JPWO2018221168A1 - 圧力測定用材料 - Google Patents

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Abstract

電子供与性染料前駆体を内包するマイクロカプセルAを含有する発色剤層が第1基材上に配置されている第1材料と、電子受容性化合物である粘土物質を含有する顕色剤層が第2基材上に配置されている第2材料と、を備え、顕色剤層の表面の算術平均粗さRaが、1.1μm<Ra≦3.0μmを満足する圧力測定用材料。

Description

本開示は、圧力測定用材料に関する。
圧力測定用材料(即ち、圧力の測定に用いられる材料)は、液晶パネルの製造におけるガラス基板の貼合せ工程;プリント基板へのハンダ印刷;ローラ間の圧力調整;などの用途に使われている。
圧力測定用材料の例として、例えば、富士フイルム(株)から提供されているプレスケール(商品名;登録商標)に代表される圧力測定フィルムがある。
近年、微小な圧力を測定するための圧力測定用材料が検討されている。
例えば、特許第4986749号公報には、低圧(特に3MPa以下の圧力)領域で良好に発色させることができ、濃度読み取りが良好に行なえる圧力測定用材料として、プラスチック製の基材と電子供与性染料前駆体を含む発色剤層と電子受容性化合物を含む顕色剤層とを有し、前記電子供与性染料前駆体及び前記電子受容性化合物の発色反応を利用した圧力測定用材料であって、前記電子供与性染料前駆体がウレタン結合を含むマイクロカプセルに内包されており、前記電子受容性化合物の少なくとも1種が置換基を有するサリチル酸金属塩であり、前記マイクロカプセルが、δ/D=1.0×10−3〜2.0×10−2〔δ:マイクロカプセルの数平均壁厚(μm)、D:マイクロカプセルの体積標準のメジアン径(μm)〕の関係を満たす圧力測定用材料が開示されている。
また、特許第4986750号公報には、微小な圧力(特に0.1MPa未満の圧力(好ましくは面圧))で視認ないし読み取り可能な濃度が得られ、微圧での圧力分布を測定できる圧力測定用材料として、マイクロカプセルに内包された電子供与性染料前駆体と、電子受容性化合物との発色反応を利用した圧力測定用材料において、前記マイクロカプセルの体積標準のメジアン径がAμmであるときに、直径(A+5)μm以上のマイクロカプセルが2cm×2cm当たり7000〜28000個存在し、かつ、0.05MPaでの加圧前後における発色濃度差ΔDが0.02以上である圧力測定用材料が開示されている。
また、特許第5142640号公報には、擦れによる発色が抑制された低圧用の圧力測定用材料として、電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物との発色反応を利用した圧力測定用材料であって、電子供与性染料前駆体を内包するマイクロカプセルを含有する発色剤層が基材上に設けられた第1の材料と、電子受容性化合物を含有する顕色剤層が基材上に設けられた第2の材料と、を含み、前記マイクロカプセルの体積標準のメジアン径Dに対する、前記マイクロカプセルの数平均壁厚δの比(δ/D)が、1.0×10−3以上2.0×10−2以下であって、前記顕色剤層の表面の算術平均粗さRaが0.1μm以上1.1μm以下である圧力測定用材料が開示されている。
上述した、特許第4986749号公報、特許第4986750号公報、及び特許第5142640号公報に見られるように、微小な圧力を測定するための圧力測定用材料が検討されている。
しかし、近年では、製品の高機能化及び高精細化が進んでいる背景から、微小な圧力が加えられた領域をより精密に把握する必要性が増加している。
例えば、液晶パネルの分野では、貼り合わせ方法として、大面積化に対応して真空貼り合わせ方式が採用される場合があり、この場合には、0.1MPa(即ち、大気圧)未満の圧力が加えられた領域を精密に把握する必要がある。
また、スマートフォンの分野では、モジュールの薄手化に伴い、貼り合わせ時の歩留まりを向上させる観点から、0.05MPa以下の微小な圧力での貼り合わせが必要とされている。このため、スマートフォンの分野では、0.05MPa以下の微小な圧力が加えられた領域を精密に把握する必要がある。
上述した状況の下、上市されている圧力測定フィルムの測定可能な圧力範囲、つまり加圧により発色が得られる圧力の範囲は、0.05MPa以上の範囲となっている。このため、上市されている圧力測定フィルムに対し0.05MPa以下の微小な圧力が加えられた場合には、加圧前後の発色濃度差ΔDが小さすぎ、圧力を正確に把握できない場合がある。
上述した、特許第4986749号公報、特許第4986750号公報、及び特許第5142640号公報に記載の圧力測定用材料においても、上市されている圧力測定フィルムと同様の問題が生じ得る。
また、近年では、圧力(特に、0.05MPa以下の微小な圧力)が加えられた領域をより精密に把握するために、圧力測定用材料において、実際に圧力が加わった領域と、発色領域と、を極力一致させることが求められる場合がある。そのためには、圧力測定用材料において、発色領域の滲みを抑制し、かつ、発色領域の形状の視認性を向上させる必要がある。
ここで、発色領域の形状の視認性を向上させるとは、発色領域の形状を、実際に圧力が加わった領域の形状に近くする(理想的には一致させる)ことを意味する。発色領域の形状の視認性は、言わば、実際に圧力が加わった領域の形状と発色領域の形状との近似性である。
これらの点に関し、上述した、特許第4986749号公報、特許第4986750号公報、及び特許第5142640号公報に記載の圧力測定用材料、又は、上市されている圧力測定フィルムを用いた場合には、発色領域の滲みが生じる場合及び/又は発色領域の形状の視認性が悪くなる場合がある。
従って、本発明の一実施形態の課題は、0.05MPa以下の微小な圧力での加圧前後の発色濃度差ΔDが向上され、発色領域の滲みが抑制され、発色領域の形状の視認性に優れる圧力測定用材料を提供することである。
上記課題を解決するための具体的手段には、以下の態様が含まれる。
<1> 電子供与性染料前駆体を内包するマイクロカプセルAを含有する発色剤層が第1基材上に配置されている第1材料と、
電子受容性化合物である粘土物質を含有する顕色剤層が第2基材上に配置されている第2材料と、
を備え、
顕色剤層の表面の算術平均粗さRaが、1.1μm<Ra≦3.0μmを満足する圧力測定用材料。
<2> 発色剤層の表面の算術平均粗さRaが、1.1μm<Ra≦3.0μmを満足する<1>に記載の圧力測定用材料。
<3> 発色剤層に含有される粒径が2μm以上である粒子の個数基準の粒径分布の変動係数が、50%〜100%である<1>又は<2>に記載の圧力測定用材料。
<4> 発色剤層及び顕色剤層の少なくとも一方が、電子供与性染料前駆体を内包しないマイクロカプセルBを含有する<1>〜<3>のいずれか1つに記載の圧力測定用材料。
<5> 発色剤層が、電子供与性染料前駆体を内包しないマイクロカプセルBを含有する<1>〜<4>のいずれか1つに記載の圧力測定用材料。
<6> マイクロカプセルBのカプセル壁の材質が、メラミンホルムアルデヒド樹脂である<4>又は<5>に記載の圧力測定用材料。
<7> マイクロカプセルAのカプセル壁の材質が、メラミンホルムアルデヒド樹脂である<1>〜<6>のいずれか1つに記載の圧力測定用材料。
<8> 粘土物質が、酸性白土、活性白土、アタパルジャイト、ゼオライト、ベントナイト、及びカオリンからなる群から選択される少なくとも1種である<1>〜<7>のいずれか1つに記載の圧力測定用材料。
<9> 0.03MPaでの加圧前後の発色濃度差ΔDが、0.15以上である<1>〜<8>のいずれか1つに記載の圧力測定用材料。
<10> 顕色剤層の表面の算術平均粗さRaが、1.1μm<Ra<1.6μmを満足する<1>〜<9>のいずれか1つに記載の圧力測定用材料。
<11> 発色剤層の表面の算術平均粗さRaが、1.5μm≦Ra≦2.8μmを満足する<1>〜<10>のいずれか1つに記載の圧力測定用材料。
本発明の一実施形態によれば、0.05MPa以下の微小な圧力での加圧前後の発色濃度差ΔDが向上され、発色領域の滲みが抑制され、発色領域の形状の視認性に優れる圧力測定用材料が提供される。
本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書において、組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する上記複数の物質の合計量を意味する。
本開示の圧力測定用材料は、電子供与性染料前駆体を内包するマイクロカプセルAを含有する発色剤層が第1基材上に配置されている第1材料と、電子受容性化合物である粘土物質を含有する顕色剤層が第2基材上に配置されている第2材料と、を備え、顕色剤層の表面の算術平均粗さRaが、1.1μm<Ra≦3.0μmを満足する。
以下、算術平均粗さRaを、単に「Ra」と称することがある。
本開示の圧力測定用材料は、0.05MPa以下の微小な圧力での加圧前後の発色濃度差ΔDが向上され、発色領域の滲みが抑制され、発色領域の形状の視認性に優れている。
