JPWO2018159602A1 - ガスバリア性接着フィルム、並びに、電子部材及び光学部材 - Google Patents

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Abstract

本発明は、保護フィルム/ガスバリア層からなるガスバリア性ユニットと、接着性樹脂層/剥離フィルムからなる接着性ユニットとを有し、前記接着性樹脂層が、前記ガスバリア層上に、直接又はその他の層を介して積層されてなり、前記保護フィルムと前記剥離フィルムがそれぞれ最外層を構成するガスバリア性接着フィルムであって、前記保護フィルムの、ガスバリア層側の表面の表面抵抗率が、5.0×1011Ω/□以下であり、前記剥離フィルムの、少なくともどちらか一方の表面の表面抵抗率が、5.0×1011Ω/□以下である、ガスバリア性接着フィルム、並びに、このガスバリア性接着フィルムを備える電子部材及び光学部材である。本発明によれば、帯電防止性に優れるガスバリア性接着フィルム、並びに、このガスバリア性接着フィルムを備える電子部材及び光学部材が提供される。

Description

本発明は、帯電防止性に優れるガスバリア性接着フィルム、並びに、このガスバリア性接着フィルム由来のガスバリア層及び接着性樹脂層を備える電子部材及び光学部材に関する。
近年、有機EL素子は、低電圧直流駆動による高輝度発光が可能な発光素子として注目されている。
しかし、有機EL素子には、時間の経過とともに、発光輝度、発光効率、発光均一性等の発光特性が低下し易いという問題があった。
この発光特性の低下の問題の原因として、酸素や水分等が有機EL素子の内部に浸入し、電極や有機層を劣化させることが考えられる。
そして、この問題の対処方法として、封止材を用いる方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、基材フィルム上に、有機領域と無機領域を含むバリア層を有し、かつ、有機領域が設けられた側の最表面が接着層であるガスバリアフィルムを封止材として使用する、表示素子の封止方法が記載されている。
また、特許文献2には、剥離フィルム/粘着剤層/ガスバリア層/剥離フィルムの層構造を有する積層フィルムが記載されている。
特開2010−006039号公報(US20090061223A1) WO2013/018602号(US2014/0178622A1)
特許文献2に記載されるような剥離フィルムを有する積層フィルムを使用する際、剥離フィルムは所定の段階で剥離除去される。
しかしながら、ガスバリア層を有するフィルムは帯電し易い傾向があるため、剥離フィルムを剥離除去した後のガスバリア性接着フィルムが帯電し、有機EL素子に悪影響を与えたり、ガスバリア性接着フィルムにたわみが生じ、貼付作業を妨げたりすることがあった。
したがって、帯電防止性に優れるガスバリア性接着フィルムが要望されていた。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、帯電防止性に優れるガスバリア性接着フィルム、並びに、このガスバリア性接着フィルム由来のガスバリア層及び接着性樹脂層を備える電子部材及び光学部材を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく、保護フィルム/ガスバリア層からなるガスバリア性ユニットと、接着性樹脂層/剥離フィルムからなる接着性ユニットとを有し、前記接着性ユニットとガスバリア性ユニットとが、前記接着性ユニットの接着性樹脂層と、前記ガスバリア性ユニットのガスバリア層とが対向するように、直接又はその他の層を介して、積層されてなり、前記保護フィルムと前記剥離フィルムがそれぞれ最外層を構成するガスバリア性接着フィルムについて鋭意検討した。
その結果、保護フィルムと剥離フィルムの特定の面の表面抵抗率を低くする(特定値以下にする)ことにより、帯電防止性に優れ、対象物に貼付する際の作業を効率よく行うことができるガスバリア性接着フィルムが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして本発明によれば、下記〔1〕〜〔6〕のガスバリア性接着フィルム、並びに(7)の電子部材及び光学部材が提供される。
〔1〕保護フィルム/ガスバリア層からなるガスバリア性ユニットと、接着性樹脂層/剥離フィルムからなる接着性ユニットとを有し、前記接着性樹脂層が、前記ガスバリア層上に、直接又はその他の層を介して積層されてなり、前記保護フィルムと前記剥離フィルムがそれぞれ最外層を構成するガスバリア性接着フィルムであって、前記保護フィルムの、ガスバリア層側の表面の表面抵抗率が、5.0×1011Ω/□以下であり、前記剥離フィルムの、少なくともどちらか一方の表面の表面抵抗率が、5.0×1011Ω/□以下である、ガスバリア性接着フィルム。
〔2〕前記保護フィルムが、基材フィルム(α)と帯電防止性粘着剤部分層とを有する積層フィルム(α)である、〔1〕に記載のガスバリア性接着フィルム。
〔3〕前記ガスバリア層が、基材フィルム(β)とガスバリア性部分層とを有する積層フィルム(β)からなるものである、〔1〕又は〔2〕に記載のガスバリア性接着フィルム。
〔4〕前記接着性樹脂層に含まれる接着性樹脂が、ポリオレフィン系接着性樹脂である、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のガスバリア性接着フィルム。
〔5〕前記剥離フィルムが、基材フィルム(γ)、帯電防止性部分層、及び剥離性部分層を有し、前記剥離性部分層が一方の最外層を構成する積層フィルム(γ)である、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のガスバリア性接着フィルム。
〔6〕電子部材用又は光学部材用の接着フィルムである、〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載のガスバリア性接着フィルム。
〔7〕前記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載のガスバリア性接着フィルム由来のガスバリア層及び接着性樹脂層を備える電子部材又は光学部材。
本発明によれば、帯電防止性に優れるガスバリア性接着フィルム、並びに、このガスバリア性接着フィルム由来のガスバリア層及び接着性樹脂層を備える電子部材及び光学部材が提供される。
本発明のガスバリア性接着フィルムの層構造を表す模式図である。 本発明のガスバリア性接着フィルムの層構造を表す模式図である。 製造例7〜10で得られた剥離フィルム(1)〜(4)の層構造を表す模式図である。 製造例11〜14で得られた剥離フィルム付保護フィルム(1)〜(4)の層構造を表す模式図である。 実施例1、2で得られたガスバリア性接着フィルム(1)、(2)の層構造を表す模式図である。 実施例3、4で得られたガスバリア性接着フィルム(3)、(4)の層構造を表す模式図である。 実施例5、6で得られたガスバリア性接着フィルム(5)、(6)の層構造を表す模式図である。 比較例1、2で得られたガスバリア性接着フィルム(7)、(8)の層構造を表す模式図である。 比較例3、4で得られたガスバリア性接着フィルム(9)、(10)の層構造を表す模式図である。
以下、本発明を、1)ガスバリア性接着フィルム、並びに、2)電子部材及び光学部材、に項分けして詳細に説明する。
1)ガスバリア性接着フィルム
本発明のガスバリア性接着フィルムは、保護フィルム/ガスバリア層からなるガスバリア性ユニットと、接着性樹脂層/剥離フィルムからなる接着性ユニットとを有し、前記接着性樹脂層が、前記ガスバリア層上に、直接又はその他の層を介して積層されてなり、前記保護フィルムと前記剥離フィルムがそれぞれ最外層を構成するガスバリア性接着フィルムであって、前記保護フィルムの、ガスバリア層側の表面の表面抵抗率が、5.0×1011Ω/□以下であり、前記剥離フィルムの、少なくともどちらか一方の表面の表面抵抗率が、5.0×1011Ω/□以下であることを特徴とするものである。
なお、本明細書において「フィルム」には、短冊状のもののみならず、長尺状(帯状)のものも含まれる。
「長尺状」とは、フィルムの幅方向に対して、少なくとも5倍程度以上の長さを有するものをいい、好ましくは10倍もしくはそれ以上の長さを有し、具体的にはロール状に巻回されて保管又は運搬される程度の長さを有する形状をいう。
本発明のガスバリア性接着フィルムを構成する、保護フィルム、ガスバリア層、接着性樹脂層、剥離フィルムが、多層構造を有する場合、保護フィルム、ガスバリア層、接着性樹脂層、剥離フィルムを構成する層を表すときに、「部分層」ということがある。
〔保護フィルム〕
ガスバリア性ユニット中の保護フィルムは、剥離フィルムの一種であって、ガスバリア性接着フィルムの運搬及び保管時にガスバリア層を保護するためのフィルムであり、最終的には剥離除去されるものである。
保護フィルムの、ガスバリア層側の表面(ガスバリア性接着フィルムにおいて、ガスバリア層と接する面。以下、「表面(A)」ということがある。)の表面抵抗率は、5.0×1011Ω/□以下であり、好ましくは、1.0×10Ω/□以上5.0×1011Ω/□以下である。表面(A)の表面抵抗率を5.0×1011Ω/□以下にすることで、保護フィルムを剥離した後において、ガスバリア層表面の帯電量を小さくすることができる。
表面抵抗率は、実施例に記載された方法により測定することができる(以下にて同じ)。
また、「Ω/□」(オームパースクエア)は、単位面積当たりの抵抗値である(以下にて同じ)。
保護フィルムの、もう一方の表面(ガスバリア性接着フィルムにおいて、外部に露出した面。以下、「表面(B)」ということがある。)の表面抵抗率は、1.0×10Ω/□以上5.0×1011Ω/□以下が好ましく、1.0×10Ω/□以上5.0×1010Ω/□以下がより好ましい。
表面(B)の表面抵抗率が1.0×10Ω/□以上5.0×1011Ω/□以下のガスバリア性接着フィルムは、複数のガスバリア性接着フィルムが重ねられている場合や、ロール状に巻かれている場合において、ガスバリア性接着フィルム同士を剥がし易いものであるため、作業性により優れる。
保護フィルムの厚みは、通常、1〜300μm、好ましくは10〜200μm、より好ましくは20〜100μmである。
保護フィルムの層構造は特に限定されない。保護フィルムは単層構造を有するものであってもよいし、多層構造を有するものであってもよい。
目的の特性を有する保護フィルムが得られ易いことから、保護フィルムとしては多層構造を有するものが好ましい。
多層構造を有する保護フィルムとしては、基材フィルム(以下、保護フィルムを構成する基材フィルムを、「基材フィルム(α)」という。)と帯電防止性粘着剤部分層とを有する積層フィルム(以下、この積層フィルムを、「積層フィルム(α)」という。)が挙げられる。
基材フィルム(α)としては、グラシン紙、コート紙、上質紙等の紙基材;これらの紙基材にポリエチレンやポリプロピレン等の熱可塑性樹脂をラミネートしたラミネート紙;上記紙基材に、セルロース、デンプン、ポリビニルアルコール、アクリル−スチレン樹脂等で目止め処理を行った基材;樹脂フィルム;等が挙げられる。
これらの中でも、取扱いが容易であることから樹脂フィルムが好ましい。
樹脂フィルムの樹脂成分としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、アクリル系樹脂、シクロオレフィン系ポリマー、芳香族系重合体等が挙げられる。
