JPWO2018207929A1 - 動脈血中酸素飽和度の向上剤 - Google Patents

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Abstract

本発明は、比較的簡便な方法で摂取可能であり、かつ即効性及び持続性に優れた、動脈血中酸素飽和度の低下を抑制する、又は低下した動脈血中酸素飽和度を上昇させる向上剤を提供する。かかる本発明の向上剤は、口腔粘膜から体内に吸収されるように調製したオロット酸又はその塩を有効成分とする。本発明の向上剤を口腔粘膜から体内に吸収されるように摂取すると、動脈血中酸素飽和度の低下の抑制、又は低下した動脈血中酸素飽和度の上昇を図ることができる。運動、飲酒、空気中の酸素濃度の低下、心肺機能の低下、呼吸停止等の動脈血中酸素飽和度の低下に関連する症状又は疾患や、低酸素状態に起因する症状若しくは疾患の改善又は予防、特に尿酸値上昇の予防に効果的である。

Description

本発明は、オロット酸又はその塩(以下、「オロット酸類」ということがある)を有効成分として含有する、動脈血中酸素飽和度の向上剤であって、前記オロット酸又はその塩が口腔粘膜から体内に吸収される口腔粘膜投与用の向上剤に関する。
オロット酸(オロト酸、ウラシル6−カルボン酸、オロチン酸、又はビタミンB13とも呼ばれる)は、ピリミジンヌクレオチド生合成系における主要中間物質であり、ジヒドロオロット酸からジヒドロオロット酸デヒドロゲナーゼによって誘導され、オロット酸ホスホリボシルトランスフェラーゼ(PRPP)によってオロチジル酸となる。オロチジル酸は、さらに速やかにウリジン一リン酸(UMP)に変換され、その後ウリジン三リン酸、シチジン三リン酸などのピリミジンヌクレオチドが合成される。
近年、オロット酸の生理作用に関する研究が進められている。例えば、オロット酸が血中尿酸値低下作用を有すること(特許文献1)、オロット酸が持久力向上作用を有すること(特許文献2、3)、オロット酸が酸素消費量及びエネルギー消費量を低減させる作用を有すること(特許文献3)等が報告されている。しかしながら、これらの文献には、マウスやラットを用いた動物実験により、比較的長期間(10日〜3週間)経口投与した後のオロット酸による効果が開示されているに過ぎず、オロット酸を口腔粘膜から体内に吸収されるように投与すると、動脈血中酸素飽和度の低下が抑制され、又は低下した動脈血中酸素飽和度若しくは低下した組織酸素充足度が向上する効果が奏されることは知られていなかった。
他方、空気の通り道である上気道が物理的に狭くなり、呼吸が止まってしまう閉塞性睡眠時無呼吸患者は、夜間睡眠中に無呼吸あるいは低呼吸が繰り返し引き起こされるため、低酸素血症に曝される時間が多い病態であり、血清尿酸値は産生と尿中排泄とのバランスによって規定されているが、低酸素の条件下では、細胞レベルでは酸素供給不足によりATPの分解が充進され、プリン体の終末代謝産物である尿酸の産生が充進ずることが知られている(非特許文献1)。
また、酸素が不足すると、TCAサイクルでの好気的なATPの生成ができなくなり、解糖系の代謝に必要なNADの再生のためにピルビン酸から乳酸を生成することで解糖系からのATP生成を行う結果、乳酸が蓄積される。また、酸素が不足すると、ATPを再生するために、2分子のADPからATP1分子とAMP1分子が生成され、この生成したAMPは分解されて尿酸に変換されることが知られている。さらに、ATPを補うために解糖系が亢進され、嫌気的に生成した乳酸が尿酸の排泄を抑制することも知られている(非特許文献2及び3)。
その他、慢性閉塞性肺疾患(COPD)症例の低酸素状態で尿酸値が増加すること(非特許文献4)や、アルコール摂取による肝の酸素消費が亢進すること(非特許文献5)や、飲酒が睡眠時の呼吸障害と脈拍数に影響を及ぼすこと(非特許文献6)が知られている。
特開2011−98896号公報 特開2011−136907号公報 特開2012−246280号公報
CHEST 1998;113:1604-1608 高尿酸血症と痛風 14(1),2006,p55-58 高尿酸血症と痛風 17(2),2009,p51-56 日呼吸会誌 41(2),2003,p74-79 肝臓 22(4),1981,p72-77 産衛誌 48巻,2006;p860
本発明の課題は、比較的簡便な方法で摂取可能であり、かつ即効性及び持続性に優れた、動脈血中酸素飽和度の低下を抑制する、又は低下した動脈血中酸素飽和度若しくは低下した組織酸素充足度を上昇させるために用いられる向上剤を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を続けている。その過程において、動脈血中酸素飽和度又は組織酸素充足度が低下した被験者や低下が予想される被験者に対して、経口投与ではなく口腔粘膜から体内に吸収されるように、オロット酸又はその塩を投与すると、低下した動脈血中酸素飽和度又は低下した組織酸素充足度が速やかに上昇し、あるいは、動脈血中酸素飽和度又は組織酸素充足度の低下が抑制され、動脈血中酸素飽和度や組織酸素充足度の低下に関連する症状が速やかに改善するとともに、その後改善・回復した体調(状態)が安定に維持されることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]オロット酸又はその塩を有効成分として含有する動脈血中酸素飽和度の向上剤であって、動脈血中酸素飽和度の低下を抑制するため、又は低下した動脈血中酸素飽和度を上昇させるために用いられ、前記オロット酸又はその塩が口腔粘膜から体内に吸収されることを特徴とする口腔粘膜投与用の動脈血中酸素飽和度の向上剤。
