JPWO2018230729A1 - 指構造体、把持装置、ロボットハンド、及び産業用ロボット - Google Patents

指構造体、把持装置、ロボットハンド、及び産業用ロボット Download PDF

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Abstract

構造が簡単であり、汎用性に優れる指構造体、把持装置、ロボットハンド、及び産業用ロボットを提供する。第1の指節部60と第2の指節部62とが列状に並べて設けられた指本体52と、第1の指節部60及び第2の指節部62の対面する端部同士を所定の間隔をあけて連結する、端部の面方向の一側に配置された連結部54と、端部同士の間を密閉する、弾性変形可能な皮膜としての指部34と、指本体52の基端側に設けられた第1の指節部60を介して、端部と指部34内面で囲まれた関節室64へ通じる流路56と、を備えることを特徴とする。

Description

本発明は、指構造体、把持装置、ロボットハンド、及び産業用ロボットに関するものである。
複数の指部でワークを把持する把持装置は、工場で製品を生産するための産業用ロボットのハンドとして利用される他、家庭やオフィス、病院等の様々な作業環境において人間の作業を支援するロボットに利用されている。このように様々な用途に用いられる把持装置には、多種多様なワークを器用に把持する汎用性が求められている。
例えば、特許文献1には、屈曲自在な指部が複数設けられた把持装置が記載されている。この指部は、複数の骨材が列状に配置されており、骨材同士の間隔を変えるための空気圧アクチュエータが骨材の表面の一側に設けられ、骨材の表面の他側が連結部材で連結されている。各指部は、骨材の他側の表面を互いに向き合わせた状態で、基端が固定部に固定される。各指部は、空気圧アクチュエータが伸長することにより、上記他側へ向かって閉じるように折り曲げられる。
特許文献2に記載の把持装置は、板状の骨材と、この骨材の表面の一側に積層された配管部材と、さらにその上に積層された屈曲変形部材とを有する複数の指部を備えている。骨材は、列状に配置された複数の骨材本体部と、骨材本体部同士を連結するヒンジ部とにより形成される。配管部材は、空圧駆動源に連結された配管を有する。屈曲変形部材は、配管部材と協同して空圧動作室を形成する。空圧動作室は、配管を介して空圧駆動源から圧縮空気が流入することにより膨張する。上記のように構成された指部は、空圧動作室が膨張することにより、他側へ向かってヒンジ部で屈曲する。
国際公開第2004/000508号 国際公開第2005/000538号
しかしながら、特許文献1,2に記載される把持装置は、一定の汎用性はあるものの、部品点数が多く、構造が非常に複雑であるため、これらの複雑さが導入を困難にする要因となっている。
本発明は、構造が簡単であり、汎用性に優れる指構造体、把持装置、ロボットハンド、及び産業用ロボットを提供することを目的とする。
本発明に係る指構造体は、列状に配置された複数の指節部を有する指本体と、複数の前記指節部のうち対面する端部同士を所定の間隔をあけて連結する、前記端部の面方向の一側に配置された連結部と、前記端部同士の間を密閉する、弾性変形可能な皮膜と、前記指本体の基端側に設けられた前記指節部を介して、前記端部と前記皮膜内面で囲まれた関節室へ通じる流路と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る把持装置は、掌部と、前記掌部の周囲に突出して設けられた複数の指部とを有する把持本体と、前記指部内に設けられ、列状に配置された複数の指節部を有する指本体と、複数の前記指節部のうち対面する端部同士を所定の間隔をあけて連結する、前記端部の面方向の一側に配置された連結部と、前記指部の基端側に設けられた前記指節部を介して、前記端部と前記指部内面で囲まれた関節室へ通じる流路と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る産業用ロボットは、上記把持装置を設けたことを特徴とする。
本発明に係るロボットハンドは、掌部と、前記掌部を厚さ方向に変形させることにより前記掌部に向かって倒れる構造体を着脱自在とし、前記掌部の周囲に設けられた複数の着脱部材と、前記着脱部材が形成された側と反対側の、前記掌部の外縁を囲む位置に形成され、ケースに接続される接続部と、前記掌部と前記接続部の間に設けられ、前記掌部の外縁から当該掌部の厚さ方向に所定の長さを有し、前記掌部より変形しにくい高強度部とを備える。
本発明の指構造体、把持装置、及び産業用ロボットによれば、複数の指節部の対面する端部を囲む関節室の圧力を増減することにより指本体が屈曲するので、構造が簡単であり、汎用性に優れる。
本発明のロボットハンドによれば、掌部を厚さ方向に変形させることによって把持動作をすることができ、また、構造体を着脱することができるので、構造が簡単であり、汎用性に優れる。
第1実施形態の把持装置を適用した産業用ロボットの例を示す模式図である。 把持装置の構成を示す斜視図である。 把持装置及び指構造体の構成を示す部分端面図である。 把持装置の使用状態を示す部分端面図である。 把持装置の使用状態を示す斜視図である。 指部の硬度を60とした指構造体の変形量のシミュレーション結果を示すグラフである。 指部の硬度を90とした指構造体の変形量のシミュレーション結果を示すグラフである。 指構造体の変形例を示す縦断面図であり、連結部の連結部分が幅広に形成された場合である。 指構造体の変形例を示す縦断面図であり、指節部の端部に傾斜面と曲面とが形成された場合である。 指構造体の変形例を示す縦断面図であり、第1の指節部の傾斜面と第2の指節部の傾斜面とが非対称の場合である。 指構造体の変形例を示す縦断面図であり、複数箇所で屈曲する場合である。 複数箇所で屈曲する指構造体の屈曲状態を示す縦断面図である。 指構造体の変形例を示す縦断面図であり、複数方向に屈曲する場合である。 複数方向に屈曲する指構造体の屈曲状態を示す縦断面図である。 指構造体の変形例を示す縦断面図であり、指部とは別途に皮膜を備える場合である。 指部とは別途に皮膜を備えた指構造体の屈曲状態を示す縦断面図である。 第2実施形態の把持装置の例を示す模式図である。 複数の継手部材を組み合わせて形成される指部支持体を示す断面図である。 第3実施形態のロボットハンドの例を示す模式図である。 図20Aは変形例(1)の指部、図20Bは変形例(2)の指部、図20Cは変形例(3)の指部を示す模式図である。 第3実施形態の変形例(1)に係るロボットハンドの例を示す模式図である。 第3実施形態の変形例(2)に係るロボットハンドの例を示す模式図である。
[第1実施形態]
以下、図面を参照して本発明の第1実施形態について詳細に説明する。
(全体構成)
図1に、本実施形態に係る把持装置10を適用した産業用ロボット12の構成を示す。産業用ロボット12は、直交ロボットであって、レール14と、レール14に沿って移動する移動体16と、移動体16に固定されたエアシリンダ18とを備える。レール14は、図中Y軸方向に移動可能に設けられている。
エアシリンダ18は、シリンダーチューブ19と、シリンダーチューブ19に対し進退可能に設けられたピストンロッド20とを有する。シリンダーチューブ19には、エアシリンダ用配管21、22が設けられている。当該エアシリンダ用配管21、22を通じて気体が給排気されることにより、ピストンロッド20がシリンダーチューブ19に対し進退可能となっている。ピストンロッド20の先端に把持装置10が取り付けられている。
産業用ロボット12は、水平な基台23上に置かれたワークWを、把持装置10で把持すると共に、X軸、Y軸、及びZ軸方向に移動することができる。
把持装置10は、ピストンロッド20に連結されたケース30と、ケース30に固定された把持本体32とを備える。ケース30側が上側(図中Z方向側)であり、把持本体32側が下側(図中Z方向とは反対側)である。把持装置10の詳細は別の図面を用いて後述する。
ケース30には、把持本体32の内部と通じる外部配管24、25が接続されている。外部配管24は、図示しないが例えば切換弁を介して、加圧ポンプと三方弁に接続されている。外部配管25は、図示しないが例えば三方弁に接続されている。外部配管24に接続される三方弁と外部配管25に接続される三方弁は別個のものである。各三方弁は、真空ポート、給排気ポート、大気解放ポートを有し(いずれも図示なし)、真空ポートが真空ポンプに、給排気ポートが把持装置10に、大気解放ポートが外部に接続される。加圧ポンプ、真空ポンプ、三方弁、及び切換弁は、図示しないが例えばコントローラと電気的に接続しており、このコントローラにより制御される。外部配管24内に気体が流通することにより後述する掌部33が変形し、外部配管25内に気体が流通することにより後述する複数の指部34が変形する。本実施形態では、複数の指部34をそれぞれ個別に変形させるために、指部34ごとに外部配管25が設けられている。図1においては、図面簡略化のために1つの外部配管25のみ図示し、その他の外部配管25は図示を省略している。
