JPWO2018173290A1 - 計測装置 - Google Patents

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Abstract

計測装置は、関係式(1)および(2)を満たすことを特徴とする。関係式(1)は、2YH/(X+Y)≦D<Hである。関係式(2)は、Y≦A<Xである。ただし、この関係式において、Dは、光通過孔の入射口と受光素子の受光面の間の距離である。Hは、受光素子の受光面と計測点の間の距離である。Xは、計測点に向かって進行する第1のレーザー光と第2のレーザー光が重なり合ってできたレーザー光の強度が所定の強度以上である範囲の幅である。Yは、受光素子の受光面の幅である。Aは、光通過孔の入射口の幅である。

Description

本明細書に開示する技術は、計測装置に関する。
従来から、計測対象物の速度を計測するレーザードップラー式の計測装置が知られている。レーザードップラー式の計測装置は、レーザー光照射装置と受光装置と処理装置を備えている。レーザー光照射装置は、移動する計測対象物に向かってレーザー光を照射する。レーザー光照射装置から照射されたレーザー光は、移動する計測対象物に当たったときに散乱して散乱光が生じる。そのときに生じた散乱光を受光装置が受光する。受光装置が散乱光を受光すると、処理装置がその散乱光の周波数に基づいて計測対象物の速度を演算する。処理装置は、公知のドップラーシフトに基づく演算方法によって計測対象物の速度を演算する。
特許文献1(日本国特開平5−66226号公報)には、移動する計測対象物に向かって異なる2方向からレーザー光を照射するレーザー光照射装置を備えている計測装置が開示されている。特許文献1の計測装置は、レーザー光照射装置と受光装置と処理装置を備えている。レーザー光照射装置は、移動する計測対象物に向かって第1のレーザー光と第2のレーザー光を照射する。第1のレーザー光と第2のレーザー光は、計測対象物に向かって互いに異なる方向から照射される。レーザー光照射装置から照射された第1のレーザー光と第2のレーザー光は、移動する計測対象物に当たったときに散乱し、それぞれの散乱光が生じる。そのときに生じたそれぞれの散乱光を受光装置が受光する。また、特許文献1の計測装置では、受光装置が集光レンズを備えており、この集光レンズによって様々な散乱光を集光して受光する。受光装置が第1のレーザー光と第2のレーザー光の散乱光を受光すると、処理装置がそれぞれの散乱光の周波数に基づいて計測対象物の速度を演算する。処理装置は、公知のドップラーシフトに基づく演算方法によって計測対象物の速度を演算する。
計測対象物の速度を計測する計測装置では、流路を流れる流体中の粒子の速度を計測することがある。つまり、計測対象物が流体中の粒子であることがある。流体中の粒子としては、例えば、血液中の赤血球等が考えられる。計測装置が流路を流れる血液中の赤血球の速度を計測することになる。これによって、血液の流速を知ることができる。
一般的に流路を流れる流体中には無数の粒子が存在している。例えば、血液中には無数の赤血球が存在している。無数の粒子は流体中に拡散して存在している。そのため、無数の粒子の中には、例えば、流路の中心部を通過する粒子もあれば、流路の周縁部を通過する粒子もある。また、流体中の無数の粒子の速度は様々である。速度が速い粒子もあれば、速度が遅い粒子もある。
特許文献1の計測装置を用いて流路を流れる流体中の粒子の速度を計測する場合は、レーザー光照射装置から流路内の任意の計測点に向かって第1のレーザー光と第2のレーザー光を照射する。第1のレーザー光と第2のレーザー光は、流路内の計測点に向かって互いに異なる方向から照射される。レーザー光照射装置から照射された第1のレーザー光と第2のレーザー光は、計測点を通過する粒子に当たったときに散乱し、それぞれの散乱光が生じる。そのときに生じたそれぞれの散乱光を受光装置が受光する。受光装置は、集光レンズによって様々な散乱光を集光して受光する。そして、受光装置が受光したそれぞれの散乱光の周波数に基づいて、処理装置が計測点を通過する粒子の速度を演算する。
計測点を通過する粒子の速度を正確に計測するためには、計測点を通過する粒子によって生じた散乱光を受光装置が十分に受光することが好ましい。また、粒子の速度を正確に計測するためには、レーザー光照射装置から計測点に向かって第1のレーザー光と第2のレーザー光を照射する際に、各レーザー光を計測点のみに照射すればよい。そうすれば、計測点を通過する粒子のみに第1のレーザー光と第2のレーザー光が当たり、各レーザー光がその粒子に当たったときに生じる散乱光のみを取り出すことができる。したがって理想的には、第1のレーザー光と第2のレーザー光を照射する際に、第1のレーザー光と第2のレーザー光が計測点のみで重なり合うように照射することが好ましい。しかしながら現実的には、第1のレーザー光と第2のレーザー光を計測点のみに照射することは困難であり、光の拡散等によって計測点の周辺にも第1のレーザー光と第2のレーザー光が照射されてしまう。つまり、第1のレーザー光と第2のレーザー光が、光の拡散等によって計測点及びその周辺で重なり合うように照射されてしまう。そうすると、レーザー光照射装置から照射された第1のレーザー光と第2のレーザー光が粒子に当たって散乱するときに、計測点を通過する粒子に当たって散乱するだけでなく、計測点の周辺を通過する粒子にも第1のレーザー光と第2のレーザー光が当たって散乱してしまう。そのため、計測点を通過する粒子によって生じた散乱光だけでなく、計測点の周辺を通過する粒子によって生じた散乱光も取り出してしまうことになる。そうすると、流体中の無数の粒子の速度が様々であるので、様々な速度の粒子によって生じた様々な散乱光を受光装置が受光することになる。その結果、処理装置が様々な散乱光の周波数に基づいて粒子の速度を演算することになってしまい、流路を流れる流体中の粒子の速度を正確に計測することが困難になる。また、特許文献1の計測装置では、受光装置が集光レンズによって様々な散乱光を集光して受光しているので、処理装置が様々な散乱光の周波数に基づいて粒子の速度を演算することになる。その結果、流路を流れる流体中の粒子の速度を正確に計測することが困難になる。このように、特許文献1の計測装置では、計測点を通過する粒子によって生じた散乱光だけでなく、余分な散乱光も受光してしまうので、粒子の速度を正確に計測することが困難になる。特許文献1の計測装置は、計測対象物の速度が均一である場合は問題無いが、管内を流れる液体の中の粒子のように速度が様々である場合は問題が生じてしまう。そこで本明細書は、余分な散乱光を受光することを抑制しつつ、必要な散乱光を十分に受光することができる技術を提供する。