[2]動脈血中酸素飽和度の低下が、酸素濃度の低下した空気中での呼吸、心肺機能の低下、又は呼吸停止に起因することを特徴とする上記[1]に記載の向上剤。
[3]動脈血中酸素飽和度の低下が、運動により生じるものであることを特徴とする上記[1]に記載の向上剤。
[4]動脈血中酸素飽和度の低下が、飲酒により生じるものであることを特徴とする上記[1]に記載の向上剤。
[5]オロット酸又はその塩が、カルニチンとの混合物として含有されていることを特徴とする上記[1]〜[4]のいずれかに記載の向上剤。
[6]舌下錠であることを特徴とする上記[1]〜[5]のいずれかに記載の向上剤。
[7]オロット酸又はその塩の投与量が、200mg/日であることを特徴とする上記[1]〜[6]のいずれかに記載の向上剤。
[8]上記[1]〜[7]のいずれかに記載の口腔粘膜投与用の動脈血中酸素飽和度の向上剤を有効成分として含有することを特徴とする血中尿酸値上昇の予防剤。
[9]上記[1]〜[7]のいずれかに記載の口腔粘膜投与用の動脈血中酸素飽和度の向上剤を有効成分として含有することを特徴とする動脈血中酸素飽和度の低下に関連する疾病の予防又は改善剤。
本発明の実施の他の形態として、[10]口腔粘膜から体内に吸収されるオロット酸又はその塩を、動脈血中酸素飽和度が低下するおそれがある対象者、あるいは、動脈血中酸素飽和度が低下した対象者に、口腔粘膜から体内に吸収されるように投与する工程を備えた、動脈血中酸素飽和度の低下を抑制する、又は低下した動脈血中酸素飽和度を上昇する方法や、[11]口腔粘膜投与用の、動脈血中酸素飽和度の低下を抑制する、又は低下した動脈血中酸素飽和度を上昇するための剤として使用するオロット酸又はその塩や、[12]口腔粘膜投与用の、動脈血中酸素飽和度の低下を抑制し、又は低下した動脈血中酸素飽和度を上昇させる向上剤を製造するための、オロット酸又はその塩の使用を挙げることができる。
本発明の動脈血中酸素飽和度の向上剤は、低酸素状態に起因する症状若しくは疾患の予防又は改善剤であり、例えば、動脈血中酸素飽和度が低下するおそれがある運動前や飲酒前の対象者に対して、オロット酸又はその塩を口腔粘膜から体内に吸収されるように投与(例えば、舌下投与)すると、動脈血中酸素飽和度の低下が抑制され、あるいは、動脈血中酸素飽和度が低下した運動後や飲酒後の対象者に対して、オロット酸又はその塩を口腔粘膜から体内に吸収されるように投与(例えば、舌下投与)すると、低下した動脈血中酸素飽和度又は低下した組織酸素充足度が速やかに上昇し、動脈血中酸素飽和度の低下や組織の低酸素状態に関連する症状が速やかに改善するとともに(即効性)、回復した体調・状態が、長期間安定に維持され(持続性)、動脈血中酸素飽和度の低下や組織の低酸素状態に関連する症状を長期間抑制(予防・改善)することが可能となる。本発明において、このようなオロット酸又はその塩の優れた即効性及び持続性は、経口投与ではなく、口腔粘膜から体内に吸収されるように投与した場合に発揮される。
被験者Aを常圧低酸素室に入室させ、オロット酸の舌下投与前後における経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)(図1A)と心拍数(bpm)(図1B)を測定した結果を示す図である。図中の破線は、オロット酸を舌下投与したときを示す。 被験者Aを常圧低酸素室に入室させ、オロット酸の経口投与前後におけるSpO2(図2A)と心拍数(図2B)を測定した結果を示す図である。図中の破線は、オロット酸を経口投与したときを示す。 被験者Bを常圧低酸素室に入室させ、オロット酸の舌下投与前後におけるSpO2(図3A)と心拍数(図3B)を測定した結果を示す図である。図中の破線は、オロット酸を舌下投与したときを示す。 女性健常者がオロット酸の口内吸収投与又は経口投与後にバイク運動をした後のエネルギー消費量の変化を示す図である。オロット酸含有喉飴摂取時とプラセボ喉飴摂取時の比較(図4A)、オロット酸の経口投与時とプラセボ喉飴摂取時の比較(図4B)が示されている。 女性健常者がオロット酸の口内吸収投与又は経口投与後にバイク運動をした後の尿酸値の変化量を示す図である。 睡眠時無呼吸症候群を疑われる女性の無呼吸又は低呼吸状態時のSpO2を示す図である。 参考例1の試験において、非運動時のマウスの酸素消費量(VO)を解析した結果を示す図である。「*」は、オロット酸投与群(OA群)が、コントロール群(CTL群)に対して危険率5%未満で有意差を有していることを表す。 参考例1の試験において、非運動時のマウスの二酸化炭素産生量(VCO)を解析した結果を示す図である。「*」は、オロット酸投与群(OA群)が、コントロール群(CTL群)に対して危険率5%未満で有意差を有していることを表す。 参考例1の試験において、非運動時のマウスの呼吸商/RERを解析した結果を示す図である。 参考例2の試験において、運動時のマウスの酸素消費量(VO)を解析した結果を示す図である。「*」は、オロット酸投与群(OA群)が、コントロール群(CTL群)に対して危険率5%未満で有意差を有していることを表す。 参考例2の試験において、運動時のマウスの二酸化炭素産生量(VCO)を解析した結果を示す図である。「*」は、オロット酸投与群(OA群)が、コントロール群(CTL群)に対して危険率5%未満で有意差を有していることを表す。 参考例2の試験において、運動時のマウスの呼吸商/RERを解析した結果を示す図である。 参考例3の試験において、マウスの限界遊泳時間を解析した結果を示す図である。「*」及び「**」は、各群が、コントロール群(CTL群)に対して、それぞれ危険率5%未満及び危険率1%未満で有意差を有していることを表す。