把持本体32は、ケース30の下方に設けられている。把持本体32は、気密性と弾性とを有する材料で形成されている。把持本体32は、復元力を有する材料で形成されることが好ましい。把持本体32の材料としては、例えば、天然ゴムや合成ゴムなどが用いられる。把持本体32の硬度は、用途に応じて適宜設計してよい。把持本体32の硬度は、日本工業規格JIS K6253に準拠し、タイプAデュロメーターで測定される。把持本体32の硬度は60〜90程度であるのが好ましく、本実施形態では、把持本体32の硬度は60である。
図2に示すように、把持本体32は、掌部33と、掌部33の周囲に突出して設けられた複数の指部34とを有する。掌部33は、円盤状をなしている。指部34は、柱状をなしている。指部34は、掌部33と一体に形成されている。指部34同士の間には、所定の間隔が設けられている。本実施形態では、5つの指部34が設けられている。指部34の外形形状は、適宜選択することができ、例えば、円柱、三角柱、四角柱、円錐、三角錐、四角錐、円錐台、四角錐台、板状などでもよい。各指部34の外径形状は、全て同一でもよいし、一部または全てが異なってもよい。
把持装置10について、図3を参照しながら具体的に説明する。図3は、説明の都合上、指部34が上下方向に伸びた状態で作図している。把持本体32は、上側が開口した袋状をしており、この開口がケース30により塞がれている。把持本体32の厚みは、本実施形態では1mmとしているが、適宜設計してよい。
ケース30は、ピストンロッド20に連結されており、支持体38と一体化されている。図3に示すケース30は一例であり、ケースの構成はこれに限られず、適宜設計してよい。
ケース30は、ケース本体36と、支持体38とを有する。ケース本体36は、円盤状であって、外部配管24が接続される第1の継手部42と、外部配管25が接続される第2の継手部43とを有する。第1の継手部42と第2の継手部43は、ケース本体36に形成された複数の貫通穴(図示なし)にそれぞれ設けられる。第1の継手部42は、一端が外部配管24を介して把持本体32の外部に通じ、他端が把持本体32の内部に通じている。
第2の継手部43は、一端が外部配管25を介して把持本体32の外部に通じ、他端が後述の内部配管66に接続される。本実施形態では、図示しないが、上記第1の継手部42と、5つの第2の継手部43とがピストンロッド20を囲むように設けられている。
支持体38は、把持本体32を支持する支持部38aと、支持部38aの上端に設けられたフランジ部38bと、支持部38aの下端に設けられた円盤部38cとを有する。本実施形態では、支持体38は、支持部38aとフランジ部38bと円盤部38cが一体に形成されたものである。支持体38は、別体で作られた支持部38aとフランジ部38bと円盤部38cを、接着剤などを用いて接着することにより形成してもよい。支持体38は、加圧または減圧により変形しない程度の硬質な材料で形成される。支持体38の材料としては、例えば硬質な樹脂や金属などが用いられる。
支持部38aは、把持本体32内に収容され、外周面で把持本体32を支持する。支持部38aに対する把持本体32の取り付け方法としては、例えば、支持部38aの外周面の周方向全域に接着剤を塗布し、この接着剤を介して、把持本体32を支持部38aに接着させる方法が用いられる。これにより、把持本体32の支持部38aからの脱落と、支持部38aの外周面と把持本体32の内面の間での気体の流通とが防止される。支持部38aの外径を把持本体32の開口径よりも若干大きくし、把持本体32の弾性を利用して、支持部38aの外周面と把持本体32の内面が密着するように取り付けてもよい。支持部38aの形状は、本実施形態では円筒状であるが、これに限られず適宜設計してよい。上記把持本体32の弾性を利用した取り付け方法を用いる場合は、支持部38aが円筒状に形成されていることが好ましい。
フランジ部38bは、支持部38aの径方向の外側に向けて突出しており、図示しないパッキンを介してケース本体36の下面に、図示しない締結手段、例えばねじを用いて固定される。
円盤部38cの中央には開口部41が形成されている。開口部41は、支持部38aと把持本体32の間で気体を流通させるためのものである。開口部41には、後述の内部配管66が通される。開口部41を形成する位置は、円盤部38cの中央に限られず適宜設計してよい。
ケース30の下方には、掌部33の外周面の形状を保持する高強度部としての形状保持部46が設けられている。形状保持部46は、円盤部38cと掌部33の間に形成された内部空間44に配置されている。この形状保持部46により、掌部33の厚み方向(図3における上下方向)への変形が許容され、かつ、掌部33の厚み方向と直交する方向への変形が規制される。形状保持部46は、加圧または減圧により変形しない程度に硬質な材料で形成される。形状保持部46の材料としては、例えば硬質な樹脂や金属などが用いられる。形状保持部46の材料としては、必ずしも一種の材料である必要はなく、異種材料を組み合わせた複合材料でもよい。
形状保持部46は、上方に変形した掌部33を受け入れるガイド穴48と、掌部33の外周面を保持する保持面49とを有する円筒状部材である。ガイド穴48は、掌部33に対応する、形状保持部46の中央に設けられる。ガイド穴48の大きさは、適宜設計してよいが、掌部33と略同じ大きさであることが好ましい。ガイド穴48の形状は、円形状や多角形状など適宜選択することができ、この例では円形状としている。保持面49は、形状保持部46の外周面である。保持面49は、掌部33の外周面を保持できる大きさに形成される。保持面49は、形状保持部46が軸方向の先端に向けて先細りとなるように、外側に向かって凸状に湾曲している。形状保持部46の先端は、後述する第1の指節部60の基端部60bと接触する。形状保持部46の先端には、当該先端における欠けなどの破損や指本体52への負荷を抑制するために、例えば面取り加工により曲面が形成されている。面取り加工は、形状保持部46の先端を削り、角面や丸面とする加工が適用できる。
形状保持部46は、同心円状に配置された複数のリング体を有する。複数のリング体は、軸方向に移動可能、かつ、着脱自在である。複数のリング体のうち、最も内側に配置されたリング体の穴がガイド穴48である。形状保持部46は、複数のリング体を適宜組み合わせることにより、ガイド穴48の大きさや、外形の大きさを変更することができる。したがって、リング体を適宜選択することにより、把持本体32の外周面の大きさや掌部33の大きさを、目的とする大きさに調整することができる。本実施形態では、形状保持部46は、2個のリング体46a,46bを有し、リング体46aがリング体46bよりも内側に配置されている。図3ではリング体46aの先端に曲面が形成されているが、これに加え、リング体46bの先端に曲面を形成してもよい。
把持装置10は、屈曲自在な指構造体50Aを備える。指構造体50Aは、複数の指節部が列状に並べて設けられた指本体52と、複数の指節部のうち対面する端部の面方向の一側に設けられた連結部54と、上記端部同士の間を密閉する指部34と、基端側の指節部に設けられた流路56とを有する。上記指部34は、本実施形態では弾性変形可能な皮膜として機能する。本実施形態の場合、指構造体50Aは、指部34の数に合わせて5つ設けられており、これらは全て同一の構成である。以下、1つの指構造体50Aのみについて説明し、他の4つの指構造体50Aについては説明を省略する。
指本体52は、指部34内に収容され、先端及び外周が指部34の内面により覆われている。指本体52は、把持本体32よりも硬質な材料により形成される。指本体52の材料としては、例えば樹脂やゴムなどが用いられる。指本体52の材料は、一種の材料でもよいし、異種材料を組み合わせた複合材料でもよい。
