JPWO2018199245A1 - 虚像表示装置及び移動体用表示システム - Google Patents
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Abstract
簡素な構成でありながら、危険信号等の追加情報を適切な認識が可能な程度に対象物に重畳表示させることができる虚像表示装置を提供する。描画デバイスである像形成素子11の像を拡大する投影光学系である本体光学系13と、表示スクリーン20とを備える虚像表示装置100であって、本体光学系13の構成配置を変化させることによって虚像までの投影距離を変化させる配置変更装置62と、投影距離が長くなるほど虚像の表示位置間隔が広くなるように配置変更装置62を駆動させることにより、投影距離の異なる複数の虚像を表示させる表示制御部18と、を備える。
Description
本発明は、視線の先に虚像を表示する虚像表示装置及び当該虚像表示装置を搭載する移動体用表示システムに関するものである。
従来のヘッドアップディスプレイ(HUD(Head-Up Display))装置は、虚像を運転者からある一定の距離だけ離れた位置に生成することが一般的であり、HUDによる表示内容は、車速、カーナビゲーション情報等に限られていた。そもそもHUDを車に搭載する目的は、運転者の視線移動を最小限に抑えることで、より安全な運転を支援するものであるが、安全運転支援という意味においては、車速等の表示内容だけでは不十分であり、例えば前方の車、歩行者、障害物等をカメラやセンサー等で検知し、HUDを通して運転者に事前に危険を察知させて事故を未然に防ぐようなシステムの方がより好ましい。こういったシステムを実現するには、例えば車、人、障害物等のシースルー像(対象物)に対して危険信号その他の追加情報を重畳させて表示させることが考えられる。
上記のような危険信号を重畳させて表示するシステムにおいて、運転者から虚像までの距離が一定だと、運転者の眼の位置がずれた場合に実物(対象物)の位置と危険信号(虚像)の位置とがずれてしまい、運転者が危険信号を誤認(つまり、対象物の位置を誤認)してしまうという課題がある。このような問題を解決する手法としては、実物(対象物)に対して虚像を奥行き方向も含めて重畳させることが考えられる。
例えば特許文献1では、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーのような走査型の像形成手段と、スクリーンと、投影手段と、スクリーンの位置を変える可動手段とにより、虚像の位置を変化させる手法が開示されている。しかしながら、特許文献1の主たる目的は、車の速度に合わせて虚像位置を近づけたり、遠ざけたりして運転者の視線移動を少なくすることであり、危険信号と対象物とを重畳させて表示することを意図したものではない。また、特許文献1に記載の手法は、上記のような重畳表示が前提でないことから、危険信号と対象物との位置ずれの解消を課題とするものでもない。
本発明は、上記背景技術に鑑みてなされたものであり、簡素な構成でありながら、上記のような追加情報を適切な認識が可能な程度に対象物に重畳表示させることができる虚像表示装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記虚像表示装置を搭載した移動体用表示システムを提供することを目的とする。
上述した目的のうち少なくとも一つを実現するために、本発明の一側面を反映した虚像表示装置は、描画デバイスの像を拡大する投影光学系と、表示スクリーンとを備える虚像表示装置であって、投影光学系の構成配置を変化させることによって虚像までの投影距離を変化させる配置変更装置と、投影距離が長くなるほど虚像の表示位置間隔が広くなるように配置変更装置を駆動させることにより、投影距離の異なる複数の虚像を表示させる表示制御部と、を備える。
上述した目的のうち少なくとも一つを実現するために、本発明の一側面を反映した移動体用表示システムは、上述の虚像表示装置と、対象物の空間的な位置を検出する環境監視部と、を備える。
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る虚像表示装置移動体用表示システムの一実施形態について説明する。
図1A及び1Bは、本実施形態の虚像表示装置100及びその使用状態を説明する概念的な側方断面図及び正面図である。この虚像表示装置100は、例えばヘッドアップディスプレイ装置として車体2内に搭載されるものであり、描画ユニット10と表示スクリーン20とを備える。虚像表示装置100は、描画ユニット10中の後述する像形成素子11に表示されている画像情報を、表示スクリーン20を介して運転者(観察者)UN向けに虚像表示するものである。