本発明の向上剤は、「動脈血中酸素飽和度の低下を抑制する、又は低下した動脈血中酸素飽和度を上昇させるため」という用途(使用目的)と、「口腔粘膜投与用」という用途(用法)が特定された、有効成分としてオロット酸又はその塩を含有する、動脈血中酸素飽和度の向上剤であり、オロット酸又はその塩を、口腔粘膜から体内に吸収されるように投与する点に特徴がある。また本発明の「尿酸値上昇の予防剤」や「動脈血中酸素飽和度の低下に関連する疾病の予防又は改善剤」は、上記本発明の向上剤を有効成分として含有する。これら本発明の向上剤、予防剤、予防又は改善剤は、医薬品(医薬組成物)、健康維持等を目的として摂食される健康食品(機能性食品、栄養補助食品、健康補助食品、栄養強化食品、栄養調整食品、サプリメント等)、保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品等)として利用される。
本発明における「動脈血中酸素飽和度(SpO2)」は、血液中にどの程度の酸素が含まれているかを示す指標で、SpO2は、血液中(動脈)の多くのヘモグロビンの何%が酸素を運んでいるかを示し、パルスオキシメータという簡易装置を用いて測定することができる。
本明細書において、「動脈血中酸素飽和度の低下」とは、何らかの要因によって、動脈血中酸素飽和度(SpO2)が、動脈血中において正常値よりも低下した状態を意味し、筋肉、肝臓、脳等の体の組織が酸素不足状態になって、血中の乳酸値や尿酸値が正常値よりも上昇した状態も便宜上「動脈血中酸素飽和度の低下」に含まれる。また酸素飽和度の低下は、好ましくは正常値よりも少なくとも2%低下した状態を意味する。SpO2の正常値は、対象者の普段の状態で異なるため、一概に特定することはできないが、通常少なくとも93%以上であり、好ましくは少なくとも94%、更に好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも96%以上である。したがって、「動脈血中酸素飽和度の低下」には、例えば、SpO2値が70%以上〜96%未満、80%以上〜96%未満、90%以上〜96%未満等が含まれる。
本明細書において、「低下した動脈血中酸素飽和度を上昇させる」とは、SpO2が動脈血中において正常値よりも低下した状態からSpO2を上昇させることを意味し、あるいは脳、肝臓等の組織における酸素不足状態を改善することを意味する。
SpO2が動脈血中、あるいは脳、肝臓等の組織において正常値よりも低下する(酸素不足になる)原因は、運動(例えば、登山、水泳、長距離走[マラソン]、短距離走、スケート競技、サッカー、バスケットボール、テニス、自転車競技等)、何らかの要因による血流不足、空気中の酸素濃度の低下(高山、高地トレーニング、低酸素トレーニング、閉空間での不十分な喚起等)、嫌気状態、肺機能の低下(慢性閉塞性肺疾患[COPD;chronic obstructive pulmonary disease]、喘息、突発性肺線維症、加齢等)、呼吸停止(睡眠時無呼吸症候群、潜水時の意識的呼吸停止等)など、何らかの原因によって生じる体内の酸素不足状態に起因する症状又は疾患等であり、特定の原因に限定されない。上記以外の原因の具体例は、知覚異常、しびれ、呼吸困難、冷え性、肩こり、頭痛、疲労感、集中力低下、緑内障、てんかん、肺気腫等における呼吸性アシドーシス、褥瘡、心性浮腫、肝性浮腫、月経前緊張症、メニエル病症候群、心血管疾患(例えば、高血圧、不整脈、狭心症、心筋梗塞、脳卒中、脳血管障害)、糖尿病、頻尿、発疹、発熱、認知症、飲酒などを挙げることができる。本発明の向上剤は、これらの中でも、空気中の酸素濃度の低下、肺機能の低下、呼吸停止、運動、飲酒に特に効果的である。
上記「空気中の酸素濃度の低下」とは、空気中の酸素濃度が正常値(約21%)よりも低下した条件(状態)を意味する。かかる空気中の酸素濃度の低下に関連する症状又は疾患の具体例は高山病である。
低酸素状態により血中尿酸値が増加することが知られている(非特許文献4)ことから、SpO2の低下(組織の酸素不足)が血中尿酸値上昇の原因である場合、例えば、運動、飲酒等において、本発明の向上剤や尿酸値上昇の予防剤の口腔粘膜から体内への吸収により、SpO2の低下が抑制(組織の酸素不足が改善)され、又は低下したSpO2が上昇(組織の酸素不足が解消)する結果、血中尿酸値上昇が抑制されることになる。
本明細書において、「血中尿酸値上昇」とは、血液、血漿又は血清中の尿酸濃度が、正常値よりも上昇することを意味する。血中尿酸濃度の正常値は、性別、対象者の普段の状態で異なるため、一概に特定することはできないが、通常2.0〜7.0mg/dLの範囲内であり、対象者が男性の場合、好ましくは3.8〜7.0mg/dLであり、対象者が女性の場合、好ましくは2.4〜5.8mg/dLである。
