JPWO2018230112A1 - Δς変調器、送信機、半導体集積回路、歪補償方法、システム、及びコンピュータプログラム - Google Patents

Δς変調器、送信機、半導体集積回路、歪補償方法、システム、及びコンピュータプログラム Download PDF

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Abstract

ΔΣ変調器は、周波数の異なる複数のRF信号を加算する第1加算器と、ループフィルタと、第2加算器と、量子化器と、差分器と、歪補償器とを備えている。ループフィルタは、複数のRF信号それぞれの周波数に通過帯域を有するとともに、複数のフィルタ回路を含む。歪補償器は、補償信号をフィルタ回路の入力へ付加する信号付加部を備えている。

Description

本発明は、ΔΣ変調器、送信機、半導体集積回路、歪補償方法、システム、及びコンピュータプログラムに関するものである。
本出願は、2017年6月13日出願の日本出願第2017−116217号に基づく優先権を主張し、前記日本出願に記載された全ての記載内容を援用するものである。
特許文献1には、周波数の異なる複数の信号を含む出力信号を出力することができるΔΣ変調器が記載されている。
このΔΣ変調器は、周波数の異なる複数の入力信号が与えられる複数の入力ポートと、前記複数の入力ポートそれぞれに対応して設けられた複数のループフィルタと、複数の前記ループフィルタの出力を加算する加算器とを備えている。
特開2014−165846号公報 特開2016−119643号公報
和保 孝雄、安田 明 監訳(原著者 Richard Schreier, Gabor C. Temes)、「ΔΣ型アナログ/デジタル変換器入門」、丸善株式会社、2007 p88−99
一実施形態であるΔΣ変調器は、
周波数の異なる複数の入力信号を加算する第1加算器と、ループフィルタと、前記第1加算器の出力と前記ループフィルタの出力とを加算する第2加算器と、前記第2加算器の出力に基づいて量子化データを生成する量子化器と、前記量子化器の出力をフィードバックしたフィードバック信号と前記第1加算器の出力との差分を求め、前記ループフィルタへ出力する差分器と、前記量子化データに対応したパルス列の周波数成分のうち前記複数の入力信号の周波数に対応する周波数成分に生じる歪を補償する補償信号を生成する補償器と、を備え、前記ループフィルタは、前記複数の入力信号それぞれの周波数に通過帯域を有するとともに、複数のフィルタ回路を含み、前記補償器は、前記補償信号を前記フィルタ回路の入力へ付加する信号付加部を備えている。
また、一実施形態である送信機は、上述のΔΣ変調器と、前記量子化器の出力が与えられる送信部と、を備えている。
また、一実施形態である半導体集積回路は、周波数の異なる複数の入力信号に対してΔΣ変調を行うΔΣ変調器に用いられる半導体集積回路であって、周波数の異なる複数の入力信号を加算する第1加算器と、ループフィルタと、前記第1加算器の出力と前記ループフィルタの出力とを加算する第2加算器と、前記第2加算器の出力に基づいて量子化データを生成する量子化器と、前記量子化器の出力をフィードバックしたフィードバック信号と前記第1加算器の出力との差分を求め、前記ループフィルタへ出力する差分器と、前記量子化データに対応したパルス列の周波数成分のうち前記複数の入力信号の周波数に対応する周波数成分に生じる歪を補償する補償信号を生成する補償器と、を備え、前記ループフィルタは、前記複数の入力信号それぞれの周波数に通過帯域を有するとともに、複数のフィルタ回路を含み、前記補償器は、前記補償信号を前記フィルタ回路の入力へ付加する信号付加部を備えている。
また、一実施形態である歪補償方法は、周波数の異なる複数の入力信号に対して行うΔΣ変調の歪補償方法であって、前記複数の入力信号を加算する第1加算ステップと、前記第1加算ステップの出力とループフィルタの出力とを加算する第2加算ステップと、前記第2加算ステップの出力に基づいて量子化データを生成する量子化データ生成ステップと、前記量子化データ生成ステップの出力をフィードバックしたフィードバック信号と前記第1加算ステップの出力との差分を求め、前記ループフィルタへ出力する差分ステップと、前記量子化データに対応したパルス列の周波数成分のうち前記複数の入力信号の周波数に対応する周波数成分に生じる歪を補償する複数の補償信号を生成する生成ステップと、を含み、前記ループフィルタは、前記複数の入力信号それぞれの周波数に通過帯域を有するとともに、複数のフィルタ回路を含み、前記複数の補償ステップは、前記補償信号を前記フィルタ回路の入力へ付加する信号付加ステップを含む。
また、一実施形態であるシステムは、プログラム可能な集積回路と、前記集積回路の回路構成に関する回路構成情報を前記集積回路に与え、前記回路構成情報に従って前記集積回路に回路を構成させる制御部と、を備えたシステムであって、前記回路構成情報によって構成される前記回路は、周波数の異なる複数の入力信号を加算する第1加算器と、ループフィルタと、前記第1加算器の出力と前記ループフィルタの出力とを加算する第2加算器と、前記第2加算器の出力に基づいて量子化データを生成する量子化器と、前記量子化器の出力をフィードバックしたフィードバック信号と前記第1加算器の出力との差分を求め、前記ループフィルタへ出力する差分器と、前記量子化データに対応したパルス列の周波数成分のうち前記複数の入力信号の周波数に対応する周波数成分に生じる歪を補償する補償信号を生成する補償器と、を備え、前記ループフィルタは、前記複数の入力信号それぞれの周波数に通過帯域を有するとともに、複数のフィルタ回路を含み、前記補償器は、前記補償信号を前記フィルタ回路の入力へ付加する信号付加部を備えているシステムである。
また、一実施形態であるコンピュータプログラムは、周波数の異なる複数の入力信号を表すデータに対して行うΔΣ変調の歪補償処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、コンピュータに前記複数の入力信号を加算する第1加算ステップと、前記第1加算ステップの出力とループフィルタの出力とを加算する第2加算ステップと、前記第2加算ステップの出力に基づいて量子化データを生成する量子化データ生成ステップと、前記量子化データ生成ステップの出力をフィードバックしたフィードバック信号と前記第1加算ステップの出力との差分を求め、前記ループフィルタへ出力する差分ステップと、前記量子化データに対応したパルス列の周波数成分のうち前記複数の入力信号の周波数に対応する周波数成分に生じる歪を補償する複数の補償信号を生成する生成ステップと、を含む処理を実行させるコンピュータプログラムであり、前記ループフィルタは、前記複数の入力信号それぞれの周波数に通過帯域を有するとともに、複数のフィルタ回路を含み、前記複数の補償ステップは、前記補償信号を前記フィルタ回路の入力へ付加する信号付加ステップを含むコンピュータプログラムである。
図1は、送信機の一例を示すブロック図である。 図2は、第1実施形態に係るΔΣ変調器の構成を示すブロック図である。 図3Aは、非対称成分を有する非対称波形であって、非対称波形Sout(t)のアイパターンを示している。図3Bは、非対称波形Sout(t)の時間軸波形を示している。図3Cは、非対称波形に対して理想的な波形SIdeal(t)を示している。図3Dは、非対称波形における立ち上がり波形frise(t)と立ち下がり波形ffall(t)における対称成分fsym(t)を示している。図3Eは、非対称波形における立ち上がり波形frise(t)と立ち下がり波形ffall(t)における非対称成分fAsym(t)を示している。 図4は、検出部の一例を示すブロック図である。 図5は、量子化データに生じる非対称成分と、検出信号とを示す図であり、図5中の(a)は、ΔΣ変調器における1サンプリングクロック毎の量子化データの変化の一例を示す図である。図5中の(b)は、図5中の(a)に示す量子化データに対応したパルス列を示す図である。図5中の(c)は、図5中の(b)に示す量子化データに生じる非対称成分を示す図である。図5中の(d)は、量子化データの変化に応じて検出部が出力する検出信号を示す図である。 図6は、第1補償信号生成部の一例を示すブロック図である。 図7Aは、係数C1(横軸)を、−0.2から0.2の間で変化させた場合のACLR(縦軸)を示している。図7Bは、C1=−0.07の状態で、係数C2(横軸)を、−0.2〜0.2の間で変化させた場合のACLR(縦軸)を示している。 図8Aは、式10中のCが示すフィルタ特性の一例を示す図である。図8Bは、式10中のCが示すフィルタ特性の一例を示す図である。 図9は、シミュレーションによって得た、第1実施形態のΔΣ変調器による出力信号(パルス列)のパワースペクトラムの一例を示す図であり、800MHz近傍における出力信号Vのパワースペクトラムの一部を示している。 図10は、シミュレーションによって得た、第1実施形態のΔΣ変調器による出力信号(パルス列)のパワースペクトラムの一例を示す図であり、1500MHz近傍における出力信号Vのパワースペクトラムの一部を示している。 図11は、第2実施形態に係るΔΣ変調器の一部分を示すブロック図である。 図12は、第3実施形態に係るΔΣ変調器の構成を示すブロック図である。 図13は、第4実施形態に係るΔΣ変調器の構成を示すブロック図である。