本明細書に開示する計測装置は、流路を流れる流体中の粒子の速度を計測するための計測装置である。この計測装置は、レーザー光照射装置と受光装置を備えている。前記レーザー光照射装置は、前記流路内の計測点に向かって進行する第1のレーザー光と、前記第1のレーザー光と異なる方向から前記流路内の前記計測点に向かって進行する第2のレーザー光を照射する。前記受光装置は、前記レーザー光照射装置から照射された前記第1のレーザー光と前記第2のレーザー光が前記計測点を通過する粒子に当たったときにそれぞれ生じる散乱光を受光する。前記受光装置は、受光素子と、前記受光素子の受光面と前記計測点の間に形成されている中空の光通過孔を備えている。前記光通過孔は、前記計測点から前記受光素子に向かう方向に延びており、前記計測点を通過する粒子によって生じた散乱光が前記光通過孔を通過して前記受光素子の前記受光面に入射するように構成されている。この計測装置は、下記の関係式(1)および(2)を満たすことを特徴とする。
2YH/(X+Y)≦D<H ・・・(1)
Y≦A<X ・・・(2)
ただし、上記の関係式において、Dは、前記光通過孔の入射口と前記受光素子の前記受光面の間の距離である。Hは、前記受光素子の前記受光面と前記計測点の間の距離である。Xは、前記計測点に向かって進行する前記第1のレーザー光と前記第2のレーザー光が重なり合ってできたレーザー光の強度が所定の強度以上である範囲の幅である。Yは、前記受光素子の前記受光面の幅である。Aは、前記光通過孔の前記入射口の幅である。
このような構成によれば、計測点を通過する粒子によって生じた散乱光が光通過孔を通過して受光素子に入射する。しかしながら、レーザー光照射装置から第1のレーザー光と第2のレーザー光が照射されたときに、計測点だけでなく、計測点の周辺にも第1のレーザー光と第2のレーザー光が照射されてしまうことがある。そうすると、計測点を通過する粒子だけでなく、計測点の周辺を通過する粒子によっても散乱光が生じてしまう。このとき、上記の構成によれば、光通過孔を備えているので、計測点の周辺を通過する粒子によって生じた散乱光が受光素子に入射することを抑制できる。すなわち、上記の構成によれば、計測点と受光素子の間で光通過孔が計測点から受光素子に向かう方向に延びているので、計測点を通過する粒子によって生じた散乱光は光通過孔を通過して受光素子に入射するが、計測点の周辺を通過する粒子によって生じた散乱光は、光通過孔の存在によって受光素子に入射しにくくなる。これによって、余分な散乱光を受光することを抑制できる。
また、光通過孔を備えている構成では、光通過孔の入射口の位置が計測点から遠い位置にあると、光通過孔への入射範囲が広がるので、計測点の周辺で生じる散乱光が光通過孔に入射し易くなる。しかしながら、上記の構成によれば、関係式(1)を満たすことによって、光通過孔の入射口の位置を計測点に近付けることができる。これによって、光通過孔への入射範囲が広がることを抑制できるので、計測点の周辺で生じる散乱光が光通過孔に入射しにくくなる。また、上記の構成によれば、関係式(2)を満たすことによって、光通過孔の入射口の幅Aが狭くなり過ぎることを抑制できる。これによって、計測点から受光素子に向かう散乱光を十分に受光することができる。そのため、余分な散乱光を受光することを抑制しつつ、必要な散乱光を十分に受光することができる。その結果、流路を流れる流体中の粒子の速度を正確に計測することができる。
上記の計測装置において、下記の関係式(3)を満たしていてもよい。
D=H(A+Y)/(X+Y) ・・・(3)
このような構成によれば、関係式(3)を満たすことによって、計測点の周辺で生じた散乱光を受光することを抑制しつつ、計測点を通過する粒子によって生じた散乱光を受光素子の受光面全体を利用して受光することができる。
また、上記の計測装置において、下記の関係式(4)を満たしていてもよい。
A=Y ・・・(4)
このような構成によれば、光通過孔の入射口の幅と受光素子の受光面の幅を揃えることによって、計測点から光通過孔を通過して受光素子に向かう散乱光を効率良く受光することができる。
また、上記の計測装置において、前記光通過孔の内周面の表面粗さが、前記第1のレーザー光の波長以上、かつ、前記第2のレーザー光の波長以上であってもよい。
上述したように、第1のレーザー光と第2のレーザー光が計測点の周辺にも照射されてしまい、計測点の周辺で散乱光が生じることがある。そうすると、計測点の周辺で様々な方向に進行する様々な散乱光が生じる。また、計測点の周辺で生じた散乱光が光通過孔に入射して光通過孔の内周面に当たって反射することがある。このとき、上記の構成によれば、光通過孔の内周面で反射する様々な散乱光を乱反射させることができる。これによって、光通過孔の内周面で反射した散乱光が様々な方向に進行するので、受光素子に向かって進行する散乱光を減らすことができる。そのため、計測点の周辺で生じた散乱光が受光素子に入射することを抑制できる。なお、第1のレーザー光の波長と第2のレーザー光の波長と散乱光の波長は近似する値である。
