JPWO2018155013A1 - インプリント用光硬化性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】光学特性が優れ、インプリント後の支持体の反り量が従来よりもはるかに小さい硬化物を形成できる、光硬化性組成物を提供する。【解決手段】下記(a)成分、該(a)成分100質量部に対し0質量部乃至70質量部の下記(b)成分、該(a)成分及び該(b)成分の和100質量部に対し5質量部乃至30質量部の下記(c)成分、並びに該(a)成分、該(b)成分及び該(c)成分の和100質量部に対し0.2質量部乃至5質量部の下記(d)成分を含む、インプリント用光硬化性組成物。(a):下記式(1)で表されるジ(メタ)アクリレート化合物【化1】(式中、R1及びR2はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、R3及びR4はそれぞれ独立に炭素原子数1乃至4のアルキレン基を表し、R5及びR6はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、r1及びr2はそれぞれ独立に1乃至5の整数を表す。)(b):芳香族環を含まない単官能又は多官能(メタ)アクリレート化合物(ただし、前記式(1)で表されるジ(メタ)アクリレート化合物を除く。)(c):分子内に2つ乃至6つのメルカプト基を有する多官能チオール化合物(d):光ラジカル開始剤【選択図】なし

Description

本発明は、特定の2官能(メタ)アクリレート化合物、多官能チオール化合物、及び光ラジカル開始剤を含むインプリント用光硬化性組成物に関する。詳細には、光学特性(透明性、高屈折率、高アッベ数)が優れ、インプリント後の支持体の反り量が従来よりもはるかに小さい硬化物を形成できる、光硬化性組成物に関する。
樹脂レンズは、携帯電話、デジタルカメラ、車載カメラなどの電子機器に用いられており、その電子機器の目的に応じた、優れた光学特性を有するものであることが求められる。また、使用態様に合わせて、高い耐久性、例えば耐熱性及び耐候性、並びに歩留まりよく成形できる高い生産性が求められている。このような要求を満たす樹脂レンズ用の材料としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、シクロオレフィンポリマー、メタクリル樹脂等の熱可塑性の透明樹脂が使用されてきた。
また、高解像度カメラモジュールには複数枚のレンズが用いられるが、波長分散性が低い、すなわち高アッベ数を有するレンズが主に使用されており、それを形成する光学材料が要求されている。さらに、樹脂レンズの製造にあたり、歩留まりや生産効率の向上、さらにはレンズ積層時の光軸ずれの抑制のために、熱可塑性樹脂の射出成型から、室温で液状の硬化性樹脂を使った押し付け成形によるウェハレベル成形への移行が盛んに検討されている。ウェハレベル成形では、生産性の観点から、ガラス基板等の支持体上にレンズを形成するハイブリッドレンズ方式が一般的である。
ウェハレベル成形が可能な光硬化性樹脂としては、従来、金型からの良好な離型性、高透明性、半田リフロー時の耐熱黄変性といった観点から、ラジカル硬化性樹脂組成物が用いられている(特許文献1)。しかし、近年のカメラモジュールの薄化への市場要求に伴い、ハイブリッドレンズ方式に用いられる支持体の厚さが薄化している。そのため、特許文献1に記載されているラジカル硬化性樹脂組成物を用いると、半田リフロー後に、レンズ等の成形体が形成された支持体が反ってしまうという課題が顕在化している。
特許第5281710号(WO2011/105473)
このように、高解像度カメラモジュール用レンズとして使用し得る、高アッベ数(例えば53以上)及び高い透明性を有し、ハイブリッドレンズ方式にてガラス基板等の支持体の反り量が小さい硬化物が得られる硬化性樹脂材料は未だなく、その開発が望まれていた。本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、硬化物が高アッベ数、高屈折率、高透明性及び耐熱黄変性を示し、且つハイブリッドレンズ方式にて成形体を作製するのに好適な光硬化性組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記の課題を解決するべく鋭意検討を行った結果、特定の2官能(メタ)アクリレート化合物及び多官能チオール化合物を、光硬化性組成物に所定の比率で配合することにより、該光硬化性組成物から得られる硬化物(成形体)は、高いアッベ数ν(53以上)を有し、波長410nmにおいて90%以上の高い透過率を示すとともに、半田リフロー(半田が溶融する温度で加熱)前後での透過率変化が少なく(±3%未満)、且つ支持体の反り量が非常に小さい(0μm以上2μm未満)ことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明の第一態様は、下記(a)成分、該(a)成分100質量部に対し0質量部乃至70質量部の下記(b)成分、該(a)成分及び該(b)成分の和100質量部に対し5質量部乃至30質量部の下記(c)成分、並びに該(a)成分、該(b)成分及び該(c)成分の和100質量部に対し0.2質量部乃至5質量部の下記(d)成分を含む、インプリント用光硬化性組成物である。
(a):下記式(1)で表されるジ(メタ)アクリレート化合物