[本開示が解決しようとする課題]
上記ΔΣ変調器は、複数の入力ポートそれぞれに対応して複数のループフィルタを備えている。このため、例えば、いずれか一方の入力ポートに入力信号が与えられない場合、入力信号が与えられなかった入力ポートに対応するループフィルタの機能が発揮されず、無駄な構成となってしまうことがあり、適切に対応することができなかった。
これに対して、ループフィルタを前記複数の入力信号に対応する複数のフィルタで構成し、前記複数の入力信号同士を加算した加算信号をループフィルタに与えることで、周波数の異なる複数の信号を含む出力信号を出力可能なΔΣ変調器を得ることが考えられる。
このようなΔΣ変調器では、複数の入力信号の内のいずれかの入力信号が与えられなかったとしても、他の与えられた入力信号についてはループフィルタに与えられる。この結果、ループフィルタの設定の変更等によって適切に対応することができる。
ところで、ΔΣ変調器が生成する量子化データは、所定の周波数において、RF信号などのアナログ信号成分を含む。このアナログ信号成分は、ΔΣ変調に起因する歪を有する場合がある。このような歪は、アナログ信号の信号特性を劣化させる。
特許文献2には、ΔΣ変調器の出力のフィードバック信号をループフィルタに与えるための経路に歪を補償するための補償信号を与え、量子化データに対応したパルス列の周波数成分の内、所要の周波数成分に生じる歪を補償することが開示されている。
特許文献2によるΔΣ変調器の出力に対する歪補償は、所要の周波数に対応するループフィルタに与えられるフィードバック信号に対して、所要の周波数に対応する補償信号を与える必要がある。
このため、複数のフィルタで構成されたループフィルタに複数の入力信号を含む加算信号を与えることで量子化データを出力するΔΣ変調器においては、ループフィルタに与えられる入力及びフィードバック信号が複数のアナログ信号成分を含んでいるため、特許文献2に開示されている歪補償を適用することができない。
本開示はこのような事情に鑑みてなされたものであり、複数のフィルタで構成されたループフィルタを有するΔΣ変調器の出力の歪補償を行うことができる技術の提供を目的とする。
[本開示の効果]
本開示によれば、複数のフィルタで構成されたループフィルタを有するΔΣ変調器の出力の歪補償を行うことができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。
[実施形態の概要]
(1)一実施形態であるΔΣ変調器は、周波数の異なる複数の入力信号を加算する第1加算器と、ループフィルタと、前記第1加算器の出力と前記ループフィルタの出力とを加算する第2加算器と、前記第2加算器の出力に基づいて量子化データを生成する量子化器と、前記量子化器の出力をフィードバックしたフィードバック信号と前記第1加算器の出力との差分を求め、前記ループフィルタへ出力する差分器と、前記量子化データに対応したパルス列の周波数成分のうち前記複数の入力信号の周波数に対応する周波数成分に生じる歪を補償する補償信号を生成する補償器と、を備え、前記ループフィルタは、前記複数の入力信号それぞれの周波数に通過帯域を有するとともに、複数のフィルタ回路を含み、前記補償器は、前記補償信号を前記フィルタ回路の入力へ付加する信号付加部を備えている。
上記構成のΔΣ変調器によれば、補償器が、補償信号をフィルタ回路の入力へ付加する信号付加部を備えているので、例えば、複数の入力信号の周波数に応じて複数のフィルタ回路の通過帯域が設定されている場合、フィルタ回路に対して、対応する入力信号の周波数が同じ補償信号を与えることができる。
これにより、補償信号を複数のフィルタ回路に対して適切に与えることができ、複数のフィルタ回路で構成されたループフィルタを有するΔΣ変調器の出力に対する歪補償を行うことができる。
(2)上記ΔΣ変調器において、前記補償信号は、前記複数の入力信号のうち自補償信号に対応する入力信号以外の他の入力信号の周波数成分を含んでいてもよい。
この場合、複数の入力信号の周波数に応じて複数のフィルタ回路の通過帯域が設定されていれば、フィルタ回路に与えられる補償信号は、当該補償信号が歪補償の対象としている周波数成分の帯域に制限される。この結果、補償信号が、複数の入力信号のうち自補償信号に対応する入力信号以外の他の入力信号の周波数成分を含んでいたとしても、補償信号同士の相互干渉が抑制され、適切に歪補償を行うことができる。
(3)また、上記ΔΣ変調器において、前記信号付加部に与えられる前記補償信号に対応する入力信号の周波数近傍が通過帯域とされている帯域通過フィルタが、前記補償器と、前記信号付加部との間に設けられていてもよい。
この場合、補償信号は、帯域通過フィルタによって、歪を補償する対象の周波数成分の帯域に制限される。この結果、補償信号が、複数の入力信号のうち自補償信号に対応する入力信号以外の他の入力信号の周波数成分を含んでいたとしても、相互に影響を与えることはない。
(4)また、上記ΔΣ変調器において、複数の前記フィルタ回路は並列に接続されていることが好ましい。
(5)また、上記ΔΣ変調器において、複数の前記フィルタ回路は直列に接続されていてもよい。
(6)また、一実施形態である送信機は、上記(1)に記載のΔΣ変調器と、前記量子化器の出力が与えられる送信部と、を備えている。
(7)また、一実施形態である半導体集積回路は、周波数の異なる複数の入力信号に対してΔΣ変調を行うΔΣ変調器に用いられる半導体集積回路であって、周波数の異なる複数の入力信号を加算する第1加算器と、ループフィルタと、前記第1加算器の出力と前記ループフィルタの出力とを加算する第2加算器と、前記第2加算器の出力に基づいて量子化データを生成する量子化器と、前記量子化器の出力をフィードバックしたフィードバック信号と前記第1加算器の出力との差分を求め、前記ループフィルタへ出力する差分器と、前記量子化データに対応したパルス列の周波数成分のうち前記複数の入力信号の周波数に対応する周波数成分に生じる歪を補償する補償信号を生成する補償器と、を備え、前記ループフィルタは、前記複数の入力信号それぞれの周波数に通過帯域を有するとともに、複数のフィルタ回路を含み、前記補償器は、前記補償信号を前記フィルタ回路の入力へ付加する信号付加部を備えている。
(8)また、一実施形態である歪補償方法は、周波数の異なる複数の入力信号に対して行うΔΣ変調の歪補償方法であって、前記複数の入力信号を加算する第1加算ステップと、前記第1加算ステップの出力とループフィルタの出力とを加算する第2加算ステップと、前記第2加算ステップの出力に基づいて量子化データを生成する量子化データ生成ステップと、前記量子化データ生成ステップの出力をフィードバックしたフィードバック信号と前記第1加算ステップの出力との差分を求め、前記ループフィルタへ出力する差分ステップと、前記量子化データに対応したパルス列の周波数成分のうち前記複数の入力信号の周波数に対応する周波数成分に生じる歪を補償する補償信号を生成する生成ステップと、を含み、前記ループフィルタは、前記複数の入力信号それぞれの周波数に通過帯域を有するとともに、複数のフィルタ回路を含み、前記複数の補償ステップは、前記補償信号を前記フィルタ回路の入力へ付加する信号付加ステップを含む。
(9)また、一実施形態であるシステムは、プログラム可能な集積回路と、前記集積回路の回路構成に関する回路構成情報を前記集積回路に与え、前記回路構成情報に従って前記集積回路に回路を構成させる制御部と、を備えたシステムであって、前記回路構成情報によって構成される前記回路は、周波数の異なる複数の入力信号を加算する第1加算器と、ループフィルタと、前記第1加算器の出力と前記ループフィルタの出力とを加算する第2加算器と、前記第2加算器の出力に基づいて量子化データを生成する量子化器と、前記量子化器の出力をフィードバックしたフィードバック信号と前記第1加算器の出力との差分を求め、前記ループフィルタへ出力する差分器と、前記量子化データに対応したパルス列の周波数成分のうち前記複数の入力信号の周波数に対応する周波数成分に生じる歪を補償する補償信号を生成する補償器と、を備え、前記ループフィルタは、前記複数の入力信号それぞれの周波数に通過帯域を有するとともに、複数のフィルタ回路を含み、前記補償器は、前記補償信号を前記フィルタ回路の入力へ付加する信号付加部を備えている。
(10)また、一実施形態であるコンピュータプログラムは、周波数の異なる複数の入力信号を表すデータに対して行うΔΣ変調の歪補償処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、コンピュータに前記複数の入力信号を加算する第1加算ステップと、前記第1加算ステップの出力とループフィルタの出力とを加算する第2加算ステップと、前記第2加算ステップの出力に基づいて量子化データを生成する量子化データ生成ステップと、前記量子化データ生成ステップの出力をフィードバックしたフィードバック信号と前記第1加算ステップの出力との差分を求め、前記ループフィルタへ出力する差分ステップと、前記量子化データに対応したパルス列の周波数成分のうち前記複数の入力信号の周波数に対応する周波数成分に生じる歪を補償する補償信号を生成する生成ステップと、を含む処理を実行させるコンピュータプログラムであり、前記ループフィルタは、前記複数の入力信号それぞれの周波数に通過帯域を有するとともに、複数のフィルタ回路を含み、前記複数の補償ステップは、前記補償信号を前記フィルタ回路の入力へ付加する信号付加ステップを含むコンピュータプログラムである。
