JPWO2018159751A1 - 構造体および構造体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

優れた拡散反射性を有する構造体および製造方法の提供を課題とする。コレステリック液晶相を固定化した反射層を、複数、積層してなり、反射層は、断面において、コレステリック液晶相に由来する明部および暗部が波状構造を有し、隣接する反射層同士で、最も近い明部の波状構造の凹凸が一致している構造体、および、コレステリック液晶相を固定化した明部および暗部の波状構造を有する反射層を形成し、第1反射層の上に液晶化合物およびキラル剤を含む組成物を用いる塗布法で反射層を形成する製造方法により、課題を解決する。

Description

本発明は、反射層を積層した構造体、および、この構造体の製造方法に関する。
コレステリック液晶相を固定してなる層は、特定の波長域において右円偏光および左円偏光のいずれか一方を選択的に反射させる性質を有する層として知られている。そのため、種々の用途へ展開されており、例えば、位相差層として用いられている(特許文献1)。なお、特許文献1においては、配向膜の配向規制力の方向をランダムな状態とし、この配向膜と接触する液晶化合物のダイレクターの方向をランダムにしている。
特開2005−49866号公報
一方で、コレステリック液晶相を固定してなる層を投影スクリーンなどの投映像表示用部材へ応用する点からは、視野角の拡大が求められる。
より具体的には、通常、コレステリック液晶相を固定してなる層の表面の法線方向から光が入射した際には、右円偏光および左円偏光のいずれか一方が選択的に反射される。その際、反射が法線方向のみならず、斜め方向へもなされると、斜め方向からの視認性の向上に繋がる。つまり、反射層は、入射光が様々な方向に反射する特性(いわゆる、拡散反射性)に優れることが求められる。
本発明者らは、特許文献1に記載のラビング処理を施していない配向膜を用いて反射層を作製し、その拡散反射性について検討を行ったところ、拡散反射性が昨今の要求レベルを満たしておらず、更なる改良が必要であった。
本発明は、上記実情を鑑みて、複数の反射層を有し、全ての反射層が良好な拡散反射性を有することにより、優れた拡散反射性を有する構造体、および、この構造体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題に対して鋭意検討を行ったところ、基板上に、コレステリック液晶相を固定してなり、かつ、断面において、コレステリック液晶相に由来する明部および暗部が波状構造を有する反射層を有し、その上に、コレステリック液晶相を固定してなる反射層を塗布法によって積層することにより、所望の特性を有する反射層を製造できることを知見した。
すなわち、下記構成により、上記課題が解決できることを見出した。
[1] コレステリック液晶相を固定化してなる反射層を、複数、積層した構造体であって、
反射層は、構造体の断面において、コレステリック液晶相に由来する明部および暗部が波状構造を有し、
隣接する反射層同士で、最も近い明部の波状構造の凹凸が一致している、構造体。
[2] 複数の反射層のうちの少なくとも1層の選択反射波長が、他の反射層の選択反射波長と異なる、[1]に記載の構造体。
[3] 他の反射層と選択反射波長が異なる反射層は、他の反射層と選択反射波長が10nm以上異なる、[2]に記載の構造体。
[4] 3層以上の反射層を有し、少なくとも1層の反射層は赤色光を反射し、少なくとも1層の反射層は緑色光を反射し、少なくとも1層の反射層は青色光を反射する、[1]〜[3]のいずれかに記載の構造体。
[5] 構造体の断面における反射層の波状構造は、隣接する反射層に最も近い明部の波状構造のピッチが0.5〜5μmである、[1]〜[4]のいずれかに記載の構造体。
[6] 反射層の厚さが0.5〜30μmである、[1]〜[5]のいずれかに記載の構造体。
[7] 反射層の選択反射波長が200〜2000nmである、[1]〜[6]のいずれかに記載の構造体。
[8] コレステリック液晶相を固定化してなる層であって、断面において、コレステリック液晶相に由来する明部および暗部が波状構造を有する、第1反射層を形成する工程、および、
液晶化合物およびキラル剤を含む上層組成物を塗布して、液晶化合物を配向してコレステリック液晶相の状態として、上層反射層を形成する工程、を有し、
第1反射層を形成する工程を行った後、第1反射層の上に上層反射層を形成する工程を行い、あるいはさらに、形成した上層反射層の上に、上層反射層を形成する工程を、1回以上行う、構造体の製造方法。
[9] 第1反射層を形成する工程は、液晶化合物およびキラル剤を含む第1層組成物を基板上に塗布し、塗布した第1層組成物を加熱することで、液晶化合物を配向させてコレステリック液晶相の状態とする処理を行い、その後、第1層組成物を、冷却または加熱する処理、を行う、[8]に記載の構造体の製造方法。
[10] 第1反射層を形成する工程において、第1層組成物の冷却または加熱と同時に、あるいは、第1層組成物を冷却または加熱した後、第1層組成物を硬化する処理を行う、[9]に記載の構造体の製造方法。
[11] 上層反射層を形成する工程では、少なくとも1層の上層反射層の形成の際に、上層組成物を塗布した後、上層組成物を加熱することによって液晶化合物を配向させてコレステリック液晶相の状態とし、その後、上層組成物を冷却する、[8]〜[10]のいずれかに記載の構造体の製造方法。
本発明によれば、複数層の反射層を有し、全ての反射層が良好な拡散反射性を有することにより、優れた拡散反射性を有する構造体、および、この構造体の製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の構造体を利用する反射部材の断面を概念的に示す図である。 図2は、コレステリック液晶相による光反射を説明するための概念図である。 図3は、コレステリック液晶相による光反射を説明するための概念図である。 図4は、本発明の構造体における最も近い明部の凹凸の一致を説明するための概念図である。 図5は、実施例3の構造体の断面のSEM写真である。
以下、本発明について詳細に説明する。
なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートおよびメタクリレートの両方を表す表記であり、「(メタ)アクリロイル基」とは、アクリロイル基およびメタクリロイル基の両方を表す表記であり、「(メタ)アクリル」とは、アクリルおよびメタクリルの両方を表す表記である。
本明細書において、可視光は、電磁波のうち、ヒトの目で見える波長の光であり、400nm超700nm未満の波長域の光を示す。非可視光は、400nm以下の波長域または700nm以上の波長域の光である。また、これに限定されるものではないが、可視光のうち、420〜490nmの波長域の光は青色光であり、495〜570nmの波長域の光は緑色光であり、620〜750nmの波長域の光は赤色光である。
図1に、本発明の構造体を利用する反射部材の一例の断面を概念的に示す。
図1は、例えば、コレステリック液晶相を固定してなる層の断面を、走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)で観察した状態を概念的に示す図である。この点に関しては、後述する図2および図3も同様である。
図1に示される反射部材10は、基板12と、基板12の一方の表面に形成された、構造体14とを有する。構造体14は、本発明の構造体であって、基板12の上に形成される第1反射層16と、第1反射層16に積層される上層反射層18とを有する。
第1反射層16および上層反射層18は、共に、コレステリック液晶相を固定してなる層である。従って、第1反射層16および上層反射層18(構造体14)の断面では、コレステリック液晶相に由来して、厚さ方向(図1中上下方向)に、明部および暗部を交互に積層した縞模様が観察される。
すなわち、第1反射層16の断面では、コレステリック液晶相に由来して、厚さ方向に、明部20と暗部24とを交互に積層した縞模様が観察される。他方、上層反射層18の断面では、コレステリック液晶相に由来して、厚さ方向に、明部28と暗部30とを交互に積層した縞模様が観察される。
以下の説明では、第1反射層16と上層反射層18とを区別する必要がない場合には、両者をまとめて『反射層』とも言う。
ここで、本発明の構造体10において、第1反射層16および上層反射層18の断面における明部および暗部は、周期的な波状構造を有する。第1反射層16および上層反射層18の断面とは、積層される反射層の断面である。
すなわち、本発明において、反射層は、コレステリック液晶構造を有し、螺旋軸と反射層の表面とのなす角が周期的に変化する構造を有する層である。言い換えれば、反射層は、コレステリック液晶構造を有し、コレステリック液晶構造は走査型電子顕微鏡にて観測される反射層の断面図において明部と暗部との縞模様を与え、暗部がなす線の法線と反射層の表面となす角が周期的に変化する、反射層である。
図2に、一般的なコレステリック液晶相を固定してなる層の断面を概念的に示す。
先にも述べたが、図2に示すように、基板12上に配置されたコレステリック液晶相を固定してなる層32の断面では、通常、明部Bと暗部Dとの縞模様が観察される。すなわち、コレステリック液晶相を固定してなる層の断面では、明部Bと暗部Dとを交互に積層した層状構造が観察される。
図2中の1つの明部Bとその1つの明部Bの上下に配置される2つの暗部Dとで、コレステリック液晶相の螺旋1ピッチ分に相当する。
一般的に、明部Bおよび暗部Dの縞模様(層状構造)は、図2に示すように、基板12の表面と平行となるように形成される。このような態様の場合、層32は、鏡面反射性を示す。すなわち、コレステリック液晶相を固定してなる層32の法線方向から光が入射される場合、法線方向に光は反射されるが、斜め方向には光は反射されにくく、拡散反射性に劣る(図2中の矢印参照)。
これに対して、図3に断面を概念的に示す層34のように、コレステリック液晶相を固定してなる層34の明部Bおよび暗部Dが波状構造(アンジュレーション構造)を有する場合には、波状構造(凹凸構造)を有する層34に対して、層34の法線方向から光が入射されると、図3に示すように、液晶化合物の螺旋軸が傾いている領域があるため、入射光の一部が斜め方向に反射される(図3中の矢印参照)。
つまり、コレステリック液晶相を固定してなる層において、明部Bと暗部Dとが波状構造を有することにより、拡散反射性の高い反射層が実現できる。