指本体52は、複数の指節部として、基端から先端に向かって、第1の指節部60と第2の指節部62とを順に有する。図3において、上側(Z方向側)が指本体52の基端であり、下側(Z方向とは反対側)が指本体52の先端である。したがって、第1の指節部60の先端部60aと第2の指節部62の基端部62aは対面している。先端部60aと基端部62aの間には所定の間隔が設けられている。本実施形態の指節部は柱状をなしている。指節部の外形形状は、適宜設計することができ、例えば、円柱、三角柱、四角柱、円錐、三角錐、四角錐、円錐台、四角錐台、板状などでもよい。第1の指節部60の基端部60bの形状は、例えば曲面形状や平面形状など適宜設計することができ、本実施形態では保持面49の湾曲に合わせた曲面形状としている。第1の指節部60の基端部60bは、保持面49と把持本体32の内面の間に設けられ、保持面49と面接触する。このため、保持面49と把持本体32の内面の間には空間が生じない。
先端部60aと基端部62aの間の間隔は、端部の面方向の一側よりも他側の方が大きい。「端部の面方向」は、先端部60aの面方向または基端部62aの面方向である。「一側」は、掌部33に対し外側である。「他側」は、掌部33に対し内側である。図3に示す指構造体50Aにおいては、この指構造体50Aの幅方向である紙面左右方向の左側が一側であり、右側が他側である。
先端部60aと基端部62aとの一方または両方の端部は、指構造体50Aの幅方向に対して傾斜している。すなわち、先端部60aと基端部62aの間の間隔は、他側に向かうほど徐々に大きくなっている。本実施形態では、先端部60aと基端部62aの両方が傾斜している。先端部60aと基端部62aは、後述の連結部54の中央を通り、かつ、指構造体50Aの幅方向に平行な直線Lに対し、対称に傾斜している。指部34が上下方向に伸びた状態において、先端部60aと基端部62aとのなす角θは、ワークWの大きさや用途に応じて適宜設計してよい。本実施形態の場合、角θは90度である。
指本体52は、第1の指節部60の外周面と指部34の内面が密着した状態で、指部34内に収容されることが好ましい。例えば、第1の指節部60の外周を指部34の内周よりも若干大きくし、指部34の弾性を利用して、第1の指節部60の外周面と指部34の内面が密着するように取り付けてもよい。指本体52の位置ずれ防止の観点では、第2の指節部62の外周面と指部34の内面も密着させることがより好ましい。
連結部54は、指本体52を掌部33の内側へ屈曲させるために、掌部33に対し、より外側、すなわち一側に配置されている。連結部54は、先端部60aと基端部62aを所定の間隔をあけて連結する。
連結部54は、本実施形態では第1の指節部60及び第2の指節部62と一体に形成されている。指構造体50Aの幅方向における連結部54の長さは、指構造体50Aが屈曲可能な程度の長さであることが好ましい。指構造体50Aの屈曲の容易性の観点では、上記連結部54の長さは短い方が好ましい。連結部54は、第1の指節部60及び第2の指節部62と別体に設けてもよい。連結部54が別体で設けられる場合は、連結部54を例えばヒンジ状に形成し、軸を掌部33の接線方向に合わせることが好ましい。連結部54は、第1の指節部60と第2の指節部62を上下方向に離す力を与えるばねとしての機能を有するものでもよい。
流路56は、指部34の基端側に設けられた指節部、すなわち第1の指節部60に形成される。流路56は、第1の指節部60を介して、先端部60aと基端部62aと指部34の内面により囲まれた関節室64へ通じている。この流路56を介して関節室64内の気体が流通する。流路56は、本実施形態では、第1の指節部60の基端部60bから先端部60aまで貫通する円形状の貫通孔である。流路56の直径は、本実施形態では3mmとしているが、第1の指節部60の外径、材質、固さなどに応じて適宜設計してよい。指構造体50Aの屈曲の容易性の観点では、流路56の直径は大きいことが好ましい。貫通孔の形状は、円形状に限られず、楕円形状や多角形状でもよい。流路56は、貫通孔に限られない。例えば、第1の指節部60の表面に関節室64まで通じる溝を設け、この溝と指部34の内面により囲まれた部分を流路として用いてもよい。
流路56には内部配管66の一端が接続される。内部配管66の一端は、流路56内に挿入されている。内部配管66の外周面と流路56の内周面の間で気体が流通することを防止するために、例えば接着剤を用いて内部配管66と流路56を接着させてもよい。内部配管66を流路56に挿入する代わりに、内部配管66と流路56を接続する継手部材を別途設けてもよい。内部配管66は、開口部41を介して、他端が第2の継手部43に接続される。内部配管66により、流路56と外部配管25が接続される。本実施形態では、5つの内部配管66が設けられており、各内部配管66が5つの指構造体50Aの流路56のそれぞれに接続されている。内部配管66は、特許請求の範囲に記載の「配管」に対応する。
(動作及び効果)
上記のように構成された把持装置10が設けられた産業用ロボット12の動作及び効果について説明する。産業用ロボット12は、ピストンロッド20がシリンダーチューブ19内に退避し、エアシリンダ18が収縮した状態を原点とする。把持装置10は、初期状態では、外部配管24と外部配管25が各三方弁を介して大気解放ポートに接続され、把持本体32の内部空間44の圧力と関節室64の圧力が大気圧である。
産業用ロボット12は、移動体16がレール14に沿って移動することで、基台23上に置かれたワークWの鉛直線上に把持装置10を位置決めする(図1)。次いで、産業用ロボット12は、シリンダーチューブ19からピストンロッド20が進出することにより、指部34がワークWの側面に到達するまで、エアシリンダ18を伸長させる。
次いで各三方弁は、大気解放ポートが遮断され、給排気ポートが真空ポートと繋がった状態に切り替えられる。把持装置10は、外部配管24を介して内部空間44の気体が吸引され、内部空間44の圧力が例えば−0.03MPa以下に減圧される。
把持本体32は、形状保持部46により掌部33の外周面の形状が保持された状態を維持する。そうすると、図4に示すように、掌部33は、形状保持部46のガイド穴48に吸い込まれるようにして、厚み方向に変形する。指部34は、掌部33の中心へ引っ張られ、形状保持部46の先端と第1の指節部60の基端部60bとの接触部分を支点として、掌部33へ向かって基端から倒れるように変形する。
把持装置10は、外部配管25と内部配管66とを介して関節室64内の気体が吸引され、関節室64内の圧力が例えば−0.01MPa以下に減圧される。指構造体50Aは、指部34のうち、先端部60aと基端部62aの間を密閉している部分が関節室64内に入り込むように弾性変形し、連結部54で屈曲する。
この結果、指部34がワークW表面に接触する。本実施形態の場合、図5に示すように、5つの指部34が円柱形状のワークWの側面に接触することにより、ワークWが把持される。
次いで、産業用ロボット12は、ピストンロッド20をシリンダーチューブ19内に退避させてエアシリンダ18を収縮することにより、ワークWを基台23から持ち上げる。さらに、産業用ロボット12は、移動体16の移動とレール14の移動により、ワークWを水平方向へ移動させる。
その後、産業用ロボット12は、シリンダーチューブ19からピストンロッド20が進出することにより、ワークWが基台23に接触するまでエアシリンダ18を伸長させる。次いで、各三方弁は、真空ポートが遮断され、給排気ポートが大気解放ポートと繋がった状態に切り替えられる。外部配管24を介して内部空間44へ気体が流入し、内部空間44の圧力が大気圧に戻る。掌部33は、ガイド穴48から押し出され元の状態に戻る。掌部33が元の状態に戻るのに伴い、指部34は、基端から起き上がる。
外部配管25と内部配管66を介して関節室64内へ気体が流入し、関節室64内の圧力が大気圧に戻る。指構造体50Aは、指部34のうち、先端部60aと基端部62aの間を密閉している部分が関節室64外へ向かって弾性変形し、伸びた状態に戻る。この結果、指部34がワークWを手放す。
次いで、産業用ロボット12は、ピストンロッド20をシリンダーチューブ19内に退避させ、エアシリンダ18を収縮することにより、把持装置10をワークWから離す。以上のようにして、産業用ロボット12は、基台23上に置かれたワークWを把持装置10で把持し、所望の位置へ移動することができる。
上記のように、把持装置10は、圧力を増減させる関節室64が、先端部60aと基端部62aと連結部54とを含むので、構造が簡単である。しかも、把持装置10は、指部34が掌部33の内側へ向かって屈曲するので、多種多様なワークWを器用に把持することが可能であり、汎用性に優れる。