[実施形態の詳細]
以下、好ましい実施形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、以下に記載する各実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
〔第1実施形態について〕
〔送信機の構成〕
図1は、送信機の一例を示すブロック図である。
図1中、送信機100は、複数の直交変調部(一次変調器)102,103と、ΔΣ変調器(二次変調器)1とを備えている。
複数の直交変調部102,103は、それぞれ、デジタルデータとされたベースバンド信号に対して、デジタル信号処理で直交変調を行うデジタル直交変調器として構成されている。直交変調部102,103は、ベースバンド信号I,Q,I,Qに対して、一次変調として直交変調を行う。
直交変調部102,103は、ベースバンド信号に対して直交変調及びアップコンバート等を行い、RF(Radio Frequency)信号をデジタルデータとして出力する。
RF信号は、無線波として空間に放射される信号であり、例えば、移動体通信や放送サービスに用いられる信号である。
直交変調部102,103は、互いに異なる無線周波数のRF信号U,Uを出力するように構成されている。複数のRF信号U,Uは、ΔΣ変調器1への入力信号となる。
ΔΣ変調器1は、複数のRF信号(入力信号)U,Uに対して、二次変調としてΔΣ変調を行い、複数のRF信号U,Uを含むパルス信号(量子化データ)を出力することができる。
ΔΣ変調器1が出力するパルス信号は、当該パルス信号の周波数帯域のうち複数のRF信号U,Uそれぞれの周波数に対応する周波数帯域にアナログ信号としてのRF信号U,Uを周波数成分として含んでいる。
ΔΣ変調器1の出力信号は、伝送路104を介して、アナログフィルタである第1バンドバスフィルタ105、及び第2バンドパスフィルタ106に与えられる。
本実施形態の送信機100は、ΔΣ変調器1の出力信号であるパルス信号を送信信号として送信する。
バンドパスフィルタ105,106は、両RF信号U,Uに対応して設けられている。第1バンドパスフィルタ105は、RF信号Uを通過させる通過帯域を持つ。また、第2バンドパスフィルタ106は、RF信号Uを通過させる通過帯域を持つ。
ΔΣ変調器1が出力するパルス信号が第1バンドパスフィルタ105に与えられると、第1バンドパスフィルタ105は、パルス信号からRF信号Uの帯域外の周波数成分(雑音成分等)が除去された信号を出力する。よって、第1バンドパスフィルタ105は、RF信号Uを出力する。
ΔΣ変調器1が出力するパルス信号が第2バンドパスフィルタ106に与えられると、第2バンドパスフィルタ106は、パルス信号からRF信号Uの帯域外の周波数成分が除去された信号を出力する。よって、第2バンドパスフィルタ106は、RF信号Uを出力する。
これらRF信号U及びRF信号Uは、増幅器等に与えられ、無線波として空間に放射されたり、伝送路を介して送信されたりする。
送信機100の出力であるパルス信号はデジタル信号であるため、RF信号U,Uをデジタル信号として、光ファイバーなどの高速伝送路で遠方まで伝送することが可能である。
また、一つのデータストリーム中に複数のRF信号を含めることができるため、複数のRF信号を一本の伝送路で送信することができる。
〔ΔΣ変調器の構成〕
図2は、第1実施形態に係るΔΣ変調器1の構成を示すブロック図である。図2に示すように、ΔΣ変調器1は、周波数の異なる2つのRF信号(入力信号)U,Uが入力される入力ポート2a,2bを備えている。ΔΣ変調器1は、受け付けた2つのRF信号U,Uを含む単一の出力信号V(ΔΣ変調信号:量子化データ)を出力ポート4から出力する。
ΔΣ変調器1は、RF信号U,Uを加算する第1加算器5と、ループフィルタ6と、第1加算器5の出力とループフィルタ6の出力とを加算する第2加算器7と、第2加算器7の出力に基づいて量子化データを生成する量子化器8と、量子化器8の出力をフィードバックした信号と、第1加算器5の出力との差分を求め、ループフィルタ6へ与える差分器9とを備えている。
第1加算器5は、入力ポート2a,2bによって受け付けられたRF信号U,Uを加算する。第1加算器5の出力は、第2加算器7及び差分器9のそれぞれに与えられる。
差分器9には、第1加算器5の出力が与えられるとともに、量子化器8から出力される出力信号Vがフィードバック信号として与えられる。フィードバック信号として差分器9に与えられる出力信号Vは、量子化器8の出力端と差分器9とを接続する経路10を介してフィードバックされる。以下、経路10を介して差分器9にフィードバックされる出力信号Vをフィードバック信号ともいう。
差分器9は、フィードバック信号と第1加算器5の出力との差分を求め、ループフィルタ6へ出力する。
ループフィルタ6は、第1フィルタ回路15と、第2フィルタ回路16と、第3加算器18とを備えている。
第1フィルタ回路15と、第2フィルタ回路16とは、差分器9及び第3加算器18に対して互いに並列に接続されている。差分器9の出力は、分岐部20により分岐され、後述する歪補償器30が有する第1補償信号付加部31及び第2補償信号付加部32に与えられる。
第1補償信号付加部31は、差分器9の出力と、後述する第1補償信号生成部34から与えられる第1補償信号との差分を求める。第1補償信号付加部31の出力は第1フィルタ回路15へ与えられる。
第2補償信号付加部32は、差分器9の出力と、後述する第2補償信号生成部35から与えられる第2補償信号との差分を求める。第2補償信号付加部32の出力は第2フィルタ回路16へ与えられる。
第3加算器18は、第1フィルタ回路15の出力と第2フィルタ回路16の出力とを加算する。第3加算器18の出力は、ループフィルタ6の出力として第2加算器7に与えられる。
第2加算器7は、第1加算器5の出力と、ループフィルタ6の出力とを加算する。
第2加算器7の出力は、量子化器8に与えられる。量子化器8は2レベル量子化器であり、1bitのパルス列を出力信号Vとして出力する。なお、上述したように、量子化器8の出力信号Vは、フィードバック信号として経路10を介してループフィルタ6に与えられる。
量子化器8による出力信号Vは、出力ポート4に与えられ出力される。
また、ΔΣ変調器1は、第1フィルタ回路15及び第2フィルタ回路16を制御するための制御部19を備えている。制御部19は、第1フィルタ回路15及び第2フィルタ回路16それぞれのフィルタ特性を定める設定パラメータを複数記憶することができる。制御部19は、記憶している複数の設定パラメータを選択的に第1フィルタ回路15及び第2フィルタ回路16に与えることで、第1フィルタ回路15及び第2フィルタ回路16のフィルタ特性を制御する機能を有している。
さらに、ΔΣ変調器1は、当該ΔΣ変調器1の出力に生じる歪を補償する機能を有する歪補償器30を備えている。
歪補償器30は、分岐部20と、第1フィルタ回路15との間に設けられた第1補償信号付加部31と、分岐部20と、第2フィルタ回路16との間に設けられた第2補償信号付加部32とを備えている。
第1補償信号付加部31は、第1補償信号を第1フィルタ回路15の入力へ付加する。また、第2補償信号付加部32は、第2補償信号を第2フィルタ回路16の入力へ付加する。
歪補償器30は、第1フィルタ回路15及び第2フィルタ回路16それぞれの入力へ補償信号を付加することで、ΔΣ変調器1の出力に生じる歪を補償する。この歪補償器30の機能については後に説明する。
本実施形態のΔΣ変調器1は、CPUや記憶部等の含んだコンピュータによって構成することもできる。この場合、コンピュータは、前記記憶部に記憶されたコンピュータプログラム等を読み出して実行することによってΔΣ変調器1が有する各機能部を実現することができる。ΔΣ変調器1をコンピュータによって構成した場合、ΔΣ変調器1は、各信号(入力信号や出力信号等)を表すデータの処理を行う。
また、本実施形態のΔΣ変調器1は、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の半導体集積回路によって構成することができる。ΔΣ変調器1を半導体集積回路で構成した場合、ΔΣ変調器1が有するループフィルタ6や、量子化器8等の各機能部は、半導体集積回路に含まれている各種半導体素子を用いて構成される。
さらに、ΔΣ変調器1は、プログラム可能な集積回路であるFPGAと、このFPGAの回路構成に関する回路構成情報をFPGAに与え、前記回路構成情報に従ってFPGAに回路を構成させる機能を有するコンピュータとを備えたシステムによって構成することもできる。