前述のように、本発明の構造体14は、コレステリック液晶相を固定してなる第1反射層16と、コレステリック液晶相を固定してなる上層反射層18とを、積層してなる構成を有する。また、第1反射層16の明部20および暗部24(明部20と暗部24の縞模様)は、波状構造を有し、同様に、上層反射層18の明部28および暗部30(明部28と暗部30の縞模様)も、波状構造を有する。
ここで、本発明の構造体は、隣接する反射層において、最も近い明部の波状構造の凹凸が一致している。図1に示す構造体14においては、隣接する第1反射層16と上層反射層18とにおいて、最も近い明部である第1反射層16の明部20aの波状構造と、上層反射層18の明部28aの波状構造とで、波状構造の凹凸が一致している。
すなわち、本発明の構造体は、コレステリック液晶相を固定してなる反射層を積層した構造体において、隣接する反射層では、上層の反射層の波状構造が、下層の反射層の波状構造を追従(踏襲)している。図示例の構造体14では、上層反射層18の明部28および暗部30の波状構造が、隣接する下層の第1反射層16の明部および暗部の波状構造を追従している。
なお、本発明において、隣接する反射層における、最も近い明部とは、隣接する反射層との界面を含まない、最も近接する明部である。
すなわち、図1に示す構造体14であれば、第1反射層16と上層反射層18との界面12aを含まない、最も近接する明部であり、具体的には、界面12aを含まないで最も近接する、第1反射層16の明部20aと上層反射層18の明部28aとが、隣接する反射層において、最も近い明部となる。
また、コレステリック液晶相を固定してなる層の断面における明部の波状構造は、面方向の全域に渡って均一なピッチ(周期)の凹凸を有するわけではなく、ピッチ等が変動する場合も、多々、有る。さらに、上層反射層18の波状構造は、第1反射層16の波状構造に、ほぼ追従するが、完全には追従しない。
従って、本発明において、最も近い明部である明部20aおよび明部28aの波状構造の凹凸が一致しているとは、波状構造における凹凸の位相および周期が完全に一致している場合のみならず、図1に示すように、明部20aおよび明部28aの波状構造の凹凸が略一致している場合も含む。
一例として、本発明においては、『[(p1−p2)/p1]×100』で算出される明部20aのピッチp1と明部28aのピッチp2との差が±15%以下、および、明部20と明部28aとの位相差tが20°以下の、いずれかを満たす場合、好ましくは両者を満たす場合に、明部20aおよび明部28aの波状構造の凹凸が一致しているとみなす(図4参照)。なお、図4に示すように、ピッチp1およびピッチp2は、波状構造の凹凸における凸部の頂点の間隔である。
なお、上記明部20aのピッチp1と明部28aのピッチp2とを比較する場合、明部20aの一の凸部の頂部と、この一の凸部に隣接する他の凸部の頂部との間隔(ピッチp1)、および、明部20aの上記一の凸部の直上の明部28aの凸部の頂部と、明部20aの上記他の凸部の直上の明部28aの凸部の頂部との間隔(ピッチp2)を、比較する(図4参照)。
本発明の構造体14は、このような構造、すなわち、コレステリック液晶相を固定してなり、かつ、明部および暗部が波状構造を有する反射層を積層した構造体において、下層の明部および暗部の波状構造を、上層の明部および暗部の波状構造が追従する構成を有することにより、下層の反射層と上層の反射層との界面における、積層および波状構造の欠陥を無くすと共に、下層の波状構造を上層の波状構造が追従することで、上層の波所構造が下層の波状構造に誘起されて、好適な波状構造を形成できるため、強い拡散反射性を得ることができる。
そのため、本発明の構造体によれば、例えば、厚い反射層を形成する際に、複数回、反射層を積層して、目的とする厚さの反射層を形成することで、厚さ方向の全域に渡って、明部および暗部が好適な波状構造を有する反射層を形成できる。また、選択反射波長(反射する色)が異なる反射層を積層する場合でも、全ての反射層を明部および暗部が好適な波状構造を有する構成にできるので、全ての色の光を好適に拡散反射して、例えば、斜めから観察した場合でも適正な画像観察が可能な投映像表示用のスクリーンが得られる。
本発明の構造体14において、第1反射層16および上層反射層18の断面における明部および暗部の波状構造は、波のピッチ(周期)は略均一であるが、波の高さは、変動してもよい。
例えば、第1反射層16の明部および暗部の波状構造に示されるように、波の高さが、反射層の厚さ方向の中央領域が最も高く、厚さ方向の上方(表面側)および基板12側に向かうにしたがって、漸次、低くなる構成でもよい。すなわち、反射層断面の波状構造の振幅は、厚さ方向の中央領域が最も大きく、表面側および基板12側に向かうにしたがって、漸次、小さくなる構成でもよい。
あるいは、図3に示す層34の波状構造のように、厚さ方向の全域で均一な高さの波を有する構造であってもよい。
図示例の構造体14において、第1反射層16の上面(上層反射層18との界面)、および、上層反射層18の上面(構造体14の表面)は、共に平面状(平坦)であるが、本発明は、これに限定はされない。すなわち、本発明において、第1反射層16および/または上層反射層18の表面(反射層の上面)が、凹凸構造を有してもよい。なお、反射層の上面とは、反射層の基板12とは逆側の面である。
反射層の上面が凹凸構造を有する場合には、一般的に、この凹凸構造は、周期的(略周期的)であり、また、凹凸の位相が、断面の明部および暗部の波状構造と逆になる。すなわち、断面の波状構造の凸の部分が上面における凹部となり、断面の波状構造の凹の部分が上面における凸部になる。
このような上面に凹凸構造を有する反射層は、後述する本発明の製造方法において、キラル剤および/または配向制御剤の選択、ならびに、加熱処理または冷却処理の条件の選択の、少なくとも一方を行うことにより、形成できる。
表面に凹凸を有する反射層は、反射層(コレステリック液晶相)の断面における、コレステリック液晶相の螺旋構造による明部および暗部の波状構造の波の高さ(波の振幅)が、図2に示す表面が平坦な反射層よりも大きい。すなわち、反射層30の内部に大きな波状構造を有すると、表面にも、その凹凸が伝わって、反射層の表面の形状が凹凸になる。
そのため、表面に凹凸を有する反射層は、より高い拡散反射性が得られる。
本発明の構造体14において、第1反射層16および上層反射層18における明部と暗部の波状構造は、図1の横方向のみならず、例えば、図1の紙面に垂直な方向の断面でも、同様の波状構造が形成される。すなわち、反射層の波状構造は、反射層の面方向において二次元的に形成されており、反射層は、あらゆる方向の断面で、明部と暗部の波状構造が認められる。
ただし、本発明は、これに限定はされず、反射層は、断面において、連続的な波が一方向にのみ進行するように形成される波状構造を有するものでもよい。しかしながら、拡散反射性の点では、反射層は、前述のように、あらゆる方向の断面で明部と暗部の波状構造が認められるのが好ましい。
この点に関しては、反射層の上面の凹凸に関しても、同様である。
本発明の構造体14において、第1反射層16および上層反射層18の断面の波状構造のピッチp1およびp2(反射層の波状構造のピッチ)には、特に制限はない。反射層の波状構造のピッチは、0.5〜5μmが好ましく、1〜4μmがより好ましい。
反射層が好適な拡散反射性を発現するためには、波状構造のピッチを小さくして、波の高さすなわち波状構造の凹凸の高さを高くするのが好ましい。しかしながら、波状構造のピッチと凹凸の高さとは、通常、トレードオフの関係にある。これに対して、反射層の波状構造のピッチを上記範囲とすることにより、ピッチおよび高さのバランスが好適な波状構造を形成でき、高い拡散反射性を有する構造体14を形成できる。
コレステリック液晶相を固定してなる第1反射層16および上層反射層18は、所定の波長域の光に対して選択反射特性を示す層である。反射層は選択反射波長域において、右円偏光および左円偏光のいずれか一方を選択的に反射させ、他方の円偏光を透過させる円偏光選択反射層として機能する。
構造体14において、第1反射層16および上層反射層18を構成するコレステリック液晶相の選択反射波長(選択反射の中心波長)には、特に制限は無い。
本発明の構造体は、紫外光から赤外光まで、必要な光を選択的に反射できるのが好ましく、反射層のコレステリック液晶相の選択反射波長は、200〜2000nmの範囲から選択されるのが好ましい。以下の説明では、『反射層のコレステリック液晶相の選択反射波長』を、単に『反射層の選択反射波長』とも言う。
ここで、第1反射層16と上層反射層18とは、選択反射波長が同じであってもよいが、選択反射波長が異なるのが好ましい。具体的には、第1反射層16と上層反射層18とは、選択反射波長が10nm以上異なるのが好ましい。
これにより、構造体14は、色が異なる複数種の光を反射でき、例えば、本発明の構造体を投映像表示用のスクリーンに利用することにより、カラー画像を表示可能な投映像表示用のスクリーンを作製できる。
また、図示例の構造体14は、第1反射層16および上層反射層18の2層の反射層を有するが、本発明は、これに限定はされない。すなわち、本発明の構造体は、上層反射層18の上に、さらに反射層(上層反射層)を形成することにより、3層以上の反射層を有する構成としてもよい。2層以上の上層反射層を有する場合でも、下層の上層反射層と、その上の上層反射層とは、図1に示す第1反射層16および上層反射層18と同様、最も近接する明部の波所構造の凹凸が一致している。
2層以上の上層反射層を有する場合には、少なくとも1層を、選択反射波長が赤色光の領域であるコレステリック液晶相を固定してなる、赤色光を反射する反射層とし、他の少なくとも1層を、選択反射波長が緑色光の領域であるコレステリック液晶相を固定してなる、緑色光を反射する反射層とし、さらに他の少なくとも1層を、選択反射波長が青色光の領域であるコレステリック液晶相を固定してなる、青色光を反射する反射層とするのが好ましい。これにより、例えば、本発明の構造体を投映像表示用のスクリーンに利用することにより、フルカラー画像を表示可能な投映像表示用のスクリーンを作製できる。
選択反射波長(選択反射の中心波長λ)は、コレステリック液晶相における螺旋構造のピッチP(=螺旋の周期)に依存し、反射層(コレステリック液晶相)の平均屈折率nとλ=n×Pの関係に従う。