これらの樹脂成分は、一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
基材フィルム(α)の厚みは、特に限定されない。基材フィルム(α)の厚みは、通常、300μm以下、好ましくは10〜200μmである。
基材フィルム(α)は、帯電防止剤を含有していてもよく、含有していなくてもよいが、帯電防止剤を含有するものが好ましい。基材フィルム(α)が帯電防止剤を含有することで、表面(B)の表面抵抗率が低い保護フィルムが得られ易くなる。
帯電防止剤は、基材フィルム(α)に帯電防止性を付与し得るものであればよく、特に限定されない。
帯電防止剤としては、イオン導電剤、イオン性液体、界面活性剤、導電性高分子等が挙げられる。
イオン導電剤としては、アルカリ金属塩とアルキレンオキサイド鎖を有するポリエーテル化合物を含むイオン導電剤が挙げられる。
アルカリ金属塩としては、Li、Na、K等のカチオンと、Cl、Br、I、BF 、PF 、SCN、ClO 、CFSO 、(CFSO)N、(CFSO)C等のアニオンから構成される金属塩が挙げられる。これらの中でも、LiBr、LiI、LiBF、LiPF、LiSCN、LiClO、LiCFSO、Li(CFSO)N、Li(CFSO)C等のリチウム塩が好ましい。
ポリエーテル化合物としては、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールが挙げられる。ポリエーテル化合物は、25℃で液体のものが好ましい。
ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールおよびこれらの誘導体が挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、酸成分と、グリコール成分又はポリオール成分との反応物や、ラクトン類の開環重合反応物が挙げられる。
酸成分としてはテレフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸等が挙げられる。
グリコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3’−ジメチロールヘプタン、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ブチルエチルペンタンジオール等が挙げられる。
ポリオール成分としては、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
ラクトン類としては、ポリカプロラクトン、ポリ(β−メチル−γ−バレロラクトン)、ポリバレロラクトン等が挙げられる。
また、ポリエーテル化合物として、特開平6−313807号公報に開示された、側鎖にアルキレンオキサイド鎖を有するオルガノポリシロキサンを使用することができる。
イオン性液体とは、25℃で液状のイオン性化合物をいう。
イオン性液体としては、含窒素オニウム塩、含硫黄オニウム塩及び含リンオニウム塩が挙げられる。
イオン性液体を構成するカチオンとしては、分子内にヘテロ環を有するカチオンや、分子内にヘテロ環を有しないカチオンが挙げられる。
分子内にヘテロ環を有するカチオンとしては、ヘテロ環内に窒素原子を1つ有するカチオン(以下、「カチオン(A)」ということがある。)、ヘテロ環内に窒素原子を2つ有するカチオン(ただし、2つの窒素原子は隣接していない。以下、「カチオン(B)」ということがある。)、ヘテロ環内に窒素原子を2つ有するカチオン(ただし、2つの窒素原子は隣接している。以下、「カチオン(C)」ということがある。)
カチオン(A)としては、ピリジニウムカチオン、ピペリジニウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、ピロリン骨格を有するカチオン、ピロール骨格を有するカチオンなどが挙げられる。これらの具体例としては、1−エチルピリジニウムカチオン、1−ブチルピリジニウムカチオン、1−へキシルピリジニウムカチオン、1−ブチル−3−メチルピリジニウムカチオン、1−ブチル−4−メチルピリジニウムカチオン、1−へキシル−3−メチルピリジニウムカチオン、1−ブチル−3,4−ジメチルピリジニウムカチオン、1,1−ジメチルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−メチルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムカチオン、2−メチル−1−ピロリンカチオン、1−エチル−2−フェニルインドールカチオン、1,2−ジメチルインドールカチオン及び1−エチルカルバゾールカチオン等が挙げられる。
カチオン(B)としては、イミダゾリウムカチオン、テトラヒドロピリミジニウムカチオン、ジヒドロピリミジニウムカチオン等が挙げられる。これらの具体例としては、1,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジエチルイミダゾリウムカチオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−デシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ドデシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−テトラデシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムカチオン、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1−へキシル−2,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,4−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,5−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,3−ジメチル−1,4−ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,3−ジメチル−1,6−ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3−トリメチル−1,4−ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3−トリメチル−1,6−ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,4−テトラメチル−1,4−ジヒドロピリミジニウムカチオン及び1,2,3,4−テトラメチル−1,6−ジヒドロピリミジニウムカチオン等が挙げられる。
カチオン(C)としては、ピラゾリウムカチオン、ピラゾリニウムカチオン等が挙げられる。これらの具体例としては、1−メチルピラゾリウムカチオン、3−メチルピラゾリウムカチオン及び1−エチル−2−メチルピラゾリニウムカチオン等が挙げられる。
分子内にヘテロ環を有しないカチオンとしては、テトラアルキルアンモニウムカチオン、トリアルキルスルホニウムカチオン、テトラアルキルホスホニウムカチオンや、上記アルキル基の一部がアルケニル基、アルコキシル基、エポキシ基等に置換されたもの等が挙げられる。
これらの具体例としては、テトラメチルアンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン、テトラブチルアンモニウムカチオン、テトラヘキシルアンモニウムカチオン、
トリメチルヘプチルアンモニウムカチオン、トリメチルデシルアンモニウムカチオン、トリエチルメチルアンモニウムカチオン、トリエチルプロピルアンモニウムカチオン、トリエチルペンチルアンモニウムカチオン、トリエチルヘプチルアンモニウムカチオン、トリブチルエチルアンモニウムカチオン、トリオクチルメチルアンモニウムカチオン、
N,N−ジメチル−N,N−ジプロピルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N,N−ジヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジプロピル−N,N−ジヘキシルアンモニウムカチオン、
N,N−ジメチル−N−エチル−N−プロピルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ブチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ノニルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ブチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−ブチル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−ブチル−N−ヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−ペンチル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−メチル−N−プロピルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−メチル−N−ヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、N,N−ジプロピル−N−メチル−N−エチルアンモニウムカチオン、N,N−ジプロピル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、N,N−ジプロピル−N−ブチル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジブチル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、N,N−ジブチル−N−メチル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、
N−メチル−N−エチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、
ジアリルジメチルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムカチオン、グリシジルトリメチルアンモニウムカチオン等のアンモニウムイオン;
トリメチルスルホニウムカチオン、トリエチルスルホニウムカチオン、トリブチルスルホニウムカチオン、トリヘキシルスルホニウムカチオン、
ジメチルデシルスルホニウムカチオン、ジエチルメチルスルホニウムカチオン、ジブチルエチルスルホニウムカチオン等のスルホニウムカチオン;
テトラメチルホスホニウムカチオン、テトラエチルホスホニウムカチオン、テトラブチルホスホニウムカチオン、テトラヘキシルホスホニウムカチオン、
トリメチルデシルホスホニウムカチオン、トリエチルメチルホスホニウムカチオン、トリブチルエチルホスホニウムカチオン等のホスホニウムカチオン;等が挙げられる。