この場合、コンピュータの記憶部には、回路構成情報をFPGAに与えるための処理を前記コンピュータに実行させるためのプログラムや、1又は複数の回路構成情報が記憶されている。
前記コンピュータは、前記記憶部に記憶された回路構成情報をFPGAに与える。回路構成情報が与えられたFPGAは、与えられた回路構成情報に従った回路を構成する。
前記コンピュータの記憶部には、ΔΣ変調器1をFPGAに構成させるための回路構成を示す回路構成情報が記憶されている。
前記コンピュータは、ΔΣ変調器1を構成するための回路構成情報をFPGAに与えることで、FPGAにΔΣ変調器1を構成させることができる。
〔ΔΣ変調器の出力信号とループフィルタの構成〕
ここで、ΔΣ変調器1の出力信号Vは、下記式(1)のようにz領域における関数で表される。なお、ここでは、歪補償器30による補償信号を考慮しない。
V(z)=U(z)+U(z)
+NTF(z)E(z) ・・・(1)
上記式(1)中、V(z)は出力信号、U(z)及びU(z)はRF信号、NTF(z)はループフィルタ6の雑音伝達関数、E(z)はΔΣ変調器1の量子化雑音である。
上記式(1)より、差分器9の出力は、下記式(2)のように表される。
(z)+U(z)−V(z)=
(z)+U(z)
−(U(z)+U(z)+NTF(z)E(z))
=−NTF(z)E(z) ・・・(2)
式(2)より、差分器9の出力は、出力信号V(z)に含まれる雑音成分の逆特性となる。
本実施形態のループフィルタ6は、RF信号Uの周波数帯域を含む第1通過帯域と、RF信号Uの周波数帯域を含む第2通過帯域とを有し、第1通過帯域及び第2通過帯域以外の帯域においては信号の通過を阻止するフィルタ特性(雑音伝達関数NTF(z))となるように設定されている。
よって、ループフィルタ6は、RF信号Uの周波数帯域を含む第1通過帯域、及びRF信号Uの周波数帯域を含む第2通過帯域における雑音成分の逆特性を出力し、第2加算器7に与える。前記逆特性は、第2加算器7によって第1加算器5の出力(RF信号U,Uを加算した信号)に加算される。前記逆特性が加算された第1加算器5の出力は量子化器8によって量子化され、その出力信号Vはループフィルタ6にフィードバックされる。
このように、本実施形態のループフィルタ6は、差分器9から出力が与えられると、第1通過帯域及び第2通過帯域における雑音成分の逆特性を出力する。ループフィルタ6の出力は、第1加算器5の出力に対して繰り返し加算され、これにより、出力信号Vにおける第1通過帯域及び第2通過帯域の雑音が抑圧される。
よって、本実施形態のΔΣ変調器1は、ループフィルタ6によって、第1通過帯域及び第2通過帯域の2箇所に雑音を阻止する帯域を有する出力特性を有する。
本実施形態のΔΣ変調器1が有するループフィルタ6は、上述のように、RF信号Uの周波数帯域を含む第1通過帯域と、RF信号Uの周波数帯域を含む第2通過帯域とを有するフィルタ特性(雑音伝達関数NTF(z))となるように設定されている。
また、ループフィルタ6の雑音伝達関数NTF(z)は、出力信号Vにおいて少なくとも第1通過帯域及び第2通過帯域、並びに両通過帯域同士の間の帯域を対象として設定されている。
ここで、ループフィルタ6を構成する第1フィルタ回路15の伝達関数をL(z)、第2フィルタ回路16の伝達関数をL(z)とすると、ループフィルタ6の雑音伝達関数NTF(z)は、下記式(3)のように表される。
NTF(z)=L(z)+L(z) ・・・(3)
本実施形態のループフィルタ6は、4次のIIR(Infinite Impulse Response)フィルタとされている。
第1フィルタ回路15の伝達関数L、及び第2フィルタ回路16の伝達関数Lは、4次のフィルタとされたループフィルタ6の雑音伝達関数NTF(z)に基づいて設定される。
ここで、第1フィルタ回路15及び第2フィルタ回路16は、2次のIIRフィルタとして設定される。
第1フィルタ回路15の伝達関数L、及び第2フィルタ回路16の伝達関数Lは、上記式(3)に示すように、加算されることで、ループフィルタ6の雑音伝達関数NTF(z)となるように設定されている。
下記式(4)は、ループフィルタ6の雑音伝達関数NTF(z)の一般式の一例である。
上記式(4)は、ループフィルタ6をn次のIIRフィルタとして構成した場合の雑音伝達関数を示している。式(4)中、A,A,・・A,B,・・Bは、分母及び分子を構成している各項のパラメータであり、フィルタ特性を定める設定パラメータである。
上記式(4)における分母及び分子はzの多項式となっているので、例えば、より低次の多項式の積で表現することができる。よって、上記式(4)は、より低次とされた多項式を分母及び分子として有する部分分数に分解することができる。つまり、式(4)は、より低次とされた複数の多項式の和として表すことができる。
下記式(5)は、上記式(4)に示す雑音伝達関数NTF(z)を複数の多項式に分解したときの一例を示している。
式(5)では、n次のループフィルタ6の雑音伝達関数NTF(z)を、2次のフィルタの伝達関数を表す部分分数に分解しこれらの和として表した場合を示している。式(5)中、iは、例えば分解された部分分数の個数がIであるとすると、1からIまでの整数である。Kiは、分解された各部分分数の係数、A1,i,・・An,i,B1,i,・・Bn,iは、部分分数において分母及び分子を構成している各項のパラメータであり、雑音伝達関数NTF(z)を部分分数に分解して表した場合におけるフィルタ特性を定める設定パラメータである。
このように、ループフィルタ6の雑音伝達関数NTF(z)は、高次のフィルタとして設計した後に、複数の2次のフィルタの伝達関数に分解することができる。
本実施形態では、4次のIIRフィルタによって、RF信号Uの周波数帯域を含む第1通過帯域と、RF信号Uの周波数帯域を含む第2通過帯域とを有するフィルタ特性を実現させるための設定パラメータを、上記式(4)に従って求める。
なお、雑音伝達関数NTF(z)については、複数の零点及び極の最適化を図ることにより、上記式(4)における各設定パラメータを求め、上述の複数の通過帯域を有するフィルタ特性を実現させることができる。零点及び極の最適化については、例えば、「和保 孝雄、安田 明 監訳(原著者 Richard Schreier, Gabor C. Temes)ΔΣ型アナログ/デジタル変換器入門、丸善株式会社、2007 第88ページから第99ページ」に記載されている手法を用いることができる。
上記式(4)に基づく設定パラメータを求めた後、求めた設定パラメータによる雑音伝達関数NTF(z)を2つの部分分数に分解する。分解された2つの部分分数は、2次のIIRフィルタを表す伝達関数を示している。これにより、雑音伝達関数NTF(z)を分解した部分分数それぞれについての設定パラメータを求める。
雑音伝達関数NTF(z)を部分分数に分解して表した際の設定パラメータは、部分分数ごとに第1フィルタ回路15及び第2フィルタ回路16に与えられる。
設定パラメータが与えられた第1フィルタ回路15及び第2フィルタ回路16は、雑音伝達関数NTF(z)を複数の部分分数に分解したときの各部分分数によって表される伝達関数に設定される。
なお、雑音伝達関数NTF(z)を部分分数に分解して表した際の設定パラメータは、制御部19に記憶される。第1フィルタ回路15及び第2フィルタ回路16は、制御部19から設定パラメータが与えられることで、上記伝達関数に設定される。
このように、本実施形態では、4次のIIRフィルタであるループフィルタ6の雑音伝達関数NTF(z)が、2次のIIRフィルタを表す2つの伝達関数に分解され、分解された2つの伝達関数が、第1フィルタ回路15の伝達関数L、及び第2フィルタ回路16の伝達関数Lとして設定されている。
よって、第1フィルタ回路15の出力と第2フィルタ回路16の出力とを加算する第3加算器18は、RF信号Uの周波数帯域を含む第1通過帯域と、RF信号Uの周波数帯域を含む第2通過帯域とを有する雑音伝達関数NTF(z)とされた4次のIIRフィルタとしてのループフィルタ6の出力を第2加算器7に与える。
なお、本実施形態では、第1フィルタ回路15と、第2フィルタ回路16とは、並列に接続されているので、第1フィルタ回路15の伝達関数Lは第1通過帯域及び第2通過帯域のいずれか一方に対応しており、第2フィルタ回路16の伝達関数Lは第1通過帯域及び第2通過帯域のいずれか他方に対応している。
本実施形態では、第1フィルタ回路15の伝達関数Lは第1通過帯域に対応し、第2フィルタ回路16の伝達関数L2は第2通過帯域に対応しているものとする。つまり、第1フィルタ回路15は、第1通過帯域を有するフィルタ特性に設定され、第2フィルタ回路16は、第2通過帯域を有するフィルタ特性に設定される。
このように、本実施形態では、第1フィルタ回路15及び第2フィルタ回路16には、ΔΣ変調器1に与えられる複数のRF信号U,Uの周波数に応じた通過帯域が設定されている。
