JP2022087142A - 遮光手段 - Google Patents
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Abstract
Description
この結像装置は、2枚の透明平板の内部に、この透明平板の厚み方向に渡って垂直に複数かつ帯状で、金属反射面(鏡面)からなる光反射面を一定のピッチで並べて形成した第1、第2の光制御パネルを有し、この第1、第2の光制御パネルのそれぞれの光反射面が平面視して直交するように、第1、第2の光制御パネルの一面側を向い合わせて密着させたものである。
このため、透明板に金属反射面を形成する作業において大型の蒸着炉を必要とし、しかも、1枚又は少数枚の透明板を蒸着炉に入れて脱気して高真空にした後、蒸着処理を行い、
大気圧に開放して蒸着した透明板を取り出すという作業を百回以上繰り返す必要があり、
極めて手間と時間のかかる作業であった。また、金属蒸着された透明板を積層して積層体を形成し、極めて薄い所定厚で切断する作業を行って、この積層体から第1、第2の光制御パネルを切り出し、更にこれら第1、第2の光制御パネルの切り出し面(両面)の研磨作業等を行う必要があるため、作業性や製造効率が悪かった。
また、第1、第2の光制御パネルの複数の金属反射面がそれぞれ直線状(平行)で、平面視して直交するように配置されているため、金属反射面の配置間隔(ピッチ)に制限を受け、視野角(結像範囲)も限られ、立体像の明るさや鮮明さにも限界があった。
更に、特許文献1には、断面直角三角形の溝を有する第1、第2の光制御パネルを透明樹脂から作り、第1、第2の光制御パネルをその光反射面(溝の垂直面)を直交させて向かい合わせて密着して光学結像装置を提供することも記載されているが、光反射面として全反射を利用するので、溝のアスペクト比も小さく、明るい結像を得ることが困難であるという問題があった。
透明平板状に形成され、一側に基準点Xを中心にして放射状に配置された複数の第1の垂直光反射部を有し、他側に平面視して前記基準点Xに重なる基準点X1を中心にして前記第1の垂直光反射部と交差する同心円状に配置された複数の第2の垂直光反射部を有する前記結像手段と、該結像手段の一側及び他側に対向配置された第1、第2の偏光子を有する遮光手段とを備え、前記第1の偏光子を透過して前記第1及び第2の垂直光反射部でそれぞれ1回ずつ反射した光は、前記第2の偏光子を透過して空中に立体像を結像し、前記第1の偏光子を透過して前記第1又は第2の垂直光反射部のみで1回反射した光は、前記第2の偏光子で遮蔽される。
また、結像手段は、基準点Xを中心にして放射状に配置される第1の垂直光反射部(以下、放射状光反射部ともいう)が直線状に形成されるのに対し、同心円状に配置される第2の垂直光反射部(以下、同心円状光反射部ともいう)は、基準点X1を中心とする同心円に沿って湾曲しているが、平面視して第1の垂直光反射部と第2の垂直光反射部が交差する点では、両者は直交している。よって、従来のように複数の直線状の帯状光反射面を平行に配置した第1、第2の光制御パネル(又は光制御部)を、それぞれの光反射面が平面視して直交した状態で、隙間を有して又は隙間なく重ね合わせた(又は一体化した)立体像結像装置と同様に、立体像を結像させることができる。
特に、溝の断面形状を直角三角形状や台形状に形成した場合、溝が開放側に広くなるので、押型又は脱型が容易となり、生産性に優れる。また、溝の断面形状が矩形状の場合、両側の垂直面を光反射部(以下、第1、第2の垂直光反射部をまとめて光反射部ともいう)とすることができる。
なお、放射状光反射部と同心円状光反射部の2種類の光反射部は、透明平板状に形成される結像手段の板厚方向の上下(一側と他側)に重ね合わされて配置されていればよい。
透明平板状に形成され、一側に基準点Xを中心にして放射状に配置された複数の第1の垂直光反射部を有し、他側に平面視して前記基準点Xに重なる基準点X1を中心にして前記第1の垂直光反射部と交差する同心円状に配置された複数の第2の垂直光反射部を有する前記結像手段と、該結像手段の一側及び他側に対向配置された第1、第2の偏光子を有する遮光手段とを備え、前記第2の偏光子を透過して前記第2及び第1の垂直光反射部でそれぞれ1回ずつ反射した光は、前記第1の偏光子を透過して空中に立体像を結像し、前記第2の偏光子を透過して前記第1又は第2の垂直光反射部のみで1回反射した光は、前記第1の偏光子で遮蔽される。
透明平板状に形成され、一側に基準点Xを中心にして放射状に配置された複数の第1の垂直光反射部を有し、他側に平面視して前記基準点Xに重なる基準点X1を中心にして前記第1の垂直光反射部と交差する同心円状に配置された複数の第2の垂直光反射部を有する前記結像手段と、該結像手段の一側又は他側に配置された液晶シャッターを有する遮光手段とを備え、前記遮光手段は、前記結像手段側から入射して該結像手段を通過した光の一部を前記液晶シャッターで選択的に遮蔽し、又は前記液晶シャッター側から前記結像手段に入射する光の一部を前記液晶シャッターで選択的に遮蔽する。