また、前記光通過孔の内周面が、前記受光素子の前記受光面に対して傾斜していてもよい。
このような構成によれば、計測点の周辺で生じた散乱光が光通過孔の内周面で反射したとしても、その内周面が受光素子の受光面に対して傾斜しているので、反射した散乱光が受光素子の受光面に向かって進行することを抑制できる。そのため、計測点の周辺で生じた散乱光が受光素子の受光面に入射することを抑制できる。なお、光通過孔の内周面が受光素子の受光面に対して傾斜しているとは、光通過孔の内周面が受光素子の受光面に対して直角である構成を含まない概念である。
また、前記光通過孔の内周面の色が黒色であってもよい。
このような構成によれば、計測点の周辺で生じた散乱光が光通過孔の内周面で反射することを抑制できる。そのため、計測点の周辺で生じた散乱光が受光素子に入射することを抑制できる。
また、前記光通過孔の内周面が低反射材で構成されていてもよい。
このような構成によれば、計測点の周辺で生じた散乱光が光通過孔の内周面で反射することを抑制できる。そのため、計測点の周辺で生じた散乱光が受光素子に入射することを抑制できる。
実施例に係る計測装置の概略構成を示す図である。 実施例に係る受光装置の概略構成を示す図である。 実施例に係る受光素子の概略構成を示す側面図である。 実施例に係る受光素子の概略構成を示す平面図である。 実施例に係る計測装置のブロック図である。 光通過孔と計測点と受光素子の位置関係を示す図である。 第1のレーザー光と第2のレーザー光が重なり合ってできたレーザー光の強度の分布を示す図である。 図6における位置関係を模式的に示す図である。 光通過孔の一例を示す平面図である。 光通過孔の他の一例を示す平面図である。 光通過孔の更に他の一例を示す平面図である。 光通過孔の更に他の一例を示す断面図である。 他の実施例に係る計測装置の概略構成を示す図である。
以下に実施例について添付図面を参照して説明する。図1に示すように、実施例に係る計測装置1は、固定具62によって透明な管61に固定されて使用される。管61内に流路60が形成されている。計測装置1は、流路60を流れる流体F中の粒子Rの速度vを計測する装置である。これによって、流体Fの流速を知ることができる。
流路60を流れる流体F中には無数の粒子Rが存在している。無数の粒子Rは流体F中に拡散して存在している。したがって、無数の粒子Rの中には、例えば、流路60の中心部を通過する粒子Rもあれば、流路60の周縁部を通過する粒子Rもある。また、無数の粒子Rの速度は様々である。速度が速い粒子Rもあれば、速度が遅い粒子Rもある。流路60を流れる流体F中の粒子Rの速度vを計測する際に、流路60内の特定の計測点10に絞って粒子Rの速度vを計測することがある。流路60内の計測点10の位置は特に限定されるものではないが、例えば、流路60の中心部を計測点10として、流路60の中心部を通過する粒子Rの速度vを計測することができる。一般的に、層流の場合、流路60の中心部を流れる流体Fの流速は、流路60の全体を流れる流体Fの平均流速の2倍に相当することが知られている。
流路60を流れる流体Fとしては、例えば血液が挙げられる。流体F中の粒子Rとしては、例えば赤血球が挙げられる。計測装置1によって血液中の赤血球の速度を計測することができる。これによって、血液の流速を知ることができる。医療現場では、患者の体内を流れる血液を体外に送り出し、体外に送り出した血液を再び体内に送り戻す体外循環が行われることがある。この体外循環では、体外循環用の管が患者の血管に接続され、患者の血管を流れる血液が体外循環用の管に流入し、体外循環用の管を流れた血液が再び患者の血管に戻される。図1に示す計測装置1によって体外循環用の管61を流れる血液(流体F)中の赤血球(粒子R)の速度vを計測することができる。
図1に示すように、計測装置1は、レーザー光照射装置2と、受光装置3と、処理装置9を備えている。レーザー光照射装置2は、発光素子21と、コリメーターレンズ22と、回折格子23と、第1のミラー241と、第2のミラー242を備えている。発光素子21は、例えばレーザーダイオード(LD)である。発光素子21は、コリメーターレンズ22と対向するように配置されている。発光素子21は、コリメーターレンズ22に向けてレーザー光Lを発光する。発光素子21が発光したレーザー光Lがコリメーターレンズ22に入射する。発光素子21は、第1のミラー241及び第2のミラー242が配置されている方向とは反対側にレーザー光Lを発光する。発光素子21は、回折格子23と第1のミラー241及び第2のミラー242との間に配置されている。
コリメーターレンズ22は、発光素子21と回折格子23の間に配置されている。コリメーターレンズ22は、発光素子21が発光したレーザー光Lを平行光にして出射する。コリメーターレンズ22から出射したレーザー光L(平行光)は、回折格子23に入射する。
回折格子23は、コリメーターレンズ22と対向するように配置されている。回折格子23は、可動式になっており、移動装置25によって回折格子23を移動させることができる。移動装置25は、回折格子23と第1のミラー241及び第2のミラー242との間の距離を変えることができる。移動装置25は、例えば機械式の装置であり、ボルトを回すことによって回折格子23を上下動させることができる。回折格子23の位置を変えることによって、流路60内の計測点10の位置を変えることができる。回折格子23は、光の回折を利用して回折格子23に入射したレーザー光Lを第1のレーザー光L1と第2のレーザー光L2に分ける。回折格子23は、反射型の回折格子である。回折格子23に入射したレーザー光Lが回折格子23で反射するときに第1のレーザー光L1と第2のレーザー光L2に分かれる。発光素子21が発光したレーザー光Lが回折格子23で反射することによって第1のレーザー光L1と第2のレーザー光L2に分かれる。