本実施形態のΔΣ変調器1は、ループフィルタ6がRF信号Uの周波数帯域を含む第1通過帯域と、RF信号Uの周波数帯域を含む第2通過帯域とを有している。これにより、ΔΣ変調器1は、第1通過帯域及び第2通過帯域の2箇所に雑音を阻止する帯域を有する出力特性を有する。よって、ΔΣ変調器1は、複数のRF信号U,Uを加算した第1加算器5の出力に基づいて、複数のRF信号U,Uを含むパルス信号(量子化データ)を出力することができる。
また、本実施形態のΔΣ変調器1では、ループフィルタ6がRF信号Uの周波数帯域を含む第1通過帯域と、RF信号Uの周波数帯域を含む第2通過帯域とを有しており、複数のRF信号U,Uを加算した第1加算器5の出力をループフィルタ6に与えるので、RF信号U,Uの内のいずれかのRF信号が与えられないとしても、その他の与えられたRF信号についてはループフィルタ6に与えることができる。この結果、RF信号の内のいずれかのRF信号が与えられないとしても、例えば、ループフィルタ6を構成する各フィルタ回路15,16の設定パラメータを、与えられたRF信号に対応した設定パラメータに変更することができ、適切に対応することができる。
〔パルス信号の波形歪によって生じるRF信号の歪とその補償〕
本実施形態では、歪補償器30による補償信号によって補償される歪の一例として、ΔΣ変調器1から出力されるパルス信号(パルス列)の波形歪によってRF信号に生じる歪を想定する。ΔΣ変調器1は、量子化データをパルス列として出力するため、そのパルス列の波形が歪んでいると、そのパルス列が表現するRF信号に歪が生じる。具体的には、量子化データに対応したパルス列におけるパルスの立ち上がりと立ち下がりとの非対称性によって、RF信号(パルス列の周波数成分のうちRF信号U,Uの周波数の周波数成分)に歪が生じる。
ΔΣ変調器1は、量子化データに対応するパルス列を出力するために、図示しないドライバを有している。ドライバは、スイッチング素子などを有しており、スイッチング素子のON/OFF動作によってパルスの立ち上がりと立ち下がりが形成される。ドライバによって形成されるパルスの立ち上がり時間と立ち下がり時間とは一致しないことが一般的であり、パルスの立ち上がりと立ち下がりとの非対称性が生じる。この非対称成分がRF信号を劣化させる。以下、パルスの立ち上がりと立ち下がりの非対称成分について定義する。
まず、ΔΣ変調器1から出力されるパルス列Sout(t)は、下記式(A)のように定義される。
式(A)の第1項であるSIdealは、量子化データd(=±1)を理想的な矩形波で表現したものであり、式(B)のように定義される。ここでは、量子化データdは、パルスのHighレベルに対応した値として+1をとり、パルスのLowレベルに対応した値として−1をとる。U(t)は、単位ステップ関数である。
式(A)の第2項は、実際の波形に相当するSout(t)と、理想的な波形SIdealとの差を示している。第2項におけるf(t−kt)は、下記式(C)のように定義される。Signは、符号関数である。
式(C)において、(C−1)は、ある量子化データの値dと時間的に一つ前の量子化データの値dk−1との差分を示す値の符号がプラスである場合、すなわち、量子化データdに対応したパルスが、立ち上がる場合を示す。
(C−2)は、ある量子化データの値dと時間的に一つ前の量子化データの値dk−1との差分を示す値の符号がマイナスである場合、すなわち、量子化信号dに対応したパルスが立ち下がる場合を示す。
(C−3)は、ある量子化データの値dと時間的に一つ前の量子化データの値dk−1との差分を示す値がゼロである場合、すなわち、パルスの値に変化がない場合である。
rise(t)とffall(t)は、それぞれ、パルスの立ち上がり波形と立ち下がり波形である。frise(t)とffall(t)は、式(D)に示すように、対称成分fsym(t)と非対称成分fAsym(t)に分解することができる。
非対称成分fAsym(t)は、式(D)より、下記式(E)によって求めることができる。
式(E)は、立ち上がり波形frise(t)と立ち下がり波形ffall(t)とが、下記式(F)の関係を有している場合に、非対称成分fAsym(t)が無くなることを示している。
図3Aは、式(F)を満たさないパルス波形(非対称成分を有する非対称波形)であって、非対称波形Sout(t)のアイパターンを示している。このアイパターンは、時間軸に対して非対称となっている。具体的には、図3Aに示す非対称波形は、パルスの立ち上がり時間よりも、パルスの立ち下がり時間の方が長い波形となっている。
図3Bは、非対称波形Sout(t)の時間軸波形を示し、図3Cは、非対称波形に対して理想的な波形SIdeal(t)を示し、図3Dは、非対称波形における立ち上がり波形frise(t)と立ち下がり波形ffall(t)における対称成分fsym(t)を示し、図3Eは、非対称波形における立ち上がり波形frise(t)と立ち下がり波形ffall(t)における非対称成分fAsym(t)を示している。
図3B及び図3Cに示すように、非対称波形は、理想的な波形SIdeal(t)に対して歪んでおり、歪成分を有する。具体的には、パルスの立ち上がり波形frise(t)に歪成分(第1の歪成分)を有するとともに、パルスの立ち下がり波形ffall(t)に歪成分(第2の歪成分)を有する。
式(F)を満たさない場合、歪成分は、対称成分fsym(t)とともに、非対称成分fAsym(t)を有する(図3D、図3E参照)。歪成分のうち、対称成分fsym(t)の存在は、RF信号の信号特性(例えば、隣接チャネル漏洩電力(ACLR))に及ぼす影響は少ないが、非対称成分fAsym(t)はRF信号の信号特性を劣化させる要因となる。つまり、ΔΣ変調器1が出力するパルスの形状が、ΔΣ変調器1によって処理される対象であるRF信号(パルス列の周波数成分のうちRF信号U,Uの周波数の周波数成分)に影響を及ぼす。
本実施形態では、パルス列の波形歪(非対称成分)によって生じることになるRF信号の歪が、ΔΣ変調器1内部で、歪補償器30による補償信号によって予め補償される。したがって、ΔΣ変調器1から出力されるパルス波形が非対称成分を有していても、RF信号のACLRの劣化が抑制される。
図2に戻って、歪補償器30は、第1補償信号付加部31、及び第2補償信号付加部32の他、検出部33と、第1補償信号生成部34と、第2補償信号生成部35とを備えている。
検出部33は、経路10に接続されており、量子化データであるフィードバック信号(出力信号V)が与えられる。
検出部33は、量子化データの変化(パルスの立ち上がり又は立ち下り)を検出し、検出信号を第1補償信号生成部34及び第2補償信号生成部35に与える。
第1補償信号生成部34、及び第2補償信号生成部35は、検出信号に基づいて、非対称成分を抑制する補償信号を生成する。
第1補償信号生成部34は、量子化データに対応したパルス列の周波数成分のうちRF信号Uの周波数の周波数成分に生じる歪を補償するための第1補償信号を生成する。第1補償信号生成部34は、生成した第1補償信号を第1補償信号付加部31に与える。
第1補償信号付加部31は、差分器9の出力と第1補償信号との差分を求め、第1フィルタ回路15へ与える。これにより、第1補償信号付加部31は、第1フィルタ回路15の入力へ第1補償信号を付加する。
第2補償信号生成部35は、量子化データに対応したパルス列の周波数成分のうちRF信号Uの周波数の周波数成分に生じる歪を補償するための第2補償信号を生成する。第2補償信号生成部35は、生成した第2補償信号を第2補償信号付加部32に与える。
第2補償信号付加部32は、差分器9の出力と第2補償信号との差分を求め、第2フィルタ回路16へ与える。これにより、第2補償信号付加部32は、第2フィルタ回路16の入力へ第2補償信号を付加する。
歪を打ち消し又は抑制するための第1補償信号及び第2補償信号が第1フィルタ回路15及び第2フィルタ回路16の入力に付加されることで、ΔΣ変調器1の量子化データに対する歪補償が行われる。
この結果、ΔΣ変調器1の量子化データは、当該量子化データに含まれるRF信号の周波数の周波数成分に生じる歪が補償され、RF信号のACLRの劣化が抑制される。
図4は、検出部33の一例を示すブロック図である。
上述のように、検出部33は、量子化データの変化(パルス列の立ち上がり又は立ち下がり)を検出する。非対称成分は、パルス列の立ち上がり又は立ち下がりにおいて生じるため、パルス列の立ち上がり又は立ち下がりを検出することで、非対称成分の発生を検出することができる。検出部33には、量子化器8から出力された量子化データ(パルス列)が入力として与えられる。検出部33は、量子化データが変化したタイミングで検出信号を出力する。
図5は、量子化データに生じる非対称成分と、検出信号とを示す図である。
図5中の(a)は、ΔΣ変調器1における1サンプリングクロック毎の量子化データの変化の一例を示す図である。
また、図5中の(b)は、図5中の(a)に示す量子化データに対応したパルス列を示す図である。
図5中の(c)は、図5中の(b)に示す量子化データに生じる非対称成分を示す図である。
図5中の(d)は、量子化データの変化に応じて検出部33が出力する検出信号を示す図である。