イオン性液体を構成するアニオンとしては、塩がイオン性液体になるものであれば特に限定されない。アニオンとしては、Cl、Br、I、AlCl 、AlCl 、BF 、PF 、ClO 、NO 、CHCOO、CFCOO、CHSO 、CFSO 、(CFSO、(CFSO、AsF 、SbF 、NbF 、TaF 、F(HF) 、(CN)、CSO 、(CSO、CCOO、(CFSO)(CFCO)N等が挙げられる。
イオン性液体としては、1−ブチルピリジニウムテトラフルオロボレート、1−ブチルピリジニウムヘキサフルオロホスフェート、1−ブチル−3−メチルピリジニウムテトラフルオロボレート、1−ブチル−3−メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−ブチル−3−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ブチル−3−メチルピリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−へキシルピリジニウムテトラフルオロボレート、2−メチル−1−ピロリンテトラフルオロボレート、1−エチル−2−フェニルインドールテトラフルオロボレート、1,2−ジメチルインドールテトラフルオロボレート、1−エチルカルバゾールテトラフルオロボレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロアセテート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヘプタフルオロブチレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムペルフルオロブタンスルホネート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジシアナミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロアセテート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘプタフルオロブチレート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムペルフルオロブタンスルホネート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムブロミド、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−へキシル−2,3−ジメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチルピラゾリウムテトラフルオロボレート、3−メチルピラゾリウムテトラフルオロボレート、テトラヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ジアリルジメチルアンモニウムテトラフルオロボレート、ジアリルジメチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジアリルジメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ジアリルジメチルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、N,N―ジエチル―N―メチル―N−(2−メトキシエチル)アンモニウムテトラフルオロボレート、N,N―ジエチル―N―メチル―N−(2−メトキシエチル)アンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、N,N―ジエチル―N―メチル―N−(2−メトキシエチル)アンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N―ジエチル―N―メチル―N−(2−メトキシエチル)アンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、グリシジルトリメチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、
グリシジルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、グリシジルトリメチルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−ブチルピリジニウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、1−ブチル−3−メチルピリジニウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、ジアリルジメチルアンモニウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、グリシジルトリメチルアンモニウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−プロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ブチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−へキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ノニルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N,N−ジプロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ブチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−ブチル−N−ヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−ブチル−N−ヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−ペンチル−N−ヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N,N−ジヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリメチルヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−プロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−ヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリエチルプロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリエチルペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリエチルヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジプロピル−N−メチル−N−エチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジプロピル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジプロピル−N−ブチル−N−へキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジプロピル−N,N−ジヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジブチル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジブチル−N−メチル−N−ヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリオクチルメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−メチル−N−エチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド等が挙げられる
界面活性剤としては、グリセリン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンアルキルアミン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンアルキルアミン類、N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミン類、アルキルジエタノールアミド類などのノニオン系界面活性剤;
アルキルホスフェート塩類、アルキルスルホン酸塩類及びアルキルベンゼンスルホン酸塩類等のアニオン系界面活性剤;
4級アンモニウム塩類、アミド4級アンモニウム塩類等のカチオン系界面活性剤;
アルキルベタイン類、アルキルイミダゾリニウムベタイン類等の両性系界面活性剤;等が挙げられる。
導電性高分子としては、ポリチオフェン、PEDOT−PSS(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホン酸))、ポリアニリン、ポリピロール、ポリキノキサリン等が挙げられる。これらの中でも、ポリチオフェン、及びPEDOT−PSSが好ましい。
本発明において、帯電防止剤は、は一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
基材フィルム(α)に含まれる帯電防止剤の含有量は特に限定されず、目的の帯電防止性に応じて適宜決定することができる。
帯電防止性粘着剤部分層は粘着性及び帯電防止性を有する層であり、基材フィルム(α)上に、直接又はその他の層を介して積層される層である。
保護フィルム中に帯電防止性粘着剤部分層を設けることで、ガスバリア層を効率よく保護することができる。さらに、保護フィルムの表面(A)の表面抵抗率を、容易に5.0×1011Ω/□以下にすることができる。
帯電防止性粘着剤部分層の厚みは特に限定されない。帯電防止性粘着剤部分層の厚みは、通常、200μm以下、好ましくは5〜100μm、より好ましくは10〜50μmである。
帯電防止性粘着剤部分層としては、粘着性樹脂成分と帯電防止剤とを含有する層が挙げられる。
粘着性樹脂成分は、適度な粘着性と剥離性を有するものであれば、特に限定されない。
かかる樹脂成分としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、ゴム系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、適度な粘着性と剥離性を有することからアクリル系樹脂が好ましい。
アクリル系樹脂としては、炭素数1〜20のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート由来の繰り返し単位と、官能基含有モノマー由来の繰り返し単位を有するアクリル系共重合体が挙げられる。
炭素数1〜20のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、およびステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
