JPWO2018142698A1 - 光コネクタ及びコネクタ付き光ファイバ - Google Patents
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Abstract
光コネクタは、第1方向における前部に設けられてアダプタまたはレセプタクルのコネクタ導入口に挿入される光コネクタ部、及び第1方向における後部から前部に延びておりアダプタまたはレセプタクルと係合するラッチ部を有するハウジングと、ハウジングの外面上から第1方向におけるハウジングの後方へ延在し、第1方向にスライド可能な状態で外面に取り付けられたタブと、を備える。ラッチ部は、第1方向と交差する第2方向に延びる部分を有する。タブは、第1方向に対して傾斜しており部分と接触する斜面を有し、後方へスライドすることにより部分を押し下げる。タブ及びハウジングは、互いにスライド可能な状態で係合する機構を有する。
Description
本開示は、光コネクタ及びコネクタ付き光ファイバに関するものである。本出願は、2017年1月31日出願の日本出願第2017−015982号に基づく優先権を主張し、前記日本出願に記載された全ての記載内容を援用するものである。
特許文献1には、光コネクタプラグに関する技術が記載されている。この文献に記載された光コネクタプラグは、解除レバーを有するプラグ本体と、スライダとを備える。解除レバーは、プラグ本体の長手方向の一面に前方から後方に向かって形成される。解除レバーは、アダプタまたはレセプタクルと脱着自在に係合する。スライダは、プラグ本体の軸方向に規制された範囲内で該軸方向に移動可能なようにプラグ本体に装着されている。スライダは、解除レバーの解除片に押圧可能に係合するテーパ面を前部に有する。
特許文献2には、LC型光コネクタプラグに関する技術が記載されている。この文献に記載された光コネクタプラグは、特許文献1と同様のプラグ本体及びスライダに加えて、操作用タブを更に備える。操作用タブは、スライダの後部に着脱可能に装着される。
一実施形態に係る光コネクタは、第1方向に沿ってアダプタまたはレセプタクルと結合される光コネクタであって、第1方向における前部に設けられてアダプタまたはレセプタクルのコネクタ導入口に挿入される光コネクタ部、及び第1方向における後部から前部に延びておりアダプタまたはレセプタクルと係合するラッチ部を有するハウジングと、ハウジングの外面上から第1方向におけるハウジングの後方へ延在し、第1方向にスライド可能な状態で外面に取り付けられたタブと、を備える。ラッチ部は、第1方向と交差する第2方向に延びる部分を有する。タブは、第1方向に対して傾斜しており部分と接触する斜面を有し、後方へスライドすることにより該部分を押し下げる。タブ及びハウジングは、互いにスライド可能な状態で係合する機構を有する。
[本開示が解決しようとする課題]
例えばLC型などの光コネクタがアダプタまたはレセプタクルに結合されるとき、ラッチ部がアダプタまたはレセプタクルと係合する。この係合により、光コネクタは、アダプタまたはレセプタクルの意図しない脱落を防止する。従って、光コネクタをアダプタまたはレセプタクルから抜出するとき、ラッチ部とアダプタとの係合状態またはラッチ部とレセプタクルとの係合状態を解除する必要がある。例えば、従来の光コネクタは、ラッチ部に覆い被さるように設けられたレバーを指で押圧することによって、これらの係合状態を解除する。しかしながら、近年の通信基地局などにおいては、通信容量の急激な増大に伴って光配線の密度が増している。従って、光コネクタの設置間隔も次第に狭くなってきている。そのため、光配線の隙間から光コネクタに直接アクセスすることが難しくなってきている。従って、ラッチ部の係合状態を解除するための機構にも工夫が求められている(例えば特許文献1,2を参照)。その一方で、光コネクタの信頼性を損なわないために、光コネクタの構造を簡素にすることも望まれる。なお、アダプタとは一般的にコネクタ同士を結合するために用いられるものを指す。レセプタクルとは一般的に機器にコネクタを結合するために用いられるものを指す。アダプタ及びレセプタクルは、どちらもコネクタ挿入口を有している。