例えば、ΔΣ変調器1における1サンプリングクロック毎の量子化データが図5中の(a)に示すように変化する場合、ΔΣ変調器1から出力されるパルス列は、図5中の(b)に示すようになる。非対称成分は、図5中の(c)に示すように、図5中の(b)のパルス列の立ち上がりと立ち下がりで生じる。図5中の(d)に示すように、検出部33は、非対称成分の発生タイミングに合わせて検出信号(量子化データ変化検出信号)を出力する。
図4に戻り、検出部33は、図5中の(d)に示す検出信号を生成するため、遅延素子41と、加算器42と、符号関数部43と、Abs(絶対値)関数部44と、を有している。
検出部33の加算器(差分器)42は、あるサンプリングクロックにおける量子化データと、そのサンプリングクロックよりも一つ前のクロックの量子化データと、の差分を求める。
遅延素子41は、サンプリングクロックよりも一つ前のクロックの量子化データを、加算器42に与える。加算器42は、あるサンプリングクロックにおける量子化データと、そのサンプリングクロックよりも一つ前のクロックの量子化データと、が一致する場合、0を出力し、一致しない場合(量子化データが変化した場合)、0以外の値を出力する。
符号関数部43は、加算器42の出力の符号に応じて、+1,−1,又は0を出力する。
Abs関数部44は、符号関数部43の出力の絶対値を出力する。つまり、Abs関数部44は、各サンプリングクロックにおいて、量子化データが一つ前のサンプリングクロックの量子化データから変化した場合には、1を出力し、量子化データが変化しない場合には、0を出力する。したがって、検出部33は、図5中の(d)に示すような検出信号を出力することができる。
検出部33は、検出信号を第1補償信号生成部34及び第2補償信号生成部35に与える。
図6は、第1補償信号生成部34の一例を示すブロック図である。なお、第2補償信号生成部35も第1補償信号生成部34と同様の構成であるので、ここでは、第1補償信号生成部34のみ説明する。
第1補償信号生成部34は、検出部33から与えられる検出信号に基づいて、非対称成分(図5中の(c)参照)を抑制する第1補償信号を生成する。第1補償信号生成部34は、有限インパルス応答(FIR)フィルタと同様の構成を有している。つまり、第1補償信号生成部34は、複数の遅延素子46a,46b,46c,46dと、複数のゲイン制御素子48a,48b,48c,48d,48eと、加算器50とを有している。第1補償信号生成部34は、4タップのデジタルフィルタを構成している。
第1補償信号生成部34は、パルス状の検出信号に対して、フィルタとして作用し、パルス列の周波数成分のうちRF信号Uの周波数の周波数成分に歪を生じさせる非対称成分を抑制するための第1補償信号を生成する。すなわち、第1補償信号生成部34は、パルス状の検出信号が与えられると、この検出信号に基づいて、非対称成分に近似させた信号を第1補償信号として生成する。
よって、第1補償信号生成部34は、非対称成分が生じるタイミングであるパルス列の立ち上がり又は立ち下がりで、第1補償信号を生成し出力することができる。
パルス状の検出信号は広い周波数成分を有しているため、フィルタ作用によって補償信号を生成するのが容易である。なお、検出信号は、補償信号に必要な周波数成分を有していればよく、パルス状に限定されるものではない。
検出信号から適切な第1補償信号を生成するには、各ゲイン制御素子48a〜48eの係数(ゲイン)Ci(i=1〜N;Nはゲイン制御素子の数;図5ではN=5)を適切に設定すればよい。非対称成分は、ΔΣ変調器1(パルス列を出力するドライバ)によってばらつきがあるため、予め、適切な第1補償信号を生成できる係数Ciを決定して、各ゲイン制御素子48a〜48eに設定しておく。
以下、各ゲイン制御素子48a〜48eの係数(ゲイン)Ciを決定する方法の一例について説明する。
まず、ΔΣ変調器1にデジタルRF信号(係数決定用のテスト信号)を入力し、ΔΣ変調器1から量子化データ(パルス列)が出力されている状態にする。この状態で、全てのゲイン制御素子48a〜48eの係数をゼロに設定する。なお、第1補償信号生成部34は、量子化データに対応したパルス列の周波数成分のうちRF信号Uの周波数の周波数成分に生じる歪を補償する第1補償信号を生成するので、係数決定用のテスト信号としては、RF信号Uと同じ周波数のRF信号が用いられる。
全ての係数がゼロに設定されると第1補償信号もゼロ(補償信号なし)となる。そして、係数C1からC5まで順番に、係数を決定していく。具体的には、まず、係数C1(i=1)を決定する。係数C1の決定のために、所定の探索範囲(例えば、−0.2〜0.2)の間で、係数C1の値を変化させつつ、ΔΣ変調器1の出力(RF信号)のACLRを測定する。ACLRが最良となる値を、係数C1の値として決定する。
図7Aは、係数C1(横軸)を、−0.2から0.2の間で変化させた場合のACLR(縦軸)を示している。図7Aは、C1=−0.07において、ACLR=40.49[dB]となり、最良となっていることを示す。したがって、C1=−0.07に決定される。
次に、C1=−0.07の状態で、係数C2を決定する。係数C2(i=2)の決定のために、C1=−0.07の状態で、係数C2を−0.2〜0.2の間で変化させ、ALCRを測定する。
図7Bは、C1=−0.07の状態で、係数C2(横軸)を、−0.2〜0.2の間で変化させた場合のACLR(縦軸)を示している。図7Bは、C2=0.07において、ACLR=51.86[dB]となり、最良となっていることを示す。したがって、C2=0.07に決定される。
同様に、C3,C4,C5も決定することで、全ての係数C1〜C5を決定できる。
各ゲイン制御素子48a〜48eの係数(ゲイン)Ciの決定は、ΔΣ変調器1又はΔΣ変調器1の量子化データに対応するパルス列を出力する機器(送信機100など)の出荷前に行っても良いし、ΔΣ変調器1の稼働時における必要な時点で行って、係数C1〜C5を動的に変更してもよい。
〔補償信号生成部が生成する補償信号について〕
第1補償信号生成部34及び第2補償信号生成部35は、上述のように、パルス状の検出信号に対して、遅延フィルタを作用させることで、非対称成分に近似させた補償信号を生成する。
ここで、第1補償信号生成部34は、検出信号に応じて、RF信号Uに対応した第1補償信号を生成する。また、第2補償信号生成部35も、検出信号に応じて、RF信号Uに対応した第2補償信号を生成する。
第1補償信号及び第2補償信号は、互いに異なるRF信号U,Uに対応して生成されるため、互いに干渉することは好ましくない。
一方、第1補償信号及び第2補償信号は、パルス状の検出信号に遅延フィルタを作用させて生成した信号であるため、RF信号U,Uの周波数の帯域外における周波数成分も含んでいる。
このため、第1補償信号及び第2補償信号をループフィルタ6に与えると、第1補償信号及び第2補償信号が互いに干渉する可能性が考えられる。第1補償信号及び第2補償信号が互いに干渉すると、適切にRF信号Uの,Uの歪補償を行うことができないおそれがある。
ここで、本実施形態の歪補償器30は、第1補償信号を第1フィルタ回路15の入力へ付加する第1補償信号付加部31と、第2補償信号を第2フィルタ回路16の入力へ付加する第2補償信号付加部32とを備えている。
これにより、第1フィルタ回路15及び第2フィルタ回路16それぞれに対して、複数の補償信号のうち対応するRF信号の周波数が同じ補償信号を与えることができる。
上記のように、第1フィルタ回路15及び第2フィルタ回路16それぞれの入力に第1補償信号及び第2補償信号を加えた場合のΔΣ変調器1の出力信号Vは、下記式(6)で表される。
V=E+U+L(U−V−GF)
+L(U−V−GF) ・・・(6)
上記式(6)中、VはΔΣ変調器1の出力信号、Eは量子化器8の量子化雑音、UはRF信号U及びRF信号Uを加算した加算信号、Lは第1フィルタ回路15の伝達関数、Lは第2フィルタ回路16の伝達関数、Gは第1補償信号生成部34の伝達関数、Gは第2補償信号生成部35の伝達関数、Fは検出部が出力するパルス状の検出信号である。よって、GFは、第1補償信号、GFは、第2補償信号である。
上記式(6)中、Uは、RF信号U及びRF信号Uを加算した加算信号であるので、下記式(7)のように表される。
U=U+U ・・・(7)
上記式(6)に上記(7)を代入し、V,U,Uで整理すると、下記式(8)が得られる。
(1+L+L)V=
E+(1+L+L)U−L
+(1+L+L)U−L
・・・(8)
上記式(8)をさらに整理すると、下記式(9)となる。
V=(U−(L/(1+L+L))GF)+
(U−(L/(1+L+L))GF)
+(1/(1+L+L))E
・・・(9)
さらに、上記式9中の(L/(1+L+L))をC、(L/(1+L+L))をCと置くと、下記式(10)のようになる。
V=(U−CF)+(U−CF)
+(1/(1+L+L))E
・・・(10)
上記式(10)中の(1/(1+L+L))は、ループフィルタ6の雑音伝達関数である。
よって、上記式(10)は、出力信号Vに含まれるRF信号U及びRF信号Uに歪補償に関する項が加算(減算)されていることを示している。
また、上記式10中のC(=L/(1+L+L))、及びC(=L/(1+L+L))は、バンドパスフィルタとしての特性を表している。