官能基含有モノマーとしては、ヒドロキシ基含有モノマー、カルボキシ基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、アミノ基含有物モノマー、シアノ基含有モノマー、ケト基含有モノマー、アルコキシシリル基含有モノマー等が挙げられる。これらの中でも、官能基含有モノマーとしては、ヒドロキシ基含有モノマー、カルボキシ基含有モノマーが好ましい。
ヒドロキシ基含有モノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
カルボキシ基含有モノマーとしては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等が挙げられる。
帯電防止性粘着剤部分層は、架橋構造が形成されていてもよい。架橋構造は、架橋剤を用いる公知の方法により形成することができる。
帯電防止剤は、粘着剤に帯電防止性を付与し得るものであればよく、特に限定されない。
帯電防止剤としては、基材フィルム(α)中の帯電防止剤として示したものと同様のものが挙げられる。
帯電防止性粘着剤部分層に含まれる帯電防止剤の含有量は特に限定されず、目的の帯電防止性に応じて適宜決定することができる。帯電防止性粘着剤中の帯電防止剤の配合量は、粘着性樹脂100質量部に対して0.05〜10質量部が好ましい。この配合量が0.05質量部以上であると、帯電防止性能がよりよく発現される。一方、帯電防止剤の配合量が10質量部以下であると、帯電防止性能と粘着剤の耐久性とのバランスがより良好となる。このような観点から、帯電防止剤の配合量は、0.05〜5質量部が好ましく、0.06〜3質量部がより好ましい。
帯電防止性粘着剤部分層は、粘着性樹脂成分、帯電防止剤に加えて、粘着付与剤等のその他の成分を含有するものであってもよい。
積層フィルム(α)は、基材フィルム(α)、帯電防止性粘着剤部分層以外の層を有していてもよい。このような層としては、帯電防止性部分層が挙げられる。
帯電防止性部分層としては、帯電防止剤を含有する層が挙げられる。この帯電防止剤としては、基材フィルム(α)中の帯電防止剤として示したものと同様のものが挙げられる。
帯電防止性部分層を有する積層フィルム(α)としては、帯電防止性粘着剤部分層/基材フィルム(α)/帯電防止性部分層、の層構造を有する積層フィルムが挙げられる。
積層フィルム(α)は、例えば、基材フィルム(α)上に、帯電防止剤等を含有する粘着剤塗布液を塗布し、得られた塗膜を乾燥することにより製造することができる。
塗布方法、乾燥方法は特に限定されず、公知の方法を適宜利用することができる。
また、帯電防止性部分層を有する積層フィルム(α)は、例えば、市販の帯電防止層付基材フィルムの表面に帯電防止性粘着剤部分層を形成することで効率よく製造することができる。
保護フィルムが、積層フィルム(α)である場合、保護フィルムの表面(A)の表面抵抗率の観点から、帯電防止性粘着剤部分層が、ガスバリア層に接することが好ましい。
〔ガスバリア層〕
ガスバリア性ユニット中のガスバリア層は、ガスバリア性を有する層である。ガスバリア性とは、水蒸気等の気体の透過を抑制する性質をいう。
ガスバリア層の厚みは、通常、1〜300μm、好ましくは10〜200nm、より好ましくは20〜200nmである。
ガスバリア層の、温度40℃、相対湿度90%の雰囲気下における水蒸気透過率は、好ましくは0.100g/m/day以下、より好ましくは0.05g/m/day以下、さらに好ましくは0.03g/m/day以下である。下限値は特になく、小さいほど好ましいが、通常は0.001g/m/day以上である。
ガスバリア層の水蒸気等の透過率は、公知のガス透過率測定装置を使用して測定することができる。
ガスバリア層の層構造は特に限定されない。ガスバリア層は単層構造を有するものであってもよいし、多層構造を有するものであってもよい。
目的の特性を有するガスバリア層を形成し易いことから、ガスバリア層としては多層構造を有するものが好ましい。
単層構造を有するガスバリア層としては、例えば、後述する積層フィルム(β)におけるガスバリア性部分層と同様のものが挙げられる。
多層構造を有するガスバリア層としては、基材フィルム(以下、ガスバリア層を構成する基材フィルムを、「基材フィルム(β)」という。)とガスバリア性部分層とを有する積層フィルム(以下、この積層フィルムを、「積層フィルム(β)」という。)からなるものが挙げられる。
基材フィルム(β)の厚みは特に限定されない。基材フィルム(β)の厚みは、通常、0.5〜500μm、好ましくは1〜100μmである。
基材フィルム(β)としては、通常、樹脂フィルムが用いられる。
樹脂フィルムの樹脂成分としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、アクリル系樹脂、シクロオレフィン系ポリマー、芳香族系重合体等が挙げられる。
これらの中でも、透明性により優れ、かつ、汎用性があることから、ポリエステル、ポリアミド又はシクロオレフィン系ポリマーが好ましく、ポリエステル又はシクロオレフィン系ポリマーがより好ましい。
ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート等が挙げられ、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
ポリアミドとしては、全芳香族ポリアミド、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン共重合体等が挙げられる。
シクロオレフィン系ポリマーとしては、ノルボルネン系重合体、単環の環状オレフィン系重合体、環状共役ジエン系重合体、ビニル脂環式炭化水素重合体、及びこれらの水素化物が挙げられる。その具体例としては、アペル(三井化学社製のエチレン−シクロオレフィン共重合体)、アートン(JSR社製のノルボルネン系重合体)、ゼオノア(日本ゼオン社製のノルボルネン系重合体)等が挙げられる。
樹脂フィルムは、各種添加剤を含有していてもよい。添加剤としては、紫外線吸収剤、帯電防止剤、安定剤、酸化防止剤、可塑剤、滑剤、着色顔料等が挙げられる。これらの添加剤の含有量は、目的に合わせて適宜決定すればよい。
樹脂フィルムは、樹脂成分及び所望により各種添加剤を含む樹脂組成物を調製し、これをフィルム状に成形することにより得ることができる。成形方法は特に限定されず、キャスト法や溶融押出法等の公知の方法を利用することができる。
積層フィルム(β)を構成するガスバリア性部分層としては、無機蒸着膜からなるガスバリア性部分層、ガスバリア性樹脂を含むガスバリア性部分層、高分子化合物を含む層(以下、「高分子層」ということがある。)の表面が改質されてなるガスバリア性部分層等が挙げられる。なお、この場合、ガスバリア性部分層とは、改質された領域のみを意味するのではなく、「改質された領域を含む高分子層」を意味する。
これらの中でも、薄く、ガスバリア性に優れる層を効率よく形成できることから、無機蒸着膜からなるガスバリア性部分層、又は高分子層の表面が改質されてなるガスバリア性部分層が好ましい。
無機蒸着膜としては、無機化合物や金属の蒸着膜が挙げられる。
無機化合物の蒸着膜の原料としては、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ等の無機酸化物;窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化チタン等の無機窒化物;無機炭化物;無機硫化物;酸化窒化ケイ素等の無機酸化窒化物;無機酸化炭化物;無機窒化炭化物;無機酸化窒化炭化物等が挙げられる。
金属の蒸着膜の原料としては、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、及びスズ等が挙げられる。
これらは、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、ガスバリア性の観点から、無機酸化物、無機窒化物又は金属を原料とする無機蒸着膜が好ましく、さらに、透明性の観点から、無機酸化物又は無機窒化物を原料とする無機蒸着膜が好ましい。また、無機蒸着膜は、単層でもよく、多層でもよい。
無機蒸着膜の厚みは、ガスバリア性と取り扱い性の観点から、好ましくは1〜2000nm、より好ましくは3〜1000nm、より好ましくは5〜500nm、さらに好ましくは40〜200nmの範囲である。
無機蒸着膜を形成する方法は特に制限されず、公知の方法を使用することができる。無機蒸着膜を形成する方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等のPVD法や、熱CVD法、プラズマCVD法、光CVD法等のCVD法、原子層堆積法(ALD法)が挙げられる。
前記ガスバリア性樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、又はその部分ケン化物、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン等の、酸素や水蒸気等を透過しにくい樹脂が挙げられる。
ガスバリア性樹脂を含むガスバリア性部分層の厚みは、ガスバリア性の観点から、好ましくは1〜2000nm、より好ましくは3〜1000nm、より好ましくは5〜500nm、さらに好ましくは40〜200nmの範囲である。
ガスバリア性樹脂を含むガスバリア性部分層を形成する方法としては、ガスバリア性樹脂を含む溶液を、保護フィルム上に塗布し、得られた塗膜を適宜乾燥する方法が挙げられる。
樹脂溶液の塗布方法は特に限定されず、スピンコート法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法等の公知の塗布方法が挙げられる。
塗膜の乾燥方法としては、熱風乾燥、熱ロール乾燥、赤外線照射等、従来公知の乾燥方法を利用することができる。
高分子層の表面が改質されてなるガスバリア性部分層において、用いる高分子化合物としては、ケイ素含有高分子化合物、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、アクリル系樹脂、脂環式炭化水素系樹脂、芳香族系重合体等が挙げられる。
これらの高分子化合物は1種単独で、あるいは2種以上を組合せて用いることができる。
高分子層は、高分子化合物の他に、本発明の目的を阻害しない範囲で他の成分を含有してもよい。他の成分としては、硬化剤、老化防止剤、光安定剤、難燃剤等が挙げられる。
高分子層中の高分子化合物の含有量は、よりガスバリア性に優れるガスバリア性部分層を形成し得ることから、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましい。
高分子層の厚みは、特に制限されないが、通常20nmから50μm、好ましくは30nmから1μm、より好ましくは40nmから500nmである。
高分子層は、例えば、高分子化合物を有機溶剤に溶解又は分散した液を、公知の塗布方法によって、保護フィルム上に塗布し、得られた塗膜を乾燥することにより形成することができる。
有機溶剤としては、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタンなどの脂肪族炭化水素系溶媒;シクロペンタン、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素系溶媒;等が挙げられる。