(式中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、R及びRはそれぞれ独立に炭素原子数1乃至4のアルキレン基を表し、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、r及びrはそれぞれ独立に1乃至5の整数を表す。)
(b):芳香族環を含まない単官能又は多官能(メタ)アクリレート化合物(ただし、前記式(1)で表されるジ(メタ)アクリレート化合物を除く。)
(c):分子内に2つ乃至6つのメルカプト基を有する多官能チオール化合物
(d):光ラジカル開始剤
本発明のインプリント用光硬化性組成物はさらに、前記(a)成分、前記(b)成分及び前記(c)成分の和100質量部に対し0.05質量部乃至1質量部の下記(e)成分及び/又は前記(a)成分、前記(b)成分及び前記(c)成分の和100質量部に対し0.1質量部乃至3質量部の下記(f)成分を含有してもよい。
(e):フェノール系酸化防止剤
(f):ホスファイト系酸化防止剤
前記(c)成分は、例えば下記式(2)で表される多官能チオール化合物である。
(式中、Rは単結合又は炭素原子数1乃至6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基を表し、Xは単結合又はエステル結合を表し、Aはヘテロ原子を少なくとも1つ含む若しくはヘテロ原子を含まない炭素原子数2乃至12の有機基又はヘテロ原子を表し、rは2乃至6の整数を表す。)
本発明のインプリント用光硬化性組成物は、単官能チオール化合物を前記(a)成分、前記(b)成分及び前記(c)成分の和100質量部に対し0.1質量部乃至3質量部さらに含有してもよい。
本発明のインプリント用光硬化性組成物は、その硬化物の波長589nmにおける屈折率nが1.50以上1.55以下であり、かつ該硬化物のアッベ数νが53以上60以下である。
本発明の第二態様は、前記インプリント用光硬化性組成物の硬化物である。
本発明に第三態様は、前記インプリント用光硬化性組成物をインプリント成形する工程を含む、樹脂レンズの製造方法である。
本発明の第四態様は、前記インプリント用光硬化性組成物を、接し合う支持体と鋳型との間の空間、又は分割可能な鋳型の内部の空間に充填する工程、及び該空間に充填された光硬化性組成物を露光して光硬化する工程、を含む成形体の製造方法である。前記鋳型はモールドとも称する。
本発明の成形体の製造方法において、前記光硬化する工程の後、得られた光硬化物を取り出して離型する工程、並びに、該光硬化物を、該離型する工程の前、中途又は後において加熱する工程、をさらに含んでもよい。
本発明の成形体の製造方法において、該成形体は、例えばカメラモジュール用レンズである。
本発明のインプリント用光硬化性組成物は、前記式(1)で表されるジ(メタ)アクリレート化合物、及び分子内に2つ乃至6つのメルカプト基を有する多官能チオール化合物を含むため、該光硬化性組成物から得られる硬化物(成形体)が、光学デバイス、例えば、高解像度カメラモジュール用のレンズとして望ましい光学特性、すなわち高アッベ数、高屈折率及び高透明性を有する。また、前記硬化物(成形体)は半田が溶融する温度で加熱前後での透過率変化が少なく、且つ該硬化物(成形体)が形成された支持体の反り量が極めて小さい(0μm以上2μm未満)。さらに、本発明のインプリント用光硬化性組成物を用いた成形体の製造方法は、特にカメラモジュール用レンズを効率的に製造することができる。
[(a)成分:ジ(メタ)アクリレート化合物]
本発明のインプリント用光硬化性組成物の(a)成分として使用可能なジ(メタ)アクリレート化合物は前記式(1)で表されるジ(メタ)アクリレート化合物である。該ジ(メタ)アクリレート化合物として、例えば、エトキシ変性水添ビスフェノールAジアクリレート、エトキシ変性水添ビスフェノールAジメタクリレート、プロポキシ変性水添ビスフェノールAジアクリレート、プロポキシ変性水添ビスフェノールAジメタクリレート、ブトキシ変性水添ビスフェノールAジアクリレート、ブトキシ変性水添ビスフェノールAジメタクリレート、エトキシプロポキシ変性水添ビスフェノールAジアクリレート、エトキシプロポキシ変性水添ビスフェノールAジメタクリレート、エトキシ変性水添ビスフェノールFジアクリレート、及びエトキシ変性水添ビスフェノールFジメタクリレートが挙げられるが、これらの例に限定されるものではない。
前記式(1)で表されるジ(メタ)アクリレート化合物として、ニューフロンティア(登録商標)HBPE−4、同HBPEM−10(何れも第一工業製薬(株)製)等の市販品を採用することができる。
本発明のインプリント用光硬化性組成物の(a)成分として使用可能なジ(メタ)アクリレート化合物は、芳香族環を含まない、水添ビスフェノール骨格を有するものである。芳香族環を含むビスフェノール骨格を有するジ(メタ)アクリレート化合物をインプリント用光硬化性組成物に使用する場合、該光硬化性組成物から得られる硬化物のアッベ数が低下するため、本発明が目的とする高アッベ数が得られない。
上記(a)成分のジ(メタ)アクリレート化合物は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
[(b)成分:単官能又は多官能(メタ)アクリレート化合物]