ここで、金属反射面(鏡面)を形成する方法として、溝の垂直面に直接、スパッタリング、金属蒸着、金属微小粒子の吹き付け、イオンビームの照射、金属ペーストの塗布等を行う以外に、スパッタリングや金属蒸着等で反射膜を形成した樹脂フィルムを溝の垂直面に貼り付けてもよい。なお、特に、断面三角形の溝の垂直面に直接、スパッタリング、金属蒸着、金属微小粒子の吹き付け、イオンビームの照射等を行う場合、溝の傾斜面は平面の他、断面が内側に窪む凹面、多角面(多角形の一部からなる)を含むことが好ましい。これにより、溝の傾斜面に金属反射面が形成されるのを極力防止できる。
ここで、一の透明樹脂の屈折率に対し、他の透明樹脂の屈折率は0.8~1.2倍(より好ましくは、0.9~1.1倍、さらに好ましくは、0.95~1.05倍)の範囲にあることが好ましい。
まず、本発明の第1の実施の形態に係る立体像結像装置に用いる結像手段10について説明する。図1(A)~(D)に示すように、結像手段10は、基準点Xを中心にして、放射状に複数の放射状光反射部(第1の垂直光反射部)12が配置され、平面視して環状に形成された第1の光制御部13と、平面視して基準点Xに重なる基準点X1を中心にして、同心円状に複数の同心円状光反射部(第2の垂直光反射部)14が配置され、平面視して環状に形成された第2の光制御部15とを有している。この結像手段10は、両表面が平坦な透明平板状となって、放射状光反射部12及び同心円状光反射部14以外の素材は、屈折率が同一又は近似する2種類以上の透明樹脂からなっている。そして、平面視して放射状光反射部12と同心円状光反射部14がそれぞれ交差する点で、放射状光反射部12と同心円状光反射部14が直交していることにより、物体からの光を放射状光反射部12と同心円状光反射部14で反射させて、物体の立体像を結像させるものである。
なお、結像手段10は平面視して環状に形成されているが、実際に立体像の結像に使用する領域は、例えば、図1(C)、(D)中の矩形状の二点鎖線で囲んだ部分であるので、製造段階では、まず、図1(A)~(D)に示すように環状に形成してから、環状の一部を結像手段として切り出すことができる(以下の実施の形態においても同じ)。よって、製造時の外形を大型化すれば複数の結像手段を切り出すことができ、生産性を向上できる。また、外形の直径を大きくすることにより、同心円状光反射部の曲率半径も大きくなり、湾曲による立体像の歪みを低減することができる。このとき、切り出される結像手段の外形形状は適宜、選択することができ、環状の一部の他、矩形状でも扇形でもよい。
ここで、各同心円状光反射部14は基準点X1を中心とする同心円に沿って湾曲しているので、図2(A)では、図1(B)のC-C’部の同心円状光反射部14に沿うD-D’断面を拡大して平面(直線)状に展開した正断面図として示す。また、図2(B)では、図1(B)のE-E’部の放射状光反射部12に沿うF-F’断面を拡大して90度回転させた側断面図として示す(以下、同じ)。
図2(A)に示すように、第1の光制御部13では、透明板材16の下面側(結像手段10の一側)に、基準点X(図1(C)参照)を中心にして、垂直面17と傾斜面18とを有する断面三角形の複数の溝19と、隣り合う溝19の間に形成される断面三角形の複数の凸条20がそれぞれ放射状に配置されており、溝19の底部(傾斜面18の下端と垂直面17の下端との間)、及び凸条20の頂部(傾斜面18の上端と垂直面17の上端との間)には、それぞれ微小平面部23、24が形成されている。
また、図2(B)に示すように、第2の光制御部15では、透明板材26の上面側(結像手段10の他側)に、基準点X1(図1(D)参照)を中心にして、垂直面27と傾斜面28とを有する断面三角形の複数の溝29と、隣り合う溝29の間に形成される断面三角形の複数の凸条30がそれぞれ同心円状に配置されており、溝29の底部(傾斜面28の下端と垂直面27の下端との間)、及び凸条30の頂部(傾斜面28の上端と垂直面27の上端との間)には、それぞれ微小平面部33、34が形成されている。
透明板材16、26の原料となる透明樹脂としては、シクロオレフィンポリマー、ポリメチルメタルクレート(アクリル系樹脂)、非晶質フッ素樹脂、PMMA、光学用ポリカーボネイト、フルオレン系ポリエステル、ポリエーテルスルホン等の熱可塑性樹脂を使用することができるが、特に融点、透明度の高いものが好適に用いられる。また、透明樹脂41としては、紫外線等を照射することにより硬化する光硬化型の他、熱硬化型や二液混合型の透明接着剤を用いることができるが、特に、屈折率η3を屈折率η1、η2に近づけるために、屈折率を調整した屈折率調整樹脂からなる光学用接着剤等が好適に用いられる。