指構造体50Aは、把持装置10への適用が特に有効であるが、把持装置10の他、例えばボタン等を押圧する押圧装置やワークを引っかけるフック装置などにも適用可能である。さらに、蓋付きの箱において、箱本体と蓋の接続部分に指構造体50Aを適用し、屈曲を利用して蓋の開閉を行うようにしてもよい。このように、指構造体50Aは、様々な用途に用いることができる。したがって、指構造体50Aは、構造が簡単であり、汎用性に優れる。
把持装置10は、外部配管24が加圧ポンプに接続されている場合は、内部空間44が加圧される。この場合は、把持本体32は、掌部33が周縁方向、すなわち、掌部33の外側へ向かって引っ張られ、各々の指部34が掌部33の外側へ向かって基端から倒れるように弾性変形する。このように、把持装置10は、ワークWの大きさに合わせて指部34を開くことができるので、汎用性により優れる。
把持装置10は、外部配管24のみに気体を流通させる場合は、各々の指部34が掌部33の内側へ向かって基端から倒れるように弾性変形する。一方、把持装置10は、外部配管25のみに気体を流通させる場合は、各々の指部34が掌部33の内側へ向かって屈曲するように弾性変形する。このように、把持装置10は、各々の指部34をワークWの形状や大きさ等に合わせて変形させることができるので、汎用性により優れる。
把持装置10は、内部空間44の圧力を変えるタイミングと関節室64内の圧力を変えるタイミングを制御することにより、掌部33と指部34を段階的に変形させることができるので、汎用性により優れる。
把持装置10は、内部空間44の圧力と関節室64内の圧力との一方または両方の圧力を変えることにより、指部34の変形量と把持力とが調整可能である。したがって、把持装置10は、ワークWの大きさ、硬さ、重さなどに合わせて把持力を変えることができるので、汎用性により優れる。
把持装置10は、指部34の先端が下向きの状態だけでなく、横向きや上向きの状態であってもよい。したがって、把持装置10は、基台23上のワークWを持ち上げるだけでなく、垂直な壁面や、天井に吊り下げられたワークWを把持することができるので、汎用性により優れる。
把持装置10は、複数の指構造体50Aのうちのいずれかが破損した場合は、破損した指構造体50Aのみを新しい指構造体50Aに交換することができる。このため、破損していない指構造体50Aや把持本体32などは、交換せずに利用することができる。
指本体52及び連結部54は、複数の指部34のうちのいずれかに配置されていればよい。指本体52及び連結部54が配置されていない指部34には、例えば樹脂やゴムなどで形成された弾性部材を充填することが好ましい。指本体52は、掌部33の変形の容易性の観点から、当該指本体52の基端が指部34内に収まるように配置されることが好ましい。指本体52の基端が指部34外、すなわち内部空間44に突出する場合は、掌部33が厚み方向に変形し難くなるからである。
形状保持部46の保持面49が外側に向かって凸状に湾曲していることにより、掌部33が保持面49に接触しながら厚さ方向に変形するので、指部34は、連続的、かつ、ゆるやかに変形する。したがって、把持装置10は、柔らかくワークWを把持することができる。因みに、形状保持部の保持面が湾曲していない把持装置では、指部は座屈するように変形する。
第1の指節部60の基端部60bで保持面49と把持本体32の内面の間を埋めることにより、減圧時における把持本体32の部分的な凹みを防止することができる。したがって、把持装置10は、より安定的に指部34を弾性変形させることができると共に、把持本体32の耐久性を向上することができる。
(変形例)
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内で適宜変更することが可能である。
第1の指節部60の外周面の周方向全域に接着剤を塗布し、この接着剤を介して、第1の指節部60を指部34に接着させてもよい。これにより、指本体52の指部34内での位置ずれと、第1の指節部60の外周面と指部34の内面の間での気体の流通とがより確実に防止される。
把持本体32は、1種の材料で形成してもよいし、複数の異なる材料で形成された膜を積層して形成してもよい。把持本体32は、部分的に異なる材料で形成してもよい。把持本体32の厚みは、一定でなくてもよく、厚肉部又は薄肉部を設けてもよい。例えば、指部34のうち、先端部60aと基端部62aの間を密閉する部分を薄肉部とすることにより、指構造体50Aの屈曲の容易性が向上する。
形状保持部46には、内部配管66を通すための貫通穴が形成されていてもよい。この場合、内部配管66は、形状保持部46に形成された貫通穴内を通って、流路56と接続することができる。
上記実施形態では先端部60aと基端部62aとのなす角θが90度の場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、角θは、60度や30度でもよい。角θを変えることにより、指構造体の最大の変形量が調整可能である。
上記実施形態では把持本体32の硬度、すなわち皮膜としての指部34の硬度が60の場合について説明したが、これに代えて、指部34の硬度を例えば90や30などとしてよい。
図6は、指部34の硬度が60であり、角θが90度、60度、30度である3つの指構造体について、真空度に対する変形量のシミュレーションを実施した結果である。図7は、指部34の硬度が90であり、角θが90度、60度、30度である3つの指構造体について、真空度に対する変形量のシミュレーションを実施した結果である。各シミュレーションは有限要素法により実施した。シミュレーションでは、第1の指節部に対して第2の指節部が屈曲するように第1の指節部を固定し、関節室64内の真空度を変えながら、第2の指節部の先端側に定めた測定点の位置を算出する。指構造体の変形量は、屈曲前後の各測定点間の距離であり、指構造体の幅方向(図3における紙面左右方向)の成分のみを持つものとする。
これらのシミュレーションの結果によれば、指部34の硬度が低い指構造体は、真空度に応じて滑らかに変形する傾向にあることがわかる(図6参照)。一方、指部34の硬度が高い指構造体は、所定の真空度以上では略変形せず、所定の真空度未満の場合に変形する傾向にあることがわかる(図7参照)。したがって、指部34の硬度を変えることにより、指構造体の曲がり易さを調整することができる。
上記実施形態では、屈曲の容易性の観点から、指構造体50Aの幅方向における連結部54の長さを短くしているが、図8に示す指構造体50Bのように、耐久性の観点から、第1の指節部72と第2の指節部74を連結する連結部70の長さを長くしてもよい。連結部70の長さは、図8に示す指構造体50Bの幅方向である紙面左右方向の長さである。指構造体50Bは、第1の指節部72と第2の指節部74との位置ずれがより確実に防止されるため、屈曲する方向にばらつきが生じることが確実に防止される。
図9に示す指構造体50Cのように、第1の指節部76の先端部76aの外縁と第2の指節部78の基端部78aの外縁のそれぞれに対し、面取り加工を行ってもよい。面取り加工として平面加工や曲面加工などが可能であり、指構造体50Cでは、曲面加工により凸形状の曲面79が形成されている。指構造体50Cは、屈曲時に指部34の内面が曲面79と面接触するため、指部34の破裂がより確実に防止される。曲面79の曲率または曲率半径は適宜設計してよい。曲面79は、球面でもよいし、非球面でもよい。曲面79は、第1の指節部76と第2の指節部78の対面する端部の一方にのみ形成されていてもよい。
複数の指節部の対面する端部は、上記のような傾斜面や曲面を有するものに限られず、例えば、縦断面が凹形状や多角形状となるようにしてもよい。
図10に示す指構造体50Dのように、第1の指節部80の先端部80aと、第2の指節部82の基端部82aとが、直線Lに対して非対称に傾斜してもよい。すなわち、先端部80aと直線Lとのなす角θと、基端部82aと直線Lとのなす角θとが異なっていてもよい。図10ではθ>θとしているが、これに代えて、θ<θとしてもよい。
図11に示す指構造体50Eのように屈曲する箇所を2箇所設けてもよい。指構造体50Eは、第1の指節部60と第2の指節部62の間に中間指節部84を有する指本体87と、第1の指節部60と中間指節部84を連結する第1の連結部88と、中間指節部84と第2の指節部62を連結する第2の連結部89と、第1の指節部60に設けられた第1の流路90と、中間指節部84に設けられた第2の流路91と、を備える。