本発明のインプリント用光硬化性組成物の(b)成分として使用可能な単官能又は多官能(メタ)アクリレート化合物は、芳香族環を含まないことを要件とし、且つ前記式(1)で表されるジ(メタ)アクリレート化合物を除くものである。上記単官能(メタ)アクリレート化合物として、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、1−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−メチルアダマンタン−2−イル(メタ)アクリレート、2−エチルアダマンタン−2−イル(メタ)アクリレート、1,3−アダマンタンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル(メタ)アクリレート、及びトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−4−エニル(メタ)アクリレートが挙げられるが、これらの例に限定されるものではない。上記多官能(メタ)アクリレート化合物として、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ポリグリセリンモノエチレンオキサイドポリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、及びイソシアヌル酸トリス(2−アクリロイルオキシエチル)が挙げられるが、これらの例に限定されるものではない。
前記単官能又は多官能(メタ)アクリレート化合物は、ファンクリル(登録商標)FA−511AS、同FA−512AS(以上、日立化成(株)製)、EtADA、EAMA(P)、ADA、ADMA、IBXA、ビスコート#150、同#155、同#200(以上、大阪有機化学(株)製)、NKエステル A−200、同A−400、同A−600、同A−1000、同A−9300、同A−9300−1CL、同UA−53H、同1G、同2G、同3G、同4G、同9G、同14G、同23G、同A−GLY−3E、同A−GLY−9E、同A−GLY−20E、同A−TMPT−3EO、同A−TMPT−9EO、同ATM−4E、同ATM−35E、同A−DPH、同A−TMPT、同A−DCP、同A−HD−N、同AD−TMP、同A−DOG、同TMPT、同DCP、同NPG、同HD−N、同D−TMP、NKオリゴ U−15HA(以上、新中村化学工業(株)製)、KAYARAD(登録商標)DPEA−12、同PEG400DA、同THE−330、同RP−1040(以上、日本化薬(株)製)、M−210、M−350、マクロモノマーAA−6、同AB−6(以上、東亞合成(株)製)、及びKAYARAD(登録商標)DPHA、同NPGDA、同PET30(以上、日本化薬(株)製)、等の市販品を採用することができる。
本発明のインプリント用光硬化性組成物の(b)成分の含有量は、前記(a)成分100質量部に対し0質量部乃至70質量部である。該(b)成分の含有量が0質量部を含む範囲であることは、すなわち(b)成分は必須成分ではないことを意味する。該(b)成分の含有量が70質量部より多いと、光硬化性組成物から得られる硬化物の機械特性が低下し、上記半田リフロー工程にてレンズの変形が生じるか、又は支持体の反りが増加してしまう。
上記(b)成分の単官能又は多官能(メタ)アクリレート化合物は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
[(c)成分:分子内に2つ乃至6つのメルカプト基を有する多官能チオール化合物]
本発明のインプリント用光硬化性組成物の(c)成分として使用可能な、分子内に2つ乃至6つのメルカプト基を有する多官能チオール化合物としては、例えば、1,2−エタンジチオール、1,3−プロパンジチオール、ビス(2−メルカプトエチル)エーテル、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリス−[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート、テトラエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチリルオキシエチル)−1,3,5−トリアジンー2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、及びトリメチロールエタントリス(3−メルカプトブチレート)が挙げられるが、これらの例に限定されるものではない。
前記多官能チオール化合物として、カレンズMT(登録商標)PE1、同NR1、同BD1、TPMB、TEMB(以上、昭和電工(株)製)、TMMP、TEMPIC、PEMP、EGMP−4、DPMP、TMMP II−20P、PEMP II−20P(以上、SC有機化学(株)製)等の市販品を採用することができる。
本発明のインプリント用光硬化性組成物の(c)成分の含有量は、前記(a)成分及び前記(b)成分の和100質量部に対し5質量部乃至30質量部である。該(c)成分の含有量が5質量部より少ないと支持体の反りが大きくなり、30質量部より多いとレンズの機械特性が悪化し、上記半田リフロー工程にてレンズの変形が生じてしまう。
上記(c)成分の多官能チオール化合物は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
[(d)成分:光ラジカル開始剤]