高地トレーニング又は低酸素トレーニングにおいて、本発明の向上剤の口腔粘膜から体内への吸収により、動脈血中酸素飽和度の低下が抑制され、又は低下した動脈血中酸素飽和度が上昇する結果、トレーニングが効率的に行われ、高地トレーニング又は低酸素トレーニングが有効なスポーツにおけるパフォーマンスが改善されると期待できる。
上記高地トレーニング又は低酸素トレーニングが有効なスポーツとしては、例えば、登山、水泳、マラソン、短距離走、スケート競技、サッカー、バスケットボール、テニス、自転車競技等のスポーツ(運動)を挙げられる。
本発明の向上剤、予防剤、予防又は改善剤の形態又は剤型としては、オロット酸又はその塩が、口腔粘膜から体内に吸収されるものであればよく、具体的な形態又は剤型、口腔内での滞留方式は特に制限されない。本発明の向上剤、予防剤、予防又は改善剤は、オロット酸又はその塩の放出を遅くするため、唾液により、本発明の向上剤の表面が徐々に溶解、消失し、投与後のオロット酸又はその塩が長時間口腔内に滞留させる作用を有するもの(口腔粘膜に適用する徐放性剤)が好ましい。また、本発明の向上剤、予防剤、予防又は改善剤は、速やかに飲み込めないように、好ましくは、大きさ、形態等が調整される。
上記口腔粘膜に適用する徐放性剤の形態又は剤型としては、具体的に、トローチ錠、舌下錠、バッカル錠、オブラート(可食性デンプンフィルム)等の可食性フィルムに包んだ顆粒錠、ゼリー錠、チュアブル錠(咀嚼錠)等を挙げられる。上記可食性フィルムに包んだ顆粒錠では、オロット酸又はその塩の口腔粘膜への吸収性を向上させるため、後述のオロット酸又はその塩の溶解性を高める成分の粉末とオロット酸又はその塩を混合して使用できる。オロット酸又はその塩の溶解性を高める成分を使用しないで、オロット酸又はその塩の口腔粘膜への吸収性を向上させる場合、5μm以下に微粉砕したオロット酸又はその塩の微粉末を用いてよい。
上記口腔粘膜に適用する徐放性剤において、投与後のオロット酸又はその塩が口腔内に滞留する時間は、オロット酸又はその塩の投与量、投与対象者の年齢、体重、性別、症状、オロット酸又はその塩への感受性等に応じて適宜選択でき、例えば、少なくとも10秒間であり、好ましくは少なくとも15秒間、より好ましくは少なくとも20秒間、更に好ましくは少なくとも25秒間、最も好ましくは少なくとも30秒間である。
本発明の向上剤、予防剤、予防又は改善剤の有効成分であるオロット酸又はその塩は、安全な食品成分として構成でき、また、安価であるため、日常的に簡便に継続して摂取できる。このため、本発明の向上剤、予防剤、予防又は改善剤としては、食品・サプリメントが好ましい。かかる食品としては、特に制限されず、例えば、口腔粘膜に適用する徐放性剤の形態又は剤型である場合、具体的には、(のど)飴、チューインガム、グミ、ゼリー、チューイングキャンディー、ゼリービーンズ等を挙げることができる。
上記オロット酸には、オロット酸のフリー体(無水)の他、オロット酸フリー体1水和物等のオロット酸水和物が含まれる。
上記オロット酸の塩としては、生理学的に許容される塩基等との塩であればよく、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;亜鉛塩等の重金属塩;アンモニウム塩;後述する塩基性アミノ酸又は塩基性ペプチドとの塩などを挙げることができる。
本発明の向上剤、予防剤、予防又は改善剤としては、オロット酸の口腔粘膜への吸収性を向上させるため、更に、オロット酸の溶解性を高める成分(例えば、アミノ酸、ペプチド等)を含むものが好ましい。オロット酸の溶解性を高める成分としては、例えば、リジン、ヒスチジン、アルギニン、オルニチン、カルニチン、コリン、カルノシン、アンセリン、バレニン等を挙げることができ、これらの中でもカルニチンを好適に例示することができる。上記オロット酸の溶解性を高める成分には、当該成分のL体、D体、又はそれらの混合物が含まれる。また、上記オロット酸の溶解性を高める成分は、1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の向上剤、予防剤、予防又は改善剤には、必要に応じて、薬学的に許容される通常の担体、結合剤、安定化剤、賦形剤、希釈剤、pH緩衝剤、崩壊剤、等張剤、添加剤、被覆剤、可溶化剤、潤滑剤、滑走剤、溶解補助剤、滑沢剤、風味剤、甘味剤、溶剤、ゲル化剤、栄養剤等の配合成分を更に添加してもよい。かかる配合成分としては、具体的に、水、生理食塩水、動物性脂肪、動物油、植物油、乳糖、デンプン、ゼラチン、結晶性セルロース、ガム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリアルキレングリコール、ポリビニルアルコール、グリセリン等を例示することができる。
本発明の向上剤、予防剤、予防又は改善剤に含まれるオロット酸又はその塩の投与量は、投与対象者の年齢、体重、性別、症状、オロット酸又はその塩への感受性等に応じて適宜決定される。オロット酸又はその塩の投与量は、例えば、50〜2000mg/日の範囲内であり、好ましくは100〜1000mg/日、より好ましくは150〜800mg/日、更に好ましくは150〜600mg/日、特に好ましくは200〜400mg/日であり、最も好ましくは200mg/日である。また、一日あたり単回又は複数回(例えば、2〜4回)に分けて投与してもよい。例えば、オロット酸又はその塩の一日あたりの投与量が200mgである場合、50mgのオロット酸又はその塩が含有される錠剤を1日に4回摂取してよく、100mgのオロット酸又はその塩が含有される錠剤を1日に2回摂取してよく、また、200mgのオロット酸又はその塩が含有される錠剤を1日に1回摂取してもよい。