虚像表示装置100のうち描画ユニット10は、車体2のダッシュボード4内に埋め込むように設置されており、運転関連情報や危険信号等を含む画像に対応する表示光HKを表示スクリーン20に向けて射出する。表示スクリーン20は、コンバイナーとも呼ばれるハーフミラーであり、半透過性を有する凹面鏡又は平面鏡である。表示スクリーン20は、下端の支持によってダッシュボード4上に立設され、描画ユニット10からの表示光HKを車体2の後方に向けて反射する。つまり、図示の場合、表示スクリーン20は、フロントガラス(ウインドシールド)8とは別体で設置される独立型のものとなっている。ハーフミラーである表示スクリーン20で反射された表示光HKは、運転席6に座った運転者UNの瞳HT及びその周辺位置に対応するアイボックス(不図示)に導かれる。図1A及び図2に示すように、運転者UNは、表示スクリーン20で反射された表示光HK、つまり車体2の前方にある虚像としての表示像IMを観察することができる。一方、運転者UNは、ハーフミラーである表示スクリーン20を透過した外界光、つまり前方景色、自動車等の実像を観察することができる。結果的に、運転者UNは、表示スクリーン20の背後の外界像に重ねて、表示スクリーン20での表示光HKの反射によって形成される運転関連情報や危険信号等を含む表示像(虚像)IMを観察することができる。
図3に示すように、描画ユニット10は、本体光学系13と、本体光学系13を動作させる表示制御部18と、本体光学系13等を収納するハウジング14とを備える。これらのうち本体光学系13と表示スクリーン(コンバイナー)20とを組み合わせたものは、虚像表示光学系30を構成する。なお、図3等において座標軸XYZは、一般的な運転者UNの瞳HT間の位置に対応するアイボックスの中心を原点とするが、便宜上原点をシフトさせた状態で表示されている。
本体光学系(投影光学系)13は、像形成素子11と、像形成素子11に形成された画像を拡大した中間像TIを形成可能な結像光学系15と、中間像TIの結像位置に近接して光路後段に配置される中間スクリーン16と、中間像TIを虚像に変換する虚像形成光学系17とを備える。
像形成素子11は、2次元的な表示面11aを有する描画デバイス(表示部)である。像形成素子11の表示面11aに形成された像は、本体光学系13のうち結像光学系15で拡大されて中間像TIを形成し、中間スクリーン16を通過し、虚像形成光学系17等へ導かれる。この際、2次元表示が可能な像形成素子11を用いることで、中間像TI又は表示像(虚像)IMの切換えを比較的高速とできる。像形成素子11は、液晶表示パネル(又は液晶ディスプレイ(LCD(liquid Crystal Display)))、液晶表示パネルに表示動作を行わせる表示駆動回路、液晶表示パネルを照明するための光を射出するLED(light emitting diode)その他の光源、かかる光源からの光を均一化する均一化光学系等を備える。描画デバイスとして液晶ディスプレイを用いることにより、装置を小型化することができる。また、LCDの配光角は広いため、視野角を広くすることができる。なお、像形成素子11は、例えば60fps以上のフレームレートで動作する。これにより、異なる投影距離に複数の表示像IMが同時に表示されているように見せることが容易になる。
結像光学系15は、固定焦点のレンズ系であり、図示を省略するが、複数のレンズを有する。結像光学系15は、像形成素子11の表示面11aに形成された画像を適当な倍率に拡大投影し、中間スクリーン16の入射面16mに近接した位置に中間像TI(又は入射面16mの位置に強制中間像TI’)を形成する。ここで、強制中間像TI’は、中間像TIそのものの他、中間像TIから位置ずれして僅かにピントがボケたものも含む。なお、結像光学系15は、この結像光学系15の最も中間スクリーン16側に配置された絞り15aを有する。
中間スクリーン16は、配光角を所望の角度に制御した拡散板であり、結像位置(つまり中間像TIの結像予定位置又はその近傍)において強制中間像TI’を形成する。この結果、後述するように中間スクリーン16を光軸AX方向に移動させることにより、強制中間像TI’の位置も光軸AX方向に移動させることができる。拡散板には、例えば摺りガラス、レンズ拡散板、マイクロレンズアレイ等が用いられる。また、中間スクリーン16として、マイクロミラーアレイ等を用いてもよい。中間スクリーン16によって、視野角を拡大することができる。中間像TIは、中間スクリーン16から光路前段にかけての表示領域に結像される。中間スクリーン16の入射面16mは、拡散機能を有している。入射面16mに強制中間像TI’が形成され、ここから光が拡散するので、アイボックスを広く確保することができる。
中間スクリーン16は、配置変更装置62に駆動されて例えば一定速度又は周期的な運動で光軸AXに沿って移動する。ここで、光軸AXとは、描画デバイスである像形成素子11の中心と、アイボックスの中心と、虚像表示装置100によって作られる像形成素子11の中心に対応する像点(虚像)とを通るものである。配置変更装置62によって中間スクリーン16を光軸AXに沿って移動させることで、虚像形成光学系17によって表示スクリーン(コンバイナー)20の背後に形成される虚像としての表示像IMと観察者である運転者UNとの距離を長く、又は短くすることができる。つまり、配置変更装置62は、本体光学系(投影光学系)13の構成配置を変化させて投影距離を変化させる。このように、投影される表示像IMの位置を前後に変化させるとともに、表示内容をその位置に応じたものとすることで、表示像IMまでの虚像距離又は投影距離を変化させつつ表示像IMを変化させることになり、一連の投影像としての表示像IMを3次元的なものとすることができる。