ここで、反射層が有する選択反射の中心波長λは、反射層の法線方向から測定した円偏光反射スペクトルの反射ピークの重心位置にある波長を意味する。上記式から分かるように、螺旋構造のピッチを調節することによって、選択反射の中心波長を調節できる。すなわち、n値とP値を調節して、例えば、青色光に対して右円偏光および左円偏光のいずれか一方を選択的に反射させるために、中心波長λを調節し、見かけ上の選択反射の中心波長が420〜490nmの波長域となるようにすることができる。なお、見かけ上の選択反射の中心波長とは、実用の際の観察方向から測定した反射層の円偏光反射スペクトルの反射ピークの重心位置にある波長を意味する。実用の際とは、例えば、投映像表示用部材としての使用時である。
コレステリック液晶相のピッチは液晶化合物とともに用いるキラル剤の種類、またはその添加濃度に依存するため、これらを調節することによって所望のピッチを得ることができる。
コレステリック液晶相を固定してなる第1反射層16および上層反射層18の反射光は、円偏光である。すなわち、本発明の構造体14は、円偏光を反射する。反射光が右円偏光であるか左円偏光であるかは、コレステリック液晶相の螺旋の捩れ方向による。コレステリック液晶相による円偏光の選択反射は、コレステリック液晶相の螺旋の捩れ方向が右の場合は右円偏光を反射し、螺旋の捩れ方向が左の場合は左円偏光を反射する。
本発明の構造体14において、第1反射層16および上層反射層18は、右円偏光を反射するものでも、左円偏光を反射するものでもよい。また、第1反射層16および上層反射層18は、同じ方向の円偏光を反射するものでも、異なる方向の円偏光を反射するものでもよい。この点に関しては、3層以上の反射層を有する構造体でも、同様である。
なお、コレステリック液晶相の旋回の方向は、反射層を形成する液晶化合物の種類または添加されるキラル剤の種類によって調節できる。
螺旋の捩れ方向(センス)またはピッチの測定法については「液晶化学実験入門」日本液晶学会編 シグマ出版2007年出版、46頁、および、「液晶便覧」液晶便覧編集委員会 丸善 196頁に記載の方法を用いることができる。
本発明の構造体14の厚さには、特に制限はなく、構造体14の用途、構造体14の反射層を形成する液晶化合物の種類、構造体の反射層の層数等に応じて、適宜、設定すればよい。構造体14の厚さは、1〜50μmが好ましく、2〜30μmがより好ましい。なお、この構造体の厚さは、反射層の層数には無関係である。
第1反射層16および上層反射層18の厚さも、同様に、構造体14の用途、構造体14の反射層を形成する液晶化合物の種類、構造体の反射層の層数等に応じて、適宜、設定すればよい。反射層の厚さは、反射層の拡散反射性がより優れる点で、0.5〜30μmが好ましく、1〜10μmがより好ましい。
構造体14、第1反射層16および上層反射層18の厚さは、レーザ膜厚顕微鏡(レーザ顕微鏡を用いた膜厚測定)等を用いる、公知の方法で測定すればよい。
前述のように、反射部材10は、基板12の上に、第1反射層16および上層反射層18からなる構造体14を形成したものである。
反射部材10において、基板12は、構造体14(反射層を形成する組成物)を支持するための板状物である。
基板12は、透明基板であるのが好ましい。なお、透明基板とは、可視光の透過率が60%以上である基板を意図し、その透過率は80%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。
基板12を構成する材料は特に制限されず、例えば、セルロース系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、(メタ)アクリル系ポリマー、スチレン系ポリマー、ポリオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、アミド系ポリマー、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、および、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマーなどが挙げられる。
基板には、UV(紫外線)吸収剤、マット剤微粒子、可塑剤、劣化防止剤、および、剥離剤などの各種添加剤が含まれていてもよい。
なお、基板は、可視光領域で低複屈折性であることが好ましい。例えば、基板の波長550nmにおける位相差は50nm以下が好ましく、20nm以下がより好ましい。
基板の厚さは特に制限されないが、薄型化、および、取り扱い性の点から、10〜200μmが好ましく、20〜100μmがより好ましい。
上記厚さは平均厚さを意図し、基板の任意の5点の厚さを測定し、それらを算術平均したものである。
前述のように、基板12の上には、第1反射層16の上に上層反射層18を積層した、構造体14が設けられる。
第1反射層16および上層反射層18は、共に、コレステリック液晶相を固定してなる反射層である。このような反射層は、一例として、液晶化合物およびキラル剤を含む組成物(第1層組成物および上層組成物)を調製して、この組成物を塗布および乾燥し、必要に応じて組成物を硬化して、コレステリック液晶相を固定することで、形成できる。
(液晶化合物)
液晶化合物の種類は、特に制限されない。
一般的に、液晶化合物はその形状から、棒状タイプ(棒状液晶化合物)と円盤状タイプ(ディスコティック液晶化合物、円盤状液晶化合物)とに分類できる。さらに、棒状タイプおよび円盤状タイプには、それぞれ低分子タイプと高分子タイプとがある。高分子とは一般に重合度が100以上のものを指す(高分子物理・相転移ダイナミクス,土井 正男 著,2頁,岩波書店,1992)。本発明では、いずれの液晶化合物を用いることもできる。また、2種以上の液晶化合物を併用してもよい。
液晶化合物は、重合性基を有していてもよい。重合性基の種類は特に制限されず、付加重合反応が可能な官能基が好ましく、重合性エチレン性不飽和基または環重合性基がより好ましい。より具体的には、重合性基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基、エポキシ基、および、オキセタン基が好ましく、(メタ)アクリロイル基がより好ましい。
液晶化合物としては、反射層の拡散反射性がより優れる点で、以下の式(I)で表される液晶化合物が好ましい。
なかでも、反射層の拡散反射性がより優れる点で、Aで表される置換基を有していてもよいトランス−1,4−シクロヘキシレン基の数をmで割った数をmcとしたとき、mc>0.1を満たす液晶化合物が好ましく、0.4≦mc≦0.8を満たす液晶化合物であるのがより好ましい。
なお、上記mcは、以下の計算式で表される数である。
mc=(Aで表される置換基を有していてもよいトランス−1,4−シクロヘキシレン基の数)÷m
式中、
Aは、置換基を有していてもよいフェニレン基または置換基を有していてもよいトランス−1,4−シクロヘキシレン基を示し、Aのうち少なくとも1つは置換基を有していてもよいトランス−1,4−シクロヘキシレン基を示し、
Lは、単結合、または、−CH2O−、−OCH2−、−(CH22OC(=O)−、−C(=O)O(CH22−、−C(=O)O−、−OC(=O)−、−OC(=O)O−、−CH=N−N=CH−、−CH=CH−、−C≡C−、−NHC(=O)−、−C(=O)NH−、−CH=N−、−N=CH−、−CH=CH−C(=O)O−、および、−OC(=O)−CH=CH−からなる群から選択される連結基を示し、
mは3〜12の整数を示し、
Sp1およびSp2は、それぞれ独立に、単結合、または、炭素数1から20の直鎖もしくは分岐のアルキレン基、および、炭素数1から20の直鎖もしくは分岐のアルキレン基において1つまたは2つ以上の−CH2−が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−C(=O)−、−OC(=O)−、または、−C(=O)O−で置換された基からなる群から選択される連結基を示し、
1およびQ2は、それぞれ独立に、水素原子、または、以下の式(Q−1)〜式(Q−5)で表される基からなる群から選択される重合性基を示し、ただしQ1およびQ2のいずれか一方は重合性基を示す;
Aは、置換基を有していてもよいフェニレン基、または、置換基を有していてもよいトランス−1,4−シクロヘキシレン基である。本明細書において、フェニレン基というとき、1,4−フェニレン基であるのが好ましい。
なお、Aのうち少なくとも1つは置換基を有していてもよいトランス−1,4−シクロヘキシレン基である。
m個のAは、互いに同一でも異なっていてもよい。
mは3〜12の整数を示し、3〜9の整数であるのが好ましく、3〜7の整数であるのがより好ましく、3〜5の整数であるのがさらに好ましい。
式(I)中の、フェニレン基およびトランス−1,4−シクロヘキシレン基が有していてもよい置換基としては、特に制限されず、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルエーテル基、アミド基、アミノ基、および、ハロゲン原子、ならびに、上記の置換基を2つ以上組み合わせて構成される基からなる群から選択される置換基が挙げられる。また、置換基の例としては、後述の−C(=O)−X3−Sp3−Q3で表される置換基が挙げられる。フェニレン基およびトランス−1,4−シクロヘキシレン基は、置換基を1〜4個有していてもよい。2個以上の置換基を有するとき、2個以上の置換基は互いに同一であっても異なっていてもよい。
本明細書において、アルキル基は直鎖および分岐のいずれでもよい。アルキル基の炭素数は1〜30が好ましく、1〜10がより好ましく、1〜6がさらに好ましい。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1,1−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、および、ドデシル基などが挙げられる。アルコキシ基中のアルキル基の説明も、上記アルキル基に関する説明と同じである。また、本明細書において、アルキレン基というときのアルキレン基の具体例としては、上記のアルキル基の例それぞれにおいて、任意の水素原子を1つ除いて得られる2価の基が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、および、ヨウ素原子が挙げられる。
本明細書において、シクロアルキル基の炭素数は、3以上が好ましく、5以上がより好ましく、また、20以下が好ましく、10以下がより好ましく、8以下がさらに好ましく、6以下が特に好ましい。シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、および、シクロオクチル基などが挙げられる。