回折格子23によって生じた第1のレーザー光L1と第2のレーザー光L2は、異なる方向に進行する。第1のレーザー光L1と第2のレーザー光L2は、発光素子21とコリメーターレンズ22を結ぶ線に関して線対称になるように進行する。図1に示す例では、第1のレーザー光L1が右斜め上方に向かって進行し、第2のレーザー光L2が左斜め上方に向かって進行する。第1のレーザー光L1が第1のミラー241に向かって進行し、第2のレーザー光L2が第2のミラー242に向かって進行する。第1のレーザー光L1の波長と第2のレーザー光L2の波長は同じ波長である。また、第1のレーザー光L1の周波数と第2のレーザー光L2の周波数は同じ周波数である。
第1のミラー241と第2のミラー242は、回折格子23と管61の間に配置されている。第1のミラー241と第2のミラー242は、互いに向かい合っている。回折格子23によって生じた第1のレーザー光L1が第1のミラー241に入射し、第2のレーザー光L2が第2のミラー242に入射する。第1のミラー241は第1の反射面43を備えている。第2のミラー242は第2の反射面44を備えている。第1の反射面43と第2の反射面44は、互いに向かい合っている。第1の反射面43では、第1のミラー241に入射した第1のレーザー光L1が反射する。第2の反射面44では、第2のミラー242に入射した第2のレーザー光L2が反射する。
第1のミラー241の第1の反射面43で反射した第1のレーザー光L1は、管61内の流路60に入射する。また、第2のミラー242の第2の反射面44で反射した第2のレーザー光L2も、管61内の流路60に入射する。第1のレーザー光L1と第2のレーザー光L2は、流路60内の計測点10に向かって進行する。
第1のレーザー光L1と第2のレーザー光L2は、互いに異なる方向から計測点10に向かって進行する。すなわち、レーザー光照射装置2から流路60内の計測点10に向かって第1のレーザー光L1と第2のレーザー光L2が互いに異なる方向から照射される。第1のレーザー光L1は、流路60の下流側から計測点10に向かって進行する。第2のレーザー光L2は、流路60の上流側から計測点10に向かって進行する。第1のレーザー光L1と第2のレーザー光L2は、流路60内の計測点10で干渉して重なり合う。
流路60には流体F(例えば血液)が流れており、流体F中には無数の粒子R(例えば赤血球)が存在している。無数の粒子Rのうち、流路60内の計測点10を通過する粒子Rが存在する。計測点10を通過する粒子Rに第1のレーザー光L1と第2のレーザー光L2が当たると、第1のレーザー光L1と第2のレーザー光L2が散乱する。第1のレーザー光L1と第2のレーザー光L2は、異なる方向から粒子Rに当たる。第1のレーザー光L1は、流路60の下流側から粒子Rに当たる。すなわち、第1のレーザー光L1は、粒子Rの進行方向側から粒子Rに当たる。一方、第2のレーザー光L2は、流路60の上流側から粒子Rに当たる。すなわち、第2のレーザー光L2は、粒子Rの進行方向と反対側から粒子Rに当たる。第1のレーザー光L1と第2のレーザー光L2が粒子Rに当たって散乱したときに散乱光が生じる。第1のレーザー光L1が粒子Rに当たって散乱することによって第1の散乱光P1が生じる。また、第2のレーザー光L2が粒子Rに当たって散乱することによって第2の散乱光P2が生じる。散乱によって生じた第1の散乱光P1と第2の散乱光P2は計測点10の周囲の様々な方向に向かって進行する。そのうち、計測点10から受光装置3に向かって進行する第1の散乱光P1と第2の散乱光P2が存在する。受光装置3が第1の散乱光P1と第2の散乱光P2を受光する。
第1のレーザー光L1と第2のレーザー光L2が粒子Rに当たって散乱するときにそれぞれの周波数が変化する。ドップラーシフトによって周波数が変化する。第1のレーザー光L1の散乱によって生じた第1の散乱光P1の周波数f1は、第1のレーザー光L1の周波数と異なる周波数である。また、第2のレーザー光L2の散乱によって生じた第2の散乱光P2の周波数f2は、第2のレーザー光L2の周波数と異なる周波数である。また、第1の散乱光P1の周波数f1と第2の散乱光P2の周波数f2は、互いに異なる周波数である。
受光装置3は、管61とレーザー光照射装置2の間に配置されている。受光装置3は、流路60と対向するように配置されている。受光装置3は、図示しない固定具によってレーザー光照射装置2の第1のミラー241と第2のミラー242に固定されている。図2に示すように、受光装置3は、受光素子31と、遮光性の箱体38を備えている。箱体38内に受光素子31が配置されている。
箱体38は、前壁38aと、後壁38bと、一対の側壁38c、38cを備えている。前壁38aは、管61(図2には図示せず)と受光素子31の間に配置されている。後壁38bは、受光素子31とレーザー光照射装置2(図2には図示せず)の間に配置されている。一対の側壁38c、38cは、前壁38aと後壁38bの間に配置されている。箱体38の後壁38bに受光素子31が固定されている。箱体38の前壁38aは受光素子31から離れた位置に配置されている。前壁38aには中空の光通過孔35が形成されている。
光通過孔35は、計測点10と受光素子31の間に形成されている。光通過孔35は、計測点10から受光素子31に向かう方向に延びている。光通過孔35と計測点10と受光素子31が同軸の位置にあることが好ましい。光通過孔35は、入射口36と出射口37を備えている。計測点10を通過する粒子Rによって生じた第1の散乱光P1と第2の散乱光P2が光通過孔35の入射口36から光通過孔35に入射する。計測点10から受光素子31に向かって進行する第1の散乱光P1と第2の散乱光P2が光通過孔35に入射する。光通過孔35に入射した第1の散乱光P1と第2の散乱光P2は、光通過孔35を通過して、光通過孔35の出射口37から出射する。光通過孔35の出射口37から出射した第1の散乱光P1と第2の散乱光P2が受光素子31に入射する。