中間スクリーン16の光軸AXに沿った移動範囲は、中間像TIの結像予定位置又はその近傍に相当するものであるが、結像光学系15の中間スクリーン16側の焦点深度の範囲内とすることが望ましい。これにより、強制中間像TI’の状態と虚像としての表示像IMの結像状態とを、いずれも略ピントが合った良好な状態とすることができる。中間スクリーン16の光軸AX方向の移動量は、例えば20mm以下となっている。これにより、中間スクリーン16の移動を効率良く行うことができ、中間スクリーン16の応答性を向上させることができる。中間スクリーン16の移動速度は、虚像としての表示像IMが複数個所又は複数虚像距離に同時に表示されているかのように見せることができる速度であることが望ましい。配置変更装置62は、例えば15Hz以上の速度で中間スクリーン16を往復移動させる。この場合、観察者(運転者UN)の知覚を超える速さのため、観察者は投影距離の異なる虚像を略同時に認識することができる。
図4に示すように、配置変更装置62は、虚像である表示像IMまでの投影距離D1,D2,D3が長くなるほど表示像IM(n=1〜3)の表示位置間隔m1,m2が広くなるように駆動される。具体的には、配置変更装置62は、運転者UNの瞳HTの位置が基準位置HT1から距離Lだけずれて位置HT2に移動した場合、すなわち視点の位置が変化した場合、角度差(又は角度誤差量)θ1−θ2,θ2−θ3が略等しくなる位置に表示像IMが表示されるように中間スクリーン16を移動させる。これにより、虚像表示位置と対象物KTの位置とが一致せず、表示像IM間に対象物TKが存在する場合でも角度ずれ(表示像IMと対象物KT(図6A等参照)との位置関係のずれ)を最小限に抑えることができる。
中間スクリーン16は、支持部材62aに支持されている。支持部材62aは、配置変更装置62の台座62bに光軸AX方向に沿った所定の範囲内で移動可能に取り付けられている。図5に示すように、中間スクリーン16が移動範囲の最も上流側に配置されたタイミングでは、この時点で中間スクリーン16に表示されている画像が、ハーフミラーである表示スクリーン(コンバイナー)20の背後の最も遠くに虚像として表示される。また、中間スクリーン16が移動範囲の最も下流側に配置されたタイミングでは、この時点で中間スクリーン16に表示されている画像が、ハーフミラーである表示スクリーン(コンバイナー)20の背後の最も近くに虚像として表示される。図5の例では、中間スクリーン16が移動範囲の最も上流側に配置されたタイミングにおける中間スクリーン16の位置(SC位置T1)は、虚像距離が10mの場合、光軸AX方向に沿って後述する第1ミラー17aから相対的に遠ざかる方向に8.1mmの距離を有する位置である。また、中間スクリーン16が移動範囲の最も下流側に配置されたタイミングにおける中間スクリーン16の位置(SC位置T2)は、虚像距離が3.5mの場合、光軸AX方向に沿って第1ミラー17aに相対的に近づく方向に7.7mmの距離を有する位置である。また、SC位置T1,T2の中間のSC位置T3は、虚像距離が5mの場合となっている。
虚像形成光学系17は、中間スクリーン16付近に形成された中間像TIを表示スクリーン20と協働して拡大する拡大投影光学系であり、運転者UNの前方に虚像としての表示像IMを形成する。虚像形成光学系17は、少なくとも1枚のミラーで構成されるが、図示の例では2枚の第1及び第2ミラー17a,17bを含む。ここで、第1ミラー17aは、第1の反射体であって、光路前段にある像形成素子11側に配置されており、光学的なパワーを有する。また、第2ミラー17bは、光路後段にある表示スクリーン(コンバイナー)20側に配置されており、光学的なパワーを有する。第1及び第2ミラー17a,17bは、凸面、凹面、又は平面とでき、曲面の場合、球面に限らず、非球面、自由曲面等とすることができる。
ハウジング14は、表示光HKを通過させる開口14aを有し、この開口14aには、フィルム又は薄板状の光透過部材14bを配置することができる。
図6Aは、実施形態の虚像表示光学系30又は虚像表示装置100による表示を説明する概念的な平面図であり、図6Bは、図6Aに対応する表示の見え方を説明する図である。図6Aに示すように、運転者UNが観察している対象物(この場合、対向車線を走行する自動車)KTの位置又はその近傍に表示像IMである表示枠HWを形成する場合について説明する。このような表示枠HWは、危険警告信号その他の虚像であり、例えば前方に近接する自動車、自転車、歩行者等を識別した結果を示す。表示枠HWは、この場合、図6Aに示すように対象物KTの近傍に表示枠HWを投影しているので、図6Bに示すように、標準位置P0に居る運転者UNだけでなく、頭の位置を動かした変動位置P1に姿勢を変化させた運転者UNにも、対象物KTと表示枠HWとが略重なって略ずれなく見える。