第1の連結部88は、第1の指節部60と中間指節部84の対面する端部の面方向の一側に配置されている。第2の連結部89は、中間指節部84と第2の指節部62の対面する端部の面方向の一側に配置されている。第1の連結部88と第2の連結部89の構成については、連結部54と同様であるため説明を省略する。
先端部60aと中間指節部84の基端部84aとの間の間隔は、上記一側よりも他側の方が大きい。具体的には、先端部60aと基端部84aは、第1の連結部88の中央を通り、かつ、図11における指構造体50Eの幅方向に平行な直線L1に対して傾斜している。すなわち、先端部60aと基端部84aの間隔は、他側に向かうほど徐々に大きい。
中間指節部84の先端部84bと基端部62aとの間の間隔は、上記一側よりも他側の方が大きい。具体的には、先端部84bと基端部62aは、第2の連結部89の中央を通り、かつ、図11における指構造体50Eの幅方向に平行な直線L2に対して傾斜している。すなわち、先端部84bと基端部62aの間隔は、他側に向かうほど徐々に大きい。
指本体87の先端及び外周は、指部34により覆われている。したがって、指部34は、先端部60aと基端部84aの間を密閉し、かつ、先端部84bと基端部62aの間を密閉する。
第1の流路90は、第1の指節部60を介して、先端部60aと基端部84aと指部34内面により囲まれた第1の関節室92へ通じている。第2の流路91は、中間指節部84を介して、先端部84bと基端部62aと指部34内面により囲まれた第2の関節室93へ通じている。この例では、第1、第2の流路90、91は円形状の貫通孔である。第1の流路90には、図11では省略しているが上記内部配管66が接続される。
第2の流路91の流路断面積は、第1の流路90の流路断面積よりも小さい。この例では、第2の流路91の直径は、第1の流路90の直径よりも小さい。
上記のように構成された指構造体50Eは、初期状態において、第1の関節室92の圧力と第2の関節室93の圧力が大気圧であり、上下方向に伸びた状態とされる(図11参照)。
次いで、外部配管25及び内部配管66に接続されている三方弁の大気解放ポートが遮断され、給排気ポートが真空ポートと繋がった状態に切り替えられる。図12に示すように、第1の関節室92内の気体が第1の流路90を介して吸引され、かつ、第2の関節室93内の気体が第1の流路90と第2の流路91と第1の関節室92を介して吸引される。このとき、単位時間において、第2の関節室93内から流出する気体の量が第1の関節室92内から流出する気体の量よりも少ない。このため、第2の連結部89は、第1の連結部88よりも遅れて変形する。図12では、第1の関節室92と第2の関節室93のそれぞれから流出する気体を矢線で表し、流出する気体の量の違いを矢印の大きさで表している。第1の流路90と第2の流路91の各流路断面積を調整することにより、第1の連結部88で変形するタイミングと第2の連結部89で変形するタイミングを適宜変更することができる。
上記のように、指構造体50Eは、ワークWの外形に沿って複数箇所で屈曲するので、ワークWの把持の安定性と、汎用性とにより優れる。
第2の流路91の流路断面積と第1の流路90の流路断面積との比率は適宜設計してよい。この比率を調整することにより、第1、第2の連結部88、89のそれぞれで屈曲させる速度の調整が可能である。
第1の連結部88と第2の連結部89を設ける位置は適宜設計してよい。例えば、図13に示す指構造体50Fのように、第1の連結部88を一側に配置し、第2の連結部89を他側に配置してもよい。指構造体50Fは、指構造体50Eと比較して、第2の連結部89を設けた位置が異なることに加え、第2の流路91が第1の指節部60及び中間指節部84に設けられ、第1の流路90にチューブ94が通され、第2の流路91にチューブ95が通されている点で異なる。チューブ94の外周面と第1の流路90の内周面の間で気体が流通することを防止するために、各面を接着剤などで接着することが好ましい。チューブ95の外周面と第2の流路91の内周面の間で気体が流通することを防止するために、各面を接着剤などで接着することが好ましい。各チューブ94、95は、指構造体50Fの屈曲を妨げない程度に可撓性を有する。各チューブ94、95には、内部配管(図示なし)がそれぞれ接続される。
図14に示すように、指構造体50Fは、第1の関節室92内の気体と第2の関節室93内の気体がそれぞれ独立に吸引される。指構造体50Fは、第1の連結部88と第2の連結部89の各箇所で独立に屈曲することができるため、汎用性により優れる。指構造体50Fは、上記各箇所での屈曲により長さ方向へ伸縮するため、この伸縮を利用してボタン等を押圧することができる。
図15に示す指構造体50Gのように、指部34とは別途で皮膜96を設け、この皮膜96により、先端部60aと基端部62aの間を密閉してもよい。皮膜96は、気密性と弾性とを有する材料で形成され、弾性変形可能である。皮膜96の材料としては、例えば、天然ゴムや合成ゴムなどが用いられる。皮膜96の厚みは適宜設計してよいが、この例では1mmとしている。皮膜96は、指本体52の先端及び外周を覆ってもよい。皮膜96は、例えば、第1の指節部60及び第2の指節部62の外周面に設けられた皮膜取付部97に取り付けられる。皮膜取付部97は、皮膜96の厚みに応じた深さを有する凹形状であることが好ましい。この例では、皮膜取付部97の深さは1mmである。
図16に示すように、指構造体50Gは、先端部60aと基端部62aと皮膜96内面により囲まれた関節室64内の気体が吸引されることにより、皮膜96が関節室64内に入り込むように弾性変形し、連結部54で屈曲する。
指構造体50Gは、指部34とは別途で設けられた皮膜96により関節室64が密閉されているため、把持本体32の破裂などにより穴があいた場合であっても関節室64からの気体の漏れが防止され、屈曲した状態が保持される。
指構造体50Gは、皮膜96により関節室64が密閉されているため、把持本体32への取り付けが容易である。
皮膜96は、皮膜取付部97に取り付ける代わりに、先端部60a及び基端部62aの各傾斜面に対し、例えば接着剤などを用いて取り付けてもよい。
把持装置10は、上記指構造体50A〜50Gを適宜組み合わせて用いてもよい。把持装置10は、指部34の外周面に爪部を設けることとしてもよい。爪部は、合成樹脂製の板状部材や、円錐状部材、サック状の部材を用いることができる。
ケース30には、ワークWを撮影するカメラ、把持したワークWの重量を測定する重量計、ワークWと把持本体32の間の距離を測定する近接センサなどを設けてもよい。
掌部33の大きさ、指部34の長さや数などは、用途に合わせ適宜変えてもよい。
第2の継手部43と内部配管66は、個別に変形させようとする指部34の数に応じて設けてもよい。なお、第2の継手部43と内部配管66を設けずに、内部空間44と流路56の間で気体の流通を許容することにより、掌部33と指部34を内部空間44の圧力の増減に連動して変形させてもよい。
形状保持部46は、1個のリング体を有するものでもよいし、3個以上のリング体を有するものでもよい。形状保持部46は、円筒状部材に限られず、枠状部材、例えばガイド穴48を有する多角柱でもよい。形状保持部46の外形形状は、長円形、楕円形、多角形など適宜選択することができ、把持本体32や支持体38の外形形状に合わせてもよい。
形状保持部46は、当該形状保持部46の外径とガイド穴48の内径の比が1.0:0.93〜1.0:0.5であることが好ましい。例えば、形状保持部46の外径が80mmの場合、ガイド穴48の内径が60〜70mmの範囲であれば、指部34は、掌部33の中心に向かってより確実に弾性変形する。
形状保持部46の先端の位置は、当該形状保持部46の径方向における第1の指節部60の基端部60bの中心位置よりも外側に位置することが好ましい。これにより、形状保持部46の先端と第1の指節部60の基端部60bとの接触部分は、形状保持部46の径方向における第1の指節部60の基端部60bの中心位置よりも外側に位置する。この結果、指部34は、上記の接触部分を支点として、掌部33の中心に向かって容易に弾性変形する。
上記実施形態では形状保持部46の保持面49と把持本体32の内面の間に生じる空間を第1の指節部60の基端部60bで埋めているが、形状保持部46を工夫して上記の空間が生じないようにしてもよい。例えば、第1の指節部60に対応する位置に、指部34へ向かって突出した突起を有する形状保持部(図示なし)を用いてもよい。このような突起を有する形状保持部を把持本体32内に組み付けると、突起の先端が基端部60bに接触すると共に側面が把持本体32の内面に密着し、上記の空間が生じないので、減圧時における把持本体32の部分的な凹みを防止することができる。