受光素子31は、光通過孔35を通過した第1の散乱光P1と第2の散乱光P2を受光する。受光素子31は、例えばフォトダイオード(PD)である。受光素子31は、光通過孔35の出射口37と対向している。出射口37から出射した散乱光P1、P2が受光素子31に入射する。
図3及び図4に示すように、受光素子31は、有効受光領域312と受光面313を備えている。受光素子31は、有効受光領域312に入射する散乱光P1、P2を有効に受光することができる。一方、受光素子31は、有効受光領域312以外の部分に入射する散乱光P1、P2を有効に受光することができない。有効受光領域312は、入射する光を電気信号に変換することができる領域である。有効受光領域312は、受光素子31の中央部に形成されている。受光素子31の有効受光領域312は、例えば受光素子31の製品仕様書から知ることができる。受光面313は、有効受光領域312の表面である。受光素子31は、受光面313に入射する散乱光P1、P2を受光することができる。受光面313の幅(有効受光領域312の幅)をYとする。受光面313の幅(有効受光領域312の幅)Yは、図1に示す流路60の長手方向における幅である。
図5に示すように、処理装置9は、発光素子21と受光素子31に電気的に接続されている。処理装置9は、発光素子21が発光するレーザー光Lと、受光素子31が受光する第1の散乱光P1と第2の散乱光P2に基づいて、計測点10を通過する粒子Rの速度vを演算する。処理装置9は、ドップラーシフトに基づく演算方法によって粒子Rの速度vを演算する。計測点10を通過する粒子Rの速度vは、例えば下記の数1の式によって演算することができる。下記の式において、fdは、受光装置3が受光する光(第1の散乱光P1と第2の散乱光P2が干渉した光)のドップラー周波数である。θは、計測点10に向かって進行する第1のレーザー光L1と、計測点10と受光装置3を結んだ線とのなす角度(あるいは、計測点10に向かって進行する第2のレーザー光L2と、計測点10と受光装置3を結んだ線とのなす角度)である。λは、レーザー光(第1のレーザー光L1と第2のレーザー光L2)の波長である。粒子Rの速度vを演算する方法については公知であるので詳細な説明を省略する。
Figure 2018173290
(第1実施例)
次に、図6から図8を参照して計測装置における関係式について説明する。まず、第1実施例について説明する。第1実施例に係る計測装置1では、下記の関係式(1)および(2)を満たしている。
Figure 2018173290
図6に示すように、上記の関係式において、Dは、光通過孔35の入射口36と受光素子31の受光面313の間の距離である。Hは、受光素子31の受光面313と計測点10の間の距離である。Xは、計測点10に向かって進行する第1のレーザー光L1と第2のレーザー光L2が重なり合ってできたレーザー光の強度が所定の強度以上である範囲の幅である。より詳細に説明すると、第1のレーザー光L1と第2のレーザー光L2が計測点10で干渉して重なり合うと、図7に示すように、重なり合ってできたレーザー光の強度の分布になる。ここで、重なり合ってできたレーザー光の強度の最大値をMaxとする。また、その最大値Maxに対して所定の割合の強度をMinとする。最大値Maxに対する所定の割合は、例えば13.5−10%〜13.5+10%である。すなわち、最大値Maxの13.5±10%の範囲のどれかの値をMinとする。そして、第1のレーザー光L1と第2のレーザー光L2が重なり合う部分において、重なり合ってできたレーザー光の強度がMin以上である範囲をS(図7の斜線部分)とすると、その範囲Sの幅がXである。また、図6に示すように、上記の関係式において、Yは、受光素子31の受光面313の幅(有効受光領域312の幅)である。Aは、光通過孔35の入射口36の幅である。
上記の関係式において、D、Hは、図1に示す流路60の短手方向における値である。すなわち、計測点10から受光素子31に向かう方向における値である。また、X、Y、Aは、流路60の長手方向における値である。すなわち、流体Fの流れ方向における値である。
次に、上記の関係式(1)を導出する方法について説明する。図8は、図6における位置関係を模式的に示す図である。図8では、図6における幅Xに対応する線分をXLとする。また、図6における幅Yに対応する線分をYLとする。線分XLと線分YLの間の距離がHである。
図8では、まず、線分XLの左端から線分YLの右端に補助線k1を引く。また、線分XLの右端から線分YLの左端に補助線k2を引く。補助線k1と補助線k2の交点をcとする。
次に、交点cより線分XL側において、補助線k1と補助線k2の間に、線分YLの幅Yと等しい幅を有する補助線k3を引く。補助線k3の左端は補助線k1に接しており、補助線k3の右端は補助線k2に接している。また、補助線k3は線分YLと平行である。補助線k3と線分YLの間の距離をhとする。なお、hは、流路60の短手方向における値である。すなわち、計測点10から受光素子31に向かう方向における値である。
次に、交点cを頂点として、補助線k1と補助線k2と線分XLによって形成される三角形をT1とする。また、交点cを頂点として、補助線k1と補助線k2と線分YLによって形成される三角形をT2とする。三角形T1と三角形T2は相似の三角形である。三角形T1と三角形T2の相似比は、X:Y=(H−h/2):h/2である。この相似比に基づいて、hについて解くとh=2YH/(X+Y)となる。
そして、光通過孔35の入射口36と受光素子31の受光面313の間の距離Dは、h以上かつH未満である。つまり、h≦D<Hである。光通過孔35の入射口36は、補助線k3と線分XLの間に位置している。
以上より、2YH/(X+Y)≦D<Hとなる。このようにして上記の関係式(1)が導出される。また、光通過孔35の入射口36の幅Aは、Y以上かつX未満の範囲とする。つまり、Y≦A<Xである。これが上記の関係式(2)である。