上記オロット酸類は、オロット酸フリー体1水和物(協和発酵バイオ社製、マツモト交商製)、オロット酸無水(協和発酵バイオ社製)、オロチン酸一水和物(SIGMA-ALDRICH社製)、オロチン酸一水和物(和光純薬工業社製)等の市販品を用いてもよいし、ピリミジン要求性やピリミジンアナログ耐性の変異を導入した様々な微生物を用いた発酵法により、培養液中に生成蓄積させ(例えば、特許第2927882号公報参照)、上記培養物やオロット酸を含有するホエイ等から、通常の精製手段、例えば、沈澱法、イオン交換樹脂や活性炭等によるクロマトグラフィー法などの分離精製法を用いることにより精製、採取したものを用いることもできる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
[実施例1:オロット酸の口腔粘膜からの吸収による動脈血中酸素飽和度の低下を抑制する効果1]
オロット酸の口腔粘膜からの吸収が、動脈血中酸素飽和度の低下を抑制する効果を有するか否かを確認する試験を実施した。
[試験方法1]
60才代男性(被験者A)を、ミウラドルフィンズの常圧低酸素室(酸素濃度12.4〜12.7%、標高約4000m相当、23℃)に入室させ、その後、オロット酸フリー体(協和発酵バイオ社製)200mgと、L−カルニチン(ロンザジャパン社製)200mgとの混合物400mgをオブラートで包んだものを、舌下に置き、口内で少なくとも30秒間滞留させることを2回行う方法(舌下投与)により、計400mgのオロット酸を投与した後、SpO2と心拍数を、パルスオキシメーター PULSOX-300i(コニカミノルタ社製)を用いて測定した。なお、本実施例において、カルニチンは、オロット酸の水への溶解性(口腔粘膜への吸収性)を向上させるために用いた(特開2015−43743号公報参照)。被験者Aには、入室後も意識して呼吸を変えないようにお願いした。
[結果1]
入室後、被験者AのSpO2値は、速やかに83〜84%まで減少したが、オロット酸の舌下投与(図1Aの点線の11時)後30分余りで、SpO2値は88%まで上昇した(図1A参照)。その後、SpO2値は、退出するまでの少なくとも5時間、約88%で安定に維持することが示された(図1A参照)。
なお、この試験において、常圧低酸素室の酸素濃度の調節不良により、12.4〜12.7%に設定していた酸素濃度が、オロット酸の舌下投与後30分の時点で13.9%まで上昇した。しかし、その後、酸素濃度は1時間30分程度で12.9%まで低下し、12.9〜13.0%で安定していた。被験者AのSpO2値は、酸素濃度が12.9〜13.0%の間、約88%で安定に維持していたことから、オロット酸の舌下投与によるSpO2値の上昇は、室内酸素濃度の上昇によるものではないことが確認できる。また、13時に昼食を摂取した結果、その後若干の心拍数が増加したが、全体を通して心拍数に大きな乱れも認められないことから(図1B参照)、心拍数の増加によりSpO2値の上昇が生じた可能性が否定された。また、被験者Aは、入室直後は軽い眠気など低酸素に起因すると感じられる違和感があったが、オロット酸摂取後すぐに違和感も無くなり、普段とまったく変わらない状態で、退室までの残りの時間を過ごした。
以上の結果から、オロット酸を、動脈血中酸素飽和度が低下したヒトに舌下投与すると、動脈血中酸素飽和度は即効的に上昇し、その後上昇した動脈血中酸素飽和度は、長時間持続することが確認された。
[実施例2:オロット酸の口腔粘膜からの吸収による動脈血中酸素飽和度の低下を抑制する効果2]
[試験方法2]
3名の被験者(60才代男性[被験者A;実施例1と同じ被験者]、50才代男性[被験者B]、及び50代女性[被験者C])について、上記[試験方法1]に記載の方法にしたがって試験を行った。なお、被験者Aについては、舌下投与との比較のために、オロット酸フリー体一水和物(協和発酵バイオ社製)200mgを含む錠剤を、2錠(計400mgのオロット酸)飲み込む方法(経口投与)についても合わせて検討した。また、今回の試験においては、試験期間を通じて室内の酸素濃度は、12.4〜12.7%の範囲で安定していた。
[結果2−1:被験者A]
入室30分後(14時)の被験者Aに対して、オロット酸を経口投与したところ、84%まで低下したSpO2値は、ほとんど回復しなかった(図2A参照)。また、低酸素室に入室後に感じた低酸素に起因すると思われる違和感についての改善はわずかであった。なお、被験者Aは、試験期間を通じて、心拍数に大きな乱れは認められなかった(図2B参照)。
[結果2−2:被験者B]
入室1時間30分後(15時)の被験者Bに対して、オロット酸400mgを舌下投与したところ、82%まで低下したSpO2値は、投与30分後ごろから上昇し、86%まで回復した後、退出するまでの少なくとも2時間30分間は、安定に維持することが示された(図3A参照)。また、被験者Bは、オロット酸の投与前は軽度の眠気や集中力の低下等の症状があったが、かかる症状は、オロット酸の舌下投与により解消した。なお、被験者Bの心拍数は、オロット酸の投与前後でほとんど変わらなかった(むしろ微減傾向にあった)ことから(図3B参照)、オロット酸投与によるSpO2値の上昇は、心拍数の増加による肺からの酸素取り込みの増加によるものではないことを示している。被験者Bの呼吸は、試験期間を通じてまったく変化はなかった(変化を感じなかった)。