[第2実施形態]
上記第1実施形態の把持装置10は、掌部33と指部34が一体に形成された袋状の把持本体32を備えているが、図17に示す第2実施形態の把持装置100は、掌部101と指部102が別体に形成された把持本体104Aを備える。指部102は、掌部101と別体で形成されていること以外は、上記第1実施形態の指部34と同じ構成を有している。すなわち、指部102は、本図では図示を省略しているが、内部に指本体52と連結部54と流路56が設けられている。このため、第2実施形態の指構造体50Hは、指本体52、連結部54、皮膜としての指部102、及び、流路56を備える。以下、上記第1実施形態と同じ部材等については、同符号を付して説明を省略する。
把持装置100は、この例では2つの指部102を有する。2つの指部102は、掌部101を挟んで、互いに所定の間隔をあけて配置されている。この例では、2つの指部102は、掌部101の中心を通り且つ上下方向に向かう中心軸Cに対して、対称に配置されている。把持装置100では、掌部101が硬質な樹脂や金属などで形成されており、掌部101を変形させずに、指部102のみを変形させることによりワークWを把持する。
把持本体104Aは、中央に掌部101が設けられ、掌部101の周囲に指部102を支持する指部支持体106を有する。指部支持体106の外形形状は、例えば真円形、長円形、楕円形、多角形など適宜選択することができる。指部支持体106は、この例では掌部101と一体に形成されている。指部支持体106は、掌部101の周囲の部分に、指部102を取り付けるための取付孔106aを有する。取付孔106aは、指部支持体106を上下方向に貫通している。取付孔106aは、例えば雌ねじ部を有する。
把持本体104Aは、指部102を指部支持体106に着脱自在に連結する着脱部材107を有する。着脱部材107は、一端が流路56と連結し、他端が取付孔106aと連結する。着脱部材107は、例えば両端に雄ねじ部を有する。着脱部材107は、取付孔106aに対して下側から取り付けられ、流路56と取付孔106aを接続する。この場合の流路56は雌ねじ部を有することが好ましい。着脱部材107としては、例えば、管用テーパーねじや管用平行ねじを用いることができる。気密性を確保するため、着脱部材107には、管用テーパーねじの場合はシールテープを用いることが好ましく、管用平行ねじの場合はパッキンやメタルシールを用いることが好ましい。
指部支持体106の上面には、外部配管25と接続する継手部108が設けられている。継手部108は、一端が外部配管25と連結し、他端が取付孔106aと連結する。継手部108は、取付孔106aに対して上側から取り付けられる。これにより、外部配管25と流路56が、指部支持体106、着脱部材107、及び継手部108を介して接続される。継手部108としては、例えば、外部配管25がワンタッチで着脱されるワンタッチ継手を用いることができる。
把持装置100は、掌部101にカメラ105が設けられており、このカメラ105によって、指部102がワークWを把持する様子を撮影する。カメラ105は、掌部101の中心位置に配置して、指部支持体106に固定されている。カメラ105は、レンズ(図示省略)の光軸が中心軸Cと一致している。指部支持体106の指部102とは反対側に設けられたフレーム112は、フランジプレート110を介してピストンロッド20に連結している。カメラ105には、図示しない画像処理装置と接続するコード114が設けられている。画像処理装置では、カメラ105で撮影された画像の画像認識や、画像認識の結果に基づいた把持動作の解析等が行われる。
上記のように、把持装置100は、着脱部材107を指部支持体106に連結することにより、掌部101と指部102を一体化することができる。また、着脱部材107の連結を解除することにより、掌部101から指部102を分離することができる。これにより、指部102の交換を容易に行うことができる。把持装置100は、指部支持体106の取付孔106aの位置や数を変えるだけで把持動作に必要な指部102のレイアウトを簡単に変更できるので、設計の自由度が高い。
把持装置100は、掌部101にカメラ105が設けられているので、把持動作を妨げずにワークWを撮影することができる。特に、カメラ105が掌部101の中心位置に配置されていることにより、カメラ105でワークWの位置を認識した後に、把持位置の微調整をする必要がなく、また、位置ずれを解消するキャリブレーションを行う必要もない。
着脱部材107として空圧用のワンタッチ継手とそれに対応した部材を用いてもよい。を用いてもよい。ワンタッチ継手を用いることにより、剛性のある機械的な接続と流路の確保とをワンタッチで同時に行うことができる。
図18に示す把持本体104Bは、把持本体104Aの指部支持体106の代わりに、複数の継手部材を組み合わせて形成される指部支持体120を有する。指部支持体120は、継手部材の組み合わせ方によって任意の形状に組み立てることができる。図18に示す指部支持体120は一例である。
本実施形態では、指部支持体120は、複数の継手部材として、管継手121a,121bとブロック継手122a,122bを有する。管継手121a,121bとブロック継手122a,122bは、互いに着脱自在に接続する。本実施形態の場合、中央に配置されたブロック継手122bが掌部に相当する。
管継手121a,121bは、管用テーパーねじや管用平行ねじなどを有する。管継手121bは、管継手121aよりも長く形成されている。
ブロック継手122a,122bは、気体を流通させる通路を有する。ブロック継手122aの通路は、L字状に形成されている。ブロック継手122bの通路は、T字状に形成されている。通路の形状は、L字状やT字状の他、Y字状、十字状など、適宜選択してよい。ブロック継手122a,122bの外形形状は、適宜選択することができ、例えば多面体や球体等とすることができる。ブロック継手122a,122bは、ユニバーサルタイプのものでもよい。
指部支持体120は、管継手121a,121bとブロック継手122a,122bの組み合わせにより、例えば、エルボ形状やティー形状等、様々な形状の継手を含むように組み立てることができる。
指部支持体120は、複数の継手部材のうちのいずれかが着脱部材107と着脱自在に接続する。この例では、指部支持体120は、ブロック継手122aが着脱部材107と接続する。ブロック継手122aと着脱部材107は、互いに着脱自在である。ブロック継手122aは、管継手121bを介してブロック継手122bと接続する。ブロック継手122bは、管継手121aと接続する。管継手121aは、図示していないが外部配管25と接続される。これにより外部配管25と流路56が接続される。
上記のように、指部支持体120は、管継手121a,121bとブロック継手122a,122bの組み合わせによって任意の形状に組み立てることができるので、指部102のレイアウトの自由度を向上させる。また、指部支持体120がマニホールドの代わりになるので、指部102のレイアウトに合わせた専用のマニホールドを準備する必要がなく、マニホールド作製の手間を削減することができる。
指部支持体120は、気密性が確保されるように、管継手121a,121bとブロック継手122a,122bの間にシールテープ、パッキン、メタルシール等を用いることが好ましい。
指部支持体120は、継手部材として、ワンタッチ継手や外部配管25に挿入される挿入部を有するバーブタイプの継手部材等を用いてもよい。
上記実施形態では、産業用ロボット12として直交ロボットの例を示したが、本発明はこれに限らず、スカラロボット、垂直多関節ロボットなどに適用することができる。すなわち把持装置10、100は、産業用ロボットによってX軸、Y軸、Z軸を中心に回転しても、ワークWを把持すると共に、把持した状態を維持することができる。
[第3実施形態]
次に第3実施形態に係るロボットハンドについて、図面を参照して説明する。上記実施形態と同じ部材等については、同符号を付して説明を省略する。図19に示すロボットハンド200Aは、ケース30と、把持本体202Aと、構造体としての指部206Aとを備える。本図に示す指部206Aは、内部配管のない柱状である。
把持本体202Aは、掌部33の周囲に設けられた複数、例えば5個の着脱部材204Aを有する。着脱部材204Aは、指部206Aを着脱自在に把持本体202Aに固定する。本図に示す着脱部材204Aは、ボルトであり、頭部が基端部60bに一体成形されており、先端の雄ねじが掌部33の表面から突出している。掌部33から突出する基端部60bの長さは適宜選択することができる。