第1フィルタ回路15の伝達関数Lは、第1通過帯域に対応している。よって、Cは、第1通過帯域と同じ帯域に通過帯域を有するバンドパスフィルタとしての特性を示している。
また、第2フィルタ回路16の伝達関数Lは、第2通過帯域に対応している。よって、Cは、第2通過帯域と同じ帯域に通過帯域を有するバンドパスフィルタとしての特性を示している。
図8Aは、式10中のCが示すフィルタ特性の一例を示す図、図8Bは、式10中のCが示すフィルタ特性の一例を示す図である。
図8A及び図8Bは、例えば、本実施形態のΔΣ変調器1に与えられるRF信号Uの周波数(中心周波数)が1500MHz(帯域幅5MHz)、RF信号Uの(中心周波数)が800MHz(帯域幅5MHz)である場合について示している。
RF信号Uの周波数が1500MHzであるので、第1フィルタ回路15の第1通過帯域は、1500MHz近傍に設定されている。
よって、図8Aに示すように、式10中のCが示すフィルタ特性は、第1通過帯域に対応して1500MHz近傍に通過帯域を有する。
また、RF信号Uの周波数が800MHzであるので、第2フィルタ回路16の第2通過帯域は、800MHz近傍に設定されている。
よって、図8Bに示すように、式10中のCが示すフィルタ特性は、第2通過帯域に対応して800MHz近傍に通過帯域を有する。
上記式(10)に示すように、RF信号Uに加算される歪補償に関する項は、Cと第1補償信号GFとの積である。よって、第1補償信号の周波数成分のうちRF信号Uの周波数近傍(1500MHz近傍)の周波数成分のみが歪補償に関する値としてRF信号Uに加算される。
また、RF信号Uに加算される歪補償に関する項は、Cと第2補償信号GFとの積である。よって、第2補償信号の周波数成分のうちRF信号Uの周波数近傍(800MHz近傍)の周波数成分のみがRF信号Uに加算される。
つまり、第1補償信号及び第2補償信号は、第1補償信号付加部31及び第2補償信号付加部32によってループフィルタ6に与えられると、当該第1補償信号及び第2補償信号が歪補償の対象としている周波数成分の帯域に制限され、RF信号U及びRF信号Uに加算される。
よって、本実施形態では、広い帯域の周波数成分を含む状態の第1補償信号及び第2補償信号をループフィルタ6に与えたとしても、第1補償信号及び第2補償信号の相互干渉が抑制され、適切にRF信号Uの,Uの歪補償を行うことができる。
すなわち、第1補償信号生成部34と第1補償信号付加部31との間、及び、第2補償信号生成部35と第2補償信号付加部32との間に、バンドパスフィルタ等を設けずとも、第1補償信号及び第2補償信号の相互干渉が抑制され、適切にRF信号Uの,Uの歪補償を行うことができる。
以上のように、本実施形態のΔΣ変調器1によれば、歪補償器30が、第1補償信号を第1フィルタ回路15の入力へ付加する第1補償信号付加部31と、第2補償信号を第2フィルタ回路16の入力へ付加する第2補償信号付加部32とを備えているので、両フィルタ回路15,16それぞれに対して、対応するRF信号の周波数が同じ補償信号を与えることができる。
これにより、複数の補償信号を複数のフィルタ回路15,16に対して適切に与えることができ、複数のフィルタ回路15,16で構成されたループフィルタ6を有するΔΣ変調器1の出力に対する歪補償を行うことができる。
また、本実施形態では、複数のRF信号U,Uそれぞれの周波数に応じて複数のフィルタ回路15,16の通過帯域が設定されており、複数のフィルタ回路15,16に与えられる複数の補償信号は、当該複数の補償信号それぞれが歪補償の対象としている周波数成分の帯域に制限される。この結果、複数の補償信号が、複数のRF信号U,Uのうち自補償信号に対応するRF信号以外の他のRF信号の周波数成分を含んでいたとしても、複数の補償信号の相互干渉が抑制され、適切に歪補償を行うことができる。
図9及び図10は、シミュレーションによって得た、第1実施形態のΔΣ変調器1による出力信号V(パルス列)のパワースペクトラムの一例を示す図である。
図9及び図10は、それぞれ同じ出力信号Vのパワースペクトラムの一部を示している。
図9及び図10に示す例では、例えば、本実施形態のΔΣ変調器1に与えられるRF信号Uの周波数(中心周波数)が1500MHz(帯域幅5MHz)、RF信号Uの(中心周波数)が800MHz(帯域幅5MHz)である場合について示している。
図9は、800MHz近傍における出力信号Vのパワースペクトラムの一部を示している。
図10は、1500MHz近傍における出力信号Vのパワースペクトラムの一部を示している。また、図9及び図10中、実施例品は歪補償器30による歪補償を行った場合の出力信号Vのパワースペクトラム、比較例品は歪補償器30による歪補償を行わない場合の出力信号Vのパワースペクトラムである。
RF信号Uの周波数が1500MHzであるので、第1フィルタ回路15の第1通過帯域は、中心周波数が1500MHz近傍とされ帯域幅が約40MHzに設定されている。
また、RF信号Uの周波数が800MHzであるので、第2フィルタ回路16の第2通過帯域は、中心周波数800MHz近傍とされ帯域幅が約40MHzに設定されている。
図9及び図10に示すように、比較例品と比較して実施例品は、ACLRが14〜15dB程度低下していることが判る。
このように、図9及び図10に示すシミュレーションの結果から、歪補償器30による歪補償によって出力信号Vに含まれるRF信号U,Uの信号特性が向上することが判る。
〔第2実施形態について〕
図11は、第2実施形態に係るΔΣ変調器1の一部分を示すブロック図である。
本実施形態の歪補償器30には、第1補償信号生成部34と第1補償信号付加部31との間に第1バンドパスフィルタ55が設けられ、第2補償信号生成部35と第2補償信号付加部32との間に第2バンドパスフィルタ56が設けられている点において、第1実施形態と相違する。
第1バンドパスフィルタ55は、RF信号Uの周波数帯域を含む通過帯域を有している。また、第2バンドパスフィルタ56は、RF信号Uの周波数帯域を含む通過帯域を有している。
第1バンドパスフィルタ55及び第2バンドパスフィルタ56は、制御部19によってそのフィルタ特性が制御される。よって、第1バンドパスフィルタ55及び第2バンドパスフィルタ56の通過帯域は、第1フィルタ回路15及び第2フィルタ回路16の設定に応じて、適宜調整可能である。
歪補償器30の第1補償信号及び第2補償信号は、第1補償信号付加部31及び第2補償信号付加部32によってループフィルタ6に与えられると、当該第1補償信号及び第2補償信号が歪補償の対象としている周波数成分の帯域に制限され、第1補償信号及び第2補償信号の相互干渉が抑制される。
しかし、例えば、RF信号Uの周波数とRF信号Uの周波数とが、比較的近いことから第1フィルタ回路15及び第2フィルタ回路16の通過帯域が接近する場合、第1補償信号及び第2補償信号の間で相互干渉が生じるおそれが生じる。
このような場合、第1バンドパスフィルタ55及び第2バンドパスフィルタ56の通過帯域を調整し、第1補償信号及び第2補償信号の周波数帯域を互いに影響を与えない程度に調整することができる。これにより、第1補償信号及び第2補償信号の相互干渉を抑制することができる。
〔第3実施形態について〕
図12は、第3実施形態に係るΔΣ変調器1の構成を示すブロック図である。
本実施形態のΔΣ変調器1は、周波数の異なる3つのRF信号U,U,Uを受け付け、受け付けた3つのRF信号U,U,Uを含む単一の出力信号Vを出力する点で上記第1実施形態と相違している。
本実施形態のΔΣ変調器1は、RF信号U,U,Uが入力される3つの入力ポート2a,2b,2cを備えている。第1加算器5は、入力ポート2a,2b,2cによって受け付けられたRF信号U,U,Uを加算し、加算した出力をループフィルタ6に与える。
本実施形態のループフィルタ6は、第1フィルタ回路15と、第2フィルタ回路16と、第3フィルタ回路17とを備えており、3つのフィルタによって構成されている。各フィルタ15,16,17は、差分器9に対して並列に接続されている。
歪補償器30は、第3フィルタ回路17に対応して、第3補償信号加算器36と、第3補償信号加算器36に対して与えるための第3補償信号を生成する第3補償信号生成部37とを備えている。
本実施形態の場合も、第1実施形態と同様、複数の補償信号(第1補償信号、第2補償信号、及び第3補償信号)を複数のフィルタ回路15,16,17に対して適切に与えることができ、複数のフィルタ回路15,16,17で構成されたループフィルタ6を有するΔΣ変調器1の出力に対する歪補償を行うことができる。
〔第4実施形態について〕
図13は、第4実施形態に係るΔΣ変調器1の構成を示すブロック図である。
本実施形態のΔΣ変調器1は、歪補償器30が第2補償信号生成部35及び第2補償信号付加部32を備えていない点において、上記第1実施形態と相違している。
本実施形態では、第1フィルタ回路15の入力には第1補償信号が付加されるが、第2フィルタ回路16の入力には第2補償信号が付加されない。このため、RF信号U2の歪補償は行われない。
しかし、第1フィルタ回路15の入力には第1補償信号が付加されるため、RF信号U1の歪補償は行われる。