本発明のインプリント用光硬化性組成物の(d)成分として使用可能な光ラジカル開始剤として、例えば、アルキルフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラー(Michler)のケトン類、アシルホスフィンオキシド類、ベンゾイルベンゾエート類、オキシムエステル類、テトラメチルチウラムモノスルフィド類及びチオキサントン類が挙げられ、特に、光開裂型の光ラジカル重合開始剤が好ましい。
前記光ラジカル開始剤として、IRGACURE(登録商標)184、同369、同651、同500、同819、同907、同784、同2959、同CGI1700、同CGI1750、同CGI1850、同CG24−61、同TPO、同1116、同1173(以上、BASFジャパン(株)製)、及びESACURE KIP150、同KIP65LT、同KIP100F、同KT37、同KT55、同KTO46、同KIP75(以上、Lamberti社製)等の市販品を採用することができる。
本発明のインプリント用光硬化性組成物の(d)成分の含有量は、前記(a)成分及び前記(b)成分及び前記(c)成分の和100質量部に対し0.2質量部乃至5質量部、好ましくは0.5質量部乃至3質量部である。該(c)成分の含有量が0.2質量部より少ないと光硬化性組成物から得られる硬化物の強度が低下し、5質量部より多いと光硬化性組成物から得られる硬化物の耐熱黄変性が悪化する。
上記(d)成分の光ラジカル開始剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
[(e)成分:フェノール系酸化防止剤]
本発明のインプリント用光硬化性組成物の(e)成分として使用可能なフェノール系酸化防止剤として、例えば、IRGANOX(登録商標)245、同1010、同1035、同1076、同1135(以上、BASFジャパン(株)製)、スミライザー(登録商標)GA−80、同GP、同MDP−S、同BBM−S、同WX−R(以上、住友化学(株)製)、アデカスタブ(登録商標)AO−20、同AO−30、同AO−40、同AO−50、同AO−60、同AO−80、同AO−330(以上、(株)ADEKA製)が挙げられる。
本発明のインプリント用光硬化性組成物の(e)成分の含有量は、前記(a)成分及び前記(b)成分及び前記(c)成分の和100質量部に対し0.05質量部乃至1質量部である。
上記(e)成分のフェノール系酸化防止剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
[(f)成分:ホスファイト系酸化防止剤]
本発明のインプリント用光硬化性組成物の(f)成分として使用可能なホスファイト系酸化防止剤として、例えば、IRGAFOS(登録商標)168(BASFジャパン(株)製)、アデカスタブ(登録商標)PEP−36、同PEP−8、同HP−18、同HP−10、同2112、同2112RG、同1178、同1500、同C、同135A、同3010、同TPP(以上、(株)ADEKA製)が挙げられる。
本発明のインプリント用光硬化性組成物の(f)成分の含有量は、前記(a)成分及び前記(b)成分及び前記(c)の和100質量部に対し0.1質量部乃至3質量部である。
本発明のインプリント用光硬化性組成物は、上記(e)成分及び上記(f)成分のいずれか一方を含有していればよいが、両方を含有するのが好ましい。該(e)成分及び/又は該(f)成分の含有量が上記範囲の下限値より少ないと半田が溶融する温度(およそ260℃)に曝される工程にて透過率変化が生じ、上記範囲の上限値より多いと使用環境で太陽光等の強い光に曝された際に緑色に変色してしまう。
上記(f)成分のホスファイト系酸化防止剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
[その他添加剤]
さらに本発明のインプリント用光硬化性組成物は、本発明の効果を損なわない限りにおいて、必要に応じて、単官能チオール化合物、ジスルフィド化合物及びα−メチルスチレンダイマーからなる群から選ばれる連鎖移動剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、レベリング剤、レオロジー調整剤、シランカップリング剤(接着補助剤)、顔料、染料、消泡剤などを含有することができる。
上記単官能チオール化合物として、例えば、メルカプト酢酸メチル、3−メルカプトプロピオン酸メチル、3−メルカプトプロピオン酸2−エチルヘキシル、3−メルカプトプロピオン酸3−メトキシブチル、3−メルカプトプロピオン酸n−オクチル、3−メルカプトプロピオン酸ステアリル等のメルカプトカルボン酸エステル類;エタンチオール、2−メチルプロパン−2−チオール、n−ドデカンチオール、2,3,3,4,4,5−ヘキサメチルヘキサン−2−チオール(tert−ドデカンチオール)、エタン−1,2−ジチオール、プロパン−1,3−ジチオール、ベンジルチオール等のアルキルチオール類;ベンゼンチオール、3−メチルベンゼンチオール、4−メチルベンゼンチオール、ナフタレン−2−チオール、ピリジン−2−チオール、ベンゾイミダゾール−2−チオール、ベンゾチアゾール−2−チオール等の芳香族チオール類;2−メルカプトエタノール、4−メルカプト−1−ブタノール等のメルカプトアルコール類;及び3−(トリメトキシシリル)プロパン−1−チオール、3−(トリエトキシシリル)プロパン−1−チオール等のシラン含有チオール類が挙げられる。