指部206Aは、着脱部材204Aと連結される受け部208と、当該受け部208と一体的に形成された指本体210とを有する。受け部208は、ボルトの雄ねじがねじ込まれる雌ねじが形成されている。指本体210は、中実であり、把持本体202Aよりも硬質な材料により形成される。指本体210の材料としては、例えば樹脂やゴムなどが用いられる。指本体210の材料は、一種の材料でもよいし、異種材料を組み合わせた複合材料でもよい。
ロボットハンド200Aは、着脱部材204Aを把持本体202Aに連結することにより、掌部33と指部206Aを一体化することができる。また、着脱部材204Aと受け部208との連結を解除することにより、把持本体202Aから指部206Aを分離することができる。これにより、指部206Aの交換を容易に行うことができる。ロボットハンド200Aは、指部206Aの位置や数を変えるだけで指部206Aのレイアウトを簡単に変更できるので、設計の自由度が高い。
外部配管24を介して内部空間44の気体が吸引されると、形状保持部46によって掌部33の外周面の形状が維持されながら、掌部33は、形状保持部46のガイド穴48に吸い込まれるようにして、厚み方向に変形する。指部206Aは、掌部33の中心へ引っ張られ、形状保持部46の先端と基端部60bとの接触部分を支点として、掌部33へ向かって基端から倒れるように変形する。
本実施形態の場合、指部206Aは、着脱部材204Aを介して把持本体202Aに着脱自在に固定することができる。したがってロボットハンド200Aは、用途に応じて、取り付ける指部206Aの数を選択することで、所望の動作をすることができる。ロボットハンド200Aは、掌部33を厚さ方向に変形させることによってワークを把持することができ、しかも指部206Aを着脱自在に固定できるので、構造が簡単で、汎用性に優れる。
ロボットハンド200Aの動作は、ワークを把持する動作に限定されない。指部206Aが装着されたロボットハンドの全体を、図示しないカバーで覆ってもよい。カバーで覆うことによって、指部206Aと把持本体202Aの間の隙間に異物が入り込むことを防止することができる。また、指部206Aが装着されない着脱部材204Aに、図示しないカバーを装着してもよい。
着脱部材204Aは、雌ねじでもよい。この場合、指部206Aの受け部208に雄ねじを設ける。着脱部材204Aを雌ねじとすることによって、把持本体202Aから雄ねじが突出しない。着脱部材を雌、受け部を雄とすることによって、指部206Aを装着しない場合、表面に突出する突起が小さいため、使い勝手が向上する。
着脱部材204Aは、ボルトに限定されず、例えば、空圧用のワンタッチ継手とそれに対応した部材を用いてもよい。図示しないが、着脱部材として基端部60bに固定され掌部33側に突出した穴付シャフトを適用してもよい。当該穴付シャフトは半径方向に開口した穴を有する。この場合、指部206Aの受け部208には、シャフトを受け入れる穴と、固定ピンを半径方向に挿入する挿入穴とが形成される。上記穴にシャフトを挿入し、挿入穴を通じてシャフトの穴に固定ピンを挿入することによって、指部206Aを把持本体202Aに固定することができる。また、着脱部材204Aは指部206Aの外側に設置する構造のものでもよい。
構造体は、中空であってもよいし、把持本体202Aよりも軟質の材料で形成されてもよい。構造体を中空とした場合、構造体に内部配管(図4の符号66)を連結し、構造体内圧を内部空間44の内圧と別にしても良い。構造体内の空気が自由に移動することによって、ワークの形状に合わせて構造体を変形しやすくすることができる。また、内部配管を通じて構造体内を減圧してもよい。構造体は、柱状の指部206Aに限定されない。例えば、図20Aに示すように、先端が一方向に曲がった形状の指本体212を有する指部206Bを適用することができる。指部206Bは掌部33の中心へ先端を向けて取り付けられることによって、より小さいワークをより確実に把持することができる。また図20Bに示すように、一方向に曲がった先端に球状体216が形成された指本体214を有する指部206Cを適用してもよい。さらに、図20Cに示すように、電球状の指本体218を有する指部206Dを用いてもよい。指部の外形形状は、適宜選択することができ、例えば、円柱、三角柱、四角柱、円錐、三角錐、四角錐、円錐台、四角錐台、板状などでもよい。各指部の外径形状は、全て同一でもよいし、一部または全てが異なってもよい。構造体は、ヘラ形状の部材や、フォーク形状の部材などでもよい。把持本体に装着した構造体は、接着剤などによって把持本体に固定してもよい。
(変形例(1))
次に本実施形態の第1変形例に係るロボットハンドについて、図面を参照して説明する。図21に示すロボットハンド200Bは、ケース30と、把持本体202Bと、構造体としての指構造体50Hとを備える。把持本体202Bに設けられた着脱部材204Bは管継手であり、一端が指構造体50Hの流路56と連結し、他端が内部配管66と連結する。着脱部材204Bの一端は、掌部33の表面から突出しており、例えば、管用テーパーねじや管用平行ねじを用いることができる。気密性を確保するため、着脱部材204Bには、管用テーパーねじの場合はシールテープを用いることが好ましく、管用平行ねじの場合はパッキンやメタルシールを用いることが好ましい。着脱部材204Bの他端は、基端部60bに一体成形されている。
着脱部材204Bとして空圧用のワンタッチ継手とそれに対応した部材を用いてもよい。ワンタッチ継手を用いることにより、剛性のある機械的な接続と流路の確保とをワンタッチで同時に行うことができる。
外部配管24を介して内部空間44の気体が吸引されると、形状保持部46によって掌部33の外周面の形状が維持されながら、掌部33は、形状保持部46のガイド穴48に吸い込まれるようにして、厚み方向に変形する。指構造体50Hは、掌部33の中心へ引っ張られ、形状保持部46の先端と基端部60bとの接触部分を支点として、掌部33へ向かって基端から倒れるように変形する。
ロボットハンド200Bは、外部配管25と内部配管66とを介して関節室64内の気体が吸引され、関節室64内の圧力が例えば−0.01MPa以下に減圧される。指構造体50Hは、指部102のうち、先端部60aと基端部62aの間を密閉している部分が関節室64内に入り込むように弾性変形し、連結部54で屈曲する。ロボットハンド200Bは、指構造体50Hを備えるから、上記第1、第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
(変形例(2))
次に本実施形態の第2変形例に係るロボットハンドについて、図面を参照して説明する。図22に示す把持本体202Cは、掌部33と、掌部33の周囲に突出して設けられた複数の指部206Aとを有する。指部206Aが形成された側と反対側の、掌部33の外縁を囲む位置に接続部220が一体に形成されている。接続部220は筒状であって、本図の場合、上端に円形の開口を有する。把持本体202Cは、掌部33から接続部220に向かって外側に突出する向きに湾曲した外周面222を有する。把持本体202Cの開口は、ケース30によって密閉されている。
ケース本体36の中央には、貫通穴224が設けられている。当該貫通穴224に、アクチュエータとして動力シリンダー226が固定されている。動力シリンダー226は、シリンダーチューブ227と、シリンダーチューブ227に対し進退可能に設けられたピストンロッド229とを有する。シリンダーチューブ227には、図示しない配管が設けられている。当該配管を通じて、動力源として気体又は油などの液体が供給、排出されることによって、ピストンロッド229がシリンダーチューブ227に対し進退可能となっている。ピストンロッド229の先端は、掌部33の裏面に固定された支持プレート231に接続されている。
把持本体202Cは、接続部220と掌部33の間に、掌部33より厚さ方向に変形しにくい高強度部228を備える。高強度部228は、掌部33や接続部220と一体に形成されている。高強度部228は、支持体38と接触する基端230、及び、基端230から前記指部206A側に離れており前記掌部33に接続される先端232を有する。高強度部228は、掌部33に比べ変形しにくいが、完全な剛体ではなく、掌部33の中心へ向かって基端230を支点にして微視的に変形する。