以上の説明から明らかなように、実施例の計測装置1は、流路60を流れる流体F中の粒子Rの速度vを計測する装置であって、レーザー光照射装置2と受光装置3を備えている。レーザー光照射装置2は、流路60内の計測点10に向かって進行する第1のレーザー光L1と、第1のレーザー光L1と異なる方向から流路60内の計測点10に向かって進行する第2のレーザー光L2を照射する。受光装置3は、レーザー光照射装置2から照射された第1のレーザー光L1と第2のレーザー光L2が計測点10を通過する粒子Rに当たったときにそれぞれ生じる散乱光P1、P2を受光する。受光装置3は、受光素子31と、受光素子31の受光面313と計測点10の間に形成されている中空の光通過孔35を備えている。光通過孔35は、計測点10から受光素子31に向かう方向に延びており、計測点10を通過する粒子Rによって生じた散乱光P1、P2が光通過孔35の入射口36から光通過孔35に入射し、その散乱光P1、P2が光通過孔35を通過して受光素子31の受光面313に入射するように構成されている。第1実施例の計測装置1では、上記の関係式(1)(2YH/(X+Y)≦D<H)および関係式(2)(Y≦A<X)を満たしている。
上記の構成によれば、計測点10を通過する粒子Rによって生じた散乱光P1、P2を受光装置3が受光する。受光装置3が受光した散乱光P1、P2の周波数に基づいて、計測点10を通過する粒子Rの速度vを演算することができる。計測点10を通過する粒子Rの速度vを計測するためには、レーザー光照射装置2から第1のレーザー光L1と第2のレーザー光L2を照射する際に、計測点10のみに第1のレーザー光L1と第2のレーザー光L2を照射することが好ましい。しかしながら現実的には、計測点10のみに第1のレーザー光L1と第2のレーザー光L2を照射することは困難であり、光の拡散等によって、計測点10の周辺にも第1のレーザー光L1と第2のレーザー光L2が照射されてしまう。そうすると、レーザー光照射装置2から照射された第1のレーザー光L1と第2のレーザー光L2が流体F中の粒子Rに当たって散乱するときに、計測点10を通過する粒子Rに当たって散乱するだけでなく、計測点10の周辺を通過する粒子Rにも当たって散乱してしまう。その結果、計測点10を通過する粒子Rによって散乱光が生じるだけでなく、計測点10の周辺を通過する粒子Rによっても散乱光が生じてしまう。しかしながら上記の構成では、光通過孔35を備えているので、計測点10を通過する粒子Rによって生じた散乱光を受光するとともに、計測点10の周辺を通過する粒子Rによって生じた散乱光を受光することを抑制できる。すなわち、上記の構成によれば、計測点10と受光素子31の間で光通過孔35が計測点10から受光素子31に向かう方向に延びているので、計測点10を通過する粒子Rによって生じた散乱光は光通過孔35を通過して受光素子31に入射するが、計測点10の周辺を通過する粒子Rによって生じた散乱光は、光通過孔35の存在によって受光素子31に入射しにくくなる。これによって、余分な散乱光を受光することを抑制できる。
また、光通過孔35を備えている構成では、光通過孔35の入射口36の位置が計測点10から遠い位置にあると、光通過孔35への入射範囲が広がるので、計測点10の周辺で生じる散乱光が光通過孔35に入射し易くなる。しかしながら、上記の構成によれば、関係式(1)を満たすことによって、光通過孔35の入射口36の位置を計測点10に近付けることができる。すなわち、光通過孔35の入射口36の位置が、図8に示す補助線k3の位置より線分XL側に位置するので、計測点10と近い位置になる。これによって、光通過孔35への入射範囲が広がることを抑制できるので、計測点10の周辺で生じる散乱光が光通過孔35に入射しにくくなる。また、上記の構成によれば、関係式(2)を満たすことによって、光通過孔35の入射口36の幅Aが狭くなり過ぎることを抑制できる。これによって、計測点10から受光素子31に向かう散乱光P1、P2を十分に受光することができる。そのため、余分な散乱光を受光することを抑制しつつ、必要な散乱光を十分に受光することができる。
流路60を流れる流体F中には無数の粒子Rが存在しており、無数の粒子Rの速度は様々である。そのため、様々な速度の粒子Rによって生じた散乱光を受光装置3が受光すると、処理装置9が粒子Rの速度vを正確に演算することができなくなる。しかしながら、上記の構成によれば、余分な散乱光を受光することを抑制しつつ、必要な散乱光を十分に受光することができるので、粒子Rの速度vを正確に演算することができる。
以上、一実施例について説明したが、具体的な態様は上記実施例に限定されるものではない。以下の説明において、上述の説明における構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
(第2実施例)
次に、第2実施例について説明する。第2実施例に係る計測装置1では、下記の関係式(3)を満たしている。
Figure 2018173290
次に、上記の関係式(3)を導出する方法について説明する。関係式(3)を導出する際には、まず、光通過孔35の入射口36の幅Aを決定する。そして、図8に示すように、入射口36の幅Aに対応する線分をALとする。入射口36の幅Aは、Y以上かつX未満の範囲とする。つまり、Y≦A<Xである。
次に、交点cより線分XL側において、補助線k1と補助線k2の間に、線分ALを引く。線分ALの左端は補助線k1に接しており、線分ALの右端は補助線k2に接している。また、線分ALは線分XLおよび線分YLと平行である。線分ALと線分YLの間の距離をDとする。