例えばLC型などの光コネクタがアダプタまたはレセプタクルに結合されるとき、ラッチ部がアダプタまたはレセプタクルと係合する。この係合により、光コネクタは、アダプタまたはレセプタクルの意図しない脱落を防止する。従って、光コネクタをアダプタまたはレセプタクルから抜出するとき、ラッチ部とアダプタとの係合状態またはラッチ部とレセプタクルとの係合状態を解除する必要がある。例えば、従来の光コネクタは、ラッチ部に覆い被さるように設けられたレバーを指で押圧することによって、これらの係合状態を解除する。しかしながら、近年の通信基地局などにおいては、通信容量の急激な増大に伴って光配線の密度が増している。従って、光コネクタの設置間隔も次第に狭くなってきている。そのため、光配線の隙間から光コネクタに直接アクセスすることが難しくなってきている。従って、ラッチ部の係合状態を解除するための機構にも工夫が求められている(例えば特許文献1,2を参照)。その一方で、光コネクタの信頼性を損なわないために、光コネクタの構造を簡素にすることも望まれる。なお、アダプタとは一般的にコネクタ同士を結合するために用いられるものを指す。レセプタクルとは一般的に機器にコネクタを結合するために用いられるものを指す。アダプタ及びレセプタクルは、どちらもコネクタ挿入口を有している。
本開示は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、光配線の密度が増してもラッチ部の係合状態を容易に解除でき、且つラッチ部の係合状態を解除するための構造を簡素にできる光コネクタ及びコネクタ付き光ファイバを提供することを目的とする。
[本開示の効果]
本開示による光コネクタ及びコネクタ付き光ファイバによれば、光配線の密度が増してもラッチ部の係合状態を容易に解除でき、且つラッチ部の係合状態を解除するための構造を簡素にできる。
[実施形態の説明]
最初に、本開示の実施形態の内容を列記して説明する。一実施形態に係る光コネクタは、第1方向に沿ってアダプタまたはレセプタクルと結合される光コネクタであって、第1方向における前部に設けられてアダプタまたはレセプタクルのコネクタ導入口に挿入される光コネクタ部、及び第1方向における後部から前部に延びておりアダプタまたはレセプタクルと係合するラッチ部を有するハウジングと、ハウジングの外面上から第1方向におけるハウジングの後方へ延在し、第1方向にスライド可能な状態で外面に取り付けられたタブと、を備える。ラッチ部は、第1方向と交差する第2方向に延びる部分を有する。タブは、第1方向に対して傾斜しており部分と接触する斜面を有し、後方へスライドすることにより該部分を押し下げる。タブ及びハウジングは、互いにスライド可能な状態で係合する機構を有する。
本開示による光コネクタ及びコネクタ付き光ファイバによれば、光配線の密度が増してもラッチ部の係合状態を容易に解除でき、且つラッチ部の係合状態を解除するための構造を簡素にできる。
[実施形態の説明]
最初に、本開示の実施形態の内容を列記して説明する。一実施形態に係る光コネクタは、第1方向に沿ってアダプタまたはレセプタクルと結合される光コネクタであって、第1方向における前部に設けられてアダプタまたはレセプタクルのコネクタ導入口に挿入される光コネクタ部、及び第1方向における後部から前部に延びておりアダプタまたはレセプタクルと係合するラッチ部を有するハウジングと、ハウジングの外面上から第1方向におけるハウジングの後方へ延在し、第1方向にスライド可能な状態で外面に取り付けられたタブと、を備える。ラッチ部は、第1方向と交差する第2方向に延びる部分を有する。タブは、第1方向に対して傾斜しており部分と接触する斜面を有し、後方へスライドすることにより該部分を押し下げる。タブ及びハウジングは、互いにスライド可能な状態で係合する機構を有する。
この光コネクタでは、第1方向にスライド可能な状態で取り付けられたタブが、ハウジングの外面上からハウジングの後方へ延在している。ラッチ部の係合状態を解除する際には、このタブの後端部を指でつまんで後方へ引く。これにより、タブの斜面がラッチ部を押し下げる。従って、光コネクタは、光配線の密度が増してもラッチ部の係合状態を容易に解除できる。また、この光コネクタは、タブ及びハウジングが、互いにスライド可能な状態で係合する機構を有する。これにより、光コネクタは、例えば特許文献1,2に示されたスライダのような大掛かりな構成が不要となる。そして光コネクタは、、ラッチ部の係合状態を解除するための構造を簡素にできる。
上記の光コネクタにおいて、上記機構は、ハウジングに形成された第1方向に延びるスリットと、タブに形成されスリットに係合する断面T字状の突起とを含んでもよい。例えばこのような構成により、タブ及びハウジングがスライド可能な状態で係合する機構を簡素な構成によって実現できる。