詳細には、本開示の圧力測定用材料は、顕色剤層の表面のRaが1.1μm超であることにより、発色濃度差ΔDが大きくなる。この理由は、顕色剤層の表面に、ある程度の大きさの凹凸が存在することにより、凹凸の凸の部分に圧力が集中しやすくなり(即ち、凸の部分の実効的な圧力が上昇し)、その結果、微小な圧力に対する感度が向上するため、と考えられる。
また、本開示の圧力測定用材料は、顕色剤層の表面のRaが3.0μm以下であることにより、発色領域の形状の視認性(言い換えれば、実際に圧力が加わった領域の形状と発色領域の形状との近似性)が向上する。
この理由は、顕色剤層の表面の凹凸がある程度抑えられていることにより、圧力が加わった領域内における発色の粗密が軽減されるためと考えられる。これに対し、顕色剤層の表面の凹凸が大きすぎ、圧力が加わった領域内における発色の粗密が顕著である場合には、発色領域の形状の視認性が損なわれると考えられる。
また、本開示の圧力測定用材料では、顕色剤層が、電子受容性化合物である粘土物質を含有することにより、発色領域の滲みが抑制される。
この理由は、顕色剤層の吸油性が向上するためと考えられる。即ち、圧力が印加されてマイクロカプセルAが壊れた際(即ち、発色領域が形成される際)に、マイクロカプセルAから生じた溶媒等が顕色剤層中の粘土物質によって吸収され、その結果、発色領域の滲みが抑制されると考えられる。
〔算術平均粗さRa〕
顕色剤層の表面の算術平均粗さRaは、1.1μm<Ra≦3.0μmを満足する。
本明細書における算術平均粗さRaは、JIS B 0681−6:2014で規定される算術平均粗さRaを意味する。
顕色剤層の表面のRaは、発色領域の形状の視認性をより向上させる観点から、好ましくは2.8μm以下(即ち、1.1μm<Ra≦2.8μm)であり、より好ましくは2.5μm以下(即ち、1.1μm<Ra≦2.5μm)であり、更に好ましくは1.6μm未満(即ち、1.1μm<Ra<1.6μm)であり、更に好ましくは1.5μm以下(即ち、1.1μm<Ra≦1.5μm)である。
顕色剤層の表面のRaは、発色濃度差ΔDをより向上させる観点から、好ましくは1.2μm以上であり、より好ましくは1.4μm以上である。
顕色剤層の表面のRaは、例えば、粘土物質を分散させる分散条件を変更することによって調整できる。
発色剤層の表面のRaには特に制限はない。
本開示の圧力測定用材料による効果をより効果的に奏する観点から、発色剤層の表面のRaは、1.1μm<Ra≦3.0μmを満足することが好ましく、1.5μm≦Ra≦2.8μmを満足することがより好ましい。
本開示の圧力測定用材料は、発色剤層を含む第1材料と、顕色剤層を含む第2材料と、を備える。本開示の圧力測定用材料は、いわゆる2シートタイプの圧力測定用材料である。
本開示の圧力測定用材料を用いた圧力測定は、第1材料及び第2材料を、第1材料の発色剤層の表面と第2材料の顕色剤層の表面とが接触する向きに重ね合わせて行う。
詳細には、重ね合わせた状態の第1材料及び第2材料を、圧力又は圧力分布を測定する部位に配置し、この状態で、第1材料及び第2材料に対して圧力を加える。圧力としては、点圧、線圧、及び面圧のいずれであってもよい。
圧力が加わると、マイクロカプセルAが破壊され、これにより、電子供与性染料前駆体と、電子受容性化合物としての粘土物質と、が接触し、発色領域が形成される。
本開示の圧力測定用材料は、前述のとおり、0.05MPa以下の微小な圧力での加圧前後の発色濃度差ΔDに優れる。
本開示の圧力測定用材料は、0.03MPaでの加圧前後の発色濃度差ΔDが、0.15以上であることが好ましく、0.16以上であることがより好ましく、0.18以上であることが更に好ましい。
0.03MPaでの加圧前後の発色濃度差ΔDの上限には特に制限はないが、上限として、例えば0.25が挙げられる。
発色濃度差ΔDは、0.03MPaでの加圧後の発色濃度から、加圧前の発色濃度を差し引くことによって求められる値である。
これらの発色濃度は、反射濃度計(例えば、グレダグマクベス社製のRD−19I)を用いて測定される値である。
以下、第1材料及び第2材料について説明する。
〔第1材料〕
本開示の圧力測定用材料は、電子供与性染料前駆体を内包するマイクロカプセルAを含有する発色剤層が第1基材上に配置されている第1材料を備える。
第1材料は、第1基材と、第1基材上に配置された発色剤層と、を含む。
<第1基材>
第1材料における第1基材の形状は、シート状、フィルム状、又は板状等のいずれであってもよい。
第1基材の具体的な例としては、紙、プラスチックフィルム、合成紙等が挙げられる。
紙の具体例としては、上質紙、中質紙、更紙、中性紙、酸性紙、再生紙、コート紙、マシンコート紙、アート紙、キャストコート紙、微塗工紙、トレーシングペーパー、再生紙等を挙げることができる。
プラスチックフィルムの具体例としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム等のポリエステルフィルム、三酢酸セルロース等のセルロース誘導体フィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、等を挙げることができる。
合成紙の具体例としては、ポリプロピレン又はポリエチレンテレフタレート等を二軸延伸してミクロボイドを多数形成したもの(ユポ等)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド等の合成繊維を用いて作製したもの、これらを紙の一部、片面もしくは両面に積層したもの、等が挙げられる。
中でも、加圧により生じる発色濃度をより高める観点から、プラスチックフィルム、合成紙が好ましく、プラスチックフィルムがより好ましい。
第1基材としては、易接着層付きのプラスチックフィルムを用いてもよい。
易接着層としては、ウレタン樹脂及び/又はブロックイソシアネートを含む層が挙げられる。
<発色剤層>
第1材料における発色剤層は、電子供与性染料前駆体を内包するマイクロカプセルAを含有する。
発色剤層は、マイクロカプセルAを、1種のみ含有してもよいし、2種以上含有してもよい。
例えば、体積基準のメジアン径が異なる2種以上のマイクロカプセルAを含有してもよい。
発色剤層において、発色剤層に含有される、粒径が2μm以上である粒子の個数基準の粒径分布の変動係数(Coefficient of Variation)(以下、「発色剤層の粒径分布のCV値」又は単に「粒径分布のCV値」ともいう)は、50%〜100%であることが好ましい。
発色剤層の粒径分布のCV値が50%以上である場合には、発色の階調性に優れる。
ここで、「発色の階調性」とは、加えられる圧力の増加に伴い発色濃度が上昇する性質を意味する。特に好ましい発色の階調性は、0.06MPa以下の圧力範囲において、圧力増加に伴い発色濃度が直線的に上昇する(即ち、圧力と発色濃度とが比例する)性質である。
発色剤層の粒径分布のCV値は、発色の階調性をより向上させる観点から、55%以上であることがより好ましく、60%以上であることが更に好ましい。
一方、発色剤層の粒径分布のCV値が100%以下である場合には、擦り合わせによる発色が抑制され、かつ、発色の階調性が向上する。
ここで、「擦り合わせによる発色」とは、圧力測定時以外の時に第1材料における発色剤層と第2材料における顕色剤層とを擦り合わせた場合の発色を意味する。要するに、擦り合わせによる発色は、圧力測定の観点からみて望ましくない発色(即ち、意図しない発色)である。発色剤層の粒径分布のCV値が100%以下であると、かかる擦り合わせによる発色が抑制される。
発色剤層の粒径分布のCV値は、擦り合わせによる発色をより抑制し、かつ、発色の階調性をより向上させる観点から、95%以下であることがより好ましく、80%以下であることが更に好ましい。
本明細書において、発色剤層の粒径分布のCV値(即ち、発色剤層に含有される、粒径が2μm以上である粒子の個数基準の粒径分布の変動係数)は、以下のようにして測定された値を意味する。
第1材料の発色剤層の表面を光学顕微鏡により100倍で撮影し、0.15cmの範囲に含まれる、粒径2μm以上の粒子400個の粒径をそれぞれ測定する。ここで、粒径は、円相当径とする。0.15cmの範囲における粒径2μm以上の粒子の数が400個に満たなかった場合には、0.15cmの範囲の周囲に存在する粒径2μm以上の粒子も測定対象に含める。
次に、粒径2μm以上の粒子400個の粒径の測定値を母集団とする個数基準の粒径分布を求め、得られた粒径分布に基づき、標準偏差及び数平均粒子径をそれぞれ算出する。
得られた標準偏差及び数平均粒子径に基づき、下記式により、発色剤層の粒径分布のCV値を求める。
発色剤層の粒径分布のCV値(%)=(標準偏差/数平均粒子径)×100
粒径が2μm以上である粒子として、具体的には、マイクロカプセルAが挙げられる。
発色剤層が後述するマイクロカプセルBを含有する場合には、粒径が2μm以上である粒子として、マイクロカプセルBも挙げられる。
発色剤層の粒径分布のCV値は、例えば、体積基準のメジアン径が異なる2種以上のマイクロカプセルを併用し、2種以上のマイクロカプセルの、混合比及び/又は各々の体積基準のメジアン径を調整することによって調整できる。
体積基準のメジアン径が異なる2種以上のマイクロカプセルとして、例えば、体積基準のメジアン径が異なる2種以上のマイクロカプセルA、体積基準のメジアン径が異なるマイクロカプセルA及びマイクロカプセルB、等が挙げられる。