フェニレン基およびトランス−1,4−シクロヘキシレン基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、および、−C(=O)−X3−Sp3−Q3からなる群から選択される置換基が好ましい。ここで、X3は単結合、−O−、−S−、もしくは−N(Sp4−Q4)−を示すか、または、Q3およびSp3と共に環構造を形成している窒素原子を示す。Sp3およびSp4は、それぞれ独立に、単結合、または、炭素数1から20の直鎖もしくは分岐のアルキレン基、および、炭素数1から20の直鎖もしくは分岐のアルキレン基において1つまたは2つ以上の−CH2−が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−C(=O)−、−OC(=O)−、または、−C(=O)O−で置換された基からなる群から選択される連結基を示す。
3およびQ4はそれぞれ独立に、水素原子、シクロアルキル基、シクロアルキル基において1つもしくは2つ以上の−CH2−が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−C(=O)−、−OC(=O)−、もしくは、−C(=O)O−で置換された基、または式(Q−1)〜式(Q−5)で表される基からなる群から選択されるいずれかの重合性基を示す。
シクロアルキル基において1つまたは2つ以上の−CH2−が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−C(=O)−、−OC(=O)−、または、−C(=O)O−で置換された基として、具体的には、テトラヒドロフラニル基、ピロリジニル基、イミダゾリジニル基、ピラゾリジニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、および、モルホルニル基などが挙げられる。これらのうち、テトラヒドロフラニル基が好ましく、2−テトラヒドロフラニル基がより好ましい。
式(I)において、Lは、単結合、または、−CH2O−、−OCH2−、−(CH22OC(=O)−、−C(=O)O(CH22−、−C(=O)O−、−OC(=O)−、−OC(=O)O−、−CH=CH−C(=O)O−、および、−OC(=O)−CH=CH−からなる群から選択される連結基を示す。Lは、−C(=O)O−または−OC(=O)−であるのが好ましい。m個のLは互いに同一でも異なっていてもよい。
Sp1およびSp2は、それぞれ独立に、単結合、または、炭素数1から20の直鎖もしくは分岐のアルキレン基、および、炭素数1から20の直鎖もしくは分岐のアルキレン基において1つまたは2つ以上の−CH2−が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−C(=O)−、−OC(=O)−、または、−C(=O)O−で置換された基からなる群から選択される連結基を示す。Sp1およびSp2はそれぞれ独立に、両末端にそれぞれ−O−、−OC(=O)−、および、−C(=O)O−からなる群から選択される連結基が結合した炭素数1から10の直鎖のアルキレン基、−OC(=O)−、−C(=O)O−、−O−、および、炭素数1から10の直鎖のアルキレン基からなる群から選択される基を1または2以上組み合わせて構成される連結基であるのが好ましく、両末端に−O−がそれぞれ結合した炭素数1から10の直鎖のアルキレン基であるのがより好ましい。
1およびQ2はそれぞれ独立に、水素原子、または、以下の式(Q−1)〜式(Q−5)で表される基からなる群から選択される重合性基を示す。ただし、Q1およびQ2のいずれか一方は重合性基を示す。
重合性基としては、アクリロイル基(式(Q−1))またはメタクリロイル基(式(Q−2))が好ましい。
上記液晶化合物の具体例としては、以下の式(I−11)で表される液晶化合物、式(I−21)で表される液晶化合物、式(I−31)で表される液晶化合物が挙げられる。上記以外にも、特開2013−112631号公報の式(I)で表される化合物、特開2010−70543号公報の式(I)で表される化合物、特開2008−291218号公報の式(I)で表される化合物、特許第4725516号の式(I)で表される化合物、特開2013−087109号公報の一般式(II)で表される化合物、特開2007−176927号公報の段落[0043]記載の化合物、特開2009−286885号公報の式(1−1)で表される化合物、WO2014/10325号の一般式(I)で表される化合物、特開2016−81035号公報の式(1)で表される化合物、および、特開2016−121339号公報の式(2−1)および式(2−2)で表される化合物、などに記載の公知の化合物が挙げられる。
式(I−11)で表される液晶化合物
式中、R11は水素原子、炭素数1から12の直鎖もしくは分岐のアルキル基、または、−Z12−Sp12−Q12を示し、
11は単結合、−C(=O)O−、または、−O(C=O)−を示し、
12は−C(=O)O−、−OC(=O)−、または、−CONR2−を示し、
2は、水素原子、または、炭素数1から3のアルキル基を示し、
11およびZ12はそれぞれ独立に、単結合、−O−、−NH−、−N(CH3)−、−S−、−C(=O)O−、−OC(=O)−、−OC(=O)O−、または、−C(=O)NR12−を示し、
12は水素原子または−Sp12−Q12を示し、
Sp11およびSp12はそれぞれ独立に、単結合、Q11で置換されていてもよい炭素数1から12の直鎖もしくは分岐のアルキレン基、または、Q11で置換されていてもよい炭素数1から12の直鎖もしくは分岐のアルキレン基において、いずれか1つ以上の−CH2−を−O−、−S−、−NH−、−N(Q11)−、または、−C(=O)−に置き換えて得られる連結基を示し、
11は水素原子、シクロアルキル基、シクロアルキル基において1つまたは2つ以上の−CH2−が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−C(=O)−、−OC(=O)−、もしくは−C(=O)O−で置換された基、または、式(Q−1)〜式(Q−5)で表される基からなる群から選択される重合性基を示し、
12は水素原子または式(Q−1)〜式(Q−5)で表される基からなる群から選択される重合性基を示し、
11は0〜2の整数を示し、
11は1または2の整数を示し、
11は1〜3の整数を示し、
複数のR11、複数のL11、複数のL12、複数のl11、複数のZ11、複数のSp11、および、複数のQ11はそれぞれ互いに同じでも異なっていてもよい。
また、式(I−11)で表される液晶化合物は、R11として、Q12が式(Q−1)〜式(Q−5)で表される基からなる群から選択される重合性基である−Z12−Sp12−Q12を少なくとも1つ含む。
また、式(I−11)で表される液晶化合物は、Z11が−C(=O)O−または−C(=O)NR12−、および、Q11が式(Q−1)〜式(Q−5)で表される基からなる群から選択される重合性基である−Z11−Sp11−Q11であるのが好ましい。また、式(I−11)で表される液晶化合物は、R11として、Z12が−C(=O)O−または−C(=O)NR12−、および、Q12が式(Q−1)〜式(Q−5)で表される基からなる群から選択される重合性基である−Z12−Sp12−Q12であるのが好ましい。
式(I−11)で表される液晶化合物に含まれる1,4−シクロヘキシレン基はいずれもトランス−1,4−シクロヘキレン基である。
式(I−11)で表される液晶化合物の好適態様としては、L11が単結合、l11が1(ジシクロヘキシル基)、かつ、Q11が式(Q−1)〜式(Q−5)で表される基からなる群から選択される重合性基である化合物が挙げられる。
式(I−11)で表される液晶化合物の他の好適態様としては、m11が2、l11が0、かつ、2つのR11がいずれも−Z12−Sp12−Q12を表し、Q12が式(Q−1)〜式(Q−5)で表される基からなる群から選択される重合性基である化合物が挙げられる。
式(I−21)で表される液晶化合物
式中、Z21およびZ22は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいトランス−1,4−シクロヘキシレン基、または、置換基を有していてもよいフェニレン基を示し、
上記置換基はいずれもそれぞれ独立に、−CO−X21−Sp23−Q23、アルキル基、およびアルコキシ基からなる群から選択される1から4個の置換基であり、
m21は1または2の整数を示し、n21は0または1の整数を示し、
m21が2を示すときn21は0を示し、
m21が2を示すとき2つのZ21は同一であっても異なっていてもよく、
21およびZ22の少なくともいずれか一つは置換基を有していてもよいフェニレン基であり、
21、L22、L23およびL24はそれぞれ独立に、単結合、または、−CH2O−、−OCH2−、−(CH22OC(=O)−、−C(=O)O(CH22−、−C(=O)O−、−OC(=O)−、−OC(=O)O−、−CH=CH−C(=O)O−、および−OC(=O)−CH=CH−からなる群から選択される連結基を示し、
21は−O−、−S−、もしくは−N(Sp25−Q25)−を示すか、または、Q23およびSp23と共に環構造を形成する窒素原子を示し、
21は1から4の整数を示し、
Sp21、Sp22、Sp23、およびSp25はそれぞれ独立に、単結合、または、炭素数1から20の直鎖もしくは分岐のアルキレン基、および、炭素数1から20の直鎖もしくは分岐のアルキレン基において1つまたは2つ以上の−CH2−が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−C(=O)−、−OC(=O)−、または−C(=O)O−で置換された基からなる群から選択される連結基を示し、
21およびQ22はそれぞれ独立に、式(Q−1)〜式(Q−5)で表される基からなる群から選択されるいずれかの重合性基を示し、
23は水素原子、シクロアルキル基、シクロアルキル基において1つもしくは2つ以上の−CH2−が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−C(=O)−、−OC(=O)−、もしくは−C(=O)O−で置換された基、式(Q−1)〜式(Q−5)で表される基からなる群から選択されるいずれかの重合性基、または、X21がQ23およびSp23と共に環構造を形成する窒素原子である場合において単結合を示し、