[結果2−3:被験者C]
被験者Cは、当初は入室30分後にオロット酸を舌下投与する予定であったが、入室後のSpO2値が70%まで低下し、頭痛や気分の不調を感じたため、急きょ入室20分後にオロット酸400mgを舌下投与することにした。ところが、やや慌てて摂取したために、オブラートが溶解する前に飲み込んでしまい、結果的に経口投与と同様の投与方法となった。その後、SpO2値の回復は認められず、低酸素室での試験においては、呼吸は変えない事を意識してもらったが、被験者Cの場合は、気分が優れず、軽い頭痛とあくびを頻発し、本も読めない状況であった。そこで入室2時間40分後に、オロット酸200mgの舌下投与を行った。舌下投与後、SpO2値は速やかに上昇し、80%を超えるまで回復し、被験者Cは、気分が回復し、頭痛や気分の不調等の高山病の症状は無くなり、クロスワードパズルも集中してできるようになった。
[実施例3:オロット酸の口腔粘膜からの吸収による運動後のエネルギー消費量の低減及び運動後尿酸値上昇の抑制効果]
[試験方法3]
表1に示される配合成分からなる組成物をチュアブル錠に打錠し、オロット酸含有喉飴及びプラセボ喉飴を製造した。
22才の女性健常者6名を2名ずつ3つの群に分けた。全員が24時間絶食し(水、お茶の飲用のみ可)、1つの群の2名が上記オロット酸含有喉飴(OA口腔溶解錠)1錠を、別の群の2名が実施例2で製造されたオロット酸フリー体一水和物を含む錠剤(OA錠剤)1錠を、残りの群が上記プラセボ喉飴1錠(非摂取)をそれぞれ摂取し、30分間バイク運動(運動強度600W)をした。運動終了後2時間、3時間及び4時間経過後におけるエネルギー消費量の変化及び血漿尿酸値の変化を以下の測定方法により測定した。結果を図4及び図5に示す。
エネルギー消費量の変化の測定方法
運動終了直後、運動終了後2時間、3時間及び4時間経過後における呼気をミナト医科学社製 AERO MONITOR AE 300Sで分析し、酸素摂取量と二酸化炭素産生量を計測し、下記式(1)によりエネルギー消費量(kcal/day)を求め、エネルギー消費量の変化を計算した。
エネルギー消費量(kcal/day)=(3.9×酸素摂取量)+(1.1×二酸化炭素産生量) (1)
血漿尿酸値の変化の測定方法
検体中の尿酸がウリカーゼの作用によって酸化分解されるときに発生する過酸化水素(H)にペルオキシダーゼ(POD)を作用させ4−アミノアンチピリン(4−AA)及び発色剤で酸化縮合せしめることにより生じるキノン色素を比色測定することにより、運動終了直後及び運動終了から4時間経過後における尿酸濃度(mg/dL)を求め(ウリカーゼ−POD法)、血漿尿酸値の変化を計算した。
[結果3−1:エネルギー消費量の変化]
オロット酸の摂取により、バイク運動終了後2時間、3時間及び4時間経過後におけるエネルギー消費量は、バイク運動直後におけるエネルギー消費量に比べてより少なくなった。オロット酸を喉飴として口内吸収により摂取した場合のこの効果は、オロット酸を経口投与により摂取した場合の効果よりも顕著であった。運動開始前のオロット酸の口腔粘膜からの摂取により、運動によるSpO2値の低下が抑制される結果、代謝効率の低下も抑制され、運動後のエネルギー消費量が減少していると推量される。
[結果3−2:血漿尿酸値の変化]
オロット酸を摂取しなかった群の運動終了直後及び運動終了から4時間経過後における尿酸濃度変化は0.2mg/dLの上昇(図5左側)、オロット酸を経口投与により摂取した群の尿酸濃度変化は0.1mg/dLの上昇(図5右側)、オロット酸を喉飴として口内吸収により摂取した群の尿酸濃度変化は0.05mg/dLの減少であった(図5中央)。したがって、オロット酸を摂取してから運動すると運動後に血漿尿酸値の上昇が抑制され、この効果は、オロット酸の経口投与による摂取よりも、オロット酸の口内吸収による摂取においてより顕著であることが判明した。運動開始前のオロット酸の口腔粘膜からの摂取により、運動によるSpO2値の低下が抑制される結果、血漿尿酸値の上昇の抑制又は血漿尿酸値の低下が起きると推量される。
[実施例4:オロット酸の口腔粘膜からの吸収による動脈血中酸素飽和度の低下の抑制効果]
[試験方法4]
70才の突発性肺線維症女性が実施例3で製造されたオロット酸含有喉飴2錠を摂取し、その後、毎日上記喉飴を1錠ずつ4週間摂取し続け、実施例1における方法でSpO2を測定した。
[結果4]
上記喉飴摂取直前におけるSpO2は約91%であったが、上記喉飴2錠の摂取から30分経過後におけるSpO2は約93%に上昇した。上記喉飴2錠の摂取から2週間後及び4週間後におけるSpO2は93〜94%で維持され、痰の量は半減し、脈拍は100以下で安定した。
[実施例5:オロット酸の口腔粘膜からの吸収による動脈血中酸素飽和度の低下の抑制効果]
[試験方法5]
57才の睡眠時無呼吸症候群(SAS)が疑われる女性に就寝前に実施例3で製造されたプラセボ喉飴1錠を摂取してもらい、医療法人光史会銀座泰江内科クリニックから貸与される睡眠時無呼吸症候群の検査機器で検出される睡眠中の無呼吸(呼吸が10秒以上止まる状態)又は低呼吸(呼吸による換気が10秒以上50%以下に低下する状態)時の最大時間とその時のSpO2を実施例1における方法により2晩測定した(これらの値は、クリニックのソフトが解析した診断結果に数値が記載される)。その後、この女性に就寝前に実施例3で製造したオロット酸含有喉飴1錠を摂取してもらい、睡眠中の無呼吸又は低呼吸状態の最大時間とその時のSpO2を同じ方法により2晩測定した。結果を図6に示す。図6において、プラセボ喉飴1錠を摂取時が丸形のプロット、オロット酸含有喉飴1錠を摂取時が菱形のプロットで示されている。