図7Aは、比較例の虚像表示光学系又は虚像表示装置による表示を説明する概念的な平面図であり、図7Bは、図7Aに対応する表示の見え方を説明する図である。図7Aに示すように、運転者UNが観察している対象物KTに関係なく、固定位置に表示像IMである表示枠HWを形成する場合について説明する。この場合、図7Aに示すように対象物KTのかなり手前に表示枠HWを投影しているので、図7Bに示すように、標準位置P0に居る運転者UNにとって、対象物KTと表示枠HWとが略重なって略ずれなく見えても、変動位置P1に姿勢を変化させた運転者UNにとって、表示枠HWが対象物KTに対して眼の並ぶ横方向に大きく位置ずれして見えてしまい、表示枠HWを誤認する可能性が高まる。
図8は、移動体用表示システム200を説明するブロック図であり、移動体用表示システム200は、その一部として虚像表示装置100を含む。この虚像表示装置100は、図3に示す構造を有するものであり、ここでは説明を省略する。図8に示す移動体用表示システム200は、移動体である自動車等に組み込まれるものである。
移動体用表示システム200は、虚像表示装置100のほかに、運転者検出部71と、環境監視部72と、主制御装置90とを備える。
運転者検出部71は、運転者UNの存在や視点位置を検出する部分であり、運転席用カメラ71aと、運転席用画像処理部71bと、運転席画像判断部71cとを備える。運転席用カメラ71aは、車体2内のダッシュボード4の運転席正面に設置されており(図1B参照)、運転者UNの頭部及びその周辺の画像を撮影する。運転席用画像処理部71bは、運転席用カメラ71aで撮影した画像に対して明るさ補正等の各種画像処理を行って運転席画像判断部71cでの処理を容易にする。運転席画像判断部71cは、運転席用画像処理部71bを経た運転席画像から対象物の抽出又は切り出しを行うことによって運転者UNの頭部や眼を検出するとともに、運転席画像に付随する奥行情報から車体2内における運転者UNの頭部の存否とともに運転者UNの眼の空間的な位置を算出する。
環境監視部72は、前方に近接する自動車、自転車、歩行者等を識別する部分であり、外部用カメラ72aと、外部用画像処理部72bと、外部画像判断部72cとを備える。外部用カメラ72aは、車体2内外の適所に設置されており、運転者UN又はフロントガラス8の前方、側方等の外部画像を撮影する。外部用画像処理部72bは、外部用カメラ72aで撮影した画像に対して明るさ補正等の各種画像処理を行って外部画像判断部72cでの処理を容易にする。外部画像判断部72cは、外部用画像処理部72bを経た外部画像から対象物の抽出又は切り出しを行うことによって自動車、自転車、歩行者等の対象物KT(例えば図6A参照)の存否を検出するとともに、外部画像に付随する奥行情報から車体2前方における対象物KTの空間的な位置を算出する。ここで、対象物KTの空間的な位置とは、視野に対応する平面内の位置の他に、奥行き方向の位置を含めるものである。
なお、運転席用カメラ71aや外部用カメラ72aは、図示を省略しているが、例えば複眼型の3次元カメラである。つまり、両カメラ71a,72aは、結像用のレンズと、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)その他の撮像素子とを一組とするカメラ素子をマトリックス状に配列したものであり、撮像素子用の駆動回路をそれぞれ有する。各カメラ71a,72aを構成する複数のカメラ素子は、例えば奥行方向の異なる位置にピントを合わせるようになっており、或いは相対的な視差を検出できるようになっており、各カメラ素子から得た画像の状態(フォーカス状態、対象物の位置等)を解析することで、画像内の各領域又は対象物までの距離を判定できる。
上記のような複眼型のカメラ71a,72aに代えて、2次元カメラと赤外距離センサーとを組み合わせたもの、又はレーザーセンサーを用いても、撮影した画面(死角画像)内の各部に関して奥行方向の距離情報を得ることができる。また、複眼型のカメラ71a,72aに代えて、2つの2次元カメラを分離配置したステレオカメラによって、撮影した画面内の各部(領域又は対象物)に関して奥行方向の距離情報を得ることができる。その他、単一の2次元カメラにおいて、焦点距離を高速で変化させながら撮像を行うことによっても、撮影した画面内の各部に関して奥行方向の距離情報を得ることができる。
表示制御部18は、主制御装置90の制御下で虚像表示光学系30を動作させて、ハーフミラーである表示スクリーン(コンバイナー)20の背後に虚像距離又は投影距離が変化する3次元的な表示像IMを表示させる。表示制御部18は、表示像(虚像)IMまでの投影距離が長くなるほど隣接する表示像(虚像)IMの表示位置間隔が広くなるように配置変更装置62を駆動させることにより、複数の表示像(虚像)IMを表示させる。表示制御部18は、主制御装置90を介して環境監視部72から受信した表示形状や表示距離又は位置情報を含む表示情報から、虚像表示光学系30に表示させる表示像IMを生成する。表示像IMは、例えば表示スクリーン20の背後に存在する自動車、自転車、歩行者その他の対象物KTに対して、その奥行き位置方向及びこれと直交する方向に関して周辺に位置する表示枠HW(図6B参照)のような標識とすることができる。表示制御部18は、環境監視部72から表示スクリーン20の前方に存在する対象物KTの位置情報を受けて、対象物KTの画面内の位置に応じて像形成素子11の表示位置を調整することによって対象物KTに対して表示像(虚像)IMを重ねて表示させる。