これらの溶媒は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
塗布方法としては、バーコート法、スピンコート法、ディッピング法、ロールコート法、グラビアコート法、ナイフコート法、エアナイフコート法、ロールナイフコート法、ダイコート法、スクリーン印刷法、スプレーコート法、グラビアオフセット法等が挙げられる。
塗膜の乾燥方法としては、熱風乾燥、熱ロール乾燥、赤外線照射等、従来公知の乾燥方法が挙げられる。加熱温度は、通常、80〜150℃であり、加熱時間は、通常、数十秒から数十分である。
高分子層の表面を改質する方法としては、イオン注入処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、熱処理等が挙げられる。
イオン注入処理は、後述するように、加速させたイオンを高分子層に注入して、高分子層を改質する方法である。
プラズマ処理は、高分子層をプラズマ中に晒して、高分子層を改質する方法である。例えば、特開2012−106421号公報に記載の方法に従って、プラズマ処理を行うことができる。
紫外線照射処理は、高分子層に紫外線を照射して高分子層を改質する方法である。例えば、特開2013−226757号公報に記載の方法に従って、紫外線改質処理を行うことができる。
これらのガスバリア性部分層の中でも、よりガスバリア性に優れることから、ケイ素系高分子化合物を含む層にイオン注入処理を施して得られるものがより好ましい。
ケイ素含有高分子化合物としては、ポリシラザン系化合物、ポリカルボシラン系化合物、ポリシラン系化合物、ポリオルガノシロキサン系化合物、ポリ(ジシラニレンフェニレン)系化合物、及びポリ(ジシラニレンエチニレン)系化合物等が挙げられ、ポリシラザン系化合物がより好ましい。
ポリシラザン系化合物は、分子内に−Si−N−結合(シラザン結合)を含む繰り返し単位を有する化合物である。具体的には、式(1)
Figure 2018159602
で表される繰り返し単位を有する化合物が好ましい。また、用いるポリシラザン系化合物の数平均分子量は、特に限定されないが、100〜50,000であるのが好ましい。
前記式(1)中、nは任意の自然数を表す。Rx、Ry、Rzは、それぞれ独立して、水素原子、無置換若しくは置換基を有するアルキル基、無置換若しくは置換基を有するシクロアルキル基、無置換若しくは置換基を有するアルケニル基、無置換若しくは置換基を有するアリール基又はアルキルシリル基等の非加水分解性基を表す。
前記無置換若しくは置換基を有するアルキル基のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−へキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等の炭素数1〜10のアルキル基が挙げられる。
無置換若しくは置換基を有するシクロアルキル基のシクロアルキル基としては、例えば、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロへプチル基等の炭素数3〜10のシクロアルキル基が挙げられる。
無置換若しくは置換基を有するアルケニル基のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基等の炭素数2〜10のアルケニル基が挙げられる。
前記アルキル基、シクロアルキル基及びアルケニル基の置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;ヒドロキシル基;チオール基;エポキシ基;グリシドキシ基;(メタ)アクリロイルオキシ基;フェニル基、4−メチルフェニル基、4−クロロフェニル基等の無置換若しくは置換基を有するアリール基;等が挙げられる。
無置換又は置換基を有するアリール基のアリール基としては、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等の炭素数6〜15のアリール基が挙げられる。
前記アリール基の置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;ニトロ基;シアノ基;ヒドロキシル基;チオール基;エポキシ基;グリシドキシ基;(メタ)アクリロイルオキシ基;フェニル基、4−メチルフェニル基、4−クロロフェニル基等の無置換若しくは置換基を有するアリール基;等が挙げられる。
アルキルシリル基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリt-ブチルシリル基、メチルジエチルシリル基、ジメチルシリル基、ジエチルシリル基、メチルシリル基、エチルシリル基等が挙げられる。
これらの中でも、Rx、Ry、Rzとしては、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又はフェニル基が好ましく、水素原子が特に好ましい。
前記式(1)で表される繰り返し単位を有するポリシラザン系化合物としては、Rx、Ry、Rzが全て水素原子である無機ポリシラザン、Rx、Ry、Rzの少なくとも1つが水素原子ではない有機ポリシラザンのいずれであってもよい。
また、本発明においては、ポリシラザン系化合物として、ポリシラザン変性物を用いることもできる。ポリシラザン変性物としては、例えば、特開昭62−195024号公報、特開平2−84437号公報、特開昭63−81122号公報、特開平1−138108号公報等、特開平2−175726号公報、特開平5−238827号公報、特開平5−238827号公報、特開平6−122852号公報、特開平6−306329号公報、特開平6−299118号公報、特開平9−31333号公報、特開平5−345826号公報、特開平4−63833号公報等に記載されているものが挙げられる。
これらの中でも、ポリシラザン系化合物としては、入手容易性、及び優れたガスバリア性を有するイオン注入層を形成できる観点から、Rx、Ry、Rzが全て水素原子であるペルヒドロポリシラザンが好ましい。
また、ポリシラザン系化合物としては、ガラスコーティング材等として市販されている市販品をそのまま使用することもできる。
ポリシラザン系化合物は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
高分子層に注入するイオンとしては、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン等の希ガスのイオン;フルオロカーボン、水素、窒素、酸素、二酸化炭素、塩素、フッ素、硫黄等のイオン;メタン、エタン等のアルカン系ガス類のイオン;エチレン、プロピレン等のアルケン系ガス類のイオン;ペンタジエン、ブタジエン等のアルカジエン系ガス類のイオン;アセチレン等のアルキン系ガス類のイオン;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素系ガス類のイオン;シクロプロパン等のシクロアルカン系ガス類のイオン;シクロペンテン等のシクロアルケン系ガス類のイオン;金属のイオン;有機ケイ素化合物のイオン;等が挙げられる。
これらのイオンは1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、より簡便にイオンを注入することができ、より優れたガスバリア性を有するガスバリア性部分層を形成し得ることから、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン等の希ガスのイオンが好ましい。
イオンの注入量は、ガスバリア性接着フィルムの使用目的(必要なガスバリア性、透明性等)等に合わせて適宜決定することができる。
イオンを注入する方法としては、電界により加速されたイオン(イオンビーム)を照射する方法、プラズマ中のイオンを注入する方法等が挙げられる。なかでも、簡便に目的のガスバリア性部分層を形成できることから、後者のプラズマ中のイオンを注入する方法(プラズマイオン注入法)が好ましい。
プラズマイオン注入法は、例えば、希ガス等のプラズマ生成ガスを含む雰囲気下でプラズマを発生させ、高分子層に負の高電圧パルスを印加することにより、該プラズマ中のイオン(陽イオン)を、高分子層の表面部に注入して行うことができる。プラズマイオン注入法は、より具体的には、WO2010/107018号パンフレット等に記載された方法により実施することができる。
イオン注入により、イオンが注入される領域の厚みは、イオンの種類や印加電圧、処理時間等の注入条件により制御することができ、高分子層の厚みや積層体の使用目的等に応じて決定すればよいが、通常、高分子層の表面から深さ方向に、10〜400nmである。
イオンが注入されたことは、X線光電子分光分析(XPS)を用いて高分子層の表面から10nm付近の元素分析測定を行うことによって確認することができる。
積層フィルム(β)は、その他の層を有していてもよい。その他の層としては、プライマー層、導電性層、ハードコート層等が挙げられる。
〔接着性樹脂層〕
接着性ユニット中の接着性樹脂層は、対象物との接着に用いられる層である。
本発明において、接着性樹脂とは、粘着剤、接着剤、粘接着剤等の接合剤を意味する。
接着性樹脂層の厚みは、ガスバリア性接着フィルムの使用目的等を考慮して適宜選定することができる。その厚みは、通常、0.1〜1000μm、好ましくは0.5〜500μm、より好ましくは1〜100μm、さらに好ましくは1〜30μmである。
0.1μm以上であれば、十分な粘着力又は接着力を有するガスバリア性接着フィルムが得られる。1000μm以下であれば、ガスバリア性接着フィルムの折り曲げ性が良好であり、また、生産性や取り扱い性の点で有利である。
接着性樹脂層の水蒸気透過率は、50μm厚み換算値で、好ましくは100g/m/day以下であり、より好ましくは50g/m/day以下である。
接着性樹脂層の水蒸気透過率(50μm厚み換算値)が、100g/m/day以下であることで、接着性樹脂層の端部からの水蒸気等の浸入をより抑制することができる。このような接着性樹脂層を有するガスバリア性接着フィルムは、封止材の形成材料として好ましく用いられる。
接着性樹脂層の水蒸気透過率は、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム等のガスバリア性が低い支持体上に接着性樹脂層を形成したものを試料として測定することができる。また、水蒸気透過率は、接着性樹脂層の厚みに反比例することを利用して、厚みが50μmのときの水蒸気透過率を算出することができる。
接着性樹脂層としては、ゴム系接着性樹脂、ポリオレフィン系接着性樹脂、エポキシ系接着性樹脂、シリコーン系接着性樹脂等の接着性樹脂を用いて形成されたものが挙げられる。
これらの接着性樹脂を用いることで、ガスバリア性に優れる接着性樹脂層を効率よく形成することができる。
特に、ガスバリア性により優れる接着性樹脂層が得られ易いことから、ポリオレフィン系接着性樹脂を用いて接着性樹脂層を形成することが好ましい。
ゴム系接着性樹脂としては、天然ゴム、天然ゴムに、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、スチレン及び(メタ)アクリロニトリルから選ばれる1種又は2種以上の単量体をグラフト重合させた変性天然ゴムを主成分とする接着性樹脂;イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、メタクリル酸メチル−ブタジエンゴム、ウレタンゴム、ポリイソブチレン系樹脂、ポリブテン樹脂等を主成分とする接着性樹脂;等が挙げられる。