次に、交点cを頂点として、補助線k1と補助線k2と線分XLによって形成される三角形をT1とする。また、交点cを頂点として、補助線k1と補助線k2と線分YLによって形成される三角形をT2とする。また、交点cを頂点として、補助線k1と補助線k2と線分ALによって形成される三角形をT3とする。三角形T1と三角形T2と三角形T3は相似の三角形である。三角形T1と三角形T2と三角形T3の相似比は、X:Y:A=(H−h/2):h/2:(D−h/2)である。この相似比に基づいて、Dについて解くとD=H(A+Y)/(X+Y)となる。このようにして上記の関係式(3)が導出される。
上記の関係式(3)は、光通過孔35の入射口36の幅Aと、補助線k1と補助線k2の間の幅とが等しい場合における、光通過孔35の入射口36と受光素子31の受光面313の間の距離Dを示している。
以上の説明から明らかなように、第2実施例の計測装置1では、関係式(3)(D=H(A+Y)/(X+Y))を満たしている。このような構成によれば、計測点10の周辺で生じた散乱光を受光することを抑制しつつ、計測点10を通過する粒子によって生じた散乱光P1,P2を受光素子31の受光面313の全体を利用して受光することができる。すなわち、上記の関係式(3)を満たしていると、図8に示すように、線分XLの左端と線分YLの右端を結んでいる補助線k1が、線分ALの左端を通過する。また、線分XLの右端と線分YLの左端を結んでいる補助線k2が、線分ALの右端を通過する。これは、計測点10の左端で生じた散乱光P1,P2が、光通過孔35の入射口36の左端を通過して、受光素子31の受光面313の右端に入射することを示している。また、計測点10の右端で生じた散乱光P1,P2が、光通過孔35の入射口36の右端を通過して、受光素子31の受光面313の左端に入射することを示している。したがって、計測点10で生じた散乱光P1,P2を受光素子31の受光面313の全体で受光することができる。一方、計測点10の周辺で生じた散乱光については、光通過孔35を通過したとしても、受光素子31の受光面313に入射することを抑制できる。
(第3実施例)
次に、第3実施例について説明する。第3実施例に係る計測装置1では、下記の関係式(4)を満たしている。
Figure 2018173290
このような構成によれば、光通過孔35の入射口36の幅Aと受光素子31の受光面313の幅Yを揃えることによって、計測点10から光通過孔35を通過して受光素子31に向かう散乱光P1,P2を効率良く受光することができる。
なお、上記の第2実施例に係る関係式(3)を満たしている場合において、第3実施例に係る関係式(4)を満たしている場合は、D=h=2YH/(X+Y)となる。
(その他の実施例)
次に、その他の実施例について説明する。上記で説明した光通過孔35の形状は特に限定されるものではない。例えば、図9に示すように、光通過孔35の形状が平面視において円形状であってもよい。または、図10に示すように、光通過孔35の形状が平面視において多角形状であってもよい。また、図11に示すように、複数の光通過孔35が平面視においてスリット状に形成されていてもよい。
また、光通過孔35の内周面の構成については特に限定されるものではない。例えば、他の実施例では、図12に示すように、光通過孔35の内周面351が断面視においてテーパー状に形成されていてもよい。光通過孔35の内周面351は、計測点10から受光素子31に向かう方向に対して傾斜している。また、光通過孔35の内周面351は、受光素子31の受光面313に対して傾斜している。光通過孔35の出射口37の幅w37は、光通過孔35の入射口36の幅w36より小さい。また、光通過孔35の出射口37の幅w37は、受光素子31の受光面313の幅Yと等しい。w37=Yである。
計測点10の周辺で余分な散乱光が生じると、図12に示すように、その散乱光P3が光通過孔35に入射して内周面351で反射することがある。このとき、上記の構成によれば、光通過孔35の内周面351が傾斜しているので、内周面351で反射した余分な散乱光P3が受光素子31に向かって進行することを抑制できる。よって、余分な散乱光P3を受光することを抑制できる。
また、更に他の実施例では、光通過孔35の内周面に図示しない複数の凹凸が形成されていてもよい。光通過孔35の内周面の表面粗さは、発光素子21が発光するレーザー光Lの波長以上である。また、光通過孔35の内周面の表面粗さは、第1のレーザー光L1の波長以上、かつ、第2のレーザー光L2の波長以上である。また、光通過孔35の内周面の表面粗さは、第1の散乱光P1の波長以上、かつ、第2の散乱光P2の波長以上である。光通過孔35の内周面の表面粗さは、例えば算術平均粗さ(Ra)で表すことができる。
このような構成によれば、光通過孔35の内周面で反射する余分な散乱光を凹凸面で乱反射させることができる。これによって、余分な散乱光が受光素子31に向かって進行することを抑制できる。よって、余分な散乱光を受光することを抑制できる。
また、更に他の実施例では、光通過孔35の内周面の色が黒色であってもよい。例えば、黒色塗装等によって光通過孔35の内周面を黒色にすることができる。
このような構成によれば、光通過孔35の内周面の反射率が低下する。そのため、計測点10の周辺で生じた余分な散乱光が光通過孔35の内周面で反射することを抑制できる。これによって、余分な散乱光が受光素子31に向かって進行することを抑制できる。
また、更に他の実施例では、光通過孔35の内周面が低反射材で構成されていてもよい。例えば、箱体38の前壁38aが低反射材で構成されていてもよい。あるいは、箱体38の前壁38aの表面に低反射材の膜が成膜されていてもよい。低反射材は、散乱光P1、P2の反射率が低い材料である。低反射材には、例えば高透過率材と高吸収率材がある。高透過率材には、例えばガラス(SiO)、アルミナ(Al)、プラスチック(PE、PC)等がある。高吸収率材には、例えば酸化クロム(Cr)等がある。