これにより、位置情報の入力に応じて対象物KTに対して表示像(虚像)IMの位置を適合させることができる。また、表示制御部18は、主制御装置90の制御下で、環境監視部72から対象物KTの位置情報を受けて、対象物KTの空間的な位置に合わせて投影距離を調整している。これにより、運転者UNの視点がずれても、表示像(虚像)IMの位置が変化する対象物KTの位置からずれることを防ぐことができる。また、表示制御部18は、配置変更装置62による中間スクリーン16の移動に同期して像形成素子11に画像を表示させる。これにより、投影距離の異なる各虚像についてその表示内容を変えることができ、各位置に存在する可能性のある対象物KTに対応する画像の表示が可能になる。
表示制御部18は、配置変更装置62と同期して以下の条件式を満たすように像形成素子11に画像を表示させる。
1/dn−1−1/dn=m×(1/d1−1/dmax)/(max−1) … (1)
0.5≦m≦1.5 … (2)
ただし、dnはn番目の虚像表示位置であり、dn−1はn−1番目の虚像表示位置であり、d1は虚像距離が最短の虚像表示位置であり、dmaxは虚像距離が最長の虚像表示位置であり、nは2≦n≦maxを満たす自然数であり、maxは虚像表示数である。上記条件式(1)及び(2)を満たすことにより、観察者(運転者UN)の眼の位置による角度差が略同じとなるように虚像が表示され、観察者の眼の位置による対象物と虚像とのずれがより低減される。これにより、観察者は違和感なく虚像を認識することができる。
1/dn−1−1/dn=m×(1/d1−1/dmax)/(max−1) … (1)
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ただし、dnはn番目の虚像表示位置であり、dn−1はn−1番目の虚像表示位置であり、d1は虚像距離が最短の虚像表示位置であり、dmaxは虚像距離が最長の虚像表示位置であり、nは2≦n≦maxを満たす自然数であり、maxは虚像表示数である。上記条件式(1)及び(2)を満たすことにより、観察者(運転者UN)の眼の位置による角度差が略同じとなるように虚像が表示され、観察者の眼の位置による対象物と虚像とのずれがより低減される。これにより、観察者は違和感なく虚像を認識することができる。
上記条件式(1)及び(2)は、アイボックスサイズがある程度小さい場合に成立するものである。ここで、アイボックスサイズが小さいとは、瞳HTと虚像表示位置とがなす角度をθ(図4に示す角度θ1〜θ3に相当)とした場合に、tanθが角度θで近似できる程度のものを意味する。
表示制御部18は、主制御装置90を介して運転者検出部71から運転者UNの存在や眼の位置に関する検出出力を受け取る。これにより、虚像表示光学系30による表示像IMの投影の自動的な開始や停止が可能になる。また、運転者UNの目の空間的な位置に応じて表示像IMのみを明るくする、点滅する等の強調を行った投影を行うこともできる。
主制御装置90は、虚像表示装置100、環境監視部72等の動作を調和させる役割を有し、環境監視部72によって検出した対象物KTの空間的な位置に対応するように、虚像表示光学系30によって投影される表示枠HWの空間的な配置を調整する。また、主制御装置90には、虚像表示間隔に関するデータ等が保存されている。虚像表示間隔のデータは、表示像IMを表示させる虚像表示位置又は虚像距離に対応し、上記条件式(1)及び(2)を満たすものである。
以下、図9を参照しつつ、虚像表示装置及び移動体用表示システムの動作について説明する。表示制御部18及び配置変更装置62等は、例えば運転者検出部71における運転者UNの眼の位置に関する検出出力等を受け取ることで動作が開始される。
まず、虚像表示装置100を初期化する(ステップS11)。具体的には、主制御装置90の制御下で、配置変更装置62を動作させて、中間スクリーン16の位置を初期位置に移動させる。既に説明したように、中間スクリーン16は、光軸AX方向に沿って所定の範囲を移動可能となっており、移動範囲の最も下流側から最も上流側の範囲のうち、例えば最も上流側の位置を初期位置としている。また、初期位置を基準として中間スクリーン16の移動の一定周期において像形成素子11に画像を表示するタイミングと配置変更装置62の動作タイミングとを同期させる。この際、予め設定された又は運転者UNによって設定された虚像表示間隔のデータが主制御装置90から読み出され、同期に利用される。詳細な動作は後述するが、この虚像表示間隔のデータと後述する対象物KTの位置とに基づいて、像形成素子11の画像表示タイミングが決定される。
次に、対象物KTを探索する(ステップS12)。具体的には、主制御装置90の制御下で、環境監視部72を動作させて、対象物KTの存否を検出する。
次に、表示スクリーン20の表示領域(又は画面)内の対象物KTを検出する(ステップS13)。具体的には、主制御装置90の制御下で、環境監視部72を動作させて、対象物KTの空間的な位置(XYZ座標の位置)を検出する。