[結果5]
オロット酸を喉飴として口内吸収により摂取したときにおける無呼吸時間とオロット酸を摂取していないときにおける無呼吸時間が同じ場合、オロット酸を口腔粘膜から摂取したときにおけるSpO2が、オロット酸を摂取していないときにおけるSpO2よりも高いことが判明した。したがって、オロット酸の口腔粘膜からの摂取による低酸素状態の軽減効果が期待される。
[参考例1:オロット酸の経口摂取による非運動時の酸素消費量低減効果]
オロット酸が、非運動時の酸素消費量を低減させる効果を有しているかを調べるために、以下の試験を行った。まず、12時間毎の明暗周期(8時〜20時まで点灯)下に24±2℃の恒温動物室にて1週間以上飼育したddY雄マウス(6週齢)を32匹用意した。これらのマウスを2群に分け、一方の群(コントロール群:CTL群)の各マウスには、0.5質量%のカルボキシメチルセルロース溶液(CMC溶液)を、マウスの体重1kgあたり10mL投与した。もう一方の群(オロット酸投与群:OA群)の各マウスには、0.5質量%のCMC溶液に懸濁したオロット酸(50mg/mL)を、マウスの体重1kgあたり10mL投与した。これらの投与は、各マウスに対し、週に5回、4週間継続(合計20回)して行った。最後の投与日の19時に各マウスを代謝計測チャンバーに移して絶食を開始し、暗期である20時から翌日の8時までの酸素消費量(VO[mL/分])及び二酸化炭素産生量(VCO[mL/分])を測定した。図7には、その酸素消費量を各群の平均値で示し、図8には、その二酸化炭素産生量を各群の平均値で示す。なお、統計処理にはt−検定を用い、p<0.05で有意差を示した項目を*で示した。また、各マウスの呼吸商/RERは、二酸化炭素産生量を酸素消費量で除した値として算出した。図9には、その呼吸商を各群の平均値で示す。
図7及び図8に示すとおり、オロット酸投与群における酸素消費量及び二酸化炭素産生量は、コントロール群と比較して、有意に減少した。一方、呼吸商については、オロット酸投与群とコントロール群との間で有意な差はなかった(図9参照)。以上のことから、オロット酸の経口摂取には、非運動時の酸素消費量を低減する作用があり、しかも、その際、呼吸商を変化させないことがわかった。
[参考例2:オロット酸の経口摂取による運動時の酸素消費量低減効果]
オロット酸が、運動時の酸素消費量を低減させる効果を有しているかを調べるために、以下の試験を行った。まず、12時間毎の明暗周期(8時〜20時まで点灯)下に24±2℃の恒温動物室にて1週間以上飼育したddY雄マウス(6週齢)を24匹用意した。これらのマウスを2群に分け、一方のCTL群の各マウスには、0.5質量%のCMC溶液を、マウスの体重1kgあたり10mL投与した。もう一方のOA群の各マウスには、0.5質量%のCMC溶液に懸濁したオロット酸50mg/mLを、マウスの体重1kgあたり10mL投与した。これらの投与は、各マウスに対し、週に5回、3週間継続(合計15回)して行った。最後の投与日の17時に各マウスの絶食を開始し、翌日の10時からマウス用トレッドミルを用いて強制運動を行い、運動中の酸素消費量及び二酸化炭素産生量を測定した。なお、強制運動は、0〜5分を速度15m/min、6〜10分を速度20m/min、及び11〜30分を速度25m/minの計30分間行った。図10には、その酸素消費量を各群の平均値で示し、図11には、その二酸化炭素産生量を各群の平均値で示す。なお、統計処理にはt−検定を用い、p<0.05で有意差を示した項目を*で示した。また、各マウスの呼吸商は、二酸化炭素産生量を酸素消費量で除した値として算出した。図12には、その呼吸商を各群の平均値で示す。
図10及び図11に示すとおり、オロット酸投与群における酸素消費量及び二酸化炭素産生量は、コントロール群と比較して、有意に減少した。一方、呼吸商については、オロット酸投与群とコントロール群との間で有意な差はなかった(図12参照)。以上のことから、オロット酸には、運動時の酸素消費量を低減する作用があり、しかも、その際、呼吸商を変化させないことがわかった。
参考例1及び2の結果から、オロット酸には、安静時、運動時を問わず、酸素消費量を低減する作用があり、しかも、その際、呼吸商を変化させないことがわかった。
[参考例3:オロット酸の経口摂取による持続力(持久力)向上効果]
被験物質としてオロット酸を用い、持久力向上効果を調べた。7週齢の雄ddYマウスを日本エスエルシー社より購入し、7日間馴化後、尻尾に重りをつけて強制遊泳させた。マウスが水上に上がってこられず、水面下に5秒間停滞した時点を限界遊泳時間とし、その時間を測定した。限界遊泳時間に群間差の無いように、以下のとおり群分けした。コントロール群(CTL群)(n=10)、オロット酸250mg/kg投与群(OA 250mg/kg群)(n=10)、オロット酸500mg/kg投与群(OA 500mg/kg群)(n=10)。各群共に粗飼料(CE−2)を用いて飼育し、OA250mg/kg群にはオロット酸250mg/kg、OA500mg/kg群にはオロット酸500mg/kgを週に5回経口投与した。群分け後、3週間飼育しながら各群の限界遊泳時間を週に1回測定した。この時の限界遊泳時間を図13に示す。