なお、各溝の傾斜面が多角面、凹面、凹凸面等を有する場合、アンカー効果によって、傾斜面と、溝に充填される透明樹脂との密着性を高め、溝内を透明樹脂で隙間なく埋めて凹凸を解消することができる。その結果、傾斜面と透明樹脂との界面で乱反射(散乱)を発生させることなく光を通過させることができ、屈折も最小限に抑えて、明るく鮮明な立体像を得ることができる。
ここで、光L1は図2(B)のQ11で透明板材26から透明樹脂41に進入し、図2(A)、(B)のQ12を通過して、図2(A)のS11で透明樹脂41から出て透明板材16に進入するが、透明板材16、26の屈折率η1、η2と透明樹脂41の屈折率η3が略同じであるので、全反射や分光等の現象は起こらず、屈折の影響も極めて小さい。なお、P11、P14の位置でも屈折を起こすが、P11、P14の屈折は相殺する。また、放射状光反射部12及び同心円状光反射部14は表裏(図2(A)、(B)では左右)いずれの側も光反射部として機能する。
以上の光L1の動きを平面図で見ると、図4のように、同心円状光反射部14と放射状光反射部12でそれぞれ1回ずつ反射した光L1は空中で結像し、観察者42は立体像を観察することができる。
ここで、光L2は図2(B)のQ21で透明板材26から透明樹脂41に進入し、図2(A)、(B)のQ22を通過して、図2(A)のS21で透明樹脂41から出て透明板材16に進入するが、透明板材16、26の屈折率η1、η2と透明樹脂41の屈折率η3が略同じであるので、全反射や分光等の現象は起こらず、屈折の影響も極めて小さい。なお、P21、P23の位置でも屈折を起こすが、P21、P23の屈折は相殺する。
以上の光L2の動きを平面図で見ると、図4のように、同心円状光反射部14のみで1回反射した光L2は空中で結像することなく、ゴーストとして観察者42に観察される。
ここで、図4に示すように、例えば光L2が同心円状光反射部14のみ(P22)で1回反射する場合、入射光と反射光のなす角度θは小さく、反射前の光の振動方向(振動面)と反射後の光の振動方向は、ほとんど変化しない。したがって、図5(A)、(B)に示すように、第2の偏光子45を透過して同心円状光反射部14のみ(P22)で1回反射した光L2の振動方向は、第1の偏光子44の放射状反射軸とほぼ平行となるため、光L2はP23で反射され、第1の偏光子44を透過することなく遮蔽される。また、第2の偏光子45を透過して同心円状光反射部14及び放射状光反射部12でそれぞれ1回ずつ反射した光L1の振動方向は、第1の偏光子44の放射状反射軸とは平行でないため、第1の偏光子44を透過して空中で立体像を結像する。これにより、立体像結像装置43ではゴーストの少ない明るく鮮明な立体像を得ることが可能となる。なお、図5(A)、(B)では、第1、第2の偏光子44、45を透過する際の光の屈折は考慮していない。
まず、第2の実施の形態に係る立体像結像装置50に用いる結像手段51について説明する(図6(A)、(B)参照)。結像手段10では、溝19、29が向かい合わせに配置されていたのに対し、結像手段51では、溝19、29が背中合わせに配置されている。そして、溝19には透明樹脂(透明接着剤)52が充填され、表面が平坦な透明樹脂板53が積層されて接合されており、溝29には透明樹脂(透明接着剤)54が充填され、表面が平坦な透明樹脂板55が積層されて接合されている。また、第1、第2の光制御部13、15が形成される透明板材16、26は透明接着剤層56を介して接合され、一体化されている。
ここで、透明板材16、26の原料となる透明樹脂は第1の実施の形態と同様であり、透明樹脂52、54としては、第1の実施の形態における透明樹脂41と同様のものが好適に用いられる。そして、透明樹脂52、54の屈折率η3、η4は透明板材16、26の屈折率η1、η2の0.8~1.2倍(より好ましくは、0.9~1.1倍、さらに好ましくは、0.95~1.05倍)の範囲にあることが好ましい。また、透明樹脂板53、55の材質は、透明板材16、26と同一のものが好適に用いられるが、その屈折率が、透明板材16、26の屈折率η1、η2の0.8~1.2倍(より好ましくは、0.9~1.1倍、さらに好ましくは、0.95~1.05倍)の範囲にあるものであれば使用可能である。なお、硬化後の透明樹脂(透明接着剤)52、54の表面を切削や研磨等により平面化処理できる場合は、透明樹脂板53、55を省略できる。また、透明接着剤層56を形成する透明接着剤も透明樹脂(透明接着剤)52、54と同様に、透明板材16、26の屈折率η1、η2と略同じ屈折率を有する。