(マイクロカプセルA)
マイクロカプセルAは、発色剤として、電子供与性染料前駆体を内包する。
−電子供与性染料前駆体−
電子供与性染料前駆体としては、電子を供与して、或いは、酸等のプロトン(水素イオン;H)を受容して発色する性質を有するものであれば、特に制限なく使用することができ、無色であることが好ましい。
特に、電子供与性染料前駆体としては、ラクトン、ラクタム、サルトン、スピロピラン、エステル、アミド等の部分骨格を有し、後述する電子受容性化合物と接触した場合に、これらの部分骨格が開環又は開裂する無色の化合物が好ましい。
電子供与性染料前駆体として、具体的には、トリフェニルメタンフタリド系化合物、フルオラン系化合物、フェノチアジン系化合物、インドリルフタリド系化合物、ロイコオーラミン系化合物、ローダミンラクタム系化合物、トリフェニルメタン系化合物、ジフェニルメタン系化合物、トリアゼン系化合物、スピロピラン系化合物、フルオレン系化合物などが挙げられる。
上記の化合物の詳細については、特開平5−257272号公報の記載を参照することができる。
電子供与性染料前駆体は、1種単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。
電子供与性染料前駆体としては、0.05MPa以下の微小な圧力範囲での発色性を高め、広い圧力範囲に対する濃度変化(濃度勾配)を発現させる観点から、モル吸光係数(ε)が高い電子供与性染料前駆体が好ましい。電子供与性染料前駆体のモル吸光係数(ε)は、10000mol−1・cm−1・L以上であることが好ましく、15000mol−1・cm−1・L以上あることがより好ましく、更には25000mol−1・cm−1・L以上あることが好ましい。
εが上記の範囲にある電子供与性染料前駆体の好ましい例としては、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド(ε=61000)、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−n−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド(ε=40000)、3−[2,2−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)ビニル]−3−(4−ジエチルアミノフェニル)−フタリド(ε=40000)、9−[エチル(3−メチルブチル)アミノ]スピロ[12H−ベンゾ[a]キサンテン−12,1’(3’H)イソベンゾフラン]−3’−オン(ε=34000)、2−アニリノ−6−ジブチルアミノ−3−メチルフルオラン(ε=22000)、6−ジエチルアミノ−3−メチル−2−(2,6−キシリジノ)−フルオラン(ε=19000)、2−(2−クロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン(ε=21000)、3,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(ε=16000)、2−アニリノ−6−ジエチルアミノ−3−メチルフルオラン(ε=16000)等が挙げられる。
モル吸光係数εが上記の範囲にある電子供与性染料前駆体を1種単独で用いる場合、又は、モル吸光係数εが上記の範囲にある電子供与性染料前駆体を含む2種以上を混合して用いる場合、電子供与性染料前駆体の合計量に占める、モル吸光係数(ε)が10000mol−1・cm−1・L以上の電子供与性染料前駆体の割合は、0.05MPa以下の微小な圧力範囲での発色性を高め、広い圧力範囲に対する濃度変化(濃度勾配)を発現させる観点から、10質量%〜100質量%の範囲が好ましく、20質量%〜100質量%の範囲がより好ましく、更には30質量%〜100質量%の範囲が更に好ましい。
2種以上の電子供与性染料前駆体を用いる場合、εがそれぞれ10000mol−1・cm−1・L以上のものを2種以上併用するのが好ましい。
モル吸光係数(ε)は、電子供与性無色染料を95%酢酸水溶液中に溶解したときの吸光度から算出することができる。具体的には、吸光度が1.0以下となるように濃度を調節した電子供与性無色染料の95%酢酸水溶液において、測定用セルの長さをAcm、電子供与性無色染料の濃度をBmol/L、吸光度をCとしたときに、下記式によって算出することができる。
モル吸光係数(ε)= C/(A×B)
電子供与性染料前駆体の発色剤層における含有量(例えば塗布量)は、0.05MPa以下の微小な圧力範囲での発色性を高める観点から、乾燥後の質量で0.1g/m〜5g/mが好ましく、0.1g/m〜4g/mがより好ましく、0.2g/m〜3g/mがさらに好ましい。
−溶媒−
マイクロカプセルAは、溶媒の少なくとも1種を内包することが好ましい。
溶媒としては、感圧複写紙又は感熱記録紙の用途において公知の溶媒を使用することができる。
溶媒として、具体的には、例えば、ジイソプロピルナフタレン等のアルキルナフタレン系化合物、1−フェニル−1−キシリルエタン等のジアリールアルカン系化合物、イソプロピルビフェニル等のアルキルビフェニル系化合物、トリアリールメタン系化合物、アルキルベンゼン系化合物、ベンジルナフタレン系化合物、ジアリールアルキレン系化合物、アリールインダン系化合物等の芳香族炭化水素;フタル酸ジブチル、イソパラフィン等の脂肪族炭化水素;大豆油、コーン油、綿実油、菜種油、オリーブ油、ヤシ油、ひまし油、魚油等の天然動植物油;鉱物油等の天然物高沸点留分;等が挙げられる。
溶媒は、1種単独で又は2種以上を混合して使用してもよい。
マイクロカプセルAに内包される、溶媒と電子供与性染料前駆体との質量比(溶媒:前駆体)としては、発色性の点で、98:2〜30:70の範囲が好ましく、97:3〜40:60の範囲がより好ましく、95:5〜50:50の範囲が更に好ましい。
−補助溶媒−
マイクロカプセルAは、必要に応じて、補助溶媒を内包してもよい。
補助溶媒としては、沸点が130℃以下である溶媒が挙げられる。
補助溶媒として、より具体的には、例えば、メチルエチルケトン等のケトン系化合物、酢酸エチルなどのエステル系化合物、イソプロピルアルコール等のアルコール系化合物等が挙げられる。
−その他の成分−
マイクロカプセルAは、必要に応じ、上記以外のその他の成分を含有してもよい。
その他の成分としては、紫外線吸収剤、光安定化剤、酸化防止剤、ワックス、臭気抑制剤などの添加剤を挙げることができる。
−マイクロカプセルAの体積基準のメジアン径(D50A)−
マイクロカプセルAの体積基準のメジアン径(以下、「D50A」ともいう)は、特に制限はないが、10μm超40μm未満であることが好ましい。
D50Aが40μm未満である場合には、発色性が高くなり過ぎないので、擦り合わせによる発色をより抑制できる。
D50Aが10μm超である場合には、発色剤層の表面のムラ(例えば、発色剤層を塗布形成する態様における塗布ムラ)をより抑制できる。
D50Aとしては、20μm〜35μmが好ましく、25μm〜35μmがより好ましい。
−マイクロカプセルAの数平均壁厚−
マイクロカプセルAの数平均壁厚は、カプセル壁の材料、D50A等の種々の条件に依存するが、0.05MPa以下の微小な圧力範囲での発色性の観点から、10nm〜150nmが好ましく、20nm〜100nmがより好ましく、20nm〜90nmが更に好ましい。
本明細書において、マイクロカプセルの壁厚とは、マイクロカプセルのカプセル壁(例えば、マイクロカプセルを形成する樹脂膜)の厚み(μm)を指す。ここでいうマイクロカプセルの概念には、マイクロカプセルA及び後述のマイクロカプセルBの両方が包含される。
マイクロカプセルの数平均壁厚とは、5個のマイクロカプセルの個々のカプセル壁の厚み(μm)を走査型電子顕微鏡(SEM)により求め、得られたカプセル壁の厚みの測定値(5個の測定値)を数平均(すなわち単純平均)して得られた数平均値をいう。
具体的には、まずマイクロカプセル含有液を任意の基材(例えば第1基材)上に塗布し、乾燥して塗布膜を形成する。得られた塗布膜の断面切片を作製し、その断面をSEMを用いて観察する。得られたSEM像から、任意の5個のマイクロカプセルを選択する。選択した5個のマイクロカプセルの断面を観察し、5個のマイクロカプセルにおけるカプセル壁の厚みをそれぞれ求める。カプセル壁の厚みの測定値(5個の測定値)を数平均し、得られた数平均値を、マイクロカプセルの数平均壁厚とする。
マイクロカプセルAのD50Aに対するマイクロカプセルAの数平均壁厚の比(即ち、数平均壁厚/D50A比)としては、0.05MPa以下の微小な圧力範囲での発色性の観点から、1.0×10−3〜4.0×10−3が好ましく、1.3×10−3〜2.5×10−3がより好ましい。
−マイクロカプセルAの壁材−
マイクロカプセルAの壁材(即ち、カプセル壁の材料)としては、樹脂が好ましい。
マイクロカプセルAの壁材としては、例えば、従来より感圧記録材料又は感熱記録材料における電子供与性染料前駆体含有マイクロカプセルの壁材として知られている樹脂(例えば、ウレタンウレア樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ゼラチン、等)が挙げられる。