上記の光コネクタにおいて、ハウジングは、第1方向と交差する方向からタブを挟む狭隘部を有し、タブは、該方向において外向きに突出する一対の突起を有し、突起の前端が狭隘部の後端に当接し、突起の後部の表面が第1方向に対して傾斜してもよい。例えばこのような構成により、狭隘部の前方からタブを差し込むことにより、タブをハウジングに容易且つ確実に取り付けることができる。また、光コネクタをアダプタまたはレセプタクルに結合する際に、作業者がタブを前方に押す力を突起及び狭隘部を介してハウジングに伝えることができる。この場合、タブは、一対の突起の間に形成された第1方向に延びるスリットを更に有してもよい。これにより、一対の突起がタブの内側に向けて弾性的に撓むことができる。従って、タブをハウジングに更に容易に取り付けることができる。
一実施形態に係るコネクタ付き光ファイバは、上記何れかの光コネクタと、光コネクタ部から延びる光ファイバを含み、ハウジングの第1方向における後端から後方へ延びる光ファイバケーブルと、を備える。このコネクタ付き光ファイバによれば、上記何れかの光コネクタを備える。これにより、光配線の密度が増してもラッチ部の係合状態を容易に解除でき、且つラッチ部の係合状態を解除するための構造を簡素にできる。
[実施形態の詳細]
本開示の実施形態に係る光コネクタ及びコネクタ付き光ファイバの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。以下の説明では、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また以下の図において、必要に応じてXYZ座標系が示されている。Z方向は、本実施形態における第1方向である。Z方向は、光コネクタのアダプタまたはレセプタクルに対する挿入方向(前後方向)を表す。X方向は、本実施形態における第2方向である。X方向は、光コネクタの左右方向を表す。Y方向は、本実施形態における第3方向である。Y方向は、光コネクタの上下方向を表す。X方向、Y方向およびZ方向は、互いに交差している。X方向、Y方向およびZ方向は、一例では互いに直交している。
本開示の実施形態に係る光コネクタ及びコネクタ付き光ファイバの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。以下の説明では、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また以下の図において、必要に応じてXYZ座標系が示されている。Z方向は、本実施形態における第1方向である。Z方向は、光コネクタのアダプタまたはレセプタクルに対する挿入方向(前後方向)を表す。X方向は、本実施形態における第2方向である。X方向は、光コネクタの左右方向を表す。Y方向は、本実施形態における第3方向である。Y方向は、光コネクタの上下方向を表す。X方向、Y方向およびZ方向は、互いに交差している。X方向、Y方向およびZ方向は、一例では互いに直交している。
図1は、本実施形態によるコネクタ付き光ファイバ1の構成を示す斜視図である。図2は、図1に示されるコネクタ付き光ファイバ1の上面図である。図3は、図1に示されるコネクタ付き光ファイバ1の側面図である。図1、図2及び図3に示されるように、コネクタ付き光ファイバ1は、光コネクタ2と、光ファイバケーブル3とを備える。光コネクタ2は、ハウジング10、タブ40、及びブーツ50を備える。ハウジング10は、第1ハウジング20及び第2ハウジング30を含む。
図4は、第1ハウジング20及びブーツ50の外観を示す斜視図である。第1ハウジング20は、例えばポリエーテルイミド(polyetherimide:PEI)といった樹脂材料からなる。第1ハウジング20は、Z方向に並ぶ前部21(フロントハウジング)及び後部22(インナーハウジング)を有する。第1ハウジング20は、Z方向に沿って前後に延びている。なお、前部21及び後部22は一体に成型されてもよい。また前部21及び後部22は、互いに別部品として成型されたのちに一体に組み立てられてもよい。