遮光手段57は、図6(A)、(B)、図7に示すように、結像手段51の一側に配置された液晶シャッター58と、図7に示すように、結像手段51の外周に沿って配置され、結像手段51で結像される立体像を観察する観察者42の位置を検出する複数の検出手段59を有する。液晶シャッター58の構造としては、従来公知のものを用いることができる。例えば代表的なTN型液晶シャッターは、分子の並び方が90度ねじれた液晶を2枚の偏光フィルタで挟んだものであり、電圧を印加していない状態では光を透過させ、電圧を印加した状態では光を遮蔽することができる。この液晶シャッター58では、図7の破線で示すセル60毎に選択的に電圧の印加の有無を切り替えて、選択した領域で光を遮蔽する。セル60毎に選択的に電圧の印加の有無を切り替えるためには、放射状光反射部12及び同心円状光反射部14に対応させて放射状に配置される第1の電極(図示せず)と、同心円状に配置される第2の電極(図示せず)を用いることが好ましいが、第1、第2の電極のそれぞれの間隔は、放射状光反射部12及び同心円状光反射部14のそれぞれの間隔と必ずしも等しい必要はない。また、第1の電極と第2の電極が交差する位置に選択的に電圧を印加することができればよく、駆動方式は、単純マトリックス駆動でもアクティブマトリックス駆動でもよい。
検出手段59としては、例えば人感センサが好適に用いられるが、これに限定されるものではなく、観察者42の位置を検出することができるものであればよい。図7に示すように、結像手段51の外周に沿って複数の検出手段59を配置することにより、観察者42の位置を検出し、検出した位置に応じて液晶シャッター58を動作させ、観察者42の正面の所定領域(ハッチング部分)を遮蔽するようになっている。なお、検出手段59の数や配置は、放射状光反射部12の間隔に応じて、適宜、選択することができる。
ここで、図6(B)のQ31で透明樹脂板55から透明樹脂54に、Q32で透明樹脂54から透明板材26に、図6(A)のS31で透明板材16から透明樹脂52に、図6(A)、(B)のQ33で透明樹脂52から透明樹脂板53に進入するが、前述のように、透明板材16、26、透明樹脂52、54の屈折率η1~η4及び透明樹脂板53、55の屈折率が略同じであるので、全反射や分光等の現象は起こらず、屈折の影響も極めて小さい。また、透明板材16、26の間に透明接着剤層56が存在するが、透明接着剤層56の厚さが薄く(例えば5~50μm)、透明接着剤層56の屈折率が透明板材16、26の屈折率η1、η2と略同じであることにより、透明接着剤層56を通過する際の屈折の影響は極めて小さく、全反射等の現象は起こらない。なお、P31、P34の位置でも屈折を起こすが、P31、P34の屈折は相殺する。
ここで、光L4は図6(B)のQ41で透明樹脂板55から透明樹脂54に、Q42で透明樹脂54から透明板材26に、図6(A)のS41で透明板材16から透明樹脂52に、図6(A)、(B)のQ43で透明樹脂52から透明樹脂板53に進入するが、前述のように、透明板材16、26、透明樹脂52、54の屈折率η1~η4及び透明樹脂板53、55の屈折率が略同じであるので、全反射や分光等の現象は起こらず、屈折の影響も極めて小さい。なお、P41の位置でも屈折を起こすが、最終的に液晶シャッター58で遮蔽されるので、空中での結像に影響することはない。
例えば、それぞれの実施の形態に係る結像手段と遮光手段を組み合わせた立体像結像装置にも本発明は適用される。
また、第1、第2の実施の形態では、2枚の透明板材に別々に放射状光反射部(第1の垂直光反射部)及び同心円状光反射部(第2の垂直光反射部)を形成し、それぞれの溝を向かい合わせ又は背中合わせに配置して一体化した結像手段について説明したが、1枚の透明板材の両面(表裏)に放射状光反射部(第1の垂直光反射部)及び同心円状光反射部(第2の垂直光反射部)を形成した結像手段を用いることも可能である。
なお、本発明の同心円状光反射部は、完全な円形だけでなく、多角形状に形成し、その各面が平面視して放射状光反射部と交差(直交)するようにしたものも含む。
また、第1の実施の形態では、第1、第2の偏光子の反射軸(又は吸収軸)として、放射状反射軸(又は吸収軸)と同心円状反射軸(又は吸収軸)との組み合わせについて説明したが、第1、第2の偏光子の反射軸(又は吸収軸)は、平面視して直交していればよく、それぞれ直線状に形成された(平行配置された)反射軸(又は吸収軸)が格子状に重なるように配置してもよい。
さらに、第1の実施の形態では、遮光手段として、結像手段の一側及び他側に第1、第2の偏光子を対向配置したが、ゴーストは、主に同心円状光反射部(第2の垂直光反射部)のみで光が1回反射(正反射)することにより発生するので、第1、第2の偏光子は、第2の垂直光反射部が形成される第2の光制御部を両面から挟むように対向配置してもよい。このとき、第1、第2の偏光子の組合せ及び配置は、第1の実施の形態と同様に、適宜、選択することができる。