ゴム系接着性樹脂の中では、ポリイソブチレン系樹脂を主成分とする接着性樹脂が好ましい。ポリイソブチレン系樹脂としては、例えば、イソブチレンの単独重合体、イソブチレンとイソプレンの共重合体、イソブチレンとn−ブテンの共重合体、イソブチレンとブタジエンの共重合体、及びこれらの単独重合体又は共重合体を臭素化又は塩素化等したハロゲン化ブチルゴム等が挙げられる。これらの樹脂は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、ポリイソブチレン系樹脂が共重合体である場合、イソブチレンからなる構成単位が、全モノマー成分の中で一番多く含まれているものとする。
ポリイソブチレン系樹脂の質量平均分子量は、好ましくは1万〜60万、より好ましくは10万〜50万である。
本明細書において、「主成分」とは、固形分中、50質量%以上を占める成分をいう(以下にて同じ)。
ポリオレフィン系接着性樹脂としては、変性ポリオレフィン樹脂を主成分とする接着性樹脂が挙げられる。
変性ポリオレフィン系樹脂は、前駆体としてのポリオレフィン樹脂に、変性剤を用いて変性処理を施して得られる、官能基が導入されたポリオレフィン樹脂である。
ポリオレフィン樹脂としては、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)、エチレン−プロピレン共重合体、オレフィン系エラストマー(TPO)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体などが挙げられる。
ポリオレフィン樹脂の変性処理に用いる変性剤は、分子内に、架橋反応に寄与し得る官能基を有する化合物である。
官能基としては、カルボキシル基、カルボン酸無水物基、カルボン酸エステル基、水酸基、エポキシ基、アミド基、アンモニウム基、ニトリル基、アミノ基、イミド基、イソシアネート基、アセチル基、チオール基、エーテル基、チオエーテル基、スルホン基、ホスホン基、ニトロ基、ウレタン基、ハロゲン原子等が挙げられる。これらの中でも、カルボキシル基、カルボン酸無水物基、カルボン酸エステル基、水酸基、アンモニウム基、アミノ基、イミド基、イソシアネート基が好ましく、カルボン酸無水物基、アルコキシシリル基がより好ましく、カルボン酸無水物基が特に好ましい。
エポキシ系接着性樹脂としては、脂肪鎖変性エポキシ樹脂、シクロペンタジエン変性エポキシ樹脂、ナフタレン変性エポキシ樹脂等の炭化水素変性エポキシ樹脂、エラストマー変性エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂を主成分とする接着性樹脂が挙げられる。
シリコーン系接着性樹脂としては、側鎖に、架橋反応に寄与し得る官能基を有するポリオルガノシロキサン等を有する接着性樹脂が挙げられる。
これらの接着性樹脂は、必要に応じて、硬化剤、架橋剤、重合開始剤、光安定剤、酸化防止剤、粘着付与剤、可塑剤、紫外線吸収剤、着色剤、樹脂安定剤、充てん剤、顔料、増量剤、帯電防止剤等を含有してもよい。
これらの成分は、各接着性樹脂に応じて適宜選択して用いることができる。
接着性樹脂層は、例えば、接着性樹脂層形成用塗布液を調製し、これを剥離フィルム上に塗布し、得られた塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱や活性エネルギー線を照射して硬化させることにより、形成することができる。
塗布方法、乾燥方法、硬化方法は特に限定されず、公知の方法を適宜利用することができる。
〔剥離フィルム〕
接着性ユニット中の剥離フィルムは、ガスバリア性接着フィルムの運搬及び保管時に、接着性樹脂層を保護するためのフィルムであり、最終的には剥離除去されるものである。
剥離フィルムの、接着性樹脂層側の表面(ガスバリア性接着フィルムにおいて、接着性樹脂層と接する面。以下、「表面(C)」ということがある。)と、もう一方の表面(ガスバリア性接着フィルムにおいて、外部に露出した面。以下、「表面(D)」ということがある。)の少なくともどちらか一方の表面抵抗率は、5.0×1011Ω/□以下である。表面(C)の表面抵抗率は、通常、1.0×1010Ω/□以上5.0×1011Ω/□以下であり、表面(D)の表面抵抗率は、通常、1.0×10Ω/□以上5.0×1011Ω/□以下である。
表面(C)と表面(D)の少なくともどちらか一方の表面抵抗率を5.0×1011Ω/□以下にすることで、剥離フィルムを剥離した後において、接着性樹脂層の帯電量を小さくすることができる。
特に、表面(D)の表面抵抗率が小さいガスバリア性接着フィルムは、複数のガスバリア性接着フィルムが重ねられている場合や、ロール状に巻かれている場合において、ガスバリア性接着フィルム同士を剥がし易いものであるため、作業性により優れる。
剥離フィルムの厚みは、特に制限はないが、通常、1〜300μmであり、好ましくは10〜100μmである。
剥離フィルムの層構造は特に限定されない。剥離フィルムは単層構造を有するものであってもよいし、多層構造を有するものであってもよい。
目的の特性を有する剥離フィルムが得られ易いことから、剥離フィルムとしては多層構造を有するものが好ましい。
多層構造を有する剥離フィルムとしては、基材フィルム(以下、剥離フィルムを構成する基材フィルムを、「基材フィルム(γ)」という。)、帯電防止性部分層、及び剥離性部分層を有し、一方の最外層が剥離性部分層である積層フィルム(以下、この積層フィルムを、「積層フィルム(γ)」という。)が挙げられる。
積層フィルム(γ)の層構造としては、「基材フィルム(γ)/帯電防止性部分層/剥離性部分層」や、「帯電防止性部分層/基材フィルム(γ)/剥離性部分層」が挙げられる。
基材フィルム(γ)としては、基材フィルム(α)として示したものと同様のものが挙げられる。
基材フィルム(γ)は、帯電防止剤を含有するものが好ましい。帯電防止剤を含有する基材フィルム(γ)を用いることで、剥離フィルムの表面(C)、(D)の表面抵抗率をより効率よく低くすることができる。帯電防止剤としては、基材フィルム(α)中の帯電防止剤として示したものと同様のものが挙げられる。
基材フィルム(γ)中の帯電防止剤の含有量は特に限定されず、目的の帯電防止性に応じて適宜決定することができる。
帯電防止性部分層は、帯電防止性(静電気(帯電圧)を速く逃がすことができる性質をいう。表面抵抗率が低いほど帯電防止性に優れる)を有する層であり、基材フィルム(γ)上に、直接又はその他の層を介して積層される層である。
剥離フィルム中に帯電防止性部分層を設けることで、剥離フィルムの表面(C)の表面抵抗率を、容易に5.0×1011Ω/□以下にすることができる。
帯電防止性部分層の厚みは特に限定されない。帯電防止性部分層の厚みは、通常、10μm以下、好ましくは0.01〜5μm、より好ましくは0.03〜3μmである。
帯電防止性部分層としては、樹脂成分と、帯電防止剤とを含有する層が挙げられる。
樹脂成分は、帯電防止剤を固定し得るものであれば、特に限定されない。
かかる樹脂成分としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、ゴム系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。
帯電防止剤は、帯電防止性を有するものであればよく、特に限定されない。
帯電防止剤としては、基材フィルム(α)中の帯電防止剤として示したものと同様のものが挙げられる。
帯電防止性部分層に含まれる帯電防止剤の含有量は特に限定されず、目的の帯電防止性に応じて適宜決定することができる。
剥離性部分層は、剥離性を有する層であり、剥離フィルムの一方の最外層を構成するものである。本発明のガスバリア性接着フィルムにおいて、剥離性部分層を接着性樹脂層に隣接させることで、本発明のガスバリア性接着フィルムの接着性樹脂層をより効率よく露出させることができる。
剥離性部分層の厚みは特に限定されないが、通常、0.01〜3.0μm、好ましくは0.03〜2.0μmである。
剥離性部分層は、剥離剤を用いて形成することができる。
剥離剤としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂;イソプレン系樹脂、ブタジエン系樹脂等のゴム系エラストマー;長鎖アルキル系樹脂;アルキド系樹脂;フッ素系樹脂;シリコーン系樹脂;等を含むものが挙げられる。
積層フィルム(γ)は、例えば、基材フィルム(γ)上に、帯電防止剤等を含有する塗布液を塗布し、得られた塗膜を乾燥することにより帯電防止性部分層を形成した後、帯電防止性部分層の上に、剥離剤を塗布し、得られた塗膜を乾燥して剥離性部分層を形成することにより製造することができる。
塗布方法、乾燥方法は特に限定されず、公知の方法を適宜利用することができる。
〔ガスバリア性接着フィルム〕
本発明のガスバリア性接着フィルムは、前記ガスバリア性ユニットと、前記接着性ユニットとを有し、前記接着性ユニットの接着性樹脂層が、前記ガスバリア性ユニットのガスバリア層上に、直接又はその他の層を介して積層されてなり、前記保護フィルムと前記剥離フィルムがそれぞれ最外層を構成するものである。
本発明のガスバリア性接着フィルムとしては、例えば、図1、図2に示すものが挙げられる。
図1(A)に示すガスバリア性接着フィルム(1)は、保護フィルム(2)/ガスバリア層(3)からなるガスバリア性ユニット(4)と、接着性樹脂層(5)/剥離フィルム(6)からなる接着性ユニット(7)とを有し、前記接着性樹脂層(5)が、前記ガスバリア層(3)上に直接積層されてなり、前記保護フィルム(2)と前記剥離フィルム(6)がそれぞれ最外層を構成する層構成を有するものである。
また、図1(B)に示すように、保護フィルム(2)には、表面(A)(8)と表面(B)(9)が存在する。そして、表面(A)(8)の表面抵抗率は、5.0×1011Ω/□以下である。
一方、剥離フィルム(6)には、表面(C)(10)と表面(D)(11)が存在する。そして、表面(C)(10)と表面(D)(11)の、少なくともどちらか一方の表面の表面抵抗率は、5.0×1011Ω/□以下である。
図2に示すガスバリア性接着フィルム(12)は、保護フィルム(13)/ガスバリア層(14)からなるガスバリア性ユニット(15)と、接着性樹脂層(16)/剥離フィルム(17)からなる接着性ユニット(18)とを有し、前記接着性樹脂層(16)が、前記ガスバリア層(14)上に、その他の層(19)を介して積層されてなり、前記保護フィルム(13)と前記剥離フィルム(17)がそれぞれ最外層を構成するものである。
図2に示すガスバリア性接着フィルム(12)においても、保護フィルム(13)の表面(A)(ガスバリア層(14)側とは反対側の面)の表面抵抗率は、5.0×1011Ω/□以下であり、剥離フィルム(17)の表面(C)(接着性樹脂層(16)と隣接する面)と表面(D)(接着性樹脂層(16)側とは反対側の面)の、少なくともどちらか一方の表面の表面抵抗率は、5.0×1011Ω/□以下である。
本発明のガスバリア性接着フィルムが、ガスバリア性接着フィルム(12)のように、その他の層を有する場合、その他の層としては、プライマー層、導電体層、屈折率調整層、色素層等が挙げられる。