前部21は、第1光コネクタ部23及び第2光コネクタ部24を有する。第1光コネクタ部23と第2光コネクタ部24とは、X方向に並んでいる。第1光コネクタ部23と第2光コネクタ部24とは、それぞれZ方向に沿って前後に延びている。第1光コネクタ部23は、単心光コネクタである。第1光コネクタ部23は、図15に示されるアダプタ100の第1コネクタ導入口101に挿入される。第1光コネクタ部23は、単心の光ファイバと、この光ファイバの前端部を保持するフェルール25(図2,図3参照)とを収容する。第2光コネクタ部24は、単心光コネクタである。第2光コネクタ部24は、図15に示されるアダプタ100の第2コネクタ導入口102に挿入される。第2光コネクタ部24は、単心の別の光ファイバと、この光ファイバの前端部を保持する別のフェルール26(図2参照)とを収容する。第1光コネクタ部23は、例えば上り信号光を伝送する。第2光コネクタ部24は、例えば下り信号光を伝送する。各光コネクタ部23,24は、フェルール25,26の基端部を、前後方向に移動可能な状態で支持する。フェルール25,26の基端部には図示しない金属製のフランジが取り付けられている。このフランジは、コイルばねによって前方に付勢される。各光コネクタ部23,24の前端はそれぞれ開口している。各フェルール25,26の先端部は、これらの開口から前方へ突出している。
本実施形態の第1光コネクタ部23及び第2光コネクタ部24のZ方向に垂直な断面における形状は略正方形状である。第1光コネクタ部23は、X方向に対向する一対の側面231,232と、Y方向に対向する上面233及び下面234とを有する。同様に、第2光コネクタ部24は、X方向に対向する一対の側面241,242と、Y方向に対向する上面243及び下面とを有する。第1光コネクタ部23の一方の側面232と、第2光コネクタ部24の一方の側面241とは、互いに向かい合っている。第1光コネクタ部23の上面233と、第2光コネクタ部24の上面243とはそれぞれ同じ方向(Y軸正方向)を向いている。第1光コネクタ部23の下面234と、第2光コネクタ部24の下面とはそれぞれ同じ方向(Y軸負方向)を向いている。
第1ハウジング20の後部22は、第1光コネクタ部23及び第2光コネクタ部24に対してZ方向の後方に設けられている。第1ハウジング20の後部22は、第1光コネクタ部23の基端部と、第2光コネクタ部24の基端部とを相互に繋いでいる。後部22の内部は空洞である。後部22は、第1光コネクタ部23及び第2光コネクタ部24それぞれから延びる光ファイバをまとめて収容する。本実施形態の後部22のZ方向に垂直な断面における形状は、X方向を長手方向とする略長方形状である。すなわち、後部22は、X方向に対向する一対の側面221,222と、Y方向に対向する上面223及び下面224とを有する。一対の側面221,222はX方向に傾斜する斜面をそれぞれ含む。一対の側面221,222の間隔は、後端に近づくにつれて狭くなっている。従って、後部22の後端側における一対の側面221,222の間隔は、後部22の前端側における一対の側面221,222の間隔よりも狭い。
ブーツ50は、第1ハウジング20のZ方向における後端から後方へ延びている。ブーツ50は、第1光コネクタ部23から延びる光ファイバと第2光コネクタ部24から延びる光ファイバとを一括して収容する。ブーツ50は、略円筒状の部材である。ブーツ50は、第1ハウジング20の外部へ延びる光ファイバに過度の曲げ応力が生じることを防ぐ。ブーツ50は、第1ハウジング20と比べて柔らかい樹脂材料(例えば熱可塑性エラストマー(Thermoplastic Elastomers:TPE))からなる。ブーツ50は、第1ハウジング20に対して相対的に、Z方向に沿った中心軸線周りに回転可能な状態で取り付けられている。また、ブーツ50の外周面は中心軸線周りに非回転対称な形状を有する。本実施形態では、ブーツ50は、互いに対向する一対の平坦面51,52を外周面に有する。一対の平坦面51,52は互いに平行である。一対の平坦面51,52は、Z方向に沿って延びている。平坦面51,52には、ブーツ50の回転位置を容易に視認するためのマーク53が形成されている。
図1、図2及び図3に示されるように、光ファイバケーブル3は、第1ハウジング20のZ方向における後端から後方へ延びる。光ファイバケーブル3の端部は、ブーツ50に保持されている。光ファイバケーブル3は、第1光コネクタ部23から延びる光ファイバと、第2光コネクタ部24から延びる光ファイバとを含む。