この結像装置は、2枚の透明平板の内部に、この透明平板の厚み方向に渡って垂直に複数かつ帯状で、金属反射面(鏡面)からなる光反射面を一定のピッチで並べて形成した第1、第2の光制御パネルを有し、この第1、第2の光制御パネルのそれぞれの光反射面が平面視して直交するように、第1、第2の光制御パネルの一面側を向い合わせて密着させたものである。
このため、透明板に金属反射面を形成する作業において大型の蒸着炉を必要とし、しかも、1枚又は少数枚の透明板を蒸着炉に入れて脱気して高真空にした後、蒸着処理を行い、
大気圧に開放して蒸着した透明板を取り出すという作業を百回以上繰り返す必要があり、
極めて手間と時間のかかる作業であった。また、金属蒸着された透明板を積層して積層体を形成し、極めて薄い所定厚で切断する作業を行って、この積層体から第1、第2の光制御パネルを切り出し、更にこれら第1、第2の光制御パネルの切り出し面(両面)の研磨作業等を行う必要があるため、作業性や製造効率が悪かった。
また、第1、第2の光制御パネルの複数の金属反射面がそれぞれ直線状(平行)で、平面視して直交するように配置されているため、金属反射面の配置間隔(ピッチ)に制限を受け、視野角(結像範囲)も限られ、立体像の明るさや鮮明さにも限界があった。
更に、特許文献1には、断面直角三角形の溝を有する第1、第2の光制御パネルを透明樹脂から作り、第1、第2の光制御パネルをその光反射面(溝の垂直面)を直交させて向かい合わせて密着して光学結像装置を提供することも記載されているが、光反射面として全反射を利用するので、溝のアスペクト比も小さく、明るい結像を得ることが困難であるという問題があった。
前記結像手段の一側及び他側に対向配置される第1、第2の偏光子を有し、前記第1の偏光子を透過して前記第1又は第2の垂直光反射部のみで1回反射した光を前記第2の偏光子で遮蔽し、前記第2の偏光子を透過して前記第1又は第2の垂直光反射部のみで1回反射した光を前記第1の偏光子で遮蔽する。
また、結像手段は、基準点Xを中心にして放射状に配置される第1の垂直光反射部(以下、放射状光反射部ともいう)が直線状に形成されるのに対し、同心円状に配置される第2の垂直光反射部(以下、同心円状光反射部ともいう)は、基準点X1を中心とする同心円に沿って湾曲しているが、平面視して第1の垂直光反射部と第2の垂直光反射部が交差する点では、両者は直交している。よって、従来のように複数の直線状の帯状光反射面を平行に配置した第1、第2の光制御パネル(又は光制御部)を、それぞれの光反射面が平面視して直交した状態で、隙間を有して又は隙間なく重ね合わせた(又は一体化した)立体像結像装置と同様に、立体像を結像させることができる。
特に、溝の断面形状を直角三角形状や台形状に形成した場合、溝が開放側に広くなるので、押型又は脱型が容易となり、生産性に優れる。また、溝の断面形状が矩形状の場合、両側の垂直面を光反射部(以下、第1、第2の垂直光反射部をまとめて光反射部ともいう)とすることができる。
なお、放射状光反射部と同心円状光反射部の2種類の光反射部は、透明平板状に形成される結像手段の板厚方向の上下(一側と他側)に重ね合わされて配置されていればよい。
前記結像手段の前記第2の光制御部を両面から挟むように対向配置される第1、第2の偏光子を有し、前記第1の偏光子を透過して前記第1又は第2の垂直光反射部のみで1回反射した光を前記第2の偏光子で遮蔽し、前記第2の偏光子を透過して前記第1又は第2の垂直光反射部のみで1回反射した光を前記第1の偏光子で遮蔽する。
ここで、金属反射面(鏡面)を形成する方法として、溝の垂直面に直接、スパッタリング、金属蒸着、金属微小粒子の吹き付け、イオンビームの照射、金属ペーストの塗布等を行う以外に、スパッタリングや金属蒸着等で反射膜を形成した樹脂フィルムを溝の垂直面に貼り付けてもよい。なお、特に、断面三角形の溝の垂直面に直接、スパッタリング、金属蒸着、金属微小粒子の吹き付け、イオンビームの照射等を行う場合、溝の傾斜面は平面の他、断面が内側に窪む凹面、多角面(多角形の一部からなる)を含むことが好ましい。これにより、溝の傾斜面に金属反射面が形成されるのを極力防止できる。
ここで、一の透明樹脂の屈折率に対し、他の透明樹脂の屈折率は0.8~1.2倍(より好ましくは、0.9~1.1倍、さらに好ましくは、0.95~1.05倍)の範囲にあることが好ましい。