このように、歪補償器30は、ループフィルタ6を構成する複数のフィルタ回路(第1フィルタ回路15及び第2フィルタ回路16)のうち、少なくとも1のフィルタ回路の入力へ補償信号を生成することができ、さらに生成した補償信号を前記1のフィルタ回路へ付加する補償信号付加部を備えていれば、前記1のフィルタ回路の通過帯域に対応するRF信号については、適切に歪補償を行うことができる。
〔その他〕
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。
上記各実施形態では、ループフィルタ6を2つ、又は3つのフィルタ回路を用いて構成した場合を例示したが、より多数のフィルタ回路を用いて構成してもよい。
また、上記各実施形態では、ループフィルタ6を構成する複数のフィルタ回路を並列に接続した場合を例示したが、複数のフィルタ回路を直列に接続してもよい。この場合においても、補償信号加算器は、各フィルタ回路の入力へ補償信号を加算する。
また、上記各実施形態で示したように、ΔΣ変調器1の歪補償器30は、量子化データに対応したパルス列の周波数成分のうち複数のRF信号の周波数に対応する周波数成分に生じる歪を補償する補償信号を1又は複数生成するように構成され、さらに、歪補償器30は、前記1又は複数の補償信号を複数のフィルタ回路の入力へ付加する補償信号付加部を1又は複数備えた構成とすることができる。
本発明の範囲は、上記した意味ではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 変調器
2a,2b,2c 入力ポート
4 出力ポート
5 第1加算器
6 ループフィルタ
7 第2加算器
8 量子化器
9 差分器
10 経路
15 第1フィルタ回路
16 第2フィルタ回路
17 第3フィルタ回路
18 第3加算器
19 制御部
20 分岐部
30 歪補償器
31 第1補償信号付加部
32 第2補償信号付加部
33 検出部
34 第1補償信号生成部
35 第2補償信号生成部
36 信号加算器
37 信号生成部
41 遅延素子
42 加算器
43 符号関数部
44 Abs関数部
46a,46b,46c,46d 遅延素子
48a,48b,48c,48d,48e ゲイン制御素子
50 加算器
55 第1バンドパスフィルタ
56 第2バンドパスフィルタ
100 送信機
102,103 直交変調部
104 伝送路
105 第1バンドバスフィルタ
105 第1バンドパスフィルタ
106 第2バンドパスフィルタ

Claims (10)

  1. 周波数の異なる複数の入力信号を加算する第1加算器と、
    ループフィルタと、
    前記第1加算器の出力と前記ループフィルタの出力とを加算する第2加算器と、
    前記第2加算器の出力に基づいて量子化データを生成する量子化器と、
    前記量子化器の出力をフィードバックしたフィードバック信号と前記第1加算器の出力との差分を求め、前記ループフィルタへ出力する差分器と、
    前記量子化データに対応したパルス列の周波数成分のうち前記複数の入力信号の周波数に対応する周波数成分に生じる歪を補償する補償信号を生成する補償器と、を備え、
    前記ループフィルタは、前記複数の入力信号それぞれの周波数に通過帯域を有するとともに、複数のフィルタ回路を含み、
    前記補償器は、前記補償信号を前記フィルタ回路の入力へ付加する信号付加部を備えている
    ΔΣ変調器。
  2. 前記補償信号は、前記複数の入力信号のうち自補償信号に対応する入力信号以外の他の入力信号の周波数成分を含んでいる
    請求項1に記載のΔΣ変調器。
  3. 前記信号付加部に与えられる前記補償信号に対応する入力信号の周波数近傍が通過帯域とされている帯域通過フィルタが、前記補償器と、前記信号付加部との間に設けられている
    請求項1に記載のΔΣ変調器。
  4. 複数の前記フィルタ回路は並列に接続されている
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のΔΣ変調器。
  5. 複数の前記フィルタ回路は直列に接続されている
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のΔΣ変調器。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のΔΣ変調器と、
    前記量子化器の出力が与えられる送信部と、を備えている
    送信機。
  7. 周波数の異なる複数の入力信号に対してΔΣ変調を行うΔΣ変調器に用いられる半導体集積回路であって、
    周波数の異なる複数の入力信号を加算する第1加算器と、
    ループフィルタと、
    前記第1加算器の出力と前記ループフィルタの出力とを加算する第2加算器と、
    前記第2加算器の出力に基づいて量子化データを生成する量子化器と、
    前記量子化器の出力をフィードバックしたフィードバック信号と前記第1加算器の出力との差分を求め、前記ループフィルタへ出力する差分器と、
    前記量子化データに対応したパルス列の周波数成分のうち前記複数の入力信号の周波数に対応する周波数成分に生じる歪を補償する補償信号を生成する補償器と、を備え、
    前記ループフィルタは、前記複数の入力信号それぞれの周波数に通過帯域を有するとともに、複数のフィルタ回路を含み、
    前記補償器は、前記補償信号を前記フィルタ回路の入力へ付加する信号付加部を備えている
    半導体集積回路。
  8. 周波数の異なる複数の入力信号に対して行うΔΣ変調の歪補償方法であって、
    前記複数の入力信号を加算する第1加算ステップと、
    前記第1加算ステップの出力とループフィルタの出力とを加算する第2加算ステップと、
    前記第2加算ステップの出力に基づいて量子化データを生成する量子化データ生成ステップと、
    前記量子化データ生成ステップの出力をフィードバックしたフィードバック信号と前記第1加算ステップの出力との差分を求め、前記ループフィルタへ出力する差分ステップと、
    前記量子化データに対応したパルス列の周波数成分のうち前記複数の入力信号の周波数に対応する周波数成分に生じる歪を補償する補償信号を生成する生成ステップと、を含み、
    前記ループフィルタは、前記複数の入力信号それぞれの周波数に通過帯域を有するとともに、複数のフィルタ回路を含み、
    前記複数の補償ステップは、前記補償信号を前記フィルタ回路の入力へ付加する信号付加ステップを含む
    歪補償方法。
  9. プログラム可能な集積回路と、前記集積回路の回路構成に関する回路構成情報を前記集積回路に与え、前記回路構成情報に従って前記集積回路に回路を構成させる制御部と、を備えたシステムであって、
    前記回路構成情報によって構成される前記回路は、
    周波数の異なる複数の入力信号を加算する第1加算器と、
    ループフィルタと、
    前記第1加算器の出力と前記ループフィルタの出力とを加算する第2加算器と、
    前記第2加算器の出力に基づいて量子化データを生成する量子化器と、
    前記量子化器の出力をフィードバックしたフィードバック信号と前記第1加算器の出力との差分を求め、前記ループフィルタへ出力する差分器と、
    前記量子化データに対応したパルス列の周波数成分のうち前記複数の入力信号の周波数に対応する周波数成分に生じる歪を補償する補償信号を生成する補償器と、を備え、
    前記ループフィルタは、前記複数の入力信号それぞれの周波数に通過帯域を有するとともに、複数のフィルタ回路を含み、
    前記補償器は、前記補償信号を前記フィルタ回路の入力へ付加する信号付加部を備えている
    システム。
  10. 周波数の異なる複数の入力信号を表すデータに対して行うΔΣ変調の歪補償処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、
    コンピュータに
    前記複数の入力信号を加算する第1加算ステップと、
    前記第1加算ステップの出力とループフィルタの出力とを加算する第2加算ステップと、
    前記第2加算ステップの出力に基づいて量子化データを生成する量子化データ生成ステップと、
    前記量子化データ生成ステップの出力をフィードバックしたフィードバック信号と前記第1加算ステップの出力との差分を求め、前記ループフィルタへ出力する差分ステップと、
    前記量子化データに対応したパルス列の周波数成分のうち前記複数の入力信号の周波数に対応する周波数成分に生じる歪を補償する補償信号を生成する生成ステップと、を含む処理を実行させるコンピュータプログラムであり、
    前記ループフィルタは、前記複数の入力信号それぞれの周波数に通過帯域を有するとともに、複数のフィルタ回路を含み、
    前記複数の補償ステップは、前記補償信号を前記フィルタ回路の入力へ付加する信号付加ステップを含む
    コンピュータプログラム。
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