本発明のガスバリア性接着フィルムの実質的な厚み(保護フィルムと剥離フィルム以外の層の合計厚み)は、通常、1〜300μm、好ましくは5〜200μm、より好ましくは10〜150μmである。
本発明のガスバリア性接着フィルムの製造方法は特に限定されない。
例えば、本発明のガスバリア性接着フィルムは、保護フィルムとガスバリア層からなるガスバリア性ユニット用積層体と、接着性樹脂層と剥離フィルムからなる接着性ユニット用積層体とをそれぞれ得た後、ガスバリア性ユニット用積層体のガスバリア層と、接着性ユニット用積層体の接着性樹脂層が対向するように重ねて、ガスバリア性ユニット用積層体と接着性ユニット用積層体とを貼着することより製造することができる。
本発明のガスバリア性接着フィルムは、保護フィルムや剥離フィルムを剥離除去した後において、帯電し難いものである。したがって、有機EL素子等に貼着する場合であっても、有機EL素子の故障等を引き起こし難いものである。
また、本発明のガスバリア性接着フィルムは、帯電による、カール、埃の付着、フィルム同士のくっつき等の不具合が起こり難いものであり、貼着作業における作業性に優れるものである。
これらの特性を有することから、本発明のガスバリア性接着フィルムは、電子部材用又は光学部材用の接着フィルムとして好適に用いられる。特に、本発明のガスバリア性接着フィルムを用いることで、有機EL素子等の封止材を効率よく形成することができる。
本発明のガスバリア性接着フィルムの使用方法は特に限定されない。例えば、剥離フィルムを剥離して接着性樹脂層を露出させ、この接着性樹脂層を有機EL素子等と圧着させた後、保護フィルムを剥離除去することにより、有機EL素子を封止することができる。
同様にして、露出した接着性樹脂層を、その他の電子部材や光学部材と圧着させた後、保護フィルムを剥離除去することにより、電子部材や光学部材の耐湿性を向上させることができる。
2)ガスバリア性接着フィルムを備える電子部材又は光学部材
本発明の電子部材及び光学部材は、上記のガスバリア性接着フィルム由来のガスバリア層及び接着性樹脂層を備えることを特徴とする。
本発明のガスバリア性接着フィルムは、空気中の化学成分(酸素、水、窒素酸化物、硫黄酸化物、オゾン等)によって性能が劣化するデバイスに好ましく適用できる。
本発明の電子部材及び光学部材は、例えば、上記のガスバリア性接着フィルムの剥離フィルムを剥離して接着性樹脂層を露出させた後、これをデバイス本体の所定の面に貼着し、次いで、保護フィルムを剥離することにより得ることができる。
電子部材としては、例えば、液晶ディスプレイ部材、有機ELディスプレイ部材、無機ELディスプレイ部材、電子ペーパー部材、太陽電池、熱電変換部材等のフレキシブル基板等が挙げられる。
光学部材としては、例えば、光学フィルター、波長変換デバイス、調光デバイス、偏光板、位相差板の光学部材等が挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。但し、本発明は、以下の実施例になんら限定されるものではない。
各例中の部及び%は、特に断りのない限り、質量基準である。
〔製造例1〕ガスバリアフィルムの作製
ポリエチレンテレフタレート製フィルム(東レ株式会社製、PET23U403)の片面に、ペルヒドロポリシラザンを主成分とするコーティング剤(AZエレクトロニックマテリアルズ社製、アクアミカNL110)を塗工し、得られた塗膜を120℃で2分間乾燥させ、厚さ150nmのポリシラザン層を形成した。
得られたポリシラザン層に対して、プラズマイオン注入装置(RF電源:日本電子社製、RF56000、高電圧パルス電源:栗田製作所社製、PV−3−HSHV−0835)を用いて、下記条件にてプラズマイオン注入を行い、ガスバリア層(ガスバリア性部分層)を形成した。
プラズマ生成ガス:Ar
ガス流量:100sccm
Duty比:0.5%
印加電圧:−6kV
RF電源:周波数 13.56MHz、印加電力 1000W
チャンバー内圧:0.2Pa
パルス幅:5μsec
処理時間(イオン注入時間):200秒
〔製造例2〕帯電防止層形成用塗布液の調製
水溶性の水酸基含有ポリエステル樹脂とポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホネートとの混合物(PEDOT−PSS)をジメチルスルホキシドと水で希釈した溶液(中京油脂株式会社製、T−795:固形分5.1%)100部に対して、水溶性メチロールメラミンを水で希釈した溶液(中京油脂株式会社製、P−695:固形分70.0%)1.0部とレベリング剤(中京油脂株式会社製、R−438:固形分10.0%)1.0部を混合し、そこへさらに水とIPA(イソプロピルアルコール)の混合溶媒(質量比1:1)を加えて、帯電防止層形成用の塗布液(固形分:0.6%)を調製した。
〔製造例3〕剥離層形成用塗布液の調製
ポリオルガノシラン(信越化学株式会社製、KS−847H:固形分30%)100部に対してオルガノシロキサンオリゴマー(信越化学株式会社製、X−62−1378:固形分100%)1.6部を混合し、さらにトルエンとMEK(メチルエチルケトン)の混合液(質量比1:2.3)を加えた。次いで、このものに白金触媒(信越化学株式会社製、固形分2.0%)2.0部、アセチルアルコール(信越化学株式会社製、固形分100%)10.0部、前記質量比のトルエンとMEKの混合液を加えて、剥離層形成用の塗布液(固形分:1.4%)を調製した。
〔製造例4〕帯電防止性アクリル粘着剤の調製
アクリル酸−2−エチルヘキシル/アクリル酸ブチル/エトキシ化アクリル酸/アクリル酸−4−ヒドロキシブチル=67/20/10/3(質量比)を共重合し、アクリル酸エステル共重合体を得た。このアクリル酸エステル共重合体を酢酸エチルに溶解して得られた溶液(固形分48%)100部に対して、ヘキサフルオロリン酸カリウム(固形分100%)1.1部、スズ化合物(トーヨーケム株式会社製、BXX3778:固形分2.5%)0.2部、イソシアネート架橋剤(トーヨーケム株式会社製、BXX6269:固形分75%)1.8部、アセチルアセトン(トーヨーケム株式会社製、BXX5638:固形分100%)0.96部、及び、トルエンを加えて、帯電防止性アクリル粘着剤(固形分40.1%)を調製した。
〔製造例5〕保護フィルム用アクリル粘着剤の調製
アクリル酸ブチル/アクリル酸−2−エチルヘキシル/アクリル酸−2−ヒドロキシエチル=76/19/5(質量比)を共重合し、アクリル酸エステル共重合体を得た。このアクリル酸エステル共重合体を酢酸エチルに溶解して得られた溶液(固形分40%)100部に対して、イソシアネート架橋剤(サイデン化学株式会社製、K―200:固形分100%)1.6部、アルミニウムキレート架橋剤(サイデン化学株式会社製、M−5:固形分5.0%)2.0部、及びMEKを加えて、アクリル粘着剤(固形分32.4%)を調製した。
〔製造例6〕オレフィン系粘着剤の調製
イソブチレン−イソプレン共重合体(日本ブチル株式会社製、Butyl365)のトルエン溶液(固形分:15%)100部に対して、粘着付与剤(日本ゼオン株式会社製、クイントンA100)のトルエン溶液(固形分:50%)6部と架橋剤(三菱化学株式会社製、TC−5:固形分5%)0.4部、及びトルエンを加えて、オレフィン系粘着剤(固形分15%)を調製した。
〔製造例7〕剥離フィルム(1)の製造
ポリエチレンテレフタレート製フィルム(三菱化学ポリエステルフィルム株式会社製、PET38T−100)の片面に、製造例2で得た帯電防止層形成用塗布液を塗布し、得られた塗膜を乾燥して帯電防止層を形成した。次いで、前記ポリエチレンテレフタレート製フィルムの帯電防止層とは逆側に、製造例3で得た剥離層形成用塗布液を塗布し、得られた塗膜を乾燥してシリコーン剥離層を形成することで、剥離フィルム(1)を得た。
〔製造例8〕剥離フィルム(2)の製造
ポリエチレンテレフタレート製フィルム(三菱化学ポリエステルフィルム株式会社製、PET38T−100)の片面に、製造例2で得た帯電防止層形成用塗布液を塗布し、得られた塗膜を乾燥して帯電防止層を形成した。次いで、帯電防止層上に、製造例3で得た剥離層形成用塗布液を塗布し、得られた塗膜を乾燥してシリコーン剥離層を形成することで、剥離フィルム(2)を得た。
〔製造例9〕剥離フィルム(3)の製造
ポリエチレンテレフタレート製フィルム(三菱化学ポリエステルフィルム株式会社製、PET38T−100)の片面に、製造例2で得た帯電防止層形成用塗布液を塗布し、得られた塗膜を乾燥して帯電防止層を形成した。次いで、前記ポリエチレンテレフタレート製フィルムの帯電防止層とは逆側に、再度、帯電防止層形成用塗布液を塗布し、得られた塗膜を乾燥して帯電防止層を形成した。
次いで、一方の帯電防止層上に製造例3で得た剥離層形成用塗布液を塗布し、得られた塗膜を乾燥してシリコーン剥離層を形成することで、剥離フィルム(3)を得た。
〔製造例10〕剥離フィルム(4)の製造
ポリエチレンテレフタレート製フィルム(三菱化学ポリエステルフィルム株式会社製、PET38T−100)の片面に、製造例3で得た剥離層形成用塗布液を塗布し、得られた塗膜を乾燥してシリコーン剥離層を形成することで、剥離フィルム(4)を得た。
製造例7〜10で得られた剥離フィルム(1)〜(4)の層構造を図3に示す。
図3(A)、(B)、(C)、(D)に、それぞれ、剥離フィルム(1)、剥離フィルム(2)、剥離フィルム(3)、剥離フィルム(4)の層構造を示す。
〔製造例11〕剥離フィルム付保護フィルム(1)の製造
剥離フィルム(リンテック株式会社製、SP−PET381031)の剥離処理面に、製造例4で得た帯電防止性アクリル系粘着剤を乾燥後の厚みが15μmとなるように塗布し、得られた塗膜を乾燥して帯電防止性を有する粘着剤層を形成した。次いで、前記粘着剤層にポリエチレンテレフタレート製フィルム(東洋紡株式会社製、PET50A4300)を重ねて圧着することにより、剥離フィルム付保護フィルム(1)を得た。
〔製造例12〕剥離フィルム付保護フィルム(2)の製造
剥離フィルム(リンテック株式会社製、SP−PET381031)の剥離処理面に、製造例4で得た帯電防止性アクリル系粘着剤を乾燥後の厚みが15μmとなるように塗布し、得られた塗膜を乾燥して帯電防止性を有する粘着剤層を形成した。次いで、前記粘着剤層を、帯電防止層付ポリエチレンテレフタレート製フィルム(三菱化学ポリエステル株式会社製、PET38T−100G)の帯電防止層とは逆の面に重ねて圧着することにより、剥離フィルム付保護フィルム(2)を得た。
〔製造例13〕剥離フィルム付保護フィルム(3)の製造
剥離フィルム(リンテック株式会社製、SP−PET381031C)の剥離処理面に、製造例5で得たアクリル系粘着剤を乾燥後の厚みが15μmとなるように塗布し、得られた塗膜を乾燥して粘着剤層を形成した。次いで、前記粘着剤層にポリエチレンテレフタレート製フィルム(東洋紡株式会社製、PET50A4300)を重ねて圧着することにより、剥離フィルム付保護フィルム(3)を得た。
〔製造例14〕剥離フィルム付保護フィルム(4)の製造
剥離フィルム(リンテック株式会社製、SP−PET381031)の剥離処理面に、製造例5で得たアクリル系粘着剤を乾燥後の厚みが25μmとなるように塗布し、得られた塗膜を乾燥して粘着剤層を形成した。次いで、前記粘着剤層を、帯電防止層付ポリエチレンテレフタレート製フィルム(三菱化学ポリエステル株式会社製、PET38T−100G)の帯電防止層とは逆の面に重ねて圧着することにより、剥離フィルム付保護フィルム(4)を得た。