マイクロカプセルAの壁材としては、低圧(好ましくは0.1MPa未満)で良好な発色を得る観点から、ウレタンウレア樹脂又はメラミンホルムアルデヒド樹脂が好ましい。
マイクロカプセルAの壁材としては、保存前の第1材料を使用した場合の発色濃度に対する、保存後の第1材料を使用した場合の発色濃度の比率をより高く維持する観点から、メラミンホルムアルデヒド樹脂が好ましい。
発色剤層中におけるマイクロカプセルAの含有量は、低圧(好ましくは0.1MPa未満)で良好な発色を得る観点から、発色剤層の全固形分量に対して、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましい。
発色剤層の全固形分量に対するマイクロカプセルAの含有量の上限には特に制限はないが、上限として、例えば80質量%以下が挙げられる。
(マイクロカプセルB)
第1材料における発色剤層及び第2材料における顕色剤層の少なくとも一方は、擦り合わせによる発色を抑制する観点から、電子供与性染料前駆体を内包しないマイクロカプセルBを含有することが好ましい。
第1材料における発色剤層及び第2材料における顕色剤層の少なくとも一方が、電子供与性染料前駆体を内包しないマイクロカプセルBを含有する場合には、第1材料における発色剤層と第2材料における顕色剤層とを擦り合わせた時に、マイクロカプセルBが破壊されることにより、マイクロカプセルAの破壊が抑制される。これにより、擦り合わせによる発色が抑制される。即ち、マイクロカプセルBは、マイクロカプセルB自身が破壊されることによってマイクロカプセルAの破壊を抑制する機能(即ち、ダミーカプセルとしての機能)を有する。
第1材料における発色剤層及び第2材料における顕色剤層の少なくとも一方がマイクロカプセルBを含有する場合、含有されるマイクロカプセルBは、1種のみであってもよいし、2種以上(例えば、体積基準のメジアン径が異なる2種以上)であってもよい。
マイクロカプセルBは、第1材料における発色剤層及び第2材料における顕色剤層の少なくとも一方に含有され得るが、擦り合わせによる発色を抑制する効果がより効果的に奏される観点から、第1材料における発色剤層に含有されることが好ましい。
−マイクロカプセルBに内包される成分−
マイクロカプセルBは、好ましくは溶媒を内包する。
マイクロカプセルBに内包され得る好ましい溶媒は、マイクロカプセルAに内包され得る好ましい溶媒と同様である。
その他、マイクロカプセルBに内包され得る成分としては、マイクロカプセルAに内包され得る成分のうち電子供与性染料前駆体以外の成分が挙げられる。
−マイクロカプセルBの体積基準のメジアン径(D50B)−
マイクロカプセルBの体積基準のメジアン径(以下、「D50B」ともいう)は、擦り合わせによる発色をより抑制する観点から、マイクロカプセルAのD50Aよりも大きいことが好ましい。これにより、マイクロカプセルBによる、擦り合わせによる発色抑制の効果がより効果的に奏される。
マイクロカプセルBのD50Bは、40μm超150μm未満であることが好ましい。
マイクロカプセルBのD50Bが40μm超である場合には、擦り合わせによる発色抑制の効果がより効果的に奏される。
マイクロカプセルBのD50Bが150μm未満である場合には、マイクロカプセルBが含有される発色剤層及び/又は顕色剤層のムラ(例えば、発色剤層を塗布形成する態様における塗布ムラ)をより抑制できる。また、マイクロカプセルBが発色剤層に含有される場合であって、D50Bが150μm未満である場合には、発色剤層の粒径分布のCV値が大きくなり過ぎないので、発色の階調性がより向上する。
第1材料における発色剤層及び第2材料における顕色剤層の少なくとも一方がマイクロカプセルBを含有する場合の好ましい態様は、マイクロカプセルAのD50Aが10μm超40μm未満であり、かつ、マイクロカプセルBのD50Bは、40μm超150μm未満である態様である。この態様におけるD50A及びD50Bのそれぞれのより好ましい範囲は、それぞれ前述したとおりである。
−マイクロカプセルBの数平均壁厚−
マイクロカプセルBの数平均壁厚は、カプセル壁の材料、D50B等の種々の条件に依存するが、マイクロカプセルBの機能をより効果的に発揮させる観点から、50nm〜1000nmが好ましく、70nm〜500nmがより好ましく、100nm〜300nmが更に好ましく、100nm〜200nmが更に好ましい。
マイクロカプセルBのD50Bに対するマイクロカプセルBの数平均壁厚の比(即ち、数平均壁厚/D50B比)としては、マイクロカプセルBの機能をより効果的に発揮させる観点から、1.0×10−3〜4.0×10−3が好ましく、1.3×10−3〜2.5×10−3がより好ましい。
−マイクロカプセルBの壁材−
マイクロカプセルBの壁材の好ましい態様は、マイクロカプセルAの壁材の好ましい態様と同様である。
発色剤層がマイクロカプセルBを含有する場合、発色剤層中におけるマイクロカプセルAの含有量に対するマイクロカプセルBの含有量としては、マイクロカプセルBの機能をより効果的に発揮させる観点から、1質量%〜50質量%が好ましく、5質量%〜50質量%がより好ましく、10質量%〜30質量%が更に好ましい。
(その他の成分)
発色剤層は、マイクロカプセルA及びマイクロカプセルB以外のその他の成分を含有していてもよい。
その他の成分としては、水溶性高分子結着剤(例えば、澱粉又は澱粉誘導体の微粉末、セルロース繊維粉末等の緩衝剤、ポリビニルアルコール等)、疎水性高分子結着剤(例えば、酢酸ビニル系、アクリル系、スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス等)、界面活性剤、無機粒子(例えばシリカ粒子)、蛍光増白剤、消泡剤、浸透剤、紫外線吸収剤、及び防腐剤等が挙げられる。
発色剤層に用いられる界面活性剤としては、例えば、アニオン性界面活性剤であるアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(例えば、第一工業製薬(株)のネオゲンT等)、及びノニオン系界面活性剤であるポリオキシアルキレンラウリルエーテル(例えば、第一工業製薬(株)のノイゲンLP70等)などが挙げられる。
発色剤層に用いられるシリカ粒子としては、例えば、気相法シリカ、コロイダルシリカ等が挙げられる。
シリカ粒子について、上市されている市販品の例としては、日産化学(株)のスノーテックスシリーズ(例えばスノーテックス(登録商標)30)等が挙げられる。
(発色剤層形成用塗布液)
発色剤層は、例えば、上述した発色剤層の成分及び液体成分(例えば水)を含有する発色剤層形成用塗布液を第1基材上に付与(例えば塗布)し、乾燥させることによって形成できる。
発色剤層形成用塗布液は、例えば、マイクロカプセルAの水分散液を調製し、必要に応じ、マイクロカプセルAの水分散液とその他の成分とを混合することによって調製できる。
D50A等が異なる2種以上のマイクロカプセルAを含有する発色剤層を形成する場合には、好ましくは、2種以上のマイクロカプセルAのそれぞれについての水分散液を調製し、得られた2種以上のマイクロカプセルAの水分散液を用いて発色剤層形成用塗布液を調製する。
マイクロカプセルBを含有する場合の発色剤層を形成するための発色剤層形成用塗布液は、好ましくは、マイクロカプセルAの水分散液及びマイクロカプセルBの水分散物をそれぞれ調製し、得られたマイクロカプセルAの水分散液とマイクロカプセルBの水分散物とその他の成分とを用いて発色剤層形成用塗布液を調製する。
第1基材上に発色剤層形成用塗布液を塗布して発色剤層を形成する場合、塗布は、公知の塗布法により行うことができる。
塗布法としては、例えば、エアーナイフコーター、ロッドコーター、バーコーター、カーテンコーター、グラビアコータ−、エクストルージョンコーター、ダイコーター、スライドビードコーター、ブレードコーター等を用いた塗布法が挙げられる。
第1基材上に形成される発色剤層の質量(塗布及び乾燥によって形成する場合には乾燥後の質量)は、1g/m〜10g/mが好ましく、1g/m〜5g/mがより好ましく、2g/m〜4g/mが特に好ましい。
<アンダーコート層>
第1材料は、第1基材と発色剤層との間に、アンダーコート層を備えていてもよい。
アンダーコート層は、バインダー樹脂を含むことが好ましい。
バインダー樹脂としては、アクリル樹脂(例えば、アクリル酸エステル系重合体、ポリアクリル酸、等)、スチレン−ブタジエン共重合体、酢酸ビニル系重合体、ポリビニルアルコール、無水マレイン酸−スチレン−共重合体、デンプン、カゼイン、アラビアゴム、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロースなどの合成又は天然高分子物質が挙げられる。
アンダーコート層は、バインダー樹脂以外の成分(界面活性剤等)を含有していてもよい。
アンダーコート層の膜厚は、0.5μm〜20μmが好ましく、1μm〜10μmがより好ましく、2μm〜6μmが更に好ましい。
アンダーコート層は、例えば、アンダーコート層の成分及び液体成分(例えば水)を含有するアンダーコート層形成用塗布液を第1基材上に付与(例えば塗布)し、乾燥させることによって形成できる。
発色剤層形成用塗布液は、例えば、樹脂の水分散液とその他の成分とを混合することによって調製できる。