25は、水素原子、シクロアルキル基、シクロアルキル基において1つもしくは2つ以上の−CH2−が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−C(=O)−、−OC(=O)−、もしくは−C(=O)O−で置換された基、または、式(Q−1)〜式(Q−5)で表される基からなる群から選択されるいずれかの重合性基を示し、Sp25が単結合のとき、Q25は水素原子ではない。
式(I−21)で表される液晶化合物は、1,4−フェニレン基およびトランス−1,4−シクロヘキシレン基が交互に存在する構造であることも好ましく、例えば、m21が2であり、n21が0であり、かつ、Z21がQ21側からそれぞれ置換基を有していてもよいトランス−1,4−シクロヘキシレン基、置換基を有していてもよいアリーレン基であるか、または、m21が1であり、n21が1であり、Z21が置換基を有していてもよいアリーレン基であり、かつ、Z22が置換基を有していてもよいアリーレン基である構造が好ましい。
式(I−31)で表される液晶化合物;
式中、R31およびR32はそれぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、および、−C(=O)−X31−Sp33−Q33からなる群から選択される基であり、
n31およびn32はそれぞれ独立に、0〜4の整数を示し、
31は単結合、−O−、−S−、もしくは−N(Sp34−Q34)−を示すか、または、Q33およびSp33と共に環構造を形成している窒素原子を示し、
31は、置換基を有していてもよいフェニレン基を示し、
32は、置換基を有していてもよいトランス−1,4−シクロヘキシレン基、または、置換基を有していてもよいフェニレン基を示し、
上記置換基はいずれもそれぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、および、−C(=O)−X31−Sp33−Q33からなる群から選択される1から4個の置換基であり、
m31は1または2の整数を示し、m32は0〜2の整数を示し、
m31およびm32が2を示すとき2つのZ31、Z32は同一であっても異なっていてもよく、
31およびL32はそれぞれ独立に、単結合、または、−CH2O−、−OCH2−、−(CH22OC(=O)−、−C(=O)O(CH22−、−C(=O)O−、−OC(=O)−、−OC(=O)O−、−CH=CH−C(=O)O−、および−OC(=O)−CH=CH−からなる群から選択される連結基を示し、
Sp31、Sp32、Sp33およびSp34はそれぞれ独立に、単結合、または、炭素数1から20の直鎖もしくは分岐のアルキレン基、および、炭素数1から20の直鎖もしくは分岐のアルキレン基において1つまたは2つ以上の−CH2−が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−C(=O)−、−OC(=O)−、または−C(=O)O−で置換された基からなる群から選択される連結基を示し、
31およびQ32はそれぞれ独立に、式(Q−1)〜式(Q−5)で表される基からなる群から選択されるいずれかの重合性基を示し、
33およびQ34はそれぞれ独立に、水素原子、シクロアルキル基、シクロアルキル基において1つもしくは2つ以上の−CH2−が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−C(=O)−、−OC(=O)−、もしくは−C(=O)O−で置換された基、または、式(Q−1)〜式(Q−5)で表される基からなる群から選択されるいずれかの重合性基を示し、Q33はX31およびSp33と共に環構造を形成している場合において、単結合を示してもよく、Sp34が単結合のとき、Q34は水素原子ではない。
式(I−31)で表される液晶化合物として、特に好ましい化合物としては、Z32がフェニレン基である化合物およびm32が0である化合物が挙げられる。
式(I)で表される化合物は、以下の式(II)で表される部分構造を有することも好ましい。
式(II)において、黒丸は、式(I)の他の部分との結合位置を示す。式(II)で表される部分構造は式(I)中の下記式(III)で表される部分構造の一部として含まれていればよい。
式中、R1およびR2はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、および、−C(=O)−X3−Sp3−Q3で表される基からなる群から選択される基である。ここで、X3は単結合、−O−、−S−、もしくは−N(Sp4−Q4)−を示すか、または、Q3およびSp3と共に環構造を形成している窒素原子を示す。X3は単結合または−O−であることが好ましい。R1およびR2は、−C(=O)−X3−Sp3−Q3であることが好ましい。また、R1およびR2は、互いに同一であることが好ましい。R1およびR2のそれぞれのフェニレン基への結合位置は特に制限されない。
Sp3およびSp4はそれぞれ独立に、単結合、または、炭素数1から20の直鎖もしくは分岐のアルキレン基、および、炭素数1から20の直鎖もしくは分岐のアルキレン基において1つまたは2つ以上の−CH2−が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−C(=O)−、−OC(=O)−、または−C(=O)O−で置換された基からなる群から選択される連結基を示す。Sp3およびSp4としては、それぞれ独立に、炭素数1から10の直鎖または分岐のアルキレン基が好ましく、炭素数1から5の直鎖のアルキレン基がより好ましく、炭素数1から3の直鎖のアルキレン基がさらに好ましい。
3およびQ4はそれぞれ独立に、水素原子、シクロアルキル基、シクロアルキル基において1つもしくは2つ以上の−CH2−が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−C(=O)−、−OC(=O)−もしくは−C(=O)O−で置換された基、または、式(Q−1)〜式(Q−5)で表される基からなる群から選択されるいずれかの重合性基を示す。
式(I)で表される化合物は、例えば、以下の式(II−2)で表される構造を有することも好ましい。
式中、A1およびA2はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよいフェニレン基または置換基を有していてもよいトランス−1,4−シクロヘキレン基を示し、上記置換基はいずれもそれぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、および、−C(=O)−X3−Sp3−Q3からなる群から選択される1から4個の置換基であり、
1、L2およびL3は単結合、または、−CH2O−、−OCH2−、−(CH22OC(=O)−、−C(=O)O(CH22−、−C(=O)O−、−OC(=O)−、−OC(=O)O−、−CH=CH−C(=O)O−、および、−OC(=O)−CH=CH−からなる群から選択される連結基を示し、
n1およびn2はそれぞれ独立に、0から9の整数を示し、かつn1+n2は9以下である。
1、Q2、Sp1、および、Sp2の定義は、上記式(I)中の各基の定義と同義である。X3、Sp3、Q3、R1、および、R2の定義は、上記式(II)中の各基の定義と同義である。
式(I)で表される液晶化合物であって、0.4≦mc≦0.8を満たす液晶化合物としては、以下のものが例示される。
なお、液晶化合物は2種以上併用して用いてもよい。例えば、式(I)で表される液晶化合物を2種以上併用してもよい。
なかでも、上記式(I)で表される液晶化合物であって、0.4≦mc≦0.8を満たす液晶化合物と共に、式(I)で表される液晶化合物であって、0.1<mc<0.3を満たす液晶化合物を用いるのが好ましい。
式(I)で表される液晶化合物であって、0.1<mc<0.3を満たす液晶化合物としては、以下のものが例示される。
本発明に用いる液晶化合物としては、特開2014−198814号公報に記載される、以下の式(IV)で表される化合物、特に、式(IV)で表される1つの(メタ)アクリレート基を有する重合性液晶化合物も、好適に利用される。
式(IV)
式(IV)中、A1は、炭素数2〜18のアルキレン基を表し、該アルキレン基中の1つのCH2または隣接していない2つ以上のCH2は、−O−で置換されていてもよい;
1は、−C(=O)−、−O−C(=O)−または単結合を表し;
2は、−C(=O)−または−C(=O)−CH=CH−を表し;
1は、水素原子またはメチル基を表し;
2は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4の直鎖アルキル基、メトキシ基、エトキシ基、置換基を有していても良いフェニル基、ビニル基、ホルミル基、ニトロ基、シアノ基、アセチル基、アセトキシ基、N−アセチルアミド基、アクリロイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基またはマレイミド基、メタクリロイルアミノ基、アリルオキシ基、アリルオキシカルバモイル基、アルキル基の炭素数が1〜4であるN−アルキルオキシカルバモイル基、N−(2−メタクリロイルオキシエチル)カルバモイルオキシ基、N−(2−アクリロイルオキシエチル)カルバモイルオキシ基または以下の式(IV−2)で表される構造を表し;
1、L2、L3およびL4は各々独立して、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜4のアシル基、ハロゲン原子または水素原子を表し、L1、L2、L3およびL4のうち少なくとも1つは水素原子以外の基を表す。
−Z5−T−Sp−P 式(IV−2)
式(IV−2)中、Pはアクリル基、メタクリル基または水素原子を表し、Z5は単結合、−C(=O)O−、−OC(=O)−、−C(=O)NR1−(R1は水素原子またはメチル基を表す)、−NR1C(=O)−、−C(=O)S−、または、−SC(=O)−を表し、Tは1,4−フェニレンを表し、Spは置換基を有していてもよい炭素数1〜12の2価の脂肪族基を表し、該脂肪族基中の1つのCH2または隣接していない2以上のCH2は、−O−、−S−、−OC(=O)−、−C(=O)O−または−OCOO−で置換されていてもよい。)を表す。