まず、本発明の一実施の形態に係る遮光手段が用いられる立体像結像装置の結像手段10について説明する。図1(A)~(D)に示すように、結像手段10は、基準点Xを中心にして、放射状に複数の放射状光反射部(第1の垂直光反射部)12が配置され、平面視して環状に形成された第1の光制御部13と、平面視して基準点Xに重なる基準点X1を中心にして、同心円状に複数の同心円状光反射部(第2の垂直光反射部)14が配置され、平面視して環状に形成された第2の光制御部15とを有している。この結像手段10は、両表面が平坦な透明平板状となって、放射状光反射部12及び同心円状光反射部14以外の素材は、屈折率が同一又は近似する2種類以上の透明樹脂からなっている。そして、平面視して放射状光反射部12と同心円状光反射部14がそれぞれ交差する点で、放射状光反射部12と同心円状光反射部14が直交していることにより、物体からの光を放射状光反射部12と同心円状光反射部14で反射させて、物体の立体像を結像させるものである。
なお、結像手段10は平面視して環状に形成されているが、実際に立体像の結像に使用する領域は、例えば、図1(C)、(D)中の矩形状の二点鎖線で囲んだ部分であるので、製造段階では、まず、図1(A)~(D)に示すように環状に形成してから、環状の一部を結像手段として切り出すことができる(以下の実施の形態においても同じ)。よって、製造時の外形を大型化すれば複数の結像手段を切り出すことができ、生産性を向上できる。また、外形の直径を大きくすることにより、同心円状光反射部の曲率半径も大きくなり、湾曲による立体像の歪みを低減することができる。このとき、切り出される結像手段の外形形状は適宜、選択することができ、環状の一部の他、矩形状でも扇形でもよい。
ここで、各同心円状光反射部14は基準点X1を中心とする同心円に沿って湾曲しているので、図2(A)では、図1(B)のC-C’部の同心円状光反射部14に沿うD-D’断面を拡大して平面(直線)状に展開した正断面図として示す。また、図2(B)では、図1(B)のE-E’部の放射状光反射部12に沿うF-F’断面を拡大して90度回転させた側断面図として示す(以下、同じ)。
図2(A)に示すように、第1の光制御部13では、透明板材16の下面側(結像手段10の一側)に、基準点X(図1(C)参照)を中心にして、垂直面17と傾斜面18とを有する断面三角形の複数の溝19と、隣り合う溝19の間に形成される断面三角形の複数の凸条20がそれぞれ放射状に配置されており、溝19の底部(傾斜面18の下端と垂直面17の下端との間)、及び凸条20の頂部(傾斜面18の上端と垂直面17の上端との間)には、それぞれ微小平面部23、24が形成されている。
また、図2(B)に示すように、第2の光制御部15では、透明板材26の上面側(結像手段10の他側)に、基準点X1(図1(D)参照)を中心にして、垂直面27と傾斜面28とを有する断面三角形の複数の溝29と、隣り合う溝29の間に形成される断面三角形の複数の凸条30がそれぞれ同心円状に配置されており、溝29の底部(傾斜面28の下端と垂直面27の下端との間)、及び凸条30の頂部(傾斜面28の上端と垂直面27の上端との間)には、それぞれ微小平面部33、34が形成されている。
透明板材16、26の原料となる透明樹脂としては、シクロオレフィンポリマー、ポリメチルメタルクレート(アクリル系樹脂)、非晶質フッ素樹脂、PMMA、光学用ポリカーボネイト、フルオレン系ポリエステル、ポリエーテルスルホン等の熱可塑性樹脂を使用することができるが、特に融点、透明度の高いものが好適に用いられる。また、透明樹脂41としては、紫外線等を照射することにより硬化する光硬化型の他、熱硬化型や二液混合型の透明接着剤を用いることができるが、特に、屈折率η3を屈折率η1、η2に近づけるために、屈折率を調整した屈折率調整樹脂からなる光学用接着剤等が好適に用いられる。
なお、各溝の傾斜面が多角面、凹面、凹凸面等を有する場合、アンカー効果によって、傾斜面と、溝に充填される透明樹脂との密着性を高め、溝内を透明樹脂で隙間なく埋めて凹凸を解消することができる。その結果、傾斜面と透明樹脂との界面で乱反射(散乱)を発生させることなく光を通過させることができ、屈折も最小限に抑えて、明るく鮮明な立体像を得ることができる。
ここで、光L1は図2(B)のQ11で透明板材26から透明樹脂41に進入し、図2(A)、(B)のQ12を通過して、図2(A)のS11で透明樹脂41から出て透明板材16に進入するが、透明板材16、26の屈折率η1、η2と透明樹脂41の屈折率η3が略同じであるので、全反射や分光等の現象は起こらず、屈折の影響も極めて小さい。なお、P11、P14の位置でも屈折を起こすが、P11、P14の屈折は相殺する。また、放射状光反射部12及び同心円状光反射部14は表裏(図2(A)、(B)では左右)いずれの側も光反射部として機能する。
以上の光L1の動きを平面図で見ると、図4のように、同心円状光反射部14と放射状光反射部12でそれぞれ1回ずつ反射した光L1は空中で結像し、観察者42は立体像を観察することができる。