前記単官能チオール化合物として、チオカルコール(登録商標)08、同20(以上、花王(株)製)、BMPA、MPA−80、EHMP、NOMP、MBMP、STMP(以上、SC有機化学(株)製)、KBM−802、KBM−803(以上、信越化学工業(株)製)等の市販品を採用することができる。
上記ジスルフィド化合物として、例えば、ジエチルジスルフィド、ジプロピルジスルフィド、ジイソプロピルジスルフィド、ジブチルジスルフィド、ジ−tert−ブチルジスルフィド、ジペンチルジスルフィド、ジイソペンチルジスルフィド、ジヘキシルジスルフィド、ジシクロヘキシルジスルフィド、ジデシルジスルフィド、ビス(2,3,3,4,4,5−ヘキサメチルヘキサン−2−イル)ジスルフィド(ジ−tert−ドデシルジスルフィド)、ビス(2,2−ジエトキシエチル)ジスルフィド、ビス(2−ヒドロキシエチル)ジスルフィド、ジベンジルジスルフィド等のアルキルジスルフィド類;ジフェニルジスルフィド、ジ−p−トリルジスルフィド、ジ(ピリジン−2−イル)ピリジルジスルフィド、ジ(ベンゾイミダゾール−2−イル)ジスルフィド、ジ(ベンゾチアゾール−2−イル)ジスルフィド等の芳香族ジスルフィド類;及びテトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ビス(ペンタメチレン)チウラムジスルフィド等のチウラムジスルフィド類が挙げられる。
本発明のインプリント用光硬化性組成物が、前記単官能チオール化合物、ジスルフィド化合物及びα−メチルスチレンダイマーからなる群から選ばれる連鎖移動剤を含む場合、その含有量は、前記(a)成分、前記(b)成分及び前記(c)成分の和100質量部に対し0.1質量部乃至3質量部である。前記連鎖移動剤の含有量が3質量%より多いと、光硬化性組成物から得られる硬化物の機械強度が低下する。
<インプリント用光硬化性組成物の調製方法>
本発明のインプリント用光硬化性組成物の調製方法は、特に限定されない。調製法としては、例えば、(a)成分、(b)成分、(c)成分及び(d)成分、並びに(e)成分及び/又は(f)成分を所定の割合で混合し、所望により前記その他添加剤をさらに添加して混合し均一な溶液とする方法が挙げられる。
また、溶液に調製した本発明のインプリント用光硬化性組成物は、孔径が0.1μm乃至5μmのフィルタなどを用いてろ過した後、使用することが好ましい。
<硬化物>
本発明のインプリント用光硬化性組成物を、露光(光硬化)して、硬化物を得ることができ、本発明は該硬化物も対象とする。露光する光線としては、例えば、紫外線、電子線及びX線が挙げられる。紫外線照射に用いる光源としては、例えば、太陽光線、ケミカルランプ、低圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、及びUV−LEDが使用できる。また、露光後、硬化物の物性を安定化させるためにポストベークを施してもよい。ポストベークの方法としては、特に限定されないが、通常、ホットプレート、オーブン等を使用して、50℃乃至260℃、1分乃至24時間の範囲で行われる。
本発明のインプリント用光硬化性組成物を光硬化することにより得られる硬化物は、アッベ数νが53以上と高いものであり、波長589nm(D線)における屈折率nが1.50以上であり、また、加熱による黄変も見られない。そのため、本発明のインプリント用光硬化性組成物は、樹脂レンズ形成用として好適に使用することができる。
<成形体>
本発明のインプリント用光硬化性組成物は、例えばインプリント成形法を使用することによって、硬化物の形成と並行して各種成形体を容易に製造することができる。成形体を製造する方法としては、例えば接し合う支持体と鋳型との間の空間、又は分割可能な鋳型の内部の空間に本発明の光硬化性組成物を充填する工程、該空間に充填された組成物を露光して光硬化する工程、得られた光硬化物を取り出して離型する工程、並びに、該光硬化物を、該離型する工程の前、中途又は後において加熱する工程を含む方法が挙げられる。
上記露光して光硬化する工程は、前述の硬化物を得るための条件を適用して実施することができる。さらに、上記光硬化物を加熱する工程の条件としては、特に限定されないが、通常、50℃乃至260℃、1分乃至24時間の範囲から適宜選択される。また、加熱手段としては、特に限定されないが、例えば、ホットプレート及びオーブンが挙げられる。このような方法によって製造された成形体は、カメラモジュール用レンズとして好適に使用することができる。
以下、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。なお、下記実施例において、試料の調製及び物性の分析に用いた装置及び条件は、以下の通りである。
(1)撹拌脱泡機
装置:(株)シンキー製 自転・公転ミキサー あわとり練太郎(登録商標)ARE−310
(2)UV露光
装置:アイグラフィックス(株)製 バッチ式UV照射装置(高圧水銀灯2kW×1灯)
(3)透過率
装置:日本分光(株)製 紫外可視近赤外分光光度計V−670
リファレンス:石英
(4)屈折率n、アッベ数ν
装置:アントンパール社製 多波長屈折計Abbemat MW
測定温度:23℃
試料とプリズムを接着するための中間液:モノブロモナフタレン
(5)反り量測定、レンズ高さ測定
装置:三鷹光器(株)製 非接触表面性状測定装置PF−60
(6)レンズ成型
装置:明昌機工(株)製 ナノインプリンターNH0801HB