図5は、第2ハウジング30(アウターハウジング)を斜め前方から見た斜視図である。図6は、第2ハウジング30を斜め後方から見た斜視図である。図7は、第2ハウジング30の側面図である。図8は、第2ハウジング30の上面図である。第2ハウジング30は、例えばポリエーテルイミド(polyetherimide:PEI)といった樹脂材料からなる。第2ハウジング30は、第1ハウジング20の後部22に着脱可能に被せるように取り付けられる。本実施形態の第2ハウジング30のZ軸方向に垂直な断面の形状は、X方向を長手方向とする長方形状である。第2ハウジング30は、Z方向に沿った第1ハウジング20の中心軸線周りに後部22を囲んでいる。具体的には、第2ハウジング30は、一対の側壁301,302、上壁303、下壁304、及び後端壁305を有する。一対の側壁301,302は、第1ハウジング20の後部22の一対の側面221,222をそれぞれ覆う。上壁303は、後部22の上面223(または下面224)を覆う。下壁304は、後部22の下面224(または上面223)を覆う。後端壁305は、後部22の後端を覆う。
第2ハウジング30は、第1ラッチ部31及び第2ラッチ部32を有する。ラッチ部31,32は、X方向に並んで配置され、後部22上の上壁303から前部21へ向けて延びている。ラッチ部31,32は、係合部311,321を前端に有する。係合部311,321は、図15に示されるアダプタ100の第1コネクタ導入口101の内部及び第2コネクタ導入口102の内部においてアダプタ100にそれぞれ係合する。ラッチ部31,32は、第1光コネクタ部23及び第2光コネクタ部24が第1コネクタ導入口101及び第2コネクタ導入口102からそれぞれ挿入されたときに、係合部311,321においてアダプタ100と係合する。この構成により、ラッチ部31,32は、第1光コネクタ部23及び第2光コネクタ部24の意図しない抜出を防ぐ。なお、ラッチ部31,32は、後述するタブ40による力を受ける。従って、ラッチ部31,32は、X方向に延びる棒状の部分312,322をそれぞれ有する。棒状部分312,322は、ラッチ部31,32の基端部(上壁303に固定された部分)と係合部311,321との間に位置する。
第2ハウジング30は、Z方向に沿った中心軸線周りに180°反転した状態であっても第1ハウジング20の後部22に取り付け可能に構成されている。言い換えれば、第1ハウジング20の後部22の外面及び第2ハウジング30の内面は、Z方向に沿った中心軸線周りに180°回転対称な形状を有する。従って、第2ハウジング30は、Y方向における第1ハウジング20の一方側にラッチ部31,32が位置する状態、並びに他方側にラッチ部31,32が位置する状態の双方において後部22に取り付け可能となっている。
第2ハウジング30は、後端壁305に設けられた開口36を有する。開口36は、ブーツ50を通す略円形状を呈する。開口36は、ブーツ50の外周面と同様に、中心軸線周りに非回転対称な形状を有する。本実施形態では、開口36の縁に一対の直線部分361,362が設けられている。これら一対の直線部分361,362の間隔は、前述したブーツ50の一対の平坦面51,52の間隔よりも僅かに大きい。また、一対の直線部分361,362の間隔は、一対の平坦面51,52を除くブーツ50の前端における外周面の直径よりも小さい。従って、ブーツ50の開口に対する相対回転位置が、一対の平坦面51,52の回転方向の位置と一対の直線部分361,362の回転方向の位置とが互いに一致する回転方向の位置(第1の相対回転位置)である場合には、ブーツ50が開口36を通過可能となる。従って、第2ハウジング30を第1ハウジング20から取り外すことができる。また、ブーツ50の相対回転位置が第1の相対回転位置とは異なる回転位置(第2の相対回転位置、例えば第1の相対回転位置から更に90°相対的に回転させた位置)である場合には、ブーツ50が開口36を通過不能となる。従って、第1ハウジング20からの第2ハウジング30の脱離が防止される。
第2ハウジング30は、第1突起部33及び第2突起部34を更に有する。第1突起部33は、第1ラッチ部31と第1光コネクタ部23との間に配置される。第1突起部33は、後部22上の上壁303から第1光コネクタ部23の先端へ向けて延びている。第1突起部33は、第1光コネクタ部23とともにアダプタ100の第1コネクタ導入口101(図15参照)に挿入される。第1突起部33の先端には、第1コネクタ導入口101の断面形状に合致する形状の凸部331が形成されている。第2突起部34は、第2ラッチ部32と第2光コネクタ部24との間に配置される。第2突起部34は、後部22上の上壁303から第2光コネクタ部24の先端へ向けて延びている。第2突起部34は、第2光コネクタ部24とともに第2コネクタ導入口102に挿入される。第2突起部34の先端には、凸部341が形成されている。凸部341は、第2コネクタ導入口102の断面形状に合致する形状を有する。