第1基材上にアンダーコート層形成用塗布液を塗布してアンダーコート層を形成する場合の塗布の方法としては、発色剤層形成用塗布液の塗布の方法と同様の方法が挙げられる。
第1基材と発色剤層との間にアンダーコート層を備える態様の第1材料を製造する場合には、言うまでもないが、第1基材上に形成されたアンダーコート層上に発色剤層を形成する。
〔第2材料〕
本開示の圧力測定用材料は、電子受容性化合物である粘土物質を含有する顕色剤層が第2基材上に配置されている第2材料を備える。
第2材料は、第2基材と、第2基材上に配置された顕色剤層と、を含む。
<第2基材>
第2基材としては、第1基材と同様のものが挙げられる。
本開示の圧力測定用材料において、第1基材の材質と第2基材の材質とは、同一であっても異なっていてもよい。
<顕色剤層>
顕色剤層は、顕色剤として、電子受容性化合物である粘土物質(以下、単に「粘土物質」ともいう)を含有する。
顕色剤層が粘土物質を含有することにより、前述のとおり、発色領域の滲みが抑制される。
(粘土物質)
粘土物質としては、発色領域の滲みをより抑制する観点から、酸性白土、活性白土、アタパルジャイト、ゼオライト、ベントナイト、及びカオリンからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
粘土物質は、発色領域の滲みをより抑制する観点から、酸性白土、活性白土、及びカオリンからなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
活性白土としては、酸性白土又はベントナイトを硫酸で処理して得られる硫酸処理活性白土が好ましい。
顕色剤層中における粘土物質の含有量は、発色領域の滲みをより抑制する観点から、顕色剤層の全固形分量に対して、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上が更に好ましい。
顕色剤層中における粘土物質の含有量は、顕色剤層の全固形分量に対して、100質量%であってもよい。
(粘土物質以外の電子受容性化合物)
顕色剤層は、粘土物質以外の電子受容性化合物を含有していてもよい。
粘土物質以外の電子受容性化合物としては、芳香族カルボン酸の金属塩、フェノールホルムアルデヒド樹脂、カルボキシル化テルペンフェノール樹脂の金属塩等の有機化合物が挙げられる。
芳香族カルボン酸の金属塩の好ましい具体例としては、3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸、3,5−ジ−t−オクチルサリチル酸、3,5−ジ−t−ノニルサリチル酸、3,5−ジ−t−ドデシルサリチル酸、3−メチル−5−t−ドデシルサリチル酸、3−t−ドデシルサリチル酸、5−t−ドデシルサリチル酸、5−シクロヘキシルサリチル酸、3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)サリチル酸、3−メチル−5−(α−メチルベンジル)サリチル酸、3−(α,α−ジメチルベンジル)−5−メチルサリチル酸、3−(α,α−ジメチルベンジル)−6−メチルサリチル酸、3−(α−メチルベンジル)−5−(α,α−ジメチルベンジル)サリチル酸、3−(α,α−ジメチルベンジル)−6−エチルサリチル酸、3−フェニル−5−(α,α−ジメチルベンジル)サリチル酸、カルボキシ変性テルペンフェノール樹脂、3,5−ビス(α−メチルベンジル)サリチル酸とベンジルクロリドとの反応生成物であるサリチル酸樹脂等の、亜鉛塩、ニッケル塩、アルミニウム塩、カルシウム塩等を挙げることができる。
顕色剤層が、粘土物質以外の電子受容性化合物を含有する場合又は含有しない場合、顕色剤層における電子受容性化合物全量に対する粘土物質の含有量は、顕色剤層の全固形分量に対し、50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることが更に好ましい。
顕色剤層において、電子受容性化合物全量に対する粘土物質の含有量は、50質量%以上である場合には、前述した粘土物質の機能(発色領域の滲み抑制の機能)がより効果的に発揮される。
電子受容性化合物全量に対する粘土物質の含有量は、100質量%であってもよい。即ち、顕色剤層は、粘土物質以外の電子受容性化合物を含有しなくてもよい。
(その他の成分)
顕色剤層は、電子受容性化合物以外のその他の成分を含有してもよい。
その他の成分としては、バインダー樹脂、顔料、蛍光増白剤、消泡剤、浸透剤、防腐剤等が挙げられる。
その他の成分としては、前述のマイクロカプセルBも挙げられる。
バインダー樹脂としては、例えば、アクリル樹脂(例えば、アクリル酸エステル系重合体、ポリアクリル酸、等)、スチレン−ブタジエン共重合体、酢酸ビニル系重合体、ポリビニルアルコール、無水マレイン酸−スチレン−共重合体、デンプン、カゼイン、アラビアゴム、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロースなどの合成又は天然高分子物質が挙げられる。
顔料としては、例えば、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、ルチル型二酸化チタン、アナターゼ型二酸化チタン等が挙げられる。
第2基材上に形成される顕色剤層の質量は、1g/m〜20g/mが好ましく、2g/m〜18g/mがより好ましく、3g/m〜15g/mが特に好ましい。
顕色剤層は、例えば、顕色剤層の成分(少なくとも粘土物質)及び液体成分(例えば水)を含有する顕色剤層形成用塗布液を第2基材上に付与(例えば塗布)し、乾燥させることによって形成できる。
顕色剤層形成用塗布液は、例えば、粘土物質の水分散液であることが好ましい。
粘土物質の水分散液を調製する際の粘土物質の分散条件を変更することにより、顕色剤層の表面のRaを容易に調整することができる。
顕色剤層の表面のRaを調整し易いことも、電子受容性化合物である粘土物質を用いることに利点の一つである。
第2基材上に顕色剤層形成用塗布液を塗布して顕色剤層を形成する場合の塗布の方法としては、発色剤層形成用塗布液の塗布の方法と同様の方法が挙げられる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。以下において、特に断りのない限り、「%」及び「部」は質量基準である。
以下において、発色領域の濃度の測定は、反射濃度計RD−19I(グレタグマクベス社製)を用いて行った。
〔実施例1〕
<マイクロカプセルA1含有液の調製>
直鎖アルキルベンゼン(JXエネルギー(株)、グレードアルケンL)57部に、電子供与性染料前駆体である下記化合物(A)20部を溶解し、溶液Aを得た。
得られた溶液Aを攪拌し、ここに、合成イソパラフィン(出光興産(株)、IPソルベント1620)15部と、酢酸エチル1.2部に溶解したN,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン((株)アデカ、アデカポリエーテルEDP−300)0.2部と、を加えて溶液Bを得た。
得られた溶液Bを攪拌し、ここに、酢酸エチル3部に溶解したトリレンジイソシアナートのトリメチロールプロパン付加物(DIC(株)、バーノックD−750)1.2部を加えて溶液Cを得た。
次に、水140部にポリビニルアルコール(PVA−205、(株)クラレ)9部を溶解した溶液中に上記の溶液Cを加えて、乳化分散した。得られた乳化液に水340部を加え、攪拌しながら70℃まで加温し、1時間攪拌後、冷却した。冷却後の液体に対して更に水を加えて固形分濃度を調整した。
以上により、電子供与性染料前駆体を内包するマイクロカプセルAとしてのマイクロカプセルA1を含有する、マイクロカプセルA1含有液(固形分濃度19.6%)を得た。
マイクロカプセルA1含有液に含有されるマイクロカプセルA1は、体積基準のメジアン径(以下、「D50A」ともいう)及び数平均壁厚(以下、「壁厚」ともいう)が表1に示す値であった。
また、マイクロカプセルA1のカプセル壁の材料(以下、「壁材」ともいう)は、表1に示すとおり、ウレタンウレア樹脂(以下、「PUR」ともいう)であった。
マイクロカプセルA1のD50A及び壁厚は、以下のようにして算出した。
まず、マイクロカプセルA1含有液を、厚さ75μmのポリエチレンテレフタレート(PET)シート上に塗布し乾燥して塗布膜を得た。
マイクロカプセルA1のD50Aは、上記塗布膜の表面を光学顕微鏡により150倍で撮影し、2cm×2cmの範囲にある全てのマイクロカプセルA1の円相当径を計測し、得られた結果に基づき算出した。
マイクロカプセルA1の壁厚(即ち、数平均壁厚)は、上記塗布膜の断面を形成し、形成された断面から5個のマイクロカプセルA1を選択し、個々のカプセル壁の厚み(μm)を走査型電子顕微鏡(SEM)により求め、得られた値を単純平均することによって算出した。
<発色剤層形成用塗布液の調製>
上記マイクロカプセルA1含有液18部、水63部、コロイダルシリカ(日産化学(株)、スノーテックス30、固形分含有量30%)1.8部、カルボキシメチルセルロースNa(第一工業製薬(株)、セロゲン5A)の10%水溶液1.8部、カルボキシメチルセルロースNa(第一工業製薬(株)、セロゲンEP)の1%水溶液30部、アルキルベンゼンスルホン酸Na(第一工業製薬(株)、ネオゲンT)の15%水溶液0.3部、及びノイゲンLP70(第一工業製薬(株))の1%水溶液0.8部を混合し、発色剤層形成用塗布液を得た。