光源:ショートアーク高圧水銀灯、i線バンドパスフィルターHB0365(朝日分光(株)製)を介して露光
成型条件:押し付け圧150N、20mW/cm×300秒
各実施例及び比較例において使用した化合物の供給元は以下の通りである。
HBPE4:第一工業製薬(株)製 商品名:ニューフロンティア(登録商標)HBPE−4
FA513AS:日立化成(株)製 商品名:ファンクリル(登録商標)FA−513AS
PET−30:日本化薬(株)製 商品名:KAYARAD(登録商標)PET−30
PE1:昭和電工(株)製 商品名:カレンズ(登録商標)MT PE1
TMMP:SC有機化学(株)製 商品名:TMMP II−20P
DPMP:SC有機化学(株)製 商品名:DPMP
I184:BASF社製 商品名:Irgacure(登録商標)184
I245:BASF社製 商品名:Irganox(登録商標)245
1500:(株)ADEKA製 商品名:アデカスタブ(登録商標)1500
DDT:花王(株)製 商品名:チオカルコール(登録商標)20
A−DCP:新中村化学工業(株)製 商品名:NKエステル A−DCP
[実施例1]
(a)前記式(1)で表されるジ(メタ)アクリレート化合物としてHBPE4、(c)分子内に2つ乃至6つのメルカプト基を有する多官能チオール化合物としてPE1、(d)光ラジカル開始剤としてI184、(e)フェノール系酸化防止剤としてI245、(f)ホスファイト系酸化防止剤として1500、及びその他添加剤として単官能チオール化合物であるDDTを、それぞれ下記表1に記載の割合で配合し、前記撹拌脱泡機を用いて50℃で3時間撹拌混合した。さらに同装置を用いて10分間撹拌脱泡することでインプリント用光硬化性組成物1を調製した。なお、下記表1中、「部」は「質量部」を表す。
[実施例2]
(a)前記式(1)で表されるジ(メタ)アクリレート化合物としてHBPE4、(c)分子内に2つ乃至6つのメルカプト基を有する多官能チオール化合物としてPE1、(d)光ラジカル開始剤としてI184、(e)フェノール系酸化防止剤としてI245、(f)ホスファイト系酸化防止剤として1500、及びその他添加剤として単官能チオール化合物であるDDTを、それぞれ下記表1に記載の割合で配合し、前記撹拌脱泡機を用いて50℃で3時間撹拌混合した。さらに同装置を用いて10分間撹拌脱泡することでインプリント用光硬化性組成物2を調製した。
[実施例3、実施例4、実施例7及び実施例8]
(a)前記式(1)で表されるジ(メタ)アクリレート化合物としてHBPE4、(b)単官能又は多官能(メタ)アクリレート化合物としてFA513AS又はPET−30、(c)分子内に2つ乃至6つのメルカプト基を有する多官能チオール化合物としてPE1、TMMP又はDPMP、(d)光ラジカル開始剤としてI184、(e)フェノール系酸化防止剤としてI245、(f)ホスファイト系酸化防止剤として1500、及びその他添加剤として単官能チオール化合物であるDDTを、それぞれ下記表1に記載の割合で配合し、前記撹拌脱泡機を用いて50℃で3時間撹拌混合した。さらに同装置を用いて10分間撹拌脱泡することでインプリント用光硬化性組成物3、4、7及び8を調製した。本実施例は(b)成分であるFA−513AS又はPET−30を含むことが、本発明の実施例1及び実施例2と相違する。
[実施例5及び実施例6]
(a)前記式(1)で表されるジ(メタ)アクリレート化合物としてHBPE4、(b)単官能又は多官能(メタ)アクリレート化合物としてFA513AS又はPET−30、(c)分子内に2つ乃至6つのメルカプト基を有する多官能チオール化合物としてPE1、(d)光ラジカル開始剤としてI184、(e)フェノール系酸化防止剤としてI245、及び(f)ホスファイト系酸化防止剤として1500を、それぞれ下記表1に記載の割合で配合し、前記撹拌脱泡機を用いて50℃で3時間撹拌混合した。さらに同装置を用いて10分間撹拌脱泡することでインプリント用光硬化性組成物5及び6を調製した。本実施例はその他添加剤であるDDTを含まないことが、本発明の実施例3、実施例4、実施例7及び実施例8と相違する。
[実施例9]
(a)前記式(1)で表されるジ(メタ)アクリレート化合物としてHBPE4、(b)単官能又は多官能(メタ)アクリレート化合物としてFA513AS、(c)分子内に2つ乃至6つのメルカプト基を有する多官能チオール化合物としてPE1、(d)光ラジカル開始剤としてI184、及びその他添加剤として単官能チオール化合物であるDDTを、それぞれ下記表1に記載の割合で配合し、前記撹拌脱泡機を用いて50℃で3時間撹拌混合した。さらに同装置を用いて10分間撹拌脱泡することでインプリント用光硬化性組成物9を調製した。本実施例は(e)成分及び(f)成分を含まないことが、本発明の実施例3、実施例4、実施例7及び実施例8と相違する。
[比較例1]
(a)前記式(1)で表されるジ(メタ)アクリレート化合物としてHBPE4、(d)光ラジカル開始剤としてI184、(e)フェノール系酸化防止剤としてI245、(f)ホスファイト系酸化防止剤として1500、及びその他添加剤として単官能チオール化合物であるDDTを、それぞれ下記表1に記載の割合で配合し、前記撹拌脱泡機を用いて50℃で3時間撹拌混合した。さらに同装置を用いて10分間撹拌脱泡することで光硬化性組成物10を調製した。本比較例は(c)成分を含まないことが、本発明の実施例1及び実施例2と相違する。
