいが、第1、第2の電極のそれぞれの間隔は、放射状光反射部12及び同心円状光反射部14のそれぞれの間隔と必ずしも等しい必要はない。また、第1の電極と第2の電極が交差する位置に選択的に電圧を印加することができればよく、駆動方式は、単純マトリックス駆動でもアクティブマトリックス駆動でもよい。
検出手段59としては、例えば人感センサが好適に用いられるが、これに限定されるものではなく、観察者42の位置を検出することができるものであればよい。図7に示すように、結像手段51の外周に沿って複数の検出手段59を配置することにより、観察者42の位置を検出し、検出した位置に応じて液晶シャッター58を動作させ、観察者42の正面の所定領域(ハッチング部分)を遮蔽するようになっている。なお、検出手段59の数や配置は、放射状光反射部12の間隔に応じて、適宜、選択することができる。
以上のようにして得られた立体像結像装置50の動作を、図6(A)、(B)、図7を参照して説明すると、図示しない対象物からの光L3はP31から第2の光制御部15に進入し、金属反射面38からなる同心円状光反射部14のP32で反射する。P32で反射した光は第1の光制御部13に進入し、金属反射面37からなる放射状光反射部12のP33で反射してP34の位置に達する。このとき、図7のように観察者42の正面からずれたP34の位置に対応するセル60では、液晶シャッター58は動作せず、図6(A)のように透過状態となっているで、光L3は液晶シャッター58を通過(透過)して空中に出て行き立体像を結像する。
ここで、図6(B)のQ31で透明樹脂板55から透明樹脂54に、Q32で透明樹脂54から透明板材26に、図6(A)のS31で透明板材16から透明樹脂52に、図6(A)、(B)のQ33で透明樹脂52から透明樹脂板53に進入するが、前述のように、透明板材16、26、透明樹脂52、54の屈折率η1~η4及び透明樹脂板53、55の屈折率が略同じであるので、全反射や分光等の現象は起こらず、屈折の影響も極めて小さい。また、透明板材16、26の間に透明接着剤層56が存在するが、透明接着剤層56の厚さが薄く(例えば5~50μm)、透明接着剤層56の屈折率が透明板材16、26の屈折率η1、η2と略同じであることにより、透明接着剤層56を通過する際の屈折の影響は極めて小さく、全反射等の現象は起こらない。なお、P31、P34の位置でも屈折を起こすが、P31、P34の屈折は相殺する。
これに対し、図6(A)、(B)、図7の光L4はP41から第2の光制御部15に進入し、金属反射面38からなる同心円状光反射部14のP42で反射して第1の光制御部13に進入し、そのままP43の位置に達する。このように、同心円状光反射部14のみで1回反射した光L4が空中に出ると、結像することなく、ゴーストとして観察者42に観察される。そこで、図7のように観察者42の正面にあるP43の位置に対応するセル60を含む所定範囲(ハッチング部分)では、液晶シャッター58が動作し、図6(A)、(B)、図7のように遮蔽状態となっているで、光L4は液晶シャッター58で反射して空中に出ることはなく、ゴーストが低減(解消)される。
ここで、光L4は図6(B)のQ41で透明樹脂板55から透明樹脂54に、Q42で透明樹脂54から透明板材26に、図6(A)のS41で透明板材16から透明樹脂52に、図6(A)、(B)のQ43で透明樹脂52から透明樹脂板53に進入するが、前述のように、透明板材16、26、透明樹脂52、54の屈折率η1~η4及び透明樹脂板53、55の屈折率が略同じであるので、全反射や分光等の現象は起こらず、屈折の影響も極めて小さい。なお、P41の位置でも屈折を起こすが、最終的に液晶シャッター58で遮蔽されるので、空中での結像に影響することはない。
以上のように、立体像結像装置50では、同心円状光反射部14のみで1回反射した光が通過してゴーストを発生させる領域となる観察者42の正面の所定範囲を予め液晶シャッター58で遮蔽することにより、ゴーストを低減(解消)することができ、観察者42は鮮明な立体像を観察することが可能となる。なお、本参考例では、観察者42の正面の円周方向2列分のセル60を液晶シャッター58で遮蔽したが、液晶シャッター58で遮蔽する領域は、立体像結像装置50(結像手段51)の大きさ、放射状光反射部12及び同心円状光反射部14の配置間隔、立体像結像装置50から観察者42までの距離等に応じて、適宜、選択することができる。また、立体像結像装置50は上下反転させて(入光側と出光側を入れ替えて)も使用することができ、その場合は、液晶シャッター58側から結像手段51に入射する光の一部を液晶シャッター58で選択的に遮蔽することができる。さらに、本参考例では、結像手段51の一側に液晶シャッター58を配置したが、結像手段51の他側に液晶シャッター58を配置してもよい。