<第1材料の作製>
発色剤層形成用塗布液を2時間撹拌した後、厚さ75μmのポリエチレンテレフタレート(PET)シート(第1基材)の上に、乾燥後の質量が2.8g/mとなるように塗布し、乾燥させることにより、発色剤層を形成した。
以上により、第1基材上にマイクロカプセルA1を含有する発色剤層が配置されている第1材料を得た。
<顕色剤層形成用塗布液の調製>
電子受容性化合物である粘土物質としての活性白土100部に、40%水酸化ナトリウム水溶液5部、及び水300部を加え、得られた液体をホモジナイザーによって分散することにより、分散液を得た。得られた分散液に対し、カゼインのナトリウム塩の10%水溶液50部及びスチレン−ブタジエンラテックス(固形分量として30部)を添加することにより、粘土物質を含有する顕色剤層形成用塗布液を得た。
活性白土としては、BYK−chemie社製の硫酸処理活性白土である「FURACOLOR SR」を用いた。
<第2材料の作製>
上記顕色剤層形成用塗布液を、厚さ75μmのポリエチレンテレフタレート(PET)シート(第2基材)の上に、固形分塗布量が12.0g/mとなるように塗布し、乾燥させることにより、顕色剤層を形成した。
以上により、第2基材上に、粘土物質(活性白土)を含有する顕色剤層が配置されている第2材料を得た。
以上により、第1材料及び第2材料を備える2シートタイプの圧力測定用材料を得た。
<測定及び評価>
得られた圧力測定用材料を用い、以下の測定及び評価を行った。
結果を表1に示す。
(粒径分布のCV値)
第1材料の発色剤層に含有される、粒径が2μm以上である粒子の個数基準の粒径分布の変動係数(本実施例では「粒径分布のCV値」という)を、前述した方法によって測定した。
(顕色剤層の表面の算術平均粗さRa)
第2材料の顕色剤層の表面の算術平均粗さRaを、前述した方法によって測定した。
測定装置としては、光干渉方式を用いた走査型白色干渉計(詳細には、Zygo社製のNewView5020:Microモード)を用いた。
(0.03MPaでの加圧前後の発色濃度差ΔD)
第1材料及び第2材料をそれぞれ5cm×5cmのサイズに裁断した。
裁断された第1材料及び第2材料を、第1材料の発色剤層の表面と第2材料の顕色剤層の表面とが接触する向きに重ね合わせた。
重ね合わせた第1材料及び第2材料を、表面が平滑な2枚のガラス板の間に挟んで机上に置き、次いで、この2枚のガラス板の上に錘を載せることにより、2枚のガラス板に挟まれた第1材料及び第2材料を0.03MPaの圧力で120秒間加圧した。
加圧後、第1材料と第2材料とを剥離した。
次に、第2材料の顕色剤層に形成された発色領域の、上記加圧の終了から20分後の濃度(以下、「発色濃度DA」とする)を測定した。
上記とは別に、未使用の第2材料の顕色剤層の濃度(以下、「初期濃度DB」とする)を測定した。
発色濃度DAから初期濃度DBを減算し、得られた結果を、0.03MPaでの加圧前後の発色濃度差ΔDとした。
(発色領域の滲み)
発色濃度DAの測定に対し、以下の点を変更することにより、第2材料の顕色剤層に発色領域を形成した。
−発色濃度DAの測定に対する変更点−
2枚のガラス板の上に置いたおもりを、幅3mmの隙間を有するSUS板に変更し、かつ、圧力を0.03MPaから0.04MPaに変更した。
第2材料の顕色剤層に形成された発色領域を目視で観察し、下記評価基準に従って、発色領域の滲みを評価した。
下記評価基準において、評価ランクの数値が大きい程、発色領域の滲みが抑制されている。発色領域の滲みが最も抑制されている評価ランクは「5」である。
−発色領域の滲みの評価基準−
5:第2材料の顕色剤層に、SUS板の上記隙間に対応する隙間を有する発色領域が形成されており、かつ、発色領域のエッジ部分の滲みが全く無かった。
4:第2材料の顕色剤層に、SUS板の上記隙間に対応する隙間を有する発色領域が形成されており、かつ、発色領域のエッジ部分の滲みがごく僅かであった。
3:発色領域のエッジ部分の滲みがあったが、発色領域における隙間を十分に認識できた。
2:発色領域のエッジ部分の滲みにより、発色領域における隙間を認識できない箇所が発生した。
1:発色領域のエッジ部分の滲みがひどく、発色領域における隙間を認識できなかった。
(発色領域の形状の視認性)
発色領域の滲みの評価に対し、以下の点を変更することにより、第2材料の顕色剤層に発色領域を形成した。
−発色領域の滲みの評価に対する変更点−
2枚のガラス板の上に置いた、幅3mmの隙間を有するSUS板を、幅2mmのリング形状のSUS板に変更した。
第2材料の顕色剤層に形成された発色領域を目視で観察し、下記評価基準に従って、発色領域の形状の視認性を評価した。
下記評価基準において、評価ランクの数値が大きい程、発色領域の形状の視認性に優れている。発色領域の形状の視認性が最も抑制されている評価ランクは「5」である。
−発色領域の形状の視認性の評価基準−
5:発色の粗密が無く、発色領域の形状がSUS板と同様のリング形状であることを非常に良好に認識できた。
4:発色の粗密がごく僅かにあったが、発色領域の形状がSUS板と同様のリング形状であることを良好に認識できた。
3:発色の粗密があったが、発色領域の形状がリング形状であることを十分に認識できた。
2:発色の粗密により、発色領域の形状がリング形状であることを、部分的に認識できない箇所があった。
1:発色の粗密がひどく、発色領域の形状がリング形状であることを全く認識できなかった。
(擦り合わせによる発色)
第1材料及び第2材料をそれぞれ10cm×15cmのサイズに裁断した。
裁断された第1材料及び第2材料を、第1材料の発色剤層の表面と第2材料の顕色剤層の表面とが接触する向きに重ね合わせた。
この状態で、第2材料に対して第1材料を20回往復運動させることにより、発色剤層と顕色剤層とを擦り合わせた。
擦り合わせ後の第2材料の顕色剤層を目視で観察し、下記評価基準に従って、擦り合わせによる発色を評価した。
下記評価基準において、評価ランクの数値が大きい程、擦り合わせによる発色(即ち、意図しない発色)が抑制されている。擦り合わせによる発色が最も抑制されている評価ランクは「5」である。
−擦り合わせによる発色の評価基準−
5:第2材料の顕色剤層に全く発色が認められなかった。
4:第2材料の顕色剤層にごく僅かに発色が認められるが、実用上問題が無いレベルであった。
3:第2材料の顕色剤層の一部に発色が見られるが、実用上問題が無いレベルであった。
2:第2材料の顕色剤層の大部分に発色が見られ、実用上問題があるレベルであった。
1:第2材料の顕色剤層の全面に発色が見られ、実用上問題があるレベルであった。
(発色の階調性)
上述した発色濃度DAの測定に対し、2枚のガラス板の上に載せる錘の重さを変化させることにより、0.02MPa、0.03MPa、0.04MPa、0.05MPa、及び0.06MPaの各圧力を加えた場合の発色濃度をそれぞれ測定した。
測定結果に基づき、下記評価基準に従って、発色の階調性を評価した。
下記評価基準において、評価ランクの数値が大きい程、発色の階調性に優れている。発色の階調性に最も優れる評価ランクは「5」である。
−発色の階調性の評価基準−
5:0.06MPaの条件において高い発色濃度を示し、かつ、圧力増加に伴う発色濃度の上昇が直線的であった。
4:0.06MPaの条件において高い発色濃度を示し、かつ、圧力増加に伴う発色濃度の上昇に若干屈曲点があったが、実用上問題が無いレベルであった。
3:0.06MPaでの濃度が低いか、又は、0.04MPa以下の圧力範囲において圧力増加に伴う発色濃度の上昇が飽和していたが、実用上問題が無いレベルであった。
2:0.06MPaでの濃度が低いか、又は、0.03MPa以下の圧力範囲において圧力増加に伴う発色濃度の上昇が飽和しており、実用上問題があるレベルであった。
1:0.06MPaでの濃度がゼロに近いか、又は、圧力増加に伴う発色濃度の上昇が見られず、実用上問題があるレベルであった。
(発色速度)
上述した発色濃度DAの測定において、発色領域の濃度の測定を、加圧の終了から30秒毎に行った。
上述した発色濃度DA(即ち、加圧の終了から20分後の発色濃度)を100%とした場合に、80%以上の発色濃度が得られる時間(即ち、加圧の終了から濃度測定までの時間)を確認した。
80%以上の発色濃度が得られる時間が短い程、発色速度が速い。
(保存後の発色濃度(相対値))
第1材料を45℃70%RH環境で10日間保管した。
上記保管後の第1材料を用い、上述した発色の階調性における0.06MPaの条件と同様の操作を行い、顕色剤層の発色領域の濃度(以下、「発色濃度DC」とする)を測定した。
発色濃度DCについて、上述した発色の階調性における0.06MPaの条件での発色濃度を100%とした場合の相対値(%)を算出し、保存後の発色濃度(相対値)とした。
〔実施例2及び3〕
マイクロカプセルA1のD50A及び壁厚を、表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示す。
マイクロカプセルA1のD50A及び壁厚は、マイクロカプセルA1含有液の調製において、乳化分散する際の単位時間当たりの攪拌回転数を変更することによって変化させた。