[比較例2]
(a)前記式(1)で表されるジ(メタ)アクリレート化合物としてHBPE4、(c)多官能チオールとしてPE1、(d)光ラジカル開始剤としてI184、(e)フェノール系酸化防止剤としてI245、(f)ホスファイト系酸化防止剤として1500、その他添加剤として単官能チオール化合物であるDDTを、それぞれ下記表1に記載の割合で配合し、前記撹拌脱泡機を用いて50℃で3時間撹拌混合した。さらに同装置を用いて10分間撹拌脱泡することでインプリント用光硬化性組成物11を調製した。本比較例は前記(c)成分の含有量が前記(a)成分100質量部に対し5質量部乃至30質量部の上限値を超えていることが、本発明の実施例1及び実施例2と相違する。
[比較例3]
(b)単官能又は多官能(メタ)アクリレート化合物としてA−DCP、(c)分子内に2つ乃至6つのメルカプト基を有する多官能チオール化合物としてPE1、(c)光ラジカル開始剤としてI184、(d)フェノール系酸化防止剤としてI245、(e)ホスファイト系酸化防止剤として1500、及びその他添加剤として単官能チオール化合物であるDDTを、それぞれ下記表1に記載の割合で配合し、前記撹拌脱泡機を用いて50℃で3時間撹拌混合した。さらに同装置を用いて10分間撹拌脱泡することで光硬化性組成物12を調製した。本比較例は(a)成分を含まないことが、本発明の実施例3、実施例4、実施例7及び実施例8と相違する。
[硬化膜の作製]
実施例1乃至実施例9及び比較例1乃至比較例3で調製した各光硬化性組成物を、500μm厚のシリコーンゴム製スペーサーとともに、NOVEC(登録商標)1720(スリーエムジャパン(株)製)を塗布し乾燥することで離型処理したガラス基板2枚で挟み込んだ。この挟み込んだ光硬化性組成物を、前記UV照射装置を用いてi線バンドパスフィルター(朝日分光(株)製)を介して20mW/cmで300秒間UV露光した。露光後得られた硬化物を、前記離型処理したガラス基板から剥離した後、100℃のホットプレートで10分間加熱することで、直径3cm、厚さ0.5mmの硬化膜を作製した。
[透過率及び耐熱黄変性評価]
前記の方法で作製した硬化膜の波長410nmの透過率を、前記紫外可視近赤外分光光度計を用いて測定した。結果を下記表2に示す。さらに前記硬化膜をシリコンウェハ上に置き、該シリコンウェハを介して、260℃に加熱したホットプレート上で3分間加熱し、耐熱性試験を行った。耐熱性試験後の硬化膜の波長410nmの透過率を、前記紫外可視近赤外分光光度計を用いて測定し、加熱前後の透過率変化から耐熱黄変性を評価した。結果を下記表2に合わせて示す。
[硬化膜の作製及び屈折率n・アッベ数ν評価]
前記の方法で作製した硬化膜の波長589nmにおける屈折率n、及びアッベ数νを、前記多波長屈折計を用いて測定した。結果を下記表2に合わせて示す。
[反り量の評価]
実施例1乃至実施例9及び比較例1乃至比較例3で調製した各光硬化性組成物0.010gを、NOVEC(登録商標)1720(スリーエムジャパン(株)製)を塗布し乾燥することで離型処理したガラス基板上に秤量した。その後、500μm厚のシリコーンゴム製スペーサーを介して、信越化学工業(株)製接着補助剤(製品名:KBM−5103)をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで1質量%に希釈した溶液を塗布し乾燥することで密着処理したガラス基板(1.0cm角、0.5mm厚)で挟み込んだ。この挟み込んだ光硬化性組成物を、前記UV照射装置を用いてi線バンドパスフィルター(朝日分光(株)製)を介して20mW/cmで300秒間UV露光した。露光後得られた硬化物を、前記離型処理したガラス基板から剥離した後、100℃のホットプレートで10分間加熱することで、前記密着処理したガラス基板上に、直径0.5cm、厚さ0.5mm及び質量0.01gの硬化膜を作製した。
前記硬化膜が作製されたガラス基板を、前記非接触表面性状測定装置のステージに該ガラス基板が上面になるよう配置した。ガラス基板の中心を測定開始点とし、該ガラス基板の4つの頂点に向け前記ステージに対して垂直方向(Z軸)の変位を測定した。測定データから、前記ガラス基板の中心と該ガラス基板の各頂点との間の垂直方向(Z軸)の変位量を算出し、それらの平均値を反り量と定義した。図1にガラス基板の反り量評価方法を模式図で示す。前記測定後のガラス基板を、260℃のホットプレートで3分間加熱することで耐熱性試験を行った後、前記方法により再度測定を行い、反り量の評価を行った。それぞれの結果を下記表2に合わせて示す。
比較例1は、耐熱性試験前後の透過率低下が3%を超え、さらに反り量も2μm以上を示す結果となった。また、比較例2では、耐熱性試験にて軟化による膜変形が発生し、耐熱黄変性の評価に至らない結果となった。さらに、比較例3では、初期透過率が90%未満と低いとともに、反り量も2μmを大きく超え、10μm以上を示す結果となった。これに対して本発明は、初期透過率、耐熱黄変性、反り量の全ての特性で良好な特性を示し、かつ高アッベ数を有するレンズとして好適な屈折率n及びアッベ数νを示し、本発明の優位性が確認された。
[レンズの作製]