次に、対象物KTの空間的な位置、特に運転者UNの瞳HTから対象物KTまでの距離から像形成素子11に画像を表示するタイミングと表示像(虚像)IMの表示位置とを決定する(ステップS14)。具体的には、主制御装置90において、環境監視部72で算出された対象物KTの位置データ等から画像を表示するタイミングと表示像(虚像)IMの表示位置とを決定する。タイミングについては、Z方向に関係するものであり、表示位置については、XY方向に関係するものである。つまり、対象物KTがどの距離にあるかによって像形成素子11に表示枠HW等の画像を表示させるタイミングが決定する。対象物KTの位置と設定された虚像表示位置とが一致する場合には、該当する虚像表示位置に表示像IMが表示されるように画像表示タイミングを決定する。一方、対象物KTの位置と設定された虚像表示位置とが一致しない場合には、設定された虚像表示位置のうち最も近い位置に表示像IMが表示されるように画像表示タイミングを決定する。これにより、運転者UNの視点の位置の変化に起因する角度ずれを低減することができる。
次に、ステップS14で決定したタイミング及び位置の情報に基づいて、画像を像形成素子11に表示させる(ステップS15)。具体的には、主制御装置90の制御下で、表示制御部18を動作させて、像形成素子11に所定のタイミングで所定の画像を表示させる。この際、表示制御部18は、主制御装置90の制御下に基づく配置変更装置62による中間スクリーン16の移動に同期して像形成素子11に画像を表示させている。表示スクリーン20に対応する画面内であれば、複数の対象物KTに対応する表示像(虚像)IMとして例えば表示枠HWを表示することができる。
ステップS15の後、移動体用表示システムの動作を継続する場合(ステップS16のYes)、ステップS12に戻る。
以上で説明した虚像表示装置及び移動体用表示システムは、表示像(虚像)IMまでの距離が長くなるほど表示像(虚像)IMの表示位置間隔が広くなるようにしている。表示スクリーン20から近い側の虚像と表示スクリーン20から遠い側の虚像とを観察者(運転者UN)が見たときの角度差を同程度にすることができるため、虚像の位置間隔を同じにした場合に対して虚像の表示数を少なくしてもよく、対象物KTの表示位置からずれて存在する場合でも、観察者(運転者UN)の眼の位置による対象物KTと表示像(虚像)IMとのずれを低減することができ、より安全な運転支援システムを実現することができる。したがって、観察者(運転者UN)の視点がずれても危険信号等の虚像と実物(対象物KT)との位置関係が大きくずれないため、観察者(運転者UN)の誤認を防ぐことができる。
〔実施例〕
以下、本発明に係る虚像表示装置(又はヘッドアップディスプレイ装置)の具体的な実施例を示す。
以下に示す実施例のデータにおいて、Si(i=0,1,2,3,…)は、表示像IMを形成する虚像面側から数えてi番目の面(表示像IMの虚像面を第0番目の面とする)を示している。虚像面に対応する第0面S0に続く第1及び第2面S1,S2は、仮想的な面であり、第3面S3は、瞳HTに相当する(図5参照)。
以下、本発明に係る虚像表示装置(又はヘッドアップディスプレイ装置)の具体的な実施例を示す。
以下に示す実施例のデータにおいて、Si(i=0,1,2,3,…)は、表示像IMを形成する虚像面側から数えてi番目の面(表示像IMの虚像面を第0番目の面とする)を示している。虚像面に対応する第0面S0に続く第1及び第2面S1,S2は、仮想的な面であり、第3面S3は、瞳HTに相当する(図5参照)。
各面Siの配置は、面頂点座標(x,y,z)と回転角度(ADE)とでそれぞれ特定される。各面Siの面頂点座標は、その面頂点をローカルな直交座標系(X,Y,Z)の原点として、グローバルな直交座標系(x,y,z)におけるローカルな直交座標系(X,Y,Z)の原点の座標(x,y,z)で表されている(単位はmm)。また、各面Siの傾きは、その面頂点を中心とするX軸回りのADE又は回転角度(α回転)で表されている。また、各面Siの傾きは、その面頂点を中心とするY軸回りのBDE又は回転角度(β回転)でも表されている。なお、回転角度の単位は、°であり、X軸の正方向から見て時計回りの方向がα回転の回転角度の正方向とし、Y軸の正方向から見て時計回りの方向がβ回転の回転角度の正方向とする。また、グローバルな直交座標系(x,y,z)は、瞳HT又は瞳面(第3面S3)のローカルな直交座標系(X,Y,Z)と一致した絶対座標系になっている。すなわち、各面Siの配置データは、瞳面中心を原点としたグローバル座標系で表現される。なお、瞳面(第3面S3)では、表示スクリーン20から瞳HTに向かう方向が+Z方向又は+z方向であり、瞳HTに対して上方向が+Y方向又は+y方向であり、表示スクリーン20から瞳HTに向かう方向から見て左方向が+X方向又は+x方向である。
各実施例において、虚像形成光学系17に対応する第5面S5及び第6面S6は、自由曲面であり、その自由曲面形状は、光学面の頂点を原点とし、光軸方向にZ軸をとり、Z軸に平行な面のサグ量をZとして以下の「数1」で表す。
〔数1〕
ただし、
Z :Z軸に平行な面のサグ量
c :頂点曲率(c=1/R)
k :円錐定数又はコーニック定数
Cj:XmYnの係数
R :Y曲率半径
〔数1〕
ただし、
Z :Z軸に平行な面のサグ量