ここで、光L2は図2(B)のQ21で透明板材26から透明樹脂41に進入し、図2(A)、(B)のQ22を通過して、図2(A)のS21で透明樹脂41から出て透明板材16に進入するが、透明板材16、26の屈折率η1、η2と透明樹脂41の屈折率η3が略同じであるので、全反射や分光等の現象は起こらず、屈折の影響も極めて小さい。なお、P21、P23の位置でも屈折を起こすが、P21、P23の屈折は相殺する。
以上の光L2の動きを平面図で見ると、図4のように、同心円状光反射部14のみで1回反射した光L2は空中で結像することなく、ゴーストとして観察者42に観察される。
ここで、図4に示すように、例えば光L2が同心円状光反射部14のみ(P22)で1回反射する場合、入射光と反射光のなす角度θは小さく、反射前の光の振動方向(振動面)と反射後の光の振動方向は、ほとんど変化しない。したがって、図5(A)、(B)に示すように、第2の偏光子45を透過して同心円状光反射部14のみ(P22)で1回反射した光L2の振動方向は、第1の偏光子44の放射状反射軸とほぼ平行となるため、光L2はP23で反射され、第1の偏光子44を透過することなく遮蔽される。また、第2の偏光子45を透過して同心円状光反射部14及び放射状光反射部12でそれぞれ1回ずつ反射した光L1の振動方向は、第1の偏光子44の放射状反射軸とは平行でないため、第1の偏光子44を透過して空中で立体像を結像する。これにより、立体像結像装置43ではゴーストの少ない明るく鮮明な立体像を得ることが可能となる。なお、図5(A)、(B)では、第1、第2の偏光子44、45を透過する際の光の屈折は考慮していない。
まず、参考例に係る立体像結像装置50に用いる結像手段51について説明する(図6(A)、(B)参照)。結像手段10では、溝19、29が向かい合わせに配置されていたのに対し、結像手段51では、溝19、29が背中合わせに配置されている。そして、溝19には透明樹脂(透明接着剤)52が充填され、表面が平坦な透明樹脂板53が積層されて接合されており、溝29には透明樹脂(透明接着剤)54が充填され、表面が平坦な透明樹脂板55が積層されて接合されている。また、第1、第2の光制御部13、15が形成される透明板材16、26は透明接着剤層56を介して接合され、一体化されている。
ここで、透明板材16、26の原料となる透明樹脂は上記実施の形態と同様であり、透明樹脂52、54としては、上記実施の形態における透明樹脂41と同様のものが好適に用いられる。そして、透明樹脂52、54の屈折率η3、η4は透明板材16、26の屈折率η1、η2の0.8~1.2倍(より好ましくは、0.9~1.1倍、さらに好ましくは、0.95~1.05倍)の範囲にあることが好ましい。また、透明樹脂板53、55の材質は、透明板材16、26と同一のものが好適に用いられるが、その屈折率が、透明板材16、26の屈折率η1、η2の0.8~1.2倍(より好ましくは、0.9~1.1倍、さらに好ましくは、0.95~1.05倍)の範囲にあるものであれば使用可能である。なお、硬化後の透明樹脂(透明接着剤)52、54の表面を切削や研磨等により平面化処理できる場合は、透明樹脂板53、55を省略できる。また、透明接着剤層56を形成する透明接着剤も透明樹脂(透明接着剤)52、54と同様に、透明板材16、26の屈折率η1、η2と略同じ屈折率を有する。
遮光手段57は、図6(A)、(B)、図7に示すように、結像手段51の一側に配置された液晶シャッター58と、図7に示すように、結像手段51の外周に沿って配置され、結像手段51で結像される立体像を観察する観察者42の位置を検出する複数の検出手段59を有する。液晶シャッター58の構造としては、従来公知のものを用いることができる。例えば代表的なTN型液晶シャッターは、分子の並び方が90度ねじれた液晶を2枚の偏光フィルタで挟んだものであり、電圧を印加していない状態では光を透過させ、電圧を印加した状態では光を遮蔽することができる。この液晶シャッター58では、図7の破線で示すセル60毎に選択的に電圧の印加の有無を切り替えて、選択した領域で光を遮蔽する。セル60毎に選択的に電圧の印加の有無を切り替えるためには、放射状光反射部12及び同心円状光反射部14に対応させて放射状に配置される第1の電極(図示せず)と、同心円状に配置される第2の電極(図示せず)を用いることが好ましいが、第1、第2の電極のそれぞれの間隔は、放射状光反射部12及び同心円状光反射部14のそれぞれの間隔と必ずしも等しい必要はない。また、第1の電極と第2の電極が交差する位置に選択的に電圧を印加することができればよく、駆動方式は、単純マトリックス駆動でもアクティブマトリックス駆動でもよい。