上記式(IV)で表される化合物は、以下の式(V)で表される化合物であることが好ましい。
式(V)
式(V)中、n1は3〜6の整数を表し;
11は水素原子またはメチル基を表し;
12は、−C(=O)−または−C(=O)−CH=CH−を表し;
12は、水素原子、炭素数1〜4の直鎖アルキル基、メトキシ基、エトキシ基、フェニル基、アクリロイルアミノ基、メタクリロイルアミノ基、アリルオキシ基、または以下の式(IV−3)で表される構造を表す。
−Z51−T−Sp−P 式(IV−3)
式(IV−3)中、Pはアクリル基またはメタクリル基を表し;
51は、−C(=O)O−、または、−OC(=O)−を表し;Tは1,4−フェニレンを表し;
Spは置換基を有していてもよい炭素数2〜6の2価の脂肪族基を表す。この脂肪族基中の1つのCH2または隣接していない2以上のCH2は、−O−、−OC(=O)−、−C(=O)O−または−OC(=O)O−で置換されていてもよい。
上記n1は3〜6の整数を表し、3または4であることが好ましい。
上記Z12は、−C(=O)−または−C(=O)−CH=CH−を表し、−C(=O)−を表すことが好ましい。
上記R12は、水素原子、炭素数1〜4の直鎖アルキル基、メトキシ基、エトキシ基、フェニル基、アクリロイルアミノ基、メタクリロイルアミノ基、アリルオキシ基、または上記式(IV−3)で表される基を表し、メチル基、エチル基、プロピル基、メトキシ基、エトキシ基、フェニル基、アクリロイルアミノ基、メタクリロイルアミノ基、または上記式(IV−3)で表される基を表すことがより好ましく、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、フェニル基、アクリロイルアミノ基、メタクリロイルアミノ基、または上記式(IV−3)で表される構造を表すことがさらに好ましい。
以下に、上記式(IV)で表される化合物の具体例を示す。ただし、本発明において、式(IV)で表される化合物は、これらに限定はされない。
本発明に用いる液晶化合物としては、同じく特開2014−198814号公報に記載される、以下の式(VI)で表される化合物、特に、以下の式(VI)で表される(メタ)アクリレート基を有さない液晶化合物も好適に利用される。
式(VI)
式(VI)中、Z3は、−C(=O)−または−CH=CH−C(=O)−を表し;
4は、−C(=O)−または−C(=O)−CH=CH−を表し;
3およびR4は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4の直鎖アルキル基、メトキシ基、エトキシ基、置換基を有していても良い芳香環、シクロヘキシル基、ビニル基、ホルミル基、ニトロ基、シアノ基、アセチル基、アセトキシ基、アクリロイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、マレイミド基、メタクリロイルアミノ基、アリルオキシ基、アリルオキシカルバモイル基、アルキル基の炭素数が1〜4であるN−アルキルオキシカルバモイル基、N−(2−メタクリロイルオキシエチル)カルバモイルオキシ基、N−(2−アクリロイルオキシエチル)カルバモイルオキシ基または以下の式(VI−2)で表される構造を表し;
5、L6、L7およびL8は各々独立して、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜4のアシル基、ハロゲン原子または水素原子を表し、L5、L6、L7およびL8のうち少なくとも1つは水素原子以外の基を表す。
−Z5−T−Sp−P 式(VI−2)
式(VI−2)中、Pはアクリル基、メタクリル基または水素原子を表し、Z5は−C(=O)O−、−OC(=O)−、−C(=O)NR1−(R1は水素原子またはメチル基を表す)、−NR1C(=O)−、−C(=O)S−、または−SC(=O)−を表し、Tは1,4−フェニレンを表し、Spは置換基を有していてもよい炭素数1〜12の2価の脂肪族基を表す。ただし、この脂肪族基中の1つのCH2または隣接していない2以上のCH2は、−O−、−S−、−OC(=O)−、−C(=O)O−または−OC(=O)O−で置換されていてもよい。
上記式(VI)で表される化合物は、以下の式(VII)で表される化合物であることが好ましい。
式(VII)
式(VII)中、Z13は、−C(=O)−または−C(=O)−CH=CH−を表し;
14は、−C(=O)−または−CH=CH−C(=O)−を表し;
13およびR14は各々独立して、水素原子、炭素数1〜4の直鎖アルキル基、メトキシ基、エトキシ基、フェニル基、アクリロイルアミノ基、メタクリロイルアミノ基、アリルオキシ基、または上記式(IV−3)で表される構造を表す。
上記Z13は、−C(=O)−または−C(=O)−CH=CH−を表し、−C(=O)−を表すことが好ましい。
13およびR14は各々独立して、水素原子、炭素数1〜4の直鎖アルキル基、メトキシ基、エトキシ基、フェニル基、アクリロイルアミノ基、メタクリロイルアミノ基、アリルオキシ基または上記式(IV−3)で表される構造を表し、メチル基、エチル基、プロピル基、メトキシ基、エトキシ基、フェニル基、アクリロイルアミノ基、メタクリロイルアミノ基、もしくは上記式(IV−3)で表される構造を表すことが好ましく、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、フェニル基、アクリロイルアミノ基、メタクリロイルアミノ基または上記式(IV−3)で表される構造を表すことがさらに好ましい。
以下に、上記式(VI)で表される化合物の具体例を示す。ただし、本発明において、式(VI)で表される化合物は、これらに限定はされない。
本発明に用いる液晶化合物としては、同じく、特開2014−198814号公報に記載される、以下の式(VIII)で表される化合物、特に、以下の式(VIII)で表される2つの(メタ)アクリレート基を有する重合性液晶化合物も好適に利用される。
式(VIII)
式(VIII)中、A2およびA3は各々独立して、炭素数2〜18のアルキレン基を表し、該アルキレン基中の1つのCH2または隣接していない2つ以上のCH2は、−O−で置換されていてもよい;
5は、−C(=O)−、−OC(=O)−または単結合を表し;
6は、−C(=O)−、−C(=O)O−または単結合を表し;
5およびR6は各々独立して、水素原子またはメチル基を表し;
9、L10、L11およびL12は各々独立して、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜4のアシル基、ハロゲン原子または水素原子を表し、L9、L10、L11およびL12のうち少なくとも1つは水素原子以外の基を表す。
上記式(VIII)で表される化合物は、下記式(IX)で表される化合物であることが好ましい。
式(IX)
式(IX)中、n2およびn3は各々独立して、3〜6の整数を表し;
15およびR16は各々独立して、水素原子またはメチル基を表す。
式(IX)中、n2およびn3は各々独立して、3〜6の整数を表し、上記n2およびn3が4であることが好ましい。
式(IX)中、R15およびR16は各々独立して、水素原子またはメチル基を表し、上記R15およびR16が水素原子を表すことが好ましい。
以下に、上記式(VIII)で表される化合物の具体例を示す。ただし、本発明において、式(VIII)で表される化合物は、これらに限定はされない。
これらの液晶化合物は、公知の方法により製造することが可能である。
(キラル剤(キラル化合物))
組成物は、キラル剤を含む。
キラル剤の種類は、特に制限されない。キラル剤は液晶性であっても、非液晶性であってもよい。キラル剤は、公知の種々のキラル剤(例えば、液晶デバイスハンドブック、第3章4−3項、TN(Twisted Nematic)、STN(Super Twisted Nematic)用カイラル剤、199頁、日本学術振興会第142委員会編、1989に記載)から選択することができる。キラル剤は、一般に不斉炭素原子を含む。ただし、不斉炭素原子を含まない軸性不斉化合物または面性不斉化合物を、キラル剤として用いることもできる。軸性不斉化合物または面性不斉化合物の例には、ビナフチル、ヘリセン、パラシクロファンおよびこれらの誘導体が含まれる。キラル剤は、重合性基を有していてもよい。
組成物中、キラル剤の含有量は、液晶化合物全質量に対して、0.5〜30質量%が好ましい。キラル剤の使用量は、より少ないことが液晶性に影響を及ぼさない傾向があるため好まれる。従って、キラル剤としては、少量でも所望の螺旋ピッチの捩れ配向を達成可能なように、強い捩り力のある化合物が好ましい。
このような強い捩れ力を示すキラル剤としては、例えば、特開2002−302487号公報、特開2002−80478号公報、特開2002−80851号公報、特開2002―179668号公報、特開2002―179670号公報、特開2002−338575号公報、特開2002−180051号公報、特開昭62―81354号公報、WO2002/006195号、特開2011−241215号公報、特開2003−287623号公報、特開2002−302487号公報、特開2002−80478号公報、特開2002−80851号公報、および、特開2014−034581号公報に記載のキラル剤、ならびに、BASF社製のLC−756などが挙げられる。
(任意の成分)
組成物には、液晶化合物およびキラル剤以外の他の成分が含まれていてもよい。
(重合開始剤)
組成物は、重合開始剤を含んでいてもよい。特に、液晶化合物が重合性基を有する場合、組成物が重合開始剤を含むことが好ましい。
重合開始剤としては、紫外線照射によって重合反応を開始可能な光重合開始剤であることが好ましい。光重合開始剤としては、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)などが挙げられる。
組成物中での重合開始剤の含有量は特に制限されないが、液晶化合物全質量に対して、0.1〜20質量%が好ましく、1〜8質量%がより好ましい。
(配向制御剤(配向剤))
組成物は、配向制御剤を含んでいてもよい。組成物に配向制御剤が含まれることにより、安定的または迅速なコレステリック液晶相の形成が可能となる。