c :頂点曲率(c=1/R)
k :円錐定数又はコーニック定数
Cj:XmYnの係数
R :Y曲率半径
以下、本発明の虚像表示装置であるヘッドアップディスプレイ装置の具体的な実施例を説明する。
表4に示す虚像距離は、条件式(1)の値1/dn−1−1/dnが0.037となり、m=1のときの条件式(1)の値m×(1/d1−1/dmax)/(max−1)と一致する。
〔実施例2〕
実施例2のヘッドアップディスプレイ装置の虚像表示数maxが6の場合の各虚像の虚像距離を以下の表5に示す。なお、実施例2のヘッドアップディスプレイ装置の構成は、実施例1のヘッドアップディスプレイ装置の構成と同様である。
〔表5〕
実施例2のヘッドアップディスプレイ装置の虚像表示数maxが6の場合の各虚像の虚像距離を以下の表5に示す。なお、実施例2のヘッドアップディスプレイ装置の構成は、実施例1のヘッドアップディスプレイ装置の構成と同様である。
〔表5〕
表5に示す虚像距離は、条件式(1)の値1/dn−1−1/dnが0.0075となり、m=1のときの条件式(1)の値m×(1/d1−1/dmax)/(max−1)と一致する。
以上では、具体的な実施形態としての虚像表示装置について説明したが、本発明に係る虚像表示装置は、上記のものには限られない。例えば、上記実施形態において、虚像表示装置100の配置を上下反転させて、フロントガラス8の上部又はサンバイザー位置に表示スクリーン20を配置することもできる。この場合、描画ユニット10の斜め下方前方に表示スクリーン20が配置される。上記実施形態では表示スクリーン20を平面としたが、曲面でも、曲面をさらに傾けたものでも、対称性をもたない自由曲面であってもよい。
上記実施形態において、表示スクリーン20の輪郭は、矩形に限らず、様々な形状とすることができる。
図3等に示す本体光学系13は、単なる例示であり、これら本体光学系13の光学的構成については適宜変更することができる。例えば、結像光学系15中に中間像TIの前段としての中間像を追加で形成することができる。虚像形成光学系17の光路中において、光学的なパワーを持たない1つ以上のミラーを配置してもよい。この場合、折り返しによる描画ユニット10等の小型化に有利になる場合もある。
上記実施形態において、表示像(虚像)IMの表示位置は、上記実施例で例示した6か所に限らず、適当数に設定することができる。また、表示像IMの表示は、位置を変化させて連続的又は断続的に設定することもできる。
また、上記実施形態において、描画デバイスである像形成素子11として、LCDを用いたが、他の種類の表示素子、例えば有機ELを用いてもよい。この場合、虚像表示装置100を軽量化することができる。また、像形成素子11は、DMDやLCOS等の反射型の素子であってもよい。特に、像形成素子11としてDMDを用いると、明るさを維持しつつ画像を高速で切り替えることが容易になり、虚像距離又は投影距離を変化させる表示に有利である。また、像形成素子11は、反射型の素子の代わりに、MEMSを利用した走査型の映像素子を用いてもよい。
また、上記実施形態において、虚像形成光学系17には、2枚のミラーを設けたが、1枚又は3枚以上のミラーを設けてもよい。また、ミラーを省略してもよい。また、ミラーの光学面は対称性がある自由曲面としているが、これに限るものではなく、対称性を持たない自由曲面でもよい。
また、上記実施形態において、コンバイナーを設けずに、フロントウインドウを形成するフロントガラス8又はウインドシールドの運転席正面に設けた矩形の反射領域の内側に表示スクリーン20を貼り付けてもよい。なお、表示スクリーン20は、フロントガラス8内に埋め込むこともできる。
上記実施形態では、中間スクリーン16を光軸AXに沿って移動させることで投影される表示像IMの位置を変化させたが、以下のように、他の手法を用いて表示像IMの位置を変化させてもよい。
例えば、図11A及び11Bに示すように、中間スクリーン116は、樹脂やガラスで形成された回転体としてもよい。この中間スクリーン116は、配置変更装置62に設けた回転駆動装置に駆動されて回転軸RX周りに一定速度で回転する。中間スクリーン116は、複数の厚みが異なる階段状の部分領域16a〜16fを有し、これらの部分領域16a〜16fは、中間スクリーン116の回転に伴って結像光学系15によって形成される中間像TIの位置に順次配置される。配置変更装置62によって中間スクリーン116を回転軸RX周りに移動させることで、虚像形成光学系17によって表示スクリーン(コンバイナー)20の背後に形成される表示像IMと運転者UNとの距離を長く、又は短くすることができる。このように、投影される表示像IMの位置を前後に変化させるとともに、表示内容をその位置に応じたものとすることで、表示像IMまでの虚像距離を変化させつつ表示像IMを変化させることになり、一連の投影像としての表示像IMを3次元的なものとすることができる。