再び図1、図2及び図3を参照する。タブ40は、棒状の部材である。タブ40は、弾性を有する例えばポリカーボネート(polycarbonate:PC)といった樹脂材料からなる。タブ40は、ハウジング10の外面(具体的には第2ハウジング30の上壁303の表面)からZ方向に沿ってハウジング10の後方へ延在する。タブ40は、Z方向にスライド可能な状態で第2ハウジング30の上壁303に取り付けられている。
ここで、図9は、タブ40を斜め上方から見た斜視図である。図10は、タブ40を斜め下方から見た斜視図である。図11は、第2ハウジング30とタブ40とが組み立てられた状態を斜め上方から見た斜視図である。図12は、第2ハウジング30とタブ40とが組み立てられた状態を斜め下方から見た斜視図である。図13は、図11に示されたXIII−XIII線に沿った断面図である。図14は、第2ハウジング30とタブ40とが組み立てられた状態をZ軸正方向から見た正面図である。
図9及び図10に示されるように、タブ40の後端部には、作業者が指でつまむための把持部41が設けられている。把持部41は、作業者が指でつまみ易いように、YZ平面に沿った平板状を呈する。また、タブ40の中央部ないし前端部は、ハウジング10の上面に沿い易いように、XZ平面に沿った平板状を呈する。環状部42は、タブ40の前端部に設けられている。一つの斜面43は、環状部42の内面に形成されている。この斜面43は、Z方向に対して傾斜している。具体的には、斜面43の法線は、Y方向に対してZ方向後方へ傾斜している。なお、斜面43は必ずしも平坦でなくてもよい。例えば本実施形態では、斜面43は、わずかに凸の曲面(YZ平面内に曲率を有する円柱面)となっている。
図13に示されるように、斜面43は、ラッチ部31,32の棒状部分312,322と接触する。図13には棒状部分322のみ示されているが、棒状部分312についても同様である。タブ40が後方へスライドすると、この斜面43も後方へ移動し、棒状部分312,322が斜面43によって押し下げられる。その結果、ラッチ部31,32が押し下げられて係合部311,321とアダプタ100(図15参照)との係合が解除される。なお、本実施形態の棒状部分312,322はラッチ部31,32に個別に設けられている。しかし、棒状部分312,322は、ラッチ部31,32の棒状部分が相互に連結していても良い。
また、本実施形態のタブ40及びハウジング10は、互いにスライド可能な状態で係合する機構を有する。一例として、この機構は、第2ハウジング30に形成されたスリット37(図12、図14参照)と、タブ40に形成された突起44(図10、図12〜図14参照)とを含む。スリット37は、第2ハウジング30の上壁303に形成された細長い開口部である。スリット37は、Z方向に延びている。また、図10に示されるように、突起44は、タブ40の下面からY方向下方に向けて(すなわち第2ハウジング30の内部に向けて)突出している。突起44のXY平面に沿った断面形状は、逆T字状である。そして、T字の脚部がスリット37に挿入される。この構成により、突起44は、スリット37の長手方向に移動可能な状態でスリット37に係合する。
また、図6に示されるように、第2ハウジング30は、Z方向と交差する方向(本実施形態ではX方向)からタブ40を挟むための狭隘部38(図14参照)を有する。一方、図9及び図10に示されるように、タブ40は、該方向において外向きに突出する一対の突起45,46を有する。突起45,46の前端は、XY平面に沿って延びる当接面を成す。突起45,46の前端は、狭隘部38の後端に当接する。突起45,46の後部の表面は、タブ40の側面の一部を構成する。突起45,46の後部の表面は、後方に向けて次第にタブ40の幅が狭くなるように、Z方向に対して傾斜している。
また、タブ40は、一対の突起45,46の間に形成されたスリット47,48を更に有する。本実施形態では、一のスリット47は、Z方向に沿ったタブ40の中心軸線に対して一方の突起45側に設けられている。別のスリット48は、該中心軸線に対して他方の突起46側に設けられている。これらのスリット47,48は、タブ40の上面と下面との間を貫通する。スリット47,48は、Z方向に沿って延びている。Z方向におけるスリット47,48の長さは、同方向における突起45,46の長さよりも長い。