基端230は、掌部33の外縁から掌部33の厚さ方向に離れた位置、すなわち掌部33から接続部220の上部開口側へ離れた位置に設けられている。本実施形態の場合、基端230は、ケース30の底面234の外周部に接触する接触面236を有する。高強度部228は、接触面236に連続した掌部33の中心側に、内部空間44に接する内周面238を有する。掌部33の内側は、略平坦な内面240と、当該内面240の周囲に設けられた外側に凸となる曲面242とを有する。内周面238と、掌部33の内面240は、曲面242で接続されている。ケース30の底面234と、掌部33の内面の間には、厚さ方向に変形した掌部33を受け入れる内部空間44が形成されている。
高強度部228の先端232は、内周面238と曲面242の間に配置されている。先端232は、掌部33が厚さ方向へ変形する場合の支点となる。
高強度部228は、掌部33の周囲を囲むように接続部220の形状に合わせて形成されており、本図の場合、環状である。接触面236は、高強度部228の上面である。ケース30の底面234の外周部が、高強度部228の接触面236に接触する。
高強度部228は、掌部33及び指部206Aと一体に形成されており、掌部33の厚さ方向の変形に合わせ微視的に変形する。これにより、指部206Aが、掌部33の変形によって連続的、かつ、ゆるやかに変形する。したがってロボットハンド200Cは、柔らかくワークWを把持することができる。因みに高強度部228を有しない把持本体では、指部は座屈するように変形する。
ピストンロッド239をシリンダーチューブ227内に退避させ、動力シリンダー226を収縮する。ロボットハンド200Cは、高強度部228より掌部33の外周面222の形状が保持された状態を維持する。そうすると掌部33が、高強度部228の内部空間44に吸い込まれるようにして厚さ方向に変形する。
掌部33が厚さ方向へ変形するのに伴い、指部206Aが掌部33の中心へ引っ張られる。そうすると指部206Aは、掌部33へ向かって倒れるように弾性変形する。上記のようにロボットハンド200Cは、動力シリンダー226を収縮することによって、ワークを把持する。
本変形例の場合、高強度部を備える場合について説明したが、本発明はこれに限らず、高強度部にかえて形状保持部を備えることとしてもよい。
アクチュエータが動力シリンダーである場合について説明したが、本発明はこれに限らない。例えば、アクチュエータはねじを備えた機構を適用してもよい。図示しないが、ケース本体36に設けられた雌ねじに締め込まれたねじの一端を、支持プレート231に回転自在に固定し、ねじの他端をモータに連結する。当該ねじを回転させることによって、掌部33を厚さ方向に変形させることができる。
アクチュエータとして、モータ、ラック、ピニオンを用いてもよい。ラックをケース本体36の貫通穴224から通して一端を支持プレート231に固定し、モータによってピニオンを回転駆動する。ピニオンの回転運動をラックの直線運動に変換することによって、掌部33を厚さ方向に変形させることができる。
アクチュエータとして、電磁石を利用してもよい。ケース本体36に設けられた電磁石と、当該電磁石に電力を供給する直流電源とを備える。支持プレート231は、強磁性体、例えば鉄で形成されている。電力が供給されることによって電磁石が磁化し、磁力が発生する。当該磁力によって、電磁石に支持プレート231が引きつけられ、掌部33を厚さ方向の内側に変形させ、指部206Aを閉じることができる。一方、電力の供給を停止すると、磁力が失われる。そうすると、掌部33が自重によって厚さ方向の外側に変形し、指部206Aを開くことができる。支持プレート231とケース本体36の間にコイルばねを設けてもよい。コイルばねが掌部33を厚さ方向の外側に押し出すことによって、より素早く指部206Aを開くことができる。
上記第1〜第3実施形態、及び各変形例は、適宜組み合わせて適用してもよいことはいうまでもない。
10、100 把持装置
12 産業用ロボット
32、104A、104B、202A〜202C 把持本体
33、101 掌部
34、102、206A、206B 指部
42 第1の継手部
43 第2の継手部
50A〜50H 指構造体
52、87、210、212、214、218 指本体
54、70 連結部
56 流路
60、72、76、80 第1の指節部
62、74、78、82 第2の指節部
64 関節室
66 内部配管
84 中間指節部
88 第1の連結部
89 第2の連結部
90 第1の流路
91 第2の流路
92 第1の関節室
93 第2の関節室
96 皮膜
105 カメラ
106、120 指部支持体
107、204A、204B 着脱部材
121a、121b 管継手(継手部材)
122a、122b ブロック継手(継手部材)
200A、200B、200C ロボットハンド

Claims (15)

  1. 列状に配置された複数の指節部を有する指本体と、
    複数の前記指節部のうち対面する端部同士を所定の間隔をあけて連結する、前記端部の面方向の一側に配置された連結部と、
    前記端部同士の間を密閉する、弾性変形可能な皮膜と、
    前記指本体の基端側に設けられた前記指節部を介して、前記端部と前記皮膜内面で囲まれた関節室へ通じる流路と、
    を備えることを特徴とする指構造体。
  2. 前記皮膜は、前記指本体の先端及び外周を覆っていることを特徴とする請求項1記載の指構造体。
  3. 前記端部同士の間隔は、前記面方向の一側よりも他側の方が大きいことを特徴とする請求項1又は2記載の指構造体。
  4. 前記指本体は、前記指節部として、基端から先端に向かって第1の指節部と中間指節部と第2の指節部とを順に有し、
    前記流路として、前記第1の指節部を介して、前記第1の指節部と前記中間指節部との間の前記関節室としての第1の関節室へ通じる第1の流路と、前記中間指節部を介して、前記中間指節部と前記第2の指節部との間の前記関節室としての第2の関節室へ通じる第2の流路と、
    を備え、
    前記第2の流路の流路断面積は、前記第1の流路の流路断面積よりも小さいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の指構造体。
  5. 掌部と、前記掌部の周囲に突出して設けられた複数の指部とを有する把持本体と、
    前記指部内に設けられ、列状に配置された複数の指節部を有する指本体と、
    複数の前記指節部のうち対面する端部同士を所定の間隔をあけて連結する、前記端部の面方向の一側に配置された連結部と、
    前記指部の基端側に設けられた前記指節部を介して、前記端部と前記指部内面で囲まれた関節室へ通じる流路と、
    を備えることを特徴とする把持装置。
  6. 前記把持本体は、袋状に形成されていることを特徴とする請求項5記載の把持装置。
  7. 前記流路に接続された配管を備えることを特徴とする請求項6記載の把持装置。
  8. 前記把持本体を保持し、前記掌部の厚み方向への変形を許容し、かつ、前記掌部の外周の収縮を防ぐ形状保持部を備えることを特徴とする請求項6又は7記載の把持装置。
  9. 前記把持本体は、中央に前記掌部が設けられ、前記掌部の周囲に前記指部を支持する指部支持体を有することを特徴とする請求項5記載の把持装置。
  10. 前記掌部にカメラが設けられていることを特徴とする請求項9記載の把持装置。
  11. 前記把持本体は、前記指部を前記指部支持体に着脱自在に連結する着脱部材を有することを特徴とする請求項9又は10記載の把持装置。
  12. 前記指部支持体は、複数の継手部材を組み合わせて形成され、
    前記複数の継手部材のうちのいずれかが前記着脱部材と着脱自在に接続することを特徴とする請求項11記載の把持装置。
  13. 請求項5〜12のいずれか1項記載の把持装置を設けたことを特徴とする産業用ロボット。
  14. 掌部と、
    前記掌部を厚さ方向に変形させることにより前記掌部に向かって倒れる構造体を着脱自在とし、前記掌部の周囲に設けられた複数の着脱部材と、
    前記着脱部材が形成された側と反対側の、前記掌部の外縁を囲む位置に形成され、ケースに接続される接続部と、
    前記掌部と前記接続部の間に設けられ、前記掌部の外縁から当該掌部の厚さ方向に所定の長さを有し、前記掌部より変形しにくい高強度部と
    を備えるロボットハンド。
  15. 前記着脱部材の少なくとも1つに設けられた前記構造体を備える請求項14に記載のロボットハンド。
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