中間スクリーン116は、空気換算した光路長を例えば6段階で変化させる役割を有する。中間スクリーン116は、表示領域に形成された中間像TIの反対側に配置される射出面16g〜16lが階段状となっている。一方、中間スクリーン116は、結像光学系15側又は光路前段側において、単一の平面である入射面16mを有している。中間像TIは、中間スクリーン116から光路前段にかけての表示領域に結像され、具体的には、中間スクリーン116すなわち入射面16mは、中間像TIの結像位置から±1mm以内に配置されている。中間スクリーン116の入射面16mは、拡散機能を有している。入射面16mは、例えば磨りガラス状の面に加工されている。なお、拡散機能に対応する磨りガラス面の部分は、例えば別部品として中間スクリーン116の入射面16m上に貼り付けることができる。入射面16m上に貼り付ける別部品としては、磨りガラス板、拡散板、マイクロレンズアレイ等を用いることができる。
また、上記中間スクリーン116は、回転体を回転させる構成に限らず、適宜構成を変更することができる。例えば、図11C及び11Dに示すように、中間スクリーン216を矩形板状の階段状構造体とし、この中間スクリーン216を不図示の配置変更装置によって光軸AXに垂直な上下方向に沿って所望の位置に移動させる。中間スクリーン216は、光軸AXに垂直な方向に配列された複数の部分領域216a〜216c(図示の例では3つ)を有し、各部分領域216a〜216cは、表示領域に形成された中間像TIに対応するサイズ及び輪郭形状を有している。これらの部分領域216a〜216cは、光軸AX方向の厚みが互いに異なるものとなっている。なお、中間スクリーン216を固定的に配置して、中間像TIを複数の部分像として上下のZ方向に分割してもよい。
また、上記実施形態において、本体光学系13は、結像光学系15を省略し、像形成素子11と虚像形成光学系17とで構成してもよい。この場合、拡散機能を有する中間スクリーンの代わりに拡散機能を有しない中間スクリーンを配置し、図3で中間像TIの位置付近に、つまり中間スクリーンの光路前段に、像形成素子11の表示面11aが配置される。像形成素子11の表示面11aは、そのまま表示領域となっており、表示面11aに形成された像が虚像形成光学系17等によって直接的に表示像(虚像)IMとして拡大投影される。
また、上記実施形態において、中間スクリーン16を省略してもよい。この場合、像形成素子11を配置変更装置62によって光軸AXに沿って移動させることができ、配置変更装置62は、例えば15Hz以上の速度で像形成素子11を移動させる。この場合、観察者(運転者UN)の知覚を超える速さのため、観察者は投影距離の異なる虚像を略同時に認識することができる。また、結像光学系15の構成配置を変化させるによって中間像TIの位置を移動させてもよい。
以上で説明した虚像表示装置100は、自動車やその他移動体に搭載される投影装置に限らず、デジタルサイネージ等に組み込むことができるが、これら以外の用途に適用することもできる。
Claims (10)
- 描画デバイスの像を拡大する投影光学系と、表示スクリーンとを備える虚像表示装置であって、
前記投影光学系の構成配置を変化させることによって前記虚像までの投影距離を変化させる配置変更装置と、
前記投影距離が長くなるほど前記虚像の表示位置間隔が広くなるように前記配置変更装置を駆動させることにより、前記投影距離の異なる複数の前記虚像を表示させる表示制御部と、
を備える虚像表示装置。 - 表示制御部は、前記配置変更装置と同期して以下の条件式を満たすように前記描画デバイスに画像を表示させる、請求項1に記載の虚像表示装置。
1/dn−1−1/dn=m×(1/d1−1/dmax)/(max−1) … (1)
0.5≦m≦1.5 … (2)
ただし、
dn:n番目の虚像表示位置
dn−1:n−1番目の虚像表示位置
d1:虚像距離が最短の虚像表示位置
dmax:虚像距離が最長の虚像表示位置
n:2≦n≦maxを満たす自然数
max:虚像表示数 - 前記投影光学系は、中間スクリーンを有し、
前記配置変更装置は、前記中間スクリーンを前記光軸方向に移動させる、請求項1及び2のいずれか一項に記載の虚像表示装置。 - 前記配置変更装置は、15Hz以上の速度で前記中間スクリーンを移動させる、請求項3に記載の虚像表示装置。
- 前記配置変更装置は、前記描画デバイスを前記光軸方向に移動させる、請求項1及び2のいずれか一項に記載の虚像表示装置。
- 前記配置変更装置は、15Hz以上の速度で前記描画デバイスを移動させる、請求項5に記載の虚像表示装置。
- 前記表示制御部は、前記表示スクリーンの前方に存在する対象物の位置情報を受けた場合に、前記対象物の画面内の位置に応じて前記描画デバイスの表示位置を調整することによって前記対象物に対して前記虚像を重ねて表示させる、請求項1から6までのいずれか一項に記載の虚像表示装置。
- 前記表示制御部は、前記対象物の位置情報を受けた場合に、前記対象物の空間的な位置に合わせて前記投影距離を調整する、請求項7に記載の虚像表示装置。
- 前記描画デバイスは、60fps以上のフレームレートで動作する、請求項1から8までのいずれか一項に記載の虚像表示装置。
- 請求項1から9までのいずれか一項に記載の虚像表示装置と、
前記対象物の空間的な位置を検出する環境監視部と、
を備える移動体用表示システム。
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