具体的には、単位時間当たりの攪拌回転数を小さくするほど、マイクロカプセルA1のD50Aが大きくなり、かつ、マイクロカプセルA1の壁厚が厚くなる。
〔実施例4〕
発色剤層形成用塗布液の調製において、2種のマイクロカプセルA含有液(具体的には、マイクロカプセルA1含有液及びマイクロカプセルA2含有液)を用いたこと以外は実施例3と同様の操作を行った。
結果を表1に示す。
マイクロカプセルA2含有液の添加量は、発色剤層におけるマイクロカプセルA2に対するマイクロカプセルA1の質量比(以下、「A1/A2質量比」とする)が表1に示す値となる量とした。
実施例4におけるマイクロカプセルA1含有液の添加量及びマイクロカプセルA2含有液の添加量の合計量は、実施例1におけるマイクロカプセルA1含有液の添加量と同じとした。
実施例4におけるマイクロカプセルA1含有液及びマイクロカプセルA2含有液は、いずれも、実施例1におけるマイクロカプセルA1含有液と同様の方法によって調製した。但し、マイクロカプセルA2含有液については、含有されるマイクロカプセルA2におけるD50A及び壁厚が表1に示す値となるように、製造条件を調整した。D50A及び壁厚の変更方法は、実施例2及び3で説明したとおりである。
〔実施例5〕
実施例4の第1材料の作製において、発色剤層を形成する前に、第1基材としてのPETシート上に、アンダーコート層(以下、「UC層」ともいう)を形成したこと以外は実施例4と同様の操作を行った。
結果を表1に示す。
実施例5の第1材料の層構造は、第1基材上にUC層及び発色剤層がこの順に配置された構造である。
UC層の形成は、第1基材としてのPETシート上に、以下のようにして調製されたアンダーコート層用塗布液を、乾燥後の膜厚が4μmとなるように塗布し、乾燥させることによって形成した。
−アンダーコート層用塗布液の調製−
バインダー樹脂として、アクリル樹脂水分散物(ジュリマーET−410、東亜合成(株)製、固形分30質量%)691部に、界面活性剤としてナトリウム=ビス(3、3、4、4、5、5、6、6−ノナフルオロ)=2−スルホナイトオキシスクシナート(富士フイルムファインケミカル製、固形分2質量%、メタノール溶液)を13.3部、造膜助剤として2−ブトキシエタノールを100部、及び水196部を混合してアンダーコート層用塗布液を得た。
〔実施例6及び7〕
顕色剤層の表面のRaを、表1に示すように変更したこと以外は実施例2と同様の操作を行った。
結果を表1に示す。
顕色剤層の表面のRaは、顕色剤層形成用塗布液の調製における、ホモジナイザーによる分散条件(単位時間当たりの攪拌回転数)を変更することによって変更した。
具体的には、単位時間当たりの攪拌回転数を小さくするほど、顕色剤層の表面のRaが大きくなる。
〔実施例8及び9〕
発色剤層における粒径分布のCV値を、表1に示すように変更したこと以外は実施例2と同様の操作を行った。
結果を表1に示す。
発色剤層における粒径分布のCV値は、乳化分散時の撹拌時間を変更することによって変更した。
具体的には、撹拌時間が短いほど、発色剤層における粒径分布のCV値が大きくなる。
〔実施例10〕
発色剤層形成用塗布液の調製において、更に、電子供与性染料前駆体を内包しないマイクロカプセルBとしてのマイクロカプセルB1を含有する下記マイクロカプセルB1含有液を加えたこと以外は実施例2と同様の操作を行った。
結果を表1に示す。
マイクロカプセルB1含有液の添加量は、発色剤層における、マイクロカプセルA1に対するマイクロカプセルB1の質量比が、20/100となる量とした。
−マイクロカプセルB1含有液の調製−
合成イソパラフィン(出光興産(株)、IPソルベント1620)15部と、酢酸エチル3部に溶解したN,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン((株)アデカ、アデカポリエーテルEDP−300)0.4部とを、攪拌している1−フェニル−1−キシリルエタン(新日本石油(株)製、ハイゾールSAS296)78部に加え、溶液Xを得た。
得られた溶液Xを攪拌し、ここに、酢酸エチル7部に溶解したトリレンジイソシアナートのトリメチロールプロパン付加物(DIC(株)、バーノックD−750)3部を加えて溶液Yを得た。
次に、水140部にポリビニルアルコール(PVA−205、(株)クラレ)9部を溶解した溶液中に上記の溶液Yを加え、乳化分散した。得られた乳化液に水340部を加え、攪拌しながら70℃まで加温し、1時間攪拌後、冷却した。冷却後の液体に対して更に水を加えて固形分濃度を調整した。
以上により、電子供与性染料前駆体を内包しないマイクロカプセルBとしてのマイクロカプセルB1を含有する、マイクロカプセルA1含有液(固形分濃度19.6%)を得た。
マイクロカプセルB1含有液に含有されるマイクロカプセルB1は、体積基準のメジアン径(以下、「D50B」ともいう)及び壁厚が表1に示す値であった。
マイクロカプセルB1のD50B及び壁厚の測定方法は、それぞれ、マイクロカプセルA1のD50A及び壁厚の測定方法と同様とした。
また、マイクロカプセルB1の壁材は、表1に示すとおり、PUR(即ち、ウレタンウレア樹脂)である。
〔実施例11〕
発色剤層形成用塗布液の調製において、更に、上記マイクロカプセルB1含有液を加えたこと以外は実施例4と同様の操作を行った。
結果を表1に示す。
マイクロカプセルB1含有液の添加量は、発色剤層における、マイクロカプセルA1及びマイクロカプセルA2の合計に対するマイクロカプセルB1の質量比(以下、「B1/(A1+A2)質量比」ともいう)が、表1に示す値となる量とした。
〔実施例12及び13〕
顕色剤層の表面のRaを、表1に示すように変更したこと以外は実施例11と同様の操作を行った。
結果を表1に示す。
顕色剤層の表面のRaの変更方法は、実施例6及び7における方法と同様である。
〔実施例14〕
実施例1におけるマイクロカプセルA1含有液を、以下のマイクロカプセルA1含有液に変更したこと以外は実施例2と同様の操作を行った。
結果を表1に示す。
<実施例14のマイクロカプセルA1含有液の調製>
80℃の熱水140部を攪拌しながら、ここに、ポリビニルスルホン酸の一部ナトリウム塩(平均分子量500,000)10部を添加して溶解させ、その後、冷却し、水溶液M1を得た。この水溶液M1のpHは2〜3であった。この水溶液M1に対し、20質量%水酸化ナトリウム水溶液を加え、pHを4.0に調整することにより、水溶液M2を得た。
別途、実施例1におけるマイクロカプセルA1含有液の調製における溶液Bと同様にして、溶液B2(即ち、電子供与性染料前駆体である上記化合物(A)を含む溶液)を調製した。ここで調製した溶液B2の量も、実施例1で調製した溶液Bの量と同じとした。
上記水溶液M2に対し溶液B2を加えて乳化分散することにより、乳化液M3を得た。
別途、メラミン6部及び37質量%ホルムアルデヒド水溶液11部を60℃に加熱し、この温度で30分間攪拌することにより、メラミンとホルムアルデヒドとメラミン−ホルムアルデヒド初期縮合物とを含む混合水溶液M4(pH6〜8)を得た。
次に、乳化液M3と混合水溶液M4とを混合し、得られた液体を攪拌しながら、3.6質量%の塩酸溶液によって上記液体のpHを6.0に調節し、次いで、液温を65℃に上げ、この温度で360分攪拌し続けた。攪拌後の液体を冷却し、次いで水酸化ナトリウム水溶液によって液体のpHを9.0に調整した。
以上により、電子供与性染料前駆体を内包するマイクロカプセルAとしてのマイクロカプセルA1を含有する、実施例14のマイクロカプセルA1含有液(pH9.0、固形分濃度19.6%)を得た。
実施例14のマイクロカプセルA1含有液に含有されるマイクロカプセルA1は、D50A及び壁厚が表1に示す値であった。
マイクロカプセルA1のD50A及び壁厚の測定方法は、前述のとおりである。
また、実施例14のマイクロカプセルA1の壁材は、表1に示すとおり、メラミンホルムアルデヒド樹脂(以下、「MF」ともいう)である。
〔実施例15〕
実施例14の第1材料の作製において、発色剤層を形成する前に、第1基材としてのPETシート上に、UC層を形成したこと以外は実施例14と同様の操作を行った。
結果を表1に示す。
UC層は、実施例5におけるUC層と同様の方法によって形成した。
〔実施例16〕
発色剤層形成用塗布液の調製において、2種のマイクロカプセルA含有液(具体的には、マイクロカプセルA1含有液及びマイクロカプセルA2含有液)を用いたこと以外は実施例14と同様の操作を行った。
結果を表1に示す。
実施例16のマイクロカプセルA2含有液の添加量は、発色剤層におけるA1/A2質量比が表1に示す値となる量とした。
実施例16におけるマイクロカプセルA1含有液の添加量及びマイクロカプセルA2含有液の添加量の合計量は、実施例14におけるマイクロカプセルA1含有液の添加量と同じとした。
実施例16におけるマイクロカプセルA1含有液及びマイクロカプセルA2含有液は、いずれも、実施例14のマイクロカプセルA1含有液と同様の方法によって調製した。但し、マイクロカプセルA1含有液に含有されるマイクロカプセルA1におけるD50A及び壁厚が、表1に示す値となるように製造条件を調整し、かつ、マイクロカプセルA2含有液に含有されるマイクロカプセルA2におけるD50A及び壁厚が、表1に示す値となるように製造条件を調整した。