検出手段59としては、例えば人感センサが好適に用いられるが、これに限定されるものではなく、観察者42の位置を検出することができるものであればよい。図7に示すように、結像手段51の外周に沿って複数の検出手段59を配置することにより、観察者42の位置を検出し、検出した位置に応じて液晶シャッター58を動作させ、観察者42の正面の所定領域(ハッチング部分)を遮蔽するようになっている。なお、検出手段59の数や配置は、放射状光反射部12の間隔に応じて、適宜、選択することができる。
ここで、図6(B)のQ31で透明樹脂板55から透明樹脂54に、Q32で透明樹脂54から透明板材26に、図6(A)のS31で透明板材16から透明樹脂52に、図6(A)、(B)のQ33で透明樹脂52から透明樹脂板53に進入するが、前述のように、透明板材16、26、透明樹脂52、54の屈折率η1~η4及び透明樹脂板53、55の屈折率が略同じであるので、全反射や分光等の現象は起こらず、屈折の影響も極めて小さい。また、透明板材16、26の間に透明接着剤層56が存在するが、透明接着剤層56の厚さが薄く(例えば5~50μm)、透明接着剤層56の屈折率が透明板材16、26の屈折率η1、η2と略同じであることにより、透明接着剤層56を通過する際の屈折の影響は極めて小さく、全反射等の現象は起こらない。なお、P31、P34の位置でも屈折を起こすが、P31、P34の屈折は相殺する。
ここで、光L4は図6(B)のQ41で透明樹脂板55から透明樹脂54に、Q42で透明樹脂54から透明板材26に、図6(A)のS41で透明板材16から透明樹脂52に、図6(A)、(B)のQ43で透明樹脂52から透明樹脂板53に進入するが、前述のように、透明板材16、26、透明樹脂52、54の屈折率η1~η4及び透明樹脂板53、55の屈折率が略同じであるので、全反射や分光等の現象は起こらず、屈折の影響も極めて小さい。なお、P41の位置でも屈折を起こすが、最終的に液晶シャッター58で遮蔽されるので、空中での結像に影響することはない。
上記実施の形態及び参考例では、2枚の透明板材に別々に放射状光反射部(第1の垂直光反射部)及び同心円状光反射部(第2の垂直光反射部)を形成し、それぞれの溝を向かい合わせ又は背中合わせに配置して一体化した結像手段について説明したが、1枚の透明板材の両面(表裏)に放射状光反射部(第1の垂直光反射部)及び同心円状光反射部(第2の垂直光反射部)を形成した結像手段を用いることも可能である。
なお、結像手段の同心円状光反射部は、完全な円形だけでなく、多角形状に形成し、その各面が平面視して放射状光反射部と交差(直交)するようにしたものも含む。
また、上記実施の形態では、第1、第2の偏光子の反射軸(又は吸収軸)として、放射状反射軸(又は吸収軸)と同心円状反射軸(又は吸収軸)との組み合わせについて説明したが、第1、第2の偏光子の反射軸(又は吸収軸)は、平面視して直交していればよく、それぞれ直線状に形成された(平行配置された)反射軸(又は吸収軸)が格子状に重なるように配置してもよい。
さらに、上記実施の形態では、遮光手段として、結像手段の一側及び他側に第1、第2の偏光子を対向配置したが、ゴーストは、主に同心円状光反射部(第2の垂直光反射部)のみで光が1回反射(正反射)することにより発生するので、第1、第2の偏光子は、第2の垂直光反射部が形成される第2の光制御部を両面から挟むように対向配置してもよい。このとき、第1、第2の偏光子の組合せ及び配置は、上記実施の形態と同様に、適宜、選択することができる。
Claims (1)
- 平面視して環状又は環状の一部を用いた形状に形成される結像手段を用いた立体像結像装置であって、
透明平板状に形成され、一側に基準点Xを中心にして放射状に配置された複数の第1の垂直光反射部を有し、他側に平面視して前記基準点Xに重なる基準点X1を中心にして前記第1の垂直光反射部と交差する同心円状に配置された複数の第2の垂直光反射部を有する前記結像手段と、該結像手段の一側及び他側に対向配置された第1、第2の偏光子を有する遮光手段とを備え、前記第1の偏光子を透過して前記第1及び第2の垂直光反射部でそれぞれ1回ずつ反射した光は、前記第2の偏光子を透過して空中に立体像を結像し、前記第1の偏光子を透過して前記第1又は第2の垂直光反射部のみで1回反射した光は、前記第2の偏光子で遮蔽され、かつ前記第2の偏光子を透過して前記第2及び第1の垂直光反射部でそれぞれ1回ずつ反射した光は、前記第1の偏光子を透過して空中に立体像を結像し、前記第2の偏光子を透過して前記第1又は第2の垂直光反射部のみで1回反射した光は、前記第1の偏光子で遮蔽されることを特徴とする立体像結像装置。
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