このような構成によれば、計測点10の周辺で生じた余分な散乱光が光通過孔35の内周面で反射することを抑制できる。これによって、余分な散乱光が受光素子31に向かって進行することを抑制できる。
また、計測装置1におけるレーザー光照射装置2の構成は、上記の実施例に限定されるものではない。例えば、レーザー光照射装置2の発光素子21、第1のミラー241、第2のミラー242等の配置構成は上記の実施例に限定されるものではない。図13は、他の実施例に係る計測装置の概略構成を示す図である。図13に示すように、レーザー光照射装置2は、発光素子21と、コリメーターレンズ22と、ビームスプリッタ26と、第1のミラー241と、第2のミラー242を備えている。発光素子21は、管61の長手方向に対して斜めにレーザー光Lを発光する。コリメーターレンズ22は、発光素子21が発光したレーザー光Lを平行光にして出射する。コリメーターレンズ22から出射したレーザー光L(平行光)は、ビームスプリッタ26に入射する。
ビームスプリッタ26では、入射したレーザー光Lの一部が反射し、他の一部が透過する。ビームスプリッタ26は、レーザー光Lを透過及び反射する。このビームスプリッタ26をハーフミラーと呼ぶ場合もある。ビームスプリッタ26で反射したレーザー光Lが第1のレーザー光L1となり、ビームスプリッタ26を透過したレーザー光Lが第2のレーザー光L2となる。レーザー光Lがビームスプリッタ26で透過及び反射して、第1のレーザー光L1と第2のレーザー光L2に分かれる。
ビームスプリッタ26は、第1のミラー241と第2のミラー242の間に配置されている。ビームスプリッタ26で反射したレーザー光L(第1のレーザー光L1)は、第1のミラー241に向かって進行する。また、ビームスプリッタ26を透過したレーザー光L(第2のレーザー光L2)は、第2のミラー242に向かって進行する。第1のレーザー光L1は、第1のミラー241の第1の反射面43で反射し、その後、管61内の流路60に入射する。また、第2のレーザー光L2は、第2のミラー242の第2の反射面44で反射し、その後、管61内の流路60に入射する。このような構成によっても、第1のレーザー光L1と第2のレーザー光L2を流路60内の計測点10に向かって照射することができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
1 :計測装置
2 :レーザー光照射装置
3 :受光装置
9 :処理装置
10 :計測点
21 :発光素子
22 :コリメーターレンズ
23 :回折格子
25 :移動装置
26 :ビームスプリッタ
31 :受光素子
35 :光通過孔
36 :入射口
37 :出射口
38 :箱体
43 :第1の反射面
44 :第2の反射面
60 :流路
61 :管
62 :固定具
241 :第1のミラー
242 :第2のミラー
312 :有効受光領域
313 :受光面
351 :内周面
F :流体
L1 :第1のレーザー光
L2 :第2のレーザー光
P1 :第1の散乱光
P2 :第2の散乱光
R :粒子

Claims (7)

  1. 流路を流れる流体中の粒子の速度を計測するための計測装置であって、
    前記流路内の計測点に向かって進行する第1のレーザー光と、前記第1のレーザー光と異なる方向から前記流路内の前記計測点に向かって進行する第2のレーザー光を照射するレーザー光照射装置と、
    前記レーザー光照射装置から照射された前記第1のレーザー光と前記第2のレーザー光が前記計測点を通過する粒子に当たったときにそれぞれ生じる散乱光を受光する受光装置を備えており、
    前記受光装置が、受光素子と、前記受光素子の受光面と前記計測点の間に形成されている中空の光通過孔を備えており、
    前記光通過孔が、前記計測点から前記受光素子に向かう方向に延びており、前記計測点を通過する粒子によって生じた散乱光が前記光通過孔を通過して前記受光素子の前記受光面に入射するように構成されており、
    下記の関係式(1)および(2)を満たすことを特徴とする、計測装置。
    2YH/(X+Y)≦D<H ・・・(1)
    Y≦A<X ・・・(2)
    ただし、上記の関係式において、
    Dは、前記光通過孔の入射口と前記受光素子の前記受光面の間の距離、
    Hは、前記受光素子の前記受光面と前記計測点の間の距離、
    Xは、前記計測点に向かって進行する前記第1のレーザー光と前記第2のレーザー光が重なり合ってできたレーザー光の強度が所定の強度以上である範囲の幅、
    Yは、前記受光素子の前記受光面の幅、
    Aは、前記光通過孔の前記入射口の幅である。
  2. 下記の関係式(3)を満たすことを特徴とする、請求項1に記載の計測装置。
    D=H(A+Y)/(X+Y) ・・・(3)
  3. 下記の関係式(4)を満たすことを特徴とする、請求項1または2に記載の計測装置。
    A=Y ・・・(4)
  4. 前記光通過孔の内周面の表面粗さが、前記第1のレーザー光の波長以上、かつ、前記第2のレーザー光の波長以上であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の計測装置。
  5. 前記光通過孔の内周面が、前記受光素子の前記受光面に対して傾斜していることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の計測装置。
  6. 前記光通過孔の内周面の色が黒色であることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の計測装置。
  7. 前記光通過孔の内周面が低反射材で構成されていることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の計測装置。
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