続いて、光コネクタ2と接続されるアダプタ100の構成について説明する。図15は、アダプタ100の外観を示す斜視図である。光コネクタ2は、Z方向に沿ってアダプタ100と結合される。本実施形態のアダプタ100は、いわゆる2連構成のアダプタである。アダプタ100は、第1コネクタ導入口101及び第2コネクタ導入口102を備える。前述したように、光コネクタ2の第1光コネクタ部23は、第1コネクタ導入口101に挿入される。また、第2光コネクタ部24は、第2コネクタ導入口102に挿入される。また、ラッチ部31は、第1コネクタ導入口101内部においてアダプタ100と係合する。また、ラッチ部32は、第2コネクタ導入口102内部においてアダプタ100と係合する。
以上の構成を備える光コネクタ2の、ラッチ部31,32の係合状態を解除する際の動作について、図16及び図17を参照しながら説明する。図16は、コネクタ導入口101,102内部においてアダプタ100と係合しているときの第2ハウジング30のラッチ部31,32の状態を示す。また、図17は、アダプタ100との係合状態が解除されたときのラッチ部31,32の状態を示す。
図16に示すように、ラッチ部31,32がアダプタ100と係合しているとき、ラッチ部31,32の棒状部分312,322は、環状部42の上部(斜面43の上端)に位置している。ラッチ部31,32の係合状態を解除する際には、作業者がタブ40の把持部41を指でつまみ、タブ40を後方へ引っ張る。これにより、例えば図12に示された突起44がスリット37に係合しながら後方にスライドする。その結果、図17に示すようにタブ40は後方に移動する。同時に、環状部42及び斜面43は後方に移動する。このとき、ラッチ部31,32の棒状部分312,322は、斜面43上を滑る。その結果、棒状部分312,322は、環状部42の下部(斜面43の下端)に移動する。この棒状部分312,322の動きに伴い、ラッチ部31,32の係合部311,321は、下方に移動する。これにより、ラッチ部31,32とアダプタ100との係合状態が解除される。
以上に説明した本実施形態のコネクタ付き光ファイバ1及び光コネクタ2によって得られる効果について説明する。コネクタ付き光ファイバ1及び光コネクタ2では、Z方向にスライド可能な状態で取り付けられたタブ40が、ハウジング10の上面上からハウジング10の後方へ延在している。これにより、タブ40の後端部(把持部41)は、光配線の隙間を通り抜けて容易にアクセス可能な位置にある。そして、上述したように、ラッチ部31,32の係合状態を解除する際には、このタブ40の後端部(把持部41)を指でつまんで後方へ引くことによって、タブ40の斜面43がラッチ部31,32を押し下げる。従って、光配線の密度が増してもラッチ部31,32の係合状態を容易に解除できる。また、この光コネクタ2では、タブ40及びハウジング10が、互いにスライド可能な状態で係合する機構を有する。これにより、例えば特許文献1,2に示されたスライダのような大掛かりな構成が不要である。従って、ラッチ部31,32の係合状態を解除するための構造を簡素にできる。
また、本実施形態のように、上記機構は、ハウジング10に形成されたZ方向に延びるスリット37と、タブ40に形成されスリット37に係合する断面T字状の突起44とを含んでもよい。例えばこのような構成により、タブ40及びハウジング10がスライド可能な状態で係合する機構を簡素な構成によって実現できる。
また、本実施形態のように、ハウジング10は、Z方向と交差する方向からタブ40を挟む狭隘部38を有し、タブ40は、該方向において外向きに突出する一対の突起45,46を有し、突起45,46の前端が狭隘部38の後端に当接し、突起45,46の後部の表面がZ方向に対して傾斜してもよい。このような構成によれば、狭隘部38の前方からタブ40を差し込む際に、突起45,46の傾斜面が狭隘部38に徐々に押し込まれる。従って、タブ40をハウジング10に容易に取り付けることができる。また、突起45,46が狭隘部38を通過した後には突起45,46は、再び突出する。突起45,46の前端は、狭隘部38の後端に当接する。従って、タブ40をハウジング10に確実に取り付けることができる。更には、光コネクタ2をアダプタ100に結合する際に、作業者がタブ40を前方に押す力を、突起45,46及び狭隘部38を介してハウジング10に伝えることができる。
また、このようにタブ40が突起45,46を有する場合、タブ40は、一対の突起45,46の間に形成されたスリット47,48を更に有してもよい。これにより、一対の突起45,46がタブ40の内側に向けて弾性的に撓むことができる。従って、タブ40をハウジング10に更に容易に取り付けることができる。