D50A及び壁厚の変更方法は、実施例2及び3で説明したとおりである。
〔実施例17〕
発色剤層形成用塗布液の調製において、更に、電子供与性染料前駆体を内包しないマイクロカプセルBとしてのマイクロカプセルB1を含有する、下記の「実施例17のマイクロカプセルB1含有液」を加えたこと以外は実施例16と同様の操作を行った。
結果を表1に示す。
実施例17のマイクロカプセルB1含有液の添加量は、発色剤層におけるB1/(A1+A2)質量比が表1に示す値となる量とした。
<実施例17のマイクロカプセルB1含有液の調製>
溶液B2(即ち、電子供与性染料前駆体である上記化合物(A)を含む溶液)を、実施例10における溶液Xと同様の溶液である、溶液X2(即ち、電子供与性染料前駆体を含まない溶液)に変更したこと以外は実施例14のマイクロカプセルA1含有液の調製と同様にして、電子供与性染料前駆体を内包しないマイクロカプセルBとしてのマイクロカプセルB1を含有する、実施例17のマイクロカプセルB1含有液を調製した。ここで用いた溶液X2の量は、実施例10における溶液Xの量と同じとした。
実施例17のマイクロカプセルB1含有液に含有されるマイクロカプセルB1は、D50B及び壁厚が表1に示す値であった。
マイクロカプセルB1のD50B及び壁厚の測定方法は、それぞれ、マイクロカプセルA1のD50A及び壁厚の測定方法と同様とした。
また、マイクロカプセルB1の壁材は、表1に示すとおり、MF(即ち、メラミンホルムアルデヒド樹脂)である。
〔実施例18及び19〕
粘土物質(電子受容性化合物)としての活性白土を、粘土物質(電子受容性化合物)としてのカオリン(詳細には、白石カルシウム(株)製のKAOBRITE)に変更したこと以外は実施例2及び17と同様の操作を行った。
結果を表1に示す。
ここで用いたカオリンの量は、実施例2で用いた粘土物質の量と同じ(100部)とした。
〔比較例1及び2〕
実施例2及び10において、電子受容性化合物である粘土物質(活性白土)を含む第2材料を、電子受容性化合物である比較物質(具体的には、3,5−ジ−α−メチルベンジルサリチル酸亜鉛;以下、単に「サリチル酸亜鉛」ともいう)を含む、以下の比較第2材料に変更したこと以外は実施例2及び10と同様の操作を行った。
結果を表1に示す。
<比較第2材料の作製>
比較物質である3,5−ジ−α−メチルベンジルサリチル酸亜鉛(以下、単に「サリチル酸亜鉛」ともいう)10部、炭酸カルシウム100部、ヘキサメタリン酸ナトリウム1部、及び水200部を、サンドグラインダーを用いて分散して分散液を調製した。次いで、調製した分散液に、ポリビニルアルコール(PVA−203、クラレ(株))の10%水溶液100部、スチレン−ブタジエンラテックスを固形分として10部、及び水450部を添加することにより、比較物質を含有する、顕色剤層形成用塗布液を得た。
上記顕色剤層形成用塗布液を、厚さ75μmのポリエチレンテレフタレート(PET)シート(第2基材)の上に、乾燥膜厚が12μmになるように塗布し、乾燥させることにより、顕色剤層を形成した。
以上により、第2基材上に、比較物質(サリチル酸亜鉛)を含有する顕色剤層が配置されている比較第2材料を得た。
〔比較例3及び4〕
実施例2及び10において、それぞれ、顕色剤層の表面のRaを表1に示すように変更したこと以外は実施例2及び10と同様の操作を行った。
結果を表1に示す。
顕色剤層の表面のRaの変更方法は、実施例6及び7において説明したとおりである。
〔比較例5〕
顕色剤層の表面のRaを表1に示すように変更したこと以外は比較例1と同様の操作を行った。
結果を表1に示す。
顕色剤層の表面のRaは、比較例1における比較第2材料の作製において、サンドグラインダーによる分散条件(単位時間当たりの攪拌回転数)を変更することによって変更した。具体的には、単位時間当たりの攪拌回転数を小さくするほど、顕色剤層の表面のRaが大きくなる。
〔比較例6〕
顕色剤層の表面のRaを表1に示すように変更したこと以外は実施例2と同様の操作を行った。
結果を表1に示す。
顕色剤層の表面のRaの変更方法は、実施例6及び7において説明したとおりである。
表1に示すように、電子供与性染料前駆体を内包するマイクロカプセルAを含有する発色剤層が第1基材上に配置されている第1材料と、電子受容性化合物である粘土物質を含有する顕色剤層が第2基材上に配置されている第2材料と、を備え、顕色剤層の表面のRaが1.1μm<Ra≦3.0μmを満足する圧力測定用材料を用いた実施例1〜19は、0.03MPaでの加圧前後の発色濃度差ΔDが大きく、発色領域の滲みが抑制され、発色領域の形状の視認性に優れていた。
なお、実施例1〜19及び比較例1〜6において、発色剤層の表面のRaを、顕色剤層の表面のRaと同様にして測定した。その結果、いずれの例においても、発色剤層の表面のRaが、1.5μm≦Ra≦2.8μmを満足していた。
実施例1〜19に対し、電子受容性化合物である粘土物質ではなく比較物質(サリチル酸亜鉛)を用いた、比較例1、2及び5では、発色領域の滲みが発生した。
また、顕色剤層の表面のRaが1.1μm以下である比較例1〜4では、ΔDが小さくなった。
また、顕色剤層の表面のRaが3.0μm超である比較例6では、発色領域の形状の視認性が悪かった。
また、実施例8と他の実施例との対比より、発色剤層における粒径分布のCV値(即ち、発色剤層に含有される粒径が2μm以上である粒子の個数基準の粒径分布の変動係数)が60%以上である場合には、発色の階調性がより向上することがわかる。
また、実施例9と他の実施例との対比より、発色剤層における粒径分布のCV値が80%以下である場合には、擦り合わせによる発色がより抑制され、かつ、発色の階調性がより向上することがわかる。
また、実施例10〜13と実施例1〜9との対比より、発色剤層が、電子供与性染料前駆体を内包しないマイクロカプセルBを含有する場合には、擦り合わせによる発色がより抑制されることがわかる。
また、実施例14〜17及び19と他の実施例との対比より、マイクロカプセルA及び/又はマイクロカプセルBの壁材(即ち、カプセル壁の材質)がMF(即ち、メラミンホルムアルデヒド樹脂)である場合には、保存後の発色濃度がより高く維持されることがわかる。
2017年5月31日に出願された日本国特許出願2017−108376号の開示はその全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書に参照により取り込まれる。

Claims (11)

  1. 電子供与性染料前駆体を内包するマイクロカプセルAを含有する発色剤層が第1基材上に配置されている第1材料と、
    電子受容性化合物である粘土物質を含有する顕色剤層が第2基材上に配置されている第2材料と、
    を備え、
    前記顕色剤層の表面の算術平均粗さRaが、1.1μm<Ra≦3.0μmを満足する圧力測定用材料。
  2. 前記発色剤層の表面の算術平均粗さRaが、1.1μm<Ra≦3.0μmを満足する請求項1に記載の圧力測定用材料。
  3. 前記発色剤層に含有される粒径が2μm以上である粒子の個数基準の粒径分布の変動係数が、50%〜100%である請求項1又は請求項2に記載の圧力測定用材料。
  4. 前記発色剤層及び前記顕色剤層の少なくとも一方が、電子供与性染料前駆体を内包しないマイクロカプセルBを含有する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の圧力測定用材料。
  5. 前記発色剤層が、電子供与性染料前駆体を内包しないマイクロカプセルBを含有する請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の圧力測定用材料。
  6. 前記マイクロカプセルBのカプセル壁の材質が、メラミンホルムアルデヒド樹脂である請求項4又は請求項5に記載の圧力測定用材料。
  7. 前記マイクロカプセルAのカプセル壁の材質が、メラミンホルムアルデヒド樹脂である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の圧力測定用材料。
  8. 前記粘土物質が、酸性白土、活性白土、アタパルジャイト、ゼオライト、ベントナイト、及びカオリンからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の圧力測定用材料。
  9. 0.03MPaでの加圧前後の発色濃度差ΔDが、0.15以上である請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の圧力測定用材料。
  10. 前記顕色剤層の表面の算術平均粗さRaが、1.1μm<Ra<1.6μmを満足する請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の圧力測定用材料。
  11. 前記発色剤層の表面の算術平均粗さRaが、1.5μm≦Ra≦2.8μmを満足する請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の圧力測定用材料。
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