図13の結果に示されるように、オロット酸を経口投与したマウスは、オロット酸の投与量依存的に限界遊泳時間が長くなり、オロット酸に持久力向上効果があることが確認できた。参考例1〜3の結果から、オロット酸は、酸素消費量、エネルギー消費量を低減させると共に、持久力をも向上させる作用(省エネ効果)を有していることがわかった。
[まとめ]
被験者Aへのオロット酸の投与方法について、1回目の舌下投与と、2回目の経口投与とを比較すると、(経口投与ではなく)舌下投与した場合に、低下した動脈血中酸素飽和度を即効的に上昇させる効果と、その効果の持続性が確認された(実施例1及び2参照)。また、被験者B、Cについても同様に、オロット酸の舌下投与により、低下した動脈血中酸素飽和度を即効的に上昇させる効果と、その効果の持続性が確認された(実施例2及び3参照)。被験者Cにおいては、被験者Aと同様に、オロット酸による即効的な効果が、最初の経口投与では認められず、次の舌下投与で認められた。
以上の結果は、オロット酸を、舌下投与等の方法により口腔粘膜から体内に吸収させると、動脈血中酸素飽和度低下を効果的に予防又は改善できることを示すとともに、その効果は長時間持続可能であることを示している。
マウスの実験により、オロット酸を3週間以上経口投与すると、省エネ効果があることを確認した(参考例1〜3参照)。オロット酸を経口投与した場合には、腸管や肝臓で多くのオロット酸が利用(消失)されるのに対して、オロット酸を口腔粘膜から体内に吸収させた場合には、オロット酸の血中濃度が速やかに上昇するため、脳や筋肉などでの酸素必要量が減少する省エネ効果が認められるものと考えられる。
マウスの実験においては、オロット酸の経口投与では有意差が得られるのに少なくとも3週間を要し、投与当日や1週間目での効果は認められなかった。オロット酸を口腔粘膜から体内に吸収させた場合の、低下した動脈血中酸素飽和度を即効的に上昇させる効果は、今回初めて見いだされたものである。このことは、マウスで確認された省エネ効果が、ヒトでも再現されただけでなく、オロット酸の舌下口内吸収により、即日に効果が得られることが見いだされた点で重要である。すなわち、運動前や睡眠時無呼吸症候群のヒトの睡眠前など、その後一時的な低酸素状態が予想される場面でも、事前のオロット酸の摂取が有効であることを示している。このような効果を有する生体成分やその摂取方法は、これまで見出されていなかった。
本発明は、低酸素状態又は血中尿酸値上昇に関連する症状若しくは疾患の予防又は改善や、高地トレーニング若しくは低酸素トレーニングが有効なスポーツにおけるパフォーマンスの改善、運動による疲労回復と疲労感の低減を目的とした食品(例えば、健康食品、保健機能食品)や医薬品の製造分野に資するものである。

Claims (9)

  1. オロット酸又はその塩を有効成分として含有する動脈血中酸素飽和度の向上剤であって、動脈血中酸素飽和度の低下を抑制するため、又は低下した動脈血中酸素飽和度を上昇させるために用いられ、前記オロット酸又はその塩が口腔粘膜から体内に吸収されることを特徴とする口腔粘膜投与用の動脈血中酸素飽和度の向上剤。
  2. 動脈血中酸素飽和度の低下が、酸素濃度の低下した空気中での呼吸、心肺機能の低下、又は呼吸停止に起因することを特徴とする請求項1に記載の向上剤。
  3. 動脈血中酸素飽和度の低下が、運動により生じるものであることを特徴とする請求項1に記載の向上剤。
  4. 動脈血中酸素飽和度の低下が、飲酒により生じるものであることを特徴とする請求項1に記載の向上剤。
  5. オロット酸又はその塩が、カルニチンとの混合物として含有されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の向上剤。
  6. 舌下錠であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の向上剤。
  7. オロット酸又はその塩の投与量が、200mg/日であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の向上剤。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の口腔粘膜投与用の動脈血中酸素飽和度の向上剤を有効成分として含有することを特徴とする血中尿酸値上昇の予防剤。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載の口腔粘膜投与用の動脈血中酸素飽和度の向上剤を有効成分として含有することを特徴とする動脈血中酸素飽和度の低下に関連する疾病の予防又は改善剤。
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NIKOLOVA,M ET AL.: "Antihypoxic action of orotic acid", EKSPERIMENTALNA MEDICINA I MORFOLOGIJA, vol. 20, no. 3, JPN6018024329, 1981, pages 171 - 176, XP009517386, ISSN: 0004325016 *

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