本開示による光コネクタ及びコネクタ付き光ファイバは、上述した実施形態に限られるものではなく、他に様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態ではハウジング10が第1ハウジング20及び第2ハウジング30を含んでいる。しかし、ハウジングは一体に形成されてもよい。また、上記実施形態ではハウジング10が2つの光コネクタ部(第1光コネクタ部23、第2光コネクタ部24)を有している。しかし、ハウジングが有する光コネクタ部は単一であってもよい。また、第2ハウジング30の脱落を防ぐための機構として第2ハウジング30の開口36に一対の直線部分361,362を設け、ブーツ50に一対の平坦面51,52を設けている。しかし、第2ハウジングの脱落を防ぐための機構はこれに限られない。第2ハウジングの脱落を防ぐための機構はブーツの回転によって第2ハウジングの後方への移動を制御し得る様々な機構を適用できる。また、上記実施形態では、第2ハウジング30とタブ40とを係合させるための機構としてスリット37及びT字状の突起44を例示した。しかし、該機構はこのような構成に限られない。該機構は、タブが第2ハウジングとスライド可能に係合し得る様々な構成を適用できる。また、本実施形態では、第2ハウジング30が第1ハウジング20の中心軸線周りに後部22を囲んでいる。しかし、第2ハウジングは、第1ハウジングの後部に対して着脱可能であればどのような形状を有していてもよい。また、上記実施形態では、タブ40が突起45,46の間に2つのスリット47,48を有している。しかし、スリットは単一でもよい。また、スリットは、3つ以上設けられてもよい。また、上記実施形態では光コネクタがアダプタと結合されるものとして説明した。しかし、本開示の光コネクタは、アダプタと同様の結合機構を備えるレセプタクルと結合されるものであってもよい。
1…コネクタ付き光ファイバ、2…光コネクタ、3…光ファイバケーブル、10…ハウジング、20…第1ハウジング、21…前部、22…後部、23…第1光コネクタ部、24…第2光コネクタ部、25,26…フェルール、30…第2ハウジング、31…第1ラッチ部、32…第2ラッチ部、33…第1突起部、34…第2突起部、36…開口、37…スリット、38…狭隘部、40…タブ、41…把持部、42…環状部、43…斜面、44…突起、45,46…突起、47,48…スリット、50…ブーツ、51,52…平坦面、100…アダプタ、101…第1コネクタ導入口、102…第2コネクタ導入口。
Claims (5)
- 第1方向に沿ってアダプタまたはレセプタクルと結合される光コネクタであって、
前記第1方向における前部に設けられて前記アダプタまたはレセプタクルのコネクタ導入口に挿入される光コネクタ部、及び前記第1方向における後部から前記前部に延びており前記アダプタまたはレセプタクルと係合するラッチ部を有するハウジングと、
前記ハウジングの外面上から前記第1方向における前記ハウジングの後方へ延在し、前記第1方向にスライド可能な状態で前記外面に取り付けられたタブと、
を備え、
前記ラッチ部は、前記第1方向と交差する第2方向に延びる部分を有し、
前記タブは、前記第1方向に対して傾斜しており前記部分と接触する斜面を有し、後方へスライドすることにより前記部分を押し下げ、
前記タブ及び前記ハウジングは、互いにスライド可能な状態で係合する機構を有する、光コネクタ。 - 前記機構は、前記ハウジングに形成された前記第1方向に延びるスリットと、前記タブに形成され前記スリットに係合する断面T字状の突起とを含む、請求項1に記載の光コネクタ。
- 前記ハウジングは、前記第1方向と交差する方向から前記タブを挟む狭隘部を有し、
前記タブは、該方向において外向きに突出する一対の突起を有し、
前記突起の前端が前記狭隘部の後端に当接し、
前記突起の後部の表面が前記第1方向に対して傾斜している、請求項1または2に記載の光コネクタ。 - 前記タブは、前記一対の突起の間に形成された前記第1方向に延びるスリットを更に有する、請求項3に記載の光コネクタ。
- 請求項1〜4の何れか一項に記載の光コネクタと、
前記光コネクタ部から延びる光ファイバを含み、前記ハウジングの前記第1方向における後端から後方へ延びる光ファイバケーブルと、
を備える、コネクタ付き光ファイバ。
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