配向制御剤としては、例えば、含フッ素(メタ)アクリレート系ポリマー、WO2011/162291号に記載の一般式(X1)〜(X3)で表される化合物、特開2012−211306号公報の段落[0007]〜[0029]に記載の化合物、特開2013−47204号公報の段落[0020]〜[0031]に記載の化合物、WO2016/009648号の段落[0165]〜[0170]に記載の化合物、WO2016/092844号の段落[0077]〜[0081]、および、特許第4592225号公報に記載の一般式(Cy201)〜(Cy211)等が挙げられる。これらから選択される2種以上を含有していてもよい。これらの化合物は、層の空気界面において、液晶化合物の分子のチルト角を低減または実質的に水平配向させることができる。なお、本明細書で「水平配向」とは、液晶分子長軸と膜面が平行であることをいうが、厳密に平行であることを要求するものではなく、本明細書では、水平面とのなす傾斜角が20°未満の配向を意味するものとする。
配向制御剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
組成物中での配向制御剤の含有量は特に制限されないが、液晶化合物全質量に対して、0.01〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%がより好ましく、0.01〜1質量%がさらに好ましい。
(溶媒)
組成物は、溶媒を含んでいてもよい。
溶媒としては、水または有機溶媒が挙げられる。有機溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;ピリジンなどのヘテロ環化合物;ベンゼン、ヘキサンなどの炭化水素;クロロホルム、ジクロロメタンなどのアルキルハライド類;酢酸メチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノンなどのケトン類;テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類;1,4−ブタンジオールジアセテート;などが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(その他の添加剤)
組成物は、1種または2種以上の、酸化防止剤、紫外線吸収剤、増感剤、安定剤、可塑剤、連鎖移動剤、重合禁止剤、消泡剤、レべリング剤、増粘剤、難燃剤、界面活性物質、分散剤、ならびに、染料および顔料などの色材、などの他の添加剤を含んでいてもよい。
このような本発明の構造体14は、まず、基板12の上に、断面において明部20および暗部24が波状構造を有する第1反射層16を形成し、第1反射層16の上に、前述のような液晶化合物およびキラル剤を含む組成物(上層組成物)を用いて、塗布法によって上層反射層18を形成することにより、製造できる。
第1反射層16の形成においては、まず、前述のような液晶化合物およびキラル剤を含む組成物(第1層組成物)を調製して、調製した組成物を基板12に塗布する。
塗布方法は特に制限されず、例えば、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、および、ダイコーティング法などが挙げられる。
なお、必要に応じて、塗布後に、基板12に塗布した第1層組成物を乾燥する処理を実施してもよい。乾燥処理を実施することにより、塗布した組成物から溶媒を除去できる。
次に、基板12上に塗布した第1層組成物(組成物層(塗膜))を加熱して、組成物中の液晶化合物を配向させてコレステリック液晶相の状態とする。
第1層組成物の液晶相転移温度は、製造適性の面から10〜250℃の範囲内が好ましく、10〜150℃の範囲内がより好ましい。
好ましい加熱条件としては、40〜100℃(好ましくは、60〜100℃)で0.5〜5分間(好ましくは、0.5〜2分間)にわたって組成物を加熱することが好ましい。
第1層組成物を加熱して、液晶化合物をコレステリック液晶相の状態にしたら、第1層組成物に含まれるキラル剤の螺旋誘起力を向上するように、組成物を冷却または加熱して、第1反射層16を形成する。つまり、基板12上に形成された塗布層(組成物層)を構成する第1層組成物に含まれるキラル剤の螺旋誘起力(HTP:Helical Twisting Power)が上昇するように、塗布層に冷却処理または加熱処理を施す。
塗布層の冷却処理および加熱処理を施すことにより、キラル剤の螺旋誘起力が上昇して、液晶化合物の捩れが増して、結果として、コレステリック液晶相の配向(螺旋軸の傾き)が変化して、これにより、基板12に平行な明部20および暗部24が変化して、図1(図3)に示すような波状構造(凹凸構造)の明部20および暗部24を有する第1反射層16(コレステリック液晶相状態の組成物の層)が形成される。
第1層組成物を冷却する際には、第1反射層16の拡散反射性がより優れる点で、組成物の温度が30℃以上下がるように、組成物を冷却することが好ましい。なかでも、上記効果がより優れる点で、40℃以上下がるように組成物を冷却することが好ましく、50℃以上下がるように組成物を冷却することがより好ましい。上記冷却処理の低減温度幅の上限値は特に制限されないが、通常、70℃程度である。
なお、上記冷却処理は、言い換えると、冷却前のコレステリック液晶相の状態の組成物の温度をT℃とする場合、T−30℃以下となるように、組成物を冷却することを意図する。
上記冷却の方法は特に制限されず、組成物が配置された基板を所定の温度の雰囲気中に静置する方法が挙げられる。
冷却処理における冷却速度には制限は無いが、コレステリック液晶相の明部20および暗部24の波状構造、あるいはさらに、後述する反射層の表面の凹凸を、好適に形成するためには、冷却速度を、ある程度の速さにするのが好ましい。
具体的には、冷却処理における冷却速度は、その最大値が毎秒1℃以上であるのが好ましく、毎秒2℃以上であるのがより好ましい。
液晶化合物が重合性基を有する場合、冷却処理または加熱処理を施した後、基板12上の第1層組成物に硬化処理を施し、コレステリック液晶相を固定してもよい。この硬化処理は、冷却処理または加熱処理と同時に行ってもよく、あるいは、冷却処理または加熱処理を施した後に行ってもよい。
なお、コレステリック液晶相を「固定化した」状態は、コレステリック液晶相となっている液晶化合物の配向が保持された状態が最も典型的、且つ、好ましい態様である。それだけには制限されず、具体的には、通常0〜50℃、より過酷な条件下では−30〜70℃の温度範囲において、層に流動性が無く、また、外場もしくは外力によって配向形態に変化を生じさせることなく、固定化された配向形態を安定に保ち続けることができる状態を意味するものとする。本発明では、後述するように、紫外線照射によって進行する硬化反応により、コレステリック液晶相の配向状態を固定することが好ましい。
なお、コレステリック液晶相を固定してなる層においては、コレステリック液晶相の光学的性質が層中において保持されていれば十分であり、最終的に層中の組成物がもはや液晶性を示す必要はない。
硬化処理の方法は特に制限されず、光硬化処理および熱硬化処理が挙げられる。なかでも、光照射処理が好ましく、紫外線照射処理がより好ましい。
紫外線照射には、紫外線ランプなどの光源が利用される。
紫外線の照射エネルギー量は特に制限されないが、一般的には、0.1〜0.8J/cm2程度が好ましい。また、紫外線を照射する時間は特に制限されないが、得られる層の充分な強度および生産性の双方の観点から適宜決定すればよい。
このようにして、明部20および暗部24が波状構造を有する第1反射層16を形成したら、第1反射層16の上に、塗布法によって、上層反射層18を形成する。
これにより、第1反射層16と上層反射層18とにおいて、最も近い明部20aおよび明部28aの波状構造の凹凸が一致した、波状構造が第1反射層16に追従する上層反射層18を形成できる。
上層反射層18の形成においては、まず、第1層組成物と同様、前述のような液晶化合物およびキラル剤を含む上層組成物を調製する。
次いで、上層組成物を第1反射層16の上(表面)に塗布する。塗布方法は、第1層組成物と同様の方法が利用される。
次いで、必要に応じて上層組成物を乾燥した後、第1反射層16上に形成された組成物層中の液晶化合物を配向させて、コレステリック液晶相の状態として、上層反射層18を形成する。なお、液晶化合物が重合性基を有する場合には、さらに、第1反射層16と同様に、組成物の硬化処理を行ってもよい。
本発明においては、好ましくは、上層反射層18も、前述の第1反射層16と同様に形成する。
すなわち、第1反射層16上に形成された組成物層中の液晶化合物の配向を、上層組成物を加熱することによって行い、液晶化合物を配向した後に、上層組成物の冷却処理および加熱処理を行う。
これにより、上層反射層18の波状構造の凹凸を大きくして、拡散反射性が優れる上層反射層18を形成できる。
上層反射層18の上に、さらに反射層(上層反射層)を形成する場合には、このような塗布法による上層反射層の形成を、形成する上層反射層の数に応じて、繰り返し行えばよい。
このような本発明の構造体14は、可視光波長域に選択反射特性を示す反射層を含むフィルムは、投映像表示用のスクリーンおよびハーフミラーとして利用することができる。また、反射帯域を制御することで、カラーフィルターまたはディスプレイの表示光の色純度を向上させるフィルタ(例えば特開2003−294948号公報参照)として利用することもできる。
また、構造体14は、光学素子の構成要素である、偏光素子、反射膜、反射防止膜、視野角補償膜、ホログラフィー、および、配向膜など、種々の用途に利用できる。
本発明の構造体14は、特に、投映像表示用のスクリーンなどの投影像表示用部材として好適に利用される。
すなわち、前述のような反射層の機能により、投射光のうち選択反射を示す波長において、いずれか一方のセンスの円偏光を反射させて、投映像を形成することができる。投映像は投映像表示用部材表面で表示され、そのように視認されるものであってもよく、観察者から見て投映像表示用部材の先に浮かび上がって見える虚像であってもよい。
また、前述のように、赤色光波長域、緑色光波長域、および青色光波長域にそれぞれ見かけ上の選択反射の中心波長を有する反射層をそれぞれ作製し、それらを積層することによりフルカラーの投映像の表示が可能である投映像表示用部材を作製することができる。
各反射層の選択反射の中心波長を、投映に用いられる光源の発光波長域、および投映像表示用部材の使用態様に応じて調節することにより、光利用効率良く鮮明な投映像を表示することができる。特に反射層の選択反射の中心波長をそれぞれ投映に用いられる光源の発光波長域などに応じてそれぞれ調節することにより、光利用効率良く鮮明なカラー投映像を表示することができる。