製造例11〜14で得られた剥離フィルム付保護フィルム(1)〜(4)の層構造を図4に示す。
図4(A)、(B)、(C)、(D)に、それぞれ、剥離フィルム付保護フィルム(1)、剥離フィルム付保護フィルム(2)、剥離フィルム付保護フィルム(3)、剥離フィルム付保護フィルム(4)の層構造を示す。
〔実施例1〕
製造例11で得た剥離フィルム付保護フィルム(1)の剥離フィルムを剥がしながら、露出した粘着剤層を、製造例1で得たガスバリアフィルムのガスバリア層(ガスバリア性部分層)とは逆側の面に重ねて圧着することにより、ガスバリア性ユニット用の積層体を得た。
これとは別に、製造例7で得た剥離フィルム(1)の剥離面に、製造例6で得たオレフィン系粘着剤を乾燥後の厚みが12μmとなるように塗布し、得られた塗膜を乾燥して接着性樹脂層を形成することにより、接着性ユニット用の積層体を得た。
次いで、この接着性樹脂層を、前記ガスバリア性ユニット用の積層体のガスバリアフィルム面と重ねて圧着することにより、ガスバリア性接着フィルム(1)を得た。
ガスバリア性接着フィルム(1)の層構造を図5(A)に示す。
〔実施例2〕
剥離フィルム付保護フィルム(1)に代えて、剥離フィルム付保護フィルム(2)を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性接着フィルム(2)を得た。
ガスバリア性接着フィルム(2)の層構造を図5(B)に示す。
〔実施例3〕
製造例11で得た剥離フィルム付保護フィルム(1)の剥離フィルムを剥がしながら、露出した粘着剤層を、製造例1で得たガスバリアフィルムのガスバリア層(ガスバリア性部分層)とは逆側の面に重ねて圧着することにより、ガスバリア性ユニット用の積層体を得た。
これとは別に、製造例8で得た剥離フィルム(2)の剥離面に、製造例6で得たオレフィン系粘着剤を乾燥後の厚みが12μmとなるように塗布し、得られた塗膜を乾燥して接着性樹脂層を形成することにより、接着性ユニット用の積層体を得た。
次いで、この接着性樹脂層を、前記ガスバリア性ユニット用の積層体のガスバリアフィルム面と重ねて圧着することにより、ガスバリア性接着フィルム(3)を得た。
ガスバリア性接着フィルム(3)の層構造を図6(A)に示す。
〔実施例4〕
剥離フィルム付保護フィルム(1)に代えて、剥離フィルム付保護フィルム(2)を使用したこと以外は、実施例3と同様にしてガスバリア性接着フィルム(4)を得た。
ガスバリア性接着フィルム(4)の層構造を図6(B)に示す。
〔実施例5〕
製造例11で得た剥離フィルム付保護フィルム(1)の剥離フィルムを剥がしながら、露出した粘着剤層を、製造例1で得たガスバリアフィルムのガスバリア層(ガスバリア性部分層)とは逆側の面に重ねて圧着することにより、ガスバリア性ユニット用の積層体を得た。
これとは別に、製造例9で得た剥離フィルム(3)の剥離面に、製造例6で得たオレフィン系粘着剤を乾燥後の厚みが12μmとなるように塗布し、得られた塗膜を乾燥して接着性樹脂層を形成することにより、接着性ユニット用の積層体を得た。
次いで、この接着性樹脂層を、前記ガスバリア性ユニット用の積層体のガスバリアフィルム面と重ねて圧着することにより、ガスバリア性接着フィルム(5)を得た。
ガスバリア性接着フィルム(5)の層構造を図7(A)に示す。
〔実施例6〕
剥離フィルム付保護フィルム(1)に代えて、剥離フィルム付保護フィルム(2)を使用したこと以外は、実施例5と同様にしてガスバリア性接着フィルム(6)を得た。
ガスバリア性接着フィルム(6)の層構造を図7(B)に示す。
〔比較例1〕
製造例13で得た剥離フィルム付保護フィルム(3)の剥離フィルムを剥がしながら、露出した粘着剤層を、製造例1で得たガスバリアフィルムのガスバリア層(ガスバリア性部分層)とは逆側の面に重ねて圧着することにより、ガスバリア性ユニット用の積層体を得た。
これとは別に、製造例10で得た剥離フィルム(4)の剥離面に、製造例6で得たオレフィン系粘着剤を乾燥後の厚みが12μmとなるように塗布し、得られた塗膜を乾燥して接着性樹脂層を形成することにより、接着性ユニット用の積層体を得た。
次いで、この接着性樹脂層を、前記ガスバリア性ユニット用の積層体のガスバリアフィルム面と重ねて圧着することにより、ガスバリア性接着フィルム(7)を得た。
ガスバリア性接着フィルム(7)の層構造を図8(A)に示す。
〔比較例2〕
剥離フィルム付保護フィルム(1)に代えて、剥離フィルム付保護フィルム(4)を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性接着フィルム(8)を得た。
ガスバリア性接着フィルム(8)の層構造を図8(B)に示す。
〔比較例3〕
剥離フィルム付保護フィルム(1)に代えて、剥離フィルム付保護フィルム(4)を使用したこと以外は、実施例3と同様にしてガスバリア性接着フィルム(9)を得た。
ガスバリア性接着フィルム(9)の層構造を図9(A)に示す。
〔比較例4〕
剥離フィルム付保護フィルム(1)に代えて、剥離フィルム付保護フィルム(4)を使用したこと以外は、実施例5と同様にしてガスバリア性接着フィルム(10)を得た。
ガスバリア性接着フィルム(10)の層構造を図9(B)に示す。
実施例及び比較例で得られたガスバリア性接着フィルム(1)〜(10)について、以下の評価を行った。結果を第1表に示す。
〔表面抵抗率〕
ガスバリア性接着フィルムの保護フィルムを剥離し、その保護フィルムの両面(表面(A)及び表面(B))について、表面抵抗率を測定した。測定装置として、抵抗率計(ハイレスタ−UP、三菱化学社製)を使用し、温度20℃、相対湿度65%の条件下で、JIS K 6911に準じて測定を行った。
また、ガスバリア性接着フィルムの剥離フィルムについても同様にして、表面(C)及び表面(D)について、表面抵抗率を測定した。
〔剥離力・帯電量〕
温度20℃、相対湿度65%の条件下で、高速剥離試験機を用いて、10m/分の速度で、ガスバリア性接着フィルム(幅50mm、長さ130mm)の保護フィルムを剥離し、剥離力を測定した。
このとき、デジタル静電電位測定器(KDS−1000、春日電気社製)を用いて、露出したガスバリア層の帯電量(±)を測定した。第1表には、その絶対値を示す。
また、ガスバリア性接着フィルムの剥離フィルムについても同様にして、剥離力の測定と、接着性樹脂層の帯電量を測定した。
〔作業性評価〕
A4サイズのガスバリア性接着フィルムを数枚用意し、これらを重ねた。次いで、一番上のガスバリア性接着フィルムの端をつかみ、これをめくり上げた。このときに、その一枚だけが採れたときを○とし、その下のフィルムがくっ付いたときを×として、作業性を評価した。
Figure 2018159602
第1表から、以下のことが分かる。
実施例1〜6のガスバリア性接着フィルム(1)〜(6)は、表面(A)の表面抵抗率が、5.0×1011Ω/□以下であり、表面(C)又は(D)の表面抵抗率が、5.0×1011Ω/□以下である。これらのガスバリア性接着フィルムにおいては、保護フィルムや剥離フィルムを剥離除去した後の帯電量が少ない。
特に、実施例1、2、4〜6のガスバリア性接着フィルム(1)、(2)、(4)〜(6)は、表面(B)と表面(D)の少なくともどちらか一方の表面抵抗率が小さいものであり、作業性にも優れている。
一方、比較例1〜4のガスバリア性接着フィルム(7)〜(10)は、表面(A)の表面抵抗率が大きな値であり、保護フィルムを剥離除去した後のガスバリア層の帯電量が多い。
1,12:ガスバリア性接着フィルム
2,13:保護フィルム
3,14:ガスバリア層
4,15:ガスバリア性ユニット
5,16:接着性樹脂層
6,17:剥離フィルム
7,18:接着性ユニット
8:表面(A)
9:表面(B)
10:表面(C)
11:表面(D)
19:その他の層
20:剥離フィルム(1)
21a,21b,21c,21d:基材フィルム(γ)
22a,22b,22c,22d:帯電防止性部分層
23a,23b,23c,23d:剥離性部分層
24:剥離フィルム(2)
25:剥離フィルム(3)
26:剥離フィルム(4)
27:剥離フィルム付保護フィルム(1)
28a,28b,28c,28d:剥離フィルム
29a,29b:帯電防止性粘着剤部分層
30a,30b:基材フィルム(α)
31:剥離フィルム付保護フィルム(2)
32a,32b:帯電防止層付基材フィルム(α)
33a,33b:帯電防止層
34:剥離フィルム付保護フィルム(3)
35a,35b:非帯電防止性粘着剤部分層
36:剥離フィルム付保護フィルム(4)
100:ガスバリア性接着フィルム(1)
101:ガスバリア性接着フィルム(2)
102:ガスバリア性接着フィルム(3)
103:ガスバリア性接着フィルム(4)
104:ガスバリア性接着フィルム(5)
105:ガスバリア性接着フィルム(6)
106:ガスバリア性接着フィルム(7)
107:ガスバリア性接着フィルム(8)
108:ガスバリア性接着フィルム(9)
109:ガスバリア性接着フィルム(10)
110a〜j:ガスバリア性ユニット
111a〜j:接着性ユニット
112a〜j:保護フィルム
113a〜j:ガスバリア層
114a〜j:接着性樹脂層
115a〜j:剥離フィルム
116a〜d:基材フィルム(α)
117a〜f:帯電防止性粘着剤部分層
118a〜j:基材フィルム(β)
119a〜j:ガスバリア性部分層
120a〜j:剥離性部分層
121a〜j:基材フィルム(γ)
122a〜l:帯電防止性部分層
123a〜f:帯電防止層付基材フィルム(α)
124a〜d:粘着剤部分層

Claims (7)

  1. 保護フィルム/ガスバリア層からなるガスバリア性ユニットと、接着性樹脂層/剥離フィルムからなる接着性ユニットとを有し、前記接着性樹脂層が、前記ガスバリア層上に、直接又はその他の層を介して積層されてなり、前記保護フィルムと前記剥離フィルムがそれぞれ最外層を構成するガスバリア性接着フィルムであって、
    前記保護フィルムの、ガスバリア層側の表面の表面抵抗率が、5.0×1011Ω/□以下であり、
    前記剥離フィルムの、少なくともどちらか一方の表面の表面抵抗率が、5.0×1011Ω/□以下である、ガスバリア性接着フィルム。
  2. 前記保護フィルムが、基材フィルム(α)と帯電防止性粘着剤部分層とを有する積層フィルム(α)である、請求項1に記載のガスバリア性接着フィルム。
  3. 前記ガスバリア層が、基材フィルム(β)とガスバリア性部分層とを有する積層フィルム(β)からなるものである、請求項1又は2に記載のガスバリア性接着フィルム。
  4. 前記接着性樹脂層に含まれる接着性樹脂が、ポリオレフィン系接着性樹脂である、請求項1〜3のいずれかに記載のガスバリア性接着フィルム。
  5. 前記剥離フィルムが、基材フィルム(γ)、帯電防止性部分層、及び剥離性部分層を有し、前記剥離性部分層が一方の最外層を構成する積層フィルム(γ)である、請求項1〜4のいずれかに記載のガスバリア性接着フィルム。
  6. 電子部材用又は光学部材用の接着フィルムである、請求項1〜5のいずれかに記載のガスバリア性接着フィルム。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のガスバリア性接着フィルム由来のガスバリア層及び接着性樹脂層を備える電子部材又は光学部材。
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