本発明は以上の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。
上記実施の形態及び参考例では、2枚の透明板材に別々に放射状光反射部(第1の垂直光反射部)及び同心円状光反射部(第2の垂直光反射部)を形成し、それぞれの溝を向かい合わせ又は背中合わせに配置して一体化した結像手段について説明したが、1枚の透明板材の両面(表裏)に放射状光反射部(第1の垂直光反射部)及び同心円状光反射部(第2の垂直光反射部)を形成した結像手段を用いることも可能である。
なお、結像手段の同心円状光反射部は、完全な円形だけでなく、多角形状に形成し、その各面が平面視して放射状光反射部と交差(直交)するようにしたものも含む。
また、上記実施の形態では、第1、第2の偏光子の反射軸(又は吸収軸)として、放射状反射軸(又は吸収軸)と同心円状反射軸(又は吸収軸)との組み合わせについて説明したが、第1、第2の偏光子の反射軸(又は吸収軸)は、平面視して直交していればよく、それぞれ直線状に形成された(平行配置された)反射軸(又は吸収軸)が格子状に重なるように配置してもよい。
さらに、上記実施の形態では、遮光手段として、結像手段の一側及び他側に第1、第2の偏光子を対向配置したが、ゴーストは、主に同心円状光反射部(第2の垂直光反射部)のみで光が1回反射(正反射)することにより発生するので、第1、第2の偏光子は、第2の垂直光反射部が形成される第2の光制御部を両面から挟むように対向配置してもよい。このとき、第1、第2の偏光子の組合せ及び配置は、上記実施の形態と同様に、適宜、選択することができる。
10:結像手段、12:放射状光反射部(第1の垂直光反射部)、13:第1の光制御部、14:同心円状光反射部(第2の垂直光反射部)、15:第2の光制御部、16:透明板材、17:垂直面、18:傾斜面、19:溝、20:凸条、23、24:微小平面部、26:透明板材、27:垂直面、28:傾斜面、29:溝、30:凸条、33、34:微小平面部、37、38:金属反射面、39:金属被膜、40a:第1の着色膜(光吸収膜)、40b:第2の着色膜(光吸収膜)、41:透明樹脂、42:観察者、43:立体像結像装置、44:第1の偏光子、45:第2の偏光子、46:遮光手段、50:立体像結像装置、51:結像手段、52:透明樹脂、53:透明樹脂板、54:透明樹脂、55:透明樹脂板、56:透明接着剤層、57:遮光手段、58:液晶シャッター、59:検出手段、60:セル

Claims (1)

  1. 平面視して環状又は環状の一部を用いた形状に形成される結像手段を用いた立体像結像装置であって、
    透明平板状に形成され、一側に基準点Xを中心にして放射状に配置された複数の第1の垂直光反射部を有し、他側に平面視して前記基準点Xに重なる基準点X1を中心にして前記第1の垂直光反射部と交差する同心円状に配置された複数の第2の垂直光反射部を有する前記結像手段と、該結像手段の一側及び他側に対向配置された第1、第2の偏光子を有する遮光手段とを備え、前記第1の偏光子を透過して前記第1及び第2の垂直光反射部でそれぞれ1回ずつ反射した光は、前記第2の偏光子を透過して空中に立体像を結像し、前記第1の偏光子を透過して前記第1又は第2の垂直光反射部のみで1回反射した光は、前記第2の偏光子で遮蔽され、かつ前記第2の偏光子を透過して前記第2及び第1の垂直光反射部でそれぞれ1回ずつ反射した光は、前記第1の偏光子を透過して空中に立体像を結像し、前記第2の偏光子を透過して前記第1又は第2の垂直光反射部のみで1回反射した光は、前記第1の偏光子で遮蔽されることを特徴とする立体像結像装置。
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