実施例1で調製した光硬化性組成物1、実施例3で調製した光硬化性組成物3及び実施例4で調製した光硬化性組成物4を、それぞれ、ニッケル製の鋳型(2mm径×300μm深さのレンズ型を縦3列×横5列の15個配置)及びナノインプリンターを用い、前述の成形体の製造方法に従って、支持体であるガラス基板上でレンズ形状に成形した。なお、使用した鋳型は、予めNOVEC(登録商標)1720(スリーエムジャパン(株)製)で離型処理した。また、使用したガラス基板は、予め信越化学工業(株)製接着補助剤(製品名:KBM−503)で密着処理した。前記鋳型から硬化物を外した後、該硬化物を150℃のホットプレートで10分間加熱することで、前記密着処理したガラス基板上に凸レンズを作製した。
前記ガラス基板上に得られた凸レンズについて、加熱試験前後のレンズ高さ(厚み)を前記非接触表面性状測定装置で測定し、その変化率を次式“[(加熱前レンズ高さ−加熱後レンズ高さ)/加熱前レンズ高さ]×100”から算出し、加熱による寸法安定性を評価した。また、加熱試験後の凸レンズにおけるクラックの発生の有無を、前記非接触表面性状測定装置に付属のマイクロスコープで観察した。なお、加熱試験とは、ガラス基板上に得られた凸レンズを260℃のホットプレートで3分間加熱した後、室温(およそ23℃)まで放冷する試験である。結果を下記表3に示す。
表3に示すように、本発明のインプリント用光硬化性組成物から得られた凸レンズは、260℃、3分間の熱履歴を経てもレンズ高さの変化が小さく、寸法安定性が高いという結果が得られた。
図1はガラス基板の反り量の評価方法を示す模式図である。

Claims (10)

  1. 下記(a)成分、該(a)成分100質量部に対し0質量部乃至70質量部の下記(b)成分、該(a)成分及び該(b)成分の和100質量部に対し5質量部乃至30質量部の下記(c)成分、並びに該(a)成分、該(b)成分及び該(c)成分の和100質量部に対し0.2質量部乃至5質量部の下記(d)成分を含む、インプリント用光硬化性組成物。
    (a):下記式(1)で表されるジ(メタ)アクリレート化合物
    (式中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、R及びRはそれぞれ独立に炭素原子数1乃至4のアルキレン基を表し、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、r及びrはそれぞれ独立に1乃至5の整数を表す。)
    (b):芳香族環を含まない単官能又は多官能(メタ)アクリレート化合物(ただし、前記式(1)で表されるジ(メタ)アクリレート化合物を除く。)
    (c):分子内に2つ乃至6つのメルカプト基を有する多官能チオール化合物
    (d):光ラジカル開始剤
  2. さらに、前記(a)成分、前記(b)成分及び前記(c)成分の和100質量部に対し0.05質量部乃至1質量部の下記(e)成分及び/又は前記(a)成分、前記(b)成分及び前記(c)成分の和100質量部に対し0.1質量部乃至3質量部の下記(f)成分を含有する、請求項1に記載のインプリント用光硬化性組成物。
    (e):フェノール系酸化防止剤
    (f):ホスファイト系酸化防止剤
  3. 前記(c)成分は、下記式(2)で表される多官能チオール化合物である、請求項1又は請求項2に記載のインプリント用光硬化性組成物。
    (式中、Rは単結合又は炭素原子数1乃至6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基を表し、Xは単結合又はエステル結合を表し、Aはヘテロ原子を少なくとも1つ含む若しくはヘテロ原子を含まない炭素原子数2乃至12の有機基又はヘテロ原子を表し、rは2乃至6の整数を表す。)
  4. 単官能チオール化合物を前記(a)成分、前記(b)成分及び前記(c)成分の和100質量部に対し0.1質量部乃至3質量部さらに含有する、請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載のインプリント用光硬化性組成物。
  5. 前記インプリント用光硬化性組成物は、その硬化物の波長589nmにおける屈折率nが1.50以上1.55以下であり、かつ該硬化物のアッベ数νが53以上60以下である、請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載のインプリント用光硬化性組成物。
  6. 請求項5に記載のインプリント用光硬化性組成物の硬化物。
  7. 請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載のインプリント用光硬化性組成物をインプリント成形する工程を含む、樹脂レンズの製造方法。
  8. 請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載のインプリント用光硬化性組成物を、接し合う支持体と鋳型との間の空間、又は分割可能な鋳型の内部の空間に充填する工程、及び該空間に充填された光硬化性組成物を露光して光硬化する工程を含む、成形体の製造方法。
  9. 前記光硬化する工程の後、得られた光硬化物を取り出して離型する工程、並びに、該光硬化物を、該離型する工程の前、中途又は後において加熱する工程を含む、請求項8に記載の成形体の製造方法。
  10. 前記成形体がカメラモジュール用レンズである、請求項8又は請求項9に記載の成形体の製造方法。
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