また、例えば、上記投映像表示用部材を可視光領域の光に対して透過性を有する構成とすることによりヘッドアップディスプレイのコンバイナとして使用可能なハーフミラーとすることができる。投映像表示用ハーフミラーは、プロジェクターから投映された画像を視認可能に表示することができるとともに、画像が表示されている同じ面側から投映像表示用ハーフミラーを観察したときに、反対の面側にある情報または風景を同時に観察することができる。
以下に、実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、および、処理手順などは、本発明の主旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[液晶組成物1〜5の調製]
下記の表1に示す成分を混合して、液晶組成物(塗布液)1〜5を調製した。なお、各成分の量は、全て、質量部である。
棒状液晶化合物101
棒状液晶化合物102
棒状液晶化合物201
棒状液晶化合物202
キラル剤A
配向制御剤(1)
配向制御剤(2)
[実施例1]
基板12として、ラビング処理を施したPET(poly-ethylene terephthalate)基板(東洋紡社製)を用意した。
基板12のラビング処理面に、第1層組成物として、液晶組成物1を室温にてワイヤーバーを用いて塗布した。液晶組成物の塗布層を室温にて50秒間乾燥させた後、95℃の雰囲気で1分間加熱して液晶化合物を配向させた。
その後、塗布層に対して30℃でフュージョン製Dバルブ(ランプ90mW/cm2)を用いて、出力80%で8秒間UV(紫外線)を照射し、基板12上に第1反射層16を形成した。上記手順においては、95℃で液晶化合物を配向させた後、30℃まで液晶組成物を冷却した。形成した第1反射層16の一部を剥離し、形状測定レーザマイクロスコープVK−X200(キーエンス社製)にて10倍の対物レンズを用いて、第1反射層16の膜厚を測定した。その結果、第1反射層16の膜厚は、3.4μmであった、
形成した第1反射層16の上に、上層組成物として、液晶組成物2を室温にてワイヤーバーを用いて塗布した。液晶組成物の塗布層を室温にて50秒間乾燥させた後、95℃の雰囲気で1分間加熱して液晶化合物を配向させた。
その後、塗布層に対して30℃でフュージョン製Dバルブ(ランプ90mW/cm2)を用いて、出力80%で8秒間UV(紫外線)を照射し、第1反射層16の上に、上層反射層18を形成して、基板12の上に構造体14を形成した。上記手順においては、95℃で液晶化合物を配向させた後、30℃まで液晶組成物を冷却した。第1反射層16と同様に形成した上層反射層18の膜厚を測定した結果、上層反射層18の膜厚は3.4μmであった。
<実施例2〜4、比較例1〜4>
使用する液晶組成物、および、液晶組成物の塗布量を変更した以外は、実施例1と同様にして、構造体14を形成した。
なお、比較例1および2では、反射層は1層のみ、形成した。
<評価>
実施例1〜4、および、比較例1〜4で作製した構造体14について、以下の評価を行った。
<<最も近い明部の凹凸の一致(凹凸の一致)>>
構造体14をウルトラミクロトームによって断面切削し、適切な前処理を行い、日立ハイテクノロジーズ社製のSU8030型SEMを用いて測定した。測定結果を解析して、第1反射層16および上層反射層18の最も近い明部20aおよび明部28aの波状構造の凹凸が一致しているか否かを検出した。
なお、第1反射層16と上層反射層18との界面が明確では無い場合には、各反射層の膜厚から、両反射層の界面を判断して、波状構造の凹凸の一致を検出した。
また、SEM像から、反射層の断面における明部と暗部との波状構造を確認した。その結果、実施例1〜4では、第1反射層16および上層反射層18の両者で、明確な波状構造が確認された。
比較例1も、反射層の断面には、明確な波状構造が確認された。なお、実施例4の上層反射層18と比較例1の反射層とは、全く同様に形成したものであるが、比較例1の反射層に比して、実施例4の上層反射層18の方が、大きな波状構造を有していた。
比較例2および比較例3は、いずれの反射層の断面にも明確な波状構造は確認されなかった(凹凸無し)。比較例4は、第1反射層16の断面では明確な波状構造は確認されなかったが(凹凸無し)、上層反射層18の断面には同様の明確な波状構造が確認された。
図5に、実施例3の構造体の断面のSEM写真を示す。
<<上層反射層由来の45°検出の反射量(45°反射量)>>
絶対反射率測定システム付きの分光光度計V−670(日本分光社製)に、上層反射層18を光源側に向けてセットし、0°入射45°検出の条件で、45°における反射性能の高さを評価した。45°における反射性能は、横軸が波長、縦軸が反射率のグラフを作成し、基板に由来する反射率を除去した上で、反射層(コレステリック液晶相)の選択反射波長に相当する500〜600nmの領域における反射ピークの面積を算出し、この面積の大きさを、45°における反射量として評価した。
以上の結果を下記の表2に示す。
液晶組成物1〜3を用いる反射層は、断面に明部および暗部の周期的な波状構造(凹凸構造)を有するため、0°入射した光を45°の方向に拡散反射する拡散反射性を有する反射層を形成できる。
ここで、本発明の構造体である実施例1〜4は、第1反射層16および上層反射層18が、共に明部および暗部の周期的な波状構造を有し、かつ、第1反射層16および上層反射層18の最も近い明部20aおよび明部28aの波状構造の凹凸が一致すなわち上層反射層18の波状構造が第1反射層16の波状構造に追従しているため、上層反射層18に由来して、高い拡散反射性を得られている。
具体的には、比較例1に示されるように、波状構造を形成できる液晶組成物2を用いて上層反射層18を形成することにより、ある程度の拡散反射性を得られるが、実施例1、2および実施例4に示されるように、波状構造を有する第1反射層16の上に、波状構造を有する上層反射層18を形成することで、上層反射層18が第1反射層16の波状構造に追従して、第1反射層16との界面付近から波状構造を有するために、非常に良好な拡散反射性を得ることができる。
また、比較例2に示されるように、液晶組成物4は、明部および暗部の波状構造を形成しないが、実施例3に示されるように、波状構造を形成する液晶組成物1を第1反射層16として、その上に液晶組成物4からなる上層反射層18を形成することで、液晶組成物4からなる上層反射層18も波状構造を形成し、良好な拡散反射性が得られる。
これに対し、比較例3に示されるように、波状構造を形成しない液晶組成物は、2層を積層しても、拡散反射性を得ることはできない。また、比較例4に示されるように、上層反射層18を波状構造を形成する液晶組成物2で形成することで、ある程度の拡散反射性が得られるが、第1反射層16が波状構造を有さないために、本発明の構造体に比して拡散反射性は低い。
以上の結果より、本発明の効果は明らかである。
10 反射部材
12 基板
14 構造体
16 第1反射層
18 上層反射層
20,28,B 明部
20a,28a 最も近い明部
24.30,D 暗部
32,34 層
p1.p2 ピッチ
t 位相差

Claims (11)

  1. コレステリック液晶相を固定化してなる反射層を、複数、積層した構造体であって、
    前記反射層は、前記構造体の断面において、前記コレステリック液晶相に由来する明部および暗部が波状構造を有し、
    隣接する前記反射層同士で、最も近い前記明部の波状構造の凹凸が一致している、構造体。
  2. 複数の前記反射層のうちの少なくとも1層の選択反射波長が、他の前記反射層の選択反射波長と異なる、請求項1に記載の構造体。
  3. 前記他の反射層と前記選択反射波長が異なる反射層は、前記他の反射層と前記選択反射波長が10nm以上異なる、請求項2に記載の構造体。
  4. 3層以上の前記反射層を有し、少なくとも1層の前記反射層は赤色光を反射し、少なくとも1層の前記反射層は緑色光を反射し、少なくとも1層の前記反射層は青色光を反射する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の構造体。
  5. 前記構造体の断面における前記反射層の波状構造は、隣接する前記反射層に最も近い前記明部の波状構造のピッチが0.5〜5μmである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の構造体。
  6. 前記反射層の厚さが0.5〜30μmである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の構造体。
  7. 前記反射層の選択反射波長が200〜2000nmである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の構造体。
  8. コレステリック液晶相を固定化してなる層であって、断面において、前記コレステリック液晶相に由来する明部および暗部が波状構造を有する、第1反射層を形成する工程、および、
    液晶化合物およびキラル剤を含む上層組成物を塗布して、前記液晶化合物を配向してコレステリック液晶相の状態として、上層反射層を形成する工程、を有し、
    前記第1反射層を形成する工程を行った後、前記第1反射層の上に前記上層反射層を形成する工程を行い、あるいはさらに、形成した前記上層反射層の上に、前記上層反射層を形成する工程を、1回以上行う、構造体の製造方法。
  9. 前記第1反射層を形成する工程は、
    液晶化合物およびキラル剤を含む第1層組成物を基板上に塗布し、塗布した前記第1層組成物を加熱することで、前記液晶化合物を配向させてコレステリック液晶相の状態とする処理を行い、その後、前記第1層組成物を、冷却または加熱する処理、を行う、請求項8に記載の構造体の製造方法。
  10. 前記第1反射層を形成する工程において、前記第1層組成物の冷却または加熱と同時に、あるいは、前記第1層組成物を冷却または加熱した後、前記第1層組成物を硬化する処理を行う、請求項9に記載の構造体の製造方法。
  11. 前記上層反射層を形成する工程では、少なくとも1層の前記上層反射層の形成の際に、前記上層組成物を塗布した後、前記上層組成物を加熱することによって前記液晶化合物を配向させてコレステリック液晶相の状態とし、その後、前記上層組成物を冷却する、請求項8〜10のいずれか1項に記載の構造体の製造方法。
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